1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月一日(木曜日)
午前十時三十五分開議
出席委員
委員長 本名 武君
理事 仮谷 忠男君 理事 倉成 正君
理事 高見 三郎君 理事 森田重次郎君
理事 石田 宥全君 理事 東海林 稔君
小澤 太郎君 鹿野 彦吉君
熊谷 義雄君 小山 長規君
坂村 吉正君 田中 正巳君
丹羽 兵助君 野呂 恭一君
藤田 義光君 湊 徹郎君
粟山 秀君 伊賀 定盛君
小川 三男君 兒玉 末男君
佐々栄三郎君 實川 清之君
柴田 健治君 島口重次郎君
美濃 政市君 森 義視君
神田 大作君 斎藤 実君
出席政府委員
防衛庁教育局長 中井 亮一君
防衛庁参事官 鈴木 昇君
農林政務次官 草野一郎平君
農林省農林経済
局長 大和田啓気君
農林省農地局長 和田 正明君
水産庁長官 久宗 高君
委員外の出席者
農林大臣官房参
事官 太田 康二君
農林省農林経済
局金融課長 今村 宣夫君
農林省農政局参
事官 加賀山國雄君
食糧庁総務部長 田中 勉君
水産庁漁政部長 池田 俊也君
水産庁漁政部企
画課長 下浦 静平君
水産庁生産部長 亀長 友義君
専 門 員 松任谷健太郎君
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六月一日
委員栗林三郎君辞任につき、その補欠として小
川三男君が議長の指名で委員に選任された。
同日
委員小川三男君辞任につき、その補欠として栗
林三郎君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
中小漁業振興特別措置法案(内閣提出第六九
号)
外国人漁業の規制に関する法律案(内閣提出第
九六号)
農林水産業の振興に関する件(農作物の作付及
び生育状況等)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/0
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001・本名武
○本名委員長 これより会議を開きます。
中小漁業振興特別措置法案及び外国人漁業の規制に関する法律案の両案を一括議題といたします。
質疑の申し出がありますので、これを許します。兒玉末男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/1
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002・兒玉末男
○兒玉委員 長官にお伺いしたいと存じますが、大かた質問いたしましたが、あと四、五点についてお尋ねしたいと存じます。
一点は、提案説明の中にもありましたが、特に今後の近代化目標の中において、中小漁業者が合併あるいは現物出資等を行なう場合において、このような企業に対する税制上の特別措置を行なうことが規定されておりますが、その中におきまして、合併、現物出資等により当該中小漁業者の営む漁業の生産性が著しく向上した場合に、大臣の認定される対象となっておるわけでございますけれども、特にここで「漁業の生産性が著しく向上し、」というのは、どういうことを基準にして、またどのような実績をあげるという目標が判断できた場合に、こういうことが適用されるのか、この点きわめて表現が抽象的でございますので、その辺の見解をひとつお聞きしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/2
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003・久宗高
○久宗政府委員 税制上の特別措置でございますが、この種の振興計画を伴うような法令で、大体このような扱いがみな一様になされておるわけでございますが、具体的に申しますと、結局二つのものが一緒になりました場合に、その二つが一緒になることによって明らかに生産性が向上するかどうかという比較の問題になるわけでございます。したがいまして、絶対的な基準というものは事実上設けがたいものでございますので、個々のケースで判断せざるを得ないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/3
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004・兒玉末男
○兒玉委員 少なくとも金融上あるいはこういう税制上の恩恵を与える以上は、やはりその効果というものがある程度具体的に把握できるような状態であってしかるべきじゃなかろうかと思うわけであります。特に合併なりこういうことについては、過去の実績というものも十分出ているわけでありますし、その実績に対してどの程度の生産性ということは、大かたその基準というものを設けなければ、この認定をする場合においても、私は、きわめて不安定な要素のもとに認定することは困難ではないかと思うわけでございますが、特に税制上の特別措置を適用するわけでございますので、この辺もう少し具体的な答弁が聞きたいわけでございますが、これはどうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/4
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005・久宗高
○久宗政府委員 いま申しましたことの繰り返しになってしまうのでございますが、いずれにいたしましても、具体的に出てまいりました二つの経営体が統合いたしました場合に、経営が拡大いたしますれば、当然生産性は上がると思うわけでございますけれども、合併いたしましたそれぞれの個体の性格ないしは過去の経営の残滓がございますので、それをやはり個別に審査せざるを得ないのではないかというふうに考えるわけでございますが、なお、必ずしも十分な御答弁になりませんので、もしお許しを得れば、企画課長のほうから具体的な答弁をさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/5
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006・下浦静平
○下浦説明員 ただいまの御質問でございますが、中小企業近代化促進法という別の中小企業関係の法体系がございますが、そちらのほうでも同じような表現を使っておりますが、これのほうにつきましても、ただいまおっしゃいましたような別段の基準というものは、私実は聞いておらないのでございます。要は、先ほど長官のほうからお答えを申し上げたことに尽きるのでございますけれども、やはり二つの経営体が合併をいたし、あるいは現物出資によりまして新しいものができるという場合に、主として前者のほうになろうかと思いますけれども、何らかその生産性の点におきましてプラスの面を見出し得る要素というものがなければならない、こういうことかと存じておりますが、その点につきましては、先ほどの長官の答弁にもございましたように、個別に審査をせざるを得ないのではないかと存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/6
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007・兒玉末男
○兒玉委員 いまの御答弁では十分納得できないわけでありますけれども、時間の制限もございますので、次に移りまして、これはまた今後の研究課題にしておきたいと思っております。
次に、これはいままで質問した点に重複するかもしれませんけれども、今回のこの振興特別措置法の重点というものが、結局資金面の融資面と、それからいま申し上げました税制上の優遇措置ということが重点になっておるわけでございますけれども、たとえば農業近代化資金制度の場合等におきましては、やはり近代化を促進するための基本的な基盤整備、設備資金とともに、今後の運用、生産を拡大するための運転資金につきましても、やはり長期の低利資金というものが考慮されまして、この効果をより上げるような制度がなされておるわけでございますが、今回のこの特別措置法は、その辺についての説明というものが私は十分になされていないように考えるわけでございますけれども、このような運転資金の面についてはどういうふうな配慮と対策がなされておるのか。同時にまた、今回のこの対象にならなかったところの他の中小漁業者に対しては、全く助成措置等なりこのような税制上の措置は講じないのか、この二点についてお聞かせをいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/7
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008・久宗高
○久宗政府委員 特別な振興計画を立てまして、それに伴う金融上の便あるいは税制上の便、これが中心になりました特別法になるわけでございますが、一つの経営で考えますと、当然運転資金の問題がそれに伴わなければならぬということは私どもよくわかるわけでございますけれども、一応特別な措置でございますので、公庫から低利な金を主として設備の関係に見るわけでございますので、公庫自体御承知のとおり運転資金は扱いませんので、この施策の中に特掲して運転資金は考えてないわけでございます。ただ、御承知のとおり、公庫から金を貸し出しました場合に、当然それに伴って運転資金が一般にも要るわけでございますので、特別な措置は講じておりませんけれども、その経営体がこのような振興計画の範疇の中で取り上げられて、しかもその設備資金に金が出るということになりますれば、運転資金、これは、一般に一般中小企業の方が普通に得られます運転資金よりも有利な条件がむしろ出てくるのではないだろうか。特別にこのために運転資金を特掲してまたさらに低利で貸し出すということは考えておらないわけでございます。
それから、指定されない業種についての問題につきましては、従来不十分ではございますが、やってまいっております。一般的な中小企業対策なり金融対策なり税制対策で対応していきたい。繰り返して申しますように、今回のは中小漁業一般ではございませんで、その中のある業種を指定して、しかも、その中のこういうものには金を出すというふうに非常にしぼりをかけまして、他と若干相対的な有利な扱いをいたしておりますので、結果においていま申しましたような形にならざるを得ないと思うわけでございます。
しかし、指定されましたのが非常に目立ちますが、一般的な中小漁業におきましても、従来必ずしも放置しておったわけではありません。金融上も、系統金融その他一般金融からも相当金が出ておりますので、それらのあっせんその他につきましては、指定漁業が動き出すと同時に、他の施策に対します考慮が手薄になりませんように注意いたしたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/8
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009・兒玉末男
○兒玉委員 私は、せっかくのこの特別措置法が制定された以上、このような運転資金等の面については、特に振興計画を策定する過程におきましても、今後十分に配慮されてしかるべきではなかろうかと思いますので、この点特に御要望として申し上げ、同時に、この対象外の他の中小漁業におきましても、今後格段の配慮をしていく必要があるのじゃなかろうかと考えております。
次に、この法案の中にも再三出てきますけれども、中小漁業の範囲というものが、たとえば沿振法の場合は常時使っている労働者三百人以下であり、トン数は一千トン以下、本法におきましては三百人以下で二千トン、また以西底びき等については、昨日もらいました政令予定事項の中にもありますが、とにかく「二隻以上の漁船を使用して行なう漁業を主として営む者にあっては千五百トンと規定する見込み」、このように中小漁業の範囲というものが、それぞれ内容が違っておるわけでございます。これらについては、法律にも書いてありますとおり、政令によってトン数を制限し、規定する仕組みになっておりますけれども、このような規模の内容というものがこういうふうに変わり、あるいはその対象が二千トンなり一千トン以下あるいは千五百トンというように制限をされるのは、どのような理由によってなのか。この点、特にこの範囲については、やはり考え方というものを統一する必要があるのじゃなかろうかと思います。もちろん、これは漁業の内容によって非常に多面性を持つことでありますから、一がいにはいえないといたしましても、このようなトン数の規制というものは、どういうところに根拠があるのか、この点お聞かせいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/9
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010・久宗高
○久宗政府委員 この点は、私ども立案過程で非常に弱った問題でございまして、率直に申しまして、特別措置をいたしますとすれば、もう少しレベルを上げたいということでいろいろ考えてみたわけでございますが、また現にございますいろいろな中小関係の法律で、ものによりまして若干ずつ違いがございますので、それを統一したほうがいいではないかという考え方も含めて実は検討したわけでございます。御質問の中にもございましたように、やはり詰めてみますと、それぞれの法律の中身によりまして、やはりそのような一律に扱えない事情がございまして、若干ふぞろいな形になっておるわけでございます。しかし、私どもといたしましては、やはり中小漁業の基本法のような形になっております沿振法に基づきまして、それの一つの特別措置ということで、今回これを出すにつきまして、いま政令の案としてお配りしておりますような中身を頭に置いておるわけでございます。これによりますと、個人または会社である中小漁業者の使用漁船の上限を定める政令は、原則は一般的には千トン、二隻以上の漁船により底びき網その他の農林大臣の定める網漁具を使用して行なう漁業を主として営む者の場合には千五百トン、それから例外といたしまして、業種別漁協の組合員である者は二千トンというふうに定める予定であるというように申し上げているわけでございます。
そこで、原則を一千トンに定めております理由でございますけれども、一応この機会に申し上げますと、沿振法上の中小漁業者の場合が一律に千トンと定めておりますことがまず第一でございます。それから中小漁業関係の他の法律、たとえば漁業生産調整組合法でございますとか、漁業災害補償法、中小漁業融資保証法等、その他中小漁業者の用語を用いてはおりませんけれども、法の趣旨から当然中小漁業者を前提としているようなもの、こういうものにおきまして、法人である中小漁業者の範囲を原則的に一千トン以下にしていることがあるわけでございます。
それから、この場合に、特定のものにつきまして千五百トンと定める理由でございますけれども、御承知のように、二そうびきの漁法による底びき網漁業もこれに含まれております。二そうびき漁法によりますまき網漁業とかいうものにおきましては、単一の漁具に二隻の漁船が関係して営む漁業でございますので、他の漁船と比較いたしましてトン当たりの漁獲力が劣るとも考えられますので、他の漁船の合計総トン数千トンと実質上見合う意味におきまして、千五百トンというのが適当かというふうに考えておるわけでございます。
さらに例外といたしまして、業種別漁協の組合員でございます場合は二千トンでございますが、これは中小漁業関係の他の法律におきましてもみなこの例によっておりますので、こういう扱いといたしたいと思うわけでございます。
なお、御承知と思いますが、公庫のほうで融資対象者の範囲を業務方法書できめておる問題があるわけでございますが、この場合、公庫からの融資を頭に置いておりますので、公庫の融資対象者の範囲と著しく異なるような形になるのは適当ではないという考慮も実は具体的には払ったわけでございまして、今回の法案が通りますと、これによります公庫融資措置をとります場合に、現に公庫の融資対象になっておりますものにつきましては、不十分ではございますが、特に一分引き下げるという形をとっておりますので、現行の公庫融資の対象者の範囲を、この場合にはいまの千五百トンをそのような形で公庫の融資の方針の中に組み入れられておりますので、そのような点を考慮いたしまして、以上のような形に取り進めたいと思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/10
