1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十二年七月六日(木曜日)
午前十時四十三分開会
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委員の異動
七月六日
辞任 補欠選任
重宗 雄三君 船田 譲君
米田 正文君 宮崎 正雄君
北條 浩君 鈴木 一弘君
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出席者は左のとおり。
委員長 大谷藤之助君
理 事
楠 正俊君
中野 文門君
秋山 長造君
鈴木 力君
委 員
北畠 教真君
近藤 鶴代君
内藤誉三郎君
船田 譲君
宮崎 正雄君
吉江 勝保君
小野 明君
小林 武君
千葉千代世君
国務大臣
文 部 大 臣 剱木 亨弘君
政府委員
文部大臣官房長 岩間英太郎君
文部省初等中等
教育局長 斎藤 正君
文部省管理局長 宮地 茂君
事務局側
常任委員会専門
員 渡辺 猛君
説明員
文部省初等中等
教育局財務課長 岩田 俊一君
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本日の会議に付した案件
○公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数
の標準等に関する法律の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
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001・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
前回に引き続き、これより質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言を願います。
なお、政府側より剱木文部大臣、斎藤初中局長が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/1
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002・鈴木力
○鈴木力君 この前の多様化の傾向について、資料を出していただきましたので、この多様化の実態について伺いたいと思います。
たいへん詳細な資料をちょうだいいたしましたので、大体わかるのですけれども、たとえば農業に関する学科の部で学科別表という表がございます。このうちで最も新しくできた学科は、設置されたのはどれなんですか。ひとつ例をあげて教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/2
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003・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 年次まで正確ではございませんけれども、たとえば生活関係、一番下のものでございます。生活あるいは農業生活、これは農家の主婦の養成ということを主眼に置いたものでございます。それから上のほうにございます、たとえば静岡にありますような茶だとか、園芸関係の中から分かれたかんきつとかいうようなものが新しいものであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/3
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004・鈴木力
○鈴木力君 つまり、たとえば静岡県にできましたかんきつとかいうように、静岡県という地域が、あそこのミカン栽培が非常に盛んなわけですから、そういう意味で地域がかんきつ科を設置したい、そういう形になってきてかんきつ科が生まれる。それからいまの生活科にいたしますと、これはどこかわかりませんですけれども、少なくとも、いまの農村の家庭改善というそういう要望とおそらく結びついているのじゃないか、こういうふうには考えられるのでありますけれども、ただ、そういう考え方でこの学科がどんどんふえていく。一面から言いますと、必要なことでもありますけれども、学科の設置という場合に、それがほんとうにそういう形に結びついているのかどうかという問題になりますと、やはりいろいろな検討を要する点がありはしないかと思うのですが、一方こういうふうに多様化をしていく、いまの細分化をされていく実態の中で、卒業生の動向が、たとえば農業高校でいいますと、農業高校の卒業生のうちの、大体これははっきりした数字はお伺いしなくてもよろしいのですが、傾向としてどの程度に学科の設置にこたえてそういう仕事に従事していっておるのか、全然その学科とは関係なしにどこかに行っておるのか、これは前からあった傾向なんですけれども、たとえば農業科なら農業科を卒業しておる、それが農家に入ることなしに他に行って職場を求めて出ていく、こういうことになってきますと、いまかんきつ科を設置した趣旨あるいは生活科を設置した趣旨、これらの趣旨と全然違ってくるようなことになるだろうと思う。だから多様化というのを、そういう状況を少し伺ってからまた伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/4
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005・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま御質問にございましたように、農業高等学校の出身者が自営農業に就業しないで、一般の社会に出て会社につとめるというような傾向、あるいは第三次産業の部面に出ていくという傾向があったのであります。それでございますから、多様化と申しませんで、むしろそういう名前でなくて、農業教育の近代化とかというような観点で幾つかの施策がとられ、また自営者、後継者を養成する関係から学科を編成していくということがありましたので、むしろ近代化なり、それからたとえばここにございます関連産業に転換していったもの、化学関係の卒業生は、むしろ学科の固有の目的に沿って現在では就職している。従来ただ広く農業一般という形であったものは、むしろ農業より多様な目的を果たしていると見てよろしいと思います。したがいまして、また一面こういうふうに多様化したものが非常に大きなシェアを占めるかと申しますと、そうではございませんから、たとえば静岡に茶ができ、それからかんきつができる、これは明瞭に自分のところの農園を継ぐものというような方が入学してくるわけでございますから、こういうふうに細分化されても、一切がっさいを細分化するわけではございませんので、またその数もそう生徒数としては多くないのですが、設置自体は有効な任務を果たしておるものというふうに私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/5
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006・鈴木力
○鈴木力君 そこでもう少し伺いたいのは、いまのようなたとえば農業なら農業に限って最近の傾向というか、いまあげるような例からすれば、それなりの理由は持っておるということは言えると思うけれども、ただ、いま気がかりになりますのは、何かたとえば、かんきつ園芸ならかんきつ園芸ということで、ミカンの栽培地であるからかんきつ園芸科をつくり、何人かそこのミカンの栽培業者の子弟というか、栽培農家の子弟がそこに入ってやる。そういうことからかんきつ科が生じたという考え方からすると、よさそうにも見えるのですけれども、その学校を拝見していないから、その学校がどうだということは私は申し上げませんです。ただよほどの準備を、準備といいますか検討をしませんと、つくったはいいが、教育内容がはたしてそれに見合っているものかどうかというような問題も出てくるのじゃないかと思うのです。これは聞いた話でありますから、行ってみたわけじゃないのでありますからあれですけれども、たとえばこの静岡のかんきつ科につきましても、教育者の仲間にはいろいろなうわさがささやかれておる。実習なんですが、たとえばかんきつ科の実習の場合、何ですか、みかんの皮をむくようなそんなことまでが高校の実習に入ってきておる。それも一つの実習かもしれませんけれども、そういうようなことが多様化という形で教育の質的な問題と思いつきとが結びついたような多様化になるとすると、相当にこれは問題をはらむのじゃないかという気がするのです。私が心配いたしますのは、そういうような点も、それが決定的な欠点であるとか、あるいは決定的な何であるというほどのことはないと思いますが、気になるのは、それが政令でどこまでもふえていくということなんです。思い違いだと、こうおっしゃられると思うのですが、政令では、できたものに対して財源的に処置を講ずるというのが政令であって、そのできたものの範囲が設置基準の第三項ですかに入っている。あとのほうに入っているから、政令できめるという言い方は間違いだとおっしゃるだろうと思う。それはしかし手続上のことなんであって、政令でそういう多様化をされたものに財源的に処置を講じますといっておりますと、それが一つの動機になるといいますか、そういう形で、ある地域ではこういうものをまたつくろう、それがほんとうに綿密にいまの後期中等教育のほんとうのあり方から検討されたものである場合と、中にはやはり多少はあぶないというようなものもないわけじゃないと思うのです。こういう場合の設置の認可の手続というのはどういう順序を経て、どういう検討をされているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/6
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007・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 法令的に申しますと、学科の設置は、高等学校設置基準第六条に典型的なものがあげられているほかに、第三項によりまして、「適当な規模及び内容があると認められる学科」につきましては、これは文部大臣の認可に制度としてかかわっているのじゃなくて、これは都道府県でありますれば設置者自体が判断することであります。市町村の設置するものでありますれば、都道府県の認可事項でございます。しかし一面、先生のおっしゃるように、一種の思いつきとか、あるいはきわものとかいうような懸念というものもそれはございますから、それはむしろ文部省の指導助言の権能といたしまして、相当府県で研究いたしまして持ってまいりまして、そしてそれを一般教育との関係、それが同じ細分化された職業教育であっても、それが農業なり園芸なりの一般的な原理というものがどの程度であるかということを私どももこの専門家を網羅して、そうして注意すべきことは注意するということになろうと思います。全体の傾向といたしましては、先生おっしゃるように、高等学校教育としては限界をこえて、基礎的な教育が欠けるというような取り合わせのないようには注意はいたしておるわけでございます。
ついでに申しますと、今後さらに現存するものよりどういう分野があるかということにつきましては、これは文部省といたしましても、これを審議会にかけまして、どういうカリキュラムなら高等学校としての限界をこえないかということも現在検討中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/7
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008・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、いま検討中とおっしゃいますけれども、いま検討されている範囲で、大体今後出てくるだろうと予想されているのはどういうところでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/8
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009・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 審議会は、まだ分科会の中に小委員会を設けまして検討中でございますから、逐次何回かに分けて御答申なさると思いますけれども、そう大きなものもございませんで、たとえば農業なんかで見ますと、林業関係でなお特殊なものがあるというふうな感じもいたします。農業と申しましても、従来の農業一般の形よりは今度は細分化よりはやや広くて、その地域における農業関係の行政とか、団体の指導者になり得るようなもの、一種の地域開発を含めたようなもの、そういうような分野、これはむしろ人文社会系のものを少し要素として多く入れるようなもの、そういうものも一つのたたき台として検討にはなっておる。それから家庭の関係等におきましては、たとえば従来食物という学科がございます。しかし、これも家庭における食物という学科でなく、もう少し広い、たとえば調理というような観点でつかまえるというような問題も一つの議題になっておる。それからたとえば被服の問題にいたしましても、被服をもう少し洋裁に重点をかけるほうがいいかというような問題も議題になっている。現在議論されておりますのはこの農、工、水産、家庭、商業等の分野におきまして、そうこれらの既存のものと著しく離れたものはなくて、むしろこれで落ちておるもの、それを第一段階としては拾って検討しているような状態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/9
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010・鈴木力
○鈴木力君 私はこういう学科を設置する場合には、やはり一つの原則というものが必要だと思うのですけれども、いま伺いますと、その限りにおいてはなるほどと思うようなものがたくさんあるわけなんですが、そういう細分化あるいは多様化、いろいろことばは変わっても、このような学科設置の形と後期中等教育という本質的なものとの関係をちょっと伺いたいのですが、つまりたとえば農業なら農業にいたしましても、地域開発を含めた人文関係までも入れたというものを一つの学科に持ってくる、それがいまの三年コースの間で地域開発のどの層をねらっているという形になるのか。つまりそれは文部省が指導してやらせるということじゃなしに、いま審議中だと、こういうことですから、そうしてまたそれは、その地域の開発の要望からきているという問題もありましょうから、どこがということではないと思いますけれども、卒業生におよそ期待されている高さといいますか、それは工業関係の技術関係でいったら高級技術者になるのか、あるいは下のほんの組み立てのちょっと上程度の技能者なのか、どういう点を予想していまの職業課程が細分化されていっているのか、そこをちょっと伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/10
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011・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これはしいて言えば、高等教育との限界という角度で、常識的に見るのが普通だろうと思います。実態といたしまして、先般も申しておりますように、八〇%に及ぶ国民が就学するわけでございますから、中級の管理層あるいは中級の技術技能者というものをやはり高等学校教育が負わなければならぬという観点から、高等学校の任務というものを学校教育法に基づきまして、普通教育と専門教育を施す、そういう限界の中でどこまで果たせるかというのが一つの課題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/11
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012・鈴木力
○鈴木力君 もう一つだけこの問題で伺いたいのですが、いまの中級技能者を養成する、しかし、いま局長が申されましたように八〇%という、まあ将来はむしろ、新聞で拝見した限りにおいては、大体文部省も高校をどんどん義務化の方向にまあ中身はどうか知りませんけれども、いはば希望する者は後期中等教育を受けさせる、そういう前提でいま進められておるわけなのですが、その中のいまのこの職業課程の教育ということですから、何かわれわれのほうに聞こえてくる一部の話では、これは教育の関係ではございませんけれども、一つの業界側のほうから言うと、そろそろもういままでの義務教育卒業にかわる高校卒業者の養成ということが必要になってきたという声をちょいちょいわれわれは聞くわけです。もちろんそれは労働力とすれば、そういう高校卒業生が一つの労働力にならなければならないわけだけれども、それはそうなんですが、それをただ中学を卒業した労働力にかわる労働力という見方で経営者側のほうにそういう要請がある。その経営者側のその要請に学校側がこたえていくということになれば、いまの局長からお答えいただきましたような、いわゆる後期中等教育のほんとうのねらいというものとはだいぶ質が違ってくるような気がすると思うんですね。そういうような点について、この細分化ということは相当慎重にやらなければならないものの一つに入るんじゃないかという感じが私はしている。そこで何べんもくどいように私が申し上げておるのは、この政令でその他必要な事項というようなばく然としたことだけで設置者がこれをきめる。その設置者がこれをきめるというその仕組みの中にですね、何かもう少し国民全体的な一つの基準というようなものが原則の上に貫かれないと、何か危険な要素をはらんでいるというような気がするわけです。この点はいまの政令のあのままで——政令はまあ別だとまた言われるから、前もって言っておきますが、あるいは財源措置の政令だと言われるから、それならそれでもいい。しかし一応具体的にはあれが根拠になって設置者がつくるというのが実情なんですから、その点に対する手だてというものを文部省は考えているのかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/12
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013・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) もう一つ、設置者が学科を構成いたします場合の制約と申しますのは、学習指導要領の基準という問題、学習指導要領ではいま先生が御懸念になっているように、単にその徒弟教育になるとかいうようなことのないような配慮というものを一般教育をどこまでやるか、それから同じ専門教育でもどういう分野をやるかというようなことを定めるわけでございます。その限界というものは文部省自体としては学習指導要領の中で定める。でございますから、現在これだけのものがございましても、一般教育というものの単位数というものは相当多いわけでございまして、そしてそれに専門教育をプラスするということが、それが高等学校教育のあり方の問題でございますから、先生の御懸念になるように、単に技能だけというものを徒弟教育として行なうような形には要望がありましても、高等学校教育としてはおのずから限界がある、こういうふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/13
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014・鈴木力
○鈴木力君 いまの細分化の問題については、そういう懸念がある点につきましても、いまのまあ指導要領の基準、これによると、これが一つの基準にはなるわけでありますが、ただ指導要領から教育課程に発展してまいりますと、何かそのもの自体の問題性というものがまた出てくると思うので、そういうきょうはその指導要領や教育課程の問題点については触れませんけれども、そういう問題点をあわせ持っているというわけなんです。したがって、この点の扱いについては相当慎重にやっていただきたいと思いますが、もう一つこの細分化については、いまどっちかというと、この職業課程というところにほとんど重点が置かれていると思うんですけれども、いまの高等学校の教育全体を考えまして、むしろ私はたとえばこの理科でありますとか、そういう理科といいますか、自然科学といいますか、そういう面についての検討も必要じゃないかというような考え方もあるような気がするのですが、そういう面についてはいまどういう検討をされていらっしゃいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/14
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015・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 私どもが多様化と申します場合、ここにお出しいたしましたのは職業教育を主とすることでございますが、その職業教育以外の、普通科以外の専門のものが現在までは音楽、美術、体育、それから外国語等ございます。これらは設置義務の六条三項に基づいてできておるものもございますし、六条の二項に出ておるものもあるわけでございます。いまお示しの理科の問題につきましては、これも審議会に現在諮問中でございます。理科教育及び産業教育というまあ両方の機能を審議会は持っておりますから、理科教育のほうの審議会に高等学校教育の中で将来理数系に進むということを志すものについて、どういうカリキュラムで学科を立てる可能性があるか、これは現在審議中でございます。しかしこの問題は職業教育ほど前例がございませんから、かなり重要なことでございますから、審議会としては十分落ちついて議論していただく段階でございますが、いまその審議の状況を申し上げる段階にはまいっておりません。むしろ基礎的な分析をいましていただいておる状況でございます。審議会の答申を見た上で、われわれは態度をきめたいとかように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/15
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016・鈴木力
○鈴木力君 審議中ということでありますから、まあその点はそれだけにいたしまして、次に進みますが、現在高等学校で連携教育といいますか、会社側と学校側とが相協力しておる。まあ産学協同ということばがあるが、該当するかどうかわかりませんが、そういう形の教育が行なわれておると思いますが、全国でいまどのくらいの数ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/16
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017・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 四十一年度末現在で指定された技能連携施設が五十三、それから連携の高等学校が十一校でございます。この連携の制度を利用しております技能訓練のその訓練生であり、また定時制の学生であるものが八千百四十七人ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/17
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018・鈴木力
○鈴木力君 たとえばいまの実例で、たぶん福島県にあると思うのです。福島工業学校ですか、あそこでやっていると思うのですけれども、その例をとってもう少し具体的な仕組み等についてもお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/18
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019・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 福島県におきましては、技能連携をいたしておりますのが、学校といたしまして二つ、それから訓練所のほうが三つございまして、福島県立福島工業高等学校の定時制と協三工業株式会社訓練所、これが連携いたしまして、訓練生の数が定時制で受け入れておるものが七十五人、それから福島県立平工業高等学校が常磐炭鉱のこの技能訓練所と連携をしておりまして、訓練生の数が百五十人、それから同じく平工業が常磐製作所技能訓練所と連携いたしまして、該当者が六十人、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/19
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020・鈴木力
○鈴木力君 福島工業の場合を例にとりますと、あれは協三工業ですか、あの工場の中に一つの教室を持って授業をしておるわけなんですけれども、この職員構成はどういうふうになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/20
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021・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 訓練所のほうの指導員は二十六人と承知いたしております。これは連携科目が機械実習、機械製図、機械工作、電動機、電気一般、五科目はこの訓練所のこの指導員による科目というものを高等学校の単位として認めていくということで、それ以外の教科につきましては、これは福島工業のほうで授業をする、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/21
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022・鈴木力
○鈴木力君 それで、もう少しこれについて伺いたいんですが、いまのこの五科目ですね、五科目は工場で授業しておる、それからその他の科目は工業高校、本校といいますか、本校で授業をしておる。生徒はその工場で授業する場合と本校で授業する場合と、教室が移動するわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/22
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023・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) さようでございます。まあ日が違い、それから時間が違うということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/23
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024・鈴木力
○鈴木力君 それで、この工場側のほうの教師といいますか、この免許関係はどうなってるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/24
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025・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 文部省で訓練施設を指定いたします場合には、その施設が、修業年限が三年以上でありまして、それから指導時間が八百時間以上のほかに、その指導員の半数以上が高校教諭程度の資質を持っておるということを基準として、個々具体的の施設について調査をいたして、文部大臣が指定しておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/25
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026・鈴木力
○鈴木力君 はっきり伺いますが、これは資質ですか、免許状ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/26
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027・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 程度の資格でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/27
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028・鈴木力
○鈴木力君 資格というのは、免許状を持っている者をいうのか、だれかがその程度だと認定をして資格を与えておるのか、そこをはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/28
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029・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 程度の資格でございますから、大学を卒業して専攻のものをやってるというようなことを基準として考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/29
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030・鈴木力
○鈴木力君 免許状を持っておる持っていないにかかわらず、大学を卒業した者はそういう学校の教師をやる資格があると、文部省はそう認定しておると聞いてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/30
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031・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/31
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032・鈴木力
○鈴木力君 その資格があるという場合には、連携高校にだけというわけではございませんでしょうね。つまり高等学校全般について、大学を卒業した者は高校の教師である資格がある、そう聞いてよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/32
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033・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) そうではございませんで、その連携をするその施設のほうの指導員の資格があるということでございますから、高等学校の先生のほうは、これは免許状が必要でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/33
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034・鈴木力
○鈴木力君 ちょっとわからなくなったんですがね、施設の指導員の資格があって高等学校の先生の資格がない。ところが、五教科は工場に生徒が行って、いわば委託されたような形で授業を受けておるわけです。おそらくこの五教科はその工場でやって単位をとっているわけです。その指導員は施設を何ですか、施設とか設備とかを何かする資格はある。しかし生徒を指導する資格ということになると、私は免許状というのが資格の要件だと思いますけれども、この辺の説明をもう少しわかりよくしてもらいたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/34
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035・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これはこの連携制度というものが、学校教育法が改正になりましてできた趣旨と関係があると思います。で、要するに、学校の教育でなくてもある程度の中身のあるものを、勤労青年の就学状況を緩和するという立場から、一部を高等学校の教育としてみなすと、それが勤労者の便宜であろうという趣旨でございますから、そこでそういうことをやりながら、しかしそう野方図ではいけない。高等学校の単位として認定、認めるのだから、それをどういう程度のものでなければいかぬかということで指定のことを考えております。その場合の一つといたしまして、施設自体が教育機関として相当程度の規模を持っているという関係から、修業年限とか、それから授業時数というものを考え、もう一つは指導者、この技能教育を担当する者は、半数以上の者が担当する技能教育について高等学校の教諭免許状を有する、あるいはこれと同等以上の学力を有するものと認められる者でなければならぬというふうに個々に認定していくわけでございます。先生がおっしゃるように、全部が教員の免許状を持っておれば一番いいことでございますけれども、そこまで要求いたしますと、この制度を考えた趣旨というものがまた非常にせばめられる。そこでこの実質に着目をして、免許状は形式的になくても、同等以上の学力があると認定するという仕組みになっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/35
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036・鈴木力
○鈴木力君 別のことをちょっと伺います。福島県の福島市を中心とした通学範囲における定時制高校の定員と生徒の率、それから志願者の率、ここ五年間くらいの数字をちょっと教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/36
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037・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 平工業の定時制は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/37
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038・鈴木力
○鈴木力君 福島から通える範囲ですから、平までは通えませんね、とても福島から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/38
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039・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 福島工業の定時制は、生徒の数にいたしまして、機械科二百四十九人、それから建築科百九人、電気科がこれは新設で一年生のみで三十八人、合計三百九十六人の学校でございます。募集の状況でございますが、この定時制がどういう年々募集状況になっているかというようなことまでは、どうも私資料として持っておりませんが、福島県全体といたしまして、工業科の定時制の募集定員が四百七十に対しまして志願者数が五百六十三ということに相なっております。全体の数字で、個々の学校の状況等は承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/39
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040・鈴木力
○鈴木力君 ちょっとしつこいようですけれども、そうなりますと、もう少しこれ伺わなくちゃいかぬのですが、福島県全体に工業科の定時制というのはどこどこですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/40
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041・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま学校数はわかりませんで、全体の定員が四百七十人ということでございますので、福島県の工業科の定時制が幾つあるか、ちょっと調べさせております。——福島県における定時制の工業学科は、学校数にいたしまして五校でございます。五校で募集定員が四百七十人。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/41
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042・鈴木力
○鈴木力君 おかしいですな。福島工業で三百九十六ですね。先ほど局長から伺った。そうすると、あとの四校で、四百七十ですから幾らですか、七十四ですか。他の四校の定数は七十四しかないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/42
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043・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先ほど三百九十六というのは在校生全部でございます。四百七十というのは募集定員でございますから、第一年次生の募集定員でございます。三百九十六人は一年から四年までを含めたものの数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/43
