1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月十九日(金曜日)
午後六時二十分開議
出席委員
委員長 沖本 泰幸君
理事 小宮山重四郎君 理事 佐々木義武君
理事 齋藤 憲三君 理事 始関 伊平君
理事 福井 勇君 理事 石川 次夫君
理事 三宅 正一君 理事 内海 清君
岡本 茂君 海部 俊樹君
渡辺美智雄君 三木 喜夫君
岡本 富夫君
出席国務大臣
国 務 大 臣
(科学技術庁長
官) 鍋島 直紹君
出席政府委員
科学技術政務次
官 天野 光晴君
科学技術庁長官
官房長 馬場 一也君
科学技術庁研究
調整局長 梅澤 邦臣君
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四月十九日
委員斎藤実君辞任につき、その補欠として岡本
富夫君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
宇宙開発委員会設置法案(内閣提出第六〇号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/0
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001・沖本泰幸
○沖本委員長 これより会議を開きます。
宇宙開発委員会設置法案を議題として、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。石川次夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/1
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002・石川次夫
○石川委員 前回のこの委員会におきまして、総理大臣に御出席をいただいて、おおよそのただすべきところはただしたわけでありますけれども、時間の関係で若干質問の漏れた点がございますので、その点を補足的にひとつ質問をしたいと思います。
御承知のように、宇宙開発とはいいましても、今度の委員会設置法案でやられる仕事の範囲というのは、人工衛星及びこれを打ち上げるためのロケットの開発ということにほぼ限定をされておるようであります。ところが、人工衛星それ自体も、人工衛星とロケットとは別個のものじゃなくて、人工衛星とは長い間飛んでおるロケットである、こういう定義もできるわけでありまするし、それから、一つの地点から他の地球上の地点に達する遠距離ロケット、こういうふうに説明しても説明できないことはないということで、人工衛星及びこれを打ち上げるためのロケットの開発とはいいましても、結局はロケットの開発ということに尽きるだろうと思うのであります。
そこで、この前、科学技術庁長官に質問を申し上げましたところが、ロケットの開発については、公開される外国の技術は十分にこれと交流する、こういう説明があったわけであります。ところが、私が調べた範囲によりますというと、この前もちょっと触れたのでありますけれども、ICBMの発射されたのは一九五七年であるし、それから、人工衛星が飛ばされたのも一九五七年、同じ年である。しかも、スプートニク一号が発射されたのは、ICBMを発射したその同じ発射装置によるものであるということがほぼ明らかになっておるわけであります。最近でもたいへん大型な人工衛星がありますけれども、これはやはりほとんど大陸間弾道弾用の発射装置によって発射をされておるのが実態でありまして、これは完全に不離一体の関係になっております。このロケットの誘導装置それ自体は、きわめてむずかしい技術を持っておりまして、しかも、日本ではほとんどこれは未開発と言っては語弊がありますけれども、まだ力が十分入っておらないという点で、これからまだまだ開発の余地が残されておるという問題であります。この誘導管制装置というのが完成できなければ、人工衛星が十分軌道に乗るという確信が持てないというのが実態ではないかと思っておりますけれども、この人工衛星の管制装置は、ICBM管制装置ですと三千キロぐらいの高度のところで一回誘導すればいい、こういうことになるわけであります。ところが、今度四十八年に上げようとしております静止衛星というのは、赤道の上へ持っていって三万五千八百キロの高さに上げて、そこで人工衛星にしてから、なおかつ誘導装置で高く打ち上げて、しかも、地球と同心円にして同じスピードでもって回していくというきわめて高度な技術を要するわけであります。
ところで、現在のような誘導装置は、諸外国に比べて日本の場合は非常に立ちおくれているというような実態から見て、静止衛星を四十八年に上げるということがはたして可能かどうかという点で、私は非常な懸念を持っておるわけであります。しかし、この誘導装置ができなければ、静止衛星を上げることは不可能であるということも、はっきりいたしておりますので、この静止衛星を上げるために、外国の軍事機密にわたるような技術を導入しないで、日本独自で上げると総理大臣も明言をしておりましたけれども、はたしてできるかどうかということになると、これは現在の状態ではほとんど不可能であるという見方のほうが、学界においても強いようであります。したがって、四十八年にどうしても上げる、これは通信衛星を検討の対象にして上げなければならぬという意欲はよくわかります。意欲はよくわかりますけれども、しかしながら、現実の問題としては、この誘導管制装置はそれまでに完成できるかどうかという点について、何らかの具体的な確信なり方向づけなりが見出されておるというのならば、ひとつお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/2
