1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月十日(木曜日)
午前十時四十分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 村上 春藏君
理 事
赤間 文三君
豊田 雅孝君
柳田桃太郎君
近藤 信一君
委 員
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
近藤英一郎君
宮崎 正雄君
吉武 恵市君
小柳 勇君
永岡 光治君
鈴木 一弘君
向井 長年君
国務大臣
法 務 大 臣 石井光次郎君
通商産業大臣 三木 武夫君
政府委員
法務省民事局長 新谷 正夫君
通商産業政務次
官 堀本 宜実君
通商産業省重工
業局長 川出 千速君
通商産業省重工
業局次長 赤澤 璋一君
通商産業省鉱山
局長 大慈彌嘉久君
消防庁次長 川合 武君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
説明員
法務省刑事局刑
事課長 伊藤 栄樹君
通商産業省企業
局産業立地部長 中川理一郎君
運輸省航空局監
理部長 町田 直君
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本日の会議に付した案件
○土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関
係法令の整備に関する法律案(内閣提出)
○産業貿易及び経済計画等に関する調査
(昭和四十一年度通商産業省の施策に関する件)
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001・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
まず、理事会におきまして協議いたしました事項につきまして御報告をいたします。
本日は、土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案の審議を行ないました後、通商産業省の施策に関する質疑を行なうことにいたしましたので御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/1
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002・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案を議題といたします。
前回に引き続き質疑を行ないます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/2
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003・永岡光治
○永岡光治君 きょう通産大臣がお見えになりましたから、基本的な問題で二、三端的にお伺いいたしますから、大臣のほうも端的にひとつお答えいただきたいと思うのです。
いま問題になっておりますのは土地と建物に関する計量単位、つまりは坪というものをこれをメートル法に変える。他の距離だとか目方というようなものは全部これはメートル法になっておるわけです。残ったのはこの土地、建物ということだけです。そこで、私ども言うまでもないことでありますが、政治というものは国民に不便を与えるような政治をやっては私はいかぬと思うのですね。国民が反対している以上は、それを納得させる積極的な具体的な理由が示されて、協力を求めなければならぬと私はこら思うのです。そこで、いま土地、建物の坪をメートル法に変えるということになると、たとえば一坪が三・三平方メートルということになるわけですが、そういう頭の切りかえというものが、取引業者はもとよりでありますが、特に大工さんあたり非常に困っておるというような話も聞くのです。しばしば私どもにもその陳情があるわけですが、私そういう観点から聞きたいのは、いまこれをメートル法にしなければどういう弊害が起きておるのか、それでメートル法にすればどういう利益があるのか、それをはかりにかけて、てんびんにかけて、どういう弊害があってどういう利益があるか、具体的に私はここで大臣から明示していただきたい、これです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/3
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004・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 永岡さんなんかもうメートルですでに頭にお入りになると思うのです。実際私らでは、やはり計算しなければならぬという不便がある。しかし、やはり国際的に尺貫法というものは通用性がないし、また非常に計算も複雑ですから、いつかは切りかえのときというものは——やはりほうっておけばいつまでも変わらぬですね。そこにやはり、これが若い人たちの間は、もうわれわれの子供たちなどは、みな尺貫といったらそのほうに混乱が起こるんで、しかもそのことが国際的にも通ずるし、また覚え込んだら計算も単純であるということで、ただわれわれは、尺貫になれてきたので切りかえの波乱ということだけであって、もしこれをのみ込んだとしたならば、このほうがずっと日常生活にも便利でありますから、いつかはやっぱり踏み切らざるを得ない。これは踏み切らぬということになってくると、やはり相当な年齢層というものはいつまでたっても便利ですから切りかえがつかぬ。そういう点でそのことに利点があるとするならば、一ぺんここで踏み切ったほうがいいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/4
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005・永岡光治
○永岡光治君 まあこの前の一昨日の質問の答弁と大体軌を一にする大臣の答弁ですが、これは歴史的に見ますと、大正十年からできまして非常に長い。何十年も十年とか二十年とか、また五年延ばすというふうにずうっと延ばしてきているんです。ということは、どうもそれだけ国民になじまない単位であるという問題がそこに裏を返せばあったのじゃないかと私は想像するわけですね。そこで大臣は、この際切りかえると、こういうわけですが、それならば一体政府みずからの学校教育でもまだヤードを使っておるじゃないか、競技のほうも。それはおかしいじゃないか。坪くらいのことは切りかえできますよ。言ってみれば坪だけですから。坪の取引というのは日常生活にあまり出てこない。家を買うときとか、土地を買うときとか、個人としては出てくるわけですが、大工さんにしてはだいぶもう困っておることは事実なんですがね。どうもなかなかそれだけでは積極的な理由がまだまだ抽象的だと思うのです。いつか切りかえなければならぬという大臣の答弁、私もそれに賛成です。そこで私はこの前法務省のほうに聞きましたところが、五年で切りかえようということになっておったのだが、大蔵省が言うことを聞かないから十年で切りかえるということで十年に延びたわけです。それならば国民に一生懸命PRして、大体ここらあたりならよかろうというのが必ず近いうちくるが、そういう努力をするいまは段階ではないか。昭和三十三年末ですか、なんか三十三年の法律できめて、四十一年に土地、建物は踏み切るんだぞという法律になっておったのだが、その間に一体どういうPRをし、どういう啓蒙をしたのかということになると、残念ながらやっていないのですね、政府は。通産省では昨年、四十年度でこの問題についてPRにどのくらい予算を取ったかというと三十万円です。それでPRが一体できるかというわけですね。これは事は簡単なようですけれども、生活権に関係する人がかなりおるわけです。そこで、それならば政府の怠慢じゃないか。三十万円でなく、三千万円くらい使ってもう一年くらいやってみるということなら、大体このくらいならばできるというのが近いうちにくるが、一般の生活権を脅かされるというと、ちょっとオーバーな言い方かもしれませんが、なじまない人々の気持ちが私はあるだろうと思う。そういう観点からすると、もっともっと私はPRに重点を置いておくほうが必要な時期ではないかと思うのですが、学校教育の運動競技の中にあらわれてくる問題とあわせまして、なぜ学校に文部省あたりで合わさないのかということですね、競技にあります。そういう問題とあわせまして御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/5
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006・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 三十万円、私いまその予算額を初めて聞いたのです。少ないですね、金額が。ただしかし、こういう点があるのですよ。私などの場合を考えてみても、盛んにPRしたからまあ徹底してすぐに頭の切りかえができるかというと、なかなか人間には保守的な面がありますから、長い間なれておる。これからこういうことがあれば、私もちゃんと手帳に書いて、それならば頭を切りかえていきたい、何かこのまま通用するといったら、日本の保守性の強さというものがなかなかやらないのですね、切りかえというものを。どこかでやっぱり不便を忍ばなければ変革というものはできない。そういう点で、もう少しみんなに徹底してといっても、ある年齢層にはこれが全部頭を切りかえてさあ準備ができましたということにならないですよ、実際問題として。やはりこういうことにもうきまったんだぞということになれば、もうわれわれ古い教育に育った者でも頭を切りかえて、そういう一つの新しい計量の方法に切りかえていくというのが人間の姿でないでしょうか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/6
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007・永岡光治