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011・兒玉末男
○兒玉委員 次にお伺いしたいのは、これはありふれたことかと思うのですけれども、遠洋カツオ・マグロ漁業の場合の許可制度でございますが、農林大臣は、三カ月を下らない期間を置いて許可すべき船舶の総トン数別の隻数または総トン数別及び操業区域別もしくは操業期間別の隻数を公示しなければならない。これに対しまして、許可を受けようとする者が申請したその内容、漁業法の五十八条の二に公示した事項の内容と一致する申請に対しては許可しなければならない。許可を受けるためには、公示内容に一致したものを出さなければ認可できないことは当然であろうと思うのですが、ことさらにこのようなことを規定しておるのはどういう意味なのか。
それからもう一つは、同じく同条三項に、公示した船舶の隻数をこえる申請が行なわれた場合は、従来許可を受けていた者が、その許可の有効期間の満了日到来のため、従来の船舶と同一の船舶についてした申請は他の申請に優先して許可しなければならない、これは船舶の隻数を増して申請した場合のことがいわれておるのだろうと思うのでございますが、これはどういうふうな理解をしておるのか。この点何べん読み返してもちょっとぴんとこないものですから、今後の隻数制限の拡大なりあるいは従来の実績による大臣の許可ということと関連がございますので、この解釈についてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/11
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012・久宗高
○久宗政府委員 公示制度と申しますのは、結局は最終的には、許可に伴います官僚の恣意的な取り扱いがなされないようにということが一番基本的にはあるのではないかと思うわけでございます。ただ、御質問にもございましたように、非常にややこしい形になっておりまして、私自身もはっきりのみ込めない点もあるわけでございます。ただ、御承知のとおり、大臣指定漁業におきまして漁業種類ごとに漁場の錯綜するものもございますので、本来でございますれば、個々の許可でございますので、個々別々に許可の切れ目がくるというのが普通でございますけれども、これを数年間たちましたところでいろいろな事情が変わってくるであろうということで一斉に更新をいたしまして、その際には新たに許可をいたしますたてまえになりますので、その際には、今後はこういう許可の内容でございますというものを公示して、それに伴って申請を受けて切りかえをやっていくというたてまえをとっておるわけでございます。ただ、これは考え方としてはまさにそうあるべきだと思いますし、その際に大きく漁業上の調整をはかり得るわけでございますが、実際に事務をやってみますと、これはたいへんな作業でございまして、実は昨年来私どももこれでてんてこ舞いをしておるような実情でございます。いずれにいたしましても、公示をいたします場合に、資源その他を考えまして、今後この種の漁業についてはどれだけの許可がどういう内容で与えられますということを一般的に明らかにいたしまして、それに対して申請が出しやすいようにする。それを審査いたします場合に、なるべく恣意的な要素が入らないで、客観的な基準で処理ができますような仕組みが、この公示制度全般の考え方だろうと思うわけでございます。したがいまして、公示をいたしました漁業種類の内容、それから漁家の数、船の数といったものに合わせまして申請が実際には出てくるというたてまえになっておるわけでございます。
なお、後段で御質問のありました点は、さような形で処理をいたすわけでございますけれども、申請者が申請が許可されるものと予定されておりますものをオーバーいたしました場合に、どういう優先順位でそのオーバーしたものを処理するかという問題がございまして、この場合に、この改正法のときに、たしか本委員会におきましてもたいへん御議論があった点でございまして、少なくとも実績者を優先させるべきではないかという意味が入りまして、それとの組み合わせによりまして、後段の御質問に関連する部分が出てきたわけでございます。私どもこの公示制度を今回ことし初めてやってみたわけでございますけれども、事務が非常にたいへんでございまして、一斉更新に伴って内容的な掘り下げが実は非常にむずかしいなという感じを受けているわけでございますが、ただ、扱いの公平さという点から申しますと、やはりこういう形をとらざるを得ないなという感じもいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/12
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013・兒玉末男
○兒玉委員 私は、長官の答弁で一点抜けておるように思うのですが、同一の船舶について申請したものは他の申請に優先して許可しなければいけないということは、他の申請というのはどういうことを意味しているのか、でないと比較論ができないわけでありますが、この辺はどういうことでございますか。非常に問題点だと思いますので、もう少しお聞かせをいただきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/13
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014・久宗高
○久宗政府委員 端的に申しますと、実績があるもの、ないものの区別でございます。
〔委員長退席、仮谷委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/14
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015・兒玉末男
○兒玉委員 あと二点ほどしぼって御質問したいと存じますが、中小漁業関係では、特にきのうの長官の答弁で多少あいまいなところがあったと思うのですが、経営の近代化の目標の中にありますところの、単船経営から複船経営あるいは共同経営を行なう、こういうことがその目標になっておるわけでございますけれども、御承知のとおり、いまの御答弁にもありましたとおりに、いわゆるこの許可を受けるためにも、相当の激しい競争、厳正な審査に基づいて許可がおりる。きのう申し上げましたとおりに、この権利というものは、大体トン当たり二十万から三十万というのが相場だといわれておりますが、経営の近代化の目標である共同化なりあるいは複船経営へいこうとする場合には、どうしてもこの権利を買ってしなければいけないという状況にあることを聞かされておるわけでございますけれども、現実の問題として、百トンの場合にいたしましても少なくとも三千万という膨大な権利金が必要だとするならば、今後の経営の近代化の目標である複船経営なり共同経営というものが、単なる名目に終わるということが懸念されるわけでありますし、過去におきましても、現在の漁業生産組合等があまり伸びてないというようなことも、やはりこういうことが一つの原因となって、理想的な共同経営とかそういうことが、実際に漁業に従事してない人を名義人として、このような組合が経営されてきたという弊害もあったということが指摘をされておるわけでございますが、こういうふうな非常に現実の困難な問題に対処してどういうような指導をしていくお考えなのか、また、このような点の解決についてどういうふうな努力をされようとしているのか、この点明らかにしていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/15
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016・久宗高
○久宗政府委員 昨日もそれに触れた御質問がございまして、はなはだことば足らずな御説明で恐縮だったわけでございますが、実は私どももその点が一番悩みを持っておるわけでございまして、特に他国と競争関係にだんだん入ってまいります場合に、いまの漁権を得ますための負担というものが、普通の建造のほかに加わる、競争力を弱めることにもなりますので、この処理につきましては非常に苦慮をいたしておるわけでございますが、昨日もちょっと申し上げましたように、許可制度そのものから当然にくるということではございませんで、現在の金融と非常に関連があるわけでございます。端的に申し上げれば、実はそれほどもうかるものではないと私は思うのでございます。しかし、実際にはとにかく漁に出れば金が入ってまいりますので、中小漁業は、私はよくウのような感じがするわけでございます。魚をとってきて、その魚を吐き出させられまして、金融機関にみんな金利で持っていかれるというのが中小漁業の実情ではないかとすら思うわけでございまして、いずれにいたしましても、相当金が循環して出てまいりますので、経営体といたしましては、とにかく続いていく、そのこと自体が、現在の他の企業に対する金融と相対的に見ました場合に、とにもかくにも営業が進んでおりますので、したがって、もうかるように見えるわけかと思うわけでございます。そのようなものが、許可が限定されております関係上、若干の価格を現実に生むということでございまして、それに伴って金融が行なわれ、それに伴って税が行なわれるという形になりますので、許可制度のほうでそれを逃げようといたしましても、一連の関連がありまして、その処理がどうもできにくいわけでございます。もちろん、これが正常な形の経済の発展の中で、また正常な金融が漁業金融に行なわれているといたしますれば、私は、その許可量が非常に多ければ、許可数をふやしていけばもっと普通の利潤の形になり得ると思うのでございますけれども、必ずしもそう言い切れない。表面的にはもうかるように見えますけれども、本格的に経営分析をいたしてみますと、必ずしもそれだけの蓄積ができるような経営体ではない。ただ、相対的に有利のように見える結果、そのような許可に価格がつくような問題が起こるわけでございますので、これは許可制度の上でもできるだけその弊害を除くような処置は考えてまいりたいと思いますけれども、根本的にはいまのような問題がございまして、多少全体の経済の落ちつきとも関連いたしまして、的確な処理がある時期に必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。当面はそういう問題に伴います。連の矛盾をできるだけ調整するために、それぞれの業種団体におきまして、許可の名義その他そういうものにつきましてもう少し内部で調整ができないものかということで、いわば制度問題と申しますよりは、実際の運用の問題として、この具体的な段階におきます解決方法をそれぞれの業種間におきまして検討していただくように、団体とも話し合っているのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/16
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017・兒玉末男
○兒玉委員 最後に、これは要望等もたくさんございますが、これはまた党のほうともよく相談の上で御提案したいと思っておりますが、これは外国人の漁業規制に関する問題でございますけれども、昨日来いろいろと御意見を聞きましたが、特にかなりの制限をいたすわけでございますが、問題は、この制限の効果をあげるためには、いわゆる領海内におけるいろいろな制限行為というものを監視をし、またそういうことを十分指導するというためには、やはり海上保安庁等を通ずるこのような監視行為ということが強化されなければ、この実効を期することはなかなか困難ではなかろうかと思うのですが、この規制を効果あらしむるための措置は、どういうことを総体的にお考えになっているのか。それからまた、今後韓国が特に北洋におけるサケ・マス等の漁業に従事するということが予想されるわけでございますけれども、もちろん昨年は試験操業程度であったということでありますが、おそらく今後サケ・マス漁業につきましては、韓国としても相当装備を強化して対していくことが予想されるわけであります。その際、やはり問題になりますのが、日本とソ連とのサケ・マス等に関する漁業交渉、年々の漁獲量においても常に紛議をかもしておるわけでありますが、韓国が出ることによってますますその困難性が予想されるわけでございます。このような点については、今後どういうふうな配慮をして対処していこうとするのか。この二点についてお聞かせをいただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/17
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018・久宗高
○久宗政府委員 外国人漁業に対する規制をいたします場合に、当然御指摘のございますようにそれを具体的に処理いたします体制を整えなければならぬというふうに考えておるわけでございますが、率直に申しまして、私どもは、先般閣議決定という形で、日本側の日本列島周辺における漁業についての国としてのかまえというものは明らかに宣言をいたしましたので、対外的にはそれで実は事足りるとすら思うわけでございます。ただ、具体的に問題が起こりました場合に、それを処理いたしますのに法的な根拠が要りますので、それを裏打ちする意味でこのような法案をおはかりしているわけでございますが、この法案の最大の目的は、個々に入ってまいりますものをつかまえたりどうするのではなくて、やはり国の主権に基づきますかまえというものを明らかに宣明するということだろうと思うのであります。したがいまして、法律的な体制も整えまして、趣旨も明らかにいたしまして、国会の議決を経た形で特別の法律によってこれを宣明するのが一番適確であるというふうに考えますので、どちらかと申しますと、この法案によりまして個々に取り締まらなければならないような事態は、こういう法案を早くはっきりした形で表にあらわすことによりましてむしろ防げる、これでつかまえなければならぬ場合は非常なレアケースであるとすら思っておるわけであります。特に近海におきます漁業の関連で申しますと、やや国が特定されますので、そういう方方に対しましてもよくわれわれのこの法案の趣旨を御説明しますことによりまして、なるべく個々のケースが起こらないような形でこの趣旨を明らかにしたいという気持ちでございます。もちろん、御指摘のございますように、この法案が通りました場合の各政府部内におきます機関、海上保安庁その他税関、いろいろな関係がございますので、さようなところにつきましても十分打ち合わせをいたしまして、その処理に万全を期したいと思っているわけでございます。今日省令でこの一部をやっておりますが、それぞれ分かれております関係機関にお願いいたします場合にも、これは非常にこまかいことまできめなければなりませんので、実は法的根拠がないために、十分な御協力が得られないうらみもございますので、一日も早くこの辺の関係を明らかにしまして、すでに国として態度を表明しております寄港問題につきましての態度を明らかにしたいと思っておるわけでございます。
なお、後段で御質問のございました韓国のサケ・マスに対する進出の問題でございますが、昨年来いろいろな形でこれが問題になりまして、私どももこの処理にはいろいろ苦慮いたしたわけでございますが、私は、機会あるごとに韓国の漁業の責任者にお会いいたしまして、日本といたしましては、日米加の問題もございますし、日ソの問題もございますし、条約上の制限を受けておりますので、この関係においては協力はできない立場にあるんだということを非常にはっきりした形で申し上げているわけでございます。ただ、先般来たびたび起きております問題につきましては、政府のほうとしての立場と、それから韓国におきます民間の立場とよく仕分けてお話が出ますために、実は応接に困難をいたしているわけでございますが、少なくとも韓国の水産責任者に関しましては、日本側として韓国の漁業に協力することは、もちろん条約上私どもとしても協力をいたしたいと思うわけでございますが、この種の問題、サケ・マスのような国際条約において日本が制約を受けている問題につきましての立場は十分理解をしていただきまして、御協力はこの関係ではできないんだという点を明らかにしておるわけでございます。
