1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月十五日(木曜日)
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議事日程 第二十一号
昭和四十二年六月十五日
午後二時開議
第一 大蔵省設置法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
第二 駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を
改正する法律案(内閣提出)
昭和四十年度一般会計予備
費使用総調書(その2)
昭和四十年度特別会計予備
費使用総調書(その2)
第三 昭和四十年度特別会計予算
総則第十条に基づく使用総
調書
昭和四十年度特別会計予算
総則第十一条に基づく使用
総調書(その2)
昭和四十一年度一般会計予
備費使用総調書(その1) (承諾を求
昭和四十一年度特別会計予 めるの件)
第四 備費使用総調書(その1)
昭和四十一年度特別会計予
算総則第十一条に基づく使 (承諾を求
用総調書(その1) めるの件)
第五 中小企業信用保険法の一部を改正する法
律案(内閣提出)
第六 公立高等学校の設置、適正配置及び教職
員定数の標準等に関する法律の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
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○本日の会議に付した案件
国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑
日程第一 大蔵省設置法の一部を改正する法律
案(内閣提出)
日程第二 駐留軍関係離職者等臨時措置法の一
部を改正する法律案(内閣提出)
昭和四十年度一般会計予備
費使用総調書(その2)
昭和四十年度特別会計予備
費使用総調書(その2)
日程 昭和四十年度特別会計予算
第三 総則第十条に基づく使用総
調書
昭和四十年度特別会計予算
総則第十一条に基づく使用
総調書(その2)
昭和四十一年度一般会計予
備費使用総調書(その1) (承諾を求
昭和四十一年度特別会計予 めるの件)
日程 備費使用総調書(その1)
第四 昭和四十一年度特別会計予
算総則第十一条に基づく使 (承諾を求
用総調書(その1) めるの件)
日程第五 中小企業信用保険法の一部を改正す
る法律案(内閣提出)
日程第六 公立高等学校の設置、適正配置及び
教職員定数の標準等に関する法律の一部を改
正する法律案(内閣提出)
午後二時七分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/0
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001・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これより会議を開きます。
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国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/1
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002・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 内閣提出、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。大蔵大臣水田三喜男君。
〔国務大臣水田三喜男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/2
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003・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。
公債償還の基本的考え方及び減債制度のあり方につきましては、昨年の財政制度審議会において慎重な審議を願い、昨年十二月に報告をいただいたのでありますが、これによりますと、公債政策に関する政府の節度ある姿勢を示すためには、より充実した減債制度を確立すべきであるとされ、さらに、今後の償還財源繰り入れ方式としては、国債残高に対する定率繰り入れを基本とし、財政法第六条による一般会計剰余金の二分の一以上の繰り入れをもってこれは補完し、さらに、必要に応じて予算措置による繰り入れを行なうこととするのが適当であると述べられているのでありまして、政府は、この報告の趣旨に沿って減債制度の整備改善をはかることといたしたのであります。
このため、政府は、国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案を今国会に提案することとした次第であります。
次に、その内容について申し上げます。
まず第一に、国債の元金償還に充てるべき資金の定率による繰り入れの制度を復活し、前年度首における国債総額の百分の一・六に相当する金額を毎年度一般会計または特別会計から国債整理基金特別会計に繰り入れることとしております。
なお、定率による繰り入れについては、従来から短期証券及び借り入れ金は対象から除外されていたのでありますが、今後は、遺族国庫債券、農地被買収者国庫債券等の割賦償還方式の交付国債も定率繰り入れの対象から除外することとしております。
第二は、予算繰り入れに関する規定の新設であります。これは、定率による繰り入れ及び財政法第六条による一般会計剰余金の二分の一以上の繰り入れのほかに、国債の元金償還に支障を生じないようにするため、必要に応じ、予算をもって定める金額を一般会計または特別会計から国債整理基金特別会計に繰り入れるべきこととするものであります。
以上のほか、他の特別会計法の例にならい、規定の整備をはかるとともに、従来定率を万分の百十六の三分の一とする特例を定めていた昭和七年度以降国債償還資金の繰入一部停止に関する法律及び一般会計について定率による繰り入れを停止していた国債整理基金に充てるべき資金の繰入れの特例に関する法律を廃止することとしております。
以上が国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)
