1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十年十二月二十八日(火曜日)
午前十時二十五分開会
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委員の異動
十二月二十八日
辞任 補欠選任
重宗 雄三君 大森 久司君
郡 祐一君 八田 一朗君
大野木秀次郎君 柳田桃太郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
大森 久司君
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
竹中 恒夫君
津島 文治君
八田 一朗君
柳田桃太郎君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
二宮 文造君
市川 房枝君
国務大臣
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
自治政務次官 大西 正男君
自治大臣官房長 松島 五郎君
自治省行政局長 佐久間 彊君
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
自治省税務局府
県税課長 石川 一郎君
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本日の会議に付した案件
○昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。
提案理由の説明はすでに聴取いたしておりますので、補足説明を聴取いたします。柴田財政局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/1
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002・柴田護
○政府委員(柴田護君) 昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案につきまして補足して御説明申し上げますが、この法律案の逐条の御説明に入ります前に、法律案の背景になりました計数等につきまして簡単に申し上げたいと思います。
昭和四十年度の財政措置につきまして三つの問題があったわけでございます。一つは、景気の沈滞によります地方税収入の減収に対する補てん措置であります。第二番目は、給与改定に要しまする財源に対する財源措置であります。第三番目は、国税の減収に伴いまする地方交付税の減収に対する補てん措置と、この三つの問題であります。
地方税の減収補てんにつきましては、本年度当初地方財政計画で算定いたしました税収入に対しまして、地方税及び地方譲与税におきまして五百三十二億円の減収が予定をされるに至りましたので、これに対しましては地方債を四百億円増加いたしまして、これを公共事業費の地方負担に対する地方債の充当率を上げますことによって措置をいたすことといたしました。残余の百三十二億円は積み立て金の取りくずし等により処置することといたしたのであります。減収額五百三十二億円の内訳は、地方税が五百四億円でありまして、地方譲与税が二十八億円であります。
地方税の五百四億円の中身は、県民税が六十一億、市町村民税が九十三億円、法人税が三百五十億円であります。県民税、市町村民税の減収は、いずれも法人税割りであります。また、地方譲与税の二十八億円は、道路譲与税が二十四億円、特別とん譲与税が八億でありますが、別に石油ガス譲与税が四億の増収が立ちますので、差し引き二十八億円という計算になっております。
それから給与改定所要経費に対しまする財源措に関しましては、本年九月から人事院勧告を実施いたしますということで計算をいたしてまいりますると、総額四百九十三億円の改定に要する財源が要るわけであります。そのうち交付団体につきましては三百六十八億円、不交付団体百二十五億円でありますが、交付団体分三百六十八億円のうち三百億円を交付税及び譲与税配付金特別会計におきまして借り入れまして支弁することにいたしております。残余の六十八億円につきましては、主として旅費、物件費等の節減によりましてまかなうことを期待いたしております。
第三番目の国税三税の減収に伴いまする交付税の減収につきましては、国税三税におきまして、本年度の当初予算に対しまして千七百三十五億円の減収が予想いたされます。それだけのものが減額補正をせられますのに伴いまして地方交付税におきまして五百十二億円の減収が立つわけでございますので、この部分につきましては昭和四十年度に限りまして一般会計から補てんすることにいたしております。
法律案の第一条は、この国税三税の減収に伴いまする交付税の減収を一般会計から補てんをする趣旨を明確にしたものであります。本年当初予算に計上された交付税の額をもって交付税とする。しかし、本年度として配ります部分には、借り入れ金をいたしまする三百億円を加えて借り入れるわけでございますので、第一条の後段にその趣旨を明らかにいたしております。第一条の第二項につきましては、三百億円を給与改定財源に充てしめますために、従前のような、本来の普通交付税と特別交付税の区分によりましては、そのことが不可能になりますので、この三百億円を全部普通交付税として計算するという趣旨を明確にしたものでございます。第三項は、単位費用の特例でございます。単位費用につきましては、給与費にかかわりまする部分についてそれぞれ所要額を改定をいたしております。その他の旅費、物件費の節約に見合います額を落としますかたわら、給与費に関する部分を増額いたしております。
それから第二条でありますが、第二条は、昭和四十一年度から昭和四十七年度分までの交付税の総額の特例を規定いたしております。この借りました三百億円は、昭和四十一年度十億、それから四十二年、三年、四年、この三カ年が三十億、四十五年が六十億、四十六年及び七年が七十億ずつ一般会計に返済をいたすことにいたしております。利子は一般会計負担でございますが、返済することにいたしておりますので、その部分が交付税の総額から減額されるわけでございまして、その趣旨を第二条におきまして明確にいたしておるのでございます。
それから借り入れのやり方でございますが、借り入れのやり方は、昨年借りました百五十億円と同じように、年度ごとの短期の借り入れという形をとりますので、第二項にその趣旨を書いておりまして、これは財政処理の特別措置に関する法律によってその額をきめる、こういう規定を置いたのでございます。
それから附則におきましては、すでに配りました普通交付税の額、これはすでに交付済みでございますが、この額は、今回再算定いたしまするものの概算交付だ、こういうふうにみなす規定を置いて、その間の連携をとることといたしました。
以上本法律案につきまして補足して御説明申し上げました次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/2
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003・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) それでは御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/3
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004・原田立
○原田立君 いまも補足説明があったわけでありますが、昭和四十年度の国税収入二千五百九十億の見込み違い、これは一つ大きな問題点と思うのです。そのために経済的な見通しが間違って、多くの関係に困難な状態になったわけでありますが、これは経済的見通しが非常に甘くて粗雑であったためじゃないか、こんなふうに思うのでありますが、ほんとうはこれは自治大臣に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/4
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005・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) すぐ来ます。少しずつやってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/5
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006・柴田護
○政府委員(柴田護君) その点につきましては、先日も予算委員会で御質問がございましたときに、総理は率直に、経済の見通しについてそごがあったということを認めておられまして、私どもといたしましても、当初財政計画を組みました際には、そんなに増収になるかなという感じは持っておったわけでございますが、何ぶんにも従来の計算で、法人関係の租税の計算は、国税、法人税の計算を基礎といたしておりますので、その計算によってまいったわけであります。その結果、地方税におきましても相当の減収を生ずる見込みが明確になった、こういう次第でございます。それがどういう種類の間違いと申しますか、食い違いであったかは問題といたしましても、食い違いがありましたことにつきましては、確かに御指摘のように遺憾だというように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/6
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007・原田立
○原田立君 地方税の減収分は五百三十二億円であったわけでありますが、そのために地方債四百億円を増額発行することにして、その穴埋めを行なったと、いま説明がありましたが、地方債は、言ってみるならば借金であります。この増発は、地方団体の財政をますます困窮ならしめることになります。元利償還が年々ふえることにより、財政上ますます苦しくなるのでありますが、この元金の返済、利子の支払い等に対し、今後の見通しについてどのように対処なさるのか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/7
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008・柴田護
○政府委員(柴田護君) 本来でございますれば、基準財政収入の再計算をして、そして交付税のやり直し、つまり基準財政需要額の再計算だけでございませんで、基準財政収入につきましても再計算をしていくという方法が本来的にあるわけでございますが、今回それを避けまして、むしろ基準財政需要額だけの再計算によって、給与改定の財源措置を早くやろう、そのかわり、その穴埋めの部分につきましては、地方債を公共事業債のかさ上げという形でもって処理をしよう、こういうことにしたわけであります。したがって、この部分につきましての地方債の元利償還額というものは、普通の公共事業に対する地方債の元利償還分と同じ扱いにする。つまり全体としては交付税の計算の中には入るわけでございますけれども、そのことの元利償還金だけを取り出して特に財源措置を云々しない、こういう気持ちでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/8
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009・原田立
○原田立君 国税の減収のときは地方税も減収になるのははっきりしたことでありますが、今回三千五百九十億の国税の減収があり、地方税のほうも五百三十二億からの減収になっている。ところで、税収がどうあろうとも、そこに働いている人たちは生きていかなければならないし、生活をしていかなければならない。生活給は変わるものじゃないのでありますが、したがって国税減収のときの対策を今回今度のみに限ると、何度もうたって、今回の特別措置がなされたのでありますが、去年もいま御説明があったように百五十億からの手当てをやった。今回は三百億だ、こういうふうに何度も続けていく。二度あることは三度あるという、三度も四度もあるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでありますが、こういうただ、いわゆるこう薬ばりのようなことではなしに、もっと根本的に、基本的に対策を講ぜねばならないと、こう考えているのですが、その点はいかがですか。どういうふうな今後見通しですね、どういうふうにお考えなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/9
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010・柴田護
○政府委員(柴田護君) おっしゃるような事態があるいは起こるかもしれないと思いますけれども、何ぶんにも政府の財政計画が従前と違いまして苦しくなってきておる。地方財政はもとよりであります。そういう際に給与改定をやるということに相なりなりますれば、これは財政的には非常手段をとらざるを得ない、こういう形で三百億の借り入れ金ということにしたわけでございます。そのこと自身は、本来、地方財政の立場に立ちますれば、決して望ましいことではございません。しかし、この借り入れ金というのはあとで返すわけでありまして、言うならば交付税の前借りということであります。昨年におきましても、この委員会で御説明申し上げたかとも思いますけれども、言うならば、一種の単年度ごとに法律をもってする交付税会計における年度間調整という趣旨と考えられる。つまり年度によりましては、非常に交付税が増収が立ったという場合にはこれを操り越し、交付税会計に不足を生じました場合にはこれを借り入れるという、言うならば交付税を発足せしめましたときに問題になりました議論というのを、単独法の形ではございます、そのときどきの法律をもって処理する形ではございますけれども、まあ、その本来の趣旨に沿った措置だと、こういうぐあいに考えるわけであります。ただしかし、こういう借金の措置が永久に続きますと、御承知のように問題があるわけでありまして、この措置があまり続きますれば、やはり交付税の適否という問題になるわけであります。交付税法の第六条の三によって処理すべきものと、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/10
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011・原田立
○原田立君 そういう単独の法案をつくったからいいんじゃないかというようなことですが、去年もそうだったし、ことしもそうだった。ちょっと言葉は悪いですが、場当たり的な政策じゃないかと、またベースアップも今回のみに限らず、まだ今後ずっと続くんじゃないかということは考えるわけなんです。そうすると、毎年毎年同じように特例法をつくってやるというのは、これは少し権威がなさ過ぎるんじゃないか、こう思うのでお聞きしているわけなんですから、もう少し詳しくお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/11
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012・柴田護
○政府委員(柴田護君) 地方財政の立場で申し上げますと、毎々ここで申し上げておりますように、私どもといたしましては、年度の途中で給与改定をやられることは困るのであります。純財政的な立場で申し上げますれば、非常に財政運営に混乱が巻き起こる。いままで昭和三十五、六年ごろのように相当の自然増収が見込めるような状態でありましても、不交付団体におきましては予算の組みかえをやらなければなりません。年度が相当進行してから予算の組みかえをやるということは、やはり財政運営には多大の混乱を巻き起こすことになりますので、年度の中途で給与改定をやるということは避けてほしいということを関係方面に毎々申し上げてきておるわけでございます。いまだに実現はいたしませんけれども、そこにやはり問題の根本があるというふうに私どもは考えておるわけであります。交付税自身の問題、あるいは財源措置のしかた自身についても問題が全然ないとは申し上げませんけれども、やはり問題の根源は、年度の途中にばく大な財政支出が必要となるような行政措置そのものに、やはり問題の一つがあるのだろうというように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/12
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013・原田立
○原田立君 その時期、給与改定の時期等が大きな問題だということですが、これはずっと以前からこの問題は議論されて、いまだ結論に至っていないわけですが、この件についてどういうふうな具体的な交渉等をなさったのか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/13
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014・柴田護
○政府委員(柴田護君) 昨年も非常に問題になりまして、給与改定の取り扱いを昨年きめましてから、あとで関係事務次官会議を開きましたり、あるいは関係閣僚会議を持ったりしまして、政府部内では何回か交渉なり会議なりを持ったわけでありますけれども、結論を得ないままに本年度の勧告を迎えてしまった。そうしてその結果、また同じような事態が繰り返された、まあこういうことになるわけでございまして、本年度の給与改定に関します閣議決定をいたしましたあとでも、やはり給与改定と勧告というものの関係については、さらに検討をするということになっております。その後におきまして、関係者間におきまして何回か会議が持たれ、検討されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/14
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015・原田立
○原田立君 これはあとで聞いた話ですが、人事院総裁のほうは、この時期はもう絶対にはずせないのだというようなお話があったように聞いております。そうすると、改定できないような問題を何だかんだいって、いわゆる地方財政の不健全な状態になる原因にあげて、いつも拱手傍観しているというのは、はなはだ無責任じゃないか、こんなふうに思うのですが、いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/15
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016・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私どもはもう御指摘のとおりのような気持ちをずっと持っております。給与改定の問題というのは、地方財政の問題といってもいいくらいであります。地方財政の立場から非常に困る問題については再検討してほしいということはもう強く申し上げておる。しかしいまだにそれがなかなか解決されない、率直に申しまして困ったことだという感じを持ってずっと今日まで至っておるわけであります。しかし、今後におきましても、私どもはやはりその考え方は間違っておるとは思いません。やはり年度中途の給与改定ということは避けてもらうように関係筋に対しましては主張してまいるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/16
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017・原田立
○原田立君 じゃ、その件に関してはちょっと希望を述べておきますが、ただ困ったものだということで終ることじゃなくて、地方団体はこれによって非常に困るわけです。もう火の車の地方財政なんですから、これは国としても、自治省全体としても、何らかもう一歩、前向きの姿で一歩前進ということであっていただきたいと思うのです。
それから先ほども説明の中にあった話ですが、地方財政法第四条の三には、年度間の財源調整が規定されておりますけれども、今日の地方財政はこの積み立て金を取りくずして財源の補充をしておるのが現状じゃないかと思う。一体現在どのような実態になっておるのか。この点、数字等がわかっていればあわせて御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/17
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018・柴田護
○政府委員(柴田護君) ちょっと数字をいま調べましてお答え申し上げますが。——ちょっと古い数字しかございませんが、昭和三十八年度末で地方団体の持っております積み立て金の総額は七百五十四億円であります。そのうち財政資金として積み立てておりますものが三百八十九億円、その他は基本財産でございますとか、減債基金あるいは特定の目的のために積み立てられておるものでありまして、財政的な意味合いでのいわゆる財政調整積み立て金と考えられるものが三百八十九億円でございます。この積み立て金は三十九年になりまして減っておりまして、四十年になりましても若干まだ減っておるわけであります。その積み立て金を取りくずしの対象に考えます場合には、年度の当初からすでに取りくずしを予定しておるといったようなものもあるわけでございますので、その数字はある程度確かめませんと、ここで取りくずし額ということを取り上げるわけにはまいりません。それで今回の措置を講じるにあたりまして、九月末であったと記憶いたしておりますが、この財政措置を講じます地方、特に府県、大都市の積み立て金の状況を調べました。そのときに今後取りくずし可能と目される積み立て金の額が約百億円ございます。その百億円を主として対象として、ここに積み立て金取りくずしという額を計上したのであります。まあ積み立て金というのは困ったときに使うためにあるのでございますので、ある程度の取りくずしを期待して財政運営を指導することはやむを得ない、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/18
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019・原田立
○原田立君 そういうようなことをやっても、いわゆる地方財政も底をついているというのが現況だと思うのです。ただ取りくずしができるであろうというようなことでなしに、いまのお話の年度間の財源調整をどういうふうに指導するのか、あるいはこういう赤字地方団体に対してどういうふうに指導していくのか、もう少し明確にお願いしたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/19
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020・柴田護
○政府委員(柴田護君) 地方団体の財政状況全般につきましては、もう御承知かと思いますけれども、三十九年度末の決算では赤字総額は三百七十億円でございます。そのうちで一番最大の赤字団体は東京都の百三億円であります。大体全体として見渡しますと、古い都市、それから五大市、県では東京、冨山、三重、埼玉、それからちょっと忘れましたが、もう一県ございます。県では五県でございます。五大市では三市、これが赤字であります。東京都と大阪市と合わせますと、大体赤字の半分くらいをかかえておるわけでございまして、最近の傾向としては、団体数はそうめつたやたらにふえない。しかし特殊の団体につきましては非常に大きな赤字が出てきておるというような傾向を持っております。しかしながら、御指摘のように、ただ赤字が出たから悪い、赤字が出ないからいいというわけではございませんので、地方財政全体としての弾力性が減ってまいっておるわけであります。それで、やはり国全体として仕事はしなければならない、税負担はこれを軽減合理化しろという要請でございまするので、やはりどうしても税金を能率的、効率的に使うということを考えていただく以外にないと思うのであります。どうしても管理経費の効率化と申しますか、そういう方面に力を入れて指導してまいるつもりであります。また非常に財源がうんと入りましたときにおきましては、将来に備えてやはり積み立てなり、リザーブしていくということをやっていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。財政の非常に悪いところにつきましては、地方財政再建特別措置法の規定もございますし、再建計画を樹立させまして、再建の指導をしておるわけでございます。
