1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月二十九日(火曜日)
午前十時五十六分開会
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委員氏名
建設委員
委員長 中村 順造君
理 事 石井 桂君
理 事 稲浦 鹿藏君
理 事 山内 一郎君
理 事 小酒井義男君
青木 一男君
内田 芳郎君
大森 久司君
奥村 悦造君
小山邦太郎君
平泉 渉君
森田 タマ君
米田 正文君
竹田 現照君
達田 龍彦君
前川 旦君
村田 秀三君
白木義一郎君
片山 武夫君
春日 正一君
地方行政委員
委員長 林田 正治君
理 事 小林 武治君
理 事 沢田 一精君
理 事 加瀬 完君
理 事 原田 立君
小柳 牧衞君
郡 祐一君
高橋文五郎君
竹中 恒夫君
津島 文治君
天坊 裕彦君
鍋島 直紹君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
二宮 文造君
市川 房枝君
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出席者は左のとおり。
建設委員
委員長 中村 順造君
理 事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
山内 一郎君
小酒井義男君
委 員
青木 一男君
大森 久司君
平泉 渉君
米田 正文君
竹田 現照君
達田 龍彦君
前川 旦君
白木義一郎君
片山 武夫君
春日 正一君
地方行政委員
委員長 林田 正治君
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
原田 立君
委 員
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
市川 房枝君
国務大臣
建 設 大 臣 瀬戸山三男君
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
総理府総務副長
官 細田 吉藏君
内閣総理大臣官
房陸上交通安全
調査室長 宮崎 清文君
警察庁長官 新井 裕君
警察庁交通局長 内海 倫君
建設省道路局長 尾之内由紀夫君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
常任委員会専門
員 中島 博君
説明員
自治省財政局財
政課長 佐々木喜久治君
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本日の会議に付した案件
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案
(内閣提出、衆議院送付)
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〔建設委員長中村順造君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/0
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001・中村順造
○委員長(中村順造君) ただいまから建設、地方行政連合審査会を開会いたします。
先例によりまして、私が連合審査会の委員長の職をつとめます。
それでは、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案を議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/1
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002・鈴木壽
○鈴木壽君 交通対策本部の関係で最初にお聞きしたいのでございますが、実は本部長である総務長官にお聞きしたいと思っていましたが、まだ見えられませんので、副長宮のほうにお伺いをいたします。
交通対策本部ができまして、いろいろ交通対策、特に交通事故対策、これを全般的な立場から進めてまいったというふうに考えておりますが、現在交通対策本部として、というよりも、むしろ政府として、一体交通対策の上で特に事故対策、こういう点で基本的に考えられている点をひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/2
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003・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) お答え申し上げます。
本日交通対策本部長でございます安井総務長官が予算分科会のほうの質疑がございまして、出席をいたしております関係で、私は副長官の細田でございますが、かわってお答え申し上げたいと思います。
まず、ただいまお尋ねがございました交通対策本部としての基本的な考えを申し上げます前に、御参考までに最近の交通事故の状況につきましてごく簡単に申し上げてみたいと思いますが、昭和四十年の総事故件数は約五十八万件ございまして、昭和三十年を一〇〇といたしますとおおむね六〇〇、六倍という事故の増加になっております。その中で特に私ども最も重点を置いております人命の見地からいたしまして、死者の数でございますが、これが昨年昭和四十年は約一万二千五百、一万二千四百八十四名でございまして、昭和三十年当時と比べますると、約二倍に近い、二倍弱という、非常に大きな死者数を出しておるのでございます。ただこの死者数は、昭和四十年におきましては、前年度の昭和三十九年に比べまして六・三%の減少になりました。三十年以来ずっとほぼ上りカーブできておりまして、間で若干の、大体前年同数くらいのがございましたが、昭和四十年初めてやや減少を見ておるような次第でございます。負傷者につきましては、昭和四十年度四十二万五千人という膨大な負傷者でございまして、これは昭和三十年を一〇〇といたしますると、約五倍半近い数字になっておるわけでございます。ただ一番問題になっておりまする自動車でございますが、自動車が、昭和三十年当時に比べまして五倍四分、七百九十万台ほどになっておるわけでございまして、自動車千台当たりの件数といたしましては、昭和三十年度が六四でございまして、これが逐次ふえまして、一番ひどうございましたのは、昭和三十四年、五年、このころには自動車千台当たり百三十四件というようなピークがございましたが、自動車の台数の増加と事故との関係では、昭和四十年度は七一、死者につきましてはこの率が非常に低いものになっておりまして、昭和三十年当時四人四分でございましたものが、昭和四十年は一人六分、こういうことに相なっておる次第でございます。
まあ、以上はきわめて概略の事故の趨勢の数字でございますが、依然といたしまして、交通安全の問題は、個人の不幸をこえた非常に大きな社会問題であることは、もう申し上げるまでもございません。交通対策本部といたしましては、人命尊重の見地よりいたしまして、全力をあげて交通事故防止の徹底をはかる気持で、ずっと仕事を続けてまいっておるわけでございます。
交通対策本部は、御承知のように、総理府総務長官を本部長といたしまして、関係各省の次官、また警察庁長官、こういった方々を部員にいたしまして、そのつど次官会議に引き続きまして、しばしば開催をいたしておるのでございますが、さらにその下の機構といたしまして、官房審議室長を中心に……失礼いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/3
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004・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっといま私お聞きしているのは、そういうことではなくて、交通対策、特にまた事故防止対策について考えておるところをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/4
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005・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 承知しました。そういうことでしばしばやっておるわけでございます。基本的な考え方について申し上げたいと思います。
第一番目は、交通事故防止についての長期的かつ総合的な対策を樹立することを本部として第一義に考えております。現在各関係の各省庁におきまして、それぞれの分野で交通事故防止対策を立てて、諸般の施策を実施しておりますが、交通事故防止の徹底をはかりますためには、どうしても総合した基本的長期計画を樹立する必要があるわけでございまして、これを中心に総理府の交通安全調査室が手がけておるわけでございます。全般的な長期計画というものをまだ樹立するところまで至っておりませんけれども、たとえば国会に出ております交通安全施設等の整備事業に関する三カ年計画の緊急措置だとか、あるいは踏切道の改良促進法を延長いたしまして、踏切道に対する今後の五カ年計画を樹立するとか、こういったようなことは部分的に始めておるわけでございます。私どもといたしましては、ほんとうの意味で一切を総合した基本的な長期計画を樹立する必要があると考え、鋭意努力をいたしておる次第でございます。
第二番目は、何と申しましても予算の重点的な投入が必要でございます。交通事故防止対策、非常に広範にわたっておるのでございまして、多額な予算が必要でございまして、本年は全額では千四百五十二億、昭利四十一年度の交通安全関係の予算を組んでおります。もっともこのうちで自動車損害賠償保険の関係の費用がございますので、これを除きますと大体四百億程度の予算を投入をいたしておりまして、昨年の昭和四十年度に比べまして三九%という増加になっておる次第でございます。これらの詳細につきましては、お尋ねがございますれば、後ほど安全調査室長からお答えを申し上げたいと思います。
第三番目といたしまして、交通事故防止につきまして、何と申しましても国民各層の積極的な参加体制を確立いたさなければならないわけでございます。政府の施策のみでは、交通事故防止が速成できません。ほんとうに一体となって強力な交通安全をやっていかなければならいことは、もう申し上げるまでもございません。この意味におきまして、昨年は二回にわたりまして交通安全国民会議を開催いたしまして、総理大臣も出席し、各方面の権威の方々にお集まりをいただいて、国民会議を開いたわけでございます。さらに全国交通安全運動の強力な実施をいたす、こういうようなことで、交通事故防止に国民が積極的に参加をしていただくような体制を、今後とも続けてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
最後に、交通事故防止についての具体的な対策でございますが、昨年一月、交通対策本部において決定をいたしました交通事故防止の徹底をはかるための緊急対策を、引き就き強力に推進をしてまいりたい考えでございます。この対策を推進いたしますにあたりまして、当面道路利用者のうちで最も弱い立場にございます、また交通事故による死者の非常に大きな部分を占めております歩行者の保護につきましては、特に重点を置いてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
たいへん意を尽くしませんが、基本的な考え方について申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/5
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006・鈴木壽
○鈴木壽君 いまいろいろお話を承りましたが、この交通対策本部ができましたのは、たしか三十五年だったと思います。その前には交通事故防止対策というような名前でのそれがありましたが、正式にいまの名前になったのが三十五年の十二月だったと思いますが、まあ現在まで相当な時日を経過しておるわけなんであります。そこで実は私、端的に申し上げますがいろんな会合をやり、あるいは政府部内の各省庁との連絡をとり、総合的な対策を講じると、こういうふうなことをやってまいりましたけれども、なかなか効果的な対策と申しますか、そういうものが出てこなかったんであります。しかしいまおっしゃられましたように、昨年の一月にいわば緊急を要するものとしての対策というものが立てられまして、それがまたすぐ四十年度において実施されるかというと、そうではなしに、まあ今度出てまいりました。それが新たな年度においてようやく発足をすると、こういうような形になってきておりまして、どうもテンポが少しのろいんじゃないだろうかと思うのであります。まあそれはともかくとしてですね、そうしますと今度出てまいりましたこの緊急措置の法案、これは対策本部として考えておりました交通事故防止の徹底をはかるための総合的な対策としての第一段である、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/6
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007・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 今回の交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法案並びにこれの裏づけになっております予算がついておるわけでございますが、これにつきましては、法案の提出その他につきましては、建設省並びに自治省が中心になっておられるわけでございますが、基本的には、先ほど申し上げました昨年一月の交通事故防止の徹底をはかるための緊急対策についての道路及び交通関係の整備拡充という一番劈頭にございますこの項目の実施といたしまして、主として両省で計画をされるわけでございまして、緊急対策の重要な一環をなしておると考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/7
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008・鈴木壽
○鈴木壽君 ですから、緊急対策の重要な一環というのは、私が先ほどお聞きしましたように、緊急対策というものが立てられ、それが発表になっておりましたけれども、特別目に見えるような実施計画、あるいはそれに基づくところの事業の推進というようなものがなかったと思うのでありますが、今度この法律をつくりまして、これによって交通安全施設等の整備を中心にした、いわば対策を立てていくんだ、こういう意味でのいわば政府がきめました対策の第一回目のそれだ、というふうに考えていいわけなんですね、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/8
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009・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 交通安全対策の項目というものは、非常に広範にわたっておるのでございまして、これ主でも、たとえば西宮で例のタンクローリーの事故がございました。これなどにつきましても、運転管理の問題から、あるいは危険物の問題その他いろいろな問題かございまして、こういう一つの例でございますが、こういう危険物の運送、こういうものに関しまして交通安全の見地からいろいろ実施いたすとか、個々にはいろいろいたしておるのでございますが、やや統一的なまとまった施策としましては、いまおっしゃいましたように、今回の施策がいわば初めてと申してもよいのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/9
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010・鈴木壽
○鈴木壽君 さっき対策本部で考えておることについてのお話の中に、長期的な計画、そして総合的な計画で実施してまいる、そのためには予算の重点的な投入を行なってと、こういうふうなお話がございました。そういう意味で今回の緊急措置法が三年というようなことで発足するようでありますが、長期というのかどうか。いずれ単年度のそれからしますと、長期と言ってもいいでしょう、そういうような意味で政府がほんとうに交通事故防止対策として踏み出したんだ、これが第一歩なんだというふうに思われるわけなんですが、それがそうであるのかないのか、いやもっと別に考えているんだ、こういうのであるのかどうか、そこら辺をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/10
