1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十日(水曜日)
午後一時二十三分開会
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委員の異動
三月二十八日
辞任 補欠選任
任田 新治君 林屋亀次郎君
北村 暢君 森中 守義君
三月三十日
辞任 補欠選任
林屋亀次郎君 任田 新治君
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出席者は左のとおり。
委員長 山崎 斉君
理 事
野知 浩之君
和田 鶴一君
渡辺 勘吉君
委 員
梶原 茂嘉君
小林 篤一君
櫻井 志郎君
園田 清充君
田村 賢作君
高橋雄之助君
任田 新治君
仲原 善一君
八木 一郎君
川村 清一君
鶴園 哲夫君
中村 波男君
森中 守義君
北條 雋八君
政府委員
農林政務次官 後藤 義隆君
水産庁長官 丹羽雅次郎君
事務局側
常任委員会専門
員 宮出 秀雄君
説明員
運輸大臣官房審
議官 中野 大君
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本日の会議に付した案件
○漁船損害補償法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
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001・山崎斉
○委員長(山崎斉君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
漁船損害補償法の一部を改正する法律案について質疑を行ないます。
質疑のある方は、御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/1
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002・北條雋八
○北條雋八君 先般来、海難についてのお話もありましたが、それぞれまたプリントもちょうだいしましたが、死者の数がはっきりわかっておらないのでありますが、この四十年度の海難の総船舶数と、それから、それに対する死者の数、それからまた、その中で漁船がどのくらい海難を受けたか、また、その漁船だけの死者の数がどのくらいであるか。それから、漁船の中で、全損の船が何隻あり、行くえ不明の船がどのくらいであるかということを——三十九年度もわかればなおけっこうでありますが、三十九年度と四十年度、それを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/2
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003・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) お答え申し上げます。
まず、漁船の前に、全部の船から申し上げます。三十九年度が二千八百六十五隻でございます。このうち漁船が千百四十六、四十年は、海上保安庁がまだ統計の本として整理、発行いたしておりませんが、内部的に問い合わせて調べましたところ、四十年は、総数が二千七百七十八、漁船が千百五十三、こういう形に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/3
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004・北條雋八
○北條雋八君 死者の数。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/4
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005・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) それから、第二の死亡及び行くえ不明でございますが、これはまず、総数で申し上げますと、三十九年が五百六十五人、うち漁船が三百八十三人、四十年は総数が一千三十五人で、漁船が七百七十八名、四十年につきましては、マリアナの大量海難事故がございましたので、過去に比べると漁船の遭難トータル数が七百七十八と大きく相なっております。
その次に、御質問の第三点の、全損の問題でございます。漁船の全損でございますが、先ほど三十九年に遭難をいたしました船が一千百四十六と申し上げましたが、全損いたしました数が二百五十一でございます。それから、四十年の全損につきましては、なお統計を整理する必要があるのでございまして、一応の推定でございますが、約二百三十ないし四十と考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/5
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006・北條雋八
○北條雋八君 行くえ不明の船は何隻ですか、四十年の。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/6
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007・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 海上保安庁の統計で、全損として扱っていますものは、行くえ不明を含んでおるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/7
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008・北條雋八
○北條雋八君 内訳はないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/8
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009・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 本日ちょっと持参いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/9
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010・北條雋八
○北條雋八君 このように非常に犠牲者の数も多いのでありまして、四十年度でいっても七百七十八人といいますと、一日に二人ずつ死んでいるわけなのであります。特に行くえ不明の場合には、三カ月たたないとこれを確認しないということになっているそうでありますが、そうしますと、三カ月の間は、その留守家族の者などに対してどういうような保護をやっておるのですか。実情がわからないのですが、どういうふうにしておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/10
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011・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 制度の問題をあとにいたしまして、実態の問題を申し上げますと、行くえ不明に相なりまして死亡の認定が行なわれるまでの間に期間があります。そこで、在来のやり方、マリアナ等の例につきまして申し上げますと、たとえば漁船につきまして三十日行くえがわからぬ場合は、もう保険金を払ってしまうというような形で、船主に保険金がまいるわけでございます。したがって、船主としてはすぐその保険金——本来は保険金を使って船をつくるべきものでございますけれども、遺家族の援護その他に使う金はすぐ現金として入ってまいります、船主の立場について申せば。それから、それ以外には、結局は協同組合の相互扶助ということを中心に、制度的にはしばらくの間はめんどうをみるというのが在来の実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/11
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012・北條雋八
○北條雋八君 マリアナの場合などは、あの海難が起きてから幾日くらいたってその留守家族の方に手当をしているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/12
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013・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) マリアナの例についてのお話でございますが、まず船のほうでいろいろと相談をいたしまして、どうしてもこれはだめだという判定を早くしまして、いわゆる確定全損という取り扱いをしまして、正確な日を記憶いたしておりませんが、事件発生後二十日弱の間に船の保険金は一斉に支払ったので、当時、船主及び静岡県庁からは非常に感謝された次第でございます。それでいまの先生の御質問は、死亡が確定するまでの個々の乗り組み員に対する給与の問題と存じます。これにつきましては、その保険をつけておられる方は保険のルールに相なるわけでございますが、その死亡のほうでは、生命保険のほうではそういう措置がなかなか困難なのでございまして、当面は関係の漁協、それから一般の御同情ある寄付、そういうものを取りまとめまして、逐次一定金額に達するつど、遺族の方々にお渡しして生活のたしにしていただいておった、こういうのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/13
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014・北條雋八
○北條雋八君 この留守家族のそういう不時の災害を受けまして非常に困っている実情もよく御承知のことだと思いますけれども、聞きますと、非常に援護の手がおくれるということで困っている人が多いようであります。どうぞそういう点は政府のほうで特に目をかけてやって、こういう不自由のないようにお願いしたいと思います。
