1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年二月十七日(木曜日)
午前十時五十七分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 中村 順造君
理 事
石井 桂君
稲浦 鹿藏君
小酒井義男君
委 員
内田 俊朗君
大森 久司君
奥村 悦造君
米田 正文君
竹田 現照君
前川 旦君
村田 秀三君
白木義一郎君
春日 正一君
国務大臣
建 設 大 臣 瀬戸山三男君
政府委員
建設政務次官 谷垣 專一君
建設大臣官房長 鶴海良一郎君
建設省計画局長 志村 清一君
建設省都市局長 竹内 藤男君
建設省河川局長 古賀雷四郎君
建設省道路局長 尾之内由紀夫君
建設省住宅局長 尚 明君
建設省営繕局長 小場 晴夫君
事務局側
常任委員会専門
員 中島 博君
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本日の会議に付した案件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
(昭和四十一年度建設省関係の施策及び予算に
関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/0
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001・中村順造
○委員長(中村順造君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
昭和四十一年度建設省関係の施策及び予算に関する件を議題といたします。
初めに、建設大臣から、建設行政の基本施策について、所信を承ります。瀬戸山建設大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/1
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002・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 第五十一回国会における委員会審議をお願いするにあたりまして、建設行政の基本的な考え方について、私の所信を申し述べたいと存じます。
すべての国民が希望に満ちた明るい生活を営むことができる豊かな社会をつくることが政治の理想でありますが、私は、このような理想を実現するために、産業、経済、文化等のすべてにわたる国民生活の基礎をつくり上げるところに建設行政の使命があると確信しております。
戦後二十年にして、わが国経済は高度の成長を遂げ、国民生活の向上は著しいものがありますが、経済成長があまりにも急速であったため、御承知のように、社会の各般にわたりひずみを生ずるとともに、きわめて困難な事態に当面しております。
ここにおいて、わが国経済の新たな発展を期し、産業活動を円滑にし、豊かな国民生活の実現をはかるためには、まず、立ちおくれの著しい道路その他の社会資本を充実し、住宅を建設し、生活環境施設を整備することが緊要でありますが、建設行政は、これらの施策の中核をなすものであり、その責務の重大さを痛感する次第であります。
また、建設行政は、長期的見通しのもとに遂行されなければならないことは申すまでもありません。このため、道路、治水をはじめ各種の長期計画に基づいて諸施策を積極的に推進する所存でありますが、昭和四十一年度におきましては、特に、立ちおくれの目立つ住宅の建設について新たに五ヵ年計画を確立してその推進をはかることといたしました。
以下、昭和四十一年度における建設行政の基本施策の重点につきまして申し述べます。
近年著しく改善された衣や食と比べ、住宅事情は、人口の都市集中、世帯の細分化等により依然としてはなはだしく立ちおくれを示していることは、御承知のとおりであります。ことに、住宅は国民生活の基礎でありますので、住宅事情を改善し、国民の要望にこたえることは、政府に課された重大な使命であり、政府といたしましては、長期的見通しの上に立った抜本的な住宅対策を確立してこれに対処する所存であります。
すなわち、昭和四十一年度から昭和四十五年度までの五ヵ年間に六百七十万戸、このうち政府施策住宅二百七十万戸の住宅を建設し、国民の待望する「一世帯一住宅」を実現するため、新たに住宅建設五ヵ年計画を策定することといたしております。
昭和四十一年度におきましては、この長期計画に基づいて、低所得階層及び都市勤労者のための公営住宅、日本住宅公団の賃貸住宅、住宅金融公庫の賃貸住宅等の公的賃貸住宅約十二万四千戸を建設することとし、また、中堅所得階層の勤労者の持ち象取得の希望にこたえて、公庫融資住宅、公団分譲住宅の戸数を増大し、十五万九千戸の持ち家を建設することとしておりますが、新たに住宅金融公庫においては、事業主の協力と相まって産業労働者に持ち家を持たせるための分譲住宅制度を、日本住宅公団においては、当初の一定期間は比較的低い額の支払いで済ませることができる特別分譲住宅制度を創設し、所得の低い人でもその努力によって持ち家を取得することができるようにしたいと考えております。
このほか、公団住宅及び公庫住宅を通じまして二万五百戸の給与住宅を建設することとしておりますので、建設省所管の政府施策住宅といたしましては、総計約三十万四千戸建設の予定であります。
さらに、厚生、労働等他省の所管の住宅約十万戸の建設が予定されておりますので、昭和四十一年度における政府施策住宅の総建設戸数は四十万四千戸となります。
なお、住みよい住宅とするために規模、設備等の質の向上をはかることとし、公営住宅についてはその大部分に浴室を設けることができるようにし、公団住宅については約七割を三寝室以上のものといたしたいと考えております。
また、これらの住宅の標準建設費の適正化をはかることにより、事業主体及び公庫の融資を受けて住宅を建設する者の負担の軽減をはかり、その住宅建設が容易に行なわれるようにいたす所存であります。
最近特に増大している大規模な住宅団地の建設にあたりましては、その良好な生活環境を確保するため、上・下水道施設、教育施設等の整備をはかることとしております。
最近の急増する道路交通需要に対処するとともに、国土の総合的な開発と均衡ある発展をはかるためには、全国的な規模における高速道路の建設が最も緊要なことであると存じます。このため、全国の主要都市及び開発拠点都市を結ぶ高速自動車国道網をすみやかに策定し、その計画的な建設を推進する方針であります。
昭和四十一年度におきましては、現在建設中の東名及び中央高速自動車国道の建設を促進するとともに、昨年建設線の基本計画が決定した富士吉田以西の中央、東北、中国、九州及び北陸の各高速自動車国道について、緊急を要する区間の本格的建設に着手する方針であります。
一般道路につきましては、まず、舗装事業に重点を置くとともに、一般国道のらち元二級国道については、大幅に国の直轄事業としてその整備を促進することといたしております。
また、地域開発の拠点となる都市の幹線街路及び都市内高速道路の整備を促進するとともに、国民の日常生活に直結する重要な市町村道についても、地域開発の推進と生活環境の改善のため、積極的に整備を推進する所存であります。
なお、最近における交通事故の多発に対処して、交通安全施設等整備事業三ヵ年計画を策定し、交通安全施設を緊急に整備する方針であります。
近年における地価の高騰が住宅用地、公共用地等を確保する上で大きな障害となり、いまや社会経済上の大問題となっていることにかんがみ、地価の安定をはかるための緊急措置として、宅地開発の推進、既成市街地の高度利用による土地の有効利用、土地取得制度の改善、土地に対する税制の改善等の施策を総合的に実施する所存であります。
