1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月十四日(木曜日)
午前十時三十三分開会
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出席者は左のとおり。
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
中村喜四郎君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
市川 房枝君
国務大臣
労 働 大 臣 小平 久雄君
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
警察庁長官 新井 裕君
警察庁保安局長 今竹 義一君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
自治省行政局長 佐久間 彊君
自治省財政局長 柴田 護君
自治省税務局長 細郷 道一君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○昭和四十一年度における地方財政の特別措置に
関する法律案(内閣送付、予備審査)
○首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のた
めの国の財政上の特別措置に関する法律案(内
閣送付、予備審査)
○地方行政の改革に関する調査
(地方事務官制度に関する件)
(昭和四十一年度地方財政計画に関する件)
○国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
る法律の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
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〔理事沢田一精君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/0
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001・沢田一精
○理事(沢田一精君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/1
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002・加瀬完
○加瀬完君 局長に伺いますが、いただきました資料によりますと、近年猟銃所持者が非常に増加をしております。たとえば昭和三十一年に比べますと、三十九年は猟銃は七〇%、空気銃は二倍になっておりますね。この増加している理由は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/2
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003・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 猟銃につきましては、最近いろいろとレジャーブーム等によりまして、狩猟あるいは射撃をする人口がふえておるということによる面が大きいと思います。空気銃につきましては、必ずしもそういうことではなくて、いままで潜在化しておった、つまり許可を受けてなかったというものが顕在化してまいった、許可を受けるようになったということがあろうかと思いますが、猟銃につきましては、レジャーブームの影響がある、かように見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/3
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004・加瀬完
○加瀬完君 終戦直後と比較をして、空気銃など非常にふえたというならば、潜在化しておったものが顕在化したということにもなりますが、三十一年というのは取り締まり法規はできておりましたよね。その以後急にふえているわけですね。これは戦前と比べて、猟銃所持の基準がゆるやかになったといいますか、戦前との所持基準の違いが猟銃などこのようにふやしているということになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/4
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005・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 戦前の銃砲火薬類取締法は、私の記憶によりますと、猟銃、空気銃についての所持許可制度というものはなかった、かように承知いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/5
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006・加瀬完
○加瀬完君 それはいわゆる警察庁の管轄のワクで取り締まり基準というのはきびしくはなかったかもしれませんが、税体系上、一般の狩猟者と、それからいま言ういわゆるレジャーのような形で狩猟をする者との税金には格差がありましたね。そういう形で、だれでも猟銃を持てるということにはなれなかったわけですね、前には。いまそれが非常にゆるやかでしょう。こういう点の御研究はなさっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/6
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007・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) いわゆる狩猟法による問題は、若干先生のおっしゃるような点があるかと思いますが、銃砲そのものの所持という——現在のこの統計は、銃砲そのものの所持という面でございまして、その点については、戦前拳銃についての許可制はあったと思いますが、猟銃、空気銃についての許可制はなかったと思いますので、その影響はないかと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/7
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008・加瀬完
○加瀬完君 そういう狭義の取り締まりをどんなに攻めていったところで、猟銃がふえれば猟銃に伴う事故というものも、これはふえてくることは当然予想されることですよね。ですから、猟銃そのものを簡単に所持できるという状態が、一体よろしいかどうかという対策というものがあってしかるべきだと思うのですよ。それが非常にゆるやかになってしまったので、だれもかれもみな猟銃を持つ、猟銃の数がふえるから事故も多くなると、こういう悪循環が繰り返されておるのではないか。したがいまして、全体の対策としてはね、猟銃そのものがこのように七〇%も数年間にふえると、こういう形を一体野放しにしておいてよろしいのかという問題があるのではないか。まあこれは直接警察庁の職務範囲ということにはならないかもしれませんが、そういう点でも対策を立てていかなければと思うわけでございます。
で、先を急ぎますので、次の質問に移りますが、三十九年の被害者の調査によりますとね、拳銃を除きましては、散弾銃が、死者十四、その他の銃砲が三となっておりますが、その他の銃砲とはどんなものですか、それから事件の内容あるいは傾向というものはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/8
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009・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) おそれ入りますが、ちょっと三ということ、よくわからないのでございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/9
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010・加瀬完
○加瀬完君 「銃砲刀剣類所持等取締法及び火薬類取締法の一部を改正する法律案についての資料」というのをお渡しくださいましたね。これの五九ページを見ますとね、三十九年のところに被害者調査がございまして、拳銃を除きましては散弾銃は死者が十四、その他の銃砲は三とございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/10
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011・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 第3表のところに、その他の銃砲の総数が十四ございまして、無許可のものが十二、許可にかかるものが二つ、こういうことで被害者が出ております。この銃砲でございますが、手製の銃砲が十二でございます。それから信号銃によって事故が起こっておりまして、これが二つでございます。この被害者が出ておりますのは、手製のものが死者二、負傷者二、信号銃が負傷者一と、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/11
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012・加瀬完
○加瀬完君 この無許可銃砲の取り締まり状況を見ますとね、三十九年はその他の銃砲の事件押収が非常にふえておりますね。猟銃や空気銃をどのように制限したところで、銃砲代用品が増加をすれば、犯罪の原因というのはやっぱり減ってこないわけですよね。これに対してどういう対策をお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/12
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013・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 拳銃、その他無許可のものにつきましては、それが拳銃であろうと猟銃であろうと、あるいはその他の銃砲でございましょうと、全部無許可のものはこれを取り締まっていくと、こういう態度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/13
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014・加瀬完
○加瀬完君 それはわかりますよ。わかりますけれどもね。この法律案の内容とするところは、最近において銃砲による犯罪並びに事故の状況が多いので、これにかんがみて使用及び保管に関する規制を強化するというのでしょう。銃砲として正式に届け出られないもの、いわゆる模造品による犯罪が累加しているわけですから、単に届け出された拳銃とか猟銃とか空気銃だけを取り締まったところで、模造品による犯罪というものを遮断しなければ所期の目的は達しないでしょう。この法律は、いままでお示しいただいた統計によれば、むしろ模造品による犯罪がふえているわけですね。それに対する押え方というのは、この法律ではさっぱりはっきりしないわけでしょう。その点、どうお考えですかということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/14
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015・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲の取り締まりにつきましては、許可を受けたものは許可の体系に乗せて、これの事件、事故が起こらないように取り締まりをしていく。で、許可を受けないものは、これはそれが密輸によるものであろうと、あるいは模造手製のものであろうと、あるいはそれが銃砲店から購入したものであろうと、全部これを捜査して取り締まっていく、こういうことに全力をあげておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/15
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016・加瀬完
○加瀬完君 私は、この銃砲等による犯罪というものの原因は、銃砲を所持しているから起こるには違いありませんけれども、その所持の状態に対していろいろ制限を加えても、原因の根絶は期し得られないと思うのですよ。と申しますのは、これもおととい鈴木委員が御指摘になった点でございますが、お配りいただきました資料の中に、暴力団の検挙数というものがございますね。それによりますとね、拳銃による、拳銃を対象に暴力団が検挙されましたものといいましょうか、暴力団の拳銃が検挙されたものと言ったほうが正しいでしょうか、東京で二百六十二、近畿管区が百六十三、中国が百十六、九州がこれに次いでおりますね。その他の銃は近畿が八十五、九州が三十二ということになっていますね。ところが売春暴力団で検挙されたものは、近畿が五百七、九州が四十九、港湾暴力団で検挙されたものが、九州が五十七、近畿が八十五ですか、こういう数になっておりますね。そうすると、この表だけで類推するのはちょっと無理かもしれませんけれども、一見するところ、売春暴力団や、港湾暴力団の非常に多い地域に、拳銃やその他の銃の検挙数あるいは犯罪数というのも非常に多いということが類推されるわけですよ。だから暴力団そのものというものの取り締まりを厳格にしていきませんでは、どんなに所持だけを取り締まりましたところで、所持をきびしくすれば、今度模造品を持って犯罪を重ねるということになるわけでございまして、この関係の御調査は、あるいは対策はどうお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/16
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017・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 拳銃あるいはその他の模造銃砲がどういうところに流れておるか、それについては特に暴力団等は、最もそういうのが濃厚に流れておるところではないか。またそれ以外にも、あるいは少年等が興味でやるというようないろいろな事例もございます。私どもそういう無許可の銃砲が濃厚に流れておる地帯というのは、最も取り締まりの重点として、特に暴力団についての取り締まりとともに、それの持っておる無許可銃砲というものをきびしく取り締まっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/17
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018・加瀬完
○加瀬完君 ちょっと私さっき出した数字違っておりましたが、近畿の港湾暴力団四百四十一であります。大阪が二百三十八、兵庫が二百二、それから売春暴力団は大阪が二百六十一、兵庫が百八、それで近畿管区では売春暴力団が五百七、これだけ検挙されておりますね。ところが、そこは拳銃が大阪が百二十二、兵庫が二十九、その他の銃が大阪五十、兵庫十八、滋賀が十一という検挙数が出ておるわけですね。鈴木委員が御指摘になりましたように、非常に年齢の低い層が銃砲の所持の許可をされておるので、犯罪が多いということは、数字の上ではなりませんね。銃砲による犯罪のほとんど大きなパーセントを占めているのは暴力団、しかもその暴力団は港湾暴力団、売春暴力団というものの背景の強いところに銃砲の犯罪も多いということが一応類推されるわけでございますが、そうなってまいりますと、いまのように、これからこの法律のように、五年ごとに所持を改めていくというようなことで、最も起こり得るであろうと予想される暴力団の銃砲の所持というものの取り締まりが、厳格を期し得られるものか、こういう問題も出てくるわけです。この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/18
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019・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 無許可の場合につきましては、これはきびしく取り締まっておるわけでございます。許可のものにつきましては、更新は五年で、もちろん五年ごとに更新の手続によりまして、その際不適当であれば、これは更新をしないということになるのでございますが、そのほかに十三条の規定によりまして検査という方法もございますし、また暴力団等は現行法の第五条の第一項第六号によりまして、そういう者には許可はしてはならぬ、あるいはそういう者であればこれを取り消すと、こういうことになっておりますので、それによってきびしく取り消し、その他の措置をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/19
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020・加瀬完
○加瀬完君 三十年における殺人犯事件のうち暴力団関係は二六%を占めていますね。三十一年は四一%を占めておりますね。それから全国の傷害事犯に対して暴力団関係の傷害ば三十一年は四九%を占めておりますね。その後若干下降はいたしておりますけれども、二〇%を割るということはないわけです。少なくも四分の一近いものというものは、これは暴力団による殺人であり、暴力団による傷害が多い。しかもその傷害あるいは殺人に使用されるものの中で、拳銃その他の銃というものが相当のウエートを占めております。しかも、その不法による所持者の検挙数を見ると、ある地域にこう限定されているわけですね。その背景には売春があり港湾暴力がありということになっている。そうなってまいりますと、一応未成年の銃砲による犯罪というものが大きく社会的な問題になりましたので、一応未成年者に対する銃砲の所持の規制というものをきびしくするというのはわかりますけれども、銃砲関係の犯罪の根本というのは、その未成年者じゃないわけです。この暴力団ですね。暴力団の取り締まりというのを激してやっていると言っても、二五%以上の犯罪は暴力団が持っている。それを五年ごとの更新ということであれば、きのうも質疑の中で明らかにされたように、いままでは不法所持ではないけれども、所持の責任者が明確になっておらなかったような件数というのが非常に多いわけですね。そうすると、五年という間は、その一つの猟銃なら猟銃がどこかへこう回っていっても、その間の過程というのは、五年間というのは相当長い期間ですから、銃そのものが流転していく瞬間瞬間をとらえるということはなかなか骨ですね。で、それがこのように暴力団に使われるということが予想されるとすれば、その期間をもっと短くして、銃の所在というものを顕在化するというためには、五年という年限というものにこれは相当考慮を要する問題が生じてくるんじゃないか。確かにそれが何にもなかったよりも、無制限を五年と制限したことはいいことですよ。いいことだけれども、犯罪防止、特区暴力団の犯罪防止という点から考えると、五年ということで犯罪防止になるか、銃の流通というものをそれでとめられるかと、こういう心配があるわけですけれども、この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/20
