1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十一年四月十五日(金曜日)
午前十時十九分開議
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○議事日程第二十四号
昭和四十一年四月十五日
午前十時開議
第一 義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部
を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第二 最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内
閣提出、衆議院送付)
第三 国民金融公庫法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第四 核原料物質開発促進臨時措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 通商産業省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出、衆議院送付)
第六 住宅建設計画法案(趣旨説明)
第七 国民年金法の一部を改正する法律案(趣
旨説明)
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○本日の会議に付した案件
一、日程第六 住宅建設計画法案(趣旨説明)
一、日程第七 国民年金法の一部を改正する法
律案(趣旨説明)
一、日程第一 義務教育諸学校施設費国庫負担
法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議
院送付)
一、日程第二 最高裁判所裁判官退職手当特例
法案(内閣提出、衆議院送付)
一、日程第三 国民金融公庫法の一部を改正す
る法律案(内閣提出、衆議院送付)
一、日程第四 核原料物質開発促進臨時措置法
の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院
送付)
一、日程第五 通商産業省設置法の一部を改正
する法律案(内閣提出、衆議院送付)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/0
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001・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/1
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002・河野謙三
○副議長(河野謙三君) これより本日の会議を開きます。
この際、日程第一から第五までをあとに回したいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/2
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003・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/3
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004・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第六、住宅建設計画法案(趣旨説明)。
本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。瀬戸山建設大臣。
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/4
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005・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) 住宅建設計画法案について、その趣旨を御説明いたします。
およそ住宅は、国民生活の基盤をなすものでありまして、住生活の安定なくしては、円満な家庭生活はもちろん、十分な社会活動を行なうことも望めませんが、近年著しく改善された衣や食に比べ、住宅事情は、はなはだしい立ちおくれを示していることは、御承知のとおりであります。もとより、政府は、従来から、住宅問題の解決に真剣に取り組んでまいったのでありますが、著しい人口の都市集中、世帯の細分化等により、住宅需要は増大の一途をたどり、依然として住宅難が解消されるに至っていないのが現状であります。こような現状にかんがみ、政府といたしましては、住宅対策を今後一段と拡充強化し、国民の要望にこたえるため、昭和四十五年度までに国民の待望する「一世帯一住宅」の実現をはかるとともに、さらにその後においても、国民の住生活の改善向上をはかるため、五年ごとを区切って総合的な計画を樹立し、この計画に基づいて、国、地方公共団体及び国民が相協力して、住宅建設の適切な実施をはかる必要があると考え、この法律案を提出することといたした次第であります。
次に、この法律案の主要な点について御説明申し上げます。
まず第一に、国及び地方公共団体は、住宅の需 要及び供給に関する長期見通しに即し、かつ、住宅事情の実態に応じて、住宅に関する施策を講ずるようにつとめなければならないとの国及び地方公共団体の責務を明らかにするとともに、住宅の建設を計画的に推進するため、国、地方を通じ、住宅の建設に関する長期計画を策定することとい
たしました。
第二に、国全体の長期計画として、建設大臣は、昭和四十一年度以降の毎五カ年を各一期とする住宅建設五カ年計画の案を作成し、閣議の決定をはかることといたしました。この住宅建設五カ年計画には、五カ年間における住宅の建設の目標を定めることとし、あわせて、公的資金による住宅の建設の事業の量を明らかにすることといたしました。
第三に、それぞれ地方の住宅事情の実態に即応した住宅対策を推進するため、国全体の長期計画に即して、地方における長期計画を策定することとし、建設大臣が地方ごとの住宅建設五カ年計画を、都道府県が都道府県ごとの住宅建設五カ年計画を策定することといたしました。
第四に、これらの五カ年計画の実施を確実にするため、国及び地方公共団体の講ずべき措置について規定いたしました。
なお、五カ年計画の制度の新設に伴い、現行の公営住宅三カ年計画の制度を廃止することとし、公営住宅法に関し、所要の改正を行なうことといたしました。
以上が住宅建設計画法案の趣旨でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/5
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006・河野謙三
○副議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。前川旦君。
〔前川旦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/6
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007・前川旦
○前川旦君 私は、日本社会党を代表し、ただいまの住宅建設計画法案に対し、若干の質問をいやします。
この法案の前提となっておりますのは、申すまでもなく、二月八日に閣議で了解されました住宅建設五カ年計画であります。私は、この計画が、国民生活、日本経済にとって、まことに重大な影響を持つものであり、かつ、今日、住宅問題が国民最大の関心事となっている現状にかんがみ、この際、政府の住宅に対する基本的姿勢について尋ねておきたいと思うのであります。
まず、建設大臣にお尋ねいたしますが、昨年末、建設省で立案されました、当初の五カ年計画では、昭和四十五年度末の予想世帯数を二千六百八万世帯と踏み、そのため、従来の七カ年計画を手直しして、五年間に七百六十万の建設数を算定し、一世帯一住宅という、はなばなしい発表をされたことは、いまも記憶に新たなところであります。しかるに、今日、最終決定されました計画では、これが六百七十万戸に修正され、わずか二ヵ月の間に、九十万という大きな計画戸数の削減を見ているのであります。にもかかわらず、一世帯一住宅ということばが依然として述べられていることは、まことに、ふに落ちないのであります。そこで、建設大臣は、はたして、六百七十万をもって一世帯一住宅が確保できると考えていられるのか。もし、できるというならば、当初の七百六十万という数字の立て方の基礎に誤りがあったのかどうか。二千六百八万世帯と推定するためには、一世帯当たりの構成員を何人に置かれたのか。わずか二カ月で計画が変動するということは、計画の基礎さえ定まっていないということであり、そんなずさんなやり方では、とても国民の期待にこたえるには、ほど遠いと言わざるを得ないと思いますが、大臣の答弁をいただきたいのであります。
