1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月二十日(火曜日)
午後一時十八分開会
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出席者は左のとおり。
委員長 天坊 裕彦君
理 事
岡本 悟君
谷口 慶吉君
岡 三郎君
小酒井義男君
委 員
江藤 智君
金丸 冨夫君
木村 睦男君
平島 敏夫君
前田佳都男君
森田 タマ君
大倉 精一君
木村美智男君
吉田忠三郎君
岩間 正男君
国務大臣
運 輸 大 臣 大橋 武夫君
政府委員
警察庁刑事局長 内海 倫君
運輸政務次官 金丸 信君
運輸省海運局長 堀 武夫君
運輸省船員局長 河毛 一郎君
運輸省鉄道監督
局長 増川 遼三君
事務局側
常任委員会専門
員 吉田善次郎君
説明員
日本国有鉄道副
総裁 磯崎 叡君
日本国有鉄道常
務理事 井上 邦之君
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本日の会議に付した案件
○船員災害防止協会等に関する法律案(内閣提
出、衆議院送付)
○運輸事情等に関する調査
(山陽電鉄の電車内における爆発事件に関する
件)
(日本国有鉄道の運営に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/0
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001・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
船員災害防止協会等に関する法律案を議題といたします。
まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。金丸運輸政務次官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/1
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002・金丸信
○政府委員(金丸信君) ただいま議題となりました船員災害防止協会等に関する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
船員の職務上の災害発生率は、陸上労働者の平均労働災害発生率の二倍以上であり、建設業に従事する労働者の場合とほほ同様であります。特に死亡事故においては、全産業中最も高い率を示している鉱業、港湾運送事業等における発生率に匹敵しております。また、船員は、通常船内において生活しなければならないため、職務外の負傷、疾病等についても船内生活の影響が顕著にあらわれており、職務上の災害とあわせて、その療養のため船をおりる船員の数は、年間千人につき、百六十五人に及んでおります。
これらの船員の労働災害防止のためには、現在、船員法並びに船員法に基づく船員労働安全衛生規則による法規制が行なわれております。しかしながら、船員の災害疾病の防止をさらに積極的に行なうためには、これらの法規制とあわせて、船員災害の減少目標等を定めた船員災害防止計画を樹立するとともに、船員災害の防止を目的とする船舶所有者の団体による自主的な活動を促進するための措置を講ずる必要があります。
この法律案は、このような観点から船員災害防止対策を推進しようとするものでございます。
次に、この法律案の概要を御説明申し上げます。
第一に、この法律案で防止の目的といたします船員災害は、船舶内で居住するという船員労働の特殊性にかんがみ、陸上における労働災害の範囲と異なり、事業場の設備等の物的原因及び作業行動による負傷、疾病及び死亡のみならず、船内生活による負傷、疾病及び死亡をも包含するものといたしております。
第二に、運輸大臣は、船員災害の減少目標その他船員災害の防止に関する基本的事項を定めた長期計画及び年次計画を樹立し、及び公表するものとし、これらの的確かつ円滑な実施のため必要があるときは、船舶所有者その他の関係者に対し、船員災害の防止に関する事項について、必要な勧告または要請をすることができることといたしております。
第三に、船舶所有者及びその団体は、運輸大臣が樹立した船員災害防止計画に即応して、船員の安全の確保及び船内衛生の向上のための対策を自主的に推進するため、この法律に基づき船員災害防止協会を設立することができるものといたしております。また、政府は、協会の活動を促進するため、これに船員保険特別会計から補助金を支出することができるものといたしております。
第四に、協会は、運輸大臣の認可を受けて、船員災害の防止のために講ずべき具体的措置を定めた船員災害防止規程を作成し、会員はこれを順守しなければならないものとするとともに、船員災害防止規程は労働協約と抵触しない限度において就業規則に優先するものといたしております。
第五に、協会の設立の認可その他協会の監督は、運輸大臣及び厚生大臣がこれを行なうことといたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/2
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003・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/3
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004・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 運輸事情等に関する調査を議題といたします。
去る十八日の山陽電鉄電車内における爆発事件について、運輸省当局から発言を求められておりますので、これを許します。増川鉄道監督局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/4
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005・増川遼三
○政府委員(増川遼三君) お手元にお配りいたしました資料によって御説明を申し上げます。
六月の十八日十四時五分に、山陽電鉄の塩屋駅構内におきまして下り普通列車の中におきまして爆発物によります事故が起こったわけでございます。
この状況を申し上げますと、本列車には乗客が約百名乗っておったのでございますが、塩屋駅に入駅いたしましてホームに停車する寸前におきまして、後部車両の第三とびら付近で突然大音響が起こりまして白煙が生じたわけでございます。車掌が直ちに開扉いたしまして第二とびら付近にかけつけましたところ、その床上に婦人が二名倒れておられたわけでございます。かけつけました運転士と駅務掛及び乗客が協力いたしまして負傷者を救助した次第でございます。
この原因といたしましては、現在警察当局に詳細をお願いいたしておるわけでございますが、旅客の持ち込みによります時限爆発物の爆発であろうというふうに推定をされております。
関係者といたしましては、運転士は経験七・四年でございまして三十五歳でございます。車掌は三十四歳、経験年数六・一一年でございます。
その他、爆発物につきましては、鉄製円筒——十センチに二十センチという円筒の中に塩素酸カリ、黄燐、工業用雷管、目ざまし時計、電池を組み込んだもののようでございまして、網だなの上に置かれていたと推定されるのでございます。
この事故によります本線支障時間は十七分でございます。
かようなことが、過去にも類似のものがございまして、またつい最近におきましては、新幹線のひかり号の中に爆発物が置かれておったということもございますし、また東京駅の八重洲口で爆発物が爆発したというようなこともございまして、自来、運輸当局並びに鉄道事業者といたしましては、非常にこの点に留意いたしまして監視の目を張り、あるいは警乗を強化してきたところでございますが、今回またしてもこういうような事件が山陽電鉄におきまして起こったということはまことに遺憾に存ずる次第でございます。要は、このような類似の事件が発生しませんように警察、検察当局の御努力をお願いしたい気持ちで一ぱいでございますが、なお今後ともわれわれもできる限りの手を尽くしまして列車とか、あるいは駅等におけるこの種の事件というものが発生いたしませんように努力をいたしたいと考えておる次第でございます。
以上、簡単でございますが、山陽電鉄における列車爆発事故に関する御報告を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/5
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006・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ただいまの報告に対して質疑のおありの方は、順次御発言願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/6
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007・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 ただいま事故の報告がございましたが、事故があるたびに、まことに遺憾に存じます、どこかの歌の文句にあったような答弁ばかり、報告しているのですが、問題は、東京駅にああいう問題が起きて、さらに国際的にもたいへん注目されているこの新幹線ひかり号においてもそういう事件がございましたね。いままた三たび目の事件でございますけれども、一体これに対して運輸省として防備の体制を、対策をどうこれはとられておるかということがやはり国民の側から見れば非常に心配をせざるを得ない点がある。同時に、警察は一体こうした問題に対する——警察の方はおそらく来ていると思いますが、対策をどう考えているかということですが、ただ単なる駅の構内における爆発事件だけで私は見るべきものじゃないのじゃないかと思うのですよ。たいへんこれは国民の側から見ますと心配の多い事件ですから、この関係の対策を一体どう——前回にすでに二件も事件があるわけですから、同じような事件がございますから具体的にどういう対策をとったか報告をしなければ、ただ単に、まことに遺憾に存じますと言っても、これは国民がなかなか納得しないのじゃないか、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/7
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008・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) きょう警察の人は来ておりませんが。……発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/8
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009・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 大体こういう大事件が起きて、警察がこういうところに来ないというのは大体おかしい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/9
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010・岩間正男
○岩間正男君 運輸大臣来ないですか。これはもう少し政治的に究明しないと、ただ政務次官、だけではしようがないな。運輸大臣をちょっと呼んでもらって、閣議なんかで問題にするのかしないのか、この前のはどうなっているのか、経過も聞いてみないと、そんなに長くなくていい。いまから緊急に運輸大臣呼んでもらったらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/10
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011・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記やめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/11
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012・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/12
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013・金丸信
○政府委員(金丸信君) たびたびこういうような問題が起きているわけでありまして、運輸省といたしましてもまことに遺憾しごくであるわけでありますが、運輸省といたしましては、国鉄にはこの問題についてあくまでも犯人を発見するように極力捜査を進めてもらいたいという指示をし、また国鉄も警乗員を増強いたしますし、その面について非常な努力をいたしておるわけでありますが、ただいまお話になりましたように、守備範囲が大きいものでありまして、ことに私鉄等につきましては、そういうような警乗員というようなものは乗っておらないというような面もあるわけでございますが、運輸省といたしましては警察庁のほうにこのお願いをいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/13
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014・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 次官、国鉄のほうには何か捜査に万全を期せというようなことを言っておるというのですね。国鉄の場合はある程度、多少まだ問題はありますけれども、公安官制度などがありまして、かなり積極的に車内に警乗などさせてやっていますよ。いま起きているのは私鉄でしょう。これに対してどういう対策を運輸省はやっておるかということですよ。刑事事件ですからつまるところは警察だと思いますが、あなた警察庁の人じゃないから、ぼくは来てからそのことを申し上げますが、私鉄に関してどういう対策があるかというんですよね。それから東京駅と、それから新幹線、これはもう相次いで起きた事件、これは谷口理事ではないけれども、国民の側からしたら心配で汽車に乗れないという状態が起きませんか。それからもう一つは、人心がきわめて動揺して、私はたいへんな問題がやはり起きてくるような気がする、こんなこと黙って放任しておいたら。そういうものに対して政府として具体的にどういうかまえでどういう対策をとるかということがさっぱりない。私の見る目から見ればない。野放し状態ではないですか、いまの状態は。そこを聞いておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/14
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015・金丸信
○政府委員(金丸信君) その問題につきましては、運輸省といたしましては警察権はないのは当然でございますが、そういう意味で警察庁のほうにそのお願いをいたしておるわけでございますが、ただ、こういうことがたびたび起きるということが人心に及ぼす影響、また一般に及ぼす影響というようなことを考えてみますと、このままで放任しておくということは絶対許されることではございません。一日も早くそういう犯人を発見するということに努力しなければならぬ。その面につきましては、運輸省といたしましてはその関係のいわゆる機動力はないわけでありますから、極力警察庁のほうにお願いをいたしまして、この問題を究明をしていただくよりほかに方法がない。ただ、運輸省といたしましても、国鉄に限らず私鉄に対しましてもこういう問題につきまして、いわゆる責任者に十分な関心を持ってこれに対処してほしいということだけは通達はいたしておるわけでありますが、何せ先ほど来申し上げましたように、守備範囲が広いというところに問題点はあろうと思いますし、また、いろいろこういう問題が派生的に起きてくるということは、非常にこれは運輸省としても重大な関心を持たなければならぬことは当然であると思うわけでありまして、なお今後この問題につきましては警察庁とも十分打ち合わせ、あるいは国鉄、私鉄経営者とも十分連絡をとって、万遺憾のない方法を講じたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/15
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016・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 私鉄の側にどんなような指導をしたり——これはそのために監督局長なんというのがいるのだと思いますが、どういう監督をやっているのですかね、これは。
それからもう一つは、爆薬ですからね、爆発をさしたわけですから。爆薬が必要になってきますね。ですから、そういう火薬の取り扱いというものについて、それぞれ取り締まる法律がありますが、そうしたところと一体運輸省としては横の連携をどうとっているかね、問題は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/16
