1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月二十七日(火曜日)
午前十時四十四分開議
出席委員
委員長 臼井 莊一君
理事 小渕 恵三君 理事 鯨岡 兵輔君
理事 竹下 登君 理事 川崎 寛治君
理事 永末 英一君
大村 襄治君 上林山榮吉君
北澤 直吉君 谷垣 專一君
渡海元三郎君 細田 吉蔵君
山田 久就君 石橋 政嗣君
西風 勲君 穗積 七郎君
美濃 政市君 横山 利秋君
門司 亮君 渡部 一郎君
出席国務大臣
国 務 大 臣 塚原 俊郎君
出席政府委員
総理府総務副長
官 上村千一郎君
総理府特別地域
連絡局長 山野 幸吉君
郵政大臣官房長 竹下 一記君
委員外の出席者
大蔵省主計局法
規課長 小田村四郎君
郵政大臣官房郵
政参事官 舘野 繁君
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六月二十七日
委員古屋亨君及び森清君辞任につき、その補欠
として谷垣專一君及び渡海元三郎君が議長の指
名で委員に選任された。
同日
委員谷垣專一君及び渡海元三郎君辞任につき、
その補欠として古屋亨君及び森清君が議長の指
名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン
放送に必要な設備の譲与に関する法律案(内閣
提出第八二号)(参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/0
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001・臼井莊一
○臼井委員長 これより会議を開きます。
宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律案(参議院送付)を議題といたします。
本案に対する質疑は前回すでに終局いたしております。
これより討論に入ります。
討論の通告がありますので、これを許します。小渕恵三君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/1
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002・小渕恵三
○小渕委員 ただいま議題になっております宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律案につき、私は、自由民主党を代表して、賛成の意を表するものであります。
この法律案は、沖繩援助対策の一環として、政府において宮古群島及び八重山群島に設置するテレビジョン放送設備を琉球政府に譲与することができるようにしようとするものであります。
先島地区にテレビジョン放送局を設置することは、かねてから、同地区十二万の住民はもとより、琉球政府の強い要望であり、特に、昭和三十九年九月本土・沖繩間のマイクロ回線開通によって沖繩本島において本土のテレビジョン放送の中継が可能となってから一そう熾烈化し、昭和四十年八月佐藤総理が沖繩を紡問した際にも、現地住民から総理に対しきわめて切実な訴えがあったことは、すでに各位の御承知のとおりであります。
沖繩の祖国復帰への努力と並行して、本土・沖繩間の交流を盛んにし、沖繩の民生、文化の向上をはかるとともに、本土との紐帯を一そう強めていくべきであることは申すまでもないところであり、今回のテレビ放送設備の譲与計画は、その意味で最も適切な施策の一つであろうと存じます。
この設備譲与によって、沖繩のうちでも本土から最も遠く離れ、文化的にも恵まれるところがはなはだ少なかった先島地区にテレビジョン放送が実現し、住民の生活に豊かな色どりが加わることは、想像するだにうれしいことでありまして、この施設が有効に運用されることを念願して、本法律案に全面的に賛成いたす次第であります。
以上、簡単ですが、私の討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/2
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003・臼井莊一
○臼井委員長 横山利秋君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/3
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004・横山利秋
○横山委員 日本社会党を代表いたしまして、賛成をいたします。
ただしかし、この機会に政府に警告を二、三しておかなければなりません。
第一の警告は、本法案の提出の時期の問題であります。
四十一年度の予算編成の際にすでに国有財散産として譲与する気持ちが政府にあったという回答が本委員会でされました。しかるに四十一年度予算におきましては、公式的にはそういう立場は全然ございません。予算を審議いたします国会にとりましては、そういうような政府の腹ごしらえというものは当時明白にされなければならないのでありますから、本来、本法案は四十一年度予算提出と同時に提出さるべきであったという点が第一点であります。
第二番目の警告は、財政法違反のおそれありという点であります。
