1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月十七日(木曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 大久保武雄君
理事 大竹 太郎君 理事 小島 徹三君
理事 濱田 幸雄君 理事 細迫 兼光君
鍛冶 良作君 唐澤 俊樹君
佐伯 宗義君 中垣 國男君
馬場 元治君 濱野 清吾君
早川 崇君 神近 市子君
山口シヅエ君 横山 利秋君
田中織之進君
出席政府委員
法務政務次官 山本 利壽君
検 事
(大臣官房司法
法制調査部長) 鹽野 宜慶君
委員外の出席者
総理府事務官
(人事局参事
官) 秋吉 良雄君
判 事
(最高裁判所事
務総局総務局
長) 寺田 治郎君
判 事
(最高裁判所事
務総局人事局
長) 矢崎 憲正君
専 門 員 高橋 勝好君
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三月十七日
委員賀屋興宣君辞任につき、その補欠として鍛
冶良作君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員鍛冶良作君辞任につき、その補欠として賀
屋興宣君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内閣提出
第八二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/0
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001・大久保武雄
○大久保委員長 これより会議を開きます。
最高裁判所裁判官退職手当特例法案を議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/1
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002・横山利秋
○横山委員 私は、もう各位もおわかりだと思うのですが、最高裁の点については好意的な立場で善処してきたつもりでありますけれども、この法案についてきょう質問するに先立って種々調査いたしましたところ、この法案についてだけは多大の疑義があり、まことに残念ながら本法案につきましては簡単にはいかぬという決意をいたしたわけであります。
そこで、いろいろな角度からお伺いをしなければなりませんが、あとで大臣が来られたら大臣にも聞こうと思うのですけれども、法案提出の経緯といいますか、最高裁から出される法案はまずどういう経緯をたどって本委員会に提出されるのでありますか。つまり関係機関との調整、関係層との調整、これはどういう経緯をたどってやるのでありますか。まずそれから伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/2
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003・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 最高裁判所及び各裁判所に関係いたします法案につきましては、法務省が司法制度に関する法令の立案ということを所管しておりますので、法案自体は法務省の所管ということになっているわけでございます。そこで法務省のほうで司法制度に関する法律案を積極的に立案するその際に、最高裁判所の御意見を伺って案をまとめていくという手続の場合もございます。あるいはまた、最高裁判所のほうで積極的に何らかの案をお考えになりまして、それを法務省のほうに御連絡になり、法務省で検討した結果、これを法案として国会に提案するというような手続の場合もあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/3
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004・横山利秋
○横山委員 本法案は前者でしたか、後者でしたか。最高裁で立案をされたものか、法務省でまず立案をされたものか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/4
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005・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 この法案につきましては、実はだいぶ以前からこの種の退職手当についての問題を検討いたしておりました次第でございます。最高裁判所におきましても御検討になっておりましたが、同時に、法務省におきましても検討を続けてきたわけでございます。そして両方で協議いたしました結果、案がまとまりましたので、この際国会に提案したという次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/5
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006・横山利秋
○横山委員 あいまいにおっしゃるのですが、あなたが最初分類をされた法案の骨子は、最高裁側でつくったものか、法務省側でつくったものか、どっちなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/6
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007・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 この法案自体は法務省でつくったものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/7
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008・横山利秋
○横山委員 私の聞いているのは、実質的な問題を聞いておるので、形式的な問題を聞いているのじゃないのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/8
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009・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 実質の問題についての御質問ということでございますので、率直に御説明申し上げます。
この問題は、だいぶ前から検討されていた問題であることは先ほど申し上げたとおりでございます。この問題が起こりました——問題と申しますか、こういうような構想の出ましたもとは、最高裁判所のお考えにあったというのが正確であろうかと思います。しかしながら、それは最近法務省のほうに御連絡になったということではないのでございまして、従来から法務省と協議をして、検討を進めてきていた問題であるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/9
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010・横山利秋
○横山委員 根っこは最高裁側にあるということがわかりました。法務省は法案を作成する上において、関係所管のところとの協議はどういうふうになさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/10
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011・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 法案の種類にもよりますが、あるいは大蔵省に関係するもの、あるいはまた総理府の人事局に関係するもの、いろいろ法案の内容によって関係機関がございますので、法案の立案の段階で各関係機関と協議をして案の作成を進める、こういう手続になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/11
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012・横山利秋
○横山委員 私の聞きたいのは、この公平論で、これはあとでいろいろ議論をするわけですが、公平論という意味において実は聞きたかったのであります。人の退職金の上がるのをいかぬと言う者はない。しかしながら、これが上がるならばわれわれも当然上がってもいいではないかという意見は、必ずどこにもあるわけです。そういう層との意見調整は行なわれたのであるかどうか。たとえば検察陣であり、たとえばまた高裁、地裁の裁判官であり、そのほかこれと均衡を失すると思われる階層との連絡調整というものは行なわれたものであるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/12
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013・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 ただいま申し上げましたような経過でこの案ができました関係で、検察側は法務省の管下にございますので、法務省のほうで検察側の意見も大体承知しておりますし、そのような状況のもとに手続を進めたわけでございますが、下級裁判所等の関係は、法務省におきましては直接御連絡はいたしておりません。これは最高裁判所と協議をして案を進めました関係で、特に法務省から下級裁判所に御連絡するというようなことはいたしていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/13
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014・横山利秋
○横山委員 御存じのように検察側並びに下級裁判所の裁判官側のこれらの該当する人たちには、労働組合、職員組合等の組織がないことは当然のことであります。また管理職でありますから、そういうような声をあげることも許されません。許されないから声がないとは私は考えられないのでありますが、あなたは、検察側は法務省の管下であると言いますが、検察側に十分に話をし、十分にその了解を得ておると思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/14
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015・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 この案につきましては、検察側も了解しておるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/15
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016・横山利秋
○横山委員 私はあなたのことばを信頼しないわけではありませんが、その了解をするまでにどういう経緯があったか、差しつかえがなかったら聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/16
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017・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 法務省の部内のことでございますので、何かの機会に意見を聞くという手続でございまして、それ以上のことは御説明申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/17