なお、昭和二十九年、三十年ごろと違いまして、今日の地方財政の困窮に、やはり特別会計というものの困窮があるわけでございまして、この困窮を打開いたしませんと、どうしても一般会計が引きずられてしまう。東京都の例をとりましても、特別会計に出している金が百億近いといったような状態でございますので、むしろ特別会計がしゃんとすれば、ある意味では一般会計については助かるというようなことにもなっておるようなわけでございます。したがって、国民健康保険会計とか、あるいは公営企業会計とかいうものの健全化というものを、一日も早く達成させなければならぬというように考えておるわけでございまして、両々相まちまして、地方財政全体が健全化の線に乗っていくだろうと思うのでございます。ただ、来年度以降におきましては、国そのものの財政に非常に大きな変革をされようといたしておりますので、その点が私どもといたしましては、本来進めたいという路線に非常に影響を及ぼしてまいります。これをどのような形で調整するかという問題が今後残されたむずかしい問題である、こういうように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/20
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021・原田立
○原田立君 何路線ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/21
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022・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私どもが考えております健全化路線といいますか、健全化するための必要な施策というものに対して、国がいろいろ財政の構造に変革を来たそうとしている。このことが非常に影響を与えることになる。これをどうして調整するかということが、今後のむずかしい課題になっておる、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/22
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023・原田立
○原田立君 地方団体の民間金融機関から借り入れしておるのは、一体どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/23
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024・柴田護
○政府委員(柴田護君) 地方債の現在高で申し上げますが、昭和三十九年度発行額がまだ完全につかめておりませんので、若干計数上異同があると思いますけれども、三十九年度末現在で、地方団体の地方債の現在高は二兆二千七百億であります。この二兆二千七百億のうちで、政府から借りておりますものが一兆四千億、残余の八千六百八十億ばかりのものがこれが公募債でございます。この公募債の中で公庫債もございますが、ほとんどが銀行、会社、いわゆる縁故債といわれておるものでございます。
なお、もう少し申し上げますと、この二兆二千七百億のうちで普通会計債、一般会計に属しますものが半分の一兆一千億、公営企業会計が一兆一千六百八十億という形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/24
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025・原田立
○原田立君 いまお話があったように、地方団体の民間金融機関への依存度は年々大きくなってくるし、いまもこれは企業債入れての金額だと思うんですね、二兆二千七百億というのは。これを地方団体は借金をして運営しておるわけですね。いまの局長のお話は、ただこういう借金をしておるという御説明ですけれども、これを今度完全に返済し、健全なる地方財政を樹立するには、一体どういうふうに指導していくのか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/25
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026・柴田護
○政府委員(柴田護君) この地方債の問題につきましては、いろいろ問題がたくさんあるわけでございますけれども、普通会計債に属しまする部分は、過去十年ぐらい前と違いまして、その後一般会計の地方債というのは、どちらかというと抑制をしてまいりました。そのために、伸びはやや足踏み状態であります。これは普通基準財政需要額の計算を通じまして財源措置をし、返済をしていくわけであります。公営企業債につきましては、これは公営企業がみずからの収入を通じまして返済をしていくわけでございまして、その間に特別地方債についてどうこうという指導をいたすようなことはいたしておりませんけれども、まあしかし、問題点といいますれば、公営企業債の中で、たとえば水道債のようなものを考えますならば、非常に償還期限等について問題がある。また利率等においても問題がある、こういうことです。私どもといたしましては、なるべく長期の資金をなるべく低利で地方に融通するような措置を考えるということであります。普通会計債につきましては、いまの段階で特別やかましいことは言っておりません。ただ、公債費が一般財源の中で二割をこすというようなことになりますと、これはやはり問題であります。少なくとも一五%をこさないようにということは、起債事務を扱いますにあたりまして、その他の財源措置を検討いたします際におきまして注意する一つのめどといたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/26
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027・原田立
○原田立君 一般会計予算における地方債は、今回は千三百九十八億円当初計画されていたわけですが、追加五百五十五億円で、合計千九百五十三億円になっておりますが、これは計算してみると、歳入総額の五・四%でありまして、歳出面における実態は、公債費、元利償還は約四%であると聞いております。二十九年、三十年度は、前の話ですが、二十九年、三十年度は赤字でずいぶん困ったのですが、この三年あとの三十三年度は六%で非常に異常な状態でありました。歳入歳出両面における公債費の割合は、どの程度が適正規模であると考えているのか、またどういうふうに考えているのか、お伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/27
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028・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは非常にむずかしい問題でございまして、一がいに言えないだろうと思うのであります。たとえば発展途上にあります都市というものを考えてみますると、少々公債費が上回り、あるいは少々の額に達し、あるいはまた借り入れ金の額が、公債の額が多うございましても、そうびっくりすることはない。やがてその財源というのは税源の発生と申しますか、増加という形でもって報われてくる。しかし、そうじゃない、発展のとまったところにおきましては、公債費というものがだんだんふえてまいりますと、これはやはり財政の弾力性に非常に大きな圧力になってくるわけであります。まあ、この点について、したがって、一般的にこうだといったような原則めいたものはございませんけれども、一般的には一〇%前後というものが一つの境界線、一五%になりますと、ほぼリミットに近いのじゃないか、こういうことが言われております。私は、これは一般論でありまして、都市の構造、発展態様というものによりまして、非常に前途にいろいろ発展のアローアンスがあっていいんじゃないか、こういうふうなことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/28
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029・原田立
○原田立君 大蔵省は、地方債はもっと出していいんじゃないかというような、そういう意見もあると聞いておりますけれども、自治省としては、どういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/29
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030・柴田護
○政府委員(柴田護君) 大蔵省も意見がたくさんありまして、主として主計当局に言わせますれば、一般会計の地方債を押えてきたんだから、国も金がないんだから、一般会計の地方債をふやしてもいいじゃないか、こういうふうなあれであります。理財当局は、そんなあれじゃなくて、そんなに金があるわけじゃない。それに資金だって枯渇しているんだし、地方財政のたてまえからいっても、そう一般会計の地方債をふやすことは好ましくない、こういうわけです。率直に申しまして、大蔵省の中でも意見が二色ございます。
私どもはどう考えるかということでございますが、私どもは、やはり過去におきまする地方債施策の反省と申しますか、そういう立場から、地方債をここ十年ぐらいは一般会計債について押えていたわけであります。ずっと抑えてきたわけであります。しかし、その結果がどうかと申しますと、やはり問題はある。それは端的にいいますと、道路でございますが、道路というものを考えてみますると、最初地方債政策を変えました際に、これは十年ばかり前でありますが、変えた際に、道路の修復というものは、地方団体の事務としては経常事務じゃないだろうか、だからそれだけのものは常に一般財源としてリザーブしておく、これを地方債というのはおかしいのじゃないかということで、道路とか橋梁とかというものは一応地方債の中からはずした。そうしてその状態が今日まできているわけでございますけれども、私はまあしかし、いまごろになって言うのはおかしいかもしれませんけれども、少し行き過ぎがあったのじゃなかろうか、今日の道路というようなものを考えてみますと、これはそう経常系統的なものを考えるべきじゃない。むしろ資金があれば、その資金を活用して、そうして道路をどんどんよくしたらいいんじゃないか、そのほうがむしろ地方住民にも裨益するし、産業界の振興にも役立つし、また村全体の、あるいは町全体の行政というものが振興するゆえんであろう。したがって、そういうようなものを、公債というようなものについてあまり峻厳に拒否することもあるまい、こういう気を持つのであります。したがって、そういったことを考えてみますと、今日の公共事業債というものの充当率、あるいは対象等についても問題があるだろうと思うのでありまして、まあそうでたらめに地方債で公共事業というものを全部まかなうという態勢をとろうとはもちろん思いませんけれども、現在の一般会計債のワクというものは、必ずしもこれで多いというわけじゃない、まだ少しふえてもかまわぬじゃないだろうか、そう気にすることはないだろうというように思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/30
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031・原田立
○原田立君 都市財政は非常に困窮のどん底でありますけれども、この原因は、都市問題の激増とか、地域開発政策の失敗、国と地方の財政の激増で、国重点政策にするとか いろいろに言われているわけでありますが、今日の都市財政の困窮はいま始まったことじゃない、積年の結果に基づいている、こう言われているわけです。いまの現状の御説明ばかりでなしに、ビジョンといいますか、今後どういうふうにしてこれを解決していくのか、その点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/31
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032・柴田護
○政府委員(柴田護君) 非常にむずかしい御質問でございまして、お答えになるかどうかわかりませんけれども、まあ一般的に言いまして、いま詰まっておりますのは都市財政だと、私は思うのでございます。これは解決の方法としましては、都市にやはり税源が足らぬ、やはり都市に税源をやらにゃならぬ、そのためには、まあ一例をあげれば、古い五大市がいま全部交付団体でございますけれども、五大市が交付団体というようなことは、言うなればおかしい話で、不交付団体であたりまえだという感じがするのであります。もう交付団体になりましてからだいぶたつわけでありますが、これはやはり税制上に問題があるのじゃないだろうか。それから町村になってまいりますと、これはやはり税源をやりたくても税源そのものがないのでありますから、これはやはり交付税の機能を活用する以外にない。もっと端的に言いますと、都市には税金を、それから町村には交付税をということじゃなかろうか。そういう方向で財源を充実するかたわら、やはり能率経営ということについて、もっと指導なり助言なりといったことが要るのじゃなかろうかと思うのであります。
どうも一つ病院を経営するにいたしましても、相隣する地方団体が相互にそれぞれ病院を持っている。あるいは水道だって共同経営できるものを共同経営しない。その辺のところに、大きな目から見ますならば、もっと改善、合理化すべき余地があるのではなかろうか。したがって、一口に言いますならば、管理経費の徹底的な効率化、それは一つは広域経営でございましょうし、一つはやはりむだを省くということでございましょう。そういうことを経営面でやるかたわら、やはり税源、財源の充実ということにつとめなければならぬだろう、こう思うのでございます。なかなか思うようにいきませんけれども、方向としてはそうじゃなかろうか。大体私ども、実は都市の経営というものについてのいろいろ検討、研究というものは、率直に申しまして、激動する最近の都市行政というものについての検討は十分じゃないと、率直に申しまして、われわれ実はそういう反省をいたしております。もっと理想的な都市経営、理想的な都市行政のあり方といったことにつきましては、なおもっと研究し、もっと合理的なものを描き出すべきだというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/32
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033・原田立
○原田立君 それで、いまの税制上の問題があると、税源を与えなければならないとか、交付税を渡していかなければいけないということでお話ありましたが、多少の景気変動でも影響されないように、地方交付税の税率を、今回のような特例等で毎年上げるのではなしに、引き上げ改正をしていくというようなお考えはあるのですかないのですか。それは大蔵大臣は予算委員会で、引き上げなんかしないというように、はっきり明言しているのですが、その点についていかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/33
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034・柴田護
○政府委員(柴田護君) 実はことし来年、いろいろ議論になっておりまする国家財政というものの仕組みと申しますか、構造といいますか、というものが将来どうなっていくのかということが、私どもには、率直に申しまして、はっきり見当がつきません。今日のように、国と地方との間の結びつきが非常に強くなってまいりますれば、この国家財政に起こりますところのいろんな事態というものが地方財政に微妙な影響を及ぼしてくるわけであります。この国家財政に起こります影響が恒久的なものでありますれば、これに対する地方財政のいき方というものは、やはり恒久的な態度を持って臨むべきであろう。まあ臨時的なものでありますれば臨時的なもので考えるということも、場合によってはやむを得ないという考えを持っております、一般論として。
そこで、交付税をどうするかという問題になるわけでございますけれども、全体として交付税、地方税を含めて財源をまず考える。その中で一体どういう格好に交付税と独立税というものに振り分けるかということになるわけであります。理想から申しますならば、まず税源というものが第一であります。独立税を増加するのが当然のことだと思います。しかし、独立税だけを考えておりましても、税源のないところはしようがありませんから、やはり交付税というものも考えていかなければならぬというふうに思うのでありまして、これは相互相関連する問題であります。しかし、少なくとも明年度のことを考えますと、とても現在の交付税率あるいは現在の税制ということでは、地方財政はもたぬ。やはりそういうことについて、交付税率の改定という問題につきましても一検討をしなければならぬというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/34
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035・原田立
○原田立君 公務員の給与の改定のことなんですが、先ほどもちょっと触れましたが、去年は百五十億、今回は三百億円を借り入れして処理しているのでありますが、いずれにしても、さっきから何度も議論しているように、いずれは返さねばならぬものであり、次年度の財政をますます苦しくさせることになるわけですから、このような借り入れで処理するというようなこと自体が異常な状態であります。一家の経済からいっても、そんなことでは当然破産してしまうに間違いないわけですよ。こんな現状で、はたしていいとお考えなんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/35
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036・柴田護
○政府委員(柴田護君) 決していいとは思ってはおりません。ただ国もすっからかん、地方もすっからかん、そういうすっからかんの中で給与改定をやろうとすれば、こういうような方法をとらなければならない、こういうことが率直なところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/36
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037・原田立
○原田立君 これはひとつ大きな問題ですから、大臣の御所見をお伺いしたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/37
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038・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) いま局長が申しましたようにきわめて、御質問がございましたように好ましからざる状態でございますので、今回はやむを得ぬ処置でございますが、しかし、地方財政の財源確立に対しましては、この問題もあわせてひとつ検討をいたしたいと考えます。そのことはどういう意味かというと、やはり交付税率の引き上げ等の問題に対しても強く折衝をいましているわけでございます。いまでは大蔵当局は国の財源がどうもならぬときであるから、安定するときに計画を立てる。いまの事態は暫定的なものとして、やはり借金政治をやっているときは暫定的なものとして、これが交付税の率の改定等に対しては考えるわけにはいかないということは言っておりますが、しかし鋭意ひとつ地方財源の安定確立のために折衝を続けておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/38
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039・原田立
○原田立君 ひとつせっかく大努力をなさっていただきたいと思います。今日の地方財政がそうやって苦しくなっているのは、国から地方に回す総体のワクか少ないからだと思う。だから地方自治体は財政難に陥ってしまうのでありますが、これは将来大きな問題点になりますし、現在はいわゆる三割自治といわれるような状態になっております。地方自治体独自の財源は三割しかない。あとの七割はほとんど国のひもつきであるが、こういう制度自体か問題ではないかと思うのですが、これでは地方自治体が貧乏になるのが当然であり、今回のような特に不況に見舞われると、一ぺんで壁にぶつかってしまうのです。縮まってしまう。これを解決する施策、どういうふうに具体策、観念論でなくて、具体策はどういうふうに考えているか……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/39
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040・柴田護
○政府委員(柴田護君) やはり具体的には、地方制度調査会から先般事務配分の御答申をいただきましたが、これに関連して、やはり財源の再配分といいますかが行なわれる。地方団体の財源を充実するという方向だろうと思います。ただ、今日のような国家財政と地方財政との関連を考えて、行政のあり方というようなものまで考えてまいりますと、やはり補助金行政というものにある程度メスを入れなければ片がつかないのじゃないだろうか。国全体が社会福祉国家という立場から、福祉行政というものに最終的な責任を持つという形になってまいりますれば、やはり施策そのものは、施策の基本方向は国で立てるといたしましても、さいふは地方団体にまかすという、こういう態度をとってまいりませんと、地方自治は死んでしまう。そうすると、その地方自治のいいところを行政の末端で生かすというためには、今日の補助金行政というものはあまりにもいろいろなひもがつき過ぎている。これをやはり断ち切っていく方向でいかなければならない。それで、補助金をやめてしまえば一番いいのでありますが、国のそういうあり方というものを考えますと、補助金をなくするわけにいかない。やはりインセンティブを与えるという効果はあるのです。この与え方をどうするかということだと思うのでございます。補助金行政がいろいろ問題になりまして、超過負担問題は単価、対象等が問題であるといわれますけれども、やはり超過負担の出てまいります一つの基本的な問題は、補助条件というものがあります。これは行政のはなやかな影に沈んでしまって、あまり御存じない方が多いようでございますけれども、やはり補助条件というものにいろいろ無理な注文があるわけであります。これをどうして一体すらっとするかというところに、この超過負担のむずかしい問題があるわけであります。
