1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十一日(木曜日)
午前十時三十九分開会
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委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
大森 久司君 伊藤 五郎君
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出席者は左のとおり。
委員長 林田 正治君
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
伊藤 五郎君
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
中村喜四郎君
鍋島 直紹君
占部 秀男君
鈴木 壽君
松澤 兼人君
松本 賢一君
二宮 文造君
市川 房枝君
国務大臣
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
自治省税務局長 細郷 道一君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
衆議院送付)
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001・林田正治
○委員長(林田正治君) ただいまより地方行政委員会を開会いたします。
地方税法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のおありの方は、順次発言をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/1
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002・加瀬完
○加瀬完君 時間がないようでありますから、技術的な点だけ二、三伺います。
固定資産税でございますが、税の性格として、担税力のない者に課税する場合も生じてくるわけでございますが、この点をどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/2
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003・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 一昨日も御説明申し上げましたように、固定資産税は土地、家屋、償却資産を持っていること自体に担税力を見出しておるわけでございまして、その前提としては、土地、家屋、償却資産がそれぞれ収益性を本来持っている、こういう前提に立っておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/3
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004・加瀬完
○加瀬完君 たとえばね、五十坪に二十五坪の家が建っているとしますね。いままで坪六百円の固定資産税が、いつかの将来十倍の六千円に上がった場合、確かに固定資産の価値は十倍に上がったことになりますね。しかし、この納税者の所得が、担税能力が十倍に上がったということにはなりませんね。そうじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/4
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005・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 資産課税でございますから、財産を持っておること自体に担税力を見出すと、こういう考え方に立っております。したがって、その価値のあるものだけの利用方法を考えてもらうと、こういう前提に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/5
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006・加瀬完
○加瀬完君 そこで現実と合わないアンバランスがあると思うんですよ。具体的に、納税する義務者の納税力というものにはさしたる変化はないわけです。だからこの人が課税を完了するためには、その物件を売買の場にのぼせて、その固定資産から収益を得なければ納税できないという事態が生じてきますわね。これが一体担税力と言えるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/6
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007・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 固定資産を所有するだけでは、御承知のように生活はできないわけでございますが、必ず固定資産を所有している人は、それぞれ生活をしておるわけでございまして、その生活の所得は、一般的には経済の伸びに従ってやはり伸びていくわけでございます。したがいまして、全然無所得で固定資産を占有していると、何も利用しないで持っておるという状態は、むしろ考え方としてはレアなケースではなかろうかと、こういうふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/7
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008・加瀬完
○加瀬完君 たとえばね、昨日も御指摘がございましたように、大都市の近郷地帯というものは固定資産が非常に倍率が高くなるわけですね。しかしながら、その近郷にその固定資産を持っている、たとえば土地なら土地を持っている地主が、その固定資産税を支払う、何といいますか、内容を裏づけるような所得があがってくるという関係にはなりませんね。ですから結局いままではまあ応能主義とか応益主義とかいうものが大きな二つの筋として税の性格上言われておったわけですね。で、応能主義からいえば、周囲の経済状態が違って地価が上がったがために、固定資産税が上がったということだけで、これは応能の能力が上がったということになりませんよ。あるいはまわりの地価が非常に上がったからといって、自分の住宅あるいは敷地として使っている限りは、それで応益があったということにもなりませんよね。ですから税の性格からいって、きのうも御指摘になりましたように、たとえば全国平均に見て五十五坪、建坪二十三坪、こういうものが五十五坪の土地に二十三坪というものが売却できないものですよね。早くいえば、これ着物みたいなもので、おまえ着物を売って裸になれば税金払えるだろうという理屈は成り立たない。当然これは生活に必要な最低の物件として控除さるべき性格のものじゃないですかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/8
