1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年五月十日(水曜日)
午前十時十八分開議
出席委員
委員長 内藤 隆君
理事 進藤 一馬君 理事 福井 勇君
理事 古川 丈吉君 理事 細田 吉藏君
理事 井岡 大治君 理事 久保 三郎君
理事 河村 勝君
亀岡 高夫君 中川 一郎君
福家 俊一君 板川 正吾君
小川 三男君 神門至馬夫君
内藤 良平君 野間千代三君
米田 東吾君 渡辺 芳男君
山下 榮二君 松本 忠助君
出席政府委員
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省船員局長 河毛 一郎君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
海上保安庁長官 亀山 信郎君
委員外の出席者
専 門 員 小西 真一君
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五月十日
委員秋田大助君辞任につき、その補欠として亀
岡高夫君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
参考人出頭要求に関する件
船員災害防止協会等に関する法律案(内閣提出
第一〇五号)
日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案(
内閣提出第三二号)
海上保安に関する件
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/0
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001・内藤隆
○内藤委員長 これより会議を開きます。
船員災害防止協会等に関する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。金丸政務次官。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/1
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002・金丸信
○金丸政府委員 ただいま議題となりました船員災害防止協会等に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
船員の職務上の災害発生率は、陸上労働者の平均労働災害発生率の二倍以上であり、建設業に従事する労働者の場合とほぼ同様であります。特に死亡事故においては、全産業中最も高い率を示している鉱業、港湾運送事業等における発生率に匹敵しております。また、船員は、通常船内において生活しなければならないため、職務外の負傷、疾病等についても船内生活の影響が顕著にあらわれており、職務上の災害とあわせて、その療養のため船をおりる船員の数は、年間千人につき、百六十五人に及んでおります。
これらの船員の労働災害防止のためには、現在、船員法並びに船員法に基づく船員労働安全衛生規則による法規制が行なわれております。しかしながら船員の災害疾病の防止をさらに積極的に行なうためには、これらの法規制とあわせて、船員災害の減少目標等を定めた船員災害防止計画を樹立するとともに、船員災害の防止を目的とする船舶所有者の団体による自主的な活動を促進するための措置を講ずる必要があります。
この法律案は、このような観点から船員災害防止対策を推進しようとするものでございます。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律案で防止の目的といたします船員災害は、船舶内で居住するという船員労働の特殊性にかんがみ、陸上における労働災害の範囲と異なり、事業場の設備等の物的原因及び作業行動による負傷、疾病及び死亡のみならず、船内生活による負傷、疾病及び死亡をも包含するものといたしております。
第二に、運輸大臣は、船員災害の減少目標その他船員災害の防止に関する基本的事項を定めた長期計画及び年次計画を樹立し、及び公表するものとし、これらの的確かつ円滑な実施のため必要があるときは、船舶所有者その他の関係者に対し、船員災害の防止に関する事項について、必要な勧告または要請をすることができることといたしております。
第三に、船舶所有者及びその団体は、運輸大臣が樹立した船員災害防止計画に即応して、船員の安全の確保及び船内衛生の向上のための対策を自主的に推進するため、この法律に基づき船員災害防止協会を設立することができるものといたしております。また、政府は、協会の活動を促進するため、これに船員保険特別会計から補助金を支出することができるものといたしております。
第四に、協会は、運輸大臣の認可を受けて、船員災害の防止のために講ずべき具体的措置を定めた船員災害防止規程を作成し、会員はこれを順守しなければならないものとするとともに、船員災害防止規程は、労働協約と抵触しない限度において就業規則に優先するものといたしております。
第五に、協会の設立の認可その他協会の監督は、運輸大臣及び厚生大臣がこれを行なうことといたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/2
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003・内藤隆
○内藤委員長 これにて提案理由の説明聴取は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/3
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004・内藤隆
○内藤委員長 次に、日本鉄道建設公団法の一部を改正する法案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、これを許します。野間千代三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/4
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005・野間千代三
○野間委員 提案になっております日本鉄道建設公団法の一部政正は、政府保証債の条項の改正の問題ですが、その前にたしか昨年、十年の長期計画を立てられて、総額九千七百二億円にのぼる建設計画を立てておられるわけですが、その資金計画によりますと、たとえば昭和四十二年度は七百五十九億の建設線計画になっております。予算によりますと、四十二年度の予算は五百二十五億というふうになっているわけですが、この長期計画と四十二年度の予算の関係、それから長期建設計画に関する資金計画が、同じように十カ年計画が出ているわけですが、それとの関連について御説明いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/5
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006・増川遼三
○増川政府委員 ただいま御質問ございましたように、四十二年度予算は五百二十五億の案でございます。これに対しまして、債務負担行為二百二十五億を認められておりますので、合わせて七百五十億の事業規模となったわけでございます。十カ年計画案によりますると、ただいま仰せのごとく、工事費としましては七百五十九億でございます。これに管理費を加えまして八百七十六億の要求をしておったわけでございますけれども、財政の諸事情によりまして、先ほど申し上げましたような予算規模に圧縮されたわけでございます。
なお、十カ年計画につきましてはまだ確定をしておるわけでございませんで、大体この方針でやりますことはわれわれも決意いたしておるわけでございますが、このような四十二年度予算額に大体の内定を見ておる現在におきましては、自後の計画年度におきまして十分その分を取り返すようにいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/6
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007・野間千代三
○野間委員 言われることはわかりますが、この十年計画によると、建設の工事費が七百五十九億ですね。十カ年計画で初年度の四十二年度で七百五十九億。まあ管理費等を入れて八百七十六億になるわけですが、一方、四十二年度の予算によりますと、七百五十九億に対応する額が四百三十八億だ、こういうわけですね。これに御答弁の二百二十五億の債務負担行為が入るわけですが、たとえ債務負担行為が入っても、額としては当初要求の七百五十九億にはだいぶ遠いわけですね。約百億遠いわけですね。そういう関係でまいりますと、もちろん十カ年計画ですから、十年のうちには何とかなるというような御答弁のようですが、この十カ年計画を予定として立てておられるわけで、初年度のこうした狂いに対して十カ年計画は変わるのかどうか、変えようとされているのかどうか、計画をし直すのかどうかという点について、もう一ぺん御答弁いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/7
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008・増川遼三
○増川政府委員 われわれといたしましては、あくまでこの十カ年計画は昭和五十年度までで完遂をいたしたい。これにつきましては鉄道建設審議会からの建議もございまして、この線に十分沿って措置をとってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でざざいますので、先ほども申し上げましたように、今後の資金確保に十分つとめまして、四十三年度以降における当初計画数字の改定を考えておる次第でございます。目下慎重に検討を進めておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/8
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009・野間千代三
○野間委員 わかりました。それでは大体この昨年策定をされた十カ年計画で新線の建設計画を進めていかれるというふうに理解をいたしまして、そういう前提で御質問申しますが、そうなってまいりますと、今度の法律改正で、政府保証債を立てられたわけです。これは他の特別債等の償還あるいは利回り等から見ると、公団としては政府保証債がなるべく多いほうがいいというふうになるのだろうと思いますが、昭和四十二年度予算ではたしか三十八億であったと思いますが、この政府保証債の三十八億の問題と、それから政府の出資金が昨年は三十五億、これが八十八億にふえておるわけですね。その意味では昨年から比較をすれば確かに五十三億の増ですから、増額になっておることは事実でありますが、この政府保証債が、特別債と比較をすると、三十八億というのは少し少な過ぎやしないかというふうに考えられるのです。その問題と、それからいま言われた十カ年計画を進めてまいります上に、政府の出資金が八十八億というのも少し少な過ぎやしないかというふうに脅えられます。そういう意味で七百五十九億というふうに工事費を策定をせられたときの政府出資の金額の予定、希望、要求といいますかそういうものと、当時政府保証債についてどういうふうに考えておられたのかということについて御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/9
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010・増川遼三
○増川政府委員 公団としましては、特別債よりも政保債をよけいにしていただいたほうがきわめて有利に工事が展開できるわけでございまして、この公団の資金調達の円滑化を期するというために政保債のほうを増額していただきたいということはかねがね考えておるところでございまして、来年度の財投や民間の資金需要等を勘案いたしまして、本年度は三十八億の政保債ということが決定されたわけでございますが、このほかに特別債というものが二百二十六億五千万円ということになっておりまして、昭和四十三年度以降におきましてはさらに政保債の増額につきまして要望し、また獲得すべく努力いたしたいと考えておる次第でございます。政府出資につきましては、今年度八十八億ということに査定を見ておるわけでございますが、これは前年度に比較いたしますと、確かに五十三億も大幅に増加をしたわけでございます。鉄建公団は無償で貸しつけるような地方開発線というものを建設する使命を帯びておるわけでございまして、この意味からいたしまして、この政府出資というものはさらに大幅に伸ばしていただきたいというわけでございます。当初われわれといたしましては、四十二年度におきまして政府出資、二百五十五億を要求しておったのでございます。これに対しまして、非常に少ない政府出資でございますが、何ぶんにも実績からしますれば倍以上にも伸びたわけでございます。今後とも十分にこの趣旨を理解していただきまして増額を期待しておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/10