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011・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) おっしゃるとおり考えていただいて差しつかえないと思っております。私どもはさらにほかの有効な施策については、追っかけて長期的な計画を実施に移していきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/11
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012・鈴木壽
○鈴木壽君 そこで私は実はお聞きしたいことは、今回の特別措置ですが、安全施設の整備を中心にし、しかも、建設省関係のものの全部でもございません。それから警察庁の関係のものと公安委員会関係のものと、こういうふうになっておるわけなんです。ところが、政府が昨年の一月に発表いたしました緊急対策には、警察庁関係で担当すべきもの、運輸省で担当すべきもの、建設省で担当すべきもの、あるいは科学技術庁等で研究等をしなければならないという問題、こういう幾つかの省庁に分かれた、そうしてその省庁が責任を持ってこれをやっていくのだ、こういうふうな対策を発表しておられますね。それが今度さっきからお話かありましたように、一本化した形でやっていきたいというようなことで、こういうふうになったのだろうと思います。がしかし、それにいたしましても、どうも安全施設というものを一つ取り上げただけでももっとこれは、たとえば運輸省関係、建設省関係の踏切道についての問題、あるいは立体交差道の問題、こういう問題もなければ、何か信号機をつけるとかガードレールを取りつけるということだけで、これかはたして総合的な計画と言われるのかどうか、こういうことに私は疑問を持つわけなんです。ですから、そこら辺のところをもう少しはっきりお伺いしたい、こう思うわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/12
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013・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) ただいま御指摘がございましたように、これでは非常に限られた部分ではないか、おっしゃるとおりであると思います。ただ、たとえば踏切道の整備、あるいは立体交差化というものにつきまして、運輸省といたしまして長期の計画を持っておりまして、御案内のとおり本年の三月で踏切道促進法の期限が、時限立法でございますので、切れることになっておるわけでございますが、これをさらに五年間延長をいたしまして国鉄の踏切道の整備、また私鉄の踏切道の整備、立体交差化というものを進めることになっておるのであります。いま交通安全施設等整備事業に関する法律を出し、またこれの関係の予算は建設省、警察庁の関係でやっていただいておるわけでありますが、他の部門につきましては、それぞれ予算をさらに御説明を申し上げると、私どもの力を入れておりますような点がおわかりいただけるのじゃないか、こう思っておりますが、したがいまして、これは法案の関係その他から、ただいまの緊急措置法関係のものは建設省、警察庁が中心でおやりいただく、あとはそれぞれのところでやっていただいておるわけであります。それらを不完全ではあるかもしれませんが、総合調整をして推進をいたしていくのが対策本部の仕事であると考えております。そのことの予算等につきまして御質問がございますれば、御説明を申し上げたいと思っておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/13
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014・鈴木壽
○鈴木壽君 いままで交通事故防止対策で一番問題として指摘をされておったことは、政府の各省庁間の各機関の施策がばらばらである。こういうことからせっかくいろいろな投資を行ない、設備の改善をやり、あるいは施設の設置等をやっても、ばらばらであるために効果があがらなかった、こういうことであったと思うのです。これは私がただそう思うだけでなしに、おそらく政府自身もそういうふうに考えられておっただろうと思います。だからこそ、長期的かつ総合的にこれから対策を立ててやっていくんだと、こういうことであっただろうと思うんです。だとしますと、私は今度の交通安全施設等の整備につきまして、もっと各省庁でそれぞれ持っておるそういうことのための施設の改善なりというようなものがどっかで一元化されて——一一元化ということばは少し悪いんですが、まとまった形においてですね、もちろん仕事の進める主体はそれぞれの省庁であってもよろしゅうございますけれども、計画全体としてはきちっとまとまった形で立てられなければならないんじゃないだろうかと、こういうふうに思います。あなたがいまたとえば運輸省関係なり踏切道の問題なり、それぞれでやってるんだと、これは私もそのとおりだと思います。しかし、それぞれやってるんだということでいけなかったのが、いままでの経過なんでございます。今度せっかくこういう法をつくって、それによっていわば総合的な計画を立て、それによって事業を推進していくというようなことであるならば、踏切の問題は私はこれは抜かれない問題だと思うんですね、交通事故防止対策においては。仕事をどこでやるということじゃありません。そういう意味で私は、今回のこの総合的なと言われる緊急措置が、それによってつくられる計画が、どうも肝心なところが抜けているんじゃないか、こういうふうに思うんですが、その点について何かお考えございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/14
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015・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 御指摘のとおり、また私が先ほども申し上げまして、ほんとうの意味での緊急対策全体をおおうような長期的な整備計画を樹立することがこれは望ましいという点については、もうお説のとおりでございまして、そういう点で政府の総合調整といいましょうか、全体的な長期計画というものが、さきにも申し上げましたように、そこまで至っておらないということは、まあたいへん残念に考えておるわけでございます。ただ問題は、総合調整も必要であると同時に、個々にもいろいろ仕事を推進していかなきゃならぬという実情もございます。そこで、計画としましてこういうばらばらのような感じをお持ちになることも事実でございましょうし、また実際問題として、まだばらばらの点が相当残っておるというような点については御指摘のとおりと思います。今後そういう点については私どもさらに努力を続けていかなきゃならぬ、かように考えておるわけでございますが、ただ、私どもの交通対策本部の幹事会あるいは対策本部の会合では、それぞれの省庁の交通安全に対してとられるいろいろな施策につきましては、十分な連絡はとっておるわけでございます。ただ残念ながら、いま御指摘のございましたような総合的な長期計画というところまで至っておりません。その点は今後さらに努力をいたさなきゃならぬと、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/15
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016・鈴木壽
○鈴木壽君 そうしますと、今度この法律に基づいて三カ年計画を立て、具体的には四十一年度から仕事を進めていくということになりますが、いまお話のように、今後の問題としてやっぱりいま少しく総合的にやっていかなきゃいけないとすれば、この緊急措置法による計画の、何ていいますかね、もう一度練り直した、手直ししたものをつくらなければいけないというふうにお考えになっているのですか。それはそれとして別だ、こういうことなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/16
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017・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) 今回の緊急措置法並びにこの裏づけになっております予算につきましては、対策本部といたしましていろいろ協議をいたしましてでき上がっているものでございます。したがいまして、いま直ちにこれを私は先ほど申し上げましたような観点から直さなければならぬというふうには考えておりません。ただ情勢によって、これが三カ年間これでいいのかどうかというような問題が、別な角度から起こってくる場合はあり得るかもしれませんが、十分この計画につきましては協議をいたした結果のものでございます。私が先ほど申し上げましたのは、むしろ他の部面におきましていろんな点で計画的で必ずしもないというような点について、さらに考えていかなければならぬ、こういう意味で申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/17
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018・鈴木壽
○鈴木壽君 時間の関係もありますから、あまりこの問題でどうのこうのと言っていられないと思いますが、たださっきも申しましたが、こういう施策というものは、それこそ緊急を要すると、これは政府でも認めていらっしゃるように。しかもその緊急性というものは、いま始まったことじゃなくて、何年も前から緊急性を叫ばれてきた問題なんです。そういう点からいうと、今度まあこういうもので緊急措置ができる、しかしなおかつまだ何といいますか、不十分な点がある、総合的な計画としての不十分な点がある、こういうふうになるならば、これはやはり早急に考えてもらわなければならぬことじゃないだろうか。このままでいきますと、私は確かに信号機とか道路標識とかあるいはガードレールとかというものを、しかもいま事故の多発している地点に対する手当ては、一応済むかもしれません。しかし、それは実はいわば一応のことであって、ほんとうの意味でのそれじゃないと思うので、ですから、これはやはりいまの法律がまあできるかできないかというときに、もう一度検討しますということも言えないだろうと思いますけれども、これはやはり対策として、法律はともかく、対策として考え直してもらわなければ私はいけないと思うのであります。それはそれとして、今度の緊急整備計画と私はまあそういうふうに呼びますが、その計画についてでありますが、この計画に盛られる事業と、それから建設省関係の道路整備五カ年計画の中で、安全施設等の充実計画があるはずなんであります。四兆一千億のあの五カ年計画の中に、たしか安全施設の充実のための経費が七百数十億入っているはずなんであります。それと今度の新しい、いわばさっき言った緊急整備計画の仕事と一体どういう関係になるのか、これを一つ明らかにしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/18
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019・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 道路整備五カ年計画の中で、交通安全施設対策と申しますものは、従来は踏切道等も入れましていまお話のように七百数十億のものを考えておりました。今回御提案申し上げております交通安全施設の計画もこれも五カ年計画の中の事業としてやらしていただきたい、かように思っております。そこで、それらを仕分けいたしてみますと、この新しい交通安全施設等整備事業によって実施いたしますものが、五カ年計画の中で約六百億でございます。それから、これ以外に普通の道路計画、普通の一般道路整備事業の中で、これとは別に合わせてやりますところの交通安全施設事業が約二百八十億ぐらいになろうと思います。それから先ほど申しましたように、踏切道は別途また法律ございまして別に整備いたしております。踏切道に関する事業計画が四百三十億ぐらい、これらも、もちろん交通安全でございますか、一応仕分けをいたしまして、踏切道は踏切道改良促進法によってやるもの、交通安全施設は、いま申しましたように道路整備一般事業としてやるものと、今回御提案しますように交通安全施設等整備事業によります緊急措置法によりましてやりますもの、こういうような建て方になっております。大体、以上の仕組みになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/19
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020・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと数字のことでお聞きしますが、いまのお答えの中に、道路整備五カ年計画の中に安全施設の充実等の計画を盛り込んで、その所要経費として、一応七百三十億程度ございますね。この新しい緊急整備対策、この計画のやつは、その七百三十億で見込んであるその安全施設計画のうち大体六百億をこの計画のほうに寄せてくると、こういうんとなんですか。そこらはどうなんです。それからもう一つは、その他の一般道路の整備等において二百八十億という数字をあげられておりますが、この数字の関係をもう少しおっしゃっていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/20
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021・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 少し説明が不十分でございましたが、七百三十億の中には踏切道が約四百三十億入っております。したがいまして残りの約三百億、これが交通安全施設でございますが、実はこの中で道路改良を一緒にやりますものと、それから単独に交通安全施設としてやるものとがございまして、今回、単独で交通安全対策をやるものをそれから抜き出しまして新たに交通安全施設として六百億のものを考えていく。したがって、従来七百三十億の中で考えておりましたものは、踏切道の四百三十億と、それから改良に伴います交通安全施設費用が約二百八十億ぐらいになろうと思いますが、そういうものがあると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/21
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022・鈴木壽
○鈴木壽君 すると、七百三十億という既定の計画の中の数字の中では、踏切道の改良等のために四百三十億を見込んであると、残り三百億、これのうち、これからの道路改良等によって、当然設置をしなければいけないような交通安全施設、その金が二百八十億あると、大体、残り二十億経度でございますね。これが今回、二十億程度で考えておったものを今回の新たな計画のほうでやっていくんだと、こういうことでございますか。その点もう少し……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/22
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023・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 従来、三百億の中に考えておりましたものの一部を今回別建てにしまして、それに新たなものを加えまして、全体で六百億ぐらいの交通安全施設整備事業というものを考えた、起こしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/23
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024・鈴木壽
○鈴木壽君 これはまだそこまでお聞きしておりませんでしたが、建設省の関係の今回これからできる三カ年計画では六百三億円という数字が事業費として出ておりますね。そのことをいまおっしゃっているんですね。ただ、そのさっきの二百八十億という御説明、あるいは踏切道のことで使う四百三十億を差し引いた三百億というお話の中に、何かちょっと私の理解しかねるような問題がありましたものですから、いまお聞きしたのですが、これでは今度の計画で建設省関係の仕事——これはこれから改良、改築等を行なっていく、もちろんまあ新設もあるかもしれませんが、そういうものを含めて、これからやっていく道路について安全施設をつくっていくという、こういうのであるのか。既存の道路の、まあその中には未改良の道路もあるでしょうし、あるいは改良されたといっても安全施設の不備なものもあるでございましょうから、そういう既存の道路の安全施設の整わないものに対して、今回これからの計画によってその施設をつくっていくのだと、こういうふうなことになるのか、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/24