○永岡光治君 これはいまでもメートルを使ってる土地——官庁の建物なんかみな何平方米と言ってますね。それから災害の委員会に出ていましても、土砂が何立方メートルとか言ってますが、使ってるんです。ですからこれは併用しても私はいいと思うんです。やっぱり良貨は悪貨を駆逐するで、メートル法がいいとなれば使わないんです。使うところに何かいいものがあるんじゃないかという気がするわけです。しかしここで私ども踏み切るとなれば、必ずしも反対するものじゃありません。それは大いにけっこうでありますが、そうなりますと、問題はやはりPRというのは大した問題じゃないと言うけれども、これはやはり私はぜひ必要だと思うんです。賛成するとなれば、特に私はもう少し高い観点からこの点を大臣にひとつ考えてもらいたいと思うのは、国民全体に科学する考えというものをぜひこれは徹底させなきゃならぬ。そのことが徹底しないから、今日坪というものが残っていると私は思うんですが、ずいぶん計量の単位があります。温度から風速から湿度からあるんだけれども、単位はメートルできめたけれども、国民がそれを科学して頭に入っていて、風速何メートルがどういう被害がある、そういう教育啓蒙が全然できていないと私は思うんですよ。そのことのほうが私はよっぼど大切じゃないかと思うんです。これは文部省の所管になるかあるいは科学技術庁の所管になるか知りませんが、計量の単位をつかさどっております、行政しておる通産省として、むしろそこらあたりに重点を置いてもらわないと、これは産業の、したがって国民生活の改善とともに発展してくると私は思うんですが、そこらあたりの啓蒙もあわせてやる必要があると思うんですが、それらについて大臣は予算的にも相当考慮するという考えをお持ちですかどうか、お伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/7
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008・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) なるべく国民に切りかえのときのそういう混乱の時期を非常に短くするためには、啓蒙宣伝というものもやらなけりゃいかぬ、方法を考えております。いままあ予算もきまっておりますが、しかし何か方法があれば、もう少しやっぱり不便をなるべく少なくするような方法というものは、政府部内において相談をいたしてみようと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/8
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009・永岡光治
○永岡光治君 そこで今度は啓蒙の問題に入るわけですが、政府におきましてもそういう点で考慮するというわけですが、今度は法務大臣がお見えになっておりますから関連をして聞きたいわけでありますが、これは罰則規定がありまして、法務省の刑事局長でもけっこうですが、取引と証明にこれを使わなきゃならぬ、普通の場合には刑罰の対象にならぬわけですが、そのときに刑罰の対象になる、こういうわけですが、いままで取引の場合において、あるいは証明の場合で、これに違反をして、そして刑罰を受けたものがあるかどうか、そして今後はどういう方針でこれに臨もうとしておるのか。特に申し上げたいのは、私が非常に不自然だと思いますことは、私はここに百坪土地を持っておる、これを君に売る、ところが、百坪で幾らで売ったという取引の表示になるとこれは違反になるというわけですね。メートルに直さないといかぬというわけですが、これは面積をごまかしたわけでもなく、金額をごまかしたわけでもないのにかかわらず、たまたま表現がメートル法にしなかったために刑罰の対象になるということですね。極端に言えば。これが刑罰の対象となるというのはちょっと私は行き過ぎがあると実は思うんですね。大臣は人間尊重をこの前しきりに説いておりましたが、これはちょっとおかしいじゃないかと思うのですが、法務大臣としてどういうふうにこの刑罰を考えておりますか。この刑罰の精神というものを。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/9
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010・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 計量法の罰則の適用を受けたものを調べてみますと、三十五年から三十九年までの五カ年の間に、計量法違反として受理した件数は四百五十六件、これのうち起訴した人員百五十一、これは通産省の側からの具体的な内容の報告がありませんのでよくわかりませんが、今度罰則を設けているわけでございますが、罰則を設ける趣旨、これは非常に広い範囲にかぶさっているというようなわけでございまして、それが一々ちょっとした間違いでどんどん適用されるとたいへんなことでございます。私はその情勢情勢に応じて、それこそこれが社会に大きな害毒を流す、そういう例を認めれば、またほかに累を及ぼすというような場合にのみこれは罰すべきものでございまして、そのほかの場合には注意をするというような程度でとどめて、どういうふうに適用するかということについては、十分な裁量が行なわれるべきものだというふうに思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/10
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011・永岡光治
○永岡光治君 しかし、法律の上でいやしくも刑罰という法規が明確になっている以上、これはほんとうはその精神から言いますと、刑罰を適用しない範囲を拡張するのはおかしいと思う。だけれども適用することは無理だと思う。先ほど申しましたように、百坪売ったけれども、これは百坪と書いたら罰金五万円以下、メートルで書いたら通るということになる。これは世の人が聞いたらおかしいと思うのですよ。面積をごまかしているのでも何でもない。ただ百坪を幾らで売りました、幾らで買いましたと書くでしょうし、契約もするでしょう。その場合に、坪で表示したら五万円以下の罰金です、しかしそれを訓令を受けたくないなら平方メートルで書きなさい、こういうことで、しかもこれは表示した場合に罰金になるのですね。口頭約束で本人同士が取引をすれば何もない。こういう法のあり方というのは一体正しいものかどうかですね、刑罰というものの観点に立って。適用することがどうかと思うようなものを、法律の上に罰金を科すのだぞと明確にしておくということ、その適用もしないような法律なら最初から私はそういう刑罰は明記しないほうが法の権威のためにも必要じゃないかと思うのですが、もう一度伺いたいと思いますが、この刑罰を科すということになった精神、何のために刑罰を科すということになったのか、それを明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/11
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012・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) 計量の基準にメートル法がなるわけでございますが、この計量の基準というものは非常にこれは大事なものと思わなければならぬと思います。ちょうど経済取引の上で貨幣が価値の尺度になりまするが、それはいいかげんにやられてはならないと同じように、計量がまたいいかげんにされてはならないと思うのであります。だから計量をごまかすというようなことは、やはり金をごまかすことと同じような考えで、たとえば間違ってメートルというのを尺と書いたというふうなことは、これは普通とすればいいことでございますけれども、悪質な、そういうことによって大きな利益を得るというような行動等がありますれば、これは翻するということを掲げておいて、そういうことを起こさないようにすることが私は非常に大事なことじゃないか。今度の計量法の前の昔の度量衡の時分からそういうふうな精神によって罰則があったわけでございまして、やはりその時分から同じような考え方だったと思っております。私はこの制度のあることは決して悪いとは思わないのでございます。その適用に十分な配慮をすることは必要でございますし、またこういうものが抜かない伝家の宝刀で終わってくれることは望ましいことでございますが、こういう法があって、そうしてこの法がりっぱに守られるということで経済生活というものが、しっかりと貨幣も守られ、それから計量というものもきちんと守られるということが経済の面において非常に大事なことだ、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/12
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013・永岡光治
○永岡光治君 いまの大臣の答弁を聞いておりますと、刑罰を設けた精神と少し違うんじゃないかと私は感ずるんですが、いまのお話ですと、計量をごまかしてはいけないからそれを取り締まるための法律だと、こう言うのですが、これはごまかしたら、これはいまの坪をごまかしてもやっぱりいかぬのですよ。百坪のものを九十八坪と表示したらこれは当然刑罰の対象になるのですが、私の言うのは、同じ面積を同じ約束した金額で売買しておるんだけれども、表示の上で坪を使ったら罰金だと、メートルを使わなきゃいかぬということになってくると、この精神というのは何かと、こういうまあ質問をしているわけですが、そうでなくて、私の考えでは、おそらく切りかえ強制と申しますか、法をもって頭の中を早く切りかえろと、こういう精神のもとに出ているのではないかと想像するわけです。そうではないんですか。どうも私はこの刑罰規定というものが精神がよくわからないのです。早くメートル法にしたいから、励行させるために刑をもってこれを迫ると、こういう精神じゃないのかどうかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/13
