1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月九日(火曜日)
午後一時三十四分開議
出席委員
委員長 床次 徳二君
理事 臼井 莊一君 理事 鯨岡 兵輔君
理事 小渕 恵三君 理事 本名 武君
理事 川崎 寛治君 理事 美濃 政市君
大村 襄治君 北澤 直吉君
箕輪 登君 山田 久就君
中谷 鉄也君 西風 勲君
穗積 七郎君 伊藤惣助丸君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(総理府総務長
官) 田中 龍夫君
出席政府委員
総理府特別地域
連絡局長 山野 幸吉君
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四月九日
委員斎藤実君辞任につき、その補欠として伊藤
惣助丸君が議長の指名で委員に選任された。
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四月四日
沖繩地域における産業の振興開発等のための琉
球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置
法案(内閣提出第七六号)
同月五日
沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる
日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案
(内閣提出第七五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる
日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案
(内閣提出第七五号)
沖繩地域における産業の振興開発等のための琉
球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置
法案(内閣提出第七六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/0
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001・床次徳二
○床次委員長 これより会議を開きます。
沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案、及び、沖繩地域における産業の振興開発等のための琉球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置法案の両案を議題とし、順次提案理由の説明を聴取いたします。田中総務長官。
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—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/1
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002・田中龍夫
○田中国務大臣 ただいま議題と相なりました沖繩島那覇に駐在する諮問委員会の委員となる日本国政府代表の設置に関する暫定措置法案につきまして、その提案の理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案は、沖繩の復帰に備え、本土との一体化を進めるとともに、沖繩の住民の福祉等を増進いたしまするため、琉球諸島高等弁務官に対しまして助言し、及び勧告することを目的として、このたび那覇に設けられることに相なりました諮問委員会の委員となる日本国政府代表を総理府に置くことといたし、その任務、給与等につきまして所要の事項を定めようとするものでございます。
以下、この法律案の概要につきまして申し述べます。
すでに御承知のように、昨年十一月に行なわれました佐藤内閣総理大臣並びにジョンソン米国大統領との会談におきまして、日米両国政府が、沖繩の施政権を日本に返還するとの方針のもとに、沖繩の地位について共同かつ継続的な検討を行なうことに合意を見、さらに、沖繩の施政権がわが国に返還されるときに起こる摩擦を最小限にし、沖繩の住民とその制度の日本本土との一体化を進め、沖繩住民の経済的社会的福祉を増進いたしまするための措置を講ずることといたし、このために、琉球諸島高等弁務官に対する諮問委員会を那覇に設置することにつきまして意見の一致を見たのでございます。この諮問委員会の組織及び任務につきまして、過般アメリカ側と公文により合意いたしたのでございまするが、この諮問委員会は、日本国政府、アメリカ合衆国政府及び琉球政府をそれぞれ代表する三名の委員で構成せられ、沖繩の社会経済構造の本土との一体化を進めるとともに、沖繩住民の福祉を増進いたしまするため、高等弁務官の権限内にある経済的及び社会的事項並びに関連事項につきまして高等弁務官に対し、助言し、及び勧告する任務を有する常設の機関として設置されることと相なったのでございます。このほか、諮問委員会は、沖繩の経済的及び社会的発展の状況を検討いたし、高等弁務官に対し、沖繩の長期経済計画に関する勧告を行ない、また、高等弁務官は、諮問委員会の作業状況を日米協議委員会に通報することと相なっております。
政府といたしましては、この諮問委員会の積極的な活動によりまして沖繩と本土との一体化がより一そう促進されることを期待するものでございまして、諮問委員会の委員となる日本国政府代表が十分な活動と円滑な職務執行ができまするようこの法律を制定いたし、その任務、任免、服務規律等を明確にすることといたしたのでございます。政府代表の職は、当諮問委員会の性格及び任務等を考慮いたしまして、総理府に置くこととするとともに、政府代表の任務が国際的機関たる諮問委員会において渉外的事務をあわせ行なうことと相なりまするため、内閣総理大臣と外務大臣との共管によって関連事務を処理することといたしております。また、その任免は内閣が行ない、服務規律につきましては国家公務員法の規定の一部を準用し、給与等につきましては外務公務員の大使の例に準じまして取り扱うことといたしております。
以上が、この法律案の提案の理由及びその概要でございますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをひとえにお願いをいたすものでございます。