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025・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) この法律の第二条にそのことをいっておりますが、道路の改築に伴って行なわれます交通安全施設の整備は、ただいまお話がございました六百億と私ども考えております事業からははずしておるわけでございます。したがいまして、道路の新改築に伴って交通安全施設をやっていくものは、当然そちらのほうでやっていくというたてまえであり、いまお話しのように、すでに既改良であってそういう施設の不備であったもの、あるいは未改良ではあるが非常に危険度の高いもの、交通安全施設を整備しなければならぬもの、そういうものに対する措置として今回緊急に整備しなければならぬということで、この法案を出しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/25
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026・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、またさっきの数字のところで、ちょっと私わからないところが出てくるのです。安全施設のための踏切を除きますと大体三百億でございますね。それで大体これからの改良、改築をやっていく問題、これに伴ってくる安全施設の整備ですね。これに相当金がかかるのじゃないだろうかと思うのです。そこら辺の仕分けはどうなんです。既存の問題、既存の道路の、これは未改良のものも入るし、既改良のものも入る。これと、それからいまお聞きしたように、これからまだ、これは三十九年度からですから、もう三年ございますね。その間に新しく改良工事なり、改築のそれをずっと進めていかれる。それに当然その付属物としてのいわば、まあ私どもここに抜き出して安全施設と言っておるのだが、当然つかなければならないものがたくさんありますね。これをこの三百億の中にどの程度見ておるのか。それを私さっきのお話ではわからなかったものですから聞いたのですが、どうももう一度これは念を押してみなければいけない、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/26
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027・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) ただいままで道路局長がお答えしたこと、いま重ねておっしゃることはごもっともであると思います。こういうふうにお考えを願いたいのです。まあ七百三十億というものをいまの道路計画の四兆一千億の中で見ておりますが、今度六百億余りのものを緊急に整備しようと、これは先ほども御説明申し上げましたように、これから改築をするというようなことの仕事は別でありまして、先ほど来お話しになっておりますすでに改良した分も、自動車がこの程度に来るという想定でなくて、やはり交通安全が保たれないという事実、あるいは道路改良が非常に急速に全部済めばけっこうでありますけれども、なかなか財政等の事情で全部急速にということにまいりません。したがって未改良地域等において、自動車交通その他のために交通安全がなかなか保たれない、そういう区域についていろいろ調査をいたしまして、少なくとも三年間で六百億余、警察まで入れて六百四十七億くらいの想定をいたしておりますが、そういうところを緊急に早期整備をして、交通安全をはからなきゃならぬ、こういう構想であります。したがって、いまの五カ年計画のワク内と申しますか、七百三十億こういうことでは全然まかなえないです。そういう計算になっております。そこで私どもはこれは道路五カ年計画の想定外である、この仕事は。したがって道路五カ年計画は四十二年度からこういうものを含め、さらに高速自動車道その他現在進めております一般道路の整備をもっと促進する、こういう意味で改定を前提にしていくことを考えておるわけでありまして、いま一応きめております五カ年計画の中では、これはまかなえない、こういう事情にあるということを御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/27
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028・鈴木壽
○鈴木壽君 どうもちょっとわからなくなりましたです。局長のお話は五カ年計画のやつ七百三十億の問題から、その中のやつも今度の計画の中に入るんだと、こういうお話が先ほどあったと私聞いたのですが、そういうことを前提に、私、じゃ、このうちの踏み切りを除いた三百億というものを一体どう計画自体でこれからの道路の改築、改良、新築等に必要な安全施設、これのためにどのくらいかかるために、これを一応計画上留保しておかなければならぬでしょう。したがって、今度のこれにぶち込むためには、どの程度の金が考えられておるのか、こういうことを二回にわたってお聞きしたのですが、そうすると、大臣、まあ五カ年計画の七百三十億は、それはそれで別だと、新しく今度の六百三億を投入しようとする、これは緊急対策として新しく別ワクでやるのだと、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/28
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029・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 端的に申し上げるとそういうことであります。ただ、道路財政の運営は五カ年計画の中でやるということになっておりますから、局長がお答えしておりますのは、いま六百億云々ということは、これは改定をしなければ当然まかなえません、数字が合わぬわけですから。いまやります仕事は昭和四十一年度、これは百億余り想定して予算に出しておるわけでありますが、そういうものはやはり五カ年計画の中でまかなうのでございます。結局五カ年計画以外で道路財源は現在はきまっておりますから、それを膨張しないと——先ほどの改良の際にも進めていく、これは当然にこれから安全施設を含めた道路改良していくわけでありますから、それはそれで進めていかなければならぬ。全然最初に道路計画で入っておらぬ分も、新たに先ほど申し上げたようなところをやろうと、こういうことでございますので、ただ五カ年計画で四兆一千億になっておりますが、いまその中で局長は答えておるわけでありますので、結局七百三十億、踏切道を除いて三百億の中でいまはこのほうもやるのでございます。しかし、全体からいうと、別に道路計画を資金を改定しなければならぬ、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/29
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030・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 三百億の中に、単独でいまつまり既改良道路あるいは未改良道路に対する交通安全施設と考えておりましたものが二、三十億あったわけでございます。残ります二百七、八十億というものは、私どもは今後いままでもそうでございますが、改築を一緒にやろうとするのであって、これはこのまま置いてあるわけであります。ただ従来の三百億の中に、わずかではありますが、そういうものがありましたから、今回それを整備して別に取り出して、それでは非常に少のうございますから、従来単独事業の中に期待しておったこういう安全施設を一緒にまとめまして、六百億という規模のものを起こし、これに対して助成の道を開こうというような考えでおりますので、三百億とはそういう関係になっていることを御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/30
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031・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの点大体わかりましたが、それじゃ国家公安委員会のほうに、信号機の設置の四カ年計画というのがございましたね、これは四十年度からだったと思いますが、第二年度が今度四十一年度にぴしゃっと入っていって、こちらのほうの三カ年計画の中に、二年次、三年次、四年次の分がありますけれども、吸収と言っちゃ悪いかもしれないが、いずれ一体化されて、この四カ年計画が、新たな緊急整備計画、これが完成することによって信号設置の四カ年計画もこれでぴしゃっと完成すると、こういう計画になっておりますが、この点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/31
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032・内海倫
○政府委員(内海倫君) お答え申し上げます。
四カ年計画の今度の緊急措置によります三カ年計画の関係でございますけれども、四カ年計画は昭和四十年度から向こう四カ年間を対象といたしまして、全国で信号機がどのくらい設置する必要があるかということを検討いたしまして、約五千基の必要があるということで計画を立てたものであります。ところが、今回緊急措置法が制定される予定になっております。これに基づく計画として三カ年計画が立てられたわけでありますけれども、当然この計画は先ほど申し上げました四カ年計画の中に包摂されるものでありますけれども、されば四カ年計画をいたしておりますものと、三カ年計画はそれを三年に縮めたものかというと、そうではなくて、その中に包摂されるものであります。やはり三カ年計画のこの緊急措置の対象道路外の道路もあるわけでございます。また新改築の道路もあるわけでございますから、そういうものを含んでの四カ年計画というものは当然あるわけでございまして、いわば四カ年計画の中に三カ年計画は指定道路の分の対象として含まれている、こういうふうに理解していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/32
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033・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの信号機の五千基設置についての四カ年計画、第一年次が四十年度、ことしでございますね、そうするとあと三カ年残っているわけでありますが、その三カ年にそれをやっていくのだが、この緊急措置によって、いわば緊急措置のほうで一本になって吸収されるようなかっこうになるのもあるけれども、しかし、この緊急措置に指定された個所とか路線とか、こういうものによっては五千基四カ年で考えておったその場所や指定路線と必ずしも一致しないから、はみ出すと言っちゃ悪いけれども、依然として計画のある部分は残っていく、別建てでこう進んでいく、こういうふうに聞いたのですが、それでよろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/33
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034・内海倫
○政府委員(内海倫君) 大体同じ趣旨でございます。したがいまして、予算の面でも四十一年度の予算につきましては、いわば三年計画のワク内にあるものとワク外にあるものを一応算定上分けて考えているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/34
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035・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、あとで警察関係の整備計画四十一年度のやつをお聞きしますが、普通のワクにあるものとワク外のもの、いわゆるワクの中に入ったものだけをこの三カ年計画の第一年度の四十一年度計画の中に入れているのか、そのワクのないやつも入れてこれもそうなんだと、四十一年度計画なんだと、緊急措置の。こういうふうな計画をしておるのか。その点ひとつ簡単でよろしゅうございますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/35
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036・内海倫
○政府委員(内海倫君) 先ほども申しましたように、四十一年度について申しますと、予算の面におきましては五百機定周期信号機で要求しておるわけでございますが、そのうちの四百機分というものは、この緊急措置に基づく計画対象の道路に対するものとして考えておるわけでございまするし、それ以外の百機の分につきましては、緊急措置の行なわれる道路以外の、すなわち新築される道路あるいは改築される道路、主としてそういうものを対象にして考えておるものでございます。そういうふうな一応の区分けはいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/36
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037・鈴木壽
○鈴木壽君 警察のほうと建設省のほうで、四十一年度の今度できるこの法案によらなければ最終的には計画としてあるいは出せないかもしらぬけれども、しかし予算措置が一応ありますから、それに基づいて立てた四十一年度の事業量なり経費なりというもの、こういうものがあると思いますが、それをいま出していただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/37
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038・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 四十一年度は事業費といたしまして、建設省関係は百億八千八百万、このうち予算関係にいたしまして六十八億四千五百万、地方負担が約四十四億と、こういうことになるわけでございますが、その具体的な内容につきましては、ただいま建設省と警察庁のほうで、各地方の道路管理者並びに地方の公安委員会等に基準を示しまして照会中でございまして、私どもの一応の推計はいたしております。たとえば歩道でございますと、百十キロぐらいをやるとか、あるいは歩行者横断施設なら二百九十カ所ぐらいやりたいとか、そういう個所を持っておりますが、それらはいまも御説明申し上げましたように、この法案の成立を待ちまして、なるべく早くそういった地方からの資料をとりました上できめたい。もちろんその場合に、この法律に基づきますところの交通安全施設整備の三カ年計画というのを閣議決定しなければならぬと思います。そういうような所要の手続をしました上で、この事業内容、個所等がきまっていくわけでございます。ただいま申し上げられます内容は、先ほど申しましたように、事業費で百億八千八百万、あるいは予算ワクで六十八億四千五百万、こういうような数字になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/38
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039・内海倫
○政府委員(内海倫君) 国家公安委員会関係について申しますと、四十一年度の予算額について申し上げますと、この緊急措置に基づきます三カ年計画の総額は、八億六百四十九万五千円、こういうことになっておりまして、御存じのように国は半額補助でございますので、国費の担当いたします面はその半分の四億三百二十万八千円、それでその事業内容のおもなものを申し上げてみますと、先ほども申し上げましたように、定周期信号機の四百機、これが二億四千万、歩行者用の信号機が三百八十三機一億六千五百余万、自動感応系統式信号機二セット五千七百余万円、横断歩道灯火式の道路標式、あるいは道道路標式補助板道路標式、こういうふうなものがそのほかにございますが、合わせて八億余万円。それで念のために申し上げておきますと、この緊急措置の計画外のものといたしまして、これも先ほど申し上げましたように、定周期信号機の百機六千万円ほか歩行者用信号機道路標式等入れまして二億九千五百万円、したがいまして警察庁の四十一年度に関する安全施設の総予算ということになりますと、十一億百五十四万七千円、こういうことになる。繰り返して申しますと、三年計画のものはそのうちの八億六百余万円、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/39
