1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年七月六日(木曜日)
午後一時十九分開議
出席委員
委員長 山下 榮二君
理事 大久保武雄君 理事 大竹 太郎君
理事 木部 佳昭君 理事 登坂重次郎君
理事 堀川 恭平君 理事 太田 一夫君
理事 山田 耻目君 理事 春日 一幸君
加藤 六月君 小峯 柳多君
河野 洋平君 丹羽 久章君
広川シズエ君 古川 丈吉君
古屋 亨君 井上 泉君
久保 三郎君 山口 鶴男君
松本 忠助君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 大橋 武夫君
国 務 大 臣 塚原 俊郎君
出席政府委員
内閣総理大臣官
房陸上交通安全
調査室長 宮崎 清文君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
建設政務次官 澁谷 直藏君
委員外の出席者
議 員 古川 丈吉君
議 員 山田 耻目君
議 員 松本 忠助君
建設省道路局次
長 吉兼 三郎君
自治省財政局財
政課長 首藤 堯君
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七月六日
委員只松祐治君辞任につき、その補欠として山
口鶴男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員山口鶴男君辞任につき、その補欠として只
松祐治君が議長の指名で委員に選任された。
七月六日
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通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道
の構造改良等に関する緊急措置法案(大久保武
雄君外二十四名提出、衆法第三八号)
は本委員会に付託された。
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七月五日
ダンプカーによる交通事故防止に関する陳情書
(第二六〇号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道
の構造改良等に関する緊急措置法案(大久保武
雄君外二十四名提出、衆法第三八号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/0
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001・山下榮二
○山下委員長 これより会議を開きます。
本日付託になりました大久保武雄君外二十四名提出の通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法案を議題といたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/1
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002・山下榮二
○山下委員長 まず、提案者から提案理由の説明を聴取することにいたします。古川丈吉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/2
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003・古川丈吉
○古川(丈)議員 ただいま議題となりました通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法案につきまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表いたしまして、私からその提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
わが国経済の驚異的発展とこれに伴う国民生活の上昇は、ここ数年来自動車台数の急激な増加をもたらし、これが一つの大きな要因となりまして、交通事故も年々著しい増加を見るに至っております。その交通事故のうちでも、児童幼児の交通事故は、これらの者が自己防衛能力に乏しいだけに、まことに悲惨なものであり、また、このような痛ましい交通事故が通学路において頻発している昨今の状況の中で、小学校、幼稚園または保育所に子供を通わせる親の不安は、はかり知れないものがあります。さらに、交通事故のうちの踏切道における交通事故は、本年四月発生した南海電鉄踏切事故にも見られますように、一たび事故が発生しました場合には、多数の死傷者が発生するという重大な結果をもたらしているのであります。
したがいまして、このような通学路及び踏切道における交通事故を防止することは、今日国民のすべてが痛切に要望しているところであると考えられるのでありまして、この全国民的要望にこたえるためには、国及び地方公共団体が一体となって、総合的な計画のもとに、通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良を緊急に実施すること等が何よりも必要とされるのであります。
以上申し述べましたような見地から、このたび通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置を内容とするこの法律案を提出いたすこととした次第であります。
次に、この法律案の内容の概要を御説明いたします。
まず、第一章に規定する総則について御説明いたします。
総則においては、この法律の目的を定めるとともに、通学路に係る交通安全施設等整備事業、踏切道の構造改良に関する事業等のすみやかな実施をはかるべき国及び地方公共団体の責務を明らかにしております。
次に、第二章に規定する通学路に係る交通安全施設等の整備に関する緊急措置について御説明いたします。
第一に、緊急に交通の安全を確保する必要のある通学路について、きめこまかく交通安全施設等の整備をはかるため、都道府県公安委員会及び道路管理者は、それぞれの段階におきまして昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき通学路に係る交通安全施設等整備事業に関する市町村計画、都道府県総合計画等を作成しなければならないものといたしております。なお、計画の作成者は、市町村計画及び都道府県総合計画の作成にあたっては、市町村または都道府県の通学路及び踏切道交通安全対策協議会(当該協議会が置かれていないときは、関係者)の意見を聞かなければならないものといたしております。
第二に、通学路に係る都道府県総合計画等に定める事業のうち、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の規定による交通安全施設等整備事業として実施すべきものを明らかにするため、国家公安委員会及び建設大臣は、中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見を聞いて所要の計画の案を作成し、これに伴い、現行の交通安全施設等整備事業三カ年計画を変更する案を作成しなければならないことといたしております。
第三に、この法律に規定する通学路に係る諸計画のすみやかな策定をはかるため、それらの諸計画の作成提出等については、それぞれの計画ごとに、その期限を定めることといたしており、特に交通安全施設等整備事業三カ年計画を変更する案については、本年十一月末日までに閣議決定を求めなければならないことといたすとともに、これに伴い最終的に作成される実施計画の提出期限は、本年十二月末日といたしております。
第四に、通学路に係る都道府県総合計画等に定める事業で、交通安全施設等整備事業三カ年計画に基づき実施すべきもの以外のものの実施を確保するため、都道府県公安委員会または地方道等の道路管理者に対し、当該事業の実施を義務づけることといたしております。
次に、第三章に規定する踏切道の構造改良及び踏切道に係る保安設備の整備に関する緊急措置について御説明いたします。
第一に、緊急に交通の安全を確保する必要がある踏切道について、きめこまかく踏切道の構造改良及び踏切道に係る保安設備の整備をはかるため、鉄道事業者及び道路管理者または鉄道事業者は、それぞれの段階におきまして昭和四十二年度及び昭和四十三年度において実施すべき踏切道整備事業に関する市町村計画、同計画を調整して内容の一部とする都道府県総合計画等を作成しなければならないものといたしております。なお、計画の作成者は、市町村計画、都道府県総合計画等の作成にあたっては、市町村または都道府県の通学路及び踏切道交通安全対策協議会(当該協議会が置かれていないときは、関係者)の意見を聞かなければならないものといたしております。
第二に、国の立場から見て昭和四十二年度及び昭和四十三年度において踏切道の構造改良に関する事業または踏切道に係る保安設備の整備に関する事業を実施する必要があると認められる踏切道を明らかにするため、運輸大臣及び建設大臣または運輸大臣は、当該踏切道を指定しなければならないことといたしております。
第三に、踏切道に係る都道府県総合計画等に定める事業のうち、指定踏切道について実施すべきものを明らかにするため、運輸大臣及び建設大臣は、中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会の意見を聞いて、踏切道緊急整備計画の案を作成し、その案について閣議の決定を求めなければならないものといたしております。
第四に、踏切道緊急整備計画の実施を確保するため、道路管理者または鉄道事業者は、踏切道緊急整備計画に即して指定踏切道に係る踏切道整備事業を実施しなければならないものといたしております。
第五に、この法律に規定する踏切道に係る諸計画のすみやかな策定をはかるため、通学路に係る諸計画の場合と同様にそれらの諸計画の作成提出については、それぞれの計画ごとにその期限を定めることといたしており、特に踏切道緊急整備計画については、本年十一月末日までに閣議決定を求めなければならないことといたすとともに、これに伴い最終的に作成される実施計画の提出期限は、本年十二月末日といたしております。
第六に、鉄道事業者及び道路管理者または鉄道事業者が作成しに計画に定める事業で踏切道緊急整備計画に基づき実施すべきもの以外のものの実施を確保するため、道路管理者または鉄道事業者に対し、当該事業の実施を義務づけることといたしております。