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017・増川遼三
○政府委員(増川遼三君) つい最近におきましても、東京駅の駅頭におきまして爆発の事件がございました。それからそのあと四月十五日にひかり号事件があると、こういうようなことで、私どもといたしましては、草加次郎的な爆発物による事件というものの連鎖的に起こるということを非常におそれておるわけでございまして、こういったものが公共機関であります鉄道という施設の中で起こるということについて重大なる関心を持っておるわけでございまして、三月の末に起こりました事件の当時、国鉄に対しましても、また私鉄全体に対しましても、こういった事件の防止と予防ということにつきまして注意を喚起したところでございますが、なお今回の事件に対応いたしまして国鉄のとりました措置について申し上げますと、現地の三宮鉄道公安室をして兵庫県警察本部及び垂水警察署と連絡させまして情報の収集に当たらせたわけでございます。それから新幹線の全列車に対しまして警乗を行なうことといたしました。それから在来線の駅頭警備につきまして、危験品の持ち込み、不審者の発見にさらに努力をするというふうに指示を全国的に流したわけでございます。また、私鉄に対しましては大阪の陸運局長をして直ちに管内に対しまして警告を発した次第でございます。特に私鉄におきましては、職員中に国鉄におきますような公安職員というものを持っておりませんので、全面的にこういった犯罪捜査あるいは警備というものにつきましては警察当局にお願いせざるを得ないわけでございますけれども、事業者としては、特に改札係あるいは車掌等の手回り品の点検及び質問の励行、それから持ち込み禁止事項の駅頭掲示及び放送による周知徹底方法を講ずるというようなことで指導をいたしておるわけでございまして、こういった鉄道輸送機関の構内あるいは車内における犯罪の防止につきましては、鉄道公安職員並びに警察官のほうにお願いをいたしまして、今後とも厳重なる監視ということを続けてまいりまして、再びこのようなことが鉄道関係で起こるということにつきまして、われわれとして最も留意していきたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/17
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018・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) ちょっと吉田君、内海刑事局長が見えましたから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/18
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019・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 私鉄に対して厳重な警告を発した、あるいは警察に対して厳重取り締まるようにお願いをして再びかような事故のないようにと、こうお話ししますが、そんなものは、どんなに警告の通達を出したって、いまの状態では再びかような事故のないようにするということにはいかぬと思いますよ、私鉄の場合は。ある程度国鉄の場合は、いまあなたの報告されたように、公安官制度というものを持っておりまして、自主的に全列車に警乗をさせておる。こういうことであればある程度防がれますけれども、いまのこの都市における輸送の状態を考えてみた場合に、たとえば国鉄にしてもそれで万全とは言い得ませんよ。ましてや、今度のこの私鉄の段階は、どうあなたがここで警告を発したとか何とか言ってみても、具体的にしからば私鉄側がこれに対応する措置をとっているかというと、できないし、していないのです。そうすると、これは無防備ですよ。だから、事故のたびに、事件が起きるたびに、ここへきてまことに遺憾に存じますと言うが、何も具体的にやっていないのだから、そんなものはオウム返しですよ。
そこで、警察庁の刑事局長ですか、局長がいま来ておりますが、あなた方は、何かこの国会周辺でちょっとしたデモでもやると、その数十倍も警察官がぞろぞろ来て、その必要もない、われわれから見ると必要もない人々が出動してくるが、こういう問題に対して、東京駅の場合あるいは新幹線の場合、いままたこういう事件が、起きたが、具体的に一体、警察は前の二件について、どういう捜査をやって、どうなっているのか。それから、きのう起きた問題ですが、これに対する対策をどうするのか。常日ごろ一体こういう事件に対してどう対処しているかということを、この際ここで聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/19
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020・内海倫
○政府委員(内海倫君) 相次いで爆発あるいは爆発未遂事故が起こっておりまして、なお犯人の検挙に至っていないということにつきましては、はなはだ遺憾に存じておるところでありますが、東京駅の新幹線の売り場における爆発事故及びひかり号におきます爆発未遂事故につきましては、事件発生以来警視庁におきまして全力をあげてその捜査に従事しておるところでございます。新幹線の切符売り場の爆発事故につきましては、事件発生以来まず爆発に使われたものにつきましてのいろいろな遺留品につきましてその出所の究明ということで徹底した捜査を現在実施いたしておりますが、いまだ決定的な段階に至っておりません。何と申しましても、あの鉄の管一つの追及にいたしましてもたいへんな苦労を要しておるところであります。また、その他の遺留品から発見されるいろいろのものの出所の追及ということにつきましてもたいへんな時間と人手をかけまして続けておるところでございます。また、聞き込みにつきましては、新幹線の当日あの現場におられた人々をできるだけ残すことなくこれの発見につとめ、そういう人からいろいろ聞き込みをいたしておるのでありますが、これも犯人像をいろいろな人々からの聞き込みに行ってもとらえるに至っておりません。が、しかしながら、警視庁といたしましては何といたしましても犯人検挙に到達しなければならないということで苦心惨たんの努力をなお続けておるところでございます。ひかり号のほうの事件につきましても全く同様のことでございまして、まず、当日乗り合わせておった人々に対する聞き込み、あるいは当日、駅におりました人たちからの聞き込み、あるいは遺留されました源氏物語の本あるいはそれに装置いたしておりますいろいろな火薬類、これの出所につきまして追及するとともに、この源氏物語に指紋が数個残っておりますので、この指紋検出のためにも東京、愛知の両方の警察が当該指紋を発見するためにすでに何百万という指紋を当たりながら発見につとめておるのでありますが、これもまだ現在、指紋においても該当者に到達しておらない、こういうことで捜査はいろいろ苦心に苦心を重ねておりますが、いままだ犯人に到達するきわめて明るい見通しを申し上げることができないのをまことに申しわけないと思っております。
今回の、山陽電鉄におきます爆発事件につきましても、事件発生直後から捜査本部を現地に置きまして、兵庫県警察の捜査陣をあげて捜査にあたっておるところでありますが、現在、兵庫県警察において捜査の重点は、一つは、遺留されております爆発に使いました遺留品、これはいわゆる時限自爆装置を含めましてこれらについて究明をいたすとともに、それらの出所について捜査をいたしておるのであります。また、聞き込みにつきましては、当時、その電車に乗っておりました八十数名の乗客及び各駅におりましたいろいろな人々こういう人に対する聞き込みというふうなものを徹底して行なっているところであります。まあ私どもとしましては、見通しをここで軽々に申し上げることははなはだ軽卒でございますが、新幹線の二つの事件に比べますと地域的に非常に局限されておりますので、また、遺留品が、かなり捜査上有利な遺留品がたくさんありますので、何とか捜査を徹底して犯人に到達いたしたいということで、兵庫県警察は現在全力をあげて捜査中であります。私どものほうも、本庁といたしましていろいろな面で協力をすべく、科学警察研究所の専門官を派遣し、また私どものほうの係官も派遣して協力をいたしておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/20
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021・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 いまの報告を聞いていまして、たいへん苦労されたり、苦心惨たんなどという表現が出てまいりましたが、その点についてはたいへん私は御苦労さんだと思います。ですから、そういう苦心惨たんしながら、なおいま刑事局長がさらに、これは本来の仕事でありますけれども、努力するというのは、それはいいんですが、ふだん日ごろに対する対策を警察はどう考えているのか。これは具体的に申し上げますと、何かの集団示威運動などについてはもうほんとうに血まなこになって対策をやったり、あるいは訓練をしておりますね、警察では。こういう問題になってくると、どうもそのような熱意がないようにわれわれは残念ながらうかがえる。現に羽田の爆発がございましたでしょう。次々と、しかも最近はもうだんだん距離が、事故の差が縮まってきている。こういうことになりますれば、これは私どもより皆さんのほうが本職ですから、国内における人心の動揺に対して一大悪影響を私は及ぼすと思いますので、ひいては、とてもじゃないけれども、列車、鉄道、あるいは私鉄も含めまして、あるいはこれはバスだってそういうことは起こりかねないでしょう。ですから、そういうように非常に不安で利用できないというようなことになりますれば、これはもう国としてもたいへんな問題だと私は思うのですね。ですからふだん日ごろ一体警察の警備体制というものはどうなっているのか、こういう問題について、そこのところをひとつ伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/21
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022・内海倫
○政府委員(内海倫君) 警察といたしましては、一般的な犯罪の予防ということにつきましては、いろいろな角度から犯罪の防止ということにつとめておるところでございますが、今回のような、こういう爆薬を利用し、爆発物を建物あるいは車両に持ち込むというふうな事柄につきましては、もちろん警察としましてはあらゆる措置を講じて防止すべきではありましょうけれども、現実の問題としてこれを未然に防止するということはきわめて困難でございます。いつ、どういう場所でどういう乗りものに、あるいはどういう建物にということを推定していく、それにそういうものを完全に予防できるような措置を講ずるということは、全く、無責任な言い方かもしれませんが、ほとんど不可能に属するようなことでございます。持ちものを検査するといいましても、そういうものの検査ができるわけではございませんし、また検査するにいたしましても、それが爆発物であるということを突きとめるということは、事実上ほとんど困難でございます。
そこで、私どもが何としても捜査の立場から考えることは、先ほども申し上げましたように、非常に捜査は困難をきわめておりますけれども、犯人を必ず検挙する、そうして事件が起きた場合に、必ず検挙されるんだという、そういうことを国民の皆さんに知っていただくということが、やはり一番こういう事件を防止する道であろうと、こういうふうに考えております。もとより、しかしながら、一般的な犯罪予防ということで、街頭に警察官をできるだけ出し、あるいは一般国民の皆さんの協力を得て、犯罪の予防ということに全力をあげることは当然のことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/22
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023・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 事件が、一般的な事件と、刑事局長、これはちょっと違うわけでしょう。一面において時限爆薬を装置するなどということは、かなり知能的ですよ。それから一面は、一瞬にして大量の人命を殺傷するわけですから、そのねらいを持っているわけですから、凶悪犯罪ですね。一般的な犯罪と違うわけですよね。ですからそういう点で、私は一つの集団示威行動というものを例にとっただけの話ですけれども、そういうものについては、かなり金もかけ、積極的に対策を立てているじゃないかというのです。それから、いま言ったこの問題だって限られていますよ。特殊な知能的な、凶悪な犯罪というわけですから、こういうものについても、もっともっと事前に、たいへん事前の防備ということについて不可能だという意味を申されましたね。確かにこれは大量の多くの人々の中から、そうした問題を事前に摘発をしたり、なんか検挙をしていくということは非常にこれはむずかしいと思います。困難だと思いますけれどもね。しかし、困難だからといって、つまり何ら手を打たないで、不可能でありますからというようなことになってまいりましたら、たいへんな問題だと思うのですよ。必ずやもう連鎖反応的にこういう凶悪犯罪が次から次へ発生してくるということは、私はおどかしじゃなくて、より心配性になって言っているのじゃなくて、起きてくると思いますね。発生してくると思うのですよ。ですから、そこのところに焦点を合わせて、警察がもっとやっぱり金をかけ、あるいは先ほど言ったような問題に対処するように、前向きに積極的に私は対処していくというものがなければいけないのじゃないか、こう思うのですがね。このままではたいへんなことになりますよ。あなたがいま答えられたように、非常にむずかしい問題であるけれども、もう現状、事前の防備については不可能に近いという、こういうことになりますればたいへんだと思うのですがね。どうしたならいいかということは、これはわれわれが考えるのじゃなくて、本職の警察が考えるべきだと思うのですね。あえて聞いているのですが、どうしたらいいでしょう、この問題。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/23
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024・内海倫
○政府委員(内海倫君) 私、不可能に近いことだということを申し上げるのは、実際に持ち込む人間をいっどこでそういうものが持ち込んでくるかというふりなことのすべてを漏れなくチェックするということ、これはたいへんむずかしいという意味で申し上げたことでありまして、もとより私どもは可能な限りにおける研究と努力によって、そういうものの予防対策を考えなければならないわけであります。ただ、私どもが、いま相次いで起こっておるものを見てみますと、まず火薬類の入手ということが完全に断ち切られるならば、これは私はたとえそういう意図する者がありましても、火薬類が一切入手することができなければ、これはまず防止ができるわけでございます。したがって、そういうものに対する徹底した措置が、警察はもとより通産省その他関係の行政庁の努力と、それからそういう爆薬を使う建設業者とかその他の人の事故防止のための努力ということが必要であろう。ところが現実は、実際の爆薬と申しましても、ダイナマイトを使っておるものもあれば、あるいは町に市販されておる花火の類をたくさん集めてきて行なえば、これも容易に入手できる。それから、私、あまり火薬の知識はございませんが、今度使われております爆薬も、塩素酸カリと硫黄とを混合して爆薬をつくっておる。聞いてみますと、こういうふうなものの入手に必ずしもむずかしくないとか聞いておりますし、あるいは一番注意をしなければならないというようなダイナマイトでさえも非常に多量が現在日本各地で使われておりまして、こういうものが盗まれるということもある。したがって、まずこういう根を断つということが第一点、それからもう一つの問題は、今度の場合も時限装置を使っておりますが、こういうふうなものが、あるいはいろいろな読み物その他でいろいろに手口を教えられる、こういうことで興味を持ってそういうものをつくるというふうなこともあるようでございます。あるいはまた、そういうふうな時限装置を使って犯罪を犯すような小説とか、あるいはいろいろな映画その他のものが公開されると、どうしてもそういうものの影響を受ける、こういうことに対して何らかの措置が講ぜられるべきではないか。第三の問題は、概してこういうふうなものを使って犯罪を犯す者というのは、特殊な場合は別といたしまして、一般的に考えますと、やはり性格異常あるいは非常なマニア、こういうふうな者、さらに精神障害者というふうな者も考えられると思いますが、こういうふうな者の発見、把握ということも必要であろう。そして国民全部で予防していくというふうなことが私どもは考えられる。これの中で警察が何としてもやりたい、やらなければならないのは、やはり火薬というふうなものの徹底した取り締まりということがまず必要ではないか、こういうことも私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/24
