1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月二十七日(水曜日)
午前十時五十六分開会
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委員の異動
四月二十二日
辞任 補欠選任
青田源太郎君 八田 一朗君
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出席者は左のとおり。
委員長 熊谷太三郎君
理 事
柴田 栄君
船田 譲君
伊藤 顕道君
北村 暢君
委 員
石原幹市郎君
塩見 俊二君
三木與吉郎君
中村 英男君
鬼木 勝利君
多田 省吾君
中沢伊登子君
国務大臣
運 輸 大 臣 中村 寅太君
労 働 大 臣 小平 久雄君
国 務 大 臣 松野 頼三君
政府委員
防衛施設庁長官 小幡 久男君
防衛施設庁施設
部長 財満 功君
厚生政務次官 佐々木義武君
厚生大臣官房長 梅本 純正君
厚生大臣官房会
計課長 戸澤 政方君
厚生省医務局次
長 渥美 節夫君
社会保険庁長官 山本 正淑君
運輸大臣官房長 深草 克巳君
運輸省港湾局長 佐藤 肇君
運輸省自動車局
長 坪井 為次君
運輸省航空局長 佐藤 光夫君
海上保安庁次長 岡田京四郎君
労働大臣官房長 辻 英雄君
労働省労働基準
局長 村上 茂利君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
説明員
運輸省港湾局参
事官 河毛 一郎君
運輸省船舶技術
研究所電子航法
部長 安積健次郎君
海上保安庁警備
救難部長 猪口 猛夫君
気象庁予報部長 今里 能君
気象庁地震課長 木村 耕三君
日本国有鉄道公
安本部長 柏原 及也君
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本日の会議に付した案件
○防衛施設周辺の整備等に関する法律案(内閣送
付、予備審査)
○運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○労働省設置法の一部を改正する法律案(内閣送
付、予備審査)
○厚生省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/0
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001・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) それではただいまから内閣委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告いたします。去る二十二日青田源太郎君が辞任せられ、その補欠として八田一朗君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/1
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002・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 防衛施設周辺の整備等に関する法律案を議題といたします。
本案は去る三月二十三日、予備審査のため本院に送付され、四月二十二日、本委員会に予備審査のため付託されました。
それでは提案理由の説明を聴取いたします。松野防衛庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/2
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003・松野頼三
○国務大臣(松野頼三君) 防衛施設周辺の整備等に関する法律案の提案理由及び内容の概要について御説明いたします。
従来防衛施設周辺対策としては、米駐留軍の行為によって生じます特定の事業の経営上の損失について法律に基づき所要の補償措置を講ずるほか、米駐留軍及び自衛隊の行為に起因する各種の障害については、予算措置によりこれらの防止等を実施してまいりました。
しかしながら、このような防衛施設周辺対策の実施は、国民生活にとり、密接な関係を有するものでありますので、その対策の基本を法律に定め、防衛施設周辺の整備等を積極的に実施する必要があると考え、ここにこの法案を提案いたすこととしたのであります。
この法律案の内容について御説明申し上げますと、
第一は、自衛隊等の射撃、爆撃その他の行為により生ずる障害を防止し、または軽減するため、あるいは航空機等により生ずる著しい音響を防止し、または軽減するための工事につき国が補助するものとしたことであります。
第二は、防衛施設の運用によりその周辺地域の住民の生活または事業活動が著しく阻害されていると認められる市町村が、生活環境施設または事業経営の安定に寄与する施設の整備をはかるときは、国が補助することができるものとしたことであります。
第三は、自衛隊等の使用する特定の飛行場の周辺において住民のこうむる障害の軽減に資するため必要があるときは、国は、一定の区域に所在する建物等の移転等の補償及び土地の買い入れをすることができるものとしたことであります。
第四は、第一または第二に述べました措置を行なう地方公共団体その他の者に対し、国は、資金の融通あっせんにつとめることとするとともに、普通財産の譲渡等を行なうことができることとし、かつ、関係行政機関の長は、防衛施設の周辺における生活環境及び産業基盤の整備をはかるようつとめるものとしたことであります。
最後に、自衛隊の航空機の離着陸等のひんぱんな実施その他の行為により特定の事業に経営上の損失を与えた場合においては、国が補償するものとしたことであります。
以上法律案の提案の理由及び内容を御説明いたしましたが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/3
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004・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 以上で提案理由の説明は終わりました。本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/4
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005・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
本案は、去る四月八日、衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。
なお、衆議院におきましては、修正議決されております。その修正点は、お手元にお配りいたしましたように、附則の施行期日を「この法律は、昭和四十一年四月一日から施行する。」を「この法律は、公布の日から施行し、改正後の運輸省設置法第八十三条の規定及び次項の規定は、昭和四十一年四月一日から適用する。」と修正されております。
本案の提案理由の説明は去る二月十五日聴取いたしました。
それでは、これより本案の質疑に入ります。関係当局の御出席は、中村運輸大臣、深草官房長、佐藤港湾局長、佐藤航空局長、岡田海上保安庁次長、以上の方々でございます。御質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/5
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006・伊藤顕道
○伊藤顕道君 本法案に関連して二、三お伺いしたいと思いますが、まず順序として、港湾に直接関係の面でお伺いいたしますが、この提案理由の説明を見ますると、海運局で所掌している航法に関する事務を今回海上保安庁に移管するということでありますが、その理由は一体どういうことですか、まずそこから御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/6
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007・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 経過から申し上げますが、海上保安庁は、昭和二十七年七月以前には、法令の海上におきます励行等、海上における治安の維持をはじめとしまして、水路、航路標識に関する事務、それから船舶の安全に関する検査、船舶職員の資格及び定員、水先人、それから航法及び信号、海難救助に関する事務、これらについても、制度の企画立案事務までその実施事務として所掌いたしておったわけでございます。しかしながら、船舶検査や船舶職員免許に関する事務は、それぞれ船舶行政、船員行政にも密接な関連がございますので、本省船舶局、船員局において総合的にやったほうが能率的であり、また効果的である。また海難救助、航法及び船舶交通の信号、航法に関する制度の企画立案に関する事務は海運局の所掌をいたさせまして、実施事務を海上保安庁にやらせたほうが業務の成果の向上が期せられるというようなことで、昭和二十七年七月にそういった移管をやったわけでございますが、その後、御承知のようなマリアナその他の遠距離海難の救助体制の強化の問題及びタンカー等、危険物積載船舶の増加に対処いたします海上消防体制の強化の問題、それから一般的には船腹量が急にふえまして、またその船が大型化してまいっております。それから高速化いたしております。それから海上交通がふくそうをいたしましたので、海上交通の規制の強化あるいは航路の確保の問題、それから最近海に橋がかかるというような問題もございまして、そういった航路の規制をいたすというようなことも早急に検討する必要に迫られたわけでございます。海上保安庁がやはり現場第一線でこういった実務をやっておりますので、その実務に並行いたしまして、現地の実情に詳しい海上保安庁にそれらの航路規制のいわゆる企画事務というようなものも移したほうが今日の時世に合うのではないかというようなことで、昭和二十七年の制度改正をまた反省の上ひっくり返しまして、海上保安庁のほうに移すことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/7
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008・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま御説明の要旨があったわけですが、そうだとすると、海上保安庁では、今後航法に関する事項については企画立案からその実施まで一元的にこれを行なう、そういうことになろうかと思うのですね。
そこでお伺いするわけですが、従来、航法に関する事務の運用に当たってきた海上保安庁としては、海上交通の安全を期するためには関係法律上、検討を要する必要があろうかと思うのですね。そこで、そういう点がもしあるとすればどのような点か、こういうことからお伺いしたいのです。関係の法律がいろいろあろうかと思うのですね、その上に再検討を加える必要があるのじゃないか、そういうふうに考えられるわけですけれども、そういう必要はあるのかないのか。もしあるとすればどういう点かと、こういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/8
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009・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 海上の交通の安全を確保するための法律といたしましては、海上衝突予防法、港則法とかその他ございますが、特に陸上におきます交通規制と同じように、海上においても、特に瀬戸内海などの非常に交通量の激しいところは航路の規制をしなければいけないのじゃないか。たとえば船は御承知のように、右側通行になっておりますが、その航路自体が非常に狭いので、その航路をたとえば二つに分けるとか、そういった航路の規制の問題、あるいは港則法といいますのは、港の区域の中でのやはり一つの、陸上でいえば交通法規と同じような性格を持っているわけでございますが、こういったことにつきましても、特に港湾内の船舶のふくそう、あるいは大型化ということに対しまして、当然従来の港則法ではなまぬるいというような点がございますので、そういった点につきましては、やはり最もそういった実情に詳しいところが立案するのが適当ではないかということで、こういうことにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/9
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010・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、この際お伺いしておきたいのは、最近における海難事故の現状について御説明いただきたい。大綱でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/10
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011・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/11
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012・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/12
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013・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 手元に詳しい資料は持参いたしておりませんが、やはり全般的な傾向と申しますと、小型船及び漁船の海難事故がどうしてもまだあとを断たないということでございまして、特に対策といたしまして、満載喫水線の問題をどういうふうに適用するかというような問題が非常に大きな問題になって、ただいま検討中でございます。それからタンカーが非常にふえましたので、この前も、御承知のような室蘭におきます火災の問題、あるいは川崎におきます火災、こういったタンカーの火災が非常に結果として大きな事故を起こすというような問題が、最近タンカーが大型化しただけに、それが非常に大きな問題になっておるわけでございます。それとマリアナ海難で御承知のような、遠海におきます海難が頻発いたしております。これは御承知のように、やはり気象の問題、その他と非常に関連がございまして、幸い運輸省の中に気象庁もございますので、そういった連携につきましては、本年度の予算で大型の巡視船もつくりまして、それに気象観測の器具も積載いたしまして、両々含めるような船の建造を本年度の予算でつくることにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/13
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014・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま海難の事故の現状について伺ったわけですが、この海難事故防止対策が当然考えられておると思いますが、そういう面を、大綱でけっこうですが、ひとつ具体的に御説明願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/14
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015・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 海難事故の中で、一つは人的な原因による事故、たとえば船長あるいは航海長の資格を持たないで乗せておる、そういった技術上の未熟のために事故が起きたというような問題がございます。これらにつきましては、船舶の職員の養成の問題がございますが、さらに内航海運につきましては、船員の人的不足というような問題もございますので、船員の需給対策の推進の問題がございます。それから一般的に海事関係、先ほど申しました海の交通法規がございますが、それの取り締まり、つまり法令違反をいたして事故を起こすというような問題がございますが、これは海上保安庁を督励いたしまして船の臨検をたびたび行なうというような問題、それから船の構造自体の欠陥によります事故、これらにつきましては、船舶局の出先が、地方に海運局がございます。船舶検査官が一般的な定期検査のほかに随時臨時的な点検をやる、こういった問題がございます。それから、先ほど申しましたように、荷物を積み過ぎるというような傾向がどうしてもあるわけでございますので、大きな船につきましては満載喫水線、これは条約によりまして満載喫水線がきめられておりますが、これをある程度小さな船あるいは漁船にも及ぼす必要があるのじゃないかというような問題につきましては、いろいろといま部内で検討をいたしておるわけでございます。それからいま一つは、事故が起こりました場合の救難の問題でございますが、これは一つとしては、あとで出てまいりますが、船の位置を探知するロランとかデッカ、そういった航路標識の整備の問題があるわけでございます。そのほか救難の通信の問題、こういった問題を解決することによりまして、海上保安庁の救難の早期出動ということがはかられるのでございまして、船にそういった通信設備を整備するというような問題を当面の対策として進めておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/15
