1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十日(水曜日)
午後一時三十分開会
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委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
安井 謙君 河野 謙三君
多田 省吾君 渋谷 邦彦君
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出席者は左のとおり。
委員長 熊谷太三郎君
理 事
柴田 栄君
八田 一朗君
伊藤 顕道君
北村 暢君
委 員
石原幹市郎君
源田 実君
三木與吉郎君
森 八三一君
山本茂一郎君
山本伊三郎君
鬼木 勝利君
渋谷 邦彦君
中沢伊登子君
国務大臣
大 蔵 大 臣 福田 赳夫君
国 務 大 臣 藤山愛一郎君
国 務 大 臣 安井 謙君
政府委員
総理府総務副長
官 細田 吉藏君
総理府総務副長
官 古屋 亨君
内閣総理大臣官
房臨時在外財産
問題調査室長 栗山 廉平君
総理府人事局長 増子 正宏君
総理府恩給局長 矢倉 一郎君
総理府統計局長 野田 章君
中央青少年問題
協議会事務局長 赤石 清悦君
経済企画庁長官
官房長 澄田 智君
経済企画庁調整
局長 宮沢 鉄蔵君
経済企画庁国民
生活局長 中西 一郎君
経済企画庁総合
計画局長 向坂 正男君
経済企画庁総合
開発局長 鹿野 義夫君
大蔵大臣官房長 村上孝太郎君
大蔵省主計局次
長 武藤謙二郎君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
内閣総理大臣官
房参事官 福田 勉君
大蔵省主計局給
与課長 辻 敬一君
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本日の会議に付した案件
○経済企画庁設置法の一部を改正する法律案(内
閣提出、衆議院送付)
○総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一
部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
○国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
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001・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き本案に対する質疑を続行いたします。
関係当局からの御出席は、藤山経済企画庁長官、澄田同官房長、中西同国民生活局長、鹿野同総合開発局長、以上の方々でございます。
御質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/1
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002・北村暢
○北村暢君 私は、この設置法の改正に直接関係のあります山村振興の関係について御質問いたしたいと思いますが、まずこの山村振興法の、これは議員立法で十年間ということでやるわけでありますが、大体の目標的な計画、これは一体どのようになっておるか、この点ひとつ伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/2
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003・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 全国で山村というのは非常に数多くあるわけでございますが、この法律で一応山村といいますのは、山村の要件をまず備えたものということで、林野率が七五%以上、人口密度が一町村当たり一・一六人未満といったものを一つの要件と考えまして、政令でその要件が定められておるわけでありますが、そういった要件を備えた山村が、全国で言いますと、新市町村の数で千三百四十くらい、旧市町村の数で言いますと、二千二百ほどございまして、国土の面積の約五〇%近いものがそういった要件を持った山村で占められておるわけでございます。そういった一応林野率も高く、人口の密度も比較的低い、そういう山村の中から振興山村を指定いたしまして、その振興山村につきまして振興計画を都道府県知事が作成いたしまして、政府のほうに承認を求める、政府のほうもいろいろ検討して審議会にもおかけしてその計画を承認する、その計画に基づいて山村の振興をはかっていくという段取りになるわけでございます。ただいま本年はその振興山村といたしまして七十二の市町村につきまして一応指定をする段取りできょうあすじゅうに正式の告示という段取りになっているわけでございます。それらの町村につきまして、都道府県知事が振興計画をつくって、それについてさらに検討を加えて承認していくという段取りで、全体といたしましては非常に数多い山村をこれから対象にいたします関係上、大体全部の指定といいますか、全部といいますか、山村としての要件を備えた山村の中から振興山村を選ぶ、その振興山村というのはかなりの部分になると思います。したがいまして、面積的にも、また数の上でも非常に多い。これから大体五、六年間かけて全体の指定及びその計画をつくっていくというふうなことになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/3
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004・北村暢
○北村暢君 それで相当の数のようでございますが、最初七十二地域来年度振興山村として指定をするということのようでございますが、これを五、六年の間に都道府県の振興計画をきめて申請してくるという形になってくるのでしょうけれども、相当いまおっしゃったように、政令で適用される条件を持っている市町村の数が千三百四十市町村というと、これは相当なものでしてね、まあ百ずつやっても五百市町村しか——半分ぐらいしかおそらくできない、このように思われるのでありますが、どうでしょうか。こういう多数ある条件を持った市町村に対して、大体完全に全部指定をするというようなことになるのですか、それとも半分くらい。総体的な構想というものは一体どのように持っておられるか、この点ひとつお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/4
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005・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 新市町村の部分で千三百四十ございます。ことしそのうち七十二地区を指定するわけでございますが、来年は一応百地区くらいをやるということで予算化をはかっております。その後、順次、一、二年の間は事務的にもなれない面もございますが、その後順次ふやして仕事を進めてまいりたいと思います。全体といたしまして幾つぐらいになるか、どの程度になるかということは、いまの段階でははっきり申し上げられませんが、千三百四十の新市町村の中で相当部分が指定される、五割とか六割というよりもう少し数の多いものが指定されるというふうに考えております。いろいろな条件で実際に計画を立てるになかなかふさわしくないところ、あるいはほかの法令等でカバーされて振興をはかられているというようなものが除かれていくという結果、すべてではございませんが、相当数が指定されることになるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/5
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006・北村暢
○北村暢君 その振興山村の対象として一町村当たり平均三千万程度の事業内容とこういうふうに考えているようでございますが、そのうちの国庫の補助並びに県、地元の負担率はどのようになっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/6
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007・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 振興山村の振興事業は幾つかございますが、一つの中心をなすものは、いま先生がおっしゃられました農林省に計上されておる特別開発事業でございまして、これは一地域につきまして大体平均三千万ぐらいの事業を予定し、農業基盤の整備とか、農業近代化のための諸施策をやるということで考えておりまして、これは三千万の総事業ですが、大体四年ぐらいにわたってやるわけでございます。国の補助率は二分の一でございます。そのほかに山村の振興ということで、当然中心になる事業といたしましては道路の整備の問題でございますが、これは同じく農林省のほうに農道の整備の予算といたしまして三億五千万計上しておりますし、また、林道といたしまして二億円計上しております。これらの補助率は、林道につきましては三分の二、基幹林道、基幹農道につきましては三分の二の補助率でございます。そのほかに、建設省のほうにも指定山村地域につきまして、特に市町村の整備をはかるということで、九億六千万の予算が計上されておる、これも三分の二の補助率でございます。その他、厚生省、農林省にそれぞれ僻地関係の教育施設の整備あるいは厚生施設等計上しておりますが、これらにつきましては、特にこの振興山村七十二の指定山村につきまして、幾ら幾らというふうにはまだ明確に区分ができておりません。これから予算の配分において、実情に応じて配分されていくというふうになろうかと思います。予算の内容は大体そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/7
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008・北村暢
○北村暢君 県負担はどのくらいになるんですか、県の負担は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/8
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009・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 県の単独事業でございますか。県の負担のことでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/9
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010・北村暢
○北村暢君 県の負担……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/10
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011・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 負担でございますか。先ほど申し上げました事業の中の、農林水産業の特別開発事業につきましては二分の一の国の補助でございまして、二分の一は県が持つということになるわけでございます。それから市町村道の三分の二の補助の裏は主として市町村が持つことになります。県はほとんど負担いたさない、例外的には負担することがあろうかと思いますが、あと農道、林道につきましては、当該市町村あるいはそれらの組合、場合によっては県が負担をするということもございまして、全体として具体的に個々の場合によってきまるかと思います。県の負担は比較的少ないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/11
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012・北村暢
○北村暢君 そうしますと、事業の内容にもよるわけでありますけれども、主としてこれはいま出ているところは道路が主体のようでございますね。したがって、まあ農免道路、農免の林道、こういうものも含めて総合的にやろうということのようでございますが、道路の点については二分の一の国庫補助と、特別開発事業は県が二分の一持つというから、これはまあ市町村の負担がないわけですが、その他が市町村負担ということになると、現在の市町村の財政からいって、しかもこの山村地域の市町村としてはこれは相当な負担になるんじゃないかというふうに思われるんです。したがって、これは相当県が見なければ、市町村にたよっておったんでは実際に事業が計画されても実施ができない、こういう結果になるんじゃないかと思うのです。特にガソリン税を財源とするところの農道並びに林道、特に農道のほうは昨年これが実施されても条件がむずかしくてなかなか事業が進んでいないわけなんです、という状況が現実に出ているのですがね。これらの配慮はどういうふうになされているか。それから見返りの林道の場合二億円、これはすでに場所はきまっております。森林開発公団でやる三ヵ所かの林道がこれに該当しているのかどうなのか、あれ以外にこの二億円でやるのか、そこらの内容をちょっと御説明願いたいと思います。
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013・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 委員の異動について御報告いたします。本日、多田省吾君が辞任せられ、その補欠として渋谷邦彦君が選任せられました。
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014・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) ただいまの御質問の中の、公団がやっている林道は別であるかということでございますが、これはいま申し上げました二億のほかでございまして、その二億の対象にはなっておりません。
それから、おっしゃられましたように、地元負担、特にそれが町村にかかる場合は、確かに非常に財政貧困な市町村が大部分でございますからかなり問題であろうかと思います。私どもも県のほうができるだけ援助の手を差し伸べるように指導してまいりたいと思います。国からの助成措置についてもできるだけ手厚くやるように今後とも考えていきたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/14
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015・北村暢
○北村暢君 特にお伺いしたいのは、振興山村——農林漁業特別開発事業というのは、これの事業の内容ですね。これもおそらく道路でないかと思うのですね。これは一体、この事業の内容はどういうものをやろうとしておるのか。この点を、ひとつ法律の定義、目的、目標等関連をして、どういう事業が主体になって計画されようとしておるのか。この点をひとつ御説明願いたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/15
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016・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 特別開発事業は、農林省の所管に計上されておりまして、具体的な詳細な内容につきましては、農林当局のほうからお答えすることのほうが適当かと思いますが、とりあえず私のほうから申し上げますと、特別開発事業の内容の中には、道路関係はただいま申し上げましたように、別途林道、農道あるいは市町村道ということで道路の整備を行ないますので、特別開発事業からは、道路分を除いてといいますか、含めないでいくというふうになっております。その点が一つと、それから内容的には、農業基盤の整備、まあいわゆる小団地土地改良事業的なものあるいは農業の近代化設備としての共同施設あるいは畜産等の関係の畜舎その他の施設と、非常に多種にわたるわけですが、幾つかの適当なる事業をいわゆるメニュー方式によって地元の希望と合致させながら振興をはかっていくという形をとってまいることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/16
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017・北村暢
○北村暢君 その農林漁業特別開発事業というのは、農林省の所管の局はどこなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/17
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018・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 農政局でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/18
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019・北村暢
