1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月五日(火曜日)
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議事日程 第二十四号
昭和四十一年四月五日
午後二時開議
第一 在外公館に勤務する外務公務員の給与に
関する法律の一部を改正する法律案(内閣提
出)
第二 国民金融公庫法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣
提出、参議院回付)
文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出、参議院回付)
日程第一 在外公館に勤務する外務公務員の給
与に関する法律の一部を改正する法律案(内
閣提出)
日程第二 国民金融公庫法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
刑法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨
説明及び質疑
防衛施設周辺の整備等に関する法律案(内閣提
出)の趣旨説明及び質疑
午後二時十五分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/0
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001・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これより会議を開きます。
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国立学校設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/1
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002・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) おはかりいたします。
参議院から、内閣提出、国立学校設置法の一部を改正する法律案、文部省設置法の一部を改正する法律案が回付されております。この際、議事日程に追加して右両回付案を順次議題とするに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/2
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003・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
まず、国立学校設置法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/3
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004・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/4
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005・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、参議院の修正に同意するに決しました。
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文部省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、参議院回付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/5
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006・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 次に、文部省設置法の一部を改正する法律案の参議院回付案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/6
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007・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
本案の参議院の修正に同意の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/7
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008・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、参議院の修正に同意するに決しました。
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日程第一 在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/8
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009・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 日程第一、在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
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010・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事岩動道行君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔岩動道行君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/10
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011・岩動道行
○岩動道行君 ただいま議題となりました在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案の要旨は、外交活動強化の一環として、在外公館に勤務する外務公務員の給与を改善するため、在勤俸の支給額を改定しようとするものであります。
本案は、二月十九日本委員会に付託、二月二十二日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、四月一日、質疑を終了いたしましたところ、岩動委員外二名より、施行期日を「公布の日」に改め、適用を本年四月一日からとすること等を内容とする、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三党の共同提案にかかる修正案が提出され、趣旨説明の後、討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
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012・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/12
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013・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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日程第二 国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/13