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003・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 ただいま先生のおっしゃいましたことは、私たちも非常に問題と思っております。ただ、現在審議会等で、四十五年から四十八年にこういうものが打ち上げられる可能性があるかどうかということは、技術的に研究していただいております。その関係から自主的にやれるという線で一応先生方の御意見も伺ったわけでございます。それで現在の形をとっておりますが、これからほんとうにこの委員会を発足させていただきますと、この委員会でその技術の問題、中身については十分検討させていただかなければならないと思います。しかし、その関係から、よそから軍事的なものとしての技術をどうしても入れるか入れないかという問題につきましては、やはり自主開発という考え方でわれわれ考えておりますし、また、軍事機密のものは当然われわれのほうに入ってくるということもないという考え方でございます。したがいまして、どういたしましても自主的な開発でいくという考え方で、しかし、海外のほうが平和的な利用という意味でこれを出してもいい、それから、委員会のほうでもこれはもらったほうがいいという判断がつきましたところは、一部一部、一部分こういう点はやはり入れざるを得ないところがあるという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/3
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004・石川次夫
○石川委員 その海外から軍事機密に属しない誘導装置について、非常に基礎的なものもあるでしょうけれども、入れてもいいというところが具体的にございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/4
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005・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 実はいま先生からおっしゃられました、具体的にどこかと申されますと、実際的にはまだ検討中という考え方でございます。ただ、やはり先生言われました制御関係等には相当考えなければならないところがあるのではないかということは考えられております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/5
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006・石川次夫
○石川委員 私も、しろうとでありますから、よくわからないのでありますけれども、静止衛星に使うところの最後の一番かなめの誘導装置というのはレートジャイロ、こういうのだそうでありますが、アメリカでは、これは絶対に門外不出だそうであります。日本といわず、どこの国にもこの秘密だけは絶対漏らさないという独得の技術を持っておるもののようであります。そういう関係で、事この誘導装置に関する限りは、アメリカから入れようと思っても、これは向こうで出してくれないという実態があって、安心して軍事機密を入れないという総理大臣の言明になったのではないか、こう私は憶測をしているのであります。実際これは渡してはくれないようであります。そうなりますと、日本で四十八年度を目標としてこれを上げるということは、実際問題として、いまのような状態で可能だとは思いません。ということは、学界におきましてこの関係の大御所はだれかいろいろ当たってみたのでありますけれども、若い学者がたくさんおるようであります。若い学者だから悪いとは決して限りませんけれども、まだまだこれからのものだ。しかし、学界で一様に言うのには、日本でやってできない技術ではない、やれば必ずできるのだ、こういうことは言っております。言っておりますけれども、これは、この委員会ができた暁において、このほうの関係によほど重点的に力を入れて育成助長しなければ、四十八年という目標にはとうていこれは完成させることは不可能ではないか、こう思われるのでありますけれども、そういう点での予算措置とかあるいは計画とかということを十分に措置する決意を持っておられるかどうか。いまのままではとても人工衛星を四十八年に飛ばすことはできない。これは定説です。こういう点でよほどの決意を持たなければならぬと思うのですが、その点についてひとつ次官の御所見を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/6
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007・天野光晴
○天野政府委員 四十八年度に人工衛星を上げる目標で宇宙開発の一元化をはかりましてやろう、その基礎的な法律がきょう上げていただける予定になっておる今度の法律でございます。そういう点で、まず現在までの状態でいいますと、一つにまとまっていなかったために相当予算のロスがあったのじゃないかと思うのですが、この方向づけが確定されました暁においては、協力一致できる状態まで科学技術庁のほうでは各省との連絡を密にいたしまして、当初の目標である四十八年度に人工衛星を上げられる処置を講ずるような予算措置もとるように努力を続けてまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/7
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008・石川次夫
○石川委員 このロケットを上げる場合の問題点は、大別して三つあるといわれております。これはだれでも知っていることでありますけれども、どういう材料を使うかという問題があると思うのです。耐熱、耐摩擦という関係での材料、これはアルミ合金なんかでやっております。しかし宇宙間での温度は相当高い温度ですから、これに対してどう耐えられかという問題が一つあると思うのです。そういう点で、現在のところはロケットは飛ばしておりますから大体のところは東大の宇宙航空研究所あたりでも調べておると思うのでありますけれども、どういう材料を使おうとしておりますか。
それとあと一つは、非常に高熱に耐えるような冷却装置はどういう方法でやっておるかという点をお知らせ願いたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/8
