1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年三月三十日(水曜日)
午後四時三十八分開会
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委員の異動
三月三十日
辞任 補欠選任
辻 武寿君 田代富士男君
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出席者は左のとおり。
委員長 二木 謙吾君
理 事
北畠 教真君
久保 勘一君
千葉千代世君
松永 忠二君
委 員
近藤 鶴代君
内藤誉三郎君
中上川アキ君
中村喜四郎君
山下 春江君
吉江 勝保君
秋山 長造君
小野 明君
鈴木 力君
田代富士男君
林 塩君
国務大臣
文 部 大 臣 中村 梅吉君
政府委員
文部政務次官 中野 文門君
文部大臣官房長 安嶋 彌君
文部省初等中等
教育局長 齋藤 正君
文部省大学学術
局長 杉江 清君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
説明員
文部省大学学術
局教職員養成課
長 安養寺重夫君
文部省体育局学
校保健課長 吉川 孔敏君
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本日の会議に付した案件
○国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出、衆議院送付)
○公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数
の標準等に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。本日、辻武寿君が委員を辞任され、その補欠として田代富士男君が選任されました。
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002・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のあるお方は御発言を願います。
なお、政府側より中村文部大臣、中野文部政務次官、斎藤初等中等教育局長、杉江大学学術局長が出席されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/2
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003・田代富士男
○田代富士男君 ただいま問題になっております国立養護教諭養成所設置法の一部改正案の中で、昭和四十年におきましては、すでに北海道の学芸大学、また岡山の岡山大学において設置されて、昭和四十一年度には青森、大阪、熊本の三カ所に養護教諭養成所を設置したい、かような計画がなされております。この計画も一貫いたしまして、五カ年計画の五千二百名の養護教諭を養成したいという目的に対した一環の対策じゃないかと思うわけなんです。ところが現在の状況を見てみますと、五カ年先の五千二百名という、このような目標にはほど遠いような感じがするわけなんです。であるならば、当初の目的に対してどうしてこういうふうに達成できない状態であるか、当委員会におきましても、さまざま皆様方において検討をされたことと思いますが、あらゆる角度から言えることでありますが、養護教諭というものは、職業の内容からして看護婦と相通ずる一面があるわけなんです。そこで、看護婦の志望者の状況、あるいは養護教諭の志望者の状況といろいろ考えていきますと、いずれにいたしましても、どちらも不足している状態であります。ところが同じ不足している状態にありましても、養護教諭のほうの志願者が少ない。そういうことは、一面から考えていくならば待遇の面にもあるんじゃないかということが考えられるわけなんです。そこで、一般の看護婦の初任給と、また養護教諭の初任給と違いがあるかどうか、その点を最初に御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/3
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004・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 大学を出まして、小学校または中学校の養護教諭になります者の初任給は、現在、教育職俸給表(三)の適用を受けまして二の四、二万三千円ということでございます。たまたま現在問題になっております三年制度の養護教諭養成所の卒業生または三年短大の卒業生で養護教諭になりました者の初任給を、同じ小中学校で申しますと二の二ということになりまして、二万二百円という形になります。他方看護婦は、やはり高等学校を卒業いたしまして、三年のスクーリングによって看護婦の免許資格が取得できるわけでございまして、その時点で比べますと、医療職の俸給表を受けまして、初任給が一万九千七百円という形になるわけでございます。初任給のところの比較を申し上げますと、ただいまのような形になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/4
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005・田代富士男
○田代富士男君 いま御説明のありました金額でまいりますと、養護教諭の初任給のほうが高いような数字が出ているわけなんですが、看護婦の初任給よりも高い。ところが養護婦の初任給が高いにもかかわらず、そういう志願者が少ないという、その根本原因というのはどこにあるんでしょうか。その点をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/5