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018・横山利秋
○横山委員 政務次官にお伺いをしたいのでありますが、法制調査部長はこれ以上は答えられないと言うのです。私は、どう考えても、それは納得するはずがないと思う。私は検察陣というものを政府委員にしてくれということをしばしば要求したのでありますが、政府側はお断わりなさいました。全責任は、国会における答弁は法務省側がやるから了承してくれというわけであります。しかしながら、私は、検察陣に対して、個々の問題について具体的に本委員会で質問をするという意味では必ずしもなかった。しかし、そういうことが通俗的には好ましいことではないという意見でありますが、そのことなら最高裁だって同じことだと思うのであります。そこで、検察陣が本委員会に政府委員として出られるようにという希望を私はいまもなお変えないのでありますけれども、本件に関しまして最高裁の裁判官の退職金が一挙に、俗に言えば六・五倍でありますが、積算をいたしますと、たいへんな上がり方をする。検察陣はそれに対して、ああそうですか、それはけっこうなことですねとだけ言っておるはずがない。その点についてあなたは検察陣のいまの心理状態なり、あるいは本法案に対する見解なり、そういうものはお確かめになりましたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/18
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019・山本利壽
○山本(利)政府委員 私自身がその点を確かめたということはございませんけれども、こういう法案が出るということは、各方面にわかっておることでございますし、それからこの法案の性質というものは、最高裁判所の裁判官というものを任命する場合の特別な処置でありまして、キャリアによって順次上がっていくというような性格のものでございません。ことに最高裁判所の裁判官には弁護士等からも任命されるいままでの慣例になっておりますので、特別の処置が必要だという観点もございまして、いまの検察官の場合とは非常に差がございますので、この法案の出ることにつきまして、検察側で非常な反発があるとか、あるいはそれに対する遺憾の意が表明されておるというようなことはないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/19
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020・横山利秋
○横山委員 ないと考えるとおっしゃるんだけれども、鳴かぬホタルが身をこがすということがあります。もしもこれで労働組合がかりにあったとすれば、そんなことはあり得ないことだけれども、組合がなくても、検察陣が昼めし食べておれば、おい、えらいことだぞ、向こうはなあって話題の中心になることは、当然容易に想像されることです。法務省管下というものは、下意上達よりも上意下達の機能というものが仕事の性質上強いと私は思うのでありますが、検察陣がこれで了承しているかどうかということについては、政務次官としてほんとうに責任を持って、鳴かぬホタルが身をこがすと察しながらも、しかしほんとうにいいとお考えでしょうか。最高裁の裁判官は退職金がどかんと、もののみごとに上がる。検察陣の最高検察庁の長官でも、その辺のことはほうりっぱなしということで、ほんとうに納得させられるとあなたはお考えでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/20
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021・山本利壽
○山本(利)政府委員 法務省側と検察当局とは、いろいろな点において常日ごろから折衝が非常に多いわけでございますから、もしそういったような、この法案そのものに対しての不平、不満というようなことがございましたら、形式張った抗議といったようなことでなくて、その声はよく、私的にと申しますか、いろいろな機会を通じて、私は当然法務省側へも伝わってき、その点についても法務省側は軽視することのないようにいろいろ考慮すると思いますけれども、この法案に関する限り——この意味は、別に検察官の退職手当その他に対して現在のままでよいとか悪いとか、多いとか少ないとかいう問題ではございませんが、この法案に関する限りにおいては、検察官の待遇とからませて法案をつくるというような処置に出ることは、これはまことに困難なことであると考えるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/21
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022・横山利秋
○横山委員 それは私は詭弁だと思うのです。この法案は別に検察官の退職金を上げろとも上げるなともいっていない。そんなことはだれだってわかっておる。しかし、あなたのことばを聞くと、いかにもここだけ上げる当然の理由があり、そうして検察官は上げるべき理由がない。そのアンバランスというか、法務省側でいえば正当なバランスに戻ったということになるかもしれませんが、私どもでいえばアンバランスということだ。このアンバランスが妥当であるという意見であるかということなんですよ。あなたはこの法律を通すのあまり、かえってうしろに下がって、将来非常な支障を及ぼすようなことをいまなさろうとしているのではあるまいか。もしもあなたが、いや、そのうちに検察官の退職金も上げたいと思いますと言うならばまだしも、この私どもの言うアンバランスが妥当なものだという理論に立っておるとするならば、私は検察官の諸君の意見をどうしても聞かなければならぬ。どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/22
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023・山本利壽
○山本(利)政府委員 誤解のないようにお願いしたいのでございますが、私は、検察官の退職金に関する額が現在のままでよい、最高裁判所の裁判官に対する手当とこれこれの差額があってよいとか悪いとかいうことは、一つも申し述べるつもりはございません。この法案に関する限りにおいては、この法案を通していただくことをわれわれは切望するわけでございまして、検察官の場合とは別個なことでございますから、将来いろいろな観点から研究いたしまして、皆さま方にその審議をお願いすることがあるいはあるかもわかりませんけれども、現在の私の立場といたしましては、これは検察官のほうが低いから、必ずそれに対してまた別個な法案を提出いたしますというふうにとられることばを申し上げることは、私、非常に困難であると考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/23
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024・横山利秋
○横山委員 それではこの法案の基礎になっておる臨時司法制度調査会の愚見書を念のために朗読しますが、「問題の所在」のところでも、ほかのところでもずいぶん出てまいりますけれども、「裁判官の給与は、その職務と責任の見地から考えるほか、司法の独立を担保するという目的からもあわせ考慮されるべきものであり、その意味においては、裁判官の給与制度は、司法制度の一環をなすものである。一方、検察官については、その職責が司法の重要な一翼をになうものであり、その任用資格も原則として裁判官と同一であることから、裁判官に準ずるものとされて来た。そこで、以下給与制度の問題の所在を説明するに当たっては、裁判官を中心として述べることとするが、検察官についても、おおむねこれに準ずる趣旨である。」こういう趣旨がずっとどこにも出ておるのですよ。だからあなたがいまは裁判官だけ上げる、そういう裁判官だけ上げるという理由がない。この法案の基礎となっておる臨時司法制度調査会の意見書は、すべて検察官もこれに準ぜよと書いてある。準ぜよということは、われわれが法律解釈をするならば、大体同一だ、八〇%でいい、七〇%でいいということではないと思っておる、準ずるということは。いわんやゼロなんて言語道断だと思っておる。あなたは問題の整理の仕方として、これとこれとは切り離して処理をするということらしいが、切り離すというものの考え方の基礎は、検察官についてもおおむねこれに準ずる趣旨であるという基盤に立っておるかどうか、どういうことなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/24
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025・山本利壽
○山本(利)政府委員 それは一番最初に御答弁申し上げたように、最高裁判所の裁判官の任命ということと、検察官の任命ということとに違いがあるわけでございまして、やはりこの際裁判官の退職手当の増額ということをこの法案でお願いしておるわけでございますから、これが成立しました場合に、これに準ずるということであらためて検察官の処遇ということが考えられるかもわかりませんけれども、(横山委員「かもとは何ですか」と呼ぶ)それは将来のことでありますから、私は、ここで必ず提出いたしますというようなことは、いま申し上げかねるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/25
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026・横山利秋
○横山委員 ますます奇怪な話だ。そうすると、この法案はこの調査意見書とは関係なく出されておると認めていいのですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/26
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027・山本利壽
○山本(利)政府委員 私は、関係があって、この裁判官というものは非常に重要な職責であるから、それに対する待遇は十分考えるようにという、いままで調査会あるいは審議会等の意見があると思うのでございます。それによってこの法案を提出したわけでございますから、関係がないことはございません。
それで、ただ私が申し上げますのは、いまの検察官の場合——検察官の処遇について非常に御理解のある、同情のある御発言をいただくことは、私は非常にありがたいと思いますけれども、直ちにこの場合において同額にするとか、それに似た法案を提出するとかということを私から申し上げかねる段階であるということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/27
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028・横山利秋
○横山委員 そういう考え方がいかぬと言っているのです。私は検察官に理解も同情も持っているわけじゃないのです。けれども、公平という立場から論ずる。同時に、この司法制度調査会の意見書に法案の基礎があるならば、意見書はなぜ尊重されないかという立場から論じている。そうですよ。あなたはこの意見書に基礎を置いていると言うが、その意見書には、「検察官についても、おおむねこれに準ずる趣旨である。」と書いてある。けれども、あなたはこれはこれで上げてくれ、検察官については上げるか、上げぬか言えぬ、——そんなことじゃこの公平論は成り立たないし、この意見書の趣旨も尊重していることにならないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/28
