1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月十日(木曜日)
午後一時十二分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 田中 一君
理 事
植竹 春彦君
新谷寅三郎君
西村 尚治君
光村 甚助君
委 員
古池 信三君
白井 勇君
谷村 貞治君
久保 等君
野上 元君
横川 正市君
田代富士男君
政府委員
郵政政務次官 亀岡 高夫君
郵政省貯金局長 稲増 久義君
事務局側
常任委員会専門
員 倉沢 岩雄君
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本日の会議に付した案件
○郵便振替貯金法の一部を改正する法律案(内閣
送付、予備審査)
○郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣送付、
予備審査)
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001・田中一
○委員長(田中一君) ただいまから逓信委員会を開会いたします。
まず、委員長及び理事打合会の協議事項について御報告いたします。
本日の委員会においては、郵便振替貯金法の一部を改正する法律案、郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案の質疑を行なうことになりましたので、御了承願います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/1
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002・田中一
○委員長(田中一君) これより議事に入ります。
郵便振替貯金法の一部を改正する法律案及び郵便切手類売さばき所及び印紙売さばき所に関する法律の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/2
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003・野上元
○野上元君 この振替貯金が今度名称が変わって、郵使振替ということになるのですが、この改正をした動機というのは、明らかに、郵政審議会が昨年の十月二十五日に郵政大臣に答申したその意向によって変えられていると思います。したがって、その動機となった郵政審議会の答申に基づいて質問をしてみたいと思いますが、まず第一に、審議会のメンバーがここに書かれておりますが、これだけのメンバーをそろえて、常時、このメンバーは出席しておったのですか、その点をまずお聞きしてみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/3
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004・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 大体の委員の方々は御出席をいただいております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/4
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005・野上元
○野上元君 大体ではなくて、もう少し正確に言ってもらいたいのですが、最近、公共料金の値上げが社会的に問題になって、非常に論議されているのですが、国鉄の運賃にしても、郵便の料金にしても、あるいは貯金の利率についても、すべてこの答申に基づいて行なわれているという、非常に大きな特色があるわけですが、各種の審議会あるいは委員会というものは、非常にいま社会的にクローズアップされております。したがいまして、その内容をもう少し詳しく聞きたいのですが、この委員の中で、どういう方々が常時出席されるメンバーなのか、そのことによって答申の内容も大きく左右されると思うので、お聞きしたいのですが、もう少し詳しく説明してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/5
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006・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) このメンバーのうちで、ほとんど常時出られた委員は、浦島委員、小笠原委員、小野委員、大塚委員、川島委員、近藤委員、末高委員、鈴木委員、古川委員、平井委員、渡辺委員の方々は、しょっちゅう出ておられました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/6
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007・野上元
○野上元君 そうしますと、大体半数の方が出席されておって、半数の方はほとんど出席されておらなかったというふうに解釈してよろしいですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/7
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008・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) その他の委員の方々も、一度もお出にならない委員はございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/8
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009・野上元
○野上元君 わかりました。
それでは、もう一つ、審議会の問題について聞きたいのですが、この「為替貯金事業の近代化に関する答申」は、十月の二十五日に出されております。そうして、その内容を読んでみますると、昨年の八月三十日に簡易生命保険及び郵便年金事業の近代化について答申をされておるわけでありますから、その後この問題に取りかかったとして、約二カ月間審議が行なわれておるわけですが、この間に何回くらい審議されたか、お聞きしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/9
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010・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 私たちのこの近代化委員会も、保険と並行して最初に始めましたのは、昨年の六月二十五日でございまして、それ以後、七月に二回、八月に三回、九月に二回、十月に三回と、それだけ開催されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/10
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011・野上元
○野上元君 そうしますと、合計十回以上本問題について各委員の方は審議をされた、こういう実績を持っておると解釈してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/11
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012・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/12
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013・野上元
○野上元君 それから、この審議会の答申の中には、具体的な多くの提案がなされております。あなたのほうで十分それはおわかりだと思いますが、今回特に郵便振替貯金のみを取り上げたという理由は何でしょうか。他の提案については、どのように考えられ、どのように今後対処されようとしておるのか、その点もあわせてお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/13
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014・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) この答申のうちで、予算折衝の段階におきまして、特にこの振替の今回の御審議願う問題と、郵便貯金の貸し付け制度に関連いたしまして金融公庫をつくりたいというふうな、二つの案を考えまして、予算折衝の段階では二つを問題にいたしたわけでありますが、後者のほうは、いろいろなことから、予算折衝の段階におきまして、本年度は見送るということに相なりまして、振替だけが御審議願うことになったわけでございますが、その他の問題点につきましては、郵便為替の利用の振興につきましては、これは現金書留等の関連の問題でございまして、われわれといたしましては、どの制度がいいというふうなことも一がいに言い得ない、一長一短がございますので、この点に関しましては、国民の方々が御利用しやすいほうを使っていただければいいのじゃないかというような考え方から、結論を、そういうふうな考えの結論を持っております。
それから、郵貯の適正利率の検討につきましては、金利全体の問題でございますので、われわれといたしましては、いまどうこうということはございませんが、今後、金利の体系が動かされるような場合には、銀行預金に比較いたしまして若干不利な場合がございますので、そういう点につきましては、是正の機会を得たい、かように考えております。
利子の日歩計算につきましては、日歩制が金融の利子制度といたしましては常道でございますが、これを実施いたしますと相当の人員、われわれの試算では、約三千人くらい増員を要するというふうな点もございますので、機械化の進展とにらみ合わせまして、日歩計算に一日も早くやりたい、こういう考えでおります。−その他、窓口施設の改善、窓口待遇、接遇の改善等につきましても、本年は昨年より、四十一年度は予算におきまして前年の三倍の予算をいただきましたので、この点につきましても、改善を四十一年度は行なってまいりたいというふうに考えております。
窓口取り扱い時間の検討につきましては、これはまあ要員の配置の問題と勤務時間の関連がございますので、ただいま早急に結論が出ず、慎重検討中ということでございます。
それから権利消滅の防止をしろというふうな点につきましては、前回の通常国会におきまして、権利消滅の中断事由を拡大したり、また、本年度から睡眠元通を実施いたしたりいたして、この権利消滅というふうなことをなるべく防止したいというふうなことを考えております。
貸し付け制度につきましては、先ほど申し上げましたとおりでございして、最後の機械化の推進につきましては、四十一年度予算におきまして、窓口専用機が一億八千八百万円計上されましたので、これによりまして第一線の窓口の機械化をまず取り上げていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/14
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015・野上元
○野上元君 いまお話を聞いておりますると、これらの提案について、あるものは若干実現をし、あるものは検討を加える、こういうことになったようですが、たとえば利子の計算のしかたですね、月の十五日前に預入したものには一カ月の利子がつくが、十六日から以降に預入されたものには全然つかない、こういうことが、この郵便貯金の場合、特徴的なんですが、これを改正して、預けたものは全部つく、預けた期間は全部つくということに改正することには、そう多くの問題はないのじゃないですか、予算的に。この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/15
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016・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま申し上げましたとおり、日歩計算にするのが常道でございますが、これを現在のわれわれの件数その他から見まして、日歩計算にいたしますと、約三千人ほどの要員が現在よりも多く要るというふうなこともございまして、即座に、常道であるとはわかっておりますが、踏み切れず、月割り計算というふうな方法で現在やっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/16
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017・野上元
○野上元君 一挙に完全な日歩制度というものにいま移行するということは、なかなかこれは困難なことだと思います。ただ、私が言っているのは、十六日以後に預入したものにも、それなりの利子をつけるというような措置は講じられないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/17
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018・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 措置は、方針が立ちますれば講じられないわけではございませんが、ただ、現在十五日を境にして利子をつけたりつけなかったりしておるのは若干、月割りでございますので、その間の公平と申しますか、そういう観点から、そういうふうな制度になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/18
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019・野上元
○野上元君 そうしますと、十六日以降つけるということになれば、どうしても日歩制にしなければそのことは実現できないと、こういうわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/19
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020・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まあ、日歩制にいたしますれば理想的でございますが、どうしても十六日以後もつけるという方針を決定いたしますれば、不可能なわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/20
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021・野上元
○野上元君 そのためには、どれくらいの人員が必要なんですか。先ほど言われた三千人が必要なんですか。この三千人というのは、完全な日歩制を実施した場合の定員増を言っておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/21
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022・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 仰せのとおり、あまり要員がそのために要るというようなことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/22
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023・野上元
○野上元君 あまり増員が必要がないというならば、これ、いつも問題になることですから、もう少し具体的に検討されたらどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/23
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024・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただ、先ほど申し上げましたように、一日だけでも一月の利子がつくというような不合理な点もございますので、若干問題がございますが、検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/24
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025・光村甚助
○光村甚助君 関連。十五日まで預けたら一カ月利子をつける。そうすると、十五日に預けて、百万円までですから百万円預けて、それで翌日の一日に引っぱり出して銀行に持っていって、銀行で十五日に引っぱり出して十五日に郵便局に預ける、そういう例はないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/25
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026・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) そういう例は、いままでのところ経験いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/26
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027・野上元
○野上元君 それは検討事項としておいてもらいたいと思います。
なお、逐次この答申案の内容について質問をしていきたいと思いますが、まず第一に、今度、郵便振替貯金というのが郵便振替というふうに名称が変わったということは、貯金として考えない、したがって利子は付せない、だから、送金の手段として、あるいは債権債務の弁済の手段として考えるのだ、こういうふうに基本的な考え方の相違があると思うのですが、その点については、どういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/27
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028・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 仰せのとおりでございまして、そもそも、御承知のとおり、振替制度はオーストリアから始まったことでございますが、こういう利子は一切つけずに出発いたしておりますし、現在、振替に関する先進国と申しますか、そういう国におきましても利子はつけないのが常道でございます。ただ、われわれは、明治三十九年にこの制度をとり入れました際に、たまたま、郵便貯金法の中にこの制度を入れましたというふうなことが大きな原因で、今日まで利子をつけてきたのでございまして、利子をつけないということに、常道に返りますれば、貯金という文字を当然削らなければならぬ、こういうことに相なりまして、郵便振替、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/28
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029・野上元
