1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年五月二十四日(火曜日)
午前十一時二十六分開会
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委員の異動
五月十二日
辞任 補欠選任
山本伊三郎君 松澤 兼人君
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出席者は左のとおり。
委員長 岸田 幸雄君
理 事
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
中村喜四郎君
林田悠紀夫君
占部 秀男君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
政府委員
自治政務次官 大西 正男君
自治省行政局長 佐久間 彊君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法
律案(内閣提出)
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001・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
地方公務員等共済組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/1
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002・原田立
○原田立君 今回の改正案にある年全額の調整、いわゆる年金のスライドの問題についてですが、四月二十一日の当委員会において占部委員からもすでに御質問がありましたけれども、そのときの行政局長の御答弁の中に、おのおの関係省庁及び地方公務員共済組合審議会等を通じて制度の改正措置を考えたい、こういうふうな御答弁があったように記憶しておりますけれども、どういうふうに今後、将来のことだと思うのですが、なさろうとするのか、そこら辺の点、もう少しおわかりならばお答え願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/2
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003・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) いわゆるスライド規定でございますが、今回の改正法案におきましては、この考え方と申しますか、たてまえを法律に明記をいたしたわけでございます。ただこの規定は、御指摘のように一種の精神規定と申しますか、原則をうたっているだけでございまして、具体的には、この規定の精神をどういうふうに具体化していくかという、こういうことになるわけであります。で、この点につきましては、前回も申し上げましたように、今後この法律を成立させていただきました暁におきまして、関係省庁連絡会議を開いて相談をしてまいりたい。さらにまた、地方公務員には地方公務員共済組合審議会という政府の諮問機関がありますから、そこらの御意見も聞いてまいりたい、かように考えておるわけでございまして、内容をどういうふうに具体化するかという中身につきましては、そのような手順で検討をいたしました上で、だんだんとはっきりとさせてまいりたいという考え方をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/3
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004・原田立
○原田立君 そうすると、今回のはいわゆる精神規定であって、その中身のことについてはまだはっきりしていないということで了解してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/4
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005・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/5
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006・原田立
○原田立君 精神規定でもこうやってできたということは、一歩一歩ではなく、半歩前進ぐらいのように思うんですけれども、やはり一つの政策を実施していくには、これはどうしても中身のほうが、いわゆる財政的な裏づけというか、どんなふうに考えているのかということですね。そこいら辺がもっとはっきりしないと、いわゆる空文化してしまうんじゃないか。これは占部委員もその点指摘しておりますけれども、空文化したのでは何にも意味をなさない。そのところに多少の、半歩前進ではあるけれども、何となしに不安を感じるというのが私の気持ちなんですけれども、そこいら辺をもう少し一掃するような御答弁が願えればと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/6
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007・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 今回の法案は、精神規定ではございまするけれども、しかし、この規定の中におきましても、考慮すべき項目につきましては具体的に書かれておるわけでございます。で、ここにあげられておりますような諸要素を総合勘案して改定の措置を講ずるわけでございますが、今後検討してまいりますのは、これらの諸要素を総合勘案すると申しましても、どういうような考え方でこれを勘案していくか、そういうような一つの考え方の方式と申しますか、基準と申しますか、そういうようなことが、これから私ども検討をしてまいるテーマになると、かように考えておるわけでございます。
もちろん、御指摘のように、ただ精神規定をうたっただけでは意味がないわけでございまするので、この規定を具体化するために、私どもとしてもできるだけの今後努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/7
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008・原田立
○原田立君 しつこいようだと思いますが、この百五十八条の二のおしまいのほうに、「すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」という、まあ勧告的な文章になっているんですけれども、それは、「すみやかに改定の措置」、すなわち改定の措置ということは、財政的にも十分考慮して措置すると、こういうふうに理解してよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/8
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009・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/9
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010・原田立
○原田立君 それともう一つですが、地方公務員関係と地方議会議員との、同じような条文ではありますけれども、内容の表現のしかた、条文の違いがあるわけですけれども、それはどういうふうに理解すればいいんでしょう。また、運用等にあたってどのようになさるのか、その点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/10
