1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十二日(金曜日)
午前十時四十九分開議
出席委員
委員長 大野 市郎君
理事 木部 佳昭君 理事 砂田 重民君
理事 福井 勇君 理事 山村新治郎君
理事 小川 三男君 理事 山下 榮二君
阿部 喜元君 大竹 太郎君
小渕 恵三君 加藤 六月君
川野 芳滿君 菅 太郎君
菅波 茂君 西村 英一君
福家 俊一君 水野 清君
井上 泉君 板川 正吾君
神門至馬夫君 内藤 良平君
米田 東吾君 渡辺 芳男君
沖本 泰幸君 松本 忠助君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 中曽根康弘君
出席政府委員
運輸省船舶局長 佐藤美津雄君
運輸省船員局長 河毛 一郎君
運輸省航空局長 澤 雄次君
海上保安庁次長 井上 弘君
委員外の出席者
専 門 員 小西 真一君
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四月十二日
委員神門至馬夫君及び米田東吾君辞任につき、
その補欠として井岡大治君及び栗林三郎君が議
長の指名で委員に選任された。
同日
委員井岡大治君及び栗林三郎君辞任につき、そ
の補欠として神門至馬夫君及び米田東吾君が議
長の指名で委員に選任された。
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四月十日
国鉄の定期運賃値上げ反対に関する請願(田代
文久君紹介)(第三七五〇号)
東京国際空港滑走路延長反対に関する請願(菊
池義郎君紹介)(第三七六五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
船舶安全法の一部を改正する法律案(内閣提出
第三七号)
新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案
(内閣提出第四四号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/0
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001・大野市郎
○大野委員長 これより会議を開きます。
船舶安全法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の通告がありますので、これを許します。井上泉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/1
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002・井上泉
○井上(泉)委員 「満載喫水線に関する国際条約を受諾するとともに」というこの法案の改正の要綱ですが、これはやはりこういうふうな満載喫水線に関する国際条約が定められて、それをわが国が受諾することによって、この法律を関連をして改正をするというものであるのか、そして、この国際条約の総括的な内容をひとつ簡単に御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/2
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003・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 今回の改正は、確かに契機としましては国際満載喫水線条約を受諾するための改正ということになります。しかし、実は船舶の海難防止のたにいろいろの問題がございまして、いままで、あるいは今国会におきましても附帯決議をいただきましたし、あるいはわれわれのほうのいろいろな審議会におきましてもその内容を検討され、それで一応満載喫水線につきましては、昨年の八月から乾舷マークというものを、一応技術的基準を定めましてつけさしておるわけでございます。そういうことと一緒になりまして、どちらが先かということを言われますとちょっとむずかしいわけでございますけれども、条約の受諾と、それから内航船に対する満載喫水線の標示ということが、両方とも同じような時点で今回改正していただくということになったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/3
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004・井上泉
○井上(泉)委員 船舶の安全性を確保するということは、これはもうたいへん大切なことで、言うまでもないわけですが、過日、ニュージーランドの巡航船、あれは約八千何百トンというふうに新聞には載っておったですが、あの船が沈没して、たくさんの犠牲者が出たということが報道されておるのですが、ああいう場合の、客船の場合における満載喫水線というものは、少々の突風等が吹いても安全が確保される線における満載喫水線ということになっておるのかどうか、ひとつ参考のために御説明をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/4
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005・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 満載喫水線と申しますのは、大体が積み荷の限度を定める基準でございます。ところが、客船におきましては、貨物を積むように、満載喫水がそう変わるものではございません。貨客船におきましては、お客さんも積みますし、また貨物も積みますので、相当の喫水の変化というものがございます。ただ、客船の場合ですと、これは船舶安全法の規則にも船舶復原性規則というものがございまして、この規則は実は、船が動揺した場合に、もとの姿に戻るというふうなことを考えましてつくった規則でございます。これは、客船にも満載喫水線をつけますけれども、それ以上に、復原性を確保するという別の規則のほうがむしろシビアーにきいてくるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/5
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006・井上泉
○井上(泉)委員 満載喫水線を標示をするということになりますと、この改定でやるということによって、現在満載喫水線を標示しておるものと、この改正によって標示をしなくてはならない船が内航、外航ともに、日本で大体どのくらい出てくるか、その点について。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/6
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007・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 今回の満載喫水線の標示を新たに義務づけられる船舶は、一万四千百五十六隻でございます。これは大体漁船が非常に多かったからでございます。これに対しまして、従来の満載喫水線の義務づけ船舶は千三百二隻という数字になっておりまして、これは昨年の十一月末の数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/7