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009・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) やはり資産課税ですから、まず資産を持っている人と持っていない人との間がどういうバランスになるかということが一つあるわけでございまして、いま御指摘のような場合でございますと、ともかく土地なり家屋なり、資産を持っている人が所得がない場合どうか、こういうことでございますが、反面資産を全然持っていない人との間のいわゆる担税力のバランスというものはどうなるかということが、まず大前提になると考えるわけでございます。したがって、土地あるいは家屋を持っております者は、それなりの土地家屋に利用価値があるのであって、その利用価値と、それからその収益性というものをそれなりに発揮するということが、一つの資産課税の根底にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/9
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010・加瀬完
○加瀬完君 これは資産課税じゃありませんが、所得課税である所得税はですね、所得のない者というのはありませんよね。これ必ず所得ありますよ。しかしながら、一定水準にならなければ所得税は課しませんわね。そこで、結局その応能主義といいますか、十二分に担税能力があるという一応の線というものをきめるわけですね。これが税の常識だと思うのですよ。そうであるならば、固定資産税が物税だといってもね、その固定資産というものが、たとえば宅地五十五坪、建物二十三坪というのが一応の最低の線だということであれば、それを一つの基準にしてね、その限度が、これは物税ですから、原則的にはかけられるであろうけれども、社会的あるいは生活的条件というものを考慮して、この線は控除をするとか、あるいは免税点をどこまでにするとかということで、若干の配慮というものがなければいけないと思うのですね。一銭でも所得があったら所得税全部かけるということが成り立たないとすれば、最低の条件というものを、必ずしも五十五坪、二十三坪ということではないにしても、最低の条件というものを一応打ち出して、それまでの固定資産、自分の土地あるいは自宅というものに対しては、固定資産をある程度割り引きをするといいますか、軽減をするという対策がなければね、どうしたってこれは固定資産税の評価がえというものによって、好むと好まざるとにかかわらず、自分の土地を手放して、他へ移らなければならないという問題も出てまいりますね。手放して税金を払うということは、これは応能じゃありませんよ。で、これは衆議院でもいろいろ附帯決議なんかが、四十二年度以降研究してもらいたいということになっていますが、そういう点は研究の対象としてはお考えになっておりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/10
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011・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) まあ固定資産税の基本をどう考えるか、あるいは税体系における地位をどう考えるかというようなことが前提になっていろいろ考えが出てまいると思います。いまお話しのような、かりに一定額までは控除をするとか、あるいは相当額のものは課税をしないような、まあ免税点という名前にいたしましても、そういうような方法をとるというような場合の基本の考え方が、どこにそれを置くかということがそもそもの議論の発展だと思います。ただ資産を持っておると、土地家屋の、自分の家のために持っておると、それだから、自分のうちのものなんだから、ある程度は免税してやってもいいんじゃないかというだけのお考えなのか、もしそういうお考えとすれば、土地や家屋を持たない人にはどう考えるのかという、やはり資産課税のもとに戻って、持っている人と持っていない人とのバランスをどう考えるか。持っていない人は、やはり家には住まわなければなりませんので、その後土地家屋がなければ、家賃とか地代とかいう形で負担をしておるわけであります。したがいまして、そういう人はおいでおいで、自分では直接地代、家賃の支払いをしないで済む人について一定額を免除するということは、どこにねらいを置くかという問題にからんでくると思うのであります。したがいまして、もし土地家屋を持っているという人に何がしか引くということのねらいは、そもそも住宅を提供するために、生活必需品である住宅を提供するために、一定の住宅の必要経費として家賃相当額、あるいは地代相当額といったものを控除していくんだと、それが住宅政策としての一つの行き方なんだと、こういうような議論からもし始まっているとすれば、これは何も固定資産税にすぐこれを取り入れて、持っている人だけから引くということは、持たない人との間にバランスが合わないというようなことになると思うのでありまして、現在の税体系では、いまの日本におきます社会構造のもとにおいては、何と言っても金銭経済の社会でございますので、いろいろなそういう政策的配慮をする場合には、やはり生活のもととなる所得というものについては、そういうことをまず考えるのはどうなんだろうかというような議論がまた出てまいるわけでございまして、そういった意味合いにおきまして、現行の固定資産税に直ちにそういうものを導入することは、いろいろ議論があるのではなかろうか、こう申し上げておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/11
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012・加瀬完
○加瀬完君 それはおかしいですよ。所得関係の税だって、保護家庭もありますよ、保護家庭だけに所得税が減税されているわけではありませんよ。一番最低の保護家庭、その上の標準生活費もまかない得ないような階層に対しては所得税が免除されるという、所得から見れば二段階になるわけでしょう。だから当然五十五坪に二十三坪というものが標準だとすれば、一応その標準の引き方は、お説のように議論のあるところでしょう。しかしながら、一応標準の線を引いたら、その最低標準というものは、当然これは憲法の保障する文化的な生活を営む権利として最低限のものだから、これは固定資産税でもある程度減免もすべきじゃないか、そうでなかったら、固定資産税を持っているがために、かえって生活困窮におちいるという悪循環も出てくるのだから、これはこれで救おう、それじゃ持っていない者との比較はどうだといったら、当然持つべくこれは考えるのは、憲法のたてまえから当然なわけだから、だから持たない者があるからといって、一番最低と、その最低に近いものとの比較をして、ここに矛盾があるという御指摘は、私は当たらないと思うのですよ。
それならば、あらためて伺いますが、農地の評価を評価がえをされないで、そのままにしておく理由は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/12