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021・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 現行の第五条第一項第六号によりますと、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」、これには銃の所持許可をしてはならない。また、そういう者につきましては取り消しできることが十一条に書いてございます。これの状況でございますが、昭和三十九年中にこれに該当するものとして、不許可処分になったものが二百六件、それから取り消し処分を行ないましたものが四十三件という数字でございまして、暴力団等に渡りそうな、あるいは渡っておる銃砲については、きびしくこれを取り締まっております。なお、こういう検査の十三条の規定によってこれを行なっておるわけでございますが、このたび五年の更新制を立案しまして、五年の更新と現行の十三条の検査の規定と両々相まって所持の適正な取り締まりに当たりたいと、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/21
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022・加瀬完
○加瀬完君 くどいようですけれども、たとえばこれは昭和三十九年ですかの暴力団検挙数の中で、拳銃関係の検挙は、東京が二百六十二ですよ。近畿が百六十二、警察管区単位に見て、中部が五十八、このうち愛知は四十七ですよ。近畿は、大阪ばさっき言ったように百二十二、九州管区は六十三で、そのうち福岡が四十四。その他の銃で大阪が五十、福岡が二十二、こういうように一地域で検挙数というものが非常に多いわけですね。こういう暴力団関係で、暴力団の拳銃、あるいはその他の銃関係で検挙された数が非常に多い地域が、この銃砲刀剣の所持の取締法をこのように変えたくらいで、これを根絶するという効果がどれくらいあがりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/22
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023・新井裕
○政府委員(新井裕君) 御引例の拳銃は、いまの法律でも全面的に所持を禁止いたしておりますので、今度の改正等は直接関係ございません。従来と同じように、厳重にそういう不法所持を追及していくということでございます。したがいまして、ここに書いてあります数字は、確かに拳銃をほしがる層が暴力団以外にそうたくさんないことは、われわれも容易に想像できることでありますが、依然としてそういうものが出回っておるということは、残念ながら事実のようでありますので、今後ともこの方面に重点を置いて取り締まりを徹底させていこうというのが、われわれの方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/23
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024・加瀬完
○加瀬完君 私の説明が若干要領を得なかったかもしれませんが、その拳銃の取り締まりができるかどうかということを私は聞いているわけじゃない。拳銃、その他の銃の検挙数も、いま申し上げましたとおり、地域的に非常に多いところがあり、それはほとんど暴力団関係だ。それで拳銃の取り締まり、その他の銃をどのように新しい法律によって取り締まったところで、銃砲まがいの犯罪が非常にふえている。拳銃が手に入らない、正規の銃が手に入らないということならば、手製の銃砲まがいのものでやはりそれを犯罪用に使用するというケースもふえてくるのではないか。だからそれは根本的には暴力団そのものをもっと問題にしなければどうにもならぬのではないか。この拳銃あるいはその他の銃の検挙数の多いところには、売春の暴力あるいは港湾暴力というものの検挙数も非常に多いということになれば、むしろこの法律の目的とする一応銃砲の取り締まりというものを正していくためには、むしろ根本的な原因の売春暴力団や港湾暴力団、あるいはその他の暴力団をはびこらかしているこの状態というものに適切な手が打たれなければ、根本的にこの法律のねらっているように、銃砲による犯罪並びに事故というものの防止は不可能ではないか。いただきました資料から見ると、そういうことが類推されるのですが、いかがですか、こういう点を伺っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/24
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025・新井裕
○政府委員(新井裕君) 銃砲刀剣というものが、どういうところに使用されるか、その大きな部分が暴力団に相当数使われているということは、御指摘のとおりでございまして、われわれも、この間うちから御質問がありましたところにお答えをしたつもりでございますが、暴力団の取り締まりは今後とも徹底をしてまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/25
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026・加瀬完
○加瀬完君 銃砲まがいの取り締まりということは、どういう現況ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/26
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027・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲まがいのものについての検挙のしかたは二つございます。一つは、この銃砲刀剣類所持等取締法によって検挙する。一つは、武器等製造法違反によって取り締まる、こういうことになるわけでございますが、いまさっき申しましたように、この事件供与の中では十四件、それから事故を起こしましたものの中では八件、そういう銃砲まがいのものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/27
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028・加瀬完
○加瀬完君 それから、あと二、三点でやめますか、知事から公安委員会に管理を移すことによって、どういう新しい効果を期待しているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/28
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029・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 従来猟銃等に使われます火薬についての所持許可が知事の所管であったわけでございますが、猟銃がこわいのは火薬があってでございます。また、たまがこわいのは猟銃があってでございます。この猟銃とそれに使われるたまの許可は、諸外国の例を見ましても、一元的に警察が行なっておるという例でございます。私ども、これによって猟銃、火薬のたまの譲り渡しの許可をいたします際に、あるいは猟銃を持っておるかどうか、それがまた、持っておる猟銃に使われるたまであるかどうか、その他いろいろ公安上必要な捜査を十分に徹底していたしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/29
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030・加瀬完
○加瀬完君 未成年者に所持させることは、最近における悪用事例にかんがみて、適当でないと判断されて、これのワクを狭めていくわけですね。しかし銃砲所持者の未成年が犯罪を犯した例が多いですか、それに関係なく未成年が銃砲によって犯罪を犯したのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/30
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031・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 未成年が銃砲によって犯罪を犯しました数は、未成年者が銃砲の所持許可者でありまして、その所持許可者の未成年に、銃砲所持許可をいたしております、その所持を許可された銃砲を使った事件、事故が七件でございます。その所持許可数は三百二十九件でございますので、率から申しますと二%で、おとなの場合の〇・〇四%より多いと、こういう統計になっておりますので、未成年者に所持許可を与えることはあぶない、こういうふうな判断をいたしておるところでございます。
なお、御指摘のように、未成年者が所持許可を受けてなくて、父兄等が受けておる銃を未成年者が持ち出して、いろいろと事件、事故等を起こしている例はかなりございますが、これは所持許可と関係ございませんので、所持許可の場合には、未成年者が所持許可を受けておる者についてそういう事件、事故が多いと、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/31
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032・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、未成年者であって、しかも所持許可を受けている者が、みずからの所持の銃砲によって犯した犯罪は銃砲犯罪の二%、そういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/32
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033・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 未成年者の所持許可を受けておる銃砲の事件は三件、それから事故は四件、合わせて七件、このうちその所持許可本人、つまり未成年者がやったというのは三件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/33
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034・加瀬完
○加瀬完君 パーセントにしてさっき二%というお話がありましたが、それは違いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/34
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035・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 所持許可数が三百二十九丁でございますので、その七という事件、の数は二%ということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/35
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036・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、全体の所持許可者についてのパーセントは幾らになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/36
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037・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 全体は〇・〇四六%でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/37
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038・加瀬完
○加瀬完君 〇・〇四六ですね。〇・〇四六も犯罪には違いありませんけれども、問題は〇・〇四六の犯罪を防ぐために、ここに未成年者の所持のワクをきびしくしたところで、無許可の者で犯罪を犯している例だって未成年者の中にもたくさんあるし、一面、銃砲による犯罪は、未成年者でない者の、当然この法律の改正によっても許可を受けられる者の犯罪件数というものか非常に多い。そういうことであれば、そちらのほうの犯罪をどう防止するかということが整備されなければ、未成年者の制限だけをきびしくしたところで、この銃砲による犯罪の防止というものにはちょっとぴたりとするものを感じないわけですけれども、この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/38
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039・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 未成年者の場合に、ほかの者が所持許可を受けておる銃を使って犯罪をやったというのがかなり多いことは事実でございます。しかし猟銃のように非常に危険の高いものについて、二十歳未満の者にこれを所持許可を与えることはどうか。現にライフル少年の事件のような例もございますし、また狩猟免許も二十歳になっておる。こういうこともあわせて考えて、特に威力の強い猟銃については三十歳未満の者には所持許可をいたさない、こういうふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/39
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040・加瀬完
○加瀬完君 それは一つの理論的には合理性を持っていますよ。しかし、ねらいは、この銃砲による犯罪の防止ということであれば、ただ特許を厳格にするだけでは、そういう未成年者は一つの銃に対するマニアみたいな者もおるわけですから、そうするとその模造品を自分でつくったり、銃砲の類似品を購入したりという、別の犯罪要件というのがそこに止まれてくる危険がございますね。それで先ほどのお話のようにも、むしろ銃砲そのものの犯罪よりは、銃砲類似品による犯罪というものが傾向としてはふえていくということになりますれば、ただ、おまえは銃砲を持たせないぞというだけでは、銃砲に関する犯罪を防ぐということにならないじゃないか。持たせられないから類似品をつくったり、類似品を購入したり、類似品を所持したりということになると、その犯罪というものも、今度はまた相当力を入れて取り締まらなければならないことになる、そういう点をどうお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/40
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041・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 未成年者の銃砲類似品、特に玩具類似の空気銃あるいは手製のいろいろなそういう銃砲でございますが、これがいろいろと少年の間にあることば事実でございます。これらにつきましては、それが弾丸発射の機能を有する場合は、当然不法の銃砲としてきびしく取り締まっておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/41
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042・加瀬完
○加瀬完君 それから、実包等を別にしておかなければならないということに今度なるわけですね。すると、猟に行ったような場合、別にしで置くというのは、どこまでのことをしなければ、保管義務が怠られたということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/42
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043・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) たまを込めておいたために、それが暴発したり、あるいは子供がそれをいじって暴発したり、あるいは盗まれて奈良のシカを撃ったりというように、たまを込めておくということによる事件、事故が非常に多いものですから、たまについては、これを抜いて持っておくと、こういうふうにいたしたわけでございます。そこで、このたび十条の第三項におきましても、そういうたまを装てんしないでと、こういうふうに、いままでは「安全装置をする等直ちに発射できないようにして、」というところを、実包云々を「装てんしないで」と、こういうふうに直したわけでございますが、これはその前にございますように、「当該許可を受けた銃砲を携帯し、又は運搬する場合」でございまして、猟場等において実際に狩猟をするという場合は、ここでいう「携帯」、「運搬」ではないと、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/43
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044・加瀬完
○加瀬完君 こまかいことですけれども、猟銃が立てかけてあって、そのわきに実包が置かれておった。その実包と猟銃を持ち出して犯罪が行なわれた場合、これは保管義務として違反ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/44