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008・井上泉
○井上(泉)委員 いままでが千三百二隻で、法律の改正に伴って新たに一万四千百五十六隻が満載喫水線の標示をしなくてはならないわけですが、今度はこの満載喫水線の標示を義務づけるわけですが、これについての義務履行、こういうふうなものについてはどういうふうに対策を考えておられるのか、その点を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/8
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009・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 法律の附則の改正によりまして、一応漁船につきましては、現存船は相当あとまで、昭和四十七年七月三十一日まではこれを標示することを要しないというふうに書いてあります。それから、その以外の船舶につきましては、四十四年の八月一日からこれを実施するわけでございます。それで、これの義務の履行につきましては、一応船舶検査によりましてこれを確認することにしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/9
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010・井上泉
○井上(泉)委員 それで、船舶の安全性を確保するためにこういうふうな新しい法律をつくるわけですが、これが漁船の場合には昭和四十七年まで——四十七年までということになりますと、約五年くらい先になるのですが、これはどういう関係でこういうふうにされたのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/10
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011・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 四十七年までと申しますのは、実は現在動いております漁船についてでございまして、御存じのように漁船は一応許可をとっておりまして、そうしてその積載量がそれによって非常に減るという混乱を防ぐために、次の漁業の更新時期までこれを延ばしてやろう、その以後についてはいろいろ水産庁のほうでめんどうを見ていただいて、あるいは総トンの問題とか、あるいは従前の権利を確保させようという行政的な手段でやったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/11
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012・井上泉
○井上(泉)委員 これほど先のことになるわけですが、満載喫水線の標示に違反をするという場合に対する罰則規定というようなものは、現行のほうでは別段改正するということは考えてないわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/12
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013・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/13
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014・井上泉
○井上(泉)委員 これによりますと、満載喫水線の標示を怠った場合、あるいはこれ以上の積み荷をしておる場合、そういうふうな場合には何か罰金一万円以下ということになっておるようですが、そういうことでこの標示が守られるような法としての価値があるのかどうか、その点についてはどういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/14
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015・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 確かに、御指摘のとおり、一万円の罰金というのは十分とは申せません。しかし、われわれといたしましては、船舶検査と申しますのは非常に長い歴史的なものがございまして、これの行政指導というものが相当に浸透しております。そういう関係で、今後とも海上保安庁と十分連絡をとりましてこれの行政指導に当たって、必要とあれば立ち入り検査も行なうということで法の励行を確保していきたいというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/15
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016・井上泉
○井上(泉)委員 最近、船舶の安全を確保するという面において、満載喫水線の標示を義務づけるということがこの法改正の主眼ですが、国際条約を承諾するからそれで日本もそれに関連して一部法を改正するというような受動的な立場で法改正をするのでなしに、やはり安全性を確保するためには、その船の構造なり、あるいは乗り組み員の問題等そういうものもあわせ考えて義務づけるようなことでなくてはならないと思うのですが、そういう点については十分義務づけられておっても、ゆうべのテレビ等を見ておりまと、実質的には定数に足った般員が乗務しておるということはほとんどないというような報道があったわけですが、船員と運航しておる船舶との関係はどういうふうになっておるのか、つまり、船員の絶対数が非常に不足をしてやむを得ず航行しておるのか、あるいはまた、そういうふうに絶対数は不足していないけれども、その経営者が利潤を追求するために船員の数を非常にしぼっておるとかいうような状態がありはしないか、そういう点について船員局長のほうから御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/16
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017・河毛一郎
○河毛政府委員 ただいま船舶とこれに乗り組む船員の関係につきましてお話しでございますが、一般的に申し上げますと、法律によりまして、特に特定の船舶につきまして一定の資格を持つ人員の配乗を義務づけておりますのは、船舶の職員、つまり士官についてでございます。一般の海員につきましては、船員法に基づきまして、必要な労働基準に達し得るような定員を確保すべき旨を抽象的に定めておりまして、その具体的な乗り組み員の数につきましては、船員法の諸規定において励行し得るように具体的に定員を定めて運航しておる、こういう実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/17
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018・井上泉