次に、現在義務加入によって国庫の補助を受ける本法の保険でありますが、これは百トン未満の船に限られているのでありますが、この最近三カ年の漁船の普通保険の実績表、これを見ますと、だんだんトン数がふえるほど保険の加入率というのが減ってきているように思うのですが、ゼロから二十トンまでと、二十トンから百トン、それから百トンから千トンと、こういうように三つのランクに分かれて表をおもらいしましたが、この百トンから千トンまでの内訳ですね、これを伺いたいと思うのでございます。この百トンから二百トンまで、それから二百トンから三百トン、三百トンから五百トンまでのそれぞれの在籍漁船数と、それから加入漁船の隻数、それから加入率と、これを伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/14
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015・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 百トンから千トンまでの間を区分して加入率をもう少し明らかにせよという御趣旨でございます。区切り方がいま先生のお示しになりました数字と若干ズレがございますが、三十八年度実績につきまして整理をいたしたものがございますので、御説明いたしたいと思います。
百トンから百九十九トン、つまり二百トン未満までの船が五百三十八はいございまして、四百五十九はい入っておりますので、八五・三%になっております。それから二百トンから四百九十九、つまり五百トン未満で七六・四%、それから五百トンから千トン未満、これが三〇・六%かような形に相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/15
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016・北條雋八
○北條雋八君 隻数は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/16
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017・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 隻数について申し上げますと、百トンから二百トン未満は、先ほど申したとおり五百三十八に対して四百五十九、次に、二百から五百未満は、七百三十二隻に対しまして五百五十九隻でございます。それから五百から千の間でございますが、在籍百八に対しまして加入隻数は三十三、率は三〇・六、こういう実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/17
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018・北條雋八
○北條雋八君 これで見ましても、百トン以上百九十九トンですか、これが八五・三%と相当加入率がいいわけでありますが、こういう人はちょっとでも百トンを越すために保険の恩恵が受けられないということになっておりますが、まあ白書で見ましても、この百トン以上の中小漁業の経営が非常に悪いということがうたわれております。数字が示しております。で、もうまさに危機に直面していると言っても過言ではないくらいなふうに考えるのでありますが、その原因はもちろん物材費の高騰、あるいは人件費の増加、これはもちろんでありますけれども、この漁船の修築あるいは新造というものに伴いまして、借り入れ金の利払いが非常に巨額にのぼっておるということがおもな原因になっておりまして、三十九年度でもずいぶん経営は困難しておりましたけれども、まあ魚価がわりあい上がっていましたのでカバーができたわけでありますが、現状では全く行き詰まりの状態になっておるわけであります。私は、漁船保険の目的も結局、不慮の事故によって船をこわし、船を失って建造費の調達に非常に苦しんでいるのでありますから、この際、政府はこれらの中小漁業の人に対しても、百トン未満というのを、もう少し上限を上げまして、そして二百トンあるいは三百トンまでくらい、あまり上げるわけにいかないことも承知しておりますが、少なくとも三百トンくらいまでトン数の上限を引き上げるというような考えをお持ちかどうか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/18
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019・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) いま北條先生のお話は、非常にいろいろの点を含んでいるお話でございます。基本的にはいろいろな角度から、私どもも十分研究さしていただきたいと思うわけでございます。ただ、先ほど保険加入率が五百トン以上、三割と申しましたが、これは保険に入ってないという意味ではなくて、本制度の保険に入っておらない、建造いたしますにしても、金融機関その他の立場から当然、保険の問題はついてまいりますので、民間保険には大型船であります以上は入っておる。そこで、いま国庫負担、国庫が援助する対象の問題といたしまして、百トンというところに線を引いておりますけれども、実は問題は保険技術といいますか、保険の実態との関係から申しまして、百トン未満に非常に事故が多い。どうしても相対的に事故が多い。そこで、保険料率というものが事故の多い場合に高くなる。試みに百トン未満の船と百トン以上の船で、純保険料率を計算してみますと、百円につき、百トン未満のほうが二円二十五銭、百トン以上は一円七十七銭、事故が相対的に大きな船におきましては少ないために、保険料が少なくて済む、逆に小さいほうは事故が多いものですから、保険料が高くなってまいります。そこで、小さい船が事故が多いというのが、小さい方々に罪がある問題でもございませんので、相対的に小さい方々の船の保険料を、大きいほうの事故率に見合った程度の保険料に合わせて考え、国が補助していったらどういうふうになるか。現在のところ、百トン未満と百トン以上は、純保険料、国庫が補助したあとで計算いたしますと、両方とも先ほど申した数字が一円七十四銭ないし一円七十七銭というふうにそろってまいるわけであります。そういう意味で国庫負担のあり方の問題として、そういう角度から考えているわけでございますが、それはそれとしても、経営の問題もあるから、別の角度から保険料に対して、もっと高い船に対しても保険料負担を軽減するために国庫負担をしたらいいじゃないかという御意見と承りましたけれども、私のところのいまの考え方といたしましては、小さいから事故が高い、事故率が高いから相対的に保険率が高い、これを大きいものにそろえてあげることがどうしても必要だ、こういうような立場でやっておるのが現状でございます。しかし、先生の御意見は貴重な御意見でございます。なお将来の問題としては考究いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/19
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020・北條雋八
○北條雋八君 トン数につきましては、だんだん沿岸から沖合いに出る船がふえてくることに将来はなっていくのじゃないかとも思うのですが、船の平均のトン数とすれば現在ふえつつあるのではないかと思うのです。そうしますと、この法律もやはり将来を相当見越して、できるなら何も百トンにこだわらずに、もう少し上げておくほうが至当じゃないかというふうにも考えられるのでありますが、そういう将来の建造に対して、だんだん船が大きくなっていくのじゃないかどうかということに対して、政府はどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/20
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021・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 今日までの傾向といたしまして、確かに船の大型化が起こっておるということは、漁業の動向等でも分析して報告いたしておるところでございます。したがって、御指摘のとおり船が大型化していくということ自身は傾向としてある。ただ問題は、先ほど来申しますとおり、大きい船における事故率と小さい船における事故率が、小さい船のほうが事故率が高い、そういうことで出した事故が高いのだから、保険だからあたりまえだとは言わずに、相対的に高いものと上のほうとかね合いをして、同じ保険料負担にそろえていきたい、こういう立場であります。一体、現在の漁業経営におきまして、根本的に保険料負担が過大であるという立場からものを考えて、保険料率の経営者負担を下げるか下げないか、これはややちょっと角度を変えた問題として考えるべき問題ではないだろうか、私はかように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/21
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022・北條雋八
○北條雋八君 先ほど言いましたように、中小漁業になる境目のところが、白書で見ましても、経営が非常に困難でありますから、少しでもこういう最も苦しんでいる百トン以上二百トン、三百トン程度のところの漁船に対して、この恩典を分かってやったほうがいいのじゃないかという意味なんでありますが、どうぞその点はひとつ将来よく考えてやっていただきたいと思います。
