1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年五月十日(水曜日)
午後一時四十分開議
出席委員
委員長 臼井 莊一君
理事 鯨岡 兵輔君 理事 竹下 登君
理事 丹羽 兵助君 理事 帆足 計君
上林山榮吉君 北澤 直吉君
小平 久雄君 古屋 亨君
細田 吉藏君 石橋 政嗣君
西風 勲君 穗積 七郎君
美濃 政市君 横山 利秋君
門司 亮君 渡部 一郎君
出席政府委員
内閣法制局第一
部長 関 道雄君
内閣法制局第二
部長 真田 秀夫君
総理府特別地域
連絡局長 山野 幸吉君
法務省入国管理
局長 中川 進君
外務省北米局長 東郷 文彦君
労働政務次官 海部 俊樹君
労働省職業安定
局長 有馬 元治君
委員外の出席者
総理府特別地域
連絡局参事官 加藤 泰守君
外務省北米局北
米課長 枝村 純郎君
外務省中南米・
移住局外務参事
官 山下 重明君
大蔵省主計局主
計官 渥美 謙二君
労働省職業安定
局審議官 岡部 実夫君
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本日の会議に付した案件
沖縄居住者等に対する失業保険に関する特別措
置法案(内閣提出第二四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/0
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001・臼井莊一
○臼井委員長 これより会議を開きます。
御要求のありました資料の一部はただいまお手元に御配付いたしましたので、御了承願います。
沖縄居住者等に対する失業保険に関する特別措置法案を議題とし、審議を進めます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/1
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002・横山利秋
○横山委員 この沖縄居住者等に対する失業保険に関する特別措置でありますが、これはすでに沖縄政府並びにアメリカ民政府と内容的に合意ができておる問題でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/2
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003・有馬元治
○有馬政府委員 この特別立法をいたします前提といたしまして、われわれと、米国民政府と、それから琉球政府の当事者の間には、この考え方について意見の合意を見ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/3
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004・横山利秋
○横山委員 これは日米協議委員会にかかる性格のものでありますか、それとも、そういうことなしに合意を見たものでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/4
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005・有馬元治
○有馬政府委員 日米協議委員会にかけずに意見の一致を見たものでございますが、御承知のように、日米協議委員会は、昨年の一月協議事項が広範になりましたので、この問題を協議して悪いということはございませんが、三十六年来の懸案でございまして、関係当事者間においても、今回われわれがとったような措置について、米琉はもちろんのこと、日本政府部内の外務省、特連局等もこの問題についての処理のしかたについて了解をいたしておりますので、今後も協議委員会にかけずにこの問題は処理していきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/5
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006・横山利秋
○横山委員 これは外務省か特連局でありますか、どちらかにお答え願いたいのですが、日米協議委員会の協議事項というものは、制限列挙的にかけなければならないというような内容と解するのが妥当であるか、それとも、かけてもよろしい、かけなくてもよろしいというふうに理解するものであるか、協議委員会の協議すべき内容は確定しておるか、確定してなくて、ほかでやってもよろしいものか、どういうことになっているか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/6
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007・東郷文彦
○東郷政府委員 日米協議委員会は協議の場でございまして、協議すべき事項としては、沖縄の経済援助、それから住民の安寧福祉に関することとなっておりますのは御承知のとおりでございますが、この問題はここでかけなければならぬというようなことではございません。同じような性質のことでも必ずしもかけなくて、ほかの外交ルートその他で話を進めても差しつかえない次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/7
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008・横山利秋
○横山委員 この法案が国会を通過したあと、沖縄政府、米国民政府、それから日本政府との間に何か確定した書面の取りかわしなり覚え書きなりが締結される筋合いのものかどうか、お伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/8
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009・有馬元治
○有馬政府委員 本国会で予算措置とこの特別措置法が成立いたしましたならば、あらためて関係者の間で正規の取りきめをしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/9
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010・横山利秋
○横山委員 その場合に、国会としてこういうふうにきまった、日本政府はこういう立場であるが、後日になってアメリカ民政府並びに沖縄政府がそれについて変更を申し出た場合には、交渉を担当される人としてはどういう法律的な関係になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/10
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011・有馬元治