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025・岩間正男
○岩間正男君 関連して。私も二、三お聞きしたいんですが、第一に、この問題を扱うのは公安何課なんです。公安何課の、人員配置なんかはこれはどういうふうになっているものか、全体の経過の中で。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/25
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026・内海倫
○政府委員(内海倫君) 私は刑事局長でございまして、警察庁におきましては捜査一課でこれを扱っておりますし、各県におきまして捜査一課を置いておるところでは捜査一課でこれを扱っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/26
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027・岩間正男
○岩間正男君 これは人員配置はっきりしているでしょう、人員が。各県のやつもあるだろうし、そういう、まあたとえば東京なんかの例、警視庁の例を見ればわかるのですけれども、どれだけ配置されているのですか。それからデモなんかの取り締まり、あの人員は一体どのぐらい配置されているのか。これは資料にして出してくださいよ。わかればいまここで答弁されてもらってもいいですけれども。
それから今度の場合、これは兵庫県警でやっているというけれども、兵庫県警でこれに関係してやっておる者何人。それから東京の場合、東京の場合は新幹線で二回起こったが、あのとき何人で何したか。それから羽田の場合もあるけれども、羽田のときにはどういうふうに、これは何人使ってどういう体制を設けて、一つの緊急取り締まり本部のようなものをつくるんでしょうが、何日それが持続されていつ解消されたか。いつの間にか、火が消えてほとぼりがさめると、これはいつの間にかわからなくなってしまう。それから、常日ごろどういうふうな通達をしておるか。こういう点についてこれはやはり明確にしてもらう必要があります。これは起こった事後の問題でありますけれども、どうも先ほどからの答弁聞いてみますと、ほんとうに吉田委員のことばじゃないけれども、紋切り型なんだね。印刷しているようなことばをまた言う。この前の速記録調べてごらんなさい。同じことを書いてある。はなはだ遺憾でございます、こういうことは再び起こらないように努力します——きまっているんだ、文句は。そうしてその舌の根のかわかないうちにいつも問題が起こっているのがいまの姿でしょう。これはむろん当局だけを責めるのは酷なところもあります。これはむしろ政治全体の問題であり、いまの社会不安全体の問題であり、経済生活の問題だから、そこだけ責めるのは極論になりますけれども、しかし、少なくともその取り締まりの衝にあたられておるのはあなたたちなんですね。そうすると、いまの運輸省の監督局長としてはどういう通達を一体いままで出しているのか。物を見せてください、物を。どういう通達をいままで出したか。いまの私鉄を監督していく場合に、このような人民の生命財産に関する問題についてはどういう心がまえを持つべきだと。出さなかったら出さなかったでよろしいし、白紙なら白紙でよろしい。そういうものをはっきり出してください。いいですか。そうして、この前のときどうだったか。この前、問題が起きましたね。やっぱり近畿のほうで問題があった。あのときどういうのを出したか。それから今度の場合どういうのを出したか。これはやはりわれわれは行政のあとを検討してみなければいけないわけです。少なくともあなたたちの心がまえをはっきりさせるためにはそこのところを明確にしなければならないのですから、形のあるものを当委員会に出してもらいたい。
それから警察に。さっき言いましたように人員配置の問題。捜査一課でやるなら捜査一課の配置。県警ではどうだ。その県警で何人一体これを担当しておるのか。そこのところの人員の問題もあるし、体制の問題もある。予算上の問題もある、こういう予算の問題も。さらに一般の公安の場合のデモとか、そういう大衆運動に対する、あるいは労働運動に対する配置は一体どうなっているのか。この点を明確にさせる必要があるんで、私はぜひそういうものを出してください。ここでわかる分だけ言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/27
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028・内海倫
○政府委員(内海倫君) 捜査一課のほうで人員をどのくらいつぎ込んでいるかということは、私承知いたしておりませんので、これらにつきましては、警視庁または兵庫県警察について調査をいたしまして、後刻お答えをいたすことにいたします。
なお、捜査本部につきましては、警視庁の両事件につきましては、それぞれ捜査本部を設置して、現在もその捜査本部によって捜査を継続中でございます。羽田の場合は、捜査本部を設置しました。これは本人も検挙いたしましたので、本部は解散いたしております。
したがいまして、以上申し上げた範囲の資料につきましては、提出を申し上げますが、それ以外のものにつきましては、私の所管外でありますので、ここではいかような返事もいたしかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/28
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029・岩間正男
○岩間正男君 監督局どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/29
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030・増川遼三
○政府委員(増川遼三君) 運輸当局といたしましては、やはり従来からこういうような事件が起こりましたつど警告……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/30
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031・岩間正男
○岩間正男君 つど、事前じゃない、事前じゃ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/31
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032・増川遼三
○政府委員(増川遼三君) そういうチャンスをつかみまして、今後の警戒その他の点を指示をしております。それから警察当局にも特に協力方を厳重に依頼をいたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/32
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033・岩間正男
○岩間正男君 とにかく先ほど刑事局長の答弁もありましたが、一つの事故が起こったときに徹底的にこれを明らかにして、そうして不安の根源を除去しなければならない。そうでないとあくまで連鎖反応を起こす、そしてどんどん時間的な差も縮まるということは先ほど指摘されたとおり。私はやっぱり草加次郎の問題を問題にしたい。草加次郎の問題、これどこ行った。どこへ行っちゃった、飛んじゃったか。草加次郎の問題が起こって、あの問題が結局わからなくなったわけで、あれまさに現代の怪盗みたいなことになってますね、草加次郎というのは。したがって、もう当時のネズミ小僧みたいなものだったろうと思うんだ、徳川時代の。もうほんとうに草加次郎なる者はたくさん出てきたでしょう。草加次郎の問題の処置のしかたは、一体どの程度どういうことをやって、そしてどういうことになっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/33
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034・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 岩間君、きょうだいぶ問題がありますから要点だけ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/34
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035・岩間正男
○岩間正男君 そういうような問題を、私はやっぱりいままでの警察のそういうやり方を明確にしなければ、今後も同じことを繰り返すんじゃないかと思うんですね。その点はどうなんです。この点も資料でもいいですが、時間の関係があるからこれは資料でもいいんだがね。こういうものをこれは明確に出してもらいたいと思いますがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/35
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036・内海倫
○政府委員(内海倫君) 草加次郎の件につきましては、私詳細承知いたしておりませんので、警視庁より資料を取り寄せました上で、お答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/36
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037・岩間正男
○岩間正男君 委員長、お願いがある。いまの資料を出してもらうことと、もう一つ、運輸大臣、これは公安委員長、やっぱり来なければだめですよ、これやっぱり人民は不安なんだから。これはもう近い機会に——きょうだめなんですか、きょうでないとまずいんだけれども。鉄は熱いうちに打たぬとだめなんだ。あるんでしょう。あるけれども、緊急な問題出ているんだ。こういう問題のとき、やっぱりはっきりさせることが非常に重要なんで——時間が制限されているんですね、そのことを要求しておきますよ。いいですな、委員長、確認しておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/37
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038・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 資料の提出を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/38
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039・内海倫
○政府委員(内海倫君) 資料は、調査をいたしまして、でき次第提出をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/39
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040・岡三郎
○岡三郎君 ぼくも、刑事局長さんですか、やっぱり現場にうといんじゃないかと思うんですね、実際において。だから私は、まあいま草加次郎の話が出たが、一連の爆発薬に関する犯人のいままでの手口というのは、一体どういうふうになってきているのか、具体的に言って、おんなじような形で連鎖反応になっているのか、いろいろな形がそこに幾とおりかあるのか。それで、そういう爆薬物を包んだケースですね、本になったりいろいろなものになったり、それはどういう形になっているのか、具体的ないままでの取り扱った事件の中から、こういうような荷物とかこういうふうなものについて、一般に注意を喚起するとか、また国鉄は、きょうも私は乗ってきたのですが、一般の乗客に協力を求めて、そうして皆さん方の身の回りの中で持ち主のないような荷物を発見したときは連絡してくれとか、なかなか最近における国鉄のいろいろと指導方針が徹底している。これは三日坊主に終わるかどうかわからぬ、これからの問題ですがね。しかし、私は直接言うて、乗客に、大体その爆発薬というものは一体どんなような形になっているかということをやはりPRする必要があるのじゃないか。だからそういう点の手口というものについても、詳細に一応報告してもらって、そういうことについて、やはり私鉄なり関連のそういう方向に趣旨を徹底さしていけば、かなりこれいくのじゃないか。だから警察官だけの取り締まりじゃ私はだめだと思う。一般の乗客の協力を求めるという、そういう注意を喚起する方向というものを、積極的に講ずべき必要があるのじゃないか。こういう点で、刑事局長をとがめているわけじゃないけれども、一ぺんこの問題については直接担当しているほうから、まあ、内海さんが聞いて、ここへ報告されてもけっこうですけれども、そういう点について、私はやはり監督局長というものが、具体的にそういうものをよく克明に資料を入れてですよ、やはり私鉄なら私鉄に対して、爆薬物に対する専任取締官なら官というものを置いて、積極的にやはりそれは注意を喚起するという仕事、乗客に協力を求めるというようなことで、持続的にやらぬと、いまこう騒いでいるときは当分ないと思う、逆に。しばらく下火になって、また出てくるのじゃないかという気がするのです。そういう手口や何かについての説明したものございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/40
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041・内海倫
○政府委員(内海倫君) 私も刑事警察はたいへん経験が浅うございますから、かつまた、私自身の職場が現場の職場ではございませんから、詳細説明する材料も持っておりませんが、ただ、いままで私が刑事局長に着任以来、いろいろ聞いております範囲では、各事件ごとにみなそれぞれ異った様相を示しておりまして、いまどういう手口がどうということを類型化して申し上げることは、私でなくてもなかなか困難な点があろうと思います。言ってみれば、一件一件それぞれの特徴を持っているように思います。また使います爆薬にいたしましても、いろいろ異っているようでございます。それから、これを外見から判断するということになりますと、みな紙に包み、あるいはかばんその他に入れておりますから、たとえ中が一つの特徴がありましても、これを外見から判断していくということはなかなか困難であろう、かように思います。なお、私どものほうにおきましても、こういう相次ぐ爆発事件について、何らかの共通点がないか、ことに同一犯人にあらざるかというふうなことで、きわめて詳細な分析をいたしているところでございます。現在、兵庫県警の事件につきましても、警視庁の係官も行きまして、実態を検討いたしている、そういう意味では詳細な資料はそれぞれの県において持っていると思いますが、いま私がここでいろいろ申し上げるという点につきましては、資料を持っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/41
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042・岡三郎
○岡三郎君 ちょっと一つだけ、まあ、汽車なんかは放送施設がありますね。一般の電車はどうなっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/42
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043・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 国電は、車内放送はこの付近はもう全部ついております。一部、地方線区でついてない線があるかもしれませんが、この付近の通勤電車は全車両備えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/43
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044・岡三郎
○岡三郎君 私鉄はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/44
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045・増川遼三
○政府委員(増川遼三君) 中小私鉄はほとんどまだついておりませんけれども、都市私鉄は、十四私鉄等につきましては全部についております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/45
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046・岡三郎