○井上(泉)委員 ゆうべの九時のNHKのテレビだったのですが、神戸の海上保安庁が抜き打ち調査をしたら、ほとんどの船でそういう船員法で定められた船員が確保されていないというニュースを聞かされたわけですが、局長はあれをごらんになったのですか。大体がああいうふうな状態なのか、ひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/18
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019・河毛一郎
○河毛政府委員 そういう報道があったということは承知いたしております。ただ、このような内航船の海員につきまして、先般新聞にも、主として神戸を中心といたします内航船員の不足状況というようなものが報道されておりますことは、承知いたしておる次第でございます。内航船関係につきましては、一般的に船員需給の面から申し上げますと、本来、機帆船と申しまして、木船によって家族船員が中心となって船を動かしておったという長い伝統があるわけでございますが、これが過去数年間におきまして小型の鋼船に転換されてきており、その結果いままでの家族船員というものが逐次雇用船員にかわってきておるわけでございます。この場合におきましても、いままではいわゆる縁故募集によりましてこのような船員の充足がはかられてきたという実情でございますが、現状におきましては、全体的な若年労働層の非常な不足及び若い人が船に乗り組もうという場合に、やはり同じ船に乗り組むならば外航船に乗りたいというような考えが非常に強いわけでございまして、このような見地から、特に御指摘のような小型鋼船についての船員不足が非常に顕著であるということは事実でございます。この問題につきましては、内航船主は非常に零細である、したがって、労働条件の改善その他の面もございますけれども、先ほど申し上げましたような心理的な面もございまして、私どもといたしましては、この対策といたしましては、内航の船員のための特別の三カ月教育の学校をこの四月から愛媛県の波方につくるということをとりあえず措置いたしておりますが、さらにその結果を見まして、今後必要な地点にこれを拡充していくよう努力してまいりたいと思います。と同時に、一般的に求人開拓に努力いたしまして船員職業安定機能の強化拡充をはかってまいりたいと考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/19
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020・井上泉
○井上(泉)委員 その船舶の安全を確保するためにはこういうふうな満載喫水線をつくるということも必要なわけでしょうけれども、やはり今度はこれを運航する船員の確保というものが十分な労働条件の中で確保されていないところに非常な危険性があると私は思います。たとえば、砂利船のごとき全く甲板一ぱいまで積み込んでいるというような状態を見た場合に、これは人命軽視もはなはだしい航行がされているわけですから、そういう点からも、船員という問題を抜きにした船舶の安全というものは——おそらく船舶の安全ということは人命を尊重するという面に大きな主眼があるわけですから、いま日本で内航船、外航船を通じて、所要の法的な基準による船員がどれくらい不足をしておるのか、つまり機関士とか操舵手とかいうような、どうしても船に義務づけの船員の数がどれだけ不足をしておるのか、おわかりになれば御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/20
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021・河毛一郎
○河毛政府委員 いまお話のございます内航船あるいは漁船につきましては、全体の船員数が漁船につきましては大体十四万名で、これは船員法の適用を受けている船員でございます。それから内航船につきましては約九万名というふうに考えておるわけでございます。したがいまして、このような船員の需給につきまして一般的に逐次逼迫しつつあるという状況につきましては、特に外航船の場合におきましては相当な船員確保を行なっているわけでございまして、その影響が全体的に内航及び漁船にしわ寄せがされているという状況でございますが、ただ、内航、漁船につきましては対象が非常に複雑でございまして、的確に具体的な不足数字というものを私どものほうではいまだ把握しておらないという状況でございます。ただ、そのこととはちょっと別の観点でございますが、漁船あるいは内航につきまして、一つの問題を考える場合の一つのデータとなるわけでございますが、離職率が非常に高いという点が顕著にあらわれております。したがって、このような観点から見ますと、離職率が非常に高いということは、やはり人手を要求する需要が非常に多いことと、それからまた、そのような定着性が少ないということが、やはり労働条件その他の問題に非常に関連がある、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/21
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022・井上泉
○井上(泉)委員 必要な乗員を十分確保しないままに運航されておる船舶、こういうふうなものについて、保安庁としてはどういう取り締まりをやっているか。現実にあれだけ船員が不足している中で作業が進められておることを承知しておるわけですから、そういうふうな中で、船員が足らないからやむを得ぬという形でおるのか、取り締まりの側としては、それをどういうふうに取り締まりをしておるのか、その点、ひとつ保安庁に特にお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/22
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023・河毛一郎
○河毛政府委員 ただいま法律上の問題といたしまして、先ほど申し上げましたように、船舶の職員につきましては、職員法の規定によりまして、船型別あるいはまた航路別に職員を乗り組ますべき資格及び数がきまっておるわけでございまして、私どもは、船舶職員に関しましては、このような規定が原則として厳重に守られておる、こういうふうに考えておる次第でございます。ただ、船舶職員法違反といいますのは現実にはございまして、たとえば四十一年四月から四十二年九月までを見ますと、いわゆる無資格運航、あるいは免状を貸与しておる、あるいはまた船主が必要な資格の職員を乗り組ませてないという件数が約百六十件ございます。これらはみな海上保安庁によって取り締まりの対象になり、司法処分をするべく処置されておるわけでございますが、同時に、職員法の行政処分としても、この対象を取り上げて検討しておる、こういう状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/23
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024・井上泉