なお、これは先方の国内問題かと思うのでございますけれども、お会いいたしました場合には、率直に、韓国のいまの漁業の発展段階から見まして、急速に遠洋の体系に持っていかれる前に、少なくとも日本の経験からいたしましても、相当沿岸、沖合いその他関連産業も含めた積み重ねが要るんだということは、くどいほど実は申し上げているわけてございまして、先方もその点はいろいろよくおわかりのように思うわけでございますが、何ぶんあの発展途上の国でございますので、なかなかこの関係の旗がおろしにくいのではないかというふうに考えております。
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/18
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019・仮谷忠男
○仮谷委員長代理 次に、農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。斎藤実君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/19
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020・斎藤実
○斎藤(実)委員 私は、東日本を襲った干ばつについて、若干御質問したいと思います。
今回の干ばつの問題は、東北、関東、相当広範囲な地域に被害が続出しております。私も千葉県の利根川流域の被害の状況を視察してまいりました。特に視察をしてまいりましたのは佐原市でございました。あの状況は、水不足で約三千ヘクタールが枯死寸前になっているという現状でした。なお、一万五千ヘクタールが水不足で田植えが不可能だ。約三分の二は田植えを終わっておりまして、田植えを終わったところも水がなくて、これも枯死寸前だという状況でした。
〔仮谷委員長代理退席、委員長着席〕
千葉県の知事に会って、一体この状況をどうするんだ。ところが、知事は、政府で上流ダムを放出してもらう以外にないんだ、県としても市としてもこれは処置なしだ、ただ行政指導しています、ひとつ井戸を掘って地下水をくみ上げてやってもらいたい、こういう現状なんですね。農民にしてみれば一刻を争う状態でもありますし、私は、この問題を当然国で抜本的に応急対策をすべきだ、こう考えているわけですが、農林省としてこの問題をひとつ抜本的にどうしようとしているのか、まず、基本的な考え方をお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/20
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021・太田康二
○太田説明員 水不足の問題につきましては、ただいま先生のおっしゃいましたように、上流ダムの放水等の問題があるわけでございまして、この点につきましては、建設省等とも打ち合わせをいたしまして、関係各省協議の上、多目的ダムの水をいかに有効にこういう緊急事態において使っていくかということの協議をいたしておるのでございます。おそらくお尋ねの場合には利根川本流の場合になるかと思いますが、私たちが承知いたしておりますことは、一つは、若干流れの状況がよくなった、それから、大潮の時期が一応過ぎて――これは先月の八日が大潮の時期になるようでございまして、大潮の時期も一応過ぎたということもありまして、なおかつ、千葉県で実施しております応急対策というものの効果も出始めておるということで、とりあえず上流ダム群、これは御承知のとおり、矢木沢ダム、藤原ダムあるいは須田責、相俣というようなダムがあるわけでございますが、このダムからの放出は一応見合わせる、しかし、田植えの最盛期でございますところの六月十日以降中旬ぐらいまでの間にやはり放出することが一番大事でございますから、それに備えて多少見合わせるということで現在は対処しておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/21
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022・斎藤実
○斎藤(実)委員 先ほど私が申し上げましたように、作付不能の面積が約四万四千ヘクタールぐらいある。それから、枯死寸前が約三千ヘクタール。そうしますと、約四万七千ヘクタール。それで、実際ダムの放流をするとして、一体この四万七千ヘクタールに対してはたしてどれだけの水が放流されるのかどうか、この点ちょっとお聞きします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/22
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023・太田康二
○太田説明員 私たちが承知しております千葉県の被害は、要するに、植えつけ後用水不足になっております面積が約二万一千ヘクタール、それから枯死寸前になっておりますのが、これは先生のおっしゃったように三千ヘクタール、それからいまの状況では作付不能といわれておるのが約一万五千ヘクタール、こういうことに相なっておるのでございます。そこで、先ほど申し上げましたように、私のほうの利根水系の多目的ダムからの、要するに農業用の放水可能の貯水量でございますが、藤原ダム、相俣ダム、矢木沢ダム、須田貝ダム、四ダム合わせまして七千五百万トンというふうに承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/23
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024・斎藤実
○斎藤(実)委員 建設省とも関係があると思いますが、どれくらい放流できるのか、そういうことについて打ち合わせをしたかどうか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/24
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025・太田康二
○太田説明員 先ほども申し上げましたように、建設省と打ち合わせまして、六月の中旬の最盛期に備えて、現在の放流は控えておるわけでございますが、その数量等につきましては、ちょっと私承知しておりませんので、いま調べまして、後ほどお答えさせていただくことにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/25
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026・斎藤実
○斎藤(実)委員 一応六月の中旬でなければ放流できないといういまのお話でしたけれども、それでは一体農民のいまの現状を政府としてただ雨待ちか、それ以外に何か対策を考えておられるかどうか、その点についてお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/26
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027・太田康二
○太田説明員 昨日も申し上げたわけでございますが、干害応急対策といたしまして、従来水源のあるところにつきましてはポンプの設置、あるいは新たに水源を求めるために井戸の掘さくあるいは水路の掘さく、こういったことを実は応急対策として処置いたしておるのでございまして、これらにつきましては、昨日も申し上げたわけでございますが、大蔵省とも話し合いまして、例年の例に準じて助成をして応急対策としてやってまいりたい、こういうことを考えております。それから、地方農政局にポンプがございますので、このポンプの貸し出しをいたしまして、やはり応急対策に備えるというようなことも措置いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/27
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028・斎藤実
○斎藤(実)委員 答弁は幾らでも言いますけれども、私が現地へ行って農民に実際に声を聞いてまいりましたところが、ダムからは放流されないし、雨は降らないし、結局農民にしてみれば井戸を掘る以外にないわけですよ。それで、たいてい十メートルから十五メートル掘っています。ところが、自分で掘ってポンプを買ってきてやっていますけれども、あの広範な地域ですよ。お互いにやっていますけれども、地下水には限度があります。水はだんだん出なくなってくる。そうかといって、労賃も必要でしょう。それからポンプ代も必要だ。相当な金がかかるわけですよ。十メートル掘れば労賃にしても五万円くらいかかる。ポンプだってやはりフルに運転すれば相当な馬力のものが必要だ。ポンプでも大体十万円くらいかかる。何とかしてもらいたい。そうかといって、市としても県としてもこれは処置なしと知事が言っておるわけですよ。県としては対策本部をつくりました。つくったけれども、具体的にではどうするかという財政的な裏づけも何もないのだ。たよりない話なんですよ。結局こういう問題が起きたということは、やはり昭和三十三年からも相当な被害があったので、用水路もつくって、今度は日照りが続いても絶対に農民の皆さんに迷惑をかけないというふうに、そういう工事もやっております。ところが、いまだに雨が降らないのに水もダムから放流されない。結局農民にしてみれば、何とかしてそういうふうに井戸を掘るには掘るけれども、そこに政府の何らかの補助金なりをしてもらいたいという声なんです。あなたはそこで答弁していますけれども、現地に行ってごらんになったのですか。ほんとうに農民の立場に立てば、さっそく農林省の幹部が現地に行って、そういう実情を見た上での答弁をしてもらいたいと思うのです。先ほどのポンプやその他の労力に対しての財政的な措置は、具体的にどういうふうに考えていらっしゃるのか、ひとつ農林省の案をお伺いしたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/28
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029・太田康二
○太田説明員 私のほうで従来とっております干ばつ対策といたしましての応急措置としては、予算的な措置を結局予備費等で講ずることになるわけでございますが、その際やっておりますのは、先ほど申し上げました農地局の系統といたしましては、井戸の掘さくあるいは水路の掘さく等に対する助成、それから揚水機等の購入に対する助成、あるいは借り入れに対する助成という措置を講じております。これは土地改良区でやる場合は、一応四割の補助をいたしておるのでございまして、当然本年度におきましても、従来の過去の例に準じた措置が講じられるものというふうにわれわれは信じておりますし、おおむね財政当局ともそういうことで話し合いがついております。なお、激甚災害について、もっと補助率を上げたらどうかというお話が実は昨日もあったわけでございますが、この点につきましては、財政当局と一応昭和三十九年につくった基準がございます。この基準に該当いたしますれば、四割の補助は、土地改良区で実施する場合には五割になるというような補助率のアップも考えておるのでございます。
それから、農政局の系統での措置といたしましては、予備苗しろの設置、あるいは再仕立て、あるいは稲苗の輸送費等に対する補助も従来はいたしております。したがいまして、今回もそういう事態になりますれば、当然それも補助の対象として措置してまいりたい、こういったことを現在考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/29
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030・斎藤実
○斎藤(実)委員 この間、二十七日でございましたけれども、千葉県の知事に会ったときに、当分これは続くだろう――この通達は二十九日ですね。すでにあの時点でもって半月雨は降らないわけです。当然いまの掘さくの補助の問題等も現地では心配しているわけですから、農林省としては、これは当然問題になるだろうというふうに、この問題を委員会で取り上げる以前に、早急に現地の知事に対して言えば、それがまた農民に大きな安心感を与えると思うのです。それが政治だと思うのですがね。その点について、早急に今回の事態を通して、ひとつ積極的な早い手を見通しを立てて打ってもらいたいということを要望して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/30
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031・本名武
○本名委員長 神田大作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/31
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032・神田大作
○神田(大)委員 いまの干害の関連でちょっと申し上げたいと思います。
いまの答弁を聞きますと、例年にならってやるというようなことを言っておりますが、これはそういうなまぬるいことをやっておったのでは間に合わぬ。土地改良をやったものに対して四割の補助ということであれば土地改良をやっておらないところの干害に対して、どういうような対策をとるのか、お尋ねします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/32
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033・田中勉
○田中説明員 私の言い方が悪かったのですけれども、土地改良区が実施した応急対策については四割、それから数人共同でやる応急対策もあるわけでして、それは二割五分ということで、土地改良の終わっているところは四割ということではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/33
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034・神田大作
○神田(大)委員 きのうも私が質問したとおり、この干害は机上ではだめなんです。そういう補助金を出すからやれとか、そういうような机上指示ではだめなんで、実際に干害を受けているところへ係官を派遣して、その状況に応じて現地作戦でもって指示をしてやる。予算的にも、また人的にもそういうような緊急の対策を必要とする。ほかの災害みたいに風が吹いて木が倒れたとか、あるいは水が出て災害になったとかいう災害のあとじゃなくて、これは災害の予防なんですから、そういう意味合いにおいて、手ぬるい災害対策をやっておったのでは間に合わぬということです。そういう意味合いにおいて、これは緊急出動すべきである。これは、そんな机上でもって補助金を出すなんと言ったってどうにもならぬ。たとえば千葉県では、こことこことここに対してはこれだけの井戸を掘ってやるとか、栃木県はこういう方法でやるというように、緊急の対策をとるべきだと思うのです。これに対しましていかなる考えを持っておられるか、御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/34
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035・草野一郎平
○草野政府委員 いろいろ皆さんから今回の干ばつに対して御心配をいただいておりまして、事態が日々深刻になりつつあることを農林省といたしましてもほんとうに憂慮いたしております。
