1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年五月三十日(火曜日)
午前十時三十三分開議
出席委員
委員長 島村 一郎君
理事 天野 公義君 理事 小川 平二君
理事 鴨田 宗一君 理事 河本 敏夫君
理事 中川 俊思君 理事 中村 重光君
理事 麻生 良方君
稻村左近四郎君 遠藤 三郎君
小笠 公韶君 岡崎 英城君
岡本 茂君 小山 省二君
坂本三十次君 櫻内 義雄君
白浜 仁吉君 田中 六助君
丹羽 久章君 橋口 隆君
増岡 博之君 箕輪 登君
武藤 嘉文君 粟山 秀君
佐野 進君 中谷 鉄也君
平岡忠次郎君 古川 喜一君
塚本 三郎君 吉田 泰造君
近江巳記夫君 岡本 富夫君
出席国務大臣
国 務 大 臣 塚原 俊郎君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 北島 武雄君
法務省刑事局長 川井 英良君
通商産業政務次
官 栗原 祐幸君
中小企業庁長官 影山 衛司君
委員外の出席者
公正取引委員会
事務局取引部下
請課長 辻 吉彦君
大蔵省主計局主
計官 渥美 謙二君
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五月三十日
委員神田博君、黒金泰美君及び齋藤憲三君辞任
につき、その補欠として増岡博之君、箕輪登君
及び粟山秀君が議長の指名で委員に選任され
た。
同日
委員増岡博之君、箕輪登君及び粟山秀君辞任に
つき、その補欠として神田博君、黒金泰美君及
び齋藤憲三君が議長の指名で委員に選任され
た。
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五月二十九日
中小企業者の事業分野の確保に関する法律案(
中村重光君外十一名提出、衆法第九号)
同月三十日
中小企業組織法案(田中武夫君外十一名提出、
衆法一〇号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法
律の一部を改正する法律案(内閣提出第四七
号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/0
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001・島村一郎
○島村委員長 これより会議を開きます。
内閣提出、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。中村重光君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/1
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002・中村重光
○中村(重)委員 総務長官はあと何分くらいで来ますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/2
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003・島村一郎
○島村委員長 いま迎えにいっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/3
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004・中村重光
○中村(重)委員 公取委員長にお尋ねしますが、今度二十九名定員がふえることになりますね。そうすると、全国的のブロックとしては、一応今度の地方事務所が設置されることで、全部通産局のある地区は各地方事務所ができる、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/4
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005・北島武雄
○北島政府委員 通産局の管轄地区とは必ずしも一致いたしませんが、この四国にできますことによりまして、一応全国的な地方事務所の網ができる、こういうかっこうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/5
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006・中村重光
○中村(重)委員 そうすると、地方事務所はできるわけですが、何といっても人員がいままでは三百七名ですね。二十九名ふえて三百三十六名、これは地方事務所を含めての定員になるわけですから、これではどうにも、最近の公取の業務というものは非常にふえてまいりましたから、人員不足だろうというように思うのですが、地方事務所では平均何名くらいいるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/6
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007・北島武雄
○北島政府委員 今度高松ができますと、七つの地方事務所になりまして、そして地方事務所に配置される定員が七十五名でございますので、一事務所十名強ということになります。御参考までに、四十一年度におきましては六地方事務所で五十七名でございます。これは十名弱、今度はまあ十名強になる、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/7
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008・中村重光
○中村(重)委員 総務長官が来ましてから陣容についてはお尋ねをいたしますが、端的にいって、公取の業務の重要性という点から考えると、予算的に見ましても、この配付していただきました資料によって見るのですが、庁費も非常に少ないのですね。それから陣容にいたしましても、せっかく地方事務所をつくりながら、十名強くらいの人員ではしようがない。おそらく専門の調査員なんというものはいなくて、事務から雑務から一切兼務してやらなければならないという状態ではないかというように思うわけです。ですけれども、予算、人員の関係でございますから、あなたのほうはできるだけ充実をさしたほうがよろしい、そういう希望があることはよくわかるわけです。ところが、これに対して予算面からの制約というものがあるのでありましょうが、総務長官が参りましてから、それらのことに対しましてはお尋ねをすることにいたします。
当然なことでありますけれども、最近の公取のいろいろ活発な動きによりまして、公取の存在というものが国民の中に非常に認識され、大きな信頼と期待を集めておることは深く敬意を表するわけです。ところが、いろいろ手はつけていらっしゃるようですが、その結論というのがどうなったのかということがわからない。これは、私どももわからない点が多いわけですから、ましてや国民は、公取は活発に動いてくれている、物価抑制の面からいっても非常に役立っておるというような期待を持ちながらも、その結果がどうなっているのかわからないというようなことで、そういう面からの期待に十分こたえていない面があるのではないかと思います。
そこで、時間の関係もございますから、こういうのはどうなっているのだろうかということでいろいろお尋ねしてみたいこともありますけれども、二、三の問題について伺ってみたいと思います。最近取り上げましたカラーテレビ、それから白黒テレビの問題、これは審判をやっていらっしゃると思うのですが、この進捗状態はどういうことになっておるのか、一応経過を伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/8
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009・北島武雄
○北島政府委員 カラーテレビ、白黒テレビの審判事件につきましては、一月の末に第一回の審判が始まりまして、本日で七回の審判を経ております。あと六月、七月で五回の審判はすでに日にちがきまっております。その以後はそのときの状況によりましてきめるわけでございますが、大体十二回も経ますとだんだん固まってくるわけでございまして、十二回を経ればあと二、三回程度で結審までいくのではなかろうか、こうただいまのところ考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/9
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010・中村重光
○中村(重)委員 非常に重要な問題ですから、必ずしも拙速をたっとぶわけではありません。ですけれども、従来の例からいって、十回、十二回やらなければならない。それから内容が非常に複雑であるから慎重にやっていくためにそれだけの回数というものが必要であろうということもわかるわけですけれども、見通しというものは大体あるのではないか。ただ回数を重ねていくということだけが形式的に必要だというふうには私は思わないのです。そこで業界としてはどういう点に抵抗をしておるのか。それから公取としましては、もちろんこれは確信を持って立ち入り検査をおやりになり、審査、審判を続けていらっしゃると思うのですが、大体見通しはどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/10
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011・北島武雄
○北島政府委員 勧告の段階でございますと、審査を経ましてそして委員会といたしまして勧告を出しますときには、こういう事実の疑いのもとに勧告をするのだ、こういうことを発表いたします。これは一ぺん審判手続に入りますと、実は裁判類似の手続になりまして、原告側と被告側、審査官と被審人、その上に審判官が立って裁判類似の手続を経るわけでございますから、その間におきまして、委員会、ことに私委員長があらかじめ結果を予断せしめるようなことを申し上げるのはたいへんぐあいが悪い。一応手続を尽くして審判官が審決案というものをつくります。その審決案に対して委員会なりあるいは被審人のほうが反応を示す、それによって最後的に委員会できめるわけでございますから、ただいまのところ、この見込みはどうかと申されましても、私が申し上げるのは、不公正な審判じゃないかと予断せしめるおそれがございますので、ちょっと申し上げにくいわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/11
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012・中村重光
○中村(重)委員 はっきりした見通しということが、あと五、六回もやらなければならないということですから、公の場では遠慮もあるからなかなか言えないだろう、それはよくわかります。しいて見通しをはっきりさせろとは私は言いませんが、いままで七回、きょうでもって七回おやりになっているわけですから、それについて業界がこれは価格協定じゃないんだ、おそらくそういうことを突っぱっておるのだろうと思うのですが、特に業界が抵抗しておる点はどういう点であろうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/12
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013・北島武雄
○北島政府委員 私のほうでは、審査官といたしましては、一定の日時にこういう会合をやったのじゃないかという事実を指摘して、価格協定の事実ありとして主張しているわけでございます。これに対しまして、会合の事実は認めるが話し合いの内容が拘束性がない、あるいはかりにあったとしても、公共の利益という問題については公取の見解に反対だ、こういうことでいまやっておるわけでございます。ただいま参考人を相当申請していまして、その参考人を審判官がある程度取り上げて事情を聞いておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/13
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014・中村重光
○中村(重)委員 会議の事実は認めるけれども、これは別に価格協定をやったのじゃない、やったのじゃないからこれは公共の利益に反するようなことにはならないんだということですね。結局、価格が、たとえば一インチが一万円なら一万円だ、十九インチであれば十九万円だとかいう価格がきちっと協定されていることは間違いないと私は思う。だからこれは話し合いをして、そこでいろいろそれから価格協定するかしないかということにもなっていくのであろうと思うのですけれども、私は協定をしていることは間違いはないと思う。単なる話し合いで価格というものがそう同じになるわけじゃないですよ。だからほんとうの自由競争をやり、Aの企業が一インチ一万円であるならば、Bの企業というものは九千円なり八千円に下げていく、これは常識なんですね。ですから先発の企業が先発の価格をきめる。そうなってくると、必ず自由競争の場においては、それよりも有利な事業をやるためには、価格あるいは問題の景品であるとかいろいろな条件というものをつけて、商魂たくましくやっていこうとするであろう、そうすると同じになるはずはありません。ですけれどもそれが同じであるということは、必ず価格協定をしたということ、価格協定をしているということはすなわち物価の引き下げということを押えることになってまいりますから、公共の利益に反することは間違いないと思うのですね。ですから公取がやっておられることは私は当然だ。だからセメントの問題、あるいは粉ミルクの問題等いままでおやりになってきたわけですが、まあその結果も必ずしも国民はどうなったかということを把握してないという感もあるであろう、こう思います。どうかひとつ、あらゆる努力を重ねられて、そうして事務当局も公取に結果の報告をなさったのであろうし、公取としては審判をするか勧告をするかということで、まあ審判開始ということになったのでございましょうから、十分ひとつ国民の期待にこたえるということで、積極的な取り組みをやっていただきたいと思います。
なお牛乳の問題も、これはずいぶん波紋を呼び起こしておるわけですが、これはいまのところどういう状況になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/14
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015・北島武雄
○北島政府委員 御鞭撻いただきましてありがとうございます。また公正取引委員会といたしましても、手続を踏みました上、厳正な態度でもって審決いたしたい、こう考えております。
なお牛乳の問題でございますが、牛乳の価格協定の疑いにつきましては、二つの県の問題、それから全国的な規模といたしましてメーカー間の協定あるいは小売り団体の協定、こういった疑いがあって、ただいま審査中でございます。必ずしも解決の時期は同じではございませんけれども、一応きまりましたものからどしどし決定いたしたい、こう考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/15
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016・中村重光
○中村(重)委員 そうすると、それはまだ事務局で調査の段階である、そういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/16
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017・北島武雄
○北島政府委員 さようでございます。審査部でまだ審査を続けているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/17
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018・中村重光
○中村(重)委員 そうしますと、審査が終わりますと、先ほどのカラーテレビの際に申し上げましたように、結局公取のほうにそれが報告される、それで不問にするのかあるいは勧告か審判か、そういう手続に進んでいくのであろう。御承知のとおりに牛乳の値上げの問題は、お米に次いで次の主食と言われておるだけに、国民的にも非常にこの問題については関心を持っておるわけであります。だからこれもひとつ、カラーテレビのことで申し上げたので繰り返して申し上げませんけれども、十分これも期待にこたえるような取り組みをやっていただきたい。これも小売り価格がやはり同じである。生産される価格にも、伝えられるところによると二円の値上げの場合に一円二十銭やる、それからメーカーは五十銭取るのだときちんときまっている。しかも当初は農林省が表面に出ておる。ところがあまり牛乳の値上げに対する反発というのがひどいので、実際は指導しながらみずからは引っ込んで、これを業界だけでやらしておるというような形を持っている、非常にずるい面も私はこの問題にはあるように考えております。ですから、牛乳の問題はいまの御報告で大体わかりましたから、十分ひとつやっていただきたいと思います。
総務長官がお見えになりましたから、一応お尋ねしたいことを保留をいたしまして、予算関係についてお伺いいたします。いま公取委員長から定員増の問題あるいは事務所の設置につきまして伺ったのでございますが、総務長官も御承知のとおりに、最近の公取の業務というものは非常に重要性を増してまいりました。七つの事務所がつくられたのですが、ところが一つの事務所の平均が十名強である。これではどうにもしようがないと思うのです。機構も不十分でありましょうし、またいま申し上げたように人員が非常に少ない。さらには庁費というものが少ない、旅費もないということで、活動もできないというようなことであろうと思うわけです。三百七名であった定員が二十九名増の三百三十六名でございますが、もっと大幅に機構の面に対しましても拡充をしていかなければならないでありましょうし、人員の点におきましても十分拡充をしていかなければならないと思うのでございますが、総務長官はどのようにお考えになっていらっしゃるのか。
それから、公取にお尋ねをするのでありますが、この機構の面について、取引部であるとかあるいは審査部であるとか、いろいろな機構があると思いますが、その機構の点について、もっと拡充をしていかなければならないという面が私はあるであろうと思いますが、その点をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、構想がありますれば伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/18
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019・塚原俊郎
○塚原国務大臣 経済の発展に呼応いたしまして、特に中小企業者のために、また消費者のために、公取の果たしている役割りというものは非常に大きいものがあるわけであります。ことに最近、物価問題というのが政治問題の一つの大きな課題になっておりますとき、この公取の果たすべき役割りというもの、これは非常に大きいということは重ねて強調いたしたいと思うのであります。そのための機構あるいは人員についてのお尋ねでございますが、五十一国会においてこの商工委員会から附帯決議がありましたことも私は伺って承知いたしております。その趣旨に沿いまして四十二年度の予算編成の際にいろいろと対策を練りましたけれども、高松の地方事務所の設置と二十九名の増員ということになったわけであります。今回はひとつこの程度で十分公取の御活躍を願いたいと思っておりますけれども、冒頭に申しましたような公取の果たすべき役割り、また公取に期待する面等を考えまするならば、今後機構の拡充とともに定員の増もあわせて考慮しなければならないのではないかと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/19
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020・北島武雄
○北島政府委員 本局の機構につきましては、一応かっこうはついていると私は思います。しかし内容を検討いたしますと、各部課の人員が非常に少ない。それからまた、機構といたしましては、たとえば事務局長が非常に繁忙な仕事をいたしておりますので、できれば事務局次長というものを置きたいと思いまして、四十二年度で予算を要求いたしましたが、これは途中で私のほうが折れました。それから、課にいたしましても、たとえば下請課などをもう一課ふやしてもう少し十分にやらしたい、こんな気持ちも持っております。審査のほうもさらに一課ふやしたい、こう考えておったのでありますが、四十二年度予算ではその要求を満たすことができなかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/20
