1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年六月一日(木曜日)
午前十時二十七分開会
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委員の異動
六月一日
辞任 補欠選任
熊谷太三郎君 岸田 幸雄君
岡本 悟君 木暮武太夫君
金丸 冨夫君 小柳 牧衞君
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出席者は左のとおり。
委員長 仲原 善一君
理 事
林田悠紀夫君
占部 秀男君
原田 立君
委 員
岸田 幸雄君
小柳 牧衞君
沢田 一精君
高橋文五郎君
津島 文治君
中村喜四郎君
林田 正治君
鈴木 壽君
林 虎雄君
松澤 兼人君
松本 賢一君
市川 房枝君
政府委員
自治政務次官 伊東 隆治君
自治省行政局長 長野 士郎君
事務局側
常任委員会専門
員 鈴木 武君
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本日の会議に付した案件
○住民基本台帳法案(内閣提出)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514720X01119670601/0
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001・仲原善一
○委員長(仲原善一君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
住民基本台帳法案を議題といたし、まず、提案理由の説明はすでに聴取しておりますので、これより補足説明を伺います。長野行政局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514720X01119670601/1
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002・長野士郎
○政府委員(長野士郎君) 住民基本台帳法案につきまして補足説明をさせていただきます。
住民に関する届け出とか、記録の必要性という問題につきましては、これはもう申し上げるまでもないところでございまして、現行制度におきましても、各種の行政の目的のために、住民に関する届け出なり、その記録についての法制がいろいろととられているところでございます。
まず、記録の必要性という点から申しますと、住民にとっての日常生活上、住民であるという地位に関する証明が必要な場合があらゆる面で少なくないわけでございまして、そういう意味での地位に関する証明という問題が一つでございます。
第二番目には、国民あるいは住民の基本的な権利でありますところの選挙権の行使のための選挙人名簿というものを整備しておくという必要が、これももう当然であります。それから第三番目には、各種の行政事務の処理というものが、結局は住民を対象にして行なっておるわけでありますので、行政事務の処理のために、住民把握の必要のあることは、これはもう申し上げるまでもないところでございます。
具体的にはいろいろな問題が出てまいるわけでありますが、そういうことでございます。そういうことになりますというと、その次の問題といたしましては、住民がどこに住んでいるか、そうしてまた住んでいる住所を変更するというような場合に、常にそれが正確にあとづけされまして、そうしてその移動というもののだびごとに必要な届け出というものが励行されなければならないということになるわけでございます。その場合に、やり方としては、職権といいますか、行政機関あるいは市町村というような側におきまして、責任をもって住民を把握するというやり方もできるわけでございますが、結局現在のように、社会経済の変動が非常に激しいときに、人口の流動が非常に激しいというような場合には、住民の側の協力を待つということが必要になるわけで、したがいまして、届け出を住民に求めるということが必要になってまいりますが、その場合には、申すまでもなく、極力簡易な方法でその協力を求める方式をこしらえていくということも忘れてはならないところだということになるわけでございましょう。
現行法におきますところの住民に関する届け出とか台帳制度には、現行制度におきましてはいろいろ問題がその面であるわけでございまして、たとえば、住所の変更等に関する届け出ということになってまいりますというと、住民登録あるいは選挙人名簿の登録、あるいは国民健康保険、国民年金あるいは食糧の配給等、現行法では、先ほどから申し上げておりますように各行政事務ごとに別個の届け出をしなければならない、こういうことになっておるのでございます。御案内でございましょうが、お手元に差し上げました資料の二四ページでございますが、二四ページをお開き願いますと、「現行住民に関する届出および台帳に関する調」というのがございまして、いま申し上げたようなおもだったものにつきましての届け出の内容の概略をお示ししておるわけでございます。そういう意味で、ある意味では非常に多岐にわたっておるということになりますし、また、これを見ていただくとわかりますように、一つの届け出で済みますところが、多くの届け出が重複しておる、こういうことになっておるわけでございます。そうして、重複をしておりますし、それぞれの制度間における統一がとれておらないわけでございまして、そういう意味で、市町村の行政事務の処理という上からは、非常に合理化をはかるべき余地があるわけでございますし、また、住民の側から申しましても、非常に問題があるわけでございます。そういう意味で住民に関する台帳は、いま申し上げましたように、住民登録あるいは国保あるいは国民年金等、それぞれ台帳の制度があるわけでございます。