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016・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いま対策についての御説明があったわけですが、海難救助体制の強化ということは各方面から強く要望されているわけです。そこで、このことに関連して、海上保安庁の現在の船艇とか航空機の整備状況、これは一体どうなっておるのか。それと新年度、四十一年度の計画は一体どうか。やはり何と言ってもまず船艇、航空機の整備ということはその対策の一つの大きな柱になろうかと思うので、そういう角度から、まずお伺いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/16
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017・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 海上保安庁の巡視船艇、航空機の現状でございますが、昭和四十年度末で巡視船が八十八隻でございます。三万四百三十三総トンでございます。巡視艇が二百八隻で四千九百十九総トンでございます。毎年代替建造方式によりまして船質の改善につとめております。なお、巡視船につきましては、その一七%を占める十四隻が、また巡視艇では二四%の五十隻が、海上保安庁の発足前につくられたもので、非常に老朽化いたしておりますので、今後も代替建造のピッチを上げてまいりたいというようなことでございます。それで、こういった現状を打開するために、三十九年に巡視船艇の船型、それから性能を実態に即応させまして、また、航空機通信施設の運用と連携をした一体的な運用をはかることによって、能率的な警備救難体制の確立をしたいということで、一つの目標をつくっておるわけでございますが、その目標といたしましては、巡視船九十八隻、それから巡視艇が二百八十一隻、これをすみやかに達成するように、代替建造の増強をはかっている次第でございます。
なお、四十一年度の予算におきましては、先ほどもちょっと触れましたが、二千トン型の巡視艇、大型のものでございますが、これに気象観測器具も積むわけでございますが、二千トン型の巡視艇を一隻、それから九百トン型の巡視船を一隻、三百五十トン型の巡視船を一隻、百三十トン型の巡視艇を二隻、それから巡視艇でございますが、二十三メートル型の巡視艇を二隻、十五メートル型を六隻、これを船艇の代替として建造する計画でございます。
それからさらに、航空機につきまして申し上げますと、現在双発の飛行機が六機ございます。それから小型の単発飛行機が一機ございます。大型のヘリコプターが二機、中型ヘリコプターが三機、小型ヘリコプターが四機、計十六機を保有いたしております。航空基地は、函館、仙台、羽田、広島、舞鶴、新潟、鹿児島の七カ所でございます。整備計画でございますが、当面の目標を、飛行機につきましては、長距離用大型機を三機、中型機を十機、計十三機に増強した。ヘリコプターにつきましては、中型機に集約、整備をいたしまして、中型ヘリコプターを十三機に増強したい。航空基地につきましては、現在の七カ所を十カ所に増強したいということで、いま、本年度の予算では、大型機YS11でございますが、これを一機整備し、また、基地といたしましては、千歳の基地を前年度に引き続き整備いたしまして完成をいたしたい。また、鳥羽地区に航空基地を整備するための用地を確保することになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/17
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018・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なおお伺いいたしますが、船艇等の性能の低いためにあるいは老朽のために、低い性能の船艇がさらにその性能が下げられておるという事態、あるいは船艇とか航空機の数が不足のために、これら船艇、航空機が整備している条件のいいものがあったらおそらく救助できたであろうのに、それが救助できなかったという事態はないですか、いままでに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/18
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019・猪口猛夫
○説明員(猪口猛夫君) 近い例では、昨年マリアナ海域におきまする漁船の集団海難のときは、ただいま先生がおっしゃいました例の最もいい例のものだと思います。私たちの巡視船艇の整備対策におきましては、いわゆる巡視船につきましては、現在八十八隻保有しておりますが、私たちの整備目標によりますと、なお十隻の不足をかこっておるわけでございます。また、巡視艇につきましては、約六十隻の不足を感じておりまして、それを整備計画といたしまして毎年予算要求しておるのでございますが、何ぶんにも巡視船におきましては、その保有隻数の一七%に当たるもの、また、巡視艇におきましては、その保有隻数の二四%に当たるものがいわゆる戦前の老朽船でございまして、それを代替建造するのに現在精一ぱいの状況でございます。幸いにも先ほど官房長から説明がありましたが、四十一年度では、マリアナ海域におきます漁船の集団海難の経験にかんがみまして、二千トン級の大型高速巡視船の代替建造を見ることになりまして、その私たちが持っております巡視艇の整備目標の階段に一歩かかったというような状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/19
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020・伊藤顕道
○伊藤顕道君 国の出先機関を全国的の視野でしさいに調査してみますると、非常に老朽の船艇が多いですね、数が。海上自衛隊でももうあまり役に立たないというような海上自衛隊からの廃物をもらい受けたり、したがって、このことは性能が悪いということに通ずるわけですね。それから質もさることながら、数においても非常に不足しておる。船艇も航空機も不足しておる。特に国の各出先機関で要望の強いのは、ヘリコプターがぜひ一台ほしいとか、そういう声が非常に高いわけです。また佐藤内閣では、人命尊重ということを一つの大きな柱として施政を進めておる。そういう角度からいうと、このスローガンだけでなく、政策としてやはりそういうものから具体的に、たとえば海難救助のためにはいろいろ必要な条件がありますけれども、いまの船艇とか、あるいは航空機の質、量ともに整備をする。これが一つの人命尊重の具体的な施策となってあらわれなければならないと思うのです。ところが、現状は、質においても、量においても非常に低下しておる、これじゃなかなか海難救助の完璧を期することは得て至難であろう、われわれしろうとでもそういうふうに判断できるわけであります。そこで今後は、海上自衛隊の廃物なんか使用しないで、人命尊重につながるそういう施策の充実という観点から、思い切って新鋭の、いわゆる高速の、性能のいい船艇を、そうして必要に応じてヘリコプターその他航空機を整備することがまず先決だと思うのですね。そのためには、やはり大臣がその決意で当たらなければ、なかなか実現しがたい。そこで大臣にお伺いいたしますが、こういう現状を認めるならば、そういう具体的な施策の面に、ひとつ十分具体的にお骨折りをいただいてしかるべきだと思うのですが、大臣のお考えはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/20
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021・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 伊藤委員の仰せられますように、海難救助のためには、航空機、それから性能の高い船艇等の必要なことは、仰せられるとおりでございます。私もその観点に立ちまして、四十一年度にはYS−11の飛行機を一機と、それから二千トンの大型の船を一隻、しかもこれには気象観測装置もつけまして、そういう方向で漸次進めてまいりたい、かように整備してまいりたいと考えておる次第でありますが、同時に、昨年のマリアナ近海の海難等に顧みてみますと、日本の基地から船が出ていくというようなことでは間に合わない、そういうふうでございますので、大きな数の漁船等が遠距離の地で、マリアナ近海等で作業をしておりますようなときには、その周辺にやはり海上保安庁の船ぐらいは常時差し向けまして、そうして気象の情報等も知らせ、さらに非常の場合には直ちに救助態勢に入れるような、いろいろそういう一つの装備を整えると同時に、配置等にも考慮をめぐらして整備していく必要がある、かように考えておりますので、順次そういう伊藤委員仰せられるような方向で、性能の高い装備を整えてまいりたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/21
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022・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先日の全日空機の遭難によって、遺体とか機体の捜索活動が行なわれたわけですが、その際、職員が過労で倒れたり、ヘリコプターが不時着して犠牲者を出しているわけです。こういうことは、海上保安庁の船艇とか、航空機あるいは船艇、航空機を扱うのは人間ですから、その面の定員の問題、こういうところに海上保安庁本来の使命達成上遺憾があったのではないか、こういうように考えられるわけです。先ほど来船艇とか航空機の質、量における劣勢、こういうことについては御指摘申し上げたわけですが、やはりそういうものを扱うのは人間ですから、やはり定員が不足をしているとどうしても過労になる、過労だと事故を起こしやすい、これは当然の帰結になろうかと思います。こういう意味で船艇、航空機、定員等を再検討する時期に来ているのですが、こういう問題を通して、そういうことが察せられるわけですが、こういうことに対して大臣のお考えはいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/22
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023・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 定員の問題は、必要最小限の人員をそろえることは、これはもちろん必要でございますが、この間の全日空の航空事故等によります際の、いわゆる遺体の捜索、その他の機材の捜索等の場面を見ますと、これは、いろいろ今後考えなければなりません点がいろいろあると思いますが、定員をそろえるということも必要でございますが、当面の作業以外にいろいろな最近の通信機関とか、あるいはラジオとか、テレビとかの関係が非常に忙しいという場面に追い込んでしまいますので、そのほうで非常に気苦労もするし、からだのほうも勢い過労になっていく傾向があったように私は考えております。今後はそういうこと等もあわせ考えまして、やはりああいう非常事態の場合には、平時における定員以外に、何かそういう点を配慮をして体制を整えると、そして作業に当たっている人たちの過労を防いでいくというような方法も考えなければならぬのじゃないかという体験を得たわけです。しかし、基本的にはいま伊藤委員の仰せられるように、定員も必要の定員は必らず確保するという方法で検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/23
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024・伊藤顕道
○伊藤顕道君 船艇とか、あるいは航空機の質、量ともにこの増強をはかるということは繰り返してきたわけですが、やはり何と言ってもそれを扱う人間が手不足では、遺憾なく成果をあげがたいと思うのです。そういう意味から、まず定員について、一、二お伺いしておきたいと思うのです。
四十一年度の定員を見ますると、差し引き三十八名の増を行なっておるということですが、この増はいずれも凍結欠員の解除によって行なわれておるように見られるわけです。この増については、一体どのような部署につかれるのか、このことからお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/24
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025・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 四十一年度の定員の増減の内訳を申しますと、本省で増員はゼロでございますが、欠員充当の増員は百五十四名でございます。減員が二十九名でございます。増員の内訳を申しますと、新庁舎の移転に伴うものが三名、航空行政の整備拡充に伴う増員が百三十四名でございます。それから船舶技術研究所の整備拡充の増員が十一名、海技大学校の整備、これは一名、海員学校の整備が二名、陸上交通の安全強化が三名、合計増員が百五十四名でございます。
それから減員の内訳でございますが、在外公館に派遣をいたしますために外務省に振りかえたのが一人、機構関係、これは先ほど申しましたように、海上保安庁に事務を移しますために、本省の定員が四名海上保安庁に移るわけでございます。それから新東京国際空港公団の新設によりまして、航空局にあります臨時の二十四名が減るわけでございます。減員が二十九名というような内訳になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/25
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026・伊藤顕道
○伊藤顕道君 四十一年度の凍結解除による三十八人程度の増加で海上保安庁の任務遂行上、どうも支障があるようにわれわれには受け取れるわけです。この程度の増員、しかもよく内訳を見ると、凍結欠員の解除による三十八人のうち三十五人は気象庁へ移管されるようですが、これはどういうわけか、その理由について御説明いただきたい。なお、海上保安庁の将来として、将来こういうことで別に心配ないのか、支障はないのかということをお伺いしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/26
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027・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 海上保安庁の関係は正規の増員四名のほかに、欠員充当の増員が四十八名ございます。減員が三十六名で、ほかに欠員充当の減員が十名、差し引き三十二人、表向きは三十二人の減員になっておるわけでございます。増員の内訳といたしましては、信号所の新設が四人、海上保安部署の整備が三名、航空基地の整備が二人、通信施設関係は十五人、航路標識及びロラン局整備のための増員が二十四名となっております。機構改正で先ほど申しました本省から移りますのが四人で、増員の合計は五十二名、それから減員が四十六名ということになっておるわけでございます。気象庁へ移しましたのは、気象庁のほうが、もう凍結定員がなくなったということで、凍結定員の解除は原則として本省とか、あるいは外局とか、それぞれのところでまかなうのが原則でございまして、それで足りない場合には運輸省内の外局なり本省の相互の融通というようなことでございます。そういうわけで、気象庁はもう凍結定員がなくなりましたので、比較的凍結定員のございました海上保安庁から持っていったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/27
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028・伊藤顕道
○伊藤顕道君 海上交通安全のためにいろいろの施策が大事なわけですが、一つの点として航路標識の整備ということが一つの大きな目標になろうかと思う。そこで、まずその整備状況は一体どうなのかということと、新しい方法としてロラン方式がとられておるようですが、日本のロラン局あるいはデッカ局、これはどのように整備されてきておるのかということ、さらにはこのロランあるいはデッカ等の電波方法の欠点があげられておるようですが、そういう欠点はどういう点なのか、こういう問題についてあわせて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/28
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029・猪口猛夫