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013・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 農業という特殊ないわば産業と申しますか、それの特殊性に基づいたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/13
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014・加瀬完
○加瀬完君 それならば、国民最低生活、住宅を国民に与えろと言っているのだから、国民の最低生活を維持するというワクの中では、減免税というものを考えたって一向おかしくないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/14
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015・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 農業はどうしても土地を耕していかなければできないわけでございまして、土地が一つの生産の設備といいますか、生産手段になるわけでございます。しかも、その土地を、この土地が悪いからと言って、また別な土地に引っ越してやるというような、そういう自由が一般的にはきかない。そういう意味においては一般事業と非常に企業性の点でも劣っておると思います。そういっ特殊事情を考えておるのでございまして、一般的に土地や家屋を持っておる者が、その土地や家屋のそうでなければならないかどうかということは、農業の場合と比べると、やはり本質的に違う点があると思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/15
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016・加瀬完
○加瀬完君 農地は、いまおっしゃる利用度あるいは収益率から見て、農地の評価がえというものは、利用度、収益率に照らしてみて、これは無理だということで据え置くことになるでしょう。五十坪や、そのくらいの表面積の土地に二十坪か二十五坪のうちを持っているもの、それから収益率がありますか。固定資産として売却する場合は収益が出てきますけれども、永久にこれは売却してはならないし、できる状態ではない。固定資産は収益率ないですよ。利用度だって、これを貸したり売ったりすることができなければ、利用度もこれは農地と同じですよ。当然これは農地を据え置くというのならば、こういう最低の生活条件の内容である宅地あるいは建物というものに対しては、何らかの減免措置を講じなければおかしいですよ。あなたどこかへ行けると言うけれども、行けますか。たとえば十八倍なり二十倍に評価がなったから、この土地を売ってよそへ移りたいと言ったって、表通りに沿っているところならば、これは商店にでも何でも買うでしょう。しかし、その裏側にあって、商店としては成り立たないようなところだけれども、地価は近傍地が上がれば当然上がってきますよ。しかし、これは、経済的利用価値というのはそうありませんよ。そうすると、だれが固定資産税の高くなった所をわざわざ住宅に買うばかがありますか。売れませんよ。売れる条件が非常に制限されて、売ったところで、今度は売るときに適当な場所というものがはたしてあるかどうかという問題もありましょう。家屋をも移転して改築して、改築しなければなりませんから、これの費用というもの——体固定資産税、売却したものでいままで以上の生活条件のものができるかどうかということも問題になりましょう。農地とそういう意味で同じでしょう、変わりがないでしょう。これはもう少し真剣に御研究をしていただかなければならない問題だと思いますね。考え方が私は非常に未熟だと思う。
固定資産税がいままでのようにたいして生活に関係のないようなことならば、額が少なければ、いまおっしゃるようなことで問題が起こりませんが、今度はそういうことでないでしょう。たとえば、おたくのほうからいただいたものでも、野市、まあ平均の倍率が一〇・〇八で、最高が二九・七九でしょう、八王子は平均が七・一四で、最高が三三・三二でしょう。そうすると、これは非常な固定資産税が、四十一年はいいですよ、四十五年、五十年ということになったらどういうことにこれ変わってきますか。所得ではとても固定資産税払えない階層が出てきますよ。これはひとつ物税でございますから、当然だということでは私ども満足できません。十三分に研究をして、研究をした結果、おまえの言うのが、こういう点で間違っていると、私どもを説得していただける十分な調査をまずやっていただきたいと思いますが、御調査をしていただけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/16
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017・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 固定資産税の基本的な性格と申しますか、あり方というものは、いろいろ従来から議論のあるところであります。ただ現在の日本の国税、地方税を通ずる税体系のもとにおいては、先ほど来申す上げておるような性格として規定されておるわけでございまして、この根本的な性格自体についていろいろお考えになる方も現実にあるわけでございまして、いまおっしゃるように、これは売らなければ払えないじゃないかというようなのはおかしいというような議論も現にあるわけでございまして、そういった場合に、それじゃ、それを固定資産だけをとらえて、それを議論をしていくのか、現行の税体系の中の固定資産税をどういう位置づけをするかということに関連して議論をするかというところが、実は非常に基本の分かれ道になると思うのでありまして、先ほど来いろいろお話の出ております住宅の問題にいたしましても、住宅もやはり生活の一つの重要な手段でございますから、この生活のために住居を与えることを、何かもし税制面で——税制以外にいろいろな面があると思いますが、税制血でこれを反映させようとした場合に、すぐこれを固定資産税に取り入れていくことには、私どもは非常に疑問があるのではなかろうか。そのことが固定資産税の性格からして疑問があるのではないか。基本的に、家、土地を持たない、家賃を払っている人は、どういうふうにしたならばいいのかといったような問題が実はあると思うのでございまして、そこらの考え方をどう整理していくかということについては十分研究をしていかなければならないと思います。
現に外国の立法例でも、税制だけを比較しても、なかなか国情その他で当たらないと思いますけれども、自分で土地と家を持って、自分で生活している人の所得の計算においては、家賃相当額を収入があったものと見なして、所得に上のせをして、そうして所得計算をするというような立法例も実は外国にあるわけでございまして、そういうことによって、初めて借家に住まっている人と自分の住宅を持っている人との問の、住宅費としての必要経費の見方のバランスがとれる、そういう考え方のもとで、そういう税制をとっておるところもあるわけでございます。したがいまして、いろいろお説の点につきましては、そういう意味で広い角度から検討をしていかなければならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/17
