1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年二月十五日(火曜日)
午前十時四十三分開会
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委員の異動
十二月二十七日
辞任 補欠選任
中上川アキ君 鈴木 万平君
十二月二十八日
辞任 補欠選任
鈴木 万平君 中上川アキ君
一月十八日
辞任 補欠選任
北畠 教真君 大谷 贇雄君
一月二十四日
辞任 補欠選任
大谷 贇雄君 北畠 教真君
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委員長の異動
一月二十八日山下春江君委員長辞任につき、そ
の補欠として二木謙吾君を議院において委員長
に選任した。
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出席者は左のとおり。
委員長 二木 謙吾君
理 事
久保 勘一君
千葉千代世君
松永 忠二君
委 員
楠 正俊君
近藤 鶴代君
玉置 和郎君
内藤誉三郎君
中上川アキ君
山下 春江君
吉江 勝保君
秋山 長造君
小野 明君
小林 武君
鈴木 力君
辻 武寿君
林 塩君
国務大臣
文 部 大 臣 中村 梅吉君
政府委員
文部政務次官 中野 文門君
文部大臣官房長 安嶋 彌君
文部大臣官房会
計課長 岩間英太郎君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
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本日の会議に付した案件
○理事の補欠互選の件
○教育、文化及び学術に関する調査
(昭和四十一年度文部省の施策及び予算に関す
る件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/0
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001・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) ただいまより文教委員会を開会いたします。
一言ごあいさつを申し上げます。
私、不肖の身をもちまして、皆さま方の御懇情また御推挽によりまして委員長の重責を汚すことになりました。もとより浅学非才、未熟な者でございまするが、皆さま方の御指導なり御支援、御協力によりまして責務を全ういたしたい、かように考えておるものでございます。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。(拍手)
前委員長山下春江君より発言を求められております。山下春江君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/1
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002・山下春江
○山下春江君 たいへん機を逸しまして、おそくなりまして恐縮でございますが、私、委員長在任中は、与野党とも非常な御協力をいただきまして、おかげをもちまして四十一年度予算には皆さま方の熱意あふれる僻地の問題等も政府の御協力を得まして予算化することができました。ひとえに与野党の皆さま方の御好意ある御支持、御支援あったたまものと存じます。全く非才な私でありますにもかかわりませず、委員長在任中はほんとうに気持ちよく愉快な一年を過ごさしていただきました。たいへんおそくなりまして恐縮でございますが、厚く御礼申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/2
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003・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 理事の補欠互選についておはかりをいたします。
去る一月十八日、理事北畠教真君が委員を辞任され、これに伴い理事に欠員が生じましたので、その補欠互選を行ないたいと存じます。
互選は、投票の方法によらないで、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/3
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004・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、理事に北畠教真君を指名いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/4
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005・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 教育、文化及び学術に関する調査中、昭和四十一年度の文部省の施策及び予算に関する件を議題にいたします。
まず、文部大臣の説明を求めます。中村文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/5
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006・中村梅吉
○国務大臣(中村梅吉君) 委員長はじめ委員の各位にどうぞよろしくお願いを申し上げます。たいへんごやっかいになります。
第五十一国会において、文教各般の問題について、これから御審議をいただくにあたり、文教行政に関する所信の一端をこの際申し述べたいと存じます。