○説明員(猪口猛夫君) 御質問のロランにつきましては、日本におきますロラン網の整備が一応完了いたしまして、あとはロラン網でカバーできない点を電波方式でどういうぐあいにするかという問題が残っているわけでございます。と申しますのは、北海道の、主としてオホーツク海あるいは日本海に面しまする付近は、現在整備されておりますロラン網によりましてはカバーできない空白地帯なのでございますので、その点をどういうぐあいに近代的な標識でカバーするかというようなことが問題でございまして、海上保安庁でも一昨年来からその問題に取っ組んでまいりましたのでございますが、昭和四十年度から、いわゆるデッカ方式なる電波の新方式を採用することにいたしまして、昭和四十一年度からその建設にかかっているという状況でございます。今後そのデッカ方式を全国的に推し進めるかどうかということは、それらの成果を見て今後対処していく方針をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/29
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030・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、このことに関連して今回の人工衛星による方法の研究を、船舶技術研究所で行なうということになったようですが、そこで、そのことについてお伺いいたしますが、人工衛星を利用することによってどのような高性能の航法技術の開発が期待できるのか、こういう問題がある、そのことについて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/30
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031・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 私、しろうとでございますけれども、人工衛星による航法でございますが、御承知のように、いま通信衛星が上がっております。航海衛星によりまして船や飛行機が自分の位置を測定するということが非常に精度がよろしいということが一つございます。それからロランやデッカに比べまして、これらは御承知のように、利用範囲が限られておる、到達距離が非常に短いというようなことで、それをカバーいたしまして、場合によっては全世界でもそれで人工衛星によりましてカバーできるというような利点がございます。
それからもう一つは、ロランやデッカの場合には、いろいろとそれに応じた船の受信装置が多種多様のものを装備しなければいかぬわけでございますが、人工衛星の場合には、それが単一にして経費の面でも非常に助かるというようなのが人工衛星、特に衛星航法によって得られるメリットだというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/31
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032・伊藤顕道
○伊藤顕道君 日本では東大が四十二年、それから科学技術庁が四十五年に人工衛星の打ち上げを目途に目下研究を進めておる、こういう実情にあるわけですが、今回運輸省で行なうこの研究と、これらの研究との関連性は一体どうなるのか、こういう点が一つ。
それから外国におけるこの種の研究は、現状は一体どうなっておるのか、この二つの点について御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/32
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033・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 先生御指摘の東大やあるいは科学技術庁でロケットの打ち上げ計画があるということでございますが、そのとおりでございますが、私どもがここで研究をいたそうという点は、ロケット打ち上げということではございませんで、人工衛星の中に積み込む機械の内容、あるいはそれを船や飛行機が受ける場合にどういう機械が要るか、それの開発研究でございまして、それを打ち上げるというようなことは考えておりません。それは御承知のように、宇宙開発審議会でおのおの関係の各省が分担すべき研究分野がきまりましたわけでございます。その開発審議会の答申に基づきまして、運輸省で分担すべきことだけをわれわれは今後やろうとしているわけでございます。
それから外国の開発の関係でございますが、アメリカにおきましては、昭和三十三年ごろから航海衛星の計画を進めておりますが、まだそれが実用に供し得るという段階にはほど遠いようでございます。欧州諸国におきましては、イギリスや西独、フランスでいろいろ提案や報告が見られますが、まだ予備的な調査研究の段階に入っておるにすぎないわけでございまして、その点では、むしろ欧州諸国よりもわが国の研究は幾らか先に出ているのではないか、まあアメリカまでには及びませんけれども、そういった地位にあると考えます。それとアメリカからも、これを日本に共同研究をしないかというような申し出も出ております。その共同研究のメリットといたしましては、やはりこういったものは、基地の選択等におきましても、世界共通のものが開発されることが一番望ましいというふうに考えておりますので、その共同研究に応ずるためにも、やはり受け入れ体制といいますか、こちらの研究組織の体制が整っておらないとなかなかやりにくいようなあれもございまして、今回船舶技術研究所でこれらの研究を進めることにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/33
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034・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この衛星航法はいつごろ完成する予定なのか、ということが一つ。
それから研究所で行なっておる——どのような計画によってこの研究所で行なっているか、どういう計画でということ。
それから四十一年度における研究体制は一体どのようなものか、その後における、四十一年以後の研究体制はどうなるのか、こういう点についてあわせて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/34
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035・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 開発計画でございますが、一応研究開発を三つの段階に分けております。す。三期に分けておりますが、四十一年度から四十三年度までの第一期におきまして、システムの概略設計を終わります。それから続いて、その結果に基づきまして四十四年度から四十五年度までの第二期におきましては、システムの、これは装置も含めますが、それの詳細設計及び一部装置の試作を行ないます。その後約二カ年程度、第三期にそれの組み立て及び評価試験を行なうことにいたしておるわけでございます。四十一年度でございますが、スタートでございますので、必ずしも十分な予算ではございませんが、新規に研究員を三名増員をいたします。それから計測器、主要試験装置を三千四百万円をもって各種のシステムの比較研究、それから位置確定のためのデータ処理の研究、主要機器の実験的研究、この三項目を四十一年度には行なう計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/35
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036・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、港湾審議会で、新たに港湾運送事業合理化に関する重要事項調査審議ということになったようです。具体的にはどのような事項を審議するのか、この点お答えいただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/36
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037・河毛一郎
○説明員(河毛一郎君) 今回の設置法の改正で、従来運輸省にございます港湾審議会に、新たに港湾運送事業に関係する重要事項を追加するということになったわけでございます。港湾運送事業の近代化なり合理化につきましては、従来港湾労働等対策審議会、あるいは運輸省の、いま御説明いたします港湾審議会に昨年来設置されております管理部会、いろいろと問題点、あるいは対策が指摘されておるわけでございます。そこで、私どもといたしましては、港湾運送事業の合理化につきまして、現在、港湾運送事業法を、新免の基準の引き上げ、あるいは一貫体制の強化というような点を中心にいたしまして改正法案を御提出申し上げておる次第でございますが、さらに港湾運送の合理化につきましては、なお相当解決すべき問題点があるわけでございます。そこで、港湾審議会に今回港湾運送部会が設置されました場合に、私どもは、港湾運送事業の合理化に関連いたしまして、まず、従来港湾運送が非常に零細企業であるということが指摘されております。それに関連いたしまして、港湾運送事業の集約ということが要請されておるわけでございますが、これは実態に即して集約の具体的方法をきめていくということはたいへん研究を要する問題でございまして、まず、この港湾運送事業の集約のための具体的な方策というものを、この運送部会でひとつの重要な審議事項として御審議願いたい、こういうように考えます。
それから第二点といたしましては、現在、港湾におきまして、いわゆる新しい近代的な埠頭が建設されておりますが、この埠頭における港湾運送がどのような形が一番合理的であるか、たとえばターミナルオペレーターというようなことが問題になっておりますが、こういった新しい埠頭における港湾運送機能の改善についての具体的な方策を御審議願いたい。
さらに第三点といたしましては、現在、港湾運送料金は、港湾運送事業法に基づきまして認可料金になっております。この料金の合理的な原価計算方式というものをもう少し進めて研究すべきであるといったようなことが問題になっております。この料金制度の原価計算方式の改善策についてもこの審議会で御審議願いたい。
〔委員長退席、理事柴田栄君着席〕
大体具体的にいま考えておりますのは以上三点でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/37
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038・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年、港湾労働法が制定され、また、総理府に港湾調整審議会が設置されたわけです。そこで、港湾労働者の対策については、港湾調整審議会、——港湾運送事業合理化、こういうものについては、港湾審議会と別個の審議会で検討されることになったようです。
そこでお伺いするわけですが、港湾労働者の対策についても当然考えられなければならないと思うのです。そうだとすると、両者を一体的に審議することが至当であろうと思うのです。その点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/38
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039・河毛一郎
○説明員(河毛一郎君) ただいま、総理府に現在設置せられております港湾調整審議会のお話でございますが、御指摘のとおり、港湾調整審議会は、昨年港湾労働法の成立と同時に新しく設置された審議会でございます。その所掌といたしますところは、港湾労働法の、港湾労働者の定数その他調整、計画の設定に関して、労働大臣の諮問を受けて調査審議するということが一つございますが、そのほかに、港湾に関する各行政機関の施策のうち総合調整を要するものに関し、内閣総理大臣の諮問に応じて調査審議する、こういうことになっておる次第でございます。したがいまして、私どものほうで港湾運送事業のことに関連いたしまして、近代化、合理化という問題につきましては、まず運輸省の本来的な所掌事務といたしまして、運輸省といたしまして、先ほど申し上げましたような重要な点につきまして、従来設置されております港湾審議会で御審議をわずらわす、こういうことが妥当ではないかと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/39
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040・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いいたしますが、現在港湾労働あるいは港湾の管理運営に関する事項については、早急的に審議あるいは意見の申し立てができるということになっておるようであります。港湾運送事業の合理化に関する事項の審議は、向こう二年間に限定されているわけですね。これは一体どういうわけなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/40
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041・柴田栄
○理事(柴田栄君) 速記をとめてください。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/41
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042・柴田栄
○理事(柴田栄君) 速記を起こして。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/42
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043・河毛一郎
○説明員(河毛一郎君) ただいまの審議期間を二年間に限定いたしました事由でございますが、実は、先ほどちょっと申し上げました港湾労働等対策審議会の港湾運送の合理化に関する答申におきましても、なるべくこの合理化に関する事項は急速に実現しなければならない、こういうことに相なっておるわけでございます。したがいまして、私どもといたしましても、可及的すみやかに先ほど申し上げましたような点につきまして具体的な方策を策定実施する必要があるわけでございまして、そのような意味で、この二年間内に大急ぎで結論を出したい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/43
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044・柴田栄
○理事(柴田栄君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/44
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045・柴田栄
○理事(柴田栄君) 速記を起こして。
午前はこれにて休憩いたします。午後は一時から再開いたします。
午前十一時五十八分休憩
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午後一時二十二分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/45
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046・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) それでは委員会を再開いたします。
労働省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。本案は去る四月十六日予備審査のため付託されました。それでは提案理由の説明を聴取いたします。小平労働大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/46
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047・小平久雄
○国務大臣(小平久雄君) ただいま議題となりました労働省設置法の一部を改正する法律案の提案理由を御説明申し上げます。
御承知のとおり、わが国には、雇用労働者のほかに、問屋や製造業者から委託を受けて自宅で物の製造加工等の作業に従事しているいわゆる家内労働者が多数存在しております。
これらの家内労働者は、工賃や労働時間、安全衛生等の作業条件が一般に低く、問題が少なくありません。
このような家内労働者について対策を講ずることは、単に家内労働者の保護のみならず、一般の労働者の労働条件の向上、国民経済の健全な発展という観点からもきわめて重要であり、特に最近、本問題に関する関心が高まり、その要請はますます強まってきているところであります。
政府は、かねてから、学識経験者のお集まりである臨時家内労働調査会に、家内労働の実態の把握とその対策の検討をお願いしていたところでありますが、同調査会は、昨年十二月、家内労働対策の検討を行なうに当たっては、まず、家内労働の実態を明らかにする必要があるという観点から、家内労働の実態と問題点を明らかにした「わが国家内労働の現状に関する報告」を出されるとともに、今後の家内労働対策の進め方について見解を提出され、家内労働について当面、行政措置による対策を推進するほか、法制的措置を含む総合的家内労働対策について検討を進めるため、調査審議を行なう機関を設置すべきことを述べられたのであります。