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014・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 日程第二、国民金融公庫法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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015・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事金子一平君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔金子一平君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/15
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016・金子一平
○金子一平君 ただいま議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
この法律案は、国民金融公庫の業務の円満な運営に資するため、次のような改正を行なおうとするものであります。
まず第一は、国民金融公庫におきましては、貸し出し増加に伴う業務量の増大に加え、昭和四十一年度において環境衛生業種に対する融資の充実を予定している次第もあり、この際、公庫業務の円滑な運営をはかるため、理事の定員を一名増加して、現在の六名から七名にしようとするものであります。
第二は、国民金融公庫の監事の権限に関する規定を整備し、監事が監査の結果に基づき必要があると認める場合には、総裁または大蔵大臣に意見を提出することができることとしようとするものでございます。
本案につきましては、審査の結果、去る四月一日質疑を終了いたしましたが、本案に対して、私、金子一平外三十八名より、自民、社会、民社の三党共同提案による修正案が提出いたされました。
修正案の内容は、原案において、本案の施行期日が「昭和四十一年四月一日」からと定められておりますのを、「公布の日」からに改めようとするものであります。
次いで、採決いたしましたところ、本案に対する修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、よって、本案は修正議決となりました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/16
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017・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/17
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018・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
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刑法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/18
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019・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 内閣提出、刑法の一部を改正する法律案につきまして、議院運営委員会の決定により、趣旨の説明を求めます。法務大臣石井光次郎君。
〔国務大臣石井光次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/19
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020・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 刑法の一部を改正する法律案についで、その趣旨を説明いたします。
今次の刑法の一部を改正する法律案は、最近における交通事犯の実情等にかんがみ、刑法第四十五条後段の併合罪となる罪の範囲を、禁錮以上の刑に処する確定裁判があった罪と、その裁判確定前に犯された罪とに限ることとするとともに、同法第二百十一条の罪の法定刑に五年以下の懲役刑を加え、かつ、その禁錮刑の長期を現行法の三年から五年に引き上げようとするものであります。
まず、刑法第四十五条後段の改正についてでありますが、近時道路交通法違反事件は急激な増加を示しており、たとえば昭和三十九年に全国第一審裁判所において有罪の告知を受けた人員は約四百万人に及ぶのでありまして、その大部分は道路交通法違反にかかる罪について即決または略式の裁判で罰金以下の刑の告知を受けたものであります。しこうして、現行刑法のもとにおいては、これら道路交通法違反の罪により罰金以下の刑に処した確定裁判であっても、同法第四十五条後段の確定裁判に含まれますので、その前後に犯された二個以上の罪が右の確定裁判のあった後に審判される場合には、これら二個以上の罪の併合罪関係は、右の確定裁判により遮断され、必ず二個以上の刑に処することとなるのであります。このために、裁判及び検察の手続の段階においては、右のような確定裁判の存判の調査を的確に行なっており、これがための事務量はまた少なからぬ状況にあるのであります。
ところで、併合罪の処断に関するわが刑法の原則から考察いたしますると、刑法第四十五条後段の規定により数個の罪の併合罪関係を遮断することは、これらの罪がいずれも禁錮以上の刑に処すべき罪である場合に最も実質的な意義を持つものであり、罰金以下の刑に処する裁判によっては、このような併合罪関係を遮断しなければならないものではなく、むしろ、罰金以下の刑に処する確定裁判によって併合罪関係を遮断することは、刑事審判の手続において、また刑の執行の手続において複雑さを加え、犯人に不利益となる場合も生ずることとなりますので、この際、同条後段の確定裁判を、禁錮以上の刑に処するものに限るよう改正しようとするものであります。最近における道路交通法違反の罪により罰金刑に処せられる者が激増する傾向を考慮いたしまするとき、速急に右のごとき改正を行なうことは、現下における刑事裁判の迅速円滑な運営をはかる上において緊要のことであると存ずる次第であります。
次に、刑法第二百十一条の改正についてでありますが、最近における交通事故とこれに伴う死傷者数の増加の趨勢はまことに著しいものがあり、政府におきましては、かねてから、このような事態を重視して、交通対策の樹立とその推進につとめてまいったのでありますが、近時の自動車運転に基因する業務上過失致死傷事件及び重過失致死傷事件の実情を見まするに、数において激増しつつあるのみならず、質的にも高度の社会的非難に位する悪質重大事犯が続出し、法定刑の最高限またはこれに近い刑が裁判において言い渡される例も次第に増加しつつあるのでありまして、この際、この種事犯中特に悪質重大なものに対して、より厳正な処分を行ない得るものとするよう必要な法改正を行ないますことは、今日における国民の道義的感情に合致するばかりでなく、国家の刑政から見ましても、きわめて緊要なことと考えられるのであります。
以上が刑法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
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刑法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/20
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021・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) ただいまの趣旨説明に対して質疑の通告があります。これを許します。坂本泰良君。
〔坂本泰良君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/21
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022・坂本泰良
