1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十二年六月二十九日(木曜日)
午前十時三十六分開会
—————————————
委員の異動
六月二十八日
辞任 補欠選任
木暮武太夫君 玉置 和郎君
—————————————
出席者は左のとおり。
委員長 大谷藤之助君
理 事
楠 正俊君
中野 文門君
秋山 長造君
鈴木 力君
委 員
北畠 教真君
近藤 鶴代君
玉置 和郎君
内藤誉三郎君
吉江 勝保君
小野 明君
小林 武君
千葉千代世君
国務大臣
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
政府委員
文部大臣官房長 岩間英太郎君
文部省初等中等
教育局長 齋藤 正君
文部省体育局長 赤石 清悦君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
参考人
財団法人日本学
校保健会常務理
事 可児 重一君
—————————————
本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数
の標準等に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
○教育、文化及び学術に関する調査(学校保健に
関する件)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/0
-
001・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
委員の異動について報告いたします。
昨二十八日、木暮武太夫君が委員を辞任され、その補欠として玉置和郎君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/1
-
002・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
学校保健に関する件について、本日、参考人として財団法人日本学校保健会常務理事可児重一君の出席を求め、その意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/2
-
003・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/3
-
004・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
なお、政府側より、剱木文部大臣、齋藤初中局長が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/4
-
005・秋山長造
○秋山長造君 きょうはこの法案の内容に少し入って質問したいと思うのですが、まず、今度の改正案を拝見しましても、昨年の秋に出されました中教審のこの後期中等教育の拡充整備についてという答申と相当関係があるように思いますので、この答申との関連で若干お尋ねをしたいと思います。
この後期中等教育の拡充整備についての答申は、今後の文部行政、特に後期中等教育に関係した文部行政の上でどういう位置を占めるのか、どういう位置づけになるのかという基本的な問題について、大臣の御所見をまずお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/5
-
006・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 中教審から後期中等教育の振興につきまして答申があったわけでございますが、文部省の学制の全体から申しまして、いわゆる十五歳から十八歳程度の年齢層におきまして、まあ人間としての能力の一番伸びると申しますか、その適性に応じた教育を必要とする時期に際会しておると思います。そういう意味におきまして、この答申が出されたのでございます、なお、実際問題として、今日、後期中等教育すなわち高等学校の教育に対しまして、就学率と申しますか、入学者の率は非常にだんだん上昇してまいりまして、今後まあ八〇%にも及び傾向になっておりまして、いま義務教育の問題が論議されておりますけれども、いわば準義務教育的な傾向を呈してまいっておると思います。そういう意味におきまして、文部省といたしましては、この答申の線にできるだけ尊重いたしまして、後期中等教育の充実に、大きな施策の重点といたしましてつとめてまいりたいと、こう考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/6
-
007・秋山長造
○秋山長造君 そういたしますと、文部大臣としては、この答申を全面的に受け入れて、今後の後期中等教育に関する文部行政はこれを基本にしてやられると、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/7
-
008・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) もちろんこの答申の内容によりまして、直ちに実施できるものと、それからやはり相当各委員会その他について諮問をいたしまして決定をすべき問題とございますけれども、本筋としましては、この答申をそのまま受けまして、この答申によってできるだけの実現を期したいと、こう考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/8
-
009・秋山長造
○秋山長造君 そうすると、答申の中にいろんな問題が含まれ、いろんな項目が並べられておるわけですが、そういうものを取捨選択しながら、全体として具体化していくと、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/9
-
010・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/10
-
011・秋山長造
○秋山長造君 その場合、まあ答申の内容は、ただ高等学校の教育ということだけに限りません。もちろん高等学校教育が中心にはなっておりますけれども、それ以外のいろんな教育機関の問題、あるいはその年齢層の青少年に対するいろんな教育問題というものが含まれて、非常に広いわけです。高等学校だけじゃございませんけれども、さしあたって、いま当面の問題は、この法案に取りまとめられた高等学校教育の問題になるわけですが、今度の法案のどういう点がこの答申の具体化ということになっておるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/11
-
012・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 中教審の答申の中で高等学校教育の改善に触れられました部分は、まあ方向としてはかなり多岐なものを予想しております。で、その中で今回の法案に直接関連ありますのは、改正法十三条の一項第二号に、高等学校の学科につきまして、従来の農、工、水産、商業、家庭というグルーピングで必らずしも律し切れないような新しいものが出てくることが予想されますので、それに対応いたしますために、教職員組織について特則を設けるという根拠を置いた点が直接関連ある点でございます。なお、全体といたしまして、高等学校の学級定数の改善をはかり、あるいは専門教育についての教職員の組織の厚みを増すということ自体は、やはり全体として高等学校教育の振興に役立つもの、かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/12
-
013・秋山長造
○秋山長造君 いろんな点で、ある程度今度の法案へこの答申の趣旨を盛り込んでおられるというお話ですが、直接具体的なやはり多様化ということがまず取り入れられておると思うんですが、それはそのとおりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/13
-
014・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 多様化が進みますのに即応し得る根拠規定を置いたというのが性格でございます、この法案自体で多様化をきめるのではなくて。そういう意味です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/14
-
015・秋山長造
○秋山長造君 この多様化という問題ですが、結局、多様化ということ、この答申でも非常に強調しておられるわけで、文部省のほうでもその多様化の具体的な方策というものはまだ結論は出ていないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/15
-
016・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 先ほど申しましたように、高等学校の多様化というものは、方法として幾つかいろいろなものがあり得ると思いますが、その中でまず手がけておりますのは、学科の種類、それが高等学校の全教育でどういうふうに専門的な学科が展開されるか、なお開拓すべき分野にどういうものがあるか、それから同じ職業的な専門教育でありましても、非常に広いものも必要でございまするし、また技能的に非常に専門を狭くしてやる学科もまたシェアとしては少なくとも必要であるということでございまして、それは必ずしも法律制度を変えるということではなくて、現にありますものを各府県が参考にしながら、どういうふうに自分の県下の高等学校教育を展開していくかという努力はすでになされておりまして、本年度もある程度の進展を見ております。それから既存の学科以外にもなおどういうものがあるかということを、現在、中教審、理科教育及び産業教育審議会に諮問しておりますから、それが逐次答申が出てまいりますと、それを参考としながら、府県がその学科の設置について考える。それを設置いたします場合には、それを財政的に援助していくという考え方でございますので、これはすでに部分的に進行しているというふうに御判断になっていいと思うわけでございます。なお、この答申には教育内容の問題にも触れております。そこは学科の設置ということでも、新しい学校を設置いたしました場合に、専門教育をどの程度、どの種類のものを取り入れるかということとも関連がありますし、また、広く学科がどのようになりましても、いま多様化というだけの要因ではなくて、高等学校教育の教育内容をいまの時点でどういうふうに考えるべきかという課題とあわせまして、この教育内容全般につきましては、本年度中に教育課程審議会に諮問をする段取りになっておりまして、諮問に要する経費についてはすでに予算に計上済みでございます。そういたしますと、ここで第一に掲げられております多様化の問題を現実にどの程度までできるかというめどができるわけです。その他、個々に制度的に、たとえば短期のものでありますとかいうことがございますが、これは制度問題でございますから、なお本年度、研究会を設けまして、また実態調査等をいたしまして、むしろこれはこれから検討を進めるという段階になっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/16
-
017・秋山長造
○秋山長造君 私、次にお尋ねしようと思っておることを局長先にお答えになったのですが、いまの局長のおっしゃるような疑問を実は私は持っておったのです。多様化というのは、どうも今度の法案のあの政令にまかされているのがありますね、あの条文なんかから端的に受ける感じで、どうも多様化というのが、ただ職業課程の学科を少しふやすだけのことに限定されて受け取られたような感じを受けていたのですけれども、やはりそれは多様化の中の一つであって全部ではないというお考えのようですから、まあそれは一応反問いたしませんけれども、私もあるいは局長のおっしゃるよりもっと強い意味でそのように思うのですよ。ただ、いま高度経済成長で若い労働力を非常に求めておる。しかもその要求はもう実に多種多様である。したがって、その需要にこたえるためにいままでのような学科だけでなしに、もっともっと学科をふやして、そして職業課程というものをバラエティーを持たしていきたいということだけなら、これは何もこれだけのそうそうたる学識経験者が集まって長い年月かけてこれだけの答申をもったいらしくやられる意味がないと思う。学科をふやす程度なら何もそんな審議会なんかやらなくても、これはもう事務的にでもどんどんやり得る性質のものだと思います。問題はそうではなしに、やはり教育の本来の意味での内容、教育そのものの内容、教育の質といいますか、そういうものの再検討、多様化、あるいは教授法なんかについても、たとえば英語なら英語、数学なら数学、国語なら国語、そういうものの教授法の多様化、教え方、あるいは学び方にバラエティーを持たしたもっと人間性の豊かなものに質を変えていくべきじゃないかというようなことも含めるのか。ただ学科だけふやす多様化なら、これは需要供給の関係で、経済界から要求されるからそれにこたえて学科をふやしていくということはまことにおざなりのもので、教育的にどれだけの価値があるかわからないという気がするのですが、そういう意味の教育内容の多様化ということについては、教育課程審議会でこれから具体化の方法を審議されるということですが、これは教育課程審議会に諮問されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/17
-
018・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 現在、教育課程におきましては、小学校、中学校は相当程度進行して、審議会としては本年度中に結論を得るようになると思います。したがいまして、本年度のうちに高等学校については諮問するという段階でございまして、その準備といたしまして、実は先般、教育課程審議会に関する政令を改めまして、高等学校の部門というものを新たに新設いたしまして用意をいたしておりますが、諮問の時期はいま義務教育にかかっておりますから、ことに高等学校になりますと、いま単に多様化問題だけではなくして、非常に各般の問題が高等学校の問題にはございます。その基盤といたしまして、やはり八〇%に及ぶものが入ってくる、そうして、その能力というものは必ずしもその知的能力だけではなくて、いろいろなほうに活用せらるべき能力をどう展開させるかということ等があるわけでございますから、そういうものを事務的にしばらく問題点をこれから集約していきまして本年度中には諮問をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/18
-
019・秋山長造
○秋山長造君 本年度中に諮問されるということ以上にいまのところ出ていないわけですね。本年度中にということになりますとそう早くはない。そうすると、具体的に動き出すというたら年を越す、こういうことになるでしょう。大体どのくらいな時間をかけて答申を、これは向こうが自主的にやられることではあるけれども、あなたのほうの腹づもりとしてはどういう今後スケジュールを考えておられるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/19
-
020・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 審議期間は従来の経験から見ますとやはり二年置くことがいいと思います。そのくらいのまた課題があると思います。ただ、もう一つ申し上げますと、学科というものは単に職業教育だけではなくて、御承知のように、普通科以外の専門学科というものは職業に関するものが大部分でございますけれども、必ずしも職業だけではございません、現存するものは。そういうものを高等学校でどう展開するかということについては有力な材料になってくるわけでございます。また、特に理数系のようなところの多くのものにつきまして、職業学科として成立する可能性があるかどうかということを、現在これは理科教育を担当する審議会で審議中でございます。そういう学科というまとまりで、どこまでいまの多様化の要請にこたえられるかという推移を見て、そうして今度は学科ということの中で、さらに教育内容というものにどういうふうにバラエティーを持たせるかということの段取りに移るほうが、高等学校の実際を考えますと、その議論を集約するのに容易だ、何か一つだけでこの要請にこたえるというものではないのでありまして、両方やらなければいけない。その両方やるのにどっちがアプローチのしかたとしては的確に把握し得るかというと、私は学科としてまとめ、またその成立の可能性ということをきわめて、ある程度の見通しを得た段階で各学科を通ずる教育内容をやるほうが問題点がはっきり出るという意味で、まず学科のほうの問題を先に検討に移る、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/20