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、この農林省関係のところまでは大体わかるのですが、建設省それから厚生省、文部省、自治省、運輸省、郵政省ですね。これは山村振興のための経費というよりは、従来の一般行政であったものが山村指定地域にあるものを集めてくるといったような感じに受け取れるのですがね。特別に山村振興のために農業関係のように特別開発事業としてやるというふうには受け取れない感じがするのです。したがって、それを総合的に、従来の経費でもって総合的に行なっていく、こういうふうな理解だろうと思うのですが、したがって、予算関係なんかも四十一年度で農林関係の農道、林道その他の計画から見れば二百二十八億という予算で非常に大きいわけです。したがって、これらの経費を全部山村地域のものを集めればこういうふうになる、こういう程度の理解だと思うのですけれどもね、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/19
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020・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 先ほど申し上げましたのですが、市町村の九億六千万という市町村道の予算は、これは建設省の所管でございますが、指定振興山村についてやるということになっておりまして、ほかの地域に計上されたものではございません。それからその他の厚生省の関係のたとえば簡易水道施設とか僻地の医療対策施設とかいったようなもの、あるいは文部省の僻地教育関係の施設といったようなものにつきましては、先生のおっしゃられましたように、僻地全般の問題のための予算の計上になっておりますから、その中で指定山村につきまして、計画に基づいて比較的重点的に整備をしていくというふうに、各省とも協力して総合的に施策を進めていくと、そういうふうな形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/20
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021・北村暢
○北村暢君 そこで私は、たとえばこの町村道だとか、道路関係は農道なり林道なり大体わかりますけれども、特別開発事業等について一事業三千万ということで、これの計画を県から申請すると、こういうことになるようですが、それ以外のものもひっくるめてこの審議会に山村振興計画として出てくるのかどうかという問題、そしてこの特別開発事業の三千万というのは、農業構造改善事業なり、林業構造改善事業なりというものとはまた別にやっているわけなんですね。そういうものとの関連でどういうふうになっておるのかあまりはっきりいたしませんけれども、一町村三千万円の特別開発事業が、しかもこれが四年間の事業でやるというわけでしょう。そうすると、国の補助が一年に一町村に百何十万くらい程度しかいかないわけですね。それで先ほど言った小団地の土地改良だとかあるいは共同施設事業だとかいろいろ計画あるようですけれどもね、ほんとうに山村振興ということに該当するような事業になるのかどうなのかね。しかも先ほどの御説明によるというと、大体適用条件になるような市町村には五割とか六割でなしに、もっとたくさん指定せられると、こういうことになれば、その経費がいって、山村地域の農業の基盤整備なり何なりというものがびっくりするほど近代化されて文化的になるような、農業生産が上がるようなことにはとてもならないのじゃないかという感じがする。したがって、私は離島振興でもそうなんですけれども、往々にして議員立法の事業については予算がなかなか大蔵省も認めないわけです。したがって、この事業は遅々として、やっているのだかやっていないのだかわからないような状態で進んでいるというような形なんですね、従来の例から。したがって、この山村振興指定地域の特別開発事業というようなものも全く形式的なものに終わるのじゃないかというような懸念を持っているわけなんです。したがって、そういう面について一体政府が山村振興にどのような熱意を持って臨まれるかということを、私は基本の問題でございますので、これはひとつ大臣にこの議員立法である十年間の計画の時限立法である法案に対して、山村振興についてどういうふうに取り組まれるか、その熱意のほどをひとつお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/21
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022・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 国土総合開発計画をやっておりますと、山村の問題が置き忘れられたような感じが起こってまいります。したがって、今回議員立法でできました山村振興については、そういう見地に立ってわれわれも非常な力を入れてまいらなければならぬと思います。離島振興のような場合でも、相当年数がたちましたので、成果は出てきておると思っておりますが、この山村振興は昨年できましたばかりでございまして、指定山村もこれから七十二ヵ所くらい指定していくと、お話のように、たとえば豪雪地帯の法律ができましても、日本の豪雪地帯ほとんど面積の半分くらいです。ですからある程度重点的に少し考えていきませんと、日本全部の半分がこの山村みたいな形にもなっておりますので、その中で各県当局と相談しながらまた立案されて、一番重点的に必要なところからやっていくと、こういうことが大事だと思います。そこでわれわれもやります以上は非常な熱意を持ってやって、予算等の措置についても今後毎年多くを獲得して仕事をしていかなければならぬと思います。ただ、最初でございますので、われわれにいたしましてもどういうところから手をつけていったらいいのか、また、県が出してきますいろいろの計画というのはどういうところに重点があるかということがその地方地方で若干違ってくると思います。したがって、そういうようなものが逐次出てまいりまして、十分重点のねらい方、仕事の重点のねらい方というようなものがきまってくるのではないかという感じがいたします。ですから七十二ヵ村に対して県がそれぞれ計画案を出してきて、これから実行していくわけでございますが、そういうものを見ながら来年度等の予算については、その傾向の上に立ってわれわれも大きく予算措置等をしていくようなつもりで現在熱意を持ってやる考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/22
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023・北村暢
○北村暢君 それで内容的に若干お伺いしますが、先ほど補助率の二分の一という問題ですがね、それから農道、林道、これらの問題について山村振興法に基づくものは従来の一般の土地改良その他農業基盤整備の補助率と、これは有利になっているようにはちょっと見えないのですけれどもね、その点はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/23
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024・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 補助率そのものにつきましては、他の地域と山村の地域と現段階では区別いたしておりません。ただ補助対象として取り上げる事業のきめのこまかさといいますか、たとえば従来では取り上げられなかったような団体だとか、あるいは小規模な草地改良とか、そういったものをかなりこまかく取り上げていくというふうなことで非常に採択基準の緩和をかなりはかっておる。補助率の引き上げの問題につきましては、今後の努力ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/24
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025・北村暢
○北村暢君 確かに基盤整備にしても、一定規模以下であれば該当しないということで、できないわけですけれども、山村ではそれを適用したんでは事業ができないということで、適用基準を下げたのはいいんでしょうけれども、この特別開発事業等を見ましても、私は山村地帯の基盤整備事業なんというのは、今後の農業をずっと考えましたときに、平場地帯の生産性の高い農地とは違いまして、圧倒的にこれは草地造成とか畜産振興、食肉増殖のための草地の造成とかそういう粗放なものになっていく可能性というものが非常に強いんじゃないかと思うんですね。したがって、基盤整備事業等においても、規模の問題だけではいけないので、先ほども申したように、一審貧困な、所得の一番低いところでありますから、これを自己負担があったりなんだりするというと、先ほど申したように、せっかく計画は立てても実施ができない、こういう返上せざるを得ないというようなことになるんじゃないか、そういうような気持ちがするんです。ですから補助率等の問題についても、私はやはり相当そこら辺の配慮というものがなされないというと、目的が達成されないんじゃないか、こういうふうに思うんですね。今後の努力ということのようでございますが、これはひとつ早急に検討をしていただきたいということを要望しておきたいと思うんです。ひとつ大臣のこれに対する所見をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/25
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026・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 山村振興というようなことをやりまして、中途半端なやり方をいたしますと、それだけ国費のむだ使いというようなことになりますので、やはり重点的に相当援助するものは援助して、そのものが成り立つようなふうにやっていかなければならぬ。ですから、その意味からいえば、広く取り上げますよりも狭くやって、一つ片づいていけば次に行くというのがむしろ常道ではないかというふうに考えます。そういう意味で、われわれも、今後の山村そのものの実情に応じまして、この間も衆議院でも御議論がありましたけれども、林野率だけでもって山村と言えないんじゃないかという御議論がございました。もっともなことだと思います。したがって、その所によって条件がいろいろ違ってくると思います。ですからそういうものを今後考えまして、そうしていま申し上げたような方向で進んでまいります。また、県等が指定山村を申請してくる、あるいはそれに対する開発計画を立てるという場合におきましても、県当局ともよく話し合いながら、県当局がそれを開発する意欲のあるような県当局の考え方の上に立ってやりませんと、単純にただ条件だけが山村だということで、県当局のあまり熱意のないようなところをやっても相ならぬと思いますから、ともども成果をあげるような方向でひとつ運営してまいりたいと、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/26
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027・北村暢
○北村暢君 どうも答弁が補助率のところははっきりなかったようですけれどもね、そこのところをはっきり聞いておきたいのですが、再度ひとつ御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/27
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028・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 一応補助率は現在のようなことで出発しております。今後、したがって、そういうような意味で山村振興の状況等を考えまして、必要がある場合には、そういう点について財政当局とも相談をしながらまいるつもりでございますが、一応現在は、いま申し上げたようなところできめておりまして、県当局等の特段の配慮をしていただきまして、県内の山村振興をしていただくということに協力していくという形でございますから、そういう気持ちでやったので、将来運営に従ってわれわれも考慮してまいりたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/28
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029・北村暢
○北村暢君 そこで、山村振興対策審議会の委員の名簿というのはもうできたのでしょうか。ちょっとわかっておりましたら発表していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/29
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030・鹿野義夫
○政府委員(鹿野義夫君) 読み上げます。群馬県鬼石町長の飯塚さん、社団法人日本自動車会議所常務理事小野さん、それから社会保険診療報酬支払基金理事長大山先生、農林漁業金融公庫総裁清井さん、それから全国森林組合連合会常務理事の喜多さん、宮崎県知事の黒木さん、糖価安定事業団理事長昌谷さん、全国山林労働組合協議会副議長阪本さん、地方財政審議会委員の武岡さん、全国農業協同組合中央会副会長の外岡さん、社会開発懇談会委員の日野水さん、原子燃料公社理事の藤村さん、全国山村振興連盟常務理事の増田さん、日本放送協会解説委員の三神さん、三井港湾開発株式会社社長の山本さん、以上の十五名でいらっしゃいます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/30
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031・北村暢
○北村暢君 この山村振興対策審議会は総理府の附属機関として置かれ、主として企画庁が主宰してやることになるのだろうと思うのですが、これの計画について、この対策審議会は審議をすることになっているようでございますが、これについては、企画庁の性格から言って、調査並びに計画の承認をするという程度のことで、実際の事業実施の予算というものはそれぞれの各省にまたがっているわけです。したがって、なかなかこれはそういう特殊な行政のあり方でありますから、まとめ役として企画庁がなるのですが、実際は各省が一手に握って補助金その他を流すということになると思うのです。したがって、こういう行政のあり方というのは、どちらかと言えば無責任になってしまう傾向というのが非常に強いのですね。そういうようなことで、私は、せっかくできました山村振興法が、この目的を達するためには相当この振興対策審議会というものが活発に動き、そうしてその計画の実施なりなんなりという問題について相当の見識を持たなければいけないと思うのです。したがって、この審議会は諮問に応ずるだけでなしに、意見等も言えるような審議会になっているのじゃないかと思うのですが、そういうような点で随時審議会というものを権威あらしめて、末端の事業実施について相当な、まあ監視の機関じゃないのでしょうけれども、実施にあたっての意見というものがなされてしかるべきである。そうでなければどうも成果があがらないのじゃないかというような感じがする。先ほどもありましたように、特殊な事業というのは二億二千万程度のもので、あとの経費というのは、大体普通に振興法の指定地でなくて、指定がない場合でも実施する事業である、そういうようなことですから、特に振興法ができたから特別の仕事をやるというはっきりして出てきているのは、特別用開発事業だけであって、そういうようなことですから、この特別開発事業だけは何か若干の仕事をしそうに見えるのですが、あとの事業というのは、山村振興に指定になろうがならなかろうが行なわれる事業である、こういうようなことで各省の権限にまかせっぱなしになってしまう、こんなような感じがするのです。したがって、私はこの運営にあたっては、やはり非常におくれた社会環境、文化の程度、そういうものまで含めて、この振興という、そういう性格から企画庁において総合調整やろうというわけですから、そういう意味で、この対策審議会というものの運用というものは非常に重要だと思います。この点について、先ほど来大臣の熱意を持ってやられるという御意見もお伺いしておりましたが、この対策審議会の運営について、ひとつ抱負のほどをお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/31
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032・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 山村振興につきましては、企画庁としては立案、企画、調整、そうして予算の配分等について各省にそれぞれ協議をしながらはっきりした線を打ち出してまいりたいと思います。そうして企画庁も離島振興の経験を持っておりまして、離島振興等につきましては各省も非常によく協力していただいておりますので、われわれもそれと同じようにこれが運営されるものだと思います。同時に、御意見のありましたとおり、審議会等を活用して確固たる審議会の御意見を伺いながら、ひとつおくれないように努力してまいるつもりでございます。そうして仕事が各般にわたっておりますので、どういうことから手をつけていくかというような問題については、それぞれそのときの事情によりましてやはり強力にやってまいらなければならぬ問題でございますから、そういう点については審議会の御意見を伺い、各地の事情等照らし合わせて、企画庁において立案、計画したものを各省が必ず実施していただくという方向に持ってまいりたいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/32
