1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年六月二十五日(土曜日)
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議事日程 第四十六号
昭和四十一年六月二十五日
午後二時開議
第一 行政相談委員法案(内閣提出、参議院送
付)
第二 審議会等の整理に関する法律案(内閣提
出)
第三 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正
する法律案(内閣提出第一五号)
第四 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正
する法律案(内閣提出第三七号)
第五 農産物価格安定法の一部を改正する法律
案(農林水産委員長提出)
第六 租税特別措置法及び所得税法の一部を改
正する法律案(内閣提出)
第七 所得に対する租税及びある種の他の租税
に関する二重課税の回避のための日本国とド
イツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う所
得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関
する法律案(内閣提出、参議院送付)
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○本日の会議に付した案件
日程第一 行政相談委員法案(内閣提出、参議
院送付)
日程第二 審議会等の整理に関する法律案(内
閣提出)
日程第三 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を
改正する法律案(内閣提出第一五号)
日程第四 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を
改正する法律案(内閣提出第三七号)
内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第五 農産物価格安定法の一部を改正する
法律案(農林水産委員長提出)
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、参議院送付)
日程第六 租税特別措置法及び所得税法の一部
を改正する法律案(内閣提出)
日程第七 所得に対する租税及びある種の他の
租税に関する二重課税の回避のための日本国
とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴
う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等
に関する法律案(内閣提出、参議院送付)
内航海運業法の一部を改正する法律案(内閣提
出)
道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案
(内閣提出、参議院送付)
午後四時三十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/0
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001・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これより会議を開きます。
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日程第一 行政相談委員法案(内閣提出、参
議院送付)
日程第二 審議会等の整理に関する法律案
(内閣提出)
日程第三防衛庁設置法及び自衛隊法の一部
を改正する法律案(内閣提出第一五号)
日程第四 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部
を改正する法律案(内閣提出第三七号)
内閣法の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/1
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002・海部俊樹
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、日程第一ないし第四とともに、内閣提出、内閣法の一部を改正する法律案を追加して五案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/2
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003・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/3
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004・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
日程第一、行政相談委員法案、日程第二、審議会等の整理に関する法律案、日程第三、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)、日程第四、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案(内閣提出第三七号)、内閣法の一部を改正する法律案、右五案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/4
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005・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員会理事辻寛一君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔辻寛一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/5
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006・辻寛一
○辻寛一君 ただいま議題となりました五法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
行政相談委員法案は、国の行政機関等の業務に関する国民の苦情の解決を促進するため、その相談に応じて、みずから必要な助言をする等の苦情相談の業務を行政管理庁長官が民間の有識者に委嘱できることとする行政相談委員制度について必要な事項を定めようとするものでありまして、四月十六日本委員会に予備付託となり、四月十九日政府より提案理由の説明を聴取し、五月二十七日参議院より送付されて本付託となり、六月九日質疑に入ったのであります。