自治省といたしましては、いろいろ努力をいたしておりますけれども、なかなか力及ばずして、そこまでなかなか出せない、しかし、いまの原田先生のお尋ねの線に沿ってものを考えますれば、どうしてもそこのところをうまく割り切りませんと、なかなか地方団体の創意が行政に生かされるというような状態にならないのではないかというように私どもは考えている次第でございます。しかし、いずれにいたしましても、そういうような方途を講じながら、やはりなるべくは独立財源を地方に与え、そうして地方の創意くふうに基づいた行政をやらすと、こういう方向で財政的な構造というふうなものを直していかなければならないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/40
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041・原田立
○原田立君 その財源の再配分というところまでいくと思うのですけれども、自治の実質的なにない手である地方団体の財政が、こんな重病に取りつかれている現況では、にっちもさっちもいかなくなってしまう。だから根本的な財政改革を行なわなくてはならない。都市政策も、地方行財政もそうしなければならない。そうでなければ、絵にかいたもちみたいになってしまうわけでありますから、このことはひとつ地方団体にとってゆゆしき重大問題でありますし、今回の臨時措置として、ただ一時的救済策ではなく、基本的に処理していかなければならない。それが税制の再配分という問題になっていくと思うのですが、局長は力及ばずしてというお話でありますが、大臣、この点はいかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/41
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042・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 財源の再配分というものを中心にしてやはり事務の委譲等、基本的に考えねばならぬ時期がきておるというように考えておるのでございますが、しかし一方この非常な地方財政の窮乏に陥った点に対しましては、財源の確保が絶対に必要であるという原理は認めておるのでございます。そうすると具体的にそれじゃひとつガソリン税を少し多く移譲したらどうか、たばこの税率を少し地方へくれたらどうか、具体的問題をまあいま、いろいろ努力をいたしておるのでございます。もちろん、交付税率の引き上げというような問題——引き上げて、さらにまた法人税を減税すれば、やはり地方の法人税割りの率をよくして、財源は、こちらのほうへ影響を受けないようにする。いわゆる本税は下がりますけれども、それによって税割りが下がらずに、本税は下がっても地方のほうの税は下げていかないようにする。あるいは住民税も、本税を、うんと所得税を下げてもらって、そのかわり地方の住民税のほうは、下のほうは下げるけれども、少し収入のあるほうは税率を調整して収入を得ると、要するに国のほうはうんと減税するが、減税しても地方はむしろ減税はしない。しかし本人は、下の者はうんと減税受けるけれども、国の減税を受ける人は大幅な減税を受ける。そのかわり町村民税を少し上げるというようなことで、ひとつ財源の確保をいまあらゆる角度で折衝を続け、もちろん、先刻言いました交付税率の問題も出しているのですが、交付税率の問題は、不交付団体でいま困っているのだと、とにかく大都市を中心に都市再開発をやらなければならぬ、その施設ができぬのだから、交付税率を引き上げるだけでは一部しか恩恵に浴さぬところがあるじゃないかというようなことで、もう全然、予算委員会で言いましたように、いろいろな議論がとにかくありまして、具体的にはまだきまる過程ではございませんが、お説のように、ひとつ何とかして地方財源の確立をはかりたいというように言っているのですが、一方やはり中央、地方を通じて行政の一元化をはかっていく、中央権力政治は避けねばならぬけれども、両方を通じての行政の一元化ということと、行政水準の均衡化ということに対しては、やはり一体化せねばならぬ。したがって、中央の行政指導、行政方針というものが、やはり地方自治体を一体的にやる必要がある。したがって、財源の委譲だけでいくという問題にも踏み切れぬというような要素も存在いたしまして、いま抜本的な問題には、なかなか支障を来たしておるのでございますが、基本的にはいまのような、中央集権的政治が強化されて、地方自治の本質が失われておるということは認めております。これが、是正は、財源の処置と相まってやらねばならぬというような方向には進んでおる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/42
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043・原田立
○原田立君 町村民税の値上げだなんという話が大臣からありましたが、これはぼくら反対ですから……。
それで、地方の財源が枯渇して非常に苦しんでいることは、もうすでに大臣そのものがよく御承知だと思うのです。それで、毎年国から財源をもらうとか、もらったとか、もらえないとか、そのために陳情団が上京されて、それはたいへんな騒ぎなんです。それだけだってばく大なお金がかかっております。こういうようなことであってはならない。それで、先ほどからも何度もくどいようにお聞きしているわけなのですけれども、長期的な充実策を考えねばならぬ段階にきている、こう思うわけでありますが、国としても中期経済計画を立てて、四十三年度には六兆七千億円と計画されていると、こう聞いておりますが、当然この対策が自治省にもなければならないと思いますが、その対策についてはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/43
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044・柴田護
○政府委員(柴田護君) 長期計画、いわゆる長期経済計画というものに見合いまする地方財政の姿といったようなものは、まあ現在のようなその日暮しの財政のもとにおきましては、なかなか立てにくいのでありまして、具体的に地方財政どうこうという問題を、それとの結びつきにおきまして議論、検討し、詳細なものをまとめ上げるという作業は、いまの段階ではいたしておりません。しかし、先刻来いろいろ御指摘がございましたように、地方財政も国家財政も、どうも少し曲がりかどにきておる、だから長期的なものをひとつやってみろと、こういうお話もございまして、私どものところでぼつぼつ作業にかかっておりますけれども、この長期地方財政というものの見通しを立てます場合に、やっぱり問題になりますのは、経済の伸びをどう見るか、それから、将来の給与関係の経費というものをどう考えるかといったようなものが、非常に大きな基本的なものになる。ところが中期経済計画でございますけれども、これをまた改定しようかといったようなお話もございます。経済見通し等の作業とにらみ合わせまして、そういうような因子を取り上げて、また何とか長期計画、長期的な見通し、地方財政の見通しというものを立ててみたいという気持ちでおります。なかなか作業がむずかしゅうございまして、御承知のように三分の二ぐらいの経費は、国家財政の動向に左右される。したがって、地方財政という立場から言いますと、地方財政自身の理想図というものを書きまして、これに基づいて国家行財政の改革を要求すると、こういう形のものしかできない。それでもいいじゃないか、それでもまあないよりましなんだから、そういうものをつくろうということで、ぼつぼつ作業が始まっておりますけれでも、まだこの席でこういうものだと申し上げるような段階には立ち至っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/44
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045・鈴木壽
○鈴木壽君 ちょっと関連してお聞きしたいのですが、さっきのお答えの中に、地方の税源を充実させるというような意味で住民税の引き上げといいますか、それを考えているんだと、これはいまは来年度の税収をどうするかという作業の段階になってきておるようでして、大事な時期だと思いますから、私、自分の考えも申し上げながらお聞きしたいのですが、あの税調なんかでもそういう考え方がありますね。しかも自治省のほうでそれを強く支持し、そういうかっこうで答申を出してもらいたいというようなことを言っているやにも聞くので、まあそこら辺の内輪のことはともかくとして、一方にその所得税の減税をする。しかし住民税ではそれに見合うだけ住民税の引き上げをやって、税率の調整なんかをやって住民税のほうで取るんだと、非常にごまかしですね。これは何も減税にならぬです。税を国税で取るのかあるいは地方税のほうへ移して取るのか、それだけの話です。それはまだいろいろその考え方もあるから。それにしても、簡単にいま考えられて、税調なんかで言われておるような所得税の減税——これは税率を下げたり何かしてやるところも一つあるし、それから控除額を引き上げすることによって減税をするということもあるのですが、今度その住民税の場合、これもやはり基礎控除の引き上げは——この控除額の引き上げは多少やるでしょう。もう一つは、逆に税率を直して、税率を高くして、ああいう段階の刻みをもっと小さく数を少なくして、税率を上げて、たとえば三%とあるものを三・五%とか四%とかいうふうなことをして、約二百四十億程度の税額をふやしたいと、こういうようなことですが、これはやっぱりあれですか、そういうふうな方向で自治省としても大臣としてもやるつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/45
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046・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 先刻申しましたのが、もし誤解があれば、ことばの不備でございますが、まだ自治省としても、これをやるというような考え方や、自治省がそういうように指導しているということではないのでございます。いわゆる諸説ふんぷんとして非常な論議が行なわれておるということを申し上げておるわけです。すなわち、所得税を、国税を大福に減税するので、そのわずか一部をやはり住民税へ還元をする。それを含めて所得税の、国税の減税を大きくする。そして要するに、所得の少ない人に対してはもちろん大幅な減税になりますが、減税を多くしてもらったうちのごく一部だけ、税率調整で住民税を補てんするというような議論が強く行なわれておるということを申し上げたのでありまして、これがどういうようになるか、答申を見た上できめなければなりませんが、まだ自治省のほうでは、そういう方向でやろうという考え方ではございません。非常な強い反対もいたしておるところもございます。省内においてももちろんそうでございます。反対が圧倒的に強い情勢のあるところもございます。ここらがどういうふうに動いてきますか、まだ方針がきまらないところでございます。皆さんの御意見を十分拝聴しまして、いろいろな角度で検討を進めていきたい、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/46
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047・鈴木壽
○鈴木壽君 諸説ふんぷんとしてと、大臣のことばによるとそういうところで、どうしたらいいかまだわからぬと言うのですが、もうあれですね、きょうあす答申が出るでしょう。もう筋というのは数日前から外に出ていますね、それに対してこれから検討する。もうそれは検討するでしょうから、答申を見た上で最終的な態度をきめるというのは、そのとおりでしょうが、一体腹はどうなんですか、そういう答申が出れば、それでやるというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/47
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048・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 答申が出ても、答申を尊重はいたしますけれども、いろいろな角度でいよいよどうするかをきめたい、こういうふうに考えておるのでございます。またほんとうに、大体二、三日じゅうに腹をきめなければならないように迫られておりますが、まだこれをどういうようにするかをきめておりません。大体予算編成の大綱方針は三十日の閣議できめますが、それらの方針をいよいよきめて、案を出すのが一月六日の閣議で、大体のこういうような方向でいくということがきまるわけでございます。一両日中に態度をきめなければならない情勢には迫っておりますが、まだきめておりません。しかも、十分ひとつ検討してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/48
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049・鈴木壽
○鈴木壽君 関連ですからあまり長くやりませんが、自治省としては、税調のほうにいろいろ考え方なり案なりというものを出していますね。その中にいま私がお聞きしております住民税を、一方では減税をするんだが、しかし税率を調整することによって、引き上げることによってある程度の増収を、一方での減税の補てんをそういうかっこうでやろうというふうなことを言っているんじゃないですか、その点どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/49
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050・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私の所管ではございませんけれども、私どもが承知いたしておりますところを申し上げますと、所得税が大幅に減税をやるのだから、この機会に所得税源の一部を移譲せよという御意見が政府の税調の中にございまして、そこで、たとえばこういうことをやればどういうことになるか、こういう案ならどうなるかといったようなことを、作業を事務局としては命ぜられるわけでございます。その作業に基づいていろんなものをおそらく提出しておるでございましょうし、いままで御指摘になりましたことも、その作業の一つの成果として提出はしておるのでございましょうけれども、自治省が税調の御審議に、指導するとか、あるいはどうするといったような大それたことは、事務局としてはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/50
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051・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) まだ税調のほうは最後の結論に至っていないようですから、きょうあすの間にやるのじゃないかと思っております。そういう関係で、お説の点は、強い意見として出ておるのでありまして、しかし、地方財政の確立の面から見れば、減税の余地はないじゃないか、むしろ減税すべからざる——税源の移譲を受けずして減税する理由もないということも、また強い意見として論議が進められてきたのであります。もし減税をするとすれば、安定したやはり税源を確立するのには、住民税の税率調整をやる。そのかわりまた国税の所得税を大幅に減税してもらって、低所得者層は非常に軽減される。そうでない分は、大幅な国の減税に対してわずかな地方税の上昇になることが、この場合地方財政確立の上に必要だ。これが筋であるという議論とが完全な対立をいたして、ほんとうにいまきめかねて、そういうことを言っちゃおかしいのですが、けさも大蔵大臣のところへ行きまして、どうするかということを個人的にも相談をいたし、引き続きいろいろ検討をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/51
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052・占部秀男
○占部秀男君 関連。わかったようなものですが、この際まあ念を入れて聞いておきたいのですが、税調の所得税の減税、一部を地方のほうに譲ると、何か二百四十億、これはどういう形になるのですか、具体的には。どういう形に具体的にはなるのですか、二百四十億の問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/52
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053・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) よく具体的にはわかりませんが、要するに国税を大幅に減税してもらう、いわゆる地方税に見合う分だけ多く減税するということで、その国税の減税がかりに五千円の減税になれば、その中の五百円だけは地方税を上げることによって、それで結局五千円減税の人は地方税をやるから四千五百円になるというような状態ではないかと思うのですが、よくそこいらの技術的なことはわかりませんから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/53
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054・占部秀男
○占部秀男君 どうも、決して意地悪言うわけじゃないのですが、内容が非常に問題なんです。これは大臣御存じのとおり、ぼくは、相当自治省としてもその内容については検討しているのではないかと、こういうように思うので、実は税調のほうとも無縁じゃないわけですから、私はそう考えておるのですが、けっこうです、それ以上はきょうは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/54
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055・原田立
○原田立君 もう一つで終わりにしますから。先ほどぼくの質問のところで、大臣は住民税の値上げというようなことがあったのは、衣の下からよろいが出た、本心が出たんではないかという気もするのですが、これはひとつ絶対反対、いままでも地方住民は非常に強い不満を持っているのですから、その点はひとつ来年度計画するにあたってそんなことのないように、値上げなんかしないようにしていただきたいということを強く要望します。
それと、なお、地方財政の非常に苦しいという状況のことをるる申し上げたわけでありますが、わずか二カ月の間に、地方財政が苦しいということで何とかしてくれという要望書がこんなに来ております。これは大臣のところにもたくさん行っておるだろうと思いますけれども、そういうような現況をどうかひとつよく察知して、地方団体がもっと仕事をやりよくなれるように特別の配慮をしていただきたいことを強く要望して、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/55
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056・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 鈴木さん、やりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/56
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057・鈴木壽
○鈴木壽君 さっきのことですが、一つ。これは大臣、腹をちゃんと固めておかなければあれですよ。あなたが人まかせのようなことを言って、諸説ふんぷんとして、どっちにするかまだわからぬ、こんなことを言っておったなら、きょうあすにも答申が出、大蔵省がそれを強く支持しておりますからなりますよ。あなた、そういうことをやりたいの、やりたくないの、一体。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/57
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058・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) いま個人的に意見を申し上げる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/58
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059・鈴木壽
○鈴木壽君 個人的でなくて大臣として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/59
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060・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) なんですね。答申その他いろいろのことに影響しますから、また個人的に意見が正しいかどうかは、衆知を集めてひとつ検討してみないと最後的な結論が出ないのであります。いろいろな議論がありますことを率直に申し上げましたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/60
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061・鈴木壽
○鈴木壽君 率直過ぎて、大臣、あなた、どっちにどうくみしたらいいかわからぬということなんですが、それでは私は困ると思うのですよ。
もう一つは、固定資産税の評価がえによって税が引き上げられるかっこうのものを、三十九、四十、四十一年度、この三カ年間はあるところで据え置くということになっていることを御存じですね。この点についても四十一年度から、もう三年そういうふうに据え置くということをしないで、四十一年度から若干引き上げようと、考え方としては四十一、四十二、四十三ぐらいで再評価のあれに合わせていこうと、こういうことが税調で検討されておりますね、この点は一体どうなんです。これは約束です。もう前に池田総理も、当時の自治大臣も約束をしたことを、今度情勢が変わったということでしょうが、四十一年度からいま言ったような形で引き上げをしていくと、こういうことにほぼ固まっておるというようなことを聞きますが、この点は一体どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/61
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062・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 税調の意見はそういう方向に強く進んでおるように聞いておるのでございますが、まだこれについて最後的な答申は出ておりません。どういうような結果か、これも苦慮しておるわけであります。どういうような結果になるか、いろいろな角度で検討しております。それは要するに、税源を確保するために政府がどういう方向でいくか。たとえて申しますと、超過負担の問題とか、あるいは交付税の問題とか、その他の税源移譲の問題、あらゆるものが総合されて、やはり地方財源の充実、確立ということを根本に置いて検討しなければなりませんので、この点は非常にいま実は重大でございますので、検討したい。また農地に対しましてはやるべきではないという意見が出ておりますが、都市の宅地に対しては、都市の再開発のために、やはり税を確立しなきゃいかぬのじゃないか。国は借金する能力があり、支払えるが、地方は借金の能力もないし、借金したら返せぬのだから、国が税金の移譲を確立されぬ限りにおいては、やはり不当な土地価格を持ちながら、税率が安くて、そして都市の開発が困難だというような場合においては、約束はそうあっても、やはり経済情勢の変化、急激なる変化等によって、都市の宅地の問題は、いまこれを検討する時期ではないかというような議論も強く出ておりますので、これらをひとつ十分に検討した上で、どういうようにやるかということをほんとうにいまきめかねておるわけであります。また、自治省自身の問題でもありますが、政府の絶対重要な問題であるのでありまして、検討を続けていきたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/62