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029・山本利壽
○山本(利)政府委員 繰り返しますように、私はどちらも優遇されることを希望いたしますけれども、今度の法案を提出いたしましたのは、最高裁判所の裁判官というものの任命の形式が全く違う。いまの検察官の場合と同時にこれを計らうことが、その手続に及んでいなかったということを申し上げるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/29
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030・横山利秋
○横山委員 この意見書に、任命の形式が違うから、特に最高裁の裁判官だけ上げろとどこに書いてありますか。任命の形式というものは、あなたのほうがかってにつくっている理論であって、この意見書の骨子を流れるものは、裁判官も検察官もおおむね同一に準ぜよということが書いてある。しかも、あなたがあくまでこの意見書に中心を置くというなら、また議論はどんどん発展していきますけれども、それはその次の段階で言います。任命の形式、任命の形式と言っていらっしゃるけれども、任命の形式が違うから裁判官と検察官と給与の違いがあってよろしいというのは、どこにも書いてありませんよ。どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/30
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031・山本利壽
○山本(利)政府委員 法案を作成したり、この国会で御審議を願うのは、そういった意見書というものを参考にして取り計らうわけでございまして、その意見書にも、必ずこれこれの法案を提出せよとは書いてないわけでございますから、十分その御趣旨をくみとって、当局においては最善を尽くしながら進んでいこう、こういうわけでございますから、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/31
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032・横山利秋
○横山委員 了承できません。私もこの法案に、あなたの言うように、こういう法案を出すということが書いてあるとは言わない。この意見書の骨子となっている給与の考え方は、検察官についても、おおむねこれに準ずる趣旨ということは、あらゆるところに出ているじゃないかと言っている。根本趣旨を曲げようとしているじゃないかと言っている。この根本趣旨というものをあなたのほうは曲げて、この中からあれやこれや解釈をして、最高裁の裁判官という問題だけをいま提起している。私は、それをやってはいかぬとは必ずしも言わない。それならば、検察官について、なぜおおむねこれに準ずる趣旨をとらないか、処置をとらないか。あなた方は検察官の意向を聞いたとおっしゃる。ほんとうに検察官が、最高裁の裁判官だけ上げるならけっこうでございます。私どもはいいです、——口先だけでなく、腹の中でほんとうにそう思っておると、あなたはほんとうに信用していらっしゃるのですか。どうなんです。次官に聞いていますよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/32
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033・山本利壽
○山本(利)政府委員 いままでのいきさつの関係に関しましては、係官からかわって答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/33
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034・横山利秋
○横山委員 判断の問題じゃないですか。ちょっと待ってくださいよ。判断の問題ですよ。経過を聞いているのじゃない。政務次官として、検察官がほんとうにこの法案について、私たちはどうでもいいと思っておるとあなたは思っておるかと聞いている。あなたの政治的判断の問題ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/34
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035・山本利壽
○山本(利)政府委員 われわれのいままで関知しておりますところでは、この問題に関する限りにおいては不平はないと私が考えたわけでございます。だから、今度は、この裁判官の処遇がきまりましてから後に、さらに検察官に対する処遇は考えられるかもわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/35
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036・横山利秋
○横山委員 わかりませんではいかぬ。あなたがそこまで率直におっしゃるなら、なぜやりますと言わないんですか。検察官の退職金もこの意見書の趣旨に沿うてやりますと、なぜ言えないんですか。それを言うのはあたりまえのことじゃないですか。なぜそれが言えないのです。あなたは初めのうちは語調も強く、これが終わったら検察官もと言うから、みんなが、そうか、それじゃ政務次官はやるつもりだなと思っていたら、やるかもわかりません、——それじゃ、最初のことばは何にもなりません。大体考えてもみてくださいよ。検事と裁判官と弁護士と三位一体となっておる。それぞれの任務がある。そして愚見書では、検察官も同一であるから裁判官に準ずるものとされてきた。したがって、これからは「裁判官を中心として述べることとするが、検察官についても、おおむねこれに準ずる趣旨」と書いてある。書いてあるならなぜそれをやらぬか、きょうやらなければあしたやるとなぜ約束ができないのか、それを私は言っているんじゃありませんか。それをやるような顔をしておいて、最後の議事録には、やるかもわからぬ、——そんなことでは答弁になりませんよ。やらぬならやらぬとはっきりおっしゃい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/36
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037・山本利壽
○山本(利)政府委員 そういうことはよく検討しなければわからないことでございます。(横山委員「書いてある、わからないことはない」と呼ぶ)それは意見書であります。その意見書についてどの程度ついていけるかということは、私個人としては、あなたのおっしゃるお気持ちと私は変わったことはないと思いますけれども、役所として必ず次にやります、——そうしたら、あのときに必ずやると言ったのに、いつやるか、出さないかということになりますから、それで現在の私の立場上、これは将来の問題であると申し上げるだけのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/37
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038・横山利秋
○横山委員 私は、政務次官の答弁に納得しません。本件につきましては、この意見書に沿うた、検察官についても、おおむねこれに準ずる趣旨をとるかとらないか、第一のこの問題を解決しない限り、私は本法案の通過に賛成ができません。これは政府においては、本問題について政府の統一見解をひとつ出してもらう。やるかやらぬかわからぬなんてばかなことを言われて、それで納得してくれといっても、私どもは納得できません。これが第一点。
第二番目の問題として、それでは法案作成の手続の中で、最高裁は、下級裁判所、高等裁判所並びに地方裁判所の裁判官の処遇についてはどう考えるか、それをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/38
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039・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 先ほどから御質疑もございましたが、横山委員に現在の最高裁判所の制度ということを御説明申し上げる必要もございませんので、省略いたしまして、全く事実関係について申し上げたいと存じます。
高等裁判所、地方裁判所判事全部が、最高裁判所の裁判官がきわめてすぐれた人であってほしいという希望、さっき横山委員が御発言になりましたいわゆる三位一体をもって最高裁判所の裁判官の構成がなされなければならないという点については、非常に強く希望をいたしておるところでございます。実際の現実の裁判所の構成といたしましても、現在学識経験者が六名、その中には最高検察庁の次長検事からお見えになった方もございますし、また高等検察庁の検事長からお見えになった方ももちろん含まれているわけでございます。学者からお見えになった方ももちろんあるわけでございます。これらの学識経験者が六名、弁護士会からおいでになった方が四名、それから裁判所から入った者が五名というようなかっこうでいわれておるわけでございます。下級審の全裁判官が、最高裁判所の裁判官はわれわれの非常に尊敬できる、そして非常に学識経験があって、法律知識に豊かな方をもって構成されてほしい、これは全裁判官の希望するところでございます。現実の問題といたしまして、最高裁判所では、長官所長会同ないし長官事務打ち合わせというものを年に合計いたしまして三回ないし四回いたしておるわけでございます。今度の退職手当の特例につきましては、この長官所長会同でも話し合いが出ましたし、また長官事務打ち合わせ、これは昨年たしか三回やったと思いますが、そのつどこの話が出ておりまして、何とかそういう特例法案が成立されてほしいものだ、それによってやはりいい方が最高裁に集まっていただきたいという一致した希望がございまして、われわれの裁判所の内部といたしましては、最高裁判所の裁判官にこの特例による退職手当が出るということについては全体が賛成いたしておるのが現実の実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/39
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040・横山利秋
○横山委員 私は最高裁判所の裁判官を何か神聖化し、そしてもうこの世の中で一番りっぱな人々が集まっておるというふうに考えるのは、この際避けたいと思うのです。それはそういう仕組みで人物識見ともにりっぱな人を集められたというふうに私は期待したいのでありますが、しょせんしかし人間であります。なかなかこの最高裁判所の裁判官のあり方について、歯にきれを着せずに議論をする機会がありませんから、遠慮なくこの際申し上げたほうが私はいいと思います、そのことが最高裁判所の裁判官の皆さんに他山の一石になることを希望するがゆえに。あなたの言うように世の中で最もりっぱな人が集まって、最もりっぱな仕事をしておって、もうほんとうに神さまみたいな人だというような言い方は、私は納得しません。同時にあなたのおっしゃるように、下級裁判所の裁判官なら裁判官が、それはけっこうなことでございますと言う真意というものがどういうものであるかということを私が想像をしてみますときに、下級裁判所の裁判官一同諸君も結局今日の裁判官の給与なりあるいはその他の処遇について共通したものを考える。つまり裁判官の職務をするのにふさわしい給与条件にないということ、そして非常に多忙であり煩瑣であるということ、そういう共通の基盤があるからこそそういうことも言えたと思うのです。ひるがえって言うならば、その人々自身も実は、最高裁判所のことを言えば、だれかがおれたちのことも言ってくれるという期待感が潜在していることは私は当然だと思う。したがいまして、最高裁判所の裁判官だけが退職金が乏しいがゆえに有能な人が集まらないという立論があるようでありますが、そんなら、下級裁判所の裁判官の退職金はきわめて妥当であって、有能な人が続々集まっておる状況であるか、どうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/40
