1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年五月十六日(火曜日)
午前十時三十四分開議
出席委員
委員長 亀山 孝一君
理事 大石 八治君 理事 奧野 誠亮君
理事 久保田円次君 理事 和爾俊二郎君
理事 細谷 治嘉君 理事 山口 鶴男君
理事 門司 亮君
木野 晴夫君 久保田藤麿君
佐々木秀世君 塩川正十郎君
中馬 辰猪君 辻 寛一君
渡海元三郎君 登坂重次郎君
古屋 亨君 山田 久就君
井上 泉君 太田 一夫君
河上 民雄君 島上善五郎君
依田 圭五君 折小野良一君
大野 潔君 小濱 新次君
林 百郎君
出席国務大臣
自 治 大 臣 藤枝 泉介君
出席政府委員
自治政務次官 伊東 隆治君
自治省税務局長 松島 五郎君
委員外の出席者
大蔵省主計局主
計官 秋吉 良雄君
専 門 員 越村安太郎君
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本日の会議に付した案件
地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出
第三九号)
国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関す
る法律の一部を改正する法律案(内閣提出第六
三号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/0
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001・亀山孝一
○亀山委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる地方税法等の一部を改正する法律案、及び内閣提出にかかる国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案の両案を一括して議題とし、質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。折小野良一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/1
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002・折小野良一
○折小野委員 今回の地方税法の改正案に関連いたしまして、住民税のうちの法人の均等割りの税率の改正が行なわれるわけであります。これにつきまして、法案の提案理由の説明には、法人の均等割りの税率を合理化するために今回の改正を行なう、こういうふうに説明がされておるわけでございます。今回のこの改正案が、どういう意味で説明されておるような合理化でありますのかどうか、そこをひとつ御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/2
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003・松島五郎
○松島政府委員 従来の法人均等割りにつきましては、府県は一律に六百円でございますけれども、市町村は法人の事務所、事業所の所在します市町村の人口段階別に税率に差を設けていたわけでございます。しかしながら、法人に対します税負担をどういうふうに求めていくかということは、むしろ法人そのものの規模に応じて求めていくというほうが合理的ではないかと考えられます。特に、一つの法人で全国的に、あるいは数府県あるいは数市町村にわたって事務所、事業所を設けておりますような法人は、その活動の実体が全く一つであるにもかかわらず、ある市町村では千二百円であり、ある市町村ではそれが千八百円というようなことでは、実際問題として実情に即さない面が多いというふうに考えまして、改めることといたしたものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/3
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004・折小野良一
○折小野委員 といたしますと、これは均等割りということでございますが、本来均等割りの趣旨からいたしまして、はたしてそういうような趣旨が合理的でありますのかどうか、重ねてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/4
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005・松島五郎
○松島政府委員 均等割りというものをどう考えるかという問題であろうと存じます。すなわち、均等割りというのは何が何でも全部一律でなければならないというふうにかりに考えるといたしまするならば、現在の均等割りが市町村の段階別に差を設けておること自体も問題があるわけでございます。しかし、均等割りとはいうものの、その負担能力というものを多少加味して、段階を設けた均等割りというものもあっていいのではないかという考え方が許されるといたしまするならば、それはまた一つの考え方であろうと思います。そういう意味で、均等割りだから絶対にいかなる意味の段階と申しますか、区分もできないというふうには私ども考えておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/5
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006・折小野良一
○折小野委員 従来市町村によって変わっている、しかしそれぞれの市町村におきましては均等であったわけでございます。ところが、今回規模によって変えるということになりますと、すなわち、いまおっしゃったように負担能力に応ずるということになってまいるといたしますと、所得割りにだんだん近づいてくるということでございますが、将来この均等割りをやはりそういうふうな考え方で考えておいでになるのかどうか、その点をお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/6
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007・松島五郎
○松島政府委員 規模に応じて二段階にいたしたのでありますけれども、それにいたしましてもきわめて軽度のものでございまして、これによって将来所得割りに近づいたものにしていこうというほどのものではないのでございます。ただ、いずれにいたしましても所得割りと異なりますことは、ある企業が利益をあげておりますときには、もちろんそれに応じまして法人税もあり、したがってまた法人税割りも納めるわけでございますけれども、大きな企業が一つの町で事業を経営しておりながらも、赤字が出ますと、全く均等割り以外の何ものも納めないということに相なりますので、やはり当該市町村との受益関係というようなものを考えてまいりますと、法人につきましては、場合によってはもう少し均等割りのウエートを高めるということも一つの行き方ではないか、かように考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/7
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008・折小野良一
○折小野委員 法人の均等割りにつきましては、ただいまの御説明で一応いいといたしまして、それならば、法人と個人との均衡というものをどういうふうにお考えになりますか。個人におきましても、やはり所得はなくても負担能力のある人、こういうような方々はあるわけでございます。法人について負担能力による段階を設けるというのが合理的でありますならば、個人につきましてもやはり負担能力における段階を設けていくというようなこともあり得てくるのじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/8
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009・松島五郎
○松島政府委員 個人の均等割りにつきましても、御承知のとおり昭和二十五年のシャウプ勧告の際に創設されましたときの税率が、その後、二十六年に百円ずつ下がりまして、さらに昭和二十九年に県民税ができましたときに、そのうちの百円相当額を県民税の均等割りに移したということでございますが、要するに県民税の均等割りと市町村民税の均等割りの合算額は、昭和二十六年以来据え置きでございます。そういうことから、その間に物価の水準あるいは所得水準というようなものもずいぶん変わってきておるのに、税率が据え置きであることは不合理ではないかという御意見もございます。したがって、均等割りそのものについてのあり方を再検討すべき時期が来ているというような意見もあるわけでございます。私どもも、税制調査会のそういう御意見もございましたので、いろいろ検討をいたしたのでございますが、しかし、均等割りにつきまして税率を引き上げろという問題は慎重に取り扱わなければならない問題であろうと考えたのでございます。と申しますのは、均等割りのみを納められて所得割りを納めておられない方もございます。そういう均等割りのみを納めておられる方につきまして均等割りの税率を引き上げるということは、所得割りにおける減税がかりにあったといたしましてもその影響を受けないわけでございますから、全くの増税ということになるわけでございます。そうしたことが今日の段階で適当であるかどうかということについてはなお慎重に検討する必要があるということから、均等割りの税率については、今回の改正では見送ることといたしたのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/9
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010・折小野良一
○折小野委員 今回、合理化ということで法人の均等割りの改正をしようというふうにされるのでありますならば、やはりこれは個人の均等割りにつきましても、あるいは均等割り全体について、もう少し合理化という立場からの検討がなされていいのじゃなかろうかというふうに私どもは考えます。たとえば県民税の中の個人の場合、これは市町村が徴収して県のほうに納めるということなのでありますが、そういう制度をとっております関係で、実質上百円の税収のために大体四十二円の徴税費用を市町村に返さなければならぬ、こういうような問題もあるわけでございます。こういう面は、税の効率的な運営という面からは非常に不合理だというふうに考えるわけでございます。こういうふうに、均等割りの問題につきましてはいろいろな問題があるわけでございますが、そういうような面についてのより一そうの合理化ということをお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/10
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011・松島五郎
○松島政府委員 個人均等割りの合理化の問題につきましては、県民税につきましても、ただいま御指摘のように、県民税の均等割りのみを納める方は、市町村に対する徴税取り扱い費用を出せば、手取りは五十円を若干上回る程度ではないか、そういう税金というのはおかしいのではないかという御指摘もございます。私どもも、その点についてもいろいろ検討を加えておるのでございます。ただ、ただいまのような事例は、その事例といたしましては真実でございますけれども、県民税全体の中から見ますと、徴税費が全部四〇何%というわけではございませんので、全体を通じて見ますと八%弱というふうに相なります。特殊な事例につきまして御指摘のような問題が起こるわけでございます。それにいたしましても、そういうような税が適当かどうかという問題は、御指摘のとおり問題がいろいろございます。