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033・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ちょっと速記やめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/33
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034・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記起こして。
ほかに御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のおありになるお方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。
それではこれより採決に入ります。経済企画庁設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/34
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035・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/35
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036・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
暫時休憩いたします。
午後二時十九分休憩
—————・—————
午後二時二十九分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/36
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037・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) これより委員会を再開いたします。
委員の異動について御報告いたします。安井謙君が辞任せられ、その補欠として河野謙三君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/37
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038・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き、本案に対する質疑を続行いたします。
なお、関係当局からの御出席は、安井総理府総務長官、矢倉恩給局長、赤石中央青少年問題協議会事務局長、福田総理府官房参事官、以上の方々でございます。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/38
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039・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前回に引き続いて二、三お伺いしますが、最初お伺いしたいのは、同和地区内、それと同和の方々の就業状態、これは一体どうなっておるかということを、この際、お伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/39
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040・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 同和地区における就職状態と、こう申しましても、これは格別規則とか、あるいは法律やそういうものでむろん区別があるわけではございません。結局、特定の集団を組んでおられまして、組んでおりますというか、集団的に部落が形成されておるというのが今日の状況でございまして、それも、平均いたしますと、あまり多い数じゃなくて、数十戸中心ぐらいな部落がそれぞれ散在をしておるという状況でございますが、いろんな長年の慣習上、環境の衛生状況もあまりよろしくない、あるいは職業についておる状況も必ずしもいい状況にないという、社会的な自然の条件がそういうふうな形に置かれておるということであろうかと思います。私どもは、そういう状況や環境を少しでも積極的にこれを直していくという方向につきまして、さらに強く政策を進めていきたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/40
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041・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私がいまお伺いしたのは、そういう意味ではなくして、同和地区内の、そして同和の方々の、業に就く、たとえば学校の就学率なんてよく言いますが、就業ですね、就業状態はどのようになっておられるかと、こういう点からお伺いしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/41
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042・福田勉
○説明員(福田勉君) 同和地区内の就業の状態でございますが、御承知のように、伝統的な部落産業ないしは零細農業に依存しているところが非常に多いのでございますが、三十八年の同和対策審議会の調査によりますと、常用労働者の率は、全地区の七〇・九%が常用労働者が七〇%未満の地区になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/42
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043・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なおお伺いいたしますが、全国の同和人口の中で生活保護法の適用を受けている方々は、大体、世帯でいいですが、どのくらいか、こういうことをお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/43
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044・福田勉
○説明員(福田勉君) 全国同和地区四十万七千二百七十九世帯のうちで、生活保護法による保護を受けている世帯は二万九千六十三世帯でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/44
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045・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この同和問題は多方面にわたっておる関係で、したがって、その対策も各省庁に関連しておるわけです。審議会の答申を見ても、こういうふうな点を指摘しておるわけです。同和対策関係諸官庁の横の連絡には欠陥が多い、こういう点で審議会が指摘しておるようです。で、今度総理府内に青少年対策の一環として青少年局を設置したわけですが、この場合と内情は全く同じであるにもかかわらず、同和関係の調整的な機関の設置がないのは一体どういうわけか、この点についてお伺いしたい。なるほど青少年行政の調整機関として青少年局はできたわけですね。同じように、同和対策についてもそういう調整機関ができてしかるべきだと思うんですが、その点に欠ける点があるんではなかろうか、こういう角度からお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/45
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046・安井謙
○国務大臣(安井謙君) おっしゃるようなことであろうかと思います。で、各官庁に連絡がそれぞれ必要なんだから、一つの行政局を設けるというようなことも必要ではないかというお話でございますが、まあこれは、対象の人員、あるいは対象の目標から申しましても、かなり限定されたものでございます。したがって、各省がそれぞれやっていただくものに対する献策を協議会でまとめていただきまして、そうしてさらに将来は基本法あるいは特別法のようなものをつくりまして、それにのっとってそれぞれでやっていただく、そしてそれの全体的な総合調査や調停を協議会でやっていただくという方法で実際の効果があがるのじゃないかと私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/46
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047・伊藤顕道
○伊藤顕道君 審議会の答申を見ますると、同和問題解決のために、政府による施策に対応して、その実効を確保するために、政府資金の投下による事業団形式の組総を確立すべきだ、こういう旨の答申がなされておるわけです。この点について、長官としてはどういうふうにお考えなのか、腹案はおありだろうと思いますが、その腹案がおありならば、この点について概要を御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/47
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048・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これもお話のとおり、答申の中には、事業団というようなものを設けて具体的に施策を進めるようなことを考えるようにという答申でございます。ただ、どういう形で事業団をやりますかというような問題につきましては、ひとまず協議会をつくりまして、その協議会でもっとコンクリートな検討を願いまして、その上で、どういう形のものがいいか、あるいは現状をさらに改良してやるほうがいいか、そういう点も協議会で御検討願った上できめたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/48
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049・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に在外財産問題審議会、この魚に関連して二、三お伺いいたしますが、昭和三十九年七月に設置されたわけですが、その後慎重にいろいろな問題を検討してきたと思うのですが、この審議会の経過についてまずお伺いをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/49
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050・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) 在外財産問題につきましては、御承知のように、在外財産問題審議会におきまして、一昨年審議会が成立いたしまして、自後、大体現在のところ、毎月二回平均会議を続けておる次第でございます。御承知のように、この問題は、政府といたしましても、非常に何と申しますか、補償の義務があるかないかというような問題その他につきまして、世上幾多の論議がございますので、在外財産問題審議会を設置いたしまして、審議会の答申によりまして政府としての措置をきめたいのでございますが、審議会は、ただいま申し上げましたように、大体月平均二回、月によりましては三回開催をいたしまして、この審議会におきましては、最初、国際法上の条約の関係をいたしまして、現在は、もし補償の義務があるという場合には、いかなる問題を検討すべきであるかという数項目の事項につきまして検討をいたしております。大体この次の四月六日の審議会で、この補償義務ありとすれば、どういうような具体的問題があるかという問題についての検討を終わりまして、次には、もし補償の義務がない場合にはどういう問題が起こるかという問題を、大体数回会議をいたしまして検討することに相なっております。御承知のように、国会議員の先生方も有識者として御出席をいただきまして、きわめて御熱心に論議をいただいておる次第でございまして、その問題が済みますと、今度はこの問題、在外財産の問題についての委員会の各委員からいろいろの立場から御意見をいただきまして、その結果答申という段階に相なると思っております。御承知のように、非常にたくさんの方々から、もう老齢であるから——私も委員の一人でございますが、——何とか委員会において答申を、答申と申しますか、審議を迅速にしかも慎重にやっていただきたいというような、たくさんのお手紙をいただきまして、私どもそういう方々の心を、私たち委員としての、何と申しますか、仕事の、審議の心がまえといたしまして、鋭意検討をして審議をしている段階でございますが、先ほど申し上げましたような法律的な問題、補償義務ありとした場合にどういう問題が起こるか、それから、ない場合にはどういう問題が起こるか、大体そういう問題は、おそらく六月ごろには終了するのではなかろうかと考えまして、それ以後、何と申しますか、各委員からの最終的な御発言があるのではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/50
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051・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この在外財産問題審議会の委員の中には、国会議員である委員も入っておるわけですね。そこで、この機会にお伺いしたいのは、国会議員である委員の出欠状況、それから国会議員以外の方の出欠状況、こういうものを、数字はあとでけっこうですが、ひとつ状況を口頭でとりあえず御回答いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/51
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052・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) いま数字を取り寄せまして、数字的に御説明を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/52
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053・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それはあとでわかってから……。
次にお伺いいたしますが、三十九年七月に大臣官房が設置されましたが、臨時在外財産問題調査室の予算、定員、機構、こういうような点について概要を御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/53
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054・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) 臨時在外財産問題調査室関係でございますが、四十年度の予算額が二千三百万円でございます。いま御審議をいただいております四十一年度の在外財産関係の予算の総額は二千五百七万一千円でございます。二千五百七万一千円の内訳は、調査委託費が一千百二万三千円でございます。外国旅費が三百三十万円でございます。その他調査室経費、庁費等が八百四十三万七千円、審議会の経費が二百三十一万一千円でございまして、合計二千五百七万一千円となっております。
定員でございますが、設置当初におきましては、一昨年の四月に設置をいたしましたので、総理府部内のやりくりによりまして、あるいはよその省から兼務として借りましてやっておりまして、現在、室長以下、室長、参事官一名、事務官二名、定員におきましては四名でございますが、それにタイピストその他等は総理府の内部でやりくりをいたしましてやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/54
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055・伊藤顕道
○伊藤顕道君 その在外財産問題審議会の委員の任期については、たしか二年だったと思いますが、これは七月に発足したということでありますから、そろそろ本年の七月に任期が切れるかと思うです。そこで、この任期中に一応の結論が出るであろうかどうかということについては、先ほど補償の義務があるかないか、もしあるとすればどうする、ないとすればどうする、そういうめどが一応六月ごろ出る見通しだということでありますから、それが最終的のものであれば、任期中に一応答申が出てくる、そういう見通しだと思いますが、この点さらに重ねて最終的なそれが結論であるのかないのか、その任期中にそういう見通しがあるのかないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/55