それで、さらに一番基本になりまするような関係になっておりますのは住民登録法でございますけれども、御承知のように現行の住民登録法は、住民の居住の関係、居住の公証ということを主たる目的としておりまして、各種の行政事務の処理に資するということは終局のねらいとはしておりますけれども、直接関係の行政事務との結びつきというものは明確でない。明確でないというより、むしろ結びついていないということになっておるのでございます。ただ、そのために、多くの市町村におきましては、この十数年来、窓口事務の改善ということに非常に努力をしてまいっておりまして、最近は市町村の窓口事務も非常に改善をされておるわけでありますけれども、そういう意味でさらに合理化し、改善くふうをしようといたします場合に常に問題になりますのは、現行の諸制度に基づきますところの届け出なり記録なりの整理というものが、それぞれ別個の形を要求しておりましたり、重複いたしておりましたりすることを統合することが、各市町村の任意にはできないという点が最大の合理化のためのむしろ隘路になっておるという状況でございまして、そういう意味で、そういう諸制度の相互間の関連というものを検討すべきだという意見が非常に強くなってきたわけでございます。
そういうことにかんがみまして、昭和三十九年の八月に、総理府設置法の一部が改正されまして、住民台帳に関する制度の現状から、この合理化のための調査審議をいたしますために、住民台帳制度合理化調査会というものが設けられたのでございます。この調査会は、慎重に調査審議をいたしました結果、昭和四十一年の三月に答申をいたしまして、その答申で、住民台帳制度の現状にかんがみまして、窓口事務の改善をはかり、国民に便利な行政を推進する、同時に市町村にとっても能率的、合理的なもので、市町村の実態に即した弾力的な行政運営のできるような制度を確立すべきだという考え方のもとに、各種の台帳を統合して新たに住民基本台帳をつくる、これを各種の行政の基本にする。同時に第二番目には、各種の届け出を極力統合する、また、基本台帳を行政の基本にいたしますために、常時その実態と台帳との間の一致をはかりますために点検いたしましたり、訂正をいたしましたりするために、定期実態調査を実施することがよかろう。それから、そういうことをいたしますために基本法を制定すべきである。こういうような内容の答申があったわけでございます。住民台帳制度合理化調査会につきましては、お手元の資料の最初のところに掲げておりますが、調査会は三十九年の八月から審議をいたしまして、関係の各省の意見を聞きましたり、あるいは具体の市町村についての実態調査等もいたしましたりいたしまして、そうして四十一年の三月に答申をいたしたのでございます。
この住民基本台帳法案は、この調査会の答申に基づきまして、それを基礎にして立案いたしたものでございます。「住民基本台帳法案関係資料」というのがお手元に差し上、げてございますが、この中の住民基本台帳法案要綱に即しまして御説明申し上げたいと思います。
第一に「総則に関する事項」でございますが、いま申し上げましたような経緯で基本台帳を整備することになりましたので、この法律の目的といたしましては、まず、「市町村において、住民の居住関係の公証」、これは従来の住民登録法が目的としておったものでございますが、「公証」、それから「選挙人名簿の登録その他の住民に関する事務の処理の基礎とするとともに住民の住所に関する届け出等の簡素化をはかるため、住民に関する記録を正確かつ統一的に行なう住民基本台帳の制度を定め、もって住民の利便を増進し、あわせて国及び地方公共団体の行政の合理化に資することを目的とする」、こういうふうにあらわしておるのでございます。結局、いろいろな届け出あるいは公証関係というものも、全部そういう意味では行政事務の一部でございまして、それの基本になりますところの住民に関する記録を正確に統一的に行なっておくことによって、それらのあらゆる行政目的に役立たしめることができる、こういうことをまずねらいにいたしまして、同時に、できる限りこの基本台帳法案におきまして、関係の深い行政との結びつきを法律の上ではかるというのがこの法案のねらいとしておるところでございます。
第二番目に「国及び都道府県の責務」、これはあとには「市町村長等の責務」と、こう書いておりますが、「国及び都道府県の責務」というものをまずあげておりますのは、従来からの経緯にかんがみまして、国とか都道府県が、それぞれの行政目的に従って異なった届け出制度その他をつくってまいりましたことが、現在の不合理といいますか、不統一を来たした結果でもございますので、そこでまず、この住民の住所の変更等に関する届け出を一本化する、そして基本台帳を整備して、基本台帳に基づいて住民に関する事務を行なうということについて、みんなそういう考え方でものを行なうようにしなければいけないという、ものの処理の基本についての体制といいますか、責任を明らかにするような趣旨のことを法律の上で明言をして、明記しておくということにいたしたわけでございます。