次に、これは前回の当委員会で和田委員が、漁船の保険中央会に対する交付金十二億円の使途につきましてお尋ねがありまして、その答えとして長官から、これは十二億の利子をもって、主として海難防止、救命ブイの受信器装置の補助、それから救難防止事業、無事故の報奨というような点をあげられたわけでありますけれども、この救命ブイを備えつけ、その受信装置を無線局に備えつけさせるというような事業は、これはもう当然政府自身がやらなければならない仕事だと思うのです。でありますから、この十二億円というものはもともと零細な漁業者が汗と血でつくった積み立て金であるのでありますから、これは本来ならこれらの各漁業者に返すべきお金だと思うのです。ですから当然これは政府でやる仕事のほうに向けないで、もっと直接に組合員が均てんして受けられるような使途に向けるべきものじゃないだろうかというふうに思うのです。交付金というこの名前でいかにもどうも何か一般の交付金と同じような観念を持たせて、そうしてだんだん政府で出すべき金の補助をさらに中央会で補完する意味でやるようなことになることをおそれるわけなんでありますが、こういう点に対して政府ではどういうふうに考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/22
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023・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 基本的には、国のやるべき仕事なり国が補助をすべき仕事は、国の会計で組んで被補助者に補助する、これによって肩がわりすることは絶対避けてもらいたい、かように考えております。
ただ、いま御設例にあげられました救命ラジオ・ブイの問題、救命ラジオ・ブイの発信機、船が遭難いたしましたときに海の上にそれをほうり出すわけでありますが、これは電波が非常に微弱でありまして、もちろん海上保安部におきますところの受信施設には、入り得るところに海上保安部の受信施設があれば当然入り得るわけでありますが、ところが一方、漁業に関しましては、先生御承知のとおり、漁業協同組合が漁業専用の無線局をあちらこちらにつくって、組合の漁業との関係の連絡をやっているわけでございます。そういうところで受信施設さえあれば、ラジオ・ブイも漁業協同組合がやっています無線局でございますからそれにも入り得るわけであります。お互い同士の問題としてそういうものが入ったら助け合うという意味で、漁業協同組合にもひとつ皆さん一緒になって受信施設をつくったらどうか、いや、そこまでは自分らの協同組合の無線局の仕事としては手が伸びないのだというような問題に対しては、御援助して、この交付金の中からお手伝いして、そういう受信施設をつくったらどうだろうか。大部分のところは相当数海上保安部の受信施設にも入りますし、漁協も大きいものはつけているわけでございます。比較的手が回らぬところでは、こういうところで漁協自身の仕事としてやるものにはお手伝いが要る、こういうところにはこの金からそういうものをつくったらどうだろうか、こういう考えで、本来漁業協同組合の施設の問題でありますので、これはそのように考えてやっていく、国の仕事でありますものについては、当然この交付金で処理することは避けてまいりたい、そのように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/23
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024・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、せんだって言われました、無線局に受信機を備えつけるというのは、組合の間違いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/24
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025・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 私のことばが足りませんでしたかもしれませんが漁業用の海岸無線局、これは組合であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/25
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026・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、そういう組合のほうの、受信機をつけることになりますと、何カ所ぐらいつければいいお見込みですか。非常な数になるのじゃないかと思うのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/26
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027・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) この、入りにくい、特に組合の漁業無線局で無線施設を備えにくいところという立場で考えておりますので、いま正確には、案はまだ、この交付金を受ける中央会がつくるわけでございますが、私記憶しているところでは四十カ所と記憶いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/27
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028・北條雋八
○北條雋八君 そういう場合には、もちろん組合だけの力ではなかなかできませんから、中央会のほうから助成をすることも必要だと思いますけれども、政府のほうとしましては、当然やっぱりそういうことまで考えて助成措置というものは、やはり腹案は持っておられることと思いますがその点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/28
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029・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 御質問の御趣旨が、交付金で出る、つまり補助する部分に乗っけて国の補助をさらにこれに乗っけるかという御趣旨でございますれば、私のほうはそういうふうには考えておりません。と申しますのは、救命ブイについては、公庫の金融対象といたしますとか、あるいは構造改善事業その他の事業で、むしろ発信施設のほう、漁船のほうは発信するような施設に補助をいろいろ考えて——この救命ブイというのは、遭難の際は位置の表示の問題でございまして、私どもの目下の気持ちといたしましては、小型の無線機とかトーキング・ビーコンとかいうものをなるべく船のほうに持ってもらうという立場では積極的に話を進めております。この救命ブイは、むしろラジオ・ブイは法律上の義務のものでございまして、二十トン以上の船は自分でつけねばならぬ。ですから、それを御援助するという立場でございますので、これについて上乗せの補助ということは目下のところ考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/29
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030・北條雋八
○北條雋八君 いずれにしても、遭難に対して一刻も早く救助をする、また遭難の状態を一刻も早く知るということが、これが一番大事なことであることは申し上げるまでもないのですが、トランシーバーのお話もこの間ありましたけれども、これなどは現在の漁船で使っているのと使っていないのと、どのような割合になっておりますか、おわかりでしたら。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/30
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031・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) トランシーバーの件でございまして、先般和田委員からお話がございましたので、いろいろ調べてみたのですが、トランシーバー、俗に市民ラジオと言っておりますが、これはきょう運輸省から聞たところでございますが、現在十五万件程度の免許が出ておる、このうちの五、六割程度のものは漁業に使われておるのではないかと運輸省は見ております。私のほうは、実は率直に言って正確な調査はございません。それで、これは大体個人の用務及び法人または団体の簡易な事務用、建設工事現場監督等に使用する趣旨のもとに設けられたものでございまして、周波数それから電力、空中線電力等の関係で通信距離が四キロしかマキシマム使えないようでございます。そこで四キロ、漁船について四キロのトランシーバーを備えるということを、備えてはいかぬとはもちろん考えませんし、そうは言ってないわけでございますが、漁船に関しましてはむしろ先ほどもちょっとお話が出ましたように、もう少し通信範囲の大きい漁業用専用の電波を割り当てまして、むしろ広範囲に相互連絡あるいは海難の際に連絡が取れるという立場のほうの施設を充電するほうがよろしいという立場で行政指導はいたしておるわけでございます。禁止をしておるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/31
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032・北條雋八
○北條雋八君 その四キロ以上のトランシーバーを現在使っている漁船は、全体の漁船のどのくらいあるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/32
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033・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) トランシーバーは幾らやっても四キロ以上にいかないというわけです。そこで、むしろ無線機を持たせる、それから電波は漁業用専用の電波を割り当てている、こういうのが実態でございます。で、御質問の趣旨が、無線機をどの程度漁船が持っているかという御質問でございますれば、いまちょっと正確には記憶いたしませんが、二十トン以上の船は御承知のとおり船舶安全法の規定を受けているわけでございます。これは当然無線施設を備える義務があるわけでございます。それ以外のものにつきまして水産庁等でもいろいろと漁船許可その他の際に行政指導をいたしております。それらを含めて無線が何台、何割備えつけられておるかという点につきましては、ちょっといまとっさにお答をしかねるわけですが、大部分の船は、漁業をやっている、少なくとも沖合いに出る船はそういうものを用意しておるのが現状であると心得ております。トランシーバーはまさに釣り舟は持っているでしょうが、一般的には、沖合い等に出て行く船にはあまり適当でないと、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/33