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018・加瀬完
○加瀬完君 私はその点を検討しなければ、実に概括的な議論になりますけれども、憲法違反の疑いがあると思うのですよ。健康にして文化的な最低の生活は保障しなければならない。これは政府に責任がありますよ。で、最小限の住宅や宅地に対しても、これを売却しなければ納税できないという税法が、一体憲法の趣旨からいって許されることかどうかという問題が、私は少し疑問に感じますので、御研究をいただきたいわけであります。
それから、きのうの参考人の中にも議論がございましたが、いまのような固定資産税の考え方でいくと、近郊の農地も宅地的売買も可能だということで、近傍類地にならって評価がえをするのが当然だという議論が出てくるわけですよ。そうではいけないということなんでしょう。私は議論を整理するためにはっきり申し上げますが、農地はやはり農地として別に扱うという基本線というものはくずしてはならないと思うのですよ。しかし、いまのような考え方で固定資産を考えていけば、近傍類地の農地はこれは宅地にしたほうが利用価値が高いのだ、評価がえをすべきだという議論になりますよ。これはおとりにならないでしょう。きのうそういう議論をなさる参考人がおりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/18
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019・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 農地であるかどうかは一月一日の現況によって判断をすることにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/19
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020・加瀬完
○加瀬完君 だから、農地よりも宅地にしたほうがいいという、社会的な条件の変化で農地の評価がえをしなければならないというお立場ではないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/20
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021・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) その点も実はいろいろ議論があった点でございますが、基本的には、土地の利用計画といったようなものによって、土地の計画的利用がある程度規制されてまいりませんと、なかなかむずかしい問題であろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/21
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022・加瀬完
○加瀬完君 家賃、地代には影響がないという御説明ですが、借地や借家の多いのは大都市の近郊ですね。そこで、評価がえの倍率の非常に高いのも大都市の近郊。固定資産税が十倍、二十倍と上がって、全然地代にも、家賃にも響かせないということは可能ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/22
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023・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 現在の地代、家賃はいろいろでございます。そうしてその構成しております地代、家賃のコストの中に占めている固定資産税の地位というものは非常に低いわけでございます。大都市周辺の土地でも、今回東京都の周辺で、あるいは六大都市の周辺で、十倍も上がっているというようなところの旧評価額は坪千円くらい、坪千円と申しますと、固定資産税にして年に十四円でございますが、その程度の税負担しかしておりません。したがって、地代、家賃はいろいろ議論があると思います。特にアパートの家賃などは議論があると思いますけれども、それはこの個定資産税が大きなウエートを占めているのではなくして、もっとほかの要素が非常に大きく働いていると思うのであります。したがいまして、今回この負担調整措置によって年々二割とかあるいは三割とかという負担調整が行なわれるといたしましても、やはり国民の経済も発展してまいるわけでございますから、固定資産税だけがふえてまいるわけではございませんで、やはりその部分を利用している人の所得も、それに応じて、ふえてまいるわけでございます。私どもがいろいろ調べてまいりますと、昭和三十年ごろには、標準的な土地と家屋を持っている人の固定資産税負担は、所得の中で一から一・五%の間を占めております。一・五%程度近く占めております。ところが現在は、それか〇・八%くらいにとどまっているわけでございます。それだけ一方では所得の伸びがあり、他面では特にこの固定資産税の負担の停滞があるわけでございます。今後負担調整措置によって伸びてまいります場合に、国民経済も伸びてまいりますので、私どもはずっと見てまいりますと、十年くらい先になりましても、その所得中に占めます比率はほとんど変わらない。こういう姿になるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/23
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024・加瀬完
○加瀬完君 それはおかしい。所得が伸びたから、固定資産税を上げてもいいという議論は成り立ちません。所得が伸びたということと、可処分所得がどれだけ伸びたかということとは別です。地代はとにかくも、家賃なんか払っている一般の階層は、所得が伸びたかもしれないが、可処分所得はむしろ縮小しております。比率から見ると。
そこで、家賃を上げられた場合、これは生活に大きな響きがあります。そういうことを考えないで、固定資産税だけをとって国民生活なり、税体系全体を考えてみたって……。固定資産税の評価がえをして税収があがるところというのは、特殊地域でしょう。これによっては影響されない、税収にはあまり関係のない地域がたくさん残っている。こういうところの税体系、あるいは税源というものは、あまり研究しないから、いろいろ問題点もあろうと私は思う。しかし、きょうは早く上げようということですから、一応質問をこれでやめますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/24
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025・松澤兼人