国家、民族の興隆のために教育が最も重要な要素であることは申すまでもございません。したがって、発展途上の国はもとより、高度の発達を遂げている先進国におきましても、非常な熱意をもって教育の改善充実が行なわれておりますことは御承知のとおりであります。わが国においても、二十一世紀に連なる新しい世代が、日々成長しつつあることを考えますときに、広く未来を展望し、輝かしい理想を求めて、教育の振興につとめなければならないものと考えます。もっとも、文教の施策は、長期的な視野に立って着実に推進すべきものでありますから、ことさらに新しきを求めず、年来の施策をじみちに発展させつつ、国民の期待と要望にこたえたいと存じます。
第一に、教育の振興と普及の問題に触れてみたいと思います。教育の問題は、学校教育と社会教育の問題に分かれますが、義務教育及び後期中等教育に関しましては、小・中学校の教育課程の充実改善に重点を置きますとともに、教育の格差是正に意を注いでまいりたいと思います。そのため、道徳教育、理科教育、産業教育の充実、体育の振興、学校給食の普及充実を行ない、知育、徳育、体育の調和をとりつつ、健全な青少年の育成を期してまいるとともに、僻地教育の振興、特殊教育の振興、勤労青少年教育の充実等に努力してまいりたいと存じます。後期中等教育の拡充整備につきましては、すべての青少年に、能力、進路に応じた教育の機会を与え、また、社会的要請にもこたえる目的のもとに、目下、中央教育審議会の審議検討を願っておりますが、その答申をまって具体化につとめたいと存じております。また、幼児教育についても、家庭教育と並んでその充実発展につとめたいと考えております。
高等教育に関しましては、大学志願者が急増しているという客観的事実の中で、社会的需要の趨勢と大学教育の質の向上を念頭に置いて、地方大学の充実に力点を置きつつ、その質量両面にわたる充実をはかるべきものと考えております。なお、育英奨学の充実にも一そう意を用いる所存であります。また、私立学校が特に高等教育の領域において占める重要性にもかんがみまして、私学振興方策を確立するため、臨時私立学校振興方策調査会において調査審議をわずらわしておりますことは、御承知のとおりでございます。
社会教育については、青少年教育の充実、スポーツの普及、家庭教育、婦人教育の振興が重要なことと存じます。また、青少年向け優良映画の製作の奨励普及や留守家庭の児童の健全化対策にも努力したいと考えております。なお、教育問題全般を通じて、施設設備の充実並びに教職員または指導者の資質の向上、数の充実及びその待遇の改善につきましては特に留意するつもりでございます。
第二に、学術の振興について申し述べます。最近における科学技術の進歩は、まことに目ざましいものがあり、その成果いかんが国家社会の発展にきわめて大きな影響を持つことにかんがみまして、大学及び研究所の整備充実をはかりますとともに、重要基礎研究の推進等、学術の振興に格段の努力をいたしたいと考えております。
第三に、文化の振興と普及について申し述べます。教育、学術と並んで文化の振興と普及をはかることは文教施策の要点であります。文化行政は、歴史と伝統を尊重しつつ、その創造を援助し、さらにその普及をはかることが本来の仕事であると存じます。この面では、従前に引き続き、すぐれた文化財を保存、活用いたしますとともに、文化の振興と普及をはかり、特にその国際的交流に努力し、国民の資質の向上につとめ、かつ、国際親善のために貢献したいと思います。文部省といたしましては、文化局を設け、また特殊法人国立劇場を新設することになりましたのも、このような趣旨に基づくものでございます。
最後に、申すまでもないことでありますが、文教施策の推進は、ひとり文教行政当局だけでよくなし得るものではございませんで、国民全體の理解と協力にまつところがきわめて大きいものと考えます。したがいまして文教委員の皆さま方の一そうの御協力を賜わりたいと思う次第でございます。
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次に、引き続きましてお許しをいただいて、昭和四十一年度文部省所管の予算案につきましてその概要を御説明申し上げたいと思います。
まず、文部省所管の一般会計予算額は五千八十七億六千七百十八万八千円、国立学校特別会計の予算額は千九百五十三億六千四百三十八万九千円でありまして、その純計は五千四百二十六億五千百七十八万六千円と相なっております。この純計額を前年度当初予算と比較いたしますと、およそ六百二十六億円の増額となり、その増加率は二二%になるわけでありますが、義務教育費国庫負担金の給与費を除いた一般会計予算額の増加率は一七・五%となっております。
以下、昭和四十一年度の予算案におきまして、特に重点として取り上げました施策について御説明申し上げたいと思います。
まず第一は、初等中等教育の改善充実であります。初等中等教育の改善充実につきましては、かねてから努力を重ねてまいったところでありますが、来年度は特に恵まれない境遇にある児童生徒の教育対策に留意し、僻地教育及び特殊教育の振興、要保護・準要保護児童生徒の就学援助につとめましたほか、引き続き教科書の無償給与を推進し、学校給食の普及充実を進め、また、公立義務教育諸学校の学級編制及び教職員定数を改善し、施設設備を整備する等の施策を進めることといたした次第であります。そのうち、僻地教育の振興につきましては、まず、小規模学校の教員の充実とその待遇の改善を行ない、教員宿舎を整備する等、僻地勤務教員の優遇措置について配慮いたしますとともに、僻地の教育環境の改善のため、引き続き、各種の施設、設備の充実をはかりましたほか、学校ぶろ、ジープの設置、薬剤師の派遣、高度僻地学校の児童生徒に対するパン、ミルク給食の全額補助等の新しい試みを加えて、総合的、かつ重点的に施策を推進することといたしたわけであります。