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056・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) 御承知のように、自体につきましては、存続期間はきまっておりません。しかし、委員の任期は二年ということになっておりますので、ただいま先生のお話のように、この七月に任期が参ります。先般も会長といろいろお話をしたのでございますが、もし任期中に出ないような場合には、更新をして、できるだけ早く結論を得るように努力するということを山田会長もおっしゃっておられますので、ここで私が必ず任期中に、七月までに出るということを断定的に申し上げることはできませんが、できるだけ早い機会に答申を出すよう、私も委員として努力しておりますし、また、そういうようにいたしたいと思います。もし、かりに任期中に、七月までに出ない場合には、新たに再任をしていただきまして、できるだけ早く結論を出すようにいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/56
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057・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、地方青少年問題協議会というのがありますが、この現在の活動状況は一体どうなんですか。その点を概要御説明いただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/57
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058・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 御承知のように、都道府県の青少年問題協議会、これは全部設けております。それから市町村は、市は大体八割は置かれておりますが、町村が若干設置率が低いのでございます。いま正確に申し上げますと、市が九〇%、町が七三%、村が六〇%、これを全国平均いたしますと市町村で七三%になっております。御承知のように、いま都道府県、五大市、これが全部ございまして、この都道府県青少年問題協議会が中心になりまして、いろいろ事情はございますが、教育委員会、公安委員会、それから御承知の労働省の出先でございます婦人少年室、知事部局になりますと、総務、経済、労働、衛生、こういった各方面の部局が関係いたします。関係部長、課長が幹事会を組織しまして、そのほか知事以下県庁から何人かの委員、もしくは県会議員も入る。それから民間の委員が入りまして、やはり中央に準じまして、しばしば会合を持ち、もしくはこの幹事が、それぞれ委員会を開かないまでも幹事が集まりまして、いろいろ連絡調整をいたしているわけでございます。県によりまして非常に活発なところ、多少活発の程度が進んでいる県よりも劣っているところと、いろいろございますけれども、最近の青少年問題の高まりとともに、青少年問題協議会を中心にいたしまして、いろいろ活発に活動しておると考えております。ただ、市町村のほうになりますと、青少年問題は全国問題でございますから、市町村段階で解決できるという問題でございませんので、やはり市町村に下がれば下がるほどこの実施運動、国民運動的な性格、実践的な仕事のほうをより多く取り上げる。上に上がれば上がるほど行政的な分野で連絡調整をはかる、こういうところに重点を置いて仕事を行なっておる、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/58
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059・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、お伺いしたいのは、最近中央からの補助金が零細化しておる、こういう声が相当あるようです。地方青少年問題協議会関係では一体どうなっておるか、この点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/59
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060・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 私どものほうで扱っております補助金は、一つはいま先生の御指摘になられました都道府県の青少年問題協議会に対する運営費の補助金でございます。それからもう一つは、きのう御質問ございましたが、補導センター、それから補助金でございませんが、負担費といたしまして、今度は国民運動の中に入りましたが、青少年特別地区指定のための委託金がございます。大体私どものほうは、非常に多いとは申せませんが、大体四十万ないし五十万でございますから、この種の補助金といたしましては、それほど何と申しますか、少額だとは考えておりません。ただ特別地区が約十万円でございますから、これはまあちょっと多いとは申せないと思いますが、一万円もしくは二万、三万、そういった補助金がもし零細だということで問題になるならば、私どものほうはそれよりも多いと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/60
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061・栗山廉平
○政府委員(栗山廉平君) 先ほどの在外財産問題審議会の委員さんの御出席の模様でございますが、御返事申し上げます。
ただいままで審議会は二十四回開かれております。そのうち委員さんの中で国会議員の先生方の御出席につきましては、ほとんど毎回一〇〇%近い非常にいい御出席をいままで得ております。御報告します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/61
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062・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、角度を変えましてお伺いしたいのは、職員の服務の宣誓に関する政令について、この際、総務長官を中心に若干お伺いしておきたいと思います。
昨年の国家公務員法の改正によって従来人事院規則で定めていたものの中で政令に切りかえることになるものがあったわけです。職員の服務の宣誓、これについては、現在人事院規則で定めている宣誓書の内容について今回政府では政令を公布したわけですが、今回このように全く宣誓の内容を根本的に変更したその理由についてお伺いしたいのです。その理由は一体那辺にあるのか、こういうことについてまずお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/62
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063・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 御承知のとおり、八十七号条約の批准に伴いまして、人事院がやっておりました事務の一部が、総理府に人事局が設置されましてこれに移行いたしました。それの整理をいたしますために政令でこれを取りきめるということに相なっておったわけであります。その期限が二月十八日でございましたか、なりましたので、数ヵ条のそれに関係の必要な政令を出したわけであります。その際に、宣誓文につきましても、これは従来どちらかというと翻訳調子で少し冗長に流れておるというような感じもいたしましたので、この際もっと簡潔で明瞭な文章にしたほうがよかろうということで、宣誓文の内容も変更いたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/63
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064・伊藤顕道
○伊藤顕道君 現在の人事院規則十四の七ですね、これは国家公務員法の施行に伴って昭和二十四年に施行されておるわけです。それ以来、現在まで新たに職員となった方はこれに基づいて今日まで宣誓を行なってきたわけです。憲法とかあるいは国家公務員法、これは当時も現在もいささかも変化はないわけです。その当時の憲法、その当時の国家公務員法であるわけです。したがって、当時と現在ではこの間の事情の変化は何ものもないわけです。にもかかわらず、この宣誓の内容を今年から変えてしまったことについては、なかなかもって納得しがたいわけであります。現在の宣誓書の内容に何か不都合の点でもあったのか、ないのか、ただいまの長官の御説明では納得しがたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/64
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065・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 従来の宣誓の内容に決して不都合があったとは思っていませんし、また、それなりにりっぱなものだと思っておりますが、当時終戦直後にできた宣誓書でもございますし、読んでみまして、全体が露骨に言えばかなり翻訳口調といったようなもの、あるいは形容詞がちと多過ぎるのじゃないかというような点から、もう少し簡潔にして要を得たもののほうが宣誓書としてふさわしかろうということで、政令を新たに出す際にこれはそういったものを改正したわけでありまして、その精神そのものを根本的に変えるとか、あるいはそのことによって行政上の措置が変わってくるとか、そういうようなことは何もないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/65
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066・伊藤顕道
○伊藤顕道君 御答弁によると、簡にして要を得たもの、そうおっしゃっておりますけれども、決して簡にもなっていないし、私どもから見ると要も尽くしていないわけです。試みに新旧のそれを比較してみますると、現行の宣誓では、大事な点は「日本国憲法に服従し、かつこれを擁護することを固く誓います。」こういうふうに簡にして要を得た表現が使われておるわけです。新しい宣誓ではこれがこういうふうに変わっているわけです。「日本国憲法を遵守し、」こういうふうに変わってしまっておるのですね。憲法の擁護ということについては、全然これを捨て去ってしまっておるわけです。従来、この憲法の擁護という点に最も重点が置かれてきたと思うのですが、その一番大事な根本的なことが削除されて、要は、憲法の扱いが非常に軽く扱われておるという、そういうきらいがあるということはもうはっきりしておる、こういう点で納得しがたいわけです。ことばの上で簡にして要を得たものにすると、そういうそのこと自体は何も反対じゃありませんけれども、たとえ簡になっても、要を尽くさなかったら意味がないわけです。しかも「日本国憲法に服従し、かつこれを擁護することを固く誓います。」これは最も簡にして要を得ていると思うのです。それをこういうふうに、あえて私どもから見れば意味もないのに改悪しておる、政府にはもちろん意図するところがあるはずです。意図するものがなければ、こういう変更は必要ないわけです。この点について、いま一度御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/66
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067・安井謙
○国務大臣(安井謙君) いま御指摘の個所は、前の宣誓書によりますと「主権が国民に存することを認める日本国憲法に服従し、かつこれを擁護することを固く誓います。」と、これはこういうふうになっているわけであります。これは要するに、日本国憲法を順守する、順守するという限りは、もう擁護することは当然でございますし、十分にそれを守って擁護していくということは、これはもうこれで尽きるのじゃないか、そういうつもりでこういう簡単なことばに変えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/67
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068・伊藤顕道
○伊藤顕道君 憲法九十九条では、公務員に憲法擁護の義務を与えておるわけです。宣誓においても、この点を誓うことが最も当然に必要であると考えられるわけです。この点を根拠なく改悪してしまったということを指摘せざるを得ないわけです。憲法九十九条をどういうふうに政府は見ておるのか。公務員は当然憲法擁護の義務があるわけです。そこで、旧宣誓に憲法を擁護することをかたく誓うとはっきり明文にして出しておるわけです。新たにつくる場合、憲法擁護という文字を使わないで憲法を順守するというなら話はまた別の角度からの論議になりますけれども、現行にはもう憲法擁護ということをかたく誓っておるわけです。しかも憲法九十九条では、公務員には憲法擁護の義務を与えられておる。こういう論点からいって、何か意図するところがなければこういう改悪をする必要ないと思うのです。あえてこういう点を削除してしまっておる。この点については、いろいろ御答弁なさっておるけれども、なかなかもって納得しがたいと思うのですが、この点はひとつわかるように御答弁いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/68
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069・安井謙
○国務大臣(安井謙君) おことばを返すようで恐縮ですが、まあ服従してこれを擁護するという二重の表現で、丁寧に使っておると思うのです。つまり、「遵守」ということばは、むろんこれはそれを守る、そしてこれに従うということに間違いない。「遵守」の「守」の字は守るということ、擁護と同じことばだろうと私ども思いますし、まあ簡潔に、日本国憲法を順守するということになれば、これを、服従し、また、擁護するということを包括的に当然含まれておると私どもは思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/69
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070・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは長官は、簡潔簡潔と言われますけれども、簡潔、簡にして要を尽くす、要を尽くしていないのです。現行のものは「日本国憲法に服従し、且つこれを擁護することを固く誓います。」きわめて明確で、しかも簡素であるわけです。しかもきわめて大事な点を表現しておるわけなんです。戦後の混乱期の中でできたからということを先ほど申されましたけれども、そういうことでなく、内容をもっといまお伺いしておるわけです。ただ、憲法を擁護することをかたく誓うということでなく、日本国憲法に服従して、これを擁護することをかたく誓う、そう長いことばでないのだから、わざわざこれを削除せぬでも、従来のいい点を存置するのが当然だと思うのです。これを「日本国憲法を遵守し、」ということにこれを変えたことが簡にして要を得ているとおっしゃいますけれども、なるほど文字の上から言うたら簡になったかもしれぬ。しかし、要は尽くしていない。憲法に服従して、そして憲法を擁護することをかたく誓う、こんな明文はないと思うのです。それこそ簡にして要を得ている。しかも、重要なことの中心はここにあるわけです。ところが、簡にして簡にしてということを言われますけれども、どうもせっかく簡にしたのはいいが要を尽くしていない。そういうふうに当然考えられるわけです。申し上げるまでもなく、公務員は憲法において国民全体の奉仕者であるわけです。国民全体の奉仕者、一部の奉仕者ではないはずです。そのことも憲法に明記されておるわけです。したがって、今回の改悪によって——これたけじゃない、まだあるわけです。新たに上司の命令への服従あるいは不偏不党、こういうことをことさらに強調しておるわけです。これは一体どういうわけなのか。「憲法に服従し、且つこれを擁護することを固く誓います。」と言えばすべてを尽くしておるわけです。そういう大事な点は抜きにしてしまって、新たに上司の命令への服従、不偏不党、こういうことを一方で強調しておるわけですね。こういうことはどうも納得しがたいと思うのです。そのよってきたる理由をひとつお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/70
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071・安井謙
○国務大臣(安井謙君) いまの服従と擁護につきましては、私は「遵守」ということばはこれは両方従い守るということでございますから、ここで服従し擁護するといえば、十二分に尽くしてあるものと思っております。そこで何と申しましても、公務員が国民全体の奉仕者であり、公共の利益のために勤務すべき責務、これは公務員たる身分のみが持っている職責でございますので、これをまず冒頭へうたいまして、前の文章におきましては、後段でうたっておったものを冒頭へ持ってまいりまして、そうして憲法を順守して、それに従って今度は法令及び上司の職務上の命令に従う、これを明確にいたしたわけであります。