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021・中村重光
○中村(重)委員 先ほど、一応この地方事務所というものは通産局のあるところに必ずしもあるわけではないけれども、地方ブロック的には設置ができたんだ、こういうことでした。ところが、東京と北陸には事務所はないのでございましょう。これは必要はございませんか。北陸と東京に地方事務所は設置していないのじゃございませんか。その必要はお認めにならないんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/21
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022・北島武雄
○北島政府委員 東京は、これは本局でただいままかなっております。それから、北陸のほうは、これは名古屋地方事務所ということでございまして、将来の問題といたしましては、北陸もほしいところでございます。将来の問題といたしましては、たとえば現在北九州だけで、南九州のほうには手が及ばないというので、南九州にもほしいということでございますが、これはだんだん順を追うて要求してまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/22
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023・中村重光
○中村(重)委員 いまあなたがお答えになりましたように、私は、九州の事情はよくわかっております。あの広い九州にただ地方事務所が一カ所だ、これではもうどうにもしようがありません。ましてや、人員の面について平均十名でしょう。これで何ができますか。現に下請関係におきましても、あなたのほうは、おそらく一カ所の中小企業下請関係の調査というようなものが何年に一回の調査しかできないんでしょう。それで、中小企業庁もやっているんだからという。中小企業庁とても同じなんです。第一旅費がありませんよ。どうすることもできないですね。だから、ブロック的に一応の事務所はできた、そういう形式でもって満足なさるべきではない。いまあなたがお答えになりましたように、人員の点についてどうにもならない、これはもう率直なお答えでございますから、私の考えておることと一致をいたしますから、別に反論はいたしませんけれども、まあ総務長官の非常に積極的な発言があったわけですが、これは発言だけでなくて、現実にそのことを実現をさしていくということでなければならぬと私は思う。東京は、これは本部が直接見ていくんだとおっしゃいます。なるほど、それは本部の人員が充実をしておるならば、私はそれでよろしいと思う。ところが、肝心かなめのその本部の人が足りないじゃありませんか。どうしてこういう広い東京都の調査にいたしましてもあるいは指導にいたしましても、そういうことができましょうか。だから、本部の人員をふやさないんだというならば、事務所を堂々と東京都には設置をされて、その中から要求をしていくということもおやりにならなければならない。そうして将来本部に吸収する必要があるということならば、それを吸収するということでもいいと私は思いますけれども、どうもこれではしょうがございません。北陸にも当然設置なされなければなりますまいし、それからその他の地区にも――私は、九州には、たとえばいまの全地域でありますのを北と南に分けるとか、いろいろなことで拡充をして、その任務を十分果たしていくということになされなければならないと思います。
それから、合併のことだけでも、私は人員の問題と非常に関係をしてくると思いますけれども、最近は、政府の集中合併の方針によって合併の申し出というものが相当あるだろう。それには、公取がこれを認めない場合もあり得る、あるいは、それを認めるということももちろんあるわけでございますけれども、最近の合併の状況は、あなたのほうからいただきました資料を見ましても、年間約一千件あるわけですね。そうすると、これは三十日の間に審判をしなければならぬということになってくると、そういう手続をなされなければいけないでしょう。ところが、このように少ない人員でもって年間一千件に達するところの合併の内容を審査することができましょうか。何人の人がこの合併の申し込みに対してその可否を検討することに携わっておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/23
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024・北島武雄
○北島政府委員 合併につきましては、ただいまお話のように、この三年間約千件弱の届け出がございます。もちろん合併につきましては独禁法上、一定の取引分野における競争を実質的に支配することとなる合併はいかぬ、こういう禁止規定がございますので、初めからその規定に堂々と触れるようなものはまあまあ非常に少ないわけでございます。一般的には、これは中小企業の合併が大部分でございます。問題にならないのがもう非常に多いわけでございます。とは申しながら、人員につきましては、本局におきまして、この合併関係を審査、調査いたしておりますのは十六人でございます。なお、小規模の合併、それから額面変更のために合併するようなものがございます。これは地方事務所の専決事項にまかしております。本局におきますのは十六名の人員でやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/24
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025・中村重光
○中村(重)委員 いまお答えをいただきましたことだけでもおおよその見当はつくと思う。これはやはり合併はやらしてはいけないというようなことだってあるだろうと思う。合併は中小企業の場合、市場支配というようなことはそうあるものではございません。ですけれども、少ない大企業の場合といえども、もっと私は十分な審判というものがなされなければならない。ところが、三十日以内で審判ができないという場合に、その当該企業が同意いたしますと、六十日の延長というのが可能ということになっておるようでありますけれども、なかなか同意というものはそう簡単に得られない面もあるかもしれない。ところが、同意しました場合は、合併を認めることを前提にしなければなかなか話がつけにくいのであろうというようなことだって一応常識的に感じられるわけです。してみると、どうしてもこういう一千件の申し込みということに対しましてもっと十分な私は調査あるいは審判というものをおやりにならなければいけないのであろうというように思います。まあこの点は、人員の問題の扱いに対しまして、十分ひとつ慎重にやっていただきたいということを要望するにとだめておきたいと思うのでございます。
それから、公取がいろいろ調査をいたしますにも、データというものが必要であろう。そういう場合に、日ごろ公取独自の立場で調査というものをやっておらなければいけないわけですね。ところが庁費が少ない、人員が少ないということになってまいりますと、勢いこれは他人にたよらなければならぬということになるのではないか。役所の資料をもらわなければならない。あるいは極端に言うと、企業側からでもいろんな資料を求めなければならない。公取独自で調査をして権威ある調査資料をつくっていくというようなことだってできにくいのではないかと思いますが、最近の状況はどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/25
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026・北島武雄
○北島政府委員 公正取引委員会の昭和四十二年度の予算が三億五千八百万円でございますが、このうち大部分が人件費、おそらく七割七、八分くらいが人件費であろうと思います。目の子算でございますが、残りが事務費でございます。非常に乏しいものではございますが、しかしこの二年間逐次予算も獲得いたしました結果、現在事務にそう支障を生ずるようなことはまあいたしておらない、こういうつもりでございます。もちろん多ければ多いに越したことはありませんが、一方、十分節約しながら十分の効果を発揮することもこれは必要でございますので、まあこの経費でもって足りないけれどもひとつ最大の効果を発揮するように、こういうふうにやらしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/26
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027・中村重光
○中村(重)委員 どうして公取の委員長、あれほど勇敢に国民の期待にこたえて大いにがんばっておられるあなたが、予算面においてそんな消極的な態度をおとりになるのですか。多いに越したことはないとおっしゃる。ところが、いまあなたがお答えになりましたように三億五千八百六十七万円にすぎない。全部の予算ですよ。しかもその中には、お答えのようにほとんど人件費であって、庁費というのは幾らですか。三千九百万円にすぎないのではございませんか。これで何ができますか。大体あなたがそういう消極的な態度であっては、第一あなたの庁の幹部の人たち、あるいは職員の人たちの期待に反しますよ。どうして委員長はああいうように消極的な答弁をするのであろうか、こういうような気持ちを持ってお聞きになっておられるかもしれません。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/27
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028・北島武雄
○北島政府委員 全体として少ないことは確かにお説のとおりでございますが、この二年間の伸び方をごらんいただきますと、これはほかの役所に比べては非常に違うと私は思います。実は私が参りましたときも、何て貧弱な事務費しかない役所だろう、こういうふうに実はあきれ返ったわけでございます。その後二年間にわたりまして事務費を要求いたしました結果、あの陰惨な庁舎も、内部の壁の塗りかえもいたしました。当初参りましたときは、はなはだびろうな話でありますが、洗面所の石けん水もなかった。それがちゃんといま入れておりますし、それから委員室なども非常に貧弱でございました。調度なども悪かった。そんなところへ置いといていいのかという感じがつくづくいたしまして、私自身大蔵省にかけ合って予算を獲得したわけでございます。決して多くはございませんけれども、過去に比べてはずいぶんよくなっていると思います。この点は職員も私は感謝してくれると思います。ことに一番問題なのは庁舎でございます。あの庁舎にいつまで置いとくんだと――私も実はあの庁舎に今度は三回目です。昔からおりましたが、参りまして、まだ公正取引委員会がこういう庁舎を使っているということで実は大蔵省と折衝いたしまして、昭和四十一年度から予算がつきまして、いまの外務省の一角、大蔵省寄りのところに科学技術庁と、それから外務省の会議室と一緒になりまして庁舎を建設する予算が入りました。これは昭和四十四年度までかかるかと思います。そういうこともやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/28
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029・中村重光
○中村(重)委員 大蔵省の渥美主計官、いまあなたがお聞きのとおりです。三億五千八百六十七万、ジェット戦闘機一台分もありません。これほど重要な役割りを果たす公取に対して、この程度の、五兆円予算の中でのわずかの予算でもって公取の重要な任務を果たせ、これは無理な注文です。庁費にいたしましても、わずかに四千万足らずです。いま資本自由化を前にいたしまして、資本の自由化がどんどん行なわれてくるわけであります。公取もそういう面には精力的な取り組みをしておるように感じられます。あとでもう一ぺん私はお尋ねをしていきたいと思うのでございますけれども、あなたはこの程度のわずかな予算、しかもこれはほとんどが人件費。旅費、事務費なんというものはいま申し上げましたようにわずかの数字にすぎないのであります。この点に対してどのようにお考えになっていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/29
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030・渥美謙二
○渥美説明員 人員も経費も非常に少ないではないかというお示しでございますが、人員につきましては、先ほど来総務長官あるいは委員長のほうからも御答弁がございましたと思います。けれども、政府といたしましては、このところ機構、人員につきましてはこれ以上はふやさない、むしろ欠員の人間すら不補充でいく、こういう基本方針をとっておるところでありますけれども、公取委員会につきましては、その職務の重要性と申しますか、その点を勘案しまして毎年増加してきており、本年度におきましても、昨年度と同様、凍結解除を含めまして三十三名の増加をした、これによって高松にも支所をつくりまして全国的な組織というものを設置した、こういうかっこうでございまして、相当努力していると考えております。また経費の点につきましても、これは仕事の性質上、どうしても人件費が中心になりまして予算が組まれるというのは、他の事業官庁と違いまして、仕事の性質上そういうかっこうになるかと用います。まあその中で業務施行費、これは少ないと言われれば少ないということかもしれませんけれども、前年度に比べますと五〇%も増加した予算を計上しておるわけでございます。そういうようなことで、いろいろ私どもといたしましても予算上努力しておりますという点は御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/30
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031・中村重光
○中村(重)委員 おっしゃるとおり人員は二十九名ふえたことに間違いない、あるいは事務費等についても増額されたことは間違いない。だがしかし、これだけふえたから公取に対してはほかと比較をして努力しておるんだ、それで満足をしろ〉おっしゃっても、これは公取というものの性質からいって、こういうことではしょうがないということです。いま公取が果たしている役割りというものを考えるならば、二十九名や三十名、五十久の増員ではしようがない。先ほど委員長の答弁によって、あなたもお聞きのとおり、東京にすら事務所がないんだ、北陸にもないんだ、その他のブロックにおきましてもあの九州全域に対してただ一カ所の事務所があるにすぎない、その人員は十名程度であるということもこれはお聞きのとおりであります。二十九名ふやした、こうおっしゃるけれども、現実には、そのふえたのにかかわらず、そういうようなわずかの人員である。しかも事務費等についても、全体でもって四千万足らずだということ。ですからふやしたからということでこれでよろしいということにはならぬと思う。私どもは公取の問題に対しましてはいつも附帯決議をつけております。また今回も附帯決議をつけなければなりません。だからして、幾らか人をふやしたからあるいは予算をふやしたから、それでもって公取の機能というものは十分拡充しておるのだというようにお考えになるということは、私は適当ではないと思う。だからもっと積極的にこの公取の問題に対しまして大蔵省も取り組んでもらうのでなければならない。ですけれども、これ以上あなたに答弁を求めましても、同じようなことの繰り返しであろうと思いますから、基本的な点に対しまして、あなたではなくて、また大臣等から考え方を聞かしていただきたいと思いますから、この点についてはお答えは要りません。
公取委員長に続いてお尋ねしていくのですが、時間の関係がございますので、ひとつ私も簡潔にお尋ねしますけれども、御答弁も簡潔にお願いします。
三菱造船の審査をおやりになったはずでございますが、この点がどういうことになっておるのか。それから時間の節約上あわせてお尋ねをいたしますが、金融機関の歩積み両建ての問題、あなたのほうで調査をしておられる結果の新聞の報道でわかったわけでありますが、歩積み両建てが最近は非常に減ってきた。これは自粛の結果であるというような期待であろうかと思うのでございますが、この点はどのようにお考えになっていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/31
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032・北島武雄
○北島政府委員 三菱造船の問題は下請関係の問題であろうかと思いますから、下請課長のほうからお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/32
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033・辻吉彦
○辻説明員 御指摘の点は、長崎造船所関係の下請の問題だと思いますが、昨年の三月に検査をいたしまして、同造船所のすべての納入業者関係について検査をいたしました結果、下請事業者がそのうち二百八十五社あるということを確認いたしました。当時同社のほうで下請事業者としてとったものよりも、拡充いたしまして、なおそれ以外に下請事業者類似のものがございまして、そのものにつきましても下請事業者と同様の配慮を払うように行政指導をいたしました。
以上でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/33
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034・北島武雄
○北島政府委員 それでは歩積み両建ての問題についてお答えいたします。
拘束預金の調査につきましては年二回実施いたしておりますが、昨年の十一月末現在に基づく調査では、借り入れ額に対する拘束預金の比率が一一・六%というふうになっております。それは前年の五月末が一四・五%、それから四十年十一月末の一九%に比べますと相当な率の減少、すなわち改善のあとを示しておるわけでございます。なお昨年の秋から大蔵省でいわゆる第二次ラウンドと称する金融機関の自粛措置を指導いたしております。したがいまして、ただいま金融緩慢な状況もございましょうけれども、全体といたしましては、現在は歩積み両建てというものは昔ほどの大きな問題ではなくなりつつある。しかし私どもいつ何どきこれが逆転するかもしれないというので監視は厳重にする、こういうつもりでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/34
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035・中村重光
○中村(重)委員 私はあなたのような解釈をとっていないのです。自粛の問題も全然ないとは言えない。私は若干あると思う。ところがまた別の手段をとっておる。定期預金という形になっている。あるいは拘束はしないのですよ、だがしかしその預金というものを引き出させないようにする。だから形式的には拘束預金という形になっていないから、いわゆる歩積み両建てというふうなことじゃないのだ。やり方がなかなか巧妙ですよ。借りるほうは弱いんだから、強い金融機関の意にさからって違った報告をしようといたしますと、なかなか弱い企業というものは借りることはできません。
それから金融事情の変化というものも歩積み両建てというものが若干減ってきたということになると思います。いまあなたの逆転ということの中にはそういうことも含まれてのお答えであったろうと私は思うのです。金融がゆるんでおりますと、これは当然そういうような銀行そのものが借りる先をさがさなければならないという形になってまいりますから、これは歩積み両建てという問題についてその影響が出てくることは当然だと思う。ですからこの一九%、一四・五%、一一・六%というようにずっと歩積み両建ての率が下がってきたということだけをもって自粛のあらわれであるとあなたが甘くお考えになってはいかぬと私は思う。いまのあなたのお答えの中からうかがわれますことは、そういうことだから、一時考えた特殊指定というものはもう必要がないのだ、そういうお考え方かもしれません。違うならば、この点についてもお答えを願いたいと思います。いま私が申し上げたこととあなたの考え方が違うのか、また今後はどういう特殊指定を中心といたしましてのかまえを持って対処しようとお考えになっていらっしゃるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/35