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034・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、十二億の金の使途としまして、一番いま全漁民のために有効に使えるだろうというのは、先ほどの受信機ですか、各組合に備えつける。受信機に、そのうちの補助金として出してやるということに重点を置いてやられるということでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/34
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035・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 十二億の使途について、いまのラジオ・ブイの受信機が最重点かという御質問でございますが、必ずしもそう考えておりません。と申しますのは、いろいろの事業をやる一環として考えております。もう一つというか遭難対策の問題としては、私どもなるべくそういうふうに考えてもらいたいという注文を出しておる問題の一つとしては、救助作業の報償費の問題、つまり船がどこかで遭難したときに、みんな港にある船が、あるいは近所で魚をとっている船に助けに行ってもらうのがまあ漁師仲間の仁義でございます。やっぱり油も要ったり、回り道したり、とれる魚もとれなかったり、助けに行っている間において。ただ相手の船がおかげさまで助かれば、ここで何らかのあいさつといいますか、手当てが行なわれるわけでありますが、不幸にしてその船が沈没してわからないというときには、いわばただ働きになります。これがもし少しでもお互いの遭難の上でマイナスになっておるなら、そういうときの御苦労賃といいますか、経費の御援助というようなものは、この十二億の金の運用の問題としてやって、少しでも沈むべき船が助かる、あるいは全損すべきものが一部座礁なり何なりの形で助かるということは、この保険の立場からいってもけっこうですし、遭難対策、救命対策としてもいい、そういう意味でやっぱり救助作業の報償費ということは、この使途としては力を入れてもらいたい。もちろん事故防止に対しまして、無事故の保険でございますから、みんなの積み立てた金というお話も先ほどございましたし、一生懸命教育訓練その他細心の注意で、事故を起こしていないというものに対して何らか報いるということもこの使途の内容でございます。そういう意味で目下いろいろな角度から相談いたしております。救命ラジオ・ブイだけにこの金を使うというふうには考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/35
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036・北條雋八
○北條雋八君 いまのお話で、できるだけ事前に予知して海難を防ぐということと、海難が起きた場合に、遭難者に対してできるだけの救援の手を差し伸べるという意味のお金に使うということもわかりました。このトランシーバーを小さい漁船につけるということは、これはさほど有効ではないと考えておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/36
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037・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 金額一万円程度のものでございますようでして、四キロ、山の下から山の上にいったり、あるいは娯楽用の魚釣りの相互連絡等にはそれは使えるし、また、違った意味でほかの仕事の分野におきまして、建設現場などでは役に立つようであります。何ぶん海の上の漁を営むための唯一の通信連絡施設というものを考えます場合に、やはりいまの漁業用の船舶無線局の立場からいえば、五十キロ、六十キロは当然送信可能範囲があってしかるべきであるという立場で、考え方といたしましては、このトランシーバーよりは無線装置を、小型無線装置でもいいですが、備えていく方向あるいはトーキング・ビーコンについても可能な方向等が指導としてはあるべきじゃないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/37
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038・北條雋八
○北條雋八君 せんだって和田委員からのお話で、非常にこれはじゃまになるというふうにも伺ったんでありますが、漁船にもやはり備えつけているのが多いのでございますか。ですから、トランシーバーも漁船には全然役に立たないのだという意味なんですか。そこがよくわからないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/38
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039・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 先ほど申しましたとおり、これは免許というか、届け出制でやっておりまして、届け出られているものが、一応十五万件くらいのうちで半分近いものは漁船が使っておるように見ております。郵政省といろいろきょう打ち合わせをし、事情を聞きました。ですから、それがいかぬとか、それを押えるとかいうことはもちろん考えておりません。それはそれで一つの問題でございます。
それじゃ、しからばこれを奨励するかという立場でのお話としては、あるいは意見を聞かれれば、漁船で瀬戸内海等で操業する船の一部にはあるいはいいかもしれませんけれども、沖合いその他で本格的に漁業をやる漁船という立場から考えれば、やはり無線局の免許をした、トランシーバーでない無線を充実する、そのために漁業無線の電波の割り当て等についても、われわれも大いに努力をいたしております。そういう方向で進むべきであるということを先ほど来から申しておるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/39
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040・北條雋八
○北條雋八君 私の伺っていることがよくわからないようですけれども、トランシーバーでも漁船が使って非常に便利ではないか。ですから、現在も相当漁船はトランシーバーを持っているのだと思うのです。ですから、もし距離が短くて、四キロじゃ役に立たないというならこれは問題じゃありませんけれども、今度は沖合いに出て船同士で四キロぐらいの間で話ができればなかなか漁業上非常に便利じゃないかと、こう思うのです。ですから、もしこれがあったほうが漁業上いい、また、遭難の場合にでもお互いに連絡がとれるというようなことであれば、この交付金の一つとしてこういう手軽のものに助成をする、補助してやるということもいいんじゃないかという意味で伺っておる。ですから、役に立つのか立たないのかということですね、伺ったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/40
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041・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 先ほど申しましたつもりでございましたが、少なくとも四キロの範囲内でお互いが連絡がとれるという意味では、役に立つと思います。ただ、これに対して補助をするとか、援助することがいいか、援助するならば、補助するならば、本格的なものに援助したほうがベターであると考える。なぜならば、私どもはトランシーバーも補助をするということは、そういう四キロ程度——ないよりは便利であることは間違いありませんが、いかがかと存ずるという趣旨で先ほど来申しておったつもりでございましたが、ことばが足らないで、いろいろ、申しわけなかったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/41
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042・北條雋八
○北條雋八君 どうぞ貴重な十二億の金でありますから、少しでも個々の漁民に感謝されるような使途を御研究願いたいと思います。
次に伺いたいのは、漁船の損害についてでありますが、この災害に基づく漁業の損害に対しては、農業のほうでは天災融資とか、非常に手厚い補助対策ができておりますが、漁船の場合にはそういう特別措置がないように思いますが、その金融関係について何か法的の根拠を置く必要があるのじゃないかと思うのです。そういうことを考えられたことはないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/42
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043・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 天災融資法は、十分先生御承知のとおり、農業を営み、林業を営み、漁業を営む者、いずれもひとしく均てんする法令でございまして、したがいまして、天災融資法が特に漁業に私どもは直ちに不利であるとは考えておらないわけであります。また漁船につきましては、農業におきましても、天災融資法の借りた金の使途の問題として、本来は経営不振でございましょうが、農機具とか、漁具、漁船にも使えるような道は開かれているわけであります。したがって、その条件が特に他のものに比べて不利に扱われている、かようには私どもちょっと考えておらないわけでございます。
