1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月一日(火曜日)
午後三時十九分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 徳永 正利君
理 事
青柳 秀夫君
植木 光教君
成瀬 幡治君
中尾 辰義君
委 員
伊藤 五郎君
大谷 贇雄君
栗原 祐幸君
木暮武太夫君
西郷吉之助君
西川甚五郎君
日高 広為君
木村禧八郎君
柴谷 要君
戸田 菊雄君
瓜生 清君
須藤 五郎君
小林 章君
政府委員
大蔵政務次官 竹中 恒夫君
大蔵大臣官房財
務調査官 川村博太郎君
運輸省鉄道監督
局国有鉄道部長 原山 亮三君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
説明員
日本国有鉄道理
事 今村 義夫君
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本日の会議に付した案件
○交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改
正する法律案(内閣送付、予備審査)
○地震保険に関する法律案(内閣送付、予備審査)
○地震再保険特別会計法案(内閣送付、予備審査)
○アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法
律案(内閣送付、予備審査)
○通行税法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/0
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001・徳永正利
○委員長(徳永正利君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
それでは、交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案、地震保険に関する法律案、地震再保険特別会計法案及びアジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案の以上四案を一括して議題とし、政府より提案理由の説明を聴取いたします。竹中政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/1
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002・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) ただいま議題となりました交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由を御説明申し上げます。
昭和四十一年度の地方財政は、最近の経済情勢を反映して、地方税、地方交付税等歳入の伸びが鈍化する一方、人件費、公共事業費等歳出の増加が見込まれることにより、きわめて困難な財政事情に立ち至るものと思われます。この対策として、政府におきましては、地方債計画において、地方財政特別対策分として政府資金債五百億円、縁故債七百億円、合計千二百億円の特別事業債を見込むとともに、交付税率の大幅引き上げ及び臨時地方特例交付金の交付により、合計一千億円の財源措置を講ずることといたしております。
まず第一は、交付税率の引き上げであります。これにつきましては、別途今国会に提案いたしております地方交付税法の一部を改正する法律案におきまして、地方交付税の算定率を、所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の二十九・五から百分の三十二に引き上げることとし、これにより、地方交付税交付金を五百八十六億円増額することといたしております。
第二に、昭和四十一年度における住民税の減税に伴う減収等を考慮して、別途今国会に昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案を提案し、四十一年度限りの措置として臨時地方特例交付金四百十四億円を交付することとし、このうち二百四十億円は、第一種特例交付金として、たばこの売り上げ本数により案分して不交付団体を含め各地方公共団体に交付し、残りの百七十四億円は、第二種特例交付金として、普通交付税の配分方式に準じて交付することとしているのであります。
以上の措置に対応して、交付税及び譲与税配付金特別会計法においても、一般会計から交付税及び譲与配付金特別会計に繰り入れる金額で右の交付税に相当する金額の算定率を、現行の百分の二十九・五から百分の三十二に引き上げることとし、また、昭和四十一年度の臨時地方特例交付金の交付に関する政府の経理を同特別会計において行ない、臨時地方特例交付金に相当する金額は、予算で定めるところにより、一般会計から同特別会計に繰り入れることができることとする等、所要の改正を行なおうとするものであります。
次に、地震保険に関する法律案について申し上げます。
わが国は、地震国と言われながら、これまで地震による被害を受けた一般国民が、その損害を補てんする手段としての普遍的な保険制度が存在せず、かねてから地震保険制度の確立が要望されておりましたが、地震災害は、その発生の頻度及び損害の程度が統計的に把握しがたく、その損害が時に異常巨大なものとなる可能性を持っておりますことから、保険制度によってその危険を担保するには種々問題があるため、今日まで実現しなかったのであります。
昭和三十九年六月の新潟地震の際におきましても、焼失した民家が、火災保険をつけておりながら、その火災が地震を原因とするものであったために、保険金の支払いが受けられないという事態が生じ、衆議院大蔵委員会におきましても、この問題が取り上げられ、地震保険等の制度を根本的に検討すべき旨の決議が行なわれた次第であります。
政府といたしましては、すみやかに地震保険制度を確立して被災者の生活の安定に寄与すべく、同年七月保険審議会に具体的方策について諮問し、四十年四月に答申を受けたのでありますが、この答申に基づいて、検討を重ねました結果、ここに地震保険に関する法律案を提出いたした次第であります。
以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。
地震災害が、その特質上直ちには民間保険事業の対象となりがたい点を持っておりますので、まず、政府は、一定の要件を備える地震保険契約を民間の保険会社等が締結したときは、これを再保険できることといたしております。再保険の方式といたしましては、いわゆる超過損害額再保険方式によることとし、一定額以下の保険金支払いは、すべて民間保険会社等の負担とし、これをこえる部分について政府が再保険することといたしております。なお、一回の地震等について政府が支払うべき再保険金の総額は、毎年度、国会の議決を経た金額の範囲内といたしております。
民間保険会社等が引き受けます一定の要件を備える地震保険とは、住宅または家財を対象とし、地震、噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流失を保険事故とし、それによる全損をてん補するもので、特定の損害保険契約に付帯して契約され、保険金額はその主契約の百分の三十に相当する額を原則とするものであります。もっとも、その金額が一定の限度をこえるときは、その限度によることとし、一方、異常巨大な地震災害が発生した場合で、支払うべき保険金総額が民間の負担限度と政府の負担限度との合計額をこえるときは、保険金が削減されることとしております。以上のほか、再保険者としての政府の措置等につきまして、諸般の規定を設けております。
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次に、地震再保険特別会計法案について、申し上げます。
ただいま申し上げましたとおり、一定額以上の超過地震損害を国が再保険するこにより、地震保険制度を実施するわけでありますが、この政府の再保険事業収支を明らかにするとともに、予測しがたい大地震の発生に際しまして、再保険の支払いに支障を生じないよう弾力的に財政上の措置を講ずる必要がありますので、ここに地震再保険特別会計法案を提案することといたした次第であります。
以下この法律案について御説明申し上げます。
第一に、この会計は、再保険料及び積み立て金の取りくずしによる受け入れ金を主たる財源とし、そのほか、借り入れ金または一般会計からの繰り入れ金等をもってその歳入とするものであります。他方、歳出は、再保険金または再保険金を支弁するため借り入れた借り入れ金等の償還金及び利子のほか、事務取り扱い費、一般会計への繰り入れ金等であります。
第二に、この会計において、再保険金を支弁するため必要があるときは、その年度の再保険料等の収入が再保険金額に不足する金額を限度として、借り入れ金をすることができることとしております。
第三に、再保険金または借り入れ金の償還金及び利子の財源等に充てるため必要があるときは、一般会計から繰り入れることができることとしております。なお、これらの繰り入れ金は、この保険計算の長期均衡性を考慮して、後日、この会計から一般会計に繰り戻すべきものとしております。
第四に、この会計の事務取り扱い費の財源は、毎年度、一般会計から繰り入れるものとしております。
第五に、この会計において、毎会計年度の歳入歳出の決算上剰余金を生じたときは、これを積み立て金として積み立て、将来この会計の歳出の財源に充てる必要が生じたときは、この会計の歳入に繰り入れて使用することができることとしております。
以上のほか、この会計の予算及び決算その他必要な事項を定めることとしております。
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最後に、アジア開発銀行への加盟に伴う措置に関する法律案について申し上げます。
アジア開発銀行は、東は日本から西はイランまで、北はモンゴルから南はニュージーランドに至るアジア及び極東地域の経済開発と経済協力を一そう促進するために、エカフェを中心として、ここ数年来設立準備が進められてきた地域開発銀行でありまして、昨年十二月アジア開銀に関する全権代表者会議において、同銀行を設立する協定が正式に採択され、本年一月末までに、域外国十二カ国を含む三十一カ国による参加の署名を得ているのであります。現在この種の地域開発銀行としましては、中南米に米州開発銀行、アフリカにアフリカ開発銀行の二つの機関が存在しておりますが、これらの銀行と異なるアジア開発銀行の特色は、広く域外先進国の参加を認めて、開発資金の地域内への一そうの流入をはかるとともに、出資額の六〇%以上を域内国が持つこと等によって銀行のアジア的性格の確保をはかっていることであります。
政府といたしましては、かねてからアジア及び極東地域の経済開発の促進に協力してきたところでありますが、ききにアジア開発銀行の設立構想が発表されまして以来、これに積極的に参画し、域内最大の出資額である二億ドルの出資をもって同銀行に加盟するとの方針のもとに、アジア開発銀行を設立する協定に署名した次第であります。
次に、この法律案の概要について申し上げます。この法律案は、別途国会の御承認をお願いしておりますアジア開発銀行を設立する協定に基づきまして、わが国がアジア開発銀行に加盟するに伴い必要となる各般の措置を規定するものでありますが、まず、協定によりわが国が出資すべきものとされている二億ドルの範囲内において、政府はこの銀行に対して本邦通貨により出資することができることといたしております。協定では、応募額中の払い込み資本部分の払い込みについては、その半分を金または交換可能通貨で、他の半分を自国通貨で行なうこととされておりますが、すでにIMF八条国に移行しましたわが国といたしましては、アジア開発銀行に対する出資円にも当然交換可能性を付与することを予定しておりますので、単に本邦通貨により出資することができると規定した次第であります。
また、協定によりますと、払い込み資本のうち各国が自国通貨で払い込むべき金額につきましては、国債の交付をもって当該通貨による払い込みにかえることが認められておりますので、この国債の発行権限を政府に付与するとともに、その償還方法等に関して必要な事項を定めております。
なお、銀行が保有する本邦通貨その他の資産の寄託所として、日本銀行を指定することといたしております。
以上がこの法律案の提案の理由及び概略であります。アジア開発銀行を設立する協定は、域内十カ国以上を含む十五カ国以上の批准書の寄託があり、かつ、これらの国の出資額の合計が六億五千万ドル以上となった場合に発効することとなっており、第一回の払い込みは、原則としてこの効力発生後三十日以内とされております。本銀行設立計画に積極的に協力してまいりましたわが国としましては、できるだけすみやかに協定を批准するとともに、加盟に伴う国内手続を終える必要があると考えます。
以上が交付税及び譲与税配付金特別会計法の一部を改正する法律案外三法律案の提案の理由及びその概要であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/2