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063・鈴木壽
○鈴木壽君 困ったね、大臣。もうこの段階へきて、これから検討していく——それは最終決定というまでには多少の日時がありますけれども、私さっきからお聞きしているように、あなたの自治大臣としての基本的な考え方を実は聞きたいんです。いろいろな説があり、いま出ておるようなこういうことに対して、賛成と言う者もあれば、反対と言うこともあるということ、これは当然でしょうね。しかし、それをいずれかにしなきゃいけないという段階に、あなたの腹がまだそれもわからぬというようなことになりますと、まことにたよりのないものだと思う。私、率直にお聞きしたいのはそこなんですがね。やっぱりこれから十分検討すると、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/63
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064・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) たいへん御心配をいただいての御答弁でございますので、この場合率直に、こう個人は考えているということも言いたいような気はするんですけれども、しかし、それがはたして、やはり今後の諸種の折衝にプラスになるか非常に疑問でございますし、またこの段階においては非常な微妙なところでございますので、皆さんの御説を十分ひとつ胸に持ちまして、今後の態度、方針を、一両日に迫ったときでございますから、最後的に腹をきめたい。あらゆる角度で検討をいたし、問題はどれだけ税源を確保できるかというところが中心でございますので、宅地の問題は、やはり都市の土地の価格が非常に上がっているのに、不当に安い税率をそのまま置いていくということは適当でない。それよりも都市の再開発に重点的に進むべきだという議論のほうが強く出ておるということだけは事実でございますので、どう持っていくかを、いま国の全体の財源がどれだけ地方に移譲できるかということとあわせて、十分ひとつ検討する以外はないと、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/64
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065・鈴木壽
○鈴木壽君 あなたの話を聞いていますと、問題は税源をいかにふやすかということにあり、他方、都市開発等の関係からいって金が必要であるから、その面においては再評価による引き上げもやむを得ないということも考えているというふうに理解をせざるを得ないと思いますが、さようでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/65
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066・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) いわゆる国の税源の移譲が十分ありませば、何もいまやらなくてもいいのではないか。やはり国も非常に困っているときでございますので、その税源のあんばい等を見まして、いろいろその関係でひとつ検討をする以外にないのでありまして、いまこういうようにしようということには踏み切れぬのでございます。総合的な関係において検討をするということ以外は、どうしてもこの場合は、事実においては、私もほんとうにどう持っていけばいいか、率直にいえば迷っているわけでございますので、十分ひとつ御意見を尊重しながら、最後的なきめを政府全体の立場でやりたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/66
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067・鈴木壽
○鈴木壽君 その問題はこれ以上お聞きしても、お答えは得られないようでございますから、やめます。
じゃ、続いて、あとで聞くことになると思いますが、休憩前に、さっき柴田局長が述べられた、今年度における地方税の減収の見込みですね、総額で五百三十何億とありますので、内訳を言っておられましたのですがね。もう一度念を入れてお聞きしたいと思いますが、数字的に、たとえば県民税の法人割り関係が何億と、こういうふうに……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/67
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068・柴田護
○政府委員(柴田護君) 五百四億の内訳は、県民税六十一億、市町村民税九十三億、法人事業税が三百五十億、このうちで県民税と市町村民税の減収は、法人割りの減収であります。それから譲与税のほうは、二十八億のうち、道路譲与税が二十四億、特別とん譲与税が八億、それに石油ガス譲与税の増加額が四億ございますので、差し引き二十八億、こうなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/68
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069・鈴木壽
○鈴木壽君 この場合に、譲与税関係ですがね、地方道路譲与税が二十四億の減と、それから特別とん譲与税が八億の減と、これはまあ、わかりますが、譲与税、ことにLPGの譲与税の四億のプラスがあるというのは、これはすでに四億のやつは、当初に税収として見ているのじゃないですか、その関係どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/69
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070・柴田護
○政府委員(柴田護君) おっしゃるとおりでありまして、その税収に四億増収を見たと、だからあわせて八億であります、つまり。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/70
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071・鈴木壽
○鈴木壽君 それにさらに四億を見たと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/71
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072・柴田護
○政府委員(柴田護君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/72
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073・鈴木壽
○鈴木壽君 そうですが。じゃ、当初の税収入の中に見込んであるところの三億九千何がしというのがありますね、まあ、四億と。そのほかにさらに四億増収になるものと、こういうふうに見ると、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/73
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074・柴田護
○政府委員(柴田護君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/74
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075・鈴木壽
○鈴木壽君 わかりました。数字的にはわかりましたが、この、さらに四億増収になるというのの根拠はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/75
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076・柴田護
○政府委員(柴田護君) 詳細は私どもの所管でございませんが、やはり自然増——消費量の増だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/76
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077・鈴木壽
○鈴木壽君 これはまあ、たいしたいわゆる質問とか意見とかいうことじゃなくてね、ただ私聞くのですが、あとでこまかく事務のほうからでも午後に……。というのは、LPGで八億を四億、四億ずつに分けることになっておりますね、当初では。それをまた今度八億もふえる、倍になるわけですな、当初見込みからしますと。これはそんなに急に、額はたいしたことはないようですが、そんなになるのかどうかということをちょっと私、もしそんなに倍にもなるようだったら、当初の見込み少しルーズなところがあったのじゃないかと思うのですが、それはともかくとして、それを知りたいのですが、ちょっとあとで事務のほうからでもやっていただけばいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/77
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078・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 午後一時まで休憩いたします。
午前十一時五十九分休憩
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午後一時十八分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/78
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079・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 休憩前に引き続き、委員会を再開いたします。
昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/79
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080・鈴木壽
○鈴木壽君 さっき、あとで調べて答えていただくことにしておりました税収関係のことですね。ちょっとじゃ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/80
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081・石川一郎
○説明員(石川一郎君) 石油ガス税の譲与税関係の収入見込みにつきまして御説明申し上げます。
さきに提出いたしました際におきまして、初年度に見込みました石油ガス譲与税の額は三億九千四百万でございまして、今回提出いたしておりますものは七億七千九百万ということになっております。このように数字に相違が出ております第一の原因は、当初におきましては、平年度におきまして四十万トンの課税見込み数量が見込まれておったのでございますが、御承知のように、ガソリンから石油ガスを燃料として自動車を運行するものが非常に多くなって、移行しておる関係もございまして、その後通産省の見込みといたしましては、五十三万二千トン程度が見込まれておるということでございます。この消費の増加一つございます。
いま一つは、当初におきましては、営業スタンドにつきまして担保を出した際においては一カ月延納をする、こういうことにいたしておりまして、その際におきましては、その部分は昭和四十年度の収入にならないというように見込んでおったのでございますが、この見込みをいたしました後におきまして、国の会計処理が改正になりまして、それらのものにつきましても、それぞれ納付期限の属する年度の収入とすると、こういうような改正が行なわれました関係もございましてこの点もあわせて影響を及ぼしておるわけでございます。そういう関係で、初年度といたしましては三億九千四百万円から七億七千九百万円というような見込みに変わったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/81
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082・鈴木壽
○鈴木壽君 これは私それだけお聞きしておけばいいのですが、ただ今度あれですね、この国会で今明日中にこれは修正なんかもなったり、施行の時期がずれたりなんかしていますから、これは実際は見込めないことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/82
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083・石川一郎
○説明員(石川一郎君) これはあとの修正の取り扱いがどうなりますかということに関連をいたしますので、原案といたしましては、この程度のものを見込むことができると、こういうように御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/83
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084・鈴木壽
○鈴木壽君 あまり私、これはたいして大きな問題じゃないから、どうのこうのというつもりは……。ただ四十年度における地方税の減収がいまこうだ、そしてそれが地方財政全般の問題として、それをどうしなければならぬかということをやっているさなかですから、かりに七億八千万円程度だけれども、実際はもし修正がなれば、これは当てにできなくなるということもあるのですからね。まあ小さな数字ですけれども、いままで地方税の減収見込みとして五百三十二億円というものがあげられておったのですけれども、多少これよりもっとふくらんでいくということがいまの段階では考えられるのじゃないかと、まあこういう程度で、あまり私深くどうのこうのというつもりはないですけれども、見通しとしてはそういうことになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/84
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085・石川一郎
○説明員(石川一郎君) 修正の問題がもしおっしゃるようになりますと、御指摘のとおりの問題があろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/85
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086・鈴木壽
○鈴木壽君 その点は別にこれ以上どうのこうのと言うことはやめたいと思います。いま聞いておりますと、税収の見込みが相当額減ってきたというようなこと、さらに国税の減収によって三税にリンクされておる地方交付税が五百十二億円落ちる。そういう中で公務員給与の改定に必要な金をどう見ていくかという、こういう問題だと思うわけであります。そこで、今回その交付税の会計のほうへ三百億円を借り入れをして、それによって単位費用の改定をし、交付団体については交付税の配分によって見ていこう、こういうことになったわけなんでありますが。さっきも原田さんでしたかのお尋ねがありましたが、去年から実はこういうことを——こういうことというのは、三十九年度におきましては百五十億を借り入れをした、こういうことになっておるわけなんでありますが、ことしも三百億を借り入れをする。さっきのあなた方の御説明の中には、地方財政も苦しいが、国の財政も非常ないわばピンチになっておるのだから、まあやむを得ずこういうことになったのだと、そういうことでありますが、もともと、この給与改定が行なわれるとすれば、当然必要ないわゆる財政需要として、交付税の改定なり、単位費用の改定なり、そういうことによって見なければならないことなんですから、それを借り入れという形でやるということについては、やはりこれは考え方としてはどうも筋が通らぬと思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/86
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087・柴田護
○政府委員(柴田護君) 年度の途中で何百億もの財源が要るわけでございますので、望ましいことではございませんけれども、こういう方法をとる以外には、今日の国・地方を通ずる財政状況におきましては、やむを得ないのじゃないかというように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/87
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088・鈴木壽
○鈴木壽君 確かに国あるいは地方を通じての苦しい財政事情の中で処理しなければならぬとすればやむを得ないということ、そういうこともあるかもしれませんが、いずれ国はこの際大きく借金をしても、たとえば交付税の穴埋めなり、落ちて五百十二億ですか、予想されるそういう穴埋めなりをやろうというときなんですから、給与改定の場合だって、これは計算すれば当然必要な金なんですから、かりにいま直ちに率の改定、引き上げをやらなくとも、やることまではあるいはできなくとも、何かの形で交付税のこの特別会計の中に入れるということを考えるべきだと思うのですが、大臣、そこら辺どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/88
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089・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) そういうことが好ましいのではございますが、年度の中途の関係もありますし、なお局長が申しましたように、中央も非常に財源難のときでもありましたので、やむを得ざる処置として交付税会計への借り入れをしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/89
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090・鈴木壽
○鈴木壽君 これは好ましい姿ではないということだけはお認めになっておられますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/90
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091・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) そういう状態でないことをわれわれは期待をしたわけですが、できる限り正常な姿でやはり財政的措置をしたいというようには考えておりますが、先刻申しました、やむを得ざる処置としてとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/91
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092・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、さっきも触れました税収が落ち込んでくる、あるいは交付税がへっこんでくる、給与改定財源が必要だ、こういうことで政府部内で特に大蔵省ですか、大蔵省との話し合いの中ではどういう態度でいまの給与改定所要財源の確保について折衝なさったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/92
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093・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 借り入れ方式をとらずに税率の引き上げではできないかということで折衝はいたしたのでございますが、国の財源が非常に異常な減収のときであるので、本質的にはこの減収をすれば、法的処置としては別に五百十二億円この交付税を差し引いて返さなければならない金が別途あるわけでございます。そういうような関係もあるので、この場合そういうような処置に持っていく以外にないということに結論が落ちついたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/93
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094・鈴木壽
○鈴木壽君 昨年のことについてはちょっと触れましたのですが、いままでは交付税の伸び等について、これは交付税の伸びですね、国税のほうに自然増収があり、したがって交付税を当初見込んだ、それぞれ伸びてくるこの伸びの中に吸収されておったわけですね。そういう処置をしてきた。ときには伸びがもっとあって給与財源に充てるほか、別の形で取っておくということまでもしたのですが、今度のときはそれはできないということだけははっきりしたのですけれども、しかし、性質上、そういう形でまかなわなければならないときに、これはいわゆる地方が別に持っておる金があるわけでなし、当然いま言ったような形でまかなわれなければ、いわば交付税というものの当然の財政需要の中に入ってこなければならない金ですから、それは借金でやってあとから返していくというようなことは、これはどう考えても、くどいようですが、いいやり方とは言えないですね。あなたもやむなくやったんだと、こうおっしゃるのですが、しかし、やむを得ないことは、去年も一部そうやって、ことしもそうやった。来年給与改定があるかどうかこれは別にしましても、かりにもしあったらまたこういうようなことになりますと、これはここ二、三年やっている間にあたりまえのことになってしまう。私はやはりそういうことは避けるべきだと思うから、はっきりここで本年度限りだ、もうこれでこういうような処理のしかたはしないんだというふうな態度をきめてもらいたいと思うのですが、この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/94