○野上元君 変なことを聞くようですが、英語でいうと、郵便貯金というのはポスタルセービングスというのでしょう。振替の場合は何と言うのですか。ポスタルチェックぐらいの言い方をするのですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/29
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030・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/30
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031・野上元
○野上元君 そうしますと、振替の場合には、完全に概念は貯金ではなくて、これはあくまでも送金の手段だと、為替と同じようなものだと、こういうふうに考えてよろしいと思うのですが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/31
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032・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) それがほんとうの考え方ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/32
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033・野上元
○野上元君 そこで、私、疑問に思うのですが、資金運用部資金法の改正が、今度この法律の改正に伴って同時に行なわれるわけですが、その第一条に、「郵便貯金」の下にカッコして「振替貯金を含む」、こういうことになっておるわけですね。したがって、あくまでも主体は郵便貯金ということである。ところが、振替貯金は今度郵便振替ということになって、貯金という概念からはずれたとすれば、当然これを郵便振替と直すのじゃなくて、これを削除すべきが妥当であると思うが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/33
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034・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 仰せの点も考えられるわけでございますが、われわれといたしましては、郵便振替貯金が郵便振替と相なりましても、実体は同じものでございますし、欧州の制度におきましても、滞留する資金を運用いたしまして、その利子収入が非常に大きな歳入を占めておるわけであります。そういう意味から、滞留する資金を何らかの形で運用するということは、当然事業といたしまして起こってまいるわけでございまして、現在の法律で資金運用部資金として運用するというふうに相なっておりますが、そのままで運用していただくという考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/34
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035・野上元
○野上元君 たいへん苦しい御答弁のようですがね。先ほど来私が質問申し上げたのは、郵便振替となって利子も付せないのだから、これはもう貯金という概念には入らない。これは単なる送金手段とみなすことになったので改正が行なわれて、いわゆる外国でいえばポスタルチェックに相当するものである。ポスタルセービングスじゃないということならば、この資金運用部資金法の第一条にある「郵便貯金」の概念には入らないじゃないか、範疇には入らないのじゃないか。にもかかわらず、たまたま「振替貯金を含む」と書いてあるのを「郵便振替」と改正するのは、あなた方が先ほど来申された考え方とは少し矛盾があるのじゃないでしょうか。郵便貯金のカテゴリーにはもう入らなくなったのだから、こういう措置を講じておるということであるならば、当然「郵便貯金(郵便振替を含む)」という考え方に少し矛盾がありはしませんか。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/35
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036・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 郵便振替貯金と申しましても、郵便振替と申しましても、利子の付与の問題で相当性格は変わりましたし、また、お説のとおり、送金手段、資金の決済手段に割り切ったのでございますが、滞留する資金を運用するというふうな観点から考えますれば、これを資金運用部に預託をするというふうな現在の姿でもいいのではないか、かように思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/36
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037・野上元
○野上元君 まあ、それは非常にむずかしい根本的な問題だと思いますが、私の考え方では、郵便貯金よりもむしろ郵便為替のほうに似てきたんじゃないかというふうに実は考えられるから、「郵便貯金」カッコして「郵便振替を含む」という考え方は、ちょっと矛盾があるような気がするのです。それはカッコをはずして、「郵便貯金及び郵便振替」と、こういうふうに直されるなら、まだ私は性格がはっきりしてくると思うのですが、いまのような訂正のしかたでは、まだ郵便貯金のカテゴリーに入るのだと、こういうふうな観念にとらわれるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/37
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038・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さよう申されますれば、振替郵便貯金は貯金でございませんので、カッコをしているということが問題にすれば相なるかと思いますが、われわれ実体の姿でこれでもいいんじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/38
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039・野上元
○野上元君 まあ、あなたが、郵便振替貯金であっても郵便振替であっても実体は同じだと、こう言われるのに、ちょっとひっかかるのですがね。先ほど来の話では、実体が変わってきたんだと、資金の流れについては実体は変わらないでしょう。しかし、性格が変わってきたんだというふうに私は考えるわけですから、もう少しはっきりしたほうがいいんじゃないかと思ってまあ質問したのですが、それはまあもう少しじゃあ検討をすることにして、質問を次に移していきたいと思います。
この答申の「あとがき」としてですね、こういうことが書いてあります。同会計において昭和三十九年度末に二百四億余円の剰余金を生じた、こういうふうに書いてありますが、しかしながら、その前段のほうを見ますと、「その経営コストのうち、物件費はわずかに一割程度にすぎない。」とこういうふうにも書いてあるわけです。したがって、二百四億余円の剰余金が生じたと言って、私はあまり誇れないと思うのです。なぜならば、この経営コストの中に物件費がわずかに一割しか含まれておらないということは、あなたのほうで当然設備すべきものを設備しておらない、だからこそ、経営コストの中にわずかに一割しか占めておらないということになるわけですから、本来ならばこの物件費が当然設備されるものが設備されておるとするならば、二百四億円の剰余金は生まなかったと思うのです。その点についての当局の考え方はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/39
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040・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 二百四億円が剰余金として出ましたのは、この大きな原因は、所期の目標額以上の資金を集めたというふうな点が大きなポイントでございます。そういう目標額以上の額を集めましたことから剰余金が生まれてくるように相なったわけでございますが、剰余金が生まれました以上は、ただいま申されましたようなことは、われわれ自身ももっともなことと考えまして、鋭意そういう方面に努力をいたしておるのでございますが、なお十分でない点は申しわけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/40
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041・野上元
○野上元君 私が申し上げたいのは、おわかりだと思います。剰余金が生まれて経営が健全化していくということについては、これは何人も反対する人はいないと思うのです。ただ、問題は、それが正確な、そして正しい剰余金であるかどうかが問題だというのですね。だから、ただ剰余金の額が大きくなったからといって、経営が健全化したとは言えない。やはり経営コストの中に物件費のあるべき姿というものがあるはずですから、今日のように一割程度にすぎないということは、明らかにこの二百四億円を生んだ従業員、あるいは、それが使用している設備というものがよくなかったということになると思うんですから、この点については、今後改善をされる必要があるのではないかと思うが、当局の御意見をもう一度聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/41
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042・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まことにそのとおりでありまして、今後われわれはこういう金で機械化を——機械化と申しますか、いろいろな貯金関係の小道具なども機械にかえていくという意味の機械化を含めまして、大いに従業員の方々が働きやすいような環境に持っていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/42
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043・野上元
○野上元君 いまの問題は、単なる貯金局長の問題ではなくして、おそらく、これは郵政大臣の問題となろうと思います。したがって、大臣が出席されたときに、あらためてもう一度御意見を聞くといたしまして、さらに別の質問を続けていきたいと思います。
これはやはり答申書の「まえがき」の中にもありまするが、振替貯金が時代とともに利用の消長があったと、こう言っておるのですが、時代とともに利用の消長というのは、どういうことなんですか。経済的理由によるのか、あるいはまた、振替貯金制度というものに対する利用者の価値判断の問題なんですか。どれが作用して利用の消長があったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/43
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044・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 事業の消長と申しましたのは、振替事業の歴史におきまして、一番口座数も多く、あるいは隆盛をきわめましたのが、昭和十八年でございました。そのときの隆盛をきわめました最大の原因は、留守宅送金関係、あるいは国債の買い上げ関係等の件数が膨大でございました。そのために、昭和十八年が、今日に至るまでも、絶好調の、制度といたしましては、時代でございます。そういう点を若干ここに含んでいると思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/44
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045・野上元
○野上元君 戦前における消長についていまお話があったわけですが、戦後においてもかなりの消長がある、そして昭和三十四年度末を境として増加の傾向を示してきた、こういうふうに言われておるんですが、今後の見通しというものは、どういう見通しなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/45
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046・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 今後も、収入面におきましても、また、件数面におきましても、一割以上毎年ふえておりますので、そういう増勢をたどっていくと思います。今回の法案の改正によりまして、利用に拍車をかけるというふうにわれわれは期待いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/46
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047・野上元
○野上元君 この答申の中にも書いておりまするが、郵便振替貯金も、戦後の経済混乱と処理日数の遅延とによって一時利用の減少を見たが、その後、経済の立ち直りとともに、再び利用は回復してきた、こういうわけで、経済の消長と同様な歩調で進んでおるようですが、その中で、処理日数の遅延によって一時利用の減少を見た、こういうように言われておりまするが、大体この処理日数が遅延するというのはどういうことなんですか。どういう基準に基づいて、処理日数を、遅延とか早いとかきめるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/47
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048・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 処理日数の問題は、大体東京以外の地方貯金局の処理が、受け払いの処理をその日に大体終わらしておりまして、われわれといたしますれば、その日に入ったものをその日に処理する、口座に記入したり、通知したりするというような処理が理想の形と考えておりますが、東京は件数その他多いというふうなことから、これが二、三日かかるというふうな点を、今後鋭意改善していかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/48
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049・野上元
○野上元君 一時、処理日数に非常な混乱があって、遅延があって、利用の減少を見たけれども、最近において立ち直ったと言っておりますが、その処理日数についても、最近は著しい改善のあとが見られるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/49
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050・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 地方貯金局におきます処理行程におきましても、改善のあとは見られますが、これは、若干この点の問題は、郵便の速達の関係も少しこれの影響をうたっておるのでございますが、これは他の事業でございますので……。われわれの振替のみに関しましては、改善してまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/50
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051・野上元
○野上元君 振替貯金の消長は、銀行業務との関係も相当あると思いますね。と同時に、今度は、郵便為替あるいは現金書留、これらの消長とも関係を持ってくるのではないかと思うのです。たとえば、郵便為替が非常に伸びていくとか、あるいは現金書留が非常に伸びを見せてくるということになると、郵便振替のほうは、むしろ、それらの圧力によってあまり大きな伸びが見られないのではないかというふうにも考えられるのですが、これらの問題との関係がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/51
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052・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 関係がないとは申されないと思いますが、それぞれ、各制度は長一短の点を持っておりますので、それがあるからこちらがどうこうという決定的なものとは思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/52
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053・野上元
○野上元君 三十九年における取り扱い件数と、四十年の今日までの取り扱い件数を、大ざっぱでよろしいですから、比較できるような数字がございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/53
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054・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ちょっと質問の要点が不明なんでございますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/54
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055・野上元
○野上元君 振替貯金の三十九年度における取り扱い件数は幾らか。四十年度は幾らか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/55
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056・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十九年度の取り扱い件数は七千三百八十九万件でございます。四十年度は、ちょっといま、まだ出しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/56
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057・野上元
○野上元君 これ一つだけでは全然対比ができないのですが、それでは、三十八年のやつを教えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/57
