1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月八日(水曜日)
午前十時四十一分開議
出席委員
委員長 大野 市郎君
理事 木部 佳昭君 理事 砂田 重民君
理事 徳安 實藏君 理事 山村新治郎君
理事 小川 三男君 理事 野間千代三君
理事 山下 榮二君
阿部 喜元君 大竹 太郎君
小渕 恵三君 加藤 六月君
川野 芳滿君 菅波 茂君
中川 一郎君 西村 英一君
福家 俊一君 井上 泉君
神門至馬夫君 内藤 良平君
米田 東吾君 渡辺 芳男君
沖本 泰幸君 松本 忠助君
出席国務大臣
運 輸 大 臣 中曽根康弘君
出席政府委員
行政管理庁行政
管理局長 大国 彰君
厚生省国立公園
局長 網野 智君
運輸省船舶局長 佐藤美津雄君
運輸省観光局長 深草 克巳君
委員外の出席者
内閣総理大臣官
房参事官 杉浦 喬也君
運輸省海運局次
長 高林 康一君
専 門 員 小西 真一君
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本日の会議に付した案件
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案(
内閣提出第三六号)(参議院送付)
観光施設財団抵当法案(内閣提出第七八号)(
参議院送付)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/0
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001・大野市郎
○大野委員長 これより会議を開きます。
臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。山下榮二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/1
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002・山下榮二
○山下(榮)委員 臨時船舶建造調整法の一部を改正する法律案は年限を延長するだけで、法律そのものを改正するわけじゃないのでありますから、考えてみるとしごく簡単な法案のようにも思われるのでございます。しかし、この法案の及ぼす影響というものはきわめて重大なものがあると言わなければならぬと思うのであります。そこで大臣に伺いたいと思いますことは、わが国の海運の再建整備計画とは十分な関連、計画性が保たれているのかどうか、この点についていささかふに落ちない点があるのであります。したがいまして、その点を大臣からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/2
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003・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 各法体系によって期限が違う向きがございます。御指摘のとおり、今度の造船所の問題は四年間延びるということであります。それから利子補給は本年で終わることになっております。それから経済社会発展計画のほうは四十六年までで、船に関しては四十五年に終わる。そういう関係になっておりますが、大体海運整備の関係はことしで終わりますけれども、現在海運造船合理化審議会に諮問しておりまして、その諮問の答申にもよりますけれども、たぶん現在または現在以上の発展政策を答申してくるだろうと私思うのであります。したがいまして、多少模様は変わるかもわかりませんが、基調においてはそう大きく変化のない国家としての助成振興政策が出てくると思いまして、われわれはそれを受けて、立法あるいは行政措置によりまして引き続いてやっていく考え方でおります。そういたしますと、大体船台関係のほうとも符牒を合わせまして、いままでと大体同じようなペースで、海運のほうと造船所のほうとチームワークを組みまして進めるようになることと思っております。そういう基本的な政策的な立場に立っておりますので、現在のいろいろな法体系の期限がまちまちになっておるこの事実は遺憾な事実でございますけれども、実際の取り扱いや政策につきましては、できるだけそごのないように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/3
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004・山下榮二
○山下(榮)委員 大臣もいま認めたとおり、われわれがしろうと的に見てもばらばらで、これで行政上間違いなく運営ができるかどうかということをいささか疑うのであります。いま大臣の答弁にもございましたように、本来でありますならば——まあこのごろは基本法ばやりでございますけれども、基本法とは申しませんが、総合的な再建整備法があってしかるべきではなかろうか、こういうことを考えるのであります。いま大臣も振興ということばを使われたのですが、振興法等のごときものを将来考えていく、こういうことでございますから、そういうふうにこれを取りまとめていっていただくように、私はお願いを申し上げておきたいと思うのであります。
その次に、もう一つ伺っておきたいと思いますことは、昨日野間議員の質問の中にもあったかと思うのでありますが、近年東南アジア諸国がそれぞれ独立し、独立国家として民族意識が非常に高揚してきてまいっておる。そこで、従来のとおり日本あるいは諸外国に建造の発注をするという体制が、少しなくなってきておるように思うのであります。たとえば日本に対しては技術提携をやって、東南アジア諸国に日本との合弁会社をつくる、そうして建造計画を立てる、こういう国も少なくないように思うのであります。このことを考えますときに、日本が技術提携をして後進国の開発に乗り出す、こういうことも一面の方法であろう、こういうことも考えるのですが、そのことはまた一面、日本の輸出振興の面から考えますと、そこには一つの支障が生ずる、こういう結果にならないとも限らないのであります。こういう点に対して一体どの道をとるほうがいいと大臣はお考えになっているか、その辺のお考えのほどを伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/4
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005・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 現段階におきましては、やはり協力的な態度でいろいろ合弁なりあるいは技術提携なり、援助してやることが私は正しいであろうと思います。しかし、具体的にどの国にどういう程度の船をつくることに協力するかということは、ケース・バイ・ケースによりまして検討して処理していくべきだと思います。一般方針としましては、やはり東南アジアの諸国と日本との関係から考えてみまして、日本が出ていかない場合にはほかの国が出ていくということも考えられますし、また、このことは先進国と発展途上国との関係にある国に必ず起きる問題で、船だけの問題ではなく、工業その他についても同じように考えられる問題であります。いずれ競合関係に成長してくる可能性もあるわけであります。しかし、それだけ日本は高度のものに活路を見出していく、そういう形で両方の協調関係をつくるのが正当であると思いますので、やはり東南アジア諸国とは協調、協力の関係を原則として設定していくことが正しいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/5
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006・山下榮二
○山下(榮)委員 協調ということばを使われて、まことにいい答弁のように聞こえるのですけれども、現実の問題は、これは運輸省だけではない、所管からいけば通産省の関係になるんだろうと思うのですが、海外に技術を供給し、東南アジア諸国の国家発展策を講じて、そうして貿易を盛んにするということも一つの行き方に間違いはない、こう思っておるのであります。造船だけに限ってものを考える場合、船というものだけに限って考える場合、そういう場合に一体どういうものかということを実は考えておるのであります。いま日本が東南アジアに合弁会社のようなものをつくっている国は、幾つあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/6
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007・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 きのう御質問がありましてお答えしたわけでございますけれども、石川島播磨造船所がシンガポールと台湾にそれぞれ、合弁会社あるいは技術提携でやっております。それから三菱重工業が高雄に最近、技術提携で始めました。いずれ会社の株の持ち合いその他は今後きまると思いますけれども、現在まで具体的には三カ所。あとそのほかには、前にブラジルとかそういうところにございますが、東南アジアとしては三カ所でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/7
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008・山下榮二
○山下(榮)委員 それでは次にもう一つ伺いたいと思うのですが、造船工業の労働者の問題であります。
造船工業は相当高度の技術を必要とすることは、御承知のとおりであります。溶接にいたしましてもその他の仕事にいたしましても、相当高級な技術者がなければならぬのであります。ところが、最近、造船所の高級な優秀な技術者に目をつけて、他の産業が非常に引き抜きをやり、造船工業では相当困っているといううわさも聞いておるのであります。こういうこと等に対しましては、これは運輸省ということよりも、むしろ政府といったほうがいいんじゃないかと思うのですが、これらの技術者養成対策というものがなければならぬ、こう考える。さらに先ほども申し上げましたように、海外に技術提供をするということ等になってまいりますと、造船労働者の養成ということがきわめて必要になってくるんじゃなかろうか、こう私は考えておるのですが、それらの対策をお考えになっておるかどうか伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/8
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009・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 造船に関する雇用状況と申しますと、ほかの産業も同じでございますけれども、特に造船の場合は労働集約産業といわれておりまして、労務者の確保が問題でございます。いままで過去いろいろ技術的な合理化その他によりまして、一人当たりの生産力というものが非常に向上してまいりました。今後もますますこれを続けていくということが、われわれの任務であると思います。
それから労働省のほうにおきましても、われわれのほうと一応共同していろいろ考えておるわけでありますけれども、雇用対策会議というものを造船業に対しまして開催いたしております。これは繊維、自動車に次いで造船が三番目にその会議を開いたわけでございますが、これによって今後の労働対策を解決していきたい。具体的に申し上げますと職業訓練、そういうことを強化しまして、それで一応造船のほうに対しまして労働力の供給をしたい、かように国として考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/9
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010・山下榮二
○山下(榮)委員 それ以上深追いしても、これは労働省所管の関係のことでございますからやむを得ませんので、本来の法律に基づいての質問を続けていきたいと思います。
本法の期限を四年間延長するという理由は、一体どこにあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/10
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011・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 四年間という理由は、非常にむずかしい面はございますけれども、一応輸出船のことを考えてみますと、船台調整という面からここ二、三年の注文を取ってあるわけでございます。なお日本の外航船の場合ですと、年次の予算、財政事情に縛られまして、翌年のものまでしか取れないということでございまして、そこにどうしても競合問題が生じます。したがいまして、ここ数年は輸出船の状況もこの状態が続くというふうに考えられます。そうしますと、ここ五年間くらいはこの状態が続く。なお、外国の造船状況を見ますと、現在整備中でございまして、もし外国の造船所の整備が十分進みますと、あるいは競合状態がなくなるかもしれませんけれども、その点は非常に明確を欠きますし、一応五年間ぐらいはこの状態が続くというふうにわれわれのほうで見たわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/11