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003・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 四案に対する自余の審査は後日に譲ります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/3
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004・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 次に、通行税法の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
なお、本案につきましては、去る二月二十四日の本委員会におきまして、すでに提案理由の説明を聴取いたしておりますので、これより補足説明を聴取いたします。川村財務調査官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/4
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005・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 通行税法の一部を改正する法律案につきまして、補足的に御説明申し上げます。
現行通行税法の第三条におきましては、寝台料金の千円未満のものにつきましては非課税ということになっております。これは昭和三十六年に設けられた規定でございますが、当時この千円未満という限度を設けました趣旨は、二等の寝台料金を非課税とする目的で、二等の寝台料金が上段、中段、下段、それぞれ六百円、七百円、八百円と相なっておりましたこと、それから一等寝台の最低料金、これが税抜きで千円でございました。それから、当時の遊興飲食税の免税点が千円であったと、こういうような観点から、千円未満の寝台料金に対しましては非課税と、こういう規定を設けた次第でございます。
ところが、現在国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案の御審議をお願いしているわけでございますが、これによりますと、ただいま申し上げました二等の寝台料金がそれぞれ二百円ずつ引き上げられることになります。その結果、二等寝台の下段の料金は千円に相なりまして、したがいまして、現行の通行税法第三条によりますと、千円未満は非課税でございますが、千円以上は課税ということになりますので、二等の寝台料金が課税されるということになるわけでございます。
で、政府といたしましては、こういった一般大衆が主として利用する二等の寝台料金につきましては課税すべきでないという見地から、第三条につきまして、この「千円」を「千四百円」と改めたわけでございます。
以上、簡単でございますが、補足的な御説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/5
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006・徳永正利
○委員長(徳永正利君) それでは、これより質疑に入ります。質疑のおありのお方は順次御発言を願います。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/6
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007・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/7
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008・戸田菊雄
○戸田菊雄君 国鉄の今村理事のほうにお伺いしたいと思うのでございますが、通行税の沿革についてでありますけれども、かつて大蔵省主税局長の吉田豊治氏がこういうことを言っているのでありますが、これは鉄道同志会でもって「通行税廃止紀念」、こういうことで非常に古いあれでありますが、大正十五年の五月三十日に「通行税廃止紀念・遮断法人鉄道同志会」、こういう本が発刊されているのでありますけれども、この中で、かつて主税局長をやられました吉田豊治氏が通行税の沿革について述べております。この沿革を見ますると、「日露戦争の際、第二次増税計画として非常特別税法中に創設せられ、明治三十八年一月一日より施行になり、其の後明治四十三年非常特別税法より分離して永久税となったのである。通行税は由来営業税、織物消費税と共に天下の三大悪税と称せられ」、こういうことを言われて、さらに「税制改革の基本方針」という税制研究会報告があるのでありますが、その内容を見ますと、大衆課税という非難がだいぶ、大正十五年ころでありますけれども、ほうはいとして起きてきている。そのことによって、「昭和一三年支那事変特別税法が設けられた際、復活した。……昭和一五年の税制改正において、独立の通行税法が制定され、その後、数次の改正を経て現在に至っている。」、こういういわば通行税法の沿革というものについて説かれているのであります。
これらに対して、こういう沿革から通行税というものをながめた場合に、存在意義というのはすでに失われているのではないか、こういうふうに解釈するのでありますけれども、その辺に対するところの御見解を承りたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/8
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009・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 先生のお話のとおりに、通行税は昭和十三年に支那事変特別税法の一部として実施されまして、その後十五年に独立したわけでございますが、今日もはや、交通状態を考えてみますと、どうだから課税するというようなぜいたく的な色彩はもう私は全然ないと思うわけでございまして、今日においては私どもとしてもぜひともこういう通行税というものはやめていただきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/9
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010・徳永正利
○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて、
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/10
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011・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/11
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012・戸田菊雄
○戸田菊雄君 それじゃ、ただいまの沿革についての見解を財務調査官にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/12
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013・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 御意見にございましたように、通行税は戦費調達のために昭和十三年に起こされましたのはそのとおりでございます。で、由来、租税を国の内外を問わずながめてみますと、各国とも租税を起こすのは、そういう戦争のときに戦費調達という目的で起こされたケースが非常に多うございます。たとえて申し上げますと、わが国の現在ございます登録税、これは明治二十九年に起こされております。それから、相続税、これは明治三十八年、いずれも日清、日露の関係でございます。それから、通行税、物品税、入場税及び現在固定資産税に移されておりますが家屋税、これは昭和十五年。それから、同じ地方税でございますが、現在の料理飲食等消費税、これの前身が遊興飲食税と申しましたが、これも昭和十五年であります。
問題は、税を起こされました沿革は、まさに戦費調達というような戦時中の特別な要因で起こされておるわけでございますが、やはり戦後の財政あるいは経済の運営にあたりましては種々の財政需要が生じてくる。したがいまして、一たん起こされました税金はそのまま一つの収入源として残ると、こういう傾向は世界各国にも見られるところでございます。問題は、そういった税金が現在まで残っておるその形、それが問題であろうと思います。
で、ただいまの通行税について申し上げますと、当初起こされましたときには、交通機関のすべての乗客に対しまして課税が行なわれておったわけでございますが、数次の改正、ことに戦後の改正によりまして、現在では汽車等の一等の乗客、汽船等の特等の乗客、これだけが課税の対象になっておるということでございます。で、これも現在のたとえば物品税とかその他の消費税、こういった消費税体系の一環といたしまして、それぞれそういう商品の形態、そこにあらわれまする担税力、これに着目して課税をしておるという実情でございまして、現在消費税が一律に大体小売りに対しまして一〇%、それから製造価格につきましては二〇%と、こういう体系のもとに課税されておりまする現状から考えますと、現在の通行税は消費税体系の一環として合理的なのではないかと考える次第であります。
で、現在の汽車等の一等の乗客、それから汽船等の特等の乗客というものにつきましては、最低料金の、たとえば汽車等につきましては百分の百五十をオーバーする料金、それから汽船等につきましては百分の三百をオーバーする料金等に対して課税されておりますので、そういう意味からいきましても、担税力の観点から現行程度の負担はやむを得ないものと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/13
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014・戸田菊雄
○戸田菊雄君 では、調査官に再度質問をするのでありますが、通行税の性格についてどういうふうに解釈をとられておるか、この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/14
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015・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 通行税は私ども消費税と考えております。したがいまして、交通機関のサービス、これを購入するその対価について担税力を見出しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/15
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016・戸田菊雄
○戸田菊雄君 ただいま調査官は、通行税の性格については消費税だ、こういうことを御指摘になったのでありますが、原則的に私もそういうふうに考えるのでありますが、まあそのことについて、これも同じく「通行税廃止記念」の中で、これはOBの発行図書でありますけれども、鉄道省監督局長をやっている筧正太郎という方が、こういうことで当時の政府に対して通行税廃止問題についておおむね四項目にわたって具体的に申請をいたしております。これが大体土台になって、一時廃止する、こういうことになったようでありますけれども、この中でこういうことを言われておるのであります。
「通行税は消費税の一種であると思う。私は、通行税が消費税として適当な税目であるかどうかを考えてみたときに、原則的に、元来租税の税源は各人の所得であるべきでありますが」、これは大体現在も平田前主税局長あたりもこの論理はそのまま採用しているようでありまして、たびたびそういうことを聞くのであります。「ところが、この所得に課税することは、公平の原則、また徴税の技術的な問題、こういうことから、なかなか公平を期すわけにはいかないので、別に徴税の対象というものを見つけたい。それがいわゆる消費税である。その中の一部にいわばこの通行税というものが入っているのではないか」、こういうことを指摘されて、以下その三項目について、具体的に廃止の申請をしているのであります。
その第一はどういうことかというと、「消費税は、一般人の需要するものでなくてはなりますまい、或いは大量生産するものということにもなります。……そうでないと、税を課するものと課せないものとが出来てきて、公平を缺くことになります、此の点に就いて通行税はどうかと考えますと、貧富都鄙を通じて一般的でありません、自動車を常用とする富者は通行税を払ひませんし、鉄道、軌道の恩沢に浴しない地方と、都市近郊の如き交通機関の発達した地方の住民との間には、負担税額に於て非常な開きが起ってきます。然らば都市居住者にそれだけの担税力があるかといふに、必ずしも肯定は出来ないと考えます。」、こういうことを具体的に指摘をされて、さらに消費税の課税物件としては、代用品のないものがよいと思う、こういうことが定説ではないかということをさらにつけ加えておる。