次に、特殊教育につきましては、養護学校及び特殊学級の計画的な普及と就学奨励費の内容の改善のため必要な経費を増額いたしますとともに、社会生活への適応性を一そう助長するため、職業教育の充実をはかり、また、教育効果の向上に資するために新たに視聴覚教材の利用、研究指定校の設置等を行なうことといたしております。
次に、要保護・準要保護児童生徒の就学援助につきましては、学用品の単価の級地差の解消をはじめ、それぞれの品目について補助単価の改訂を行なうことにいたしております。
次に、父兄負担の軽減をはかる趣旨から、小規模小学校の教材の充実を含めて教材費の増額をはかりますとともに、国、公、私立学校を通じて、中学校及び特殊教育諸学校の中学部の第一学年までの児童、生徒に対して教科書の無償給与の措置を拡大することにいたした次第であります。
次に、学級編制及び教職員定数の充足につきましては、学級編制の基準を、原則として小・中学校いずれも最高四十七人に改めますとともに、単級、四・五学年複式学級への教職員定数の増、特殊学級の増設、充て指導主事の充実等のための増員をはかり、また、給与の改善につきましては、多学年学級担当手当、旅費の増額等を行なうことにいたしました。なお、教職員に関係のある事項といたしましては、その勤務の実態等に関する調査に必要な経費を計上いたしまして、四十一年度にその実態調査を行ないたいと思います。
次に、公立文教施設につきましては、引き続き既定計画の線に沿ってその整備を進めてまいりたいと考えまして、公立文教施設整備費二百五十億円を計上いたしておる次第であります。そのうち、木造建物を中心とする建築単価の引き上げ及び構造比率の改善は、地方団体の超過負担の解消という観点から特に配慮を加えた点でございます。また、屋内運動場につきましては基準の改訂を行ないまして、体育の円滑な実施に支障のないように配慮を進めてまいりたいと思います。
このほか、前年度に引き続き、教育課程の改善、道徳教育及び生徒指導の充実並びに教職員の研修及び研究活動の推進に必要な諸経費を計上いたしております。また、幼児教育の重要性にかんがみまして、父兄の要望にこたえて、引き続き幼稚園の普及整備のために必要な助成を前進いたしますとともに、所要の教員を確保するため、公、私立大学及び短期大学の教員養成課程に対する設備の補助を行なうことにいたしております。
第二は、大学教育の拡充であります。国立学校特別会計予算につきましては、前年度の当初予算額と比較して二百七十八億円の増額を行ない、約千九百五十四億円を計上いたしました。その歳入予定額は、一般会計からの繰り入れ千六百十五億円、借り入れ金二十億円、付属病院収入二百二十億円、授業料及び検定料五十二億円、学校財産処分収入二十二億円、その他雑収入二十三億円であります。歳出予定額の内訳は、国立学校運営費千五百二十二億円、施設整備費四百二十億円などと相なっております。
国立大学の拡充整備につきましては、まず、大学入学志願者の急激な増加を予想いたしまして、大学及び短期大学の入学定員の増加をはかり、後述の小学校教員養成課程の増募三百八十人を別にして、なお四千五百九十二人の増募を行なうことにいたした次第であります。このため、大学について一大学の創設、公立一農科大学の国立移管を含む二学部の開設、四文理学部の改組、二十五学科の新設及び二十四学科の拡充を行ない、短期大学について六学科を新設することにいたしました。また、教員養成学部の整備につきましては、教育職員養成審議会の建議に基づき、その教員組織の整備を行ないますとともに、養護教諭養成所及び養護学校教員養成課程、幼稚園教員養成課程等の新設、一部小学校教員養成課程の学生増募など、当面必要な教員の養成に力を注ぐことにいたしております。このほか、中堅技術者の育成のため十二の工業高等専門学校に学科を新設する予定であります。
次に、教官当たり積算校費、学生当たり積算校費、設備費等、各大学共通の基準的経費につきましても、引き続きその増額をはかっておりますが、とりわけ設備の充実に留意し、指定図書購入費、理工系学部設備費、工学部第二部設備費等の新規の予算を計上いたしております。また、新制大学における大学院修士課程の拡充、付属病院、付置研究所の整備につきましても特段の配慮をいたしております。
次に、施設の整備につきましては、財政投融資資金及び不用財産の処分収入を財源の一部に含めて予算額を大幅に増額いたし、一段とその整備の促進をはかることといたしておりますが、なお、施設整備の円滑な実施をはかるため、後年度分について百八十八億円の国庫債務負担行為を行なうことができるようにいたしております。
次に、育英奨学につきましては、大学院奨学生及び教育特別奨学生の増員を中心として引き続き事業の拡充につとめ、また、日本育英会につきましても奨学金の返還業務の促進等に要する経費を補助する等により、全体で約十六億円を増額いたしております。
第三は、私学振興の拡大であります。私立学校の振興は、今後の文教政策の重要な課題であり、その基本的な助成方策につきましては、なお慎重に検討中でありますが、現下の状況等にかんがみまして、明年度の予算案におきましても特に重点として取り上げたことの一つであります。まず、私立学校振興会に対する政府出資金及び財政投融資資金からの融資につきましては、合わせて二百二億円といたしまして、大体前年度の二倍に拡大し、私学全般の施設の改善充実等に充てることといたしました。また、私立大学等理科特別助成費及び私立大学研究設備助成費につきましても、合わせて三十七億円を計上し、その他、私立学校教職員共済組合に対する補助金の増額、私立大学幼稚園教員養成課程に対する設備費の補助の新設等の施策を講じております。
