1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年六月二十一日(火曜日)
午後一時十九分開会
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委員の異動
六月十七日
辞任 補欠選任
山高しげり君 市川 房枝君
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出席者は左のとおり。
委員長 岸田 幸雄君
理 事
小林 武治君
沢田 一精君
加瀬 完君
原田 立君
委 員
小柳 牧衞君
高橋文五郎君
津島 文治君
天坊 裕彦君
林田悠紀夫君
占部 秀男君
鈴木 壽君
松本 賢一君
国務大臣
自 治 大 臣 永山 忠則君
政府委員
近畿圏整備本部
次長 上田 稔君
首都圏整備委員
会事務局長 鮎川 幸雄君
自治政務次官 大西 正男君
自治省行政局長 佐久間 彊君
自治省財政局長 柴田 護君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
説明員
自治省財政局指
導課長 及川 謙三君
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本日の会議に付した案件
○地方行政の改革に関する調査
(特別職の地方公務員の私企業への関与に関す
る件)
○首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のた
めの国の財政上の特別措置に関する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
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001・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
特別職の地方公務員の私企業への関与に関する件を議題といたします。
御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/1
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002・小林武治
○小林武治君 自治大臣に伺いますが、最近どうも地方公共団体の特別職の者が私企業等の兼職が非常に多い、こういう傾向を聞いておりますが、これについて大臣どうお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/2
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003・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 知事や副知事が会社等の役職を兼務しておるということに対しましては、当該府県に対して請負をする会社等については兼職禁止ということになっておりますが、その他につきましては、特別に法的な規制を受けてはいないのでございますが、しかしその職務遂行に支障を来たしたり、あるいは国民の良識に反するような多額な報酬を受けたりというようなことは、好ましからざるものであると考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/3
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004・小林武治
○小林武治君 自治大臣は、最近地方団体がむやみに何か出資をするとか、公社をつくるとか、そういうふうなことを盛んにやっていて、それに対してはいろいろ役員を出しておる。私はこれは非常に弊害が多いので、兼職そのものは私は禁止しろとは申しませんが、ああいう傾向はよろしくない。県が当然やるべき仕事を、やれ何とか社、何とか団というものをつくって、そしてそこへ県から直接役員を派遣する、こういうようなことは、県の責任を明確にする点からいうても私はよろしくない。したがって、ああいう会社をつくることはもとより、団とか社とか、こういうものをむやみにつくる傾向について、ある程度私は地方団体の反省を求めるのがしかるべきじゃないかと、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/4
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005・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 私は、本来役人をふやし、機構をふやして、役人国家にするということ自体に対しても、国・地方を通じて自粛をすべきであるということを主張をいたしまして、本年度予算編成にあたりましても、行政機構の変形ともいうべき、あるいは悪く言うならば行政の隠れみのというような状態であるかのごとき疑惑を受けるような、諸種の団体等をいたずらにつくるということは、厳に禁止すべきである、やらざるよう指導すべきであるということを強く主張をいたしたのでございます。
したがいまして、本年度政府の予算編成方針におきましても、公団、公社等、新しきものは原則的に認めない。なお、機構を拡大をいたす、あるいは増員をするという点についても、原則的にこれを自粛するという方向に進んでおりますので、地方に対しましても、そういう方向でいくべきであるということを強く指導してまいってきておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/5
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006・小林武治
○小林武治君 国がそういうことを自粛しておる。同様、地方団体もそれにならうべきである。こういうふうなお話でありますが、地方に対して何かそういうふうな勧告、注意をされましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/6
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007・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 私は、しばしばあらゆる機会でこれを主張をいたし、ことに理事者側の会合等、また各所に行きましてもこのことを第一義に主張をいたして、また、国もそういう方針であり、地方もそういう方針でいくべきであるということについての通達を自治省もまた出して、自粛を促したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/7
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008・小林武治
○小林武治君 通達を出しておりますか、現に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/8
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009・佐久間彊
○政府委員(佐久間彊君) ただいま御質問のありましたそのものずばりのことを通達いたしましたことはございませんけれども、財政運営の通達の際におきまして、そのようなことにつきまして注意をいたしましたこともございますですし、それからまた、東京都議会の問題に関連をいたしまして、交際費の起用等について自粛を促したこともございます。そのほか、ただいま大臣がお述べになりましたように、いろいろな機会に、大臣が上に立つ者の行動につきまして、自粛自戒するようにということを申されておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/9
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010・小林武治
○小林武治君 これはですね、大臣が言うたくらいではだめで、正式な通達でもはっきり出してほしい。そのものずばりといえばずばりの通達を出してほしいと思いますが、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/10
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011・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のようにそのものずばりで、公団、公社あるいは特殊会社等、種々のものをつくっていくというようなことについては、厳に慎しむように、今後通達を十分出し、指導する考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/11
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012・小林武治
○小林武治君 この際伺っておきたいのでありますが、いまの公団や公社どころではない、株式会社の営利会社に出資をして、そうしてその営利会社の社長とかあるいは取締役とか、こういうことを兼任、兼務をして、しかもこれに対して相当多額の報酬をもらっておる。こういう事実をわれわれは見聞きするのでありますが、そういうことにつきまして、大臣は御存じでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/12
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013・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 営利会社と申しますか、そういうような関係のものがあることを承知いたしております。この通達に対しましても、公団、公社あるいは特殊会社等はもちろんでありますが、ことに営利会社等に対して出資をいたしてやるようなことについては、さらに厳重に指導して、さようなことのないようにいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/13
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014・小林武治
○小林武治君 私は、いまの出資をしたり、むやみに団とか社とかというものをつくって、そうして県庁がやるべき仕事をそういうところにまかして、それによって背後において綱紀をある場合においては乱す、こういう相当な事実がある。もし大臣が知っておって、相当な報酬をもらっておることを知っておって黙っておるとすれば、私はこれは自治省の大臣として怠慢じゃないか。知らなかったとすれば、そういう事実があるということを私ははっきり申し上げますが、こういうことについて、この際私は、たとえば出資にしましても、あるいは社をつくり、団をつくるにしても、全部これは公金で、税金でできておる。その税金でできた、出資した、そういう公団に重役として入って、個人が報酬をもらうということは、これはとんでもない間違いだ。たとえ法律でこれを禁止しておるかどうか別として、非常なこれは綱紀の紊乱になる。こういうふうに思いますが、その点は大臣は同感であろうと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/14
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015・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 自己の負担において出資をせずに、県その他の地方団体が出資をいたして、そうしてその会社もしくは関係団体の責任的地位になっていく場合におきまして、報酬の問題は、これは国民常識に即応いたして考えるべきものであると思うのであります。これが一律に、全然報酬をいただくべきでないというようなぐあいに必ずしも断定はできがたいと思いますが、常識に反するようなことにならないように、自粛をいたすべきであると考えるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/15
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016・小林武治
○小林武治君 いま私はできたら、全国そういうのが各府県にもあるのですから、一度お調べを願ったらどうかと思いますが、ここへ調べて出せとまでは申しませんが、そういう事実がある。私はここで二、三名前を出してもいいが、それだけはきょうはやめておきます。したがって、ひとつ自治大臣が責任を持って、こういうことはよろしくないというふうに、厳に地方団体の自粛を求める、こういうふうな措置をとっていただけるならば、私はきょうはこの程度にしておきたいと思いますが、この点について、ひとつ大臣のお考えを伺っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/16
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017・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説の点については、十分ひとつ御趣旨のある点を尊重いたしまして、指導いたしたいと考えるものでございます。