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040・鈴木壽
○鈴木壽君 これはいますぐと言っても、これは無理かもしれませんが、早急に警察庁関係、建設省関係のいまおっしゃったようなことを、これはひとつプリントとして、資料としてお願いしたいと思います。これはもちろんさっきお話がありましたように三カ年計画そのものが閣議決定になっておらぬしというような問題がありますけれども、しかし予算がもうすでに出ておりますから、それに基づいたあなた方の計画が当然あるべきだと思いますし、またいまお話があったのでございますから、それをひとつ早急につくってお出しいただきたいのですが、よろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/40
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041・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) さっそく用意いたしまして御提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/41
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042・内海倫
○政府委員(内海倫君) 御同様用心いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/42
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043・鈴木壽
○鈴木壽君 それから建設省にお聞きしますが、建設省の防護さくの整備三カ年計画というものがございましたね。これといまの防護さくのこの計画と今度の計画はどういう関係でぴしゃっとそれが今度の計画、新しく緊急措置の中に入ってくるのか、あるいはどっかはみ出すところがあるのか、そこら辺どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/43
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044・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 防護さくにつきましては、本年度から助成の道を講じておりますが、もちろん交通安全施設の最も重要な一部でありまして、当然この三カ年計画の中に吸収処理いたすわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 さっきからのことで、建設省関係三カ年で六百三億、公安委員会関係で四十四億と合わせて六百四十七億円の事業計画をいま考えておられるようでありますが、ただこの今回の緊急措置による三カ年間の計画六百四十七億円で、どの程度あなた方が考える事故防止、事故発生を食いとめることができるのか、こういうことを実は私お聞きしたいのですが、ただその場合に、事故の発生がどうのこうの言うのではなしに、全国にはこの新しい緊急措置によって整備されるところ以外に、相当なもっと手を入れなければいけない、整備されなければいけない、安全施設をつくらなければいけないところがあるだろうと思う。そういう観点から、その全国的な必要性といいますか、こういうものからいってどの程度になるというふうに見ておられますか。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/45
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046・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) きわめて大ざっぱな私どもの資料、推計によるものでございますが、大体この計画を立てる際に私どもが必要と思われる全体の事業の規模を推計してみたのでございます。もちろん建設省、警察庁協力して推計してみたのでございますが、大体千億程度の交通安全施設事業をやりますと、現在考えられております、事故が非常に多発しておりますところはもちろんでございますが、そのほかに危険と思われます個所に対してはかなりな整備ができる、かように考えております。今回、六百億という道路関係の数字を出したのでございますが、これは確かに緊急を要するものであり、他の残りはいかがかと申しますと、これは道路管理者が単独事業として自分で整備すべきもの、あるいは道路の改築に伴いまして行なわれるもの等を含めまして、大体今後そのくらいやっていけば、いまお話のございました現在の段階において、事故防止という点からはかなりのものができるのじゃないか、こういう判断に立っておるのでございます。なお、別の観点から申しますというと、この三カ年計画をもうかりに予定どうり実施することができました場合、警察庁の行ないました交通安全施設整備によります交通事故減少率、そういったものから推計いたしますと、一年間に約交通事故死傷者の数の約二六%減少できるだろう。もちろん今後相当いろいろ交通情勢の変化はあろうと思いますが、かりにこういう施設をやらないとすればかなりの事故がふえるだろう、こういう対策をやることによりまして全体の死傷者数の二六%ぐらいに及ぶものが防止できる、非常に顕著な社会開発的効果がある、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、大体この緊急措置の三カ年計画によって、一応事故防止対策としてのそれができるのだ、将来延長なり拡大をしてやるというようなことはないだろうというふうな結論になるようでありますが、そういうふうに考えてよろしゅうございますか。これは将来のことになりますと、いろいろなまた交通条件も変わってくるかもしれませんし、しかし、現時点であなた方が考える限りにおいてはどうなんですか、その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/47
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048・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) ただいま申しましたように、千億の投資をいたしますれば、かなりよくなるということは申し上げられるかと思いますが、やはりいまお話のように交通情勢というものは、刻々変わってまいるものでございます。また事故の形態もおそらく私ども予想しておるとおりの減少を示さないかもわかりません。したがいまして、三カ年たった後にどれだけのものがさらに必要になるかということは、数字的には私ども予測できませんが、先ほど申しましたように、かなり改善されるということだけは言えると思います。この緊急三カ年計画というのは、現時点において最も即効的に成果を期待するものでございます。当然、引き続き交通安全体制というものについては、もちろん道路計画におきましても考えなければなりませんけれども、即効的措置としては、一応この緊急措置法によってかなりの成果があがるというように期待しておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 一つ関連をしてお聞したいのですが、三カ年計画で速急のとりあえずの対策を立てるということになるわけなんでありますが、しかし、私はこれで足りるということはないだろうと思います。しかしそれはともかくとして、そこでこの三カ年計画というものがいわば既存の道路、未改良あるいは既改良を含めてそういうものの不備な個所に対する手当てなんでございますが、建設大臣、これから道路をつくる場合に、つくるというか新築も改良、改修等含めまして、こういう場合に当然道路の付属施設として安全施設というものを考えてつくっていかないと、またぞろ事故が起ったあとで手当てをするのにどうだという問題が絶えず起ってくるのじゃないだろうかと思うのです。いままでの改良された国道でもあるいは主要地方道でも見ますと、こういう安全施設もほとんど考えておりませんね。だからできてしまって何年かたったあとに、そこはこれもいけない、これでは事故が起こる。こういうようなことでこういう手当てをしなければいけないというようなことが出てくるのです。もともと今度の計画の中に盛られるほとんどのものは、私は当然道路の付属物として当然道路の改築なり改良なりをやる場合にやっておかなければいけないものが大部分じゃないだろうかと思います。特殊な信号とか標識とかいうものは別でございますけれども、将来を見通しながら当然事故をなからしめるためにやっておかなければならない道路の一つの部分だというふうに考えなければいけないと思いますが、そういう観点で、そうしてこれからの仕事をやっていかなければいけないと思いますが、その点建設大臣どういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/49
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050・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 私も鈴木さんと全く同じ考えを持っております。御承知のとおりに、日本の道路の整備が非常におくれております、総延長から見まして。そこで過去を振り返ってみますと、何しろ産業経済と申しますか、社会活動が非常に急速に伸びてきたと同時に、自動車台数も急激に伸びてきた。そういうことで道路の延長整備、延長に非常に重点を置いてきたわけであります。これはまだ満足だとはもちろん申し上げませんけれども、とにかく歩道あるいは歩道橋あるいは防護さく、これはもう道路と一体のものでありますから、そういうものを完備したものをできるだけ延長したほうがいいわけでりあますけれども、なかなか財政等の関係でまず自動車交通を処理するという点に重点が置かれてきたところに逆の混乱がきておる、率直に言って。これは今後はもちろんそういう態度を改めなければならない。道路の幅にいたしましても、自動車道の幅にいたしましても、あるいは歩道にいたしましても、これは将来を想定して道路の改築、新築をしなければならない、それは当然であります。その点がいま申し上げましたように既改築のところも町の中などは歩道がないところがたくさんあります。したがって、交通事故が非常に多い。こういう事情は率直に言って真の意味の道路行政からいうと、私は誤りであったと率直に考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/50
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051・鈴木壽
○鈴木壽君 ほかにも質問の方があられるようでありますから、もう一つの問題でおしまいにしたいと思います。
大臣、基本的なことですが、今回の三カ年計画によって措置していくやつですね、第一年度のやつ、四十一年度の。先ほどお話がありましたように、建設省関係で百億、それから警察庁関係で八億何がし、こういうことでありますが、それに伴って地方負担が相当の額になるわけですが、四十一年度の財政計画の中にそれがもう織り込み済みだと思うのですが、どこへどういうふうにそれを織り込んでおられるのか。その点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/51
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052・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 地方財政計画におきましては、単位費用の策定で、警察職員一人について九十一万一千円を見ておりまして、そうして、警察費のうち安全施設整備費は、警察行政費のうちで投資的経費として積算をいたしております金額は、総計四百二億三千万円でございまして、道路交通標識補助板、ライン用塗料及び道路交通信号機建設費等がこれに入っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/52
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053・鈴木壽
○鈴木壽君 警察のことだけを私聞いておるのじゃございません。端的に言うと、警察関係のことでまず聞きますが、八億六百万円ですか、大体八億とありますから、八億の事業費を見て計画を組んでおりますから、地方負担は大体半額と見ていいわけですね。警察関係のものは四億というものを織り込んであるのかどうかということが一つ。それから建設省関係のこれをどういうふうに見ておるのか。単なる単位費用の中に、安全施設のようなものも入れたのだという程度なのか。これは新たな一つの立場に立っての施策でございますから、それに伴って多く出ていく金なんでございますから、従来のような単位費用の中で見たということでは、私はうまくないと思うのです。だからその点どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/53
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054・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 課長から説明させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/54
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055・佐々木喜久治
○説明員(佐々木喜久治君) 昭和四十一年度分の交通安全施設関係の算定は、共準財政需要額の計算におきまして、警察費といたしまして一億七千七百万円を見込んでおります。御承知のように、交付税計算におきましては、経常費計算となっておりますので、必要な財源につきましては、地方交付税並びに地方債によって措置することに相なると思うのです。それから、道路費の関係につきましては、県分といたしまして、約三十六億、市町村分といたしまして、十三億見込んでおります。したがいまして、道路関係の交道安全関係につきましては、地方交付税において全額措置いたすという形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/55
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056・鈴木壽
○鈴木壽君 これは、地方交付税の基準財政需要の算定ですから、ことしからそういうふうにしたのですか。従来からも入っているやつをそのままの数字としていまあげられたのじゃないですか。新たにこういう施設をやるということで、算定し直したのですか。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/56
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057・佐々木喜久治
○説明員(佐々木喜久治君) 交通信号機関係につきましては、昭和四十年度は標準団体におきまして二十カ所の施設を見込んでおるわけでございますが、昭和四十一年度の場合には、この個所数を三十カ所にふやしまして、現在の交通安全施設の増加状況に応じまして、単位費用の計算をしてきておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/57
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058・鈴木壽
○鈴木壽君 道路費関係はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/58
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059・佐々木喜久治
○説明員(佐々木喜久治君) 道路費関係につきましては、御承知のように、これまで道路五カ年計画に計上されました事業費によりまして、単位費用の計算をいたしてきたわけでございますが、本年度の場合には、特別事業債との関連におきまして、単位費用関係におきまして相当計算上変化を生じたわけでございますが、この交通安全施設の関係につきましては、本年度の今回の法律の施行を一応見込みまして、地方交付税の基準財政需要額に別ワクを設けまして、算定したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/59