第四は、学術研究及び科学技術教育の振興について申し上げます。わが国の学問及び科学技術の水準を高め、ひいては国民生活の向上に寄与いたしますため、学術研究及び科学技術教育の振興につきましては、引き続き努力を続けておるところであります。明年度の予算につきましては、まず、学術研究について、科学研究費の拡充を行ない、特にガン特別研究費を別項目として、その増額をはかっておりますほか、引き続き研究所の新設、整備を行ない、また、ロケット観測、南極地域観測及び巨大加速器の基礎研究等につきましても、それぞれ目的に応じて必要な経費を計上いたしました。なお、在外研究員の派遣のための経費は、一般会計から国立学校特別会計に組みかえて増額計上いたしております。
次に、初等中等教育の分野におきましては、理科教育設備及び産業教育の施設設備の充実につきまして、あらためて、新基準による計画的な改善充実を行なうことといたしましたほか、引き続き自営者養成のための農業高等学校の整備をはかり、また、新たに高等学校の衛生看護科教育に対し設備費の補助を行なうことにいたしております。第五は、青少年の健全育成であります。青少年の教育問題は、近時ますますその重要性を加えており、これに対処するためには、学校教育及び社会教育の両面にわたって深く意を用いるべきところであると存じます。まず、家庭教育、婦人教育につきましては、引き続き家庭教育学級、婦人学級等の充実発展をはかってまいりますとともに、家庭的環境に恵まれない留守家庭の児童に対する対策として、新たに、留守家庭児童会の育成事業のための補助を行なうことにいたしたわけであります。また、勤労青少年の教育のため、学校教育の面におきましては引き続き新基準により定時制高等学校の設備の充実につとめますとともに、通信教育用学習書の給与につきましてその対象となる生徒の範囲を拡大し、また、夜間定時制高等学校につきまして、夜食費補助及び運動場照明施設整備費補助等を増額計上いたしております。
次に、社会教育の面におきましては、勤労青少年に宿泊による研修、訓練の場を与えるために、国立第五青年の家を新設いたしますとともに、公立青年の家につきましても、弾力的にその整備を進めることといたしております。さらに、青年学級及び勤労青年学校の内容の充実、新就職者の研修の実施のほか、新たに青年教室の委嘱も行なうことにいたしました。また、青少年の団体活動を一そう促進するため、青少年団体等の育成もはかりたいと考えております。このほか、青少年に対する映画の影響力にかんがみ、積極的に優良映画の普及をはかるとともにその製作の奨励を促進する措置を講ずることといたしました。また、社会教育の施設につきまして、公民館、図書館、博物館等の施設、設備の整備を一そう推進いたしますとともに、引き続き適切な指導者の養成に意を用いてまいりたいと思います。
次に、スポーツの普及につきましては、広く青少年一般にスポーツを普及奨励し、その体力の向上をはかってまいりますため、水泳プール、体育館、運動場及び公立高等学校の柔剣道場等の整備を促進し、また、スポーツテストの普及、スポーツ教室等の実施、スポーツ団体・行事の助成、指導者養成等について引き続き必要な経費を計上いたしております。このほか、国立登山センター及びオリンピック記念青少年センターについて建物の整備を行ない、明年行なわれる予定のユニバーシアード東京大会についてその準備をすすめ、さらに、都市の勤労青少年のスポーツ施設の不足を補なうために学校体育施設の開放を行なうなど、それぞれ必要な予算を新たに計上いたしております。
次に、学校給食の普及充実につきましては、完全給食の実施を目途として、引き続き単独校及び共同調理場の給食施設、設備の充実をはかり、また、栄養職員の設置を共同調理場のみならず単独校にも広げる等の施策を行なっております。また、小麦粉につきましては、従来のとおり補助を継続することにいたしますとともに、ミルク給食につきましても、国内産牛乳の使用をさらに増加することとして所要の補助金を計上いたしております。なお、前述いたしました高度僻地学校児童生徒のパン、ミルク給食費補助のほか、高度の僻地及び産炭地の財政力の弱い市町村に対しましては、引き続き予算措置について特別の配慮を加えることにいたしております。
第六は、芸術文化の振興であります。すぐれた芸術を広く国民に普及し、また、わが国の伝統的な文化財を保存いたしますことは、国民生活の向上の上からもきわめて必要なことであります。まず、国立近代美術館につきましては、その移転整備を行なうために必要な予算を計上し、また、芸術団体に対する助成のほか、歌舞伎、文楽等のすぐれたわが国の伝統芸術の保存とその振興をはかるため国立劇場の設立を行ない、さらに国立博物館の整備を進めることといたしております。
次に、文化財保護事業につきましては、文化財の修理、防災施設の整備等を一そう充実いたしますとともに、最近、国土開発の急速な進展に伴ってその必要性を痛感されております史跡、埋蔵文化財等の保護につきましては特段の配慮を加えております。また、平城宮趾の買い上げ及び発掘調査、無形文化財の保存活用等につきましても、引き続き必要な予算を計上いたしました。
第七は、教育、学術、文化の国際交流の推進であります。まず、外国人留学生教育につきましては、国費外国人留学生の人員を増加いたしますとともに、その受け入れ体制の強化をはかり、また、国際学術文化の交流を促進するため、引き続き教授、研究者の交流を推進いたしますとともに、教育、学術、文化、スポーツ等、各種の国際会議への積極的な参加を行なうことといたしました。なお、最近、特にアジア、アフリカ諸国に対する教育協力の要請が高まってまいりましたおりから、新たに教育指導者の招致、教育指導者研修コースの開設、理科設備の供与及び指導者の派遣等を行なうため新しい試みとしての経費を計上いたしております。さらに、ユネスコ国際協力につきましては、発足二十周年を迎えて、国際理解促進のための特例事業の実施、国際大学院コースの継続等、一段とその事業の推進をはかることといたした次第であります。