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012・山下榮二
○山下(榮)委員 五年間ぐらいは続くという見通しの上に立っているんでしたら、海運助成措置法等はなぜ一年ということにされておりますか。これじゃひとつも総合性がないじゃないか、こういう感じがするわけですが、どうでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/12
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013・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 ちょっと質問の趣旨がわかりかねたのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/13
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014・山下榮二
○山下(榮)委員 海運助成措置法は明年一年間延長する、こういうんでしょう。この法律は、明年一年間あるのにさらに四年延長しよう、いまおっしゃるように五年でしょう。こういう点がひとつもマッチしてない。運輸省内においての造船計画というものに対する——いま外国の例まであげられて五年くらいの見通しは立つ、こうおっしゃるのに、これだけが一年ということで、なぜそういうふうにちぐはぐがあるのか、こういうことです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/14
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015・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 外航船の建造融資に対する利子補給の制度は、外航船舶の建造に要する資金の融通につきまして、政府が利子補給金を支給して、国際的に高水準にあるわが国の金利を是正するということにございます。これに基づいて外国船と対抗せしめるということでございます。
これに対しまして、本法は外航船舶の建造について調整を行なう、わが国の外航船腹の量的拡充が円滑に行なわれるように、国内船の船台を確保するというところにございます。また、わが国の国際海運市場の需給関係を適正なものとするというところにございます。また量的にも質的にも、国際競争力のある商船隊を整備していこうというものでございます。したがいまして、利子補給の制度と本法との間には、内容的に異なるものがございますので、一応われわれとしましては、本法の趣旨に従いましてさらに四年間の延長というふうにしたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/15
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016・山下榮二
○山下(榮)委員 先ほど大臣からも答弁は伺ったのですけれども、日本の一連の海運政策を考えてみますると、一貫性を非常に欠いている、こういう感じが強いのであります。海運再建整備計画はできるだけ長期的な、総合的な視点の上に立って計画、立案がされなければならぬ、こう考えるのに、どうもばらばらのような感じがして、大臣の説明を聞くと、審議会の答申やそれぞれの関係があって、こういう関係になっている、将来は振興法的なものでまとめていきたいという答弁もございましたから、これ以上は申し上げませんが、こういうことは、世界一の造船国をもって誇る日本はもっと長期的なりっぱな計画の上に立たなければならぬということだけを申し上げておきたいと思うのであります。
次に伺いたいと思うことは、最近非常にタンカーの大型化というのですか、マンモス化というのですか、大型タンカーが建造されつつあることは、昨日もお話に出たとおりでございます。そこでこの大型タンカーの構造上の問題について、いまのところで何ら欠点はないと運輸省ではお考えになっていますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/16
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017・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 御存じのように日本の場合ですと、大型タンカーの建造に至りますまでに非常に段階を踏んできております。したがいまして、いままでの状況では多少のあれはあるいはあるかと思いますけれども、われわれのところに入ってくるような構造上の問題ということは聞いておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/17
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018・山下榮二
○山下(榮)委員 それでは伺いますが、最近の情報によりますと、イギリスと西独の十九万トンの大型タンカーが試運転の際、あるいは処女航海の際に、相当故障等事故を起こしたりして、直ちに修理をせなければならぬ、こういう事態が起きていることが新聞等で報道されておるのですが、その欠陥等について当局として何かお調べになっていますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/18
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019・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 ドイツの場合、一そうの船が問題を起こして大きく報じられたわけでございますが、これにつきましては、詳細な技術的な問題の報告はございません。なお外国の場合ですと、日本と違いまして、段階を追ってやっていないという一つの技術上の問題もございます。それからもう一つは、きのうもお話に出たわけですけれども、安く受注したということもございまして、あるいは無理をしたのじゃないか、軽過ぎる船をつくったのじゃないかという推定はできます。しかし先ほど申し上げましたように、技術的な具体的な例はまいっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/19
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020・山下榮二
○山下(榮)委員 新聞等の報ずるところによりますと、イギリスのマイリーナ号にいたしましても、あるいは西独のエソマレーシア号にいたしましても、きのうもちょっと触れられたようにも思うのですが、一面は、船を軽くするという考え方等によって、鋼材等の始末というのですか、いろいろ節約をした、あるいは経費を安く上げるために、いろいろ鋼材その他の造船技術の面で安上がりの建造方法をとっている、こういうこと等々が報道されておるのですが、そういうこと等に対しまして、日本にそういうことのないように、今後どう対処していくかという対策をお持ちであるかどうかということを私は伺いたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/20
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021・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 先ほど申し上げましたように、まず日本の大型タンカーに対しましては、いままで段階を追ってまいっておりますので、われわれとしましては、その辺の技術的な問題ということについては一応自信があります。法律で許可をする場合にも、その点は十分注意しております。それからさらに、実際はつくっておりませんけれども、今後の大型化ということを技術的に解決するために予算をいただきまして、五十万トンタンカーの試設計を終了しております。まだ十分内容的には解決していない面もございますけれども、一応技術的な検討を行なっておるわけでございます。したがいまして、われわれのそういう技術的な指導は、実際の面で十分に反映するというふうに確信いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/21
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022・山下榮二
○山下(榮)委員 そうしますと、わが国の大型タンカーというものの最終目標というものは、五十万トンタンカーというものを考えておる、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/22
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023・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 実際の目標をどこに置くかということは非常にむずかしい問題でございまして、世界の経済的な問題とからんできますので、ヨーロッパでは五十万トンを通り越して七十万トン、八十万トンにいくであろうというようなアドバイスもわれわれのほうには実はございます。しかし、われわれのほうとしましては、現在設備拡充のまださ中でございまして、大体デッドウエート三十万トン前後というように考えております。なお、いまのドックが完成しますと、デッドウエート五十万トンくらいまではどうにかつくれるという施設でございます。したがいまして、われわれとしましては一応、先ほども申し上げましたのは技術的な解明をするという意味でやっておりますので、実際どれくらいの船をつくるかという目標ではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/23
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024・山下榮二
○山下(榮)委員 目標じゃない。現在は御承知のとおり、二十万トンくらいが一番最高だろうと思うのですが、だんだん大型化してまいることは火を見るよりも明らかでございます。したがいまして、行政面で相当指導を願わなければならない面が、造船工業というものは私は多かろうと思うのであります。したがいまして、それらの点に抜かりのないようにひとつ指導をお願い申し上げたい、かように考えるのであります。ただ、イギリスや西独のように安上がり的な考え方ではなく、ほんとうにこういう大きなものが事故を起こしたということになりますと、損害だけではなく、たいへんなことになってしまうのでありまして、それらの点に配慮を願った上で建造計画というものが進められなければならぬ、かように考えるのであります。したがいまして、その点は万々抜かりはなかろうと思うのでございますけれども、そういう点にひとつ注意をされて、今後の建造計画に留意されたい、かように思うのであります。
最後に私は大臣に伺っておきたいと思うのですが、最初に伺いましたように、日本は世界の一位といわれるほど造船工業の発達した国であります。それだけに、日本の造船工業技術というものは高度に進歩している、こう考えなければならぬと思うのでございます。東南アジアはもとより、欧米各国からもそれぞれ受注しておるわけでございます。したがいまして、ただ船がたくさんできるということだけではなく、日本の船が世界で一番優秀である、かようにあらねばならぬ、こう考えておるのであります。先ほど振興政策云々、こう言われたのでありますが、運輸大臣として、しかも非常に理想の高い大臣として、この優秀な造船工業日本の将来に対して、いかように世界一を維持し、さらに発展させていくということに対する抱負を伺って質問を終わりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/24