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044・鈴木力
○鈴木力君 福島工業の定数は幾らかと私はお伺いしたのに、機械が二百四十九、それからその次が百九、それから新しくできた電気が三十八人、これは福島工業なんでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/44
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045・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ですから、私間違えまして、生徒数をお答え申し上げました。ですから、いま先生のように第一年度の入学で申しますならば、福島工業の定時制は一年が機械が五十人、建築が三十四人、それから電気が新しくできて三十八人、これを合計したものと四百七十と対応しておる数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/45
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046・鈴木力
○鈴木力君 わかりました。そういたしますと、それではさっきのことをもう一度お伺いしなければいけないのですが、そうしますと、平工業のほうの小倉炭坑というのですか、それと連係をしておるところの生徒は百五十人ですね。それから常磐製作所とは六十人、これのうちの一年生はどれくらいあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/46
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047・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 平工業の定時制で申しますと、これは機械だけでございまして、一年が四十二人のうち連係生が二十二人おるという数字が出ております。それから二年につきましても連係生が入っておりますし、三年についても入っておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/47
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048・鈴木力
○鈴木力君 大体の実態はわかったわけでありますが、先ほどの私の質問をもう少し続けさしてもらいたいのですが、教師の資格の場合に、これは設立の趣旨から特別なんだというふうに私は伺ったのです。つまり、高校勤労青少年の就学率を満たすために連係教育をやる、そういう趣旨からすると、有資格教育というのが原則ではあるけれども、有資格教員がなくてもやむを得ないのだ、こういう趣旨で福島県では連係教育を行なっておる、こう判断してよろしいわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/48
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049・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) そもそも福島県のみならず、この連係制度ができたのは、勤労青年のいまの二重学習負担というものをできるだけ緩和するという趣旨でございまして、実質が大体高等学校教育と同じものであるならば、同じ機械なら機械の実習を両方受けなくていいという制度を考えたわけでございます。これは学校教育法の改正によってあるわけであります。したがいまして、今度は個々にどこと連係をはかれるかという場合になりますと、文部省がその指導人員等につきまして、個々に調べまして認定をする、そういう仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/49
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050・鈴木力
○鈴木力君 くどいようですけれども、誤解があるといけませんから、もう少しこの点はただしておきますが、いまの連係教育は、つまり最初の局長の説明は、何か志願者がたくさんあって、高等学校が収容し切れない。その就学者の希望を満たすために連係教育のほうに一部委託したのだ、そういう趣旨から、教師のほうは資格がなくてもまあがまんをしてやるのだ、こういうふうに聞いたのですが、その辺もう少しわかりよく言ってほしい。おまえにはなかなかと言われれば、頭が悪いのですからそうはわかりよくはなりませんけれども、きちっと言ってもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/50
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051・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 勤労青年が高等学校の卒業資格を得る、また、実質的にも高等学校としての卒業した教養を得るという一つの要望がございます。その場合に、その人が相当充実した技能訓練施設にいるなら、その技能訓練施設で受けております教育の実質というものを見まして、それを高等学校の教育の部分と考えてやって、そうして本人にとって二重に学習をしなくても高等学校の卒業資格が得られるということが私は制度の趣旨だと思います。その意味で、一部高等学校の教育として見るべき技能訓練施設の教育については、高等学校の免許状がなくても、それと同等以上ならば、それは認めます。こういう仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/51
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052・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、こういうことになりますか。整理をいたしますと、福島工業という学校で授業をしている。そのうちのたとえば機械、それからさっき言われた五教科に類する面、これは五教科全部を工場側に委託した、こういうことなのですか、実習単位だけを委託しているということなのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/52
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053・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先ほど申しました機械実習、機械整備、機械工作、電動機、電気一般、これだけは学校でもう一度授業をしなくても、この職業訓練所で修めておれば学校の授業は受けなくてもいい。その他の単位はすべて学校の授業を受けなければならない、こういう仕組みになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/53
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054・鈴木力
○鈴木力君 その場合、委託をされた工場側の、免許状を持っていない指導者の指導した部分については、その教育効果についての責任は学校が負う必要があるのか、負う必要がないのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/54
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055・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 学校が負うことになりまして、校長はその訓練所の中の教育の様子を常時見るという必要もございます。また、はたして実質修了したかどうかという責任は、試験をやったり何かするのは学校の責任でございます。ただ、授業を学校の授業に出席しなくてもいい、実地で実質に受ければいいというのがこの仕組みでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/55
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056・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、福島工業の場合には、完全に工場側のほうで勤労しながら一つの実習を受け、あるいはそれらの教科の学習をして、そうして夜は学校へ行ってそれぞれのその他の科目の学習をやっている。したがって、局長のおっしゃるのは、学校の一部分がそっちへいっているだけだ、こういう説明だと思います。そうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/56
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057・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) そうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/57
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058・鈴木力
○鈴木力君 これは私はこの福島工業へ行って見たのです。ほんとうをいいますと、だいぶいまの局長の御説明と違うと思って私は見てきたのですが、と申しますのは、福島は教室が二つありまして、普通科の先生も月に何べんかそちらへ行って普通科の授業をしなければならないようなこともあるわけです。全部必ずしも学校の運営についてはまるきり支障がないわけではなくて、そういう先生たちの移動ということが非常に多いようにも見られる。そういうことになってきますと、高校定数の問題で私が伺いたいのは、連係教育の是非論ということもありますけれども、ああいうものが現実に設置されている場合の定数というものにどういう配慮がなされているのかということをひとつ伺わなければならぬわけです。学校側が責任を持つという場合に、少なくとも教室をまかしておいた、ほんとうをいいますと、私はさっき言った資格の問題、資格の問題をだれが認定するか、大学を出たからそれで資格があるのだ、そこの部分については資格を認めて、あとは試験をやる、校長がそれを巡回しておるから校長が責任を持つのだ、このシステムについては私は一つ疑問があると思う、いまの教育それから教師の資格という問題からいって。
もう一つは、そうはいっても学校が責任を持つ以上は、少なくとも大部分生活しておるその工場側に学校側の教師が移動を必要としないということは絶対あり得ない。そういたしますと、あそこの教師たちは非常にいわゆる良心的な教師でありますから、手続上は学校が行く行かないは、行かなくてもいいのだといえばそれまでだけれども、事実上は学校の教師の負担が非常に重くなっておるのです、そちらにも見回りをしなければいけないというので。こういう場合の定数というのはどういう配慮をされているのか、この二つの面についてお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/58
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059・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 第二の定数問題のほうを先に申し上げます。定数の計算におきましては、その訓練生が全部普通の生徒と同じということで計算をしております。別に差し引いておりません。福島工業の定時制の課程の実態から見ますと、現行定数は教員等が二十四でございますけれども、実は若干未充足のようでございます。そしてその実習助手等につきましても未充足でございますから、定数法の措置としては私は現行法でもある程度いっておる。また改正法によりましても、その定時制の課程というものは今後生徒数を、学級の規模をそれこそ変えて計算するわけでございますので、定数といたしましては私はまかなえるものだというふうに考えております。
それから第一点のこの制度自体に対する問題と教師の資格でございますが、これはなるほど両論成り立つことではございますけれども、勤労青年本人ができるだけ学びやすいということ、それは理論的に申せば若干の問題点があるにいたしましても、勤労青年というものがいろんな場所で学んだものの実績というものを見てやるということがやはり必要なことではなかろうか。中教審におきましても、実は高等学校の拡充整備とともに、高等学校以外の教育機関、いまは訓練所だけでございますけれども、あるいは社会教育の関係の勤労青年学校とか、いろいろなものでやった実質を勤労青年のためにそれを高等学校の修学の一部として見る制度を検討しようということをいっておりますから、私どもはやはりこの方法は拡充していきたい。しかし先生の御指摘のように、それがルーズに流れたりしないような配慮というものを加えつつ検討していかなければならないというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/59
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060・鈴木力
○鈴木力君 いろいろ議論のあるところですから、いまの局長のおっしゃったような考え方はやはり教育行政には非常に大事な考え方だ。ほんとうは私はその考え方に賛成したいところが七、八割あります。つまり教師の資格とか、機械的なそういうことによって教育の尺度をはかるということでなしに、ほんとうにその生活なりそういう環境で子供たちが学習したものを、学習の単位というか、学習の価値として認めてやる、そういう基本的な態度は私は必要だと思うのです。ただ、しかし学校側が責任を持つこの五教科ということですが、五教科といっても、高等学校の教育といっても、教科だけ全部単位をつなぎ合わせれば高等学校卒業ということにはならない。もっと別に、あとでカウンセラーとかその他の定数の問題とも関係があるのですけれども、そういう配慮をされておる文部省が、こちらは委託しておるのだからそちらの部分はいいというかっこうで、なるほど学校に終始つながっておればいいです。つながっておればいいけれども、事実上はそうではなくて、むしろ学校の教師のほうが夜もあるいは昼も相当数そちらのほうに出張していろいろ生徒のめんどうを見てやるという実態がある。これがほんとうの教育だと私どもは思っておるのです、やる場合には。そこのところは定数法の法律をいじって、そっちのほうからいえば実際にやっておることはだいじょうぶなはずだ。そうして一方のほうは、これは教育的な価値は、そういう面で非常に弾力的な、私に言わせれば文部省からこういう弾力的な答弁をいただいたのは今度が初めてみたいな気がしますけれども、非常にいいことだと思う。そういう考え方が今度は教師なら教師の、ちょっとこれは余談になりますけれども、教師の自己研修というようなところまでその考え方が及んでおると、ほんとうに一本化した局長の教育行政の考え方だと思うんですけれども、教師の自己研修の場合には、教育委員会が主催したものでなければ全然研修の価値が認められなかったり、出張扱いにもさせられなかったり、年次有給休暇をとれというまま子いじめみたいなことをされておる。そういう考え方といまの教育の実態に対して実質的に向上を認めようとする態度はなかなか質的にも違ったものだと思いますから、これは議論というよりも私はいま局長がおっしゃったあとのような考え方を教育行政全般にもう少し強く反映するようにしてほしいということを申し上げると同時に、定数と教育の関係についてはさきに申し上げましたように、学校の責任というのはどうしてもある。そういたしますと、寛大といわれましても、いまのような行政のシステムでは非常に学校側が苦労しているということは文部省はわかってやらなければいけないことです。それはその定数で間に合うはずだといっても、教育の現場の実態というものはそんなものじゃないということです。先生たちが往復をして常に教育に打ち込んでおる、その面については教育行為としては全然認められていないというところに大きな欠陥があるんじゃないかということが一つです。
それからこれは言いっぱなしみたいで恐縮なんですが、連係教育についてはさっきからいろいろ伺いますと、出発の趣旨は何か勤労青少年の教育を充足をする、こういうことなんですけれども、いろいろといま見ておるところによりますと、一つは工場の生産に結びつく、それと同時に生産に結びつくのは必ずしも悪いとは言いませんけれども、そのことによって教育がゆがめられるというおそれがあるとこれは大問題なことになるわけですから、私は福島の工業学校を見た限りにおいては、この点でゆがめられたという例はあまり見ませんでしたけれども、しかし、ゆがめられるおそれがあるということで先生たちが非常に苦労しながら生徒たちとの接触をはかっているという点、これだけはどうしても見のがすわけにいかない。だからこの連係教育というのが先ほどの産業の一つの要請にこたえての連係教育があるということになれば、これはきわめて重要な問題だと思う。福島県に私どもが参りましたときだって、よその工場から私のほうの工場にも来てくれという要望が非常に強いわけです。それはなぜ要望が強いかというと、教育に奉仕してやろうという要望じゃなしに、ああいうことをして私のほうでも使えればという要望がないとも私は見えなかった。そうなってくると、この連係教育というのはいまの後期中等教育を曲げていく一つの大きな部門になるおそれがあるわけです。こういう点については、特に私は定数の配慮その他のシステムの改善等をはかられて、できればだんだんになくしたほうがいいんじゃないかというような気持ちさえいたしますけれども、生徒の要求等もあればそれをむげにというわけにまいりませんから、実態とよくにらみ合わせて、この点は検討してもらいたいとこう思います。ここは要望だけ申し上げまして、次に進みます。
いまの教師の資格の問題とも関連をいたしますけれども、衛生看護学科について若干伺います。これの面についてはあとで私どもの同僚の千葉委員からもさらにまた質問があると思いますけれども、この衛生看護学科、この前に伺いましたように衛生看護学科ができたのは最近であって、卒業生がまだ一回、ことし初めて出たという段階でありますから、その学校の評価はどうと簡単には言えないと思いますけれども、伺いたいのは教師の免許状、教師の資格というのがどうなっておるのか。さっき頂戴いたしました資料には、たとえば公立の場合教諭が二十九人ですね。それから助教諭が二十三人、講師、助手が二十人、で、七十二人専門科目の担当教員数がある。その二十九人の教諭の持っておる免許状は何々なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/60
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061・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 衛生看護科の専門教育を担当いたします教員は看護婦免許とプラス保健の免許状を持っておる、これが教諭になります。それから助教諭は看護婦とそれから一般助教諭の免許資格を与えるものと、こういうのが助教諭になっております。この養成につきましては、国立学校設置法の際に申し上げたと思いますけれども、特設課程を設けるなどして今後充実してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/61
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062・鈴木力
○鈴木力君 ちょっと聞こえなかったのですが、看護婦の免許状プラス何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/62
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063・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) プラス保健の教科の免許状、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/63
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064・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、高等学校の衛生看護科の教師というのは、看護婦の免許状と保健教科の免許状があれば、衛生看護学科の衛生看護科教師としての資格、こういうことにもうきめておるわけですか。それはどこでどういう手続できまっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/64
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065・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 高等学校の免許関係からいいますと保健でございます。そして、ただこの種の高等学校は一面看護婦の受験資格というものを付与する必要がございますから、文部省と厚生省の共同省令によりまして、文部大臣が指定を高等学校についてする必要がございます。そのことを考慮いたしまして、その指定の関係から看護婦の要件もプラスをする者をもって教師とするようにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/65
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066・鈴木力
○鈴木力君 私が聞いているのは、衛生看護科という学科ができて、学科だから必ずしも学科の免許状がなければならぬということはないのだけれども、それはそういたしますと、文部大臣が指定をして資格を与えたと、こういうことになるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/66
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067・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 高等学校の充実ということと、もう一つ衛生看護婦の問題につきましては、厚生省関係の所管に属することになりますが、高等学校設置自体は通常の専門科目の設置と制度として同じでございます。しかし、これがそれだけでは実は卒業生が資格を得るのに困難でございますから、今度は看護婦関係の法規で指定するわけでございます。その指定を厚生省が指定しないで文部大臣にゆだねられております。と申しますのは、文部省にも大学病院課等がございまして、ここに看護婦関係の相当専門的なスタッフもおりますから、一々厚生大臣をわずらわさないで文部大臣が指定をする、こういうことになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/67
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068・小野明
○小野明君 関連。まあここで関連をするのがいいか、あるいはもっと先でもと思いましたけれども、午後の鈴木委員のあとの質問に関係がありますので、私の質問がですね。ちょっとお尋ねをしておきたいと思うのであります。初中局長、いま一つの問題は大臣に来られたらお尋ねをしたいと思うのです。
それで局長にお尋ねをしたいのは、義務教育のほうの定数の関係ですね。この問題が附則によりますと来年の三月三十一日で大体終わる。で、政令で定める県は四十五年までと、こういうことになっておるのでありますが、今年度一ぱいのことでもありますし、これを改正をされる意図をお持ちであろうと思うのでありますが、この内容についてどういうふうであるかということをちょっと御説明いただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/68
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069・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いまお話ございましたように、義務教育関係の定数法は四十三年度が完成時期でございます。私どもとしては四十三年度の完成ということについて努力をいたしまして、現在四十三年度に改正をするという考え方を持っておらないのであります。ただ、現行法の中で、政令の二カ年延長問題をどう処理するのかということは、これから予算をやるときに検討すべき課題でございまして、まだ結論を得ておりません。で、義務教育につきましても種々の角度から問題点があるということは承知しておりますが、私どもとしては検討はいたしますけれども、いま御指摘のように四十三年度は完成の時期でございますから、われわれは完成のためにまず努力をするということで、その間に十分にまた問題点を検討してまいりたい、かように考えておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/69
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070・小野明
○小野明君 そうしますと、なんですか、この定数法の附則にあります政令でもって措置をしていきたい、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/70
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071・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 政令でいかなる措置をするかしないかということ自体が、まだこれから予算の検討に入るわけでございますから、現在その関係もまだどうするとお答えする段階には至っておりません。これから検討いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/71
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072・小野明
○小野明君 それではこの問題は、いまの御答弁では私も納得ができませんので、鈴木委員のあとの質問の場に譲りたいと思います。
大臣ちょうどお見えになりましたので、お尋ねをしてみたいと思うのですが、きのう閣議がございまして、その席上、まあこれはうわさでありますけれども、大臣が非常に学校教育法の中の一部改正、いわゆる外国人学校制度の問題でたいへん元気を出されたという話を聞くわけであります。私どもの了解しておるところと若干違うのでありまして、これはどういうことであったのか、大臣のお考えを伺いたいと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/72
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073・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 火曜日の閣議の問題だと思いますが、一昨日ですが、実は学校教育法につきまして、私のほうでは、党の総務会を通しまして、提出時期については党幹部が決定するという取りきめになっておりました。ところが、会期延長になりまして、延長になりますと、延長してから新たな法案は、まあ出さないとは限らんと思いますけれども、非常に出しにくくなる、そういう状況でございまして、党内におきましてもこの問題についてどうするのだというような非常な要望がございまして、閣議におきまして、私が学校教育法におきましては、御承知のように各種学校の改正と外国人学校の二つを含んでおるわけでございますから、この問題を政府としてどう考えるのか、その点について総理の態度について私が質問をしたり希望を述べました。党の六役会議にかけて相談をいたすということで閣議を終了したわけでございます。私として、法案を提出するということを内閣に申し出ておりまして、これがうやむやのうちに、私に対しましては何らの出すも出さんも意思表示なしに、単に会期が終了するということ、まあ自然消滅の形になることは、私の責任としては耐えられないことでございますから、これに対する党なり政府の最後的な決着を要望いたしまして発言したわけでございまして、そういういきさつでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/73
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074・小野明
○小野明君 そうしますと、大臣の方針といたしましては、出せということで強調なさったのですか。それともなんですか、今国会はどうするという文部省の方針がありましょうから、大臣の方針がありましょうから、それはいずれなんですか。まあ各種学校のほうはこれはまあ別といたしましても、外国人学校のほうの問題はいかがなものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/74
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075・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) これは、こういうところでこういうことを申し上げてどうかと思いますけれども、私はこの各種学校の問題は、もとより各種学校は全国の各種学校で強く要望しておると思うのです。そういたしました場合に、各種学校の実現は、ぜひ要望に沿いたいという気は一ぱいございます。そういたしました場合において取り残されますのは、実は各種学校だけ切り離してやりますと、どういうことになりますかといいますと、各種学校として府県知事が認可いたしておりました外国人学校は一年の後には自然消滅をしてしまいます。いわゆる教育的な何らの保障のない事実行為としての学校形態が残るだけになってまいりますし、これは国のその責任におきまして何らかの法的措置をすべき責任があると思います。特に外国人学校につきまして、私が提案をすることを決意いたしましてから今日まで、ずいぶんたくさんな反対の運動を受け、陳情を受けました。しかし、その陳情のほとんどすべては、この法案の内容を誤解している。これはもうはっきり申し上げていいと思います。私どもとしては、世界にない制度だと思いますけれども、特に北朝鮮の問題でございますが、朝鮮人が日本に永住いたしまして、そうして、しかも大体永住しておる場合においては、いかなる世界の国におきましても、その国になずんだ教育をやるのはこれは普通でございます。これはもう国際的な原則ですが、日本は特殊な関係があるからというので、その民族教育を公然と保障して差し上げよう、こういう種類の法案でございますから、その反対はいわれない反対であり、むしろ私どもからいえば、外国人学校に対します法的保障を日本政府がやるということに対して、ほんとうにこれは感謝さるべき問題だと思っております。ですから私自身としましては、これを出さないということになりますことは、われわれ文教関係として外国人の学校の教育を保障しない関係になりますので、責任を果たすものでないと、こう考えております。これは特に国会の中におきましても、この法案に対して反対する空気もあるやに存じますけれども、私は反対される理由が実は今日もなおわかりません。でございますから、これは当然に国会に提案すべきものという信念は、いまもなお変わりません。ただ党の方針で、いろいろ国会の対策の問題がございましょうから、党の幹部にまかしておったわけですが、これを出すか出さぬかわからないままに順次日を経過しまして、自然消滅の形になりますことは、私の責任として耐えられないことでございますから、閣議におきまして明確にその態度をしていただくことを要求したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/75
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076・小野明
○小野明君 いまお話のようなことは、ここであらためて言われなくても私どもよく承知をしておるわけです。大臣のお考えを理解しておるというわけじゃありません。いろいろやっぱり大臣は党の立場でお考えの見方をされておるでしょうし、われわれはやはりこの問題については全く反対の見解を持つものであります。これ以上関連でありますからお尋ねはいたしませんけれども、この問題については、やはり私どもは提出をおやめいただくという方針で対処していただきますように要望いたしまして、私のお尋ねを終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/76
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077・鈴木力
○鈴木力君 さっきの続きを若干伺いますが、その免許法の根拠はそれでいい悪いは別としてわかりました。いずれ看護学科についてはいろいろ議論のあるところだと思いますけれども、ただいまの職員構成からいいまして、先ほど申し上げましたように、実習助手は別といたしましても、助教諭、講師というのが非常に多い。教諭というのが非常に少ないという現状なわけでありますが、特にそれが目的だとか、目的でないとかいう議論は別といたしまして、准看の免許状をだいぶとった。准看護婦になっていくか、短大にいくか、これはまた進学コースは別にいたしましても、そういたしますと、この准看護婦それ自体が非常に問題を起こしておるというか、問題にもなっておる。こういう時期でもありますから、やはり私は学校を設置する、あるいは学科を設置するという場合には、相当教師の充足ができるかどうかという検討の面とあわせてやるべきものだという意見を持ちます。さっき多様化といいますか、細分化というところでも申し上げたんですけれども、特に看護学科等につきましては、将来の卒業生の質にも非常に大きな影響をするものであります。地域から要望がありましたからつくりましたということで、さて教師はどうしよう、あとで追っかけてみて検討してみたら、大臣の指定でやれば何とかというような、そういうことでは少し慎重さが足りないんではないかという感じがいたします。なお、全体の医療行政の中の看護学校の位置づけなり、准看護婦の位置づけなり、どうあればいいかという問題は、同僚の千葉委員から後刻御質問申し上げることになっておりますから、その内容面については私は申し上げませんけれども、教員の定数を考えます場合に、そろばん玉で数字をただつじつまを合わせて、これで定数がそろいました、学校は地域の要求によってできましたと、こういう形ではなしに、やはりそうした質という問題はこれはほんとうに考えてみるべきものだと思う。
で、さっきの連携高校においてもそうなんですけれども、どうも地域の要望なり、あるいは会社ですか、工場の要望があったかどうか知りませんけれども、そういう他からの要望については、ばかにそういう点は甘くなっていて、現場の教師からの要望の場合にはどうも甘さが足りない。こういうことではどうもいろいろな問題をかもし出すことにもなるだろうと思いますから、看護高校については教師の定数並びに質、そういう面においての検討を十分お願いしたいということを意見として申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/77
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078・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/78
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079・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 速記を起こして。
午前の委員会はこの程度とし、暫時休憩いたします。
午後零時三分休憩
—————・—————
午後一時二十四分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/79
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080・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
この際、委員の異動について御報告いたします。
本日、北條浩君、重宗雄三君が委員を辞任され、その補欠として鈴木一弘君、船田譲君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/80
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081・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 午前に引き続いて、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
なお、政府側より剱木文部大臣、斎藤初中教育局長が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/81
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082・鈴木力