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006・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 現在、養護教諭の資格をとりまして、資格を有する者のみが養護教諭に採用され得るという形になっており、教育職員免許法でその詳細が規定されておるわけでございます。しからば、どういうところの学校もしくは教育機関を経た者が養護教諭になっておるか、もしくは資格をとっておるかということをかいつまんで申し上げますと、まず一つは、大学なり、短期大学を出る者、この者につきましては、同時に他の教諭の資格をとるという場合が通例でございまして、養護教諭になるよりも他の教諭のほうに採用を希望するというような形が出ているというふうにわれわれ見ておるわけでございまして、その点では二以上の資格をとりまして他に就職を求めるという傾向から、あまりこれらの学校卒業者に期待をすることが困難な時点にあるのじゃないかというぐあいに観察いたしております。それから第二番目の供給源といたしましては、保健婦の養成所というのがございます。これは看護婦の資格をすでに得ましたものが、その後、半年以上の必要な教育を受けるわけでございますが、たまたま現在の免許制度では、この保健婦になります際に、さらに特別の教育を付加することによりまして、養護教諭の資格が取得できるという方法を講じてございます。したがって、それらの機関の卒業者で、養護教諭の資格を取得する者が最近ふえてまいっております。しかし、これは本来、看護婦なり養護婦になる者のためにつくられた特別の教育機関でございまして、あわせて養護教諭の資格も取得できるという仕組みをそこへ付加するわけでございます。その結果、養護教諭の資格を取りました者の全員が養護教諭になるということは、きわめてあり得べからざるかっこうになっておりまして、この点におきましても、やはり養護教諭の供給というものが不安定であるという実態であろうと思っております。そのほかに、今回御審議をいただいております国立の養護教諭養成所というものをつくるわけでございますし、また、府県立におきましても七カ所、現在、養護教諭の養成のみを目的とする機関がございます。こういうところの卒業生になりますと、これは目的はきわめてはっきりしておりますんで、したがって、その卒業生も就職をいたしておりますし、国立の養成所の卒業生もさぞかしそうであろうと期待をしておるわけでございます。なお、このほかに、実は現行の制度では、すでに看護婦の免許資格を取りました者を、八つの国立大学に一年間収容いたしまして、養護教諭の資格を取らせるという特別の課程を設けております。これもすでにだんだんと卒業生を出しておるわけでございますが、やはりこのように特別の課程を設けました際には、卒業生はほとんど全員といっていいほど養護教諭になってくれておるというような実態でございますそうして新規に学校を出る、あるいは特別の教育機関を出ます者の資格の取得の方法なり、その経過というのは、いま申し上げたとおりでございます。なお、このほかにいま御指摘でございました五カ年における年度計画における必要定数の充当につきましては、現在、公立の小中学校に約四千名近くの養護職員という方々がおりまして、養護教諭とほとんどいま同等もしくは準ずる仕事をなさっておるわけで、こういう人々に資格を取得していただきまして、養護教諭に配置がえをするというようなことも重ねてわれわれとしては考えておりまして、まあ計画の充当といたしましては、そういう全体の中からこの計画の達成をもくろんでおるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/6
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007・田代富士男
○田代富士男君 いまの御説明でいろいろ対策を講じていらっしゃることもよくわかりましたが、いまの話にありますとおりに、看護婦の資格を取る途中において、すでに養護教諭の資格を得られると、そういうような現在の経過になっているわけなんです。であるならば、もっと養護教諭というものが、ただ単なる看護婦になる途中において資格を得られるのでなくして、この養護教諭というもの自身に、志願する人々が魅力を持つような、おもに女性の人が主体である関係でありますが、それになりたいと、女性のあこがれの職場となるようなものに持っていくならば、現在の五カ年計画でなされている、そういういろいろな対策をより増進することにもなるのじゃないかと思うわけなんです。そこで、魅力のある、そういうような看護婦の免許を取る途中で得られるのでなくして、そういう適切な、女性のあこがれの的になるような職場にするための対策はどうでございましょうか、その点ひとつよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/7
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008・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 養護教諭の資格を取ります場合には、普通の教科の先生と同じように、大学なり短期大学でそのための必要な勉強をしていただくという制度のほかに、看護婦の資格を取ることにプラスをして養護教諭の資格も取り得るというような道を拡大しているわけでございます。その点は一般の先生方と同じ制度プラスアルファということで人材を求めようという形に免許制度自身が仕組んでおるわけであります。さて、いま御指摘の、女性の方々がなべて魅力ある職業ということで就職することを御希望していただくように、ぜひなっていただきたいと思うわけでございまして、先般来、本委員会でも養護教諭の待遇の改善なり、あるいは勤務条件の整備であるとか、いろいろ御指摘がございまして、文部省といたしましても、単に充足計画を終了するほかに、今後さらに拡大、充足をしていくという方向に向かいまして、いろいろそういった面をあわせて十分検討し努力をするつもりであるということを再々申しているわけでございます。そのように努力をいたしたいと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/8
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009・田代富士男
○田代富士男君 この養護教諭の養成の問題ですが、これは諸外国においても行なわれていると思いますが、外国のこういう養護教諭がスムーズに運営されているという、そういう例がありましたならば御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/9
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010・吉川孔敏
