1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月二十七日(火曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 内藤 隆君
理事 大久保武雄君 理事 進藤 一馬君
理事 福井 勇君 理事 古川 丈吉君
理事 細田 吉藏君 理事 井岡 大治君
理事 久保 三郎君
木部 佳昭君 徳安 實藏君
福家 俊一君 堀川 恭平君
山村新治郎君 板川 正吾君
小川 三男君 神門至馬夫君
内藤 良平君 野間千代三君
渡辺 芳男君 山下 榮二君
松本 忠助君
出席政府委員
防衛施設庁施設
部長 鐘江 士郎君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省航空局長 澤 雄次君
郵政省電波監理
局長 淺野 賢澄君
委員外の出席者
日本電信電話公
社営業局長 武田 輝雄君
専 門 員 小西 真一君
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本日の会議に付した案件
公共用飛行場周辺における航空機騒音による障
害の防止等に関する法律案(内閣提出第一二三
号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/0
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001・内藤隆
○内藤委員長 これより会議を開きます。
公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。小川三男君。
〔委員長退席、福井委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/1
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002・小川三男
○小川(三)委員 きょうは運輸大臣はおいでになりませんが、きのうは運輸大臣、澤航空局長、現地までおいでいただきましてたいへん御苦労さまでした。
各条の審議に入る前に、この間の委員会で原委員から内容について質疑がありましたので、それとの重複を避けますが、一体この公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止、この航空機騒音の音源をなすものはエンジン・テスト、あとは飛行中の騒音、発着陸による騒音が最大の音源だと思いますが、その点で現在羽田あるいは伊丹等で使用している飛行機が、これは現実に生んでいる問題である。それから、この法案を見ると新国際空港を含むということになっておるが、この間原委員から新国際空港とはどこにあるんだという問題が出ました。それはどこにあるのかということが問題の焦点になりますが、それは別にして、ジャンボー・ジェット機、SSTを飛ばすということであったら、これがどこに設置されるかは別として、これらの騒音源、いわゆるどの程度のものであるか、その点資料があったら説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/2
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003・澤雄次
○澤政府委員 現在飛んでおりますDC8あるいはボーイングの707につきましては、現在運輸省のほうでも調査をいたしまして資料があるわけでございます。ただいま先生おっしゃいましたボーイングの747、これは四十四年ないし四十五年から出てまいります。それから英仏が共同でつくっておりますコンコード、これは四十八年ごろから出てまいります。それからアメリカでつくっておりますSST、これらのものにつきましては現在のところまだ——飛行機の諸元と申しておりますが、いろいろな要素が明確にきまっておりません。これはフライト・テストと申しますが、飛行実験をやりましてからいろいろの航空機の諸元が明らかになってくるわけでございます。アメリカのSST等につきましては、アメリカの連邦航空局からボーイング社に対しまして、この騒音が現在のDC8あるいは707以上にならないようにという要請をいたしておりまして、ボーイング社でもその方向に向かいましてエンジンの製作その他について目下非常に努力をいたしている次第でございまして、これがDC8とどのくらい騒音が違うということも現在のところ明確ではございませんが、現在のDC8あるいは川よりも騒音が非常に激しいものであるというふうには、航空界では考えていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/3
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004・小川三男
○小川(三)委員 そうすると、この法案自体の中では、航空機による騒音は防止できないという前提に立って被害を防止しよう、したがって音源に対する問題についてはいかんともしがたいという前提に立っている、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/4
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005・澤雄次
○澤政府委員 これは法律の名称にもございますように、航空機の騒音の防止ということはなかなか困難でございまして、航空機の騒音による障害を何とか防止あるいは軽減しようというのが法律の目的でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/5
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006・小川三男
○小川(三)委員 この法案がかりに通ったとして、これはあとで大きな争点になると思う。というのは、航空機のひん繁な発着陸というのが出ております。各条の中で言えばですよ。「ひん繁な」とは、どの程度でこれを一体押えようとするのか。それから騒音自体、騒音による被害——騒音は押えられない、騒音についてはいかんともしがたい。とすれぱその被害の査定なり、被害というものを一体だれがどこで押えるのか。その点でこれは訴訟の問題までが出ておりますけれども、この判定やその他で非常にもことしたものになっている。したがって、たとえば第一条の中で「航空機の離着陸のひん繁な実施により生ずる損害の補償」では、「離着陸のひん繁な」とは一体どの程度の回数を指しているのか。それが一つ。「障害が著しいと認めて政令で指定する」ということになっているのですが、「障害が著しい」とは一体だれがどう判定するのか。そういう点で、いわば伊丹その他羽田にしてもそうです。新国際空港、いま成田でも大きな問題になっているのは騒音です。したがって、こういうような法案を出しておること自体が現地の救済にならない、現地の争いの根源を新たにつくり出す原因にならないか。そういう点をひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/6
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007・澤雄次
○澤政府委員 この法律で、その基準となることにつきましては政令に委任するところが非常に多いので、この政令案がまだできていないのでたいへん恐縮でございますが、これは現在のところ航空審議会のほうに諮問をいたしまして、公共用飛行場の場合におけるこれらの基準はどのようなものが適当であるかというのを、鋭意この航空審議会の騒音部会というところで御審議を願っているわけでございますが、大体の基準といたしましては、防衛施設庁の、昨年法律を通されました通称基地周辺整備法に基づく措置の基準というものを、この法律につきましても一応の基準として考えております。それでこの内容につきましては、防衛庁の基準につきましては、委員部のほうでつくられました「防衛施設周辺整備法に基づく措置の基準」というのがきょうお手元に配付してあると思いますが、大体この基準によりまして公共用飛行場のほうもこれに基づいて政令を制定してまいることになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/7
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008・小川三男
○小川(三)委員 それと、現にいまたとえば大阪、羽田等は何ら適用されるものがない。防衛庁の場合と、それからこの法律において特定飛行場とは、新国際空港を含む、現在特定飛行場としてどことどこを指しておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/8
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009・澤雄次
○澤政府委員 この法律の第二条で種々の補償の対象となります飛行場を特定飛行場と申しておりますが、まず新東京国際空港、これは完成の暁には、供用開始の暁には、先ほど先生のおっしゃいましたような747その他のジェット機が発着することは確実でございますので、この新東京国際空港、これは法定いたしたわけでございます。それから、政令で指定するものとして、いま関係各省で了解いたしておりますものは、羽田の東京国際空港、伊丹の大阪国際空港、この二つでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/9
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010・小川三男
○小川(三)委員 いま政令については、これは政令が出てないということですが、これは私たちの同僚である参議院の加瀬完氏のところで、調査室でまとめたものです。ここに千歳調査——千歳調査というのは、北海道大学の公衆衛生学教室でまとめた騒音に対する調査、これによると、十一カ所を指定して五百三十六世帯について調査した。あとであなたのほうへこの資料は回してもけっこうですが、この二十五の問題点について、住民の反応調査を綿密に行なった。この同空港の騒音状態は、滑走路先端二キロ周辺は、着陸時で九十五から百ホン、離陸時で百十ホン、二キロ以上離れた市街地でも九十ホン以上になっている。こういう場合に、あなたのほうで被害を防止しなければならない、騒音の被害の防止というのは、具体的にどういうことで防止できるのか。しかも、騒音というのを一体どこで、何ホンで押えるのか。これは聞く人により、またそのときの風速やあるいはいろいろな条件によって違うだろうけれども、全体としてあなたのほうで、これは騒音であるというものを押えておかなければならない、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/10
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011・澤雄次
○澤政府委員 この何ホンからを対象にするかということは、この補償工事その他の防止措置の対象によって異なるわけでございますが、第三条の航行の方法の指定、これは、たとえば羽田のCランの一五側から出まして、東京方面に離陸いたしますと、一定安全高度に達しますと右側に曲がれというような指示、あるいはジェット機は夜の十一時から朝の六時までは都心に向かって離着陸はしてはいけないというような指示、これは特定飛行場だけでなく、全国の飛行場につきまして、何ホン以上ということでなく、でき得る限り関係住民の騒音の被害を防止あるいは軽減いたしますためにこれを実施するということを考えております。
それから、たとえば第五条の騒音防止工事、これは学校を鉄筋で二重窓にいたしましたり、あるいは木造のままでも二重窓にいたしますのは、これは委員部からお配りしておりますきょうの資料の二ページにございますが、学校教育というものは国民生活の基本であるということから、七十ホン以上のものを一応対象にいたしております。もちろん七十ホン程度では補償工事の程度は軽微でございます。実際に鉄筋で二重窓にいたしますのは九十五ホン以上、そういうことを考えておりますが、一応対象といたしまして七十ホン以上のものを考えておる次第でございます。それからその他のものにつきましては、第六条以下につきましては、大体八十ホン以上というものを騒音の対象として考えておるわけでございます。これはもちろんその条文条文によっても違いますし、それからそのホンというのは、先ほど先生もおっしゃいましたように、離着陸の回数あるいは天候の状況によって非常に違いますので、でき得る限りこれを国のほうで定型的に考えまして、たとえば鉄筋で二重窓をやります小学校のような場合は、滑走路の端から五キロ、それから滑走路の中心線から横に二キロ、この範囲は鉄筋の二重窓の校舎改造を行なう。それから、たとえば第九条関係の移転補償につきましては、滑走路の端から千三百メートルまでをどうする、こういうふうに、経験的な統計によって定型的に処理してまいろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/11
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012・小川三男