そこで、これを解決いたしますためには、県民税の場合で申しますと、結局税率を引き上げるということによるのか、あるいは県民税の均等割りをいっそのことやめてしまうか、どちらか二つが考えられるわけでございます。税率を引き上げることにつきましては、先ほども申し上げましたように、一般の住民負担の問題として慎重に取り扱われなければならない部面がございます。また県民税の均等割りという制度を全くやめてしまうという立場をとるといたしますならば、これは今後県民税というものを市町村民税との関係でどう構成していくかという基本的な問題をもう少し検討いたしませんと、少なくとも、現在の住民税というものは均等割りと所得割りによって構成されるというたてまえをとっておりますのを、この際根本的に改めようとするわけでございますから、その場合における負担分任というような考え方をどう取り扱うかというような基本問題にも触れますので、私どもといたしましては、問題としては御指摘のとおりあると考えながら、なお慎重にその辺の取り扱いも検討を続けておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/11
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012・折小野良一
○折小野委員 今後いろいろな面について慎重に検討してまいりたいということでございますけれども、その検討に際しましてお願いをいたしたいと思うのであります。この前からこの委員会の審議において地方税の応益性、あるいはただいま御発言の中にもありました負担分任、こういうことが言われているわけでございます。この応益性とか負担分任とか、これが地方税の税法で一番はっきりあらわれておりますのが住民税のこの均等割りでございます。こういう面を今後どのように考えていくかということが、一つの検討の考え方であろうというふうに考えるわけでございます。現在の地方財政の段階から考えますと、地方税における応益性とかあるいは負担分任の考え方、こういうような考え方は現実にあまりもう実効を持っていないのじゃなかろうか。なるほど学説的にあるいは理論的に、負担分任とか応益性とかいうことがいわれております。しかしながら、現実の地方公共団体におきましては、ただこれを一つの財源としか見ていないわけでございます。またこれを納める住民といたしましても、負担分任の精神とか、そういうものを考えて納めておるというわけではございません。まあそういうような面からいきますと、この税体系を考える上におきまして、今後こういうような基本的な問題についてもさらに考えていく必要があるのじゃなかろうか。また、現実の問題といたしましては、都道府県民税の中に占める均等割りというのは、その税額にいたしまして、ことしの数字で大体一・九%、市町村民税の中に占める均等割りというのはことしの税額で三・六%、ましてやこれを地方税全体、すなわち税財源の中に占める比率からいきますと、まことに微々たる数字になってまいります。それだけ実効がなくなってきている、こういうようなことが言えるのじゃなかろうかというふうに考えられるわけでございます。そういうような点からいたしますならば、この均等割りという制度を早晩、いっそもうやめてしまったらどうか、そのほうが現実に即したより合理的な改正じゃなかろうか、私はそういうふうに考えるのでございますが、その点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/12
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013・松島五郎
○松島政府委員 ただいま御指摘のございました地方税における応益性の原則というようなものを、そもそもどう考えていくべきかということは非常にむずかしい問題でございます。国と地方団体との間でどういう税目を選択して、どれを地方税とし、どれを国税とするかというような、いわば税目選択の場における応益性の問題というのと、それから選択された税目を税として構成していきます場合の応益性の原則というものと、まあ二通りの考え方があり得ると私は考えております。税目選択の場合には、国のほうはなるべく、全国的に徴収する税金でありますから、ある特定の地域あるいはある特定の場所との結びつきというようなものをあまり強く考える必要はないということが言えると思いますけれども、地方税の場合は、同じ幾つかの税目のうちから地方税としてどれを選択するかということになりますならば、やはり地方との結びつきの強いものを地方税として選択していくことが適当ではないか、かように考えるわけでございます。そういう意味の応益性というものは、やはり地方税を構成いたします場合には考えておくべきものであろうと思うのでございます。
次に、そういうふうに選択しました場合に、地方税というのは応益の原則に従って選択をしたのだから、何が何でも応益的な性格を無理にでもつけなければならぬかどうかという問題になりますと、これはやはり問題があろうと思います。やはりそういう選択基準に従って選択をいたしましたものにつきましても、税として構成をいたします場合には、負担能力という面を十分考えた税金となるような構成の仕方を、それぞれの税目についてはまた考えていかなければならぬ面が最近は特に強くなってきていると思います。したがいまして、その辺を十分検討いたしまして、今後地方税というものを考えていきたいというふうに考えておるものでございます。
それからなお、均等割りのウエートがだんだん低下してきておりますことは御指摘のとおりでございまして、住民税の均等割りというのは、昭和二十五年ごろにはたしか市町村税収入のうちの五%ぐらいを占めていたと記憶いたしておりますけれども、現在では先ほど御指摘のように二%と、市町村税だけでは非常にウエートが下がってきておるのでございます。こういうことから、いっそのことやめたらどうかという御議論もございます。また一方においては、均等割りというようなものは人頭税的な性格を持っていて、前時代的な税金であるから、そういう意味でもやめたらどうかという御意見もございます。そういう御意見の方も、いま急にやめることができないなら税率の調整というふうなことをせずに、そのままにしておけば相対的なウエートが下がっていって、やがてやめたも同じような効果になるんだから、そういうふうにしておくべきだという御意見の方もございます。しかし他面、この市町村民税につきましては、先般来問題になっておりますような課税最低限というような、所得割りについて問題が非常にやかましくなってきておりまして、課税最低限を引き上げてまいりますと、納税義務者はだんだん減ってくるわけでございます。特にいなかの町村に参りますと、所得割りの納税義務者というものが非常に少なくなっている現状でございます。その場合に、その地域社会に限定して考えてみますと、やはりそれぞれ見方がまたいろいろございまして、あのうちが所得割りも納めないし、また住民税も一銭も納めないのはおかしいじゃないかという、やはりその社会における不公平感というものが別にあるようでございます。したがいまして、私どももいろいろ町村長さんの御意見などを伺いますと、やはり均等割りをもう少し上げてもらわなければ、自分の町では税の公平感が得られないというような訴えをなさる方もあるわけでございまして、その辺は私どもも今後実態を十分調査をいたしまして、この問題の取り扱いを定めていきたい、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/13
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014・折小野良一
○折小野委員 ただいまの御説明の中で、税の選択の場合に応益性を考慮する、これは当然であろうと思っております。私がさっき、やめたらどうかというふうに申し上げましたのは、第二の、選択された税目の中で特別に応益性を考慮する必要はないんじゃないか、またそれは現実に即していないんじゃないか、こういうふうに申し上げたわけでございます。したがって、今後市町村税の税目をどういうふうなものにするかという点につきましては、全体的な立場から、しかも市町村の応益的な立場を考慮してきめらるべきであるというふうに考えます。その税の賦課そのものにつきましては、もっと現在の時世に適応した合理的な課税の方法というものがなされていいんじゃないか、こういうふうに考えておるわけでございます。もちろんこれについてはいろいろな説もありましょうし、またいろいろな立場から現在検討しておるというふうにおっしゃっておるわけでございます。私どもが考えますのに、はたして均等割りがただいまおっしゃるような公平なものであるかどうか、ここにもやはり問題があると思っております。なるほど住民に、均等割りをとってしまった場合の不公平感というものもありましょう。しかしながら、均等割りではたしてその不公平感が救われるかどうかといいますと、これは必ずしもそういうわけにはまいらないのであります。したがってそういう面を考慮した、いわば財産税的なもの、こういう面の新たな制度というものが必要じゃなかろうかというふうに私どもは考えております。しかしながら、現時点におきましてはいまの均等割り、こういうものは決して現実に即したものではない、かように考えておるわけでございます。
ところで、住民税の課税最低限の引き上げの問題があるわけでございまして、先般のこの委員会の質問におきましても、この最低限を六十万程度にした場合においては千二百億くらいの財源がかかる。したがってなかなか容易にはできないんだ、こういうような御説明がございました。確かに千二百億を何とかするということは、右から左には容易にはいかないだろうと思っております。しかしその前の段階におきまして、均等割りを廃止するということになりますならば、予想される今年度の税額で大体百六、七十億でございます。これくらいの減税をまずとりあえずやる、これも一つの方法ではなかろうか。また均等割りをなくしてしまうということは、いわゆる下に厚く上に薄いと申しますか、そういう意味におきましてはいわゆる社会福祉的な減税、そういうようなことも言えるのではなかろうか。また額から言っても、減税するにふさわしい額じゃなかろうか。減税について、均等割りを廃止するということをお考えになりますかどうか、お伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/14
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015・松島五郎
○松島政府委員 先ほども申し上げましたように、均等割りにつきましてはいろいろな問題があることは御指摘のとおりでございます。また先ほど申し上げましたように、最近住民税の課税最低限もだんだん引き上げてきておりますと、いなかへ参りますと、ほとんど住民税の所得割りを納める方というのは限られた方になってきている。しかし、町村ならその町村の中での均衡という面からいえば、やはり町村民である以上は、あのうちが一銭も税金を納めないのはおかしいではないか、せめて均等割りを納めてしかるべきであり、またその均等割りももう少し高額と申しますか多額のものを納めていただいてもいいのではないかという声が相当強くございます。しかしながら、所得の計算をいわば機械的に把握いたす限りにおきましては所得割りの課税対象にならないという状況でございまして、その辺を常識的に見ます負担能力というものと、所得計算上で見ます負担能力と申しますかそういうものの違いというようなものが、いなかに行けば行くほど目立っているという感じがするのでございます。そういう点から、均等割りだからといって一律に廃止してしまうということも、かえってそういう地方団体においては不公平感を一そう助長するというような問題もございますので、ただいま御指摘のように、税額にいたしますと百数十億ではございますけれども、いますぐに廃止するということは私はできないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/15
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016・折小野良一
○折小野委員 あの家が税金を一銭も納めないのは不合理ではないか、こういう感じももちろんあります。と同時に、おれの家があの家と同じ税金を納めているというのは不合理ではないか、こういう考え方も当然あるわけであります。そういうような点からいきますならば、これは昔に返るということになりましょうが、昔の見立て割りですか、そういうような考え方で税金というものはやはりあっていいような気もいたします。しかしながら、税金はもともとその能力のないところにかけるというわけにはまいりませんので、所得割りを納める人がだんだん少なくなってくるということは、やはりそれだけ国民が十分な能力がないのだということの実証でもあるわけであります。したがって、税金を納めない人が多い少ないということによって問題を考えるのでなしに、どれだけ合理的に税の負担が行なわれておるか、それによって適当な行政が行なわれ得るかどうか、こういう面から考えていかなければならぬというふうに思っております。そういうような意味におきまして、この均等割りにつきましてはいろいろな立場から検討したいということでございますから、早急に実現するような検討を進めていただくように特にお願いをしておきたいと思います。