○鈴木力君 具体的に条文に入って少し伺いますが、この第五条にありますのは、学校の規模をいままで三百人としておったのを、二百七十人ですか、大体学級数は従来どおりにして生徒数が減る、そういう標準の改定だと思いますけれども、ここで一つだけ私は伺っておきたいのは、いままでの委員会で秋山委員のほうからの御質問で、いまの高等学校の教育で非常に大きな問題になっておるのが入学試験の問題、選抜の問題だと思うんです。このことについては相当重要な問題として解決のために努力しなければならない、この方向は文部省もお認めになっておるところだと思いますが、そこでそういう観点から伺いたいのは、この学級数は従来どおりであるけれども、実際の募集人員はそれぞれみんな減ってくるわけです。これはもちろん県が募集定員をきめるのであるから文部省は知らないといえば、また手続論からいえばそういう議論は成り立ちますけれども、私はそういう手続論で聞いているわけではない。一番先に資料等でも伺ったのですが、だんだんに生徒数が減ってくる、減ってくるから高校の募集定員が減ってくるというように直ちに言い切れるのかどうか。つまり減る時期にこそいま文部省が指向しておるように、いわば希望する者をできるだけ多く入れる、入学試験の問題をそういうことから解決の方向にいくわけですから、その方向と現在減らしていくこの計画との間にどういう相関関係があるのか、その辺からの検討がどうされておるのか、その点についてお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/82
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083・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま申されましたように、県によりましてその点は非常にまちまちでございます。概括して申しますならば、関西から四国、それから九州の大分等におきましては、まあ減るということが急激に起こっておる。それから東北の地区では、これは一面進学率が現在低うございます。進学率の伸びということが加わりまして、なお学校を増設するという必要が起こってくるというような趨勢、ただこれを全国的に見ますと、先般申し上げましたような趨勢に全国の数字としてはなるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/83
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084・鈴木力
○鈴木力君 全国の趨勢では、そういたしますと、この学級数を基準にして、学級数を増加するということをしなくとも、従来よりいわゆる競争率といいますか、志願者と合格者の比率が従来よりはそれでも改善をされている、こういうことで計算上はできると、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/84
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085・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 見通しを立てますにあたりまして、この進学率の伸びということを四十六年度で八一・五%、四十八年度で八四・三%というふうに伸ばして見通しを立てるわけでありますから、したがいまして、競争のあるところはゆるやかになっていく、それからほとんど現在においても絶対数としてはそれほどの競争のないところはそのまま推移していくというふうになろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/85
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086・鈴木力
○鈴木力君 いまの点につきましては、全国的な趨勢はこの前にもらった資料によりましても相当に減ることもありますけれども、ただ機械的に——機械的にということにはならないでしょうが、この学級編制とそれから一個学級の生徒数の減ということを、直ちにそれが全体の募集定員の減と直接結びつくという印象をもし与えるというと不安を与えると思いますので、その点についての行政的な措置というものは、これは相当よくやっていかないと、どうしても入学進学率といいますか、受験者の合格進学率を下げないという努力だけは、これは万々遺漏ないように御努力をお願い申し上げたいと思います。
その次に、第九条になりますが、大体標準規模というのはどの程度に見ておるのか。七百五十人ぐらいの学校を標準規模と見て計算をされているのかどうか。それからもう一つは、この条項をたどってみると、どうしてもこの小規模学校のほうは、特にこの全日制と定時制とを同じ基準ではじき出しているというところに、何か非常にこの定時制の実情にそぐわないような点が見えるのですけれども、こういう点についての配慮はどうなさっておるのか伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/86
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087・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 小規模学校の分校等の実態を見ますと、大部分は定時制でございます。実は完全なる全日制というものは二百四十八校のうち三校だけでございます。したがいまして、私どもは具体的に最低保障なり今回の定数を考えます場合には、その実態に基づきまして専任の教員、それから本校からの援助、それが無理なくいけるようにという一応の時間配当を考えて出したのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/87
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088・鈴木力
○鈴木力君 たとえばこの法文を読んでみましても、「全日制の課程又は定時制の課程」でという表現をされておるわけなんですね。だから、定時制とそれから全日制というのが一つの学校規模という場合には、同格にものを見て教員の配置がなされているのじゃないかというふうに私は見られるのです。そういたしますと、小規模学校は定時制に圧倒的に多い。そういうことはまたそれといたしまして、そういうことから大規模学校を優遇するという今度の定数法の趣旨からいいますと、定時制にとってはその条項の優遇措置というものはほとんどはずされてしまうのであります。そう見られるのですけれども、その辺はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/88
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089・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは表面にあらわれたところはそういう感じを受けられると思いますけれども、定時制のほうは実は学級の規模というものを全日制の普通の課程の場合より下げまして、その効果というもので全体の教員数を考えていくということをやっております。それから三十一学級のところの一種のひずみ是正でございます。これは現実にやりましたのは、全日制の課程における時間配当にややほかから見て無理があるということに作業の結果そうなりましたので、それに一名加えたようなわけでございまして、定時制のほうは学級規模をどんどん低めていくというようなことの効果も教員定数の上にあらわれまして、それから定時制の主事というような者を一人加えるということ等をいたしましたので、全体としてのゆとりが出てきて、現実の学校の教育計画の執行には差しつかえないようにいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/89
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090・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、今度の法案で計算いたしますと、かりに生徒数が百五十人の場合ですね、百五十人になりますと、その学校は、定時制の場合です、定時制の場合には教師が何人になりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/90
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091・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま十六学級というのを試算してございますが、これが法定数が二十八人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/91
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092・鈴木力
○鈴木力君 百五十人の場合、二十八人ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/92
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093・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 十六学級でございますから、四十人になった場合ですから……。もっと小さいものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/93
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094・鈴木力
○鈴木力君 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/94
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095・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) そういたしますと、四学級ぐらいのところでございますね。失礼いたしました。ここに表がございますが、生徒が、百五十人から百六十八人のところで教員定数が九人になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/95
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096・鈴木力
○鈴木力君 そこで伺いたいのは、さっきも局長は定時制のほうは学級数を減らしておるので、ゆとりが出てくる、小規模学校のほうもゆとりがあるというふうに伺ったのですけれども、定時制の場合に、いま百五十人と言いますと、百人以下というあの政令も適用しないわけですから、まあまあ定時制としてはそれほど極端な小型ではないわけですね、そういう学校で一件教科の数はどれくらいあって、九人の職員というのは、学校長も含めてそういう配置をやって教育運営をやらせようといたしますのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/96
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097・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 厳密にいまの百五十人に合うかどうかわかりませんけれども、いま四学級の場合をちょっと申し上げましょう。国語十三時間、社会が十四時間、数学が九時間、理科が十二時間、保健体育が十一時間、芸術六時間、それから外国語九時間、家庭六時間、それから職業が十八時間、特活が四時間というような計算をいたしまして、そういたしますと、国語、社会、数学、理科、保健体育は一人づつ、この時間数からみて。それから芸術、外国語はこれは実は二分の一に計算してございます。本校等の派遣なり臨時職員、それから家庭、職業について二といたして、そして八人という計算をしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/97
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098・鈴木力
○鈴木力君 だいぶ窮屈なかっこうになろうと思いますけれども、特にこの芸術それから外国語を二分の一とみる、これは私は定時制の場合には百五十人、四学級という規模というのは、それほど数が少ない分校とは思わないのですけれども、大体いまの分校なりあるいは本校でも、小さな定時制もあるわけですが、そういう定時制の分校でほとんどの教科は一人である、特にこの芸術、外国語は二分の一である、本校から派遣をする。そういう点になってきますと、先ほどの局長の、いや定時制は生徒のほうで手かげんしてやるからゆとりがあるのだというふうには、どうしても私は聞きとれないのです。と同時に、もう一つ伺いたいのですが、たぶん高校の設置基準には、教員の数は最低の場合でも何名という決定があったと思うのですが、それは何名で、その設置基準とこの関係はどうなっているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/98
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099・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この法定の最低保障は八人でございますが、それで設置基準が先生おっしゃったように十二人でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/99
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100・鈴木力
○鈴木力君 私が申し上げたいのは、さっきから申し上げておりますように、私は特にこの定時制という百五十人とかこういう小規模学校になると、大部分が定時制なわけですけれども、定時制教育というものを全日制と同じような基準で計算をされますと、いまみたいな不合理が出てくるのじゃないか、こう思うのです。これはどうしても私は定時制というのはそれぞれの教育の中身から検討をするべきものだと思いますけれども、その点については私の意見でありますが、定時制について若干いまのような角度から具体的な問題を少し伺いたいと思いますが、この定時制教育のうち交代制定時制課程ですか、一日のうちに授業時間の交代制をとっておる課程がある。あるいは昼間と夜間との混合みたいな形をとってる課程がある。そういう交代制の定時制課程はどういう運営をされておりますか、状態はどうなっておるのですか、まずそれを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/100
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101・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 大阪は特にこの勤労青年についてくふうをこらしておるわけでございまして、いまおっしゃいますように、勤労青年の実態に即応して、夜間全日制のような形をとらないで弾力的に運営するということにいたしておるわけであります。その点は実はまだ私どもの研究課題でございまして、ことしモデル地区を三校設定いたしまして、岩手、鹿児島、もう一県でございますけれども、そこでもう少しこの定時制教育とそれから通信教育と、それからその定時制でもいま申しましたように季節によって変えられる、どうしても都合が悪ければ夜とか、むしろ夜くるのがたてまえだけれども、昼間くることもあるとかいうような流動的な学校をつくっていきたい。それが完全にできないならば、勤労青年の生活実態に応ずるような学校形態になかなかなりにくい。その場合の教職員組織とか学校管理をどうするかということは、私どもとしてこれからの研究課題でございまして、モデル校の設置によりまして検討を進めてまいりたいと思います。その場合には、現行法としては定時制とその通信制のほうの定数を加味いたしますから、余裕ができますけれども、将来の問題としては特有の学校形態、一種の社会教育的な機能まで含めたところの学校形態というものが必要じゃないか、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/101
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102・鈴木力
○鈴木力君 この定時制の通信課程は、最近学校を設置しまして、研究課題としてモデル校を設置して研究をしている。その点はわかるのですけれども、そうじゃなしに、いわゆる通信制を持たない学校で、定時制だけで交代制をとっている学校、これはもういま始まったことじゃないと思う。たとえば埼玉県ですか、私の聞いたところでは埼玉県の不動岡高等学校ですか、そういう名前の高等学校があるようでありますけれども、ここらあたりですと、ひどいときには一日に三交代制をとっている。そういうような状態になっているということも聞いておるのです。そういたしますと、そういう交代制の激しいといいますか、これは生徒の収容人員が多いからということにもなりましょうが、そういう場合の定時制教育というのは、やはりいまのような全日制を基準にした生徒の標準は、これは定時制のほうは違いますけれども、教職員の配置基準というのは全日制と同じだ、こうなってくると、どうしても定時制という勤労青少年の学習している学校の教師の組織、それを見てやる法案としてもどうも私は納得できないわけです。だから、私がお伺いいたしたいのは、そういう定時制というのは、いろいろな特殊な条件を持っているものがたくさんある。それらに対する配慮を全日制という一つの高等学校の基準から一つの様式を割り出して、それに何かそれらの特別の事情のある定時制の高校に対する教師の定数配置、これらの問題は検討すべき問題だとこう思うわけです。その点はおそらく検討しておられると思いますから、検討しておられるならその点を承りたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/102
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103・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま御指摘のように、埼玉県も独立校を持ちまして勤労青年の教育についていろいろなプロジェクトを行なっているものでございますが、まだ御指摘のように授業形態を流動化するということは普遍的ではございません。研究の課題でございますが、これを定数法上それに対する特段の措置ということはいたしておりません。ただ、実態といたしまして、今回の法案を検討いたします際に、県の全体の所要定員といたしまして、定時制につきましては、理想とは申せませんけれども、相当余裕があるような定員を仕組むというような実態でございますので、むしろ特色ある学校を経営される場合には、総定数の中において県において重点的に配置するなりしてくふうをしていただきたいと思います。そういう定時制の全体の傾向として、われわれが検討しておりますような特別な形が出てまいりますれば、定着してまいりますれば、この点についてはなお検討を加えてまいらなければならない課題であるということは十分承知しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/103
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104・鈴木力
○鈴木力君 これはいまの定時制の問題だけじゃないと思いますけれども、いまの局長のお答えで、県全体から見ると、だいぶよくなっているようであります。もし特定の学校に何か不合理な点があるなら、その県全体でそれのほうから操作すればいいじゃないか、こういうおっしゃり方のようにいま聞いたのです。これは一つの標準ですから、この法律はね。たぶん法律の名前は言わないでもわかると思いますけれども、そうなりますと、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律でありますから、まあそれは県全体を対象としたものであって、学校を対象にしたものでないと、そういうことになってくると、いままでの話というのは、私はだいぶおかしくなってくるわけです。つかみ金で検討をされ、やっておいて、県でバラエティに富んだ教育をやればいいんだと、こうなってくると、この議論は少しおかしくなる。私はやっぱり県全体をよくするという考え方はそれでよろしいのですけれども、少なくとも学校を基準にして計算をしていく場合に、計算の基礎の中に、それは全国で一つぐらいしかない学校だという場合はまた別だ。しかし、定時制という学校はこれはもう最も数が多いわけです。もっとも、交代制というのは数が少ないといえば少ないかもしれません。しかし、いまや大阪地方にも多いとさっき局長もおっしゃいましたけれども、交代制をとらざるを得ないようなそういう学校がどんどんふえてきているわけです。そこのところはこれから研究をする課題だから、県には全体でよくしておるから、もし足りなければ県で都合すればいいんだというだけでは、私は少しこの法律を出すには不親切過ぎると思うのですよ。こういう点についてまあどう思うかといってもしょうのない話でありますが、もう少し親切味のある計算の基礎といいますか、研究をしないと、どうもぐあいが悪いんじゃないか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/104
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105・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) もちろんこの法律が、まあ個々の学校の予想図というものを積算のもとにはしておりますけれども、第七条の文言にありますように、学級編成と違いまして、標準は、その設置者ごとの職員数、これが法律上の標準でございまして、その標準数を出すためにどういう決め方をするかという立て方になっております。ですから、標準という考え方は、この定数のほうに関しましては、まあ法律的に申せば都道府県の数を標準とすると。これはまあ現行法もそうでございます。しかし、それでは改善にあたってどういうふうに考えたかと申しますと、今回の改善にあたって、今度は定時制のほうは学級編成の改善を優先して、そして教員一人々々の生徒数を、五十人と四十人ですから、二割減らしたということを第一に考えた。それから九学級の以上に一人の教員定数を増加する。それから百人未満の分校、これは定時制分校が主でございますが、従来加算が一人であったものを二人加算をしたということでございまして、この改善による以上の三点の措置によりまして、大体千五百か六百ぐらいの増を、この点について見込んだわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/105
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106・鈴木力
○鈴木力君 これは基本的な立場が局長と私と違うかもしれないのです。さっきからの話で、どうも私が聞く限りにおいては一貫していないようですね。つまり学級の標準を減らすというのは、これは局長は前にも何べんもお答えになっておりますように、この問題については、実は全体の教職員の比率のところでやればいいんだということで、全日制のほうではそうおっしゃっているわけです。定時制になれば生徒数で手加減をしたとおっしゃいますけれども、それでは伺いますけれども、さっき私が伺ったのは、そういうこともあるから伺ったのですけれども、学級の収容数が減るということは学校の規模が減るということなんですけれども、学級数はふえるということを想定してやっているのか、学級数が現状になる、つまりその分だけは募集定員が減るのだということが前提になってこの定数が計算をされておるのか、そこがはっきりしないと、いまの議論は出てこないと思うのです。そこはどういことでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/106
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107・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 学校ごとの個々の基礎がどうなっているかという御質問に対して、わかりいいように申し上げたのでございますが、たとえば四百人の本校があると、定数が現行法によれば機械的に当てはめれば十六人だ、先ほど申しましたように。この学級数を動かさない、学級編成の基準を動かさないで学級数を八学級なら八学級のままといたしますれば、確かに十六人でございます。しかしこれは四百人の生徒に対して今度は同じ八学級でも三百二十人ということになるわけでございます。一面今度は四百人という実数が動かないとかりにいたしますれば、今度はこれは十学級になるわけでございます。したがいまして、学級増に伴いまして、十六人、四百人規模の学校でありますれば、十六人が十九人になり、それに今度は定時制主事の要員というものをひとつ加算いたしますから二十人になるという形になるわけでございます。しかし、これは先生のおっしゃったように、個々の学校ではなくて、こういうふうに積む結果というものが標準としては都道府県の総数というものの充実になり、それに対する財源措置になりますから、これで幾つかの形態のものはどういうふうに実際に配分するかは、これはやはり都道府県のそれぞれの学校管理と、人事行政の方針というものにゆだねていいんじゃないか、個々のものまで学校に及ぼさなくていいじゃないかということを申し上げておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/107
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108・鈴木力
○鈴木力君 私の申し上げたいのは、何べんも繰り返しますけれども、どうも法律の仕組みというのがいろいろにその場その場で解釈をされているのじゃないかと思うので、もう一度お伺いするのです。つまり標準というのは県全体のものを積み立てていって出すための標準だと、それは一応わかるといたします。その場合に、たとえば学校というものが一つ一つとしてはこうあるべきだというものを、これはなかなかできる相談じゃないけれども、もしできるとすれば、全部の学校のいろいろな態容に合ったもの、それが総数がきちっと出てくればそれが一番いい標準になる。そこまではなかなか容易ではないであろう。その容易でないということはわかるけれども、いまの私が申し上げておる定時制の場合は、たとえば百五十人規模などという学校は、これはそうまれに見るものじゃないという前提で私はものを申し上げておるわけです。それからまた交代制ということも、これはほんの最近例外的に出てきているというふうにだけ私は見られないんじゃないか。そういたしますと、そういう要素があるものが実は全体的にはふえるから、どこかからか削ってこいと、こういうのは私は少し定時制に対しては冷酷過ぎるのじゃないかということなんです。だが、しかしこの標準によってもちろん補正定数というようなものも一・幾らかというものが出ておりますけれども、そのほかにどこかから削ってくる分のプラス・アルファーというつかみを余裕分として県に与えているというような場合なら、これは別なわけです。そういう点はなかなかこの交付税のほうにも見られそうもない。ここでこの算式を立てているもの以外にはない。そうしますと、私は結論的にもう一度申し上げますと、定時制高校とそれから全日制高校とを、学級の収容生徒数のほうでは今度は違えた。だが、教師の配置の率の場合でも、やっぱりこれは別ワクに検討すべきものではないかということを私は言いたいのです。しかし、この法案はこうなっておりますけれども、ここのところは全日制を基準にした算式これ一つで、何でもこれなんです。定時制の例に当てはめるというといろいろな矛盾が出てくる。いま私が申し上げましたような点もそこらあたりからくるのじゃないかと思うので、この点を質問したわけなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/108
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109・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) その定時制教育がいろいろなバリエーションがある、それに対応する学校の模式をつくって積み上げたほうが正確ではないかとおっしゃる点はそのとおりでございます。ただ私どもが今度この五カ年間の推移を見まして、教職員の充実をどうはかるかというときに、やはりその実態とそれから全国的な趨勢というものを判断いたしまして、四十一年度の実績を見ましても、実は法定数の二万二千人に対しまして、実際は相当の未充足もあるというような状況、それにさらに改善を加えるということで、総数といたしましては定時制に余裕がある、余裕があると申しますのは、まかなうだけの定数になり得るのじゃないかという判断をいたしたわけでございます。その場合に、片や学級編制に主力を置いて、片や教職員の組織に置いた理由いかんということでございますが、これは定時制のほうにつきましては、むしろ学級編制の要素を多く見て、そしてプラスのほうを、今度の教職員の学級に関する増の分を少な目に見るほうが、全体としての人間をとるのに、率直に申しまして計算しやすいのじゃないかということで考えたわけでございます。もちろん本質には全日制よりも多様な生活の実態のある生徒を扱うわけでございますから、その観点で学級編制の規模を四十人にこれは下げたほうがいい、そして五カ年間に五十から四十に下げてまいるほうがいいという判断に達したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/109
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110・鈴木力
○鈴木力君 どうもこの辺は観点の相違かもしれません。だけれども、これは大臣にも要望申し上げておきたいのです。私は定時制教育という今日のこの教育の位置がそう軽く見ておられるような時代じゃないのじゃないかと思うのです。特にこれからの後期中等教育を拡充していく場合に、定時制の果たす役割りというのは非常に大きいと思う。その場合に、いままでの局長の御答弁を聞いておる限り、現状の定時制というのを一応そのまま肯定した上に立って、それからそれと比べると、少しはよくなっているからいいじゃないかという論法にどうも聞こえてならないわけです。しかし、私はやはりこの法案を改正するというような場合には、現状の定時制がこれでいいのかという定時制のあり方そのものをもっとメスを入れて見るべきではないか、その上で改善をされたのかどうかということをやらないと、これはほんとうの正しい定時制教育を考えた改善の考え方とはどうしても私は受け取れないと思うのです。つまり何でも現状をそのまま肯定してしまえば、それはなるほどそれと比べればいまのほうはよくなっているのじゃないか、この議論はあるのです。この議論では、私は教育のいまのような施設というのは、それだけで一律には論ぜられないものじゃないか。
そこで大臣に、この定時制問題で最後にお伺いしたいのですけれども、少なくとも現時点においては、私はいま申し上げたように、定時制教育というのは、定数なりあるいは生徒の収容数なりというそういう問題もありますし、もう一つは教育が、たとえばいま行なわれておるような交代制という問題もありましょうし、そういうような問題ともからめた、全日制からの機機的なものでなしに、定時制教育はどうであるかという検討は早急に文部省でもとりかかってもらいたいと思いますけれども、私のいま申し上げたような観点に対しての大臣の所見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/110
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111・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 勤労青少年の教育といたしまして、定時制教育がきわめて重要なものであるということは、鈴木委員の申されたとおりでございます。今度の定時制の改正で、ある程度は局長からも答弁いたしましたように、改善の方向に向かってまいったのでございますが、実際は定時制のあり方につきましては、勤労青年の勤労の実情に即しましていろいろな面を考慮して、定時制教育の振興を促進しなければならぬということは、全く鈴木委員のお説のとおりでございます。まあ今回はこの程度の改善をいたしたつもりでございますけれども、基本的には御趣旨のとおりに、今後とも十分定時制教育の振興のために検討を加え、改善を加えてまいりたいというつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/111
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112・秋山長造
○秋山長造君 ちょっと関連……。いまの定時制のことですが、私はもういまの鈴木委員との質疑答弁を聞いておりまして、一そうその感を深くするのですけれども、定時制ができて二十年ですね、二十年間もう率直に言って、私は定時制教育というものはもう全くマンネリズムになってしまって、このまま放っておいたら、もうこれは幾ら勤労青少年の教育が大事だと言ってみても、事実上は大勢として衰微していく。一部の夜間高校とか何とかいうようなものは別ですけれども、特殊な地域におけるそういうものは別ですけれども、全般の傾向としてはもうだんだん衰微していくよりしようがないと思います。そこへ、幸いにして昨年の中教審の答申が出て、あの中で定時制教育というものをあらためてやらなきゃいかぬということが一つ出てきたと思う。それからそれと若干それにこたえる意味をも含めて、今度の標準法にいまの六条のような規定が入ってきたということですから、二十年間惰性できた定時制教育というものは再検討する、あるいはこれに活を入れる、まあいい機会だと思うのですよ。そう思うのですが、ただ、この六条の規定を入れて、多少の定時制高校に特殊性を持たすという程度のことでは、これはもう定時制がだんだん衰微してきたという大勢を、何か切りかえるというとても力はないと思うのですがね。そこで、大臣もいま大いにやるんだということはおっしゃったわけですけれども、やっぱり定時制の現状に至った過去と現在というものをやっぱり十分実態を把握して、そうしてこれを徹底した再検討を加えなければ、ただこういう形式的に六条のような、定時制を入れたということだけでは私はどうもならないのじゃないかと思うのですがね。定時制の問題をめぐってはいろいろ困難な問題があります。私どものほうでもその一部面を取り上げて、議員立法でこの現行の定時制通信教育の振興法の一部改正案を出しているわけですけれども、まあそれも私どものその定時制教育に対する気持ちのあらわれだと受け取っていただきたいと思うのです。一体、文部省は、この二十年来の定時制の現状というものをどういうように考えておられるのか。それからまた定時制がここまで衰微してきたといいますかね、当初の新鮮さというものを失なってきたのは一体どこに欠陥があってそうなってきたのかということ、それらについてはどういうように考えておられるのですか。私はこの間文部省からいただいた「教育委員会月報」の六月号をちょっと見ましたら、この中に「定通教育振興の諸方策について」という座談会の記事が出ております。これはもうほんの四十二年度予算に関連したことだけの座談会ですから、定時制の問題全般の問題を尽くしておりませんけれども、それでも相当関係者が、文部省の石川課長が司会ですから、文部省に対して遠慮しいしい、やっぱりことばの端々にいまの定時制の現状その他について非常に不満といいますか、そういうものを漏らしていられるので、私これ何べんも読んでみた。それらの点について大臣並びに局長、ひとつ御答弁願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/112
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113・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先に私からお答えいたします。
戦後の定時制の変化、その変化の要因をどう見るかというふうな御質問でございますが、まあ一つは、これは現実に全日制にかわる形で定時制が置かれておったものもございますから、これはまあ全日制に移行する国民生活の変化、あるいは高等学校の通学距離の関係での展開のしかた、それがまあ全日制のものが充実したということが一つ具体的な要因としてあると思います。それから第二は、まあ勤労青年の都市への流入という流動の形態が違ってきた。で、比較的勤労青年に対しては、いなかのほうではいろいろ施設する、しかし都市にはそれが十分でないというような生活実態の変化がございます。それから第三点は、一番基本的に定時制の教育、その高等学校教育がいまの事態において勤労青年の勉強しやすい——これは学業も生活指導も含めまして、対応するに十全であったかどうかというような点が問題になろうと思います。その他まあ雇用主との関係、あるいは先般来議論になっております定時制の卒業生に対する処遇の問題、各般の要因が加わっておるものと考えられます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/113