このため、昭和四十一年度におきましては、日本住宅公団及び住宅金融公庫の宅地開発関係事業を大幅に増大して公的機関による宅地開発を強力に推進するとともに、民間宅地造成事業を促進するため、民間金融機関による融資につき公庫が大幅に保険を行なうこととする等、宅地造成融資の円滑化をはかるための所要の措置を講ずる所存であります。
また、公共施設の整備等に伴う地価上昇による利益の帰属の調整をはかり、あわせて用地取得の促進及び円滑化に資するため、収用する土地の価格は原則として事業認定時を基準として算定することとする方針で土地収用法の改正をはかるとともに、土地の譲渡所得課税制度の改正をはかる所存であります。
国土の保全と開発をはかり、もって国民生活の安定と向上に資するため、治水事業五箇年計画に基づく事業を強力に推進する所存であります。
五ヵ年計画の第二年度に当たる昭和四十一年度におきましては、国土保全上または国民経済上重要な河川のらち新たに四十水系を一級水系に指定し、河川の総合的な管理を強化するとともに、経済効果の大きい河川及び災害の頻発する河川の改良工事、東京湾等重要地域における高潮対策事業、低地地域における内水排除施設の整備、総合開発計画に基づく多目的ダムの建設、土砂流出による被害の著しい河川の砂防事業等の促進をはかる所存であります。
また、重要海岸にかかる事業費の国庫負担率を引き上げ、事業の推進をはかることといたしております。
なお、公共土木施設の災害復旧軍業は、その性格上一口も早く完成すべきであると考えますので、各種の状況を勘案の上、できるだけその進捗率を高め、早期復旧をはかり、民生の安定に資することといたしております。
東京、大阪等の過密都市問題は、いまや社会的な重大問題として深刻な議論をかもしているところであります。これが基本的打開策としては、広く全国的視野に立って、大都市地域における人口、産業等の過度集中の抑制、その地方分散の促進、地方開発挺点都市の育成とこれに必要な交通、教育、厚生施設等の受け入れ体制の整備強化等広範な施策を総合的かつ計画的に実施する必要があります。
このような観点から、まず、過密都市対策としては、昭和四十一年度より国に都市開発資金融通特別会計を設け、大都市内にある工場の移転あと地の買い取りまたは都市計画が決定された公共施設用地の先行取縄を行なう地方公共団体に対し、長期かつ低利の資金の貸し付けを行ない、計画的かつ効率的な再開発の推進をはかるとともに、街路、都市高速道路、公共下水道、児童公園等の整備を一そう強力に推進することといたしております。
また、新たに大都市周辺の河川敷を利用した国民の広場の整備と首都圏における広域緑地の確保のため所要の措置を講ずることといたしております。
また、地方開発上重要な都市その他一般都市につきましても、各種都市施設の整備に一段の努力を傾け、住みよい街づくりを進めてまいる所存であります。
以上建設行政に関する諸施策の概要について申し述べたのでありますが、これらの施策を実施するための昭和閥十一年度建設省関係予算は、地方負担額及び財政投融資を含めて一兆三千六百億円余に達することなります。
これら昭和四十一年度の事業の執行にあたりましては、現下の経済情勢にかんがみ、直轄事業及び補助事業についてその促進をはかり、できるだけこれを上半期に繰り上げて実施し、公共投資の波及効果を最大限に発揮せしめ、景気の回復により効果的に作用するようつとめる所存であります。
何とぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/2
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003・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、昭和四十一年度建設省関係予算の概要説明を願います。鶴海官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/3
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004・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 建設省関係の昭和四十一年度歳入歳出予算につきまして、その概要を御説明いたします。
まず、総額について申しますと、建設省所管の一般会計歳入歳出予算といたしましては、歳入は三十一億二千八百余万円、歳出は五千四百七十四億三千九百余万円であります。歳出におきましては、このほかに、総理府及び労働省の所管予算として計上されておりますが、実質上建設省所管の事業として実施される予定の経費等がありますので、これらを合わせますと、昭和四十一年度の建設省関係予算は六千二百七十七億九千九百余万円となり、前年度の当初予算に比べ一千二十三億二千七百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ一千九億八千五百余万円の増加となっております。なお、このほかに国庫債務負担行為として、官庁営繕に五十七億六千九百万円、河川等災害復旧事業費補助に百四億五千万円を予定いたしております。
次に、特別会計予算の概略を申し上げます。
道路整備特別会計の昭和四十一年度の予算総額は、歳入歳出とも三千九百七十億三千三百余万円で、前年度の当初予算に比べ四百八十六億五千三百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ六百一億八千五百余万円の増でありまして、うちおもなる財源としましては、一般会計より受け入れとして三千五百七十六億九千五百万円、地方公共団体工事費負担金収入として三百三億四千二百万円、前年度剰余金の受け入れとして八億円を予定いたしております。
なお、このほかに国庫債務負担行為として、直轄道路改築事業に百八十億円、街路事業費補助に二十五億円、首都圏街路事業費補助に二十五億円を予定いたしております。
次に、治水特別会計でありますが、本特別会計の昭和四十一年度の予算総額は、歳入歳出とも一千三百五十一億五千八百余万円で、前年度の当初予算に比べ二百三億八千九百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ百九十五億九千五百余万円の増となっております。
これを勘定別に分けますと、治水勘定につきましては、総額一千百五十五億百余万円で、前年度の当初予算に比べ百七十億七千五百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ百六十三億二千六百余万円の増でありまして、うちおもなる財源といたしましては、一般会計より受け入れとして九百六十六億七千六百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として百二十六億一千九百余万円、前年度剰余金の受け入れとして一億六千万円を予定いたしております。また、特定多目的ダム建設工事勘定につきましては、総額百九十六億五千七百余万円で、前年度の当初予算に比べ三十三億一千四百余万円、また、前年度の補正後の予算に比べ三十二億六千八百余万円の増でありまして、うちおもなる財源といたしましては、一般会計より受け入れとして百二十六億九千四百余万円、地方公共団体工事費負担金収入として二十二億九千五百余万円、電気事業者等工事費負担金収入として三十億七千三百余万円、前年度剰余金の受け入れとして五千百余万円を予定いたしております。
なお、このほかに国庫債務負担行為として、直轄河川改修事業に四十一億四千六百万円、首都圏河川改修費補助に六億円、直轄砂防事業に五億円、多目的ダム建設事業に九十五億円を予定いたしております。