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025・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 日本の造船技術が世界に冠たるものでありますことは、関係業者の、あるいは技術者の非常な御努力のたまものでありまして、われわれ日本国民としてまことに感謝にたえないところであります。ただ、また一面、その基礎を考えてみますと、戦争あるいは戦争前、日本の海軍というものが軍艦建造その他について非常に技術練摩し、努力を傾けた、そういう遺産が今日の造船技術にはね返ってきているところもあると思います。それをさらに発展さしたのが、今日の日本の造船業界の実情ではないかと思います。そういう意味で、やはり技術というようなものは相当な蓄積とたゆまざる努力というものがなければ、一朝にして花を咲かせるものではないように思います。そういう点からいたしまして、日本の造船技術の改良、造船技術の振興という点につきましては、今後ともうまずたゆまず努力を傾注して、世界の造船技術をリードするという輝かしい実績をさらに続けていきたいと思います。
それには、一面において海運政策並びに造船計画との関連がございますので、何といたしましても、日本の海運政策を振興させ、また輸出に対する特別の配慮を継続いたしまして、常に一定の需要があるようにして、造船界が活気を呈しておるということがまた非常に大事であるとも思います。そういう点につきましては、船舶の建造、輸出等につきましてまた特段の努力を傾けまして、両方相応じて発展していくように努力を継続してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/25
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026・山下榮二
○山下(榮)委員 いま大臣の抱負を伺って意を強くいたしました。しかし、造船工業はひとり企業家だけにまかしておったのでは、世界一を誇って持続していけるわけじゃないので、行政面の指導というものがいかに重要であるかを深くお考えをいただきまして、この上とも日本の造船工業の発展のために、一そうの運輸当局並びに政府の助成措置をお願いを申し上げて、質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/26
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027・大野市郎
○大野委員長 松本忠助君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/27
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028・松本忠助
○松本(忠)委員 若干の質問を局長に……。
いろいろと日本の海運のことについては政府も計画を立て、その実施について万全を期していると思いますが、最近の海運状態から考えて、いわゆる船舶の大型化ということがますます顕著になってくると思うわけです。そこで、いわゆる超大型船といわれるようなタンカーがますます今後できてくると思うわけでございますが、いわゆる超大型船といわれるようなものは、大体重量トンにしてどれくらいのものをいわれるのか。この点について見解をお聞きしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/28
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029・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 われわれのほうといたしましては、十万重量トン以上のものを超大型船と称しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/29
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030・松本忠助
○松本(忠)委員 その十万重量トン以上のものを建造できる設備、そういうものについては、どの程度のものが日本では現在あるのか。そしてまた、年度別にいうと、これが一年間にどれぐらいのものが建造できるのか。その建造の設備並びに年度別の建造量、そういうものについて伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/30
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031・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 昭和四十二年度末におきまして、七基ございます。それで、その能力は、一応二百三十五万トンということでございます。それから四十三年度は九基になります。これは二百九十四万トンです。それから四十四年度末では十基になります。これが三百八十一万トンです。それから、四十五年度末は同じく十基でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/31
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032・松本忠助
○松本(忠)委員 四十五年度の計画量はどれぐらいあるわけですか。四十四年まで伺いましたが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/32
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033・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 四十五年度末で同じく十基でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/33
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034・松本忠助
○松本(忠)委員 そうすると三百八十九ですか、同じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/34
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035・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 三百八十一万トン。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/35
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036・松本忠助
○松本(忠)委員 そこで、現在外国船主からいろいろ建造の引き合いがきていると思いますが、現在引き合いのきている分、まだ契約はできないでも、こういうものをつくってほしいという引き合いのきているものについては、年度別に何隻、何トンくらい現在日本の造船会社に対する引き合いがきているものか、この点はおわかりになりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/36
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037・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 引き合いのものにつきましてはちょっとわかりかねますが、四十一年度の契約につきましては……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/37
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038・松本忠助
○松本(忠)委員 契約の済んだものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/38
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039・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 はい。これが三十八隻、それから四十二年度が二十七隻になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/39
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040・松本忠助
○松本(忠)委員 三十八隻で、重量トンにするとどれだけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/40
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041・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 ちょっといまそれの集計が出ておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/41
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042・松本忠助
○松本(忠)委員 それではそれはあとでもいいですが、一応契約のできたものが何隻ある、そしてそれが重量トンで幾ら、こういうものは一応当然わかっていると私は思ったわけなんですが、これがわかっていないということにちょっと不安を感じるわけです。現在その建造のドックなるものが七基から九基に、さらに十基にというふうにますます建造を十分ならしめるだけのものが、設備ができることはけっこうでありますが、そして外国の船主からの発注も相当ある、しかもその引き合いも十分きている、その点はいいわけでありますが、そうなってくると、それだけのものをこなして、かつ日本の国内船主からの発注に対しては、これを消化できるものがあるのでしょうか、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/42
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043・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 この法律によりまして日本の建造量を一応推定いたしまして、それに対して消化できるようにわれわれのほうは指導しているわけでございます。その方法としまして、実は輸出船につきましては完成だけを押えておりまして、いわゆる起工とかそういうところを押えておりませんので、融通がつくというふうにしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/43
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044・松本忠助
○松本(忠)委員 私の心配するのは、外国船主からの発注も、いま局長は、隻数は四十一年度、四十二年度については、三十八隻あるいは二十七隻というふうに押えていらっしゃるけれども、重量トンが幾らであるかわからない。国内のほうの注文についても、はっきりしたものが出てこない。そういうものに対してドックのほうは、もう超大型船を建造する場合になれば、きめられた、限られたドック、そういうわけですね。それをきちっと相互に、外国のものも十分建造する、また国内のものに対しても建造していくだけの計画を完全につくり上げて、それに対して指導していくのが本筋ではなかろうかと私は思うのですが、この点についてどうでしょうか。数字を全然つかんでおらないという点が非常に心配に思うわけですけれども、そういうものではたして指導ができるものかどうか。計画造船、計画造船というけれども、はたしてドックというものが限られていて、超大型船についてのみいま言うわけでありますけれども、十万トン以上のものに対して限られたドックの中で、外国からのもの、それから国内のもの、そういうものの注文を同時に受けて消化していくのに対して、それを指導監督していく上の数字の持ち合わせもない点も非常に心配するわけです。その点についてひとつはっきりした計画を持たれてやっていただきたいと私は思うのです。どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/44
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045・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 この法律によりまして許可する場合には造船所の線表を全部調べます。それによりまして、その船を許可していいかどうかということは調べるわけでございます。したがいまして、いま実は手元に資料がないのでございますけれども、調べればわかるわけでございます。
それから、ちょっと訂正さしていただきますけれども、十万トンと先ほど申し上げましたけれども、あの数字は十五万トン以上の間違いでございました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/45