○小川(三)委員 そうするといわゆる騒音というのは、ホンですれば七十ホンであなたのほうでは押えようとするのか。それと、各条へ入ると、この学校やその他にしても、飛行場を経営し飛行機の飛ぶことについての問題は、設置者なり飛行機会社なりの責任であるのに、飛行場の設置者が騒音やその他について防止の施設をするのではなくて、これを見ると地方公共団体が行なうということになっている。飛行場の設置者がどうして行なわないのか。地方公共団体が行なわなければならない。地方公共団体はいわば被害者です。被害者が被害を申請して初めてこういう施設をしなければならないというときに助成するということでなくて、飛行場を経営するもの自体が、いわば加害者ですよ、加害者が当然行なうべきじゃないか。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/12
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013・澤雄次
○澤政府委員 これは基地周辺整備法も同じ考えをとっておりまして、いわゆる特定飛行場の設置者及び使用者の責務といたしましては、この法律におきましては、第四条で航空会社と飛行場の設置者が、先生がおっしゃいますとおりに、騒音による障害の防止の責任者でございます。それで設置者自身がいろいろな工事を行なってもいいのでございますが、これは地方公共団体への補助金として出す場合と、それからあるいは設置者自身が土地の買い上げ、あるいは移転の補償をするというような場合とに分かれているわけでございまして、実際の便宜土地方公共団体に実施はお願いして、それに補助金を出すというほうが、騒音防止工事あるいは共同利用施設というような場合は、うまく実情に沿っていくんじゃないかということでございます。ただし補助とは申しておりますが、補助の考え方はいわゆる騒音だけに関する部門につきましては、国と申しますか、飛行場の設置者が一〇〇%持つということが基本的な考えでございます。ただそれによって益した部門があるということで、その益した部門については地方公共団体に負担をしていただくということが五条、六条等の考え方でございます。それから九条等のいわゆる土地の移転補償あるいは買い上げ等は、これは飛行場の設置者が自分で実施する、こういうふうな体系をとっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/13
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014・小川三男
○小川(三)委員 私が伺っているのは、設置者は当然責任者でなければならないのですよ。ところが、責任を負わねばならない設置者が補助者なんですよ。地方公共団体がこれだけの被害がありますということを申し入れなければならぬことになるのです。責任者が当然騒音というものに対して——あなたのほうでいえば七十ホンで押えるならば、その七十ホンの地域を測定しなければならない。どういう状態、それは音響学会に委嘱しようが何であろうが、少なくとも常時七十ホンなら七十ホンの音響下に置かれているという状態がわからなければならないはずです。設置者は、少なくとも飛行場の経営者は、それを押えなければならない。押えたら、そこに積極的に行わなければならないはずです。ところが地方公共団体から申請されるなり要求されるなりして、初めて補助者に変わっている。補助する機関ではなくして、当然自分のほうで進んで行なわなければならない立場にあるはずです。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/14
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015・澤雄次
○澤政府委員 これは基地周辺整備法の場合は、飛行場の設置者は国でありますし、実際の騒音を起こす加害者がこれも国でございますが、その場合におきましてもやはり地方公共団体に対する補助という形をとっているわけでございます。これはそのほうが地方の実情に即して、どの学校から先に工事を実施していくか、あるいはどういう工事を実際の小中学校の管理者である地方公共団体がやっていきたいかという、その地方公共団体の御意向を主にして、そしてそれに対して国は補助をする。しかも騒音を防止する部門につきましては一〇〇%補助するということの形をとっているのでございまして、実質的には先生がおっしゃっているのと同じでございまして、むしろ学校の管理者たる地方公共団体の意向をよく生かすことは、この方法のほうができるのじゃないか、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/15
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016・小川三男
○小川(三)委員 かりにここで、要綱の第五の、「共同利用施設の整備について必要な措置をとるときは、その費用の一部を補助することができる」これは全部を補助するのではなくて一部を補助することができる、その一部とは一体だれがどの程度と査定するのか。そういう点で、これ厳密にやっていったら、この法律が出たことによって現地は救われるのではなくて、現地と飛行場の経営者との間に争いの根源を今後含んでいると考えるけれども、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/16
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017・澤雄次
○澤政府委員 この共同利用施設の場合も、いわゆる基本的には国がその全部を持つという考え方でございまして、その対象によって違うわけでございますが、たとえば共同学習室を市町村がつくるといいますときには、先般の原委員の御質問にお答え申し上げましたように、一定の戸数について一定の坪数を想定いたしまして、それを定型で市町村に補助金としてお渡しするわけでございます。それを基礎にして市町村が自分の理想とする共同学習室をおつくりになるわけでございます。その他の施設につきましては、これも政令が出ていないのでまことに恐縮でございますが、百分の七十五、いわゆる騒音部門につきましては国が全部を見るという基本的な考え方に立っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/17
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018・小川三男
○小川(三)委員 そうすると、たとえばここに飛行場があるとすると、その受ける音響自体についての補償というものはないのでしょう。音響によって初めて被害が生じて、その被害に対する防止ということになる。したがってその根底である音源をどこで押えるか。どんな機関がその音源を押えるか。ここは常時七十ホンである、あるいはここは六十五ホンである。およそ飛行機が飛んでいく場合に、二メートルや三メートル離れた場所で、ここで七十ホン、ここは六十五ホンなんということはあり得ない。したがって、その音源をどこで押えるか、どんな機関がそれに当たるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/18
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019・澤雄次
○澤政府委員 基本的には国が一定区域の音響監視施設をつくりまして、これが八十ホン区域である、これが七十ホン区域であるという測定を国の責任で実施いたします。ただし実施の運用につきましては、国と関係市町村長、それから学校の代表者、そういうものが集まりまして、騒音防止委員会というようなものを結成いたします。これは現実に羽田、それから伊丹ではつくっております。新空港ができましたら、やはり新空港でもそういう委員会をつくりたいと思っております。そういうものをつくりまして、そこで音響測定をやりまして、関係の人みんなが了承いたしますと、それをあと定型的に組み直していくわけでございます。滑走路の端から何キロまでのものに対してはこういう工事を実施するというふうに定型的にきめまして、そして実施をしてまいりたいと思います。そうでなければ、先生のおっしゃるとおりに、そのときの飛行機の飛び方によりまして、低く飛んだ場合にはその八十ホン区域に百ホンというような音が出ることもございましょうし、そこは定型的に何キロまでの範囲をどうしようということで、その騒音委員会で決定しまして、それを国が告示その他をいたしまして、補助金を定額補助で実施していく、そういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/19
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020・小川三男
○小川(三)委員 そうすると、たとえば学校、病院というようなものに対しては、地方公共団体なりが申請した場合には補助をすることができる。しかし、一般居住者に対してはどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/20
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021・澤雄次
○澤政府委員 一般居住者に対しましては、これは現在のところ騒音防止の工事としての補助は考えておりません。それで一般居住者につきましては、これは第九条の移転補償あるいは土地の買い上げ補償、それから第十条におきます農耕損失補償を考えておりまして、一般居住者に対しての家屋の防音工事ということは、この法律では予定していないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/21
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022・小川三男
○小川(三)委員 したがって、病院あるいは学校というようなものは、当然これはやらなければならない問題である。それはよろしいとして、最も大きな被害を常時受けなければならないその周辺の居住者に対しては、何らない。そうすると、移転したいという人には土地を買い上げる。かりに、では土地を買い上げるとしたら、あるいは住居を買い上げるとしたら、その査定はどうするのか。おそらく時価ということになるでしょう。時価という場合に、そのごうごうたる騒音の中で、その人たちがすでに住めない状態である、これは土地が価格として暴落するのは当然でしょう。いられないような状態にしておいて、そうして住めないような状態にして価格を暴落させておいて、そうして時価で押えられたら、この居住者というものは救われるべきものは何もないでしょう。そういう点はどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/22
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023・澤雄次
○澤政府委員 理論的には小川先生のおっしゃるとおりでございますが、実際この法律を適用いたします伊丹の国際空港、それから東京の国際空港につきましては、この空港を設置いたしましたときには、空港は実は離れたところにあったわけでございます。現在は東京も大阪も周辺が非常な繁華街になりまして、実際どれだけ土地を売りたい、あるいは移転をしたいという方が出てこられるか疑問に思っておりますが、東京、大阪の両空港に関します限り、非常に土地の値段が上がってきております。これは航空機の騒音と関係なしに上がってきております。むしろ非常に高い土地価格になっているというのが実情でございます。それで、それでも売りたいという方が出てこられれば、もちろん国といたしましては、土地鑑定人を入れまして適正な相場で買い上げるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/23
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024・小川三男
○小川(三)委員 かりに土地鑑定士に依頼しても何でも、飛行場はつくられてしまう。その周辺に取り残された人たちというのは騒音の真下に入る。したがって、騒音の真下に入って、その人たちが売ってどこかに行かなければならないというような条件のところを買って入ってくる人はないはずです。したがって、そういう点はどうかと言うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/24
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025・澤雄次
○澤政府委員 現在あります飛行場につきましては、先ほど申し上げましたようにこれは実際問題でございますが、土地価格の下落というものはなく、むしろ値上がりしているというのが実情でございます。これからつくります飛行場につきましては、先生のおっしゃるような御趣旨も十分に取り入れまして、無用の被害を住民の方に与えないように万全の措置をとってまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/25
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026・小川三男