つきましては、現地を視察しろというお話でございますが、早いところは、東北地方は先週の土曜日から派遣をいたしまして、もう帰ってきておるものもあります。全部現地視察をいたしております。農政局に対しまして、適切なる指導――先ほど来文書だけではいけないのじゃないかとの仰せでありますが、昨日もお答えいたしましたとおり、従来やってきたやり方等もございまして、いま大蔵省と金の相談をしておって、それから通知一を出しておるようなことでは間に合いませんので、まず通知を出してやってもらう、やってもらったあと、全部責任を持ってこちらがそれのしりぬぐいはしますし、同時に、これはちょっと先ばしったことを申し上げるようでありますが、明日閣議が行なわれますが、閣議のあとで防災関係の閣僚懇談会を開きまして、根本的な対策を検討いたしますに先だって、農林省といたしましても、今度の災害対策に対する本部のようなものをいま考えております。直ちに事態に即応した動き方をするような万全の対策をいたしておりますので、どうぞひとつ皆さんからの御鞭撻なり御協力をいただきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/35
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036・神田大作
○神田(大)委員 いま次官が答弁になったように、政府自体としてもこの干害に対しまして対策に乗り出す、これは非常にけっこうなことです。これはきょうあすにでも農林省、建設省、その他関係各省において根本的な対策と緊急対策、両方面における適切なる処置をお願いするのであります。きのう気象庁長官の説明によりますと、いまから十五日間雨は降らぬ。これは中澤委員からもきびしく指摘されたのでありますけれども、いまから十五日雨が降らぬということになりますと、大事態が発生する、そういう予測のもとに、いまからこれの緊急対策を整えるということが、これがほんとうの政治であろうと考えます。そういう意味合いにおきまして、次官におかれましても、大臣によくお伝えの上、速急に政府当局といたしましての対策を立てられるよう要望申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/36
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037・草野一郎平
○草野政府委員 お話の筋合い非常によくわかっております。したがって、万全の対策をとり、すでにもう政府の農政局で持っておりますポンプは当然のこと、各府県、各組合等の持っておりますポンプ二千台が動く状態に配置いたしているそうでございます。万全の措置をとるべく努力いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/37
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038・神田大作
○神田(大)委員 それでは麦の問題につきまして、少しく御質問申し上げたいと思います。
最近、ビール麦の作付が減退しつつあるようでありますが、これらビール麦の作況並びに今後の生産の推移等につきましてお尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/38
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039・加賀山國雄
○加賀山説明員 農政局の参事官でございますが、お答え申し上げます。
先生御指摘のように、麦全体の作付面積がだんだんと減ってまいっておるような傾向で、これに対しましても、政府といたしましては何とか麦の作付面積をふやすように努力いたしておりますが、中でもいま御指摘のビール麦につきましては、できる限り国内でもって自給をいたすような線をねらっておりまして、幸いにしてビール麦は、最近の傾向を見ますと、ほかの麦に比べますと、大体横ばいというようなことでございます。大体現在十一万町歩くらいの作付面積になっているわけでございます。
それからもう一つは、反当収量の増加がございまして、トータルの生産量といたしましては、四十一年度産麦で約八千トンくらいの増加になっております。
ことしの作柄でございますが、大体面積的には横ばいということでございますが、四月一日現在の作柄概況は並みやや不良ということに全国的になっておりますが、その後の天候が、ただいま干ばつというような話でございましたが、わりあいに麦にとってはいい天候の推移でございまして、雨が降らないほうが――これはたいへん変な話でございますが、収穫期は雨がないほうがいいということでございますので、そういう意味合いでは、作柄がかなり好転しておるのではないか、そのように現在承知をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/39
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040・神田大作
○神田(大)委員 このビール麦が相当多くの数量が外国から輸入されておりまして、内地産ビール麦が、いまのようなビール麦の価格ではだんだんと減ってくる、そういう状況にあるのではなかろうかと思うのであります。これにつきまして、農林省当局としてはどのような考えを持っているか、お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/40
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041・田中勉
○田中説明員 御案内のように、ビール麦の取引につきましては、生産者団体と需要者のほうのビール会社のほうで契約栽培をいたしております関係上、価格等につきましても、そういう面で折衝をいたしているわけでございます。もちろん、これはあくまでも民間の流通取引になるわけでありますので、生産者の団体と需要者の関係におきまして、ビール麦につきましては、普通の政府の買い入れ価格のほかに加算額という協定をやっているわけでございます。これは、生産者のほうではできるだけ高く、需要者のほうにおきましては、やはり物価その他の状況、それから需給状況というようなことで、毎年これは折衝をいたしまして、その結果きまっている状況でございまして、農林省の立場といたしましては、価格問題につきましてはあくまでも両者の話し合いがやはり基礎になるわけでございます。加算額の問題でございますので、その点につきましては、極力両者の側におきましてそれらの価格の関係の話し合いが円満に進むように希望いたしておるのが、食糧庁なり農林省の立場でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/41
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042・神田大作
○神田(大)委員 この価格の問題ですが、いまのピール麦の価格が、普通小麦価格の七八%というような基準でもってこれをきめておるようでありますが、このような普通小麦に対して七八%というような価格のきめ方は、現在において妥当であるかどうか、お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/42
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043・田中勉
○田中説明員 ビール麦の価格につきまして、ビール会社、それから生産者団体の話し合いの基礎になってまいりましたのは、三十六年度までは普通の大麦が中心でございます三二十七年以降、政府買い入れの小麦を基準にいたしまして、そして、先ほど先生から御指摘のございましたような格差比率と申しますか、そういうものを採用いたしておるわけでございます。この点につきましても、三十七年以降毎年両団体でこれらの方式については議論を戦わしてこれがきまっておるわけでございますので、農林省の立場といたしましては、これらが両者の合意の上に成り立ったというぐあいに考えておる次第でございまして、問題は、今度はその格差という問題が出てくるわけであります。そして、これは政府買い入れ価格を基準としておりますので、その上に、ビール麦としての特性に応じた、いろいろビール協会とそれから生産者団体との間の加算をどうするかというようなことも、これも一つの大きな価格取引上の問題になるわけでございます。
いずれにいたしましても、普通小麦を中心といたしましたこの格差関係を反映いたしましたのが三十七年以降ということになっておりまして、毎年この問題についてはいろいろ真剣な論議がかわされておりますが、結論のところ、両者の間にこれだけの話し合いが行なわれ、理解が行なわれて価格形成が行なわれている、こういうぐあいに理解をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/43
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044・神田大作
○神田(大)委員 私は、この日本のビールの需要の増大あるいは経済状況の推移等から見まして、十年一日のごとく普通小麦価格に七八%の価格差をつけてビール麦の価格をきめるということは、もうすでに時代おくれであると思うのであります。こういう麦価それ自体に対しましても私は問題があるが、その引き合わない麦価に対しまして、なお七八%という安い比率でもってビール麦の基礎価格を算定すること自体が、いまのビールの需要の増大と産業の推移、経済の推移等から見まして、不適切である、このように考えるのでありますが、当局ではどのような考えを持っておられるか、お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/44
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045・田中勉
○田中説明員 現在基準にいたしております。両者の間にきまっておりますのが、小麦で申しますと一類、二類の三等の値段、その平均に対して七八%ということできまっているわけでございますが、御承知のように、普通の小麦の一俵当たりというものは六十キロになっておるわけでございます。ビール麦におきましては大体五二・五キロということが取引の単位になっているわけでございます。そういう観点からいたしまして、かりにその小麦並みということにいたしましても、一俵当たりの容量というものは六十キロと五二・五キロの差はあるわけでございますので、まあ大体小麦水準ということに三十七年以降両団体の間で踏み切られたわけでございますので、この線につきましては、おおむね両者の間においてそういう合意が成り立ったということでございます。問題は、この価格を農林省はどう考えておるかということでございますが、これは両者の間に話し合いが行なわれたわけでございますので、これは適正な値段というぐあいにわれわれは理解をいたしておるわけであります。ただ、問題は、ビール麦につきましては、これは栽培上いろいろ手間もかかり、また、精選その他いろいろ農家の手数をわずらわすこともずいぶん多いわけでございますので、それらの費用に見合う加算額の問題とか、あるいは指導費、こういう面において両者の間において話し合いをつけて、そしてビール麦の生産が適正に行なわれるように円満な話し合いがつくことを望んでいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/45
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046・神田大作
○神田(大)委員 それではお尋ねしますが、当局ではこのような価格が適正だと考えるならば、ビールが生産される原価計算等について、あるいは研究をし、あるいは試算をし、会社側に資料を求めて検討を加えたかどうか、お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/46
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047・田中勉
○田中説明員 先生御案内だと思いますけれども、まあビール麦につきましては、ビール会社とそれから生産者団体との間において、やはりそれを取引されているわけでございます。食管制度といたしましては、この流通にタッチいたしておらないわけであります。検査面だけにおいて実は関連をいたしておるわけであります。あくまでも両者の話し合いが行なわれてそれが実現した価格というものは、まあともかくも両者が納得いくような形のものであろう、こういうぐあいに理解をいたしておるわけでございまして、したがいまして、ビール麦の生産費なりそういう生産事情等については、食糧庁の立場としてはそういうことまで立ち入って調査というものはいま行なっておらないということを申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/47
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048・神田大作
○神田(大)委員 食糧庁の立場ではこれはできぬというならば、農政局として、農林省自体として、これに対していかなる処置をしておるか、お尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/48
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049・加賀山國雄
○加賀山説明員 ただいまの御質問に、農林省としてするのか、あるいは農政局としてするのか、二つのお尋ねがあったわけでございますが、農林省という立場では私はちょっとお答えできがたいわけでございますが、私、農政局としてお答えをいたします。
麦の生産費の調査その他いろいろわれわれのほうでもやっております。ビール麦の生産のためどのくらいのコストがかかっているかというようなことも、われわれのほうではずいぶん勉強をいたしておりまして、それをできるだけ下げていくというようなことを片方でやっている。もう一つ、ただいま田中総務部長からお答えがありましたように、現在ビール一本大ビン百二十五円ということになっておりますが、その中でどういうふうな価格、たとえば原麦の価格がどのくらいで、流通経費がどのくらいというようなことにつきましては、農政局の側としては立ち入って調べてはおりません。また、そういうふうな立場にないと考えているわけであります。お答えになりましたかどうかわかりませんが、そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/49
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050・神田大作
○神田(大)委員 きょうは食糧庁長官並びに経済局長を呼んでおったんだが、出てこないようです。この問題は、あなたたちにそんなことを聞いておってもどうにもならない。農林省として、あるいは政府の立場として、農民の生産意欲を高め、農民の生活を守るという立場に立って、一体ビールというものは幾らでできるんだ、ビール会社はもうけ過ぎるのではないか、もっと生産者に還元できる筋合いのものではなかろうかというような資料を全然持っていない。そういうことだから、君らは農林省の役人じゃなしに、業者の役人だと言われるのだ。私は、いま非常な好景気に見舞われているところの醸造界において、汗水たらして営々辛苦している農民にこれらの利潤が還元されないということに対しては、看過すべきではないと思うのです。責任ある答弁を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/50
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051・草野一郎平