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036・北島武雄
○北島政府委員 私の考えも中村委員の考えとそう違っているものではございません。ただ改善されたと数字的には見える。しかしそれだからといって直ちに全体がよくなったというふうには考えておりません。たとえばお話がありましたように、一応形式的には拘束預金ではないけれども、実質上引き出せなくなったという預金もだいぶございます。お話のように定期積み金を強制されるというような問題もある。それからあるいはまた当座預金の残高をやかましく言われる、こういうようなこともアンケートの中にちゃんと出ております。しかし全体を総合して判断いたしますと、やはり昔に比べてはずいぶんよくなってきているなという感じでございます。これで直ちに安心をしておるわけではございません。金融情勢もございます。逆転のことも心配されますので、私どもはそれは厳重に監視は続けていく、こういう態度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/36
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037・中村重光
○中村(重)委員 あなたは先ほどのお答えで、全体の数字でもって比率をお答えになったわけですが、内容を精査してみると、やはり歩積み両建てというものは信用金庫、相互銀行というものはずっと比率が高いですね。ずっと減少はしてきているけれども、依然として高いのは、いま申し上げたような信用金庫とかあるいは信用組合とか、あるいは相互銀行であるとか中小金融機関であるという事実でございます。依然として金融力の弱い中小企業というものは不利な状況下に放置されておる。この事実は重視してもらわなければならぬと思うのです。もちろんただ正すというだけではなく、現在の、これは政策上の問題になりますから、あなたにそのことを御注文申し上げることは無理かもしれません。ですけれども、やはり相互銀行にいたしましてもあるいは信用金庫にいたしましても、預金コストというのは非常に高くなっています。貸し付けの場合等も非常に口数が多いという関係もあります。それだけの人件費が必要になってまいりましょうし、事務費がふえてまいります。勢いそのことが、その金利というものを引き上げていかなければならない、あるいは歩積み両建てというものも必要になってくるというように、おそらくそうした中小金融機関の人たちは主張するであろうと思います。ですけれども、中小企業というものがそういう政府の施策の谷間に放置されて不利な状態にあるということだけは私は否定できないと思いますから、そういう点に対しても十分な配慮というものをする必要があるであろうと思います。そのことに対して、特にあなたのほうでお考えになっていらっしゃることがあるならば、簡潔でけっこうでございますから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/37
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038・北島武雄
○北島政府委員 これはおっしゃるとおりだと思います。中小企業金融機関ほどよくなったとは申せ、やはりまだ歩積み両建ての率は高い、これはいろいろ資金コストの問題、その他の問題もあるとは思いますけれども、そういう状況になっております。この点については、単に全般的にゆるくなったからということで安心はしていられない。やはり中小企業のそういう面については私ども十分見ていかなければならぬ、こういう感じをいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/38
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039・中村重光
○中村(重)委員 現在あなたのほうで管理価格というものに十分な関心を持って対処しておられるというように思っているのですが、価格が硬直して何年間も動かない、そういうものが、私がずっといろいろな資料を見ましてもあるわけです。一つ一つ申し上げてみたいと思いますけれども、時間の関係から残念ですが省略をいたします。あなたのほうで調査をしておられるが、これは何としても放置できない、直ちに調査に乗り出さなければならぬとか、現に調査をしておるというようなものも、いろいろな業種あるいは企業にあるだろう。そうそう点について特に調査をしておられ、あるいはこれから調査しなければならぬという業種はどういう業種であるか、あるいはどの程度数字があるのか伺ってみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/39
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040・北島武雄
○北島政府委員 いわゆる管理価格の調査につきましては、昭和四十一年度から調査を再開いたしておりまして、これは前回三十八年度からいたしましたのと、データは新しいのでありますが、日銀の新しい卸売り物価指数をもとといたしまして、七百七十品目の中で、いろいろ取捨選択いたしまして、この六年の間に変更回数が比較的少ないもの、それから幅の狭いもの、こういったものをとらえてみまして、ごく大ざっぱにまず最初出しますと、三百三十九品目出た。その中には上昇傾向をとっておるものも含めたわけですが、その中からいわゆる公共的な規制を加えられているとか、現在不況カルテルをやっているとか、あるいは中小企業関係を除くとかいうふうに捨象いたしますと、約六十五品目残りまして、そのうちから特に昨年の秋から合成洗剤、バターにつきまして調査をいたしておるわけでございます。調査が進み次第、次から次へと他の調査、適切な物資をつかまえまして調査する予定でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/40
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041・中村重光
○中村(重)委員 私の調査した中にも、合成洗剤、これは花王とかライオンが大体生産をしておる。それからバターもおっしゃるとおり。乳業メーカーというのはたいへんこれは決算の結果を見ましても利益が上昇している。ところがこれらの価格というものは非常に硬直している。生産がふえているのだから、当然下がってこなければならない。これはいわゆる乳業メーカーというものの価格の協定というものがなされておるだろうことは否定できない。ですから、どうかこういう点を積極的にひとつ取り組んでいただきたい。そしてこれもまた期待にこたえるよう、陣容不足の中でたいへんであろうと思いますけれども、それこそ有効にそういうものを督励されて、がんばっていただきたいということを、この点は要望いたしておきます。
最近の新聞の報道で知ったわけですが、今度大手即席ラーメン会社に警告をしたということが報道されております。これは不当廉売ということで、安くなったのにも公取が目をつけて取り組むようになった。ところがどうも資本自由化を前にして、自由化対策としてこれをやると、こういう。ですから、価格をつり上げるような場合、あるいはずっと下げる、そして取引秩序を乱していくということに対しては、これは何であろうとも公取は関心を持ってこれに対処されることは当然である。ですけれども、公取も安いのにまで手をつけてやり出した、これは何というか大企業に対する気がねからそういうこともやったのだろうというような町の声もあるわけです。またいわゆる不当な廉売であるというような、そういう基準だってこれはたいへんむずかしいものだろうと思うのです。この点が確信がおありなのかどうか。またこういうことに手をつけられた基本的な一つの考え方もあろうと思うので、簡潔にその考え方を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/41
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042・北島武雄
○北島政府委員 即席ラーメンの問題は、昨年この業界でもって公正競争規約をつくりまして、景品規制を始めたわけであります。ところが大手メーカーのほうが、新製品の発売と称しまして、市販が一袋三十円のものを十七、八円で売り出したということで、それも地域を異にして、関西地方で最初始めれば、その次は九州とかというふうにやっておった。これに対して中小メーカーのほうは、それではダンピングで私どもはとてもついていけない、明らかにダンピングに違いないじゃないかという話があったわけです。私のほうでも調べてみますと、そういった廉売の結果、この一年間に大手メーカーのシェアがぐっと伸びてきているという状況がある。こうなると、これは捨てておけないということで、差別価格の疑いがあるということで、私どものほうで警告を発したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/42
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043・中村重光
○中村(重)委員 その点はわかりました。大企業が中小企業のシェアをどんどん荒らしておるというようなこと、これはひとつ厳に監視の目を光らしてもらわなければならぬと思います。同時に、物価の関係ということも配慮しながら、この点はひとつ遺憾なくやっていただきたいと思います。
次にお尋ねをしたいのですが、あなたのほうが通産省との間に産業構造改善の推進に関し同意を与えた、いわゆる覚え書き、これはきわめて重要な内容を持つものであると思うのでございますが、この点はどういうことでこういう覚え書きを――名前は竹中事務局長あてになっておるようでございますが、やはりあなたの責任においてこういうことが運ばれたのだろうと思いますから、経緯と考え方を明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/43
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044・北島武雄
○北島政府委員 たしか昨年の九月でございましたか、これは私は漏れ承ったのですが、当時の通産大臣の三木さんが、産業構造改善を進めていくについて、業界で不必要に独占禁止法との関係を心配している向きがある、この関係を公取とひとつよく調整したらどうだということを事務当局にお命じになったようであります。そうして事務当局は公取の事務当局に接触されたわけであります。当方といたしましても、独占禁止法に対しまして不必要な誤解あるいは悪意の中傷が流れましては、法の運用に当たるものといたしましてもやはり困るわけでありますから、私どもの考えているところを明らかにして、不必要な心配を与えるというのは避けなければならぬ、こういうことで通産省のお申し出に私どもももちろん賛成で、応じたわけでございます。そうして事務当局でいろいろ折衝いたしました結果、通産次官からうちの事務局長に対する意見の申し出、こういうことはどうか、それに対して公取が異存ないというふうに答えるかっこうで、ああいうかっこうとなった。私は不必要に財界が心配しているのを、その杞憂をぬぐった効果は確かにあると考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/44
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045・中村重光
○中村(重)委員 答弁はきわめて何にもないよなな、簡単なことであるというように受け取られるわけでありますが、私はそう簡単じゃない。この内容を見ると、投資調整をやるということについて、差しつかえございません、おやりなさい、こうあなたのほうはお答えになっていらっしゃるのです。投資調整をやるということになってくると、公正な自由競争ということを押えてくる結果になるということは否定できない、あなたはこの点に対する反論はいろいろあろうかと思います、反論は伺いますが、投資調整がよろしい、こういう考え方の根拠はどこにありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/45
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046・北島武雄
○北島政府委員 これは渡辺前委員長時代に、昭和四十一年の春でございましたか、通産省と話し合われたその際の結論といたしましては、その投資の調整については、独禁法違反を生ずる場合もあるから、その場合にはあらかじめ公取に相談してもらいたい、そうしたらケース・バイ・ケースで公取は判断して、独禁法に触れないかどうかを検討しようということになっておったわけであります。それに対して今度はその内容、いわゆるネガチブクリアランスを与える基準をはっきりさしたところに意味があると思います。内容は私は当時と変わっているとは思いません。ただもう一歩親切に踏み込んで考えてみて、いまの独禁法からいってどこまで許せるかという限度を研究したわけであります。それから、書き方はむずかしいのですが、こういうことであろうということで、これも何も投資調整を全部に認めているわけではない、その投資調整が現在及び近い将来の需給関係に実質的な影響を及ぼさない限り独占禁止法上問題となることはない、こういういい方をしておる。けれども、問題となる場合もあり得るが、しかし、現在の投資調整においては問題の起こる余地は少ない、こういう考え方は確かにあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/46
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047・中村重光
○中村(重)委員 それはあなたのほうは逃げていますよ。現在も、近い将来もそれが自由競争というものに影響を与えない、そういうことをだれが判断をするのですか。公取の存在というものをできるだけ否定しよう、横っ腹に風穴をあけてやろうという考え方が産業界にあることをあなたは百も御承知になっておる。そういうような企業が投資調整をやるという場合に、これは価格に影響してくるのだ、自由競争を抑制することに大きく役立つんだと考えながらも、そうなりますよということを何で言えますか。投資調整は、現在も近い将来も何にも自由競争というものを押えることにはならないのだと考えておったのだけれども、結果はこうなったのだ、こういうことになってくるではありませんか。ところがあなたのほうは一応同意を与えたということがありますから、これはあなたのほうの負担になりますよ。そうなってくると、自由競争を押えた結果にはなったけれども、そういうことで一応あなたのほうで同意を与えておったという点から、独禁法違反であるというのでこれに対して措置していくということはなかなかむずかしくなってこようと思います。ですから、そうあなたがお考えになっているように簡単ではございません。かつての特振法のことをあなたは御存じでございましょう。特振法制定の一番の柱は何でございましたか。投資調整であったではございませんか。そして適用除外にしようとしたのがあの特振法であったではございませんか。私どもはこれに対しまして、きわめてこれは自由競争を抑制することに大きく役立つ、公取の存在そのものを骨抜きにする結果になる、こういう判断からあの特振法をつぶしましたよ。そのことをあなたはお考えになるならば、投資調整を是認されるということは、廃案になった特振法をあなた自身が法律はないのにこれを認めてくるという結果になる。あなたはあなたとしての判断はありましょうけれども、私の言うことだって大きく耳を傾けるものが私はあると思う。その点はあなたはどんなお考えか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/47
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048・北島武雄
○北島政府委員 投資調整も確かに自由競争を抑制するのには役立つに違いないのであります。独占禁止法の根本観念からは好ましいものではありません。ただ現在、独占禁止法の規定からいって、はたしてそれが違法ということで論理が成り立つかというと、実は法律の構成からいって、それはむずかしい、裁判所にいったら負ける、こういった考えで、現在の法律解釈としてはあれが正しい、こう思っているわけであります。と申しますのは、一定の取引分野における競争を自主的に制限するということ、そういうような投資調整はいかぬわけですね。それで独禁法の一定の取引分野における競争というのは、すべての競争ということじゃなくて、競争の定義は独禁法の第二条にあるわけです。商品または役務の需給に関する競争ということになっている。設備投資の競争は一応その中に入らない。設備投資は一応商品の需給に影響してくることは事実です。その結果、将来供給要因が変わってくるわけでございますから、商品の需給は確かに関係ある。ところが一方、一定の取引分野における競争を自主的に制限するということはどういうことかと申しますと、これは東京高等裁判所の判決に何回もいっている。事業者あるいは事業者団体がある程度自由にその意思で価格、品質、数量その他の条件を左右することによって業界を支配することができる状態、そういっているわけです。こうなりますと、現在すでに相当な投資調整をやろうという業者がたくさんあるわけです。その中でいままで自由競争が行なわれている、それに対する増設分のあれですから、それに従って全体としてそれが商品の需給について、いま言ったような競争を自主的に制限する、すなわち業者団体が自由にその価格、品質、数量を左右する状態というのは非常に少ない、こういうふうな結論になるわけでありまして、現在の独禁法の解釈によりまして、私はこれよりかしょうがない、裁判所にいったら負けるのではないか、こういうことであの結論を出したわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/48
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049・中村重光
○中村(重)委員 かつて鉄鋼の生産調整をおやりになった。政府はこれに介入したことがある。そのときに、あなたのほうはこれに批判的であった。だけれども、その結果を見て、これは自由競争を押えていく独禁法違反であるならばそのときに立ち上がるという態度をお示しになった。またその点に対するあなたの答弁からわれわれは非常に不満に思った点もありましたが、時間の関係がありますから、当時のことを取り上げてこういうことであったじゃないかということをここで申し上げることを省略いたします。あのときは少なくともあなたのほうは批判的な態度を持って厳重にこれを監視するという態度であった。ところが今度はこれに同意を与えたというところに大きな問題があると言うのです、私は。だからそうではなくて、法に基づいて、これは法違反であるとすれば取り締まるべきものは取り締まりましょう、ですけれどもいま形のないものに対しては何とも言えないのだ、そういう態度であるならばわかります。ですけれども、山本通産次官と竹中事務局長との間に取りかわされましたこの覚え書き、きわめて内容詳細であります。これにあなたのほうは全面的に同意を与えておられるわけです。これは重大な関係があります。あなたはいま裁判に負けるとかなんとかいうことをおっしゃったのでありますが、そういうことでは答弁にならない。あらためてこの点につきましては二日に時間をとりまして考え方を伺ってみたいとは思いますけれども、そういうような考え方をあなたが持っていらっしゃるならば、あなたは産業政策というものにあまり目を向け過ぎておる。公取の存在そのものをみずから否定しておることに私は通じてくると思う。今度おとりになりましたこの態度というものは、私は当を得たものではなかったと考えます。もう一度……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/49
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050・北島武雄
