1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年四月二十日(木曜日)
午前十時二十二分開会
委員の異動
三月三十一日
辞任 補欠選任
小平 芳平君 鬼木 勝利君
四月三日
辞任 補欠選任
二木 謙吾君 源田 実君
四月十九日
辞任 補欠選任
柏原 ヤス君 多田 省吾君
四月二十日
辞任 補欠選任
山崎 昇君 鶴園 哲夫君
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出席者は左のとおり。
委員長 豊田 雅孝君
理 事
八田 一朗君
伊藤 顕道君
稲葉 誠一君
委 員
源田 実君
柴田 栄君
三木與吉郎君
森 八三一君
山本茂一郎君
北村 暢君
鶴園 哲夫君
中村 英男君
中沢伊登子君
国務大臣
国 務 大 臣 塚原 俊郎君
政府委員
人事院総裁 佐藤 達夫君
人事院事務総局
任用局長 岡田 勝二君
人事院事務総局
給与局長 尾崎 朝夷君
人事院事務総局
職員局長 島 四男雄君
総理府人事局長 増子 正宏君
事務局側
常任委員会専門
員 伊藤 清君
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本日の会議に付した案件
○国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調
査(人事院勧告に関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/0
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001・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
去る三月三十一日、小平芳平君が辞任され、その補欠として鬼木勝利君が選任されました。四月三日、二木謙吾君が辞任され、その補欠として源田実君が、四月十九日、柏原ヤス君が辞任され、その補欠として多田省吾君がそれぞれ選任されました。また本日山崎昇君が辞任され、その補欠として鶴園哲夫君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/1
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002・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査のうち、人事院勧告に関する件を議題といたします。
なお、関係当局からの御出席は、佐藤人事院総裁、岡田任用局長、尾崎給与局長、島職員局長、以上の方々でございます。
それでは、質疑のある方は、順次御発言を願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/2
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003・伊藤顕道
○伊藤顕道君 まず、人事院総裁を中心に二、三日お伺いしたいと思いますが、と申しますのは、人事院勧告の時期がことしも近づいてまいりましたので、その観点からお伺いするわけですが、いままでの人事院の勧告を見てはっきりここで言えることは、たとえば官民給与の較差とかあるいは消費者物価の高騰あるいは生計費の高騰、こういうものに見合うところの勧告がなされていなかったということ、このことははっきり言えると思うのです。いつも毎年のことながら下回った勧告がなされてきた、こういう数字の出た根拠とその理由についてまずもってお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/3
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004・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) かねがね私どもの勧告に際して堅持しておりますところは、民間の給与水準というものを大きなよりどころにいたしまして、せめて公務員の給与をそれに合わせていこうというところが基本の態度になっておるわけであります。したがいまして、根本の考え方から申しますというと、いまおあげになりまた物価あるいは生計費というようなものも民間の給与の中に一応は織り込まれておる。
あるいはまた、賃上げの闘争のスローガン等を拝見いたしましても、やはり物価上昇、生計費の上昇というようなことを大いにうたわれて、そしてその結果、賃上げの結果を得ておられるというところからもこの点は推測できるだろうと思います。基本的にはそれらの要素は民間の賃金の中に一応織り込まれておる。したがって、特にそれをまた別に取り出して、われわれの勧告の率等をきめるだけの根拠には使っておらないわけであります。ただしかし、これを全然無視するわけにはいきませんから、これも御承知のように、たとえば高校卒の初任給をきめます場合に、標準生計費というようなものをわれわれのほうで計算いたしまして、それをささえに使っておる。これは御承知のように、平たく民間と比べました初任給よりも、このささえによって相当上がっているという場面も最近ございます。そういう形でこれをわきの、横合いからの資料として取り入れている、こう申し上げてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/4
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005・伊藤顕道
○伊藤顕道君 たとえば一昨年の官民給与の較差については、数字をあげますと五・六%と出ておるということ、ところが、この低い数字に対して総裁御自身も、全く予想外の数字でどうしてこういう数字が出たか、よく検討してみたいと、当委員会でお答えになっているわけです。そうして昨年はさらに一昨年を下回った数字となったわけであります。これは五・二%であったと思います。
このような数字が出たということについては、いま一部お答えがあったわけですけれども、これはこの際十分に検討を要する問題だと思います。そこで今年は現在ただいま四月の時点で官民給与の較差の調査中であろうと思うわけですが、今年こそそういう批判の出ないよう深い配慮があってしかるべきだと思うわけです。この点について重ねてお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/5
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006・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いまおことばにありましたように、私自身驚いたということはこれは率直にここで申し上げたわけでございます。そのとおり正直に感じたわけであります。ただこれはあとでいろいろと検討いたしましてみますというと、従来やっておりませんでした前年度のいわゆる春闘の積み残しというようなものを前の勧告の際に相当これを消化してしまったというようなこともございましてそういう結果になったものと思います。要するに、われわれとしては、絶対に計算の間違いはないという自信だけは持っております。したがいまして、その態度は今後もあるいはことしも堅持してまいります。民調の結果を正確にとらえましてそうして較差を正確につかみ、それにぜひ追いつかしていただくという態度で調査に臨むつもりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/6
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007・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年の勧告の内容を見ますと、民間とか公労協、この面が春闘で一昨年を上回る賃上げを獲得しておるわけです。そこでまず水準についてみますと、一昨年の七・二%を下回る六・九%、これは諸手当を含めてです、平均約二千八百円になろうかと思います。それから体系については上厚下薄で、逆戻りしている。たとえて申しますと、俸給表の引き上げ額の最低最高の較差を見ますと、たとえば教育職の第三表で見ると、五倍になっておる。上と下では五倍の開き。同じく第二表では五・七倍というように上厚下薄で昨年の場合は逆戻りしておるということが言えると思います。なお、諸手当については、わずかに手直しておるということが見られるわけですけれども、まあこういうふうにきわめて遺憾な結果となっておるわけです、その内容について、そこでもう過ぎたことですが、ことしこそはかような批判のないように、心して十分な合理性のある検討があってしかるべきだと思う。この点についてお答えを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/7
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008・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 去年の公労委の仲裁裁定との関係につきましてもお触れになりましたけれども、これも先ほど申しましたように、私どもは私どものデータを慎重に使いまして、またこれを信頼して数字をはじき出しておるのでございますからして、公労委のやり方がどういう方法で計算されておるのか、結論について出しておられるのか、これはわかりませんから、われわれと同じ形でやっておられないことだけははっきりしておりますので、結果において違いがくるということも、これもやむを得ないことだと思います。ただし、いまお触れになりましたように、扶養手当その他の関係をわれわれのほうで少しふやしておりますから、それをプラスいたしまするというと、大体公労委の場合に数字は合うという言い方はできますけれども、こんなことは別に結果においてそうなっただけの話で説明にはならぬと思いますが、そんな点で大きな違いはまあないだろうという言い方ができると思います。で、いまのおことばにたびたびありましたように、ことしの場合も、基礎的には従来の基本的態度を維持してまいります。したがいまして、われわれとしてはその資料に基づいて誠実に作業を進めてまいりたい。
この一言に尽きると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/8
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009・伊藤顕道
○伊藤顕道君 お答えに対して満足しておるわけではございませんけれども、時間の関係もあって、一応概括的にお伺いするわけですが、そのことについてはもう重ねて質問はなかったから、了解したんだろうと、そういう誤解があってはいけませんから、あらかじめお含み願いたいと思います。
次にお伺いしたいのは、人事院の行なうところの民間給与の調査について一点だけお伺いしたいと思います。これは昨年もそうでございましたが、企業規模については百人以上、それから事業所規模については、昨年も五十人以上であったわけですね。で、この点は昨年の場合もいろんな角度からお伺いしたわけですが、事業所の規模五十人以上というのは公務員のそのものを民間に換算いたしますと、大企業ということが当然言えると思う。そこでそういう観点から見ても、官民給与の較差として事業所の規模五十人以上というのは過小であろうと思うのです。そこでことしはいま調査しておるわけですが、ことしの調査は少しは前進があったと思うわけですが、ことしは百人ぐらいを調査しておるんではなかろうかと思うのですが、この点はいかがですか。そしてまたその点について人事院としてはどのようにお考えになっておるか、あくまでも事業所の規模五十人以上で妥当であるとお考えなのか、こういう点を明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/9
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010・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的な考え方としては二通りあると私は思います。すなわち企業の規模ということを国の場合について考えてみますというと、これほど大きな企業というものはほかに匹敵するものがないというぐらいなことは言えるわけでございます。したがいまして、その職員の給与をきめるについても、高度の大企業というものと比べるべきじゃないかという考え方が一つございますが、これは遺憾ながらわれわれのほうでは従来その考え方をとっておりません。やはり国民、勤労者の全体の水準をつかんで、そしてせめてそこまでは追いつかしていただきたい。まあ見方によっては非常に謙虚な立場だということも言えるかもしれませんけれども、やはり現在の経済情勢その他においてはその行き方が、納税大衆その他の支持を受けるゆえんであろうというところから、そういうやり方でずっとまいっております。そこでやはり全国の私企業の中の少なくとも過半数に当たるようなところをとらえないとそういう考え方には合いませんから、従来は五十人以上でやっておりましたけれども、これは百人以上といたしまして、そして事業所規模は五十人ということで、一昨年ですか、その前からそういうふうにやっておるわけであります。これで大体全体の企業の半数以上を占めるということになりますものですから、これをだんだん人数の規模を上げてまいりますと、そのカバーする範囲が狭くなってくるというので、基本的な最初に申し上げました考え方とははずれてくるということで、われわれとしては今日のところ、やはり百人以上、五十人以上ということを堅持するほかないというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/10
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011・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この事業所の規模をいまのところ五十人以上ということでやっておると、そのことについては非常に問題があろうと思うのです。そこでここで掘り下げて各面から追及したいところですけれども、これはまた別途の機会に譲るとして、たとえば男女の比率ですね、それから学歴、こういうものは官民比較してみても、公務員のほうは民間より男子が多い、それから学歴も高い、こういうことははっきり言えると思う。数字をあげて裏書きできるわけです。そういう観点から見ても、当然その点だけから比較してみても、当然公務員のほうが高くなければならぬことになるわけです。そこで官民の較差において、こういうような点が一体配慮されておるのかどうか、これは現実にそういう問題があるんですね。そういう問題について当然の結論としては公務員のほうが高くなければならぬと思う、その点だけを考慮しても。ほかにもいろいろ要因がございますが、この点はどういうふうに配慮しておるのか、こういう点をお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/11
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012・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いま学歴、年齢等のお話がございましたが、私どもの調査では、まず職務の種類、性質、それから学歴のいかん、それから年齢いかん、あるいは地域の要素、それから男女というような、いまお示しになったようなことはちゃんととらえて、そしてそれ相応のところで突き合わせておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/12
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013・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次にお伺いしたいのは、物価の上昇ということについて、これは勧告にどのように反映されておるかということです。最近の物価の上昇については、ここで申し上げるまでもなく非常にとどまるところを知らない高騰をしておる。
これに対して公務員の諸君は、いわゆる生活防衛の立場から大幅賃上げあるいはヨーロッパ並みの賃上げ、こういうことを叫び続けてきておる。これはもう生活防衛の立場から当然である。ところが人事院は公務員の利益を守る唯一の立場にあるわけです。したがって、そういう立場からこの点について十分物価の上昇ということが賃上げに反映されていなければならぬと思う。ただ従来の例を見ると、あまりこれは顕著に反映されていない。この中に物価上昇も含まれておるんだと、そういう程度の説明にすぎないわけです。この点はまことに遺憾のきわみだと思う。この点は一体どう考えられておるのか、この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/13
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014・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 基本的な考え方は、先ほど総論的に申し上げたとおりでございまして、物価そのもの、生計費そのものを裸で取り入れて全体に大きな影響を及ぼすという考え方は、全体の給与の構成に影響を及ぼさせるというような立場はとっておりませんが、しかし、たとえば去年の場合などを見ますと、相当物価が上がっておった。これで一体このままで見過ごし得るかどうかというような気持ちは、これはもうわれわれとして当然持ちます。したがいまして、後にまたお話が出るかもしれませんけれども、たとえば扶養手当というようなもので配偶者の手当をふやすことによってある程度の生活防衛の役割りをつとめさせようというな配慮をしておるわけでございます。全然これを無視しているわけではないわけです。ただ、ことしの資料によりますと、それらの上がりは去年ほどではどうもなさそうだという気持ちは持っております。そういうわけで常に関心を持って見守っておるわけであります。また、この四月現在でどうなりますか、これもわれわれとしてははっきりした数字を出して、勧告の際にはそれをつけて御報告申し上げたいという気持ちでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/14
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015・伊藤顕道
○伊藤顕道君 公務員の給与決定の要件として、いま申し上げた要素と並んできわめて重要な要素としてはいわゆる生計費があるわけですね。この生計費は非常に重要な要素であるということは公務員法にも明記されておると思います。この点についても今度配慮されていないのではないか。特に問題なのは、先進国のその例を見ると、おそらく先進国の大部分の国が夫婦二人の生計費を基準にしておる。特に英国のごときは夫婦と子供一人、いわゆる親子三人の生計費を基準にしておる。
ところが、先進国だという日本の場合は、言うまでもなく独身男子十八歳の東京都における生計費が依然として基準になる、こういうところからも日本の給与は非常に低いという点が出てくるのではないか。そこで、公務員の皆さんがヨーロッパ並みの賃金ということにはいわゆる夫婦二人の生計費を基準にしておる、こういうことも当然考えられると思うのです。まあ英国の場合は例外としても、これは親子三人です。これは別としても、多くの先進国は夫婦二人の生計費を基準にしておるという点と日本の場合を比較してみると、相当開きが当然出てくるんじゃないか。その生計費というものについて、総裁としては一体どのようにお考えなのか。したがって、日本の場合は男子一人の生計費が基準になるから、結局学校を出て何年かして結婚しても夫婦生活ができない。そこで必然的に共かせぎしなければ生活できない、こういう問題も起きてくるわけですね。そういうことになると、人道上の問題にも発展していくわけです。非常に大きな問題だと思います。この点について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/15
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016・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど申しましたように、生計費は基本的な態度としては民間給与の中に織り込まれておると、しかしながら、われわれとしては、やはり一応標準生計費を算出いたしまして、これを少なくともいまお話に出ましたように、独身男子の十八歳程度の初任給をきめるときのささえとしては、これを重要な基礎として使っておるということは表向きのことになるわけです。しかし、私どもとしては、やはり独身者の生計費ばかりでなしに、複数の世帯員を持っておる家庭においてこれがどうなるかということももちろん計算しておりまして、そしてたとえば俸給表をつくります、俸給のいろいろと配分をします場合にも、三人家族でこれでだいじょうぶかなということを常にわれわれ仲間同士では慎重に検討しながらやっておる。したがって、そういう意味では非常にこれに力を入れて考えておりますということを申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/16
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017・伊藤顕道
○伊藤顕道君 人事院は毎年高校卒の初任給については、標準生計費をいわゆる算定した上で、これに合わせて俸給表をつくるということをやっておるわけであります。そうして物価を一応考慮しておる、こういうふうに答弁されておるわけです。他の俵給については考慮されていないのではないか、この点をひとつ明確にしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/17
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018・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっといまの最後のところをもう一度、他の何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/18
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019・伊藤顕道
○伊藤顕道君 人事院が高校卒の初任給について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/19
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020・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) わかりました。それも先ほどちょっと触れたつもりではございますけれども、二人、三人の場合もわれわれは算出をしているわけです。してあれを発表しております。二人世帯、三人世帯ともどもこれはわれわれとしてはいわばばか正直なということになるかもしれませんけれども、ちゃんとわがほうで計算したものを発表したわけであります。したがいまして、そういうものを発表するからには、いまの初任給以外の俸給表の割り振りについても、これで食えるのかと言われたときに、だいじょうぶだということを申し上げられるだけの心がまえをつくっておかなければいけませんから、先ほど申しましたように、表向きには申し上げませんけれども、内々にはこれでだいじょうぶか、これでだいじょうぶかと、他の金額を盛り込むときにも十分慎重に配慮してやっておりますということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/20