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045・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 第十条の三の具体例についての御質問かと存じますが、この場合は、「保管に当たっては、当該銃砲に実包、」を「装てんしておいてはならない。」ということでございまして、装てんをしない場合には、十条の三に該当するとは考えておりません。ただ御指摘のような場合、これは非常に危険なものでございますから、今後講習等の機会に、銃砲を所持する者のマナーとして、そういう点について十分指導してまいりたいと、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/45
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046・加瀬完
○加瀬完君 これで終わりますが、空気銃の所持の取り締まりというものは、どのような現状に置かれておりますか。それから鳥獣保護といった関係の違反が、やはり二千六百件くらいございますね。鳥獣保護といった立場で空気銃の取り締まりというものをどう考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/46
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047・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 空気銃につきましては、この資料の第五表にもございますように、非常に「事件押収」及び「発見拾得」という数が多うございます。これはまだかなり無許可の者があるということでございまして、この点については、そういう無許可のものの取り締まりをきびしくしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。この空気銃を使いまして、いろいろと発射してはならない場所で発射をしまして、狩猟法違反を犯すという事例もかなり多く発生しておりまして、特にこの狩猟法違反の中で、無免許の狩猟、狩猟期間以外の狩猟あるいは狩猟禁止区域における狩猟、その他、町の中におけるそういう空気銃の乱用等について、それをきびしく取り締まってまいる、こういう考えで対処してまいりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/47
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048・加瀬完
○加瀬完君 これで終わりますが、結局、銃砲所持者のモラルということが、これはやっぱり結論的には問題になってくると思うわけでございますが、その点で禁猟区での密猟といいますか、こういう犯罪の検挙件数というのはどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/48
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049・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 狩猟禁止区域におきます昭和三十八年中の狩猟の取り締まりが百十四件、それから猟区におきます無承認の狩猟が十七件等でございます。全部で昭和三十八年の場合に狩猟法違反で取り締まった件数が二千六件、昭和三十九年の場合は三千五百四十四件でございまして、これについては鳥獣保護という観点及び危害を他に及ほすという観点から、厳重な取り締まりをいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/49
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050・加瀬完
○加瀬完君 全国で二千件ないし三千件の検挙数ということで、厳格な取り締まりが行なわれたと見られますかね。私どもの近いところにも禁猟区がありますけれども、堂々と鉄砲の音が聞こえますよ。ほとんど取り締まりがありませんね。私は、銃砲刀剣についての取り締まりをきびしくするということはけっこうなことですけれども、狩猟法等、銃砲に関する禁止条件についてもきびしくやはり取り締まって、銃砲所持者のモラルというものを高めるということをしなければ、ただ銃砲の犯罪だけを対象に取り締まりだけをやっておりましても、目的は達しないのじゃないかと思われますので、そういう点も一そうの御努力をいただきたいと希望をいたしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/50
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051・松澤兼人
○松澤兼人君 いま加瀬委員からお話がありましたけれども、保管の問題ですけれども、みずから保母しなければならないし、そうしてまた、装てんしていてはならない、こういうことなんです。装てんしないで銃を保管している場合、みずから、保管するということは、法律的にはどういう内容のことをいっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/51
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052・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 他人まかせの保管をしないで、みずからの手でみずからの責任で保管しなさい、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/52
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053・松澤兼人
○松澤兼人君 法律的にはそのとおりかもしれませんですけれども、実際上の問題として、みずから毎日毎夜、銃がどこにあるかということを責任をもって保管するということが、実際上の問題として、はたして実効が期待できるかどうかということなんですけれども、いままではそういうことはなかったから、これを入れれば一段の進歩とも考えられますけれども、この条文の期待している内容というものが、ただ、いま局長がおっしゃったことだけであれば、全くその効果を期待できないことになるのじゃないかと思うのですけれども、さらにどういうことを考えていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/53
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054・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲の保管が不適正であって、それが盗まれたり、あるいは家族、特に子供がそれを持ち出して事故を起こしておるという事例はかなりあるわけでございます。所持許可の銃砲で盗難にかかったものが、三十九年の場合、猟銃・空気銃合わせて四百三丁ある現状でございます。これは非常に危険でございますので、所持許可を受けた者は、その銃砲の保管について十分に責任を持ってもらいたいというのが第十条の三の木旨でございます。ただ、いま御指摘のように、個人の居宅の中の行為でございますので、それを立ち入って調査するというようなことはできないので、その意味では実効性はあがらないんじゃないかという御指摘でございますが、何か事件等によってそういうことがわかった場合には、それについての取り消し等詮できるという間接の担保の手段によりまして、ただそういう保管の不適正による事件、事故の例にかんがみまして、適切な保管ということで本条を考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/54
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055・松澤兼人
○松澤兼人君 保管の状態が悪いために盗み取られたというようなことは、この間も何か新聞に載っておりまして、どっか引き出しかなんかに入っていたやつをどろぼうに取られたという話がありました。しかし、かぎを締めておく程度であるか、あるいはかぎを締めないでも責任を持ってやるというようなことなのか、その期待する所持者の行為といいますか、保管責任、保管義務というものが、もう少し明確にされないと困るのじゃないか。たとえて言ってみますと、その所持の許可を愛けた所持者が、長期に旅行にでも出かけるというときには、実際上保管する責任というものはないわけです。まあ、たんすの中に入れておく程度で、それにかぎをかけるとか、かけないとかいう問題、本来ならば、そういう所持者が不在のときには、それを管理するだれか代理人みたいの者がいなければいけないわけなんでしょう。しかし、まあ警察はそれまで考えていないわけで、長期に旅行に行ったような場合には、たんすの中に入れておいたということで、それで保管者の保管義務というものが全うされるのかどうかということも起こってくるんじゃないかと思う。そういうような点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/55
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056・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 御設例の場合は、その本人がみずからの手でその場所に保管した場合には、ここでいうその「自ら保管するもの」と、こういう例に該当するものと、こう考えております。なお、いろいろこの規定につきまして、盗難の防止、その他のことも考えたんでございますが、日本の住宅事情その他の点を勘案しまして、必ずしもかぎというようなことにも無理のある場合もありますので、ともかく自分の責任で保管しなさい、たまは抜いておきなさい、こういう規定を設けたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/56
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057・松澤兼人
○松澤兼人君 私もそういうことはあまり望ましいことだとは思っておりませんけれども、しかし、まあ駐在所といいますか、交番といいますか、そういうところでは、管内の銃砲等を所持している者の氏名なり、あるいは住所というものはわかっているわけですね。ですから徹底的にやるということになれば、長期の旅行という、長期は、それはいろいろあるでしょうけれども、ある程度長期の場合には、警察が所持者に対して連絡するとか、あるいは逆に所持者が警察に対して連絡するとかいうようなことまでやらなければ、実際上の効果というものはあげられないのじゃないか。もちろん、私たちは、立ち入り検査をして、銃砲等がどういう保管の状況になっているかということまで検査するとか、あるいは調査するとかいうことには、いろいろ疑問がありますから、そういうことまで言いませんけれども、単に「自ら保管する」という義務を、この新法、改正によりまして所持者に義務づけたとしても、やはり実効があがらないのじゃないか。これは行政指導といいますか、実際運用の面におきまして、何かもう少し適確に保管されているかどうかというようなことを警察のほうで承知する方法があれば別ですよ。先ほどもお話がありましたように、講習会等において、そういう念を押すというようなことを繰り返し繰り返しやれば、その実効があがるかもしれません。法律ばこれ以上書くことは困難かもしれませんから、これ以上のことは、まあ私どもとしても要求はしませんけれども、しかし、実効があがらなければこれは空文ということになるわけですから、それらの点について警察はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/57
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058・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲の問題につきましては、法による取り締まりのほかに、それぞれの所持許可者が銃砲のマナーを守るということばきわめて重要なことだと考えておりますが、この点につきましては、講習会の機会、あるいは一斉検査等の機会、また更新等の機会、その他いろいろな方法で、法の趣旨をよく徹底いたしまして、これを順守してもらうようにする考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/58
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059・松澤兼人
○松澤兼人君 それから講習会の問題ですけれども、前にお聞きしたところでは、一回四時間ぐらいの講習だというのですけれども、それではたしてこの五条の三にあります「猟銃及び空気銃の所持に関する法令」に必要な知識を与えることができるか、あるいは「保管等の取扱い」について適切な知識を修得させることができるかということ、このことは非常に疑問のあるところであります。いままでは、現行ではそういうことがなかったから、これもやはり一つの進歩と覆えば進歩と言えないことはないと思いますけれども、その内容といものがどういうものでありますか、もう少し詳しく教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/59
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060・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 講習は、銃砲所持等取締法及び関連の火薬類取締法等の法令の講習会が二時間、それから銃の構造、取り扱いが一時間、その知識の確認の意味の考査が一時間、合わせて四時間、こういうことを考えております。これは、現在狩猟免許をもらいます際の狩猟者講習を行なっておりまして、その狩猟者講習の初心者の課程か五時間、こういうことともかんがみまして、この狩猟者講習のほうから狩猟鳥獣の識別等を除きますと、大体四時間ぐらいが相当ではないか、こういうふうに考えたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/60
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061・松澤兼人
○松澤兼人君 この中には、保管に対する講習が一時間程度ということになっておりますが、先ほど申し上げました保管の義務であるとか、あるいは保管の内容であるとかということについては、この一時間の時間の中である程度できるかと思いますけれども、その保管取り扱いに対する知識の講習ということ、修得させるということの内容は、どういうことですか。ただ、一般的な訓示的なことをおっしゃるだけなんですか。それとも、もう少し突き詰めて、さっき私が申しましたような、いろいろな危険あるいは危険の可能性というようなことについて、さらに適切な指導をなさるということを考えていらっしゃるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/61
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062・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 保管等も含めまして、いわゆる法令の知識については法令の時間でやりたいと思っております。それ以外の構造、取り扱いを一時間予定しておりますのは、銃についていろいろなマナーがございまして、たとえば、銃口をいかなる場合でも、たとえたまがないとわかっておっても、人のほうに向けてはならないとか、常に上へ向けておかなければならないとか、その他、銃砲の危害防止上の安全規則がございますので、これについて十分講習をしたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/62
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063・松澤兼人
○松澤兼人君 これは更新の場合もやはり同じことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/63
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064・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 現在所持許可になって、おります八十八万丁のものにつきましては、それの、更新の際もあわせてこの講習を行なう予定でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/64
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065・松澤兼人
○松澤兼人君 今度の八十万丁ですか——八十八万丁か、その切りかえのときには、もちろんそうでしょうけれども、その切りかえ済んで、まあ平常時といいますか、通常の場合においても、やはりそういう講習会をおやりになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/65
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066・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) この講習は、いま申したような法令の知識あるいは取り扱いの実際の知識でございますので、一たん講習を受けますと、その講習の効果は永久である、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/66
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067・松澤兼人
○松澤兼人君 前回も銃砲八剣類の法律の改正があったし、今度これは改正があって、改正法が今後適用されるわけですけれども、五年の間にまた法律が改正されたりしたら、講習しないで、永久に更新という手続だけで済ませて、その間に法律の改正があったということに対する講習等はなさらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/67
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068・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) この銃砲につきましては、五年ごとの更新のほかに、現行法によります検査がございまして、大体一年程度で毎年検査をいたしております。そういう機会、その他もろもろの機会を通じまして、法令の改正等については十分に趣旨を徹底してまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/68