次に、今回の改正におきまして固定資産税の中で、重油にかかる水素化脱硫装置について、課税標準の算定上特例を設けた、こういうことになっております。これはいわゆる公害対策ということのために税法上の優遇措置を行なおうということだと思うのでありますが、それにつきまして、「政令で定めるもの」ということになっておりますが、現在政令で定めることを予定しておられるものはどういうものであるか、承知いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/16
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017・松島五郎
○松島政府委員 重油脱硫装置につきましては、国税のほうでも特別償却を認めるということになっておりますので、その特別償却の対象となりますものと範囲を同じくいたしたいということで、「政令で定めるもの」、こういうふうにいたしたいと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/17
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018・折小野良一
○折小野委員 現在政府におきましては、公害対策基本法を提案しようというような段階になってまいっております。また、わが国におきまして、現在全国的に公害というのが非常に大きな問題になっております。こういう問題に対する取り組み方の一つといたしまして、適当な公害防除装置に対して助成を行なうということは、適当な施策であろうと私ども考えておるわけでございます。しかし、公害の態様というものは非常に多くの形、それから多くの程度を持っております。これに対しますいろいろな防除装置あるいは施設というようなものはいろいろあるわけでございます。今回、水素化脱硫装置を取り上げられたことはけっこうといたしましても、その他の装置、たとえば集じん装置であるとか、あるいは汚水の浄化装置であるとか、こういうようないろいろなものについて、どういうふうにお考えになっておるか、お伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/18
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019・松島五郎
○松島政府委員 公害対策の一環といたしまして、汚水処理施設でありますとか、あるいは地盤沈下の場合の施設でありますとか、そういったものにつきましても、従来から地方税法の中で特例が設けられてきたものもございます。ただ、この公害施設、あるいは公害対策もそうであるかも存じませんが、非常にむずかしい問題は、きわめて相対的な問題でございまして、山の中にただ一つそういうものがあるからといって、直ちに公害が起こるというふうに一般には考えられませんので、やはり一つの集団をなして、いろいろな廃棄なら廃棄が累積していくというところに、公害が起こってくるというような問題もございます。したがいまして、その施設の所在します地域と施設との相関関係というものを中心にして考えていきませんと、それだけで公害が決定的に起きるというものももちろんございましょうけれども、そうでないものもございまして、それらを何か一律に地方税を減免しさえすれば問題が解決するというわけにはまいらない問題がございます。そういう取り扱いの問題がございます。たとえば騒音施設ということになりますと、これは全く山の中にそういう施設があるということを考えること自体がおかしいかと思いますが、かりにそういうところにあったといたしますと、それほど問題にはならないという問題もございますので、私どもも、そういった関係を合わせ考えながら、取り扱いを定めてまいりたいということにしておるのでございます。
現在行なっておるものとしては、大気汚染の防止対策といたしましては、集じん装置等を含めましたばい煙処理施設を非課税といたしております。それから、放射性の廃棄物の処理施設につきましては、課税標準の特例を設けております。それから、重油脱硫装置につきましては、ただいま改正案で提案をいたしておるところでございます。それから、水質汚濁の防止対策といたしましては、工場排水等の規制に関する法律に基づきます汚水処理につきましては非課税。それから、公共の下水道の使用者が設置する除害施設につきましても非課税といたしております。それから、海水の汚濁防止のための廃油処理施設、これは今度新しくこの関係の法律案が別途提出されておりますけれども、これにつきましても課税標準の特例を設けることといたしております。それから、地盤沈下対策といたしましては、工業用水道への強制転換施設につきましては非課税といたしております。それから、鉱害防止施設といたしまして、鉱津、鉱水、鉱煙の処理施設につきましては非課税といたしております。そのほか、爆発物事故防止対策として、火薬庫の土堤あるいは防爆壁というようなものにつきましては非課税、高圧ガスの事故防止のための障壁につきましては非課税といたしております。こういうようなことを固定資産税において講じておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/19
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020・折小野良一
○折小野委員 公害防止の対策がいろいろ進んでいきますことは、たいへんけっこうなことでございます。できるだけそのような施設を奨励する、そういうふうな対策も必要であろうと思っております。
ところで、現在わが国の公害対策というのは非常におくれておるというふうにいわれておるわけでございます。新たに開発を要するものがたくさんあるわけでございます。このようなものにつきまして、特にその奨励の意味における減免措置が考えられないのかどうか、お伺いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/20
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021・松島五郎
○松島政府委員 先ほども申し上げましたように、公害対策と申しましても、その地域とその施設との相関関係というものが一つの問題点でございますので、新しいものすべてを今後課税標準特例なり非課税にするということはなかなか困難が多いと思います。また、他面におきまして、企業といえども、やはり公害の発生をみずから防ぎつつ活動をしていかなければならないという社会的責任も負わされておるものと考えるのでございまして、それらとの関連をどう考えていくかという問題もございます。したがいまして、今後もこういう問題を考えます場合には、やはり個々に具体的な実態に即して判断をしてまいりたいと考えるものでございますが、そういう意味で、ただいま御指摘のありましたような、ただ公害防止施設と名がつけば何でもというわけにはまいりませんけれども、いま申し上げましたような観点から、個別的に実態に即して適切な措置を講じていきたいと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/21
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022・折小野良一
○折小野委員 地域との相関関係のことにつきましては、確かにそういうような実態というものがあるわけでございます。したがって、そういう面を考慮し、また、地域のいわゆる地方自治というものを考えますならば、国において税法ではっきりとどれどれについて減免を行なうとか、あるいは特例措置を行なうということでなしに、これらの公害防止施設につきましては、それぞれの地域の実態に応じて地方公共団体が減免その他を行なう、こういうような規定のあり方というものが、より一そう地域との相関関係を考慮したあり方であろうと思うのでございます。そういう面に対するお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/22
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023・松島五郎
○松島政府委員 御指摘の点は、確かに私どもも一つの行き方であると考えております。ただ、従来の例から申しますと、どうしても企業誘致という問題と企業に対する減免という問題とがからみ合ってまいりますと、地方団体側としては、企業誘致のためには多少税の面で甘くなるという傾向を持っているのではないかという点を、これは私どもの杞憂かもしれませんが、心配をいたしているのでございます。そういう面から、工場誘致条例が乱に流れるというような御指摘も先日の委員会であったわけでございますが、そういうような形に、また公害対策という面でなってはまた問題もございますので、その辺のことも十分検討いたしました上で結論を得たいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/23
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024・折小野良一
○折小野委員 ただいまの問題はひとつ御検討願いたいと思っております。もちろん甘きに流れるという傾向がなきにしもあらずであると思います。しかしながら、それは一応地方税法で一定のワクをはめて、その範囲内においてその地域との相関関係を考慮するという方向で押えるということはできるはずでございますので、その点も十分御検討願いたいと思います。
それから次は電気ガス税の改正でございますが、紙の製造の用に供する電気に対しまして、電気ガス税の税率を当分の間百分の七から百分の五にするということでございます。この前の委員会におきましてもいろいろな質問があり、また御答弁もあったわけでございますが、特にお伺いいたしたいのは、紙の製造というのは、昔から今日までずっと行なわれてきておるわけであります。最近新たに紙の製造が始まったわけでも何でもございません。もちろん紙の製造に対して、今日までも電気は使ってきておるはずであります。それが今日どうして、それを適用することによって百分の七から百分の五とする、こういう特例の措置をしなければならない事態になったのか、この点が私ども、ちょっと納得がいかないのでありますが、御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/24
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025・松島五郎
○松島政府委員 ごもっともな御質問でございます。紙は昔からあるわけでございますけれども、この五%になるかならないかという問題は、やはり相対的な問題でございまして、たとえば大量生産方式を取り入れる、あるいは機械設備を改善するというようなことが一般に行なわれて、ほかのコストが下がってくるというような場合には、電気料金の割合が相対的に上がるという場合もございます。逆に、賃金その他が上がってまいりまして、他のコストが上がっていけば、電気料金のコストが相対的に下がるという場合もあろうと思います。あるいはまた使用する電力料金が上がってくれば、電気料金の割合が上がってくるという問題もございます。そこで、従来幾たびか資料について検討をいたしてまいりましたけれども、五%すれすれのところで、私どもは五%ならいい、通産省あたりは五%を上回るのだということで、見解が対立をいたしておった時期もございます。最近の資料によってとってまいりますと、これはもう確実に五%をこえるという状態でございますので、したがいまして、非課税の基準に該当するということで、本来は非課税にすべきところであったのでございますけれども、関係地方団体に与えます影響も考慮いたしまして、税率を軽減する、こういうことにいたしたのでございます。したがいまして、今後も、現在非課税品目にありますものも含めまして、ときどき実態を明らかにいたしまして、現在非課税品目の中に入っておりましても、五%を切るというようなものが出てまいりますと、これは整理をしていかなければならない、かように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/25