○有馬政府委員 これはあくまで覚え書きでございまして、いわゆる紳士協定の性格を持つものだと思います。したがって当事者を条約のように法的に拘束するという力はないと思いますが、当事者間に完全に意見の一致を見てこの特別措置法をお願いしておるわけでございますので、法律ができて後に話が食い違うというようなことはないものと確信いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/11
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012・横山利秋
○横山委員 私の申し上げているのは、悪いように変更になる場合と、いい場合とがあるわけです。いずれにしても当事者間の交渉によるものでありますから、国会でこの種の沖縄に関する日本政府の意思がきまった、その後これに基づいて覚え書きが締結される、そのときに、相手仕事でありますから、変更される場合にはどういう法律上の問題が生ずるのか、聞いておるわけです。国会が意思を変更して覚え書きを締結せられるのか、あるいは向こうの内容を聞いておって、それでよろしかろうということになった場合に、国会に修正案を提出して、国会の意思を変更してもらってから覚え書きを締結されるものであるか、その点を問いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/12
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013・有馬元治
○有馬政府委員 この覚え書きは、あくまで予算と成立した法律の範囲内において当事者間に交換をしたいという予定でおりますので、もしその間に話が食い違って法律を手直ししなければならぬ、あるいは国会においてこの特別措置法を修正するということになったら、その限りにおいて、法律の修正された部分については当事者間の話し合いの内容を変えなければならぬ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/13
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014・横山利秋
○横山委員 そうしますと、整理しますと、この法律案のみならず、いろいろな問題で、国会の意思がきまった、それに基づいて交渉をする、しかし、国会の意思と多少よきにつけあしにつけ変更される場合においては、あらためて覚え書きなり何なりを締結する前に国会の意思変更を国会に求める、そしてそれによって覚え書きが締結される、こう考えてよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/14
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015・有馬元治
○有馬政府委員 国会の意思は予算と法律という形できまってまいりますので、あくまでその範囲で覚え書きを締結したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/15
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016・横山利秋
○横山委員 私の言ったことに正確に答えてほしいですね。私の言ったことがわかりませんか。私の言っているのは、国会の意思がきまった、予算にしろ法律にしろ、意思がきまった、それを土台にしてあなた方が交渉されるのだけれども、よきにつけあしにつけ変更をする必要が生じたという場合には、その場で覚え書きを締結しないで、一たん中断して国会に修正案を提出して国会の意思変更を求めてから、それではというわけで覚え書きを締結するんだな、こう言って聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/16
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017・有馬元治
○有馬政府委員 そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/17
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018・横山利秋
○横山委員 法制局の人は見えておりますか。——覚え書きとは一体何でありますか。法制上どういう立場をとるべきでありますか。これは日本政府を拘束するべき外交文書、こう見るべきでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/18
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019・関道雄
○関政府委員 この覚え書きは、ご承知のごとく……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/19
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020・横山利秋
○横山委員 このって、何を見ている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/20
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021・関道雄
○関政府委員 日米協議委員会において交渉の結果結ばれるところの覚え書き、その覚え書きは、この協議委員会の性格からいたしまして、決して日本国そのものを拘束するような外交文書とは思っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/21
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022・横山利秋
○横山委員 たとえばこの四十一会計年度における琉球諸島に対する援助金に関する覚え書きというものを材料にお話をします。これは日本国政府総理府特別地域連絡局長山野幸吉と琉球政府の総務局長志村恵が署名調印をし、日付のあとに「高等弁務官に代って承認する。総務部長マリオン・J・モーガン」となっておる。これはこの種の覚え書きは何ら日本政府を拘束しないとあなたはおっしゃるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/22
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023・関道雄
○関政府委員 法律的な意味では拘束するものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/23
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024・横山利秋
○横山委員 そうすると、調印をしたことによって、いかなる性格があり、どういう義務が日本政府に生ずるのかという点を具体的に明らかにされたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/24
