1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月二十七日(水曜日)
午前十時四十分開会
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委員の異動
四月二十一日
辞任 補欠選任
岸田 幸雄君 小柳 牧衛君
四月二十二日
辞任 補欠選任
小柳 牧衛君 郡 祐一君
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出席者は左のとおり。
委員長 村上 春藏君
理 事
赤間 文三君
豊田 雅孝君
柳田桃太郎君
近藤 信一君
委 員
井川 伊平君
剱木 亨弘君
宮崎 正雄君
吉武 恵市君
椿 繁夫君
永岡 光治君
藤田 進君
鈴木 一弘君
矢追 秀彦君
向井 長年君
衆議院議員
発 議 者 板川 正吾君
発 議 者 田中 武夫君
発 議 者 麻生 良方君
発 議 者 栗山 礼行君
国務大臣
通商産業大臣 三木 武夫君
政府委員
通商産業政務次
官 堀本 宜実君
通商産業省重工
業局次長 赤澤 璋一君
通商産業省鉱山
局長 両角 良彦君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○計量法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○官公需についての中小企業者の受注の確保に関
する法律案(内閣送付、予備審査)
○官公需の中小企業者に対する発注の確保に関す
る法律案(衆議院送付、予備審査)
○中小企業者の事業分野の確保に関する法律案
(衆議院送付、予備審査)
○中小企業組織法案(衆議院送付、予備審査)
○官公需の中小企業者に対する発注の確保に関す
る法律案(衆議院送付、予備審査)
○倒産関連中小企業者に対する資金の融通に関す
る特別措置法案(衆議院送付、予備審査)
○委員派遣承認要求に関する件
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001・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
理事会におきまして協議いたしました事項について報告いたします。
本日は、まず、計量法の一部を改正する法律案及び金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案の両案の、審査を行ないました後、中小企業関係六法案の提案理由の説明を聴取いたし、次いで、委員派遣承認要求についての御決定を願うことにいたしましたので、御了承願いたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/1
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002・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 委員の変更について報告いたします。
去る二十一日、岸田幸雄君が辞任され、その補欠として小柳牧術君が選任されました。翌二十二日、小柳牧衛君が辞任され、その補欠として郡祐一君が選任されました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/2
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003・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 本院先議の計量法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
質疑のおありの方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/3
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004・鈴木一弘
○鈴木一弘君 先日おお願いしておきました、例の新潟の寒暖計の五度の差があるという投書の問題です。お調べになったような様子でありますので、ひとつ御報告していただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/4
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005・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 政府委員から御説明をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/5
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006・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 先般御質問のございました新潟県下におきまする温度計につきましての調査をいたしましたので、御報告を申し上げます。
新聞に投書の趣旨は、新潟県下の農家の方が、寒暖計あるいは育雛用の寒暖計、棒寒暖計などを持ち寄って調べてみたところが、はなはだしいのは五度も差があった、こういうことではあまりひどいと、こういう投書があったわけでございます。それで、先般の御質問もございましたので、直ちに新潟県の計量検定所のほうに連絡をいたしまして報告を聴取いたしましたが、以下御報告を申し上げます。
これは、新潟県下でこの投書した鹿島さんという方のところに四人の方が集まられて、それぞれ温度計を持ち寄られたということでございまするが、新潟県の計量検定所のほうで調べてみましたところが、四本もあるわけでございます。で、一つは乾燥器用の温度計、それから第二は育雛用の温度計、第三、第四がビニールハウス用の温度計、こういうことになっております。向こうにおもむきまして、基準器で温度を調べてみましたら、一番問題になりましたのは、第二番目の育雛用の温度計でございまして、これが、たとえば基準器の温度が十二度のときに八・五度である。あるいは基準器温度が二十四度の場合に二十・五度、さらに三十度の場合に二十六・五度ということです。この育雛用の温度計、持ち得られました中での育雛用の温度計が非常に誤差が大きい。あとの三つの温度計につきましては、ほぼ検定公差の範囲内であるということが判明をいたしました。そこで、それぞれ入手の経路等について聴取をいたしたわけでございまするが、この育雛用の温度計につきましては、昭和二十七、八年ごろに新発田市内の育雛業者から無料提供を受けたものであって、調べてみますると、取引証明以外用ということが判明をいたしたのでございます。こういっつた温度計につきましては、しかもこのガラス管の中に相当程度ごみが混入しておったということでございまして、もう入手いたしましてから十数年たつわけであります。こういったガラス管による温度計は、私どもは大体耐用年数を五年程度ではないかというふうに考えておりますが、これは十数年たっておりまするし、しかも無料で提供受けたいわゆる取引証明以外用のものでありますので、非常に温度差があったということが判明いたしまして、それぞれの方々に以上のようなことも検定の結果をお知らせをいたしまして、十分納得していただいたということでございます。