なお、漁船は大きな生産施設でございますので、天災融資の問題のほかに、御承知のとおり公庫で漁船建造に際して、災害の場合と災害でない場合というように、道も別に開かれており、漁船に、今度は漁業の問題から漁船の問題に移りますれば、そういう道も開かれているわけでございます。かように考えておりますので、特別な差別扱いが行なわれているというようには、ちょっと考えておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/43
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044・北條雋八
○北條雋八君 漁船の場合でありますけれども、この漁船が災害を受けた場合に、天災融資法が適用されたのは、一般の農業の天災を受けた区域の中に、たまたま漁船の損傷その他の被害を受けた場合には、これは適用されたこともありますけれども、この漁船だけの損害を受けた場合はあるわけでありますか、適用が。ですから漁船が天災を受けた場合に、何か災害の立法というようなものが必要じゃないかというように考えるわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/44
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045・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) ちょっとわかりかねる点があるわけでありますが、農業を営んでいる方がブルトーザーかなんか損害を受けた、それをもう一度更新するために、金融で更新したいという場合に、漁船も同様に考えますと、公庫へ行って、災害による漁船の代船建造として六分五厘で金を借りて船をつくる、そういうことがございます。それから農業を営み、林業を営んでおります方々が、天災を受けまして、その業を営んでおりますから、お米がとれなくなった、あるいは麦がとれなくなった。そういう場合に、その経営を営んでいくのに必要な資金の融通を円滑にするために、天災融資法でお金を貸す、こういうことはございます。その貸したお金では、たとえば肥料代なり、えさ代だけでなくてはいかぬといってなくて農機具あるいは漁船をつくってもいいという仕組みに相なっておりますので、天災融資法は、経営そのものをころがしていくために必要な資金として、直接資材あるいは設備、要すに間接手段に対する金もあわせて見ていく、個々のものに即してのお話と相なりますと、いわゆる設備金融としてその際に災害と一般に分けまして、公庫からめんどう見る、あるいは中金から金を出す。こういう仕組みに相なっておる現状でございますので、繰り返しでございますが、ちょっと先生の御趣旨を私には理解しかねておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/45
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046・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、漁船の建造に対して、天災を受けて、それを修理するのに、あるいはまた新造するのに金を借りる場合は、農業のようなぐあいに、低利長期の資金というものは借りられないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/46
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047・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 制度金融といたしまして、設備資金で私どもが一応制度金融として低利長期というものについては、御批判もあるのでございましょうが、農林漁業金融公庫でめんどうを見ておるのがその中心点であります。それで、農林漁業金融公庫では、漁船建造というワクを用意いたしまして、災害を受けた場合、災害を受けてなくても船を更新するために金が要るから、一般の金融よりは安い金利でその方々に貸している。それから、一般の更新であれば、七分五厘のものを、災害を受けた方には六分五厘でお貸ししているというようなことでございまして、その点は農業、林業でも、何と申しますか、そういう生産施設といいますか、施設の再確保、あるいは災害による改修については同様に扱われておりますわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/47
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048・北條雋八
○北條雋八君 農業の場合は、天災融資法でなくても、公庫の金を借りる場合には、これは農地とか牧野の災害または復旧で、これは六分五厘でなしに、五分で、しかも五年据え置き、二十五年というふうに非常に条件がいいのじゃないか、そこに非常に差がある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/48
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049・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 現在の公庫の仕組みは、御承知のとおり、農地の改良、造成、あるいは造林、林道、これは漁業のほうでいいますれば漁港の整備というようなものは公共的な事業であるということで、特に金利が相対的に安く整備されていることは御指摘のとおりでございます。ですから、公共的な立場での農地の造成、牧野の造成、林道という意味等を漁業の場合にそれを翻訳いたしますと、漁港の改良、造成ということがこれに見合ってまいってきているわけでございます。それであと、たとえば畜舎、サイロ、蚕室、それから何と申しますか、倉庫、そういうようなものと相並びまして、いわゆる施設の問題に対しましては、これはまた、公共とは違って、それぞれ横の均衝をとりながら、金利なり条件が定められている。それで、それにしても総体的に高いとか、もっと施設の金利は長期低利であるべきだという御批判は、常々承っているわけでございますが、そのうちで、漁船だけが特に現在の姿においてアンバランスになっているというふうには私どもは感じておらない。これは毎年、毎年ではございませんが、全体の関係者集まって、一つの考え方のもとに整理をいたしてきているつもりでございますので、特段の御指摘がございますれば別でございますが、あるいは全体の水準が高いというような点はございましょうが、何か横に並べて考えまして、農業、林業、漁船だけが著しくおかしいという形にはなっておらない。安いのは、構造改善事業とか、あるいは公共的事業は相対的に金利を一種の社会投資として安くしている、こういう関係にあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/49
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050・北條雋八
○北條雋八君 私は、零細な漁業者が災害を受けて船を失ったような場合には、漁船保険の金だけでとうてい再建のできるものではありませんから、したがって、何かそこに長期低利の融資の必要があると思うのであります。それには、この際政府のほうとしても、そういうような災害を受けた場合における特別の措置を考えてやるべきじゃないかと思いますが、全然船を失うということは、実際唯一の生産手段を失ってしまうことになるわけですから、そこを考えていただきたいという意味でお聞きしたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/50
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051・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 漁業を取り巻くいろいろの問題がございまして、それぞれに対して、いろいろの手を打たなければならない。そこで、国のいろいろの施策の立場において、一般会計の補助金、あるいは公庫の百数十億の金融、そういうものを通じて、全体に対して施策を進めているわけでございますが、もちろんまだ不十分でございます。ただ、その一環として、特別会計にたまりました十二億を特別会計の中にかかえているのはいかがかというふうな立場で、中央会に交付して、その利子で少しでもいい仕事をしてもらう。そこにそれぞれの道があるわけでございまして、そういう立場でございますので、先生御指摘の、漁船に対する対策も、この十二億の問題のほかに、保険そのものでいかにして補てんするか、あるいは保険で補てんせぬでも、金融でもっと補てんを容易にする、そういう全般の角度について、もっと一そうの努力をせよという御趣旨でございますれば、私どももさように考えて、今後とも努力したいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/51
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052・北條雋八
○北條雋八君 天災融資並みに扱われたのはチリのときのあの災害だけでありまして、先だってのマリアナにしても、あるいは十勝沖の船の遭難にしても、六分五厘の金融でやっているんですが、チリの場合には、ほかの農業その他の大きな災害に便乗してたまたま天災融資を受けられたのでありますが、今後は便乗的でなくて、特別の場合には天災融資を受けられるように立法措置を考えていただきたいということを希望します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/52