○小川(三)委員 それでは先に一つ伺っておくのは、たとえば学校教育法、医療法その他によって、学校や病院については二重窓の施設ができた。二重窓であるということは当然、冷暖房装置をしなければならないわけです。そういうものに対する施設についての補助はする。けれども、あとの経常費についてはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/26
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027・澤雄次
○澤政府委員 学校、病院の施設の冷暖房のお話でございますが、この間の委員会で原委員の質問にお答え申し上げましたように、暖房は騒音と直接の関係はあまりないのじゃないかと思います。それから冷房につきましては、現在のところ防衛庁で実施しておられます工事につきましても、実は冷房装置はやっていないわけでございます。それでベンチレーション、通風装置をやっているというのが実情でございます。全国の学校あるいは文部省から、冷房も実施すべきではないかという御意見もあるわけでございます。政府全体として、まだこの騒音防止工事をした学校に冷房を実施するというところまではまいっていない実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/27
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028・小川三男
○小川(三)委員 現に二重窓にして冷暖房の設備をした、そのために経常費がかさんで、地方公共団体としてはその維持に非常な困難を来たしている実例がある。したがって、そういう点についての考慮を払わないで、単に一時的に二重窓にした、騒音だけは防止する設備をした、それは暖房が騒音と関係ないのはあたりまえだけれども、しかし根源は騒音があるからしかたがない、その被害が起こってくるからそういう施設をした、そこから発展してくる経過というものを考えれば、その維持についても負担すべき必要があるのじゃないか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/28
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029・澤雄次
○澤政府委員 御趣旨まことにごもっともでございまして、先般の委員会でも運輸大臣から、前向きで検討したい、こういうお答えを申し上げたわけでございます。現在のところ冷暖房装置は、この騒音防止法あるいは基地周辺整備法では、これは予算との関係でございますが、実施できない。したがいまして、地方公共団体のほうで自分で冷房装置をおやりになりましても、その維持費を国が見るということは、現在のところでは非常に困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/29
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030・小川三男
○小川(三)委員 第九条に、当該飛行場の周辺の一定の区域を政令によって指定することができるとあるが、この一定区域とは一体どの区域をさすのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/30
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031・澤雄次
○澤政府委員 移転補償あるいは買い上げ等につきましては、先ほど先生が御指摘になりましたように、ホンでやりますと、ここは何ホンの地域だ、ここは何ホンの地域だということが、非常に主観的にも変わってくるおそれがあるわけでございます。それで、これは他のものも大体定型的に処理しているのでございますが、この移転補償等につきましては、特に法律でこれを定型的に処理するということを政令に委任したわけでございます。たとえば滑走路の端から千三百メーターあるいは滑走路の横から三百十五メーターというようなものを指定区域といたしまして、その範囲に住んでいる方には移転補償を行なう、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/31
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032・小川三男
○小川(三)委員 この一定区域の一定が問題でしょう。この一定区域の一定というのをどこで押えるのか。ホンで押える場合に、音響はそんな簡単に押えることができるわけがないでしょう。したがって、この法律があとで現地を救済すべき法律にならないで、現地との争いの根源になる危険があるという点で、一定の区域というのは、何を基準にして一定の区域として押えるのか、騒音の場合、一定の区域の設定は非常に困難だと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/32
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033・澤雄次
○澤政府委員 これは、先生のおっしゃいますように、ホンによって争いが起きる可能性が非常に強いものでございますから、政令でこの一定の区域というものを明定いたしまして、争いが起きないようにしようということでございまして、例を申し上げますと、委員部でお配りいたしました資料の五ページにございますが、これは防衛庁の場合の例でございます。この資料の五ページに絵がございまして、滑走路の端から、O/Rとございますのはオーバーラン、飛行機が着陸を間違った場合に、なお行ってもだいじょうぶな範囲をオーバーランと申しております。これが三百メーター、さらに千メーターまでの範囲、それから横には着陸帯とございますが、端から三百十五メーターの範囲、この範囲の斜線をしてありますところが防衛庁の場合にはいわゆる指定区域ということになるわけでございます。これを指定しました根拠は、もちろんこの区域は騒音が非常に激しいという問題もございますし、それから制限表面下にございまして、その進入表面あるいは転移表面と言っておりますが、この両端に扇子のように広がっているのは、進入表面ですが、ここを飛行機が低く入ってまいります。この斜線のところは非常に低くなります。そういうことで制限表面下を低く飛ぶということによる恐怖感、威怖感というものと騒音とを一緒にいたしまして、この範囲は人間が住めないと言えばそれはもっともであるということで、この範囲を指定区域にいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/33
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034・小川三男
○小川(三)委員 ですから、この一定の区域というものが、あなたのほうでは一方的にこの法律と、あわせてほとんど政令にまかしてあるでしょう。したがって実際問題としては、この政令を早急に出してもらわなかったら、政令を明らかにしてもらわなければ、この法案を審議していくことができないですよ。その点あなたのほうは非常に場当たりで、いま新国際空港の問題で騒いでおるのですが、何かこんなことによって地元を片づけようなんていう考え方で場当たりにこんなものを出したのじゃだめですよ。これではやはりあとでもって問題の種をまくだけだ。
それで第九条の2「前項の指定の際現にその指定に係る区域(以下「指定区域」という。)に所在する建物、立木竹その他土地に定着する物件(以下「建物等」という。)の所有者が当該建物等を指定区域以外の区域に移転し、又は除却するときは、当該建物等の所有者及び当該建物等に関する所有権以外の権利を有する者に対し、予算の範囲内において、当該移転又は除却により通常生ずべき損失を補償することができる。」「予算の範囲内」とありますが、予算がなかったらどうするのですか。やりようがない。
それから「通常生ずべき損失」というのは、だれが査定をするのか。騒音の被害として「通常生ずべき損失」というのは、一体だれが査定をするのか、認定をするのか、あるいは判定をするのか。そういう点で、これは問題が非常に残っているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/34
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035・澤雄次
○澤政府委員 この「当該移転又は除却により通常生ずべき損失」は、もちろん騒音によってそういう原因ができたわけでございますが、法令上は「移転又は除却により」ということで、相当因果関係にある損失、これを補償するということでございます。
「予算の範囲内において」と申しますのは、これはすべて補助その他の場合の最近の立法例でございまして、「予算の範囲内において」とあるから、予算がなければだめかと言われれば、それは法律上は予算がなければだめでございますが、実際問題として、こういう法律を出しまして国民にお約束をいたしましたからには、予算は必ずつけるということでございます。
それからいま一つ、これは膨大な予算を要しますので、たとえば東京、大阪、特に大阪の騒音防止工事などにつきまして、一ぺんにやれと言われましても、とてもこれは国の財政負担でまかなえるものではないわけでございます。それで、これは全部やるのでございますが、毎年度予算の範囲内におきまして、地方公共団体その他の御意見を伺って緩急順序をつけて、漸次実施していくというようなことで、「予算の範囲内において」という字句を入れておるわけでございます。それで、「通常生ずべき損失」というのは、相当因果関係にある損失は全部お支払いいたすわけでございまして、これは具体的には「公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱」、これは昭和三十七年に閣議決定があったのでございますが、この要綱に該当するものすべてを補償するわけでございます。建物等の所有者にかかわるものでは、建物の移転料、取りこわし費用、動産移転料、仮住居を設けました場合の仮住居の使用に要する費用、営業休止補償、家賃減収補償、立木補償、伐採補償、これらのものを相当因果関係にあるものと認定いたしまして、全部補償をいたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/35
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036・小川三男
○小川(三)委員 これは具体的な例を申し上げますと、農民のほうで移転をする。そうすると防衛庁で支出し得る金は、旧法によって坪四千円しか出せない。移転しなければならない先の土地は、三万八千円以下では売らないと言っている。したがって、行くところがないのですよ。この四千円を防衛庁では適法であると考えておるけれども、それは一方的な適法である。それが話がつかない限り、農民は住むに住めないような条件のもとに放置されていなければならない。あなたのほうは「予算の範囲内」あるいは「通常生ずべき損失」というようなことですが、そういう点でこの問題は争いの種になりますよ。そして、争っている間は住んでなければならないのです。したがって、こういう点をもっと明確にしておかなければならないと思うのです。
それから第十条の「従来適法に農業その他政令で定める事業を営んでいた者」ですが、一体適法でない農業というのは具体的にどんなものがあるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/36
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037・澤雄次
○澤政府委員 第九条の土地の買い上げで、買い上げたほうが四千円で、移転先が三万八千円という具体的事例につきましては、私のほうでその事例を存じておりませんが、運輸省が実施いたします公共飛行場の大阪及び東京に関します限り、この売る場所の値段というのは非常に高価でございまして、このような事例が起こることは非常に少ないのではないかと思われます。
それから、これから新たに設置いたします飛行場につきましては、政府といたしましても格段の予算措置を講じまして、関係住民の方に決して御損にならないように措置をしてまいりたいと思っておりますことは、先ほど申し上げましたとおりでございます。
それから、第十条の「適法に」ということは、行政法令上違法でないということでございまして、具体的な事例が現在考えられないのでございますが、かりに申しましたら、国有農地を不法に耕作しているというような場合は適法と言えないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/37
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038・小川三男
○小川(三)委員 きょう実は部屋へ置いて持ってこなかったので、あとであなたのほうに提示しますが、ぼくのほうで伊丹空港周辺で採集してきたイチゴ、キャベツその他農作物の葉があるのです。これは飛行機の不燃焼燃料によって葉がみんな焼けてしまうのです。その損害の問題については、あなたのほうにもうすでに出てきているでしょう。これは騒音によるのじゃないですよ。騒音によって葉がいたむのじゃなくて、不燃焼の燃料によって葉が焼けてしまうのです。そういうような場合に、一体これはどういうことになるのか。農業自体は大きな被害を受けている。こういう問題については、これはどんな被害を受けようとも、騒音から発したものでない限りは、あなたのほうでは、この法律によれば補償すべき対象にはなっていない。しかし、事実としては受けている。こういう問題についてどう考えられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/38