こういうことをずっと並べてみました場合に、いまの通行税というものが税の本来の原則からいったいわば公平、こういう原則を貫いておらないのではないか、こういうことを具体的にあげているのであります。これらに対しての調査官の明確な見解をひとつ聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/16
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017・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) おっしゃいますように、租税の負担は応能負担であるというのが理想であると思います。その観点から申し上げますと、やはり所得を課税標準とする租税、所得税あるいは法人税、あるいはまた、所得ではございませんが、富を課税標準とする相続税、こういう形の租税が応能負担の原則に最もかなう、その意味で最もすぐれていると思います。しかしながら、所得という年々の稼得する収入に対しまして課税するということは、一方におきましては非常にむずかしい面があるわけであります。その一つは、課税される者の側から見まして、勤労意欲あるいは事業意欲、そういうものに対する影響があるということ、もう一つは、所得という年々のフローを計算すること、これ自体非常に技術的にむずかしい問題がある。こういう面から、所得税がまさに応能負担の原則に適するものではございますけれども、これを実行してまいりますときには、その実行面の観点から見ますと、その公平の実質を確保するということについては、非常にむずかしいいろいろな問題がございます。したがいまして、たとえば所得課税一本で税制を仕組むということは非常にむずかしい。で、各国においても、その意味におきまして、所得課税だけではなくて、財産課税、あるいは消費課税、あるいは流通課税、この四つの課税体系を組み合わせておるというのが現状でございます。
で、通行税につきまして、これを私は先ほど消費税と申し上げましたけれども、あらゆる交通機関のすべての乗客に対しまして課税するというようなことに相なりますと、まさに先生がおっしゃっておりますような、貧富の懸隔にかかわらず負担するという意味での逆進的な面が生じてまいるわけであります。しかしながら、現在のわが国の通行税法におきましては、その点に対する配慮は十分行なっておりまして、先ほど申し上げましたように、汽車等の一等の乗客あるいは汽船等の特等の乗客だけにしか課税しておらない。その意味におきましては、乗客の総数の約一%が課税されておるといった状態でございます。で、そういうような観点から見ますと、消費税の逆進性等の欠点を補う措置は十分に講ぜられておるのではないか。
それから、先ほど戸田先生の御意見のうちに、鉄道の恩沢を受けない者もあるではないかという御意見でございましたが、まあそういうものと比較いたしましても、ある程度鉄道の恩沢を受ける者がその受けるということに対しまして税負担に任ずるということも、一つの税負担のあり方ではないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/17
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018・戸田菊雄
○戸田菊雄君 私は、消費税は生活必需品にはかけないという、こういう方針でなければいけないというふうに考えるのでありまして、ことに、いま国鉄利用というものは、大体近代社会においては、汽車は一般国民大衆から利用される立場にある。そういうものについて課税対象にしていくということは、国民の生活を二重にいわば重課に追いやって、苦しい生活に追いやっているのではないか、こういうふうに判断するのでありますけれども、その辺についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/18
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019・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) おっしゃるとおり、消費税が生活必需品に課税されるということは適当でないと思います。その意味におきまして、一般大衆の利用いたしまする二等料金あるいは二等の運賃、これに対しましては現在課税を排除しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/19
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020・戸田菊雄
○戸田菊雄君 これは今村理事にお伺いしたいと思うのでありますけれども、いまの国鉄のいわば課税対象になっている一等普通運賃であるとか、あるいはまた寝台、急行料金、特別料金、こういったものに対する利用の度合いはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/20
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021・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 現在、お話のように、一等の旅客に、運賃、料金、全部にダブルパンチでかかっているわけでありますが、一等のお客さんと二等のお客さんの数の比較は、大体七・五%程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/21
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022・戸田菊雄
○戸田菊雄君 国鉄の利用状況でありますけれども、これは大蔵省主税局でもって配付した「租税及び印紙収入予算の説明」で、当然政府から出されているものであります。その最後尾の5の「主要経済指標の見通し」というものがあります。この統計によりますと、国内貨物輸送ないし国内旅客輸送が、億人キロで四十一年度の輸送計画が大体あるのでありますが、この数字は見通しとして国鉄当局が立てられたのですか、それとも収入予定として主税局あるいは政府で立てられたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/22
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023・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) これは経済企画庁が主たる所管官庁になっておりますが、四十一年の経済見通しにつきましては、ことしの一月二十七日に政府は閣議決定を行なっております。その資料をここに登載しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/23
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024・戸田菊雄
○戸田菊雄君 この統計によりますと、四十一年度の見通しということで、いわゆる国内旅客輸送は四千八億人キロになっております。日本の総人口の約半分ちょっと下でありますけれども、このくらいいわば国鉄を利用するということになってくるのであります。ですから、こういうことからいって、前にいわば私が消費税というものは日常的に、生活必需的に利用されるということの対象として、私はこの数字は明確に示しておると思うのでありまするけれども、こういうことに対する調査官の御理解はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/24
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025・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) おっしゃるところはまことにごもっともだと思いますが、現在通行税が課税の対象としておりますのは、汽車等の一等の乗客だけでございます。したがって、旅客総数のうち一等の乗客がどのくらいを占めるかということで見ていただくのが適当ではないかと思うわけでございますが、国鉄につきまして昭和三十九年度の計数を見てまいりますと、旅客総数は十九億七千五百万、もちろんこれは延べでございます。このうち一等の乗客数は千九百二十七万三千人でございます。したがいまして、旅客総数のうち課税の対象となります一等の乗客は一%でございます。したがいまして、大衆の利用する交通機関、そういうもの、あるいは交通機関の利用、こういうものに対する配慮は十分行なっていると考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/25
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026・戸田菊雄
○戸田菊雄君 これは今村理事にお伺いいたしますけれども、その一等の、いわばさっきおっしゃられた七・五%の利用の内容というものは、どういう業種別、たとえば社用族であるとか公用とか、こういうものに分けられると思いますが、その内容はどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/26
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027・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 私どもは、旅客の質的な調査ということで、毎年一定の時期に調査をいたしておるのでありますが、この調査によりますと、これは三十八年度の調査でありますが、これによりますと、大体、公用、社用、商用といったような純粋に用務のお客さんが五一・三%を占めておりまして、その他が家事、あるいはレクリエーションと申しますか、そういった割合になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/27
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028・徳永正利
○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/28
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029・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/29
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030・戸田菊雄
○戸田菊雄君 いま、国鉄の今村理事の説明によると、一等車なり、いわば課税対象の等級に乗ったり利用する方は大多数一般公用者であり、たとえば大蔵省の官吏がどっかへ出張する、こういうことで、そういうときに主として利用される、こういう実情のようであります。加えて、距離的に見ますと、その利用距離はおおむね二百七十キロと、こういう状況であります。いま私の記憶に間違いがなければ、いま国鉄のダイヤ構成というものは、準急以上、急行とか特別急行あるいは超特急、こういういわば列車別にながめてみますると、それが大体ダイヤ構成の八〇%を占めておるという状況なんであります。利用者の大部分は大体準急以上を利用して旅行をなされておる、こういうのが実態だと思うのです。ですから、そういうこの交通機関の発達の度合いといわば課税の考え方といいますか、この辺に私はだいぶ考えの相違というものが出てきているのではないか、こういうように考えるのでありますけれども、その辺に対する調査官の説明をお願いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/30
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031・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 非常にむずかしい御質問と思います。やはり所得課税を応能の原則にかなう最もいい税金であるという面から考えてみますと、何と申しましても、消費税あるいは流通税にはそれ相当の短所というものはあると思います。で、したがいまして、そういう応能負担という点だけから見たときには、通行税にはやはり所得税に劣る面がどうしても出てくるのはやむを得ないのでございます。しかしながら、初めに申し上げましたように、所得税だけで税制を仕組むということ自体、これが非常にむしろ現実にはいろいろな摩擦を生じ、あるいは実質的な公平を確保する道ではないというような見地から、各国とも所得税、あるいは消費税、あるいは流通税、資産税の四つの体系をそれぞれ社会経済の実情にそぐうように組み合わせておるというのが実情でございます。
