1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年七月六日(木曜日)
午前十時三十八分開会
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委員の異動
七月五日
辞任 補欠選任
植木 光教君 丸茂 重貞君
七月六日
辞任 補欠選任
丸茂 重貞君 館 哲二君
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出席者は左のとおり。
委員長 竹中 恒夫君
理 事
藤田 正明君
柴谷 要君
中尾 辰義君
委 員
青木 一男君
伊藤 五郎君
大竹平八郎君
大谷 贇雄君
小林 章君
西郷吉之助君
西田 信一君
日高 広為君
田中寿美子君
戸田 菊雄君
野上 元君
須藤 五郎君
国務大臣
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
政府委員
大蔵政務次官 米田 正文君
日本専売公社監
理官 海堀 洋平君
大蔵省理財局長 中尾 博之君
事務局側
常任委員会専門
員 坂入長太郎君
説明員
日本専売公社総
裁 東海林武雄君
日本専売公社外
国部長 湊 良之助君
日本専売公社販
売部長 斎藤 欣一君
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本日の会議に付した案件
○日本専売公社法の一部を改正する法律案(内閣
提出、衆議院送付)
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001・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
委員の異動について御報告申し上げます。
昨七月五日、植木光教君が委員を辞任され、その補欠として丸茂重貞君が選任されました。本日、丸茂重貞君が委員を辞任され、その補欠として館哲二君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/1
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002・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 日本専売公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑のある方は順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/2
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003・野上元
○野上元君 時間があまりありませんので、できるだけ大筋についてお伺いしたいと思いますが、今回、日本専売公社法の一部改正法律案が提案されたのでありますが、その提案理由を見てみますると、たばこ事業の業務量の拡大に伴い、そのたなおろし資産の増加に対する資金繰りのために、新たな措置、すなわち公社内留保というものを新しい制度として設けよう、こういうお考えのようでございますが、専売公社というと、たばこだけではなくて、アルコールもあり塩もあるということですが、今回の措置はたばこの事業量の増大によるというのが理由ですか。その点をひとつ明らかにしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/3
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004・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 本来、ある企業の在庫金融をどうするかという問題には、借り入れ金でやっても内部留保でやってもいいわけですが、たまたま最近公社の業務量がふえてまいりまして、葉たばこの価格も非常に上がってきたために、在庫の金額が非常に大きくなってまいりました。これを全部借り入れ金でやっておりますと、どうも公社の財務体質という面から見ますと将来に問題を残すおそれがあるという考え方から、内部留保もできれば財政の許す範囲内で取り入れていきたいという考え方に立っておりますので、売り上げが特に伸びたからという理由ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/4
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005・野上元
○野上元君 私の主としてお聞きしたいのは、専売公社は御承知のように塩とアルコールとたばことあるわけですが、今回社内留保という新しい制度を設けた場合に、その社内留保は当然どこかに投資されるわけですが、その場合、たばこ事業にのみ投資されるのか、その他のほうは関係ないのかということをお聞きしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/5
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006・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 先生の御質問の中で、アルコールの専売だけは、これは専売でございますが、特別会計として通産省所管でやっておりまして、大蔵省が所管いたしますのは、現在専売公社でやっておりますのはたばこと塩であります。先ほど内部留保を認めると言いましたのは、たなおろし資産に対する内部留保でございまして、これは内部留保には葉たばこもございますれば塩の在庫もございますので、そういう全体としてのたなおろし資産に対して一部を内部留保でまかなってよろしいという規定でございまして、当然塩にも充当されると考えてもいいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/6
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007・野上元
○野上元君 この専売益金の納付制度というものは幾多変遷を来たしておるというふうに考えられるのですが、この納付金制度というものの性格といいますかね、これはどういうものなんでしょうか、時によって変わっていくものなのか、それとも固定した一つの考え方なのか、その点をひとつ明らかにしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/7
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008・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) こういうたばこを専売でやっている国、あるいは民営で間接税でやっている国というふうにまず大きく分かれると思いますが、さらに専売でやっている国によりましても、日本のように益金を全額納付するという形をとっている国もありますれば、やはり税金で、それは大体複合の税金になっておりますが、複合された税金で、専売制度であるけれども税金で徴収しているという国もございまして、日本のように必ず純益という形をとらなければならないものだというふうにきまったものではないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/8
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009・野上元
○野上元君 そこで、お聞きしたいのは、いままでは政府の財政収入の大きな源泉になっておった。したがって、益金の全部を国庫に納付しろ。それがだんだん変わってまいりまして、今度はいよいよ社内留保を認めるというようなことになりつつあるのだが、納付金の性格というものはそういうふうに変遷をしていくものかどうか。そうすると、今度は将来公社内の資金繰りが困難になった場合には、さらにまた新しい発想に基づいて納付金の制度を変えていくということも考えられると思うのですが、そういう点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/9
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010・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 現在一般会計の財政が専売益金に相当程度依存しておりますので、内部留保をある程度取り入れることは専売公社の財務体質の将来を考えた場合必要なために今度取り入れることにしたのでございますが、その内部留保の額というものも、やはりそのときどきの財政需要を勘案して、財政需要に余裕のあるときに内部留保を認める、財政需要の苦しいときには専売公社のほうでもしんぼうしていただくというふうな形で運営されていくと考えております。したがって、納付金がこのために非常な激減を見るというふうなことは避けていきたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/10
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011・野上元
○野上元君 政府の財政需要に基づいて納付金のほうも変わっていくということもわかります。わかりますが、専売公社としては企業的経営をやっておられるわけなんですね。したがいまして、どちらが優先するのか。聞きたいのは、政府の財政需要があくまでも優先するのか、それとも専売公社としての企業経営の内容が先行していくのか、その点はどちらに重点が置かれておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/11
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012・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) もともと塩は公益専売でございますが、たばこは財政専売でございまして、そもそも専売の目的自体が財政収入を確保するという点が基本になっておることは申すまでもないと思います。ただ、財政収入を確保していく上において、その企業がやはり財務体質を健全に保って円滑な運営を行なっていかなければ、その専売納付金を得られないわけでございまして、その点で財務体質の維持という点も同時に配意していかなければならぬと思っております。現在のところたぶん、大ざっぱに申しますと、総資本に対する自己資本が大体三〇%程度だろうと思いますので、他の公社との比較において、あるいは民間企業との比較においても、特に財務体質が悪いということはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/12
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013・野上元
○野上元君 その考え方でいきますと、あとでまた質問したいと思いますが、たばこの専売価格の値上げというような問題が当然からんでくると思うのですが、いまあなたが言われておるような考え方に基づいて、財政需要と経営上の問題と両者を勘案しながら納付金をきめていくということになりますと、将来もこのままで永久にこれを固定さしていくということは理論上も不可能だと思いますし、またこれが変わってくるというようなことも十分に考えられるのですが、その点はどういうふうにお考えでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/13
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014・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 御質問の意味がちょっとわかりにくいのでございますが、先ほど申し上げましたように、財政需要を満たすため財政専売という制度がとられておる。その専売が公社という事業体で経営されておりますので、その事業体の運営が円滑にいくような制度を今度取り入れたと、こういうことでございまして、その点においては別に問題はなかろうかと思うのですが、先生のおっしゃられるのは、財政需要が非常に大きくなってくればまたたばこの小売り定価の改定というふうなこともあり得るのかと、こういう意味でございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/14
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015・野上元
○野上元君 たとえば昭和二十八年度以降、この資料に基づきますと、たなおろし資産というものは原則として次年度において現金化するというものであるから、これは益金と見る。したがって、これは全部納付しろと、こういうことであったと思うのですが、今回はそれを全部益金とは見られない、したがって若干の社内留保をしようということに変わりつつあるわけですね。この変わった理由は幾つもあると思いますが、主として専売公社の経営上から来る問題が一番大きいと思うのです。したがいまして、私がお聞きしたいのは、財政上の要求というものは絶対的なものであって経営上の理由は従にするのか、あるいはそれをとんとんに考えるとするならば、将来もこれだけではまた企業経営がうまくいかなくなるということも考えられるし、あるいはまた十分に改良されるということも考えられるということになりますと、また再び二十八年度の状態に戻すのか、あるいは将来もっと発展させて、企業経営の問題について健全性を主張していくのか、こういう変遷が当然あると思うが、その考え方はどうなのかと、こう聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/15