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011・野間千代三
○野間委員 三十九年に公団ができましたときから見れば、四十二年度予算の内容は、いま局長の言われるように、政府出資の分でもその他の問題でも、大幅に増額になっておるということはわかります。ただ私は、この十カ年計画ということで九千億、約一兆円に近い資金を投じて建設をされようという方向に動いておるわけですね、その基礎として、政府のほうから二百二十五億の出資が必要であるというふうに考えられておる観点からすると、政府出資金が八十八億というのは少し少な過ぎはしないか、少なくとも要求の半分くらいはいってもいいのじゃないかというふうな気がするので、そういう意味ではなお一そうの努力が必要ではないかというふうにも存じます。これは済んだことなので、そういうふうに指摘をしておくだけで終わります。
それから、この政府保証債の問題ですが、鉄道建設という、しかもそれが建設公団の主要な目的としている地域格差の是正であるとか、地方経済の振興であるとか、あるいは新産都市の援助であるとか、そうした重要な意味を含んでおるとすれば、できるだけ債券の消化という意味では政府保証債が必要だというふうに思います。そういう意味で、いま予定をされているその他の特別債等の現在までの消化の状況はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/11
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012・増川遼三
○増川政府委員 四十一年度の特別債につきましては、建設業者が三十億、地方公共団体が六十一億、金融機関が八十八億余これを引き受けていただきまして、予算どおりの百八十億の調達が順調にできたわけでございます。しかし、四十二年度におきましては、予定しております二百二十六億五千万円、これの消化につきましては、下半期の金融事情が四十一年度と比較いたしまして好転するとも考えられませんので、公団が四十一年度同様に引き受け先確保に相当つとめなければならないのじゃないかというふうに考えておる次第でございます。また公団の努力によりまして、政保債というもののできました関係から、何とか努力いたしましてこれを消化いたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/12
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013・野間千代三
○野間委員 建設公団の債券の消化が非常にむずかしい。今日までのは、御答弁のようにややスムーズにいっておるように見られますが、将来、十カ年計画のように相当大幅に消化をしなければならぬときになってまいりますと、なかなかこれは容易でないのじゃないかというふうに感じられるのですが、それは建設公団というものの性格といいますか、建設公団は別段これは国鉄のように——国鉄も必ずしもそうでないのですが、いわば鉄道事業のように、建設をされたものから乗客輸送によって利益を得てくるという構成になっていないわけですね。建設だけを担当する、しかもその建設したものは有償、無償貸し付けあるいは譲渡をする。赤字になりそうなところは無償で貸し付ける。黒字のところだけやや有償になるということになるわけですね。現在までの報告ですと、有償のところはたしか根岸線の一線だけのように思いますが、鉄道公団が持っているいわば宿命といいますか、そういうものからすると、これは一般的に言って、確かにその地域利用債等、地域の開発のために、その部分では利用債の消化がややスムーズに進む場合もありますけれども、全体としては、そういった建設公団の持っている性格からして、なかなか債券の消化が困難な点があるというふうにも考えるわけです。そういう意味では、今後の消化についてはなかなか困難性がありはしないかというふうに考えられますが、そういう点の対策といいますか、考え方といいますか、そういう点はどういうことになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/13
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014・増川遼三
○増川政府委員 仰せのとおりに私どもも心配をしておるわけでございまして、今後は政府出資を極力ふやしていただくということ、それから借り入れ金につきましては、政府からの借り入れ金あるいは政保債、こういったものに重点を置きまして、極力特別債というようなものは漸次減らしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/14
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015・野間千代三
○野間委員 そのとおりだと思います。なるべく政府出資を増額する、そうして、たとえば地元の利用債にしても、いま現に相当潤沢な地域でなくて、開発するという意味での新線建設がありますから、そういう点ではその地方自治体等における引き受けも、財政上なかなか困難じゃないかというふうにも考えられますので、今後の方針として政府の出資金を主体としてふやしていただく、債券のほうはできるだけ政府保証債を増額するということが必要じゃないかというふうに思われますので、それはその答弁で一応了解をすることにいたします。
それから特に、これは建設公団の設立に関する法律案の論議の際にも、私も参画をして、当時論議をされたと思いますが、いま工事線あるいは調査線、予定線、そういうものがたしか敷設法の第一条別表に基づいてつくられておるわけですね。したがって相当長い間、というよりも、あの法律はたしか大正十一年であったと思いますが、その当時からのいわば相当古いもので、日本の経済の伸展、最近のたとえば大都市交通の問題であるとか、あるいは都市間の交通の問題であるとか、特に高度経済成長政策のあとの日本の都市事情、通勤事情、そういうものから見ると、地方の格差是正あるいは地方経済の振興というような面でも相当必要性はありますけれども、当面——たしか別表によって二百幾つかの線になったと思いますが、それを一回総ざらいをして、緊急必要度、そういうものを重点にした着工線あるいは調査線等の検討が必要ではないかということがすでに論議をされておりましたが、この十カ年計画を立てる際には、その辺は相当検討をされて立てられておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/15
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016・増川遼三
○増川政府委員 現在公団に運輸大臣から指示しておりますのは、工事線が六十二線、それから調査線が三線でございます。これにつきましては、以前からもうすでに最も重要なものとしまして手をつけた線でございますので、これにつきましては、いまさらこれをやめてもよろしいという検討はいたしておりません。今後予定線から調査線へ、あるいは工事線へというふうに引き上げてまいります際に、われわれといたしまして、また鉄道建設審議会のほうにはかりまして、現在における諸事情、また今後の諸政策的な見地から慎重に御検討をいただきました上で選択をいたしてまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/16
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017・野間千代三
○野間委員 それはわかりました。この現在工事線になっている六十二線、調査線が三線、これはそうだろうと思います。ただ問題はすでにこの予定線として書かれている予定線そのものに問題がありはしないかと一つは思うのですね。ですから予定線を土台にしてどれを昇格をさせるかという問題ではなくて、予定線そのものを現在の日本の経済情勢に、あるいは地域情勢に見合うような検討が必要ではないかというふうに私は思うのです。それはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/17
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018・増川遼三
○増川政府委員 御指摘のとおり、私どもが別表を見ましても、これはすでに別な建設によって全く意義を失ったものというものもございますし、別表に載りました当時と事情が変わりまして、すでにもうこれは要らないのじゃないかというふうに考えられるもの、その他いろいろございます。確かに御指摘のとおりでございまして、現在の段階におきましては、この別表に載っておりますものにつきまして再検討も必要ではないかというふうに、われわれも考える次第でございます。これにつきましては、鉄道建設審議会のほうにもおはかりいたし、御相談申し上げまして、今後慎重に取りはからいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/18
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019・野間千代三
○野間委員 わかりました。
それでは次に工事の現況なんですが、この前配付いたされましたこの建設公団の文書によって大体概括はわかるのですが、特に現在進めております工事線の六十二線、調査線の三線の中で特徴的なものを御説明いただければ全体の傾向が察知できると思いますので、現況を実はある程度深く知りたいのです。これは理事会のほうでお取り扱いをいただきたいのですが、公団の総裁以下理事の方に出ていただいて、詳細について御報告をいただき、内容を少しつまびらかにしたいと思いますので、その際に譲りますが、きょうはその大勢を知りたいという意味で二、三特徴的な線についてあげますから、それの計画、あるいは開通の時期、その大まかな点についてひとつお答えをいただきたいと思います。
一つは、運輸省であげておりますこの十カ年計画でまいりますと、大都市交通線というふうに、いわば大都市対策というふうに言われておる中で、武蔵野線、それから湖西線、これが二つ、それから主要幹線の区分の中で、根岸線の延長線のほうですね。それから地方線というふうなことであげております中で阪本線、それから海峡連絡線の区分の中で一この海峡連絡線の問題については津軽海峡線、本州四国の淡路線、それから備讃線、この三つがありますが、この三つについて。以上の線について概括でけっこうですから、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/19
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020・増川遼三
