1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年四月二十八日(金曜日)
午前十時十七分開議
出席委員
委員長 多賀谷真稔君
理事 中川 俊思君 理事 西岡 武夫君
理事 三原 朝雄君 理事 八木 昇君
理事 池田 禎治君
倉成 正君 佐々木秀世君
齋藤 邦吉君 菅波 茂君
野田 武夫君 井手 以誠君
田畑 金光君 大橋 敏雄君
出席国務大臣
通商産業大臣 菅野和太郎君
出席政府委員
通商産業政務次
官 宇野 宗佑君
通商産業省石炭
局長 井上 亮君
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四月二十四日
石炭産業安定に関する陳情書
(第一九六号)
産炭地振興対策等推進に関する陳情書
(第一九七号)
は本委員会に参考送付された。
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本日の会議に付した案件
石炭鉱業再建整備臨時措置法案(内閣提出第五
八号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504589X00519670428/0
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001・多賀谷真稔
○多賀谷委員長 これより会議を開きます。
去る四月十九日付託になりました内閣提出石炭鉱業再建整備臨時措置法案を議題とし、まず政府に提案理由の説明を求めます。菅野通商産業大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504589X00519670428/1
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002・菅野和太郎
○菅野国務大臣 ただいま議題になりました石炭鉱業再建整備臨時措置法案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
御承知のとおり、わが国石炭鉱業は、エネルギー革命の潮流の中におきまして急激かつ大規模な閉山を行なうなど各面にわたる合理化を遂行しておりますが、その経営基盤の悪化はきわめて憂慮すべき状況に置かれており、崩壊の危機に直面しております。わが国におけるエネルギーの安定供給、雇用の安定、地域経済の発展などの国民経済的観点から見まして、このまま放置することは許されない情勢に立ち至っているのであります。
このため、石炭鉱業審議会は、一年有余にわたる慎重な審議を経て、昨年七月、石炭鉱業の抜本的安定対策について答申を行ない、政府といたしましても、同年八月、この答申を尊重し、石炭対策を強力に推進する旨の閣議決定を行ない、今後の石炭対策の基本的方向を確立した次第であります。
この抜本的安定対策のための諸措置は、閉山交付金制度などの一部の措置につきましては、すでに昭和四十一年度から実施いたしましたが、大部分の措置につきましては、本年度から実施する所存であります。その中でも最も重要かつ画期的な施策といたしまして、石炭鉱業の過去数年にわたる急激かつ大規模な閉山合理化過程において発生した過重な負担を軽減するため、約一千億円の借り入れ金を財政資金により肩がわりする措置を講ずることとしております。
この肩がわり措置は、現在の石炭鉱業の危機が特に資金経理面の悪化に集約的にあらわれており、過去の資金経理面における過重なる負担を取り除かない限り、石炭鉱業の経営基盤の回復は不可能であり、将来の再建もあり得ないことに着目いたしまして、このような思い切った措置をとることといたしたのであります。また、このような画期的な措置を講じます以上は、この措置の対象となる石炭企業については、今後長期間にわたり安定的な出炭を継続するため、その再建整備について適正な計画が樹立され、かつ、その誠実な実行が義務づけられるべきであり、さらに国として、かかる企業に対して、経理、業務面における規制を一そう強化し、石炭鉱業の再建が効率的かつ適正に行なわれるよう当然配慮すべきものと存ずるのであります。今後、これらの事項につきまして国の施策を明確にするため、この法律案を提出した次第であります。
次に、この法案の内容についてその概要を御説明申し上げます。
第一は、再建整備計画に関する規定であります。肩がわり措置の対象となる会社は、財務の状況及び掘採可能鉱量が一定の基準に該当することといたしておりますが、これに加えまして、将来にわたる石炭企業としてのあり方を明確にするため、生産、販売及び財務計画、生産合理化のための措置、経営合理化のための措置並びに資本構成是正のための措置を織り込んだ再建整備計画を作成し、その計画の適否について通商産業大臣の認定を受けることとしたのであります。
第二は、元利補給契約に関する規定であります。再建整備計画の認定を受けた企業が、金融機関からの借り入れ金のうち一定額につきまして、当該金融機関との間に、借り入れ契約の内容を、財政資金については償還期間十二年、利率年六分五厘、市中資金については償還期間十年、利率年五分とし、元利均等に償還することに変更した場合におきまして、政府は、その借り入れ金の元本の償還及び利子の支払いのための補給金を交付する旨の元利補給契約を結ぶことといたしております。第三は、利益を計上した場合の納付金の規定であります。政府から元利補給金の交付を受けている再建整備会社が、財務の状況が改善された場合及び元利補給金の交付終了後五年以内に一定額以上の利益を計上しました場合には、それぞれ一定額の利益を国庫に納付させることといたしております。第四は、元利補給契約の解除の規定であります。再建整備会社が石炭の生産をやめた場合、財務の状況が一定基準以上に改善されました場合及び再建整備計画の実施、変更などについての政府の勧告に従わない場合には、元利補給契約を解除することといたしております。第五は、金融機関に対する損失の補償の規定であります。再建整備会社が石炭の生産をやめたことにより元利補給契約を解除された場合に、金融機関が元本の償還に関して損失を受けましたときは、回収できなかった元本の二分の一を国が補償することといたしております。第六は、再建整備会社に対する政府の指導監督体制の充実に関する規定であります。再建整備会社の経理の適正化と再建整備計画の適正な実施をはかるため、利益金の処分を認可制にすること、投資や重要な財産の処分を届け出制にすること、毎営業年度再建整備計画の実施状況を報告させること、再建整備計画が適切に実施されるよう政府が所要の勧告をすることができること、政府が毎年業務及び経理の監査を実施することなどの規定を設けることといたしております。
以上、この法律案の提案理由及びその要旨について御説明申し上げた次第であります。何とぞ慎重御審議の上御賛同くださいますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504589X00519670428/2
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003・多賀谷真稔
○多賀谷委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。
本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。
本日はこれにて散会いたします。
午前十時二十五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504589X00519670428/3
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