すなわち、私は今日、地方の自治体というものが国民的信頼を得なければいけないということを強く主張いたしております。そのことは、大幅な財源及び事業委任をいたしまして、自治の本質を確立しようという場合におきまして一番大切なることは、理事者あるいは議会指導者等の人々が、えりを正すということであろうと思います。これが国民の信頼を失うような行動に出ることは、地方財源の確立の上においても、これは非常なる支障を来たすのでございまして、そこまで申し上げることはどうかと思うのでございますが、予算をやる場合におきまして、絶えず大蔵省との折衝の難点は、地方自治のあり方に対してもっと国民的信頼を得なければ、思い切って国の金を回すことは困難であるというようなことを強く事務当局も言っておるような次第でございますので、この指導者がえりを正すということに対しましては、今後厳に指導いたしたい。
その一環として、やはりこれらの公社、公団、その他特殊会社、会社等にその地位を得ましたところの関係者が、国民の常識に反するような報酬等を受けるということは、やはり厳に自粛をすべき重大なる問題であると考えますので、自治省といたしましても、よくその実態を調査をいたしまして、ケース・バイ・ケースによって、具体的にまたお説等を尊重して、指導に万遺憾なきを期するようにいたしたいと考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/17
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018・小林武治
○小林武治君 私は、自治省が地方団体のために、一生懸命に予算その他の、要求をされるのはけっこうだと思いますが、自治省というのは単なる自治団体の代弁機関であってはいけない。私は監督とは申しませんが、一生懸命に自治体の財政事情その他におつとめになるのならば、同時に自治団体も自粛して、いま、ときどきそのほかの問題でもいろんな問題において地方団体の腐敗が伝えられておる。そういうことについても相当に警告をするなり、あるいは反省を求めるなり、そういった面においても私は自治省の役目があろうと思います。そういう役目においてもひとつ怠ることのないように特に注文をいたしまして、私はきょうの質問はこれでとどめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/18
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019・加瀬完
○加瀬完君 関連して。いま大臣は、それぞれの判断は良識に待つべきだという御答弁があったわけでございますが、国家公務員でも地方公務員でも兼職は禁止されているというたてまえになっておるわけですから、特別職であろうとも、兼職というものはこれに準じてみずからやはり戒むべきことではないでしょうかね。それを特別職であると、いま小林委員の御指摘のように、兼職をするのが通例になっておるということは、これはいわゆる公務員としての良識には、はなはだ私は欠けてくると思いますが、この点はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/19
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020・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) 法律に抵触しないがゆえに良識に反した報酬等を受けるというようなことは、厳に慎しむべきであるというような考えでございまして、やはり兼職問題に関しましての報酬に関しては、一そうひとつ良識を持ってやるように十分指導いたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/20
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021・加瀬完
○加瀬完君 それから地方の公社、公団あるいは協会といったようなものは、その地方団体が債務保証をしている場合が多いわけですね。一方公営企業、これからかかりますが、公営企業なんかは独立採算制とか、あるいは財政の健全化というものをうたっておるわけですがね。一方、公社とか協会とかいったようなものになりますと、ある場合は貧弱な市町村団体のようなものでもこれに対して債務保証をしておる。こうなってまいりますと、これに赤字が生ずるときは、その債務保証を当然自治体が背負わなければならないということにもなりかねないわけでありまして、これは一方において公営企業の健全化を進めている一方において、赤字が出れば私のほうで全部引き受けますよという行政をしておっては、どうにもならないと思う。この点はどうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/21
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022・柴田護
○政府委員(柴田護君) 債務保証の問題につきましては、法人の場合は自治大臣の承認が要ります。したがって、自治大臣の承認というものを通じて債務保証等の適正化と申しまするか、財政上支障のないようにということは行なわれるわけでございます。ただ利子補給その他の問題等につきましては、御承知のとおり、御指摘のような財政全体を危殆におとしいれるような心配があるわけでございます。その辺につきましては、従来からも厳に注意をいたしてまいっておりまするけれども、なお財政全般の運営指導方針といたしまして、債務保証あるいは損失補償といったような契約を通して将来の財政を危殆におとしいれることのないようにという趣旨は、常時強く主張し、強く指導してまいっておるつもりでございます。しかし、現実におきましてそういう事態があることはこれまた事実でございます。今後とも十分注意して、まいりたいと、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/22
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023・加瀬完
○加瀬完君 この法人に対しまして自治体が債務保証をする場合の基準といいますか、あるいは限界というのがあるのですか。その自治体の財政規模なら財政規模に応じて、債務保証はどれくらいのワクといったようなものがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/23
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024・柴田護
○政府委員(柴田護君) 法律上特別のワクはございません。ございませんが、実態判断といたしまして、債務保証をせざるを得ないかどうか、それによって将来の財政にどういう影響を及ぼすかということを、その団体が持ちまする財政能力と相関的に判断をして扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/24
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025・加瀬完
○加瀬完君 この首都圏にも関係がありますがね、近郊都市では土地開発なんかに対しましても、協会あるいは公社等をつくりまして、これには議員が入っているところもありますね。理事者に議員も入っておる。そして利子補償をしておるわけですね。この運営が円滑を欠くときには、議員までがその理事者に入っておって、どこでチェックできますか。こういうことを許しておりますね。自治省ではどう指導なさっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/25
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026・柴田護
○政府委員(柴田護君) 財団法人をつくって、いわゆる公社、公団——まあ公社でございます。財団法人である公社をつくって、その役員の中に、先ほど来御指摘のございましたように、役員に関係者が入る、そしていろいろ問題を起こすということは御指摘のとおりでございます。これは、しかし押え方といたしましては、財団法人でございまして、この認可事務は具体的には知事にまかされております。したがって、なかなかそういう法的のチェックはむずかしいのでございまするけれども、私どもといたしましては、そういう方法によることは望ましくないということは、かねてやかましく言ってきている問題でございます。
債務保証をいたします場合には、先ほど申し上げましたように、自治大臣の承認というチェックがございます。しかし、その他の契約を結ばれたときにおきましては、これは押えようがない。具体的には、公式に申しますれば、これは議会における糾弾、議会における審査を通じて問題にすべきものでございますけれども、実際問題としては、その関係者が入っているわけですから、なかなかうまくいかない。自治省といたしましては、そういう形における公団の乱設ということは望ましくないということでずっと指導してきておるわけでございます。
ただ、そういうものができてまいります動因は、やはり資金面の不十分さと申し上げまするか、地方債資金が十分じゃない、そこで財団法人を通ずる一時借り入れ金の運転ということによって仕事を進めよう。いずれそれは、それらの仕事によってできまする宅地なり、なんなりというのが出るのだから、やがて回収できるのじゃないか。こういうところからくるのでございます。もとをただしますると、それはそれなりの、そういうものをつくって逃げようという一つの理由と申しまするか、というものが資金的な面であるというように考えるわけでございまして、したがって、今後そういうものをどうするかという問題につきましては、かねてから私ども内部では議論を重ねておりまして、一切そういうものを認めないという方針で、従来どおりの方針を貫いていくべきであるか、あるいはむしろそういうものをある程度ちゃんとしたルートに乗せて、そしてそれを正規の監督ルートに乗せたほうがいいんじゃないかという考え方もあるわけでございます。いずれを是とするか、もう少し議論を重ねてみたいということで、検討いたしておるわけでございます。
ただ、いままでの私どものとってまいりました態度は、そういうようなやり方ではよくない、そういうものはつくらぬようにしてほしいということでやってまいりました。しかし現実の自体を考えてみますと、その主たる動因が別個のところにあるといたしまするならば、そういうものの動因を無視して、一切それはだめだという態度をとるのも疑問があるのではないか。したがって、いずれは、どういう方法をとりまするか、その辺のところは、はっきりした措置をとってまいらなければならぬ。どうも、いままでのように、ただ公社をつくることは一切だめだという指導では、地方の実態に即したものが出てこぬのではなかろうかという感覚を持って、検討いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/26
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027・加瀬完
○加瀬完君 これで終わりますが、公社や協会がまるで不動産屋同然のことをしておって、いままでは土地の値上がりというのが急カーブで来ましたから、どうやら採算はとれて、あまり赤字にもならなかったでしょうけれども、かりに土地価格というのが安定する方向に政治的な方針が打ち出されて、一応いままでのようなぼろいもうけができなくなった場合は、自治体によりましては、全部見込み違いになりまして、赤字の原因にもなりかねないわけです。ですから、いままでそういう形で進んできたものは、相当地方自治体のワクをこえて財政負担になるような方向というものに対しては、ブレーキをかけていただかなければなりませんし、これからそういうもくろみをしようというものに対しては、もっと厳重なワクをはめなければ、これは自治体の財政措置ということからは当を失することにもなりかねないと思うわけで、これは個々の事例によっても内容が違いましょうけれども、十分監督をすると言いましょうか、指導をする方針は、もっと固めた、強いもので臨んでいただかなければ困ると思う。
これは希望意見になりますけれども、以上お願いをいたしまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/27
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028・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 本件に関する本日の調査は、この程度にいたします。
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029・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 次に、首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案を議題にいたします。
まず、先般提出の資料の説明を簡単に願います。自治省及川指導課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/29
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030・及川謙三
○説明員(及川謙三君) 先回の委員会でお求めのありました資料につきまして、自治省関係の資料から御説明申し上げます。資料はまっ白のものと、若干色のついたものがございますが、色のついたほうが自治省の関係の分でございます。