○増川政府委員 大都市交通線の武蔵野線及び湖西線につきましては、目下鋭意工事を進めておる次第でございますが、これにつきましては国鉄の長期計画にも密接なる関係がございます。したがいまして、国鉄の長期計画の終了時期の昭和四十六年度までにこの大都市交通線の関係は工事を完成させたいと考えておるところであります。主要幹線のうちの根岸線につきましても、主要幹線と申しますけれども、これは大都市交通線に近いものでございます。これも昭和四十六年度までに完成をさしたい考えでございます。目下そのスケジュールでまいっております。次に阪本線でございますが、これにつきましては、ことしの一月二十日に着工の認可をしたばかりでございまして、現在のところ大体昭和五十年度までに完成を見るというスケジュールに相なっておるわけでございます。次に海峡連絡線の本四関係でございますけれども、これにつきましては現在調査の段階でございまして、数億ずつの調査費をこのところ充てておるわけでございますが、何ぶんにも技術的な問題が非常に大きいものでございますから、現在鉄建公団と建設省——建設省は海峡道路橋の関係でございますが、これを道路と鉄道の併用橋にしたほうがきわめて合理的であり、有利ではないかということで、現在のところ併用橋の計画をもちまして、公団と建設省、両者から土木学会のほうへ諮問をいたしておるわけでございます。調査の委託も相当進めていただいておるわけでございます。近いうちにそれから答申の形で意見が出していただけるのではないかと考えております。この意見が出ますれば、これを詳細に検討いたしまして、次に具体的に経済効果あるいは技術上の実際の可能性、そういったものを検討並びに研究を進めまして、今後のスケジュールをきめていきたいと考えておるわけでございます。大まかに申しまして、本四連絡のうちのどれをやるか、一本だけでございますけれども、いずれか一本につきましては昭和五十年度までにやりたい、こういうふうに考えております。この十カ年計画の中にも、本四関係は一本盛り込んでおる次第でございます。そのあとの本四関係の調査線につきましては、それ以後の時期に着工という考えを持ちましてスケジュールを組んでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/20
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021・野間千代三
○野間委員 ちょっと聞き漏らしたのか——湖西線や根岸線、津軽海峡などはお答えになりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/21
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022・増川遼三
○増川政府委員 武蔵野線、湖西線、根岸線につきましては先ほどお答えを申し上げましたが、青函の関係でございますが、青函関係は本四関係と同様に、現在調査線になっております。これにつきましては、現在青函の両端におきまして試掘をどんどん進めております。北海道側はもう一キロ何百メートル、竜飛側におきましても約七百メートルの掘さくが進んでおりまして、今後水平坑の試掘がなされるわけでございまして、これから一番大きな断層部分に試掘がかかるわけでございまして、この結果を見ませんと、これがほんとうにできるかどうかということはわからないわけでございます。したがいまして、今後の調査試掘の結果をまたなければならないのでございますが、これも先ほどの本四の一本と同様に、できますならば、これは可能だということになりますれば、昭和五十年度までにぜひともこれをやり遂げたいという考えでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/22
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023・野間千代三
○野間委員 大体概括的にわかりましたので、その他計画状況等の詳細の問題は、次会に公団から御出席をいただいてお願いをするというふうにしたいと思います。以上、大体いままでの質問で概況、予算の内容あるいは十カ年計画、現在の工事状況の概況についてややわかりましたので、実はその他問題ありますが、きょうは時間がないようなので、建設公団の問題については以上で終わります。
最後に一つ、これは運輸省の御見解を承っておきたい問題がありますので伺うのですが、いま工事線にあがっております湖西線の問題なんですが、これはただ単に予定線が着工線にあがっただけの問題ではなくて——これはたしか三十九年の六月二十五日の審議会で調査線から工事線のほうへ昇格になったということで、湖西線の工事が先ほど御答弁のようなことで進んできておるわけですが、ただ問題はこの湖西線の中に−−湖西線は御承知のように東海道本線と北陸本線をつなぐ約七十七キロの線ですが、そのちょうど中に大津——今津間に江若鉄道という私鉄が大正九年営業開始をして約五十キロ現在営業が行なわれている。ここが湖西線の中に含まれるわけですね。これは御承知と思います。問題は、この江若鉄道をどういうことにするのかという問題だろうと思うのですが、初めに第一点として、湖西線を建設をするにあたっては、この江若鉄道はどういう取り扱いになるのかという点について御答弁をいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/23
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024・増川遼三
○増川政府委員 国鉄の湖西線は、仰せのごとく、江若鉄道のでございます部分とは完全に平行になるわけでございます。したがいまして、これと別線につくるよりは、確かに江若鉄道を活用したほうがいいという考えを持ちまして、この建設にあたりましては江若鉄道の買収ということが問題になるわけでございます。これにつきましては、目下現地におきまして鉄建公団と江若鉄道の間で交渉が行なわれておるのでございます。江若鉄道といたしましては、この湖西線ができますれば、全く用をなさない鉄道ということに相なりまして、廃線せざるを得ない。それにあたっては、どうしてもその当該資産等を公団側に何とか引き取ってもらわなければならないという考えを持ちましていろいろな要求をしているわけでございまして、鉄道廃止に伴います一切の損失に対する補償と、従業員をどうしたらいいかというような問題も掲げまして要求をしておるわけでございます。これに対しまして公団といたしましては、江若鉄道の実情を十分理解を持って対応していただいておるわけでございますけれども、公団の性格上人間まで引き取る、あるいはこれに対する何らかの補償をするという筋合いのものではございませんので、物件といたしまして土地その他の不動産等について適正な価格で補償するという基本的な態度で折衝に臨んでおるわけでございます。その際に、いろいろなそれに付帯する問題が起こってくると思います。われわれといたしましてはこれらにつきましても十分な対策を考えまして、円滑に江若鉄道が廃止され、かつ国鉄の湖西線として脚光を浴びるということになるようにつとめたいと考えておるわけでございまして、われわれといたしましても、江若鉄道の言い分あるいは公団のお考え方あるいは江若鉄道の関連する問題等にも深甚な配慮をしてもらいたいということで、行政指導の面で進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/24
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025・野間千代三
○野間委員 大体お考えはわかりました。将来全国的にあるいはこういうケースが出ないとは限らないと思います。私鉄を公団が吸収する、それを将来国鉄が運営するということになってくるわけですね。こういうケースが今後も発生しないとも限らないので、この際一応きちんとしておきたいと思いますので、もう一度ちょっと区分をして御質問をしますからお答えをいただきたいのです。
まず一つは、いま言われるように、江若鉄道という鉄道は鉄道建設公団が買収するということが一つ。一つ一つでちょっと悪いですが、それでよければいいというふうに——それでいいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/25
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026・増川遼三
○増川政府委員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/26
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027・野間千代三
○野間委員 公団が買収をする。そうすると、土地と鉄道と、人がおるわけですね。そういうふうになってくる。いまの買収の問題は、お答えによると公団の任務としては土地のほうだ、公団は鉄道を動かさないから、動かす要員である人は一緒にもらえないという御答弁でございました。これは公団の性格からいくとそういうふうに考えられますので、その御答弁については全面的に否定をするとかというふうには考えませんが、ただ問題は、鉄道そのものを公団が買収をするのでありますから、したがって、その従事員について公団側で、もし何らか公団の業務の範囲内であるものがあるとすれば、それは一緒に吸収してもいいのじゃないかというふうに、これはやや理論ですけれども、理論的には言えると思うのです。それが一つ。
それからもう一つ。将来これは当然国鉄が運営をするわけですから、したがって鉄道従業員が当然必要になるのです。新線ですから新しく必要になるのです。そこへ、日本国有鉄道が運営にあたる際に吸収をするということは、これは当然なものとして考えられる。これはあまりぼくは異議がないと思う。ただ問題は、調べてまいりますと、工事を始めてから開業に至る間、やや期間がありそうだ。この江若鉄道については、江若鉄道と湖西線の間にはそういう期間の問題がありそうだというふうに考えられるので、そこで私が言ったような調子にイコールということにはなかなかしにくい点がありはしないかというふうに考えられるのですが、それはそれとして、そこで問題は、約五百人ぐらいの人員のようですから、鉄道に従事をしている方々もやはりその半分ぐらいはおられるんじゃないかというふうに考えるので、相当大きな問題でございます。したがって私が申し上げたいのは、公団が一つはその業務の範囲内で買収と同時に考えるべき問題が人の問題としてありそうな一あると考えてもいいんじゃないかという点と、それから国鉄がそれを当然吸収をしていくというふうに考えられるという二点が考えられますので、そこでそういう方向について、いま直ちに局長にそうしますというふうに答えてもらうのはなかなか困難じゃないかと思いますが、そういうことが当然のこととして考えられるので、そういう問題が将来必ず起こってくるというふうに存じますから、ここで御答弁願いたいのですが、監督官庁である運輸省として、公団あるいは江若鉄道、それから日本国有鉄道、それに関連をするいわば従業員の団体、そういう方々のいろいろな要請なり要求なり、あるいは折衝なり、それぞれの範囲の中ですでに行なわれておると思いますが、今後も行なわれると思います。そういう意味で、そういう問題について、これは局長も答えておられましたが、運輸省として担当部門であるから配慮しながら円満な解決がつくように十分な指導をしたい、指導をしてしかるべきじゃないかというふうに思いますので、そのことについてだけ御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/27
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028・増川遼三
○増川政府委員 御指摘のごとく、公団が買収をするという場合におきましては、これは物件としての買収でございまして、事業の買収ということではございませんので、したがって人の問題が一番ひっかかるわけでございます。なおその場合に、物件の買収ということに関連いたしまして、人をその現地におきましてふやす必要があるというような際には、公団におきまして別個の配慮というものも行なうことができるんじゃないかというふうには考えられるわけでございます。この点につきましては、公団に対しまして十分そういったこともできるように指導いたしたいと考えております。
次に、国鉄におきましては、この線ができましてからその運営にあたるわけでございますが、その際に人は確かに駅の関係あるいは線路保守関係その他要るわけでございまして、その間にやはり工事にかかりまして、この江若鉄道が廃業ということになりまして、廃業から湖西線として復活いたしますまでの間、なお数年あるわけでございます。この間その人をどうするか。これは国鉄に継承するということにいたしましても、ただこれを遊ばしてかかえるというわけにはまいりません。これまでの例を見ましても、戦後といたしましては、地方鉄道を買収した場合に国鉄がその従業員を引き継いだという例はございません。まあ今後はこういった問題も出てこようかと考えますので、国鉄の関係につきましては十分慎重にこれをしんしゃくいたしまして検討してみたいと考えておる次第であります。またその間におきましても、全くおまえたちはやめてしまえというようなほったらかしにするような考えはございません。何とか江若鉄道のバス部門への転業とか、あるいは、親会社、関連会社への転職、そういったものにつきまして十分な検討をしていただいて、その吸収は極力やっていただく。それでも残ります人たちにつきましては、当該江若鉄道におきまして、退職後の身の振り方等につきましては御本人たちが何とかがまんのできる、満足とまではいかないまでも、がまんのできる十分なる心ある措置をとってもらうように、われわれは指導をいたしたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/28