○岡三郎君 これは私、要望で終わるんですが、やはり絶えず乗客に協力を求めるということで呼びかけてもらうということ、みんな命がかわいいわけですから、周辺を見渡してある程度注意をするということになると思うんです。私は、警察が幾らやったって、これはなかなか荷物の多いものを全部が全部調べ切れるものではないと思う。そういう点で、私はきょう直接呼びかけを聞いて、やはり自分で自分の周辺を見渡す、そんなものがあるかどうかということで、かなり荷物が多くあっても自分の荷物はわかるわけですから、そういう点で一ぺん車内である時期がきたらそれぞれで自分で自分の荷物を御確認願うなら御確認願うということで、その中からそうでないものを、これは盗難予防にもなるな、そういう点でやはり乗客に協力を求める方法をある程度徹底させるような方策をとってもらう必要があるのではないか、こういうふうに感ずるわけです。これは要望です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/46
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047・大倉精一
○大倉精一君 せっかくの機会ですから私からも要望したいと思うんですけれども、どうもこういうふうなものが続きますと人ごとに思えないですね、人ごとに。現に会館なんかにもいろいろな人がいろいろなものを持って入ってくる。どうやって防ぐのかむずかしい問題だと思う。そこでまず内海さんに伺いたいのだが、これはいろいろなケースがあるだろうけれども、大体おおむね火薬の取り扱いの経験のある者、こういうことが想定されますから、平生から火薬取り扱いをしておる者のうちで、性格上というと語弊があるかもしれませんけれども、そういうものをずっと全国的に調べ上げる、こういうことは不可能かどうか。そうして今度はいわゆる停車場、飛行場、そういうところで挙動不審を発見する以外にないと思うんです。この挙動不審は、いかにもお笑いになるけれども、巧妙にやるからなかなかしろうとには発見できぬと思うんです。ですから、まず私は、これは爆薬を置いてその場には本人はいなくなる、爆薬を置いてどっかへ行っちゃうんですね。挙動不審をやはり発見する以外にない。そういうことに重点を置いてやらなければならぬ。それでもなおかつ、こういう事件があるかもしれませんけれども、考えられる予防措置はそういう点じゃなかろうかと思うんですけれども、これはどうですかね、そういう点について警察当局として特に重点的におやりになるという御意向はございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/47
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048・内海倫
○政府委員(内海倫君) こういう大事な問題ですから、警察でできることはできるだけ検討してみなければならないと思います。いま仰せの二つの案も、案としてはたいへんな私傾聴いたしますが、さて実行ということになりますと、たとえば火薬の問題でも、取り扱いという正規のものはある程度特定できると思いますが、中学生あるいは高校生などが現にそういうものを爆発させておるという事案も各県では起こっているわけであります。そこまでになりますと、これはたいへんなことで、まず警察で全部をやるということは非常にむずかしい。同様に挙動不審者を発見するということも、これは当然警察の任務として考えられるところでございますが、まあこれも警察の能力の限界内の問題でございまして、数限りある警察官の数においてはとうてい完全を期し得ない、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/48
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049・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) この問題はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/49
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050・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 次に、日本国有鉄道の運営に関する件について調査を行ないます。
質疑のおありの方は、順次御発言を願います。小酒井君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/50
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051・小酒井義男
○小酒井義男君 いわゆる国鉄団地といわれております共済組合の扱っておられる団地の問題で少しお尋ねしたいのですが、質問に入る前に、いつごろからそういう仕事が始められて、どういう手続でやられてきておるか、そういう説明をまずしてほしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/51
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052・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 過般来、国鉄共済組合がやっております宅地分譲問題につきまして種々世間で論議されまして、いろいろな疑惑等を受けましたことにつきましては、まことに私としては遺憾に存じます。以下、本問題につきまして率直に事実を申し上げまして、詳細な点は御質問にお答え申し上げたい、こういうふうに思います。
少し詳しくなりますが、お許し願いまして、まず第一に、国鉄共済組合と宅地分譲制度の問題でございますが、国鉄の共済組合は御承知のとおり全国鉄職員で結成しております共済組合でございまして、明治四十年の四月にできたもの、その後、昭和三十一年の公共企業体職員等共済組合法という法律によりまして性格が勅令上の組合から法律上の組合に変わりまして、その仕事の内容といたしましては、御承知のとおり国鉄職員の福祉、厚生をはかり、そうして長期あるいは短期の種々の給付のほかに各種福祉事業を行なうということに相なっております。宅地分譲事業はその福祉事業のうちの組合員の利用に供する財産の取得、管理または貸し付け、こういう規則がございますが、それの一部でございまして、組合員に自分の居住する住宅をつくるための土地を得させる目的で、別途、国鉄共済組合住宅部規程という規程をつくりまして、これによって運営いたしておりまして、国鉄におきましても一般社会におけると同様、職員の住宅事情はきわめて逼迫いたしておりまして、この制度は昭和三十二年からいわゆる宅地分譲制度というものを始めたわけでございます。その後、利用の希望者は年々増加の一途をたどりまして、三十二年から最近までの実績は、全国で三百九十三カ所で、件数といたしまして一万九百二十二件、約一万一千件の宅地分譲をいたしております。そのほかに住宅資金の貸し付けもいたしておりますが、これは非常に数が多いので、また金額も大きくなるので省略いたしますが、国鉄職員の宅地問題につきましては、いわゆる宅地分譲の制度、住宅資金の貸し付けと、この二本立てで職員の老後の安定をはかるという考えでやっておるわけでございます。
次に、現在いろいろ取りざたをされております問題の数点につきまして事実を申し述べたいと思っております。まず国鉄共済組合が購入いたします土地の購入の問題であります。この土地の大きさは大小いろいろございます。たとえば五万坪、三万坪というものもございますれば、また非常に小さい千坪、二千坪というものもございます。非常に大小さまざまでございますが、いずれにいたしましても、購入する場合には、相手方はまず地方自治体すなわち市町村、村はあまりございませんが、市あるいは町あるいはそれらがつくります住宅供給組合というふうなものもございます。いわゆる公社的なもので、市長が大体首長あるいは組合長になっておりますが、そういう場合もございます。そういう公的な機関から買う方法が第一、それから場合によりましては地主から直接購入いたすこともございます。次に、公認と申しますのは、都道府県知事の公認した不動産業者を通じてあっせんしてもらって買う、この三つの方法があるわけでございます。その購入する価格につきましては専門の鑑定士、現在では不動産鑑定士という制度がございますが、その制度前にも専門の鑑定士による評価を受けまして、さらに、問題は、一体うちの組合員がそれを買う能力があるかどうか、いわゆる組合員の経済事情、家庭の経済事情を十分考えませんと、高い土地を買ってみたところで、組合員がそんなに高いものに手が出ないというのでは意味がございませんので、値段と、それから組合員の経済事情と申しますか、家庭の事情、収入状況等も考えました上で、はたして買うべきか、買うべきでないかという決定をしているわけでございます。以上が、購入に至ります手続でございます。
次に、これを取得いたしましたあとに、組合員に分譲する分譲の方法でございます。これも先ほど申しました住宅部の規程に詳しく書いてございますが、原則といたしまして、組合員でなければならない、これはもちろん当然でございますが、単に組合員であっても十年以上の組合員の資格がなければいけない。いわゆる在職年数で押えてあります。
それからその次に、自分の住宅を実際に必要とするかどうか、実際に別に家を持っている人は必要がないわけでありますので、ほんとうに自分の家が必要なのかどうか、これにつきましてはいろいろ認定のむずかしい場合もございます。次男だった場合にどうだこうだという問題などもございまして、必ずしも徹底的に必要性があるかどうかということは究明はむずかしゅうございますが、ともかくまず真に住宅を必要とするかどうかという問題です。さらに、場所によりましては非常に応募者の多いところがございます。これは全部抽せんでいたします。そして原則は一人一区画、大体八十坪ないし百坪でございますが、一人一区画というのが原則でございます。ただ整地等の際にのり面が非常に多いとか、あるいは土地が三角であるとかというふうな場合には、例外的に二口を認めることもございますが、原則としては一人一区画でございます。ただ、応募者が少ない場合には二区画の場合もございますが、これはきわめて例がまれでございます。
しからば、一体いつ国鉄共済組合から各個人の組合員に所有権の移転をするかという次の問題でございますが、これは一応譲渡契約といたしまして、すなわち国鉄共済組合とAならAという職員と、譲渡契約を締結いたしまして、そして土地の引き渡しをいたします。そうするとそのとき直ちに所有権の移転登記をいたします。しかしながら大体原則は即金払いではございません。最高十八年の年賦償還。ただし在職年数の余裕がそれほどない人は退職金でもって払うと、こういう制度になっておりますので、その代金が完済されるまでは国鉄共済組合のために一番抵当の設定をいたしております。これも規則に明らかにいたしております。で、この一番抵当は必ず登記簿上に載せるということに相なっております。
次に問題になりますのは、この国鉄共済組合から譲渡を受けながら、これを転売している、投機目的で転売しているという事実があるというふうに報道された点がございます。で、もちろん住宅部の規則の中に、分譲代金を完済するまでは一切の転売は認めておりませんし、また抵当権が設定されておる以上、売ろうと思ってもそう簡単に売れるものではないわけでございます。すなわち禁止条項といたしまして代金が完済するまでには第三者に使用させたり、あるいは居住以外の用途に使ったり、あるいは住宅の模様がえや、または増築したり、あるいは第三者に権利を譲るということは絶対できないということに相なっております。しかしながら、退職等によりまして、その代金を全部完済いたしますと、先ほどの抵当権は抹消されます。したがいまして、完全に所有権がその本人に移るわけでございます。転売するかどうかはそれからあとの問題に相なるわけでございますが、最近、調査いたしましたところでは、我孫子につくりました団地三百六十八件のうち二十件が転売されております。私どもの局長は四十件と申したように新聞に報道されましたが、これは二十件の誤りでございます。この二十件をまだ一々全部審査はできておりませんが、大体三つ事情があるというふうに考えられます。一つは、本人の死亡による権利の承継でございます。これは登記簿上当然権利が移転いたします。しかし、これは相続いたしますと長子の相続になりますので、名字が同じですから大体これはわかると思っております。次は、主として問題の多いのは、生活設計の変更あるいは貧困という問題でございます。国鉄をやめてからあと、やっと退職金で土地を買って一応家をつくった。その後貧乏になってしまって家を手離さなければならなくなったという事実が実は皆無ではございません。それからもう一つは就職。やめたあと大体この辺に住もうと思って土地を買った。ところがやめたあとの就職口として、この付近にいられなくなった、あるいは急な事情の変更でいなかに帰らなければならなくなったというふうな個人的な生活条件の変更がございます。この場合にはやはり転売をしているようでございます。
それから、我孫子の例で一つ特殊な例といたしましては、いわゆる共有地と申しまして約四、五万坪の団地の中に緑地帯等をつくる意味で、初めからその居住者の自治会の代表の名義でそれを保有しておった部分がございます。その後徐々に家が建ちまして、居住をいたしますにつきましては非常に道路が悪い、団地内の道路が非常に悪いということで、道路整備費をぜひ何とかしなくてはいかぬ。ところが、とてもみんな自分の金で道路を整備するわけにいかないということで、その共有地を転売いたした。これは三件ございますが、いたした事実がございます。この中には、ほんとうに自分で住むつもりで買った人もあれば、一部不動産業者がそれを買ったものもあるようでございまして、不動産業者に転売したというふうに報道されましたのはたぶんこの点ではないかというふうに考えられますが、それにつきましてはいま申しましたとおり、共有地の処分をいたしまして居住者の総意によってきめたことでございますので、これはやむを得ないことだというふうに考えられます。
その他の団地につきましては、目下のところ転売の事実はございませんし、ただ、たいへん遺憾なことは、在職中転売した件が二件ほどいまわかっております。これは本人に確かめましたところ、まあ別にいい場所があったので金を借りて、そのために売ったんだということを率直に申している本人もございます。これはその後いかなる始末をするか等についてはまだ考えておりませんが、そういう事実が絶対なかったとは率直に申しまして申し上げられませんが、大体二十件の転売のうち理由の立つもの、いわゆる投機目的その他利益を得るために売ったというものはまず大体二件ないし三件というふうに考えまして、この点につきましては私どもの非常に監督の不行き届きということで率直にお詫び申し上げます。
それから、さらにもう一つ、団地の中に、いまの譲り受けでなしに初めから不動産業者の名前になっている土地ががあるんじゃないか、こういう問題がございます。これはいろいろ事情がございまして、団地をつくります際にその中に不動産業者がすでに自分の土地を持っているところがございまして、そうしてどうしてもその土地を売らない。しかし、そういう土地をぼつぼつ持っていられたんでは一括した土地造成の工事ができないということで、それではということで、相談いたしまして、造成したあとの土地について、おまえのもと持っておる土地と交換しようということを約束いたしまして、一応こちらに土地を移してもらう、そうしてその土地を移したものをさらに直接もとの所有者である、しかも場所が変わったところの不動産業者に移転登記をした。すなわち不動産業者と申しましてもこのときは地主の一人でございますけれども、地主から国鉄共済組合に一応土地を移転して、国鉄共済組合からさらに違った、同じ団地の中の分筆された違った場所をその不動産業者に移転登録した、こういう例がございます。これが二口か三口ございました。これももとの所有者等が全部はっきりいたしております。登記簿上、国鉄が直接売買——いわゆる売買でもって取得したのでなしに、もと所有者と交換したのだということは、事情から申しましてはっきりしている、こういうふうに私は考えております。
以上が、大体いままでの問題となったところでございますが、その他につきましては、御質問でお答えいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/52
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053・小酒井義男
○小酒井義男君 そこで、焦点をしぼって二、三点お尋ねしたいと思いますが、一つは、国鉄団地と新しい駅との関係です。
国鉄共済組合が土地を入手する場合に、何か将来そこに駅ができるというようなことを予想といいますか、考えて、そうして土地の取得をしておるのじゃないか、こういう疑念が持たれるわけなんですが、具体的にいいますと、たとえば根岸線の新大船駅の場合がそうですが、あの周辺に三つほどの団地がすでに買われておったわけでございますが、こういうことについて、まあ偶然の一致ということではなかなか一般は理解しにくいのじゃないかということが言えると思うのです。いまこれは具体的な例なんですが、個々の例でひとつ御説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/53
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054・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 今回の問題で、駅の設置と国鉄共済組合の団地の造成との関係につきまして、いろいろ疑念がおありであったようでございますが、問題になりました数駅につきまして、具体的な事情を申し上げたいと存じます。