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021・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、ここでお伺いしておきたい点は、先ほど来一部申し上げましたが、人事院の給与の引き上げ率について見ると、いまお伺いした物価の引き上げ率にいつも及ばない。やはり物価の引き上げ率に見合うところの給与引き上げでないと、ほんとうの意味の改善にならぬと思うわけですね。ということは、むしろ物価の引き上げに追いつかなければ、むしろ給与の改悪と言わざるを得ない。少しも改善ではない。こういう点についても、これはもう毎回のことですが、特にことしの場合もそういう点が十分配慮があってしかるべきだと思うのですが、これはもう毎年問題になる点で、いつも物価の引き上げ率には及ばないで、いつも下回っている、こういうことなんですが、これは毎回問題になる一つの問題であるのでお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/21
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022・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 一口に申し上げますれば、一般の民間労働者の皆さんの得ておられる給与の水準は絶対に公務員の諸君にも保証していきたい。また、そうしていただきたいという気持ちですべてを考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/22
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023・伊藤顕道
○伊藤顕道君 一昨年の勧告の場合、いわゆる俸給表の改善においては中位等級以下の職員の給与改善に重点を置いた、こういう説明があったわけです。ところが、昨年の場合は、中位等級以下への配慮はわずかの、いわゆる昇給間差額の是正にとどまっただけであって、何ら配慮がされていない。本年はこの点はどういうふうに考えておられるのか、これから勧告がなされるわけですが、この点についての配慮はどうなのか、この点をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/23
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024・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 去年の場合も、そうはおっしゃいますけれども、はでな形で中位等級以下のほうに重点を置いたという形になっておりませんけれども、しかし、御承知のように、たとえば扶養手当、配偶者に対して幾らというふうなことは、これは俸給本俸のいかんにかかわらず、一定額で、固定額でいくことであります。通勤手当などもそういうたてまえでいきますものですから、そういう点もあわせて勘案いたしますと、やはり中位等級以下の人のほうが、総合的にはやはり見ていただいておるという言い方もできると思います。ことしはまだこれからのことでございますが、いまたびたびおことばにありましたことを十分勘案いたしまして、適正な処置をとりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/24
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025・伊藤顕道
○伊藤顕道君 物価上昇で一番影響を受けるのは、何といっても中位等級以下の職員だろうと思うんですね。そこで一昨年、昨年のごとく、改善率の少ないときにはまずもって中位等級以下の職員に対する優遇策を、しっかり踏まえて考慮されてしかるべきだと思うんです。そこで昨年の場合ですが、昨年と一昨年と比較すると、上位等級の場合は一昨年より昨年が非常と有利になっておりますね。ところが、五等級以下について見ると、昨年はぐんと下がっておる。そういう傾向があるわけです。したがって、一昨年に比して上薄下厚という線が昨年は完全にくずれておるということが言えると思います。いま御指摘のあったように、ことしはこれからのわけですから、そういう点はやはり中位等級以下の職員の優遇ということについては一段の努力を頭に置いて配慮をされてしかるべきだと思います。というのは、物価上昇等によって一番強い影響を受けるのは中位等級以下であるという、そういう観点から当然そういうことが言えると思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/25
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026・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 上のほうも御承知のように、指定職の辺のところはずっと据え置きのままで来ております。先ほど申しましたような配慮は十分に加えておりますわけでありますが、いまおことばにありましたように、これからもまた作業に臨みますについては、いまのおことばも十分心に置いて善処をしたいというつもりでおるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/26
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027・伊藤顕道
○伊藤顕道君 昨年俸給表の改定にあたって一部等級の初号をカットしておるわけです。この初号をカットすることによって一般職員のいわゆる昇格はますます不利になるのではなかろうかと考えられるわけです。それに反していわゆる上位等級の試験採用者ですね、こういう方々は非常に有利になるということが言えると思うのです。そこでお伺いするわけですが、一般職員にもしそれが不利になるということになれば、先ほどから申し上げておる中位等級以下を優遇するという立場からそういう点は再考あってしかるべきだと思うのです。この点をお伺いしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/27
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028・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 正直に思い出話をいたしますけれども、この初号カットというのは、昨年の勧告については一番これは問題になりまして、われわれとしてはまことにこれ意外な感じをしたわけです。たとえば組合の諸君にしたところで、大体これを中心にこう追及——責めてこられるというようなことで、これほど意外に思ったことはちょっとないくらいです。この趣旨と申しますのは、何もそういう考え方を全然頭には持っていなかったのでございまして、要するに、これは給与局長から申し上げさしたほうが正確かもしれませんけれども、要するに、昭和三十七年に号俸の間引きをやりました結果、普通の昇格の場合を考えますというと原則としてその初号についての昇格がなくなっちゃったというようなことで、これはもうほとんどむだだろうというような気持ちでそれを削除してしまった。その削除後の形を見ますと、要するに、先ほど申しました三十七年の間引きの前の形にただ戻るだけのことなんです。何もそれだけのことで、われわれは技術的の手当てのつもりでやったことが、わあっとこれをまた中心に責めたてられまして、実ははなはだ意外あるいは心外な気持ちを持ったというのが卒直なところです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/28
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029・伊藤顕道
○伊藤顕道君 これは当然問題になると思うのですが、上位職員の試験採用者にはきわめて有利になるということははっきりしておるわけです。反面一般職員の昇格には相当響くのじゃないか。こういう観点から公務員の方々がまっこうから、有利になるならば反対せぬ、不当に不利になるという観点からやっておる。この問題は別途また深くお伺いすることにして、一応そういう不満のあることを承知していただきたいと思います。その上でさらに御検討いただきたい。なお、別途また詳しくお伺いいたします。
次に、時間の関係で一点だけお伺いしておきますが、諸手当についてです。諸手当についての中で特に扶養手当、これは二十三年以来据え置きになっておった扶養手当について人事院は昨年初めて勧告を行なったわけです、二十三年ぶりに。そこで配偶者の手当をいままで六百円であったものを千円にしたわけです。六百円であったものを千円としただけであって、いわゆる配偶者以外の扶養家族に対しては何らの改善がなされていなかったわけです。そこでお伺いするわけですが、ことしはいわゆる配偶者以外の扶養家族については何か配慮がなされるのかどうか。昨年六百円を千円にしたといっても、昨年の場合民間のほうは大体千三百円であったわけです。昨年民間は千三百円であったものを千円にした、六百円を千円にしたということになるとずいぶん引き上げたようですが、民間に比較するとまだまだ下回っているというふうに思うのです。すべて人事院は民間より下回っているわけです、すべての点で。そこで、ことしはどういう方針で臨まれるのか、この点をお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/29
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030・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これは給与の専門家筋の考え方としては、この扶養手当のようなものは漸次むしろ解消していって本俸のほうに吸収していくべき性格のものだというような考え方も根強くあるわけでございます。したがいまして、先ほどのお話のように、私どもとしても二十何年以来ずっとそれを据え置きのままにきておったわけでありますけれども、しかし、これもまた先ほど私触れましたように、やはり生活防衛というような角度からの一つの手段として、ことに下級の俸給の少ない人たちに対する効果という面から見ると、やはりこれは捨てておけない、ことに今日の状態はまだまだその扶養手当を解消するような事態でもあるまいということで、これは少なくとも私どもとしては相当勇気を出してそうして調査だけはしてみようじゃないかということで去年民間の調査をいたしました。ところが、やはりこの配偶者の手当のほうは、これはその前の調査に比べて相当上がってきておるということで、いまお話しのように、その平均の額も相当上がっておるわけです。したがって、それをとらえてしからば、民間ではいろいろ配偶者に対する手当は会社によって違います、その中で一番多くの会社のとっておる数字は幾らだということで、千円というのが一番多いものですから、それをとらえて六百円から千円ということに上げたわけであります。しかし、これもなかなかやはり部外の給与専門家筋からはもう逆行するものだということでさんざん批判を受けて私ども弁明にこれつとめておるわけでありますけれども、われわれとしては、悪いことをしたとは思っておりません。いいことをしたと思っております。思っておりますが、いまお話しのように、子供の分までどうするかということになりますと、これは去年の調査で子供の分も見ましたけれども、これは大体においてわれわれの公務員のほうの分と見合っておりますから、特に上げなければならぬというデータは出てこなかったということであります。去年からことしにかけてそう大きな変化もないと思いますから、ことしは、扶養手当の調査はやるつもりはないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/30
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031・伊藤顕道
○伊藤顕道君 この扶養手当についても人事院が悪いことをしたなんということは一言半句も申し上げていないわけです。いいことには違いないわけですけれども、まだ不十分ではないか。いま総裁のおことばでも、民間の最高は千円だと言いますけれども、われわれの調査によると千三百円というのも現実にあるわけですね。だから千円が最高だなんということは人事院総裁としては言うまじきことばだ。現実に千三百円というのがあるわけですから、これは訂正しなければいかぬと思います。
それはさておいて、次に通勤手当についてお伺いいたします。これは全額支給については一昨年千百円を千六百円に改定しておる。それから二分の一限度内支給については一昨年二千百円を三千二百円にそれぞれ改定しております。それから自転車、バイクについては、若干の改善をしておる。こういう実態であったわけですけれども、これも悪いことをしたとは、決して申しませんけれども、まだまだ改善のしかたが足りない。いわゆる通勤手当の問題については、その性格上全額実費支給とするのは筋の通った要求だと思いますね。これこれかかったという全額を実費支給と、こういうことについては、大体総裁に対して要請しておるわけですけれども、なかなかこれ実現しないわけです。どうなんですか、通勤手当の性格上、やはり実費全額支給というのは筋が通っておるのじゃないですか、この点いかがですか、どう考えておりますか、この点をお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/31
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032・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 扶養手当について、さておいてとおっしゃってくださいましたけれども、これを、もっとはっきりこの際申し上げておきたいのは、平均はおっしゃるとおり千三百円です、民間の平均は千三百円です。ところが、その千三百円の内訳は、いろいろ具体的にどのくらい各社によってやっておるかということを見ますと、あるいは七百円やっておるところもありますし、千円やっておるところもある。千二百円やっているところもある。千五百円やっているところもある。それをずっと並べてみますと、千円やっているところが一番多かったという意味で千円をつかまえましたという趣旨でございますから、その点は御了承願います。うそを言ったわけではございません。
それから、いまの通勤手当の問題は、全額支給が筋じゃないかというおことば、まことにごもっともでございます。ともあれ、筋であるかどうかは別として、われわれの立場からいうと、そうありたいという気持ちをもっておることは、これは偽らざるところでございます。ただし、先ほど来申し上げておりますように、われわれとしては、民間のほうをやはり十分に見た上で、これは臨むべきだという態度をとっております関係から、われわれのほうの昨年の通勤手当の場合にいたしましても、全部が全部、実費とは言っておりません。
ただし、御承知のように、千六百円までの分は、これは全額にしておるわけです。それをこえる分は二分の一ということで、もちろん頭打ちはございますけれども、部分的には全額制度をとっておるということが言えるわけですが、これは、たまたま民間の場合は、全額制度をとっておるところと、一部支給制度をとっておるところと、まあ大体半々ということが実情でございます。それを勘案して、からみ合わせて、そういう結論をとっておるわけです。ことしの場合は、別に去年のような大きな運賃改正というようなこともないようでございますから、調査をするつもりはございません。去年の場合の考え方は、そういう趣旨でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/32
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033・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、住宅手当についてお伺いしますが、人事院の調査によっても住宅手当の支給事業所の割合、これは漸増して、手当の額もふえている。これは人事院調査によって、こういうお答えがあったわけです。だが、しかし、実際となるとなかなか住宅手当は実現は見ていない、いままで。そこで、ことしは住宅手当については、どのようにお考えか、これから態度が最終的にきまろうかと思いますが、いま総裁としてはどのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/33
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034・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 住宅問題が、実は私どもここ数年来の一番の悩みの種でございました。
非常に家賃その他の上昇のために公務員諸君が困っておる。ことに、これも率直に申し上げますと、私どもの公務員の場合につきましては、国設の宿舎に入っておる人と、それに入っておらない人とのアンバランスというのがもう一つあります。実に、これは私どもとしても苦しい問題で、今日まで悩んできておるわけです。そこで民間の住宅手当についての調査も、これだけはもうしつこいぐらいに毎年毎年続けてやっておるわけです。ことしもこの住宅手当の調査はやるつもりでおりますが、しかしながら、民間の場合は、まだまだこの住宅手当を支給しておる事業所というものの数から申しますというと、圧倒的な多数というところまでいっておりませんし、かたがた私どもの立場として申しますというと、官民の較差というものをつかんで、その中で本俸に幾ら、手当に幾らと配分するというたてまえから申しますと、やはり本俸にこれをもっていくのか、住宅手当のほうにこの原資を割愛するということになりますというと、住宅手当らしい金額をそのほうに割愛するとなると、本俸のほうを犠牲になってもらわなければならぬという、そのバランスの関係もございます。両方の問題があって、今日まで、まだ実現をしておりませんし、ことしの調査がどうなりますか、それによって新たな立場から考えなきゃならぬことだとは思っておりますけれども、そういうことでございます。しかし、いま触れましたように、公務員宿舎というものの充実は、これはぜひお願いしたい。住宅手当の問題の裏の問題として、これは政府としても大きく考えていただきたいということで、勧告と合わせまして、毎回総理大臣あるいは大蔵大臣、総務長官のところに参りまして、あるいは文書でこれを要望申し上げたこともございます。強くお願いをして、幸いにしてことしの予算でもふえております。だんだんとそのほうの充実はさしていただいておるわけであります。いまのところは、そういう面をもあわせて御措置を願わざるを得ないだろうというつもりで、今日とにかく重大問題として大きな関心を持っていることはそのとおりであります。事実でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/34
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035・伊藤顕道
○伊藤顕道君 次に、教職員の超勤手当についてこの際一言だけお伺いしておきたいと思います。
これは人事院はたしか三十九年であったと記憶しておりますが、そのときの勧告で、支給すべき方法を明らかにして、超勤の支給を勧告したのだから、あとは文部省が研究して予算化すべきだ。こういうことで、いわゆる当時中村文部大臣であったと思いますが、大臣に要請した、口頭で要請しておるということのお答えがあったけです、この前のそういう問題で。
そこでお伺いするわけですが、その後この問題一体どうなっておるのか。これはもちろん文部省が主管の問題でありますので文部省にもお伺いせにゃいけませんがきょうは時間の関係で総裁としてのお考えをお聞きしておきたいと思います。おそらく公務員で、特に教育公務員で、地方公務員の場合、超勤手当のないのは、おそらく教職員関係だけだと思いますが、そういうふうに不当に差別のあるのはどういうわけか。それはもちろん、総裁としては文部省に口頭ではあれ、一応勧告したのだから、もうあとは私の責任ではないと、文部省は検討して予算化すべきだと、そりゃ、一応そういうことだと思いますけれども、やはり人事院としても関心を持たざるを得ない。そこでお伺いするわけですが、深いことは文部大臣にお伺いします。人事院総裁としてのお考えを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/35
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036・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 実際上の問題は、いまおことばにありましたように、やはり地方の先生方の問題だと思いますが、これは、理屈としては、筋の問題としては、私どもの態度はきわめてはっきり申しておるわけであります。いま御指摘になりました昭和三十九年の給与勧告の際に、報告書の中でその点にわれわれ触れておるわけです。いやしくも現行制度のもとにおいては、正規の時間外勤務を命じた以上は、超過勤務手当を支払うのが当然だということをうたっておいて、なおしかし、教員の勤務というものは、相当普通の公務員の場合とは違うから、それについて基本的な、根本的な実態の調査をやられる必要がある。また、それに基づいて根本的な制度の検討が必要だろうという態度をとっておるわけでありますが、したがいまして、その筋から、いまお話に出ましたように、中村文部大臣をおたずねして、そういうことをわれわれは考えるのだ。御同感ならばぜひその実態調査をやっていただきたいということをお願いした結果、これは御承知のとおりでありまして、実態調査が大規模に進められておるわけであります。ことしの夏ぐらいには結論が出るのじゃないかと思っております。われわれはまたその結論が出ましたら、それによっていろいろ考えるべきことがあるかもしれない。しかしながら、現在は、そういう調査の段階にあるというようにわれわれは承知しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/36
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037・伊藤顕道
○伊藤顕道君 なお、あわせて、警備員制度についてこの際お伺いしておきたいと思います。これはもちろん文部省が主体な問題でありますが、学校の警備員設置問題は目下国会でも検討しておると思うのですが、国立大学の場合もすでに大部分が実施しておる。そこで人事院が国家公務員を対象とする関係で一応勧告を見合わしておる、そういう態度のようですが、これはやはり関係深いので、この際人事院総裁としてはこの問題についてはどうお考えか。その他の問題については文部大臣にお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/37
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038・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 警備員の制度、これは私どもの直接の所管ではないと思いますけれども、大体先生方の要望を聞いておりますというと、宿日直の手当がどうのこうのというような形でこの警備員制度の問題が背景になって給与問題としてわれわれのところに出てくるというのが実情でございまして、その意味で無関心であるわけではないのであります。われわれが文部大臣にお会いしますときには、警備員を大いに置いていただいて、教育に専念すべき学校の先生にはやはりすべての精力をそのほうに回すようにしていただきたいということはプライベートの形ではたびたび申し上げております。正面から申しますというと、私どもとしては、警備員制度を置いて本来の教職員の先生のお仕事の肩の荷を軽くしてあげたいという気持ちは持っておりますけれども、警備員制度を置きなさいという形まで積極的にこれを申し出るべき立場にはないのじゃないかという気持ちを持っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/38
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039・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それでは総裁に最後に春闘の積み残し分についてお伺いして、それからあと総務長官にお伺いしたいと思いますが、春闘の積み残し分については、従来の総裁の御答弁では、これは異例の事実であるから、いわゆるこれを付加することは異例の措置である、こういうふうな意味のお答えをされてきたわけですが、毎年同じことが繰り返され、いわゆる恒常的になっておるのですね、現実的には。そこで本年は、本問題に対してはどのようにお考えになるのか。総裁はかつてこの調査機関等についても検討する必要があるというその時期の問題ともからめてお答えがあったわけですが、もし検討されだとするとどのような結論を得ておられるのか、こういうことをあわせてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/39