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058・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十八年度は六千七百九十五万件でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/58
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059・野上元
○野上元君 これを絵でかくと、相当の上昇カーブを続けておるということは認めてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/59
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060・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一七%ぐらいのカーブを描いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/60
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061・野上元
○野上元君 四十年度においても大体十数%の伸びを予定されておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/61
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062・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/62
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063・野上元
○野上元君 先ほどもちょっと外国の話が出て、この郵便振替貯金に類似する制度というものがあるわけですが、私もスエーデンで一ぺん見たことがあるのですが、それは向こうの名前ではポスタルチニックと、こういうふうに言っておりますが、大体日本のこの振替制度と同じだと思いますが、いま外国でこれを非常に多く利用しておる国というのは、どういう国がありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/63
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064・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) フランス、ただいま仰せがありましたスエーデン、西ドイツ、デンマーク等が多い国でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/64
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065・野上元
○野上元君 これらの利用国と日本の利用程度と比較してどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/65
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066・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一番口座数の多いフランスの例をとりますれば、フランスでは人口千人当たりにつきまして一〇七・九の口座数がございますが、日本におきましては千人当たり四・五でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/66
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067・野上元
○野上元君 そうすると、あなた方の施策よろしきを得れば、この西欧における伸びというものは、高度の利用というものは達せられるというふうに見ておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/67
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068・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 今回の法改正を第一歩といたしまして、逐次取り扱い件数が多くなり、運用収入を上げてまいりまして、料金を外国のような無料にまで到達いたした暁には——ここまでまいりたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/68
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069・野上元
○野上元君 この答申書の中にも「振替貯金に対する各方面からの需要はますます高まるものと思われる」こういうふうに将来を見通しておられるようですが、当局としても、やはりこういう考え方に立って、この問題を処理されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/69
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070・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございまして、今後信用経済がますます発達いたします。それから、個人も現金を使わないような合理的な生活になってまいると思います。さらには、いわゆる口座振替と申しますか、定期継続振替等の活用によりまして人手難を防ぐ、いわゆる集金制度の改革というふうなことも考えておりますので、この答申案のような方向にいくものと期待しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/70
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071・野上元
○野上元君 さらに答申案がこういうふうにうたっております。需要はますます高まるものと思われるので、これに即応した諸制度を準備しなければならぬというふうに書いておりますが、この即応した諸制度というのは、どういうことを指しておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/71
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072・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま申し上げました定期継続振替制度をその中心に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/72
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073・野上元
○野上元君 さらにその末尾のほうに「現在郵便振替貯金利用の問題点とされている料金の割高、処理日数の遅延」ということが書いてありますが、この料金の割り高というのは、どれと比べて割り高なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/73
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074・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まあ全体的に見まして割り高と申されませんが、たとえば現在ございます郵便小為替の千円以下の金額と現在の料金とを比べますと、こちらが割り高だというふうなことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/74
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075・野上元
○野上元君 銀行送金なんかとの関係はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/75
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076・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 銀行送金の関係は、御承知のとおり、五千円未満が五十円、それ以上が百円となっておりますので、まあわれわれのほうが安い面もございますが、五千円から天井知らずに百円でごございますが、われわれは段階を追っておりますので、銀行の送金料より高い段階がございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/76
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077・野上元
○野上元君 今回、その料金についても払い込み、払い出しともに改正がなされたわけですが、これによって実際の当局の減収入というのは、どのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/77
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078・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) この料金の調整によりまして減収する金額は、一億一千二百万円でございますが、われわれは料金を下げましたことによりまして利用増もあるというふうに考えまして、その料金値下げに伴う増収見込みを千四百万程度見込んでおりますので、それを差し引きいたしますと、九千七百七十万円程度が減収に相なります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/78
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079・野上元
○野上元君 そうすると、結果的にはこの答申の線に沿って料金の軽減をはかった、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/79
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080・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) われわれといたしましては、まだ不十分でございますが、現在の料金におきまして、あとう限りの調整をしたというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/80
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081・野上元
○野上元君 利子支払いをやめて浮く金額はどのくらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/81
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082・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 利子支払いをやめて浮く金額は、二億四千万円程度かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/82
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083・野上元
○野上元君 そうしますと、この答申の中にも書いてあるように、二億四千万に相当する料金の引き下げは可能であったんではないか。そうすることによって将来ますます需要を増加することになるんじゃないかどういうふうに思われるのですが、今回料金を改正された基準となったものは何ですか。勘でいったですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/83
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084・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) お説とおり、利子を廃止しまして出ましたこの節減経費二億四千万円の範囲内において料金改定をやるということが大筋でございますが、われわれといたしましては、この二億四千万円のうち、先ほど申し上げましたとおり、料金減によりまして九千七百七十万円程度にとめましたのは、もちろん全体の安全性を考えたわけでございますし、今後も料金の弱き下げを機会あるごとに続けていきたいというふうな気持ちもございまして、この二億四千万円から九千七百七十万円を引きました金額につきましては、一つは、機械化と申しますか、小さい小道具の機械化を含めた意味の機械化に六千万円ほどの金を投じまして、事務の敏速化並びに従業員の方々の仕事のやりやすいようにしていきたい。そのために六千万円ほどを考えております。あとの約八千万円程度は、この口座、定期継続振替が三十円から十五円に下げましたので——現在事業会社が株の配当で簡易払いを御利用いただいておりますが、それが大体平均料金一件三十円くらいになりますので、定期継続振替が十五円に相なりますれば、そういう方面から利用形態が移動してくるんじゃないか。そのために簡易払いで三十円いただいておりましたのが、定期継続のほうに利用形態が変わってまいりますと、十五円しかいただけないというような点があるのじゃないかというふうに考えまして、大事をとりましてそれに八千万円ほど考えておりますが、一年実行いたしましてそういう心配がある程度薄いということになれば、さらに次の機会の原資にしていきたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/84
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085・野上元
○野上元君 現在の段階においては、あなたのほうでも相当考慮されて、安全性をも含めて料金の改定をされたと思うのですが、現状の状態において動かざるものとすれば、これでも十分やっていけるわけですね。これがかりに十年後現在の十倍に伸びたといった場合に、利子を廃止したことによる増収と、料金を落としたことによる減収はどういうふうな状態になるのですか。いつも今日のような比率の状態で進んでいくんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/85
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086・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ちょっと十年間の資料ございませんが、四十五年には現在御審議いただいておる案で進んでまいりまして、われわれは件数その他口座数等が増加すると見込んでおりまして、預託利子収入が四十五年には三億三千四百万円くらいふえるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/86
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087・野上元
○野上元君 この答申の中にも書いてありますが、定期継続振替は四十年七月に開始されたけれども、料金の割り高、集金要員の措置等から現実に利用されておらない。こういうふうに言われておるのですが、この料金の割り高と集金要員の措置等の二つの原因によって現実に利用されておらないと書かれておりますが、この実情、もう少し説明してくれませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/87
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088・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 両者はある意味では一つのものかと思いますが、現在事業会社が料金関係を集金しております集金コストというものは、大体十五円前後が一般的のようでございまして、そういう観点から、ただいま仰せのようなことを触れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/88
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089・野上元
○野上元君 既存の集金要員の措置等からというのは、ここにあげておる電気料金あるいはガス料金等、公益事業経営者の側のことを言っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/89
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090・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 事業経営者的な観点からのことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/90
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091・野上元
○野上元君 もう少しはっきり言えば、電気料金あるいはガス料金等、電気及びガス等をやっておる事業側が一挙に集金要員を減らすことができないということで、これを利用しないで、依然としてこの集金をやっておるんだ、こういうふうに解釈してよろしいんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/91
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092・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) そういう点も大いにあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/92
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093・野上元
○野上元君 そういう点もあると言われるのですが、「既存の集金要員の措置等の問題から」というのは、貯金局側に何かそういう原因があるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/93
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094・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) これは事業会社側の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/94
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095・野上元
○野上元君 ですから、そういう面もあるというのじゃなくて、そういう面があるということなんでしょう。面もあるし、貯金局側の何か事情があるのかと思って聞いたのですが、これはもっぱら相手側の事情によるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/95