次に、お尋ねしたいのは、持ち家主義についてであります。戦後、政府の住宅に対する考え方には、終始、持ち家に重点を置くきらいがありましたが、今回の五カ年計画では、特に持ち家を強く打ち出し、四十一年度予算では、政府施策住宅のうち、持ち家の比率は、四十年度の三三%から四〇%へ、大きな増加を見せているのであります。そこで、私は、これからのわが国の住宅政策としては、持ち家主義を基本方針としていくのか、あるいは、賃貸住宅に重点を置いていくのか、政府に明確な方針がおありならば、この際、伺いたいと思うのであります。御承知のとおり、世界各国のうち、持ち家主義を採用している典型は米国と西ドイツでありますが、実は、この両国とも、戦後はまず、賃貸住宅に力を注いで、当面の住宅難解消をはかり、ある程度のストックを持った後、初めて持ち家重点に切りかえるという、きわめて合理的かつ計画性に富んだ方針を採用してきているのであります。
ひるがえって、わが国では、これら両国に比べ、住宅政策において十年ないし十五年の立ちおくれを示し、ために、住宅難はきわめて深刻であり、あたかも、これらの国家が公共賃貸住宅に力を注いでいたころと、同じ時点にあるということが言えると思うのであります。事実、一般勤労者の住宅難世帯数を所得別に見ますならば、住宅困窮世帯のうち、九三%という圧倒的多数が月収五万円以下となっているのであります。一体、月収五万円以下で、家族を養いながら、自分の家を持つことが可能でしょうか。ましてや、現在、給料生活者の平均月収が三万四千四百円にすぎないことを考えるならば、いま家を求めている人のほとんどが持ち家をする経済的なゆとりなどないということは、あまりにも明らかではありませんか。したがって、いま政府が最も急がなければならないことは、できるだけ多数の低家賃住宅を政府施策によって建てることであり、それも、現行のように所得に応じて質を落とすというやり方は、貧乏人は麦を食えという発想につながるものでありますから、これを改め、家族数に応じた質のよい公共賃貸住宅を大量に供給することにあることは、いまさら申すまでもありません。しかるに、今回、持ち家に重点を置かれたのは、一体どのような理由に基づくのか、お答えをいただきたいのであります。
次に、経済企画庁長官並びに大蔵大臣にお尋ねいたします。
まず、今回の計画建築戸数六百七十万のうち、政府施策によるものは、わずか二百七十万であり、残り四百万、すなわち計画の六〇%は民間の自力建設を当てにした数字になっているのであります。そこで、私は、こうした民間自力建設戸数が、見通しとして、はたして可能なのかどうか、当初の計画では、民間依存度は五五%に押えてあったはずであります。その五五%さえ、この不況下には見込みがないとまで言われていたのに、さらに六〇%にまでこれを高め、過去の実績を上回る伸び率を期待しているのでありますが、はたして、どのような成算をお持ちなのか、お答えをいただきたいのであります。
次に、政府は、この四百万戸に対し、どのような指導と規制を行なう予定なのか。一体、政府は、これからの国民住宅のあり方について、的確なビジョンを持っているのかどうか。御承知のとおり、中期経済計画は一応御破算になりましたが、これにかわる経済の長期展望の中で、国民の住生活の姿を、どのように描いているのか。あるいはまた、住宅政策というものは、常に都市問題と密接なつながりのあることは言うまでもありませんが、都市問題に対処して、これからの都市をどうつくっていくのか。たとえば、都心の再開発はどうするのか、あるいはまた、日本の特殊性として、住宅が平面的であり、都心部でさえ平均一・五ないし一・六階にすぎないという現実を、どうとらえるのかという、基本的な長期展望を持たずして住宅政策を考えることは、まず不可能であると私は思うのであります。政府に、こうした現実的なビジョンなり指導方針があるならば、ここで端的なお答えをいただきたいと思います。
第三にお尋ねしたいのは、これら民間住宅建設に対する経済的な裏づけについてであります。
まず、税金の面で言いますなら、現行では、租税特別措置法なり地方税法で認められた優遇措置は、きわめて貧弱であります。たとえば、国税では、四十一年度に想定された減収額は、わずかに七十四億という少額なものであり、地方税にしても、国税減収からのはね返り分を全部含めても、推定百四十億程度しか期待できず、先進諸国に比べるならば、きわめて不十分なものにすぎません。少なくとも、苦心惨たんの末、かろうじて家を建てた国民が、建てたその日から重い税負担に苦しむことのないように、現行の減税制の拡大改善をはかり、一定規模以下の固定資産には固定資産税を減免し、所得税に新たに住宅建設控除を認めるなど、思い切った減税措置を講ずる必要が私はあると思うのでありますが、お答えをいただきたいのであります。
さらに、民間資金の住宅投資の割合をどうふやすかという観点から見ますならば、わが国の現状は、国民総生産に対する総資本形成の比率がきわめて高いにもかかわらず、一方、総固定資本形成に占める住宅投資の割合が極端に低いという、まことにアンバランスな形が特徴的にあらわれているのであります。これは、高度経済成長が産業界に片寄り、国民生活の基盤である住宅建設がいかに取り残されてきたかということ、いわば、今日の大資本の発展成長が、いかに国民生活犠牲の上に築かれてきたかという事実を、最も冷厳に表現しているものと思うのであります。この面での改善策として政府の手がけたものは、わずかに住宅融資保険という有名無実の制度一つあるのみであり、昭和三十年に三億円、今年度かろうじて一億円増資し、合わせて四億円の政府出資という、まことに貧弱な対策でありますから、これでは一体、民間資金を生かして使う上に、どれほどの効果を期待することができるでしょうか。私はこの際、不動産担保による長期低利融資の制度を拡充するなり、生命保険の運用資金二兆一千億を活用するなり、抜本的な施策をとるべきであると思いますが、政府の見解を明らかにしていただきたいのであります。
なお、宅地対策につきましては、後に土地収用法改正に関連して、これだけを抜き出して論議いたしますので、ここでは省略いたします。
次に、総理大臣にお尋ねいたします。
第一は、総理は住宅に対する国家の責任というものについて、どう考えておられるかという点であります。総理は常日ごろ、国連中心主義ということを強調されております。その国連では、一九四八年十二月十日の総会で、世界人権宣言を満場一致をもって採択しましたが、第二十五条では、「人はすべて自己及び家族の健康と福祉のために、衣食住、医療及び必要な社会厚生施設を含むところの十分な生活水準を保持する権利を有し」と宣言し、衣食と並んで住宅の供給及び改善を社会保障としてとらえ、国家の義務とする立場に立っていることは、いまさら申すまでもない周知の事実であります。この宣言を受けて、各国とも住宅問題を国家政策の基本目標に掲げ、国の義務としてそれぞれの住宅法の中で具体的政策にして実らせているのであります。これらの事実にかんがみるとき、私は総理としては、住宅を持つのは各人が行なうべきであり、国はこれを充足すれば足れりとお考えになるのか。それとも、住宅問題は本質的に社会保障であり、景気の好不況に関係なく、いわんや不況打開策の一環として住宅建設を考えるのではなくして、国には本来、住宅を国民に確保し与える義務があるとお考えになるのか。今回の法案を見ましても、その点がきわめてあいまいでありますので、この際、総理の明確なお答えをいただきたいのであります。
次にお尋ねしたいのは、住宅に対する行政の強化と財政についてであります。いま住宅建設をごく狭い意味に限ってみても、たとえば、公団、公庫、公営住宅については、建設省がこれを管轄し、厚生年金住宅については厚生省、雇用調整住宅は労働省、入植者住宅は農林省、公務員住宅は大蔵省と、およそ五つの省にまたがって行政が行なわれております。その上、これからの住宅行政は、人口問題、国土利用計画、都市計画、宅地造成、交通、教育、自治体との関係など、あらゆる面から、総合的に計画され、実施されなければならないことは申すまでもありません。そこでこの際、思い切って住宅行政を統一総合し、その機構を一元化するために、新たに住宅省を設置するという前向きのお考えが総理にあるのかどうか。かりに、省が無理ならば、せめて住宅庁を設けて、一元化をはかるお考えはないか。最近、防衛庁を省に昇格するという動きが強力に推進されておりますが、いやしくも国民生活の基盤を形成するという点から見るならば、住宅省新設のほうが、はるかに緊急を要すると思うのでありますが、総理の見解をお聞かせ願いたいのであります。