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069・松澤兼人
○松澤兼人君 まいりたいと思いますということはわかるわけですけれども、いままで法律改正があった場合には、その一斉検査の場合、そういう新しい法律なり、あるいは改正された法律に対する趣旨の徹底とかということをおやりになっていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/69
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070・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) そのつど十分に実施いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/70
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071・松澤兼人
○松澤兼人君 一斉検査というのは従来やっていたわけですけれども、これは機械的なものじゃないですか、本来は。それは講習会でないのだから、そこで新しい法律ができたとかなんとかいうようなことで講習をしなければ意味がないのじゃないですか。たとえば自動車の場合には、法律の改正あれば、道交法の改正があれば、講習受けさしているじゃありませんか。だから、銃砲刀剣の場合においても、法律改正等があれば、やはりその趣旨というものを徹底する機会というものは必要だと思うのです。噂に銃砲検査という機械的な検査だけで、法律改正の趣旨であるとか、あるいはまた、国会において希望された意見などというようなことがどうして所持者に徹底できるか。そういう問題があると思うのですけれども、先ほど申しましたように、自動車の場合には、改正された法律に対する講習みたいなものは行なわれているように私は聞いておるのですけれども、そうじゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/71
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072・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲刀剣類の十三条の検査は、銃砲刀剣類の所持が適正に行なわれているかどうかを調査する必要があるときに行なうのでございまして、所持が適正に行なわれておるということは、当然法令の知識を十分に持っており、その法令に従っておるということを前提といたしますので、この機会に改正法の趣旨についても十分に周知する、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/72
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073・松澤兼人
○松澤兼人君 これ以上は水かけ論みたいになりますけれども、自動車の免許の場合などはちゃんと講習会やっているわけですから、五年という更新の時期というものは、われわれにすれば長いという考えがあるわけです。だから、それを短縮するかしないかは別問題として、一ぺん今度の切りかえのときに講習会をやる、しかし、それからは永久だということじゃ、ちょっとおかしいのじゃないかと思うのですけれどもね。その間にどんどん法律は変わるでしょう。だから五年目の更新のときにもやはりそういう講習程度のものをやるということは必要じゃないかと、こう思うのですけれども、これは私の意見なり希望なんですよ。結局何かの機会でそういうことをやるほうが望ましい、あるいは考えてみましょうというような、そういう答弁があってもいいのじゃないかと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/73
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074・新井裕
○政府委員(新井裕君) いま御引例の道交法の改正のあるたびに、運転者を集めて講習会を開いておるかというお尋ねでございますけれども、実際上、交通安全協会に頼んで、人を集めてもらって説明をしておるのでありまして、あの運転免許証を更新するときに講習を受けなければ更新させないということではございません。それと同じように、今度の場合も、手数料を取って、四時間なり五瞬間のカリキュラムを組んで、そうして講習するというほどのことでもないので、道交法と同じように、法律が改正されれば、そういう人たちがいろいろの会を持っておれば、会のたびに、今度はいま申しましたように検査というものを相当このごろ厳重にやっておりますが、そのたびごとに銃を持って署に出頭してもらうのでありますから、そのときに十分に講習を事実上行なってまいりましたし、今後も行なうつもりでございます。したがいまして、銃刀法と道交法とその点においては何ら軒輊がないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/74
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075・原田立
○原田立君 空気銃、あるいはまた猟銃等をいわゆるガン・マニアが愛玩用として所有していたい、こういうふうな場合にはどうなんですか、許可が出るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/75
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076・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 今度の改正案の第四条第一項第一号によりますと、そういう猟銃または空気銃は「狩猟、有害鳥獣駆除又は標的射撃の用途に供するため、猟銃又は空気銃を所持しようとする者」、これに許可されることになっておりまして、単なる愛玩用では許可の対象となりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/76
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077・原田立
○原田立君 実際にはそういう例がかなり多いと思うのですね。別にそういう鳥獣狩猟のためにではないけれども、装飾品みたいなことで置いておきたい、これは形のすばらしいようなもの、あるいは古式——古いようなものなんかの場合には、そういう例が非常に多いと思うのです。そういうものも、そうするといまの御説明のように全然だめだということになるのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/77
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078・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 美術品もしくは骨とう品として価値のある火なわ式銃砲等の古式銃につきましては、十四条の登録で所持できるわけでございますが、そういうものに該当しない一般の猟銃、空気銃については、単なる愛玩用では所持許可が与えられない、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/78
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079・原田立
○原田立君 そうすると現行では狩猟用として届け出、許可を受けたものでなければ所持することができない、こういうことになると思うのですが、今度はそれを使用する場合には、狩猟免許を取らなければいけないわけですね、使用する場合には。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/79
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080・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 使用する場合の規制は、第十条によりまして、狩猟の場合には当然そういう狩猟免許を取らなければ発射することができない、こういうことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/80
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081・原田立
○原田立君 先ほどからいろいろ問題になってるんですが、銃と火薬、たまの関係になるわけですけれども、狩猟免許を取ると火薬はどのぐらいの制限で——火薬の購入には制限があるんですか、それとも無制限に買えるんですか、その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/81
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082・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 狩猟免許を持っております場合には、火薬類取締法によりまして、実包、空包で千個以下、火薬で五キログラム以下、銃用雷管で二千個以下に限り無許可で譲り受けることができることになっております。ただ、これが従来は何回でもそういう数量が買えるという扱いでございましたので、これは非常に危険であるということで、通商産業省令を改正いたしまして、一猟期内に限りそれだけを無許可で買える、こういう規定に現在は相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/82
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083・原田立
○原田立君 一狩猟期間に火薬は五キロ、雷管は二千個、空包は千個以下ならば、それは何度でも買えるということになるんですね。で、はたしてこの数量は妥当であるかどうかというようなことなんですけれども、その前に、愛玩用として所有することは認められないと、ところが、狩猟用として届け出すれば認められると、実際に行使しようとする場合には狩猟免許か必要なわけですけれども。じゃ、狩猟免許を取れなかったと、そういうのは猟銃等は持っていてもかまわないわけですね。——持っててかまわないならば、そこで、今度は実際に一狩猟期間で火薬五キロとか、あるいは雷管二千個、空包千個、ちょっと多いんじゃないかというような感じがするんです。余ったものを横流しをして、不正に入手して、それが事故の発生等に使われると、こんなふうに考えるわけです。それでお聞きしたいのは、狩猟免許を取らない場合の猟銃は、これは持っていていいわけでしょう、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/83
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084・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃刀法によりますと、狩猟する場合と、有春鳥獣駆除の場合と、標的射撃の、三つの場合の目的に限り所持許可があるということでございます。そこで狩猟免許——狩猟する場合は大体狩猟免許に該当するわけでございますが、それ以外でも有害鳥獣駆除及び標的射撃という目的がある場合に限り所持許可の対象になる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/84
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085・原田立
○原田立君 その標的射撃と狩猟用とどういうふうに違うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/85
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086・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 狩猟用と申しますのは、狩猟法に基づいて狩猟する場合でございます。標的射撃と申しますのは、銃砲刀剣類所持等取締法によります、一定の許された指定射撃場で射撃をする、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/86
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087・原田立
○原田立君 それで、きのうも長官お話しになっておられましたけれども、前年は狩猟免許を取ったと、ことしは取れなかった、こういうような場合のケースのことをいまお聞きしているのですけれどもね。そうすると標的射撃用としてはそれは所有していてかまわないのだということになるわけですね。所持していてかまわないのですね、猟銃を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/87
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088・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 所持許可の段階において、及び更新の段階において、それが狩猟用に使われるか、標的射撃用に使われるか、こういう判断をいたすわけでございまして、その間たまたま、まあ去年は狩猟免許を取ったけれども、ことしは何かからだの都合で取れなかったというようなこともあろうかと思いますが、それはやはり狩猟用、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/88
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089・原田立
○原田立君 考えているじゃなしに、そういう場合の所有はどうなるのだということを聞いているのですよ。所持していていいのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/89
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090・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 所持して差しつかえないものと、こう解釈いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/90
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091・原田立
○原田立君 結局ぼくら普通常識的に考えてみて、こういう猟銃やまたは空気銃なんかは、所持の許可をもっと強力に制限を加える必要があるのじゃないか、こう考えているわけですが、あいまいな取り扱い等をしていれば、やはり事故が発生する種になりますし、警察も事故が起きてから取り締まるというやり方が現状のようですけれども、やはり事故の発生を防いでいくような、そういう方向でなければならないと思うのですが——それで猟銃免許を取るには、狩猟講習会を受けて、合格した者は、その免許に限って三年間有効である。銃砲所持のほうの講習は一回限りで、そしてしかも終身の有効である、どうもここのところがもう少し強力な制限を加えたほうがいいのじゃないか、こう思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/91
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092・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲刀剣の講習は、いま先申しましたように、法令の知識及びこの取り扱い等の知識でございます。その内容から言いまして、一度講習を受ければ永久にその知識が存続するもの、かように考えておるわけでございます。狩猟法につきましては、それの狩猟鳥獣の識別という別の問題がございまして、これはなかなかむずかしいものでございますし、これについては繰り返して三年ごとくらいに講習をしなければならない必要があるためにそういう制度になっているものと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/92
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093・原田立
○原田立君 ぼくら全然銃の関係なんていうものは知識があまりないので、一回、しかも四時間くらいの試験をやって、それで十分その所期の目的か達成するのだというのは、どうも合点がいかないのですが、その試験に落第するということはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/93
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094・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) そういうことのないように十分に講習ばいたしたいと思いまするが、ただどうしても受からないという場合には、所持許可を与えてはならない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/94
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095・原田立
○原田立君 そうすると最低線の知識を十分与える、こういう意味で、ほとんど落第はない、こういうふうに考えていいように大体思えるのですが、試験は年に一ぺんだろうと思うんですが、もしことしやって落っこったらば来年と、一年間は所持の許可は取れないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/95
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096・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲を所持しようとする人たちの利便を考えまして、そういうふうには考えておりません。大体各警察署ごとにブロックの組み合わせ等も考えまして、毎月一定の日に、たとえば第何日曜日あるいは第何何曜日というような日にやりまして、各府県ごとに受講者の数、交通の便利、その他種々の点を勘案しまして講習をやっていく、こういうふうに考えておりますので、ことし受けたら次は来年だということではなくて、別の講習会場がもよりの警察署である、こういう形で実施いたしたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/96