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041・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 私先ほど申し上げた中で、退職金が高ければ有能な方が集まるというような趣旨だけにお聞き取りいただくと、これは私の表現のしかたが非常にまずかったと思うわけでございます。現在の最高裁判所の裁判官のお仕事を見ておりますと、六十以上七十に近いお方たちが、これは部屋に伺うとわかるのでございますけれども、机の上に記録を三尺も四尺も積んで、その記録に一々目を通して、十分に読んで、そしてそれに基づいて合議をし、いろいろと考え、考えて、苦しんで、判決をしておられる。それが下級裁判所の裁判官から見ますと、ずっと年配のお方で、しかも法律的経験も豊かなお方たちがやっておられるわけでございまして、そういうお方に対してはやはりできるだけ退職手当を十分差し上げて、退職後も最高裁判所の裁判官にふさわしいような生活がおできになるよう、そういった点の若干の考え、考慮があってよろしいのじゃないかという考えは、やはり下級裁判所の裁判官全体が持っている考え方でございます。もとより下級裁判所の裁判官につきまして、その報酬体系ができるだけいまよりもよくなるよう、これは全部の裁判官の希望しておるところでございますし、またわれわれもぜひともよくありたいという点については十分協力しなければならないというように感じておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/41
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042・横山利秋
○横山委員 そうしますと、退職金が少ないから集まらないわけではない。また、あなたはおっしゃいませんでしたけれども、生活に困っているから裁判官が集まらないわけではない。要するに、あなたのことばを端的に表現すれば、一生懸命老人がやっていらっしゃるからお気の毒だから、それにふさわしい退職金制度をとりたいというところらしい。そうですね。ことばじりをつかまえるわけではありませんが、いま一番この経済情勢の中で物価高に苦しんでおる、何はともあれ生活をしなければならぬ、何はともあれ女房子供を養っていかなければならぬということが、私は最も優先しておると思ったら、別に生活に困っているわけじゃない、その労働環境にふさわしい老後の生活を送ってもらいたいからだ、そういうことらしいですね。それじゃ私はちっとも切実感がない。積極的に退職金を増額しなければならぬという積極的な必要性というものがない。それはだれだって一生懸命にこの世の中で働いています。歯にきれを着せずに言うならば、最高裁判所の裁判官がちゃんとおうちをもらって、書記官、秘書、部屋をもらって、仕事は調査官が全部をやって、それに目を通してここはあかぬ、ここはあかぬと言われるだけで、とは言いませんよ。そういう話が一部にありますよと言うのです。だから私は、もしも生活に困るとか、あるいはほんとうに退職金が少なくて集まらぬとかいうならばまだ切実感もあろうけれども、ひとつふさわしい退職金をやってくれというならば、もっと優先になさるべきことがありはぜぬか、下級裁判所の職員はそれじゃ五十五になって——最高裁の裁判官はお幾つでおやめになるかわからぬけれども、少なくとも五十五でおやめになる人はないですよ。五十五でやめて、また子供のために働かなければならぬというような人が裁判所職員の中には幾らもあるわけですね。それらの退職金をほうっておいていいのですか。それらの老後の生活保障は考えぬでもいいのですか。やめてから食うに困ることを、まず最初に考えなくてもいいのですか。一体退職金というものはどういうものだとあなたはお考えですか。わが国における退職金の理論というのは、こういう理由で退職金を支給しておるのか、その理論的根拠、退職金の定義を聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/42
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043・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 これは法務省のほうでお答えになる問題と存じますが、最高裁判所の裁判官の関係だけについて申し上げてみたいと思います。
先ほど来私の申し上げておりますことは、要するに最高裁判所の裁判官にできるだけいい方がおいでになっていただきたいということと、そして最高裁判所へ相当の年配を経ていらっしゃったその功績に対してお報い申し上げたいという二つの面から実は申し上げていたわけでございます。
それで、先ほど来最高裁の裁判官が、調査官がやったことをそのままするような仕事ではないかというようなうわさもないわけではないというようなお話があったわけでございますが、それは決してそういうわけじゃないのでございまして、調査官はなるほど事件について調査いたしますが、その調査はやはりその事件についての従来の判例、下級審の判決例、それから学説、また必要によりましては諸外国のそれに関する判例、ないし学説等について、十分な調査をいたしまして、その調査の結果を文書にしたためまして資料として提出いたすわけでございます。したがいまして、その判決の草案を書くとか、あるいはまたその内容について特に意見を述べるというようなものではございませんので、ほんとうに最高裁判所裁判官が、全く独自の立場におかれてその豊富な経験と法律知識によって裁判をしておられるわけでございます。いわゆる調査官判決というようなことは、われわれ見ております実務ではほんとうに絶無と申し上げて差しつかえないと思うのでございます。どうぞこの点誤解のないように御了承願いたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/43
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044・横山利秋
○横山委員 まだ答弁が一つ抜けています。退職金は、最高裁としてはどういう理由によって支給されるとお考えになっておるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/44
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045・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 今回の最高裁判所の裁判官に対する退職手当の特色と申しますのは、やはり功績報償的な色彩が非常に強いのではなかろうかと考えられるわけでございます。また下級審の裁判官の退職手当につきましては、一般の官吏の例と同様でございまして、要するに長期勤続の、つとめたということに対する功績報償という色彩が非常に強い法律のたてまえになっている、こういうように理解いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/45
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046・横山利秋
○横山委員 総理府からお見えになったのですが、その点あわせて、わが国における退職金は、いかなる理由で法律において支給されておるかを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/46
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047・秋吉良雄
○秋吉説明員 お答えいたします。
退職金が法律立法事項になっているかどうかという御質問だと思いますが、御承知のように退職手当法というのがございまして、戦後法律として今日まで運用されておるわけでございます。これは法律でございますが、やはり勤務条件のうちで相当の高い重要度のものでございまして、給与と並び称せられる程度の高い、非常に重要な勤務条件の一つでございます。したがいまして、この国家公務員の退職の際の退職金につきましては、やはり給与法定主義とまではいかないにいたしましても、法律といたしまして国会の審議を仰いで退職金を支給することが望ましいという趣旨からいたしまして、退職手当法というもので規定されておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/47
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048・横山利秋
○横山委員 そういうことを聞いているのじゃないのですよ。法律で支給される退職金が、どういう理由から支給されることになっておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/48
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049・秋吉良雄
○秋吉説明員 失礼いたしました。退職手当の性格の基本論の御指摘かと思いますが、それにつきましては先生御承知のようにいろいろな説があると私ども承知いたしております。一つは給与あと払い性という性格と申しますか、そういう説がございます。それからもう一つは老後の生活保障といいますか、そういう観点からいたしますと、社会保障的な生活保障という説もございます。それからもう一つの説といたしまして勤続報償ないしは功績報償と申しますか、そういった勤続報償、国家公務員としての勤務に対する報償という勤続報償説、大体この三つの説に集約されると思いますが、現在のところどの説によって運用されておるかと申しますと、御案内のように勤続報償説によって退職手当法はつくられておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/49
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050・横山利秋
○横山委員 そうしますと、いま最高裁で御答弁になりましたこの法案にある功績報償的な性格というものは、現在の退職金の法律にはそういう理由はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/50
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051・秋吉良雄
○秋吉説明員 勤続報償、功績報償というのでございますが、全く功績報償の要素がないとは申しませんけれども、現在の法律の体系の中では、どちらかと申しますと勤続年数が長ければ、その長いのに応じまして退職金率が高くなるという勤続報償のほうにウエートがかかっておるようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/51
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052・横山利秋
