1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月二十四日(火曜日)
午前十一時四十七分開会
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委員の異動
五月十四日
辞任 補欠選任
杉山善太郎君 小柳 勇君
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出席者は左のとおり。
委員長 村上 春藏君
理 事
赤間 文三君
豊田 雅孝君
柳田桃太郎君
近藤 信一君
委 員
大谷藤之助君
剱木 亨弘君
近藤英一郎君
宮崎 正雄君
吉武 恵市君
鈴木 一弘君
矢追 秀彦君
向井 長年君
政府委員
通商産業政務次
官 堀本 宜実君
事務局側
常任委員会専門
員 小田橋貞壽君
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本日の会議に付した案件
○派遣委員の報告
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/0
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001・村上春藏
○委員長(村上春藏君) ただいまから商工委員会を開会します。
まず、理事会において協議いたしました事項について報告いたします。
本日は、派遣委員から報告を承ることにいたしましたので、御了承願いたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/1
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002・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、委員の変更について報告いたします。
去る十四日、杉山善太郎君が辞任され、その補欠として小柳勇君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/2
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003・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 次に、派遣委員の報告に関する件を議題といたします。
先般、日本万国博覧会の準備状況及び実施計画等を調査し、関係議案の審査に資するための目的をもって派遣せられました派遣委員の方から、その調査の御報告を願うことにいたします。豊田理事。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/3
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004・豊田雅孝
○豊田雅孝君 派遣委員を代表して、私から御報告申し上げます。
委員派遣の目的は、昭和四十五年大阪で開催されることになっている日本万国博覧会の準備状況及び実施計画等を調査いたし、関係議案の審査に資するためでありまして、派遣地は大阪で、期間は五月七、八の両日でありました。派遣委員は村上委員長、赤間、近藤信一、椿の各委員と私でありましたが、現地で柳田、剱木、近藤英一郎、大矢、小柳、吉武、藤田、向井の各委員も参加されました。一行は、まず万国博覧会協会の芦原副会長、今枝総務部長等から準備状況を聞き、会場計画委員会の会場基本計画第一次案の説明を受け、その後現地に行きまして、予定地を視察し、左藤大阪府知事から千里ニュータウンと予定地に関し説明を聞きました。
万国博覧会協会としては、四十五年三月十五日に博覧会を開会、同年九月十三日閉会ということを決定いたしておりますが、開会までの期間はわずかに三年と九カ月にすぎませんので、本年秋までを計画期間、それ以後を実行期間に区分して鋭意準備を進めております。しかし、何ぶんにも万国博覧会はその規模が大きく、関係機関が内外にわたり多数でありますので、準備に相当苦労しているようであります。
会場としては、御承知のとおり大阪府吹田市に、千里ニュータウンの東側、名神高速道路に至る千里丘陵地帯約三百三十万平方メートルの地域が予定されております。その土地は大阪府が買収して万国博覧会協会へ提供するという形をとることになっており、目下土地買収を行なっておる最中であります。地主は相当にまとまった大口所有者三者で全面積の約四割を持ち、残りの六割は六百九人の個人の所有でありまして、その部分の交渉に時間がかかった由でありますが、それも四月下旬から調印が進み、六、七割がすでに終わって、全地域の買収完了も近いとのことでありました。買収価格は、帳簿面積三・三平方メートル当たり二万三千円見当でありますが、なわ延びがありますので、実測三・三平方メートル当たりといたしますれば一万四千円見当になる由であります。この用地費については利子補給を国にお願いしたいという要望がありました。