政府といたしましては、この見解を尊重して、家内労働対策を進めてまいる所存でありますが、家内労働問題の重要性にかんがみ、今後有効な家内労働対策を樹立するためには、前述の調査会の見解にも述べられているとおり、総合的視野に立って、この問題の調査審議を行なう機関を設けることが、特に必要であると考える次第であります。
この法律案の内容は、以上述べました考え方に基づき、労働省の附属機関として、家内労働に関する重要事項を調査審議する家内労働審議会を設置するため、労働省設置法の一部を改正しようとするものであります。
なお、本審議会は、その設置の趣旨から見て、一定の期間内に結論を得ることが適当であると存じ、その設置期間については、家内労働問題の複雑性及び重要性を考慮して、昭和四十四年三月三十一日までとした次第であります。
以上が、この法律案を提出いたしました理由とその概要でございます。何とぞ御審議の上、すみやかに可決せられますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/47
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048・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 以上で提案理由の説明を終わりました。
本案につきましては、本日はこの程度にいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/48
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049・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 次に、午前に引き続き運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題とし、本案の質疑を続行いたします。なお、関係当局の御出席は、深草官房長、佐藤港湾局長、坪井自動車局長、佐藤航空局長、岡田海上保安庁次長、河毛港湾局参事官、今里予報部長、柏原公安本部長、以上の方々でございます。御質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/49
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050・鬼木勝利
○鬼木勝利君 あまり時間がありませんので、私急いでひとつお尋ねしたいと思いますが、気象庁のほうにちょっとお尋ねしたいのですが、今回のこの法案に対しましてふえん的に私お尋ねしたいのですが、エッサ二号の受信装置ですか、これはもうすでに一、二カ月も前から受信に成功しておる。ところが、それを実際フルに活用していない。むろん研究用として予算化されたという理由もあるかと思いますけれども、もう台風の時期を迎えて、一日も早く実用化すべきだと思うのですが、その点について気象庁のほうから御答弁願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/50
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051・今里能
○説明員(今里能君) ただいまの御質疑につきましてお答え申し上げます。エッサ二号は、御指摘のとおり、気象研究所のほうに目下設置してございますけれども、毎日受信いたしました雲の写真を午前十時半から十一時までの間に本庁の予報部予報課に持ってまいりまして、毎日の天気予報に十分活用しております。なお、これから梅雨シーズン、台風シーズンが間近にあることでございますが、その際はさらにその回数をふやすなりなんなりいたしまして、現在の装置でもできるだけ活用したいと存じているのでございます。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/51
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052・鬼木勝利
○鬼木勝利君 あなたのお話聞いていると、十分フルに活用しておられるように聞きますが、特に台風の時期も迎えるのでありますので、一段とひとつ実用化していただくように要望しておきます。もう少し聞きたいのですけれども。
それから通信衛星の研究についてでございますが、これは郵政省あるいは電電公社あたりでもおのおの研究機関を附置している。今回運輸省でも衛星航法の研究室を新設する、こういうことになっておりますが、行政各機関がこのようにばらばらの態勢でなくして、総合的な研究機関を設立したほうがいいんじゃないかと思いますが、これは、大臣がおられるとたいへん都合がいいのだが、その辺をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/52
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053・深草克巳
○政府委員(深草克巳君) 午前中もそれに関連した御質問にお答えしましたが、宇宙開発の研究を一元化したらどうかということでございますが、これは宇宙開発審議会諮問第三号で、「宇宙開発における重点開発目標とこれを達成するための具体方策いかん」という諮問がありまして、それに答申が出ております。それで午前中も申し上げましたが、ロケットを打ち上げるということは、できるだけ一元化をいたしまして、その衛星に積みます機器あるいはそれを受信する、たとえば航行衛星につきましては、飛行機や船舶につきましての機器の開発、これは、それぞれ船なり飛行機、それぞれ特徴がございますが、やはり、そういった関連の研究機関がやったほうがいいんじゃないかということで、はっきり研究の開発の分担が答申されましたので、それに基づいてやっているわけで、最終的には研究所は一つではございませんが、計画的な研究というシステムは政府の中にできているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/53
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054・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それは午前中もその問題を取り上げられた。私はちょっと、それは遅参したものですから。その次に参りますが、先月の二十六日に四カ月ぶりに調査班が鳥島の観測所に上陸した。ところが、その後の状況がどういうふうであるか。御承知のとおり、鳥島はわが国の気象観測上特に重要なところだと言われているのですが、気象観測再開についてどういうふうにお答えになっておるか、あるいはまた、気象の観測員の派遣をどのように考えておられるか、この将来についてひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/54
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055・今里能
○説明員(今里能君) お答え申し上げます。実は鳥島は気象庁の海洋気象部において所管しておりますので、私、詳しいことは存じませんけれども、私が知っております限りのことについて、ただいまお答えをさしていただきたいと思います。先般鳥島に上陸いたしまして長期巻きの地震計を設置したのだと私は承知しておりますが、それの状況によりまして、今後、できるだけ早い機会に鳥島を再開して、重要な地点における気象の観測を続けたい、こういうふうな考えを持っているということを聞いております。以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/55
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056・鬼木勝利
○鬼木勝利君 重要な地点であるから、そこで将来観測を続けていきたい。当然、そうだと思いますけれども、調査班が上陸した当時は、鳥島の状況は惨たんたるもので、見るべきものは何もない。率直に言って漁船の海賊みたいな者が上がって荒らしている形跡があったというようなことですが、将来はどういうふうに、これはあそこで気象観測をなさるおつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/56
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057・今里能
○説明員(今里能君) 実は、これはちょっと弁解みたいなことを申し上げてはなはだ恐縮なんでございますが、私ちょっとしばらく世界気象機関の会議に出ておりまして、海洋気象部から鳥島に船を差し向けましたときにいなかったものでございますから、当時の状況はよく聞いていないのでございますが、まあ、昨年来の気象庁の考え方といたしましては、長官は、鳥島で安全に観測ができるような状況が確認されれば、できるだけ早く再開したいと申しておりまするが、そのために、あそこの施設が荒らされておるということになりますと、若干のやはり観測の仕事が再開できるような措置を講じなければならぬのじゃないかと私は存じます。はなはだ恐縮でございますけれども、もしただいま以上の詳しいことを御要求でございましたら、海洋気象部のほうからお答えいたしたいと存じますけれども、あいにく今日は参っておりませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/57
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058・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それでは、またあとでその点に対てはひとつ何か書類をもってでもいいから回答にしていただきましょう。それでは話にならぬ。
次に、今回の研究室を新設されるということに対して、もし、役人が個人で研究開発したその技術によって特許権でも取れると、そういう研究の成果が出た場合、その特許権は国に帰属させるのか。むろん、それはそういうことになるかもしれぬと思いますが、そうなった場合に、個人に対してはどういう処置をとるか、褒賞でもするか、それはひとつ大臣にお尋ねしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/58
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059・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 特許権は国に帰属することになっておると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/59
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060・鬼木勝利
○鬼木勝利君 その場合、本人に対してはどういう処置をとられるかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/60
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061・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 特許権は国に帰属することになりますが、それを開発した個人に対しては、何らかの形の褒賞をやるというふうなことが考えられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/61
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062・鬼木勝利
○鬼木勝利君 この衛星研究室の三名というのは、どのような研究能力のある方を充てられるのであるか。また、どの程度の期間でどの程度の成果を期待しておられるか。その点についてひとつお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/62
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063・安積健次郎
○説明員(安積健次郎君) お答えいたします。
三名の内訳は、上級職が一名と中級職が一名と初級が一名でございます。で、私たちがこの衛星航法のシステムの開発に対して要求しましたのは、もう少し多くの人数でございましたけれども、査定結果は三名ということでございました。で、三年間で衛星航法システムの概略のデザインをするというのが計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/63
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064・鬼木勝利
○鬼木勝利君 その程度のことで衛星研究の成果があがりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/64
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065・安積健次郎
○説明員(安積健次郎君) お答えいたします。
三名では確かに不足でございまして、来年度、四十二年度に、今年度要求して認められなかった分を要求したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/65
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066・鬼木勝利
○鬼木勝利君 その研究費の三千六百三十一万六千円という予算が組んである。それでどれだけ使うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/66
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067・安積健次郎
○説明員(安積健次郎君) これは使用試験装置としまして三千四百万使うことになっております。その内訳は、こういう衛星航法の開発をしますのに、システムの研究と申しまして、理論的研究をやるための費用と、それからいろいろな衛星航法で使います電波の周波数帯それぞれに広がる基本的な計測機器を整えるということ、それから、いま上がっております外国の衛星が出しております電波を利用しまして、ドップラー効果というものを研究することになっておりますが、それがこういう衛星航法に使えるかどうかということを研究することになっておりますので、そういう試験装置などに充てます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/67
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068・鬼木勝利
○鬼木勝利君 時間に制約されてこれはなんですが、次にお尋ねしたいことは、松代の地震の問題ですが、これはいまでも盛んに、ほとんど毎日のようにやっているのですが、大体どの程度の、あそこに警備といいますか、駐在しておる員数ですね、運輸省としてですよ。気象庁の松代地震観測所ですか、だから特別警戒として、非常態勢として勤務しておる人が特別おると思いますが、どれだけ派遣してあるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/68
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069・木村耕三
○説明員(木村耕三君) お答えいたします。
現在、定員は十四名でございます。さらに四名増員しております。計十八名でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/69
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070・鬼木勝利
○鬼木勝利君 いや、それをお尋ねしたいのだが、定員が十四人で、なおそれにあと四人増していると。それで万全の措置がとれますか。だいじょうぶですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/70
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071・木村耕三
○説明員(木村耕三君) お答えします。
人間をいたずらに増しましても——実は前に七名ほど増員したことがございますが、やはりああいう高級な技術でございますと、しろうとがいかに頭数を多くしても整理ができませんので、かえって減員をしてしまったよう事情がございます。現在の松代の観測に関しては、現在の状態ではできると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/71
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072・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それはむろん仰せのとおり、ただ人間ばかり、頭数ばかりそろえたってだめでしょうが、的確な気象の予報をする、そういう権威者を向こうへ送っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/72
