1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月八日(火曜日)
午後一時十七分開会
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委員の異動
三月三日
辞任 補欠選任
近藤英一郎君 木村 睦男君
三月四日
辞任 補欠選任
木村 睦男君 近藤英一郎君
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出席者は左のとおり。
理 事
赤間 文三君
豊田 雅孝君
柳田桃太郎君
近藤 信一君
委 員
剱木 亨弘君
近藤英一郎君
宮崎 正雄君
吉武 恵市君
小柳 勇君
椿 繁夫君
永岡 光治君
向井 長年君
政府委員
公正取引委員会
委員長 北島 武雄君
公正取引委員会
事務局長 竹中喜満太君
通商産業政務次
官 堀本 宜実君
通商産業省重工
業局長 川出 千速君
通商産業省鉱山
局長 大慈彌嘉久君
中小企業庁次長 影山 衛司君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
法務省民事局第
三課長 住吉 君彦君
通商産業省重工
業局計量課長 東 現君
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本日の会議に付した案件
○中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する
法律案(内閣送付、予備審査)
○中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案
(内閣送付、予備審査)
○機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正す
る法律案(内閣送付、予備審査)
○金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法
律案(内閣送付、予備審査)
○土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関
係法令の整備に関する法律案(内閣提出)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
(私的独占の禁止及び公正取引に関する件)
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〔理事豊田雅孝君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/0
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001・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
委員長所用のため、委託を受けました理事の私が委員長の職務を行ないます。
まず、理事会におきまして協議いたしました事項につきまして、御報告いたします。
本日は、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案外四件の提案理由の説明を聴取いたし、公正取引委員会の業務概況に関する件の質疑を行ないますほか、土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案の質疑を行なうことにいたしましたので、御了承願いたいと存じます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/1
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002・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) まず、予備審査のため付託されました中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案、機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案、金属鉱物探鉱促進事業秘法の一部を改正する法律案、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案、以上五法案を一括して議題とし、政府から提案理由の説明を聴取いたします。堀本通商業政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/2
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003・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま提案になりました中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案外四法案の提案理由及びその概要を御説明申し上げます。
まず、中小企業投資育成株式会社法の一部を改正する法律案について申し上げます。
中小企業投資育成株式会社は、中小企業の自己資本を充実させ、その健全な発展を助成するための投資育成機関として、昭和三十八年十一月、東京、名古屋、大阪の三都市に設立いたしたものであります。申し上げるまでもなく、中小企業の経営の基盤を強化することは、国民経済の均衡のとれた成長発展を達成するためきわめて重要であり、中小企業への投資育成事業は、今後一そう積極的に批准する必要があると存じます。
幸いにして、中小企業投資育成株式会社の事業は、設立後二年余りを経過し、ようやく活 化してまいりましたが、他面、業務の拡充に伴い、名古屋中小企業投資育成株式会社の業務の運営に必要な資金を調達するとともに、その経理的基礎を固めるため、資本金を増額する必要が生じてまいりました。このような実情にかんがみまして、今回、名古屋中小企業投資育成株式会社の資本金を増額するため、中小企業金融公庫が引き受ける中小企業投資育成株式会社の優先株式の発行価額の限度額を一億五千万円増額し、七億五千万円といたしまして、中小企業投資育成事業の一そうの強化拡充をはかろうとするものであります。
以上が本法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
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次に、中小企業近代化促進法の一部を改正する法律案について申し上げます。
御承知のとおり、中小企業近代化促進法は、中小企業の実態を認否して、その実態に即した近代化計画を策定し、その円滑な奥地をはかるための措置を講ずること等により、中小企業の近代化を促進し、もって国定経済の健全な発展に寄与することを目的として、昭和三十八年に制定されたものでありますが、制定後今日までの湖において、すでに約七十の業種が指定され、それぞれの業種ごとに実態調査、近代化計画の策定、その推進等がはかられ、わが国の中小企業の近代化に大きな役割りを果たしております。
このような中小企業の近代化にあたっては、規律各業種において重要な生産活動を行なっている企業組合についても、会社と同様、本法の対象としての近代化を促進することが適当であると考えられます。そこで、この企業組合をこの法律の中小企業者に加え、本法に規定する金融、税制上の優遇措置を受けさせることにより、その推進をはかろうとするものであります。
また、中小企業の近代化を促進するにあたっては、自己資本の充実は最も重要な点でありますので、本法に規定する減価償却の特例を、本法の指定業極であって、資本の額もしくは出資の総額が五千万円以下または常時使用する従業員の数が三百人以下の中小企業者全部について適用させることにより、一そう自己資本の充実を促進しようとするものであります。
以上がこの法律案を提案する理由及び要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願いを申し上げます。
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次に、機械類賦払信用保険臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。
機械類賦払信用保険臨時措置法は、中小企業の設備の近代化及び機械工業の振興に資することを目的として、機械類の割賦販売契約による取引について政府が信用保険を行なう制度を確立するため、昭和三十六年七月一日に施行された法律でございまして、同法に基づく保険制度の実務は通商産業省が担当いたしております。制度発足以来、本保険制度が対象といたしております設備財分野における割賦販売取引は普及の一途をたどっており、本保険制度への理解の深まりとも相まって、加入者数も漸次増加し、最近では年間約一万件以上、金額にいたしまして四百億円前後にのぼる機械類の割賦販売取引がこの保険の適用を受けるに至っております。このような保険業務の順調な発展に伴い、制度運営の財源につきましても、当初二億円の資本で出発いたしましたものが、その後増資を重ね、本年度は総額八億五千万円の資本をもちまして制度の運営を行なっております。
本保険制度は、中小企業の設備の近代化に役立つ重要な機械設備について、その割賦販売取引の健全な発展をはからんとするものでありますが、資金力に乏しい中小企業にとって、今後割賦販売が果たす役割りはますます重要化するものと考えられ、その際本保険制度が持つ意義もまた一そう高まるものと考えられます。他方これにより拡大する中小企業の設備需要は、わが国機械工業の国内市場において、従来にも増して重要な地位を占めてゆくものと予想されます。
本保険制度は、当初五年間の臨時的措置として発足し、本年六月末日をもちましてその期間が満了することとなっております。その趣旨は、右の期間を経たところで本制度の意義ないし効果を見直すことにあったものと考えられますが、以上申し上げました本保険制度の重要な意義にかんがみまして、この際木制度を恒久的なものとすることがぜひとも必要であると考えております。これがこの法律案を提出いたしました理由でございます。
何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
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次に、金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案について申し上げます。
国際競争力が十分でないわが国金属鉱業にとって、鉱産物の低廉かつ安定的な供給を確保して、国民経済上の要請にこたえていくためには、探鉱を急速に推進し、優秀高品位鉱床を発見し、これを開発していくことが急務であることはあらためて申し上げることもないことと存じます。政府におきましても、この観点から従来新鉱床探査費補助金の交付、金属鉱物探鉱促進事業団による融資などにより企業の探鉱を直接助成いたしますとともに、地質構造の調査を実施することにより企業の探鉱に有力な指針を提供してまいりました。地質構造の調査につきましては、従来工業技術院地質調査所がその研究業務の一環として、地質構造の概括的な状況を明らかにするためのいわゆる広域調査を行ない、金属鉱物探鉱促進事業団が金属鉱物の探鉱を急速に促進してその優良資源の確保をはかるためのいわゆる精密調査を行なってまいりました。広域調査は、調査実施以来三年を経過し、その調査方法も確立してまいりましたが、今後これを一そう大規模かつ急速に実施していくためには、この際国が総合的に企画立案したものについてその実務を金属鉱物探鉱促進事業団に委託し、精密調査とあわせて計画的、一体的な運用を行なうことが適当と考えられます。
以上に申し述べました理由に基づき、この法律案は、金属鉱物探鉱促進事業団の業務を拡充して、同事業団が国の委託により広域調査を実施し得ることとするのを主たる内容といたしております。これとともに、広域調査を追加することに伴う諸規定の整備をはかるほか、事業団の業務の拡充に伴い、従たる事務所を設置し得ることとし、あわせて役員の欠格条項等の規定の整備を行なうことといたしております。
以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。
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最後に、中小企業近代化資金助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。
政府におきましては、従来より、わが国経済において中小企業が占める地位の重要性にかんがみまして、中小企業近代化資金助成法に基づき工場、店舗の集団化等中小企業構造の高度化に必要な資金、中小企業者の設備の近代化に必要な資金の貸し付け制度を設け、中小企業の近代化の推進につとめてきたところであります。ところで、工場、店舗の集団化等を行なうことは、中小企業者にとってきわめて大きな事業でありまして、資金繰り面に困難を来たしている状況にありますので、これを緩和するため、中小企業高度化資金の貸し付け条件等について助成内容の一そうの充実をはかることが必要であります。また、中小小売り商業の近代化を積極的に推進するためには、従来の制度に加え、新たに小売り商業連鎖化事業を行なおうとする者に対して資金面の助成を行なうことが必要であります。
〔理事豊田雅孝君退席、理事赤間文三君着席〕
次に、従来の資金貸し付け制度におきましては、中小企業者の自主的な事業の実施と必要な資金の調達とを前提としておりましたが、それらの能力に乏しい中小企業者、特に小規模の企業者にとりましては、これらの制度を利用することが困難な面があり、それらの近代化が立ちおくれているうらみがあります。そこで、政府といたしましては、これらの小規模企業者等の工場の集団化及び設備の近代化を強力に推進するため、従来の資金貸し付け制度による助成措置に加え、新たに施設の譲渡または貸し付け等の物的な貸与制度による助成措置を設ける必要があると考えるものであります。
さらに、従来中小企業構造の高度化の推進は、主として資金の助成により行なわれてまいりましたが、これを円滑に推進するためには、中小企業の自己資金の蓄積が強く要請されるところであります。かかる観点から、中小企業の組合が構造改善事業を進めるための資金を積み立てる場合には、新たに税制上の優遇措置を講ずる必要があると考えるものであります。これにより、資金の助成と税制上の優遇とを車の両輪として、今後中小企業の構造高度化が一そう強力に推進されるものと考えております。
以上のような趣旨に基づきまして、今回中小企業近代化資金助成法の一部を改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。
第一は、中小企業高度化資金貸し付け制度のうちに新たに小売り商業連鎖化資金貸し付け制度を設け、事業協同組合等の行なう小売り商業連鎖化事業を助成の対象とすることとしたことであります。
第二は、中小企業間度化資金の償還期間を七年から十年に、中小企業高度化資金及び中小企業設備近代化資金のうち公害防止施設にかかる貸し付け金の償還期間を九年から十一年に延長するとともに、個別組合員に対する工場等集団化資金の貸し付け対象に、事業の共同化に著しく寄与する設備を追加することとしたことであります。
第三は、中小企業共同工場貸与制度を新たに設けまして、都道府県が事業協同組合等に対し、小規模企業者の工場集団化に資するための共同工場を貸与する場合に、その都道府県に対し、国が所要資金の一部を貸し付けることができることとするほか、中小企業共同工場貸与事業に関し、必要な規定を設けることとしたことであります。
第四は、中小企業設備貸与制度を新たに設けまして、中小企業の近代化に著しく寄与する設備の貸与事業を行なう公益法人に対し、都道府県が中小企業設備近代化資金を貸し付けるとともに、中小企業金融公庫が長期資金を付し付けることができることとし、あわせて中小企業設備貸与事業に関し必要な規定を設けることとしたことであります。
第五は、事業協同組合等が行なう中小企業構造改善事業について、政府が承認する規定を新たに設け、この承認に基づいて構造改善事業を行なう場合には、法人税または所得税の課税について特別の措置を講ずることとしたことであります。