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096・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/96
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097・野上元
○野上元君 今回、この利子を廃止したわけですが、この利子を廃止したことによって、総体的には、いまあなたが言われたように二億四千万円の利子の打ち切りになるわけですね。で、これを個人的に見た場合に、非常に大きな被害を受けるというような場合は考えられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/97
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098・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一口座当たりの平均の利子は三百八十八円に相なっておりますので、その点から見ますれば、口座加入者に対してはちょっと申しわけございませんが、たいしたことない数字ではないかというふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/98
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099・野上元
○野上元君 個人の口座で残額の最高はどれくらいなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/99
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100・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) そこまではちょっと調べておりませんが、利子を受ける最高額は、生命保険会社等で三十四万円くらいの利子を受けておるのが多いほうじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/100
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101・野上元
○野上元君 そうしますと、主として被害の大きいのは法人であって、普通の個人には、そういう大きな被害はもたらさないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/101
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102・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) そういうふうなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/102
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103・野上元
○野上元君 それから郵便振替が今度改正されたわけですが、この将来の利用について非常に大きな期待を持っておられるようですが、これに対する加入の勧奨だとかあるいは利用の促進に関するPRといいますか、そういうものは積極的に行なわれる予定があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/103
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104・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) この新しい制度ができますれば、積極的に加入の促進を行ないたいと、PRしたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/104
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105・野上元
○野上元君 その準備はもうすでにでき上がっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/105
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106・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ちらし、ポスター等、現在約二百万枚ほど用意いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/106
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107・野上元
○野上元君 それから「郵便為替および郵便振替貯金事業がいずれも年々若干の収入不足をきたしていることは好ましい状態ではない。この両事業は、収入の大部分を料金に仰いでいるが、料金引上げによって収支の改善を図ることは、利用振興の見地からみて望ましい方法ではない」こういうふうに言われるんですが、「年々若干の収入不足を来たしている」というんですが、どういう状態になっておるんですか。三十九年度でもよろしいですから、例をあげて具体的にひとつ説明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/107
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108・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 郵便振替につきますれば、年々収入増、預託利子収入増が一〇%以上もございますので、だんだんと赤字が減ってまいりまして、三十九年度では三億八千四百万程度の赤字でございますが、四十年度は利用増によりましてほぼ収支が均衡するのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/108
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109・野上元
○野上元君 そうしますと、郵便振替の場合には、三十九年度の赤字累積は三億八千万であるけれども、四十年度は、事業の伸びによってこの三億八千万の赤字は消えて大体とんとんになり得ると、こういうふうに解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/109
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110・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) われわれはそういうふうに解しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/110
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111・野上元
○野上元君 その計算は、新しい料金に基づいてなされた計算ですか。それとも古い料金によってなされた計算ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/111
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112・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 四十年度でございますので、現行の料金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/112
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113・野上元
○野上元君 失礼しました。そのとおりですね。四十一年度においては、そうしますと、また利用がふえなければ、若干の赤が出てくるということになる可能性はあるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/113
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114・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 料金引き下げに伴いまして利用の増加があるというふうに確信いたしておりまして、その数字も一応計算いたしておりますが、その結果収支におきまして黒が、まあ私どもの試算では約九千万円程度の黒が、四十一年度には生み出せるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/114
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115・野上元
○野上元君 ここにもうたっておりまするように、事業経営の改善をはかるのを料金値上げでやるのは非常にまずい。したがって事務処理の機械化等によるコストの引き下げ、あるいは利用増加による増収ということがうたわれておるんですが、これについては何か特別なあなたのほうで処置をされてるわけですか。先ほど御説明のあった六千万円の何か機械化をすると言われているんですが、それはどれくらいの効果のあるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/115
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116・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 機機化といたしましては、郵便局関係では小切手払い用の会計機とか、手形交換用電動式日付押印機、あるいは手形交換用のマイクロフィルム等を、郵便局方面ではこの機械を入れたいと思っております。また中央貯金局におきましては、口座計算用会計機とか、あるいは証拠書の集計用加算機、その他宛名印刷機、開封機、あるいは把束機、また電動式日付押印機というふうな機械を入れて、事務の簡素化、促進をはかっていきたいと、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/116
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117・野上元
○野上元君 まあそういうものをつくって事務の促進をはかるということはけっこうなんですが、実際にそういうものでそう大きな事務の促進をはかれますか。期待できますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/117
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118・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) やはり能率としては、相当なものがおのおのございます。そのために要員の点は、物増によって能率が消されていくというふうな考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/118
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119・野上元
○野上元君 まあ現在公共料金が軒並みに上がっておるときに料金を引き下げるんですから、相当のこれは決断が要るわけですが、長期にわたる将来の見通しの上に立って、あなた方を信頼して、この事業が悪化しないということを期待してよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/119
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120・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 期待していただいてよろしいと思いますし、われわれもその御期待の線に努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/120
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121・野上元
○野上元君 なおこの答申には、「多額の残高から生まれる運用利子収入の増大を図り、もって健全な経営に資するよう努力すべきである。」、こういうふうに言われておりますが、これは先ほどもお話があったようでありますが、将来この問題をどういうふうにあなたのほうでは考えておられるのか。また先ほど資金運用部資金法の改正についてもちょっと触れたんですが、これが根本的な問題に私はなるような気がするので触れておいたのですが、もしも私のような考え方で、これはもう貯金ではないんだという考え方であるならば、なおこの答申の線に沿うことが、やりやすいじゃないかというふうに考えるんですが、資金運用部資金法の改正にあたって、あなたのほうとしては、実態は同じなんだから当然いままでのとおりにやるのだ、こういう考え方だとこの答申の精神に沿わないと思うのですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/121
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122・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まあ現在の、先ほど申し上げましたとおり、制度では、いいとは言い切れないのでありますが、今後できるだけ振替の取り扱い金額がふえてまいりますに従いまして、効率的に運用していくと、まあ具体的に申しますれば、なるべく手元に置きます金額を少なくして、なるべく多くの金を、まあ現在の姿でありますれば、運用部に入れまして預託利子をかせぐというふうなことに相なるわけでございますが、まあ将来は、もしそういうことに相なりますれば、われわれといたしましては、非常にこの事業のために喜ばしいことに相なるのではないかと思いますが、みずから運用するというような道が開けますれば、ますます利回りの高い運用ができるというふうなことで、それが料金面の引き下げに寄与していくというふうに考えておりますが、それはちょっと現在一つの構想にすぎない程度のものと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/122
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123・野上元
○野上元君 これは政務次官も聞いておいてもらいたいのですが、郵政省は御承知のように簡易生命保険事業あるいは年金事業をやっておるわけですが、そうして一方では郵便貯金を集めておる、まあこういう事業をやっております。しかし、いままでは資金運用部資金に全部預託して、その預託した利子によって各事業がまかなわれておった。その預託利率が非常に低いために、事業が非常に何といいますか、健全でなかったというような実情があって、郵政省が苦労をして集める金なんだから、郵政省にその運用をまかせろ、自主運用と申しますか、をやりたいのだという希望が非常に強かった。簡保の問題がようやく片づいた、しかし依然として貯金の問題が残っておる、まあこういうわけです。で、この貯金はいうまでもなくいま二兆数千億という膨大な金を、残高を持っておるわけですから、これが政府の財政投融資の原資として大きな役割りを果たしておるという事実は、これは認めざるを得ない。したがって、これを一挙にやめるというようなことは、自主運営に移すというようなことは、これはまあ政策上不可能なことだと思うのです。しかしまあいまお話も出ておりますように、この郵便振替貯金の残高どれぐらいあるか知りませんが、これはもうそうたいしたものじゃないと思うのです。そうすると、郵便貯金の自主運営を強く叫ばれておる今日の状態の中で、たまたまいいチャンスなんだから、貯金でなくなったんだから、これはあくまでも送金手段なんだという考え方に立つならば、これだけでも自主運用をして、少しでも事業の経営を健全にしていくということが当然考えられていいと思うのですが、この問題について、これが改正に際して大蔵当局と折衝をされた経緯があるか、あるいはまた将来どういう考え方を持たれておるかという点について、あればお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/123
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124・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 野上委員の御主張、まことに郵政省にとってはありがたい御主張でございます。お説のとおり、簡易保険は国会の御意思によりましてああいう制度をつくっていただいた次第でございますが、郵便貯金、特にこの振替貯金等についてはそういう道がまだ開かれておらぬわけでございます。私も政務次官就任以来、まあ郵政省はかせぐだけかせいで、まあいいところはみんな大蔵省に持っていかれておるという感じを、人一倍強くした次第でございまして、昭和四十一年度の予算編成にあたりましても、また本法案を提案するにあたりましても、大蔵当局といろいろと話し合ったわけでございますが、御承知のような日本の経済状態で、郵政省の主張を通すには、非常にまあ時期も悪かったということで、まあ郵政省の多年の懸案、希望というものを実現する段階までには至らなかったわけでありますが、今後強く、しかも熱意を持って仰せのような線の趣旨を、ぜひとも実現していきたいものだということで、対処してまいりたいと思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/124
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125・野上元
○野上元君 答申の精神も郵便貯金というものとそれから郵便振替というものとの考え方は、非常にはっきりと区別されておるのです。これは自主運用の問題について、それが明らかにあらわれておる。たとえば郵便振替の場合については、自主運用をやって事業の健全化をはかりなさいと言っているのですが、貯金のほうになりますと、そういうふうには書いてないのです。「郵便貯金は、財政投融資の重要な原資であって、公共投資を拡充し、わが国経済を発展成長させるためにも、その増強が要請されている」と、こういうふうにうたわれているわけです。したがって郵便貯金の点については、これは明らかに財政投融資の重要な原資であるから、そしてまたその投資効果というものは明らかに公共のために、あるいはまた日本の経済発展のために役に立っておるんだ、だからこれはこれでよろしい。しかし振替のほうは、そうではありませんよ、これは自主運用をやりなさい。こういうふうに書かれておるわけですね。したがって、貯金と振替との概念というものをはっきりと区別しておるわけです。これについてあなたのほうは、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/125