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046・松本忠助
○松本(忠)委員 それでは、現在日本の造船会社の手持ち量というものはわかっておるわけですね。いわゆる超大型船といわれる、十五万トン以上のものを建造するその造船会社の手持ち量、工事を引き受けてある量、造船量、そういうものについてはおわかりですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/46
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047・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 十五万トン以上につきましては、実は資料を持ってきておりませんでしたが、全体の数字は、国内船——これは大手の二十七工場につきまして、四十三年の三月末になりますが、国内船で五十六隻の百七十万総トン、それから輸出船につきましては三百二十三隻の千三百三十八万総トン、合計で三百七十九隻の千五百八万総トン、こういうふうになっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/47
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048・松本忠助
○松本(忠)委員 ちょっと伺いますが、いまのお話の三百七十九隻、千五百八万総トン、この国内船のうちのいわゆる集約会社のものと非集約のもの、あるいは自家用船舶、こういうものについての分類はございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/48
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049・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 ございますけれども、ちょっとその資料を持参いたしませんでした。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/49
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050・松本忠助
○松本(忠)委員 大臣、ちょっと伺いますがね、さっぱり資料を持ってきておらぬのですが、これはどういうわけですか。当然それくらいのことは御承知かと思って、私は非常に平易は問題でお伺いするわけで、決してむずかしい問題じゃない、技術的な問題じゃないと思うのですが、そういう数字すら局長が握っておられぬということに対して、大臣どう思われますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/50
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051・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 あなたの御質問が非常に精細で鋭いものですから、どうもこちらのほうが準備不足で、まことに申しわけないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/51
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052・松本忠助
○松本(忠)委員 大臣のおだてに乗るような私じゃありませんけれども、それだけの数字を持ってこないというのは、私は少しどうかと思うんですよ。それではどうも、話があと続けられなくなってしまう。局長、それはあとでけっこうでありますけれども、ひとつ数字を出してください。そうしてまた私のほうも、そういうものについて十分検討もしてまいりたいと思っております。
局長に伺いますが、仕組み船というのがございます。これについて御当局はどのように解釈をしておられるのか、ひとつ仕組み船に対する定義を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/52
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053・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 これは俗称でございますので、仕組み船に対する正確な定義というものはございませんけれども、私のほうで一応考えておりますのは、わが国の造船所で建造される外国船であって、わが国の貨物の輸送に関しまして長期の積み荷保証を取りつける意図を持って建造された輸出船、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/53
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054・松本忠助
○松本(忠)委員 現在の輸出船のうち、その仕組み船はどれくらいあるものですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/54
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055・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 従来計画輸出船でつくられましたものは、タンカーで十七隻、約百五十万総トン、それから鉄鉱石あるいは石炭専用船が二十三隻、約百十五万トンでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/55
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056・松本忠助
○松本(忠)委員 これはもうすでに就航しているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/56
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057・佐藤美津雄
○佐藤(美)政府委員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/57
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058・松本忠助
○松本(忠)委員 では伺いますが、その仕組み船によるところの貨物輸送の運賃の支払いと、それから輸出船におけるところのわが国の外貨の受け取りというようなものは、どのような金額を持っているものでしょうか。その金額をひとつ教えていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/58
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059・高林康一
○高林説明員 まことに申しわけございませんが、いま手元に資料を持っておりませんので、後ほど調べて申し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/59
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060・松本忠助
○松本(忠)委員 おわかりにならないのですか、高林さん。——もうやめましょう。どうも御当局の答弁も期待できるような答弁がないし、また議員の数も少ないようでありますし、きょうはこれで質問を打ち切って、あと日を改めたいと思いますが、どうでしょう。私はそういたしたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/60
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061・大野市郎
○大野委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/61
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062・大野市郎
○大野委員長 速記を始めて。松本君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/62
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063・松本忠助
○松本(忠)委員 仕組み船の問題についてはどうも資料が、私のほうで調べ上げているものと全然違うのですよ、局長。数もいまおっしゃったようなものではないのです、私のほうは。おたくのほうはだいぶおこぼれがある。これは突き合わせてみなければわかりませんけれども……。いずれにいたしましても、政府の答弁に誠意がないということだけは、私ははっきり申し上げておきます。特に大臣の前で申し上げる。先ほど大臣からも、それについては一応の釈明のおことばがあったので了といたしますが、今後国政の審議について、どうかひとつ十分の資料をもって答弁できるように御注意をしていただきたいと思うわけです。
それでは、もう一点大臣にお伺いいたします。
それは海運業界における専用船のグループ化という問題であります。それに対して一部の業界では非常に難色を示しているように聞いておりますが、この専用船グループ化に対して、大臣としてはどのようにお考えでございますか、これをお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/63
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064・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 専用船のグループ化というのはある程度の時代の趨勢と申しますか、産業的な要請からの一つの趨勢であるだろうと私は思います。ただこの傾向が行き過ぎた場合に、いろんな摩擦やら、あるいはいろんな従来の海運関係の業態との問題も多少起こるであろうとわれわれ考えております。それでいま海運造船合理化審議会に、日本の海運行政というものをどうすべきかということを諮問しておりますが、その中にはいまの専用船の問題等もございまして、それらに対する検討もお願いをしております。それらの答申が七月末ぐらいまでには出る見通しでございますので、その答申によりまして処置したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/64
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065・松本忠助
○松本(忠)委員 私の質問は以上で終わりますが、どうか大臣も、先ほどもお話があったように、十分ひとつ局長あるいは次長さん方を督励して、答弁に対する態勢を整えた上で審議に臨まれるように希望しておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/65
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066・大野市郎
○大野委員長 委員長から申し上げますが、松本君からの資料要求は早急に当委員会に御提出を願います。
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/66
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067・大野市郎
○大野委員長 次に、観光施設財団抵当法案を議題として審査を進めます。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。井上泉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/67
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068・井上泉
○井上(泉)委員 このたび提案されました観光施設財団抵当法案というのは、観光基本法に基づいて観光に関する国としての施策を充実させるための一環だと思うわけですが、こういう法案をつくるということ、観光基本法というものに基づいて、こういうふうな法案によって観光政策が整備されていくこと、それ自体としてはけっこうでありますけれども、単に法律をつくるということだけで観光政策、観光行政というものが強化されるということにはならないと思うし、やはり法律をつくった場合には、その法律の裏づけになるものがなくてはならないと思うわけですが、この財団抵当法をつくることによって金融関係との話し合いというものはどの程度なされておられるのか、そのことについてまず観光局長から御答弁をお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/68