-
021・秋山長造
○秋山長造君 もう一点念を押しておきますが、そうすると、職業科とか、職業課程学科をふやすとか、あるいは職業科に関係の深い理数科関係なんかの学科についてだけでなしに、普通科についても、およそ高等学校の教育内容の全体についてその質と量、両面にわたって慎重に検討する、こういう方針ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/21
-
022・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) さようでございます。そこへ持っていくための順序というものを、いま申し上げましたような順序でその仕事を進めていくほうがより的確に結論が出るであろうという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/22
-
023・秋山長造
○秋山長造君 そこで、質的な再検討という面は、なかなか広範囲にわたって手数のかかることだから、第二段といいますか、今後の相当長期間の検討にゆだねるということで、とりあえず、量的な多様化といいますか、職業課程のこの学科をふやすということにまず取りつかれたと思うのですが、そのほうの多様化、今度の法案に入っている多様化というのは、いまのところまだ具体的なものがないので政令にゆだねるという形にされているのですが、この見通しはどういうことですか。それと、それから同時に具体的にどういうことを考えておられるのかということを、この際、率直なところを承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/23
-
024・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 十三条二号では、先ほど申しましたように、多様化の学科自体を指定するのではなくて、定数の加減をすべきものがいかなる種類と内容であるかを、ここで、この政令はあとを追っかけてやるわけでございますから、そこで、現在は補足説明で申し上げましたように、従来の水産、工、商の以外の分野として近年続けてまいりました衛生看護科に関する特則、定数上の加算というものをこれに基づいてきめるということを、いま一つだけは現実に考えております。衛生看護科についてほぼ工業並みの定数配置をしよう、実習が多いのでございますから、そういうことを考えております。あと、どういうものがございますかと申しますと、この職業教育その他についての学科のどういう種類のものが今後答申をされ、また、現実にそれを府県が採用するかという事態を待っておるわけでございますけれども、
〔委員長退席、理事中野文門君着席〕
趣旨といたしましては、たとえば純然たる新しいものでなくて、かりに商業という大きな分野としましても、それがやはり家庭という分野でありましても、その種類によりましては、工業のように大きく実験、実習というものが、必要な学科というものがさらに出てくる場合に、これはそこで加減をするということでございます。その組織も学科によりましては教員のほうを充実すべきなのか、むしろ実習助手のほうを非常に特例的にたくさん要するのか、そういうようなことを考慮いたしますと、将来にわたって、この規定を置けば単年度の財政上の要求によりまして、その必要な部分に加えていくことができる、そういう配慮をしておくほうがよかろうということで、この一部を加えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/24
-
025・秋山長造
○秋山長造君 衛生看護科は一つ具体的に出ているのですね。それについては新たに教員三人、実習助手二人を加算して、ほぼ工業科並みということが出ているのですけれども、それ以外の、ここで政令にゆだねられておる、今後何が出てくるかわからぬという要素が残っておる、それが問題なんですが、それは一体、理科教育及び産業教育審議会ですか、それの結論待ちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/25
-
026・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 高等学校は国が直接設置するものではございませんから、理科教育及び産業教育審議会で、こういう学科が考えられるということのサンプルを出し、そうしてその中身の教育課程についての基本的な方向をお出しした場合に、それを具体的にどう設置するかということは府県の仕事でございますから、府県がそういうものを、自分の地域では必要だということで設置しました段階に、それを教職員を特別に配慮してやるかどうかということを見まして、政令で財政措置を講ずるということでございまして、この政令自体が、何か学課をつくっていくという性質でもございませんし、また、審議会が出したものが即、出したからすぐここに政令で指定するというのでなくて、それは現実にそういう学科が府県の段階で展開されるということになってみて、初めて政令で財政措置をしてやる、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/26
-
027・秋山長造
○秋山長造君 そうしますと、既存の学科については、農業、水産にしても工業科にしても、さっきの衛生看護科にしても、そういうものは法律できちっときめておるわけですね。こういうものはもうすでに過去の長い実績を持って現にあるから法律できめておる。で、これから先のものはわからぬから、一切政令にゆだねる、こういうことになりますので、やはり先に、それはなるほど府県が自主的にやるものではあるけれども、しかし、やはり財政的な裏づけというものを配慮していくのは、これは政府の責任ですからね。だから、そうすれば当然将来新しいものができるにしても、それはもう府県が全然おれの負担でおれがかってにやるのだというわけじゃないのですから、政府のほうが交付税なり何なりというような形で財政的な手当てをやられるわけですから、当然やはりいままでのやり方と同じように、どの学科についてはどういうように法律上規制をしていくかということはやはり法律で、政令にゆだねるのでなしに、そのつどやはり法律できちんときめていくべきじゃないかというように思うのですがね。それからもう一つ御見解を聞いておきたいのですが、こうやって、いままでなかった新しい学科が次々に多様化多様化ということで出てくると、結局、地方で自由だとはいうものの、やはり高等学校というものには、一つの高等学校としての基準というものがあるわけですから、高等学校設置基準というものが厳としてあるわけですから、そうしてその中には、学科の種類までずっときめられておるわけですね。そういうものとの関係はどうなってくるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/27
-
028・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 現在でも農、工、水産につきまして原則をきめておいて、「特別の事情があるもの」というものについての加算をする規定はあるわけでございます。ですから法律にどの限度まで入れるかという問題であります。今回の政令で定める学科というのも、従来の農、工、水産あるいを普通科というものの原則を、もう法律できめておって、そうして、ただそれが学科の種類、新しく出たものによって部分的にその加減をするというだけの規定でございますから、政令の委任がいわゆる全部という考え方でなくて、従来の法律に入ってないから、それはそこでもう基礎は法律上保障される。それをどういうふうに動かすかということが、将来の学科の設置によって動かし得るかという規定を置くほうが、むしろ府県の実態に合わして、私どもが自治省との交渉において財政措置でやるのに便宜じゃないかということでありまして、これがあるから財政補償が不安定になるというふうには考えないで、むしろこれを積極的に活用したいというのが私たちの念願なんでございます。この法案を一々訂正をしないでも、そういうことが財政上してやれるという規定を置きたかったのでございます。もちろん、先生おっしゃるように、今度はそういうものが非常に普遍化してまいりまして、もう従来の農、工、水産と同じようにどんどんやっていくというようなことも、それは一つの方法として考えられますから、その段階にはそういたしますことも考えられますけれども、現在この規定を置くことは、われわれは府県が設置します学科の種類によっては、むしろ手早く財政措置をやりたい、その根拠規定をどうしても置きたいというのが私たちの念願でございまして、この点は財政的に見ればいつ増加の要因が出てくるかもわからないということで、財政的には相当受けるほうは渋る考えになりがちでございますけれども、しかし、今回その多様化というものが逐次前進していくだろうということで合意に達して、私どもは、どうしてもこの規定を必要だ、むしろ財政を援助するために必要だというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/28
-
029・秋山長造
○秋山長造君 その点の局長の善意は、それはわからぬことはない。わからぬことはないんですが、ただ、これ、各都道府県の教育委員会がそれぞれローカルカラーを生かして、自由にどんな学科でも設けられるとはいいながら、じゃ何でもそれぞればらばらにやりほうだいかということじゃないと思うのですよ。多様化だから何でも多いほうがいいということじゃないと思うのですね。やっぱりおのずから高等学校として一つの資格条件というものを整えたものである以上は、やはり相当いまおっしゃるとおり普遍的なものでなければならぬし、また、普遍的なものでなければ長続きはしないのじゃないかという感じもするのですけれども、そこで、それはいま全然不確定なことで、何が出てくるかわからない。しかし、出てきたときにすぐ機を逸せず、それに対する財政的な手当てをやりたいと、その必要からこういう政令にゆだねるという項目を置いてあるのだということですが、しかしそれも、むしろ逆に考えますと、どうもそこらにまあ多様化という抽象的なことだけが出て、それがどの程度の今後広がりを持ってくるかということがはっきりせぬものですから、そこに不安というか疑問を持たざるを得ないわけですが、しかし、全然これから何が出てくるかわからぬというような、ばく然としたことのために、わざわざこういうきちっとした法律の中にそういう項目を、ばく然とした項目を置くということは私はどうかと思うのです。やっぱり具体的なものがきちっと出て、しかも、それが相当安定性、普遍性を持っているということになって、そして、その場合にやっぱりはっきり法律でいままでの工業とか、水産とか、農業とか、看護科とかいうようなものと同じように、やっぱり法律の条文できちっとうたうということであって決しておそ過ぎはせぬのじゃないかという気がするのですがね。この政令にゆだねられておるために、かえって局長のいまおっしゃるような善意が逆に不安の要素になってきているのじゃないか、くるおそれがあるのじゃないかというような感じを持つわけですがね。まあ衛生看護科ということは、いまおっしゃったからそれでいいんですが、その他わからぬというても、大体どういうことぐらいなことは、地方の教育委員会は独自でやるのだとはいうものの、やっぱりあなたのほうとしては、大体どういうものと、どういうものぐらいなことは、やっぱり大体予想されておる。あるいはあなたのほうとしてのお考えがあるのじゃないですか。学科をふやすにしても、どういう学科を一体ふやすということは、あなた方のお考えというものは別にあるのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/29
-
030・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 今後、多様化すべき分野が、多様化というよりも、従来設置を見ないような学科で、どういう種類のものが、農業、工業、商業課程というような分野にあるか、これは現在検討中でございます。先生おっしゃるのは、むしろ、こういうものが定数問題よりも、どこまでいくのだろうか、どこまで細分化してしまうのだろうかという御心配のような御質問の趣旨が主であって、われわれがこういうものがそう大きなシェアを占めるのじゃなくて、むしろ、そういうものが必要な分野もあるだろう、そうして、それをすべて、たとえば機械なら機械というものを、全部の高等学校を細分化してしまうというようなことは毛頭考えない。機械なら機械、電気なら電気というものの広い分野のものも必要である。しかし、電気の中でも弱電なら弱電についての問題を集中してやる狭いものも置かれることも考えられるというふうに思うわけで、たとえば農業関係でも、これはこの指定が政令で指定するかどうかは別にいたしまして、たとえば森林関係の地域によりましては、森林土木というようなものを必要とするということが出てくるかもしれません。しかし、これはまだ検討中でございます。いずれにしても、そう大きな原則できめますものと比較するような大きなシェアを占めるものではないから、むしろ原則をきめておいて、部分的なものですから、政令で確認してやるほうが、高等学校を設置してやるほうの側では便利であろうというふうに考えるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/30
-
031・鈴木力
○鈴木力君 委員長、ちょっと関連さしてください。いまの問題ですね。わかるようなんですけれども、どうもわからぬのが一つあるので、関連ですから簡単に伺いますが、農、工、水産というように基準を定めておいて、その原則に基づいて、たとえばある学科を政令で定める、こういう行き方だと、そういう説明に承ったのですけれども、そういたしますと、私ども一番心配なのは、高等学校設置基準のそれぞれの部門によって学科というのは定められてある。それ以外に政令でという場合に、このワク内で政令で定めるというのだけれども、根拠法の何を基礎にしてやるのか、少くとも設置法との関係はないわけはないと思いますから、そうしますと、この設置法で、時間の節約のために私のほうからもう少し申し上げますと、設置基準の六条の3の「その他専門教育を施す学科として適正な規模及び内容があると認められる学科」と、こうあるわけです。おそらくこれを根拠にして、あと政令で学科を定めていく、こういうことがもし説明だといたしますと、これは秋山委員がいま心配して質問しておる心配は解消しないと思うのです。たとえば、衛生看護学科という学科が政令でできておる。——政令でできておるのですね。そうしますと、いまの高校の設置基準は、どこを見ても、これは農業に関する学科のワクに入るのか、水産に関するワクに入るのか、商業に関するワクに入るのか、それはないわけでしょう。そうすると、その他のワクに入りますと、こう言われてきますと、原則が固まっておるという原則は、逃げ道の原則がどこまで広がっていくかわからぬという心配はいつまでも出てくると思うのです。それらの関係をもう少しはっきりと伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/31
-