最後に、以上の改正に伴いまして、本法律の題名を中小企業近代化資金等助成法に改めるとともに、目的の一部を改めることとしたことであります。
以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同くださいますようお願い申し上げます。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/3
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004・赤間文三
○理事(赤間文三君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、公正取引委員会の業務概況に関する件の調査を進めます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/4
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005・豊田雅孝
○豊田雅孝君 従来、下請代金の支払い手形の短縮をはかるために、業種別の基準を作定するという約束になっておったのでありますが、これに対する進捗状況をまず伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/5
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006・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 私も昨年の十一月の当委員会におきまして、御質問のようなことに対しまして、できるだけ早急に手続を進めたいと、そう申してまいりましたが、残念ながら、ただいままで具体的その点指導方針があらわれておりませんことは、まことに遺憾でございます。ただし、現在までに関して、とにかく主要業種ごとの支払い手形サイトの実態まで把握しまして、各業種別に手形サイトの短縮の指導方針を具体的に示す
つもりで作業を進めております。現在までのところ綿紡、化繊等の繊維工業、それから耕作機械、繊維機械、食品加工機械、農業用機械、発動機等の機械製造業、それから重電機、家庭用電器、通信機、それから総合電機等の電気機械製造業、それと自動車、同部品、造船、車両等の輸送の機械製造業につきまして、おおむね調査を完了いたしまして、近日中にこれらのうち幾つかの業界、たとえば紡績、化繊、農業用機械、精密機械、発動機、自動車、造船等に対しまして、具体的な手形サイト短縮を通達できる段取りでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/6
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007・豊田雅孝
○豊田雅孝君 いつから、そうして具体的に業種別にどういう手形サイトを基準とするということをできるだけ具体的に承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/7
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008・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) さらに補足して申しますと、実は機械関係につきましては、一両日中に業界全般に対しまして、業種団体を通じて、百二十日をこえるサイトの手形を下請代金の支払いに充てないよう中小企業庁と連名の通達を出す予定でございまして、これに引き続きまして個別の業種、農業用機械、発動機等具体的に基準を示して指導していくつもりでございます。
なお、機械関係の次には繊維についても同様の処置をとるつもりで中小企業庁と連絡をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/8
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009・豊田雅孝
○豊田雅孝君 いま承ると、機械については百二十日以内を原則とするようなお話でありますが、機械関係については私の調査したところでは、たとえば耕作機械などは三カ月のものがあり、食品加工機械などになると一月あるいは二月のものすらあるわけであります。また通信機などは二月、三月というものもある。もっとも長いものもあるにはあるのですが、短いのもある。百二十日以内を原則とするということになった場合に、従来六十日なり九十日でやっておったものを、これが原則が百二十日だからというので百二十日になっていったのでは、これはとんでもないことになると思うのですが、それについてはどういうふうに明らかにせられるか、その点伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/9
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010・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) その点は最も警戒を要する点でございまして、百二十日をこえないようということにいたしますと、以内ならいいということに逆になりまして、いままでお話しのような三十日程度のものが延びるとたいへんなことになりますので、百二十日以内においてできるだけすみやかに短期間にということにする予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/10
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011・豊田雅孝
○豊田雅孝君 その点については百二十日以内を原則とするが、従来百二十日以下、たとえば九十日とかあるいは六十日といっているものは、従来のサイトを延ばしてはいかぬということを明らかにして通達をすべきだと思うのですが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/11
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012・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは金融事情等で変化するのでございますので、たとえばいままで三十日がすぐ四十日になるものかどうかという問題、なかなかむずかしい問題でございまして、原則としては、とにかく短縮させるためにそういう通達を出すわけでございますから、理由がないのにいままでのものがただ漫然と百二十日までいいということには絶対にいたさないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/12
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013・豊田雅孝
○豊田雅孝君 百二十日のものを指導して漸次九十日に持っていく、あるいは六十日に持っていくということを努力はせんならぬと思うのですけれども、そのほかに、いま言う六十日でいっているもの、これが百二十日でいいというふうな懸念が同時にあるのですから、その面については、もう明らかに六十日、九十日でいっているものは従来どおりのサイトを厳守するという趣旨を明らかにしてもらいたいと思うのです。というのは、手形が割引できればいいというものでなくて、手形を割り引けば、その金利は受け取り人になる中小企業者の負担になるのですから、だから一月延びればもう一月の金利負担というものが現実に出てくる、これは手形割引ができてもですね。そういう点においても、いま言うようなふうに、従来百二十日未満のものはこれはそれを厳守していくようにということを明らかにすることは私は当然であり、また、それをやったから別にどうということはないと思うので、この点特に通達の際に、あるいは公布の際に明らかにするようにしてもらいたいと思うのですが、その点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/13
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014・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 御趣旨のように指導するつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/14
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015・豊田雅孝
○豊田雅孝君 次に承りたいと思いますのは、機械関係についてさしあたりやられる。次には繊維関係にやられるというふうに考えていいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/15
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016・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/16
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017・豊田雅孝
○豊田雅孝君 それでは機械、次に繊維関係、雑貨はこれは相当問題があると思うのですが、この雑貨についてはどういうふうにされるか、承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/17
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018・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) まず、ただいままで申しました繊維工業、機械製造業、電気機械製造業、輸送機械製造業について実態の調査を完了しましたので、これに基づいていまいったような手順でやりますが、その他の製造業につきましても、御趣旨のように進めていくということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/18
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019・豊田雅孝
○豊田雅孝君 雑貨についていよいよやるというようなことになりますと、雑貨の発注は、親メーカーというより問屋や商社の発注というのが多いというより、むしろ原則になりやせぬかと思うのです。そういう点で、いまの下請代金支払遅延防止法だけで間に合うかどうか、従来から下請関係だけでなくて、それに準ずるような納入関係業者においても当然これを拡充していくべきだという議論をわれわれもしてきたんですが、だんだんサイトを基準的なものを明らかにして短縮していくということになると、バランスから言っても、ただ製造関係だけじゃなくて、それに匹敵するような関係にある納入業者にも拡充していかないといかぬのじゃないかというふうに思うのですが、その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/19
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020・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) まあ当面下請代金支払遅延等防止法の規制対象といたしております製造委託、修理委託以外のことにつきましても、手形サイトにつきましては、当面のことは中小企業庁より御指導していただくことになろうかと思いますが、根本的にお話しのような法改正という問題もあろうかと存じます。私どもといたしましては、ただ下請代金支払遅延等防止法の施行に当たっております人員は非常に貧弱でございます、残念ながら。来年度は若干増加いたしますが、これを持ちまして、昨年とにかく相当強化されました現行法、これをまずがっちり進めて、それから順々にひとつ他のほうにも持っていったらいいじゃないか、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/20
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021・豊田雅孝
○豊田雅孝君 人員の増加などは、これは中小企業対策、零細企業対策の最も国策的にやかましく言われてきている段階から見ると、必要があると
いうことならこれは予算は当然要求をせられてもいいし、またそれを認むべきものであると思うのですから、その辺には遠慮なく、いま申す純然たる業界の下請でなく、それに準ずるものには商社発注のものでも及んでいくということについては、ぜひ研究を早急にしてもらいたいと思うのです。その点中小企業庁としてはどういう見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/21
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022・影山衛司
○政府委員(影山衛司君) 雑貨関係につきましては、親企業にあたりますものが商社関係が多いことは御指摘のとおりでございます。この商社関係が親企業になります場合も、下請代金支払遅延等防止法の適用を受けるということで、公正取引委員会と一緒になりまして、取り締まりの強化あるいは指導に当たってまいりたいと思っておりますが、ただ商社が親企業になります場合、大体資本金が一千万円以下のも一のも多いのでございまして、下請代金支払遅延等防止法の場合には、資本金一千万円以下のものは親企業ということにはなり得ない、ならないということになっております。そういう点もこの前の改正の際における宿題になっておるわけでございます。何ぶん雑貨関係につきましては非常に実態も複雑でございますので、実態調査から進めていくというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/22
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023・豊田雅孝
○豊田雅孝君 調査調査でじんぜん日を送っておると、いよいよもって問題が深刻になるので、これは早急に研究せられて、法律改正すべきものはするという方向にまでいってもらいたいと思うのですが、この点強く要望をしておきます。
次には、歩積み・両建て関係ですが、公取でも真剣に研究をせられてきておるようですが、いまの状態からはやや改善はせられたというものの、とうていああいうことでは問題にならぬと思うのです。そういう点で、もはや今日としては、百貨店対納入業者の関係を、公正取引の特殊指定としておるあのいき方によって、金融機関対借り手である中小企業者の関係は特殊指定によるいき方によって、厳正なる取り締まり基準を明らかにしていく必要があると思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/23