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029・野間千代三
○野間委員 それでは、いまの問題はなお今後起きてくる問題ですから、いま局長が、それぞれの機関が十分に配慮をしながら円満な解決をはかる方向で運輸省として指導してまいりたいということですから、一応了承します。
次に、江若鉄道の工事をしている期間、これは代替のバス輸送をするわけですね。そのバス輸送の際に、江若鉄道のバス部門が代替バスを担当する、これは当然だと思う。当然なんですけれども、何か最近得た情報によると、江若鉄道以外のバス会社、交通機関がその代替輸送のバスを担当したいというような申請が出ているのか、あるいは申請を出す準備をしているのか、そういう点についてちょっと聞きましたので、これはやはりいま問答しましたような問題が江若鉄道にはあるわけですから、当然これは江若鉄道が担当する、そうたくさんの、ふくそうするような状況じゃないのでありましょうから、当然江若鉄道が単独で担当してもらっていいのじゃないか。したがって、もし他の申請があれば、これは明らかに過当競争になる。江若鉄道も一そう混乱をする、こうなりますから、当然これは、他のバス会社が申請をされても、その点については配慮が行なわれるというように考えられますが、これはいかがです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/29
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030・増川遼三
○増川政府委員 ただいまの御質問にございましたような、江若鉄道以外のところからバスの申請が出ておるというようなことは、私どもはまだ何も伺っておりませんので、これにつきましては申し上げかねるのでございますが、当然江若鉄道という鉄道がなくなるという際には、現在でもこの江若鉄道のバスがこの鉄道と並行してバス運営をやっておるわけでございますから、しかもその同じ企業体の鉄道自体がなくなるという場合におきましては、江若鉄道のバスというものがこの代替を引き受けてやるということは、しごく当然ではないかというふうに考えておるわけでございます。たとえそこに他社が出てこようというような申請がありましても、これはそういうものよりは——何も新たに江若に免許をする必要もないのでございます。事業計画を変更いたしまして、増便措置をやれば済むことでございます。しかもその間におきましては、従来の鉄道及びバスの輸送状況を見ましても、それほどふくそうしまして複数化しなければならぬようなところとは考えられませんので、従来どおり江若鉄道が増便をするということによって、この地域の輸送需要に十分こたえられるんじゃないかというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/30
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031・野間千代三
○野間委員 終わります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/31
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032・内藤隆
○内藤委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
すなわち、ただいま審議中の日本鉄道建設公団法の一部を改正する法律案審査のため、来たる十七日、日本鉄道建設公団総裁綾部健太郎君、同副総裁篠原武司君の両君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/32
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033・内藤隆
○内藤委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/33
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034・内藤隆
○内藤委員長 次に、海上保安に関する件について調査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。河村勝君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/34
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035・河村勝
○河村委員 きょう私がお尋ねをしたいのは、海上交通の安全のことであります。
とかく交通安全といいますと、陸上の自動車のことばかり問題になっておりますけれども、最近の海上交通も相当危機に瀕しているように思います。そういう意味で、去る四月二十九日の夜、東京湾の浦賀水道でドイツとインドの貨物船が衝突をいたしました、幸い結果は比較的軽微であったようでありますけれども、事柄が交通安全の本質に関するような事故であるように思われますので、ごくかいつまんで要点だけ、事故の概況と原因をお聞かせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/35
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036・亀山信郎
○亀山政府委員 ただいまお尋ねのドイツ貨物船ボルッシャ号とインドのジャグキサン号の衝突事故のことでございますが、去る四月二十九日午後八時三十分ころ、場所は浦賀水道第二海堡北西〇・八海里、当時の天候は霧があって、風はございませんで、視程は約八百メートルという状況でございます。横浜より神戸に向けて航行中のドイツ貨物船ボルッシャ号と、インドから千葉港向け航行中のインド鉱石運搬船のジャグキサン号は、ここで衝突をいたしました。両船ともそれぞれ船首部に破口を生じましたけれども、ボルッシャ号は自力で横浜に引き返し、ジャグキサン号は第一海堡の北側に投錨をいたしました。幸いにして両船とも人命に異常はございませんでした。
この衝突の原因につきましては、私どもは、ただいま申し上げましたように、霧がございまして視程が八百メートルという状況から考えまして、この霧の中における航法の、十分な見張りと速度を適当にするという、当然海上衝突予防法に定められた航法を十分に実施していなかった、やはり乗り組み員の操船上の誤りだったというふうに判断をいたしております。第二海堡北西〇・八海里という地点を見ますと、この北のほうから下がってくる船と、南のほうから上がってくる船がここで衝突をしているということは、当然、船舶は右側通航という大原則から見ますと、この地点で衝突するということについては明らかに航法上の誤りである。確かに視界が悪かったという自然の条件はございますけれども、航法の誤りのほうが私は大きいというふうに現在のところは見ておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/36
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037・河村勝
○河村委員 当然両船ともレーダーは備えておったと思うのでありますけれども、霧で視界が八百メートルというお話ですが、その点は一体どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/37
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038・亀山信郎
○亀山政府委員 当然両船ともレーダーを使用しておりました。その間レーダーでどういうふうに相手船を視認し、どういう航法をそのときとったかということについての詳細は、現在のところまだ私ども直接調査をしておりませんのではっきりわかりませんけれども、一般的にレーダーだけにたよるという航法は、これは海上衝突予防法のもとになる国際海上衝突予防規則を制定した国際海上安全会議の際に詳細な勧告が出ておりまして、霧の中でレーダーのみにたよって航行してはならないという勧告がございますので、レーダーで見ておったら必ず相手船を間違なく確認できる、それによって航行していいんだというふうには私どもは考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/38
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039・河村勝
○河村委員 その問題はあまり議論するつもりはないのですけれども、もちろん私はレーダーだけにたよって航行しろと言ったのではなしに、レーダーも使い、しかも視界八百メートルでしょう。ですから、いまのお返事は少しおかしいと思うのですけれども、しかしその問題はあまり深入りはしません。一般的に、このくらい船舶がふくそうして接近した状態であると、船舶のレーダーそのものがそう機能を発揮しないということが常識のようです。そういう意味で、本来非常にふくそうした水域の航路規制をやらなければならないかと思いますが、その前に、陸上の基地に——大体、この浦賀水道の事故が起こっているのを見ますというと、観音崎と富津を結んだ線の前後に集中している。ですから、観音崎の灯台あたりのところにレーダーを置いて——大阪湾では、聞くところによると、ハーバーレーダーを使って港内の交通整理をやっておられるそうですか、そういうのを観音崎あたりに置いて、それで誘導すれば、こうした濃霧の際の誘導も可能で、それによってかなり防げるんじゃないかと思います。金も大してかからぬと思うのですが、一体その点どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/39
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040・亀山信郎
○亀山政府委員 陸岸からレーダーによって本船の航行を管制するという方法は、このような狭い水道においては有効な方法だと私ども考えて検討はしておりますけれども、はたしてこの地帯において、そのレーダーによる誘導の場合には、レーダーの性能、大きさ——現在大阪及び釧路で使っておりますのは港湾内におけるレーダーでございまして、場所といたしまして観音崎が適当か、あるいは他の地点がよろしいか、それらの点も含めて現在検討しておりますが、基本的に、この水域は仰せのとおり非常に複雑した地形で、かつ出船入り船の非常に多い危険地帯でございますけれども、港内のように法律的にここの航行管制をする——港内は現在港則法によりまして、港内の航行管制ができるような権限を与えられておりますが、この地点におきましては、港則法を適用する範囲になっておりません。ここに一つの根本的な問題がある。
それからもう一つは、レーダーもさることながら、航路の可航水路の幅が狭いということ、水深を深くし、幅を広げるという物理的な環境の整備も必要ではないかというふうに考えております。これは予算もかかることでございますし、時間も要する問題でございますので、現在ただいまなし得ることとしては、私どもはここに巡視船艇を派遣いたしまして、船舶の右側通航の厳守、あるいは、特に非常に大型のタンカー等の通航いたします場合には、適当なスピードを指導をする。前路の警戒を巡視船艇によって行なうということで、事故を最小限度に食いとめる努力をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/40
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041・河村勝
