1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年五月二十三日(火曜日)
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議事日程 第十二号
昭和四十二年五月二十三日
午後二時開議
第一 国有資産等所在市町村交付金及び納付金
に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
提出)
第二 地方税法等の一部を改正する法律案(内
閣提出)
第三 臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
第四 外務省設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
第五 在外公館の名称及び位置を定める法律及
び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関
する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を
改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質
疑
日米安保条約に関連する最近の緊急事態等につ
いての緊急質問(松本七郎君提出)
日程第一 国有資産等所在市町村交付金及び納
付金に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)
日程第二 地方税法等の一部を改正する法律案
(内閣提出)
日程第三 臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
日程第四 外務省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
日程第五 在外公館の名称及び位置を定める法
律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与
に関する法律の一部を改正する法律案(内閣
提出)
午後三時四十分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/0
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001・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
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失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部
を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/1
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002・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 内閣提出、失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。労働大臣早川崇君。
〔国務大臣早川崇君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/2
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003・早川崇
○国務大臣(早川崇君) 失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。
失業保険法及び労働者災害補償保険法は、いずれも昭和二十二年に制定されて以来、数次の改正により逐次その内容を整備してきたところでありますが、現在までのところ、両保険とも、労働者五人未満の事業所の大部分については未適用のままとなっており、これらの零細企業に働く恵まれない労働者に両保険を全面的に適用し、その福祉の増進をはかることは、労働政策上の多年の懸案であったのであります。
また、失業保険につきましては、低所得層を中心に給付内容を改善し、失業者の生活の一そうの安定をはかる必要があると考えるのであります。
さらに、失業保険におきましては、近年、いわゆる季節的な短期循環受給者が著しく増加し、昭和四十年度において五十八万人、給付額は三百億円に達しております。全被保険者の三%にすぎない五十八万人の人々が全額給付の三割を受けるという不均衡な状態が毎年繰り返され、他の被保険者及び使用者に多大の負担をかけるという状態にあるわけであります。したがって、この際このような不均衡を是正するために、短期循環受給者の生活に激変を与えないよう十分配慮しつつ、給付日数の合理化をはかる必要があると考えるのであります。
なお、最近不正受給が著しく増加し、かつ悪質化しておりますので、この際その防止をはかる必要があると考えるのであります。
このような事情にかんがみ、政府といたしましては、ここに失業保険制度及び労働者災害補償保険制度の適用の拡大、失業保険における給付内容の改善及び短期循環受給者にかかる給付日数の合理化等を行なうことを主とした失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案を提出いたした次第であります。
次に、この法律案の内容の概略を御説明申し上げます。
第一は、失業保険及び労働者災害補償保険における適用の拡大であります。まず、失業保険につきましては、労働者五人未満の事業主に雇用される者を当然被保険者とするとともに、あわせて、従来、当然被保険者とされていなかった教育、研究または調査の事業に雇用される者も、政令で定める場合を除き、新たに当然被保険者とすることといたしました。なお、労働者五人未満の事業であっても、短期間の臨時的なもの等、保険制度を適用するに適していないものについては、政令により、当分の間、当然適用としないことといたしました。
次に、労働者災害補償保険につきましては、労働者を使用する事業は、すべて当然適用事業とするものでありますが、失業保険と同様に、政令で定める事業は、当分の間、任意適用事業とすることとしております。
第二は、失業保険における給付内容の改善であります。
その一は、一般失業保険の失業保険金の日額の引き上げでありまして、配偶者にかかる扶養加算の日額を現行の二十円から三十円に引き上げることといたしました。また、告示の改正により賃金の比較的低い等級の日額を十円引き上げることといたしております。
その二は、日雇失業保険における給付の改善でありまして、現行の二段階制の失業保険金の日額を三段階制に改め、新たに第一級七百六十円の日額を設け、これに伴い、保険料の日額及び保険金日額の等級の決定方法等について所要の改正を行なうことといたしました。
第三は、失業保険における給付日数等の合理化、不正受給を防止するための新たな制度の創設等であります。
その一は、短期循環受給者、すなわち、一年に満たない程度の短期間の雇用を三回繰り返し、一回目及び二回目について保険給付を受けたことがある者の所定給付日数は、現行法では、通常の場合には九十日となりますが、これを三回目から四十五日とすることとして、他の被保険者との均衡をはかることといたしたことであります。しかしながら、すでに短期循環受給をしている者については、その生活に激変を与えないため、従来どおりの給付を行なうこととするとともに、今後新たに短期循環受給者となる者についても、季節的に失業者が多発する地域に居住し、かつ就職が特に困難な者、すなわち、三十五歳以上の中高年齢者及び三十五歳未満の扶養親族を有する者については、四十五日を限度として給付日数を延長することとして、実質的に給付の減少とならないよう配慮しているのであります。なお、この措置により所定給付日数が四十五日となる者の就職支度金についても、所要の改正を行なうこととしております。
その二は、被保険者であった期間が通算して二十年以上である場合の所定給付日数を、現行の二百七十日から三百日に改め、これらの者の生活の安定をはかることといたしたことであります。なお、これに関連して広域職業紹介地域にかかる給付日数の延長措置を受ける者について、受給期間を延長することといたしました。その三は、詐欺その他不正の行為によって保険給付の支給を受けた者がある場合には、現行の不正受給金の返還命令制度に加え、その支給を受けた者に対して、その詐欺その他不正の行為によって支給を受けた金額の二倍以下の金額を納付すべきことを命ずることができることとし、また、その不正受給について事業主にも責任が認められる場合は、その事業主に対しても、本人と連帯してその金額の納付を命ずることができることといたしたことであります。