032・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 最初に申しましたように、御審議いただいております法案自体は、学科の設置の根拠をきめるものではございません。これは財政保障的な意味を持ってつくってあるわけでございます。でございますから、御指摘のように、いかなる学科が具体的に展開するかというのは、いまお示しの学科設置基準の学科のところの農業等いろいろな大きなグループの中で、いろゆる小学科としてどういうものが出てくるか、またこの三項にございますように、このグループ以外にその他の専門学科というものがどういうふうになっていくかということ自体の問題でございまして、それが出てまいりましたときに、この財政保障の観点から、そのうちのどれかは政令で指定して、教職員についての特則をやるということでございますから、このこと自体は実はどう展開するかは別個のことでございます。それが新しくできたからすぐこれにかえるかどうかは、これは教職員の組織の必要性によって出てくることでございますから、その点はこの政令自体で特別の学科を指定するというんじゃなくて、いろんな学科が現実に出たその中で、教職員の財政保障としてどの部分は加算するかというようなことを指定するのが、これがここのこっちのほうの政令でございますから、その点はどうも私少し御質問の趣旨が多様化問題と、それとこの財政保障の意味とちょっとこんがらがって受け取っておられるように私ども思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/32
-
033・秋山長造
○秋山長造君 これはこんがらがる、まああなたのおっしゃるのは、財政保障ということに重点を置いて言っておられる、それからまた、いま提案されている法案もそういうことに重点を置いた法案ですからね。それはあなたそういうようにおっしゃるけれども、これはこんがらがると言えばこんがらがるかもしれぬけれども、しかし、大いに関連することですからね、財政保障とは言いながら。そこで、私の言うのは、ただやはり財政保障ということだけからこの高校学校の問題を取り扱ってはいけぬという感じがするんですよ。地方を自由にやれば何でもそれを認めるんだというわけにはいかぬ。それだったら初めからこの高校設置基準なんかというようなもので、こんなにずっと学科を一応列挙して規定をしておく必要はないわけなんで、やはりこれは原則だと思うのです、基準ですから。ただ、例外として、ここにあげられておる以外のものをも拾い上げる余地を残しているだけのことなんで、私の言うのは、その拾い上げる余地ですから、これはあくまで例外的なもんですわね。ところが、多様化多様化ということで、いかにも何か次から次へいろんなものが出てきそうだという感じを与えておられるから、あるいは私がそういう感じを持つから、それではちょっとこの設置基準の、ただ、「その他専門教育を施す学科として適正な規模及び内容があると認められる学科」と、こう例外的にその余地を残されているのは、その例外のほうが大きくなってしまって、高等学校設置基準そのものも事実上くずれてくるんではないかというようなこととも関連してくるから、それで申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/33
-
034・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 高等学校の学科自体をどういうふうに考えるかということが、慎重を期しますために審議会に問うて、そして、どういう学科が現実に必要性があるか、それから、それも高等学校教育という現実の中で果たし得るものとして適当であるかということを審議会に問うて、そして、それをお示しすることによって府県にそれを取捨選択する材料を提供するということでございますから、設置自体はそういうふうに進んでおるわけです。そういうものが設置された場合に、政令でそれについて特別の手当をする道を開くということでございますから、特にこの規定は学級編制の基準じゃなくて、教員算定に関する特例でございますから、いまおっしゃったその学校自体に対する規範というものの条文ではございません。なるほど学級編制に関するところはその財政保障という意味だけでなくて、現時点における学級規模という一種の規範を示しております。しかし、この教員定数のほうは現実にはその府県の高等学校の総数に対してどういうふうな標準を置くかということ、その標準をきめれば府県でも予算条例等で争わなくて、その標準を目安としてやりいいだろう、一つはまた標準に基づいて交付税でそのとおりの財源措置をしてやるというところがこの法律の効果でございますから、私はこれ自体で、まあ多様化自体の価値というものの御議論はあっても、このところへその議論を持ってこられるのは、少し私どもの考えでは、場所としてむしろそれは多様化自体の限度というものをどういうふうに考えるかという課題であろうというふうに思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/34
-
035・秋山長造
○秋山長造君 だけれども、まあここで多様化の問題の具体的な根拠の展開ということは、これは問題にせざるを得ぬからいましておるのですがね。いまの問題はもう少し議論してみたいと思うのですが、これはその十三条のときにまたやることにして、そこできょうはちょっと時間がありませんので、もう少し先へ進みますが、多様化の、いま審議会、審議会とおっしゃるのは、理科教育及び産業教育審議会、これのことを言っておるのですね。それにはもう諮問をされて、その結論はいつ出るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/35
-
036・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 結論はこれから出てくるわけでございます。しかも、その結論の出方というものは順次確実性のあるようなものから出していく、一ぺんに高等学校の全体がどうだということは、これは審議会としても不可能でございますから、順次、たとえば農業の分野でこの部分が考えられるであろうというようなふうに、逐次、本年度内に審議会としては答申をしてくるだろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/36
-
037・秋山長造
○秋山長造君 それでこの答申の中に、まあこれも多様化なのかもしれませんけれども、いわゆる短期高等学校、それからあるいは中学校、高等学校、ずっと一貫した六年制の中等教育機関というものがうたわれておるわけですがね、これは先ほどおっしゃったように、文部省に設けられる調査会ですか、何かそういうもので検討されるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/37
-
038・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) さようでございます。この問題はむしろ法律制度に関連することでございますから、ただいまの学科とか、あるいは教育内容自体というようなものは法律の問題でございます。したがいまして、慎重に検討しなければならないことでございますので、まずこの現在短期のものとして要望されております教育施設の実態調査をするということの経費もとっておりまして、実態調査をし、それが一種のこの短期の制度として導入された場合の利害得失というようなものを相当こまかく見てまいらなければなりませんので、いまお話のありましたように、研究者を委嘱いたしまして、これから検討にかかるわけでございます。それから六年制の問題にいたしましても、これはまあ重要な課題でございますから、これは特別の分野にどういう教育が必要なのかというので、これも今後の検討に待ちたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/38
-
039・秋山長造
○秋山長造君 先ほど文部大臣は、この答申は全部そのまま尊重をして、そして今後、早いかおそいかは別として具体化していくつもりだということをおっしゃったんですが、この短期高校だとか、あるいは六年制の教育機関ということになってまいりますと、これはまあせんだって来議論をしてきた六三制、現在の学制そのものと相当関係してきますしね、まあその現行制度全般についての問題は、新しくできる中教審に相当長期の見通しで諮問をするつもりだということを大臣は再三おっしゃったわけですが、そういうこととどういうように関係してくるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/39
-
040・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私が申し上げましたように、この中教審の後期中等教育の答申につきましては、そのまま尊重をいたして実施に移してまいる所存でございますが、ただ、直ちに実施のできないものにつきましては、相当の機関に諮問をいたしますとか、そういうことをやってまいりたいと、こういうことを先ほども申したつもりでございます。それでいま六年制の、中学校と高等学校を合わした六年制の課程を設けるということは、まあ三年の教育期間が短過ぎるというような論理から、こういう問題を取り上げてきたんだと思いますが、秋山委員の申されたとおりに、これはやはり現在の六三制の基本に関する問題でございますから、私としましては、こういうことも含めて、近く中教審に学制全体の問題についての諮問をいたします際に、これらも含めて検討してもらおうと、こういう考え方を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/40
-
041・秋山長造
○秋山長造君 その文部省も独自で幾らかの予算を組んで、調査研究会という項目で予算に組まれておりますが、先ほどの齋藤局長のお話では、文部省の部内の調査研究会を設けてそこでやるんだと、こうおっしゃったんですが、それと中教審でやるんだということと、これちょっと抵触してくるんじゃないかと思うんですが、これはやはり中教審なら中教審でやるという問題も含めてやるというのが筋のように私は思うんですけれどもね、どっちがほんとうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/41
-
042・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) もちろんこの答申がございますから、文部省で調査研究をいたしておりますけれども、しかし、文部省でやる一定の調査研究で結論が得られましても、これは学制の基本問題でございますから、どうしてもやはり中教審等の答申とか、そういうことを待たないと、実施にはなかなか移しにくい問題ではないかと思います。ただ、中教審に諮問をいたします事柄の内容につきましては、単にこの問題だけでなしに、この問題も実は申し上げておるのでございますが、中教審に対しまして諮問をいたしますと同時に、文部省内部におきましてもいろいろな問題について調査研究を並行的に行なってまいりますし、中教審の必要とします材料提供とか、そういったような問題については、文部省自体も調査研究してまいる。でございますから、ただいま申し上げましたのは、部内におきましても調査研究をいたしますということは、中教審に諮問することは何ら矛盾しないと私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/42
-
043・秋山長造
○秋山長造君 いま大臣のおっしゃるとおりならそれは矛盾しません。それはもう当然中教審にかける問題でも何でも、文部省自体として調査研究を不断に続けられるということは、それはもう当然だろうと思うのですが、ただ、いまのはいつも文部省のこの所管事務としてやっておられる調査研究でなしに、調査研究会という項目で新しい予算を組んで設けられるわけでしょう。だから、その常住不断にやっておられる調査研究とは違うのですね。だから、この調査研究会というものは、一体これを調査研究するために設ける、文部省の所管事務として常にやっておられる調査研究ということじゃなしに、何か特別な目的をもってやられるのじゃないですか、今度のこの調査会を設けられるということは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/43
-
044・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) ことに六年制の中等教育機関の設置については、この答申自体も、関連する諸問題の中で検討する必要があるというふうにまあおっしゃっているわけでございます。ですから、大臣おっしゃいましたように、これは六三制、学制そのものにまあ部分的になるわけでございますが、私どももそのいろいろな材料を、私たちだけでなくて専門家の協力、正式の審議会に諮問をするというようなことじゃなくて、研究の協力を得ながらいろいろな材料を集めていく、これがもしも本格的な問題になりますれば、大臣のおっしゃいましたように、中教審の段階に入っていくだろう、今回の予算に組まれましたのは実は非常にたくさんの問題がございます。たとえば中学校における観察指導のあり方というようなもの、残っている問題をとにかく全部われわれとして検討いたしまして、検討いたしますために、われわれだけでは不足でございますから、研究協力者を設けてやっていこうということでございますから、学制の基本にかかるような問題は、大臣が御答弁したとおりの趣旨とお考えになっていいことでございまして、それがこの一種の、正式の審議会のように、これの結論が出たら早急に直ちに施策として取り上げるというようなものでないものがあるし、また、実際そこで研究したならば、われわれが教育制度に関係するものと、むしろ内容の改善ということで、たとえば中学校の観察のような問題のように、すぐ改善にかかれるものが幾つかあるわけでございますから、大臣の御答弁のとおりに御承知いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/44
-
045・秋山長造
○秋山長造君 そこで、この答申の主文の最後のほうに、「なお、将来において、十八歳までなんらかの教育機関に就学する義務を課することの可能性について検討する。」、こういうまあ俗に言えば高校義務化、高校だけのことを言っておられるわけじゃありませんけれどもね。まあ高校の義務化ですわ。で、これは当時、中教審の会長であります森戸さんもこの答申を文部大臣に出すに当たって談話を発表されておりましたが、その中でも相当こう強調されておられたように記憶するのですがね。この問題はどうですか。文部大臣はどういうふうにこれを取り上げていくおつもりなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/45
-
046・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私といたしましては、義務教育九年に延長して今日にあるのでございますが、やはり民主国家として国民の教養を一そう高めるという意味におきまして、どうしてもやはり可能である限りは義務教育年限の延長ということを考えるべきだと考えておるのでございます。この答申におきまして、高校教育まで、いわゆる十二年の義務制を考えようというようなことであろうかと存じますが、今度、中教審に諮問をいたしますにつきましては、いま問題になっております幼児教育、特に就学年齢の引き下げという問題も含めまして義務教育年限が九年でよろしいか、なお延長すべき必要があるかどうか。延長すべき必要があるとすれば、就学年齢を含めてどのくらいな年齢まで義務教育といたすべきかということもあわせて中教審に諮問をいたすつもりでございます。この答申の線の実施にあたりましては、あくまでやはりその線を尊重いたしまして施策の中に入れてまいる、こういう気持ちでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/46
-
047・秋山長造
○秋山長造君 あともう二十分間質問を続行いたします。
次に、今度のこの改正案というよりも、現行の標準法と高校設置基準との関係について若干お尋ねしたいと思うのです。これは法律用語だろうと思うのですが、高校設置基準、「基準」ということばが使ってありますね。それから今度の法律は「標準」ということばが使ってある。一体、基準と標準というものはどういうように使い分けしておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/47
-