○河村委員 最近、東京湾だけでなしに、大阪湾も含めてでありますけれども、非常に海上交通の安全が大きく取り上げられ始めて、ごく最近も産業計画会議でこの問題についての勧告案みたいなものができて、おそらくこれは運輸省のほうにもいっているだろうと思いますけれども、その中にはかなり、特定水域に指定しろとかいう問題もあるし、金のかかる問題もいろいろありますけれども、とりあえず、やはりこれだけ問題が緊急性を帯びてきたならば、海上保安庁としては具体的に実現可能なものから手をつけていく、それをちゅうちょなくどんどんやっていくということが一番大事だろうと思うのです。そういう意味で、まずやらなければならないことは南航、北航の航路区分ですね。これをやるべきだと思うのですが、それはいままでだってお考えになってないことはもちろんないと思うのですけれども、そういう方針であるのか、それを伺わせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/41
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042・亀山信郎
○亀山政府委員 現在浦賀水道の航路の中心部分に、実は灯浮標、あかりのついた浮標をまん中の中心線に入れまして、そして右側通航を守らせるということをいたしております。さらにただいま横須賀に入る船は第四浮標を過ぎてから左に曲がれというふうなこと、これは航行指導でございまして、各日本の船会社、外国の船会社、その代理店、出張所を通じて全部書いたものを配りまして、浮標を左に見て航海しろ、つまり右側を走ってもらいたい。そして南北船の通航区分をいたしております。さらに、実はここを横切るフェリーボート等がございます。これらにつきましては、これまで実施いたしておりませんが、横切る場所をはっきり何メートル、何百メートルというふうに、横断歩道と申しては変でございますが、そういうふうにはっきり確定をして、そこだけを横切るようにしてもらう、これも早急に始めたいと思います。
それからもう一つは、これは船会社とも現在打ち合わせ中でございますが、非常に危険なのは大型のタンカーでございます。これの通航時間というようなものをきめておく。その時間がくるまでは水道の入り口、出口付近で待ってもらう。ほかの船が非常に込み合う時間を避けていただくというふうなことを指導によって実施いたしたいということで、現在寄り寄り話をしておるところでございまして、話し合いがつきますれば、さっそく実行いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/42
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043・河村勝
○河村委員 いまの海上保安庁長官のお話だと、すでにセンターラインをブイでつないで分離航路を実現しているような答弁に聞いたけれども、そうは思われないのですが、ほんとうにそうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/43
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044・亀山信郎
○亀山政府委員 中心線にブイを第一番から五番まで入れております。先般の事故は、この中心のブイの右側で起こっております。したがいまして、当然通る船が航法を誤ったと私どもは考えております。この中心線付近で衝突したというよりも、この中心線から右側に約一キロ近くはずれたところでぶつかっておるのでございますから、北から下がってきた船が間違っておったのではないかというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/44
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045・河村勝
○河村委員 この具体的な今度起こった事故の場合には、たまたまブイの右側にあったのだと私も思います。けれども、いま分離航路ができておるのだというお話でありますけれども、実際にはブイの並んでいる区間は何メートルあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/45
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046・亀山信郎
○亀山政府委員 現在五つございますけれども、そのブイとブイの間隔は約二キロメートルでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/46
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047・河村勝
○河村委員 それではいわゆる常識的にいう分離航路ではないと私は思うのですね。日本では分離航路をやっているところは少なくて、かつて瀬戸内海の宇高間で国鉄の連絡船が大惨事を起こした直後に分離航路を指定いたしました。あれは完全な一方通航になっておりますが、あの場合には航路は狭いのですから、もちろん一方通航というわけにはいかないと思いますが、ほんとうにブイをつないで分離航路をやるというお考えはないのか、それを伺いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/47
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048・亀山信郎
○亀山政府委員 私どもは水路の幅を広げることと、それから千葉港へ入港する船が非常にふえておりますので、千葉港への分岐点をどこかに場所をはっきりきめる。それはここから曲がりなさい、横浜港へ入るものはここから曲がりなさいということで、まず可航幅を広げることと、仰せのように航路の幅を広げてはっきりした分離帯をつくる。現在は中心線に大きなブイが二キロメートルおきに走っておるというだけでありまして、たとえば港内における航路のように明確になっておりませんので、仰せのように明確な南航船と北航船の分離航路を設定いたしたいということで、計画を港湾局と数回にわたって相談をして、現在も打ち合わせを続けております。できれば明年度予算からこれに取りかかれるようにいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/48
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049・河村勝
○河村委員 いや、私が申しておるのは、航路幅を広げることはけっこうですけれども、それには金もかかるし、時間もかかるでしょうから、現在の航路はそのままの状態で、とりあえず分離航路を実現するお考えはないか、それを伺っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/49
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050・亀山信郎
○亀山政府委員 現在私どもは南航船、北航船はこのブイをそれぞれ左に見ながら航海するということで、一応の分離にはなっておりますが、これをさらに数をふやすと——ブイの数をふやす、そのことは有効だと思いますが、あまりふやしますと、かえってブイが航海のじゃまになるということも考慮しなければなりませんので、私どもは分離航路の中心線を明示するという点においては、現在の一号から五号までのブイで十分、注意すれば行なえるのじゃないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/50
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051・河村勝
○河村委員 そうしますと、一応御説明ですと、一号から五号までのブイで分離航路ができておるということでありますけれども、それの徹底法ですね、国内船はもちろんでありますけれども、外国船に対する徹底方法というのは、どういう方法をとって、実際どのように徹底しておるのか、それをちょっとお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/51
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052・亀山信郎
○亀山政府委員 現在は、第三管区海上保安本部で日米両文のパンフレットをつくりまして、この図面でブイの位置、光の強さ等を示しまして、そしていま申し上げましたように、この航路の中心線にこれが置いてある、したがって北航船はこのブイの右側、南航船は左側を通る、それから横須賀へ入るものは、たしか四号ブイを過ぎてから左へ横切るというように、数点にわたる注意書きを書いたものを配付しております。大体日本船には徹底をいたしておりますけれども、外国船の中にはいまだ徹底しないものがあるのは事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/52
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053・河村勝
○河村委員 外国船に対する徹底法は、どういうふうなやり方をやっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/53
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054・亀山信郎
○亀山政府委員 それぞれ代理店がございますので、代理店に全部配付して、船長にそれを渡すようにさせております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/54
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055・河村勝
○河村委員 そういうことなら、ぜひそれをほんとうにやってもらいたいのです。将来の根本的な対策は別として。現実にイギリスのドーバー海峡なんかでやっている例を見ますと、あの場合にはセンターラインをつくるばかりではなくて、場所によってはセーフティーゾーンをつくっておるのもありますけれども、いずれにしても外国船に対する非常に徹底的なことをやっておりますね。それがだんだん慣行になって、海難審判の一つの判定の基礎になるくらいにいっておりますが、そこまでぜひおやりになる必要があろうと思います。それをぜひお願いしたいと思います。
続いて、少し金のかかるほうの問題になりますが、航路を分離するにいたしましても、少なくとも第一海堡と第二海堡の間くらいはしゅんせつしませんと、ほんとうにはならぬと思うのですが、これはおやりになる計画があるのか、それから、やるとすれば、どのくらい金がかかるのか、それをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/55
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056・亀山信郎
○亀山政府委員 仰せのとおり、第一海堡と第二海堡の間に千葉方面へ抜ける可航水路をつくりたいということは、相当前からの懸案でございますが、先ほどお答え申し上げましたように、港湾局と打ち合わせて、どの場所を選ぶかというふうなことにつきまして、両者の定期的な会合をやっておりますので、近く成案を得ることができるというふうに思っております。予算の金額については、ちょっと現在私まだ承知をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/56
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057・河村勝
○河村委員 いま打ち合わせをしているということでありますけれども、これは予算のことですから相手のある仕事でありますけれども、大体めどとしていつごろ着手をして、どのくらいでやりたいという考えを持っておられるわけですか。そこまでコンクリートになっておるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/57
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058・亀山信郎
○亀山政府委員 場所の選定、深さ、幅、そういったことは八月末までにきめませんと、来年度の要求ができませんので、それまでにはきっちりきめたい。つまり来年度は、これは何カ年計画になりますか、私も詳細に承知しておりませんが、少なくとも来年度から着手をしたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/58
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059・河村勝