○説明員(吉川孔敏君) 私どもで調べましたところでは、具体的な数とか、そういうものはわかりませんが、スクール・ナースという形におきまして、外国の、特に欧米で一般の学校に置いておるようでございます。その養成とか、そういうことにつきましては具体的な資料を持ち合わしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/10
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011・田代富士男
○田代富士男君 まあ現在手元に資料がないそうでございますが、アメリカでは、そういう過渡期にあっては現在の看護婦の人がパートタイムのような形で一時的に補充してきたというようなこともなされているというようなことを聞いておりますけれども、各学校には資格のない人々も設置してあると思いますが、何しろ兼任で学校を担当しているような人もありますが、いま過渡期の対策としてそういうようなことをお考えになっているかどうか、そういう点をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/11
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012・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 現在、公立の小中学校に約四千名の養護職員、これは具体的には学校看護婦、学校保健婦、いろいろ職名がございますが、おられまして、そのうち約千二、三百名は現在すでに養護教諭の資格を持っておられる、他の二千七、八百名の方々は無資格者であるというような現状でございます。そこで、われわれのほうでは、本年度から向こう六年をかけまして、文部省が府県の教育委員会とも共催で、これらの人々の資格付与の講習会を実施することになったわけでございます。おかげさまで本年度はきわめて順調に、二十県ばかりでこの計画の第一段階が着手し終わったわけでございますが、引き続いて次年度以降も充実した計画を実施いたしたいというようなことで、来年度の計画等につきましても、現段階では府県と相談をしておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/12
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013・田代富士男
○田代富士男君 いま六年先までの計画を立てていらっしゃると思いますが、この問題は養護教諭だけの問題でなくして、やはり看護婦との関係があると思うわけなんです。もしも看護婦の増員がなされて余裕が出てくるような、そういう時期が到来するならば、そういう人々の中から養護教諭という道も大きく開けてくると思うわけなんです。ところが、現在の看護婦の実態は、どうしても必要な定員は日本の国で二十五万三千人なくちゃならない。このような数字が出ております。ところが、現在の看護婦の数は二十万一千人で、約四万人が不足している、これが現在の状況じゃないかと思うわけなんです。そこで、この看護婦の毎年の増加は二万五千人ぐらいが毎年増加しているわけなんですが、そのうちに現在看護婦でありながら、年齢的な問題、あるいは家庭的な問題、そのような諸条件が入りまして、看護婦をやめる人が一万人程度見込まれております。そうすれば、実際の増員は二万五千名でありましても、一年間に一万五千名の増員がなされるわけなんです、数字の上でありますが。この計算でまいりますと、いまから五年先の昭和四十五年でなかったならば、いま予定されております定員の二十五万三千人には達しない。これはまあ文部省とは直接関係がありませんが、連帯的な関係のあります看護婦の状況であるわけなんです。さすれば、いまどのようにこの養護問題に取り組んでも、一時的な対策でなくして、母体となるべきこの看護婦自身の、こういう将来の目標というものが立てられているわけなんですどれに対する養護教諭の問題等も、将来、六カ年計画ということがありましたけれども、もっとこういうことの具体的な対策をお聞かせ願いたいと思うわけなんです。よろしくお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/13
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014・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 養護教員になります者は、教育職員免許法でその必要な資格が規定してございます。現行の規定でまいりますと、看護婦の資格を有するのみでは養護教諭の資格が取得できないというような制度になっておりまして、その看護婦の資格を持っておられる方々が、新制高等学校を卒業されておるという学歴のお持ちの人でございますれば、養護教諭という形で学校にお迎えすることができるわけでございます。したがって、さような道をいろいろと講じますれば、まあ現在やっておるような講習会、今後も必要であればなお検討する必要があるわけでございますので、いろいろ御指摘のような範囲で幅を拡大いたしまして、なお今後検討いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/14
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015・田代富士男
○田代富士男君 いま具体的なことがあまり聞けなくて残念でありますが、養護教諭の資格の問題でありますが、一級と二級とに分かれておるわけなんですが、この資格を待遇との違いについてちょっとお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/15
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016・安養寺重夫