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060・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと私心配ですが、それは、こまかいことはあとで別の機会にひとつ明らかにしてもらいたいと思いますが、私こういうことを聞くのは、今度の三カ年緊急計画によりまして、第一年次四十一年度から約百八億円ばかりの仕事が行なわれるわけなんでありますが、いまの地方財政の状況からいって、私これは非常に心配な点があると思うのです。はたしていまの地方財政の状況からいって、地方団体でこういうものの地方負担というものを簡単にひねり出せるかというと、私は必ずしもそうではないと思う。そういう点から、私はこういう施策をとるというのであれば、これに沿ったようなやはり一つの地方財政のいろいろな組み立てを考えなければならないと思うのです。安い金ではございません。いまの地方団体にとって、この百八億のうち約五十億近くの金でしょう。これはちっぱけな金だといって一笑に付していい金ではないのです。それをただ従来もこういうふうに見ておったからこれでと、こういうかっこうでは、私は地方では負担し切れないのじゃないだろうか、こういうような心配を持つから、と、四十一年度では新たな観点で、どういうふうに見ておったのかということをお尋ねをしたのであります。いずれこれは時間もありませんから、あとでもっと詳しくお尋ねをしたいと思いますが、ただ一つ、警察庁のほうの関係で、信号機の設置について、さっきからちょっとお尋ねをしたように、五千基の設置について起債を充てておりますね。きっとワク外債でしょう。地方財政計画の中に入っておらないのですから。その起債を引き当てにした、こういう節ですから、起債を引き当てにすることもやむを得ないと思いますが、ただお聞きしたいのは、その場合に、当然警察庁関係でやる場合には、二分の一の補助をする、地方が二分の一持つ、こういう形で行なわれてきたし、行なわれなければならないと思うが、起債を引き当てにした場合に、二分の一のいわゆる地方負担分について地方では金がないから起債をもってそれにかえたのか、あるいは初めから全然国からの補助、それなしに全部仕事を起債でやらしたのか、その点どうも私心配な点が一つあるものですから、はっきりお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/60
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061・新井裕
○政府委員(新井裕君) 前段のお答え、後段全部あわせて御説明したほうがいいと思うのですけれども、四十年度、四十一年度ちょっと違いまして、本年度はいま鈴木委員のおっしゃいますよううに、補助金の引き当てでなく起債だけでやるというたてまえでやっております。この間もそういうことで御質問がございまして、自治省と相談をいたしまして二分の一の国庫補助が出る事業につきましても、その引き当て分として起債を使うことはよろしいと、こういうことをお答えいたしましたのですけれども、なおそれでも純粋に起債だけでやるものも残ります。これはお尋ねの趣旨のとおり、本来から言えば望ましい形ではございませんけれども、われわれとしてもどうしても先ほど申し上げました四十年度以降四カ年問で五千基を整備するためには、そういう手段をとらざるを得ないということで、自治省と御相談した上でやったわけでございます。今後そういうことで地方財政に迷惑をかけないようにという強い御希望も、別の機会にもございましたので、今後われわれとしても、その点について十分考えていかなければならないと思いますが、どうしても正直に申し上げまして起債だけでまかなう部分も残るだろうと思いますので、念のために申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/61
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062・鈴木壽
○鈴木壽君 確かめますが、四十年度で五億の起債を、ワク外債を損保のほうからの融資でやりましたね。で、その金で、私もう一度はっきりお聞きしょうと思いますからね。二分一はあなた方のほうから地方にいくと、残りの二分の一は地方で当然持たなければいけない、その対応分を金がないから起債でやったというのですか。それとも二分の一はやらぬと、二分の一はやらぬで、一基について八十万円でも百万円でもかかるものは全部地方で負担をして、いわゆるそれを起債という形でやったというのですか。どっちなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/62
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063・新井裕
○政府委員(新井裕君) 本年度はいまお尋ねのとおり、損保で金を出します起債分は、全部地方の負担においてやってもらうということでやっておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/63
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064・鈴木壽
○鈴木壽君 とんでもないことをやってしまいましたね。これは財政当局もそれはあれですか、大臣、これは大事な問題ですよ。それは警察庁としての五千基の設置の四カ年計画、どういういきさつで、どういう整備計画といったようなことになっているかわかりませんが、いずれそういうことでやっていくと、とすれば、それに対して当然地方に対して設置費の二分の一というものはこれは負担しなければいけない、あるいは超過負担等の問題もあるかもしれませんが、今後、若干そういうものがかりにあってもいいというわけではありませんが、一応その問題を抜きにして、とにかく二分の一を——七十万円なら七十万円の二分の一、八十万円なら八十万円の二分の一の金を補助金として出してやらなければいけませんね。そうしてあとの残りの二分の一、あるいは多少の超過負担分がかりにあったにしても、そういう残りのものを——しかし自治体ではいま金がないから起債によってそれをまかなおうと、こういうことであれば、私はまた考えようもあると思うのですが、まるっきり補助金もやらないで、全部やったというようにいま聞きましたが、もしそうだとすれば、これはとんでもないことをやっておりますね。財政当局はそういうこといいというふうに、これは何といいますか、了承といいますか了解といいますかね、そういうことをやらしているのですか。どうです。その点は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/64
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065・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 単県事業で起債でやるという希望のところには、これを起債許可をいたすということでございますので、今年度はできる限り起債の補助裏にこれをできるだけ使うという方向で指導していきたいというふうに考えておるのでございますが、しかし不交付団体その他経済力のあるところは、起債で緊急整備をいたしたいというようなところは、起債でやるというように考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/65
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066・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと、私の尋ねておることにまともに答えておらないようでありますが、時間もありませんけれども、おかしいですよね。だから、四十年度——あなた方本年度とかなんとか言うけれども、四十年度だか四十一年度か、そこら辺がわからぬ。四十年度で五億の起債をしましたね、地方で。その金を、起債をどういうふうに使ったかということです、端的に言えば。一基かりに百万円なら百万円といった場合に、補助金を出さないで——二分の一補助を当然やらなければいけない、あなた方が立てた計画に基づいてやるのですから、これは。当然出さなければいけない。それを出さないで、まるまる地方でいわゆる単独事業としてやれ、金がなかったら起債で見てやるのだと、こういうことでやったようですね。その点ひとつ、そうなのか、そうでないのか、ひとつはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/66
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067・内海倫
○政府委員(内海倫君) 先ほどの長官の答弁いたしました点で補完、補充いたしたいと思いますが、昭和四十年度におきましては、補助金による分につきましては、五百基を計上いたしました。それは補助金によりまして各県に設置いたしたわけでございますが、ただ先ほども申しましたように、この四カ年計画をつくるにあたりまして、全国的に見まして約五千基を充実しなければならないという状況と、またそれにつきまして名都道府県において何とか早く信号機を充実したいという、非常に強い要望があったわけでございます。そういう強い要望をたてまえにして一応算定をいたしたわけでございますが、御存じのように、警察予算におきまして、この信号機以外のいろいろな人件費その他の警察費が増大しておるときでありましたので、一挙に要望する年度計画分を予算計上するということも非常に困難であります。他方、人の生命にもかかわる非常に熾烈な要望が各府県から行なわれましたので、まあもし私のことばがたいへん悪いとすればお許しをいただきたいのでございますが、いかにしてその財源を生み出すかという非常に苦心をいたしまして、自治省と相談いたしまして、損保債——保険会社の資金を原資にする地方債の話し合いをいたしました。それで昨年におきまして、昭和四十年度におきまして五億円の一応起債として話し合いをつけました。各そういう熾烈な要望のある府県の願いに基づきましてこれを認めていっておると、こういうことでございます。その分は先ほど長官が説明いたしましたように、信号機設置費に充てられたものでございます。それがいまの御質問だろうと思うのでございますが、そういうふうな経緯になっておりますので、長官の答弁補充いたしまして、私から申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/67
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068・鈴木壽
○鈴木壽君 それで四十年度において五百基は補助金つきの——まあ補助金つきのということばは少しおかしいですが、五百基については補助金が出ていますね。それから四カ年計画の第一年次でございますが、平均的に四カ年で五千基やらしたとすれば千二百五十基ですか——かりに千としましょう、これは一つの話を進める順序としてですよ。かりに千基としますと、五百基は補助金つきで地方は二分の一負担で仕事に入るのだが、もう五百基分については、補助金をつけてやることができないわけですね。しかし地方ではほしいと、ぜひ設置しなければならぬという要望が非常に強い。そこでは、補助金もないし、地方のあなた方にもそれこそ現金もないだろうから、起債のめんどうを見てやりましょう、金を出さしてやりましょう、こういうことで、ことばは適切であるかどうか知りませんが、いわば単独事業だな。単独事業としてやらしたのであって、その財源は起債をもってこれに充てた、こういうことでございますね、残りのやつは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/68
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069・新井裕
○政府委員(新井裕君) 事実関係は、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/69
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070・鈴木壽
○鈴木壽君 財政当局と話をしてというと、これは大体大臣、あなたこれは国家公安委員長でもあり自治大臣でもある。どうなんです、これあたりもこういうことでやれやれということになったのですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/70
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071・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 道路を整備し、また事故防止のための諸施設を緊急にやらねばならぬということに対しましては、他方の要望をそのまま財政で処置をするということは、なかなか財政上の事由また緊急度の関係等がございまして、十分な処置はできておりませんが、現在でも県単事業というのは、都道府県道において国の整備がおくれる場合には、各県の自主性をもって進めておるのでございまして、これと同じように緊急整備の必要な交通安全施設というものに対しても、やはり地方の財政力に応じて国家の補助を待たずして早急に施設を整備したいというような要望のところに対して、しかも起債でこれを処置していきたいという財政力を持つところにはこれを認めると、したがいまして財政力の弱いほうへできる限り国庫補助の事業を配分していくという、配分等に対する財政力に呼応した考慮をとりながら、やはりオール起債でやることを認めることは、またやむを得ないのではないかというように考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/71
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072・鈴木壽
○鈴木壽君 あなた方少しルーズな考え方をしておりますね。何でもとにかく仕事をやればいいのだと、いわゆる単独事業として計画外に地方がかってにやるのだったらいいですよ。地方がどうしてもというのでかってにやるのだったら、これは私はそういうこともあり得ると思います。しかしあなた方の計画に基づいて、地方の要望ももちろんあるでしょうが、あなた方の計画として四カ年で整備しようとする、それなんですよ問題は。だから私そういうことじゃいけないと、こう言っているのです。その四カ年計画を立てたそれ以外に、またなお地方でここにも必要だ、ここにもほしいといって幾つもあって、それに対して起債をめんどう見てやるとか何とかというなら、これは繰り返して申し上げますがあり得ると思いますし、やむを得ないことだとも言える。そうじゃないのだ、地方の要望があり、非常に強いが、それはとにかくそれとしても、あなた方が四カ年計画として立てて、これをひとつやりましょうと、こういうことで、そのワクの中のものを、これは単独事業でございます、地方が望むんだから地方で全部かぶって、しかもそれは起債でやれと、これは私はむずかしいんじゃないかと、こう言う。そんなものだったら四カ年計画なんか立てなければいい。もっと縮めて、二千なら二千、二千五百なら二千五百と縮めて、それに対して補助をやる、あとは別だと、これならいいけれども、あなた方五千基をやるという計画を立て、第一年次はこう千何百やるんだと、こういうふうにやっておって、それに対していま言ったような措置をとるということは、私はどうしても解せないと思う。そこでまあ四十一年度はどうなります、やはりそういうふうな方式ですか。計画によれば五百基ですね、四百基とさらに百基と補助のつくやつがありますね。しかしこの四カ年計画でいけば、もう少なくとも五、六百というものは設置されなければなりません。これはやっぱりすべて起債だと、こういうことなんですか、その点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/72
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073・新井裕
○政府委員(新井裕君) お答えの前に前段についてちょっと補足して申し上げておきたいんですが、四カ年計画と申しますものは、俗称でございまして、はっきりした四カ年計画というもので閣議で決定されたものでも何でもございません。各府県の計画を徴しましてそれぞれ計算したところが五千基程度になったと、それでそういう見込みでできるだけ整備しようというたいへんルーズな一つの見通しでありまして、計画というほどのものではございません。四十一年度の問題でございますが、四十一年度はこの補助金の補助裏に起債を使うことを認めようじゃないかということで、一応自治省とわれわれのほうは御相談をしておるわけでありますが、そのほかにも余りあるわけであります。これは財政事情が許せばぜひいままでどおりやりたいと思っておりますけれども、これはいろいろ御注文もございますので、まだはっきりそこまで固めておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/73