以上、簡単でございますが、御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/6
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007・鈴木一弘
○鈴木一弘君 いまの取引証明用でなくて、しかも二十七、八年に無料で受けた育雛用の寒暖計が五度も差があったということですけれども、この取引証明用であっても、いわゆる五年が責任の持てる期間である、使用上正確度を期する期間であるということですが、それじゃその責任期間というものを表示するということはなされているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/7
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008・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 私が申し上げましたのは、計量検定所その他専門家の間での意見として、大体こういった棒状の温度計については、まず五年程度が大丈夫なところ、だろうという意見があるということでございまして、必ずしも五年というものが当該メーカーそれぞれのいわゆる責任期間であるというふうには考えられておりません。まあ通常こういった温度計の、販売その他でございますが、取引証明用に使っておりまする検定済みのものにつきましては、販売をいたしまする際に、そのものについてはどの程度の期間が大丈夫、だということ、それをこえたらひとつ検定所その他で一ぺんはかってみてくださいということを言っておる例もあるようであります。またこれにいわゆる付属いたしております使用書きと申しますか、パンフレット等にも書いてある例もございますが、一般的にそういうふうにきちっとなっておるということではなかろうと思います。したがいまして、私どもといたしましては、今後こういった温度計につきましては、メーカー側が消費者に十分その辺の知識を与えまするように、十分指導してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/8
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009・鈴木一弘
○鈴木一弘君 おそらく使われていた方は、育雛用でひなを育てているために二十七、八年にその業者からもらったということで、取引証明用以外のものであっても、まあ相当信用して使っておられたのだと思います。機械に非常に弱いということもあると思いますが、十年たっても十五年たっても温度計はそう狂いがないものと考えているのです。そこに問題があったと思う。これからの行政指導その他で考えたいということでありますけれども、大体これくらいまでは責任が持てる、これ以外は取引証明用のものは必ず検定を受けてもらいたいということをきちっとPRしていく必要があるのではないか。あるいは棒状寒暖計にしても、その筒のほうにそういうことを表示するとか、そういうことをある程度義務づけていく必要があるのではないかと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/9
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010・井川伊平
○井川伊平君 関連いたしましてお答えを一つでいいですから。いまのお話に関連して、五年間大丈夫であるとか、六年間はいいとかというのは、販売したときからの計算ではなくて、製造してからの計算だろうと思う。そうすれば、そのときの販売器に製作の年月日を記入させておくぐらいのことは必要じゃなかろうかと思いますが、その点もあわせまして御一緒にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/10
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011・赤澤璋一
○政府委員(赤澤璋一君) 寒暖計につきましては、いろいろな精度があるわけでございまして、今回の新潟の検定所で投書に基づきまして調べました中でも、ビニールハウス用の温度計は、お使いになっている方のお話を聞きますと、昭和二十年ごろに新発田市内の薬局から買った、これはいわゆる検定済みのものでございますが、このものあたりはもう二十年近くたっておるわけでありまするけれども、今回基準器でもって検定をしてみますると、ほぼほとんど差がない。十二度の場合にはきちっと十二度でございます。二十二度の場合も二十二度ぴったりということで、それほど差がない、こういうことも出ております。したがいまして、五年がはたしてきちっとしたものであるのか、もう少し長くも使えるのか、その辺わかりません。ただ、お話のように使い方にもよりまするし、いろいろ問題がございまするので、これを法律上義務づけるというところまではなかなかまいらぬかと思いまするが、計量研で検定いたしました月日、いつ検定したか、検定月日というものが問題でございまするから、検定月日あるいは今後の使用上の注意等を十分使用される方に認識をしていただきますようにつとめてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/11
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012・鈴木一弘
