1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月十二日(火曜日)
午後一時二十七分開会
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委員の異動
四月一日
辞任 補欠選任
高橋雄之助君 近藤英一郎君
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出席者は次のとおり。
委員長 村上 春藏君
理 事
赤間 文三君
豊田 雅孝君
柳田桃太郎君
近藤 信一君
委 員
井川 伊平君
岸田 幸雄君
剱木 亨弘君
近藤英一郎君
宮崎 正雄君
吉武 恵市君
大矢 正君
小柳 勇君
永岡 光治君
藤田 進君
鈴木 一弘君
矢追 秀彦君
向井 長年君
政府委員
通商産業政務次
官 堀本 宜実君
通商産業省重工
業局次長 赤澤 璋一君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞寿君
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本日の会議に付した案件
○計量法の一部を改正する法律案(内閣提出)
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001・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員谷を開会いたします。
まず、理事会におきまして協議いたしました事項について報告いたします。
本日は、計量法の一部を改正する法律案の審議を行なうことにいたしましたので、御了承願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/1
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002・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 本院先議の計量法の一部を改正する法律案を議題といたします。
政府から提案理由の説明を聴取いたします。堀本政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/2
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003・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま提案になりました計量法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。
計量法は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化に寄与することを目的として、昭和二十六年に制定されたものでありますが、同法につきましては、計量に関する法制の一元化のため電気測定法を計量法に取り入れることが懸案となっておりましたほか、近年、計量器産業の技術水準が高まったこと、一般消費者保護のため商品取引における計量の適正化をはかる必要性が強まっていること等、幾つかの基本的な事情の変化が生じております。
これらの点にかんがみ、政府といたしましては、昭和三十八年六月、計量行政審議会に対し、法改正に関する諮問を行ない、昨年五月その答申を得て以来、同法の改正を慎重に検討してまいりました結果、ここにその成案を得て提案することといたした次第であります。
本法案は、計量法を相当広範囲にわたって改正しようとするものでありますが、その概要は次のとおりであります。
第一は、計量関係法制の一元化のため、電気関係の計量に関する法律である電気測定法を廃止してこれを計量法に統合することとし、これに応じ電気関係の計量単位及び計量器についての規定を追加整備することであります。
第二は、計量単位につきまして、最近の国際度量衡総会等の決定に基づき、若干の単位を法規制の対象として加える等の変更を行なうことであります。
第三は、近年の技術水準の向上にかんがみ、材料試験機等自由な取引にゆだねて差しつかえなくなった若干の計量器を法の規制対象から除外することであります。
第四は、計量器の製造の事業及び修理の事業について、現行法では許可制とし、幾つかのきびしい基準に適合することを要求しておりますが、これを検査設備に関する基準に適合していれば足りるとする登録制に改めるととも、一定の品質を確保するための検査規程を届け出、順守させることとし、また、販売の事業につきましては、現行の全面的な登録制を特に必要な限定された機種についての登録制に改める等、計量器関係の事業に対する規制を緩和することであります。
第五は、過剰な規制とこれに伴う手続の煩瑣を排除するため、計量器について検定受検前の譲渡を禁止する現行規定を一般的に廃止し、その計量器を取引または証明の用に供するときまでに検定を受ければよいとすることであります。
第六は、検定事務の合理化のため、型式の承認制を採用することであります。これは、大量生産される計滞留につき、あらかじめ見本を提出させ、これについて耐久性等の検査を行ない、合格した場合は、その後生産される同一構造のものについては、検定の段階で構造に関する検査方法を簡略化するものであります。
第七は、一般消費者の利益保護を強化するため、たとえば一定の生活必需物資を容器に詰めて販売する者に対し、商品の量を正確に計量しその結果を容器に表記する義務を課すこと、商品をはかり売りする者に対し、その商品の量を購入者に明示する義務を課すこと等、幾つかの規定を整備することであります。
第八は、計最証明の事業が近年重要性を高めていることにかんがみ、その公正を確保し、その事業の健全な発達をはかるため、現行の計量証明に用いる計量器の登録制を事業の登録制に改めることであります。
以上が改正の主要な点であります。何とぞ、慎重御審議の上、御賛同くだいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/3
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004・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、政府委員から補足、説明を聴取いたします。赤澤重工業局次長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/4
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005・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御説用いたしました提案理由につきまして、補足的に御説明を申し上げます。
昭和二十六年に計量法が制定されてから十五年を経過したわけでありますが、その間数回の改正が行なわれましたが、基本的な部分にかかわる改正は、今回初めてであります。今回の改正にあたっては、つとに昭和三十八年六月、通商産業大臣から計量行政審議会に対し諮問が行なわれました。その一は、法体系が時代の変化に対し十分適応しているかどうかであり、その二は、消費者保護の観点から見た場合、現行規定が十分であるかどうかであり、その三は、電気測定法との統合についていかに考えるべきかであります。
その後同審議会は、三十数回にわたって慎重にこれらの問題を検討し、昭和四十一年五月答申が提出されました。この答申においては、次の諸点について十分な考慮が払われております。第一は、昭和三十六年の第三十八国会において、計量法の一部改正が審議された際、衆議議院商工委員会において「政府はすみやかに冠気測定法の整備をはかり、計量行政一元化のための措置を検討すべきである。」との附帯決議が行なわれたことであります。第二は、昭和三十九年十月の臨時行政調査会の答申において、許認可事務を簡素化し規制の緩和をはかる必要がある点を指摘されたことであります。第三は、昭和三十八年六月の経済企画庁の国民生活向上対策審議会の答申において、消費者保護に関して量目規制の強化をはかる必要性が指摘されたことであります。
本改正案は、前述の計量行政審議会の答申に一部修正を加えた点もありますが、ほぼその結論を忠実に法文化したものであるということができます。
次に、主要な改正点につきまして、提案理由の順序に従って補足的に説明をいたします。
第一に、電気の計量についての規制を行なっている電気測定法を計量法に統合し、電気の計量についても計量法で規制することとする点であります。
電気測定法は、明治四十三年の制定にかかる全文十一条の非常に簡単な法律で、今日の考え方では法律に規定すべき事項を勅令や省令で規定しており、これを近代的な法制にすることが懸案になっておりました。そして、同法と計量法とは、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保するという点で目的を同じくするものであるので、両法は統一することが妥当であると考えられていたのであります。改正案は、電流のアンペアその他の電気関係の計量単位を計量法に追加するとともに、電力量計その他の計量器を本法の規制の対象として加えること等により、支障なく両法の統合を行なっております。
第二に、計量単位の規定につきましては、従来、メートル条約に基づく国際度量衡総会等で重要な決議が行なわれるたびに逐次法改正を加えるならわしになっておりますが、今般の改正案でも、最近のこれら国際機関の決議等を取り入れ、改正を加えております。すなわち、たとえば、従来液体、気体等の体積の計量のみに用いるべきものとされていたリットルについて、用途の制限のない一般的な体積の計量単位として規定することとし、また、角速度のラジアン毎秒、立体角のステラジアン等を計量単位として追加し、従来通産省令で規定することとされていた放射線関係の計量単位のうち、照射線量のレントゲン等三種類を法律中に規定して使用強制を行なうこととした点などであります。なお、慣例に従い、これら新たな計量単位の法文上の表現につきましては、日本学術会議に参考意見を徴して定めております。
第三に、技術水準の向上に伴う法規制対象の計量器の整理につきましては、現行は三十九機種を対象としておりますが、これは、制定当時がまだ終戦後の混乱を脱し切っていない時であって、技術水準の著しく劣るメーカーが少なくなかったことによるものでありまして、技術水準が安定化した今日においては、材料試験機のように使用者が専門家で選別能力が十分備わっている機種またはブロックゲージのように取引上、証明上の分野にほとんど用いられない機種は、計量法の規制を加える必要がないものと考えられますので、対象から除外し、規制対象をはかりやものさしのように取引上、証明上の計量に広く一般的に使用されるもの十八種に限定いたしました。これにより、これらに関する行政事務が簡素化され、一般関係者の利便がはかられるとともに、行政能率の向上が達せられることが期待されます。
第四に、計量器の製造、修理及び販売の事業の規制緩和につきましては、法制定後十五年を経過し、計量器工業の水準も相当に向上しており、今日では製造及び修理の事業について現行法のような検査設備、製造設備及び技術的能力の各般にわたりましてきびしくチェックする許可制をある程度緩和しても不良計量器の出回るおそれは少なくなったものと判断されます。しかしながら、計量器は産業活動、国民の日常生活等広範囲な分野の標準となる重要な機材でありまするから、一挙にこの規制を廃止することも問題があるといわなければなりません。したがって、本改正案におきましては、検査設備のみをチェックする登録制をとることといたしました。そして、このような事業規制緩和の反面、製造事業者に、製品の社内検査に関し、検査規程を作成、順守させる役務を課し、一定品質の確保のための自主的努力を促すことといたしております。
次に、修理事業についても、製造事業と同様の理由から、検査設備及び修理設備をチェックする許可制を検査設備のみをチェックする登録制に緩和しております。