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074・鈴木壽
○鈴木壽君 あなた方はもうあれじゃないですか、四十一年度でもう五億ないし六億の起債をあて込んで考えているんじゃないですか、とすれば当然私がさっきお聞きしたような四十一年度のようなことを前提に考えているんじゃないかと思うんですよ。まだ固まっていないというようなことでは、私はおかしいんじゃないかと思う。ほんとうに固まっていないで、これから検討するというのであればいいんですけれども、そうじゃないんでしょうね、いままでのあなた方の考え方からすれば。その点どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/74
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075・新井裕
○政府委員(新井裕君) 鈴木委員のおっしゃるとおり、私どもの希望はやりたかったのでありますけれども、いろいろそういう点で指摘を受けましたので、まず第一段にはいま申しましたように補助裏に起債を使うことを認めてもらおう、こういうことにいたしまして、その上につきましては、われわれの希望段階でございまして、どういうふうに実施するか、自治省の計画もございますから、あらためて相談をするつもりでございます。ただ正直に申しまして、われわれの希望はできるだけそういうことをやりたいという希望であることを申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/75
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076・鈴木壽
○鈴木壽君 今度のあなた方の警察関係の事業費の計画を見ますと、信号機で定周期の信号機、それからそのほかにもいろいろあるわけですが、この裏の地方負担分のそれだったら五億も六億も金は要りませんよ。かりに定周期信号機三億円あったって一億五千万あればいい。そのほかのやつがかりに二億円あったってもう一億あればいい。五億円も六億円も予定しておられるということは、単独でまたやりたいところはおまえたちやれという式、しかもあなたたちが計画を立てておるその一環としてそういうふうにならざるを得ない。そこを考えていらっしゃるんじゃないかと思うんです。しかしこれはあなたがいまこれをどうするかということを考えるというなら、これはほんとうに真剣に考えてもらわなければならぬ、直すように考えてもらう、大臣よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/76
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077・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 地方の要望は、起債でもとにかく緊急整備いたしたいという強い要望を持っております。ことに財政力のあるところは、そういう要望が強いのでございますが、やはり国全体の総合計画から見まして、どれが緊急度かということになりましたときにおいては、地方の要望するようなものがその緊急度の範疇のうちにはまだ遠いというようなものがございまして、とにかく事故防止のために急いでやりたいという地方財政力のあるところにおいては、あるいは考慮をすることが必要ではないかというように考えておるのでございますが、十分これらは地方の事情等をかみ合わせまして、また緊急度の施設の内容等々を検討いたして計画を立てたいと存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/77
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078・鈴木壽
○鈴木壽君 まあどうも少しらちがあかないようですが、依然として警察庁の長官は考えるというようなことを言うけれども、自治大臣はそうでもない。食い違いますね。あなたは従来どおりやってもいいとこう言う、地方の要望であるから。しかし、これは私は今度の緊急整備計画の第一年度として、その中にあなた方の四カ年で整備しようとする計画を、もっと織り込んでやらなければいけないと思うのだよ。そうでなしに、こっちの計画はこっちの計画だ、こっちは今度新たなやつはこれだといって五百かそこらをその中に入れて、そしてやっていこうとするところにそういう問題が出てくる。これは私は政府全体の事故防止対策についての姿勢からくる問題だと思うのだが、どうでしょう、その人命のためには金を惜しんではならぬというようなことが、交通基本問題調査会等においても出ていますね。で、あなた方も、よし、やりましょうというようなことなんだが、しかし実際はまだそこまでいってない。特に地方の問題についてはあの調査会の答申の中に、地方財政の現況から、もっともっと地方に対して財政的な手当てをしてやらなければいかぬということをはっきり言っているのですね。そういう答申に基づいてこれからやっていこうとするこの計画の中に、いま言ったような変なものがあるのですよね。おかしいと思う、これは。
そこで私は、建設大臣のほうにも関係してきますが、地方負担の問題ですね。今度特例をやると、こういうふうになっておりますが、私はこの地方負担の問題、国の負担の率の引き上げ、あるいは逆に地方の負担分の軽減と、こういうようなものに対してもっとやらなければ、これは地方のいまの財政状況からしますとね、手詰まりがきますよ。そして、結局はいま言ったように起債とか何とかということでごまかされてしまう。こういうふうな点では私、今回の計画ということに対して財政的な措置、特に地方財政に対する考慮というものに、一応たとえば国と地方の負担率を、いままでの法律にあるそれよりもこのようにするなんということを書いてありますけれども、実際はそう目立ったような手厚い考慮のしかたというものはないと思うのです。この点ひとつこれからの、まあ四十一年度は予算を組んでしまいましたが、これからの問題として四十二年度以降の事業の遂行、計画の推進という、こういう点からいってぜひひとつ検討してもらわなければいけないと思うのですが、お考えをひとつお聞かせしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/78
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079・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) ごらんのとおり、今度の法律でもまあ事業の内容によっていろいろな補助率を定めております。これは主として現行道路法の各種道路についての補助率を基準にしてやっておるわけでございます。お話しのとおりに地方財政上の実情からいって、必ずしもこれはうまくいけるかどうかという点に疑点があるかもしれません。実情によって今後検討してみたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/79
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080・鈴木壽
○鈴木壽君 総務副長官のほうでどうです、この点について。これは政府としては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/80
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081・細田吉藏
○政府委員(細田吉藏君) この点につきましては、ただいま建設大臣からの御答弁がございましたが、私ども、何といたしましても計画の実効があがると、そして、地方財政さなきだに非常に苦しい実情にあるところが多いわけでございます。十分政府全体といたしまして検討をいたしたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/81
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082・鈴木壽
○鈴木壽君 これでおしまいにします。その点はひとつほんとうに、ここでの単なる答弁でなしに、私は考えていただかなければ困ると思う。
そこで一つ付け加えて注意を喚起したいと思いますが、そういうふうに補助率を今度かりに上げたにしても、なお超過負担という問題が出てきておりますよ。これは信号機なんか、事業費で一機どのくらいに見ておられます、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/82
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083・内海倫
○政府委員(内海倫君) 一機六十万円、平均です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/83
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084・鈴木壽
○鈴木壽君 六十万円でできるところもあるでしょう。しかし六十万円ではとてもじゃないができぬというところもずいぶんあります。私現に足りなくて継ぎ足しをしたというところを知っています。これはあまりたいした額じゃございませんでしたが、四十一年度になりますと、さらにそういう形が出てくるのじゃないだろうかと思う。そういう問題もありますから、これは警察、建設両大臣のほかに、政府のほうにも申し上げておきますが、補助率がかりに上げられたにしても、なおかついま言ったような問題があるのですよ。で、私からすれば、そのような超過負担にならないように、一挙にきれいにやれと、こうまあ言いたいのだが、両方あるいはできないかもしれぬけれども、しかし妥協しましょう、妥協しましょうが、いずれにしても地方負担というものについてはやっぱり真剣に検討して、今回とられるたとえば二分の一、国と地方は二分の一負担というふうに、道路法では第七条にありますわね。これだけじゃいけませんし、警察の関係も従来どおりの補助率です。特例でも何でもない、こう言っていますね。二分の一負担と言っています。特例だったら、警察のほうにも特例があってしかるべきだと思う。またなければ、さっきも言ったようないろいろな問題がなかなか計画どおりには進まないということになるわけなんです。どうかひとつこの点、要望をかねて、最後にもう一つ政府の所信をお伺いをして、私これで終わりたいと思いますから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/84
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085・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) いまお話のような問題についても、私どもも成案を得るまでにずっと議論した問題でありますから、今後さらに検討したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/85
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086・占部秀男
○占部秀男君 いま鈴木委員の質問でだいぶ尽きておるのですが、どうも財政的な問題ではっきりしないというよりは、将来地方団体に相当負担がかかる問題が、無理やりに押しつけられようというような傾向があると私は考えるのですが、そこで念を入れて法律案の内容について二、三聞いてみたいと思うのです。第七条で、国の補助の問題が、地方負担の問題が出ていますが、一般国道について、たとえば道路標識、さく、街灯その他政令で定めるものと、これについては二分の一を都道府県または指定市と国が持ち合うと、こういうことになっておるわけですね。そこで指定市以外の指定区間の分については、もちろん都道府県、こういうことになると思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/86
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087・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 指定市以外の市道につきましては、一般の都道府県と同じ負担率でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/87
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088・占部秀男
○占部秀男君 それからこの中には、横断歩道の橋やその他の問題ですね、それはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/88
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089・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) この法律の二条の三項のさらに二号でございます。イとロとありますイのほうが横断歩道橋の、どちらかといいますと道路の構造改築的なもの、ロのほうが標識、さく、街灯その他いわゆる付属物的なものでございます。そこで横断歩道橋のようなものは二条の三項の初めにいっておりますように、道路の改築に伴って行なわれますものは、たとえば国道ならば四分の三あるいは都道府県三分の二という普通の補助率、それによってやる。それからそうでございません単独としてこれをやる場合には、この法律によって行ないます。その場合にいわゆる建設大臣が直轄でやっております国道の指定区間につきましては三分の二、それ以外につきましては二分の一、こういうような補助率を適用して実施するわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/89
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090・占部秀男
○占部秀男君 信号機その他と同じように、今日横断歩道の橋は、もう大都会では常識ですね。これがなければどうにもならぬわけですね。せっかくこういうような三カ年計画をきめたのですから、これに対する補助率をやはり再検討すべきではないかと私は思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/90
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091・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) これは道路の改築と一緒に行ないますものは、従来信号機でもって横断者を処理しておったところ、そういうところについて一応の道路の改築が済んでおるところがございます。そういうところのはこの法律によって別途いま言いましたように三分の二または二分の一でやりますが、これから改築いたしますところにつきましては、極力道路の改良事業と一緒にやるということで、横断歩道橋を含めたものがもろちん改良事業であるというふうにいたしまして、できるだけ改築事業として取り上げる。その場合には道路の補助率は国道の場合は四分の三、それから道府県道の場合は三分の二ということになるわけでございますが、これは他のいろいろ事業との関連がございまして、私どもが現在のところ、せいぜいいま申しました三分の二、二分の一であろうと、かように判断いたしまして、財政当局とも検討の結果、かような補助率を御提案申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/91
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092・占部秀男
○占部秀男君 それから第七条の三項に、一般国道以外の都道府県及び市町村道の場合が出ておるわけですね。これはもろちん指定区間になるだろうと思うのですが、そういう意味合いですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/92
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093・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 交通安全施設等この事業をやります場合には、それを必要とする道路を指定いたします。したがいまして、指定された道路についてこの事業は実施されるわけでございまして、この第七条三項でいいます道路管理者が都道府県道あるいは市町村道において行ないますこういう事業、そういう事業を実施する必要な個所を、まずこの法律によりまして道路を指定いたしまして、その指定されたものについていろいろの交通安全施設、ガードレール、横断歩道橋から何でもやろう、こういう仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/93