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025・関道雄
○関政府委員 協議委員会を設置いたしましたときの交換公文によりますと、「日本国政府が日本国の次会計年度において供与する援助の計画に関し、予算で認められた資金が利用できることを条件として、及び一(b)の規定に従い、並びに合衆国政府が供与している援助に妥当な考慮を払って、合意すること」とございます。この覚え書きは、ここにいう合意の内容を文書にしたものと思います。そこで、その範囲のものでございますから、すべてそれは、日本国でいえば、国会の御意思に従ってその法令及び予算を執行いたしますところの行政府といたしまして、次会計年度における行政の計画を立案いたしまして、それについて米国側と、あるいはこの場合におきましては琉球政府側と調整をはかって、その打ち合わせの結果を文書にしたものである、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/25
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026・横山利秋
○横山委員 もっとわかりやすく、しろうとにわかるように言ってくれませんか。法律的には何の意味もない、しかしながら、行政的に意味があるという意味なのか。法律上、国際法上何の意味もないのにかかわらず、これは日本政府の代表者と琉球政府の代表者と見てよろしいでしょう、それに対してアメリカ政府の高等弁務官にかわって何がしという者が承認をした、もしこれが履行されなかった場合には、一体両国政府なり琉球政府にどういう権利が生じ、どういう義務が生ずるのか。あなたの説明はよくわかりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/26
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027・関道雄
○関政府委員 こういう文書を作成いたしまして、それぞれの両政府の責任者が署名をいたしますものでございますから、実質的な意味では全く無慮味とは申されません。これは日本政府として沖縄に関する援助計画を立案する当局の責任者が、向こうの対応する責任者との間で取りかわす文書でございますから、これが実質的な意味において一定の価値を持っておるということはもちろんでございますが、先生のいまお尋ねのような、それがそのとおり行なえなかった場合にいかなる責任を生ずるかという、法律的な意味において権利なり義務なりを生ずるものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/27
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028・横山利秋
○横山委員 法律的な意味において権利義務が生じない。そうすると、政治的な意味で権利義務が牛ずる、道義的な意味で権利義務が生ずる、こういうふうに理解すべきでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/28
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029・関道雄
○関政府委員 そのように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/29
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030・横山利秋
○横山委員 この特別地域連絡局長は、日本政府を代表してこの種の署名調印をする権限はいかなる法律によって与えられておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/30
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031・関道雄
○関政府委員 特に条約の署名におきますような委任状のようなものを交付するとか、そういうことはございませんで、先ほど来御説明申し上げておりますように、沖縄援助についてのいわば計画を明らかにして、相手との調整を遂げて、それを少なくともその援助計画を担当する部局の長としての立場において結ぶものでございますから、それはその根源を求めますと、総理府設置法における特別地域連絡局長の職権に根拠を求めるべきものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/31
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032・横山利秋
○横山委員 山野幸吉氏は、これは行政官吏でございますね。お役人でございますね。いまのお話によれば、法律的な権利義務は生じない。法律的な権利義務を生ずるならば、お役人として許された官吏何やらという規程なり法律によって職掌が与えられておるからきわめて明白でありますが、政治的、道義的に責任と義務が生ずるということになれば、これは山野幸吉——名前を言って恐縮でありますが、そういう人が署名調印をする責任者で適当であろうかどうか、私はちょっと疑惑を抱くものであります。少なくとも最高幹部がなさるべき性格のものではないか。これはどうしてこういうことになっておるわけでございますか。偶然、別に何のこともなく、おまえの仕事だから、おまえ判こを押しておけということでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/32
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033・加藤泰守
○加藤説明員 お答え申し上げます。
特連局は、設置法に基づきまして、設置法にきめられた事務を行なうことになっております。先ほど第一部長からお話がありましたように、国の法令に根拠を持つ事務を行なうということになっております。したがって、予算上の執行を認められたものあるいはその他法令に基づきまして執行を認められたその権限といいますか、それとしてこの覚え書きの内容を実現するように努力するということを明らかにしたものとして考えますので、設置法に基づく事務として執行したということになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/33
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034・横山利秋
○横山委員 少し判然といたしません。突然のことでありますから、あなた方もとまどっておられるようでありますが、私の趣旨は一ぺんよく検討しておいていただきたい。
日本政府を代表して山野幸吉氏は一体だれと覚え書きを結んだことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/34