○北島政府委員 そういう御意見もあり得るわけでありますが、法律的には私ども考えておるとおりだと考えております。たとえば生産調整の問題、これは直ちに一定の取引分野における競争の自主的制限ということになるわけであります。投資調整は必ずしもそうはならない。そこに大きな違いがあります。生産調整でございますと、それが直ちに市場支配の状態になるわけであります。したがいまして、たとえば行政官庁が行政指導をいたしましても、下にそういった生産調整をするためのカルテルがあれば、これは違法であるということはもちろんでありまして、これはいまでも私はそう信じております。ところが投資調整になりますと、いまの法律の構成では残念ながらそうはいかない。もちろん競争制限ということは独禁法の精神からいって私も好むわけではない。競争制限は好ましくないと思いますが、現在の独禁法の解釈ではどうもそこまでいかないというのが委員会の一致した結論であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/50
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051・中村重光
○中村(重)委員 とにかく投資調整というものは何のためにやるのですか、ねらいは。結局公正な自由競争を押えていって企業の利益を守るということ以外に何の投資調整の意味がありますか。そうじゃございませんか。はっきりしておるじゃありませんか。議論のないところですよ。それに前もってあなたのほうが同意を与えて、どんどん投資調整をおやりなさい、こういうことが公取本来のあるべき姿でございますか。これはあなたのほうでは重大な間違いをおかされたと私は思う。これは問題ですが、時間がありませんから、あらためてやります。
いま鉄鋼メーカーが生産調整をやる、これは設備の調整をやるわけですが、これに対しましてもこの覚え書きの趣旨に沿って扱っていくという考え方に立っておられますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/51
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052・北島武雄
○北島政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/52
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053・中村重光
○中村(重)委員 伺いましていよいよ問題が出てまいりました。けれどもその点も含めてあとでまたやることにいたします。
産業再編成の問題について伺いたいと思うのでありますが、産業構造高度化ということが御承知のとおり非常に強調されておるわけであります。この点に対しまして、あなたのほうとしては投資調整の問題、そういうことに対していろいろと取り組んでおられるわけです。しかしこの点は、いまいろいろ議論をいたしましたことと関係をしますから、お尋ねをすることは一応あとに回しまして、二日の日に伺うことにいたしましょう。
続いて、この下請企業の問題についてお伺いをしたいのでありますが、御承知のとおりに、資本自由化を控えまして、親企業というものが下請企業の整理というものをどんどんやる、それから取引条件というものを非常に改悪をしておる、そういう事実があらわれております。この点に対しまして具体的な事実を私は取り上げまして申し上げたいと思いますが、あなたのほうで調査をしていらっしゃる点がございましょうから、特に目についてこれは是正されなければならぬというようなことがございますならば、その点を一応伺ってから、私が調査をしていることについてお尋ねをしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/53
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054・北島武雄
○北島政府委員 下請も最近の経済情勢を反映いたしまして、若干ではございますが、改善のあとがうかがわれる、こういったことでありまして、全般的に申しまして、前よりもひどくなったというふうなことでもなさそうであります。たとえば、手形の長期サイトのものの抑制でございますが、これに対しましては、御承知のとおり、昨年中に中小企業庁と共同いたしまして、通達、指導をいたしておりますが、調査の結果も、手形期間も若干短縮せられつつあり、特に全般的にいま非常にひどくなっておるということは、私あるいは不勉強かもしれませんが、耳にしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/54
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055・中村重光
○中村(重)委員 私が調査をいたしておるところによると、これは自動車産業その他にあるのですが、ほとんど窓口企業というものをつくるわけですよ。契約は親企業と直接下請とやりません。窓口企業といろいろトンネル会社を通じてやる。そしてそのトンネル会社が公然と二%あるいはそれ以上の手数料を取る。それから非常にきびしい条件をつける、罰金制度というのをつくります。納期、納品の数というものをきめて、点数でもって、たとえば一点十円なら十円、こういうことでぴしっときめる。そして、そこで何か点検調査をやるわけでございますが、そういう際に不合格品が出た場合には、全体の中に二個か三個かあっても、全部それを返品する、そして納期におくれたんだからというので、全部に対して今度は何点になるというので罰金を取る。そして支払いをする下請単価からこれをずっと差っ引いてしまう。問答無用です。そういうような優越的な地位を利用して下請を締めつけていくというようなことが許されていいのか。そういう例がたくさんございます。これは中小企業庁長官も来ておりますから、あなたのほうも調査をしておられましょうから、ひとつあわせて公取からと長官からお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/55
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056・北島武雄
○北島政府委員 下請取引に精通していらっしゃる中村委員からのお話でございますから、そのとおりのことが相当あろうかと思います。十分お声を承りまして調査いたしたいと思います。あるいは下請課長はそういうことを百も承知かもしれません。私自身がそういうことを知らないのかもしれません。おそらく事実でございましょう。そういう点はできるだけ下請課長を通じて厳重に取り締まっていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/56
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057・影山衛司
○影山政府委員 窓口企業を指定するという傾向があることは先生御指摘のとおりでございまして、これは重化学工業化が進みまして迂回度が高まっていくことにつれまして、そういう下請の段階制をとっていくということも一つの方向であろうかと思うわけでございますが、ただ、この窓口企業が組み立て部品工場というようなかっこうをとるわけでございますけれども、単純なトンネルではないというふうに理解いたしておりますが、そういうところがきびしい下請に対する力関係による締めつけを行なうとか、あるいは手数料を取るというようなことがございますならば、それはまことに遺憾なことでございます。先般の新聞の記事も私は読んでおりますが、早急にこれも調査をさせておりますので、その点またあらためて御報告もし、指導もいたしていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/57
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058・中村重光
○中村(重)委員 この点はまだいろいろお尋ねしたい点もありますが、時間の関係からあらためてまたお尋ねすることにいたします。
最近公取が、資本自由化の対策という形で伝えられておるのでございますが、全国トマト工業会から景品類の提供を制限する公正競争規約の認可申請が行なわれて、これに対して認可をする意向だと伝えられておるのですが、この点はすでに認可なされたのかどうか、その内容をひとつ簡潔にお答え願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/58
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059・北島武雄
○北島政府委員 事務局のほうで目下調査中でございまして、近く委員会に上程されるようにただいま主管課長が申しております。委員会がありましたら十分検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/59
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060・中村重光
○中村(重)委員 不当に顧客を誘引するおそれがあるということでこれを認可するという考え方のようでありますが、この基準というのが非常に問題であろうと思うのです。不当表示、不当景品、これは国内の大企業というものもどんどんそういうことをやってきた。ところが、あなたのほうは、これに対して今日まで取り締まりというような面は、不当景品とか不当表示防止という点から手をつけられたというのは、わりあい少ないのですね。今度外資が入ってくるという段階になって、私はあえて重い腰とは言いません、手が回らなかったのだと善意に解釈しているのですが、この基準というのは非常にむずかしいのですが、あなたのほうでそれをどこに求められて認可する方針に立たれているか、その点どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/60
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061・北島武雄
○北島政府委員 これは不当景品類及び不当表示防止法に基づく公正取引規約でございますと、まず業者が自主的に規約をつくって、公正取引委員会の認定を求めるということになるわけであります。公正競争規約につきましては、これの認定基準がございまして、公正競争規約を認める場合には次のような要件がなければならない。「不当な顧客の誘引を防止し、公正な競争を確保するために適切なものであること。」「一般消費者及び関連事業者の利益を不当に害するおそれがないこと。」「不当に差別的でないこと。」「公正競争規約に参加し、又は公正競争規約から脱退することを不当に制限しないこと。」こういう法律の条文がございます。この法律の条文に照らしまして、これに当てはまるかどうかということで認定いたすわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/61
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062・中村重光
○中村(重)委員 それはわかるのです。わかるのだけれども、それは必ずしも具体的ではないわけです。だから、これはいわゆる不当なダンピングである。それからいろいろ具体的にはあるわけですね。最近非常に問題になっているところの招待旅行であるとか、あるいは不当景品をやる。あるいはこれは教育上の問題も出てくると思うのでございますけれども、最近の子供の雑誌に膨大な付録がついている、どっちが本誌かわからなくなったというようなことで、これは教育上ゆゆしい私は問題であろうと思う。いろいろなことがあるわけですね。その一つ一つ、不当表示とか不当景品という問題について私は触れないが、じゃ具体的にこれが法に触れるのだという根拠――根拠はわかるのですけれども、その基準というものが非常にむずかしくなってくる。だから、外資に対してのみきびしい態度で臨むと、これはまた国際的ないろいろな批判というものが出てくるのであろう、こう思う。最近それに変わらないような日本のいわゆる国内の大企業というものが、強い資本力にものを言わして中小企業を圧迫をしておる。先ほどのラーメンの問題のとおりであります。ですから、この点は非常に慎重にして勇断ということでお臨みにならなければ、私はいけないのではないか、こう思うのであります。いろいろそういう点から現在の法律の不備というものも直していかなければならぬ。それから不当表示、不当景品というものが、いま一本の法律になっておる、この法律を分離して内容を充実していかなければならないという点も、私はあるのではないかと思います。ですから、それらの点について最近取り組んでこられましたから、いろいろと検討されておられるのでありましょうから、構想がありますならば、それらのことに対しましてもお話をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/62
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063・北島武雄
○北島政府委員 景品につきましては、現在懸賞による景品の規制を一般的にやっております。それと各業界ごとには自主規制でやっておりますのに加えまして、それぞれ各業界ごとの景品類の提供の制限を告示している例がございます。それから、たとえば最近におきましては、業者間の景品が非常にはでになりつつある。これは結局流通経費を不必要に高めることになりまして、消費者の物価にも影響するところが少なくないのであります。こういった見地から、ごく最近事業者が事業者に対して景品を提供することに対して、規制をやっておるわけです。御承知のとおり、これは海外招待旅行という名前でもって一般的に言われておりますが、単に海外招待旅行だけでなくて、一事業者当たり年十万円をこえるような景品を提供してはならぬ、それは新しく取引を開始するとか、あるいは年額どの程度以上の取引があった者に対して提供するというふうなことでもって、いま盛んに行なわれておりますのを今回規制した、こういうことでございます。景品の提供につきましては、これはお話のように、ただ外資だけを目的とするのはいけないので、外資、内資を通じまして、不正な景品類の提供が行なわれますと、これは結局消費者がかぶることになりますので、こういう点につきましては、やはりどうしても私ども事宜に応じて業種に応じて適正な規制を加えていく必要がある、こう考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/63
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064・中村重光
○中村(重)委員 なかなかむずかしいところですよ。これは非常に重要であると思うのです。景品の問題なんかにいたしましても、あるいは広告にいたしましても、新しい店舗をつくった、いわゆる営業所を開始した、あるいは新しい製品をつくった、それを一般の国民を対象とする、それは不特定多数ということになるのか、あるいは特定のものということになるのか。物を買ってくれたからこれだけのお礼をいたしましょう、買ってくれたから海外旅行に御招待を申し上げよう、国内旅行に御招待を申し上げましょうというような、そういう純粋に景品であるという場合はわかるのです。そうではなくて、先ほど私が申し上げましたように、こういうわけで新しい製品をつくったんだからこれを御紹介いたします、あるいは店舗を開設をいたしましたから、ひとつこれからごじっこんにお願いをいたしたいというようなこと、そういうようなための招待旅行だってあるだろう。それがいわゆるこの法にいうところの不当表示であるとかあるいは不当景品という概念の中に入るのかどうか、私は非常にむずかしいところがあると思うのです。だからそれらの点について、もっとこの法の不備を直していかなければならないという点があるだろう。取り締まりをなさろうという根拠はありますけれども、具体的にこの法律にはめて、そして違反なら違反という形でこれを処罰していくという場合におきましては、非常にむずかしい問題が出てくると思うのです。それからこの点に手をつけていかれると非常に膨大なものになってまいりますから、だからして一本の法律というものも分離していかなければならぬ時期にもう来ておるのであろう。だから先ほど来申し上げましたように、予算の問題あるいは人員の問題等々とあわせて、これらの整備をしていかなければならぬという時期にあるのではないか。そういう点についてどのようにお考えになっておるか伺いたいのでありますが、私は十二時でやめたいと思っておりますので、あわせてかけ足でお尋ねします。
最近バターに見せかけるマーガリンの品質表示の公正競争規約をつくって公取委員が審査をしている。これは認可する方針であるように伝えられておるのでありますが、この点に対してはどのようにお考えになっておるか。
それから、規約をおつくりになることはけっこうでありますけれども、ところがアウトサイダーというものがあるのですね。これは先ほど申し上げた中にも、アウトサイダーというものの関係はどうなるかということを私はお尋ねしたかったのですけれども、この点を含めてお尋ねをするのですが、認可、これはいわゆる一つの事業を組合がやるわけでありますから、アウトサイダーの規制、アウトサイダーというものはこれに拘束されない。だからそういう点に対してはどういうことになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/64
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065・北島武雄
○北島政府委員 マーガリンにつきましては、バターとまぎらわしいバターリンとか、新たにコンパウンドバターとか、そういった名前で一般消費者の誤認を招くような表示をいたしておりましたが、昨年来これは指導いたしまして、公正競争規約をつくりましてそれを認定いたしました。これは実際に動いておるわけでありますが、業界といたしましては、マーガリンというと印象が悪いので、できるだけバターに似たような名前をつけておったのですが、やってみるとそうではなくて、いまのマーガリンはよくなっているのだということで、かえって正しい名前にしたために売れ行きも伸びているというようなことも業界では言っております。やはり正しい表装をみながやれば消費者も正しく認識するのだろうという一つのあらわれだと思います。これにつきましてはアウトサイダーの問題になりますと、これはあと不当表示の問題になります。一般的に不当表示の防止の規定にひっかかるということになるわけであります。業界自体は加入した者はこれに従ってやります。加入していない者は、もし公取の考えておるような不当表示になりますと、不当表示防止法に従って排除命令を受ける、こういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/65
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066・中村重光
○中村(重)委員 必ずしもアウトサイダーというもののあることが影響ないということにならぬと思うのです。一つの組合が事業をやるために認可を得る、その者はその認可されたいわゆる規約の内容によって拘束される、ところがアウトサイダーはその拘束を受けないというようなことで、実は取引秩序というものが守られないということがあるのです。環衛団体等におきましても適正配置というのがある。百メートルなら百メートルで新しい店舗を出してはならない、支店、出張所をつくってはならないということで認可を受ける。自分たちはやらない。しかし新しく新設する者は自由にどこでもやれるという問題等が出てくる。ですから、そういう点等々の弊害が出てまいりますから、むしろすべての商品――すべての商品と言うとおのずから不必要なものもありましょうが、そういうものに表示をするということを義務づけていくことを考えたらどんなものであろうか。あるいは全体の商品に対して義務づけが無理であるとするならば、特殊な商品に限ってこれを表示するというようなことを検討してみるという必要がないのかどうか、それらの点はどうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/66
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067・北島武雄
○北島政府委員 これは表示の問題になりますと、JAS規格とかJIS規格とかいう問題になるわけであります。不当表示防止の関係から申しますれば、一般消費者を著しく誤認せしむる表示はいかぬということになります。ですから私どものほうでは、どういう表示をせいということではありませんで、中身とレッテルを著しく違えるものにつきましては排除する、こういう立場でございます。もちろん公正競争規約などによりまして今後はバターリンなどという名前は使わない、マーガリンという名前を使うということはあり得るわけであります。一般的に表示の公正というようなことで、不当表示防止法ではそういうようになっております。これは不当表示をした場合にこれを排除するとか是正の措置を講ずる、こういうことになるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/67