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024・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 不当な歩積み・両建て預金の規制につきましては、昭和三十九年の六月の衆議院の大蔵委員会におきまして附帯決議が出まして、その際、「公正取引委員会は不公正な取引と認められる歩積・両建に関する具体的基準について検討を進めるとともに、金融機関の自粛状況を常時監視し、必要と認める場合には遅滞なく特殊指定を行なうべきである。」、こういう御趣旨でございまして、公正取引委員会といたしましては、この御趣旨に従がいまして、昭和三十九年三月から四回にわたりまして、ただいままでまず歩積み・両建て頭金の規制状況、自粛状況を調査いたしまして、その結果三十九年の三月末におきましては、借り入れ額に対する拘束預金額、これは拘束預金全部でございますが、それに対する比率は二九・三%、第二回目は三十九年の九月末現在でこれが二八・九%、この間ほとんど改善のあとはございません。昨年の四十年三月末の第三回調査ではこれが一・五%になり、さらに昨年の十一月末現有の調査では一九%というふうに若干低下しておるわけでございます。この状況を見ますと、徐々に改善の実はあがっておる。しかし、決して私どもの満足すべきものではない、こういうふうに考えておるのでございまして、なお、大蔵委員会の御決議のように、不当な歩積み・両建て預金に対する具体的な規制基準につきましては、当方におきましても十分に検討をいたしまして、ほぼ成案を得ておる状況でございますので、必要がある場合には、指定を行なう準備はできております。ただ、私ども一番これは問題となりますのは、いまの大蔵省の自粛基準というものに対する考え方でございます。まあ大蔵省の公表によれば、銀行局の発表によれば、一応自粛対象の基準には大体当てはまって整理されてきておるようでありますが、白菊対象なるものが私は非常に不満足な点がある、こう考えております。先般も大蔵委員会でこの点につきまして、自粛対象というのが私どもとしてはやはり気に入らないと、これは何とかしなきゃならぬということを申しました。大蔵省にも話をしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/24
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025・豊田雅孝
○豊田雅孝君 特殊指定の告示案ももうすでに用意ができておるように聞くのですが、その構想について差しつかえない限りいま言ってもらったらと思いますが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/25
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026・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは非常に複雑な規定になっておりますので、ちょっと簡単には申し上げかねるのでございますが、まあ私どもが一応大蔵省の自粛対象基準としておるもの、大蔵省の自粛対象基準というものはどういうのかと申しますと、一応拘束預金の中から「債務者が、その経理事情、経営事情等の理由により、自発的に当該拘束性預金を置くことを希望していることが具体的に証明される場合」はこれはまあいいということになっております。これは借り入れ者の希望で他の取引上の関係から預金額などを過大に表示したいということもあり得ますので、もしこれがほんとうに自発的に行なわれておるならば、これはまあ不当性はないだろうと考えます。これは自粛対象基準でも言っておりますが、この点はもしほんとうに具体的に債務者が希望しているならば、これはやむを得ないだろう、こう考えますが、第二の「債務者の手元流動性、支払手形等の経理状況あるいは業況の推移等の経営状態から判断して、維持すべき必要かつ適正な預金水準を超えないものと客観的にも思料される場合」、これはまあいかがであろうかと、これは銀行が考えまして、お前さんのところは手元流動性を保持するためにもつと預金をやっておいたほうがいいというのは、これはよけいなことで、債務者自身が、企業者が判断してこういうものはいかがであろうかということを私どもは考えております。したがって、こういうものは私どもの規制の対象になると考えております。それからもっとも、すでにある定期預金を担保といたしまして、それで新たに借り入れる場合は、これは理論的には両建てになるわけでございます。これは定期預金は期限がくるまでは解約をしない、その定期預金を担保として金を借りるということは別に不当性はないと考えております。あるいはまた大蔵省の考えでは金利措置をとればいいといっておりますが、この点も私ども大いに問題がある、こう考えております。いまいったようなことをうらはらにして考えると、私どもの特殊指定のその逆のものが不公正な取引と認められる歩積み・両建て預金だと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/26
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027・豊田雅孝
○豊田雅孝君 いつごろやるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/27
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028・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは状況をもう少し見ないと工合が悪い。と申しますのは、一応衆議院の大蔵委員会とそれから大蔵省との約束では、相互銀行、それから信用金庫につきましては二年間を目標として自粛措置を講ずる、この二年の期限がことしの、五月にくるわけであります。で、一応都市銀行、地方銀行については一年、相互銀行、信用金庫は二年となっておりまして、いま申しました大蔵省の自粛基準によってずっといままで整理されてきた。そうすると、一応五月までの状況を見ておかないと、これはどうも工合が悪いのではなかろうか、こういう感じでございます。もっとも当方で調査いたしまして、それがいままで改善されておったのが逆転するということになると、これは大いに私ども規制しなきゃならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/28
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029・豊田雅孝
○豊田雅孝君 自民党の中小企業振興議員連盟というのがあるのですが、そこでは議員立法をやらなければだめだという議論がだいぶ強いのですね。しかし、まあこれはいろいろな関係もあって、私は一応特殊指定で取り締まり基準を明らかにするという段階を経たほうがいいというので、実はいまのところむしろ押さえているのです。ところがまあ五月までかかるとか、模様を見んならぬとかいうようなことだと、これは議員立法にいこうということを押さえるのは非常に困難だと思うのですよ。情勢はそこまで来ているのですね。ですから、そういう情勢も察知せられて、これはもうここまでくれば、少なくとも特殊指定をして、しっかりした体制を整えるというのは、むしろおそきに失するんですから、その点は十分考えなけりゃいかぬと思うんですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/29
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030・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 御趣旨はよく承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/30
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031・向井長年
○向井長年君 それに関連して。公取委員長、先ほど数字を示して、若干実績は上がっている、こういうことなんですが、いま大蔵省なり公取がやかましいからということで、その裏を考えて、本人の意思でという立場から、念書を入れさしてですよ、そういう形をとられている事実があるわけです。そういう問題はその比率の中に入っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/31
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032・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ただいまの比率の中には入っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/32
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033・向井長年
○向井長年君 入っている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/33
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034・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) はい、拘束頭金全部ですから。したがいまして、借り入れ額に対する拘束額の割合が高くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/34
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035・向井長年
○向井長年君 それは大体借りるときに歩積み・両建て式のようなかっこうで預金されるのではなくて、若干日にちをおいて、適当な時期に自分がみずから預金をしたと、こういう形を用いておる状態があると思うんですよ。そういう問題はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/35
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036・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 私のほうの調査でもそういう事実がございます。アンケートを調査いたしますと、銀行側で規制をくぐるために、お話のようにタイミングをはずして預金させるとか、それから当座の残高をやかましく言うとか、手形の審査がきびしくなったとか、それから歩積みはさせないかわりに積み立て金をさせるとか、そういったことがございます。それから会社のかわりに社長名義の預金をさせる、こういったことが行なわれておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/36
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037・向井長年
○向井長年君 いろいろと自粛基準とか、あるいは監査とか調査をやられて、若干好転はしておると思うけれども、いろいろな裏をくぐって、こっちは借りるほうですから、何とかして貸してもらいたいというところから、相当いろいろな工作が金融機関で講じられる、あるいは対個人との間にそういう問題が惹起しているおそれが非常に強いと思う。ただ、数字の上で好転をしたと言われても、それ以外の方法が講じられているようにわれわれは聞くわけです。事実そういうことをわれわれ相談を受けた。したがって、これは自粛基準の実施の問題もございますが、最終的にこういう問題について立法化ができないものかどうかですね。この点、公取委員長としてはどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/37
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038・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これは立法化ということも考えられないことはございません。これは国会の御意思でございますから、私どもとやかく申し上げることではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/38
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039・向井長年
○向井長年君 そういう意味じゃなくて、公取が公正な取引という立場から考えて、若干低下しておるけれども、そういう裏もあるという立場から、これはやはり自粛はけっこうだけれども、事実上これはその精神に基づいてやることはできない。したがって、これは公取としてもやはり立法化が必要であると考えておられるかどうかと――こういう意味で言っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/39
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040・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) まあ立法化の意味でございますが、先ほど豊田委員さんからお話がありましたように、現在不当な歩積み・両建て預金というものは、これはすでに独禁法上の不公正な取引方法の一般指定の第十号で、取引上の優越的地位の乱用ということに当てはまるわけでございまして、過去におきましても、公取に提訴がありまして、公正取引委員会が審査いたした実績があるわけでございます。ただ、特殊指定と申しますか、その具体的な基準をつくると、こういうことでございますので、私どもといたしましては、特殊指定という方法によって、具体的に債務者のほうからこれは悪いんだと、銀行のほうがこれはいかぬのだと、こういうことがはっきりするという利点は確かにあると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/40
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041・豊田雅孝
○豊田雅孝君 さっき手形サイト規制関係について、機械関係のほうは一両日中にということでありましたが、繊維関係のほうは見通しはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/41
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042・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 繊維関係は今月中にその段取りになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/42
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043・豊田雅孝
○豊田雅孝君 繊維関係の基準は大体どれくらいに思っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/43
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044・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 当面の目標が九十日で、そして最終の目標は六十日以内、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/44
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045・豊田雅孝
○豊田雅孝君 それでは、機械関係についても、繊維関係についても、できるだけ早くやる、特に繊維のほうはお急ぎになるように。機械関係のほうは一両日というのですから、それはいよいよ近いのですけれども、それから、続いて雑貨関係をおやりになるように、そうしてそれをいよいよやられるようになったら、その内容はこの委員会にも同時に資料として提出をしてもらいたいとこう思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/45
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046・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) かしこまりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/46
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047・赤間文三