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026・折小野良一
○折小野委員 最近電気料金が上がったということも別に聞いておりません。といたしますと、いまの説明によりますと、他の原料のコストが下がったか、あるいは合理化その他によって人件費が相対的に下がったか、こういうようなことを意味するんであろう。その関係で結局五%になったんであろうというふうに考えます。と申しますことは、会社の経営その他から見ました場合においては、必ずしも減税しなければならないほんとうの理由というものは起こっていない。むしろかえってよくなっておる。そういうところにどうして減税をしなければならないか、その理由が私ども納得できないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/26
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027・松島五郎
○松島政府委員 これも先日から御議論がございますように、会社の収益が上がる、上がらないという問題についての税は、法人税割りなりあるいは事業税なりの問題について、それぞれ別途に把握されるわけでありまして、電気ガス税は、会社がもうかっておるから取るんだ、もうからないから取らないんだという税金ではないのでございますので、判定の基準は、おのずからそこに別のものがあるというふうに御理解をいただきたいと存ずるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/27
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028・折小野良一
○折小野委員 もうける、もうけないということに関係がないということでございます。それなら別の理由がある、そういう政策的な理由というものはどういうことでございましょうか。税法で明らかに減税をいたします以上、政策的な理由というもの、それから期待される効果というものが当然なければならないわけでございます。その点について御説明願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/28
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029・松島五郎
○松島政府委員 これももうすでに御承知のことと存じますけれども、従来から産業に対します電気ガス税の、非課税の取り扱いをどうするかということが、長い間問題になってきたわけでございます。現在は重要な基幹産業であって、その製品中に占める電気料金の割合が五%以上のものを一応基準といたしまして非課税品目の中に入れていく、こういう取り扱いをいたしているのでございます。そういう判定基準から申しまして、電気料金が五%以上になりました紙につきましてもこの際、本来、先ほど申し上げましたように非課税とすべきところでございましたけれども、関係団体に対します影響も考慮して軽減税率を適用する、こういうことにいたしたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/29
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030・折小野良一
○折小野委員 どうも私、説明をお聞きいたしましても納得ができないのであります。やはり減税するには、減税するだけの理由というものが、その時点においてなければならないというふうに考えます。今日五%になったということ事態は、会社の経営その他からいきますと、むしろよくなった、そういう状態の時点におきまして、減税しなければならない、こういうような理由というものが私どもはっきり納得できないわけです。したがってこういう問題につきましては、やはり国民が納得できるような措置というものを考慮していただく。またそうでなければ、むやみに税法上の特別措置というものをやっていただくということは、適当じゃないんじゃなかろうかというふうに考えております。現在問題になっておりますこの紙の問題だけをいま申し上げておるわけでございますが、その他の問題につきましても、やはり同様なことがあろうと思っております。ただ、先ほど参議院の予算委員会において総理から、電気ガス税は悪税である、だから早晩廃止したい。また自治大臣も大体それに同じような御方針をおっしゃっておりますので、これがなくなりますならば、電気ガス税の問題というものは一応ないわけでございます。できるだけ早く悪税でありますならば廃止するなり何なり、適当な基本的な措置をとっていただきたいと思います。それについて大臣から、今後の方針をはっきりお伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/30
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031・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 参議院の予算委員会で、総理から、ただいま御指摘のような発言がありましたことは、そのとおりでございます。私自身、電気ガス税というものをそう悪税とまでは思わないのでございますが、しかし、いずれにしましても、地方自治体にとっては非常に取りやすい税ではございますが、大衆の課税というような面もございます。そういう点もあわせて考えますと、総理のお答えいたしたような方向で進むべきものと考えておりますが、何しろ六百億もあります税でございますので、ただ廃止するというわけにはいかないのでございまして、結局適当なかわりの税源を特に国税の中から見つけるというような方向で考えなければならないと思います。したがいまして、現在地方制度調査会で御審議をいただいておる行政事務の中央、地方の再配分に伴う税源の再配分の御審議とも相まちまして考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/31
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032・折小野良一
○折小野委員 税務局長にお伺いいたしますが、電気ガス税の中で普通の個人が使いますものと産業用、これの比率ですか、あるいは金額別でもけっこうですが、ありましたら教えていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/32
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033・松島五郎
○松島政府委員 いま手元に四十一年度の資料しかございませんので、それによってお答えをさせていただきたいと思いますが、一般電気が二百七十三億円でございます。それから産業用電気に対します課税が二百十七億円でございます。合計いたしまして電気関係が四百九十億円でございます。
なおそのほかに、先ほど大臣から申し上げました電気ガス税の総額はガスが含まれておりますので、ガスを除いた額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/33
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034・折小野良一
○折小野委員 この点については今後十分御検討いただくことと思いますが、一つの案としまして、一般消費者用の電気ガス税を全部廃止する、そのかわりに産業用の現在の特別措置を全部もとに戻すということになれば、大体パーパーになるのじゃございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/34
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035・松島五郎
○松島政府委員 産業用の非課税にしておりますものが二百十億ばかりございますので、一般用二百七十三億をかりに廃止したとして、産業用を全部取りますと、その差額六十億ばかりが不足だ、こういう形が四十一年度の結果からは出るわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/35
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036・折小野良一
○折小野委員 と申しますと、ただいま申し上げたような改正の一つの方向というのも、必ずしも考えられないことはないということでございましょうが、ひとつ今後の御検討を願います。
税法上の特別措置全般についてでございますが、私どもは原則といたしまして、税負担の公平という立場からいたしまして、あまり税法上の特別措置を多くつくるということは適当でないんじゃなかろうかというふうに考えます。また地方制度調査会や税制調査会あたりの答申につきましても、こういうものに対する整理、合理化ということが答申をされておるのでございますが、今後税法上の特別措置につきまして合理化、特にその廃止の方向へぜひひとつ御検討を願いたいと思うのであります。私ども考えますのに、いわゆる地方税法というものから考えますと、地方税の中で、国の政策に関係するものをかってに減免その他の特別措置をやるということは、どうも理論的におかしいのじゃないだろうか。国の政策に関係するものでありますならば、国税に関するいろいろな制度があるということは、これはやむを得ないと思っております。しかしながら、そういう国の政策に関係いたしますものを地方税からとっていくということ、こういう考え方は、どうも地方自治という立場から、あるいは特に地方自治を尊重するという立場から、適当な考え方じゃないのじゃないかというふうに考えるわけでございます。今後の改正についてそういう点をどういうふうにお考えになりますか、大臣からお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/36
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037・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 本会議でも答弁申し上げたところでございますが、特別措置は、国の施策と申しますか、それを達成するために国税地方税を通じて減免しなければならないものを除いては、やはり国税の特別措置が地方税に影響することは好ましいところではないと存じます。特に地方税というものがその地域の負担の公平というものを中心に考えられるべきものである、そうした性格からもそうであろうと存じております。しかし、まだ国の特別措置に基づく地方税の減税が八百億近くあるわけでございます。従来もできるだけ特別措置が地方税に及ばないような措置、たとえば税額控除をしてもらうというようなことで幾つかやってまいったわけでございますが、今後ともその方針を貫いてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/37
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038・折小野良一
○折小野委員 国税に関する特別措置が地方税に及ばないようにということは当然でございますが、地方税の制度の中から国が国の政策として財源をとっていく、こういうあり方もひとつ根本的な考え方としてぜひ改めていただくようにお願いいたしたいと考えます。
それに関連をいたしますが、本日提案をされておりますもう一つの議案の中に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金の法律の改正案があるわけでございます。これにつきましてもいろいろ問題があると私どもは考えております。
ところで、まず局長さんにお伺いいたしますが、国有資産等の評価あるいはその計算、これは何を基準にしてだれが行なうのか、ひとつお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/38
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039・松島五郎