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094・占部秀男
○占部秀男君 それじゃ、同じ指定区間でも、一般国道の場合あるいは指定区間外の一般国道の場合と、それから都道府県道及び市町村道の場合には違っておるところが一つあるわけですね、国の補助その他の問題で。というのは、この3には「予算の範囲内において、」と書かれているわけですね。予算の範囲内において、これはどういう意味になりますか。私たちがちょっと心配するところは一般国道の場合には二分の一を、超過負担の問題がありますけれどもそれは別にして、出すけれども、府県道あるいは市町村道の場合には、金がないから出せない場合には、これ以下でどんどん切り下げていくのだという考え方が、この中に盛られているのじゃないかと心配するわけなんです。地方財政はいま非常に悪いわけですから心配するのですが、その点はどういう考え方を持っておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/94
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095・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 七条の一項、二項はこれは国の負担でございまして、補助じゃございません。負担ということになっております。負担の場合には、「二分の一を負担する」という書き方になっております。三項の場合は、これは地方公共団体に対しての補助でございます。これは普通、法律の慣例といたしまして、予算の範囲内において二分の一と、このいうふうに書くのが通例のようでございます。実際にはもちろんこの補助率を予算の範囲内で二分の一と書いてございますますが、これを三分の一にしたり四分の一にするということは現実にはございません。これは政令で明らかにしようと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/95
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096・占部秀男
○占部秀男君 そこで第三条に移るわけですけれども、「交通安全施設等整備事業を実施すべき道路の指定」ということで、指定をする場合には、当該道路の道路管理者の意見を聞かなければならぬと、こういうことになっておりますね。この意見を聞く中には、やはり当該道路管理者の所属する地方団体の財政事情というものも、もちろんその中に入っておると思うのですが、かりにいま一般国道の場合については別にしても、先ほど私が申しました都道府県道及び市町村道についての指定の場合に、いま言った二分の一という補助をつけるということを前提として意見が聞かれると、指定の意見を聞くときにこういうことになると思うのですが、そういうことになりますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/96
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097・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 当然、この法律に従って実施するわけでございますから、その道路管理者は、自分が実施したいというところについては二分の一の補助があるものと、こういう期待のもとに出されるわけと思いますが、現実にはその各道路管理者が非常にたくさんやってもらいたい、こういう希望が出てくるかと思いますが、それらが実際問題としてその県の財政事情に耐えるかどうかという問題は、もちろん判断はあろうかと思いますが、ただ道路全体として見ますと、交通安全事業は百億と申しますが、全体の補助額からすればまだパーセントとしてはそう財政事情を左右するほど大きな比重を占めておらぬかと思います。ただ、大都市等非常に大規模にやる場合には、もちろんそういう考慮のもとに行なわれると思いますが、大体私どが試算いたしております全国で四十一年度百億というようなものを考えておりますが、その中のかなりのものは、国の直轄事業のものでございます。それからまたその残りは、地方の補助事業でございますが、そういう点からしまして、当然この法律に基づきます補助を期待し、必要なものを各都道府県知事は要望してくる、かように考えておりまして、ただいまそういう点について、十分具体的調整中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/97
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098・占部秀男
○占部秀男君 その場合に、要望が多いことは、われわれもよくわかっておるのです。問題は、三カ年計画が遂行する一定量というものがあるわけですね。この一定量の範囲内においてする仕事というものは、これはもちろん二分の一の補助をきっちり出してもらわなければならぬ。一定量以外のものをよけいやろうという場合には、これはまたいろいろ別な問題があるでしょうけれども、少なくとも一定量だけは、やはりそういう形をとってもらわなければならぬのだが、どうも従来この種の国の計画の施行ということになると、その一定量の中で財政的な幅の問題があって、一定量の中でやはり地方負担の割合をよけいにするような形をとろうとする、たとえば三カ年計画にするような例はないでしょうが緊急にするのだ、短縮するのだというような意味合いで、そういうような押しつけ——押しつけと言っちやことばはおかしいけれども、地方団体のほうから言わせれば押しつけ的な形が行なわれる場合があるのですが、今回の場合はそういうことは絶対にない、こういうふうな点で安心していいわけでありますか。これは大臣のほうにはっきりひとつお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/98
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099・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) もちろん意見を聞いて計画いたしましたものの中で、国の補助率を乱すというようなことは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/99
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100・占部秀男
○占部秀男君 それから公安委員会や道路管理者がつくる整備事業の三カ年計画ですね、これはこの法律の計画に即して三カ年分を一度につくるのですか。それともその年ごとに一応出していく形になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/100
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101・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) これは、私どもで他のいろいろ長期計画がございます。大体それにならっておるつもりでございます。三カ年の間におきます全体事業の目標と、それから事業の量それをきめておると思います。したがって、年次ごとの計画は立てないという従来の慣例になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/101
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102・占部秀男
○占部秀男君 けっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/102
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103・原田立
○原田立君 いろいろ鈴木委員やあるいは占部委員等から御質問がありまして大要を得ているわけでありますが、私は二、三お尋ねしたいと思うのは、今回の法律の中で指定区間内外及び都道府県道、市町村道おのおの二分の一の補助、そういう率になっておりますけれども、これは従来から見れば上回っているんじゃないか、そういうふうに感ずるのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/103
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104・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほどちょっと申しましたが、この法律の第二条の三項にいっております、今回行ないます交通安全施設等整備事業イ、ロの区分によって違っておりますが、現行制度と比べますと、大体ロに相当するものは、現行制度では補助の制度がございません。今年度並びに昨年度若干予算措置によって標識並びにガードレールをやりました。これは四分の一ということで、ごく例外的に道路法に基づかない予算の補助をいたしております。規模はきわめて僅少でございます。したがいまして、ほとんど付属物には補助しないというたてまえになっております。今回のこの法律では、新たにそういうものに対しまして補助をするということで、二分の一の補助率が全面的に認められたわけでございます。ただ先ほど申しましたように、従来改築事業と一緒にやっておりましたものは、改築事業と同じ負担率でございますが、国道の場合は四分の三、都道府県道の場合には三分の二でございます。そういうものは従前どおりやりますが、そうでない、すでに改築が終わったもの、あるいは未改築ではあるがやらなければならないものつきましては、それぞれ二分の一あるいは国道の指定区間の場合には三分の二の補助ができるというように新たに道を開いたものでありまして、若干従来の制度になかったものと、それから従来の制度でもございましたが、負担の区分がいろいろまちまちでございましたものを今回整理し、新たに助成の道を開いたというところに、七条関係の新しい特徴があるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/104
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105・原田立
○原田立君 いまの説明の中にもありましたけれども、新設以外のところに今回また安全施設について補助対象になった。ところが、これが四分の三から三分の二に直轄事業の場合減少しておりますし、補助事業の場合は四分の一から二分の一に上がっておりますけれども、従来交通事故というものは多発してきておりますし、本来から言えば、こういう国からの補助というものはもっと手厚くしてやらなければいけない、横断歩道橋、地下道歩道にしても、今後どんどんつくっていかなければならない。そのときに、一部においては確かに上げても、またある全体の部分においては補助の額が低くなるということは、はなはだ好ましくないんじゃないか、こういうふうに思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/105
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106・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 従前やっておりました改築事業と一緒に行なうものは従前どおりやりますから、実際には下がったという場合には、従前やってなかったところに対する、むしろ補助の考え方がそこにやるとすれば四分の三でやれたのであるが、実際やっていなかったというところが多いかと思います。そういうところに対して三分の二、したがって十二分の一の減があるのでございます。これは私どもが計画しております事業量からいたしますれば、金額的には僅少でございます。大部分がやはり従来助成の道がなかったものを助成することによって負担を軽くしたということが多くなっております。したがいまして、全体として見ますと、都道府県に対しては、かなりのやはり負担を緩和しておるこういうようなことになっておるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/106
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107・原田立
○原田立君 ちょっと角度を変えまして、警察のほうにお伺いしたいと思います。
信号機を数多くつくってくれ、安全施設をつくってくれという要望は非常に多い。これは先ほどからあなた方の言われているとおり私もそう理解している。しかし実際にお金がない。そのために地元住民の税外負担によってつくったものもかなりある。これは法治国家として、税金を払っているたてまえからしてはなはだおかしいのじゃないか。これは即刻改めなければならない。税外負担等のものはなくして、もっと国からそういうしっかりした施策を講じていかなければならない、こういうふうに思うのですが、先ほど大臣及び警察庁長官のお話によると、そういうこともあり得るのだ、しょうがないのだという意味の御発言があったと思いますが、この考え方は根本的から改めなければならないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/107
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108・新井裕
○政府委員(新井裕君) 先ほど私が申し上げたのは、ことばが足りなかったかもしれませんが、鈴木委員が、起債で補助金なしでやるのはおかしいという御意見でありましたが、私ども実際の必要上はそういうものをぜひお願いしたいと思って研究しているということを申し上げたのでありまして、全然そういう公費を出さないで、まるまる寄付でやるのがあたりまえだという趣旨でお答え申し上げたわけじゃないのでございます。御趣旨のように、いままで地元の寄付ということでやられておったのが若干あったわけでありますけれども、われわれの方針としても、なるべくそういうものはなくすようにということで強く指導してまいりましたし、これからもそういうふうに指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/108
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109・原田立
○原田立君 若干あったというようなお話でありますけれども、これは若干ではない。しかしながら、私これは数字的にお見せできないのが残念でございますが、数多く聞く話でございます。いま長官はこれからそういうことがないように下部に徹底していきたいということのようでありますから、その方針をしっかりと下部にも徹底していただきたいと思います。
それから道路の交通安全等については、警察のほうで全面的にやっておられるわけですが、都道府県、市町村の各自治体においても担当の係官を出して、そうして警察と常時緊密な連絡をとる、あるいは大局的な見地から意見を述べる、そういうふうにきめのこまかい施策というものをやるべきではないかと思いますが、この点自治大臣いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/109
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110・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 現在におきましても、各市町村及び県におきまして、建設関係の者が十分警察当局その他の関係者と連絡をとって事故多発地帯をよく調査をして、これが整備に努力をいたしておるのでありますが、しかしお説のように、まだ不十分であると考えるのでありまして、きめのこまかい、そうしてもっと総合的にこれが対策を真剣にやる必要があるというふうに考えておりますので、さらにそういう方面の指導に力を入れたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/110
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111・原田立
○原田立君 御答弁了解するのですが、やはり交通事故、先ほどの副長官の説明によっても明らかですが、ここにも政府の出している「政府の窓」——ほんとうに急増しております交通事故を、これをなくしていくために強力な措置というのは当然必要であります。道路なんかでも小さな穴があいている、小さな穴のうちに手を打てば、大きな事故はなくなっていくと思います。どうかきめのこまかい手段、施策等を十分にやっていただきたい。