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国債整理基金特別会計法の一部を改正する法
律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/3
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004・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。これを許します。只松祐治君。
〔只松祐治君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/4
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005・只松祐治
○只松祐治君 ただいま趣旨説明がありました国債整理基金特別会計法の一部を改正する法律案について、日本社会党を代表して、総理並びに関係大臣に若干の質問をいたします。
およそ、その国の健全な経済の成長発展は、まず国民の所得がその経済の成長に見合って増大すること、すなわち、国内需要の開拓と健全な輸出の伸展にあることは申すまでもありません。
しかるに、政府及び自民党は、この常識的な資本主義の経済原則にさえ相反して、資本の充実、自由化対策などの名目のもとに、いたずらに独占資本強化のための高度経済成長政策に狂奔し、口に所得倍増を唱えながらも、実質的な国民所得の上昇、すなわち、国民生活の実質的向上など顧みず、また、輸出も、国内販売価格五十八万円のブルーバードが三十二万円、十八万円のカラーテレビが六万円などに見られるように、飢餓的な輸出によってようやく輸出入勘定を合わせるなど、場当たり的な経済政策に終始してきました。
当然のこととはいえ、この拙劣な独占資本中心の経済政策の結果、設備投資が一巡した三十八年以降、わが国経済は、いわゆる神武の好況から一転して一大不況におちいりました。その結果、国家財政にまで重大な影響を及ぼし、政府が四十年度財政処理の特別措置法の提案理由におくめんもなくみずから述べたように、租税収入の異常な減少等をもたらし、新憲法、財政法に強く規制され、敗戦以来タブーとされていた赤字公債を発行しなければ、国家財政を維持することすら不可能な、文字どおり異常な事態に立ち至りました。自来、四十一、四十二年とすでに三年間連続して赤字公債を発行し、三十九年、四千三百四十億円にすぎなかった公債は、四十二年末推計、二兆三千三百五十億円の膨大なものとなりました。さらに、一度発行し始めた公債は、なかなかとどめることは困難であり、今後数年間はその発行を続けなければ、おそらくわが国財政の運営は困難でありましょう。
かかる重大な財政経済政策の失敗を招来しながら、政府・自民党は、何ら恥じることなく、その責任をだれも負おうとしないが、総理、一体この責任はだれが負うものと思われるのか。戦前の政党政治時代あるいは諸外国ならば、当然に総辞職、内閣の交代が行なわれるところであります。しかるに、今日に至るもその責任の所在を明らかにせず、だれ一人の引責も行なわれないが、まことに遺憾というよりも嘆かわしいことであります。(拍手)今日は政党政治の時代であり、佐藤総理はまた自由民主党の総裁でもあるはずであります。その責任と、その責任に伴う的確な処置を国民の前に明らかにされたいと存じます。
次に、昭和四十二年六月現在、すなわち、今日の経済状態よりして、今後何年間公債の発行を続けていかなければならないと思われるのか。水田大蔵大臣は、大蔵委員会において、あと数年は必要だと答えられましたけれども、総理も、経済は生きものであるからなどと逃げ口上を言わないで、現在の経済情勢を的確に判断し、国民の前に発行年数を明示し、わが国経済に対する内外の不安を除去されたいと存じます。
第三に、政府・自民党首脳は、去る総選挙や地方統一選挙などで、経済はすでに立ち直った、一部には過熱論さえ出ていると公言しております。一年前には一大不況で赤字公債を発行し、一年たつかたたないうちに今度は過熱だなどと、いかに弱肉強食、変動常ない資本主義経済だとはいっても、あまりにもそれでは無定見、不見識に過ぎはしないか。ほんとうにわが国経済は過熱を心配されるほどに立ち直っているのか。もしそうだとするならば、わが党の強い反対と国民の危憂を押し切り、財政法をじゅうりんしてまで、公債政策の導入によって、積極的に政府需要を喚起し、沈滞した民需を浮揚させ、景気の回復をはかる、すなわち、公債政策以外に日本経済再建の方途はないと強弁した政府の公債発行当時の意義は全くなくなっているわけであり、また、本年度政府が国会に提出した目的もなくなるか、少なくとも変わっていることになり、国会、国民を欺瞞していることになりはしないか。総理の当面するわが国経済に対する見通しとともに、もし経済が政府の言うとおり回復基調に向かったり、立ち直ったとするならば、公債政策も当然に変更されなければならない。総理は、公債発行を中止したり、また変更する意思があるのか。たとえば、資本金一千万円以上の法人の本年度の投資率は二一%強と強気であり、したがって、金融市場は順次逼迫を告げてきており、一昨年余裕資金をかかえて困り、公債発行を強く要望した金融界は、今度は全く逆に大蔵省に資金運用部資金による買い上げを迫ったり、また、上期国債発行を一部下期に回し、事実上の減額を要望するなど、公債政策の転換を政府に求めてきておるが、政府はこれらの要求にどう対処するつもりであるか、具体的にお答えをいただきたいと存じます。
第四に、このように四十二年度より市中消化が困難になるであろうことは、また、市中消化が苦しくなれば、勢い日銀引き受けが増大し、危険なインフレ要因を生ずるであろうことは、わが党がすでに公債発行のときに強く指摘し、いかなる事態が訪れようとも、直接日銀引き受けはもちろん、一年以上たっても大幅な日銀買い入れを行なわないよう強く要望してきたところである。この点に関しては、今日も政府の考えに変わりはないか、あらためてお尋ねをしておきたいと存じます。
なお、この際、総理にいま一つお聞きをしておきたい。すなわち、このようにばく大な公債の発行、異常な物価の上昇などに見られるように、政府がいかに言いのがれをしようとも、事実上インフレはわが国経済をおおい、国民の上にのしかかってきている。そして、かかる経済政策の行き着くところ、わが国がやがてデノミネーションを断行せざるを得ないことも、われわれは指摘してまいりました。去る五月十八日の大蔵委員会において、水田大蔵大臣は私の質問に対し、デノミを行なうことを明らかにいたしましたが、佐藤総理もこの大蔵大臣の考えを支持されるか。もしそうだとするならば、いついかなる方法で行なうか、具体策についてお答えをいただきたいと存じます。