○井上(泉)委員 この船員の給与、労働条件というものは非常に悪い、だから内航船なんかは船員になり手がないという状態にあるわけですが、この船員の給与の状態というものと、それから労務者、経営者の関係、つまり船主、船長、労務者、船員、こういうふうな関係についての船員法の改正というもの、もっと船員を保護する立場に立った船員法の改正というものがされなくちゃならないと思うわけですが、この船舶安全法の改正の中で、単に満載喫水線を標示する船の範囲を拡大するということだけではなしに、なぜもっと、せっかくこの船舶安全法の改正をするのに、そういう乗船すべき船員の数とか、あるいはまた、これを運航する中で管理をする者の責任を明確にする、あるいは船長の職務を明確に規定するとかいうように、やっぱり他動的な形で法改正ということでなしに、なぜやらなかったのか、こういうふうに疑問を持つわけですが、そういう点で、この船舶関係の法律というものは非常に多種多様で、私どもが一つの法案を審議をするにあたって、これに関連する法律を見てみますと、別に船舶安全法の一部改正、これは国際条約でこうなったからこうするというのだけれども、そうしなくても、いまのそれぞれの法律を改正することによって十分目的が達せるようなものがたくさんあると思うのです。一例として、いま運輸省が予定されておりました海上交通法は、この国会に提案する、すると言っておったのですが、それをこの前海上保安庁のほうでは、私の質問の際にも、もう法案を提案するのならばその法案の要綱ぐらいあるはずでありますから、その要綱は示してもらいたい、こういうことを言ったのですけれども、まだその要綱をお示しにならないわけです。そうなりますと、もう国会はあと一カ月足らずで終わるわけですが、とてもこの国会では海上交通法という問題は提起をされることは見込みはないと思うのですが、その点、海上交通法の立案の担当庁である海上保安庁ではどうなっておるのですか、海上交通法は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/24
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025・井上弘
○井上(弘)政府委員 海上交通法につきましては、この委員会におきましても御説明申し上げたとおりでございますが、かなりボリュウムの多い法典でございまして、これにつきまして関係する省庁も数多くございますが、九分通り調整ができまして、ただ一点、水産庁関係とまだ話が煮詰まってない点がございますので、その点を鋭意調整に努力している次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/25
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026・井上泉
○井上(泉)委員 委員長、大臣が来ていないのだけれども、政務次官はどうしたのですか。事務的なことを質問せよと、こういうことですから、それでやっておったのですけれども、やはり大臣か、政務次官ぐらいは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/26
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027・大野市郎
○大野委員長 井上委員に申し上げますが、先般要綱の提出の御要求がありまして、理事会にはかりました結果、未調整の部分があって提出に十分でないので、それらのそろい次第に提出をするということで理事会で取り計らいましたので、その点に対してはしばらく御猶予をいただきたいと思います。
なお、政務次官の出席あるいは大臣の出席に対していま督促いたしておりますから、できましたらさらに質疑を続行していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/27
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028・井上泉
○井上(泉)委員 この船舶安全法の母法である船舶法を調べておりましたところが、船舶法というのは非常におかしいんで、これは明治三十二年に制定された法律であるわけですが、こういうふうなものを改正するときに、そうたいした労力は必要はないと思うのですが、たとえば船舶法の第一条に「左ノ船舶ヲ以テ日本船舶トス」それに「日本臣民ノ所有ニ属スル船舶」というのですが、今日の段階で「日本臣民」というのはあるかどうか。これはひとつ船舶局長、「日本臣民」というのはだれをさしておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/28
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029・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 確かに船舶法は明治三十二年の制定にかかる法律でございまして、使用されている用語につきましては必ずしも適切でないというものがございます。したがいまして、御指摘の点は十分考慮いたしまして、なるべく早い機会に改正の段取りに持っていきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/29
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030・井上泉
○井上(泉)委員 これは、なるべく早い機会というのですが、いまでもできると思うのです。これはおそらく各党一致して船舶法改正のあれになると思うのですが、「日本臣民ノ所有ニ属スル船舶」というような感覚で今日の船舶問題に対処されるというようなことは、たいへん時代感覚のずれた話だと思うのです。なるべく早くといっても、佐藤さんの両三年がいつかわからないようなもので、大体いつ改正されますか。こういう「日本臣民ノ所有ニ属スル船舶」というのは、日本国民の所有に属する船舶と変えたらいいので、立法にそうむずかしい問題はないと思うのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/30
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031・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 船舶法につきましては、この法律は経済的取引の安定を期するために登記、登録を行なうという、登記、登録の制度を設けるということと、国籍及び船籍の制度を規定しているというような法律でございます。実はこの用語のみならず、その内容自体につきましても多少訂正するところがあるようでございますので、いずれその改正の手続をとりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/31
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032・井上泉
○井上(泉)委員 船舶安全法の一部を改正する法律案というのは、こういう条約ができたからいろいろ変わるのでしょう。これはそれよりももっと簡単な問題で、別にむずかしい問題じゃない。いまは日本臣民なんという名前はないでしょう。法律的に日本臣民とは何ですか。いまの日本の憲法で、日本臣民というのをあなたはどう解釈されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/32
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033・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 解釈としましては、日本国籍を有する者、まあそういうことに解釈いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/33