そこで不偏不党ということばでございますが、これは実は討論会で進歩的といわれておる批評家の方にもほめられたのであります。近ごろの公務員はどうも不偏不党でないような傾向がある。上のほうは保守党におもねり、下のほうはどうも革新政党におもねる。これは私の説ではございません。そういう批評もあったわけでございます。不偏不党ということばを入れたことは非常に文章として、全体としてまとまったじゃないかというおほめをいただいたこともありますので、これは私は職務を忠実に遂行していく上からは非常にいいことばじゃないかと思って入れておる次第でございます。
〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/71
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072・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なるほど政府の意図によくかなった、政府の立場から見るとまことにおほめをいただいただけの内容のものである。そういうことはわかるわけです。ただ、国民全体の立場から見た場合、繰り返し申し上げるように、憲法擁護の大事な点があえて削除されて、そこへ加えぬでもいいような上司の命令への服従とか、不偏不党、ことさらにこういうことを入れて、先ほど簡にして簡にしてとおっしゃるけれども、それに逆行して、ことさらこういうことをつけ加えている。これでは簡でなくなっちまっているわけです。煩になっているわけです。と申しますのは、なるほど上司の命令に服従、それと不偏不党、これは結びうけて考えると、上司というのはことばをかえて言えば、時の政府の命令に服従するということです。不偏不党というのは政府の出す政策等に対しての批判を封じようとしている、こういう意図がきわめて明確だ。なるほど上司の命令というと、常識的に考えて当然のように思いますが、これは上司というのはさらに掘り下げて考えればこれは政府になるわけです。上司−政府、政府の命令に絶対服従させようとする、そういう意図、それを不偏不党、これは政府の出す政策などに批判がましいことをさせない、こういうことを封じ込む、こういう意図が明確に出ていると思うのです。そういう意味で、これを何か長官がおほめをいただいたこともあるというのは、政府側から言えばおそらくおほめのおことばをいただいたであろうことは先ほど申し上げたようにわかるわけですが、国民の立場から見て、われわれはどうもこれは改悪そのものであるというふうに断定せざるを得ない。りっぱな宣誓があるのに、ことさらにこういうものを改悪するその意図がむしろ問題である、こういうふうに考えるのです。この点について長官の御意見をもう一度お聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/72
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073・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 多少御意見といいますか、感触が異なって恐縮に存じますが、公務員が職務の遂行にあたっては、これはもう上司の命令を受けることは当然であります。また、不偏不党、その職務執行上、その政策を批判してどうするこうするというようなことはあり得べからざることであると私どもは思っております。したがいまして、何でもかんでも日常の茶飯事、私生活まで上司の命令を受けろ、あるいは選挙権の行使、あるいは政党支持の自由というものをここで禁じておるものでもなんでもございません。職務を遂行するにあたってはこの不偏不党、上司の命令に従う、これは私は当然のことであり、また、これは当然守られなければ困るということで今度誓いで明確にしたつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/73
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074・伊藤顕道
○伊藤顕道君 改悪になったということは明確でありますので、さらにその観点からお伺いいたしますが、これはもうことばをかえて言うと、今度の改悪はほんとうに時代逆行的な一つのあらわれと見ざるを得ないわけです。結局、この宣誓をしいるということは、今度改悪されたそものをしいるということは、公務員にとっては思想とか信条あるいは表現の自由など、いわゆるいうところの基本的人権について制約を受ける危険性が多分に考えられるわけです。この点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/74
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075・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これは職務につくにあたっての宣誓書でございまして、職務を執行する上の当然守るべきことを宣誓していただくという制度でこれは書いておる。個人の信条であるとか政党支持の自由であるとか、そういうようなものについて何らこれによって制約を加えるつもりはございませんし、念のためにもう一回全文読んでみましても、どこにもそういうものを含んでおるとは私、とれないと思います。「私は、国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務すべき責務を深く自覚し、日本国憲法を遵守し、並びに法令及び上司の職務上の命令に従い、不偏不党かつ公正に職務の遂行に当たることをかたく誓います。」、職務の遂行上の規律をうたっておるので、決して個人の自由を妨げるとか、そういうつもりは毛頭ないつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/75
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076・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この公務員の宣誓については、国民全体の奉仕者として公共の利益のために日本国憲法に服従してこれを擁護することを固く誓う、これだけの文ですべて足りておったわけですね、いままで。それをことさら今度の宣誓が新たにつくったんだということになると、先ほど申し上げたように、論点がまた別になってくるわけですけれども、せっかく簡にして要を得た大事な名文があったにもかかわらず、それをわざわざこういう大事な点を骨抜きにして、しかも加えぬでもいいような上司の命令に服従とか不偏不党とか、こういうことをことさらに加えて繁雑にしておる。すべてを尽くしておるじゃないですか、憲法に服従してこれを擁護することを固く誓う、すべて含まれておる。これこそほんとうに簡にして要を得て、しかも名文である。手を加える余地は全然ないわけです。にもかかわらず、結局上司の命令に服従とか、あるいは不偏不党とか、加えずもがなのものをここに入れているわけです。結局、大事な点は骨抜きにして、政府の意図するところはここへあらわれている。その一つのあらわれが上司の命令に服従とかあるいは不偏不党、こういう考え方があらわれてきておると思うんです。この点について重ねてお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/76
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077・安井謙
○国務大臣(安井謙君) これはお考えのあり方にもよろうかと思いますし、それはなるほど憲法に服従して擁護する、もう一言で尽きるじゃないか、全部尽きるという考えもあろうかと思います。しかし、公務員たる身分、憲法を擁護して、また服従するというのは、これは国民全般の心がまえの問題でもあろうかと思います。そういう意味で公務員という特殊の地位にある人の服務についての宣誓でございまするから、この程度のことばで簡潔になるべく形容詞は少なくしてつくったつもりでございまして、憲法を擁護すればそれでよろしいだけではいささか済まぬのじゃなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/77
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078・伊藤顕道
○伊藤顕道君 繰り返しお伺いしているように、この上司の命令への服従とかあるいは不偏不党、こういうことをせんじ詰めると、先ほども御指摘申し上げたように、政府の意図するところがこういう形になってあらわれておる。結局、今後私どもがおそれるのは、公務員制度あるいは公務員の人事管理、こういう面にわたってこの面が具体的に運用されるだろうということを私どもは危倶しているわけです。せっかく憲法に服従してこれを擁護することを固く誓うという、こういう精神からいって、もうそれがすべてを尽くしているわけです。ただ憲法を順守してということで簡にしたとおっしゃるけれども、日本国憲法を順守しという、その受けとめ方と、日本国憲法に服従し、かつこれを擁護することを固く誓う、これはもうずいぶん開きがあるわけです。そして前にある上司の命令に服従とか、あるいは不偏不党、そういう余分な繁雑なことはなかったわけです。特にこういうものが加わった。まあそこに繰り返し申し上げるように、政府の意図するものがある。これを要すれば、こういう改悪したことによって今後公務員制度とかあるいは公務員人事管理上にいろいろこういう方向が出てくるのじゃないか、こういうことをわれわれは憂慮しているわけです。そういうことでお伺いしてきたわけです。これはもちろん政令であって、理屈からいうと国会審議のたてまえでないとおっしゃるかもしれませんけれども、これは公務員の職務の宣誓ということになると、これは非常に大事な根本的な問題であるし、そういうものをことさらにこういうふうに改悪してしまったことについては、私ども総理府はいかにも軽率であったと断定せざるを得ないわけです。これは再検討すべきではないか。法律だとなかなか一たん出した法律を朝令暮改でなかなかむずかしい面もありましょうけれども、これは幸い政令でありますから、政府にその意図があれば十分できることであるので、最後にお伺いしたいのは、総務長官にその再検討の意図があるかないか、もう出してしまったんだからということで簡単には片づけられぬ。国会の場でこういうことが論議されるということは、国民の中にも非常に不信を持っている面が相当あるわけですから、そこで最後にひとつこの面についての長官のお考えをお聞きしておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/78
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079・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 再三にわたって恐縮でございますが、公務員が職務を執行する場合は不偏不党であり、また、法令及び上司の命令に、職務上の命令に従うということは、これはもう私当然であると思いますし、また、これが何とはなしにゆるがせになるということでは困ると思っております。また、憲法に服従し、かつこれを擁護することを云々ということばでございますが、いま申し上げましたように、順守は従い守る、服従して擁護するということより簡潔にあらわしたことばに間違いないと思っておりますので、いまのところ私どもこの新しい宣誓書をさらに変えようというふうには考えておりません。
〔理事柴田栄君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/79
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080・伊藤顕道
○伊藤顕道君 さらにお伺いいたしますが、不偏不党とかあるいはまた上司の命令に服従、そういうことをばかに強調されておりますけれども、前の宣誓にはそういう字句は全然なかったわけです。それを入れないと何か差しつかえがあったのかないのか、こういうお伺いを繰り返しせざるを得ないわけです。前の宣誓にことさらそういうものを入れなければならぬような情勢下にあったのかないのか。前の宣誓で何か支障があったわけですか。前はないとおっしゃったけれども、ただ簡にして要を得たものにするので改めたという御答弁でございましたけれども、幾らさがしても上司の命令に服従とかあるいは不偏不党とか、そういうものは前のものにはなかったわけですね。しかも、前の宣誓で支障は何もなかったのだということになれば、何もそういうものをつけ加えることは毛頭ないわけです。そこのところが理解しがたいのですよ。新たに公務員の職務の宣誓をここでつくるのだ。たまたまこれが上司の命令の服従であり、そうして不偏不党ということをうたっておれば、繰り返し申し上げましたが、そういう論議はまた別の論議になるわけですけれども、そういうものはなくても、過去の宣誓でいささかの支障がなかったということになると、長官のおっしゃるように、簡にして要を得たものがいいことはわれわれも了解できるわけです。だからそういうものを入れないで、簡にして要を得た前のものでいいと思うのです。変えるには変えるだけの何か理由がなければならない。ただ簡にして要を得たというだけでは理解しがたいわけです。前のに比べて少しも簡にして要を得ていないわけです。この点をいま一度お聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/80
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081・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 私は前の宣誓文が格別これは非常に悪いものであるとか、そのために非常に何かたいへんに変なことがあるというふうに考えておるわけじゃございません。それはそれなりにりっぱな宣誓文書であったと思います。しかし、先ほども申し上げましたように「服従し、且つこれを擁護する」とか、あるいは「国民の意思によって制定された法律を尊重」、わざわざ形容詞も多いし、そんなものは除いてもっと目的となるべきことだけを簡潔に並べたというほうがベターであろうというようなつもりでこれは直したわけでございます。決して前の文章があったから、それが特別の弊害があったというほど具体的に悪いとかいうようなつもりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/81
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082・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま一度お伺いいたしますが、形式的なさほど根本的でないことを、たとえば、「てにをは」を変えるとか、あるいは前のものをあとに回すとか、そういう形式的なことを申し上げておるのではなくして、繰り返し申し上げましたが、服従しかつ憲法を擁護することをかたく誓う、これが前の宣誓の根本だろうと思います。私のお伺いしておるのはそこなんです。前の宣誓の大根本であったその根本を抜きにしてしまって、簡にするんだということで「憲法を遵守し、」ということばに変えてしまったわけですね。しかも不偏不党とかあるいは上司の命令に服従、これは当然のことなんだから何もそれを入れる必要ない。こういう論議もできてくるわけですね。宣誓だから大精神を入れておけばいい。だから要は、憲法に服従し憲法を擁護することをかたく誓う、こんな名文でしかも簡にして要を得たものはないと、こういうふうに指摘せざるを得ないわけですが、その肝心かなめのものが完全に抹殺されて、ただ「遵守」ということはなるほど入っておりますけれども、服従して擁護するという大根本と比較すれば相当開きがあるわけです。これはいまここで憲法論議の時間じゃございませんから、時間の制約もございますから、また時をあらためましてこの問題を掘り下げてお伺いすることにして、本日のところ、私の質問は終わっておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/82
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083・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/83
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084・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
議事の都合によりまして本案の審査を一時中断いたしまして、国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、去る十七日、衆議院から送付せられ、本委員会に付託せられました。なお、本案の提案理由の説明は、去る十七日に聴取いたしました。
それではこれより本案の質疑に入ります。なお、関係当局の御出席は、福田大蔵大臣、武藤主計局次長、辻給与課長、以上の方々でございます。
御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/84
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085・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この法案に関連して大臣を中心に二、三お伺いいたします。
時間の制約があって大臣はあまり長くおられないようでありますから、ひとつ簡にして要を得た前向きな御答弁をいただいて、ひとつ御答弁次第では案外早く済むかもしれませんから……。