○理事(赤間文三君) よろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/47
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048・小柳勇
○小柳勇君 セメント産業に対して公取が、審査を開始した、その問題について質問しますが、私の質問の目的はほかにあるのですけれども、きょうは労働大臣も通産大臣も見えていないから、公取の面だけ質問しておくわけです。昨年の九月に、九月決算で小野田セメントが三十四億の赤字を出しまして、その暮に八十名近くの人員整理をやりました。指名解雇が津久見で六十八名、八幡で三名、そういうことを調査いたしておりました矢先に、ほかのセメント産業は配当も何割かやっているというような情勢で、そういう矢先にセメント産業に対して公取が審査を開始したということで、ここにいま資料を求めて、これがあなたのほうからいま資料が出ておりますが、これについて概略御説明願いたいと思います。
〔理事赤間文三君退席、理事鶴田雅孝君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/48
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049・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) 国内のセメント製造業者が、市況回復のためにセメントの生、産及び販売数量を協定して調整いたすほかに、さらにセメントの末端の工事口持ち込み価格、すなわち特約店販売価格を逐次値上げして特約店に実施させることを協定し、これをさせている疑い、こういうことで一月の三十一日に審査を開始いたしました。二月の二日、二月三日、この両日、セメント協会、日本セメントの本社等約五十カ所、立ち入り検査いたしまして、証拠資料を領置いたし、現在は参考人を審尋しておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/49
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050・小柳勇
○小柳勇君 審査にまいりましたそのきっかけがいろいろあると思いまするが、たとえば販売価格の急騰など、具体的に、審査を開始しなければならなかった事実、そういうものについて御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/50
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051・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) これはまだ審査の段階でございまして、非常に機微な点もございます。
ただ、端緒を申しますと、いろいろ申告もございまして、申告をもとにして私ども調査をいたしますると、どうもその申告が事実のようであるということで、審査を開始したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/51
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052・小柳勇
○小柳勇君 現在参考人を審尋中であると書いてありますから、具体的な資料についての提出も無理かと思いまするが、できますれば、もし公表できないならできないでかまいませんが、私の求めました資料はこれだけじゃなかったわけです。現在取り調べられた範囲で出せるものを御提出願いたい。それによって私もいままでの経営実態を少し分析したかったものですから、そういう資料の提出を願ったのでありますが、機微な点は私も遠慮いたしますが、いま少し具体的に価格の問題など資料をほしいのですが、提出願えるかどうか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/52
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053・北島武雄
○政府委量(北島武雄君) 現在審査中の事件につきましては、これを表に申し上げることができない仕組みになっております。また、事実いろいろ弊害も起こりますので、審査が完了いたしますまでは、ひとつ何とぞごかんべん願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/53
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054・小柳勇
○小柳勇君 審査の完了いたしますのは、いつごろになりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/54
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055・北島武雄
○政府委員(北島武雄君) ただいまのところ、はっきりした予定はつきかねますが、三月一ぱいはたっぷりかかると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/55
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056・小柳勇
○小柳勇君 わかりました。私のほうでもいま資料を集めつつありまするが、公取については、そういうふうなことで資料の提出も無理であればかまいませんが、私が最終的に申し上げたいのは、いま申し上げましたように、ほかの一、二のセメントでは企業成績が非常にいいのに、小野田が赤字が出ておる。もちろんほかにもあります。経営の不始末がいろいろあるようでありまするが、それを理由に労働者の大量の整理をしていく、そういうようなことで、ちぐはぐであったものですから……。同じセメント業界において公取が入らなければならぬほどであるのに、なぜ小野田でこういうふうな赤字が出て、首切りが出るかということで、若干問題があったので聞いたわけでありますから、本日の質問はこれでやめておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/56
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057・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) 他に御発言もなければ、本調査は本日のところ、この程度にいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/57
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058・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) 次に、本院先議の土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案を議題といたします。
本案につきましては、先般趣旨の説明を聴取いたしておりますので、本日はこれより直ちに質疑に入ります。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/58
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059・永岡光治
○永岡光治君 出席の官庁はどことどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/59
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060・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) 通産省からは堀本政務次官、それから重工業局長、法務省民事局住吉第三課長であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/60
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061・永岡光治
○永岡光治君 法務省はきておりますね、局長は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/61
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062・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) 局長はちょっと他の委員会に出席中でございまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/62
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063・永岡光治
○永岡光治君 予算委員会ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/63
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064・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) 法務委員会のほうへ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/64
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065・永岡光治
○永岡光治君 冒頭に委員長に注意しておきたいと思いますが、実はこの法律が、長い間メートル法が完全に実施できなかった。非常に長い間これは猶予期間猶予期間で置かれてきている。そういうことの原因は、やっぱり私は政府にもあると思うのですね。きょうはやっぱり法務局からも局長が見えていないという、その不熱心さがPRが足らないということになったり、まあまあ何とかなるだろうと……。もう少し真剣に考えていかなければだめだと私は思うので、次からは必ず関係の部局長、要請した者が必ず出てもらうように、まず冒頭私は委員長の責任において実行してもらうように要請をしておきたいと思います。ただいまの件は堀本政務次官からも、ぜひひとつ政府を代表して十分注意していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/65
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066・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/66
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067・永岡光治
○永岡光治君 まず、土地と建物に関する計量単位が今度メートル法に直る、この前の法律の改正で今年の三月一ぱいまで猶予期間があって、四月一日からいよいよ、実施するんだということになっておるので、その期限がきたからこれを改正するという趣旨のようであります。ところが、 このメートル法の実施を見てみますと、大正十年ですか、いよいよそういう方向に踏み切ったということで、その間、歴史的に見ますと、大正十三年には官公庁、電気ガス等、特定部門については十年、その他については二十年、それから昭和八年にまた猶予期間で特定部門五年、その他は十年等々の歴史を見てみますと、なかなか踏み切りにくかった、実情がどうもあったようです。ということは、裏を返せば、日本の国民がやはりなじまなかった、これがほんとうの真相だろうと思うのです。
そこでお伺いしたいのは、確かに法律の上ではことしの四月一日から新しいメートル法に土地、建物の計量単位を変えるのだということにはなっておるけれども、なおかつ私どもが国民の一般から耳に入る声は、どうもまだなじまない、特に土地、建物取引業者、大工さん等非常になじまない、こういうことなんですが、どうしてこれを強行するということになるのか。私は特に考えてもらいたいと思うのは、これは特に堀本政務次官に答弁を願いたいのでありますが、政治というものは国民の福祉増進、不便を強行すべきではないと思うのですね。国民の望む利便に役立つように施策というものが行なわれることが私は政治の要諦ではないかと思います。ところが、今日に至ってなおかつ大工さんだとか、あるいはまた土地、建物取引業者だとかいう立場に立つ人の声というものが、まだどうもなじまぬ、これをやってどういう利益があるか、不便だけじゃないか、こういう声が強いわけでありますが、そういう政治の基本的な考え方について政務次官としてどう考えておるのか。
それから、そういう声があるにもかかわらず、なぜこの際――過去の例を見ますと、十年とか二十年あるいはまた十年と、何回も延期しておるのでありますが、今回もなぜ延期できないのか、延期したならばどういう害悪が出てくるのか、そういう問題について私は明確な御答弁をいただきたいと思うのです。これは政務次官と重工業局、長にひとつ御答弁をいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/67
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068・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいまお尋ねになりましたメートル法実施について、まだ一般社会に、御承知のように尺貫法あるいはヤード・ポンド法等もございまして、一応メートル法に切りかえるということは少し早いのではないかというような御趣旨であったと思うのでございますが、御承知のようにメートルを使い、ポンドヤード法を使い、あるいは尺貫法を使うというふうに三つの用い方をいたしておりまして、全世界的に見ましても、あまり類例がないというようなことも一つあげられるかと思うのでございます。卑近な例を申し上げて恐縮でございますが、たとえばいろいろな使い方がございまして、パンには斤を使い、あるいは野菜には匁を使い、バターには。ボンドを使うというふうに、それぞれの形で使い分けをいたしております関係上、国民生活に不利不便が相当あるということは確かに申し上げられると思うのでございまして、これらは有形無形の努力が必要になる。そこで大正十年に度量衡法が改正されまして以来、今日まで四十年の長い期間が一応猶予をされ、あるいはその間にはもとより反対等の現象もございましたが、すでに学校教育につきましては、メートル法によって教育を実施するという段階か進められておりますので、こういうことになりますと、やはりいろいろのものの計量器につきましても、やはりそれぞれの種類のものを使わなければならないという不便さもございます。またそれを使いますることに、大げさな言い方でございますが、やはりそれぞれのエネルギーの消耗等もございまして、この際期限が一応まいりましたので、統一してその混乱を避けるということにいたしたい、かように考える。ことに世界的に見ましても、八十数カ国がこの制度を採用しているというようなことでございますので、この制度を使っていきたいということでこの提案を申し上げた次第でございます。なお、家庭並びに御指摘になりましたように産業人等におきましても不便があると思いますが、しかし、だいぶん最近におきましては、これを苦にしない形にもう進められてきておるのではなかろうかというようなことも察知いたしておりますので、最後に残された土地、建物のメートル法の段階をこの際踏み切って実施をすることが可能ではないかといった観点からこの法案を提出した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/68
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069・川出千速