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114・秋山長造
○秋山長造君 それで、まあ大体いまおっしゃった三点のほかに雇用主の問題もありましょう。それからまたどうも全日制の卒業生に対して定時制の卒業生が低く見られるというような社会的偏見というようなこともあるでしょう。それはずいぶんあります。にもかかわらず、この後期中等教育の整備拡充という時代の要請、特に勤労青少年の教育という大きい原則からいって、定時制教育というものに何かここで一つ活を入れて、新しい意気込みで大いに振興されなければならぬというところは、これは文部大臣以下別に異議はおありにならぬですね。で、いま斎藤局長言われたような状態の中で、しかもそれを新しくやろうとすれば、やっぱりいままでそのために定時制が何となく萎靡沈滞してきたというその原因になっていること、一つ一つこれを取り除かなければだめですね、かけ声だけでは。そこで、いま鈴木委員からその一つの手段として、定時制の場合は全日制とは別なワクでこの教職員の配置等を考えるべきじゃないかという話が出たと思うのですが、さらにそれ以外に、たとえば定通手当、いま七%出ておるのをたとえば一〇%ぐらいにするとか、あるいは夜間の高等学校の手当を別につけるとかというような問題が一つ一つこう具体的に出てくると思うのですが、ただ大いにやらなければいかぬというかけ声だけでなくて、具体的にどういうようにやって定時制教育に大いに活を入れいくんだという具体的な方法論を、少なくとも、いま文部省としてこれとこれとこれだけはそのためのものだという方針があれは——方針があればじゃない、方針があってもらわなければ困るのですが、それをひとつ参考のために聞かしておいてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/114
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115・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先ほど鈴木委員にお答えいたしましたように、一つは、この定時制と全日制を比較いたしますと、数的には減少するということは、これは予測しなければならない。その予測ということが——実は行けないわけではなくて、ある部分全日制に行くという趨勢はあるわけであります。しかしどんなに少なくなっても、勤労青年のために充実した教育をしてやらなければならぬという基本的な考えで、第一には、一番問題になりますこの定時制の要するに学校管理なり、あるいは教育形態なりというものをひとつ探っていこうということで、今年度からモデル校の設置ということをすみやかに研究していこうということが一つでございます。
それから給与の問題については、これは前国会に秋山先生から御質問がございまして、定時制の手当についての実習助手の受給資格というものに関しては、本年度予算措置及び政令を改正して、この点の改善をはかりました。
なお、その他の問題につきましては、中教審の答申の趣旨を生かすために、さらに具体的な問題について検討を続けてまいりたいと、かように考えるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/115
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116・秋山長造
○秋山長造君 関連ですからこれでやめますが、確かに実習助手の点は、今度の改正案である程度改善をはかっておられることは、これはもう認めます。またその努力をされたことに対しては、これは敬意を表するにやぶさかではありませんが、ただそれは一つか二つの方法であって、なかなかいまの態勢を展開するというところまでにはならないと思うので、どうですか、いま局長のおっしゃったように、事には順序があるので、まず幾つかのモデル校をつくって、それでひとつしっかり新しい方針で、新しい意気込みでやってみる、そうしてその結果によってそれを他に及ぼしていくということのようですけれども、それまでに相当時間がかかりますので、それじゃあとはほうっておくかということにもなりますから、やっぱりその他に対してもできる限り手当てを考えなければいかぬということになるのですが、そこで一つ伺います。
いま定通手当が七%出ておりますね。これは七%このままでいいのかどうか。この文部省の石川課長の司会された座談会でも異句同音に七%ではいかぬということを言うておられるようですが、この課長も、それはそうだとは言っておられないのですが、暗黙の間にそれに賛成をしておられるように私は思うのですけれども、予算を伴うことではありますが、たいした予算額にもならぬのですが、そういうことも一つこの際お考えになるべきじゃないかというように思うのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/116
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117・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 給与問題は、これで十全だということの言いがたい問題でございます。ことにパーセントできめられておるものについては、これはまあいろいろの角度から、いろいろな分野で問題になることでございますので、まあこれが絶対のものだというように給与問題は言いにくい問題でございますから、それを今後検討してまいりたいと思います。
それからまあこれは先ほど申しましたほかに、既定のいろいろな予算、たとえば設備の充実、それから施設の拡充、それから給食その他の問題につきましても、四十二年の予算では一六%くらいの伸びを示しておりますから、われわれとしては、既定のものを伸ばすということと、それから一番根幹になります、一体どういう形態が勤労青年に一番妥当するかという問題の本質に向かって、モデル校を使いながら検討していきたいという気持ちでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/117
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118・秋山長造
○秋山長造君 後段のところは了承しますが、大臣にお尋ねしますけれども、これはまあいずれにしても次の予算なんかに関係してくることですから、これをイエス、ノーとはっきり言えと言うても無理かもしれぬですが、今後の文部行政の進んで行く方向としてどうですか、定時制通信教育を活を入れるという角度から、やっぱり給与面の問題というのはこれはばかにならぬ、相当大きい効果を生むと思うのですけれども、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/118
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119・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) これは、局長から七%を一〇%にしたいとか、そういうことはなかなか答弁しにくい問題ですから、私から申し上げます。四十二年度の予算の編成にあたりまして、私どもまず重要に考えましたのは、四%でございます特殊学級の調整金です。これを八%に上げますことは、これは現在の状況ではなかなか相当難航したんでございますが、それはまあ獲得に成功いたしました。また同時にこの定通の七%もぜひ変えたかったんでございますが、今度の予算折衝の段階におきまして、残念ながら七%を伸ばすことできませんでした。しかし私は、まあ特殊学級の問題も一応解決しましたし、この定通の問題もできるだけ早い機会に、まあ一〇%までとれるかどうか断言できませんけれども、改善に最善の努力をしてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/119
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120・鈴木力
○鈴木力君 通信教育でもう一つだけ伺っておきたいのです。いまの通信教育課程の中に、ある地域から集団的に入学をしておるというような例はどの程度にあるのか、それから集団的に入学をしておるというのは、主としてどういうところから来ているのか、そういう状況がわかっておるならお答えいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/120
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121・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 集団的に通信教育を利用いたしますのは、公立よりむしろ私立に顕著なことでございます。御承知のように広域通信教育のNHK学園とか、あるいは科学技術財団の行なっておりますそういうものが、むしろ集団的な教育講座を扱っておるようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/121
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122・鈴木力
○鈴木力君 公立の通信教育課程に自衛隊が集団入学をしているという例を文部省は知っているか、知りませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/122
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123・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 埼玉県で一部行なわれているという状況を聞いておりますが、正確なことは、ちょっといま資料がございませんのでわかりかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/123
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124・鈴木力
○鈴木力君 まあどれだけあるか、正確なことわからぬと言われると、調べてもらわなければいけないと思いますが、私どもでも正確な調査ではありませんけれども、埼玉県にある。それから神奈川県に相当ある。広島県にもある。こういう形で自衛隊の集団入学が行なわれておる、そういうふうに聞いておるのです。こういうことが、先ほど局長の答弁のように、私立のほうにまたそういうNHK学園とかいうのがある。そういう形にいくというものも含めてみますと、いまの定時制なり通信教育なりを受けようとしておるいわゆるほんとうの勤労青少年、この勤労青少年の教育を受けようとするそれらの者に対する影響といいますか、そういう者に対する一つの妨害というとことばが悪いんですけれども、ある集団的に占めてしまって、そういう進学希望の者を締め出すとか、そういう現象が起こっていないのかどうか。それは文部省のほうではまだ調査していないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/124
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125・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 通信教育のような性格から見まして、いかなる場所に、いかなる職業におる方たちといえども勉強する機会を、便宜を供与するということは、それは大切なことだと思います。そのために個々に分散しております勤労青年の就学が妨害されるということならば、しかるべき調整を要すると思いますけれども、いま修学を希望する者がそういう集団的な受講者のために疎外をされてはじき出される、その入学を困難にしておるというような実態は私承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/125
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126・鈴木力
○鈴木力君 これはひとつ調査してもらいたいと思います。というのは、私はいろいろな職場にいる人が集団的に入学すること、悪いと決して申し上げているわけではない。それはむしろある企業からでも集団的にでも入学をするような傾向になることが望ましいとは思うんですが、ただ自衛隊ということになりますと、私はいまここで自衛隊がどうこう言うつもりでものを言っているのではありません。国の機関に働いておるその人たちが、ある高等学校に相当大量に入学をする、こういうシステムが、いまのような定時制教育の教員の配置その他からもいろいろ議論されておるときなのに、そういうことがどこからでも望ましいという形になってきたら、一体どういうことになるかということを私は心配をするんです。少なくとも国の機関に、特に自衛隊というああいう組織を持っておるところが、そちらのほうに、定時制に、通信教育のほうにわざわざ乗り出してこなくても、もっと別な教育のしかたもあるのじゃなかろうか、そういうこともあわせ考えますので、これはひとつ御調査をいただいて、大体何県の何という高等学校の通信課程においてどこの自衛隊から何人来ているか、そういう点を御調査をいただいて、これはあとになりましょうけれども、御報告をいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/126
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127・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) およそ集団、まあ通信教育の受講生の態容がどうなっているかということは私ども知る必要がございますから、調査いたしましてお答えいたします。
それから、ただ通信制の課程を見るに、これはいかなる人といえども勉強したいという人に機会を与えるということの趣旨から見まして、例は違いますけれども、私社会通信教育をやっておったときは、刑務所の受刑者でも勉強したい人にはこういうことをやって、そうして奨励をしたことも、法務省とあれしてございますから、やはり勉強したい人にはできるだけ機会を与える。そしてそれが全体として不都合のないようにする方法が私は通信教育としてはいいんじゃないかというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/127
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128・鈴木力
○鈴木力君 私の質問をちょっと曲解されるとぐあいが悪いんですよ。私は自衛隊の隊員が刑務所にいる人と同じようにけしからぬやつだから通信教育の何を与えちゃいけないと、そういうものの言い方をしているのではございません。たとえばどこにどういう立場にある人でも、それは青少年が教育を受けようと、また受けさせようと、そのことについて私は賛成なんです。いま局長さんのおっしゃったように、それは刑務所にいる人でもどこにいる人でも、それからまた場合によれば集団であっても、こういう教育を受けるということは望ましいことだ。しかし、私がいまここで申し上げるのは、自衛隊という組織は、これは一つの教育をする組織でもあると私は思うんですね。そこのところから何か委託を受けたような感じになってみたり、その辺はやっぱり私はそういう角度から検討すべきじゃないかということなんです。けしからぬやつを学校に入れたのはいかぬという意味で言っているのじゃありませんから。本音はいろいろありますけれども、その本音はきょうは言いませんのですから、そういう点はお間違いなく聞いていただきたい。
それから、ついでですから、つけたりですけれども、この点についてはまた別な角度からも実は問題になっているんじゃないか、たとえば大学でもこの自衛隊の委託学生ですか、委託研究生ですか、そういう人たちが入り込んでおることによって学内に、問題の大小はあろうとも多少の問題を起こしておる、こういうようなこともいま出ておると思うんです。こういう性格のものとあわせても、これは検討してみるべき事柄ではなかろうかとこう思うのです。そういう質的な問題と、さらに通信教育と、いまのほんとうの勤労青少年を対象とするという、これを第一にするという考え方で、教育と訓練とを組織体の主たる目的にしておる自衛隊までも、一体いまの県立の通信教育がそれだけ受けるほどの余裕があるのかどうか、こういうこともあわせてひとつ御検討いただきたいと思うんですが、いずれ、先ほど申し上げましたようにその実態を調査の上、これは御報告をお願いしたいと思いますが、この点はよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/128
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129・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 調査をいたしまして御報告いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/129
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130・鈴木力
○鈴木力君 それではまた進みます。いまの第九条の第四号であります。この法案の四号の別表ですが、教員の定数をプラスする項、四百五人から九百四十四人までは一を乗ずる、それから九百四十五人から千三百九十四人までは二を乗ずる、千三百九十五人以上は三を乗ずる、こういう別表の一、二、三の通常の乗ずる数ですね、これはどういう職種を想定しておるのか、どういう教育職員を配置をするという想定で出されておるのか承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/130
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131・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 現行法の四号が生徒の数が千二百人をこえる学校の数に一を乗じた数、これは二十五学級規模から上のところへ教頭等の定員として加えるという趣旨でございますが、それを二十五学級のところを九学級の規模まで下げたというのが第一でございます。
それから、その次の二と書いてありますのは、二十一学級以上でありますと、これを二にいたしましたのは、これはいま申しました教頭等と、それから生徒指導をする職員の負担軽減を考え、授業時数の減を見込み定数を加えてみました。
それから第三の三は、三人乗ずる数の三のところは、これは三十一学級以上について、そのほかに一人、これは先ほど御説明いたしましたように、大規模学校の授業数から見て若干ゆとりが少ない、ほかのものに比して少ないということで、これは授業の担当の関係でプラスをしたということに相なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/131
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132・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、一番あとから聞きますが、大規模学校の三というのは二プラス一になるわけですから、その一の分は学校の事情によって必要な教員をということですね。その点はわかりますが、私はこの配置のしかたについて、ちょっと心配な点が一つあるのです。それは現行法でも教頭というのを置いておったからということになるわけですが、一を乗ずる数、この数の上からいうと前と比べるとだいぶ前進をしておるわけでありますから、そういう教員の定数の前進の面というのはよくわかるんですけれども、特に教頭をこの中に位置づけている。何か印象的に、いよいよまた管理体制を強めるための定数配置として、この第四号の別ワクが使われている、こういう見方が決してないとは思えない、この点はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/132
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133・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは、学校は教頭あるいはそのほかに学務、教務を担当する主任だとか、生徒指導を担当する主任だとか置く、これは実態として定数にかかわらずあるわけでございます。従前は、改正前は二十五学級以上に教頭の授業時間の軽減ということを考えて入れてあるわけでございます。それをむしろ二十五学級以上でなく、九学級まで引き下げる。それからやはり高等学校がだんだんこういう進学率等も増し、また社会環境の変化もございまするから、その進学率について生徒指導を総括していろんなプランをつくるという人もまた普通の人よりも少し授業を軽減してやって、そうしてその事務を扱えるようにする必要もあろうというようなこと等も考えまして、プラスの要員としたわけでございます。もちろんこういうふうに入れたこれらの職を行なう人が、あるところでは生徒指導に重点を置き、あるところでは職業指導というところに重点を置かなければならぬところがあります。それは別に法律自体では何にも拘束をしていない。それからまた、それらの人々がどの程度授業を持つのがいいのかというようなことは、まさに教育委員会なり学校なりの判断の問題でございまして、これらの人たちを全く授業以外の要員で考えるということではございません。こういうふうに学校の運営の実態から見て加えておくことが、全体といたしまして教職員のゆとりを持つ、こういうふうに考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/133
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134・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、いまの教頭なりカウンセラーなり、これも授業要員として見る。そのほかにもちろん教頭の職務なり、それからカウンセラーといいますか、生活指導の職務というのはあるわけでありますけれども、一応やはり授業要員、授業を受け持つということがたてまえだと、そういうことははっきりしておるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/134
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135・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) まあ授業を持ったほうがいいのか、持たぬほうがいいのか、これは文部省できめることじゃございませんけれども、通常の場合を考えますならば、およそ校長以外で授業担当しないというのは現状でも数は少ないわけでございます。教頭等でありましても、通常の時間の半分を持つというようなこと、通常の場合を想定いたしますならば、教頭の職を行なうにいたしましても、生徒指導を行なうにいたしましても、授業という形で個々の生徒と接触を保つほうが仕事としてはやりいいという場合も通常は多いから現状はそうなっていると、全く授業と無関係、教壇と無関係にならないのが大部分の例だろうと思います。しかし、そのことはまさに教育委員会なり、学校の運営の方針として、どの程度の授業を持たせ、仕事を分担させるということは、それは全く校長の判断の問題でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/135
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136・鈴木力
○鈴木力君 授業するほうがいいのか、しないほうがいいのか、学校の判断にまかせる、私はこの局長のいまの御答弁はそれで私どもも納得できるのです。できるだけそういう運営については学校の判断にまかせる、こういう立場でひとつおやりをいただきたいわけであります。
ただ、ここで大臣に一つお伺いしたいのは、最近教育に対するいろいろな批判がございます。特に最近の教育に何か魂がないとか、生き生きとしていないとか、あるいは事務的に処理される傾向が非常に大きくなったとか、いろいろなそういう批判がありますけれども、こういう批判にこたえる管理運営の方針というのは、文部大臣はどういう点をお考えになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/136
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137・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私そういう、いま鈴木委員がおあげになりましたような批判というものを直接にあまり聞いておりませんものですから、どういう点であるかということについて判断に苦しんだわけですが、しかし、今後のやはり学校のあり方につきましては、学校全体の管理運営といいますか、これがやはり適当に行なわれまして、学校全体が教育に対しまして相当熱意を傾けた形において行なわれていくということが、これは一般的に要望されておることだと思いますし、またそうでなければならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/137
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138・鈴木力
○鈴木力君 大臣のお答えは、私満点だと思うのですが、適当に行なわれて、教育が脈々といけるように、教育が一致結束して教育に当たるような管理運営が望ましい、このことはそうなんです、そのとおりだと思います。ただそのとおりになっているのかどうかですね、これはちょっと数字で示すようなわけにはまいりませんから、議論みたいな形になりますけれども、最近の一番大きな問題の中に、校長、教頭の管理職化という問題があるのですが、これは文部省でもう一度検討してみてもらいたいと思うのです。いまのままでいいのかどうかです。と申しますのは、これは私は文部省が悪いのか、どこが悪いのかということについてはいまは申し上げません。少なくとも管理職化ということが、管理職というのは何か教育職と別ワクのような形にいま非常に流れ過ぎているということです。そしてそれが文部省が文書をもって通達しているのか、あるいは会議で指導しているのか、教育委員会が自発的にやっているのか、これはまあ言いようによっていろいろ言えるでありましょうから、それはいまおくといたしまして、全国的な現象で、あまりにも何と申しますか、規則あるいは規約、典例にとらわれ過ぎて、重箱のすみをいじっているようなことが管理職の仕事になってしまっている。そうしてほんとうの教育職としての学校長なり、教育職としての教頭なりの生命というものは失われかけておる。この間、これはあまり権威のある集まりじゃございませんけれども、ある校長さんたちが集まっての研究会が私の郷里であった。そこへ行っての校長たちの話は、こういう話がされている。学校長は土木の技師の現場監督にすぎないと、しかし現場監督にしても、少なくとも橋をかける場合に、欄干のデザインくらいは学校長にまかしてくれてもいいのじゃないか、これが行政側に対する校長の本音なんですね。それが全部欄干のデザインも、ペンキの色まできめられて、それが設計にきちっと出てしまっていて、学校長は教育の仕組みに対しても、学校運営に対しても、口をはさむすきもない。だから教育委員会でつくった設計書に従って、そのとおり教師が働いているか働いていないか、いわゆる現場監督にすぎなくなってきている。これでは管理職手当をもらっておるけれども、どうも疑問だというそういう教師の声がもう出ているということです。大臣はそういう批判を知らないとおっしゃるから非常に幸福だと思います。だが、そこを知らないで幸福だということには私はならないと思うのです。つまりそういう形で、いまの学校教育というものがだんだんだんだんに脈々といかない、教師の主体性というものは失なわれてきている。このことは、私はいまこの質問で御答弁を伺っても、大したことにならぬと思いますから、ひとつ注目して今後の行政を見てもらいたいということです。で、私が一番先に伺った教頭というのをことさらに——この法案にはないけれども、現行法にありますから、そういうことを意図しているということです。そういうことの御指導等も含めて、これはほんとうにいまの管理職化されている学校長なり教頭なりをもう一度教育職として呼び戻すというところに、これはもういまにして文部省が努力しないと、下請下請で、この土木の末端の監督みたいなそういう形に持ってきたら、教育はあぶないということ、そういう点について、ひとつ私の意見として一応申し上げまして、次に進行いたします。
その次にお伺いをしたいのは第十条です。第十条の養護教諭の数なんでございますが、これも先ほどの秋山委員のことばと同じように、この養護教員の数にいたしましても、相当前と比べますと前進をはかっている。こういう点については私もわかります。その点については敬意を払うわけでございますけれども、しかし敬意を払うと同時に苦情を申し上げたい点がある。そこで伺いますけれども、養護教諭の数が四百五人からそういう形でふえてくるわけですが、これもさっきの議論の蒸し返しになってしまって恐縮なんですけれども、全日制と定時制とやはり同じ数をもってきめているわけですね、養護教諭の範囲を。そういたしますと、たとえば四百五人から二千百六十人までの全日制または定時制の課程の数に一を乗じて得た数、こうなってまいりますと、これは定時制は養護教諭の配置の恩典を受ける学校は非常に少なくなるということは、やはりここでも定時制を少し差別しておるんじゃないか、こういう気持ちがしてならないのですが、その点についてはどういう配慮がなされているのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/138
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139・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 十条の改正点は御指摘のように、現行法の十三学級以上であったのを九学級程度に下げるということによって、養護教諭を含んで定数改善をはかった。それから今度は定時制と全日制を分けて書きましたので、その両方併設しているようなところは有利になったというようなことがあるわけでございます。御指摘の点は、非常に小規模で標準規模以下のところについて、そこに配置する積算をしていないじゃないかという御質問だろうと思いますけれども、この点は、この養護教諭の実態、それから充足の度合い、これらをいろいろ考えまして、現時点では大体七百程度の増をはかっておりますから、これが現状としてはいい数字ではないか。そして現実に小規模学校の問題についてはどう考えるかということは、府県の段階の配分の問題にしていただきたい。またこの標準といたしましては、これは義務制の政令のように一々のものを間仕切りしてございませんから、これは全体のプールで標準を定めていることでございますので、府県の政策によって重点的にどのものをとるかということは判断していただきたい。かように考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/139
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140・小林武
○小林武君 議事進行についてお尋ねしたいのですが、私はきょうちょっとおくれてきましたから、委員長からきょうの理事会でどういうきょうの進行をなさるかということは承っておらない。これはどのくらいのめどにおやりになるか。なお自民党のほうをながめて見れば、お二人だけしかいらっしゃらない。これはまあ私は従来もあったことでありますから、委員長に特別かれこれ言うわけじゃありませんけれども、しかし他の野党の委員もさっぱりお出ましにならない。こういうところを見ると、だんだん減っていく可能性もまだあるのじゃないか。われわれ社会党は、一生懸命委員長がお勉強なさるあれには、おつき合いをしてもけっこうだと思っておりますが、その時間いかんによりましては、やはりわれわれとしても審議を最も有効に行なうという角度から、休憩その他を含むさまざまなやはり人間らしい扱いをしてもらわなければならぬ。それができないような事情があったら、そうおっしゃっていただければ、われわれも大いに奮発して御要望にお沿いしてもよろしい、どういうことになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/140
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141・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) きょうの委員会の運びにつきましては、当初の理事会の結果を御報告申し上げたわけですが、午前の段階から休憩をして、午後の段階に入る。あるいは午後の審議を尽くされる状況によっては、三時半ないし四時前後にはしばらく小休止をして、多少おそくなってもひとつ入念に審議を尽くしたい、こういう意向を受けまして、いま進めておりますができるだけ見計らってひとつ審議を尽くす方向に御協力をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/141
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142・小林武
○小林武君 そこでもう一つだけ。あなたのおっしゃることはよく理解できました。できましたが、私のほうも事が重大でございますから、あと三人とにかく質問を通告しているわけです。そこで本日はこの三人、ほかの党はわかりませんけれども、それらが一切終了するまでおやりになる、こういうことでありますか。もし終わらなかったらどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/142
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143・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) なるべくまだ時間もあるので十分ひとつ審議が尽くせるように皆さん御質問を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/143
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144・小林武
○小林武君 そのめどを大体三時ないし四時についてはからっている、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/144
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145・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 大体三時半、四時になれば、一応そのときまでの審議をもとに、経過をもとにして、あと休憩後できるだけ要望が出ておりますから、皆さま方のひとつ審議を尽くしていただいて、まあその辺の御相談を三時半の理事会でまたやる、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/145
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146・小林武
○小林武君 大体われわれの理解といたしましてはあれですな、ちょっとわれわれの経験で言えば、普通の委員会の審議とはちょっと違った、異常の形をおとりになる御決意のようでございますが、そういうふうに理解して私どもやってよろしいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/146
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147・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 別に異常ということではないのですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/147
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148・小林武
○小林武君 いや、いつも私どもやっていると、大体皆さん理事会のいろいろな御判断をいただいて、きょうはまあ大体一時半くらいに終わってもらいたい、お前らの質問もあまり長くならぬようにというような理事のお話があって、われわれもできるだけ協力をしている。これは三時間も四時間も五時間も延びたということはない。三十分や一時間はありましたけれども、協力の線でいっているのであります。きょうはわれわれ質問全部終わるということになると、これは相当時間かかりますね。そういう御配慮でやっていたということになると、よくありますところのちょっと異常な状況の中でおやりになるという御決意であるならば、私どもその態度でやらなければならぬということになるわけです。しかし、何かそうでなくて、きょうはひとつお前たちにも協力してもらって、どうだというようなめどがあるなら言ってもらったほうがよろしい。異常なら異常のように、あたりまえならあたりまえのように、われわれやり方がある。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/148