その四は、失業保険における健全な運用を確保するため、被保険者期間の算定の基礎となる賃金支払い基礎日数を、現行の十一日から十六日に改めることといたしたことであります。
次に、この法律案の施行期日につきましては、失業保険及び労働者災害補償保険の適用の拡大は、実施準備に万全を期するため、この法律の公布の日から起算して二年をこえない範囲内で政令で定める日から施行することとし、一般失業保険の失業保険金の日額の引き上げ等は昭和四十二年六月一日から、日雇失業保険における給付の改善は七月一日から、失業保険における給付日数等の合理化は昭和四十二年十一月一日から、それぞれ施行することとしております。
以上のほか、本改正案の附則におきまして、国家公務員等退職手当法及び炭鉱離職者臨時措置法について所要の改正を行なうこととしております。
以上が失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部
を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/3
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004・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。河野正君。
〔河野正君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/4
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005・河野正
○河野正君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました失業保険法及び労働者災害補償保険法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係閣僚に対しまして、若干の質疑を行ない、率直な御見解を賜わり、国民の疑問に対し、解明を行なわんとするものであります。(拍手)
御承知のごとく、今回の法律改正の趣旨を要約いたしますると、ただいまの説明によりますれば、労働者五人未満の事業主に雇用される労働者の福祉の向上をはかるため、これらの労働者に対する失業保険制度の適用の拡大を行なうとともに、給付内容の改善、短期循環受給者の給付日数を合理化しようという点にあるのであります。しかし、私どもは、本論に入る前に、まず、ただいま申し述べられた労働者の福祉というものの現況について十分考えてみる必要があろうかと思うのであります。
すなわち、佐藤総理は、今日まで、常に社会開発と人間尊重の政治の実現を強調せられてまいったのであります。もちろん国民もそのことに重大なる関心を持ち、そして物価の安定と生活の安定の施策が一日も早く確立されることに大いなる期待を寄せておるものであります。ところが、現実には、政府や総理の公約に反し、さきの総選挙では上げないと約束された消費米価は一四・四%も上がり、牛乳も、そして国民の切実なる願いである生命、健康を守るための健康保険法の改悪すら行なわれようといたしておるのであります。これでは不況の克服も、物価安定も、社会開発も、単に国民に淡い幻想を与えたのみで、かえって国民生活を一そう圧迫し、社会保障は大きく後退せしめられ、政府の公約はことごとくいまや一片のから手形に終わっておるのであります。(拍手)
いまはなきかつての池田総理は、「貧乏人は麦めしを」という放言を残しましたが、今日の佐藤総理は、むしろ貧乏人は死ねと言っておるのであります。特に、社会保障の問題は、低所得者層に重大なる影響を持つものであります。したがって、今日国民の社会保障に対する期待と関心は異常なものがあると思うのであります。しかし、現実には、社会保障に対する政府の意欲と姿勢は全く国民の期待を裏切っておるのがその現状であります。(拍手)
このことは、総理の諮問機関である社会保障制度審議会は、昭和三十七年に、国際的にも水準の低い日本の社会保障の水準を十カ年間でヨーロッパの水準まで引き上げることを勧告いたしておるのでありますが、本年度の予算を見てまいりましても明らかなように、日本の社会保障費が全予算の中で占める比重は一四・五%で、北欧、特にスウェーデンの三四%、イギリスの三一%という数字に比較をいたしてまいりましても、自民党内閣の社会保障に対しまする意欲のほどがうかがい知れるのであります。(拍手)これでは人間尊重、社会開発の一枚看板はまさしく羊頭を掲げて狗肉を売るものと断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
また、佐藤総理は、国民生活審議会の答申を受けて、十年後にはヨーロッパ並みの生活、二十年後にはアメリカ水準の生活をと強調せられているのでありますが、この点も、現在の実情は全く日暮れて道遠しの感を深くするのみであります。
総理は一体この国民に対する社会開発、人間尊重、ヨーロッパ並みの社会保障という公約をどう果たしてまいられようとされておるのか、これが私がお尋ねをしたい第一の点であります。
特に、この近年における日本の経済の成長、近代化は著しいものがございます。しかし、日本の雇用や失業の問題は、決して本質的に改善は行なわれていないのであります。さきに社会保障全般について論及したのでありますが、失業保険制度もまたその例外ではないのであります。ところが、所得構造、雇用構造がなお非近代性を強く残している中で、失業保険制度が今日まで果たしてまいった役割りはきわめて重要だったと思うのであります。したがって、今後、国の果たしてまいる役割りも、きわめて大きなものがあろうと思うのであります。しかも、その役割りは、政府のいうような、経済合理主義、保険主義のもとにおけるそれであってはならぬのであって、あくまでも憲法第二十五条に明記する健康で文化的な生活水準を営む権利の本旨に基づくものでなければならぬと思うのであります。(拍手)その意味で、たとえ部分的であったといたしましても、今回のような一部給付制限といった制度的な後退は、私どもの断じて許せぬ点であります。
すなわち、政府みずからがおかした産業経済政策のあやまちを、労働者、農民に対し、一方的にしわ寄せを行なうような保険主義の強化は、憲法第二十五条の理念とおよそ相反するものと考えるのであります。この点については、厚生大臣よりお答えをいただきたいと思うのであります。これがお尋ねを申し上げたい第二の点であります。
また、今回提案されました内容の中で、季節出かせぎ労働者など、短期循環受給者に対する給付日数を半減するという措置は、いま申し述べたように、失業保険としての制度的後退であることはもちろんでありますが、また、一方では直接的な生活権の侵害であり、ひいては関係地域社会及び関係産業にも大きな影響をもたらすものであります。さらにまた、被保険者期間算定の基礎日数の改正も、結果的には、季節出かせぎ労働者の受給権の締めつけであって、これまた、私どもの全く容認することのできない点であります。
いまや、人口構造の変動に伴う雇用対策の確立は焦眉の急といわれておるのであります。とりわけ一千万に及ぶといわれておりまする低賃金に苦しむ不完全就労者、中高年層の雇用対策など、その早期解決は強く迫られているのであります。われわれは、むしろ本来よりいうと、雇用基本計画を存分に活用し、季節出かせぎ労働者の通年的な雇用安定政策を推進し、さらには低所得の解消のための諸施策を積極的に推進、雇用の活用と拡大をはかることこそ急務なりと考えるのであります。この点、この三点目につきましては、労働大臣の率直な御見解を承りたいと思うのであります。
さらには、このたびの不正受給に対する追徴金制度の創設でありますが、この制度は、全く労働保険の本旨に反するもので、特に低所得者層に対しましては、直接生活への脅威に通ずる問題であります。また、他の社会保険との均衡の上からも、全く均衡を失する措置といわなければならないのであります。
今日まで政府が不正の名においていかに正当な権利を侵害いたしてまいったかは周知の事実であります。たとえば、生活保護における収入認定の実態に不正の名を冠した締めつけ、そしてその権利の否定を行なおうといたしてまいりましたことは、われわれのしばしば経験してまいったところであります。まして今度は、それに対して二倍の追徴金を課するというのでありますから、との点社会保障の名においても断じて私は許せないと思います。(拍手)
佐藤総理の「風格ある社会」は、そのような施策は好まないことでありましょうし、むしろみずからの産業経済政策、労働政策こそ再検討せらるべきであろうと思うのであります。この点、労働大臣の所見を承りたいと思うのであります。これが私が御質問を申し上げまする第四点であります。