水田大蔵大臣にお尋ねをいたします。
四十年度の公債発行のときは、いかに厚顔な政府も、年度末の税収不足であっては財特法によらざるを得ず、赤字公債であると率直に自他ともに認めたが、四十一、四十二年度の一兆三千億円に及ぶ公債は、四十年度公債と同じように高度経済成長の失敗よりくる税収不足に原因しておるのであるにかかわらず、建設公債であるとして財特法など一切提出せず、財政法四条の違反を行なっております。赤字と言い、建設と言うは、一体何を根拠に言っているのか。われわれ国民、国会は、いかに理解をしようと努力しても、政府の言っておるこの意味を理解し認識することは困難でございます。おそらく、言っているあなたたちもわからないのではないでしょうか。どんぶり勘定の国家予算の中で、何を赤字と言い、何を建設と言うのか、全く三百代言をも下回る使い分けではないか。法律と同様に重要なこの予算において、かかる非合理、無法をわれわれは許すことはできない。四十年度を赤字と認めた政府は、それ以降を何を根拠に建設と言うのか、その理論的、実際的根拠をお示しいただきたい。(拍手)
次に、本年度は約八千百億円の多額の公債発行を計上しているが、地方統一選挙のためとはいえ、本年度予算が通過して問もない今日、金融界だけではなく、各方面から国債の減額や、某銀行のように、国債を引き受けるなら金融債の引き受けを拒否するというような事態を現出しているが、これは明らかに本年度経済の見通しの誤りではないか。本年度公債八千百億というのは多きに過ぎるのではないか。もしそうだとするならば、大蔵当局は今後いかなる責任とこれに対する措置をとられるのか。
第三に、財政法四条二項は、償還不要論をはじめ、いろいろかってな解釈が行なわれている。しかし、どのように解釈しようとも、二項の精神は、日本が再び太平洋戦争前の轍を踏まないよう公債の乱発をかたく戒めるため、公債を発行するときには同時に必ず具体的な償還計画を立てることを求めていることだけは明白であります。しかるに政府は、四十年度の財特法によるものはもちろん、四十一、四十二年度分においても、文言の上においては七年後の償還をうたってはいるが、具体的な償還計画は何一つ示してはいないのであります。ようやくただいま提案のあった整理基金特別会計法によってその具体化への一歩を踏み出したにすぎません。
本法案の詳細な討議はいずれ委員会において行ないますので、内容の討議は避けるけれども、現在発行している公債はすべて七年償還であるが、年百分の一。六では全額償還に約六十一年を要し、財政法第六条をもってしてもその償還は五十七、八年を要する。このことは、現在のわれわれの、いや池田、佐藤内閣の経済政策の失敗から、数十年先の日本国民に、いわゆる孫の時代まで借金を残すことであるばかりでなく、物価が上昇し、インフレが進み、貨幣価値の下落がはなはだしい現在、数十年先に償還するということは全くあってなきにひとしいことでもあります。額面に七年の償還を明記しながら、事実上六十年前後に償還を行なうということは、このように国民を愚弄するのみならず、明らかに法律上の詐欺行為ではないでしょうか。至高なるべき国家が国民に対して欺瞞的行為を行なうとは何たることであるか。国民個人の借金はもちろん、会社の社債においてさえも、償還計画がなくて銀行などからの借り入れができるはずがなく、外債の募集においても、世銀などの強い規制を引用するまでもなく、減債の明記が必要ではありませんか。内国債においても、当然に四条二項に基づいて、銘柄別に、少なくとも年次別には償還金額を明示し、国会に報告し、承認を求むべきだと存じます。
なおこの際、先ほどから申しております六十一年にした根拠をもあわせて明らかにしていただきたいと存じます。
また、このように市中消化が困難になってきたときに、市中公募の原則に立ち返り、健全な市場の育成をはかり、市場原理を貫くべきだと思うが、蔵相はこの点についてどう考えられるか、率直なお答えを聞きたい。
さらにまた、このまま国債発行が続けられるならば、当然に為替レートの維持が容易ではなくなってくると思うが、その点についても明確な見通しを聞きたいと存じます。
最後に、自治大臣にお尋ねをいたします。
以上のように本年も当初予算の一六%をこえる公債が発行されるので、中央に直結する地方自治という、あなたたちの一つ覚えのスローガンを持ち出すまでもなく、三割自治の各級の地方自治体の財政、税収にもまた大きな影響が及んでおります。すなわち、自主財源が減少してきております。そこで政府は、昨年度交付税の二・五%引き上げ、臨時交付金の交付、特別事業債の起債など、何かと便法を講じて地方財政の破綻を食いとめるために大わらわでございました。しかし、さきの総理の答弁のように、ここ当分国家予算の十数%前後の公債の発行が続けられるであろうと存じます。こうなれば、もうただいまのように一時的な便法によって切り抜けるわけにはいかず、地方財政の財源について根本的検討を加え、その対策を立てなければならないと存じます。
地方自治擁護の任にあるあなたは、公債発行の中止、あるいは大幅な減額、さもなければ税財源の移譲を求めるか、あるいは何か他に抜本的対策を立てるかしなければ、ただでさえ苦しい地方自治体の財政はいよいよ窮迫を告げ、民主政治の基盤である地方政治が破壊されてしまいはしないか、たいへんに憂うるものであります。自治大臣は、かかる事態についていかに考え、どのような対策を持って臨もうとされておるか、お考えをお聞かせいただきたいと存じます。
以上質問をいたし、国民に納得のいく率直かつ具体的なお答えをいただくとともに、このような粗暴、無定見、無責任な公債政策は、インフレ、高物価の要因となり、国民生活を破綻に追い込むだけにとどまらず、少しでも不景気になったり、財政が苦しくなれば、すぐ安易に公債にたより、再び戦前のような軍需的公債を求めるようにならないとだれが断言し得るでございましょうか。政府の強い責任と反省を求め、すみやかに公債の発行を中止するよう要望して、私の質問を終わります。(拍手)
〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/5
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006・佐藤榮作
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。