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034・井上泉
○井上(泉)委員 そういうふうな解釈でなしに、もう日本臣民というのはないのでしょう。ないのに法律の中に臣民とかいう用語、これはあなたら頭のいいお役人さんにしては、あまりにもそのときそのときの現象を追うて法律をつくっていくという考え方にあるから、船舶安全や船舶関係にしても、ほんとうに船員の十分な管理というようなものができないし、漁船にしろ船舶の安全を確保するようなことができない。それで、海上保安庁は海上保安庁で海上交通法を一生懸命つくる。大体海上交通法をつくるということは、船の運航をどうこうすることではなしに、運航の水路を規制するということが海上交通法のおもなねらいのようですが、やはり船を持っておる者、船を運航する者、その人の関係というものを明確にしていかないと、人というものを中心に法律というものも考えないと、人命尊重とは全く相反した方向に法律が作用するわけですから、ひとつこの国会では船舶法のこの字句を修正する——これは字句の修正になるわけですから、字句の修正くらいはこの国会でやられたらどうですか。その点、局長どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/34
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035・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 さっそく検討さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/35
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036・井上泉
○井上(泉)委員 はっきりわからないのですが、どう言ったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/36
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037・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 船舶法は船に関する基本法でございまして、いろいろ関連する法律もございますので、けの船舶法の全面的な改正を考えなければいかぬというふうに実はわれわれも考えておりますので、そのときにというふうに実は考えておりましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/37
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038・井上泉
○井上(泉)委員 全面的な改正というと、またいろいろ問題が出てくるわけでしょう。出てくるわけですが、私はこういう観念で、船舶法を運営するにも日本臣民とかいう考え方——船を持っておる者が日本臣民というと、だれの臣民かということになるでしょう。やはり船舶に関する国民の権利義務、船舶による国民の安全、そういうようなものが船舶法の中で守られ、それと付属して船舶安全法ができ、あるいはまたその他いろいろな法律というものがあるはずなので、こういう法律をつくるにしても、やはり基本法というものはもっと目を通す必要がありはしないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/38
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039・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 先ほど申し上げましたように、だいぶほかのほうの問題点もあるようでございますので、全面的に改正するときに考えたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/39
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040・井上泉
○井上(泉)委員 大臣がお見えになったのですが、大臣の所信表明の中でもいろいろ出ておったのですから、私は期待をしておりますけれども、一大体内閣というものはときどきかわるのですから、いまの佐藤内閣の状態を見ますと、せっかく中曽根運輸大臣が「運輸行政のあり方についての基本的方向を固めます」と言って非常に張り切っておられるわけですが、法令の全般について再検討を加える、こういうことができないうちに終わってしまうということを非常に残念に思うわけです。運輸大臣がいつまでやられるか、これは私どもの関知するところではないのですけれども、やはり大臣が法令の全般について再検討する、こういうことを言われておるのですから、その大臣の所信表明にのっとって、船舶局は船舶局としての法律の改正というものを検討するのが、私は役人の常識だと思うのですよ。
大臣、いま私は船舶安全法のことについて質問しておるわけですが、その母法である船舶法の第一条に「日本臣民ノ所有ニ属スル船舶」とか、あるいは「日本臣民ナルモノノ所有ニ属スル船舶」とか、こういう臣民、臣民という用語があるわけです。こんなことは字句の修正で済む問題ですが、こういう臣民というようなものをいままだこの法律の中に置いておくことは、あまりにも非常識過ぎやしないかと思うのですが、その点、大臣の御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/40
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041・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 まさに御指摘の感深ういたします。臣民ということばは、現在では通用しないことばであります。もっとも、憲法で大臣といっていますが、大臣というのもあまり感心しないと私は思います。臣民も大臣も一緒に変えたらいいんじゃないかと私は思います。だから、法律も憲法も改正するという方向は、やはり用語上から見ても考えられていいんじゃないかという気も私はいたします。しかし、船舶法につきましては実質的にはそう支障がないようでございますので、そういう用語その他の問題につきましては、いずれ適当な機会に早く改正いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/41
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042・井上泉