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068・中村重光
○中村(重)委員 先ほど私が申し上げました、その法の分離の問題等々とあわせて十分検討する必要がある。法の不備、これを直していくということでなければならないと思うのですが、その点はどうお考えなんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/68
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069・北島武雄
○北島政府委員 今後不当景品、不当表示の防止の問題は、消費者を守る意味から非常に重要な意味を持ってまいると思いますので、こういう方面の行政はいままで手薄でございましたが、本年度きわめてわずかな人員でございますが、若干増員いたしまして、今後この方面については十分力を入れていきたい、こういうふうに考えております。
それからなおお話しの法の不備がございますれば、私のほうで検討いたしまして、直すのにやぶさかではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/69
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070・中村重光
○中村(重)委員 最後にお尋ねいたしますが、御承知のとおりこのコーヒー牛乳、フルーツ牛乳の問題が非常に問題になっておる。そこであなたのほうは色ものに対して牛乳という表示を取っ払え、こういうことを指示してこれを実施されたように伝えられているのですが、そのとおりであるのかどうかということですね。それから業界が反省をして、牛乳をたくさん入れて、牛乳成分というものを現実にそこでごまかさないで入れていくというようなまじめなやり方をしたとする場合も、牛乳というものを表示させないという方針であるのかどうか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/70
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071・北島武雄
○北島政府委員 牛乳の表示問題は目下まだ調査中でございますが、結論としては是正の措置を講ずる必要がある、こう考えております。なお牛乳かどうかということは、やはり一般の消費者の常識をもって考えなければいけないじゃないか。牛乳の成分が少しでも入っておれば牛乳といえるのだというふうな監督官庁のお話もあるようですが、それはどうもおかしい。一般消費者を著しく誤認せしめるようなことは常識に従って直していく、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/71
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072・中村重光
○中村(重)委員 考え方はわかるのですよ。その点は同じなんだけれども、これはフルーツ、コーヒーというだけではなかなか売れない。ところがあなたのほうの調査によっても明らかなように、フルーツ牛乳、コーヒー牛乳と書いてはあるけれども成分はほとんど入ってない、こういうことである。それで今度やかまくなったので、あなたのほうはその表示をはずさせようということでいま検討しておる。それによるとそういう方向に進むであろう。ところが今度はまじめに牛乳の成分をうんとふやして、大体これは牛乳というものにウェートを置いて、コーヒーとフルーツというものはただくっつけただけだ。逆のような、そこまでいくのかどうかわからぬが、それは牛乳と称して売ってもいいのですけれども、そこまでいかないでしょうけれども、少なくともフルーツ牛乳、コーヒー牛乳というものがなくなってしまったのでは商売にならぬ、もうからない。だからどうしてもこれはもうからせるためにも、そういうことで改めますから、この表示をはずすことだけはひとつごかんべんくださいというような形で出てきます場合も、牛乳をはずさせるという強い態度で臨まれる方針なのか、またその点に対する法的に少しも疑義がないのかどうか、そこらあたりはどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/72
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073・北島武雄
○北島政府委員 要は一般消費者がそれを牛乳と考えるのにふさわしいかどうかという問題でありまして、たとえばホモ牛乳、ビタ牛乳がございますが、これは加工乳ですが、これは厚生省令でいうところの牛乳の成分を持ってその上にさらにビタミンを入れておる。いまのフルーツ牛乳はそういうものではないわけでありまして、もしかりにお話しのように牛乳といえる程度のものを持ち、それに多少コーヒーを入れた、フルーツを入れた、これなら一般消費者を欺くことにはならぬと私は思います。しかしそうなりますかどうか非常に怪しいものだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/73
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074・中村重光
○中村(重)委員 それはおっしゃるとおり消費者を守るという立場から峻厳な態度で臨んでいただくということを私はあなたに期待をする。そうあってほしいのです。だがしかし、やはり反省してきた、そしてほんとうに消費者を守るというような態度に業界が出る場合は、また考慮するという形になるであろうと私は思っておる。
それから消費者がといいますけれども、これが改められた、そうして牛乳という表示がそのまま残されたといっても、消費者は表面から見たってなかなかわからないわけです。また飲んでみても、どの程度牛乳というものが入っておるのか、それもわからないのですから、やはりあなたのほうがこれらの扱いに対しては十分ひとつ慎重にして、き然たる態度をもってこれに対処していただかなければならないと思うわけですから、私の申し上げたようなことに対するあなたの考え方なりあるいは決意のほどを伺いたかったわけであります。
まだ基本的なあるいは具体的な問題につきましてもいろいろお尋ねしたいことがたくさん残っておりますので、あらためてひとつ二日にでもお尋ねしたいと思います。きょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/74
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075・島村一郎
○島村委員長 中谷鉄也君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/75
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076・中谷鉄也
○中谷委員 お尋ねをいたしたいと思います。
不当表示の問題についてずいぶん最近問題がたくさん具体的に――たとえば牛乳であるとか、レモンであるとか、イチゴジャムであるとか、そういうような問題がずいぶん最近続出ということばがいいと思うのですけれども、出てきていると思うのです。そこで公正取引委員会の機構、人員に関するお尋ねをいたしたいと思うのですけれども、いわゆる景品表示課でこの不当表示に関しての専任の仕事をおやりになっておる職員、これは一体何名なのか、この点についてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/76
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077・北島武雄
○北島政府委員 定員上は二名でございます。これに課長がすべて総括するので、一応三人と言えるかもしれません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/77
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078・中谷鉄也
○中谷委員 今回地方事務所の増設が提案されているわけでございまするけれども、地方事務所の職員の方が不当表示の問題についてお仕事をされるという事実はあるのかどうか、この点いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/78
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079・北島武雄
○北島政府委員 ございます。地方事務所は非常に機構は小さいわけでございますが、全員一丸となって、そのときそのときの事情に応じて同じ仕事をしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/79
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080・中谷鉄也
○中谷委員 そこで問題は、不当表示という問題につきましては、前回の委員会でもたとえば牛乳の問題が論議されたわけですけれども、要は牛乳そのものの成分と表示、牛乳でないものを牛乳として表示をした、そのことは不当表示なんだということだろうと思いますが、そういうふうな分析と申しますか、そういうお仕事は職員の方、先ほどのお話ではごくわずかな職員の方がそういう分析のお仕事等もおやりになるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/80
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081・北島武雄
○北島政府委員 そういう技術を持っておりませんので、そういう仕事はいたしておりません。もし、必要があります場合は、外部の権威ある研究所等に分析を依頼する、そういうことになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/81
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082・中谷鉄也
○中谷委員 不当表示の問題については、最近レモンそれからイチゴジャム、マーガリン、牛乳、いろいろなものが問題となりまして、またこの品物も不当表示じゃないのかというふうなことをお尋ねするつもりではないのです。ただしかし、たとえばアイスクリーム、これは夏になってまいりまして、ずいぶん子供さんにアイスクリームを買われると思うのですけれども、これも乳製品の一つに属すると思います。たとえば厚生省令によりますと、アイスクリームについての規定があるようでございますが、問題のアイスクリーム等についても、いわゆるアイスクリームと称しながら、内容の乳脂肪について実体と沿わないものがずいぶんあるように、これはしろうとでも思いつくわけなんですけれども、このようなアイスクリームについても御調査になるというふうな現在御準備があるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/82
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083・北島武雄
○北島政府委員 アイスクリームについては、私は常識の観念からいって、非常にむずかしい点があると思います。昔から食べている人も、実はクリームだと思っていないで食べている人も相当あるんじゃないか。そういう点から考えますと、アイスクリームといっていて、この値段でこの程度ということになると、はたして不当表示といえるかどうかという気がしないでもありません。しかし現在厚生省令でちゃんと規格がきまっておるということになりますと、これはまた別問題でありまして、そういう点もひとつ十分検討する必要があろう、一般の消費者の気持ちになってみてはたしてどうであろうか、そういう点も十分頭に入れながら検討いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/83
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084・中谷鉄也
○中谷委員 アイスクリームについてたとえば許されていない油を使用している、そういうふうなアイスクリームがあるというようなことについては新聞等にも報ぜられているようでございます。そういたしますと、まず前提としてお尋ねいたしますけれども、アイスクリームについては、厚生省令でアイスクリームについての取りきめがある。あるならばというふうなお答えがあったと思うのですけれども、これはあるというふうに私は理解しておりますが、この点まず、何か委員長のお答え、必ずしも御明確でなかったので、いま一度確認する意味でお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/84
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085・北島武雄
○北島政府委員 厚生省令にアイスクリーム成分規格がございますが、この乳成分は相当低い規格のようでございまして、三%。したがって実際市販されているのはこれ以上のものが相当多いんじゃないかということを担当者が申しております。これ以下であっても堂々とアイスクリームという名を使っているとすれば、これはやはり規制の措置をする必要があろうか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/85
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086・中谷鉄也
○中谷委員 こういうことなんです。厚生省で御採用になっている、何か非常に専門家でなければわからないような検出法なんですけれども、レーゼゴットリューブ法という検出法があるそうです。この方法ではその脂肪は検出できても、それが乳脂肪であるかどうか確かめることは不可能なんだ、したがって、結局この厚生省令はとにかくざる法だというような一つの批判もある、こういうことなんです。しかし、いずれにいたしましても実際のアイスクリームが、先ほど委員長御答弁いただきましたとおり、厚生省令規定の成分規格、乳脂肪分三%以上を含んでいるものが実際市販されているアイスクリームの中に多いだろうと思う――私もそういうふうに思いまするけれども、だからといって、はたしてそれが乳脂肪分でないとすれば、いわゆる厚生省令にいうアイスクリームではない。そうなってくると、したがって不当表示の問題が生じてくるアイスクリームというものは当然あり得る、こういうふうに思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/86
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087・北島武雄
○北島政府委員 お説のとおりと存じます。乳脂肪か、はたまた他の脂肪かということは、なかなか従来の検査法ではわからなかったそうでございます。最近それを検出する方法もまたわかったということも私は聞いております。やはり乳成分と書いておりましても、乳成分でなく異種の脂肪を入れている、異種の脂肪で三%以上というのを満たしているということになると、これはまた触れてまいると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/87
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088・中谷鉄也
○中谷委員 そこで私実はきょうはアイスクリームをやり玉に上げるつもりはないのです。私が申し上げたいのは、要するに、不当表示の仕事に従事しておられる職員の方の数が非常に少ない。そういたしますと、消費者の立場から申しますと、不当表示のたとえばフルーツ牛乳、牛乳でないそういうものを買わされた、これは消費者は被害者だと思うのです。そしてまたそういうふうなものを売った人は、ある意味では加害者だということに相なるだろうと思うのです。しかし、たとえば私がやり玉に上げるつもりはないけれどもと申し上げたアイスクリームなどというものについてもそのような問題を含んでいるとすれば、ずいぶん不当表示の品物というもの、商品というものは多いと思うのです。そうすると、最近問題になっておりますレモンにしろあるいは牛乳にしろ、不当表示だということで消費者保護の立場からそのことが調査の対象になるのは当然のことだと思います。またどうしてもそれはやっていただかなければいかぬことだと思いますけれども、かりに無数といっていいくらい不当表示の品物があった場合に、ある特定の品物だけ不当表示だということで調査の対象になった場合、これは結局不当表示をしている品物を売ったということについて反省をするというのではなしに、公取との関係においては被害者なんだというふうな意識さえも持ちかねないじゃないかというふうな気がいたします。したがいまして、これは不当表示の問題一つ取り上げてみましても、またいわゆる法の平等というふうな考え方からいたしましても、不当表示に関する職員の数があまりにも少ないということについて、これはどうされるのか、どうしてそういう現状に対処されるのか、この点についてひとつお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/88
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089・北島武雄
○北島政府委員 先ほど申し上げましたように、本局でわずか二名の人員でございますが、ただいままで仕事をいたしております。今度の私的独占禁止法の改正案が通過いたしますと、これが二名ふえまして四名、倍ということでございます。はなはだ乏しい人数でございますが、人員も倍になるので、これをひとつできるだけ活用してやっていきたい。だが、もちろん冗談でございますけれども、四名でいいなんて決して思っているのではありません。非常に少ない。少ないけれども、いままでとにかくこれだけの仕事をしているのであります。四名の陣容を十分フルに活用して、優秀な課長以下先頭に立ててやってみたいと思います。また、もちろん不当表示は私は段階がいろいろあると思うのです。やれば数限りありません。ただいまの陣容でやる場合には、できるだけはなはだしく著しいものからやるべきだ、こういう感じがいたしておりますが、これには消費者のふだんの声を耳にしなければいけません。消費者モニターも私どものほうでお願いしておりますが、そういう方の声もよく聞きまして、一番ひどいと思われるものを逐次やっていく、こういうのが一番適当であろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/89
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090・中谷鉄也
○中谷委員 ではお尋ねをいたしますが、非常に優秀な課長さん以下の職員四名ということでございますけれども、その四名の方というのは本来の御専門はエコノミストなんでしょうか、それともいわゆるジュリストなんでしょうか。それともいわゆる化学者、要するに食品分析などの御専門の方なんでしょうか、この点いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/90
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091・北島武雄
○北島政府委員 現在の陣容には技術者はおりません。エコノミストあるいはジュリストでございます。今後どうするかという問題でございますが、わずか二名ばかりの増員では、とても技術者を入れるということでなく、やはりジュリストなりエコノミストなりを入れまして、そして行政的な知識もあり経験のある者によってこれを推進していったらよかろう、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/91
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092・中谷鉄也