次に、昭和四十一年度より新たに設置される都市開発資金融通特別会計でありますが、本特別会計の昭和四十一年度の予算総額は、歳入歳出とも十五億三千六百万円でありまして、うちおもなる財源といたしましては、一般会計より受け入れとして五億円、借り入れ金として十億円を予定いたしております。
次に、個々の事業予算の重点について御説明いたします。
第一に、住宅対策について申し上げます。政府といたしましては、国民生活の安定向上と社会福祉の充実をはかるため、現下の住宅事情を改善して、昭和四十五年度までにすべての世帯が安定した住生活を営むことができる「世帯一住宅」を実現することを目標として、住宅対策を強力に推進してまいる所存であります。このため昭和四十一年度を初年度とし、昭和四十五年度までの五ヵ年について、総住宅供給戸数六百七十万戸のうち、政府施策による住宅二百七十万戸を供給する新住宅建設五ヵ年計画を策定することとしている次第であります。これに基づきまして、昭和四十一年度においては、政府施策住宅約四十万戸の建設を計画しております。これは戸数において、前年度より約六万戸の増加でありますが、このほか、特に四十一年度におきましては、建設単価の是正をはかり、住宅の質の向上をはかるため必要な規模の引き上げ等を行なうことといたしております。政府施策住宅に対する予算措置としては、公営住宅に対しましては、一般会計予算におきまして四百七億八千二百余万円を予定し、第一種住宅二万八千八百戸第二種住宅四万三千二百戸、計七万二千戸と過年災害によるもの三百三十戸の建設に対し、補助することとしております。
住宅地区改良事業に対しましては、一般会計予算において三十八億八千三百余万円を予定し、不良住宅の除却、一時収容施設の設置等の地区の整備及び改良住宅四千五百戸の建設並びに住宅改修費に対し、補助することとしております。
次に、住宅金融公庫につきましては、資金運用部資金等の借入金一千百八十一億円のほか回収金等をあわせて一千三百九十二億八千万円の資金及び一般会計からの二十二億八千四百万円の補給金により、十七万四千戸の住宅の建設、六百万坪の宅地の取得、四百二十万坪の宅地の造成等に要する資金の貸し付けを行なうこととしております。
また、中高層の公共住宅用店舗等の融資率を引き上げ、新たに産業労働者分譲住宅五千戸及び関連公共施設、公益的施設に対する貸し付けを行なうことといたしております。
次に、日本住宅公団につきましては、資金運用部資金等の借入金一千四百九十三億円のほか自己資金等を合わせて一千七百二十六億八千八百万円の資金及び一般会計からの十六億一千六百万円の補給金により、賃貸住宅三万二千戸、分譲住宅二万一千戸、計五万三千戸及び住宅併存施設等の建設を行なうとともに、宅地については、二千七百二十五万坪の住宅用地及び六百四十万坪の工業用地の開発事業を行なうほか、研究学園都市の建設を行なうことといたしております。
第二に宅地対策について申し上げます。
最近における宅地の入手難及び地価の高騰に対処するため、宅地供給の大幅な増加をはかることとし、このため日本住宅公団における宅地開発事業及び住宅金融公庫における宅地の取得、造成に対する融資について資金量の増大をはかるとともに機構の拡充整備を行ない事業の促進につとめることとしております。また、地方公共団体及び土地区画整理組合が実施する土地区画整理事業方式による宅地造成につきましても資金の融通をはかり、これを推進してまいる考えであります。
日本住宅公団につきましては、住宅用地として継続二千百七十五万坪、新規五百五十万坪及び工業用地として継続五百九十万坪、新規五十万坪の開発事業を行なうほか、研究学園都市の建設用地の取得等のため新たに二十七億円の債務負担ワクを増加し、従来の債務負担ワクと合わせて八十五億円を限度として債務負担を行ない得ることとしております。また、本年度から大規模な宅地開発にあたり関連して必要となる公共施設につきましても整備を行なうこととしております。これらに要する資金については、さきに説明しました日本住宅公団の借り入れ金等に一括計上されております。
なお、日本住宅公団の宅地債券については、昭和四十一年度におきましては、四十二億円を発行することとしております。
次に、住宅金融公庫につきましては、六百万坪の宅地の取得、四百二十万坪の宅地の造成に要する資金の貸し付けを行なうこととしております。また、大規模宅地開発に伴なう関連公共施設等の建設、整備に要する資金の貸し付けを新たに行なうこととし、融資保険基金一億円を増額し宅地造成に関する融資保険の拡充をはかることとしております。これらに要する資金については、さきに説明しました住宅金融公庫の借り入れ金等に一括計上されております。
なお、住宅金融公庫の宅地債券については、昭和四十一年度におきましては、二十五億円を発行することとしております。
以上のほか、過大都市対策として既成市街地内に立地する必要のない工場等の移転を促進し、再開発用地として子のあと地を買い取り、または大都市地域における重要な公共施設の用地を買い取る地方公共団体に対して必要な資金を融資するため、都市開発資金融通特別会計を新設し、十五億円を計上いたしております。
また、民間自力による宅地開発の促進をはかるため、土地区画整理組合に、宅地開発土地区画整理事業に必要な資金の無利子貸し付けを行なう地方公共団体に対し、その所要資金の一部を無利子で貸し付ける資金として、一般会計予算において五億五千万円並びに都市における火災その他の災害を防止し、あわせて土地の合理的利用の促進及び環境の整備をはかるため、防災街区造成に対する補助金として、一般会計予算において三億一千万円を予定いたしております。
第三に、道路整備事業について申し上げます。
道路整備事業につきましては、最近における道路交通需要の増大に対処し、国土の総合的な開発と均衡ある発展をはかるため、全国の重要都市及び開発拠点都市を結ぶ高速自動車国道網を策定し、その計画的な建設をはかるとともに、地方道、特に市町村道の整備を飛躍的に推進し、あわせて、交通事故激増の趨勢に対処するため、交通安全施設の整備を三ヵ年計画を樹立して緊急に実施することといたしております。
昭和四十一年度における一般道路事業予算の大要は、一般国道に二千十九億六百余万円、主要地方道に七百六億四千余万円、一般地方道に五百四億六百余万円、市町村道に三百十八億八千八百余万円を予定し、これにより約三千二百キロメートルの改良工事と約六千五百キロメートルの舗装工事を実施することといたしております。
次に、昭和四十一年度予算の重点項目について申し上げます。
一般国道につきましては、交通上の隘路となっている緊急を要する区間の二次改築を重点的に進めるとともに、特に元二級国道の内地十八路線につき新たに追加して国の直轄改築工事を行うこととし、このため五十八億二千万円を計上いたしております。
次に地方道につきましては、重要な地方的幹線、地方開発を進めるための重要な路線に重点を置いて整備の促進をすることとしておりますが、特に山村振興法に基づく市町村道の整備を含め、国民の生活基盤と密接な関係のある市町村道を重点的に整備することとし、このため市町村道整備費として六十九億六千百万円を計上いたしております。
さらに、最近における交通事故の激増の状況にかんがみ、昭和四十一年度から新たに交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法を制定し、三ヵ年計画によって、横断歩道橋、歩道、分離帯、ガードレール、道路照明等の交通安全施設を緊急に整備することとし、六十八億四千五百万円を計上いたしております。
また、街路事業の予算につきましては、さきに説明しました道路関係予算に八百五億七千九百万円が含まれておりますが、これにより道路改良、橋梁整備及び舗装新設の街路事業を実施して、都市内交通の円滑化をはかるほか、人家の密集した地区で幹線街路の整備と、市街地の合理的利用を必要とする地区において、都市改造土地区画整理事業と、市街地改造事業を実施することといたしております。