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149・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 別に異常な審議の運びのつもりでこの委員会の審議はいたしておりませんが、できるだけひとつきょうは審議を尽くしていただいて、またこの法案のめどについてもひとつ最善の御協力をお願いしたい、こういうつもりで委員長としてはお願い申し上げたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/149
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150・小林武
○小林武君 それではわかりました。あなたのお考えでは、この法案を本日中に終わるということの御意見ですね。そういうめどでそれじゃ強行なさるという御意見ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/150
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151・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) いやいや、それは理事会で三時半か四時ごろに、この法案の審議を尽くされた状況で……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/151
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152・小林武
○小林武君 ああそうですか。理事会を……。その要領がまだわからぬものですからね、一応お伺いしておいたほうが事後のあれについて非常によろしいと思いましたので。はい、委員長わかりました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/152
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153・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) できるだけひとつ御協力をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/153
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154・鈴木力
○鈴木力君 いまの御答弁でも、県でやりくりすればいいのだという御答弁なんですね。何べんも申し上げましたように、もう非常にくどくなるのですけれども、私は定時制というのは、この二千百六十人までというような規模で養護教諭を配置いたしますぞと、こうなりますと、養護教諭の配置の恩典というのはほとんど全日制で、定時制には非常に少ないのじゃないかというふうに見るのです。それでそれを県自体でやりくりすればいいのだと、こう局はおっしゃるわけです。養護教諭の配置というのは、少なくとも各学校に全部置くべきだというのがその趣旨なんでしょう。そのときに県がどこでやりくりをすればいいのか。やりくりすればいいのだと局長はおっしゃるけれども、養護教諭に限ってどういうところから持ってきて定時制のほしいところに持ってくればいいのか、その点はどう考えてやりくりすればいいとおっしゃっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/154
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155・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ですから、この定数の標準をきめます場合のもとになりますこれをもうそのとおりセットいたしますれば、先生のおっしゃるように九学級以下のものには配当がないということになるわけであります。しかし、教職員定数と申しますのは、これは総数を集めてみますと、相当端数も出てまいりますし、それから今度は県によりまして、別に定数の標準としては、先ほど申しましたように、もう全職種全県というものだけが標準なのでございます、法律からいいますれば。でございまするから、県の政策によりまして、どの部分にどの職種に重点を置くかということは、法律自体では拘束していないという意味で申し上げたのでございます。定時制につきましても、この改正によって三百八十の課程が置かれることになります。またこの査定併立の場合には、むしろ今度それぞれの課程に乗ずるようになりますので、そういうものも全体として計算いたしますれば、従来よりは相当の改善になるというふうに考えているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/155
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156・鈴木力
○鈴木力君 私の聞いているのは、従来と比べて改善になるかならないかというのを聞いているのじゃありません。それはいままでより改善にならなかったら、これはさっき私が敬意を表したのを取り消さなければいけません。いままでと比べてよくなったという面については敬意を表したわけです。定時制をどうしてくれると、こういうことなんです。その場合に一般の教員の全体のプールしたもので県がやればいいのだというその言い方が、養護教諭に限ってみると、どういうところから一体持ってくればいいのか。養護教諭というのはまだ全校必置になっていない。高等学校も全校必置になっていないような状態のときに、県がプールしておって、それを持ってくればゆとりが出てくるという論法は、これはどうも私は納得できないわけです。だから養護教諭というのは他の教諭はかねるわけにいかないのですから、その養護教諭の場合くらいは、全日制の中級の規模、これに匹敵する定時制なら定時制の中ぐらいというのはこの規模だ、こう見たら、その基準ぐらいは定時制をもう少し別に見るべきじゃないか。もちろん併設の場合によくなることはわかります。併設のところがよくなるから、それをこれ未満のところに持っていくのだ、そういうわけにはいかないのです。養護教諭に限ってのやりくりを、どう考えて県の段階でやりくりできるのだと局長がおっしゃるのか、そこを聞きたいということなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/156
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157・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ですから、この標準どおり置けば、小規模のところには配当がないということになります。しかし、義務制の場合と違いまして、職種によって標準をきめて予算を配分するわけでもないし、とにかくあらゆる職種を、教職員の総数をこの法案は標準としてきめて、そして県に対して一括財源措置するわけでございますから、それは職種間のいろいろな実情に応ずるやりくりもやろうと思えばできるだろうという趣旨で申し上げているわけで、この積算で小規模の定時制まで全部置けるようなたてまえになっているんだということを申しているわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/157
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158・鈴木力
○鈴木力君 極端に言いますと、こういうめんどうな法律をつくらないで、教諭はとか、実習助手はというようなめんどうくさい質疑の時間をとるようなことをやらないで、学校の職員は何人だと、こういっておいて、それで県があと適当に配分すればいいんだと、そういうことに通じますか、いまの局長の答弁は。つまり、養護教諭に限らずに他の職種と一緒にしての人員の財源措置であるから、県はたとえば、そっちの工業の教員を削ってきてその分だけ養護教諭をふやせば、それでも養護教諭はふえるじゃないか、こういう言い方になるでしょう。そういう言い方になるなら、標準法で養護教諭はこういう基準だ、職業の教諭はこういう基準だという、そのこういう基準というのは、極端な話をすれば、ナンセンスになるでしょう。やはり養護教諭というのは養護教諭の役割りがあって、どんな学校には一人要るんだということがこの中の思想に入っているでしょう。それが入っていなかったら、養護教諭はどうだというようなことは要らないわけでしょう。校長と職員だけあればいい。校長だって、黙っておったって校長は一人出るんですから。そうしたら何人くらいの規模は何人と、あとは養護教諭を置くなり、理科の教員を置くなり、実習助手を置くなり、それは県自体でやればいいんだと、これで済むことじゃないか。それをそうしないでこういうこまかい法律をつくっておきながら、それを養護教諭と他の職種との、法令上はさしつかえないんだからというのは、これは答弁としては成り立つだろうけれども、ほんとうの定時制教育というのを考えた局長の答弁としてはいただけない、こういう意味で私は聞いているんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/158
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159・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 私もこの総数を出すにあたって、職種ごとに、また学級規模ごとにいろいろのものをきめる、そこに思想が何にもないんだということを申しているわけではございません。それはそういう考え方が基礎になって総数を出しておりますから、先生のおっしゃるように、このとおりに学校に当てはめれば、小規模学校についての養護教諭の配当がないことになる、それは言っておるわけです。ただ、その場合に、厳密に職種ごとにこの標準をきめておるわけではないから、もし県として何らかの方針でやる場合に、そういう弾力的な運用の方法も可能だという限度で申し上げているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/159
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160・鈴木力
○鈴木力君 どうも私はわからぬです。やる気になれば養護教諭をふやせるのだと、その県がやる気になればということなんですけれども、やる気になっても、他の教員だって十分でない現状で、そんなにゆとりのあるものじゃないんです。いまの局長の、ほんとうに困る場合には、だから養護教諭をふやしても、これは県立のことであるから文部省は別にとがめだてをしない、こういう意味の話はわかる。しかし、定時制教育に対する愛情を持った養護教諭の必置、特に定時制の学校なんというのは、これは私が言うまでもなく、勤労青少年が夜間の学校に行っている、もう疲れているというようなことがたくさんあるわけです。そういうところに養護教諭は小規模だから配置にならない、これが現状なわけなんですね。そこのところに思いやりをやらないで、法制的には、県がそういうところに置きたいということになれば置けるのです、それは決して縛るわけじゃありませんという答弁では、これはどう考えても、私は積極的に定時制を理解した上の法律のつくり方だとは思えないわけです。だから、私がいま聞くことは、定時制について何かひとつ、私は養護教諭に限ってものを言っておるわけですが、特に定時制に限って何か優遇の処置というのを講ずる意思があるかないか。あるいは講じようとする場合にはどういう手があるのか。これは県の犠牲——犠牲というか、県が主体的にやればいいんだということはもう聞かなくてもよろしい。それはわかっておるんです。国の施策として、定時制という一つの問題から、この養護教諭について何か手があるのかないのか、伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/160
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161・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 財源措置としては別に手はございません。これはこのとおりで積算されるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/161
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162・鈴木力
○鈴木力君 ある……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/162
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163・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ございません。財源措置としての考え方は、この規模で計算して出されるわけですから、これに対して特段の措置はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/163
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164・鈴木力
○鈴木力君 大臣に伺います。結局せんじ詰めていきますと、定時制の教員の配置、職員の配置については、いまのようにせんじ詰めてまいりますと、定時制というのはやっぱりどうしても不利な扱いを受けることになるわけです。いろいろそっちから回せる回せると言うけれども、財源措置としてはやっぱりないことになる。だが、さっきも秋山委員の御質問に大臣が積極的にお答えになられましたように、定時制教育というのはゆるがせにできない段階にきておる。そういたしますと、私に言わせれば、これは法的欠陥だと一つ思うわけです。養護教諭に関しても、そういう場合に、これは財源がございませんと、処置はいたしませんと、それだけで済むものかどうか、これはひとつ大臣の見解を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/164
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165・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 養護教諭をずっと全部の学校に必置と申しますか、全部行きわたらせたいというのは、これは私どもの念願でございます。ただ、それにつきまして、地方財政その他の関係もございますので、漸増的に養護教員の数を増していくというので、その増す方法としまして、学級数によって算定して基準を出していったというのが現状であろうかと思います。ただ、実際上の問題といたしましては、養護教諭を必要といたしますのは、たとえば、学校医とか、そういったようなものがたやすく近くにおりました場合と、それからむしろそういうことが非常に困難な学校について養護教諭を要望します声とは、むしろそのほうが強いと、こういうふうに考えていいんじゃないかと思います。特にいま鈴木委員は定時制の問題について触れられましたが、なお私どもといたしましては、僻地の学校、離島等におきましてこの養護教諭を特に必要とするところには、いまの算定のこの方法、表向きに養護教員の数を算定いたしました基準から申しますと、その基準のとおりいけば、いま局長が言いましたとおり、こういう僻地やら定時制にはいく余地がない。でございますから、この予算的に算定の基準として出しましたことについて、学級数で制限いたしますと、この学級数の制限で来たんだから、このとおりにしか県が配分できないということになりますれば、これはまず僻地なり定時制は学級数から申しますと、最後の段階にまで置くことができなくなってしまうと思います。でございますから、もちろんこれは予算の算定の基準として出した数字でございますけれども、やはり最も必要とする面になるべく早く配置をする、できる方法を考えていかなければならぬ。でございますから、この定数の問題はあくまで予算的措置の問題でございますが、この予算的措置のとおりに県が配分いたしますれば、これはもう定時制やら僻地にはいく余地はないのでございます。しかし何らかその間におきまして、そういう最も必要とする面にまずまいりますように、実際上の問題を研究してまいりたいと思いますけれども、しかしやはり予算上の算定の基礎とは申しながら、たとえば九学級以上には一名来るということにきまりますと、これを割愛して他の方向に向けるのは非常に困難ではないかと思います。でございますから、やはりこれは予算的措置といたしまして、特に配分しなければならぬ必要なところには、やはり予算的措置とは申しながら、そういう政策面も含めた予算のとり方ということを今後やっていかなければ、非常に定時制やら僻地にはまいりにくいと思います。今後の定数なり、そういう問題につきまして、ぜひ必要な面に必ずいくというような方策について私は検討してまいりたい、こう考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/165
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166・鈴木力
○鈴木力君 私が申し上げているのは、いまの第十条の趣旨は大臣のおっしゃった趣旨と逆になっている、これは定時制の場合ですよ。全日制は大部分は四百人以上ですから、これで全日制は救われる、いまの大臣のおっしゃるように。たとえば僻地にある分校とか、分校でないにしても小規模学校、四百人未満の定時制の高等学校こそが養護教諭を要求している学校だ、どこも要求してはいますけれども、大臣のおっしゃった趣旨からいうと、むしろ生徒数の四百人未満といわれるところのほうが、養護教諭がそれこそ必置すべき学校が相当あると思う。それを全日制といつも対比してというか、続けてくるものですから、この考え方が全日制が表に出ておって、定時制が、いまの先にいくべきものがあと回しになるという現象が出てくると思うのです。ですから、この点はやはり十条の趣旨というものは養護教諭の配置の上からいうと、これはどうしても私は実態に合わないと思う。この辺の措置というものはこれは早急にやはり大臣としても講じてもらわなければならぬと思います。先ほどの大臣の御答弁の趣旨は私も同感なんです。ああいう措置によってこれは運用してもらわないと、この法案というものは重大な欠陥を持っている。このことだけ御指摘申し上げておきたいと思うのです。
次の実習助手なんですが、実習助手につきましても前よりよくなった。前もって局長さんに申し上げておきますが、前よりよくなったという点についてはこれは認める。この実習助手で若干お伺いいたしたいのは、大体この第一号に書かれていることは普通高校をさしていると思いますが、全日制、定時制の課程もございますけれども、二百七十人から千八十人までの課程には一を乗じて得た数、こうなっておりますが、そういたしますと、一というのは大体何教科を考えていらっしゃるのか、その点をひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/166
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167・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは現行法と同じ思想でございまして、ただ、学級編制の規模の改正に伴いまして数字を変えたのと、それから現在は七学級からとなっておりましたのを六学級からというふうに改めた点で、考え方としては理科の実験ということを共通的に考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/167
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168・鈴木力
○鈴木力君 これもまあ理屈を言えば、足りない。それから十分だと言えば、十分なことはないわけですけれども、今回この一にしたというのは、これはまあ現行法も一ですね、だからこの点に関する限りは総数はふえるわけですけれども、学校単位から見ますと同じことになるわけですが、先ほど言われましたようないろいろな細分化というような議論もありましたけれども、いまの高等学校の教科内容等から見まして、程度から見まして、やっぱり率直に申し上げますと、私は理科一ということではやはり実習助手というのは足りないような気がするのです。そろそろ理科なら理科にしても、もう生物と物理と化学と同じ実習助手でやれるというふうにはなかなかわれわれには考えられないわけです。こういう面についての検討、これはそれこそ財源上の措置で、財源上の問題もありましょうから、一ぺんに理想的にはいかないとしても、これはやはり将来いまのような教科内容を、規定の改善の方向に努力をする余地があるというより、私は努力をすべきものだと、こう見ておりますけれども、こういう考え方に対する見解はどうなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/168
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169・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 将来充足するべき課題であるということは御意見のとおりであります。今回改正の作業をいたします場合に、やはり財源関係のことをやります場合には、現状、それから充足状況、どこが土台になっているかということは、現実にわれわれが折衝する場合には基礎になりますので、実習助手のほうが遺憾ながら現状の定数との充足に対する現員の充足状況というのがかなりまだ余裕がある等の事情がございましたので、基礎数についてはまあ七学級を六学級に一段下げるということの限度にとどめて、そして他の職業の関係の実験実習の関係に主力を注いだというのが実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/169
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170・鈴木力
○鈴木力君 いまの点は財源の問題もありますから、理想的に一足飛びにそこまでいける問題でもありませんで、将来はそういう問題を指向しておって、本年度はほぼそういう考えについてはわかるわけでありますが、もう一つ伺います。この実習助手につきまして、たとえば二号にあるような、商業それから家庭、これに実習助手が今度配当されるわけでありますから、こういう点についてもこれは非常な前進だと思いまして、これも敬意を表するものなんですけれども、ただ、ここで伺いたいのは、二号の農業、水産、工業、商業ですね、ここの実習助手は免許状があるわけですね、これは私の誤解であれば御指摘いただければいいのですけれども、ところが、普通高校の理科の実習助手についてはきわめて身分が不安定、こうなりますと、やはり農業、水産、工業と同じような、実習助手の身分というものを同じ方向に持っていくということが必要ではないかと思いますけれども、身分上の扱いについては文部省はどう考えておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/170
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171・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 身分上の扱いについては差がございません。先生あるいは先ほどお答えいたしました産振手当と申しますか、定通手当の受給資格が従前わりあい高いところに置いておりました。その関係は、先ほど申しましたように、高等学校を卒業して、そして実力があればいままでありました短大等の受給資格を取りはずしました。任用資格自体は職業関係も理科関係も差がございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/171
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172・鈴木力
○鈴木力君 これは私の間違いですかね、農業、水産、工業の定時制の実習助手六年間勤務いたしますと、十単位というような制度が何かあったと思うのですけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/172
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173・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) その点は、実習助手ではございませんので、実習教諭、要するに先生のことでございまして、ここで言うのはもう文字どおり実習助手でございますが、任用資格は任命権者の判断でございます。通常は高等学校卒業程度以上でもって、その実務についてそれだけの資質があるという認定をもって足りるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/173
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174・鈴木力
○鈴木力君 少しくどいようですけれども、たとえば農業の実習助手に採用されまして、そうして六年間を実習助手として勤務いたしますと、十単位をもらい実習教諭になれる、二級ですか、実習教諭になれる。こういう道が開かれていると私は思っておったわけです。ところが、いまの全日課程の理科の実習助手にはその道が開かれていないような気がするのですけれども、その点が開かれておって身分上の区別がなければ、それで私は了解できるのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/174
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175・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 実習助手としての任用資格については、先ほど申し上げたような基準がございます。ただ将来その者が進むべき進路がどういうふうに開かれているかという点では、先生御指摘のとおり実習教諭に進む道があるという点では違うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/175
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176・鈴木力
○鈴木力君 そこで、やはり高校の実習関係を見ますと、これは農業、水産、工業だけという形ではもうなくなっておると思うのでして、たとえば理科なら理科にいたしましても、さっき私はほんとうを言うなら、化学、物理あるいは生物、ほんとうを言ったら地学だって実習助手がなくてはならぬと思いますが、こういうような実習、実験というのが非常に重要なときでありますから、やはり普通課程の実習助手の場合も同じように実習教師としての身分を確保するような、そういう施策というのが必要だと思うのです。これは今日ないというのは、私もないと理解しておったわけですけれども、できるだけ早い機会にそういう道を開くような検討をしてもらえるかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/176
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177・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これはむしろ高等学校の教員の種類といたしまして、実習教員というような職種がいかなる分野に必要であるかというものと、それからその進路ということの関係でございますので、なお検討さしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/177
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178・鈴木力
○鈴木力君 重ねて申し上げますけれども、いかなる分野によって必要であるかの検討の上にふやすことはけっこうでありますが、少なくとも私はいまの理科に実習助手を置いておる、これだけはもう検討するまでもなく、実習教育が必要だと私は思うのであります。そういうことも含めて検討ということが、大体もうむずかしいときには検討なり審議中なりという従来の習慣を、この点だけは適用しないで早急にひとつ実現できるような配慮をお願いしたいと思います。よろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/178
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179・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 免許関係のことでございますので、関係部局とよく相談して措置してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/179
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180・鈴木力
○鈴木力君 進行をいたしますが、次に事務職員のことについて少し伺いたいと思います。
この第十二条に事務職員の項があるわけですけれども、この事務職員の中に何といいますか、図書館職員といいますか、図書館の事務職員は含んでいるのかどうか。
ついでですから、もう少し伺いますけれども、図書館の運営というのはいま高校ではどういう形になっておるのか、あわせてひとつ御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/180
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181・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 十二条の一号の事務職員の中には図書館の職員を含んだ意味のものが入っております。それは二号で書いてあって一号の中には入ってないということであります。二号の「生徒の数が八百十人以上」というところが司書を担当すべき事務職員の要員として加算したということでございます。
現在の高等学校の図書館の状況でございますが、大体学校図書館法によるその基準の図書というものにつきましてはおおむね充足をしておるというのが現状でございます。で、実は学校図書館の問題というのは今後さらに、特に後期中等教育の段階では自学自習の場を与えるという意味で積極的に検討していかなくちゃならぬ。今回は定数の改定の機会でございますから、新たに定数の関係をいたしましたそのほかに、実は施設設備の問題がございまして、私どもはこの高等学校の施設の基準をきめる場合にも、学校図書館の要員の要素というものをできるだけ検討してくれということも関係の部局には連絡をしておるわけでございます。充実は実はこれからだと思いますが、定数関係はせっかくの機会ですから、この際入れておいたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/181
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182・鈴木力
○鈴木力君 定数に入れるというお考えは私もこれについては同感なんですけれども、これはあれですか、そうすると事務職員として入れるわけですか。そういたしますと、司書教諭の充足状況というのは今日どの程度にいっているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/182
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183・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 司書教諭につきましては、高等学校の司書教諭につきましては全国で二百六十四人でございます。ただ、この学校図書館の実際の機能をこれから考えますと、むしろその教諭が司書教諭という形あるいは図書部長という形で現任することも必要でございますけれども、それは職として総括していただいて、むしろレファレンスの実務をあずかるようなところの定数を充実するというほうが、この高等学校の学校図書館の機能としての改善に役立つのじゃないか、こういう考え方であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/183
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184・鈴木力
○鈴木力君 まあ一ぺんにできない場合にどっちからやるかということになると、私もやっぱり局長のお考えのほうが順序としてはそういくだろうと思いますが、ただここで、これはあれですか、十八学級以上をいっているわけですか。そうすると、もし私が読みましたように十八学級以上ということになりますと、数の上からいうとどういうことになるかわかりませんが、やはり相当数この図書館関係の職員というのもまだまだ足りないのじゃないかという気もいたしますが、現状で、たとえばPTAが採用しておる図書館の職員でありますとか、まあPTAが採用するというのはおかしいのですが、PTAの事務職員という形で実際は図書館の事務を運用しておる、何かそういうような形で補っておる人たちがたくさんおるわけであります。今度のこの定数の措置によって、これは非常にいいことなんですけれども、そういう職員が今度は自分たちのおる場所がなくなるのじゃないかという心配をするような向きも、これはどの程度にあるかわかりませんが、しかしこういう心配をしておる向きというのも実はあるわけであります。そういたしますと、私のほうは定数上からいうと、図書館の事務というのは私は相当数も多くなければ、これからの図書館運営というものができなくなるわけなんですけれども、できれば、これは文部省が採用するわけじゃないのですから、またこれも府県がやるでしょうと言われればそれでおしまいですけれども、こういう機会に、いまのようなたとえばPTAの職員として実際は図書館の仕事をやっておるというような職員は、これはこの際、やっぱり身分を安定さしたほんとうの図書館事務職員として採用されるような、そういう行政処置はこの法の実施とともに必要になってくると思いますが、こういう点はまあこれからの問題だろうと思いますけれども、配慮していただけましょうかどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/184
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185・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 残念ながら、高等学校図書館の関係で、いわゆる公費負担以外の職員が千五百余に及びます。今回の改正によって加わるべき定数増が千七百七十二と現状では推測しております。もちろん学校図書館がここで考えます司書要員の吏員に相当する職員だけでまかなえるものではございません。その他の補助職員につきましては、定数法以外の交付税の措置というものの範疇に入るわけでございますから、この私費負担のような職員がおよそあってはならないことでございますから、これはわれわれは解消のために努力する。その際に、この今回の定数で増した事務職員に相当するものなどはできるだけそっちに振り向けていただきたいし、なおそれでもまかなえないような分野は今後の努力によりまして、交付税自体のその他の職員のその充足というようなことは、やっぱりこれは学校図書館に限らず、私費負担の職員というもの、こういうことは行政上も、それから本人の身分にとっても非常に不幸なことでございますから、改善のために今後とも努力を続けてまいりたい、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/185
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186・鈴木力
○鈴木力君 いまの点については、そのように御努力をお願いいたしたいと思います。
これから特殊学校関係についてお伺いいたしたいと思いますが、最初に大臣にお伺いいたします。
特殊学校の教育につきましては、これはもうどちらへ参りましても、定時制以上にいま重要な段階にきている、こういう理解で努力をされておるわけでありますけれども、しかし実際上からいいますと、かけ声の割りにやはり特殊教育というのはあまり進んでいないような気がするわけです。したがいまして、まず大臣に特殊教育全般についての文部省としてのお考えをお伺いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/186