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016・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 先生のお話のとおり、昭和二十八年度にたなおろし資産についての内部留保をやめまして、その後は政府からの借り入れ金によらざるを得ないということになっていたわけでございます。この間にたなおろし資産が非常に大きくなりまして、公社の年度越し借り入れというものが最近相当大幅にふえてまいりました。これは事実でございます。先生の御質問は将来どうなるのかというお話だと思うんでございますが、やはり専売制度自体が財政専売である限り、目的はやはり財政収入の確保にあるということは、これは財政専売の本質だろうと思います。しかし、その収入を確保するために公社という事業体が活動しているわけでございますが、この財務体質が非常に悪くなりますと、たとえば借り入れ金が非常に膨大になりますと、いずれか利子で——それは短期的に見れば利子のほうが元木よりは少ないにきまっていますが、それが累積していきますと利子の支払いによってかえって納付金が少なくなるということもあり得るわけでございまして、そういう意味におきまして、財政収入を確保する見地からも専売公社の財務体質を妥当なところに保っていくという努力は続けていかざるを得ないと思います。したがって、すぐどうこうということ、すぐどう変わるんだと言われますと、まあそのときどきの財政事情によると言わざるを得ないんですが、長い目で見ますと、財務体質を良好に保つことはすなわち財政収入を安定的に確保していく道だろうというふうに考えています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/16
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017・野上元
○野上元君 それはまあよくわかりますが、ただ問題は、その社内留保といっても限度があると思うんです。おのずから限度があると思うんですが、その限度はこの法案の中には一応示されております。示されておりまするが、この考え方が、これが何といいますか、一つの固定した考え方であって、これ以上は社内留保としては認められないんだというような考え方があるのか、あるいは将来、先ほどしつこく聞いておりますように、まだこれを広げていくというような考え方があるのか、その点を明らかにしていただきたい。
というのは、もしもそれが限度があって、経営の内容は依然として生産性は落ちていく、あるいは資本効率が悪くなるというような場合には、いつまでも借り入れ金でやっているわけにはいかないと思いますね、あなたの言われるように。将来膨大な借り入れ金のために利子を支払うために相当な苦境に立つというようなことになると、当然私は理屈からいって値上げというものが起きて、そして経営の内容を改善していくという問題が起きてくると思うんですが、実はずばりと聞きたいのは、本来ならばこういう方法をとらないで値上げによって簡明直截に経営の内容を改善したいんだが、いま物価の問題等がやかましいおりからできない。したがって、そういう政治的な配慮も加わってこういう措置をとったんではないかというようにも考えられるんですが、そういう点はどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/17
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018・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 小売り定価の改定という問題とこの内部留保を取り入れたということは、直接的には関連しておりません。ということは、この財務体質を良好に保つことは公社の事業体としての運営上の必要から出ておりますので、特に値上げができないからこうしたんじゃなくて、値上げをしないにもかかわらず財務体質の改善は必要であるということでこういう措置をとったわけでございまして、値上げをしましてもこの措置をとらなければ国の納付金がふえるだけでございまして、決して公社の財務体質はよくならないわけでございます、現行法のもとにおきましては。したがいまして、値上げの問題と離れまして、公社の財務体質を健全に保つ必要があるということで、今回の法改正を行なおうとしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/18
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019・野上元
○野上元君 たばこの値上げによって専売公社としては何ら経営上の利益、利点はない、ただ納付金がふえるだけだ、こういうことになるのですか。その点をひとつ説明してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/19
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020・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 現行法のもとにおきましては、損益計算上の利益が出ます。で、利益からいまのところ内部留保を認められておりますのは、固定資産と無形資産の増加分については内部留保をしていいというふうに認められております。現行法のもとにおきましてはそれは引きます。しかし、それを引いた残りは、小売り定価を改定していかに利益があがっても、全額国庫に納付されるわけでございまして、特に公社の経営体として利益になる点はないような形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/20
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021・野上元
○野上元君 わかりました。そうしますと、値上げが問題になるというのは、あくまでも財政需要の面から来る問題であって、公社の経営上からは値上げという問題は来ない、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/21
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022・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/22
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023・野上元
○野上元君 このあなたのほうで出された提案理由の説明の中に「たなおろし資産の増加に対する資金手当ては、現行法のもとにおいては、政府からの借り入れ金によらざるを得ないのでありますが、これはたなおろし資産の増加の著しい現在のような事態に適しているとは申し上げかねるわけであります。」と、こういうふうになっておりまするが、これは適しておらないというのは、理論的な考え方なのですか、それとも資金の入手が困難になったということなんですか。それはどちらの、どういう意味なんですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/23
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024・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 先ほど申し上げましたように、たなおろし資産に対する金融というのは運転資金でございます。運転資金を借り入れ金でやってはいけないという理論はないと思います。したがって、先ほどの御質問は、やはり相当大きなたなおろし資産を借り入れ金のみで持たすということは事実上適当ではないということだろうと思います。
それから、金の手当てが困難になったのかという話でございますが、これも事実上運用部資金——年度越し借り入れば資金運用部資金から借りておりますが、これも相当運用部資金の需要があちらこちらとあるものですから、公社が大きな資金需要を持っていった場合に、はたしてその資金があるかどうかという点も将来の問題としては問題になってきておりますので、今度の改正ということになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/24
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025・野上元
○野上元君 適しないという意味は、あなたの言われるように、たなおろし資産の増加のための資金繰りは、政府のような機関からは借り入れるということは適当でない、むしろ民間から借りるべきだという考え方なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/25
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026・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) いえ、まず借り入れ金によることが適当であるかどうかという問題でございますが、これはまあ理論的には、借り入れ金によってもいいし、自己資本によってもいいと思うんでございますが、まああまり大きな運転資金を借り入れ金のみにたよっていることは、財務体質の点から見てあまり好ましくないと、こういう意味でございます。
それから、政府からの借り入れが適当でないとは申しておるのじゃなくて、政府からのみでは資金手当てがつかない場合もあり縁る。当然まず一時的には、財政専売の事業体に対する金融は政府が考えるべきものであると考えております。ただ、政府から借りるという場合に、年度越しの貸し付けば資金運用部資金だけしかないものですから、そこに余裕がない場合を考えまして、補完的に政府以外からも借りることができるようにいたしたい、こういう意味でございまして、決して政府からの借り入れば適当でないという意味ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/26
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027・野上元
○野上元君 私もおそらくそうであろうと思ったんです。政府から借りるということが理論的にまずいというなら、いままでやってきたことはおかしいのであって、当然民間あるいは市中銀行から借りるべきであったと思うのですが、おそらく非常に資金需要量が増大したために資金運用部資金からの借り入れだけでは間に合わないというような場合に補完的に民間から借りる、こういう意味だろうと思いました。思いましたが、これは表現が、政府からの借り入れば適しておらない、こういうような表現になっておりますので、私は理論的にそういうことが考えられておるのかということをちょっとお聞きしたわけですが、そうしますと、今後専売公社は資金繰りをやる面において、国庫の余裕金を繰りかえ使用する方法と、それから資金運用部資金の借り入れによるものと、民間からの借り入れによるもの、この三木立てになる、こういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/27
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028・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) たなおろし資産に対する金融といいますか、資金手当ての問題は、この法案が通りますと、一つは内部留保、利益から国庫に納付する分を差し引いて内部に留保する金、それと、それから借り入れ金によるわけですが、その借り入れ金は、国庫余裕金の繰りかえ使用というのは年度内の経過的なことでございまして、年度を越えた長期の借り入れば国庫余裕金の繰りかえ使用ではできませんので、したがって、経過的には国庫余裕金の繰りかえ使用ということはできますが、本質的な問題として考えますと、運用部資金を借りるということと、それが不足する場合には民間から補完的に借りるという二つの道と考えていただいていいと思います。国庫余裕金の繰りかえ使用は年度内の経過的な措置というふうに御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/28
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029・野上元
○野上元君 わかりました。
それで、将来公社としては外部からの借り入れの場合に、政府から借り入れるのと民間から借り入れるのとはどういうバランスを考えられておるのか。あくまでも民間借り入れの場合は補完的なものであって、初めからもう、半々に借りるとか、あるいは六、四に借りるとか、こういう考え方ではなくて、足らない分を民間から借りる、こういう考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/29