只松君から三十八年以来のわが国の経済の動向について詳細な御報告がございました。しばしば議論されるところでありますが、いわゆる高度経済成長、これは、それなりにちゃんと目的を達したと私は確信しております。私が政局を担当するようになりまして、そのときの最も大きな課題は、いわゆる不況克服と同時に物価の安定である、今日さように考えております。この不況克服は、私どもの財政政策、金融政策よろしきを得まして、これが克服できました。(拍手)今日のようなりっぱな経済状態ができたのでございます。(打手)
私は、その中心をなすものがいわゆる公債発行政策であった、かように思っております。公債を発行することによりまして、刺激的な効果をもたらし、そして今日のこの好景気を招来したのでございます。お話しのように、この好景気は過熱のおそれすらあると、只松君御自身が御指摘になるように、私どももさように思っておる。その点について、今日は十分注意しなければならないのであります。こういうような経済状態を招来した私、内閣総理大臣としては、完全に、りっぱに私は責任を果たしておると思います。(拍手)
ただいま私の責任を追及されましたが、只松君は何かちょっと現状の見方が私とは違うのじゃないだろうか、かように思いますので、この点ははっきり国民の皆さん方がよく御承知でございますので、只松君の御批判がございましても、これは私は当たらないと思います。
ただ、そこで、この公債を絶えず続けていくかどうか、これは一つの問題であります。不況の際に刺激的な効果をねらうという、これはもちろん効果があることでございます。ところで、その不況が克服された今日、公債を引き続いて発行しておりますが、その理由は一体何か。これは私が申すまでもなく、今日の国内の状況では、いわゆる社会資本、これが非常におくれております。いわゆる住宅だとか、道路だとか、港湾だとか、こういうような公共投資をどんどん進めていかなければなりません。これを全部租税収入にたよるというわけにはまいりません。国民も税負担に限度がございますから、そういうわけにはいかない。こういうような現状において、いわゆる公共部門と民間部門とが調和がとれて経済発展ができる、そういうような社会、経済を実現するために、公債というものがりっぱにその役割りを果たしておる、かように私は思うのであります。
しかし、過熱のおそれのある際でございますから、公債発行はできるだけ抑える、これはお説のとおりであります。私は、国民の税負担、その限度を十分考え、財政需要を考慮に入れまして、しかる上で予算規模を策定するのであります。こういう点で、皆さん方の協賛を経た四十二年度予算はできたのでございます。もちろん、その際にも申し上げましたように、予算の執行にあたりましては、弾力的な運営をする、これはもう当然のことであります。したがいまして、今後かりに税の自然増収が非常に多い、こういうような場合には、やはりただいまのお話のように、公債の発行額をできるだけ減らすように、他の財政支出の需要に見合って、そういうことを努力すべきだと私も思います。
今日は、ただいま仰せになりましたように、過熱の心配すらある、そういう好景気でございますから、絶対にインフレにならないように努力するつもりでございます。何だか、公債が発行されれば直ちにインフレであるかのような御議論でございますが、私はそれには賛成をいたしません。したがいまして、今日の状態でこのままいける、かように私は考えております。十分注意はするつもりであります。
次に、いわゆるデノミネーションについてのお尋ねがございました。このデノミネーションというものは、結論から先に申しますが、政府はただいまデノミネーションをする考えはございません。したがいまして、積極的にいろいろ調査研究しておるというようなことも、もちろんございません。しかし、今日の状態が、これがいろいろの論議をいまかもしておりますので、そのうちデノミをするというような、そのときが来るかもわかりませんが、そういうときは一体どういう時期か、かようなお尋ねがあろうと思いますが、そういう際は、経済や金融情勢が安定することがまず第一に必要であります。そうしてまた、デノミネーションというものを国民各界各層のものが十分理解して、何ら誤解をするようなことがあってはならない。もう一つは、積極的に国民自身がデノミネーションを希望するという、そういうような状態において初めてこのデノミネーションは行なわれるのでございます。政府はこういう点については最も慎重にあるべきだ、かように私も考えておりますので、ただいま申し上げるような政府の現状についての考え方を明確にしておきます。(拍手)
〔国務大臣水田三喜男君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/6
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007・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 昭和四十年度発行の公債と、四十一年度以後の公債とはどう違うかということでございましたが、昭和四十一年度以降の公債は、財政法第四条に基づく公債でございまして、公共事業費、出資金、貸付金、この財源に充てるために発行されたものでございます。いわゆる建設公債といわれるものでございますが、使途を特定されておるところに公債の特徴がございます。四十年度に発行された公債のほうは全く性格を異にいたしまして、租税とかあるいは印紙収入の減少を補うというために発行されたものでございまして、使途は特定されておりません。したがって、いわば歳入の補てん公債ともいうべきものでございまして、建設公債とは全く性格を異にするものでございます。
その次は、財政法違反についての御質問でございましたが、財政法第四条二項による償還の計画というものとして、政府はすでにこの国会に償還計画表を予算に添付して提出いたしました。そうして、御審議をいただき、すでに予算の議決を経ました次第でございまして、財政法の違反はいたしておりません。御質問の趣旨は、いま言われるように、財政法のいう償還の計画というものは、政府の出した償還計画表とは違うということでありましょうが、このことは、すでに財政制度審議会でも確認されておりますとおり、政府従来の解釈は、年度別の償還予定額を明示する、そうして、この償還方法は、満期償還であるか、年賦償還であるか、また、償還の期日はいつであるかということを明示すれば足りるのであって、償還財源を数字的に明示することを求めてはいないというのがいままでの解釈でございまして、すでに確認された解釈でございますので、財政法違反とは考えておりません。