次に、第四章に規定する通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道整備事業の費用についての補助、負担等について御説明いたします。
第一に、通学路に係る交通安全施設等整備事業のうち、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の規定による交通安全施設等整備事業として実施するものに要する費用についての市町村負担の軽減をはかることを目途として、国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の二分の一以上三分の二以内をその費用を負担する市町村に対して補助することができるものといたしております。
第二に、踏切道整備事業の実施に要する費用の負担者及び負担方法を明らかにするため、踏切道の構造改良に関する事業の実施に要する費用の負担については、道路管理者と鉄道事業者との協議により定めることとし、踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施に要する費用については、鉄道事業者が負担することといたしております。
第三に、踏切道緊急整備計画による踏切道の構造改良に関する事業に要する費用についての市町村負担の軽減をはかることを目途として、国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の二分の一以下三分の二以内をその費用を負担する市町村に対して補助することができるものといたしております。
第四に、踏切道整備事業の実施を促進するため、国等は、鉄道事業者に対し、指定踏切道に係る保安設備の整備に関する事業の実施に要する費用について、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その一部を補助することその他所要の助成措置を講ずるものといたしております。
第五に、地方単独事業として行なわれる通学路に係る交通安全施設等整備事業及び踏切道整備事業の実施を促進するため、国は、当該事業の実施に要する費用について、地方債その他必要な財政上の措置を講ずるようつとめなければならないものといたしております。
次に第五章に規定する通学路及び踏切道に係る交通規制等について御説明いたします。
通学路及び踏切道における交通の安全を確保するため、都道府県公安委員会及び道路管理者は、通学路または踏切道に係る計画的な交通規制の実施、踏切道の統合等をはかるものといたしております。
最後に、第六章に規定する中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会等について御説明いたします。
通学路及び踏切道に係る交通の安全を確保するために必要な緊急措置に関する計画について審議し、及びその実施を推進するため、総理府に付属機関として中央通学路及び踏切道交通安全対策協議会、都道府県に都道府県通学路及び踏切道交通安全対策協議会をそれぞれ置くものとし、市町村は、条例で、市町村通学路及び踏切道交通安全対策協議会を置くことができるものといたしております。
以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞすみやかに御審議の上、御可決くださるようお願い申し上げる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/3
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004・山下榮二
○山下委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/4
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005・山下榮二
○山下委員長 次に、本案に対する質疑に入りたいと思います。
質疑の申し出がありますので、これを順次許します。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/5
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006・久保三郎
○久保委員 法案の中身の大筋というか、重要な二、三の点について確認の意味でお尋ねをしておきたいと思います。
そこで、最初にお伺いしたいのは、通学路の指定、これは第二条第三項で、言うならば、学校の敷地から、いわゆる正門からというか、そういうところから五百メートルの区域内だという、五百メートルになさった一応の根拠というものは何でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/6
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007・古川丈吉
○古川(丈)議員 通学路の定義、その範囲等につきましては、いろいろの意見がありましたが、学校に一番関係の深い文部省が、ぜひとも五百メートル以内の範囲内において必要なところを通学路として指定をしてもらいたい、こういう希望がありましたし、われわれも、いろいろな角度から考えましたが、それが妥当なものだと考えまして、五百メートル以内ということにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/7
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008・久保三郎
○久保委員 いまの古川さんのお話では、文部省が五百メートルと言ったということでございますが、これはまたあとで文部省にもお尋ねしなければいかぬと思うのでありますが、五百メートルの基準は、文部省が五百メートルということであるから、本法案についても五百メートルを妥当のものと認めて入れた、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/8
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009・古川丈吉
○古川(丈)議員 きめるのは、提案者がみずからの判断できめるのでありまするが、その参考としてやはり一番関係の深い文部省の意見を取り入れたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/9
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010・久保三郎
○久保委員 では、その文部省の意見を取り入れたことはいいと思うのでありますが、私が聞いておるのは、文部省の単純な、と言っては語弊があるが、五百メートルの希望があるので、そういう意見を参考に取り入れて五百メートルにしたということでありますが、そうしますと、この五百メートルという、いわゆる長さ、これの根拠は何かと私はお尋ねしておるのであります。五百メートルが何がゆえに妥当であるのかということをお尋ねしておるわけであります。
私どもの非公式の提案を理事会で申し上げた通学に関しての道路の問題は、言うならば、自宅から学校までという、これはなかなか極端な問題があると思うのであります。一応その区域というものは、それぞれ違うと思うのです。それからもう一つは、区域というか通学路の指定をされたほうがいいのではないかという考えをしていたのです。と申し上げますのは、指定さるべき基準というのは、言うならば、車と子供が一緒に通らぬような道路を考えていく、そういうものを基準にして考えていく。それから、無防備の踏切がその通学路の途中にあるとするならば、無防備の踏切は避ける。あるいは避けられなければ、当然のごとくこれは保安施設をつける、こういうようなたてまえでやったらどうか。もちろん、そういうふうに具体的な個々の問題でありますから、これは申し上げるまでもなく、それぞれの市町村におけるところの関係者の協議によってきめていったらどうか、こういうことを提案してみたのでありますが、そのこととはだいぶ違いまして、五百メートル以内ということでありますが、理論的な根拠というものはこれはないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/10
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011・古川丈吉
○古川(丈)議員 いまお話のありましたとおりに、家庭から学校までは通学路である、こういう考えがあるかと思います。また、道路のつけかえという話もありましたが、この終わりのほうの第五章ですか、規制のところに書いてありますとおりに、場合によりましては、従来この道を児童が通っておったけれども、これを規制して通学路を変える、こういうことも考えられますが、一般的に通学路といえば、どういうものを通学路というか、なかなかむずかしい。ただ、五百メートル以内ならば、これも一つの目安でございますけれども、比較的通学する児童の集まる率も高いし、一応の基準としてきめるにはこれよりしかたがないだろう、こういうことで実はきめたような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/11
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012・久保三郎
○久保委員 あまり時間もありませんので、——これは確認の意味で申し上げているわけでありますから……。
ただ、一つつけ加えさせていただきたいのは、われわれの提案は、私道または農道というものも、通学路に指定することが場合によっては必要である。その私道や農道については、いまの安全施設等の整備事業によって、必要ならば改良もしていったらどうかというような思想でありますが、この提案の中では、道路の中にはもちろん私道は入ってないし、農道はもちろん入っていませんが、私道を入れなかったことについては、どういうふうにお考えでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/12
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013・古川丈吉