以上のほか、文部省の機構につきましては、調査局を廃止し、新たに文化行政の一体的推進のため文化局を設置することといたしたわけであります。その他、沖縄の教育に対する協力援助費につきましては、これを画期的に拡充し、別途総理府所管として計上いたしております。
以上、文部省所管予算案につきまして、その概要を御説明申し上げた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/6
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007・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 次に、会計課長の補足説明を求めます。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/7
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008・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 速記をつけて。
岩間会計課長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/8
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009・岩間英太郎
○政府委員(岩間英太郎君) お手元にお配りしてございます事項別表に従いまして大臣の説明を補足して御説明申し上げます。
まず、初等・中等教育の改善充実でございますが、その第一は、僻地教育の振興でございます。大臣から御説明いたしましたように、比較的きめのこまかい改善をはかっております。すなわち、多学年学級担当手当の大幅な増額、単級、四、五学年複式学級の教員定数の増員をはかっておりますほか、設備につきましては、新たにジープ五台を加えましてスクールバス、ボート四台、シート式磁気録音機二百六十六台の増加をはかっております。また、寄宿舎居住費につきましては、冬期等、季節的に開かれる寄宿舎を対象に加え、教員宿舎の建築につきましては百戸を増加し、また、僻地の健康管理のため、新たに百校分の学校ぶろを設置するとともに、二千校に薬剤師を派遣することにいたしております。さらに、三級地以上の高度の僻地に所在する学校の十四万人の児童生徒に対しまして、パン、ミルクの給食を全員に供与するため、国が市町村にパン及びミルクの給食費の全額補助を行なうことにいたしました。このような全額補助の制度は、文部省としては初めてのことでございます。その他、高校寄宿舎の建築、僻地集合室等の新増築につきましても補助金の増額をはかっております。
次は、特殊教育の振興でございます。まず、既定計画に従いまして、養護学校十六校及び特殊学級一千学級の増設をはかっておりますほか、新たに重複障害児のための設備を補助することとし、また、特殊教育諸学校を卒業した者ができる限り順調に社会生活に溶け込むことができますように、職業教育の設備に対する補助を大幅に増額いたしました。さらに、就学奨励費につきましては、その内容の充実をはかるとともに、新たに高等部専攻科の寄宿舎居住費をその対象に加えております。その他、新しい試みといたしましては、視聴覚教材の製作、研究指定校の設置等を行なうことにいたしております。
次は、就学援助の強化であります。まず、要保護、準要保護児童生徒の就学援助につきましては、その対象はそれぞれ全児童生徒の三%及び七%と変わりませんが、児童生徒数の減少等により若干金額の下回っているものもございます。しかし、内容につきましては、学用品費の級地差撤廃、修学旅行費の単価増などの改善が行なわれております。また、夜間の定時制高校の就学援助につきましては、引き続き給食施設の整備と夜食費の単価の引き上げを行なっております。
次は、父兄負担の軽減の関係でございます。まず、教材費につきましては、一〇%の単価の引き上げを行ないましたほか、小学校の小規模学校について単価の補正増をいたしております。また、高等学校の視聴覚教材の整備につきましては一千万円を増額いたしております。
次に、教科書無償につきましては、約三十一億円増の九十一億円を計上いたしておりますが、これは、昭和四十一年度の小学校一年から六年までの児童の後期用及び転学用の教科書と昭和四十二年度の小学校一年から中学校一年までの児童生徒の前期用教科書の清算分を除いた購入費並びに教科書購入価格の昭和四十一年度分からの引き上げに必要な経費などであります。
次の教職員の研修の充実につきましては特に御説明することはありません。
次は、学級規模の適正化と教職員の充足の推進でございます。来年度は約五十七万人の児童生徒数の減少が見込まれておりますので、学級編制の基準を最高四十七人に引き下げる等、標準法の実施のための増員を見込みましても、なおかつ、三千五百五十一人の減が見込まれるのでありますが、反面、特殊学級一千学級の増設に伴う千三百二十六人の教員増、養護教諭及び事務職員千三百八十九人の増、充て指導主事二百人の増、単級、四、五学年複式学級の定員増その他の六百十六人の増員を差し引いて計算いたしますと、全体で二十人の減となるわけであります。また、給与の改善につきましては、給与改訂、昇給のほか、旅費の単価を一般県千円、政令県二百円引き上げますとともに、多学年学級担当手当を五〇%引き上げております。