審議会等の整理に関する法律案は、行政の簡素化と能率化を推進し、あわせて行政責任の明確化に資するため、合計三十四の審議会等の整理を行なおうとするものでありまして、五月三十一日本委員会に付託となり、六月九日政府より提案理由の説明を聴取し、六月十日質疑に入ったのであります。
右二法案は、六月十七日、質疑を打ち切り、直ちに採決の結果、いずれも原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
内閣提出第一五号、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、自衛官千四百九十八人、予備自衛官三千人、自衛官以外の職員五十五人を増員すること、及び第七航空団司令部を埼玉県入間郡から茨城県東茨城郡に移すことを内容とするものでありまして、三月十七日本委員会に付託となり、翌十八日政府より提案理由の説明を聴取したのであります。
内閣提出第三七号、防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案は、自衛官六百三十人、予備自衛官三千人をさらに増員すること等を内容とするものでありまして、四月二十一日本会議において趣旨の説明を聴取し、翌二十二日本委員会に付託となり、二十六日政府より提案理由の説明を聴取したのであります。
右二法案は、一括議題として五月三十一日より質疑に入り、六月二十四日、質疑を打ち切り、直ちに採決の結果、いずれも多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
最後に、内閣法の一部を改正する法律案は、内閣官房長官は国務大臣をもって充てることとし、このため、国務大臣の定数を一人増加して十八人以内とすること、内閣官房に内閣調整官及び内閣報道官各一人を置くこと等を内容とするものでありまして、三月十七日本委員会に付託となり、翌十八日政府より提案理由の説明を聴取し、本二十五日、質疑を終了いたしましたところ、山内委員より、内閣調整官及び内閣報道官を置くこととしている規定を削除することとする旨の修正案が提出され、趣旨説明の後、直ちに採決の結果、全会一致をもって修正案のとおり修正議決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/6
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007・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 五案中、日程第三及び第四につき討論の通告があります。これを許します。田口誠治君。
〔田口誠治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/7
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008・田口誠治
○田口誠治君 私は、ただいま議題となりました防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、日本社会党を代表して反対の討論を行なわんとするものであります。(拍手)
反対理由の説明に入ります前に、一言国民の前に明らかにしなければならない問題がございます。本法律案は、理事会において話し合いのつかないまま、一方的に審議が強行されて、委員会が非常に混乱におちいったこともあり、また、昨日は、円満な審議が進められておったのでございますが、大出委員の質疑中、なお三名の質疑通告者を残しておるにもかかわらず、午後七時二十分ごろ、突然自民党から質疑打ち切りの動議が出、社会党からこれに抗議をする混乱の中で強行採決をされたのでございます。私は考えまするに、このことは、戦前に戻る軍国主義者のグループが自民党政府に強大な力を持ち、名実ともに反動的な度合いを増大したことを思いまして、平和を希望する国民は全く落胆をしたであろうと思うのでございます。(拍手)したがって、私どもは、民主議会を確立すると同時に、日本の平和を守るために、政府・自民党に対して心から反省を求めて、これから討論に移りたいと思います。
反対の第一の理由は、自衛隊は憲法違反の疑いの存在であるということでございます。
御承知のように、日本国憲法は、太平洋戦争の反省の結果、すべての国際紛争を平和外交により解決すべきであるという国民的決意によってつくられたものであり、侵略戦争のみならず、自衛ないし制裁のための戦争まで放棄をして、さらに進んで、具体的裏づけとして軍備の廃止をいたしたのでございます。
しかるに、歴代の保守党政府は、朝鮮動乱を契機に警察予備隊を創設し、自来、アメリカの極東戦略のしり馬に乗って、かってに憲法を曲解し、警察予備隊から保安隊へ、保安隊から自衛隊へと、違憲的行為を積み重ねて、いまやアジアにおける西側陣営中最強の軍隊をつくり上げてしまったのであります。
ことに、佐藤内閣に至っては、憲法を守ることついては一片の良心もなく、反省もなく、ひたすら向米一辺倒の軍事重視政策を打ち出し、安保条約の長期固定化、国防省の設置、自衛隊の核武装と海外派兵を志し、やがては徴兵制への道を開き、最後には軍国主義国家へと暴走しようとしておるのであります。
自主性なきかような軍事体制の強化は、いたずらに極東の近隣諸国に不信感と恐怖を与え、必然的に軍事的対立を招来し、アジアの緊張激化をかもす以外に何ものもないと思うのでございます。(拍手)
人類の滅亡の核戦争の脅威下にあって、日本の安全を保障し、ひいては世界の平和に寄与するためには、平和憲法の基本理念にのっとった平和外交を積極的に推進し、唯一の原爆被災国として、核兵器の禁止と完全軍縮の達成とを強く世界の人々に呼びかけ、世界の平和の推進力となる以外に道はないと思うのであります。
第二の理由は、アメリカの極東核戦略と自衛隊の核武装によって、わが国は抜き差しならない核戦争への危険に落ち込んでいくということであります。
東西間の激しい対立をいかにして緩和させるか、どのようにして平和を永久的なものにいたすかということについては、現在の世界の大きな課題となっておるのでございます。かようなとき、わが国が果たすべき第一の役割りは、アジアの中の日本として、中国との国交回復を実現し、日ソ平和条約の締結を促進するな、アジアにおける緊張緩和を積極的に推進することであろうと思うのであります。