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040・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いま調査の時期の問題にお触れになりましたから、これはちょっとはっきりしておかないと混同されると思いますから触れておきますが、最近まで政府機関を大いにわずらわして、まあ総務長官あたりにたいへん御苦労を願っておる勧告時期の問題これは勧告完全実施を期するための名案はないかということで調査時期の問題、勧告時期の問題ということになりますが、いまおっしゃったような意味の調査時期の問題はそれはまたちょっと別の問題としてここで申し上げたわけです。それはすなわち近ごろのように春闘が非常におくれてきて、夏になるようなことがある。夏の闘争ということになるのじゃないかというような形勢さえ見られる今日の状態を続けていかれるならば、これは四月に支払われた給与を調べるということは全然ナンセンスになります。したがって、それならそれでわれわれとしては調査時期のほうをもっとはっきり先回りして先のほうで押えなければならないという意味での調査時期の変更につながるだろうということを申し上げておったわけでありますが、現在の考え方としてはまだそこまでの確証をつかむわけにはいきませんし、やはり四月に支払われた給与というものを基礎の資料としてこれを判断の材料にするということでいかざるを得ないと思うのです。ただし、これがここ数年来、先ほど申しましたようないわゆる春闘のおくれというものがあって、だんだん数字の面で結果においてはあまり正確なものではない形になっておる。それでわれわれとしては、完全にこれを無視していいかどうか、その分は翌年回しでいいのかどうかという問題はわれわれとしては放置できませんから、これもかねて民間調査の際に付帯的な調査をやっておりまして、四月中には支払われなかったけれども、調査員が行った時期までには妥結して、そうして四月にさかのぼって支払われたかあるいは払われることがきまったということをつかまえてきております。それをずっと見てこれは非常に多いということになればこれは異常な事態である、先ほどのおことばにあったように、これは異常な事態だし、それを無視するわけにはいくまいということで、いわゆる積み残しとしてそれを考慮してまいったわけであります。したがって、これは異例な措置、異常な措置であるということで今日もおるわけであります。調査だけはいたします、こういう態度でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/40
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041・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それでは総務長官もだいぶ先ほどから待っておられますので、以下総務長官に二、三お伺いしたいと思います。
人事院が調査の結果検討して案をつくる、ことしの場合、今後の問題ですが、従来から公務員の給与についていつも勧告について当然に完全実施すべき立場にある政府として毎年これを破ってきておる。そういうたてまえから基本的な態度について二、三以下お伺いしたいと思うわけです。
まずお伺いしたいのは、昭和二十三年の十一月九日のいわゆる六千三百七円ベース、それ以来二十九年に経済情勢の関係で勧告の保留があったことを除いては毎年これが行なわれてきておるわけです。そこでいわゆる所要財源は年によってもちろん多少違いますけれども、いわゆる既定の経費としての性格を帯びてきたことは何人も否定できないところだと思う。そういう観点から一体完全実施という点については、いま政府としては、特に給与担当大臣としての総務長官としてはどのように考えておるのか。また、毎回どおりいいかげんなことで濁してしまうのか、この際まとめて給与担当大臣としてのお考えをお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/41
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042・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 人事院勧告制度の趣旨にかんがみ、これを尊重することはこれは時期の問題を含めまして当然のことでございます。なおいまいろいろお述べになりましたような今日までの経緯にかんがみ、またさらに、両院における附帯決議等もございまするので、今年度においては従来批判のあった点を幾らかでも直して前進さしたいという気持ちで、給与関係の六人委員会という閣僚会議がございまするが、これを中心としていまいろいろ検討をいたしておるところでございます。それぞれ案を持ち寄ってただいま検討の段階でありますので、ことしこそひとつ何か批判めいたものを受けないような措置をとりたいと政府は目下努力中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/42
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043・伊藤顕道
○伊藤顕道君 三十五年から三十八年度までの問は結局十月実施として五カ月を削っておる、それから三十九年度以降昨年までこれは九月一日実施として四カ月分をカットしておられる、これは政府の一方的な措置によってこういうことがなされてきておるわけですね。その累計は、カットされた月数は昨年までで締め切って大体三十二月分になる膨大なものです。公務員一人当たりは私ども計算によるのと約十三万八千円、一人の当然受くべき損害が十三万八千円になる、公務員全体では約三千億にもなるわけです。これは人事院が苦心して勧告をしたその改善率を当然に低下することになるわけです。これは当然の結果そうなるわけです。にもかかわらず、政府のたてまえから人事院の勧告の内容は尊重する。けれども財源がなかなか苦しいので、実施の時期についてはと、いつも同じことを繰り返しておる。ところがそれは、勧告の内容と実施の時期というのは切り離しできない問題だ。実施の時期をずらせば改善率は下がってくるのは当然です。小学校の子供でもこの程度のことはわかるわけです。ところがお尋ねすると、勧告は尊重する。内容はそのまま実施する。実施の時期については財源云々で、同じことを言い続けてきておるわけです。そういうごまかしはもうこの辺でかなぐり捨てて、ひとつ文字どおり尊重するなら完全実施してしかるべきだと思う。この点いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/43
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044・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 従来のあり方、これは私タッチいたしておりませんからわかりませんが、おそらく財政上の状況とにらみ合わせての処置であったと思います。また、先ほども申しましたように、従来のマンネリズムをこの辺で打破しなければならぬ。ずいぶん批判があることも承知をしておるし、特に両院における決議等もございますので、せっかく努力いたしておるので、いま伊藤委員のおっしゃたようなものを加味しながらいろいろな案を持ち寄って、いま六人委員会で検討いたしておる最中でございまして、ことしこそ幾らかでも前進の態勢をとっていきたい、このように日夜苦慮いたしておるわけでございます。できるだけ御趣旨に沿いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/44
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045・伊藤顕道
○伊藤顕道君 たとえば、数字をあげるとはっきりしますが、一昨年の場合は勧告は七・二%であったのに、これはいまの九月実施ということになってしまったので七・二が四・五%というふうに低下してしまっておるわけですね。それと、昨年の場合は六・九に対して四・三と低下しておるわけです。これは明確にはっきり出ておる。ところがお伺いすると、勧告は尊重しないとは一言も言わない。必ず、口ぐせのように勧告は尊重いたします。少しも尊重していないじゃないですか。こういうふうに内容は改悪されておるわけですが、改悪しておいて尊重ということは言えないはずですが、にもかかわらず、従来言い続けてきたわけです。これはきわめて遺憾なわけですが、勧告を尊重するなら、いわゆる勧告の内容の質を低下しないように、それが尊重だと思うのですね。この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/45
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046・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) できるだけの努力をいたしていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/46
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047・伊藤顕道
○伊藤顕道君 総務長官は特に給与担当大臣としての責任があるわけですが、いまお伺いしてがっかりしたわけですが、私は、いささかでも完全実施したいという意味の発言があったわけですが、これは聞き捨てならぬわけです。ことしこそ、抜本的に、いわゆる政治生命をかけて解決したいと、こういう意味でおっしゃれば了解できるわけですけれども、いささかでも前進をはかりたい、そういう決意のほどでは、なかなかこの問題は解決しないわけです。
そこで、よく御理解いただくために、さらにこの問題を続けたいと思いますが、昨年六人委員会でも、あるいはまた閣議でも、勧告の内容はそのまま実施する。けれども財源がないので、実施の時期については勧告どおり五月実施できない、九月実施だ。そういう意味の愚にもつかない結論を出しておるわけです。九月実施の場合ですね、−昨年は九月実施であったが、九月実施で、勧告の内容はそのまま実施することになるのかならないのかということです。この点をお答えいただきたい。余分なことはお答えなくていい。このことだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/47
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048・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 増子人事局長。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/48
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049・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いやいや総務長官にお伺いしているわけです。簡単なことです。あなたにあとでお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/49
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050・増子正宏
○政府委員(増子正宏君) 大臣からお答えいただけると思いますれけども、質問の御趣旨が大体……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/50
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051・伊藤顕道
○伊藤顕道君 それならもう一回言います、そう端的におっしゃっていただけば。
昨年ですね、六人委員会でもそれから閣議でもいま申し上げるような意味の決定をなしているわけです。勧告の内容はそのまま実施する、けれども財源がないので、実施の時期については、勧告どおり五月実施ができない、九月実施だと、これが昨年の六人委員会で協議の結論であり、これが閣議に持ち込まれてそのまま認められた結論である。そうすると、これをそのまま私どもが受け取ると、昨年は九月実施ですから九月実施している、勧告の内容はそのまま実施することになるのかならないのかということをお伺いしているわけです。勧告の内容はそのまま実施すると言っているのですが、九月実施でも勧告の内容はそのまま実施することになるのか、それともならないのか、そういうことをお聞きしているわけです。簡単なことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/51
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052・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) ことしどういうことになりますか、実は先のことでありますし、私は先ほどあなたがいささかとおっしゃったが、私はできるだけの努力をいたしまして前進したいということを申し上げたわけですが、いまの御質問の御趣旨ですと、人事院の勧告そのままをやるという考えを私はとっておりますが、俸給表その他細部の点にわたりますと、事務的な問題になりますので、人事局長をして答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/52
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053・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私がお伺いしているのは、昨年の六人委員会の結論が即昨年の閣議の結論になっているわけです。その結論をいまテニヲハが違うかもしれませんけれども、結局こういう意味だと思う。繰り返して申し上げます。勧告の内容はそのまま実施すると、けれども、財源がないから九月実施だと、そういう結論を出しているわけですね。でそれを私の立場で解明すれば、勧告の内容はそのまま尊重すると言っていながら九月実施では、勧告の内容のそのまま実施にならぬではないか、矛盾しているじゃないか、そういうことを指摘しているわけです。人事院はああいう昨年の内容で五月一日実施を勧告しているわけです。五月一日に実施すれば、勧告の内容をそのまま実施ということになるわけです。そうですね。五月一日実施して初めて勧告の内容はそのまま完全実施されたことになる。その月を削ってしまうと、完全実施にはならぬのじゃないか、そうすると、九月実施したんでは勧告の内容が完全実施にはならぬでしょうと、どうしてこういう結論を出しておるのか、一国の内閣のこの閣議がこういう愚にもっかない結論を出しておるのか、こういう点をお伺いしているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/53
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054・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 私当時閣僚でございませんので、その問のいきさつはわかりませんが、なるほどおっしゃるとおり、時期が四カ月でございますが、ずれておれば、そのとおりと言えないと思います。しかし、おそらくその勧告のとおりというのは、内容を申し上げたのであって、時期的には財政上の状況からやれなかったということであろうと思いますが、なるほどその五月にやらないことはそのとおりではないという仰せはまことにごもっともだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/54
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055・伊藤顕道
○伊藤顕道君 私はここでなぜこういう問題をお伺いするかということは、もうおわかりでしょうが、勧告の内容と実施の時期というものは切り離しができないわけです。人事院が勧告しておるのは、こういう内容でこれを五月一日実施、そういう勧告をしておるわけです。ところが政府はこれを無理に引きさいて、無理に分けておる。勧告の内容はそのまま実施いたします、五月一日実施する問題については財源がないので九月一日に実施する、そういうお答えがありました。ところがこの内容は五月一日に実施して初めて完全だ、質が低下しておるわけです。そのところをいままで政府はいつも分けて考えておる。無理に引きさいておる。そういう考え方は基本的に間違っているのではないかという点を指摘しておるわけです。そういうためにこういう問題を出したわけです。
なお、お伺いいたしますが、昭和三十七年、三十八年、特に三十八年の場合はこれは池田さんの内閣です、税増収などで財源に相当の余裕のあった年であったわけです。そういう年でも政府は表面は財源がないから、財源が苦しいからということで、その当時は十月一日を実施の時期ときめたわけです。したがって、完全実施をしないほんとうの理由は、断じて財源ではないんです。実施しようとする誠意の問題だと思う。こういう点をはっきりとお答えいただきたいと思います。財源ではないんですよ。政府は財源だ財源だと言っておるけれども、断じて財源ではない、財源を出そうとする誠意の問題、誠意がない、財源ではない、そういうことをはっきりさせるために三十七年、三十八年の例をいま申し上げたわけです。三十八年は相当の余裕があったわけです、財政に。
にもかかわらず、表面は財源がないから、財政が苦しいからという理由でやはり十月一日に実施した。おかしいと思いませんか。これは財源がないのではなくして、繰り返して申し上げるように、財源を出そうとする誠意がないということははっきり言える。それをいままで繰り返してきたわけです。どのようにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/55
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056・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 三十七、八年の例を出されましたが、おそらく当時の財政状況というのが、当時の政治情勢から考えて、その金をよそに回さなければならないことがあったというふうなことがあったのではないかと私は考えております。決して誠意がなかったというようなことはないと思いますが、しかし、いまこの人事院の勧告というこの問題は重要な問題であります。冒頭に申しましたように、私は十分尊重して、時期も含めてということを私は給与担当大臣として申し上げたのも、誠意をもって当たりたいという決意のあらわれでありますので、ひとついま検討中でありますから御了承を得たいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/56
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057・伊藤顕道
○伊藤顕道君 いまの三十七、八年の例は、私はこの点を総務長官に追及しておるわけではなく、ただ、事態を明確にするためにここで引例したわけです。
そこで、なおお伺いいたしますが、同じ国家公務員である三公社五現業については御存じのように、財源についも相当苦しいわけです、一般職の公務員と同様。にもかかわらず、三十二年四月かにら完全実施しておるわけです。仲裁裁定のそのとおり完全実施しておるわけです。特にアルコール専売のごときは、三十年の四月から完全実施である。三公社五現業全体として完全実施は三十二年四月から、いま言うたように、一般職の場合と同様に相当財源が苦しかった、にもかかわらず、建設事業費を繰り延べてみたり、あるいは経費の移用、流用、こういうことで毎年仲裁裁定どおり四月一日に実施してきておるわけです。こういうことをあわせ考えると、どちらも同じ国家公務員、これはおかしいとお思いにならぬですか。あまりにも片手落ちじゃないですか。同じ国家公務員でありながら、しかも条件は変わらない、どちらも財源は苦しい、にもかかわらず、公社現業については三十二年四月から仲裁裁定を尊重して完全実施をしておる。一般職の場合は人事院が誠意を込めて勧告をしておる、これを無視して軽視というよりも、無視して、これを踏みにじってきておる。これはもう公務員公平の原則に反するばかりでなく、これはどなたが聞いてもまことに納得がいかぬわけです。一般職の公務員が完全実施を要求するのは理の当然といわなければならぬと思うわけです。そこでその点について給与担当大臣としてのお考えを聞きたいし、また、人事院総裁としても心外であろうと思う。仲裁裁定は三十二年以来そのまま尊重されておる。人事院の、総裁の、勧告に対してはこれを無視されき続けてきておる。この問題についていわゆる人事院総裁としてもやはりお考えがなければならぬと思う。それぞれお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/57
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058・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 国家公務員の給与を担当するわれわれといたしまして、三公社五現業との関係が一番やはり問題になるところであろうと私は考えております。今日まで、いま伊藤委員のおっしゃったように、三公社五現業の場合にはそういった状況にあることは、これは当然でありまして、それとあわせ考えますときにも人事院の勧告というものを完全に実施して、そういったところに批判の余地をなからしめなければならないということは私も深く考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/58
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059・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) お尋ねを待つまでもなく、私どもとしては、どうしてもこれは完全に実施していただかないと、先ほど来申し上げたような筋が全然通らないという立場から、これを強く念願しておるのでございますけれども、残念ながら、少しずつといいますか、十月が九月になったという多少の前進は見られましたけれども、まだまだ私どもの趣旨とするところまではほど遠いわけです。先ほど心外と思わないかというおことばがありましたけれども、ことばを知りませんけれども、心外ということば以上の強いものをわれわれは感じておるわけです。ぜひ、少なくともことしもし勧告するようなことになりますれば、ことしこそは完全に、それこそ文字どおり、勧告どおりに実施していただきたい。またその節はお願いするわけでございますけれども、その決意でおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/59
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060・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いまの伊藤委員の質問に関連しまして、私もこの点については毎年のように、いま伊藤委員の質問のような趣旨でお尋ねをし、また、歴代の給与担当大臣は誠意をもって努力するというお話なんですけれども、三十五年以来見るべき成果がないわけですよ。三年前から九月一日というのが始まりまして、少しばかり、総裁のおっしゃるような前進を見た。何しろ三十五年以来七年越しになるわけですね。ですから、私はこれは総裁のほうに、まあ、ことしは財源がどうだこうだということじやなくて、財源は相当、税の自然増収の見込みも非常に大きいようですから、ないかもしれない、値切るようなことは。しかし、依然として非常な心配をするわけなんです。