また、販売事業につきましては、従来は全機種にわたる登録制を実施しておりましたが、改正案におきましては、審議会の答申のとおり、登録を要する機種を取り扱い上一定の知識、経験を必要とする機種のみに限定することとし、これを政令で指定することにいたしております。目下のところ、これに該当するものとしては、はかり及び体温計の二機種のみを指定する考えであります。
第五に、検定受験前の譲渡禁止を一部の機種を除き全廃する点につきましては、現行規定は全品検定により粗悪な計量器の流通を予防するたてまえをとっておりまするが、従来の運用におきましては、わが国計量器の品質性能の一般的向上をも配慮し、体温計その他の機種を除くかなり広範のものにつきまして、たとえば家庭用のはかりのように、取引上または証明上の用途に供されないものであれば、通産大臣の許可により検定前譲渡を認めてきておるのであります。このような実態に徴しまする場合、現行のように全品検定前譲渡禁止を法のたてまえとすることは、やや過剰規制のきらいも感じられますので、今般、行政審議会の答申に沿いまして、法の規定を実態に即応するよう改め、取引上または証明上の計量に検定合格品を使用するよう強制することをもって足りるものとしたのであります。
第六に、型式の承認制につきましては、検定においては、計量器が適当な構造を有しているかどうかという点と、その狂い──器差と呼んでおります、か、その器差が一定の検定公差の範囲内にあるかどうかという点がチェックされます。現行法は、個々の計量器につきまして構造と器差の双方を一品ごとに検査するたてまえをとっておりまするが、検定機関の能力の限界等からいたしまして、構造の検査、特に耐久性について十分な検査ができないことが欠点になっています。そこで、、今回の改正案は、特に構造の検査を詳細に行なう必要のある計量器であって、通常同じ構造のものが多数生産される機種につきまして、型式の承認制により検定の合理化をはかることとしたものであります。すなわち、これは、試験用の計量器を提出させて、耐久性等について十分な試験を行ない、これに合格したときは、そのメーカーまたは輸入者に、その後生産または輸入する同一構造のものについては、型式の承認を受けた旨の表示を付すことを認めます。そして、その表示が付されたものは、検定の際、構造の検査を簡略化して、主として器差のみを検介することとするものであります。これによりまして、構造のチェックの弧化と個別の検定の段階における事務の簡素化を何時に達成しようとするものでございます。この制度の対象としては、たとえばガスメーター、水道メーター、一般商店で使用されるバネばかり等を政令で指定するよう考慮いたしております。
第七に、消費者保護につきましては、今回の改正によりまして、次のような規定が法制化されることになります。すなわち、その第一は、政令で指定する商品を容器に入れ、容器とともに販売する場合には、その商品の量を正確にはかってそれを表記する残務を課す規定であります。この措置の対象といたしましては、ボンベにより販売される液化石油ガスを指定することをまず検討いたしますが、その他、合成洗剤等生活必需物資であって、その品質が均一で、購入者が主としてその量に着目して選択するようなものは、逐次検討し、できるかぎり広範囲に指定していく所存であります。第二は、商品をはかり売りする者に対し、その商品の量目を購入者に明示するようつとめる義務を課す規定であります。第三は、正味量を表記する場合には、政令で定めるところによりその商品の量目を購入者に明示するようつとめる義務を課す規定であります。これらの規定によりまして、消費者は商品の量目を明確に認識し得るようになり、商品選択の基準を持つことができるようになるわけであります。第四は、商品量目を正確にはかるようつとめる義務その他一連の訓示規定を順守していない者に対する勧告、公表の規定であります。第五は、自動的な機械装置により大量に計量、包装される商品の量目の取り締まりを抽出検査により行なうことができ、その結果が不良の場合は抽出にかかる商品全体の表示を抹消することとする規定であります。これらの規定により、従来の消費者保護に関する規定が相当是正補完され、量目適正化のための措置を強化することができると考えられます。
しかしながら、商品量目の適正化のためいま一つ肝要なことは、一般消費者の計量に対する関心を促進するとともに、第一線の指導、取り締まりを強化することでありまするので、計量モニターの制度等の充実、第一線の行政能力の向上をさらにはかっていく所存でございます。
最後に、計量証明事業でありますが、これは、運送、寄託または売買の目的たる貨物の積みおろしまたは入出庫に際し、貨物の取引額、運賃、寄託料等の算定基礎として、その貨物の質量、体積等を第三者的立場で証明する事業であります。現行法は、計量証明事業に用いる計量器につきまして、都道府県知事の登録制をとっております。現行法が制定されました当時は、事業者は数も少なく、地域的に限定されたものでありましたが、経済全般の発展に伴いまして、最近計量証明の需要は著しく増大し、現在事業所が約千三百に達しております。また、証明件数につきましても、三十四年に約一万五千件であったものが、三十八年は約四万件と著しく増大しております。
使用される計量器は、トラックごとはかる大型のはかり、すなわちトラックスケールが最も一般的でありまするが、その他、長さ計、皮革面積計等も用いられています。
証明の対象となる貨物の主たるものは、くず鉄、鋼材、非鉄金属、石炭等でありまするが、その他、水産物、薬品、皮革等広範囲にわたっております。
現行法は、登録の基準、取り消し等についての規定はなく、いわゆる無制限登録制であります。
今回の改正案では、計量証明事業の重要度が高まっていることにかんがみまして、その適正な運営を確保するため、事業についての登録制をとり、登録の基準、登録の取り消し等につき、規定めを整備することによりまして、監督を強化しようとするものでございます。
以上、計量法改正法案の提案理由につきまして補足的な説明をいたしましたが、何ぶん広範にわたる改正でもございまするので、詳細な点につきましては、御質問に応じてお答えいたしたいと存じております。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/5
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006・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/6
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007・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 速記を起こして。
それでは、これより本案の質疑に入ります。
質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/7
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008・永岡光治
○永岡光治君 ただいま計量法の一部改正法案が提案されまして、説明を受けたわけでありますが、実はこの法律の、全体的と申しますか、流れておる精神の根本問題について、二、三所管の大臣にこの問題を質問をすべきものだと思うのでありますが、通産大臣が見えておりませんので、各論と申しますか、そういうところから質問をせざるを得ない羽目になりましたが、次回の委員会にはぜひ大度に出席をしていただいて、その基本問題からただしたいと思いますので、間違いなく出席をされるように、特に要望いたしますが、その点をひとつまず政務次官から確約を私とっておきたいと思うのですが、よろしゅうございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/8
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009・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま御質問のありました、この次の十四日の木曜日であろうかと存じますが、大臣の予定はきまっておりますが、本日この当初に出席のできない関係もございまして、極力出席をいたしまするように努力をいたしたいと存じます。ただ、おそらく若干おくれて午後二時ごろになるかとも存じまするが、その点はお許しをいただきたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/9
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010・永岡光治
○永岡光治君 それでは、二時から出席できるということでありますから、二時に委員会が開かれるとすれば、必ずひとつ出席させてもらうように、特に念を押しておきたいと思います。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/10
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011・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/11
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012・永岡光治
○永岡光治君 それでは質問に移ります。
今回の計量法の改正でありますが、この第一点は、ただいま説明にありましたけれども、電気測定法を廃止いたしまして、計量法に統合するのだ、こういうことになっていると思うのです。
そこで、これは計量関係の法制の一元化のためと言われておりますが、電気測定法には、実はその内容の中に事業規制の規定はないのですね。電気関係の単位の名称を定める規定と、検定の規定、これだけだったと思うのです。そこで、これを計量法に統合するということによって、何かその間に不都合が起きはしないかと考えるのですが、その点をひとつただしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/12
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013・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 電気測定法の内容につきましては、ただいま先生御指摘のとおりでございまして、この中には事業規制というものが実は入っておりません。今回これが統合になりますると、いわゆる電気関係の計量器のメーカーも規制の対象になるということになるわけであります。ただ、電気関係の製造メーカーは比較的大企業でございまして、現状におきましても、十分りっぱな電気計器をつくっておるわけでございまして、これが規制の対象になりましても、特段にその面で支障を来たすということはないように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/13
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014・永岡光治
○永岡光治君 すでにある既設の電気メーカーは確かにそういうことになろうと思いますが、この新規のメーカーで不都合を生じることはないかどうか。つまり、新規のメーカーでも、いま事業規制等において問題となるであろうそれらの問題は、完全に基準をみな充足をして心配のない程度のものしか新規のメーカーもできないものと判断しているのかどうかですね、その点をあわせて御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/14