○鈴木一弘君 これは寒暖計に関連して、体温計の場合の家庭等で使っておるのは長い人では十年ぐらい使っておられることもある。この例からもわかるように、この場合でもおそらく五年とか十年とか、ある程度の責任しか持てないということだろうと思いますが、そうなると、家庭医療保健という問題から見ても非常な疑問があると思うのですね。はやり何年ぐらいたったら大体もう一度見直していただくなり何なりしてほしいということをきちっとしておくべきではないか。こまかいことになるかもわかりませんが、そういう必要があると思いますが、この点そういうPRの問題等は大臣はどう考えますか。最後に締めくくってお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/12
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013・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) やはり使用者に、年限がたったら検定所に持っていくというふうなことのPRというものは必要だと思います。これを一々こちらのほうから調べて歩くというわけにもいかない。相当な年限がたてば検定を受けるというPRというものは正確を期する上において必要だと思いますので、今後PRをする場合に、そういうことも配慮いたすことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/13
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014・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/14
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015・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより本案の討論に入ります。御意見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/15
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016・豊田雅孝
○豊田雅孝君 私は各派共同の提案によりまして、次に申し述べまする附帯決議を付しまして、本案に賛成するものであります。
計量法の一部を改正する法作業に対する
附帯決議
本法施行にあたり、政府は次の諸点について
努力すべきである。
一、国民が事物を数量によって適確に把握しよ
うとする生活態度を推進するため、生活全般
にわたって、正確な計量器並びに適切な計量
方法を用いる国民慣習を育成するに必要な諸
般の対策を講じ、もって計量観念を普及徹底
させること。
二、計量取引における消費者保護の徹底に努め
るため、政省令の制定並びに改正に際しては
関係方面の意向を十分に徴し、適正な計量の
実施確保に遺憾なきを期すること。
また一定商品についての計量取引の強制、
包装商品の量目の規格化、特殊容器の使用強
制等についてもなお検討を加えること。
三、計量器販売事業に関する規制の対象となる
器種の指定については、関係方面の意向を十
分に徴し、実施に遺憾なきを期すること。
四、容器、包装等については、依然として旧計
量単位基準の容量をメートル法に換算したに
過ぎないものが多い現状にかんがみ、速やか
にメートル法を基準として単純化した容量の
ものに改めるよう適切な指導を行なうこと。
以上です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/16
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017・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 別に御意見もないようでございまするが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/17
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018・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
それではこれより本案の採決に入ります。
計量法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/18
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019・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました豊田君提出の附帯決議案を議題といたします。
豊田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/19
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020・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって豊田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、三木通産大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。三木通産大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/20
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021・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 本法の実施に対しましては、ただいま御決議になりました附帯決議の趣旨を尊重いたして、遺憾なきを期したいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/21
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022・村上春藏
○委員長(村上春藏君) なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/22
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023・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/23