○古川(丈)議員 農道というものは、あるいは市町村道になるものが多いかもしれませんのですが、純然たる私道もあると思います。しかし、私道にいたしましても、これはまだ事務的に十分——久保委員から言われてわれわれも気がついたわけでありますが、私道のあることも承知いたしておりましたが、やはり私道でも、この施設をやるのには、地元の市町村がやることになろうと思いますから、そういう場合には、そのものも含めるように解釈を広げるようにわれわれも努力いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/13
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014・久保三郎
○久保委員 一番最後のお話は、気持ちはよくわかるのですが、この法案でははっきりそういうものを否定しております。これはどうも提案者の古川さんだけの御解釈ではむずかしいんではなかろうかと考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/14
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015・古川丈吉
○古川(丈)議員 御承知のとおりに、私道というものがありまするけれども、実際の持ち主が別にあるわけだけれども、そうなれば公の市町村道に変えることもできまするし、そういう施設をする必要がありますれば、そういう手続もしてもらってやるようにいたしたい、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/15
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016・久保三郎
○久保委員 古川さんも御承知かと思いますが、全国的に見て、私道という形で——中身は法的には私道なんですね。ところが、一般の通行人は市町村道だと思ってまんべんなく通行している道路がございます。それは何というか、所有権の移転の手続がずいぶんおくれておるのでありまして、どこの町村に行ってもそういうものはたくさんあります。だから、そういうものは、あなたがおっしゃるように、市町村道に変更してこの中に入れるというのは、理屈としては通りますが、あなたのお話では、ことしの九月、あるいは十一月に全部きめてしまおう、こういうことでしょう。それだったら、やはりその間に登記をしたり何かというのは、実際問題としては無理ではなかろうかと私は思うのでありまして、特に農道などは問題があります。
もう一つつけ加えておきますれば、通学道路というのは、家庭からでなくて、家庭から本通りに出る、その辺から五人、十人とかたまって行く、そういう道路がありますね。そういう区間から指定していくのが一番理想的ではないかとわれわれは思っております。せっかく明敏な提案者でありますから、この法案のあと、また引き続いてそういう方向に——この会期中に、ちょうどできますよ。お出しになるように要望しております。
それから次に、踏切道の問題でありますが、これは毎回申し上げているように、南海の事故直後、われわれからも御注意申し上げたが、政府部内でも、これはそのとおりだ、総点検しよう、そして、総点検してこれに対する改良の計画というか、そういうものもつけよう、こういうことでいまお調べになっているようでありますが、調べの集計は、建設政務次官、まだできておりませんね。——できておりませんが、結局この調べの要項には、御案内のように舗装と拡幅、その他、こういうようなことで、構造改良計画表というものをもとにして、建設省は末端からの資料を吸い上げようということが一つあるわけなんであります。本法案によりますと、構造改良等は舗装と拡幅だけなんですね。舗装も拡幅も、これは必要なことでありますが、ただ、ここで御注意いただきたいのは、建設省の調査によるその他の問題です。これは非常に簡便にできて、また非常に危険性があるということです。だから、前にもここの席で御質問を申し上げたように、いわゆる取りつけ道路における縦断勾配を平面に直す、あるいはその取りつけ道路の舗装あるいはすみ切りあるいは角度の変更、こういうようなものが、実際をいうと早急になされる必要がある。と申し上げますのは、古川さん、御承知のように、踏切道改良促進法によって、言うならば、拡幅というようなものは、おおむねやる対象におそらく今日まで三十六年以降になっておるわけです。ところが、この間の質問で、これは建設省の道路局次長から答弁がありましたが、いま私が希望するようなものは、どうも踏切道改良促進法によっては、対象にはなっておるが、おそらく私が言うとおり、あまり実際はやっていないと思いますという答弁をしておるのですよ。だから、緊急に取り上げて整備する必要があるのは、言うならば、その点が非常に大事であると私は考えておるのです。だからその点は、どうして省略されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/16
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017・古川丈吉
○古川(丈)議員 最初の原案には、ただいま久保さんが言われるようなものが入っておったわけであります。当然またわれわれは、それは必要だと考えておるわけですが、ただ御承知のように、これは二年間に完全にやってしまうという目標なんです。ところが、いまのような問題は、都会の密集地帯等におきましては、なかなか一朝一夕には解決がつかない、こういう問題がありますから、これはやはり原則の方法で解決してもらう。しかし、それは決してないがしろにしておるわけではなしに、できるものはやはり原則的な方法でやってもらう。こういうことで必ずやるというワクの中に入れても、実現は不可能な場合があるから、そういうものは、このワクの中へ入れないほうがいいだろう、そういう事情で、当初の原案にはそれを入れたわけですが、実はこれからはずしたようなわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/17
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018・久保三郎
○久保委員 できないものをおやりになるということが大事なのではないか。政府がやってもむずかしいことを、議員立法でおやりになるのが議員立法の今日的な形じゃないですか。だから、その辺はどうですか。あなたの説明はわかりますよ。その気持ちはわかる。だけれども、これは政府にやらせても政府はできぬのです。政府がやらぬからこっちでやらせる、あるいは自分からそういう制度をつくってやる、こういうことが必要なんで、私はそれに固執しますよ。だから、舗装などはどうでもいいのです、はっきり言うと。(「そんなことはない」と呼ぶ者あり)むしろそういう縦断勾配がたくさんあることが、エンストを起こしちゃって、——どうでもいいというのは極端ですが、そうでもありませんが、そういうものも入れてくれんければうまくないのじゃないでしょうか。
それから、拡幅も、単純な拡幅は、この間この委員会で言ったとおり、拡幅したときは、そこの踏切の防備体制をあくまでつくるべきであるという主張であります。道路と同じように広げたからいいだろうという問題ではありません。必ずこれには踏切の防備というものをつけなければならぬ、こういうふうに思っておるのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/18
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019・古川丈吉
○古川(丈)議員 久保さんと私と同じ気持ちなんです。今度は政府がなかなかやらぬやつを、こちらは議員立法で、無理と言うと語弊がありますけれども、ひとつ強硬にわれわれの主張を入れてやってもらう、こういうことでございますが、ただ、御承知のように、都会地の一坪の土地でも土地収用法を適用しなくちゃならぬというて、さあ計画いたしましても、一年で解決つくか、二年で解決つくかわからぬというのが実際でありますので、そういうものを入れてしまえば、かえって肝心なものが骨抜きというのですか、そういうような考え方で実ははずしたようなわけで、これはないがしろにするという意味じゃなくて、それもより以上にやらなくてはならぬけれども、二年間でやるというこのワクの中には入れられぬけれどもと、こういう考え方で削除したような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/19
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020・久保三郎
○久保委員 土地収用法の話まで出してまいりましたが、私は気の長いことを言っているんじゃないです。土地収用法にかけなければできないものも、それは拾えばあるでしょう。だけれども、そうでないものが大半だと思うのですよ。いま今日非常に踏切があぶないですから、市町村にかけ合って、そういう土地収用法にでもかけなければだめだなんということは、それはなかなかないですよ。それは何で入れなかったかということを聞いておるのでありまして、みんな土地収用法にかけて二年じゃできないという話、それは不見識ですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/20
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021・古川丈吉
○古川(丈)議員 そういう話はずいぶん議論を尽くしたのです。いまお話しのとおりに、簡単にできるところもあるという話も出たわけで、ただ例外的と申しますか、例外的でもありますまいけれども、相当むずかしい問題がやはり都会地内部の軌道に関係してある、こういうことで実ははずした。だから、そのときにも、やれるものをいままでほったらかしたのはおかしいじゃないか、すぐにでもそれはやるようにということを政府当局に言うたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/21
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022・久保三郎
○久保委員 時間でありますので、一応中断しておきますが、古川さん、ぼくは御説明はよくわかります、苦しい立場は。だけれども、やはりすみ切りとか見通しの悪いところは、これはあらゆる方法を使って直す。もちろんこの中に入れても、それは一つか二つしか直せない場合もあるでしょう。だけれども、やはり直すという意欲が必要じゃないかと思うのであります。時間でありますから、あとにもうちょっとありますが、失礼します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/22