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053・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) チリ津波とかオホーツク海における風浪というようなもので何か天災がございまして、漁業そのもの、あるいは漁具そのものが、業を営む基盤がいかれてしまった、こういう場合に漁船が入ってまいることは御指摘のとおりでございます。ただ、非常に天候が冷温であったとか、不順でサバがこなかったとか、ノリが枯れたという場合には、その船と災害とはこれは一応関係がないわけでございます。そういう場合には船は別の問題として処理されていく、津波がきて船がいためば、問題はその漁業に関連を持ってまいります。たとえば、ノリの例などいい例でございますが、天候不順その他でいんだ、そのときにノリの何とか舟もいたむこともあろうが、寒さでいたむという問題ではないので、これは天災にはならない、しかし、いたんだ船を別につくるという場合には、津波で船がいかれたという場合とはこれは別な話になります。こういうふうに考えておるわけでございまして、なおよく御趣旨をもう一ぺん考え直しまして勉強させていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/53
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054・北條雋八
○北條雋八君 では、次に伺いたいのは、この海難に対する救助体制ですが、海難救助の連絡本部というのが外務省、それから運輸省、防衛庁、水産庁、海上保安庁及び気象庁、こういうものが構成メンバーになって、これは大規模の海難が発生したときに遭難船の捜査、救助というときに、効果的に行なうためにつくられておるということを聞いておりますけれども、これらの連絡調整をはかる機関であるということは、実際問題としてどういうふうに連絡調整をされておりますか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/54
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055・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) マリアナ災害の発生いたしましたときに、総理府に、総理府の指示のもとに対策本部をつくったわけでございます。で、これはその場で、事柄の性質上関係省が集まりまして、そうしてこれを対策本部に切りかえようということにいたしたのでございます。しかし、そういうことではなく、常時そういう組織を用意しておいて、発生いたしましたらすぐその組織が動き出すように考える必要がある。そういう立場で、海上保安庁を中心にいたしまして、関係各省でそういう連絡会議を設ける申し合わせをいたしたわけでございます。それで実際の形といたしましては、海上保安庁がその中心になりまして、連絡すればすぐ人が夜中でも集まるという形、あるいはその分担を、どこはどうするということをその場で決定して、機動的に動くような組織にしようということで、その海難救助連絡本部をつくったわけであります。しかし、これは本邦から離れた海上の大規模な海難ということをたてまえにいたしておりますので、現在のところ幸いにして、これが動かなければならない事態は発生しておりません。要するに、ボタン一つ押せばいつでも動き出せるような組織を常時設けるという申し合わせをしておる、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/55
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056・北條雋八
○北條雋八君 総合的の機関でありますが、こういうものは臨時的に現在は動いておるわけでありますか。いまお話しのように、常時こういう連絡会議というものはやっておられるんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/56
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057・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) これは発生に際して、捜査、救助を目的とするというためのものとして申し合わせをいたしましたわけでございますので、入れものは常時申し合わせででき上がったのでありますが発生した際に、入れものの中にみんなが集まる、こういうものでございますので、その申し合わせ段階、つくります前の段階ではいろいろ打ち合わせをやっておりましたけれども、基本的には、常時集まって、いろいろ相談をするという企画相談の申し合わせ組織ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/57
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058・北條雋八
○北條雋八君 ですから、どこまでもある事件が起きてからやる機関でありますけれども、これは海難を予防する、また少しでも軽減させるという意味で、常置の審議会といいますか、そういうものを置いておく必要が私はあるんじゃないか。で、これは先ほども言ったとおり、毎日二人も死んでおるんですから、海難に遭遇して。ですから、常にいろいろ研究事項、また、それに対する対策というものは生まれてきているはずだと思うんですね。ですから、こういうやはり一つの審議機関というものを置いておく必要があるように私は思うんですが、それに対して政府のほうでいままでどの程度に考えておられたか、その所信をひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/58
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059・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) 先ほど来申し上げております海難救助連絡本部は、そういうものとしてかりに理解するとして、それとは別に、海難対策を基本的に確立するなり、充実するなり、検討するために、そういう研究審議の組織をつくるべきではないかという御意見だと存じますが、現在までのところそういうものをつくることにきめた経過はまだございません。海難が最近非常に多いのでございますが、これに対する対策をどういうふうに考えるかという問題は、目下のところ、それぞれの役所内部の間において検討を続けるという段階でございまして、これらが集まって審議会その他、ということは、あるいは外部の方々からお集まり願っての審議会というようなことは、いまのところ政府部内、私どものところでは話題に上ってはおりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/59
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060・北條雋八
○北條雋八君 これは私は大事なことではないかと思うのですが、先ほどもお話ししたように、漁船だけでも毎日二人ずつ死んでおります。ですから、この海難をいかに予防するかということは、常に各省庁間でそういう会議をして、研究をしていかなければならないと思うのです。で、今までそういうことに対して何にもやっておられないということは、非常に私は手落ちではないかと思うのです。特に船のほとんど半分は漁船でありますから、まあ農林省が中心になってやっても私はいいのではないかと思うぐらいであります。で、いままでそういうことを考えたことはないと言われるのは、私は、人間尊重の内閣であるにかかわらず、はなはだ手落ちではないかというふうに思いますが、どうぞひとつその点をなおよく研究されて、少しも早くそういう作業をして、衆知を集めて予防に善処されることを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/60
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061・丹羽雅次郎
○政府委員(丹羽雅次郎君) ちょっと補足さしていただきますが、やはり海難災害にかんがみまして、ことにマリアナにかんがみまして、たとえば、救助のための足の問題、巡視船の不足の問題あるいは気象の問題等がもちろん相互間で議論されまして、まあ今年におきましても巡視船の建造あるいは保安庁におきます飛行機、それから、その巡視船による洋上の気象観測の問題、あるいは今回の経験にかんがみまして、漁協におきますところのいろいろの積み立て金に対する税制の問題、それから各分野におきます船の転覆に対します試験研究の問題、これらはそれぞれ精力的に、及ばずながら努力をし、相互に、役所間でございますから、連絡を取りつつやっておるわけでございます。いま先生御指摘のとおり、そういうことでなく、全体を集めて審議会か組織をつくったらどうかというお話でございましたので、組織についてはいまのところ考えておらないということではございますが、それぞれの役所間における相互連絡としては、いろいろの経験にかんがみまして仕事は前向きに進めている点だけは、申し添えさしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/61
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062・北條雋八
○北條雋八君 マリアナの問題につきましても、結局米軍の軍用機に依存をして、ああいうような手落ちがあった。これは気象庁の問題もありますし、また防衛庁にも関係があると思うのですが、いま言われたように、定例に月に一回ぐらいは少なくとも集まって、そうして同じ予算をとるにも、防衛庁の予算だから農林省には関係がないといったようなセクショナリズムではなしに、大いにそういう場合には、飛行機をつくることにおいて、また省の設備の管理について、お互いに力を合わせて予算を獲得もするし、積極的にやれば実現ができないところもできるということになるのではないかというふうに思います。それはそれで別に答弁は要りません。