次の教育課程及び教科書の改善につきましては、教育課程研究指定校、教科書内容の研究推進校の指定、教師用指導書の内容改善等について予算の増額を行ないました。また、道徳教育及び生徒指導の推進につきましては、おおむね前年度の方針に基づいて予算を計上いたしておりますが、生徒指導につきましては、府県の講習会の開催に必要な経費を新たに計上いたしました。
次は、幼稚園教育の推進でありますが、引き続き計画的に幼稚園の新増設をはかるため、百二十園の新設と七十六学級の学級増に必要な施設設備費の補助を行なうことといたしましたほか、公、私立の幼稚園教員養成課程の設備費に対する補助を行ない、あわせて教員養成の充実をはかることといたしました。
次は、公立文教施設の整備でございます。来年度は第二次五カ年計画の第三年次目に当たるわけでございますので、基本的には既定計画に従って整備が進められるわけでありますが、改善を加えたおもな点を申し上げますと、まず、事業量について平均一〇%の改善を行ない、また、建築単価について鉄筋四・一%、鉄骨四・五%、木造一〇%の引き上げを行ない、構造比率についても平均五%の改善を行なって、地方団体の超過負担の解消に資することといたしております。なお、屋内運動場につきましては、従来の児童生徒数単位から学級数単位に基準を改め、平均四〇%程度の事業量の拡大をはかることといたしております。
次の教育研究団体の助成等はほぼ前年どおりでありますが、その次の教職員の勤務に関する実態調査及び公立学校の勤務時間外における管理状況等の実態調査は、従来から懸案のものを実施するものであります。
第二は、国立学校の拡充整備であります。まず、国立学校につきましては、特別会計制度が設けられておりますが、その歳入予算の内訳はただいま大臣からお話のあったとおりでございまして、付属病院収入の伸びを実態に合わせて縮小したこと、入学検定料を引き上げたこと、授業料は据え置きとしたことなどが目立った点でございます。次に、歳出につきましては、学生当たり積算校費について大学院二〇%、その他一〇%の増額を行ない、教官当たり積算校費につきましては一〇%の増額をはかっております。
次に、学生入学定員の増加は、大学で四千二百七十二人、短大で三百二十人、合計四千五百九十二人でありますが、このほか、養護教諭養成所の新設により百二十人、社会増の多い地域の大学の小学校教員養成課程の増員が三百八十人でございます。具体的な内容といたしましては、北見工業大学の創設、神戸農科大学の移管による農学部の設置、長崎大学工学部の新設、信州、島根、山口、佐賀の各大学の文理学部の改組及び二十五学科の新設、二十四学科の拡充改組、千百八十七人の学生増募、夜間の六短大の学科新設等があります。
次に、大学院につきましては、引き続き理学、工学、農学の分野につきまして修士課程を設けますとともに、新たに経済学、外国語学、教員養成等の分野で充実された学部を選んで修士課程を設けております。
次に、大学付属病院につきましては、引き続き十四診療科の新設、五百五十二ベッドの増設のほか、診療要員の不足を補うため五十二人の助手の充実をはかっております。また、付置研究所につきましては、医科歯科大学に医用器機研究所を、大阪大学に社会経済研究所を新設いたしましたほか、宇宙科学、原子力、防災科学、海洋研究等の推進のため研究所の整備充実をはかっております。なお、この中には科学衛星の試作のための経費を含めてロケット観測経費について二十七億円、海洋研究のための研究船建造費の二年次分として約六億五千万円、高エネルギー原子核研究のための巨大加速器の基礎研究費三億円が含まれることになっております。その他、中堅技術者の養成のため、三十七年度設置された工業高等専門学校につきましては、十二学科を増設いたしております。
次に、国立学校の施設整備につきましては、不動産購入費二十七億円を含めて約四百二十億円が計上され、本年度より約五十五億円の増額となっております。これは、国立学校の全体の予算の二〇%以上に当たり、数年前と比較いたしますと十倍以上の伸びを示しております。また、このほか国庫債務負担行為限度額が二百二十二億円認められており、そのうち四十二年度分は百八十八億円であります。
次は、公立大学及び短期大学の助成でありますが、引き続き理科設備の助成を一千万円増額いたしましたほか、新たに公立大学の研究設備に対しましても三千万円の補助を行なうことといたしました。
次は、育英奨学事業の拡充でございます。育英会への貸し付け金は約九十六億五千万円でありますが、このほか返還金からの充当が三十三億七千万円ほど見込まれますので、事業量の総額は約百三十五億円となるわけでございます。その内容について備考に内訳がございますが、特に重点を置きました点は、一般貸与につきましては大学院修士課程の奨学生の増員、特別貸与につきましては、一般の特別奨学生のほか、特に教育特別奨学生の採用を大幅に引き上げたことであります。なお、日本育英会及び学徒援護会に対しましては、引き続き給与改訂、事務能率の向上等をはかるため補助金を増額いたしております。また、能力開発研究所に対しましては、前年同額の調査研究費と新たに建物の建設のための経費を補助することにいたしております。
次は、私学振興の拡大であります。まず、私立学校振興会に対する政府出資金は二億円増の十二億円でありますが、このほか、財政投融資資金からの融資が九十億円増の百九十億円、自己調達資金が四十億円見込まれており、貸し付け資金の総額は二百四十二億円となっております。これによって明年度予定されております約二万六千三百人の学生の増募に伴う施設の拡充及び既設大学等の施設整備などにも遺憾なきを期しております。
次に、私立大学等理科特別助成及び私立大学研究設備助成につきましては、合計約六億円を増額し、理科設備及び研究設備の充実をはかることといたしました。