お求めのありました自治省関係の資料は、大きく分けまして三つございます。目次的に書いてあります。番上の紙に(資料1)、(資料2)、(資料3)と書いてありますように、1では、新産業都市建設並びに工業整備特別地域に対する昭和四十年度、これは初年度でございますが、国の財政特別措置の措置状況、これに関連しまして、新産と工特の建設整備事業の実施状況を、道県と市町村とを掲げてございます。第二には、今回の首都圏、近畿圏内の近郊整備地帯、地区、あるいは都市開発区域に含まれる地方公共団体の財政力指数の調べでございます。第三には、首都圏、近畿圏の特別措置の場合と、その措置がなされなかった場合、一般措置の場合の比較を、設例を設けて、図解でもって示しております資料でございます。
まず(資料1)の「新産、工特建設事業のうち特別措置対象事業の昭和四十年度実施状況と特別措置額」、 第一ページの表でございますが、これは道県、北海道と関係県の実施状況と、特別措置であります特別かさ上げしました地方債の許可額の関係を示した表でございます。末尾に掲げてございますように、合計欄で、総事業費が六百億円余でございます。そのうち補助基本額が五百九十二億余でございますが、国庫負担金、市町村負担金等の特定財源を差し引きましたそれぞれの道県の負担額の合計額が百七十一億でございます。この道県負担額に対しまして、利子補給の対象になります新産債は五十六億五千九百万という概算額を出しております。当然百七十一億一千五百万に対しましても通常充当率、事業種別ごとに違いますが、大よそ四〇%部分がすでに含まれておりますので、約六十二億ほど通常の地方債が充てられておりますので、その利子補給の対象になります新産債五十六億と六十二億ほどの合計額が長期の資金であります地方債でまかなうことになり、四十年度の税収その他のその年度の財源をもってまかなうべき部分を非常に少なく、いわば軽減をしている措置でございます。
次に、第二ページには、市町村の実施状況と、市町村の場合の特別措置の方法でございます国庫負担額のかさ上げ額につきまして道県別に掲げてございます。末尾の合計欄で総事業費は三百五十四億でございます。そのうち補助基本額が二百七十六億でございまして、その差は補助に対する継ぎ足し額に相当しておる額でございますが、国庫負担額のかさ上げにつきましては、補助基本額を基本にして計算をしておりますので、この補助基本額に応じまする市町村の負担額は百三十八億になっております。国庫負担額は百三十四億で、いろんな費用がこの中には包含されておりますが、大よそ五〇%の補助率になっておることがこの表で示されておると思います。これに対しまして十三億四千二百万のかさ上げが概算として見込まれております。国庫負担額の百三十四億五千百万円に対しまして、ちょうど一割に相当します十三億四千二百万ほどが昭和四十一年度国庫予算から清算的に関係市町村に交付される予定でございます。
次に、三ページに(資料2)としまして、首都圏、近畿圏のこの法案の対象地域内の関係地方公共団体の財政力指数の表を、都道府県別が三ページ、四ページに市町村の関係を記載してございますが、都道府県の財政力指数では、昭和三十八年度、三十九年度、四十年度の三カ年平均を一番右の欄に掲げてありますが、ちょうど山梨県が〇・二六、これは分母が、地方交付税算定に用います基準財政需要額を分母にしまして、その団体の基準財政収入額を分子にしましたもの、その分数の数値でございます。神奈川県、大阪府、東京都は、いずれも分子のほう、いわば収入のほうが上回っておりまして、一・三二、一・二二、一・一八と上回っております。それが地方交付税が交付されない不交付団体と称されております都府県でございます。この都府県につきましては、この法案の措置では、利子補給の対象になっておりませんし、利子補給の対象になりました山梨県以下兵庫県までの団体につきましては、この指数の高によりまして、最低二六%の山梨県には利子補給を三分五厘をこえて、公募の場合には八分まで、政府債の場合には六分五厘までの間を金額補給し、財政力指数が最高の交付と不交付の境目の一・〇に至るまでの段階の各県の利子補給の度合いを、この指数に応じて割り落とそうという、そういう算式に用いる財政力指数でございます。
次に、四ページでは、市町村の関係の数と該当の市町村名を掲げてございます。まず財政力指数の刻みとしましては、〇・三〇未満と、〇・三〇から〇・五〇まで、〇・五〇から〇・七二まで、この〇・七二は全国市町村の財政力指数の平均の指数でございますので、平均を一つの指標にとりまして、次に〇・七二から交付税の交付になるか不交付になるかの境の一・〇、それから一・〇以上というふうに区分をしまして、各欄のカッコ書きは、全体の該当団体数を百にした場合の百分比の指数でございます。かりに近郊整備地帯につきまして、首都圏の場合には、近郊整備地帯を見ますると団体数は十九になっております。そのうち〇・三未満あるいは〇・五〇未満はいずれもございませんで、〇・五〇から全国平均までの間にある市町村が五団体、全国平均の〇・七二から交付、不交付の境の団体が四団体、不交付団体が十団体、しかも比率が五三%で、半分以上不交付団体の市町村が含まれておる。それらの関係を示した表でございます。
以下四ページ、五ページには、近畿圏の関係を示してございます。
次に、六ページには、この特別措置法案による特別措置を講じた場合と講じなかった場合の比較を、(1)では都道府県の場合、(2)では市町村の場合を、設例を設けて掲げてございます。要点を申し上げますと、左の欄が特別措置を講じた場合でございまして、これは地方債のかさ上げをいたしますので、ちょうど右の図の講じなかった場合の地方債は六千百万円でございますが、特別措置の場合にはその上に五千四百万円の地方債を充当いたします。その結果、地方負担が一般の措置の場合には一億三千九百万要しますところを、特別措置の場合には三千五百万プラス五千万、つまり八千五百万円で済むことになります。そのほかに五千四百万円と四千六百万円の合計、ちょうど一億円が利子補給の対象にいたすという結果になります。市町村の場合には、ちょうどこの設例の場合には、計算方式上引き上げ率が一・一八、一割八分増しになるわけでございますが、一般の措置の場合には、総事業費が三億かかります場合に、地元負担が一億円要するという場合に、特別措置を講ずることによりまして、二億に対する一割八分増しの三千六百万円がかさ上げで翌年度清算交付されますので、当該年度は一億を出しておりますが、翌年度三千六百万交付されますので、実質的にはその事業に対する地元の負担が六千四百万円で済むというその関係を示した表でございます。
次に、別刷りで「道路事業等のために農地を買い取られる者に対する営農対策について」という資料がございます。これはまっ白い三枚つづりの資料でございますが、道路事業等のために農地を買い取られる者に対する営農対策についての資料を提出をするようにという御指摘でございましたが、自治省、首都圏整備委員会事務局、近畿圏整備本部、三者でいろいろ現在まで政府におきまして、この表題に関する方針あるいは要綱的なものを検討いたしました結果、政府として今日この表題に関連する正式の政府施策の実施にあたってその準拠しておる要綱は次に掲げたものとしまして提出をいたした次第でございます。これは損失補償基準要綱を掲げてございます。
次、その末尾にとじてございますものが、首都圏内の各都県の農林漁業にかかる振興計画の、現在各都県で持っております計画の事業費を集積した表でございまして、それぞれの県におきましては、農林漁業の振興のために一千六百四十億の総事業費を計画をいたしてございます。その計画期間は若干まちまちでございますが、計画期間も、それぞれの事業別に示して、参考までにこれを資料に追加をしてございます。
以上、簡単でございますが、説明といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/30
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031・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 次に、首都圏の鮎川事務局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/31
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032・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 首都圏整備委員会から提出いたしました資料について簡単に御説明申し上げます。
資料といたしましては、「首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯等の整備のための国の財政上の特別措置に関する法律案関係資料」というとじた資料によって御説明いたしますが、項目といたしましては、第一は、「上水道、下水道の概況」、「義務教育施設の概況」、「福祉施設の概況」、「首都圏における水資源について」、「鉄道路線の現況」、この五項目でございます。
まず第一に上水道、下水道の関係でございますが、これはまん中の表で御説明申しますと、近郊整備地帯と都市開発区域に分けて掲げておりますが、近郊整備地帯の行政区域人口が六百万余人、これに対する計画給水人口が五百三十九万、給水人口が三百九十三万人、都市開発区域においては、行政区域の人口が百七十一万余人、計画給水人口が百十六万余人、給水人口が七十九万余人、こういう状況でございます。
次に下水道でございますが、下水道は一ページの下のほうに、これは面積で掲げておるわけでございますが、行政区域が近郊整備地帯で六十六万七千ヘクタール余でございます。これに対して市街地面積、これは一定の基準によって市街化されている地域の面積でございますが、二万九千六百六十三ヘクタール、排水区域の面積が三千四百十四ヘクタール、下水の処理施設の設けられております処理区域の面積が八百九十ヘクタール、次に、都市開発区域でございますが、行政区域面積が十七万九千ヘクタール余、それから市街地面域は五千二百十七ヘクタール、排水区域面積が九百二十三ヘクタール、処理区域の面積が四百三十三ヘクタールでございます。
次に義務教育施設の概況でございますが、これも近郊整備地帯、それから次に都市開発区域に分けまして掲げておりますが、まず近郊整備地帯につきましては、二ページの一番下の欄を見ていただきますが、ここに総数を掲げております。小学校につきましては、枚数が二百五十六、教室数が五千三百十四、学級数が四千八百九十一、生徒数が十八万九千五百六十一、中学校が、校数が百四十、教室が三千二百二十四、学級数が二千二百九十三、生徒数が九万五千二百八十七人。次に都市開発区域も、小学校、中学校に分けまして四ページの下に総計を出しておりますが、これは省略さしていただきます。
次に福祉施設の概況でございます。これは社会福祉事業法に基づく各福祉施設の概況を近郊整備地帯、都市開発区域に分けまして掲げておるわけでございまして、一番上の欄に、児童福祉施設と保護施設、老人福祉施設、身体障害者更生援護施設、婦人保護施設、精神薄弱者援護施設、社会福祉事業法による社会福祉施設、総数、こういうふうに掲げておりまして、合計の欄でごらんいただきますと、この施設の総数は、この近郊整備地帯数と都市開発区域の合計でございます。それに定員と現在員、なお、このカッコの数字、カッコ外の数字は、カッコの数字は一応定員を掲げておるわけでございます。カッコ外の数字は現在員でございます。ただ、これは資料のとり方によりまして現在人員のわからないところは定員を掲げておるわけでございます。そこで、そういう点で二つの数字を用いておるわけでございます。この概況は、この一番上の合計欄で掲げておるとおりでございますので、説明を省略さしていただきます。
次に首都圏における水資源の問題でございます。これは先般も申し上げましたように、水の関係の資料につきましては六ページの一番下にございますように、首都圏整備委員会が水の問題について委員会として仕事を、権限としてはっきりいたしましたのは、首都圏整備法の改正によるものでございまして、これは昭和四十年六月——昨年の法律改正によって入ったわけでございます。そこで、この改正後、首都圏整備委員会におきましては、まずその調査をする必要があるということでございますが、この六ページの上段におきましては、昭和四十一年度におきまして、ここに掲げておりますように、首部圏整備に関する水の供給体系を確立するために、四十一年度の調査予定といたしましては、首都圏の賦存水源に対する調査、用水の使用状況等に関する調査を実施いたす予定でございまして、実はこの調査が完了いたしませんと、この前お話ございました首部圏の水の状況はどうかという資料は提出いたしかねるわけでございます。そういう状況にあるわけでございます。これは三カ年ないし四カ年の計画で調査を実施いたしたいと考えておるわけでございます。
ただ七ページには、すでに関係各省におきまして水の計画あるいは水資源開発計画を実施いたしておるわけでございまして、それを掲げたわけでございます。ここに掲げておりますのは、経済企画庁におきまして、水資源開発促准法に基づく水資源開発基本計画をつくっておりますが、その開発計画の内容の概略でございます。
まず、これについて簡単に申しますと、第一は、昭和四十五年度における利根川水系における水の用途別の需要の見通しはどうなっておるか、こういう点でございます。上水道用水が約毎秒五十立方メートル、工業用水が約毎秒三十立方メートル、農業用水が毎秒約四十立方メートル、合計百二十立方メートルが必要である。こういう需要の見通しをいたしまして、これに対する供給といたしましては、その七ページの下にございますように、現に工事中でございます矢木沢、下久保ダムあるいは神戸のダム群、さらに利根川河口せき、あるいは霞ケ浦、印旛沼における湖沼の開発、こういうことを行なって毎秒百二十トンの需要に対して対応しよう、こういう計画でただいま進んでおるわけでございます。