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014・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) その心持ちは私はないと思います。法律は罰則をつけてそうして早く法律をのみ込ませようというものでなく、法の本体についての罰則でございます。いまのようなことは、さっき通産大臣が申しておりましたが、一般にどうやってこれを周知せしめるかということのほうが大半でございます。そうやってみんなに知らしめる、それでも間違うことがあるでしょう。そうして、間違ったような場合は、これで罰すべきものでは私はないと思っております。これは注意をしてやる。そうしてそれを直させるというような方向でいくべきものであって、法をもってすぐこれで罰するというような方向に持っていくのは、これは法の精神では私はないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/14
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015・永岡光治
○永岡光治君 そうだとすればなおさらのこと、この罰則規定の適用、運用にあたっては、これはよほど啓蒙指導という立場から考えていきませんと、あやまちをおかすのではないか、そもそもメートル法に切りかえるために、うしろで刑罰というむちを持ってこれをやるということ自体も問題があるわけですが、しかしそれほどあなた方が熱心にやるということであれば、むしろ私は政府みずからでPRをもっと積極的にやってほしかったのでありますが、それはあまりやられてない。みずからの努力はたなに上げておいて、国民がそれに協力しなかったならば刑罰をもって臨むと、こういう行き方はやっぱりどうも私は納得しないのですが、それだけにこの刑罰の適用なり運用にあたっては、十分慎重を期してやりませんと、これはたいへんなことになると思いますので、その点を特段と配慮を願いたいと思うのですが、この国会の場を通じて、実は附帯決議でもして、国民に安心してもらうのが適当であろうと思うのでありますが、そこまで附帯決議になるかならないかは別といたしまして、答弁をもって国民にその精神をひとつ明確にして、今後起用については慎重を期してやるんだということを明確にしておく必要があるんじゃないかと私思うので、あえて答弁を求める次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/15
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016・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) お説ごもっともだと思います。こういう切りかえ期には、とにかく国民に不便をかけるわけですから、なるべくそういう切りかえ期の国民大衆の不便を少なくするために、政府は啓蒙宣伝、こういうものを一段と力を入れることにいたします。それから法務大臣から、運用の面に対しての御注意もごもっともで、法務大臣からお答えを願うことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/16
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017・石井光次郎
○国務大臣(石井光次郎君) さっきも申し上げましたように、過去五年間に四百五十何件のうち実際に起訴したのが百五十何人といいますと、五年間に百五十ですから、年に割ると三十人くらいでございますか、全国的にして年に三十ということは、件数とすればたいしたことではないとも言えるわけでございます。それだけ注意もしておったかと思うんでございますが、この運営については、非常におっしゃるように大事でございまして、手かげんによってさまざまのことが起こってはならないと思います。さらに、ちょうど私のほうといたしましては、法務省関係の問題で登記簿の整備の時期にも達しておりますし、これは外に出る問題ではないのでございますが、一つのいい機会でもございまするし、いまあなたからおっしゃったような点を考慮に入れまして、実際にどう扱うかということについて、なお一そう慎重な態度で、あやまってこのメートル制をとることについて非常な恐怖の念を国民に抱かせるということのないように、知らぬ者は知らぬで早くそれになれるような心持ちになるようなふうにするように気をつけてやれと注意をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/17
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018・近藤信一
○近藤信一君 関連して。いわゆる尺貫法が昭和三十三年の十二月でこれは禁止になっておる。その場合にはヤードボンドは三十八年までですか、猶予を見る。それからさらに土地、建物は昭和四十一年の三月まで見ると、こういうことで、一応尺貫法の事実上の禁化というのは三十三年の十二月でこれは禁止しているわけです。それと同時に、製造販売も中止させているわけですね。ところが、今日までひそかにこれがつくられて売られておるという事実が私はあると思うんですよ。これらに対して両大臣そういう事実を知って、みえるかどうか、この点お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/18
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019・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) われわれも見ますからね、やはりそういうものさしを。だからやはりひそかにつくっておるものがあるんでしょうね。これは今後やはりこういうことも取り締まる、取り締まるというか、いま永岡君の言っているように、これはやはり啓蒙宣伝ということが中心でしょう、そういうことも、ひそかに製造するようなことのないように指導をいたさなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/19
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020・近藤信一
○近藤信一君 通産大臣から答弁があっただけでいいです。いま通産大臣言われましたように、ものさしといってもいろいろあるんですね。特に大工が必要とするかね尺、それから和裁用に特に必要とする鯨尺、それから巻き尺と、こういろいろあるわけです。ところが土地、建物は計量法の改正で四十一年の三月三十一日でだめだ、もう禁止になるんだ、こういうことを見越して、いま多くの買い占めといいますか、買いあさりというものがなされておるのです。これは週刊誌、雑誌だったか新聞かでちょっと私見たので、なぜそういうことがどこで行われておるか、いわゆる暴力団が資金源をだんだんと断たれてきたから、その暴力団の組がそういうかね尺や鯨尺、巻き尺、こういうものを盛んに買い集めて、そしてこれをやみでどんどん売って資金をかせいでおる、こういう事実があるのじゃないか、こういうことが週刊誌に出ておったわけでございますが、そういう事実は大臣は御存じないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/20
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021・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 背後に暴力団があって、そして売り歩いておるという話は初、耳ですけれども、そういうことに対しては、できるだけ啓蒙宣伝、指導あるいは取り締まり等でそういうことのないようにいたしたいと思います。しかし、そんなに大きな資金源になるでしょうか。学校などにおいても教科書は三十四年ですか、新聞は三十五年から統一になっておりますから、そういう人口は次第に減っていくわけですから、大きな資金源には私はなると思わぬのです。しかし、そういうことは二重に社会悪を犯すことになりますので、それはよく調べてみることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/21
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022・近藤信一
○近藤信一君 そういう禁止された品物に対して、違反行為でいままで摘発された事態というものはなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/22
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023・伊藤栄樹
○説明員(伊藤栄樹君) 私ども計量法違反の関係の統計につきましては、何条違反というところまでの報告を受けておりませんので、承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/23
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024・近藤信一
○近藤信一君 いままでそういう違反の事項に対しては、統計的にはまだ報告を受けておられないようですが、いま永岡委員がいろいろと心配されて質問されていた点もそこにあると思うのですね。事実上法律的には禁止されていくが、今度本法のほう、この法律自体には罰則がないけれども、本法のほうに罰則がついておる。こういうことで、それをあれしたからといって過重な罰則を何するというのは酷じゃないかというのが永岡君の議論じゃないかと思うのですが、やはりそういう点は、私ども違反を犯した者を取り締まるなというわけにはいかないし、やはり違反行為は違反行為として取り締まってもらわなければいかぬけれども、実際には、いま報告を聞きましたように、一件も違反行為に対しては報告はないということでございまするから、私どもが心配しておるようなことではそういう事態は起こってこないとは思うけれども、この法律を審議する過程においては、やはりそういう問題も陳情を受けておるのだから、そういう点は十分ひとつ慎重に進めていただきたい。かように私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/24
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025・鈴木一弘