それから三ページのところで、第二、「住民基本台帳に関する事項」ここのところが住民基本台帳の内容についての問題でございまして、市町村長は住民基本台帳作成の義務を負うわけでございます。そういう意味で各市町村が住民基本台帳を備えまして、住民についての記録を常に整理をしておく、こういうことに相なるわけでございますが、個人を単位とする住民票ということにいたしまして、それを世帯ごとに編成するというのを原則としております。ただ、まあ場所によりましては、いわゆる住民票を個人を単位にしないで世帯の単位にすることも可能だということにいたそうとしておるのでございます。
それから「住民票の記載事項」でございますが、三ページから四ページのほうにまいりますと、これはまあ原則としては、現在住民登録法によりますところの住民票の記載事項とほほ同じでございます。氏名、出生の年月日、男女の別、世帯主についてはその旨、世帯主でない者については世帯主の氏名及び世帯主との続柄、戸籍の表示、住民となった年月日、住所及び一の市町村の区域内において住所を変更した者につきましては、その住所を定めた年月日、それから、新たに市町村の区域内に住所を定めた者につきましては、その旨の届け出の年月日、いつからその市町村の住民になったか、期間の計算等をいたすこともいろいろな法令で要求をしておる場合がございますので、そういう年月日を明記することにいたしました。
第九番目には、選挙人名簿に登録されている者について、あるいはまた国民健康保険の被保険者あるいは国民年金の被保険者、米穀類の消費者等に関する事項を明記することにいたしておるのであります。これは関係の台帳の統合に伴いまして、新たに加えたことでございまして、従来の住民登録法にはなかった事項でございます。
住民票はそういうものを記載することにしておりまして、そうしてまた、その閲覧とか写しの交付とかというようなことも、現在の住民登録法によりますところの住民票と同じように、何人でもこれが利用できるということにしておるのでございます。
それから六ページのところにまいりまして、六、
「選挙人名簿との関係」でございますが、将来選挙人名簿につきましては、選挙人名簿の登録は、この住民基本台帳に記載されておる者で選挙権を有する者について行なう、すなわち、住民基本台帳の登録に基づいて選挙人名簿を調製していく、こういうことにいたしますための基本規定を台帳法の中に置いておるのでございます。具体的にはこれは、この附則におきまして、いろんな準備の都合等もございますので、公布の日から二年以内に政令で定める日からこのことは実行するということに、この法律の附則の一条のところで規定をしております。そういうことにいたしておりますが、これは、選挙人名簿というものは、国の選挙、地方の選挙でございますが、すべてそういう選挙人名簿の調製方式というのは、全国一定の時点で新しい方式に乗りかえるときは乗りかえていくほうがいいという考え方もございますので、この選挙人名簿との関係、登録は住民基本台帳に記載されておるものについて行なうという新しい方式は、一定の時点で、この法律の公布の日から二年以内の一定の時点から実施する、こういうことにいたしております。で、その際にはその二年以内に——もう一つは、現在の公職選挙法の附則の二十項に、選挙人名簿の登録につきましては、住民基本台帳において行なうという制度を、二年以内に選挙法を改正して実施しなければならないという規定を、この基本台帳法の附則で、公職選挙法に書き入れることにいたしておりまして、そういう意味で、新しい制度に乗り移りますまでには、公職選挙法もそれに合わした改正を行なう、こういうことに結びつけておるのでございます。
それから六ページのまん中にありますところの戸籍の附票に関することでございますが、従来住民登録法におきましても戸籍の附票というのをつけておりまして、それはこの住民票に記載されております事項をそれぞれ本籍地の戸籍に附票とし
てつけることによりまして、住民登録あるいは住民台帳の内容の正確さを保証するというやり方でございますが、その点につきましては、住民登録法と同じように戸籍の附票という制度を踏襲をすることにいたしております。住民登録法の戸籍の附票も、現在、市町村長が市町村の区域内に本籍を有する者につきまして、戸籍を単位にして附票を作成するわけでございます。その附票には、戸籍の表示、氏名、住所、住所を定めた年月日等について記載することにいたしておりますが、同じことを住民基本台帳法におきましても踏襲をいたそうとしております。
第四番目には「届出に関する事項」でございまして、住民としての地位の変更に関する届け出、住民としての地位の変更に関する届け出は、すべてこれは行なうわけでございまして、転入届け、転居届け、転出届け、いろいろございますが、転入届けにつきましては、新たに市町村の区域内に住所を定めます者は、転入した日から二週間以内に市町村長に転入届けをしなければならない。ここで新たに加えましたことは、転出証明書という制度を設けまして、前の住所地からの転出をするものだというものを添えまして届け出をしなければならない、こういうことにいたそうとしておるのであります。現在選挙人名簿、被選挙人名簿におきましても、同じように一種の転出証明をつけて届け出をするということになっておりますが、大体同じような考え方でおるわけでございます。それから転居届け、転居と申しますのは、一の市町村の区域内において住所を変更した者も、やはり二週間以内に転居届けを出してもらう。それから転出届けと申しますのは、市町村の区域外に転出するという者は転出届けを出す、この際に転出証明書をもらう、こういうことに相なってくるわけでございます。それから世帯変更届けと申しますのは、住所の変更は伴わないけれども、世帯または世帯主の変更について世帯変更届けを出す、こういうことでございます。