さらに、五人未満の事業所に対する強制適用は、政府のいう経済合理主義、保険主義のそれではなくて、あくまで社会保障の本旨に基づく、いわゆる健康で文化的な生活を、すべての国民にひとしく保障するための一段階としての全面適用でなければならぬと思うのであります。したがって、保険財政のワク内における均衡ベースなどの論議は断じて許されないのであります。また、全面適用を唱えながら、特に農林水産業を除外した点は、これまた私どもの断じて許せない点であります。失業保険の受給権は、それが労働者であろうと農民であろうと漁民であろうと、一人一人に与えられた生活権に基づく基本的な権利であります。したがって、五人未満事業所への拡大、さらに将来に向けての給付内容の改善のためにも、財政基盤を確立しておくことはきわめて緊要であり、むしろ国、使用者、被保険者、この三者の負担の均衡上の立場からも、国の費用負担を、現行の四分の一より三分の一に改むべきだと私は考えるものであります。また、これが国際的にも一つの趨勢でもございます。この第五点については、大蔵大臣の御見解を承りたいと思うのであります。
すでに申し述べてまいりましたように、今回の五人未満の事業所適用に際して、農林水産業は除外せられたのでありますが、今日、農村の出かせぎ者の激増、さらに潜在的兼業農民、半失業者のはんらんはまことに深刻なものがございます。この斜陽化する農村問題の解決は、車の両輪のごとく、実に農業政策と社会保障の確立以外に、その打開の方策を見出すことは不可能であります。
そこで、この農漁村における農漁民の生活安定策については、農林大臣の御所見を承りたいのであります。特に、さきには、予算委員会におきましても、農民年金の創設についての総理からの御見解もございました。したがって、私はこの際、その構想についても承っておきたいと思うのであります。これが承りたい第六番目の点でございます。
以上申し述べてまいりましたように、ただいま提案されておる失業保険法の改正は、要約いたしますれば、そのねらいとするところは、五人未満事業所に対する強制適用と、給付内容の若干の改善を口実にいたしまして、季節労働者に対する失業保険の受給権の制限、不正受給者に対する追徴金の新設をはかろうとする、いわゆる一方におきましてはあめを与え、一方ではむちでむちうつという、最も悪質な改悪案であると私は断ぜざるを得ないのであります。(拍手)したがって、すでに北海道、東北、北陸の知事会及び地方議会、全国森林組合、全国漁業協同組合、農業会議等、それぞれ関係の地方団体、関係業界は、本改正案に強く反対の意思を明らかにいたしておるのであります。もちろん、本改正案が地域住民、地域社会、関係業界に及ぼす影響が、きわめて甚大なるがゆえであります。この各層、各界の意思と声に対して、提案者でございます労働大臣はいかがお考えでございますか、お伺いをいたしたいのであります。これが、お尋ねをいたしたい第七番の点であります。
われわれは、むしろ、益することの少ない本改正案は、すみやかに撤回をして、焦眉の急といわれている農林漁業に対する強制適用、さらに、特に低所得者層の失業中の生活権確保の立場に立ち、給付率の改善、さらには日雇失業保険の給付日額の引き上げ、あるいは扶養加算制度の改善など、この際、なお多くの改善すべき点を強く指摘をいたし、同時に、政府の反省を強く求めまして、本案に対しまする質疑を終わらんとするものであります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/5
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006・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 河野君にお答えいたします。
私は国民福祉の向上、これは私の政治に課せられた一つの大きな柱だ、かように思って、そうして社会保障の充実をはかっておるのであります。
ただいま、私が貧乏人は死ねと言った、こういうお話でありましたが、さようなことを言った覚えはございません。河野君は良識の人でありますだけに、こういう話をされると、国民の間で、河野君のような良識の人がこういうことを言うといって、あるいはそれを真実にされる方もあろうかと思いますので、これは私が抗議を申し上げておきます。
それで、ただいま申し上げますように、国民福祉の向上をはかる、こういう意味から、社会保障の充実をはかってまいったのであります。もうすでにことしの予算では七千二百二十一億が計上されております。これは一般会計に対する比率から申しますと、わずか一四%六であります。まあしかし、これにさらに恩給制度上計上してある予算を合計いたしますと一八・九%になります。これを外国のそれと比べるということは、それぞれ会計制度が違っておりましたり、あるいは保障制度の内容が別でございますから、なかなか困難でありますが、御承知のように、アメリカ、これは医療保険の制度を持っておりません。それに比べれば日本のほうが一般会計に対する比率は高い。しかし、英国のそれに比べれば、国営医療制度を持っておるイギリスでありますから、それよりは低い。フランスよりは高いがドイツよりは低い。こういうような状態になっております。しかし、私は現状をもって満足するものではございません。財政が許す限り、今後とも社会保障の充実について努力してまいるつもりでおります。(拍手)
〔国務大臣早川崇君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/6
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007・早川崇
○国務大臣(早川崇君) 第一点は、本改正は季節労務者の失業保険を切り捨てる改悪ではないかという御質問であります。そうではないのであります。この法律は、五人未満の零細企業に働く勤労者、百万事業所に二百万近い恵まれない勤労者がございますが、こういう人たちに失業保険、労災保険という、労働行政の恩典を全面的に与えようというのが主体でございまして、勤労者のための改正でございます。
問題は、毎年繰り返す出かせぎ季節労働者に対する問題でございます。これに対しましては、実情は、五十八万人季節労務者がおりますが、これは必ず毎年失業する繰り返し失業でございまして、毎年七億五千万の保険料より払っておらないのが、三百億円保険金をもらっておるという実情でございます。
そこで、この改正にあたりましては、こういう非常な赤字でありますから、何とかしなければならない、これを打ち切れという意見もありましたけれども、労働大臣としては、現にすでに既得権を持っておる五十八万人の方には、従来どおり保険金を払っていくということにいたしております。さらに、新たにこういう循環的な季節失業保険をもらうことになる人に対しましても、最初の二年間は従来どおり、三年目からは二分の一ということになっておりまするが、それでも三十五歳以上の中高年の方は従来どおり、さらに三十五歳以下の方でも、家族を持っておられる方、いわゆる扶養家族を持っておられる世帯主に対しましては、積雪寒冷地帯あるいは失業の多発地帯につきましては従来どおりの恩典を与えていく、既得権と同じ処遇をしていくというわけでございます。ただ、三十五歳以下のひとり者の青年については、いま人手不足で何ぼでも職業があるわけであります。そういう人に対しましては、通年雇用という方向に指導してまいりまして、この人たちに対してだけ、三回目からは二分の一の保険金より出さない。しかし、それでも保険料の少なくとも十七、八倍もらう、こういうことになりまするから、今回の改正は、社会保障制度審議会の答申よりも、さらにそういう面については十分な配慮をいたしておりまするので、御指摘のような心配はないということを申し述べておきたいと存じます。
二番目に、この働く日数の基準を十一日から十六日にしたのはいかないのじゃないかというお話でありますが、少なくとも失業保険を差し上げる場合には、一カ月十六日程度はひとつ働いてもらわなければ、これは算定の基礎にならないのではないかというので改正をいたした次第でございます。
三番目は、現在の日本は不完全就業、中高年齢者に失業している人が多い、これをどうするかという御指摘でございます。労働省といたしましては、特に中高年の方に対しましては、職業転換給付金制度も設けました。また、住宅奨励金の制度も設けました。官庁においては中高年の雇用率の設定も行ない、また、最近は定年制の延長等も行なって、さらに人材銀行も設けました。あらゆる方途を講じまして、中高年の方々が十分就業の機会を得るように努力をしておる次第でございまするし、不完全就業者に対しましては、今度の予算で初めて東京、大阪に出かせぎ相談所を設置する等の措置を講じまして、これらの人たちの就職に万全を期してまいりたいと考えております。