○鈴木一弘君 関連して。今度でいよいよメートル法ということになってくるわけでありますけれども、三十三年からメートル法にはっきりとかわってきた。ところが、ほんとうに政府のほうでメートル法を施行していこうという熱意があるかどうかという点に、私は一つ二つ疑問があるのですけれども、一つは航空機工業の関係でありますけれども、これはほとんどがフィート、ヤードを使っておるということは間違いないだろう。国産機についてはどういうふうに持っていくか。戦前はすべてがメートル法で全部きたわけであります。それが戦後アメリカの航空機ということから、あのようなヤードを使ったのだと思いますが、その点これからの国産機についてはどういうお考えを持っているのか。いまのところYS11あたりはどういう単位になっておるのか、その辺のところをひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/25
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026・川出千速
○政府委員(川出千速君) 航空機の規格につきましては、国際的にヤードポンドが使用されておりますので、メートル法の例外としてなっておりますけれども、国産機のYS11につきましては、メートル法を単位にしてやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/26
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027・鈴木一弘
○鈴木一弘君 それからこれは非常に流行しているゴルフの問題でありますけれども、あれはヤード単位じゃないのですか。聞くところによると、フランスあたりではメートル法をもって施行しているということなんです。そうすると、ヤードということになれば、はかるスケールのほうもヤードでなければならない。新しく入ってくるいろいろなボーリングもそうであろうと思いますけれども、そういうようなスポーツ関係のものもあるし、新しい文化として入ってくるものもあると思う。そのときに政府の受け方が、そのまま向こうの国のままのヤードポンドであるとか、そういうものをそのまま引き受けてくれば、これはいつまでたってもメートル法というような一つの単位にまとまることは不可能じゃないか。法律だけが先行していっても、国民生活とは離れたものになる。その辺のところがまるきり熱意というものを私は感じられないような感じがする。少なくとも日本でやるときには、ゴルフにしてもメートル法にするとか、あるいはボーリングについてもポンドとかフィートを使わないとか、こういうことを極力政府の指導によってすべきじゃないですか。その辺のところをどうお考えになっているのか、大臣からひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/27
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028・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) これは例外的なものに属すると思います。しかし、好ましいのは、そういうことになったら、メートルに切りかえたほうが好ましいのですが、これはいろいろな国際的な関連もあるのでしょうが、これは研究さしていただくとお答えして、いまここで、ゴルフをヤードをメートルに切りかえさすということを私がお答えするのも少し大胆なように思いますので、鈴木さんのお話はよく研究さしていただきたいとお答えをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/28
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029・永岡光治
○永岡光治君 いまの問題とやはり同じように、競技でヤードをやはり使っておりますので、私も重工業局長にこの前質問したのだけれども、メートル法が理想だからそれに統一するのだといいながら、肝心の学校教育からヤードを使っているのはおかしいじゃないか、政府みずからが改正すればできる、そういうものをやってないのはおかしいじゃないか、そして困る大工のほうには、お前泣いてくれ、メートル法を押しつけるのは納得いかぬ話だと、こう質問したのだけれども、明快な答弁がなかったわけですが、いまのゴルフの問題も同様な問題だと私は思うのです。だからこれはすでに距離だとか目方は全部メートル法に移行している。国際貿易は別として、国内に関する問題はそうなっているんだから、おえら方が実際みずから守らないで、そうして庶民の大工さんあたりに守れ守れ、しかも守らなければ罰金だということは、どうも私は政治家のとるべき態度ではないと思います。研究してぜひ早く実施してもらいたいと思います。
法務大臣に一つだけ、刑事局長でもいいですが、これから土地、建物取引の上で、四月一日から坪がメートルになるわけですが、土地、建物の取引業者で店頭及びいろいろな宣伝個所、あるいは電車の中とか駅とかいうところに何坪の土地を幾らで売買できる、払い下げる、あるいは売るとか、こういうふうな表示を今後してはいけないのか、それは刑罰の対象になるのかどうなのか、その点を明確に法務省の立場から答弁をしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/29
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030・伊藤栄樹
○説明員(伊藤栄樹君) 御承知のように、取引上の計量に用いてはならない、あるいは証明上の計量に用いてはならない、こういうことになっているわけでございますが、ただいま御指摘の、たとえば新聞の中刷り広告でありますとか、看板に坪幾らというようなことを書きますと、直ちにそれが取引上の計算になるのかどうか、必ずしも単純にはいかないのじゃないか。その広告の内容その他も具体的によく検討いたしまして、たとえば契約申し込みの勧誘という程度にまでいっておるのか、単なるPRの程度なのか、そういった具体的な事象を勘案いたしませんと、それはすぐに中刷り広告あるいは店頭の一看板に坪幾らと書いただけで抽象的に罰則の適用になるケースになるのかどうかということは、直ちには言えないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/30
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031・永岡光治
○永岡光治君 そうすると、おたくの意見は、具体的な事象を見て考える、こういうことになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/31
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032・伊藤栄樹
○説明員(伊藤栄樹君) 簡単に申し上げますと、ただいまお尋ねのとおりになると思います。一般的、抽象的にこういった場合には罰則の適用があるというふうにお答えできる場合もございますけれども、たとえば契約書で坪でうたったらなるかどうかというようなお尋ねを受けますれば、それはなるというふうにお答えするわけでございますが、私ども日常見ておりますいろいろな広告等、坪幾らと書きました部分が取引上の計算ということに法律上なるかどうか、広告の文言等も実際に見てみませんと、軽々には判断できないんじゃないか、こういうことだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/32
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033・永岡光治
○永岡光治君 そういたしますと、勧誘行為そのものは刑の対象にならないで、取引行為を証明するそのものだ、こう理解していいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/33
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034・伊藤栄樹
○説明員(伊藤栄樹君) 原則的にはただいま仰せのとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/34
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035・永岡光治
○永岡光治君 それはどうもこれまた不徹底だと思うんです。肝心かなめのところでぼけてしまうと思うんですね。そうなりますと、それは電車の中でどんどん広告しますよ、それからおそらく至るところに出ておりますよ。店頭では何坪幾らと表示しているわけです。あれを全部変えなければ国民は頭を切りかえられないです。頭の中で換算すればいいんですからね。そういうところがどうも、政府は不徹底だというところがそこにあるわけです。そういう無責任なことばかりやっておって、肝心なところに刑罰々々、こういう問題がおかしいと私はいつも言うんですが、統一見解でその程度なんですか。もう少し何かはっきりしたものはないんですか。起こった事象だけで、勧誘行為は問題にならぬ、実際に取引やった、その取引の証明あるいは契約書そのものだけが対象になる、こういう言い方ですが、そうであればそのようにまた私どもそういうふうに解釈しなければならぬわけですが、これは法務省の統一見解ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/35
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036・伊藤栄樹
○説明員(伊藤栄樹君) 法務省の統一見解というようなものであるかというふうにお尋ねいただきますと、必ずしもそうではないかもしれませんが、一応罰則の解釈を私ども担当しておりますので、その私どもの所管に属します罰則の解釈として一応申し上げたわけでございます。
なお、ただいまのお尋ねでございますが、罰則で取り締まる範囲と、それからその罰則で取り締まる範囲から先に、啓蒙とか指導とかという範囲というものがあるのではないかと思います。罰則でみます範囲はやはりなるべくしぼってかけるというのが法の精神じゃなかろうかと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/36