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030・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) あくまで補完的に考えております。したがって、運用部資金で手当てのできる範囲は運用部資金で手当てをしてもらう、それができない場合に民間から借りることということで、あくまで補完的に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/30
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031・野上元
○野上元君 将来のことで恐縮ですが、これは法案が通って民間から借りる場合に、大体現実的にはどれぐらいの比率になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/31
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032・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 運用部資金の状況は年度末にいかないとどうもはっきりしないのでございますが、たとえば昭和四十二年度という今年度末を考えてみますと、運用部資金で何とか手当てをしてもらいたいというふうに私のほうは希望いたしておりますが、あるいはほかの資金需要その他で多少民間借り入れが出るかもしれないという程度のいま予想でございます。したがって、必ず四十二年度末に民間借り入れが必要だとも言い切れないし、また必要でないとも言い切れないという程度の現在の見通しでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/32
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033・野上元
○野上元君 先ほど資産の内容について言われたんですが、無形資産というのは公社の場合にどういうものがあるのですか、無形固定資産というのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/33
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034・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 特許権がもしありますと、特許権だとか、それからいろいろな設備をつくる場合に負担金を出したりいたします負担金、それは償却していかなければならないわけでありますが、まあ特許権だとかある設備の負担金だとか、そういうものが無形資産という形で計上されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/34
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035・野上元
○野上元君 たなおろし資産の評価の方法はどういう方法をとっておられるのですか。たとえば・先入れ先出し法とか、あと入れ先出し法とかいうのがありますね。どちらの方法をとっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/35
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036・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 私、会計的にあまり詳しいことはわかりませんので、事実上の問題を申し上げますと、一番大きなものは葉たばこでございます。葉たばこは大体二年間貯蔵いたしまして使うということになっております。したがって、その年度に使います葉たばこの価格というものは、その年度首に一応全部たなおろしいたしまして、平均価格を出しまして、その一年間はその年度首にきめた価格で全部払い出すわけでございます。したがって、その年に収納される葉たばこの価格というものは、その年に使います葉たばこの価格には影響がない形になる。そしてその一年終わりましたあとで、また全部たなおろしいたしまして、その年度末の平均価格をきめまして、それをまた翌年度に適用するという形になっております。したがって、葉たばこ価格の引き上げによる影響は一年おくれでしか出てこないという形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/36
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037・野上元
○野上元君 そうしますと、単刀直入にいって、先入れ先出し法なのか、あと入れ先出し法なんですか。それはどちらになるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/37
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038・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 会計がよくわからないのでございますが、原価法、先入れ先出し法という制度だそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/38
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039・野上元
○野上元君 あなた、この点はあまりはっきり資料を持っておられないようですから、あとでもけっこうなんですが、専売公社の場合、資産評価をする場合に、たなおろし資産の評価をする場合に、先入れ先出し法をやるのとあと入れ先出し法をやるのとどれくらいの差が出るか、わかったらお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/39
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040・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) あとで調査いたしまして、公社のほうで調べていただきまして、御答弁申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/40
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041・野上元
○野上元君 時間がないので、あと一、二お聞きしたいと思うのですが、現在専売公社が製造されて売っておられるたばこの種類は何種ありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/41
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042・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) ここに販売部長さんがいらっしゃいますのですが、販売部長さんのおことばをお伝えいたしますと、二十六種類程度だそうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/42
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043・野上元
○野上元君 それはあとでまた資料を私ほしいと思うのですが、かりに二十六種類あるとしますと、それぞれ単価がきまっておるわけですが、その単価の中に含まれる原価計算法といいますか、それと、その納付金ですか益金ですかの比率ですね、それを知りたいと思うのですが、必ず同じ益金の比率がかかっておるのか、それとも益金の率は全部その種類によって違うのか、その大ざっぱな点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/43
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044・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 各品種別に益金率は違っております。平均いたしまして、現在大体四十一年度の決算で五八%程度の益金率になっております。これは地方税を含めて五八%程度の益金率になっておりますが、たばこの種類によりましてそれぞれ益金率は違っております。一般的に申し上げますと、上級たばこ、要するに価格の高いたばこのほうが益金の割合は多くなっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/44
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045・野上元
○野上元君 これはあとでその点もぜひ資料でいただきたいと思います。
それから、最後にひとつ聞いておきたいのでございますが、二十六種類のたばこで非常によく売れるたばこと、それから売れないたばこがあると思うのですが、あなたのほうの経営上から見て、二十六種類ものたばこをつくって売り出すということは、量産というような面から見て、いわゆる原価、コストが高くなるのじゃないかというような気がするのです。そうではなくして、よく売れるたばこに品種を縮めて集中的に売っていくということになれば、コストも低くて済むというような気がするのですが、その点はどういうふうにお考えになっておりますか。これ以上、まだふやすつもりですか。あるいはしぼるつもりですか。現状維持でやるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/45
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046・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 財政専売ではございますけれども、やはり国民の嗜好品でございますので、そのときどきで嗜好も変わっていきます。それに応じて措置をとるとともに、やはり在来からあるたばこに対する執着を持っていらっしゃる方もまた非常にございますので、そういう関係で品種はある程度多くなっておりますが、ただ、売り上げの少ない品種といいましても、作業上の能率は、ある一つの系統のその品種をつくるわけでございまして、作業上の能率が落ちるまで売れ行きが落ちますと、これは大体その品種をやめていっておりますので、特に品種が多いために作業能率が低いということはないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/46
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047・野上元
○野上元君 たとえばいこいとピースがあります。二つだけを例にとってみまして、いこいが非常に売れ行きが悪い。したがって、将来の見通しが悪いというときには、ぱっと廃止して、すぐほかのものに転換するというようなやり方はできるのですか。それは摩擦なく転換していくということはできるのですか。できるような機械の構造になっているのですか。その点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/47
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048・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 私も技術的にあまり詳しいことはわかりませんが、たとえば、ある同じ長さの両切りたばこというふうなことでありますれば、材料さえ変えればこれは転換できると思います。たとえば非常に特殊な長さとかあるいは特殊な包装というふうなことになりますと、それ相応の機械を増設するなり、あるいは機械に手を加えるなりという措置が必要だと思いますが、一般的にはわりあい簡単に品種間の転換は設備上はそう支障なしに行なわれてきているように聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/48
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049・野上元
○野上元君 私の質問はこれで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/49
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050・中尾辰義
○中尾辰義君 専売公社の事業はたばこと塩の事業になっておりますが、たばこのほうは財政専売で塩のほうは公益専売、こういうことになっておりますけれども、これは性格的に公益専売と財政専売の違いというのはどういうことになっておりますか。まず最初にそれからお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/50
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051・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) もう先生がよく御存じと思うのでございますが、財政専売のほうは財政収入の確保ということを基本として事業を運営いたしております。公益専売のほうは国民生活の安定というふうな点を主眼にして運営しております。具体的には、たばこは、先ほど申し上げましたように、平均しまして五八%程度の利益をあげております。他方、塩のほうは、金額にしまして、ほんとうは原価だけは償いたいのでございますが、諸般の情勢から、昭和四十二年度の予算では約十九億円程度の赤字を出して運営いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/51