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069・深草克巳
○深草政府委員 お尋ねの点につきましては、実はこの法律の制定要望はすでに数年前からございます。昨年も法務省といろいろ打ち合わせましたが、昨年はいろんな法律問題につきまして疑義もございましたが、それが終わりまして、金融関係、それから実務の専門家、それから私ども並びに法務省、これら四者が集まりまして非公式な研究会をつくりまして、そこで結論を得たわけでございます。その間におきまして金融関係の、特に長期の金融をやっている方々の御意見を十分聴取いたしまして、けっこうだという御了解のもとに法律案をつくったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/69
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070・井上泉
○井上(泉)委員 やはりこういうふうな法律をつくる場合には、ただ単に金融機関との話し合いというようなことでやるということは、従前も話し合っておるわけですけれども、観光業者に対する融資の幅というものは非常に狭いわけでしょう。それだから、やはりこれは特別ワクとかいうようなものを設定する必要がありはしないかと思うのですが、その点について大臣の御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/70
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071・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 観光財団抵当による金融というのは、大体民間ベース、市中銀行等を中心にする融資というものが対象になっておりますので、開銀とかあるいは輸銀とかというように特別にワクを設けるということはいまのところは考えていないし、また、民間銀行に対してそういうことを強制することも適当ではないと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/71
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072・井上泉
○井上(泉)委員 それは、たとえば環境衛生金融公庫をつくったでしょう。これはやはり政府のいわゆる公社、公団の整理とは逆を行く形でこれをつくったわけです。その中には、こういうふうなものに対する融資というものは適用されておる。その環境衛生金融公庫の融資の中でそれぞれのワクを設定するということは、これはやはり政策として当然なさなくてはならないと思うのですが、これは大臣は管轄が違うから、そのことについては思いをいたしていないかもしれぬけれども、私は、やはり特別ワクというものは環境衛生金融公庫の中で定むべきだ、こういうように思うのですが、環境衛生金融公庫についての答弁のできる人は来ていないわけだな。——それでは観光局長、環境衛生金融公庫で旅館業者、こういう観光業者が融資を受けておる事例がどれくらいあるのですか、金額は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/72
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073・深草克巳
○深草政府委員 環境衛生金融公庫でございますが、昨年できまして、旅館関係につきましても融資の道が開かれたわけでございますが、どの程度融資されたかどうかということについては私ども関知しておらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/73
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074・井上泉
○井上(泉)委員 そういうことは当然抵当法を制定する場合に、そういう政府がせっかくつくった公庫をこれで活用するとかいうふうなことは話し合いにならなかったのですか、話し合いになっておるとすれば、やはり現在環境衛生金融公庫の中で旅館業者にどれくらいの金が流れているかということは、それを掌握し、把握するだけの私は役人として熱意があってしかるべきだと思うわけですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/74
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075・深草克巳
○深草政府委員 この法律は旅館とかホテルとか、建物単体につきましては対象にしておりません。一つの総合的な観光施設、もちろん観光施設の中に旅館やあるいはホテルが含まれるということは、これは考えられますけれども、この法律そのものの目的が、総合的な観光施設ということでございますので、単体としての旅館あるいはホテルに対する融資の問題とは直接関係はない。むしろ、そういった政府関係の金融機関の融資よりも、抵当権の価値が総合的にとらえられますので、非常に上がりますので、民間ベースの金融機関からの、たとえばいままで五割くらいしか貸されなかったのが七割、八割貸し得る、そういったメリットがこの法律のおもなねらいでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/75
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076・井上泉
○井上(泉)委員 それはわかります。それがためにこれをつくったのだから、これはやはり政府機関にいたしましても、民間の金融機関より政府金融機関のほうが——抵当は中小業者にとってはまだきびしいですから、せっかく公庫をつくったんだから、公庫の中に特別なワクを設けるとかというようなことをするのが、私はあたりまえだと思うわけです。環境衛生金融公庫の中の資金が、昨年できてから、バーやキャバレーに対する融資と旅館などのそういう観光業者に対する融資とがどういうふうになっておるかということも、詳細にひとつ調査しておいていただいて——やはりせっかく法律をつくっても、国民は法律に期待するわけでしょうから、期待した法律が効果がなければ何にもならない。せっかくこの抵当法はつくってくれたけれども、金融機関としては、五割が七割になる道を広げたといいましても、いまの金融事情の中でそう簡単に金を貸してくれるとお考えになっているということは、非常に間違った考えだと思うわけです。
観光局というのは廃止されるわけですから、観光局長として本委員会に臨まれる機会というものはおそらくきわめて短期間だと思うわけです。
そこで、一省庁一局削減が行政管理庁から出されたことについて、観光局を選んだ理由をひとつ大臣から承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/76
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077・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 観光局は部にいたしますけれども、それと同時に、各省間の観光政策を扱うところを一元的に統合して観光一元化を行なうという約束を行管長官との間にいたしてありまして、それを確認した上で観光局は部にしたわけで、いずれ、これは次の段階においてもっと統合されたものの一環に包摂されるという考えに立っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/77
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078・井上泉
○井上(泉)委員 それでは、大臣としては、観光行政というものについては一体どういうふうなお考えを持っておられるのか。その点を、簡単でいいですからお伺いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/78
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079・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 日本にこれだけの伝統と明媚な風光を持っておりまして、現在のように観光収支が赤字であるというような状態は、まことにざんきにたえない状態であると思います。イタリアやあるいはスペインやメキシコ等の事態を見ましても、はなはだ観光行政というものが弱いためにこういう情勢になっておることであろうと思いまして、さらに一元化して強力な施策をやらなければならないと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/79
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080・井上泉
○井上(泉)委員 行政管理局長にお尋ねするわけですが、行政管理庁としては、各省から一局削減が出てくれば、たとえばそれが、運輸省が船舶局であろうが観光局であろうが、あるいは厚生省が保険局であろうが何であろうが、それぞれ各省庁から出てきたものをそのままうのみにされて、それを認めるという態度でこの一省庁一局削減というものを進められてきたのか、この点、一省庁一局削減についての管理庁としての態度を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/80
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081・大国彰
○大国政府委員 今回の一省庁一局削減は、御承知のように、昨年十一月に総理が閣議の席上で指示をされましたものでございまして、政府の行政改革に対する強い姿勢を示す意味で、各省庁一局削減ということが出されたわけであります。したがって、行政管理庁といたしましては、各省庁がそれぞれ各大臣の責任におきまして出してこられました削減の局は、それをそのまま法案にするという態度で臨んだわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/81
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082・井上泉
○井上(泉)委員 それでは、総理大臣がそういう方針を閣議で出されたから、行政管理庁としては、各省の大臣が責任を持って出してきたものをそのまま認めるということであって、行政管理庁としては、機構改革によって行政の能率を高めるというようなことについては、別に考えも何も全然ない、考える必要もない、いわば、政治家の思いつきでどういうようなことがなされてこられようとも、それはもう総理大臣の言うことだから、各大臣は聞くだろう、各大臣が出してきたものは、国の行政機構がどうなろうとも、そんなことはおかまいなし、こういう態度でこの一省庁一局削減というものをまとめた、こういうことですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/82
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083・大国彰
○大国政府委員 各担当の大臣のほうで責任を持って出してこられましたものでございますから、それはそのとおり尊重するという態度でございまして、行政改革を今後真に実効あらしめるためには、本年の二月二日の閣議決定におきまして、今後における行政改革の推進という決定をしていただきまして、これによりまして、三年計画で本格的な行政改革案を作成するという段取りで、現在作業にかかっているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/83
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084・井上泉
○井上(泉)委員 この一省庁一局削減については、悪い政治家が思いつきに、無理押しに、官僚を押えつけて、そしてこういうことをやった、こういうことにわれわれのほうでは解せざるを得ないのであります。そこで、くしくも、観光行政については、厚生省の公園局も廃止になり、そして運輸省の観光局も廃止になる。何か観光行政に集中してきているような感がなきにしもあらずですが、それについては、昨年、内藤議員が佐藤総理に質問をした場合に、観光行政についてはばらばらにならないように連絡を密にしてやっていくというようなことで、連絡を密にして、協力関係を打ち立てるために、観光対策連絡協議会をつくっている、こういうことを答弁されておったのでありますが、この観光対策連絡協議会で、観光行政に最も関係の深い観光局や公園局の廃止については議題にならなかったかどうか、この点を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/84