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037・永岡光治
○永岡光治君 最後に通産大臣にこれは要望という立場から特にお願いしたいのですが、先ほどちょっと私も触れたわけですけれども、計量の単位がいろいろきまりますね。これをもう少し国民に徹底をして、ふろの温度は何度がいいか、四十二度がいいとか四十一度がいいとか、あるいは四十三度にしてくれ、そういうようにぴんと言えるような社会生活の環境をつくり上げるための啓蒙指導をぜひやっていただきたいと思います。温度の問題を言いましたけれども、湿度の問題とか、風速の問題とか、天気の問題とか、いろいろあると思いますが、そういうことが一番大切だと思うんです。坪をメートルに直せ、直さなければ刑罰だということよりは、むしろそのことのほうが事実上国民生活の上に私は大きいと思うので、その面に対する予算、これをうんと大臣、つけて啓蒙していただきたいと思うんですが、どうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/37
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038・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) これは永岡君の御質問にお答えしたように方法を考えております。やはりいま刑事課長の答弁などを聞いてみましても、何でもちょっと広告したから罰則というのは、これはいかぬですから、やはり契約とか、非常に実際の商取引というものを狭めて刑罰の対象にしたのがそれは適当だと思います。それよりも必要なことは、なるべく早くそういうふうな社会的な慣習にならすことが必要ですから、これは啓蒙、宣伝、指導、こういう点には一段と力を入れるような方法を講ずることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/38
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039・永岡光治
○永岡光治君 三十万円ぐらいの予算じゃだめですからね。一応この問題についての質問はこの程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/39
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040・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 他に御発言なければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/40
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041・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/41
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042・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、産業貿易及び経済計画等に関する調査を議題とし、昭和四十一年度通商産業省の施策に関する件について質疑を行ないます。御質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/42
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043・永岡光治
○永岡光治君 これはきょう通産大臣がみえておりますから、特にこの機会に質問しておきたいと思うのです。前から問題がありまして、前の全日空の航空機事故の問題、あの当時に実は期を失せずに御質問したかったのでありますが、いろいろな事情で大臣の出席が得られなくて、その時期を失したと思っておりましたところが、引き続きカナダの航空機、イギリスの航空機というように事故が起こったわけですが、羽田の飛行場を中心に所管大臣としての通産大臣の見解をただしたいと思うのです。
それは、あそこにABCの滑走路が三つあるわけです。その地元のほうでは、持っている川崎市、これは市長はじめ商工会の方々も、あるいは消防関係の方々も非常に心配いたしまして、お話の様子ですと、B滑走路がコンビナートのタンクの上を飛ぶので非常に危険だ、そういうことで、たまたま全日空の事故が時間的に距離的にずれたから助かったものの、スモッグも多い今日ですから、ほんのちょっぴりずれて不幸にしてコンビナートの上にあの事故が起きたならばたいへんなことになっただろうということで、いよいよ心配しているわけでありますが、昨年の八月三十一日にすでに通産省のほうにも陳情していると聞いておりますけれども、その陳情を受けて、通産省としてはどのような対策を講じているのか、この点をひとつ明確にしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/43
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044・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 消防法それから高圧ガス取締法、こういうものでの取り締まりの法規もあって、これに基づく処置もございましょうし、また原油タンクとか液化ガスなどの施設があるときには、外部から一定の距離を置いてそういうものが設置されるということを義務づけてもおりますが、いつもコンビナートの上を通っているわけではなしに、小型機なんかが直角に入るときにそういう傾向があるというので、そういうコンビナートの上を通るような場合があるということで、まあ頻発する飛行機事故などにかんがみて、この対策というものは、そういうことはないことを期待いたしますけれども、万一の場合の対策というものはもっと真剣に検討しなければならぬと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/44
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045・永岡光治
○永岡光治君 いまの大臣の答弁ですと、あまり飛んでないようですという御答弁ですけれども、通産省は陳情なんか受けて、何回ぐらい飛んでおると認定しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/45
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046・中川理一郎
○説明員(中川理一郎君) コンビナートの上空における飛行、航空の状態は、私ども必ずしもつまびらかにしておるわけではございませんけれども、運輸省の航空局のほうから聞いております限りにおきましては、東京湾の海側から入ってくるのが原則でございまして、風向きその他きわめて特殊なケースのときに、お話しの。滑走路でございますか、これを小型機についてときどき使うことがあるというふうに承知しております。運輸省におきましても、従来から事故を未然に防止するための安全運航については十分な指導監督を行なっていらっしゃる様子でございまして、重大な事故が発生する危険はないと私どもは承知しております。しかしながら、先ほどお話のございましたような最近のケースもございまするので、安全性を高める上に現在の条件下でより安全な運航を行なうように検討を行ないまして、要すれば運輸省その他の関係省と協議をいたすつもりでおります。工場自体は、先生御承知のように、大師河原の埋め立て地について申しますと、昭和二十二、三年ごろに神奈川県及び横浜市の手によりまして造成されました埋め立て地でございまして、工場の張りつけもその後二十三、四年から三十五、六年にかけまして、もうぴったり埋まったというようなかっこうでございます。したがいまして高圧ガス取締法、消防法の厳格な励行ということによりまして、万が一の場合の事態について万全の措置をとっておりますし、今後も一段とそのつもりで徹底させるつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/46
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047・永岡光治
○永岡光治君 これは私の調べですが、たまに通るのではなくて、昨年の十一月、十二月の二カ月間に川崎市の消防当局が非常に心配して調べたんですけれども、二百六十九機飛んでおります。これはたいへんに危険なんです。いまもその表現の上では、万全の措置とか、きわめて危険な状態に処してという、表現はきわめて抽象的で、いかにも万全にやっておるようだけれども、どんなに万全をとりましても、一回落ちたらだめなんです。ここにも出ておりますけれども、満タン時で三百万キロリットルです。二千個以上あるわけです、あすこに。平時でも百八十万キロリットルあるわけですが、それはもう消防庁の話を聞きましても、落ちたらそれはもうどんな予防措置を講じておってもだめだというんです。それでもし落ちたならばという想定のもとで、川崎市を中心にあの付近の消防関係の機関の協力を得るように万全の措置を講じてはおるけれども、それは普通の各家に起こった火災ですね、あの場合のことを考えておるんであって、もうどこかでぼかんとやられるというようなことがあったら、それはもう手がつきませんと、こういうことなんで、そういう観点からいいますと、それはないとはいえないわけです。二百七十回近く飛んでおるわけですから、ないとはいえないと私は思うんです。ちょうどあの上を飛ぶことになって、しかもスモッグが多いわけですから、御承知のとおり非常にあぶないんです。このわずか一カ月の間に三回も四回も事故が起こるような東京湾の状況としては、起きないとは保証できないと思う。起きたあとにおいてばく大な損失があり、人命の被害があるということになると、そのままでは過ごされないと思うんです、これは。通産大臣もこの前この委員会で、適正立地環境の整備というところで、「産業の適正配置等の抜本的な産業立地対策の検討を進めてまいりたい」、きわめて名言なんです。その「適正配置等の抜本的な産業立地対策の検討」ということの中には、当然私はこういう危険を考えたところの立地条件というものは考えなきゃいかぬと思うのですが、この点について大臣はどう考えておるのですか。いまお話によりますと、飛行回数もあまり調べておられぬところを見ると、熱心に私はあまり調査をしていないのじゃないかと思うのです。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/47