○松澤兼人君 ちょっと関連しますが、いまの地代、家賃に固定資産税の増徴がはねかえらないということは、衆議院の附帯決議の中にもあるわけです。その借地人なりあるいは借家入の所得も向上してくるから、大して影響はないだろうという、そういうお考えのようですけれども、現実に昨年二割上げるということだけでも、ある地主さんはそれに便乗しまして、従来非常に地代が安かったので、この際、七割、八割くらい地代を上げてほしいという要求を借地人に申し出てまいります。これはたいへんな社会問題であるというので、借地人のほうは非常に団結をしまして地主に当たったわけですが、そういうことで、二割上げるのにも地主のほうでは七、八割値上げを吹っかけてくるという状態なんです。まあ理屈の上はともかくとして、地主の言うことを聞けば、いままであんまり地代というものは安かったんだから、この際、上げてもらいたいということと、将来、自分はいつまでも生きているわけでないんで、その土地をむすこに相続させる場合においても、相続税とか何とか相当要るから、いまのうちに考えておかなきゃならぬということも一つの口実なんです。それですから、現実に言うと、そのはね返りというものは相当顕著であるし、したがって、地代が上がってくれば、また家賃も上がってくる。これはなかなかそう簡単には言えない問題じゃないかと思うんです。そこで、衆議院の附帯決議になったんだろうと思うんです。で、実際に行政上の措置とか、あるいはまた、はね返らないような政府としてのお考え、あるいは地方団体に対する指導というようなことは、どんなことをお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/25
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026・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 地代の中に占めております固定資産税の割合というものを、実は私どもも全国的にサンプル調査をして、かなり具体的に調べたのであります。そういたしますと、現実の地代の中で税負担の占めておりますものは、地価によって多少違いますけれども、五%から一〇%ぐらいというのが一番多いのでございます。したがいまして、今回土地について平均二割をいいました場合には、かりに一〇%といたしましても二%、五%とすれば一%という程度でございまして、私どもの机上の計算でまいりますと、その影響度が非常に微細なわけでございます。ただ、おっしゃるように、非常に便乗的な値上げといったようなこともあるようでございます。したがいまして、そういう面につきましては、私どもも、税の面、今回の税の負担調整の影響の微弱である点は、もとよりよくPRしなければならぬと思いますが、他面、政府全体におきまして、建設行政、そういったような面からも広く施策を講じて、便乗を排除するようにつとめていきたいと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/26
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027・松澤兼人
○松澤兼人君 この問題につきましては、われわれ参議院のほうの地方行政委員会でも、やはりそのはね返り、便乗値上げということに対しては非常に関心を持っておりますから、ひとつ適切な措置を講じていただきたいと思います。大蔵大臣、予算委員会等でたいへんお忙しいところを御出席いただきまして……。まあ御承知のような経緯で、五十数億というものを増徴しないということに衆議院において修正が成立いたしまして、いまその修正案を含めて政府提案というものに対して審議をしているわけでございます。地方団体としましては、なるほど国会の意思というものは尊重しなきゃならぬけれども、せっかく四十一年度は増収が期待されているのに、国会の修正によってそれが約半額になってしまったということに対して、また、その立場においていろいろと不満もあるかと思うんです。要は、国会における修正はやむを得ないとしても、予期していた収入というものは、どういう形でも、国によってひとつ責任を持ってもらいたいということであろうと考えます。この問題は、その方法はいろいろあると思いますけれども、しかし、われわれ考えておりますことは、ひとつ、政府の責任において、これを完全に補てんしていただきたいということなんでありますが、それが衆議院の決議においてもはっきりと出ておりますし、大蔵大臣はそれに対して、衆議院の地方行政委員会において、はっきりとお考えをお述べになっておられるのであります。参議院におきましても、その点非常に心配しておりますから、明確なかつ適切な御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/27
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028・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 地方財政の問題は、私も非常に心配をいたしておるわけです。まあ、何と申しましても、地方団体あっての国であり、国があっての地方団体で、これは一体的に重要視しなきゃならぬ、こういうふうにかたく考えておるわけです。そういう考え方で地方財政全体の問題に取り組んできたわけなんですが、お話のように、固定資産税につきましては、国会の修正が行なわれたわけでありますが、これはもうまことにやむを得ないことかと存じます。いま御指摘の、よって生ずる五十億程度の欠陥をどういうふうにするかと、こういうことでございますが、私も、衆議院段階における審議の状況、また、各党の間におきまする話し合いの状況を、よくいきさつを承知しております。そういういきさつも十分腹に入っているつもりであります。この欠陥は、そういういきさつ等もよくこれは織り込まれなきゃならぬ、そういうふうに考えております。いずれにいたしましても、地方財政の運営に支障がないように、その方法につきましては、常識的な方法をとりたい、責任をもって処理いたしますというふうにお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/28
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029・鈴木壽
○鈴木壽君 いまの、責任をもって措置をなさるというおことばで尽きるわけなんでございますが、ただ、補てんといいますか、今回の修正によって減収になる分についての、これをどういう形で補てんするかということが、実は私ども心配をするわけなんであります。考えてみると、簡単にいかないというふうなこともありますので、新たに国が補てんの金を、たとえば、今回やりました。臨時地方特例交付金みたいなかっこうでやるか、名前はともかくとして、そこら辺はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/29
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030・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 地方財政の運行に支障を及ぼさないというふうにするとお答えしたのですが、その方法、これはいろいろあるのです。これは自治大臣とよく相談をして、その方法はきめますが、責任をもって支障の生じないようにする、こういうことをはっきり申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/30