○松島政府委員 国有資産等の課税標準と申しますか、交付金算定の基礎になります資産の価格は、公社等の所有します資産につきましてはそれぞれ台帳価格を基準にしているのでございます。またその他の国有資産につきましては、御承知のとおり国有財産台帳がございまして、それによって毎五年ごとに評価がえを行なってきておりますので、その台帳価格を基礎にして算定をするということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/39
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040・折小野良一
○折小野委員 これはいわばそれぞれの市町村に財産を持っておる者に対する固定資産税と同じような性格のものでございます。国あるいは公社であったにいたしましても、その固定資産を持っておるということにつきましては、その地域の住民と何ら変わりはないのじゃないかと思うのであります。一般の住民は市町村によって評価されたところによって、市町村の条例に基づいて徴収されるわけでございますが、国あるいは公社等の場合におきましては、自分で評価して、そうして自分の計算で交付する、あるいは納付する、こういうのもはたしてどうかと私どもは考えております。地方自治というものを尊重するのでありますならば、市町村から税金を賦課されてそれを納める、一般と同じような形で納めて一向差しつかえないんじゃないかというふうに考えるわけでございます。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/40
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041・松島五郎
○松島政府委員 御指摘のとおりの問題はあると思いますけれども、また一面において、たとえば国有鉄道の場合でございますと、Aの町、Bの町、Cの町というふうに列車が通っておるわけでございますけれども、その関係町村がそれぞれの部分をそれぞれ思い思いに評価をしていくというのでは、資産全体の評価としては適正な評価が得られないという面もございます。したがいまして、国有鉄道でありますとか、あるいは電電公社でありますとかというようなものにつきましては、やはり全体として評価をしていくという必要があるわけでございます。全体として評価をいたします場合に、何を基準にするかということになりますと、こういう公社あるいは国有財産につきましてはそれぞれ適正な評価をしていく。たとえば公社でございますならば、それを基礎にして経営を行なっていくわけでございます。たとえば、その償却というようなものをもとにして料金というようなものもきまっていく。その料金についてもまた国会の御承認というような問題もあるわけでございまして、そういう点から申しますと、これらの公のいわば公社というものの評価というものは、私は信頼してしかるべきものではないか、かように考えているのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/41
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042・折小野良一
○折小野委員 国あるいは公社等を信頼してしかるべきだというふうにおっしゃいますが、私は、市町村も信頼してしかるべきじゃないかというふうに考えております。決してむちゃな固定資産税をかけようとしておる市町村はないはずでございます。また、これは一定の法のワク内において賦課いたしておるわけでございます。そしてまた、御意見にありました資産の評価ということと税金ということは、おのずから別の問題であろうというふうに考えるわけであります。たまには、小さな市町村から国が滞納して差し押えを受けたというようなことも現実にあって一向差しつかえないんじゃなかろうかというように考えます。したがって、こういうような法律はどうも地方自治を尊重する立場においてつくられた法律でない、そういう立場においてできた制度でないような気がいたすわけでございます。自治大臣のこれに対する今後のお考え方について承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/42
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043・松島五郎
○松島政府委員 ちょっと先に答えさせていただきたいと思います。
市町村を信頼しないのかというお話でございますが、私、市町村を信頼しないというつもりではございません。ただ、こういう資産は全体として評価をしてまいりませんと、まあ部分部分を評価するということになりますと、全体としての評価としては適正なものが得られないという面が資産の性格上出てくるのではないかということもあって、全体として評価をしておるわけでございます。
なお、関係市町村についてその価格が適当でないと考えます場合には交付金法第八条で、国有財産台帳等に記載された価格が類似する固定資産で固定資産税を課されるものの課税標準と違うと認めるときには、国のほうでは市町村長に、国有財産課税台帳等に記載された価格を修正して通知するというような規定もございまして、その辺の調整をはかっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/43
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044・折小野良一
○折小野委員 確かにそういうような規定があることも存じております。しかしながら現実には、そういうような方法をとることは、市町村としましてはなかなか困難なことでもあるわけでございます。むしろこういう制度の考え方自体が、国とかあるいは公社等とか、そちらを中心にして考えられて、地方自治という面を中心にして考えられていない、こういう点に一番の原因があるんじゃないかと思っております。先ほど申し上げました税法上の特別措置における考え方、それからこの法律における考え方、やはり一脈相通ずるものがあるような気がいたすわけであります。したがって、これは単に税法上の問題点としてだけでなしに、地方自治全般に対する考え方といたしまして、もっともっと地方自治を尊重するという立場、こういう立場をとっていただくことが必要であろうというふうに考えておるわけでございます。ただいま御説明のありましたいろいろな問題は、方法論として、あるいは事務的ないろいろな問題については、確かにいろいろな問題があるでございましょうし、またそれを救済する方法もないじゃございません。しかし根本は、地方自治に対するそういう基本的な考え方がいろいろな制度の中にほんとうに行き渡っておるかどうか、こういう点が一番の問題であろうと思っております。したがってこういう点につきまして、特に担当自治大臣の今後の地方自治制度に対する基本的な考え方をこの際伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/44
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045・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 折小野さんがただいま御指摘になりました問題につきまして、私は必ずしもこういう税制あるいは交納付金の制度というものが、地方自治尊重のものでないとまでは考えないわけでございます。今後税制その他のいろいろな制度におきまして、地方自治の尊重の実が上がるようなそうした配慮は十分にしてまいりたいと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/45
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046・折小野良一
○折小野委員 それじゃひとつお願いをいたしまして、私の質問はこれで終わらしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/46
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047・亀山孝一
○亀山委員長 小濱新次君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/47
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048・小濱新次
○小濱委員 だいぶ限られた時間が迫ってまいりましたので、私も簡略要をもってお尋ねしたいと思います。
まず最初に、きょうの法案の内容についてでありますが、自治大臣は先ほど折小野さんの質問に、電気ガス税の問題についてお答えをなさいました。そのときに大臣は、私自身そう悪い税ではないと、こう考えている、それに対する御意見を若干述べられましたけれども、先ほども自治大臣からお話がありましたけれども、参議院の予算委員会において総理大臣が発言をされた、その内容については、電気ガス税は悪税だと思う、今後適当な財源が見つかれば存続する考えはない、このように言われました。また新聞の報道するところによりますと、前の池田総理大臣も、悪税だ、このようにお答えになったことがあるそうであります。また新聞によりますと、佐藤総理は就任以来今日までこのことについてはほおかぶりをしてきた、非常に態度が悪い、このようにも指摘をしておりました。こういう問題があったにもかかわらず、いま自治大臣は、またほかの意図があったんだろうとは思いますけれども、言った内容について、私は重大な発言だと思うのであります。ひとつこの点について、もう一度自治大臣のお考えをお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/48
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049・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 悪税という言い方のとりようでございますが、どうも悪税といえば、課すべからざるものを課しておるような印象があるので、それほどの意味での悪税とは考えないと申し上げたのでございまして、しかし大衆課税なものでもございますので、今後これの廃止の方向に向かっていろいろ税源等の調査をしてまいりたいという意味で申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/49
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050・小濱新次
○小濱委員 典型的な大衆課税の形態となっていると私どもは考えておるわけであります。いろいろと婦人部の御意見を聞きますと、そういう形で電気ガス税が七%取られておったということは知りませんでした、ほんとうに悪い税金ですね、こう言っておられました。朝起きればガスに火を点じます、電気をひねります、そうすると七%だ、こういうように言っておられました。この問題については藤枝大臣の御意見も出ておりましたけれども、特に大蔵大臣は、電気ガス税の問題では、できるだけ早く解決をし、国民の負担軽減をはかりたいと、このようにも言っておられました。この問題については、委員会での発言でありますので、公の場所での発言でありますので、この点には国民全体の関心が寄せられております。どのような成り行きになるのか。六百億という減税を、自治大臣はどのようにして自治体に対してこの財源を補てんしていくのか、たいへんな御苦労であろうと思いますけれども、国民大衆のことを思えば、どうしても何らかの方法で一日も早くこれが実現につとめなければならないと、こう思うわけであります。ここまで話が進んでまいったのでありますから、何らかの方法で大臣としても意思表示をする必要があるのじゃないか、こういうように思うわけでありますが、お考えなり抱負なりありましたならば、お答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/50
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051・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 先ほど来お答え申し上げておりますように、六百億という金額は、地方税の中に占める割合は相当大きいわけでございます。したがいまして、これをそのまま廃止するならば市町村の財政に非常な影響を及ぼすわけでございます。ことに、しばしば申し上げているように、市町村税というものが、景気の上昇に比例して収入が上がるような税が少のうございます。しかも一方、需要はふえる一方ということでございますから、何とか適当な国税の中の税源の一部をさいて、これを補てんしていかなければならないのではないかというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/51