まずお伺いしたいのは、今回宿泊料等については大体三割程度、それから移転料については六割程度、こういう引き上げを行なおうとしているわけですが、この三割とかあるいは六割程度、この引き上げの根拠は那辺にあるのか、まず順序としてその辺からお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/85
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086・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) これはまあかねて懸案の問題でありますので、昨年旅費についての実態調査をいたしたわけでございます。それに基づきまして、旅費につきましては三〇%程度、またあるいは移転費につきましては六〇%程度それぞれ引き上げをする、これが適当である、こういう結論になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/86
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087・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この旅費の改正については、三十七年に行なわれて以来、今日まで四年間の長きにわたって全然行なわれてきていないわけですね。ところが、一方この間に言うまでもなく、物価等は大幅に引き上がっておるわけです。ところが、旅費についてはこれは実費弁償のたてまえをとっておると思うのです。実費弁償であると思うのです。そういうことになると、この四年間の情勢の変化というのは、いま申し上げたように相当大きなものがある。これに対応する改正が行なわれてしかるべきであったと思うのです。にもかかわらず、今日まで四年間もそのまま放置されたということは、これは大蔵省の大きな責任ではないか。なお、ことばをかえて言うと、大蔵省の怠慢ではないかと、こういうことを考えざるを得ないわけです。いかなる理由でこの四年間ほっておいたのかということをまずお伺いしたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/87
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088・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) この旅費、移転料等の改正は、これはなかなか慎重にきめていかなければならない、そういうようなことで実態調査を必要とする、こういうことで、実態調査をやったわけなのです。それで実態調査の結果、このくらいの改正が必要である。まあ毎年毎年変えればそれにこしたことはないわけですが、そういう手の込んだこともなかなかできませんので、まあ実態調査が済んだこの機会にやろう、こういうことになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/88
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089・伊藤顕道
○伊藤顕道君 大臣みずからも毎年毎年変えていけばこれは一番いいのだということは認めておられるのですね。とすれば、あとそのために人手がかかるとか、あるいは実態調査のためには予算もかかる、そういうことでなかなか毎年できないのだと、そういう意味に受け取れるわけです。そうだとすれば、毎年毎年やることがベターだということであればぜひ、いままでを、過去をどうのこうのと言って追及する意図は毛頭ないが、今後ひとつよりベターな、大臣も言われておる毎年毎年変えることがいいとおっしゃっておるのだから、そういうふうな努力はできないものですか。大臣がその腹なら簡単にできることです。しかもこれはよりベターなことだとおっしゃるんだから、そういう点を明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/89
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090・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 毎年毎年というわけにいきますか、これはいわゆる行政能率の問題もあります。ですけれども、いままでは四年間隔ぐらいでやってきておりますが、なるべくそれをつづめるように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/90
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091・伊藤顕道
○伊藤顕道君 人事院もやっかいな民間産業の給与を毎年毎年実態調査をして、それで五%になると一応報告しておる。だから同じような観点からこの旅費についても、大蔵省は実態調査を毎年毎年やって、必要があれば実施する、必要がなければ実施しないということにすることが一番いいと思うのです。ただ、大臣は毎年やることがいいとは認めながらも、なかなかそこに踏み切れぬというのは、予算がかかるからという、そういう見方からですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/91
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092・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) こういう旅費は一年で区切ってこうきめていくのがいいか、まあ消費者物価の関係なんかありますから、そういう状況から見て、あるいは二、三年で見ていくのがよいか、その辺はこれからの経済の動きもありますし、非常に大きな消費者物価の動きもあって、これじゃとてもそれはできないというようなことでありますれば、これは改定しなければならぬと思います。まあ実情に即して御趣旨の点はよくわかりますから、御趣旨の線は生かしていきたいと、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/92
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093・伊藤顕道
○伊藤顕道君 繰り返し申し上げるように、旅費は結局実費弁償のたてまえをとっておったと、こういうことが明確ですから、そうだとすると、物価とか宿泊料それから鉄道運賃、こういうものの変動に伴って改定が行なわれるのはまた当然と言わなければならぬし、大臣はこれは認めておるわけですね、実態に即応して。そういうことになると、四年間もほっておいたのでは実態にそぐわないことになろうかと思うのです、当然に。そこで、こういうことになると実態に合わない旅費をもって出張させておったということが言えると思うのです。これはどう考えても不合理だ。実態に即応しないところの旅費で出張させておる。これは大臣が考えても不合理でしょう、実態に合わない旅費ならば。しかし、結論としては、四年間もほっておくと実態によりそぐわない旅費に当然になるわけですね、物価とか運賃とかどんどん引き上がっていきますから。そういうことについてはどういうふうにお考えか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/93
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094・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) たてまえは実費弁償ですから、その実費弁償の構成要素に重要な変化があるというならば改定の速度を早めていかなくちゃならぬと、そういうふうに思いますが、できる限り行政措置の点もありますが、実情に即応するようにその制度は運営していきたいと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/94
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095・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私どもの内閣委員会で委員派遣して、各出先機関などをよく調査して歩くわけですけれども、そのとき多く各方面から、各出先機関から耳にすることは、旅費が足りないということを相当多く受けるわけです。一方、今度は三月の年度末になると、各省庁の出張は非常にひんぱんになってくる。こういう非常に多いということも出先の方々からよく聞くわけです。これはやはり旅費の職務の実態と、旅費の配分という点においてさらに検討を要する問題があるんではないかと、こういうふうに当然考えるわけですけれども、この点についてはどうお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/95
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096・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) それはそうだと思います。よく年度末出張というようなことを聞きますが、これは私は適当なことじゃない。予算の配分等におきましても、そういう事態とならないように気をつけていかなければならぬというふうに努力はしているんですけれども、なかなかこれは行き届かない面もあるかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/96
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097・伊藤顕道
○伊藤顕道君 後半の質問に対してお答えがあったのですが、先ほども言ったように、旅費は出先機関等で承ると、旅費は足りないという声が相当高いわけです。後者の年度末の分についていま御答弁があったわけですが、不足の面についても……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/97
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098・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 足らないということが言われるような傾向もありますので、今度改正をしたのであります。ともかく実費弁償のたてまえをくずさないように今後も努力をしていく、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/98
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099・伊藤顕道
○伊藤顕道君 こまかい事務的なことは、あとで局長にお伺いすることにして、さらに基本的な問題の一つをお伺いしますが、現在宿泊料について見ると、いわゆる甲地方と乙地方に区分するわけですね。これは大蔵省の調査によりますと、甲表と乙表の間に宿泊料などについてどのような差異があるから差をつけるのか、何か根拠があろうかと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/99
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100・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) これは衆議院の大蔵委員会で附帯決議があるのです。ですが、甲乙両地方の実態調査の結果は、やっぱりこれは差がある、こういう結論があるのでありますが、なお再検討せよ、こういう御決議もありますので、精査してみたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/100
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101・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この乙地方については、私が申し上げるまでもなく、旧勤務地手当の三級地以下の地域となっているわけです。しかし、乙地方についても物価とか宿泊料について東京と変わりがない地方が相当出てきている。この点については、大臣から十分検討したいということで了承しまして、なお、お伺いいたしますが、これに関連があるからお伺いしているわけですが、この勤務地手当三級以下とか以上とか、こういう判定は三十二年以前に固定されているわけですね。この乙地方、甲地方の区分ですね、これは三十二年以前に定められたものが今日まで来ていると思うのです。これはいろいろ不合理が出てきていると思うのです。そこでこの地域区分については、十分この点についても検討してもらいたいと思うのですが、いま大臣からの御答弁でこれをも含めているというふうに理解していいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/101
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102・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/102
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103・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、移転料についてお伺いいたしますが、この移転料の定額は、基準は一体どこにあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/103
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104・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 移転料につきましては、これはやはり実態調査をいたしまして、家族構成とか財産をどのくらい持っているか、そういうことをいろいろと変化があるということで、その実態調査の結果、今度御提案申し上げているように値上げをする必要があるということで値上げしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/104
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105・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この移転料については、いろいろな観点から大体いまでも前どおり九段階になっていると思うのですよ。これはどういう理由でこういう細分をしているのですか。あまり細分化すると、かえって不合理になるのじゃないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/105
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106・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) この点につきましては、実態調査をしましたところ、やはり給与に大体比例してよけいかかっている。これはたぶん財産が多いということだろうということでございます。そこでそれをもう少しグループを簡単にしたらどうかという問題でございますが、グループを簡単にしますと、結局三つのものを一つにするということになりますと、三つのまん中のところで単価をきめる、こういうことになるだろうと思います。そうしますと、高いところについては削られた結果になって足りない。それから下のほうはちょっとふえていくということで、やはり非常にこまかくできていたほうが実態に合うのじゃないか、一号飛んだところで、急に移転料がふえるというよりは、刻みがこまかいほうが実情に合うのだ、こういうことでそういうことになったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/106
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107・伊藤顕道
○伊藤顕道君 今回の移転料の改正で、国鉄運賃の改正については、何かこの点を加味しておるのかいないのか、こういう点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/107
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108・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 国鉄運賃の改定も織り込みまして六割ということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/108
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109・伊藤顕道