048・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 基準と標準自体の法律用語を抽象的に申しますれば、基準というもののほうが、何というかその動く幅が狭くて、標準のほうがやや動く幅がゆるいというように一般に使い分けられております。ただ、ここで設置基準自体は学校教育法に基づきまして各段階の基準、これは厳密な意味で標準法に使っておる標準との対比で基準ということばをいまのような意味で必ずしも当時使われたかどうかは問題だろうと思います。すべて学校を設置するにあたっての目標になることを各学校段階別に何々設置基準という形で書いてあるわけでして、法律用語自体ではいま申し上げましたようなことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/48
-
049・秋山長造
○秋山長造君 この標準法が三十六年にできましたね。三十六年に標準法ができて以来というものは学級編制あるいは教職員定数というようなものはこれによってやってきておるわけですが、この法律ができる前はそういうものは何によってやっていたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/49
-
050・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 標準法は義務教育に関するものも高等学校のものも公立学校ということに限定して出した、その実際的な効果と申しますのは、地方団体に対する財源を保障するという機能、それに着目しておるわけでございます、これを設ける必要があったのは。したがって、標準を標準なり、あるいは義務教育で基準として定数上使います場合には、やはりそれに基づいて国は地方団体に財源措置をするという現実的な判断のもとで行ないますので、そこで、国庫支出を通じて学校教育としてどういうふうなことを目標として考えるかということは、おのずから態度に差が出てまいりましたし、現実の財政上、他と均衡でどこまで保障するかという考え方が実際には主に立っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/50
-
051・秋山長造
○秋山長造君 それはわかるんですが、局長のおっしゃるとおりなんで、私が聞いておるのは、それを聞いておるんじゃない。財政保障ということに重点があることはもうよく承知しておりますが、しかし、それにしてもこの法律は三十六年にできたわけでしょう。それで、それ以前には何を根拠にして、何を標準にしてはじき出しておったのかということを聞いておるんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/51
-
052・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 財政的な関係から申しますれば、この標準法がなかったときには、交付税の配分基礎の省令に基づいてやっておった。標準法ができまして、今度は配分の中に教員給与についてはこの法律に定める定数というものの要素が濃く入ってまいりますから、地方団体の財源措置としてはより有効性が高くなったというふうに御承知になっていいと思います。それでは、それ以前に国の財源措置は別といたしまして、何を目標として高等学校のイメージを描いて地方団体では措置しておったかということになりますれば、甲号乙号という基準、そういうものを目安にしながら地方団体の実態に応じて考えていったというふうに言えると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/52
-
053・秋山長造
○秋山長造君 この設置基準というものは、これは今日も依然として健在なんでしょうね、生きておるんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/53
-
054・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 生きておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/54
-
055・秋山長造
○秋山長造君 文部省のほうもこの設置基準というものは、あくまでただ形式的に生きているということでなしに実質的に生きておる、また生かしておる、これに基づいて、これを基本原則にして行政をやっておられるというように受け取ってよろしいか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/55
-
056・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 財政措置をいたします場合に、これ自体に意見としてはいろいろございますけれども、こういうふうに省令としてあるわけでございますから、その関係をも考慮しながら措置していく、こういうわけでございます。
〔理事中野文門君退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/56
-
057・秋山長造
○秋山長造君 そこでいつも問題になるんですが、一番わかりやすい例は設置基準の第七条ですね。「一学級の生徒数は、四十人以下とする。」、こういう設置基準の第七条と、それから標準法の第六条ですね、現行五十人、改正案では四十五人と、こうなっておりますが、この関係はどうでしょうか。これについてもいろいろ局長のほうにも御議論があるようですが、この関係をもう一度はっきりしておいていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/57
-
058・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 第七条で、高等学校については一学級については四十人以下とし、ただし特別の事情があるときはその数をこえることができるということが教育的に考えまして一つの理想というか、目標というか、そういうことは、この条文の中にきめられておると思います。しかし、私どもといたしましては、高等学校の実際を考えまして、教職員定数の改善をどうはかるかという具体的な問題になりました場合に、どこに着目するかという立場に立ちました場合に、学級編制と教職員の厚みということ、それは高等学校の実態といたしまして、たとえば専門教育でありますれば、教室の普通は四十五人でありましても、具体的に三つとか四つとかに分けて班別指導する、その具体的な教育の営みというものに着目いたしまして、その部分の改善をはかる。どっちをとるかということを考えました場合に、私どもは改正法で提案をいたしましたように、学級規模の限度というものを、職業は農水等に四十人になっておりますから、普通科の五十人は大き過ぎるので、四十五ということに順次下げていく、これは財政問題でございますから、経過的に教室等の関係がありますから、順次実施をしていくという考え方をとりつつ、一面に教職員の厚みを増すということを考えまして、この定数法の改善によりまして、半々に人数といたしましも、学級編制の改善という部分と、定数改善という部分と半々くらいのウエートをかけるほうが、高等学校の教育を現在の時点で引き上げるのには有効であろうという判断でかようにいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/58
-
059・秋山長造
○秋山長造君 まあ齋藤局長の教員の厚み論何回も聞いてきたのですが、しかし、それは教員の厚み論というのは、この設置基準のたてまえとは別な議論でなしに、やはりあくまで高等学校の教育はどうあるべきかという本質的なこの見地から設置基準の第七条というものはできていると思うのです。ですから、やはり高等学校の問題を議論する限りは、いつもやはり第七条というものは大前提として置いた上での議論でなければならぬ。これが現に生きて動いておるとおっしゃる以上は議論にならぬと思う。たとえば、現行法上五十人、そして、改正案で四十五人、こういうことも、齋藤局長のおっしゃるように、これは第七条へ持っていかなきゃならぬのだが、財政的な見地からいまのところ過渡的に四十五名というところでがまんをせざるを得ない。しかし、それでは設置基準の、この基準からあまりにも隔たるものだから、その他いろいろな要素をつけ加えて、その設置基準で一挙にいけぬというところをできるだけカバーをして、そして高等学校教育の効果をあげていこうと考えているのだという意味で、いわば足りない点は、財政的な事情その他で一挙にいけぬところを、他の要素で補っていくのだという意味の教員の厚みという議論なら私は受け取れるのですけれども、齋藤局長の議論をいつも聞いておりますと、一応は高等学校設置基準というものは尊重するのだ、これはあくまでも基準だということをおっしゃるけれども、おっしゃりながら、あとをしかしとついてきて、教員の厚み論というのが出てきて、そして、あたかも設置基準の第七条というものはだめなんだ、現実の問題にならぬのだ、やはり標準法の考え方のほうが正しいのだという議論に受け取れるのですが、その関係は大臣どうですか、大臣も一番御見解のあるところだと思うのですよ、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/59
-
060・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) 先にちょっとお答えしておきます。議論にわたります部分は差し控えたいと思いますけれども、私どもも先般本法が審議をされました際に、附帯決議で甲号基準を指向しろという御決議もございまして、その実質というものをどういうふうにとるかということで、教員について申しますならば、標準規模の学校のところは、すべて教員については、かりに基準のほうは四十人で計算をしたその方式をとりましても、私の言う教職員と生徒の比率におきましては、ある規模では同等であり、ある規模では教員については上回っておるというようなふうになっておるわけです。例を申し上げますれば、九学級では、甲号基準で四十人の学級編制を基準として計算したものと同数でございますし、十二学級ではむしろ二人増し、それから十五学級でも二人、甲号基準で計算したよりは増す。それから十八学級、二十一学級では、教員については同数というふうにしておるわけでございますから、これはこの法律の性格からいたしまして、学級編制のほうの標準であります。それから教職員定数の標準でございますから、そういうことを考えますれば、教員についてみますれば、甲号基準の実質というものはとっておるのだというふうに私は考えたいのであります。ただ、大規模学校の設置基準の数のはじき方等につきましては、これは議論を申せば、標準規模を棒伸ばしにしていくことが財政上いいかという点がございまするが、その点はかげんをしておりまするけれども、私どもは甲号基準の教員の規模の実質は財政保障としてとっておるというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/60
-
061・秋山長造
○秋山長造君 そこのところが私とちょっと違うのです。局長のおっしゃる学級規模というのは、この基準四十人とか五十人とかいうのは、あくまで教員定数をはじき出す一つの目じるしというか、いわゆる標準ですか、方便として言っておられると思うのですよ。しかし、設置基準の第七条にいわれておる「四十人以下」というのは、そういうことじゃないと思うのですね。これはやはり高等学校の一学級の生徒教というものは、あらゆる教育的な見地から考えて、やはり四十人以下でなければいかぬ、そうでなければ、やはり高等学校教育の効果を十分におさめ得ないという教育的な教育効果そのものから、私は、この四十人というのが出てきておると思うので、他のどういう要素が加わろうともそれは別として、やはり少なくとも一学級の生徒は四十人以下でなければ、これは十分な教育ができぬという趣旨から、私はこれはできておるのじゃないかと思うのですよ。ですから局長のおっしゃるのとちょっと見地が少し私とは、ずれておるのではないかというように思うのです。それで、これは去年の法改正のときだけではございません。三十六年に現行法ができたときにも、衆参両院でやはり附帯決議がついておるのですね。もうわずらわしいから読みませんけれども、あなたが高校設置基準の甲号に持っていくのが理想だと、その内容は、第七条の一学級四十人以下というところにやはりポイントを置いておると思うのですが、しかも、教育効果をあげるためにとか、高めるためにとかいう頭書きの附帯決議がもう衆参両院でも当時行なわれておりますし、去年の一部改正のときにも同じようなことが重ねて決議をされておるのです。それからまた、その当時の文部大臣、また去年も当時の文部大臣がそれに対して、全く同感、同意見の所信を表明されておるのでね。ですから、やっぱり局長のおっしゃるのもそれはわからぬことはありません。それは局長のような立場で、特に財政的な考慮ということがいつも頭にこびりつかざるを得ぬ立場ですからね。だから、わからないことはありませんけれどもね、しかし、これは本質論にはなりませんわ。やっぱり方便論ですよ、局長のおっしゃるのは。私は他にどういう事情があろうと、やっぱり一刻もすみやかにこの第七条の一学級「四十人以下」、四十人じゃない、「四十人以下」と、こう書いてあるのですから、どんなに多くても四十人と、こういう意味で、もっと少ない、もっと三十五人、三十人にしていく必要があるということを言外に私は含めていると思うのですね。この点、文部大臣の御所見を伺っておきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/61
-
062・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 今回提案しております教職員定数の標準等に関する法律は、御承知のように、高等学校の生徒数が減少期に入りまして、そして、ずっとこれを放置してまいりますと、先生が、いまのままの五十人の定員でまいりますと相当退職しなければならぬような事情が出てきますので、その機会を利用してというとおかしいのですけれども、同時に、まあ先生の任務を確保しつつ定数を改善していこうというのが大体法案の趣旨でございます。でございますが、これはそういう一定の限界におきまして、無理のなく実施のできる程度のことを、今日、財政的な措置として定数上の改善をいたしたのでございますが、これが最終段階におけるわれわれの理想的な姿であるとは考えていないのでございます。したがいまして、この改正いたしましたのによりましても、局長がるる説明いたしましたように、四十名という基準によりましてはじき出した数よりも有利な面もあるということは、いろいろ局長の言われる厚み論で、四十人にならなかったことに対する補完的な操作をやったということでございます。現段階においてはこの程度で一応がまんをしていただきたいということでございます。もちろん一学級の定数が四十人であるべきか、何名が適当であるかということは、いまだ学問的には相当まだ考究——定説はないと思います。しかし、四十人以下であるほうがいいということは、理想的な姿においては私どもも常識的にもいえる問題ではないか。ただ、五十人でございますのを一足飛びに四十人にいたしますことは、教室の設備の問題とか、地方の財政の問題とかということを考えまして、やはりこれは漸進的に進まなければならぬ。でございますので、現段階におきましては、四十五名を適当だと一応考えておる。しかし、将来の問題として地方財政の問題及び国力の問題を考慮いたしますと、やはり一学級は四十名ということをもって理想とする。私どもとしてはそれに近づくように、定数の面から申しましても、今回が理想的な姿ではないと考えますし、その四十名の姿の、理想的な姿に将来とも近づいていくような努力は当然に行なわれなければならぬと思います。これはまあ局長の答弁と、多少のニュアンスが違う点があるかもしれませんけれども、私どもとしては、やはり四十名を理想として、その設置基準に近づくような今後とも努力をしてまいりたい。ただ、現段階におきまして、不十分ではございますが、少なくとも五十名でありました当時よりもずっと定数におきまして改善をして、理想に近づきつつある努力の一端だということだけで御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/62
-
063・秋山長造