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015・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 電気関係の計量器のメーカーでございまするが、現在これを製造いたしておりまする社は九社ございます。いずれも相当なメーカーでございまして、今回の改正法案によりますると、いわゆる計量器の製造事業につきましては、いわば制限登録制と申しまするか、検査設備をチェックをして、そして検査設備が一定の基準に合格をしておれば登録をいたすということになっておりまするので、今回の改正法案によるいわゆる事業規制の制度から考えてみますると、現在の九社、いずれも検査設備等については十分な能力を持っているものと私ども見ております。さらに、この電気関係の計量器の製造者は、従来も非常に長い間にわたりまして、ずっとこれをやっておりまして、あまり新しい新焼の事業者はふえておりません。非常に安定した需要先を持っておる関係上、新規の業者が続々出てまいって、事業分野にまで変更が起きるというような事態は、あまり想像ができないのじゃないか、かようにも考えております。そういう意味合いから申しまして、ただいま御質問のように、今回統合することによって、それらメーカーの間、あるいは新規の業者等に不便が起きるものとは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/15
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016・永岡光治
○永岡光治君 電気測定法ができましたのが明治四十二年ですね、明治四十二年。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/16
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017・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 四十三年。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/17
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018・永岡光治
○永岡光治君 明治四十三年ですか。それから、この計量法ができましたのが昭和二十六年と思いますが、その計量法ができるときに、すでにある明治四十三年に制定されておりました電気測定法というものを、今回統合する以前において、二十六年の段階で統合できなかったのかどうかですね。なぜ統合できなかったのか。今日はそれを統合するだけの条件が変わってきたのかどうかですね。その点の答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/18
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019・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) だいぶ前のことでございまするので、当時の事情については、私も実はあまりつまびらかでございませんが、計量法の制定が議題になりました昭和二十六年当時、やはり計量法の制定にあたって、電気測定法一本にしたらということが議論になったように聞いております。政府部内におきましても、この両方の統一をしたいということで、何度かその点についての検討が行なわれたという記録が残っております。ただ残念なことに、当時まだ昭和二十五、六年といういわば終戦後の混乱の時期でございました。計量法一つまとめるにも、相当な困難があった時代であったように思います。そういう関係から、一挙に電気測定法を入れ込むというだけの準備がそろわないために、そのまま別法として残されたという事情であったかと存じます。その後十五年たってまいったわけでありまするが、その間数回にわたりまして計量法の改正が議論されました。そのたびに電気測定法を入れたらということで、やはり検討が行なわれております。今回、これを踏み切りましたわけでありまするが、何と申しまするか、そういう何度かの仕切りを経て、いってみれば、ここで機が熟したと申しまするか、そういう形になって、今回これが統合された。また一方では、電気計器──あとで御質問等があれば御説明したいと思いますが、電気計器検定所というようなものもはっきりとできまして、電気計器についての検定の体制も整ったというような事情等も加わりまして、今回これを統一するということになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/19
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020・永岡光治
○永岡光治君 まだその点がどうもはっきりしないんですが、昭和二十六年の段階でこの法律を統合しなかった理由ですね、何か特別な障害なり支障があったのかどうか。確かにあった、だろうと思うんです。なければ、おそらく統合しただろうと思います。それをはばんだ何かがあっただろうと思うのですが、それは何があったんですか。それが今日はどういうように解消されたから、それが統合されたんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/20
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021・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 先ほど申し上げました、何ぶん十五年前の古いことでございまするので、記録でしか私どもわからないわけでございます。当時いろいろ議論がありました中に、一つは電気関係は戦争中に当時の商工省に統合されたわけでございますが、それ以前は逓信省の所管でございます、電気関係の事業につきまして。逓信省の所管でございます。そういうふうなこともあって、その後商工省に統合され、終戦後、また商工省、通産省というふうに行政が移ってまいったわけでございます。電気測定法はもともと、先ほど申し上げましたように明治四十三年に制定をされておりますが、その当時の所管は逓信省であったというふうに私ども記憶いたしております。そういったことから、当時終戦後、まだ五、六年目でございまして、いわば法律体系あるいは行政組織といったものにつきまして、いろんな考え方が当時内外にあったように言われております。そういう点もあって、一挙にこの法律を入れ込むということに、やはり若干の難点と申しまするか、あるいは二の足を踏むと申しまするか、そういったような事情があったというふうに私ども承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/21
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022・永岡光治
○永岡光治君 これはあとで調べてもらって答弁してけっこうですけれども、やはり専業規制の問題が当時はなかったわけですね。それが、今度はこれが事業規制に入るわけでありますから、その関連もあって何か考慮されるべきものがあったのではないかと、これは私想像ですが、しかし統合しなかったのは、ばく然とした何か事務手続の問題でめんどうだったから統合しなかったのか、何か実質的に支障があってしなかったのか。そういうものもちょっとあとで調べて御返事をいただきたいと思います。
それから、次にお尋ねするわけでありますが、この計量器の事業規制というものが、今度から改正になるわけですね。そこで、製造、修理については、許可制から登録制にこれが移行されておるわけでありますが、その緩和をはかられたというものについて、何か理由があっただろうと思うんですね。それはどういう観点から規制を緩和して登録制にしたのか、その点について御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/22
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023・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 計量器の行政と申しますのは、たいへん度量衡法時代以来伝統の古い法律でございます。また、いわゆる計量器そのものが、産業活動から私ども日常生活全般に及ぶ一つの基準をきめるものでごさいますので、いわば計量器製造業というものが非常に厳重な監督を必要とし、またそこで製造される計量器が、相当高い精度を持つものが必要であるということは当然でございます。そういう意味合いから、従来、いわば行政事務といたしましては一番強い縛り方で、いわゆる事業許可制というものをとっておったものと考えます。今回、この改正案を検討いたしますにあたりまして、先ほども補足説明の中で御説明申し上げましたように、審議会等の結論では、いわば一つの面では、大きく計量器製造業というものの技術水準が進歩をしておる。そこまで詳しく中に立ち至って許可制をとらなくても、出てまいる計量器については、相当程度粘度の高いものが一般的に出るようになった、こういう判断もいたしております。私ども行政当局から見て、この点は同じ判断を加えてしかるべきものと考えております。その点が一番大きな規制緩和の要因でございます。
それから第二の点は、これは臨時行政調査会の答中にもございまするように、なるべく行政事務の簡素化をはかり、許認可制というものをなるべく少なくして、一般の力の利便を促進するということを考えるべきであるという答申が出ております。こういう実態が、すでに技術進歩に基づいて十分なる精度の高い計量器ができるという実態であり、また行政事務の面も極力その能率化をはかるべきだということでございまするので、両々相まって今回の緩和措置に改正をするということになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/23
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024・永岡光治
○永岡光治君 ところで、対象を限定をしておりますですね。この緩和をはかられたにもかかわらず、これこれだけは別途除いておるわけで、その対象の体温計とはかりですか、そういうふうに限定をしておりますが、その限定した理由はどこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/24
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025・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま体温計とはかりという例示が出されたわけでありまするが、ただいま先生の御質問は、おそらく販売事業の点であろうかと存じます。販売事業につきましては、従来からも登録制という点でございまして、この登録制ということは、従来と変わりはございません。ただ従来は、三十八のいわゆる機種をこの法律で指定をし、その三十八の機種については、どの機種を販売しておるものも、全部登録が必要である、こういう制度に相なっておったわけでございます。それを今度緩和をいたしまして、特にその精度の維持をはからなきゃならぬ、また、それを販売するについて一定の知識、経験を有しなければならぬ、こういうものに限って販売の登録をしょう、こういうことに緩和をいたしたわけでございます。その代表的なものといたしまして、私ども現在のところはかりと体温計、この二種の販売をする人だけを登録の対象にしよう、こういう考えでいま準備を進めておるところでございます。はかり等は、きわめてでき上がりを見てみますると、簡単な機械のようでございまするけれども、相当輸送途中その他におきまして誤差が出てまいるもののようでございまして、したがいまして、一ぺん販売業者がメーカー等から受け入れた後におきまして、販売する前に十分調整をして、誤差の少ないような形にしてこれを販売するという必要があるものでございまして、そういう点からいたしまして、体温計につきましても、やはり国民の保健上重要なものでございまするので、やはり販売いたしまする前に、十分調整をして販売する、こういう、両方ともいわゆる販売上知識経験が必要だというものだけを対象にいたしまして、これを販売するもののみを登録の対象にするというふうに、今回制限を緩和いたした次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/25