なお、万国博覧会関連街路の整備につきましても重点的に実施する予定にいたしております。
次に、有料道路について申し上げます。
まず、日本道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金百五十四億円のほか、借り入れ金等を合わせて一千六百三十五億八百万円の資金により事業を行なうことといたしており、高速自動車国道については東名高速道路及び中央高速道路東京−富士吉田間の建設の促進をはかるとともに、国土開発縦貫自動車道については、路線が決定している東北、中国、九州、北陸及び中央自動車道富士吉田−小牧間の五路線のうち、緊急を要する区間の建設に着手する予定であります。また、一般有料道路については、天草連絡道路等三路線を完成するとともに、大阪天理道路、北九州道路等の工事を進め、東名阪道路等の新規の事業にも着手する予定であります。
次に、首都高速道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金九億円、地方公共団体からの出資金九億円のほか、借り入れ金等を合わせて四百七十四億三千八百万円の資金により事業を行なうことといたしており、すでに実施している七路線の建設をさらに促進し、このうち、一号線羽田−環状八号線間及び五号線竹平町−西神田間を完成するほか、新規に、江東江戸川線に着手する予定であります。
次に、阪神高速道路公団につきましては、道路整備特別会計からの出資金十六億円、地方公共団体からの出資金十六億円のほか、借り入れ金等を合わせて三百八億七千七百万円の資金により事業を行なうことといたしており、すでに実施している六路線の建設をさらに促進し、このうち、大阪一号線道頓堀−なんば間及び梅田−加島町間と神戸一号線京橋−柳原間を完成するほか、新規に、堺市道一号線に着手する予定であります。
第四に、治水事業について申し上げます。
政府におきましては、国土の保全と民生の安定を期する見地から、昭和四十年度を初年度とする総投資規模一兆一千億円の治水事業五ヵ年計画を策定し、鋭意、治水事業の促進をはかることといたしております。
昭和四十一年度におきましては、治水事業五ヵ年計画の第二年度として、河川、多目的ダム、砂防及び水資源開発の各事業について緊急施行を要する事業の促進をはかることといたしております。
また、一級河川水系としては、すでに指定済みの十五水系に加えて新たに、四十水系を指定する予定であります。
昭和四十一年度の治水事業関係予算のおもなものとしては、治水特別会計において、河川事業に七百二十四億一千九百万円、多目的ダム建設事業に二面三十九億二千百余万円、砂防事業に二百四十三億八千七百万円、水資源開発公団交付金に六十二億六千九百万円、一般会計において、海岸事業に四十三億六千五百余万円、チリ地震津波災害地域対策事業に二億九千百万円を予定いたしております。
まず、河川事業につきましては、経済効果の大きい重要な河川、放水路工事、災害の頻発する河川の改修工事、東京湾・大阪湾等重要地域における高潮対策、大規模な引き堤工事、捷水路工事及び低地地域における内水排除施設の整備等に重点を置いて事業の促進をはかる方針であります。すなわち、直轄事業については、一級河川六十七河川、二級河川三十四河川及び北海道特殊河川として十六河川の改修事業を継続して施行し、さらに、新規に、北海道特殊河川一河川の改修に着手する予定であります。
補助事業については、中小河川改修事業として継続施行中の四百四十四河川のほか、緊急に改修を要する三十二河川を新規に採択するとともに、小規模河川改修事業として継続施行中の四百二十八河川のほか、新規に、七十三河川の着工を予定いたしております。
高潮対策事業については、東京地区及び大阪地区(含む兵庫地区)について、前年度に引き続き、事業を実施する予定であります。
次に、多目的ダム建設事業につきましては、治水効果及び諸用水需要の増大を考慮して事業の促進をはかることといたしております。すなわち、直轄事業では、建設工事として十一ダムを継続して施行するほか、新規に、名取川釜房ダム及び緑川緑川ダムの二ダムを施行することとし、また、実施計画調査として二ダムを継続して調査するほか、新規に、江の川下土師ダム等、三ダムの調査に着手することといたしております。
補助事業としては、建設工事として十五ダムを継続して施行するほか、新規に、馬見ケ崎川蔵王ダム等五ダムを施行することとし、また、実施計画調査として五ダムを継続して調査するほか、新規に、粕毛川素波里ダム等八ダムの調査に着手することといたしております。
また、水資源開発公団において行なう利根川、淀川及び木曾川の水資源開発事業については、継続施行中の利根川矢木沢ダム等七ダムのほか、新規に、長良川河口ぜきに着手することとし、これらのダムの建設費の治水負担分として交付金を交付し、その促進をはかることといたしております。
なお、昭和四十一年度より、新規に、河水の広域的な高度利用計画に関する直轄調査を実施する予定であります。
次に、砂防聖業につきましては、直轄事業として継続施行中の二十六河川及び直轄地すべり対策事業として継続施行中の四河川について事業を実施することとし、補助事業として、特に重要な河川及び災害発生の著しい河川に重点を置いて施行するとともに、都市周辺及び重要地域における予防砂防を実施することといたしております。
次に、海岸事業につきましては、近年頻発する海岸災害の被害状況にかんがみ、重要な地域における海津保全施設の整備に重点を置くとともに、特に重要な海岸については、国の負担率を引き上げることといたしております。
直轄事業については、継続施行中の九海岸の事業の促進をはかり、補助事業についても同様の方針のもとに高潮対策事業、浸蝕対策事業として継続施行中の百十六海岸のほか、新規に、四十五海岸を予定いたしております。
第五に、災害復旧対策関係予算について申し上げます。
災害復旧対策関係予算の総額は六百四十一億六千八百余万円でありまして、その内訳は、災害復旧事業費五百七十四億七千三百余万円、災害関連事業費六十三億二千余万円、鉱害復旧事業費三億七千三百余万円であります。
そのおもな内容を申し上げますと、まず、災害復旧事業費につきましては、直轄災害は内地二ヵ年、北海道三ヵ年復旧の方針に基づき、三十九年災は完了し、四十年災は内地分は完了し、北海道分は八〇%の進捗をはかることといたしております。
補助災害については、緊要事業は三ヵ年、全体として四ヵ年で復旧する方針のもとに事業の進捗をはかることといたしております。
また、災害関連事業につきましては、災害復旧事業とあわせて適切な実施をはかり、再度の災害を防止するため効果をあげることといたしております。
第六に、都市計画事業について申し上げます。
昭和四十一年度における都市計画事業関係予算は一千九億三千八百万円であります。このうち、街路関係事業の予算額は、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団に対する出資金二十五億円を含め八百三十億七千九百万円でありまして、これにつきましては、さきに説明しました道路整備特別会計に計上されております。
次に、一般会計に計上されております都市計画事業の予算額は百七十八億五千九百万円でありまして、これにより公園及び下水道の整備の促進をはかり、新たに、古都保存事業費及び首都圏広域緑地保全事業費を計上するとともに、過密都市対策の一環として市街地の再開発等を強力に推進するため、都市開発資金融通特別会計を設置することといたしております。
公園関係の予算額は十億円でありまして、これにより国営公園、都市公園及び墓園の整備をはかるとともに、新たに、河川敷を公園緑地として整備することといたしております。
古都における歴史的風土の保存に関する特別措置法の成立に伴う古都保存事業費としての予算額は二億円でありまして、これにより古都の保存に対し適切なる措置をとることといたしております。