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009・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 ただいまの材料の問題でございますが、これにつきましては現在金属材料研究所のほうで宇宙関係の材料について基礎研究をやっていただいております。現在私たちの知っている範囲におきましては、二百キロの高張力鋼でありますが、あれを利用していくという考え方を金材研ではいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/9
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010・石川次夫
○石川委員 私もしろうとだし、お答えになるほうもどうもしろうとのようなんで、話がかみ合わないのであります。
私の乏しい知識の中から考えても、外被の材料それ自体も大事でありますけれども、この熱を冷却させる装置もまた、非常に重要な課題になっておるわけであります。その点はどういうふうになっておりますか。
それと、いまのあとの材料も大体赤外線の吸収を避けるという特殊な材料が必要だということにもなるわけですね。あと冷却の方法ですが、これはどういうふうにお考えになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/10
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011・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 一つの考え方は二重管システムでいくというのと、それからアブレーション冷却というのがございますが、その形を考えるということでいま研究を進めております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/11
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012・石川次夫
○石川委員 その次に問題になるのは燃料ですね。燃料も固体燃料から液体燃料、固体燃料は非常に重量が重いというふうなことで、液体燃料でないと調整がはかれないということがありますね。それと燃料と可燃物、それから酸化剤というのを別に置いて、これを徐々に出していくことによって調整をはかっていくというような形で有効にロケットの推進をはかるというようなことになっておるのですが、硝酸、ヒドラジンドを含みましたものが一番いいんだというのが現在の定説になっておるようでありますけれども、それらについての研究はどの程度進んでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/12
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013・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 ただいま先生がおっしゃいました燃料といいますと、硝酸、ヒドラジン、この系統と、それからポリエステル系の燃料の研究、これを行なっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/13
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014・石川次夫
○石川委員 これまた、私もしろうとでありまして、どうもよくわからないのですが、結局問題点は、いま言ったような材料にどういう材料を選ぶかということ、それから、その冷却をどうするかという問題、それから液体燃料をどう組み合わしていくかというようなこと、それから、最後の一番の難点であるのは、先ほど申し上げた誘導装置の問題、この三つが完ぺきにならないといけませんけれども、どう考えても、この無線誘導の装置が日本の現状ではまだまだそこまで行っておらぬという点で、三つ並行してやらなければならぬ問題であるけれども、最重点はこの無線誘導にあるということを考えて、ひとつこの三つを合わせた平均のとれたプログラムというものをきちっと立てて、予算もそれに組み合わせて立てて、これを四十八年に向けて前進をさせなければならぬ、こう思っておるので、念のためにこの点をお伺いしたわけであります。
それからまだ大臣がおいでにならないわけでありますけれども、これは人工衛星及びこれを打ち上げるためのロケットの開発について、この委員会が企画をし、審議し、決定する、こういうことになっておりますけれども、打ちっぱなしで月に軟着陸をはかる——大臣が来られたようでありますから大臣にお伺いいたしますけれども、本委員会ができますと、人工衛星及びこれを打ち上げるためのロケットの開発というものに重点を置いて、それで本委員会が企画、審議、決定をする、こういうことになっております。先ほど申し上げたように、人工衛星といってもしょせんはロケットである、こういうふうな見解をわれわれは持っておるわけであります。そこでロケットを発射をし、打ち上げられて、人工衛星の軌道に乗らないでまっすぐ月に持っていって軟着陸をはかるというふうな方法も、前にソビエトやアメリカあたりで計画をし、これは失敗をしましたけれども、そういうことをやっておるところがあるわけですね。これは法文上はこの委員会の対象にならないことになるわけです。これはどうしてはずしたのか。そういう点で何か見解があればひとつお知らせいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/14
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015・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 先ほど先生から燃料その他のお話がございましたので、それについてちょっと補足させていただきます。
実はその問題につきましては、私たちはいまの原案の燃料その他を申し上げました。しかし今月一ぱいごろに大体のシステム自体がQロケットとしてでき上がってまいります。そのときにその調和した形でどういくかということが大体でき上がってまいりますので、それを今度の委員会で十分練っていただいて、その問題について進めていきたいという考え方でございます。