○中谷委員 それではお尋ねをいたします。不当表示の問題だけをお尋ねをしているわけではないのですけれども、そうすると委員長の御希望あるいは不当表示に対する措置等については、職権による探知、職権による御調査というふうなことについては、ほとんど何といいますかこれは努力をしても追いつかないということ。要するにその消費者からの不服あるいは申告、申し出などということによって不当表示の問題等については対処していかざるを得ない。たとえば、実は私アイスクリームの問題等についても、こういうふうな雑誌を読んでこういう問題があるなというふうなことに気がついたわけですけれども、不当表示を御専門にしておられる公取のお仕事も、何か新聞の報道であるとか、あるいはそういう雑誌に出た記事だとか、そういうようなもののあとを追っかけておられる、公取御自身が積極的に職権をもって御調査になるというふうなこと、要するに職権探知されるということ、御調査は別として、職権でまずそういうふうな事実を探知してこられるということは非常に少ないんじゃないか、こういうような気がいたしますが、実情はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/92
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093・北島武雄
○北島政府委員 不当表示の中でも不動産関係の不当表示は職権探知が多いわけです。というのは、みな新聞をとっておりまして、その中に折り込みが入っております。それを見ておりますと、おかしいという方がおりますから。ただあとの不当表示になりますと、なかなか私どもの手が及びません。もちろんお話のような雑誌もとっておりますし、新聞なども十分注意して読んでおりますが、しかしそれだけではとても足りないので、やはり一般消費者のなまの声をしょっちゅうつかんでいく必要がある、こう考えております。もちろん職権でもって十分探知する必要はあると考えております。それには現在の人員ではいかにも少ない、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/93
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094・中谷鉄也
○中谷委員 こういうふうなお尋ねのしかたが実務的であるかどうかわかりませんが、お尋ねをいたします。公取全体の職員の数、それから公取の予算は非常に少ないではないか、こういうふうな一委員のほうから公取についての非常に激励的な質疑が続いてきたと私は思うのですが、端的に申しまして、不当表示の問題に限ってお尋ねをいたしたいと思いますけれども、現在不当表示の商品というものについての一定の推定というようなものはできると思うのです。現在どれが不当表示かということは別として、この程度はあるであろうということは推定できると思うのですが、そういうふうなものを、たとえばたまたま目に入ったものが取り締まりの対象になるというのではなしに、ほんとうにそういうふうな不当表示に基づく取り締まりをしていくという意味では、実務的ではないかもしれませんけれども、公取委員長のお考えになっている職員の数、これは仕事の量などから見まして、どの程度の職員の数がなければいわゆる不当表示に関する法律の適正な運用はできないというふうなことはあり得るだろうと私は思うのです。これはそういうふうな二名だけふえてくるという現状の中での質問としては非常におかしいことかもしれませんけれども、現実にこの程度というふうなことをお答えいただければ幸いだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/94
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095・北島武雄
○北島政府委員 かねがね思っておるのでございますが、この不当表示だけでも少なくとも三、四十人は本局に要ると思います。そのほか地方に必要な人員を入れる必要があるのではないかと考えております。ところが、現在のところ、四十二年度でたった四名、実に情けない話ですが、年々ひとつ努力してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/95
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096・中谷鉄也
○中谷委員 そうすると、結局消費者の立場から言うと、不当表示の品物を買わされた者は被害者。逆に言うと三、四十名要るだろうという中で四名だけでお仕事をやっておられる。やり玉に上がったものは、いけないことかもしれませんけれども、自分だけが運が悪くてぶつかったんだというふうな、これははなはだおもしろくない結果を招来するおそれというものは私は十分にあるだろうと思うのです。要するに免れた者は免れて恥じないというふうな状況だって招来すると思うのです。そういう点から言いますと、人員の点についてもさらに増員というふうなことが指摘さるべきだと思いますが、さて、そこで今度は成分等のいわゆる分析でございますね。こういうふうなものは結局委託などをされておやりになっておられるのではないかと思うのですけれども、これには一体どの程度の御予算が使われておるのか、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/96
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097・北島武雄
○北島政府委員 庁費は三、四千万ございますうちに、分析関係として特に入るものは五十三万円程度でございます。もっともこれでも十分ではございませんが、足らなければ他の庁費を流用することは一向差しつかえないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/97
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098・中谷鉄也
○中谷委員 大体そういうふうに私もお聞きしていたのですけれども、しかしあらためて委員長の御答弁をお聞きしまして、五十三万ということでは非常に少ないという感じがいたします。そういうふうなことで、結局そうすると分析等については五十三万ということは、たとえば牛乳についてもいろいろな牛乳があると思うのですけれども、要するに不当表示で牛乳についての措置をするという場合に、牛乳についてのいわゆる分析のための費用というのは一体どのくらい必要といたしますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/98
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099・北島武雄
○北島政府委員 先日来の牛乳についての分析は、これはたいしたものではありません。二万数千円であります。それからなお分析関係の経費が五十三万円程度と申しましたが、四十二年度はそのほかに、不当表示関係で、調査委託費といたしまして、人員の不足を補う意味で消費者団体その他に調査を委託する費用が認められております。それは百五十万円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/99
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100・中谷鉄也
○中谷委員 結局そういたしますと、消費者保護という観点から、公取の職員というのは非常に熱心にお仕事をされているとしても、非常に職員の数そのものが手薄だということになってまいりますと、いわゆる消費者の協力というか、国民の協力というか、そういうものは絶対不可欠の前提になってくると思うのですが、そういう点からいわゆる現在のモニターの制度あるいはPRなどについて、委員長がお考えになりまして、さらに改善を要する諸点があるのではなかろうか、このような点についてお答えをいただきたいと思います。特に年次報告を拝見いたしますと、モニターの選び方が地域的に偏在をしているのではないかというふうな感じがいたしますことと、それから何か消費者ということでいわゆる女の方が選ばれているようなふうに私ちょっと読みましたが、この点読み方が足りなければお答えいただきたいと思いますけれども、そういうようなモニター制度の改善というふうなことについて御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/100
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101・北島武雄
○北島政府委員 モニターは、公正取引委員会が消費者行政を進めていくにつきまして非常に有効な制度でございます。昭和四十一年度におきましては二百四十名でございましたが、四十二年度は六十名ふやして三百名になっております。地域的には、御指摘のように必ずしも全国分布はよくなっているとは思いません。たしか東京が百五十、大阪が五十、その他でもってあと百でございますから、地域的にも分布は必ずしもいいとは思っておりません。ただ、この消費者モニターの制度、公正取引委員会の消費者モニターは比較的よく声を取り上げてくれるという批評がございまして、非常に応募率も高いわけでございます。昭和四十二年度、ただいま募集いたしておりますが、相当な応募率になっておりますので、このうちから適切な方にお願いいたしまして、消費者モニターを御依頼しよう、こう考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/101
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102・中谷鉄也
○中谷委員 ではあと一、二点だけお尋ねをいたします。
公取のお仕事というのは、そういうふうな消費者保護という面においては脚光を浴びてきた、同時にまた国民から期待されているわけですけれども、私自身は、先ほど中村委員の質問の中にありました産業構造改善の推進に関する独占禁止法の運用についてという覚え書きについて若干お尋ねをいたしたい点がございます。
そこで、これは決してことばじりをとらえて申し上げるのじゃございませんが、先ほど委員長の御答弁の中に、投資調整の点に触れられまして、書き方は少しまずいのだけれども、こういう御答弁がありました。そこでお尋ねをいたしますが、結局この書面の形式は通産次官のほうからの質問、公取のこれに対する答えというかっこうに相なっているわけでございますけれども、実際にこの文書が作成されました経過といいますか、それは一体どういうことなんでございますか。経過というのは――書き方はまずいのだけれども、こうおっしゃる。通産省が書いてきたのはまずいのだけれども返事をしてやったという意味ではなさそうに思うのですが、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/102
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103・北島武雄
○北島政府委員 これは事務当局同士で練り合ったものでございますが、委員会の段階になりまして検討いたしまして、必ずしもはっきりしない点がある、しかし意味はそういうことだということで了解いたしまして、委員会としても同意したわけであります。委員会にもちろん責任はございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/103
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104・中谷鉄也
○中谷委員 委員長はそのつどそのつど所信を御表明になりました。独占禁止法の運用については常に経済の推移を見ながら適切に運用しなければならないというふうな所信の御表明があるわけなんですけれども、こういうことは少なくともこの覚え書き――覚え書きと言っていいのかどうか私よくわかりませんが、皆さん覚え書きと言っておられますから私もそういう表現を使いますけれども、この覚え書きは、いわゆる独占禁止法の運用をかなり弾力的に認めている、そういうことを公取が放任せられた、あるいは承認せられた、あるいは了解せられた、お認めになったということで、逆に独占禁止法の解釈の硬直性、こういうふうなものなんだということで通産省と覚え書きをおかわしになったことによって、弾力的に運用という、そういう解釈の硬直性――運用はこういうふうな運用なんだ、今後事態の推移によってもこの運用でいくのだ、そういう運用面における解釈の硬直性というものを来たすのじゃないかということをむしろ私は指摘したいと思うのです。要するにこのことによって公取あるいは通産省、少なくとも公取はこのことによって逆に第三者、産業界に対して拘束をされる、この点についてはいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/104
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105・北島武雄
○北島政府委員 もちろん公正取引委員会が同意したわけでございますから、どこに対しても責任を負うわけでございます。
ただ、解釈の弾力的運用云々の問題でございますが、私も弾力的運用ということは非常にいやなんです。というのは、何でもかんでも法律をあめのように引き延ばして解釈できるというのを弾力的運用というのなら、私どもは弾力的運用を断じて排さなければならぬ。ただし経済の実態に即応して、そうしてその時に応じて、もし財界が心配しておるのなら、公取の解釈はこうでございますよ、これでよろしいかと通産省が言ってきた場合に、公取がほんとうに自信があるならばそれに答えるべきであります。私どもはそういうつもりでこの法律の解釈としてあのような回答をいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/105
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106・中谷鉄也
○中谷委員 公正取引委員会の職員の方々が「公正取引」という月刊誌の中にそれぞれ執筆をしておられます。非常にいいことだと私思うのですが、その中ですでに二回にわたって、合併の規制基準ということについて河村さんなどが非常に詳しいレポートをお書きになっていると思うのです。そういうようなことで、それを読めば何もあらためて覚え書きを出さなくてもいいじゃないかというふうな感じが私いたしました。むしろ合併の規制基準を二回にわたって非常に詳細にお書きになっている。そういたしますと、合併の規制基準なるものと覚え書きなるものとの間に何らかの食い違いがあるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/106
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107・北島武雄
○北島政府委員 公取の職員が自分で研究いたしましたことを「公正取引」に発表いたしますことは自由でございまして、非常にけっこうだと思っております。ただし、やはりそれが全部公正取引委員会の意見ではないわけでございます。前をごらんになればわかりますが、個人の考えであるという。あれは個人の考えでございましても、違った意見が出てくることがあります。ですから、個人の意見を「公正取引」に発表したからそれでいいということではなくて、ちゃんと通産省から正式に照会があった場合に、公取としても委員会として見解をまとめてこれに回答を与える、これはやはり公正取引委員会としてなすべき仕事だ、こう考えておるわけであります。一個人が雑誌に発表することをもってかえるということは必ずしも適当ではない。その中には公取のきまった意見のこともございましょうし、そうでない場合も非常に多いのであります。ことに独禁法関係にはそういう点がございますので、当然委員会としてはそれとは別に、委員会としてきめたならばそのとおり発表するのが適切でありまして、どこにだれが書いたからそれによってくれということはやはり言えないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/107
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108・中谷鉄也
○中谷委員 お尋ねをいたします。
従来、こういうふうな覚え書きというふうなかっこうのもので、公取と通産省の間に投資調整、合併等についてこのような文書が、内容は別として、それが今日までしばしば取りかわされているのかどうか、またいままで取りかわされたというふうな事実があるのかどうか、この点はいかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/108
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109・北島武雄
○北島政府委員 投資調整等については初めてでございます。ただし、往々にして法案提出の際に、たとえば各省の次官と事務局長でもって法律の執行について了解事項をまとめる、こういうようなことはよくございます。ただし投資調整についてはこれが初めてでございます。たとえばこのほかにも、運用につきまして覚え書き程度のことはときどきあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/109
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110・中谷鉄也
○中谷委員 では次に別の問題をお尋ねいたします。
前回、通産大臣お見えになりまして、持ち株会社の問題について平岡委員の質疑に対してお答えになっているわけです。その中で、いわゆる持ち株会社についてはいろんな型がある、もちろん、いわゆる持ち株会社というようなものについては法によって禁止されている、ただ、いわゆる法によって禁止されていない持ち株会社についてはいろんな型というものがあり、そういう中でいわゆる抜けがら方式というか、そういうようなものについて通産大臣は肯定的な立場で公取が検討していただきたいと思うのだ、こういうふうに議事録を拝見しますとお答えになっているのです。
いま一つ、時間がないようですから続けてお尋ねいたしますけれども、委員長の談話などの中に、いわゆる持ち株会社というふうな構想というものを安易に進めていった場合に、外国資本の進出の関係において非常な問題が生ずるのじゃないかというふうな談話を委員長が御発表になったような記憶があります。こういうような点について、持ち株会社について、予算委員会等においても委員長すでに御見解を御発表になっていると思いますが、ひとつお答えをいただきたい、これでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/110
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111・北島武雄
○北島政府委員 持ち株会社については、諸説紛々でいろんな議論があるわけでありますが、公正取引委員会に対しては、正当な機関からこうしてほしいという要求はまだございません。もちろん私どもといたしましても、これに対して重大な関心を持ちまして、事務局にも検討さしていますし、私自身も勉強いたしております。まだ案件が委員会に出たことはありませんから、委員会としても合議したことはございません。しかし私自身の考え方はまとまっておるわけです。私自身といたしましては、ただいまの抜けがら方式というのはやっぱり独占禁止法に触れるわけで、それを認めるには現行法を直さなければなりません。しかし、このことがどういう必要があるかということに対しては、はなはだ否定的であります。持ち株会社全般につきまして、いま独占禁止法で禁止いたしております持ち株会社、これは持ち株会社のすべてじゃなくて、株式を所有することによって国内の会社の事業活動を支配することを主たる事業とする会社、こういうことになっております。いわゆる抜けがら方式は端的にこれに触れるわけでありますから、こういうものを認める必要があるかどうかに対しては、私は否定的であります。持ち株会社そのものに対して、現在の独禁法の規定は、これを動かす必要はない、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/111
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112・中谷鉄也
○中谷委員 もう一度お尋ねいたします。私の質問について、私のほうのお尋ねのしかたに不十分な点があったんじゃないかと思いますが、要するに現在の独禁法のもとにおいて持ち株会社なんというものが禁止されている、これはもう当然だと思うのです。独禁法の規定そのとおりだと思うのです。現在のその独禁法のもとにおいて、まさに委員長おっしゃったように、諸説紛々といってもいいと思いますけれども、大体四つくらいの考え方を、持ち株会社についてこんな型があると一々申し上げなくても、委員長すでに十分御存じだと思いますけれども、それぞれの見解あるいは構想あるいは提案なるものを通産省は発表していると思うのです。そういうふうな通産省の考えている持ち株会社なんというものは、委員長の御見解では、そういうようなものはまず必要ではないのだということ、それから、まして独禁法の持ち株会社に関する規定なんというものを改正するなんてことは全く不必要なことだ、そしていま一つ、要するに通産省の考えている持ち株会社の考え方というのも独禁法に触れる可能性が十分にあるんだということなのかどうか。ちょっと時間がなくなりましたが、持ち株会社に関しての御答弁としてさらに発展さしていかなければならぬ問題だと思いますので、その点についてもう一度お答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/112