○草野政府委員 ビール麦それ自体がほかの麦価との関係において必ずしも安いという勘定にはなってこないのであります。しかし、ビールがもうけておるからビール代も上げるなという議論も、もちろん成り立ちます。それほどもうけておるならばまた消費者に対してもサービスすべきだという議論も成り立ちますし、できることならばもっと税金を取ってやれという考え方もできるかと思います。いろいろの総合的な問題もありますので、これはなるほど、御注意のあったとおり、どの程度のものであるか、これはやはり真剣に調査する必要があろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/51
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052・神田大作
○神田(大)委員 政務次官が真剣に調査するというから、調査の結果を待ってから私は御質問を申し上げることにします。
次に、これは食糧庁の管轄であります。時間がありませんから率直に申し上げますが、ビールの粒の検査規格をいまから五、六年前に二・五ミリから二・二ミリに下げたわけでありますが、これは私も前に詳しく聞きましたが、少なくとも農民の不利益になるような二・五ミリの粒の大きさを二・二ミリに下げるようなことは、これはビール会社に益をし農民に不利益をもたらすものでありますからして、これを直ちに撤回してもとに戻すように強く要請しておったのでありますが、あれ以来もう六、七年たちますが、依然としてこのまま続けておるようでありますが、検査当局の見解をお尋ね申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/52
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053・田中勉
○田中説明員 御質問の中に二・五ミリを二・二ミリに下げたという、私の聞き違いかと思いますけれども、二・二ミリであったものを二・五ミリということにいたした、実はこういうことじゃなかろうかと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/53
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054・神田大作
○神田(大)委員 私の言い間違いでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/54
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055・田中勉
○田中説明員 その点につきましては、三十三年の検査規格の改正でそのようにいたしたわけでございます。また、それ以後におきまして、国会でも先生から――ふるいの目でございますので、二・二ミリから二・五ミリになりますると、細身のものがふるいの下に落ちてしまう。したがって、残ったビール大麦というものが粒がそろっているという形になるわけでございます。これは当時生産者団体のほうと需要者の団体のほうの間において大体合意を見て私ども検査規格をそのように改正をいたしたわけでございます。その後におきましていろいろ先生方の御質問も実はあったわけでございますが、その関係で、おととし、昭和四十年でありますが、いろいろビールの取引につきましての検査規格上の諸問題、たとえば、先ほど御指摘のございました二・五ミリなり二・二ミリなり、こういうような問題とか、品種銘柄の問題とか、あるいは等級の問題とか、取引上なかなか問題があることでございますので、私のほうが一応その取引上音頭をとりまして、生産者団体、この中には全中と全販連も入っておるわけでございますが、それからビール会社、それから農林省の中におきましては農政局、食糧庁が間に入りまして、この間においてそれらの問題についてひとつ詰めて結論を得たいということで、懇談会を四十年の暮れから持ちました。その結果、生産者団体と需要者の側におきまして、二・二ミリ、二・五ミリの問題につきましては、もう少し実際にその実態を調査しようということになりまして、全国農業協同組合中央会と全販連が共同で、四十一年から四十二年、四十三年にわたって現実の実態を調査するということによりまして、その調査の結果を待ってそれらについての懇談会の結論を出そう、こういうような話し合いになっておるわけでございます。そこで、四十一、四十二、四十三の三カ年にわたって、現実の出回りの粒の度合い、たとえば粒度あるいは千粒重、容積重あるいはたん白含量――ビール麦はたん白を非常に忌みきらうわけでございますので、そういうものについて実態は一体どうなっておるのか、そういう実態を調べた上で検査規格の問題、二・二ミリ、二・五ミリの問題についてその結論を得よう、こういうことでせっかくいま農業団体で調査をやって、ことしで二年目になっているわけでございます。そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/55
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056・神田大作
○神田(大)委員 この検査というものは食糧庁の責任においてやるべきことなのです。これは団体や業者の責任ではないわけです。そういう意味合いにおいて、当の検査の責任者であるところの食糧庁が、わざわざ農民の不利になるようなそういう改正をして、五年も六年も農民の要望を無視してこれをそのまま取り上げずにおって、業者あるいは農業団体の調査に待つというようなことを言っておるが、私はこれは無責任だと思うのです。現在においても、このふるいの下に落ちている細身のものをビール会社は買っておるのです。しかも、買い入れどきには合格の麦だけを買うというようなことを言っておって、細身のピール麦については、いつまでも買うようなふりをしたり買わぬようなふりをしたりしてじらしておいて、最後に相当安い価格でもって買って、これをビールに醸造しているのが現実でございましょう。これは皆さんも御存じでしょう。そういうようなことをやらしておいて、五年も六年も農民の要望をかまわずにこの規格の変更をしないということは、私は許せないと思うのです。私は、即刻食糧庁がこれをもとに戻して、そうして農民の生産意欲を高める必要があると思うのですが、その点につきましてのお考えをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/56
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057・田中勉
○田中説明員 最近この二・五ミりから二・二ミリへの要望が生産者団体のほうから非常に強く出ていることは確かでございまして、先ほど申し上げましたように、生産者団体も本腰を入れて実態の調査をいたしておるわけでございますが、先生も御承知のように、最近こういう声が非常に高まってまいっております背景は、従来ビール麦というのは晩生種であったわけでございます。ところが、最近は、労力事情その他の面から見まして、わせとか、なかての品種が非常に多くなってきている。そういうことからいたしますと、晩生種の場合と違ってどうしても全体の中に細身のものが出回る傾向が出てきておりますので、私のほうも、これはやはり現状というものを十分見まして、何らかの形でこの二・五ミリ問題の再検討も――かつては二・二ミリであったわけでございますので、そういうことで両団体を一堂に会してみて、足かけ三年になっているわけでございますが、なお中間報告等も出てまいることでもございますので、できるだけひとつこの問題についてはあまり時期を失しないように早く結論を出すようにいたしたい。懇談会の開催の主唱者は食糧庁であったわけでございますし、御指摘もございますので、そういたしたいと思いますが、あるいは三年を待たずに何らかの結論が出るということも考えられるわけでございます。そういう意味で促進をしてまいりたいというぐあいに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/57
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058・神田大作
○神田(大)委員 麦の出回りももう目前に控えておるのでありますからして、農民は食糧庁のそのような決定を非常に待望しているわけです。そうでないと、いわゆる不合格のビール麦がたくさんできるわけです。それでなくとも、畑作は引き合わない、畑作はとてもいまの労働状況においてはやれないというような状況で、りっぱな田畑があいておる。それにビール麦を作付して、このあき地にビール麦をつくって、外国からたくさんの麦芽やあるいはビール麦を輸入しているのを押える、そういう意味合いにおいても、農政上から言いましても非常に大事な問題であります。しかし、このままこの検査規格を続行しておりますと、それでなくとも引き合わないピール麦はなお引き合わなくなって、農民はビール麦をつくらぬ、そういう傾向がもう如実にあらわれてきておる。だからして、いま二年だの三年だのそんなのんきなことを言っておらないで一とにかく、もとは二・二ミリでやったわけです。しかも、その二・二ミリから二・五ミリに改正するときに一銭も価格を上げないで、そしてビール会社はそれだけの利潤を得ておるのでありますからして、このような不合理なことをいつまでも打ち捨てておくという法はない。これはひとつ、来年とか再来年だというようなことを言わずに、本年度から実施してもらうように私は強く要望いたします。御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/58
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059・田中勉
○田中説明員 ふるい目の問題につきまして、せっかくいま両団体で調査をいたしているわけでございます。本年度のものからすぐ即刻という御要望であったわけでございますけれども、いまのところ出回りを目前に控えておるわけでございます。そういう面で、いますぐこの場でこの問題について二・五を二・二ミリにするということはこれは私のほうとしてはいまそこまでは考えておらないわけでございますが、いずれにいたしましても、四十三年産麦までが一応調査の期間になっておりますものを、少なくとも四十三年産麦について実施する場合には、もうことしじゅうにある程度結論を出しておかないと、来年の麦の取引に支障を来たすわけでございますので、そういうような考え方で進めてまいりたいというぐあいに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/59
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060・神田大作
○神田(大)委員 善は急げということでありますからして、もうもとに戻す時期が来ておる。また、実際問題として、先ほど食糧庁のほうでも申したとおり、品種がおくからなかて、わせと変わってきて、昔のような太いビール麦はできないのでありますからして、このことを強行しておりますと農民はビール麦をつくらぬということになりますよ。これは、ことし実行しなければ、来年はもうそういうことについてほかの作物に転換するなりあるいは畑や田をあかしておくということが現実に出てきます。この席でそれじゃ来年からやるということはなかなか言いづらいでしょうが、そういう腹づもりであるということを私は了解して一応本日の質問を終わりますが、ビール問題につきましては、そのほか価格の問題、独占企業としてのビール会社のあり方その他についてたくさんの問題点があります。これらの点については、きょうは時間も約束しておりますので、あとで関係者の御出席を求めて議論したい、こういうふうに考えております。本日は、食糧庁の善処を強く要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/60
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061・本名武
○本名委員長 小川三男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/61
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062・小川三男
○小川(三)委員 時間がありませんので、水産庁のほうに伺いますが、魚族の保護並びに漁場の維持管理その他については水産庁の当然の仕事だと思うのですが、水産庁はどのようにやっておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/62
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063・久宗高
○久宗政府委員 魚族の保存につきましては水産庁が直接担当いたしておりますので、現在やっております諸般の漁業制度、漁業権にいたしましても魚価の運用にいたしましても、あるいは禁止区域の設定その他につきまして、一連の制度をもって魚族の保存に当たっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/63
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064・小川三男
○小川(三)委員 では率直に伺いますが、銚子港から約五十マイル沖、あそこはあなたのほうで当然把握しておられるのでしょうが、黒潮と親潮との接点であって、年間通じて漁獲高のある日本でも有数な漁場です。御存じですね。特にマグロ、カツオ、サバの漁場としては日本の有数な漁場である。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/64
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065・久宗高
○久宗政府委員 御指摘のとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/65
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066・小川三男
○小川(三)委員 一例を申し上げますと、ことしの一月銚子港に水揚げされたものだけですが、船が千九百三十一隻、水揚げ高は四億四千万、二月が三百七十七隻で一億六千七百万、三月が六百二十六隻で三億一千四百万、四月が五百五十九隻で三億六千五百万、これは銚子港へ水揚げされた分だけです。したがって、他の漁港へ行って揚げたものがこれ以外にあるはずです。ところが、自衛隊はあの漁場で演習をやっておるんですよ。したがって、漁場としての価値を上げることができない。それについて自衛隊はどんな措置なりどんな方法なりをあなたのほうに事前に連絡があったのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/66
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067・久宗高
○久宗政府委員 従来海域を指定いたしまして演習をなさいます場合には自衛隊法に基づきまして常々御連絡があったわけでございますが、御指摘の今回の銚子沖の問題につきましては、私のほうは御連絡をいただいておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/67
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068・小川三男
○小川(三)委員 そうすると、あなたのほうはとの漁場について危険区域であるということを自衛隊が指摘して通知をされておるのですか。あなたのほうには事前に何の連絡もないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/68
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069・久宗高