いま小酒井先生の御質問の、根岸線の例は、一番最後に御説明いたしますが、一応たとえば東大宮、これは東北本線でございます。それから高崎線の行田、あるいは、まだできておりませんが、常磐線の我孫子——取手間の駅、こういった駅の設置の問題でございますが、まず原則といたしまして、と申しますか、それは非常に、国鉄は少しむごいと言われるほど絶対に守っております鉄則は、新駅を既設線に設置する場合には、全部全額地元負担であるということであります。一銭も国鉄は出しません。全額地元に持っていただきます。事のよしあしは別といたしまして、新駅設置の場合に国鉄が金を出すということになりますと、これは全国ほうはいとして新駅設置の要望が出てまいりまして、とても国鉄財政でやってまいれませんので、これは戦争前はともかく、戦争後は新駅設置は絶対に国鉄は出しません。非常にむごいといってずいぶんしかられるのでございますが、この鉄則は未だかつて破ったことがございませんが、しかも、いま申しました東北本線あるいは常磐線、高崎線等の駅につきましては、最低七千万円、最高一億三千万円くらいの経費がかかるわけでございます。平均いたしまして大体一億円前後というのが駅設置の費用でございます。これは当然先ほど申しました地元負担に相なりますので、何らかの形で地元民の負担に相なってくるわけでございます。したがって、これだけの大きな負担を地元民がなさる場合に、当然これは市議会あるいは町議会等の議決を経て国鉄にお申し込みがあるのは、これは当然のことでございます。したがいまして、地元住民の方々は応分の負担をする。そうして大体この辺に駅ができるということは、これはすでに御承知なことでございまして、たとえば行田について申しますれば、昭和三十四年にすでに市議会の——この市議会の議決はもっと早いのでございますが、三十四年の四月以降、数回にわたる市長から正式な御陳情を受けております。また東大宮につきましては、これは東北線がまだ単線だった時分に信号場のあったところでございまして、現実に人の乗り降りを多少認めておったところでございます。これは昭和二十七年に市議会の議決をもって、駅を設置してほしい、こういう御要望のあったところでございます。また我孫子——取手間につきましても、昭和三十五年に申請がございまして、これはその後、さっき申しました町の財政事情のためにいま中断されております。そういったように、駅をつくるということは、決して国鉄がつくりたくてつくるというようなものでなしに、地元民がぜひつくってほしい、金は全部おれが出してやる。こういう原則で駅をつくっているわけでございまして、これのよしあしは一応別にいたしまして、現実はそういうやり方をいたしております。したがいまして、地元民の御存じのないままに国鉄が、しかも国鉄共済組合が団地を買ってしまうなどということは考えられないことである、これは全く関係のない点でございます。行田の場合は、行田の市の開発協議会というところから正式にお譲り受けを受ける、また大宮につきましても、大宮市長から正式に譲り受けを受けている。こういうやり方をいたしているわけでございます。根岸線の場合につきましては、これは新線でございますので、ちょっと例が違いますので、後ほど別に御説明申し上げますが、根岸線というのは、御承知のとおり鉄道敷設法では、神奈川県の横浜市桜木町から北鎌倉に至る、こういう敷設法上の予定線に相なっております。で、その線がどこを通るか、北鎌倉というふうに書いてございますので、北鎌倉か、あるいは大船か、北鎌倉というのは行政上鎌倉市でございます。大船駅の半分は神奈川県の鎌倉市、半分は横浜市でございます。で、敷設法上鎌倉に至るというものを、大船に入れることが法律上妥当なりやいなやということについても、ずいぶんこの委員会でも議論されましたが、これは大船駅を通っていけばいいだろうということで法律を改正しないままに、とにかくそれでは横浜市桜木町から大船に入れようということで計画を立てたわけでございますが、大船は御承知のとおり東海道線と横須賀線の分岐点でございます。そうしてその駅をつくる場合には、われわれとして一番考えなければならないことは、輸送の流れでございます。先ほど申し上げましたような既設線の中間に駅をつくる場合においてさえも、私どもは、いま申しました地元負担という問題はもとよりのこと、そのほかに一番大事なことは、土木的に見まして、たとえば線路の勾配あるいはカーブ等が建設規格上合っているかどうか、これは厳格な政令がございまして、建設規格上合っているかどうかという問題が一つ、それから非常に過密化している地域に駅がふえるということは、やはり一ヵ所二分ないし三分も運転時間が延びますので、その線路容量と申します列車の本数に影響を与えるかどうかという運転上の問題ということも十分考えまして、さらにどのくらい利用するか、あるいは逆に国鉄の職員を何人かを置かなければならない。こういう商売上の計算をいたしました上で、先ほど申し上げましたような中間駅をつくるわけでございますが、いまの根岸線の新大船駅につきましては、実はそれどころの問題ではないわけでございまして、いま申し上げましたとおり、大船に入れるにいたしましても、どういうふうに入れるかということが一番大問題でございます。と申しますことは、一体横須賀線から横浜へじかに持っていけるようにすべきか、あるいは湘南地帯から横浜にじかに通えるようにするのか、あるいは根岸線の中間から逆に東京向けに入ったほうがいいか、いわゆるアプローチのつくり方が非常にむずかしい問題でございまして、これは部内でも実は数十回にわたって議論いたしました、いろいろ議論の出た結果、現時点におきましては、最重点の目的は、通勤輸送と貨物輸送であるということで、この貨物輸送の面から一番大事なことは、やはり東海道から横浜に向けて大船を経由してすぐ右に入ってスルーで——と申しますのは、大船駅でもって全然機関車のつけかえをしないでそのまま横須賀のほうに行ける、あるいは横浜からまっすぐ出てきたものはそのまま東海道に流せる、こういう入れ方が一番妥当であろうという結論に落ちついたわけでございます。それまでにいろいろ先ほど申しました議論があったと申しましたが、大体大ざっばに言って三つの案がございました。一つは、いまの最終案でございますが、なるべく北のほうから入ってきて、現在の東海道線と立体交差して大船駅のまん中に入る。そうして東海道の貨物線とつながるようにする、こういうものが最終案でございます。これは立体交差で東海道線をまたいでまいります。それには相当遠くから入ってこないと入らない。大船の駅から約一キロ半ほど北から回って入ってきます。その次は、それを考えないで、旅客輸送だけを考えて、いまの大船の駅の海側と申しますか、大船の撮影所寄りにまっすぐに入れる、こういう案がございました。これでございますと、いまのルートのずっと南に、ほとんど大船の駅に直角ではございませんが、直角に近いような形で入ってまいります。それからもう一つは、逆に南のほうから東京に向けて入ってくるというルートも考えたことがございます。こういったように、実に大船にどういう形で根岸線を入れるかということは、非常に私のほうの輸送プロパーの国鉄自体としての一番重要な問題として私自身参画して議論、検討した問題でございます。で、たまたまこの団地は三つのうちの一つの団地が一つの新しいルートの駅に非常に近いのでありますが、実は大船に笠間というところがございます。これは元海軍の火薬庫かなんかあったところであります。そこに戦争中から実は私のほうが土地を買いまして、約五十戸の宿舎と、それから百数十人入る独身寮とを持っておりました。その他買い上げの官舎等もぼつぼつございますが、笠間地区というのは二十数年前から国鉄職員が多数居住しておった地区でございます。これらの職員からいろいろな情報が入りまして、あの辺で土地が買えそうだ、この辺は土地が買えそうだということで土地をいろいろ物色しておったわけでございます。したがいまして、土地をほしいという考え方、これは大船地区なら大体いいだろう、東京にもそう遠くないし、どうやら通勤圏内でもちろんあるし、まあ、まだそのころは値段も高くないし、大船地区なら一応住宅地として適当だろうということで種々物色いたしました結果、この三つの土地を探したわけでございます。そうして、さっきるる申しました大船に入るルートが決定したのはやっと昨年の秋でございます。もちろんそのルートが決定いたさなければ、新駅はできないわけでございます。したがいまして、この大船の三つの団地はそれぞれ現在の大船駅から十五分ないし二十分、あるいは三十分以上離れております。これと、こういう団地のところにどこに駅をつくるか、あるいはどこを通るかという問題は、先ほどるる申しました大船の駅にどういう姿で根岸線を入れるかという根本問題に比べますれば、全く末梢の問題と言わざるを得ない問題で、このルート決定には、この共済組合がどこの土地を買ったということなどは全く頭に入れないで決定いたしました。その点は私自身が責任者としてこのルートを決定いたしたのでございますので、私自身種々検討いたしました結果、こういうふうにきまりました。この現在の場所の矢部野駅から、逆に申しますと大船から三・三キロの地点でございます。この地点は御承知のPXその他ございまして、わりに付近に人家もある、つくるならこの付近が一番適当だということで、建設公団と大船御当地の方々、国鉄と参画してつくったわけでございます。これは全くたまたまB団地の下にこれがあったということでございます。もしこれが私の申し上げましたとおり、北から東海道線に立体交差で入らないで、大船の撮影所のほうに線路を入れるとすれば、いまの線路からずっと一キロぐらい南を通ったであろうと、これは私の推測であります。北鎌倉から入れるとすれば、十キロぐらい南、北鎌倉の付近のトンネルを出たところぐらいで横須賀線に入るという形になっただろうと思います。したがいまして、私どもとしましてはたいへん申しわけないのですが、職員の団地をどこにするかということなどと全く無関係の国鉄のプロパーの、どうしたら一番輸送がよくて、どうしたら一番この新線の意義があがるかという角度からきめたものでございまして、私自身この問題に参画しましたときに、全く実はうかつなことながら、団地のあることを知らなかったということを、率直に私は申し上げさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/54
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055・小酒井義男
○小酒井義男君 私は、こういう問題は、これからも鉄道の新線建設というのは方々で行なわれることになるわけですけれども、よほど慎重に扱って、そうして疑惑を持たぬようにしておきませんと、将来にやはり問題を残すことになると思いますので、この問題を取り上げてお尋ねしたわけなんです。そういう点は将来を、いま副総裁が話しましたように全然考えておらなかったとおっしゃることを、考えてやれということは、非常に無理な言い分になるようですが、やはり説明のつくような方法でやはりやられるほうがいいのじゃないかというふうに思います。
それから、もう一つ違った問題ですが、いまも共済組合の土地問題の経緯をお話になった中で、特殊の場所で二口というのがある、こういうお話ですが、新聞によると、柴崎団地では、多いものでは、一人で三口買っているのがある、こういうふうに報道されているのですが、これはないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/55
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056・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 先ほど副総裁からも御説明いたしましたとおり、原則として一人一区画ということで分譲をやっております。土地の関係で非常に不ぞろいの土地のところ、あるいは傾斜しているというようなところ、そういうところにつきましては、八十坪かりにありましても、十分に住宅を建てるに用をなさないというようなところでは二口を認めるということはございますが、それ以上、たとえば三口以上一人の人間に分譲しているという事実は、これはどこにもございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/56
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057・小酒井義男
○小酒井義男君 それから不動産業者がその中にすでに土地を持っておって、そうしてそれが残ったという話がありましたが、そういう個所は一ヵ所ですか、何カ所もありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/57
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058・井上邦之
○説明員(井上邦之君) これも先ほど副総裁から御説明いたしましたとおりでございますが、ただいま私どものほうで調査いたしましたところでは、いわゆる柴崎団地といっております東安孫子のところで、そこでそういう例があったということはわかりましたが、ほかの行田団地ではそういうことはございません。それから大宮の近くの東大宮、そういうところはちょっと戸数も非常に多いので、まだ調査が十分に行き届きかねておりまして、結論はまだ申し上げかねますけれども、ただいま調査いたしました行田団地ではそういうことはございません。東大宮についてもいままで調査している範囲ではそういうことはございませんが、全部調査いたしておりませんので、結論的に申し上げられません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/58
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059・小酒井義男
○小酒井義男君 それから、規則によって十年以上勤続者で、本人が住いする住宅を建てるという条件で分譲をする、こういうことで分譲をされているのが、先ほど説明があったように、後になってから、登記が終わったあとで他に転売をされたり処理されたりというケースが相当多いのですが、何かこういうことができないような方法というものを考えることができぬかどうか、それはどうなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/59
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060・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 実はその点につきましても、この宅地制度をやりますときから非常に問題でございまして、一時、二年以内にうちをつくらなくちゃいかんと、こういう条件を入れたことがございます。しかし、非常にこれはまた本人にとって酷なことにもなりますし、やめる二、三年前に買うんならともかく、まだ十年先、十五年先まで勤務するというのにうちをつくれということも非常に無理だということで、これは共済組合の運営審議会と申しまして、最高の意思決定機関がございます。これは国鉄当局と労働組合と一緒になった運営会議でございます。委員は同数の運営会議をつくっております。この運営審議会で論議いたしました結果、二年以内にうちをつくれというのはいかにも酷だと、これはほかの銀行、会社等の分譲を見ましても、それほど酷な条文はないというようなことがわかりましたので、その点は削除いたしました。そのためにすぐうちをつくらなくてもいいということになりましたので、わりあいにみんなが買いやすくなったということはございますが、それが逆にいま先生の御質問のように、裏から見れば転売しやすくなったというおそれもあるわけでございます。それにつきましていろいろ法律的に考えまして、まあこれはよそでは全然問題になってないことでございますが、やはり国鉄等につきましては十分考えなきゃいけないという角度から、たとえば、一時考えましたのは、買い戻し権つきの譲渡ということがございます。これはやはり登記簿上はっきりこの土地には買い戻し権がついてるんだということを登記いたしまして、そして、まあこれは事実上の転売制限と申しますか、もう転売する場合には自動的に共済組合に返ってくる方式でございます。しかし、そういたしますと、これは非常にこれも本人にとっては不利になる。たとえば、十年後に本人がもうどうしてもそこに住めなくなったということで、買い戻し権の行使をいたしまして買う場合には、これは価格は必ず従前の価格であるということになるわけでございます。その十年間の土地の値上がりというものは見ないというのが買い戻し権つき約款の譲渡の先例だそうでございますので、これもむずかしいんじゃないか。ことに先ほど申しました死亡とか貧困とかによる売却というものは一体どうこれを考えるべきかということにつきましては、私自身現在まだ最終的な判断を下しかねておりまして、絶対こんりんざい売っちゃいかんというふうに言うべきなのか、売るときにはやはりある程度の機関にかけて、そしてよく事情を審査した上で、やむを得ないものは代金完済の上売ることを認めるべきかというようなことにつきましては、今回の例にかんがみましてもう少し考えて、運営審議会でも労働組合の諸君とよく話しまして、一体どれが最も世間的に見て妥当であり、しかも職員にとって不幸でない結果であるかという角度から考えたい。一時実は、その二年以内に建物を建てろという条項をやめましたときに、それじゃ買い戻し権つき約款をつくろうかというふうにしたんですが、これはまたあまりにもひどいということで、これも実は実行しなかったのでございますが、やはり転売問題というものは、国鉄につきましては非常に世間的に大きな問題である以上、どういうふうにして一体完全に個人のものになったものの制限をどういう角度からすべきかと、単にモラルだけでするのか、そこは非常にむずかしいことだと。この点はよその共済組合では全然御心配のない問題で、うちだけで考えなきゃならない問題で、まあ国家公務員の制度あたりでこういうものをお始めになれば同じ問題が起こるだろうと思いますが、私どもといたしましては、そのいわゆる公共的な面と、それから職員の個人個人の利益をやはり守ってやらなきゃならぬと、この二つの面の板ばさみになりまして、その点につきましてはちょっとまだ結論を出しかねておりますが、しかし、少なくともモラルの面では絶対にしばらなくちゃいかん。できればそれをある程度の機関にかけるということまでして、厳重というとまた語弊がございますが、違った角度からの制限ということを考えるべきではないか、この点はもう少し考えなければいけないと思っているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/60