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031・鈴木壽
○鈴木壽君 信頼します。信頼しますが、ただ一つ大蔵大臣に申し上げておきますが、現に五十億程度のものがいまの四十一年度の地方財政の計画の中で穴があいているかっこうですね。それを外からその穴を埋める、外と言っては少し悪いのですけれども、そういう形でやってもらわなければいけないと思うので、その点です。ただ、中の運営でというようなことでは、いまの減ったままの形の地方財政計画の中で、穴のあいた形で、そのワクの中であれこれ運営ということでなしにやってもらわなければいけないと、こう思うのです、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/31
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032・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 委員長、ちょっと速記をとめていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/32
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033・林田正治
○委員長(林田正治君) 速記をとめて下さい。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/33
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034・林田正治
○委員長(林田正治君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/34
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035・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
ただいまどういう方法でということですが、この方法につきましては、自治大臣とよく相談いたしまして善処をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/35
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036・鈴木壽
○鈴木壽君 自治大臣からでもいいのですが、きのう私が指摘しました道府県民税におきます税額控除の制度の撤廃について、最終的にひとつ見解を明らかにしていただきたいということを申し上げておきましたが、それについてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/36
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037・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 調整税額控除を設けましたいきさつから申しますれば、都道府県民税の所得割りにつきましては、配偶者控除等が二万円引き上げられた場合に廃止さるべきでありまして、二万円の引き上げだけで今回廃止するということは、鈴木委員の御指摘のとおり問題があると存ずるのでございます。ただ、今回道府県民税のみならず、市町村民税につきましても、それぞれ基礎控除、配偶者控除並びに扶養控除、専従者控除の引き上げによりまして、大幅な減税が行なわれまして、住民税の負担の軽減がはかられる機会でありますので、この措置を廃止することといたしましても、住民の負担軽減がはかられると考えますので、どうかひとつその趣旨において御審議をいただきますようにお願いをいたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/37
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038・鈴木壽
○鈴木壽君 前段のことをお認めになるとすれば、後段のことはこれはおかしなことになってくるのです、実は。残しておかなければいけないのだけれども、しかし、他の減税が行なわれるからがまんしてくれということでしょう。私やっぱりこれは、問題はあまり金高にすればたいしたことではございませんけれども、この税額控除というものを設けた趣旨等からいたしまして、いま直ちに取り払うということは、他の減税が行なわれたとは言いながら、したがって、全体としては増税にはならぬ、こういうふうなことであっても、しかし、これは許されないことだと思います。したがって、私からしますと、後段のほうのことで、これを了承するというわけにはなかなかまいりませんが、しかし、これ以上ここで議論してもと思いますから、一応この問題は私の限りにおいては、ここで質疑を打ち切りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/38
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039・松澤兼人
○松澤兼人君 いろいろ審議しなければならぬこともあると思いますけれども、一つだけ、この委員会におきましても二度にわたって附帯決議をつけました。この都市、特に指定都市の行政水準あるいは財政需要の問題につきましては、大臣もよく御存じのとおりと思います。前の委員会におきましては、吉武大臣でありましたか、都市の行政水準を向上させるためには、都市再開発税というようなものを考えなければいけないだろうという、そういうお話があったわけであります。自治省におきましても、大都市、特に指定都市の問題については、いろいろと考えをいたされていることと考えるのであります。しかし、その実効はまだよく上がっていないと思います。道路の維持改善でありますとか、あるいは衛生あるいは民生あるいは産業というような方面に国の施策による相当大きな行政内容というものがあるわけでありまして、これに対して将来確固たる安定した財政収入というものを要望する声が非常に強いわけなんです。これに対して大臣、どのように考えておられるか、また、将来大都市、特に指定都市の財政需要の問題につきまして、どのようにお考えでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/39
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040・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のとおりに、都市、特に指定都市の財政が非常に窮迫をつげておるのでございますので、今回のような固定資産税、都市計画税等の処置をいたしましたと同時に、軽油引取税の交付金の積算等も、これを補正を十分いたして、さらにまた地方税の減税に対しましては二百四十億、たばこの売り上げ本数による配分比というような点を考慮し、来年度はこれをたばこの消費税に移行するという考え方等によって処置をいたしておりますが、しかし、お説のごとくまだきわめて不十分でございます。したがいまして、この都市の財源を確立するということに対しましては、今度発足いたします地方制度調査会等におきましても十分ひとつ検討いたしまして、独立財源を強化するように一段の努力をいたしまして、都市財源の確立に全力をあげたいと存ずる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/40