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126・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 郵便貯金の面につきましても、われわれ郵便貯金事業に携わる者といたしましては、この答申よりももっと夢は持っておるのでございますが、これはさておきまして、振替につきましては、われわれといたしましては効率的運用、運用を効率的にやりたいというふうな抽象的なことばでございますが、そういう方針で今後一歩一歩、すぐ自主運営するというふうな線を事務当局といたしましては打ち出すまでの、現在迫力は欠けておるのでございまして、今後一歩一歩、そういう方向へ向かって歩を固めていきたい。こういう事務当局の考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/126
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127・横川正市
○横川正市君 政務次官。前の事務次官の佐方さんは、いまどうしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/127
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128・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) どうされておられるか、私、実は申しわけございませんけれども、承知しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/128
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129・横川正市
○横川正市君 大蔵省の事務次官とか局長でやめられた人は、やめるとすぐ職がきまるのですね。ところが郵政省の事務次官、局長がやめても、やめてから何ヶ月たっても職がきまらない。こういう制度がいいか悪いかは別問題として、大蔵省と郵政省とに何か省としての上下の差とか、何とかがあるのですか、私は運用問題で大蔵大臣、それから郵政大臣、それから自治大臣ですか、運用のための審議会には共同の発言力を持って、そして預った零細資金ですから、国民のためにどう運用されるかという間違いのない運用方法というのをやっておると思うのです。その金の集めるのは全部郵政省がやっていて、使うのは大蔵省、ところが大蔵省のほうのトップクラスはどんどん横すべりしていって仕事にありつくのに、郵政はありつけないというのは、これは社会通念上、何かそこに変な差別があるんじゃないか。これはわれわれから言うべきことではないかもしれないけれども、ただ一例として郵政省はアリのごとくに働かされておって、その運用の問題が大蔵に持っていかれて、郵政大臣が発言力があるにもかかわらず、実は零細な国民の資金に対して利益を守るという立場よりか、奉仕をする立場、大蔵省に奉仕をする立場ということのほうが強いのじゃないか。そんな点を一体、ただ郵政省にとってはまことにありがたい御意見ですというのではなしに、問題を解決するという意欲があっていいのじゃないですか。たとえば自由民主党さんのほうずらっと見ますと、元事務次官もいますし、元大臣もおりますし、全部、これはわれわれは逓信委員会では野党側が言うのじゃなくて、実は逓信委員会という委員会の、一派精神というか、そういうものが言うのじゃなくて、実は国民の零細な資金に対する奉仕を郵政省はどうするのかという立場からも、いわば社会通念上の一つのしきたりというものは、当然私はこれはだれもがおかしいと思われないような解決策というのがあっていいと思うのです。その一つとして前次官は一体どうしているのですか、こういうふうに言わざるを得ないような現況に置かれているわけですね。逓信委員会がここで幾ら悲憤慷慨してみても、あなたのほうがぼんやりしていたのではしようがないし、大臣がいないから一問だけこの点ひとつ御質問だけしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/129
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130・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 実は、私も昨年の六月政務次官を拝命しまして、郵政事業というものに初めて携わらしていただいた際に、いま仰せのような点を非常に強く感じた次第でございます。ほんとうに郵政省は諸先輩からおしかりを受けるかもしれませんけれども、ウ飼いのウみたいなものだ。魚をくわえてこいと言われて、くわえてきた魚はみんな取り上げられて、ろくなものも与えられない。またろくなかごにも入れてもらえないというのが、ほんとうに郵政事業の実態じゃないかというようなことまで申しまして、実は四十一年度の予算の編成の際には、相当強く大蔵省に当たったと自分では思って一おる次第でございますし、また事務当局にも、そういう気概をもって仕事と取り組むように指導もしてきたつもりでございます。したがいまして、ただいま仰せられたような点は今後強く反省をいたしまして、特に直接資金の運用面についての郵政省の立場を強固にしてまいるという面と、さらに郵政事業全般についていわゆる仕事のやりやすい、しかも、安心してやっていける環境をつくるために、国の郵政財政の中で予算的にもこれを強化してまいるという、両方の面で郵政事業の進展を期していかなけりゃならぬというような考えで取り組んでおる次第でございますので、今後とも御声援のほどをお願いしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/130
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131・光村甚助
○光村甚助君 ちょっと野上委員の質問の途中申しわけありませんが、ちょっと退席しますので、資料の要求を一つ出さしていただきます。先ほど貯金局長は十五日に銀行からおろして、預けて、今度翌月の一日に払い出しがないかと言ったらば、ない——これは速記録に載っかっているから、うそはつかせない。私の調べたのでは相当そういうのがあるのですね。それで、この次の委員会までに資料を要求します。十五日にどのくらい郵便局は預っているのか、そうして、一日にどれくらい払い出しているかという資料を出していただきたい。それでなければ郵便貯金は三分六厘、まあ十五日まで預けて、出して、ところが銀行は日歩ですから、今度翌月の一日に出して十五日まで銀行に預けているという事実をぼくらたくさん知っている。それをただ簡単に貯金局長はそういう事実はありませんと言うから、ないか、それを一ぺんこの次の委員会までに資料を要求しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/131
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132・田中一
○委員長(田中一君) いいですか、貯金局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/132
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133・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) どうもその答弁、私確信を持って言ったわけではないので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/133
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134・光村甚助
○光村甚助君 速記に出ておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/134
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135・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 今後十分資料を集めてみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/135
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136・野上元
○野上元君 その点は資料が出ればわかるわけですから、後ほどまた質問させていただくことにしまして、私の質問を続けたいと思いますが、いまの郵便振替の自主運用の問題についてお尋ねしたわけですが、横川氏からもお話がありましたような問題もからんでいるわけですから、そのつもりで聞いてもらいたいと思うんですが、ここに答申が出ているのを見る場合に、明らかに貯金と振替では判然と両者を区別をして、振替の場合については、これは貯金ではないのだから、郵政が自主運営しなさいと、そういう方法をとりなさい、こう言っておるのだが、いまあなたのほうの御答弁を聞いておりますと、それは振替のみではなくて、貯金も含めて、われわれが集めたんだから何とかという気持ちがあるのだ、こういうことを言っておられます。言っておられますけれども、この答申にも明示されておりますように、貯金の場合には、その額が非常に膨大ですね。もうやがて三兆円にもなろうとしているわけです。しかも、日本の国の財政規模がますます大きくなりつつあるというようなときには、これをはずすということは、言うべくして、これはなかなかむずかしいと思う。ですから、振替の場合はそんなに大きな額ではないと思うし、性格も変わってきたとするならば、これが絶好のチャンスではないかというふうに考えておるのだが、あなたのほうは、むしろこれを郵便貯金のほうに取り込もうとしておられる。その点では、私としては非常に積極性がないような気がするんですよ。あなたのほうが無理をして、むずかしいほうに、むずかしいほうに行くような気がする。そうではなくて、積極的にチャンスをつかんでやってもらわないと困る。機会というのは、後頭がはげていると、前からつかまなければなかなかつかめない、うしろからはつかもうとしてもなかなかつかめないと言われております。そういう点を十分考慮してもらいたいと思うんですが、郵政政務次官の御意見を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/136
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137・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 確かに、野上委員の仰せのとおり、郵便振替貯金という考え方を、この法律改正によって考え方を変えるというちょうどいい時期であるということは、私どももよく理解できるわけでございます。したがいまして、ただいままでいろいろお聞かせいただいた御意見等も十二分にしんしゃく、検討をさせていただきまして、そしてほんとうにみずからの立場で運用の効率を高めてまいる方策を今後打ち出していきたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/137
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138・野上元
○野上元君 この振替貯金を資金運用部資金に預託する場合に適用されておる利率はどういうふうになっておりますか。たとえば預託利率というものはいろいろと種類があるようですが、大体どれに属するんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/138
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139・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 四十年十二月末までの実績で申し上げますと、二百一億円を預託いたしておりまして、そのうちの百五十四億円はいわゆる七年で六分五厘、あとの四十七億は二ヶ月ものでございますので、利子はもっと安うございます。大体ほとんどが六分五厘で預託をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/139
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140・野上元
○野上元君 二百一億円の預託のうち百五十四億円は七年以上、それから四十七億円は二カ月、そうすると、一番低い利率でもらっているわけですね。それが合計が二億四千万、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/140
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141・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 二億四千万円のほうは加入者につける利子でございまして、この利子は大蔵省のほうから来る利子でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/141
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142・野上元
○野上元君 そうしますと、たいへん失礼しました。この預託利子というものの合計はどれくらいになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/142
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143・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十九年度で七億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/143
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144・野上元
○野上元君 七億円というと、平均すると、年何分ぐらいの利率になるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/144
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145・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 大体六分五厘でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/145
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146・野上元
○野上元君 最高が六分五厘であって、それが全部ではないわけでしょう。二分のものが四十七億円もあるということになれば、その平均は六分五厘から相当下がらなければならぬと思うんですが、どうですかな。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/146
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147・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 先ほど申しました数字は四十年十二月末でございましたが、ただいま三十九年度の七億は、これは三十九年度は全部七年もので預けておりますので、六分五厘でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/147
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148・野上元
○野上元君 毎年の傾向として大体六分五厘になるんですか、それともその年の事情によってこれは大きく変動があるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/148
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149・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 大体六分五厘というふうに、われわれは計算をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/149
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150・野上元
○野上元君 そうすると、自主運営する場合には、六分五厘以上で運営しなければ意味がないということになりますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/150
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151・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/151
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152・野上元
○野上元君 自主運営の問題については、また機会があれば大臣等にも質疑してみたいと思います。
それから、「利率および利子付与方法の改善」という項がありますが、その中を読んでみますると、「平均残高に対する実勢金利においては、郵便貯金の支払利子率は民間金融機関のそれよりも若干低い」云々と書いてありますが、この実勢金利において郵便貯金の支払い利子率が低いということは、どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/152
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153・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 定期性貯金におきましての預金期間が民間のほうがわれわれよりも長いということに起因すると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/153
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154・野上元
○野上元君 それでは、この表現というのは必ずしも適切でないということになりますね。期間がこちらも長ければ決して利子率において負けないということですか、内容が違うから若干低くてもそれは当然なんだ、こういうふうにあなたは言われておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/154