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048・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) この回数はよく調べてみたいと思うのですが、非常に永岡君のいまお述べになった回数は、私が考えておったよりも大きな多い回数であります。まあこういう飛行機事故の頻発にもかんがみまして、これはおざなりでなしに、関係各省あるいは地元とも協力して、そういう場合に対する対策というものをもっと強化することにいたします。
それから全般の産業立地については、実際はやはり総合的な計画というものに欠けるものがあるのですね、いままで。それは羽田の飛行機だってああいうふうな膨大なコンビナートができるというようなことを想定した——それはある程度想定したのでしょうけれども、十分ではない。だから、今後やはり産業立地というものについては、通産省の場合でも、まあ企業の一つの構造改善ということが非常にやかましく、近代化とかあるいはまた会社の合併とか、そういう点もいわれておるが、一つの大きな大事な点はやっぱり産業立地計画だと思います。これは一応やっぱり全体のこの産業立地計画というものを持って、そうして工場なんぞの適正配置というものがやはり考えられないと、いろいろな問題が、いま御指摘のようなことも一つあり、この総合的な計画というものが必ずしも十分でない結果ですから、今後は通産行政の上においても、産業立地というものについてはもっと重点を置いて、将来はもうこれは局ぐらいに上げてですね、それくらいにまあ考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/48
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049・永岡光治
○永岡光治君 大臣のその決意、私非常に敬意を表するわけでありますが、飛行場のことはまあこれは航空局だと、産業立地はこれはまあ通産省だと、消防のことはこれは消防庁だと、こういうところにやっぱり問題があろうと思うのですが、当面しておるこの問題一つを取り上げてみても、どこか総合調整する機関がなきゃならぬと思うのですね。臨時でもけっこうですけれども、いま羽田の飛行場をどうこうという問題が起きているやさきでありますが、ぜひ一つこの際そういう各省代表で選ばれた委員会でも何でもけっこうですが、この対策を一体どうするのかということを早急に立案をし、それを実施に移すと、そういうことで地元の陳情者の皆さんにも安心を願うような施策が必要だと私は思うのですが、そういう考えがあるかどうか。通産大臣がこれはどうしても中心になっていかなきゃならぬ問題だと思いますので、お尋ねしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/49
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050・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 特別な機関をつくるかどうかという問題については、事故が発生してこれに対するいろいろな対策等ですでにそういう問題を話すような一つの会議体もございますから、どういう形にするかは別として、至急にこの問題は各省庁と連絡をとって、できる限り万一の場合にその被害を僅少にとどめられるような処置は講じていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/50
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051・永岡光治
○永岡光治君 この産業立地の問題と関連をして当然起きてくるのは、このコンビナートの問題がある場合は特にその必要性が高いわけですが、恒常的に防災会議というようなものをつくるような計画は通産省にはないのですか。関連官庁を含めた防災会議、この立地条件という観点からそういうような考えはないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/51
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052・中川理一郎
○説明員(中川理一郎君) コンビナートにおきましては、実は防災のほかに、私が直接いま担当しております公害問題がございまして、これもやはりその地区内における工場間の話し合いというものが十分行なわれませんといけないわけであります。ことに災害発生の問題につきましては、より一段とその必要性があると思います。たまたまコンビナート地区は石油精製工場が中心になっておりますので、鉱山局が主体になりまして、災害発生時における石油精製工場間の応援体制の確立というようなことは、現在努力をしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/52
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053・永岡光治
○永岡光治君 ぜひ私は防災会議というようなそういう機関をつくって、工場をつくるときの整備をしてもらいたいと思うのです。
またもとに戻って、いまの羽田のことに限定するわけでありますが、航空局の関係者はきょう見えておりますか。——このB滑走路の飛行を禁止するというわけにはいきませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/53
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054・町田直
○説明員(町田直君) お答え申し上げます。B滑走路の飛行を全面的に禁止するということは、現在B滑走路のございます理由が、主として横風の場合に横風対策として考えられておりますので、全面的に禁止するということはちょっと困難だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/54
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055・永岡光治
○永岡光治君 全面的に禁止することは困難というその裏を返せば、できるだけこれを回数を少なくしていきたいという気持ちはあるのですか。またそのように指導しておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/55
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056・町田直
○説明員(町田直君) 大体羽田の飛行場はいろいろな面で問題がございますが、特に騒音関係等が非常に問題でございますので、原則として海のほうへ離着陸をするというふうな形で指導しているわけでございます。そういう面からB滑走路でなくて、A及びCの滑走路をできるだけ使うというふうな指導をいたしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/56
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057・永岡光治
○永岡光治君 どうしてもこれはB滑走路を使う回数がかなり多い以上は、まず私は相当危険というものを勘定に入れて計画は立てておかなければならぬと思うのですが、地元のほうで非常に心配をして、昨年の八月にも何か運輸省のほうに陳情したようですが、実際実情を調査されてその対策を立てたことがあるのですか。あるいはそのまま聞きっ放しなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/57
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058・町田直
○説明員(町田直君) 陳情を受けまして御趣旨はよく承りました。また私のほうといたしましても、実情を御説明申し上げているわけでございます。先ほどの御質疑の中に数が非常に多いのだというお話がございました。全部の統計を私どもとっているわけではございませんけれども、川崎のコンビナートの上を通ります中で、B滑走路を使ったために通るという数はそう多くはないわけでございます。A並びにC滑走路を使いまして、これが館山のビーコンのほうに参る、これはジェット機は使いませんが、レシプロ機とプロペラ機だけでございますが、そういう場合も含まれて勘定されているのじゃないかと思いますが、こういう場合はその飛行の離陸、着陸のパターンから申しまして、非常に高いところを通るわけでございます。先ほど御質疑のございましたような数の中に入るかと思いますけれども、実際の何と申しますか、いわゆる墜落の危険というのは、そういう意味では必ずしも数の中に入れて勘定する必要がないのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/58
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059・永岡光治
○永岡光治君 Aを使おうとCを使おうと、どこを使っても、通る以上はやはりあぶないですよ、それは。Bをたまたま通ったからBだけ落ちるのだということじゃなくて、上を通るからあぶないのだという陳情なんですから。その回数はしかも地元の川崎の消防局が調べているんですから、私は間違いない数字だろうと思うのですが、その回数もさることながら、私はだいじょうぶだ、だいじょうぶだということに問題があると思うのです。だからだいじょうぶであるはずの飛行機がやはり落ちているわけですから、この点は慎重に考えて早く対策を講じてもらわなければならぬと思うのですが、地元のほうではおたくのほうへ陳情して、そのときに説明して帰したというのですが、最近では何かそういう動きがないですか。この事故が起きたのを契機にして、どうもあぶないから、もう少し飛行を禁止してもらいたいというようなことがないですか。実は私のほうにはそういう話がきておるわけですけれども、少なくともB滑走路だけは、あなたのお話のように数が少ないとすればなおさらのこと、あまり使う必要はないのじゃないかという気もいたします、逆に言えば。AとCで十分じゃないかということも言えるわけでありますが、この抜本的な対策というものを考えておるのじゃないのですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/59