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039・澤雄次
○澤政府委員 先生の御指摘の事実は、たしかことしの五月であったかと思いますが、大阪空港の飛行場の進入表面の投影面下に当たる一定の区域のところのイチゴあるいは庭木、耕作物、これにしみができまして、あるものは枯れたという報告が地元住民から運輸省のほうにございまして、これの損害賠償要求があったわけでございます。この原因がよくわからないのでございますが、これは騒音の被害ではございませんから、先生のおっしゃいますように、この航空機騒音防止法によって救済することはできないわけでございます。それではどの法律によって実施するかというと、国の場合は国家賠償法でございます。国家賠償法の第二条には、公の営造物の設置管理に瑕疵があって損害を与えた場合は国が賠償の責めに任ずるということが書いてあるわけでございます。この伊丹の事例の場合はどうかと申しますと、国の飛行場の設置管理に瑕疵はなかったわけでございます。それでこの加害者は、どこかの飛行機がおそらくそういう不燃物を投下したのだろうということで、その飛行機をつかまえて、それに損害賠償をさせる。これは単にいま私は法律上のことを申しているだけでございます。これが法律上のたてまえであろうと思います。それで航空局といたしましては、加害者がどの飛行機であるかということを、その当時伊丹に到着いたしました飛行機全部について目下調査をいたしております。それからもう一つ、そういう斑点ができたのはどういう原因であるか、それが航空機の燃料であるか、潤滑油であるか、あるいは他の薬品であるかということを、地元の伊丹市その他と共同で、大阪大学その他の専門家に研究を依頼いたしております。現在のところそういう状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/39
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040・小川三男
○小川(三)委員 第十条の二項には「前項の規定により補償する損失は、通常生ずべき損失とする。」とある。しかし、いま言ったように、者がだれであるか。これは騒音でないことは間違いない。したがって、この法律の適用外であることも間違いない。しかし事実においてそういう損害が生じている。そうすると、その原因が何であるかをあなたのほうでは探求する日時と余裕があるわけです。けれども、下で農作物をつくっている農民には、そんな余裕はないはずです。相手が国ですよ。国は別に痛みも何も感じていない。けれども、下で農作業をしている農民は大きな損失を受けている。この間の損失の補償というようなものは、どういうぐあいに処理されますか。現にまだやっていないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/40
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041・澤雄次
○澤政府委員 本件の場合には、法律的には私の申し上げましたように国には大阪空港の設置、管理にこの際瑕疵はなかったわけでございますから、国家賠償法の適用を受けられない。あるいは住民が国家賠償法で国を訴えられても、おそらくこの損害賠償を受けることはできないだろうと思います。しかし実際に農民にそれだけの損失がありましたり、それからちょうどそれが進入表面下の一定範囲に限りましてそういう被害があったわけでございます。これは原因が何であるかはわかりませんが、航空機による被害であろうということはほぼ推定できますので、加害者たる飛行機を見つけることができないときには、国で政治的に何らか処置しなければならないものではないかということで、目下大臣、政務次官と御相談を申し上げているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/41
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042・小川三男
○小川(三)委員 その問題は第十一条の三の「運輸大臣は、前項の書類を受理したときは、」——これは都道府県知事を経由して申請書が出る。「受理したときは、補償すべき損失の有無及び損失を補償すべき場合には補償金の額を決定し、遅滞なく、これを都道府県知事を経由して当該申請者に通知しなければならない。」この補償金の額を決定する者はだれなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/42
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043・澤雄次
○澤政府委員 補償金額を決定いたします者は、運輸大臣でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/43
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044・小川三男
○小川(三)委員 それは航究局長、運輸大臣ですというのは法文にあらわれている運輸大臣ですよ。実際運輸大臣が現地に行ってこの額の決定などできるわけはないでしょう。したがって、何らかの機関のだれかがこれに当たらなければならないはずです。運輸大臣ではないはずです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/44
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045・澤雄次
○澤政府委員 都道府県知事が実際に地元住民の利益を代表し、また地元の事情をよく知っているわけでございますので、その請求書にはその地元住民が損失補償の請求額を書いて出すわけでございますが、しかしそれを都道府県知事が見まして、そしてその申請書にある額が適当であるか適当でないかという都道府県知事の意見をつけまして、そして今国会で審議をお願いしております地方航空局を今度設置いたしますが、地方航空局長のほうに都道府県知事から出していただいて、そこで決定する、こういうふうに手続的には考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/45
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046・小川三男
○小川(三)委員 ここで、これは千歳の調査による電話その他の被害を逐条で申し上げます。具体例ですよ。会話ができない——全然聞きとれないか、またはそれに近い状態のもの、十一カ所中八カ所が八・五%以上も訴えている。それからテレビ、ラジオ、電話が聞こえない——テレビ、ラジオについては全地域の七〇%が訴えている。飛行機の飛ぶ場合は聞こえなくなるのが八六・七%ある。こういうテレビ、ラジオ、電話が聞こえないという場合に、NHKなり電波監理局なり、これはあなたのほうで所管して、この損害については運輸省当局が処理するのか、あるいは処理しないのか、そういう点伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/46
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047・澤雄次
○澤政府委員 テレビ、ラジオにつきましては、特に大阪伊丹の付近におきましてテレビがゆれて見えない、あるいはテレビ、ラジオの音が聞こえないという苦情が、実は相当多いわけでございます。ただし、これは騒音防止法で取り上げることが不可能でございますので、郵政省のほうとNHKのほうに、自衛隊、防衛庁に対してNHKあるいは郵政省がとっておられるラジオ、テレビの減免措置と同じことを、ひとつ大阪、東京の両空港についてのみお願いしたいということを、運輸省からお願いをしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/47
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048・小川三男
○小川(三)委員 電波監理局の方、お見えになっておりますか。——その場合、電波監理局としてはどういう処置をとられるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/48
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049・淺野賢澄
○淺野政府委員 現在、飛行場周辺の方たちがテレビ、ラジオの聴視につきまして非常に御不便であることは、十分私どもも存じております。ただ、非常に困っておりますのは、たとえば高速道路の周辺、それから大きなビルが建ちますとそのすぐ裏側で同じような問題が出てまいっておるわけでございます。したがいまして、電波関係全体として見てみますと、公害の問題になるわけであります。ただ、おっしゃいますように、特に飛行場周辺につきましてはその度合いがきついことは事実でございます。そういった点で、御趣旨の点は非常によくわかっておるわけでありますが、現在これを減免するかどうかになりますと、NHK側におきましても影響するところ非常に大きいものでありますから、特に対策は考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/49
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050・小川三男
○小川(三)委員 この法律は、航空機騒音による障害の防止をしなければならない法案なんです。したがって、いま電波監理局の方が答えられたように、飛行機による被害は非常に強いということを認められているわけです。それに対してあなたのほうでは、この被害を防止する法案によってこれをどう処置されようとするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/50
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051・澤雄次
○澤政府委員 これは国の予算のあり方がいいか悪いか別といたしまして、現在慣例的に防衛庁の場合に、ひんぱんな防衛庁の基地周辺の航空機によりましてテレビ、ラジオが見えない場合に、NHKがテレビ、ラジオの受信料を減免いたしているわけでございます。防衛庁は基地周辺整備法による予算措置をとっていないわけでございます。この公共飛行場周辺の騒音防止法も基地周辺整備法をまねというとおかしいのでございますが、それにならってつくった面が非常に多いものでございますから、これでも実際に政府部内といたしまして、防衛庁の場合にNHKが負担しているということで、東京、大阪の両空港につきましてだけ国がその一部を負担するという予算措置を講ずることは、実際上非常に困難でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/51
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052・小川三男
○小川(三)委員 電波監理局としては被害があるということは承認されているけれども、それに対して防衛する手段はないわけでしょう。飛行機が飛んでいる限りは被害がある。飛行機を飛ばさないというわけにはいかない。そうすると、それについての救済の方法というものは、あなたのほうには何らないのですか、その点を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/52
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053・淺野賢澄
○淺野政府委員 電波関係といたしましては、受信設備から発する障害の場合以外は私どもは対象にいたしておりません。飛行機から発する分につきましては、直接処置のしかたがないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/53
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054・小川三男
○小川(三)委員 そうすると、運輸省のほうでこの航空機騒音による障害の防止に関する法律案を施行する場合に、いま起こった問題についてはあなたのほうではこの条文のどこでこれを解決しようとするのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/54
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055・澤雄次
○澤政府委員 この法律によって解決はできないわけでございます。そのことは基地周辺整備法によってはラジオ、テレビの音響あるいは電波障害を解決しない。実際上の措置として、NHKに受信料の減免をしてもらっているわけでございます。それと同じように、私のほうとしては東京、大阪については受信料を減免していただきたいということを、郵政省とNHKのほうに大胆みずからもお願いにあがっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/55