それから、国債の償還期限の問題についての御質問でございましたが、国債の償還期限というものと、減債制度によって国債を租税等の一般財源で償還すべき期間というものとは、全然別個のものでございまして、両者が異なるからといって、何ら矛盾するものではございません。ですから、現在の国債は、七年という期限が参りましたら、個々の所有者に対して全額現金償還するということは申すまでもございませんが、その財源は必ずしも租税及び一般財源でまかなわれる必要はございませんで、借りかえによってまかなうことも少しも差しつかえないことでございます。したがって、減債制度における償還の期限が六十年であるということによって、個々の国債の償還期限もまた六十年でなければならぬということは全然ございません。
その次は、公債発行についてのお尋ねでございましたが、公債の市中消化がただいま特に困難であるという事情はございませんが、しかし、国債発行にあたって、金融市場の状態を見て、これに応じて弾力的に発行量の調整をしようということをただいまやっておりますが、こういう弾力的な運営は今後も続けていくつもりでございます。
最後に、公債発行によって為替レートについての心配は全くないものと存じます。(拍手)
〔国務大臣藤枝泉介君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/7
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008・藤枝泉介
○国務大臣(藤枝泉介君) 国債発行下においては、国と地方との財源配分のバランスがくずれたわけでございますから、地方財政に特別の措置をしなければならないことは申すまでもございません。その意味においては、地方制度調査会の中間答申にもありますように、単なる地方財政需要の積み重ねの計算ばかりではなくて、国と地方との財源の配分をまずめどをつけて、そうして予算編成等をする必要があろうと思います。それにつきましては、事務の再配分と、それに伴う財源の再配分につきまして、今後検討をしてまいりたいと存じます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/8
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009・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これにて質疑は終了いたしました。
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日程第一 大蔵省設置法の一部を改正する法
律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/9
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010・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第一、大蔵省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
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大蔵省設置法の一部を改正する法律
大蔵省設置法(昭和二十四年法律第百四十四号)の一部を次のように改正する。
第六条第七項中「理財局に次長一人」を「理財局及び国際金融局に次長各一人」に改める。
第九条の二第四号中「及び保税工場」を「、保税工場及び保税展示場」に改める。
第十条中第十一号及び第十二号を削り、第十三号を第十一号とし、第十四号を第十二号とし、第十四号の二を第十三号とし、第十五号を第十四号とし、第十六号を第十五号とし、第十七号を削り、第十八号を第十六号とし、第十九号を第十七号とする。
第十条の二第九号中「並びに計理士の登録及び監督」を削る。
第十一条中第十五号を削り、第十六号を第十五号とする。
第十三条第六号を次のように改める。
六 金の買取り又は売渡しの基本方針に関する
こと。
第十三条第六号の次に次の二号を加える。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/10
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011・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。内閣委員長關谷勝利君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔關谷勝利君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/11
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012・關谷勝利
○關谷勝利君 ただいま議題となりました大蔵省設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案の要旨は、
第一に、国際金融局に次長一人を置くこと
第二に、税関の業務部及び鑑査部を廃止し、輸出部及び輸入部を設置すること
第三に、東京国税局に調査第三部を設置すること
第四に、理財局及び国有財産局の所掌事務の一部を国際金融局に移管すること等であります。
本案は、四月三日本委員会に付託、五月九日政府より提案理由の説明を聴取し、慎重審議を行ない、六月十三日、質疑を終了、討論もなく、直ちに採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/12
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013・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/13
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014・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第二 駐留軍関係離職者等臨時措置法の
一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/14