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095・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 本年度限りというようなことをいま言明することも困難でございますが、とにかく、地方財政の確立と安定ということを目途に予算編成をいたして、そういう姿にならないように努力する以外にない、こういうように考えておるわけでございます。ちなみに、こういうような結果になる場合、やはり地方の節約、たとえば公共事業をこれを財源の関係で不消化に終わらせるというようなことをやれば政府の処置をも待たずにいくのではなかろうか、こう考えるわけでございます。すなわち、最初政府の方針は一割削減ということを考えておりました。したがいまして、公共事業等も削減をいたして、こういうような給与改定等がおよそ考えられますから、対処する方途をとるべきであるという方針でございますが、そういうことでいけば、あるいは政府の財政措置はそう強く要望せずに済んだかと思います。しかし、この異常なる景気の後退等に対処するために、積極的に政府は措金してでも地方の事業を伸ばすという方針を立てたのでございます。したがいまして、やはりそれに即応いたしまして、地方の公共事業も足踏みをせずに積極的にやる。そのためには、政府も借金をするから地方もある程度借金してでも事業を伸ばして、そうして景気の安定成長への一歩を踏み出すという基本方針を立てたわけであります。そういうような関係におきまして、政府が一割節約をも解除いたし、政府の財源の不足をもあえて押して事業を推進していく、財投の二千百億円も別途出していくというような、また地方公営企業に対しても三百億の追加のワクを設けるといったような積極政策をとるようになったのであります。したがいまして、減収についてくる当然政府へ返さなければならない五百十二億は、これはもう返さないということをまず強く折衝して確立いたして、次の給与財源については事業費の節約によってやるという方針をやめて、これを政府の財政的援助で公共事業はやるという方針で進んだのであります。したがって、やはりその場合、年度途中ではあるし、政府も、三税がかくのごとく減収しているときでも、一応交付税会計の借り入れということで措置するということになりましたのでございますが、そういう方向に向かうことがないように、将来は地方財政の確立に向かって十分配慮する必要があるというようには考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/95
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096・鈴木壽
○鈴木壽君 いろいろお話がございましたが、私お聞きしたいのは、あなたが、これは決して好ましき姿ではないのだということを、やむを得ずこういうことをやるのだということをおっしゃっておりますから、それはその限りにおいてはやむを得ずのものだということは了解できますが、だからこそ、今後こういうことがないようにしなければならぬじゃないかということに対してのお答えをいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/96
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097・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 先ほど申しましたように、そういうことがないような状態に財源の確保をするように努力をいたしたいというふうに考えて、せっかくこの年度予算に対しても努力をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/97
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098・鈴木壽
○鈴木壽君 交付税の落ち込みの五百十二億円の補てんということの際に、交付税の八月決定の際の調整分がございますね、約六十億近い額があったと思いますが、これについて何か話し合いが持ち出されなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/98
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099・柴田護
○政府委員(柴田護君) 別段持ち出されておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/99
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100・鈴木壽
○鈴木壽君 一方にこういうことがあり、五十九億円ぐらいの不足があって、その分だけ減額されて地方団体に配分になっておるわけなんですが、こういうものもあり、さらに今回のように、ぜひとも交付税の配分の中に計算されなければならない人件費の増、これをやっぱり交付税としてのあるべき姿の中で解決をするというようなことを、やっぱりこれはぜひやってもらわなければ、いろんなことを交付税できめてやっておっても、やむを得ないとか、しかたがないとかいうようなことで、毎年筋の通らないやり方をされるというようなことになりますと、私は非常に困ると思うんです。しかも、これは昨年の百五十億円、ことしの今年の三百億円、これは昨年は五カ年間で三十億円ずつ返すということにしましたね。今度のは七年間で当分ということではないようでありますが、来年は十億円というふうなことで、いずれ返していかなければならぬ。そうすると、七十億円ぐらい返さなければいけないのが、ずっと二、三年読きますね。六十億円ないし七十億円。これはいまの交付税のほうからいけば小さいのだと、たいしたことじゃないのだと決して言える額じゃないと思う。それは、総額はこれくらいあるのだ。わずか六十億、七十億ということでは私はないと思う、いまの地方財政の現況からいっても。こういう負担があとまでずっと続くのですね。こういうことに対しては、自治大臣、もっとあなたの政府部内で大蔵省との交渉なり折衝なり、そういうことで、私は強くなければならないと思います。苦しい事情は国もそうなんだし、まあやむを得ないのではないかというふうな、私は少しこれは弱過ぎると思うのですが、どうです、大臣は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/100
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101・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 御激励のことば、感謝いたしておるのでありますが、私といたしましては最善の努力を今後も続けて、ひとつ地方財政の確立に努力いたしたいと考えておる次第でありますが、やはり、地方財政の窮迫状態はわかっておりますが、しかし、地方財政の窮迫に対して、地方自治行政の効率化ということに対しては、強く大蔵当局を中心といたして要望をいたしておるのでございまして、やはり強い折衝をいたしますのには、みずからの姿勢を正すということが非常に必要であると考えまして、各関係団体には、ことに理事者、議会人は、えりを正して、そうして行政の効率化に向かって万全な留意をしてもらって、相ともにひとつ正しい姿で、強く折衝を望みたいというように考えておる次第であります。その一端といたしましては、やはり強く言われているのは、給与のベースが、六大都市は、これはまあ統計が少し古いのですけれども、昭和三十八年の関係でありますが、三割四分二厘ほど公務員ペースよりは高いのでございます。もちろん町村のほうは逆に、一〇〇に対して八七・二で平均は低い状態になっておるのでありますが、そこで、同じ警察官でも、国家の警視正以上の者と、地方で給与を受けている者と、同じ職場におりながら、非常な給与の差額ができておる。元来、教職員並びに警察官等の関係が七割を占めておる人件費の地方でございます。そういう関係と、やはり公務員に準じていくことが好ましいような関係と、また、人員関係におきましても、中央におきましては欠員不補充主義をもって強い行政指導いたしておるのでありまして、やはり地方に対しても、この行政の効率化という点に対して、強くひとつ一体となって、姿勢を正して、そうして財政確立に対して、政府と地方、中央一体になって、この問題解決をするように努力を今後も続けたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/101
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102・鈴木壽
○鈴木壽君 大臣、これはこの委員会でも、私もいままであまり大臣との間に質疑がかわされたことがございませんので、いわば今回初めてみたいなかっこうですが、いわゆる国会答弁とか大臣答弁とかいうことでなしに、私率直にここではみんな裸になってやっていますから、ひとつあまりはぐらかさないようなかっこうでやってほしい、お答えいただきたいのです。特に私希望申し上げておきます。というのは、いまの地方財政の運営の合理化とか、効率化とか、あるいは給与のレベルがどうとかいう問題、私いまそれを問題にしているのじゃないのですよ。もちろん、そういうことはあなた方の立場で指導もしなければいけませんし、合理化しなければいけないところもあると思います。私、いま聞いているのは、かりに給与が、地方公務員の給与が高いところもあるからといって、交付税を別に多くやる、給与財源を多くやるということではないので、そういうことではないのです。いわゆる給与改定に必要な財源の持っていき方について、一体どうすればいいのか、どうでなければいけないのか。去年やことしやっていることがこれでいいのか悪いのかというようなことを私はお聞きしているのでございますから、少し、そこをあんまりよその問題と関連づけたりなんかして焦点をぼかさないようにしてほしいと思います。私はこういう措置をすることによって後年度にもみな負担がかかってくる。そういう金というものはいまの地方財政からいってなかなかこれはたいへんなことだと、額が六、七十億というふうに言われるかもしらぬが、実際はそうじゃない。ことし十億あれば、これは相当また、何といいますか、仕事の面でもかなりこれはやれるだけの金なんです。だから、そういう点で、私はこういうかっこうでやるのは困るのじゃないか、こうお聞きしているのでございますから、そこをひとつ、いま繰り返して申し上げますが、私のあるいは聞き方もうまくないところもあるかもしれませんけれども、ひとつ聞きたいことに対してはっきりお答えをいただきたいと思います。
実は昨年の地方交付税法の三十九年度における特別法、こういうようなことでやった際に、これはこの委員会で全会一致で将来のことを心配し、こういうことがあっちゃいかぬというようなことで、地方交付税率の引き上げ等をこれは考えろ、そういうことも含めて地方財源の充実強化について努力せいということで、大臣はあなたじゃございませんでしたが、前の大臣は、一生懸命やりますと、ことばは簡単でございましたけれども、ここで所信の表明をしているわけです。ですが、ことしの場合には、少なくともこういうわれわれが附帯決議をつけた趣旨、あるいは期待にこたえるようにやるといった、そういう強い姿勢で、この問題の解決といいますか、措置をやっていただきたかったと思うのです。そういうことについて、私はそういうことでなしに、いかにも国も苦しいときだからやむを得ないんじゃないかというようなことでやっていくことについては大きな不満がありますから、したがって、今回はここまで来てしまったのですが、これからは、こういう筋の違ったことはやらぬというくらいのはっきりした気持ちを持ってもらいたい、それについてどうなのかということを私は繰り返してお聞きしているわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/102
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103・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) そういう気持ちで引き続き努力をいたしたいと考えております。私が申し上げましたのは、熱意を持ってしっかりやったかというようなこともございましたので、その間折衝の過程を申し上げたのでありますがなお詳しく言うならば、大蔵事務当局は、もっと節約する余地があるんではないか、一般行政費に対して節約分を見るべきだ、だからして、三百億でなしに、二百億くらいで他は節約する方途で進むべきだというような、私たちから見れば、そういう暴論的なことさえも言ってきたのでございまして、やはり地方自治行政の効率化という正しい、えりを正した姿勢で強く折衝することがこの問題を解決するのにも非常にいいというように考えて、強くそういう指導をしながら、さらにはお説のように、交付税を受ける団体は節約する余地がないんじゃないか、節約しろと言えば事業をやめいと言うことになる、事業をやめることが政府の景気調査整政策と相反するから、したがって、政府は当然にこの財源措置をすべしということで私どもとしては最善の努力をいたしましたが、将来においてはおことばのような方向で努力を続けたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/103
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104・鈴木壽
○鈴木壽君 一般行政費等の経済の節約、こういうことについては、私、別にもし節約する余地があり、緊急度を考えて効率的に使用する方法があったら、それは私、とことんまでやるべきだと思いますから、そういうことはどうのこうのと言うのではない。しかし、大蔵省なり、そういう経費の節約とか、人件費が地方公務員が高いところがあるじゃないかということは、これは毎年のことなんですよね。去年だって経費節約で百億円以上、百十億円ぐらいですか、たしか見させられておりますね。見させられております。ことしは六十八億、いまの六十八億円の経費節約を見ている。しかし、これは実際は地方団体においてももちろん経費の節約ということをやります。やりますが、この六十八億になるかどらかは、これは別問題ですよね。六十八億というものを交付税の計算上落としたということだけであって、それがほんとうの意味での経費節約になっているかどうか。あるいはそういう経費節約ができる状態であるのかどうかということは、これは私、別に問題があると思います。それはまあいいです。で、大臣、衆議院本会議の関係で退席するようですから、あとでまた来ていただくとして、そこで経費節約のことなんで小さいことですがね、ちょっと聞いておきます。六十八億を節約するということでやったんですが、まああなた方の資料を見ますと、単位費用の改定例として、市町村の戸籍住民登録費の関係の人口分についての資料が載っていますね。こういうやり方で——いまの経費節約分ですよ——こういうやり方で全部やったんですか、ほかの種目についても。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/104
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105・柴田護
○政府委員(柴田護君) 節約の対象にいたしましたのは旅費、物件費であります。大体、一般行政費の中に突っ込みに旅費、物件費は財政計画上なっておるわけでありますが、その中から県市町村分を、それぞれ一般行政の中で、基礎になっております旅費、物件費を抽出いたしまして、それの大体一割を——府県につきましては一割、市町村の場合は六%でありますけれども、市町村の旅費、物件費の中には、たとえば児童あるいは老人福祉施設、あるいは生活保護施設といったようなものがたくさんございます。こういうものの物件費というのは、事柄の性質上、節約と申しましても、直ちに行政に響いてくる問題でございます。そういうものを省きまして、その残りの六%というものを対象額にあげておりまして、これを単位費用にはね返したわけであります。戸籍住民登録費計算のしかたを一応例示いたしておりますけれども、同じようなやり方で計算をいたしました。ただ経費によりましては、給与改定の経費増よりも、旅費、物件費の節約のほうがよけい立つやつがあるわけであります。これはその中に組み込まれております人件費の額が非常に少ないものにつきましては、節約額のほうが、いわゆる事務費のほうが多くなって給与費の増が少ない、こういうものにつきましては単位費用を改定せず、そのままにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/105
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106・鈴木壽
○鈴木壽君 府県の場合は一〇%、市町村の場合は、さっき例にあげた措置等を除いたものは六%で落としていった、こういうことですね。この例示されておる節約額四万八千円、ここで「賃金、旅費、需用費、役務費、備品購入費等事業費の一般財源」、こうありますが、その八十万一千円がね、ここでどこの項目とどこの項目で出てきたのか。これは非常にこまかいことで恐縮ですが、ちょっと八十万一千円かける六%の根っこになるその八十万一千円が、事業費に含まれておる賃金とか旅費、需用費、役務費、備品購入費等からすれば、どことどこと寄せれば八十万一千円になるのか、ちょっと見当つかなかったのですがね、これはあとで交付税係のほうからでも。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/106
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107・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは戸籍住民登録費の場合で言いますと、事業費の中に含まれておるものの経費から、賃金、旅費、需用費、役務費、備品購入費、いわゆる旅費、物件費を抜き出しまして一般財源を計算すると八十万一千円、こういうことです。だから中身にわたりますから……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/107
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108・鈴木壽
○鈴木壽君 それじゃ、ここであまり時間を取ってもいけませんから、あとで説明を聞きますから、個人的に。
それから、今度の改定の場合に、いままでは収入額のほうでも、増収の見込める法人関係のには、これは収入と見てそれもプラスするほうとの関係で、いわば再算定という形をとっていますね。今回はもちろん増収ということは期待できない。逆に減収になるわけですな。その場合については何ら配慮しなかったのですか、その点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/108
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109・柴田護
○政府委員(柴田護君) その配慮をいたすべきのがあるいは本筋かもしれません。しかし、その配慮をいたしておりますと、給与額の計算も非常におそくなります。そこで、どういうことになるかといいますと、要するに、基準財政収入を再計算をいたしますと、基準財政需要額の投資的経費の再計算を全部やらなければならない。つまり減収額というものを地方債でもって実体的に埋めるようなかっこうをとっておりますので、投資的経費の単位費用を全部いじり回して全部やり直さなければならぬということになりますと、事務が非常に複雑になる。で、したがって、そういう措置をとることは今日の段階では不適当であろう、むしろ税の減収、法人関係の税でございますので、これは精算制をとっておりますので、後年度で精算をする。翌年度精算と言っておりますが、翌年度、あるいは翌々年度、場合によっては二年度に分けることもありますが、精算に譲ったほうがいいだろう、当面地方債でもって、その事業費そのものの負荷能力といいますか、事業費の財源に穴があいた場合には、地方債で公共事業費の充当率を高めて、そうしてカバーしたほうがいいだろう、そのほうが、事業だけの計算になりますので、地方団体側として財源措置がすぐわかってしまう。したがって、予算も組みやすいし、措置もしやすい。そういう方法をとることにいたしたのでありまして、したがって、いまの収入額の再計算は今回はいたしませんで、精算に譲った、こういうことにしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/109
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110・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、これはいずれ後年度において精算されるということがはっきりしておりますか、もう一度この点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/110
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111・柴田護
○政府委員(柴田護君) 基準財政収入をはじきます場合には、直近の事業年度の実績をとりまして、これに財政計画上考えられた伸長度をかけるわけであります。その伸長率が間違っている、こういうふうに、当初考えておった伸長率が、どうもそこまで伸びなかった、非常に伸びが悪かった、こういうわけですから、全体的に過大算定になる。これを、少々のでこぼこは毎年ございますけれども、今回はそれをあえてやりませんで、翌年度以降に精算をするという、本来のたてまえで全部始末をするということにいたしたいと考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/111
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112・鈴木壽
○鈴木壽君 精算するのであればいいのですが、これはそうでないと、法人関係の税収がふえるといっては計算のしかたを変える、反面、こういうときにはやらぬということになりますと、片手落ちのことになると思いますし、一方においては、税の減収に見合うだけのやつのうち、四百億は起債でやるのだ、こんなかっこうで、ごまかすと言っては少し悪いですけれども、そういうかっこうがとられてはいけないと思いましたから、特に私はお聞きするのですが、これはいまのお話で精算をするのだ、これは成長率なんか、税の伸び率なんかあやまってやったというか、あやまってということはどうかと思いますけれども、結果としてはそうなってきているのですから、当然変えなければならぬものだと思いますから、ひとつその点ははっきりさしておきたいと思います。
それから、三百億の——去年もそうでありますが——利子負担はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/112
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113・柴田護
○政府委員(柴田護君) 一般会計負担でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/113
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114・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、この交付税の特別会計では負担をしなくてもよろしい、こういうことでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/114
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115・柴田護
○政府委員(柴田護君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/115
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116・鈴木壽