○政府委員(川出千速君) 土地、建物の計量単位につきまして、これをさらに延長したらどういうような弊害があるかという御指摘でございますが、これは先ほど政務次官から申し上げましたように、メートル法に統一をするという大方針がだいぶ前からきまっておりまして、社会生活なり、あるいは産業活動の複雑化をなるべく簡素化して能率をあげるというのが目標になっておるわけでございます。すでに三十四年の初めから土地、建物以外のものは原則としてメートル法に統一をされまして、併用は猶予されない事態になって、ただ土地、建物だけが非常に伝統にも密着し、行政事務にも関係深いところから七年間の猶予をされて、ことしの三月の末にその期限が切れるわけでございます。その間には相当PRもいたしましたし、学校教育は三十四年以降完全にメートル法に統一されております。これを延長することによってどういう弊害があるかということになりますと、若干延長もこれは可能かとも思いますけれども、大きな目的のためにいつ踏み切るかというそういう問題であろうかと思います。いつ踏み切るにしても多少の不便というのは必ずやあるわけでございます。大きな目標のため、あるいは目的のために既定方針どおり三月末で土地、建物についての計量単位をメートル法に移行するという方針を変えることなく踏み切っていくということが、より大きい合理化のために役立つのではないかというのが私どもの考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/69
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070・永岡光治
○永岡光治君 いま御答弁になったのですが、大きな目的というのは具体的にどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/70
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071・川出千速
○政府委員(川出千速君) 大正十年にメートル法を強制する方針がきまりまして、 いますでに四十年以上たっておるわけでございますが、これはやはりメートル法、尺貫法あるいはヤードポンド法を併用しておりますと、非常に社会生活が複雑になりまして、いろいろなものを計量する場合にもいろいろな単位で換算をしながらはからなければならない。またそのためには計量器もいろいろな計量器が必要になるというようなことで、社会生活をより複雑にし、手数をかけることになりますので、こういうようなものの基礎になるようなもの、これはやはり世界で一番たくさん採用せられている計量単位に統一していくことが一番長期的に見ていいのではないか、そういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/71
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072・永岡光治
○永岡光治君 いや、ところが何も土地を坪でいっても不便はないのですよ。そんなにちっとも不便を感じていない。むしろメートル法によることによって、たとえばここに新聞に発表されておりますように、大工の業者は非常に不便だ、混乱も起きてたいへんだというような趣旨のことが載っている。何百年もの伝統の上に立ってきたかね尺が使われてきた、実際上あれは使っているわけですね。目盛りは禁止されておるけれども使っておるわけです。いろいろな計算をする上においても便利だ、メートル法になると、かね尺を使わずに、あれに相当するものをつくるにしてもたいへん不便を感じている、この点についてあとでちょっと質問したいと思うのですけれども、要するに不便ばかり多くて便利というものは、現在不便ではないという声が強いのですが、どういう点が不便なんですか。具体的にこういう点がメートル法にしなければ不便じゃないかというものが僕はなければならぬと思うのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/72
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073・川出千速
○政府委員(川出千速君) 三十四年以降すでに土地、建物の計量単位以外のものは全部メートル法に完全移行をいたしております。証明上または取引上、メートル法以外の計量単位を用いることは禁止されておるような状態になっておりまして、ただ土地、建物だけが先ほど申し上げましたような理由で取り残されておるわけでございます。これも学校教育の実施に伴いまして、メートル法だけで教育された人が多くなってくるわけでございまして、尺貫法との併用になれた人が非常に不便を感ずることは私も否定はしないけれども、いずれにいたしましても併用を認めますと、また尺貫法による単位も勉強しなければ社会生活はできないというようなことになってまいりまして、結局い
つまでたってもなかなかメートル法の統一というのができないような事態も考えられないことはない。非常に不便だけれども、何かのふん切りをつけて統一しないことには、いつまでもこういう問題が必ず残っていくだろう、こういう感じがしておりまして、なるほどメートル法統一に踏み切りましても、何回も先ほど先生御指摘になりましたように、延長に延長を重ねてきたわけでございます。またここで延長をいたしましても、またそれをやめるときにいろいろ問題が起きるのではないだろうか、どうしても不便は起きる、これは私は否定はできないと思います。しかしながら先ほど申し上げました意味で、どこかでふん切りをつけなければならない。既定方針できまっているものですから、非常に不便な点はあるけれども、がまんをしていただきたいというような気持ちでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/73
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074・永岡光治
○永岡光治君 やはり不便を感ずる年齢層というのは私はあると思うのです。概略申し上げますと、おそらく四十歳以上の人は非常に困るだろうと思うのですね。したがって、そういう人がだんだん少なくなったころと申しますか、そういうときならば、PR等もかね合わせてスムーズにいくのではない、だろうかと思うのですね。その四十歳以上の人口というのはかなり私はいまの一億の人口の中にはあると思うのですがね、そういう点をどう踏んでおりますか、どう理解しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/74
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075・川出千速
○政府委員(川出千速君) どのくらいの――大正十四年から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/75
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076・永岡光治
○永岡光治君 少し私の質問が的確じゃなかったかもしれませんが、いつか踏み切らなければ、いつでも踏み切る段階に混乱が起きる、混乱の度合いを考えた際に、いま踏み切ると四十歳以上の人が相当混乱をするではないか。ところが四十歳以上の人が六十歳くらいになる段階になれば相当浸透しておるわけですから、そのときには、混乱はもちろんあるでしょうが、しかし今日よりは混乱はないではないか、そこでそれらの人がある程度少なくなる時期を選んだらどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/76
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077・川出千速
○政府委員(川出千速君) 猶予いたしますと、確かに先生のおっしゃるような面はあるかと思います。何といいましても尺貫法を教育で習ってきた人は、どうもそれがずっと頭へ残っておりますから、特に若いときに習いましたものは残っておりまして、なかなか切りかえはむずかしいものでございます。したがいまして、そういう人がだんだん少なくなっていけば、それだけ社会的摩擦が少なくなるという御意見は、確かにそういう面はあろうかと思います。しかしながら、併用を認めますと、新しくメートル法の教育を受けてきた人が社会生活に入りますと、また尺貫法のほうも勉強しませんと、いろいろ不便なものが出てくるものですから、どうしても尺貫法のほうも勉強しなければならぬ。そういう不便がまた生じてくるわけでございまして、なかなか、どっかでこれを踏み切らないと非常にむずかしいのじゃないか、そういうことで過去において何回も延ばしてきて、ようやく昭和四十一年三月末ということで戦後きまったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/77
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078・永岡光治
○永岡光治君 全部メートル法の問題を延ばすということであれば、確かに頭の中で換算しなければならない不便があると思うのですが、これは土地と建物だけです。すでに目方も長さもみなもう変わっているわけですよ。土地と建物だけに私がこだわるというのは、一つは、あなたにも、そうではないのだということを国民によくわかるようにしてもらいたいから、ぼくは賛同しているわけですが、たとえば富里に飛行場ができる、一体あれは何ヘクタールだと言っても、国民はおそらくぴんとこないですね。何万坪だと言うと、ああ、あれは羽田の何倍くらいになる、そういう頭の換算ができるのだが、それは小学校などで最近教育を受けた人、これはおそらく何キロ平方メートルと言うと、およその見当がつくと思うのですが、まず四十歳以上の方は、あまり頭にぴんとこないだろう。それほどなじめないのですね、要するに坪については。一坪三・三平方メートルと言っても、おそらく私はぴんとこないだろうと思うのです。おまえの家は何坪だ、三十三平方メートルと言うよりも、十坪だと言ったほうがぴんとくるだろうと思うのです。そういう生活になじんできた感傷かやはりあるわけですね。そこで私の申し上げるのは、ずっと長く何回も何回も、みな猶予期間の法律です、ほとんどこれを見ますと。ということは、何回も踏み切ろうとしたけれども、それほど国民の生活になじんでいないというこれは裏づけになるわけです。そこで、この土地と建物だけなん、だが、これをあえてしなければならぬという理由はどこにあるのか。普通の日常生活にはそうあまり、私は、主婦の家庭生活ですね、日常のたとえば洋服の生地を買うとか、あるいはまたお野菜を買うとか、魚を買うとかの何匁、そういう問題はすでに解決しているわけです。これは土地と建物だけなんです、問題は。それをなぜこれで踏み切らなければならないのか、ここで踏み切らなければ非常に困るんだという理由はどこにあるのだろうか。土地、建物の業者が、それは困ると言っているのに、いや、こうしなければぐあいが悪いという積極的な理由が、どうも答弁の中には具体的には明確に出てきていないわけです。それをひとつ明確にしていただきたい、こういう立場から私はいろいろ観点を変えて質問しているわけですが、何か具体的にあるのですか。この利害得失を考えてですね、どういう点が悪いのですか。これをやることによって、むしろ私は、これは政府の内部でも、土地台帳をかってに自分のほうでメートルならメートルで換算してもけっこうなんですから、何もそれを国民にしいる必要はないのです。台帳を整えてしまってから、それからやろうといっても差しつかえないし、まあこれは法務省の局長来てないからあまり質問をしてもどうかと思うのですが、おそらく法務省も完全な準備ができていないようにお聞きしたのですが、そういうさなかになおかつやらなければならぬ、そういう準備ができてないときにやらなければならぬ積極的な具体的な理由というものがどうも私には見つからないか、それはいまのままにしておくと害があるから、これを改称すればどういう利益があるのかということを具体的にお示しいただければ、国民もおそらく納得して協力するであろう、そういう観点から明確にひとつ御答弁をいただけないのだろうかということでこういう質問をしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/78
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079・川出千速
○政府委員(川出千速君) 御趣旨はよくわかると思います。メートル法は世界で広く八十七カ国に採用されておりますし、十進法で非常にわかりやすくできておるわけでございます。それに比べますと尺貫法のほうは、確かに伝統的に日本の民族の生活に結びついておるものですから、非常に便利のように思えるわけでございますけれども、そういうものを離れて考えますと、メートル法のほうが、計量単位としてはより合理的にできておるのではないかと思います。したがって、メートル法に統一するという問題は、土地建物も含めましてすべての計量関係につきまして、そのほうが国際的にも共通になりますし、単位としても合理的にできておるという点から、だいぶ前からメートル法統一運動で政府の方針はきておるわけでございます。その際にほかのものと比べますと、七年間の猶予を設けて、その間になるべくメートル法の単位になじむように政府といたしましてもPRをし、あるいは今後ますますそういう面でやっていかなければならないかと考えておるわけでございますけれども、何回も申し上げますけれども、どこかで踏み切りをつけたほうがいいのではないかということが最後の方針になったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/79
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080・永岡光治
○永岡光治君 それでは、答弁の中から受け取れることは、利害得失というものは別段ない、ただ
一つの統一をしたいというだけでやりたいのだ、それがここまで待ってきた段階で、もう踏み切る段階だと、こういう程度の答弁ですね。尺貫法、尺貫法と言うけれども、尺貫法ではないのです。これは土地、建物に対するだけのものなんです。残っているものは。だから、抽象的に尺貫法とメートル法とどうかというと、どうもそれはメートル法のほうがいいだろうということにはなるのだけれども、土地、建物だけなら、それはそう何回も日常生活で取引がないですよ。土地を買うときとか家をつくるときとか、これは主として個人とか――業者は別として、何回も、一生の間に五回も六回も買えるという人はないと思うのですね。だから、こういうものは非常に不便を感じているというのであれば、これをメートル法に変えることによって――不便を感じておるというのであれば、せっかくそういう歴史的に何回も何回も延ばしたところから見ると、これはなじんでないのだから、もう少し猶予してやったらどうだろうかという観点で質問しているわけです。しかし何べん聞いても、おそらくまあその一つの基準に統一をしたい、そういう機運はいつかはどこかで踏み切らなければならないから今回やったのだという御答弁になると思うのですが。
もう一つ伺っておきたいのですが、世界各国、世界外国と言いますが、おたくの資料をもらいましても、イギリスとかギリシャとか、それからカナダ、アメリカ合衆国、オーストラリア、いわゆるカナダとかイギリスとかアメリカ合衆国とかというところは、いうならばこれはかなり先進国ですね、メートル法の発祥の地としかおそらく日本国民は考えていないと思うのですが、そういうところでもなおかつ全部やってないのですね。ところが日本は、最後に残った土地、建物に強制しょうというわけですが、どうなんですか。イギリス、アメリカ、よくいまの政府も先進国、先進国と言って、何かというとアメリカ、イギリスを引き合いに出しますが、そういう国でも強制していないのですが、これはよその八十七カ国と言うけれども、これはどうなんですか。こういうりっぱな国が任意なのだから日本の国も任意でいいのじゃないかという感じがしますが、それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/80
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081・川出千速