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026・藤田進
○藤田進君 ちょっと。まあ立法の動機なり立案の手続段階等のことが言われておるのですが、一点お伺いしておきますが、いま説明をされました補足説明で、審議会の答申が昭和四十一年五月に提出されたようですが、これは間違いないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/26
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027・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 審議会の答申は四十年の五月にいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/27
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028・藤田進
○藤田進君 それならば、ここにいない人は読んで、委員は何ぼんやりして速記をつけて審議しておると思われる。説明もそうだし、文書もそうなっておるのです。こういう点はやはり用心してもらわないと困りますよ。ぼくはきょうはまだそんな日になってないと思うから聞いている。はっきり訂正してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/28
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029・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいまたいへん重要な点を御指摘を受けまして、まことに恐縮に存じております。ただいま私が御説明申し上げました審議会の答申を受けました月日でございますが、四十一年五月と申し上げたのは誤りでございまして、四十年五月でございます。つつしんで御訂正を申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/29
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030・永岡光治
○永岡光治君 次に、行政事務の簡素化と、技術水準ですか、それが上がったために、簡略にするために登録制にした、こういう説明でありますが、しかし実際問題として、それでは今度登録制が、そんなに、登録制そのものをとった場合に違うかというと、あまり違わないと思うのですね。ずいぶん簡略はしたけれども、登録されなければならぬと規定されたもの、そのものですね。それはどうも私はあまり差異はないのではないかと思うのでありますけれども、実質的に許可制と登録制にはどのような──実質ですよ、どのように変わりがあるのか、条文を見てみると、あまり実質上は変わらないように、ただ許可という文字が登録という文字に変わっただけのような気がいたします。ただし除外した分がございますね、その分は簡略されたものがあると思います。登録されたものと規定されたものについては、許可というものとはあまり変わりはないじゃないかという気がいたしますが、それはどのように解釈しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/30
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031・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 現行法では許可制をとっておりまして、この許可の基準についていろいろ規定をいたしております。その許可の基準のおもなものは、まず製造の設備、それから検査の設備、さらに技術能力といったような点が、一定の基準以上であるということで許可の、審査と申しまするか、そういうことをやって、その後に許可をする、こういうことになっております。今回の登録制は、いわば制限登録ということでございまするが、ただチェックをいたしますものは検査設備だけをチェックしよう、こういうたてまえでございます。ちょっとこれは、言い方は誤解を生むかもしれませんが、私ども審議会の、議論の過程を聞いておりますと、いわゆる従来の事業許可制というものを、いわば対人的な審査基準と申しますか、対人審査といいますか、こういう感じで、いわば製造設備、検査設備という物理的なもののほかに、技術能力ということになりますると、その会社に適当な技術者がおるか、どのくらいの経験を持っておるかというような、いわば対人的な審査もして見なければならぬというようなことでございます。今回の登録制の場合には、ただ物理的にと申すと、はなはだ簡単のようでございますが、いわゆる検査設備だけを審査をして、それが別に定められました一定の基準に合格しておれば直ちに登録をしてしまう。こういうことでございまするから、登録の事務自身は、いわば物理的と申しますか、対物的と申しますか、そういうかっこうで行なわれますので、いわば登録の申請がありますれば、現場に行って検査設備だけを見てくる、それがオーケーならばすぐ登録する、こういうことになるわけです。従来の許可におきましては、ただ設備だけを見るわけじゃなくて、一つの事業許可でございますから、あるいは事業そのものを全体として、特に技術的な観点から審査をするという点でありまするので、いわば審査官等も相当経験のある者が参り、現場について相当な分析判断等を加えなければ許可ができないということでございます。やはりこの間相当な事務的な簡素化、あるいは合理化と申しますか、そういう進歩があるように私ども実際問題として考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/31
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032・永岡光治
○永岡光治君 そうすると、ことばじりをとらえるのではありませんけれども、検査設備と、それから製造設備、それから技術的水準と、こういうものがあるから、これは許可なんだと、しかし製造設備と技術水準というものを除いて、検査設備だけにしたから登録という文字に変えたのだと、そういうふうに解釈すべきなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/32
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033・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 検査設備だけを審査をして許可をするということも、あるいは許可ということば、これはまあ問題になりますが、実質的には、いわば従前の許可制の場合には、いま申し上げましたように、製造設備につきましても、これは各社相当まちまちでございます。また技術能力に至りましては、これはなかなかめんどうな審査が要るのでありまして、いわば行政裁量というものが相当入り込む余地が大きい点がありました。そういう意味から、ことばの使い方も許可というふうになっておるのだと思います。今回の場合には、先ほど申し上げましたように、対物的な検査設備だけを見に行って、それが一定の検査の設備としての基準に合格しておれば、もうすぐオーケーということでありまするので、許可ということよりも、従来の法制用語で申せば、登録というほうがよりふさわしいことばではなかろうか、こういうことであります。本質はあくまでも、従来ややそういう面で行政裁量の余地の多い仕事であったものを、そういうものの非常に少ない対物的な審査だけにとどめるというふうに変わってまいるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/33
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034・永岡光治
○永岡光治君 要するに、登録もやっぱり一応の条件が整っていなければ認めないし、許可も一定の条件があれば、事務的に許可しなければならないと思いますが、同じだと思いますが、まあそれは多少ニュアンスとして簡略にしたということでおそらく表現を変えたんだろうと思いますが、まあそれはそれとして、次に質問を続けますが、この計量器の検定ですが、定期検査が法律上の義務事項になっておりますが、それからそういう意味では必要な予算を確保されやすいのでありますけれども、消費者を保護するために立ち入り検査をするわけですね。その立ち入り検査などで法律上の義務事項になっておらないものについては、どうもそれだけの陣容を確保して直ちに立ち入り検査をしているかということになると、これはなかなかむずかしい問題になるのではないかと思うわけです。そこで十分な立ち入り検査を実施するということは必要であり、これの指導取り締まりがの計量の安全確保、特に消費者のほうの立場から十分これを徹底していかなければならぬということになると、相当の陣容の確保を要する、したがってそれだけの予算を何とかして確保しなければならぬというわけでありますが、その用意はどの程度整っておるのか、それを御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/34
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035・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 法律案でも明らかでございまするように、この計量器の計量行政と申しますか、これは通産省を中心にいたしまして、各都道府県、あるいは私どものほうの通産省の関係いたしておりまする計量研究所、電気試験所、資源技術試験所、こういったような国の研究機関、さらに都道府県にございまするところの計量検定所、こういったものが非常に広範にこれに参画をいたしております。たとえば、検定の問題、先ほど先生の御説明のございました立ち入り検査の問題、あるいは量目等の適正を期するための何と申しまするか、一斉取り締まりと申しますか、そういう取り締まりの問題、いろいろな面で、これは国だけではなくて、都道府県あるいは都道府県の検定所といったものまで実は動員して、広範な行政をやっているわけでございます。ただいま御指摘のように、今回消費者行政の強化ということを、今回の法改正の一つの眼目にいたしておりまするので、私どもといたしましても、従来やっておりましたいわゆる量目取り締まりその他の面につきまして、今回の法改正では、従来政令で指定していないもの等につきましては、何ら措置がなかったわけでありまするが、今回はこれにつきまして、不正があれば勧告をするとか、あるいは勧告をしても聞かなければ公表するとかというような制度を今回新たに設けることにしたわけであります。したがいまして、こういうことをいたします以上、相当な陣容と予算等をもちまして、これが完全な施行をはかる必要があることはもちろんでございます。従来都道府県あるいは本省等通じまして、相当数な人間がこれに関与をいたしておるわけでございまするが、今後とも都道府県の予算、あるいはこういったような研究所、検定所等の人員等におきまして、私どもこの法改正を機会といたしまして、各都道府県あるいは自治省とも十分連絡をとり、また強い要請を行ないまして、御指摘のような行政事務が円滑に行なわれますよう、一そうの努力をいたしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/35