○説明員(安養寺重夫君) 養護教諭の免許状は一級、二級と区分がございます。一級の免許状を取得できます者は、まず四年制大学を出まして学士の称号を有しておる、そうして必要な単位を取得しておるという者でございます。また、保健婦の養成機関がございますが、そこの卒業生で必要な資格を取りました者、また看護婦の資格を得ました者で、やはり必要な教育をさらに受けました者、こういう者に対して一級の普通免許状が取得をされるわけでございます。まあいわば四年制の大学卒業相当レベルというようなスクーリングの終了者をもって、一応一級という格づけをしておるわけでございます。二級の養護教諭の免許資格は大学に二年在学する、いわば二年制短大卒業、あるいは不日、御審議いただいております国立の養護教諭養成所のごとく、高校を出まして三年のスクーリング、短大三年の終了者、まあこういうスクーリングの終了というところに着目をいたしまして二級という格づけがあるわけでございます。したがって、その一級、二級の給与面の取り扱いでございますが、先ほど申し上げましたように、一級は大学を出た者の初任給、二級の者は短大二年あるいは三年、それぞれの資格に応じてスクーリングの長さによりまして初任給の格づけがされるという形になっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/16
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017・田代富士男
○田代富士男君 いまのそのような資格の問題を論じてまいりますと、志願者を取る場合にも、これは現在の大学の設置場所と同等の立場で取っていかなくちゃならないわけなんですが、それは将来の問題といたしまして、現在は、四十年度北海道、岡山、四十一年度には青森、大阪、熊本と、このように設置されるわけなんですが、こういうことは今後充実していかなくちゃならないし、当然われわれもそれを望むわけなんですが、今後もいろいろ設置場所を検討していらっしゃると思いますが、予算の関係等もありますが、しかし、すみやかに樹立しなくちゃならない問題でありますし、今後この設置場所をどういう方面に置かれるか、これはもちろんそのような不足をしている地域に優先的に置かれると思いますが、将来の予想をお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/17
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018・杉江清
○政府委員(杉江清君) 当初から国立養護教諭養成所は八カ所に設けるということでその実現に努力してきたわけであります。で、四十年度に三カ所、四十一年度に三カ所つくられるわけてありまして、残されたものは一応のまあ計画ではございますけれども、茨城大学、愛知学芸大学、徳島大学と、この三つでございます。これらについては早急にその実現を今後はかっていきたいと考えております。なおそれ以上の計画につきましては、全体計画の樹立をまってそれに即応して考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/18
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019・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) ほかに御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/19
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020・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のあるお方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/20
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021・千葉千代世
○千葉千代世君 私は国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表して、次の三点を付して賛成の意を表する者でございます。
本法案の審議の過程で明らかになったことは、第一に、第四十回国会における参議院文教委員会で政府が約束した養護教諭充実五カ年計画がその効力を十分に発揮していないということでございます。ですから、この計画どおりの実施を必ずするような今後の措置をしていただきたい。すなわち、地方支弁によって、いままで免状がありながら養護婦という身分で置かれておった方がたくさんある。ですから第一番に、この地方支弁で免許状がありながら任用がえできなかった者を早急に各県においてまず任用していくということ、それから、ただいまの質問の中にもございましたが、六年がかりで講習計画がされておって、第一年度、ことしたくさん受講したわけでございますが、その受講の過程で、まあ二県に一県ということでございますから、たいへん遠くに行かなければならないわけです。その費用の負担がかなり個人負担になっておるということが多いのです。ですから、やはり国が政策をもってこれを実施していくからには、本人の負担にならないような方途を講じなければならない。具体的にいえば、学校にいっております出張旅費等が、これらの方々になかなか分けられていないということも聞いているわけでございます。それからそれに付随して年齢の問題なんですけれども、これも答弁の中で明らかになったように、採用していく条件の中で、選考基準と申しましょうか、その県によって年齢の制限があるわけです。この五カ年計画が初め設定されました当時は、かなり各県で年齢の制限をゆるめて採用しておったところもございますが、このごろはなかなか、その緩和条件というものがありながら、県でなかなか御存じないために、一般教員と同じような採用年齢になっておるということ、こういうことがございますので、この行政指導をお願いしたいと思っております。
次に、国立養護教諭養成所、それからその他文部大臣の指定の養成所、これを合わせて約四十五ございますが、その中に国立が十一ございます。すなわち、三十七年に国立が五カ所できたんですが、これはいま安養寺養成課長が述べられたように、これは看護婦の免許状を持っておる者、これに一年の養成課程を付して、具体的には高等学校を卒業して三年看護婦の修業をして、そうして看護婦の免許状をもらうと、それにプラス一年の養成課程を施して一級、これが五カ所ございます。それから三十八年には三カ所、これも同じく一級の免許状、四十年度にこれは法案として国立が二カ所ですが、これが高校卒三年ということで、ここに免許状を二つ、二級の保健とそれから養護教諭、二つを付与しておるわけです。四十一年度も同等です。先ほど御答弁の中に、愛知、徳島、茨城等がまだ残っておるということで、これも同じ構想だということが、この間、答弁の中にあったわけですが、私はこの国立を含めて十三カ所、十三カ所を含めて四十五カ所になりますか、これらの卒業状態を見ますと、卒業した中でよそに流れていく者、それを引いていっても四十一年度の養護教諭の定員増については、四十一年度の卒業生から求められる指定養成機関六百十五名、それからそのほか二百四十名、これが加わりますが、とにかくひっくるめてこれだけしか出てこないわけです。そうすると、五カ年計画の終わったあとは一校一名必置と、こういうことで進んでいくという、こういう構想を考えますというと、まだまだ足りないということで、これは養成所を増設する、このことに努力していただきたい。