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061・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 関連。いま小酒井先生から質問が展開されまして、副総裁から転売についての問題をどうチェックするか、制限を加えるか、これは所有権の関係から絶対できないと思うのです。断じてできないと思います。そこでモラルということばを使ったのだと思いますが、私は、国鉄の共済組合の中には、副総裁も、最高の意思の決定機関として運営審議会がある、しかもそれが労使双方同数だ、こうおっしゃられました。幾人の委員かわかりませんが、したがって、私はその委員の数は存じ上げておりませんけれども、ただ単に最高の方針をきめるだけではなくして、その方針が具体的にどう執行されているか。たとえば、ただいま申されたような土地の問題に限って言えば、転売等、そういうことが含まれると私は思いますけれども、ですから完全に制限は、憲法上あるいは民事上所有権を侵すことはできませんから、できませんけれども、ある程度この委員会でチェックをしたならそういう問題は防がれるのではないか、あるいは今度の新聞に出たような疑惑を招くようなことが幾らかでもなくなるのではないかという気がいたしますので、この運営審議会の、つまり運営のしかたはどうなっているか、ここのところをひとつ聞かしていただきたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/61
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062・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) 運営審議会は労使五人、五人の委員で成り立っておりまして、私がその委員会の会長と申しますか、議長をやっているわけです。これは主といたしまして、問題は共済組合全体の運営に関する重大な事項、たとえば予算の問題、決算の問題、あるいは掛け金の問題等がほとんど実は論議の中心になりまして、主として国鉄共済組合の長期的な財政問題ということがほとんど論議の中心になりまして、なかなか具体的な問題等に触れる時間がない。いま年二回開催いたしております。主として予算、決算と、それから掛け金の問題、それから共済組合の長期的な財政の見通しの問題等を議論いたしますので、なかなかこういう具体問題のチェックにまで時間が及びませんが、しかし、一たんこういう社会問題を引き起こした以上、何らかの形で、その運営審議会でなくても、その下部機関でも何でもつくりまして、そういうところで一応チェックするということをすると、いわゆるモラルをある意味で何と申しますか監視することができるというふうにも思いますので、そういった方法につきまして、もう少し運営審議会のメンバーの労使の諸君とも話し合って、いま先生のおっしゃったような具体的な方法をどうしていくかということについてきめてまいりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/62
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063・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 もうちょっと検討しなければならないというお話ですから、あえて申し上げませんが、この共済組合の本来の目的というのは、ここに説明の中にございますが、長期、短期の給付が主たる目的だと思うのですがね。それと同時に、たくさんの組合員がおりまするから、保健の関係であるとか、あるいは療養の関係であるとか、あるいは生活の物質の購入、あるいは販売などが付随して、つまりこの企業を円滑に遂行するための手段として私は行なわれていると思うのですね。しかもこの組合は明らかに法律できめられておりまして、給付の率等々についても当然この国の機関でありまする共済制度の審議会などで、いろいろ論議されて、先ほど副総裁がちょっと触れましたが、掛け金等々の問題についてお話がある、こう言っておりますが、掛け金等についても組合員がそれぞれ自分の俸給の千分の八十二・五掛け金をかけているということになりますから、たいへんな負担なんですね。本来は、私は、国家公務員のように——かつては恩給制度でございましたが、これも先般の国鉄の資金事情等々の計画について、この委員会で触れたときと同じような問題なんですが、コーポレーションにされて共済制度になったのです。
〔委員長退席、理事谷口慶吉君着席〕
ところが、そうなったところが、これもざっくばらんに言ってみれば、結果的に政府のほうがめんどう見ないで、いわゆる経営者の負担すべき金額全額国鉄におっかぶせてしまった。いわば地方自治体に対する負担金とか、あるいは公共負担に類似するようなものを政府が国鉄にかぶせた。ですから、非常にこの共済組合の資金運用事情というのは、私はやはり本来の本職の国鉄の経営の資金計画調達事情等々、付加的に派生してきてたいへんだと思うのです。新聞等ではあまりそういう内容を知らぬから、何千億か国鉄経営者が出して、あたかも土地の会社ばかりやったような意味のことが書かれておりましたが、そういうことでは、私はかつて国鉄の職員でありましたから、よう存じ上げておりますが、ないわけです。まことにたいへんな事情になって、同時に五十数万の組合員が自分の月給の千分の八十二・五を納めて運営しているということだからこそ、私は、この運営の審議会などという最高機関を設けて、労使双方が対等の数で最高の方針の議論をやっていると思うのです。そこで、今度はその大方針がきまったならば、それがどうそれぞれのきめられた項目が具体的に実行されて、あるいは執行されているかということについては、残念ながら、いま、つまり官側と称される、何といいますか、使用者のほうで、これは人件費その他等々もあるであろうから、そういう運用をなさっているのだと思いますが、やられていると思うのですよ。したがって、私は、そういうものであればあるほどに、いささかも、最前申し上げたように、小酒井先生が質問したようなことのないように、誤解を招かないようにするとすれば、私は、年二回の予算、決算のときには大体こういう審議会を開くのだと、こう言っておりますけれども、年四回にして、四半期ごとにあらかじめの決算が行なわれるわけですから、そういうときに、この決算事情あるいは資金事情等々を見ながら、その間の具体的な、行なわれていった、執行された状態などについてもこの審議会でやはりチェックをする。したがって、この審議会の中に労使がいるわけですから、その双方でチェックをしていく。こういうことをやはりこの際は、かりに四半期ごとにやっても四回ですから、そしてそんなにこのためにばく大な経費もかかるわけでもないし、両方で十人よりいないとすればあまり時間もそんなにむちゃくちゃにかかるわけではないと思うので、ぜひそうした運営を私はしていただきたいと希望として申し上げておきたいと思うのです。もし、答えられるものがあったら答えていただきたいと思います。
〔理事谷口慶吉君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/63
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064・井上邦之
○説明員(井上邦之君) ただいま吉田先生から御指摘のありましたとおり、共済組合がやっております事業は、貫重なる資金を使ってやっておるわけでございますから、その運営につきましては、われわれといたしましても、従来も十分気をつけてやっておるつもりでございますが、なお一そうただいま御指摘のありましたような点については、十分な関心をもって慎重にやってまいりたいと思います。
いま、一つの例として先生から御指摘のありました運営審議会の開催が年二回では少ないではないかという仰せ、まことにごもっともでございますが、実は正式の運営審議会としては年二回でございますけれども、この共済組合の運営というものは非常に専門的な事項が多いものでありますから、別に小委員会というものを設けまして、この小委員会では問題があるごとに随時やっております。それで結論をつけるといいますか、セレモニーといってはことばが過ぎるかもしれませんが、その取りまとめ的なものとして、正式な委員会は二回やっております。実質的には問題があるたびに随時やっておると、こういうことでございますが、なお一そう、ただいま御指摘のありました御趣旨を体しまして、慎重に今後運営してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/64
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065・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 これだけですから。関連であまり長くやってもしかられますから……。いま常務理事から、さらに検討いたしまして、最善を尽くして運営したいということですから、これでいいと思いますが、小委員会などにおいても、ここにおります木村先生などその委員をやっておりますから、十分私は承知しておるわけでございますが、四半期ごとに仮の決算が出てくるわけですよ。ですから、最高意思機関決定のものですから、数入れられたというところにお考え方を置かずして、四半期ごとにやっても、あと二回ふやすだけなんです。数も少ないし、副総裁ぜひ四半期ごとに最高の意思決定をやる場合、年二回ぐらいでけっこうでございますけれども、かける問題をあと二回くらいは行なわれてきたことについてもある意味においてチェックする、ある意味においては最高の機関でありますから、監督指導するというような角度から私は運営したらいいのじゃないか、こう思うのです。せっかく労使双方が入っているわけですから、ですからぜひそういううま味のある、味のある活用をすることが最高運営審議会の運営のしかたじゃないかと思うので、くどいようでありますけれども、もう一回、この辺のところは副総裁としてどうお考えになっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/65
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066・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) ただいまの三十一年にできました公共企業体職員等共済組合法の十一条に、運営審議会の性格が書いてございまして、先ほど申し上げましたような重要事項については運営審議会の議を経なければならないことになっております。第二項に「前項に定める事項のほか、運営審議会は、総裁の諮問に応じて組合の業務に関する重要事項を調査審議し、又は必要と認める事項につき総裁に建議することができる。」こういう条文がございますので、これらを生かしまして、いまのような、いま起こりつつあって問題になっているような問題の、現実の問題を事務に乗せまして十分チェックしてまいりたい、そういうふうに思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/66
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067・岡三郎
○岡三郎君 先ほど小酒井さんのほうから一応、今月の十五日、十六日の毎日新聞に取り上げられた「新駅前国鉄一家ひとり占め」という記事から始まった問題点について、私は次のことを考えたわけです。というのは、いま国鉄は苦しい財政の中から輸送力の増強等非常に苦労していらっしゃる、そうしていまちょうど大蔵省とも折衝して、国として国鉄に対し公共という名前においていろいろと負担をかけている、こういう実態は独立採算制という立場から言っても国鉄の苦しさというものを国がカバーする必要があるのじゃないか、こういうふうな非常に国鉄の今後の運営あるいは経営についてわれわれ自体としても国の施策の中でこれを何とかしなければならぬという重要な時期にいまあると思う。そういう時期に国鉄一家が何となくうまいことをやっている、こういうふうな印象を与えたということは、これは非常に問題が大きいというふうに考えたのですけれども、そういう点をいま国鉄の副総裁の磯崎さんのほうから、具体的に、国鉄のいままでとってきた態度なり方針についての詳細な説明があったということはまことにいいことだというふうに考えます。ただ、その中でいま新駅の設置の問題についていろいろと事情を聞きまして、私思うのは、やっぱり何というか、第三者的に見て国鉄の団地は非常に有利だという印象が私はあることは間違いないと思うのです。土地がない、住宅がないというのはひとり国鉄職員だけではなくて、国全体としてその施策がおくれているというところに国民的な感情の問題が私はあるのではないかと思うわけです。したがって、そういうふうな国民感情の前に立てば、やはり李下に冠を正さずということばがございますが、厳正な上にも厳正にして、そうしてやはり運営をうまくやっていくと、こういうふうになってもらいたいと思うわけなのです。ただ、その中で、やはり安い土地を買って共済組合法にのっとって職員にこれを安く分けてやるということはごうまつも悪いことではなくて、積極的にやってもらわなければならないが、ただ国の施策が全般的に遅れておるために、何かこう国鉄が役得をやっているのではないか。労使一体でやっておるのではないかというふうな印象があるということは、これは払拭できないと思うのです。そういう点で小酒井さんのほうからいま言ったようなことの質問があったわけですが、私はその中でお聞きしたいのは、聞くところによるというと、共済組合の運営についてはほとんど各局の厚生部なり、あるいは本省なら本省の厚生局でその事務をやっておるというふうに聞いておるのですが、そういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/67
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068・磯崎叡
○説明員(磯崎叡君) いまの岡先生のお話の初めの点でございますが、その点につきましては、たしかに何か国鉄は一緒になってうまいことをやっているというふうな印象が世の中にあるということは、私もそういうムードについては否定するものではございませんし、また常にそういうことがあるということを頭に置きながらいろいろ運営をやっていかなければならないということも十分承知いたしております。今後ともそういう点について少なくともこうした点で先生方に御迷惑をかけるようなことはないようにいたしたいということははっきり申し上げられます。
それから共済組合の事務でございますが、これはやはり法律によりまして大臣の承認を得まして一定数の職員に、これは国家公務員も同じでございますが、共済組合の事務をやらせることができる、いわゆる共済組合費ではなくして国費なり公企体の費用で共済組合の仕事をさせることができる、こういう法律がございますので、毎年何人という人数を大臣に申請いたしまして、その御許可のあった範囲内で本社に何人、いまおっしゃった管理局に何人というふうに分けまして、その連中が共済組合の仕事をしているわけでございます。しかし、それだけではもちろん足りませんので、いわゆる共済組合の部費と申しますか、部内では部費要員と申しますが、部費でもって雇っておる職員も相当ございますが、仕事の中枢はやはり国鉄職員が法律の範囲内におきまして、許された数の範囲内におきまして共済組合の仕事を、本社におきましては厚生局、地方におきましては総務部の厚生課においてやっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/68
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069・岡三郎