次に、八ページでございますが、地方鉄道の状況というお話でございましたが、八ページ以下に近郊整備地帯及び都市開発区域におきます国鉄、私鉄に関する鉄道名、線名、区間等を掲示いたした次第でございます。この詳細については説明を省略させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/32
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033・松本賢一
○松本賢一君 字がわからないところがあります。六ページの賦存というのは何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/33
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034・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 賦存と申しますのは、首都圏に現に存在する……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/34
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035・松本賢一
○松本賢一君 既存というのとは違うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/35
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036・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 大体そのように考えていただいてけっこうだと思いますが、現にあるものという……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/36
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037・松本賢一
○松本賢一君 どうしてこんなむずかしい字を使うんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/37
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038・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) これは、こういう水の資源のときには、関係者は比較的こういう賦存水量というのを使っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/38
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039・上田稔
○政府委員(上田稔君) 近畿圏に提出をするように求められました資料について御説明を申し上げます。
「水資源の開発について 近畿圏整備本部」という資料がございます。近畿圏の水事情につきましては、やはり首都圏と同じように、急速に増大することが予想されまして、特に地下水源の取水が地盤沈下に影響を与えるという区域が非常に多うございますので、河川、湖沼水源による依存度がますます大きくなってきております。したがいまして、農業用水等の確保をはかりながら上水道、工業用水等の需要に対処するために、農業水利の施設の改良、また上水道供給の広域化、工業用水の回収水の利用、工業用水道の普及等、水利用の効率を高めまして、積極的に水資源を開発して、河川水の供給量の増大をはかるようにいたしておるわけでございます。
まず、地域別に申し上げますと、この淀川地域は一番水不足に悩む場所でございますが、これにつきましては、水利用の合理化をはかるとともに、琵琶湖の総合開発を主体に、淀川の上流、また猪名川等の多目的ダムの開発、これを促進をいたしまして、供給を確保いたさなければならないというふうに考えております。特に琵琶湖につきましては、近畿圏におきまして最も貴重な大きな水源でございますので、これをぜひ開発をさせていただきたいというふうに考えておりますが、琵琶湖はまた地区住民の方々ともう何百年、何千年という間、ともに生きてきておられるものでございますし、生活上に非常に強い結びつきがありますので、その地方の総合的な開発を考えていかなければならないと考えております。
京都地域の用水の新規需要は、主として疏水の用水配分の調整を行なうほか、淀川上流のダム開発であるとか、あるいはまた宇治川等から取水をはかるというようなことを考えていきたいというふうに考えております。琵琶湖湖畔につきましては、琵琶湖の総合的な開発、琵琶湖に流入する河川の上流におきます多目的ダムの開発、また琵琶湖から取水する用水施設の改良等というものをやっていきたいというふうに考えております。
それから、そのほかの開発地域等でございますが、播磨地域であるとか紀北地域及び奈良地域等につきましては、工業用水と上水道の需要が相当多うございますので、多目的ダムの建設であるとか、他水系からの導水をはかっていきたい。
なお、北伊勢地域にありましては、木曽三川に依存する地域でありますので、その一環として考えていきたい、こういうふうに考えております。
需要の見通しにつきましては、次の別紙に書いてございますが、四十五年度におきましては五十五トン余りでございます。これは経済企画庁でいま考えておられます淀川下流の水需要のフルプラン、まだ案でございますが、それによったわけでございます。五十年度に至りましては、それがさらに八十トンにまでなる見込みでございます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/39
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040・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) 質疑のおありの方は、順次発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/40
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041・加瀬完
○加瀬完君 ただいま審議中の法律案は、首都圏及び近畿圏の近郊整備地帯の整備実施の円滑化をはかるということが目的ということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/41
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042・柴田護
○政府委員(柴田護君) 首都圏及び近畿圏の整備計画によって事業が行なわれます場合におきましては、それに伴いまして、関係地方公共団体の財政負担が急増いたすととが予想されますので、これに対する財政援助の方式を確立をいたしまして、整備事業の円滑をはかりたい、かような考え方に立っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/42
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043・加瀬完
○加瀬完君 それは、局長さんの御説明のように、これから首都圏なり、近畿圏なりというのは発展をして、整備事業がこれに伴っていくというならば、おっしゃるとおりでけっこうですよ。しかし、実際は近畿圏なり首都圏なりというのは、ある程度自然発展をしてしまって、財政上種々の問題が起こって、これに追っかけてこういう方法がとられているということになるわけでしょう。とられたということになるわけでしょう。で、このような方法をとらなければならなくなりました、自治体自体では発展の財源をまかない切れない、その円滑を欠いている一番の問題点は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/43
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044・柴田護
○政府委員(柴田護君) 私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、やはり計面的に整備をはかっていくということがこの整備計画の目的だろうと思うのでございます。計画もなく、ただ適当に人が集まり、工場が集まってきて、いろいろ、何らの整備と申しますか、そういう面の配慮なくして、ただむやみやたらに発展をしてきた、その結果いろいろ過密都市の問題が起こってまいりましたし、また周辺都市の無秩序な発展が起こるということになるわけでございますので、そういうことのないように整備計画を立て直して整備をしていくというところに、この首都圏及び近畿圏の整備の基本的な目標があると思うのでございます。
したがって、まあいろいろ御指摘のように基本的原因といいますれば、いろいろ問題が行財政両両にわたってあると思うのでございますけれども、やはり基本にはそういう整備計画というものの計画的な処理といいますか、そういうものの配慮が欠けておったということに大きな原因があるのであろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/44
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045・加瀬完
○加瀬完君 首都圏関係の方に伺いますが、人口集中地区の都市化進行率というものはどうなっていますか。これは先般総理府が発表しましたね。このまわりの一番激しい進行率の高いところはどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/45
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046・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) ただいまの御指摘になりました点につきまして御説明を申し上げます。
まず概括的に申しますと、首都圏の、まず全体の概況から申し上げますが、首部圏と申しますのは、これは一部七県になるわけでありますが、昭和三十年におきます人口が二千百四十五万人であったわけでございます。それが三十五年には二千三百七十八万、昭和四十年には二千六百九十六万、約二千七百万人でございまして、この間、この十カ年に相当首都圏全体として人口が集中いたしておるわけでございます。特にその首都圏の中におきまして集中の激しい地区は、概括して申しますと南関東地域でございます。北関東は、北関東と申しますと茨城、栃木、群馬、山梨をさしているわけでございますが、この十年間の人口はほぼ横ばいという状況でございます。主として人口集中の激しい地区は南関東でございます。その南関東の状況も若干各地によって差があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/46
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047・加瀬完
○加瀬完君 都市を言ってくださいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/47
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048・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 都市と申しますと、たとえば近郊整備地帯には百六十五の市町村がございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/48
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049・加瀬完
○加瀬完君 質問をよく聞いてください。人口集中率といいますか、あるいは都市化通行率といいますか、その激しい都市を一、二あげていただけばいいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/49
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050・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 首都圏におきましては既成市街地といたしまして、東京都と神奈川、川崎などの地区を既成市街地といたしまして、その周辺の地域をこれを今度近郊整備地帯といたしておるわけであります。全般的には近郊整備地帯に周辺の人口が相当ふえているわけでございますが、特に東京周辺の各地域は、特にその人口の急増がはなはだしいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/50
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051・加瀬完
○加瀬完君 そんないいかげんなことを言っているから結局その対策があいまいなものになるわけです。内閣の統計局でも発表しているでしょう。しかも三十五年の国勢調査に続く本年の国勢調査によりまして、人口集中地区という、まあ総人口五千以上の密集市街地にどれぐらい都市化進行率が変化したかという調査が出ているわけです。どこでどれくらい人口がふえた、都市化が非常に激しいから首都圏整備としてどういう仕事をしなければならないという基本調査がなければ、対策も何もあったものではないでしょう。県にしたところで、千葉県は五九%、埼玉県四七・三%、神奈川三一・七%というふうにふえておりますね。まあ調査がなければそれは聞きません。どうしてこれはふえたのですか、原因は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/51