それから、いま申し上げましたように、養護教諭養成機関を出てもよそへ流れていくという、そのことがかなり多いんでございます。今回の調査で大体三五%という、こういうふうになっておりますから、このことに関連して問題となっておりますのは、保健の二級と養護教諭の二級を出しますから、これは保健のほうに流れていく可能性がかなり多いんじゃないかという心配があります。したがいまして、前国会では、養護教諭の過重の負担にならないという附帯決議がつけられておったんです。これが、心配しますのは、一つの例を申し上げますと、愛知で、昭和十二年から二十五年までに名古屋と岡崎師範に付設をして、その間に六百名養成されている。この六百名には養護教諭と小学校の教員の免状を付与したわけです。そうすると、教員が足りないという理由でもって、この養護教諭が一般の教員にほとんど五年以内に任用がえされてしまったということが出てきた。これは養護教諭自身の問題もさることながら、やはりここらに問題点がございますので、せっかく二つの免状をやりながら、養護教諭にするための養成所をつくりながら、養護教諭でないということになりますと、これはたいへん目的が違ってきますので、その点についてもひとつまた配慮いただきたいと思っております。
それから第三には、育英資金の返還免除の件でございますが、これも前々国会から、養護教諭養成所、文部大臣の指定する養成所に学んだ者に対しては、奨学金の貸与と返還免除という、これを法的に裏づけてほしいという要望であったわけですが、具体的には、国立養護教諭養成所の方々にだけ適用されて、文部大臣の指定の学校の方々にはこれは適用されていなかった。で、これはやはり養護教諭の充足状況から考えて、再三述べられたように、どうしても足りないんだ、だから、これを補なっていくための措置として、やはり文部大臣指定の学校の方々にも適用していただきたいと、このように思うものでございますが、まだいろいろ述べたいのでございますが、討論の中でかなり明らかになっておりますので省略いたします。以上をもって私の賛成討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/21
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022・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/22
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023・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。
国立養護教諭養成所設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成のお方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/23
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024・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、おはかりをいたします。先ほど理事各位と御協議決定いたしました附帯決議案を、便宜、私より提案いたします。
まず、案文を朗読いたします。
国立養護教諭養成所設置法の一部を改正す
る法律案に対する附帯決議(案)
政府は、学校教育法第二十八条の趣旨にのつとり、養護教諭の充実について左記の事項のすみやかな実現をはかるべきである。
一、養護教諭の充足については、配置の現状にかんがみ、いっそう計画的な実現をはかり、あわせてその待遇の改善に努力すること。
二、国立養護教諭養成所の充実、増設等に努力するとともに、早急に大学の教員養成課程による養成について検討すること。
三、文部大臣の指定する養護教諭養成機関に対しても、日本育英会の奨学金の貸与及び返還免除の措置を講ずるよう努力すること。
右決議する。
ただいまの附帯決議案を、本委員会の決議とすることに賛成のお方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/24
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025・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 全会一致と認めます。よって、ただいまの附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
文部大臣より発言を求められておりますので、これを許します。中村文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/25
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026・中村梅吉
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま本案について行なわれました附帯決議につきましては、御趣旨に沿いまして、今後十分検討し、また努力いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/26
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027・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/27
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028・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定をいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/28