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035・加藤泰守
○加藤説明員 琉球政府の総合的な仕事をやっておられる総務局長でございます。したがって、それはいろいろわが国から出します予算その他を総合的に受け入れる体制を持っておられる総務局長ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/35
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036・横山利秋
○横山委員 それは個人個人でありますか。日本政府と琉球政府と調印をしたというふうに解釈してよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/36
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037・加藤泰守
○加藤説明員 執行権限を一応持っている者の話し合いでございますので、日本政府と琉球政府のその実際の責任者が話し合ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/37
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038・横山利秋
○横山委員 だから責任の帰属は、権限は持っておる山野幸吉、志村恵ではあるけれども、最終的には日本政府と沖縄政府が調印をしたものとしてよろしいか、こう言っておるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/38
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039・加藤泰守
○加藤説明員 交換公文に基づきます協力取りきめの実施のための手続という覚え書きがございますが、この中に「日本国政府の琉球諸島に対する援助予算案が国会によって承認されたときは、日本国政府機関及び琉球諸島高等弁務官府を通じての琉球政府機関は、この目的のために予算で認められた資金により日本国政府が琉球諸島に対して供与する援助の計画の項目(及びその経費)に関して了解覚書を締結する。」というふうになっておりまして、日本政府が琉球政府に対して援助するその内容を、それぞれの支出権限を持ち、また、その事務を相互的に日本政府との間で了解をとれるような機関としての総務局長がその協議の相手方となっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/39
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040・横山利秋
○横山委員 何か私に伏線があると思われて御注意願っておるとするならば、無用のことでございますから、別に伏線はございませんから、すなおにお答え願いたい。
私は、この覚え書きに問題があらた場合にだれが責任を負うんだという意味において、山野個人が最終責任を負うのか、それとも、日本政府の代表である山野幸吉氏であるから、日本政府が責任を負うのかと、あたりまえのことを聞いているのです。だから私は、あなたのことばを聞いていくと、結局は日本政府が沖縄政府と覚え書きを結んだんだな、そう考えていいな、こう言っているわけですよ。山野幸吉個人が結べるはずはないから、これは明らかに特連局長である山野幸吉が日本政府を代表したと考えるならば、そういうふうになぜくつの裏から足をかくようなものの言い方をされているのか。そこに何か問題があるのかと、逆に私が聞きたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/40
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041・加藤泰守
○加藤説明員 山野幸吉という人物は、これは特連局長でございますが、その締結の責任としてはもちろん総理府でございます。総理府の総務長官がその責任者でございますので、その総務長官の命によりまして、関係機関同士、すなわち特連局長と向こうの総務局長が覚え書きを締結しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/41
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042・横山利秋
○横山委員 少しめんどくさくなりましたので、どなたか、そこをずばっと、法制局でもよろしいですが……。特連局長は総理府総務長官の命だ、総理府総務長官はだれの命だ、佐藤総理大臣の命だということに堂々めぐりをしそうです。ずばりひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/42
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043・関道雄
○関政府委員 これは、先ほど先生の引用されました昭和四十一会計年度における覚え書きのおしまいのところに「日本国政府総理府と琉球諸島米国民政府を通じての琉球政府との間において了解が成立した。」と書いてございます。そのとおりに御理解願えばよろしいかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/43
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044・横山利秋
○横山委員 日本政府と沖縄政府が覚え書きを締結するということの意味でございますね。沖縄政府は、好ましいことではないけれども、いまアメリカの占領下にある。「高等弁務官に代って承認する。総務部長マリオン・J・モーガン」、日本政府と沖縄政府とが直接交渉して覚え書きを締結し、それを高等弁務官が承認するということは、一体どういうことなのか。私どもとしては沖縄政府というものを直接われわれの対象としていろいろなことをしたいという念願であるけれども、アメリカは、これはおれのところの国だ、おれのところの施政権がある、こう言っておる。そう言っておるのに、高等弁務官が承認しておるとするならば、高等弁務官と日本政府とが覚え書きを結ぶ、政府の立場から言うならばそうではないか。もしも私どもの希望するように沖縄政府と直接これからやるんだというならば、そんなこまかいことまで高等弁務官が承認をする——大局的にやっておけばいいのに、こまかいことに「高等弁務官に代って承認する」と、いかにも日本政府と沖縄政府の上にアメリカ政府がおるというようなやり方というものは、私は不愉快だ。どこかロジックがおかしい、こう思うのですが、どう思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/44
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045・関道雄