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052・小濱新次
○小濱委員 先ほど松島局長のほうからお答えがございましたけれども、その課税の方法についてはわかりました。ところが三十三項目にわたって大企業の電気ガスは免税とされている、こういう問題が起こっているわけであります。繁栄している大企業には免除して、大衆課税にこのような大きな負担を負わしているということは、私はどうしても納得できないわけでありますが、大臣は何らかの方法でと言っておりました。六百億と言われましたが、先ほど申し上げましたように、この問題についてはやはり英断をもって処置をしていかなければならないことだと思います。私もいろいろと先輩、同僚議員に聞いてみました。政府における二百億、三百億の財源の捻出はたいへんだ、このようには聞いております。しかし何らかの方法がないものかということで聞いてみますと、相当まだ捻出のできるような余地のある面があることも伺いました。私もここに八項目ばかり持っておりますが、そうした問題を通しても、何らか努力をすれば、自給大臣として大きな問題でありますから、英断を下していくならば、そのくらいの財源確保はできないわけはない、このように私は考えるわけであります。この電気ガス税の問題については、問題もあろうかと思いますが、国民大衆全部が注目をしている問題であります。これはだれのためでもありません。どうかひとつ、大きな責任を背負っておられる自治大臣としての活躍を皆さん期待をしておられるわけでありますから、先ほどもお答えいただきましたけれども、そのような内容ではまだまだ国民は納得できないと思うのであります。このような時期に方向づけをしていきたいというようなところまで国民は期待をしているのではないか、このように私どもは考えておるわけであります。最後に、もう一ぺん自治大臣の決意を聞かしていただきたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/52
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053・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 電気ガス税は、市町村税としてはやや伸びる傾向にある税でございます。単に市町村の財政を、六百億の電気ガス税を廃止して国が何らかの交付金その他のもので財源措置をすればいいというものではないと私は考えます。やはり税として何かこれにかわるべきものを国税の税源の中から探し出さなければならないのではないかと思っておるわけでございまして、そういう方向で努力をしてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/53
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054・小濱新次
○小濱委員 先ほどもお話がありましたので、電気ガス税については以上で終わります。
先ほどの質問の中に、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、この交納金について一部お話がございました。この問題が起こりましてから、公共事業をしております自治体ではたいへん心配をいたしまして、そして特に財団法人の水道協会が中心となって全国的に呼びかけをいたしましてこれが対策を練り、政府に対する陳情を何回か行なってきたわけであります。国民のうっぷんの晴らし場所、意見の場所として陳情、請願は許されているわけでありますが、この陳情に対して政府ではどのような回答を出されたのか、ひとつその点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/54
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055・松島五郎
○松島政府委員 水道協会とか、そういうところからいろいろ私どものところへもおいでになりましてお話がございました。私ども、この制度を設けますゆえんにつきましていろいろ御説明をいたしてきたわけでございます。ただ、これは一般の税金と異なりまして、直ちに納税者対地方団体というような関係のものではなくて、むしろ水道事業をやっております市町村と、その水道施設が所在します市町村との間の、いわば地方団体同士の問題でございます。したがいまして、いろいろお話をしておりますうちに、私どもの考えるところでは、それぞれの団体の立場を十分御了解いただいて御賛成がいただけるものというふうに考えておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/55
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056・小濱新次
○小濱委員 いろいろとその理由については書いてあるようでありますが、最近非常に設備投資が行なわれまして、種々持ち出しが多くなっている自治体が財政危機を招いていることについては、自治大臣よく御存じのことと思います。そうした中にあって、この交付金を出すほうと受け取るほうの問題、私の調べでは、多く出す都市では年間二千万から三千万円くらいまでは出るような、これは私個人の調べでありますが、そういうような数字になっております。したがって、非常に大きな負担をこうむるわけでありますが、その交付金を受け取るほうと出すほうとの問題でありますが、これは国でこうした法律をつくる以上は、減収になる、あるいはまた交付金として持ち出さなくちゃならない、その財源が少なくなっていく都市に対しては、何らかの方法で国が処置をしていかなくちゃならないだろう、こういうふうに思います。そうでなければ、このように全国あげて水道協会が反対の陳情をするわけがない、こう思うわけです。この内容は一々私は申し上げません。その意図はよく示されております。この趣旨に対しては私はけっこうだと思うのでありますが、その持ち出すほうの財源についての国のとるべき態度が問題であろう、こう思うわけです。どうかひとつこの問題についても、自治大臣は詳しく御存じであろうと思うのでありますが、意図のあるところをお聞かせいただきたい、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/56
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057・松島五郎
○松島政府委員 先ほども申し上げましたように、水道施設のあります市町村と、その水道施設を経営いたします市町村との間のいわば財政的な調整の問題でございまして、なるほど水道施設を持っております市町村にとっては新たな負担となるわけでございますけれども、逆に水道施設を設置された市町村から見ますと、いままで一般の民間の所有に属しておりましたその土地は当然固定資産税を納めていただいていたわけでございます。それが隣の町なら隣の町の水道施設をつくったとたんに固定資産税としては一銭ももらえなくなった、こういうようなことから、たいへん問題があることは先生も御存じのとおりでございまして、たとえば東京都の水道問題にいたしましても、朝霞町との間にそういったことからいろいろなトラブルが起きていたのであります。そういうようなことから、逆に水道事業等を推進します場合にも、そんなほかの市町村からこられたのでは一銭にもならぬというようなことから、かえって協力体制が円滑にいかないというような問題も生じてきている例もあるやに聞いております。そういったことをいろいろ考えまして、水道施設の用に供します土地に対しましてはその範囲をきわめて限定して、大規模なものに限定をいたしまして、しかも償却資産あるいは家屋というようなものを一切はずしまして、基本的な固定資産であります土地だけに限定をいたしたのでございます。なお、この点につきましては、実はこの交納付金ができました当時に国会に附帯決議がございまして、「地方公共団体が水道事業のための水源地等の施設を他の市町村の区域内に所有する場合においても、政府はこの法律を適用する等必要な措置を講ずること。」というような内容の附帯決議があった経緯もございます。そういうようなこともいろいろございまして、最近におきます実情も勘案いたしまして、最小限度の協力を水道を設置する市町村に求めよう、こういうようなことでございます。その結果、その水道事業なりあるいはその当該市町村なりに財政的な影響が相当程度に及ぶということになりますならば、これはまた別途の地方財政全体の見地から必要な配慮を加えていきたいと考えておりますけれども、現在私どもが承知しております範囲では、数字的には何千万円というお話がございましたけれども、その中で、水道事業で一番大きいのは東京都の六千六百万円でございまして、それ以外は一千万円をこえるものはございません。多いもので三百万円ないし四百万円程度でございまして、そのほかの市町村では十万円、二十万円というものが相当数、大部分でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/57
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058・小濱新次
○小濱委員 私も実際そういう施設は相当見てきたつもりでありますが、その設備をするときに、そのつくらなければならない市町村では、相当金をかけてりっぱなものをつくってきたはずであります。そういう点で、今日もう何年、何十年先々見越してつくりあげてきたその水道事業に対して、ここでまたこういう新しい法律ができたために交付金としてとられていくことになります。それでなくても公共事業はいま赤字になっております。これから人口増に伴っていよいよ施設もしていかなければならない、増設もしていかなければならない。そういうときにあたって非常に計画、先の見通しが狂ってくるわけでありますから、そうしたことで今度のこの問題が出てきて、そうして水道協会からは反対の陳情書が出てきた、こういうふうになったと思います。いままでのいきさつをやはり知らなければならないと思いますが、そうした点で問題があるだろう、このように言うわけでありますが、松島局長さんの言い分もよくわかりますが、私もやはり簡単にこの問題をこのままで了承することはできないと思うのです。なぜかならば、いままでなぜこの問題が取り上げられてこなかったのか。鉄道の敷地の問題については取り上げられてきた、水道は取り上げてこられなかった、ここへきて急にこの問題が起こってきた、こういうことになるわけであります。この起こった原因について、御存じならば聞かせていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/58
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059・松島五郎
○松島政府委員 従来からもこの問題はあったわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げましたように、この交付金ができました昭和三十一年当時において、国会ですでに附帯決議までつけていただいた経緯もあるわけであります。その後、私どもいろいろ検討いたしてまいりましたけれども、市町村相互間の問題でございますので、あまりお互いにとった、やったのような形をとるよりはということで、推移を見守ってきたわけであります。ところが最近になりますと、やはり水道の水源地をその市町村の中で得るということがだんたんむずかしくなってきたようてございます。そういうようなこともございまして、水道を設置をいたします市町村以外の市町村に施設を持つという事例が多くなってまいりました。そういうようなことから、関係市町村の間では、水道施設ができたために固定資産税が入らなくなったというようなことから、やはり不満が一方において出てきておるわけであります。そういうことも考えまして、今後ますますそういった事態が起こることが予想されます。その場合に、やはり関係市町村間において円滑にこういうものが推進されますためには、やはりつくるほうも幾ばくかの負担を、関係しておられる市町村に負担するというような道が開かれることによって問題の解決が促進されるのではないか、かように考えて、この問題を今回提案をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/59