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023・山下榮二
○山下委員長 この際、皆さんに申し上げたいと思いますが、本会議が始まりますので、委員会を一時休憩をいたしまして、本会議終了後本委員会を再開することとし、暫時休憩をいたします。
午後一時五十二分休憩
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午後三時二十七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/23
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024・山下榮二
○山下委員長 それでは休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。久保三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/24
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025・久保三郎
○久保委員 それでは、続いてお尋ねしていくわけですが、この中で幾つか政令による基準というのがございます。その基準でございますが、たとえば第五条の「総理府令、建設省令で定める基準」、これは第四条にあるわけですが、「通学路における交通事故の発生状況、交通量その他の事情を考慮して総理府令、建設省令で定める基準に該当する」ものを整備していくのだということでありますが、これはもちろん本法が成立した暁、正式にそれぞれ政令なり何なりはおきめになることが常道でございます。審議の中で一番大事なのは、政令とかそういう基準のきめ方によってこれはかなり問題も出てくると思うのです。そこで、ここで言及している基準というものが政令で処理される、そういうものは、およそどういうものであるか、御説明をいただければ幸いだと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/25
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026・古川丈吉
○古川(丈)議員 その基準につきましては、まだ具体的にははっきりとはきめておりませんが、従来この種の事業を決定いたします事務的な一定の基準がありますので、大体その基準をもとにしてやってもらうことにいたしております。したがって、その基準等につきましては、建設省のほうの従来のやり方というのを御参考に建設省の道路局次長から説明をしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/26
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027・吉兼三郎
○吉兼説明員 ただいまお尋ねのまず第四条の通学路関係の基準でございますけれども、これは学童、幼児の通学の安全を確保する必要のあるものを定めるために、一定の基準を規定することになるわけでありますが、その際の基準の考え方といたしましては、通学路を利用いたしますところの学童、幼児の数でありますとか、あるいは道路の幅員と自動車交通量の通学時間帯におきます状況、あるいは交通事故等の過去におきます発生状況、そういったファクターをもとにいたしまして所定の基準を定めてまいりたいと思います。
それから、踏切道に関しましても、踏切道改良促進法におきまして在来の基準の考え方があります。交通遮断時間、そういったようなものを参考にいたしまして、さらに、事業量を拡大するために必要な基準を設定してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/27
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028・久保三郎
○久保委員 そういうものを参考にしておつくりになるということでありますが、そうしますと、たとえば第四条のごときものは、いまある交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法、その事業の基準もございますね。そういう基準を参考にする。あるいは踏切に関しては、踏切道改良促進法に基づく運輸省令あるいは建設省令に基づく基準、そういうものと大体同じですか。踏切のやつはここに入っておりませんが、踏切のやつ、一つ例にとれば、踏切道改良促進法にいう基準、そういうものを大体これにつけるということでしょうか、いまの御説明は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/28
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029・吉兼三郎
○吉兼説明員 まだ本日の段階ではっきりしたことは申し上げかねますけれども、事業量を拡大していくというのがこの法律の趣旨でございますので、したがいまして、在来の基準をさらにもう少し下げるといいますか、緩和するといいますか、もう少し広く事業が採択できるような考え方に立って基準が設定されるのではないかと私どもは考えております。通学路にいたしましてもしかりでございまして、通学路につきましては、現在の安全法の基準については、明確な基準はございません。一般的な交通安全施設についての規定でございます。新たな観点から通学路についての基準が規定されなければならないのじゃなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/29
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030・古川丈吉
○古川(丈)議員 ただいま道路局次長から事務的に答弁がありましたが、われわれといたしましては、従来の標準の基準にいたしましても、基準をきめても、従来は予算の関係等によってはそれが実施できなかった。そういう点からいって、少なくとも従来の基準のものはもちろん全部これを実施する、さらにいま道路局次長からお話のありましたとおり、今後さらに事業量をふやす、こういうたてまえにいたしておりますから、基準を少し下げて、該当するものを多くするという趣旨で政令をつくってもらうというつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/30
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031・久保三郎
○久保委員 いま古川さんのお話では、最後は基準を下げて大体事業量を拡大していきたい、こういうことでありますが、その前段では、あなたがおっしゃるように、いままで基準に達したものも、実は予算の関係でできなかったとか、こういう御答弁なんですが、これはものの考え方について非常に矛盾がありますね。だから、前段がそうだとするならば、基準どおり的確にさしあたりやらせるのだというならばそれは通るのですよ。ところが、前段では、基準があるけれども、その基準どおりに予算がつけられないでできませんでした、だから今度は基準を下げてというのじゃ、いままで基準に達しても改良できなかったものを、今度下げればなおできないのじゃないかという考えもいたすわけですが、それはどちらですか、はっきり……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/31
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032・古川丈吉
○古川(丈)議員 私、申し上げましたのは、前段のほうは、基準を設けましても、あるいは、この法律にも規定してありますとおりに市町村が財政的な負担にたえないというようなことで、実際において基準どおりのものも実現し得なかった。それも含めてさらに事業量をふやすので、基準を下げて、そして該当するものを多くして、そして基準に該当するようなものはもちろんのこと、ふえた分も含めて予算措置をして、そして必ず実現するようにしたい、こういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/32
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033・久保三郎
○久保委員 これは法案ができますれば、政府においてもちろん基準をつくるわけでございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/33
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034・古川丈吉
○古川(丈)議員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/34
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035・久保三郎
○久保委員 そうしますと、中心になって法案を作成されたあなたとしては、結局、いまお話があったような大ざっぱなことで、いまある基準よりはちっと下げろ、こういうことを政府に対して指示されるわけでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/35
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036・古川丈吉
○古川(丈)議員 先ほど来何回も申し上げておりますとおりに、事業量をふやすというたてまえでもありますし、また、この法律にも書いてありますとおりに、下からだんだん計画を上げてきて決定いたしますので、自然と事業量が多くなることをみな期待するわけであります。したがいまして、そういう意味において基準を下げてやっておる。できますれば、提案者は各党共同提出でございますから、この国会開会中でありますれば各党に、一応政令が出された後においてあるいは御相談するほうがいいかとも思います。そういうような気持ちでおりますから、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/36