第四番目の不正受給者に対する追徴金を二倍を限度に取るのはけしからぬというお話でございまするが、詐欺や不正で一般の勤労者の保険料金を不正に取るということに対して、二倍を限度として追徴金を課するということは、これは当然のことでありまして、国鉄の不正乗車に対しても同じような措置がございまするので、本件につきましては、社会保障制度審議会におきましても、何ら異存がなかったということを申し伝えておきたいと存じます。
最後に、知事会とかあるいは各種団体からいろいろ反対の陳情があったという御意見でございますが、東北四県の県議会、知事会からの申し入れは、季節労務者が非常に困らないように慎重に配慮してくれ、こういう申し入れでございます。その申し入れを受けまして、先ほど申し上げましたように、三十五歳以上の人、三十五歳以下の人でも世帯主には従来どおりという、まことに大きい配慮をいたしました次第でございまして、これらの人たちの陳情というものは、十分この法案に取り入れられておるということを申し上げてお答えといたす次第でございます。(拍手)
〔国務大臣坊秀男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/7
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008・坊秀男
○国務大臣(坊秀男君) 今回の失業保険法改正案における短期循環受給者にかかる給付日数の改正等は、失業保険事業の合理化による事業総体としての健全と発展を期して所管省が企画されたものでありまして、社会保障の向上及び増進を国の責務とする憲法第二十五条の精神に背反するものではないと考えております。(拍手)
〔国務大臣倉石忠雄君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/8
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009・倉石忠雄
○国務大臣(倉石忠雄君) このたびの失業保険法の改正は失業保険という立場からいたすものでございますが、農山漁村の生活の安定の面からも慎重に検討することが必要でございます。そこで、農山漁村からの季節労務者、出かせぎ者などにつきまして、いろいろの特例的措置を設けましてその影響を緩和するようにいろいろな配慮をいたしておりますことは、労働大臣が申し上げましたとおりでございます。また、社会保障につきましてもその充実をはかることが必要と考えられますし、その面で農業従事者に対する、お話のありました年金は重要な検討課題でございます。
そこで、農民年金の問題につきましては、農業構造政策の観点から検討することが必要でございますので、今後、諸外国における各種の制度等の研究を深めまして、わが国の土壌に合うような制度を確立いたしたいと思いまして、ただいま具体的にその方策について研究を進めておる最中でございます。(拍手)
〔国務大臣水田三喜男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/9
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010・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 失業保険の国庫負担の割合は、他の社会保険制度の国庫負担との権衡を考えまして四分の一に定められているところでございますが、これを諸外国の負担制度に比較してみますと、英国が保険料の四分の一、ノルウェーが保険料の四分の一、カナダが五分の一、米国には国庫負担の制度はございませんし、西独は赤字分のみを国庫負担とするというようなことでございますので、わが国の失業保険の国庫負担の割合は、諸外国に比較して決して遜色のないものでございます。幸いに河野さんも御指摘のように、失業保険の財政は毎年相当額の黒字となっておるという現状でございますので、いまのところ国庫負担の割合を引き上げなければならぬというふうには考えておりません。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/10
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011・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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日米安保条約に関連する最近の緊急事態等に
ついての緊急質問(松本七郎君提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/11
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012・亀岡高夫
○亀岡高夫君 議事日程追加の緊急動議を提出いたします。
すなわち、この際、松本七郎君提出、日米安保条約に関連する最近の緊急事態等についての緊急質問を許可されんことを望みます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/12
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013・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 亀岡高夫君の動議に御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/13
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014・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、日程は追加せられました。
日米安保条約に関連する最近の緊急事態等についての緊急質問を許可いたします。松本七郎君。
〔松本七郎君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/14
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015・松本七郎
○松本七郎君 私は、日本社会党を代表して、日米安保条約に関連する最近の緊急事態等について質問を行なわんとするものであります。
最近のベトナム戦争が、ハノイ爆撃や非武装地帯への侵入など、拡大の一途をたどっているおりから、わが国で続発している一連の事件は、いずれも日米安保条約の本質にかかわりのある重大事件ばかりであります。私は、この質問を通じて、政府がおざなりな答弁で一時しのぎをすることなく、安保条約をてことした日米安保体制そのものに厳正な反省と批判を加えることを要求したいのであります。(拍手)
いまからちょうど七年前の安保闘争に際して、あたかも日米安保条約の本質が安全の保障にあるがごとく強弁これつとめた自民党政府の欺瞞性を追及するとともに、われわれは、戦争の脅威こそ安保条約の本質である点を国民の前に明確にしたのであります。(拍手)これは広範な国民各層の共感を呼び、安保条約が本来持っている軍事的危険性や侵略的本質を警告し、これを封じ込めんとする国民運動が巻き起こり、そして、ついに岸内閣は倒れたのであります。
このあとの池田内閣は、もっぱら低姿勢をもって安保条約の持つ軍事性と侵略性をひた隠しにすることによって国民的怒りを静めるために、この条約の危険性を極力デスカレートせざるを得なかったのであります。しかし、最近、一九七〇年が近づくにつれて、あるいはまた、ベトナム戦争に対する世界世論のきびしい批判と、局面打開の困難にあせりを感じている米国の圧力によって、日米安保条約が本来持っている危険性をエスカレートしようとする試みが目に余るようになってきたのであります。われわれは、いまや日米双方に見られるこの危険な傾向に厳重な警告を発せざるを得ないのであります。(拍手)
最近、次々と国民の前に明らかにされたもろもろの事件は、われわれの主張が全く正しいものであったことを一点の疑いもなく証明しているのであります。(拍手)佐藤首相並びに関係閣僚は、まじめな態度と真剣な反省の上に立って誠意ある答弁をされるよう望みます。
まず第一に指摘したいのは、日本の大学、研究所、学会などが、米国陸軍極東開発局から広範な財政援助を受け委託研究に従事している事実であります。