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056・小川三男
○小川(三)委員 それはあくまで行政上の措置であって、いま出て審議しているこの法律案の中には、適用すべきものが何もないじゃないですか。そうすると、航空機の騒音によって生じた被害を防止する法律案がありながら、適用されない重大な部分がある。ですから、その点非常に不備ではないか。行政措置としてあるいは郵政省へ頼んで、あるいはNHKに頼んで料金を引き下げてということは、あくまで措置であって法律上の解決にはならない。この点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/56
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057・金丸信
○金丸政府委員 いままでの経緯につきましてはただいま航空局長からお話し申し上げたとおりでありますが、NHKの立場から考えてみますと、正常な電波を送っているわれわれのほうも被害者である、こうNHKは申しております。また電電公社の立場からいえば、電話の施設をどこへつくってもすべて同じ完備したものが必要であるというような立場は、当然のことだと思うわけでありまして、そういう意味で運輸省もNHK等ともいろいろ折衝をいたしてきょうまでまいっておるわけでありますが、結論的には各省間の大臣の話し合いをすべきである。いわゆるこの被害をNHKにしわ寄せする、あるいは電電公社にしわ寄せするということは常識的に考えてみて無理であろう、こう私は考えておるわけであります。そういう意味で今後、この法律が不備だという点もあろうかと思うわけでありますが、居住しておる人たちの個々の被害というものはあるわけでありますから、この被害をひとつ各省間の大臣交渉によって何とか解決いたしたい、こう考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/57
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058・小川三男
○小川(三)委員 電電公社の方お見えになっていますね。これは千歳調査によっても、電話が聞き取れない、したがって通話料が高くかさんでやり切れない。伊丹においてもそのとおり。羽田からもその資料は得ております。そういう場合に電話料をまけることはできないでしょう。通話料がかさんだからといって、それが飛行機の音によって聞きとれないからといって、あなたのほうで通話料を減免するというようなことは方法はないでしょう。その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/58
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059・武田輝雄
○武田説明員 航空機の騒音によります電話に対する障害の問題につきましては、その障害がどの程度のものであるか、非常にむずかしい問題だと思います。電話通話に対して影響のあるということは当然考えられるわけでありますが、そうなりますと単に航空機の騒音だけでなしに、鉄道あるいは都市のいろいろの騒音によって通話がある程度阻害されるというふうなことも考えられますので、これは単に航空機の騒音による障害の防止という角度だけでなしに、広い視点で考えていくべき性質のものではないかと思います。そうなりますと、いま政務次官のおっしゃいますように、電電公社といたしましては、電話制度といたしましては、あるいは電話設備といたしましては完全なものを提供しておるわけでありますけれども、そういった障害によって利用者の方が被害を受ける、また公社としても被害を受けるということになりますので、広い視野に立って考えていきたいと思います。また電話の場合は、常時被害を受けるということではなくて、また被害を受けられる方はそこに住んでおられる方だけではなしに、遠くからかかってくるという場合もありますので、そういう場合の事実認定は非常にむずかしいと思います。そこでわれわれといたしましては、現在公衆電気通信法に基づいてある程度措置しておるわけでありますが、公衆電気通信法の七十八条におきましては、加入者の責めに帰することができない事由によりまして、たとえば市内通話、市内接続通話あるいは定時通話等料金を先にいただきました通話が、通話中に通話ができなくなったときは料金を返す、それから市外通話の途中において三分以上通話ができなくなったときは、その分につきましては通話料算定の基礎にいたさないというふうな規定がございますので、この規定によりまして対処していくというのがいいのじゃないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/59
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060・小川三男
○小川(三)委員 いま電波監理局並びに電電公社の方のなにによっても、現実に飛行場の周辺では電話が聞き取れないという被害が発生しておる。ラジオ、テレビももちろんそのとおりである。したがって騒音による障害防止という法律を出す以上、そういう問題について十分精密に調査検討されて、法律は出ておるけれども実質的には何ら救済されないということのないように、もっとこれは検討さるべきものではないのか、もっと具体性を持たせて、そしてもっと広範にやる必要があるのではないのか。それから同時に、政令についての案を出してもらいたい。
これで私は終わりますが、騒音の問題にある程度あなたのほうで権威ある機関によっての調査の資料を持っておるということを絶えず言われているのですが、それをひとつ委員会に出してもらいたいと思うのです。これは大阪、伊丹空港を中心にした関西の大学の調査、それからいまここにあるのは、私のほうのは、いわゆる千歳調査、そういうものと、あなたのほうで絶えず言われる権威ある大学なり何なりの調査があるということを言われておるのですから、それをひとつ出してもらいたい。そのことをお願いして終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/60
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061・澤雄次
○澤政府委員 伊丹と東京につきまして運輸省が調査いたしました資料は、一体どの辺でDC8で何ホンかという調査でございまして、これは国から調査費をつけていただきまして、機械を現地に設置して調査いたしたものでございます。これは運輸省が東京都の関係の方と共同で実施いたしたものでございますが、これは御提出申し上げます。それからその他のわれわれが知っております。国が大学に委託いたしましたものは、九州大学に委託して、板付について実施したものでございますが、これは防衛庁が実施いたしました、研究委託をいたしたものでございますから、これを委員会に提出できるかどうか、防衛庁と連絡をとってから御回答申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/61
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062・小川三男
○小川(三)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/62
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063・福井勇
○福井委員長代理 内藤君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/63
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064・内藤良平
○内藤(良)委員 だいぶ時間もたちましたけれども、若干質問申し上げます。
最初に、運輸当局からいただきましたこのプリントの一ページの最後から四行目に「しかるに、地方において、」と書いてありますが、これは「地方」でございますか。この点確認しておきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/64
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065・澤雄次
○澤政府委員 「他方」のミスプリントでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/65
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066・内藤良平
○内藤(良)委員 この提案の理由の説明の中で、航空機の発達ということですね。これは国際的にも国内的にも国民経済の進展に欠くことのできないこの発達に伴って、騒音の問題が出てきたわけです。極端に騒音の問題を取り上げますと、航空機がなくなったらなくなるわけですね。けれども、国際的に世界なり国内の情勢を見ますと、航空機はますます発達していく。他の交通機関と比較してなお発達する。こういうぐあいにお考えですか。この点お伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/66
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067・澤雄次
○澤政府委員 まず第一に、先ほど御指摘の提案理由の説明のうしろから四行目の「地方において、」というのは、「他方において、」のミスプリントでございますので、訂正さしていただきます。
それから航空機の騒音と今後の発展の関係でございますが、航空機の騒音自身の防止ということは、非常に技術的に困難な問題でございます。航空機自身はこれからますます発展してまいると思われます。特に日本におきましては、他の交通機関に比べまして、航空機による交通というものはおくれておりましたが、今後は他の交通機関以上に航空機の交通というものは伸びてまいると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/67
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068・内藤良平
○内藤(良)委員 したがいまして、この提案理由にもありますけれども、ジェット化あるいは大型化、こういうぐあいになるのは、これは国内的にも趨勢でございましょう。その点いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/68
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069・澤雄次
○澤政府委員 国内航空におきまして、航空機のジェット化、大型化が今後どれだけ行なわれるかということにつきましては、今後の航空旅客の伸び、あるいは日本における航空拠点の距離、その他から考えなければならないと思いますが、ジェット機を使いますことの経済性は、距離が長ければ長いほどその効用があるわけでございます。それで、たとえば東京から申しますと、東京−札幌、あるいは東京−宮崎、あるいは東京−福岡、こういう遠距離輸送につきましては、今後ジェット機が主流をなしていくようになるものと考えております。ただ、比較的近距離の点につきましては、ターボプロップと申しますか、YS11、フレンドシップ、こういうような機種が経済的である、このように航空会社では考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/69
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070・内藤良平
○内藤(良)委員 いまのお話ですと、YS11、これはこれから国内航空の場合の主要な機種になるのですが、これはどの程度の距離のところに大いに用いられるのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/70
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071・澤雄次
○澤政府委員 YS11の経済性の範囲ということは非常にむずかしい問題ではございますが、東京−札幌、東京−宮崎、東京−福岡というようなところは、これはジェット、現在飛んでおります727というジェットによることが、時間的にも経済的にもはるかに有利でございますが、その反面、東京−大阪、東京−新潟、東京−仙台というような距離は、YS11あるいはフレンドシップというような飛行機のほうが、経済的には採算が目下のところとれるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/71
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072・内藤良平