○河村委員 ぜひとも浦賀水道の問題は、やれるものはどんどんやるというかまえで進んでいただきたいと思います。
続いて、川崎港のことについてちょっと伺いたいのですけれども、御承知のように、現在タンカーについては、京浜港に入るタンカーの大部分が川崎港ですね。川崎港のタンカーのふえ方というものはたいへんであります。かつて昭和三十七年でしたか、第一宗像丸の炎上事件などがありまして、あの際には三十六名でしたか、たしか死者が出た大事件が起こりましたが、そのときに比べても、現在すでにその倍くらいのタンカーがふえているはずでありますけれども、どうも調べてみますと、現在わずかに巡視艇が一隻しか配置されていない。それで交通整理をやっているようなことを伺っておりますが、その点それで間に合っているのか、あるいは今後どのような計画があるのか、それを伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/59
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060・亀山信郎
○亀山政府委員 巡視艇の配置の数は、いまちょっと調べておりますが、川崎の京浜運河につきましては、あそこは時間的に一方通行にする、それから信号所を入り口につくりまして、信号によって航行管制を実施する、それからたしかデッドウエート七万トン以上のタンカーはあそこに入れない、そういう措置を現在とっておりまして、なおそれより大きなタンカーにつきましては、川崎の扇島の沖に、御承知だと思いますが、シーバースをつくって、沖合いで荷役をさせるということを指導し、その方向で進めております。
〔委員長退席、細田委員長代理着席〕
現在川崎そのものに配置しております巡視艇は一隻でありますけれども、横浜に港内の整理を行なう小型の港内艇が四隻、それから消防艇が二隻、合計六隻ございまして、川崎の京浜運河は横浜の管轄と川崎の管轄とがございますが、この横浜の船もこの方面の交通ラッシュのときには応援に出かけておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/60
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061・河村勝
○河村委員 その横浜に配置してあるのは、常時川崎に行っているわけではないんですね。応急のときにしか行っていないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/61
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062・亀山信郎
○亀山政府委員 交代で横浜から川崎に応援に一隻ずつ出しております。川崎の船は常時川崎の巡視をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/62
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063・河村勝
○河村委員 横浜のほうは大体雑貨で、タンカーというのはほとんどないわけですね。むしろ危険性からいうと川崎のほうがずっと多いわけです。今後巡視艇をとりあえずふやすにしても、足りないにしても横浜にたくさんあって、川崎に一隻しかないということは、保安上の見地からいっても、配置のしかたがおかしいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/63
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064・亀山信郎
○亀山政府委員 川崎と横浜、ことに京浜運河の地帯は横浜市のものが三分の一くらい入っているかと思います。したがいまして、川崎と横浜は非常に近接しておりますので、私どもは横浜に配置してあっても、川崎付近、あの京浜運河の付近で航行指導、取り締まりをやるのには一向差しつかえないのじゃないかというふうに考えてこういう配置をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/64
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065・河村勝
○河村委員 この巡視艇というのは、化学消防能力は持っているのですか、持っていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/65
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066・亀山信郎
○亀山政府委員 これらは化学消防能力を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/66
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067・河村勝
○河村委員 巡視艇で化学消防能力を備えている、そういう意味ですね。ほんとうの意味の、大型タンカーなどの火災に対処するための化学消防艇というものは現在はあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/67
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068・亀山信郎
○亀山政府委員 現在消防専門のボートは横浜に二隻置いて、これはもちろん化学消防能力を有しております。しかし非常に大型のタンカーに対しましては、これでは一たん火災が発生した場合に十分かということについては、われわれは十分でないと考えております。私どもは、計画といたしましては明年度には大型の、総トン数にして四万トン以上の船舶に対応し得る大型の化学消防艇を建造いたしたい、本年度は予算といたしましてはこれの設計費がついておりまして、明年度から建造に着手いたしまして、おそらく第一船はこの川崎地区に配置をするというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/68
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069・河村勝
○河村委員 聞くところによりますと、京浜運河に最近LPGの三万トンのバースが建設されつつある、私、されておるのかどうか知りませんが、そういう話がありますが、海上保安庁は御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/69
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070・亀山信郎
○亀山政府委員 私どもはそれを伺っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/70
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071・河村勝
○河村委員 それに対してどういう態度で臨まれるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/71
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072・亀山信郎
○亀山政府委員 これは海上保安庁だけの問題でございませんので、運輸省全体といたしましていろいろ現在協議を重ね、かつ私どもとしては、船舶の出入港にあたって万一の事故が起こらないような万全の措置を講じてもらいたい。工場の立地につきましてもちろん意見はございますけれども、私どもの権限、職務としては工場立地そのものにまでタッチすることができない現在の法制のたてまえでございます。しかし、こういう混雑した港湾内において危険度の非常に高い船舶が出入するということは、本来なるべく避けてもらいたいという気持ちは持っております。しかし万一必要があってそういう船が入る場合には、入る時間をきっちり制限をする、それから前路警戒船をその船が必ず出してもらう、当庁の巡視艇もそれを行ないますけれども、企業者の負担で前路警戒船を必ず出す、荷役中においてはそれを警戒する陸上の消防措置を万全を期してもらう、さらに、漏れるのを防ぐためにオイルフェンス等をあらかじめ展張しておくというふうに、現実に船舶が入港する場合における万全の措置を、いろいろ注文をつけておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/72
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073・河村勝
○河村委員 陸上の消防態勢云々ということを言われましたけれども、かりに三万トンのタンカーがLPGを積んで入ってきて何かのはずみで火がつけば、陸上の消防態勢なんか話にならないと思う。川崎市の中枢部はあらかた吹っ飛んじゃうでしょうね。万一そういう船が入ってくればということではなしに——現在すでに計画が進行しておるわけでしょう。聞くところによると、大体京浜運河の幅は広いところでも三百メートルくらいですね。そうすると、わずか二百五十メートルか三百メートルの水路のところに、そういうのが接岸して荷役するわけでしょう。何かのちょっとしたショックで、LPGですから発火しないものでもないし、通る船だって全然火の粉を吐かない船ばかりがあるわけじゃないですね。非常に危険だと思うわけですが、もしそれでも運輸省として自信がおありなら別ですけれども、もしほんとうに危険だとお考えになるならば、権限の問題もさることながら——権限の問題だって、港則法による権限で、危険物を搭載した船の航行あるいは荷役については押えることも可能なんですね。一種の拒否権みたいなものを持っているわけですね。ですから、本気で安全ということを考えれば、がんばればがんばれるはずだと私は思うのです。関係官庁がどこか私もよく知りません。通産省とかそのほかのところということになるのでしょうが、それに対して本気で困るなら困るという態度でやっておられるのかどうか、その辺のところをひとつお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/73
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074・亀山信郎
○亀山政府委員 現在すでに川崎付近にはLPGの荷揚げ場が相当数ございます。今回のは特に京浜運河に直接面する場所であるということが問題なわけでございますが、私はそういう計画が相当進行してから参って話を聞いたわけでございます。これをどうするかという問題は、省全体としてまだ結論が実は出ていないわけでございます。すでに私どもは、いま申し上げましたように、入る場合には万全の措置を講じてもらう、つまりその船が入る時間を制限するということは、あそこの通航船の最も少ない場合、それから実はLPG船の衝突一等に対する安全性の問題、これも船舶局において十分検討した結果を私どもも聞かせていただきましたけれども、従来の、現在走っておるLPG船よりは構造上の安全度は非常に高いというふうにも聞いております。しかし、地元の関係者の間、専門家の間でも、衝突あるいは荷役中のガス漏れの危険性等についての懸念が相当ございます。これはむしろこのLPG船を運航する側あるいはそのLPGを輸入する共同石油の側で、自分たちが安全措置についてやろうとしておること等を十分説明をして、あの方面の方々の了解を得るならば、われわれもこれはあえて拒否する必要はないので、十分な準備をしてもらいたいというふうな考え方で現在はおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/74
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075・河村勝
○河村委員 なるほどいまでもLPGを扱っているバースがあるようですが、それはずいぶん掘り割りで奥まったようなところに小さいのがあるようですね。ですけれども、京浜運河という、元来ははしけしか通らない水路ですね、そこに三万トンの船が常時入ってきて、そこでLPGの荷役をやるということはたいへんなことなんですね。万全の措置をとってもらうとあなたは言っておられるけれども、そういうことが一体できるのですか。こういうところにそういう設備をつくること自体、国全体としたって私はたいへんな問題だと思うのですけれども、ただ責任のがれで、相手が安全を保障してくれるならば私のほうはけっこうですというような、それは役人的——私もかつて役人であったから、あまり役人のことを言うとぐあいが悪いけれども、役人的な考え方です。死力を尽くして押えることをやる。これは政治の問題だと思うのですが、政務次官、きょうは運輸大臣おらないのですけれども、どうお考えになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/75