○坂本泰良君 私は、日本社会党を代表し、ただいま提案せられました刑法の一部を改正する法律案に対し、若干の質疑をいたしたいと存じます。
本法案は刑法の一部改正でありますが、その内容は、いま趣旨説明にありましたとおり、刑法四十五条の確定裁判による併合罪関係の遮断を禁錮以上の刑の場合に限ろうという趣旨であります。この点についてはあまり問題はありません。もう一つは、刑法第二百十一条の業務上の過失致死傷罪につきまして、刑の強化、すなわち、五年以下の懲役刑を加えるとともに、現在の禁錮刑の長期三年以下を五年以下に引き上げることであります。
国民の人命に関する災害の問題は、陸上から海へ、さらには空から地下へと大災害が続出しております。そして、その責任者の刑事責任がいつも問題になります。ことに、陸における自動車交通事故によって引き起こされる業務上の過失致死傷の刑事責任は、実際上からも理論上からも、きわめて重大であり、また困難な問題を含んでおります。最近の国際刑法学会でもこれが第一の問題として取り上げられているのも、その国際的な重要さを物語っているものであります。特に、わが国では、自動車交通が急激に発達したために、自動車事故が激増しました。この交通事故を運転手のみに責任を負わせることはできないのであります。大きな事故の起こるところには信号やガードレールがなかったり、自動車と人間が混合して交通している道路であることを多くの人は目撃しておるのであります。もし危険な道路が立体交差になり、歩車道の区分が設けられ、街路灯や、あるいはガードレールなどの施設が整えば、大幅に事故は減るであろうことは何人もよく知っておるのであります。また、自動車メーカーの過剰生産、安全装備の欠陥、狭隘劣悪な道路等々、交通事故発生の原因はたくさん存在しています。
空における航空機の事故は、操縦士、機長、スチュワーデス等、乗客もろとも百数十名が一緒に死亡するという大惨事があります。この事故の責任は、操縦士のみの責任ではないのであります。気象観測、飛行機自体の欠陥や性能、整備の不足、飛行場での指導の欠陥等々、背後に重要な責任者が存するのであり、これを無視することはできないのであります。
地下爆発、落盤等の事故もたくさんありまするが、最大は三井三池三川坑のガス爆発でしょう。四百数十名の爆死、並びに数百名の白痴同様の者がいまだに病院生活であります。三池の現地では、三井の社長及び幹部こそが殺人罪ではないかと非難されていますが、大資本家三井会社側はいまだに刑事処分を受けていないのであります。(拍手)
労働者である運転手は、事故を起こせば業務上過失致死傷罪として直ちに逮捕され、起訴、被告人として裁判に付され、禁錮の実刑が言い渡され、刑務所入りとなれば、家族は路頭に迷い、生活ができないのであります。国鉄鶴見事故、三河島事故では、働く国鉄従業員のみが起訴され、最高禁錮三年の第一審判決が言い渡されたのであります。国鉄当局には何らの責任がないのであります。利潤第一、保安第二の営業方針の犠牲が労働者にしわ寄せされ、刑事責任を問われるのはあまりにもみじめな状態であります。
自動車交通事故を防止するには、私は三つのことが考えられます。一つは、狭隘劣悪な道路の整備、自動車メーカーの過剰生産の制限、安全度の監視、事故防止施設の完備であります。第二は、運転手の素質の向上、運転免許の厳重な処置、自動車教習所の監督、免許基準の引き上げであり、第三が罰則の強化でありましょう。政府のやり方は、右の一と二は無視して、三の罰則強化をもって自動車交通事故の防止をはかろうとするものであり、労働者にしわ寄せしているのが、本法案、刑法の一部改正であります。(拍手)
この際、首相及び関係各大臣に若干の質疑を申し上げたいと思います。
まず第一に、交通安全国民会議について総理にお伺いしたいと思います。昭和三十九年度の道路交通事故は、史上最高に達し、警察庁の発表によると、死者一万三千三百一人、重軽傷者三十九万三千百九十人、死傷合わせて四十万人をこえました。政府は、このような状況から交通安全対策に迫られ、四十年初めには、佐藤総理みずから、テレビを通じ、交通事故絶滅のために力を注ぐ旨の決意を明らかにせられました。ところが、その後打ち出された政府の施策は交通安全国民会議の開催であります。昭和四十年三月十三日、各界の代表四十八名を総理府に集め第一回の会議が開かれたが、その時間はわずか二時間であります。発言した委員も、一人五分間に制限され、たった十六名といった、きわめて形式的な総花的なもので終わりました。その後第二回が四十年九月三十日に開かれましたが、いかなる施策がなされたか、つまびらかでありません。全く政府の宣伝のものでしかなかったのであります。このような会議によって交通安全対策の実効があがるはずはないのであります。国民の要求や不満に対し政府の責任のがれのためのものであったと見られておりまするが、総理の御所見を承りたいのであります。
第二は、ただいまの刑法の一部改正法案は、業務上の過失致死傷罪に法定刑の上限を五年以下の懲役または禁錮に引き上げる罰則強化であり、これで交通事故の防止ができるとの御見解でしょうか。これは単に罰則の強化による威嚇であり、かえって反抗心を起こさせ、反省や更生のかてにはならないと考えまするが、総理の御見解を承りたいのであります。
第三に、当面の交通安全対策は、現実に立って具体的対策をとること。さらには、交通運輸労働者は、物価値上がりやノルマ賃金に追われ、長時間の変則労働で正月も日曜もなく、夜も昼も、雨の日も雪の日にも風の日にもめけず黙々と働き続け、まさに疲れ切っております。労働者の生活や労働条件をいまよりもっとよくし、その安全がはかられたら、事故はずっと少なくなるはずであります。要するに、交通安全対策とは、現実に立ってこのような措置をとることこそが急務でありまして、この緊急な課題をすべて投げ捨てて、金のかからない、もっと安上がりの方法として罰則強化が取り上げられようとしていることを、われわれは見のがすことはできないのであります。もしこのまま政府の主張を是認すれば、結果において、その意図とは逆に、交通事故はますます増加するでありましょう。交通事故のほんとうの原因は何か、真の責任者はたれか、明らかにすることこそが一番根本の問題であります。(拍手)それこそが正しい事故防止対策であります。国民会議で国民の目をごまかし、罰則強化で労働者の締めつけをはかり、それが事故防止対策ということこそが逆に交通事故の増加の真の責任者というべきでありましょうが、総理の御見解をひとつ承りたいのであります。
次は、石井法務大臣、永山国家公安委員長にお聞きしたいのであります。
第一に、過失犯に懲役刑を加えるにつき、両論に分かれております。刑法上懲役と禁錮の区別を存置し、本法案のごとく禁錮のほか懲役を加えるものと、それからもう一つは、懲役と禁錮の両者を廃止して、拘禁刑という名前の新しい刑一本にするものと、この二つの見解がありますが、石井法務大臣の見解を承りたいと思います。
第二は、禁錮刑は、非破廉恥罪並びに過失犯、政治犯に科する自由刑でありまして、日本刑法は、すべて過失犯には禁錮刑である。しかるに、改正案はこれを破り、懲役を加えようとするのは、日本刑法の基本原理の修正と考えられまするが、石井法務大臣の御見解を承りたいのであります。(拍手)
第三は、改正案は自由刑上限の引き上げであるが、悪質な酔っぱらい運転、スピード違反、無免許運転等々の無謀な行為者は、道路交通法違反として処罰すべきものであります。道交法によれば、併合罪を適用すると禁錮四年半まで引き上げることができるのであります。刑法二百十一条をもってくる必要はないのであります。したがって、刑法二百十一条の刑の引き上げは必要ないと考えまするが、石井法務大臣、永山国家公安委員長の御見解を承りたいのであります。
第四は、改正案は、自由刑の長期だけを上げて、罰金の額はそのままであります。刑法百十七条の二の業務上の失火罪は、三年以下の禁錮だけで、罰金は三千円から十五万円までであります。自由刑は刑法第二百十一条のほうが重いが、罰金刑は百十七条の二のほうが重いのであります。これは刑法体系上均衡を失すると存じますが、石井法務大臣の見解を承りたいのであります。