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060・小濱新次
○小濱委員 これは根拠がありませんが、何か昨年あたり、二分の一の納付金を出している国鉄関係から、水道施設の問題について、納付をしていなかった問題を取り上げられて、そうして今日のこの運びになってきた、こういうふうに聞いているわけです。これはあくまでも根拠はありませんが、このことについてひとつお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/60
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061・松島五郎
○松島政府委員 国鉄からそういうお話を私全然聞いておりませんし、また、私の考えるところで、想像でございますけれども、想像しますところでも、国鉄自体は、自分が納めます納付金は安くしてもらいたいということは言っておられますけれども、人がどうだから自分のところを安くしろというようなことを、いまだかつて国鉄からお伺いしたことはございませんので、おそらくそういうことは何かの誤りではないかというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/61
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062・小濱新次
○小濱委員 私もそうだと思います。ただ、そういうことが伝わってまいりまして、そうして今度の問題になったということで、当事者としてはたいへん憂えているという、そういう問題であります。この問題については、今度法案が通ってしまうわけですが、いよいよ実施に入っていくわけでありますが、大きな問題として取り上げられてきただけに、やはり何らかの方向づけをしてやらなくちゃならないであろう。陳情は何回も来ている。くにをあげて、そしてやってきたけれども、何ら回答もなく、そのまま法案は今国会を通してしまったということになれば、政府に対する不信は免れないと私は思うわけであります。こうした成り行きから見て、ちょっと憂えられる点があるわけですが、自治大臣はどういうふうにお考えになりましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/62
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063・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 これは、先ほど来税務局長がお答えいたしたように市町村間の問題でございますが、今後の傾向としては、水源をその市町村以外に求めざるを得ないような市町村が、ことに大都市等においては起こってくるだろうと思います。そういう場合に、施設をされるほうの市町村にとっては、固定資産税が取れなくなるということは非常な影響があるわけでございまして、それらを理由にして、そうした水道施設等を設置されるほうの市町村が、水道を経営するほうの市町村に対して非協力な態度等も考えられるわけでございます。そういうことを考えますと、どうしても広域的な行政をやらなければならない現状からいたしましては、むしろこの制度が、そういう地域外から水源を求めるというような水道事業を円滑にするゆえんではないかと私は考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/63
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064・小濱新次
○小濱委員 市町村間の問題であります。もちろんこれからのそういう事業計画について協力が得られないという問題が起こってきてはたいへんでありますが、そういうことで、今度の交納付金については、先ほど申し上げましたように私どもは一応了解はできる。だけれども、今度は何億という納付金を出すほうの立場に対して、ここでこのような法案を出してきたのであるから、国としては何らかの処置をしてやらなくてはならないのじゃないか、こういうふうに思うわけです。この点なんです。ひとつお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/64
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065・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 交付金を出すほうの水道経営がこのために非常に悪くなると申しますか、困難になるというような場合には、もちろん別途それに対する適当な措置を国としても講じていかなければならないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/65
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066・小濱新次
○小濱委員 そうでなければ大臣、このような請願が何通も次から次と政府に来ることは考えられませんね。こういうふうに連続に陳情書が出ているということは、いま大臣の言われたそういう憂えられる問題が起こっていればこそ、ここで反対の意思表示がされたものが来ているわけであります。国としてはそうは考えないと言われますが、理由を述べられて項目別に幾つかあがっておりますが、こうした問題を示して、こうしたわけで反対でありますということですから、このまま突っぱるわけにはいかないだろう、こういうように心配しているわけです。どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/66
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067・松島五郎
○松島政府委員 水道協会から私どものところにもこの問題についての陳情が参っておりますけれども、全面的に絶対反対だと必ずしも言っておいでになるわけではございませんので、いろいろと、できればやめてもらいたいということは言っておられますけれども、水道事業に対する過重な負担を避けるため、左記の事項につき特段の配慮をしてもらいたいというようなことで、いわばいろいろな条件をお示しになっておられるのでございます。そういう点から、私どもいろいろお話を関係者の方ともいたしまして、大体この程度のことならやむを得ないと御了承をいただいているというふうに私ども考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/67
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068・小濱新次
○小濱委員 局長さんの言われたその内容はどの陳情書かわかりませんが、私のほうには、次の理由により反対するものであります、とはっきり出ているのです。先ほど申し上げましたように次から次と出てきておりまして、これは前のだ、いま私が読んだのは新しいんだ、こういうように言われるか知りませんが、そういう論争は別といたしまして、とにかくこういう事態になっていることをよく勘案の上で、ひとつ今後自治体の育成、それから住民のしあわせを握っておられる藤枝自治大臣でありますから、そういう点で何らかの方法をこれから考えてやっていただきたい、このように思うわけであります。この点については終わります。
最後に一つだけお伺いしておきたいと思いますが、住民税の課税方式であります。前年課税というのですか、三月三十一日に所得の申告をいたしますが、それを基準にして次年度の住民税が課せられていくようでありますが、この問題について私はこういう話を聞きました。これは党派は別といたしまして、ある国会議員であった方であります。国会議員をやめたそのあくる年一年間、多額な住民税が来るわけであります。もうこういう制度は改めなくてはいけない。これは国会議員ばかりじゃなくして、勤労者としても起こり得る問題として、前年課税方式はどうもうまくいかぬ、また税務署へ行って聞いてみますと、取りにくい、こういうふうに言っているわけです。この問題については相当前々から研究されて、もう論議は尽くされてきたと思うのですが、私まだ経験浅いものですから一応伺っておきたい、こういうように思うわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/68
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069・松島五郎
○松島政府委員 現在、住民税が前年所得に対します課税方式をとっておりますことに関しては、いろいろ問題があることは御指摘のとおりでございます。一般に所得に対します税は、その所得が発生した時期に近いほど税の徴収のしかたとしては適当だ、こういわれておるわけでございます。そういう意味から申しますと、月々の月給そのものから税金を引くというような制度が一番望ましいわけでございます。住民税につきましても、そういう現年課税というようなこともいろいろ検討いたしておるのでございますけれども、非常にむずかしい問題がいろいろございます。たとえば、月々月給から徴収をするということになりますと、市町村ごとに税率が違っておりましては徴収者が非常な繁雑になるわけでございます。ここに十人の人を雇っておる事業主がございまして、十人の方に月給を払う場合に、A、B、Cの町村からそれぞれ通っておられる。同じ税率でございますと月給に応じて国税の源泉徴収表のようなものが一つあれば徴収できるわけでございますけれども、A、B、Cごとに税率が違うというようなことになっておりますと、その市町村ごとの税率表というものを別に持っていて源泉徴収をしなければならぬということになるわけでございまして、これは十人程度でございますとまた処理はしやすいわけでございますけれども、何百人、何千人という従業員を扱っておるようなところでは、とてもその煩にたえかねるというような問題が一面にございます。(「それは同じじゃないか」と呼ぶ者あり)前年と同じだというお話がございますけれども、前年の場合は、関係市町村のほうでまず税額を計算して、これだけ取っていただきたいということを逆に通知をするわけでございまして、源泉徴収者みずから税額を計算するわけではございませんので、その辺はよほど事態が違うというふうに考えられます。それから、なお事業所得者、給与所得者以外の方々につきましては申告納税の制度をとらなければならぬということになりますけれども、この申告納税制度というのは、はたして市町村税としてうまく納入できるかどうかという問題も考えられる問題としてあるわけでございます。
いずれにいたしましても、私どもも、先ほど申し上げましたように、税はなるべくその所得が発生した時期に近い時期に納めていただくのが合理的であるということは十分承知しておりまして、いろいろな問題についての隘路について打開策を目下検討をいたしておるのでございますけれども、ただいま現在の段階では、まだ結論を得るに至っていないということでございます。ただ、そのうちでもできるものからはそういう方向でいこうということで、たとえば退職所得につきましては現年課税に本年度から切りかえて実施をいたしておる、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/69
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070・小濱新次
○小濱委員 市町村によってその税率が違う、これは私も知っておりますが、だから取り扱いは非常にむずかしいんだ、だからできないというのか。それがいけないというならば、やはりできないと言っていないで努力をすべきであろう、こう思うわけです。そのことで相当当時者は泣いている、そういう事例があるのですから、やはり大きく取り上げていかなければならないと思います。(「泣いている者から取らぬという、そういう税金をつくるべきだ」と呼ぶ者あり)泣いている者からは取らない、そうなければならない。その制限税率ですか、そのことは逆じゃないですか。そういうこととは違うのでしょうか。それをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/70
