1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十二年五月二十七日(土曜日)
午前十時十五分開議
—————————————
○議事日程 第十二号
昭和四十二年五月二十七日
午前十時開議
第一 昭和四十二年度一般会計予算
第二 昭和四十二年度特別会計予算
第三 昭和四十二年度政府関係機関予算
第四 炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する
法律案(内閣提出、衆議院送付)
第五 船舶積量測度法の一部を改正する法律案
(内閣提出)
第六 住宅融資保険法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第七 著作権法の一部を改正する法律案(内閣
提出)
第八 理化学研究所法の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第九 地方公務員災害補償法案(内閣提出)
第一〇 日本放送協会昭和三十九年度財産目
録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに
関する説明書
第一一 関税定率法等の一部を改正する法律案
(内閣提出、衆議院送付)
第一二 石炭対策特別会計法案(内閣提出、衆
議院送付)
第一三 税制簡素化のための国税通則法、酒税
法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆
議院送付)
—————————————
○本日の会議に付した案件
日程第一より第一三まで
一、常任委員長辞任の件
一、常任委員長の選挙
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/0
-
001・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
─────・─────発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/1
-
002・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
日程第一、昭和四十二年度一般会計予算。
日程第二、昭和四十二年度特別会計予算。
日程第三、昭和四十二年度政府関係機関予算。
以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/2
-
003・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。予算委員長新谷寅三郎君。
—————————————
〔新谷寅三郎君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/3
-
004・新谷寅三郎
○新谷寅三郎君 ただいま議題となりました昭和四十二年度予算三案の委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
昭和四十二年度予算の内容につきましては、すでに水田大蔵大臣から財政演説において説明が行なわれたとおりでありますので、これを省略させていただきます。
これら予算三案は、去る三月十三日国会に提出せられ、予算委員会におきましては、三月二十日に大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、四月二十八日衆議院よりの送付を待って、五月四日から質疑に入りました。自来、昨日に至るまで委員会を開くこと十五回、その間、二日間にわたり公聴会を、また三日間にわたって分科会を開くなど、慎重に審査を進めてまいりました。
以下質疑のおもな点につきまして、その要旨を御報告申し上げます。
まず、外交問題に関し、「ベトナム紛争の平和的解決については、まずアメリカがイニシアチブをとり、一方的に停戦に踏み切るべきではないか。また、日本が和平への何らかの役割りを果たそうとすれば、ベトナム戦争の遂行に協力し、北爆を当然としているのではとうてい不可能であって、無条件長期にわたる北爆の停上をアメリカに要請すべきではないか。いまのように、南ベトナム政府とベトナムの米軍に対し、直接間接、援助を与えながら、両者の橋渡し役がつとまるとは考えられない。双方に対して等距離の中立的な立場をとるべきではないか」。などの質疑がありました。これに対して、三木外務大臣から、「アメリカが早期の平和的解決を望んでいないという批判には賛成できない。ベトナムの現状では、相互の不信感が強く、双方とも、いまのところ、自分のペースでなければ話し合いに応じないという態度である。しかし、北は、ベトナムを全部共産化することはできないし、南も、共産政権を倒すことはできないと思う。そうなってくると、将来の見通しとしては、ジュネーブ協定の精神に立ち返って、十七度線を境にして、一応の秩序を維持し、平和共存でいく以外にない。したがって、和平の可能性は常に存在するわけであって、日本としても、橋渡しの役割りを果たすために、外交上できるだけの努力をしている。世界各国は、それぞれの立場で和平に努力しているので、その立場を変えないと和平努力ができないとは考えない。日米安保体制は、ベトナム紛争以前からのわが国安全保障政策の基調であり、ベトナム和平のために安保体制を変更するということはできない。わが国は安保条約による当然の協力以上のことはしておらず、戦争に協力しているのではない。安保条約が日本の安全保障に果たしている役割りは、これを誤りなく評価することが必要である。」との答弁がありました。
次に、沖繩の施政権返還問題に関し、「沖繩の復帰なくして日本の戦後は終わらないとの佐藤総理のことばは、もちろん沖繩を早く日本に返還してもらいたいという考え方のあらわれとは思うが、しかし、その後の国会答弁などから、極東における脅威と緊張の続く限り、沖繩は日本に返還されない、そして、いまはそういう交渉をすべき時期ではないとの考えのようにも受け取れる。沖繩の返還に対する政府の基本的な考え方はどうか。また、一部には機能別あるいは地域的な分離返還論が行なわれているようであるが、このような議論について、総理の所見はどうか。日本は沖繩に潜在主権を持っているというが、この潜在主権とはどういう意味か。アメリカ側では、日本が保持しているのは、アメリカが沖繩をいかなる第三者にも引き渡さないと期待する権利だというような解釈が行なわれているが、この問題について、日米の間に何らかの合意を見た事実があるか」などの質疑がありました。これに対して、佐藤内閣総理大臣及び三木外務大臣から、「沖繩のすみやかな祖国復帰は全国民の念願であるが、しかしながら、同時に、現在極東の安全について沖繩が果している重大な役割りを十分に考慮に入れつり、われわれの念願を率直にアメリカに訴え、その理解と協力のもとに、現在の不幸な状態を一日も早く解消するよう努力する。これが政府の基本的な態度である。機能別分離返還あるいは地域的分離返還等の議論のあることは承知しているが、こういう議論はよほど現実的かつ慎重に考えないと観念論になるおそれがある。潜在主権ということばに一定の定義があるわけではないが、沖繩住民が日本国籍を持っていること、もしアメリカが沖繩を平和条約第三条による信託統治のもとに貫くのでない限り、沖繩の処分については日本の同意を要すること、施政権の行使にあたっては日本の意向ができるだけ反映できるようにアメリカは日本と協議すること、アメリカが施政権を放棄した場合には当然に日本の主権が顕在化することなどによって、沖繩に対して日本が根源的な領土権を持っていることは明らかであり、アメリカ側の説明もこれを否定したものではない」との答弁がありました。
なお、低開発国援助に関し、「わが国の低開発国援助については、世界経済発展のため、またこれを通じて世界の平和を確立するため、もっと積極的な態度をとるべきではないか。今後どのような基本的方針で臨むつもりか。また、大体何年ぐらいで援助額が国民所得の一%になる見込みか」などの質疑があり、これに対し政府側から、「低開発国援助は日本の義務であるという態度で積極的に進めている。今後さらに国力に応じ、漸を追って、できるだけ早い機会に国民所得の一%を低開発国援助に向けるように努力をする。現在、援助額は、四十年度の実績で四億八千六百万ドル、国民所得の〇・七%となっているので、一%の線に達するにはそう長くはかからないものと思う」との答弁がありました。
次に、財政問題に関し、「公債政策の導入以来、政府の公債発行の理由づけは、そのつど変わってきており、一貫性を欠いている。公債政策に対する基本的な考え方を聞きたい。フィスカル・ポリシーの理念からいえば、本年度の公債発行額は少なくとも前年度のそれを下回る必要があるのに、どうして八千億円もの公債を発行しなければならなかったのか。公債発行を当然のこととしてこれを恒久化することは、単にインフレを促進するだけでなしに、財政法第四条違反ではないか。また、詳細な償還計画を国会に提出しないことも財政法違反ではないか。このようなやり方で公債発行を続けていくと、数年後には、公債残高の累積、公債費の増嵩は、一般会計予算に対して大きな重圧になるのではないか。政府は少なくとも経済社会発展計画期間中における公債発行の一応の見通しを示す義務があるのではないか。また、依存度、絶対額とも前年度より減らしていくという原則を確立すべきではないか。政府は健全均衡財政へ復帰する努力を放棄しているが、一体いつになったら公債政策から脱却できるのか」などの質疑がありました。これに対し政府側から、「財政がそのときの経済情勢に対応して弾力的に運営されるのは当然である。ただ、その際一貫して最も大切なことは、公債発行に伴う弊害を生ずることのないように注意することであるから、建設公債、市中消化の原則を守り、公債発行を適正な規模にとどめるよう努力している。公債発行を恒久化する考えはないが、現在立ちおくれの著しい社会資本整備の要請は非常に強く、一般会計歳出の二割にも達している公共事業費を、租税のみでまかなうことは無理で、国民の蓄積資金を活用し、公債を発行してまかなっていくことが適当である。ここ当分の間、公債財源で公共投資を進めていくならば、公債に見合った国民資産が蓄積され、長い間には、租税収入となって、はね返ってくる。一方、社会資本の整備が続けられると、長期的には、公共事業費の比率も下がってくるので、税収と公債が徐々に置きかえられ、公債費が一般会計を圧迫するようなことにはならない。公債依存度が諸外国に比べて高いことは事実であるが、従来、公債発行がなかったため、累積残高は低い段階にある。今後、この依存度を年々引き下げていく方針であるし、同時に、今回新たに減債制度をつくって、一般会計から定率の繰り入れをすることにしたので、公債発行額が安易に膨張したり、残高が著しく累積したりする事態は避けられる。なお、財政法第四条の要求している公債の償還計画は、政府が予算書に添付して国会に提出してあるとおりのもので、財政法は、公債の償還財源調達に関する具体的な計画を示すことを要求しているものではない。」旨の答弁がありました。