○久宗政府委員 区域を指定いたしまして演習の場所をきめます場合には、当然こちらのほうに御連絡があるたてまえになっておりまして、従来はその種のものにつきましては的確な御連絡があったわけでございますが、ただいま御指摘の銚子沖におきます演習の問題につきましては、私のほうは御連絡をいただいてないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/69
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070・小川三男
○小川(三)委員 それではあとで自衛隊に伺いますが、何らの連絡もなしにこうして危険区域として指定された場合に、自衛隊に対してあなたのほうで抗議を申し込みますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/70
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071・久宗高
○久宗政府委員 本件につきましては、漁民の側からお話が出てまいりましたのはつい最近でございまして、その後御質問がございましたので伺った事情によりますと、本年の初めごろ演習が行なわれました際に、漁民との間のお話し合いが先行いたしまして、漁場をもう少し沖のほうへ出してほしいというお話し合いが漁民と演習当局との間にあったようでございます。その後魚群がまた上のほうに上がってまいりましたので、そちらのほうへ演習海域を移動する問題について漁民から抗議が出まして、その過程におきまして県その他から私どものほうにさような演習が行なわれているということが事実問題としてわかったわけでございます。私どもといたしましては、演習の内容を具体的に事前に詳しくお話を聞いておりませんので、その規模なりその頻度なりを十分的確につかまえておりませんので、直ちにこれについての可否は申し上げかねるわけでございますが、少なくとも、たてまえといたしましては、区域を指定して私どもに正規の手続で御連絡があるべきものであったというふうに、遺憾に思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/71
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072・小川三男
○小川(三)委員 自衛隊でどなたが見えていますか。――防衛庁の方に伺いますが、あなたのほうで四十二年五月一日付で千葉県水産部長あてに海上自衛隊横須賀地方総監部総務室長の名で、銚子沖の海上自衛隊の訓練に伴う海面の使用についてという文書通達を出していますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/72
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073・中井亮一
○中井政府委員 お答えいたします。
ただいまの海上自衛隊横須賀地方総監部総務室長から千葉県水産部長あての五月一日付の訓練に伴う海面の使用についてという書面は出しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/73
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074・小川三男
○小川(三)委員 この使用についてということで、水産方面について少なくとも水産行政一般を所管している水産庁に対してなぜあなたのほうでは何らの通告もなくこういうことをやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/74
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075・中井亮一
○中井政府委員 お答えいたします。
この銚子沖約五十マイルにございます自衛隊で訓練に使っております海面でございますが、この海面は、昭和三十八年以来海上自衛隊の下総にあります航空基地に所属しております航空機が対潜訓練をするために月に一回くらい、日にちにしまして七日ないし十日くらいずっと使用さしていただいております。その使用の形式は防衛庁の告示をもって御案内をするわけでございますが、特にこの訓練のために漁業を制限をしたり航行を制限するようなことはいたしておりませんで、訓練をいたします際に船が海面にありますときには、訓練を中止するような措置をとって危険防止をはかっております。ことしの一月に従来どおりに使用する目的で防衛庁の告示を出しましたところが、千葉県の漁業協同組合連合会から、カツオ、マグロの盛漁期にあたっておりますので区域を変更していただきたいという申し入れがございました。そこで、調整をいたしまして、三月末まで従来の海面よりもさらに五十マイルほど東になった水面でこの訓練を実施することにいたしまして、実施を三月までいたしました。三月の末に漁業協同組合に、三月までというお約束でございましたのでまた御連絡をいたしましたところが、もう一カ月延長していただきたいということを申されましたので、それではということで、四月末まで引き続いて、ちょうど銚子沖から行きますと百マイルの地域の海面で使用しておりました。そこでまた、四月末になりまして県の水産課に、五月からこの訓練をもとの水面でやりたいがということで御連絡をしたわけでございますが、その連絡が口頭で行なわれましたあとで出されました文書が、ただいま申し上げました文書でございます。それが五月一日付の文書でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/75
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076・小川三男
○小川(三)委員 私の聞いているのは、水産庁に対してあなたのほうでは事前にこういう仕事をするけれどもという了解を求めたのかどうかということを聞いている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/76
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077・中井亮一
○中井政府委員 自衛隊法の百五条に基づきます漁業の制限の場合には、水産庁にあらかじめ御連絡をとって御意見をお聞きしてやっておりますけれども、そうでございません場合、ただいま申し上げましたように防衛庁告示をもって訓練を実施する海面を指定をして、そしてできる限り危険の防止をはかっているような、そういう訓練の形態の場合には、特に水産庁に御連絡しておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/77
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078・小川三男
○小川(三)委員 それはあなたのほうで月に一回ないしと言っていたが、この通達を見れば五月以降ずっと実施するということを言っているでしょう。しかも、午前午後各一回、毎回三機ないし四機参加する、月としては中旬から下旬にかけて行なうということで、これは五月だけじゃないでしょう。以降ずっとやるということの通知なんです。あそこの五十マイルから百マイルの海域はちょうどりっぱな漁場なんですよ。しかも、あなたのほうで指摘しているでしょう、危険であるから避けてもらいたいと。この投下物というのは何を投下しているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/78
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079・中井亮一
○中井政府委員 ただいま御指摘をいただきました訓練のやり方といいますか、時間、あるいはこの書面にあります中旬から下旬にかけて午前午後一回三十分程度、毎回三機ないし四機が参加するというこのやり方は、過去ずっとやってきたやり方でございまして、月のうちの一週間ないし十日くらいをこういう形で訓練をさせていただいているということでございます。
内容でございますが、潜水艦を対象にしましてロケット弾とか爆弾――訓練用の爆弾でございますが、こういうものを落とすような訓練をしております。あらかじめ、潜水艦がいるということを標示するために色のついたものをまいたりあるいは煙をあげるというようなものをその水面にまず先に投下をいたしまして、そのあとでそういうロケット弾とか訓練用の爆弾、そういうものを落とすというのが訓練の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/79
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080・小川三男
○小川(三)委員 危険の点は、あなたのほうで漁業に差しつかえないと言うけれども、ここには一千から二千の船が出ているのですよ。出ている船は、カツオ、マグロの一本釣りから、マグロのはえなわ、サバ釣り、サバのほとんどこれは一本釣りですよ。したがって、船の数が多いのは当然なんです。そこへあなたのほうで飛行機で、しかも急降下したりなんかするそうじやないですか。だから、漁民は言ってますよ、船を潜水艦か何かのごとくに仮想してやるんじゃないか、あんなばかなことが許されるか、こう言っておこっていますよ。しかも、漁業組合からはあなたのほうに向かって中止するように反対の意思表示があったでしょう。どうなんです。今後もこの海域でやるのですか。これは水産庁の方は御存じのはずだが、これはちょうど寒流と暖流があそこでぶつかり合うところであって、したがって、寒流に属する魚類も暖流に属する魚類もあそこには年じゅういて、漁場としてりっぱな漁場なんです。日本有数の漁場ですよ。あの漁場を目がけて何のために演習をやらなければならないのだ。なぜそこを避けることをしないのだ。問題は、日本をめぐる海域はあそこの漁場だけではないでしょう。何のためにそこだけをやるのか。何のためにその海域でやるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/80
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081・中井亮一
○中井政府委員 お答えいたします。
今回の訓練にあたりましても、地元の漁民の方とできる限り意見を調整しまして、危険のないように、そしてまた、カツオ、マグロがちょうどとれる時期であるからそこの場所は避けてもらいたいという御意見に対しましては避けるようにいたしまして、そしてまた、五月に入りまして、もとの水面でやってもいいかということでお互いに調整をはかりまして、私のほうでは、あとで調べますとちょっと手違いはあったようでございますけれども、一応お話し合いがついたつもりで十七日の日に訓練を一日実施をいたしました。ところが、どうも話がついていないということがわかりましたので、至急取りやめて、その後連日地元の方と調整しているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/81
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082・小川三男
○小川(三)委員 十七日は調整などついてないのですよ。あなたのほうではやらないと言うから、そこで漁業組合も全部船を出したのでしょう。そしたら、あなたのほうでやっているのです。
それと、もう一つは、なぜそこの海域だけ指定しなければならないのかということなんです。いいですか、下総基地をめぐる海域はもっと広いはずだ。なぜその五十マイルから百マイルという有数な漁場でやるのか。そこが問題ですよ。これは海上保安庁の水路部のものですよ。
〔小川(三)委員、政府委員に資料を示す〕
これがあなたのほうでやっているところでしょう。黒い点と白と、これから百マイル、これが五十マイル、これは両方とも合わせてりっぱな漁場ですよ。なぜここを目がけてやらなければならないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/82
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083・中井亮一
○中井政府委員 お答えいたします。
下総におきまして訓練をしております航空機の性能から来るわけでございますが、S2Fという双発の対潜航空機が比較的足が短い飛行機でございまして、あまり遠距離まで行くと十分な訓練ができないということで、できる限り下総から近いところでやりたいということで、従来からもお話しをしているわけでございます。特にいまの地点でなければ絶対いけないということではございませんので、お互いにお話し合いをこれから先も続けたいというふうに考えております。特にいまの地点でなければ絶対できないということを言っているわけではございませんが、とにかくあの付近で、下総の基地からできることなら五十マイルくらいのところで――下総から行きますと八十マイルくらいになるわけでございますけれども、そのくらいの地理的な状況のところで、できたらやりたい。しかし、もう少し遠くでなければ、魚が多くてそこでは困るということでありますと、この一月から四月までやりましたように、百マイルほど沖のほうでやって、私のほうでも飛行機の安全ということもございますので、百マイルの付近でやらしていただいたわけでございまして、特に地元の漁民の方と話し合いもつかないうちにやる意図は全然ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/83
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084・小川三男
○小川(三)委員 これは、漁労長や船に乗って漁業に従事している人たちは、補償さえあれば出ないでもよろしい。しかし、船主は漁獲がなくて補償するなんということはできません。あなたのほうはこの五十マイルから百マイルという有数な漁場を目がけてやっている。それはあなたのほうの飛行機の都合でしょう。しかし、もっと避ける方法があるでしょう。何のために漁場を目がけてこういうことをやるんだ。
それから、同時に、なぜ水産庁のほうに自衛隊の諸君は連絡しないのですか。たとえ何条の適用がどうであろうが、こういうことは法律上の問題ではない。現実の問題として、なぜ水産庁の協力を求めるなりしないのだ。こんな一片の通達を出して、そうしてあしたからやるなんというそんなばかなことは許されるべき問題ではないでしょう。あなたのほうは今後も続けるつもりなのかどうなのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/84
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085・中井亮一
○中井政府委員 先ほどもお答え申し上げましたとおり、昭和三十八年からやっておりまして、その間お互いの話し合いが平穏無事に続けられておりますので、そのままずっと継続していたわけでございますが、今回のようなお話がございますので、現在は中止をし、今後も話し合いによって解決をしたい、こう考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/85
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086・小川三男
○小川(三)委員 では水産庁の方に伺いますが、こういう問題について今後見過ごすことなく十分に自衛隊に抗議をしてやってもらいたいと思う。千葉県の水産部長に一片の通達を出して、そうして直ちに実施するなんて、そんなばかなことはないでしょう。あなたのほうはここが有数な漁場の区域であるということは十分御承知なんですから、その点をあなたのほうで今後防衛庁に対して厳重に抗議して、漁民と漁場を保護することに当たってもらいたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/86
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087・久宗高