○岡三郎君 その点もよくわかりました。そこで私自体が特別にこの問題を調査したというわけではございませんが、要するに、不動産業者がこの土地の買収をめぐって介入して、比較的に安く手に入るべき土地を不動産業者が中に入ってさや取りをかなり多くしているのではないかというふうに言われておるわけですが、どういう不動産業者が入っておるのか、この点についてその国鉄の土地の買収にかかる場合に、厚生局の、あるいは総務部の厚生課かもわかりませんが、そういう職員が直接に土地の購入に出かけていっていろいろと根回しといいますか、当たるのか。初めからどこどこの土地を買いたいからと言って、国鉄が買うと言えば土地が上がるかもわからぬというので、秒密に不動産業者に頼む場合とか、あるいは国鉄のほうで、共済組合のほうで土地を当たりながら、まとまりにくい場合にそういう業者に依頼するのか。先ほどの説明を聞いているというと、自治体の推薦する不動産業者とかいう話もありましたが、しかし、これも実態としてどういうふうにそういう業者を使っているのか、もう少し詳しくひとつ説明してもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/69
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070・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 先ほど副総裁から御説明いたしましたのは、自治体から土地のあっせんを受けて共済組合が購入する場合と、それから職員などの聞き込みによりまして地主から直接買うというような場合と、それから不動産業者を介して購入する場合、この三つがあると、こういうふうに御説明いたしたわけでございますが、実は原則的には共済組合としてなるべく安い土地を買いたいというのはこれは根本的にあるわけでございまして、途中に不動産業者というような業者が介入しないが望ましい、これは根本的には言えることでございます。しかしながら、先ほど副総裁から説明いたしました国鉄職員を共済組合の事業に使っておると申しましたけれども、何ぶんにも国鉄職員の数自体が非常に国鉄の業務に対応しましては少ない人数でございますので、共済組合の事業に充て得る人間の数もおのずから制限されてくるわけであります。したがって、十分に土地の問題等について自分で出歩いたり自分でさがして土地購入の手続をやったり、そういう事務までとても手が回りません。回りませんので自然に聞き込みを、職員から聞き込む場合もございますが、そういう場合にはしかるべき公認の不動産業者に十分調べてもらって共済組合が買うというような事例が漸次多くなってきておるということは事実でございます。ただ、いかなる経路を経て共済組合との土地購入の契約になるか、いかなる経路、いろいろありますけれども、いずれにいたしましても、最終的に共済組合が問題といたしますのは値段でございまして、値段が不当に高いものではこれは買い切れないということで、値段が最終的な決定問題になるわけであります。その値段につきましては先ほども御説明いたしましたが、たとえば信託銀行などの鑑定士、この鑑定士に土地の評価を依頼いたしまして、その付近の近傍価格とつり合いのとれた価格であるかどうかということを十分確認した上で共済組合としては土地を購入いたしております。したがって、経過はいろいろありましても、共済組合が土地を買いたたいて不当に安く買うという場合もございません。業者にもうけさせて不当に高い土地を買っておるという事実もございません。そのことだけははっきり申し上げ得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/70
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071・岡三郎
○岡三郎君 不動産業者を使うということば世の中にまま広範にあるわけでありまして、したがって、その点についてとやかくは言いませんが、一つの問題は、国鉄出身の不動産業者がどうもその購買に介入しているのではないかというふうな話があって、その一つの例として、日興という名前ですか、日興証券の日興という不動産業者、この社長は国鉄の出身だと、こういうふうな指摘があるわけですが、一体どの程度共済組合に出入りしている業者があるのか。そういう点について、これは公認しているとかしていないとかいう問題もあるかもわからぬが、私は、逆に言えば、信用のある不動産業者ならばこれは十分に選定して、やはりそういうものをただそのつどそのつど使うということよりも、かえってそれのほうが信用もあるし、利便もあるのじゃないかというふうに考えます。だから一がいに憶測でいろいろな問題を言いたくはないのですが、その点どうなっておりましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/71
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072・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 先ほど副総裁から御説明いたしました中で、全国で三百九十三件の分譲があったと申し上げましたが、三百九十三件と申しますのは、平たく言えば三百九十三カ所のいわゆる国鉄団地と称するものがあるということになるわけでございます。したがって、地方でそれぞれの業者を介して土地を購入しておるということはございますが、その全体の業者がどういう業者になっておるかというところまでは実は私どものほうに手持ちの資料がございませんので、それはお答え申し上げかねます。ただ、ただいままで私どもの承知いたしているところでは、たまたま元国鉄職員が不動産業者になっておったという事例は、ただいま先生御指摘の業者一軒でございます。ほかにはそういう事例は、いまのところ私どものほうには耳に入っておりません。たまたまあの一軒だけが元国鉄職員であった、元国鉄職員と申しましても、実は私どもも知らない職員でございまして、戦前にやめて外地に行っておった職員のようでございまして、あまり私ども十分その点は、どの程度国鉄におった職員であるか、それも実は存じておりません。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/72
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073・岡三郎
○岡三郎君 そこで、資料をひとつたのみたいのですが、いわゆる地主の売り払った価格、そうして共済組合が買い取った価格、その場合における不動産業者がいたのかいないのか、その不動産業者の名前ですね、それをひとつ出してもらいたいと思うのです。つまり地主から買い取った価格、それから国鉄がそれを購入した価格、不動産業者がいなければそのままできていると思うのですがね。それでその点について至急御調査相なりたいというふうに考えるわけです。その中で、まああまり日本じゅう調べに回るのもたいへんですから、首都圏の範囲内くらいでひとつ御調査になっていただけばけっこうだと思うのですね。その資料に基づいて、具体的にどの程度不動産業者がさやをとっているかということがわかってくると思いますから。それでそれはあとに譲ります。
もう一点は、土地の購入をどこどこを買いたい、団地をつくるということをきめる機関、それを今度はいま言ったように職員にやるのか、あるいは逆にどこどこに土地があるから買ったらどうかという聞き込みがありましたら、そういうふうな土地を買収するにあたってどういう計画でいままでやられてきておるのか、その点をちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/73
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074・井上邦之
○説明員(井上邦之君) これは全国各地でやっている事業でございまするので、管理局長が共済組合の支部長ということになっております。本部長は副総裁でございまするが、地方は支部長は管理局長ということになっております。管理局の中の総務部の厚生課というところで共済組合の事業をやっておるわけであります。したがってまた、住宅分譲、宅地分譲の仕事も相当そこでやっておるわけでありますから、そういう事務が進んでまいりまして決定をいたしますのは支部長たる管理局長が決定をする。先ほど共済組合の運営審議会が本部にあるということを申しましたが、地方によってはそれを設けておるところもございます、地方的に。そういうところにはかってこれを決定するところもございますし、そういう運営審議会的なものがないところにおきましては、管理局長が支部長たる責任においてこれを決定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/74
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075・岡三郎
○岡三郎君 場所をきめる……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/75
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076・井上邦之
○説明員(井上邦之君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/76
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077・岡三郎
○岡三郎君 その点もよくわかりました。
そこで、十六日の閣議で、大橋運輸大臣からこの問題について閣議に報告したと、新聞記事がありまするが、これは事実ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/77
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078・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 十六日の閣議で、私この問題につきまして申しましたことは、第一に、国鉄共済組合が土地を買うということは、宅地分譲の事業というものをやっておる場合やむを得ないことである。また宅地の分譲の事業というものは、これは鉄道従業員に対する厚生事業として当然やってしかるべきことである。ただ問題は、土地の購入にあたりまして不当に不動産屋をもうけさしたというようなことがあればこれはけしからぬことであるし、また次に、新駅あるいは新線などの計画を職務上早目に知り得て、そうして一般に公表されていない間に安い値段でたたいて買ってしまうというようなことがかりにあったとすれば、宅地を分譲するのでございますから、できるだけ安い値段で分譲したいというので、職務熱心のあまりやったといえば、それはわからないことじゃございませんが、国家公務員たる立場というものを考えまするというと、これはやはり道義上から考えて行き過ぎであると思いますので、そういう事実がかりにもあれば将来厳重に戒める必要がある。しかし、当時の段階におきましては、まだそれらの事実関係について十分なる調査がございませんでしたので、そういう考え方で十分に調査をして、追って事実のはっきりした上であらためて御報告申し上げるということを閣議で報告いたしたわけでございます。総理におかれましても、もしさような事実があればこれは容易ならぬ不都合な事柄であるから、十分に調査してできるだけ早く報告するように、こういうことでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/78
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079・岡三郎
○岡三郎君 それを受けて、運輸大臣としては国鉄に対して事情聴取なり、具体的にこれこれの問題について報告をせい、こういうような取り扱いについてどういうふうにしてまいっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/79
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080・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 直ちに、問題となったような事実があればその事実を報告するように申しました。一応書面で報告を受けた段階でございます。今後鉄道監督局を通じまして、これらの内容について十分精査いたしまして、行き過ぎの事実あるいは不都合な事実があるかないか調べたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/80
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081・岡三郎
○岡三郎君 これも具体的な事実になるのですが、先ほど小酒井先生が言ったように、一人で六口申し込んだ、いや違うという説明があったのですが、おとうさんが奥さんの名前にして申し込んだり、あるいは娘のお婿さんの名前にして、娘の婿用に申し込んだということがあるようですが、その点はどういうように規制されているわけですか。そういう事実があるのですかないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/81
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082・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 共済組合から組合員に土地を分譲いたします場合には、これは組合員に限るのでございます。本人の妻の名義で土地の分譲を受けるということは絶対にございません。もし女性の名前でなっておるということであれば、それは女子職員があるいはそういう名前で申し込みをしたかもしれませんが、妻の名義とかいうようなことはこれは絶対あり得ません。それから子供の名義ということも、子供が職員であればあり得ることです。ただ、その際気をつけて、親と子と分けて二口という申し込みがあったとしても、一方は遠慮してくれというように、実際的な事務の審査をやっているはずでございますけれども、親と子供と場所が離れております。離れておりますということは、所属が離れておりまして、ある局でおやじが違ったところを申し込み、子供がまた違ったところを申し込んでおるというような事例は、これはあるかもしれません。要するに、名義貸しというようなことで、不当に実質的には一人の者が二口も三口も土地の分譲を受けるということは、これはあり得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/82
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083・吉田忠三郎
○吉田忠三郎君 関連して。そうしますと、井上さん、御夫婦で同一勤務個所に勤務しておる方がありますね。電務区とか、いま常務が申されました局とか、機械化室のような特殊な職場でございますけれども、そういうものが幾つかありますけれども、実態として、そういう場合にも、たとえば御主人が申し込んで分譲した場合に、奥さんがまた申し込んだ、これはだめですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/83
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084・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 申し込みの資格はあり得るわけでございます。奥さんも、十年以上国鉄職員としておつとめになっておれば、そういう例はこれは多いわけでございまして、十年以上の女子職員、非常に多いわけでございますから、これはあるわけでございます。ただ実際に原生課あたりで審査いたします場合には、これは御夫婦であるということはすぐわかりますから、これは片一方は遠慮してもらうということは実際やっているわけでございまして、申し込みとしてはあり得るということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/84
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085・岡三郎
○岡三郎君 大体いままでの申し込みの倍率は、場所によって違うだろうけれども、どんなようになっておりますか。つまり多いときは抽せんをするということになっておりますかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/85
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086・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 大体まあ二倍くらいだと私ども承知いたしておりますが、場所によっては、先ほど副総裁がちょっと御説明いたしましたけれども、場所によってはその分譲すべき数に対してまあ満ぱいにならない、申し込み者のほうが第一次的には少なかったというような事例もございますけれども、全般的に申しますれば、大体二倍くらいになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/86
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087・岡三郎