そこで。総裁の勧告に言っているように、昨年でいいますと六・九%ですね、六・九%五月一日から実施すべきであると勧告に書いてある。すべきであると書いてある。しかしそれをやらない。もしやらないというなら、四カ月サバ読まれているわけだから、そうすると四分の一ですわな。四分の一プラスしたものを出したらどうですか。何か大蔵大臣はかって——いまの水田大蔵大臣が大臣のときに、何か予算がきまった直後に、五月から公務員の給与を引き上げるようなやり方については問題があるような言い方をしたことがありますよ。そんなら、九月一日実施でよろしい。そのかわり、去年でいえば六・九%の三割三分増しの勧告をされたらどうですか。九月一日実施でよろしい。しかし、そのかわり三割三分増し、そういうことをやってみたらどうですか。もう人事院としても業を煮やしてしかるべきだと思うし、まあ、去年あたりだいぶ業を煮やしたわけですが、政府のほうもどうもだめなんですよ。歴代の大臣がだらしがないわけなんだ、いつも。毎年なんですよ。だから、もし九月一日の実施ということなら、ひとつ三割三分増し、ちょうど三分の一切り捨てておるわけですから、三割三分三厘増しの九月一日でもいいから、九月一日実施なら三割三分増しで出すということでどうですか。もしそれだったら、予算がきまった直後に五月にさかのぼって補正をする必要はないということになりませんか。業を煮やしておるわけですよ。それでもいいですよ。まあ、利子も若干含めて四割増しでいいですよ。ですから、六・九%だったら四割増しですね、九%ぐらいのものにしちまうのです。そうすれば、何も予算がきまった直後に五月にさかのぼってやる必要もないということになりませんか。総裁いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/60
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061・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いや、ときにはいま鶴園委員のおっしゃるような気持ちにかり立てられることも実際はあります。ありますけれども、そこはまた、筋の問題をわれわれとしてはとうとぶものですから、そこをやはり尊重して考えると、待て待てという結論になるわけです。ことしは幸い、塚原総務長官先ほどのおことばもありましたが、ことしは絶対だいじょうぶと私一応御信頼申し上げておるわけでありますけれども、ただ、その筋の問題と申しますのは、繰り返すまでもありませんけれども、私どもとしては、もう国会がこれは最終の勝負と、これは組合の皆さんにもいつも申し上げてるおわけです。内閣に勧告し、国会に勧告する。国会に直接勧告するというようなことは、これはもう日本の法制上ほとんど異例のことでございます。これは人事院の勧告を非常に重要視しておるという証拠にもなるわけです。国会に直接御勧告申し上げて、国会がとにかくある種の裁断を下された以上は、われわれはもう絶対にそれに承服する、服すると、これはもう民主憲法のもとにおいて当然のことでございますから、それで値切られた分を国会でまた値切られたという感覚は、われわれとしてはどうしても最高機関としての国会に対する考え方としては、これはとれない気持ちがありますものですから、この場でも国会の先生方の絶大なる御協力をお願いする、お力をお願いするということを心から申上げておるわけです。去年あたりは修正していただきたいということまで申し上げたのでありますが、その気持ちはそういうところから出発しておるということをおくみ取り願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/61
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062・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 総裁のおっしゃるのでは、今度給与担当大臣をえらく信頼をしておられるようだけれども、担当大臣どうですか、五月一日実施、いつもだめなんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/62
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063・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 何割アップで要求していくということですか。——これも私のほうで答える筋じゃないと思うのですが、われわれは受けて立つ側でございますので。しかし、おっしゃる趣旨のことはよくわかります。また、事実こういうところで申してどうかと思いますが、私のところは実に守備範囲が広うございまして、たくさん問題があるのですが、就任以来、この問題に一番私関心を持っておりまするし、従来の批判も私知っておりますので、何とかこの際打開したいという強い熱意はあるのですが、したがって、六人委員会でもいろんな案を持ち寄って検討をいたしておるところなんです。その誠意がどういう形であらわれてくるか、先ほどから不規則発言の中にだめだだめだというようなこともありますが、私どもとしてはできるだけの努力をしていきたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/63
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064・北村暢
○北村暢君 いま鶴園委員のおっしゃるとおりなんでね。仏の顔も三度ということがあるけれども、これは三度どころじゃないわけですね。ですから、これはやはり人事院の勧告で公務員は生活しておるわけじゃないのだから、現金が入らなけりゃね。どんなに紙で書いたものでこれだけの生活できますと言ってみたところで、できないのですよね。金入ってこないのに、これだけの生活ができるわけがない。したがって、必ず赤字かなんかになっている。非常に無理をしておるわけです。そのことはもうだれしもわかり切っているんですね。わかり切っているので、したがって、今日公務員の諸君が人事院の勧告というものに対して信頼性を持たない。出されたって実施されないものを何も信頼できないわけですね。こういう点について、いま三分の一の増額したものを勧告したらよかろうと、こうおっしゃる提案ですけれども、しかし、これは昨年も実施時期をどうするかということについてずいぶん検討をされて、そうして、従来の勧告制度で四月調査で八月勧告ということに結局なったわけでしょう。そうであったならば、そうなったいきさつについて——完全実施をするのだということは、これは前の森総務長官の給与担当大臣のときもそう言っておりましたね。調査の段階であるとか勧告以前の段階では、いまの給与担当大臣の答弁のようなことをもう何回も繰り返しているのです。これは同じことを何回も繰り返していて、実施できないのです。これができなかったらできないように、何かその方法を考えるということは、人事院として当然でないですか。これはどうなんですか。これを五年も六年もほっぽらかしておいて、それで勧告は正しいのです、政府が、国会の意思がそうですからやむを得ませんと、これではあなた、公務員はたまったものじゃないですよ。これは何か方法を考えたらどうです。勧告制度そのものに欠陥があるのじゃないですか。これは実施できない勧告をしているのですから、それを検討を何回も今までにやってきて実施できないのです。何か実施の完全にできるような方法を考える段階に来ておるのじゃないですか。どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/64
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065・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの基本的な立場は、現在の勧告の時期等によってこれを進めてその完全実施は不可能だというふうには絶対に思いません。いまのままでも完全実施はむろん可能であるということは確信を持っております。しかしながら、さらに、それよりも以上に完全実施のしやすい方策があるならば、これにこしたことはないわけでございますから、政府あたりのお力も大きくかりていろいろ検討していただき、われわれも検討をしていきたいというのが前提問題であります。われわれとしては、まず当面考えますことは、やはり先ほど来おことばにたびたび出ております公労委の仲裁裁定、これは数百億にのぼる巨額の金がどうして補正予算もなしに出るのだろうかという問題が当面の問題として考えられるわけであります。ああいうような、いま流用とかなんとかというおことばもございましたけれども、そういうやりくりのできるような予算をつくっていただくことは、ひとつ手近の方法として考えられるのじゃないかというようなこと、従来はその方法をまず申し上げておったわけでございます。
いまの問題は前提問題として別といたしまして、先ほどの本年度の切り落とされた分を来年度においてというおことば、また北村委員からもありましたけれども、これは私どもとしては、先ほど申しましたような趣旨から申しましてどうしても、国会が最終の場面である、これだけは動かすことができないと思いますから、どうしてもその次の年はさらに新規まき直しということになる。したがって、国会が最終の御判断をなさるときにいろいろお考え方があるのじゃないか、ひとつのあれをおとりになりようがあるのじゃないかということを考えながら、いつも政府にももちろん強く要望してまいりましたけれども、この場においても声をからしてお力をお願いしているというわけでございますので、何とぞよろしくお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/65
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066・北村暢
○北村暢君 よろしくなんて何ぼおっしゃられても、これはできない。またやらない。これは私どもは完全実施すべきだと言っているわけです。やらないのは政府と自民党なんだ。これは国会の多数の意思だということはそうかもしれませんけれども、これじゃしかし、法律を守れ守れと言ったって、これは公務員の士気にも関係しますよ。
これはたいへんなことだと思うのですよ、政府みずからが国会の意思だからと言って完全実施ができないで五年も六年もくるということは。しかも、ことし完全実施できるという見通しもない。
したがって、私はいま総裁のおっしゃる信念はわかりますけれども、いかに科学的にどんなにやったって、三カ月も四カ月も調査にかかって結論を出してする勧告制度そのものがいいかどうかという問題なんです。春闘で、人事院のようなそんなべらぼうなことをやらなくたって、公労協の団体交渉できまらなければ、仲裁で一月かそのくらいで結論出るでしょう。どんなに科学的にやったって実施できないものを何ぼ科学的に三カ月、四カ月かかってやったって、これはだめですよ。科学的にできたもので生きているのじゃないのですよ。実際に金が手に入らなければそれだけの生活できないことは明らかなんです。したがって、人事院のいままでの給与の調査の方法なりなんなりというものについて、給与法に基づいてやっていることでしょうけれども、そのこと自体を検討しなければならない段階に来ているのじゃないですか。幾らやったって実施できない。政府が尊重しないから悪いと言ってみたって、これはだめです。現実問題としてだめです。もっと簡単な方法で、粗雑であるかもしれないけれども、給与の考え方を根本的に変える必要があるのじゃないか、給与局長もかわったのですから。瀧本さんは十何年も局長をかわらないで、あれは自分のやったことだからとしがみついて離さなかったかもしれぬけれども、局長もかわったのだから、いいかげんに変えていいと思う。だめですよ、こんな実施のできない勧告何ぼやってみたところで。だれが一体公務員の給与を保障する。もう国会がだめならばそれだけだ。当然の権利というものがそれだけで放棄させられてこれでいいということはないでしょう。均衡がとれているなら私は言わない。先ほどから言っておるように、公労協でも民間でもこういう四カ月も実施されないでほうっておかれるということはほかにないじゃないですか。公務員だけでしょう。なぜ公務員だけがそういうふうに四カ月も実施されないでほうっておいてそれでいいという良識——まあ国会が良識ないと言えば良識ないということになるかもしれないけれどもね、これは。そういうまあ完全な国会でないものに対して人事院は対抗策をやはり公務員を守る立場で、考えなければならないのではないでしょうか。だれにたよればいいのでしょうか、公務員は。私は制度全体の問題としてこれはやはり考えてもらわなければならない。それが従来どおり何回か検討されてことしの調査のやり方も——調査要綱は昨年と変わっていないのでしょう。変わっているのですか。昨年と変わっているのなら変わっているところをひとつ説明してもらいたい。
この実施の時期の問題については従来どおりで、いまの熱意の点についてはおっしゃるとおりで、もちろん何も変わっていない。これは調査要綱についてはほかのこまかい問題にいってまた聞きますけれども、これはいま関連して、非常に重要な問題ですから、もう何回となく給与担当大臣に同じことを聞いている。実施の時期の前後において何回となく同じような質問をして、同じようなことをやられて政府が実施されていない。六人委員会での態度については、私はそういうふうに主張しましたけれども私はだめでした、いつもそうです。いつもそうでしょう。それであんた六回も七回も、それじゃことしは承服しませんよ。何ら解決策は出ないというのはおかしいのじゃないですか。伊藤委員も言っておられるように、財源の問題じゃない。これは財源のあるなしにかかわらず——財源ということを言えば、三公社、五現業だって赤字の特別会計を持っているところはたくさんある。それでなおかつ実施している。何ゆえ一般公務員だけ四カ月削られなければならいか。
財源の問題じゃない、これは。しかも、不合理でないでしょう。完全実施するということは何も過分な要求でも何でもない。国会は何回か完全実施しろということを決議していますよ。守らないのは政府じゃないですか。与野党一致して完全実施をやれということを決議している。何回も決議している。それでも政府がやらない。国会の意思を無視して政府が実施しないのじゃないですか。どうですか。六人委員会でその結論を出す自信があるのですか、一体。どうですか、給与担当大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/66
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067・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) いま、ことしこそ何とかしたいという強い決意のもとに努力いたしている最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/67
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068・北村暢
○北村暢君 その答弁、毎回の給与担当大臣がそうおっしゃる。それはまあ努力ということは、努力したけれどもできない、そういう大臣の答弁にきまっている。努力をするということは、努力をする、こうおっしゃるが、努力をしたのだけれどもできませんでしたということです。で、財政担当の大蔵大臣を呼べと言ったってなかなか来やしないですよ。給与担当大臣なり労働大臣はそういうふうに主張する。毎回の六人委員会でそういうふうに主張する。主張するけれども、結局実施されない。これは例年の例でしょう。例年の例を改善する必要がある。同じことを聞いたって——これは速記録を何年問か調べてごらんなさい。同じことを言っている。同じことをやっていてできないのだから信用できないじゃないですか。ことしはできるのですか。また努力するじゃ同じことですよ。それでなければ、何か欠陥があるのだから、完全実施のできる方法、手段というものを新しい方法を考えるべきじゃないですか。何が理由でこの完全実施ができないのですか、その理由をはっきりして、その理由について解決する方法、手段というものを具体的に示してもらいたい。それでなければ承服できないです、努力するだけじゃだめです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/68
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069・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 関連して。いま北村委員の話のとおりなんですね。それで、一体給与担当大臣としてどういう見通しを持っておられるか、それもちょっとはっきりさしてもらわないといかぬ。それから人事院総裁は、私はいままでこの完全実施の問題について、この内閣委員会で論議しましたときに、いまの水田大蔵大臣が大臣だった、そのときは水田大蔵大臣は、新年度の予算がきまったそのあとに、すぐ五月にさかのぼって、四月から予算がきまったばかりのときに、五月にさかのぼってやるということはできないと言っているのです。またいま同じ水田大蔵大臣です。これはおそらく大蔵省の事務当局の見解でもあるだろうと思うのです。そのあと田中角栄大蔵大臣のときに、先ほど総裁がおっしゃったように、三公社五現業の完全実施のやり方を見ると、退職金がからまっておったり、予備費がからまっておったり、いろいろしている。したがって、公務員の場合にあっても、予備費を若干考えてみたらどうか、あるいは退職金なりそういうものを事前にふくらましておくということも考えてみたらどうか、それはできないと、これは前の田中角栄大臣の話。前回の給与担当大臣の森、これは非常に元気のあった大臣ですけれども、やってみせるといわぬばかりの話だったです。それが依然として五月……。だから、これは具体案をはっきりこうしたらやれるというのを出してもらいたいですね。ですから、その点で、私は先ほど言ったように、そういうものを救うために、私は四割増しを出しなさい、来年の五月になったら、その四割増しを削ればいいんですから。たとえばことし七%なら七%をやるなら、九月一日実施なら、四割増しにしなさい、五月一日と同じことになる。来年の五月一日になったら七%落とせばいい、それならいいじゃいですか。何にも予算がきまった直後に五月にさかのぼって修正するわけでもない、補正予算を組むわけでもない。何かそういう具体的な形で総裁は政府を信頼する、給与担当大臣を信頼する、給与担当大臣は大臣として具体的にこうだからことしはやるのだと、こういう考えをはっきり出してもらわなければ何ともこれおかしな話で、気分が悪いですよ。はっきりしてもらいたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/69
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070・北村暢
○北村暢君 関連。いまおっしゃるとおりなんですがね、大臣ひとつね、六人委員会で目下検討中で、そういう完全実施のために努力いたしますというけれども、いま鶴園委員の提案のように、一体いかなる具体案を持ってその給与担当大臣として六人委員会に出るのか。何となく出たんじゃ、これはまただめですよ。どういう具体案を持って、あなたは六人委員会で給与担当の六人委員会の責任者なんだから、どういう案を持っていかれるのですか。ただばく然と六人委員会を開いて、どうなりましょうかということでは、私は承服できぬですよ。これをひとつ明らかにしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/70
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071・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) あらゆる場合を想定いたしまして検討中でございますが、その内容については、いまちょっと発表すべき段階ではないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/71
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072・伊藤顕道
○伊藤顕道君 具体案についてはいまのところ発表できない、こういうような意味ですが、先ほど来お伺いしておるように、完全実施しようとする政府に一片の良心があれば必ずできる。そこでただ抽象論ではいかぬので、こちらから案を示します。たとえば順序としては公社現業のように、まず三十二年に仲裁裁定が完全実施されたのは、政府がまず完全実施という方針を打ち出したからだ、だから財源でないことははっきりしている、給与担当大臣としてもそこでまず一般職の場合でも、人事院勧告を完全実施するという方針をまず大臣が打ち出すべきだ、方針をまずきめなければいかぬ、方針を出せば財源はおのずから解決するわけです。その財源解決の方法にはいろいろ考えられるわけですが、ここでいま二、三申し上げてみると、結局年度当初にいわゆる給与改善費を計上すればいい、おおよその額の。それで不足する場合が多いと思いますので、その場合は予備費で補えばいい、そういう方法も一つある。あるいは次年度当初予算では不足分を計上する、いわゆるあと払い形式を踏んでもできるわけです。あるいは災害対策費のように予備費からとる、災害というのはあらかじめ予測できない、程度までは。そこで災害対策費は予備費から支出しているわけです。そういうことで、これはもうほんの一例ですが、政府にことしこそ完全実施しようとする一片の良心があるならば、必ずできるわけなんです。
こういう方法があるわけです。一回やってみたらどうですか、一回やってみてまずかったら、それを改善すればいい、それが前向きの努力だ、ただ抽象論で努力しますとか、検討しますでは了解できぬと思うのです、この時点では。こういう点について総務長官としては、一体給与担当の当面の責任者ですから、当然責任がある。そこでこういう方法があるのになおそれができないということは、これは繰り返し申し上げるように、財源でなくして完全実施しようとする誠意がない、誠意の問題だ同じことを繰り返し繰り返しまことに能のない話ではないかと指摘せざるを得ないわけであります。そこでこんな筋の通ったことができないというのは、政府の怠慢か無能かと指摘せざるを得ないわけであります。ところが聞くところによると、現内閣には総務長官はじめ有能の士が集まっておると漏れ承っておるので、ことしこそ完全実施する絶好の機会だと思う、一片の良心があるならばですよ、なければ話にならぬ、このことについてただ努力する——先ほど二方の質問に対しても、具体案は言えないとか、とにかく努力する、検討するということでは、もうこの時点では了解できぬと思う。それと、そのことについて給与担当大臣の明確なお答えをいただきたいということと、それから人事院の総裁も総裁だと思う。仲裁裁定が三十二年以来完全に尊重されて、実施されてきておる。ところが長い月日を費やして人事院は人事院としてもちろん真剣に調査したと思うんですね。それが三十五年以来昨年まで踏みにじられてきておる。しかも国会に勧告を報告するということは、これはもう非常にきわめて重大な問題である。その、内閣並びに国会に報告する、事ほどさように重要な案件が無視されてきておる。それに対して人事院総裁としての憤りが少しも見受けられぬわけです。いま少し憤慨していいわけです。そういう怒りをこめての交渉もあったと思うんですが、どのように一体完全実施のために努力されてきたのか、そういう経緯についても承りたい。でことしは一体——今後の問題ですが、一体どうするのか。完全実施するとかしないとかというのは基本方針ですから、勧告を待たずに幾らでも要求できると思う、ことし勧告した場合はどうするかと。そういう観点で事前に努力しなければ、政府はまた、勧告は尊重するけれども財源がないからと、同じようなことを言うに違いない。六人委員会でも全く同じです。お二人が繰り返し追及したように、もうこの時点では許されぬと思うんです、こういう筋の通った当然のことが行なわれないのは。当然行なうべきことを行なわない、このことは憲法の趣旨に反すると思う。それでたまたま公務員に不法行為があればこれを、たとえば完全実施ということをひっさげて、当然の要求を掲げてストなどやれば、これはもう厳罰をもって臨んできておる。憲法の精神に違反した、完全実施もできない政府が公務員を厳罰に付するなどという資格は大体ないと思う。厳罰に付するならむしろ政府を厳罰にしなければいかぬ。そういう筋になってくると思う。そこで、ひとっことしこそは、ただ最高度の努力するということでは了解できないので、はっきりと完全実施の方針をまずここできめなさいよ。方針がきまれば、あと、財源の道は先ほど言ったように幾らでも方法はある。誠意の問題だ。財源を出そうとする誠意の問題だと思う。財源じゃない。三十七、八年の例をとるまでもなく、このことはもう明確なんです。こういうことについて総務長官のただ通り一ぺんのお答えでなく、ほんとうに誠意のあるお答えをいただきたいし、また、人事院総裁としても、やはり完全実施しなければ、長い月日をかかって努力したことがもうほんとうに空費に終わってしまうわけです。そういう意味で全く勧告の意味がなくなってしまう。そうなればいっそのこと人事院の勧告なんていうことは廃止して、公社現業のように、一般公務員にいわゆる労働基本権を与えればそれで解決するわけです。二者択一で、どちらかを選ばなければもうこの際は公務員も納得せぬと思う。公務員が納得しないで、毎年憤慨を繰り返しておるということは、効率の低下という問題にも通ずるわけです。公務員が大きな不満を持っておって、なぜ効率化をはかれましょうか、こういう問題も出てくる。公務員が不平満々で仕事をしておったんでは効率はあがらない、ということは、国の一大損失ということにも通ずるわけです。金で買えない損失がそこにうかがえるわけです。こういう重大な問題であるので、ただ六人委員会なんか出ても意味ないと思う。まずその前に給与担当大臣の責任において、とにかく政治生命をかけて、ことしこそ完全実施をする。政治生命をかけるくらいの決意がなければ、ただ最高度の努力をする、検討するだけではもうこの時点では済まされないと思う。ひとつ腹を据えてお答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/72