この土地は海抜三十メートルないし七十メートルのゆるやかな丘陵で、自然林、竹林が多く、大小六百の池があります。ここの中央を大阪中央環状線道路が貫くようにいたし、名神高速道路と交錯させ、インターチェンジで連結することになることは決定的と言えるようであります。その他阪急と地下鉄の乗り入れ、各方面への自動車道の新設整備が予定されております。予定地のほぼ中央にシンボル・ゾーンを設け、そこに十五万人収容のお祭り広場をつくるという計画もあります。また地帯をシンボル・ゾーンのほかに、外国政府ゾーン、民間ゾーン、レクリェーション・ゾーン、駐車場、その他とすることも考えられております。計画は今後なお幾度か練り直しをして、今秋十月ごろに最終決定をすることにしておるという説明でありました。
会談の席には万国博覧会協会、府、市、商工会議所のほかに通産局、陸運局、地方建設局の関係者も見えまして、派遣委員との間に活発な質疑応答、意見の交換が展開されたのでありますが、その二、三の点を御紹介いたしますれば、
まず第一に、万博の会場については、自然の風致を十分に取り入れ、ことに水面利用を考えるべきだということが強調されました。第一次計画案でももちろん人造湖をつくることを考えておりますが、なおその拡大と一そうの活用を考えるべきだという意見が強かったのであります。
第二には、あと地並びに建設物の将来利用について、関係者は公園とか、文化施設とか、流通センターとか、それぞれの構想を持っているようでありますが、その最終結論は土地買収と関連して問題が多いようであり、しかも、あと地と建設物の利用はきわめて大切なことでありますが、あまりにこれに拘泥すれば、自由な計画設定に支障を来たす面もありますので、あと地等の利用に関しましては、十分な話し合いを行なうとともに、会場計画ともマッチしたものを早急に策定する必要を痛感した次第であります。
第三に、万国博覧会についての費用なり、損益分担関係にも問題があるようであります。大阪府では博覧会が国家的大行事であるという点から、関連事業も含めて、国庫からの大幅な援助を希望しておりますが、いまだ本格的な資金計画が立たないために、会場計画等の進展に支障のないようにせねばならぬということを痛感した次第であります。
第四に、会場の計画と外側との関係について種々の問題があり、しかも未決定のものが多いようであります。御承知のとおり別に近畿圏整備本部があり、近畿圏の整備、過密都市対策等と博覧会がいかなる関係に立つべきか、さらに広く中国・四国、九州ないし中部の諸地方との関係、これらを連絡する運輸交通の施設、さらに広く全世界との交通路としての空港や港湾の整備も必要であります。これらの問題は非常に大きな問題であり、しかも建設に年月を要する問題でありますが、これを万国博覧会と結びつけていかに計画するかということは、考えられていながらも、まだ調整もつかず、固まってもいないというのが現状のようであります。 第五に、万国博覧会が全国民的行事だということの徹底が不十分ではないかということでありました。オリンピックに比べて、はるかに規模の大きい行事ですけれども、オリンピックのように単純明快な行事でないため、大方の人には万博の性格なり、展示方法の特殊性等が徹底しにくいだろうから、協賛会的なものも必要ではないかとの意見も出ました。「人数の進歩と調和」というテーマはできましたが、これを出品計画なり会場計画に具体化することは非常な困難を伴いますので、わかりよいサブ・テーマが必要であります。私どもが大阪に参りました七日に、京都でサブ・テーマ委員会が開かれていましたが、巧妙適切なサブ・テーマをつくり、これを内外に具体的にPRして、万博に統一的な理念と秩序を与えることは、これからの大仕事であります。
オリンピックでは、内容が単純で、競技結果も記録的にはっきりしており、前景気をつけるために聖火を掲げて全国を走るなど、かっこうの宣伝方法もありましたけれども、万国博にはそういう方法がいまのところ見当たらないのであります。しかも万国博の成果はオリンピックよりももっと広く、もっと長く生きるものでありまするだけに、私どもは大阪府、市、万国博覧会協会及び国が一体化して、後世に悔いなき成果を残すよう万全の策を講じなければならないと痛感した次第であります。
以上のほかにもたくさんの問題がありましたが、それは省略させていただくこととし、最後に今回の視察に際し、いろいろと御便宜を与えて下さった関係者各位に厚く感謝をする旨申し添えて、私の報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/4
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005・村上春藏
○委員長(村上春藏君) 以上で派遣委員の報告は終了いたしました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114461X02419660524/5
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