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073・木村耕三
○説明員(木村耕三君) 観測所長が主になっておりますし、私のほう及び東大の地震研究所には常に資料を送って、東京でも検討しておりますので、支障はないと思います。ほんとうの観測のためには、むしろ松代の観測地よりも、現在の状況では、北信地方に観測点をふやすことが重要な状態になっておりまして、東大と協力していまこの努力をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/73
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074・鬼木勝利
○鬼木勝利君 先般大臣が向こうを視察されておることは新聞にも報道されておりますが、松代の地震も、これは非常に緊迫した状態で、人心の不安動揺というものはもうその極に達しておると思いますが、運輸大臣としては、現地を視察なさって、どのようにお考えになっておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/74
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075・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 私は現地に行っておらないのでありますが、建設大臣が行ったのでございまして、政府といたしましては、この松代を中心の地震につきましては、これは非常災害に準ずるものというたてまえをとりまして、いろいろの援護処置もとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/75
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076・鬼木勝利
○鬼木勝利君 それは建設大臣でしたね。それでわかりました。
次に、多少順序不同になってはなはだ恐縮ですけれども、時間がないから間を抜いていきますが、先般東亜航空機が乱気流で不時着をした。ところが、飛行場を呼ぶけれどもどうしても通信ができない、受信ができない。そこで、自衛隊がこれを着陸誘導した、こういう事実が新聞に報道されておりましたが、今度の法案にも、航空管制部をつくると言っておられますが、東京にあるのを今度三カ所に分ける。札幌と、福岡と、東京と三カ所に分ける。大体それの連絡がとれておるのですか、連絡が日ごろばらばらですが、その点をひとつ承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/76
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077・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 新聞記事にございました、東亜航空が大分向けで、広島発の飛行をいたしておりましたその途中におきまして、乱気流にあいまして引っ返したということでございます。これにつきましては、その後事情を調査いたしましたところ、乱気流のために大分に着陸できなかったことは新聞報道のとおりでございますが、航空機から広島に連絡をとりまして、その引っ返しの措置は、十分地上と打ち合わせの上で引っ返したというふうな報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/77
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078・鬼木勝利
○鬼木勝利君 その場合にSOSを出して、自衛隊が着陸誘導してその基地に着陸した、こういうことになっておるのです。今度航空管制部なるものを三カ所に設けられると言いますが、そういう点について、連絡というか、各個ばらばらになるような部面があるのじゃないか。私はその点を非常に憂えているのですが、その点について、密接な連絡——有機的な関係を密にして、どのように将来やっていくか、その点をひとつ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/78
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079・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 今回管制部を、先生御指摘のように三つにしようということの要旨は、現在の飛行の態様が、大体三つのブロック内をそれぞれ飛行するのが大部分であるというところに問題を発したわけでございます。もう一つには、いま先生御指摘のように、飛行機と管制機関とが直接通信できるようにしてその連絡を密にするということの大きなねらいがあるわけでございます。ただし、いま御指摘のように、三つに分けた場合に、それぞれの管制機関間の通信連絡というものを緊密にする必要もございますので、そういう通信施設を整備すると同時に、管制をいたします場合に、いわゆるレーダーによって十分その実態をとらえて管制し得る状態に置くというようなことでございまして、すなわち、機器の整備、通信連絡施設の整備ということは、御指摘のように、完備をする必要がありますし、また、その計画とあわせて今後管制運用の万全を期してまいりたい、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/79
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080・鬼木勝利
○鬼木勝利君 東京と札幌と福岡にブロック別に、そうして三カ所管制部を置くと、地上とその飛行機との連絡を密にし、三管制部の連絡も常に緊密な連絡をとると、こうなって初めて航空の安全ということは私ははかられると思うのですけれどもね、それを具体的にどのように連絡を受け、どのように関係を結びつけるかという具体性について私はお伺いしておる。そうしなきゃならぬということは、もう当然それはわかっている。そういう基本的な考えのもとに今回これを三つにするというのだから、具体的にどういう方法によってやるか、そういうことを聞いているのに、もうほんとうに君たちの答弁はまずいのだね。そういうことだから三カ所に分けるというのは当然じゃないか、だから、具体的にどういうふうに連絡をとって、どういうふうにやるということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/80
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081・佐藤光夫
○政府委員(佐藤光夫君) 具体的のやり方でございますが、先ほど申しましたように、二つ以上の航空交通管制部管制区域にわたって飛行する航空機の管制の引き継ぎということが、御指摘のように、それが円滑にできるかどうかということが一つの大きなポイントでございます。それにつきましては、隣接航空交通管制部その他に即時通話のできる専用電話を置きまして、管制官は必要に応じて常に隣接航空交通管制部と直接専用電話で連絡をとりながら航空機に対して管制の指示を行なう、こういうようなシステムにしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/81
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082・鬼木勝利
○鬼木勝利君 私はなぜそういうことをお尋ねするかというと、かりに九州で事故が起きた、東京の航空管制部も知らない、札幌も知らない、そういうことでは安全な航空行政とは言えないのだから、その点をお尋ねしておる。その点は、全部はっきりとキャッチするということでなければ、三カ所に分けた意味がなくなるのだ。だから、具体的にどういうふうに連絡をとるのだ、どういうふうにやるのだということをもう少し聞きたいのだけれども、時間がないから、十分その点を……そうしないというと、セクト主義みたいなことになって、われわれはこちらのブロックだけをやっておけばいいのだ、われわれはこちらのほうだけが責任範囲だというようなことになれば、いまの東京で一カ所でやったほうがいいように思うのですね。その点、大臣の御所見いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/82
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083・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 鬼木委員の御心配なさるような点を整えるために、三カ所に分けて、しかも全体的な関連を密接にしていくほうがよろしいと、こういう立場に立って今回変えておるわけでございます。体制を変えて整えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/83
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084・鬼木勝利
○鬼木勝利君 次に、今度政府は本格的な交通安全対策に意を用いられて陸海空の交通対策を総合的に取り扱うのだ、そこで交通省を設置したいと、こういう考え方のもとに運輸省と行政管理庁ですかとの間でほぼその話し合いがまとまっておる、大綱も話し合われたということですが、その点について大臣にお尋ねをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/84
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085・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) まだそういうところまでは行っておらぬのでございますが、ただ、私は最近における航空企業の状態を見ますと、国際的な路線等も今年度中には相当大きく拡大いたしてまいるし、さらに、国内の航空需要というものも非常な急激な上昇過程にあるものでございますので、最近は事故の関係でちょっと減っておりますけれども、長い目で見れば、やはり急激な航空需要が増加の傾向にある、こういう大勢に対応する航空行政のかまえとしては現在のかまえは十分でない。そこで、日に日に伸びていく航空の大勢に十分対応した航空行政機構を整備する必要がある、こういうことを私は考えておるのでございまして、その具体的な方針あるいは具体的な機構等について、行管等と話し合いが詰まっておるという段階ではございません。ただ、運輸省として、そういうことをいま検討をし始めておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/85
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086・鬼木勝利
○鬼木勝利君 まだ具体的に大綱もまとまっておらないとおっしゃれば、私、聞き出そうとしても聞き出すわけにいかないが、そういうことで御研究なさっておるということでございましたら、また他日その点についても承りたいと思います。
次に、先般衆議院の決算委員会で取り上げられたと思いますが、都下の清瀬町の白バス事件でございますが、これについてその後運輸省は監督庁としてどのようにこれを研究、調査、処置をされたか、具体的に承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/86
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087・坪井為次
○政府委員(坪井為次君) お答えいたします。
場所は、東京都北多摩郡清瀬町中清戸、都営住宅の問題でございますが、これについて白バスが運行されておったという事案に関しまして、その後の措置としましては清瀬駅−市場坂上間につきまして十五回、これを四十一年四月十九日に認可いたしました。申請は四十一年三月二日に出ておりましたが、認可いたしましたのが四十一年四月十九日であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/87
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088・鬼木勝利
○鬼木勝利君 そういうことを聞いているのじゃない。その後の処置ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/88
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089・坪井為次
○政府委員(坪井為次君) ですから、清瀬駅−中清戸間のバスを三回、新設を四月二十日付けで認可いたしました。それからさらに清瀬駅−中清戸団地までの臨免を三十二回、これを四月の二十五日に認可いたしました。運行回数合計三十二回で、朝の六時から二十二時までの運行ダイヤでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/89
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090・鬼木勝利
○鬼木勝利君 これは時間がありませんので、もう私詳しいことを言いませんが、今度の白バス事件は、これは団地の交通問題をめぐっての私はやはり行政官庁の指導性の欠如だ、指導をしていない、こういう私は問題だと思うのです。だから、これは考えてみまするというと、東京都の団地は、御承知のとおり、千数百団地になっておりますが、さしあたり葛飾とか江戸川、三多摩、東村山とか、ずいぶんあちらこちらに相当へんぴなところもあるようですが、いずれもこれはもよりの駅まで二キロ−三キロぐらいはあると思う。まあ二十分−三十分、だから一キロ−二キロぐらいのところがあると思うのですが、そういうようなところの通勤者だとかあるいは学生だとか非常に苦労をしておられる。だから、こういうとんでもない白バス事件みたいなことが起こる。その起こったことに対して、それを私は認めるわけじゃありませんけれども、それはむろんよくないことでございますが、そういう点について、バス会社なんかがお客のサービスをやらない、そういうところに私はやはり行政の指導性というものが等閑に付せられておるのじゃないか、問題はそういう点にあるのだ。悪いことをするなら罰する、罰する前になぜ行政的処置をやらないか、これは建設省にも私は問題あると思います。そういう点が根本の問題だと私は思うのですがね、大臣いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/90
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091・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) この問題はいま鬼木委員も指摘がありますように、私はやはり根本的にはこういう団地等をつくるときには、やはり交通機関との関連を考えて建てるべきである、これは原則的にはそう思いますが、実際はなかなかそういう場所だけに土地がないというようなこと等もございますので、今回の白バスといいますか、そういう問題は、やはり一つの盲点をつかれた姿だと思います。私はさっそく自動車局に調査をさせまして、公式のバスが成り立つのなら認可するような方向で考えてみるようにということでやったわけでございますが、いま局長が言いますように、大体そこの人たちが利用できるような新路線を認可しておるようでありますから、今度の問題はそれで私は解決していくのじゃないかと思いますが、鬼木委員の指摘は全般的な問題だと思いますので、全般的にそういう点につきましては、いま言いますように、一つの盲点に対する処置を検討して、そうして団地の人たちの便益をはかるという方向で進めてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/91
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092・鬼木勝利
○鬼木勝利君 全くいま大臣のお話しのとおり、やはり団地建設の私は無計画にあるのだ、事情もいまのお話しのように、なかなかそういう土地造成も簡単にできない。ごもっともと思いますけれども、いずれにしましても、団地建設の無計画というとともあげられると思う。なお、その後のやはり行政指導ということが私は十分行なわれてしかるべきだと思う。その点をひとつ要望いたしておきます。
もっとお尋ねしたいのですが、時間がありませんので、次に鉄道の保安の問題でございますが、鉄道妨害の件数が昨年は千四百二十二件ということがきのうの新聞に載っておる。ところが、その事前発覚はわずかに七十件だ。千四百二十二件の列車妨害があっておって、それに対して事前発見がわずかに七十件だということになっておりますが、これで鉄道の安全輸送ということができ得るか、運輸大臣いかがにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/92