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052・中尾辰義
○中尾辰義君 それでは、その財政専売というのは結局、いまのお話では財政需要を満たすためのものである。こういうことから考えると、やはり財源を確保するために利益をあげていかなければならない、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/52
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053・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 本来そういう目的で財政専売を実施しておりますので、やはり専売益金に一般会計予算が期待しておる点は大きいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/53
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054・中尾辰義
○中尾辰義君 そうしますと、いまのたばこの、地方税、国庫納付金、手数料、いろいろありますが、そういう比率はいまどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/54
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055・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 益金は地方税を合わせまして大体五八%でございまして、その地方と中央の割合は、多少地方消費税のほうは今度大きくなりまして約千七百億円、それに対しまして国の納付金が千六百億円ということで、多少地方のほうにウエートがかかっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/55
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056・中尾辰義
○中尾辰義君 パーセントは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/56
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057・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) パーセントはいまちょっと計算いたしませんが、百億違いでございますから、たぶん五二・四八ぐらいになるのじゃないかと思いますが、あとで正確に計算いたします。それ以外が一応コストになるわけでございますが、そのコストの中で小売り店に払っております手数料というものは、平均いたしまして九%程度というものが小売り店の手数料として払われております。それ以外が製造並びに一般管理の原価になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/57
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058・中尾辰義
○中尾辰義君 もう少し明確に、たとえば一つのピースならピースですね、四十円、その中でいわゆる市町村の消費税が幾ら、それから道府県の消費税が幾ら、国庫納付金が幾ら、それからたばこ小売り者の手数料が幾ら、そういうふうにはっきりとひとつ示してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/58
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059・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) ちょっと予算書をお持ちになりましたら、予算書の四四ページ、各銘柄別の予定原価がございますが、一応出ておりますので、大体それに近い運営が行なわれておるというふうに考えていただいていいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/59
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060・中尾辰義
○中尾辰義君 はっきりわからないな。パーセンテージで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/60
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061・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) パーセンテージでちょっとここに出ておりませんので、あとでパーセンテージで御説明した資料を差し上げたいと思いますが、たとえばハイライトをとって、一応金額ですが、ここで読ましていただきますと、十本当たり三十五円、それに対しまして製造原価の計が十円十六銭、販売費及び管理費が一円四十一銭、総原価が十一円五十七銭、地方消費税は、これは平均でございますので、各銘柄一緒でございまして、八円六十四銭、小売り店手数料に三円十二銭、その差額が、あと納付金になっております分が十一円六十七銭ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/61
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062・中尾辰義
○中尾辰義君 それで、ことしは消費税が改正になりまして、四・四%の引き上げがあったわけですね。それで、地方のほうも地方財源として千七百十一億、国庫納付金が千六百億円、こういうようになっておるわけですが、結局国庫の納付金よりも地方の消費税のほうが上回ってきたと、こういうような現象が出てきているわけですね。それで、将来たばこの消費税は地方財源として移譲したらどうだろうかと、こういうような意見も出ておるわけですが、ただいまの財政専売という点から考慮して、将来たばこの財政専売という点を再検討するつもりはないかどうか、そういうような点を、これは大蔵大臣に聞かなければわからぬかもしれませんけれども、一応参考にお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/62
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063・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) たばこ消費税が専売の納付金として国に納める金額をこえてきたということは事実でございます。であるからといって、直ちにそれではこれを全額地方の財源にしたらどうかという議論は、少し飛躍があるんではなかろうかと存じます。ということは、現在、地方税自体が非常に各都市によってアンバランスがあるために、交付税という制度によって各自治体の財源を調整しているんだと思います。したがって、たばこ消費税のように傾斜のない税金を地方に全額渡してしまうということは、さらに交付税による調整を強化しなければならないというような形で、ますます交付税の調整機能も、いま富裕団体、交付団体、不交付団体の間で調整機能を果たしながらも問題がすでに生じているにもかかわらず、さらに地方財源のアンバランスを大きくしていく、したがって、ますますその財源の調整が困難になってくるというような問題が生ずるのではなかろうか。これは私しろうとでございますので、私の個人的な考え方でございますが、東京のような富裕団体はすでに不交付でありながら、基準財政収入と基準財政需要の間には超過財源を見ている。そういうところにさらに超過財源を多く与えるような結果になってしまいますので、直ちにいまの形で、たばこ消費税を地方にそのままの形で移譲するという、たばこ消費税をさらに大きくするということには相当問題があろうかと思っております。
ただ、現在、それじゃその納付金制度というもので、制度としていいのかということにはまた問題があろうかと思います。ということは、消費税は売り上げ税でございまして、納付金は純益納付ということで、その固に二つの税制に関連がないものですから、そこをもう少し税制としてお互いに関連のあるような形に持ってくるのも一つの方法であり、そういうことを考えると同時に、公社の企業経営の面から見て、もう少し適当な税制がないかという問題は残ろうかと思います。ただ、地方に直ちに全部たばこ消費税という形で、益金を渡してしまうということには、基本的には大きな問題があろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/63
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064・中尾辰義
○中尾辰義君 地方財源の問題はこのくらいにしておきましょう。これ以上聞いても結論が出ませんので……。
それで、次は、この値上げの問題が去年あたりまでやかましかったのですが、その後どういうようになっているのか。それと、この予算書を見ますというと、たばこ製品の中にもかなり赤字を出しているのがある。原価割れをしているのもあります。ゴールデンバット、朝日、ききょう、この辺のところは原価を割って赤字を出しておる、こういうこと。さらに、ただいまの消費税等のアップですね、あるいはそのほかの経費の増加、そういうことも考えて、やはりこれはたばこを上げるような方向にあるんじゃないか。私もそう思うわけですがね。その後どういうようになっているのか、また今後どういうような構想を持っていらっしゃるのか、その辺のところをひとつ聞かしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/64
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065・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 去年、四十二年度予算編成に関連しまして、税制調査会の長期税制のあり方についての中間答申という中で「専売物資であるたばこについては、たばこ消費者の実質的税負担が他の間接諸税と均衡のとれたものとなるよう価格改定を行なうことを検討する。」という答申がなされました。まあ検討したらどうかという長期税制のあり方についての答申があったわけでございます。しかしながら、四十二年度の税制といたしましては、国民生活その他のことを考えまして定価の改定はしなかったわけでございます。四十三年度以降どうなるかという問題は、まだ予算の編成そのものの論議に入っておりませんので、現在のところ政府として全く白紙と言うほかはないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/65
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066・中尾辰義
○中尾辰義君 それじゃ、このたばこの製品につきまして、あなたのほうで最近、高級品のほうは次々に新しいものをつくっていらっしゃるわけですが、やはりこれは安いものをつくっても、あなたのほうであまりもうからぬ。だから、たばこの値上げをするかわりに、もうけが多い高級品を次次とつくって、安いものは、大衆向きのものはあまりいいものができぬのじゃないかという、こういうような批判もあるわけですがね。ですから、大衆向けの中級品、下級品、こういうものは今後新製品をつくることはあるのかないのか、その辺
のところを一応聞かしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/66
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067・斎藤欣一
○説明員(斎藤欣一君) 最近、御指摘のとおり、いろいろ新製品を出しておりまして、四十一年度にもたしか四銘柄ばかり新製品を出しました。で、その中で、御承知と思いますが、やまととかこはくとかいうのが一番これは最近の製品では高い製品でございます。それからあとパロマというシガリロ、これは非常に特殊なものでございますが、これを出しました。それから、そのほかにわかばという、これもフィルターのついたもので、二十本入り五十円、どっちかというと安い製品です。
それだけの四つの製品を出しております。
そこで、実際問題といたしまして、やまととかこはくという高いものは、売り上げの割合から申しましても非常に少のうございます。たとえば、最近の一番新しいデータで申しますと、六月、先月でございますが、先月の売り上げで見ますと、やまとが三千六百万本、こはくが五千五百万本、それに対しまして、わかば、これはいまのいこいと同じ値段でございますが、いわば大衆品と申し上げてよかろうと思いますが、これが十七億二千五百万本売れたということで、公社といたしましては、高いものも出しておりますけれども、安いもので多くの消費者にお買い願えるというようなものも出しております。実際問題といたしまして、高いものはそれほど売れず、安いものはかなり売り上げがあるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/67