それから、ただいまの月にロケットそのもので物を運ぶというものでございますが、私たちが今度の設置法を考えました場合に、実際いま国として何をやるかということがはっきりきまっておりましたところを踏まえましてつくったわけでございます。したがいまして、今後そういう宇宙全体がわかりまして、そういうことまでやはり国として十分やるべきだということになりましたときに、初めてその点をここで検討していただくという形で考えたわけでございます。この委員会はもちろん範囲としてはその現在の人工衛星及びその打ち上げ用ロケットでございますが、しかしこの委員会でもって当然将来のことを考えて、そういう要望が出てくる形にはなると思います。そういう形が委員会として要望で出ましたときにやはりその点を考えさしていただきたい、そういう考え方をとったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/15
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016・石川次夫
○石川委員 実は直接ロケットを発射して月のほうに持っていくということは、人工衛星を発射して軌道に乗せることよりもなおむずかしい問題のようであります。したがって、これはそういう意味では、現在の段階では技術的に不可能だということを見越して所掌からはずしたのではないかというふうに私は好意的に判断をしたわけでありますけれども、それ以外に人工惑星も飛ばすということをほかの国ではやっておるわけであります。技術的には何ら人工衛星と変わるところはないと思います。静止衛星を飛ばせるという実力を持つようになれば、人工惑星というものを飛ばせるという技術水準に到達することは当然でありますけれども、この人工惑星それ自体をやはりこの所掌からはずされておりますね。その点はどういうわけではずされたか、これをひとつ教えていただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/16
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017・梅澤邦臣
○梅澤政府委員 先般の審議会でこの点検討されたわけでございますが、実際にまだ大学の基礎研究としての考え方にもなかったわけでございます。それから審議会全体としても、それをいまからすぐやるということで考えには入れないほうがいいという向きの御意見もございまして、その関係からはずしているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/17
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018・石川次夫
○石川委員 この人工惑星は、宇宙の中におけるまだ未開拓の、まだ知られていないいろいろな分野を調べるという意味では、必ず科学衛星としての価値が私は高いと思うのですよ。そうしますと、静止衛星を飛ばせるという科学的な実力というものを身につけることができれば、これは同時にできるのです。惑星までいけるのです。それでありますから、静止衛星というものを目標として対象にする限りは、やはり私は人工惑星というものをこの委員会の所掌範囲に入れるべきではなかったかという気持ちがいたします。しかしこれはこれから残された問題として十分にひとつこの委員会等において検討してもらいたい、こう思うわけであります。その点についての質問はそのくらいにいたしますけれども、この前、佐藤総理が途中で入ってきたものだから、私の質問が中途はんぱになっているところがたくさんあるわけなんであります。そう長い間質問をするつもりはございませんので、と申しますことは、科学技術庁長官はこの前最初の答弁は、何かロケットさえ上げればいいのだということであったんですが、だんだんとそれは手段であって目的ではないのだというふうに、これは勉強された結果かどうか知りませんが、考え方が変わっております。それで、実は国民全体が、宇宙衛星ということに対してはほとんど知識がないと思うのです。なぜ人工衛星を飛ばさなければならぬのかということは、ただ単なる国威宣揚の問題とか、あるいは軍事利用というふうな問題の関連においてこれに期待するということでなくて、人工衛星を飛ばすことによって実はこういうことができるのだという、わかりやすい、しかも十分国民の合意と関心を持たせるような解説というか、そういうものがどうしても必要なんじゃないか。原子力なら、これでもってエネルギーだ、将来は石油も石炭もなくなるのだ、エネルギーとしては原子力しかないのだということで、平和利用の目的というもの、目標というものは国民に理解されやすいし、ある意味で安全性の問題で反対はあるとしても、良識ある人々はほとんどこれを何とかしなければならぬという積極的に関心を持ち、協力をする姿勢を持っております。しかし、これと、今度出た宇宙開発の場合は、これは一体何のためにやるんだ、何か国威宣揚にやるんだということだけではなかなか国民の合意、積極的な協力というものは困難だというふうに思うのです。私自身もごく最近まであまり関心を持たないで、いろいろ調べてみたところが、これはなるほどたいへんなことだ、どうしてもやらなければならぬという気持ちにやっとなってきたわけでありますけれども、たとえば、人工衛星を飛ばしてやれば、重力の変化という、ものによって海底に石油があるとか、あるいは地上に鉱脈があるとか、そういうことまでわかる可能性の道が開けてきたわけですね。それから、たとえば一部に反射鏡をつくる、これは夢物語みたいなことでありますけれども、人工衛星の反射鏡というものを使って地上のある部分をあたためるということも可能ではないかというようなこともあるわけです。そういうふうな、ほとんど夢物語に近いようなことではあるけれども、実現可能なわれわれの科学的な夢として実現をしていく。こういうふうな、これは単なる通信衛星とかなんとかということだけではなくて、そういうことの夢を人工衛星が与えるんだというようなことが国民にわかってくれば、国民も、これは、宇宙開発はぜひやってもらいたい、積極的に協力をしようではないか——国民の協力とそういうふうな理解、関心というものがなければ、政府側が一方的に開発をやろうとしても、開発はなかなか進めにくい実態であります。これをわからせるための政府側の努力というもの、これが必要なんじゃないか。学問的にむずかしいことを言えば、電離層とか地磁気との関連だとかエックス線、宇宙線あるいは大気の密度、まあこれは非常に基本的に重要なことでありますけれども、なかなかこれを国民に理解させることはむずかしいと思います。そういうことではなしに、そういった夢を与えるような方策をひとつ考えて、大いにこれはPRといいますか、そういうことが必要だと思います。その点について何か御意見があれば、また抱負があればひとつ伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/18