○秋山長造君 大臣のおっしゃるほうが私はまともだと思うのですよ。そこで、私の希望を言いますと、大臣のいまおっしゃったようなことを、歴代の大臣が言ってきておる。この法律をつくるときにも、また改正するときにも。また、それが設置基準を尊重するゆえんでもあり、基準の基準たるゆえんだと思うのです。一挙にそこまでいけないことははなはだ残念にも思うし、不満に思うのですけれどもね。ですから、私の申し上げるのは、四十名にさえすれば、あとはもう何にもせぬでもいいというのじゃないのですよ。そこが局長にちょっと考えていただかなくてはならぬのは、四十人以下にすみやかに持っていって——高等学校設置基準というものを二十二年につくったのですが、もう二十年たっているのに、まだ設置基準というものが基準に事実上なっておらぬわけですよ。だから、これは一刻もすみやかに四十名まで持っていくということを骨にして、そうしてそれにプラス、その齋藤局長の教員厚み論というものを加味していって、初めて私はまあまあきちっとした姿ができてくると思うのです。ですから、局長に申し上げますが、第七条にかわる齋藤局長の教員厚み論でなしに、第七条というものを骨にした上での教員厚み論ということで、厚み論を大いに展開していただきたいと思うのです、今後。いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/63
-
064・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) どっちの方式に重点をとるかによって厚みの程度というものが変化が起こることは、ただいま申し上げましたように、甲号基準と、それから今回の改正法の比較をしてみれば、生徒と先生の比率ということで考えますればおわかりになると思います。ですから、それは学級編制に主を置いてとる場合の厚みと、それから学級編制をある程度の規模にとどめておいてとるべき厚みは、これはやっぱり相関関係が生ずると思いますけれども、それは議論にわたりますので、大臣の答弁のように御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/64
-
065・秋山長造
○秋山長造君 これでやめますが、もう一度、齋藤さん、念を押しますが、齋藤さんも大臣のおっしゃったとおり、第七条、一学級の生徒数四十人以下というところへ持っていく、この努力は今後一そう積極的におやりになるおつもりですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/65
-
066・齋藤正
○政府委員(齋藤正君) その点は、教室との関係というものが具体的に非常にあるわけでございます。それで、これはわれわれとしては、やはり将来にわたっては理想に向かって前進すべきものと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/66
-
067・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言がなければ、本法案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/67
-
068・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 教育、文化及び学術に関する調査中、学校保健に関する件を議題といたします。
質疑のある方は、順次御発言願います。
なお、政府側より、剱木文部大臣、赤石体育局長が、また、参考人として可児日本学校保健会常務理事が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/68
-
069・千葉千代世
○千葉千代世君 私は学校保健の発展の立場から、きょうは日本学校保健会について特に当面の問題とか、それから組織、運営、経理について伺いたいと思うのですが、まず当面の問題を先にしたいと思いますが、その前に、文部大臣にお伺いしますが、この財団法人日本学校保健会と文部省の関係はどういう関係になっておりましょうか、文部大臣にお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/69
-
070・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 私からお答えをさせていただきます。御承知のように、学校保健会は歴史の古い団体でございますが、法的な性格といたしましては、民法法人、財団法人でございます。したがって、一般的な監督はございますけれども、たとえば特殊法人のような非常に密接な関係にはない、一般の財団法人というかっこうになっております。また、事実関係を申せば、仕事の面においていろいろと協力願ったりしたりしておりますけれども、補助金はいまのところございません。しかし、学校保健大会とか、そういうことを共同主催する、こういう面で二、三、事業において共同している、こういう関係になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/70
-
071・千葉千代世
○千葉千代世君 たとえば事業内容等について、事業を遂行していく場合に、文部省が計画その他について指導とか、助言とか、そういうことはございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/71
-
072・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 一般的にこの種の団体に対しまして必要以上に役所が深入りして指導するということは差し控えております。ただ、求めに応じまして、何かお尋ねがあったような場合、そういう場合におきましては文部省の考え方なり指導方針と申しますか、一般的に学校保健について持っておる考え方等につきまして申し上げて参考に供すると、こういうことになっておると思います。ただ、他面、人間関係でございますから、学校保健というのは非常に役所の立場を離れまして個人的な人間関係がございます。そういう面でいわゆる役所としての関係というよりも、人間としての結びつき等で事実上影響したりされたりすると、こういう関係は事実上存在しているのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/72
-
073・千葉千代世
○千葉千代世君 たとえば補助金ですけれども、ちょうどいま当面の問題で、私、今度、愛媛県で全国の学校保健大会が開催されるわけですが、そのことを伺いたいと思ったんですから、補助金といいますか、文部省支出のお金の件ですが、いままで補助金はたしか十万円でございましたね。それはいつごろから十万円で、今度何か百万円といううわさを聞いていますが、それはほんとうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/73
-
074・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) この十万円というのははっきりした柱を立てたお金じゃございませんで、他の、他のと申しますか、学校保健関係の事務費の中から特に十万円程度やりくりして、従来、共同主催でございますから、実際支出しておったわけでございます。これは補助金じゃなくて、何と申しますか、支出委任と申しますか、主催する、たとえば今度は愛媛県でございますが、愛媛県のほうに支出を委任する、こういう関係でやっておったわけでございます。しかし、御指摘のように、本年度百万円の予算を、柱を立てて計上させていただいた次第でございます。その気持ちは、実際三千人ぐらいこの保健大会に集まりまして、引き受けた県が——県によりまして違いますが、三、四百万円もしくは四、五百万円といったような、かなり膨大な経費を必要としております。ところが文部省はわずかに十万円では幾ら何でもこれはたいへん少ない金額であるし、せっかくいい仕事をやろうとして関係者の皆さんが努力しておられるわけでございますので、やはり文部省ももう少しがんばって応援しようじゃないかと、こういうことで、ことしから百万円計上させていただいたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/74
-
075・千葉千代世
○千葉千代世君 その百万円の計画案ですか、後ほどまた聞かしていただきますけれども、その百万円の支出の費目ですね、それは文部省のどの費目からでしょうか。計上費の中にそういう費目が、何か体育局の費目なんかにございますのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/75
-
076・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) これは大きな項目で申せば、学校保健振興費といったような大きな柱の中で、全国学校保健研究大会費でございますか、そういう予算の項目になっております。内訳は、これはまあ役所のしきたりでございますが、講師とか、助言者をお願いしたような場合の謝金、それから講師、助言者をお招きしますから、委員等旅費、それから会議とかで会場をお借りする場合の借料費、大体こんなふうな中身になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/76
-
077・千葉千代世
○千葉千代世君 そうしますと、それは今度の予算の中にあるわけで——私ちょっと社労をやっていたものですから詳しいことを知りませんで、今度の四十二年度に取りました予算の中にあるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/77
-
078・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/78
-
079・千葉千代世
○千葉千代世君 そこでお伺いしますが、今度の大会ですが、それは文部省とどこの共催になっておるのでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/79
-
080・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 文部省と学校保健会と、たくさんございます。今度は愛媛県でございますから、愛媛県教育委員会、愛媛県学校保健会、松山市教育委員会、松山市学校保健協会、愛媛県高等学校教育研究会、愛媛県教育研究協議会、以上が主催団体でございまして、後援には県、市、それから市町村教育委員会連合会、愛媛大学、こういったような教育関係もしくは学校保健関係、あるいはPTA関係、こうした団体が後援団体になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/80
-
081・千葉千代世
○千葉千代世君 そうしますと、この十一月の二十五、六、七日に開かれます全国学校保健大会は、端的に言って、文部省、日本学校保健会、愛媛県教育委員会を含めた八つの団体の共催で、後援団体が二十一、特に愛媛県教育界オールあげたたいへんな行事でございますわけで、愛媛県じゅうあげての行事になっておるわけですね。そこでそういうわけですから、愛媛県じゅうたいへんな準備だろうと思うのですが、私たいへん話が飛躍いたしますが、いま瀬戸大橋ですか、たいへん問題になっていますね、愛媛に行くとかいって、まだできていませんけれども。それをめぐって、これは大臣にこの点は特に伺いたいのですが、淡路島と鳴戸とか、今治——尾道とか、もう一つ——A、B、Cと三案があってどれがいいとか悪いとか、何年越しかなかなかきまらないという政治的な問題があるとか、この件に限ってはその三つの県とも与野党さんがたいへん、議員さんも必死になってたいへんなファイトを燃やしてやっている最中で、結論が出たのでしょうか、出ないのでしょうか。それをちょっと伺わせていただいて話を進めてみたいと思います、これはちょっと関係があるような気がいたしますので。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/81
-
082・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私も所管でございませんから詳しくは存じませんが、技術的な委員会の調査の答申は出たようでございまして、三線に対して、その工事の難易及びその工事の内容等についての技術的な答申は出たようでございます。これに対しまして、ただいまこの経済的な価値とか、あるいは実際に引く場合の経済効果その他につきまして検討中で、まだどの線にするということは決定を見ていないと聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/82
-
083・千葉千代世
○千葉千代世君 そうしますと、文部省は百万円出しておる。別に愛媛県に何ら関係あるわけはないてすね。したがいまして、今治——尾道の瀬戸大橋の関係に宣伝しなきゃならない責任はさらさらないわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/83
-
084・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) この保健体育大会は架橋の問題とは何ら関係がないと思いますが、いま気がついたんですが、写真を表紙の端に入れまして、多少、県の宣伝に利用してるというのは、いま気がついたんですが、しかし、大会そのものは何ら架橋とは関係ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/84
-
085・千葉千代世
○千葉千代世君 もちろん賢明なる剱木さんは、いままでたいへん私も賢明な方だと思ってますから、そんなばかげたことはしないと思いますけれどもね。事愛媛教育界があげてこの行事に取り組んでいるという異常なほどの熱意でしょう。文部省がいままで十万円を百万円にふやしているというのでしょう。それほどたいへんな熱意を燃やして、そしてやろうというときに、この表紙を、私まあこれは文部省からもらったんじゃありませんから、どうぞあしからず。そこでね、共催なのに何で愛媛県というのを出して、中を見ると愛媛県教育長名義でもって、これ出したですね。出したか出さないかわかりません。これは大体ことしの予定で、いままでの推定ですというと、前年の群馬の例をとったんですが、大体三千人招集されて、群馬県の例を見ますとね。群馬でやっぱり教育委員会で主催のときに三千人集まった、県内と県外合わせて。ことしも大体二千六百九十七名くらいの予定で、県外から千五百七十名、地元から千百二十七名だから、少なくとも二千六百九十七名には、これは配られるわけですね。その他ありとあらゆるところへいくわけでしょう、少なくともいくわけです。一人の負担金を千三百円とるわけでしょう、県外の場合は。県内はもっと少ないでしょうけれども、二日間の昼食費を含めて。宿泊費は別に一泊千五百円徴収するわけです。そういうふうになりますというと、そして、ここに私、たいへん恐縮ですけれども、ここのところに、愛媛県教育委員会、ここに、「かけよう瀬戸内海大橋(今治−尾道)」と、こうたいへんちらちらと書いて、大橋がもうできちゃってるわけです。これを見ますと、もう瀬戸内海大橋は今治——尾道ということが、愛媛県は文部省の百万円を使ってやったか、文部省はこれに、逆にいえば、いま文部大臣は全然関係ないと言うが、利用された、完全に利用された。私はまあお金が足りない場合に、まあチラシか何か、このことは別にして、まあその県自体が、いいことでありませんけれども、その県内、県内で出席していく場合にまあ何かの機会に何らかの方法で資金集めする場合もあるかもしれません。百歩譲って、しかし堂々とこの要項の中に愛媛県教育長、表は愛媛県、伺えば八団体の名前があって、そして文部省が筆頭の主催者になってて、後援するし、オール愛媛県でしょう。教育界全部あげてますよ。愛媛は、群馬の大会においでになって、ことしの準備のために愛媛の有力者の学校保健界の重鎮がこぞってきて、一日も早く帰ろうと思って、大阪か何かの飛行機の事故がございましたね。あそこでおなくなりになる、たいへんな犠牲をなさってるんですね。それまでして取り組んだ行事なんです。ですから、私はこころにやはり教育者を集めたこの大会の良識というものを働かしていただかなければならないのじゃないかと、こういうわけで、これはどうなんですか、文部大臣。これはどことどこへ配られるのでしょうか。これお答えいただきたいのですが、これはここへ集まるのは、徳島もくるでしょう。地元に近いですから徳島もくるし、それからあとの県は香川県がありますしね。それからもう一つは、高知は関係ないですね、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/85