○横山委員 お話によれば勤続報償に中心があり、そのほかの理由としては老後の生活保障ないしは給与のあと払いという感覚が法律の中にあると思われる、そして功績報償的な性格はほとんどないと思われる、こういう見解でございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/52
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053・秋吉良雄
○秋吉説明員 先ほど申し上げましたようにいろいろの説がございますが、現在の退職手当法といたしましては、もちろん生活保障とかそういった点も全く度外視してはおりませんものの、現在の退職手当法の根幹をなすものは、勤続報償というところに主眼が置かれてできております。そこで、御指摘の功績報償という点については、現在の法体系の中にはそれが薄いというわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/53
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054・横山利秋
○横山委員 にもかかわらず、最高裁が今度裁判官に対して功績報償的な退職金をここに立案したということについては、これは総理府には協議事項でございますか、ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/54
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055・秋吉良雄
○秋吉説明員 もちろん協議事項でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/55
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056・横山利秋
○横山委員 それについてあなたのほうはどういう見解を示しましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/56
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057・秋吉良雄
○秋吉説明員 現在の退職手当法の中で、御指摘のように勤続報償に非常にウエートが置かれておるということになっております。しかしながらやはり国家に対して勤務したことに対する報償という点からいたしますと、勤続報償のみで割り切るわけにもいかない。やはり最高裁の裁判官としての短期勤務に対する勤続報償でありますから、最高裁の裁判官の場合には、特に弁護士出身の裁判官の場合には、常識的に考えましてもどうも退職金の額は少ないという実態でございます。したがいまして、やはり最高裁の裁判官の方々についての勤続報償というより功績報償という面は、十分注目しなければならないという観点に立ちまして最高裁のお話を承り、私どももそのように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/57
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058・横山利秋
○横山委員 私が先ほど議論をしておりましたのは最高裁の裁判官、つまり裁判官と検察官とは同一の性格において論ずべきである。しかも臨時司法制度調査会の意見書にも、明確に、随所にあらわれておる。本委員会におきまして、常に検察官と裁判官との給与の均衡、あるいは全然同じでたくても常にそれとにらみあわせて審議をするという習慣がある。しかるに今回この意見書にも同一の、おおむねこれに準ずるという根幹になっており、かつはまた本委員会の従来のあれからいいまして、もしも最高裁の裁判官の退職手当をアップするのであるならば、当然検察官においても議論がさるべきである、またそれによって必要な改善が当然さるべきである、最高裁の裁判官だけが改善をさるべき積極的な理由は乏しいのではないのか、それは法務省並びに最高裁の一応の答弁に上れば、任用の方法が違うということになっております。任用の方法が違うならば、これは給与においても違うのが普通ではないか、給与はおおむねバランスをとって類似にきめてきておる。なぜ一体退職金だけがこのバランスをくずすべき積極的な理由があるか、意見書は明らかにおおむね同一の水準とうたっているではないかという点について、あなたのほうの所管になるか責任になるかどうかわかりませんが、あなたのほうが御相談を受けたときにこの問題は議論になりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/58
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059・秋吉良雄
○秋吉説明員 第一義的には法務省から御答弁したほうが似つかわしいかと思いますが、私なりに御答弁させていただきますと、この御指摘のような問題は、私どもは事務的に多々あることは承知しております。またそのようにも一面は考えられる面もあると思います。御指摘のように、給与の面につきましては、裁判官報酬と検察官俸給というのはほぼ類似した形になっておるのは御指摘のとおりであります。そこで退職金についてセパレートする理由でございますが、また私どもは裁判所なりあるいは法務省から御意見を承りました際の立論の仮定といたしまして、やはり最高裁の裁判官については検察官の分野と違い、また下級裁判所の分野と違って、そこには最高裁としての特殊のファンクション、特に憲法機関としての最高裁の裁判官の機能というのは、その重要性、これは十分注目しなければならないという一点は強調されました。
それからもう一点は、やはり最高裁の裁判官の方々の中の相当数の方々は民間からお入りになって、しかも短期でおやめになるという、これは任用の実態というのが検察官とは非常に違ってくるという問題がございます。その他いろいろな点を勘案いたしまして、もし検察官までということになりますと、たとえて申しますと、同じ検事総長の三十万円、それからそのほかのいろいろな方々、国務大臣の三十万円も同じじゃないか、いろいろの議論になってまいります。それはそれといたしましても、先生の御指摘のように検察官と裁判官は非常に類似性のあることは御指摘のとおりでありますが、しかしそれがやはり同じ特別職あるいは一般職の中でも最高裁の裁判官という特殊の地位に着目いたしまして、今回の措置をとった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/59
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060・横山利秋
○横山委員 わかったようなわからぬような御答弁で、あなたの御意見がちっとも入っておらぬ、そういうことらしいということなので、これはあなたの意見も率直に開陳をしていただくことができないようでありますから、あわせてお伺いをするのですけれども、いまの国家公務員の退職金規定の最近の改正はいつでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/60
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061・秋吉良雄
○秋吉説明員 小幅な改正はもちろんございますが、先生御案内のように大幅改正は三十四年だったと思います。これは御指摘のように、国家公務員共済組合法ができましたその際に大幅改正をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/61
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062・横山利秋
○横山委員 たしかあのときは私も大蔵委員会で担当をいたしまして、改正年金の問題とあわせて議論をした経験がございますが、三十四年から今日までに大体政府の統計を見ましても、三十五年を一〇〇といたしますと、四十年は大体一五〇に物価が上がっておることは御存じのとおりであります。一四七でありますか……。三十四年にきまりました国家公務員の退職金規定が、もう物価その他の条件からいって改定すべきときであると考えられますが、担当者としてどうお考えになられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/62
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063・秋吉良雄
○秋吉説明員 御指摘のようないろいろな問題があろうかと思います。今回退職手当の所管が大蔵省から総理府の人事局に移管されまして、それを機会というのははなはだ失礼かもしれませんが、虚心たんかいにいろいろ検討してまいりたいと思っております。つきましては、何と申しましても先生御指摘のように、退職年金との関係が常に問題になります。御承知のように、厚生年金と共済年金との関係から申しますと、やはり公務員が制度的に優遇されておる関係もございますが、ともかく一番のよりどころというものは、民間の退職金はどうなっておるかということも、私ども一つのささえとして十分注視しなくてはならぬ問題であります。そういった点もあわせまして、虚心たんかいに十分ひとつ鋭意検討を続けてまいりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/63
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064・横山利秋
○横山委員 念のためにあなたに申し上げておきたいのでありますが、今回相続税の基礎控除が、たしか五百万円までが無税だったのが今回の法律で一千万円までが無税になったのですね。あなたは退職金の税金に一応関係がないセクションではあるけれども、しかし相続税が一千万円まで無税になるとするならば、退職金は当然これに匹敵して税金が下がるべきだ、私はこう思っておる一人であります。私どもの考えからいうならば、相続税というものは一生涯働いてその人が死んだ、死んだあとに妻子がどういうふうに生活するかというやや人情論的なものから出ておる、しかし退職金の問題はそうではなくして、その人が一定期間働いて、それからまた今日の状況では新しい仕事に転進をしなければならない、晴耕雨読はなかなかできない今日においては、それをかたにして、それでは生活できないから、さらに仕事をしてでもやっていかなければならないという生活でありますから、むしろ相続税の減税よりも退職金の減税のほうが優先すべきではないかと思っておるわけであります。それは大蔵委員会におきまして累次議論をし尽くしておるわけでありますが、しかしそれは退職金の減税の部面であります。退職金の額をふやすという意味においては、私はこの一般論については賛成なんであります。ですから、最高裁の裁判官の退職金をふやすこと自身については決して私はいかぬというわけではない、問題は公平論なんであります。なぜ一体検察官だけが捨ておかれていいものか。三十四年以来物価が五割も上がっているのですから、退職金の値打ちも半分に下落しておるわけです。そういうときになぜ国家公務員の退職金が放置されてよいものか、そういう均衡論からいっておるのです。先ほど法務省や最高裁の諸君の話を聞きますと、検察陣はこれで納得しておるとかあるいは地方裁判所の裁判官はこれで納得しておる、こう言うのです。けれども、労働組合があればそんなことほっておきません。労働組合がない上意下達の機能の強いところだから、鳴かぬホタルが身を焦がすということがどうしてわからないのかというて、繰り返し言うておるのです。あなたも退職金の所管の方だったら、私は二つの点について注意をし、最善の努力をしてもらわなければならぬ。