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036・永岡光治
○永岡光治君 この計量行政について、地方公共団体の受け持っている事務が非常にたくさんあるわけですけれども、いまお話によりますと、それらの問題は関係省と連絡をとって予算の確保、人員の確保ができるように努力したい、こういう腹がまえだという抽象論に終わっているわけですが、あなたは各県の実際計量行政に担当しておる人員は調べておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/36
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037・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 計量関係はいまどの程度の陣容でやっておるかということにつきまして資料で御説明いたしまするが、大体都道府県の関係から申し上げますと、現在都道府県関係で計量関係の業務に携わっておりまする者は、全体で九百十二名でございます。そのほか特定の市、これは現在大阪を含めまして六十三市が特定市ということになっておりまするが、特定市の計量関係、この人員が全部で三百一名でございまして、ほぼこの都道府県あるいは特定市、この合計をいたしますると約千二百名程度の人員が、この計量関係の行政あるいは取り締まり、検定といったものに従事をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/37
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038・永岡光治
○永岡光治君 ただいまの説明きですと、やっぱり都道府県で九百十二名、これは、たいした数じゃ私はないと思うのですが、私もここに、手元に若干の資料を用意しておるわけでございますが、たとえば、四十年度の検定所、これを一つ例にとったわけでございますが、これも関連があるわけでありますけれども、その検定所の所員の数を見ますと、なるほど東京都、これは大きいので百八十六名でありますが、あとは段階がぐっと減っております。北海道のようなあんな広い地域でわずかに三十七名、それから県は小さいといいながら和歌山県あたりでは四名です。それから島根県も四名、高知県五名、あんな広いところですが、これでも五名、そういうところで、一体年次休暇その他を考え、事故を考えると、おそらくもう地方を回るような、あるいは仕事が十分できるような数じゃないと思うのですけれども、こういうのを十分認識の上であなたがたは考えておるのかですね。これは昭和四十一年度の地方計量予算として私の手に届いておる資料ですが、これをもう少し改善しなければならないと私思うのですが、どのように考えておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/38
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039・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま先生から御指摘のとおりでございまして、私ども昨年あたりの審議会を通じましても、都道府県の陣容が非常に少ない、それからただいま御指摘のように都道府県間に相当なアンバランスがあるのじゃないか、こういう点が審議会でもやはり議論が出ております。私どももこういったような点は十分承知をいたしておりまして、はなはだ遺憾なことに存じておるわけであります。ただ、都道府県によりまして、この計量関係に非常に重点を置いておりますところと、まあ何と申しまするか、ある程度そうでないところとがどうしても出てまいりまするので、私ども従来に引き続きまして、また今回特に法改正を契機に、こういう御指摘をいた、だきましたことを契機にいたしまして、自治省その他関係の都道府県、市町村とさらに十分折衝いたしまして、今後万遺憾なきようつとめてまいりたい所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/39
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040・永岡光治
○永岡光治君 私があげた数字は、これは四十一年度の四月からの予算なんですね。従来の予算でないんで、ですから、従来こういう少ない予算だから、今度四十一年度のときは少し考えましょうというのであれば、これはまた多少増員をしてくれるのかと思うんですが、私の承知している限りで、これはあるいは資料が誤っているのかもわかりませんが、四十一年度予算ですでにそのような数字ですから、今後十分努力しますということは、この年度には間に合わないわけだと思います。何か途中で、実行予算の上でさらに補正をしていくのかどうかわかりませんが、あなた方が消費者の立場を擁護して、十分その消費者を保護していきたい、そのために立ち入り検査をどんどんやっていきたいと言い、計量の指導も大いにやりたいと言うわけですから、私は四名の陣容ということになると、係長が一人おったとすれば、あまり出られないと思うんです。そこで庶務担当者が一人おるということになると、もうそれでお手上げじゃないかと思うんですがね。これはもう私が言うまでもなく、官僚の組織の中においでになっておる皆さん方ですから、官庁組織においでになっておる皆さんですから、十分わかると思うんですが、ねらいは、えらい大上段に振りかぶったけれども、いざ実行の上では、どうも蛇尾に終わっておるという感を私は深くするわけです。これは十分再検討してもらいたいと思うんですが、このままでしかいけないのですか。まだ再検討の余地があるんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/40
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041・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘の点でございまするが、この陣容は、私どもから見てもまことに不備であり、かつまた府県別に見ましても、市町村別にも相当ばらつきがあるという点は、御指摘のとおりでございまして、私どもの努力の足らないところと反省をいたしておるわけでございます。ただ、逐年の経過を見てまいりますると、少ないとはいえ、都道府県関係でございますると、昭和三十八年が八百二十九名でございましたので、その点から見ますると、まあ八年、九年、四十年とわたりまして、約八十名近く金川では増員になっております。また特定市におきましても、昭和三十八年当初が二百五十四名でありましたものが、三百一名まで、約五十名程度でございまするが、逐年ふえてはきておるわけでございます。こういうことで、全然この行政が等閑視されておるとかいうことではございません。都道府県、市町村でも、やはり何と申しまするか、人声の合理的な配分を行なっておる際でありまするので、そのさなかで、こういう形で八十人あるいは五十人という人間が二、三年の間にふえたということは、ある程度市町村としても、こういう方向に意を用いていることは、ひとつ御了解をいただきたいと存じます。先ほど申し上げましたように、さらにこの線に沿いまして、都道府県を督励をいたしまして、また自治省当局と十分折衝いたしまして、今後拡充につとめてまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/41
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042・永岡光治
○永岡光治君 特にこの点は、実は大臣のほうに要望すべき事項かもしれませんが、やはり予算折衝に当たるのは、事務当局が第一段階に当たるわけですから、強く要望しておきたいと思いますが、どうも日本人の全体の計量観念、それを改めて普及徹底させるという仕事があるわけです。これなくしては、せっかくりっぱなものをつくりましても意味がないと思うのですね。確かに計量器は規制をしたけれども、また法律でもりっぱに消費者は保護されているけれども、消費者がそれを知らないのじゃ、あるいはこれになじめないのじゃ、これは意味がないのであります。特にこの計量単位がこのように変わってまいりますと、その点も特に私も必要な時期にきているのじゃないかと思いますから、それはあまりおろそかにせずに、この点は簡単なようだけれども、思い切って予算をとってぜひ善処してもらいたい、このことを特に要望しておきたいと思うのですが、これは所管大臣に質問したいと思いますけれども、きょうはことのついでと言ってはたいへん申しわけないわけでありますが、堀本政務次官もおいでになるようでありますので、この際事務当局に申し上げるのもいかがかと思いますから、政務次官にひとつ代表して御答弁していただきたいと思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/42
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043・堀本宜実
○政府委員(堀本宜実君) ただいま御指摘になりましたように、この問題につきましては、ことに国民の計量観念といいますか、われわれ今日なお十分ではないと考えております。今後ものごとを数量によって把握するという時代が参っておりますような、科学的な生活態度という、この時代に即応いたしまして、今後大いにこの計量器というものについての態度の認識を進めていき、またメートル法におきましても、その推進をはかっていかなければなりませんので、今後特にこの教育面あるいはPRの面、あるいはその正確を期するためへの人員の配置等につきましては、格段の努力を払わなければならぬことであると思うのであります。
なお、このような法の改正が土地建物等にも行なわれ、なお、この計量法が、簡素とはいえ、相当部分の改正を加えられた今日でございますので、なお一そうその感を強くいたします。つとめてこの問題については真剣に、予算の獲得はもとよりでございますが、府県に対しましても、自治省等と相談をいたしまして、強化をはかりますよう努力をいたしてまいりたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/43
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044・永岡光治
○永岡光治君 次にお尋ねいたしますが、この計量器の検定合格前の譲渡禁止の問題でありますが、これは改正案では「体温計その他の政令で定める計量器」とありますが、これはたしかはかりとかいうようにも承っておりますが、それ以外のものは証明上に使用するという、そのときまでに検定を受ければいいということになるわけですね。そうなりますと、この証明上に使用しない前の段階では、これが流れるおそれがあるわけですが、この検定の完全実施ということが、ほんとうに確保できるかどうかということがちょっと私、気になるわけでありますが、その点をあなた方どういうように考えておるのか、これでやっていいと考えておいでになるのか、まだ私どもは心配になるような気がするわけでありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/44