-
086・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) これはどうも恐縮に存じております。いまよく調べてみますと、これ自体はこれは費用は国費を全然使っておりませんで、従来の慣例が、こちらは昨年のものですが、県がつくるたてまえになっておる資料のようでございます。ただ、だからと言って、しかし確かに御指摘のように、全部これを比べておりませんけれども、やはり文部省が一応共同主催しているその事業のことでございますから、このような特殊な、ここに入るということはちょっと私ども気がついておりませんので、これは検討に値いする問題のように考えられます。いまどこに配るかというお尋ねでございますが、毎年二、三千人集まっているようでございます。県内が三分の一、県外が三分の二でございますか、その集まる参加者全員に配る資料のようでございます。したがって、愛媛県以外の四国三県からの参加者もこれはたぶん見る資料であろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/86
-
087・千葉千代世
○千葉千代世君 私これはさらさら何も関係ありませんから、まあ言わせていただきますけれども、非常に不見識きわまるわけですね。しかも、さっきの御答弁の中に、いろんな会の運営その他については御相談にあずかるということをおっしゃったわけですね。あずかるというからには、それから人的な問題についても流通のあるようなお話もありましたし、そういうふうに考えていけば、相当緊密な連絡がなされていなければならないはずです。そういうふうに考えていった場合に、これは配られるようですでは済まされないし、ここになぜ百歩譲って、そのままここに、共催なら共催と出さないで、「愛媛県」として、中を見ますというと、主催県ですから、歓迎の辞で、地域の会長さんが、準備委員会の会長さんが歓迎の辞をおっしゃるのはこれはけっこうでしょうけれども、ちょっと見ますと、愛媛県が一人でやっているのですね、これ。これはどういうことになっていますか。
それはそのくらいにしておきまして、問題は、これはどうしましょう、配りますか。そこだけちょっとはっきりしていただいてくださいませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/87
-
088・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) これは若干、なおよく検討させていただきたいと思いますが、いま前年度のやっと比べまして、私いまここで思いつきましたことを申し上げさせていただきますが、従来、先ほど申し上げましたように、所要経費も本年度の五十分の一ぐらいでございますから、おそらくまあ県に全部おんぶしておったと思います。したがって、こういう印刷物についてもちろん国がまるっきり知らないわけではございませんが、何らかの意味で事前に相談にあずかっておったと思いますが、およそ大半の費用は県で持っておったわけでございますので、いつとなく惰性上県だけの名前でつくっていいんだというふうに慣例上なってきておった。ところが今年百万円とれた、そのときにこういうことがあったという、まことにこれは私としてはどうも困った現象が出てきたと考えざるを得ないのでございますが、やはり相当、国も共同主催者として財政的にもあれしようじゃないかという、こういう時期でございますので、従来の慣例はけっこうでございますが、このような印刷については、まあ検討すべかりしものであったと、こういうふうに考える次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/88
-
089・千葉千代世
○千葉千代世君 そこでお金に関連いたしますけれども、いままでの開催地の、たとえば群馬なら群馬でけっこうですが、前年度の開催地、その前、熊本もおやりになったし、静岡もおやりになったし、ずっとおやりになっていらっしゃいますね。だいぶ費が——五、六百万円かかっているところがございますね。群馬でもずいぶんかかっておって、一人から大体千三百円、千円取っておるようですけれども、大体どのくらいかかっているのですか。その金は県のどういう費用でまかなっていらっしゃったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/89
-
090・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 大体、県費で正式にこの大会開催費として計上されておるはずでございます。それから、過去の実例を申せば、三重県の場合は昭和四十年でございますが、五百五十七万円、昨年の群馬県は六百十一万円、そういうことになっております。今年度の愛媛県はまだ最終的にきまっているかどうか確かめておりませんが、六、七百万円計上されるというふうに聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/90
-
091・千葉千代世
○千葉千代世君 そうしますと、この要項を見ますというと、会費は一人当たり千三百円、二十六、二十七日の昼食代を含む、三百円を昼食代に充てるとしても、たとえば一人千円としますね。そうすると、地方から、県外から来た千五百七十人で勘定は幾らになるでしょうか。それから、地元から千百二十七名で、これは幾ら取りますか、いままで八百円のところもございましたし、七百円のところもあったようですし、この辺は参考人の方の、常任理事の可児先生でしょうか、お詳しい方のように伺っておりますけれども、もしおよろしければお答えいただいてけっこうですけれども、その点御相談をいただいて、ちょっと明らかにしていただきたいと思うのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/91
-
092・可児重一
○参考人(可児重一君) この大会に、いまお話がありました盛大にこれを挙行するために相当な費用が要っております。これは、できることならば会なりで持ちたいのでありますけれども、主催者側の会も非常に経済的には恵まれていない会が多いのでございます。会等でできるだけ持ちたいのではありますが、どうしても皆さんめいめいから会費をいただかなくては経済が成り立たぬという情勢でありますので、遠いところ、旅費を使っていらして、その上にまた会費までいただくということははなはだ心苦しいことではありますが、経済が成り立たぬのでありますから、こういうような収入によって経済を成り立たしている次第でありまして、年々一人の会費一千円内外はいつでも、どの会のときもいただいております。何年に幾らというこまかいことはちょっと記憶がございません。そこで私もつけ加えさしていただきたいことは、従来、十万しかそれに対して文部省からはめんどう見ていただけなかった。ことし百万にしていただいてたいへん喜んでいるわけでありますが、これがいつも大会等のときにも問題になりまして、文部省はこういう学校保健という重要な大会になぜもっと補助をされないのか、中央の首脳部は補助をもらえというお話がいつもあるのであります。その御要求は実は決議等に基づいて文部省そのほを関係官庁のほうにはいたしているのでありますけれども、残念ながらいままではいただけなかった。私どもから申しますと、いつもわれわれの仲間で問題になりますのは、保健、体育というのは並んで必要なものである。ところが体育のほうは非常に承るとたくさんな補助金をもらっておられる。ところが保健というほうになると一向その補助がない。保健を軽視しておられるのではないかというので、それは非常に会員一同が残念に思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/92
-
093・千葉千代世
○千葉千代世君 その点全く同感の至りで、これから入っていこうと思いますけれども、ただ、補助金の問題についてですけれども、その前に、これは経常費にも関係してくるのですけれども、これに入る前に、大会の運営に対してかなり問題があると思うのです。これは文部省と地方教育委員会と主催団体が御相談してやることですから、ここで容喙する必要はないとおっしゃるかもしれませんけれども、しかし、いまはあらゆる会合が民主的に運営されていくというたてまえの中から、発展があるとすれば、やはりそこへ行った人がよかったな、そうして学校保健の発展ということが約束されるという、お互いの何といいますか、成長というものがあって初めて成果があるのじゃないかということを考えていますというと、やはり会の持ち方にずいぶん問題点があるように思うのです。たとえば出席人数についても、各県に割り当てるのですね。昨年の例でございますけれども、群馬の場合ですというと、やはり多い県は、六大都市のワクは別にして、東京は百五十人近くとか、ことしも大体百五十人近くのような様子を聞いておりますが、はっきりいたしませんですけれども、そういうふうにある。ところが少ない県ですというと、山梨だとか、長野とかで八人、依然八人なんです。それでは出手がないかというと、出手がうんとあるのです。出たいけれども、事前に文部省のほうから、あなたの県はこれこれの人数だからこれだけ割り当ててきます。出る分科会、班別会はどことどこ、出る領域はどことどこというふうにきめられてきますから、ふやすことはできない、要望は全然いれられない。その根拠はどうでしょうかと聞いたら、何でも四、五年前に、たしか静岡ごろだろうと思うのですけれども、そのころ、あるいは熊本、金沢、伊勢、前橋だから、静岡ごろではないかと思いますが、四、五年前からそういうふうになって、そのときに、過去五年間の実績によって出席人数を割り当てるということが話し合いできまったというのは、参考人の方はそれは御存じなんでしょう。あなたはたいへんお古いと聞いていたのでございますので、どこでこういうことはきまったのでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/93
-
094・可児重一
○参考人(可児重一君) いま千葉先生のお話の大体とおりであります。この大会を持ちます初めには、割り当て人数というようなものはありませんでした。希望だけこられたのであります。しかし、そのころには、希望者が全部こられても会場等全部お入れすることができた。ところが、だんだん学校保健も向上発展いたしてまいりまして、たくさんの参加者ができるようになりまして、全部希望者だけ集めれば何千人になるかわからない。そうすると、会場等の予定もできないし、また、それだけたくさんの方をお入れする会場もないというようなことで、静岡の大会のころからどうしても全部の方の御要求をいれるわけにいかぬ。どの県には何人ぐらい御出席願う。そうすれば、三千人集まるから三千人の会場を用意すればいいというようなことにもなりますので、制限をすることになりまして、しからば、どういうことで制限をするかというと、いまお話のとおり、四、五年間の出席の数、それにその都道府県の学校数というような両面から勘案をいたしまして、どの府県からは何人というようなことをおきめをするようになってまいったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/94
-
095・千葉千代世
○千葉千代世君 ここは私、時間が限られておりますから、そう長いことは申し上げませんけれども、今度からそうしたいと思うと、しかも研究する要項、開催要項ですか、それは八領域であって三十三の主題で四十九班なら四十九班でやる。だから、その人数については、あなたの県でどれだけ出られるかよく検討して、研究体制もあるから申し込めといったのならわかるのですけれども、何も言わないで、ぽかんといままで出たところによってやるなんて言われるから、たとえば八人しか出ないところで小学校の養護教諭が高等学校に回されてみたり、学校運営についても、どのあれに入ろうと思っても全然違うところに行かされてしまったりということで、その行った意義が全然発揮されない。そうでしょう。八人じゃどうにもいかない結果になってしまう。あと行きたいと思っても割り当ててしまって、ぐあいの悪いときは文部省のせいにする。文部省のせいにする地方の教育委員会は実にずるい。いつも文部省が全部すごく悪者にされてしまう。そんな悪いことはないでしょう。悪いところもあるかもしれないけれども、そんなに私は悪いとは思わないのですよ。それなのに一切ほおかぶりされてしまう。これを見ましてもそういうことになっておる。多いところは東京の百七十八人、大阪の七十二人、山梨、長野の八人、これがずっと来ていて、ことしの割り当ては、ただいまちょっと電話で聞いてみたのですが、やはり八名ぐらいらしいというのです。それでは出たいにも出ようがないでしょう。それならば出てしまおうじゃないか。ざっくばらんに、これは組織のときに問題にしたいと思うのですが、これは話のあれですから、民主的な運営がされないから出てしまおうじゃないか、こういう意見が出てきたわけです。そうして学校医の会合に行きましても、これはある特定の県ですけれども、学校医の皆さんは、あれはどうも運営がおかしいから出てしまおうじゃないか。それで組織事項を見ていきますと、これは後ほど述べたいと思うのですけれども、運営がやはり学校医中心になってしまう。薬剤師の先生方、歯科医師の先生方、みんな一対一のりっぱな技術を持った優秀な先生方ですね。それが学校医中心ですから、役員の人数出すということになると三分の一か四分の一くらいしかない。ひどいのになってくると一人しかないところも出てくる。こういうふうな運営になって、それがちっともおかしくないような運営になってきて、ぐあいが悪くなると、文部省がうるさいのだ、補助金の関係があるから、それに文句言うと補助金くれないと言う。文部省のどなたが言うのでしょうと聞いていくと、そこはやはり言わないほうがお互いにいい、今後の問題がありますから、こう言うのです。しまいに、どなたが言ったのでしょう、私はこういう性分ですから、無責任なことは言うことできませんから、どなたがいつ言ったか、言っちゃいけないということは口が腐っても言わないからと、もとをただしていくとわからないことになってしまう。後ほど運営の面について申し上げたいと思うのですけれども、そういう結果が生じてくる。私はそういう意味で学校保健会がいいとか悪いとかいう論をいましているのじゃありません。いいとか悪いとかいう論じゃなくて、やはりいまやっているそのものの民主的な発展ということがあるためには、現実に参加しておる人たちの不平をどこで受けとめて、この中でどこで吸収してやっていくかということについては、もっと配慮がなければならないのじゃないか。いわゆる外郭団体でもなし、別人格であるし、人的に交流しておる。それから指導、助言については向こうから伺い立てれば助言、指導をする、こういうお話でございますから、要するに、相当御懇意な間柄になっているとしましても、やはりお互いにきちっとすべきところはしながらやっていくべきじゃないか、こういう観点で伺っているわけです。そこで、いまの大会の問題ですが、八領域、三十三主題、四十九班なんというものは、いま急に変えるということはできないのでございますか、やっぱり何年前からか、二年、三年先に予定しているとすれば次々に固まってしまって、相変わらず、どこの県は八人だ、必然影響してくるところは二年、三年ずっと続いていって、どこで切れ目が出てくるのかわからなくなってくるわけです。今回限りで、今度こうしますということがないわけですね。それはどういうことになっているんでしょうか。その辺は共催ですから、やっぱり瀬戸大橋じゃなしに、内容的にもきちんとけじめを持ちながら、補助はするけれども内容的には干渉はしない。けれども自主的な運営については大きく助言もするし、話し合いもする、それで会員の意見は尊重していくと、こういうふうな面でやるならば、やっぱりみんな集まった人の意見がいれられるような、年間を通した現場の活動というものが反映されるようにしていくということは、学校医さんの立場もあるでしょうし、それから薬剤師さんの立場もあるでしょうし、歯科医の先生もあるでしょうし、養護教諭もあるでしょうし、そういう点はこのままの現状でいくつもりなんでしょうか、この点伺って次に進めたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/95