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085・杉浦喬也
○杉浦説明員 観光対策連絡会議は次官会議——次官をもって構成しておりますが……(井上(泉)委員「それはわかっておる。わかっておることは言わぬでもよろしい。」と呼ぶ)会議におきまして、御質問の行政機構の問題については議題になっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/85
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086・井上泉
○井上(泉)委員 それでは、観光対策連絡協議会なんてあったってしようがないじゃないですか。去年、四十二年度に何回やったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/86
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087・杉浦喬也
○杉浦説明員 昨年は二回でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/87
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088・井上泉
○井上(泉)委員 その二回の内容は……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/88
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089・杉浦喬也
○杉浦説明員 毎年観光週間というのを八月に実施しております。それについての議論をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/89
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090・井上泉
○井上(泉)委員 それじゃ総理大臣がこういう答弁をされたことも、これも国会でのその場のがれの答弁ですか。こんなことじゃ何も連絡を密にするというような必要はないし、ましてや行政管理庁がここ三年、四年のうちに根本的な行政改革を打ち立てるとかいうようなことをやったって、できる道理がないと思うのですが、大臣はこういうふうな観光行政のいまの姿について、公園局と観光局とは両方が廃止になったのですが、それについては、別段注意を払わなかったかどうか。一応大臣の……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/90
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091・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 そういう状態だからこそ、各省庁の各部局を統合して一元的にする必要があるだろうと私は思うのです。公園局とか観光局とか、各省は自分のなわ張りにとらわるべきでない。そして、日本の大観光政策を樹立するために、やはりささげるべきものはささげ合って、強力な機関をつくるべきであると考えます。公園局が縮小されるか、どうするか、これはほかの役所のことでございますけれども、統合させるためにはいい傾向であるだろうと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/91
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092・井上泉
○井上(泉)委員 観光行政を一元的に統合するためには、公園局が廃止されるということはいい傾向だというのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/92
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093・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 観光の面から見れば、いい傾向であると私考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/93
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094・井上泉
○井上(泉)委員 それは十のものの中で、公園局のやっておる行政の中で、観光の面から見ればいい傾向だ、こう言われるのですが、それなら公園局の仕事というものは、オール観光の面と解釈していいと私は思うのですが、これは、厚生省の公園局長来られておるようですが、観光行政の面にとっては、公園局が廃止になることは非常にいいことだ、こう運輸大臣言われるのですが、あなたそう考えますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/94
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095・網野智
○網野政府委員 国立公園行政は、自然の保護ということが中心になっております。したがいまして、自然の景観というものをいかに保護するかというようなことで、特別保護地区とかあるいは特別地域というようなものを設けて、公園計画をいろいろそういうぐあいにつくりまして保護するわけです。したがって、その特別地域なんかで……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/95
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096・井上泉
○井上(泉)委員 私は、公園局が廃止になることが観光行政のためにいいことかどうかということを問うている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/96
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097・網野智
○網野政府委員 自然の保護ということが中心でございまして、やや観光にも関係がございます。けれども、私どもとしては、これは自然保護というような非常に重要な仕事でございますので、観光の面からのみこれを統合し廃止するということは、私としてはどうも事務的には好ましくないのじゃないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/97
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098・井上泉
○井上(泉)委員 観光行政というものの中で、国立公園、国定公園あるいは県立公園、これの果たしておる役割りというものは、これは絶対的なものである、そういう絶対的なものという上に立った場合に、公園局が廃止されるということ、私はこれはもうたいへん残念に思うわけです。日本の観光行政の主管の省は、これは観光局という銘を打ってありますから運輸省だと思うわけですけれども、運輸大臣が、観光行政の面から見て公園局が廃止になることはいい傾向だ、こういうことについてどうも理解がいかないわけですが、運輸大臣、ひとつちゃんとした見解を承っておきたいと思いますが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/98
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099・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 先ほどから議論になっておりますのは観光行政の一元化の問題でございまして、総理府にある連絡機関があまり仕事をしてないという御指摘もあって、そういう傾向からしてこそ一元化の必要もあるのですと申し上げたのです。そういう一元化の対象になるべきものを考えますと、運輸省が持っておるいろいろな輸送手段関係、あるいは国立公園関係、あるいは国定公園関係、あるいは文部省が関係しておる文化財、そういういろいろなものがあるわけであります。
〔委員長退席、砂田委員長代理着席〕
そういうものがばらばらでおったのでは、スペインやイタリアのような強力な観光行政は実際問題としてできにくい。そういう面から統合する必要があるので、そのためにこそわれわれも涙をのんで観光局というものの廃止に踏み切ったわけであります。ですからそういう面から見れば、厚生省にもいろいろ御事情はあるかもしれませんが、同じペースで、公園局廃止ということも涙をのんで同調していただいたのではないか。あるいは行政管理庁の長官がなかなかたいした人ですから、そういう含みをもって両方やめる方向に誘導したのかもしれません。しかしいずれにせよ、国の部局というものはそれぞれの機能を営んでおるものでありまして、その必要な機能というものはやはり生かしていくべきである。観光局あるいは公園局というものがどういうようになるのか知りませんが、自然保護というような仕事は、これは非常に大事な問題でありまして、どこへいこうが、自然保護は自然保護としてやはり徹底してやるようにしておかなければならない、そういうように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/99
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100・井上泉
○井上(泉)委員 それは、涙をのんで廃止をせなければいかぬような政策そのものが悪いことですからね。涙をのませなければならないようなことをやるということは全く悪いことですから、それに対しては、私は、中曽根運輸大臣はもっと抵抗するかと、こう思ったのですが、やはり涙をのむ部類ということは、まことに残念に思われてならないわけです。しかしその涙を今度怒りに変えて、国民的な要求である、観光行政というものを一本化し振興さしていくための前向きの姿勢をとるという決意でありますから、その決意が実際政策の面で実ってもらわないと、ただここで、委員会で答弁をしたことがそのままそれで終われりというようなことになってはならないと思うし、将来のある大臣としては、まさかそういう委員会のがれのことで終わるとは私は思いたくないのであります。ぜひひとつ観光行政については、前向きの姿勢で考えていただきたいと思うのです。
そこで、観光の面で一番重要な役割りを果たしておるのは国立公園です。このことについては、私は国立公園あるいは国定公園その他の公園地域であるということについては、これは異存ないと思うわけです。いま二十三カ所国立公園があるわけですが、最近において、この二、三年、昭和四十年からこっち、国立公園として指定された地域はどこどこであったのか、私記憶がないので、公園局長に御答弁をお願いしたいと思いますが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/100
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101・網野智
○網野政府委員 ただいま先生おっしゃいました国立公園は二十三ございますが、国立公園はその後指定をしておりません。この四月に能登国定公園と、越前加賀国定公園を五月に指定をした次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/101
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102・井上泉
○井上(泉)委員 国立公園と国定公園との違いというのは、これは規定にありますからわかるわけですけれども、予算的には国立公園と国定公園とは——四十二年度の予算の自然公園法に関する関係で、国立公園と国定公園との予算の使い方はどれくらいの割合になっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/102
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103・網野智
○網野政府委員 ちょっと手元にその資料を持ってきておりませんが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/103
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104・井上泉