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052・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) いま御指摘のように、東京と神奈川、埼玉、千葉、この地区に人口がふえておりますが、そのうちで一番ふえた率の多いのは神奈川、それから埼玉、神奈川が二八%、埼玉が二四%、千葉が一七%、東京は一二%、こういう状況でございますが、そのふえた中身を見ますと、東京は依然として人口はふえておりますが、その人口の集中の中身は自然増加が大体多いわけでございます。七割五分程度が自然増加で、あとの二割五分が社会増、その他の各県——南関東の各県は社会増加が七割五分で自然増加が二割五分、こういう概括的に申しますとふえ方をいたしております。
そこで東京に一度入った人口がこの周辺の地域に非常に急激な勢いで出ている。土地の問題、またいろいろの事情があるかと思いますが、南関東に集まるのは、過去におきましては東京中心であったわけでございますが、東京の最も中心部は、御承知のように必ずしも人口はふえていない。東京中心部はふえていなくて、東京の人口増加の内容も、周辺地区の県の状況とは変わっている。そこで周辺地区に急激にいま人口が増加をいたしておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/52
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053・加瀬完
○加瀬完君 それは増加をしたということで、原因ではないわけでしょう。あなたの数字はどういう数字か知りませんが、内閣統計局によりまして、三十五年と四十年度の国勢調査を比較しますと、都市化進行率の一番高いのは千葉県の五九%、それからさっき申しました埼玉、神奈川という順序になっていますよ。しかし他の二十五県では人口が減少しているのですね。たとえば岩手、佐賀といったところは人口集中地域の人口すらも減っているのですよ。そうなってまいりますと、一体、人口が一方では減っている、一方では非常に人口がふえている、この原因は何だというものを究明しませんければ、首都圏整備という問題からいっても、本質的なものは解明できません。この原因は何だと思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/53
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054・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 人口増加の原因、特に大都市における人口増加の原因等につきましては、いろいろな学説もあるくらいで、非常に複雑な内容になっているわけでございますが、また、その点につきましては、私どももさらに専門委員会等を設けまして、その詳細な内容をいまきわめようといたしておるわけでございますが、きわめて概括的な大ざっぱな表現で恐縮でございますが、大都市の人口増加というのは戦前からの状況でございまして、各国とも都市におけるいろいろな諸要因、特に経済的な所得が高いとか、文化的な水準が高い、その他社会的ないろいろの諸事情等、こういう諸事情がありまして、特に首都圏の場合は政治、経済、文化の中心になっており、特に人口を吸収するいろいろな諸要因が重なっております。そういう諸要因によって人口が特に戦後においては増加を著しくし、またこの最近十カ年はその傾向が高まっている、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/54
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055・加瀬完
○加瀬完君 人口減あるいは人口増の理由は、所得に原因がございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/55
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056・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 所得も大きな原因であるかと思いますが、結局生活水準が高い、あるいは所得が多い、あるいは生産活動が活発だという、いろいろな原因が、先ほど申し上げましたようないろいろな原因が複合いたしておるのではないか。何か一つあるということではなくして、いろいろな原因が重なり合っているというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/56
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057・加瀬完
○加瀬完君 中学校の社会科ではないですから、あいまいなことを言っている限りは首都圏の問題は解決できませんよ。首都圏の委員会ならば、もう少し何が原因だという本質的なものの究明ができていると思ったのですが、まことに意外です。所程の低いところが人口が減っているという具体例を私はここに持っております。全国で都市化の進行率の最も高い千葉県の知事が、最近地域別県民所得というものを発表いたしまして、この発表に際して、所得水準は向上したが、地域別格差はますます拡大していると言って種々の統計をあげております。それによりますと、所得の低いところは人口が減っているのです。所得が高いところは人口がふえているのです。これは内閣の統計でもそうでしょう。昭和三十八年の全国平均を一〇〇とすると、東京のように二〇〇近く上がっているところもありますよ。神奈川は一六〇、大阪は一七五・七、これに対して、十八都府県が平均以上でありますのに、十七県は平均以下です。平均以下のところはやはり人口が減少をしておりますよ。
しかし、時間を急ぐ関係上、一番最近の昭和三十九年度の地域別県民所得というものを千葉県が発表しました。それによりますと、非常に格差がある。最高は東京湾内湾地帯で、これは最低の二・五倍を示しております。内湾は前年伸び率二四・二%でありましたものが、三十九年には三〇・六%というようにふえております。ところが一方はそれに対して五・四%というように低いのです。低いところは人口も非常に減っている。結局所得が低いところは生活ができないのですから、所得を得られます生活のできるところに移動をする。この地域格差がますます大きくなっている、こういうことを統計で説明をしているのですけれども、首都圏の関係から見てもこういうことが言われませんか。所得の低いところから、結局自然増ではない、社会増によって人口が移動するところに人口がふくそうする原因があるというお見立てはなさらないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/57
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058・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) 確かに御指摘のように所得の格差、所得の多いところに人が集まるということは一つの大きな原因であるかと考えられますが、先ほど申し上げましたように、それだけが大都市集中の原因かどうかにつきましては必ずしも一がいに言えないいろいろな問題があるかと思っているわけでございます。首都圏における過去の十年くらいに、どういう地域から人口が集中をしているかというところを調べたところによりますと、大体東北、北海道、さらに九州方面からの人口移動が特に多くございます。なお、ほかの大都市間の交流もあるわけでございますが、大都市間の交流は転入、転出がほぼ大体似たような数字になりますので、これは移動だけでございまして、社会増の大きな原因は、先ほど申し上げました地域からの人口が多いわけでございまして、その原因は、確かに御指摘のような点も大きな原因があるかと思いますが、さらに政治、経済、文化、特に学校が多いとか、そういう文化的な施設がほかより整っているというようないろいろな点もございます。政治の中心であるというような点もございます。必ずしも所得だけでは、人口集中の決定的な原因であるとは言いかねると思いますが、非常に大きな原因になっているとは考えられるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/58
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059・加瀬完
○加瀬完君 政治の中心であろうが、何も百姓が全部政治に関係するわけじゃないですし、百姓で生活が立つのに、東京へ来て商売しようということになりませんよ。あなたがおっしゃる、東北から非常に首都圏に入ってくるのが多い。昭和三十八年の一人当たりの所得は大体二十万円程度になっております。東京は三十四万円、これに対しまして岩手は十三万五千円、青森は十三万六千円、秋田は十三万二千円、九州の長崎は十三万、鹿児島は十一万、鳥取、島根は十二万九千円ということになるのですよ、個人所得。この個人所得の低いところにやはり人口の減少が起こっている。それで、個人所得の高い東京三十四万、大阪三十万、神奈川二十七万というところに人口移動が行なわれているでしょう。
経済原因に人口移動の大きな理由があるという見方は、これはそういう見方をしなければ、この首都圏の問題は解決できない。これは何も首都圏の事務局長の責任ではございませんが、ここに見方を置かなければ、首都圏なんかどんなにいじったって、地方がだんだん疲弊してくれば、首都圏だけでは間に合わないで、幾らでも人間がふえてくるのです。それをかぶって首都圏のワクの中の市町村は四苦八苦をする。それでいまこういう財政措置をしてもらう——してもらったところで解決できるかどうかはあとの質問に移しますが、解決できません。問題は、首都圏にこう人間を集めなくてもいいような経済状態というものを国策として立てなければ、問題の解決になりませんよ。大臣、これはどう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/59
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060・永山忠則
○国務大臣(永山忠則君) お説のとおりでございまして、数字は違うかも存じませんが、過去十年間に重工業、産業部門の近代化のために集中されました金額約四十兆円といわれておるのでございますが、地方の農村関係に投ぜられました費用は五兆円ぐらいではないかと、数字には自信を持っておりませんが、私はそういうようにいろいろの点で想像いたしておるのであります。したがいまして、地域間の格差が非常に多く出まして、そして所得が一そう不均衡となり、さらにまた大都市への集中度が強まってきておるのでございますから、この基本的原因を排除しなければ解決するものではない。
したがいまして、集中しておる都市の再開発、またさらに開発を要するところには思い切った開発をやる。それには政府の援助を得なければできない。公共事業並びに中小零細企業者並びに農業、山村の産業振興に思い切った政府が政策をいたしまして、地域間の格差を是正し、さらに大企業と中小企業の断層を、これを是正をいたして、都市と農村の所得均衡を目ざす抜本的な施策をいたしまして、この問題を解決する必要があるのではないかというように感じておるのでございますが、お説のとおりであると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/60
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061・加瀬完
○加瀬完君 首都圏の方にも御認識をいただかなければなりませんが、勤労所得の割合の高いところは所得水準が高いのです。個人産業所得の割合の高いところは所得水準が低いのです。この問題を解決しませんければ、首都圏にしても近畿圏にしても、根本的な解決は私はできない。ですから、それらについてのこれは対策をお立てになる権限は、首都圏にも近畿圏にもないでしょうけれども、原因の究明は十分私は研究をしていただかなければならない問題だと思うわけです。
そこで、私、千葉ですが、千葉県における人口の動態調査を、首都圏の延長が激しくなってまいりました昭和三十三年と三十七年を比べて調べてみました九十四市町村のうち、人口減の市町村が六十一市町村、人口減の市町村が多いのです。ところが、ふえているほうは、その増加率を見ますと、千葉は六三%、市川が三五%、船橋五六、松戸七七、柏六七、習志野五九、八千代七三、流山六五、鎌ケ谷七四といったように五〇%以上ふえている市町村がたくさんある。これはお認めになりますか。こういう増加率を示しておる。いまと比較すればより激しいですよ。いわゆる首都圏が拡張し始めた三十三年と三十七年を比べてもこれだけの人口増がある。これはお認めになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/61
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062・鮎川幸雄
○政府委員(鮎川幸雄君) ただいまお話がございましたように、千葉県の東側は人口減でございまして、東京周辺の近いところは急激に人口増をいたしておることは御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/62
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063・加瀬完