第五は、罰則を強化しても交通事故は減少しない。すなわち、交通事故の九割を占めるのは自動車事故でありまして、昭和三十五年十二月二十日から施行されました道路交通法によって大幅に引き上げが行なわれ、自由刑は五倍に、罰金刑は二倍から十倍に強化され、また、警察官の大増員による取り締まりの強化が行なわれたが、事故はかえってふえまして、重大化しているという事実は明らかであります。罰則を強化すれば事故はなくなるという考え方は、事故の原因を運転者のみに求め、すべてが運転者の責任であるという考えから出ているのであるが、現実には、事故の原因は、前に述べましたごとく、全く別のところにありますから、罰則の強化だけでは事故の減少に直接つながらないのであります。真の意味の安全対策が怠慢となり、かえって交通事故がふえる心配がありますが、石井法務大臣、永山国家公安委員長の御所見を承りたいのであります。
第六は、東京高等裁判所の判決は、刑罰をもってする威嚇より、まず規律の周知徹底が先決問題であり、これに努力しないで処罪の徹底のみを期するは本末転倒である旨判示いたしております。これは罰則強化に対する警鐘でありましょう。道交法は、当該公安委員会に、道路の標識または区画線によって適当な標示をなすことを義務づけております。刑罰をもってする威嚇より、まず規律の周知徹底が先決問題であり、これに努力しないで処罰の強化徹底のみを期するのは本末転倒と考えられるのであります。
右東京高裁の判例や道交法の趣旨を本法案の作成にあたって参考にせられたかどうか、石井法務大臣、永山国家公安委員長の両者にその見解を承りたいのであります。
第七は、自動車交通事故の業務上の過失犯に対する判例は、大体禁錮一年前後であります。現行法二百十一条で十分まかなえておりますこのような裁判の現状において、特に刑法を改正して罰則を強化する必要はないと考えまするが、石井法務大臣、永山国家公安委員長の見解を承りたいのであります。
第八は、刑法第二百十一条の改正は刑法全般と一緒にすべきで、今回特にこの一カ条だけを改正すべきではないと思います。刑法改正準備会は、一九六一年十二月、準備草案の確定稿を仕上げ、一九六三年七月には法制審議会内に刑事法特別部会を発足させ、五つの小委員会を設け、準備草案を中心とした刑法改正の審議調査が急がれているようでありまするが、改正案の第二百十一条は準備草案よりそのまま引き抜き提案されたものでありまするが、これは刑法改正全体として取り扱うべきものであります。もし自動車交通事故に対処するための刑法の改正の立案をするのならば、別に特例法とし、時限立法とすべきと考えるのでありまするが、石井法務大臣の御所見を承りたいのであります。
第九は、道路交通法違反事件、刑法二百十一条業務上過失致死傷事件の禁錮受刑者に対する行刑でありますが、開放処遇という行刑が行なわれて、禁錮三カ月以上一年未満の受刑者を社会復帰させるにつき、前科がなく、逃亡のおそれのない者に対し、運転手としての適性を調べ、適性ある者には自動車に関係ある技術教育を施し、不適性な舌には他の職業教育を行ない、社会復帰をさせるこの開放処遇の行刑の実施は現状どうなっているか、その見通し等について、石井法務大臣の御見解を承りたいと存じます。
最後に、運輸大臣に対する質疑を一ついたしておきたいと思います。
国鉄の事故も、御承知のように激増しておりまするが、特に重大な事故といわれる鶴見事故、三河島事故を例にとって考察しますが、このような事故は、刑罰が重いとか軽いとかでこの事故が起きたものではないのであります。これらの背景をなす真の原因は、いわゆる軽わざ師といわれる国鉄の過密ダイヤであります。不完全な保安の施設、人間の注意力のみによって事足れりとしている国鉄当局の精神主義であります。営利第一、安全第二の経営の姿勢にあるのであります。国鉄従業員は、必要な休養さえとれない、雨風の吹き込むみじめな休養施設で、安い賃金と低劣な労働条件にさらされております。国鉄当局が、もしかりに、参宮線六軒駅に起きました事故調査に基づく国鉄監査委員会の勧告をまじめに取り入れて、少しの金で装置ができる車内警報機や車内放送機を取りつけていたとするならば、三河畠における第二の追突事故は防ぎ得たはずであります。また、もし、三分ヘッドと申しますこの過密ダイヤをなくして、万一に備えた安全側線が機能を完全に果たし得るものであったならば、第二の追突事故は完全に防止され、百六十名のとうとい生命は失われずに済んだことは明らかであります。
いたずらに刑罰を重くし、威嚇するより、まず規律、規則の周知徹底、事故防止のための保安施設の整備、必要な要員の確保、適切な指導と訓練、安心して働ける職場環境の整備、被害者に対しては賠償制度の改善等、安全を第一とする総合的事故防止対策こそ当面の緊急を要する事項であります。本法案は、法定刑を引き上げ、罰則を強化する改悪であって、国鉄の事故責任のしわ寄せを労働者だけに負わせるものであると思いまするが、運輸大臣の見解を承っておきたいのであります。
以上をもって、質疑を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/22
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023・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
ただいま御指摘になりましたように、三十九年の交通事故の死傷者は四十万人をこしております。たいへんな災害でございます。私は、かねてから、人間尊重また人命尊重という、その政治を心から願っておるのであります。この交通事故の惨害を考えますると、これは、家庭の主柱である者を失うとか、あるいはまた幼児が災害にかかれば、将来希望を失うということにもなるのでありまして、ほんとに、なくなった方には心から御同情いたしますが、同時に、残られた方々にとって、たいへんな家庭の災害でもある、かように私は思うのでありまして、この観点から、どうしても交通事故の絶滅を期そう、かように考えたのであります。
ただいまお話のありました交通安全国民会議、これこそは、この交通事故絶滅、これはできることではございませんが、このむつかしい難事業と取り組む、そのためには各界外囲の協力こそ最も必要だ、かように考えて、ただいまの会議を提唱したのであります。(拍手)
御承知のように、この会議は、わずか一年に三月と九月、二回開く程度であります。これで十分だとは私は思いません。しかしながら、昨年一年、この結果を見ますると、死者におきまして一万二千四百八十四、三十九年は一万三千三百十八名、それがただいま申しますように八百三十四名も減少さすことができました。一年の経過といたしまして、私は、これはたいへんな成果であったと思います。しかしながら、本年に入りまして、一月から三月までの結果を見ますると、この成績は思わしくございません。昨年同期に比べまして、死者において三百以上もこれがふえております。たいへん私は残念に思っております。各界各層で、さらにこの事故撲滅に対しての積極的な運動を展開しなければならないと思います。
ただいままでこの会議で議論されましたことは、交通安全標識が不十分であるとか、あるいは、御指摘になりましたように、歩道と車道の区別がないとか、あるいは立体交差が十分できておらないとか、あるいはまた、踏切道等におきましても、事故の多発する場所につきましてなお施設として不十分だ、こういうこともございます。さらにまた、根本的な問題としては、事故安全対策、その思想の振興が必要であるし、また、こういうものとほんとに取り組む体制、これをつくることが何よりも大事だ。昨年一年の程度でこれが不十分であることは御指摘のとおりであります。さらにまた、この被害者を救済する、そういうような病院施設等につきましても不十分であります。大いに今後施策を充実させていかなければならない、かように私も考えております。すでに皆さま方に踏切道改良促進法を御審議願ったり、あるいは自動車損害賠償補償法をいろいろ御審議を願ったり、それぞれの改正を加えてまいりましたが、もちろんこの程度ではまだまだその緒についたというだけでありまして、今後とも一そう整備していく必要があるわけであります。今回の刑法一部の改正も、ただいま申すように、運転者だけの責任によってこの事故絶滅を期そうというような、こんな考え方ではもちろんございません。総合政策のその一端として、きわめてわずかな部分ではあろうと思いますが、いわゆる悪質なる運転者の責任、これはやはり追及されなければならない、私はかように思うのであります。今回の必要なるこの改正は、ぜひとも御審議の上、皆さま方の御賛成を得たいと思うのであります。(拍手)