次に、減税の問題に関し、「四十二年度の税の自然増収は七千数百億円に達し、かつてない大幅であるにかかわらず、増税分を差し引いた純減税額は八百億円にすぎない。経済の拡大を国民の消費面から押える政策のあらわれではないか。また、本年度の税制改正で、所得税の寡婦控除が税額控除から所得控除に変わって、やや減税されることになったが、同一所得の普通世帯と比較して、控除が不十分ではないか。さらに、地方税について、住民税の課税最低限は著しく低いままになっているが、課税最低限の制度の趣旨から考えて、国税と地方税とを同じ扱いにすべきではないか。また、大衆課税である電気ガス税の廃止になぜ踏み切らないのか。」などの質疑がありました。これに対して政府側から、「景気が強い上昇過程にあるような年の減税は、本来もっと小幅であるべきであるが、所得税負担の実情から見て、初年度千百億円、平年度千五百億円の減税に踏み切った。この額は決して少ない額ではなく、昨年の大幅減税を含めて考えると、自然増収の三割をこえており、過去十年間の実績に比べ、むしろ大幅である。しかし、所得税の負担は、それでもまだ重いと思われるので、今後とも減税には努力していきたい。その中でも、寡婦世帯の控除は普通世帯に比べて不十分なので、明年度の減税では優先的に考えたい。住民税は、地域の費用を地域の住民が広く分担するという趣旨があるので、その課税最低限が所得税と常に一致しなければならないわけではないが、いままでの税制改正を見ると、国税に比べて地方税の減税がかなりおくれているので、なるべく格差を生ぜしめない方向で検討している。電気ガス税の問題は、地方財源の少ない自治体としては、他に適当な税源を見つけない限り廃止は困難であるが、大衆課税であるので、今後、財源の再配分とあわせて、できるだけ早く解決するよう努力したい。」旨の答弁がありました。
次に、経済問題に関し、まず、最近の経済情勢につきまして、「政府の経済見通しによると、本年度の実質成長率を昨年度以下と見込んでいるが、機械受注額、法人の投資予測、稼働率、百貨店の売り上げ等、いずれの経済指標をとってみても、昨年度を下回る要素は見当たらない。わが国経済を高度成長から安定成長へ戻すという経済社会発展計画の前提は、このままでは、初年度からくずれてしまうのではないか。過熱のおそれがあっても、国債発行下では、公定歩合の引き上げは国債価格の下落を招くので、いままでのように弾力的に公定歩合を操作することは困難と思われる。当面の経済情勢に対処し、どのような手段を講じようとしているのか」との質疑がありました。これに対し、関係各大臣から、「四十二年度の民間設備投資は、過去二年間における投資の沈滞と資本自由化に対処するためのもので、決して行き過ぎたものではない。ただ、業種によっては、シェア競争のおそれもあるので、過熱することのないよう、産業構造審議会でこの問題を審議させている。設備投資が増勢を示していることは間違いないが、政府の財貨サービスの購入や輸出の伸びも昨年度より下がっているし、下半期には過去の設備投資が生産力となって出てくるので、必ずしもいまの勢いで経済が拡大していくとも思われない。民間の経済調査を見ても、年度後半には増勢鈍化の傾向が出ている。一年を通じて見ると、本年度の成長率は、やはり政府見通しのとおり実質九%前後に落ちつくのではないかと思う。経済の動向には十分注意しているが、特に引き締め政策をとらねばならぬような事態にはならないと思う」旨の答弁がありました。
次に、物価の問題に関し、「本年度の経済見通しで、消費者物価の上昇を四・五%と見込んでいるが、このためにはかなりの政策的努力が必要と思われる。しかるに政府は、本年度予算において、消費者米価の引き上げ、医療費負担の増大をはかるなど、政府みずから物価上昇に拍車をかける要因をつくっている。これでは消費者物価に連鎖反応を起こし、四・五%に押えることは不可能になるのではないか。今後政府は、みずからが押えることのできる公共料金等、政府関与価格については、値上げをストップする決意はないか。さらに地価問題をどのようにして解決するつもりか」などの質疑がありました。これに対して政府側から、「消費者物価の上昇は、基本的には高度成長に国民経済の各分野が十分対応できなかったことに原因があるので、やはり生産性の低い部門に対して生産性の向上をはかっていくことが必要であり、そのための努力を続けている。政府の関与する価格は国民生活に影響するところが大きいので、慎重に考慮しなければならないが、公共料金といえども経済の原則に支配されるものであるから、長期にわたってこれをストップするということはなるべく避けたい。しかし、四十二年度は、電話料金、鉄道運賃、ガス、電気料金等の重要なものの値上げはないと考えている。地価対策については、大都市周辺の宅地の大量供給をはじめとして、都市の再開発、土地利用計画の確立、土地収用法の改正、その他あらゆる有効な措置をとる考えである」旨の答弁がありました。
最後に、社会保障の問題につきましては、「所得保障を充実し、将来の生活保障として魅力あるものにするため、年金のスライド制の導入をはかるべきではないか。また、現在の年金の収支を見ると数千億円の収入超過となっており、給付費支出額は積み立て金の利子にも及ばない。もっと給付費を引き上げるべきではないか、さらに、児童手当はいつから実施するのか」などの質疑がありました。これに対し、政府側から、「年金のスライド制は重大な問題であるから、社会保険及び国民年金の両審議会で慎重に検討している。その結果を見て政府としても研究したい。年金勘定の収入が支出より多額なのは、制度の発足後まだ日が浅く、支給成熟期に達していないためで、当分の間、積み立て金が増加するが、しかし年金受給者の数はやがて急増してくる見込みである。児童手当の実施は現在の諸制度との総合調整をはからねばならず、また、かりに児童一人当たり月額三千円ずつ支給するとしても、新たに九千億円の支出を要するので、簡単な問題ではないが、しかし前向きにできるだけすみやかな実現を期して、目下鋭意検討中である」旨の答弁がありました。
以上のほか、質疑は、核拡散防止条約、ケネディ・ラウンド・資本取引自由化等の諸問題、わが国人口問題と都市政策、政治資金規制の問題、文教問題、特に科学技術振興対策、防衛問題、ことに第三次防衛力整備計画、アメリカ陸軍極東研究開発局から学界への資金援助問題、国鉄、電電、交通安全対策などの交通通信に関する問題、ILO条約その他の労働問題、農業、中小企業及び石炭対策、公害対策等、きわめて広範多岐にわたりましたが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
かくて、昨日をもちまして、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して亀田委員が反対、自由民主党を代表して日高委員が賛成、公明党を代表して鈴木委員が反対、民主社会党を代表して向井委員が反対、日本共産党を代表して春日委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
討論を終局し、採決の結果、昭和四十二年度予算三案は、多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/4
-
005・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。亀田得治君。
〔亀田得治君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/5
-
006・亀田得治
○亀田得治君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十二年度予算三案に対し反対するものであります。
反対の第一の理由は、四十二年度予算の規模、性格が、四十二年度の経済に対して適正な予算ではないということであります。
政府は、四十二年度予算が中立予算である、すなわち、経済に対する財政の控え目な態度を示すものであるとし、その理由として、まず第一に、一般会計及び財政投融資計画の伸び率が前年度を下回っていること、第二に、国民総土産に対する一般会計予算の割合が、やはり前年度のそれを下回っていることなどを、いかにも有力な証拠であるかのごとく、あげているのでありますが、しかし、これらの伸び率などの相違は、きわめてわずかなものでありまして、いわば大同小異であり、ほぼ同じくらいといってもよい程度のものであります。しかも、財政規模のとり方によりましては、すなわち、一般会計と特別会計の純計で見ますると、四十二年度のほうがかえって伸び率は高いのであります。このように、政府が、四十二年度予算の中立的性格、換言すれば、経済に対する財政の控え目な態度を示すものであるとしてあげている数字は、むしろ逆に、四十二年度予算がいかに四十一年度の「大型積極予算」に似ているかを、最も雄弁に物語っているものにほかなりません。昭和四十年度は戦後における最も深刻な不況の年で、二千億円にのぼる赤字公債の発行を余儀なくされました。この不況を克服するため、四十一年度予算は、財政規模の拡大と本格的な公債政策の導入によって、財政面から有効需要を刺激しようとした、いわゆる大型積極予算であったということは申すまでもございませんが、四十二年度予算は、それときわめて類似した規模と性格を持つものであり、ややもすれば、過熱のおそれさえある本年度の経済のもとで、とうてい適正な予算であるとは言いがたいのであります。
ことに、四十二年度予算が前年度を上回る公債を発行しているということは、最も問題であります。歳入の一六%を公債に依存するこの財政が、景気を刺激しないはずはないのであります。不況対策として発行した四十一年度の七千三百億円を、七百億円も上回る八千億円もの公債を、過熱の懸念ある時期に発行して、財政の中立的立場を堅持したなどということは、およそ国民を愚弄するもはなはだしいと言わなければなりません。不況対策としての公債政策の任務がすでに終わったにもかかわらず、なおかつ、不況のとき以上に公債を発行せざるを得ないというのは、租税収入の面では、高度成長期以上の自然増収があるにもかかわらず、政府の野方図な放漫財政のために、どうしても財政収支のつじつまを合わすことができないからであります。いわゆるフィスカル・ポリシーというのは、不況の時期には、公債を発行して、財政面から有効需要を刺激し、好況の時期には、公債の発行を取りやめるか、ないし、積極的に公債償還を行なって、財政面から経済への抑制機能を活用するというのが常道であります。しかるに、四十二年度予算では、好況になっても、建設公債という名目で、前年度以上の公債を発行しようというのであります。