また、首都圏の近郊整備地帯内における計画的整備をはかるため、広域緑地を確保いたすこととし、その予算として二億円を計上いたしております。
さらに、下水道関係の予算額は百五十九億五千九百万円でありまして、これにより事業の緊要性にかんがみ、汚濁対策事業の促進、流域下水道の推進に重点を置き、下水道の整備をはかることといたしております。
次に、都市開発資金融通特別会計につきましては、一般会計からの繰り入れ金五億円のほか、資金運用部からの借り入れ金十億円とを合わせて、十五億円の資金の貸し付けを行なうこととし、昭和四十一年度は、工場等の移転あと地の買い取りに重点を置くことといたしております。
第七に、官庁営繕について申し上げます。
建設省で実施いたします営繕のうち、建設省所管予算として計上されております額は百二十二億二千百余万円でありまして、これにより中央官庁、地方及び港湾合同庁舎の建設、その他一般官署の建てかえ等を実施することといたしております。
以上をもちまして、昭和四十一年度の建設省関係の一般会計予算及び特別会計予算の説明を終わります。
よろしく御審議のほどをお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/4
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005・中村順造
○委員長(中村順造君) 引き続いて部局別予算の説明を聴取することといたします。
まず、大臣官房関係の説明を願います。鶴海官房長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/5
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006・鶴海良一郎
○政府委員(鶴海良一郎君) 大臣官房所管予算の概要を御説明いたします。
昭和四十一年度におきます大臣官房関係の予算総額は十九億八千六百九十八万円でございまして、前年度の十八億一千十三万円に対しまして一億七千六百八十五万円の増であります。内訳を申し上げますと、本省職員の人件費等十九億七千四百十三万円でございます。そのほか、各種審議会の運営費七百四十六万円が計上されております。
次に、附属機関の予算について概況を御説明申し上げます。
まず、国土地理院でございますが、昭和四十一年度におきます国土地理院の予算総額は十五億九千五百十万円でございまして、前年度予算十四億四千九百三十七万円に対しまして一億四千五百七十二万円の増でございます。この予算のうち、おもなものは国土基本図等作成に必要な経費でございます。四十一年度予算は七億二千九百二十八万円でございまして、前年度予算六億二千五百六十五万円に対しまして一億三百六十三万円の増となっております。この経費は、国土の総合開発及び土地の高度利用等に資しますために、二千五百分の一及び五千分の一の地形図を作成いたしますとともに、国土の全域につきまして、二万五千分の一の地形図の作成を促進するために必要な経費でございます。
次に、土木研究所の予算でございますが、昭和四十一年度におきます土木研究所の予算は三億五千四百九十四万円でございまして、前年度予算三億八百六万円に対しまして四千六百八十八万円の増でございます。この予算のおもなものは、土木関係の研究費一億三千七百五十九万円でございます。この経費は、土木技術の基本的研究と困難な研究調査に対する技術的問題を解明いたしまして、土木技術の向上と工事費の節減をはかるためのものでございます。
次に、建築研究費の予算について申し上げます。昭和四十一年度におきます建築研究費の予算総額は二億三千五百二十九万円でございまして、前年度予算二億九百七万円に対しまして二千六百二十一万円の増でございます。
以上の予算のうちおもなものは、建築関係の研究費八千九百十九万円、それと国際地震工学の研修、研究に関する経費千三百六万円でございまして、建築関係研究費は、建築の材料、構造、施工、設計計画、建築基準法等関係法規の改正並びに公営住宅、環境衛生その他の建築物の設計の施工の合理化をはかるためのものでございます。また、国際地震工学研修及び研究経費は、中近東、東南アジア等の地震国問の留学生に対する地震工学の研究と、その分野におきます国際協力を積極的に推進するためのものでございます。
次に、建設大学校の予算について申し上げます。昭和四十一年度におきます建設大学校の予算総額は四千七一旦二十九万円でございまして、前年度予算四千三十八万円に対しまして七百万円の増でございます。この経費は、建設事業の増大に対処いたしまして、建設省なりあるいは都道府県土木建築関係の職員等の資質の向上をはかるために、これらの職員に対しまして研究を実施するために必要な経費であります。
以上、官房及び附属機関の予算の概要を御説明申し上げました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/6
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007・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、計画局の説明を願います。志村計画局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/7
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008・志村清一
○政府委員(志村清一君) 計画局の四十一年度予算案の御説明を申し上げます。
四十一年度予算案は、七億六千二百万円余でございまして、四十年度に比較いたしますと、一七%の増になっております。このほかに財政投融資等といたしまして、住宅金融公庫、住宅公団等の行ないます宅地開発事業の予算がございます。それらのおもな事項につきましては、お手元にお配りいたしてございます計画局関係予算説明資料を御参照願いたいと存じます。
重点事項は、まず、宅地対策の推進でございますが、宅地開発事業の拡大につきましては、日本住宅公団の宅地開発事業につきまして、予算額といたしましては六四%増、施行面積といたしまして六百万坪の増といたしております。特に新規の住宅地開発につきましては、百万坪の増という予算にいたしております。
住宅金融公庫の行ないます宅地の取得並びに造成に対する融資につきましては、予算額といたしましては三四%の増、規模といたしましては百六十万坪の増といたしております。
次に、宅地が大規模に開発されるにあたりましては、関連の公共施設及び公益施設の整備が大きな問題でございますので、日本住宅公団が六億円の事業費を計上して、みずから施行することといたすとともに、これらの施設を公共団体に低利資金を融通する措置といたしまして、住宅金融公庫に五億円の事業費を計上いたしてございます。また、民間の宅地造成事業を推進するために、住宅金融公庫の融資保険基金に一億円を出資増いたしまして、宅地造成に関する融資保険の拡充をはかることといたしております。
次に、区画整理に関する措置でございますが、地方公共団体が行ないます宅地造成区画整理事業につきましては、起債三十五億円を計上いたしております。また、土地区画整理組合の施行いたします宅地造成区画整理事業におきましては、無利子の貸し付け金十一億円を融資する措置をとりまして、そのうちの半額でございます五億五千万円を国費として計上いたしておる次第でございます。また、宅地に関する調査が大いに必要でございますので、四十一年度は宅地の基礎的調査を起こしまして、地価指数の作成等を行なうことにいたしておりますとともに、かねて行なっております地価調査につきましても、四十一年度は四十年度の倍額を計上いたしまして、地価調査の推進をはかるものといたしております。