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011・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 七十四条の二のほうは、一般の地方公務員についての規定でございますが、百五十八条の二の議員の年金の場合と比較をいたしてみますと、御指摘のように若干表現上の違いを設けてございます。一つの大きな違いは、七十四条の二のほうでは、地方公務員の給与、物価ということをはっきりと規定をいたしております。その趣旨は、一般の地方公務員の年金につきましては、地方公務員の給与とスライド——給与との関係ということを相当大きな要素として考えていくべきではなかろうか。また、給与は同時に物価というようなことも大きな給与決定の際の要素の一つになるわけでございまするから、そういう事情を考慮すべき事項として明確に書いたわけでございます。ただ、議員の年金のほうは、一般の公務員と違いまして、互助年令的な性格のものでございまするし、報酬が一般の公務員のようにいわゆる生活給的なものとは違う性格を持っております。そういうような違いから、年金の額についての改定の措置を考えます場合にも、ここではむしろ国民の生活水準その他の諸事情というものを考えていくわけであって、地方公務員の給与が改定になったから、それにスライドして議員の年金も改定しなければならぬ、まあこういうような地方公務員の給与、物価との深い結びつきというものがないじゃないかと、まあかような考え方で、表現の上にも公務員の給与なり、物価ということをうたわなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/11
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012・原田立
○原田立君 それはまあ少し問題があると思いますが、まあそれは別にして、別の案件ですが、地方共済の短期給付の赤字の問題は、特に市町村段階において相当深刻な問題となっておりますし、この際、全国的にバランスをとる必要があるのじゃないか、まあこういうふうに考えるのですが、その点はどのように考えられておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/12
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013・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この問題につきましても、占部委員、山本委員からの御質問もございまして、お答えを申し上げた次第でございますが、御指摘のように市町村職員共済組合につきましては、四十六都道府県の、それぞれ比較して見ますというと、相当財源率に違いがございます。で、数県につきましては、その財源率が千分の百をこえるというような状態になっております。まあこれに対して何らかの措置を講ずる必要があるというふうに私どもも考えて、いろいろ対案を検討をいたしてまいったところでございます。
で、考え方といたしましては、いま先生のおっしゃいましたように、何か全体としてプールをして平均をとるというような一つの考え方がございます。と申しますのは、各府県の市町村職員共済組合を一つ一つ見てみますと、相当財源率の高いところがございまするけれども、全国平均して見ますというと、八三・八ということでございまして、まあそれほど高いものにはなっていないのでございます。そこで、一つの考え方といたしましては、全体をプールをしていったらいいんじゃないかという考え方もございます。ただ、全部もう一本の共済組合にしてしまうということになりますると、これまでのいろいろな沿革その他の事情もございまするから、それはなかなか実行困難でございますし、またそこまでは必要があるかどうかということにつきましても、なお慎重に検討を要する点があろうと思います。
そこで、私どもが検討いたしました案は、若干のプール資金をと申しますか、調整資金を連合会が持つということにいたしまして、そうして共済組合の、市町村職員共済組合の中で財源率の非常に高いところ、そのめどといたしましては、政管健保の財源率を一応参考にいたしまして、千分の百程度をこえるようなものにつきましては、連合会につくりました調整資金から資金を交付をして、それ以上、政管健保との比較されたレベル以上には財源率が上がらないで済ませるようにしよう、こういう考え方をいたしたのでございます。なお、そのプール資金をつくるにつきましては、地方交付税の操作によって所要の資金を連合会に交付するという方法を考えておったのでございます。まあそういう案につきまして、関係団体の間でいろいろ御検討を願ったのでありますが、完全な御了解が本法案提案の時期までにはつきかねましたので、御審議をいただくまでにはなりませんでしたけれども、引き続きそういう一つの方法でこの問題については検討を続けてまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/13
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014・原田立
○原田立君 いまのお話ですと、平均は全国大体千分の八十三・八くらいであるというようなことでありますが、それともう一つ、千分の百以上になったならば何かたいへんだから手当てをしてやりたいというような意味の御発言もあったわけですけれども、その千分の百というふうに、もうかたく固定しちゃった考え方なのか、つまり百というところに多少まだ流動的な、融通的な考え方があるのか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/14
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015・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 千分の百を一応のめどにすると申しましたのは、政管健保は、これは千分の六十五ということになっておりますが、これを地方公務員共済に引き直してみますというと、大体千分の九十五くらいになります。そこで、一体千分の九十五をこえるようなもの、これについては政管健保との均衡上も何か対策を考えにゃいくまい、かような考え方でございまするので、この百という字に非常に何かこだわるわけじゃございません。まあそのバランスから申しますと千分の九十五、大体千分の九十五というのを大ざっぱに言うて千分の百と、こう申したわけでございまして、その辺はなお弾力的に考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/15
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016・原田立
○原田立君 それはニュアンスの問題であり、千分の九十五も千分の百も大体同じような趣旨だというような御答弁ですけれども、やはり五%違うとだいぶ違うと思うのですよね。それでお聞きしたわけなんですけれども、多少弾力性があるということで、やや了解というような気持ちもするのですけれども、それをあとあと審議していく場合に、千分の百と言ったんだから百だというようなことで強硬に突っぱられればまずいんじゃないか。政管のほうが千分の六十五で、共済のほうに直せば大体千分の九十五だというなら、やはりそこら辺でものを考えるべきじゃないか、こう思うわけです。