○井上(泉)委員 実質的に支障はないと言うけれども、観念の問題が、臣民というように位置づけるということば、船を持っている者は日本臣民でなければいけない——日本臣民というものは、今日の憲法の中にどこにあるかということになるし、運輸省の船舶関係の役人が臣民という感覚、そうすると、その役人は日本臣民の上に立つものである、こういうことになるでしょう。そこがやはり役人としての官僚意識というものがここに依然として存在しておるということになるわけなので、それは、大臣という名前を変えるとか、いろいろなことは、またこれはひとつ中曽根総理大臣でもできたときに考えていただいていいのですが、これは一つの字句の修正でいいのですから、船舶法の改正、これは全般的に改正をするということと、やはりこの船舶法のもとである船の所有者に対する、所有者を位置づけるに、主権在民の日本国民、こういうふうな字句の修正の法案をこの国会で出しても、これは一日で通りますよ。一時間でも通りますよ。それをなるべく早い機会にと言われましても、役人のなるべく早い機会というのは二年も三年もかかるのが常識ですから、せめてこの国会がいかなければ次の国会ではこの用語ぐらいは修正するという考え方にならないものであるかどうか、ひとつ大臣のお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/42
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043・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 これは内閣全体で考えなければならぬことであるのじゃないかと思います。ほかの法令でもそういうものはずいぶんございますし、また太政官布告なんかをずっと継承して援用しているのもまだあるように思います。そういう意味におきまして、ひとつ検討してみます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/43
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044・井上泉
○井上(泉)委員 新しい憲法ができたといいましても、もう二十年以上経過しておるのですから、もうそろそろいまの日本国憲法に沿うた形で船舶法というものが、いろいろな法律というものができてこなければいかぬわけですが、それを憲法の改正と混合されては困るのです。大臣もどこかで憲法改正の主張をされておるのを私何か本で見たわけですが、大臣も憲法改正論者のように聞くわけですが、そういう中で日本国憲法改正を考えるのじゃなしに、いまの憲法のもとにおける運輸関係の法令はどうあるべきか、こういうことの御検討をひとつ全面的にお願いしたいと思います。これが大臣の所信表明のうそではないという証拠になると思います。所信表明はしたが、何もせずに終わった、こういうことになりますと、これは大臣も面目を失墜すると思いますので、ぜひひとつそういうふうにお願いしたいと思います。
それから、この船舶の安全を確保するということでいろいろな改正案が出されておりますけれども、この場合に、私は前にも質問をいたしたのですが、こういうふうに船舶関係のいろいろな法律を見てみますと、いま海上保安庁が考えておる海上交通法というものはどういうものであるかという要綱も示されないので、海上交通法がどういう立案をされておるのかわからぬので、質問が非常にしにくいわけですけれども、いろいろな船舶関係の法令を見てみますと、いまの段階では海上交通法というて制定をする必要は別段ないのじゃないか、そういう気持ちが私してきたわけです。私、昨年の交通安全の委員会では、あの海上交通のふくそうした状態の中から、何か規制せねばならぬということで、海上交通法というものの制定について関心を払っておったわけですけれども、いまいろいろ検討してみますと、またそういうふうな法律をつくって、複雑な法体系を設けるなどということは、そういう必要はないのじゃないか、こう思うのですが、やはり大臣としてはこの国会に海上交通法を提案して、法として規制づけようというお考えを持っておられるのかどうか、御意見を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/44
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045・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 海上交通法は、近来、たとえばタンカーが三十万トンとか四十万トンとか大型化するに伴いまして、特に狭水道における航行安全という問題が非常にクローズアップされたわけであります。かつて英仏海峡でトリー・キャニヨン号というのが座礁いたしまして、大被害を沿岸国に及ぼしましたが、ああいうふうな悲惨事を日本に起こさぬようにするためには、狭水道における交通ということもやはり検討し直さなければならぬ要素があると思うのでございます。一たん起きたらこれはたいへんでございますから。そういう意味におきまして、新しい情勢に立って海上交通を規制するという考え方はどうしても必要であると思いまして、海上交通法は提案する考えでおります。ただその法案の内容で、漁業補償その他の問題でまだ未調整のところがございますので、目下調整している最中でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/45
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046・井上泉
○井上(泉)委員 漁業その他で調整中ということは、この前のときには、もうすぐ話がまとまるような話だったのですけれども、もうこの国会では間に合わないのじゃないですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/46
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047・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 まだ会期もあることでございますから、一生懸命努力して調整を完成させようと思って、いま党内でやっているところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/47
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048・井上泉
○井上(泉)委員 党内でやっておられるということ、これは自民党が政権を握っておるのですから、党内でやられるのはけっこうですけれども、やはり大臣としても少数意見も尊重してもらわなければ困るわけですよ。そうすると、いま大臣の言われた問題で海上交通法が必要だ、それならこうこうこういう内容で海上交通法をつくるのだという要綱ぐらいは、自民党内だけでなしに、ひとつ国会の委員会にそういう要綱なんか示してから、われわれ人民の意見も聞くようにしていただいたらどうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/48
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049・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 そういう漁業補償その他の点で未調整のところがございますので、まだ先生方にお見せするには時期尚早であると思います。適当な時期がまいりましたら、要綱を差し上げるにやぶさかではございまません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/49
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050・井上泉