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045・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) この点は、実は私どもも昨年来この改正案をつくりますときに、いささか気にもなっておりますし、まあ今度の改正をいたしますときに、この点も非常な慎重な態度で議論をしてまいったところでございます。従来のこの法律の立て方が、御存じのように検定前の譲渡を一応たてまえとして全面的に禁止をする、ただし、その取引、証明等に用いないものは、通産大臣の許可を受けて引き渡しができる、こういう法の立て方になっております。実際問題としましては、たとえば一番多いのは、どうも学校用ということでございますが、学校で教材に使いますとか、あるいは工業学校等の実際の実務訓練に使うとか、いろいろなことで教材用のもの、それから一般の家庭内でキッチンスケールというようなもの、こういったものがいわば取引、証明外のものということで、通産大臣の許可を受けた範囲で検定前でも引き渡し、かできるたてまえになっております。この点につきましてはいろいろな考え方がございまして、法律本来のたてまえからいえば、取引、証明に使うものがきちっと検定を受けておればいいわけでありまして、何も家庭で使ったり、学校で子供に教材に使わせるというものまで検定を受ける必要はない、これは法律のたてまえから言って当然であります。しかし、逆にそこをルーズにしておくと、その先生御心配のように、不良品が出回って、それがこの取引、証明のほうに流れていくということがあっては、これは一大事でございます。これはメーカーのほう、あるいは販売業者その他を通じていろんな角度から検討してみた結果でございまするが、従来の通産大臣の許可というものはどういうふうになっておるかと申しますると、必ずしも一件一件の計量、たとえば、はかりといったようなものをエンド・ユースまで、最終需要まで確かめまして、これは何のたれべいさんの家庭で使う分でございますから、これは取引、証明用じゃございませんというところまでつかまえて、一件一件許可しているわけじゃございません。大体メーカーとしては、学校にこのくらいの需要がある、家庭の中で検定のないものを使う件数が大体このぐらいあるということで、ほぼその辺をにらんで許可を受けてきている。それを私どもとしてはメーカーを信用してと申すと語弊がありますが、一方、メーカーもそういう不良品が流れれば、逆に自分のほうの責任にもなりますので、その辺はお互いにある程度信用いたしまして従来運用してきております。そういうような運用の実績等から見ましても、許可をしたもので、現に未検定のものが、たとえば店頭に置かれておる、取引に使われておるというようなことは見かけないわけでございます。そういう過去の実績等から考えまして、この際、むしろ、法の立て方といたしましては、そういう原則禁止、例外許可というたてまえで運用しておったものとほぼ同じ実態でございまするから、現実は取引、証明だけのものでよろしい。そして、もしかりに、取引、証明に使わないつもりで買った検定的のものを使おうとするんなら、そのときに検定を受けなさい、こういう立て方に直すほうが、いわば実態にも即しておるし、実際の許可事務というようなものも少なくなる、全くなくなるわけでございまするので、一般の利便ではなかろうか、こういうことで法のたてまえを変えたわけでございまするか、実態はあまりこれで変わってこないと私ども実は考えておるわけでございます。そういう点から、こういうふうに法の立て方を変えたからにわかに実態は変わるものではないという前提で考えますると、心配されるように、未検定のものがどっと取引、証明等に横流れをするというようなことはまずまず考えられないではないか。特に取引、証明用のものにつきましては、取り締まり等も厳重にあるわけでございまするので、まずその心配はないのじゃないか、かように考えております。また、欧米その他各国の計量法をずっと勉強してまいっておりまするが、いずれも、欧米その他の各国におきましても、計量法においては今回の改正法案のような法律の立て方をとっております。そういう点等も参考にいたしまして、今回の改正案をつくりましたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/45
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046・永岡光治
○永岡光治君 重ねていまの点をお尋ねいたしますが、今日までの実績でそういうものはなかったか、かなりやっぱり流れておる実績があるんじゃないかと思うんですが、それはなかったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/46
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047・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 一斉取り締まりその他の結果、あるいはあるかもしれませんが、ただいまその結果について具体的な数字を実は持ち合わしておりませんので、次回までに取り調べまして御答弁申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/47
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048・永岡光治
○永岡光治君 そういう問題と関連をしてでありますが、検定を受けておることになると、安心してもおれるわけですね。そこで、検定されたものだという表示の方法、これは小さくやられてはかなわぬので、できるだけ目に見えるようにしなければならぬ。そういうものはどういうふうにあなたのほうは指導されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/48
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049・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) この点は、実は私もたいへんおくればせながら、昨年あたりメーカーあるいはその他のところを見てまいりました。案外、検定印の小さいのに私は驚いたわけです。マル証という印が小さく押してございます。これでは一体一般の方が買うときに、検定ができておるのかどうかわからぬじゃないか、マル証の印というのはもっとでかくわかるように、一番目立つようなところに押したらどうだという話をメーカーの方にいたしましたところが──話がたいへん余談になって恐縮でございまするが、どうも全体のデザインといいますか、美観を害するといいますか、そういう点があるということが一つと、それからもう一つは、メーカーも従来からそういうことで長年やってきておりまして、特に販売業者こういった計量器というのは、あまりしろうとが使う例は少なくて、いわばそれを商売の道具にしておるというのか大部分でございます。家庭で使う場合もあろうかと思いまするが、それを一つの商売の道具にしておるわけでありまするので、販売業者等にそれを購入に参ります場合に、販売業者等が十分使い方とかあるいは調整のしかたとか、そういうものを指導しながら売っておるというのが多数の例のようでございます。そういう点からいたしまして、いわば販売業者も、買うほうも、相当程度従来からの検定に長年なじんでおって、そう不便がないように思うというようなことも、実は聞かされておるわけでございます。しかし、私どもしろうとから見ますると、いかにもどうも検定印が小さくて不便だという気がいたしまするので、今回の法律の改正を機会にいたしまして、実は先般来、検定合格印を大きく押してもらいたい、できれば全体のデザインを害さない範囲で見やすいところにつけてくれという指導を先般来やっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/49
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050・永岡光治
○永岡光治君 私たちもやっぱりそういう感じを深くするわけで、デパートはあまりごまかすことはないのだと思うけれども、あすこに行ってみると、人間には大きな番号を打っておるけれども、計量器には大きな表示をしていないのです。小さい店に至ってはなおさらそうだろうと思うのです。はかり方もいろいろありましょうけれども、ぜひ一般の人が安心して、これは合格印だということがわかるような表示の方法を特段にこれはやっていただきたいと思います。
それから、実はこれは販売登録の問題になるわけでありますけれども、皆さんのほうにも、あるいは届いているのかもしれませんけれども、宮崎県下の薬局のほうから陳情も参っておるわけでありますが、例の体温計の販売については、薬事法ですか──薬事法では一応これを許可を受けることは義務づけられておるわけでありますが、今度これかまた、体温計の販売で登録制──登録ということになると二重のことになるのじゃないかという気がいたしますが、したがって、その言われておる趣旨は、体温計について、薬局が売る場合には、これはもう登録の必要がないのじゃないか、こういうことを言っておるわけでありますけれども、いや、それは必要なんだという理由が通産省のほうで何かあれば、お聞かせいただきたいと思いますが、これは実はこまごまと請願の手続をとりまして本委員会にも出ておる内容のものであります。この点についてちょっと御答弁いただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/50
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051・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のとおり、薬事法では一般の医療器具、医療容器等につきまして、これを医療用具の販売業は届け出制ということで規定をいたしております。体温計も、もちろんここに規定をしておる医療用具の一つでございます。そこで、届け出でいいじゃないか、こういう議論が出てきておるわけであります。ただ、私ども、正確な体温計というものを供給をするという立場からいたしますると、一般の医療器具と違いまして、いわば体温計については、相当取り扱い上と申しまするか、正確なものでなければならぬ、いわば国民の保健の非常に基礎になるものでございます。どうも私個人的なことを申して恐縮なんですが、私の体温計なども五、六年たっておって、おそらく、どっかに持ち込んで検査してもらうと非常に狂っておるの、じゃないかと思います。体温計で困ることは、定期検査がないということであります。家庭に持ち込まれてしまいますので、年一ぺん必ず検査しなければならぬということではないものでありますから、とにかく、売るときには検定に合格した正確なものを売るということでございませんと、かりに、体温計につきまして、そういう不良品が出回るというようなおそれがある、販売業者が、これを売りさばくということになりますと、国民保健の上でも非常に大きな支障を来たすということになるわけでございます。そういう意味合いから、あくまで正確な体温計を売ってもらわなければならぬということでありますので、先ほど申し上げましたように、検定前の譲渡につきましても体温計は禁止をいたしております。これはもう全部検定を受けなければ売り渡してはならぬということにいたしております。そういう規定のたてまえからいたしまして、やはり体温計につきましての販売業者につきましては、これを登録の対象にしたい。はかりはやはりいろいろな意味で、私ども日常生活に非常に関係がございますので、これもどちらかというと狂いやすいもの、いわば調整をしながら使っていかなければならぬ、あるいは、先ほど申し上げましたように、輸送途中でもある程度器差が狂ってくるという点も心配だという点もありますので、はかりと体温計については、これを販売登録の対象にしよう、こういうふうに考えておるわけでございます。