○政府委員(川出千速君) 御承知のように、メートル法を実施している国は現在八十七ヵ国ございまして、そのうち七十カ国がメートル法を強制しておりまして、あと十七カ国が、欧米系のヤード・ポンドを使用している、併用をしているわけでございまして、メートルに強制をしているわけではございません。これはいろいろ国情の差がありまして、メートル法に統一をするというふうにまだ国民の議論が煮詰まっていないからそういうことになっているのではないかと思います。なお、一部には、最近聞きますと、メートル法に統一するのがいいのではないかという意見も少しずつ多くなっているというようなことは聞いております。現状では併用でやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/81
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082・永岡光治
○永岡光治君 やっぱりいまの答弁の中もありましたように、国情があるんだということなんで、これも何回も言いますけれども、もう少し国民にわかりよく答弁できないでしょうか。土地、建物だけしか残っていないんだと、これをどうしてもメートル法に変えなければこういう不便があるんだ――よくなじんでないわけです、少なくとも業者やその他の人については。これはいろんな投書やその他たくさんあるところから見るというと、やっぱりなじんでいないと思うのですけれども、どうしてこれをやらなきゃならぬのか。よその先進国は、先進国の幾つかは、イギリス、アメリカ等は、やっぱり国情があるからなじまないので強制はしてないというんだから、日本は土地、建物について、最後に残ったこの二つで非常に不便が残るから、こういう土地と建物だけ残したんだろうと思うんですが、それをどうしてもこの際やろう、こういうかくかくの理由がある、国民はこういう考慮をしないと不便がある、こういう弊害が出てくるのだということはないんですか。ただ単に統一するというだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/82
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083・川出千速
○政府委員(川出千速君) 先ほどちょっと申し上げましたけれども、単に統一するということだけではございませんで、メートル法の単位のほうが尺貫法の単位よりも合理的なものにはなるだろうという、ものの計量の単位として合理的ではないだろうか、たとえば一町、一畝、一坪というのも十進法にはなっていないわけでございます。そういう意味で、やはり計量単位としてはメートル法のほうが合理的である、長期的に考えると、そのほうが便利であろう。ただ、尺貫法で教育受けておりますので、それを移行する場合にいろいろ不便な点が考えられるという点にあろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/83
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084・永岡光治
○永岡光治君 どうも私は、その答弁だけではあまりぴんとこないわけで、これはまたいずれ再質問になろうかと思いますが、ついでに、今日まで延びた、そしてなかなか思うように実施できなかった、つまり協力態勢が国民ができなかったということには、ひとりこれはなじまないという大きな問題があるばかりでなく、政府に指導なりPRというものが私は欠けていたと思うのですね。たとえばこれ、大正十年から一体今日まで何をしてきたか、こう思うのですが、具体的にはどういう努力をしてきたんですか。たとえば予算の上で、あるいは宣伝期間の上でこういうことをやってきました、ああいうこともやってきましたという具体的な実施項目をあげていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/84
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085・川出千速
○政府委員(川出千速君) まず、こういう問題は教育の問題が非常に重要であろうかと思います。メートル法と尺貫法の併用の教育を相当長いことやっておりましたけれども、最近ではメートル法一本の教育に移行をしておるわけでございます。それから新聞、雑誌等の報道関係で、従来尺貫法をややもすれば使う傾向がございましたけれども、これも三十四年以降、土地、建物を除きましてメートル法に移行しまして以来、協力方をいろいろ頼みまして、最近ではその点は非常に改善をされておると思います。それから政府としましても、PRのためのパンフレット等もいろいろつくりまして、各方面に配布をし、PRの用に供しておったわけでございまして、なおこれで満足すべきではございません。ただいま御指摘のとおりに、土地、建物について尺貫法による単位がまだ相当残っておりまして、どうしてもなじまないという面もあろうかと思います。昭和二十六年に計量法ができまして、そのときに、土地、建物につきましては、四十一年の三月末まで併用ができる、それ以後はできないと法律上きまって、方針としてきまっておったわけでございますが、なお社会生活のほうがいろ複雑でございまして、なかなかそういう点は努力をいたしましてもむずかしい問題が残っておろうかと思います。今後私どもといたしましては、できるだけそういう方面のPR活動はしなければならぬと考えてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/85
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086・永岡光治
○永岡光治君 たとえば、これは三十三年ですか、四十一年から猶余期間が終了する、そういう規定になったわけですが、私は寡聞にして、電車の中でもそういうような宣伝を見たことがありませんね。それはどんどん私は啓蒙すべきであったと思うのですが、そういうことは一切やっていない。ただ法律できまったからもういいのだという考え方は不親切だと思うのですよ。だから、そういう業者を集めて大いに宣伝をするとか、おまえたちもひとつこういうふうにやってくれよという宣伝もあまりしていないのです。これは何というのですか、ちょっと名前をあげていいかどうか、大工稼業をやっている月橋さんの話だと、昭和三十一年から、何か通産省のメートル法の対策委員会の委員となったけれども、三十八年以来もう委員会の招集もないというようなことまで書いてあるのですね。やっぱり不熱心なんですね。ちっともPRをやっていないですよ、これでは。どうしたらこれがうまくいくかという観点に立っての指導なりPRなり、したがって、国民の努力――協力というとちょっと語弊がありますけれども、そういうものは行なわれていない。こういう点はやつぱり反省しなければならぬと思うのですが、どうなんですか。あなたが言うようにやれなかったらやれなかったと、端的に言うべきであって、あまりやっていないというのがあれじゃないですか、どうなんですか。やつぱりほんとうにやったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/86
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087・川出千速
○政府委員(川出千速君) 政府といたしましては、第一線の行政機関である都道府県の計量検定所あるいは土地、建物これの関係の行政部局、地方法務局等を通じまして、いろいろやってきたつもりでございますけれども、これは十分ということはどれだけやってもないと思います、こういうむずかしい問題は。したがって、いままでやりましたことにつきましても、ずいぶん不十分な点があろうかと思います。今後とも、ますますそういう点については意を用いていかなければならぬと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/87
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088・永岡光治
○永岡光治君 それじゃ念のためにお尋ねいたします。昭和四十年度でこの改正のための予算はどれくらい成立されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/88
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089・川出千速
○政府委員(川出千速君) 通産省関係の予算は、出張旅費等の約三十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/89
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090・永岡光治
○永岡光治君 やっぱり主管官庁で三十万というと、一体これはおそらく与党の委員でも、三十万の命がどの程度のものかおよそ想像がつくと思うのですが、この三府四十三県――いまは北海道かありますからあれですが、二万円にも当たらないのですがね、出張したくらいでは、とても宣伝にならないと思うのですが、それだからこそ、なかなか国民になじまないものをなじませようとする努力を政府がしていないと思うのです。だから私は、こういう点を考えてみても、やっぱり政府の怠慢ということに帰せなければならぬと思うのですが、法務省のほうの準備はどのように進んでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/90
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091・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) 御説明申し上げます。
御存じのように私のほうは、土地、建物の台帳、不動産登記簿という二つの帳簿がございます。いずれも不動産、土地、建物の状況を公示いたしておりますが、そのうち台帳は、税務署から移管されてきた帳簿でございます。かつて税務署が地租、家屋税を国税として徴収しておりました当時に備えておりました公簿でございますが、これが戦後税制の改革によりまして、地租、家屋税が地方税に固定資産税という形になりましたので、その際に登記所のほうに台帳が移管されてまいりました。したがいまして、当町は登記簿とそれから台帳という二本立ての帳簿になっておったわけでございます。その二本立ての帳簿に、いずれも土地、建物の面積が表示してございます。これを同町に書きかえるというの、かたいへんなことになるのであろうというところから、関係各省で協議いたしまして、台帳を登記簿と一本にして、一つの帳簿にするという作業を始めました。それがちょうど昭和三十六年度から始めたわけでございます。この本年の三月末日までに土地、建物の計量につきまして延期されました趣旨も、そのときまでに台帳と登記の一本化の作業は完了するであろうという見込みもございまして、そういう改正になったと記憶しております。ところが、その後の予算事情によりまして、この計画、当初五年で全国の登記簿と台帳を一本にするという計画が、予算事情の関係から十年に延びたわけでございます。したがいまして、現在まだその、五〇%全登記所のうちの五〇%というものがまだ二本立ての帳簿で事務をしておるという現況でございます。私どものほうでは、先ほど先生のおっしゃいましたように、尺貫で、坪でもって表示されております土地、建物の面積を平方メートルへ換算するための換算表といいますか、これは特に宅地につきましては小数点以下二位まで、現在何坪何合何勺というところまで表示してございますので、一勺ごとの換算書を千坪まで――つまり〇・〇一坪、一勺から千坪までを一勺きざみで、約五、六百ぺ-ジのものになりますが、そういう換算書をまず用意しつつございます。そしてこれは登記所の窓口に掲示いたしまして、新しくこの四月以降に登記事件としてあがってまいりまする土地、建物の登記の記載におきましては平方メートルで表示をしていく、こういう段取りをとっております。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/91
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092・永岡光治
○永岡光治君 お話によりますと、五年計画でやったと。ところが予算の関係で十年計画に延びたと、こういうんですが、政府は十年に延びてもいいという腹じゃなかったんですか。そういう意味で十年予算つけたんじゃないですか。ほんとうに五年でやるんなら、なぜ五年の予算つけなかったんですか。だからこれは十年に延びてもいいということになるのでしょう。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/92
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093・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) 十年に延びてもいいということで予算査定を了解したわけではございません。もちろん昭和三十六年度の予算におきまして、当初計量法規の関係におきまして、五年間で完成するという約束ごとできているので、その点を大蔵当局と再三にわたって折衝はいたしており出す。私のほうからこれは十年に延びれば幸いだというようなつもりでその予算査定をのんだといいますか、国会審議におきましてもそのようなことでお話があったとは記憶しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/93
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094・永岡光治
○永岡光治君 しかし、それは了解したということは、仕事をやる以上はやはり金が要るんですからね。裏づけのないものをあなたどうしてできるんですか。できないでしょう。ということは、すなわち政府の方針として、これは予算は閣議の了承を、得るわけでしょう。総理大臣もそういうつもりでしょう。法務大臣も通産大臣も列席して、それでいいということにおそらく私はなったんだろうと思うんです。まあ法務省は五年間でやりたかったんだけれども、やむなく落ちたということは、まあ十年延びてもやむを得ないという私は気持ちがあったんじゃないか。ということは、それほど緊急な問題でないということを意味するわけですよ、裏を返せば。だから、それを強行する理由はないじゃないかというところにまた発展していくわけですけれどもね。そういう不熱心であって、私は、いまここでやろうといっても準備も何も整わないでしょう。おそらく四十一年度の予算聞いておりませんが、どういうことになっておるのですか、PRの予算をやっぱり五、六千万から一億の予算を取っているのですか。何も取っていないでしょう、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/94
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095・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) その趣旨の、まあ私どものほうでは、そのPRの趣旨の予算としてという形では、現在の四十一年度予算案には計上されてございません。ただ先日も、まあ今回御審議いただいておりますこの法案に関連いたしまして大蔵の事務当局との話し合いでは、来年度の予算執行上、できるだけメートル法に切りかえていくという趣旨で、執行面で考慮をするということになっておりまして、そのPR費として幾らというものが、目の細分と申しますか、そういう形では計上されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/95
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096・永岡光治
○永岡光治君 執行面で大蔵省が協力するということは、何ですか、実行計画は一々大蔵省に了解得るわけですか、そうじゃないでしょう。予算のとれたものの款項目に従っておたくが実行するのだろうと思うのですね、予算のたてまえで。いよいよ問題起きれば何か了解得なきゃならぬ問題が起こるかもしれませんが。おたくはそのPR用にどの程度の予算をいま考えておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/96