○井上(泉)委員 あなたら頭がいいから、大体どれくらいの割合で使われるくらいはわかるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/104
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105・網野智
○網野政府委員 ただいますぐ役所のほうに問い合わせまして答弁いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/105
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106・井上泉
○井上(泉)委員 観光に関する予算というものは、内藤議員のなにによると、昨年度の四兆九千全部が、観光、観光というふうにくっつければ予算になっておる、こういうふうに、理屈をつければそういうことになるわけですけれども、直接の観光予算というのは、四十二年度と四十三年度とを比較した場合において、昨年度からほとんど伸びてない。このことは、公園局長、お認めになっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/106
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107・網野智
○網野政府委員 前年度に比較しましてやや伸びておりますが、ほとんど伸びてないというような状態であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/107
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108・井上泉
○井上(泉)委員 大臣は観光行政について、国際競争にもうちかつだけのものを持たねばならない、こういうように言われておるのですが、やはりそういう政策の尺度は金で勘定せぬとわれわれはわからぬわけです。全然観光予算が伸びてないのですが、このことについてはどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/108
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109・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 やはり政府部内やあるいは国民一般の間に、観光に対する重要性の認識がまだ非常に足りないように思うので、この点は大いに是正していく必要があると思います。そういうためにも、やはり強力な機構をつくって一元化していく必要があるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/109
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110・井上泉
○井上(泉)委員 その予算のつけ方が少ないことによってのみ観光行政に積極性がないということは言えないわけですけれども、予算が少ないということは大きな理由になるわけです。やはり観光資源の開発ということもあわせて行なわなくてはならないわけですが、国定公園と国立公園と比較をする場合に、ここの地域は国立公園でございますといって観光業者がくるのと、ここは国定公園でございますといってくるのと、やはりことばから受ける、文字から受ける印象というものはたいへん違うわけですが、もう国定公園として指定した個所もたくさんあるわけなんです。そこを国定から国立へ持っていきますと——私、予算の中身をお尋ねしたが御答弁がないのですけれども、私が聞くところによると、一〇の予算が国立では八使われて国定では二しか使われてない、こういうような印象を受けておったわけですが、この予算をつける以前においても、国定公園として何十カ所もあるのを、もうそろそろ国立公園に昇格をしても差しつかえないような面がたくさんありはしないか。国立公園が二十三カ所で、国定が二十八カ所、二カ所なにしたのですから、もう三十カ所になっている。これは、何か言うからここを国定にする、県立から国定にしておくというような形で国定公園を乱造しておるものと私は思わないわけです。乱造しておるとすれば、これは問題だ。そういう点から、国定公園の区域の中では、もう国立公園に昇格してしかるべきものもたくさんあろうと思うわけですけれども、国立公園に昇格するところのそういうお気持ちはあるのかどうか、その点について、これは厚生省の公園局長に御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/110
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111・網野智
○網野政府委員 私どもの行政につきましては、自然公園審議会というのがございまして、従来は、国定公園につきましてはもう指定が終わったというような答申があったわけでありますが、このたび四月に総合答申をいただいたときには、ややその態度が変わりまして、国立公園については、すぐれた景観があれば厳正にその指定に当たるようにすべきである、こういうような答申をいただいております。したがいまして、私どももそういうような方向で考えてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/111
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112・井上泉
○井上(泉)委員 そういうように観光資源を開発をしてやっていくということは非常にけっこうなことであるし、その上に立って国立公園に昇格さすというような意味において、過般、四月の二十八日か何かの朝日新聞その他の新聞にも載っておったのでありますが、海中公園の構想が厚生省として出されておるわけで、これは日本のような海岸線の美しいところでは非常にけっこうな構想だと思って、この点については賛意を表しておるわけですが、何か新聞の記事を見ますと、自然公園法の改正が必要で、これを次期国会で成立をさせたい云々ということが載っておりますが、海中公園として指定をする場合に、自然公園法のどういうふうな改正が必要なのか、その点について……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/112
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113・網野智
○網野政府委員 実は先ほど申し上げました四月の答申の中で、海中公園の制度を設けるべきである、こういう答申をいただいておりまして、私ども現在いろいろ検討を進めておるわけであります。従来の自然公園でございますと、及ぶ区域が海面しか及ばない、こういう問題がございます。今度の海中公園の問題は、海底における動植物の保護とか、あるいは海底における地形の保護、利用、こういう問題が主体になるわけでありますので、たとえば国立公園、国定公園の区域にそういう海底の区域を編入し、その地域を特別地域とかあるいは特別保護地区というようなことで保護してまいりたい、保護するためには、そのために必要な公用制限をいろいろしなければいかぬ、こういうことで法律改正がぜひ必要であるということで、法律の改正に向かっていろいろ検討を進めておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/113
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114・井上泉
○井上(泉)委員 私、法律に対する理解力が非常に不十分ですから、ひとつ丁寧にお願いしたいのですが、自然公園法の何条でどういうことになるのですか、たとえばそういうことを入れる場合には。そこはまだ別に考えていないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/114
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115・網野智
○網野政府委員 そこまでの点につきましてはまだ十分検討が進んでおりませんが、たとえば自然公園法の十七条におきまして——十七条をごらん願えれば、特別地域という題がついておりますが、陸上でございますと、特別地域においては、三項で、工作物を新築するとかあるいは木竹を伐採するとか、こういうようなことについては厚生大臣なり都道府県知事の許可を得なければいかぬ、こういうように公用制限が行なわれておるわけです。海中の景観の保護につきましては、これ以外にいろいろ保護しなければならぬ規定があるのじゃないかということで、検討を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/115
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116・井上泉
○井上(泉)委員 それは法改正のためにはいろいろな関連のなにがあると思いますが、次期国会に成立をさすという厚生省のお考えには、これは間違いないでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/116
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117・網野智
○網野政府委員 私どもといたしましては、漁業権との調整の問題等いろいろむずかしい問題がございますので、次の通常国会までにはぜひ成立させたいというような方向で努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/117
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118・井上泉
○井上(泉)委員 これは運輸大臣、観光資源の開発ということもやはり観光行政の中でもちろんなくてはならない問題ですが、いま厚生省が考えておられる海中公園を指定するという構想については、これは大臣としては御賛成かどうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/118
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119・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 けっこうなことだと思っています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/119
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120・井上泉
○井上(泉)委員 そこでそのけっこうな海中公園の指定が促進をされるような意味と、そうしてその場合にこれが、厚生省が調査をされておるところが、四十一年に四カ所予備調査をし、続いて昨年と今年度で足摺、宇和海、潮岬、日南海岸、天草諸島、こういうところを本格的に調査をされて、この中から毎年二カ所ぐらいずつ指定をすることになったということになっておりますが、この中で国立公園の区域になっておるのと、国定公園の区域になっておるのとあると思うのですが、私がいま読み上げました足摺、宇和海あるいは潮岬、日南海岸、天草諸島、この中で国立公園と国定公園の区域になっておるのとなってないのとはどこどこであるか、このことをひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/120
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121・網野智
○網野政府委員 その前にちょっと誤解がございますかしれませんので釈明をさせていただきたいと思いますが、法律が通れば毎年二カ所ずつ指定していくというようなことは実はきめておりませんので、その辺はいままで調査した中から選んで海中公園の制度を指定していきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/121
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122・井上泉
○井上(泉)委員 それは指定してもけっこうじゃないですか、よかったら別に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/122
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123・網野智
○網野政府委員 それで先生が先ほどあげられました、国として調査した地域は主として国定公園の区域になっております。ただし、天草だけは国立公園の区域でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/123