○関政府委員 先年のいま仰せの筋を正しくたどってまいりますと、本来政府と政府との合意でほんとうの意味の国際法的な意味の文書でありますならば、日本政府とアメリカ合衆国政府とがその間に覚え書きを交換せられるべき筋のものでございます。しかし、この覚え書きは、実務に当たりますところの執行機関当局において事務の打ち合わせを遂げた種類の文書でございますので、非常に具体的な当面の衝に当たっている担当官同士の間でその覚え書きがつくられたという形になっておるわけでございまして、先生の仰せられる国際法的な意味の筋からいいましてこうであるべきであるということとやや面を異にするものであるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/45
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046・横山利秋
○横山委員 小理屈をおっしゃるようだが、もしあなたがそうおっしゃるならば、あれは下級官吏同士がやったことだが親分が承認するというならば、何もアメリカだけこういう「承認する」と書かずに、総理大臣にかわって承認をする総務長官なりだれかに署名捺印をさしていいじゃないか、なぜそれだけがないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/46
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047・関道雄
○関政府委員 この種の文書につきまして、琉球政府の官吏がつくりました文書について高等弁務官がどの程度の署名をしなければならないかどうかということは、沖縄の法制に関することでございますので、私どもにおいて的確なる御返答ができないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/47
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048・横山利秋
○横山委員 そうすると、この日本政府の解釈でございますが、「高等弁務官に代って承認する。総務部長マリオン・J・モーガン」というのは、日本政府の知らざることである、こんなものが書いてあろうと書いてなかろうと、沖縄政府のことである、これは志村恵が判こを押したことに対して承認されたことであって、日本政府と沖縄政府との覚え書きの上に乗っかかってマリオン・J・モーガンが承認したわけではない、こういうふうな解釈をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/48
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049・加藤泰守
○加藤説明員 先ほど読み上げました実施のための手続の中に「日本国政府機関及び琉球諸島高等弁務官府を通じての琉球政府機関」、こういうことでございまして、その弁務官にかわって承認される総務部長のモーガンさんの承認は琉球政府の関係だけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/49
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050・横山利秋
○横山委員 その点は私も納得をするのです。だから、この覚え書きの一番最後に、こういう印刷で、いかにも日本政府と琉球政府の上に立って「高等弁務官に代って」、両方の小役人がやったことについてはおれがいいと寄ったというような感じを受けるわけでありますが、そうでなくして、これはあくまでも沖縄政府の内部事情で、わしの知らぬことだということであるならば、少し印刷のしかたを考えてほしい。けちなことを言うようだけれども、この沖縄の問題につきまして多分に、法律論争と同時に、やはり沖縄の人たち及び私どもの中にもそうでありますが、民族的な感情というものがどうしても消すことのできない大きなウェートを占めるものであるということをひとつお含みおき願いたいと思う。
次に、この覚え書きの内容を拝見いたしますと、四十一年度を例にとるだけでありますが、経済援助をした場合の進捗状況の報告、技術専門家の派遣、援助金の誤用、完了の報告、会計検査等、ある程度具体的に項目が掲げられておる。しかし、何となくこれはくつの裏から足をかくような、おそるおそるという感じがしてならないのであります。
まず第一に、おの会計検査を例に引きますが、会計検査の場合は「完了報告書が総理府に送付された後に、派遣されるものとする。」こうなっております。先般私も言ったのでありますが、百億——決して私は多いとは思いません。多いとは思いませんけれども、百億の金が、この別紙にございますように、場合によっては、微々たる、ハンセン氏病対策百八十二万二千円——二千円というような、区切りまでつけて細目にわたって支出をされるものを当初きめたならば、中間におきましてもそれだけの念査があってしかるべきではないか。出すときには、いろいろ相手の資料を手にして、これはいい、これは悪いとおっしゃられるだろうと思いますけれども、その出したあとについての念査方式がきわめて不十分な点を私は痛感するわけであります。会計検査はいかに行なわれておるか、実情をひとつ聞かしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/50
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051・加藤泰守
○加藤説明員 会計検査院は琉球政府の機関の支出について直接権限を持っておりませんので、総理府から依頼された形で向こうへ出向きまして検査をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/51
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052・横山利秋
○横山委員 出向きまして何をするんですか。具体的にその進行の検査その他の状況を調査するわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/52
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053・加藤泰守
○加藤説明員 さように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/53
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054・横山利秋
○横山委員 その職員はいかなるところから派遣されておりますか。具体的にはどういう身分の人が行っていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/54
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055・加藤泰守