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037・久保三郎
○久保委員 ただ、心配なのは、この基準のきめ方によっては、事業量ももちろん左右されますから、だから念を押しているわけでありますが、本来ならばおおよその基準というものを御発表いただいて、そうすれば、この基準にひっかかるものは何件で、予算は何ぼある、こういう提案の説明があることが一番好ましいし、また、そういうことでなくては、多くなるのか引っ込むのかちっともわからない、こういうことであります。われわれは、いままで何回かこの種の法案を出しております。われわれの能力の範囲内において、やはり予算の積算の基礎をはっきりして、そうして説明が可能なようにわれわれは持っていっているわけであります。いまのお話は、そういうこととは多少違うようでありますが、十分これは今後の監視が必要である、こういうふうに思っておるわけであります。
それからもう一つは、市町村あるいは都道府県につくられる対策協議会というか、そういうものがございます。これは法定されますが、現在御案内のとおり、政府においては各省庁を通じて踏切道、あるいはいま申し上げた、特に踏切道についてはそういう対策協議会をつくれというような指示を出しておりまして、大体つくり方等については、本法案の中身と同じように見受けられるわけなんでありますが、この各省庁がいま通達を出してやらせている対策協議会というものは、この法律が成立いたしますれば当然吸収解消されるものと承知いたすわけですが、それはそのとおりでよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/37
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038・古川丈吉
○古川(丈)議員 従来の政府で設けております対策協議会が解消されるかどうかは、これは政府の問題でございますから、総理府の宮崎陸上交通安全調査室長からこの問題については答弁していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/38
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039・宮崎清文
○宮崎政府委員 先ほど御指摘の現在都道府県単位に設けております踏切道改良促進協議会は、御承知のように南海電車の事故を契機といたしまして、緊急に対策を講ずる必要上、総点検を行なうという趣旨のもとに設置したものでございまして、こういう法律上の制度ができますれば、当然それに切りかわることになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/39
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040・久保三郎
○久保委員 そうしますと、古川さんにお尋ねしたいのだが、この法案によるところの対策協議会というのは、これは四十二年、四十三年の事業が終わっても残るのか、それとも、もう事業が四十三年で大体——大体じゃなくてもう終わることになっているようですが、対策協議会はどういうようになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/40
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041・古川丈吉
○古川(丈)議員 この法律の性質上、法律的には二年間で消えるわけですが、しかし、さらに将来必要があるから存続するかどうかということは、これは問題は別だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/41
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042・久保三郎
○久保委員 これはそういうふうに書いてないようですね。そういうふうには書いてないですが、それはそういうふうでいいですか。これは何月何日までで廃案というか、なくなるということは書いてないので、この法律の中身と、いわゆる改良計画というか、整備計画というか、そういうものが四十三年で終わるというが、それだけを言及しておるのであります。だから、対策協議会等は、この法律としては残るのじゃなかろうかというような疑念もありますので、いまだめ押しを申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/42
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043・古川丈吉
○古川(丈)議員 この法律は、昭和四十二年度、三年度に完成すべき事業を相談、協議する、こういう意味の対策協議会でございまするから、したがって、この事業に関する限りの協議会、こういうように解釈すべきだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/43
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044・久保三郎
○久保委員 それでは、宮崎室長に聞きますが、あなたはこの法案を読んで、いま古川さんのお述べになったようにとるわけですか、対策協議会は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/44
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045・宮崎清文
○宮崎政府委員 この法律は、御承知のように、形式的には限時法になっておりません。しかしながら、この法律に基づきまして設置されます協議会は、この法律にも明示してございますように、市町村あるいは都道府県におきます計画を策定する場合の一種の諮問機関と申しますか、意見を述べる機関であり、かつ、その実施を推進する機関とされております。したがいまして、形式的に申し上げますと、この協議会の仕事がなくなりますときは中身はからになるわけでございまして、その点、実質的には、この法律に基づきます計画にかかる事業が全部完了いたしますと、仕事がなくなるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/45
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046・久保三郎
○久保委員 それで、中央協議会でありますが、それぞれ各省庁の責任者を構成員にしているわけであります。この三には厚生大臣というのがありますが、これはどんな理由でここへ入っているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/46
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047・古川丈吉
○古川(丈)議員 御質問以外のことも申し上げますが、閣僚協議会というのが普通でございますけれども、中央協議会という名前をつけましたのは、そうでないと総理府設置法の一部を改正しなくちゃならぬという問題がありますので、こういう名前に正確にいたしたのです。
厚生大臣の話は、いま宮崎君からも話がありましたが、保育所が関係をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/47
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048・久保三郎
○久保委員 それで、最後にお尋ねしますが、政府の見解を聞く手続というか、そういうものはどうなさっておりますか。——おわかりにならないかな。議員立法でありますから、政府の見解を聞かにゃいかぬということになっております。それは正式にどういうふうな手続でやっておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/48
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049・古川丈吉
○古川(丈)議員 この法律に対する政府の見解でございますか。それは、後刻担当国務大臣である総理府総務長官がこの席にお見えになって、政府としての考えを述べられることになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/49
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050・久保三郎
○久保委員 総理府総務長官が、この法案に対しては政府を代表して見解をお述べになる——与党の古川さん等が中心になっての法案でありますから、政府も反対というようなことはもちろんないと思います。ただ問題は、予算的な措置というのが一番問題になるわけでありまして、やり方そのものにも問題がありますが、やはりいま交通安全で一番問題なのは、金をどれだけつけて、現実に安全施設なり保護の対策ができるかということですね。だから、総理府総務長官が、文字どおり政府を代表する発言として賛成されるということに大体内々御交渉ができて、予算についても、政府が言明するのだからあまり心配ないというふうにとってよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/50
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051・古川丈吉
○古川(丈)議員 現段階におきましては、昭和四十二年度の予算が通ったばかりでございまするし、今後の問題につきましては、これは将来の問題である、しかしながら、担当国務大臣として将来どういう態度をとるか、こういうことは担当の国務大臣の答弁を得なければならぬ、かように考えておりますので、担当国務大臣の考え方をこの席で政府の意見として述べていただくことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/51
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052・久保三郎