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019・鍋島直紹
○鍋島国務大臣 ただいま石川議員の言われましたことは、そのとおりだと存じます。現実の問題として、宇宙開発をやろうとして、また、私も勉強しようとして本を調べても、なかなか見当たらないという現状でございます。何とかして、いよいよ乗り出した以上は、これは国民の支持を得なければなりませんので、まず、人工衛星あるいはそれを発射するロケットがいかにわれわれの生活に密着しておるか、たとえばオリンピックのテレビをそのまま見る場合においても、どうしても人工衛星が必要である。そのような手近なものから、さらに、いま石川議員が言われましたような未知の世界、あるいはさらに進んだ宇宙空間の利用に伴う今後の夢、それらのことについてはぜひ私たちもPRをやりたいと考えております。大体本年度は、実は前二階堂長官のときからの懸案になりまして、何とかしてPR費用をとりたいということで予算折衝をしまして、現在まあ頭が出ているといいましょうか、一千万円程度のPR費用はことしからついております。先般御議決になめました予算についておるわけでございまして、これではまだ足りないかと思いますが、パンフレットをつくるなり、あるいはそのほか、あらゆる面で国民の御理解を得るようにPRのためには全土を尽くしたい。しかも、その内容は、さしあたりの実用衛星から宇宙空間の全般にわたる将来の夢についてもひとつぜひやりたい。具体的な名案があれば、ひとつこれもまたお教えを願いたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/19
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020・石川次夫
○石川委員 そういう技術的な問題についていろいろ御説明を求めようとすれば幾らでも質問の材料はあるわけです。しかし、そう言っては失礼でありますけれども、専門家の方もいらっしゃっておりませんし、これは委員長にもお願いをしておきたいと思うのでありますけれども、参考人として専門家を呼んで、一回ぜひこの宇宙開発の目的というふうなものについて教えてもらう機会をこの委員会でひとつ設けてもらいたいと思うのです。われわれ自身がもうほとんど知識のないままに宇宙開発というお題目を並べてみたところで、われわれ自身も自信が、力が持ってない、こういうことでありますので、ぜひひとつお願いをしたいと思いますけれども、これは軍事利用としても確かに有効だと思うのです。軍艦の配置あるいは機雷がどこにあるかというふうなことまで人工衛星ですべてわかるということにもなるわけですが、これは平和利用にすればまた無限の用途があるわけであります。たとえば北氷洋の氷の動きだとか、あるいは奥深い密林に火事があったというようなときには、すぐに人工衛星で発見することができるし、もっと身近な問題としては、この前申し上げたように気象観測、これは有効に使えば、あちらこちらに観測所を設けなくても、人工衛星によって気象観測をほとんど完ぺきに行なうことも夢ではないというようなこともいわれておるわけです。こういうようなことでぜひこの人工衛星を平和利用で国民の、ほんとうの人民の福祉と繁栄のために使えるというようなことにまで高めていってもらいたいという希望を持っておるわけであります。それにつけても、この前の質問でも申し上げましたけれども、軍事利用ということになると、とたんに国民の協力、合意というものが失われてしまう。そういうことが非常に懸念をされるわけであります。軍事利用はしないんだということを、この前、総理大臣からしっかり確約をいただいておりますから、その限りにおいては私もそれを信じる以外にはないわけでありますけれども、しかし、ともすると、やはり人工衛星は軍事利用として最適のものだという考え方がかま首をもたげるという危険性がないわけではない。この点で十分にひとつ平和利用に限定をするという基本線を守り抜いていただいて、しかも、平和利用の道はこんなに広いのだ、こういうふうにわれわれ人類の生活には繁栄と幸福というものをもたらすのだというような、国民の協力を得られるPRということをひとつ行なっていただいて、宇宙開発が国民の合意と協力のもとに強力に進められて、四十八年の静止衛星——私はいまの時点ではこれは不可能だと思います。これは、レートジャイロその他の問題がありまして、不可能だとは思いますけれども、不可能を可能にするための委員会の設置、こういうふうに考えておりますので、ぜひひとつその点はよろしくお願いしたいと思っております。
そこで技術的な問題をはずしますと、あとは、この前言ったようなことの大体だめ押しみたいなかっこうになるわけでありますけれども、あと一回大臣が来られたところで確認をしたいと思っております。
それは、宇宙開発及び利用に関する基本方針を明らかにするために、すみやかに宇宙基本法について検討を進めてその立法化をはかる、こういうことになっておりまして、これは与野党間で完全に意見の一致を見ておるわけであります。これは議員立法でわれわれはやりたい、こう思っておるわけでありますけれども、大体与野党間で話をつけるための小委員会を——立法府でありますから、これは長官の意見を聞いてどうこうというわけではございませんけれども、小委員会を設ける、小委員会を設けて参議院議員の選挙のあとでおそらく臨時国会というものが行なわれるでありましょうから、参議院の選挙の後の臨時国会ではこの成立をはかる、あるいはおそくもこの次の通常国会には宇宙開発基本法というものの成立をはかりたい、こうわれわれは念願をしておるわけであります。このことは、自民党の方も野党のその他の党の方も完全に理事懇談会では意見の一致している点でありますので、この点はひとつ十分に理解をいただいて協力をしてもらいたい、こう思っております。何か御意見があれば伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/20