しかるに、佐藤内閣は、これに逆行し、ますます中国敵視政策を推し進め、中国が核実験をしたことを口実に、アメリカの核戦略体制の中に組み込まれている現状を正当化しようとやっきになっておるのが現在の実態であります。かような宣伝と態度が、アメリカの核持ち込みの公然化と自衛隊の核武装化にあることは明らかでありまして、その準備はほとんど完了していると申しても過言ではないのであります。すでに原子力潜水艦の寄港は九回に及び、核武装をした第七艦隊はわがもの顔をして日本の近海を遊よくし、近く原子力空母の寄港すら予想されているのであります。
また一方、自衛隊は、核・非核両用兵器であるDASHやアスロック、ナイキハーキュリーズなどの装備はすでに計画の域を脱しておるのであります。そして、これらの装備のすべてが、極東の安全、日本の防衛という美名のもとに、アメリカの極東核戦略体制の中に組み込まれ、自衛隊もまた、その先兵としての運命を背負っておるのであります。
日本を核戦争の危機から救うには、直ちに憲法の精神に立ち返り、安保条約を廃棄し、自衛隊を漸減解消し、積極的な平和中立外交を推進する以外に道は見当たらないのであります。(拍手)
第三の理由は、自衛隊のシビリアンコントロールについてであります。
現在のなしくずし的な再軍備によって、自衛隊は質量ともにふくれ上がり、それに反比例して、シビリアンコントロールは全く有名無実化し、自衛隊はもはや国民の手に負えない危険な存在になろうといたしておるのであります。
最近の諸外国の例または旧日本軍の例を見まするまでもなく、軍隊そのものの性質は、軍が強くなればなるほど、国民を離れてひとり歩きを始め、ついには国民をその足の下に踏みつける存在と化する危険性を持っておるのであります。この強大な武力を時の権力者が政権維持のために民衆弾圧に使用する例も、これまた数多くあるのであります。新しい第三次防衛計画案における陸の増強計画が、大都市周辺の治安対策として、ヘリコプターや戦車、装甲車など、空と地の機動力の充実に重点が置かれようとしているのもそのあらわれと考えることは、いまや常識となっておるのであります。
なるほど、総理や防衛庁長官は文官であり、長官の下には内局、内閣には国防会議がそれぞれ置かれております。しかし、その実体は全く有名無実であります。キューバの危機の際、自衛隊を掌握すべき総理や防衛庁長官が何も知らない間に、自衛隊の制服だけで、アメリカ軍と歩調を合わせ、臨戦体制に突入したあの異常な行動など、軍部の独断専行が一歩誤れば核戦争への危機を招く危険に国民はさらされているということをわれわれは知らなければならないと思うのであります。
国民の平和と幸福のために、軍を政治のもとに従属させるというこのシビリアンコントロールを直ちに確立しなければ、悔いを千載に残すことになりかねないのであります。要は、制服を指導するに足る正しい政治が行なわれることが必要欠くべからざるものであります。ところが、国民を欺き、憲法違反の事実を積み重ねる現政府にこれを期待することは、とうていでき得ないと思うのでございます。
第四の理由は、第三次防を契機に、軍部と戦争産業とがますます密着いたしているということであります。
新たに国民の血税二兆七千億円にのぼる第二次防に対し、装備の国産化という美名のもとに、これらの軍需産業関係者は、政府に猛烈な働きかけをいたしておるということは事実でございます。これらの死の商人たちの要請に応じて、かつ国民不在の第三次防計画が、いままさに打ち立てられようといたしておるのでございます。松野防衛庁長官は、三次防については、国会の質問に口をかたくいたしておりまするけれども、イの一番に、これらの死の商人たちに対しては、防衛庁の試案をひっさげ、三次防の具体的な構想や一年計画繰り上げ実施、一兆円に及ぶナイキ、ホーク等の装備国産化方針等を次から次へと発表し、これら死の商人たちからやんやの拍手かっさいを受けておるのが現在の実態であるのでございます。(拍手)かような独断専行は、国会軽視もはなはだしく、断じて許せない言動といわざるを得ません。(拍手)
独占的大資本、防衛庁、業界団体、保守党再軍備推進派、それにつながる一部の上層官僚群等を中核とする新たなる日本の反動支配機構はすでにでき上がっているといっても過言でないと思うのであります。このことは、戦前の軍部と財閥とが相提携し、国政を聖断し、そして見さかいのない戦争へと突入し、わが国を転落させ、国民を塗炭の苦しみに追い込んだあの道を再びたどっていると断ぜざるを得ないのであります。かようなものとつながる軍事力の増強をはかるこの法案は、断じて容認できないのであります。
以上申し上げまして、社会党の反対の態度を明確にし、私の討論を終わる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/8
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009・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これにて討論は終局いたしました。
これより採決に入ります。
まず、日程第一及び第二の両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/9
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010・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第三につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/10
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011・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第四につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/11
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012・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、内閣法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/12
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013・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。(拍手)
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日程第五 農産物価格安定法の一部を改正す
る法律案(農林水産委員長提出)
畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/13