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187・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私は、教育の面におきまして、教育の機会均等と申しますか、そういう面から申しまして、経済的理由によりまする者、それから地理的関係によりまする者、あるいは身体的障害によりまする者、この三つの段階におきまする教育を受けるに非常に困難な者に対しまして教育を受けさせるということは、今日の教育の一番重大な課題であると考えております。したがって、いまお尋ねございました特殊教育の問題でございますが、終戦後、日本としまして六・三制の実施といいますか、それを完全に実施するということが非常に急務でございました関係から、一番重要な教育でございます特殊教育について相当立ちおくれてまいっておったことは否定のできない事実だと思います。そういうことから、この特殊教育の重要性ということに政策の重点を置きまして、最近におきまして大いに特殊教育の振興に努力してまいっておるのでございますが、なおまだ非常に特に特殊教育につきましては実施上困難なものが多々ございます。その一つは、実際に特殊教育に収容すべき実態がどうなっておるかということが、詳細なるまだ調査が行なわれていない。そういう意味からいきまして、四十二年度において実態調査をぜひやって、特殊教育を受けるべき実態をはっきりと把握してまいりたい。また特殊教育を行ないます場合において、たとえば身障者でございますとか、精薄者でございますとか、あるいは重複いたしました障害児童に対します実際上、教育上の取り扱い、あるいはまた医学上の取り扱い、その他関連いたしました諸種の身障者に対します取り扱いの対策につきまして、基本的な、総合的な研究がまだ不十分であると思いますから、私どもとしては、この総合的研究をまず行なってまいりたいというので、昭和四十二年度予算におきましては、その総合的研究所の設置に対しましては、準備的な研究を始めることにいたしました。できましたら、四十三年度から総合研究の機関をぜひつくってまいりたいと思っておるのでございます。
なお、実施上におきまして、非常に困難がございますので、四十二年度におきましては、予算でお認めいただきましたように全国八地区に分けまして、この特殊教育を実施いたしますモデル地区をつくりまして、これに徹底的にひとつ特殊教育をやってみて、その結果を全国にふえんしてまいりたい。また、特殊教育といたしましては、全く不十分な緒についたというだけにすぎませんけれども、今後大いにこの問題については、私としては重点を置いて施策としてあらわしてまいりたいと、こういうように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/187
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188・鈴木力
○鈴木力君 そういういまの大臣の御答弁の前提に立ちまして、この法案について若干これからお伺いをしていきたいと思います。
まず一番先に幼稚部のほうの対策というのが、ほとんどいまの学校制度では、特殊学校の制度ではないような気がいたしますけれども、その幼稚部についていまどういう手だてを考えていらっしゃるのか、あるいはなぜいま幼稚部というのがつくられていないのか、そういう事情について伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/188
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189・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 幼稚部は、ことに通常の普通教育を受けるべき就学前教育のものよりもより重要な問題でございます。何しろ特殊教育というものの充実というのがおくれております。まず義務制、そして義務制の延長として高等部に移る、そして今後幼稚部の拡充という段階になっておる状況でございます。これに対しましては、実は就学援助というものを幼稚部にも及ぼしてまいりたい、施設、設備その他の援助を与えるという方向で拡充してまいりたいと、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/189
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190・鈴木力
○鈴木力君 やはり簡単に申し上げますと、いろいろと幼稚部について、まだ義務制が十分にいっていない段階だから、まず義務制を十分考えるという考えもありますけれども、この該当しておる子供を持っておる父母というのは、やっぱりいまは幼稚園教育が重視されているというので、普及してきているときであるだけに、その父母の側からいいますと、むしろ義務制の段階よりも、前からもう非常に強い熱望が出されておると思います。したがって、これは調査をしてみなければ始められないというものじゃないと思います。量的にどれだけあるかという調査は必要だと思いますけれども、さしずめ希望しておるものの制度をつくっていく。だから、たとえば斎藤局長の先ほど来の論法によりますと、局長は県のほうに主体性を置いて、県がこういうものをつくった場合には、財政的に処置をするのだという趣旨で何べんもこの法案を説明されておるのでありますが、そういう立場からいたしますと、やはり幼稚部をつくったら財源的な処置をするのだということが一つの定数上の措置として、もう出てきてもいいころだというふうに思うのです。今度それが出されていなかったというのは、どうもぐあいが悪いと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/190
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191・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 幼稚部の設置について財源措置をしてないということではございません。この財源措置の方法として、従来生徒数というものを単位費用の算定の基礎にするというのは、これは全部行なわれているわけです。高等部でも行なわれているわけです。今回やや普遍的になりました高等部につきましては、これは定数法で高等学校と同じように職員数についても定めておいて、そういたしますならば、今後この法律が成立いたしましたならば、交付税の測定単位として教職員の要素も加わる、より充実した形になる。その際に幼稚部についてなぜ今回措置しなかったかということにつきましては、幼稚部の設置がいま申し上げましたように、聾学校についてはやや普及しておりますけれども、その他の分野ではまだ普遍的になってないので、これがある程度設置基準によって普及した段階においてでないと、全国共通的なものとしてやるのには不便だということでございまして、財源措置はもちろんしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/191
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192・鈴木力
○鈴木力君 この幼稚部について、聾学校については財源処置をしている。大体聾学校一つについて、どの程度の財源処置をしているわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/192
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193・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは単位費用の問題でございますので、説明員から。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/193
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194・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) この特殊教育諸学校の幼稚部につきましては、単位費用の算定におきまして、学級当たり一人の教員数を算定いたしまして、その他の教育費におきまして、たとえば四十一年度の例でいいますと、単位費用は、盲聾学校の児童生徒数、これは一本になっておりますが、十三万九千円という数字が一人当たりの単位費用の基礎としてはじかれておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/194
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195・鈴木力
○鈴木力君 これは見方が悪いかもしれませんけれども、単位費用の積算の内訳を見ますと、聾学校にやはり幼稚部が一人となっているわけですね、これは間違いないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/195
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196・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) 単位費用は、生徒数並びに児童、幼児数、一人当たりにそれぞれ費用を掛けるわけでありますから、その基礎を聾学校にとって、それの一当たりに割り戻しまして費用を出しておるわけであります。実際に掛ける費用は、交付税として府県に配付する費用の積算といたしましては、これは当該県の幼児数、それから小中学校の生徒数、高等部の生徒数を全体として掛けまするから、幼児数の実態は、その該当の県の幼稚部にかかる経費として自動的に算入されるということになるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/196
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197・鈴木力
○鈴木力君 私の理解が悪いかもしれないので、少ししつこいかもしらぬですが、高等部幾ら、中等部幾らというふうに全体で積算をしてやっていくと、そこはわかるわけです。その中にこれを見ると、聾学校の場合には、これは六十人規模を多分いっていると思いますがね。その中に、幼稚部というのは一人と出ている。これは教職員のところです。教職員数が一人と出ておって、その他は、高等学校の生徒が幾らとか、そういう説明はなかなかぼくにはわからぬ。大体どういう数字になろうとも、教師を一人と見ているということは、聾学校には一学級ということを想定しているのと違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/197
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198・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) この単位費用の積算の基礎を見ますと、ただいまの御質問は、盲学校、聾学校の二種が基礎として積算されているが、幼稚部は聾学校だけにあるのではないかということではないかと思われますが、それにつきましては、幼稚部の設置状況が聾学校のほうは比較的一般的でございます。盲学校のほうは幼稚部が非常に少ない。したがいまして、交付税制度の性格といたしましては、これは実態を基礎として、単位費用の標準団体を定めますから、そういう一般の普及、設置状況を見まして、聾学校のほうの単位費用の基礎を求めまして、ここに幼稚部の生徒十人について一人という基礎を置いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/198
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199・鈴木力
○鈴木力君 どうも私の聞き方が悪いかもしれませんが、いろいろそういう盲学校にないのは実態がわからない。聾学校に置いてある一人というのは、ここに一人と出してある意味は、大体聾学校に一個学級ということを想定しているのか、何を想定してここに一人と出しているか、こういうことを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/199
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200・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 二点、財務課長の説明でおわかりにくいかと思いますが、一つは、一人として計算をしているから、単位費用の見積りが少ないじゃないかということもございましょうけれども、これは一人と見ても、割り戻しがどうなるかということをやらないとわからない点がございます。もう一つ、単位費用を求める場合に、聾学校だけとなりましても、配分されるのは、もし盲学校がある県は、盲学校の分もその単位費用を用いて掛けて配分されるわけですし、また微弱でございますけれども、病弱の養護学校の幼稚部があれば、それは財源措置するわけですから、単位費用の中に聾学校だけの名称が出ているからといって、その他の幼稚部について財源賦与がないということにはならないわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/200
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201・鈴木力
○鈴木力君 そこは一応わかったとしまして、聾学校の場合に限って申し上げますが、ここに非義務制のところというのは、幼稚部と高等部しかありませんから、それで聾学校に限っていうと、教職員数のところは、幼稚部というのは一人になっているわけでしょう。つまり聾学校に何個学級を想定しているかという場合に、一個学級を想定しているのと違うのですか。そこを端的にお答えいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/201
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202・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) これは聾学校に先ほど申し上げましたように基礎をとりまして、幼児数十人ということを想定しまして、それに対して教員一人を現行は算定しているわけであります。しかしながら、これは一人当たりの単位費用を求めるわけでありますから、教員数が二になれば、二だけ割り戻しの単位費用が戻りますから、一応単位費用の制度といたしまして、標準団体のいわば持ち切りのようなものを示したものでございますから、それで一人当たりに割り戻す場合には、かりに二十人といたしましても同様の結果が出るわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/202
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203・鈴木力
○鈴木力君 だからそういういろいろの補正をしたり、割り戻しをしたり、道はあるわけだ。ただ、一人とここに出したのは、まず一個学級というものを基本として、大体一個学級ぐらいだろうという想定で一人と出したのじゃないかと、こう聞いているわけです。それがあと予想が違えば、いろいろの操作がある、それは私もある程度わかっているつもりなんです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/203
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204・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) 最も極端的に言えば、そのとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/204
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205・鈴木力
○鈴木力君 そこで、これはさっきの大臣の答弁にもございましたように、いまなおさらに調査をするということですから、一人という見方が正しいのか正しくないのか、こういう議論はちょっといまのところそれぞれの感じでものを言ってもしようがないと思いますけれども、少なくとも私は幼稚部といういまの盲も聾も幼稚部を置くんだという、その傾向が出るか出ないかによってこれは対象になる生徒といいますか、該当する幼児というのは非常に違ってくると思うのです。これはだから調査をしてからどうするということではなしに、私は積極的にやはり盲にも聾にも幼稚部というのを置くんだ、幼・小・中・高という一貫した一つの特殊学校というものを考えた積極的な、何というんですか、呼び水というと、はなはだ悪いことばかしりませんが、少なくともこういうことによっていまの特殊学校というものを引き出して、親のほうから、地域から引き出していくという施策がもうこの辺で出てきてもいいころだ。ところが、そういうことは私が質問をいたしますと、目下調査中、これは調査中ならやむを得ないんですが、何となしにこういう点については消極的に聞こえてならないわけですから、この辺私の誤解があれば、ひとつ御答弁をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/205
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206・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) 私は特殊教育の振興ということは非常に考えなければならぬと思いますが、しかし特殊教育の対象といたします幼児の教育につきましては、これは相当研究を要する問題ではないか、いわゆる幼稚部と申しますか、幼稚園的な教育対象として特殊、いわゆる身障者を収容すべきか、あるいは早期に治療の可能な者につきまして、早期に治療いたしますいわゆる一面厚生省の施策と重複する面がございますけれども、十分に早期に治療できるときに治療さして、そしてだんだんその治療が効果をあらわしたころに教育的な効果があらわれるようにする。こういう点は何歳においてそれをやるべきか、何歳から教育の対象にすべきかということは、やはりもっと基本的な、科学的な研究がなされなければいけないんじゃないか。これがいままで日本において相当欠けておった点ではないかと思います。私は総合的研究機関を設けたいと申しますのは、このいつの時期から治療の対象にすべきか、あるいは教育の対象にすべきか、これらを含めて私は考究すべきではないか。たとえば盲の場合になってまいりますと、やはりある一定の年齢層にならないと、家庭のほうでなかなか手離すということは無理な状況があるかと思いますが、聾のほうになりますと、これはやはりできるだけ早くこの幼稚園的なものに収容する必要がある。だからその身障の程度によりまして、いろいろ手段が違わなければなりませんし、これに対しては、いま一番日本における欠陥は、これらをいかにすべきかという個人個人に対する判別と申しますか、これが非常におくれておる。この判別の方法等につきましても十分な研究をやっていかなければならぬ。でございますから、この幼稚部の設置ということについては、まず第一にこれに対しまする科学的な研究を先行させなければならぬのではないか、現在私はさような考え方を持っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/206
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207・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ちょっと補足いたします。大臣申されますように、問題の点と、それから問題でない点については現在何もしていないんじゃなくて、たとえば幼稚部につきましても義務制と同じような程度に、就学をしておる者については修学援助をいたしております。これは全く同じで、ただ義務制にある修学旅行とか教科書とかはないわけでありまして、全部やっております。また幼稚部を樹立しようとするもののためには設備費の補助等もいたしておるわけでございます。現在の施策としてこの就学のために何もしていないということではございません。ただ基本的な問題につきましては、大臣おっしゃるような、目下その研究会を発足さして検討を始めたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/207
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208・鈴木力
○鈴木力君 一面から言うと、わかるような気もいたしますけれども、一面から言うと少し何といいますか、手ぬるいというような感じもするんです。耕さざる篤農家ということばがあるけれども、研究ばかりしておって耕さないと、これは実りはなかなか出てこない。石橋を叩いて渡るということばがある。たとえばいま聞いてみますと、私は特殊教育の幼稚部だけの話をいま申し上げておりますが、なかなか石橋を叩いて渡らずということになってはきわめてぐあいが悪い。局長のお話でそれぞれ施策をやられているというお話でありますけれども、しかし、少なくとも効果から見ると、まだ盲学校というのは設置の段階に至っていない、聾学校にしてもきわめて数が少ないんじゃないかという気がする。しかも父兄のほうから、父母のほうからいえば相当要求がいま強まっている段階でもあります。そうすると、これはひとつ動き出すということと研究ということをやはり同時にやるべきじゃないか、こう思うんです。これは議論だけしておってもしようがない話でありますけれども、この面についての御検討は、これもやはり何年か計画の検討ということでなしに、まず動き出すと同時に調査もし、完全なものに仕上げていく、そういう方向で積極的にやり出すように、これも御要望申し上げておきたいと考えます。
同じここのところでもう一つ伺いますが、これは第十四条です。これは局長さんに伺ったほうがいいと思うんですが、「公立の特殊教育諸学校の高等部の一学級の生徒の数は、やむを得ない事情がある場合を除き、十人を標準とする。」、こうあるんですけれども、この「やむを得ない事情」というのは、どういうことをさしているのか、御説明をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/208
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209・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いろいろな法律に出てきます例文のような形でございますけれども、財政事情等で、その希望者が多い、しかし、そこまでの教室が間に合わないというような場合には、これは十人の標準を異にすることもあるべしということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/209
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210・鈴木力
○鈴木力君 財政事情と言われると少し弱いものですからやむを得ない。ほんとうにやむを得ないということになるんですが、この十人を標準とするというこの中に、さっきも大臣の御答弁の中にも出ましたけれども、重複障害児等のこれらの問題についてはこの法律とはどういう関係になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/210
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211・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 重複障害児につきまして、別途の標準を立てるべきじゃないかという趣旨の御質問と解しますが、私どもこの法律の原案を作成いたします段階におきましては、従来高等部については、省令で十五人ということを考えておったわけでございますが、これを十人にいたしまして、そうして現状といたしましては、その運用をもってそれぞれ個々の実情に即して考えればいいのではないか。特に先ほど大臣も申されましたように、非常にこの重度の重複障害児等の取り扱いをはたして今後の施策として地方団体にゆだねるのがいいのか、それともそういうものはいわゆる厚生関係で扱いますように、直接国の研究機関等で扱うという体制をとるのがいいのか、この辺のところは実は検討課題でございますので、なお今後の研究を待ってその辺は結論を出すことがよかろう。現状においてはとにかく十人のところで財政措置を増すわけでございますから、その運用をもって足りるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/211
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212・鈴木力
○鈴木力君 研究を待ってとおっしゃいますけれども、いまのそのなさっていらっしゃる研究は、大体何年ごろに、いつごろに結論を出される見通しで研究なさっていられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/212
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213・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 今回研究会をこの夏ごろから発足させる予定でございますが、一応は本年度内にあらましのものは御研究を願うということでございます。そしてもし議了をいたさなければ、明年度引き続きやるということを考えておるわけでございます。ただ大臣先ほど申されましたように、国のその研究機関の設置というものは、われわれとしては、あまり設置自体の必要性ということは議論の余地がないぐらいのことであって、その規模、方式というふうなことをどう策定するかということが中心でございますので、できるだけ急いでやってもらいたいというふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/213
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214・鈴木力
○鈴木力君 この研究の手だては、さっき大臣がおっしゃった総合研究所ができてからという意味ではないのでございますね。これは総合研究所のほうは、もう別途に研究をずっと広げていって、将来の課題にこたえると。そういたしますと、いまお答えいただきましたところによると、できれば本年度中に結論が出る。これは来年度から何らかの具体的な施策ができると、こういうふうに聞いてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/214
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215・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 総合研究機関の設置に着手するのは、できるだけ早くその辺をお考えを出していただき、可能な限り早く着手をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/215
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216・鈴木力
○鈴木力君 ちょっとこれ私がいま誤解をしたと思うんです。いま局長が研究をしているというのは、総合研究所をどうやるかという研究をしているということだとすると、話が違うんですが、私はそうじゃなしに、この重複障害児の教育を具体的にどうやるかということをまず早急に研究をしておって、できれば来年度あたりから何かの形で着手をしたい、こういうふうに聞いたんですけれども、私がそういうふうに聞いた限りでは大体了解できるんですけれども、どっちなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/216
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217・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) ことしの予算では、総合研究所のあり方につきまして研究会を開いて研究するということを一応は申し上げましたが、その研究所を設置するということは、これはもう設置するかいなかという研究ではございません。ことしやりますのは、研究所をつくりました際に、どういう規模で、どういう面の研究体制をとるかという問題でございます。でございますが、たとえば重複障害児等につきまして、いま局長が申しましたように、これは市町村なり地方公共団体の事業としてやるべきかどうかという問題がありまして、できたらこの総合研究所にそういったような施設を設けて研究しつつ、実際治療に当たりながら研究を続けるという、そういう規模のものを考えていきたい。でございますから、その研究所の発足ということは、同時にその研究所によりまして実地にいろいろな身障者の段階を集めまして、一面においてその教育、実際上の処理をいたしますと同時に、そのことを自体が研究成果としてあらわれてくるというような形のものをわれわれは想像いたしておるのでございまして、そういう意味においては、この研究所の発足と同時に、そういう重症者なり、また二重障害児等につきましての手当て、処理でございますね、の実施を含めて考える。これがいまの私どもの構想でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/217
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218・鈴木力
○鈴木力君 まあいまの問題は、これはどういう方法があろうともそう簡単にできる問題じゃないと思いますから、いまのような研究なりあるいは収容施設なり、同時にやられるということでまあよろしいと思いますけれども、いずれにしても、もしもこれを放置しておくとすれば、いまの盲学校、聾学校、そういう特殊教育機関のほうでどうしても引き受けなければならない問題になるわけです。この放置される期間というのが長ければ長いほどこれは悲劇になるわけです。そういう意味で、いまの構想なら構想でもですね、いずれにしても何らかの早い実行といいますか、施策をぜひこれはひとつお願いをいたしたいと思うのです。
もう少し特殊学校、特殊教育関係で伺いたいのです。その次に、具体的に条項によって伺ったほうが早いと思いますから、条項によって伺いますけれども、第十七条です。この十七条の一を見ますと、「当該部の生徒の数を五で除して得た数」と、こうあるわけでございますが、これは何か方式は高等学校の方式と数字は違うけれども、同じような気がするのですが、もしそういうふうに理解すると、少し問題があるような気もするのです。それは高等学校のほうは、前もって定めたこの生徒の定員がありますから、およそ幾らで、二十で除するとか幾らで除するとかという場合に、分子も分母も一定の計算ができると思う。しかし、この特殊学校というのは、私はちょっと見ますと、分子はなかなか不特定になるというのが大体常識じゃないかというふうに感ずるのですけれども、この辺はどういう見解なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/218
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219・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この公立の特殊教育学校の高等部、それはもう実態でございます、一つ、一つ。それについて、その部の生徒の数を五で、要するに五人に一人の先生の数を一号では見ると、こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/219
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220・鈴木力
○鈴木力君 そうすると、その年によって生徒の数の増減というのはありますから、その場合には、毎年その増減分の教職員の定数というのはやっぱり増減というのはあるけれども、実態ですね。教職員数は五で割ると、こういうふうに理解してよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/220
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221・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 実態に応じてということでございます、生徒の数で。それをまあいつの時点でとるかという技術的な問題は残るかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/221
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222・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、交付税に入る場合には毎年々々計算をして、この聾学校の場合には、盲聾高等部の場合には計算をし直す、こういう順序になるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/222
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223・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) それはさようでございます。まあ高等学校もちょっと仕組みは違いましても、同じように毎年度見ますから、それは五月一日の指定統計というようなことにまあなるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/223
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224・鈴木力
○鈴木力君 どうもこれは、たとえばこの特殊学校の高等部の場合はですね、これは小、中と同じ方式のほうがいいじゃないかと、どうもそう考えられるわけです。つまり、どうしても分子が動くわけですから、それは実態によると言えばそういうことですけれども、きわめて不特定になってしまうおそれがある。そういたしますと、それを五で除する趣旨というのが不安定になるわけですから、やはり一つの、先に十で除するという学級編制の標準があるわけです。そうすると、特殊学級というのは、これは高等部といえども学級に対して教師が幾らという比率を持っていくほうが、どうしてもそのほうが合理的に考えられるのですが、この辺の検討はしてみての上だと思いますから、その比較の説明をひとつしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/224
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225・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) まあ御質問が高等学校の教職員の定数の算定方式に、まあ学級数に基づくものがいいか、こういうその法案のような形がどちらがいいかという点だろうと私は思います。これは方式の問題でございますので、私どももずいぶん検討いたしました。そして、必ずしも学級方式というものが有利になるとも限らないのでありまして、高等部の原則を生徒数のほうでとっておいて、そしてあと二号以下にあります専門教科、それで特殊学校の高等部の場合には専門部的なもので占める比率というものが非常に多くなりますから、むしろ主体がそちらにいくようなかっこうになりますので、そちらのほうで学科の要素や制度的な面を加える、そういうほうが有利になる場合が多いのじゃないかということを考えたわけでございます。一学級の学級規模にしたほうが必ずしも有利ではないということまで計算いたしまして、どちらをとるか、これは方式でございますから、議論としては両方あり得ると思いますけれども、私どもはこれが適当ではないかという二つのかみ合わした方法をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/225
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226・鈴木力
○鈴木力君 どっちが有利か不利かということで、どうもこれもよくわからぬですから伺いたいのですが、単位費用の積算の内訳を見ますと、これはあとでまたいろいろ手だてがあるという御答弁がつくと思うから抜きにして、それはわかった上での御質問ですから、私がしろうと目で見ますと、盲学校のほうは何か四十一年よりふえていないようですね。それから聾学校のほうは四十一年より二人ふえている。つまり盲学校のほうはことしは十三人だ、七十五人規模だと思いますけれども、十三人になっておる。去年の単位費用の積算の内訳を見ますと、去年も盲学校のほうは十三人になっておる。聾学校のほうは去年は十一人でことし十三人になっておる。これはなぜか、さっきも申し上げましたような計算の基礎でどうもこういう形になるのじゃないか。どうしても私はそう思う。ことし盲学校のほうが去年よりふえていないというのはどういう事情でどういう理由なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/226