-
096・可児重一
○参考人(可児重一君) ただいま御指摘のとおり全く同感でございます。この大会の持ち方は、初め人数の少なかったときは全体協議会で一堂に全部が集まって意見の交換発表等をいたしましたが、なおそれにつけ加えて、そのころは学校医部会だとか、学校薬剤師部会だとか、あるいは養護教諭部会だとか、部会というものが相当有意義に使われておったのでありますが、人数がだんだんふえるに従って、研究発表、協議をするのにはあまり大ぜいではほんとうの意見の交換等ができないというので、分科会というもののだんだん数をふやしてまいった、そういう経過でありますが、何にしても皆さんお集まりになって御満足のいくようなことにし、なお、大会の目的を達成いたさなくてはなりませんから、この分科会に対しましては十分将来研究の余地があると思いますから、十分検討の上善処いたしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/96
-
097・千葉千代世
○千葉千代世君 学校保健会の態度はわかりましたけれども、文部省は共催の立場で検討するといっても善処するといっても、期間もあることですけれども、これは具体的にはどうなさるおつもりですか、いつ善処なさるんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/97
-
098・可児重一
○参考人(可児重一君) 私の個人的のいま考えでありますけれども、これはやはり日本学校保健会におきましても、大会の運営をいかにするかということを役員会の議題にし、なお機関にかけまして、どういうふうにしたらよろしいか、案を立て、文部省当局の御協力も得まして、なるべく早くこれを改善することに持っていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/98
-
099・千葉千代世
○千葉千代世君 文部省いかがでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/99
-
100・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) 私も昨年ほんのちょっとでございまして深く勉強できなかったので、しかと申し上げられないのでございますが、私の印象では、集まる人数が三千人でございますし、各分科会の人数もおよそ百人ぐらいでございましたか、なかなかりっぱにやっているところもございましたけれども、何ぶん大ぜいの人数でございますし、大会運営に非常に苦労しておられるから、なかなか分科会活動の深まりといったようなことで十分ではないのではなかろうかという印象を持ったのでございます。したがって、通常の形でございますれば、こういう大会は分科会的な研究を深めるということよりも、一つの方向を描いて集まった人々が大いにやろうじゃないか、こういう意思を結集するようなそういう会もございます。そういうのには非常にいいんだけれども、学校保健を非常に深めるという点につきましては、むしろもう一つくらいあってもいいんじゃないか、こういう印象を持ったわけでございます。しかし、それやこれやいろいろあんばいして効果をあげるためには、予算とか、いろいろなことがございますから、今後、保健体育——私どものほうにも保健体育審議会といったようなものもございますから、そういったところ、及び学校保健会もいろいろこういうことを前々から御検討いただいておるのでございますし、諸先生の御指導をまた得まして、これを、せっかく昔からやってまいったものでございますから、一そう効果をあげるためにはどうしたらいいか、検討しなければならぬのじゃないかなと、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/100
-
101・千葉千代世
○千葉千代世君 そこで、三千人の大部隊だからたいへんだという、それはまあ火を見るよりも明らかなんですね。四十九班別にして、いま、そういう運営しているところなんか、私ずいぶん調べてみたのですよ。でも、なかなかたいへんですね。傍聴者と正会員と分けてやるとか、いろいろな配慮が払われて初めてできるので、何の代表権もなければ、何にもないものが集まってきて、そうしてやって、しかも、あとの領域別ですね、領域別の研究、協議というのが一時間でしょうか、ここのところ見ていくと三十分刻みだから、一時間しかないのです。最終の日の二十七日に、それどうしてできるのでしょうか。私はどう考えても、これは神さまだってできませんわ。ほんの形式的な発表をすれば、だれかがこれを要約してちょいと発表して、それで終わりです。それではあまりにも十分にできないのじゃないでしょうかということを心配するわけなんですけれども、そういう意味で、この協議会を、たとえば、これをやるについての評議員会が前日持たれるとか、運営委員会が持たれるとか、たいへん御配慮はありますけれども、やはり、たとえば学校医さんの会合、歯科医さんの会合、あるいは養護教諭、保健技師さんと、前日に持たれてずっと前にやったことがあるのです。そのときには、そこでいろいろな持っている問題を——研究議題もありましたけれども、別にみんなの意見を出し合って、そうして全国的な交流もできたし、親睦もできたし、じゃ問題点はここだなと、たとえばいま養護教諭の必置制について、あるいは養成所についても、これは与野党が一致して養成所をふやしてもらった、それで、それについては国立がこれこれだけれども今度は四年制にしようとかいって、非常にいい場所の決議が上げられてやったのですね。そうしたら、今度はこれがないというのです。その不満が第一出てきた。どこにもないのですね、なぜないかといったら、そこは非民主的——ことばがたいへん非民主的だと思うのですけれども、そういうこと。なぜだというと、文部省が百万円も金をくれてやるのに、政府に向かって決議文を出すような、そんな会はしないほうがいいということをだれが言ったのですか、文部省。どなたがおっしゃったのですか。おっしゃった人があるのでしょう。私は率直に言って、そういう会合を持って集まって、みんなの意見がそこに出されて、出された意見はめいめいがやがやあったって、全国から集まる。一ぱい問題を持ってくるから、鹿児島のこともあるでしょう。北海道のこともあるでしょう。百三条の問題もあるでしょうが、出てきたときに、やはり四年制がほしいな、今度は免許法の改正があるそうだけれども、そのときに四年制に持っていってほしいな、一級にしてほしいな、保健の免状もほしいなと、こうなったときに、じゃ、ひとつそういうふうに決議を上げようじゃないかと言ったら、上げさしたらいいじゃないですか。上げた決議は、今度は理事会があるのだから、そのやり方については理事会に一任して、その理事会がこの決議は衆議院、参議院の議長に請願の形式をとるとか、政府に要望しようとか、あるいは直接に現場の人が行って陳情しようとかって、そのとり方は幾らでもあるわけなんですよ。決議がなぜおっかないのでしょうか。そんな赤い行動をとられたら、文部省は百万円くれなくなるからだめだと言って絶対反対したから、これは持たないことになりました。しかも、それでその費用は、現場のいままではみんなお金は自弁で行っていたのですよ。これに行きたいばっかりに、五千円の打ち切り旅費を学校の先生方が順番にして、いままで校長さんばかり行っておったのを、やっと自分らが行かれるようになったというので、打ち切り旅費をもらって、足らない分は出し合って行くようになったら、学校の教員の人が出し合って行くようになったら、やれ嬉しやということになったら、ばっさり切られて協議会がないということになった、私の聞いたこと間違いならしあわせですけれども、そういうことが、どういうことでしょうか、そんなに決議がいけないのでしょうか。何かその席に可児先生もおいでになったということを聞いたのですが、間違ったらごめんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/101
-
102・可児重一
○参考人(可児重一君) 従来の行き方は、初めに全体の協議会を開いて、いろいろな問題を分科会に割り当てて研究発表なり御協議を願う、そして最後の全体の集まるところで結果報告をしていただくというたてまえに進んできたのでありますが、いろいろなやり方をしてひとつやってみないかということで、ことしは幾らかそれが変わってまいりました。しかし、いま千葉委員さんからお話のとおり、いろいろな意見も出まして、従来、職域部会というものが持たれておったが、今度の予定にはそれが落ちた、これは職域部会はやろうではないかというようなことで、第一日、二十五日の郷土芸能紹介、その辺から職域部会をおのおの開いて、そしておのおの職域としての要望決議等あれば、ここで出そうというようなことに現在なっております。いろいろやってみて、漸次改善をしていくというのでありまして、これが理想のいい案ということはありません。どうもわれわれとしても、この行き方はことしはどうかと心配をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/102
-
103・千葉千代世
○千葉千代世君 それではこの二十五日の、それじゃ午後四時過ぎでございましょうか、この終わったあと、夕飯食べたあとですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/103
-
104・可児重一
○参考人(可児重一君) たいていおのおの夕飯を食べながら職域部会を開くということになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/104
-
105・千葉千代世
○千葉千代世君 それが懇談会なんです。いつも懇談会なんです。それはいつもやっているのです。懇談会をやっているのです。それは違うのです。あのやっぱり協議会というのは、そういうのではなくて、みっしりやはり持っている問題を研究したのは、たとえば学校の運営なら運営についてやったと、このことは持っている研究ですから、本式に一生懸命やりますけれども、全体の、たとえば百三条についてとか、山形なら山形が、今度生徒が減ると、減るだけ養護教諭なら養護教諭が百名減らされるのではないか、一般教員が減らされるから百名減らされるのではないか、県立の養護教諭は閉ざされております。なくなったわけです。あそこに国立をお願いしたわけだけれども、なかなかできない、ところが、養護教諭が減らされるから必要ないと、そればかりではなくて、百名人数が減らされていくのではないかという心配もあるという、そういう話し合いをほうぼうで持っていって、ひとつこれは参議院文教委員会でもたいへん与野党が心配して、五年計画を立てて、そして現在いる者については首を切らないという話し合いまで進んでいるのではないかと、こういうこともお互いに知り合ったり、そういう機会がほしいと、こういうことなんです。別にこれをやったから、あしたから一斉休暇をかけるという会合じゃない、何もこれは代表権もないのですから、集まって、意思を統一していくということは決議なんです。決議ということをそんなにおっかながる必要はないです。みんなの意思を、心を一つにして、一緒の目標に向かっていこう、それが学校の保健向上ということになるので、いいことです。文部省も嬉しいでしょう、百万円出して二百万円の効果をあげるならいいじゃないですか、百万円出、してみんな弾圧して、ぽろぽろ抜けていって、こういうものまっぴらごめんだということになると、どういうことになりますか、それだけですけれども、おっしゃったことがあるのですか、ないでしょうか、こういう席ですからおそらくないと、明言なさるのでしょうか、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/105
-
106・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) だれがどういうことを言ったかということは、確実にお答えはできないと思いますが、ただ、こういうふうに理解して、少なくとも私はそう理解しておりました。これは研究大会なのか、それとも関係者のいわゆる年一ぺんのお祭り的な祭典なのかという、こういう集まりはひとつの性格を、基本的に決定する場合の性格づけがあろうかと思います。文部省が従来の十万円からさらに予算を取るとき、大蔵省内外にどういう説明のしかたをするかというようなときのことを思い出してみますと、これは人数は非常に多いようだから、大会的な形式だが、何も中身のない大会にあまりなり切ったのではもったいないのではないか、できるだけ集まった人たちが深める研究大会式にいかないと文部省が予算を取る意味はない。関係者の何かお祭りであればそれは補助金の性格ではないか、こういった言い方を何かしたことがあるから、何かあるいはその辺の基本的なあり方から、私どもは何も決議は一切いかぬとか、そういうこまかいことまできめたわけではなかったと思いますが、何かこの大会のあり方について、それが間接に伝わり伝わっていくうちに、何か多少の誤解が生じてそういうふうになってきたのかなというふうな感じがいたします。確かにいま拝見いたしますと、非常に班別研究に重点を置かれまして、集まった人たち全体の何かまとめといったような作業が、いささか確かにこう乏しいと言ってはたいへん可児さんのほうに失礼でございますが、時間的におそらくなかったならいたしかたなかったと思いますが、多少まとめの時間が少し生み出し得なかったのかなというふうにいま感じておりますが、もし何か誤解があったとすれば、百万円をふやすときの説明のしかたから、そういうものがいったのではなかろうかと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/106
-
107・千葉千代世
○千葉千代世君 それでは大会についてもう一点だけ。その中に表彰ということがあるのですね。文部大臣の表彰が行なわれるわけなのです。これは個人の表彰とか、団体の表彰で学校保健事業とか、学校安全に功労のあった者で、これは各県からの推薦をされ、さらに中央で選考するわけです。それで、これは昨年の例ですけれども、まあ時間がないので私は回りくどいことを申し上げませんが、福岡、鹿児島で推薦されまして、そうしたら、たとえば一〇・二一にまあ動員されて行って、そしてまあどんどん人事院勧告を実施してほしいという請願をしたわけですわね。しかも、それが正式に休暇届を出して行ったのです。そうしたところが、その教育委員会では、福岡は通告も何も出さない。鹿児島はそのときは処分も何もきまっていないのです。全然きまっていないときなのです。ところが、文部省のほうから調査がいって、一〇・二一に参加したかしなかったか、参加した人は辞退してくれとかいうので、実質的にはそれで取り消されているのです。福岡と鹿児島が何にも処分もきまらないうちに、処分ということのいい悪いはここでは論議の場所ではありませんから、別に一〇・二一のところでまたゆっくりやりたいと思うのですが、そういうことがあるのですけれども、これはどういうことで、そういう制限を何の規定でなさるのか、だれの判断でするのか、どういうことなのでしょうか、そこだけちょと伺わしていただきたい。これは時間がありませんから、一点だけでいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/107
-
108・赤石清悦
○政府委員(赤石清悦君) こういうふうに私ども理解しております。大臣表彰といいますか、そういうものはまあ言ってみればどこから見ても難点のない、そして積極的にりっぱな人を取り上げる。したがって、いろいろ、もちろん県の内申というものを一番重視いたしておりますが、多少たとえば犯罪の前科がないかとか、いろいろそういうことは多くはないわけなんでございますが、たまに県の推薦した中にごく軽い罪で、ついうっかりして調べ漏れがあったとか何とか、いろいろ例がございますので、多少、最後の仕上げの意味で難点がないかどうかということを、あたりほとりに照会して最終的にきめる、こういうことがございます。これはどの表彰にしろみな同一でございますが、したがって、その人自身がそれほど、何の関係もないかもしれませんが、たくさんある中から選ばれたたった一人、もしくはたった二人の人である以上は、難点のない人を選んで、多少、一年たって難点がなくなったときまで御遠慮を願うとか、何かやはり行政上の指導としてはそういうことで県の推薦どおりにいかない場合も一、二ある例がございます。福岡県の例がそれにはまっておったかどうかわかりませんが、そういう例ではなかったのかと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/108