届出の方法は、もちろん原則としては本人が行なうわけでございますけれども、世帯主は世帯員にかわって届け出ができるということにいたそうとしております。届け出の方式は、もちろん口頭ということもあり得るわけでございますが、この法律では書面でするということに統一をいたしまして、その間の疑いがないようなかっこうにいたしたいと考えております。
それから届け出につきましては、先ほど申し上げました住民票には、国民健康保険とか国民年金の被保険者であるとか、米穀類の消費者であるとかいうもののその関係の事項についても記載をすることになっておりますので、そういう関係法律に基づく届け出を統合する必要がございますので、必要な事項を付記するということにいたしておるのでございます。
それから第五番目は、雑則あるいは罰則のことでございますが、住民基本台帳は、記録が正確であることがどうしても必要でありますし、また、その記録に基づきまして住民に関する行政を行なうということに相なりますので、住民の権利義務に重要な関係を持つわけであります。したがいまして、正確性を担保いたします意味合いからいたしましても、不服申し立ての制度というものを設けます。また、関係市町村との間で住民把握についての意見が異なる、住所の認定について意見が異なるという場合が出てくるわけでございます。そういう場合の措置というものも規定をいたしておりますが、都道府県知事が決定をするというようなことにいたしております。それから三番目には、調査でございますが、住民の住所の認定、住民の実態把握をいたしますためには、やはり実態を調査いたして、正確性を確保するという必要があるわけでございます。そういうことで、原則として定期に住民票の記載事項について調査をするということにいたしておりますが、また、必要があります場合にはいつでも調査できることにいたしました。それから調査に従事する者の秘密保持の義務等の規定を整備をいたしておるのであります。
それから一二ページにまいりますが、四番目に、資料の提供というのがございまして、国の行政機関や都道府県知事は、所掌事務について必要があるときには資料の提供を求めて各種の行政の基礎にする。それからまた、住民票に記載されております事項は何人も閲覧もできますし、写しも求めることもできるわけです。そのために住民台帳を整備するわけでございますので、そういう趣旨のものを明らかにしておきたいということでございます。
それから五番目に助言、勧告。主務大臣とか都道府県知事が、この住民基本台帳についての正確性を担保いたしますために、いろいろと助言や勧告をする道を開こうとしております。この主務大臣は、この六のところに書いてありますように、自治大臣といたしておりますが、ただ、戸籍の附票に関する部分につきましては、法務大臣と自治大臣といたしております。また助言、勧告に際しまして、国民健康保険とか国民年金に関する事項については厚生大臣、米穀類の消費者に関する事項については農林大臣と協議の上で行なうということにいたしております。元来、住民基本台帳に関する事務は市町村の事務であると考えられますので、報告の要求とか助言、勧告に関する規定の整備をいたしたのでございます。
これらと関連して申し上げますと、住民登録法は、従来法務大臣を主務大臣といたしておりましたのでございますが、各種の行政につなげた住民の地位に関する記録の整備というかっこうにいたしましたために、従来の住民登録法におきますところの法務大臣、地方法務局、市町村という系列を改めまして、自治大臣、都道府県知事、市町村長、こういう系列にいたそうとしておるのでございますが、ただ戸籍の附票に関しましては、法務大臣を自治大臣とともに主務大臣にするというかっこうで、従来の地方法務局あるいは市町村長というところを従来のようにつないでおこうとしているのでございます。
その次に一四ページにまいりますが、一四ページに罰則がございますが、罰則は、主として調査いたしました際に知り得た秘密の漏洩というものはいけませんので、これに罰則をかける。それから、質問なり文書の提出の要求に対しまして非協力でありましたり、虚偽の陳述をするというようなことでありますというと、記録の正確性が担保されませんので、最小限度の罰則、それから虚偽の届け出、あるいは届け出を怠るというような場合に最小限度の罰則をかける。これは従来住民登録法その他の関係の罰則関係と均衡をとりながら、罰則を設けるということにいたしておるのでございます。