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029・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のあるお方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/29
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030・田代富士男
○田代富士男君 当委員会においても、いろいろ御検討をなさったと思いますが、二、三の点について御質問を申し上げたいと思います。
東京都のことしの例を考えてみますと、小学校の教員が非常に不足をした、そのために東京都におきましては教育委員会の方々を主体といたしまして、九州やあるいは東北地方へ教職員の募集にいかれたと、そういうことも聞いております。ところが、それに反しまして、中学校の教職員の方々は、不足どころか予備のそういう人々が出てきた、そのために中学校の教職員の人々が一部を高校へ、一部は小学校へというような配置転換をなされたということも聞いているわけなんです。このように考えてまいりますと、小学校、中学校と申しましても、高校にも影響がないわけはありません。そこで、高校の立場といたしまして、ことしあるいは来年、この近年の将来の見通し、そういう点につきましてどういうお考えであるか、お聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/30
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031・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 全国的に見ますと、四十年から四十一年にかけましては、公立高等学校の生徒の減は一万七千名でございます。四十二年度は、これは推測が加わりますけれども、現在、各府県の見込みを集めましたところが、十二万程度の減ということに相なったのであります。ただ、この趨勢は、前回もお答えいたしましたように、高等学校につきましては、中小学校ほど減が著しくなくて、現在の五百万台が全国で四百万前後のところで安定をするという状況に相なるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/31
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032・田代富士男
○田代富士男君 じゃ、現在のところは増減はあまり関係はないというわけなんですね、どうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/32
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033・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 先ほど申しましたように、四十年度と四十一年度の差は、公立高等学校について見れば一万七千人でございますが、明年の四十二年度になりますと、これは減がさらに著しくて十二万程度の減を予想するのであります。この傾向が大体四十五年くらいまでは若干の減を伴いまして、四十五、六年で全国の国公私立を合わせます高等学校の生徒数は四百万人前後になり、その数はベビーブームの始まりました三十八年度の三百八十万台よりは多いという見通しを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/33
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034・田代富士男
○田代富士男君 いまの見通しも関係すると思いますが、東京都の例をとって申しわけありませんが、これは東北あるいは九州へ行きましたら例はまた違ってくるかと思いますが、いま東京都におきましては、小学校五年生ないし六年生が一番最低である、それ以後はまた順次ふえてきている、こういうような傾向になっておるわけなんですが、それに対する対策もこうした上のいまのお答えでございましょうか、その点よろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/34
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035・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 高等学校の生徒数の増減は、義務教育と違いまして、府県によってはなはだ区々でございまして、東京都のように進学率が九〇%をこえているというようなところでは、その中学卒業生の絶対減というものの影響を受けて、高等学校の生徒が少なくなる度合いが多いと思います。反面、東北ないし九州の見込みというものは、進学率がなお相当上昇する傾向にございますから、中学生の卒業者の減というものは響かないのであります。全国的に見ますと、先ほど申し上げたような傾向にあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/35
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036・田代富士男
○田代富士男君 いまの御説明で大体理解できましたが、次に、現在、小学校及び中学校の児童生徒の一学級の定員は四十五人まで逐次減少させることになっているわけなんですが、それに伴いまして、高等学校においてもただいま御説明がありましたとおりに、ベビブームが終わったあとでも、この法律の本則の規定どおり五十人としていかれるつもりであるかどうか、その点をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/36