○岡三郎君 たとえば新しい大船の駅にABCという団地ができる。この場合に、B団地がA駅のまん前になるというふうなことはあとでわかったとして、その場合における申し込みの倍率というものは、ABCというものを通じて一カ所やるわけですか。どこへ当たってもいい、たとえばABCというものを全体をひっくるめて募集をして、そうしてそれによってAにいこうがBにいこうがCにいこうが、それはそのときの状況によると。そうではなくて、ABCは別々に申し込みをさしておるのか、その点はどうなっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/87
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088・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 大船はまだ土地を取得いたしましただけで、現在整地作業をやっておりますので、具体的な分譲計画は立てておりません。おりませんが、東鉄の係のものの考えでは、ABC込みにしてやりたい、かように考えているようでありますが、まだ具体的なことはきまっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/88
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089・岡三郎
○岡三郎君 やはりいま言ったようなこまかい話ですけれども、込みにしないというと、やはりそこに一つの問題点が出てくるかもわからないと思いますので、そういうようなやり方のほうが非常に投機的にならぬで済むのじゃないかという気がしてお尋ねしたわけです。
それできょうは、やはり新駅の設置と土地の購入の場所の問題が今回の問題でかなりポイントではないかと思うわけです。そういう点で、先ほどの磯崎副総裁の話で大体了としたわけですが、具体的にこれも多岐にわたってはたいへん調査が困難だろうと思いまするので、土地を設定したときの大体日にち、どこを購入するということを設定した日にち、それから買収完了したころの日にち、それから新駅が設置されていく過程の中で新駅が請願をされますね、請願をされた大体の日時と、それから駅が設置された、具体的に設置された日時、こういう点について、これも具体的にいって事実無根のことを、痛くもない腹を探られたのでは国鉄もこれはうまくないと思う。そういう点でひとつ時間的にその経過というものを明確にする意味において、いま言ったような資料を次回までにお整え願いたい、まあできるだけでけっこうです。そういうことを通して駅の設置の問題と土地の購入の問題との関係あるなしということについての具体的なこれは証明になると思うので、これは当然また運輸大臣のほうについてもそういう点についてある程度の報告はいっているという話ですが、そういう点についてお願いしたいと思うのです。
私は最後に、不動産業者が登記しているという問題について、これは世間にもよくあることで、つまりAの人間が土地を買って登記をしないでおいて、すぐ買う人間を探して、そうして自分が登記をしないで譲り渡していくというケースが、これは日常的にかなりあるわけです。ただ、こういうふうな共済組合にのっとって職員の生活を守ってやるのだというふうな立場に立つというと、やっぱりそこにいろいろと個人個人の条件があると思いまするが、やっぱり広く公平にこの問題がどう処理されていくかということが一番根本問題じゃないかというふうに考えるわけです。そういうふうな点で、みんな神様ばっかりじゃないから、たとえばさやかせぎをしたという人も中にはあるかもわからぬ、これは具体的に調べれば出てくることだと思うのです。たとえば抽せんに当たって土地を取得した、そうしてそれを幾ばくか日時がたったあとで不動産業者に売り渡した、その場合において、自分のほうが登記をしてない土地だということで直接的に不動産業者が登記をするということで、よそから見れば共済組合から不動産業者が土地を分けてもらったというふうな記事になってくると思うのです。こういうふうなことがあっては、実際は誤解をされるということになるわけで、そうするというと、転売をした人はさやかせぎをして税金を納めないという形になってきているのじゃないかと考えるわけです。あんまりそこまでいくと個人個人のこまかい問題ですから、国鉄職員だから、どうも私はそこまで言いたくないけれども、ただし、これからそういうことになるというと、共済組合としてそれは十分やっぱり措置をしなければならぬ。だから、こういうことになったら、そういうふうなことにならぬように十分注意してもらわぬというと、がっぷりあとで税金取られるぞ、そういうことになったらうまくないからということで部内指導として、やっぱりその土地が公正に、万やむを得ず、先ほど副総裁が言われたように、いなかへ帰るように——お父さんがなくなって、国鉄にずっとやっていこうと思ったけれども、家庭の事情でにわかにそうならなくなった人があるし、それから、あらかじめ生活設計でそこに退職後住居をかまえていこうと思ったところが、退職直後あるいは直前に自分の新しい職業が見つかったという場合に、通勤が困難であるということで、この土地を売り払っていくという場合もあるかもわからぬ。私は、そういう点についてはとやかく言うことのほうが酷だというふうにいまの時代から考えて思いますが、そうではなくて、権利を取得して、そうしてそれを不動産業者に譲渡することによってさやかせぎしていくという形が少しでもあるということになるならば、これは本来の目的を逸脱していくということになるから、これは大ぜいの人の中のごく微量な人のために国鉄が、共済組合が疑惑を持たれるということになれば、これは残念なことだと思います。そういう点について私はまあそういう形が確かにあるのじゃないかというふうに、私は調べてみないからわかりませんが、そういうような気がします、気がするだけでは申しわけないのですが、そういう点で、この点は厳格にひとつ、本人の生活上における万やむを得ないという場合は、これはもう認めてやらなければならぬと思うのです。そうでない場合は、一罰百戒というところで、やっぱり厳重に、今後は許されないということで、これ、やかましく言うと、いままでさやかせぎしている人は、国税庁から言うと税金取られますからね、これは脱税ですよ、公然たる。だから、私はまあここでつまようじでほじくるようなことは言いませんが、現にそういう点については、そういうことはうまくないのだ、後刻そういう問題は、やはりもしもそうなったらばこれは脱税としてえらい超過料金取られる、超過負担しなければならぬということで、そういう点についての厳格なる指導を願って、一人でも多くの国鉄職員に土地、住宅が行き渡るような方向への御努力をお願いしたいと思うわけです。時間がありませんので、一応資料の要求をいたしましたが、これは何も国鉄自体をどうこうという問題ではなくして、やっぱり冒頭に申し上げましたように、どうしても国鉄はやっぱり新駅についての設置なり、あるいは路線の決定については、国鉄部内としてはいち早く情報を入手できる立場にあるわけです。そういうふうな点があるから、そうでなくてもそう思われるということになるならば、土地の購入その他についてはひとつ十分そういうことのないような方向の御努力を願いたい。しかし、いま言ったように、こういうふうな都市の人口の増加の地帯になってきて、状況が違ってきますから、道路ができたために、それをあらかじめ知っていて土地を買ったといわれるようなケースも出てくるかもわからない。そういう点はひとつ自信を持って堂々とひとつおやりをいただきたい、そうして、ごうまつもいま言ったような一部の人々の利益にこれが供されることのないように、全体の職員がひとつうまくいくような形で国鉄の信用を高めていただきたい、このことを非常に時節柄、重要な時期であるから、私のほうから強く要望して、きょうはこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/89
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090・木村美智男
○木村美智男君 おのおのの先生からすでに質問がされて、しかもこれからの問題についても丁寧な注文もあったことなんですが、一つだけ伺っておきたいのは、たとえば現在共済組合が分譲住宅を造成をして、そうしてやった場合に、行政上の手続というか、届け出というか、こういうものが法律的にやらなければならないようにきめられているのかどうか。つまり言いかえれば、管理体制というか、いままでそういう管理体制というものがあったのかどうかということを一つ、これはもう一つ政府側に対して聞きたいことがあるものですから伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/90
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091・井上邦之
○説明員(井上邦之君) 共済組合がその事業として組合員に宅地を分譲するということは、冒頭に副総裁から御説明いたしましたとおり、公共企業体職員等共済組合法六十三条に定められておるとおりでございまして、これは当然なし得るわけでございますが、一方、この土地の分譲ということについて、もしその間に営利を伴うものであれば、要するに、共済組合が何らかの利得をして組合員に土地を分譲するという場合でありますと、これは宅地建物取引業法というものにひっかかります。しかしながら、共済組合はその間に全然営利というものを介在させておりません。確かに取得価格と分譲価格とはこれは違います。といいますことは、整地をいたして分譲いたしますので、整地費用というものがかかります。これは昨今の大体の物価の基準でいいますと、取得価格の大体倍近くかかるようなかっこうになります。その整地費用とそれから土地を取得いたしましたあと、組合員に実際に分譲いたしますまでの期間がございます。その期間の利息というものは、これは当然入れなくちゃならない。といいますことは、共済組合の住宅部というところでこの事業をやっておるわけでございますが、この土地を買います金は一体どこからくるかといいますと、共済組合の同じく長期経理の中の運用資金として長期経理から金を借りてやっておる、これは大体年五分五厘の利子で運用を長期経理のほうでやっておりますので、その利子に見合うものだけはやはり住宅部としても当然利子は取らなければいけないということで、整地費用と利子とこの二つが加わったものが、やはり共済組合が初めに取得しました土地の価格に加わりますので、分譲価格としてはそれだけ高くなりますけれども、その間にいわゆる営利というものは全然ない。したがって、先ほど申しました宅地建物取引業法というものにはかかりません。それから、一定の指定区域がございまして、その指定区域の中で分譲地を造成するというときには、住宅地造成事業法というものが別にございまして、それによりますと、都道府県の知事の認可というものが必要になりますので、それは成規の手続によってこれこれの一定の地域に共済組合の分譲宅地を造成いたしますという申請をいたしましてその認可を受けておる、これは成規の手続に従ってやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/91
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092・木村美智男
○木村美智男君 そういう関係で法的な手続がされておるということなんですが、運輸大臣せっかく来られておるので、実は政府側の、これはひとり国鉄の問題としてここに出てきたけれども、どうも共済組合があるのは国鉄だけじゃないので、それから多くの職員を抱えて今日の逼迫した住宅事情の中では、これはほかにもこの種の問題が起こり得るようなやっぱり心配を持つわけです。そこで、大臣にひとつ政府側を代表してこれは答えてもらいたいわけですがね、ある意味で言えば、政府の土地対策なり住宅対策という問題ですね、これは非常に一面ではむずかしいと言うかもしれぬけれども、逆な意味では、これは私はある程度国の土地対策、住宅政策の貧困がこういう問題を実は生んできておるということ、これはやっぱりこの問題を通して考えないわけにはいかぬと思うのです。そこで政府の場合には、たとえば持ち家主義というものをとっておる。持ち家主義ということは何かということを考えてみると、むしろ各こういう企業体等が団地造成をやって、そうして不当に不動産業者等からしぼられておる、そういう状態の中で、できるだけ従業員の福利厚生という立場で団地造成をしていくという意味合いは、ある意味では、その面の従業員の福利厚生施設として利益を守っていくというだけじゃないのです。政府がいま立てておる持ち家主義というものにある意味で沿っている。言ってみれば、政府の住宅政策が貧困であるから、その肩がわりをしておるということが、これはことばの言い方で恐縮ですけれども、私はある程度政府の政策の貧困を補っておるということも言えるのじゃないか、こういうふうに一面では見ることができると思うのです。そういうふうに考えてまいりますと、こういう問題が派生をするたびに、まあ各企業も、先ほど岡先生がとにかく指摘されたような面を十分注意して、自信を持ってやりなさいという激励があっているので、私は必ずしもその心配はないのですが、しかし、実際には企業がそれぞれやっておるような、こういう団地造成といったようなことを押えていくという結果にも逆に言えばなりはせぬか、そうすれば、政府のいわゆる持ち家主義なり、今日の住宅政策というものについて補っている一面とやはりこれは大きな食い違いが出てくるので、これを機会にやっぱり政府としては、ある程度あらゆる考えられ得る企業について、それがどういうような住宅政策をとり、あるいは団地造成ないしは分譲といったようなことについてやっているのかという現状を把握をしながら、これをやはり適正な、いま言ったようなことの問題があるいはうわさにしろ何にしろ起こらないようにこれを指導していく、そうして全体として、国全体のやはり住宅がことし一年を通してどの程度建設をされる、その持ち家主義といわれる政府の住宅建設の中に、各企業がどのくらいの家が建てられていくのだということをしっかりと掌握をしていくやはり責任があるのじゃないか、こういうふうに私考えるので、この問題を機会にぜひ、一つは、政府としてそういったようないまの住宅に対する方針というか、こういうことの中に各企業がやっているような問題について掌握していく気持ちがあるかどうか、それが一つ。
それからもう一つは、いま指摘したような問題が起こったけれども、これらについて一体、今後これをある程度何というか持ち家主義と照らし合わして、これを助長するような方向で進むのか、それとも別に考えがあるのか、そこら辺のところをひとつ政府の立場からお答えをいただきたい。もしこれが答えがいま直ちに適当でないというならば、本来建設省にきょうは出てもらって少しこの辺の問題を伺いたいと思ったわけですが、十分閣議等においてもこの住宅の大量建設、しかもいまの土地対策からいってたいへん多くの国民が困っているというところにいろいろやっかみやその他の問題も起こってきて派生的な問題も起こるわけですから、一面では、国鉄当局に先ほどから要望のあったような筋を厳格に守っていってもらうと同時に、一面では、やはりより安い住宅に一人でも多く入れるような、そういう政策を政府として方針として持っていく必要がある、こういうふうに思うわけなんです。そういう点から大臣ひとつ考え方をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/92
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093・大橋武夫
○国務大臣(大橋武夫君) 政府の住宅対策というものは、住宅の新規の建築の相当部分は、政府住宅当局以外の努力によって成り立つものであるということを前提にいたしまして、その残余につきまして、政府が公営住宅あるいは公団住宅あるいは住宅金融公庫による資金の貸し付け、こういうことを行なっておるわけでございます。したがって、ただいまの政府の考え方から申しますと、国鉄共済組合はもとより民間企業あるいは職員組合等が自主的に住宅供給事業を行なうということは非常に望ましいことであり、政府の政策に協力することになるのでございまして、これに対しては政府もできるだけ指導し、助長してまいりたいというのが政府のただいまとっておる考え方でございます。したがって、国鉄共済組合につきましても、今後住宅供給事業についてはますます努力をいたしてもらいたいと思うことはもとよりでございますが、ただ、今回かような事態になりまして一般の誤解を招くに至りましたことはまことに遺憾でございますから、この点には注意をいたしまして、ますますその事業につとめてもらいたい、こういう方向で指導をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/93
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094・天坊裕彦
○委員長(天坊裕彦君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後四時四分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105513830X01219670620/94
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