○伊藤顕道君 前からの移転料の改正を見ると、昭和二十七年に改正された後は、三十七年にたしか五割程度の引き上げが行なわれておる。今回六割程度の増額となっておると、こういうことですが、五割とか六割の段階にならないと、そういう大きな開きにならないと改正しないものかどうか、先ほど大臣の答弁では、実情に即したものにしなければいかぬと、旅費というのは実費弁償だからそういうたてまえでできておるから、これはそういうたてまえから言うと、先ほどの答御弁でも今後毎年やるのが一番いいけれども、そうもいかぬから、ひとつ十分縮めてやりたいと、そういう御答弁があったからそれでも事足りるわけですけれども、今後はひとつ前と関連があることで、重ねてお伺いするわけですが、五割とか六割とか、こういう大きな開きにならないうちに可及的すみやかに、できる範囲でひとつ短縮して値上げに踏み切っていただきたい。これはきわめて大事な根本問題であるので、大臣にいま一度お伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/109
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110・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) そのようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/110
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111・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、日額旅費ですね、それから在勤地内の旅行の旅費、こういう問題があるわけです。これは今回の改正に伴って、当然これにスライドして増額せられることと思いますが、どうなのか、またあわせてお伺いしたいのは、この日額旅費をきめる基準はどうなっておるのか、この二点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/111
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112・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 日額旅費も今度の旅費と同じようにスライドさせる、そういうことを考えております。ただ衆議院でも出たのでございますが、鉄道運賃が近いところで倍になったところがあるので、その辺のところは定めるときによく考慮してやれということで、それは十分考慮しますと、そういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/112
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113・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この日額の旅費については、実態にそぐわない、合わないという声を相当聞くわけです。私どもはそこで今回のせっかくの改正の機会を機会として、日額旅費の基準を改正して実態に合うよう、まあ今回は間に合わないとしても、今後緊急に実態を調査して、要は実態に合うところの基準をきめるように、前向きの姿勢で御検討いただきたいと思います。その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/113
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114・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 実態に沿うようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/114
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115・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なおお伺いしたいのは、旅費法の規定の中で、大蔵大臣と協議して定める事項が相当数にのぼっておるわけです。これに基づいて主計局長名で通達が出されると思うのです。その運用方針がいろいろ中を調べてみますると、旅費の調整あるいは行(一)に相当する職務の等級等、重要なものが含まれておると思うのです。そういうものについては、旅費支給規程の本文に入れて規定してしかるべきだと思いますが、この点もそれならそういたしますとかしないとかという御答弁でなくて、これもひとつ十分そういう実態を把握されて、ひとつ大事な重要事項についてはそういう通達などでなくて、当然この旅費規程の中に含ましめるべきだと思います。これに対する大臣のお考えはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/115
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116・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 初めて伺いますので、よく検討してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/116
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117・伊藤顕道
○伊藤顕道君 まあよく検討されるのはいいのですが、ただ検討に終わらないように、ひとつ十分実現の意図をもって、さらに一段と御努力いただきたいと思います。
なお、今回の宿泊料については三割程度、移転料については六割程度、こういう増額を行なおうとしておるのですが、四十一年度の予算については四十年度のそれに比較して大体どの程度の増額となっておるのか、その概算でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/117
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118・辻敬一
○説明員(辻敬一君) 四十一年度の一般会計における旅費予算額は約二百四十億円でございます。内訳は内国旅費が二百十二億、外国旅費が二十八億となっております。内国旅費につきまして申し上げますと、四十年度の予算額が約百八十三億円でございます。四十一年度はこれに比べて約二十九億円の増加となっております。そのうち業務量の増加というものがございます。この分が約三億円でございます。残りの約二十六億円が今回の旅費法の改正及び鉄道運賃の引き上げによるものであります。なお、この約二十六億円の増加額の内訳を分けてみますと、旅費法の改正によります分は約十七億円、鉄道運賃の引き上げによる分が約九億円となっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/118
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119・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に外国旅行の場合ですね、宿泊料とか移転料の改正については今回は行なわれていない。前の場合を見ますと、前回はこの国内旅費の改定の時期から約一年おくれて実施されておるわけです。これは大蔵省としてはこういう前例もあるし、ひとつ近く改正をしようとする御意図であるのか、この点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/119
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120・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 外国旅費につきましては、お話のように、前回は一年おくれて改定いたしております。四十一年度に実態を調査いたしまして、その結果としてどうするかきめたい、そういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/120
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121・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは事務的なことだから局長でけっこうですが、六等級以下の職務のものの定額を実態に合わせて引き上げるということのようですが、これは実態に合わせるということの御説明をいただきたいと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/121
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122・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 六等級以下でございますか。外国旅費の話でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/122
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123・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私のお伺いした意味は、六等級以下の職務にある者の定額を実態に合わせて引き上げるということのようですが、そのことはどういう意味かということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/123
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124・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) 数字の基礎が六等級になっておりまして、それからだんたんふやしていく、そういう形になっておるということをおっしゃっておられるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/124
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125・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/125
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126・武藤謙二郎
○政府委員(武藤謙二郎君) これは全部今度はスライドで割りましてやっておりまして、どこか特別にふやしたということはいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/126
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127・伊藤顕道
○伊藤顕道君 大臣が時間をばかに気にしておるようですし、初めから大体四時ごろという事情はよくわかりますが、そこで、これはこの機会に一通り私のほうでも知りたいので、以下申し上げるものを資料として御提出いただきたいと思うわけです。大蔵省が行なっておる実態調査の方法とか規模、対象、こういう面について、これをあとで拝見いたしますから——もう法案を出しちゃったらそんなこと関係ないと思って忘れられないように。たとえ法案があるいはいま通るかもしれません、通らぬかもしれませんが、通った場合でも、ひとつ必ず出されるように。それからいま一つお伺いしたいのは、今回の実態調査の結果ですね、実態はどうなっていたかということについての具体的な資料をひとつこの際いただきたいと思う。
以上二つの点の資料の提出をお願いして、審議はきわめて時間のないために不十分でございましたけれども、一応終わっておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/127
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128・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/128
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129・熊谷太三郎
○員委長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
ほかに御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/129
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130・八田一朗
○八田一朗君 私は自由民主党を代表して、ただいま議題となっております本法律案に賛成をいたします。しかしながら、国家公務員等の旅費については、委員会の審査においても明らかになりましたように、これが実費弁償をたてまえとしていることより、なお改善すべき点が認められますので、この際、私は、自民、社会、公明、民社各党共同提案にかかる次の附帯決議案を提出いたしたいと存じます。
附帯決議案を朗読いたします。
国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
国家公務員等の旅費については、政府は物価の上昇等の実情を考慮してその適正を期すべきであるが、特に左の事項については速やかに検討を加え改善を図るべきである。
一、内国旅行における甲乙両地方の区域区分については、最近の宿泊料金の実情にかんがみ、実態に即するよう措置すること。
二、移転料については、実費弁償を建前として制度の合理化を図ること。
三、日額旅費については、実費を下回らないよう定めること。
右決議する。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/130
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131・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。
それではこれより採決に入ります。国家公務員等の旅費に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を求めます。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/131
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132・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました八田君提出の附帯決議案を議題といたします。八田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/132
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133・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって八田君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、福田大蔵大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/133
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134・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま附帯決議をいただきましたが、この決議の趣旨につきましてはこれを尊重いたし、よく実態も調査し、その上善処いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/134
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135・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/135
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136・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認めてさように決定いたします。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/136
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137・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/137
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138・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 議事の都合により先ほど中断いたしました総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続けます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/138
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139・中沢伊登子
○中沢伊登子君 さっきまごまごしておりまして、たいへん恐縮でございました、お忙しいところを。