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037・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 現在の公立高校の標準法は、本則は学級規模を五十名を標準といたしております。今回の改正案によります措置は、生徒が急減をしてくる府県につきましては一年早く五十人の本則に戻し、それが四十二年度には第二学年、四十三年度は第三学年というふうに一年繰り上げた措置をとっております。ただいま御質問の点は、今後将来とも五十人を本則として考えるかどうかという点でございますが、これは状況の推移を見ながら私どもは検討してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/37
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038・田代富士男
○田代富士男君 その時代時代の推移を見ていろいろ決定されるということでございますが、高等学校の一学級の生徒の数というものは、教育的見地からして、それぞれの諸外国の例もあると思いますが、大体どのくらいが適当であるか、時代に相応して立てていくということもこれは大事なことであると思いますが、それと同時に、一応それを推進していく最高責任者として考えていかなければならないと思いますが、どのくらいが適当であるか、その点ひとつお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/38
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039・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 教職員の定数を考えます場合に、通常国際的な比較といたしましては、生徒に対する教員の比率ということで比較をいたすのが通例でございます。これは一つの資料によりますと、アメリカでは二十二人に一人、イギリスでは二十人に一人、西独では二十一人に一人、フランスでは二十一人に一人という数字がございます。現在わが国の標準法を、かりに七百五十人の学級規模をとってみますと、教員三十三人という形になりますので、これが二二・七人に一人という数字になっております。学級規模の点につきましては、これは通常学級規模と申しますのは、高等学校の場合にはコース、あるいは教科の与え方等、いろいろの形態が考えられまして、義務教育のように、初等教育のように簡単に考えられませんが、通常ホームルームを基礎といたしました場合に、的確な資料ではございませんが、私どものほうの担当者が見てまいりました傾向といたしましては、四十人ないし四十人以下、かようなところが相当だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/39
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040・田代富士男
○田代富士男君 まあ諸外国の例もお引きいただきまして理解できましたが、アメリカ、イギリス等の私の手元にも資料がありますが、いまのお答えでわかりました。で、次に、高等学校設置基準に検討を加える場合は、学級の定員のほかに、ただいま申しましたそれ以外に、たとえば学科目、あるいは教員の組織であるとか、あるいは建物であるとか、こういうものは三者一体の関係にあるのじゃないかと思うわけなんです。ところが、児童の数というのは時代に応じて移り変わっております。教職員の数も移り変わっておるわけです。ところが、それを収容する建物というのも、これは時代によって変わってくるだろうと思いますが、この三者を一体にした総合的な考え方を持っていかなければならないし、一時的にその時代にあって、これはこうであるという唯物的な物の見方であってはならないと思うわけでありますが、今後こういう点について総合的な見地からどういうお考えであるか、最後に文部大臣にお考えをお聞きいたしまして、私の質疑を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/40
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041・中村梅吉
○国務大臣(中村梅吉君) 御指摘のとおり、確かに設備、人員、教官、こういうものは総合的でなければならないことはお話のとおりと思います。今後とも文部省といたしましては、そういうような観点に立ちまして、高等学校教育の充実を期してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/41
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042・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/42
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043・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認めます。
それではこれより討論に入ります。御意見のあるお方は賛否を明らかにしてお述べを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/43
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044・松永忠二
○松永忠二君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行ないたいと思うわけであります。
昭和三十八年度の入学者から昭和四十三年度の入学者について、高校の生徒急増という見地から、学級編制の標準について、附則に基づいて普通科については五十五人、実業科については五十人、なお、教職員の定数についても変更を加える措置が行なわれておったわけであります。ところが、今年度、昭和四十一年度には、すでに減少期に入る府県もありましたので、附則を改めて、学級編制と教職員数の標準を改めるという措置が行なわれたわけでありまして、この法律案がそういう立場からこの改正をすることについて、関係の方々が非常に御努力をなすってこられ、成果をあげることができました。これについては私たちも心から賛意を表したいところであるわけであります。ただ、しかし、私たちがここで反対をせざるを得ませんのは、公立高等学校の標準に関する法律案は、高校生の急増期を前にして定められた法律でありますので、おのずから暫定的な性格があると私たちには考えられるわけであります。