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024・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、衆議院送付の金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。──別に御発言もなければ、本案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/24
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025・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより本案の討論に入ります。御愚見のおありの方は賛否を明らかにしてお述べを願います。──別に御意見もないようでございまするが、討論は終結したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/25
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026・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
それでは、これより本案の採決に入ります。
金属鉱物探鉱促進事業団法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/26
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027・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出する報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/27
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028・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/28
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029・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 予備審査のため本委員会に付託されました中小企業関係六法案につきまして、政府側並びに発議者から順次提案理由の説明を聴取いたします。
まず官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律案(閣法第一四二号)を議題といたします。
政府から提案理由の説明を聴取いたします。三木通産大臣。国務大臣(三木武夫君) 官公需についての中小企業者の受注の確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、わが国経済の健全な発展をはかるためには、中小企業の振興がきわめて重要であり、政府といたしましても、かねてから中小企業の近代化・高度化を鋭意推進してまいりましたが、中小企業の事業活動を一そう振興するためには、中小企業に対する需要を増進することが肝要であります。かかる観点から、中小企業基本法においても中小企業者の官公需の受注機会の増大をはかるべきこととされておりますが、特に、最近の不況を反映して中小企業者が受注の確保に困難をきたしておりますとき、中小企業者に対する官公需の確保策を一そう拡充することは、政府の緊要な責務であります。したがいまして、この際、中小企業者に対する官公需の確保についての方策を法制化し、官公需の調達にあたるすべての者が、その職務の遂行にあたり中小企業者の受注機会の増大をはかるようつとめることを明らかにすべきものと考えます。
次に、この法案の内容につきまして、その概要を御説明申し上げます。この法案は、まず第一に、国及び公共企業体、公庫等が契約を締結するにあたりましては、予算の公正かつ効率的な使用に留意しつつ、中小企業者の受注機会の増大をはかるよう積極的に努力すべきことを明確にいたしております。特に、この場合において、政府がかねてから助成してまいりました中小企業者の組合に対しましても受注機会を与えるよう十分配慮すべきことといたしております。
第二に、この努力の方向と具体的な措置を明らかにするために、国は毎年度、国等の契約に関し、中小企業者の受注機会の増大をはかるための方針を作成するとともに、その要旨を公表するものといたしております。
第三に、この方針の実効を確保するための措置といたしましては、各省庁の長等が毎年度終了後、国等の契約の実績の概要を通商産業大臣に通知することとし、通商産業大臣は、常に各省庁等の官公需の調達の実態を把握し、必要があるときには、各省庁の長等に対して中小企業者の受注機会を増大するために必要と認められる措置を講ずるよう要請し得ることといたしております。
なお、地方公共団体につきましても、国の施策に準じて施策を講ずるようにつとめるべきことといたしております。
以上が、この法案の提案理由及び要旨でございますが、何とぞ御審議の上、すみやかに御賛同あられんことをお願いいたす次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/29
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030・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案(衆第二二号)を議題といたします。
発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員板川正吾君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/30
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031・板川正吾
○衆議院議員(板川正吾君) ただいま議題となりました官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案の提案理由を御説明いたします。