また、このような行政機構の整備とともに、これに見合う財政の裏づけがなされなければなりません。四十一年度予算では、昨年度に比べ、なるほど伸び率の面では一つの進歩を見ることができるのでありますが、問題は、予算の絶対額があまりにも少額過ぎるということにあると私は思うのであります。総理が国民生活の基礎とおっしゃる、その住宅対策に、国が支出する額は、わずかに四百八十六億七千万円、支出総額のたった一・一%にすぎません。これを他と比べるならば、防衛費の七分の一、恩給関係費の四分の一、道路整備の実に八分の一にすぎません。予算に盛られた利子補給一つをとっても、民間の営利企業に対してさえ、造船に六十九億、海運に六十四億も組まれておるのに、住宅に対する利子補給がわずかに三十九億とは、一体どういうことでありましょうか。このため、すでに公団の賃貸住宅に対する運用利子は、四分一厘から五分にはね上がり、それがそのままストレートに入居者に転嫁され、家賃が平均一万二千円となって、まさに、国民の負担能力の限界を越えているという事実を、総理はどうお考えになりますか。いわんや、住宅のストックが決定的に少ないわが国が、先進国に追いつくためには、思い切った財政支出をはからなければならないことは、あまりにも明らかであります。そこで、総理は、今後住宅に対する予算をより増額していくお考えがはたしてあるのかどうか。
新五カ年計画は、国民の側から見るならば、きわめて貧弱かつ不満足なものでありますが、この計画による政府施策住宅二百七十万戸の建設さえ、実際にこれを実現するとなると、年間伸び率を一四・六%に見積もって、昭和四十五年度には、今年度の二倍近い七十万戸を、政府の手によって建設しなければ、計算が合わないということを、総理はお気づきでしょうか。換言すれば、五年後には、今年度の住宅関係予算の三ないし四倍近くの予算を組まなければ、この貧弱な新五カ年計画さえ実現できないということを、総理は御存じの上、施政方針演説の中で、政府施策二百七十万戸を建てると断言なさいましたか。およそ、財政があって政策があるのではなく、政策があって初めて財政があるというのが、政治の常道でありましょう。たとえ、予算措置がどれほど膨張しようとも、新五カ年計画はやり抜くのだという、総理の強い意思表示のない限り、この計画は白々しい絵そらごとであり、住宅難にあえぐ国民を欺くに、これほど罪深きものはないと、私は思うのでありますが、総理の御決意のほどを、しかとただして、私の質問を終わるものであります。(拍手)
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/7
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008・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) ただいま国連の決議を引用されていろいろお話がございましたが、私どもは、もう国民生活、これは簡単に衣食住、かような表現でいままで言われております。その意味で、この衣食住が、国民生活をささえるといいますか、向上さすという意味において、最も大事なわかりやすい表現だということは、よく知っておるはずであります。この意味で、衣食の面ではよほど改善された。戦後のあの窮乏の状態と見違えるようになっております。しかし、どうも住宅が依然としてこれは不足であるし、また、それが高い。こういうような意味で、たいへん住宅問題を解決することが、ただいまの政治課題である、かように考えております。私が社会開発を唱えまして、社会開発の中核をなすものは住宅問題だと、かように申しておりますのも、この問題についての私の認識を率直に表現したつもりであります。そういう意味で、ただいまの、まだ持ち家は少し早い、まだ賃借の時代だと、こういうお話がいろいろございましたが、もちろん、この低並びに中所得階層に対しまして安く家が貸せる、こういう状態をつくりたい。同時に、また、家を持ちたいという国民の要望にもこたえたいというので、ただいま、その持ち家主義も加味して、住宅問題と取り組んでおるわけであります。
また、この住宅問題は、御指摘になりましたように、総合的に、また、計画的にこれを遂行していかないと、ただいまのような状態では不十分だ、だから、そういう意味で住宅省をつくれ、こういうお話があります。また、省ができなければ、少なくとも、庁の程度にしたらどうか、こういうお話、これも一面もっとものようでありますが、私は、こういう際に、役所ばかりふやすことについては、特にひとつ気をつけなければならない。ただいま言われる総合的施策、計画的施策、これは必ずや政府相互が連携を緊密にすることによって、必ずその短を補うことができる、かように思っておりますので、この住宅問題については、いわゆる一世帯一住宅、この目標を立てまして、各省ともこれに協力することにいたしておるのであります。ただ住宅政策そのものが、あるいは厚生省の関係でつくるとか、あるいは建設省でつくるとか、あるいは労働省でつくるとか、あるいはまた、現業官庁でつくるとか、そういう建築だけの問題ではなしに、最近の宅地の問題は、民間におきましてもたいへん大きな規模になっております。これはもう三十万あるいは五十万の都市ができる、こういうふうになっておりますので、そういうような住宅政策を遂行いたしますためには、もちろん、上下水道や、交通の問題や、学校建設の問題やら、都市や消費者の流通機構の問題まで、全部考えて総合的に計画をしなければならない際であります。そういう意味で、私は、各省が一世帯一住宅、これにひとつ協力すると、こういう意味で相互の持ち分から積極的に各省で協力して、住宅問題に取り組んでおるということでありますので、ただいま省をつくる、あるいは庁をつくる、こういう考え方まで進んでおりません。しかし、今後、総合的に、あるいは計画的なこの事業を遂行いたしますために必要であるならば、それは庁程度は考えていいかと思いますが、ただいますぐにこの庁が必要だと、かようには私は思っていないのであります。国防省等と比較されてのいろいろの御議論がありましたが、国防省、これらにつきましては、それぞれのまた別な理由があるのでありますので、そういう問題が積極的に提案されました際に十分御審議をいただきたいと思います。ただいままだ国防省の問題は提案はいたしていない状況でありますから、議論をそちらに移さないようにお願いをしておきます。
最後に、財政的に予算的にたいへん少ないのじゃないか、こういうお話がございます。二百五十万戸、これは公的財源によってこれを整備しようと言っておるのであります。私は、財政上許すならば積極的に支出すること、これはもう当然のことだと思います。大蔵当局もそのつもりで、くふうをいたしておるわけであります。利子補給の制度を設けたが、その金額はきわめてわずかだ、かように言われておりますけれども、従前からこの利子補給の制度が非常に限られたものであって、これを住宅の建設についてまで拡大して施設をつくったこと、このこと自身を、制度を設けたこと自身について御理解をいただいて、政府の積極的な前向きの姿勢であることを御了承いただきたいと思います。今後とも私は、国民に約束しました事項につきまして、この住宅問題についてはたいへん責任もあることだと、かように思いますので、各党の協力を得まして、住宅政策を強力に遂行してまいりたいと思います。(拍手)
〔国務大臣瀬戸山三男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/8
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009・瀬戸山三男
○国務大臣(瀬戸山三男君) お答えいたします。第一は、私ども建設省といたしまして今度の住宅計画を立てます際に、最初七百六十万戸を想定した、これが一、二カ月のうちに六百七十万戸に減って、九十万戸の差ができたのは実におかしいじゃないか、そういう御意見であります。全くそういう御疑念が出ることも無理でないと思います。そこで、私どもが六百七十万戸に今度最終決定いたしました点について、簡単に申し上げておきます。
住宅統計がなかなか簡単なものではございませんで、この前の人口統計あるいは昭和三十八年の十月行ないました住宅統計、こういうものによりまして、大体昭和四十五年に人口一億三百万余、これを一応想定いたしております。それから、大体この世帯といいましても御承知のとおり、一億以上の人口の中では、あるいは一人で暮らしておられる方もたくさんあるわけでございまして、そういう方を——これも推定でありますが、いろんな調査の結果、推定が大体七%弱、数人の世帯を構成しておる方が九三・二%ぐらいであろう、こういう推計を立てております。その際に、そういたしますと、世帯を構成しておる人口が九千六百十四万人ぐらいだろう。こまかくて恐縮でありますが、その際に、私どもは、最近の世帯の分離というものの傾向を見まして、昭和三十五、六年ごろから世帯分離が急速に行なわれまして、その理由は、人口増加、あるいは新婚等があるわけでありますけれども、御承知のとおり、その時分から、急速な産業経済の変動があった、産業の発展に基づいて都市集中が行なわれ、労働力の移動が行なわれた、これが急激な世帯分離の大きな原因であろうと思います。この傾向を見まして、私どもは、その傾向線で、大体三・七人くらいが一世帯ではなかろうか、こういう想定を立てて、それからいきますると、大体七百六十万戸ぐらいが充足するに必要である、かような推定をいたしたのでありますが、これはいろいろ議論がありまして、昭和三十四、五年ごろから三十八年、九年までの傾向というものは、必ずしも今後五カ年間同じ傾向でいくものではなかろう1産業経済の動向というものは御承知のとおりでありますから、同じカーブでいくものではないかもしれない。そういう点から、普通世帯の人口を三・七と推定いたしましたのを、三・八ぐらいでよろしいのではないか。〇・一でありますけれども、これは前に本会議で御説明いたしましたが、その差がちょうどそういうことになるのでありまして、三・七にいたしますと七百六十万戸が必要である、三・八人の普通世帯にいたしますと六百七十万戸が必要である、かようなことで考慮いたしております。これは、今後の人口の移動それから世帯の分離趨勢でありますから、推計であります。私どもはこれでおおむねまかなえるという最終の決定をいたしたのでありますから、今後の傾向というのは、もちろんずっと検討を続けていかなければならないと、かように考えておるわけであります。