政府提出の資料によりますると、東京大学の宇宙航空研究所や科学技術庁の航空宇宙研究所を含めまして、その大部分が国立や公立の機関で、これが外国軍のひもつき研究をやっているのであります。(拍手)これは日本の教育のあり方、学問の自由という基本的な観点から申しましても、きわめてゆゆしい問題であります。佐藤総理は、外国からの援助はあり得るなどと言って、ユネスコや一般の国際機関からの財政援助と同じように見ておられるようです。しかし、この委託研究には、米国陸軍から一つ一つ研究テーマや条件をつけているのでありまして、この一事をもってしても、決して純粋にして自由な科学研究のための援助ではなく、米国陸軍の特殊の意図と利用価値から出たものであることは明々白々であります。(拍手)
この財政援助と委託研究問題できわめて特徴的なことは、総計九十六件、三億八千七百万円のうち、生物・医学関係が圧倒的に多く、金額において全体の八四・三%を占め、また、援助の大部分がベトナム戦争の拡大と歩調を合わせて、一九六五年、六六年、六七年に集中していることであります。このことは、今日、アメリカがベトナム戦争で生物・化学兵器を使用している実情と考え合わせてみますると、決して偶然の一致ではないのであります。現在、米国陸軍は、多額の予算をもって生物・化学兵器の開発に力を入れており、メリーランド州のフレデリックにある米国陸軍の生物戦争研究センターでは、全米科学アカデミー、微生物学会、大学、研究所などのあらゆる科学者を総動員して研究開発に当たっている現状であります。これに対して、ノーベル賞受賞者十七名を含めてアメリカの指導的科学者二十三名が、いわゆるCB戦争、つまり、生物・化学戦争に道を開くものだとして、米国政府に抗議、警告を行なっているほどであります。(拍手)また、日本におきましても、たとえば、国立予防衛生研究所の和気細菌第四室長は、研究のテーマだけを見れば一見非軍事的であっても、その成果が容易に軍事目的に転用され得ると喝破しておられるのであります。
このように、米国陸軍による援助問題は、総理や政府の首脳の楽観とは正反対に、疑いもなくアメリカの生物・化学兵器の研究開発の一環であり、また同時に、現にベトナムで進行しているCB戦と密接な関係を持っているきわめて重大な事件なのであります。佐藤首相並びに関係閣僚の真剣な反省と誠意ある答弁を求めるものであります。
また、この問題と関連いたしまして私たちがきわめて奇怪に感じますのは、アメリカ陸軍の援助が一九五九年から十年近くも続けられており、その対象も非常に広範囲にわたっているにかかわらず、総理をはじめ関係閣僚が全くつんぼさじきに置かれていたという事実であります。所管の文部大臣すら、聞いていないとか、連絡を受けていないという状態では、主権国家として黙視できない重大問題であります。(拍手)ここに安保条約のもとにおける日本の従属性が象徴的に浮き彫りにされております。本件の処理にいたしましても、堂々と米国陸軍と交渉し、抗議する態度はみじんも見当たらないのであります。政府は、独立国家の名誉にかけて、国家の主権と教育権の立場から、アメリカ陸軍並びに米国政府に対して抗議をし、二度とこの種の問題の起こらないよう厳重に警告すべきだと思うが、どうでございますか、政府の所信と今後の方針をここに明らかにしていただきたいのであります。(拍手)
次に、軍用地図作製の問題であります。
建設省国土地理院が、旧日本陸軍の参謀本部でさえもつくらなかったような精密な特殊軍用地図を五カ年計画で作製しているにもかかわらず、これまた、総理をはじめ建設大臣も防衛庁長官も何一つ知らない。新聞を見て初めて知ったというありさまであります。しかも、毎日新聞の調査によりますと、この特殊地図は、米軍独自の道路番号やグリッドゾーンが記入されており、砲撃が完全に目標に的中するように仕組まれています。また、ミサイル発射に役立つ地磁気の偏差度が明示されている。上陸用舟艇のために海面には等深線が記入されているなど、疑いもなく軍用の特殊地図なのであります。
このように、外国のために日本を完全まる裸にしたも同然の軍用地図作製について、政府首脳が何も知らされていない。これは、安保条約のもとにおいてさえ、決して正常とは言えない姿であります。政府は、当初、これに対して、安保体制のもとでは当然のことだとうそぶいていたのでありまするが、あとになると、昭和三十五年二月の当時の藤山外相とマッカーサー大使の間にかわされました交換公文にその根拠を求めて、佐藤総理は、一々こまかなことまで知らないといって、米軍の行動をあくまで擁護し合理化しようとしております。これは少なくとも独立国の首相のとるべき態度ではない。他国による国土の調査と、それによる軍用地図の作製は、決してこまかな問題ではないのです。一九六〇年のU2機によるソ連領スパイ事件をいまさらここに引き合いに出すまでもなく、一国の命運にかかわる重要問題であります。しかも、この交換公文をつくる前に、すでに米国の陸軍極東地図局長アーサー・T・ストックランド中佐と国土地理院の武藤院長との間には地図作製の覚え書きが取りかわされております。これは、明らかに米軍の一方的覚え書きによって軍用地図の作製が決定され、日本は交換公文という形式で追認させられたにすぎないという事情を物語るものであります。五カ年間にもわたって軍用地図の作製が行なわれてきたにもかかわらず、政府首脳には何ら知らされず、国土地理院の内部においても、この覚え書きの内容は幹部クラスにも知らされていないといわれています。実際の作業及び内容は極秘のうちに進められたものと思われます。
このように、政府首脳が何も知らなかったということは、怠慢からなのか、それとも、作業そのものが極秘であったのか、その辺の事情を明らかにするとともに、国土地理院の覚え書きを公表して、本院を通じて国民の疑惑を解明すべきであると思います。(拍手)
こういう趣旨から、実は本日の衆議院の決算委員会におきましては、この覚え書きを国会に提出すべきであるという決議がなされておるのです。しかるに政府は、これに対する答弁で、国際儀礼上できないと言っております。これははなはだしい主権の侵害を受けながら、なお国際儀礼を守る必要がどこにあるのでしょうか。国際儀礼というのは、相互の主権尊重という原則が守られて初めて通用する儀礼であります。(拍手)この際、私は、政府が積極的にこれを本院に提出して公表すべきことを重ねて要求します。
なお、軍用地図の作製は、昭和四十年三月に完成し、それに伴いまして交換公文も覚え書きもすでに効力を失っておるにかかわらず、国土地理院は、現在もなお、座間にある米陸軍司令部と連絡を持って各種の調査資料を提供しているといわれておりますが、この実情並びに法的根拠もここに明らかにしていただきたい。
第三は、兵器の輸出問題であります。
佐藤総理は、外国輸出を目的にした兵器の製造は行なわないと言いながら、同時に、自衛隊のためにつくる武器であるが、余力があれば、貿易管理令の運営上差しつかえない範囲で出してもよいなどと、これまた欺瞞的答弁をしているのであります。まず、防衛産業に余力のあるのは当然のことでありまして、それだからこそ、経団連の防衛生産委員会をはじめ、軍需産業資本は、第三次防衛力整備五カ年計画を軸とする兵器の国産化の推進とともに、兵器産業を輸出産業として育成することを強く要求しているのであります。
また注目すべきは、特需扱いと貿易管理令との関係であります。アメリカのベトナム侵略戦争遂行のために、各種の武器、軍需物資が製造され、それが特需という名のもとに米軍に輸出されている。しかも、この特需というのは、国内取引であって、通関手続を要しない。したがって、貿易管理令の規制を受けないことになっているわけです。米軍が日本の産業に何を注文し、何をつくらせるかは全く米軍の自由であって、日本政府は指一本も触れることができない。したがって、日本政府の知っていることといえば、税関を通るピストルが何丁輸出したくらいのことでありまして、特需のルートを通じて何を輸出しているかは全く知らないのが現状であります。国民の目をかすめて、そうしてベトナム戦争に協力しているこの実態を政府は何と考えるのか、日本の軍需産業資本は、特需にいまやウの目タカの目でこれをあさり、外国向けの武器を製造し、輸出をしているのであります。
いまや、佐藤政権は、いわゆる死の商人の道を歩いている。これは、一体、平和国家を再建しようとする日本憲法の差し示す道であるかどうか、総理の見解を明示されたいのであります。(拍手)
最後に、私が指摘したいと思いますのは、LST乗り組み員の問題であります。