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071・松島五郎
○松島政府委員 御承知のとおり、現在の住民税は、標準税率のほかに、制限税率までの間で、市町村が標準税率と違う税率を定められることになっておりますので、標準税率によらない市町村が相当数あるわけでございます。そのことを税率が市町村ごとに違うと申し上げたのであります。
それからなお、前年中に所得があったけれども本年になってから所得が全くなくなってしまった、あるいは非常に減少したという方の取り扱いをどうするかという問題につきましては、これは実情に応じて減免をしていくという取り扱いをすることが適当である旨関係団体には指導しておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/71
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072・小濱新次
○小濱委員 その制限税率を適用して徴収しておるために、いま局長さんの言われたように、そういう問題が起こってきておるわけでしょう。ですから、一般的に財政力の弱いそういう貧弱な市町村では、これを適用してやっておるためにその税率が違うのだ、だから、いま非常に困難を来たしておるわけだ、そういうふうに私は理解したわけでありますが、それでよろしいでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/72
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073・松島五郎
○松島政府委員 税率につきましては、先ほど申し上げましたように、現在、標準税率と制限税率という制度がございまして、市町村に財政上の必要があれば、標準税率を越えて制限税率の範囲内で税率を定めることができることになっております。先生が先ほどおっしゃいました前年中に所得があったが今年中に所得がなくなって困まっておられるという方の問題は、標準税率を適用しようが制限税率を適用しようが、問題は同じであろうと思います。もっとも、制限税率に近い高い税率を適用されれば一そう重荷になるということはあり得ると思いますけれども、事柄自体は同じだろうと思います。私が現年課税にすることが困難であるという理由の一つとして申し上げました税率が違うというのは、前年中の所得があったかなかったかということを別にいたしまして、今年一般の方から、所得税と同じようにその月なら月の税金を納めてもらうといたしましても、税率が市町村によって違いますと、税金を取るほうの会社なら会社が、この人の税率はどの市町村で幾らであるかということを一々別々にしていかなければならぬ、一つの税率表でもってさっと十万円の人は幾ら、十五万円の人は幾らというような計算ができない、その困難さを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/73
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074・小濱新次
○小濱委員 ですから、そこの問題で調整するのが使命であろうかと思うわけですが、その点がなぜできないのかということでお尋ねをしておるわけです。もう一ぺんお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/74
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075・松島五郎
○松島政府委員 困難であるから絶対にできないということを申し上げておるわけではございません。特別徴収と申しますか、源泉徴収をする方にどれだけの負担をかけてもかまわぬかどうかという問題に結局は帰着すると思います。地方団体の税金を、地方団体にかわっていわば源泉徴収するわけでございますから、その源泉徴収をされる方にどれだけの手数をかけてもかまわぬか、甲なり乙なりの町村から来る人ごとに税額を計算してめんどうでもやってください、あえてそう言うか言わないかという問題であろうかと思いますけれども、しかし、やはりそこは市町村としても、税金をそういう方々に取っていただくわけでありますから、どれだけ手数がかかってもかまわぬのだというような考え方だけでは問題は解決しないのではないか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/75
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076・小濱新次
○小濱委員 絶対にできないということではない、こういうふうに答えていただきましたから、何らかの努力をすればできるというふうに私は了解したわけであります。そういう問題が起こっていることを、つとめてこれからの仕事の上に生かしていっていただきたい、こういうふうにお願いしたいと思います。
それから、先ほども住民税の問題についてお話が出ておりました。いろいろと問題が起こってまいりました。これもやはり国民大衆は大いなる関心を持ってこの成り行きを注目しております。本委員会は、その注目の中でこの法案を審議しているわけであります。きょうもこれからまたこの問題についていろいろと懇談的な話し合いがある予定であります。こうしたことについて、一日も早くこれが実現をしなくちゃならない、こう思うわけであります。まあいろいろと困難な問題もあるでしょう。もうすでに三月の十五日は過ぎて、住民税の課税調査に入っている、あるいはまたその書類の送付に入っておるというふうな段階を迎えて、なかなか困難であろうと思いますけれども、今国会でこの法案が通るということになれば、やはり何らかの意思表示をし、国民にこの問題に対する安心感を与えてやらなくちゃならない、こう思うわけですが、自治大臣としては大きな問題をかかえたわけであります。この問題についてもいろいろと伺ってまいりましたけれども、なおこの際ひとつ自治大臣のお考えをお聞かせいただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/76
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077・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 本年度は遺憾ながら、地方財政の現状その他からいたしまして、住民税についての軽減、合理化が十分はかれなかったわけでございますが、明年度以降につきまして、税制調査会の御審議等もわずらわしながら、所期の目的を達成するように努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/77
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078・小濱新次
○小濱委員 そういうお答えは前々からも伺ってきたわけであります。何回も繰り返して行なってこられたようであります。この問題については、いままで数度にわたってこの委員会で非常に論議されてきた問題でありますから、繰り返しませんが、特にボーダーライン層は非常に泣きをみておるという現実もありますし、私どもはもっともっと課税限度を高めて、そうしてそういう不安におののいている方々のために尽くしてやらなくちゃならない、こう思っておるわけでありますが、いまの大臣のお答えではどうも納得ができない、こういうふうに思います。また、国民もそれでは理解に苦しむであろう、こう思うわけです。もう少し何らかの方法でひとつ決意をお示しいただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/78
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079・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 この問題につきましては、大蔵大臣も予算委員会で言明をされていることでございますし、私もかねがねそういった方向で考えなければいけないものと思っておるわけでございます。十分それらの点、特に所得税との関係その他も考慮いたしながら、最低限の引き上げに努力をいたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/79
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080・小濱新次
○小濱委員 最後に、この前、今国会でいろいろと総理大臣あるいは大蔵大臣の御意見も聞いてまいりました。所得税については、標準五人家族で四十五年度をめどにして百万円まで持っていこう、こういう決意のほどを伺いました。住民税については相当格差が出ているわけでありますが、四十五年度を目安にして百万という数字が示されたわけでありますので、住民税は四十五年度にはどこまで高めていこうという、そういうお考えなのか、自治大臣ひとつよろしくお願いしたいと思います。具体的にお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/80
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081・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 これはしばしば同じことを申し上げて恐縮なんでありますが、地方税の性格そのものからいたしますと、所得税と必ずしも歩調を合わせなければならぬということではないと思っております。したがいまして、先ほどお答えしましたように、所得税との関連なども考えながら、この最低限り引き上げをいたしたいと思っておるわけでございまして、いま四十五年度までにどれだけ上げられるかということについては、まだお答えをするいろいろな資料が整っておりませんので、御容赦をいただきたいと思います。
〔「大臣、ずばり答えたほうがいいですよ」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/81
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082・小濱新次
○小濱委員 もうここにいる委員諸公方も、国民も、そのずばり一言を期待しているわけであります。私はやはりどうしてもそうじゃないと思うのです。大臣が要職につかれて三年、五年、十年くらいの見通し、そういうビジョンをお持ちでないことはないと私は思うのです。非常に大事な問題でありますから、もう一度最後に大臣のひとつかたい決意のほどを聞かしていただきたい、こう思います。お願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/82
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083・藤枝泉介
○藤枝国務大臣 三年、四年後のビジョンと仰せられるのでありますが、それをつくり出すための資料がまだ十分整ってない、したがって、たいへん残念でございますが、この時点においては申し上げられないとお答えするよりほかないのでございます。ただこの住民税の最低限の引き上げについては、熱意を持って当りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/83
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084・小濱新次
○小濱委員 ありがとうございました。これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/84
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085・亀山孝一
○亀山委員長 次会は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十八分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105504720X01019670516/85
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