1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年五月十七日(金曜日)
午前十時九分開議
出席委員
委員長 八田 貞義君
理事 佐々木義武君 理事 田川 誠一君
理事 橋本龍太郎君 理事 藤本 孝雄君
理事 粟山 秀君 理事 河野 正君
理事 田邊 誠君
伊藤宗一郎君 大坪 保雄君
大野 明君 澁谷 直藏君
正示啓次郎君 田中 正巳君
竹内 黎一君 葉梨 信行君
三ツ林弥太郎君 箕輪 登君
渡辺 肇君 枝村 要作君
後藤 俊男君 島本 虎三君
平等 文成君 八木 一男君
山本 政弘君 本島百合子君
和田 耕作君 中野 明君
伏木 和雄君 關谷 勝利君
出席国務大臣
厚 生 大 臣 園田 直君
出席政府委員
厚生政務次官 谷垣 專一君
厚生大臣官房長 戸澤 政方君
厚生省社会局長 今村 譲君
厚生省児童家庭
局長 渥美 節夫君
厚生省年金局長 伊部 英男君
社会保険庁年金
保険部長 中村 一成君
委員外の出席者
大蔵省主計局主
計官 辻 敬一君
専 門 員 安中 忠雄君
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五月十七日
委員倉石忠雄君、齋藤邦吉君、世耕政隆君、西
岡武夫君、増岡博之君、山本政弘君及び伏木和
雄君辞任につき、その補欠として大野明君、正
示啓次郎君、葉梨信行君、福永一臣君、伊藤宗
一郎君、久保田鶴松君及び渡部一郎君が議長の
指名で委員に選任された。
同日
委員伊藤宗一郎君、大野明君、正示啓次郎君、
葉梨信行君及び久保田鶴松君辞任につき、その
補欠として増岡博之君、倉石忠雄君、齋藤邦吉
君、世耕政隆君及び山本政弘君が議長の指名で
委員に選任された。
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五月十六日
原爆被害者援護法制定に関する請願(神近市子
君紹介)(第五九一三号)
同(本島百合子君紹介)(第五九一四号)
引揚医師の免許及び試験の特例に関する請願
(中山マサ君紹介)(第五九一五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国民年金法等の一部を改正する法律案(内閣提
出第五二号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/0
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001・八田貞義
○八田委員長 これより会議を開きます。
内閣提出の国民年金法等の一部を改正する法律案を議題とし、審査を進めます。
質疑の申し出がありますので、これを許します。和田耕作君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/1
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002・和田耕作
○和田委員 年金の質疑に入る前にちょっとお伺いしたいのですけれども、年金の支給額はどういうたてまえで額をお選びになっていますか。それでもって生活のできるものということを目安にしているのか、あるいはその他何らかの基準があるのかということをお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/2
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003・伊部英男
○伊部政府委員 年金の額の考え方でございますが、拠出制年金につきましては、それによりまして実質的な生活のよりどころになるということを目標として考えたいと思っておるのでございますが、しかしながら、これに伴う、たとえば保険料の負担でございますとかその他の問題もございますので、それらを勘案しつつ、目標といたしましては、実質的なよりどころになっていくということを念頭に置きたいと考えておるのでございます。
福祉年金は、御承知のように全額一般会計負担でございますので、かつ経過的なその性格から申し上げましても、率直に申し上げまして、なかなかその水準まではまいらない現状におきましては、老人方の家庭内における地位の強化、そういった目的には十分役立っておると思うのでございますが、現状においてはまだそこまでいっておらない。引き続き今後とも改善に努力をしたい、こういう基本的な考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/3
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004・和田耕作
○和田委員 年金は、たとえばイギリスとかスウェーデンという国は、一般の勤労所得とどのくらいの開きがあるわけですか。それと日本との違いですね。いま厚生年金であれば大体一万円なり二万円という目安がある。国民年金であればそれより少し低いわけですけれども、先進諸国のイギリス、スウェーデンと比較してみると、どういうふうなことになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/4
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005・伊部英男