○内藤(良)委員 そういうことで、これからますます航空機が、国内の場合におきましても、ターボプロップの場合におきましても、多く利用される。したがって、この騒音の問題も付随してくるわけでございましょう。今回のこれを見ますと、東京と大阪ですか、これを中心に考えているようでありますけれども、いまのお話によってまいりますと、これはだんだん地方的にもなってまいるわけであります。それと同時に、次官もおられるからあれでありますが、東京を中心にしまして比較的遠距離の地域の交通機関になっております国鉄だとか航空機、これは今日の状態では案外金がかかるわけですが、遠隔の地に対しての交通機関として航空機あるいは鉄道、これを例にとった場合に、どちらが進歩していくというか、国内的に受け入れられるというか、あるいは設備が充実していくか、ここら辺の比較検討は省内ではなさることはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/72
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073・澤雄次
○澤政府委員 国内的にどういう輸送機関が一番国民経済的に適切であるかという検討は、運輸省としてはもちろん行なっているわけでございます。
〔福井委員長代理退席、進藤委員長代理着席〕
ただ、現在の状態におきまして、旅客にどの交通機関を選べ、こういうことを強制すると申しますか、これはあるいは運賃的に強制する、あるいは税金でそういうある一定の——たとえば東京−大阪は新幹線に乗るべきであるということを国がかりに決定いたしまして、そのほかの航空運賃なり、あるいは税金について、旅客が新幹線以外に乗れないようにする、それから、たとえば東京−札幌なら航空機以外乗れないようにするというような、そういう統制と申しますか、それはできないわけでございます。概念的には、国内の輸送はたとえば東京−大阪は大部分が新幹線に移るであろうというような前提に立ちまして、国といたしましてはこれに設備投資を行なっているわけでございますが、これはあくまで一定の基準に基づきます概念的なものでございまして、これを国が旅客に強制することはできない。したがいまして、現在のところ各交通機関は、それぞれ自分のベストを尽くして他の交通機関と競争しているというのが実情でございます。これは航空機と鉄道の場合もしかり、あるいは鉄道とバスの場合もそうでございます。鉄道とトラックの場合も同じような状態で、一種の、概念的には一定の秩序というものは考えておりますが、実情におきましては各交通機関が自分のベストを尽くして競争をしているというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/73
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074・内藤良平
○内藤(良)委員 いや、私の言いたいのは、諸外国の例を見ましても、国内的にも航空機がうんと簡単に利用されるんじゃないか。YS11でもですね。中程度の距離のところは、そういうものが鉄道あるいはバスよりも早いということで、大いに利用されるんではないか。それから、例を鉄道にとりましたけれども、投資の場合におきましても、一方は飛行場の整備でこれができる。一方は長距離の鉄道の敷設でありますね。こういう点を考えますと、先ほどの局長のお話のように、やはり国内航空でもこれからだんだん発展していくのではないか、国民の需要が多くなる、こういうことを伺いたいわけでしたが、それはそういうことでありますか。抽象的でありますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/74
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075・澤雄次
○澤政府委員 先生のおっしゃるとおりであると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/75
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076・内藤良平
○内藤(良)委員 それではそういう前提で、私もそういうことを承知しまして、またこの法案の内容に入ってまいりたいと思います。
防衛施設周辺の整備等に関する法律、これを参考資料に拝見しましたが、今度のこの提案の法律もこれによっていろいろ考えておるようでございますが、ただ、この中で比較してみてどうしてこうなったのかと思うてお聞きしたいのは、この法案の第五条といまの基地周辺、これの法律の第三条第二項、これをちょっと比較しますと、この法案では第五条に「航空機の騒音により生ずる障害を防止し、」とあって、防衛庁関係のやつは「行為により生ずる音響で著しいものを防止し、」と、こう使い分けておるわけでありますけれども、これは何か特別な理由があるのでありましょうか、この辺こまかいことですけれどもひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/76
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077・澤雄次
○澤政府委員 防衛庁の場合には、これはいわゆる戦闘行為及びその戦闘行為の演習のための航空機の離着陸というものが非常に激しいわけでございます。そのため、民間航空の場合の騒音とはまた違う形が出ておるわけでございます。それで、自衛隊の場合は「航空機の離陸、着陸等のひん繁な実施」というのが入っておりますが、この民間航空の場合にはこの第五条に関しましては、離着陸のひんぱんな実施ということは考えておりませんで、騒音による障害の防止だけを考えておるわけでございます。
それから、先生のおっしゃいました、「音響で著しいもの」という場合と「騒音」というものとは実質的に違いはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/77
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078・内藤良平
○内藤(良)委員 この防衛庁関係、これは「音響で著しいものを防止し、又は軽減するため、」云々とありますね。こちらは、「騒音により生ずる障害を防止し、又は軽減するため、」とあります。こうなりますと、ちょっとわれわれしろうと一般から見て、どこら辺に違いがあるのかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/78
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079・澤雄次
○澤政府委員 防衛庁の場合には、施設周辺整備法の第三条をごらんいただきますと、第三条の第一項のほうに「自衛隊等の機甲車両その他重車両のひん繁な使用、射撃、爆撃その他火薬類の使用のひん繁な実施」というのがございまして、航空機の離着陸のひんぱんな実施によって生ずる音響というのも一つでございますが、そのほかに防衛庁の場合は、タンクが走ったり重車両が走りましたり、射撃の訓練をしたり、爆撃の訓練をしたり、そういうものの音響というものが非常に著しいわけでございます。それで、この施設周辺整備法の「音響」ということばを使わずに、この公共用飛行場の場合には「航空機の騒音」ということで、その表現の方法を変えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/79
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080・内藤良平
○内藤(良)委員 そうしますと、先ほど小川先生から政令で定める云々で、その場合には自衛隊関係、防衛庁の関係のホンですね、こういうものを一つ取り上げて、八〇ホン以上とか七〇ホン以上とか、音響というものを一つの基準にしている。いま出ています法案では、「騒音により生ずる障害」、これはちょっと音響と違いますね。そうしますと、政令で定める基準とさっきお答えあったのは、あれは音響に対するお考えでしょうか。「生ずる障害」というのは、何か別の基準があるわけですか。これは同様にはちょっと受け取りがたいと思いますけれども、いかがですか。何か障害の障害度というものを別に考えておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/80
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081・澤雄次
○澤政府委員 この航空機に関します限り、防衛施設周辺整備法の航空機の離着陸により「生ずる音響で著しいものを防止し、又は軽減する」ということと、「航空機の騒音により生ずる障害を防止し、又は軽減する」ということは、書き方は違いますが、同じ考えでございまして、しかもその実施基準につきましても、防衛施設整備法と全く同じ適用基準を考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/81
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082・内藤良平
○内藤(良)委員 これは日本人ですから、同じような文字で表現したほうがかえって誤解がないのじゃないか。これだけ見ますと、障害の一つの基準、音響の障害基準、そういうような関係があるのじゃないかと思いまして、この点はもう少し話を進めてからまたあらためて聞きます。
次に、同様にこれは自衛隊関係のあれにも出ているのでありますが、防衛関係の第四条ですね。これも非常に私は疑問に思うわけでありますけれども、防衛施設関係の条文では(民生安定施設の助成)、第四条、国は云々を省略しまして、「その周辺地域の住民の生活又は事業活動が著しく阻害されていると認められるものが、その障害の緩和に資するため、生活環境施設又は事業経営の安定に寄与する施設の整備について」云々となっています。いま提案になっていますのは、この点は第六条にあたるわけでありましょう。これを比較しますと、これは、若干省略しますけれども、「航空機の騒音によりその周辺地域の住民の生活が著しく阻害されていると認められるものが、その障害の緩和に資するため、学習、集会等の用に供するための施設その他の一般住民の生活に必要な共同利用施設で政令で定めるもの」これは軍用の飛行機で出る場合も、民間の飛行機で出る場合にも、騒音によるところの障害ということになりますと、防衛関係の飛行機の場合も、いま法案に出ておるこの飛行機の場合でも、同じような趣旨のあれが出てこなければならぬと思うのですが、だいぶ違っておると思いますけれども、この点特別な理由があるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/82
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083・澤雄次
○澤政府委員 民間飛行場の場合と防衛庁の基地飛行場の場合は、非常な相違がございます。民間飛行場は安全に離陸し着陸するということをモットーといたしておりますので、その離着陸の際の騒音だけが問題になりますので、その騒音の障害の除去ということから、共同利用施設の助成ということを考えているわけでございます。防衛庁の場合には、これは戦闘行為と申しますか、演習ということが主目的でございますので、たとえば航空機の離着陸にいたしましても、タッチ・アンド・ゴーと申しておりますが、いわゆるランウエー・タッチをしてまたすぐ飛び上がっていく、あるいは異常な低空飛行を行なう、あるいは射撃訓練のための低空飛行を行なうということで、住民の危機感が非常に違うわけでございます。この公共用飛行場の場合には騒音というものはありますが、危機感といいますか、恐怖感といいますか、基地の場合に比べて非常に薄いということで、このように助成の対象を民間飛行場の場合は、共同利用施設の助成ということに限りまして、それから基地周辺の場合には「事業活動」というものまでも含んでおるのでございます。その加害行為と申しますか、それが基地の場合には、単に航空機だけでなしに、いろいろな危険な行為ということがございますので、この助成の範囲も広くしていくということで、基地の場合と民間飛行場の場合とを分けたわけでございます。これはたとえば、理論的な問題ではございませんが、実際的な問題といたしまして、基地飛行場周辺におきましては、航空機がよく落下いたしまして付近の住民の家を焼き、あるいは死傷しているという例が多いのでございます。幸い民間飛行場の場合には、飛行場の周辺に落ちてその周辺の民家あるいは人命に被害を与えたという例は、まだないわけでございます。このように基地の場合と民間飛行場の場合とでは、被害の程度あるいは恐怖感というものが非常に違うわけで、助成の対象を民間の場合はこのように非常にしぼって考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/83
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084・内藤良平
○内藤(良)委員 それが質問に対する答えではちょっと納得できないような感じを受けます。騒音の場合でいろいろ先ほどから小川先生のお話もございましたけれども、これは一つの例でございますけれども、音響を発することによってやっておる商売もあるわけであります。それがこの騒音によって商売ができないという場合はどうなりますか。これは学習、集会の用に供する施設、共同利用施設、これだけに限られて、これは除外されている。自衛隊の施設のほうでは逆に事業経営の安定に資するとなっておるじゃないですか。民間の場合は、防衛庁関係よりももっと広く一般の国民の皆さんのいろいろな障害に対して手を差し伸べるのがほんとうじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/84