次の私立学校教職員共済組合補助につきましては、長期給付に要する費用について従来は百分の十五に相当する額を補助いたしておりましたものを百分の十六に引き上げております。
次に、本年度建物の補助をしております私立学校教育研修センターに対しましては、新たに研究事業及び理科設備に対する補助を行なうことにいたしました。また、幼稚園教員の確保とその質的向上をはかるため、新たに私立の大学及び短期大学の幼稚園教員養成課程の設備の充実に必要な補助金を計上いたしました。なお、臨時私立学校振興方策調査会につきましても、引き続きその運営に必要な経費を計上いたしております。
次は、学術研究及び科学技術教育の振興であります。まず、日本学術振興会に対する管理費及び日米科学協力研究事業費の補助につきましては、事業の円滑な実施に資するための管理費の補助を増額いたしましたほかは前年どおりであります。次に、科学研究費の拡充につきましては、ガン特別研究費を別に項目を立てて二二%増額いたしましたほか、科学研究費及び科学試験研究費を一〇%、研究成果刊行費を一九%増額しております。
次は、重要基礎研究の推進でありますが、先ほど御説明いたしました大学付置研究所の新設及び整備のほかに、国立教育研究所について新たに二室の拡充を行ない、また、建物を増築することにいたしております。また、ロケット観測及び巨大加速器の基礎研究につきましては、先ほど御説明いたしたとおりでございますが、南極地域観測事業につきましては、第八次南極地域観測のための諸経費約六億円を計上いたしております。なお、在外研究員派遣のための経費は、二十人分を増額して国立学校特別会計へ組みかえております。
次は、理科教育、産業教育の充実であります。まず、理科教育設備費の補助につきましては、あらためて理科教育審議会の答申を得て設備基準を改訂し、年次計画により整備するため初年度分として約十一億五千万円を計上いたしました。
次に、産業教育関係の施設設備の負担金及び補助金は、金額的には前年度と大差はございませんが、内容的にはかなりの変更がございます。すなわち、中堅技術者の増員計画及び農業近代化の促進計画がいづれも終了いたしました関係で、新設学科施設設備費及び高等学校農業近代化促進費補助金が大幅に減少し、その反面、新しい基準に基づいて施設設備を計画的に充実するため一般設備費について五億円増の二十三億円を計上し、また、一般施設について約十億円増の十五億円を計上いたしております。さらに、農業自営者の養成につきましては、府県の希望を勘案して、従来のA類型を七校から四校にいたしますとともに、新たにB類型三校を補助対象に加えました。なお、中学校の技術、家庭科の設備に対する補助を年次計画により引き続き増額計上いたしております。また、家庭科の設備につきましては、五百万円を増額して別途計上いたしました。
次は、青少年の健全育成であります。まず、家庭教育の振興につきましては、新たにいわゆる「かぎっ子」対策の一環として三百カ所の留守家庭児童会を設けることとし、これに対する補助金を計上いたしました。また、家庭教育学級につきましては、学級数を一万学級に増加いたしております。さらに、婦人教育の振興につきましては、婦人学級委嘱の単価を引き上げる等、引き続き内容の改善につとめております。
次は、勤労青少年教育の推進充実でございますが、まず、定時制通信教育の振興につきましては、新しい基準により二千万円を増額して定時制高校の設備の充実を行ない、また、夜間定時制高校の運動場照明施設の補助対象を七十五校から八十四校に引き上げ、給食施設を引き続き整備し、夜食費の単価を引き上げておりますほか、通信教育の振興のため、教科書、学習書の給与の範囲を三年次二十八単位以上の修得者から二年次十八単位以上の修得者にも拡大いたしました。
次に、社会教育関係につきましては、まず、青年の家について、第五青年の家を広島県江田島に新設するとともに、公立青年の家については新たに中型青年の家二カ所のほか、都市の勤労青少年のための青年教育センターを含め十三カ所の青年の家の整備を行なうことといたしました。また、引き続き青年学級、勤労青年学級の運営、新就職者研修等について補助いたしますとともに、新たに小規模の学習グループを育成するため青年教室の委嘱を行なうことといたしました。さらに、青少年団体の育成につきましては、特に子供会等の少年団体の育成に力を入れております。
次に、青少年向き優良映画等の製作奨励及び普及につきましては、従来の教育映画、録音教材の配布、早朝興行の実施のほか、新たにすぐれた教育映画の一般映画館上映に必要な経費を計上し、また、優良映画の製作を奨励するため最高一千万円の奨励金を交付することにいたしました。
次に、社会教育施設の整備につきましては、引き続き公民館、図書館、博物館、児童文化施設、同和地区集会所等の整備をはかっております。また、社会教育指導者の養成、社会教育団体の補助につきましても引き続き必要な経費を計上いたしました。
次は、スポーツの振興でございます。まず、スポーツ施設の整備につきましては、水泳プールの設置に対する補助を四百七十カ所から五百四十二カ所に拡充いたしましたほか、体育館、運動場、高等学校の柔剣道場等の整備を進めることにしております。このほか、国立競技場の整備、国立登山センターの建物の新営、冬期オリンピック施設の調査費等についても必要な予算を計上いたしました。また、青少年を中心として広く国民の体力の向上をはかるため、スポーツテストを普及奨励いたしますほか、新たにモデルとなる学校の体育施設の開放を助成して、都市の勤労青少年の体力の向上に資することといたしました。