なおまた、ただいま御指摘になりましたように、道路、踏切、メーカー等々、各界各方面において一そう理解と協力を深めるように努力しなければなりません。ことに、私は、教育方面におきましても、学童等の交通事故の惨害を考えます際、学校教育におきましても特に力をいたすべきではないだろうか、ことに、幼児を持たれる家庭の方々、これは主婦のためにも、一そうこの交通事故を絶滅するように各界各層の協力を得たい、かように思うのでございます。(拍手)
〔国務大臣石井光次郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/23
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024・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) お尋ねの数々の問題を順次申し上げます。
本改正案が出まして、これはどうも懲役刑を科昭和四十一年四月五日 衆議院会議録第三十七号するような問題になったので刑法の基本的原理に修正を加えるようなかっこうになるんじゃないかというような問題がございます。これは、刑法の全面的改正がいま法制審議会でやられておりますので、これを待てば一番いいわけでございますけれども、なかなか待てないというような事情がございます。その過程におきまして、法制審議会におきましては、懲役刑と禁錮刑との区別を廃止する意見も出ておりまするし、これに対していろいろな意見が戦わされておる状態でございます。こういうのが成案になるには、まだこの国会にはなかなか提出するようなときにはなりそうもないのでございます。ところが、片一方、交通事故、いまいろいろお話のありましたような交通問題というものが、一刻もほうっておけないような状態であるというようなこと等を考えまして、これには現行法によって何とか考えるよりほかないということになったわけでございます。最近におきまする自動車交通の状態、それから起こりまする業務上の過失致死傷罪等の状態を考えますると、だんだんと数がふえるばかりでなく、内容も非常に悪質重大化してきておるのでございまして、刑法第二百十一条を改正して法定刑の上限を引き上げるよりほかしようがないではないかというようなことに考えを及ぼしたわけでございます。そういうわけで、刑法の全面的改正を待てない状態だと思いまして、今回特に本改正案を提出したようなわけでございます。
過失犯につきましては、さっき坂本君も言われましたように、一般的に禁錮刑をもって臨むというのが例でありまして、刑法典においては、これまで懲役刑を科することにした規定はないのでございます。しかし、最近の自動率運転に基因しまする業務上過失致死傷及び重過失致死傷事件簿の中には、技術のふなれ、あるいは無免許運転、めいてい運転、はなはだしい高速度逆転等によって、人をあやめておるというようなことがたくさん出てまいりました。このために、人命を無視するような無謀な逆転が多く見られるようになっておる状態でございまして、故意による殺傷犯と、いわば紙一重だと認められるような過失犯もあるのでございます。そういうことに対しまして、国民の道義的感覚からいたしましても、これは懲役刑というものをここに入れたほうがいいじゃないかということがこの提案の理由でございます。それで、これはいままでの禁錮刑に懲役刑を加えまして、選択刑といたしたわけでございます。
それから、罰則の強化のみでは事故防止の目的は達し得ないではないかということ、そのとおりでございます。私どももそのとおりに思うわけでございます。交通事故対策として、道路施設であるとかなんとか、いろいろたくさんなことを総合的にやらなくちゃならぬものがあると思うのでございます。そういうものを片っ端からどんどんやっていきつつあるのがいまの状態なのです。これは、右から左に、きょうやったからあしたから効果があるというふうに、そう簡単にはいかないのがいまの世の中の状態でございますが、総合的諸施策をやっていくのでございます。それと同時に、いま申したような、いろいろ悪質な、人の命にもかかわるような状態の運転をした諸君に対してこういう罰則を設けて、そうして相まって交通事故を少しでも少なくしていこうというのがねらいなのでございまして、この罰則によって、これが万能薬と私ども一つも思っていないのでございます。こう薬の一つだと思っております。
それから、こうやってみますと、過失犯のうちの、たとえば業務上の失火犯罪だとか、あるいは重過失失火罪等と比べると、重くなり過ぎるじゃないかという問題が、そこに出てまいります。こういうふうな失火罪というようなものは、人命をどうするというような、さっきのようなものはないのでございまするから、実際上においても、禁錮刑を言い渡された例も少のうございます。刑を言い渡されても、一年以下という例が多いのでございます。ところが、業務上過失致死傷の、いまのような交通事故の場合には、残念なるかな、その数がだんだんふえるばかりでなく、裁判の結果を見ましても、最高限の禁錮三年というものに近いものがだんだん多くなってきておる。それが増加しておるという実情であるのでございますから、この刑法第二百十一条を改めて、そうして、いまのような懲役刑、それから年限を増しても、この失火罪などと比べて、決して均衡のとれないということはないと私は思っているわけでございます。
それから、千葉の刑務所に付属しております習志野の作業場、そのほか四カ所で施設を持ちまして、最近ここに集禁いたしました禁錮の受刑者で、その人たちに仕事をさせ、いろいろな精神教育をやったり、それから自動車の運転業務を習わしたり、生活訓練をしたり、あるいは出てからいろいろな仕事のできるようにというようなことで、社会復帰の準備のちょっと変わった態度を示しております。私は、これは非常にいい行き方で、この開放処遇はだんだんそういうふうな方向に向かって効果をあげることと思っておるのでございますが、こういうふうなことをやっておるのに対して、片一方では懲役刑を持ってくるのはおかしいじゃないかというふうな考え方も出てくるわけでございますが、さっき申しましたような理由で、懲役にはします。しかし、こういうふうな人たちが交通関係の仕事をやっておれば、集団的に集めまして、そうして出てからの仕事ができるような状態に、世の中へ出てからどうやったらいいかというような教育等もやりまして、これを訓練していけば、この懲役に入った人たちでも、拘置所においての教育の実をりっぱにあげることができるだろうと私どもは思っておるのでございます。
おしまいに、特別法をもってやったほうがよかったのではないか、全面的に改正ができないなら、それから抜き書きしたようなものでぽっとやらないで、特別法にしたほうが、というようなお話がございました。
この問題は、今度やる場合にいろいろ考えたのでございます。その立法形式をいろいろ考えてみたのでございますが、これは、たとえば、道路交通法の中に悪質な交通法規違反のものを罰する規定を設けたらどうかということ等も考えられたのでございますが、どうも、いままで刑法犯として特に高度の道義的非難のあるものを扱っておったものを、こういうふうな行政法規の中に入れて罰則を設けるのはどうだろうかというようなこと等がございまして、これは本末転倒しているじゃないか、これは結局こういうふうな今度提案したような形がいまとしては一番適当しているのじゃないか、これによってわれわれの目的は達し得るのじゃないかということで、提案したわけでございます。御了承願います。(拍手)
〔国務大臣中村寅太君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/24
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025・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 交通機関に携わっている人が業務上必要な注意を怠って人を死傷せしめた場合は、業務上の過失致死傷の罪に問われることになっておりますが、運輸省といたしましては、こういうことが起こらないように、未然にこれを防止していくいろいろの諸施策を行なっておるのでございます。