青少年問題の、今度の青少年局の設置につきましてね、この問題は文部省、それから厚生省、労働省あるいは警察、いろいろなところに関係するわけでございますが、特に私が質問してみたいのは、この前の予算委員会のときも、私、質問しましたけれども、十分に答弁がいただけなかったわけです。片方では青少年保護育成条例とかいろいろなものをつくりながら、片方では、おとなでもちょっと目をそむけたいような映画の看板が出ていたり、あるいはそういう非常に卑わいな映画が上映されたり、あるいはトルコぶろとかいろいろなものがどんどん派生をしていくわけですね、釣り堀とか。それで一体どっちがほんとうに青少年のためにとられる政策であるかと、ちょっと戸惑うような感じがするわけです。それで今度は、総理府のほうに青少年局をつくっていただきまして、そういう横の連絡、それを非常に密にしていただけるだろうとは思いますけれども、それでもなおかつ、十八歳以下の人はこの映画は見てはいけませんとか、あるいはそういう私のうちには週刊誌みたいなものは入ってまいりませんけれども一いまでもなおかつパーマ屋さんなんかに行ってみますと、それはほんとうにおとなが読んでもどうしようかと思うような週刊誌やなんか、一ぱいそこらにはんらんしているわけです。そういうものを今度はほんとうに総理府の青少年局でちゃんとやっていただけるものか、この点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/139
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140・安井謙
○国務大臣(安井謙君) お説のとおりに、青少年局をつくりまして、各省全般にわたりました青少年の問題をできるだけ総合調整しやっていくというたてまえでおりますが、その一面、世間的に青少年にとって非常にいかがわしいいろいろなものがはんらんするじゃないかというお説でございまして、ごもっともなお話だと存じておりまして、私どももそういう点については非常に気をつけてそういうものの整理あるいは排除をいたしておるのでございますが、何ぶんにもいま、何というのですか、表現の自由であるとかなんとかいうような点から、法的にこれを取り締まるという方法がなかなかむずかしゅうございます。ことにそういうものの取り締まりは大体都道府県の条例で現実の取り締まりはやるというふうになっておりますが、都道府県でそういう条例を出しておりますのは半分くらいでございます。それから世論からいって、条例なんかでまたこれを取り締まろうとすると、なかなかいろいろとまた言論の弾圧だとかなんとかというようなことの方面からの抑制がありまして、いわゆる強権発動ということがなかなかできにくい状況にもございます。しかし、そうかといってこれは放置しておけませんので、私どもでき得る限り、ひとつそういうものについては、各それぞれの担当の部署の方にも非常に御活躍を願い、また、都道府県にもそういったものの条例も御設置を願うという方向で進めますと同時に、業界自体がこれは自主的に自粛をしていただくということが何よりも大事であろうと思いまして、昨年の九月にちょうどこういう問題を、いま御指摘のような問題をつかまえまして、いわゆるマスコミ対策委員会というものをつくりまして、これはいままでございます中青協が中心になりまして、学識経験者それからそれぞれの業界四部に分けまして、出版、映画、放送、広告、四つの部門に分けまして、それぞれの業界の各責任者にもお加わりを願いまして、何回かにわたってこの問題の扱いを検討しました。業界でもこれは自分たちの業界に関する限りは非常に自粛をしたい、しようと、また映画の看板あるいはポスターなんかにつきましても、映倫が今後全面的に、いままでやっていなかったが、検閲をするというような制度も技術的にとられるようになるし、業界も自粛を申し合わせ、あるいは深夜興行というようなものも非常に厳重な規制をやるといったような、かなり前向きの姿勢がとられたわけでございますが、出版物なんかにつきましても、いわゆる協会に入っていないアウトサイダーの出版物、あるいは映画の製作にしましても、大手筋の映画会社でない、弱小といいますか、多くの小さいプロダクション、これについてはなかなか具体的な取り締まりといいますか、自粛の方法が見つからないのが実情でございます。できるだけ、しかし、そういう映画製作者にはなるべく協会に加入を願う、そうしてまた、働きかけをして、そういう方面を自粛をするという点ではかなり強い決意表明なり態度が昨年の暮れあたりにうかがわれておるわけであります。しかし、何ぶん法律でこいつをどこまで取り締まれるかということになりますと、なかなかむずかしい問題がございますし、また、いまの大手以外の、自分でかってにつくっておる小さいプロダクションあるいは出版社というものの出版物についての取り締まりがなかなか思うようにいかないという状況で、これはなるべく社会全体で、おとななりあるいは社会の目でこれを批判していただいてこれを押えていくということも一つの方法じゃなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/140
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141・中沢伊登子
○中沢伊登子君 自主的にこれを規制するようにこっちが待っているというような状態ではどんどん子供たちが悪くなっていくのですね。そのことが非常に母親たちのいま心痛の種でございまして、婦人会なんかがずいぶんいろいろな運動を起こしてはおりますけれども、それでもやはりもうどうしてもこれは法律で規制してもらうよりほかに手がないというふうな悲痛な叫びをあげているわけです。それで、何とかこの青少年局ができるなら、もう少し手きびしいやり方をしていただいて——片一方で青少年を愛護しようとか育成しようとか言いながら、そういうものが野放しになっているということは非常にたいへんな問題だと思います。何とかそれをもう少し強力にしてやっていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/141
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142・安井謙
○国務大臣(安井謙君) おっしゃるとおりだと思いますが、これを法律での規制というのは、実際に出そうと思いますと非常に困難な面もございますが、しかし、お話のような実情はもうごもっともでございまして、私どもぜひこれは何かもっと積極的な対策をとるように今後も十分気をつけてやりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/142
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143・中沢伊登子
○中沢伊登子君 時間もございませんようですからもう一つ。
同和対策で、最近、同和のほうの人たちが、ずいぶんいままで受けたような侮辱を受けたくない、子供にもそういう侮辱を受けさせたくないということで、ずいぶん意欲を燃やしておられるわけです。それで同和のモデル地区というふうなものを今度つくられるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/143
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144・安井謙
○国務大臣(安井謙君) モデル地区ということではないのでございまして、この同和部落を全体として環境をよくしていくとか、あるいは就職や就学についての実際上の差別をなくするようにやっていこうということで、特別のモデル地区をつくるというつもりはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/144
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145・中沢伊登子
○中沢伊登子君 そうですが、この間ちょっと……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/145
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146・安井謙
○国務大臣(安井謙君) ちょっと、文部省関係に若干そういうあれがあるようですから、ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/146
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147・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) モデル地区というふうに従来言っておりませんが、ございます。この地区は、各種事業が、御承知のように、いろいろ効率的に運用するというようなことで、どの地区という指定ではございませんで、初めから、たまたま事業の申請がございましたときに、それを二省以上にまたがってある規模以上のものは、まとめてそこでやったというのを、従来そういうふうに言うというように解釈しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/147
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148・中沢伊登子
○中沢伊登子君 この間、実はあるところに参りましたら、自分たちで公民館みたいなものをつくって、何とかいじめられないように、小学校のときから補習を自分たちの手でやって、自分たちで侮辱を受けないように子供たちに人間教育をしたい、そういう公民館、保育所、いろいろなものをつくるために全部自分たちがお金を出してやるのにはずいぶん負担が大きいので、何とか補助してもらうように、モデル地区のような指定がなされるような話を聞いたかという話を伺ってきたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/148
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149・古屋亨
○政府委員(古屋亨君) それは、同和教育の問題だと思いますけれども、これは従来いわゆるモデル地区に限らず、公民館なり隣保館なりでそういうような同和指導といいますか、教育を含めましてあるいは補導を含めまして世話を見るということはやっております。これは保育所なり隣保館なりという形で厚生省のほうの補助対象になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/149
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150・中沢伊登子
○中沢伊登子君 ああそうですか。どうもありがとうございました。
最後にもう一つだけ、BBSというものがございますね、民間団体で。ビッグ・ブラザース何とかというの。あれは補助は何にも出ないのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/150
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151・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 私、実はそういうこまかい御質問になりますと、ちょっと正確にお答えできるかどうかわかりませんが、これは法務省のほうで指導している青少年団体でございますね。ビッグ・ブラザース・アンド・シスターズですか、非行少年に対してあたたかい兄さん姉さんのような気持ちで愛護いたしましょうというふうなのですが、これ、特に助成金として法務省から出ているとは伺っておりません。そにから文部省に青少年団体に対する助成金がございますが、これも出ておらないはずです。ただ事業活動を通じまして共同主催するとかいろいろなことで法務省が便宜を供与しておる、こういうふうに伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/151
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152・中沢伊登子
○中沢伊登子君 ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/152
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153・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ほかに御発言ございませんか。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/153
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154・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。
ほかに御発言もないようでございますから、質疑は尽きたものと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/154
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155・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となりました本法律案に賛成するものであります。
本法律案に対して、自民、社会、公明、民社の各党共同提案にかかる次の附帯決議案を提出いたしたいと存じます。
まず、附帯決議案を朗読いたします。
総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案
政府は、同和問題については同和対策審議会の答申を尊重し、諸施策を強力に推進すべきである。また、在外財産問題の処理については、速かに結論を得るよう一段と努力すべきである。
右決議する。
この附帯決議案の趣旨は、委員会の審査におきましてすでに明らかとなっておりますので、この説明については省略させていただきたいと存じます。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/155
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156・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) ほかに御意見もないようでございますから、討論は終局したものと認めます。
それではこれより採決に入ります。
総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/156
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157・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
次に、討論中に述べられました伊藤君提出の附帯決議案を議題といたします。伊藤君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/157
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158・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 全会一致と認めます。よって伊藤君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、安井国務大臣から発言を求められておりますので、この際これを許可いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/158
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159・安井謙
○国務大臣(安井謙君) 総理府設置法及び青少年問題協議会設置法の一部を改正する法律案につきまして、当委員会におかれまして全会一致で御採決をいただきまして、心からお礼を申し上げます。
なお、それにつきまして附帯決議として、同和問題の強力な施策をやるように、さらにまた、在外財産の問題につきまして、現在審議会で検討中でございますが、早く結論を得るように政府も努力するように、こういう決議をいただきました。私ども十分御趣旨を体しまして今後も努力をいたしたいと思います。ありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/159
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160・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) なお、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じます。御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/160
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161・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 御異議ないと認め、さように決定いたします。
それでは、本日はこれをもって散会いたします。
午後四時三十七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X01619660330/161
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