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041・松本賢一
○松本賢一君 一つだけ。これはほかにもそういう場合があると思うんですが、料理飲食税に例をとって申し上げたいと思うんですが、大臣の答弁、前のときに答弁なさったことが次のときには何となく忘れられてしまっているというようなことが往々にしてあるわけですがね。おととし池田総理に質問したときには、料理飲食税なんというものはあまりいい税金だとは思わない、それでだんだん安くしていって、池田さんのことばを借りると世界に類例のないような税金だから、これは好ましくないから、だんだん安くしていって、そうして廃止の方向に向かって進みたいと思うという答弁があったわけなんですよ。ところが、それから後にそういう方向に、去年は全然それが行なわれていないし、ことしも何か二割免税点を引き上げるということがあらわれているようですけれども、現実に考えてみると、これちっとも減税にはなっていないですよ。昭和三十四年にきめられたものが、物価がうんと上がってしまって、宿賃も料理代も二割やそこらの引き上げじゃない、もっとうんと高くなっているのに、今日になってたった二割免税点を上げるといったような改正を行なうなんというようなことは、もう全然私は総理大臣の答弁に対する責任がとられていないような気がするんですよ。こういう点はひとつよく考えて、政府がかわっても、あるいは大臣がかわっても、一たんなされた答弁というものに対する責任は十分といって、そしてやっていただきたいというように思うのですが、そういう点について、ひとつ大臣どういうふうにお考えか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/41
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042・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) ただいまのお説の点はきわめてごもっともなことでございますので、十分ひとつ今後も注意をいたしまして、前責任者との間にそごを来たさないように十分ひとつ努力をいたして、そういうことのないようにいたしたいと考えます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/42
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043・林田正治
○委員長(林田正治君) 委員の異動についてお知らせいたします。
大森久司君が辞任せられ、伊藤五郎君が選任せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/43
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044・松本賢一
○松本賢一君 大臣のそういう御答弁があったので了解いたしますけれども、今度こそはひとつ十分責任をもっていただいて、近い将来に具体的に、これは料理飲食税は一つの例としてあげたのですけれども、ほかのことについても、具体的に責任をもって効果をあらわしていただくようにお願いしたいと思います。要望して質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/44
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045・占部秀男
○占部秀男君 さっき加瀬さんが触れた例の固定資産の問題なんですが、衆議院の修正で四十一年度の問題はまあ決着がついたのですが、四十二年度は、今度も率直に言って、附帯決議をつけるわけですけれども、衆議院のほうでは小委員会を持ってやるというのですが、やはり結論がつかないから、四十二年度は全然法律どおりだという形になってしまうと、これは非常に問題があるので、そういう点は自治省として責任をもってひとつ衆議院の小委員会のほうと並行して案が出せるように必ずしてもらいたいと思うのですが、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/45
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046・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 院議は尊重いたすという考えでございますので、衆議院におきましても、小委員会ができましたならば、積極的に政府も相呼応いたしまして、十分ひとつ皆さんの意をいれて対策を講じたいということを申し上げた次第でございますので、当委員会においても、さように努力をいたしたいということを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/46
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047・林田正治
○委員長(林田正治君) ほかに御質疑はございませんか、——別に御発言もないようでございますから、本案についての質疑は終了いたしたものと認めます。
これより討論を行ないます。御意見のあるお方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/47
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048・加瀬完
○加瀬完君 私は、ただいまの地方税法の一部を改正する法律案に対しまして、日本社会党を代表いたしまして反対の意を表します。
理由は、今回の地方税改正は将来を通じての国地方の財政構造の恒久対策が必要とされておりますときに、この重要な問題の解決には何らなっておりません。
第二は、来年度の財政計画によりますと、地方債が不足財源を補てんする形を取っておりますが、公債比率の高い団体は単独事業も補助事業もほとんどできない状況にあります。これら団体への財源補てんは今回の改正では満たされておりません。
第三は、固定資産税については、免税点、基礎控除、税率調整等、調整措置の研究が十分になされておりません。
第四は、このままの固定資産税の改正が施行されますと、当然地代、家賃に響いてまいります。したがいまして、国民生活にも影響が大きくなるわけでありまして、これらの配慮が不十分であります。
第五は、農地についての評価変えをしないという保障はございません。
第六は、住民税の最低限、指定都市の財政需要についても適切な措置は取られておりません。
以上の理由で反対をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/48