○井上(泉)委員 その漁業補償の調整の問題でも、役人と漁業者の間だけで未調整であるのか、役所内で未調整であるのか、その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/50
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051・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 諸般の関係で、調整のついた要素もあり、またつかぬ要素もある、やや錯雑している情勢であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/51
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052・井上泉
○井上(泉)委員 そういうふうな未調整の問題は、やはり委員会の中でひとつ討議にかけたらどうですか。それが委員会の姿じゃないかと思うのです。法案が出されてきて、出された法案を、これに賛成か反対か、法案の内容はどうのこうのということだけでなしに、立法を予定されておったならば、立法を予定されておる法案の要綱ぐらいは示して、こういうことはこうだというように、そこが私はほんとうの委員会というか、国会としての審議の姿じゃないかと思うのです。それを自民党で、党内の意見がまとまったものだけ法案で出してくる、そうして委員会の審議は、自民党が多数ですから、何ぼ委員会の審議に参加してなくとも、さっと入れかわりにやってくる。(発言する者あり)加藤君なんか、あっちこっち委員会をかけずり回る闘士ですが、そういうふうに、ろくに審議もせずに、そのまま自民党案として、自民党が承諾したからきめるとかいうようなやり方ではなしに、新しく法案の審議のルールを、ひとつ中曽根大臣が、せめて運輸委員会だけでもつくっていただきたいと思うのですが、その点についてのお考えを承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/52
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053・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 海上交通法は政府提案で出す考えでおりまして、議員立法ではないのでありますから——大体これは政党の責任政治から見ましても、与党及び政府が責任を持って提出するのがいいのではないかと思います。議員立法のような場合には、理事でいろいろ御相談願って、委員会としておきめいただくのが適当ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/53
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054・井上泉
○井上(泉)委員 それでは、政府提案の法案を政府、与党が責任を持って出すという場合に、国会内における少数派の意見というものは、その法案の中にはどう生かされるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/54
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055・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 少数党の御意見といえども、いい御意見は取り入れまして修正するにやぶさかでございませんし、そういうことはしばしば国会で行なわれておる現象でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/55
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056・井上泉
○井上(泉)委員 大臣はそういうようにけっこうなことばを言いよるのですけれども、なかなかそんなことは実際ないでしょう。(「あるよ」と呼ぶ者あり)あった例があったらあげてください。
私はこの船舶安全法の一部改正に関連をして、いろいろ船舶法に関係する法律をこの際お尋ねしたい、こう思っておりましたけれども、大体与えられた時間が一時間ということでありますし、海上交通法もおそらくこの国会で提案がされるようなことはあるまい、こういうように私は思うわけです。
最後に大臣に。あなたは所信表明で言われたとおり、そしてまた私が指摘したような古い法律、いわゆる明治憲法の中で定められた船舶関係のいろいろな法律、これは船舶だけではないです。陸上関係にいたしましても、あるいは空の関係にいたしましても、明治憲法の精神のもとにつくられた法律というものがあると思うのですけれども、そういう法律については早急にひとつ検討し、内容をいまの憲法に即した法律に整備をしていただくように要請をするわけですが、それについての大臣の御見解を承って、私の質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/56
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057・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 御指摘の点はまさにそのとおりのことであると、私同感でございます。ただ、内閣全体の法令に関する問題でもございますので、内閣全体といたしまして検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/57
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058・大野市郎
○大野委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/58
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059・大野市郎
○大野委員長 これより討論に入りますが、別に討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/59
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060・大野市郎
○大野委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/60
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061・大野市郎
○大野委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、加藤六月君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四派共同提案にかかる附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
まず、提出者から趣旨説明を求めます。加藤六月君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/61