○加瀬完君 これは自然増と社会増で比較をしてみると、自然増に対し社会増が沼南町は三十一倍、八千代町は六倍、鎌ケ谷六倍、市川、船橋、松戸、柏、習志野二・四倍から四・八倍、社会増が断然多いのです。これは自治省に伺いますけれども、こういった社会増を受け入れる一体財源措置というものがいままで完全に行なわれておったんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/63
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064・柴田護
○政府委員(柴田護君) 人口急増市町村に対しましてはいわゆる補正上、人口急増補正係数を使って措置をしてきているわけであります。その措置のしかたは、国勢調査の人口を使いませんで、住民登録の人口を基礎にして増加率を算定しており、それによって国勢調査人口を使いますことによる欠点を是正し、同時に増加人口に対処する公共施設整備の、むしろ地方債の償還財源といったような形で見てきたわけでございます。しかしそこらいろいろ問題がございまして、私ども常に再検討を迫られてまいっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/64
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065・加瀬完
○加瀬完君 これは財政計画で、昭和三十三年に対して三十七年の交付税国庫支出金の伸び率は、あるいは税の伸び率は、どのくらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/65
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066・柴田護
○政府委員(柴田護君) 税でいいますと、三十三年が五千四百億でございまして、三十七年が九千三百億、約倍でございます。それから交付税は、三十三年が二千二百億でございますが、三十七年は四千五百八十一億、これも約二倍でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/66
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067・加瀬完
○加瀬完君 税も二倍ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/67
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068・柴田護
○政府委員(柴田護君) 国庫支出金、大体三千九十三億が六千百八十五億、大体倍でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/68
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069・加瀬完
○加瀬完君 人口が一〇%増になりますと、歳出においてはどの程度の増ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/69
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070・柴田護
○政府委員(柴田護君) 詳細な計算をしてみなければお答えが正確ではございませんが、若干同率よりかやや落ちる程度だと思います。一〇%に対しまして一〇%弱、歳出の増加としてはそういう感じでございます。しかし、ところによりましては、そのふえ方によりまして急激にふえるということになりますと、逆に上回る場合も考えられ、平均してそんなものではないかと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/70
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071・加瀬完
○加瀬完君 先ほど例にあげました千葉県の人口集中率の激しい町村でございますが、八千代町におきましては、歳入増は四倍、その内訳は、地方税は三倍に対し、地方債の伸び率は十五倍になっておる。地方債を十五倍にして結局歳出とバランスを合わしておるわけですが、これは健全財政と言えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/71
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072・柴田護
○政府委員(柴田護君) おそらく地方債の十五倍というのは、学校あるいは衛生関係の施設であろうと思います。これは今日の財政措置のしかたでは、地方債を発行して、そうしてその償還財源に見合ったものは交付税で埋めていくという仕組みをとっておりますので、短期間をとりますとそういうことになるわけですが、特に団地等ができまして、非常に急激に施設を整備していかなければならぬというような市町村におきましては、こういつたような財政状態にならざるを得ないだろうというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/72
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073・加瀬完
○加瀬完君 それで、この人口増率の激しいところの自主財源増と歳出増とを比べてみますと、千葉市は自主財源は三倍に伸びましたけれども、歳出は四倍、市川は二・一に対して二・七、船橋は一・六に対して一・九、松戸一・九に対して二・七、柏一・八に対して二・六、習志野一・六に対して二・四と、歳出のほうが自主財源よりはるかにオーバーしているわけです。社会増が激しいために。しかしながら、これに伴って交付税なり国庫支出金なりというものが完全なカバーをしておりませんよ。そうすると、これらはどうしたって、いわゆる首都圏の影響による人口増のために、地方負担の赤字として残ってくる、こういう傾向がどうしてもあるだろうということはお認めになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/73
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074・柴田護
○政府委員(柴田護君) 団地等が非常に大幅にできてまいりますと、どうしてもそこに入ってまいります人間は勤労者が多うございますので、あまり大きな税源にはならぬ。それに対しまして、学校、上下水道、その他の施設は緊急に整備をしなければならぬ、それでどうしても歳出が非常にオーバーするということになろうかと思うのであります。したがって、お話のような千葉県、埼玉県の人口急増団体におきましては、御指摘のような傾向が出るだろうということは想像にかたくございません。いままでもそういうことに対していろいろ諸般の措置をとってまいりましたが、この措置が十分であるかどうかということにつきましては、先ほどお答え申しましたように若干問題がある。したがって、私どもも、団地の造成に伴う財政措置というものを問題として昨年あたりから取り上げまして、関係各省といろいろその改善につきまして折衝を重ねてまいっているような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/74
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075・加瀬完
○加瀬完君 その御努力のあらわれが、このたびの法案だと思いますが、財政力指数ということを問題にしましたね、一つの計算の基礎にしておりますね。しかし、財政力指数というものの一というものを一応健全財政といいますが、そういうめどにしたわけですね。しかし、いまは財政力指数が一以上であっても、さっき例をあげましたような、過去においては財政力指数は一以下であった、そういう団体が、いわゆる首都圏のための当該事業の地方負担額が、当該事業の、今度の計算の基礎になっている通常の負担額をはるかに超過している面が残っておりますね。これは今度のこれでは解決されませんね。いままで財政力指数が非常に低かったにもかかわらず、超過負担をたくさんやってきたという団体の超過負担分というものは、この法律では解決されないわけですね。将来は解決される一つのめどがつきましたけれども、いままでの分については問題は残りますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/75
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076・柴田護
○政府委員(柴田護君) その御議論は、新産業都市及び工業整備地域に関連する財政上の問題を論議いたしました際に、いろいろ問題になった点でございます。本来、公共投資をいたしまするならば、それに伴って何年か後においてはそれが返ってくると、つまり財政力指数が非常に少ない団体におきましては、それに対して非常に公共投資が行なわれました場合においては、これが将来財政力指数の増加となってはね返ってくる。したがって、そこで回収されているじゃないか、こういう議論があの当時あったわけです。
したがって、当時大蔵省当局の御意見でございましたが、国庫補助金のかさ上げ等は要らぬという議論、まあそれに対しまして、こういう措置をとりました根拠は、そうは言いながら、そのすべてが今日の交付税の仕組みでは返ってこない。つまり税がふえますれば、それだけのものは基準財政収入の増として差し引かれる。まあ、そういう問題もあるし、それから、公共投資というものが急速に短期間に行なわれるということになってまいりますると、どうしてもそれは全部が将来にわたって回収し尽くされるものとはいえぬのではなかろうか。かたがた、それが国家的な意味合いを持つ事業でございますれば、国としてそれに対して手をこまねいているわけにはいかぬだろう。そこに責任があるだろうということで、ああいう措置に移ったわけであります。
したがって、私の答弁は御質問と若干はずれたことを申し上げましたけれども、言わんとするところは、お話の点はわからぬでもありませんけれども、総合すれば、全部が全部過去においての投資が返っていないというわけじゃない。一部は返っているだろう。一部は御指摘のように残されているだろうというように思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/76
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077・加瀬完
○加瀬完君 私は、だからくれとか、だからどうだということではない。客観的に見て、結局、これからのものは一部解決をされても、いままでのものは一部残されると。おっしゃるように、一部は返ります。確かに。しかし、工場が来たとか、大きな財源が、何といいますか、新設されたり開発されたりすることなら返ってきますよ。しかし、人口二万か三万のところへ一万五千くらいの住宅公団が入っちゃって、これから上がる税収というのは、これは平均税収、個人平均税収よりも低いですよ。ところが投資は非常にかさむのです。そういう点がいままで非常にあって困っておったわけなんですね。そういうものは一部どうしてもこれだけでは解決できないという点は、私は残ると思う。
そこで、そうなってまいりますと、財政力指数一の団体であっても、現在一だから健全財政だとは言われない面が出てくるのじゃないか。現在は一になったけれども、これは再建法を適用された赤字団体みたいに、現在はどうやら黒字を維持したけれども、単年度黒字にはなったけれども、累積して計算すると、まだ赤字はたくさん残っているという団体もある。それらに対しても、現状の財政力指数一ということで押えていくとするならば、これはちょっと問題が残るんじゃないか。そこで伺いたいのは、財政力指数というものは、いままでのマイナス面を全部帳消しをして、それで一という認定をするのか、それとも現年度で押えて一という認定をするのか、どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/77
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078・柴田護
○政府委員(柴田護君) 非常にむずかしい御質問でございます。それほど財政力指数というものを中心にものを考えたわけではございません。ごくすらっと常識的に考えて、まあ交付税の行かないような府県なら利子補給を遠慮してもらってもいいじゃないか。東京や大阪に利子補給といったっておかしいじゃないか。しかし、その他の府県になれば、交付税ももらってるんだし、利子補給は、その財政の程度に応じて、財政の力に応じて利子補給したらよかろう、こういう考え方で、利子補給について、財政力指数に応じて曲線を引いたのであります。
市町村につきましては、お話のように、県と若干事情を異にいたしまするので、市町村につきましては、財政力というものは二次的に考えております。やはり事業量がふえれば、それに伴って地方負担がふえるのだ、それに対する国の責任というものを国庫補助率のかさ上げという形で解決をしたい。しかし、それもあまりにも財政力の強い市町村になってまいりますれば、やはり財政力に応じて遠慮してもらおうじゃないか、こういう考え方でございました。新産、工特と比べました場合は、工業整備特別区域の関係とか、開発地域の関係とか、首都圏、近畿圏とかの開発地域の関係は大体同じと考える。近郊ではさらに財政力が強いだろうということで、そういう考え方に立って補助率かさ上げの財政力補正を強めた、こういう事情でございまして、御質問のように、そう財政力指数というものを中心にむずかしく考えたわけではございません。しごくあっさりと常識的に考えたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/78