○加藤説明員 会計検査院の大蔵担当の方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/55
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056・横山利秋
○横山委員 会計検査院の人なんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/56
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057・加藤泰守
○加藤説明員 ええ、そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/57
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058・横山利秋
○横山委員 わかりました。
私はこの三十九年、四十年を見比べておるわけでありますが、年々歳々、格別にこの覚え書きについて進展がない。いまやアメリカの援助と匹敵するような金額が贈られるわけでありますが、それだけの年々歳々増大していく経済援助の内容について、いま少し日本政府としても内容的に念査をし、効率のある援助の方式をとるべきではないか。これは大蔵省にしたって同様のことを私は言いたいし、外務省にいたしましても、どこのところにおきましても、日本政府でいえば、これだけ各省にわたるようなたくさんの問題を援助することにつきましては、いま少し重点的に配分をする方法はないものか、また、先般申しましたように、一定の計画を追って援助をする方法はないものか、また、支出をされた経済援助がどういうふうに具体的に効率をあげているか念査をする方法はないものか等々、この覚え書きを見比べましても、この覚え書きによって支出される金額のあり方について一向進歩がない、こういうことを私は痛感するわけでありますが、こういう点について政府側はどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/58
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059・山野幸吉
○山野政府委員 ただいま御指摘いただきました諸点については、私どもよくその趣旨を了解できるのでございますが、従来沖縄の援助につきましては、三十九年までは十八億という、きわめて援助額が低かったわけであります。それが二十八億になり、五十八億になり、そして明年度は百三億——一部四十三年度を含みまして百三億になったわけであります。したがいまして、その額が急速に最近伸びてまいりましたので、日本の援助のやり方、それから援助をしていく日米間の話し合いの持ち方、イニシアチブをどうするか、そういうことを含めましていろいろ問題が最近起こってきておることは事実でございます。それからまた、御指摘になりましたように、米側から提案されたものをただアトランダムに受けるのではなくて、全体の計画を立てて、その全体の計画に基づいて日本の援助をやっていくべきではないかという意見も最近とみに強くなってきておることも事実でございます。しかし、現状におきましては、従来の経緯もございますが、施政権がアメリカにございますし、それから沖縄で琉球政府と米民政府で協議いたしまして財源等を見ながら策定される原案に基づいて、日本政府としてはやや主導的な援助をしてきておるというのが実態でございまして、将来の問題としては、今後日本政府としてもある程度根本的にこういう援助のあり方等は検討する時期が参るのじゃないかと思います。しかし、そうは申しましても、基本的にはやはり米国民政府に施政権がありますから、そう日本政府が主導性をとって援助をやっていくことはできないと思いますが、しかし、先生のいま指摘されましたような方向について、今後日本政府としても関係省庁と十分話し合って研究していかなければいかぬというふうに私は現在考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/59
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060・横山利秋
○横山委員 一つには、それは効率ある沖縄の経済復興をもたらす意味であり、一つには、ただいま日本国内にあります納税者の期待に沿うことでありますから、私はこの覚え書きの内容の条章について格段の進歩をされるように特に期待をいたしておきたいと思うのであります。
法制局にお伺いしますが、先般本委員会で私が申しました問題でありますが、沖縄政府年度におきましては七月から六月まで、日本政府におきましては四月から三月まで、そのために今回日本政府は総額百三億に余る経済援助を合意したのでありますけれども、八十二億を本年度支出し、来年度二十一億を支出する、大体こういうことになっておるわけであります。私の意見としては、この覚え書きを見ましても、百三億の計画、だれが何といっても、それは明白な事実である。百三億でたとえば道路をつくる、その中の八十二億分は地ならしをしただけである、あと二十一億分で完全になる、それは一体のものではないか。いまわれわれは八十二億の、審議をしておるのでありますが、八十二億の審議は無意味である、百三億の審議こそ、国民の期待にこたえてわれわれがこの場で審議をすべきものである。したがって、今国会に八十二億の審議だけ要求して、来年——これは法律上ということになるとあるいは議論があるかもしれないけれども、どうしても出さざるを得ない二十一億の金を、審議の対象外に置いておくことにわれわれは矛盾を感ずる。これはある意味では法律上だと私も言うのでありますが、ある意味では国会議員の役職上、国会の権威からいってもおかしなことだ。どこかこれは間違っておる。財政法で今日それは合法であるとおっしゃるかもしらぬ。合法であるとしても、妥当ではない、私はそう痛感をして、先般問題を提起したわけであります。いまの法律論の問題と実体論からいって、この問題については改善の要があるではないか。しかも資料として出されるものには、麗々しく本年度支出分、来年度支出分と書いてある。これは単なる参考資料であるから、国会の審議の爼上に乗せたとはいえない。ほんとうの審議というならば、予算総則なり、あるいはしかるべきところに頭を出すべき性格のものだ、こう考えるのでありますが、いかがでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/60
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061・関道雄
○関政府委員 財政法に限って申しますと、ただいまのような一貫した事業につきまして契約を本年内に結びまして、その支出は来年以降になるというようなものを含みます場合に、例の国庫債務負担行為によりまして国会の御審議を願うという方法もあるかと思います。また、具体的に各年度における支出金額をそれぞれの年度において歳出予算に組みまして御審議を経るという方法と、二つありまして、それがいずれによらなければならぬという規制までは財政法はしておりませんので、いま先生の仰せられましたことは、もっぱら国庫債務負担行為という方法をいかに運用するかという問題にかかるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/61