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060・町田直
○説明員(町田直君) 今度連続いたしまして事故がございましたために、羽田空港を含めまして、いわゆる安全対策についてはいろいろと施策を考えておるわけでございます。ただこのB滑走路をお話のように使わせないというふうに踏み切るかどうかということにつきましては、これを使わせないことにいたしますと、いわゆる横風の場合の羽田の機能が非常な制約を受けるということになりますので、そういう面でB滑走路を使わせないというふうには踏み切るわけにはいかないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/60
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061・永岡光治
○永岡光治君 これで私は質問をやめますけれども、要するに地元が非常に心配しておるわけでありますし、事実延べ飛行回数から見ましても、その危険なしとしないわけであります。一たび事故が起きればいかなる結果を及ぼすかということも想像にかたくないわけでありますから、事故が起きた上で対策を講じても、これは無意味とは言いませんけれども効果のないことですし、やはり予防医学と同じように病気にならないほうがいい、事故が起きないほうがいいわけでありますから、万全の対策を講ずるように、通産あるいは航空あるいは消防、そういうものを含めました早急にひとつ対策を樹立していただきたいと思うのです。そのことを特に私要望いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/61
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062・赤間文三
○赤間文三君 ちょっと関連してお伺いしたいのであります。大阪の伊丹の飛行場、われわれはずいぶん前から、こういう規模の飛行場は世界でも類のないほど面積から施設、あらゆる点においてぐあいが悪いということを足しげく、もう数回にわたって陳情をいたした。にかかわらず、なかなか飛行場の整備その他において航空局は非常に消極的であるように私考える。これで万国博覧会がやがてくるときに、航空局としてはいまのあの飛行場を整備するだけで博覧会の用にたつというお考えを持っておられるのか。大体事故が起らなければいろいろな対策を講じないようなことでは私は非常に困る。常に事故の起こらぬ前から、やっぱりあらゆる方面に努力をすることが大事なんです。そういう点において、航空局は私の見るところでは非常に消極的な行政をやっておる。それでは私はあらゆる点において好ましくない結果が将来起こるかもしれぬと考える。今度は東京を中心で、幸いに大阪のほうではたいしたことはなかったが、危険性はたびたびある。ひょっとすると大きな事故が起こるかもしれぬということは予想せられるわけであります。こういう点について、万国博覧会を控えて、あの飛行場のただ整備拡充だけで博覧会をやる考えを持っておられるのか、新たに万国博覧会のためにそれに適合する飛行場をつくるお考えを持っておられるかどうか、日本の飛行機が世界的に発展をするのについて、単に運輸省の一局にて万事が行き届くというお考えを持っておられるのかどうか、われわれしろうとから考えると、すみやかにたとえば航空庁というような外局ぐらいは、言わなくても当然今日の飛行機の状態からいえば、つくるべきがあたりまえだと思う。こういう点において私はひとつ航空局の真意を承りたい。過去における航空局のやり方は、間違いはないけれども非常に消極的で、今日の航空のものすごい発展に順応しないような私は個人的な考えを持っておる。こういう点についてひとつ明快なる御答弁をいただきたい。
私個人の意見からいえば、いまのようなあの飛行場の整備拡充は急務中の急務である。オリンピックの前からわれわれは要求したにかかわらず、今日までまことに怠慢であって、一向に要領を得ない。このままの状態で博覧会を迎えるならば、驚くべき好ましからざる結果が私は起こるかもしれぬと思う。この点についてひとつ明確なる御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/62
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063・町田直
○説明員(町田直君) 大阪の飛行場につきましては、御承知のように数年前——数年と申しますか、だいぶ前から整備に着手いたしまして、現在千八百メートルの滑走路が一本でございますけれども、これに平行いたしまして三千メートルの滑走路をつくる準備をいたしておる次第でございます。御指摘のように、非常に土地買収その他の問題が難航いたしまして、もっと早くできる予定がおくれておりましたことは、まことに遺憾に存ずる次第でございますが、いずれにいたしましても、万国博の行なわれます四十五年より約一年前の四十三年度中——四十四年の三月ぐらいまでには、その三千メートルの滑走路が使えますように諸般の準備をいたすつもりで現在実施しておる次第でございます。大阪の飛行場は、周囲が非常に人家が密集しておりますので、土地の買収にいたしましても、あるいはいろんな施設の設置にいたしましても、非常に困難な問題が山積しておりまして……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/63
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064・赤間文三
○赤間文三君 そういうことはよく知っておりますよ、私のほうがあなたより詳しい。ただ私の言うたことを率直に御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/64
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065・町田直
○説明員(町田直君) そういう趣旨で今後とも進めていきたいというふうに存じておる次第でございます。
あと、航空行政の点につきましていろいろ御指摘ございましたが、前々からいろいろそういう御指摘もございましたけれども、今後の問題といたしまして十分に検討いたしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/65
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066・赤間文三
○赤間文三君 時間がありませんので、あまりくどくは言いませんが、いまの答弁は、私の言うたこととはあまり関連がないことです。私はあそこの整備だけでは万国博覧会はやりにくいと、あの滑走路のメートルを云々するというようなことでは問題にならぬと考える。それは博覧会前に、他に博覧会に適合せる国際飛行場をつくる意思があるかないかということを聞いている。いまのままの飛行場で航空局としてはけっこう博覧会に十分であるというお考えかどうか。私はそれはぐあいが悪いから、新たなるものをつくらなければ博覧会は迎えにくいというふうに思う。この点について新たなるものをつくる用意があるのかないのか。何も研究をせず、ただ既存の狭い飛行場だけで博覧会が支障がなく迎えられると考えておるかどうかということを端的に聞いておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/66
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067・町田直
○説明員(町田直君) ただいま御説明いたしましたように、三千メートルの滑走路をもう一本つくります。それからターミナル地域その他も整備いたします。それから保安施設等も充実いたすつもりでございます。いわゆる博覧会に対する措置としては、私どもはそれでいいということで考えておる次第でございます。今後さらに航空の発展が進みまして、大阪にいわゆる第二空港が必要であるということは一応考えておりますけれども、博覧会に対する措置としては、現在の大阪空港の整備拡充ということで対処していきたいとこう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/67
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068・赤間文三
○赤間文三君 私どもは航空局が従来から非常に消極退嬰的で、すでにやるべき施設がおくれておるということはよくわかっておる。私はいまの博覧会をやるために、外国からもたくさんの飛行機が来るであろうし、それからいまも御承知のように、もう何分おきかに来るが、私は非常に危険な状態であると考える。いまの飛行場を整備して博覧会にはこと欠かないというお考えのようであれば、非常にこれはわれわれと意見を異にしておる。それはあなた個人の考えですか、あるいは運輸大臣その他運輸当局の考え方であるかをこの際いま一ぺん承りたい。あなた個人か、運輸省の考え方か。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/68
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069・町田直
○説明員(町田直君) 運輸省としての方針であると申し上げてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/69
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070・赤間文三