○久宗政府委員 本件につきまして、御連絡がございませんために、うかつに見過ごしたわけでございますが、経過を伺ってみますと、当初話し合いがついてきたものが今回になってというお話でございますが、私どもも、漁場が漁場でございますので、また、今後この種の問題につきましての官庁間の連絡の問題もございますので、御趣旨を体しまして自衛隊ともよくお話を進めたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/87
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088・本名武
○本名委員長 柴田健治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/88
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089・柴田健治
○柴田委員 昨日から干ばつの災害についてはいろいろ御質問がございまして、御答弁もございましたが、私は、干ばつ対策ではなくて、五月二十八日の夜半から三十日にかけて関東の一部あるいは中国の特に岡山県にひょう害が出たわけでありますが、このひょう害について農林省は実態をどうつかんでおられるか、まずお尋ねをしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/89
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090・太田康二
○太田説明員 先生お尋ねの五月二十八日から三十日の三日間にわたる降ひょうによる被害の概況でございますが、一応私のほうで把握しておりますのは、関係県からの報告による被害の状況を把握いたしております。これはそれぞれ各作物別に被害面積並びに被害金額等の県報告ということでございますが、一応まとめたものを持っております。それから、統計調査部を通じての被害の状況の把握でございますが、これは大体発生時期あるいは気象の概況、被害の概況についての報告でございまして、まだ被害金額等につきましては詳細わかっていない、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/90
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091・柴田健治
○柴田委員 概況だけはっかんでおる、まだ中の具体的なものはつかんでいない、報告を受けていないということは、私はあまりにも農林省は誠意がないのではないかという気がするわけであります。災害というものに対しては、敏速かつまた適切な処置を講じなければならぬ問題だ、私はそう思っておるのであります。今度のひょう害については、特にブドウ、たばこ、または麦、まあ麦でもいろいろ種類がございますけれども、いま収穫期を迎えている麦、いまや収穫して金になろうか、こう思っておる間近に全滅ということになると、やはりこの点についての共済金の支払い対策であるとか、そういうものが適切に行なわれなければならぬ。被害の実態調査というものは即刻にしなければ、そうした共済制度というものの意義がないと私は思うのであります。また、桑園の実態、または構造改善をして茶をやっているその被害、または造林をやっておるその被害、あるいは水田の植えつけ後の被害、まだ植えつけない苗しろの全滅、これらに対する処置というものは急を要するわけであります。それらの実態をつかまえず、まだ報告がないからという程度で農林省は安閑としておるところに、きのうから干ばつ対策についての質問で指摘されたと同様なことが言えると思うのでありまして、これらの被害の実態をすみやかにつかんで、そうして適切なる処置、指導、助言というものをしなければならぬと思います。その点についてまだ考え方がまとまらぬというのは、実態をつかんでいない証拠だと思うのですが、あらためてその数字を後刻出していただきたい、こう思うのであります。
まず、とのひょう害について、時間もございませんから簡単に処置の方法をお尋ねしたいと思うのですが、農民がこうした災害を受けた場合に直感的に要望として声が出てまいりますのは、やはり共済金の支払い対策でありまして、この支払いを受ける時期が常にずれてくるものですから、その間の前払い金制度、そういうものについての考え方をまず聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/91
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092・太田康二
○太田説明員 再保険特別会計からの仮払い、概算払い、それから組合における仮渡し等につきましては、要請がございますれば措置するのが従来の例でございまして、今回の場合も当然そういうふうに措置いたしたいと思っております。
それから、おことばでございますが、農林省が非常に不熱心で被害の把握がおそいではないかというお話でございましたが、従来ともこれはお許しをいただいておるわけでございますが、大体被害が発生いたしましてから、やはりこれがいろいろ、先生お話しのたとえば保険の問題にもつながるし、天災融資法の発動の問題あるいは自作農維持資金の融資の問題等につながる問題でもございますし、それに被害が相当広範囲にわたっておりますとこれを正確に把握するにやはり時間もかかりまして、ほぼ一カ月くらい正確な数字を把握するまでの時間というものを置いているわけでございまして、決してサボっているという意味ではないので、御了解いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/92
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093・柴田健治
○柴田委員 第二点にお尋ねしたいのは、天災融資法に基づく貸し付け金の問題ですが、融資ワクの増大ということと、いまの法の採択基準と申しますか、基準から言うと貸し付け限度額が低いということ。この法をこしらえたのは昭和三十年ですから、天災融資法はもう十二年近くになっておりますが、そうすると、その当時のワクというものは、今後の貨幣価値というか、物価高から見てもっと大幅に広げて認めてもいいのではないか、こういう声があるわけですが、そのワクの増大についてのお考えを聞かせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/93
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094・太田康二
○太田説明員 次期作の経営資金の貸し付けということで一応貸し付けの限度額が法律できまっていることは御承知のとおりでございます。これもたしか手直しを一部制定後いたしていると思っております。それから、激甚災害の指定でございますとたしか貸し付け限度額も上がるというようなことで、一応現在のたてまえでいけるのではないかというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/94
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095・柴田健治
○柴田委員 現在の限度額でいけるという考え方の基礎が私にはよくわからないのですが、どういう考え方で現在の限度額でいけるのか、それを聞かせていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/95
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096・太田康二
○太田説明員 厳密に申し上げますといろいろ議論もあるかと思いますが、それぞれの次期作の経営資金の観点で各作物あるいは家畜等についての運転資金の計算をいたしまして融資をいたすというたてまえでございまして、それぞれ限度額がきまっておりますが、それで間に合うというふうに申し上げたいのでございます。
〔委員長退席、高見委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/96
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097・柴田健治
○柴田委員 与えられた時間が幾らもございませんので、詳しく御質問申し上げることは遠慮させていただいて、金利の問題を引き続いてお尋ねしたいのですが、現在の激甚災によると三分の金利で、激甚というと運転資金の場合はなかなか解釈がむずかしいけれども、普通の災害ということになれば、六分五厘が基準でありますが、六分五厘の現在の金利というものは、社会通念上というか、現行の金利の標準から言うと、これは安くもなし高くもなし、えろうありがたくもない金利だと言わざるを得ないのであります。この金利について、まず災害に関しては激甚災害の三分くらいに引き下げる必要があるのではないか、こう考えるのでありますが、この点についてどういうお考えを持っておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/97
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098・太田康二
○太田説明員 実は金剛の問題は非常にむずかしい問題があるわけでございまして、各種の制度金融との横の並び、あるいはその金融の果たすべき役割り、いわば短期の運転資金なのか、長期の施設資金なのかということもございまして、おそらく現在の金利がきまっておるというふうに理解をいたしておるわけでございます。確かに、災害を受けた場合には、被害農家の方にとりまして、できる限り金利を引き下げるというような要請が強いことも、よく承知いたしておりますが、いま直ちにこれを引き下げるということも困難かと思います。御承知のとおり、この制度は、農業協同組合の資金を原資としてやっておる制度でございまして、さらに全体の金融の合理化というようなことで末端の金利が下がりますような場合には、政府なり県なりが利子補給をいたしておるわけでございまして、その分を充てますと、金利が下がるというようなことも考えられるわけでございますので、やはり金利の全体の合理化の問題の一環として検討してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/98
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099・柴田健治
○柴田委員 この災害の融資については、大体系統資金、民間資金、二通りになっているのですが、その系統資金、民間資金について金利が下がらないから、都道府県なり国が利子補給をするんだという処置でほんとうは逃げておるわけです。しかし、災害資金については、思い切って系統資金でなしに、政府資金を出すべきじゃないか、こういうふうにわれわれは常に考えておるわけであります。その政府資金を出しながら金利を下げていく、これが筋が通るのではないか。ただ、系統資金を使って高いのを都道府県なり国が利子補給するというやり方だけでは、私は、筋が通らない、あくまでも筋を通した融資制度でなければならぬ、こう思うわけであります。今年度の予算を見ると、災害に関する利子補給の金は十四億六千二百五十万円ほど組んでおられますが、これは四十年度の災害に関しての利子補給ですか、過年度も含めてやっておるのですか、この内訳を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/99
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100・太田康二
○太田説明員 手元に数字を持っておりませんので、的確なお答えができるかどうか、ちょっと心配なんでございますが、一応予算に組んでおりますのは過年度の分であります。当年度の分は、当年度に災害が幾らあるかと予想して予算を組むわけにまいりませんので、過年度の分を組んである。その額がいま先生のおっしゃった額だということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/100
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101・柴田健治
○柴田委員 今年度の十四億六千二百五十余万円の利子補給額というものは過年度の分であって、新年度はこれからだ。これからの利子補給で、たとえば干ばつ地帯においてもそうだと思いますが、関東地区、東北にかけて七万七千町歩くらいの干ばつ地帯ができたということは、いずれまたこれは災害の問題、融資法の問題が出てまいりますが、それらを含めて利子補給のワクを予備費からでも出していくのか、そういう考えがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/101
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102・太田康二
○太田説明員 いままでの例で申し上げますと、多少融資ワク等の見方が実際の実行で余る、したがって、計上した利子補給額が余る、こういう結果になるわけでございまして、当年災の分につきましては、そういった額で間に合った事例が多いわけでございます。しかし、間に合わない場合には、これは当然義務的経費でございますので、先生のおっしゃったとおり、当然予備費あるいは既定予算のうちで不用額等がございますから、そういうもの等の流用で措置することにいたしておりまして、決して御迷惑をおかけするようなことはないということを申し上げておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/102
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103・柴田健治
○柴田委員 次に、償還期限の問題なんですが、われわれの普通の改良資金なり近代化資金なり、それもまたいろいろな品種によって考え方が違いますけれども、災害に関してはいま三年と六年というのが基準になっていますが、これを五年と十年にすべきではないか。三年、六年という基準を五年と十年にしてやるのが、農民にとっても、次の生産意欲といいますか、災害を受けて、心身ともに、すべて物心両面のショックを受けた、そのときの立ち上がりに対する意欲を与えるために、災害の融資については償還期限も延びたのだ、金利も下げたのだ、こういうことでなければ、ほんとうの災害の復興資金とは言えないと私は思うのです。現在の償還期限というものは私は少し無理だと思うのですが、これを延ばす意思があるかないかをお尋ねしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/103
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104・太田康二
○太田説明員 農業金融全般の問題に関しまして、確かに償還期限の問題が短いのではないかというような御意見がしばしば聞かれるのでございます。確かに、金利の問題よりも償還期間の問題のほうを重視する御意見もありますし、逆に金利をもっと下げて償還期間の問題には触れないという御意見もあるわけでございます。天災融資法の場合にもっと延ばしてはどうかという御意見でございますが、御承知のとおり、あの金融のたてまえが次期作の経営資金ということにもなっておりますし、いわば短期の運転資金ということにもなっておりますので、いま天災融資法を改正して償還期限を延長するということは、ちょっと困難ではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/104
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105・柴田健治