これについても、政府は、事故の補償のみを問題にいたしまして、米軍の直接雇用であることを口実にして一切関与しない態度をとっております。それどころか、LSTがベトナム向けの軍事輸送であることを万々承知しておりながら、乗り組み員に対しては、、ベトナム、タイ、カンボジア、フィリピン、韓国、台湾、アメリカ及び必要経由国と記載した旅券を発給しております。また、ベトナムに軍需物資を輸送するため、アメリカ海軍極東司令部に雇われておりまするアメリカ国籍の商船約三百六隻、それからLST三十隻ないし五十隻の船が、航行中に日本国内と通信を行なう場合は、本来ならば国際通信として取り扱われるものでございまするが、いまや、日米地位協定による便宜供与の取り扱いという名義で、本年初めから国内通信扱いに変更いたしているのであります。これらはいずれもアメリカのベトナム侵略戦争に対する歴然たる協力行為であります。(拍手)安保条約の規定した極東の範囲をはるかに越えたベトナム戦争について、日本人の運命にかかわりを持つようなLSTの問題に、なぜ日本政府は指一本も触れることができないのか。そのような日米関係は、すみやかに是正されなければならないと思うが、政府は今後どのような対策をもって臨むのか、総理の所信を表明されたいのであります。(拍手)
以上指摘いたしました諸問題のほかにも、日米合同演習、沖繩の核基地提供による施政権返還や、安保条約の長期堅持に関する政府のPR、戦闘爆撃機あるいは極東の範囲についての政府の拡大解釈など、いずれをとってみても、すべての道はペンタゴンに通ずる問題ばかりであります。また、在日朝鮮人の帰国協定の打ち切りや、民族教育弾圧の政策なども、決して安保体制強化とベトナム戦争協力と無関係ではないのであります。
これら一連の事件を通じて、日本政府は貴重な教訓を学ぶべきである。安保闘争以来、われわれが叫び続けてきた真の独立と平和の道について、政府は考え直す時期にきていると思います。ベトナム戦争への協力を一切拒否し、米国がベトナム戦争を続ける限り、対米非協力の姿勢を打ち出すことが、いまや、日本の独立と平和の道であることを、再びここに強く訴えまして、私の質問を終わるものであります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/15
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016・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
社会党と私どもとの間には、日米安保条約についての基本的な考え方の相違がございます。しかし、日米安保条約の体制のもとに日本は安全を確保し、また繁栄の道をたどっております。国民はよく承知しておりますので、この日米安保体制を国民はまた守ろうとしております。このことをまず最初に申し上げておきます。(拍手)
社会党の皆さまからは、日米安保体制があれば戦争への道を歩む、こういうことをしばしば言われておりますが、今日まで戦争の危険は全然ございません。(拍手)このことは賢明な国民が知っておりますので、ただいまのお話を訂正していただきたいと思います。
そこで、お尋ねになりました点について、二、三お答えをいたしたいと思います。
まず第一は、学界に対する米軍の資金援助の問題であります。本来、学術の研究というものは、研究者の良識、また、自由な判断によりまして研究が続けられるものでありまして、政府はこれに積極的な干渉をするような考えは毛頭持っておりません。しかし、御指摘になりましたように、外国の政府や、あるいは特に軍隊だとか、こういうところから資金の援助を受けますと、いろいろ誤解を受けることもあるだろうと思います。したがいまして、そういう意味で、これは一般の民間からの資金の受け入れとは相違いたしておりまして、十分慎重に扱わなければならぬ問題だと思います。そういう意味で、今後の問題については、政府はこの処置について検討するつもりでございます。
次は、兵器輸出の問題でございます。ただいまも松本君は、防衛産業に余力のあるのは当然だ、こういうことを言っておられます。この余力があるところで輸出をするということ、これがしかも輸出貿易管理令の許しを得てやるということ、これは何ら不都合ではないと思う。ただいま、みずからも、防衛産業に余力のあるのは当然だと言っておられる。その余力を使って輸出すること、しかもその手続が貿易管理令でやられる、それなら何ら不都合はないものだ、私はかように思います。佐藤内閣は、私はまた、死の商人たる歩みをするものではございません。これははっきり申し上げておきます。(拍手)
LSTの問題についてお触れになりました。これはただいま日米安保条約のもとにおいて補給行動をしておる、こういうことでございますので、いわゆるベトナム戦争への積極的な軍事協力、こういうものでは絶対にございません。誤解のないようにお願いしておきます。(拍手)
〔国務大臣三木武夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/16
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017・三木武夫
○国務大臣(三木武夫君) 総理大臣がお答えになりましたので、私は申し上げることもございませんが、地図のことについては、これは交換公文によって地図をつくることにしたわけでありますが、この金は、余剰農産物、この積み立て金によってつくったのでありまして、これは日米がちゃんと交換公文によって地図をつくる、その金は余剰農産物の積み立て金を使って共同して地図をつくるというのでありますから、日米が安全保障条約を結んで、この両国の関係において共同して地図をつくるということが、格別、松本君のおっしゃるような、そういう非難さるべきことだとは考えておらないのでございます。(拍手)
〔国務大臣剱木亨弘君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/17
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018・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) お答えします。
松本議員の御質問にありましたように、一九五九年から今日まで、約九十六件にわたりまして、米陸軍極東研究開発局から大学その他に研究援助があったことは事実でございます。実は国立学校特別会計におきまして、他から寄付をもらいました場合においては、奨学寄付金というワクをつくってありまして、この中に計上して、これを正規に研究者に渡すルートをとっておればもちろん文部省でわかったのでございますが、このルートを踏んでいなかったので、文部省といたしましては今日までわからなかったのでございます。これが今回調査いたしまして明確になったわけでございますが、松本議員に私特に申し上げたいと存じますのは、松本議員は、これは研究開発局から委託研究を受けた、いわゆるひもつきの研究であるという点でございます。この点につきましては、非常な誤解でございまして、委託研究と申しますのは、私から申し上げるまでもなく、一つの研究テーマを示して、これを委託し、これにおいて援助する場合でございますが、この陸軍開発局から援助になりましたのは、通常の、各研究者の研究いたしますテーマにつきまして、その所属する長のサインを得てこの局に申請をいたし、これによって許可を得て、自由に研究いたしたのでございまして、少なくとも、この陸軍開発局のほうからテーマを示しましたひもつきの研究でなかったことだけは事実でございます。この点は委託研究ということでございましたから、その点は御訂正を願いたいと思います。
ただ、現在におきまして、私どもは総理がお答えいたしましたように、学術研究の自由を守る意味合いにおきまして、今日まで学者の自主性にまかしてやってまいりました。しかし、この陸軍開発局から援助をいただいておりますものの中には、もちろん外国の政府機関から直接に個人にもらったのでございますが、相当の旅費も含まれておるのでございます。私は、先ほど総理からお答えがございましたように、外国の政府から直接に国立大学の研究者が援助を受けます場合においては、米国のみならず、いずれの国家からでももらったものについては、これは相当の考慮を払う必要がある、この問題については十分今後研究をしてみたいと存じます。(拍手)
〔国務大臣増田甲子七君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/18
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019・増田甲子七
○国務大臣(増田甲子七君) 日米合同演習は、正確に申しますと、日米合同訓練というのでございまして、日米安全保障条約に基づいて、毎年行なっておるのでございます。毎年一回行なっておりまするが、将来とも、厳に注意を払いつつ訓練を続行するつもりでございます。
それから、戦闘爆撃機のことでございまするが、これは従来もしばしばお答え申し上げておる範疇を出ないのでございまして、すなわち、長距離爆撃機は憲法違反のきらいがあるから、これを持たない、こういうことには終始一貫いたしております。ただいまF86Fに——これは戦闘機でございまするが、爆弾をつけた演習をしておるのは事実でございます。その範囲のものを、俗称ファイターボンバー、戦闘爆撃機といっておりまするが、その範囲のものならば現に持っておるわけでございます。その範囲のことをお答えしただけでございまして、将来の戦闘機の機種の選定にあたりましては、厳に憲法に違反しないように注意をしてこれを選定する所存でございますということをお答え申し上げておきます。(拍手)