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097・原田立
○原田立君 じゃあ、Aという町でもし落っこったら、今度はBという町で来月やれる、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/97
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098・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) まあ、この講習でおそらく落ちる人は、どこで受けても大体だめじゃないか、こう考えておりますが、理論からいいますと、先生のおっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/98
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099・鈴木壽
○鈴木壽君 これ、落ちるとか落ちないとかということ、何かやりますか、この講習で。試験をやる——だって、これは講習会を開いて講習をやって——これはやはり何かそういうふうな試験をやるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/99
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100・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 実施する予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/100
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101・鈴木壽
○鈴木壽君 私、ここで一つ、今度新しくできた五条の三を見ていきますと、講習会の講習を受け、その課程を修了した者に対して——普通、講習会の場合は、話を聞いたり何か実技練習をしたり、いろいろなことをやって、所定のそれが終われば講習を修了した、こうやるんですね、普通は。特にこの場合には、いわゆる試験みたいなものをやる、こういうわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/101
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102・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) ここで講習を受け、その課程を修了したということは、その課程を、やはり一定の知識、法令の知識、使用、保母の取り扱いについての講習の十分な知識を得た者、こういうふうに考えて、当然その確認のために試験を実施するという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/102
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103・原田立
○原田立君 先ほどからし、はしば問題になっている、その三年か五年かということなんですけれども、ぼくは三年のほうがいいと思うんですよ、考え方としては。この前も当委員会でお聞きしたときに、イギリスあたりでは三年というようなお話を聞いております。で、国際的にも三年が多いような話をお伺いしておったのですけれども、やはり日本の場合も、銃砲所持に対しては他の外国から比べてみれば非常にきびしい国でありますし、これはもっともっと短縮していったほうがいいと思うんですよ。ところで、一部、前の委員会でも、三年にすると職員をふやさなければいけない、だからそういうことはなかなかようできないから、三年じゃなしに五年にするんだというような理由もお話が少しあったのですけれども、これはやはりそうじゃなしに、銃なんかの事故というのは、起きればたいへん人命にかかわるような大きい問題なんですから、これはやはり改めて、五年というようなことに固執するのではなしに、改めて三年等にむしろしたほうがいいのではないか、こういうふうに思うのですが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/103
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104・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) この法令の順守のための制度としまして、それを確認するための制度としましては、在来も十三条の検査による方法で、適正な所持が行なわれているかどうかということを見てまいったのでございます。その上にこういう更新制をつくる、こういうことになっているわけでございますが、検査の運用と相まっての更新ということについて申せば、五年ごとの更新がもっともである、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/104
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105・原田立
○原田立君 別の問題でありますけれども、銃砲店ですね、銃砲店での横流し、やみ流しですね。火薬とかピストルとか、そういうような事例は全然皆無ではないと思うのです。前回、一週間か二週間ぐらい前にも一ぺん火薬の横流し等がありました。こういうようなのは、銃砲店等に対しては何か誓約書や何かが入っているのですか。もしそういうようなことをやった場合には、取り消しするとか、そういうようなことはやりませんとかいうような。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/105
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106・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 銃砲店が銃砲を売る場合は、武器等製造法によって許可を得る、こういうことになっております。また、その店が火薬類を扱う場合には火薬類取締法によって許可を得る、こういう規定になっております。御指摘のように、そういう店で不当に銃砲を販売したり、あるいは火薬を販売した事例等がございます。これらにつきましては、そのつど所管の知事の商工部局のほうに通知をいたしまして、営業監督方面でも適正を期しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/106
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107・原田立
○原田立君 それから空気銃の所持ですね。これは従来どおりのように思うのですが、空気銃も非常に性能がどんどん高くなってきて、精度のいいものが出てくる、そういうふうに思うのですが、空気銃の取り締まり等は制限というようなものはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/107
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108・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 御指摘のとおり、銃もだんだん精度がよくなっておりますが、銃はいわば猟銃と比較いたしますと、一発のたまを撃つわけで、ライフル銃と比較するのが適当かと思いますが、空気銃のポンプ四・五ミリというものでも最大到達距離が二百五十メートル、初速が毎秒二百八十メートル、たまの重さは〇・五グラム、スズメを約十五メートルの距離で殺せる、こういうものでございます。これに対しましてライフル銃の一番威力の弱い22口径と申しましても、最大到達距離が千六百メートル、初速が毎秒四百メートル、たまの重さは二・五グラムでございまして、リス等を五十メートルの距離で殺せる、こういうように非常に差があるところでございますので、空気銃につきましては、現在の年齢にとどめたわけでございますが、しかし、やはり危険なものでございますので、講習の制度及び更新の制度並びにこれの構造について一定の基準に制約するということについては、新たにこのたび規定を設けて、御審議を願っておるようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/108
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109・原田立
○原田立君 日本国内で銃砲所持の規制が非常に強化されることになると、駐留軍関係の猟銃所持者、これに対しても、もっと規制が加えられてもいいんじゃないか、駐留軍関係の家族、雇い人、そういうような晦に対してですね。そういうふうに思うんですけれども、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/109
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110・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 駐留軍及びその家族、雇い人等も、必然に銃砲刀剣類所持等取締法の規制の対象でございます。法が改正になりますと、私ども直ちに、日米合同委員会等を通じまして、その趣旨を十分に徹底して、これを順守さしてまいりたい、かように脅えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/110
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111・原田立
○原田立君 それの申し入れ等はもうしたんですか、その方法はどういうふうになさるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/111
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112・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 昨年、この銃砲刀剣類所持等取締法を改正していただいたんでございますが、その際にも、日米合同委員会を通じまして、市日米軍に対してその趣旨を十分に徹底いたしまして、今度の改正につきましても、これが御承認いただきました場合には、その趣旨を十分に徹底してまいる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/112
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113・沢田一精
○理事(沢田一精君) 他に御質疑はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/113
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114・松本賢一
○松本賢一君 一点だけ。こういうことが、今度、新しい規定にあると思いましたね。未成年者に猟銃を持たせないという——十八才ですか、未成年者は。よく勉強していませんが、スポーツ用のものだけは、特別に申請を受けた者はやってもよろしいと。しかし、私ちょっと気になるのは、猟を業とするものですね。これが未成年者が持てないということになると、いままでやっている人がやれなくなるというようなこともあると思うし、また、おやじさんが病気になって猟ができないときに、むすこさんが手伝うというようなこともあり得ることだと思うんですが、それは一切禁止されているということになると、非常に気の毒な人が出てくるんじゃないかという気がするんですが、そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/114
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115・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 狩猟免許は現在、二十才未満には与えられないことになっております。二十才未満の者で狩猟を業としている者はございません。現在でも狩猟免許を与えられないということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/115
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116・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、猟銃は持ってもいいんですか。未成年者でも猟銃ば持ってもいいということは、商売でなく、娯楽には撃ってもいいということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/116
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117・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) いままでの銃砲刀剣類については、そういう狩猟免許の与えられない十八才の者等についても、射撃というようなことの目的で所持許可を与えておったんでございます。それをこのたび二十才に引き上げる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/117
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118・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、全然、今度、法律が変わらなかったわけじゃなしに、やっぱり制限を強化したわけですね、それだけ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/118
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119・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/119
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120・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、いままでは、未成年者でも鳥やけものを撃つことは、商売でなければよかったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/120
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121・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 未成年者の場合には、現行法でございますと、猟銃は所持許可で持てる、しかし、狩猟は狩猟免許が与えられませんので、一切できないと、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/121
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122・松本賢一
○松本賢一君 そうすると、いま私が質問したようなことは、今度の法律の改正によっては何ら変わらないで、いままでどおりということであるわけなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/122
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123・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/123
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124・松本賢一
○松本賢一君 ああ、それならいいんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/124
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125・林虎雄
○林虎雄君 先般鈴木委員の要求によって出されました暴力団の解散の状況ですね、あれを見たわけですが、世論の動向によってだいぶ解散されたことは非常にけっこうだと思いますけれども、単位組織、それから連合体等がそれぞれ解散を見ておりますが、まだ著名の暴力団で正式に解散をしないというようなものはあるのですか、もう全部解散したと見ていいのですか、この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/125
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126・新井裕
○政府委員(新井裕君) まだ相当著名なもので解散しないものが残っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/126
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127・林虎雄
○林虎雄君 どのくらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/127
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128・新井裕
○政府委員(新井裕君) 著名というところの標準をどこに置きますかによって違うと思いますけれども、いまわれわれのほうで掌握いたしております暴力団体というのは、約三千九百ばかりございます。これが一番多かったときは、昭和三十八年五千二百団体、それだけ解散をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/128
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129・林虎雄
○林虎雄君 まあ解散した団体も、いわゆる形だけで、内容はあまり実質を伴わない解散、いわゆる擬装解散というようなことが考えられると思いますが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/129