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049・原田立
○原田立君 私は公明党を代表して、地方税法の一部を改正する法律案について反対の立場から討論を行ないます。
地方税は地方財政の主軸になっており、その歳入構成比は三八%の高い比率を示しております。ここ数年来、不況のあおりを受けて、国税自体も減収し、昭和四十年度は大幅な財産措置をしたのでありました。同じく地方税においても五百三十二億円からの減収があり、地方財政の内容は深刻な悪化をきたしているのであります。政府において、強力なる財源措置を講じることを地方公共団体は強く要望いたしております。この国税、地方税の減収の反面、国民の税負担が重いという声はしきりと叫ばれているのであります。特に一般大衆にとっては、所得税には課税最低限度額が設けられているのに、地方税、特に住民税の均等割りで徴収されるので、地方税のほうがかえって重税であるという印象を持っている。このため、減税を望む声は地方税に対して一そう強くなっているのが現状であります。
まず、反対の第一は、道府県民税及び市町村民税についてでありますが、道府県民税について各種の控除を今回行ない、百三十九億円の減税になっております。その反対に個人の道府県民税の税額控除の特例を廃止いたして、五十四億円の増税になっております。プラス、マイナスすると、八十五億円小幅減税になっております。また、依然として国税と地方税との課税最低限度額が開き過ぎております。国税六十二万円地方税四十二万三千十六円と、特に地方税は低く、生活に食い込む課税であります。これらの処置は承服しがたいところであり、反対であります。
第二に、娯楽施設利用税でありますが、今回二百円引き上げ、六百円となっておりますが、むしろ低きに過ぎたのではないか、またゴルフ場所在の市町村への交付金も少ない、もっとふやすべきであると主張いたします。
第三に、固定資産税、都市計画税についての改定でありますが、地価の高騰により宅地価は異常に伸びておりますが、おもに都市部の宅地が値上がりしております。したがって、新評価額は相当の増額になっております。緩和措置がされてはいるものの、毎年税額が上がり、五倍、八倍とかなりの増税になります。都市部への人口集中はたいへん多く、わずかの土地を持って生活している者もかなり多くあります。免税点を設けずして課税することは、一般小土地所有者を圧迫するものであり、反対であります。
第四に、電気ガス税は、それ自体全廃せよという立場であります。
以上の理由により本法案に対して反対いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/49
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050・林田正治
○委員長(林田正治君) ほかに御意見もないようでございまするので、本案の討論を終結いたしたものと認め、これより採決を行ないます。
地方税法の一部を改正する法律案、すなわち衆議院送付の原案全部を問題に供します。
本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/50
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051・林田正治
○委員長(林田正治君) 多数。よって、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、沢田委員から各派共同提案にかかるところの附帯決議案が提出されました。
沢田君の説明を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/51
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052・沢田一精
○沢田一精君 地方税法の一部を改正する法律案が可決されましたが、私は、この際、地方税財政の現況にかんがみまして、次の附帯決議案を各派共同提案により提案いたしたいと思います。なにとぞ御賛同をたまわりますようお願い申し上げます。
地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、地方財政と増高する住民負担の現況とを考慮し、国、地方団体間の財源配分等について、抜本的に検討を加えるほか、左の事項に留意し遺憾なきを期すべきである。
一、税負担の均衡をはかるため、昭和四十二年度以降の固定資産税については、免税点、基礎控除、税率調整を含め、根本的な検討を行ない、必要な措置を講ずること。
二、衆議院における本法案の修正によって生ずる減収額については、政府の責任において完全に補てんすること。
三、宅地に対する固定資産税の負担増加が、地代、家賃等の不当な増額の口実を生じさせないよう必要な措置を講ずること。
四、住民税の課税最低限については、経済情勢の推移、地方財政の実情等を考慮しつつ引きつぎき検討を加え、その引上げに努めること。
五、都市特に指定都市の特殊な財政需要等に対処するため、非課税規定の整理等を検討して独立税源を強化するほか、必要な財源措置を講ずること。
右決議する。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/52
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053・林田正治
○委員長(林田正治君) ただいまの沢田君の提出による附帯決議案に賛成の諸君の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/53
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054・林田正治
○委員長(林田正治君) 全会一致でございます。よって、本附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、永山自治大臣より発言を求められております。これを許します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/54
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055・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 附帯決議になりました事項は、いずれも重要なる事項でありますので、御趣旨を尊重して引き続き検討を加え善処いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/55
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056・林田正治
○委員長(林田正治君) なお、審査報告書につきましては、先例により、委員長に御一任を願いたいと思います。
次回は四月五日、午前十時開会の予定でございます。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01519660331/56
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