第一は、輸送従事者あるいは利用者に交通安全思想の普及徹底、第二は、安全教育あるいは訓練を充実すること、第三には、適正輸送従事者の確保と適正管理の徹底、第四には、運行管理あるいは労務管理の適正化、第五には、労務環境の整備を行なう、第六は、運輸事業者に対する指導監督、取り締まりの強化等でございまして、これはきわめて平凡なような施策でありますが、こういう平凡な施策をいろいろ積み重ねていくというところに、私は交通事故というようなものは防ぎ得るものだと思います。特効薬というようなものは容易に得られるものでないのであります。そういう意味で、運輸省としてはいろいろやっておりますが、その半面に、積極的な一つの施策といたしましては、交通容量を強化拡充すること、あるいは安全施設をする、そのほか、交通行政の徹底というような面で、先ほど坂本泰良議員も指摘されましたようなことをたんねんに実行していく、さらに、交通安全のためのいろいろの研究あるいは開発をやる等の、そういう二方面からの政策を強く行なっていくところに、私は初めて交通事故の防止の実効があがっていくものであると確信いたすのであります。
運転に従事しておる人たちに対する処罰等が強化されるということは、先ほど法務大臣も言われましたように、最近は、自動車運転等、酒を飲んだりあるいはそのほか無免許で運転するとかいうような、きわめて許し得ないようなことが事故の直接原因になっておるというようなことに対する一つの防止の方法であると私は考えるのであります。
鉄道等におきましても、あるいは運転者にいろいろの直接責任がある場合には、これがその責任を追及されることはやむを得ないことでありますが、私らといたしましては、鉄道等におきましても、運行の管理の適正化をはかっていく、あるいは労働環境を整備して、働く人たちの立場を十分いい状態に賢く、こういうこと等をあわせまして、事故防止に対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。(拍手)
〔国務大臣永山忠則君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/25
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026・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 業務上過失致死傷罪を刑法にすでに規定されておるのでございますから、これを取り締まり法規である道路交通法に規定することは、立法技術上から考えて適当でないと考えるのであります。この点は法務大臣の申しましたとおりでございます。
さらに、交通事故の防止は、取り締まりの強化と相まちまして、警察庁といたしましては、交通安全施設整備事業に関する緊急措置法を今国会でお願いをいたしまして、三カ年間に六百四十八億の予算をもちまして、信号機や横断歩道の緊急整備をいたすことにいたしております。さらにまた、警察庁に電子計算機を導入しました運転者管理センターを三カ年計画で設けまして、全国運転者の違反あるいは事故、あるいは行政処分等を一元的に中央に管理いたしまして、悪質常習運転者の排除につとめるようにいたしておるのでございます。
次は、運転免許制度の合理化につきましては、すでに皆さんに御審議をいただいておりますように、自動三輪免許及び軽自動車の免許は普通免許に統合することにいたしまして、そして受験資格を十六歳から十八歳まで引き上げるようにいたして、四十三年度から実施するようにいたしておるのでございます。
また、運転者の質の向上をいたすために、違反者の再教育に重点を置きまして、全国の警察、府県単位に安全運転学校を設けて、再教育に力を入れるようにいたしております。
なお、自動車教習所の指導、監督を強化いたす点や、また、交通安全組織の民主的運営をいたしまして、国民総協力によって事故撲滅に努力をいたしたいと存ずる次第でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/26
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027・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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防衛施設周辺の整備等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/27
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028・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 内閣提出、防衛施設周辺の整備等に関する法律案について、議院運営委員会の決定により、趣旨の説明を求めます。国務大臣松野頼三君。
〔国務大臣松野頼三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/28
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029・松野頼三
○国務大臣(松野頼三君) 防衛施設周辺の整備等に関する法律案についてその趣旨を御説明いたします。
従来防衛施設周辺対策としては、米駐留軍の行為によって生じます特定の事業の経営上の損失について法律に基づき所要の補償措置を講ずるほか、米駐留軍及び自衛隊の行為に起因する各種の障害については、予算措置によりこれらの防止等を実施してまいりました。
しかしながら、このような防衛施設周辺対策の実施は、国民生活にとり密接な関係を有するものでありますので、その対策の基本を法律に定め防衛施設周辺の整備等を積極的に実施する必要があると考え、ここにこの法案を提案いたすこととしたのであります。
この法律案の内容について御説明申し上げますと、
第一は、自衛隊等の射撃、爆撃その他の行為により生ずる障害を防止し、または軽減するため、あるいは航空機等により生ずる著しい音響を防止し、または軽減するための工事につき国が補助するものとしたことであります。
第二は、防衛施設の運用によりその周辺地域の住民の生活または事業活動が著しく阻害されていると認められる市町村が、生活環境施設または事業経営の安定に寄与する施設の整備をはかるときは、国が補助することができるものとしたことであります。
第三は、自衛隊等の使用する特定の飛行場の周辺において住民のこうむる障害の軽減に資するため必要があるときは、国は、一定の区域に所在する建物等の移転等の補償及び土地の購入をすることができるものとしたことであります。
第四は、第一または第二に述べました措置を行なう地方公共団体その他の者に対し、国は、資金の融通あっせんにつとめることとするとともに、普通財産の譲渡等を行なことができることとし、かつ、関係行政機関の長は、防衛施設の周辺における生活環境及び産業基盤の整備をはかるようつとめるものとしたことであります。
最後に、自衛隊の航空機の離着陸等のひんぱんな実施その他の行為により特定の事業に経営上の損失を与えた場合においては、国が補償するものとしたことであります。
以上が防衛施設周辺の整備等に関する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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防衛施設周辺の整備等に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/29
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030・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。米内山義一郎君。
〔米内山義一郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/30
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031・米内山義一郎
○米内山義一郎君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明の行なわれました防衛施設周辺の整備等に関する法律案について、総理並びに関係大臣に質問をいたしたいと存じます。