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130・新井裕
○政府委員(新井裕君) われわれの調べた限りでは、解散をして、その構成員が正業についたというのが、約半分ございますけれども、御指摘のように団体の数から申しますと、相当部分はまだ擬装解放だと思われるものがございまして、最近の新聞紙上でごらんになりましても、解散されたと思われる団体の所属員が、所属員同士語らって犯行を行なっておる者がまだあります。ことに連合体が解散をしたということであって、その単位団体は解散をしてないというものもまだ相当ございます。したがいまして、まだまだ油断はならないと思いますが、先ほど申し上げましたように、だんだんわれわれの掌握している団体は減りつつあるということは、また、それから、その構成員も減りつつあるということは事実だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/130
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131・林虎雄
○林虎雄君 提出いただいた資料では、解散したうちの三分の一程度のものは正業に復したというように出ておりますが、いま長官のお話では、半分ぐらいはということですが、そんなに半分ぐらいは正業に復していると見て差しつかえないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/131
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132・新井裕
○政府委員(新井裕君) まあ半分とか三分の一とかというたいへん大ざっぱな数字でございますけれども、三分の一から二分の一程度ということでございます。しかも、構成員としてそういうふうに掌握できるんですけれども、団体として全部が正業に復したと思われるのは、そうたくさんございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/132
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133・林虎雄
○林虎雄君 そこで、未解散のものはもちろんですが、解散をされた旧構成員で、この銃砲刀剣取締法に基づいて、他の正当な理由によって正式にピストル——銃砲刀剣等を所持している者は相当あると見ていいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/133
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134・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) そういうものにつきましては、第五条の規定によりまして許可を与えない、また許可をしておる者は取り消す、こういうことになっておりますので、そういうものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/134
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135・林虎雄
○林虎雄君 しかし、他の、ピストルならピストルを所持して差しつかえないという正当な理由によって、許可せざるを得ない場合等はありませんか、そういうことは想定できませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/135
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136・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 現行の第九条第一項第六号に、「他人の生命若しくは財産又は公共の安全を害するおそれがあると認めるに足りる相当な理由がある者」と、これには許可を与えてはならないとなっておりますし、また、許可を与えた後そういうものに該当するというような場合には取り消すということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/136
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137・林虎雄
○林虎雄君 そうすると、ほとんどないと考えていいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/137
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138・新井裕
○政府委員(新井裕君) 林委員の御指摘のように、私どものほうで法律で許される限りの縁故関係にある者は禁止しておりますけれども、そういうことは全然察知できない形で持っているのは皆無だと私ども思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/138
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139・林虎雄
○林虎雄君 そこで次にお伺いしたことは、特にピストルなどが主だと思いますけれども、密輸がかなり行なわれておって、警察も取り締まりにかなり苦労しておられるようでありますが、最近の密輸の状況はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/139
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140・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 昭和四十年の場合で申しますと、拳銃の押収総数は九百五十丁でございますが、このうち外国からどの船でだれが運んだというところまではっきりと密輸とわかっておりますものが二百八十六丁でございます。国内の生産は許されておりませんので、拳銃であれば大体外国から入ってきたわけでございます。はっきりと密輸とわかっておりますものは二百八十六丁でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/140
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141・林虎雄
○林虎雄君 警察当局で九百五十丁のうち二百八十六丁ですか、はっきりしたものを把握しておるというお話ですが、警察で調査のできない、把握できないようなものもかなりあると思いますが、そういうものの推定をしたことはありますか。つまり児当ですね、どのくらい日本に密輸されておるかということの見当をつけたことはございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/141
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142・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 拳銃の場合、それが旧軍用の拳銃か、あるいは手製のような拳銃を除きますと、全部外国製のモーゼルとかブローニングとかいうことになるわけでございます。その九百五十丁のかなりのものは外国製のものでございますが、いま申し上げたように、二百八十六丁ははっきり密輸である、こう考えております。ただ、拳銃は全体で九百五十丁か、そのほかにまだかなりあるのじゃないかということについては、確かにあるはずでございます。ただ、それがどれだけあるかということは、はっきりとはっかんでおりませんが、一生懸命にさがし出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/142
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143・林虎雄
○林虎雄君 そこで、拳銃の密輸と暴力団との関係というか、かなり密輸に深い関係があると思いますけれども、その点はどういうふうにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/143
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144・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 拳銃を密輸します者のごく一部にはマニアその他もございますが、大部分の者、これを使用しております者ば暴力団である、こういうふうに考えております。数字で申しますと、ちょっと年度が変わって恐縮でございますが、昭和三十九年の場合に、暴力団からの拳銃押収の総数でございますが、いわゆる七百九十二丁の拳銃押収総数のうち、暴力団から五百五十二丁押収いたしております。なお、その際密輸とはっきりわかっておりますものが三百五十八、こういうことでございます。拳銃押収総数の半数が暴力団でございます。また拳銃押収総数の三分の一強でございますか、三百五十八が密輸とはっきりわかっておりますということで、この密輸の三百五十八の大部分は暴力団のほうに流れておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/144
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145・林虎雄
○林虎雄君 そこで、密輸の取り締まりなどをする場合心配されることは、非常に逆説的ですけれども、暴力団が解散をしたと、擬装解散ももちろん含まれておると、したがって、解散したために、従来警察当局が拳銃の密輸等を調査する上に、解散を見ないほうが把握したり、取り締まりをする上に便宜であったというようなことがなかったかどうか。逆に言えば、解散をしたために密輸関係の実態の把握というものが従来よりは困難になったような傾向はないかどうか、この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/145
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146・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) その点はないと考えております。と申しますのは、暴力団の組織でありますと、なかなか団のそういう団結を守るために、かなり口がかたくて、だれから銃を手に入れたかというようなことをなかなか申さないので、先日も御説明いたしましたように、どっから手に渡ったかわからない、出所不明銃というのがかなりあるわけでござていますが、その点の追及はやりやすい、かように考えております。ただ私どもとしては、そういう暴力団が解散をしたというようなことで油断をするようなことがないように、十分な、より厳重な取り締まりを続けなければならない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/146
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147・林虎雄
○林虎雄君 ちょっとお聞きしたいことが、そのとおりだと思いますが、そういう傾向もあると思いますけれども、逆に団の一つを握れば、イモづる式に拳銃密輸等があがってきたのが、解散したために潜行してしまって、ばらばらになって把握しにくいのではないかという懸念をするわけですが、そんなことないと考えていいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/147
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148・今竹義一
○政府委員(今竹義一君) 団があるからイモづる式にはなりませんで、団があるからむしろ口がかたいというのが状況でございます。ただ、先生おっしゃるように、過去の事例を見ますと、暴力団があるいは麻薬をやり、あるいは拳銃をやるというような事例もありますが、たとえ擬装解散その他の方法をとりましても、私ども十分に視線内に入れまして、厳重に取り締まっておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/148
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149・林虎雄
○林虎雄君 最後に、長官に承りたいと思いますが、なかなかむずかしい問題ですから、警察だけでどうこうという問題じゃありませんけれども、せっかく解散を見たか、逐次減少の傾向にはあると思いますけれども、まだ正業に復さない人たちもかなり多いわけですが、こういう人たちの何といいますか、いまの憲法下で、あまり尾行もできないでしょうけれども、その人たちの動向というものをつかむとともに、更生の指導という、そういうことについては、どういうふりにお考えになっておいででしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/149
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150・新井裕
○政府委員(新井裕君) 団体は、先ほど申し上げましたように、相当たくさんございますけれども、そのうち各府県にまたがるものも相当出てまいりましたので、これは特に私のほうで調整をいたしまして、全国で合同して視察線に入れるということをしておりますし、そのほかのものも、いま申し上げました数字は、視察線に入れておるという数字でございます。問題は、更生ということはいつも問題になるわけでありますが、われわれは、更生まで足を踏み入れるということはたいへんいろいろ昔から問題かございまして、できるだけそういう方向に向けて、しかるべき機関に紹介をし、またそこで推進をしてもらうようにあっせんをするという程度にとどめております。私どもとしても、ことに若い人たちがつまらない動機からこういう団体に入って、抜けがたいというような者で、非常に脅威を感じて、そのために正業に復せないというような者については、相当身を入れて、個別的に保護もし、指導をしておる者もございますし、大観しての問題としては、そういう方針でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/150
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151・沢田一精
○理事(沢田一精君) ほかに御質疑はございませんか。——ほかに御質疑がなければ、この法律案についての質疑は終了したものと認めます。
午後一時まで休憩いたします。
午後零時十九分休憩
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午後一時八分開会
〔理事沢田一精君委員長席に着く〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/151
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152・沢田一精
○理事(沢田一精君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。
地方事務官制度に関する件を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/152
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153・占部秀男
○占部秀男君 労働大臣に質問をしたいのですが、その前に委員長にお願いをしておきますが、きょうは労働大臣予定があって一時半しかおられない。厚生大臣は御存じのように保険三法の問題で来られないということで、あらためて機会を見てひとつまた来ていただくことにしたいと思うのです。きょうはもう概略、半ということ二十分しかないので、どうにもなりませんから、急所の点だけ一応ひとつ聞いておきたいと思うのですが、そういうふうに取り計らうようにしていただきたいと思います。
そこで、時間がないのでざっくばらんに聞きますが、御存じのように、地方事務官制度については、臨時行政調査会のほうで答申が出されておるわけです。あの答申の中には、当分の間存置するという昭和二十二年制定の法の規定の趣旨に反して、機関委任事務についての地方事務官制度がまだ残されておるのはおかしい。それで、すみやかに廃止すべきである、こういうようなことが書かれておるわけです。私、この問題で、あとの問題も含めてですが、総理の施政方針のときにちようど代表質問で立ったものですから、大臣もおられたと思うのですが、これをどうするかということ、臨調の答申をですね、そうした問題について尊重すべきじゃないかということを話したときに、総理も、自分の在任中にできるものはひとつやっていきたい、尊重していきたい、こういうような御答弁があったわけです。
これは一般的な包括的な答弁ですが、そこで、この地方事務官の制度については、自治省は、これはもう地方事務官制度をやめるべきであるということの意見のように、大臣にも、また行政局長にも伺っておるのですが、労働省としては何か反対の御意見であるということを聞いたのですけれども、それはどういう意味なんですか。まあ、答申そのものは尊重の立場をとっていただけると思うのですが、その両面もあわせてひとつ御回答を願いたいと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/153
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154・小平久雄
○国務大臣(小平久雄君) 先生お示しのとおり、行政調査会の答申をいただきまして、政府としましては、もちろんこれを全体として尊重していくという方向で努力をしなければならぬものと私どもも心得ておるわけであります。ただ、その中で、いろいろ示されておりまするが、個々の問題になりますというと、まあ従来からのいきさつ等もございまして、なかなかふん切りがつかないといいますか、あるいは行政の実情からいたしまして、答申のとおりすることが、はたして行政の本来の目的に合うことになるであろうかどうかと、こういう問題があるわけでございまして、いま私のほうの関係で問題になっております地方事務官の問題も、いま申し上げました、いわば問題のある一つの事項と、こういうことに相なっておるわけでございます。