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062・横山利秋
○横山委員 国庫債務負担行為の運用をいかにするかということで、私はもう一歩突っ込んであなたにお伺いしておるわけですが、これが違法であるか合法であるかということになると、水かけ論になるおそれがあります。先般も私はここで開陳したのですが、しかしながら、国民に対する責任からいうと妥当でない、これは明らかに妥当でない、こう考えるわけです。妥当でなければどうするかということであります。どうするかということは、いまの財政法で水かけ論になりやすいことであるならば、妥当なようにこれは改正すべきではないかということに問題が発展するわけでありますが、いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/62
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063・渥美謙二
○渥美説明員 立法上なぜ国庫債務負担行為に計上しなかったかという、必要不必要といったような財政上の判断の問題でもあると思いますものですから、大蔵省といたしましてこれを計上いたしませんでした理由についてちょっと御説明申し上げたいと思うのでございますが、百三億円の合意したもののうちにはいろいろなものがございます。これは、たとえば日本に留学生を呼びますように、日本の会計年度に即しました四月−三月、こういった観点から予算を組むのが適当な費目もございます。それから、沖縄政府の、たとえば教職員の給与を支給するというようなことで、先方の七月−六月の会計年度に即して金も支給されまするし、援助額の策定にあたりましても、その七月−六月という期間をもって援助額の策定をするということが適当であろうかというような性格のものもございます。したがいまして、百三億のうちには、日本の四十二会計年度の中において支出されることになる金額、それから四十三年度にならなければ支出されない金額というものが明瞭にとらえられるわけでございます。そこで、四十二年度予算におきまして沖縄援助費を予算に計上するといった場合に、四月−三月という会計年度の原則もございますので、日本の会計年度において支出されることが明らかである、そういう金額をとらえまして予算に計上して国会の御審議を得ることが適当でなかろうか、こういう判断をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/63
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064・横山利秋
○横山委員 私は、一歩譲って、違法か合法かということよりも、妥当でないということから議論をしておるのですから、何か防衛するような意味での御説明は無用だと思うのです。明白に四十二年度、四十三年度と分けられるものがある、そんなものはわかっています。分けられないものもあるではないかと私は逆に一言いたいのです。一つの土木工事なんか、ここからここまでは四十二年度の仕事だ、ここからここまでは四十三年度の仕事だ、そんなことは琉球政府の内部ではやっていませんよ。その辺はおわかりになると思う。しかも、国民としては、この覚え書きを見ても、新聞を見ても、百三億に話し合いがまとまったと理解しているではないか。八十二億で妥結したとはだれも思ってはいないではないか。こういうきわめて常識的な方向に財政法なりあるいは予算のあり方なりというものを手直しすべきではなかろうか。そのほうが国民大衆に対して親切だ。沖縄政府に対しても親切だ。何かこじつけをしてこういうような措置をしておくことは、違法でないかしらぬけれども、すなおでないと私は言うておるのですから、そういうつもりで前向きにお考えを願ったらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/64
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065・渥美謙二
○渥美説明員 おっしゃいますように、そこのとろが、個別の項目になりますと、どこまでを三月とはっきり切るべきであるかということにつきましては、若干割り切れないではないかというような項目も中に含まれているかと思います。逆に、非常にはっきりとそれが分かれるという項目もあるかと思うわけでございます。そこで私どもといたしましては、国会の御審議をいただきます際に、四十三年度になりますれば、また四十三年の四月からその次の三月までの一会計年度の沖縄援助費というものをまとめて策定いたしまして、そしてそれを国会の御審議をいただくことになるわけでございます。そこで、現在ここで四十二年度予算とあわせまして、その継続として、二十一億という、四十三年度にはみ出しますその金額をあわせて御承認をこの際いただいてしまうほうが適当なのであるか、あるいは、来年度その二十一億も含めました数十億の沖縄援助費というものがまた策定され、国会の御審議を得ることになるかと思いますが、その際あわせて御審議をいただくことが適当であろうかという問題もあるかと思うわけであります。御指摘のような点もございますので、どういうふうに持っていくことが適当であるか、よりよいことであるか、そういう点につきましては今後検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/65
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066・横山利秋
○横山委員 時間がございませんので、一、二別なことをお伺いします。
今度旅券法の改正が出るようでありますが、これはこういうふうに理解してよろしゅうございますか。沖縄から日本ないしはよそへ行く場合、特に第三国へ行きます場合に、沖縄にあります日本政府の代表部で旅券を出すという手続に変わる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/66
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067・東郷文彦
○東郷政府委員 今回の旅券に関する日米間の了解は、沖縄出入域はアメリカ側に留保して、旅券の発給を日本側にまかせる、こういう了解でございますので、いまおっしゃいましたように、沖縄にございますわがほうの南連事務書において旅券を出すというのがその実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/67
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068・横山利秋