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155・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 民間機関の定期性預金につきまして、実は預託期間の少ない場合には、若干こちらのほうが悪いということもございますが、御承知のとおり、郵便貯金は半年複利で計算いたしますので、長期になりますと遜色がないというふうに確信いたしております。こういう点は、やはり先ほど申し上げましたとおり、銀行の預金のほうが滞留期間が長いということに基因するというふうに言ってもいいのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/155
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156・野上元
○野上元君 そうすると、この書き方というのはよくかわらないんですが、実勢金利においては郵便貯金が民間よりも低いというのは、これは内容が違うから当然であって、同じものであるならばそういう遜色がないということになりますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/156
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157・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ちょっとただいまの御質問に対する答弁、若干的をはずれたようなことに相なりましたが、すべてこの平均残高に対する支払い額は銀行よりも低くなっておりますが、これは最近私たちのほうで定額貯金が非常に伸びております。郵便貯金残高の半数以上はこの資金でございますが、その定額貯金が、ちょっと先ほど触れましたとおり、期間の短い場合に民間の同種預金よりも利子が安くなっておるというふうなことに基因いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/157
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158・野上元
○野上元君 わかりました。結局、定期性貯金で最も利用の多い比較的短期間預入のものが、郵便貯金は民間に比べて利率が低くなっておる、こういうことになるわけですね。その短期預入のものがどうして民間に比べてそう遜色があるんですか。何か理由があって低くしてあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/158
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159・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) この銀行との利子の比較は、三十六年に改正になってから今日まで改正されておりませんが、まあ過去の差を踏襲してきたというようなことが一つございますが、先ほどもちょっと触れましたとおり、長く置きますと、半年複利でございますので、わがほうの金利がよくなっていくというふうなこともあるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/159
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160・野上元
○野上元君 事業経営上から見ましてこれは非常に重要な点だと思うんですが、この定期性預金で最も利用の多い比較的短期間預入、これを吸収するのが事業経営を健全化することに最もポイントでなきゃならぬと思うんですね。なぜならば、需要が一番多いんですから。その最も需要の多いところが民間の金融機関に比べて遜色があるというのは、これは郵便貯金事業にとっては致命的になりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/160
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161・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 致命的と申されますれば、さような意味合いもあることに相なるかと思いますが、長い目で見ますれば遜色がないというふうに思っておりますが、仰せのとおり、短期の定期性預金につきましては、今後、次の金利体系の再編成の場合には一番われわれが主張いたさねばならない点であることは、われわれもさように感じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/161
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162・野上元
○野上元君 今回まだそれを法案として出すほど緊急性はない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/162
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163・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま、先ほどもお話が出ましたとおり、剰余金も出るような健全財政でございますので、事業といたしましては、このためにどうこうというふうなことまで至ってないと思います。
〔委員長退席、理事新谷寅三郎君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/163
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164・野上元
○野上元君 私は、先ほどの話に帰るけれども、剰余金が二百四億あるということはあまり大きく過信をされてはいかぬ。ということは、経営コストの中に一割しか物件費が含まれておらないというような問題もあるから、二百四億というのははたして適正な剰余金であったかどうか、健全な剰余金であったかどうかは疑問があるわけですね。それと同時に、事業経営者として積極的に考えることは、やはり増収ということだと思うのですね。その場合に、最も需要が多いところが民間に比べて遜色があるということは、これは非常に私は問題だと思うのです。これは緊急の問題じゃないかというように思うのです、剰余金は出れば出るほどいいのですから。そういうことを考えますと、これは早急に手をつけて、十分に検討を加えて、適正な利率をつくりあげるということが必要じゃないかと思うのですが、どうですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/164
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165・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) われわれといたしましては、一番それは大きな問題でございまして、次の金利体系編成のときにはぜひともバランスをとるようにいたしたい、さように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/165
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166・野上元
○野上元君 あなたの言われる短期、長期の区別はどういう程度ですか。短期とは幾ら、長期とは幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/166
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167・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 私どものほうの種別で申しますれば、定額貯金、定期貯金、積み立て貯金でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/167
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168・野上元
○野上元君 それはわかりました。それはわかりましたが、短期というのは一体何年ものを短期というのか。長期というのは何年ものを長期というのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/168
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169・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一応二年を境にして考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/169
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170・野上元
○野上元君 二年以内のものは短期、二年をこえるものは長期、こういうふうに考えてよろしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/170
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171・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) われわれはさように把握しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/171
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172・野上元
○野上元君 そうしますと、二年以上のもので、たとえば三年ものならば、市中の金融機関の利子等と比べてどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/172
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173・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 二年をこえますと、われわれのほうは有利になります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/173
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174・野上元
○野上元君 わかりました。
利用環境の改善という問題ですが、この中に、「この問題は局舎事情に基因する点が多いので、省全般の問題としてあらためて根本的に検討することが望まれる。」、こういうふうに書いてありますが、これは、一般の金融機関の設備と比較して郵便局の設備が著しく劣っておるという点が、事業の改善のために非常にマイナスになっておるんじゃないか、こういうふうに言われておるんだろうと思うのですが、この局舎改善の問題について、郵政当局としては、全般的に見て、四十一年度においてどういうふうに計画をされておるのか、お聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/174
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175・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 郵政省といたしましては、郵便局全般を通じまして、特に局舎の現状というものが一般の金融機関に比べて非常に見劣りがしておるという事実を率直に認識をいたしておるわけでありまして、昭和四十一年度の予算編成にあたりましても、そういう方面の建築関係の予算、これを五割増の、たしか百七十五億と記憶いたしておりますが——を計上いたしまして、できるだけ改善をはかっていきたいという考えで対処いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/175
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176・横川正市
○横川正市君 ちょっと一問だけ。その建築予算の中に、貯金会計支弁の予算は幾ら入っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/176
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177・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十五億円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/177
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178・横川正市
○横川正市君 それはどういう種類の建物に向けられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/178
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179・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 郵便局舎の分担金と地方貯金局関係のものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/179
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180・横川正市
○横川正市君 その地方貯金局関係と郵便局舎分担金との比率はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/180
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181・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ちょっとただいま資料を持っておりませんので、ただ、地方貯金局は大阪、徳島、長崎の新築が認められております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/181
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182・野上元
○野上元君 この問題は一挙に解決できない問題で、これも予算の関係があって、非常にむずかしい問題ですが、確かに最近、公社、公団あるいは市中の金融機関というのは、りっぱな建物が続々と建っているにもかかわらず、郵便局の窓口は非常に貧弱だ。特に、普通局ばかりでなく、特定局に至っては非常にひどいです。こういう点がやはり貯金の事業の将来に大きな影響をもたらすだろうということは、当然考えられるのです。しかし、ほかの金融機関のないところに郵便局があるという強みがあるので、放置されているというところがあろうと思うのです。漫然としてあぐらをかいているという点もあると思うのです。したがって、一般大衆から見ても、利用者から見ても、これなら安全だ、ここに預けるなら安全だといものを一日も早くつくり上げるということが問題だと思うのです。その点については、なお一そうの御努力を願いたいと思います。これはまた四十一年度の郵政特別会計の問題のときに十分に御質問したいと思います。
それから窓口取り扱い時間の延長の問題について答申は触れているのですが、特に昼めし時間の三十分を取りやめて、全期間奉仕のために開放しろ、こういう意見ですが、この点についてはどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/182
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183・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まあ要員の問題が一つございますし、なお勤務時間の協定の問題がございますので、それらの解決のために慎重に検討中ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/183
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184・野上元
○野上元君 無集配特定局というのは幾つあるのですかね、一万二、三千くらい……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/184
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185・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま仰せのとおり、一万三千くらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/185
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186・野上元
○野上元君 そうしますと、この三十分を利用者のために開放するとなると、現実的にはどれくらいの定員の増員が必要なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/186
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187・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一応試算いたしましたところでは、七百人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/187
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188・野上元
○野上元君 今回はまだそこまで踏み切っておらないということですが、将来この問題については検討する気持ちはあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/188
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189・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) この答申のみならず、一般からの要望も非常に強い点がございますので、できるならばそういうふうにやりたいというふうなことで検討いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/189
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190・野上元
○野上元君 次には権利消滅の問題についてお尋ねしておきたいと思いますが、年々数億に達しておる、しかも年々増加の傾向にある、こう言われておりまするが、これは正確な数字はわかりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/190
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191・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 権利消滅郵便貯金に関しましては三十九年度八億、振替貯金に関しましては二千四百万円。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/191