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068・中尾辰義
○中尾辰義君 それじゃ、輸入たばこについてちょっとお伺いしますけれども、外国葉たばこの国別の輸入状況ですね、これの数量、価格並びに取り扱い商社の実態について説明してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/68
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069・湊良之助
○説明員(湊良之助君) 外国葉たばこは全体で、去年の数字で申し上げますと、二万七千トンばかり購入いたしております。これは全体にわが国の使っております葉っぱの一割強というふうに御理解願いたいと思います。そのうち米国産葉が三分の二ばかり占めておりまして、数字にいたしますと約一万八千トンでございます。そのほかありますのが、米葉代替としてインド、タイから三千トン、オリエント葉と称しておりますギリシア、トルコ、ブルガリア等でありますが六千トン、大体そういうふうになっております。金額は総額で約二百億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/69
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070・中尾辰義
○中尾辰義君 取り扱い商社は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/70
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071・湊良之助
○説明員(湊良之助君) 失礼しました。取り扱い商社は、米葉の場合には十五社ございます。国別にそれぞれ五、六社から七、八社ぐらい使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/71
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072・中尾辰義
○中尾辰義君 どういうところですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/72
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073・湊良之助
○説明員(湊良之助君) たとえば国別で申し上げますと、米葉を購入するにあたっては十五社、それからバージニア系統でいいますと、タイ葉を購入するにあたっては五社、それからインド葉を購入するにあたっては八社、それからギリシアが八社だったと思います。その他の国も大体その程度の数の商社を使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/73
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074・中尾辰義
○中尾辰義君 それでは、わが国の製造たばこが外国でどのような評価をされておるのか、それからどういうような国に引き合いが行なわれておるのか、それと葉たばこを外国からかなり輸入しておるわけですが、そのかわりに日本の製造たばこを売りつける努力を払っておるのかどうか、その辺のところをひとつ答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/74
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075・湊良之助
○説明員(湊良之助君) たばこというのは各国によりまして若干味の特色がございまして、なかなか一がいの評価はむずかしいと思いますが、現在輸出先からはとりわけ非常にうまいという評判もございませんが、しかし、まずいという評判もございません。 ハイライト等はかなりうまいんじゃないかというふうに言われております。
それから、第二番目の御質問の、シガレットの輸出につきましては、総裁、副総裁から非常に厳命がございまして、一億本増額しろという御指示のもとにいろいろやっておりますが、大体いままで二億本くらい輸出してまいったわけでございます。これを四億木くらいまで持っていこうといろいろやっておるわけでございますが、まあこういう席上でちょっと申し上げるのはどうかと思いますが、私どもが最初予想していたよりはかなり順調に伸び始めてきているというふうに思っております。約四億台に乗っけるのはいつかとは申せませんが、総裁、副総裁の熱意にこたえるためには、二、三年中にそこまで持っていきたいというふうにして鋭意努力しております。
第三番目の御質問の、それに関して、葉っぱを輸入しておるところにバーターでやったらどうかというお話でございますが、現在及ばずながらそういう線で各国に対していろいろ接触いたしておりまして、そのうち一口が成功してまいりました。ですから、今後もそういう努力を続けて、ぜひシガレットの輸出の増額を実現したいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/75
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076・柴谷要
○柴谷要君 いま部長のことばの中にね、こういう場所で言うのはどうかと思いますが、目下のところふえております、総裁、副総裁の言によって四億本までふやしていきたいと思いますと。こういう場所でどうかと思いますがということばはどういう意味だ、それは。増加しているということはいいことじゃないか。専売公社の努力が、君らの発言によってわれわれも認識することができるわけだ。そういうことは、どうかと思うというのじゃなくて、堂々と言うべきですよ。努力している結果を控え目にすることはないのだ、専売公社はこれこれこういうぐあいで努力しておりますと。で、将来に向かっては四億本か五億本も出したいと思います、まあ順調に伸びておりますと、こういうことで言えばいいのでね。先に、こういう場所で言うのはどうかと思いますがなんて、そんな不見識なことばはあるか。総裁、どうですか、いまの御答弁。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/76
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077・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) たいへんどうも申しわけございませんが、言い過ぎたかとも思いますが、ただいまの御質問のところでもう少しふえんさせていただきますと、葉たばこの輸出というものがだんだん行き詰まりになっておりますので、輸入葉に対抗して製品を出そうということを先年からやっておりますが、先年シベリアに二百万本出したのがきっかけになりまして、現にブルガリアに対して一千万本の輸出をやっております。それから香港、こういう市場に対しまして、幸いにいまのところは好評でありますので、ぜひこれを伸ばしていきたいというように努力をしているということでございますが、何かよけいなことを申し上げて先生方のおかんにさわった点は私からおわびしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/77
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078・柴谷要
○柴谷要君 もう終わるけれども、いや、そのことばのあやを取り上げて言うわけじゃないのだけれども、輸出の面に向かって努力しているというのは、われわれも陰ながら聞いている。だから、こういう公式の場所こそあなた方が日ごろ努力していることを言うべきで、決しく遠慮することはないのですよ。そういう意味で言ったのだから。これで終わっておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/78
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079・中尾辰義
○中尾辰義君 いまの質問と少し相反する質問かもしれませんが、またあなた方の耳の痛い質問かしれませんが、まあたばこは肺ガンの原因になるのだと、まあとかくの宣伝もありました、二、三年前ですかね。ですから、私どもも、これは嗜好品でありますけれども、必ずしもからだのためになるとは思っておりませんし、多少なり有害になると思うわけですが、一面、またただいまの財政専売という面から考えると、やはり売り上げを相当上げなきゃならぬ。この両方の関係から考えてみて、私も、あなたのほうでじゃんじゃんテレビを使ったり、そのほかのかなりの宣伝をして、無理に国民にたばこを吸え吸えというような誇大な宣伝をしておいて、そういうことが国民保健の面から見て、また青少年の非行の面から見て、未成年者がやはりたばこを吸い出す、そういうようなことも非常に私どもは心配しておるわけなんですがね。ですから、むしろこれはそんなに無理をしてそう吸え吸えという宣伝をする必要はないのじゃないか、こう思うのですがな。そういう点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/79
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080・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) ごもっともな御質問でございますが、公社が現在使っております宣伝広告費といいますか、そういうものは年間二億円、それが全体の売り上げの五千六百二十四億の売り上げから見ますというと、いわゆる宣伝費という、広告費というものは非常にわずかな金額になると思います。私どもは、先生がおっしゃられるように、たばこを吸え吸えという宣伝はしておらないつもりであります。こういう新しいものができるのだ——現在行なっておりますのは、低タール、低ニコチン、国民の保健になるべくいいようなものというようなことで、こういうものができましたということをお知らせする程度であって、それができたからぜひ吸ってぐださいという意味ではございません。その点は御了承願いたいと思うのでありまして、今後も、そういうような国民保健上の見地からいたしますというと、もちろん肺ガン問題に対する研究費というものは年間で千五百万円出しておるのであります。その程度出しておりますし、こういうもので将来ともそういうような保健上の低タール、低ニコチンというものの新製品というものを次々に出していって嗜好に対応したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/80
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081・中尾辰義
○中尾辰義君 総裁はそうおっしゃるけれども、実際は、テレビを見たり、あるいは電車でたばこの製造工場の付近なんか通りますと、大きい看板出して、それはたばこを吸わなければ損だというような看板出ていますよ。実際、あれは私は奇異に思うのですな。全くこれはコマーシャルと一緒じゃないか、もうけ主義じゃないか。これは財政専売とはいえ、少し大き過ぎるような気もする。社会労働委員会なんかへいきますと、これは問題ですよ。これは大蔵委員会ですから、あれですけれども。
それで、アメリカでは、昨年一月から包装紙に、シガレットの喫煙はあなたの健康に有害となるおそれがある、こういうような表示を義務づけをしておる。そうしてイギリスではテレビ広告を禁止しておる。こういうような状態になっております。日本ではそれとは全く正反対にあるような気もするわけです。
それから、ガン研並びに東大等の医療機関におきまして、たばこと肺ガンの関係について研究を委託されておるわけですが、あれはその後どうなりましたか、御存じないですか、結論は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/81
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082・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 先ほども申し上げましたように、年間、今年度の予算では千五百万円の委託費を出してやっておりますが、肺ガン学会のほうの結論といたしましても、一応そういうような有害物質はあるということは認められるけれども、決定的な結論は出ていないように報告を受けております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/82
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083・中尾辰義
○中尾辰義君 決定的な結論を出しますと、たばこの売り上げに響くかもしれませんからね。なるべく長引かしているのじゃないかと思いますけれども。
それでは、次に、おたくのほうでは塩のほうもやっておるわけですが、この塩はたばこと違いまして、公益専売と、こういうことで、国民は非常に高い塩を買わされているわけです。ところが、最近はまたイオン交換樹脂膜方式のそういう技術面の進歩がありまして、非常に安くできる、こういうことを聞いておりますが、それで早晩日本の塩田方式も再検討していかなければならぬ、こう思うのですが、その点はどうか。これが一点。