ただいまの御質問の公用、社用、商用があるではないかと、それが国鉄の御説明によりますと五一・三%を占めるということでございますが、この社用、商用等で支払われました通行税につきましては、その部分は当該企業の所得計算上損金に算入されておるという意味では、当該企業自体の直接の負担にはなっておらないわけであります。これが一般の流通税にはそういう面がございますが、そういうようなことで、問題は、四八・七%の家事あるいはレクリエーション、こういう完全な個人消費、これにかかる税の負担がどうであるかというのが戸田委員の御質問の趣旨だろうと思いますが、これにつきまして、まあ繰り返すようでございますが、私どもといたしましては、できるだけ大衆消費は課税から排除するという趣旨で免税点を設け、あるいは二等乗客につきまして非課税とするというような措置を講じておりますので、総体の乗客数の一%程度を占める程度の課税対象であるならば、負担論から申しましても、さして問題はないのではないかと考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/31
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032・戸田菊雄
○戸田菊雄君 調査官の説明を聞いていると、どうもこの税金がかかる等級利用者は何かお金持ちで、そういう対象だという考え、ないしそういうものへ乗って旅行する者は奢侈的なそういう考え、こういうものをもって一貫して判断しているように考えるのでありますが、その辺についてはどうなんでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/32
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033・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 私、説明の中に奢侈ということばは実はいままで意識的にも申し上げなかったのでありますが、現在の消費税の課税対象物品をごらんいただきますと、必ずしも奢侈ということだけで割り切れないと思います。たとえば物品税の中の電気洗たく機とか、あるいは電気冷蔵庫、あるいはテレビ、こういったものも決して現在の社会感覚で奢侈ということはできないと思います。しかしながら、所得税と直接税と間接税を組み合わしてまいりますときに、どの程度から課税するかということが一つの問題になります。
で、たとえば所得税につきましても、現行の課税最低限は低いのじゃないかという御意見があると同様に、たとえば物品税あるいは通行税につきましても、現行の課税がきついんじゃないかという御意見があるのは当然と思います。しかしながら、現在の財政需要をまかなう階層としての租税は、できるだけ大衆の消費を省き、あるいは大衆の所得を省きながら、制度を仕組んでおるという観点から考えますと、現行の消費税体系は大体合理的な形になっているのではないかと私は思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/33
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034・須藤五郎
○須藤五郎君 ちょっと、関連で伺います。
いままで話を聞いておりますと、通行税は一等料金だけに関係があって、二等には関係がないのだと。そうすると、二等料金は、二等の運賃はどれだけ高くなったのか。それから、二等の急行券、準急行券、二等の料金には通行税というのは一切かからないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/34
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035・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/35
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036・戸田菊雄
○戸田菊雄君 調査官は先ほど、通行税の沿革についていろいろと私が質問したことに対して、当時設定された趣旨というものはあくまで戦費調達である、こういうことを二つ明確にお答えになっておるのですね。そうしてなおかつ、私はいまの鉄道旅行の実態ないし生活水準あるいは社会環境の変化は、総体的に生活が高揚のほうに向いておる、こういう状態の中でさらに国鉄のいわば機械化、近代化に伴って運送機関自体が高度に発達をしておるという、こういう現状と趨勢に対して、これらの通行税をあくまでも固守をしていかなければいけない、こういう理由は一体発見されますか。その辺に対しての具体的な考え方について私はお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/36
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037・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 結局問題は、現在の税体系のうち、直接税、間接税をどう持っていくか、間接税の中の課税対象物品をどう選んでいくかということに問題は尽きると思います。もし間接税体系のウエートを思い切って減らすというような考え方に立ちますと、たとえば通行税を廃止するとか、あるいは物品税をもっと減税するとかいうようなことに通じてくると思います。現在のわが国の税制では、直接税は大体五七・八%、間接税は四二・三%でございます。この直接税、間接税のウエートにつきましては、過去数年にわたりまして、税制調査会でもかなり審議検討したわけでありますが、やはりなかなか一時的にどのくらいの割合がいいということは言えないと、間接税のしたがってウエートを現行よりも減らすべきであるというところまでの結論は実は得られなかったわけでございます。と申しますのは、やはり現在の日本の所得水準から申しまして、なお所得税の負担がかなり重いということは事実でございます。したがいまして、所得税の減税をしてそのウエートをあまり高めないことにするか、あるいは間接税の減税をしてそのウエートをより低めることにするか、この辺につきましては、なお将来検討していかなければならない問題と思います。
要は、現在の所得税をはじめとする各税のそれぞれの負担のあり方がどうであるかということが問題であると思います。先ほど来申し上げておりますように、現在の消費税体系、これにつきましては、昭和三十七年にかなり大幅な体系的な検討に基づく改正をいたしまして、免税点もかなり合理的になっておると思います。その後の経済状況にかんがみまして、今年度若干手直しはしておりますけれども、やはりなお減税の重点は所得税に置かるべきである、あるいは所得税をはじめとする直接税に置かるべきであるというのが、現在までの税制調査会の審議結果でございます。今後の直接税、間接税のウエート、あるいは今後の減税の重点をどこに置いていくかということにつきましては、やはり今後の社会経済の情勢に応じまして政府としても種々検討を続けていくということであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/37
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038・戸田菊雄
○戸田菊雄君 税体系の根本的な問題については、いずれ機会を見て再度質問したいと思うのでありますが、いま調査官がおっしゃられましたように、通行税の課税体系と申しますか、負担のあり方、こういう問題について三十七年の年に調査官は、たいぶ合理的に手直しをした、こういう言い方をするのでありまするけれども、私は必ずしもそう言い切れないと思うのです。と申しますのは、少なくとも交通機関内の航空機、汽船、バス等をいろいろ比較対照いたしますと、いま国鉄運賃に対しては、そういう一割の課税対象になっておる。ところが、飛行機関係については、育成強化という名目に基づいて五分の課税、これしかやっておらない。船舶については、これはもう全然やっておらないわけです。それから、バス等のこういう交通業者に対してもこれはやっておらない。こういう状態でありまするから、交通機関の中のいろいろな分類される各業種別について、必ずしも私は、いま調査官がおっしゃられましたように、公平に課税態様というものは整理をされたというふうには理解をできないのであります。この辺についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/38
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039・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 昭和三十七年に旅客運賃料金とも一律一〇%の課税にいたしておりますが、それ以前は、五%から二〇%までの税率があったわけでございます。三十七年に税率を改正をいたしますその一年前、三十六年に現行の二等寝台につきましての非課税が行なわれました。したがいまして、三十六年、三十七年を通じましてこの改正によりまして、汽車については一等、汽船については特等、この料金だけについて課税の対象となる、二等以下の乗客に対しましては通行税が課税されないということになったわけであります。
私がほかの消費税体系を持ち出しましたのは、通行税だけに限りませず、現在の消費税はそのものの消費に見られる担税力に着目して課税するという趣旨でございますので、あるものには免税点を設け、あるものには税率段階区分を設けまして、それぞれの消費ごとに負担区分を変えておる。その場合に通行税につきましては一段階にいたしまして、ごくわずかの一等乗客だけにつきまして課税をしておるという意味で、現行の通行税体系はかなり合理化が行なわれている。現在の消費税の一〇%課税という原則に照らしてみますときは、通行税の一等乗客だけに対しまする一〇%程度の課税は、これは大体合理的なものではないか、消費税体系全般から見て合理的なものではないかと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/39
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040・戸田菊雄
○戸田菊雄君 調査官、私はいまこういうことを聞いたんですよ。現額に対する整理状況ではなくて、国鉄と他の交通機関というものをその課税の態様ごとに比較すると均衡を失なっているではないか、こういうことを具体的に、たとえば飛行機の場合は五分しかかかっていない、あるいはバスの場合は全然無税だ、それからいまの汽船の場合は特等、こういうことになっている。ですから、交通機関をそういう業種別にいろいろながめてみた場合は、税の負担のきせ方ですね、こういうものについて均衡を失しているのではないか、このことをいま聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/40
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041・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 汽車、それから汽船、こういうものの運賃の定め方は、これは御承知と思いますが、違っております、実態が。そこで、従来から考えておりますのは、大体汽船の特等は汽車の一等に当たる、汽船の一等は汽車の二等に当たるというようなことでございます。そこで、現在の通行税法は、最低料金に対しまする。パーセンテージによりまして、事実上汽車の一等と汽船の特等だけが課税になると、こういう形になっておるんでございますが、これは消費の実体からいいまして大体それで見合うと考えております。
それから、交通機関ごとの負担の問題、ことに航空機が五%になっているではないかという御意見でございますが、これは確かに一つの政策的な減税でございます。日本の航空機の運輸業が戦後出発するにあたりまして、やはり国が相当の援助をしてやらなければいかぬというような見地から、特別措置法によりまして一〇%を五%に軽減しておる。これはそういう意味での税体系の特則、政策的な特別措置とお考えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/41
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042・戸田菊雄
○戸田菊雄君 ここまで説明を聞いてまいりますと、いよいよもって私はわからなくなりますよ。と申しますのは、その通行税というものを国鉄のそういうものを課税対象として、一面においてはいま申し上げたような不均衡が依然として存在しておる。こういう状況で一体何を対象に、たとえばいまの説明ですと、船室の整備であるとか、あるいは客室の整備であるとか、こういう施設条件を土台にしておおむね課税対象にしている、あるいは金額をはじき出す、税率をはじき出す、こういうことに考えているような説明でありますが、これは通行税というものはどういうものを一体土台にして消費税としての課税、こういうものをねらいとしているのか、その辺について説明を願いたい。たとえば客室とか設備条件とか、あるいはサービス面とか、いろいろあると思うんだが、そういうものを一体どこに中心を置いて通行税というものを課税対象にしているか、この辺がひとつ中心として私はわからなくなってくる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/42