次の重点項目の一つといたしましては、建設業の振興でございますが、特に建設業の海外活動を促進するために、四十年度におきましても、スマトラ・ハイウエイの調査費を計上いたしましたが、四十一年度は、引き続きこの調査の費用を計上いたしますとともに、新たに建設コンサルタントの海外活動を振興するための補助金を計上いたしてございます。
次に、産業開発青年隊の問題でございますが、建設技能者不足対策及び青少年対策の一環といたしまして、建設技術訓練を行なう組織といたしましての青年隊につきましては、四十一年度におきましても、中央訓練所及び地方隊関係の施設の整備、訓練内容の充実をはかることといたしております。
以上簡単でございますが、計画局関係予算の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/8
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009・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、河川局の説明を願います。古賀河川局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/9
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010・古賀雷四郎
○政府委員(古賀雷四郎君) 四十一年度予算につきまして補足説明を申し上げます。お手元に四十一年度の治水関係予算として。パンフレットを上げておりますので、それを御参照願いたいと思います。
第一ページに、河川局関係の総事業費及び国費が書いてございます。事業費にしまして二千四百十五億四千百万円でございまして、その内訳は、治水事業千五百二十六億二千四百万円、海岸事業七十三億五千五百万円、災害復旧関係事業八百十五億六千二百万円であります。その内訳につきましては、二ページ、三ページの表に書いてあります。治水事業、海岸事業、災害復旧事業等に分けて、それぞれに四十年度当初、補正後並びに四十一年度の事業費、国費、比較増減、伸び率等が書いてありますので、御参照願いたいと思います。
なお、この欄で河川とダムにつきましては、事業費と国費の伸び率が若干違いますのは、一級水系の指定の関係でございます。
詳細の説明は省略させていただきます。
次に、各事業ごとに簡単に補足説明させていただきます。
治水事業につきましては、四十一年度は、治水事業五ヵ年計画の第三年度目としまして、事業費にして総額千五百二十六億円を計上しております。前年度に比し伸び率は一四%になっております。これによりますと、五ページにありますように、五ヵ年計画に対する四十一年度末の事業費としての支出額は二千八百六十五億円となりまして、その進捗率は三三・七%となります。計画の年率が、五ヵ年計画におきまして三三二%になりますので、約〇・六%の進捗をいたしたことになります。
次に、一級水系を四十水系新たに指定する予定でありますが、これによる国庫負担の増は約二十九億円でございます。なお、治水事業に対する地方負担額は、四十年度で四百十七億円、四十一年度で四百三十二億円でございまして、十五億円の増額を示しております。地方負担の伸び率は四%でございます。事業費の伸びは一四%に対しまして地方負担額は四%にとどまっておるということであります。
なお、各事業ごとの細部の説明は省略さしていただきますが、八ページの最後の砂防事業の上のところに、広域水利調査というのが掲げてございます。これにつきましては、最近における各種用水の逼迫した事態に対処して長期的計画的な水資源の開発利用をはかる必要があると考えられまするので、主要地域における河川につきまして水利に関する調査を行ないまして、主として各水系における開発、水資源の開発可能量の調査並びにそれを導水する地域に対しまして開発コストの算定等を行なっていきたいというふうに考えております。長期的な広域利水の策定する基本構想として資料をまとめていきたいというふうに考えております。四十一年度におきましては、新規といたしまして予算三千万円を予定いたしまして実情の逼迫した京浜、京葉、中京、阪神、北部九州等につきまして実施したいというふうに考えております。
なお、広域利水のほかに、河川総合開発事業調査費としまして、特に昨年度、四十年の災害にかんがみまして、水系の一貫した治水計画のもとに球麿川、九頭龍川等につきましてそれぞれダム調査を促進いたしまして、早急に着工をはかりたいと考えております。
それから海岸事業でございますが、海岸事業の国庫負担率引き上げについては、事業の円滑な実施をはかるため、直轄、補助事業を問わず、特定な海岸にかかる事業の国庫負担率を、従来二分の一でありましたものを三分の二に引き上げることにしてあります。これら特定海岸は政令で定めることになっております。なお、この措置は海岸法の一部改正を要しますので、海岸法の一部を改正する法律案を提出しまして御審議を願うことになっておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
なお、チリ地震津波対策事業につきましては、本年度完了する予定にしております。
それから災害復旧事業でございますが、災害復旧事業につきましては、資料のパンフレットの一二、一三ページにつきまして書いてございます。これは予算的な関係でございまして、進捗率その他を掲げてございます。
詳細の説明は省略さしていただきますが、三十八年災はすべて完了いたしますが、三十九年災につきましては、二十四億五千万円の国庫債務負担行為を計上いたしまして、予算における進捗度八八%に対して、さらに五%の追加契約ができるということになりまして、契約進捗率は九三%となることとなっております。四十年災につきましては、さらに八十億円の国庫債務負担行為をいたしまして、予算における進捗率七〇%に対しまして、一〇%の余分の契約ができるということになりまして、契約進捗率は八〇%となる予定でございます。
以上簡単に御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/10
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011・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、道路局の説明を願います。尾之内道路局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/11
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012・尾之内由紀夫
○政府委員(尾之内由紀夫君) お手元にございます昭和四十一年度道路整備特別会計予算説明資料、これで簡単に補足させていただきます。
数字につきましては、先ほど総括的に御説明がございましたので省略させていただきますが、道路整備の重点といたしましては、一ページにございますように、第一番目に高速自動車国道の建設の促進でございます。これは現在すでに着工いたしております東名高速道路及び中央高速道路が、それぞれ予定の時期に完了できるように建設を促進いたします。このため東名高速道路におきましては六百六十億円、中央高速道路におきましては百七十八億円の工事費で計画をいたしております。また、本年より着工予定いたしております東北自動車道ほか四自動車道につきましては、四十一年度は九十億円の事業規模をもちまして、緊急に主として用地取得にかかりたい、かように考えております。
なお、このほかに五道につきましては百億円の債務負担、また東名、中央につきましては二百億円の債務負担が認められております。