先般私が本委員会で申し上げましたように、四十一年度予算二億一千七百二十八万のうち、債務負担行為で四十一年度歳出分は一億七千六百三十七万、一般会計で四千九十万を支出しておるのでありますが、財政法十五条は、その年に支出する分については債務負担行為の議決の必要なしと明白に規定しておるのであります。政府は、三十六年度あたりから、これができるのだというかってな解釈をいたしまして、その解釈をもってこのテレビの設置をしようとしておるのでありますが、これは明らかに国会の審議に対しまして自分かってな解釈をして通り抜けようとしております。道はないかと言いますと、道はないわけではありません。政府がもし公正な審議を求めようとするならば、継続費のやり方をもってできるはずであります。あるいはまた、財政法の問題であるならば、財政法の改正をオーソドックスにすることによってそれで審議を求めるべきであります。また、私が申し上げたように、四十一年度の歳出予算においては四十一年度分の債務負担行為は議決の必要なし、四十二年度の債務負担行為を議決すればそれをもって足る、この三つの方法があるわけであります。そのいずれの方法もとらず、かってな解釈をでっち上げてそうしてこの審議を国会に求めたということは、軽率のそしりを免れがたいと私は感ずるのであります。これが第二番目であります。
第三番目は、このテレビが沖繩においてどういうような運営なりいろいろなしかたができるかという質疑の際に、受信料が相当高くなるという不安であります。政府は沖繩政府の善処を求めておるかのごとき口吻を漏らしておりますが、この宮古島、八重島における住民の数並びに受信機を備えつけるであろう人の人口等から考えますと、相当受信料が高くなるのではないか。また、政府は暗に沖繩における民放の合併を期待しておるかのごとき口吻を漏らしておるのでありますが、これまたしかく容易なことではないと考えられるのであります。したがいまして、このテレビの所要経費あるいは運営につきましてはなおかつ問題がかなり今後に存するであろうとわれわれは懸念をするわけであります。したがいまして、沖繩政府が自主的にこのテレビの運営について善処されることを私どもは強く期待したいのでありますが、同時に、政府においてもアフターケアについて遺憾なきようにしなければならないと考えておるのであります。これが第三番目であります。
この国有財産を譲与するに際しまして、時間がなくて十分に審議することができませんでしたけれども、沖繩における県有財産、あるいは沖繩における国有財産につきましては、かねて政府から資料の提出がされておるのでありますが、いまなお施政権を持つアメリカがこの国有財産や県有財産の占有をいたしまして、その自主的なアメリカ政府の運用をはかっておりますことも、私どもとしては看過すべからざることであり、この機会に政府が、沖繩におけるこれらの国有並びに県有の財産につきましてすみやかにアメリカ政府から沖繩政府に移管をし、その管理を沖繩政府自身がするよう、すみやかに折衝されることを要望してやまないところであります。
以上、財政法、並びに法律案提出の時期、それからテレビの運営、県有・国有財産の四点を指摘いたしまして政府に敬告を与えつつ、この法案に賛成をする次第であります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/4
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005・臼井莊一
○臼井委員長 永末英一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/5
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006・永末英一
○永末委員 私は、民主社会党を代表いたしまして、ただいま議題となっております法案に対し賛成をいたします。
世界の平和は、それぞれ各国の国民がお互いの状態に対して共通の認識を持ち合うということが基本的な条件であります。いまや通信衛生を通じ同時刻に各国の国民が各国の状況を知り得るという状況に達しました。わが沖繩も、この先島地方におきましては、そういうことが世界的規模で行なわれているにかかわらず、いまだそのいわば余沢に浴し得ないというようなことは、まことに残念なことでございます。しかし、世界の範囲までいく前に、日本の本土と沖繩の人々とが相互の状態をテレビを通じて知り合うということがまだ実現されていなかったことを考えますと、この法案が持つところの意味合いはきわめて重要だと考えます。
しかし、沖繩が人口百万を擁し、そして放送公社をつくって運営していこうというのでございますが、番組の編成、相互供与、そのあとの処置については、なかなか困難な問題もあろうかと思います。したがって、今後の運営につきましては、お互いの番組の供与につきましてもいろいろな困難な問題が起ころうかと思いますが、政府は、十分にいまの重要な意味合いを考えて、今後の運営に万全を期するように措置していっていただきたいと強く要望いたしまして、私は賛成の意見を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/6
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007・臼井莊一
○臼井委員長 渡部一郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/7
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008・渡部一郎
○渡部委員 私は、ただいま議第となっております宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律案に対し、公明党を代表して賛意を表するものでございます。