反対の第二の理由は、公債政策の恒久化は、明らかに財政法第四条に違反するものであるという点であります。
財政法第四条は、「国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、公債を発行し又は借入金をなすことができる。」と規定しているのでありまして、公共事業費といえども、公債または借り入れ金以外の歳入でまかなうのが原則であります。ただ、特に必要がある場合、ただし書きによって、例外的に公債を発行することが認められているのにすぎないのでありまして、公共事業費の財源については公債発行を当然のこととして、これを恒久化することは、財政法第四条に違反するものと断ぜざるを得ないのであります。この問題につき、政府は、当初三兆円ないし四兆円にものぼるデフレギャップを一挙に解消することは困難であるから、低圧経済の続く間は、引き続き公債を発行せざるを得まいとの態度をとっておりましたが、景気が回復から上昇に転じ、予想外のテンポで経済が拡大基調に転ずるや、公債発行の理由づけについて百八十度の方向転換を行ない、今度は、立ちおくれた社会資本を拡充するため建設公債を発行する必要があるとして、四十一年度を上回る大量発行をあえてしようというのであります。このように、好況、不況にかかわらず、社会資本拡充のためということで建設公債を発行するということになりますと、それは、毎年累増していかざるを得ないのであります。その理由は、一般会計の公共事業関係費は、毎年少なくとも一四・五%、多いときは二〇%以上の増加を示しておりますから、これを主として公債でまかなうということにいたしますと、公債発行額は、いやでもふえざるを得ないからであります。不況対策として産まれ出た四十一年度の公債発行額に対し、四十二年度の公債発行額は九・六%の増加率となっておりますが、四十一年度の実績と比較いたしますと、一二%の増加率となります。かりに今後毎年一〇%ずつふえていくといたしますると、経済社会発展計画の最終年度である四十六年度末における公債の累積額は六兆円をこえ、公債の償還費を除きまして、その利子だけでも約四千億を必要とするということになります。このようなことは、健全財政主義の原則を堅持する今日の財政法の全く予想しなかったことでありまして、建設公債に名をかりて公債発行を恒久化する政府の方針は、財政法第四条の例外を原則化するものでありまして、明らかに違法の措置といわなければなりません。
反対の第三の理由は、政府は公債償還計画についても、再び財政法違反を重ねようとしているということであります。
財政法第四条は、さきに述べた第一項に続いて、第二項として、「前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を国会に提出しなければならない。」と規定しているのであります。しかるに政府は、四十年度発行の二千億、四十一年度発行の六千七百五十億、四十二年度発行予定の八千億円の国債につきまして、ただ七年の期限がきた年度における償還額を記しただけの、形式一点ばりの、全く意味のない一枚の表をもって償還計画であるとし、わが党の厳重な要求にもかかわらず、正規の償還計画を国会に提出せず、執拗に財政法違反を続けているのであります。言うまでもなく、財政法第四条第二項の要求しているように、公債の償還計画は、財政の健全性を確保するとともに、公債の信用を維持することにあるのでありますから、全額償還に至るまでの償還の方法が明示されねばならないということは、理の当然であります。政府が償還計画として出しているものは、ただ、借りただけは返すということにとどまり、どういう方法で、いつまでに返すかは、全然明らかではありません。どう考えてもこういうものが正規の償還計画ということはできないのであります。政府の一方的独断によって、公債償還計画に関するこれまでのような政府の解釈が定着し、今後も財政法違反が続けられるならば、わが国の財政はますます不健全なものとなり、国民経済、国民生活にきわめて重大な悪影響を及ぼすことになると思います。
反対の第四の理由は、減税があまりにも少な過ぎるということであります。
四十二年度の純減税八百三億という減税幅は、租税の自然増収七千三百五十億に対し、わずかに一〇%強にしかなりません。ついこの間まで毎年度の自然増収の二〇%程度を減税のめどとしていたのでありますが、四十二年度はその約半分にしかすぎないのであります。かつて福田大蔵大臣は、四十年七月三十日の財政演説において、本格的な公債政策の必要を力説しており、「健全な公債政策の導入こそは、国の財政に大幅な減税を行なう余裕を与えることと存ずるのであります。」と言っておるのでありますが、一体、八千億の公債を発行して、わずか八百三億の減税を行なっただけで、はたして大幅な減税を行なったと言えるでありましょうか。標準五人世帯年収百万円までを無税とすべきであるということは、今日ではすでに世間の常識であります。しかるに、政府案による本年度の所得税課税最低限は、わずかに七十一万円にすぎません。公債を発行すれば大幅な減税ができるとの口実で公債政策を導入し、これが定着するやいなや、再び財源不足を理由として、所得税減税を最小限にとどめているのであります。しかも、いわゆる利子配当の分離課税は依然として存続されているのでありますが、このことは、政府の資本優遇、大衆課税の徴税方針を最も端的に示しているものと言わなければなりません。
反対の第五の理由は、当面最大の課題である物価の安定について十分な対策を講じていないばかりでなく、むしろ政府みずから物価上昇に拍車をかけているという点であります。
物価問題懇談会は、物価対策について、広範な視野に立って体系的に幾多の重要な提案を行なったにもかかわらず、政府にはほとんどこれを真剣に実行しようとする誠意も熱意も見られないのであります。二、三の例をあげましても、米価問題しかり、公債問題しかり、地価問題またしかりであります。このように、物懇の提案を実行に移す決意がないばかりでなく、四十二年度予算では、十月からの消費者米価一四・四%の引き上げをはじめ、健康保険料率の引き上げ、初診料、入院料及び薬代の本人負担引き上げをもくろんでいるのであります。経済社会発展計画は、物価の安定、経済の効率化及び社会開発の推進を三本の柱といたしておりますが、物価問題に関連して政府が実際にやっておりますことは、むしろ物価上昇に拍手をかけているものと言うべく、ただ形式的に物価安定推進会議などを設けて当面を糊塗しているにすぎないのであります。真に物価の安定をはかるためには、公共料金については、少なくとも昭和四十二年度中は絶対に値上げしない方針を貫かなければなりません。政府の経済見通しによりますと、四十二年度の消費者物価の上昇率は四・五%となっておりますが、いまのような政府のやり方では、とうていその程度に抑え得ることはできないのでありまして、少なくとも、五、六%程度の上昇は不可避であります。その理由は、物価騰貴の原因は基本的には構造的な要因と貨幣的な要因とに基づくと思うのでありますが、政府は、中小企業、農業など、いわゆる低生産性部分の構造対策として十分な政策を実施しておらないばかりでなく、公債の発行と財政資金の散布超過とによって、過大な通貨の膨張をもたらしているからであります。すなわち、日本銀行券発行高は、今年の二月、三月、いずれも対前年同月比で一六%以上と、通貨の増発傾向が続いているのでありまして、公債の発行がようやく通貨面にもその影響を及ぼし始めたわけであります。こういうことになるからこそ、物価問題懇談会も、四十二年度の公債発行を四十一年度以下に押えるよう提言をしたのでありますが、政府はこれを無視いたしているわけであります。
反対の第六の理由は、物価対策と並んで当面最も緊急の課題である住宅対策、公害対策及び交通安全対策などに関する予算措置がきわめて不十分であるという点であります。
政府が公約した一世帯一住宅を実現するためには、今後五ヵ年間に七百六十万戸の住宅建設を必要とするにもかかわらず、政府の住宅五ヵ年計画では六百七十万戸にしかすぎず、しかも、その六割は民間の自力建設におんぶした、きわめて誠意のない計画であります。これは当然七百六十万戸にふやし、民間自力と政府施策の比率を四対六に逆転すべきであります。さらに、四十二年度予算における政府施策住宅はわずか三十四万戸にすぎず、これでは、現在なお住宅困窮者二百万世帯といわれているのでありますが、現在の深刻な住宅難を多少とも緩和することはできないのであります。政府は過般、公害対策基本法案を国会に提出したのでありますが、この法案は、初め厚生省の掲げた健康第一主義の考え方が、その後の各省との調整の過程において著しく後退しているのであります。すなわち、同法案の第一条でこの法律の目的が述べられておりますが、「公害対策の総合的推進を図り、もって国民の健康を保護するとともに、経済の健全な発展との調和を図りつつ、生活環境を保全する」とあって、経済との調和という、公害審議会の答申にはなかった文句が挿入されているのであります。産業の発展を阻害するおそれがあるという口実のもとに、公害対策の十分な進展が妨げられる懸念が多分にあると言わなければなりません。さしあたり、当面必要な公害対策費として四十二年度分予算に計上されておりまする額は、公害防止事業団に対する資金運用部の融資を含めても、わずかに二百九億にすぎないのであります。交通安全対策につきましても、政府の施策並びに予算措置はきわめて不十分でありまして、たとえば、横断歩道橋などの経費としてわずかに六十億円を計上しているにすぎません。この金額は、歩行者を安全に守るために必要な額としてはあまりにも少ないのであります。佐藤総理のいわゆる歩行者優先の政治が単なる口頭禅にすぎないことを、ここで暴露していると言わなければなりません。このように、人間尊重、民生安定のための経費に対しては、極度にこれを切り詰めているにもかかわらず、反面、三兆三千四百億円の巨額にのぼる第三次防衛力整備計画の実施に乗り出し、その初年度に当たる四十二年度予算では三千八百億の防衛関係費を計上するなど、防衛力の整備増強にはきわめて熱心であります。もしほんとうに政府が平和に徹するつもりであるならば、三次防を取りやめ、防衛費を大幅に削減して、国民大衆の利益につながる方面に使用すべきであると思うのであります。
反対の第七の理由は、佐藤内閣が社会開発を標榜しながら、実際には、大資本、大企業中心の経済財政政策を推進し、社会開発についてはきわめて消極的であるということであります。