○柴田委員 次に、ひとつ観点を変えて、これだけの災害を受けると、農民のいろいろな支出は減ってこないが、収入が、もう収穫を目前に控え、またいろいろな生産資材に資金を投入してやっておる。たばこにしても、また果樹にしても、果樹の中で特に被害の大きいのは、岡山県の場合はブドウでございますが、ブドウに対する投資というものは非常に長期間かけております。また、たばこにおいても相当の投資をしておるわけです。また、麦は、先ほど申し上げましたように、いま収穫を目前に控えて、もうめちゃめちゃにやられた。そういうことを考えた場合に、農民が国税を含めて税金の問題を考えると思います。これだけ災害を受けた。減免措置は租税特別法によって一応の講じられる道はありますけれども、それも相当の激甚災という区域指定を受けたところでなければ、減税対策というか、減免の措置というものは、なかなか認めてもらえない。そういう小災害、また局地災害、そういうものについての減免の措置というものはなかなか認めてくれない。それは、市町村のほうが、なかなか国の交付税のその基準というものを災害を認めてくれないのだ、こういう言いのがれをもってなかなか減免措置をやろうとしない。やはり国が減免措置を極力指導していく、そういう方向で、行政指導の中で減免措置というものを指導するならば、これはもうある程度市町村も県も認めて、それぞれの関係当局に処置していくだろう、こうわれわれは考えるわけでありますが、災害に伴う減免措置の指導を早くしてもらいたいと思うのですが、そういうお考えがあるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/105
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106・太田康二
○太田説明員 確かに災害の場合に農家の方の受ける被害は非常に多いわけでございまして、それに伴う所得の減ということも当然起こるわけでございますので、それに伴いましての課税額というものも、当然災害のない場合に比しまして少なかるべきなのが当然であろうというふうに考えます。いまお尋ねの場合のように、従来、減免の問題につきまして積極的に関係方面に折衝をして、できる限りそういう処置をしてもらいたいというような指導をした例はなかったかと思いますが、十分検討いたしまして、前向きで処理してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/106
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107・柴田健治
○柴田委員 水稲のほうの植えつけができない、苗がもう全部全滅になった。その場合に、都道府県においてはいろいろ適切な処置をしておるようでありますけれども、まだ十分でない。引き続いて今度は干ばつに入ってきた。植えつけできない。植えつけしたところはもうひび割れだ。たまに雨が降れば、雨でなしにひょうが降ったというような、あまりにも予測し得ない被害が出てきたということ、それから、先ほど干ばつで御答弁を聞いておって、私が農林省の干ばつ対策はおかしいと思ったことは、植えつけ後の干ばつ対策ということと植えつけ前の対策というものは、考え方を変えてもらわなければいかぬのじゃないか。
〔高見委員長代理退席、委員長着席〕
一日植えつけがおくれればおくれるだけ分けつがおくれてくる。水稲栽培は日照時間とか肥料関係によるが、また事前に肥料を施しておくと、干ばつによって肥料の効果が激減してくる。そういうことから考えて、干ばつにより植えつけがおくれるということは、その年の収穫に相当影響してくる、これは間違いないわけです。ですから、一日も早く植えつけをするということを急いでもらわなければならぬ。これらを考えて、干ばつなりひょう害によって植えつけがおくれた対策というものをもっと考え方を変えて、ただ地方の農政局だとか、また府県を督励するだけでなくて、常に農林省はそれぞれ地方の実態をつかんでいただいて、強力に財政的な措置、行政的、技術的な措置をやってもらいたいと思うのです。先ほどからの答弁を聞いておって、私は、農林省の考え方はあまりにも甘いのではないかという気がするわけでありますが、時間が参りましたので、以上、簡単に今後の御参考として申し上げ、いずれまた機会があれば災害に関していろいろ御質問をいたした
いと思っております。
以上をもって終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/107
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108・本名武
○本名委員長 美濃政市君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/108
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109・美濃政市
○美濃委員 私は、負債整理の問題で二、三お尋ねしたいと思うわけですが、まず前段で次官にお尋ねしたいと思います。
農家の固定化負債というものが発生いたしまして、これはどうしても政策的に負債を政府資金でたな上げしてやらなければ、今後の経営が困難である、そういう負債額が全国的にかなり出ておるわけですが、まず第一点として、なぜ農家負債はこのように出てくるのか、その原因をどのように農林当局はお考えになっておるのか、お尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/109
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110・草野一郎平
○草野政府委員 全国的な農家の固定負債という問題になりますと、それはやはり営農の内容あるいは地域の実情等によってよほど異なっていると思うのでありますが、昨年あたりも非常に大きく問題となってまいりました北海道の固定負債問題等、これまた若干事情の違う面もあるのではないかと思っております。それだけに、その問題に対する特殊の考え方を立てながら対策をやっていかなければならぬ。特に固定負債というものが、こうした転換期の農業におけるいわば足かせのようなものになってしまって、このために抜き差しならぬ状態にあることは事実でありますから、この問題を解決することがやはり農業近代化の一つの先決問題であるという立場に立って、農林省は真剣な努力を考えようといたしておるところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/110
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111・美濃政市
○美濃委員 真剣な努力が払われておるということでありますが、この問題は、政府資金の肩がわり措置ということについて、方法は特別立法措置と自創資金の措置と二通りあると思うのですが、そういうある程度の政策を進めようとする方向は、いま具体的にどのようにお考えになっておりますか、お尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/111
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112・大和田啓気
○大和田政府委員 北海道の固定化負債の問題は、三年間引き続いての冷害ということもございまして、昨年以来私どももいろいろな形で北海道庁あるいは関係者から話を伺いまして、実態が十分詰まっておりませんと私ども施策も立てられない事情がございますので、北海道で相当念入りな調査をしているということで頼んでおったわけでございます。最近北海道から一応の調査が参りまして、私どもそれを詳細に検討しておるわけでございます。なお、実は北海道につきましては、数年前にも自作農資金を使いまして相当大規模な固定化負債対策を実施した経過がございまして、その後の北海道の農業の動き、あるいは今回の負債整理が一体今後の北海道の農業に対してどういう意味を持つか、また北海道の畑作あるいは水田農家がどういう形で経営を改善するかという問題私どもはそんなに広く問題を拡大するつもりはございませんけれども、しかし、数年前に相当大規模に固定化負債対策をやった上での再度の問題でございますから、北海道庁にも現在話を進めておりまして、私どもがいろいろ問題を詰めるにあたりまして必要な事項についての再調査をやってもらっておる最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/112
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113・美濃政市
○美濃委員 そういう調査が進められておるということをいまお聞きしたわけですが、そうすると、その方法論までにはいままだ入っていないというふうに解釈してよろしいですか。方法についてもお尋ねしたわけです。方法はどのようにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/113
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114・大和田啓気
○大和田政府委員 私どもとしては、現在自作農維持資金という制度がございますので、公庫の資金のワクは、総体で申し上げますと、四十二年度に千六百億という相当豊富な資金量を持っておりますから、その中の自作農維持資金を使って相当なところまでやってやれないことはないわけでございます。しかし、北海道から話を受けておりますことは、そういう既存の制度を使って負債整理をやるのではなくて、何か新しい立法によって非常な低利あるいは非常な長期で一つの資金制度をつくってほしいという要望があるようでございます。私ども、一体それがどこまでのお考えであるか、というふうに言うとたいへんおかしいわけでございますけれども、いまの既存の自作農資金でも、とにかく年利五分で償還期間二十年でございますから、相当な低利長期のものであることは確かであります。それを使ってやってやれないことがあるのかないのか、新しい資金制度をつくらなくてはいけないのか、実際これを実施しようといたします場合には、当然いまの制度を使うのか、新しい制度をつくるのかということが問題になるわけでございますけれども、ただいま申し述べましたように、北海道の負債の実態、特に北海道の農業金融では、私ども組合員勘定というふうに言っておりますが、どうやら都府県といいますか、内地の農業金融、農業協同組合と組合員との関係と違うようなシステムをとっておるようでございますから、その点の見きわめも必要でございます。今日の段階においての検討の模様を申し上げますと、いまの制度でやるか、あるいは新しい制度をつくるかというところまで実は検討はいっておりませんので、その以前の問題で、北海道の固定化負債の実態はどうか、あるいはどうすればそれが解消するような経営上の問題に触れることができるかということを、現在既存の資料あるいは北海道に新しく要求をいたしました調査等によって検討しつつあるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/114
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115・美濃政市
○美濃委員 この対策は、県においては必要がないのかどうか、いわゆる災害多発県等でやはり負債整理を必要とする県はないのかどうか、これをお尋ねいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/115
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116・大和田啓気
○大和田政府委員 どうも北海道以外の県においてそういうものは必要でないというふうに端的に申し上げるのもどうかと思いますけれども、負債の内容を見ますと、北海道と都府県と非常に違いがあるわけでございます。預金高のほうが平均してみますと、はるかに農家の負債より都府県においては多いわけで、負債の額としてはそんなに多いわけではございません。一戸当たりにいたしますと、十三万とか十五万とかいうような程度でございますから、一つの制度として固定化負債整理ということを都府県に及ぼすという必要は、どうもいまのところないのではないかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/116
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117・美濃政市
○美濃委員 これは実態を調べてみなければならぬですが、そうすると、内地の府県のそういう負債状況の資料をお願いしたいと思うのですが、それは提出願えるかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/117
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118・大和田啓気
○大和田政府委員 もちろん毎戸の調査などはございませんけれども、農家経済調査その他で全体の趨勢を示す資料はございますから、できるだけ早い機会に御提出をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/118
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119・美濃政市
○美濃委員 そういたしますと、大体概念としては、既存のいまの内地の負債については、たとえば現段階で預金が多くても、やはり先ほど来話も出ておりますように、いわゆる地域的な被害というものはあるわけですから、そういう状況で、県全体の資金というものは、預金が多くて借り入れ金は少ないという状況であっても、地帯別あるいは個別に見た場合には、負債発生しておる農家は短期高利の負債で苦しんでおると思うのだが、これらは額から見て、自作農維持資金の既設の貸し付けの範囲で必要なものは処理できる、こういう考えに立っておるのか、それとも全然そういう必要はないと考えておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/119
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120・大和田啓気
○大和田政府委員 たくさんの農家でございますから、個々の農家で事情が違いますことはもとよりでございますけれども、おしなべて申し上げますと、農家が負債で苦しんで、たとえば農地を処分しなくちゃならないというふうに追い込まれたといたしますと、自作農創設維持資金の制度がございますから、それによって手当てができる。したがいまして、数多い農家の中でありますから、負債に苦しめられておる農家がないというふうにはもちろん申し上げませんけれども、一つの制度として特別な負債整理事業を行なう、現在自作農維持資金制度でやっておりますこと以外に何か新しく考えるということは、必要ないのじゃないかというふうに考えている次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/120
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121・美濃政市
○美濃委員 この問題は、ただいまお尋ねいたしましたところ、まだ検討の段階のようでありますから、いずれ機会を見て、その検討の進む状態によって次の機会に詳しくお尋ねいたしたいと思います。
本日は、先ほど申し上げました資料をお願いいたしまして、これで本日の質問は終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/121
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122・本名武
○本名委員長 次会は、来たる六日午前十時理事会、十時半委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後一時五分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505007X01619670601/122
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