ただ、体温計につきましては、いま申し上げましたように、どうしてこれをチェックするかということが問題でございまして、実はいままでのところは、年に一度ぐらい日をきめまして、都道府県の検定所でありますとか、あるいは計量研究所に持ってこられれば、いつでも検査をしてあげますという呼びかけをしておりますが、一本三百円の体温計の検査をしてもらうのに電車賃まで使って行くという人はあまりないということで、実は私ども、家庭の体温計が正確かどうかということで非常に心配であります。そこで、先般来、体温計を簡単に何か検査をする設備はないかということで、計量研究所のほうでいま研究をしてもらっております。ある程度簡便な体温計の検査定の設備ができそうでございます。これを薬局の適当な方に講習会か何かやって教えていけば、側々の薬局でなくても、一町内一つでもそういうものを共同で置いておいて、家庭の体温計を持ってきて、ちょっとはかってもらって、どうもこれは一度ぐらい違うということであれば、新しく買いかえるということも起こってくる、そういうことを実は今後引き続き実施をしてまいりたい考えを持っております。そういうような点等から考えまして、ただいまのように、薬事法の届け出制だけでは、計量という面から見まして、やはり不十分じゃなかろうか。今後そういう簡単な簡易検査と申しますか、そういった制度、また、それに従事します者の講習というものを通じて、一口も早く私どもの家庭の体温計が正確なものになるように努力を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/51
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052・近藤信一
○近藤信一君 関連。いまの御答弁の中で、計量器の販売のことが触れられましたですが、これは計量器販売に対しましていろいろと疑問の点があって、昭和三十三年の改正のときに、特に同僚阿部竹松委員から、この点を、時の局長、岩武さんが重工業局長、それから前尾通産大臣、このお二人からの答弁の中で明らかになっておるのですが、薬事法によると、やはり販売は登録が必要である、しかし、これを広く普及するためにおいては、たとえば農業協同組合だとか、または生協とか、その他の厚生団体でもよろしいし、こういうところで販売のあっせんをする、こういうのに対しては登録の必要はない、こういうことを明らかに答弁をしておられるのですが、この点は今日私なお生きておると思うのですが、いまのあなたの答弁でいくと、こういう点にはまだ触れられていないのだが、一体こういう点はあなたはどう判断しておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/52
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053・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま、前回の法律改正のときの議論を御指摘になったわけでありますが、これは本来こういったような医療器具、私のほうからいえば体温計という計量器、これを、この販売を業としておる者かどうかという判断であろうかと思います。その当時から私どもも、もちろん、そういったものの販売促進、一般への普及といったことも大事でございまするので、これを本来の業としてする人は、もちろん登録の対象にしなければならぬ。本来の業でなくて、まあ一回限り、農村の家庭に体温計がないから、この際ひとつ体温計を皆さん備えなさいと言って売って歩くと、こういうことについては、業とすることでないという解釈でやっていいではないかと、こういう立場をとっておるわけであります。現状におきましても、その点の考え方は変わっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/53
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054・近藤信一
○近藤信一君 そういたしますると、業としていない、そういう団体については、これをあっせんして販売する、あっせんするということは販売することになるのですが、これに対しては、当時通産大臣も局長も、これは業ではないからこういうところのあっせんについてはこれを規制しない、これは登録しなくてもいいと、こういうことで、いま一応次長も同じような答弁をしておられるので、この点については、今後も変わりないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/54
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055・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 今後におきましても同様の解釈でまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/55
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056・向井長年
○向井長年君 ちょっと一、二点質問いたしますが、私は不勉強でよくわからないのですが、特に近年、計量器産業の技術水準が高まったこと、一般の消費者の保護と、こういうところから基本的な必要が生じてきたと。これはどういうことなんですか、具体的に。この趣旨説明の中にあるわけですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/56
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057・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 今回の計量法改正の柱はいろいろあるわけであります。その柱について提案理由の中で御説明申し上げておりまするが、その一つの大きな柱が、電気測定法の統合問題、それからもう一つは、先ほどお話がございました計量器産業、計量器製造業の技術水準が、当初の法制定から十五年たっておりまして、この間の技術の向上をフォローしてまいりますと、非常に高まっておる、こういう技術水準が高まって、不良計量器というものの製造が少なくなってまいっております。一般的に非常に高度の計量器が出回るようになってきたということ、これの影響として、今度の改正の中に織り込まれておりまするのは、やはり一つは、対象機種を少なくする。従来、三十九も対象にしておりましたものを十八ぐらいにしていいじゃないか。他のものは相当高度に技術も発達をし、また、消費者もある程度消費者といいますか、使用者、こういったものも習熟をしてきたし、ある程度限定をされてき、一般の取引、証明というようなわけでもない、こういったような感じでありますけれども、基盤としては、技術が向上してきたということを背景に機種の制限をいたしましょう。また、いままでの事業許可制度につきましても、やはりこういった技術の水準の向上ということを背景にいたしまして規制の緩和をしていく、登録制に変えるという点が、今回の法改正の第二の眼目でございます。
それから第三の眼目は、これとはまた別の問題でございまして、いわゆる国民生活、消費者生活というものの保護、あるいは向上対策という面からして計量法というものを見てまいりますと、やはり従来の計量法には相当まだ補完をし、充足をし、強化をしなければならぬ、面がある。そういう面で、消費者保護という観点からの強化、補完をはかるという点が、大きく分けて第三の今度の改上正のねらいである。こういう点で三つの点を並べて説明をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/57
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058・永岡光治
○永岡光治君 次に、質問は、この型式の承認についてでありますが──型式のほうですね、型式の承認。これは提出から承認までの期間が三ヵ月ということにたなっておりまするので、まあ今日の型式の変化の著しい事態を考えますと、少し長過ぎやしないだろうか。特に、あなたのほうでは、簡便化するために許可を登録制にしたという時代ですから、どうもこの期間は少し三ヵ月じゃ長過ぎると思いますが、これはどういう観点から実績上そうなっているのか、実際上やっぱりそのくらいかかるとなっているのか。そうではなくて、安全度を見て三カ月ということにしたのか、これをひとつ御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/58
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059・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 型式の承認制度を今回とりましたのは、今回の改正案の一つの大きな新しい眼目でございます。ただいま御指摘の三ヵ月という点でございまするが、従来もこの見本品の提出をしてもらいまして、それについて計策研究所で検定をいたしまするが、その場合、従来の、実績を見てまいりますると──こまかい点はいずれ資料等整備いたしましてお手元に差し出したいと思いますが、長いもので約三ヵ月、大体まあ二ヵ月あるいは一ヵ月、いろいろなものがございます。ただいま御指摘のように、一番最長をとりまして三ヵ月以内ということにしたわけでございます。
ただ、ここで特に言及をいたしておきたいと思いまするのは、今回この型式承認制度と申しまするのは、私ども、ある意味で言いますと、技術進歩等に即応いたしまして、もちろん、これをスピーディーにやるということは必要かとも思いますが、逆の面で言いますと、これを一ぺんとっておけば、あとはその型式については、もうノー文句で量産ができるという便利な面も一つあるわけでございます。と同時に、やはりこの型式承認の段階でしっかりそのものを押えておく──と申すと語弊があるのでございますが、その構造でございますとか、耐久性等につきまして、しっかりこの点で検査をしておくということが、やはり計量器そのものの長い目で見た技術進歩には非常に役立つことと思います。これをおろそかにしておるということは、実は従来のこういった検定につきましての、やはり何となく技術上不備な点じゃないかとわれわれも感じておりまするし、また、業界においても、この点についてはむしろしっかりやってもらったほうが、長い目で見て計量器の製造技術に進歩がある、刺激になるというふうな感じも持っておるようであります。こういった点からいたしまして、三カ月というのはやや長いかという気もいたしまするが、三ヵ月以内ということにいたしておりまするので、もちろん、ものにより、また、その内容によりまして、その点はできるだけ業者の便宜をはかるように迅速に取り計らいたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/59
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060・永岡光治
○永岡光治君 まあ、そういう意味で若干の余裕が見込まれておると私はまあ理解するわけです。できるだけそれを短くしようという気持ちには変わりないと思いますので、実際上の運営にあたっては、そのような実現を期していただきたいと思うわけでありますが、そこで、いま言ったような、型式の承認を得ておけばあとは簡単である、こういうお話でありますね。そういたしますと、今度はその構造とか材質とか、検査等が簡略化されるわけでありますから、検定に要する検定期間ですね、これはもうちょっと簡単になってしかるべきだと思いますが、それは短縮されていないで、二十日間というのはどういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/60