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097・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) こまかい数字を持ち合わしておりませんが、先ほど申しました換算雷を各登記所の窓口に備えつけて申請人の方々に見ていただくというもの、それからポスターでございますが、それを各登記所の窓口に掲示をする、それは実行でやると、こういうことでお話し合いをつけてございます。
それからもう一つは、先ほど冒頭に御説明申し上げました一元化作業でございますが、これはメートル法とは直接の関係ございません。台帳と登記簿とを一本にするという書きかえ作業でございますが、この過程におきまして若干のまあ庁費がございますので、この庁費の執行におきましてPRの経費は捻出できると、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/97
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098・永岡光治
○永岡光治君 そういう国民周知のための行政指導をやったり、そういう活動をやるのはどこの所管ですか。もちろん通産なら通産行政の中でやるというでしょう。それから法務省は法務省の所管で関係の向きにやると、こういうわけですが、何かこういう国民に大々的に宣伝をしていくという計画はないのですか。たとえばいまお話しになりました、登記所は全国に何カ所あるか知りませんが、国民のすみずみまでこれは入りゃしませんよ、それはやったというだけのことですわ。官報出したと同じ意味しかない。むしろ官報のほうがたくさん出るかもしれない。それでは周知に私はならぬと思うのですがね。どういう計画を持っておいでになるのですか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/98
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099・川出千速
○政府委員(川出千速君) メートル法の実施の所管官庁は通産省でございますので、そういうような計量法の担当をいたしております通商産業省で所管をしておりますので、その普及宣伝等についての責任を持っておろうかと思います。ただ予算の面では、先ほど申し上げましたように、PR用としての大きな予算はないわけでございますけれども、報道機関あるいは都道府県――これは実施官庁、都道府県に相当の事務を委譲しておりますので、都道府県とも協力をしてPRをしていかなければならないと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/99
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100・永岡光治
○永岡光治君 ことばの上とか文責の上でどう答弁してもそれは差しつかえないのですが、そんなことだけで済まされる問題では私はないと思うのですね。やはりやる以上は真剣にこれはやってもらわなければ困るのです。えらく私は国民が迷惑を見るだろうと思うのです。相当混乱するだろうと、こう思うわけですから、やるとすればそこまで準備をしてむしろおそきに失するわけです。すでに昭和三十四年にわかっているわけですから、三十四年からどんどんやれば、今日に至ってもなお不便を感ずるということでどんどん文句の出ることもなくて済んだのではないかと想像もされますが、いよいよあと幾日かも残されないこの段階で、四十一年度から実施に入ってから宣伝します、こういうことになるわけですか。どうもやはり政治としては不親切な政治だと私は思うのです。きわめて不親切です。とにかく、いまの問題についても私はなかなかこれは釈然としません。
それからその次の問題に入りますが、尺貫法、私は土地、建物だけにいま限定して質問したわけですが、これをメートルに直すのだということを局長さん言っておりますが、例外がありますか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/100
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101・川出千速
○政府委員(川出千速君) 例外が若干ございます。まず輸出入の貨物の計量単位は、これは計量法の十条で例外とされておるわけでございます。それから外国人と日本にいる人といいますか、居住者と非居住者間の取引についても、当分の間例外とされております。ヤードポンド等が使用される場合がございます。それから馬力の関係で、当分の間、仏馬力の使用が認められておるわけでございます。おもな例外は以上のようなものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/101
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102・永岡光治
○永岡光治君 その例外はどういうわけで認めたわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/102
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103・川出千速
○政府委員(川出千速君) 輸出入貨物につきましては、これは輸出する場合、輸入する場合に、たとえば輸出の場合ですと、相手がそれでないと――向こうの人がヤードポンドを使っている場合に、そういうものでないと取引が非常にむずかしくなる、したがって輸出の振興にも難があるというような点を考慮したわけでございます。それから輸入の場合も同様でございます。先方の輸出国――日本から見た場合の輸出国がヤードポンド等をたとえば使っております際に、やはりその取引でやったほうが円滑に取引ができるというような場合に、例外として認める、容認をしておるわけでございます。なお、仏馬力につきましては、これは英馬力と両方あるわけでございますけれども、学問上の問題といたしまして、併用を当分の間、認めるということのようになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/103
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104・永岡光治
○永岡光治君 その馬力は、国内の取引も仏馬力を認めるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/104
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105・川出千速
○政府委員(川出千速君) これは国内の使用も認めるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/105
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106・永岡光治
○永岡光治君 そういたしますと、暫定的にというのはいつごろまでを考えておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/106
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107・東現
○説明員(東現君) ただいまの件につきまして申し上げますと、「当分の間」という、その一言で言われる中でも、若干長い短いのニュアンスの差があると思います。たとえば、輸出、輸入などの場合は、先ほどお話しの英国、米国との関係におきましてヤードポンドが当分の間使われるという趣旨でそう書かれているわけでございますけれども、先ほど局長のお話のように、英国、米国においてもしメートル法に切りかえということになりますというと、これは「当分の間」が取れてなくなるという感じでございますが、だからかなり、長期の感じでございます。
それから仏馬力につきましては、これは残存しておる単位として認めておるわけでございますし、比較的短い期間で解消するんじゃないだろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/107
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108・永岡光治
○永岡光治君 それでわかりました。そうなりますと、輸出入の場合は不確定、しかも、きわめて長期にわたるものと認識をしなければならぬと私は思うのですね。それで、馬力のほうですが、ごく最近ですか、これを変えるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/108
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109・東現
○説明員(東現君) 仏馬力につきましては、仏馬力の機械が使用される間というところで考えておりまして、それもやはりかなり長期になるんじゃないかというふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/109
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110・永岡光治
○永岡光治君 それから商行為の問題ですが、国民の教育上、頭の切りかえ、新法ということをしきりににしきの御旗と申しますか、それを基本において統一すると、こう言っておるわけですが、しからば、学校教育でヤードポンドを使う競技はないか。ポンドは別としてヤードを使う競技はないか。私はあると思うのですね。依然として。なぜそれを変えないのだろうか。あなたが心配する
一番大切な学校教育の中でそのことがあるということはどういうことでしょうか。早急に変える必要があるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/110
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111・川出千速
○政府委員(川出千速君) 計筆法でいっておりますのは、取引または証明のためにすることは、メートルでやれということになっておるわけでございます。スポーツの表示等は、そのもの自体としては計量法の違反にはならないわけでございますけれども、これはやはりなるべくメートル法に移行をすることが好ましいということで要望はしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/111
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112・永岡光治
○永岡光治君 いや、私は、この土地、建物だけしか残っていないじゃないか。これは非常に不便を感じているんですよ。それをあえてやるのはどういう理由ですかというと、これ統一したいと、こういうのでね。しかも、学生の学校教育では、メートル法でみないっているんだから、それを残したんじゃかっこうが悪いからついに踏み切ろうと、こういう趣旨の答弁だと私は理解する。そういたしますれば、各学校の生徒が、あるいは国民も競技を見ますけれども、ヤードを使っている競技はずいぶんありますよ。これは法律の規定でも何でもないわけですから、それこそ簡単にできることなのであるから、これはこの法律の問題とは別個の問題ですけれども、これはひとつ、メートル法の行政上の問題です。なぜそういうことをやらないのかということなんです。そうして、こっちだけは、いや、統一したほうが非常にいいのだ、いいのだということで、国民が迷惑がるのも聞かないでやろうとしておるところに、やはりどうもあんまり釈然としないものが出てくるのじゃないかと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/112
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113・川出千速
○政府委員(川出千速君)計量法の立て方あるいはその前の度量衡法の立て方が、メートル法によりまして売買とか、あるいは証明とか、そういう取引関係についてのみ強制することにしておりまして、それ以外の場合、これ使用することは自由であるわけでございます。たとえば四月以降も、土地、建物の売買をすること自体はメートル法でやらなければいけませんけれども、表示をするのに、いままでの坪とか一反とかいうことを言うことは、別に計量法に触れるわけではございません。それがもし取引をするときにはいけないということになるわけでございます。その点、 スポーツの場合も、人によって取引をする、あるいは証明するということでないものですから、いまの日本の計量法の考え方としては、そこまで強制を法律上しないということになっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/113
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114・永岡光治
○永岡光治君 いや、私の質問している趣旨がちょっと理解できないのじゃないかと思うのです。私が言っていることは、これは取引あるいは証明そのものにこれは強制するという立場であると、この法律の改正は了解するんです。その私の質問の中で冒頭申し上げましたのが、メートル法と尺貫法を比べると、それはメートル法が十進法だからいい、そこで統一したいということでこれまで来たんだとあなたはおっしゃる。残ったのはこの土地と建物だけなんで、つまり坪だけしか残っていない。これをいまメートルに変えると、非常に国民が不便をこうむりますし、そういう階層もあるわけですから、そうあわてて――あわててもなんですが、もうちょっと延ばしたらどうかと言ったところが、あなたは、いや、それはメートル法というものを統一的にやりたいんだ、こういう答弁なんです。それならば、そういう基本精神があるならば、なぜ学校教育の中で、やっかいな、頭の中を混乱させるようなヤードとか、そういうものの競技を認めるんだろうか、それこそメートルにしたらいいじゃないか、一番手っとり早い方法じゃないかと思う。そういうものはそっちのけにしておいて、困るものだけをやるというのがちょっとおかしいんじゃないか、これは行政の担当者としての心がまえです。だから私をして言わしむれば、これは学校教育上にそう混乱は起きないんじゃないかという実は反論にもなるわけです、学校一体認めているわけですから。学校教育にも、メートルがあります。ヤードがあります。だとするならば、土地、建物でもそう混乱はない。しかも、日常生活にはひんぱんにはない土地を買うとき、建物を建てるときだけしか問題にならぬわけですね、取引のときしか。そう何件もない問題なのに、国民は相当これは迷惑がっておるのに、強行するというのはおかしいんじゃないかというところにまた発展してくるわけですが、その学校のほうはどうなんですか、やっぱり統一するのが望ましくはないんですかね。政府がやればすぐできることですが、やられないんですかね、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/114
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115・川出千速
○政府委員(川出千速君) 先ほどお答えいたしたことと同一になるので、はなはだ恐縮でございますけれども、法律上強制はできないわけでございますが、そのほうが好ましいということはできょうかと思います。たとえば、ほかのスポーツで、ゴルフあたりはヤードでやっておるようでございますけれども、フランスあたりではメートルでやっておるというようなことも聞いておりますし、この辺は強制でなくて、やはり要望というか、協力というような形で、協力してもらうということでいかざるを得ないと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/115