それから、最近における塩の需給状況、収納価格及び塩田業者の実情ですね、これを簡単でいいですから、ひとつ聞かしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/83
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084・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 最初にイオン交換樹脂膜の問題に触れたいと思いますけれども、これは長年塩の製造方法に対する研究でありまして、昨年あたりからの試験成績を見ますというと、大体現在の塩田法に匹敵するような、それよりコストが安くなるという見込みが立ちましたので、四十二年度におきまして五つの企業に対してその製造の許可をいたしております。これはことしの春から操業を開始しておりますので、まだはっきりした成績は出ておりませんが、現在のところでは、従来の塩田法よりも相当安くなるんじゃないか。問題点はたくさんありますが、結論的に申し上げますというと、そういうようなことになりますので、将来の日本の塩業のあり方からいきますというと、どうしてもある程度のものは自給していかなければならぬ。御承知のとおりに、現在日本が外国から塩を買っております数量は、四十二年度の予定でございますと四百五十万トンの多きに達しておるのであります。これだけの塩を買っております国は世界の中でもおそらくないと思います。その四百五十万トンの内訳は、四百十七万トンがソーダ工業塩、それからその他の分が入りまして四百五十万トン。それに対しまして国内塩の製造量は九十二万五千トン、その中から純然たる食用塩になりますのは五十万トン前後と、こういう数字になっております。われわれは、私といたしましては、日本の塩業の将来あるいは工業塩の将来から考えてみましても、どうしてもある程度日本でもっていまの塩業の塩のコスト引き下げというものをはからなければならぬ。その一つの方法として、このイオン交換樹脂膜を実は取り上げておるわけでありまして、これはことし五企業に対して許可した成績が出てまいりますので、その上で将来のいろいろな方針を決定いたしたい、かように考えておるのであります。
で、塩業者の状態からいたしますというと、昨年収納価格一万一千八百五十円に、これは千円ばかり上げております。上げておりますが、実際のコストがどうかということになりますと、まあ相当これは窮屈な状態になっておる。いまの製塩法では非常に窮屈になっておるかと思います。と申しますのは、かん水の平均値段をとってみますというと、現在の塩田法の製塩法におきましては、かん水の平均値段は四千三百五十円ということになっております。それにせんごう費を合わせますと、どうしても九千円近いものになってくる。こういうものになってまいりますと、輸入の塩とそのままの比較はできませんけれども、十ドル前後の外国塩と比較いたしますと、どうしても高い。それを引き下げ得るかどうかということが一にかかってイオン交換樹脂膜の製造法にある。これは下がってくる。片方のいまの塩田法でありますと、賃金が上がる、物価が上がる。上がっても下がらない。そういうところに私どもはイオン交換樹脂膜に踏み切っておるような次第でございます。
で、塩業者のほうとしましては、このイオン交換樹脂膜の製造いかんによりましては、そういう面では大きな変革が来たされるんじゃないかと思いますが、ただ、塩田の製塩法でやっております中でも、これはいろいろな業態がございまして、必ずしもいまのイオン交換樹脂膜が非常に安くできるから全部がイオン交換樹脂膜にかわるということではないのであります。まだまだやっていける余地を残しておるところがございまして、それらの点を考えまして、将来の方向をきめていきたい。私としましては、あくまで日本の塩業というものを確立させたいのだと、こういうような考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/84
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085・中尾辰義
○中尾辰義君 それでは、最後に、今回の改正で監事の監査機能が強化されたわけですが、このことにつきまして二、三お伺いしたいと思います。
前回の参議院選挙でも専売公社は非常に問題があった。まあそういうことで、今度の改正によって、監事は監査の結果に基づき総裁または大蔵大臣に意見を提出することができる、さらに、決算書類を作成し大蔵大臣に提出する際に監事の意見を付することを明確化すべきであると、まあこういうことになっておりますが、この二つの改正で監査機能が充実されるものかどうか、その辺のところをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/85
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086・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 監事の権限をこの法律で明確にいたしておりますが、実は監事の職務の重要性にかんがみまして、従来とも専売公社の内部規定によりまして監事監査規定というものを設けまして、ここの法律で規定してあるのと同じことをやることにいたしてまいったわけでございます。ただ、法律的にやはり明確にしたほうがよかろうということで、特にそのうちの重要な点を法律に規定したということでございます。従来とも専売公社の監事の活動は十分に行なわれているというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/86
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087・中尾辰義
○中尾辰義君 三十七年の十二月に行政管理庁から、公社、公団、公庫、事業団の監督行政監察の結果、これがまあ出されておりますけれども、それからまあやっと今日の段階において提出されたんですが、この間四、五年経過しておるわけです。が、いまごろ出すのは非常におそいんじゃないかと、私こう思うわけです。それで、この監事制度、今回監事のまあ機能強化ということを取り入れたところもあるし、まだこれはほとんど未整備のところもあるようですが、未整備の日本銀行、日本輸出入銀行、あるいは商工組合中央金庫・その他たくさんあるようですが、大蔵大臣にちょっとお伺いしますけれども、こういうような特殊法人を一本の法律によって監事制度を強化すると、そういう必要は私はあるように思うんですが、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/87
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088・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 先生の御質問のとおり、行政管理庁からの勧告がございまして、法制局、内閣といたしまして、監事の権限規定を整備しようということにきまっております。ただ、そのやり方は、先生のおっしゃいましたように一本の法律でといいますと、ややそれぞれの公社なり政府関係機関の性格によりまして政府の監督のあり方、あるいは国会の統制のあり方がそれぞれ違うものですから、一本の規定では多少無理がございますので、それぞれの性格に応じまして、監事の権限規定を整備していこうということで着々整備いたしております。で、法律改正の必要がある、まだ改正されずにおる機関におきましても、事実上その方針に基づいて内部規定で処理をいたしておるはずでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/88
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089・中尾辰義
○中尾辰義君 最後に、それじゃお伺いしますけれども、専売公社の監事は現在何人おるのか、それから最近また公社、公団に対する高級官僚の天下り人事、これは非常にやかましいんですが、この三人の監事は官公庁出身と私聞いておるんですが、前歴はどういうふうになっておるのか、それが一点。それから、民間人を取り入れる考えはないか、第二点はこれです。それだけをお伺いしまして終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/89
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090・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 現在の監事三名でございまして、一名は専売公社で職員として仕事をしておられた方でございます。他の一名は人事院の給与局長をされておられた方でございます。さらにもう一人の方は官房副長官を長くなさった方と伺っております。
で、民間人の問題でございますが、これは総裁はもちろんのことでございますが、今後やはりその機能に応じて考えられていく問題だろうというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/90
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091・中尾辰義
○中尾辰義君 大蔵大臣に聞いておる、あなたに。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/91
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092・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 今後民間人を入れる考えがあるかどうかということでございますが、もうすでに専売公社の総裁も民間人を起用しておるというようなことでございまして、今後もそういう民間人をできるだけ起用するということにしたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/92
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093・田中寿美子
○田中寿美子君 最初に専売公社の総裁にお伺いしますけれども、いまさっき中尾委員からたばこの害の話がありましたけれども、専売益金というのは国家の予算の中でたいへん大事な財源になっておりますようですが、ところが、それがやっぱり大衆がたばこをたくさん吸う結果、多額の間接税を納めておるわけでございますね。ですから、大衆としてはもうこういう法案の改正についての内容を知る必要があると思うんですけれども、この法案で、業務量の拡大に伴ってたなおろし資産が増加をたどっておるということ、それの資金繰りが非常に窮屈になってきたからということなんですが、その業務量の拡大ということはたばこの生産量もどんどん上がっているという意味なんでございましょうね。それで、私の手元には昭和四十年までの製造数量とそれから販売数量がありますけれども、四十一年も四十二年もどんどんこれは上げていき、将来もずっとこの数量は上げていくという方針でございましょうか。そういうことであれば、国民はどんどんもっとたばこを吸わなければならないということになるわけなんですけれどもね、それはどういうことでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/93
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094・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 先ほど御質問がありましたように、今度の問題はたなおろし資産の増加、主としてこれは葉たばこによるんでありますが、これは年々増加しております。で、数量におきましては、四十一年度のあれで見ますというと、前年度に比べまして五・七%の増、本数にいたしますと一千八百三十六億本でございます。金額にいたしますというと、五千六百二十四億円、さらに前年度に比べますと九・七%の増となっておりますが、これは前の年から比べますと、前々年度を見ますというと、数量の六%三という増から見ますというと落ちております。落ちておりますが、その程度の、いまの五・七%の増程度のものは年々増加していくと考えておりまして、その数量に基づいたいわゆる長期計画というものを私は組んでおるのであります。
で、先生のおっしゃるように、年々増加していくかどうかということになりますというと、私はまだ増加していくんじゃないか、かように考えます。それは成年男子の場合は大体八一%が喫煙者であります。女子の場合はこれが少し低くなっておりまして、一三%前後になっておりますが、いずれにいたしましても、この程度の増加というものは年々ふえてくるんじゃないか。そういう意味では、これはいまのたなおろし資産と申しますか、この原材料というものは価格も上がってまいりますし、数量も上がってくる。そこで問題になったわけなんでございますが、そういうように私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/94
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095・田中寿美子