一つはいま言った均衡論であります。六・五倍、他に比較するならばまさにべらぼうもない増額、これだけのべらぼうもない増額が——率直に言うけれども、生活に困っているわけじゃない。退職金が少ないから裁判官になり手がないわけではない。要するにそれは先ほどのお話によれば、功績の報償であるという。功績の報償ということにそれほど緊急性があるかということを私は言うておるわけです。したがいまして、もしもこの最高裁判所の裁判官の退職金をかくも増額をするものであるならば、退職金の所管であるあなたのほうが、他の問題について一言なかるべからざるところではなかろうか、そしてそれについて提案か何か当然アドバルーンが上がってしかるべきところではなかろうか、これが第一であります。
第二番目には、ここで退職金の性格が変わるということ。この退職金の性格は、最高裁判所の裁判官であるからとあなたは前提をしていられるようだ。しかし、この理論がもし退職金の中へ、少なくともこの功績報償が理論的に認められるというのであるならば、何も最高裁判所の裁判官ばかりじゃないという議論もあり得る。そうでしょう。そうだとするならば、このわが国の退職金の理論の中にほとんどなかった功績報償の理論がここに導入されるということは、理論的にはきわめて私は重大なことだと思う。私どもはあなたのおっしゃるように、勤続報償といいますか、勤続報償という意味は、少なくともその背後に給与のあと払いという意味があり、そして長らくつとめた人が多いということは、要するに老後の生活保障という意味、つまり生活につながっておる退職金という性格がきわめてわが国は強いと思っております。よその国に退職金はない。わが国にあるのは、そういう理屈があるからこそ、わが国にそれだけの存在する独自の必要性がある。しかし、いまここに功績報償という理論がかりに出るならば、わが国の退職金制度及び計算のあり方について非常な変革が起きる。もしもこれを一般の退職金の中へ導入するようなことになるならば、ごうごうたる反撃や反対が私はわき上がると思う。最高裁判所の裁判官だけにといっても、理論的には、裁判官だけにという理論は私は当てはまらないと思う。
この二点について、ひとつあなたの見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/64
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065・秋吉良雄
○秋吉説明員 やはり現在のたてまえは勤続報償をたてまえとして運営されておるし、ただその勤続報償が強調されておるために、最高裁判所の裁判官の功績報償がどうしてもうまくいかないという点をカバーする意味で、今回の措置をとったわけであります。やはりあくまでも根幹は、現在の姿は勤続報償であると思います。
それから、税の均衡論のお話がございましたが、御指摘の点、担当部局にお話をいたしまして、私どもも検討をさせていただきたいと思います。
それから、全体の均衡論のお話がございましたが、私ども、均衡の問題については、御注意されるまでもなく十分配意しなくてはならない問題でございますが、今後民間等もいろいろ検討いたしまして、虚心たんかいに退職手当の問題に取り組んでまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/65
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066・横山利秋
○横山委員 その次の問題として、私はこの臨時司法制度調査会の意見書をもうつぶさに見たのですが、「第七章 裁判官及び検察官の給与」、ずっと精読をいたしますと、「給与制度の改善合理化」、第二に「退職手当及び退職年金制度の改善」として二つのことをあげている。一つは、「弁護士から裁判官(最高裁判所の裁判官を含む。)又は検察官となった者が退職した場合に支給する手当について何らかの優遇措置を講ずることを考慮すること。」第二、「弁護士から裁判官(最高裁判所の裁判官を含む。)又は検察官となり、一定期間在職した後退職した者についての共済組合年金制度の特例を設ける等の措置を講ずることを考慮すること。」まさに結論としてはこの二点にしかすぎない。問題の所在その他についてはいろいろなことが書いてあるけれども、ここでこの意見書の結語ともいうべき点は、まさにこの二点に要約されておる。この二点はすべて弁護士から裁判官になる、その裁判官というのは「最高裁判所の裁判官を含む。」でありますから、普遍的裁判官である。下級裁判所の裁判官を中心として「最高裁判所の裁判官を含む。」である。この書き方というものは、決して最高裁判所の裁判官を中心にしたのではないわけであります。一般の裁判官であることに対して……。第二番目には、最も中心をなすのは、弁護士から裁判官になった者、弁護士から検察官になった者、こういう在野の弁護士が裁判官になったときに損するよ、これを何とかしろと書いてあるだけである。現在の国家公務員から裁判官になった者についての退職金について特筆大書したるところはないのです。この意見書の趣旨は一体どうなんですか。ここが中心であるにかかわらず、出てきたものは、ネコもしゃくしもだ。そう言っちゃ悪いけれども、まさにネコもしゃくしも、とにかく最高裁判所の裁判官の待遇を改善する。ひどいじゃないですか。こういうような結論をうまいことまるめてだんごにして、そうしてずっと出したというひきょうのそしりを免れない、そう考えるが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/66
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067・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 ただいま御指摘のとおり、臨時司法制度調査会におきましては、この意見のうちに、弁護士から裁判官あるいは検察官になった者についての退職金あるいは退職年金について特別の配慮をするようにという意見が出されているわけでございます。ところで、今回の最高裁判所裁判官の退職手当の特例法は先ほどからるる申し上げておりますとおり、最高裁判所の裁判官の地位の重要性なり特殊性なわ、あるいはまたその任用の実情というところから見て、最高裁判所の裁判官につきましては退職手当について特例を設けることが相当であるというふうな判断のもとに、この法案が構成されているわけでございます。そこで臨時司法制度調査会でも指摘しておりますとおり、弁護士から裁判官、特に最高裁判所の裁判官におなりになる方につきましては、任用の実情を見てもおわかりのとおり、相当の年配に達しておられる方が最高裁にお入りになるというのが実情でございます。したがいまして、現在の退職手当法の形から申しますと、先ほど秋吉参事官から御説明もございましたとおり、勤続報償的な性格が非常に強いために、最高裁へ弁護士からお入りになった方につきましては、勤続年限が短いという関係でおのずから退職手当も少なからざるを得ないという形になっておりますので、それを今回のような最高裁判所というものに着目いたしまして、特別の退職手当の率を考えるということになりました。これはただいま申しましたような勤続報償的な性格から功績報償的なものに重点が移ってまいります関係で、これらの弁護士出身の方々につきましても、特段の増額が出てくるわけでございまして、この面におきまして、臨時司法制度調査会の意見の一部を実施することができた、かように考えているわけでございます。
それから、下級裁判所あるいは検察官になった者についても同じように意見が出されているんじゃないかということが問題の中心になってくるわけでございますが、退職手当あるいは退職年金というものの性格でございますが、退職手当につきましては、先ほど来秋古参事官からいろいろ御説明がございましたとおり、老後の生活の保障であるとか、あるいは勤続報償であるとか、あるいは功績報償であるというふうな考え方があるようでございますが、いずれの考え方をとりましても、弁護士からお入りになったという事情だけで特別の退職金をつくり上げていくということは非常にむずかしい問題があるように考えられるわけでございます。弁護士から来られた方、あるいはその他の方面から入られた方、いずれも退職後の老後の生活の保障とか、あるいは勤続報償の点はもちろんございます。功績報償というような点を考えまして、その間に、特別の差は考えられないのでございます。この問題を解決いたすためには、なおいろいろ重要な検討を重ねなければならないというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/67
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068・横山利秋
○横山委員 この意見書のように、弁護士から裁判官、または検察官となった者についてのみこの特別立法をすることは技術的には不可能ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/68
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069・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 ただいま検討の段階でございますので、不可能だというふうに申し上げるわけではございませんが、いろいろむずかしい問題があるということは申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/69
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070・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 少し裁判官の実際について御説明申し上げたいと存じますが、なかなかむずかしい問題がございます。たとえて申し上げますと、高木常七裁判官でございますが、高木常七裁判官は六年三カ月ほど検事をやっておられて、それからあと約二十三年間弁護士をやっておられて、それから今度裁判所にお入りになりまして、家裁の所長をおやりになりまして、それから高裁長官におなりになりまして、それから今度おやめになりまして、三カ月間弁護士をなさいまして、それから最高裁の裁判官になられたわけでございます。こういう場合に、弁護士からお入りになったというように解するのか、キャリアからなられたというふうに解するのか。またもう一つの例を申し上げますと、たとえて申し上げますと、池田克裁判官でございますが、この方は約二十八年間検察官をなさっていらっしゃいました。それからおやめになりまして八年余弁護士をなさいまして、そして弁護士生活の後に最高裁の裁判官におなりになったわけでございます。それからまた、初代の長官の三淵忠彦長官でございますが、約十八年間裁判官をなさっていらっしゃいました。それからおやめになりまして、今度は弁護士の登録はなさらなかったようでございますけれども、二十二年間ほど会社の顧問をなさり、それから裁判官におなりになったわけでございます。それからまた小林俊三裁判官でございますが、小林裁判官は三十二年間弁護士をなさいまして、それから今度高裁長官におなりになりまして、約四年間高裁長官をおやりになって、すぐ最高裁の判事におなりになったというわけで、経歴を見ますと非常に入り組んでおりまして、あるいは不可能ということは言えないのかもしれませんけれども、とにかくこれを立法的に明文化なさるということは、私どもの考えでは著しく不可能に近いのじゃないか。具体例をいろいろあげますとそのように、実際の問題としては思われるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/70