佐藤内閣の表看板であるいわゆる社会開発が、はたしてどのようなことを意味しているかは、必ずしも明らかではありませんが、一般の常識に従ってみますると、住宅、生活環境施設などの社会資本の整備や、社会保障の充実、文教の振興などのほか、均衡のとれた経済社会の発展という意味で、中小企業、農業などの低生産部門の近代化、構造改善などまで含んでいるものとすれば、四十二年度予算におけるこれら社会開発関連の主要経費は、ほとんど軒並みにその伸び率が鈍化してきているのであります。しかし、このことは、決して、たまたま本年度に限った偶発的なできごとではありません。佐藤内閣は、池田内閣の高度成長政策を、経済偏重、人間不在の政策として、激しくこれを批判し、これに対置する形で、人間尊重、社会開発を、政治的スローガンとして組閣したはずであります。しかるに、佐藤内閣発足以来の実績を見ますると、その提唱するところとは全く逆になっているのであります。社会開発関連の社会保障関係費、文教及び科学振興費、公共事業費、中小企業対策費、農業構造改善対策費などの予算の伸び率は、池田内閣時代に比べて、佐藤内閣時代は格段に劣っているのであります。池田内閣は、高度成長政策を進めつつも、いわゆるひずみ是正のため、ある程度の努力を払ったことが、予算措置の上では認められるのでありますが、池田内閣を批判した佐藤内閣における社会開発関連の予算措置が、遠くはるかに池田内閣のそれに及ばないというのは、まことに怠慢もはなはだしく、社会開発に関する限り、佐藤内閣は、看板に偽りがあると言われても、弁解の余地がなかろうと思うのであります。(拍手)
私は、以上七つの理由をあげて、四十二年度予算三案に対する反対討論を終わります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/6
-
007・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 平島敏夫君。
〔平島敏夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/7
-
008・平島敏夫
○平島敏夫君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十二年度予算三案に賛成の意を表明せんとするものであります。
昨年度、すなわち昭和四十一年度は、国債の導入という、財政政策上の大きな転換が行なわれたのでありますが、その意図するところは、申すまでもなく、当時不況にあった経済に適度の刺激を与え、財政面から有効需要を造出して、不況の克服をはかるということにありました。しこうして、その結果は御承知のとおり、民間経済界の自主的な努力と相まって、景気は急速な回復を示し、しかも、消費者物価は予想を下回って、五%程度の上昇にとどまったのでありまして、公債導入の財政政策はインフレを招来するとの野党側の非難を杞憂に終わらしめ、みごとにその効果を発揮したことは御同慶にたえないところであります。(拍手)また、景気の上昇が予想以上に急速なテンポを示しますと、政府は直ちに公債発行額を減額する掛買を講じて、景気刺激の作用を減殺することにしたのであります。公債の発行が、よくその効果をあげながら、これに伴う弊害を生ぜしめなかったととは、政府の財政運営が弾力的であり、かつ、臨機の措置に誤るところがなかったからであると言わねばなりません。
昭和四十二年度は、昨年度とは全く異なった経済情勢のもとに出発いたします。すなわち、新年度の予算は、企業の設備投資意欲がきわめて旺盛であり、個人消費支出も堅調に推移しておりまして、悪くすると景気が過熱するのではないかと心配されるような経済情勢に対応すべきものでなくてはなりません。国際収支の先行きも、必らずしも楽観は許さないのであります。このような経済情勢のもとにおいて、政府は財政が景気に対し中立的な立場を堅持するという方針を明らかにしたのでありますが、これはきわめて適切かつ当然な措置というべきであります。
そこで、実際に編成された予算が、はたして景気に対し中立的なものになっているかどうか、これこそ本年度予算の可否を判定するにあたっての第一の、しかも最も重要なポイントであると思うのであります。結論から申しますと、私は政府のこの方針が十分に予算に具体化されていると認めるものであります。すなわち、第一に、一般会計予算の実質規模は五兆円以下に押えられ、その伸び率は前年度の一七・九%に対し一五・九%と低くなっております。また、予算総額の中で公債発行額の占める割合は約一六%でありまして、前年度の一七%より低く押えられているのであります。さらに、財政投融資計画も、四十一年度は前年度に比し二五・一%という大幅な増額でありましたが、本年度は一七・八%の伸びにとどまっておるのであります。これらの数字を見まするならば、四十二年度予算は前年度に比しはるかに控え目な予算であることは明らかであります。
政府提出の予算案に反対せられる諸君は、公債政策は財政法違反であるとか、財政法に認められた公債ではないとか、また公債発行はインフレを招来するものであると、繰り返し申しておられますが、違法適法の問題はすでに昨年以来論議が尽くされておるのであります。また、インフレを招くかどうかは、過去一年の実績がこれを証明しておるのでありまして、多くを申し上げる必要はありません。昭和四十二年度におきましては、公債発行の額は幾らか増加しておりますが、前に述べましたとおり、予算の総額も、その中に占める公債の割合も、ともに前年度より低い増加率になっておるのでありまして、この控え目な予算がインフレを招来することは絶対にないと信じて疑いません。
次に、簡単に予算の内容に立ち入ってみますと、
まず歳入面におきましては、昨年の大幅減税に引き続き、所得税を中心に、平年度千五百五十億円、中小所得階層の負担軽減を目標とし、また五百万円までの退職金を非課税とし、あるいは妻の相続税を実質的に無税にするとか、本年度の財政事情から見れば相当の英断であると言えると思うのであります。
歳出面におきましては、何よりも経費の効率的な使用という観点から、予算の重点的な配分が行なわれていることを指摘しなければなりません。すなわち、当面の重要問題である住宅問題を解決するためには、一般会計において、対前年度比三三%という大幅な増額が行なわれ、公園、下水道、清掃施設など生活環境を整備するために、これまた三〇%をこえる予算の増額が行なわれております。また、人命尊重と直接的な関係を持つ交通安全対策には、前年の三倍に近い経費を計上し、公害対策に対しても相当額を計上しているのであります。
さらに、今日国際収支の先行きがはなはだ微妙な状況下にあって、輸出の増強は特に重視されるのでありますが、一般会計の貿易振興及び経済協力費は、前年度よりも三割以上の増額が行なわれ、財政投融資においても貸し付けワクの顕著な増加を見ているのであります。
次に、現下の最も重要かつ困難な問題の一つであります物価対策については、基本となる財政についてはすでに触れましたので重ねて申し上げませんが、消費者物価については、農水産物、中小企業製品、サービス料金の上昇等の影響がきわめて大きいのでありまして、農林水産業や中小企業並びに流通部門の合理化、近代化を推進することが緊要であります。四十二年度予算におきましては、これらの各部門に対し特に重点を置き、助成、金融等に格段の増額を行い、また、卸売り市場の整備、食肉供給増加対策、野菜の価格安定対策等、当面直接の物価安定策を講ずるとともに、公正取引委員会を充実して、カルテル等の取り締まりにも力を注がんとしているわけであります。しかしながら、物価問題はこれらの施策だけで解決されるものではありません。政府は、基本的な問題にむしろ真剣に取り組まれ、また、賃金値上げ、公共料金値上げ等と物価との悪循環に対しても、もっと真剣な解決をはかるべきであると思うのであります。また、国民も、生産者、消費者、企業家、労働者を問わず、この物価安定のために協力するのがほんとうであると思うのであります。
私がいまここで取り上げましたのは、重点施策の一部分にすぎませんが、このわずかな例に徴してみましても、控え目な予算総額の増加のうちで、いかに重点的な経費の配分がなされているかがうかがわれると思うのであります。私は、昭和四十二年度予算は、今日の経済情勢から見て、きわめて適切妥当な内容を持つものとして、全面的に賛意を表するものであります。
なお、一言申し上げますが、日本の国防費が非常に膨大なものであるとか、いろいろ非難されまするが、私は、今日の日本の自衛のための国防費は、きわめて少額のものである、国民所得のわずか一・一七%、スイスが国民所得に対して三・二%、英国が七・八%、西独が六・三%、ソ連が二一%、アメリカが二二%、これらに比較するならばきわめて少ないと思うのであります。しかしながら、決して軍国主義のそういう線をたどれと申すのではございません。
最後に、この予算の執行について政府に要望いたしたいことは、政府が常に口にしておられる財政と金融との一体的運用ということに、この際、特段の注意を払い、いやしくも景気の過熱を招来し、あるいは国際収支の急激な悪化を来たすことがないように、早目早目に適切な措置を講ぜられたいということであります。経済の過熱と急激な引き締め政策のもたらす結果がいかなるものであるかについては、われわれは過去に何回かにがい経験をなめておるのであります。経済の安定的成長こそは佐藤内閣の経済政策の大きなスローガンであります。いまや景気の上昇過程にあって、このスローガンの真価が問われるときであると思うのであります。政府の経済運営についていささかの誤りなからんことを期待いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/8
-
009・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 小平芳平君。
〔小平芳平君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/9
-
010・小平芳平
○小平芳平君 私は、公明党を代表いたしまして、ただいま議題となっております昭和四十二年度予算三案に対し、反対の討論をいたすものであります。
まず、反対の根本的な理由としまして、本予算案の基本的な性格を批判せざるを得ないのであります。わが国の経済は、昨年来の景気上昇に続いて、かなり早い速度で上昇に向かっております。この上昇は、すでに政府の経済見通しの一三・四%を上回ることは確実とみられております。そして一部には景気の過熱すら心配されているのであります。政府の予算案は、この経済実勢を無視した景気刺激のインフレ的性格を持つ予算案であると言わざるを得ません。すなわち、四十二年度のわが国経済は、さきの開銀、経企庁、通産省等の調査によっても明らかなごとく、民間設備投資に相当傾斜した型の経済発展となることは必至であり、国際収支の危機を招く懸念すら大きいのであります。しかるに、政府は、不況の四十一年度の国債発行額を大きく上回る八千億円もの国債発行を予定しております。政府が言うように、景気警戒、中立財政の構想を貫徹するとすれば、国債発行高の積極的圧縮政策がとられるべきであったし、四十二年度予算の焦点がここに集まっていたことは疑う余地はありません。また、四十二年度は国債の積極的圧縮は十分に可能だったのであります。すなわち、税の自然増収の見込みは過小だといわれながらも七千三百五十億円にものぼり、この増収分を国債の積極的圧縮に振り向けることは容易だったのであります。しかるに、政府は、自然増収の見込みがふえたからといって、昨年暮れの国債発行予定をたった二百億円減らしたにすぎません。政府は国債発行のルールづくりができたなどと自画自賛をしておりますが、結局は、政府の財政運営の基本的姿勢が、圧力団体の要求に屈し、放漫財政のインフレ予算を組むことだったと断定せざるを得ません。