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014・海部俊樹
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、日程第五は、委員会の審査を省略し、本案とともに、内閣提出、参議院送付、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案を追加して両案を一括議題となし、委員長の趣旨弁明及び報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/14
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015・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/15
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016・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
日程第五、農産物価格安定法の一部を改正する法律案、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/16
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017・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の趣旨弁明及び報告を求めます。農林水産委員会理事倉成正君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔倉成正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/17
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018・倉成正
○倉成正君 ただいま議題となりました両案について申し上げます。
まず、農林水産委員長提出、農産物価格安定法の一部を改正する法律案につきまして、提案の趣旨を御説明申し上げます。
農産物価格安定法は、昭和二十八年に制定されましてより今日まで、米麦に次いで重要な農産物であるイモ類等について生産者団体が行なう自主調整と相まって、これらの農産物等が正常な価格水準から低落することを防止し、農業経営の安定をはかる上において相当の効果をあげてまいりました。しかしながら、法制定後十三年間を経過した今日におきましては、イモ類及びそのでん粉等の生産、需給事情等がかなり変化し、本法は実情に沿わない面があらわれてまいりましたので、この際、過去における本法の運用状況等をも勘案の上、本法に所要の改正を加え、農産物等の生産の確保と農家所得の安定に寄与しようとして、ここに本案を提出した次第であります。
以下、本案のおもな内容を申し上げますと、
第一に、米麦に次ぎ重要な農産物の価格が適正な水準から低落することを防止し、農産物の生産の確保と農家所得の安定をはかることを本法の目的といたしました。
第二に、政府は、農産物等を、必要な時期において、必要な数量を買い入れることができることといたしました。
第三に、原料基準価格については、パリティ価格を基準とし、生産費及び物価、需給事情その他の経済事情を参酌し、再生産を確保することを旨として算定することとするとともに、政府の買い入れ基準価格については、原料基準価格に、原料運賃、加工に要する費用等を加えて得た額とすることにいたしました。
第四に、原料農産物の取引の公正を確保するため、農林大臣または都道府県知事は、必要な勧告を行ない、これを公表することができる旨の規定を新たに設けました。
以上、本案の提案の趣旨及び内容について申し上げました。
農林水産委員会におきましては、六月二十四日本案を委員会の成案とすることに決しました。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
次に、内閣提出、参議院送付、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につき、農林水産委員会における審査の経過と結果について御報告申し上げます。
本案は、最近における肉用牛の生産事情の変化、牛肉の需要の伸長等に対処して、弾力的に牛肉の需給の調整をはかることにより、肉用牛の生産の振興と国民の食生活の改善に資するため、畜産振興事業団に輸入にかかる牛肉の買い入れ及び売り渡しの業務を行なわせることをそのおもな内容とするものであります。
本案は、五月二十七日参議院から送付され、農林水産委員会におきましては、六月二十四日提案理由の説明を聴取し、本日、質疑を行ない、採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対しましては四項目の附帯決議が付されましたことを申し添えます。
以上、報告を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/18
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019・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第五につき採決いたします。
本案を可決するに御異議はありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/19
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020・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は可決いたしました。
次に、畜産物の価格安定等に関する法律の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/20
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021・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第六 租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案(内閣提出)
日程第七 所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との問の協定の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/21