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043・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 税制にそういう具体的な実情を織り込むということは確かに理論的には可能でございますし、できればそれが理想だと思いますが、何ぶんにも一つの税務行政としての組織として動きますときには、なかなかそういうきめのこまかい措置まではできないわけでございます。それからまた、見る人の主観によりまして、それが上等であるとかあるいは上等でないとかいうことになりますと、かえって公平を失するということにもなりかねないわけであります。したがいまして、現在の通行税法におきましては、いろいろな料金の段階区分があるものについて最低料金の、汽車の場合でしたら百分の百五十、汽船の場合でしたら百分の三百、これをこえるものが課税の対象となるというような仕組みで、金額でこれをきめておるというのが現状でございます。
なお、バス等については取っていないではないかというようなお話でございますが、バスはほとんど通勤用等日常大衆の使っておる交通機関でございますので、これをしいて課税のうちに取り込むということについてはかなり問題があるのではないか。もちろん、観光用の非常にデラックスなものもございますけれども、そこまで取り込むことになりますと、まさに、戸田委員のおっしゃるような設備等につきましてこまかく基準を設けた税率区分を設けませんと、執行できない。しかし、また、そういうことを設けること自体が公平な税務行政を不可能にするというようなことでございますので、やはり現在のような金額区分で段階をきめざるを得ないと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/43
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044・柴谷要
○柴谷要君 一体、通行税というのはどのくらいあがっておるんですか、金額。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/44
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045・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 通行税の総額で申し上げますと、四十年度の補正予算で四十五億でございます。それから、四十一年度の予算では六十八億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/45
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046・柴谷要
○柴谷要君 その内訳を、国鉄とか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/46
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047・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 御質問の国鉄の分だけを取り出して申し上げますと、四十年度補正予算総額四十五億のうち国鉄分が三十億、それから四十一年度の六十八億のうち国鉄分が四十七億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/47
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048・柴谷要
○柴谷要君 いま説明を聞くというと、だいぶ通行税が入るようだけれども、これは国鉄職員が切符を売る際に徴収をしておるので、手数は、国鉄が手数をかけて徴収しておる。手数料はどのくらいもらっておるのか。国鉄のほうから答弁をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/48
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049・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 手数料は全然もらっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/49
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050・柴谷要
○柴谷要君 手数料をもらえないような仕事をなぜやっておるんですか。手数料をきめてもらったらどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/50
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051・今村義夫
○説明員(今村義夫君) これは国鉄も一応国の機関として徴税の事務を預かっておるわけでございますから、まあ取れないわけでございます。まあ私どもとしては、これはお客さんは税金として意識せずに運賃として意識しておられるだろう、大部分のお客さんはそういう運賃だと思ってお払いになっておられるだろうと思うのです。ですから、そういう意味からいきましても、私どもとしては、そういう手数料の問題よりも、むしろこれを廃止していただく、あるいは軽減していただくということのほうを望むわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/51
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052・柴谷要
○柴谷要君 それは確かに廃止を望む声は国鉄ばかりでなしに、税体系全体から考えた場合に、通行税なんというのは廃止すべきだとわれわれ思う。思うんだけれども、現行の通行税というものは一等車のお客さんに対してはかかっておる。で、この業務をやっておるのが職員だ。国鉄にやらしておる。収入は全部国用に入っておる。ぬれ手でアワだ。大蔵省は一体手数料を出す気があるのかないのか、ひとつ答弁してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/52
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053・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 消費税につきましては、個々の消費者から納税せしめるということがほとんど困難でございますので、例外なしに徴収義務を課しております。間接税全般がそうでございます。国鉄もその意味におきましては、国の課税権に基づいてその徴収義務が課されておりますので、由来、税の問題と手数料ということはそぐわない、まあなじまない問題であると考えております。
それから、もう一つ補足的に申し上げますが、現在通行税は課税対象となりました料金の百十分の十を計算して出すことになっておりますので、計算的な事務はほとんど問題がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/53
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054・須藤五郎
○須藤五郎君 関連。今度まあわれわれがもちろん反対して、通さない方針で、まあみんながんばっておるわけですが、運賃値上げになれば、その運賃値上げになった結果、通行税も値上げになる。そうでしよう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/54
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055・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/55
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056・須藤五郎
○須藤五郎君 その増収額はどれだけ、それからこの二等の寝台券課税をしないということで、どれだけの減収になるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/56
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057・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 先ほど申し上げましたように、総額六十八億のうち、国鉄分が四十七億でございます。四十七億は引き上げ後でございますが、引き上げ前の現行運賃ベースで申し上げますと、三十八億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/57
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058・須藤五郎
○須藤五郎君 三十八億増収になるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/58
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059・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) いえ、三十八億が現行でございまして、それが四十七億になりますので、九億という……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/59
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060・須藤五郎
○須藤五郎君 九億の増収になるわけですね。それから減収の面は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/60
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061・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) これはいま手元に計算が……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/61
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062・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 要するに、ほっといたらどのくらい増収になるかということだ、逆にいえば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/62
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063・今村義夫
○説明員(今村義夫君) お尋ねは、もし二等の千円が税金かかるとすればどのくらいになるかという、ことばをかえればそういうことであろうと思いますけれども、私のほうで算定いたしますと、大体三億程度になるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/63
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064・戸田菊雄
○戸田菊雄君 調査官、この調査内容によりますと、三ページでありますか、通行税のいわゆる四十年度以降四十一年度にわたっての、いわばこの四十年度、四十一年度は決算じゃありませんけれど、この数字によりますと、四十一年度は六十八億三千六百万円、こういうことになっておるわけですね。さらに四十年度の場合は二十三億二千五百万円、こういうことになっておるのでありますけれども、これは間違いないんですか、いまの説明とちょっと違うようでありますけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/64
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065・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 私、先ほど申し上げましたのは、総額六十八億のうちの国鉄分だけについて申し上げました。したがいまして、この三ページの表は総額が載っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/65
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066・戸田菊雄
○戸田菊雄君 二十一ページの説明でいいわけですね、現行……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/66
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067・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) はい、そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/67