○鈴木壽君 それから関連してちょっと聞きますが、財特法の中には、ちょっと私はほんとうにわからなくて聞くのですけれども、財特法の第四条の2項のあとに表がありますね。四十七年度について書いてないのはどういうことです。何か特別に、ここで操作の上で書かなくてもよろしいということなんですか。ほんとうに私ちょっとわからないから。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/116
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117・柴田護
○政府委員(柴田護君) これは一設会計負担であります利子の計算をなるべく減らそう——と言うと語弊がありますが、なるべく減らすために長期借り入れはいたしませんで、つまり、第四条第2項をお読みになりますと、これでおわかりかと思いますけれども、順次借りていく、つまり、短期に借りてそうして年度末に返して、そうして翌年度足りなかったときにこの限度額でもって借りる、そうして、また返す。と申しますのは、長期に借りますと、一年間ぶっ続けに利子を払わなければならない。短期に借りますと、年度の当初、最初の四月交付のときは、資金的には足りませんので、国は大蔵省証券を発行して地方に交付するわけであります。ところが六月交付になり、あるいは九月交付になりますと、もう所得税、法人税が入っておりますから、金が余っておるわけでございます。そこで、そのときの交付いたしますときには、もう借り入れする必要はない。ところが十一月交付になりますと、十一月まではまあいいと思いますが、特別交付税の段階になりますと、金がありません。そのときになりますと、特別会計で金を借りて払わなければならぬと、こういうことに資金ベースではなるわけでございます。そこで、長期借り入れをやりますと、年間借りにゃいけませんから、利子は年間つく。ところが、そういうやり方をやりますと、借りている間だけ利子を払えばいい。だから、ことしで申し上げますと、特別交付税を支払いをする三月初めから三月三十一日まで金を借りればいい。この間に支払えばいいわけでございます。そして、ころがしていくわけでございます。そして借り入れ金の幾らを限度にするというのを、逆に返済分を差し引いていくわけでございます。だから、四十一年度は十億返しちゃって、三百億から十億引いた二百九十億が借り入れ限度。したがって四十七年度は、ずっと足したものからさらに七十億足したものを引いて、あと七十億残っておるわけでございます。七十億だけ四十六年度は借り入れの限度がある。それから四十七年度はその七十億を返すわけですから、借り入れなくてよろしい、こういうことになるわけでございます。その関係を逆に書いておるわけでございます。お読みづらいかと思いますけれども、目的は要するに、一時借り入れ金の利子をなるべく安くいこう、これだけのことでこういうことになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/117
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118・鈴木壽
○鈴木壽君 そうすると、三十九年度の借り入れの百五十億もそういうかっこうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/118
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119・柴田護
○政府委員(柴田護君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/119
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120・鈴木壽
○鈴木壽君 ただ、あれですね、そこはわかりました。私もこれは2項を読んでみて、この表がどうもぴんと頭に来ないものですから、ややっこしい書き方でございますし——まあ簡単かもしれませんけれども、読んですぐぴんとこう私とれなかったものですからお聞きしたわけなんですが、わかりました。
そうすると、昨年度の借り入れの百五十億、あれの償還のことを考えますと、四十一年度では、昨年度分の三十億もこれに加わると四十億になる。四十二年度は三十億の三十億、加えて六十億になると、こういう加算したかっこうになりますね。その点はどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/120
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121・柴田護
○政府委員(柴田護君) 法律は別でございますので、こういう書き方になっておりますが、実体関係では、お説のように、昭和四十一年度は、前のが三十億ありますので四十億円、四十二年、四十三年、四十四年と、ここまでが三十億残っておりますからそれぞれ六十億円、まあ四十二年から四十六年までは大体六十億見当でいこう。四十六年度になれば、ちょっと財政規模もふくれておるだろう。まあ十億ぐらいふえたっていいだろう。四十一年度はとてもつらいからうんと減らす。四十二年度になれば多少景気もよくなっておるだろう。こういう多少の裏の見込みはあるわけでございます。その辺を配慮いたしましてこういうやり方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/121
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122・鈴木壽
○鈴木壽君 今度この計算し直したことによってですね、交付団体、不交付団体との異同関係ございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/122
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123・柴田護
○政府委員(柴田護君) たしか十の団体が不交付団体から交付団体に変わると思います。大体不交付団体の数は、当初算定では、百九十四団体でございますけれども、そのうちの十くらいの市町村が不交付団体から交付団体に変わることになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/123
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124・鈴木壽
○鈴木壽君 この場合ね、不交付団体から交付団体になったと、こうした場合に、当然あれでしょうね、八月決定の際の交付額、それによって考えなきゃいかぬということになりますね。その点はどうです。交付団体、不交付団体の関係で金をやらなきゃいけないということが出てくるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/124
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125・柴田護
○政府委員(柴田護君) 交付団体になりますれば、当然差額は出さなきゃなりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/125
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126・鈴木壽
○鈴木壽君 十ぐらいですか、団体の数、これは市町村でしょうね、もちろん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/126
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127・柴田護
○政府委員(柴田護君) 市町村でございまして、おもに市だと思いますけれども、十ぐらいだと思します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/127
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128・鈴木壽
○鈴木壽君 それから、税の減収分のために四百億の起債が許されると、この場合、どういうその配分——配分と言ったらいいのかね——許可する場合にね、やっぱり何かこの減収額に見合う額とかなんとかいろいろなことがあると思います。あるいは交付団体、不交付団体とか、いろいろそういうことも関係してくると思いますが、何か基準のようなあまりこまかいことまで聞く必要ないのですけれども、ひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/128
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129・柴田護
○政府委員(柴田護君) この措置をとりますときに、実はまあこの背景を若干お話し申し上げたほうがおわかりいただくのに便宜かと思いますので、ちょっとお話しさしていただきますが、この減収に対して国は歳入欠陥補てん債という形をとりました。したがって、わざわざ財政処理の特例法を設けて歳入欠陥補てん債を置くのだ、こういう形をとったのでございまして、その際に、地方公共団体に対しても同じような措置をとれというような御意見もございました。私どもは過去において、もう十年前になりますけれども、月給を、やはりベースアップでしたかなにかのときに、給与の支払い財源で地方債を起こしたことがありました。これを一般財源的に、言うならば、交付税的に配ったことがございます。これがその後の地方団体の財政運営に悪い禍根を残しまして、非常に財政が安易に流れたということがございますので、今回はさような措置はとらないと、そのかわり、やはりむしろ公共事業——事業債というものをふやすという方向で実体的に片づけたほうが財政運営としては望ましいというように考えましてこういう措置をとったことになります。したがって、形は公共事業費に対する地方債の充当率を高めるという方向を原則としてとります。しかし、その際に公共事業がなければしようがございません。また、公共事業の負担額と税の減収額との間差というものの問題も心に入れてまいらなければなりません。その積み立て金の取りくずし可能額というものを考え方に入れてまいらねばなりません。そこでまあこの三つの要素というものをかみ合わして、公共事業費の充当率のかさ上げというものを第一前提に置きながら税の減収——税の減収と申しましても、これは実体的なものではございませんで、基準財政収入額上の是正でありますけれども、これによる減収額というものを第二の目標に置いて積み立て金の取りくずし可能額というものを、これを第三の目標に置いておる。この三つのものをかみ合わせて進めていきたい、こう考えておるわけでございます。幸いにいたしまして、税の減収の大きいところは公共事業がたくさんございます。それから、法人関係の税でございますが、府県と大体、市、それも大都市、中都市に集中いたしております。したがって、ちょうど公共事業のばらまかれておるのと大体見合っておる。それで大体救えると、こう考えておるわけでございます。ただ、中には、市町村の中で特殊の市町村になりますれば、税ばかり減るというところもあるわけでございます。こういうものにつきましては、この措置では救済し切れません。そういうものにつきましては、その団体としては収入額は大きいのでございますけれども、全体としてはたいした額ではない。こういうものについての救済は、特別交付税の算定の際に均衡処理という観点から救済をしていくと、こういうことにせざるを得ない。また、そうすることがよかろうと、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/129
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130・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/130
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131・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/131
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132・鈴木壽
○鈴木壽君 地方財政が、まあ何といいますか、たいへんなときに来ていると思います。国のほうも、先ほどあなたが話されたように、苦しいのだが、その苦しさ以上に地方財政がたいへんなところに来ていると思うのでありますが、一方の国は公債を発行して公共事業をやっていくんだ、不況対策として、景気刺激としてこれを政策という意味にも使ってどんどんやっていくかまえなんです。そうなってくると、なおさらこの地方財政というものが非常な苦しいところへ追い込まれるのではないかと思うのです。これからの、とりあえず来年度の地方財政というものの現況からして、あるいは見通されるところの悪化の状況からして、一体どうやっていくつもりなのか、こういうことについて、ひとつ私はさっき言いましたように、大臣が来れば、この機会にじっくり聞いてみたいと思っておったんですが、財政局長、実際の数字的なことになると、大臣でなしにあなたのほうがいいのですから、ひとついま私が言ったような点についての、現在持っておられるあなた方の考え方が、こういうことをしたい、こういうことをすべきである、こういうような点について、ひとつ概括的でけっこうでございますから、お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/132
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133・柴田護
○政府委員(柴田護君) 新聞紙上にいろんな計数がちらほらいたしております。いろいろ御心配を賜っておるところでございますが、新聞紙上に出ております数字には、いろいろ前提がございます。ごく正確に申し上げますると、国債発行の限度額が一体幾らになるか、それによってどれくらいの公共事業費がどういう形でふえていくのだろうか。それから、経済の成長率というのは一体どれくらいになるだろうか。それに伴って租税の弾性値を考慮に入れた際に、国税の自然増収が一体幾らになるだろうか、それを頭に置いて地方税収入を考えた場合に、どれほど収入が得られるだろうか、こういうことと、それから、その前提の上に、どのような規模の、どのような種類の減税が行なわれるだろうか、これだけのものは、はっきり申し上げまして、未確定因子であります。それを、世間で言われておりますのは、国債七千億、減税、平年度三千億ということがいろいろ言われておりますので、それくらいの規模を前提にして国家財政を、これはわれわれの所管じゃございませんけれども、推察すれば、公共事業費の伸長度は約二〇%になるだろう。こういう計算を置いて、そうして、千億程度国税の自然増加があるということを言われておりますので、千億程度の自然増加があって、平年度三千億、初年度二千四、五百億の減税が行なわれた場合にどうだろう。こういう試算をしてまいりますると、新聞にいろいろ言われておりますように、経常的経費、収支バランスで二千億前後の穴があり、投資的経費のバランスで大体千億ぐらいの穴があきそうだ。差し引き三千億そこそこの穴があきそうだ。これはたいへんだと、こういうことで、ひとつそれを考えてもらいたいということがあの計数の出るときのそもそもの初まりでございます。私どもの気持ちとしましては、やはり経常収支というものについては経常財源ということでもってこれはカバーすべきだ、国も苦しいかもしらんけれども、国が公債を発行して仕事をやろうというのは、国が、言うなれば、天の超均衡財政から地方財政のレベルにおりてきた。地方財政は昔から地方債を発行いたしましてやっておるわけですから、国が天から地面におりてきたということになるわけです。それに伴いまして、いままでの天と地の関係が、地と地の関係になる。そうしますと、国の財政の構成に変動が起こるわけですから、地方にも当然それに伴って変動が起こってしかるべきだ。そこで、国も苦しいかもしれんが、やはり経常収支のバランスは経常収入でとるようにしてもらいたい。だから、税をもらいたい。税の移譲がむずかしければ、交付税もやむを得ぬかもしらんけれども、私どもの考え方としては、やはり税源を分けてもらうということが第一の主張だ。これは物もらいのようなものじゃないのであって、国と地方との税源の一種の再配分、一ぺんにはできぬかもしれませんけれども、できるだけそういう心がけというものでものを考えるべきじゃなかろうか。それから、投資的経費につきましては一般財源が増強されて、その範囲でまかなえますればこれはけっこうでありますけれども、場合によっては国も金がない際だから、地方債もある程度ふやすこともやむを得まい。現に、現在の一般会計の企業というものは、午前中お話し申し上げましたように、若干私ども自身にも反省すべき筋合いの点もあるわけでございますので、多少地方債がふえることもこれはやむを得なかろう、こういう考え方でおるわけでございます。大蔵省との間にはまだ計数的には相当開きもございます。何分にも公共事業費がどっち向くのやらわからぬ。二〇%といいましても、たとえば直轄事業でうんとふえますれば、その比率はうんと落ちます。災害復旧事業でうんと公共事業がふえますれば、また地方負担は落ちるわけでございます。普通会計でうんと落ちますから、これはたいへんなことになる、こうなるわけでございますので、それらの中身がはっきりわかりませんと結論がつきません。また普通会計において経常系統の経費におきましても、普通補助事業の経費のふえ方というものはどういう形でふえるかということによってもいろいろ変わってくるわけでございます。まあ、意見がいろいろ違いましては話になりませんので、計算の基礎はともかく、主張が明確であればそれに伴う相違というものは明確だと、だから、できるだけ計算の基礎を突き合せしめようということでいろいろいま作業をしておるわけでございます。ちょっと大蔵当局と基本的な考え方がいまの段階で若干違いますのは、先ほど大臣もお話しがあったかと思いますけれども、まあ、大蔵事務当局の気持ちとしては、四十一年度の措置というのは臨時的なものと考えたい、私どもとしましては臨時的なものでは済まぬのではなかろうか、ある程度恒久的なものと考えざるを得ないのじゃなかろうかというところに、今後の計数がある程度相互に縮まってまいりましても、そこの基本線というものがやはり理論的な争いの山になるだろう、こういう感じを私は持っております。非常に大ざっぱで、ございますけれども、現状はそういう段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/133
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134・加瀬完
○加瀬完君 ちょっと関連して。
その問題の公共事業というものをもっとしぼっていかなければ、この地方財政の、何といいますか、赤字分といいますか、超過負担分といいますか、それが消えてきませんね。今度の問題でも、初め政府が決定したように、公共事業費の一割削減なら一割削減というものをどこまでもしていけば、もう少し薄まって赤字が少くなったということも可能ですね。野方図に、国が公共事業の形で、補助負担を伴うものを地方に押しつけてきましては、これはいまおっしゃるように、ことしだけの特別財政措置でまかなえるという問題にはなりませんよ、国の財政政策そのものをもっと地方が負担できるような形につくりかえてくれなければ。この点は自治省どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/134
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135・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私どもが、年来この予算編成にあたりまして常に念願し続けてまいりましたことは、毎年地方財政問題というものは一番最後に回わされる、問題が大きい問題でございますし、政治的な問題を帯びやすい問題でもございますので、一番最後に回わされるのでございます。あげくの果ては、金があるとかないとかいうことでおかしなことになってしまう。しかし、考えてみますと、地方財政問題というのは、要するに、国と地方の両方の車でもって必要な仕事をしていくわけでございますので、やはり予算編成にあたりましては、一つの前提問題と考えるべきではないか、だから、地方財政に穴があくという問題は、国庫補助事業等を受け入れる地方財政の受け入れ方ということをどう考えるかという問題であって、その公共事業費の、個々の道路があっちを向いた、土地改良問題があっちを向いたという問題に先立って、まずきめるべき問題であろう、その上で個々の事業費というものを査定し、国庫財政の需要を考え、受け入れ態勢を考えて事業量を査定し、補助率をきめていくというのが本来の予算編成ではなかろうかと実は私ども考える。年来そういう主張をしてきたわけでございますがこれまた力足らずで、おしかりを受けるかもしれませんが、そのとおりにはなっていない。で、ことしは大蔵大臣も、私のほうの自治大臣も、それはそうだ、だから地方財政の問題の大綱といいますか、大ざっぱな方向というものは早くきめようじゃないかということで、ずっと実は努力をしてきたわけでございますが、現在の段階では、いろいろな関係で、間に国会の審議が入って、いろいろむずかしい法案が出たりいたしまして、やや最後が中断されたようなかっこうになっている。しかし、ことしの両大臣のお気持ちは大体私どもが長年念願してきた方向でものを考えようとなさっておるようでございますし、私どももぜひそうしていただきたい、こういう気持ちを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/135
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136・鈴木壽
○鈴木壽君 いまのお話、まだ不確定な要素をかかえておる段階ですし、はっきりしたことが言えないのはこれは当然ですか、ただいま加瀬委員からのお尋ねのように、たとえば建設公債というものを七千億出す——七千億になるか、七千五百億になるかまだはっきりしませんけれども、いずれ七千億だと、一体そういう場合に、いまの公共事業をやっていく、あるいは建設的な仕事をやっていくといった場合に、一体国の財政、財源と地方のそれによって生ずる当然の負担、こういうものをどう考えてやるのか。とにかく政策的なことをばかっと打ち出してきて、さて今度あとで地方ではたいへんだとかなんとかいうような、そういうかっこうに進められていく。これは非常に私は、あなたのお話の中にもありましたが、困ったことだと思うんですね。もし国の費用だけで、公共事業なり、いわゆる言っておる建設公債引き当ての額だけで国が全部持って公共事業を推進するというのであれば、これは私何も何のかんの言う筋合いのものではないけれども、そうじゃない。かりに公共事業が二〇%ぐらいふえるんじゃないかといういまの見通しだとしても、それに伴って地方かどのくらい持たなければならぬのか、こういうことに当然なってくるわけですね。七千億そっくりいわゆる建設事業に使うんだ、公共事業に使うんだ、しかし、全体の事業量は、これの約五割増しぐらいの一兆をこした量になりますね、少し荒っぽい言い方だけれども。大体その程度。そうすると、当然七千億を差し引いた三千五百億ぐらい——三千億以上というものは、これは地方がかぶる——かぶるということばは悪いが、地方が持たなければならぬ。そういう関係をもう少し政府が施策を発表し、あるいは推進しようとする場合に、しっかりしてやってもらわないと、これはとんでもないことになってくるんですね。いつもそういうことで振り回されている。これは、当初の道路整備緊急五カ年計画なんかを見ましても、そういうことが、言われるんでありますが、特に今回のような、こういう国が不況対策、景気の立ち直りを促すためのこういう仕事をやるといった場合に、非常に困った問題になってくると思うんですがね。そういうことについて、あれですか、もっと国、地方を通じての、これは切り離されない問題ですから、もう少し話をきちっとやっていくという、そういう姿勢はできないもんですか、政府部内で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/136