○赤間文三君 いまのあの狭い飛行場を、滑走路の拡大その他やれば間に合うというのは、どういう点からそういうふうに考えられますか。われわれはしょっちゅうあそこに行き来しておりますが、あの山の関係、部落の関係、あらゆる面からいって、思い切った拡充は困難だと私は見ている。金の問題をおっしゃったが、私は地勢的に困難だと考えておる。国際飛行場としてはもっと広い、いかなるジェット機でも事故のないようなものをつくらなければ間に合わぬと思う。外国の飛行場その他に比べて、あれでけっこう万国博覧会にこと欠かないということをあなたのほうではお調べができておるか。私は世界のいろいろな飛行場を見ても、あれは非常に狭いと考えておる。私は東京でもあまり広いと思っておらぬ。大阪の伊丹飛行場はあれでけっこうだ、間に合うというその根拠をひとつお示しをいただきたい。根拠なく、ただ思うとかなんとかいうようなことじゃわれわれは承服できない。これで十分やれるという根拠があるのなら、それをひとつ御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/70
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071・町田直
○説明員(町田直君) 今後の飛行機の増加の趨勢と、それに対する滑走路、誘導路その他の能力というものを検討いたしまして、それによって申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/71
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072・赤間文三
○赤間文三君 どういう根拠か、その根拠を言ってください。間に合うというその根拠を言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/72
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073・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/73
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074・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/74
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075・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) これは赤間さんの御指摘ごもっともな点が私はあると思います。大阪の伊丹空港は地理的にも狭いし、いろんな施設も国際水準からみると非常におくれておりますから、これはやはり政府としても万国博覧会もございますし、そういうことで、一体伊丹飛行場というものに対して、万国博覧会等もにらみ合わせて、どのようにこれに対処していくかということは、政府部内でひとつ研究をしてみたいと思いますので、ここでまあ監理部長というよりかは、やはり政府部内の問題だと思いますので、研究をいたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/75
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076・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、本調査は本日のところこの程度にいたしたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/76
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077・村上春藏
○委員長(村上春藏君) それでは、これより土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案の討論に移ります。
御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/77
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078・永岡光治
○永岡光治君 私は日本社会党を代表いたしまして、附帯決議を付しまして、本案に賛成をいたします。
本法案の趣旨である土地、建物の計量単位の統一というものは昭和三十三年の法律によりまして、昭和四十一年三月末まで延期をするということになっておりまして、この法律に基づいて、四月一日から実施をするというたてまえのもとに出された法律と理解するのでありますが、ただ、しかし今日まで尺貫法が併用されてきましたその裏には、国民生活の中に、少なくとも土地、建物についての計量単位についてメートル法にかえることについて、まだまだなじまないものがあっただろうと私は想像するのであります。しかるがゆえに、大正十年に度量衡法が改正になりましてから、昭和四十一年の三月まで、この長い期間かかってやっとここで統一を完了するという結果になったものと思うのでありまして、私どもこの法案に賛成するにあたりましては、なお国民層の中の相当部分、特に大工の業者や、あるいはまた土地、建物取引業者等々の立場を考えますと、いささかまだ不満はあるわけでありますが、その不満を抱きつつも、この際政府の考えているように、メートル法に統一をして、ここで新しい出発をしたいというお気持ちがあるようでありますから、それに賛成をするということになったわけであります。
つきましては、まだ国民の相当部分がこれになじまないという責任の一端は政府にも私はあると思うのでありまして、今日長期にわたりまして依然としてなじまない原因は、政府がPRあるいは啓蒙宣伝をしないという、こういう責任にもあっただろうと思うのでありまして、したがって、そのことに反省をいたしまして、いよいよ四月一日から踏み切るということになりますれば、通産省、法務省を中心にいたしまして、この啓蒙宣伝には一段と力を注いでいただきたいことを特に要望するものであります。
しかも、第二点といたしましては、これは違反いたしますと刑罰を科せられることになっておりますが、いやしくもこの刑罰規定の適用、運用にあたりましては、この精神に基づきまして、十分ひとつ慎重な配慮を行なって、むしろそのことを啓蒙宣伝のほうに、指導行政という立場に立っての運用をしていただきたいことを、特段にこれは申し上げまして賛成いたしたいと思うのです。
ついては附帯決議案を申し上げますが、これは各党共同提案ということになりましたので、さよう御理解をいただきたいと思います。その案文を読み上げます。
附帯決議案
本法施行に当り、政府は、永年にわたり尺貫法が国民生活に浸透している実情にかんがみ、坪を平方メートルに改めることによる不便、混乱を極力少なくし、メートル法への移行を円滑にするため、その周知徹底、指導啓蒙を強力に実施すべきである。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/78
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079・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/79
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080・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
土地又は建物に関する計量単位の統一に伴う関係法令の整備に関する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/80
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081・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました永岡君提出の附帯決議案を議題といたします。永岡君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/81
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082・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 総員挙手。全会一致と認めます。よって、永岡君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、三木通産大臣から発言を求められております。この際これを許します。三木通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/82
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083・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) ただいま永岡君から御説明のありました各党共同の決議案に対しては、その趣旨を尊重いたしまして、啓蒙、宣伝、あるいは刑罰の運用について慎重を期することにいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/83
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084・村上春藏
○委員長(村上春藏君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/84
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085・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後零時八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01019660310/85
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