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093・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) 事前にこれを見つけるということがこれは絶対なことでありますが、妨害するほうは、事前にわからないような形でやるというようなことがかなり多いのじゃないかと思いますが、何らかのくふうをいたしまして、もっとやはり事前にこれをつかむ、そうして安全を保っていくということは検討を要するものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/93
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094・鬼木勝利
○鬼木勝利君 いや、私ほんとうに驚いたのですがね、千四百二十二件現に昨年はあったと、それに事前発見がわずかに七十件だ、それじゃ話にならない。これじゃ一体何をしているのだ、安心して汽車に乗れないということです。大臣のいまの御答弁はまことにごもっともな御答弁ですが、局長連中ひとつどのように考えておられるのか、とんでもない話です、これは簡単にはいきませんよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/94
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095・柏原及也
○説明員(柏原及也君) 鉄道公安本部長の柏原でございます。昭和四十年中の置き石によります鉄道妨害が千八百七十四件ということでございまして、この数字は三十八年までふえる傾向が続いておりまして、三十八年で二千件ございましたが、三十九年が千七百三十件、四十年で千八百七十四件ということで、三十九年度中に若干減少の傾向が見えたんでございますが、昨年また若干上回ってきておる、こういう状況でございます。これにつきましては、事前発見という問題につきましては、この内容の大部分が小学校あるいは幼稚園クラスの非常な低年齢の子供でございまして、ことに田植え期等におきまして、親の手元から離れてレールの上に遊びにいくというような事案が非常に多いわけでございます。非常にこれは危険でございますので、私どもといたしましては、従前から鉄道沿線の警らというふうなこと、あるいは沿線の鉄道愛護会、あるいは子供会というふうなものを結成いたしまして、PRに力を入れるというふうなことで、若干頭打ちの姿が出てまいったわけでございますが、本年におきましては上向きの傾向も見られますので、危険個所に防護さくを設けるというふうなことで、できる限りこれによる被害を防止いたしまして運転の安全を確保していきたい、こういう考え方で対処いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/95
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096・鬼木勝利
○鬼木勝利君 次に公安活動の問題でございますが、これは門司管理局の昨年度における鉄道犯罪の集計がここへ発表してあります。ところが、門鉄局の管内においては、過去の最高記録であった三十一年度の三分の一という、門鉄局としては開局以来の好成績をおさめておる。これはまことに喜ぶべき現象ですが、これは門鉄局の話が載っておりますが、大体公安員というのは、各列車に搭乗しておるべきものか、特別な列車にのみ搭乗するのか、そういう点について、私らが乗った列車にはほとんど公安員は乗っていない。だから、公安員というものを、それは反対があろうがなかろうが、それを私どうこう言っているのじゃないのですが、置いて、これを公安の任務を全うさせようというあなたたちの意欲があるのか。遠慮しいしい置いているのか、中途はんぱでさっぱりわからない。そして私どもが列車に乗ると必ず、列車内における犯罪が多うございますから御用心くださいと、まことに不愉快しごくなんです。こんなばかみたいな、それを言うことを悪いとは言いませんけれども、われわれ旅行しておるのにほんとうにもう不愉快千万です。そして、じゃあ公安委員乗っているかといったら乗っていない。公安委員は置いておいて、それは乗せておらぬで、それで盗難に御用心くださいと放送している。さっぱり矛盾だらけですが、これは公安活動がみごとに結実して非常に門鉄局以来の好成果をおさめた、これは非常にけっこうなことです。これはまことにけっこうだけれども、公安制度に対してどういうふうにお考えを持っておられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/96
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097・柏原及也
○説明員(柏原及也君) 車内の犯罪につきまして、その防止のために、できれば公安職員を全列車に乗せるような措置がとれないか、こういうお話だと思います。現在、公安職員の数は全国で三千四百人、鉄道全職員の約七%というふうな状況でございまして、したがいまして、現在では列車の運転士あるいは車掌のように列車の組成上必然的に配置しなければならないというような制度でございませんので、犯罪の多発の傾向にある列車を見ましてでき得る限り警乗要員を確保して乗せる、こういうふうな考え方で対処いたしておるわけでございます。車内の犯罪の発生傾向でございますが、昭和四十年度におきましては窃盗が二万六千二百四十二件、車内で発生いたしましたものは、このうちの大体六〇%程度だと思います。そういうことでございまして、この数字はここ数年来だんだん減少の傾向はたどっておるのでございますが、まだ完全に犯罪を防止し得るというような態勢ではございません。そういった事情でございますので、たいへんお耳ざわりで恐縮ではございますが、御乗車の方々にも犯罪の発生防止について御協力いただくように、こういう意味から、たいへんやむを得ない処置として現在のような処置をとっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/97
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098・鬼木勝利
○鬼木勝利君 いや、それはよくわかります。それはわかります。用心しろとおっしゃるのはいいけれども、公安委員の制度があるならばそれを徹底させるようにしなければいけないということをぼくは言っている。ないならないで、やめるならやめる、あるならばあるように、われわれが旅をするのに安心して旅のできるようにしてもらいたい、こういうことを私は希望しているのです。やめろと言っているのじゃない、その点はひとつ誤解のないように。だから、まだいいとも悪いとも私は言っていない。ただ、旅行する旅人を、旅行者を安全に、安心して輸送してもらいたい、送ってもらいたい、こういうことを言っておるのです。
それから、最後に、私、時間の約束がありましてはなはだすみませんけれども、最後にもう一点お尋ねしたい。というのは、地方の陸運局ですが、ハイ、タクの認可申請などがほとんど長いのになると一年も一年半もかかる。一体何を審議しているかというのです。片方は営業するために、それをのっぴきならずそれによってめしも食わなければならぬ、生活もしなければならぬ、その認可を申請しておるのに、長いのは一年も一年以上もかかる。普通半年かかる。たまたま私がそれに対して、あることで関係したのです。ところが陸運局の総務部長いわく、きょうは局長はいません、その件につきましては、担当の課長が病気でここ一週間ばかり休んでおる、だからほんとうにおくれてすみませんというふざけた話をしておるのです。課長が一人おらなければ陸運局がとまってしまうような陸運局、そういう陸運局はつぶしてもらいたい。そんなばかな話があるわけがない。どうしてこんなに事務が渋滞するのですか、その点ひとつ大臣、大臣がおわかりでなければ担当の局長でけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/98
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099・中村寅太
○国務大臣(中村寅太君) これはハイヤー、タクシーの大体認可は、その地方の旅客の需要量とにらみ合わせてやっておりますので、常時いつでも申請が出ればそれをすぐ検討して認可していくという方法をとっておらないと思うのであります。大体一つの都市、たとえば東京で申しますと、東京の交通状況を勘案いたしまして、この段階では一応ハイヤー、タクシーを増車してもいいのではないかという見通しの立ったときに申請に対してやっているようないき方でございますので、いま鬼木委員が言われますように、非常に時間がかかっておるということ、申請をして認可が出るまでには時間がかかる形になりますけれども、そういう事情があるということを御了承願いたいと思います。詳しいことにつきましては、自動車局長から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/99
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100・鬼木勝利
○鬼木勝利君 大臣のお話は、それは一般的な原則論としてそれは了解しますが、やはりものには限度がありますからね。一年も半年も、一年半もかかったのじゃこれはもう話にならぬ。しかも、一課長が休んだから事務が渋滞する、ストップするというのはとんでもない。課長補佐もおる、係員もいるのだ。そういう具体的事実をつかまえて私はあなた方に質問しておるのです。大臣の御答弁は済みましたから、ほかの担当局長に。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/100
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101・坪井為次
○政府委員(坪井為次君) タクシーの免許申請と処分の状況、四十年の四月から十二月までの調査でございますが、受理いたしましたのが二千六百六十四件、処分いたしましたのが二千五百八十九件、それで、これはその間の受理と処分でございまして、前からの引き継ぎ分を入れますと、まだ未処理の分が全国で法人関係で千百九十四件というような件数になっております。お話のように、事案の処理についてはできるだけ急ぐようにわれわれも指導しておるわけでございますが、昨年度は景気が非常に悪かったというような状況もありまして、行政の方向としまして、既存業者の整理といいますか、あるいは質の改善というようなことに陸運局は重点を置いて新免については少し景気の回復を待つというような傾向もありましたようで、そういった意味で、ある程度申請事案についての処理がおくれている面もあるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/101
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102・鬼木勝利
○鬼木勝利君 どうぞひとつ、あくまで国民のサービス機関だ、国民に奉仕するのだ、大衆のためにやっていくのだという点を忘れないように、役人根性でやってもらったのでは大衆は迷惑をいたしますので、くれぐれもその点は、本省は十分ひとつ監督指導をしていただきたい。
まだ、たくさん質疑事項を持っておりますけれども、時間がございませんので、これで失礼します。どうもありがとうございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/102
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103・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/103
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104・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記起こして。
議事の都合により、本案の審査を中断いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/104
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105・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 次に、厚生省設置法の一部を改正する法律案を議題にいたします。
本案は、去る三月二十五日衆議院から送付せられ、本委員会に付託されました。なお、本案の提出理由の説明は二月十五日に聴取いたしました。
それでは、これより本案の質疑に入ります。なお、関係当局の御出席は、佐々木厚生政務次官、梅本官房長、渥美医務局次長、山本社会保険庁長官、以上の方々でございます。御質疑のおありになる方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/105
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106・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この法案に関連して二、三お伺いしたいと思いますが、まずお伺いしたいのは、衛生検査技師についてですが、衛生検査技師とは言いますが、具体的には一体どんな業務を行なう方方を言うのかということと、現在全国でどの程度の免許者すなわち有資格者がおって、そのうちどの程度が業務に携わっておるのか、まずそういうことからお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/106
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107・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 衛生検査技師と申しますのは、衛生検査技師法によりまして、その衛生検査技師という名称を用いまして各種の臨床検査あるいは衛生検査を行なえる資格を持った者を言うのでございます。それでは衛生検査とは何かということでございますが、これは法律によりますと、医師の指導監督のもとに、細菌学的な検査、血清学的検査、血液学的検査、病理組織学的検査、原虫・寄生虫学的検査、それに生化学的な検査、こういう各種の疾病を治療しあるいは診断する際に検査を行ないますが、こういった検査を言うのでございます。それから衛生検査技師法によりまして衛生検査技師という資格を持っておりまする者の数でございますけれども、現在全国で約一万五千名程度おるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/107
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108・伊藤顕道
○伊藤顕道君 有資格者が一万五千という意味ですね。もしそうであるならば、その一万五千の有資格者が全部業務についておるということではなかろうかと思う。それとも有資格者のうちで現に業務についておる者が一万五千なのか、その辺はっきりしていない。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/108
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109・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 大部分が、現職と言いますか、職務についてございまして、私たちの調査によりますと、資格を持っておりまする者の数が一万六千名で、現職についているのは約一万五千名ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/109
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110・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この衛生検査技師の養成については、どのような施設でどのように行なわれておるかということについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/110
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111・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 衛生検査技師法によりますと、衛生検査技師になるためには、高等学校以上の学校を卒業いたしまして、厚生大臣または文部大臣の指定する養成所または学校におきまして二年間の養成の課程を終わった後に国家試験を受けることになっております。したがいまして、いま先生の御指摘の養成課程でございますが、これは全国におきまして都道府県立、あるいは学校法人立、財団法人立、あるいは個人立というものを含めまして、昭和四十年度におきまして三十二の学校または養成所ができております。ここで約一千六十名の学生定員をもって養成されているわけでございます。これらが卒業いたしまして国家試験を受けるという仕組みに相なっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/111