次に伺いたいのは、船舶の廃油の問題でありますが、これは直接この法案には関係がありませんけれども、廃油の投棄によって非常に漁業に被害を受けておることはもう御承知のとおりであります。今後ますます貿易も盛んになってくるし、また、観光なんぞの伸展につれまして、ますます船舶の出入りはひんぱんになってくることを考えますと、この問題は沿岸漁業にとってばかりでなしに、これは国民の福祉向上からいってもゆるがせにできないことであります。この船舶の廃油の投棄防止については、この前もこの委員会でノリの被害のときにお話がありました。昭和何年ですか、ずいぶんこの話は古い話でありまして、大正の初めごろから問題になっておると聞いております。もうすでに先進国二十九カ国は、海水汚濁防止に関する条約というのが、昭和二十九年ごろでしたか、二十九カ国が加盟しましてそれで批准をして、もうすでにこの条約は昭和三十三年に発効しているわけなんです。日本の現在の状態では、港則法の二十四条によりまして、沿岸から十キロ、一万メートル、これを規制しているわけで、非常に陸地に接近しているわけなんです。この海水汚濁の防止に関する条約で見ますと、たしかこれは五十海里だと思いますが、そういうふうに規定をされておるのでございます。そこでどうして前からも問題になっておるのを日本が批准をしないか。加盟はしているけれども批准がしてないということでありますが、そのいきさつ、その理由ですね、どうして批准ができないのか、しないのか、一応説明願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/62
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063・中野大
○説明員(中野大君) 初めのほう、私ちょっと御質問を聞き漏らしておりますので、もし答弁が足りませんでしたら、またお尋ねいただいてお答え申し上げます。
この油による海水の汚濁防止のための国際条約の批准の問題でざいますが、ただいま先生のお話しのように、一九五四年の国際会議で採択になりまして、加盟ではございませんで、日本国政府としても署名をいたしたわけでございます。署名をいたしましたが、まだ批准に至っていないというわけでございまして、ただいまも私ども早急に批准の段取りに進んでいただくように、国内法の整備も進めてまいりたいというふうに運輸省あるいはほかの省とも連絡をとって進めているわけでございます。なぜいままで長くほうっておったかという点につきましては、いろいろな過去の問題もございましたでしょうけれども、問題点として大きく三点ございます。
まず船舶に、船舶からの漏油を防止する装置を設けなければならないということになるわけでございます。また、陸上に廃油を受け入れまして処理する施設を設置しなければならないという問題がございます。もちろん条約を批准しまして発効になりますと、投棄の規制もいたさなければなりませんが、その投棄の禁止区域あるいは禁止の対象船舶をどうするかといったような問題点の検討がございまして、アメリカも実は受諾いたしましたのが六一年でございました。五四年の条約がその後また改正になりというような状況もございまして、事実六二年にIMCOの国際会議におきまして改正の条約の採択があったわけでございますが、そういう改正の模様もありましたので、いまのような問題点も勘案しつつ、また未批准国の動向も、模様を見ながらまいりましたけれども、このままでは一応ほうっておけないというような段階に至りましたので、できるだけ早く国内法の整備もいたしまして、批准にとり運んでいただくように準備を進めてまいりたいと、こういうふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/63
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064・北條雋八
○北條雋八君 もう少し具体的に知らしていただきたいと思うのですけれども、その設備というのは、港に設備をし、また各船舶に設備をするようにいま言われたのですが、この設備をしないうちは批准ができないということになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/64
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065・中野大
○説明員(中野大君) いま申し上げました港湾におきまする廃油の受け入れ処理施設、また、船舶に漏油防止装置という義務がございますけれども、全部整わなければ批准できないという問題ではございません。それに、そういった義務を課する国内法を整備いたしますれば、その整備に伴いまして、もちろんすぐそういった装置、施設が整備できるわけではございませんので、やはり若干の猶予期間というものがどうしても必要でございます。また、条約でもそういった問題についてのなにがございますので国内法を整備すれば大体批准の方向におおむね向かうのじゃないかというふうに思っておりますし、また、批准できるように国内法の整備も検討してまいりたい、こういうふうに思っている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/65
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066・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、いままででもできる、法案の整備さえすれば、国内法でしょう。これはなぜやらなかったのですか。私はそういう設備をするのに金がかかるから、それで主要な港にはそれができた上で批准しなければならない義務があるから、それができないのだ、こういうふうに思ったのですがそうじゃないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/66
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067・中野大
○説明員(中野大君) ただいま申し上げましたように、国内法の整備ということがまず先決でございます。したがいまして、昭和三十七年ごろに施策要綱というものをつくりましたし、それに基づきまして法律案も実はつくって推進するようにしたわけでございますけれども、いま申し上げましたその施設が相当な額がかかるという問題、あるいはまた油水分離機にいたしましても、まだまだ技術開発に問題があるような点がございまして、その国内法を国会に御提出申し上げて御審議願うのには、そういう施設が、直ちにではございませんけれども、しかし、いまのような問題点を解決する上にまだいろいろ問題点があるような段階でもございましたので、結局その法案も廃案ということになりまして、いろいろその後のその整備のほうに何とか早く、各省庁とも調整をとりたいということで打ち合わせをしてまいったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/67
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068・北條雋八
○北條雋八君 私、どうもまだわからないのだけれども、これは国内法さえつくればすぐ発効になって、五十海里の規定を受けて、そしていまのような油を流すような被害がなくなるということにはならないのですか、やっぱり設備がなければ、その国内法ができてそれを発効しても効果がないということになるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/68
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069・中野大
○説明員(中野大君) 条約のほうで、もし批准ということになりますと、政府が国際上の義務を負うわけでございます。したがいまして、先生のお話しのように、五十海里以上投棄してはならないということになるわけでございますけれども、いま条文によりますと、たとえば八条でございますと、三年目に適当な受け入れ施設の設置を確保しなければならない、それで、そういう施設がない港に航行する場合には適用しないというふうに、条文によって若干、いろいろ違ったところもございます、が、しかし、すぐもう捨ててはならないという適用を受ける、タンカーあたりはそうでございますが、船舶もございまして、それについての条約を順守できる態勢をつくるように国内法の整備をしなければならないという点を勘案しつつ、国内法の検討を進めてまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/69
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070・北條雋八
○北條雋八君 そうすると、施設をしなければならないということに縛られて、国内法を立案しても廃案になってしまった、結局お金の問題ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/70
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071・中野大
○説明員(中野大君) もちろん施設を整備しなければならないことになるわけでございますが、その設備を設置する義務を負う人はだれであるのかというのが、やはり国内法を整備するときに問題になるわけでございます。そういう施設をつくりますところは、いわゆる石油の積み出し港とか、あるいは造船所のあります港湾とか、あるいは一般の港湾に廃油の受け入れ処理施設をつくらなければならないわけでございますが、その施設をつくる義務を負う人はだれであるのか、また、いま先生のお尋ねのように、その施設をつくります際に相当な経費が要るわけでございます。その所要経費をどこで分担するのかという点ももちろん問題点として検討しなければならない、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/71
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072・北條雋八
○北條雋八君 それでは伺いますけれども、陸上の廃油の処理場ですか処理施設、また船に備えつける分離機ですか、一体どのくらいかかるのですか経費は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/72
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073・中野大