〔国務大臣小林武治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/19
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020・小林武治
○国務大臣(小林武治君) LSTの無線電信は、御承知のように、これは安保条約に基礎を置く地位の協定、また、これに基づく電気通信サービスに関する基本契約、こういうものによりまして適法にこれを認めておる、そして現在では内国電報としての扱いをしておる、こういうことでございまして、これらはすべてそれぞれの手続に従ってやっておる、こういうことを申し上げておきます。(拍手)
〔国務大臣西村英一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/20
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021・西村英一
○国務大臣(西村英一君) 国土地理院におきまして地図をつくったそのいきさつにつきましては、外務大臣がお答えになりましたが、ただ、三十五年から三十九年までやったのでございまして、現在はその関係はないのでございます。ただいままだやっておるかのごとき印象でございましたが、これは地図のことでございまするから、アメリカのみならず、各国の方々が互いにその技術の交換をいたしておるのでございまして、多くの国の方々がやはり国土地理院といろいろな打ち合わせをしておるのでございまして、この関係に関する限り、三十九年で終わりを告げたのでございます。
また、地図は特殊軍用の地図である、こういうふうに申しますけれども、その内容は、日本式のいままでのやり方は平面式でやっておったのと、やはり航空写真でもってやるという地図のつくり方があり、いわゆる記号のしかたにいたしましても、日本式、米国式の折衷でやっておるのでございまして、これはいわゆる市販の地図とあまり変わらないのでございます。しかもこの地図につきましては一時市販をいたしておったのでございまするが、たとえばグリッドが入りまして、グリッドが入っておるということはやはり日本の方々になじみがないから、あまり買われないのでございまして、少しも変わるところはないのでございます。私は、むしろ、こういう地図をつくって、互いに、この地図はやはり日米共同防衛のために両国の利益になる、かように考えておる次第でございます。(拍手)
〔国務大臣大橋武夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/21
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022・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) すでに総理大臣からも答えられましたが、LSTへの日本人の乗り組みは、現在のたてまえといたしましては、職業選択の自由に基づき、個々の船員が自由意思によって乗船しているものではありますが、政府は、日本船員の生命、身体の安全には十分留意をいたしまして、いやしくもこれに重大な危険が及ぶと予想されるような場合には、必ず、国民保護上、万全の対策を講ずる考えでございます。(拍手)
————◇—————
日程第一 国有資産等所在市町村交付金及び
納付金に関する法律の一部を改正する法律
案(内閣提出)
日程第二 地方税法等の一部を改正する法律
案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/22
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023・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第一、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案、日程第二、地方税法等の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/23
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024・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。地方行政委員長亀山孝一君。
—————————————
〔報告書は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔亀山孝一君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/24
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025・亀山孝一
○亀山孝一君 ただいま議題となりました両法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
まず、国有資産等所在市町村交付金及び納付金に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、地方公共団体が所有する水道施設等の用に供する土地について、水道施設等の所有者である地方公共団体から、土地所在の市町村に対し、市町村交付金を交付することとするとともに、日本国有鉄道が営業路線を開業するために一定期間内に敷設した鉄道の線路設備等にかかる納付金算定標準額について、新たに特例措置を設けようとするものでありまして、四月三日本委員会に付託されたのであります。
次に、地方税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、地方財政の実情を考慮しつつ、住民負担の軽減及び合理化をはかるため、住民税における事業専従者控除額並びに事業税における事業主控除額及び事業専従者控除額の引き上げ、電気ガス税のガスにかかる免税点の引き上げ、その他不動産取得税、固定資産税等について改正を行なうほか、法人の住民税均等割りの税率の調整、たばこ消費税の税率の引き上げ等を行なおうとするものでありまして、三月二十八日本委員会に付託されたのであります。
四月二十日両法案について自治大臣より提案理由の説明を聴取した後、地方税源の充実強化、住民税の課税最低限をめぐる住民負担の軽減及び合理化を中心として、地方税制全般にわたって慎重な審査を行なったのであります。
五月十八日、質疑を終了、直ちに採決を行ないましたところ、両法案はいずれも賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、地方税法等の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の共同提案により、住民税の課税最低限の引き上げ及び市町村道路財源の充実をはかることを内容とする附帯決議を賛成多数をもって付することに決しました。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/25
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026・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第一につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/26
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027・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
次に、日程第二につき採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/27
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028・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第三 臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正
する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/28