それから、どうも政府のやり方は持ち家に重点を置くのじゃないか、こういうお話であります。これは総理からもお話がありましたが、持ち家ができればけっこうでありますけれども、なかなかお話のとおりに、現在の所得水準等から見ますると、家は持ちたいけれども、必ずしも持てない、こういう方々がたくさんあります。そういう方々もいろいろ統計とか推定いたしまして、私どもは、政府施策六百七十万戸のうち大体五三%ぐらいが賃貸 低所得者あるいは中所得者の賃貸住宅に充てるべきである、かようなことで、そのほうに重点を置いた計画を立てていきたい、かように考えておるわけでございます。(拍手)
〔国務大臣藤山愛一郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/9
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010・藤山愛一郎
○国務大臣(藤山愛一郎君) 御質問の第一は、住宅計画は、今後の中期経済計画を破棄した後における新しい計画で、どのように考えるかということでございます。これは、申すまでもなく、住宅の整備充実ということは、今日の日本がやらなければならぬ大きい題目であるのでございますので、したがいまして、今後の経済見通しの施策の中におきましても、この点について十分重点的に考えていかなければならぬことは当然でございます。同時に、住宅問題を解決しつつ、あわせて考えてまいらなければなりませんことは、住宅そのものができてまいりましても、環境の整備に十分でなければ相ならぬのでありまして、交通、衛生、あるいは小公園、その他、児童のための施設、こうしたものが並行してまいることによって、はじめて住みよい住宅ができてまいるわけでございまして、したがって、そういう面を総合的に考えながら計画の中にできるだけ柱として強く出してまいりたいと、こう考えております。
なお、先ほどの御質問の第二としては、民間の住宅投資がそういうような四百万戸もやるような状況になるだろうかというお話でございまして、過去の民間住宅投資の実情を見てまいりますと、大体、三十五年が一二・二%、三十六年が一五・八%、三十七年が一一・四%、三十八年が二四・四%、三十九年が一五・七%、四十年が二五・一%というような民間住宅投資の伸びが考えられております。したがいまして、今後この傾向が推移してまいるといたしまするならば、四百万戸の民間住宅建設というものは必ずしも不可能とは考えておりません。(拍手)
〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/10
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011・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 新長期計画五カ年間の一世帯一住宅、これに対しましては、大蔵当局としても全力を尽くすつもりであります。その初年度であります本年度の予算の策定にあたりましても、住宅問題が、当面している非常に大きな問題である。極端に言うと、最大の問題である。勤労者、特に勤労者でありまするが、この共通の夢は、安定した住宅を持ちたい、こういうことだと思います。これが希望だけであらしめてはならない、これを現実のものとしなければならんという考え方を私はとるのであります。そういうようなところから、昭和四十一年度の予算の編成にあたりましても、特に財政投融資資金の配分、これにつきましては、まず優先的に住宅資金を天引きをする、まずこれを確保しておく、その他のものはその確保した残りを配分するというくらいの考え方をとっているのであります。今後相当多額の資金が要るのでありまするが、同じ考え方をもって今後も臨むべきものである、かように考えております。この計画はぜひ実現をいたしたいという考えであります。
税についていろいろ配慮すべしという御指摘でございますが、今日、中央税制におきましても、割り増し償却や、所得税、登録税の軽減措置、また、地方税におきましても、不動産取得税や固定資産税の軽減等が行なわれているわけであります。住宅政策は、ただいま申し上げました趣旨にのっとって、今後もこういう税の面の施策も強化していきたい。具体的に固定資産税についての御意見がありましたが、固定資産税につきましては、今日、一般の新築住宅につきましては、三年間に二分の一の軽減を行ない、また、中高層の耐火建築につきましては、五年間ないし十年間にわたりまして二分の一の控除を行なう、こういう相当手厚い制度があるわけであります。
また、住宅建設費控除を新設すべしという御意見でございますが、これはちょっと問題がありはしないかと思います。つまり、いま私どもは課税最低限が今度の改正によりましても六十三万円であり、これは非常に低過ぎると考えております。そういう問題も取り急ぎたいという考え方を持っておるのであります。家を持つ、それだけの人に、そういう課税最低限のボーダーを彷徨しておるという人を差しおいて、そういう制度を設けるかどうか、これは問題のあるところかと思いまして、慎重に検討さしていただきたいと、かように考える次第であります。
不動産担保金融、これを強化すべしという御意見でありますが、これは全く私もそういう意見であります。生命保険資金でありますとか、信託資金でありますとか、そういうものを住宅に振り向けるように誘導しております。しかし、何と申しましても、これは低利でなければならぬ、それには国家資金を配分しなければならぬ、こういうふうに存ずるのでありまするが、財政投融資資金の配分にあたりましては、ただいまも申し上げましたとおり、優先的に住宅資金に充当する、こういう考え方をさらにさらに強化していくと、こういうふうに考えておる次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/11
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012・河野謙三
○副議長(河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/12
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013・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第七、国民年金法の一部を改正する法律案(趣旨説明)。
本案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。鈴木厚生大臣。
〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/13
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014・鈴木善幸
○国務大臣(鈴木善幸君) 国民年金法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
国民年金制度は昭和三十四年に創設され、同年十一月から福祉年金の支給を開始し、昭和三十六年から本制度の中心である拠出制年金の実施に入り、現在では被保険者数約二千万人、拠出年金受給者約六万人、福祉年金受給者約三百万人を擁する規模に成長しており、被用者を対象とする厚生年金保険と相並んでわが国公的年金の二大支柱を形成する制度であります。しかしながら、現行の体系につきましては、これまで数次にわたり福祉年金の改善を中心とした改正が行われたのみでありまして、拠出年金の給付水準は、この数年間の著しい経済成長に伴う生活水準の大幅な上昇に取り残され、老後の生活を保障するものとしては不十分な状態に置かれているのであります。一方、最近の人口構造の著しい老齢化現象、生活水準の向上などの事態にかんがみ、老後の生活保障施策はますますその重要性を増しているのでありまして、このため昨年の厚生年金保険の大幅改正に引き続き、国民年金につきましても、本年が財政再計算期にあるところから、これを機会に、今日までの生活水準の向上に即し、その大幅な改正を提案することとした次第であります。