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021・鍋島直紹
○鍋島国務大臣 宇宙開発基本法につきましては、もうすでに科学技術庁におきましても、事務的にこれの立法化のいわば作業といいますか、いろいろ事務的な作業を進めさせております。立法府におかれまして議員立法とされるのはまことにけっこうだと存じますので、ぜひひとつ科学技術庁にも御連絡をいただきましてりっぱなものができ上がることを、私は一日も早くこれができ上がることを念願いたしておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/21
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022・石川次夫
○石川委員 これもいまさらだめ押しのようなかっこうになりますけれども、「宇宙開発委員会の運営の強化を図るため、早急に委員を常勤とするよう努めること。」こういう附帯決議が出ることになっておるわけであります。
そこで「早急に」ということばの解釈でありますけれども、これはわれわれの希望としては「早急に委員を常勤とすること。」こういうふうにしてあったわけであります。ところが「常勤とするよう努めること。」というふうな妥協案になったわけでありますけれども、こうなると、これは、実現はおそくも来年度からやってもらいたい。これは予算の関係がありますから、ことし直ちにというわけにはいかないということで、この「努めること」というふうになったと思うのでありますけれども、昭和四十四年からは、是が非でも常勤制度を実現させてもらいたいというわれわれのたっての希望であります。この点について長官の所信を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/22
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023・鍋島直紹
○鍋島国務大臣 非常勤にいたしております理由は、宇宙開発という大きなものの最高方針をきめてまいりますために、どうしても日本における最高のスタッフの人をそろえたいという気持ちでございまして、そのためには、具体的に申し上げますと、常勤にいたしますと、兼職の関係あるいは常勤に差し上げる報酬の関係等におきまして、なかなか最高のスタッフ、適任者が見当たらない。そういったようなことで、まず非常勤のスタッフから進めてまいりたいというふうにしたわけでございます。したがって、その運営にあたりまして、この点はそういう人が得られ、しかも、だんだん忙しくなってくるかと思いますが、今後におきまして、常勤にすることについてはぜひ慎重にこれは検討を加え、また運営状況を見て来年度に考えてまいりたいというふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/23
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024・石川次夫
○石川委員 これはぜひ来年度から実現をさせたいと思いますけれども、いまの長官の答弁でありますと、何か自信のなさそうなような答弁のように聞こえるわけですね。それで、これはなるほど人が得られない、宇宙開発のほうの関係は学者がきわめて少ないというようなこともあるし、それがそれぞれあるところに所属をしているということで、それを常勤のほうに持ってくるということは非常に困難だということも、わからないことはないのですけれども、しかし四名全部は——われわれは六名を希望しておるわけでありますけれども、それを全部が全部というふうにわれわれは考えておるわけじゃないわけであります。たとえば、これはわれわれが六名といっても六名でなくて、四名と仮定すると、そのうち半分常勤だということになると、たった二名なんですよ。このぐらいの常勤がなければ、最低限開発委員会というものが強化をするということにはならない。また、この仕事は、先ほど申し上げたように、いまの時点では非常に立ちおくれておる。これは、佐藤さんは、第三番目は日本だなんて大きなことを言っておりますけれども、無線誘導装置一つを考えても、とてもとても第三番目にはなりそうもないのですよ。いろいろな人の意見を聞きますとですね。それは、フランスあたりも自分の力でやったのではないということをいわれておりますけれども、それにしても、日本もこの関係ではきわめて立ちおくれておるというので、これを何とか促進するということのためには、せめて常勤制度くらいは来年から実現するということでなければ、政府の取り組む姿勢というものは疑わしい、こう思わざるを得ないので、これはどうしても来年度から実現させてもらいたい、こう希望したいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/24
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025・鍋島直紹
○鍋島国務大臣 先ほどの答弁、少し不明瞭であったかもしれませんが、当初やはり事務局でも常勤を考えておったわけでございます。しかし先ほどのような状態で非常勤としてことしは御提案申し上げましたが、来年からは常勤を——これは全部ではございませんで、おそらく半数ぐらいは必要だと思いますが、常勤にするべく検討を加え、来年度には要求するようにいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/25
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026・石川次夫
○石川委員 それでは、これで終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/26
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027・沖本泰幸