特に、学級編制の基準については、普通科が五十人、実業科は四十人ということになっておるわけでありますが、すでに公立の義務教育の諸学校の標準法においても、本法は四十五人を学級編制の基準としているわけであります。したがって、この編制の基準等を改めていくということは、当然、今後なされなければできないことでありますし、あるいはまた、教職員の定数にいたしましても、教諭、養護教諭、実習助手あるいは事務職員の数もなかなか十分でないというようなことについては、各方面から強く指摘をされているところであるわけであります。また、現に高等学校の設置基準というものが省令で定められておって、学級編制の基準は四十人以下とする、教職員定数についても相当高い基準が設けられているのでありますから、われわれからいたしますならば、この際、これらの問題についても、抜本的な改正が提案される措置等も考えていくべき時期にきているという感じがするわけであります。特に、昭和四十四年度には本法が適用される時期にきているのでありますから、そういう意味で、この標準法をより高度な立場から検討する必要があったのではないかということを考えるのであります。
以上の趣旨に基づきまして、私たちは、本法案が提案をされるに至りました経過の中で、各政党並びに政府等が努力をされたことを多としながらも、これらの観点から、われわれの党といたしましては、反対の態度を表明をしたいと思うのであります。
以上で討論を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/44
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045・久保勘一
○久保勘一君 私は、自由民主党を代表して本法律案に対し賛成の意見を述べたいと存じます。
本法律案は、第一には、すでに高等学校生徒の激増期を終わって減少期に入った都道府県について、現行の経過措置の規定の不合理を是正し、正常な学校教育を確保し、教育水準を維持するため、きわめて当然な措置であると思います。
第二は、昨年来、高校生の減少期に入った各府県から、数多くの請願が提出されておりましたが、今回の特例措置はこれら地方の要望にもこたえるゆえんであり、その意味からも、この際まことに適切な措置であると信じます。
以上の理由により本法律案に賛意を表するものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/45
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046・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 他に御意見もないようでございますが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/46
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047・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認めます。
それではこれより採決に入ります。公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成のお方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/47
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048・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
この際、おはかりいたします。先ほど理事各位と御協議、決定いたしました附帯決議案を、便宜、私より提案いたします。まず、文案を朗読いたします。
公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
政府は、高等学校における教育水準の維持向上をはかるため、高等学校設置基準本則の実現を期して、本法の抜本的改正を行なうよう、速かに検討し努力すべきである。
右決議する。
ただいまの附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成のお方は挙手を願います。
〔賛成者挙手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/48
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049・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 多数と認めます。よって、ただいまの附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
ただいまの決議に対し、中村文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中村文部大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/49
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050・中村梅吉
○国務大臣(中村梅吉君) ただいま御決議になりました本法案に対する附帯決議につきましては、政府といたしましても、その御趣旨に沿いまして十分検討、努力をいたしたい所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/50
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051・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/51
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052・二木謙吾
○委員長(二木謙吾君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後五時三十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115077X01019660330/52
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