以下、改正法案のおもな内容につきまして、その大要を御説明申し上げます。
まず、拠出制年金に関する事項について申し上げますと、
第一に、年金額の引き上げについてであります。
老齢年金の額につきましては、二十五年拠出の標準的な老齢年金の額は、現行の月二千円から五千円に引き上げることとしており、全期間四十年拠出の場合は八千円に引き上げられることになっております。月額五千円という水準は、従前二十五年拠出の老齢年金額と厚生年金の定額部分とが一致していたように、今回の改正により、改正後の厚生年金保険の定額部分と適合することとなり、これによって、夫婦で月額一万円の年金を実現しようというものであります。
その他の年金につきましても、同程度の大幅な引き上げをはかっておりますが、特に障害年金及び母子年金の最低保障額を充実し、二級障害年金及び子二人を扶養する場合の母子年金で、現行の月額二千円から五千円に引き上げることとしておりますので、現に受給中の六万人につきましても、明年一月分から、月五千円の年金が支給されることになるのであります。
第二に、給付の支給要件の緩和でございますが、その一つは、障害の範囲の拡大でありまして、すべての障害について、障害年金の受給機会を与えようとするものであります。次に、事後重症者の取り扱いでありますが、現行法では、病気にかかってから三年目の症状が軽度である場合には、その後いかに重症となっても障害年金は支給されないことになっておりますが、これを改めて、事後に重症となった者にも年金を支給しようというものであります。
第三に、保険料の額の改定について申し上げます。給付水準を大幅に引き上げますと、これをまかなう保険料についても、当然、相当額に引き上げの必要があるわけでありますが、被保険者の負担能力等を考慮して、今回は、さしあたり、百円の引き上げにとどめ、以後、段階的に引き上げることとしております。
次に、福祉年金に関する事項について御説明申し上げますと、まず、年金額につきましては、昨年の引き上げに引き続き、本年度も各福祉年金について、それぞれ年二千四百円の引き上げをはかっております。
また、支給要件の緩和といたしまして、拠出年金の場合と同様に、障害の範囲を拡大し、事後重症者を障害福祉年金の支給対象として取り上げることとしております。
支給制限の緩和についても、今回は大幅な改善をはかっておりまして、受給者本人の所得による支給制限の限度額を、市町村民税の非課税限度額の引き上げに応じて二十四万円に引き上げるほか、扶養義務者の所得による支給制限の限度額については、標準六人世帯の場合で、現行の約七十二万円から約八十二万円へと、一四%の緩和をはかり、さらに障害福祉年金については、配偶者の所得による支給制限を廃止して、扶養義務者所得制限に吸収することとし、また夫婦の一方が障害福祉年金を受け、他方が老齢福祉年金を受ける場合の老齢福祉年金の三千円停止の措置を廃止することとしております。
以上が改正案のおもな内容でありますが、経過措置といたしまして、現に年金受給中の者についても、同様の年金額引き上げを行なうほか、障害年金等の支給範囲の拡大に伴う所要の経過措置を講じております。
なお、改正案の実施の時期は、諸般の準備等もあり、主たる部分については、昭和四十二年一月分からといたしております。以上をもって改正法律案の趣旨の説明を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/14
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015・河野謙三
○副議長(河野謙三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。発言を許します。山崎昇君。
〔山崎昇君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/15
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016・山崎昇
○山崎昇君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました「国民年金法の一部を改正する法律案」について、内閣総理大臣、厚生大臣、大蔵大臣に対して質問を行なうものであります。
よく言われていることではありますが、憲法第二十五条には、「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」と規定され、国家はそれを実現する責任を負っていることは御承知のとおりであります。近年、社会保障政策の推進は、その具体的政策の中心として、最も重要視されておるところであります。しかし、現実の政治を見るとき、まだまだ社会保障制度は十分に確立されているとは言えないのであります。総理は、社会保障制度の拡充強化に対して、どのような決意を持っておられるのか、基本的な考え方とあわせてお答え願いたいのであります。また、関連して、社会保障の基本ともいうべきILO第百二号条約、及び所得保障に関する第六十七号勧告について、いつごろ批准されるのか、所信を聞きたいのであります。次いで、私は、ただいま説明のありました今回の改正案について、具体的に質問をいたします。
質問の第一は、保険料の増額と国庫負担率の据え置きについてであります。政府は、「夫婦一万円年金」と盛んに宣伝しておりますが、その中身は、被保険者の保険料を二倍にも上げておるわけであります。政府の負担で一万円年金になったわけではありません。自分が二倍の保険料を出して、二倍の年金をもらうことになるのでありまして、政府があたかも社会保障制度を前進させているような宣伝はやめてもらいたいと思うのであります。保険料は、三十五才以上の者は月額百五十円から二百五十円に、三十五才未満の者は百円から二百円に、それぞれ昭和四十二年一月から百円ずつ引き上げられ、この引き上げ率は、厚生年金の五七%増をこえ、七六%の増であります。また、昭和四十三年度からは、さらに五十円引き上げられることになっており、その引き上げ率は実に一一四%となり、二倍以上になるのであります。諸物価の値上がりが相次いでいる今日、大衆負担はぎりぎりであって、この保険料の増額は何としても認めるわけにはいかないのであります。この保険料の増額とは反対に、政府の保険料負担率は据え置きでありまして、いかに政府のやり方が大衆収奪の政策であるか明らかであります。本年一月二十六日の国民年金審議会の答申、さらに、二月十四日の総理府社会保障制度審議会の答申を見ましても、いずれも、国庫負担率の引き上げについて何らの配慮をしなかった政府に対し、遺憾の意を表明しているのであります。本人の大幅な負担増による今回の年金額の改正は、真の所得保障ではありません。政府は、なぜ答申を無視して、国庫負担の増率について配慮しなかったのか、その理由について、総理、厚生、大蔵大臣の答弁を求めるものであります。
質問の第二は、年金額についてであります。今回の改正案によりますと、拠出年金額は、たとえば老齢年金については、二十五年間保険料を払い込み、五年間待たされて、六十五才から月額五千円支給されることになりますが、本年度の生活保護基準によれば、一級地で一人平均月額五千百三十二円でありまして、これでは拠出年金のほうが低いことになります。生活保護基準より低い年金額では、とうてい所得保障とは言えないのであります。この年金額と生活保護基準との関係について、どのように考えておられるのか、厚生大臣の見解を聞きたいのであります。
質問の第三は、国民年金制度における不均衡についてであります。政府の統計資料によりますと、国民年金の被保険者は約二千万人でありますが、その一二・七%に該当いたします二百四十万人は保険料を払えない低額所得者でありまして、いわゆる保険料免除者であります。これら保険料免除者の年金額は、三百五十円に保険料免除期間の年数を乗じて得た額であったが、今回、二百円に保険料免除期間の月数を乗じて得た額の三分の一に相当する額を支給することになりましたが、保険料を払うことができない貧しい免除者の年金額を、なぜ保険料納入者と同額にしないのか。これでは完全な保険主義であって、社会保障ではないのであります。免除期間の保険料は政府の負担によって処置すべきであり、ほんとうに社会保障が必要なのはこういう人たちではないでしょうか。政府のあたたかい処置を望むと同時に、厚生、大蔵、両大臣の所信を聞きたいのであります。
また、現行法では、拠出制障害年金の受給者においても、二十歳以前に障害者になった者を含めておりませんが、これは保険会社の考えと同じであって、拠出する以前は責任を負わないという考え方であります。たとえば両眼失明など、この障害が二十歳以前に生じた者に対しては、障害年金の対象者とはなりませんが、一級障害の最低保障額六千円、障害福祉年金月額二千二百円と比べて、大きな不均衡と思いますが、今回の改正案で、なぜこれらのことが処理されなかったのか、厚生大臣の見解を聞きたいのであります。