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112・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この衛生検査技師を志望する方はどういう程度になりますか。たとえば、いま漸減の方向だとかあるいはどんどんふえているとか、その定員に対して——養成所にはおのずから定員があろうと思うのですがね、その定員の何倍くらいあるのか、定員に満たないのか、そういうことを言っていただけばおおよその見当がつくと思いますが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/112
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113・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 衛生検査技師の需要という問題もこれに前提に相なるわけでございますが、先生御承知のとおり、最近の疾病の診断、治療というものについては、非常に医学医術が進んでまいりましたし、したがいまして、そういった衛生検査の必要性というものが非常に強くなっております。したがいまして、厚生省におきまして一応考えておりまする衛生検査技師の必要数というのは、現在の勤務者よりも相当オーバーしているわけでございます。したがいまして、国といたしましても衛生検査技師の供給面を確保するという必要がございます。現在、先ほど申しましたように、衛生検査技師が約一万五千名でございますが、これらはさらにふやす必要があるとともに、また、現実の姿といたしましても衛生検査技師の学校数は毎年三校ないし六校程度ふえております。したがいまして、この衛生検査技師を志願、志望する方々の数もふえてまいっております。競争率につきましてのお尋ねでございましたけれども、全国で三十二の養成所、学校がございますが、その競争率がどのくらいかということは、実はまだ私どものほうで調査しておりませんけれども、養成定員、学生定員を割るというふうなことは伺っておりません。志望者も相当多いということは伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/113
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114・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この衛生検査技師の業務についてですが、これは言うまでもなく、公衆衛生とかあるいは医療にとってきわめて重要な地位であるということは言うまでもないのですが、にもかかわらず、なかなか需要を満たし得ない。言いかえると、全国的に不足しているのではないかと思うのです。そういう事情についてはどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/114
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115・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 先ほど申しましたように、衛生検査あるいは臨床検査に対する需要は毎年ふえてまいりまして、厚生省におきまする試算で申しますると、これは昭和四十五年を一応私のほうは医療関係におきましてはいろいろと目標の年としておりますが、約三万五千名程度必要になるのではなかろうか、かように考えておりますが、現在が、先ほども申しましたように、一万六千ということでございますので、相当この目標と現在の定員の間におきましては格差がございますので、今後こういった衛生検査技師の養成所の設置、衛生検査技師の確保という点につきましては意を用いる必要があると、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/115
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116・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこで、だいぶ不足しているという実情はわかったわけですが、どういうところに原因があって不足しているのか、そして、その原因を突き詰めないと対策も講じられないと思うんですが、そういうことについて御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/116
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117・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) この不足を緩和するためには、不足の原因は何であるかということは当然検討されなければならないわけでございますが、第一点といたしましては、この衛生検査技師のする仕事自体について、相当の人間がこれに従事していることは事実なんであります。ただ衛生検査技師というのは、先ほど冒頭御説明申し上げましたように、名称制限といいますか、衛生検査技師の名前を用いて、こういった検査業務に従事する者を衛生検査技師と言うということになっておりますので、実際問題といたしましては、衛生検査の業務に従事している者は、この資格と言いますか、名称を持って行なう者と同数あるいはそれ以上になるのではないかというふうに考えております。したがって、そういった点で名称制限があるというふうな問題が一つあろうかと思います。それから第二は、これは一般的に言えることでございますが、医療従事者に関する処遇の問題もあろうかと、かように考えておるわけでございます。大体そのほか幾つかの理由もあろうかと思いますが、大きな問題としてはそういった点になるのではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/117
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118・伊藤顕道
○伊藤顕道君 先ほど説明の中で、毎年数校ずつふえている傾向にあるという御指摘があったわけですが、四十一年度では国立大阪南病院に衛生検査技師養成所を附置するということのようですが、これは先ほど、現在三十二校という御説明がありましたが、これはほとんど病院などに附置されておるのか、独立のものも中にはあるのか、そういうことと、この大阪南病院を特に選んだのは何か理由があるのか、そういうことについて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/118
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119・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 昭和四十年度におきます養成所、学校の数は三十二でございますが、三十二の学校、養成所を設置しておりますが、主体でございますが、いろいろな経営主体といいますか、設置主体がございまして、都道府県がつくっているものも九つばかりこの中にございます。それから、国立大学の附属病院に附置されている養成所もございます。それから、純然たる学校法人で経営している、設置しているというのもございますし、その設置の主体はいろいろとございます。そこで、ただいま御指摘のありました、今回国立病院の附属機関といたしまして衛生検査技師養成所をつくるのは、今回が、本年度が初めてでございます。いままで国立でつくっておりますのは、すべて文部省所管の大学附属病院の附属養成所でございまして、国立病院の附属養成所は今回が初めてでございます。その理由といたしましては、第一点は、最近の、先ほど来申し上げましたような衛生検査技師の需要が非常に高まってきたというふうなことで、したがいまして、国といたしましてもその供給力の一翼をになうというふうな点でございますが、特に最近の成人病による死亡率あるいは成人病に対する対策の重要性ということにかんがみまして、国立といたしましても、国立病院を中心といたしましての衛生検査技師の確保ということが非常に大きな課題となってきたわけでございます。なお、さらに第三の理由と申しますか、三十二、全国に学校、養成所がございますけれども、関西方面におきましては、その数が他の地区に比べまして比較的少ない、学校、養成所の数が少ないというふうな現状もございまして、今回国立大阪南病院に設置いたしたい、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/119
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120・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この大阪の南病院に附置される養成所については、大体養成人員とか教職員、養成のための経費、そういうものの概要について一応御説明を聞いておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/120
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121・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 修業年限は、先ほど申し上げましたように、二年でございます。養成人員は各学年二十名ずつでございますので、トータルの学生定員は四十名と相なっているわけでございます。予算額といたしましては、国立病院特別会計におきまして人員の経費あるいは事業費等合わせまして八百二十九万円を計上いたしておるわけでございます。養成するための指導職員でございますが、これは国立大阪南病院の職員をもって充てますけれども、専任の職員を一名ばかり置いてこれに充てるということにいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/121
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122・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この国立のものは大阪南病院をもって嚆矢とする、最初の企てのようですが、そこで、国立のものについては他の養成所に見られないような何か独自のものがあるのかないのかということと、今後の衛生検査技師の不足に対応するために、こういうことで病院に養成所を附置しようとする計画があるのかないのか、こういうことについて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/122
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123・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 国立の養成所でございますので、その特殊性を考えるべきではないかというふうな御質問でございます。まあ、医学、医術というふうな点、非常に高度の学問の点になりますれば、やはり国立病院は国立病院の特殊性を持った運営とその性格を持たしていきたいということを考えて私たち運営しているわけでございますが、衛生検査技師養成所というふうな、何といいますか、そういった内容になりますると、特に国立病院に附置されたからといって、その養成所のカリキュラムが他のカリキュラムと違うというふうなことが特には強くは言えないのじゃないか、かように考えます。むしろ、この国立の附置養成所におきましては、国立病院が全国に八十カ所近くございますが、そういったところに働く衛生検査技師の養成ということもあわせて考えてみたい、かように考えておるわけでございます。なお、今後の問題でございますけれども、これは今後やはり地域の需要によりまして、実情によりまして、必要であるというふうなことに相なりますれば検討はしてみたい、かように考えているという程度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/123
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124・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この衛生検査技師をも含めて、そのほかにも看護婦とか保健婦あるいは診療所のエックス線技師ですか、こういう、いわば医療関係の補助的職員、一括して、こういう方々の絶対数の不足は何としてもこれは緊急の問題だと思うのですが、そこで、このことは国民健康の保持という、そういう点からも非常に大事な点なんです。実情は、看護婦に限らず、保健婦、いずれもみな不足、しかも、相当不足しているというのが現状ではなかろうかと思う。よほど抜本的な方法を講じないと、この不足を補うことはできない実情にあるように思うのですが、たとえば、個人の病院でも看護婦さんがどうしても手に入らぬから、また医院をやめてもとおった病院に戻るとか、たとえばそういう実情が相当あるようです。大病院でも看護婦さんが足りないので、せっかくあるベッドも閉鎖してしまって一部は使わない、こういう実情が各方面からあげられているわけです。これは通り一ぺんの対策ではなかなかもって容易じゃない。そういうことになると、抜本的に対策を講ずるということになると、やはり、どうして不足しておるかという、まずこの原因を究明しなければいかぬ。そこでお伺いするわけですが、厚生省としてはこの不足しておる原因が那辺にあると考えるか、その原因を究明して初めて対策は講じられると思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/124
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125・佐々木義武
○政府委員(佐々木義武君) いろいろ種類があると思いますが、何と申しましても、養成所そのものの不足という点が第一点だと思います。
第二点は、一たん看護婦になりますと、就学の道にいそしむことが大切でありまして、そういう人たちに対して何らかの奨学資金を貸与して将来に明るい希望を持たすというふうな、そういう点が少し欠けておったのではないかと思います。
三番目は、いままで看護婦さんをしておって、家庭に帰っていく人がある。こういう人たちに対するいろいろな、まあ再度働いていただけるような手段方法というものに対して十分な配慮が払われていなかったのではないか。あるいは、何と申しましても、一番これは根本かと思いますが、待遇の問題がある。ああいう激職でもあり、非常にまた患者相手のつらい仕事でございますので、特殊な待遇を与えてしかるべきなのに、必ずしもそうなっていなかったといったようなことが原因かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/125
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126・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまおっしゃるのはどこか原因を究明しなければ対策も講じられないと、その原因ですが、いろいろあるわけですが、私はこう思うのです。たとえば、看護婦さんにしても非常に処遇が悪い、待遇が悪い。にもかかわらず、逆に労働量は相当多いわけですね。看護婦さんなんか一日ばたばた、休むひまもない。いわゆる低賃金でかつ、労働過重と、こういうことで、もう長く続けていると疲労こんぱいしてしまう。しかも、処遇はあんまり芳しくない。だんだん看護婦に対する魅力を失っておるのじゃないか。こういうことで、いろいろ機会あるごとに宣伝しておるようですが、にもかかわらず、依然として看護婦さんは不足しておると、それで、まあ東京都内だけでも七千から看護婦さんは不足しておる——調査のしかた、単位の取り方でそういう数字は相当開きが出てくると思いますけれども、その方面の方々が、一応都内の看護婦さん不足は七千だと指摘しておるわけですね。その数は的確であるかどうかは別として、事ほどさように看護婦さんは不足しておるということだけははっきりしておるわけですね。これはゆゆしい人道上の問題にもつながる問題だと思う。人命尊重にもつながると思う。いつも申し上げるように、佐藤内閣は人命尊重ということを一つの柱として、そういう筋からいっても、これは抜本的な方策を講じないと、ただ国会で質問があったからおざなりの答弁をしておっただけではこの問題は解決しないと思いますね。そこで、お伺いするわけですが、大臣にお尋ねしたいところですが、何か抜本的な方策を厚生省では考えておられるのですかどうですか。もし抜本的な方策を考えておられるとすれば、具体的にはどういうことか。通り一ぺんのありふれた対策ではなかなか解決しない問題だと思いますね。この点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/126
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127・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 医療制度各般の問題につきましては、国民皆保険の現在におきまして、国民皆保険以前の医療制度というふうなことで、そういった点につきましては、根本的に改善を要する問題が多々あることは事実でございます。それで、厚生省といたしましては、昭和三十八年に医療制度調査会という厚生大臣の諮問機関の答申を受けまして、この答申は、医療施設の問題も含めまして医療関係者の問題その他医療制度の各般の問題につきまして御意見を個別的に承ったのでございますが、その線に従っていろいろと作業なり施策を進めているわけでございます。医療制度調査会におきまして、看護対策につきましてはこういうことを述べられておるわけでございます。