○久保委員 まあ、そういうことで取りつけがしてあるのならばあまり心配しませんが、この種議員立法の一つの難関というか、それは、裏づけになる予算の問題でありまして、本来ならば大蔵大臣も予算の裏づけの担当大臣として責任を持って見解をお述べにならぬと、せっかく当委員会で苦労された法案も画餅に帰するといっては極端でありますが、うまくいかないものがあるので、この点は十分お考えをいただいて、そういうそごのないように取り計らってもらいたい、こういうように思います。
それからもう一つは、法案の提出、予算ということになって、三百億ということでこの裏づけをしているようでありますが、三百億では、何ぼ目の子勘定でも少しいかがかと思っているわけなんですよ。さっきの御答弁では、多々ますます弁ずるようなお話でありますが、政府が去年からやっている交通安全施設等の緊急整備事業、これは御案内のとおり警察庁のペンキ塗りまで入れて六百八億。この中にはペンキ塗りは入っておりません。およそ三百億というと、一年間使って、二年間分ありますが、あとは早いところ繰り上げ流用ということでどんどんやってきておるようでありますから、三百億では本年度と来年度ちょっとどうかと思うのですが、どういう御見解なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/52
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053・古川丈吉
○古川(丈)議員 書類の手続といたしましては、計画の予算の概数を出さなくてはなりませんので、三百億円という数字を一応出したわけです。ただし、その説明の冒頭にも書いておると思いまするが、これからとにかく実際の計画は総合的な計画を立てるので、確かな数字がはっきりいたさないわけでございます。先ほど道路局次長からもお話がありましたように、五月三十日までに、全国の各府県に、この法案の立案をされておる前に、政府のほうでそういう個所を積み上げて実は手続をしておるわけですけれども、まだ上がっておりませんで、そういうものが出れば相当確実な数字が出る、こう思いましたけれども、とりあえず、寄付金は全然ゼロだが一円と書いてあるという意味とは多少は違いますが、まず目の子勘定というお話がありましたが、一応の数字として出しただけであって、この数字にこだわるわけじゃなくして、できるだけ、われわれといたしましても、閣議決定の内容になる数字を大きくいたしたい。
さらに、この機会に申し上げておきますが、予算の問題につきましては、久保委員の言われたように、われわれもそこが一番問題だと思いますから、補正予算の編成の機会には、われわれもこの法律の精神に沿うように極力努力をいたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/53
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054・久保三郎
○久保委員 お気持ちのほどはわかりましたが、この種法案は、さっき申し上げたとおり、予算の問題がやはり裏づけなんですね。それからもう一つは、四十二年度はすでに始まっておるわけです。この中に包含されるような仕事も、現実にはいま進行しておるかもしれないというような状態でありますから、当年度は大体何百億、それから四十三年度に大体何百億というのが、目の子勘定でもこれは全然資料が出ないからできないといえばそれまでの話なんでありますが、しかし、非常に不見識な話じゃないかと私は思うのです。だから、踏切にしても、実態調査の集計ができていないのでありますが、しかし、実態の掌握ができないでも、およそこの程度あるくらいのつかみ方はわかるわけです。われわれ自身が踏切道改良促進法の改正案を先年出しております際に、やはり一つ一つ苦労しながら積算基礎を明らかにして皆さんの質問に私は答えてきた。これは何でかというと、三百億というのは、議員立法の場合には予算をつけなければいかぬというのは、政府をしてこの三百億に拘束されるということも理屈の上ではございます。だから、そういうふうに申し上げておるわけです。どうかそういう点で、目の子勘定がそれにも足らないくらいなんてどうかと思います。今後皆さんが責任を持って、直接この法案の作業に従事されれば、いまのような三百億じゃおそまつですよ。だめを押して終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/54
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055・山下榮二
○山下委員長 山口鶴男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/55
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056・山口鶴男
○山口(鶴)委員 提出者の方々が非常な御苦労をいたしまして、今回のこの法律案を提案されましたことに対しまして、心から敬意を表したいと思います。
たまたま私の所属しております地方行政委員会におきましては、道交法の一部改正に対して審議をいたしておるわけであります。今回、道交法の改正にあたりまして、運転者の処罰等に対して相当きびしい改正案が提案をされておるわけでありますが、現在の交通地獄を解消するために、一方において、運転者の方々に対して強い規制を加えることも、あるいはやむを得ない点もあろうかと思いますけれども、運転者の人たちに規制を加えるだけでは問題は解決しないと思います。要は、交通安全施設、車が通ります道路の改良整備、こういう点に力を尽くしますと同時に、今回提案されましたような、かわいい子供たちを守るための通学用の道路に対する安全施設を確保する、この問題はきわめて重大だと思います。この点に対して、冒頭申し上げたように、心から敬意を表したいと思うわけであります。
さて、そこでお尋ねをいたしたいことは、今回のこの法律案が施行になりました場合には、当然地方財政に対して影響してくる場面が相当にあるわけでございます。その点をしぼってお尋ねをいたしたいと思うわけであります。
現在、交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法によりまして、昭和四十一年度を初年度とする三カ年計画が現に進行しつつあるわけであります。今回、この法律案の制定によりまして、措置法で進んでおります事業の計画を変更する面については、十一月末日までに閣議決定を求めなければならぬ、こういう形になっておるようであります。
そこで、現に進行しております、二年目でありますこの措置法による整備計画、それに対して国の補助金も一応二百六十億円ですか、きまっておるようでありまして、これに対して当然自治省のほうも、地方財政計画におきまして、都道府県、市町村が負担をすべき経費についても、交付税の算定等で一応見ておるようであります。そうしますと、この一月末までに、今回のこの法律によって、現に進行している整備計画を改めて、そうして、もっと緊急に通学路については措置を考えなければいかぬということになりますれば、先ほど三百億というようなお話もありましたが、当然国の補助金もふえてくると思うわけであります。そうしますと、これに対応する自治体の持ち出し分、都道府県なり市町村が負担すべき経費についても、当然これは上がってくる。ところが、この法律案によりますと、市町村については、現行の補助率が三分の二という形で上がってくるわけであります。そうしますと、事業費がふえ、補助金もふえてくる。そうしまして、市町村の持ち出し分というものが、現在措置しております地方財政計画の上からいって心配ないのか。当然足りない場合も出てくるのじゃないかと思いますが、そうした場合に、自治省としては一体どのようなお考え方があるか、この点をまずお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/56
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057・首藤堯
○首藤説明員 ただいま御指摘のございました交通関係の立法に対する財源措置でございますが、御指摘のございましたように、現在実施中の三カ年計画の四十二年度分に対応いたします地方負担に対する財源措置といたしましては、地方交付税で約百四十五億、それから地方債関係で十三億、このような措置をいたしておるわけでございます。
御承知のように、この法に基づきます整備計画の実施によりまして、事業量がふえてまいりまして、地方負担に変動が生ずることがあるわけでございます。四十二年度中にそのような変動がございました場合におきましては、それに対応した地方財政計画上ないしは交付税上の措置も、それに対応してとってまいりたいと思います。また、四十三年度におきましては、これは明年度の問題でございますが、同様に財政計画等でその措置をとって、できるだけ事業が完全に遂行されますように、自治省としてもつとめたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/57
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058・山口鶴男
○山口(鶴)委員 概論としてはわかりました。具体的に聞きますけれども、すでに普通交付税については配分計画はきまっておるわけですね。十一月末にこの法律が動き出した場合に、計画が策定をされ、仕事が進められる。そうした場合には、当然予想される次の補正予算等の中で、交付税については、特別交付税などといわず、普通交付税の算定を改める。同時に、その分については責任をもって措置をする、こういう考え方だと了承してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/58
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059・首藤堯
○首藤説明員 四十二年度に実施されます事業量がどの程度になりますか、それに伴いまして、国の補正予算にこれを含めるかどうか問題があると思いますが、そのようなかっこうで地方負担額の当然増が出てくるような事態になりました場合には、御指摘のような措置をとりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/59
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060・山口鶴男