わが国の経済が二重構造を持ち、大企業と中小企業との間に非常な格差があることは、政府みずから常に指摘しているところであります。そして、この経済の不合理を是正することが、今後の経済政策の基本でなければならないとされているのであります。それには、国の政策が大企業に偏重することを改め、おくれた中小企業にこそ政策の重点を置くべきであります。金融、税制、その他財政金融全般にわたる政策を、この政策方向に沿って抜本的に是正することなくして、中小企業の振興や近代化、経済の二重構造の解消などは期し得ないのであります。
したがって、まず国、地方公共団体その他これに準ずる公的機関みずから、率先してその範をたれるべきだと存ずる次第であります。すなわち、たとえば中小企業庁が若干の中央官庁の物日品発注状況を調査したところによりますと、その発注対象は大企業に集中し、中小企業にはその総額の二割程度にしか及んでおりません。こうした現状を改善し、中小企業に相当部分の発注を確保することこそ、まずさしあたって、国がなすべき最も手近かな問題であります。これを国の機関にとどまらず、地方公共団体、公社、公団等の公的機関に及ぼすならば、その発注量は莫大な額に達するでありましょう。すでに諸外国でもその例があります。中小企業問題が特に深刻なわが国において、このような施策がおくれていることはきわめて遺憾であります。ここにそのすみやかな実施を願ってやまないものであります。これが本法律案を提出する理由であります。
次に、その内容の概略を御説明いたします。まず第一に、この法律案は、国、地方公共団体及び公社等が、物品または役務を調達するため請負、購入その他の契約をする場合において、中小企業者への一定割合の発注を確保することを目的としているのであります。そこで、その官公需契約を行なう対象となるべき製造業または建設業に属する業種については、別に政令で指定することといたしております。
第二に、この発注が確実かつ適正に行なわれるため、中小企業審議会の答申に基づき、内閣総理大臣が各公的機関の当該年度における中小企業向け発注量を公表することといたし、この公表された割合を達成する義務をこれら機関の長に課しているのであります。
第三に、その施策の完全実施をさらに裏打ちするために、その実績を当該年度終了ごとに報告させることとしており、また、各上級機関の長がその所管の公的機関の長に向かって、官公需契約に関して必要な勧告をすることができるよう考慮されているのであります。
以上が本法律案提出の理由並びにその内容の概要であります。何とぞ御審議の上、御賛成くださるようお願いして提案説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/31
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032・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、中小企業者の事業分野の確保に関する法律案(衆第二一号)及び中小企業組織法案(衆第三三号)の両案を一括して議題といたします。
発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員田中武夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/32
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033・田中武夫
○衆議院議員(田中武夫君) 社会党提出の二法案について提案説明を行ないます。
まず、中小企業者の事業分野の確保に関する法律案について申し上げます。
今日、中小企業の経営がきわめて困難な状態におかれている原因の主たるものは、対大企業との関係であります。大企業がその資本力にものをいわせて、従来の中小企業の分野にまでどんどん進出し、弱小中小企業を駆逐しつつあるのが今日の実情であります。大企業が中小企業分野に進出するやり方には、大企業自身が直接行なうもののほか、既存の中小企業に資本や役員を投入して、実質上の支配権を確立する方法があります。このような傾向を放置しますならば、中小企業は近き将来、その存立の基盤までも奪われること必至であります。
わが党は、この事態を深く憂慮し、かねて中小企業者に適切な事業分野を確保して、その経営の基礎をまず安定させなければならないと繰り返し強調し続けてまいったのであります。これに対して、政府自民党は、事業分野を定めてこれを中小企業者に確保することは、憲法に違反するといって反対してきたのであります。しかしながら、事態の悪化は、違憲論をもって放置することを許さず、最近ではようやく政府自身でさえ、大企業と中小企業との間の事業分野について、何らかの調整の必要を認めざるを得なくなっているようにうかがえるのであります。この際、中小企業に適切な事業分野を明確にし、その分野への大企業者の進出を規制することによって、中小企業者に存立の基盤を確保することが何よりも緊急必要なことと存ずる次第であります。これが本法律案を提出する理由であります。
次に、その内容の概要を御説明申し上げます。まず第一に、本法律案は、中小企業者の事業分野として確保すべき適切な業種を次の基準に基づいて政令で指定することにいたしております。すなわち、製造業、建設業またはサービス業に属する業種のうち、その業種に属する事業を営むものの総数のおおむね五分の四以上が中小企業者であり、かつその業種の過去一年間の生産実績なり取り扱い量のおおむね三分の二以上が中小企業者によって占められ、経済的にも中小規模の企業形態が適切であって、もしこの分野に大企業者が進出する場合においては、中小企業者を著しく圧迫すると認められるものを中小企業の事業分野として確保しようとするものであります。
第二に、指定業種を営むものはすべてこれを届け出させ、大企業者が指定業種の分野に新たに進出し、拡張することを制限し、これに違反するものには罰則をもって臨むことといたしたのであります。
第三に、大企業者がみずから行なわなくとも、資本的または人的関係において支配力を持つ中小企業者をして行なわしめる場合も、同様に規制の対象とし、主務大臣が大企業者に対しその違反行為を排除するための命令を出すことができるようにして、予想される脱法行為を未然に防止することとしたのであります。
第四に、かかる業種の指定並びに大企業者の進出制限、脱法行為の禁止等に関する政令を制定、改廃する場合、大企業者に対する命令を行なう場合は、特に公正を期すため中小企業審議会に諮問することにいたしたのであります。
以上が本法律案提出の理由並びにその内容の概要であります。何とぞ、御審議の上、御賛同あらんことをお願い申し上げます。