去る一月十七日、スペインの海岸で、水素爆弾を四発搭載したアメリカ空軍のB52戦略爆撃機が、空中接触事故によって墜落いたしました。幸いに核の大爆発はいたしませんでしたが、このことは、スペインの国民に恐怖と衝撃を与えただけではありません。全世界の人々に、いつどこでこのようなことが起こるかもしれないという深刻な不安を与えております。そして、いまの世界情勢は、そのようなことは絶対に起こらないと断言できるような根拠は見出すことができないのであります。特に、国土の全域が米空軍の基地になっており、その上、原子力潜水艦やあるいは原子力航空母艦などが出入りし、寄港がなされているわが国においては、このような危険な事故の起こる公算はさらに多いといわざるを得ません。(拍手)
この事件が示すように、核兵器と、これらの運搬に関する実態というものは、いつでも極秘にされているのが普通でありまして、国民のだれもが知らされない間に、意外なことが既成事実となって進行していることに驚かざるを得ないのであります。われわれは、まずこのような現実に対し深い注意と注目をしなければなりません。
この爆撃機は、二十五メガトンの爆弾を四発、あわせて百メガトンを積んでいるということでありますから、これは広島、長崎型の原子爆弾の五千発分の威力を持っていることにもまた驚かざるを得ないのであります。いま、部分核停止協定が結ばれており、米ソの間には平和共存的な空気が伝えられている今日でも、ヨーロッパの上空においてすらかくのごとくであります。ましてや、実際に戦闘行為がなされているアジアにおいては、このような脅威なしと断言できるでしょうか。総理はこのことに対してどのような見解を持っておられるか、御所見を承りたいのであります。(拍手)
さらに、総理は、去る三十一日、わが党の佐々木委員長がアメリカの対アジア政策を帝国主義と批判したのに答えて、そのようなことを言えば世界から笑われると言ったのであるが、それはいまの世界の大勢を見れば全く逆ではなかろうかと思うのであります。ジョンソンのアジア政策、ことに中国に対するアメリカの政策の誤りと手詰まりは、自由諸国はもちろん、アメリカの国内においてさえ批判と非難を浴びております。このような現実に対してことさらに耳や目にふたをしながら、帝国主義アメリカのしり馬に乗って、隣邦中国敵視のかたくなな政治姿勢をとり続けるならば、佐藤総理こそ、アメリカ人よりもアメリカ人的であり、李承晩よりも李承晩的であると笑われざるを得ないでございましょう。(拍手)
沖縄は申すに及ばず、わが国土の全域に展開しているアメリカの陸海空軍の体制は、どこから見ても防衛的なものではありません。わが国に存在する米軍基地のすべては、アメリカ帝国主義がたくらんでいるアジア侵略の重要な策源地になっていることも、間違いのない事実であります。したがって、防衛施設と呼ぶ軍事基地の問題は、単に基地周辺の問題ではなく、いまでは国土の全域とすべての国民の運命にもかかわる重大な問題であります。(拍手)
いま問題になっておるこの法律案は、このような脅威と不安を解消するものではなく、むしろかえってこれを固定化し、永続化しようとする意図から生まれたもののように思われるのであります。(拍手)軍事基地が存在するがゆえに発生する国民の不安をなくするには、まず、戦後二十年を経た今日、いまだに占領時代そのままの姿で、どろぐつのままわが国の奥座敷にすわり込んでいる在日米軍のすみやかな撤退を実現することこそ、一番まともなやり方であります。(拍手)
アメリカは世界の至るところで失敗を続け、かつ、それを繰り返しております。朝鮮を見ても一目りょう然であります。北の民主主義人民共和国と南のかいらい韓国とは、全く天国と地獄の相違を示しておるのであります。(拍手)いままた南ベトナムにおいてさえ、アメリカは重大な局面に立たされておるのであります。これは何を物語っておるかといえば、現代は帝国主義、軍国主義はどのような後進国に対しても勝利することはできないという教訓を示しているものであります。(拍手)アメリカにおいてもすでにこのことを悟りつつあります。アメリカの上院においての最近の動向を見てもわかるとおり、アジアの情勢に対しては佐藤内閣よりも柔軟になってきておるではありませんか。これはわが党の主張し続けてきた非武装平和の正しさを意味するものであります。(拍手)米軍さえいなければ、基地のもたらす国民の不安もなく、この法案も不要になり、基地周辺は平和と静けさを取り戻し、生産も興り、住民も安定した生活を享受することができるのであります。基地のある限り、どのような対策がなされようとも、たとえ札をむしろのように敷き詰めたとしても、当地周辺の住民の真の安定というものはあり得ないのであります。(拍手)
次に、この法案についてお尋ねいたします。
この法案は、基地周辺対策として、一見前向きにも読み取れるのでありますが、あるいは全くのざる法ではないかとも疑われるのであります。まずその第一は、法律の内容の具体的な重要事項はことごとく政令にゆだねられ、政令を見た上でなければこの法律案の効果を想定することさえ不可能であり、驚くべき立法権軽視の内容を持った独善的なものであります。(拍手)運用と予算次第によってはどのようにもなるという、きわめて不確実な要素を含むものであります。何でもやるように見せかけてはおりますが、何もやらない、うわべだけをつくろう上げ底法ではないかとさえ思われるのであります。(拍手)
この際、総理にはっきりさせていただきたいことは、総額どのくらいの経費を投入し、何年がかりで基地周辺の整備をなさんとしているのかを伺いたいのであります。
次に、防衛庁長官に伺いたいのでありますが、この法律の対象になる学校、病院、農業、漁業、河川、道路等の公共施設の新設、改良あるいは改修を必要とする件数は一体どのくらいで、それに要するそれぞれの経費はどのくらいに見積もられているのであるか、あるいはまた、文部、厚生、農林、建設等の各関係省庁等との行政上のかみ合いはどのようになるのかということを伺いたいのであります。
さらに、この法案は国家が保障しなければならない最も基本的な個人の被害対策は全く無視されている点についてであります。例を申し上げるならば、子供はすべて学校や保育所に住んでいるものではありませんし、老人はすべて養老院や病院にだけいるものではありません。最も極端な例を申し上げまするならば、射爆撃場の周辺では、身をゆすぶられるようなごう音と爆音のため、家畜が乳や卵を生まなくなるだけではないのであります。乳飲み子が引きつけを起こすことさえ珍しくないのであります。幼児は神経質に育つのは当然であり、児童は学力の低下を来たしておることは、統計上御承知のとおりであります。病弱者は、昼寝さえできかねる環境で治療静養の効果があがるはずはないのであります。このような個人個人の人権保障の問題はこの法案では全く無視されているのは、どういう理由によるものであるかを御答弁願いたいのであります。(拍手)
次には、自治大臣にお伺いいたします。
この法案の最も重大な欠陥は、基地周辺市町村の財政について何ら考慮がなされていないことであります。基地のある市町村は、概して経済基盤が薄弱であります。その上に、米軍の駐留地においては、米軍や米国人による治外法権的な事柄が多く、財政需要はかさむが、それに見合う収入が保障されていないのであります。いわゆる基地交付金と称されるものがありますが、何ら合理的な算定の基礎の上になされているものではありません。わずかばかりのつかみ金によってなされているにすぎないのであります。したがって、これは接収されている土地、建物の固定資産税に見合う分さえないのであります。このようにして、基地市町村の行政水準は低下し、そのしわ寄せは全住民にかかっているのであります。
青森県の三沢市は有名な米空軍の大基地でありますが、ことしの一月に大火災が発生し、六百数十世帯、二千数百名の罹災者が出ました。これに対して全国から集中豪雨のような同情が寄せられ、膨大な物質のほかに、一億四千万円にも及ぶ救援金が寄せられたのであります。ところが、これの分配にあたりまして、罹災者と市当局の間に大きな紛争が発生しておりますが、それは、市当局が、この募金された救援金の三分の一強に当たる五千万円を罹災者の了解なしに市の歳入に繰り入れ、災害処理と復旧の財源にしようとしたからであります。しかも、その大きな理由とするところは、市が自治省に対して災害分として四千八百万円の特別交付税を申請したにもかかわらず、わずかに一千五百万円より交付されなかったことが強く主張されているのであります。このようにして、財政の窮迫の結果は、善意と同情にあふれる救援金を、罹災者と寄贈者の意思に反してまで市の財源に奪い取ろうとしているのであります。この深刻な事実を政府はどのように考えますか。