○山口(鶴)委員 さらに、問題は府県道でありますが、指定区間の府県道については当然三分の二の負担がある。ところが、指定外のいわば主要地方道としての指定がされてない府県道、しかも教育施設から五百メートル以内の地域における府県道に対しては、この法律を見ますと、二分の一の補助しかない、こういう形になろうかと思うのですが、この点は、建設省の道路局次長さんお見えでありますが、この点については何らか救済方法は考えませんか。たとえば、指定区間に弾力性を持って指定をやっていく。そういう形で三分の二に適合させるとか、そういうお考えはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/60
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061・吉兼三郎
○吉兼説明員 道路法の体系の中におけるところの補助の負担率の立て方が、御指摘のとおり国道におきましても、指定区間、区間外に分けて国庫負担率の差をつけております。したがいまして、交通安全施設事業につきましても、これとの均衡をとりまして、同じく指定区間は三分の二、指定区間外は二分の一、こういう立て方になっております。しかしながら、今回交通安全事業を緊急に整備する、ことに通学路関係について整備するという趣旨から、事業量がかなりふえます。そういう観点から、市町村道関係について特別な補助率を設定することができるというふうな制度になっておるわけでありまして、指定区間外の知事管理の国道につきましては、その手当てがなされておりません。確かに不均衡のような感じもいたしますが、これは自治体としては市町村の財政自体もかなり異なりますので、そういうことになるかと思いますが、運用の面におきまして、指定区間をどんどんふやして、その点を実質三分の二にしたらどうか、こういう御意見につきましては、これは指定区間というのはいろいろ国道の直轄管理でございまして、管理にあたりましても、維持、人員、要員その他の関係から、これは簡単にふやすわけにまいりませんので、御趣旨の点は十分わかりますけれども、運用の面につきましては検討さしていただくことにいたしまして、御答弁にかえたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/61
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062・古川丈吉
○古川(丈)議員 ただいま建設省から御答弁がありましたが、われわれ提案者といたしましても、その問題は最初から問題にいたしたわけでございます。しかしながら、現在の地方財政の実情からいえば、都道府県に関する限りは、そこまで実施上踏み切れぬだろう、一応こういう見通しをつけたわけでありますが、しかしわれわれも、問題点であるということを十分承知いたしておりますので、今後、ただいまの御意見の御期待に沿うように、われわれも努力いたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/62
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063・山口鶴男
○山口(鶴)委員 事務当局の説明とは別に、議員提出の法律でございますから、そういう意味では提案者のただいまのお答えは非常にけっこうだと思います。どうか、この点につきましては、提案者といたしまして、政府に対して強く配慮を要請していただくように、これはお願いいたしたいと思うわけです。
次いでお尋ねいたしたいのは、この踏切道に関する問題でございます。これにつきましても、市町村に対しまして三分の二の補助をすることができるようになっておるわけでありますが、この踏切道につきましては、一応その負担については相談をする、それで市町村が負担をする分について、三分の二を補助する。そうしますと、当然残りの三分の一というものは市町村の負担ということになるわけでございますね。この踏切道に関する市町村の負担分については、地方財政計画上どのような対処のしかたをしようと自治省のほうでは考えておられますか。一応その点をお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/63
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064・首藤堯
○首藤説明員 ただいま御指摘の踏切道の分につきましては、四十二年度の計画そのものにつきましては、そのものずばりという計上が現在していないのは御承知のとおりでございます。事業計画が定まってまいりまして、二年、三年の負担分がきまってくる、こういう段階におきましてそれに応じた所要の措置をとりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/64
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065・山口鶴男
○山口(鶴)委員 そうしますと、これは、この法律の二十五条にありますような起債等の財政措置でもって考えるという趣旨なんですか。そうではなくて、地方財政計画に見込み、交付税としてその措置を考えるという考え方なのか。その点はいかがでしょうか。あわせて、答弁いかんによりましては提案者の御答弁を求めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/65
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066・首藤堯
○首藤説明員 地方債、それから交付税ももとよりでございますが、交付税、地方債、そのようなものを合わせまして所要の措置をとる、このように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/66
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067・古川丈吉
○古川(丈)議員 提案者といたしましては、地方公共団体の負担分の財政措置につきましては、当初、御承知のように道交法の反則金の問題も実は明文の中に入れてもらいたいというような一部の要望があったわけです。けれども、いろいろな措置をしなくちゃならぬ。いま自治省からお答えになりましたとおりに、いまのお話は原則的な解決の方法だと思います。できればそれでやってもらいたい。そうしてどうしても事業量が一時ふえますものですから、それがむずかしいというような最悪の場合を考えて、大蔵省とも、自治省とも打ち合わせの上で、最後は、起債は必ずあとに債務が残るわけですけれども、起債の措置をとる、こういうたてまえをとったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/67
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068・山口鶴男
○山口(鶴)委員 一番安易な方法は、起債という方法があると思います。しかし、起債の場合は、提案者のお答えがありましたように、これは債務でありまして、当然何年かでもって利子をつけて償還をしなければいかぬということであります。したがいまして、相当税収のあがります団体の場合でありまするならば、起債ということも一つの方法かと思いますけれども、しかし、現実には、各地を回ってみますと、交通難のところは、すべて大都会かというとそうではないのでありまして、人口二万とか三万とか小さな町村もあるわけであります。そうして、その地域に非常に交通地獄の地域をかかえて四苦八苦しておる町村も多いわけであります。そういう町村に対して、起債でもって財源を充当するというような方法は、これは当該町村の地方財政をまさに破滅に導くことになるのじゃないかということを非常に憂慮するものであります。したがいまして、この点につきましては、一番安易な方法の起債ということでなしに、やはり一般財源として市町村が負担すべき経費については見ていく、こういうたてまえで、提案者におかれては大いにかんばっていただきたいと思うわけでありますが、その点の御決意についてもあわせてひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/68
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069・古川丈吉
○古川(丈)議員 ただいまも申し上げたことで尽きておると思いますが、さらに御質問があったからお答えいたします。
われわれも最後の安全弁として起債ということを考えたので、根本的な解決方法でできるだけやりたい、こういう考えでおりますので、どうかその点御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/69
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070・山口鶴男
○山口(鶴)委員 その点は大いに努力をいただきたいと思います。
それから、最後に単独事業につきましてお尋ねをいたしたいわけでありますが、二十五条に地方単独通学路交通安全施設等整備事業に対する国の財政上の措置の問題がありますが、どういたしましても、ここに規定してございますような都道府県の指定区間外の一般国道、府県道もしくは市町村道の道路管理者が実施をいたします事業というものが出てくるわけであります。したがいまして、この面につきましては、いわば単独事業として当該の町村がきわめて熱心に、一応計画が策定された以外にこの仕事を進めていくということも、その地域の世論によって当然大いにあり得ると思うのですね。そうした場合には、ここにありますように、起債その他の措置によって財政上の措置を講ずるというわけでありますが、この点についてはぜひとも積極的に財政上の措置をやっていく、こういうことで対処をいただきたいと思うのです。どうも、国が一応認めた補助事業についてはいいけれども、市町村が先行するものについてはこれはいかぬというようなことは、まさにこれは中央集権の悪の最たるものでありまして、地域住民のいわば熱意、さらにそこに書いてございますような、結局地域住民の努力によって、あるいは熱意によって、そのような仕事が計画されます場合については、ひとつ積極的に応ずる、こういう態勢で対処していただきたいことをお願いをいたしたいと思います。提案者のお考え方、並びに起債を管理いたしております自治省当局のお考え方もあわせてひとつお聞かせをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/70