この法律案ばは琉球政府にテレビジョン放送施設を譲渡し、沖繩先島地区でのテレビジョン放送の視聴を実施しようとするものでありますが、すでに沖繩本島においては昭和三十四年以来テレビ放送が実施されておりますにもかかわりませず、宮古、八重山の両群島においてはテレビ放送の視聴もできないし、そのできないという事実の上から、住民の福祉に対する立ちおくれや、あるいは近代文明を味わうべき問題が大きく懸隔を持っておるということは、まことに悲しむべきことであると思うのであります。ところが、今回の譲渡法案によりましてテレビが先島地区において見ることができるようになるということは、きわめて住民の熱望にもこたえ、また適切な措置であると感ずるのでありまして、率直にこの指貫に賛成するものであります。
しかし、私はこの問題について多くの懸念をやはり表明せざるを得ないのであります。それは何かと申しますと、第一番に、譲渡主体がきわめて明確でないということであります。今日われわれが譲渡をなすべき主体というものが明確でないものに対してこのような譲渡を簡単に行ない得るということは、今後の日本のさまざまな問題が起こりました場合に先例となるおそれがある。政府は議会の議決を経ぬ以前においてこのようなことをするということは、行政権の乱用であると私は思うのであります。しかも、この問題につきましては、さきに、財政法の点で問題があるという指摘がございましたが、同じように、この地域に対するマイクロ回線の布設は現在もはやすでに着々と行なわれており、そして来年度におきましてこれと同じような形で問題化されてくることは当然であろうと思うのであります。そうしますと、このやり方というものがマイクロ回線の譲渡の際にも同じく適用されることになる。国会で議決される以前においてどんどん譲渡すべきものがこしらえられ、そして譲渡されるという悪例を残す。私は、このようなことであっては、明確な審議の対象とはなり得ないと思うのであります。したがいまして、この先島地区に対するテレビの問題については、今後、そのような手続をとるのではなくて、十分の検討を政府でおやりになりまして、そして国会の審議を経て国会の承認を得てからやるという、堂々たるやり方をなすべきであると考えるのであります。
また、このたびの施設は琉球政府に譲渡せられ、またそれが、おそらくはできるであろう沖繩放送公社に対してさらに譲られるのではないかということでありますが、この放送公社ができる際におきまして、二社ある民放の一社が買収されるか、あるいは民放の三社が合併されるか、あるいは民放の一社が逆にこの地域を引き受けるか、非常に問題があるわけであります。私たちがおそれますのは、本来テレビ放送において最も大事なことは、自由なる言論の表明であります。しかし、この放送公社の法案というものをわれわれが仄聞いたしますところ、きわめて濃厚なアメリカ民政府の直接の監督及びその人事に対する介入というものが考えられるような法案でありまして、このようなものがそのまま通過するのでありますならば、自由なる民放二社というものが、変じて不自由なる公社一つと自由なる民放一社というようなものが沖繩に与えられないとも限らない。現に、新聞二社は沖繩の祖国復帰の先頭に立っておりますが、この二つの新聞社に対しましても、別の祖国復帰に賛成しない新聞社をつくろうという動きがあったり、あるいはその一社を買い取って祖国復帰運動に水をかけていこうというような動きもあるやに伺っております。そういうことを考えますときに、この民放の一部を放送公社の中に組み入れてしまうという行き方に対しては大きな問題があるのであって、当然日本政府としてもこの放送公社の独立性及び放送の自由に対する厳たる保障について明確なる措置をとるべきことが重要ではなかろうかと考えるのであります。したがいまして、私どもはこの先島地域に対するテレビというものに賛成するのではありますけれども、その先島地区のテレビを日本政府が譲渡したことに端を発して、沖繩全体の言論の自由に関していささか懸念すべきところがあるということについては、今後の政府の十分なる行政処置においてこれに対して危険のないような処置をとられることを厳に希望いたしまして、この法律案に対して賛意を表するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/8
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009・臼井莊一
○臼井委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより宮古群島及び八重山群島におけるテレビジョン放送に必要な設備の譲与に関する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/9
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010・臼井莊一
○臼井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決されました。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/10
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011・臼井莊一
○臼井委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/11
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012・臼井莊一
○臼井委員長 この際暫時休憩いたします。
午前十一時一分休憩
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〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105503909X01419670627/12
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