それで、これは私思うのですけれども、負担率の少ないところと多いところと、こうあって、平均が八三・八ということになるわけですけれども、これは制度的に、負担率の非常に多いところには少ないところのほうから回してやるというような、まあプールですね、先ほどお話があったような。ある程度そういう考え方はいいのじゃないかと思うのですが、何かいまもお話しになったように、関係団体と話し合って了解点に至らなかったという、そのいきさつ等は、もしここでお話しできるんだったらお話し願いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/16
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017・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 私どもは、先ほど申しましたような案でいくことが合理的な考え方であろうと現在でも思っております。ただ、市町村職員共済組合の連合会にこの案をおはかりをいたしまして、検討を願ったのでありますが、その中でいろいろ御議論がありましたようでありますが、漏れ聞いたところによりますというと、その調整資金によって恩恵をこうむる地方は、これはもう大賛成で早くそれをやってくれと、こういうようなことであったようでございます。まあ具体的に申しますと、財源率の高いところは、大体東北とか北海道とか、九州とかいうところが高いわけでありますが、そういう地区の組合は、この自治省案をぜひ実現をしてくれというようなことであったわけですが、そうじゃないところ、財源率の低いところは、その調整資金による恩恵をこうむらないことになりますので、これについては消極的な御意見であった。そこでいろいろ御議論があった結果、法案提出の時期までには完全に連合会としても態度をまとめることができなかった。かようなふうに承っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/17
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018・原田立
○原田立君 同じ地方公務員でありながら、何か青森では千分の百十くらいだというような話も聞きましたし、静岡あたりは千分の六十、埼玉あたりで千分の五十七、こういうような話がありましたけれども、同じ地方公務員でありながらたいへんなアンバランスなんですね。これを自治省のほうとして、全国的に一本化するようなそういう構想はどうなんでしょうか。いまの話とちょっと重複するようなことになると思いますが、基本的に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/18
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019・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) これは一つの御意見だと思います。で、私どもの検討の過程におきましても、そういう案も一つの案として検討いたしたこともございます。現在、御承知のように府県職員につきましては、全国一本の組合員になっております。ただ市町村職員につきましては、従来からの沿革がございまして、各府県ごとに別々な組合をつくっておる、こういう状況になっております。したがいまして、先生のおっしゃいますように、市町村職員についても府県職員と同じように、全国一本の組合員にしてしまうということは、これは考え方といたしましては十分成り立ち得る案だと思います。
ただ、何分にも従来別々にできてきたという沿革がございまするし、それから当面の対策として必要な調整をするという角度から考えてみますというと、一挙に全部統合をする、プールしてしまうという必要もないわけでありまして、その辺は今後の問題として、おっしゃいました案もなお検討はいたしてまいりたいと思いますが、さしあたり、当面実行性のある案としては、その案はとることがむずかしいのじゃないかというのが私どもの現在の結論でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/19
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020・原田立
○原田立君 ちょっと意味がよくわからないのですがね、それはそれとして、それじゃ一本化できなければ、あと取り残された小さな市町村の組合、これはまた今後どんどん赤字が出てくるのじゃないかと思うのですけれども、その対策はそれじゃどうなさるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/20
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021・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 一本化の問題は、現在市町村職員については各都道府県ごとに別々な組合ができておるわけですね、それを全国一本の組合にしてしまおうと、こういう考え方でございまして、そういたしますると、先ほど申しましたように財源率もそれほど高くなくて済むと、こういうことになるわけでございますが、ただ、その案が実行性が乏しいということを申し上げましたのは、それでまいりますと、現在財源率が平均よりも高い組合においては歓迎されまするけれども、現在財源率が平均よりも低い組合につきましては、現在よりも市町村並びに職員の負担する負担金、掛け金がそれぞれ引き上げられることになりまするから、そこで実行上非常な抵抗が生ずることになるわけでございます。それから、まあ先ほど申しましたのは、そういうこともございまするし、当面必要な調整をするという場合には、そこまで一挙に進むという必要はないんじゃないかというふうな考え方を申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/21
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022・原田立
○原田立君 赤字はどうするの。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/22
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023・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) そこで先生のおっしゃいますように、一本にプールしてしまえば、もう全体として、今日言われておるような大きな赤字というものはなくなるわけですが、それが実行上困難であり、また、現在のところ、そこまでの必要性もないじゃないかということになりますると、おっしゃいますように相当赤字の出るところ、言いかえますれば財源率の高くなるところが残るわけでございまするから、それにつきましては、私どもとしては、先ほど申し上げましたような案で対処をしていきたい、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/23
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024・原田立
○原田立君 先ほどの案て、ちょっとどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/24
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025・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この連合会に調整資金を設けまして、千分の百と申しますか、あるいはまあ千分の九十五でもけっこうですが、要するにそういう一定の基準以上に高いところに調整金を交付をして、それ以上上がらないように押えていくと、まあその案でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/25