次に、二ページにございます一般国道及び地方道の整備でございますが、先ほどお話がございましたように、特に舗装に重点を置きまして整備を行ないたいと思っております。昭和四十一年度の舗装は、元の二級国道につきましては約千五百キロメートル、地方主要道路については約二千キロメートル、一般地方道におきましては約千七百キロメートル、合計六千五百キロメートルの舗装を実施いたしたい、かように考えております。
二級国道の改築事業につきましては、大幅に国の直轄事業に移すということで、先ほど御説明がございましたとおりでございます。
次に、一般国道のうち交通上の隘路になっております区間のバイパスにつきましては、重点的にその促進をはかりますが、大体直轄事業でやっておりますこのようなバイパス工事は、本年に比べまして、おおむね九〇%の伸びでございましてて——伸びといいますよりも若干下回る規模でございまして、その規模で重点的にバイパスをやりたい、こういう考えでございます。
都道府県道の改築につきましては、重要な中央幹線、地方幹線の開発を促進するための重要路線と奥地開発促進上必要な路線等に重点を置いて行ないますが、大体本年度に比べまして三七%の伸びを期待いたしております。
市町村道の改築につきましては、四十一年度は、特に市町村道の整備に重点を置いておりますが、従来行なっておりました離島その他の関係の市町村道のほかに、山村振興上必要な市町村道、あるいは住宅団地等に関連いたします市町村道、あるいは定期バス路線等、国民生活に非常に密接に関係がございます市町村道の整備、それらに百億を考えておりますが、そのほか、街路関係の費用を含めまして、全体で四百七十八億円を計上いたしております。
次に、街路関係は、後ほど都市局長から御説明がございますが、三ページにございます交通安全施設の整備、これはまたあらためて、新しい交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の法案を御提出申し上げるつもりでございますので、それについて御審議をいただくことになっておりますが、これは主としてここにございますような横断歩道橋、歩道、分離帯、ガードレール、道路照明、標識等の交通安全の施設等を、国家公安委員会のほうと、それから建設省関係の道路管理者と共同いたしまして整備促進し、交通安全の対策とする、こういうことで、昭和四十一年度は、建設省関係約百億円、警察庁関係約八億五千万円をもちまして行ないますが、おおむね六百億の規模の事業を考えております。あらためてこれは御審議いただく機会があろうかと思います。
そのほか、重要調査関係といたしまして、本州四国の連絡架橋調査、これに四億五千万円、東京湾環状道路の調査に四千六百万円、第二関門連絡道路等の調査に三千万円、その他、縦貫道の調査費として、継続して二億八千六百万円を考えております。
最後に、積雪寒冷地域及び豪雪地域における道路交通の確保をはかるために、従来に引き続きまして積寒道路事業を拡大強化いたしますが、特に除雪、凍雪害対策に重点を置いております。前年に比べまして一三%の伸びを予定しております。
以上のとおりでございますが、よろしく御審議をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/12
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013・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、都市局の説明を願います。竹内都市局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/13
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014・竹内藤男
○政府委員(竹内藤男君) 都市局が所管いたしております事業の昭和四十一年度の予算額は一千九億八千万円でございます。このうち、道路整備特別会計に計上されております街路関係の予算額は、ただいま道路局長から御説明がございましたけれども、資料の六ページ、七ページのところに、街路であがっておりますように、八百五億七千九百万円でございまして、前年に比し一六%の増となっております。この事業の実施にあたりましては、このパンフレットの二ページ三ページのところの街路のところに書いてございまするように、交通上の隘路となっている街路の整備、高速道路あるいは国道バイパス等の主要道路の建設と関連します街路、あるいは新市街地開発等に関連して必要な街路の整備並びに万国博覧会の開催に関連して必要な大阪及びその周辺の関連街路の整備の促進に重点を置くことといたしております。なお、先ほどの六ページ、七ページにございますように、道路整備特別会計には、街路関係の予算のほかに首都高速道路公団並びに阪神高速道路公団に対する政府の出資金が二十五億円計上してございます。四十一年度におきます首都高速道路の建設事業の関係は、一七ページの支出のところの建設費というところに書いてございますように、三百二十三億五千万円でございまして、これをもちましてすでに着工いたしております首都高速一号線から六号線までの六路線及び高速横浜羽田空港線の以上七路線の建設をさらに促進し、新たに江東江戸川線に着手する予定でございます。
次に、阪神高速道路公団の建設事業でございますが、このパンフレットの一九ページの支出のところにございますように、二百五十億四千五百万円でございまして、これをもちまして現在着工いたしております大阪一号線から四号線までの四路線と、神戸一号線及び大阪池田線という、以上六路線の建設を促進いたしますとともに、新たに堺市道一号線に着手する予定でございます。
次に、一般会計に計上されております都市計画事業の予算について申し上げます。
これは別の資料、都市計画事業予算説明資料というパンフレットが別に配ってございます。これの第一ページにございますように、都市計画事業予算は百七十八億五千九百万円でございます。そのうち、公園関係でございますが、これは公園事業と古都保存事業と首都圏広域緑地保全事業と分けてございますが、そのうち、公園事業の予算額は十四億円でございまして、前年に比し八三%の増加となっております。この事業の実施につきましては、まず国営公園でございますが、三ページに書いてございますように、霞ヶ関公園事業を四十一年度をもって完成させるとともに、北の丸公園につきましては、四十三年度完成を目途に既存建物の除去、園路の整備並びに植栽等の実施を促進することといたしております。
次に補助公園でございますが、補助公園につきましては、まず児童公園の整備に重点を置いております。児童の遊び場の不足解消及び路上遊戯による交通事故の防止をはかりますために、市街地内の児童公園の整備を特に促進することといたしておりまして、この予算は前年の二・二倍といたしております。
公園事業の重点の第二は、河川敷緑地の整備でございます。大都市における公園の整備の立ちおくれを応急的に取り戻し国民の体力づくり等に資するため、新規に多摩川、荒川及び新淀川等の河川敷を公園緑地として整備促進することに重点を置いております。
以上、公園事業のほかに、新たに古都における歴史的風土の保存に関する法律に基づきます古都保存のために二億円、首都圏における広域緑地の保全のため計画的整備をはかるための広域緑地の保全について二億円の予算を計上しております。これによりまして建築行為等を制限することによる損失の補償及び土地の買い入れ等を行なわせることにいたしております。
次は、下水道関係について申し上げます。下水道の予算額は、下水道整備五ヵ年計画の第四年目の予算でございまして、前年度に比しまして三七%増の百五十九億五千九百万円を計上いたしております。これによりまして、公共下水道、都市下水路及び特別都市下水路を整備拡充することといたしております。これによりまして、四十一年度末における公共下水道の市街地面積に対する普及率は、おおむね二四%となる予定であります。