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071・横山利秋
○横山委員 私は労働組合で給対部長もやった。秋古さんもそこにおるけれども、ちっとも不可能じゃない。その人たちは首を切られたわけじゃないでしょう。自分の自発的な意思でやめて、弁護士を開業して、その間退職金はもらい、弁護士ではもうけ、裁判官にまた復帰するときには、自分が了承してなったのでしょう。したがって、ちゃんとその間退職金はもらい、商売をやって、報酬を得ているわけです。私の言うのは、この意見書の二項について、弁護士から裁判官になった者が退職する場合に関する退職手当について、別途な方法を考えれば考えられるはずだ。きわめて簡単ですよ。どうですか。純技術的に聞きますけれども、秋吉さん、それはむずかしいことですか。そういういまお話しになった例は、現在の退職金の法律で幾らでも理論的に解決ができている。技術的にはむずかしいことはないと私は思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/71
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072・秋吉良雄
○秋吉説明員 どこでどのように割り切るかという問題に……。(横山委員「銭をもうけ、退職金をもらっているのだから関係はない」と呼ぶ)私から御答弁するよりか、関係の第一次的な責任の主管庁から適切な御説明をいたしたほうがよいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/72
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073・横山利秋
○横山委員 要するに、よう答えぬ。あの人は専門家ですから、これぞと思うときには必ず答弁をするものです。それをよう答えぬ。こんな簡単なことは、わざわざ問題をむずかしくするよりも、その当時退職金をもらってやめ、自発的にやめたのですよ。首切られたんじゃないのですよ。弁護士を開業して、弁護士で報酬をもらって生活し、そうして望まれて、自分も了承してまた裁判官になって、きわめてきちんちょんと話がついているじゃないですか。だから、もしやるとするならば、今度は弁護士から裁判官になったときに、退職金規定の特例をそれにのみ開いて、そうして一年についてパーセントを多くすれば、それで話は済むわけです。きわめて簡単なんです。何がむずかしいか私にはわけがわからない。それをあとの退職金をどうやって計算するか、もうけたはずの弁護士の開業については目をつぶろうといううしろ向きのことをあれやこれや考えるからややこしいだけの話で、私はちっともややこしくないと思う。ところが、この二項目を中心にして、これはいいことを書いてあるが、ついでにひさしを貸しておもやを取ろうという。出てきた法案はひさしじゃないのです。この二項目じゃないのです。おもやなんです、ひさしのほうはどうにかなって、おもやのほうが六・五倍で、がたんとこういうことになっている。何のための意見書か、何のための議論をさしたのか、意見書を書いた人はどう考えているのか、おれたちの出したことはすりかわって、何だか妙なほうへ発展してしまって、そうしておもやのほうががたんと上がって、ひさしについては、妙なおつき合いだけれども、おまえの名前は書いたぞと言う。しかも、下級裁判所や高裁や地裁の裁判官はほうりっぱなしである。そうして検察もほうりっぱなしである。これを書いた人は一体どう思っているか。これを書いた以上は、この意見書は、臨時司法制度調査会の中に、専門委員だとか、あるいは幹事だとか、あるいは書記で法務省の人も入っていらっしゃると思うのですが、おそらく鹽野さんあたりも責任の一半は免れがたい人じゃないかと私は思う。あなたは、良心があったらこんな法案は出ないはずですよ。最高裁から言われたからというので、それで血けたというならば負けたと正直におっしゃい。けれども、その間あなたに一片の良心があるならば、この意見書をたてにとって、少なくとも検察官や下級裁判所はどうなるかと一言や二言は言ったでしょう。言わなければうそです。言わなければおかしいですよ。そういう点について、しゃあしゃあとして本委員会で、全然御意見はございませんでした、円満に了解してこの法案は提出されております。この意見書に矛盾することは何らございませんと言い張るつもりですか。どうですか、鹽野さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/73
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074・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 臨時司法制度調査会の意見書に御指摘のような項目があることは、そのとおりでございます。しかしながら、今回の法案は先ほどから申し上げておりますように、最高裁の重要性、特殊性、それから任用の実情ということから出発いたしましてこの特例法になったわけでございます。この特例法のような考え方をいたしますと、弁護士からお入りになった方につきましても、従来で——従来と申しますか、現在で申しますと、勤続年数一年につき百分の百でございますから、五年おつとめになりまして約百五十万円の退職手当である、こういうことになるわけでございます。今回の特例法の率によりますと、五年間で約一千万円ということになりますので、その面におきまして、臨時司法制度調査会の意見を少なくも一部につきましては実現することができたというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/74
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075・横山利秋
○横山委員 私があなたに言ったことは、もう一ぺん聞くけれども、過程においてそういう不満やそういう意見があったのではないか、こういうことをもう一ぺんあなたに言わせる機会を与えたのですが、そういう経緯や過程についてはお話はできませんか。
〔委員長退席、大竹委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/75
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076・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 今回の法案の趣旨、内容は先ほど申したとおりでございまして、この最高裁判所の重要性、特殊性というものから見て、最高裁判所の裁判官について特別の措置をとるということにつきましては、検察側におきましても特段の異論はないというふうに考えております。ただ御指摘のように、最高裁判所のほうは、そういう特別の手当てがなされた、それでは従来給与面においてほぼ同じ、準じて取り扱われてきた検察官のほうにつきましては、何かそういうふうな特別の配慮は行なわれないのかというふうな考え方は、確かに検察官のほうにもあると思います。それは従来給与面で同じように進んでまいりましたので、今度は形を見ますと、最高裁判所の裁判官についてだけ退職手当の特別の措置が講じられてきたわけでございますから、人情の自然として、そういうふうな感じが出てくるのは当然であろうと思います。しかしながら、何回も申し上げておりますが、今回の措置は最高裁判所の特殊性というところから出発した考え方でございますので、この考え方をすぐに検察官のほうに及ぼしてくるというわけにもいかないと考えるのでございます。検察官につきましては、臨時司法制度調査会でも指摘しておりますように、裁判官の独自の給与体系というものを考えると同時に、検察官についても独自の給与体系をさがし求めていくべきだという趣旨の意見が出ているわけでございまして、従来は、裁判官、検察官というものは、ほぼ同じに並んで給与が定められているわけでございますが、職責の内容は明らかに違うのでございます。その職責の内容の違う裁判所の、憲法上、最高の機関である最高裁判所についての特別の手当をいたしたわけでございます。その考え方から申しますと、その考え方自体をすぐに検察官に持ってくるというわけにはいかないわけでございます。その面につきまして、検察官につきましては、別途検察官としての職務の特殊性というものに着目して考え方を整理し、検討を進めていくということが必要であろうというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/76
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077・横山利秋
○横山委員 私は、法案を通すのあまり、やはり歯にきぬを着せてお話をなさっていることにどうしても釈然としない。ですから先ほど第一点として、検察官に対してはどうするかという点を明示しなければ私としては本法案に納得できません。その統一見解を政府側が出すことを要求いたしましたが、第二番目に、直接なま身でこの問題について関係をいたします最高検の責任者の出席を委員長に要望いたしたいと思います。この点については委員長の手元でお取り計らいを願いたいと思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/77
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078・大竹太郎
○大竹委員長代理 いま委員長、ちょっと席をはずしておられますが、やはり理事会で、あとで協議していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/78
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079・横山利秋
○横山委員 わかりました。理事会で十分に本員の意見を取り入れられまして、最高検の責任者の出席をお取り計らいを願いたいと思います。この新聞記卒を一ぺん御披露いたしますが、前文は省略しまして、「二度のお勤めだから、退職金を二回もらうのは当然としても、かりにある高裁長官の退職金を一千万円としよう。これだけの退職金を支給されるには、四十年もの長い裁判官の経歴が必要なわけだが、この人が最高裁入りすると、五年間でそれに見合う退職金が支給されるというアンバランスも生まれる。同じ裁判官を志しても高裁で退官する人と、最高裁入りした人とでは、退職金のへだたりはまったく歴然としたものになり、問題があるようだ。」それに対して矢崎最高裁人事局長のお話では「最高裁裁判官は下級裁裁判官の終着駅ではなく、あくまで別格という考え方で退職金にも特例を設けた。任命制度の違い、違憲判断の最終決定機関であること、国民審査の対象であることなどから、ほかの裁判官と一線を引いてよいと思う。とくに在町の優秀な人材を求めるためには、これまでの退職金はあまりにも低すぎた」こういう談話を矢崎さんは言っておられるのですが、このいま例示をいたしました四十年で一千万円、五年で一千万円という計算はほぼ間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/79
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080・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 この記事は私のほうで提出した資料とかそういうものではなくて、独自にお響きになったようでございますけれども、高裁長官の退職金一千万円というのはおそらく三十年ぐらいではないかと思うのでございます。それから五年間最高裁の裁判官をおつとめになった方が税をこめて一千万円ということはそのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/80