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192・野上元
○野上元君 年々増加しておるということをここで言われておりまするが、実際はそういう状況にあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/192
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193・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十四年からの振替貯金の権利消滅を見ますと、少しずつ、たとえば三十八年度は千八百三十万円、三十七年度は千二百万円というふうな数字に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/193
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194・野上元
○野上元君 これを防止する方法というのは、実際問題としてはないのですか。この程度はもういかに努力をしてみても結局やむを得ないという数字でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/194
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195・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 現在のやり方で十分というわけにもまいりませんと思いますが、四十八回国会におきましても法律改正をいたしまして、権利消滅の中断事由をたくさん拡大していただきまして、権利消滅になることを防止するというふうな制度にしております。本年度は睡眼の元通を実施いたしまして、寝ている郵便貯金に対しまして元利通知をするというふうなこともやっております。権利消滅に関します注意書きを各通帳、証書等にははっきりと記入いたしまして、利用者の注意を喚起するというようなことをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/195
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196・野上元
○野上元君 それらの点をすべてやっても、なおかつこれだけのものが出るのであるから、将来それ以上の方法というものはちょっと考えられないということでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/196
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197・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一応ただいま申し上げましたような手段を講じまして、なお権利消滅の出るというふうなことは防ぎ得ないと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/197
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198・野上元
○野上元君 まあ格段の御努力をいただきたいと思います。
その次の質問は、この消滅した金を一般の歳入金として処理しておるという現行制度についての疑義が述べられておるわけですが、答申を出した側の意見としては、どういう処置をせよと、こういう内容なんでしょうか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/198
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199・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) こういう金はできるだけ預金者に還元するようなことに使えという御趣旨と思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/199
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200・野上元
○野上元君 もう一度言ってもらえませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/200
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201・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) できるだけ、預金者の金であるから、直接預金者に還元するようにしろというお考えではないかと思います。われわれも、雑収入で受け入れました場合に、やはり間接的には預金者に還元しているのじゃないかというふうに考えますが、この答申の趣旨は直接ということだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/201
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202・野上元
○野上元君 その場合、八億の資本金で何か事業団でもつくれということですか、そういう方法のことを言っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/202
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203・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) そういう構想の委員の方も発言中にはおいでになったようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/203
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204・野上元
○野上元君 わかりました。
それから、機械化の問題についてちょっと触れておきたいと思いますが、パンチカードシステムを導入して以来相当の効果をあげておる、こういうふうに言っておられまするが、パンチカードシステムの設備費はどれくらいなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/204
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205・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 借料といたしまして三億ほど。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/205
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206・野上元
○野上元君 借料は年間三億ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/206
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207・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/207
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208・野上元
○野上元君 どこから借りているのですか、それは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/208
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209・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) IBMでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/209
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210・野上元
○野上元君 アメリカのIBMから借りているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/210
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211・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) はい、さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/211
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212・野上元
○野上元君 これは日本ではまだ全然できないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/212
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213・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 現在では日本でもできるそうでございますが、われわれのほうは三十六年に入れました当時の事情から、IBMで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/213
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214・野上元
○野上元君 その貸借契約期間は何年になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/214
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215・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 毎年更新いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/215
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216・野上元
○野上元君 パンチカードシステムというのは、具体的にはどれを言うのですか。借りておるのは、何といいますか、機械が幾つも合わさってシステムと言っておるのですか、それとも機械一台なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/216
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217・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) いろいろな機械を組み合わせましてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/217
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218・野上元
○野上元君 その場合に、このシステムは何システムいま借りておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/218
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219・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 四システムでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/219
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220・野上元
○野上元君 そうしますと、四システムということになりますと、一つの借り料は、三億の四分の一、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/220
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221・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま四システムと申しましたのは、東京、長野、甲府、名古屋の四局をさしておりますので、規模によりまして一つのシステムが違ってまいります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/221
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222・野上元
○野上元君 規模によって違うということになれば、当然借り料も違うわけですね。それをちょっと説明してくれませんか。東京が幾らで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/222
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223・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 東京は六千六百五十万円でございます。名古屋は七千百九十万円、甲府は四千六百万円、長野は三千四百六十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/223
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224・野上元
○野上元君 東京よりも名古屋が大きいというのは、どういう意味ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/224
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225・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 機械の台数が多いということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/225
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226・野上元
○野上元君 それは当然だと思いますが、常識的に考えて、東京が一番大きなシステムが必要で、順次小さくなっていくのじゃないかと思うのだが、名古屋のほうが大きいというのはどういう理由に基づくのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/226
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227・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 口座数が名古屋のほうが多いということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/227
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228・野上元
○野上元君 この四つの合計では三億にならないように思うのだが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/228
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229・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいまのは機械の借料だけでございまして、この機械に伴いますカードの購入費とか、ロール紙の購入とか、リボンの購入、カードケースその他のこれの付属物の購入金額がございますので、全額合わせまして先ほど申しました三億ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/229
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230・野上元
○野上元君 そうしますと、先ほどの三億の内容は、機械の借り入れ代とそれに付属するものの購入代、こういうふうに解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/230
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231・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/231
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232・野上元
○野上元君 そうしますと、この三億という数字は、年によって変わるわけですか。機械の借り入れ料は、これはもう固定して等分にやっておられると思うのだが、購入するものについては年々違うわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/232
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233・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 四十年度に、先ほど申しました三億に該当するものは、二億六千万円でございまして、年々若干ずつふえてまいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/233
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234・野上元
○野上元君 このパンチカードによって相当効果をあげておるというふうに言われておりますが、この相当の効果とは何ですか、どういう効果があがっていますか。
〔理事新谷寅三郎君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/234
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235・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 一例をあげますれば、手作業に比較いたしまして百数十人程度まあ人間が減るという、これは計算だけの問題でございますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/235
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236・野上元