質問の第四は、いわゆるスライド制の実施についてであります。所得保障とは、そのときの生活水準を維持するものでなければならないことは申すまでもありません。したがって、経済の変動等によって生活水準等が変わった場合には、当然年金額についても改定する必要があるのであります。ことばをかえて申し上げると、いわゆるスライド制を実施して初めて真の所得保障となるのであります。具体的な例で申し上げてみますと、ある公務員でありますが、昨年四十三歳で二十五年間在職して退職をいたしました。その者の年金は年額二十六万九千九百四十九円で、月額にして二万二千四百九十六円でありますが、若年停止でありますために、五十五歳に達する昭和五十二年にならなければ支給されません。政府の発表する経済計画や物価上昇率などはあまり当てになりませんが、かりに物価上昇率を、今後平均して年間六%と仮定いたしましても、十二年間に七二%の物価上昇であります。いま、もらうなら、話は別でありますが、十二年後でありますために、年金をもらうころには、二万二千円も、実際には六千円程度しか価値がございません。政府のいう「一万円年金」にいたしましても、全面的に法の施行になります昭和四十六年ころには、現行の年金額と実質的に変わりはありません。二倍も保険料を取られ、年金額の価値が下がるような、いまの制度は、納得ができないのであります。したがいまして、ほんとうに所得保障を考えるなら、スライド制の実施こそ急務であると思います。なぜ今回の改正にあたって、この点が考慮されなかったのか。また、今後どうこの制度の確立をされるのか、総理及び厚生大臣の所信を聞きたいのであります。
質問の第五は、福祉年金についてであります。
まず第一点は、年金額でありますが、福祉年金はそれぞれ月二百円ずつ引き上げられて、老齢福祉年金は月額千五百円、障害福祉年金は月額二千二百円、母子福祉年金は月額千七百円という、きわめて低い額であります。少なくとも拠出年金額に近づける必要があると思われますが、このような少額の引き上げでは、全く消費物価の上昇に解消され、実質的な引き上げとはなりません。なぜ、このような少額にとどまったのか、今後どのように引き上げていくのか、厚生大臣の見解を聞きたいのであります。
第二の点は、支給対象者の年齢制限についてであります。共済年金は五十五才、厚生年金は六十才、拠出年金は六十五才、福祉年金は七十才でありまして、共済年金とは十五年、厚生年金とは十年、拠出年金とは五年の開きがあります。せめて現行の支給開始年齢を六十五才まで引き下げるべきだと思いますが、厚生大臣にその意思があるかどうか、お尋ねをいたします。平均で言って恐縮でございますが、日本人の平均寿命は男が六十七才、女が七十二才と言われておりますから、男は福祉年金をもらうことができず、女は二年間だけもらうことになるという結果になるわけであります。また、この年齢制限と同時に、きびしい所得制限があります。今回の改正によって、本人所得年額二十二万から二十四万に、扶養義務のある子供一人につき六万円の加算が認められるようになり、若干の前進はありましたが、特に生活保護世帯あるいはボーダーライン層等、低額所得者については、この所得制限を撤廃すべきだと思いますし、また障害者の範囲についても、拠出年金では二級障害者まで支給されるのに、障害福祉年金では一級までしか支給されない等の不均衡がありますので、障害者の年金については、その範囲の拡大、対象者の統合一本化についても、あわせて厚生大臣のお答えを願いたいのであります。
第三点は、夫婦受給制限であります。今回の改正で、障害福祉年金と老齢福祉年金との受給制限は撤廃されましたが、夫婦で支給を受ける老齢福祉年金については制限されております。老人夫婦に対して、このような受給制限をすることは、当を得た措置とは思われません。老夫婦に対し、仲よく、孫の小づかい銭程度のものは、何の制限もなく支給するのが、長い間にわたって社会に尽くした老人へのせめてもの贈りものではないでしょうか。今後、この点の改善をどう進められるのか、厚生大臣の見解を聞きたいのであります。
最後に、国民年金積み立て金の管理運営についてであります。積み立て金は、国民年金に加入している国民の血と汗の結晶であります。したがって、この積み立て金の管理は、厳格にする必要があると同時に、被保険者の代表も加え、その運営にあたっては民主的運営をはかるとともに、被保険者の福祉を中心に還元等の処置が必要であると思いますが、これからの管理運営についての方針について、厚生、大蔵大臣の所信を聞きたいのであります。
以上、私は、時間の制限がありますため、きわめて簡潔に、国民年金法の改正にあたって政府の見解をただしたのでありますが、政府も、今後の社会保障の前進が国民生活を保障する重要な道であることを考えられ、前向きの姿勢で答弁されるよう要望して、質問を終わります。(拍手)
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/16
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017・佐藤榮作
○国務大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
政府は、経済成長の成果を国民に均てんさすその重点的施策として、いわゆる社会保障制度、これを進めておるわけであります。したがいまして、この観点に立ちまして、国民生活の向上並びにこれを豊富にする、こういうことから、保険制度を含めての、いわゆる社会保障制度全般についての内容の整備充実をはかっておるわけであります。いろいろ努力をしてまいっておりまするが、しかしながら、まだ日本のこの内容は、西欧諸国に遠く及ばないものがあるようであります。今後とも、さらに進んで整備充実をはかっていくつもりであります。そのためには、社会保障制度審議会その他の審議会等ができておりまして、いろいろ政府に対して勧告をしたり、あるいは総合調整の答申をしたりしております。これらが今後、政府が検討するそのポイントになると、かように考えておりまして、絶えずこの社会保障制度の充実について努力をしてまいるつもりであります。
また、今回の改正において、どうも国庫負担が少ないではないかと、こういう御指摘でございます。今回の改正におきましては、国庫負担率を変えておりません。これはしばしば説明されておると思いますが、御承知のように、国民年金制度における国庫負担率は、他の年金制度に比べまして有利に立てられておりますので、今回はこれを引き上げなかったということであります。しかし、実額は保険料が上がるにつれましてふえておることは、これまた御承知のとおりであります。こういうことは、今回の処置だけできまる問題ではありませんし、年金制度の性格から見まして、長期の観点に立って見ていかなければならないと思います。したがいまして、今後、国民年金制度、その運営等について、いろいろ検討を加えて、所要の改正を行なっていくということにいたしたいと思います。
その他の事項につきましては、ILOの批准等をも含めて、全部、厚生大臣あるいは大蔵大臣等の答弁にまかせます。(拍手)
〔国務大臣鈴木善幸君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/17
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018・鈴木善幸
○国務大臣(鈴木善幸君) お答えをいたします。
ILO百二号条約の批准につきましては、現在、年金関係諸条約の改定が予想をされております。また、わが国におきましても、医療保険制度の根本的な改善をやらなければならない段階にあるのでありますので、これらの事情を十分考慮いたしまして、批准の問題は慎重に検討してまいりたいと考えております。
次に、御質問の第二点の、国庫負担の問題につきましては、被保険者の実情にかんがみまして、現行でも、各制度の中で最も有利な率になっておりますことは、御承知のとおりであります。年金財政は長期的に考察をする必要がありますので、その引き上げにつきましても、今後、制度の推移を十分考慮いたしまして検討してまいりたいと思います。
第三点の、年金額の問題につきましては、農民や自営業者等の実態を十分考慮いたしまして、また、今回、厚生年金との均衡をはかることといたしたのでございます。今後とも、国民生活の水準の向上に見合いまして、この法の趣旨に沿って、所要の調整を加えてまいりたいと存じます。
第四点の、生活保護との関係につきましては、生活保護は、収入、地域差、あるいは世帯構成等を考慮して、最低生活保障を行なうものでありまして、国民年金は、それらに関係がなく、一律に支給される性格のものでございます。単純に生活扶助と年金の額を比較することは、これは無理なことではなかろうかと存ずるのであります。