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076・金丸信
○金丸政府委員 ただいまのお話承わりまして、一たび衝突事故あるいは災害が起きたということになりますと、相当な被害ができるということも考えなくてはなりませんし、十分ひとつ慎重に、本省に帰りまして、検討いたしたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/76
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077・河村勝
○河村委員 これは、もし起こったら、どうもある程度の被害どころじゃないのですよ。つい先ごろ、トリー・キャニヨン号ですか、英仏海峡で擱座をしましたね。あの重油が流れ出しただけでも、たいへんなんですね。もう五年間くらい漁業がだめだと言っていいくらいでしょう。それだけでは済まないのです。そういう問題もあるけれども、ほんとうに川崎の港で爆発したら、川崎の駅くらいまでの区域はみんな吹っ飛んでしまうわけですね。こういう問題を、ただ慎重に考えますというお返事では困るのですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/77
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078・金丸信
○金丸政府委員 お説のとおりでありまして、私もほんとうにその問題につきましては、もしそういう問題が起きたらどうなるんだ、運輸省としても相当な責任問題だと思いますし、なお本省に帰りまして、この問題を十分にひとつ検討して、これで安心だということであれば別ですが、これではいけない、こういうことであれば、極力ひとっこれを阻止するようにいたしたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/78
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079・河村勝
○河村委員 どうもこれじゃ困るのですけれども、きょうは運輸大臣が予算委員会に出て、おられないですけれども、これは御相談する時間のあったほうがかえっていいかと思いますので、次回の運輸委員会のときに、運輸大臣にそれについての所見を述べていただくようにお取り計らいいただけないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/79
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080・細田吉藏
○細田委員長代理 ただいまの点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/80
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081・金丸信
○金丸政府委員 十分大臣にもお話を申し上げまして、次会に答弁いたすようにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/81
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082・久保三郎
○久保委員 関連して。いまのお話ですが、慎重に万全の措置ということばだけではどうにもならぬ。これはお互いに知っておるはずでありますから、あるいは運輸省内部ですでに取りかかっているかと思うのでありますが、たしかきのうの新聞に、この石油基地の問題について出ていましたが、問題は深刻だと思うのです。だから単に万全の措置を講ずると言ったって、いま言ったような三百メートルの幅のところを、そこを万全の措置と言ったって、だれも通さぬ、それも一つの方法で、しかしどの船も通らぬでその船だけ通るとしても、三百メートルのところで万が一、船がよろめくということはないかもしれませんが、何かのはずみで岸にぶつかった、それの衝撃によって点火した、そして爆発をするということが想像されるのです。ですから、そういうことは何とか現状でうまくいくだろうというようなことだったら、この次の委員会に御答弁がいただければけっこうだと思うのですが、私はそんなものじゃないと思うのです。だからこれはいまの河村委員の指摘されたようなことは、もう現状としてはそういうところで扱いをするということは許されない事情にある。そういうふうな前提に立って対策を港湾局なりあるいは海上保安庁というような関係で考えていかなければ、私はうそだと思うのです。ところが、そういうふうに段取りをつけることになっているのか、それともそうじゃなくて、現状のままで万全の措置を慎重に考えていくのか、それをお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/82
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083・金丸信
○金丸政府委員 私が申し上げましたのは、そういう問題を本省に帰りまして、万全とかなんとかいうことも必要ですが、その前にこの問題を、ただいま保安庁長官が申し上げたような考えでなくて、いま一回ひとつあらためて土俵へのぼせて、これを大臣ともども突っ込んで審議してみたい、こういうことで、その結論を大臣からお話しする、こういうことで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/83
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084・河村勝
○河村委員 重ねて申し上げますが、私が伺いたいのは、いま久保委員からも話があったように、できてしまったら——たぶんこの辺でいいだろうということじゃなしに、この計画は阻止すべきだと思うのです。これは他の省との問題もありますから、政治的に非常に大きな問題です。そういう意味で、阻止する気があるのかどうか。阻止するならどういうふうにするのか。阻止しないでよろしいというなら、ほんとうにこれならいいという安全対策があるのか、その点をはっきりお聞かせいただきたいということですから、その点をお含みの上で、次回、大臣にぜひとも御答弁をいただきたいと思うのです。
時間もないようですから終わりますが、とにかくどうも海上安全のほうは、皆さんは比較的のんきで、一ぺんまた大事故でもあって、たくさん死んだり、爆発でも起こると初めて手をつけるというようなかっこうになったのでは、そのときにはおそいと思うのです。ぜひとも、やれることはどんどんやる。それから変に妥協しないで、ほんとうにあぶないものは死力を尽くして押えるというくらいの覚悟を持ってぜひやっていただきたい。それを要望しまして、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/84
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085・細田吉藏
○細田委員長代理 松本忠助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/85
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086・松本忠助
○松本(忠)委員 ただいま河村委員の御質問になりました浦賀水道の問題に関連しまして、ちょっとお聞きしたいことがあります。第三海堡を撤去するお考えがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/86
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087・亀山信郎
○亀山政府委員 現在のところまだ、撤去すべきやいなや決定をいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/87
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088・松本忠助
○松本(忠)委員 それから次にお伺いしたいことは、下関の旭タンカー所属の三百トンタンカーが座礁したということでありますが、その状況について長官御存じでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/88
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089・亀山信郎
○亀山政府委員 私、けさ伺ったところでは、三隻のタンカーが博多と門司との間の海域で座礁した。小型タンカーでございます。そのうち一隻が若干の油漏れをしておる。現在中和剤をもって油の被害を食いとめておるという報告を聞いてこちらへ出てきたばかりでございまして、詳細はまだ承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/89
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090・松本忠助
○松本(忠)委員 状況がわかり次第ひとつお教えいただきたいと思いますが、これの乗り組み員などの点について、昨晩のテレビの放送でもかなり危険に瀕したような状態と見受けましたが、その点については何も報告はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/90
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091・亀山信郎
○亀山政府委員 乗り組み員は異状がございませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/91
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092・松本忠助
○松本(忠)委員 なお瀬戸内海の航行の問題でありますが、これも非常にふくそうしておりまして、現在非常な危険状態である。私ども関係議員等も四国からまいります者からよく聞くわけでありますが、この点についての対策につきましてどのようにお考えでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/92
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093・亀山信郎
○亀山政府委員 瀬戸内海は仰せのとおり非常に地形及び海の状況が複雑でございまして、潮流の激しいところでございます。したがいまして、この航路の安全につきましては、従来からいろいろ措置をしておりますけれども、今後いたしたいと思うことを簡単に申し上げますと、まず第一に、ふくそうする狭水道につきましては、大型船と小型船の航路を分けるというような交通規制を行ないたい。それから現在でも暗礁あるいは島その他航行の障害になるものについての標識がございますけれども、まだ数が少ないわけでございますから、これをもっと数をふやしていく。それから特に交通が、前後の見通しが全然きかないような曲がりくねったところも相当ございます。こういうところには信号所を設置いたしまして、陸岸から信号によって航行の管制をやるというふうなこと。さらには瀬戸内海は横の、東西の交通が激しいと同時に、南北の交通が非常に激しくなっております。特に南北の交通のうちには最近、自動車航送船が非常に便利なものでございますから増加をしてまいりました。これが東西の交通を横切る関係で、私どもからいえば非常に危険な状態が常にあるというふうに考えております。したがいまして、これらの横切り船につきましても、でき得る限り交通標識等によって交通整理をいたしたい。それから霧が非常にかかるあぶないところでございます。現在旅客船は、一定の霧が発生した場合には全部とめるようなことをいたしております。それからまた高松港等の入出港は非常に複雑でございますので、これらについては時間帯を設定をして、一定の間隔、つまり鉄道でいいますと閉塞区間を設けるというような形で、何百メートルあとでなければ次の船は出てはならぬというふうな方法、できる限りの交通規制と、それからいま申し上げました標識の整備等現在実施しておりますが、さらに基本的には、海上交通に関する、陸上の道路交通法に匹敵するような法制を整備いたしたい。さらにその法制を実施するために、保安庁の巡視船艇の増強によって、現場で厳重な指導、取り締まりをやる、こういうふうなことを考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/93