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113・北島武雄
○北島政府委員 通産省としても正式におっしゃっておる議論じゃないようであります。通産省内部でもいろいろな見解があり、あちこちにいろいろお出しになっておるようであります。いわゆる抜けがら方式というのは、端的に独禁法の第九条に触れるわけです。そういうものを認める必要があるかといえば、私は認める必要はない、こう考えております。ことに持ち株会社全体について、現在独禁法が禁止しているような持ち株会社を認めるということについては、私は認める必要はない、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/113
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114・島村一郎
○島村委員長 塚本三郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/114
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115・塚本三郎
○塚本委員 先日来、資本の自由化に伴って日本経済がたいへんな事態になっておることについて通産大臣にいろいろとお尋ねをしたわけです。そのとき通産大臣の御説明の中で、外資が入ってくる前にチェックする必要がある、入ってきてしまってからではいまのところ手のつけようがない、こういうことを菅野大臣から御答弁を承ったわけでございます。ただ、私どもの察知するところ、もしこれに対処し得る方法があるとするならば、独禁法の分野においてこれを押えるということが残されておるわずかの対処する方法ではないかというふうに考えるわけです。したがいまして、今日までの公正取引委員会のいわゆる活動、責任というものと、外資が入ってきて以後における委員会の責任というものは、おのずからさらに重みを増してくるというふうに思うわけです。すでに今日までにおきましても、外資をめぐって、新聞等によりますと、相当の混乱が発表されておるわけです。さらにこれが来月から自由化の道を開かれるということになりますと、委員会の責任は重大だと思いますけれども、これに対する委員長の決意のほどを伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/115
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116・北島武雄
○北島政府委員 資本の自由化ということは、独占禁止法的考えから言えば、原則としてはもちろん賛成のほうであります。と申しますのは、それだけ競争条件が整備されてくる、国内の産業はそれによって競争の刺激を受ける。ただ、それに伴いましていろいろな不公正な取引が行なわれたり、あるいはまた独占力を形成するようなことがあれば、これはやはり独占禁止法によって押えなければならぬ。これは内資たると外資たるとを問わないわけであります。ただし、巨大な外資が入ってくる場合におきましては、えてしてそういう不公正な取引方法をやる、あるいは独占化への道をたどらないとも限らない。そういう点に対しては、私どももいまから十分検討しておかなければならぬ、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/116
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117・塚本三郎
○塚本委員 通産大臣もそうですか、委員長も同じく自由化に対してはきわめてけっこうなことだという大前提に立って、そういう御発言があったわけでありまするが、はたしてだいじょうぶかどうか。たとえば外国の高い労賃、しかも日本人の生活環境に合わない、このような不利な条件の外国人の持つ資本が日本の中で対等に戦い、そしてこれを追い抜いていかんとする彼らの決意というものはなみなみではないと思うわけです。そうすると、日本の中で育ち日本の基盤の中ですでに戦後二十年間つちかってきました業界と太刀打ちするためには、よほど不公正な競争をしなければ太刀打ちできないということは、商人である彼ら自身が知っておるわけであります。したがって、だいじょうぶだなんという委員長のなまやさしい考え方で対処されたらたいへんなことだ。ただこれに勝ち抜く道は、膨大な資本力を背景にした不公正な経済活動のみが彼らの生き抜く唯一の道で、特に科学的なものやパテントを持っておりまするものについては、これは例外でございまするが、いま日本の国の中で育ちつつありまする業界の中で彼らが勝ち抜いていくといたしますならば、不公正な取引以外にはほとんど余地がないという状態にさらされておる業界の声というものに委員長耳を傾けておいでになるかどうか、私はもう一ぺんその点お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/117
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118・北島武雄
○北島政府委員 資本の自由化に伴いまして日本の業界の方々が心配しておる気持ちはよくわかります。私もその声を直接聞いたことはよくあるわけであります。ただしこれに対しましては、もし巨大な外資が不公正な取引方法をもってやってくるならば、独禁法というものがちゃんとあるわけですから、私どもはそれに十分備えをいたしますということを言っておるのであります。ただし独禁法の性質上、外資だから特に強く、内資だから弱いということは、やはりいけないわけであります。やはり内資も外資も同じように取り扱う。ただし巨大な外資はえてしてそういう危険があるので、私どもは十分考えておく必要があるということは常々思っておる。その備えもあって研究いたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/118
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119・塚本三郎
○塚本委員 一般の業界あるいは消費者、素朴な大衆から見ておりますと、一体公取がどこでその権限を発動してくれるのか、もちろん許された法の中における運用、そしてまた少ない人員の中でありまするから、私どもは逆に激励を申し上げこそすれ、おたくのほうの活動に対して何ら制限を加えようとする意思は持っておらないのですが、素朴な大衆の意見からするなら、もはや公取の存在そのものさえも、あることをさえも知らないような形に、それほどまでに一部の業界におきましては外資の力にいわゆるかき回されておるという印象でございます。たとえば食品界なんか顕著だろうと思っております。また昭和三十五年に日本のあのコーヒー業界は森永がほとんど圧倒的な地位を占めておったといわれております。ところが五年後の昭和四十年になりますと、すでにネッスルが七〇%、そしてマックスウエルが二〇%、このスイスとアメリカの二つの系統だけですでに九〇%を占めておるということで、あの食品界においては巨大な資本だと申し上げたい森永でさえも全然太刀打ちできなかったということで、もはや一般市民は、特にインスタントコーヒーにおきましては、まだ森永がやっておるのか、明治がやっておるのか、こんな声しか出さないほどに、わずか五年の間に姿が変わってしまったという状態。ところが一般の問屋さんやあるいは小売り店の声を聞いてみますと、あのネッスルが出てくるときの状態は、すばらしいサービスを行なってきたわけです。そしてその上にクリープを重ね、そして値段もずいぶん下げてきました。あるいはどこどこの招待旅行等はもう熾烈に行なってきたはずでございます。そこで一たびその過半数の分野を確保してしまいますと、いま問屋さんや小売り店に対して彼ら業界は何を言っておるか。投下してそして損をした分は取り返すのが商業道徳だといって、まさに現金取引といわんばかりの姿で、問屋さんたちは泣いておるという状態をいま見ておるわけでございます。そういたしますると、サービスでも何でもなかった。日本の業界を追っ払うために一時的にばく大な資本を投下して、そして消費者の目を狂わしただけにすぎない。そして九十何%という分野を確保しますると、いままで損をしたそれを取り戻すのが商業道徳だと彼らは問屋をいじめ、そういう形に出てきておるわけでございます。こういう問題、すでに過去五年あるいは七年の間にこんな形があまりにも顕著にあらわれておるわけです。これに対して公取は処置すべき方法がないというような考え方か、あるいは何らかの処置をなさったことがあるでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/119
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120・北島武雄
○北島政府委員 ただいまのネッスル等の問題につきましては、公取としていままでタッチしたことはございません。ただ、その方法が、どの外資であれ、現在独禁法で禁止しております不公正な取引方法に触れた、あるいはまた不当景品類及び不当表示防止法に触れるならば、公取としてもちろん乗り出します。おそらくいままでの方法については、その触れるおそれがなかったのではないかという感じがしないわけでもございません。もし明らかに不当な圧力がありますれば、おそらくその当時公取にも申告もございましたし提訴があったと思います。私どもはそういう例は実はその業界については耳にいたしておりませんので、あるいはじわりじわりと自然の大きな力で伸びてきたのではないかと思います。もちろん公取としては、今後このような問題に対して、不当な景品やあるいは不公正な取引をもって侵入してくるというものに対しては、断固たる備えをしているつもりでございます。たとえば先日の業者間の景品規制なども、かなり外資に対してもちゃんと大きな影響を持っていると私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/120
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121・塚本三郎
○塚本委員 そういたしますと、だれか被害を受けた業界からの訴えがなければ公取は動かないということであって、市民にいかなる声があっても、あるいは常識で見てこれはおかしいと思っても、私はしろうとだからこういうことをお尋ねするわけでございますけれども、どこかからの訴えが正式になされない限りは、公取みずから動き出すということはあり得ないのでありましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/121
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122・北島武雄
○北島政府委員 そういうことではございませんで、公正取引委員会といたしまして職権によって探知して活動をしなければならぬわけでございます。しかし、えてして不公正な取引方法というものは相対づくのことが多いわけでございまして、なかなかそこまで目が届かない。申告があればもちろん私どももそれに入ってタッチいたしますけれども、そうでないと、なかなか凡百の業界に対して、はたして不公正な取引方法が行なわれているかどうかということは、よほど注意して大ぜいの人数で見ていないとわからない。その点は人員、機構の不備をつくづく感ずるのではございますが、ただいまのところ、不公正な取引方法については、私どもとしてはできるだけ乗り出すつもりではございますが、遺憾ながら人員が少ないということでございまして、申告に期待しているという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/122
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123・塚本三郎
○塚本委員 幸い最近は新聞あるいは雑誌等がこの問題を非常に多く取り上げておるはずだと思うのです。だから委員会としても、能力は一生懸命やっていても限界があるということは私どもも察知しておりますが、私どもしろうとの目から見ましても、これはというようなことがたくさん目に映るわけです。そのときにあまり発動されたということを聞いてないわけですね。こういうようなことに対して、あればというようなことでありますが、あり過ぎて困っておるというのが業界の姿ではないかと思うのです。そういう面から、一体公取何をしておるのだ、外資だから特に大目に見ておるのじゃないかというような、これは何だか少し酷な言い方かもしれませんけれども、それくらい跳梁したという状態を私どもは耳にしておるわけであります。それにもかかわらず、専門家である委員長自身がそういうような態度でほかっておきますうちに、あちらこちらといわゆる同業者が倒れていく、あるいは買収されていく、こういう事例を見過ごしてしまうという結果になりはしませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/123
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124・北島武雄
○北島政府委員 そういうことがあってはなりませんので、私どもも今後十分勉強をいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/124
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125・塚本三郎
○塚本委員 豊年リーバの話が前にも通産大臣との話のときにも出ましたが、このときはまだ株を買い取られても額面どおり買い取ってくれた。ところが一週間ほど前ですか、日魯ハインツの場合はついにまた三〇%日魯のほうが頼んで買い取ってもらった。このときには五百円の額面でわずか三十九円、こういう形で買い取られてしまったわけです。そうしてでももはや外資とつき合うことはごめんだということで日魯は逃げてしまった。そしていま申し上げたような非常に低い額面で買い取られてしまった。聞くところによりますと、七億くらいの赤字を出して、これ以上どこまで赤字につき合わされるかわからぬというところで、損を覚悟して逃げてしまったという形でございます。しかしこの赤字の日魯ハインツの陰には、同じ日本の業界がどれほど泣いておるのか。最近やかましく言われております日本カルパックの問題、すでにこの業界は、私どもの耳に入っておるところによりますと、十億ほどの損失をこうむっておるらしいのでございます。にもかかわらずなお不当景品の乱売合戦をしてトマト工業界は混乱の中にあるという状態だと思いますが、この点気がついておいでになるかどうか。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/125
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126・北島武雄
○北島政府委員 トマト関係の景品競争について私も存じております。これについては業者間の話がまとまりまして、公正競争規約の認定申請が公取のほうにあるわけでございまして、それらの内容を審査いたしまして、適切であれば認定していきたいと考えております。今後景品の関係につきましては、特にやはり外資関係について検討する必要があるのじゃないかというふうに考えております。その関係も、仕事は一そう重大を加えてまいりますので、特に資本の自由化に伴いましてそういう方面の職員をできるだけ充実させていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/126
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127・塚本三郎
○塚本委員 業界において話がまとまったということで、これからそういうふうな認定をなさるという話、先ほど中村委員の質問にも近々とおっしゃったのですが、委員長、いつ最初申請を出されたか御記憶でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/127
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128・北島武雄
○北島政府委員 たしか昨年でございます。ただ、公正競争規約というのは、やはり相当全体の話がまとまらぬと、公取のほうから進出できません。一方景品につきましても、景品はすべて一がいにカットするわけにもならぬわけであります。不当な景品はやはり規制する必要がある、妥当な景品であればいたしかたがない、こういう関係がございます。したがいまして、業者間の意見がまとまりまして、その上で私どものほうで公正競争規約の認定、こういう段取りに相なるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/128
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129・塚本三郎
○塚本委員 相当という業者間のまとまりでございますが、一体どれぐらいの程度、パーセントまでのまとまりのことを大体基準においてみえるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/129
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130・北島武雄
○北島政府委員 これは業界によっても異なると思いますし、一がいには申しかねると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/130
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131・塚本三郎
○塚本委員 トマト工業界の問題は、昨年とおっしゃったが、一昨年、すでに昭和四十年に申請しておるはずであります。外資系一社だけが反対しておるということを、委員長御記憶でしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/131
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132・北島武雄
○北島政府委員 一社だけでなく二社だと思いますが、これはやはり景品はすべていかぬという観念ではいかぬと私は思います。不当景品類及び不当表示防止法でありますから、すべて景品がいかぬというのは、独禁法の行き過ぎです。ただ、景品競争が激し過ぎますと、消費者の利益にならぬということで、不当な景品を取り締まる。はたして不当な景品かどうかということにつきましては、これはなかなかむずかしい基準もありますので、やはり業者のほうで適正な話し合いができた上で、公正競争規約ということで持ってくるのが最も好ましいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/132
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133・塚本三郎
○塚本委員 確かに外資系二社でございまして、一社は妥協してまいりまして一社になったわけですが、それにしても、六十数社ある日本系が全部まとまって公正競争規約の申請をしておって、ただ外資系二社が反対しておるだけでいままでほっておいたというのは、あまりにも不誠意な態度だというふうに思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/133
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134・北島武雄
○北島政府委員 御批判もあるかと思いますが、私は必ずしもそう考えておりません。景品はすべて禁止するというたてまえではないわけでありますから、不当な景品がいかぬということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/134
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135・塚本三郎