まあ職業安定行政というものが、先生すでに御承知のとおり、今日の労働事情、あるいは将来予見される労働市場の状況等を考えまするというと、どうしてもこれが全国的に広範な地域で、しかも統一性を持って行なわなければならない。こういう情勢にますます相なっておるわけでございまして、そういう客観情勢から申しまして、この地方事務官制というものを廃止して、全部地方公務員におまかせをする。こういうことで、はたして所期の目的をうまく達せられるであろうかどうかと、まあこういう点になりますと、遺憾ながら、私ども、ただいまのところ、さように判断しかねておる。ただいま申し上げましたとおり、だんだん広域的に安定行政をやらなければならぬということになっておるわけでありまして、そのことば、また逆に申しますと、必ずしも地方地方のいわば自治的にやる仕事、まあこのこともややもすれば、御承知のとおり、何と申しますか、見解が異なると申しますか、さらに申せば、率直に申せば、利害が相反すると申しますか、そういう面もかなりあるわけでございまして、もちろん地方行政の事情というものは尊重されなければなりませんが、しかし、まず第一に、やはり全国的に通してやる、こういうことがより重要であり、重要になりつつある。こういう点から、私どもは、にわかに、ただいま行政調査会の答申のとおりにいくことには、遺憾ながら賛成いたしかねておる、こういう事情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/154
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155・占部秀男
○占部秀男君 いま大臣の言われた反対しておる考え方、これについても、確かに職安行政なり労働行政なりが、一般的に若干広域化しておるという、そういう情勢があることはわれわれも認めます。しかし、それだからといって、地方事務官ではなくて、県の職員、地方公務員にしてそれができないという理由は、遺憾ながら私たちにはわからない。
というのは、実は、これはもう時間がないからあまり中に入れませんが、きょうはまあ来てもらっただけの形になると思うのでありますけれども、いずれにしても、労働省で出しておる、労働省の立場を——反対という言い方はおかしいかもしれませんが、現状でやっていくべきであるという立場を明らかにした理由というようなものを読ましてもらいましたが、どうもそれだけでは私は、反対の理由が非常に根拠が薄いのじゃないか。特に臨時行政調査会でも、いま大臣が言われたような、そうした理由というものを聞いた上でああいう結論を出しておるということが一つ。それからもう一つは、ちょうど前回、福田行管長官にもここへ来てもらいまして、今度の実態調査をしておることについて両省の反対理由についてただしたところ、福田大臣は、非常に両省の反対が抽象的でつかみにくい、どうも納得できないということをはっきりと述べられました。速記録にも載っておりますから、あとでお読み願いたいのですが、こっちの地方行政の八号ですが、これにはそういうふうに言われて、筋から言えば、地方事務官制度でなく、県の職員にいくのが筋である、こう思うということをはっきり言っておるのですよ。それで、この問題については、いま言われた大臣の広域制になったからという問題からくるいろいろな問題や、また失業保険が特別会計であるという点や、いろいろ問題点はあると思うのですが、私も、できる限りその問題点をさらったのですが、どうも納得できる回答というか、反対理由にはなっていないようにわれわれは考えておるわけです。
そこで、きょうはもう全く町間がないのでしょうがありませんけれども、このままの状態で置いておいていいと考えられておるかどうか。われわれの考えとしては、このままの状態では責任体制が非常に不明確ではないか、こういうことを考えるのですけれども……。というのは、これはもうここに佐久間局長が来ておられるから、あとでお聞きしたいと思うのですが、こういう事務移譲、機関委任の事務移譲というのは、これは大臣御存じのように、機関委任であろうと、管理執行の責任に当たっているのは知事ですね。ところが、その知事が人事権を持っていない。それからまた、財務的な問題としては、収入支出の権能を持っていないということ。もちろん、委任はされていますけれども、県の職員に委任をされてはいますが、持っていない。こういうような中で、人事権を持っていなければ、ほんとうの指揮監督というものは、これはできないですよ。それから支出あるいは収入に対する権能を持っていなければ、これも現金問題について、その事業に関する収入支出の問題について責任が持てんですよ。
これは一つの、労働の例じゃないですが、保険の例では、御存じのように汚職事件が起こって、相当ひどい問題があったのですけれども、知事は責任を持てと言われても、責任の持ちようがない。こういう問題が保険にはたびたび起こっているわけですね。やはりこれは、機関委任をしたら、その機関委任をされた要務についての管理執行の責任は知事にあるのだから、知事がその体制を、管理執行の責任を持てるような制度に、というのは、職員に対しては人事権を持って、自分の直接の配下として指揮監督ができる、こういうような形をとってもらわぬと、ほんとうに責任のある体制にならぬじゃないかということを感じるわけです。それからもう一つには、職員の立場からいうと、これはもう人事の交流はない——課長以上はあるかもしれませんよ——しかし、一般職員はほとんど人事の交流はない。給与面では差がある。それから服務、給与、勤務条件については、これはもう言うまでもなく、国公と地公の違いがあって、相当違うわけですよ。職員自体の生活権を守る問題についても、職員自体はなじんでないですね、こういう制度には。今日は、「もういやだ」、「不満だ」と言うのが多いのですよ。これはやはりこの際、この問題についてはけじめをつけるべき段階じゃないか——どっちへいくかはわかりませんよ——しかし、けじめをつけるべき段階じゃないかと思うんです。この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/155
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156・小平久雄
○国務大臣(小平久雄君) 先生の御指摘のとおり、現在の制度というものが、何といいますか、俗に言うすっきりしないと申しますか、そういう面のあることは私もまことに同感でございます。そこで、しからばどうしたならばすっきりいくかということになりますと、一方におきましては、行政調査会の御指摘のとおり、これを全部地方公務員にまかせる、人事権も業務の管理権もまかせるという方法に割り切るか、あるいは一方におきましては、あたかも基準行政のごとく、これを全然国の機関で全部押し通すと申しますが、一貫することにするか、どちらかにすれば、確かにすっきりした形になる。この両論がやはりあるようでございます。まあ、しかるところ、ただいまの制度はいわばその折衷的な姿にありますから、その問いろいろの問題がそこにどうしてもこれはまあ伏在する、こういうことになっておると思います。そこで現在の制度で、いまお話しのございました業務の関係は、労働大臣が知事に機関委任をいたして、それぞれ連絡をとるとか、あるいは安定所長の指揮監督なり、こういうことをやっていただいておる。人事権は労働大臣が直接持っておる。こういう姿が、これもまあ率直に申しまして、私も満点だとは決して考えません。ただまあ業務の点から申しますと、一切労働大臣から知事を通じて安定業務をやってもらっておる、こういうことですから、いわゆる命令なり指示なりが二つの系統から出るということはないようでありますが、ただ、先生も御承知のとおり、ほんとうにその業務を行なうためには、やはり人事権を持たなければ、何と申しますか、いかぬのじゃないか、うまくいかぬのじゃないか、こういう御指摘でございまして、そういう面も決して否定し得ないと、私も率直にそういう感じを実は持っておるのであります。そこで、実はいままで、現在の法制から申しますと、知事は全く人事権を持たぬ、こういうことに相なっているわけでございますが、この人事に関しましても、知事に何らかの形において発言権と申しますか、よく人事について大臣のほうから知事に、知事の意見を徴するとか、逆に、知事のほうから大臣に対して、内申といいますか、具申といいますか、何らかやはりそういう権限を法的にも研究してみる必要があるのではないかという私は実は感じを持ちまして、事務当局にも、その点どういう形がいいのか、いま、かりにそういう権限を法的にも知事に与えるとしても、一体どういう範囲の人事についてそうやることが適当なのか、つまり具体的に申しますと、知事の部局、さらに具体的に申しますと、県の安定課の職員、あるいは安定所長などという、そこらの限りがいいのか、あるいは全安定業務に携わる職員にするのがいいのか、その辺も、法的にもいろいろ検討の余地があるようでございますので、実は事務当局にも、その点ひとつできるだけ早く検討してみるようにということを申しているようなわけでございます。かりにそういうことになりますれば、先生の御心配のような点も、まあ満点とはいかないかもしれませんが、ある程度解消して、知事の業務の執行にも、一つの権威と申しますか、要するに、人事に対する力というものがそこにできるわけですから、先生御指摘のような点も相当解消されるに至るのではなかろうかと、実はそんなふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/156
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157・占部秀男
○占部秀男君 いまの大臣の御答弁は、けじめをつけるべき段階にあるということは認められたし、その知事の責任が持てる方向に改善しようという意図のあることも、これは技術問題ですから、こまかい点に入らなければなりませんけれども、ややお話があったようですが、実はこの問題、中へ入りますと、相当長くなる問題でして、きょうは一応大臣は半までという約束を、やむを得ずこちらのほうも了承したわけですから、きょうは、私のほうも了承した以上は、これ以上どうかと思いますから、いまのお話だけできようは打ち切っておきまして、あとからまたひとつ厚生大臣も来ていただこうと思っておりますし、自治大臣も来ていただいて、そうして三大臣が並んで、ひとつはっきりさしていただきたいと思いますので、それではまた次の機会にでもひとつお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/157
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158・沢田一精
○理事(沢田一精君) 本件に関する本日の調査は、この程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/158
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159・沢田一精
○理事(沢田一精君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/159
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160・沢田一精
○理事(沢田一精君) 速記をつけてください。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/160
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161・沢田一精
○理事(沢田一精君) 地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案を一括して議題といたします。
提案理由の説明を願います。永山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/161
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162・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案の提案理由とその要旨を一括して御説明申し上げます。
昭和四十一年度における地方財政は、一面においては、地方団体住民の税負担の軽減合理化の要請にこたえるとともに、地方公共投資の増大、社会保障の拡充、給与改定の平年度化その他制度改正等による財政需要の著しい増加に直面しているのであります。
このような地方財政の現況にかんがみ、明年度においては、地方交付税の率を百分の二十九・五から百分の三十二に引き上げてその総額の増加をはかり、国税及び住民税の減税等による地方財源の不足を補うため、明年度に限り、臨時地方特例交付金四百十四億円を地方団体に交付することとするとともに、他面、明年度における公共事業費等投資的経費についての地方財、源対策として別途地方債の大幅な増額措置を講ずることにより、地方団体の健全な財政運営に支障なからしめることといたしたのであります。これがため、地方交付税法に所要の改正を加えるとともに、臨時地方特例交付金の算定方法、昭和四十一年度の地方交付税の単位費用等についての特例措置を定める必要があるのであります。以上がこれらの法律案を提出する理由であります。
次にこれらの法律案の内容の要旨につきまして、御説明申し上げます。
まず、地方交付税法の一部を改正する法律案の要旨でありますが、
その一は、地方交付税の率を引き上げることであります。国税主税に対する地方交付税の率は、昭和四十年度において百分の二十九・五と改められたのでありますが、すでに申し上げたような地方財政の事情を考慮して明明年度からこれを三・五パーセント引き上げ、百分の三十二に改めることといたしたいのであります。
その二は、人口急減団体に対する補正の新設であります。明年度の地方交付税の算定にあたりましては、昭利四十年十月一日に行なわれました国勢調査の結果による人口を用いることとなるのでありますが、地方団体の中には前回の国勢調査に比して著しい人口の減少を来たしているものが相当数あり、これらの地方団体は、急激に地方交付税の額が減少することとなり、行政水準の低下が予想されますので、これを避けるため明年度から昭和四十四年度までの間に限り、基準財政需要額の激変を緩和するための補正を設けることといたしたいのであります。
以上のほか、所得割りにかかる道府県民税及び市町村民税の算定方法についてその合理化をはかるとともに、史跡名勝もしくば天然記念物である土地または国立公園もしくは国定公園の特別保護地区の区域内の土地に対する固定資産税の課税免除等に伴う基準財政収人額算定方法の特例を設ける等必要な改正を行なうことといたしたのであります。
次に、昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案の要旨でありますが、
その一は、臨時地方特例交付金の交付に関することであります。
まず総額四百十四億円の臨時地方特例交付金のうち、二百四十億円を第一種特例交付金とし、百七十四億円を第三種特例交付金といたしております。そのうち第一種特例交付金は、住民税減税に伴う減収額の補てんに充てるため、都道府県分七十億円、市町村及び特別区分百七十億円に区分して、それぞれ、前年度中におけるその区域内の製造たばこの売り渡し本数で総額を案分して交付することとし、また、第二種特例交付金は、昭和四十一年度分の基準財政需要額が基準財政収入額を越える都道府県に対して、同年度分の普通交付税と合わせて交付することとしたのであります。
その二は、昭和四十一年度分の基準財政需要額及び基準財政収人額の算定方法の特例に関する事項であります。明年度における華準財政需要額の算定については、
(1) 河川専業費、道路事業費等の公共心業費の地方負担に要す乙経費の財源として地方債が大幅に増額されることに伴い、投資的経費にかかる基準財政需要額の一部を地方債に振りかえるため、関係費目の単位費用を改めるとともに、測定単位及び測定単位の数値の補正方法について必要な特例を設け、
(2) 市町村比税減税補てん債の漸減に伴い、後進市町村の財源を確保するため、市町村分「その他の諸賢」のうち人口を測定単位とするものの単位費用の引き上げ、市町村における清掃関係経費の充実のため「清掃費」の単位費用の引き上げをはかるとともに、
(3) 生活保護基準の引き上げ等により増加する社会保障関係経費、給与改定の平年度化等により増加する給与関係経費、その他制度改正等により増加する経費を基準財政需要額に算入するため、関係費目の単位費用を引き上げることといたしたことがその主要な点であります。
なお、今後測定単位の数値の補正方法を定めるに際し、後進地方団体への財源の傾斜配分については特に意を用いてまいる所存であります。
また、基準財政収入額につきましては、第一種特例交付金の交付に伴い、普通税と同様に、これを昭和四十一年度分の基準財政収入額に算入する旨の特例を設けることといたしたのであります。
以上のほか、臨時地方特例交付金の交付時期等、その交付に関する必要な措置、その他昭和四十一年度分の地方交付税の特例を設けることに伴う必要な措置として、後進地域の開発に関する公共事業にかかる国の負担割合の特例に関する法律において用いられる財政力指数の特例を設ける等の措置を講ずることといたしております。
以上が地方交付税法の一部を改正する法律案及び昭和四十一年度における地方財政の特別措置に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/162
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163・沢田一精
○理事(沢田一精君) 両案についての審査ば、後日に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/163
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164・沢田一精
○理事(沢田一精君) 次に、地方行政の改革に関する調査といたしまして、昭和四十一年度地方財政計画に関する件を議題といたします。
自治大臣の概要説明を願います。永山自治大下も発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/164
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165・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) このたび昭和四十一年度の地方財政計画を策定いたしましたので、その概要を説明申し上げるとともに、これを中心として、明年度の地方財政の見通しと地方財政に関する政府施策の概要について申し述べたいと存じます。
昭和四十一年度は、経済の不振に伴う地方税等一般財源の伸びの鈍化に加え、国、地方を通じ平年度三千数百億円に達する大幅減税を断行することとなりましたので、歳入においては例年のような増加が期待できない反面、給与関係経費、社会保障費等義務的経費の増高は著しく、加えて景気刺激のため公共事業費等投資的経費を大幅に増額する必要がありますので、現状のままでは、地方団体がその財政の健全性を保持しつつ住民福祉の増進をはかっていくことは困難であると考えられます。