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124・井上泉
○井上(泉)委員 これは、海中公園というものを指定するということはけっこうなことだと運輸大臣も言われているし、何もそれは毎年二カ所ぐらいといって遠慮せずに、そういうふうな資源として適当なところは——海中公園に指定することによって別段金が要るわけのものでないでしょう。そういうことで私が何か二カ所ということにきめておる。二カ所ということを言っておるから、二カ所やらなかったらたいへんだ、こういうふうにあなたが誤解をされたかもしれないが、私はそういうことを言ってないので、何カ所でもけっこうだから、適当と思ったらやっていただきたい。そういう点からその地域が国定公園ということになっておりますならば、おそらくこの地域としては国立公園としての要望は非常に強いと思うのです。そうなりますと、国定ということと国立ということとの違いによって、観光客を誘致する面においても、また新しい行政措置とし、観光政策の一環としても、海中公園というものは指定を受けるのですから、そういうものは、私はこれは国立公園として昇格さすことが望ましいことだと思うわけですが、観光行政の躍進を期そうと決意をされております運輸大臣としては、そういうことについてはどうお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/124
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125・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 それはやはりその地帯の景勝、景観その他のものが、実質的に国立公園の規定している条件に該当するかどうかということによってきめるべきことであると思います。数は問題じゃありません。実質的にそれに該当するかどうかということが問題だと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/125
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126・井上泉
○井上(泉)委員 それでは公園局長、何か出かけなくてはならないそうですから、私いままで大臣にこの海中公園の候補地というか、そういうところを指定をするということにあたっては、やはりこれは日本の公園行政の中で画期的なものだし、その地域がたまたま国定公園であるということによって国立への大きな要件というものは整ってくるであろう、こういうように思うわけですが、別段そのことによって国立公園にせよとか、あるいはせぬでもよろしいとか言うのではないのですけれども、やはり観光行政というものを推進させていく上において、国立公園の持っておる役割りというものの重要性を考えましたならば、この海中公園という新しい構想をせっかく厚生省の公園局が打ち出されておるのですから、これはやはり海中公園の区域に指定された地域においては、これはぜひひとつ国立公園に昇格をするような準備を進めていただくように、関係の地元にもあるいはその辺についての督励をしていただき、そしてまた政府当局においても審議会等にそういう面についての条件を添えて、国立公園に昇格さすような地盤固めというか基礎固めをしておく必要がありはしないかと思うのです。いつまでも国定でとどめておくのではなしに、少なくともこうこうこういう条件を整えることによって国立へ昇格させて、そして観光客を誘致をして、そして大臣の言われるようなこれだけりっぱな風景を持っておる日本の国が、国際的観光国としての名声を獲得するようにしていただかなくてはならないと思うわけですが、それについての公園局長の御見解を承って、公園局長はわきへ行ってもらってけっこうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/126
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127・網野智
○網野政府委員 その前に、先ほどちょっと予算のことを聞かれましていま問い合わせてみたのですが、補助金だけで見ますと、国立公園関係が六〇%、国定公園関係が四〇%。国立公園につきましては、そのほかに直轄事業というものを実はやっております。集団施設地区等につきましては、直轄事業をやっております。直轄事業を国立に含めますと、八〇対二〇ということになるわけでございます。
それからただいま御質問のあった点につきましては、陸上景観等につきましてほぼ国立に準ずるがやや低いというようなところで、しかも海中公園の景観というものがきわめていいということであれば、両方を合わせて国立公園にするというような問題も当然起ころうかと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/127
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128・井上泉
○井上(泉)委員 この国会でまだ観光白書が出されてないのですが、四十三年版の観光白書はいつごろ出されるのか、そのことをお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/128
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129・杉浦喬也
○杉浦説明員 たいへん提出がおくれて申しわけございませんが、来週提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/129
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130・井上泉
○井上(泉)委員 これは、来週提出ということになりますと、もう印刷へ回っておると思うのです。印刷へ回っておると思いますから、その内容についてはこれが出たときに質問をいたしたいと思いますけれども、おそらく昭和四十一年、四十二年度の観光客は伸びてないと思うのですが、どうですか。それだけはわかるでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/130
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131・杉浦喬也
○杉浦説明員 日本の国内の観光事業と国際観光と分けまして、国内関係では観光地の入り込み人口から申し上げますと、昭和四十一年が約七億、昭和四十二年が約八億ということでございます。それから国際観光につきましては、昨年の対前年の伸び率が一八%の増加でございます。これは外国人が日本へ来た数字でございます。それから四十二年が一〇%の伸び率でございます。それから逆に、日本人が外国へ行くパーセンテージが二五%ふえております。そういう数字になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/131
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132・井上泉
○井上(泉)委員 そういう点で、国際観光では日本が赤字ですね。その赤字であるということは、やはり毎年指摘をされていると思うのです。昨年の内藤さんの質問でも、その前の野間さんの質問でも、その前の勝澤さんの質問でも、毎年同じようなことが問題点として指摘をされてきておるわけです。
そこで大臣はやはり、注目を浴びておる大臣ですから、この観光行政、観光白書のいままでの経過から考えて、こういうふうな観光状態ではいけないという点から、観光白書の中で何か反省をした方針というか国の政策というようなものが——観光局がたまたま廃止になるし、あるいは公園局が廃止になって、行政機構の面では観光行政というのは大きく後退をしておるのでありまするから、今度の観光白書はその後退にこたえるだけの将来の展望に対して明示をすべきだと思うのです。これは従前と同じような観光白書の形で出すということは、政府の観光行政に対する国民の不信感がよけいつのるだけのことであってだめだと思うのです。その点については、もう印刷にも回っておるというのでありますが、一体こういう情勢の中で、この白書が従前と同じような形で出るようになっておるのか、あるいは大臣としての将来の展望を描いたものが載っておるのかどうか、その点を最後に大臣に承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/132
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133・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 将来の展望に触れたところもあるように私記憶しております。ただ、ただいまのお話にもありましたように、出るほうが二五%ふえておる、そして入るほうが一八%から一〇%に減っておる、これはゆゆしい事態なのでありまして、これに対する根本的な対策を強力にやらなければならぬと思います。
それからもう一つは、観光基本法にも書いてありますように、観光と申しますと何かレジャーみたいな、外国人を呼んできて金もうけするとか、そういうコマーシャルベースのことがすぐ頭に浮かぶようでありますが、これは観光という大きな政策から見れば一部なのでありまして、むしろ国内観光、日本の国民に日本の国土のいいところを余すところなく見せる、そして国土を愛する精神、平和な精神をつくらせる、国土を愛する、そういうようなものが観光の非常に大きなポイントを占めておるのであります。
そういう面から見ますと、青年団体が国内をいろいろ遠遊するとか、あるいは小中学生その他が修学旅行その他で日本の国土をたずね回るとか、そういう面に観光の非常に大きな要素もまたあるのでございまして、案外その辺が忘れられていると私は思うのです。そういう点で、この辺に対する重点も大きく訴えていかなければならぬ、そういうように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/133
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134・井上泉
○井上(泉)委員 それでは最後に、大臣、そういうように非常に日本の国のいいところを国民に見てもらわなければいかぬという気持ちを強く出されておるのでありまするから、私はそのことばが実行されなくてはならないと思う。いま非常に問題になっているのは、東京都の周辺で新島、これを東京都は都民のいこいの場所にするというようなことで、あそこを観光的にも非常に生かそうとしておる。それから、御案内のように、あの周辺は日本の三大漁場の一つである、あすこへ射爆場を持っていくとかいうようなことは、これは観光行政の面から見ても、もってのほかだと思う。そういう点でも、大臣としては、そういうことについては一体どう考えておるのか。これはやはり大臣の国土を愛するという考え方で考えて、その大事な国土を射爆場にして、戦争への道へ足を踏み込ませるような状態をつくり出すということは、これは大臣の国土を愛する考え方と逆な方向に行くと思うのですが、この新島に射爆場を移すというようなことについては、一体どう考えておるのか。厚生大臣は反対だというようなことを新聞記事で承知をしたわけですが、観光行政の場所としても重要な価値のあるところですから、この際ひとつ、大臣としてのその辺の見解を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/134
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135・中曽根康弘
○中曽根国務大臣 新島の問題は、そういう自然保護という問題もあります上に、航路の問題、空路の問題、漁場の問題、いろいろ複雑な問題がございますので、慎重に検討してみたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/135
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136・井上泉
○井上(泉)委員 また次に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/136
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137・砂田重民
○砂田委員長代理 次回は明後十日、午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時二十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803830X02319680508/137
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