○塚本委員 そういたしますと、不当という限界というのは、大体定価に対する何割とか、そういう点のおおよその――先ほども他の委員から質問もありましたが、何かある程度のそういう基準というか、きちっとしたそれはないとしても、おおよその目安というものがあると思うが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/135
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136・北島武雄
○北島政府委員 これはなかなか各人各様でもつて基準がむずかしいのでありますが、委員会の中でいろいろ議論いたしましても、はたしてどの程度が不当であるかということになりますと、個々場合場合によって違う、委員もいろいろ意見が違うということでありまして、なかなか具体的な基準を出すことはむずかしいわけであります。そこで、業者が相寄って、こういうものはいけないことにしようということで、公正競争規約をつくってこられますと、私どものほうではできるだけそれを育てていくようにいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/136
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137・塚本三郎
○塚本委員 そのことがすでに四十年にまとまって、認定してくれといっておたくへ出しておっても、いまだにいまの外資系一社の反対でできないという事実じゃございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/137
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138・北島武雄
○北島政府委員 それはこういうことであります。かりに公正競争規約を認定いたしましても、あとの反対のアウトサイダーがいままで程度の景品をつけた場合に、はたして不当景品になるのかどうかという問題があります。ですから、簡単には認定できない。認定してしまったが、しかしその後公正競争規約によるよりもよけいな景品を出す、こういうことも考えられます。その点もむずかしさがあるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/138
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139・塚本三郎
○塚本委員 先日来、委員長の前にどうも現物を見ないとぴんとこないように私察したので、きょう私現物を持ってきましたから、現物をお見せすると、委員長もいろいろと気がついていただけるだろうというふうに思うのです。ちょっと失礼でございますけれども、私これを買ってきてもらったんでございますけれども、外資系からのそれですが、この百十円の定価であるべきものを、七十九円で売っておるということですね。そしてこのガラスのおさらが一個ずつついておるわけです。大体これを普通小売り店で買ったらどれぐらいになるでしょうかといって聞きましたら、四、五十円だ、こういうんですね。そうすると委員長、この百十円のものを七十九円にして、そして四、五十円の景品をつけて、こんなことをされたら、業界は一たまりもなくつぶされてしまう。この損失の累積がすでに十億ぐらいになっているというようなカルパックの姿。なお何十億も日本の業界を押しつぶすためにこんな形で出てきたら、どういうことになるでしょうか。あるいは同じようなことがこのトマトジュースの中でも言えるわけです。三十五円か四十円の値段をつけて売っておったのが、競争の舞台に出てくるときには二十八円、そしてこれを三個買うことによってコップを一個ずつつけるという形。これは少なくとも二、三十円するわけですね。それで一個につき十円引くということになって、これは十八円になってしまう。しかも、伊勢丹デパートにおきましては、アメリカかん結め祭りと称して、これがアメリカ品として宣伝されている。天下の伊勢丹でございますよ。アメリカの品物が十七、八円で買える。日本のいわゆるトマト工業会社から幾ら安くても三十円から四十円という形で出てきますときに、もともとトマトジュースはアメリカが本場という日本人の認識の中で、こんなことを天下の伊勢丹でやられたら、一体業界はどういうことになりますか。しかも、そのことで悲鳴をあげて四十年に申請しているにもかかわらず、業界がそろわぬということで最初答弁されておったのだけれども、ことさらにサボタージュしておったとは思いませんけれども、こんな状態で置かれる。ネッスルの場合も、あれよあれよと言っている間にあの天下の森永自身が追っ払われてしまったという状態にさせられてしまった。それも永久に大衆にサービスしてくれるならばいいのですが、最近におきましては、そのシェアを独占しますと、今度は投下したものを戻すのが商業道徳だといって、問屋さんに対して、小売り商に対して、現金取引まがいの締めつけ方をしている。そうしますと、業界は手をあげますから、今度は逆に、幸か不幸か知りませんが、森永が再び追っ払ってやろうという、こういう形に態勢を整えておるということすら仄聞しているわけでございます。だから先ほどのように、永久にこういうものが実質十七、八円で日本の国民に損してでも恵んでくれるような商売をやってくれるならば、そのことはそのこととして大衆に対して意義があるかもしれません。だけれども、日本の中小企業者や業界をつぶすための手段として以外には私どもは受け取り得ないのです。このときに委員会がもう少し強い態度で出てもらわないことには、これをどうして守るのか。大臣が答弁しておいでになったように、入るときにチェックするのだと言っておりますが、これらの問題は堂々と表から来たのではないのですね。三十八年までのあの暫定的な措置として入ってきた。その措置ですらも食品工業界はこんな形になってきている。現に日本カルパックのごときは、この間に、日本の業者が公取に頼んでいるうちに、それらを追いまくって、すでに業界第二位の地位を築いてしまったのですよ。こんな形になりますと――私は名古屋におりますが、名古屋にありますコーミケチャップは、百円のものをこれと一緒に売るときには六十六円で売らねばならぬという状態にいま追い詰められてきている。この点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/139
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140・北島武雄
○北島政府委員 これは独禁法上も非常にむずかして問題であります。独禁法というものは、自由競争の維持促進をする、その自由競争の維持促進は公正でなければならない、ここに限界がある。たとえば、業界が一致して外から入るものを押しのけるやり方、これはやはり公正でない。そこに新しい企業が入って、自由競争が行なわれることによって、日本の産業の進歩がある。そうかといって、不公正な方法で入り込む場合には、これはチェックしなければならぬ。先ほど即席ラーメンの問題もございましたが、三十円のものを十七、八円で売る。これは消費者は得かもしれませんが、それによって大企業だけが伸びていく。これは非常にむずかしいのですが、今後の外資の問題に対しましては、ことに景品関係はむずかしいと思いますので、景品関係について十分今後とも気をつけていきたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/140
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141・塚本三郎
○塚本委員 一時十分までにやめてくれというお話でございますから、私これ以上深く追及いたしませんけれども、ともかくきのうこれを買ってまいったのございます。なお、アメリカかん詰め祭りとしてやっております中に、一緒に――日本カルパックは三井物産やあるいはキッコーマン醤油が半分の資本を出して日本でつくっていることは間違いない話ですね。しかし、日本人の弱点を突いて、アメリカでつくったもののごとき宣伝をして、一流デパートでちゃんとこれを売っている。あるいはまた東京都内におきまして、何十何百という店でこういう形でいま売られているという状態、これに即刻公取として手をつけていただきたいと思います。どうせよと言うのではないのですけれども、調査していただいて、何らかの形でチェックしていただくというわけにいくかどうか、この点どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/141
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142・北島武雄
○北島政府委員 業界につきましては、いま公正競争規約が進んでおるようでございますから、その問題はこれで解決するかと思います。一般的にこういったものにつきましては、今後とも公取は十分に目を光らしてまいりたい、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/142
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143・塚本三郎
○塚本委員 それでは、今度の委員会はいつでございますか、業界から出ておりますのを審査なさるのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/143
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144・北島武雄
○北島政府委員 六月の中旬ごろ事務局から委員会のほうにあがる、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/144
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145・塚本三郎
○塚本委員 四十年出されたときに、全然景品はゼロだということがいけなかった、こういうことで修正いたしますから、委員会としておっしゃるようにやりますからということで、最初お願いしておいたけれども、何らナシのつぶてであったということ、何かその間に問題があったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/145
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146・北島武雄
○北島政府委員 当初の公正競争規約は、景品は全然ゼロというような非常にきついものでございますね。はたしてそれがいいものかどうか、ほかから入っても全部アウトにするやり方ですから。しかも、現在、全部その業界については大きな業者が牛耳っておる。そういうことになりますと、日本の当該業界のために、はたしてその公正競争規約をそのまま認めていいかどうかという点にやはり疑問があるわけであります。そこで、不当景品の範囲について、公取としても十分研究する必要があるということで現在まで至ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/146
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147・塚本三郎
○塚本委員 六月中旬にやっていただくのはたいへんけっこうなことでございます。もうそんなに長くございませんから。ただ、約この二年近く、この間おっしゃるとおりに、何とかこういうものを押えたいというだけで、だからゼロというんじゃなくて、いま委員長がおっしゃったようないろいろな、いわばマッチだとかそういうものや、あるいは何%までとか、そういうことがおたくのほうでできるというなら、そういうふうにおっしゃっていただきたい、そういうふうにおっしゃっていただいたそれに従って、ということまで業界は連絡をとっておったということを言うんですよ。にもかかわらず、こんなにおくれてしまっておるうちに、ついに業界にまで出てこられてしまった。私は、この時間がきわめて貴重であったというふうに思うわけでございます。いまここでそんなこと私は責任を追及しようとまでは思いませんけれども、すみやかにやっていただきたい。こんなことをやっているうちに、中小企業者ですから、ほんとうに参ってしまうと思うのです。特にこれは一つの例でございますけれども、日本の商品取引に対する事情にうといということも外資にとっては同情すべき点があったかもしれません。しかし、最初申し上げましたように、外資がいわゆる不利な条件の中で日本の産業の中に出てくるというのは、巨大な資本をバックにした不公正な取引が中心でなければなかなか出てこられるものじゃない。こういう前提に立って、委員会としては監視の目を光らしていただきたい、こういうふうに要望して、委員長の決意をお伺いして私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/147
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148・北島武雄
○北島政府委員 当初も申しましたように、外資が巨大な力を利用いたしまして不公正な取引方法に出るおそれも多分にあるわけでございます。そういうものに対しまして、独禁法をもって備えといたしたい、私どもはこれに十分対処しなければならぬ、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/148
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149・島村一郎
○島村委員長 おはかりいたします。
本案の質疑は、これを終局するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/149
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150・島村一郎
○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、本案の質疑は終局いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/150
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151・島村一郎
○島村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がございませんので、直ちに採決に入ります。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/151
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152・島村一郎
○島村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/152
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153・島村一郎
○島村委員長 この際、鴨田宗一君外三名から、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党共同提案にかかる本案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
まず、提案者から趣旨の説明を聴取いたします。中谷鉄也君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/153
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154・中谷鉄也
○中谷委員 ただいま議題となっております附帯決議案について、四党を代表して、その提案の趣旨を簡単に御説明いたします。
まず、案文を朗読いたします。
私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
最近、公正取引委員会の任務は、物価対策、消費者保護対策、中小企業対策等の観点から益々その重要性を増している点にかんがみ、政府は、本法施行にあたり、公正取引委員会の機能の一層の強化拡充をはかるとともに、特に不当景品類及び不当表示の取締体制の強化には格段の努力を払うべきである。
以上であります。
御承知のとおり、公正取引委員会事務局の機構、人員の拡充については、ここ数年再三にわたり、本委員会において附帯決議が行なわれ、漸次、地方事務所の新設、人員の増加等、事務局の充実がはかられてまいりました。しかしまだまだ不十分であることは申すまでもありません。特に最近大きな問題となっている不当表示の関係、すなわち、土地の誇大広告、上げ底みやげ品、リンゴを使ったイチゴジャム、ゴマ油を使っていないゴマ油、牛乳マーガリン、バターマーガリンなどと称するマーガリン、レモンを使っていないレモン飲料、さらには、先週の本委員会で問題になったフルーツ牛乳、コーヒー牛乳等、まさに枚挙にいとまがない実情でありますが、この関係の担当者は、今回の改正によってもわずかに四人であり、地方事務所には専任の職員さえいないのであります。また、下請関係は、中小企業対策の上からきわめて重要であるにもかかわらず、これまた地方事務所には専任の職員がいないのであります。販売競争の激化から世間の耳目を集めている不当景品類についても、事情はほとんど変わりません。このような実情では、行政の断続化は避けることができず、好むと好まざるとにかかわらず、不公平な結果を来たすことは否定できないと思うのであります。公取の他の業務についても大同小異であります。したがって、公取の業務全般について、これが適切効果的に遂行されるよう、なお一そう機構、人員を拡充し、一般庁費、旅費等を十分に確保することが必要であります。とりわけ、不当表示の取り締まりについては、その実効を期するために、商品の品質分析の機構を含めた監視機構を早急に整備することが必要であり、地方事務所については、全般的な充実とともに、不当表示、下請関係の専任職員を早急に配置することが必要であります。こうした諸措置によって公取の機能の充実がはかられると思うのであります。
以上が附帯決議案の趣旨であります。各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/154
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155・島村一郎
○島村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
直ちに採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/155
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156・島村一郎
○島村委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。
この際、総理府総務長官から発言を求められておりますので、これを許します。塚原総理府総務長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/156
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157・塚原俊郎
○塚原国務大臣 ただいまの附帯決議の御趣旨に沿うよう政府は努力いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/157
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158・島村一郎
○島村委員長 おはかりいたします。
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本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/158
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159・島村一郎
○島村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/159
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160・島村一郎
○島村委員長 次会は明三十一日水曜日午前十時十五分理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504461X01319670530/160
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