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062・加藤六月
○加藤(六)委員 ただいま可決されました船舶安全法の一部を改正する法律案について、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党四派共同提案にかかる附帯決議を提出いたします。
まず、案文を朗読いたします。
船舶安全法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
船舶の海難が跡を絶たない実情にかんがみ、政府は次の諸点について特段の措置を講ずべきである。
一、過積等による海難を防止するため、適正な操業を確保するよう指導、監督をするとともに発航前検査を励行させること。
二、漁船載荷基準及び乾げんマークを経過期間中であっても出来るだけ厳守させること。
三、小型漁船の無線設備が操業区域との関係で有効でないものについて検討、改善をはかること。
四、遭難信号自動発信器はすべてが完全な自動式又は救命筏組込式を装備するよう指導すること。
五、海上保安庁に飛行艇の配備を促進すること。
六、当面小型内航路、小型流し網及び北洋転換底曳船の海難防止対策について、関係省庁は強力な施策の実行をはかること。
七、内航船員の確保のため、船員職業安定機能の強化、労働条件の改善指導等必要な対策を推進すること。
提案の趣旨につきましては、すでに数回にわたる本法案に対する委員各位の質疑応答において明らかでありますので、省略させていただきます。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/62
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063・大野市郎
○大野委員長 以上をもちまして趣旨説明を終わります。
これより採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/63
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064・大野市郎
○大野委員長 起立総員。よって、本案は、附帯決議を付することに決しました。
この際、政府当局より発言を求められておりますので、これを許します。中曽根運輸大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/64
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065・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 ただいまは慎重御審議の結果御採決をいただき、まことにありがとうございました。
また、決議されました附帯決議の内容につきましては、その趣旨を十分尊重し、誠意を持って実施に当たる所存でございます。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/65
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066・大野市郎
○大野委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等については、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/66
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067・大野市郎
○大野委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
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〔報告書は附録に掲載〕
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/67
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068・大野市郎
○大野委員長 次に、新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案を議題とし、提案理由の説明を聴取いたします。中曽根運輸大臣。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/68
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069・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 ただいま議題となりました新国際空港公団法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
新東京国際空港は、将来における航空輸送需要の急激な増大と航空機の急速な進歩に対応できる国際空港として建設されるものでありますが、これが建設に当たる新東京国際空港公団においては、当面の最大の課題として空港用地の確保に全力をあげているところであります。
ところで、新空港の敷地予定地の一部は、国有地である下総御料牧場によって占められておりますので、その移転先として空港公団は、目下栃木県高根沢地区に新御料牧場を建設しており、その竣工後においてこれと下総御料牧場との建築交換を行ない、同牧場敷地を取得することといたしております。
しかし、下総御料牧場は新御料牧場より大きいため、この建築交換後において残地が生じますので、当該残地を空港公団に現物出資することによりこれを同公団に取得させ、もって新空港の建設に資することとする必要があります。
このため、空港公団に政府が土地または土地の定着物を追加して出資できることといたそうとするものであります。
次に、新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
第一に、政府は、必要があると認めるときは、新東京国際空港公団に土地または土地の定着物を出資の目的として追加して出資することができるものといたしております。
第二に、土地または土地の定着物が出資された場合における空港公団の資本金に関する規定、出資の目的とする土地等の評価に関する規定その他の関係規定を整備いたしております。
以上がこの法律案を提案する理由であります。
何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/69
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070・大野市郎
○大野委員長 これにて、本案に対する提案理由の説明聴取は終わりました。
本案に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
次回は来たる十六日、午前十時より理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午前十一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X01619680412/70
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