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022・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 日程第六、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案、日程第七、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/22
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023・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員会理事吉田重延君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔吉田重延君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/23
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024・吉田重延
○吉田重延君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
初めに、租税特別措置法及び所得税法の一部を改正する法律案について申し上げます。
この法律案は、最近における地価の急激な上昇に顧み、土地収用法を改正する等一連の総合的な土地対策が講じられることに対応し、その一環として税制上次の措置を講じようとするものであります。
まず第一に、個人または法人の有する資産が改正土地収用法その他の法律の規定によって収用などされた場合の譲渡所得に対する課税については、千二百万円の特別控除または現行法に基づく課税の繰り延べ制度のいずれかを選択することができることといたしております。
第二に、個人が三年をこえて保有していた土地建物等を譲渡した場合のいわゆる長期譲渡所得に対する課税については、現在その所得の二分の一を課税対象といたしておりますが、これを改めて、その譲渡所得金額のうち、収入金額の五〇先に相当する部分については現行どおり二分の一課税とし、それをこえる部分については全額課税とすることといたしております。
なお、急激な負担の変動を緩和するため、右の二分の一課税の対象となる部分の割合を、昭和四十二年分にあっては九〇%、同四十三年分にあっては七〇%とする経過措置を講ずることといたしております。
第三に、居住用財産を譲渡した場合または土地等を居住用財産に買いかえる場合の譲渡所得の課税にあたっては、現行の居住用財産を買いかえ、または交換した場合の課税の繰り延べ制度にかえて、九百万円の特別控除を行なう制度をとることといたしております。
第四に、通常の譲渡所得に関する控除額につきましては、現在、所得金額に応じて二十万円から十五万円までとなっておりますが、これを一律に三十万円とすることといたしております。
なお、以上申し上げました改正のうち、第一及び第二の改正は、土地収用法の一部を改正する法律の施行日以降に、第三の改正は、昭和四十三年一月一日以降に行なわれた資産の譲渡にかかる所得税または法人税について適用し、第四の改正は、昭和四十二年分以降の所得税について適用することといたしております。
本案に対しましては、村山達雄君外九名より三党共同提案にかかる修正案が提出せられました。修正の内容は、次の二点であります。
まず第一点は、今回の長期譲渡所得課税に関する改正措置の適用対象を、この法律の公布の日以降に取得した土地建物等に限定しようとするものであります。
第二点は、個人の所有する農地と一体として使用されてきた国有地たる農地、いわゆる二線引き畦畔の所有権を取得時効によって取得した場合の保存登記の登録税率を、一定期間に登記がなされたものに限って千分の三に軽減しようとするものであります。
次いで、本修正案につきまして内閣の意見を聴取いたしましたところ、福田大蔵大臣より、本修正はやむを得ないものと考える旨の意見が述べられました。
かくして、本案並びに修正案につきましては、慎重審査の結果、昨二十四日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって修正議決となりました。
次に、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避のための日本国とドイツ連邦共和国との間の協定の実施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特例等に関する法律案について申し上げます。
この法律案は、別途今国会において承認されましたドイツ連邦共和国との間の租税協定を実施するため、同協定に規定されております事項のうち、特に法律の規定を要するものについて所要の措置を講じようとするものであります。
まず第一に、わが国の税法によりますと、外国人または外国法人の取得する配当、利子及び工業所有権等の使用料につきましては、原則として二〇%の税率で源泉徴収所得税が課されることになっておりますが、この税率を協定上の最高限度である一五%及び一〇%と定めることといたしております。
第二に、外国人または外国法人がわが国に支店等を有して一定の事業を行なっている場合には、ただいま申し上げました配当等の所得とその他の所得とを合算して申告納税を行なわなければなりませんが、合算の結果、これらの配当等に見合う所得税または法人税の税率がさきの軽減税率をこえないよう所要の措置を講ずることにいたしております。なお、この場合、法人税につきましては、地方税をも含めて軽減税率をこえないよう、特別の調整税率を適用することにいたしております。
本案は、さきに参議院を通過して本院に送付されたものでありますが、審査の結果、昨二十四日、質疑を終了し、直ちに採決いたしましたところ、全会一致をもって原案のとおり可決となりました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/24
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025・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 両案を一括して採決いたします。
日程第六の委員長の報告は修正、第七の委員長の報告は可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/25
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026・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり決しました。
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内航海運業法の一部を改正する法律案(内閣