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015・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第二、駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。進事業団が行なう援護業務を拡充する等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/15
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016・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。社会労働委員長川野芳滿君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔川野芳滿君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/16
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017・川野芳滿
○川野芳滿君 ただいま議題となりました駐留軍関係離職者等臨時措置法の一部を改正する法律案について、社会労働委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本案は、駐留軍関係離職者対策の充実をはかろうとするもので、そのおもなる内容は、
第一に、雇用促進事業団の援護業務を拡充し、駐留軍関係離職者が事業を開始する場合に、自営支度金を支給し、また、開業に必要な資金を借り入れる場合に、その債務の保証を行なうこと
第二に、駐留軍関係離職者に対して支給する給付金について、譲渡、担保、差し押え、公課を禁止すること
第三に、援護業務にかかる経過措置について所要の整備を行なうこと等であります。
本案は、去る五月十七日本委員会に付託となり、自来熱心なる質疑応答が行なわれたのでありますが、十三日の委員会において質疑を終了し、採決の結果、本案は原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/17
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018・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/18
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019・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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第三
日程
昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)
昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)
昭和四十年度特別会計予算総則第十条に基づく使用総調書
昭和四十年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その2)承諾を求めるの件)
第四
日程
昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)
昭和四十一年度特別会計予備費使用総調書(その1)
昭和四十一年度特別会計予算総則第十一条に基づく使用総調書(その1)(承諾を求めるの件)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/19
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020・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第三、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件(承諾を求めるの件)、日程第四、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件(承諾を求めるの件)、右七件を一括して議題といたします。
委員長の報告を求めます。決算委員長鍛冶良作君。
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〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔鍛冶良作君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/20
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021・鍛冶良作
○鍛冶良作君 ただいま議題となりました昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件の事後承諾を求めるの件について、決算委員会における審議の経過並びに結果について御報告申し上げます。
昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件は、昭和四十一年一月から三月までの間に、生活保護費の不足を補うために必要な経費、その他に使用を決定したもので、その総額は四百四十八億七千万円余で、本年二月二十一日本委員会に付託され、本年三月十六日大蔵省当局より説明を聴取いたしました。
また、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件は、昭和四十一年四月から同年十二月までの間に、河川等災害復旧事業等に必要な経費、その他に使用を決定したもので、その総額は千二百八十一億六千万円余で、本年二月二十一日本委員会に付託され、本年三月十六日大蔵省当局より説明を聴取いたしました。