次に、青少年の組織的なスポーツ活動を普及奨励するため、まず、国民体育大会に対する補助と一千万円増額いたしましたほか、新たに教員養成大学の学生スポーツ大会に補助を行ない、全国青年大会の経費等を増額いたしております。また、国際スポーツ交歓等につきましては、日本とドイツ等の青少年の交歓に対する補助のほか、新たにアジア競技大会派遣費補助、ユニバーシアード東京大会のための補助及び体育指導者の海外派遣に必要な補助金を計上いたしました。スポーツ団体の助成につきましては、引き続き日本体育協会、日本武道館等に対する助成を行なうことにいたしております。その他指導者の養成及びスポーツ教室等についても引き続き所要の措置を進めることとしております。なお、オリンピック記念青少年総合センターについては、青少年会館の新営費及び運営費等の補助のために必要な予算を計上いたしております。
次に、青少年の安全保健につきましては、安全会の掛け金を三十六円から五十八円に引き上げるために必要な経費を含めて日本学校安全会に対する補助金を増額し、また、引き続き教員の健康診断、学校環境衛生設備の整備に対する補助を継続いたしております。
次は、学校給食の普及充実でございます。まず、準要保護児童生徒に対する給食費の補助につきましては、単価の引上げのほか、引き続き僻地及び産炭地市町村に対する財政上の特別措置を行なっております。次に、給食施設設備につきましては、まず、従来とかく議論のありました施設の単価を大幅に改善し、また、共同調理場を首七十カ所増設することにいたしましたほか、生乳殺菌設備の充実をはかり、僻地貧困市町村に対しても財政上の特別措置を続けております。
次に、学校栄養職員の設置のための補助につきましては、新たに単独校にも栄養士を設置することとし、共同調理場分と合わせて三百二十人を増員することといたしました。その他、脱脂粉乳につきましても引き続き百グラム四円六十銭の補助を行ない、また、小麦粉の一円補助も継続することにいたしております。なお、生乳の使用につきましては、これを七十万石から百万石に増加することとして必要な経費を農林省予算に計上しております。
次の同和教育の振興につきましては、かねて要望されておりました高等学校への就学を奨励いたしますための月額千五百円の二分の一の補助を開始いたしましたほか、集会所の設置や事業費の補助も増額いたしました。
次は、芸術文化の振興でございます。まず、近代美術館の移転につきましては、本年度は調査費が認められておりますので、引き続き来年度は新築移転のための設計委託費等について三千万円を計上しております。また、芸術団体の助成は、日本近代文学館に対する建築費の補助一億円が減少いたしておりますので、全体の金額は減っておりますが、実質的には二千五百万円の増額となっております。次に、国立劇場の設立につきましては、本年度工事の大部分を完成いたしましたので、十一月の開場を目指して建設工事の仕上げ及び内部設備のための経費を計上いたしますとともに、本年四月発足予定の特殊法人国立劇場に対しましても、その運営費を補助することにいたしております。さらに、引き続き国立博物館等の整備を進めますための必要な予算を計上いたしました。
次は、文化財の保護でございます。まず、文化財の保存修理、防災施設の充実につきましては、引き続きこれらに必要な経費の増額をはかっておりますが、なかんずく史跡の買い上げと環境整備に重点を置いて合計約一億八千万円の補助金を計上いたしました。次に、平城宮跡の買い上げにつきましては買収計画の大部分を終了いたしましたので、来年度は予算が減少いたしましたが、引き続き買収を取り進めることとしております。また、発掘調査のほうは前年どおり一万七千五百坪を対象に調査を実施することにいたしております。なお、無形文化財の保存活用につきましても、引き続き伝承者の養成、記録の作成、資料の買い上げ等を継続することにいたしました。
次は、教育、学術、文化の国際交流の推進であります。まず、国費外国人留学生の招致につきましては、新規の受け入れ人員を二十人増員し、また、修士課程への留学を希望する者に対しましては留学期間の延長を認めることといたしました。なお、日本国際教育協会に対する補助金のうちには関西留学生会館の建設のための経費が含まれております。
次に、国際学術文化交流の促進につきましては、新たにアジア・アフリカ諸国への教育協力を取り上げ、そのうち五カ国から教育指導者を招致し、また、理科設備、視聴覚教材を供与するとともに理科教育の指導者を派遣してモデルスクールを開設することにいたしております。このほか、引き続き教授、研究者の交流を行ない、国際会議等へ出席いたしますため、必要な経費も計上いたしております。
次は、ユネスコ国際協力の推進でありますが、来年はユネスコ創立二十周年、わが国の加盟十五周年を迎えますので、ユネスコ関係団体に対する助成を強化し、引き続き国際会議の開催及び参加を行ない、また、国際大学院コースを継続いたしておりますほか、新たにユネスコの使命とわが国の役割について国民一般の理解を深めるための特別事業を推進し、また、アジア地域の教育発展への協力のため教育内容及び教育方法の改善に関する研修コースを開催することにいたしたのであります。
最後は、文部省機構の整備でございますが、この点につきましては大臣から御説明申し上げましたとおりでございます。
以上で補足説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/9
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010・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 以上で文部大臣並びに政府委員の説明は終了いたしました。
本件の調査はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X00319660215/10
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