また、政府は、五兆円予算を守ったことをもって中立予算だとも宣伝しております。しかし、初めから五兆円という高い線を政府がかってにきめて、その後のめまぐるしいほどの経済界の変動も考慮せずに押し通したことなどは、説得力は皆無だといわねばなりません。さらに、一般会計の伸びが前年度より一四・八%であるのに対し、財政投融資は二兆三千八百八十四億円と、前年度より一七・八%の伸びで、一般会計のそれを大きく上回っております。過去の財政の運用に照らしても、特に景気刺激的効果が強いといわざるを得ません。
さらに問題なのは、一方で多額の国債を発行しながら、政府の放漫財政が相変わらず続いていることであります。本院予算委員会でも明らかにされたごとく、公庫、公団等の特殊法人整理問題に対しても、政府は一向に熱意なく、かえって四十二年度においても公庫などが新たに設けられることになっております。われわれは、このような放漫財政を絶対に見のがすわけにはまいらないのであります。
以上のような景気刺激のインフレ的な性格の予算は、また、国民生活にますます圧迫を加えるのであります。以下、私は、国民生活を守る立場から、反対の理由を二、三あげてみたいのであります。
第一に、本予算案は、当面最大の経済問題である物価対策を無視した予算であるばかりでなく、むしろ物価の上昇に拍車をかける予算であると言わざるを得ません。昨年度予算では、物価対策予算が鳴りもの入りで騒がれたが、四十二年度は、流通機構の整備や、低生産部門の各種対策は、明らかに昨年より後退していることを指摘しなければなりません。昨年度の消費者物価の上昇率がほぼ政府の見通しの範囲におさまったのは、政府の政策的努力の結果ではなく、春から秋にかけ野菜のできが良好で、大幅な値上がりがなかったためで、まさに、某大臣がみずから言われたように、おてんとうさまのおかげだったわけであります。しかるに、政府は、今年度は四・五%に消費者物価の上昇を下げると意欲的な計画を示しながら、具体的予算措置は前年度より後退するという、まことに矛盾した結果になっております。しかも、財政収入の内容は、面接物価高に拍車をかける消費者米価の値上げ一四・四%をはじめ、健康保険料等の医療費の大幅引き上げ等は、国民の負担を重くし、物価上昇に輪をかけることは必至であります。
第二に、国民待望の減税について見ますと、七千三百五十億円にものぼる自然増収がありながら、実質減税はわずか八百億円で、これは、過去十年の自然増収に占める減税の比率を見ても、最低の小幅減税であります。その減税内容を見ても、所得税の物価調整減税がおもなもので、これは物価上昇を反映した名目所得の増大に伴うもので、減税の名に値しない措置であります。すなわち、四十二年度の課税最低限の引き上げは約十万円にとどまり、標準世帯で七十一万二千円ですが、すでに昨年、人口五万以上の都市の消費支出は、平均一世帯で七十六万一千二十八円となっております。これでは、生計費には課税しないという原則すら満たされておらず、その上、印紙税等は多額の増税すら行なわれて、大衆の税負担が実質的には何ら軽減されていないのであります。
第三に、社会保障関係の立ちおくれを指摘しないわけにはいきません。本年三月、政府は、経済社会発展計画を閣議決定し、五年間を目標とする経済運営の指針をきめております。過去に自民党政府は、所得倍増計画や高度経済成長政策によって失敗をしたので、今度は特に社会開発を目標として掲げたもののようであるが、社会保障の内容はきわめて抽象的か、あるいは低い目標でしかありません。国民所得に対する振りかえ所得の比率を四十年度の五・五%から二%程度上昇させると言っているが、これが達成できたとしても、西欧諸国の十数%には、はるかに及びません。しかも、その二%の内容すらあいまいで、所得保障にこれから力を入れると言いながら、たとえば年金をいかに充実さしていくか、たとえば児童手当制度を、いつ、つくるかさえ何一つ明らかにされていないのは、きわめて不満であります。このように社会保障に冷淡な佐藤内閣の予算ですから、低所得階層に対する政府の思いやりは、きわめて微々たるものにすぎません。生活扶助基準の一三・五%の引き上げなども、物価の上昇を考えれば、とうてい満足できるものでないことは言うまでもありません。さらに、生活保護を受けられる人は、四十二年度予算でわずか百三十九万人です。しかるに、厚生白書は、わが国の低所得階層を千百万人ないし千二百万人と言っております。これらの人々は、生活保護も受けられず、しかも消費者米価の値上げや医療費の値上げをはじめ、物価上昇のしわ寄せをまともに受けてしまうのですが、人間尊重を口にする総理は、こうしたところにこそ政治の力を大いに発揮すべきであると思うのであります。このほか、身体障害者に対し、また老人福祉、母子福祉等々、政治の片隅に押しやられている人々にこそ、あたたかい政治を要求してやまないのであります。
われわれは、社会の繁栄とともに、国民大衆の生活が豊かになり、しあわせになる政治を目標とし、以上のように大衆福祉に背を向けた四十二年度予算案に反対するものであります。
以上、若干の反対理由をあげて、私の反対討論を終わります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/10
-
011・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 高山恒雄君。
〔南山恒雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/11
-
012・高山恒雄
○高山恒雄君 私は、民主社会党を代表して、ただいま議題となっております昭和四十二年度予算三案に反対の討論を行ないます。
申すまでもなく、本予算案は、佐藤内閣が総選挙の洗礼を受けて初めてのもので、佐藤内閣の性格を判断する上に、きわめて重要な意味を持つものであります。しかしながら、予算審議を通じて、はなはだ遺憾に思うのは、国民の熱望する諸問題について、政府は何ら納得のいく回答を与えていないのであります。
私が本案に反対する第一の理由は、本予算案が景気を刺激する大型予算であり、景気過熱を助長するおそれを持っているからであります。現在のわが国経済は、一見、景気が回復したかに見えますが、実はまことに微妙に変化しつつあります。すなわち物価の上昇、民間設備投資の過当競争など、従来私どもが警告し続けてきました経済構造の欠陥による現象を露呈しております。ところが、政府は相変らず目先の景気の小康を保つために終始しておりますが、私は佐藤内閣のため惜しむものであります。政府は、この予算案が景気に対して中立警戒的だと言っておりますが、昨年と今年の経済は全く様相が異なっているのであります。いまこそ、政府は構造改善についての抜本策を講じない限り、再び深刻な不況を誘発するおそれがあると、憂慮いたすのであります。
第二の理由は、本案が財政の基本原則を無視した国債の大幅発行であります。昨年の下期からの経済立ち直りも、つかの間、早くも過熱への危険が叫ばれるに至っております。したがって、この段階においては、できるだけ財政を圧縮する努力をすべきであります。特に四十二年度は、七千五百億もの税の自然増収が見込まれているにもかかわらず、昨年を上回る国債の発行は、日銀の信用インフレを増大するものであります。
第三の理由は、この予算案が、公約不履行、物価高予算であるからであります。政府は選挙中、消費者米価などの公共料金については絶対値上げしないと言いながら、この予算案では、消費者米価一四・四%、健康保険料の値上げなどに踏み切り、みずから物価上昇のもとをつくっております。期待された減税についても、初年度一千百億にとどまり、一連の公共料金値上げにより実質的には増税となっているのであります。また、公約事項である地域アンバランス是正、並びに住宅の大量建設、中小企業対策など国民生活向上の対策費は、いずれも国民の期待を裏切る額にとどまり、政府の積極的姿勢は全く失われております。
最後に私が反対いたします理由は、政府の行政節度に欠ける点であります。すなわち、一たん国債が発行されると、予算はとめどもなく膨張するものであります。したがって、これを規制する方法は、きびしい行政の節度をもって臨むほかないのであります。ところが、この予算案では、五つの公団、公社が新設され、政府は何らの行政努力も行なっておりません。私は、このような予算をそのまま容認することはできません。
以上の理由のほか、本案は、総じて特徴と重点のない無性格予算だと思います。私は、ここで佐藤内閣の財政施策に対し、きびしく批判をし、反対の意向を表明いたしまして、討論を終わりたいと思うのであります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/12
-
013・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 岩間正男君。
〔岩間正男君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/13
-
014・岩間正男
○岩間正男君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十二年度予算三案に反対するものであります。
四十二年度予算案は、二つの選挙戦を通じて切実に表明された日本人民の要求に、真正面からこたえるべきものであります。ところが、事実は全く逆のものになっております。人民の声は、まず、汚職、腐敗の一掃を要求しました。物価値下げと減税、さらに住宅問題の解決、公害・交通安全対策、社会保障制度の改善などを要求しました。また労働者、農民、中小企業者は、みずからの生きる権利と生業を守る道を要求して戦い続けています。わが党は、これらの要求にこたえる具体策を各分野にわたって明らかにし、たとえば、汚職、腐敗の一掃については、独占資本、財界からの政治献金の全面禁止などの抜本策を提案しましたが、佐藤内閣はこれを拒否しています。住宅問題についても、わが党は、低家賃公営住宅を主にして、年間百万戸以上を建設し、数年間でこれを解決する具体的対策を明らかにしました。しかし、政府の住宅対策はごまかし程度のものにしかすぎません。ことに、わが党は、交通禍から子供の命を守る緊急対策を率先して取り上げ、数百億円の財政支出によって、すべての通学通園路に歩道橋をはじめ交通安全施設を、いま直ちに設置することを要求して戦っていますが、政府は、そのわずかな一部分を実施しようとしているにすぎません。その他、消費者米価をはじめとする数々の物価値上げ、健康保険・失業保険の改悪など、人民の要求は踏みつけにされております。