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068・戸田菊雄
○戸田菊雄君 ちょっとこれは大臣がいないとまずいんでありますけれども、大体私が計算してみますと、国有鉄道の四十一年の見込みは、四十七億四千八百万、こういうことになっておるのでありますが、本来ならこの予算は、二月十五日ごろであった。まだその運賃法が通過をいたしておらないわけであります。おおむね十八日——現行基準にいたしまして、これも違うのでありますが、大体二億程度ですね、私はもうすでに違ってきてるんじゃないか、こういうふうに考えられるのですけれども、その辺に対する見解と、それらに対する処理は一体どうするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/68
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069・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) これは税収見込みの宿命的なものでございまして、たとえば経済企画庁の発表いたします生産指数あるいは物価指数、これをもとに税収をはじくわけでございますが、これが従来ごらんいただきますようにほとんど実績と合ったことはございません。したがいまして、この国鉄運賃の問題につきましても、施行期日等につきましてはかなりフレがあると思います。問題はただ、経済の実際の伸び、通行税の場合でございますと乗客の人員がどの程度になるかというようなことにつきましては、必ずしも確たる計数をいま見込むということが不可能でございますので、いろいろなまあ過去の伸び等を使っております。そういうことから申しまして、一日二日の狂いがたとえばこの予算の執行を困難にするかというようなことになりますと、計算上はまさにそうなりますが、これは通行税のみならず各税あくまでも見込みでございますので、そういう問題が必然的に起こってくる、そういう観点から、私ども税収を見込みます場合にはできるだけ確実な度合いをもとに見込んでございますので、全体として四十一年度の予算には支障を来たさないであろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/69
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070・戸田菊雄
○戸田菊雄君 ただ、その現実このまま実現をされなければ減るわけでしょう。そういう見解でしょう。そうすれば、当然その当初見積もりとして四十七億四千八百万の通行税収入に見積もりを立てたことについては狂いを生ずることは、これは事実でしょう。そういう結果になるのでしょう。この点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/70
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071・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 非常にいまの誤差による減収額は少ない数字と思いますが、計算的には先生のおっしゃるようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/71
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072・戸田菊雄
○戸田菊雄君 そういうことになりますと、その処理方式はどういう処理でいくのですかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/72
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073・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 先ほど申し上げましたように、税収見積もり全体に関する問題と思います。したがいまして、一般会計税収といたしましては、個々の税目に出入りがございましても、一般会計の税収全体でそれが確保されれば国の財政収入には支障は来たさないわけでございますので、いろいろそういうこまかい問題は各税ごとにあるわけでございますが、私どもできるだけ確実な見積もりに心がけておりますので、通行税のそういう問題はほかのその他の税目のプラスの誤差等によりまして消されるということも考えられるわけでございます。全体といたしまして、弾性値等から見ましても、今年度の予算確保は十分できるという見通しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/73
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074・戸田菊雄
○戸田菊雄君 それですから、きょう大蔵大臣おりませんから、政務次官にちょっとお尋ねをしておくのでありますが、総体の税収の見積もりの問題でありますが、四十年度は二千五百九十億という赤字なんですね。公債発行した、こういうことです。ですから、私は端的に、きょう大臣おりませんから、その辺の収入見積もりについてちょっとお伺いしておくのでありますが、一体、ことし戦後膨大な四兆三千百四十二億というああいう予算を組んでいる。これで一体景気がよくなるのかよくならないのか、この見通しについて、簡単でいいですから、次官のほうから聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/74
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075・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) ただいま通行税につきましていろいろとお説を拝聴いたしました。この通行税収入のもし見積もり不足があれば、それはどうするかというような点のお尋ねのようでございましたが、それは先ほど説明官が申しましたように、財政収支全体の上から考えまして処理したいという考えでございます。
御質問の、しからば経理対策は一体どうなるのか、特に昨年は二千五百億円からの税収不足になる見積もりをしたじゃないかということでございますが、四十一年度の予算につきましては、御承知のような大型予算であり、画期的な公債導入というようなことをいたしまして、税収不足の面では確信を持ちまして前年度のような不始末はいたさないという自信のある計数を事務当局ははじき出しておる、かように私は理解いたしております。
景気がすぐにどうなるかという問題でございまするが、これはなかなか議論の多いところでございまするが、すでに一月並びに二月中旬までの各種の指標その他によりますというと、鉱工業生産の指数、あるいは在庫投資の関係、あるいは株価の問題等を考え合わせまして、現段階におきましても底をついておる、少しくなだらかではございますが上向きではないかというような感じを持つわけでございまして、四十一年度の予算を御決定いただきますならば、当然必ず景気は回復するものと私自身は考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/75
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076・瓜生清
○瓜生清君 ちょっと、いまの戸田委員の質問に対する次官のお答えについてお伺いしたいのですが、通行税法がかりに通過するにしても、いまの予算の収入面から見ると、二月十五日から値上がりするということを前提にして歳入が見積もってあるわけですね。そこで、これが予定どおり政府原案のようにパスして、そのあとで減収という事態が起こったならば、全体的な観点から調整がとれると思うのですが、いまははっきり運賃値上げというものが三月以降になるということは明確になって、これは減収になるかならないか実はそのときになってみなければわかりませんけれども、とにかく二月十五日から値上げを実施するということを前提にして歳入が見込んである場合には、やっぱりそういう考え方でいいわけですか。その点ひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/76
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077・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 各税目ごとにそういう問題いろいろあると思います。歳出のほうで本年度は六百五十億の予備費もございます。したがいまして、今後の経済の推移を見ませんとわからないことでございますが、税を見積もる態度といたしましては、各税目ごとに相当確実度を見込みながら見積もっております。したがいまして、通行税のこの国鉄運賃の値上げがおくれたことに伴いまする減収、これはおそらく減収額としては非常に小さい数字であろうと思いますので、一般会計がこれを収入面で場合によっては消化し得る見込みもございますし、それがかりにだめであったといたしましても、予備費のうちで十分それは処理ができるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/77
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078・成瀬幡治
○成瀬幡治君 ちょっと関連して。いまの答弁でいうと、そういうことを聞いているわけじゃない。そんなごまかしじゃいかぬわけですよ。そうじゃなくて、初めからちゃんと見積もりの基準、数字があって、ちゃんとお立てになってあなたのほうは一応科学的に計算してお見えになったじゃないか、その基礎が狂っているということが明確になったじゃないか、とすれば、税に弾力性があることはだれでもわかっているから、それはいいですよ。ところが、こういうふうに狂っていることが明確になった、明らかになったじゃないかと言っているのに、答弁は税の弾力性ということを言っている。これではすれ違いの答弁でしょう。いまの瓜生君の質問に対する答弁としては趣旨が違うですよ。そういう態度では政府はいかぬでしょう。そういう場合には何か組みかえられたものをお出しになるというのが当然じゃないでしょうか。しかし、やむを得ぬから組んだと、こういう話なら、話は別ですよ。頭から税は弾力性があるからこれでけっこうですということは、違うと思うのですね。ですから、本来ならこうだ、しかしいろいろな関係で、しばしばその予算を、また機4号にしたり機5号にしたらたいへんだということもわかるのですよ。だから、そういうごまかしの答弁じゃなしに、もう少しそこのところは……。これは大臣がいないからだめだということを戸田君も言っているのです。瓜生君もそうだと思う。ちょっと、そういう答弁技術でごまかされてはいかぬと思うのです。明らかにしておいたほうがいいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/78
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079・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 予算のうち歳出につきましては、これは政府に歳出権を付与するという積極的な行為でございますから、これがもし動くとたいへんでございます。しかしながら、歳入につきましては、これは歳入権を付与するという性質のものではございません。政府に付与された歳出をまかなうに足るだけの歳入がはたしてあるかどうか、その一応の見積もりを示すというのが歳入予算であろうと思います。したがいまして、私は別に逃げておるわけではございませんで、まあ見もりというもの自体そういう性質のものでございますから、一般会計の収支じりを合わすという意味では、歳出面の予備費もございます。それから、収入自体、現在の見積もりが正当であることを私たちは念願いたしますけれども、いろいろフレも出てまいります。そういう意味で、予算の組みかえというような問題が起こることではないということを先ほど申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/79
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080・成瀬幡治
○成瀬幡治君 重ねて。そうすると、あなたのほうの見積もりの中には、先ほど出された四十五億何ぼの中には、一応それはめどであって、フレはあるんだ、初めからフレを織り込んでおると。ということは、たとえば今度のことがおくれたとか、あるいはどうにか景気がよくなって人がうんと出ればそういうこともあるわけだから、初めからこれはあくまでも見積もりですと、そういう態度ですか。そんなら話は別になってくるから。参考資料みたいなものだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/80