提出)
道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案
(内閣提出、参議院送付)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/26
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027・海部俊樹
○海部俊樹君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、内閣提出、内航海運業法の一部を改正する法律案、内閣提出、参議院送付、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案、右両案を一括議題となし、委員長の報告を求め、その審議を進められんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/27
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028・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 海部俊樹君の動議に御異議はありませんか。
〔「異議なし」〕と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/28
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029・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加されました。
内航海運業法の一部を改正する法律案、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/29
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030・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 委員長の報告を求めます。運輸委員長古川丈吉君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔古川丈吉君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/30
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031・古川丈吉
○古川丈吉君 ただいま議題となりました二法案について、運輸委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、内航海運業法の一部を改正する法律案の趣旨を申し上げますと、本法案は、最近における内航海運の実情にかんがみ、内航海運の自立振興対策の一環として、その企業規模の適正化を促進する等のため、現行内航海運業の登録制を、切りかえ期間二年半をもって許可制に改めることといたし、その許可基準を明確に法定し、使用する船舶の増加等については、事業計画の変更の認可を要することとする等、所要の改正を行なおうとするものであります。
次に、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案の趣旨について申し上げます。
最近における自動車交通の著しい伸展に伴い、自動車ターミナル事業は逐年発展し、今後高速自動車道の整備に伴う自動車輸送の合理化、都市交通の混雑緩和並びに都市開発等の観点から、ますます自動車ターミナルの整備の必要性が高まりつつありますので、道路運送事業及び通運事業と同様に、道路交通事業財団抵当制度の対象に加えるものであります。
さて、内航海運業法の一部を改正する法律案は、五月三十一日本委員会に付託され、翌六月一日政府より提案理由の説明を聴取し、また、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案は、四月二十八日本付託となり、五月十一日政府より提案理由の説明を聴取し、その後審議の後、採決の結果、内航海運業法の一部を改正する法律案につきましては起立多数、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案は全会一致をもって、いずれも可決すべきものと決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/31
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032・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) これより採決に入ります。
まず、内航海運業法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/32
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033・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、道路交通事業抵当法の一部を改正する法律案につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/33
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034・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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035・山口喜久一郎
○議長(山口喜久一郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後五時二十分散会
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出席国務大臣
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
農 林 大 臣 坂田 英一君
運 輸 大 臣 中村 寅太君
国 務 大 臣 福田 篤泰君
国 務 大 臣 松野 頼三君
出席政府委員
内閣官房長官 橋本登美三郎君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105105254X06919660625/35
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