○説明員(中野大君) これから私どものほうもいろいろな調査をいたしまして、要綱その他法案の整備を進めてまいりたいと思いますが、前に調べましたときに、処理施設は約一基二億円かかる。むろんこれには用地費を含めておりませんが、処理いたします場所といたしましては、相当な用地を確保しなければならない。約二千坪くらいも必要であろうかというふうにも考えられますので、そういった用地を入れますと、一基約三億円くらいあるいは必要であろうというように考えております。また、油水分離機でございますが、これは性能によりましていろいろ種類もございまして、外国製品——大型船に備えつけておりますもので、前に聞きましたのでは百五十万円くらいというふうに一応考えてございますが、これも先ほど申し上げましたように、軽量化、小型化あるいはまた高性能化いたしますればもう少し単価も下がりまして、場合によっては五十万くらいでできるものもあるんじゃないかというふうに一応私ども聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/73
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074・北條雋八
○北條雋八君 そうしますと、差しあたりそれをつくる個所は、日本でいいますと何カ所くらいになりますか陸上の設備は。大体でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/74
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075・中野大
○説明員(中野大君) 一応八月くらいまでに要綱をつくりまして、概算要求その他の請求も私どもしたいと思っておりますが、それをいたしますのに、いまのお尋ねの全体計画が必要でございます。いまのところまだそういった計画まで推進されておりませんので、全国で何カ所ということは、いまはっきり申し上げられない段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/75
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076・北條雋八
○北條雋八君 大体でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/76
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077・中野大
○説明員(中野大君) もし三十カ所つくれば九十億円事業費として要るわけでございます。九十億から百億ということになるわけでございますが、何カ所何基ということは、これから検討を進めまして、また、それも御要望のところもいろいろございますので、そういった関係の省庁と打ち合せまして計画を樹立いたしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/77
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078・北條雋八
○北條雋八君 結局は、そうすると、そういう予算措置といいますか、そういうような点だと思うのですね。三十カ所だと、いま言われるように九十億ですか、それから船も結局五千隻につけるとすれば二十五億ですか、九十億と二十五億ですね。むろんそのくらいはかかると思いますけれども、一方、これがために受ける沿岸の漁業の損害というものは、そんなものじゃかえられないくらいばく大な被害をこうむっているし、これは単に漁業ばかりでなしに、先ほども言ったとおり、海水浴場だってリクリエーションにならない、かえってよごれてしまう。また、観光などにも非常に影響を及ぼす。そういう国損に比べますと問題にならないので、百億や二百億にはかえられない国損になるのですから、これはもう即急にやるべきものだと、私はとうから思っておったのです。そうすると、現在の見込みとすると、これから法案をつくって、大体いつごろそれはできるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/78
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079・中野大
○説明員(中野大君) 海水汚濁防止につきましては、もちろんいま先生お話しのように、水産資源の保護、公衆衛生の保護あるいは自然景観の保護、また船舶航行の安全にもつながるものでございますので、早急に国内法の整備検討を、批准のほうに検討してまいりたいと思いますが、そのための処理方針というものを運輸省と協議していただきまして、その方針に従って進めてまいりたいと思います。八月末までに国内法の要綱を策定いたしまして、それにつきまして先ほど申し上げましたような、概算要求をいたしますのが八月末でございます。要綱をつくりますと同時に、各省庁と打ち合わせをいたしまして、どのくらいの経費が要るかという所要経費を推計いたしたいと思っております。なお、その後引き続きまして、さらに各省庁と調整をはかりまして、次の通常国会を目途に法律案を提出するように案を策定したいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/79
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080・北條雋八
○北條雋八君 これは来年度の予算には全然関係はありませんか。このことについての調査その他の費用ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/80
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081・中野大
○説明員(中野大君) 船舶による海水の汚濁防止の関係では、四十一年度予算には全然いまのところ関係がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/81
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082・梶原茂嘉
○梶原茂嘉君 関連して。
水質汚濁の問題がずっと延びたけれども、戦争前にもいろいろそういう問題があったのですが、当時の理由として言われたことは、港の設備じゃなくて、日本の中小船主ですね、多数の中小船主の負担が増すからなかなかこれは実行困難だということが言われておったと思いますが、運輸省のほうの見通しでは、そういう面の問題はそう心配はない、私は、港のほうは御承知のように、相当大規模の港湾の、公共関係の事業として国の負担で相当できると思います。多数の中小船舶の船主の負担がふえるので、そういう点については問題のない見通しなのかどうか、それだけ一つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/82
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083・中野大
○説明員(中野大君) 中小船主、いわゆる小型のタンカーあるいは一般船でございますが、先ほどの油水分離機をつけるといたしますと、やはりそれだけ経費の負担というものがございます。また、処理をいたしますのにやはり運航の不能率という点も出まして、相当やはり経費としては経済上負担があるわけですが、かっては、あるいはそういった点でいろいろ問題がございましたけれども、こういう公害が大きな問題になりまして、ただ中小船主の経済だげの問題では済まされない、こういうふうな理解を持っていただいて、私どももまたそういうふうな見通しと同時に、なおそれに対するいろいろな助成も何か考えて進まなければならないのじゃないか、こういった点も検討いたしまして、必要なら予算も要求するように織り込みまして、それを乗り越えて、今度は公害防止の見地からまいりたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/83
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084・北條雋八
○北條雋八君 責任がどこにあるかとか、その費用の負担をどこにするとかというようなことは私は問題じゃないと思います。当然これは国がやるべきことでありまして、水産資源の保護あるいはまた社会の環境の開発ということからいっても、当然これは国家事業なんですから、そういう点をよく考えて、一刻も早く水産国の日本であるし、また風光明媚な日本であるし、かたがた、いずれの点から見ましても、一刻も早くこれを批准をして、そして沿岸漁業の被害を少しも早く防除するということに御努力願いたいと、これ大臣にひとつ御伝言を願っておきます。
これで私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/84
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085・中野大
○説明員(中野大君) ただいまの点は、大臣も積極的でございまして、先週の金曜日の閣議のときでも、排気ガス等の関連でやろうということで御発言もなされまして、大臣も私どもに進んでやるというふうに御指示をいただいてございます。その指示に従いまして、私ども努力してまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/85
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086・山崎斉
○委員長(山崎斉君) 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115007X01319660330/86
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087・山崎斉
○委員長(山崎斉君) 速記を起こして。
本件についての質疑は、本日はこの程度にとどめ、散会いたします。
午後三時十一分散会
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