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079・加瀬完
○加瀬完君 そのあっさりと常識的に考えますとね、首都圏といっても近畿圏といっても、大阪の近郊の都市が好んで大阪の人口を吸収したいと言って、新しく近畿圏の衛星都市という発展が行なわれたわけではないと思う。首都圏にしても、首都圏の膨張によりまして、新しく人口増になった都市はね、みずからの都市計画や市の意思で人口の吸収をしたわけじゃないわけです。ひとりでにこう、好まないのにもかかわらずふえてきちゃった。それに一生懸命自己財源というものをつぎ込まなければならない矛盾を来たしている。
千葉県の友納知事は、これから公団一切入ってくるのはまかりならぬ——公団住宅の連中をつかまえて、おまえら入ってきたから、結局鉄道の問題やらなんとかいうやかましい問題起こったのだと言って物議をかもしましたけれども、結局、そういう自治体の首長ともすれば、言いたくもなる一面があると思うのです。その議論が正しいとは言われませんけれども、これは社会事情によって、首都圏というものを整備をする必要がありますから、あいているところに行くのは当然でありますけれども、受け入れるほうとすれば、受け入れてやるのだから、受け入れやすい方法というものをもっと講じてもらわなければ困るという考え方があるわけです。
したがって、それだけ事業量がふえたわけです。事業量がね。その都市固有の事業量じゃなくて、与えられた事業量がふえたわけです。これはね、事業量のふえた分はふえた分として、その地域の財政にかかわりなく、やはりそういう意味の交付金なり補助金なり、交付税なりというものが算定されなければおかしいと思う。財政力指数というもので、おまえのほうで出せる分はこれだけ出せる、足し前だけやろうと、法案によれば、それは割り落としをかけていくのですね。割り落としをかけられるほうは大きに迷惑する。好まないものに大いに事業量をふやされてしまって、それで同じようにもらえるのを割り落としをかけて割り引きされる、そういう矛盾が私は残ると思いますけれども、どうでしょう。
もう少し説明を加えるならばね、東京だって、あるいは千葉も、これは割り落としをもうかけられることになっていますけれども、千葉でも、その自治体としてしなければならぬたくさんの仕事があるわけですよ。余裕財源があれば、そういうところへ使いたいわけだ。しかし、一応余裕財源はストップで、首都圏の整備のほうにまず第一に振り向けなければならないということでは、これはちょっと筋が通らないと思います。これはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/79
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080・柴田護
○政府委員(柴田護君) そこは考え方と思うのでございますが、どこの市町村でも、住民が減ることにつきましては、これはさみしい思いがするわけでございますけれども、まあ、先生は、来てもらいたくないのにかってに来たとおっしゃいましたけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/80
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081・加瀬完
○加瀬完君 いや、私が言ったのじゃない、千葉県の知事が言った。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/81
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082・柴田護
○政府委員(柴田護君) どうも地元の市町村は、やはり歓迎する一面も持っているわけです。そうだからこそ、またいろいろ施設をつくったり、あるいは陳情したりするといったようなことが行なわれるわけでありまして、必ずしもすべて好まざるわけではないと思います。
しかし、その議論はともかくとしまして、来たものに対しましては、やはり必要な措置を講じなければならない。しかし、それは来た瞬間から、私どもはやはり、市町村自身の行政そのものになるだろうと思うわけです。しかし、その原因をたずねますれば、おっしゃるように、別の要因が加わってそういう行政の増加がきているわけでございますから、やはり交付税等におきましては、人口急増という面からつかまえて、割り増し調整をいたしますかたわら、公共事業につきましては、国も片棒をかついで、公共事業について負担をふやす、こういう措置をとった、財政力指数の高いものは力があるのだから、多少はその町の行政にもなっているわけだから、多少の片棒をかついでもらうことは、これはやむを得ぬじゃなかろうか、そういう考え方でございます。先生おっしゃるように、よけいなものが来たので、よけいな負担をかけるということには考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/82
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083・加瀬完
○加瀬完君 最初は、公団が来たり人口が移動してくることは、非常に歓迎をしておったわけです。しかし、いま歓迎をしている市町村がありますか、このまわりに。いまはみんな来てもらっては困るという態度ですね。それは人間がふえれば産業も興るし、平べったく言えば、売り上げも上がるし、それから税金も上がるし、地方財政も豊かになるだろうと思ったが、地方財政的には税金はあまり上がらない。買い物はみんな東京に行ってやってしまって、地元には金はあまり落ちない。要求することは激しくて、これに対する投資でもってもう目を回している。ですから、公団はもうまっぴらだ、首都圏の膨張で人間が入ってくるのはまっぴらだというのが、結局現在の首都圏の人口増に悩まされておる実情ですよ。局長のおっしゃるようにまだ歓迎したいというところは、私どもの知っているところではございません。はたせるものなら、いまあるものもどこかに、若干ののしをつけてもいいから持っていってもらえるものなら持っていってもらいたいという気持ちですね、首都圏というもので整備をしようというものであるならば、そういう既存の町村、市も含めて、市町村に犠牲を払わせてだけ首都圏整備をしようということ土台が、これはおかしいと思うのです。
あとで申し上げたいと思いましたが、一例を一つ申し上げます。これは千葉県柏市の団地に小学校ができました。三十九年に開設されまして、生徒は百八十六人でございます。一年生が一番多くて四十三人、五年生は二十三人というクラスで、百八十六人。これが四十年には七百三十九人にふえました。ことしは九百十八人、四十六年になりまずと三千二百九人にふえます。母子手帳あるいは出生した子供たちを全部推定いたしますと。百八十六人で、それだけしか学校の補助金もありません。しかし次には七百三十九人になりますから、それをもとにして市は金をつくって学校を建てなければなりませんよ。しかしこれは補助金は、七百三十九人は現状ないから来ませんよ。ですから、補助金をもらわない、校舎を建てていかなければならない。それでしかも、ここでは学校の敷地がございませんのに、将来は三つの学校を建てなければならないというのです。これでは市町村としてはやり切れないのです。ありがとうございましたと初め言っていたけれども、ありがとうございましたと言えなくなった。
ですから、これは財政力指数一じゃございませんけれども、かりに一になりましても、こういうものを返済していかなければならないわけですから、一でありますから、首都圏整備に伴うところのもろもろの補助が割り落としだということでは、この法律の趣旨が、いままで一番犠牲を払ったところに潤ってこないのです。それで、いままで一番ひどかった県は、これからはみんな警戒して、公団住宅なんかあまり求めませんから、また地価が上がってしまって、公団も出てこられませんから、費用をかけただけで、この恩典にはあまり浴せないという、そういう面が出てくるわけです。そこで、財政需要が異常に高いところは、財政力指数だけじゃなくて、先ほどの御説明にもございましたけれども、財政需要というものにもつとウエートを置いて、あまり割り落としをかけないということにこれは御考慮はいただけないもんですかね。県はとにかく、市町村などはね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/83
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084・柴田護
○政府委員(柴田護君) 国庫補助のかさ上げ分につきましては、先ほども申し上げましたように、国庫補助金をかさ上げいたしますし場合に事業量補正と申しまするか、事業がふえればふえたに従って補助金もかさ上げをしていくという仕組みをとっております。ただ新産と違いますのは、新産の場合に比べて全般的に財政力があるから、若干財政力の割り落としというものを新産の場合よりも少し強めにかけたということでございます。市町村の場合には、財政力が一以上だから一切かさ上げをしないということじゃございません。最低七・五%のかさ上げはあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/84
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085・加瀬完
○加瀬完君 年に三分五厘をこえ八分に至るまでに相当する部分の額について、財政力に応じて国が補給をするということですね、補給額。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/85
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086・柴田護
○政府委員(柴田護君) 利子補給は県の事業のことでございます。市町村には補助率のかさ上げをとっております。市町村につきましては、先生がおっしゃいましたような配慮をされてはおるわけでございます。県につきましては、ごく率直に言いまして、不交付団体の東京都や、あるいは大阪府、神奈川県といった不交付団体に利子補給というのは、金額も少のうございますし、おかしいじゃないか。むしろそれはやめたほうがいいだろうということで、県につきましては、不交付団体については利子補給をしない、こういうたてまえをとっておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/86
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087・加瀬完
○加瀬完君 市町村はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/87
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088・柴田護
○政府委員(柴田護君) 市町村の場合は国庫補助金のかさ上げでございます。国庫補助金を割り増としをする、こういうやり方をいたしたわけでございます。したがいまして、地方債におきましては、利子補給その他の問題は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/88
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089・加瀬完
○加瀬完君 そうすると、いままで地方負担額が一億であったものが、今度地方負担額がかさ上げで三千六百万減らされますから六千四百万ということに、一例をあげればなるという方式ですね。そうすると六千四百万というのは、しかしやはりこれは地方が負担をしなければならぬものですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/89
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090・柴田護
○政府委員(柴田護君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/90
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091・加瀬完
○加瀬完君 六千四百万は、地方自治体の責任でこれは必要支出として生まれてきたものでしょう。責任は一体地方にありますかね。社会増という、いわゆる首都圏整備という、自然といいますか、社会現象によって人口がふえてきたり、あるいは事業量がふえてきたりしたことで、その自治体みずからが六千四百万金を出して事業をしたいという、自治体固有の要求によってこれは支出さるべきものではない。出したくないで済むなら出したくない金を出させられていることでね。かさ上げしてくれることはわかりましたよ。三千六百万、まことにありがとうございますが、出さなければならない、六千四百万を出さなければならないという問題は一つも解決しておらない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/91
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092・柴田護