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071・古川丈吉
○古川(丈)議員 山口君のお考えのような方向でわれわれも最善の努力をいたす所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/71
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072・首藤堯
○首藤説明員 当該計画が決定次第、できるだけ所要の額を財政計画等にも盛り込みまして、積極的な財源措置をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/72
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073・山口鶴男
○山口(鶴)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/73
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074・山下榮二
○山下委員長 次に、山田耻目君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/74
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075・山田耻目
○山田(耻)委員 ほとんど質問は終わってまいりましたので、最後に、理事会で申し合わせをいたしたことなど一点、委員長に確認をいたしまして、それから、いままで審議がございました事柄の中で、この種の諸施設が十分現状にそぐわない、おくれた状態にあるのは、地方財政が非常に窮迫をしているからである、こういう議論が深められてきました。それについて、補助率の改正などもございますので、政府を代表して総理府総務長官に政府の所信をお伺いをする、こういう手順で最後のまとめをいたしておきたいと思いますので、そのように御理解をいただきたいと思います。
理事会で申し合わせをいたしましたのは、この法律案の二十一条及び二十三条に規定をいたしております補助率を、現行の二分の一から引き上げて「二分の一以上三分の二以内」とする、こういうようになっておるわけです。しかし、これではきわめて緊急を要するこの法律の実施にあたって障害がある。だから、市町村に対する経費の負担のうち三分の二は国で助成すべきであるということを理事会で議論をいたしました。その結果、もちろん議員立法でございますし、自由民主党、社会党、民主社会党、公明党を含めまして、もっともしごくなことである、そういう財政的な措置を講じなければ、この半年間の死傷者の数が、ついせんだって明らかになりましたが、約七千名近い死者を出し、ベトナム戦争以上の惨禍をこうむっておる交通戦争のこの実態を解消することはできない。この法律の趣旨に沿って、三分の二に補助率を引き上げすることによって事態を解決することが、今日の政治の緊急的課題であるというふうに理解をし合ったところでございます。
申し合わせをちょっと私読み上げておきますと、
政府は、昭和四十二年度中に補正予算を編成するときは、三分の二の補助率により予算措置を講ずること。また昭和四十三年度においても同様の補助率により措置するものとする。
二つ目に、昭和四十二年度において前項の補助率の適用を受ける事業は、本法施行以後の事業について適用するものとする。
きわめて明確に理事会では申し合わせを行なったのであります。本院のそうした委員会審議を通して、本法が施行されてまいる寸前にいま立ち至っております。政府としては、これに対して具体的な、しかも前向きで必ず実行されていくという所信の表明を総理府長官にこれからお伺いいたしたいと思うのであります。
以上が委員会の取りまとめの具体的なものでございますから、念頭に置いていただきまして、院のそうした決議なり審議は尊重されるものでございますから、そういうこともあわせて念頭に置いていただきまして、いまから質問申し上げることにお答えをいただきたいと思います。
この法律案の二十一条及び二十三条は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、事業の実施に要する費用の二分の一以上三分の二以内を、その費用を負担する市町村に対して補助することができるものといたしておるのでありますが、本年度予算におきましては、二分の一の補助率による予算しか計上されておりません。しかし、このような法律案の趣旨にかんがみまして、国は、昭和四十三年度において、市町村に対して現在二分の一とされている補助率を三分の二に引き上げて補助を行なうべきことはもちろんでございます。それ以外に昭和四十二年度においても、事業の緊急性にかんがみ、なるべく早い機会に補正予算などの財政上の措置を講じて、市町村に対して同じく三分の二の補助率による補助を行なうべきものであると考えております。また、昭和四十二年度におきまして、市町村に対し三分の二の補助率による補助を行なうこととした場合におきましては、この法律の施行後、市町村道の道路管理者が着手した現行の交通安全施設等整備事業三カ年計画に基づき通学路に係る交通安全施設等の整備事業、または踏切道の構造改良に関する事業でこの法律の甲種指定踏切道の指定基準に該当する踏切道について行なわれるものに要する費用についても、さかのぼって三分の二の補助率による市町村補助を行なうべきものであると当然考えられるのであります。
これらの点につきまして、政府の前向きでしかも必ず実行していただける立場からの見解をひとつお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/75
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076・塚原俊郎
○塚原国務大臣 お答えいたします。
この法律案が成立いたしましても、当面は現在の予算の範囲内で事業を実施するわけでありますから、補助率は現行の率によらざるを得ないわけであります。しかし、将来予算補正の機会があります際には、補助率を三分の二に引き上げることも当然考慮いたすことになるものと存じます。
なお、この場合、この法律案の施行の時期にさかのぼって適用いたすことにつきましては、十分検討することといたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/76
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077・山田耻目
○山田(耻)委員 若干歯に何か残る気もいたしますけれども、政府としては、補正予算にあたっては三分の二の補助率が交付されるように補正予算を組む。そうして、本法施行時に行なわれた諸事業については、さかのぼって補助率を増額して支給する。こういうような諸措置が、申されました中に十分具体化されておるものと理解をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/77
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078・山下榮二
○山下委員長 他に質疑はありませんか。——なければ本案に対する質疑はこれにて終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/78
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079・山下榮二
○山下委員長 この際、国会法第五十七条の三の規定により、本案に対する内閣の意見を聴取いたします。塚原総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/79
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080・塚原俊郎
○塚原国務大臣 通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法案につきましては、昭和四十二年度予算が成立して間もない段階において、法文上その補助限度の修正が行なわれることは好ましくありませんが、本法律案の対象とされている交通安全施設等の整備の緊急性にかんがみ、政府といたしましては、極力その整備の推進につとめる所存であります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/80
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081・山下榮二
○山下委員長 次に、本案を討論に付するのでありますが、討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
大久保武雄君外二十四名提出の通学路に係る交通安全施設等の整備及び踏切道の構造改良等に関する緊急措置法案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/81
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082・山下榮二
○山下委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
おはかりいたします。
ただいま議決されました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/82
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083・山下榮二
○山下委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/83
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084・山下榮二
○山下委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後四時二十一分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504199X01219670706/84
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