次に、中小企業組織法案の提案理由を御説明申し上げます。
今日、中小企業に関する組織は、現在中小企業団体組織法、中小企業等協同組合法、環境衛生関係営業の適正化に関する法律等各種あります。私どもが現存する組合の実態を見ます場合、どれだけ活発に活動しているかはなはだ疑問な組合がきわめて多いのであります。さらにまた、未組織の中小企業者がいかに多いか、およそ中小企業に関するもののひとしく痛感するところであります。
この理由は一体どこにあるのか、それは一つには、現行法律の規定が中小企業者の現状に適応しておらないというところからきておるのであります。第二には、一般に「仏つくって、魂入れず」ということばがありますように、法律はつくっても、肝心の組織化推進の助成を積極的に行なわない、予算の裏づけがほとんどなされていないということのためであります。
最近、中小企業者は組織化の必要、協同事業の必要について切実に目ざめつつあります。そして、現に何らかの組織、任意団体に参加するものが多くなってまいりました。ところが、一歩進んでこれらの法律に基づく組合をつくったり、それに加入したりすることには必ずしも積極的ではありません。むしろ魅力がなく、かえってわずらわしいとさえ感じているのであります。今日、技術革新に伴なう経済情勢の著しい変化の中で、中小企業の経営を安定させ、その近代的な発展をはかるには、中小企業者の団結の強化、協同化の促進をはかることが最も急務とされているのであります。しかるに、以上のように中小企業の当面する課題と現状とは、不幸にも相離反した姿を示しているのであります。そして、この離反をもたらした最大の原因が、政府の施策の不備、怠慢にあるということは、何としても遺憾きわまりないことであります。わが党が、ここに中小企業組織法案を提出するゆえんも、実にこの現状を打開せんがためであります。そして中小企業者の協同化への切実な要望にこたえ、たれもが、みずからの自由意思に基づいて、その業種業態に適応した組合に簡易に参加でき、協同事業活動のもたらす恩恵に浴することができるよう、国に積極的な施策の実行を義務づけんとするものであります。さらにまた、これらの組織に強力な団結権、団体交渉権を保障することによって、従来の大企業からの不当な圧迫に対し、それに動じない中小企業者の強固な、安定した地位を確立してまいろうとするものであります。これが、いままでの中小企業者の組織に関係する諸法律を一本化し、中小企業組織法案として提案する理由であります。
次に、本法律案の概要を御説明申し上げます。まず、第一に、本法律案の定める中小企業の基本組織は協同組合であります。この協同組合は加入・脱退の自由、組合員の権利の平等を原則とし、設立の要件、手続を簡易にし、経済事業、調整事業、団体協約の締結をあわせ行ない得る組織として考えられておるのであります。また、あくまで自主的な、中小企業者が喜んで入る組織を原則とし、強制加入はいかなる場合にもこれを認めていないのであります。なお、ここに中小企業者とは資本金五千万円以下、かつ従業員三百人以下のものをいい、商業、サービス業にあっては従業員三十人以下のものをさしておりますが、同時にまた業種業態に応じた適切な定義決定の余地を残しておるのであります。
第二に、組合の種類といたしましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、下請協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合、共済協同組合、信用協同組合、企業協同組合、協同組合連合会を考えております。これによって従来の事業協同小組合を勤労事業協同組合に発展させ、また商工組合を廃止して、新たに下請並びに商店街の両協同組合を設けることといたしました。またいままでの事業協同小組合、環境衛生同業組合、火災共済協同組合、企業組合は、それぞれ勤労事業協同組合、環境衛生協同組合、共済協同組合、企業協同組合に組織がえすることといたしております。
勤労事業協同組合は、地区内の勤労事業者、すなわち従業員おおむね十人以下にして、かつ資本金百万円以下のもの、ただし商業、サービス業にあってはおおむね三人以下のものによって、下請協同組合は、主として地区内の下請業者によって、商店街協同組合は、主として地区内の小売業またはサービス業者五十人以上によって、共済協同組合は、一または二以上の都道府県の区域の全部または全国の区域内の中小企業によって組織され、他の組織は大体従前どおりであります。
第三に、その事業の内容につきましては、事業協同組合、勤労事業協同組合、下請協同組合、商店街協同組合、環境衛生協同組合の名組合は、経済事業、調整事業、団体協約の締結をあわせ行なうものであります。そして事業協同組合、下請協同組合、環境衛生協同組合が調整事業を行なう場合には、同一業種について地区の重複を認めないことといたしておるのであります。また共済協同組合は、火災だけでなく、風水害、地震、盗難、交通事故、爆発等による損害をも共済事業の対象に加えております。信用協同組合、企業協同組合の事業につきましては、従来のとおりであります。
第四は、調整事業に関する事項についてであります。すなわち、調整事業を行なう場合は、不出に差別的でないこと、一般消費者及び関連事業の利益を不当に害するおそれがないことを一般的な必需要件としております。
さらに、それに加えて、不況カルテルの場合は不況要件を、合理化カルテルの場合は価格等に不当な影響を及ぼさないことを要件といたしております。
また調整規程については、中小企業者のみが加入している組合の場合は届け出制で足り、中小企業者以外のものが加入できる組合の場合は、認可制をとることにし、特に価格協定については公正取引委員会の同意を必要としたのであります。なお調整事業を効果あらしめるために、不況カルテルの場合について、アウトサイダー規制命令を出し得ることとしておりますが、事業停止命令や加入命令は認めておりません。
第五は、団体協約についてであります。協同組合は取引条件並びに調整事業について団体協約を締結することができ、相手方はこの団体交渉に対し応諾する義務があります。そして団体協約のうち、取引条件に関するもの、中小企業者のみが加入している組合の締結したものについては、届け出制で足りることといたしました。なおまた系列別の下請協同組合が、親事業者との間に取引条件に関して締結した団体協約については、その四分の三以上が適用を受ける場合、その親事業者と取引関係のある組合員以外の下請業者に対し、一般的拘束力を持つことといたしておるのであります。