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081・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) これは「租税及び印紙収入予算の説明」にも詳しく書いてございますが、この税収を見積もるにあたりましては、今年度の経済がどうなるかということが非常に大きな問題でございます。したがいまして、ひとり通行税のみならず、所得税、法人税、こういうものを見積もるにあたって、従来の課税実績を基礎にいたしまして、一月二十七日に行なわれました閣議決定の本年度の経済見通し、これを基礎にできるだけ確実な態度で見積もったということには変わりはございません。ただ、いまぎりぎりと、たとえばこの十五日のおくれをどうするかというようなことで御質問いただきますと、まあ見積もりでございますから、この数字がびた一文違わずに入るということにつきましては、やはり今後の経済の動きいかん、そういうことがかなり問題にはなってくる。現状のままで申し上げますと、一月二十七日の閣議決定の計数につきましては、政府は今後の経済運営をこういうことで持っていくという意思表示でもございますので、これが各税にそのままいきますと、ただいま国鉄運賃の値上げのおくれ、それがそのまま通行税にはね返ってくることに相なります。しかしながら、予算全体といたしましては、繰り返すようでございますが、予備費等もございますので、一般会計の収支に支障を来たすということではないと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/81
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082・戸田菊雄
○戸田菊雄君 まあその点は大臣がおりませんので、大臣の見解はあとで確かめたいと思うのですが、われわれの理解としては、二月一日に閣議決定をやって、ことしの成長率は幾ら、経済見通しはどうという決定した数字があるわけです。ところが、この決定によりますと、中期経済計画というものは御破算にしたということになる。三年の間の経済見通しというものを二月一日に閣議決定をした、昨年は二千五百九十億の落ち込みがあった、こういうように最近の政府の一貫した経済見通しというものは、非常にわれわれは不信を感ずるわけです。そういうものを土台にして、税収見積もりもいろいろあるわけだが、さっき次官にそういう意味から、ちょっと経済がよくなるのかよくならないのかという端的な質問をしたのでありますけれども、そういうふうに非常に不安定な状況にある土台なんですね。こういう点に対しては私は意見だけ申し上げて、いずれ大臣が来られたら詳しく聞きたいと思います。
それで、結果的に、いまの通行税に対して、調査官としては撤廃、これが当然あるべき姿なのかどうか。これはひとつ政務次官にも、あるいは国鉄の今村理事のほうにも、その見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/82
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083・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 撤廃でごさいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/83
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084・戸田菊雄
○戸田菊雄君 いままで、その沿革なり、当面の社会情勢の発展なり、国鉄の機械化、近代化に伴う今後の輸送機関の発展なり、そういうものを総合的に要約してみると、当然私は通行税というものを撤廃していいじゃないか、そういう存在というものは存在していないのだ、こういうことに対するあなたの見解はどうですか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/84
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085・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 通行税につきましてのいろいろ御意見はあると思いますが、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、現在の消費税体系のうちにおきましても、現行の通行税の課税は合理的な水準になっておると私は思います。そういう意味で、もちろん将来社会経済状況の進展に応じまして直接税、間接税のウエートにつきまする反省が行なわれる、そういう機械はいずれまたあると思いますけれども、少なくとも現状におきましては、通行税はこの際存続することが至当と考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/85
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086・戸田菊雄
○戸田菊雄君 政務次官、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/86
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087・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) 財務当局といたしましては、やはり通行税そのものは存続すべきものだ、かように考えております。その理由は、いまいろいろと御説明申し上げましたように、一般の交通機関の中でいろいろとバス、電車等の御指摘もございましたが、今回の通行税の体系は、大衆課税というよりはやはり富裕階級と申しまするか、わずか利用者一%程度という特別な担税能力のある階層を対象にいたしております。そういう関係からいたしまして、やはりこの制度は置くべきである。
なお、余分なことでありますが、航空機等につきましては、諸外国におきましてはやはり通行税を取っておりますので、引き続き諸外国との税制上の均衡と申しまするか、そういう点から考えましても、置いておきたい、かように考えております。
それから、いま一つ、誤解があるとたいへんでございますので、私申し添えておきたいのですが、先ほど戸田先生から時間的に二日、三日おくれたらどうなるかというようなことに対するわれわれの答弁を申し上げました。決してこれがこの法律がゆっくり通ってもいいのだという気持ちじゃございません。あくまでもすみやかにお通し願いたいのでございまして、決して困らないから差しつかえないのだ、こういう意味合いの答弁ではございませんので、念のために申し添えておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/87
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088・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 通行税につきましては、冒頭申し上げましたように、国鉄としてはぜひとも廃止を願うか、または航空機等とのバランスを考えましても、ただいまの航空機の問題と鉄道の問題とを比較してみますと、スピードの問題からいいましても、あるいは設備からいいましても、私はちっとも飛行機のほうに劣っておるとは思いません。にもかかわらず、五%、一割ということでは、非常にバランスを欠いておると思いますので、もし撤廃できなければ、航空機程度の五%程度にしていただきたい。
ちなみに、先ほど大蔵省のほうから説明がございました二割の通行税を一割にしていただいたということで、この三十六年度までは年々一等乗客が減っておりましたのが、三十七年を境に若干ずつふえてきたということは、その一割の通行税でもそれだけお客さんには影響があるということを立証しておると思いますので、私どもとしては撤廃ないし減免のほうをぜひお願いして、それによって私どもとしての増収にも寄与さしていただきたい、こういうふうに考える次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/88
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089・戸田菊雄
○戸田菊雄君 確実な議事録がないからわかりませんけれども、衆議院の段階において答弁をされた際に、大蔵大臣は、これらについては十分に検討してよろしいというようなことを回答なされたように聞いておる。そういうことについて、政務次官、調査官は、どういうふうに思っておられるか。また、大臣からそういった問題についての何がないのかどうかわかりませんけれども、そういう点についてひとつ伺いたい。
それから、もう一つは、改廃の検討については用意があるのかないのか、この辺についての政務次官と調査官の見解をお聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/89
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090・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) まだ大臣から、衆議院における答弁の内容につきまして、私、検討というものが前向きの検討なのか、あるいはいま国鉄がおっしゃいましたような航空機対陸上輸送の関係範囲内における検討か、その内容はよく聞いておりませんので、承知いたしておりません。
また、第二の質問でありまする廃止をする用意があるか、あるいは廃止を前提として検討しておるかというお尋ねでございまするが、現段階におきましては、まだそこまで事務的に計画いたしておるというようなことでないと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/90
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091・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 大臣が衆議院の大蔵委員会で検討する旨御答弁なったことは承知しております。私どもといたしましても、将来、税制調査会の審議を中心といたしまして、通行税のみならず広く消費税体系の一般のあり方を検討しなければならないと思っております。ただ、先ほど申し上げましたように、何と申しましても、わが国の現在の所得税負担、これはかなりまだ重いものであるというようなことを考えますと、今後所得水準が向上するにつれまして、現在の負担が累進的に増加していくという点につきましては、毎年是正をできるだけ努力をしていかなければならないと考えておりますので、そうした間接税体系の減税の問題にいたしましても、広く直接税、間接税を通じまして検討を続けていかなければならない。で、通行税の改廃等につきましても、その一環として考えていくべきであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/91
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092・瓜生清
○瓜生清君 いまの答弁を聞いておりまして、非常に、何といいますか、とまどうのですけれどもね。大蔵省のほうは税体系全般の中でこの通行税を残すべきが至当であるといっているし、国鉄のほうはなくしてもらいたいという希望が非常に強いわけなんですね。そこで、いま両者間の調整がつかずにここへ持ち出されてきたんだと思うんですけれども、今日ただいまの段階でそれをどうこうするということは不可能だと思うが、大蔵委員会でいわゆる政府側委員の答弁がまるきり、何というか、ニュアンスが異なるというようなそういう行き方、私はどうかと思うのですよ。だから、それはやっぱり早急に何とか話し合いをしてもらわないと、聞いているほうが一体どちらが正しいのかさっぱり迷っちゃうわけですよね。私は私なりの結論は持っていますけれどもね。そういうやっぱりぶざまなことは今後避けるべきじゃないかということを、御意見として私は申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/92
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093・戸田菊雄
○戸田菊雄君 きょうは大臣も来られませんから、飛び飛びやるわけでありますが、調査官にお尋ねするわけですけれども、通行税を取ったものを一体何に使うのですか。その点について説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/93
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094・川村博太郎
○政府委員(川村博太郎君) 通行税は、一般会計の収入といたしまして、一般財源として使っております。したがいまして、特定の目的に充てるというような考え方はとっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/94
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095・戸田菊雄