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085・澤雄次
○澤政府委員 もう少し明確にお答え申し上げますと、飛行場の騒音だけの関係につきましては、私たちのお願いしております公共用飛行場周辺の騒音防止法は、防衛庁とほぼ同じ補償行為を実施するわけでございます。基地周辺整備法の第四条で、(民生安定施設の助成)というので事業経営の安定に資する施設ということで広く書かれておるようでございますが、これの実際の適用は、航空機よりもむしろほかの第三条の「自衛隊等の機甲車両その他重車両のひん繁な使用、射撃、爆撃その他火薬類の使用のひん繁な実施」、そのようなことで、たとえば道路施設、農業用施設を破壊したり、あるいはそれに損害を及ぼしたりすることが非常に多いので、第四条でそういうものを共同してつくる場合にも補助しようということで助成の対象にしておるわけでございます。
それからいま一つ、基地の場合、基地周辺の対策ということが考えられておるわけでございます。いわゆる基地を置くことによる付近住民の危機感と申しますか、そういうものも含めて基地対策を考えていこうということで、たとえばし尿処理施設であるとか農業用施設についても防衛庁は一定の助成をしまして、関係住民に何とか自衛隊の行為によるいろいろな損害をそれによって少しでも慰謝しようという考えがあるわけでございます。そういう点で基地の飛行場の場合と民間の飛行場の場合は、非常に違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/85
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086・内藤良平
○内藤(良)委員 簡単にいいますと、私なりにとりますと、防衛庁関係はいろいろ反対の空気も強いから、できるだけ幅広く親切にやっておる。民間の関係はそんな関係がないから、適当というよりも、できるだけ狭くして、そういうぐあいにということなんですが、はたしてそれがいまの運輸省の幹部の皆さんの御認識だとするならば、だいぶ違っておるのじゃないですか、現地の住民の皆さんの考え方と。
それでは、ひとつこういうことを聞いてみたいと思います。いま防衛庁関係も申されましたが、防衛庁関係では、ことしは施設等の関連諸費で百八十二億二千三百七十六万何がしかが予算から出ております。この中で、やはりいま運輸省で考えておるようなことを基地の関係はやるわけですが、これは全部まとまった金額であります。
そこで防衛庁の方にお聞きしますが、いま申し上げました本年度の予算の中で、飛行場の周辺の安全措置、それから騒音の防止措置、これは予算の説明書に書いてありますが、これらに関する予算はどの程度でございますか。これをひとつ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/86
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087・鐘江士郎
○鐘江政府委員 まず飛行場周辺の騒音防止に関する補助金でございますが、これは学校、病院等を対象といたしまして、四十二年度六十一億円計上いたしました。
それから第二の御質問の安全措置事業の促進といたしまして、十四億四千二百万円を計上いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/87
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088・内藤良平
○内藤(良)委員 この点も今度の運輸省の法案を出された趣旨——趣旨はわかりますけれども、予算の面から見ましても、飛行場の数にもよると思いますけれども、運輸省の場合は、教育施設に対する騒音防止対策費として、東京、大阪で三億円でありますね。これが今度の法案の中へ出ておる「予算の範囲内」というところのいわゆる予算になるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/88
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089・澤雄次
○澤政府委員 今年度通していただきました教育施設に対する補助三億円は、この法律と関係なしに実際上の予算措置としてつけていただいたものでございまして、この法律に基づきます実際上の予算措置というものは、四十三年度予算からあらわれてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/89
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090・内藤良平
○内藤(良)委員 そうしますと、この三億円というのは、この法案の、いま考えています東京、大阪ですか、それだけにも当たらない、そういうことですね。きわめて少ない。かりに出しておったわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/90
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091・澤雄次
○澤政府委員 この三億円は、おっしゃるとおり、ごく一部でございまして、伊丹における小、中学校約六校、それから東京におきます羽田の近くの小、中学校約三校というものを予定いたしまして、騒音防止工事の予算としてお願いしたものでございます。実際上、この法律が通りましたら、今後東京、大阪におきます各条に基づく予算措置を四十二年度予算から要求してまいりたい、このように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/91
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092・内藤良平
○内藤(良)委員 それは大ざっぱに言いまして、結局どの程度を予想されるものでありますか、来年度の要求は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/92
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093・澤雄次
○澤政府委員 来年の予算は、まだ編成をいたしておりませんので、いま額を申し上げることはできませんが、五年間で約百億円くらいを要するだろうというふうに概算いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/93
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094・内藤良平
○内藤(良)委員 防衛庁の方にもう一回聞きたいと思いますが、これは昨年からやられたわけですね。それで騒音の防止につきまして、抽象的な質問でありますけれども、項目をちょっと申し上げることはできませんが、実際にどの程度の予算を使っているのか。いまの学校関係、あるいは病院関係、あるいは事業場の関係、それをかいつまんででもけっこうですが、四十一年度の実績がありますか。あるいは四十二年度の計画でもいいですから、いずれでもひとつお知らせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/94
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095・鐘江士郎
○鐘江政府委員 騒音防止対策工事の補助金につきましては、すでに米駐留軍関係の飛行場につきましては昭和二十八年から、それから自衛隊関係につきましては昭和三十二年から、行政措置によりまして実施してまいったわけでございます。
ただいま御質問の実績ということでございますが、手元に正確な数字はございませんが、この自衛隊関係、駐留軍関係の昭和三十八年度、三十九年度、四十年度の決算額を御参考までに申し上げます。昭和三十八年度の自衛隊関係の額が十三億九千七百万円、それから米駐留軍関係が十九億三千三百万円、合計三十三億三千百万円になっております。それから昭和三十九年度の実績が、自衛隊関係が十三億七百万円、米駐留軍関係の実績が二十三億七千七百万円、合計三十六億八千五百万円、それから昭和四十年度の実績が、自衛隊関係が十五億五千二百万円、米駐留軍関係が三十五億四千六百万円、合計いたしまして五十億九千八百万円、かように相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/95
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096・内藤良平
○内藤(良)委員 そうすると、三年間でも大体百二十億くらいになりますね。これは民間の関係と防衛庁の関係とでは違いはあるでしょうが、先ほどの五年で百億ですか、その金額、それから対象になる飛行場はどのくらいになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/96
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097・澤雄次
○澤政府委員 対象飛行場は五年間で東京、大阪だけしか考えておりません。それで新東京国際空港につきましては、この法案を御承認いただきましたら、公団の業務といたしまして四十三年度から実施してまいりたいと思っております。これは先ほどの百億には入っていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/97
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098・内藤良平
○内藤(良)委員 いまの公団のやつはわかりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/98
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099・澤雄次
○澤政府委員 これは運輸省だけの試算でございまして、まだ現地を詳しく調査したわけではございませんから、あまり権威ある数字ではございませんが、公団で約三十六億を予定いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/99
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100・内藤良平
○内藤(良)委員 防衛庁の方にもう一つ伺いたいのは、異議の申し立てとかいろいろ苦情の問題が、この防衛施設周辺の整備等に関する法律にもございまして、これはいろいろ補償をされるとか、あるいは行政措置でやれられるわけでございますけれども、これは主として補償の関係でしょうが、異議の申し立てというものは、やはり年間どのくらいあるものでしょうか。全然なかったものでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/100
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101・鐘江士郎
○鐘江政府委員 手元に資料がございませんけれども、ほとんど異議の申し立てはなかったというのが実績かと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/101
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102・内藤良平
○内藤(良)委員 全然ないというのですか。わからないならば、あとからでも異議の申し立ての資料をひとつ出していただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/102
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103・鐘江士郎
○鐘江政府委員 ただいま資料がございませんので、後刻提出することにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/103
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104・内藤良平
○内藤(良)委員 話をちょっと戻しますが、時間もなくなってまいりましたけれども、これからだんだん航空関係が発達してまいるということで、地方にも大型機ということになるとだんだん騒音の問題が出てくると思うのです。この法律の中におきましても「特定飛行場」ということが出ておりますけれども、これは運輸大臣が設置する公共飛行場であって、さしあたり東京、大阪ですね。ただ、運輸大臣が設置する公共飛行場という考え方でいきますと、将来やはり一種、二種というぐあいにこれが全国的に進められていくわけですね。その点いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/104
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105・澤雄次