○沖本委員長 小宮山重四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/27
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028・小宮山重四郎
○小宮山委員 宇宙開発委員会設置法案につきましては、当科学技術振興対策特別委員会に、内閣総理大臣をはじめ関係各閣僚の御出席を得て慎重審議を重ねてまいりましたところでありますが、これまでの審議を通じて、宇宙の利用は平和目的に限るべきことなど、宇宙開発委員会における利用の取り扱いについて次のような事項が明確にされたものと考えます。
すなわち、宇宙開発委員会設置法案第二条の宇宙開発における利用の取り扱いにつきましては、
一、宇宙の開発は、いうまでもなく、宇宙の利用のための開発であり、したがって、それぞれの人工衛星は諸般の利用目的に応ずるためのものであるから「人工衛星およびこれを打ち上げるためのロケットの開発」について本委員会が企画し、審議し、決定する際には、当該人工衛星の利用目的および外国が打ち上げた人工衛星の利用等についての検討が含まれることは当然である。
二、宇宙の利用目的としては、宇宙の科学観測(このための人工衛星は科学衛星である)のような学術目的と、通信、気象、航行、測地等の実用目的とが考えられるが、これらいずれの目的のための人工衛星の開発も本委員会の所掌に含まれる。
また、人工衛星および人工衛星打上げ用ロケットを手段として、たとえば月その他の天体を探測し、あるいは月その他の天体に諸般の施設、装置等を施すことも、その開発については本委員会の所掌に含まれる。
三、核兵器その他の大量破壊兵器を運ぶ目的に利用するための人工衛星の開発は、宇宙条約(月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約)によって禁止されており、従って当然のことながらわが国においても、これを行なうことはできないので、本委員会において、これを取り扱うことはない。
また、核兵器その他の兵器を運ぶ目的に利用するための宇宙飛行ロケットの開発もわが国では行なう意図がないので、本委員会においてはこれを取り扱わない。
四、宇宙利用のために行なうそれぞれの人工衛星の開発が終了し、当該人工衛星が実用に供しうるものとなった後、これを製作し、これによって、それぞれの実利用を行なうことについては、当該利用を所掌する省庁において実施することは当然であり、その具体的内容(たとえば周波数の決定、使用料金の問題等)にまで本委員会が関与することはない。(この点は外国における宇宙開発機構についても同様である。)
五、ただし、実利用の段階に入っても、人工衛星の打上げ、および追跡については、本委員会がこれを所掌することは、法文上明らかである。
六、宇宙の科学観測を、人工衛星を使用せずロケットによって行なう場合、当該ロケットの開発は、本委員会の所掌ではないが、これは、現在すでに小型のものについては、既開発のロケットを使用して実際に宇宙の科学観測が定常的に行なわれている段階である(また、この目的のための大型ロケットを大学において今後開発する意図がない)ために、本委員会の所掌に含めていないものである。
政府としては、これに対して御異存ございませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/28
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029・鍋島直紹
○鍋島国務大臣 異存ございません。さように心得えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/29
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030・小宮山重四郎
○小宮山委員 それでは、これをもって宇宙開発委員会設置法案第二条の、宇宙開発における利用の取り扱いに関する本委員会における各党間の統一された見解といたしたいと思います。
〔「賛成」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/30
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031・沖本泰幸
○沖本委員長 これにて質疑は終了いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/31
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032・沖本泰幸
○沖本委員長 ただいま委員長の手元に、小宮山重四郎君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党共同提案にかかる宇宙開発委員会設置法案に対する修正案が提出されております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/32
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033・沖本泰幸
○沖本委員長 まず、提出者より趣旨の説明を求めます。小宮山重四郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/33
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034・小宮山重四郎
○小宮山委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の四党を代表いたしまして、宇宙開発委員会設置法案に対する修正案の趣旨について、簡単に御説明申し上げます。
まず第一は、宇宙開発委員会は、宇宙の開発に関する国の施策の総合的かつ計画的な推進について、その民主的な運営に資するため設置されるものであること、及びその所掌事務について、企画し、審議するほか、決定するものであることを明記すること。
第二は、委員の任命にあたっては、両議院の同意を得るものとすること。
第三は、施行期日を公布の日とすること。
以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/34