本月七日以上各件について質疑を終了し、同月十四日討論を行ない、日本社会党より、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)について、ベトナム共和国における難民救済援助に必要な経費に関し、この援助がベトナム民主共和国に対しても人道的に平等な救援を考慮していないこと、物資取り扱いをなした社団法人ベトナム協会の役員構成、事業内容に問題があること、同協会に対する補助金は、憲法第八十九条違反のおそれがある等の点につき、また、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)については、国際連合財政赤字補てん特別拠出金の支払いに必要な経費及びラオス外国為替操作基金へ追加拠出金を支払うために必要な経費については、政治的な配慮を必要とする拠出金であり、しかも閣議決定後、日ならずして補正予算が国会に提出されているので、補正予算に計上、処理すべきものである等の理由により、反対討論があり、次に、公明党より、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)のうち、災害復旧事業に必要な経費の使用に不当の事実が見受けられること、干害対策に必要な経費のうち、当然予算において処理されるべき性質の経費が予備費で支出されていること、さらに、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)のうち、生鮮食料品価格安定緊急対策に必要な経費は、政府の重要施策であるので、当初予算に計上すべきものであること等の理由により、各件についての反対討論がありましたが、採決の結果、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)外三件、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)外二件はいずれも承諾を与えるべきものと議決した次第であります。詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/21
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022・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) これより採決に入ります。
まず、日程第三の四件中、昭和四十年度一般会計予備費使用総調書(その2)につき採決いたします。
本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/22
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023・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。
次に、日程第三のうち、ただいま議決いたしました案件を除く昭和四十年度特別会計予備費使用総論書(その2)外二件を一括して採決いたします。
三件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/23
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024・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、三件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。
次に、日程第四の三件中、昭和四十一年度一般会計予備費使用総調書(その1)につき採決いたします。
本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/24
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025・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。
次に、日程第四のうち、ただいま議決いたしました案件を除く昭和四十一年度特別会計予備費使用総調書(その一)外一件を一括して採決いたします。
両件は委員長報告のとおり承諾を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/25
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026・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、両件とも委員長報告のとおり承諾を与えるに決しました。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/26
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027・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。商工委員会理事河本敏夫君。〔報告書は本号末尾に掲載〕
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〔河本敏夫君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/27
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028・河本敏夫
○河本敏夫君 ただいま議題となりました中小企業信用保険法の一部を改正する法律案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果の概要を御報告申し上げます。
御承知のように、中小企業を取り巻く諸情勢は大きく変動しつつあり、しかも、中小企業者の経営についてなお多くの不安定要因が存続しております。
現在、中小企業信用保険臨時措置法により、無担保保険制度及び倒産関連保証の特別措置が設けられており、その有効期限は昭和四十二年六月三十日までとなっておりますが、今後ともこの制度の必要性が強く要望されておりますので、この制度を恒久化するとともに、保険制度の拡充をはかるため、本改正案が提出されたのであります。
改正案の内容の第一は、無担保保険を恒久化するとともに、その付保限度額を三百万円に引き上げること
第二は、倒産関連中小企業者に対する保証の特例を恒久化すること
第三は、近代化保険の対象範囲を拡大し、中小企業高度化資金の貸し付けを受けているすべての者を対象とすること
第四は、第一種保険を廃止するとともに、第二種保険を普通保険に改め、その付保限度額を一般一千五百万円、組合三千万円に引き上げることであります。