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081・横山利秋
○横山委員 そうすると高裁及び地裁の裁判官と、最高裁の裁判官との間に、非常な格式の隔たりをつくるということになるのですが、それがもし筋の通った話だとするならば、本来それは退職金で整理すべきでなくして、給与で違いを出すべきではないか、こういう考えが妥当だと思うのですがいかがですか、なぜそれが退職金でなくてはならぬのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/81
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082・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 確かに横山委員のようなお考えもあることと序じますし、また理由もおありになることと存じますが、私どもといたしましては、かりにこれは下級裁判所の裁判官から裁判官になった方というのを仮定いたしますと、下級審の裁判官で三十年おやりになられた裁判官等について考えますと、これは一般の国家公務員と全く同じような扱いを受けるということはやはり当然のことではなかろうか。で、最高裁の判事は下級審の裁判官から申しますと全く別格なのでございますね。いわば一般の裁判官は、最高裁の裁判官になろうというようなことを考えている方はほとんどないというのが実際の現実でございます。高裁長官とか高裁の裁判長になるというようなことについては、ある程度の考えをお持ちになる方もあろうかと存じますけれども、最高裁の裁判官になるということは、一般の裁判官としてはとても考えていない、ほんとうの偶然にそういうような機会が与えられるというようなのが実際の現状でございます。最高裁の裁判官は国民審査の対象になりますわけで、国民審査で審査を受けてバッテンが多くなりますと、当然罷免されるというような特別の憲法上の地位にあるものでございます。したがいまして、これについては、先ほど申し上げましたように特別の扱いをしても差しつかえないのじゃなかろうか、その別の扱いと申しますのは、ただいま横山委員からお話のございましたような線もございましょうけれども、しかしやはり退職金の特例による功績報償ということも当然考えていいと思われます。それで私どもといたしましては、これによるのが現在のところ一番最適ではないかと思ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/82
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083・横山利秋
○横山委員 この点も私は意見を保留します。その御答弁に納得できません。矢崎さんのような、ここに新聞で書いてあること並びに先ほどからの議論が正当であるとするならば、当然これは労働に見合う給与という意味において、給与こそ改善さるべきであって、退職金で改善さるべき筋合いのものではないという点であります。
それからその次に、先般も坂本委員も質問されたのでありますが、聞くならく最高裁判所の裁判官は五・五・五という一つの終戦以来の原則がある。で、提出されました現在の現職者は、弁護士が三、あなたのほうの主張では四だという主張だそうでありますが、それにしても一人足らない、堂々と前歴に弁護士とうたえないのですから。それならなぜ弁護士と書いてこないかというのでありますが、その五・五・五という比率が破れておることと、私どもの経験からいいますと、このメンバーの中にどうしても労働について理解のある、最近続出いたします労働問題について理解のある人が皆無ではないか。こういうことはどういうふうに選定をされるか。それはもちろん人格、経歴、いろんなことから議論をされると思うのでありますが、少なくともこれほどわが国において労働問題が重要であり、最高裁で判断をする機会がきわめて多いのにかかわらず、労働問題の権威者がないというのはどういうようなことであろうか。選定が五・五・五という意味は、ある程度このそれぞれの各層からという意味があるとするならば、これはおかしいではないかという二点について御意見を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/83
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084・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 最高裁判所の長官につきましては、御承知のとおり内閣の指名に基づいて天皇が任命するということになっております。その他の裁判官につきましては、内閣が任命して天皇がこれを認証するということになっているわけでございます。したがいまして、この点は内閣の重要な人事でございまして、私ども法務省といたしましては、直接これに関与していない次第でございますが、内閣の任命はおそらく任命がえと申しますか、定年退官されたとか、その他の事情で退官された裁判官のある場合に、その段階で最も適当と思われる人を選んで任命するというふうな手続になっていることと存じます。
そこで各分野の比率の問題でございますが、
〔大竹委員長代理退席、委員長着席〕
これは御指摘のとおり最高裁判所の発足のときは、ただいまおっしゃいましたような割合になっていたわけでございます。しかしながら最高裁判所の裁判官の任命につきましては、御承知のとおり裁判所法に、識見高く、法律知識が豊かで、年齢四十歳以上の者というのが任用の資格でございまして、ただそのうち少なくとも十人は十年あるいは二十年以上法曹の経験を持った者であることが必要だということになっているわけでございまして、その裁判官の分布と申しますか比率、先ほど御指摘のような比率がどうでなければならないということはないのでございます。そこで任命がえのつど、最も適任者と思われる人を任命していくという手続になっているわけでございますが、ただ任命の際には、やはりいわゆるキャリアの裁判官のほかに、在野法曹と申しますか、弁護士の経験豊かな方あるいはまた検察の経験を持っている者、さらにはまた大学で長年教授をしておられたとかいうような方々が、常にある程度の数は入っているようになっております。そうすることによって各方面の経験というものが最高裁判所の審判の中に反映していくというふうな配慮がとられているのが従来の慣例となっているものと考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/84
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085・横山利秋
○横山委員 あなたは内閣の任命だから私は知らぬと言いながら、いろいろこまかい話をなさるのですけれども、内閣の任命であっても、この種の問題については内輪では法務省がある程度話をするんじゃないですか。実際問題としてそうでしょう。どうですか、うんと言えば次の質問に移ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/85
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086・鹽野宜慶
○鹽野政府委員 これは先ほど申しましたように、内閣の任命でございますので、補佐機関は内閣官房でございます。ただ内閣の任命でございますから、法務大臣も国務大臣として当然これに関与するわけでございます。その意味で法務大臣がいろいろこれについて、いわば司法制度に関係の深い大臣として意見を述べることはあろうかと思います。しかしながら、私どもは直接それに関与いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/86
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087・横山利秋
○横山委員 そうしたら次回はこの件について法務大臣の出席を求めます。少なくとも、私はこの中でいまチェックをつけてみますと、五・五・五が全く破れて、私流にチェックをつけますれば、判事、検事関係から八人ですか、弁護士が三名、学識経験者が三名ですか、まさに弁護士も学識経験者もだんだんすみっこに追いやられて、古手官僚が幅をきかす、政府が任命するのだからまあうまいことやれる、こういうことになっておると私は思うのです。それから先ほど言った労働問題に対する権威者は、この中でだれですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/87
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088・矢崎憲正
○矢崎最高裁判所長官代理者 各裁判官それぞれその当該事件につきまして、労働問題の行政事件、あるいは民事事件、刑事事件について十分それぞれ検討して、裁判をいたしておるというように私は信じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/88
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089・横山利秋
○横山委員 それはていさいのいいことですよ。最高裁の裁判官だったらどんなこと、だってやれる、別に権威者でなくたってやれるよということはそれはていさいのいいことですね、私は例を引くのは避けたいと思うのだけれども、先般国会であれほどILOの問題がもう口の目を浴びて、総理大臣もその方向に向き、政府全般も国際的視野から労働問題、ILO条約の批准及びその方向に沿ってやっているときに、最高裁の判決が出た。全くこの人たちは世の中のことを知っているのかしらん、新聞もラジオもテレビも何も見ていないのじゃないか。ちょっとたまにはストライキものぞきに行ったらどうか、銀座でも歩いたらどうかしらん、端的にいえばそういう感じがしたわけであります。つまりそれは近代的感覚が少し足りないのじゃないか、率直にいえばそういう気がしたわけであります。ですからその意味においては、いまあなたがだれだってできるよということをおっしゃるかもしれないけれども、最近の労働問題に対する最高裁の判決というものは、きわめて非近代的な感覚しかお持ちになっていないのじゃないかという気がしているわけであります。これは御答弁を望んでも無理な話です。無理な話であるけれども、この裁判官の構成のあり方について私どもは非常に意見を持っております。少なくとも五・五・五ということが法文に明記されていなくても、最後の一つの重要な原則であるとするならば、この原則を守ってもらわなければいかぬ。この原則をお守りになるかどうかということは、ひとつこの次に法務大臣の御出席のときにお伺いをいたしたいと思いますから、大臣に、ひとつよく諸般の情勢を考えて守ると言え、こういうふうにお言づてを願いたいと思います。
委員長に申し上げておきますけれども、いま三点ばかり問題を保留いたしました。先ほど理事の方から、昼めし時だからどうだという御意見がございました。中途でございますけれども、一応本日の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/89
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090・大久保武雄
○大久保委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105206X01619660317/90
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