○横山委員 そこで一、二お伺いしたいのですが、質問の第一は、沖縄から渡航証明書をもらわずに、いうならば黙って日本に来た人、普通いえばこれは密入国なんですけれども、日本人が沖縄から手続を経ずして日本へ入国したものは、これは帰国でありますから、日本の政府の法律でいうところの密入国にはならない、こう解してよろしいかということが第一点であります。
それから第二番目には、沖縄で日本人としての旅券をもらって第二国へ渡ったその人が第三国で起こしました問題については、第一義的に日本政府が責任を負うことになる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/68
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069・中川進
○中川(進)政府委員 先生の御賛同の第一は入国管理局に関係がありますから、私からお答えいたしますが、おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/69
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070・東郷文彦
○東郷政府委員 第二の点、日本の旅券で第二国に行った沖縄人の外交的保護は、いまおっしゃいましたように、第一義的に日本政府がこれを行なうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/70
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071・横山利秋
○横山委員 この間、船と人との分離ができないということになったのですが、その沖縄の船員が外国へ行きます場合にも、これは旅券でございましょうか、船員手帳だけで行くのでございましょうか。御存じありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/71
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072・東郷文彦
○東郷政府委員 沖縄の船員の方は、沖縄政府発行の船員手帳を携行して行かれます。しかしながら、第三国にある場合には、船員手帳であっても、その力は日本人でありますから、外交保護の点においては、日本の旅券を持っていらっしゃる場合と相違はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/72
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073・横山利秋
○横山委員 逃亡犯罪人条約は日本とアメリカとの間に締結されておるのでありますが、沖縄の人にはそれは適用されませんね。沖縄にある日本人については逃亡犯罪人条約は適用されませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/73
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074・東郷文彦
○東郷政府委員 適用ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/74
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075・横山利秋
○横山委員 要するに、旅券法の改正というのは、一つの単なる手続上の改正ではあるけれども、一たん沖縄におる日本人が沖縄というところを離れた場合においては、日本国内の憲法、刑法その他の法律が適用され、日本政府が第一義的に責任を負う、こういうふうになると私は思うのでありますが、概括的な質問でございますが、そう考えてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/75
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076・東郷文彦
○東郷政府委員 そのとおりでございますが、ただ、それは日本の旅券を持っているかいなかによる区別ではございませんので、沖縄の方は日本人であるということから、さようなことになるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/76
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077・横山利秋
○横山委員 その場合に、沖縄の米国民政府は、第一義的に日本政府の責任である問題についてはどういう立場になるわけでありましょうか。何も関係はなく、日本政府の全的責任になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/77
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078・東郷文彦
○東郷政府委員 たとえば、たまたまその沖縄の方がいらっしゃるところに日本の出先がなかった、アメリカ官憲があったというような場合には、日本側の外交保護が実際に行なわれるに至るまで、これが表に出て保護に当たるわけでございます。また、第一義的保護の任にある日本政府の出先がおります場合にも——おそらくそういうことはないと思いますが、なお何らかの形の援助が必要だという場合には、もちろん、アメリカ側としても何ら責任なしということにはならぬと思いますが、実際にそういうことはあまりないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/78
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079・横山利秋
○横山委員 残念ですが、本論に入る前に時間がなくなりましたので、きょうはこの辺で質問を打ち切ります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/79
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080・臼井莊一
○臼井委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/80
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081・臼井莊一
○臼井委員長 速記を始めて。
本日の質疑はこの程度といたしまして、次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後二時三十四分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X00619670510/81
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