さらに引き続きまして、いま一件、沖繩地域における産業の振興開発等のための琉球政府に対する資金の貸付けに関する特別措置法案につきまして、その提案理由及び概要を御説明申し上げます。
この法律案は、国が沖繩に対しまする経済援助の一環といたしまして、沖繩の産業の振興開発及び住民福祉の向上のために必要な長期資金を、資金運用部資金及び簡易生命保険及び郵便年金等特別会計の積み立て金の運用により、琉球政府に対し貸し付けることとするための所要の事項を定めようといたすものでございます。
以下、この法律、案の概要につきまして申し述べます。
沖繩の経済は、ここ数年来砂糖産業及びパイナップル産業はじめ基地経済に伴いまする関連産業の振興、日米両国政府からの財政援助の増額等によりまして著しい成長を遂げつつあるのでございますが、このような著しい経済成長に伴いまして必然的に増大いたします資金需要に対し、沖繩における政府系金融機関、民間金融機関の現資金量をもってしてはこれに対応できない実情であり、特に沖繩の産業の振興開発にとり緊急な産業長期資金の逼迫は顕著なものがあるのでございます。
このような実情にかんがみまして、琉球政府または政府関係金融機関が行ないまする産業開発長期資金等に対しまして、それに要しまする融資原資を国の一般会計から財政援助金として供与するとともに、さらに資金運用部資金等を琉球政府を通じまして貸し付けることによりまして、沖繩の産業経済のより一そうの振興発展をはかり、あわせて住民福祉の増進に寄与しようとするものでございます。
このため、この法律案をもって、資金運用部資金及び簡易保険及び郵便年金特別会計の積み立て金を琉球政府に対し貸し付けることができるよう必要な措置を講ずるものでございまして、貸し付けの方法といたしましては、これらの資金を琉球政府に一括して貸し付け、さらに琉球政府は現地の政府系金融機関等に貸し付けることといたしております。去る一月に開かれました日米協議委員会におきまして、一九六九琉球政府会計年度に対応いたしまする貸し付け計画は、総額二十八億円とすることにつきまして合意をいたしておりますが、昭和四十三年度におきまする貸し付け計画は、国の財政投融資計画の一環として資金運用部資金の運用により二十億円を予定いたしております。
なお、これら資金の貸し付けによりまして資金運用部資金等に万一損失が生じました場合には、
一般会計から補てんすることといたしておるのでございます。
以上がこの法律案の提案の理由及びその概要でございます。何とぞ慎重御審議の上に、すみやかに御可決ありますことをひとえにお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/2
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003・床次徳二
○床次委員長 これにて両案の提案理由の説明は終わりました。
資料要求に関する発言の申し出がありますので、これを許します。中谷鉄也君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/3
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004・中谷鉄也
○中谷委員 お許しをいただきまして、簡単に資料要求をいたしたいと思います。
前回、本土、沖繩の駐留軍関係労働者の適用法令上の地位等に関する調べの資料の提出をいただきましたが、その中で、右資料の三、争議権に関する、部分、第一種被用者について陸軍規定二百三十の五によって禁止されているといわれている旨の記載がございますが、陸軍規定二百三十の五の争議権に関する部分の条文を御提出いただきたいということをお願いいたしたいと思います。
いま一点は、本資料は、一、団結権、二、団体交渉権及び労働協約締結権、三、争議権、四、ピケッティングの権利、五、重要産業における争議行為、すなわち労働基本権であるところの団結権、団体交渉権、争議権についての本土と沖繩との比較考察がなされておりまするけれども、比較法的なと申し上げることはやや表現がオーバーであるかもしれませんけれども、沖繩の軍労働者の適用法令上等の地位を考察する上において、南ベトナム、韓国、この二つの駐留軍労働者の一ないし五に相当する法令上の地位についての資料をお願いいたしたいと思います。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/4
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005・床次徳二
○床次委員長 ただいまの中谷君の資料要求につきましては、理事会において協議いたし、善処いたします。
臼井莊一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/5
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006・臼井莊一
○臼井委員 私も資料要求を一、二お願いしたいと存じます。
その一つは、北方漁業におけるソ連に拿捕された船の数とか、それから拿捕された人数、また現在未帰還の者の同じく数をそれぞれ伺いたいということ。
もう一つは、最近の北島丸事件に関する概要についても、詳しい資料でなくてよろしいですから、ひとつ伺いたいと思っております。
それから、その判決書もお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/6
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007・床次徳二
○床次委員長 ただいまの臼井君の申し出にかかります資料要求につきましても、同様理事会にはかりまして、善処したいと思います。
次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時四十七分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803904X00619680409/7
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