このように、本予算案は、人民生活の安定などは考えておらず、反対に、人民を収奪して独占資本を擁護し、軍国主義復活を進める、反人民的、反民族的性格をますます露骨にしています。
まず、総額二兆三千億円の第三次防衛力整備計画の発足は、この予算案の第一の特徴をなしています。この計画は、アメリカ帝国主義の狂暴なベトナム侵略戦争拡大に協力しつつ、自衛隊の増強と核ミサイル化を推し進め、日米安保条約のもとで、米極東核戦略の一環に日本をますます深く組み入れるとともに、独占資本のために、兵器の本格的な国産化に踏み出しています。それとともに、自衛隊の適格者名簿の作成、日米共同演習、富士山レーダーの米軍基地への分岐、あるいは小選挙区制など、戦争協力と軍国主義復活を目ざす政策を強めています。
第二の特徴は、対外進出費の大幅増額です。これはアメリカのアジア侵略政策への経済的協力と、対米従属のもとに日本独占資本のアジア進出の野望を示す以外の何ものでもありません。
第三の特徴は、徹底した独占資本奉仕の予算であることであります。米日独占資本に対しては、一兆数千億円もの税の特権的な減免を行なっている上に、資本取引の自由化に対応するということで、独占資本の集中合併を促進させる一方、農業、中小企業、流通部門に対する系列支配と経営取りつぶしの政策を強めています。また、高速道路、二業用地、港湾、鉄道など、独占のための産業基盤の造成を推し進めて、これに巨額の国家資金を注入しています。これらは同時に、軍国主義復活の経済的基盤を固めるねらいを持つものであることは明らかであります。以上の反人民的政策を進めるために、この予算案は八千億円にのぼる赤字公債の発行、七千三百億円もの税の自然増収など、戦後最大の人民収奪をたくらんでいます。日本共産党は、このような日米独占資本に奉仕する、戦争と反動、人民生活破壊の四十二年度予算三案に反対し、次の点を要求するものであります。
まず第一に、軍事費、海外進出費及び独占資本木位の公共事業費、補助金等を大幅に削減すること。第二には、日米独占資本に対する特権的減免税をやめ、高度累進の税制に改め、大口脱税を徹底的に取り締まること。第三に、赤字公債の発行をやめ、財政投融資を民主化すること。このようにして生み出される財源をすべて人民のために役立てること。これを要求しまして、私の反対討論を終わるものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/14
-
015・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
これより採決をいたします。
三案全部を問題に供します。
表決は記名投票をもって行ないます。三案に賛成の諸君は白色票を、反対の諸君は青色票を、御登壇の上、御投票を願います。
議場の閉鎖を命じます。氏名点呼を行ないます。
〔議場閉鎖〕
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/15
-
016・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 投票漏れはございませんか。——投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。
〔投票箱閉鎖〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/16
-
017・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) これより開票いたします。投票を参事に計算させます。議場の開鎖を命じます。
〔議場開鎖〕
〔参事投票を計算〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/17
-
018・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 投票の結果を報告いたします。
投票総数 二百八票
白色票 百十八票
青色票 九十票
よって、三案は可決せられました。(拍手)
—————・—————
〔参照〕
賛成者(白色票)氏名 百十八名
横井 太郎君 植木 光教君
森田 タマ君 山崎 斉君
二木 謙吾君 前田佳都男君
白井 勇君 伊藤 五郎君
林田 正治君 大谷 贇雄君
横山 フク君 寺尾 豊君
植竹 春彦君 新谷寅三郎君
鬼丸 勝之君 山本茂一郎君
中津井 真君 林田悠紀夫君
佐藤 一郎君 山内 一郎君
柳田桃太郎君 宮崎 正雄君
平泉 渉君 八田 一朗君
和田 鶴一君 木村 睦男君
高橋文五郎君 内田 芳郎君
大森 久司君 園田 清充君
野知 浩之君 熊谷太三郎君
温水 三郎君 岸田 幸雄君
長谷川 仁君 沢田 一精君
吉江 勝保君 石井 桂君
豊田 雅孝君 大竹平八郎君
徳永 正利君 青柳 秀夫君
佐藤 芳男君 平島 敏夫君
山下 春江君 山本 利壽君
塩見 俊二君 鍋島 直紹君
近藤 鶴代君 井野 碩哉君
石原幹市郎君 上原 正吉君
古池 信三君 郡 祐一君
斎藤 昇君 河野 謙三君
米田 正文君 小林 篤一君
栗原 祐幸君 久保 勘一君
北畠 教真君 西村 尚治君
中村喜四郎君 内藤誉三郎君
任田 新治君 土屋 義彦君
高橋雄之助君 玉置 和郎君
藤田 正明君 岡本 悟君
奥村 悦造君 楠 正俊君
金丸 冨夫君 日高 広為君
丸茂 重貞君 山本 杉君
谷村 貞治君 谷口 慶吉君
柴田 栄君 後藤 義隆君
鈴木 万平君 竹中 恒夫君
天坊 裕彦君 中野 文門君
仲原 善一君 西田 信一君
迫水 久常君 田中 茂穂君
梶原 茂嘉君 八木 一郎君
森 八三一君 西郷吉之助君
木内 四郎君 林屋亀次郎君
増原 恵吉君 杉原 荒太君
平井 太郎君 青木 一男君
鹿島守之助君 小山邦太郎君
重政 庸徳君 小林 章君
田村 賢作君 櫻井 志郎君
鹿島 俊雄君 井川 伊平君
赤間 文三君 松野 孝一君
森部 隆輔君 青田源太郎君
紅露 みつ君 小林 武治君
剱木 亨弘君 松平 勇雄君
高橋 衛君 吉武 恵市君
中山 福藏君 小柳 牧衞君
—————————————
反対者(青色票)氏名 九十名
原田 立君 林 塩君
黒柳 明君 矢追 秀彦君
瓜生 清君 中沢伊登子君
市川 房枝君 中尾 辰義君
浅井 亨君 片山 武夫君
二宮 文造君 北條 雋八君
高山 恒雄君 多田 省吾君
宮崎 正義君 小平 芳平君
向井 長年君 渋谷 邦彦君
鈴木 一弘君 中村 正雄君
辻 武寿君 鈴木 市藏君
達田 龍彦君 前川 旦君
戸田 菊雄君 竹田 現照君
山崎 昇君 木村美智男君
村田 秀三君 小野 明君
田中寿美子君 矢山 有作君
松本 賢一君 大森 創造君
大矢 正君 森中 守義君
柴谷 要君 小柳 勇君
中村 英男君 大河原一次君
伊藤 顕道君 加瀬 完君
田中 一君 光村 甚助君
久保 等君 大和 与一君
岩間 正男君 須藤 五郎君
野坂 參三君 春日 正一君
森 勝治君 鈴木 力君
中村 波男君 大橋 和孝君
柳岡 秋夫君 瀬谷 英行君
吉田忠三郎君 渡辺 勘吉君
小林 武君 鶴園 哲夫君
林 虎雄君 千葉千代世君
野上 元君 武内 五郎君
山本伊三郎君 松永 忠二君
北村 暢君 鈴木 強君
阿部 竹松君 藤田藤太郎君
占部 秀男君 森 元治郎君
鈴木 壽君 永岡 光治君
秋山 長造君 岡 三郎君
藤田 進君 成瀬 幡治君
亀田 得治君 大倉 精一君
近藤 信一君 椿 繁夫君
横川 正市君 木村禧八郎君
佐多 忠隆君 岡田 宗司君
藤原 道子君 加藤シヅエ君
松澤 兼人君 羽生 三七君
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/18
-
019・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第四、炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。石炭対策特別委員長大矢正君。
—————————————
〔大矢正君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/19
-
020・大矢正
○大矢正君 ただいま議題となりました炭鉱離職者臨時措置法の一部を改正する法律案について、石炭対策特別委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
本法律案は、現行法の期限が昭和四十三年三月三十一日までとなっているのを、石炭鉱業審議会の答申が石炭鉱業の安定目標年度を四十五年度としていることにかんがみ、この臨時措置法も、同年度末、すなわち四十六年三月三十一日まで延長存続させることにするとともに、雇用促進事業団の行なう援護業務として、新たに事業を始める離職者に対する自営支度金の支給、及び開業資金借り入れの債務保証を追加する等をおもな内容としております。
委員会におきましては、炭鉱離職者対策の基本方針、炭鉱における労働力不足問題、石炭鉱山の保安対策等をはじめ、自営支度金及び開業資金の債務保証の基準等について質疑を行ない、特に離職者の自営について、開業の相談指導、債務保証について無担保保証の限度額の引き上げが要望されましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
質疑を終わり、別に討論もなく、直ちに採決の結果、本法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/20
-
021・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/21
-
022・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/22
-
023・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第五、船舶積量測度法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。運輸委員長天坊裕彦君。
—————————————
〔天坊裕彦君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/23
-
024・天坊裕彦
○天坊裕彦君 ただいま議題となりました船舶積量測度法の一部を改正する法律案について、運輸委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。
船舶積量測度法は、船舶のトン数を算定するための基準、方法等を定めているものであります。
現行法におきましては、上甲板上などにある貨物艙その他特定の場所に一定の開口を設けた場合には、これらの場所は総トン数に算入しないことになっておりますが、このような開口を設けることは、船舶の安全上必ずしも好ましいものとは申しがたいものでありますので、この改正案は、諸外国の例にもならって、このような開口を閉鎖しても、これらの場所は従来と同様に総トン数に算入しないことにしようとするものであります。