-
109・千葉千代世
○千葉千代世君 それはたとえば人事院が何のためにあって、そうしてどういう機能を果たして、それを守らない政府がどういう反省をしているかとか、いろいろな問題もあるわけなんですけれども、賃金を上げてほしいということ、完全実施してほしいということ、何もとんでもないことを言っているわけではないのですね。人事院の勧告どおりやってほしい、ぜひお願いします。そうして休暇をとって、そうして請願に行ったわけですね。それがいけないという判定を下されて、そうして三十年間の実績——表彰のいい悪いは私は知りません。内容は知りません。そこで、とにかくその正当な本人の、やはり生活権を守っていきたい、そうして一生懸命教育のために励みたい、こう言っているわけですから、そういう点ではたいへん私、観点の相違もありますけれども、それをまだ教育委員会からこれは何にも話もない。しかも教育委員会が推選している者を文部省が名前を抜いたということはどうかと思いますが、きょうはその論議は時間がありませんので、時間を切られておりますし、抜きますけれども、そういう点もたいへん私はこの学校保健大会の運営の中で遺憾千万なことだと私は指摘しておきたいと思います。
それからもう一つ残っておりますことは、運営と経理でございますけれども、経理にちょっと関係した面で、これは時間がないので省略いたしまして一つだけ申し上げます。それは、これはお金はたいへん少ないのです。そこで、たとえば会議の費用を見ていきますというと、常任理事会を三回やられ、理事会もやられていますけれども、たとえば常任理事さんになった方々、九州の方、金沢の方、その他愛媛のいまの保健課長さんでございますか、その方たちは、たとえば理事会二回、評議委員会一回、常務理事会が三回でしょう。それだけやっているのにたいへん少ない費用でやっています。これでできるはずない。旅費はどうしているのですかと、こう聞いたら、お茶菓子ぐらいしかないで、本人負担だというのです。本人負担ならばお金のある人でなければ出られませんね、こう言ったら、そうですよ、みんなお金のあるりっぱな方ですから。飛行機に乗って一万何千円片道かかるそうですね。九州から、熊本から幾らかかるのでしょうか。何かたいへんかけていらっしゃるのですね。そういうふうにお金のある方、——金沢もそうだそうです。みなお忙しい方ですから、そういうふうにしていらっしゃる。愛媛の課長さんもたいへんでしょうけれども、また相当、県の費用を使って、御自分で出すのはたいへんでしょう。課長さんの給料でそんなにちょくちょく出てくるのに、金を何万円も使ってこられるとは思えないのですから、そうすると、これはやはり県の費用か何か使ってくるのでしょうから、やはりこれはとてもたいへんなことになりますから、日本学校保健会が方々に迷惑をかげながら非民主的な運営をしていくということはたいへんまずいと思うのです。そこで、経常費の問題についてもやはり今後考えていかなければならない問題じゃないか。したがいまして、この経費の問題から推察していくと、組織についても運営についてもやはり問題点が出てくるのじゃないか、その一つの例として、規約に関連した組織なんですけれども、この役員の構成で見ていきますというと、理事が三十名ございますですね、これは学校保健会の参考人の方に伺いたいと思うのですけれども、三十名のうちにお医者さん関係の人がたしか十六名と思いましたが、もし間違っておりましたらごめんなさいませ、十六名で、薬剤師の先生が三名ですか、歯科医の先生が三名、養護教諭が、現職でない方が一名、保健主事さんが一名、校長先生がいままでもっとあったのが一名となっております。こういうふうな構成になっていらっしゃいますね、規約をずっと見ていきますというと。加入団体の代表となると、加入団体は県単位でいくと県の会長さん、校医さんが多い、組織を見ていくと。日本学校保健会になる前には帝国学校衛生会というのがあった、それの流れでございましょう、そうですね。そうすると、そのときにはまだ学校医だけしかなかったから、大正からずっと。それで、学校医中心の運営であるから、ずっと旧態依然としてきて、新しい時代の息吹きというものをこの中にあまり吹き込んでいない、そこで、新しいたとえば学校歯科医の先生、薬剤師の先生、養護教諭、保健主事、その他がずっとこれに加入してきても権限があまりないことになるわけですね。そういふうな運営のやり方になってきているわけです。ですから、みんなの意見を吸い上げる場所がどこにもないのです。役員にもないし、いま言った協議会もないし、研究会へ出ていけば、これは三十三主題、四十九班別になっている、ここにもぎゅうぎゅういってしまって何にもない。余興をやったあとに、郷土芸能を楽しんだあとに御飯を食べる、これが協議会では何にもならないわけですから、やはり学校保健の柱となって働いている方々に非常に不満があるのではなかろうかと、私はたいへん言いっぱなしですが、まとめてお答えいただきたいために時間の節約上申し上げているのですが、そういう点についてお伺いしたいことと、もう一点は、これで終わりますけれども、組織についての規約の中の、二十八条がございますね、「部会」というのがございますが、部会規程がございますか、別に置くとございますが、これにたいへん問題があるわけなんですね、なぜそういうふうな問題が起こるのだろうと見ていったら、たとえば、日本学校保健会なら日本学校保健会というものがここにあるわけですね。そうすると、養護教員部会はこの学校保健会の中の一部になっているというわけです。そうすると、今度は単独のもので、日本学校医会というのがある、歯科医師会があるわけです、薬剤師会がある、保健主事会がある、こういうふうに別に五つの団体があるわけです、校長会と。この中から代表を送ってここに入って、ここに部会を形成しているわけですね、こういう組織なんですね。そして、養護教諭は別に何もこの中に組織がないわけです。もともと学校保健会の中に一部ある、そうしてこれが部会になって、ここから入って部会が一緒になって、各部会ということになるから、この部会には何も権限はないから、理事を出す権限はありませんから現職の理事は出しませんと言った理事長さん、きょうは御出席になりませんけれども、そういう御発言をなさったそうでございます。それでは、現場の声は一体どこに反映させるつもりなんだということでございます。そこだけ伺って、そしてまあ今後の運営について、この学校医中心の運営でずっといくつもりなのかどうなのか。別に学校医がいいの悪いのとここで言っているわけではございませんよ、だけれども、やっぱりこういう団体を形成している以上は、やっぱり民主的なブロックから何名であるとか、そういう構成人員というものがあるならば、やや公平に運営されるべきなのです。学校歯科医さんも学校医さんも対等なんですからね。別に学校医のもとに歯科医さんがあるわけではない。そういう観念を払拭していかないからいつまでたってもおかしい。この学校医の手当が昔は二十円多かったので、こうだ、ああだと言っていた時代があったわけです。そこで、たいへんおこって改革していったわけですから、やっぱりそういうふうな面で、待遇の面と組織運営の面と突いていきますと、たいへんおかしいところに持ってきて、夢のかけ橋でなく瀬戸の大橋が出てくるというのですから、取るに足らないことですけれども、きちっとした、堂々とやれるという仕組みが、そういう姿で出ていないということなんです。たいへんおそれ入りますけれども、いまの点、ちょっとお答えいただきたいと思うのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/109
-
110・可児重一
○参考人(可児重一君) ただいま会の構成、組織といいますか、なおそれらの運営の面につきましていろいろ御意見を承りました。それについてお答えを申し上げます。御指摘のように、終戦前は大体、日本学校衛生会、それはほとんど校医の方で組織をしておられるのでありますが、終戦後はいろいろな民主的というようなことでだんだん侵透してまいりまして、学校保健の向上発展には単に学校医だけではこれはできないことである、ほかの専門の学校歯科医、学校薬剤師、あるいは保健担当の養護教員、保健主事はもちろん、そういうような方の協力が必要であるが、単にそれだけではいけない、現場におられる校長以下、一般教員の方々の学校保健に関する御協力によって学校の実際の保健は向上発展をするというような声が多くなってまいりまして、あらゆる学校保健関係者の協力を得て学校保健の向上発展をはからなくちゃならぬということに現在は大部分がなってきてはおりますが、まだ十分でないというところもあると思います。それから、この役員等の選任のしかた等は、前には会長をきめて会長一任というようなこともありましたが、だんだんいろいろな声が出てまいりました。それは、日本学校保健会というものは、中央だけでやるべきものではない、全国がそれに協力してやらなくちゃだめじゃないか、地方の声も聞く必要があるという声がだんだん出てまいりました。それで、今回の役員の選任につきましては、その選任をする権限は評議員会というのにありますが、この評議員会におきまして、従来の会長一任ということでなく、民主的に行こうじゃないかということで、全国を七ブロックに分けまして、七ブロックから二人くらいの選考委員を出して、そしてその選考委員会によって理事、監事をきめていくということに進んだわけでありまして、なお、その際に、私は議長をいたしましたが、選考委員のきめ方も議長等の指名でなく、各ブロックから推薦をしてもらう、その選考委員によって理事、監事を選出してもらう、そういうことに進みましたから、今回の役員の選考のしかたは従来と比べますと非常に変わってまいりまして、相当民主的にいったつもりであります。なお御指摘の、校医の先生が十三人ぐらいですか………。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/110
-
111・千葉千代世
○千葉千代世君 十六人ですけれども、違いますか。行政の方々がありますね、課長さんなんか入れてね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/111
-
112・可児重一
○参考人(可児重一君) 校医の方が非常に多いのでありますが、これはいまの民主的に、地方のブロックから選考委員が御推薦願ったんで、やはりそれよりどうにもしかたがありませんが、まあ地方でやはり校医の方が会長だとか、いろいろな役をやっておられるから、どうしても自然に、民主的にやっても多くなってしまう、こういう結果になったわけでありますが、中央におきましては職域のうちからひとつ理事さん、監事さんに出てもらおうかというようなことで、中央におきましては各職域から二人ずつ、あるいはある職域によっては一人というような選考の方法に選考委員会がされたわけであります。選考委員会が今度はできて、その方が全権を握って選任をされましたので、従来に比べれば非常に民主的ないき方が、今後は単に校医さんだけということでなしにいくようにしたいと思っております。
それから先ほど部会のことにお触れになりましたが、いまの寄付行為の部会は、われわれが前任者から引き継いだところによりますと、この部会というものは調査委任、研究の委任を受ける委員会のようなもんだ、こういう解釈です。何も部会としての活動をする余地がないわけです。それで、これは現在やっておりますわれわれとしては、いやそういう部会というのは正式のものじゃない、学校保健会のうちでどこが仕事をやっていくといえば、各部会が一番現在においては活動しております。部会活動が必要だから、この部会の前にあった委員会式の内規というものは、これは改正しなくちゃならないというので、改正に着手をいたしております。この部会が実際いままで持っている実績のように、仕事を漸次やっていくようなことにいたしたい、さような考えで現在進んでおるわけであります。
大体お答えをいたしたいと思いますが、なお最後に一つつけ加えさせていただきたいのは、どうも学校保健というものの重要性を皆さんが、どこでも認めていらっしゃらないで、軽視されておる。これはまあわれわれとしては非常に遺憾なことでありまして、その原因の一つとして、教員の資格を得られる試験に学校保健という科目が随意の選択科目になっておる。したがって、どの先生も学校保健を勉強しておられない。ですから、ことに小学校で学級担任の先生が、学校保健を研究しなくて、それで受け持つということは、私はどうも非常に欠点があるのじゃないか、でありますから、この教員の資格をお取りになるこの試験の場合に、学校保健という科目、これを受験しなくちゃならぬ必須科目にしていただきたい、そういうような点にひとつ文教委員の先生方にお骨折りを願いたいと思います。つけ加えさせていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/112
-
113・千葉千代世
○千葉千代世君 いまの監事でございますけれどもね、職域部会から監事が出るとおっしゃったけれども、この監事は理事さんのやった仕事を見るだけで、別に執行する何もないのですよ、規約を。これは寄付行為という、財団法人ですからそういう性格ですけれども、見てみますと、権限が何もないのですね。評議員も推薦制になっていますけれども、いままでは理事長指名か何かでぽんぽんぽんと、この人がいい、あの人がいいときめていったのですね。ところが今度は、御指摘のように選考委員会を設けて初めて役員を御選出になった。形式的に言えば全く何ら落ち度はないわけです、たいへん民主的なわけです。ところが、その評議員なるものと、それから加入団体が県単位になったり何かしておる関係で、会長さんというのは県の会長なんですね、学校保健会の会長というのは、さっき申し上げたような学校医さんが多いわけなんです、ほとんど学校医さんなんですね。役員の名簿をごらんいただけばわかるように、きょうは持ってまいりませんが、何々学校保健会会長、全部並べてあるのです。それは皆さん学校医なんです。必然的にそういう方が多くなって選考委員になっていけば、選ばれたのはさっきの理事三十名の中にああいうアンバランスなことになっていくという、全然重点が違った結果が出てくるということで、結果論から推測していくというと出てくるわけなんです。そういう意味で私の申し上げますのは、やはり規約問題にも出てくるのじゃなかろうか、これはまあ学校保健会自体のことですから、かれこれ申し上げる筋合いのものでもないけれども、冒頭に申し上げた文部省の見解の中に人的の考慮もあるし、それから指導助言についても要請があればするという、そういうふうな中で大会の問題も取り上げられておったものですから、たいへん密接な関係を持っておると、こういう意味でこれは申し上げたわけなんです。そういうわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/113
-
114・可児重一
○参考人(可児重一君) ちょっとつけ加えさせていただきます。いまの監事さんが、ここにもありますように、会計の監査をするだけでなくて、会の執行の状況も監査してもらうことになっております。それで、いままでの例によりますと、理事会を開くときには監事さんもたいてい一緒にお集まりを願って、そのときの会のやり方を監査していただいておると、そういうことでやっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/114
-
115・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言がなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後一時二十七分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01719670629/115
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。