それから第六番目に、「附則に関する事項」でございますが、施行期日につきましては、この法律は、公布の日から起算して六ヵ月をこえない範囲内で政令で定める日から施行する。国会で法律を成立さしていただきました場合には、おおむね法律の実施は本年の十月ないし十一月ごろから実施をさしていただきたいというふうに考えておりますが、ただ、先ほど申し上げました選挙人名簿との関係あるいは地方税法の改正規定との関係等につきましては、法律の実施が、それぞれの市町村が四十四年の三月三十一日までに基本台帳を整備するということで、二年間に台帳を整備するということにしておりますので、その二年間に整備されたころに、まず選挙人名簿である、基本台帳に基づいて調製される規定が一斉に動くようにいたしたい。それから、その整備された次の年の一月一日から、いわゆる地方税における住民税の課税の基礎になる台帳として実施していく、こういうことにいたそうとしておるのでございまして、こういうことに伴いますところの選挙人名簿の登録とか市町村民税に関する規定というものは、台帳の整備を待って実施をするということにいたしておるのであります。
それから第二番目には、先ほど申し上げましたような住民登録法との関連におきまして、一切住民登録に関する事務をこの住民台帳の役割りの一つとして引き受けることにいたしましたので、住民登録法及び住民登録法施行法を廃止することにいたしております。
それから三番目は経過措置、先ほど申し上げました市町村は四十四年の三月三十一日までに住民基本台帳を整備するということにいたしておりまして、個々の市町村にそれぞれ実情ございますので、法律が施行になりましてからそれまでの間に、できるだけ早い時期に市町村ごとに整備をいたしまして、最終のゴールを四十四年の三月三十一日ということにいたそうとしておるのでございます。
関係法律の一部改正、先ほども申し上げました公職選挙法の一部改正、現在この住民台帳法ができました際に、公職選挙法の一部を改正してしまっておくこともいいというようなことで考えたのでございますけれども、これは何さま二年後くらいなところで行なわれるわけでございます。現在選挙法を改正してしまいますというと、実際問題として混乱を生ずるおそれもあるわけでございますので、その二年以内にまた公職選挙法を改正しようというかっこうの形で、その改正は、住民基本台帳の記録に基づいて選挙人名簿の登録を行なうというたてまえで改正をするのだということを明記をしておこうということにいたしまして、公職選挙法の一部改正を行なっておるのでございます。ただ、一六ページに書いておりますように、それまでの間におきましても、住民基本台帳の記録に基づいて選挙人名簿の登録を行なう制度が実施されるまでの間におきましては、市町村の区域内に住所を有するに至ったために、現在の選挙人名簿の登録の申し出をするという制度が現在は行なわれるわけでございますから、それと、住民基本台帳の届け出というものとを統合しておくことのほうが便利であろうという意味で、選挙人名簿の登録の申し出をする者は、この基本台帳の転入届けとあわせて申し出をすることができるということにつながりをつけておく、こういうことにいたしておるのでございます。
それからその次に、地方税法の改正は、これも先ほど申し上げましたように、個人の市町村民税の課税は、原則として、住民基本台帳に記録されている者に対して行なうということにいたしました。ただ、まあ市町村としては、記録されていない個人で市町村に住所を有する者がある場合がございますが、そういう者に課税できないということでも困りますので、そういう者にも課税できる。しかし、それは法律上は記録されている者とみなして課税するのだ。したがって、その場合には、住民基本台帳の記載をいたすといいますか、登録をいたしまして、それとあわせるということに考えておるわけでございますが、そういうふうにいたそうという地方税法の一部改正も附則で規定をいたしております。
あとは国民健康保険法あるいは国民年金法等に関する届け出を統合するに必要な関係規定の整備という意味で、国民健康保険法なり国民年金法の一部を改正しておるのでございます。
その他基本台帳法の実施に必要な関係の規定を整備いたしております。
補足説明を以上で終わらせていただきたいと思います。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514720X01119670601/2
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003・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 委員の異動についてお知らせいたします。
本日熊谷太三郎君、岡本悟君及び金丸冨夫君が辞任され、その補欠として、岸田幸雄君、小柳牧衛君及び木暮武太夫君がそれぞれ選任されました。
速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514720X01119670601/3
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004・仲原善一
○委員長(仲原善一君) 速記をつけて。
しばらく休憩いたします。
午前十一時六分休憩〔休憩後開会に至らなかった〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514720X01119670601/4
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