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035・沖本泰幸
○沖本委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/35
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036・沖本泰幸
○沖本委員長 これより本案及び修正案について討論に入るのでありますが、別に討論の通告がございませんので、直ちに宇宙開発委員会設置法案について採決いたします。
最初に、小宮山重四郎君外三名提出の修正案について採決いたします。
本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/36
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037・沖本泰幸
○沖本委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。
次に、ただいまの修正部分を除いて、原案について採決いたします。
これに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/37
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038・沖本泰幸
○沖本委員長 起立総員。よって、本案は修正議決いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/38
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039・沖本泰幸
○沖本委員長 ただいま修正議決いたしました本案に対し、石川次夫君外三名より、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党の共同提案として、附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
まず、提出者に趣旨の説明を求めます。石川次夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/39
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040・石川次夫
○石川委員 宇宙開発委員会設置法案に対しまして、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党では、いままで十回ほどの理事懇談会等を通じましていろいろ審議をいたしました結果、先ほどの修正案以外に附帯決議をつけるべきであるという結論に達しましたので、まず案文を朗読いたします。
宇宙開発委員会設置法案に対する附帯決議(案)
一、わが国における宇宙の開発及び利用に関する基本方針を明らかにするため、すみやかに宇宙基本法につき検討を進め、その立法化を図ること。
二、右の基本法の検討にあたっては、原子力基本法第二条と同様の考え方によるとともにすでに批准された「国際の平和及び安全の維持並びに国際間の協力及び理解の促進」を旨とする「月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約」の趣旨にのっとり、かつ、世界における宇宙の開発及び利用の動向に対する十分な見通しの上に立ってこれを行なうものとすること。
三、宇宙開発委員会の運営の強化を図るため、早急に委員を常勤とするよう努めること。
以上であります。
なお、その趣旨につきましては、ただいまの案文の朗読で十分御了解いただけたと存じますので、省略させていただきます。
委員各位の御賛同をお願いする次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/40
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041・沖本泰幸
○沖本委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。
本動議につきましては、別に発言の申し出もございませんので、これより採決いたします。
本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/41
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042・沖本泰幸
○沖本委員長 起立総員。よって、本動議は可決いたしました。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/42
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043・沖本泰幸
○沖本委員長 おはかりいたします。
ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/43
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044・沖本泰幸
○沖本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。
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〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/44
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045・沖本泰幸
○沖本委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後七時三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105803913X01219680419/45
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