○田中寿美子君 それで、その国庫納付金のほうも、毎年これは増額していくように要請されているものだろうとは思いますけれども、で、それは製造量を上げ販売量を上げることによって納付金を上げる。しかし、それがもし予定するほど上がってこない場合に、何かはかの方法を考えるということもあるわけですか。たとえばたばこの値上げの問題とかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/95
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096・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 値上げの問題は、これも先ほど出た問題でございますが、これはまだきまっておりませんけれども、いままでの納付金の趨勢を見てまいりますというと、非常な増加はいたしておりませんけれども、その中で原材料の値上がり、ことに葉たばこの値上がりというものはここ数年来毎年上がっております。にもかかわらず、たばこの値段というものは消費者価格と申しますか、そういうような小売り価格というものは上げておりません。そういうようなまあ仕事の面からいきますというと、合理化を推進して収益をある程度確保するということになってまいりますが、今後たばこに対する財政的な要請というものが非常に大幅にいきます場合には、われわれとしてやり得る範囲でそれが要請されるかどうかということが一つの問題点になろうかと思うのであります。非常にこれで、かりにわれわれが企業努力していく範囲をこえた場合には、これはあるいは値上げをしなくちゃならないという事態になるかもしれませんし、そのことはいまのところははっきり申し上げかねるのでございます。ことに四十三年度の予算の編成時のいま前でございますから、四十三年度においては専売納付金に対してどういう考えが打ち出されるかということによって、われわれの企業努力によってまかない得るかどうかというところが問題点になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/96
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097・田中寿美子
○田中寿美子君 先ほど総裁が、税制調査会の長期税制に関する中間報告の中から引用されましたけれども、「専売物資であるたばこについては、たばこ消費者の実質的税負担が他の間接諸税と均衡のとれたものとなるよう価格改定を行なうことを検討する。」というあのことばですね、他の商品、他の間接税との均衡のとれるようにというそのところですね、どういうふうにお考えでしょうか。他の商品との関係ですが、私はたばこの間接税というものは非常に高いと思っておりますが、それが均衡がとれるようにということになりますと、むしろ下げなければならないんじゃないかと思いますが、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/97
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098・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) いま田中先生からのお尋ねは、たしか監理官から申し上げたんだろうと思いますが、それは税制調査会のほうとしましては、納付金制度というものとそれから消費税というものとの均衡がとれていないという問題が出ておるので、先ほども話が出ましたように、消費税が改正になりましてから大体千七百億——千七百十億でございますが、その程度の消費税の反面に、納付金というものは千六百億だということになりますというと、こういう面から見ましても、税制上のそういう問題点があるんだということをたしか監理官が申し上げたんじゃないかと思います。ただ、他の商品た比べて高いか安いかということは、これは問題が別になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/98
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099・田中寿美子
○田中寿美子君 これは大蔵大臣にも同時にお伺いしたいわけなんですけれども、たばこの中に含まれております間接税ですか、これは非常に、一個の小売り価格の中でほとんど半分以上、大衆が買っておりますたびに税金は納税しているわけなんですが、ピースでしたら二十本入り八十円のうち四十七円四十四銭が税金、ハイライトでしたら二十木入り七十円のうち四十円六十二銭が税金、ホープ二十本入り八十円のうち四十七円三十六銭が税金、全部で五九%、五八%、五九%以上の税がかかっているわけなんですね。それで、これは逆累進課税になると思うのですが、こういうような間接税の取り方の方法なんですが、大蔵大臣は、前のこの委員会の席上で、いや、そのほかの委員会でも言われたと思いますが、今後の税体系を間接税のほうに、あるいは物品税のほうに持っていくべきではないかというような考え方をお持ちのようです。先日物価対策特別委員会のほうでは、経済企画庁長官が、税の体系というのは直接税に重点を置くのが全体としての傾向であるというふうに言われて、その辺ちょっと食い違いますけれども、こういうふうな間接税を高く上げることによって国庫納付金をふやしていくという考え方について、やはり今後も、たばこの値上げということは来年度はおそらく問題になるのではないかと思うのですが、その点は大蔵大臣も公社の総裁もどのようにお考えでございますか、お聞かせください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/99
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100・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) 私、物品税の将来の方向を値上げということを申したことはございません。物品税じゃございません。ただ、たばこの場合は、いま御質問の間接税との均衡という意味があまりはっきりしないようでございますが、ここに書かれた意味は、一般の間接税は率できまっておるために物価が上がれば間接税はそれに比例して上がってくる。一方、たばこのほうは年々コストが上がってくるのに、値上げをしないために益金率が年々低下してくる。そういうところの均衡を考えたらという意味のようでございます。
したがって、益金率が最近非常に落ちてきておるから、たばこはここでもう少し値上げすべきかどうかという問題でございますが、私はこれはなかなか、ただ益金率が落ちているというだけでこのたばこの値上げをしていいかどうか、これはまた別個の観点から考えなければならぬ、検討しなければならぬ問題を含んでおりますので、いまのところ益金率が下がったからすぐたばこの値上げを考えるということは考えておりません。
ことに最近は、専売の目的が財政上の納付金を確保するというのが目的の制度でございますが、最近の実情は、もう国に入る益金というものは、たばこ消費税として地方財政へ出るほうが多くなって、国の取るべき収益のほうは金額が少ないというようなことでございますので、そうなりますというと、国がたばこによる収益をどの辺まで確保しなければ国の財政上困るかどうかというようなことについては、また別個に検討しなければならぬ問題もあると思いますので、そういう意味で、私は今年度のたばこ値上げは考えませんでしたが、これを来年すぐ考えるかどうかということもまだ全然考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/100
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101・田中寿美子
○田中寿美子君 それでよろしいですか、総裁は、いまの御答弁……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/101
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102・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/102
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103・田中寿美子
○田中寿美子君 昭和四十二年三月長期計画中間検討資料というものによりますと、四十三年七月一日値上げの計画、一六・三%というのがございますね。あれはどうなりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/103
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104・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 私どもとしましては、いわゆる三十六年長期計画というものを立てまして、五年ずつの計画を立てたのでございますが、その後の情勢の変化によりましてこれを修正してまいっております。特に、昨年税制調査会のほうからああいう意見が出ましたので、もしも値上げが行なわれた場合にはどうするか。その長計に対しての考え方をまとめるために一応試案をつくってみたのでありますが、そのことを先生がおっしゃっているのだろうと思います。しかし、これはあくまで試案でございまして、御承知のとおり、たばこの全面的値上げというものはほとんどここ十五、大年やったことがございません。二十九年にピースの値上げをいたしまして三十一年に下げておりますが、それ以後は全然たばこの値段というものはいじったことがございません。もしも全面的に値上げをするということになりますというと、これは長計が根本的に狂ってまいりますので、そういう意味での公社の試案として一応検討さしただけで、これは的確に公社の実施案ということには考えておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/104
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105・田中寿美子
○田中寿美子君 私、きのういただいた公社の資料だと思いますが、これによると、たばこは小売り価格が下がったことがあったということを知って、ちょっとびっくりしたのですけれども、その理由を見ますと、大量在庫の処理をはかるために専売益金を確保する、つまり、大量に在庫しているので、どうしても売って専売益金を確保しなければならないために値下げをした場合と、それから今度はまた昭和二十六年には、国の減税措置に対応して国民の負担の軽減をはかるということで値下げしておりますね。で、二十九年には、税制改正に即応して間接税増徴の一環として今度は値上げをしているのですね。三十一年には上級品の需要復元による専売益金の確保という意味で今度また値下げしているわけなんですが、こういうふうに結局在庫の分量によって専売益金を上げなければならないということで、これまで値上げしたり値下げしたりしてきたのじゃないかというふうに思われます。これから先のことなんですが、これは国庫納付金ですね、これは四十二年度の予算では昨年より減っておりますね、二百三十六億円ですか。で、先ほど大蔵大臣は非常に納付金がどんどん減っているようにおっしゃいましたけれども、これまではずっとふえていたわけですね。で、昨年からことしにかけて減ったのは地方交付税のためかと思いますけれども、それはどのくらいですか。地方交付税……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/105
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106・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 大体専売納付金は従来約百億ぐらいずつ、年によって違いますが、百億円ぐらいずつふえてまいったと思います。ただ、ことし減りましたのは、御承知のとおりに、地方たばこ消費税の税率を改定いたしまして、この結果、約二百六十億円程度だと思いますが、国に納める分が消費税のほうに振りかわったというように考えていただいていいのだと思います。したがいまして、それを含めますと、やはりことしの納付金も、そういう措置がなかったとしますと、多少のふえを見ているということになったと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/106
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107・田中寿美子
○田中寿美子君 資金需要のために必要だ、しかも公社で働いている人々の首も切らないということのためには値上げをというふうに考えやすいと思いますので、その辺は私たちはぜひ値上げというふうに持っていかないように要望したいと思います。
次に、大蔵大臣に、今回たなおろし資産増加分に必要な資金の手当て金として、国庫余祐金からの振りかえとそれから資金運用部からの借り入れと、いままでやってきたけれども、間に合わないので、政府側から借り入れられるようにしたい、それから内部留保を、いままでもあったわけですが、もっとふやしたいということだと思いますが、いままで資金運用部資金からの借り入れということを相当類してきておるわけだったのですが、これが窮屈になっていくということは資金運用部資金の需要が非常に多くなっていくということだろうと思いますが、この際お伺いしたいと思うのですが、大蔵省の資金運用部資金の財源ですね、財源は一体どこから来ておるかということと、総額と、ちょっとお知らせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/107