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073・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 伊藤委員をはじめ各委員のおっしゃることはよくわかりまするし、私も深刻にこの問題を考えております。もちろん誠意を持って給与担当の責任者としてできるだけの努力はいたす考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/73
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074・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) われわれとしての立場はもうたびたび申し上げたとおりでございまして、いわば、なぜもう少し怒らないかというようなおことばもございました。心の中ではきわめて深刻な気持ちを持っているということはたびたびここの場所での発言の中でも私はおくみ取りいただけるであろうと思いまするし、また、それだけの努力は少なくも私としては年々やってきたと思います。ことしはさらにその上に努力を重ねてまいりたいという決意でいるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/74
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075・伊藤顕道
○伊藤顕道君 時間の関係で最後に一点だけお伺いいたしますが、以上申し述べてまいりましたように、依然として昨年までの時点で勧告は完全実施されない。きわめて遺憾だという考え方に立って当委員会でも大体与野党一致で附帯決議がなされているわけです。完全実施すべきである……。そこで総務長官に最後にお伺いするわけですが、この国会の各委員会でなされる附帯決議については、基本的にどういうふうに一体考えておられるか。まあ場合によっては直ちに実施されない場合もあるでしょうけれども、大体こういう長い問、毎回毎回同じ附帯決議がなされているということは、これはいわゆる行政の府が立法の府を軽視しているということに通ずると思う。附帯決議は国会でなされるわけですから、この附帯決議を軽視するということは、国会軽視に通ずるわけです。そうだとすると、これは重大な問題なわけです。附帯決議というものは大体政府はこれは忠実に尊重する、実行する義務と責任があるわけです。したがって、一たび附帯決議が付されると、多くの場合、これは年数に多少の開きはあっても、大体解決しているわけです。それにもかかわらず、この完全実施の項に関する限り、いまだに実施されない。以上の問題を別にして考えても、この附帯決議の一点だけ考えてみても、行政の府の立法の府の軽視というそしりは免れぬと思う。この点だけからでも、ことしこそひとつ誠意を示して、まずその完全実施の方針を立て、その方策は先ほど来申し上げたように、まだまだ幾らでもあろうかと思う。ただ具体案を繰ればよい。方針がきまれば道おのずから開けるわけです。方針がきまらぬから具体策が出てこない。そういう意味合いからこの点を最後にお伺いしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/75
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076・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 院の決議は絶対に尊重されなければならないものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/76
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077・伊藤顕道
○伊藤顕道君 尊重されなければならぬ、そのことだけで答弁になるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/77
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078・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 尊重いたしまして、この問題に取り組んでまいる決意でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/78
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079・北村暢
○北村暢君 ただいまの伊藤委員の国会の完全実施の附帯決議の問題については、これを尊重して実現する決意だと、こうおっしゃられますから、まあ先ほど来私は、昨年の勧告の完全実施のときにだいぶ検討されて、結局は実施されなかったその原因が一体何にあるのかはっきりさしていただいて、財源といえば、これはもう、かつて財源のあったときだってやらなかったのですから、財源ということではない。財源ということであれば、ことしは自然増収も相当ある見通しだということでありますから、それは当たらないと思いますから、私はこの問題、ひとっことしはその時期になって検討してだめだったということには、絶対ならないようにしていただきたいと思います。それからこれだけは、もうあらかじめひとつ給与担当大臣はほんとうに肝に銘じてがんばっていただきたい。私どももおこっているばかりではなく、大いに応援はいたすのでありますから、しかも理屈は非常に通っているものでありますから、きょう決意表明がありましたから、ひとつその決意を実らせるように最大の努力をしていただきたいと思います。
それから私は二、三点お伺いいたしますが、先ほどちょっとお尋ねしたのでありますが、人事院は今年度の民間給与の実態調査を始めたのだろうと思うのですが、その調査にあたっての要綱ですね。一体昨年と全く変わらないのかどうなのか、昨年と変わった点があるならば説明をしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/79
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080・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 一部先ほど触れましたが、前回の、基本といたしましては、昨年と変わりません。ただ手当関係の調査につきまして、先ほど触れましたとおり、扶養手当、通勤手当、この調査はことしはやらないつもりでございます。
やりません。ただ住宅手当は、依然としてことしも調査をしたい。それとあわせまして、ことしは特に宿日直手当の関係を調査したいと思っております。そういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/80
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081・北村暢
○北村暢君 そこでお伺いしたいのは、民間給与の調査はそういうことでしょうが、これは人事院のほうか、どっちかわかりませんが、公務員の生活の実態というものをどの程度把握しておられるのか、生活の実態ですね。人事院は非常に科学的に給与の体系をきめているようでありますけれども、これは後ほど鶴園さんからも意見が出ると思いますが、標準生計費というものに対して、標準生計費のきめ方について、また私ども意見ありますけれども、これはさておきまして、その標準生計費に満たない、公務員の給与が標港生計費に満たないものがいる、こういう点について実態把握されておるかどうか、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/81
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082・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもの基本的な立場は、先ほど来たびたび申しましたように、民間給与との比較ということが基本でございますけれども、しかし、公務員のほんとうの生活の実態ということも、やはり把握することが必要だろうという立場で、実はその調査のための予算をここに数年来要求してまいっておりますが、不幸にしてまだ実現いたしません。これは近くぜひ実現さして、徹底した調査をやってみたいと思っております。それ以外は別にそういう意味の表立った調査はやっておりませんけれども、特別の場合、特定の場合については、非公式ながら、いまおっしゃったような趣旨も含めて、心を配って調べはやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/82
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083・北村暢
○北村暢君 そういう公務員の生活の実態というようなものを調査をし、把握をするというのは、これはどっちの行政権限になっておるのですか。
総理府と人事院と、どっちか、はっきり。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/83
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084・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) どっちか、両方からお聞取り願わなければいけないと思いますが、私どもとしては、これはいまの給与の問題の基礎のデータでございますからして、私どものほうの仕事としてやりたい。そうして予算を要求しておるということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/84
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085・北村暢
○北村暢君 総理府のほうはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/85
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086・塚原俊郎
○国務大臣(塚原俊郎君) 人事局長をして答弁させます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/86
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087・増子正宏
○政府委員(増子正宏君) ただいま総裁からお話ししましたように、人事院が従来からその計画をお立てになっておることを承知いたしております。私どもとしましても、その必要は痛感をいたしておるわけでございますけれども、現在の陣容その他からいたしまして、これは人事院にやっていただくほうが有効ではないかというふうに考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/87
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088・北村暢
○北村暢君 機能からいえばそういうことでしょうけれども、人事行政を行なう面からいえば、これはやはり人事院が調査して、調査結果について人事局が把握していないというと、これは公務員の人事能率という面からいって、私はうまくいかないのじゃないか、こう思いますね。いずれにせよ、これは予算を計上して調査をお願いしておるのだけれども、その予算がついていないために実施されてないということは、これはたいへんなことだと思うのですがね。で、人事院が民間給与を調査して、そうして給与体系というものをつくる。つくったが、しかしそれが一体どのような形に、生活の実態に合っておるのか合ってないのかということですね。標準生計費に達しない者があるということについては、これは認識しておるのでしょうか、どうなんですか。そうして標準生計費というものについてどのような考え方を持っておるのか。達しない者があるわけでありますね。公務員の中におるわけです。これは相当多数おるのですがね。そういうことは、何のためにこの標準生計費というものを出すかということなんです。たとえば三人で四万二千七百八十円ですか、という標準生計費というものが出ておる。三人で四万二千七百八十円に達しない者が国家公務員の中に相当多数おるということなんですね。そういう者について、一体あなた方どういうふうに対処しようとしておるのか。それは実態わからないからそれでいいということなんですか、どうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/88
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089・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) これはなかなか現実問題としてはむずかしい問題でございまして、すべての公務員の家族構成というものが標準的な構成であれば、わりあいに簡単に結論が出ますけれども、たいへんたくさんの病人をかかえているとか、異常な構成がたくさんあるものでございますから、それらに一々気を配っておったら、一本の結論は出ないという面がこれはあるわけでございます。
したがいまして、公務員の生活実態の調査と申しましても、もちろん私どもはそれらの変則的な、あるいは異常な構成の分をも洗いざらい洗い上げてみて、そこで、しかしこの家庭はやむを得ないということが出てくるかどうかということは、やはり見なければいけないかと思いますけれども、いまお話の標準生計費との関係におきましては、先ほど伊藤委員にお答えしましたように、われわれとしては、単身者の場合しか表に出しておりません。しかし二人世帯、三人の世帯を数字をあげて報告書にはっきりさして出した以上は、やはり俸給表の割り振り等において、これでだいじょうぶかということを、これは内輪の作業でございますけれども、十分注意しながらやっておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/89
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090・北村暢
○北村暢君 三人世帯の標準生計費に達しない者が約六七%あるというのです。そういうことを、いま労働組合の調査でそういわれている。そういう膨大なものが標準生計費に達しないということであるならば、これはそういう実態調査をやっていないから、あなた方、いや、そうでないとも言わないし、そうだとも言わないのだろうと思うのです。実際にやはりこれは生活の問題ですから、標準生計費に達しないということになると、これはゆゆしい問題だろうと思うのです。そういうことが人事局でも把握されていない、人事院でも把握されていないということになれば、一体これはどういうことなんでしょう。それでこの給与政策が、これで人事院の勧告というものが理論的に正しいのだと言われてみたところで、私は、公務員の諸君から不平不満が出てくるのは当然だと思う。標準生計費にすら達していない者がおる、それがほんの例外的な者ならいざしらず、ところがもう、これは組合の調査資料であるから、ちょっと山がかかっているかしらぬけれども、六七%となると、これは山がかかっていたにしても、半数ぐらいの者が標準生計費に達しないということになると、これは理論的にどんなにあなた方証明してみたところで、実態に合わないということになりませんか。こういう点について調査がされていないということがそもそもおかしいのじゃないかと思うのです。それを反論する余地があるのですか、あなた方。これは、いま言ったように、非常に例外的な人でそういう達しない者があるというなら、これはいいと思う。それはそういうこともあり得るでしょう。しかしながら、半数以上の人が、標準生計費に達しない公務員の俸給表でその給与行政が事実行なわれているとするならば、これはゆゆしき大問題じゃないでしょうか。
したがって、私は、先ほど申したように、民間給与を調査する方針の上において、それだけ調査すればいいというのではなくして公務員の生活の実態というものを、把握しないで民間給与を調査して、これで民間給与はこうなっているからそれでいいんだということには、私はならないと思う。それじゃ給与行政について、一面は民間と比較だけはやったけれども、実態のほうについてはやっていないということになるのです。それで、あなた、給与行政というものが完全だとは言えないでしょう。それはどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/90
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091・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 標準生計費につきましてお話がございますが、私どものほうの標準生計費は、東京につきまして、かっ四月時点で算定をしているわけでございます。この両方の問題が、二つの点が問題でございますが、東京の水準というのは、全国水準に比べまして、かなり高い水準になっているという点が一つの問題でございます。それから四月時点で調査するという点につきましては、四月の月は若干高目の数字でございまして、そうして年間の賞与月でございます六月とか十二月を入れて、年間平均に相当するという月に相当しているわけでございます。そういう月につきまして標準生計費を算定しているわけでございますが、その関係は、総裁から申し上げましたとおり、一人世帯には初任給と合わしておる、二人世帯以上につきましては、算定して、かつ見合いを注意しているわけでございますが、たとえば御指摘の三人世帯につきましては二万二千円くらいの金額になっておりますけれども、それに対応しまして、三人世帯というのは六等級五号俸でまあ三十歳、普通で言えば三十歳という場合はかなり見合いとしてどうだろうかといったようなことで見合わせてみますと、いわゆる俸給等の月額といたしましては三万三千八百円ということで、かなり違いがございますけれども、先ほど申しました、そういう意味合いでは達しない者が相当おるどいうお話だろうと思うのでございますけれども、先ほど申しましたように、ちょうど四月の時鳥の算定というのは、年間の平均に見合うという形で算定しておりますので、期末、勤勉手当、普通に支給されております期末、勤勉手当も含めて兄合わせることが適当だというふうに考えますこ、それを含めて四万五千円程度になり、十分見合うということでございまして、したがって、御指摘の場合には、期末、勤勉手当を入れれば、大作先ほど申し上げましたように、普通の常識的には見合っているということでチェックしておるわりでございます。ただ、もちろん個々の家庭につきましていえば、標準的な世帯構成といったような、そういう関係が全部標準的な世帯構成というわけにはまいりませんので、そうしてそれは民間の場合も同じでございますけれども、見合いがその三人世帯と直接の問題としては若干問題が出てくるということはあるわけでございます。公務員の生活実態につきましては、たとえば住宅を問題にいたします場合には住宅の関係を調査いたしております。それから通勤費の、たとえば昨年通勤費を問題にいたしましたときには、公務員の通勤費の実態がどうであるかといったことを調査しておるわけでございまして、必要に応じて調査しているわけでございますが、さらに家計の奥まで入りまして、世帯人員がどうなっているとか、あるいはどういう収入があるとか、ほかにどういう収入があるとか、そういったところまで立ち入って調査することにつきましては、若干調査される側の問題がございます。そういう意見もございまして、かって若干やったことがあるのでございますけれども、そういう問題もございますが、やはり原則的には、なるべく公務員の生活の状況は知ることが望ましいという立場で調査費用を要求をしておりまして、それがなかなか十分取れないのでございますけれども、公務員給与の実態調査の上で、先ほど申しましたように、できるだけの角度で調査はしておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/91
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092・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いま北村委員の質問に対して給与局長そういう答弁をなさったのですがね、これは違うんじゃないですか。いまお話しのように、確かに東京都における四月の標準生計費になっていますよね。私は、これは前から口をすっぱくして、標準生計費の「標準」というのを取りなさい、最低生計費としなさいと言っておるのですね。「標準」とつけてある。「標準」というと、何となく国民全体の標準という形に見えますね。エンゲル係数が最も高いのですよ、これは。全世帯よりもうんと高い。このエンゲル係数は標準じゃないですよ。最低生計費——政府がはじいている生計費では最も低い生計費です。
それは別にして、いま四月一日というお話ですが、そうじゃないんじゃないですか。これは、ここにも、人事院の資料の中にもありますけれども、一人世帯の生計費を調べておるのです。それを単に伸ばしただけですよ。伸ばし方の計数というのは、総理府統計局でやっておる一月から十一月までの数字をとって伸ばしたのを四月ということは言えないですよ。伸ばしただけですよ。一人世帯なんというのは子供が学校に行くわけでも何でもないですから、特に四月が高いということもないでしょう。それは子供さんが、二人、三人という方なら、四月学校に行くこともあるから、四月の経費が少しよけいかかるという計算は出るかもしれませんが、一人世帯の生計費から数字で伸ばしたにすぎない。だから、ぼくは四月の生計費だということにはならないと思う。そういうことを一つ言っておきます。それは違う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/92