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227・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いま中身は御説明いたしますけれども、これは先生すでに御承知のように、そこの数字は割り戻しになりますから、結果がそう違うわけではございませんけれども、単位費用の中でできるだけ標準的なものを、実態に即する要素を入れていったほうが正確度が増すであろう、損得の議論は別にして。それは御説のとおりでございます。でございますから、われわれも特殊教育学校の単位費用の中身、学校の種別、規模、それをできるだけ今後自治省との折衝において水準的なものというようなものに直していただくようには努力したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/227
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228・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) ただいまの高等部におきます盲学校のほうの規模の四十二年と四十一年の違いでございますが、これは四十一年の場合には十五人編制にしまして七十五にいたしたわけであります。四十二年度はこれを十人編制の規模に引き直しまして、六学級六十人ということで、その積算内容のところは同じく職員数は、生徒は減ったけれども十三人ではじいておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/228
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229・鈴木力
○鈴木力君 そうすると、聾学校のほうは一学級十人じゃなしに十五人、去年どおりと、こういうことなんですか。そうすると、この法律はおかしくなると思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/229
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230・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) 聾学校のほうは十五人で四学級で六十人ということで、積算の基礎の教員数のほうは十人に去年なっておりますが、これを十二人に直すということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/230
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231・鈴木力
○鈴木力君 学級当たりの生徒教を盲学校と聾学校と違えたというのはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/231
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232・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) それは、聾学校のほうはもう同じくやはり十人編制六学級、六十人でございますから、盲も聾もやり方は同じでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/232
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233・鈴木力
○鈴木力君 去年の場合は十五人でことしの場合は十人、それは盲も聾も同じで、そして出た結果が、生徒数のほうと学級数の比率は去年と同じで、出た結果の教職員数が去年と違う。龍学校は去年より二人多くなっている。盲学校は同じになっている。この違いはどこからきたのかということを聞いているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/233
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234・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 法律が通りました場合には、これに基づく経過的な政令が出て、そうしてこれが本格的に単位費用測定の要因として出てくるのは実は明年度、今度の折衝からでございます。法律制定以前に高等学校と同じような形で数値をとることはできなかったわけでございます。その点が一点でございます。高等学校のほうはもうそういう方式を三十六年からとっておりますから、生徒数のほかに教職員という要因を加えられておりますから、それはできる。これは今後の折衝の問題でございます。もう一つ、いまの数の差というものは、一つは経過措置で、御承知のように、特殊教育のほうは実員との差を年々埋めていくとかいうような措置をとっておりますので、完成年次のこの表には合わない、その計算がこまかくあるので、なかなか御説明しにくいのだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/234
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235・鈴木力
○鈴木力君 どうも高等学校と特殊学校の違う点、その扱いは、一つのグループが違いますから、折衝の段階で違ったといわれると、これはしようのないことだけれども、ほんとうなら同じ時期に通る法律ですから、そうするならば、この法律が適用される場合にはどちらにも適用されるというのがほんとうだと思うのです。そこのところは今後の折衝もあろうと思いますから、補正もあろうと思いますから、そういう協力はぜひするべきだと思うのです。どうしても納得できないのは、こまかい計算のしかたがあるから、おまえには納得できないだろうと言われると、私の頭の組織はこまかいことには弱いですから、そうですがと言わざるを得ないのですが、盲学校と聾学校が法律条項からいうと第十四条なわけです。それで第十四条で同じ方式で盲学校と聾学校と生徒の定数も教職員の定数も高等部に関する限り同じ扱いをしているわけでしょう。それでおって、盲のほうは去年と同じで、聾のほうは去年より二人多くなっているわけです。ここのところがわからぬわけです。盲と聾とが違うということが。こまかい計算方式はどうかしらぬけれども、そうすると、どこかの基礎が違うのか、どこかの違いがなければいけないわけです。だからそれはあまりこまかい高等数学になりますと私はわかりませんですけれども、そんなにむずかしくないベースの違いが何かあろうと思いますが、どういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/235
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236・岩田俊一
○説明員(岩田俊一君) これは単位費用の積算の基礎としまして、先生おっしゃるように、両方で振り分ける方法もありますけれども、たまたま四十二年度は五カ年計画の、あるいは何カ年計画になるか、法律の初年度といたしましては、その初年度分に増加する分を盲学校のほうへ一名振ったわけでございます。それでそういう積算上の技術として違いが出ているわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/236
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237・鈴木力
○鈴木力君 ますますわからなくなった。増加する分を盲学校に一名振って、盲学校は去年どおり、聾学校は一名振らないで去年より二人よくなった、こうなってくるとどうもわからぬ。ますますわからなくなりますが、どういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/237
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238・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) こまかいことは私も単位費用までよく見ておりませんが、考え方は、要するに単位費用を出す場合に、いま先生おっしゃったようなわけだから、盲学校分だけいって聾学校いかないということではなくして、単位費用の計算として特殊学校の分の経過措置の増分をどっかへ入れておいて、そしてこれを割り戻しておいて、それを今度は盲学校、聾学校の実態に掛けて、生徒数に掛けてやるわけでございますから、配分上の問題としては問題は起こらないのであります。だから、その場合に精細に数を分けてやっておいたほうが見やすいんじゃないかという御疑問はそのとおりでございます。ですから、その実態に合うように、今後幾ら技術的であっても、それを見たらおおむね標準のものがわかるという姿にしておいてくれということは、これは盲聾のみならず養護学校についてもわれわれは努力したいと思いますけれども、その片方で数を振ったから盲学校なり聾学校にいく金が差が起こるということではございません。その点は先ほど幼稚部について申し上げたと同じ理論でございますから、ただ精細に学校の種別ごとに割って表示しておいたほうがいいじゃないかということについては、なお今後も検討して、そして一年度の場合には正確にその標準の状態が出るようにいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/238
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239・鈴木力
○鈴木力君 その出た数は、そういう操作をしたということはわかるんだけれども、どうもどうしても私がわからぬのは、同じ法律で計算をしてきて、単位費用の型というものも同じなわけです。そうすれば、去年とことしと一方がどうで一方がこうだ、それは便宜的にただ分けておいたんだ、麗々しく単位費用の内訳とか何とかならなくてもいいと思うんですけれども、その違ってきたというところがどうもわからぬのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/239
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240・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 十五条で書いてありますように、標準はあらゆる種類の特殊教育学校の高等部についての標準というものを財政上とって、そしてこれが経過措置でその数を全体としてきめていく。本年度の予測は法律を提案したときからいたしておりますから、どの程度全国でふえるかというようなことを第一年度として予測をいたしまして、その要素というものを一つの学校のところにかりに入れておいたということでございます。ですから、その姿が、先生おっしゃるように、もっと正確な姿であるほうがいいじゃないかという御意見はそのとおりでございますけれども、その配分された都道府県にとってみればその差はない、片方の種類の学校が多いから損をしたというようなことにはならないということを申し上げておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/240
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241・鈴木力
○鈴木力君 もう一つだけ申し上げますが、これはそういう説明もできるような気がいたしますけれども、やっぱりこの盲と聾を並べてずっと経過的に持ってきているわけですね。その場合に、どっちか一方に置いておいた、こうなると、盲に置いて聾に置かなかった、そうすると、あとで配分のときには、この置いた分の端数は二つで分けるんだというような、そんな簡単なことにはならないだろうと思う。だから、印象的にはやはりどうしても該当する学校がこの積算単価を出されると、何かどっかに区別の違いが出てくるんじゃないか、こういう印象がどうも与えられる。だから、常識的に言えば、同じ法律をずっと今日まで適用してきておって、今後も同じ法律で変わっているのは、どうも経過が、数字がしかも二も違ってくる、十三やそこらのうちがですよ。こうなってくると、やっぱり相当理解のできない点があると思う。この辺は将来に明解な指導というものをぜひこれはしなければいけないのじゃないか、こう思うのです。
そこで一つ伺いたいのは、特殊学校全体について、今回まあふえる、ふえるという御説明ですから、ふえることにいたしまして、大体何名ふえるということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/241
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242・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 一応今回の改正によります高等部の全職員の定数が四千四百二十八人になると想定いたします。そうして現員が三千五百三十七人でございまして、差し引き八百九十一人の増と予想いたします。ところが、これは現在のその交付税上の措置というものは実際は少なうございます。それから現員の見積もり方というものも、実は高等部につきましては小、中学部の定数、それから負担金で見る、あるいは負担金の裏で見ております諸財政との計画というものと、やや入りまじっているのでございますから、最大限——最大限というか、最小限見ましても、約九百の増というふうに推定しておりますが、私は従来の財源の関係から見ましてこれ以上の増だというふうに見ております。それはやや計算上のことになりますから安全度を見積もって、定員より九百の増と見てよろしかろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/242
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243・鈴木力
○鈴木力君 たとえば盲学校を例にとって一つ伺いたいのです。その計算の基礎に、第二号になりますか、「当該部に置かれる専門教育を主とする学科の数に二を乗じて得た数」という、その「当該部」というのがありますね。この「部」というのは、いまの盲学校でいうとどういうふうに計算をするのが正しいのか。つまり普通の型でいいますと、盲学校というのは本科と専攻科がある、あるいは別科がある。そこで、はり、きゅう、あんま、それぞれの学習をしておるという場合の、この法律でいう「部」というのは何を指しておるのかですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/243
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244・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) ここで計算いたしますのはいわゆる本科でございます。高等部の本科のことでございます。で、今度はそこに置かれる科と申しますのは、たとえば理療科なら理療科ということでございます、盲学校、聾学校等で。ほかの特殊学校で申しますならば、そこに工芸科というものもあり、音楽というものもあり、調律というものもある。そうすると、それは学科の一つのところもあるし、二つのところもあると、そういうことでございます。なお、つけ加えて申し上げますならば、別科、専攻科につきましては、これに準じまして、要するにこういう方式でなく、幼稚部等と同じように、その生徒数をもととして財源措置をするわけでございますから、その点がいろいろ誤解がございまして、これによってすべて、本科以外のものにもこれだけのことではないかというふうな誤解がございまして、ここで申しますのは、高等部の本科のことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/244
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245・鈴木力
○鈴木力君 先ほど局長から伺いました八百九十一人、まあこれは最低でもこれだけふえるという数字、これはそれこそ県がさらにどうこうするということもありましょうから、最終的に数字がどうなるということはあれですけれども、八百九十一人最低でふえる、こうおっしゃった基礎は、いまの本科というものを置いて、本科を基礎にしておいて計算をなさる。そうしますと、たとえばいま説明がありましたような専攻科とか、それから別科とか、こういう問題については、それにプラスして特殊学校の教員定数となってくる、こういうことと理解してよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/245
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246・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) いままでの説明はすべて本科についてのみの増減でございますから、その他の要員というものは引いての計算でございます。なお、この従来の財政措置が、この高等部の本科につきまして三千四十五人でございまして、本法による財政措置が四千四百二十八人ということに相なるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/246
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247・鈴木力
○鈴木力君 三千幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/247
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248・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 三千四十五人です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/248
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249・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、八百九十一人でなしに、実際の数は千三百幾らと、こうなるわけですね。大体わかりました。
そこでもう一つ、この点について伺いたいのは、この理療科の関係です。いま理療科、調律科といろいろ出てまいりますけれども、この理療科は免許関係からいうと、区分があったと思うんですけれども、これの学校の区分と、それから実際の免許関係の区分とがどうなっておるのか。たとえば昭和二十六年の九月十三日ですか、文部省と厚生省の省令二号というのがあります。これに「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師及び柔道整復師に係る学校養成施設認定規則」というのがありますね。この規則を見ますと、どうしてもあんま、マッサージ、指圧、はり、きゅう——柔道整復師は別といたしまして、これらのものが一つの系統で、いまのように本科なら本科というだけでは——どうも本科だけを対象にするということになると、少し無理が出てくるような気がするんですけれども、これらは検討された上で本科ということになっているんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/249
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250・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この盲学校等の場合に、この本科の三年終了を基礎とするもの、あるいは五年を必要とするものもございまして、ただ、これは高等部だけで足らなくて、そしてあと二年引き続きやって職業上の地位を得るというような、いろんなものがあるわけでございますけれども、ここで計算いたしましたのは、高等部だけを計算いたしました。しかし、その高等部だけ計算したということは、別に別科や専攻科が必要であるのに、それに対して財源措置をしないということではなくて、これはやはり高等学校と、それに相応する高等部の本科とについてこういう方式をとるということでございまして、別科とか専攻科に必要な財源措置は別にとるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/250
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251・鈴木力
○鈴木力君 さっき伺いましたように、本科を対象にしてこれだけの定数で、あとは別途に財源措置をとって、そして別科と専攻科のほうは定数を確保していくんだと、そのことはわかります。私が聞いているのは、定数関係はそういう処置でよろしいと思うんですけれども、いまの関係ですね、たとえば本科ですと、この規則による国家試験の免除はどこまでがいかれるのか、専攻科になるとどこまでがいかれるのか、別科では何を対象にしているのか、それを聞きたかったわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/251
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252・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 本科ですと、あんまだけということでございます。それから別科を加えましても、あんまだけ、そして五年の課程になりますと、あんま、はり、きゅうということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/252
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253・鈴木力
○鈴木力君 そこで私が最後に、これもまた要望で恐縮なんですけれども、どうしてもやはりいまのような制度になっておりますと、あんまだけで生計を立てるというのも、これも普通の場合容易じゃない。常識的には営業する場合には、はり、きゅう、あんまという形にもなる。そうしますと、この専攻科というのは相当重要な役割りを占めてくるのじゃないかと思います。そこでさっきは、特に局長の御答弁で、別ワクで定数を財政的に措置をなさるということで、私はそれで了解できますけれども、今度は専攻科の定数、特にこれは専門職員になると思いますが、そういう点。それから別科のほうは、もちろんこれはあんまをとるんだけれども、二カ年コースが多いようですから、そういたしますと、前の経歴やなんかが出てくると思いますけれども、そういう生徒の事情からいうと別科のほう、それからいまの制度の上からいうと専攻科のほう、これらの定数というものに相当重きを置いた定数の財源措置というものも、これもぜひ——もうやっているとおっしゃるかもしれませんけれども、重ねてこれは要望申し上げたいと思います。
だいぶお聞きしなければならぬことがたくさんあるのですけれども、もう一つ、その次の三号、養護学校の高等部について伺いたいのです。たぶんこれは肢体不自由者の機能訓練の担当の教員をさしていると思うのですが、現在の機能訓練担当の教員が、機能訓練というのは大体個別指導を中心とするだろうと思うのです。一人の教師で何人を対象にすれば適当——適当ということになれば、一対一が一番いいということになるかもしれません。大体一人の機能訓練職員が受け持てる限度というのは、子供の数は幾らなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/253
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254・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) その前に、ちょっとここへ一名だけ加えた趣旨を御説明いたしたいと思います。実はこの機能訓練の関係が、ここで一名を加えました経緯というのは、先生御指摘のように、この方が全部機能訓練の実務を担当するという考え方ではございません。と申しますのは、これは一種の体育の先生と同じように、保健体育と機能訓練をあわせた教諭を一人責任者として学校に置くというような趣旨で加算したのでございまして、この肢体不自由児の実態からみますと、実はベッドサイド・スクールの形のものが多いわけでございます。生徒数にいたしましても、おそらく半分ぐらいは医療機関に併置されておるもの、そのものを学校として、教育者として扱うということでございますから、そういう医療行為で扱っておりますときには、何も学校自体としてはそう必要ではない、それを総括するような先生を置いておくという意味で加えたのでございます。その意味で、この先生が生徒自身を全部治療としての訓練をやるという意味で加えたものではございません。したがいまして、ここで何人に一人と、だから一人でまかなえるから一名を加えたということまでは考えておらないのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/254
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255・鈴木力
○鈴木力君 そうすると、もう少し伺わなくちゃならなくなりますが、この機能訓練をやる職員というのは、いまここに一応プラスするという職員のほかに、養護学校にはどういう形でどういう人を配置しておるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/255
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256・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 現実に、これは昭和四十年の調査でございますが、教員の資格、教員として機能訓練をやる者が十七名になっております。それから実習助手等で充当されている者が十八名ございます。それからその他の常勤の職員、看護婦、非常勤職員というような職員がこれに当たっております。
そこで、今回の改正によりまして、実習助手のワクというものは実は相当拡大いたしました。従来あまり見ておりませんそういう実習助手の定数をもって、この機能訓練を総括すべき教諭のもとで、実習助手の定数をもって必要な分は活用していただきたい、それが半分。それからもう一つは、ほんとうの意味の医療施設と併設の場合にはこれは教諭が一人おって、実習はむしろ医療行為としてその医療機関でやってもらえばいいので、学校として必要でないものもある、こういう考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/256
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257・鈴木力
○鈴木力君 実はこれは機能訓練士という問題もいま問題になっておると思いますけれども、はっきりしたことはわかりませんけれども、その人たちに言わせると、一人の受け持つ子供の数は八名が限度だというふうにいわれておるように私は聞いておる。そういたしますと、実習助手を相当多く配当をした、こういう形でも、この機能訓練関係の職員からいうと、きわめて重労働であり、きわめて責任が過重になってくる、こういう問題が出てくると思います。そこでいまの十七名ですか、それから実習助手が十八名、その他の職員とあるのですけれども、これはこの定数法とは関係なしにそれらを配置をする、こういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/257
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258・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 従来の積算にはこういうものがなかったけれども、実態としては置いておいたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/258
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259・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、いまの特殊学校の基礎から持ってきて、それでなお実情はこういう特別な学校は、特に医療機関に併置されておるところはそうでありますけれども、単独の学校等については、養護学校の高等部としてのそれぞれの定数の配置という配慮はこれにされておる、こういうふうに伺ってよろしいわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/259
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260・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 特殊学校の実態として、ただいま申し上げた実員につきましても、高等部に限定して置かれておるという実態ではございません。したがいまして、今度は高等部の積算に限定してこの一名を加えたというふうに御了解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/260
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261・鈴木力
○鈴木力君 それではもう少し、もう少しといっても、あと五時間ぐらいやれば私の質問は終わると思いますので継続さしてもらいたいと思います。
いまの機能訓練の職員の場合に、高等部に一名置くということでここには表現をされておる。この種の学校といいますか、この種の教育については、それは事情も私はわからないわけじゃない。十分はわかってはおりませんので、もう少し勉強しなければなりませんが、少なくとも定数の配置はいろいろな形で置かれたにしても、教育の区別というのは相当これは一体的なものにもなりましょうから、総合的な数でものは見なければならないと思いますけれでも、しかし特にこの機能訓練というものについては、ひとつ総合的に重要視をしてもらいたいと思うのです。
もう一つだけそれでは続けてお伺いいたしたいのは、この特殊学校についての舎監の問題、これは特殊学校だけが何か舎監というのが学校教育法の施行規則に出ておるわけです。そういたしますと、他の高等学校の普通科の課程なりそういう学校なりの舎監と、それから特殊学校の舎監というのは身分的にも責任その他からいっても違うんじゃないかというふうに見えるんです。その点の関係を定数法をちょっとひっくり返してみましても、舎監という字が出てこないわけです。どういう関係になっているのか、ひとつ伺いたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/261
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262・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 通常は舎監というのは複数の相当数を置きまして、輪番によって宿直をするというのが実態のようでございます。したがいまして、私どもは高等学校の教員数を全体として増すということを考えまして、一人の人を固有に舎監の地位につけるという積算はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/262
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263・鈴木力
○鈴木力君 ほんとうを言えば、実は特殊学校の場合には寄宿生といいますか、これは教育の主体が寮になるわけでありますから、やっぱり舎監というのは私はどうしても普通の高等学校とは違えて見なければいけない。ただし、舎監というのが舎監専門の教師であればいいのか、あるいは教育職員が舎監を兼ねるのがいいのかということは、これは教育上も議論はあるところだと思いますから、必ずしもどちらがいいというふうに私も申し上げかねるんですけれども、少なくとも舎監の扱いというのは普通高校と同じであってはいけないわけです。つまり定数上は舎監要員というのがどうしても特殊学校には特別に配当されていなければならないんじゃないかということなんです。これはもちろん一人が毎晩ということにはならないわけでありますから、複数でなければなりません。しかし、複数でなければなりませんが、舎監というものが、これは教師としての教育職員の仕事のほかに舎監の仕事というものはこれは絶対的に必要になってくるわけです。しかも相当量的に必要だと私は思うわけです。そういう場合に定数上の配慮がこの法案を見る限りないというのは、どうも私には納得がいかないんですけれども、これはどういう配慮がなされておって舎監を抜いてあるのか、そこを聞きたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/263
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264・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 実は今回の定数を考えます場合に、資料として差し上げておりますように、教員一人当たり授業時数を十八時間とか十二時間とっておりますけれども、平均的に見ますと、これが十四時間くらいになり得るように考えたのでございます。そういうふうに定数の配置を考えましたから、むしろこういう授業負担の軽減、舎監に当たられる四、五人の複数の方が授業時数の軽減というようなことを学校のくふうでされて、むしろ輪番で当たられるほうがいい。固有に舎監の定数を加えるよりは全体としての配慮を加えたほうがいい、あとは運用でやっていただく、あるいは総括的な責任者として舎監というような職務を命ずるというようなことでやられるほうがいいのではないかという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/264
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265・鈴木力
○鈴木力君 いまの教育職員の授業時数を減らすことによって舎監の仕事をやるという仕組みがいいと考えた、この考え方については、私もそうこれはいけないという根拠は持っておらないんです。ただ、さっきから言いましたように、十八時間という授業時数にしておるけれども、実際計算すれば十四時間になる、この四時間分が舎監分なんだ、こういう御説明だと聞いていいわけですか。どうもそうなってくると、それならそれで初めからやっぱり舎監というものはこういう配慮をされて、したがって舎監勤務があるために全体の授業時数は十四時間でなければいけないと、むしろこういう行き方がいいと思います。しかし、局長なりあるいは大臣なりの苦労のしどころもあるいはこういうところにあるのじゃないかと思われる節もありますから、あまりそういう点について数字的に私は申し上げませんけれども、少なくともいまのような配慮というのは、あとで説明をすれば、あとで細工をして四時間になるというふうに小出しをされてくると、これはどうもあとからくっつけた理屈のようで、やはり舎監勤務をしなければいけないという特殊学校の実際の教育に対しては、どうも配慮というのはあとから配慮したんじゃないかというふうに、ひねくれても聞こえるんです。少なくとも学校教育法の施行規則にも特に出ておるわけです。出ておるものに対する配慮というのは、私は具体的に授業時間数を削除したよりは、この分としてはこうだと、その分が事実、結果的には授業時間数が軽減をされて、職員が舎監の勤務をやりながらということも、それは学校自体が相談をする、しかしそれはやはり定数の要素としてはどうしても私は取り上げるべきだと思うんですけれども、その辺はどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/265
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266・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 特殊教育に関します教育の方法、それから学校管理の点、どういう典型かというようなことはなおわれわれも検討すべき問題があろうと思いますから、お説の点のようなことは今後なお検討してまいりたいと存じます。ただ実態上われわれは相当行なわれている形というものを考えて、全体としてのゆとりというものを主にしまして今回の改善をいたした。将来の問題は、ひとつ寄宿舎における職員配置がどうであるかというような問題は、なお今後研究を続けてまいりたい、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/266
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267・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 暫時休憩いたします。
午後四時五十三分休憩
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午後七時五十一分開会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/267
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268・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) ただいまより文教委員会を再開いたします。
休憩前に引き続き、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を続行いたします。質疑のある方は順次御発言を願います。