○政府委員(柴田護君) 国家が住民にそちらへ行けと命令したわけでもないわけでございます。その場合、全部動因が国にあるとも言えない。まあ最終的に見れば、政府自身の問題になるかもしれませんけれども、行政という形から見ますならば、やはりその問題に対する、そういう人口の急増という事態に対する措置といたしましては、やはり国も地方も一緒にやるべきではないか、一体となってやるべきものじゃなかろうか。したがって、国も全然責任を負わないというわけにはいかないのでございますので、国としては国庫補助金等をかさ上げをして責任をとったあとは、地方でやって、地方も協力してほしい、こういうことだろうと思うのでございます。
したがって、地方負担額そのものの問題につきましては、先ほど冒頭に申し上げましたように、今日の人口急増の問題がそれでいいかどうかという問題は、財源調整としてあると思うのでございます。したがって、そういうような問題をさらに検討いたしてまいりまして、こういう問題についての地方財政負担が過重になりませんように十分措置してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/92
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093・加瀬完
○加瀬完君 たとえば、公団を目のかたきにするわけじゃありませんが、公団ができると、しかも、その公団に入る人口というのは、まあ適切なことばではありませんが、生産年齢人口で子供がふえてくるのですよ。学校が大体各自治体の町内とか部落とかいうことになれば、社会増がなければ児童生徒の数というものはあまり変化がありませんけれども、公団は、さっきも言ったとおり、年々累増しますから、これに対して、学校施設一切はその自治体の責任でやれというところに、私は初めから無理があると思う。そういう公共施設というものはもっと国が、あるいは公団なりが応分の財源責任というものを持つべきじゃないか。またもこういう形にしても、これは五〇%以上どうしたって地方が持たなければならないことになりますよ。さっき局長も御説明のように、持っても、将来償還されてくる財源のめどがあれば、いま一億出したって、五〇%負担したって、それが六〇%になって返ってくるならば心配はございませんけれども、社会施設に対する投資というものは、それによって返ってくるというものじゃないんです。学校をつくる、病院をつくる、公団をつくる、道路をつくるといったようなものは、それによって返ってくるものじゃないですから、財源的には。だから、かさ上げというだけではこれは根本的な解決にならないじゃないか。また、ほんとうの意味の首部圏整備というのは、これは首都圏のほうの方にお考えいただかなければなりませんが、首都圏を整備する財源措置というものは、自治省のこういう既存の財源か何かにまかしておかないで、公団なら公団、あるいは政府機関ならこれから進出する機関というものに対して、やはり一応の責任というものを私は負わすべきだと思うのです。
いま財源がどんなに困っているかという点を申し上げますよ。三十三年と三十七年で次の都市では、この期間は、先ほど申しましたように、人口増のわりあいに大きかった時期でございますが、いま自主財源と歳出の伸びと比べてみます。千葉が自主財源が三倍に対しまして歳出は四倍、自主財源の一・三倍に歳出は当たります。市川は自主財源の二・一に対して歳出が二・七ですから一・三倍、松戸が自主財源の一・九に対して歳出が二・七、一・四倍、柏が自主財源の一・八倍に対して歳出は二・六倍、一・四倍、こういうように、自主財源が相当ふえてきただろうとおっしゃられますけれども、自主財源の伸びよりも都市化のために出さなければならない歳出というものが一・二倍ないし一・四倍というふうに大きいのですよ。その面は、これはほとんど地方債等でまかなわなければならないことになってくる。これは累積赤字というものが相当あるわけです。一つの団地なんかがくると、団地の付近の整備をするために、ほかのほうの整備ができないといういろいろの矛盾も生じてくる。これをたな上げにしたまま、今後の首都圏整備、近畿圏整備というものをやられても、やられないよりはいいですけれども、ほんとうの意味の首都圏整備にも近畿圏整備にもならない、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/93
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094・柴田護
○政府委員(柴田護君) 入ってくる人間の所得がどうなっているかということに関連があると思うのでございますが、御指摘になりました四市の財政状態は、おそらくこういうことになるだろうと思います。それはやはり、その間施設の整備を急ぎます必要がありますので、地方債発行をもって埋めているというのが実情であろうと思います。まあ、そういうやり方がいいのか、あるいはもう少しいろいろなやり方がないのかというようなことから、これもちょっと申し上げましたけれども、団地を造成する場合の財政措置として、今日の公団住宅等のやり方では十分じゃないだろう。したがって、これも御指摘がありましたように、団地とその周辺も含みまして整備ができる、市町村の一体性が確保できるというために、団地のつくり方、それに対する財政負担、それの市町村に引き継ぐ場合の引き継ぎ方といったようなことについて、関係各省と実は話を進めておるわけでございます。しかし、地方債の償還財源というものを考えてまいりますれば、やはり将来の問題といたしまして、こういったものをどのような形で基準財政需要の中に織り込んでいくかという問題が残されているわけでございます。財政力指数をはじきます場合には、人口急増補正の考え方によりまして財政力指数が変わってくるわけでございます。つまり、基準財政需要額がふえていくわけでございますので、そういったことを考えてまいりますと、基準財政需要額の算定そのものも問題が一つある。
で、一番問題なのは、人口急増補正というのをどういう形で合理化していくかという問題になるわけでございます。したがって、さらにそういうものを合理化をいたしてまいりまして、財政力指数との、何と申しますか、適正化といいますか、というものとあわせて、こういった人口急増市町村の財政が不当に圧迫されないようにつとめてまいりたい、かように思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/94
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095・加瀬完
○加瀬完君 そのいま御説明のありました人口急増補正と財政力指数との均衡というものが、私ははかられておらなかったと思う。先ほど伺いました三十三年度と三十七年度の交付税、国庫支出金も、大体二倍に伸びておる、税収入も二倍に伸びているというお話でございます。先ほどあげました各都市の自主財源と交付税、国庫支出金、地方債の比率を調べてみますと、千葉は自主財源が三倍になりました、交付税は一・七倍、国庫支出金は三倍、地方債は五倍でございますから、これは大体全国の平均にきておりますね。市川は自主財源が二・一倍、交付税は〇・七、七〇%ですね。国庫支出金は一・五、一五〇%、地方債が十一倍、これは比率がとれておりませんね。船橋は自主財源は一・八、全国より低い、交付税は〇・〇七、ただの七%に落ちている。国庫支出金は二、これは全国の平均、地方債は四、八千代町は自主財源が二・五、全国の平均、交付税も二・一、国庫支出金も二・三、しかし、あまりの膨張に、先ほども申しましたとおり、十五倍の地方債を求めなければならないという状態ですね。自主財源という点からいえば、確かに一応船橋では財政力が高くなりまして、交付税は七%に減るということになりましょうけれども、自主財源の平均から見れば一・八ですから、そう高くはない、しかも国庫支出金もそんなに伸びていない、ところが人口は非常に伸びている、そういった意味の事業量もふえているということになりますと、どうも私は人口急増補正というものが完全に行なわれておった。完全に行なわれておったというのは、地方団体が人口急増のために要する事業量をまかなうに十分な補正というものは行なわれておらなかったのではないか。補正の面でももう少し、これはかさ上げだけではなくて考えてもらう必要があるように思われますが、この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/95
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096・柴田護
○政府委員(柴田護君) 決して強弁するわけではございませんが、御指摘のような点がございます。それは人口急増市町村におきます施設の整備というものについて、地方債でともかく施設を整備しよう。そしてその耐用年数分のいわば減価償却額というものを補正係数に織り込んでいくという、こういうやり方をやってまいったわけでございます。したがって減価償却額と地方債の償還とが合わない場合には、ちょうど水道事業についていろいろありますような問題が起こってまいっておるわけであります。したがって、私どもも人口急増補正のやり方に問題があるのだということで、ここ二、三年来、この合理化についていろいろの検討を加え、年ごとに少しずつこういうものに改善を加えておる、こういう状況でございます。
なお、さらにこの間のギャップの問題につきましては改善をしてまいりたいと考えております。どこに問題があるかと申しますと、やはりその耐用年数に応ずる額、つまり減価償却費相当分を織り込むやり方と、現実の地方債の償還額とのギャップ、これをどんなかっこうでカバーしていくかというところに基本的な問題があるかと思うわけでございます。態容補正係数の基礎になります施設の耐用年数をきめます場合に、施設の建設費をどう組むかという問題と合わせまして、それに見合う地方債というものをどう見るか、そのできます施設の耐用年数をどう見るかというようなところに問題点があるかというように、現在のところ考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/96
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097・加瀬完
○加瀬完君 これで終わりますが、これは技術的に、何も特別に財源措置をしなくてもできることですから、御考慮いただきたいと思うわけでございますが、先ほど例に引きましたけれども、これは豊四季団地というものが柏市にできまして、そこの小学校が、先ほど申しましたとおり、三十九年には百八十六人で始まりましたものが、現状は、四十一年は九百十八人、四十六年には三千二百九人にふえると推定されておるわけでございます。それによりますと、教室は、来年は五学級でございますが、四十三年には十二学級、それから四十六年になりますと五十学級という不足を来たすわけでございます。しかし、五十学級不足を来たしたあとでなければ、四十七年でなければこの五十学級の不足分の校舎の建築というものは、やりましても補助の対象にはならないわけです。ですから、その何カ月間というものは、子供は仮教室みたいなところか、あるいは一学級にたくさん押し込むという形で授業をしなければならないということになる。
そこでこれをはっきりと、もういろいろな数字から学級増が見込まれるわけですから、それを毎年三学級、五学級とふやしておってはしかたがございませんから、将来の三、四年の先ぐらいまで、五年、六年とは言いませんが、見通して、そこに二十学級なら二十学級、二十五学級なら二十五学級というものを建てさせてもらって、それに建築補助の対象にしてもらうということになると、町村財政からも非常にいいというのですよ。そういう方法はとれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/97
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098・柴田護
○政府委員(柴田護君) ごもっともなお話でございます。公団の団地の中の学校につきましては、お話のような点は多少考慮に入れて、公団で代替策をいたしております。問題は、その他の市町村の場合に、そういったようなやり方を大幅に取り入れるかどうかという問題でございます。今日では残念ながら国庫補助金に対しましても、地方債に対しましても、そういう考慮はあまり払っておりません。しかし、これは先ほど御指摘のとおり、合理的なやり方とは私ども考えておりません。よく研究をして改善をいたしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/98
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099・加瀬完
○加瀬完君 ですから、首都圏整備とか近郊都市整備というもののワクの中に入ったところは当然人口増があるわけですから、人口増の何十%というふうにふえてくる激しいところは、やはりそういう措置を考えていただかないと、いまでは全くその首都圏の中に入れられたためにどうにもしかたがないという状態に追い込まれておりますから、これをひとつお考えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/99
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100・岸田幸雄
○委員長(岸田幸雄君) それでは本案に対する本日の審査は、この程度にいたします。
次回は六月二十三日午前十時開会の予定にいたします。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時二十六分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114720X02919660621/100
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