委員会におきましては、質疑の後、討論に入りましたが、別に発言もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以下御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/24
-
025・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/25
-
026・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/26
-
027・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第六、住宅融資保険法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。建設委員長松永忠二君。
—————————————
〔松永忠二君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/27
-
028・松永忠二
○松永忠二君 ただいま議題となりました住宅融資保険法の一部を改正する法律案について、建設委員会の審査の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、これまでの実績にかんがみ、住宅融資保険制度を利用できる金融機関の範囲に農林中央金庫等を加えるとともに、保険事故が発生した場合の保険金のてん補率を八〇%から九〇%に引き上げ、また、保険金を請求できない期間を三ヵ月から二ヵ月に短縮する等の改正を行ない、民間住宅建設に対する融資面を強化し、その利用を促進しようとするものであります。
当委員会においては、住宅融資保険の実績、住宅金融公庫のあり方、並びに住宅対策全般にわたり、質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録に譲りたいと存じます。
質疑を終わり、討論もなく、採決の結果、本法律案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/28
-
029・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/29
-
030・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/30
-
031・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第七、著作権法の一部を改正する法律案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。文教委員会理事楠正俊君。
—————————————
〔楠正俊君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/31
-
032・楠正俊
○楠正俊君 ただいま議題となりました著作権法の一部を改正する法律案について、文教委員会における審議の経過と結果を御報告申し上げます。
本法律案は、昭和三十七年以降、政府において行なわれている本法の全面的改正作業がいまだ完了せず、なお若干の時日を要するため、これまで二回にわたって延長されてきた一般著作権の保護期間を、さらに二年間暫定的に延長しようとするものであります。
委員会におきましては、著作権制度審議会の答申内容、これを受けての政府の改正作業の進行状況、写真、映画、レコード等における著作権保護の問題、教科書等教育目的に利用される際の著作権制限の問題、来月行なわれるベルヌ条約ストッ昭和四十二年五月二十七日 参議院会議録第十一クホルム改正会議の動向等について、きわめて熱心な質疑が行なわれましたが、その詳細は会議録で御承知願いたいと存じます。
質疑を終了し、討論に入りましたところ、まず、楠委員から各党各派を代表して修正案が提出されました。その内容は、これまで延長措置をされていなかった団体名義著作物及び写真の著作権の保護期間についても、この際、一般著作権と同様に、暫定的に二年間延長するものであります。その理由は、団体名義著作物及び写真の著作権の保護期間については、公表後五十年間とするとの審議会答申がすでになされていることも勘案し、これを二年間暫定延長することにより、その間におけるこれら著作権の消滅を防止し、一般著作権の保護との均衡をはかるためであります。次いで、秋山委員から本修正案並びに修正部分を除く原案に対して賛成討論が行なわれました。
討論を終わり、採決の結果、本法律案は、全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/32
-
033・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案の委員長報告は修正議決報告でございます。
本案全部を問題に供します。委員長報告のとおり修正議決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/33
-
034・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって委員会修正どおり議決せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/34
-
035・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第八、理化学研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。商工委員長鹿島俊雄君。
—————————————
〔鹿島俊雄君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/35
-
036・鹿島俊雄
○鹿島俊雄君 ただいま議題となりました理化学研究所法の一部を改正する法律案について、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
本改正案は、研究所の施設が狭隘に、かつ、老朽化しているので、埼玉県大和町に新たに研究施設の建設を進め、すでに過半が完成しておりますので、この際、主たる事務所を、東京都から埼玉県に移し、あわせて、監事の権限及び役員の欠格事由等の規定を整備しようとするものであります。
委員会におきましては、参考人を招致し、意見を徴するとともに、移転の状況、今後の工事計画、民間出資などから、委託研究等の研究事業内容等に至るまで、熱心なる質疑を行ないましたが、その詳細は会議録に譲ることといたします。
質疑を終わり、別に討論もなく、採決の結果、全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上報告を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/36
-
037・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/37
-
038・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/38
-
039・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第九、地方公務員災害補償法案(内閣提出)を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長仲原善一君。
—————————————
〔仲原善一君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/39
-
040・仲原善一
○仲原善一君 ただいま議題となりました地方公務員災害補償法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
本案は、地方公務員の公務上の災害に対する補償の制度を確立するため、第一に、すべての常勤地方公務員の公務災害補償の実施機関として、法人たる地方公務員災害補償基金を設立することとし、基金は全国一本の組織とし、その業務の執行体制について運営審議会を置き、基金の支部として、従たる事務所を各都道府県及び六大市に設け、また、不服審査を行なうため、主たる事務所及び従たる事務所に、それぞれ審査会及び支部審査会を置くことといたしております。第二に、基金の行なう補償の種類は、療養補償、休業補償、遺族補償及び葬祭補償とし、また、これらの補償のほか、義肢、義眼等の補装具の支給等の施設をすることといたしております。第三に、基金の業務に要する費用は、地方公共団体の負担金をもって充てることといたしております。第四に、非常勤の地方公務員については、地方公共団体において、条例で補償の制度を定めることを義務づけておるのでございます。
以上が本案のおもな内容であります。
委員会におきましては、藤枝自治大臣から提案理由の説明を聞き、基金による補償制度創設の理由、基金の運営、運営審議会並びに審査会の構成、補償の内容等について熱心に審査いたしましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
質疑を終局し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して松澤委員より、公明党を代表して原田委員より、それぞれ理由を付して本案に反対する旨の意見が述べられました。
採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以下御報告いたします。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/40
-
041・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/41
-
042・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/42
-
043・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第十、日本放送協会昭和三十九年度財産目録、貸借対照表及び損益計算書並びにこれに関する説明書を議題といたします。
まず、委員長の報告を求めます。逓信委員長野上元君。
—————————————
〔野上元君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/43
-
044・野上元