なお、政府側より剱木文部大臣、斎藤初中局長が出席いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/268
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269・鈴木力
○鈴木力君 先ほどの続きで、もう少し法案の中身についての御質問を申し上げたいと思います。
第二十条ですね、特殊学校の定数のところの寮母について少し伺いたいのですが、この寮母の数は、この条文によりますと、「生徒の総数を六で除して得た数」、こういうことになるわけなんですけれども、六で除するという根拠は何なのか、まず伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/269
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270・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは義務教育におきます定数の算定と同様でございます。要するに六人に一人としております。生徒六人について一人という考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/270
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271・鈴木力
○鈴木力君 私の聞きたいのは、六人について一人はわかるのですが、その六人を割り出した根拠は何かということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/271
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272・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) これは義務教育の小学部及び中学部でとっております比率、それを計測いたしまして、一応それで間に合うという考え方で六という数字を出したわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/272
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273・鈴木力
○鈴木力君 そうすると、義務教育の小中学校でとっておるからとった。義務教育のほうで六という数字をとったのはどういう理由ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/273
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274・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) それは定数といたしまして、児童、生徒六人に一人の寮母を積算すれば足りるだろうということで一つの定数をきめたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/274
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275・鈴木力
○鈴木力君 私の聞いているのは、六人に一人あればいいだろうというその理由を聞きたい、そういうことですよ。いいだろうということでは答弁にならぬ。なぜいいのかということを聞いているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/275
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276・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 寮母は、特殊教育学校におきまして寄宿舎に入っております者の世話、教育を担当するわけでございますので、そういうものに当たるものでございますが、これは学校教育法の施行規則で「児童等の数を六人をもって除して得た数」、こういうことを標準とするということを定めております。これは従来特殊教育の学校の経験上、六人を一人で扱うということが適当な規模であろうということでいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/276
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277・鈴木力
○鈴木力君 どうも同じことを繰り返して恐縮なんですけれども、六人でいいだろうという、その六という数字は教育的にどう検討されて六が出てきたか。それでいいだろうという理由を聞いたら、今度は施行規則で六というのが適当だと思うからと、これではどうも私が聞いている趣旨とはだいぶ迷うのですね。それなら施行規則で六というのを適当だと思ったそのときの六を割り出した根拠は何なんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/277
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278・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 六人の生徒を一人の寮母で世話をするということが標準として、限界として適当であろうということで施行規則が定まっておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/278
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279・鈴木力
○鈴木力君 そのことはわかっているのですよ。そこで六人を適当だと割り出した特殊学校の宿舎の構成なり、あるいはその教育的ないろいろな配慮なりの根拠が何かあるのか、たとえば五人が適当だということになれば、局長は最後まで五人が適当だと言うのでしょう。四人ということになれば四人だということでずっと答弁は続くわけですから、五にするのか、六にするのか、七にするのかということで、六人を選んだ根拠は何があるのか、こういうことですよ。なければないでよろしいですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/279
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280・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) こういうものは従来の経験で、おそらくこの施行規則を定めるにあたりましても、六人に一人の割合でおけば、それで世話ができるという判断でこのような規定を設けたものと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/280
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281・鈴木力
○鈴木力君 どうも聞き方が悪いのかどうかわからぬのですけれども、私はこの六という数字はそう簡単に言い切れる数字じゃないような気がするから聞いておるわけです。つまり特殊学校の盲の生徒なり、聾の生徒なりを寮母として完備する場合、現在その六人ということを一つの基準にするということは、大体管理上からいうと、一室に六人がいるということを基準にしなければぐあいが悪いでしょう。そういう何かの部屋の割り方の基準とかなんとか、そういう点は検討されたんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/281
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282・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 必ずしも部屋に六人だから一室に一人ということではなくて、宿舎に居住するべき生徒について六人に一人の世話係をおけば、経験上それでやっていけるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/282
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283・鈴木力
○鈴木力君 だから私が聞いているわけです。私はやはり寮母としてほんとうに行き届いた教育ということを考えるなら、たとえば寄宿舎の寮に収容する単位がおよそ六という数字が基準になっておるならば、六なり十二なり、あるいは三人部屋二つとか、そういうことが基準になっておれば、六という数字が納得がいくわけです。そうではなしに、かりに寮の部屋が八人の部屋が三つ並んでおるときに、六人を単位の寮母を置くのだというが、それで六人が経験上適当であろうといって、がんこに局長ががんばられるというその気持ちはどうしてもぼくはわからぬ。どちらの規則があるからとか、経験だからとか、そういうことじゃなしに、いま六人という単位にいままでしておったものが、この教育上どういう効果があり、どういうような意見があり、そういう問題についての検討ということでも、全然検討なさっていないように見受けられる。何か一つのことを前にきめたからということで固執される態度は、こういう教育の問題なんかについては、もう少し私はそれこそ弾力的に検討をしてもらいたいと思うのです。最近寮母のほうからいろいろな声もわれわれも聞いておるのです。六という数字にこだわるために非常にやりにくい場合があるということも聞いておるから、私は聞いておるわけなんです。そういう面については、もう少し特殊教育という立場からの御検討を私はお願いしたいと、こう思うのです。これはもう幾ら申し上げても局長さんのいままでの答弁だと、きめたからそうだ、いいと思ったからそうだ、これ以上に出なければ平行線ですから、しかし答弁にしても、もう少し親切な答弁をこれからお願いしたいと思う。
もう一つ伺いますが、寮母のところで、実際はそういたしますと、寮母が勤務をしておる、たとえば寮母というのは泊まるわけですが、泊まる場合には寮母の交代制というのはどうなっているか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/283
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284・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 通常の形は、たとえば六人の寮母が配置されているという寮があるとすれば、これを早番、おそ番という二交代にして、そして六人のうちの二人を早番、それから三人をおそ番、それから一人を非番というような勤務をしているのが例としてございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/284
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285・鈴木力
○鈴木力君 そういたしますと、大体常時勤務するというのはおよそ半分ということになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/285
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286・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) その例を見ますれば、重複がございますが、大体二人はいつもいるというような形になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/286
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287・鈴木力
○鈴木力君 大体この計算をしますと、一人当たり六人を基準にいたしますと、どうしても十二人をこえる計算になりますわね。もしそうでないとすると、これは昼夜勤務であって、おそ番、早番という組み合わせはどういうふうになっているのかわかりませんけれども、勤務というのが相当に過酷な状態になってくると思う。で、寮母というのは女性でありますから、したがって女性の場合には、いろいろな婦人であるがゆえの休暇をとらなければならない場合も出てくるわけです。そういうことになりますと、六人が適当だという判断と、いまの実際の運営からいうと、どうも少しまたはみ出してくる、こういうことがあると思うんです。したがって、この寮母の数というのを計算する場合に、そういうこまかな点からいろいろ検討してみたかどうか、もし検討してみたとすれば、そういう結果を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/287
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288・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 寮母の勤務状況と、それから勤務条件の点については、われわれも一つの検討課題だというふうに思っております。たとえば看護婦における夜間の勤務の問題、これは一つの課題だと思いますけれども、われわれもかつてこの問題を検討したことがございますが、現在は早番おそ番というようなことで宿・日直の形で運用しているわけでございますけれども、一つの課題として十分検討してみたいと、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/288
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289・鈴木力
○鈴木力君 だいぶ課題が多いのですけれども、課題ということになれば、少なくとも私はここでも要望をいたしたいのです。先ほどからの局長さんの答弁のように、前にきめておったから正しいというその立場を堅持されての検討の課題にされますと、私は進歩がないと思うのです。やはり現場の、寄宿舎の寮母のいまの仕事の量と質の面から、特殊教育という一つの特殊な立場から、もう少しこういう点については、きめのこまかい検討をぜひお願いしたいと思います。
それで、次に進みますけれども、特殊学校の事務職員につきましては、いろいろとここに書いてあるように、これも数的には見ておるように見えますけれども、一つだけ、いまの寄宿舎と関係いたしまして、この寄宿舎の問題は何べんも申し上げますようにいわゆる普通高校とは違う、大部分が寮生活をするという立場なんでありますけれども、寄宿舎の事務はいまの定数の中に含んでおるのか、あるいは寄宿舎内の事務員というのは、別ワクで何か処理されておるのか、伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/289
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290・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この二十一条に新たに創設いたしましたのは、特殊教育諸学校の高等部の数に二を乗じた数ということで、この高等部の事務職員について規定したものでございまして、これは寄宿舎、学校の事務を含んで、そういう基礎で積算をしたということに相なっております。御指摘は、あるいはこれをもってその寄宿舎とそれから学校と両方一つずつ分かれてやっておってはたいへんじゃないかという点であろうかと思いますけれども、この特殊教育諸学校は通常の形が各部共同をしておるというようなことでございまして、この義務教育に関します小学部、中学部等につきましても、これは定数法で別途計算をされておりますので、そういうものをあわせて運用いたしますならば、全体といたしまして別個の事務職員を考えない、これは全体として考えればこれは現状の運営としては差しつかえないだろうというふうに考えたわけでございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/290
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291・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) この際、委員の異動について報告いたします。
本日、米田正文君が委員を辞任され、その補欠として宮崎正雄君が選任されました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/291
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292・鈴木力
○鈴木力君 いまのような御答弁で、寄宿舎の分もすでに配慮してあるということでありますから、これでやっていただいて、なお寄宿舎運営というのがどうなるかというのはさらにまた検討してもらうことでありましょうから、いずれにしてもさっきの寮母の問題、寄宿舎の問題、このことについては特殊学校の場合はほんとうに忘れずにぜひ検討の対象にしてもらいたい、そういうことを申し上げまして次に進みます。
もう一つだけこの条項の中でお伺いいたしたいのは、非常勤の講師ということです。おそらく現行法では非常勤の講師というのが出ていなかったと思うのですけれども、私の読み方が違っておればそこは訂正いたしますが、特にいま非常勤の講師というのをこの定数の中に入れるということ、この意義、あるいはいまの非常勤の講師というのはこれは普通高校にもあると思いますが、雑則ですから、普通高校まで含むわけですけれども、どういう形態で非常勤の講師というものを採用されておるのか。それから何人くらいいるのか。そして非常勤の講師というのは、いまの教師の学校構成の上からいえば望ましいのか望ましくないのか。そういう点の見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/292
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293・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この点は現行法どおりであります。ただ特殊教育の諸学校の高等部が入ってまいりますための技術的な整備でございまして、現行法の規定そのままでございます。
実態でございますが、非常勤の講師数は四十一年の指定統計によりますと、一万三千九百七十五人でございます。これを常勤職員に換算いたしました場合に、持ち時間の関係で換算いたしますと、五千八百三十七人でございますから、要するにこの換算したものは常勤の教諭等との比率で大体四%ということに相なります。非常勤講師の規定をこういうふうに置く必要はあるわけでございまして、各都道府県における教職員の総数の標準をきめてあります規定で、これは常勤としてすべて財源措置をするようになるわけでございます。しかし高等学校の教育の実態から見まして、非常勤講師を活用するという必要は、これは人事行政上もあるわけでございます、小中学校より。したがって、その場合にもそれは標準の中の財源として一定の率で振りかえるという必要があるから、こういう規定が現行法にもあるわけでございます。
第三のこの非常勤講師の任用状況につきまして問題がないかというお尋ねでございますが、実は非常勤講師は大体において必要な限度に設けられておると思うのでありますけれども、現在までこの高等学校の教育につきまして、実は生徒がベビーブームで一挙にふくれ、そうしてまたこれが漸減していくというときに、現行定数法で将来どうなるであろうかという顧慮も任命権者に働いたと思います。またこれは一部でありますが、常勤の職員にする前提として非常勤をつとめさせるという実態が部分的にあるということを聞いております。で、後者につきましては、およそその非常勤の職員としておいて、常勤と全く同じような形態で使用することは、人事行政上適当ではございません。これはしかるべき時期に適切な指導をいたしたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/293
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294・鈴木力
○鈴木力君 非常勤講師につきまして、いまのような状況もございます。
もう一つ私は伺いたいのは、これは直接文部省がどうこうということじゃありませんけれども、公立学校に非常勤講師がいるということが私立学校のほうに影響を及ぼしていると思うのです。その私立学校の場合に、これは公立にいるから、機械的にということじゃありませんけれども、非常勤講師というのが非常に大きなウエートを占めておるわけですね。こういうような形で公立でも非常勤講師がいるということが常態だという形になってまいりますと、いまの私立学校の非常勤講師の弊害というものはなかなかなおりにくいのじゃないか、こういう心配から私はさっきから申し上げておるわけです。たとえて申し上げますと、地理学なんかは、社会科の地理なんかは、あれは一年でやるか、三年でやるかは別としても、少なくとも高校三年のコースの間で一個学年しか学習をしない科目、そうすると、私立学校のほうを見ますと、ほとんどがこういう一年で学習をするような教科の教師は教諭でなしに非常勤講師を使っているという例が非常に多い。そういたしますと、地理学を専攻した社会科の教師というのは、私立の高校に行きますと、非常勤講師で、かけ持ちで時間数でかせがなければならない。およそ教育的に見ると、きわめて正常でない姿がいま出ているんじゃないか、実は私は私立高校の運営などについては相当問題点の一つだと思って見ておりますけれども、それの根拠になるというと言い過ぎになるかもしれませんけれども、非常勤講師というのが公立にもあるということが、何となしに安易に私立学校のほうにも受け入れられて、いまの私立学校のほうは、授業時間数を単価として計算するわけですから、その計算上から便宜的に使われている。教育がだんだんに便宜的になってくるようなおそれがあるので、やはり非常勤講師の扱いというのは、そういう広い点まで目をつけてひとつ検討されるべきものではないか、こういうような点で局長に言った。非常勤講師というのは、あるものに対して財源措置をするというわけではもちろんありませんし、さっき局長が申されたような趣旨での財源措置のためには、それは一つの数としては配慮すべきであるかもしれませんけれども、少なくともこの学校の教員の構成というところから見ると、漸減していくべきものだ、そういう努力をすべきものだと、こう思って質問を申し上げたわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/294
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295・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 公立に非常勤職員の取り扱いがあるから私立にもという、そういう結びつきがないことが望ましいということは先生のおっしゃるとおりでございます。そういうものが乱用されないことが、設置者のいかんを問わずいいということは明らかでございます。ただ、いま御指摘の地学の問題になりますと、これはむしろそういうよりは地学の教科の内容からいたしまして、これはかなり高度の、大学で申しますれば、専門分野の異なったものが実はあの地学の中にはございます。地球物理学、天文、いろいろなものが入っておりますので……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/295
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296・鈴木力
○鈴木力君 私の言っているのは地学ではない。地理学、社会科の地理を言っているわけですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/296
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297・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 一年制であります地学はそういう問題が一つあって、補充的に何か専門者を置いたほうがやりいいであろうというのが公立の場合に実態としてあるようでございます。いずれにいたしましても、非常勤の職員というものは高等学校の教育として必要な部分がございます。必要な限度を越えてその任用が乱用されるということは好ましくないので、お話のように適正な方向に持っていきたい、かように存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/297
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298・鈴木力
○鈴木力君 最後に、全体の経過措置について若干伺いたいと思うのです。
この経過措置を見ますと、生徒のほうは五カ年間で、教員のほうが七カ年、こういうように食い違いがあるようでありますけれども、これはいまの実態から見ますと、漸減のといいますか、生徒数の減り方の非常に大きいところと、それからなおまだふえている地域の差はもちろんあるだろうと思います。しかし、これは将来の人口あるいは進学者の見通し等についてもいろいろ変動があるだろうと思うのですね。それで、この場合に私がお聞きいたしたいのは、この経過措置の中の一つは、政令でいろいろと操作をするということにいたしておりますから、そのうちの本年度の分はどうなっているのか。それからもう一つは、いわゆる旧法と新法との関係を今年度ではどのように使っているのか。それからもう一つは、いまの五カ年計画なり七カ年計画ですね、これは一つのいまの法案であるけれども、暫定的な計画というふうに考えて、進学者の状況の推移等によっては、これについては特に短縮をするといいますか、そういう実情に見合った操作をするという御意向があるのかないのか、これを伺いたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/298
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299・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) この本法案に基づきます政令の内容の骨子といたしましては、まず学級編制の標準につきましては、四十六年度の一学年から全都道府県に適用するというたてまえで、そうしてその間は毎年度政令で定めますものを現在のところ生徒の減少の度合いに応じて都道府県を群に分けて実施をしていく。それで今年度で申しますれば、急減の著しい県は四十八ということで、四十八、四十六、四十五という渡り方を一応推測いたしております。それから生徒のその減がゆるやかなところにつきましては、四十九から四十六、四十五、五カ年に一名ずっとする予定であります。義務教育におきましてもこのような漸減の方式をとっております。それから定数につきましては、やはり五分の一の割合を積んでいくという考え方を基礎にしてやっているのであります。しかし、お話のように、これはわれわれが五カ年間を見通した数字でございまして、県によりましては予測と違った状況が出てくるかもわかりません。現在のところは四十八、四十九人県というものは約半々と見ておりますけれども、二、三年たった推移を見まして、この法律にございますように、その生徒の減少、施設の状況等を見ながら、しかも、この本則に近づくことを旨といたしまして、できるだけ実情に沿ったように将来運営していく、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/299
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300・鈴木力
○鈴木力君 委員長もう一つだけ。
その教員の定数の五分の一ずつの比率の場合ですね、もうすでに五分の一という数字よりも多少高いところがある。そういう場合には、事実上そこよりも低いところに——現在はもう五分の一よりももうちょっと頭を出している学校がすでにある実情の場合です。そういう場合にそろえるのは、上にそろえるのか下にそろえるのか。これは下にそろえるということは常識的にあまり考えられないことだけれども、そういう学校あたりではどうも下にそろえられるのじゃないかという心配がある。つまり、五分の一というのはどういう場合にも動かない五分の一なのか。五分の一というのは一つの目安、これは実際の運用面からいうと相当に伸縮できる、こういうふうに解釈していいものか、どちらかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/300
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301・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) 先生、学校自体は現在の財源措置によりましても、その府県の考えによりまして、その通常の標準よりはその減員をオーバーして充足しているというかっこうがある。今回の改正によりまして、その必要があるものを任命権者がこの法案が改正されたからといって削るということは絶対ないというふうに信じておりますけれども、その必要なものを、この学校に機械的に当てはめて、必要なものまで削るというふうなことが出てまいりますれば、これも担当者に対して適切な指導をいたしたいと思います。この法案の趣旨は先ほど来申し上げておりますように、都道府県の総数に対する措置でございますので、財源措置を趣旨とするものでございますので、この学校の必要なものをこの法案の改正によりまして機械的に当てはめて、これを機会に厳にするというようなことは絶対に考えられないと思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/301
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302・鈴木力
○鈴木力君 これで私の質問は終わるわけでありますけれども、ずっと条項ごとに御質問申し上げまして、私が主としてきょう御質問申し上げましたのは、大体教育の現場といいますか、その学校というところに立場を置いてみて、そしてその学校にこの法案を当て込んでみると、実際の学校運営はどうなるかという立場からいろいろと私の考え方も申し上げたつもりでおりますし、いろいろと御質問申し上げたつもりです。その御答弁のうちには非常にたくさんの項目がありますね、ただいま検討中のものがあり、それから研究課題のものがあり、それからまた前向きに検討しておるけれども、どういう方法がいいかというものもある。いわゆる検討中あるいは研究課題というのが非常に数が多いように私は伺ったのであります。と申しますことは、この法律全体が教育的な立場から相当に検討を要するという項目が非常に多いということを私は御答弁の中から伺ったわけでありまして、したがって、私はこの法案は一応五カ年あるいは七カ年という計画はできておりますけれども、その検討が石橋をたたいて渡らずとさっき申し上げましたが、渡らずでなしに、できるだけ早急に渡るという態度で検討に取り組んでもらいたいと思います。そうすると、この法案につきましては、期間中といえどもそうした問題の検討の進行状況によっては、相当にそれこそ検討し直す、あるいはこの法律を期間の途中であっても、早晩そうした結論が出ればこれを修正をする。そういう形で教育現場にほんとうに見合った教育を前進させる法案といいますか、学級の編制なり、あるいはまたこの教師の配置なり、そういう方向に前進をさしていってもらいたい。こう思いますけれども、そういう立場でこの法案を見てよろしいかどうか、ひとつ伺って、よろしければそれで私の質問を終わりますし、よろしくなければもう少し申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/302
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303・斎藤正
○政府委員(斎藤正君) もちろんわれわれがあと五カ年なり七年のものを全部見通すということはできないわけでございまして、現時点でこの財政上の措置を講ずるとすれば、現在の段階において、まあわれわれとしては最大の努力をした、こういうふうに御了解願いたいと思います。
そこで先ほど来申しましたように、特殊教育のような問題につきましては、かなり基礎的にその検討をし直す必要のあるものもございます。あるいは先ほども御質問にありましたように、この新たなる形の勤労青少年教育の形態というものが生み出されてまいりますれば、それについての配慮も常に検討をしていかなければならない問題でございます。しかし、現在の段階で、現在の実情を見ました場合に、その五カ年間、まず高等学校における教育人口の推移と、それに伴う人事行政というものを考えました場合に、現時点では最善の努力をいたしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/303
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304・鈴木力
○鈴木力君 大臣に最後に伺いたいと思います。
いま局長の御答弁でも、最大限の御努力をなすったと、これは努力をなすったことは私はそのとおり認めます。ただ、条項ごとに私が御質問申し上げますと、確かにやはり問題も含んでおる。あるいはなお検討中のものもある。検討しなければならないものもある。これはただ単に人口の推移とか、進学率の見通しの上から、現段階では満点だと言えるだけのものではなしに、たとえば定時制の教育の問題にしても、特殊学校の問題にしても、教育の質的な問題からの検討から、この教師の配置等についても、あるいは学級編制という立場からも検討してみるべきではないか。それは検討の上に結論が出たらということなんですけれども、そういう場合には思い切ってやはりこういうものを充実をしていくべきだと、こう私は考えて御質問申し上げたわけです。それからなお基本的な普通高校の四十五名にいたしましても、何べんも御答弁をいただきましたように、これは財政上の都合で現段階では四十五名、これが最大限の努力という局長のおことばもこれはわかりますけれども、しかし、これも財政的ないろいろな御努力の上には、この期間中といえども、条件が整えば、これはやはり四十名というところに近づけるべきものだと、そういう形での今後の検討と御努力を願えるかどうか、最後に大臣のひとつ所信を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/304
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305・剱木亨弘
○国務大臣(剱木亨弘君) この今回の定数の改正は、もちろん高等学校の設置基準で、この委員会で問題になりましたように、基準の理想的形としては、一応基準で一学級四十名ということになっておるわけでございますが、やむを得ざる事情によってこれがいままで五十名ということでやられてまいったわけでございます。したがいまして、この高等学校の設置が、大体設置者が地方公共団体でございまして、地方公共団体の財政に直接に関係のある問題でございますので、文部省だけが、ある教育の理想を追いまして、地方公共団体にこれを強制するというわけにはまいらないのが現状でございます。そこでこの生徒の減少に即応しまして、この際五十名といたしますれば、相当の教師の過員が生じてくる、こういうような状態をも考慮いたしまして、この際その生徒の減少に見合いまして、この定数の改善をはかってまいりたいけれども、しかしこの改善は、申しましたようにはるかにまだ、いろいろ論議されましたような理想には遠いという点は、われわれも十分承知をいたしておるのでございまして、また一般の普通科の全日制の高等学校というだけでなしに、なお今後高等学校の中におきましては、いま論議されましたように定時制でございますとか、あるいは特殊教育でございますとか、僻地教育でございますとか、いろいろなおいままで非常におくれておった面において、新たに開拓をしていかなければならぬ面がたくさんあると思います。こういう面は、私どもは教育上の責任を持つ者といたしまして、もちろんこの現在の定数を最上であるなんとは毛頭考えておりません。いわゆる現段階におきましては、局長が申しましたように、また自治省等とも交渉いたしまして、現在までわれわれとしては努力してまいったつもりでございますが、なお教育の理念、理想から申しますと、はるかに遠いものと考えますし、なお後日たくさん検討しなければならない問題も残されております。今後その方向に向かい、私どもとしては最善の努力を常に続けてまいる、この高等学校の教育の前進を期してまいりたい、こう覚悟いたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/305
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306・大谷藤之助
○委員長(大谷藤之助君) 他に御発言がなければ、本法案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。
本日はこれにて散会いたします。
午後八時三十一分散会
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515077X01919670706/306
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