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093・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 標準生計費を算定いたします手続といたしましては二つございまして、一つは五人世帯、二人世帯、四人世帯あるいは単身世帯、そういう家旅構成の問のまあ、比較関係、そういう計数関係と申しますか、比較関係、これが一つございます。そういう五人世帯と一人世帯あるいは二人世帯とのあれが何割に当たるか、そういう比較関係につきしては、総理府統計局の調査——年間の調査を使いまして、できるだけたくさんの資料のもとにその計数関係は当たるということにしているわけでございます。
それからもう一点は、その計数をいつの時点にかけるかということが問題でございまして、それは総理府統計局の四月の調査結果にその計数をかけることによりまして、四月の標準生計費を算定しておるということでございます。したがいまして、で、四月時点の標準生計費はこうでございますということで算定しているわけでございまして、私が先ほど申しましたのは、その四月時点の標準生計費は、年間のちょうど平均のところに当たっているということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/93
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094・北村暢
○北村暢君 いまの説明ではあまり納得しない。大体先ほど言ったように、標準生計費というものの算定について、これは大いに論議のあるところなんですが、それは私先ほど言ったように、さておいての話をしているわけですがね。いまの御答弁ですというと、東京都の生計費だから非常に高くなっている、したがって公務員全体についての生計費と比較したならば、低い者も出てくるだろうと、こういう趣旨のような答弁のように受け取れるのですけれども、しかしそれにしても、あなた方は、この標準生計費——人事院がはじいている生計費、それについて、それじゃ東京都だけの実態についてすら把握してないんじゃないですか、何%ぐらい下回っているか。地方であれば地方の公務員であれば、地方というよりは東京以外のですね。東京以外に在勤している国家公務員、これは給与は若干違うでしょう。違うでしょうけれども、しかしそういう人を除いて、東京都であっても、これは標準生計費に満たない者が出てきている。これは、あるということは、どのくらいのものがあるということは、把握しているのか、していないのか。していないでしょう、どうなんですか。相当多数の者があるということを私は主張している。それに対してあなた方はどのように判断されているのか、それを聞いているのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/94
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095・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 掘り下げていきますというと、先ほど鶴園委員のおっしゃったように、標準生計費そのものが実にこれは渋いじゃないか、最低じゃないかという見方もこれはあるわけなんです。私どもは、その標準生計費をたてにとって、四人世帯、三人世帯の場合、これでいいじゃないかと、これでたっぷり十分に生活ができるなどということは毛頭考えておりません。これで大丈夫かしらん、最低の線ぐらいのところで大丈夫かしらんぐらいの、むしろ心配しながら見ておると言うほうが、これは私は正直だと思います。これは給与のほうがたっぷりあれば、そもそもそんな心配をする必要は全然ないわけですから。ただ組合なんかの皆さんに申し上げるときは、こうこうこういう理由によってこれで十分間に合うはずだ、民間と見合っておるので、民間もこれはがまんしている以上はやむを得ない、がまんしてくださいということをわれわれとしては言ってきておるので、これで決してたっぷりだいじょうぶであるということは夢にも思っておりません。先ほどの実施時期の問題も強く意識してもらわなければならぬ。民間に見合っておるからがまんしろ——民間はもう春に上がっちゃっているのです。その民間の数字をとらえて、私どもはせめて五月にさかのぼって上げていただかないと、がまんしろという迫力が出てこない。そういう実情から申しますと、その問借金をしながら、公務員の諸君は賃上げを待っているということになるわけです。したがって、われわれが五月実施をお願いしているということは、そういう点から見ましても、これはぜひ実現していただかないと、話は全然通らないと、そういう意気込みでおるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/95
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096・北村暢
○北村暢君 実態は把握されておらないようだから、標準生計費に達しない人がどのくらいおるかという、ことはわかっておらない、やっぱり。これはひとつ実態調査をやっぱりやってもらわなければ困ると思いますね。これは給与担当大臣のほうでも、ひとつ人事院の公務員の給与の実態ぐらいは、人事行政に問題があるのですから、これは調査はたいした経費はかからないと思います。そんな調査経費すら認めないというのはおかしいのであって、これは給与担当大臣のほうから、ひとつ人事院を応援して、今後把握するようにやってもらいたい。
そればかりじゃない。生活保護世帯の額に達しない者がある。これはどのくらいあるか、これももうおそらく把握していないでしょう。生活保護世帯ですよ、生活保護世帯の基準に達しない公務員の給与を支給されておる者がおる。多数おるのですよ、これは。特に行政職の(二)に該当している人にはこれはもう非常に多い。で、ある職場の実態調査で、二百二十四名おるところの実態調査をやって、生活保護世帯の基準以下の者が五十八名いる、二百二十四名のうち、こういう実態がある。こういうことすら人事院なり給与局が把握されてないでね。それで、国家公務員でありながら、毎日働いて、生活保護世帯よりも下回った賃金しかもらえないなんということが事実あるということになると、これは一体どういうことなのか。そういうことを一体検討されたことがあるのかどうなのか。おそらく何にも知らないでおられるということでないかと思うのですがね。そういう実態を御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/96
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097・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) いま御指摘ございました公務員給与、公務員の、職員の中で生活保護基準と比較してどうであるかという問題点につきましては、私どもとしましても、非常に重要な問題だというふうに考えまして、いろいろ調査をしているわけでございます。で、これには技術的に申しまして、比較の問題が一つございます。と申しますのは、生活保護基準というものと公務員の給与を比較をする場合に、どういう形で比較をしたらよろしかろうかという点がございます。御承知のとおり、生活保護基準のほうはいろいろ、収入がいろいろあればそれはどうだというふうな全収入の話になっておりまして、したがってこちらのほうで申しますれば、それは給与としてそれと直接どうするか、こういう問題になるわけでございます。したがいまして、たとえば収入として超勤がどうだとか、そういったいろいろな問題が、それをどの程度入れるか入れないかという、そういった点が問題になるわけでございますが、北村委員御指摘のところではないかと推察いたしているのでございますけれども、たとえば九州の若干の組合から相当な数がいるという指摘がございまして、それについて調査をしてみたのでございますけれども、そのいまの比較の問題が一つの問題点、大きな問題点であったのでございます。つまり生活保護基準を直接適用するといったような話ではいずれにしてもないわけでございまして、給与基準としてどうであるかという問題でございまして、私どものほうとしては期末、勤勉手当のようなものを含めて、やはりそれは当然に支給されるものでございますから、そういうものも含めて比較をするということが適切だろうというふうに考えているわけでございます。そうして考えますれば、比較をいたしますれば、先ほど御指摘のように相当な数がいるという指摘があったわけでございますけれども、そういう者はいないということに調査の場合にはなったわけでございます。
で、したがいまして、そういう関係が比較の問題が一つございますけれども、私どもとしましては、そういう関係を十分注意をしておりまして、特に御指摘の行政日表の職員につきましては、調査を各省庁からとりまして、相当こまかくチェックをしているわけでございます。で、人事院の基準につきましても、勧告のたびごとに、できるだけ改善をするという方向で努力をしておりますけれども、他方において、各省庁において、の、たとえば前歴の見方とか、こういう問題につきまして、必ずしも現在の状態では適当とも思われないという場合がございますので、そういう関係を、現在の時点におきまして適切かどうかということをチェックをして、場合によってはかなり是正をしてもらうといったことも行ないまして、一昨年もそうで。ございますが、昨年もそういう、いわばある基準におきましてチェックをするということをやってまいっておるわけでございます。今後もそういう関係を注意をしてやってまいりたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/97
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098・北村暢
○北村暢君 いま実態調査をやったら下回った者はいなかったと、こう言うのですけれども、下回った者はいなかったのかもしれないけれども、期末、勤勉手当を入れれば下回らなかったと、こういう結果が出たとおっしゃるのだろうけれども、それで非常に近いものがあったに相違ないね、これは。下回りはしなかったかもしれないけれども、非常に近いものがあったということは、私はこれは想定できると思います。したがってそういう点はひとつ大いにやって、もらいたいと思いますがね。とにかく行政職の(二)の適用者の賃金というのは事ほどさように低いのです。これは低い。しかがって、これは解消してもらいたいという要求が非常に出ている。これについてどういう考え方な持っているかということが一つ。それからあと、時間がございませんから、国家公務員で臨時職員というのは一体どのくらいおって、どういう給与のきめ方をやっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/98
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099・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いまお話に出ました特に行政職俸給表(二)の人たちのことは、給与局長のお答えからも御推察いただけますように、われわれとしては、一番関心を持って見守っているところでございまして、例年の勧告にあたりましても、まずこの辺のところを番まつ先に考えておるということは、勧告の実績から見ましても御了解いただけると思います。私どものほうとしては、また、さらにそういう人たちについての過失の改善の経過というものをちゃんと表につくりまして、そうしてさらにこの上にこの上にということの気がまえで臨んでおるわけでございます。私どもとしては、相当努力してきたということは申し上げられると思いますが、なおこれ以上努力を重ねたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/99
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100・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をとめて
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/100
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101・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) 速記をつけて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/101
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102・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 非常勤職員の給与の関係でございますけれども、非常勤職員の給与につきましては、給与法の二十二条に規定がございまして、一般の俸給表の適用者との均衡を考慮して各省庁がきめるというふうになっているのでございます。その法律の趣旨のとおりに適正にきめてもらいたいというのが私どもの立場でございます。
なお、この問題につきましては、最近大学等で臨時職員が相当ふえておって、それにつきまして、臨時職員の給与につきまして、もう少し指導を強化してもらいたいといったような職員団体からの要望がございます。私どももそういう関係がございますので、いま申し上げました趣旨につきまして、さらに各省庁において適正にやってもらうように注意を喚起していくようにしてまいりたいというふうに考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/102
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103・北村暢
○北村暢君 適正にやってもらうようにということですが、これはおそらく予算単価で大体きまってしまう問題なんですよね。その予算単価がべらぼうに低い。大学においても、あるいは試験研究機関等にも、相当この臨時職員というのはおります。ところが、農林関係の試験場関係、ここの臨時職員の賃金というのは、これは一つには、いわば農林関係の賃金というのは低いということにきまっているんですね。何か差があるようです。そういうもので縛られているために、これこそ生活保護基準にも該当しない、より下回る賃金というのはざらにあるんです、これは。日給にして五百円未満というのもあるようですが、そういうものが実際にあるわけです。そういう実態というものを、各省庁でバランスを考えて決定すると、こう言われても、全くこれは、臨時職員、つとめている限りは一般職の国家公務員ということで、やはり公務員としての取り扱いを受けながら、給与においては全く低い実態にあるわけです。こういうものについて、これは人事院の権限じゃないということでありますけれども、こういう実態というものをやはりだれかが見てやらなければ——実際問題として、末端の官庁で、試験場その他で仕事をやる上にも非常に支障を来たして、仕事ができない。働きにくる者がいなくなっちゃうという状態でしよう。だれもこんな安い賃金で今日くる者はいないですよ。そういう実態で、結局これは運用上からいって正しくやれといったってできないですから、これはごまかすより方法がない。幽霊職員をつくるとか、そういう実態が今日あるわけです。こういうものについて、各省庁がきめるならそれでいいというわけには私はいかないと思う。これは末端の管理者は非常に困っていますよ、事業をやる上において。仕事ができないんですから、できないからといってほうっておくかというと、そうもいかないので、大事な試験研究とだえちゃうんじゃいけないから、非常に苦労してやっている。全く実態に合わない臨時職員の賃金になっている。こういう問題をひとつ、これはもう生活保護基準以下だということははっきりしている。そういうものはたくさんある。こういうものに対しての、法律的な問題だけでなしに、一体今後どうされるのか、行政口の賃金の低いということと、臨時職員の低い賃金では、もう実際に仕事ができない段階になってきている。やるとすれば、何かごまかしている、こういう状態です。会計検査院から厳密に調べられたら非常に困る事態が出てくるんです。したがって、営繕費を節約して、いわゆる臨時職員の賃金に充ててやったり、こんなことをやってはいけないです。いけないですけれども、実際背に腹はかえられんのでやっている、そんな実態であります。
そういうことが行なわれておって、それを放置しておくということは、私は非常にまずいのじゃないかと思うのです。したがって、これは一体、どのくらいの人数がおって、そういう安い賃金で、臨時職員という名前のもとに非常な低賃金で押えられている、これをひとつ、これまた実態調査がおそらくできてないと思う。こういう者に対してどういうことで対処されるのか、ちょっと意見を聞いておきたいのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/103
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104・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 非常勤職員は、本来の身分からいいますというと、その日雇いに雇われている、実に不安定な身分である。ところが、実際は完全に日雇い、日雇いということでなしに、ある期間その地位にあって、常勤職員とほとんど似たような仕事をしているという人が実際おるわけです。かつて非常勤職員を大整理して定員化したことがございます。私は基本的にはやはり身分の安定を含めて、給与の問題も含めて、身分の安定そのものからいって、常動的に仕事をしてもらっている人は、やはり常勤の普通の職員のほうへ定員をかえてもらうのが筋ではあるまいかという気持ちは持っておりますけれども、これは何ぶんその仕事の実態が、それぞれの役所によって、またそれぞれのポストによって違うわけですから、なかなか実態調査と申しましても、これは率直に申し上げまして、なかなかできない。ただ大きな目から見て、その間の身分的な調整というものは必要ではないかというような気持ちを持って、そしていま局長の言いましたような、個々の給与の問題につきましても、これはわれわれとして、できるだけ関心を払う、当面はそういう態度でおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/104
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105・北村暢
○北村暢君 身分的な問題を解消して、常用化の、なるべく定員に入れていく、これはいいですけれども、実際に農業試験場等では農作業をやるのに、夏のうちだけか要らない。ですから、そういう人はどうしても臨時に出てくるわけです。そうしたら、ところが、それはその地場賃金、その地域の地場賃金よりもはるかに低い賃金です。それで採用されている。それも喜んで来る人はいないものですから、拝んだり頼んだり、すかしたりなんかして来てもらっているというのが実態でしよう。それを何か内職的な感覚しか持っておらない。そして一人前の賃金というものは払ってない。そうでなくて、やっている仕事は非常に精度の要求される、普通の農作業でということでなしに、非常にむずかしい頭使って、言われたとおりに着実にやらなければならないような仕事すらやって、そして熟練している人でなければなかなか使えないという人で、毎年来ている人です。そういうような人の賃金が非常に地場賃金よりはるかに低いというものがある。それは雇用を安定しようとしてもできない人です。どうしても。いまのは二カ月雇用で繰り返している人でしよう。常勤的な人で、そういう人もおる。六カ月以上雇用してはいけないことになっているから、したがって同じ名前では使えないから、架空の名前を使っていまやっております。六カ月以上になってしまうと同じ人使えない。人は同じだけれども、弟さんの名前を使ってやっている。実際これはおかしな話だけれども、そういうことはあり得ない話だけれども、そういうものもあります。そういう常勤的な人は、おっしゃるように定員化していけばいいのです。それでいいのですけれども、ほんとうに全く季節的でという人も相当おるわけです。そういう人の賃金というのは顧みられない。だれも見てくれない。予算がこれしかきてないからしかたがないというのでやっているだけの話で、しかも事業の実態からいえば、担当者自身が非常に苦労してやっていることなんです。
そういうことですから、これはひとつ私はもう少し親切にやってもらわないというと、管理者自身がもう、不正とは言わないけれども、苦しまぎれに不当な支出をやらざるを得ない。こういう実態があるということを私はここで言っておきますから、これはひとつそういうことを——役所自体が会計検査院にひっかかるようなことをやっていることは、まことに変な話ですし、そういう低賃金が臨時職員の中に現実にあるということ、これをひとつ認識してもらって、解決策をひとつ検討していただきたい、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/105
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106・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) お話のとおり、いままでもそうでありましたけれども、今後もそういう人たちに対して、一そう関心を持って見守ってまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/106
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107・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は、先ほど北村委員のほうから質問があった標準生計費と俸給表と比べた場合に、本俸で。どの程度の人たちがそれの生計費に達しないかという資料をひとつ出してもらいたいと思うのです。その場合に、先ほど給与局長は、この標準生計費というのは、これは一年間を通じた生計費みたいなものなんだと、だから期末手当も含めて比較しなければならないという話をされたのですよ。これはいまの給与局長が言われるだけじゃなくて、前の瀧本給与局長も、最後は苦しまぎれにそういうことを言っておられた。それも入れて考えなければならないと。しかし、それは間違いだということをもう一ぺん言っておきますと、それはここにありますように、人事院は東京都における一人世帯の生計費をまずきめているのです、カロリーから何から計算いたしまして、それを伸ばしたわけです。二人世帯、三人世帯、四人世帯、五人世帯と。伸ばしますときに、一月から十一月までの数字をとってるわけです。十二月までとりますといいんですが、とってないのです。一月から十一月までで——ですから、最も期末手当の大きい年末の手当というものは入らないことになるのです。使うのは大体十二月に使っちゃう。衣服にしろ食料にしろ、十二月しか使わない。期末手当は、十二月の賞与は、一月に使いますと高くなっちゃいますから十二月に使っちゃう。十二月にしか使ってない。のみならず貯金があるのです。それぞれ貯金をする。そういうものはこの中に出てこないのです。貯金というのは、期末手当から入れる人もいるでしょう、超勤等から入れる人もおるでしょう。ですから、従来瀧本局長が苦しまぎれに言っておったこの標準生計費と、この公務員の俸給表を比べる場合には、期末手当あるいは超勤という、そういうものも含めて考えなければならぬということは、それは間違いだ。だからこの標準生計費と俸給表とを比較して、どの程度のものがこの標準生計費に達しないか、それを等級別にひとつ出してもらう、パーセントでもよろしいです。それは七〇%、六〇%出てくるに違いないのです。私もかってはじいて伺ったことがある。できませんか。できるでしょう、できますよ。だって九七%は本俸なんですから。暫定手当、扶養手当はあれで、九七%は本俸ですよ。基準内賃金といった場合は九七%というものは本俸なんですから。