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061・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) この点も実は私どもたいへん苦しいところでございまして、まあ従来は、何と申しまするか、材質、型式、耐久性その他ひっくるめてやっておったじゃないか、今度は型式承認だけを別に抜き出したのだから、今度は当然器差の検定だけでいい、器差だけならば二十日もかかるはずはないじゃないか、こういう点の御指摘かと思います。この点も一口で言ってしまえば、二十口以内ということで余裕を見たことでございますが、何ぶんにも、この計量器の検定の事務、検定に持ち込まれます計量器の数が年々非常にふえてきております。これに加えまして、まことに、御指摘を受けて、今後やはり努力しなければならぬのですけれども、人員、予算等の面が実はなかなか追いつかないというのが実情でございます。今後ともその辺は、先ほど政務次官申されましたように、できるだけ努力をしてまいりまするが、実情はやはりなかなか追いつかないということでございます。従来の実績をちょっと見てみますると、東京都の場合に、たとえば、はかりでございまするとか、圧力計といったものは、大体二日程度で処理をいたしております。体温計あるいは体積計といったものが、大体十日から二十日までの間ぐらい、これ以外のものにつきましては、大体一週間前後というふうなし実績があるように聞いております。したがいまして、今回、型式承認ということで、量産可能なものについては事前にやるわけでありますので、ほんとうをいえば、さらにこれより何日か短くなっていいはずでありまするが、いま申し上げましたような実情にもございまするし、これ、きめてしまいますると、なかなかこれをまた延ばすということもできませんので、たいへん大ざっぱな言い方でございまするけれども、やや余裕を見まして、従来の二十日以内ということを規定させていただいたというのが実際であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/61
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062・永岡光治
○永岡光治君 まあ、その裏を返せば、いまそういう型式が承認されても、それは抜いても、器差というのですか、それをするだけでも二十日かかるということは、いまのそういう現状ならば、いままではそれをたぶん省略しておったのではないかという疑問が出てくるわけですけれども、いまここでそれをとやかく言ってもしようがありませんけれども、そこまで簡単にしたわけでありますから、十分業者のほうの立場を考えて、できるだけ簡便に、早くできるようにしてもらいたいことを要望しておきたいと思うのですが。
そこで、今度は消費者の立場から少しお尋ね・するわけでありますが、計量に対して消費者が苦情を持つ場合があるのですね、これはおかしいじゃないかと。そのときの苦情処理機関と申しますか、どこへぶつけていくのか。そういう親切な指導なり保護をしてくれるものがどこかあってしかるべきだと思うのです。おそらく、いまでもあると思うのですけれども、なかなか簡便にいっていないというところに問題があると思うのですが、その苦情処理機関について、政府はもっと力を入れるべきだと思うのですが、どのようなお考えを持っているのか、これもこの際ただしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/62
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063・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 苦情処理の問題は、日常の計量器を使用いたします取引に密着したものでございまして、もちろん、これが制度的に、かつ、いま御指摘のように、簡便にできるということが非常に重要であろうかと思います。私ども通産省の関係で申しますると、実はこういったような消費者行政というような観点からいたしまして、現在、企業局の中に苦情処理の窓口を設けております。看板が出ておりますが、これは通産省に来ない方はなかなか見つからないということで、一般にはどうもあまり知られておらぬかと思いますが、一応通産省の中にそういう窓口を一つ設けておりまして、消費者行政につきましての苦情処理はひとつ全部そこへ言ってきてくださいということで窓を一つあけております。あるいは通産省で申しますると、通産局、あるいは地方の公共団体、商工会議所、あるいは消費者団体、こういったところには、それぞれ御案内のように苦情処理という窓口が現在あけてあります。そのほかに、これは実際は役所まで行って苦情を言うことでありますので、いまも私が申し上げましたように、なかなかそこまでは徹底していないうらみがございますので、この点は今後とも一般に、こういうものがあるぞということを早くPRをしなければならぬというふうに考えております。そのほかに、実はモニター制度というものをとっておりまして、全国で約二千名の主婦の方にモニターをお願いしております。このモニターの方から実は
いろんな苦情が私どものところにもあがってきておるわけであります。で、まあ数字のことでありまするが、昨年の十月から十二月までの間約三ヵ月間に、私どものほうに直接、あるいは通産局、公共団体等に寄せられた苦情は約三百件程度ございます。それぞれの部局におきましてこの苦情を処理いたしておりまするが、当然こういった問題につきましては、一般の生活と密着をいたしたものでありまするので、なお、今後、こういった窓口があるぞ、また、いつでも苦情を言ってくれば親切に処理してくれるということについてのPRを極力進めてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/63
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064・永岡光治
○永岡光治君 まあ、その実績は三百件くらいしか集まってないそうですけれども、これはなかなか言いにくい問題だろうと思うのですね。ほんのちょっとくらいしか違わなかったものを大げさに言うのもどうかというような、まあ物価高の今日でもあって、あまりけちけちしたような感じも出てくるものですから、しかもお店にしょっちゅう顔を出しておれば、これはなかなかいやなことだろうと思うので、その意味で、やっぱり立ち入り検査とか、絶えず、何か悪いことやっておればすぐ検査されるのだという体制を整備されることが一番私は大切だと思う。それから、やっぱり消費者もそういう観点で、買うときにはものを見るのだという感じを植えつける、これが一番大切だと思いますから、この苦情処理機関のもっと簡便な普及をはかってもらう、そういうこともひとつぜひ考えてもらいたいと思います。
それから、次いで、これも同じ消費者の立場からの問題ですけれども、計量の誤差ですね、誤差は上と下で何%かまではいいということになっているのですね。これは多いのはいいけれども、少ないのは困るというように、売る人にとっては相対的にプラスマイナスだからいいけれども、かうほうにしてみればうほうにしてみれば、マイナスはマイナスですから何も余分にくるわけではないのですから、それは売るほうのうんと消化する立場に立ってのみ言えることであって、消費者のほうにとっては、マイナスはマイナスなんだから、マイナスがいいというわけにいかぬと思うのですが、これは何とかならぬのですか。多いのはいいけれでも、少ないのはいかぬぞということですね、誤差は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/64
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065・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) いまの御質問は、量目公差についての御質問だろうと思いますが、この計量法の立場から申しますと、これは考え方の問題ということになろうかと思います。計量器と申しますのは、結局、いまの取引の場合で言いますと、売り手と買い手の立場に立って常に中立であるべきものであろうと思います。一方だけが常にいい、一方には常に悪い、こういうことでは売り手と買い手のまん中に立つ公平な基準ということにはならないのじゃなかろうか、こういうのが計量法全体を通じておる公正という、あるいは公平という立場で考えますと、これは何と申しますか、前後にやっぱり公差がないとおかしいのじゃないかという考え方を現在の計量法はとっております。たとえば一般の店先で物を買うという場合がいつでも問題になるわけでございますが、売り手も、魚屋とか八百屋とか、いわゆる零細企業と称する連中でございますし、買い手はわれわれ同様の一般の主婦ということでございまして、一方にだけ常に間違いなくいいという制度をとるか、あるいは、いま申し上げましたように、売り手と買い手のまん中に立つ、橋渡しをする公正な基準ということでものを考えるか、その辺が、要するに、政治的な判断、あるいは全体的な、国民生活全部を見ました、あるいは産業活動から含めた全部を見た判断として、ここのところはやつ。はり消費者行政ということに最大のウエートを置いて、あとはいいんだ、こういうふうな判断がされれば、あるいはマイナス公差というものは認めない、上だけ公差を認める、プラスの公差だけ認めるということにもなろうかと思いますが、現在の法律の立て方から申しますと、やはり両者の間に立つニュートラルな、中立的な基準ということでありますので、やはり公差は私どもプラスマイナス両方に認めていくべきじゃなかろうかと思っております。ただ、近年やはり、先生も御指摘のような消費者行政と申しまするか、消費者保護と申しまするか、声なき大衆を保護しようという観点からの主張が相当強くございますので、私ども、量目公差制度をとっております商品の中の一部のもの、コーヒーでありますとか、そういったような相当程度価格も張るというような、ある程度のものにつきましては、プラスのほうの公差を多くして、マイナスのほうの公差を少なくする、マイナスは二%でプラスは四%と、若干そういう差をつけた公差をとっておる商品はございます。しかし、全体として、マイナスをゼロというところまでは、現在の法律の立て方はいっていない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/65
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066・永岡光治
○永岡光治君 これはもう、私は特に品物を買う人の立場ですね、消費者の立場として、品物を販売するという方法のほうに入るわけですが、それを考えてみますと、非常に狭い視野から言うのかもしれませんけれどもね、商売人は目方をうんとやって売ろうという人はいない。できるだけ、せいぜい目方を切って売ろうという人が多いと思いますよ。そういう立場だから、多いような誤差があったところで、せいぜいぴしゃりとしていく程度のものですから、むしろ、マイナスのほうを全然認めないほうがいいんじゃないか。話によると、外国でもマイナスのほうの誤差は認めていないところもあるやに聞いておるわけですが、そういう方向にいったらどうかというのが、私のほうの希望ですけれども、法律がそういうたてまえであるとするならば、すぐ今日の段階でこれを改正ということは困難かもしれませんけれども、やはり消費者を救済をする、救済といいましょうかね、保護してやっていくという立場から、こういう問題は今後の研究課題として十分ひとつ検討してもらいたいと思います。
一応、私の本日における質問はこの程度にとどめまして、大臣以下、口をあらためて次回に譲りたいと思います。本日のところはこの程度で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/66
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067・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、本件に関する質疑は、本日のところこの程度にいたしたいと存じます。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X01719660412/67
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