基地周辺市町村財政の安定を根本問題として考えないで個々の事業の助成措置をなさんとすることは、本末転倒もはなはだしいものといわざるを待ません。(拍手)ゆえに、この法案は基地周辺の民生安定をはかろうとするものではなく、民心の安定だけをはからんとする一種の宣撫工作にすぎないではないかと断ぜざるを得ないのであります。
基地周辺市町村の財政整備に関する政府の方針について所信を尋ね、私の代表質問を終わる次第であります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/31
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032・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
わが国の防衛力これは国力、国情に応じた防衛力を持つという、これが基本的考え方でありますし、同時に、日米安全保障条約によりましてわが国の安全を確保する、これが基本的な考え方であります。この考え方から最近の情勢等をいろいろ私どもは判断しておりますが、しかし、平和国家としての日本の行き方、これには何らゆるぎもないのであります。新しい憲法のもと、脅威を与えず、攻撃的な武力は持たない、これが私どもの基本的な態度でございます。したがいまして、ただいまもスペインの状況等についての御批判を求められましたが、私は、批判する前に、日本の行き方、これを十分社会党の諸君も知っていただきたいと思うのであります。(拍手)
第二に、過日、佐々木君の質問に答えて、あまり変なことを言うと世間から笑われますよ、かように私が答えたことについて、ただいま重ねてお尋ねがございました。私は、今日、国際的に、自由主義陣営はアメリカを帝国主義とは絶対に申しておりません。(拍手)共産主義陣営においてはさような批判をいたしております。このことは、国際情勢から見ましても自由主義国家群の多い今日、これを本気で言われることは笑いを招くことになりますよと、かように私は注意をいたしたのであります。(拍手)多数のものが、ただいま申し上げるように平和国家、自由国家、かように考えておるのでありますから、米帝国主義ということばはあまり使われないほうがいいように思います。(拍手)
次に、日米安全保障条約がありますために、わが国がいかにもこの侵略の前進基地になっておるような批判をされますが、この点は、ただいま申し上げますように、安全保障条約は防衛的なものでありまして、また、わが国の憲法もさような積極的な、攻撃的な意義を持たないのでありますから、社会党の諸君はこの点をよく御理解いただきたいのであります。憲法の解釈については、社会党の諸君はわれわれよりももっと自信を持っておられるはずなんです。私どもは絶対に攻撃的な力は持たない、これが今日の状況であります。
次にお尋ねといたしまして、政令委任事項が非常に多い、こういうことでございますので、これは長期計画そのものを明らかにしろという御意見、お尋ねでもございました。今回のこの法律では、障害の態様、これはたいへん多種多様でございます。これの防止並びにその救済等も、それぞれその態様の違うことで対策も違うわけであります。そういう意味で、法律で規定するわけにはいかない、政令に委任するという、これは実情からでございます。
四十一年度のこの種の予算計上は百十二億になっております。(「それだけで何ができるか」と呼ぶ者あり)今後の問題だと、かように考えておりますので、さらに研究してまいります。
次に、この法律は、たいへん欺瞞性のある法律だという御批判でございますが、全国知事会や全国市長会や、また、それぞれの地方議会等の議長団の決議でもあるのであります。政府はこの要望にこたえて今日の立法をいたしたのであります。(拍手)社会党の諸君はこれらの要望を無視されるようなお考えであることは、まことに私は遺憾に思います。(拍手)
〔国務大臣松野頼三君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/32
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033・松野頼三
○国務大臣(松野頼三君) この法律は、ただいま総理からお答えになりましたように、多年関係市町村から立法要請がございまして、本年まで各省庁の調整がつかなかったために延び延びになっておったわけでございます。したがいまして、その内容については、すでに予算措置も多年やっておりますので、政令にゆだねた理由も御理解いただいておると思います。各町村におきましては、畜産あるいは漁業、あるいは建設、道路、各種その要望が違いますので、法律で限定することは、将来への希望をふさぐ結果になります。したがいまして、政令事項のほうが、より運営が将来には妥当であるという意味で、政令事項に指定をいたしました。
なお、本法案は、米駐留軍のみならず、将来の自衛隊、いままでございませんでした自衛隊の基地が今回法律で規定され、保護を受けるのでありますので、いままでよりも非常に前進したことだと存じます。(拍手)
対象事業といたしましては、道路が百件、その他七十件、あるいは防音装置が百五十件、個人の移転の希望もございます。したがって、学校、病院、公共的な施設の次に個人の移転の問題がございますが、今日までは移転措置あるいは改修措置というものを個人にとっております。また、今後これは政令等によって順次改善されるものと思います。(拍手)
〔国務大臣永山忠則君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/33
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034・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 基地交付金は、お説のように、固定資産税に見合うものでございますから、今後もこれをできるだけ多く配分いたしたいと考えております。本年度も、一億増額しまして、十五億の予算を組んでおるのでございます。
なお、三沢市の火災の件につきましては、四千八百万円ということでございましたので、特別交付税を四千五百万円出しております。去年は千九百万円でございますが、したがいまして、災害に対しましては特に率を多くする方針で手当てをいたしておるのでございます。そのほか補助金や起債を出しておりますので、手当てができるようにいたしておる次第でございます。
なお、お説の寄付金の関係につきましては、地方には議会がございますので、市民の世論を十分そんたくして、適正なる処置をされておると思うのでございますが、しかし、逸脱した点がありますれば、十分こちらのほうも指導をいたさねばならぬと考えております。現在のところでは、その五千万円の使途は、四十年度分につきましては、避難所であるとか、あるいはいろいろの食料品、衣料品等の緊急、応急なものに使っております。四十一年度二千八百万円は、住宅団地を造成したり、あるいは乳児院、共かせぎの人の子供を預かるところ、あるいは防犯灯等にこれを充てるというようにいたして、住民の福祉のために使っておる状態であると承っておるのでございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/34
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035・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これにて質疑は終了いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/35
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036・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時四十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X03719660405/36
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