本案は、去る三月十六日当委員会に付託され、三月二十二日菅野通産大臣より提案理由の説明を聴取して以来、六月十三日には参考人を招致して意見を聴取する等、きわめて熱心なる質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲ります。
六月十四日に至り質疑を終了し、引き続き採決いたしましたところ、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。
なお、本案に対し、特別小口保険の付保限度額の引き上げ、及び保証にかかる具備すべき要件等の緩和、中小企業者の長期安定資金の確保策、信用保証協会の保証能力の拡大等をはかることを内容とする附帯決議を付することに決しました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/28
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029・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/29
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030・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。
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日程第六 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/30
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031・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 日程第六、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
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公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案右国会に提出する。
昭和四十二年四月二十一日
内閣総理大臣 佐藤 榮作発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/31
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032・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 委員長の報告を求めます。文教委員長床次徳二君。〔報告書は本号末尾に掲載〕
〔床次徳二君登壇〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/32
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033・床次徳二
○床次徳二君 ただいま議題となりました公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審査の経過とその結果を御報告申し上げます。
本案の要旨は、
一、公立高等学校の普通科、商業科及び家庭科の学級編制の標準について、全日制課程にあっては五十人を四十五人に、定時制課程にあっては五十人を四十人に改めること
二、公立高等学校の教職員の定数の標準について、職種ごとの定数の算定基準を改善すること
三、公立の特殊教育諸学校の高等部の学級編制の標準は、原則として十人とするとともに、校長及び教職員の職種ごとの算定基準を定めること
四、この法律は、公布の日から施行し、昭和四十二年四月一日から適用すること玉、この法律施行のため必要な経過措置を設けることであります。
本案は、去る四月二十一日当委員会に付託となり、五月十日政府より提案理由の説明を聴取いたしました。六月七日には、本案について唐川喜久夫君外二名の参考人から意見を聴取するなど、慎重に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願います。
かくて、六月十四日、本案に対する質疑を終了、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して長谷川正三君、民主社会党を代表して鈴木一君、公明党を代表して山田太郎君より、本案に対しそれぞれ反対の意見が表明されました。続いて、採決に付し、本案は賛成多数をもって原案のとおり可決いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/33
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034・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 採決いたします。
本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/34
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035・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/35
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036・石井光次郎
○議長(石井光次郎君) 本日は、これにて散会いたします。
午後三時五分散会
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出席国務大臣
内閣総理大臣 佐藤 榮作君
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
通商産業大臣 菅野和太郎君
労 働 大 臣 早川 崇君
自 治 大 臣 藤枝 泉介君
出席政府委員
内閣法制局第三
局長 荒井 勇君
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105505254X02619670615/36
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