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108・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) こまかいことでございますから、かわってお答えいたします。
運用部資金の現在の金額は六兆三千七百五十四億円ということになっております。これは五月末の数字であります。それの大宗を占めますものは郵便貯金でございます。それからその他は特別会計——いろいろな特別会計があるわけでございますが、そういうところの積み立て金あるいは一時手元の余裕金というものでございます。要するに、政府が持っておりますお金で財源には使えない、お預かりしておる金あるいは積み立てて運用しておる金、こういうものがございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/108
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109・田中寿美子
○田中寿美子君 ことしの財政投融資資金は二兆三千億円ばかりでございますが、その二兆三千億円の原資というものはやはり資金運用部資金に入っておりますところのいまおっしゃったようなものだと思うのですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/109
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110・中尾博之
○政府委員(中尾博之君) 資金運用部資金の運用と財政投融資計画とは、完全に間口が合っておるわけではございません。資金運用部資金はいま申し上げましたような、政府がお預かりして、あるいは政府が積み立てておかなければならない金を運用いたしておるわけですが、その大部分は長期にわたって運用できる金でございます。それから、政府の信用でございますから、比較的金利が安い、低利長期の資金であるわけですが、一部やはり短い預託を受けておるものもございます。それらを、とにかく利息を一ときも積まないわけにいきませんから、運用いたしております。その運用いたしておりますうちで、長期にわたって運用いたしますもの、これは財政投融資の財源になるわけです。ただし、六兆幾らと申しますのはいままでの累積でございまして、毎年度の財政投融資というものは新しく積み立てられる、ふえる原資ですね、その分のうちの長期の分をもって計画を立てます。しかし、これは財政投融資の二兆三千億にはとても及びませんので、たとえばことしで申しますというと、二兆三千八百八十四億と申しますのが財政投融資のワクでございますが、そのうち運用部資金をもって充てます分は一兆四千九十四億円、そのほかの部分は簡易保険のやはり同類の長期の資金でございますとか、あるいは政府関係機関におきまして起債をいたします。これは政府が保証するわけです。いわゆる政府保証債と申しますそういうもの。あるいは同じく政府が、まあ保証はいたしませんが、あっせんをいたしまして整えて差し上げる公募の地方債でありますとか、そのほか政府関係機関が政府のあっせんによりまして民間から拝借するような借り入れ金でありますとか、そういうものを財源にいたしまして、それで財政投融資計画を考える、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/110
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111・田中寿美子
○田中寿美子君 資金運用部資金への需要が非常に多くなって、私、財政投融資なんかからの要求が非常に多くなったということなども、今回の資金操りのむずかしい一つの反映じゃないかというふうに思っているのですが、市中銀行から借り入れるということになりますと、これは公社のほうは利子がずっと高くなると思うのでございます。それはどうですか。
それから、市中銀行その他というのは、その他民間というのはどういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/111
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112・海堀洋平
○政府委員(海堀洋平君) 前の点は理財局長からお話があるのだろうと思いますが、要するに、やはり運用部資金に対する財政投融資その他の需要から見まして、専売公社が運用部から貸していただきたいと申しても、資金の余裕がない場合には貸してもらえないという事態も考えられると思いまして、民間からの借り入れの規定を置いたわけであります。しかし、その借り入ればあくまで補完的に考えておりまして、運用部資金でめんどうを見ていただける限りは、できるだけ民間からの借り入れば避けていきたい。ただ、運用部資金に余裕がない場合には民間から借りたいと思っております。とりあえずは、やはりこれは葉たばこに関係する金融でございますので、農林中金あたりが望ましいかと思いまして、とりあえずは農林中金あたりから、もし必要があれば借りることを考えております。その場合の条件は、まだ借りる事態になっておりませんので、正確には話しておりませんけれども、運用部から借ります六分五厘よりはやや高い程度ということで落ち着くのではなかろうかと予想いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/112
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113・田中寿美子
○田中寿美子君 時間がありませんから、もう一点だけにいたします。
いままでこれは電電公社とか国鉄なんかは政府外から借り入れを許されていたわけなんですけれども、専売公社の場合はもっぱら資金運用部資金と国庫余裕金から資金繰りしていたわけですね。大蔵省の方針では、これは大蔵大臣にお伺いしますけれども、いままで外部からの借り入れを許さなかった。それが今度はそれをしてもいいということになったのはどういうわけなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/113
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114・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) この借り入れ金が必要になる一つの原因は、政府へ益金を納入する、これは民間のように手形で納入するわけではございませんで、即金でございますから、そういう点で金繰りの必要は出てくると思うので、問題は、政府にその金を納めさせるための金融でございますために、いろいろな必要が出てくるのでございますから、これは政府自身がめんどうを見て資金繰りをつけるのが当然でありまして、したがって、ほかの公社とは違って、専売公社に対しましては全部この預金部資金で引き受ける。これがまた筋として当然でございますので、そういう意味で別にほかから借りるということをさせなかったということでございますが、今度は、先ほど申しましたように、たなおろし資産がこういうふうに相当ふえてきて、年々これが大きくなる、もうことしあたりは一千何百億というものが予想されるということになりましたら、いつ預金部資金の借り入れに困ることがないとも限らぬというときに備えるためのものでございますので、1預金部資金でまかなえる限りは専売公社の資金繰りのめんどうを見る、そういうのが本則でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/114
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115・田中寿美子
○田中寿美子君 それでは、あくまでそれは足りなかったときの対策というふうに考えてよろしいのですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/115
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116・水田三喜男
○国務大臣(水田三喜男君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/116
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117・田中寿美子
○田中寿美子君 それで、まだちょっと時間ありますから、もう一点お伺いします。
これは公社の総裁のほうにお伺いしますけれども、先日国民の米価審議会というのがございまして、それに出席しておりましたら、そこに出ておりました農民から提起されたことなんですけれども、葉たばこの等級制について、農業基本法によって、耕作面積の基準を三反歩あるいは四反歩以上しか葉たばこの納入は許可しない。優秀な葉たばこを生産するためにそういうふうにしたために、それ以下の小さな耕作者は仕事を取り上げられるという状況になってきたということが言われたのですけれども、そのことははたして妥当かどうかということ。それが一点と、もう一つは、等級の高いものほど非常に高く格づけしている、そして等級の低いものは非常に安く格づけしているために、等級の高いものをつくり出す比率というものは少ないので、非常にそういう点で耕作農民が買いたたかれるということを言っております。その辺の御説明をお願いしたいと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/117
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118・東海林武雄
○説明員(東海林武雄君) 現在の耕作面積は八万七千四百五十ヘクタール、これは昨年度と今年度とは変わっておりません。ところが、耕作農民の数からいきますというと、従来三十三万といわれておったのが三十万台に落ちてきております。落ちてきておりますということは、いまの農家の事情からいたしまして、一人当たりの面積が非常にふえてきたということなんであります。しかし、公社の方針といたしましては、それを零細農家のほうはつぶれてもいいのだというような考え方はしておりません。そういうことは何かの間違いじゃないかと私は考えておりますが、ただ、農家の実態からいきますというと、非常に小さな面積でやっているのが引き合わなくなってきているという実情はあるだろうと思います。その点はよく調べてみたいと思っております。しかし、公社としましては、そういう零細農家が成り立たないということはございません。
それから、その次の点は、まあいまのたばこの需要からいきますというと、どうしても良質の葉というものを要求されますから、良質の葉というものの指導方針は強めております。下級葉のものは、まあこれは先生御存じでしょうけれども、たとえばバーレー種というような種類のものは輸出をやっているのでございます。ところが、その輸出が、もう輸出価格というものが壁にぶつかってしまって、いまの段階では若干輸出値段でマイナスになっている種類もございます。でありますから、まあだんだん国内の国産葉を主体にして輸入葉を従にするという方針からいきますというと、国産葉はどうしてもいいものをつくっていただかなければならぬということは、これは当然なんでありまして、そういう指導方針を現在とっておりますから、あるいはそういう面で下級葉のほうが非常に値段が買いたたかれる、こういう感じを持たれるかもしれませんが、実際においてはそうじゃないということなんでございまして、収納価格審議会におきましても各種類ごとの値段をきめております。それで、こういう値段でなければならぬのだということで、これは委託生産のようなかっこうになっておりますから、この点は将来ともそういう傾向にいくのじゃなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/118
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119・田中寿美子
○田中寿美子君 それでは、これで終わりますけれども、この専売益金は国家の収入にとって大事だということは私どももよく承知しております。しかし、そこに非常に矛盾があって、たくさんたばこをのまなければ、みんなが吸わなければ益金があがっていかないというようなことから、値上げの心配があるので、その点をぜひ値上げしないようにしていただきたいという点と、それからこの益金をあげさせるために販売関係のものに対して非常に強い指導といいますか、合理化と申しますか、割り当てみたいなことがあって、非常に強制されるようなことがないように要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/119
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120・竹中恒夫
○委員長(竹中恒夫君) 本案に対する質疑は、本日はこの程度といたします。次回は七月十一日(火曜日)午前十時より開会いたします。
それでは、本日はこれにて散会いたします。
午後零時三十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514629X02519670706/120
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