第六に、中央会の機構、運営につきまして、従来の天下り方式を改め、真に民主的な中小企業者の組織とするよう配慮いたしました。すなわち、中央会に正規の理事会を置き、理事会は業務の執行を決し、会長は理事会の定めるところに従って業務を行ない、会長事故あるときは理事がその職務を代理する、といたしたのであります。
第七といたしましては、特に政府の助成義務を明記しておるのであります。これは初めに申し上げましたように、せっかくの組織に関するりっぱな法律ができても、協同化を促進する政府の助成措置に欠けるところがあっては、法の効果的な運用を期すことができませんので、共同施設、福祉厚生施設に要する経費、組合の事務に要する経費について、国がその一部を補助することを義務づけたのであります。
また商店街など協同組合の設置する街灯の公共性を考え、その電気料金について特別の軽減措置をとることといたしておるのであります。その他細目の規定につきましては、おおむね従来の法律の規定を準用しております。
以上が本法律案の提案理由とその概要であります。何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛成あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/33
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034・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、官公需の中小企業者に対する発注の確保に関する法律案(衆第三四号)を議題といたします。
発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員麻生良方君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/34
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035・麻生良方
○衆議院議員(麻生良方君) ただいま議題となりました官公需の中小企業に対する発注の確保に関する法律案の提案理由を御説明いたします。
国が各種の経済政策をもって大企業と中小企業との格差を是正し、中小企業経営の安定をはからんとしている現在、国民購買力のうちの相当量を恒常的に中小企業に向け、安定需要を振り向けることが必要なのでありますが、このためには、国が自己の裁量によって政策どおりに運用できる予算面支出をもって、まず中小企業に対する相当量の発注を確保することが最も望ましいのであります。この点は、すでに現行の中小企業基本法第二十条の「国等からの受注機会の確保」の条項にこの旨に関する基本方針を明示しております。ここに提案する本法案は、この方針の実施措置でありまして、わが党が立党以来国会ごとに提案し続けてきたところであります。
本案は、第一に、国、地方公共団体、公共企業体等が、サービスまたは物資を調達するため、請負、買い入れその他の契約をする場合に、中小企業に対して、調達総額の一定割合を政令をもって確保し、こうして中小企業の活動を維持せしめ、中小企業の健全な発達をはからんとするものであります。
第二に、このように官公需要の一定割合を中小企業に対して確保するために、内閣総理大臣は、毎年度中小企業官公需確保審議会の答申に基づいて、その割合を決定し公表しなければならない義務を持つこととし、各省各庁等の長は、その公表された割合に達するよう中小企業に発注するようつとめる義務を負わせるものであります。
第三に、このような一定量の発注を確保するために、中小企業者に対しては、契約の特例を定めて、中小企業者のみに一般競争契約をせしめることができることとし、また各省各庁の長及び地方公共団体や公団、公社の長は、毎年慶中小企業に対する発注実績を監督官庁に報告する義務を負わせます。また、それぞれの監督官庁の長は、それぞれの官公機関が一定量の発注を中小企業者に対して発し得るように必要な勧告を行なうことができるものであります。
第四に、内閣総理大臣の諮問機関として、中小企業官公需確保審議会を設置して、ここで毎年度中小企業に発注すべき割合の決定、その他の事項について意見を具申できるようにしておくものであります。
なお、中小企業に発注すべき一定割合につきましては、政府の昭和四十一年度経済見通しによりますと、財政の財貨サービスの購入は七兆千五百億円と想定され、これは国民総生産の二三・二%に達しておりますので、国民所得の配分面におきましても、そのうちの少くとも五割見当は中小企業に発注するよう、発注目標を掲げて政令をもって物日発注、製造発注、工事発注等にわたり、今後の発注量を増加するよう検討することを強く要請するものでありまして、政令で定める一定割合は、このようにして既往の発注実績を上回らしめるのが当然と考えるものであります。
以上、この法律案の趣旨であります。何とぞ、御審議の上、御賛成あらんことを希望いたしまして、説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/35
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036・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、倒産関連中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案(衆第七号)を議題といたします。
発議者から提案理由の説明を聴取いたします。衆議院議員栗山礼行君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/36
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037・栗山礼行
○衆議院議員(栗山礼行君) ただいま議題となりました倒産関連中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案の提案理由を御説明いたします。
昨年中の倒産件数は約六千件で、前年に比べて四二%の増加、倒産に際しての負債総額は約五千五百億円に達しました。昨年中の倒産の特徴として大企業や中堅企業の倒産が目立ちましたが、倒産の大半は零細企業であり、むしろ倒産の小口化が最大の特徴でありました。しかも倒産の原因として、販売不振や放慢経営などの自己の経営責任によるもののほか、売り掛け金回収難、関連倒産のごとく、全く自己の経営責任にあらざる外部的原因によるものが増加したことが、大きな特徴でありました。