第五点の、保険料免除者に対する年金額の引き上げにつきましては、従来、免除期間一年につきまして三百五十円でありましたものを、今回、八百円に引き上げるようにいたしたのであります。また、障害年金の資格要件の緩和措置も講ずることにいたしておりまして、社会保障の精神に即しまして、これらの改善を行なっておるところであります。二十歳前の障害の問題等、年金制度全般にわたる問題につきましては、さらに将来の研究課題として検討してまいりたいと存じます。
第六点の、年金額スライド制の問題につきましては、これは年金制度上の非常に重要な問題でありますので、目下、関係審議会におきまして御検討を願っておるのでございまして、その結論を待って善処いたしたいと考えております。
第七点の、福祉年金の問題につきましては、三百万人に及ぶ受給者の福祉に影響するところが大きいので、今回も、財政事情の許す限りの改善をはかった次第でありまして、今後とも引き続き努力をしてまいる考えでございます。
最後に、積み立て金の運用につきましては、現在、二五%を社会福祉関係のために還元融資をいたしておるのでございますが、残りの七五%につきましても、国民福祉に寄与するという観点に立ちまして、その運用をはかってまいりたいと存じます。(拍手)
〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/18
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019・福田赳夫
○国務大臣(福田赳夫君) 国民年金に対しまして、国庫負担を今回なぜふやさなかったかと、こういうお話ですが、これは総理からも厚生大臣からもお答えいたしておりますとおり、これは、もともとが高い——三分の一という異例な高い国庫補助をしておる関係で、二百五十円、三百円というわずかな積み立て金をもって、一万円年金というような実をあげ得るのでありまして、今回の改正にあたりまして、今後の会計の運営を考えてみましても、引き上げの必要はないと、かように考えておる次第でございます。
なお、還元融資その他、年金資金を有効に、かつ、適正に運用すべしというお話でございました。これはごもっともでございます。さような観点から、資金運用審議会、この会長には末高信先生が就任されております。公益的な見地から、特に社会保障に重点を置いて、資金運用部資金全体を見ておるわけであります。そのうち四分の一は社会保障施設に直接還元する、その他も、直接間接に、社会公共の、公益のために運用するという考え方をとっておるわけであります。その運用も適切に行なわれておる、今後も注意してまいりたい、かように考えております。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/19
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020・河野謙三
○副議長(河野謙三君) これにて質疑の通告者の発言は終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
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021・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第一、義務教育諸学校施設費国庫負担法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教委員長二木謙吾君。
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〔二木謙吾君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/21
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022・二木謙吾
○二木謙吾君 ただいま議題となりました法律案につきまして、文教委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
本法律案は、国庫負担の対象とする公立の小中学校の屋内運動場の工事費の算定方法を、児童または生徒の数を基準とする方法から、当該学校の学級数を基準とする方法に改めるものであります。
委員会におきましては、小中学校における屋内運動場の整備の状況と、新基準による改善内容、学校施設の整備に関する地方関係団体の超過負担、地元住民の寄付、国の住宅建設五カ年計画に伴う就学者の社会増に対応する小中学校の新増設計画等の諸問題について、きわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終わり、北畠委員より、施行期日等に関する修正案が提出されました。採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案は全会一致をもって可決され、よって本法律案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定をいたしました。
次いで北畠委員より、小学校の校舎等の建設費の国庫負担率の引き上げ、小中学校の校地取得費の助成措置等について附帯決議案が提出されましたところ、これまた全会一致をもって委員会の決議とすることに決定をいたしました。
以上、御報告を申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/22
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023・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/23
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024・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正どおり議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/24
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025・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第二、最高裁判所裁判官退職手当特例法案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。法務委員長和泉覚君。
〔和泉覚君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/25
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026・和泉覚
○和泉覚君 ただいま議題となりました最高裁判所裁判官退職手当特例法案について、法務委員会における審議の経過と結果を報告いたします。
本法律案は、最高裁判所の使命と同裁制官の職責にかんがみ、退職した最高裁判所裁判官に支給する退職手当を増額するため、国家公務員等退職手当法の特例を設けようとするものであります。
本法律案の要旨は、第一に、退職した最高裁判所裁判官に支給する退職手当の額は、退職の日における報酬月額に勤務年数を乗じた額の六・五倍とする。ただし、退職の日における報酬月額の六十倍を最高限度とすること。第二に、退職手当の算定には、最高裁判所裁判官の在職期間と、その他の公務員の在職期間を通算せず、それぞれの在職期間について、各別に退職手当を算定して支給すること等であります。
委員会においては、退職した最高裁判所裁判官に支給する退職手当の性質、これを増額する基準の算定根拠、臨時司法制度調査会の意見と本法律案の関係、特に、弁護士から任用する下級裁判所裁判官及び検察官の待遇を改善しなかった理由、最高裁判所裁判官と検事総長、下級裁判所裁判官等との待遇の均衡、最高裁判所の長官及び判事の任用方針並びに同裁判所調査官の職務内容等について、熱心な質疑が行なわれましたが、詳細は会議録によって御承知を願います。
質疑を終わり、討論に入りましたところ、松野委員から自由民主党を代表して、施行期日に関する修正案を提出するとともに、修正部分を除く原案に賛成の意見が述べられました。修正案の内容は、「附則第一項中「昭和四十一年四月一日」を「公布の日」に改める。」というものであります。また、山田委員から公明党を代表して、弁護士から任用する裁判官、検察官等の待遇改善を要望の上、修正議決に賛成の旨述べられました。
次いで修正案及び修正部分を除く原案について、順次採決の結果、いずれも多数をもって可決せられ、よって本法律案は修正議決すべきものと決定されました。
以上報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/26