○野上元君 ただいま議題となむました案件は、放送法第四十条第三項の規定に基づき、会計検査院の検査を経て内閣より提出された日本放送協会の昭和三十九年度の決算についてであります。
日本放送協会の昭和三十九年度末における資産総額は八百二億一千二百万円、負債総額は三百五十三億三千万円であります。次に損益計算では、事業収入六百六十六億三千六百万円、事業支出五百六十四億一千六百万円、資本支出充当八十八億五千七百万円でありまして、差し引き十三億六千三百万円の剰余となっております。
これらについての詳細は、説明書によってごらんを願いたいと存じます。
なお、本件に対し会計検査院では「記述すべき意見はない。」旨の検査結果を付しております。
逓信委員会は、郵政当局、会計検査院並びに日本放送協会につき質疑を行ない、慎重審議の結果、多数をもって、本件については、異議がないものと議決いたした次第であります。
右御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/44
-
045・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
本件全部を問題に供します。本件は、委員長報告のとおり決することに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/45
-
046・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって本件は、委員長報告のとおり決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/46
-
047・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 日程第十一、関税定率法等の一部を改正する法律案。
日程第十二、石炭対策特別会計法案。
日程第十三、税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案。
(いずれも内閣提出、衆議院送付)
以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/47
-
048・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 御異議なしと認めます。
まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長竹中価夫君。
—————————————
〔竹中恒夫君登壇、拍手〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/48
-
049・竹中恒夫
○竹中恒夫君 ただいま議題となりました三法律案につきまして、委員会における審査の経過及び結果について御報告申し上げます。
まず、関税定率法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
本案は、最近の経済情勢の変化に対応して、関税率について四十八品目の実行税率を変更し、九十四品目について暫定税率の適用期限を延長し、暫定関税免除及び還付制度の適用期限の延長、拡充等を行ない、また、通関の迅速化をはかるため入国者の携帯品について簡易税率を新設し、万国博覧会の開催に備えて、保税展示場の制度を新たに設けるとともに、最近における外国貿易の実情等に顧み、開港として五港を新たに追加することとし、その他関税制度の簡素合理化をはかる等のため、関税定率法、関税町定措置法及び関税法について、それぞれ所要の改正を行なおうとするものであります。
委員会における審議の詳細は、会議録によって御承知願います。
質疑を終わり、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定し、さらに青柳委員より、自由民主党提案にかかる「バナナ関税率の引き下げに伴う国産果実に及ぼす影響を緩和せしめるため、政府は各般にわたり所要の措置を講ずべきである。」旨の附帯決議案が提出され、多数をもって本委員会の附帯決議とすることに決定いたしました。
—————————————
次に、石炭対策特別会計法案について申し上げます。
本案は、石炭鉱業の現状及びその動向がもたらす国民経済的影響にかんがみ、石炭鉱業の合理化及び安定、これに関連する雇用の安定、産炭地域の振興並びに石炭鉱害の復旧のためにとられる総合的な施策に関する政府の財政上の措置の全容を明らかにするため、新たに石炭対策特別会計を設置することとし、その財源に充てるものとして石油関税収入のうち相当額をこの会計に帰属させることとするほか、当分の間、との会計の歳入不足を埋めるために必要な金額を、一般会計からこの会計に繰り入れることができることとし、この繰り入れ金は後日一般会計に繰り戻すこととする等、所要の立法措置を講じようとするものであります。
委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。
—————————————
次に、税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案について申し上げます。
今次税制改正の一環として、納税者の負担軽減と手続の簡素化の見地から、別途提出されております所得税法、法人税法及び相続税法の各改正案において、それぞれ独自の税制簡素化を織り込んだ改正がなされておるのでありますが、本案では、国税通則法、国税徴収法及び間接税諸法について、共通的なものを統一して同様の趣旨から所要の改正を行なおうとするものであります。
そのおもなるものを申し上げますと、第一に国税通則法及び国税徴収法の関係では、課税標準及び税額の端数の切り捨て基準の引き上げ、口座振替による納付の方法を法定するとともに、延滞税についての計算の合理化をはかっております。
第二に酒税法等の間接税関係では、課税物品の未納税移出等にかかる承認事項の一部を届け出事項に改めるとともに、間接税の納税申告書の添付書類を簡略化する等の改正を行なっております。
委員会における審議の詳細につきましては、会議録によって御承知を願いたいと存じます。
質疑を終了し、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
以上、御報告申し上げます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/49
-
050・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
まず、関税定率法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/50
-
051・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/51
-
052・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 次に、石炭対策特別会計法案及び税制簡素化のための国税通則法、酒税法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成の、諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/52
-
053・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、両案は可決せられました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/53
-
054・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) この際、常任委員長の辞任につきおはかりいたします。
社会労働委員長 千葉千代世君
逓信委員長 野上 元君
建設委員長 松永 忠二君
決算委員長 鶴園 哲夫君
懲罰委員長 中村 英男君から、それぞれ常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
いずれも許可することに御異議ございませんか。
〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/54
-
055・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
—————・—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/55
-
056・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) つきましては、この際、日程に追加して、
常任委員長の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/56
-
057・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/57
-
058・永岡光治
○永岡光治君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、いずれも議長において指名することの動議を提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/58
-
059・園田清充
○園田清充君 ただいまの永岡議員の動議に賛成いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/59
-
060・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 永岡君の動議に御異議ございませんか。
〔「提議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/60
-
061・重宗雄三
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
よって、議長は、社会労働委員長に山本伊三郎君を指名いたします。
〔拍手〕
逓信委員長と森中守義君を指名いたします。
〔拍手〕
建設委員長に藤田進君を指名いたします。
〔拍手〕決算委員長に亀田得治君を指名いたします。
〔拍手〕
懲罰委員長に林虎雄君を指名いたします。
〔拍手〕
—————————————
本日はこれにて散会いたします。
午後零時十六分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105515254X01219670527/61
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。