この憂うべき事実に着目した政府が、昨年十二月下旬の本国会に、中小企業信用保険法改正案を提出して、小企業者に対する特別小口保険の付保限度額を三十万円から五十万円に引き上げを提案されました。また中小企業信用保険臨時措置法案を提出して、倒産関連中小企業者の定義を定めて、これに対して信用保険上に無担保保険制度の創設を提案されました。この二つの法律案は昨年中に成立し、現在施行されるに至りました。
私どもは、政府が中小企業の倒産予防のために深い関心を持って具体的な施策を提案されたことに対して、双手をあげて歓迎し、これを支持したのでありますが、残念ながら、これらの施策だけをもってしては、怒涛のように迫りくる関連倒産の危機にあって、中小企業はこれをとうてい乗り切ることは不可能であります。なぜならば、今回実施に入った二つの政府施策は、いずれも信用保険の活用の範囲で行なわれるものであって、第一に、これら双方とも直接融資ではなく、信用保険という間接金融であり、しかも融資額は、特別小口保険では五十万円を限度としております。倒産関連中小企業に対する無担保保険は、昭和四十二年三月末までの時限措置であって、これに対する政府出資はわずか十億円であるので、保険規模全体は五、六十億円にすぎません。第二に、山一証券の倒産危機に際して、政府は日銀法第二十五条を適用して巨額な救済融資を講じたのでありますが、中小企業に対しては倒産危機に臨んで適用すべき緊急融資の法的根拠がないとの理由をもって、直接融資の道を開こうとしないなら、これほど、不平等、片手落ちの措置はありません。むしろ、政府は、進んで関連倒産中小企業に対する直接緊急融資の制度を創設すべきであります。中小企業の関連倒産の危機は、大企業の中小企業に対する犠牲転嫁のしわ寄せ、企業間の融資手形の乱発など、わが国経済の構造そのものにに根ざす危機でありますから、今後も多数発生のおそれあるものとしての施策を確立する必要があります。私は、この観点に立って、この民社党案を提案するものであります。
まず第一条目的として、中小企業金融公庫に倒産関連中小企業融資基金を設けて、倒産関連中小企業に対する融資の適正円滑化をはかることを明らかにしました。
第二条定義で、この法案にいう倒産関連中小企業者とは、昨年十二月末に成立した中小企業信用保険臨時措置法の定義をそのまま踏襲しましたので、説明を省略します。
第三条基金として、法の目的として掲げた倒産関連中小企業融資基金は、中小企業金融公庫資本金のうちの三十億円をもって充てることとし、貸し付けは、設備資金、または運転資金、及び高利負債の肩がわり融資の三つの貸し付けを公庫の別ワクの業務として実施するものであります。
第四条資金の借り入れでは、公庫法第二十五条第四項の規定にかかわらず、主務大臣の認可を受けて、公庫はこの貸し付け業務のために、日本銀行から五百億円以内の資金を借り入れることができることにしました。
第六条貸付条件として、この貸し付けは他の同公庫貸し付けよりも借り入れるものにとって有利な条件でなければならないものとしました。したがって、同公庫の現行の平均貸し付け利率年八分四厘よりも下回るべきものとしました。
第七条で、同公庫はこの貸し付けを特に迅速に処理するよう義務づけました。これは関連倒産予防の見地に立ってみれば、きわめて当然の規定であります。
最後に附則として、この法律の実施は公布より九十日以内としました。これは業務開始のための準備期間を考慮しつつ、できるだけ早く実施するようはかったものであります。
以上の提案理由の説明でも明らかなように、本案はきわめて時宜に適した具体的な施策であり、特に中小企業の関連倒産の危機を救済する唯一のきめ手ともいうべき施策であります。
何とぞ、慎重御審議の上、御賛成あらんことをお願いしまして、私の提案理由の説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/37
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038・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 以上で六法案に対する提案理由は終了いたしました。自後の審査はいずれもこれを後日に譲ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/38
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039・村上春藏
○委員長(村上春藏君) この際、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
日本万国博覧会の準備状況及び実施計画等を調査し、関係議案の審査に資するため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/39
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040・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等はこれを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/40
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041・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
なお、議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も便宜委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/41
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042・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 御異議ないと認めます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時三十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02119660427/42
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