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029・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第三、臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案を議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/29
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030・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長多賀谷真稔君。
—————————————
〔報告書は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔多賀谷真稔君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/30
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031・多賀谷真稔
○多賀谷真稔君 ただいま議題となりました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査の経過並びに結果を御報告いたします。
石炭鉱害の復旧は、国土の保全、民生安定の見地からきわめて重要な問題であります。累積残存鉱害量は、昭和三十九年度末においてすでに六百七十億の多額に達しておるのでありますが、現実はさらに上回るものといわれております。
このような膨大な石炭鉱害を早急にしかも総合的かつ計画的に復旧することは、石炭対策における最も大きな課題の一つでありまして、すでに昨年七月、石炭鉱業審議会からその解決策について答申が行なわれ、目下その実施について検討が進められているところであります。かような過程において、本案は、今回石炭対策特別会計が設置されることに伴い、とりあえず鉱害復旧工事に対する補助金の交付方式を改めようとするものであります。
以下、本案のおもな内容を申し上げます。
第一は、従来国が復旧工事の施行者に対し、復旧工事に関する補助金を交付していた方式を改め、国は鉱害復旧事業団に対し、その事務経費及び復旧工事にかかる費用に充てるための補助金を一括して交付することといたしております。
第二は、事業団は復旧工事の施行者に対し、復旧工事費を負担することとし、これに関連する規定について所要の改正を行なうことといたしております。
本案は、去る四月三日本委員会に付託され、四月十九日通商産業大臣より提案理由の説明を聴取した後、慎重審議を重ね、五月十九日、質疑を終了、直ちに採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
右、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/31
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032・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/32
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033・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第四 外務省設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
日程第五 在外公館の名称及び位置を定める
法律及び在外公館に勤務する外務公務員の
給与に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/33
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034・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第四、外務省設置法の一部を改正する法律案、日程第五、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/34
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035・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長關谷勝利君。
—————————————
〔報告書は本号末尾に掲載〕
—————————————
〔關谷勝利君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/35
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036・關谷勝利
○關谷勝利君 ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
まず、二法案の要旨について申し上げますと、
外務省設置法の一部を改正する法律案は、
第一は、最近外交問題はますます複雑多岐にわたって処理すべき案件が急増しておりますので、この円滑な処理をはかるため外務審議官一人を増置することとすることであります。
第二は、各地域局で処理していた政務以外の在留邦人の保護関係事務を大臣官房で一括して処理することとし、また、従来中南米・移住局で処理していた海外における邦人の身分関係事務並びに旅券及び査証関係事務も、大臣官房で処理することとすることであります。
第三は、特別職四人、一般職四十八人を増員することであります。
次に、在外公館の名称及び位置を定める法律及び在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案は、大使館五館、総領事館四館及び領事館一館を新設するほか、公使館から大使館へ二館、領事館から総領事館へ、総領事館分館から総領事館へ、それぞれ各一館を昇格することとするとともに、これらの在外公館に勤務する外務公務員の在勤俸の額を定めること等であります。
両案は、いずれも三月十七日当委員会に付託、五月九日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、同十九日、質疑を終了、討論もなく、直ちに採決の結果、両案はいずれも全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/36
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037・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 両案を一括して採決いたします。
両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/37
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038・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/38
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039・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会たします。
午後五時六分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
法 務 大 臣 田中伊三次君
外 務 大 臣 三木 武夫君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
厚 生 大 臣 坊 秀雄君
農 林 大 臣 倉石 忠雄君
通商産業大臣 菅野和太郎君
運 輸 大 臣 大橋 武夫君
郵 政 大 臣 小林 武治君
労 働 大 臣 早川 崇君
建 設 大 臣 西村 英一君
自 治 大 臣 藤枝 泉介君
国 務 大 臣 増田甲子七君
出席政府委員
内閣法制局長 高辻 正巳君
内閣法制局第一
部長 関 道雄君
電気通信監理官 浦川 親直君
郵政省電波監理
局長 淺野 賢澄君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X01519670523/39
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