○澤政府委員 運輸大臣が設置する公共飛行場でございますから、一種と二種でございます。そしてジェット機による騒音の被害の非常に大きい飛行場ということを考えておりますので、とりあえずは東京、大阪ということでございますが、将来二種の飛行場にも、ジェット機が現在の東京、大阪と同程度に入るような飛行場ができましたら、当然そのものを政令で指定するという時期が参ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/105
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106・内藤良平
○内藤(良)委員 現在の空港整備法によりますと、空港は一種、二種、三種というぐあいに区分されております。これは内容は皆さんおわかりですから申し上げませんけれども、この空港整備法だけで現在の一種、二種、三種を区分しておるものかどうか、そのほか何かこれを区分する基準があるかどうか、そこら辺ちょっと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/106
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107・澤雄次
○澤政府委員 この法律に記載してあります以外に、これを区別するもっと詳細な基準というのはないわけでございます。法律にございますように、二種は「主要な国内航空路線に必要な飛行場」、三種は「地方的な航空運送を確保するため必要な飛行場」ということで、これよりもっと詳細な基準というのは目下のところ制定いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/107
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108・内藤良平
○内藤(良)委員 ところがこれは二種、三種の違いによって相当違うわけであります。たとえば国の助成金が七割五分あるいは五割という関係を考えますと、はっきりした基準がなくて、この程度で二種、三種という現在、おそらく私は三種の空港を持っておる地域におきましては相当な意見を持っておると思うのですけれども、そういう声を聞いたことはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/108
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109・澤雄次
○澤政府委員 三種空港でも、その後非常に地方的な航空運送が発達し、どちらかといえば「主要な国内航空路線に必要な飛行場」といわれるような形態を持ってきつつある飛行場がございます。そういう地方ではいわゆる補助の率を上げてもらいたい、二種にしてもらいたいという要請が相当あります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/109
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110・内藤良平
○内藤(良)委員 同じ空港整備法の中で、補助率の問題で北海道だけ特別に扱ってありますね。あれはどういう理由でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/110
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111・澤雄次
○澤政府委員 これは他の公共事業でもそうでございますが、やはり一つの後進地域として北海道の助成率を上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/111
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112・内藤良平
○内藤(良)委員 騒音の防止の場合に、飛行場への入り方によりまして住民に対する影響を防止できるということもあるわけでしょう。たとえば海から入ってくる。そうしますと、現在の飛行場の設備をそういうぐあいに変える場合には、これは騒音防止になるわけですね。そういうこともやはり考えられるのですか。これは空港整備のことにも関連がありますが、障害を防止するためのいろいろな助成もありますけれども、空港整備法によって騒音防止をしていく、こういう点はどういうぐあいにお考えになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/112
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113・澤雄次
○澤政府委員 これは航空審議会からの答申にもございますが、飛行場を設置する場合には、いわゆる騒音のことをよく考えて、騒音が防止できるように、飛行場を設置することが必要だということが運輸大臣に答申されております。それで実際に現在考えておりますもので申し上げますと、羽田の飛行場でBランというのがございます。Aラン、Cランというのが三千メーターの長い滑走路でございますが、Bランというのはこれを横切ります横風用の滑走路でございます。これは現在千五百八十しかないわけでございます。これを二千五百に延ばします。これは海のほうへずっと突っ込むわけでございます。そうすると騒音が防止できるということで、現在Bランの延長ということを運輸省では計画いたしております。そのように飛行場の滑走路の設置のぐあいによって騒音を防止するということも、今後十分考えていかなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/113
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114・内藤良平
○内藤(良)委員 北海道は僻地ということで国は特別な助成をしておる。それからいまの騒音防止も、滑走路の方向の関係から考えることができる。そういうことを考えてまいりますと、国内での三種の空港の場合におきましても、これは国の助成が少ないのですけれども、そういう僻地のようなところ、あるいは滑走路のつけかえといいますか、それによって騒音の防止もできるというところについては、北海道あるいは羽田のようなぐあいに、これを二種、三種というようなぐあいに区分しないで、それにとらわれないで、特にいわゆる融通のきく現地に対する助成、援助のお考えはありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/114
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115・澤雄次
○澤政府委員 これは制度的には非常に困難でございますが、先生御承知の後進地域における公共事業の交付に関する特別法というのが昭和三十六年にできておりまして、たとえば鳥取であるとか、秋田であるとか、そういう飛行場につきましては、通常の空港整備法に基づきます補助率を上回る追加補助というものを交付いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/115
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116・内藤良平
○内藤(良)委員 それから二種、三種の関係ですが、これを全国的に、大体ブロック別に分けてみますと、二種だけがごっそりかたまっていて、二種が一カ所程度しかない地域がある。これはどういう関係でこういうぐあいになったのか。何かこの原因といいますか、地元の熱意なのか、それとも国の助成がうんと強かったのか、あるいは人口が多いのか、僻地の関係か、そこら辺のお考えをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/116
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117・澤雄次
○澤政府委員 これは先生よく御承知と思いますが、沿革的に申しますと、昭和三十六年ぐらいまでにつくりました飛行場は、二種としてつくりました飛行場が大部分なわけでございます。その後各地方で、自分の地方にも飛行場をつくりたいということでおつくりになったところ、大体昭和三十七年からつくりました飛行場は三種ということになっております。そういう関係で、おっしゃいますように二種の固まった地域もございます。三種ばかりの固まった地域もあるということで、先生のおっしゃるような事実はあるわけでございます。この二種、三種の入れかえということは非常に困難でございまして、これはいずれ空港整備法の改正でもいたしますときに、また御審議を願いたいというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/117
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118・内藤良平
○内藤(良)委員 先ほど私申し上げましたように、あなたも御同感なさってくれましたけれども、航空機がどんどん発達してくる。そして国内でもYS11程度は、これから普通になってしまうでしょう。あるいは、日本の国産機というものを運輸省でも奨励しておると思います。そうしますと、いまの三種の空港では滑走路の関係でなかなか当てはまらぬところが多くなってくる。これは法律の改正も必要でありますけれども、今日の交通関係、後進地域、鉄道の単線の場所、まだ高速道路がきていないような場所、そういう場所は大いに航空機が期待されるのじゃないか。しかも、いい飛行機ができている。滑走路だけ広げればいい。あるいは悪天候の場合、計器飛行だけをやった場合、幾らでもおりられる。わずかばかり国で手を貸したらよくなるところが私は三種でたくさんあると思う。そういうことを考えてまいりますと、今日の第二種、第三種を制度的に直すことができないというだけでとどまっているというのは、さっきの局長のお話の航空機の発展、国民の期待あるいは交通事情全体の中で、運輸省としては指導的な発言にならぬのじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/118
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119・澤雄次
○澤政府委員 私が申し上げましたのは、二種、三種の空港をたとえば入れかえるというようなことで、ある空港についての補助率を変えるということは非常に困難であるということを申し上げたわけでございます。空港をいかに整備するかということにつきましては、三種空港のうちでも非常に重要な三種空港につきましては、この空港整備五カ年計画のうちにおきまして千五百メートルに延ばしていくということを入れているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/119
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120・内藤良平
○内藤(良)委員 時間もなくなってまいりましたが、それでは四十二年度から四十六年度までの千百五十億円ですか、これをもって輸送の増大、安全性の向上、地方空港には三十五億六千八百万円ですか、これを考えているわけですね。この中で、いまのお話のような形で今年度は内容の充実といいますか、設備の改善をやるわけでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/120
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121・澤雄次
○澤政府委員 三種空港につきましては、五カ年間に総事業費として百二十億を考えたわけでございます。これは地方の分担ももちろん入れた総事業費として百二十億を考えております。この三種空港のうちで、これはこれから調査しないとまだはっきりしたことを申し上げられませんが、六つないし八つの飛行場については、これを千五百に延ばしていきたい。現在の三種空港におきましても、先生のおっしゃいますように、まだ東京からの高速道路も通っていない、しかも地方的に非常に重要な三種空港であるというものにつきましては、優先的にと申しますか、今年度から千五百に延ばす工事に着工いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/121
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122・内藤良平
○内藤(良)委員 騒音防止のことから、いろいろ話が二種、三種になってしまいましたけれども、やはり航空機の発達から騒音は避けがたい。それに対しては、これは初めての提案でありますから、さっき比較いたしましたが、防衛庁関係と比較しましても、どうも運輸省のかまえが少々もの足りない感じがいたしますけれども、この問題につきましてはなお少し質問をさせていただきたいと思っておりますので、きょうはこれで私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/122
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123・進藤一馬
○進藤委員長代理 次会は明二十八日、水曜日、午前十時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503830X01819670627/123
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