そこで、地方財政計画の策定にあたりましては、これらの客観情勢を念頭に置き、国、地方を通ずる財源の中において極力地方財源を確保する等必要な施策を講ずることにより、地方団体が財政の健全性を保持しつつ、公共投資の増大、社会保障の充実等、当面必要とする施策を行なうことができるよう措置することを目標といたしたのであります。
すなわち、計画策定の具体的方針といたしましては、第一に、地方税負担の軽減合理化を推進しつつ、行政水準の引き上げをはかるために、
一、住民税所得割を中心として負担の軽減をはかり、
二、国税及び地方税の減税に伴う減収を補てんし、地方財源を充実するため、地方交付税率を二・五%引き上げて三二%とするとともに、昭和四十一年度に限り臨時地方特例交付金四百十四億円を交付することと、
三、法人税の税率引き下げ等による減収を回避するため、住民税法人税割の税率等について所要の調整を行なうとともに、
四、土地に対する固定資産税及び都市計画税について税負担の均衡化を漸進的に確保しつつ、都市開発の促進に資するため、税負担の調整措置を講ずることといたしました。
第二に、経済の安定した成長と均衡ある発展を達成するため、公共投資の増大をはかるものとし、公共事業等の円滑な消化をはかるための地方債を大幅に増額いたしました。
第三に、社会開発を推進し、地域格差の縮小をはかるため、辺地事業を増額するとともに、引き続き地方交付税を財政力の弱い地方団体に価斜的に配分することといたしました。
第四に、行政の広域的処理を推進し、行政の能率化を徹底することにより経費の効率的使用を促進いたしたいと考えております。また国庫補助負担金制度の合理化をはかり、地方団体の超過負担を解消することについて特に努力いたしたのであります。
なお、国民健康保険事業会計と地方公営企業会計の悪化は、これらの事業の運営を困難ならしめているほか、普通会計の健全運営にも支障を与えておりますので、これらの事業会計を健全化するため必要な措置を講ずることにより普通会計の健全化に資することといたしたのであります。
以上の方針のもとに、昭和四十一年度地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模ば四兆一千三百四十八億円となり、その前年度に対する増加は、五千二百二十七億円、一四・五%となるのであります。
次に、歳入及び歳出のおもな内容について御説明申し上げます。
第一に、歳入についてであります。
その一は、地方税収入であります。ただいま申し上げましたとおり、明年度は経済の現況から自然増収について多くを期待できない上に、税負担の軽減合理化をはかることといたしました結果、前年度に対する増加額は七百九十三億円、増加率は五・三%にとどまっております。この結果、明年度の地方税の総額は、一兆五千七百四十一億円となっております。
その二は、臨時地方特例交付金及び地方交付税であります。
明年度の地方財政事情にかんがみ、地方交付税率を二・五%引上げ三・一%といたしましたが、なお、不足する財源に対し、昭和四十一年度限りの措置として四百十四億円の臨時地方特例交付金を交付することといたしたのであります。
その三は、地方債であります。
明年度は、景気対策の見地から、公共事業費等が大幅に増額されることとなりましたが、すでに申し上げましたように、一般財源については、あまり多くの増加を期待できない状況にありますので、昭和四十一年度限りの措置として特別事業債一千二百億円の発行を認めることといたしました。この結果、昭和四十一年度の地方債の発行予定額は六千七百七億円となり、前年度と比較して一千八百五十八億円の増となります。このうち地方財政計画に算入いたしますのは、一般会計債一千四百四十五億円、特別地方債のうち一般会計分二百五十億円、昭和四十一年度限りの特別事業債一千二百億円、合計二千八百九十五億円であり、前年度に比較して、一千二百六十五億円の増加となっているのであります。
第二は、歳出であります。
その一は、給与関係経費であります。給与費につきましては、一、給与改定の平年度化及び昇給に伴う経費、二、警察官、高等学校の教職員及び消防職員等の職員の増加に要する経費等を見込み、前年度比較一千六百七億円増の一兆四千六百七十九億円を計上いたしたのであります。
その二は、一般行政経費であります。この一般行政経費のうち、国庫補助負担金を伴う経費は、総額四千七百七十一億円と見込まれ、前年度に比し六百六十四億円増加いたしました。また、国庫補助負担金を伴わない経費については、一般行政事務の増加等の事情を勘案して必要額を増額し、これに事務処理の能率化等による経費の節減合理化を見込んで、前年度比二百十八億円増の三千五百四億円を計上いたしたのであります。
その三は、投資的経費であります。すでに申し上げたとおり、政府は、経済の現状を考慮して、明年度の国庫予算におきましては、公共事業費の大幅増額を行なうことといたしたのでありますが、公共事業費の大部分は地方団体の手を通じて実施せられます関係で、地方財政計画におきましても、投資的経費を大幅に増額いたした次第であります。すなわち、国の直轄事業に対する地方団体の負担金は、前年度に比し七十一億円増加し、六百十億円、国庫補助負担金を伴うものにつきましては、道路整備事業、治山治水事業、港湾整備事業、住宅対策費、公立文教施設整備費及び災害復旧事業費等の増加により、前年度に比し一千七百四十六億円の増加となり、総額は九千二百六十八億円と見込まれます。
次に、国庫補助負担金を伴わない地方単独の事業費につきましては、道路その他の産業基盤施設、高等学校等の文教施設、住宅等の生活環境施設の整備に要する経費を中心として増額をはかりました結果、前年度に比し、七百七十億円の増加となり、その規模は五千七百五十億円となったのであります。
なお、明年度におきましては、地方公営企業の基盤を強化し、その健全化を促進するため、同会計に対する出資を前年度よりも九十六億円増額し、二百七十億円計上いたしております。
以上、昭利四十一年度の地方財政計画の概要を申し述べたのでありますが、これを要するに、明年度の地方財政は、景気の停滞と国における公債の発行等、財政環境が非常に変化しております関係で、従来にない慎重な運営を必要とすると考えられるのでありますが、地方団体関係者の英知と努力を期待いたしますとともに、政府といたしましても、中央・地方一体となって、国民の福祉の増進に寄与するという理念のもとに、その指導に遺憾なきを期し、地方財政の健全化について格段の努力をしてまいる所存であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/165
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166・沢田一精
○理事(沢田一精君) 本件についての審査は、後日に譲りたいと存じます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/166
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167・沢田一精
○理事(沢田一精君) 次に、首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題といたします。
提案理由の説明を願います。永山自治大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/167
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168・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) ただいま議題となりました首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案について、その提案理由と要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、首都圏及び近畿圏の既成市街地への産業と人口の集中傾向は、近年ますますその激しさを加えてきておりますが、わが国の政治、経済、文化等の中心としてふさわしい首都圏及び近畿圏の建設と、その秩序ある発展をはかるためには、特に首都圏の近郊整備地帯及び都市開発区域並びに近畿圏の近郊整備区域及び都市開発区域の整備及び開発の推進をはかる必要があるのであります。
しかし、これによる経費は、膨大な額にのぼり、関係地方公共団体の財政負担も急激に増大を見ますので、計画を円滑に推進してまいりますためには、これらの地方負担に対し、国が国家的見地に立って財政上の特別措置を講ずる必要があるのであります。
これが本法律案を提案した理由であります。
次に、この法律案の内容について、御説明申し上げます。
第一は、地方債の許可額の増大とその利子補給についてであります。
国は、関係都府県に対して、整備計画等に基づいて行なわれる国の直轄事業または国庫補助事業のうち、住宅、道路、港湾等雄幹的な施設の整備にかかる事業に要する経費について、その都府県の通常の負担額をこえる負担額の支出の財源に充てるものとして地方債の増額発行を許可するものとし、当該地方債に対し、地方交付税の不交付団体を除き、年利三分五厘をこえる部分を、関係都府県の財政力を勘案して政令で定める基準により、最高年利八分までを限度として補給することといたしました。
第二は、国の負担割合の特例についてであります。
整備計画等に基づいて行なわれる国の直轄事業または国庫補助事業のうち、住宅、道路、下水道、教育施設及び厚生施設等基幹的な施設の整備にかかる事業について、関係市町村の負担額が標準的な負担額をこえる場合に、当該市町村の財政力を勘案しつつ、当該超過額に応じて国の負担割合を最高二割五分を限度として逐次引き上げることといたしました。
なお、地方債の発行の許可は、昭和四十一年度から昭和五十年度までとし、その利子補給は、昭和五十五年度を最終期限として、地方債の発行許可年度以後七年度間の各年度において支払われる利子について行なうこととし、また、国の負担割合の特例は、昭和四十一年度から昭和五十年度までの各年度において行なわれる事業について行なうことといたしました。
以上が首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/168
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169・沢田一精
○理事(沢田一精君) 本案についての審査は、後日に譲りたいと思います。速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/169
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170・沢田一精
○理事(沢田一精君) 速記を起こしてください。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/170
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171・沢田一精
○理事(沢田一精君) 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
提案理由の説明はすでに聴取いたしておりますので、補足説明を聴取いたしたいと存じます。細郷税務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/171
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172・細郷道一
○政府委員(細郷道一君) 国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について補足説明をさせていただきます。
それではその資料の中の新旧対照表というのが五ページ目にございます。それに従って御説明申し上げます。
さきに提案理由で御説明申し上げましたように、今回、空港整備法によります民間空港に対しまして、地元との受益関係、具体的に申しますれば、飛行場があるために道路でありますとか、あるいは消防施設でありますとか、そういったようなことの整備を地元市町村がする必要があるわけでございますので、かつ飛行場というものが、その市町村の区域内において、かなり広大な面積を占拠しているといったような事情にかんがみまして、今回、国有資産等所在市町村交付金の対象の一部に加えていきたい、こういうのが今回、改正案を御提案申し上げた趣旨でございます。
そこで、その内容につきましては、第二条に交付金または納付金の対象資産の範囲が書いてございますが、その第二号に、新たに、「空港の用に供する固定資産」というのを加えたわけでございます。空港整備法の第二条第一項によりまして、第一種空港、いわゆる国際空港、現実には羽田とか伊丹とかいう空港でございます。それから第二種空港、これは国内の主要路線の空港でございまして、現在二十近く国内にございます。それから第三種空港、これはいわゆるローカルの線の発着の空港でございまして、そういったような第一種、第二種、第三種空港につきまして、それぞれのその用に供する固定資産を対象に加えたわけでございます。
それから、めくっていただきまして、第二条の四項というのがございます。これが今回加えました空港整備法、空港の用に供する固定資産のうち、対象から除外するものの範囲を規定したものでございます。そこにございますように、「国又は地方公共団体は、第一項第二号に掲げる固定資産のうち、前項第二号及び第四号に掲げるもの、」たとえば校舎でありますとか、あるいは国有地といったようなもの、それから「地方税法第三百四十八条第二項第五号に掲げるもの」、つまり道路のようなもの、いわゆる空港の区域内に道路があるわけでございますが、そういった道路のようなもの、そのほか「税関、出入国管理及び検疫の川に供するものその他の固定資産で政令で定めるもの」は市町村交付金を交付しない。対象から除外をいたしたいと考えるわけであります。それらの施設の公共性と、その持っております行政機関的機能、そういったようなものを考慮いたしての措置でございます。
それから第四条でございます。左のほうに行きまして、ここにございますのは、第四条の第二項で、空港につきましては交付基準額は価格の半分とするということでございます。十分の五とするという考えでございます。この考え方は、本来空港の用に供する固定資産ば公用財産というべきものでございまして、公用財産につきましては、その公共性のゆえに従来、税制上非課税というたてまえをとっておるわけでございますが、先ほど申し上げましたような空港の持っております特殊な事情にかんがみ、今回、交付金の対象といたしましたので、その公共目的と現地に与える迷惑度と申しますか、そういったものとの両面を考慮いたしまして半分と、こういうことにいたしておるものでございます。
それから第十条でございますが、これは、二以上の市町村にわたる固定資産の価格の配分でございます。現在でも、この法律の対象になっております発電所のダム等についてそういうものがあるわけでございますが、今回加わりましたが、空港の用に供する固定資産につきましても、それが二以上の市町村にわたっておるものがございますので、それにつきましては、それぞれ市町村に配分をいたさなければならない、かように考えまして、ここの十条に加えたものでございます。
それから二枚ほど飛んでいただきまして、第二十一条の二というのが新しく加わっております。これは空港の管理者とその固定資産の所有者とが違う場合がございます。具体的に申しますと、第二種空港は国が管理をいたしておりますが、その空港の土地につきましては県有地を貸し付けて提供しておるといったようなものがございます。そういう場合におきましても、空港の管理者が交付金を地元に出す、こういうふうにいたそうとするものでございます。具体的に申しますと、広島の空港のごときは、広島県の県有地を提供して第二種空港をつくっておりますが、空港の管理者は国でございます。したがいまして、固定資産税は所有者が負担をすることになっておりますが、この場合には、空港の管理者である国が広島の地元に対して、ここに定めます交付金を交付する、こういう形になっております。
それから、その次の第二項は、それぞれの空港の用に供します固定資産で、まだ所管の運輸大臣に移管がえになっていない場合でも、その間対象にするのだという経過的な規定でございます。空港が新たに開設されるような場合の経過的な規定でございます。
あとはここの新旧対照表には、新しいために、旧法がございませんので載っておりませんが、附則の第三項というのがございまして、四十一年度分の交付金に限っては、この法律によって計算をした交付金額に一定の率を、「政令で定める率を乗じて得た額とする。」、こういうことでございます。と申しますことは、本年度はすでに国の予算としましては一億四千万円計上いたしております。現実にいま申し上げましたように、空港の固定資産の台帳価格について大体の見積もりを実はいたして一億四千万を計上いたしておりますが、多少課税対象にならない部分等を精算いたしますと、見込みの一億四千万円と少しずれるかと思うのでございます。したがいまして、その間の調整をはかるという意味合いにおきまして、計算上出た交付金額に対する一定の割合を政令で定めた率といたしまして、それを乗じたものを四十一年度に限って交付金の額といたしたい、こういうことでございます。四十二年度以降は、台帳の価格の額に応じましてそれぞれ計上してまいりたい、かように考えております。
なお、第一種、第二種空港は、それぞれ国の管理でございますから、国から地元の市町村に交付金が出るわけでございますが、第三極空港は、主として県が管理をいたしております。現在二十九ございますが、中には市町村営のものもございますが、これにつきましては、同じ市町村内のことでございますから、この交付金の対象からは除外をいたしますが、県営のものにつきましては、県が所在の市町村に交付金を交付する、こういう考えでございます。
四十一年度におきましては、国から交付するものが、先ほど申し上げましたように一億四千万円、県が市町村に交付するものが大体一千万円、合わせて一億五千万円、こういう見積もりをいたしておるものでございます。
簡単でございますが、説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/172
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173・沢田一精
○理事(沢田一精君) 本案についての本日の審査はこの程度にいたします。
次回は四月十九日午前十時より開会いたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後二時十三分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X01719660414/173
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