○野上元君 計算上の効果では、私はこれは効果にならぬと思うのですね。機械を入れた場合の効果と言われれば、いわゆる労働生産性が高まるということが最も大きな効果だと思いますね。その場合、あなたの言われたように、百数十名の人間が計算上は浮くんだと。しかし実際上はこれは浮かすわけにはいかぬのだということになれば、相当の効果はあがっておらないじゃないですか。むしろ逆に、あなたのほうは、経費コストが高くなるんじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/236
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237・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) これは物増をこれでカバーしていくというようなつもりで言ったんでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/237
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238・野上元
○野上元君 そうしますと、現在の効果、機械を入れたときの効果というよりも、将来に向かっての効果、当然増員さるべきものをこの機械によって増員しなくて済むと、こういう効果を言っておられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/238
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239・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 仰せのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/239
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240・野上元
○野上元君 その次に、事故、犯罪の問題についても触れておるので、ちょっとお聞きしたいのですが、この貯金プロパーの事故、犯罪件数及び金額、これを最も新しいものを教えてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/240
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241・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三十九年度におきまして発覚をいたしました郵便貯金関係の犯罪は千三百三十五件でございまして、金額にいたしまして九千八百九十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/241
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242・野上元
○野上元君 その事故の種類はいろいろあると思いますが、一番多く見られる事故の種類は何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/242
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243・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 貯金関係で申しますれば、不法領得の貯金通帳等による詐取が千二百八件で、圧倒的でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/243
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244・野上元
○野上元君 事故件数の推移について知りたいんですが、毎年増加の傾向をたどっておるんですか、それとも減少の傾向をたどっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/244
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245・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 総体的な観点から申しますれば、金額、件数とも減少の傾向でございますが、ただ昭和三十八年度と九年度を比べますと、金額では千三百五十五万円減少でございますが、件数では二十件この場合では増加いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/245
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246・野上元
○野上元君 もとにもう一度返りますが、この振替貯金に従事しておる定員というのははじけますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/246
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247・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 三千六百九十五名でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/247
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248・野上元
○野上元君 今回の改正によって利子の計算がしなくても済むということになった場合に、この定員はどれくらい削減できるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/248
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249・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 行程能率から計算いたしますと、四十六名ぐらいは減るということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/249
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250・野上元
○野上元君 さしむきこの四十六名はどういうふうに処置するのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/250
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251・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいままで申し上げましたとおり、この制度の改正によりまして件数増を考えておりますので、そういう方面に振りかえるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/251
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252・野上元
○野上元君 約束の時間が参りましたので、私の質問はこの程度に本日はとどめておきたいと思いますが、なお、たとえば剰余金の問題について、あるいはまた振替貯金の自主運営について、あるいは将来の機械化等の問題について大臣に質問したいと思ったのですが、ついに大臣がお見えにならないので、そういう点は次回に譲るといたしまして、一応本日は私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/252
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253・横川正市
○横川正市君 ちょっと私から資料を要求したい。
これは、政務次官の見解を申し述べていただいて、あと資料要求したいと思うのですが、通常交際費といわれるような性格の予算ですね、それと、それから保険とか貯金の奨励費という金の性格的な違いについてひとつ見解をお聞きいたしておきたいと思います。
それから、貯金関係での奨励費の総額と、郵政局別資金の割り当て額を資料でひとつ出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/253
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254・田中一
○委員長(田中一君) よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/254
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255・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 予算上、交際費と、それから奨励費の区別という御質問の御趣旨かと思いますが、交際費としては予算上−…。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/255
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256・横川正市
○横川正市君 まあないですね。通称そういうふうに言われている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/256
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257・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) そういうあれはないと思っております。
奨励費は、御承知のように、まあ貯金、保険等の目標額を達成し、かつまたそれ以上に成績をあげたいということで、事業の進展のために大いに活躍をしてもらいたいということから、特別の成績をあげたところへ交付するたてまえをとっておるように私理解しておるわけでございます。
先ほど、郵政局別の資金ということでございましたが、これらの関係の経費についての資料でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/257
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258・横川正市
○横川正市君 私は、会計処理上の方法とすると、どうもこの奨励費の使用内容が、たとえばまあ監察等の捜査あるいは検査の対象としても、いわゆる通称いわれている交際費と同じような取り扱いをまあ取り扱いとしては受けているのじゃないか。しかし、性格上はいささかこれは違うんではないかというふうに思われるので、見解をお聞きしたわけですが、前段だけのお答えで、実際上の事務上の取り扱い上どうされているかについては、これはまた後刻お聞きいたしたいと思いますので、総額及び各郵政局別の奨励費の総額を資料として出していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/258
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259・亀岡高夫
○政府委員(亀岡高夫君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/259
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260・田中一
○委員長(田中一君) ちょっと伺いたいのは、これは貯金局長に質問しますが、用紙は今度無料になった場合、従来の用紙というものが、払い込み用紙は何億枚かわからないので、払い出し小切手、それをどのくらい出しているかということを伺いたいのと、無料になったために加入者の請求によって無限に出すということになっているのか。無限に出すとするならば、どういう限度を考えて予算づけをしようとするか。たとえば、よく新聞等に広告して、少年に金を払い込ませてだますなんということがあります。そういう連中は、おそらく相当数の振替用紙をもらって、そうしてそういう子供たちに売りつけて、金を送らして詐取するなんということを再々聞くわけですけれどもね。その限度をどう考えているのか。ですから、現行法でどのくらいつくっているか。それから今度の新法でどのくらいつくろうとするか。それが限界なしに要求によって出そうとするのか、あるいは限界を設けるのか。一方法律には私製用紙というものもつくっていいことになっておりますが、それらの点はどういう考えを持っているのですか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/260
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261・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) まず無償で交付する場合の限度の点でございますが、これは省令で、大体一月ぐらいの使用量を最高にして無料で加入者に渡すというふうに制限いたしたい、かように考えております。冊数といたしましては、郵政省としてつくりますのは、四十三万冊程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/261
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262・田中一
○委員長(田中一君) 四十三万というのは、全部入れて四十三万ですか、三種類を入れて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/262
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263・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/263
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264・田中一
○委員長(田中一君) そうすると、小切手用紙は幾らぐらいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/264
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265・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 約二万六千冊でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/265
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266・田中一
○委員長(田中一君) 内訳ちょっと話してください、払い出し用紙は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/266
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267・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 払い込み書のほうは二十一万四千冊、払い出し書は五万七千冊、小切手帳はただいま申し上げました二万六千冊、そのほか郵便局の窓口で一枚々々渡します分が十四万冊と、こういうことで、全部で四十三万冊。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/267
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268・田中一
○委員長(田中一君) そうすると、現行ではどのくらい出しておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/268
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269・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) ただいま申し上げた数字が現行でございまして、無料によりましてふえると考えられる冊数は二千四百冊、かように……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/269
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270・田中一
○委員長(田中一君) しかし、こんな程度のもので——無料と有料とでは各段の違いがあるのですよ。こんな程度で押えようとするのか。押えるための省令なら、省令の一つ案を出していただきたいと思うのです。無料というキャッチフレーズでもって今度法律を改正して、ある限度で押えるなんていうことになると、これは国民をだますものですよ。ことに小切手などは、悪用しようとすれば、しろうとはわからないので、小切手と書いてあるならば、これはすぐに現金化されるのだと思って、乱発されるおそれがあるわけです。これは、本人の名前を書かないで、別の名前でやるかもわかりません、盗んだ場合には。そういうものを買っているから、そうした意味の犯罪が防止される点もありましたが、ただのものになったらば、加入者のそれの管理方法も非常に変わってくると思うのです。有料のものですと、管理者は非常に大事に管理しますけれども、ただもらえるのだということになったらば、加入者の意識というものは非常に散漫になってくると思う。そういう点はどうするのか。たとえば、いまあなた言っているように、省令できめるなら、省令でどういう限界でそれをきめようとするのか、省令案を出していただきたい。それから、いま言っているような疑問ですね、これらの根拠を明らかにして、無料ということを言いながらその限界があるんだと——これは限界があるだろうと思っておったのですが、しかしそれがどういう限界か、二千四百冊程度のものを今度ふやすんでございますじゃあ、二十四万に対して五%にもならない、五厘ぐらいで、その程度のものじゃ、私は要求のほうが強いと思うのです。そういう点をひとつ、次の委員会でいいですから、その省令案をつくると一緒に、答弁してほしいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/270
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271・稲増久義
○政府委員(稲増久義君) 承知いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/271
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272・田中一
○委員長(田中一君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
次回の委員会は三月十五日火曜日午前十時を予定としまして、本日はこれにて散会いたします。
午後三時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114816X00819660310/272
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