第一点は、看護業務というものを、現在看護業務が本来の意味の看護業務以外のいろいろな雑然とした業務を含んでおる。したがいまして、看護業務自体を本来の意味の看護業務のように整理をする。そういう必要があるのじゃないかというふうな問題が基本でございます。それで、そこで具体的にはそういうふうな近代的な看護業務というふうなものを確立するとともに、看護に関する教育制度についてまず第一に述べられておる。それは、看護婦の教育というものは、現在法律によりますと、高等学校を出ましてから、三年の課程を経まして国家試験を受けることになっております。同時に、保健婦、助産婦という、看護業務に関連した別な業務がございまして、それぞれ保健婦とか助産婦というような資格を持っておるわけでございますが、こういった保健婦、助産婦、看護婦の教育を一元化してみたらどうかというような意見がひとつ教育制度の問題として出ているわけでございます。この問題につきましては教科課程その他の問題がございますので、いま文部省と共同いたしまして作業をしておるわけでございます。
それから、第二点といたしましては、現在、いま申し上げましたような養成課程を出ますと、看護婦という名称を持った資格でございますが、准看護婦という制度がございます。この准看護婦は、御承知のとおり、中学校を出ましてから二年の養成過程をもちまして看護婦の指揮を受けて看護の業務をするというふうな法律の規定に相なっておるわけでございます。したがいまして、この看護婦と准看護婦と二つの看護に関する制度を検討すると、こういうふうな問題が第二に出ておるわけでございます。その他の問題につきましては、先ほど次官から御説明申し上げましたように、看護婦の養成所を拡充するという問題、あるいは看護婦の学校、養成所にある人たちに対する、学生に対する奨学資金を大幅にふやすという問題、あるいはまた、現在十万と言われておりまするリタイアした——休業といいますか、家庭に入った看護力を動員する、こういうふうな問題。また当然処遇の問題もございます。当然処遇の問題もございますが、こういった問題についても述べられているわけでございまして、基本的な、抜本的なと言いますか、医療制度上における看護制度の問題点に対しては、そういった教育制度の問題、あるいは正看と言いますか、一般の看護婦とそれから准看と、こういった問題につきまして、現在いろいろと関係各方面の意向等を聞きまして検討を続けているというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/127
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128・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年であったと思いますが、看護婦の処遇改善の一環として看護婦さんの夜間勤務手当について人事院と並びに厚生省においでいただいて、当委員会で御質問申し上げたことがあるわけですが、その特殊勤務手当ですか、こういう、あまり十分とは言えないながらも、いままでなかった夜間勤務についての手当が支給されるようになった。これも当然支給すべきものを支給するようになったと思うのですけれども、こういうことも一つの方法であろうかと思うのですがね。看護婦さんが少ない病院ではひんぱんに夜間勤務が回ってくるということで、先ほど申し上げたように、労働過重になるとかという、やはり定員の関係で労働条件が非常に悪くなるわけですね。いわゆる充足されておればいいけれども、不足している場合は、しわ寄せがみな定員にかかってきますから、そういうことで、何といっても処遇、労働条件、こういうものを改善していけば、看護婦さんも別に宣伝せぬでも自然に集まってくるだろう。いろいろ御指摘になったわけですけれども、要約すれば、やはり処遇の改善と労働条件、一口に言うと、処遇も労働条件の中に入りますが、一言にして尽せば労働条件の改善ということ、そういうことに通ずるのではなかろうかと思う。厚生省としては、ほんとうにそういうふうに思って、そういうことを確信して取り組んでいるのか。そういう点は思ってはいるけれども、なかなか予算が取れないので、努力はしていますけれども、目下検討中だとか、なかなか実施困難だとか、いろいろ言われているのですが、こういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/128
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129・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 仰せのとおり、看護婦の看護業務の合理化と申しますか、そういった問題と処遇の改善というものは、まさに現在の看護行政をやっている私たちといたしましても大きな柱であると、かように考えております。そこで処遇の改善の問題につきましては、看護婦の待遇というものが、国立病院あるいは国立療養所に勤務しておりまする看護婦の待遇にならって、他の経営主体の病院あるいは診療所等に勤務している者の処遇がきまるという傾向が従来ずっとあるわけでございます。したがいまして、国立病院なり国立療養所に勤務しておりまするところの看護婦の給与がリードしているという意味なんでございますが、そのリードしているところの給与を上げるということがまず何よりの具体的の措置であろう、かように私どもは考えているわけでございます。御承知のとおり、国家公務員の給与につきましては、八月行なわれまする人事院勧告によりまして、その年度におきまする処遇が決定されるということになっております。したがいまして、厚生省におきましては、人事院勧告を行なう人事院に対しまして、毎年非常に強力にその処遇の改善につきまして要望を出し、政府部内におきましても、そういった点についての関心を高めているわけでございます。したがいまして、たとえば、昨年の八月に行なわれました人事院の勧告におきましては、他の一般の国家公務員の職種の平均のアップ率というものは六・四%であったにもかかわらず、看護婦につきましてはそれを上回る七・一%のアップ率で給与の改善ができたということも一つのことでありましょうし、また先ほど先生お話しのありましたように、八月からは夜間看護手当というものが一回につき百円加わったというのも、これも人事院の勧告によってでございます。したがいまして、そういう意味におきまして、厚生省といたしましても、そういった処遇の改善につきましては最大の努力をもって関係方面に接しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/129
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130・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこでお伺いいたしますが、いま申し上げたこの特殊勤務手当を支給されるようになったその対象人員は一体どのくらいなのか。四十一年度の予算でどの程度その面で計上されておるか、こういう点。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/130
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131・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 総額につきましてはいま調べておりますが、一回につき百円ということでございます。したがいまして、一晩におきまして二人これに当たるわけでございますので、二百円というふうなことに相なるわけでございます。トータルにつきましては、調べ次第すぐお答え申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/131
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132・伊藤顕道
○伊藤顕道君 そこでなおお伺いいたしますが、現在有資格者の看護婦さんですね——准看護婦さんはこれは有資格者じゃないでしょう、有資格者の看護婦さんですね、それの現員数はどのくらいか。それから、その有資格の看護婦さんが全部働いているわけじゃないと思うのですね。そのうちの何割かが働いておるという、それは一体どのくらいか。私の調査によると、有資格の看護婦さんが大体四十万で、そのうち実際に働いている方は十七万というふうに見たわけですが、この数字は間違いであれば、また、古い数字であれば、最近の新しい数字と御訂正いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/132
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133・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 看護婦、准看護婦はともに法律によりますと有資格の者でございまして、このほかに看護助手と称する無資格の者がいるわけでございます。したがいまして、ただいまから申し上げますのは、看護婦と准看護婦、合計いたした分を申し上げたい、かように思います。看護婦の有資格者というものの調査につきましては、これは本人の届け出になっておるわけでございまして、最近のその調査というものは、昭和三十六年ときわめて古いわけでございます。これは、本人が看護業務をやめましても届け出ないというふうなこともありますので、多少当てにはならない。そういった意味においては、信頼性をやや欠くわけでございますが、昭和三十六年におきまする看護婦の有資格という者は四十六万というふうに集計されるわけでございます。現在と申しますか、昭和三十九年末におきまする看護婦と准看護婦の有資格の者の就業者の数を申し上げますと、総数で二十一万四千百五というのが昭和三十九年末におきまする数でございます。これらは、病院、診療所、学校、その他いろいろな職場がございますが、そういった場所で働いている者の集計でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/133
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134・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは三十九年十月東京にあった問題ですが、東京のある都下の病院で資格のない看護婦さんが誤った注射をやって人を死なしたという、そういう事件があったのですけれども、こういうふうに看護婦さんの人手が足りないので、つい無資格の看護婦さんまでが注射をせざるを得ない羽目になるわけですね。しかし、あやまちはそういうところから起きてきて、そういうことが看護婦さんの数が足りないことによってあちこちに起きてくると、これはたいへんなことになろうかと思いますね。そういう問題はあまりいま聞いていないので安心しておるわけですけれども、理論としては、看護婦——有資格の看護婦さんが足りないと、無資格の看護婦さんがこれを補充して、ついそういうことまでやるようになろうかと思うのですね。こういう点からも、人命尊重というたてまえから言うと、こういう問題は相当重大な問題として対策を講じていかないと容易ならぬことになろうと思うのですね。そこでお伺いしたいのは、看護婦さんでもない、準看護婦さんでもない、いわゆる見習い看護婦さん——これは通称でしょうが——そういう無資格者が各病院に相当あろうかと思うんです。それはどういう数字になっておりますか。そして、これは病院につとめながら医師会の併置しておる養成所などに通っておって、何年か後には資格が取れる見通しがあるのか、そういうことについてお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/134
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135・渥美節夫
○政府委員(渥美節夫君) 法律によりません看護婦の数でございますが、これは法定の届け出その他がございませんわけでございますので、その具体的な数字については正確には把握できないわけでございます。ただ、私たちのほうのある調査によりますると、そういった見習い看護婦なり、あるいは看護助手とか、あるいは副看護婦とか、まあいろいろな名前で世の中で呼ばれておるような看護補助者と称する者の数は、推計いたしまして約九万というふうに考えておるわけでございます。ただし、この中には、先生先ほどお話しございました看護学校——看護婦の養成所なり看護婦の学校で働いておりまする学生は含んでおりません。そういう数字でございます。
それから、先ほどの御質問に対しまするお答えでございますが、夜間看護手当の総額でございますが、国立病院、国立療養所を含めまして、昭和四十一年度におきまする予算総額は一億三千八百万ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/135
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136・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係もございますから、最後に一点だけお伺いしておきますが、先ほどお伺いしたように、看護婦さんとか、あるいは保健婦の方、エックス線の技師さん、こういう方々、要は医療関係の職員の方々ですね、そういう方々の処遇を改善するとか、いわゆる労働条件を改善するという、そういうことから、やはりそういう人命を預かる医療関係の職員の方々の正常な労働条件を法によってある程度保障する、法によって保障するということが望ましいと思うんですね。たとえば、また、そういう方々の最低賃金制を確立するとか、一にかかって労働条件にみな包含される問題ですが、そういうのは法によって保護するという、そういう方法によってもだいぶ成果はあげ得るのではなかろうかと思うのです。現状のままではなかなか骨が折れて賃金が低い、こういうことなので、これはよほど重大な課題として、厚生省の今後の大きな問題になろうかと思うのですね。千葉の問題から、病院とかお医者さんのあり方が強く批判されておるおりから、今度、反面、そういう病院なりお医者さんの面にも看護婦さんの不足とか、あるいは保健婦の不足とか、いろいろまたそういう悩みがあろうかと思うのですね。こういう問題を解決するには、やはり法によってある程度そういう条件を確保する。まあ、いまここですぐそういたしますという答弁を要求しておるわけではなくして、そういう点、十分やはり検討に値する問題だと思うのです。そうだとすれば、今後そういう点じっくりひとつ真剣に取り組んで、できることから一つ一つ具体的に解決していくと、こういう心がまえが必要ではなかろうかと思うのですね。先ほども申し上げましたように、せっかく病院を建てた、しかし、看護婦さんが足らんのでベッドを全部使えないで一部遊ばしておくと、これはまことに不合理な矛盾した話だと思いますね。そういうことで、この際、そういう方向に厚生省としては大きな眼目として取り組むべきだと思うのですが、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/136
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137・佐々木義武
○政府委員(佐々木義武君) 低賃金と申しますか、待遇あるいは労働条件等の改善のためには、一生懸命、さっきから御説明申し上げましたように、努力中でございますが、しかし、先生の御指摘のように、こういう特殊な業務に関しては特殊な法的な面で保護をしたほうがいいんじゃなかろうかという問題は、確かに傾聴に値する御意見だと思います。ただいまの段階ではそこまで踏み切っておりませんけれども、今後一生懸命ひとつ検討いたしまして、できる限り、いまの不足しております各種の医療補助機関と申しますか、そういうものの充実につとめてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/137
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138・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記とめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/138
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139・熊谷太三郎
○委員長(熊谷太三郎君) 速記起こして。
ほかに御発言もないようでございますから、本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後三時七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105114889X02219660427/139
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