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137・柴田護
○政府委員(柴田護君) その点は全くお話のとおりでございますが、今回の税収減あるいは公共事業の促進等の措置に関連をする地方団体の反応というものは、やはりそういう点に関する国庫当局の認識というものを改めたと申しますか、というような感じがするわけでございます。ことしの秋に公共事業がなかなか進まない。その原因がどこにあるかということは、結局調べてまいりますれば、公共事業をやろうとしても、税収の減が著しくて、なかなか財源が見当たらない。かたがたまたベースアップという問題がはっきりきまりませんと、財源というもののメドがつかないということで、いろいろ朝野で大騒ぎになり、結局、今回の措置をとることによっておさまったわけでございます。したがって、従来と比べますれば、公共事業の施行についての大蔵の問題、地方財政というものとの関連というのは認識が非常に深まっていると私は考えるのであります。ただ、まあ、どのくらい公共事業費か伸びますか、ちょっと私が申し上げましたように、公共事業の伸びる種類によりましてやはりこれは地方負担が変わってくる。大きく変わってくる。直轄事業を中心にした場合、災害救助を中心とした場合、普通の事業を中心とする場合、その場合、場合によって振幅が非常に大きいのであります。その辺のところをにらみ合わせて話を進めていかなきゃならぬわけでございますが、実際問題としてまいりますと、まあ、私どもも査定を受ける。つまり、地方財政問題につきましては、査定とかなんとかいう問題とは別と考えておりますけれども、その他の一般予算につきましては、私どもはやっぱり国の管庁ではございますが、やはり査定を受ける立場であります。そういたしますと、大蔵省の腹づもりというところがあんまり早くわかってしまってはやはり大蔵省も困ってしまう。そこが実際問題としては非常にむずかしいところであります。だんだん相互信頼関係に立つように努力しなければならぬ。ならぬのでございますけれども、なかなかその辺のところがむずかしい。そこでメドがなかなかつかない。しかし、大ざっぱな見当はだんだん話を進めていけばつかぬこともないだろうと思うんですけれども、一ぺんに鈴木先生がおっしゃるようなかっこうにぴしゃっといくということは、まあ、急にはいかない。少し年月がかかると思いますけれども、しかし、そういうようなくせができますれば、国、地方を通ずる予算編成といたしましては一番望ましい姿であろうというふうに考えておりますので、今後もそういう方向で努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/137
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138・鈴木壽
○鈴木壽君 私はこういう問題、自治大臣が地方財政というものを考えた場合に、先ほど言ったこと、あるいはいまあなたがおっしゃったことを当然踏まえて、閣内における政策決定のもうそのときに話をつけておかなければならない問題ではないかと思うのですね。ですから、あとで、これは大臣来てから聞きたいと思いますが、いまの段階でわれわれも一不確定要素を一つの前提にしながら、たとえば国債が発行された場合にこうなるんじゃないかとか、国の減税がこの程度の幅でいったら地方にこれぐらいのはね返りがくるんじゃないかとか、交付税でこういうふうな減額になってくるんじゃないかという、いわば一つの推計を出しておる段階なんですが、いずれそういう推計があまり取り越し苦労でないかっこうであればいいけれども、やはりいまの財政の状況からそれはやはり心配せざるを得ない。それなんですものね。こういうことについて、毎年のように、地方財政の確立とか、自主財源のあれとか、いろんなことを言われているんですが、これは一向そういうことについて具体的にほんとうの対策を立てるというようなことが出てこないわけなんです。そういうところで私ども不満があるわけなんです。私、今回は国の財政も非常な一つの大きな展開する時期に来ている。もうすでに始めているわけです。来年度の予算編成をひかえたこの機会に、私はやはりはっきりしておかなければならぬというふうに強く感ずるんですがね。ただこれが足りない、あれが足りない、これをどうかしてくれ、やむを得なければ金を借りてもいいのだ、やれ起債でまかなってもいいのだという、そういう姑息なことをやっている段階でないと思うんですがね。その点財政局長としてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/138
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139・柴田護
○政府委員(柴田護君) 非常にむずかしい問題でございまして、御心配いただくのはありがたいと思っておりますが、しかし、私ども、過去におきまして、何年か、観念論と申しますか、お題目を唱えてきたんですけれども、題目がきき目があったりなかったりいたすわけでございます。それはそうといたしまして、現実問題としては、一つの理想に近づけるという努力をこれはやっていかなければならぬと思うわけでございます。私どもは、たくさん、あれもしたい、これもしたい、こういう方向も考えたい、こういう方向も考えたいというものを、事務をやっておりますとたくさん持つわけでございますが、実際問題となりますと、一ぺんにできるものもありますし、なかなかそう簡単にいかぬものもございます。これは実際問題としてやむを得ないと思うのでございまして、できるものからやはりやっていかなければならぬ。いろいろ大ふろしきを広げるのもいいんですけれども、広げていっても、できぬものはしようがない。その中でできるものから取り上げて実施していくということがいま一番大事だろうと思います。国も金がない、借金しようというときでございますので、いまこの私どもの理想なり、考え方というものがすぐ実現するかどうかということは、従来と比べまして抵抗の度合いが非常に強いというように思うのでございますけれども、私どもが考えております、また念願いたしておりますことも、少しでも多く、より多く実現するように努力をしたいということで来年度の問題に臨みたいというふうに考えているわけでございます。根本的には、やはり鈴木先生おっしゃるような、国、地方の両方の立場に立つという意味での予算編成ということに国家予算の編成が高められなければならぬと思うのでございまして、その努力は今後も続けていきたいと思いますが、幸いにして自治、大蔵両大臣ともそういうお気持ちのようでございますから、その線でひとつ努力してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/139
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140・鈴木壽
○鈴木壽君 抽象的なことばかり言ってもしょうがないから、何かもっと具体的に、こういう問題についてはどうかというふうなことでお尋ねしたいと思うんですが、これもまたあるいはこれから折衝するとかなんとかいうようなことで、どうもはっきりしたことを言っていただけないのじゃないかと思いますのでやめますわ。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/140
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141・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) この際、委員の異動について御報告いたします。
本日付で重宗雄三君、郡祐一君、大野木秀次郎君がそれぞれ辞任され、大森久司君、八田一朗君、柳田桃太郎君がそれぞれ選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/141
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142・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/142
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143・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/143
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144・市川房枝
○市川房枝君 私はどうも数字に暗いのですが、住民の立場から簡単に二、三、大臣にお伺いしたいと思います。
今度の法案によって地方の公務員の人たちの俸給のベースアップを借金によって支払う、三百億円借りるということになっておるようですが、これは常識的にいっても、どうも借金によって月給を払うということはおかしいといいますか、住民の立場からいいますと、やはり自治体のいろいろ世話をしてくれる、骨を折ってくれる公務員の人たちの月給を借金で払っていると、どうも住民とのつながりが少し薄くなるといいますか、やはり住民の払う税金で公務員の人たちにベースアップをしてあげる、そうすれば、住民のことも一生懸命やってもらえるんじゃないかというような、きわめて素朴な考え方もあると思うのです。別ないろんな議論ももちろんありますけれども、その点、大臣どうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/144
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145・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 交付税関係は言うまでもございません。地方に税源が足らない場合に、やはり地方と中央と一体の立場で財政的援助をするという性質の金でございますので、したがいまして、地方が事業を節約してくれれば何とか払えるわけですが、この場合、公共事業を地方開発の意味においてやはりやるほうが、地方も好むことでございますので、そういう勧点で、税不足を生じるというので、まあ前借りで地方の財政を補てんするということになった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/145
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146・市川房枝
○市川房枝君 まあ、赤字の経済をやりくりするのは、それは家庭経済でもなかなか骨が折れるのですから、いわんや地方自治体ではなかなか苦労だと思うのですが、たてまえとしては、自主財源といいましょうか、地方自治体そのものの財源で払うように。それから、財源が足りないのだといまおっしゃいましたけれども、それはやっぱり足りるように国のほうで交付税の率を上げるといいましょうか、あるいは新しい税源を地方に移譲するというようなことで地方自治体自身の財源があるように。これは自治省としては、先ほどからいろいろ御意見を伺っておりまして、根本的にそういうものを考え直してほしいという御意見もありました。まあ、私しろうとでございますけれども、私もそう思うのですが、そういう場合に、税金をふやす——まあ、今度だいぶ減税になりますけれども、地方税では何か増税になるような話がさっき出ておりました。そうすれば、地方の財政は少し余裕が出てくるかもしれませんが、しかし、これは住民の立場からいいますと、現在以上増税してもらっては困るわけでして、この前も住民税が非常に高くなった。政府のほうで減税をなさると、きっと地方税のほうで高くなって、結局減税になっておらないのでありまして、かえって増税になっているわけでありまして、そのことはみな不平でございます。今度減税と言われても、みなすぐ簡単には承知をしていないのです。高くなるのじゃないかという感じがあるのですが、これは先ほどから御議論もありましたけれども、特に私は、家庭の主婦は、物価が高くなってずいぶん困っておりまする家庭の立場からいっても、この上、住民税をまた値上げをされるということは非常に困りますので、そういう方法でなくて、地方の財政を立て直すということをひとつお考え願いたいと思うのですが、その税金の点をもう一ぺん念を押して大臣からお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/146
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147・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のとおりな方向で地方財政を確立することが望ましいと考えまして、あらゆる角度でいま努力を続けているわけでございます。しかし、なかなか税源確保が至難なものでございますから、国へ納める税金をうんと軽くする、そのかわりその軽くなった一部を地方税で補てんしようかという議論も、実質的には国が取っている分の税金は取らなくて住民にやる、そのかわり、その軽くなった一部だけは地方財源の確立のために出したらどうかという議論が強く出ておりますので、まあ、そういうことにもならぬように進めたいという気持ちで一生懸命せっかく努力いたしているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/147
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148・市川房枝
○市川房枝君 もし、それは幾らか、わずかばかり上げるのだという場合でも、私はやはり所得税の面ではこれだけ下げるのだ、しかし、住民税ではこれだけちょっと上がるのだと国民におっしゃっていただかないと、間違って、だまかされたような感じを持ちますから、それはひとつ地方税の担当していらっしゃる自治省のほうでお考えいただいて、国民にやはりそういうだまかされたという感じを与えないように心を配っていただきたいということをお願いしたい。
それから、地方の財政の問題で、住民の中には、自治体自身の運営でまだ節約できるのじゃないか、ずいぶんむだづかいがあるのだ、そうして足りなくなった場合に、国のほうへおしりを持ってくるといいましょうか、国で穴埋めしてやるのだという感じがなくもないのですが、大臣、その点はどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/148
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149・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) そういうような考え方が、非常に地方自治の財政確立に支障をいたしているのでございます。しかし、現実は、そういうものではない。効率化に対して全力をあげてえりを正してやっているのだと、その不信感の打ち消しに努力をしながら、また事実はなくても、そういう誤解を受けるような政治の姿勢が片りんでもないように、特に地方の指導者層に強く呼びかけております。そういうことのないように努力をしながら、財源の確立に対して最善を尽くしていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/149
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150・市川房枝
○市川房枝君 ある場合には、何といいますか、ことに地方自治制の場合には、住民不在の自治制といいますか、やはり執行機関と議会とだけでなれ合いでいろいろやっている、そうして住民は全くつんぼさじきに置かれている。そういう考え方も相当あるので、これは、執行機関だとかあるいは議会と同時に、一般の住民のほうが私はやはり責任があると、こう思うのですが、住民自身がもっと自分たちの自治体について関心を持ち、そうして、自分たちの代表として適当な人を議会に送り、それで自分たちの福利増進をはからせることにもっと熱心になっておらなくてはならないわけでありまして、その点において住民のほうの責任があると思うのですが、だから、この住民に対してのそういう自治制にもっと関心を持って、自分たちの町村だという意味で協力させるというふうな態勢ですね。これは自治省の中の私は選挙局が担当しておいでになる「明るい正しい選挙」ですか、政治の方面への一つの啓発運動として、特に自治制とのつながりを私は啓発していただきたいと思うのですが、それはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/150
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151・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のとおりに考えておりますので、住民と一体に自治行政を強く有機的に推進するということが望ましいというように強く申しております。ことに主権は在民である、国民みずからが主権者であるという立場において、いわゆる旧来の封建的観念で中央及び当局に依存するという態度を捨てていかなければならない。同時に、指導者も独善を排除して、住民との協力一体の姿勢でいく。それがためには、やはり住民の協力組織を強く指導し、また、それと一体になるということで、役人が利用するということで機構をふやし、人をふやし、会議をふやして役人国家になろうとする考え方でないように、どこまでも国民組織を動員して、少数の人間で国民の意思が合致するような政治をやるべきではないかということを、ちょっと不必要なくらいにまで強調をいたして、ただいまのようなぐあいに進まねばならぬ。ことに選挙に関しましては、どうしても国民のいわゆる組織を動員して、そうしてよく民意と一体になって選挙ができるような方向でいくべきだということを努力をいたしておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/151
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152・市川房枝
○市川房枝君 これはもう当局のほうからの御答弁でけっこうなんですが、今度の三百億円の金額は、別に六十九億円節約をなすって三百億円という金額にしたのだということなんですが、その節約というのは「物品費等の節約により」と、こう書いてあるのですが、たとえばどんなふうな内容、どういうものを御節約なすったのか、ちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/152
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153・柴田護
○政府委員(柴田護君) やはり大きなものは旅費、それから食料費であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/153
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154・市川房枝
○市川房枝君 もう一つ私節約して当然いいと思うものに交際費というものがございまして、この前資料をいただいたことがあるのですが、交際費は、これは御承知のとおり、東京の場合に東京都知事は四千万円交際費があったのですが、ことしの上期だけで五百万円節約をする、こういうことをきめてやって、一千万円これで減るわけなんです。それから、東京都の議長の場合は、当初予算では二千五十万円、決算では四千万円くらいいつも使っていたのですが、それを議会の各派の申し合わせで五百万円に減らしたのだというのですが、ずいぶん減らし得るといいましょうか。ことに議会のほうでは四千万円が五百万円になるというのですから、ずいぶん少なくなる。そこにずいぶん節約の余地があると思うのですけれども、全国ではずっと減していっておりますか。そういう数字はおありになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/154
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155・柴田護
○政府委員(柴田護君) いわゆる交際費といわれるものは、三十九年度決算では、全国で七十億くらいある。この中身は千差万別でございまして、交際費というものを少し組んでおいて、食料費のほうに全部入れてしまったり、中には交際費でうんと組んでおって食料費をうんと切り下げたり、これはその地方公共団体の慣行と申しますか、行政の実態に応じていろいろやり方があるわけでございます。したがって、交際費だけをつかまえまして、この種のものがすべてだということは言えないわけでございます。広く中身を洗いませんと結論は出てまいりません。しかし、これは御指摘のありました東京都の交際費は、これはいままでから飛び抜けて多い。ひときわ目立っておるわけでございまして、ほかの県ではそれほどでもございません。しかし、全体的には交際費はふくれる傾向にございませんで、むしろ横ばいないし若干下目というのが最近の傾向でございます。ただ、交際費問題を考えます場合には、東京都の場合は飛び抜けて多いのでございますけれども、これは特殊事情が一つございます。それは東京都の場合は外国使臣が非常に見える。やはりメトロポリタンでございますので、東京都としてのやはり儀礼的な接遇というものが要るわけでございます。そういう経費が相当ございます。これは東京都、それから大阪もそれによく似た関西の中心地という意味で、そういう儀礼的な意味合いの交際費というものがある程度要るわけでございます。したがいまして、大体この二つは特殊というふうにお考えになっていただきたい。しかし、一般的にはこういうものは少なければ少ないほどいいのでございます。何も大きを求めるわけじゃございません。なお一そう自粛するように指導してまいりたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/155
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156・市川房枝
○市川房枝君 もう一つだけ伺います。議員の報酬は金額からいえばそうたくさんではないかもしれませんけれども、ずいぶん全国でふえたと思うのですが、いまここでなくてもよろしゅうございますが、そういう表なんかおありになりますか。御調査になったものおありになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/156
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157・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 昨年当委員会でいろいろ御指摘をいただきまして、私どもといたしましても指導に当たったわけでございますが、昨年の十二月に私の名前で都道府県知事あてに通達を出しまして、地方議会議員の報酬改定は一般職の職員の給与のように生計費の増大、民間賃金の上昇に照応してなさるべき性質のものではないと考えられるということと、それから、一昨年から昨年にかけて相当大幅に引き上げがなされた直後だから、その額が著しく低額である場合を除いては、報酬引き上げについて極力自粛をしてほしいということを昨年の十二月に通達を出しましたので、昨年の九月実施で行ないました一般職の公務員のベースアップに対応しての議員報酬の改定は非常に自粛されたようでございます。府県について申しますと、その後本年に入りまして報酬改定が行なわれましたのが全国で七県ございますが、これらは他の府県と比較をいたしますと、いままで相当低位にあった府県でございます。現在まで私どもつかんでおりますことは、さような状況であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/157