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116・永岡光治
○永岡光治君 もう一回、これだけ言っておきますが、社会通念で、測量の単位をメートル法で実施することが最も望ましいんだから、少々不便があっても、この際踏み切りたいというあなた方の主張なんです、聞いてみると。そうでないと、このわずかに残った土地だけでもメートルにしないと、やつ。はり混乱が起きると、こう言うんです、あなた方は。そうでしょう。学校ではメートルでやるのに、社会に出ると坪で言うことはおかしい、だからそれを統一したい、こう言ってておるから、それはあなたおかしいじゃないかと、実はいま反論をしたかったわけです。学校教育では不便を感じていませんよ。ヤードを使っているじゃありませんか、ちっとも不便じゃない、それくらいのことは自由に切りかえられるんですと、むしろそういうことであれば、生活の一助になっておるこの土地、建物の坪の単位を残すほうが、よっぽど私は情状酌量すべき点があるのではないかと、そういうことを言っておるわけですが、これもどうも幾ら言っても答弁になりますまい。もう少し政府も、ほんとうにメートル――十進法かよろしいというのであれば、学校教育のもとから変えて
いったらどうかと、こう思うんです。
それから次に、質問に移りますが、ただいまお話がありましたように、これは商行為といいますか、取引行為と証明のときにしかやらぬ、こう言うんですが、たとえば、端的な卑近な例を申し上げますと、私ども通勤するときに、電車の中に土地の宣伝がありますね、建物を含んだ宣伝もありますよ。それから街頭を歩きますと、土地建物取引業者が店頭に、何坪の土地があるとか、何坪の建坪の家があるとか広告しておりますが、それは四月一日以降は禁止されるのですか。どういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/116
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117・川出千速
○政府委員(川出千速君) メートル法の使用が法的に強制されますのは、先ほど申し上げましたように取引上、証明上の計量に限られることになっております。したがって、単にそういうことを表示をするだけで、取引をしない場合は、原則として法律上違反にはならないのではないだろうかと思います。しかしながら、いずれにしても四月一日以降、取引上、証明上はメートル法以外のものを使えないことになるわけですから、尺貫法に基づくそういうような表示は好ましくないわけでございまして、行政指導によりましてなるべくメートル法にたよるようにしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/117
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118・永岡光治
○永岡光治君 そうすると、店頭に表示をいたしましても、宣伝用に使いましても、そのものは違反ではないわけですね。ただ、取引行為で、あなたに何坪売るということになると、これはそういう文字が出てくるといかぬわけですね。頭の中で何坪はいいわけですね、頭の中は五十坪だけれども、それを換算して表示すれば、それはいい、こういうことですか。ここらあたりはどうもおかしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/118
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119・川出千速
○政府委員(川出千速君) 法律の解釈では、さようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/119
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120・永岡光治
○永岡光治君 それではあまり実効はないと思う
のですが、たとえば取引をする、私の土地は百坪あるかおまえ買わんか、買いましょう。――しかし、代金の受け取りのときは、何万円、ただし、何平方メートルと、こう書くわけでしょう。何の影響があるのでしょうかね。どうも私はそこらあたりがぴんとこないんですが、どういう利益があるんですか、それによって。頭の中で百坪と思っているわけですから、おそらくそういう行為をやりますよ。何平方メートル買わないかと言う人は少ないと思う。五十坪持っておるんだが買わんかと、何坪の家を建ててくれと、こう言うにきまっておると思う。しかし、代金を払うというときは、当然、この代金は何平方メートルの土地の代金だ、そういうふうに書くにきまっておると思う。そうまでしてなおかつ、メートルという表示をしなければ日本の国がひっくり返るわけじゃあるまいし、どうも私ははっきりしないですね、極的な理由というのはどうも私はわからない。一方、学校ではしきりにヤードの競技をしておる。何だと思う。それで外国との取引も、やはり特例を認めているわけですね。まあ、そういうことで、店頭の問題も、そこまで認めるのであれば、これは不徹底だと私は思うのです。広告と看板には坪を認めておいて、いや、メートルだ、メートルだと言うておる。これは禁止しないと徹底しませんよ。そう思いませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/120
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121・川出千速
○政府委員(川出千速君) 実際問題といたしましては、取引の段階あるいは登記の段階とか、あるいは公正証書の段階というようなことになりますと、メートル法で書かなければならないわけでございますので、したがって広告の段階等でも、だんだんメートル法に移行をしていくということにはなろうかと思います。ただ、法的にはそれを強制はしていないというわけでございます。たとえば長さの場合に、現在でも何里とか、あるいは目方の場合に何貫とか――体重が何貫というようなことを言っておりますけれども、これ自体は決して計量法に触れるわけではないのでございます。ただ、取引とか証明とか、そういう商行為を伴うような場合に、メートル法でやれという規制でございまして、それ以外に、国民生活のいろいろな部面まで入り込んで強制をしようというところまではいっていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/121
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122・永岡光治
○永岡光治君 そういうことになりますと、これはあまり徹底をしないわけですが、そういうところにもどうもあいまいなところが私はあると思うので、あまり私は釈然といたしませんが、次は罰則になりますが、これは刑法上の罰則になるわけですね。最高どのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/122
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123・川出千速
○政府委員(川出千速君) 五万円以下の罰金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/123
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124・永岡光治
○永岡光治君 先ほど申し上げましたように、百坪買ってくれと、で、頭の中で換算して、表示をして、受け取りにたまたまそれを書かなかったということで、この人は罰金を払うことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/124
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125・川出千速
○政府委員(川出千速君) 法的に厳格にいえば、さようなことになりますけれども、なおこれPR期間――PRもいろいろしなければなりませんので、その辺は運用の問題もあろうかと思いますので、これは私どものほうだけの所管ではございませんから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/125
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126・永岡光治
○永岡光治君 法務省はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/126
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127・住吉君彦
○説明員(住吉君彦君) 私も刑事のほうの専門じゃございませんので、私からお答えするのはどうかと思いますが、私の個人的な考えでは、いま重工業局長の言われましたように、このようなことで起訴不起訴を決定する段階になりますと、おそらく検察官としましては、ただそういう契約書を取りかわしたという事実をもって、五万円以下の罰金というような形で起訴はしないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/127
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128・永岡光治
○永岡光治君 私は、こういう不見識な刑罰規定はよろしくないと思うのですよ。おそらくこれは守れない法律だと思う。また、守らせることが無理だと思う。こういう刑罰を科することは無理だと思う。たまたま同じ面積を――余分に買ったとか、少なくしたという問題ならこれは別ですよ。百坪そのものを買った、そして正当な料金を払っているのに、その受領書に、たまたま平方メートルで表示しなかったから、おまえは五万円以下であると、こういう法律守れると思いますか。これは悪法ですよ。どうでしょう。私は、法務省の責任者もいなければ、大臣もいないのでえらい弱ったのでありますが、政務次官はどう考えられますか。この法律はりっぱな法律だと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/128
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129・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) 私も通産側の政務次官として、刑罰の問題の可否についてのお答えはむずかしいと存じますが、ただいま重工業局長からお話ししましたように、法律で定めてあるのでありますから、それを使わないということは、これはおかしいと思うのです。法の権威の上からそれは使うべきものであろうが、しかし、経過的な処置といいますか、十分に周知をしないで、あやまって詐欺行為をし、故意にそれをしたということでなければ、情状酌量の形で、直ちに罰金刑に処するというようなことはすべきでないと考えます。
ただ私、少し違った観点から、この必要性というものを考えてみますと、私が申し上げる段階でないかと存じますが、土地、建物というものが長い間残されておる。その間に何回か、学校教育と一緒に踏み切ろうとした経過はあるのでありますが、やはり長い間使いなれた尺貫法というものを変えることは非常に困難であるというようなことから反対意見等もございまして、そのつど延ばしてまいりまして、少なくとも最後には七年間ほど延びてきたわけでございます。その間に、私の持っておりまする資料によりますと、三十九年度においては、土地、建物に重点を置いた「メートル法と土地・建物」というようなパンフレットを配付をいたしておるようでございまするし、また、「メートル法への道」という雑誌を三十一年から三十八年まで発行をいたしております。これはどれだけ一般社会人が読んだかよくわかりませんが、そういうことがございます。あるいは家庭向きには「メートル法話の泉」というようなものを三十六年度に発行をいたしておるようでございまするし、これは長くなりまするから申し上げませんが、報道機関でありますとか、あるいは教育機関につきましては、いままでかなりな宣伝をいたしておりまするけれども、切実にただいまからという問題でないものですからつい不用急に看過され、児のがされていたことは確かにいなめないと私は思うのでございます。なお、三十五年以降、ほぼ学校教育におきましてメートル法実施の段階で教育が進められ、メートル法に移行をされたと聞いておりますが、さらに、建物についての資材でございます木材の規格あるいは建築規格等が、法律に基づきましてメートル法化がすでに進められており、そういうふうにするということは決定づけられておりますので、やはり建築の資材関係にはすでにメートル法が使われておるというようなことから、この機会に、年限も来たし、相当長い間のものであり、家庭生活並びに社会生活、産業生活等に、この問題を越えて一応踏み切ったほうがよいのではなかろうかというふうに考えてこの法律を出したわけでございます。ただお説のように、御指摘がございましたように、地方団体並びに各種台帳あるいは法務省におきまする登記事務等の中で、千七百ぐらいの登記所があるそうでございますが、その中で二百ぐらいがまだ完全に記帳改正が終わっていないという段階でございます。これは非常に繁忙なところで、個数は二百でございますが、取り扱い件数はかなり多いところであろうというふうに私は常識上考えるわけでございます。この点はまことに遺憾だと思いますが、しかし、それぞれの機関を通じて積極的にPRを行ない、国民が喜んでこれになずんでいきまするように指導をしなければならないと任じます。それはあらゆる報道機関をはじめといたしまして、スライドでありますとか、あるいは宣伝ポスターでありますとか、あるいはフィルムを通じて積極的にあたたかい行政指導をしていくということにまつべきものが多いのではないかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/129
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130・永岡光治
○永岡光治君 いずれにいたしましても、きょうは大臣がおりませんので、所管の大臣にまたあらためて質問したいと思うのですが、いずれにしても、これはあまりなじまないものをなぜ急ぐのかという疑問は依然として国民に私はあると思います。同時に、この刑罰規定に至っては、これは私はたいへんな刑罰規定をつくったものだと実は思っているわけです。おそらくこれは守られないだろうと思うのです。また、守らせることが少し不自然だと思うのです。そういう法の権威というものはあったものじゃないと思うのですが、特にいままで、政府自体が今日まで長い間猶予期間があるにもかかわらず、PRにはたいした努力もしていない。実際問題として、土地台帳でもそう整備されていない。聞けば四十年度では三十万円ぐらいの程度のPRしかかけていない。そういう政府の指導なり啓蒙なりの問題については努力をしないでおいて、そうして、ここで強硬に踏み切って、国民がそれを犯したら今度は罰金五万円だと、こういうでたらめは私はないと思うのです、どう考えてみても。だから、これはいずれあらためて法務大臣の出席や通産大臣の出席を求めて質問いたしますが、本日はこの程度にとどめまして保留しておきたいと思います。きょうはここで終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/130
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131・豊田雅孝
○理事(豊田雅孝君) 他に御発言もなければ、本案に関する質疑は、本日のところこの程度にいたしたいと思います。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十八分散会
―――――・―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X00919660308/131
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