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026・原田立
○原田立君 ところがあれでしょう、行政局長、それはいままで話し合いしてだめだったってわけでしょう、結局。話し合いがまとまらなかったんでしょう。また一本化もむずかしいっていうんでしょう。そうすると、あと取り残された小さな市町村のほうの組合の赤字が出てくるけれども、それはどうするのか。具体的に、国庫のほうで補助するのか、あるいはもう一気にばさっと料率を上げちゃって健全化をはかれというのか、その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/26
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027・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) その点につきましては、お話にございました国庫負担の問題も一つの研究課題と思いますが、これにつきましては地方公務員共済組合だけの問題ではございません。国家公務員共済組合、その他の共済組合にも通ずる根本問題になりまするので、これは別途、臨時医療保険審議会を御提案いたしておりますが、これができましたならば、そこで根本的な検討をしていただいて、その結論を待って政府全体として対策を考えてまいりたいということでございます。
しかし、それと別に、当面の市町村職員共済組合につきましては、先ほど申しました自治省の試案というものが、一応完全な了解まで得られませんでしたけれども、私どもは引き続き、この考えを捨てておりませんので、なおこの案をもとにいたしまして、関係団体とも相談をして、結論を得るようにしてまいりたい、かように考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/27
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028・原田立
○原田立君 大体同じような内容になると思うのですが、市町村の地方共済ですね。それと指定都市ですか、指定都市というとちょっとことばは違うけれども、同じ県の中でも、六大都市以外の都市で、大きな都市ですね、それだけの地方共済と、それからそれ以外の小さな市町村のと二通りになりますね。やはり中心の都市は、市町村は、給与もいいであろうし、内容もいいであろう。そのかわり、いわゆる逆の小市町村ですね、そっちのほうは給与も低いだろうし、共済の内容も悪いだろうし、そこで先ほどもちょっと質問したのですけれども、同じ市町村職員でありながら、そういうアンバランスが非常にある。だからいわゆるそれを県なら県段階で同じ一本にしていくようなことはできないのかどうか、考えはないのかどうか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/28
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029・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) 現在市町村を対象といたしました共済組合としては、お話のございましたように指定都市については各指定都市がそれぞれ指定都市共済組合をつくっております。それからそのほかの市町村につきましては、府県単位で市町村職員共済組合をつくっております。ただ従来の沿革もございまして、大体中都市くらいの都市が多うございますが、それらの中では、その市町村職員共済組合に入らないで、自分の都市あるいは類似の都市で連合して共済組合をつくるということも認められておりますので、市町村職員を対象といたしまする共済組合が三種類あるわけでございます。その中で一番財政上困難を来たしておりまするのが一般の市町村を対象にいたしました市町村職員共済組合でございます。
そこでまあ先生のお話では、その財政状況の悪い一般の市町村を対象にした市町村職員共済組合と、指定都市なり、あるいは都市だけでやっている都市職員共済組合と一本にしたらどうか、こういうお考えだと思います。私は、これはまあ一つの御意見だと思います。そういたしますれば、全体として財源率も相当低くなろうと思います。ただ、先ほどもちょっと申し上げましたが、なかなかそういうことにしようということになりますると、現在低い財源率で済んでいる、言いかえますと、職員にとってみますと低い掛け金で済んでいる共済組合が反対をするわけでございます。しかし、まあ共済の本来の趣旨から言いますと、お互いに助け合っていくわけでありまするから、先生のおっしゃいまするような方向に私は進むのが、大きな方向としては正しいと思いまするけれども、現実の問題といたしますと、なかなか一挙にはそうもまいりませんので、その点についてはなお自治省としてもいろいろ将来研究させていただきたい、かように思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/29
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030・原田立
○原田立君 訓育研究さしてもらいたいということですね、結論は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/30
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031・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) むずかしい問題でございまするので、いますぐ結論出さずに、ひとつ研究さしていただきたい、かような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/31
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032・原田立
○原田立君 ちょっとダブってお聞きするようになると思いますがね。先ほどのプールしていく案というのですね。それは、じゃあ、まだ自治省としては捨てていないんだと、ただ各関係地方団体の反対で今回は成案を見なかったんだということのような先ほど御答弁だったんですけれども、この自治省で考えているプール案ですね。これはたとえば大蔵省のほうとか、そういう政府内部のほうの関係では、その案はスムーズにもうすっと通っているということで考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/32
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033・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) この案につきましては、政府部内におきましては、大蔵省その他の関係省とも了解を得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02319660524/33
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034・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 本案に対する本日の審査は、この程度にいたします。次回は五月二十六日午前十時開会の予定でございます。
本日は、これにて散会をいたします。
午後零時一分散会
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