それはそれにして、あとで答弁をいただくとしまして、それからこの春闘との関係で、鉄鋼労連が五社、四千三百円、定昇込めて史上最高の回答だと書いてあるのです。四月十日、これは妥結したようですね。あと海員、船員のほうが四千五百円、これも妥結したようですね。しかし、きょうきのうの新聞に出ておりますように、この造船関係等は四千円台にのぼっておるが、まだこれは第一次回答で妥結に至ってない。それから電機関係が出ておりますが、これも四千円台出ておりますけれども、まだ回答だけですね。いま春闘がちょっと出始まったところ。例年からいうと、一カ月以上おくれている。去年よりも一カ月以上おくれているということになりますと、今度も人事院の四月末調査には、これは春闘相場というものは全然出ないのではないか。のみならず、付帯調査、つまり積み残し、よくいわれる積み残しも、この付帯調査の中には出ないのではないか。ちょっぴり出るかもしれないが、おそらく出ないのではないか。私鉄その他等はずっとおくれます。その全体の春闘相場のきまったようなところで、組合のないところ、組合のやらぬところでも上げていくわけですね。そういうことを見ますと、ことしは人事院の四月末調査では、春闘相場は全然出ないし、さらに付帯調査でも春闘相場というものは出ないというおそれがきわめて大きいということになりますと、これは人事院としては相当決意をしなければならないということになるのではないでしょうか。
総裁も御承知のとおりに、積み残し論を盛んにやったのはだいぶ前の話。しかし、三十九年から公労協は春闘相場を入れるということになりましたね。そこで人事院も、おくればせながら、三十九年に〇・六か〇一八という積み残しがあるということを言いましたね。昨年は一・七、その前のときは一・六という積み残しを言うようになった、公労協との関係で。ですから、ことしは、これは相当人事院としては決断をしなければ、春闘相場というものは、これは付帯調査でも出ないというふうに見なければならない。特に今度は内部配分がだいぶ問題があるようですから、さらに一そう付帯調査では出ない。そういう点について、総裁はどういうふうに考えておられるか、この二つ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/107
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108・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 春闘というものが、その年その年できまって、これが年によって違うものですから、われわれとしては非常に困るのでありまして、常に春闘のあとを追っかけてはわがほうのスケジュールを立てなければならないので、見通しが全然立たない。私は総評議長に対して、春闘のプログラムをおきめになるときは、わがほうとも相談してもらいたいということを申し上げたこともあるので、これは冗談ですが、そこに限界があるわけです。したがって私どもは、春の賃上げの時期は従来四月をつかまえてきておりますから、当分は四月を中心に考えなければならない。数年の間に春闘の時期というものがずれて、大体固定した、安定したということになりますれば、先ほど伊藤委員のお話もありましたように、これはその年を押えて六月調査あるいは七月調査にしましようということも、それは出てくる話になります。まだわれわれとしては、そこまで安定したものとは思えない。したがって、四月調査の原則は堅持いたします。しかし、そればかりえこじに貫こうということも、これはまた、うとい話なので、現実、実情は織り込み得る限り織り込むのが、当然われわれの職務であろうということで、付帯調査は、いまさら申し上げるまでもなく、いままででもやっております。それで、はたして異常な、はなはだしいおくれがあるということになれば、見捨てるわけにいかない、当分その態度でいかなければならないと思っております。
ことしの調査もそれでやっております。依然として異常性が確認されるということであれば、それを緩和せざるを得ない、そういう気持ちでおるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/108
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109・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私が言っているのは、それは去年までの話であって、本年は、総裁の頼りにしておられる付帯調査には出ないのではないか、これを心配している。一カ月以上もおくれておりますね。そうすると、付帯調査そのものに出ないのではないか、それを心配しているのですよ。そうでしょう。総裁、それをおわかりにならないかね。ぼくはよくわかるが、総裁はわからないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/109
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110・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) わからないと申し上げたほうが、率直なんで、いまそのことを私考えておった——わかりません。これは、いま確かに最盛期であるということは、これはわかりますけれども、それから先ずっといつごろまで尾を引いていくものであるか、これは私どもわからない。率直にわかりませんと申し上げたほうが単純明快であろうといま考えておったところであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/110
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111・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 だから、付帯調査に出ないということになった場合には、どうされるのですか。私はいまの人事院の付帯調査では出ないというふうに見ておるのですよ。五月の連休あけから直ちに調査に入るでしょう。十日前後で四月にさかのぼって実施するところはどうだ——きまっていないですよ、そこまでは。五月の十日ごろにはそれはきまらないですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/111
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112・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いや、専門家に対してなんでございますけれども、いま給与局長が去年より早いという見方もあるというようなことを言いますが、いまここで、さらにそれの乗りおくれをどうするということは、これは申し上げるだけのめどがわれわれとしてはついていないわけでございます。できるだけのことはいま言った付帯調査で調べましょうということだけしか申し上げられないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/112
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113・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 給与局長、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/113
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114・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) ことしの春闘の妥結状況は、今後どうなるかという点につきましては、いろいろ見方がございます。まあ地方選挙その他がございましておくれるだろうといったような見方もございますし、さらにことしは非常に好況であるから早く妥結するだろうという意見もございます。また、先般、朝日新聞かに、労働省の統計か何かで出ておったのでございますけれども、選挙がある年は比較的に早くなる、なっている実情があるといったようなことも出ておったのでございまして、いまのところはそういったようないろいろな角度の意見が出ておるというところでございまして、今後の事態を注視するというふうじゃなかろうかというふうに思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/114
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115・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私が主張していることと食い違っているのですけれどもね。私が主張しているのは、もし——もしでいいですよ。これはいま局長の答弁もあったから、もしでいいですよ——もし私の言うように付帯調査に出ないという場合には、人事院は非常な決意をする必要があるんじゃないかということを言っておるわけです。それは考える必要はないとおっしゃるのですか。付帯調査に出ない場合——私は出ないと見ているのですよ。いまこういう状況では、とても出ないですよ。いつもは三月にやっているのですよ。三月に片づいておりますよ、大体。出ない場合はどうなるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/115
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116・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) いつもひやかされますけれども、われわれの立場としている科学的、合理的という立場からいきますれば、これは付帯調査に出たものの数字が、具体的な数学が、せいぜいのよりどころになるわけでございます。それ以上に今度は一般の数字によらない判断をしなければならぬということになりますると、これはきわめてむずかしいことだということだけは申し上げられると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/116
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117・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 それだから、人事院というのはおかしいというのですよ。科学的だというけれども、ほんとうは科学的ではないですね。さっぱり科学的ではない。うわべは科学的のようなかっこうをしているけれども、私は科学的ではないと思っております。ただ、三公社五現業の場合にはずっとおくれておりますからね。これは春闘相場がそっくり入ります。問題ない。五月の末にはなるでしょう。人事院の場合は、とれないですよ、今度は。今度は入らぬということになったら、これは人事院の存在そのものの批判になってくるんですよ。五月実施の問題もからめてですね。
それでは、次に移りますが、指定職俸給表、これは三十九年にできたわけですね。三十九年にできて、四十年に三百五十六人になった1四十年の一月に。これは人事院の資料によりますとね。
それで去年、四十一年は三百九十六人になったですね。一割五分くらいふえておるのですが、本年はどのくらいふえる見通しですか。ほとんど局長圧全部入れるという話ですが、入れなければ不均等でしょう。どだい、管理職手当から何から全部本俸に入っているのですからね。そうすると、退職金がたいへんな違いですからね、あの指定職俸給表に入るか入らぬかは。いまでも私はそういう話をよくする。退職金が違いますよ。恩給がたいへんな違いになってくる。だから、非常に不均等だから、局長は指定職俸給表に入れるという考え方が去年あたりからあるわけですが、本年さらにこの三百九十六人からもっと大幅に五百人くらいになるのじゃないかと私は見ているのですが、いかがですか。これは総裁、大きな問題ですからね、総裁の考え方を聞きたいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/117
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118・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) まず、給与局長からお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/118
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119・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 指定職俸給表につきましては、指定職俸給表の甲のほうにつきましては官職の指定になっているわけでございますが、乙のほうにつきましては人事院で指定するということで運用しているわけでございます。で、その中には、現在、重要局長、それから研究所、病院等の規模の大きいもの及び大学院、大学の教官で学部長教授に相当の者、そういうことで運用をしておるわけでございますが、重要局長につきまして、現在——現在と申しますか、昨年の改正があったわけでございまして、その運用につきまして、もう少し、局長を分断しているという点についてはいろいろ問題があるのではないかという御指摘がございました。したがいましてそういう点も考慮いたしまして、今年度予算におきましては、昨年、各省庁につきまして、昨年よりも一つだけ多くするということで、予算案の中に組み込まれております。なお、残りの局長につきましては、あとわずかでございますけれども、今後の取り扱いにつきまして検討はしてまいりたいというふうに思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/119
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120・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 私は、そういうことをされることについてどうこう言わないわけですが、それはけっこうだと思うのですが、ただそれは公務員全体にそういう考え方を及ぼしてもらいたいという、それを主張したいわけです。もし及ぼさないならば、この指定職俸給表の人たちは特別職にすべきじゃないか。これは総裁、私は譲らぬ点です。この点は今後も論争をしたい。指定職俸給表は特別職にすべきだ。こう入ってしまったのでは、これは公務員のつまり調整よりももっと下まで入っておるわけですから、そういうものが俵給表を全然別にして、俸給体系も違うというなら、これは特別職にすべきだ。国会が開かれているから、局長が出なければならぬから行政ができないなどというようなことにならないように、ひとつ特別職にしてしまう。政府がかわるごとにかわってしまうということに、特別職にすべきだと私は思う。これは今後強く主張するつもりです。いいです。こんなものはやっていってもらって、これは切らなくてもいいです。日本の国会なんというのはまことに形式的だと思っている。アメリカの国会を見ていますと、委員会というのは一年間に百三十日くらい開く。日本の場合は、私は決算委員長をやっていますけれども、一年に三十日です。三十日では、これは国民の負託にこたえることはできないですよ。なぜかというと、ここの点に問題がある。だから特別職にしてしまう。そうして課長とかそういうところの給与を上げまして、厳正公正な公務員制度をつくったほうがいいと思うのですね、指定職俸給表というのは特別職にしまして。いずれにいたしましても、そこでそういう主張を今後ともやりたいと思いますが、しかし、いま一般職公務員なんですから、その限りにおいては同じようなやはり考え方を必要なところには及ぼしていかなければいけないということを私は主張したいわけなんです。
そこで申し上げたいのは、私は、この行(一)も行(二)も、それから問題になっている医療職(三)、この七、八年の定数の動きを見てみたのです。そうしますとね、行(一)でいいますと六等級というところは、二年に一万ずつ六等級の在籍人員がふえているわけですね。これはあれですね、つまり五等級の壁というものがあるわけです、鉄壁のごとき壁がある。この壁があるために、六等級の定員、左籍人員というのは毎年毎年——二年に一万ずつふえていくわけです。あと四年たったらどうなりますか。これは、六等級というとこはたいへんなことですよ。もう暫定定数がどうだとか、係長をつくったとか——本省はみんな係長になってしまっているのですよ。名簿を見てごらんになればわかりますように、六等級はみんな係長です。係員がいない。人事院も御承知のとおり、係長というのは、係員を監督して仕事をするのが係長だと書いてある。しかし、いないんでよ、係員がいないわけです。そういうこそくな手段では救えなくなっている。六等級、二年に一万ずつふえていく。これを一体どうされるつもりか。たいへんですよ、六等級というのは、たとえば三十七年の——一月これは人事院の資料で出ているわけですが、これで三十六年の一月には三万九千おったです。いまは六万二千ですよ。二年に一万ずつふえていくのですよ。結果的にふえていっている。これをどうするかという点を、総裁、これははっきり考えてもらわなければいけないと思いますね。それから五等級、これは二年に五千ずつふえていくわけです。非常なものですね。どうされますか、総裁。私はね、係長は四等級にしたらいいと思う。上にみんな上げたですからね。上は一等級からぽっと二段上げたですから、指定職も甲をつくって乙をつくったですから、それでいけば四等というのは係長にしてしまうと。四等は係長にして——官民対応等級でいった場合もそうです。四等級というと、係長ですよ。官民対応等級で民間と比較する場合も、四等は係長にしていいんですよ。だから、四等を係長にして、六等から五等へ自動的に上がれるようにしてしまう。五等から四等に係長というものを上げてしまう。いまは三等級というところには三千八百人しかおりませんよ。つくったことはつくったけれども、三千八百人しかいない、三等級は。四等級は約二万おるのですよ。ですから、三等をもう少しふやすという形で救われたらどうですかね。九五%の公務員は五等級でいまやめることになっているのですよね。御承知のとおりです。四等まで入れますと、九七%の公務員が四等までで終わるわけです。ここは終着駅なんですよ。ですから、そういう意味で、まあとにかくいまは終着駅は五等級になっている。ですから、四等までは終着駅を広げてやって、そしてここのところの給与を上げてもらいたいと思う。私はだから指定職俸給表をどうするということは賛成です。賛成ですが、そういうような考え方をここにも出してもらわないと困ると思う。そういう点について、総裁に、今後根本的な検討を加えられるかどうか、それをお尋ねしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/120
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121・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 鶴園委員の御指摘を待つまでもなく、一番そこはむずかしい問題で、われわれ苦しんでいるわけなんです。これは何も永久的な問題ではないんで、おそらく戦後の急増した人員がずっといまその辺のところへ異常なふくれ方で押し寄せてきているということでいまの数字も出てくるわけなんですが、まず暫定的な当面の措置としては、これを何かうまく打開する方法はないかどうか。先ほどおことばにありました、係長を四等にして、六等から五等へ自動的に上げてしまうということも、これはもちろん考えられる筋ではありましょうけれども、これはなかなかわれわれとしては勇気を要することで、率直に言っていまのところそこまでの勇気はないものですから、そこまで勇気を出さないで、手前の段階で何かうまい方法はないかと検討しているわけです。その事実を厳粛なる事実として認識していることは、ここではっきり申し上げてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/121
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122・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 六等級、五等級、四等級というのは、特に六等級が非常に固まってしまっておる。
吹きだまりといわれるのですが、そのために平均年齢もうんと上がってきたんですね。五等級の平均年齢もうんと上がった。ここが、先ほど問題になっている、標準生計費に対して八千円から一万円程度低いわけです。そうして五等級で見なければならない——ここを、人間が多いものですから、一%上げるだけでたいへんな財源がかかるということで、いつもここはしわ寄せされちゃって、上げる率は低い。そこで、公務員はやめなければならない。ほんとうにそうですよ、総裁。九〇%の公務員というのは五等級でやめる、終着駅なんです。そこのところが、標準生計費から八千円も一万円も下回っている。それは年齢が高まっているから、二人世帯のところがおったことはおったのです。最初、昭和二十七、八年ごろは。ところがいまは、そこが四人世帯、五人世帯になっているわけです。六等級のところはどうにもならないですよ。ですから、総裁おっしゃったように、暫定定数はどうだとかいう問題ではないわけなんですね。それは指定職俸給表をつくられたと同じような決断が要るというのです。私はいつも言っているのですよ。もっと総裁、指定職俸給表をつくったときの決断をここでやりなさい。どれだけいま公務員の中堅になっている人たちに喜ばれるかわからないですよ。指定職というのは、指定職を上げて、折衝する幹部のところをがっと上げて喜んでもらうというのも一つの手です。いい方法なんですけれども、少ないですから、金はそんなに要らぬからやりいいという点もありますけれども、ここのところは大きいのですよ。だから総裁の先ほどの決意では足りない。勇断が要るのです、これは。理屈としては私は成り立つと思う、私の言うような理屈というのはやってもらいたいですね。もう一ぺんちょっと、指定職俸給表をつくったのですからね、それぐらいは考えていいんじゃないですか、総裁。官民等級からいったって、何からいったって、おかしいですよ。平均年齢がうんと上がっているのですよ。十年以上上がっているでしょう、おそらく。それをいつまでたっても、係員だとか、あるいは係長だという、仕事ばっかり係長——従来の係長よりももっと大幅な、手厚い国民に対する俸仕をやっているのですから。よく政府言うじゃないですか——いまほど政府は安い賃金で能率を上げているときはない、それはそうですよ、ここのところ賃金は安いのですから。しかも、このところ非常にたくさんの人が要るわけですからね。総裁いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/122
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123・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) まことに思い当たる御指摘なんで、先ほど申しましたような趣旨で、十分この辺何とか名案を考えたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/123
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124・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 時間がありませんのでこまかく言うわけにいかないのですが、今度は医療職の日ですね。医療職の日という俸給表を、等級在籍人員というのを七、八年見てみますと、非常に特色がありますね。ほかの俸給表と違いますね。それは、三等、二等、一等という人員が、この七、八年の間全然変わっていないということですね、ほとんど変っていない。これはどういうわけですか。納得できないですね。四等はふえています。これは中学校卒の准看護婦、四等、中学校卒の占めている率というのは、急速にふえてきていますよ。二倍ぐらいにふえてきています。三等、二等、一等というところは全然同じです。ここ五、六年の数字が、結果を見るとほとんど変わらないですね。それは結局、私は、厚生省にしても、文部省にしても、行。と同じような等級間の移動というものに対する熱意がないと思う。人事院はまた、この看護婦さんの職務条件、労働条件、職務内容というものについての知識もない。私がかつて看護婦さんの問題を取り上げると言ったところが、人事院のほうが、ちょっと待ってくれ、私のほうは資料がさっぱりないから調べてから質問してくれと——これは内輪話ですよ。まあ人事院ですから、七百人くらいしかいないのだから、人事院がいろいろな職務について、労働条件について知っているとは思わない。けれども、二万三千という公務員が、看護婦、医療職日がいるわけです。この内容を見ました場合に、どうもこれは根本的に考え直す必要があるではないか。厚生省もそれから文部省も、この等級間の移動について、人事院の言い方で言えば、昇格について行(一)と同じような取り扱いをしていない、根本的にやっていない、きわめて不親切。だから、この看護婦さんはどんどん抜けてしまう。そうして准看護婦、中学校がふえている。それだけでは足りないから、用務員に雇った者に看護婦さんの衣を着せて准看にして使っている、こういう実情もいまや至るところに出てきている。その点について、これは厚生省を呼ばなきゃいけないのですが、文部省もですね、だめですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/124