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158・市川房枝
○市川房枝君 報酬を値上げするときには審議会の意見を聞くということになっております。その審議会の答申の大体程度に決定しておるのですか。それには従わないといいますか、その答申によらないで、それよりも多くしておるというところでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/158
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159・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 府県につきましては、大体審議会の答申どおりに改定がなされておるようでございます。市町村の状況につきましては、一々報告を徴しておりませんが、先般新聞で見ましたところでは、一、二の府県で審議会の答申を無視して引き上げたという記事もございましたが、その内容については、まだ別段調査をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/159
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160・市川房枝
○市川房枝君 この二十四日に武蔵野市の市議会が上げたんですね。そこは現在月四万円なのを審議会としては二五%値上げ、まあ、五万円の答申をしたらしいですけれども、議会はそれを五〇%つまり六万円に値上げをした。住民からかなりいろいろの意見が出ているみたいですけれども、そういうことがあってもこれはしかたがないというわけですね、議決があれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/160
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161・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 法律的に申しますと、議会の議決で決定をなすべきものでございまするからしかたがないわけでございまするが、昨年提案に先立って、特別職の報酬審議会の意見を聞いてやるようにということを自治省の通達で指導をいたしました趣旨は、権限は議会にありまするけれども、議会としてはできるだけ謙虚に住民の各界各層の代表者の声を聞いた上で決定をするようにという趣旨でございまするので、実際の運用にあたりましては、報酬審議会の意見を尊重して議会が決定をなさることがきわめて望ましいと私どもは考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/161
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162・加瀬完
○加瀬完君 この法律が通りましてもですね、財特法がいまのような状態でございますと、確実に地方団体が給与の支給をすることがむずかしくなってくるんじゃないかという心配があるわけです。そこで自治省は、確実に給与支給ができるように行政指導が行なわれて、はなはだしく地方公務員が国家公務員よりも時期おくれということにならないように措置がされるものと了解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/162
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163・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) たてまえといたしますると、今回国会で成立いたしました一般職の給与に関する法律と、本日御審議をいただいております地方交付税の特例に関する法律、ならびに、お話しにありました財特法、補正予算、全部が一体となって成立をさせていただきましてはじめて地方公共団体が国家公務員に準じた給与改定が安心して行なえる、こういう状況になるわけでございまして、私どもといたしましては、さようなふうに運ばれることを期待をいたしておるわけでございまするけれども、ただ、このただいまお話しの財特法につきまして、かりに成立がおくれるというようなことがございましても、その他の措置がすでに講じられておりまするならば、地方公共団体としては財源的にやりくりをする困難があろうかと思いますが、その点につきまして何らかの金繰りができまするならば、給与改定を国家公務員に準じてなされるということも差しつかえないというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/163
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164・加瀬完
○加瀬完君 そうでありますならばですね、ある団体では、いまおっしゃるような方法をとる、ある団体では、財特法が通らないということを理由に給与の支給を引き延ばすということがありましては、非常に地域によって格差が生じますので、積極的にですね、基本法は通っておるわけですから、いまおっしゃるような線であるならば給与支給ができるわけですから、各地域を落ちくぼみがないように給与支給の行なえるように行政指導をしていただけるものと了解してよろしゅうございますか。これは大臣にひとつ。自治省が何かそれに対してブレーキをかけているような一部の報道もございますので、この際はっきりさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/164
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165・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) ブレーキをかけるようなことはせない考えでございます。なお、資金繰りの問題でございますが、すでに四百億の起債ワークの増加並びに三百億のいわゆる公営企業等の関係、こういうものも一応通知はいたしておりますから、いろいろの角度で資金のやりくりはできるのではないかと考えておるわけでございますから、それらの点は遺憾なく支障はないものではあると思いますが、積極的にどうしろということは、この場合やはり指導するということはやらないという方針でございます。チェックすることは絶対いたしません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/165
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166・加瀬完
○加瀬完君 チェックしないだけでなくて、結局、それが違法でないというならば、現実に給与の支給方法を考えている団体もあるわけですから、その団体に右へならえをするようにこれは指導をしていただくほうが正当ではございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/166
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167・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 要するに、資金繰りの問題でございますので、まあ、そういうことは好ましゅうございませんが、やはり公共事業その他で多少執行に対して支払いがおくれたりというようなことで、地方は支障なくこの法の趣旨に従って、やっていくものであると、こう考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/167
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168・加瀬完
○加瀬完君 やめますけれども、はっきりしませんね。もっとはっきり言ってください。だれでもいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/168
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169・柴田護
○政府委員(柴田護君) 給与の改定そのものにつきましては、先ほど行政局長からお答えいたしましたとおりで、この交付税の特例法をかりに成立さしていただきますならば、実体的財源は確立する。しかし、実際には金の行きようがない。この交付税特別会計の特例が通りませんと、特別会計で金の借りようがないわけでございます。そういう意味合いにおきましては、抽象的に財源措置はできるわけで、措置法に言う財源が確定したとは言えない。そういう意味合いで、積極的に財源措置が完了したから大いにやれというのは、やはり私どもの立場に立ちますと言いにくい、しかし、こういうことだから給与の改定をやっちゃいかぬというようなことは言わないと、まあそういうことしか私どもとしてはやりようがないじゃないか。こういうことでございますので、何とぞ御了承い一ただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/169
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170・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ほかに御質疑はございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/170
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171・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 別に御発言もないようでございますので、本案についての質疑は終了したものと認めます。
これより討論を行ないます。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/171
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172・加瀬完
○加瀬完君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案をされております昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律に対し反対の意見を申し上げます。
理由の第一は、本法は本年度限りの特別措置ということでございますが、本法の必要とする財政条件は本年度限りにとどまるものではありません。したがいまして、このような方法だけでは将来にわたります地方財政の困窮を抜本的に解決するということにはならないわけでございます。しかも、この財源事情は国の責任でございまして、この国の責任である点が明確にされまして、将来に対しまして国の措置というものが考究さるべきはずでございますのに、そういう点が本法においては明確にされておらないわけでございます。したがいまして、むしろこの法案の内容そのものを認めるということになれば、将来に対しまして財政上の一つの禍根が誕生をするということにもなりかねないわけでございまして、これがその理由の第一でございます。
第二は、財源補てんの基礎計算が必ずしも緻密ではないという点でございます。単独事業の抑制によりまして六十五億円の補てん財源を考えておりますけれども、これに相当の無理がございます。たとえば三十七年、三十八年の決算で見ますと、単独事業費の前年度増加率は大都市においては五四・二%から一九・三%、中小都市においては四二・八%から=二・七%、町村におきましては三二・六%から一〇・二%と非常に落ちておるわけであります。この傾向は三十九年、四十年においても激しい比差が加わりこそすれ、減少している状態ではございません。したがって、こういう状態の中で単独事業を抑制するということは、地方が何も仕事をすることができないということになるわけでございまして、ここに無理な条件がございます。あるいはまた、旅費とか物件費を百九十三億円節減するということでございますが、これも諸物価が高騰をいたしましたり、あるいは旅費等にいたしましても、そのそれぞれの関係機関の値上げをする状態の中で節減することも、相当な無理があるわけでございます。また、交付税の再算定も必ずしも地方団体の現状を救うに十分とは言われないわけであります。
第三の理由は、普通、交付税の再算定が行なわれまして地方税収入が減少という場合には、基準財政需要額は、先ほど局長が御説明のように、当然変動してくるわけでございまして、この点十分な変動に備えての措置が講ぜられておるという内容では、本案はございません。
第四は、地方団体の財政困難、困窮は、交付団体にとどまりませんで、不交付団体にまで及んでおりまして、交付税の特例のみでは、その解決は、そのまま残されてしまうわけであります。
第五は、国庫財源の捕捉等もこの場合確実に行なわれてはおりません。したがいまして、給与だけが困窮の原因ではない地方財政の現状におきましては、これだけの解決をいたしましても、あとに残される問題があるわけでございます。また住民税等におきまして、政府側の御説明のように、住民負担の軽減方針というものが今後貫かれるという保障も全然ないわけでございまして、歳入難が住民負担に転嫁されるということも心配されるわけでございまして、こういう点、地方財政の確実性というものが確保されておらないという点を指摘しなければなりません。
第六は、困難な財政事情の主たる理由は、補助事業が各団体ごとに大幅に上昇しているということにも大きな理由がございます。特に公共事業の拡大というものを押えてまいりませんければ、いままでのように公共事業の削減の方策がとられませんと、景気刺激のためにこれを解放するという形では、当然地方の支出は増大をするわけでございまして、交付税法の一部をいろいろいじくり回してみましても、政府の公共事業の削減方針をもっと的確に打ち出せません場合には、地方財政の安定は得られるはずがあり得ないと思うのでございます。
第七は、四十年度の財政計画は、三十八年度、三十九年度の財政計画の反省が生かされておるべきはずでございますのに、この配慮が足りないと思われるのでございます。たとえば、歳入の減収と給与の増との対策がどういうバランスをとるかという点、不十分なままに計画が進められております。その年ごとの便宜主義でやってまいりましては、根本解決はなおさら遠くなるということになろうかと思うわけでございます。
第八は、国、地方を通じて税財源が確実に検討または掘り尽くされておらないという点であります。たとえば、租税特別措置法あるいは国税、地方税におきまする地方的な減免施策、こういうものがここでは相当再検討さるべきはずでございますのに、こういうものがそのまま残されて、現行特免制度をそのままにして、その上に財政計画だけがいろいろと工作をされておるわけでございます。特に、たびたび各委員から御指摘のございます交付税率に何ら触れておりませんことは、交付税法の趣旨に背反するものでございまして、賛成するわけにはまいりません。
第九は、本院が昨年決議をいたしました、地方交付税の引き上げを検討する等地方財源の充実強化に全力を期すべきである、政府はそれに沿って努力をするというお答えもあったわけでございますが、この附帯決議は何ら考慮されておりません。このように委員会の決議あるいは院の決定というものが軽視されておりますことは、はなはだ遺憾でございます。
第十は、ただいま質問を申し上げました点でございますが、このような方法でございましては、このたびのように他の関係法律が上がりませんければ、地方に大きく支障を来たすわけでございます。責任省の自治省といたしましては当然、給与支給に支障を来たさないように措置が行なわれるものとは思いますけれども、方法といたしましては、はなはだ不備な法案と言わざるを得ません。
以上十点をあげまして反対の意を表するものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/172
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173・沢田一精
○沢田一精君 私は、昭利四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案について、自由民主党を代表して賛成の意見を申し述べます。
この法案におきましては、本年度限りの特例措置として、地方交付税の落ち込み分五百十二億円を国の一般会計の負担において補てんすることといたしており、また、地方公務員の給与改定の財源については、資金運用部から三百億円を借り入れ、これを四十年度の普通交付税の総額に加算して配分することといたしておるのであります。地方財政のきびしい現状からして、これらの措置のみにてはなお不十分な点もあると思うのでありますが、国の財政事情もきわめてきびしい中でとられた措置でもあり、現時点におきましてはやむを得ない妥当なものとして賛成いたすものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/173
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174・原田立
○原田立君 私は公明党を代表して、今回政府より提案された昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案について、反対の討論を行なうものであります。
わが国の地方財政は、いわゆる三割自治と言われ、財源は枯渇し、いつも貧乏にあえがなければならないのがその実情であります。政府も地方財政白書をしばしば発表し、その財政建て直しを根本的にやらねばならないと自認しておりながら、その基本的対策も樹立されず今日に至っており、こう薬ばりの補正予算等で表面を糊塗しているにしかすぎません。これでは地方自治団体はますます借金はふえる、仕事はできない、住民の不満を買う等々で、仕事を実際に担当する行政府たるや地方団体は、行財政の面で困窮の度を深めていくことでありましょう。本法案はまさしくその典型的なものであります。すなわち、一例をあげれば、地方公務員給与の改定に際しても、三百六十八億円からの不足を来たしております。それに対し、国も財源がないということから、三百億円は手当てをした、あとの六十八億円は地方団体みずから節約せよというのでは、他事業費への圧迫になり、仕事も中途で計画変更をせざるを得ません。このような処置は地方団体を十分に理解し、健全なる地方財政の確立をはかる上には何ら益するところ——のものではありません。
よってわが党は本法案に反対するととも一に、政府に対し強い不満の意を表明し、なお、健全地方財政確立に熱意ある対策を講ずることを要望するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/174
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175・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 他に御意見もないようでございますので、本案の討議は終局したものと認め、これより採決を行ないます。
昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/175
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176・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 多数であります。よって本案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、沢田君から各派共同提出にかかる附帯決議案が提出されております。沢田君の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/176
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177・沢田一精
○沢田一精君 地方財政の窮迫した現状にかんがみ、各派共同提出により次の附帯決議案を提出いたす次第であります。何とぞ各位の御賛同をお願い申し上げます。
昭和四十年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対する附帯決議案
地方財政は最近恒常的な窮迫状態を続ける一方昭和四十年度においては国税地方税の減収等のため異常な財政不安に陥っている。今にして地方財政の抜本的な解決を図らなければ地方自治の確立を達成することは困難である。よって政府は昭和四十一年度の地方財政計画を策定するに当っては特に左の点について遺憾なきを期せられたい。
一、国、地方を通じて税の再配分につき地方自治の本旨に基いて、安定かつ十分な財源を確保するよう急速に措置すること。
二、国税の減税から生ずる地方税の減収については国の責任において処理することとし、住民に急激かつ多額の負担をなさしめないように善処する要がある。このためすみやかに地方交付税率の引き上げを検討すること。
三、都市特に指定都市の最近の財政需要の増高に対する措置についてはさきの本委員会の決議の趣旨にもとずき財源確保について特段の措置を講ずること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/177
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178・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまの沢田さんの提案による附帯決議案に賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/178
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179・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 全会一致でございます。よって本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、永山自治大臣より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/179
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180・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) ただいまの附帯決議につきましては、御趣旨を尊重して善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X00419651228/180
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181・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) なお、審査報告書につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じます。
本日は、これにて散会いたします。午後三時三十九分散会
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