○戸田菊雄君 御存じのように、社会党としては、日本国有鉄道整備緊急措置法案というものを今次国会に提出をして、いま運輸委員会で並行審議をやられておるわけです。これはまあ御存じだろうと思うのでありますが、このねらいとするのは、結局は私たちの第四条に示した交付金の交付であります。いま国鉄の設備投資、こういうものは御存じのように日鉄法の第五条、これによって国家が見るのがたてまえ。こういう法律が定められておるにもかかわらず、いまの国鉄の財政状況というものは非常にひどい。たとえば概数で申し上げて、四十年度で約一千億の借金を背負っておるという。さらに、その公共料金というか、学生の割引であるとか、その他各種割引がありますが、こういういわゆる割引運賃による減収が約八百億程度。こういうふうに、いわゆる社会保障政策として当然国家が見ていかなければならないものが、すべて国鉄企業に背負わされている。加えて公共性、独立採算であります。公共企業体、われわれにはとても理解ができないそういう名称を付せられて、あくまでも独立採算制を強要されている、こういうのが、いまの国鉄経営の実態であると私は考えている。だから、そういうものに対しまして、私は当然国家の中で、国鉄に対するそれらのめんどうといいますか、見ていくのが至当じゃないかというふうに考えるのです。いまその通行税で、言ってみれば、これは国鉄の労働者がいろいろと非常に煩雑、あるいはまた制度上設定をした複雑なそういう作業をやっていくわけでありますけれども、そういう中で苦労して取ったものがすべて一般財源に繰り込まれて、そうして国家でもってかってに使っていく、こういう姿にもなっているわけです。私は決してこの税金を取ることを正当化しているのではなくして、国鉄の実態というものはそういうような状況に追いやられている、こういうような姿である。こういうものに対して、政務次官はどういうふうに、国鉄の経営、ことにふところぐあいについて考えられているか、ちょっと御意見を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/95
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096・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) その問題につきまして、先般大臣が御承知のように衆議院で答弁いたしておりまするが、およそその域を出るわけにはまいりませんが、政府といたしましては、御承知のように、一般会計から三十五億円の出資をし、また財投で財投総額の一割に及ぶという数字を考えておりまするし、なお、御承知のように、国鉄に対しましては有力なる路線の独占的な優先的な路線の確保というようなことにつきまして、経済的な援助と申しまするか助力をいたしている、こういうことでございまして、政府が何ら顧みておらないというわけじゃございません。ただ、その度合いがきわめて不満足という御意見もあられましょうが、現状におきましてはそういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/96
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097・戸田菊雄
○戸田菊雄君 どうも政務次官の内容は、私、理解しにくいのでございますけれども、公共企業体というものに対してどういう御理解を持っていますか、ずばりいってどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/97
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098・竹中恒夫
○政府委員(竹中恒夫君) 公共企業体は公益国民大衆に対しまして、一つの企業の形でもって奉仕するというような考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/98
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099・戸田菊雄
○戸田菊雄君 まあ大臣が来たらやることにいたしますけれども、今村理事にちょっとお伺いしますが、いまの国鉄のこの通行税徴収のために、ざっくばらんにいって、制度上、規定上制定をして、あるいはその職員の取り扱い上いろいろな作業が入ってくるわけでありますけれども、これに対する経費その他はどのくらい見積もっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/99
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100・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 経費の点はちょっといま手元に資料がございませんので、お答え申し上げかねますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/100
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101・戸田菊雄
○戸田菊雄君 あとでわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/101
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102・今村義夫
○説明員(今村義夫君) そういう徴収事務についての表をとっているかどうか、ちょっと私、はっきりいたしませんけれども、調べてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/102
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103・柴谷要
○柴谷要君 先ほどの同僚委員である瓜生委員の、政府と公共企業体の意見が違うとおかしいじゃないか、統一した意見を持ってこいと、こういうような御要望があったのですがね、私はまた逆だと思う。政府と公共企業体というものと意見が全く一致するなんということはあり得ない。ということは、公共企業体なるものがあいまいなものである。公共性を優先するのか、企業性を優先するのか、これを明確にしないでああいうものをつくったから、今日、政府と国鉄との間に意見の相違が生ずるのは当然のことなんです。公共性を優先するならばするように、政府がもっと公共に奉仕している問題については十分手当てをすべきだ。企業性を優先させるというなら、企業が成り立つように、何も政府助成などするのでなくて、運賃できちっと利用者負担なら負担の原則を確立さして、そして運賃できちっと取って運営させるようにやればいい。ところが、そういうあいまいな、どっちが先に行ってるのかわからないような公共企業体を押しつけておいて、独立採算なんていうものを上にかぶせているから、いま言ったように意見の相違が生まれるのは当然なんだ。だから、私は、意見調整をしようとしたってできないだろうと思うんで、もっと深刻に悩んでおることをお互いが言い合ってもらうことのほうが私は有力な審議ができるんじゃないかと。
それからね、この通行税の問題については、大蔵省も行く行くはやめたいという気持ちがあるはずなんです。しかし、今日の段階では、とにかくまあ予算に計上した以上は、責任上そういうことは軽んじて言えないから、まあ一生懸命答弁されておるので、たいへんお気の毒だと思っているんですが、年々予算が雪だるま式にふえてくるんです。このままでいったら、一体日本の予算というものはどうなるのかという心配が私どもあるわけだ。いずれどこかで大なたをふるわなきゃならぬ時期が来ると思う。そのときこそ、また税体系についても、消費税だけの問題ではなしに、税体系全体の再検討が必要ではないかと、こう思うんですよ。だから、その段階のいま一段階において、ただ通行税だけの問題を時間をかけて議論してみたって始まらないことなんで、これは大衆に金のかからぬことだから、この辺で打ち切りにしてね、運賃が上がるか上がらぬかわからぬけれども、その見通しを見た上でこの態度をきめるということのほうが賢明ではないか、こう思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/103
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104・瓜生清
○瓜生清君 誤解があるといけませんので、私はいまの柴谷さんのおっしゃったようなことを背景にして、もう少し話し合え、こういう意味ですから、訂正しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/104
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105・戸田菊雄
○戸田菊雄君 それで、次回の資料を少し請求をしておきたいと思うのですが、これは今村理事にお願いしたいと思うのですけれども、一つは、いまでもお答えができればやってもらいたいと思うのですが、国鉄の総線区は全体でいま幾らであるか。私は二百二十二線区と記憶しておりますが、それで間違いないかどうか。そのうち赤字線区はどれだけ、黒字線区はどれだけ、この辺についてひとつ教えてもらいたい。
それから、もう一つは、外国で一体通行税がどいうふうにかけられているのか。たとえば具体的にアメリカであるとかドイツであるとかフランスであるとか、あるいはイギリス、まあフランスイタリー等は日本の国内情勢とほとんど一致しているのではないかと思うのでありますけれども、この辺に対する通行税の課税の可否と、それから課税をしているところではその内容、こういうものについて、ひとつ資料として出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/105
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106・徳永正利
○委員長(徳永正利君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/106
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107・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記つけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/107
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108・戸田菊雄
○戸田菊雄君 もう一つは、公共企業体という国鉄運営方式がある。諸外国にはどことどこがあるのですか。その点についても、おわかりになれば、お調べを願いたい。日本のような国有鉄道の運営方式をとっている国はどのくらいあるのか、そういう点についてひとつお調べを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/108
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109・今村義夫
○説明員(今村義夫君) 国鉄の赤字線、黒字線のあれは、非常に計算がむずかしいのでございますけれども、一応私どもの原価計算でやっているところでは、先生おっしゃった線の中で、黒字線は十五線区でございます。残りは全部赤字線区でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/109
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110・戸田菊雄
○戸田菊雄君 二百二十二線区というのは、総数で変わりありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/110
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111・今村義夫
○説明員(今村義夫君) はい。それから、第二の外国の通行税の現状につきましては、ただいま資料を持ち合わせておりませんので、至急に調べて提出することにいたします。それから、第三の公共企業体がほかに外国の事例であるかという御質問は、私どもが承知している範囲におきましては、ないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/111
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112・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/112
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113・徳永正利
○委員長(徳永正利君) 速記を起こして。
本案に対する審査は、本日のところこの程度にとどめます。
これにて散会いたします。
午後五時十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114629X00819660301/113
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