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027・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案の委員長報告は、修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/27
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028・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって本案は委員会修正どおり議決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/28
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029・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第三、国民金融公庫法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長徳永正利君。
〔徳永正利君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/29
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030・徳永正利
○徳永正利君 ただいま議題となりました国民金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
国民金融公庫の昭和四十一年度における貸し出し計画は、二千七百八十七億円と、一そうの増加が見込まれており、加えて昭和四十一年度からは、環境衛生業種に対する融資の充実も予定されておりますので、本案は、この際、理事の定員を一人増加して、「七人以内」に改め、さらに監事の権限を明確にしようとするものであります。なお、本案につきましては、衆議院において、施行期日を「公布の日」に改める修正が行なわれております。委員会におきましては、融資条件について、いわゆる環営法の政令指定業種と、そうでない業種との間に差別が生ずるのではないか、環境衛生業種とはいえ、バー、キャバレーなどに財政資金を融資するのは不適当ではないか、環境衛生営業に対する融資は、その償還のために、結果的には物価値上げを招来するのではないか、そのほか、監事の待遇等について質疑がありましたが、その詳細については会議録によって御承知願います。
質疑を終了し、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/30
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031・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/31
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032・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 総員起立と認めます。よって本案は、全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/32
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033・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第四、核原料物質開発促進臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。科学技術振興対策特別委員長秋山長造君。
〔秋山長造君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/33
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034・秋山長造
○秋山長造君 ただいま議題となりました法律案につき、科学技術振興対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
御承知のとおり、核原料物質開発促進臨時措置法は、国内に賦存する核原料資源の開発を促進することを目的として、昭和三十一年五月四日に制定されたものでありますが、鉱業法の特例を定めている関係上、施行の日から十年以内に廃止することになっておったのであります。本法のもとにおきまして、過去十年間、原子燃料公社及び地質調査所は、熱心に探鉱活動を続け、かなりの成果をあげてまいりました。しかし、その調査は、いまだ十分に尽くされているとは申せない実情にあり、なお、今後とも、探鉱調査を続行する必要がありますので、現行法の存続期間をさらに十年間延長し、あわせて、若干の条文の整備をしようとするのが、本改正案の要旨であります。
委員会におきましては、国内ウラン鉱の開発状況と今後の見通し、原子力発電の将来性、特殊核物質の民有化問題など、原子力をめぐる広範な諸問題につき熱心な質疑応答が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録に譲ります。
質疑を終わり、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/34
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035・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/35
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036・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/36
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037・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 日程第五、通商産業省設置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。内閣委員長熊谷太三郎君。
〔熊谷太三郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/37
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038・熊谷太三郎
○熊谷太三郎君 ただいま議題となりました通商産業省設置法の一部を改正する法律案について、内閣委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案の改正点は、通商産業省本省の軽工業局及び繊維局を、化学工業局及び繊維雑貨局に改組すること、公益事業局次長を廃止すること、高圧ガス保安審議会を、高圧ガス及び火薬類保安審議会に改組すること等であります。
委員会におきましては、内部部局改組の理由、中小企業対策、貿易の現状と重点施策、化学肥料工業等の対策、企業の資本構成等について質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終わり、討論に入りましたところ、自由民主党を代表して船田委員より、本法律案の施行期日等について所要の修正を加える修正案が提出され、修正部分を除く原案に賛成する旨の発言がございました。
次いで採決の結果、船田委員提出の修正案並びに右修正部分を除く原案は、いずれも全会一致をもって可決され、本法律案は修正議決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/38
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039・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/39
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040・河野謙三
○副議長(河野謙三君) 過半数と認めます。よって本案は、委員会修正どおり議決せられました。
本日はこれにて散会いたします。
午前十一時五十二分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105115254X02219660415/40
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