下水道事業の実施にあたりましては、隅田川、多摩川、淀川等の汚濁対策事業の促進、寝屋川及び荒川流域における流域下水道事業の促進及び地方都市、特に受益者負担金徴収都市の下水道事業及び新市街地の開発を実施している地域における下水道事業の促進並びに小規模市街地における公共下水道の整備に重点を置いてその推進をはかることといたしております。
最後に、都市開発費金特別会計でございますが、この特別会計は、大都市の工場等の移転あと地の買い取り及び重要都市施設用地の買い取りを行なう資金を地方公共団体に貸し付けるためのものでありますが、昭和四十一年度は、十五億円の資金をもちまして東京及び大阪の工場等の移転あと地の買い取りに重点を置き実施することといたしております。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/14
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015・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、住宅局の説明を願います。尚住宅局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/15
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016・尚明
○政府委員(尚明君) 住宅局関係の予算につきまして、補足説明さしていただきます。
まず、予算額は、一般会計で四百九十億、それから財政投融資計画で、自己資金等含めまして三千百二十億、合計いたしまして三千六百十億になります。これは前年度に比較しまして四二%の増加でございます。
次に、建設戸数の計画を御説明申し上げます。御承知のように昭和四十一年度の住宅建設計画は、新五ヵ年計画の第一年度として計画されたものでございますが、公営住宅を七万二千三百三十戸、改良住宅を四千五百戸、公庫住宅を十七万四千戸、公団住宅を五万三千戸、建設省関係合計いたしまして、三十万三千八百三十戸を計画いたしておる次第でございます。
次に、各事業につきまして、要点を御説明申し上げます。
まず、公営住宅建設事業でございますが、室の改善といたしまして、第二種公営住宅の二階建て以上のものにつきまして半坪の規模増を行ないました。この結果、大部分の公営住宅につきましては、浴室を設けることが可能になった次第でございます。また、建設事業の円滑化を推進するために、単価の増加をはかっておりますが、前年に比較しまして、工事費につきまして七%ないし一六%、用地費につきまして一五%の引き上げを行なっております。なお、地方債の計画のほうで、一般事業債百十一億、特別事業債百五十五億、合計二百六十六億が見込まれておりまして、その結果、在来の起債充当率四五%が九〇%に引き上げられる見込みでございますので、地方公共団体の負担は大幅に軽減される見込みでございます。
次に、住宅地区改良事業について御説明申し上げます。
まず、住宅の規模を一坪増加いたしまして十一・五坪といたしました。また、単価につきまして、工事費八%、用地費一五%の引き上げを行ないました。そのほか、住宅地区内の整備をはかるため、地区内道路、児童遊園、集会場等の敷地につきましても、新たに補助する道を開きました。さらに、主として同和地区内の不良化した住宅の改修に対しまして、地方公共団体が長期低利融資を行ないます場合に、その資金の一部を補助する制度を新たに設けました。
次に、住宅金融公庫でございます。住宅金融公庫につきましては、主体工事費を三%ないし九%引き上げ、用地費を一五%引き上げました。
そのほか、共同住宅として建設する分譲住宅につきましては、規模を〇・五坪引き上げまして十五・五坪といたしました。また、中高層の公共用住宅の下の部分に建設されます店舗等の貸し付けにつきましては、建設単価を十万四千円に引き上げるとともに、融資率を八〇%から九〇%に引き上げまして、不燃立体化の推進をはかりました。また、新たに産業労働者分譲住宅制度を新設いたしまして、これに五千戸を予定いたしております。さらに、団地関連の公共施設といたしまして、学校、道路、公園、上下水道、幼稚園、保育所等に対する融資の道を開いた次第でございます。
次に、住宅公団につきまして御説明申し上げます。住宅公団におきましては、まず、分譲住宅の規模を一坪引き上げまして十七坪といたしました。また、賃貸住宅等の坪数を半坪引き上げまして十五・五坪にいたしました。
それから公団住宅におきましては、分譲住宅を前年より七千戸ふやしまして、二万一千戸にいたしておりますが、そのうち五千戸につきましては、新たな形式による長期割賦の特別分譲住宅制度を発足いたしまして、これに五千戸を充て、持ち家取得を容易にする方途を講じました。
その他、関連公共施設等の建設につきまして、その予算の増加をはかった次第でございます。
以上簡単に御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/16
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017・中村順造
○委員長(中村順造君) 次に、営繕局の説明を願います。小場営繕局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/17
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018・小場晴夫
○政府委員(小場晴夫君) お手元の昭和四十一年度の官庁営繕関係予算説明書によりまして補足説明申し上げます。
所管予算としまして建設省に計上されました官庁営繕関係予算は百二十二億二千百七十九万円でございまして、前年度の予算額百四億二百八十四万円に対しまして十八億一千八百九十五万円の増加になっております。このほか、国庫債務負担行為は五十七億六千九百万円計上しております。このおもな内訳は、次の二ページで御説明申し上げます。
まず、中央官庁についてでございますが、中央合同第三号館、厚生省統計調査部、こういうような各件につきまして二十八億九千六百十八万三千円でございます。
次に、地方合同庁舎についてでございます。札幌第二地方合同庁舎ほか九件、二十一億二千九百八万二千円でございます。
港湾合同でございますが、函館港湾合同等二十件につきまして十四億七百七万二千円であります。
特別修繕あるいは暖房設備整備というような施設の特別整備につきまして五億七千万、またそのほか、一般庁舎等につきまして五十億一千二万二千円、これが工事費でございまして、これに要します付帯事務費は二億九百四十三万五千円計上されております。
この詳細の内訳は省略させていただきまして、ほかに国庫債務負担行為として五十七億六千九百万円、この内訳は一〇ページをごらんいただきたいのでございますが、総理府第二合同庁舎等第一期工事につきまして九件計上されております。これによりまして工事の早期完成、円滑なる実施が期待できる所存でございます。
以上簡単に御説明申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/18
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019・中村順造
○委員長(中村順造君) 本日はこの程度にし、これにて散会いたします。
午後零時二十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114149X00419660217/19
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