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094・松本忠助
○松本(忠)委員 ただいまのようにいろいろと対策をお考えのようでありまして、たいへんけっこうでありますが、中には相当の予算を伴うものがあると思いますが、これに対しましてどのように予算化されているか、またその目標について何年ごろ完成する予定であるか、この点についてお伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/94
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095・亀山信郎
○亀山政府委員 従来航路標識につきましては、年々予算の増加を見ておりまして、現在御審議中の四十二年度予算では、航路標識の新設補修について十七億の予算がついておる。これが実行にあたりましては、海上交通のふくそうする危険水域に重点を置いて実行を進めてまいりたい。また巡視船艇の増強につきましても、現在審議中の予算に盛られておりますが、実は交通の規制、指導取り締まりをやるのは主として小型船でございますが、小型船の充実も重点的にいたしたいと考えております。ただし率直に申し上げまして、予算全体のワクが小そうございますので、これも実は思うようにまいっておりません。と申しますのは、マリアナ海域で大きな事故がございまして、そのために遠距離海難の救助をするために、及び気象観測を行なうために、保安庁といたしましては二千トンの巡視艇を、現在本年度一隻、来年度一隻つくる。これが膨大な予算を食いますので、これらの中で小型船の充実が実は思うように進んでいないわけでございますが、来年度は交通指導に当たり得るような小型の新鋭船は二十三メートル型二隻、十五メートル型六隻、八隻でございまして、そのほかに巡視船を二千トン一隻と百三十トン二隻というものを来年度の予算に計上いたしまして御審議を願っておりますが、将来は二十三メートル、十五メートルという交通規制、交通取り締まりに必要な船の増強に重点を指向していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/95
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096・松本忠助
○松本(忠)委員 ただいまお話のは国全体の予算額でございましょう。瀬戸内海についてはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/96
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097・亀山信郎
○亀山政府委員 船艇につきましては、今度百三十トン型二隻をつくる、そのうち一隻を松山に配置をいたします。さらに松山に十五メートル型を一隻配置いたす予定であります。灯台、航路標識の関係については現在資料を持ってまいりませんので、瀬戸内関係のはいずれまた後刻御報告申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/97
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098・松本忠助
○松本(忠)委員 ただいまお話しの御答弁の資料ができましたら、ひとつお届けいただきたいと思います。
次に、東京湾内におきますところの問題でありますが、東京湾内でもごく限られた港域を除いて航行の規制が何ら行なわれていない由でありますが、これは事実でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/98
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099・亀山信郎
○亀山政府委員 法律に基づきます航行の規制は、御承知のように横須賀港、横浜港、東京港、川崎港、千葉港、いわゆる港則法にいう特定港の港域の中でございまして、それ以外の湾内全体についての法律的の規制は海上衝突予防法によるだけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/99
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100・松本忠助
○松本(忠)委員 これはこのままでおきましてもよろしいものかどうかということでありますが、湾内はやはり相当の大型タンカーも入ってくるように聞いておりますし、このままの状態において航路の設定もなされていない、実質的には外洋と変わりがない、自由に航行されているわけでございますね。こうなってまいりますと非常に危険の点が考えられると思いますが、これにつきましても長官としてどのようにお考えになりますか、お伺いいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/100
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101・亀山信郎
○亀山政府委員 御指摘のとおり、現在の海上衝突予防法は、単に広い意味で一対一の船の行き合い関係を規制するというのみでございまして、現在の東京湾のごとき、一つの交通が流れになっておるようなところにはこれだけでは不十分だと思いますので、大体港内において港則法によって規制し得る程度の規制は、東京湾内のたとえば浦賀水道においては、法律的にこれが可能になるようにいたしたい、かように考えておりまして、仮の名前でございますけれども、海上交通法——海上衝突予防法よりさらに一歩進んだ内水、狭水道における交通規制を可能ならしめるような法制をぜひつくりたい、かように考えておりまして、でき得ればこの次の国会までに準備を完了いたしたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/101
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102・松本忠助
○松本(忠)委員 先ほどの河村委員の質問にもありました川崎港の問題につきましても承知したわけでありますが、実際このまま放置しておきますと、大型タンカー等の衝突によるところの油の流出、それによっての火災事故等も発生する、そうなれば当然、東京湾内におきましては、千葉をはじめとしまして東京、晴海の方面から芝浦にかけて、またさらに品川の埠頭、また川崎へとずっと続いているわけでありますから、相当の被害も出てくるように考えられます。これに対しまして、先ほどは川崎港の対策、横浜港の対策についてお伺いしたわけでありますが、東京湾全体としてどのような処置がとられているものか、この点についてお伺いしたいわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/102
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103・亀山信郎
○亀山政府委員 先ほど川崎についての例を申し上げましたが、それぞれ横浜港、千葉港、東京港等は港則法の適用港でございますので、航法規制等によって港内における交通安全は現在やっております。大型タンカーによる災害の防止という点は、私ども最も最近重点を置いて考えておることでございまして、港内における事故の場合及び港外、たとえば浦賀水道で大型タンカーが座礁してその油が流れる場合、こういうものはまず、そういう事態が起こらないような安全上の予防措置を講ずるということが第一でございます。川崎港に限らず、全体的な事故防止措置ということについていろいろ考えをしておりますが、先ほど申し上げました海上交通法のようなものを制定したいということも、一つにはそういう意味も含まっております。さらに、一たん災害が発生した場合にこれを局限するための措置につきましては、川崎におきます第一宗像丸の炎上事故、さらに四十年の室蘭におけるヘイムバード号が、二十八日間もタンカーが燃え続けた事故、こういうことを教訓にいたしまして、防火上のいろいろな訓練、陸上の消防機関との連絡、協定、そういう点についても進めておりますし、各港とも年に数回海上保安庁、消防機関及び地方公共団体が協同いたしまして、船舶防火演習等を行なう。さらに火気の管理等についても、港内における小型船の裸火の使用、喫煙、そういう問題について事こまかに指導いたしております。そういう中で、一たん火災が起こったような場合でも、これを極力局限するということで、各般の措置を現在もやっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/103
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104・松本忠助
○松本(忠)委員 最後に一点だけ。海上行政の複雑多元化を廃止して、統合一元化した能率のよい組織をつくるお考えがあるかないか、この点について政務次官にお答えを願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/104
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105・金丸信
○金丸政府委員 運輸省といたしましては、産業計画会議の東京湾海上安全に関する勧告に基づきまして、御趣旨まことに私も同感でありますので、できるだけひとつ御趣旨に沿いまして一本化してまいるように努力いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/105
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106・松本忠助
○松本(忠)委員 その一本化の見通しにつきまして、いつごろまでに一本化をするお考えであるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/106
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107・金丸信
○金丸政府委員 地方自治制度との関連もあることですから、それとも十分連絡をとりながら、できるだけ早く一本化するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/107
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108・松本忠助
○松本(忠)委員 けっこうであります。終わります。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/108
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109・細田吉藏
○細田委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についておはかりいたします。
来たる十二日、航空に関する件について、新東京国際空港公団総裁成田努君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/109
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110・細田吉藏
○細田委員長代理 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。
次会は、来たる十二日委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X00419670510/110
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