それから、衆議院の段階でもいろいろと議論されておりましたようですが、建設大臣にお伺いしたいのですが、道路をつくっていくときに、根本問題として、交通安全施設も当然含めて道路建設というものはなされなければならないのじゃないか。これがはっきりすれば、あとの交通安全施設等は、改修、修築、そういうふうなことで十分補われていくと思うんですが、その点、基本的には、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/111
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112・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 先ほど鈴木委員からお話のときも、同じように考えますと申し上げておるわけでありますが、確かにいまおっしゃるとおりにやるべきであります。従来、自動車が少なかったときには、防護さくあるいは歩道等はあまり重きを置かないで、まあ自動車が通れるように早く適当な幅をとり、舗装しよう、こういうやり方でおりましたけれども、このくらい自動車がふえますと、全く今日振り返ってみますれば、安全施設をあとからしなければならない、こういう事情が起こっておるわけであります。結局将来の見通しと申しますか、それが足りなかった一面は、さっきも申し上げましたが、非常に交通非情が悪いものですから、早く近路の延長を延ばそう、こういうところに重点が置かれたという面もございますけれども、今後はやはりこういう轍を踏まないようにして、道路の構造までも入れた道路をつくっていくということは、当然であろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/112
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113・原田立
○原田立君 それで私不審に思うのは、しろうと的な考えと思うんてすが、信号機四カ年計画がつくってある、あるいはまた防護さくの三カ年計画もできておる、道路五カ年計画もできている、今回また交通安全施設緊急三カ年計画、こういうふうに何か目の前がくるくるまわるように対策が立てられているわけなんです、まあ自動車産業が非常に繁盛していて、非常に自動車の台数がふえていく、そういうことから見れば、やはり国の当局としても、五年先、十年先ぐらいの見通しはちゃんとつけてやらなければいけないんじゃないか、こう思うんですが、目先がくるくる変わる、そういう施策では根本的にまずい、こう私は御意見を申し上げるわけです。それで、今回の交通安全施設三カ年計画、これによってはたして、それで十分と言わなくても、きちんとしたところまでいけるのかどうか、あるいは三年先の時点になったらば、また新しいのをつくってやらなければいけないというものかどうか、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/113
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114・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) 先ほども申し上げましたが、大体ここに載っております私どもが考えております三カ年の全体の六百億程度の事業、そのほかに道路の新改築に伴いますところの事業、それからもちろん各都道府県が単独に行ないますのもあろうかと思いますが、そういうものを整備しますと、おそらく見違えるほど、こういう施設については手が打たれたことになろうと思います。それによって相当の効果が期待されることを私どもは念願しておりますし、計画しております。まあこの事業をやりました結果をひとつごらんいただきまして、なおかつその時点におきまして、もっと別な観点から安全施策をやらなければならぬ事態が起きましたならば、それについてもちろん政府も考えなければなりませんけれども、これによってかなりのものが期待できることだけは、私どもは十分予想しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/114
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115・原田立
○原田立君 今回の六百四十七億の中で、建設省分が六百三億である。警察庁関係が四十四億である——約八%でありますけれども、これは何か積算の基礎等はおありなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/115
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116・内海倫
○政府委員(内海倫君) 警察庁のほうから先に申し上げますが、建設省と警察庁と昨年検討いたしまして、全国の特定の個所にモデル路線を設けまして、それの安全施設の整備を行なったわけであります。その際に、安全施設の警察負担分の比率を見てみますと、大体いま仰せのような八%程度が、警察の持つべき安全施設の費用の負担比率のように見受けられましたので、それらを十分に検討いたしまして、大体建設省の費用の八%程度を警察側の安全施設の費用として見込む、こういうふうなことで原則を立てたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/116
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117・原田立
○原田立君 その八%程度という、その程度ということばに、かなり抵抗を感ずるわけでございますが、三月二十八日の「交通安全施設整備についての資料」という表の中に、当局のほうの回答だろうと思うのですが、「道路構造の欠陥に基づく事故の統計」これについては「道路構造の欠陥に基づく交通事故については、それが発生した具体的な場所と関係なく抽象的に件数のみを集計しても、事故防止対策の資料としての活用度に乏しいので、警察庁の全国統計は作成していない。」というようなことなんですけれども、全国統計は作成できていない。要するに事故原因のところの把握が十分できていない。そういうところで八%あるいは四十四億という算定はおかしいのではないか、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/117
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118・内海倫
○政府委員(内海倫君) そこに差し上げてあります資料の中に、いまおっしゃられましたようなことが書いてあるのでございますけれども、道路の諸条件というものが、交通事故の原因に、どの程度になっているかという問題は、これはもう非常に個々の具体的な場所、そこにおける交通事故の発生の形態というものを見て、非常に個別的な形で分析をしていって初めて意味があり、かつまたそういうふうなことで、それが原因になっているかどうかということも明らかになるわけでありますけれども、ただ、そういうふうにして分析されて出てきたものを全国集めて集計をいたしましても、いわば非常に個々別々の条件のもとで、しかも個々別々の姿の事故が発生しているという状態でございますので、全国統計という形でこれを集計していくということは、必ずしも非常に大きな活用度があるとは考えられないという意味合いで、そういうふうに書きましたのであります。実際の都道府県におきましては、そういう分析はかなりきびしく行なっておりますし、また、現在各県とも、事故か起きる前に、こういう個所の照明が足らない、あるいはこういう個所に横断歩道橋を設ければ事故が防げる、あるいは、こういう場所には歩道がないために非常に事故が多発するおそれがあるからというような検討は、それぞれ実施いたしておるわけであります。たとえば、私のごく最近まで任務についておりました愛知県の例で言えば、今年度の調査によりまして百七十八カ所というものがそういうふうな必要がある。これはいずれも具体的に示しておるわけでございます。そういう点で、全国的な数字を集めても、直ちに役に立ち得る数字にはなってこないという意味で、書いたわけであります。その他交通事故の原因をいろいろ見まして、そうしてそれにどういう対策が必要かというふうな形の、いろいろな意味合いの統計は——統計といいますか資料は、私どもは常に持って臨んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/118
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119・原田立
○原田立君 同じく資料の中に、事故の原因として横断歩道外横断中の事故が千七百五十四件、一四・七%ですか、これはやはり歩行しておるほうの人間が悪いと思うのですが、こういうことは。ところが表2の中には見通し不良七千四百三十件、約一〇%、すべりやすい四千百八十四件、五・四%、この件については、人間が悪いわけではなしに、やはり安全施設の設備不良だろうと思うのです。こういうのは一体何件くらいあって、今度の三カ年計画の中にもちろん重点的にまず第一にやられることだろうと思いますけれども、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/119
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120・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) たとえばいまお話しの見通し不良とかすべりやすい、こういったものにつきましては、本格的には道路の改築事業を伴うかと思いますが、さしあたりそういう危険な個所に対して、安全防護のために標識で指導するというようなことが第一義的にあるかと思います。かなり道路標識に期持しておるものが多うございまして、昭和四十一年、つまり最初の初年度におきましても、道路標識につきまして建設省関係で約二万本くらいのものをそういう観点から用意しようと、かように考えております。しかし特に見通しが非常に悪くてどうしても標識では解決できない、何かそこに局部的な改良を要するというものは、道路の一般的な特殊改良として、局部改良をやるか、あるいはその交通安全対策事業の中にもそういう局部的な改築を見ております。どちらかでこういうところは修理されると思います。大体こういう場所は道路構造上不備なところであることわかっておりますので、そういうところに対して優先的に処置するということで臨みたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/120
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121・原田立
○原田立君 これで終わりにしたいと思うのですが、予算は年々きめられることでありますから、いたし方がないとしても、事故は毎日毎日発生しているわけであります。一番早く手をつけられたところは、それだけ早く事故が解消するだろうと思いますが、一番どんじりの、三年後の一番どんじりに当たったところはこれはたいへんな話だと思うのです。それで、従来計画しているその定周期の信号機一つの費用が六十万円くらいというふうに聞いておりますけれども、これをもっとおしなべていって、もっと安く——道路のまん中等にやると二十万か二十六万くらいでできるそうでありますが、そういう信号機をつくって、早急に施設を施していってむしろ事故を防いでいく、こういうことは緊急要務ではないかと思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/121
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122・内海倫
○政府委員(内海倫君) 御承知のように信号機につきましてはいろいろな種類がありますし、また現在専門家がいろいろな形で研究、開発いたしておりますので、必ずしも一基六十万円という単位でない、もっと安いものも設置できると思いますし、現にそういうものも、できておるものもございますので、御意見のようにそういうものも十分取り入れまして、要は交通安全の目的が達するように十分に活用してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/122
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123・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと資料のことで……。さっきお願いしました資料についてですが、事業の費目、事業量、事業費、さらにその事業費の内訳をひとつ——国の負担額がどのくらい、地方負担がどのくらい、そして負担割合のはっきりきまったものに対してはたとえば何分の一を国、地方が何分の一持つと、こういうようなふうにやっていただきたいと思います。それから警察庁のほう——直接には警察庁のほうだと思いますが、いまの原田さんからもお話がありましたが、事故原因、事故分析なんかを見ますと、いまつくっておられる、それはそれなりの一つの意味はありますけれども、じゃ事故対策、事故防止対策を、一体その事故のいろいろこう分析したものからどう結びつけて考えていくかということについては、これはいまのあなた方が発表なさっておる資料からするとほとんど出てこない。出てくるのは人対車その関係だけですわね、ほとんど。ところが、事故は人対車あるいは車対車もありますが、大まかにそういうことだけではこれはないので、私やっぱり場所、日時、天候、そういうような状況の中でどう起こったか、こういうふうなことまでいかないと、私対策を立てるための統計なり資料にはならぬと思うのです。それから、あなた方は状況分析をやっておられるでしょうが、さっきもそういうお話がありましたからおられるでしょうが、これかひとつむしろ重点をそっちのほうへ向けた事故分析なり事故原因の追及なり、これをやってもらわないと、せっかくのそれが生きてこないということになるのじゃないだろうかと思います。もっと端的に言うと、交差点の左折の問題で事故が起こったというのがたくさん出ておりますね。そこに信号機があるのかないのかあるいは道路幅がどうなのか、こういうのがわからなければ、ただ運転者に気をつけて曲がれとか気をつけて出ていけということだけで、いわゆる事故防止をやる場合の対策としては私は不十分だと思う、これは一例でございますが。そうして、そういうものがないと今度の安全施設の緊急対策というものも、私はほんとうにできてこないと思うのです。ただ事故が多発する地点だからといって、やれ信号機だとかガードレールだとか、そんなことだけで私済まないと思いますから、ひとつ今後の統計のとり方としてわれわれに示してもらうためには、いま言ったようなことを含めてのひとつ事故分析であってほしいと思う。もちろんこれはいろいろケースが違いますから、全部一律にトータルをとっていくというようなことには、もちろんできないと思いますけれども、顕著な幾つかの事例についてやっぱりそういうようなことをしていただかないと、われわれもいろいろな統計から一体どうして事故対策、事故防止対策をするのかということも直ちには浮かばないと思うのです。専門のあなた方は、内部でそういう仕事をやっておられるかもしれませんし、それに基づいていろいろなこともやっておられると思いますが、ひとつ今後の事故統計のあり方について御要望を申し上げておきたいと思います。したがって、今度四十一年からやるといってあなた方いろいろ様式を多少従来のやつと変えておりますね。あれを見ても、私いま言ったことからするとまだ足りないのですね、足りないと思う。ですから、もっと、いま言った、私の言った状況の中で一体どういうふうな事故でどうなったのかというようなことを織り込んだものを、ぜひつくっていただきたいということを、ひとつ要望を申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/123
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124・中村順造
○委員長(中村順造君) 他に御質疑はございませんか。質疑もないようでございますから、本連合審査会はこれにて終了することに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/124
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125・中村順造
○委員長(中村順造君) 御異議ないと認めます。よって連合審査会は終了することと決定いたしました。
これにて散会いたします。
午後一時三十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114135X00119660329/125
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