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125・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 資料がないからちょっと待ってくれというようなことがこの速記録に出ますとただでは済みませんので、それはよほど昔のお話だろうということにしておいていただきたいと思います。
近年のように看護婦の問題が社会問題化してきているという時世においては、われわれとしてはとうていこれは法関心でいるわけにはいかないのです。御承知のように、われわれ、ことに職員の連中は、もう手分けして、病院に泊まり込みで、看護婦さんと一緒にその勤務状態を泊り込みで観察してきているというような実績もございますので、その結果、これも御承知のように、一昨年でしたか、看護婦夜勤手当という関係で給与の問題では改善をしていただきましたが、その勤務条件の関係では、別途厚生省、文部省に対して、われわれも、裁定と申しますか、そういうことを申し入れて善処を促がしているわけであります。決してこれを軽く考えているわけではないということだけははっきり申し上げておきます。
この人間の割り振りの問題等については、これは給与局長から申し上げてよろしいと思うのですけれども、大体はやはりそういう熱意を持ってこの問題を注視しているということだけは御了解をいただきませんと、資料を求めたらないということで済まされたらこれは困りますので、はっきり申し上げさしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/125
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126・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 医療職俸給表(三)の関係につきまして、等級別人員についての御指摘がございましたが、この俸給表は四等級構成になっておりまして、一等級は御承知のとおり総婦長、二等級が婦長、三等級が看護婦、四等級が准看護婦という形になっているのでございます。そういう職名、職務内容によりまして格づけをいたしておりまして、この関係は、教官俸給表において校長、教諭、助教諭という形のものと職務内容が非常にはっきりしておりますので、それによって格づけされているということでございます。したがって、現在の等級区分につきましては、それによって職務内容が変化してない、職務内容の全体の構成が変化してないということによってそういう構成になっているというふうに考えられます。
一方、医療(三)のほうの官民給与の較差の関係は、たとえば昭和三十四年には、公務員を一〇〇といたしまして、七八%でございましたが、昨年の調査では約九二%という形で、やはり公務員水準よりは民間水準は低いわけでございますけれども、全体の逼迫がかなり反映してまいっておりまして、相当公務員水準に近づいてきておるという点が見られます。その点は、今後もそういう方向になるだろうという感じで見ておるのでございますけれども、こういう官民比較の問題を注視しなから、公務員たる看護婦さんにつきまして、その勤務状況あるいは勤務の実態に応じまして、かなりきつい交代制勤務をしておるという関係がございますし、総体的にそういう交代制勤務者、特にきつい交代制勤務者についての給与につきましては、今後労働が逼迫してくる状況のもとにおきましては、非常により問題になるという見通しでございますので、この面につきましてはさらに今後とも改善の方向で努力するように検討してまいりたいというように考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/126
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127・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いや、そういう答弁は、それは人事院としてはおっしゃるでしょうけれども、それは行(一)についても同じです。職務の内容もはっきりしている。看護婦さんも同じ。ただ専門職とか何とかを置かないだけの話で、何とかかんとかいうのを置かないだけの話で、そういう意味で、私は、この医療職表の(三)というのは、これはほかの行(一)と比べた場合に、非常にこの等級間の移動というものがない、少ない。
ですから、もう一つ申し上げておきますが、それはどうも昇給問差額が悪いという話を聞くものですから、昇給間差額を調べてみたのです。そうしますと、この医療職の日というものの昇給間差額というのは実に痛めつけていますね。行(一)と比べた場合なんか、ひどいものです、これは。どういうわけでこれはこういうような間差額にしてあるのか。これでいきますと、十年たってしまうと五千円、六千円とすぐ違ってしまうのです。一年に五、六百円違っても、十年たったら五千円、六千円違ってくるのです。この昇給間差についても、医療の日については直してもらいたいですね。
それから、次に、行口の場合も昇給問差額というのを見てみますと、これでいきますというと、とにかくひどいですね。行口という俸給表のそもそもの発足は、行(一)の五等級以下を五つに割ったのだ。もちろん、五つに割ったというよりも、もう一つつけ加えたということになりますが、そういう俸給表で三十一年発足したわけです。ところが、昇給問差額が非常に悪いです。だから、十年たつと五千円違った、一万円違ったということになる。その昇給間差額を行(二)の場合にもう少し是正をしてもらいたいですね。確かに引き上げ率は、総裁のおっしゃるように、注意をして、引き上げ率は行(一)よりも幾らかよくなりました。心持ちよくなりました。毎年心持ちよくなっております。ですが、昇給問差額は直っていない。だから非常に悪いから、十年たったらおっさんのところと六号違っちゃった。たまたまぼくは自動車運転手になったために、向こうは同じ中学、高等学校出て事務員になったために五千円違った、七千円遣ったという話が出てくる。これは問差額ですよ。問差額が悪いですね、非常に悪い。たとえば一等級だって、一等級というのは六等級と同じ問差額じゃないですか、六等級と。だから言う、ならば、問差額というのは六等以下をとっているのです、行(一)の。だからいけない。行(一)の六等級よりまだ悪いのです。行(二)の一等級の間差額というのは、行(一)の六等級よりまだ悪い、まだ悪いのですよ。こんなことじゃ困りますね。だから、五年たつと、十年たつと、言われるのですよ。困ったものですね。どうも人事院というのは七百何人おるのですから、もっとしかりしてもらいたいな。
それと、もう一つ総裁に伺っておきますが、行口の、おたくのほうで出しておられる民間の給与の実態調査をやられますね、その中からこの勧告が出てくるわけですね。これを見ますと、行口の場合の超勤というのはおびただしいものですね。
本俸の五割か六割、七割という超勤ですね。この超勤というのは非常に大きい。たとえばボイラーにいたしましても、それから船の関係の行口の問題につきましても、ここに出ている超勤というのが本俸の五割、六割というのが至るところ出てくる。この公務員の場合のこういう行口の人たちの超勤についての考え方というのを聞きたいと思うのです。ちょっと急にはどうということにはなりませんでしょうが、非常に超勤が多いということ、民間の場合には本俸に該当するくらいに多い。
それともう一つ、民間の場合と行口との違いは二十七、八から四十くらいというのが非常に多いということで、それはそうでしょう、技術と力でいくわけですからね。技能ですから、働けるときに最も高い給与をやっている。非常に高いですね。二十五、六から四十前後というところろの給与というのは非常にいいですね。公務員の場合は行(一)をまねたような形になっているのですからね。おまけに行口の昇格を小うるさく言う。行(一)よりもはなはだしく冷酷に扱ってやっているというところはまずいというので、今度は給与局長もかわったわけですが、次長もかわりましたし、勧告担当の事務を直接扱う一課長もかわったわけですね、これで陣容を一新したわけですから、ここらあたりもやはり従来と違った考えで臨んでもらいたいと思うのです。なにせ十七、八年もいる長い局長ですから、日本のレコード・ホルダーですよ。十七、八年という長い局長ですから、もっぱら防御一方の考え方であったわけで、そうではなくてもっと積極的に改善をしてもらいたい。その改善の過程においてはでこぼこも出るだろうし、矛盾もあちこち出てくるのは当然ですが、しかし積極的に改善をしてもらいたいと思います。そういう点についてちょっと聞きましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/127
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128・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) ちょっと超勤のお話が出ましたのですが、御趣旨をちょっととらえかねるところもあるのですが、超勤手当のもう一つ手前の問題としては、超勤そのものということはあるわけでございますが、近ごろの一つの新しい傾向じゃないかと私は思うのですけれども、とにかく無用の超勤はさせないでくれという声も相当あがってきているわけです。そういう面からいいますと、民間よりも公務員のほうが超勤が低ければ、それはまた一種の満足すべき一つの形になると思うのです。そういう面をとらえておっしゃっていらっしゃるのか、あるいはそうじゃなしに、とにかく手当のパーセンテージなり何なりが民間のほうがよくて公務員が悪いということになりますのやら、そのところを的確に把握いたしかねますが、超勤そのものについては一応そういう傾向があるということでございます。
もう一つ、手当のパーセンテージの関係を見ますというと、あるいはこのパーセンテージだけでいかぬのじゃないか、やはり実働というものをかみ合わせていかなければならないから、だからお金の額のほうで大体比べてみるということになりますと、どうもわれわれの調べでは、公務員のほうが多少超勤に対応するお金の額としてはこれは民間よりも少ないかもしれない。しかし、それ以外のいろいろなプラスの問題があるものですから、お金の問題で大まかに言って官民の超過勤務に対応する支給額というものは見合っておるだろうということなんですが、何しろこれはもとの問題があるものですから、ちょっと的確にお答え申し上げかねると言ったほうが正直じゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/128
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129・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 行政日表の昇級関係につきまして私からお答え申し上げたいと思いますが、いま鶴園委員二つの点を御指摘になったのですが、一つは、行政日表につきましては昇給間差額が行政(一)表に比べて非常に少ないという点が一つでございます。それからもう一点は、民間の給与、それから公務員の給与を年齢的に比較してみると、公務員の給与は二十七、八歳から三十歳代が悪い、こういうお話でございます。それで、この両者は密接な関係があるわけでございまして、職種別に民間給与の実態を調べてみますと、特に行政日表につきまして、たとえば運転手の職務について見ますれば、これは年齢にかかわらず、一人前としての仕事ができるということでありますと、年齢にあまり関係なくかなりの給与が保障されるということになっておるようでございます。
したがって、たとえばそれこそ、おっしゃいましたように、二十歳の初めのころも、三十歳代の終わりのころにおきましても、四十歳代におきましても、そんなに違いがないということになっておるのであります。これは行政(一)表における事務職、技術職における関係、これが相対的に低い初任給から入りまして、経験を積み、熟練を積みまして高いポストについていく、こういう関係とは職務の内容が非常に違っておるわけでございます。したがって、行政事務職のような場合には、相対的に低い初任給から、ポストによりましてかなり上がっていく、つまり昇給カーブはかなり高くなっておるということになっておるのでありますが、先ほどの御指摘の場合には、二十歳代おいても四十歳代においてもそんなに違いがない。違いがないということは、結局それは一つの俸給表にいたしますれば、初任給は相当高い、しかしながら昇給金額に相対的に少ないということになるのでございまして、そういう関係が行政(一)表と行政日表との俸給表の立て方の基本的な違いでございます。したがいまして、たとえば行政日表につきまして、高校卒で行政日表に入りますれば四等級四号俸ということに大体現在なっておるわけでありますが、一方行政(一)表で事務職のほうに入りますれば八等級一号俸ないし二号俸ということでございまして、行政(二)表のほうが現在でも二千六百円くらい高くなっておるわけであります。かなり初任給は高くなっておるわけでございますが、それでもなおかつ、鶴園委員が御指摘のように、民間よりは行政(一)表に近い目の形で昇級額が高くなっておるということで、若いところはやや低目ということになっておるわけでございます。で、年をとって高くなるという形になっておりまして、そういう関係が行政(一)表と(二)表とは基本的に違っておるのでございまして、行政(一)表と(二)表を統合してもらいたいという要望もあったのでございますが、民間とのバランス、それからそういう特殊な技能職員につきまして採用する場合の関係なんかを考えますと、やはりそれぞれの職務に相当した給与を支給することを容認することが適切ではなかろうかというように考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/129
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130・鶴園哲夫
○鶴園哲夫君 いま局長がおっしゃる話は、原則論としてはわかるわけですね。ですが、この昇給間差額を見た場合にも、そういうふうにはなっていないのですがね。これを比べてみたのです、きちっと比べてみたのです。これは行政職口の一等級ですね。行口の人はここで終わるわけです。その間差額を見てごらんなさい。千六百円ですよ。
六等級と同じ六等級よりまだ悪いのですよ。これはひど過ぎますよ、この昇給問差額というのは。
それで、それじゃ若いとき、二十四、五から四十前後のときにぐっと上がるような昇給問差額になっておるか、そうじゃないのですよ。絶えず落ちてしまうのです。ベース改定よりも昇給間差額がでっかいのですから、ベース改定というのは一年に千円くらいのものでしょう。この間差額が違うと、すぐ違っちゃうのです。十年たつと五千円、一万円違っちゃうのです。ですからその点と、それから昇格問題が、もっと昇格問題というのを行(一)と同じようにもう少し積極的に考慮を払っていく必要があるという点、それは行(二)というところは非常に行(一)と違って、行(一)というのは局長なり課長のすぐそばにいるわけですが、行(二)というのは非常に散らばっておるわけです。非常に散らばりまして、中には課の中に一人しかいない。局の中に一人か二人おるわけです。地方に非常に多いのですから、そういう人たちの昇格問題というものについては、結局行政機関というのはうとくなる、知らないということになるわけですよ。それを、法務省の検察官が、局長やっている、課長やっているものですから、一般職の公務員の問題について関心が薄いのと同じ、それ以上に薄い。ですから、そういう点について、人事院はこれは給与担当しておるところなんですから、私はもっと積極的にこういう問題について配慮を払っていくべきだと思うのです。
次に、時間がたちましたので、扶養手当は今度逃げちゃったのですが、どういうわけだ。去年あるいは手を焼いちゃったから、今度は逃げちゃった。総裁も御存じでしょうが、平均値をとらないで、へんちくりんな並み数論になっておる。それもほんとうの並み数ならいいのですが、子供が、小学生がやるような並み数で千円残した。それで平均でいいますと、人事院のこの資料にも詳しく出ていますよ。全規模で千四百二十一円ですね。
五百人以上の企業では妻配偶者は千七百六十一円ですね。だから、本来全規模でいえば千二百六十一円というものをとらなければならなかったのに、それでは近過ぎるので、並み数というものをとらなければならぬ。本年やればまたかみつかれると思って逃げた。相当いただけませんですよ、これは。ですから、去年はそういう形で逃げたわけだから、本年調査しなくても、去年の資料がりっぱにあるわけです。ちゃんとあるわけですから、これはやはり扶養手当を上げなければいけないわけですよ。妻−配偶者については年々上がってきているのですよ。明確に上がっているのですから−人事院の調査によりましても、年々上がってきている。子供の問題については目につくような上がり方をしていないのですが、配偶者については、これは御承知のとおり、年々上がってきているわけですよ。ですから、去年千四百円か千五百円にすればよかったのですよ。もっとも二十年前に人事院が千二百五十円という扶養手当を出したことがありましたけれども、惜しいですね。ですが、これは逃げたのですね、かみつかれると思って。これはしかし、ほんとうに総裁、考えてもらわなければ困りますよ。去年数字が出ているのですから、ですから逃げないで、去年の数字を使ってもやれるわけですから。そうでないと、来年また大きな問題になりますよ。来年は二千円出さなければならないということになる。五百人以上の規模では、去年の規模では千二百六十一円と出ておるのです、人事院の資料の中に。ですから、この点はひとつ配慮してもらうのと、住宅手当はあれだけ言っておるのに、総裁は、住宅手当はことしは五年目です、ことしは調査されたというのですが、総裁はどうも住宅手当というものと住宅政策というものをごっちゃにしておられるのじゃないかという気がするのです。住宅政策というのは政府がやることだし、住宅手当は人事院がやることですから、ごっちゃにしないようにしてもらいたい。住宅手当というものと住宅政策というものは別問題だという点ですね。それで、私が言っているのは、従来から住宅手当をここで盛んに言って、総裁が、人事院が調査するようになったのは、結局、住宅をもらっておる者と、官舎に入っておる者と入っていない者との差別をどうするのだという点ですね。それから、配転が全面的に及ぶようになった。昔は、十年前はそれは局長とか課長とかそういうところしか配転しなかったけれども、いまやほとんどすべての公務員が配転の対象になっているのと、その二つから官舎というものあるいは住宅手当というものを考えなければならぬということを主張をしたわけですよ。それで、その経過が出てきまして、去年は、御承知のように、住宅施設を持っておって、そうしてこの転勤がある事業所、これでは五二%というところが住宅手当を支給しているわけです。全産業で見た場合には、従業員一人当たり八百十四円支給されていますね、住宅手当を。これはここに出ておる。人事院資料の中に出ているわけです。全従業員一人当たり住宅手当というものが八百十四円で、住宅手当を出しておるところは一人当たり二千五百七十二円という数字が出ておる。ですから、八百十四円という住宅手当が出るなら、全従業員に対してないところとあるところと、住宅手当を出しておるところと出してないところとなべてみても八百十四円というものが出るのであればこれは総裁、住宅手当というものは考えなければならない。御承知のように、交通手当に踏み切ったときには五百円ですよ、ですから、ぼくはここで、やはり住宅手当というものに踏み切るべきだと思うのですがね。ことしはもっといい調査が出るでしょうから、住宅手当というものに踏み切ってもらいたい。本年踏み切ってもらいたい。
なお私は従来から言っておるのですが、住宅手当という名目のものだけ調査してはだめです。民間の調査をする場合に、住宅手当という名目だけではだめです。調整手当を出していないか、あるいは別居手当を出していないか、そういうものまで含めて考えなければこれは住宅手当を出すという姿勢の調査ではないので、繰り返して主張しているのですが、そういう調査はおそらくことしもやっておられぬでしょう。ですから、いずれにしても、この住宅手当は本年はひとつ踏み切ってもらうと、全従業員に対して八百十四円出ておる。
もらっておるところは二千五百七十二円という数字が出ておるわけです。そういう点についての総裁のお考えを聞いておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/130
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131・佐藤達夫
○政府委員(佐藤達夫君) 扶養手当は別に逃げも隠れもしたわけではございませんので、先ほども触れましたように、去年の民間調査の結果からいうと、配偶者をあの程度にしておけば、子供のほうの部分は官民ほぼ同じだ、手をつける必要はないということでまいりました。なお、千何百円のお話は、これはやっぱり配分の問題がございますからして、言いかえれば、扶養手当を高くすれば独身の方々のベースアップのほうから犠牲を引き出さなければならぬというかね合いの問題になりますから、まず千円ぐらいがほどのいいところだということでまいったわけです。
住宅手当は、もうおっしゃるとおり、これはわれわれとしては一番大事な問題だと思っておるわけでございます。ことしも、したがって調査をしております。その調査の結果によってまた判断をせねばなるまいということであるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/131
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132・尾崎朝夷
○政府委員(尾崎朝夷君) 先ほど鶴園委員から、標準生計費と俸給表との比較につきまして資料を出してもらいたいという御要望があったのでございます。しかしながら、標準生計費のほうは生計費でございます。片一方のほうは収入、給与でございまして、その両者につきまして比較をする場合に、手取り、それから税金という問題がございます。したがって、税金部分を控除いたしまして手取りを出して、そして比較をするということに正確には相なるのでございますけれども、その場合に、やはり年間の税金、計算は年間の計算という問題にもなりますし、かつ何人世帯の規模にそれぞれの人がなっておるかという点、さらにはそれぞれの世帯における世帯人員の収入が税金問題でございますからどうかといったような、そういう関係にもなりまして、現在の資料といたしましては正確な突き合わせということはなかなか困難だと思っております。しかしながら、そういう意味で標準という意味合いになっておるわけでございますけれども、そういう正確性を期さないという面におきまして両者の突き合わせばどうなっておるかという点の検討につきましては、検討してみたいというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/132
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133・豊田雅孝
○委員長(豊田雅孝君) それでは、ほかに御発言もないようでございますから、本件につきましては、本日はこの程度にいたします。
これをもって散会いたします。
午後二時十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105514889X00519670420/133
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