○伊部政府委員 年金額の比較をいたします上におきまして、非常に実はむずかしいいろいろの問題がございます。と申しますのは、一つは年金の支給時期でございます。御承知のとおり、西欧諸国におきましては、支給開始年齢が六十五歳でございますが、日本では、厚生年金におきましては六十歳、国民年金では六十五歳でございますが、支給開始年齢に差がございます。それから、制度の歴史がどの程度背景にあるかということがまたあるのでございます。つまり厚生年金は発足以来二十五年を経過いたしておるのでございますが、国民年金につきましてはいまだ七年程度の経過でございます。したがいまして、長い制度であればあるほど、長い被保険者期間を持った方が出るわけでございます。したがって、平均的に見ますと高い保険料が出てくるということになるわけでございます。特に厚生年金の場合で申し上げますと、現在出ておりますのは、最近の新規裁定年金の平均で申し上げますと、御指摘のように一万円前後のラインに到達いたしておるのでございますが、実は厚生年金の新規裁定を受ける方の非常に多くの方々が、四十歳以上十五年といういわば経過的な年金受給者である、あるいは坑内夫の年金による年数加算を受けておるといった方が含まれておるのでございます。一方、国際的には、支給開始年齢のほかに、年金の受給資格といたしましては、三十年が一般的ないわば相場でございます。これはILO条約においても三十年を前提にいたしておるわけでございまして、そういう意味合いにおきまして国際比較は非常にむずかしい面がございます。かりにいたしますと、いわば各国ともモデルを構成をいたしまして比較をするということになるのでございますが、たとえば日本でモデルを構成いたしますと、外国並みにいたしますと三十年というような前提でものごとを考えざるを得ない。したがって、実は実情に合わないモデルができてしまうということに相なるのでございますが、かりに三十年といたしますと、厚生年金で申し上げますと平均標準報酬の三〇%、これとほぼ同額の定額部分というたてまえになっておるのでございまして、たてまえといたしましては国際的にそう低い水準ではないと考えておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/5
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006・和田耕作
○和田委員 年金額が百円、二百円と非常に小幅に毎年上がっているわけですね。今年度もそうですけれども、これは物価調整的な意味だというふうに受け取っていいのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/6
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007・伊部英男
○伊部政府委員 保険料の負担を伴います拠出制のものにつきましては、従来のルールといたしましてはおおむね五年ごとということで、先般の御審議いただきました大改正によりまして相当の引き上げを実施したのでございますが、その際にも、福祉年金をどう考えるかということは実は非常に大きな問題になったのでございます。その大改正の際の考え方といたしましては、福祉年金は五年を待たずしてそれ以前にも改善の措置を講じておりますので、拠出制年金のように保険料負担を引き上げて改善をはかるという性質のものでなくて、一般会計の負担でございますので、拠出制年金と同じ比率では上げない、しかしながら、逐次今後とも引き上げるということで、四十一年の改正は二百円の引き上げを実施したのでございますが、その後引き続き毎年引き上げを実施いたしておるのでございます。その結果、ただいま御指摘のように、おおむね制度発足当時の物価にはスライドしておると考えてよろしいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/7
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008・和田耕作
○和田委員 たしかこれも、法律の中には生活水準ということばが一つの基準になっているような項目があるのですけれども、生活水準が上がっていくということになれば、収入のアップと見合うわけですから、物価が〇・五%前後とすれば、生活水準は大体一〇%をこしているということですね。その間の問題は、法律の中にある項目の適用との関係はどういうことになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/8
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009・伊部英男
○伊部政府委員 ただいま御指摘の、生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には調整をせよという規定は、国民年金法第四条の第一項に掲げられているものでございますが、この条文の趣旨は拠出制の年金についての条文であるのでございます。しかしながら、御指摘のように、福祉年金につきましても生活水準に見合って改善をしていきたいと考えておるのでございまして、今後ともその線に沿って努力いたしたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/9
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010・和田耕作
○和田委員 一見して引き上げの幅が非常に少ない小刻みな、何かみみっちい感じで、将来の年金、つまりそれによって一応生活の最低限がささえられる年金、それに近づいていく程度としては、非常に遅々とし過ぎておるという感じですね。そういう点について、もう少し意欲的にある一つの標準をきめて、それに向かって接近をするようにぜひともひとつ取り計いいただきたいと思うのです。これは御要望いたしたいと思うわけです。
そこで、たとえば十五年から二十年ぐらいしますと、一応厚生年金にしても、国民年金にしても、本格的な展開が始まるわけですね。そういうふうな時期に年金でもって生活はできるかということになりますと、年金の額だけではなかなかむずかしいと思うのです。したがって、そういうふうな場合、老人ホームとかそういう生活の基礎的な住宅その他の諸条件を、年金とうらはらになって整備していかなければならぬと思うのですね。そうしないと、これは何ぼうまくやりましても、年金の額だけで生活の最低限ができていくということは、非常に困難だと思う。そういうような住宅その他の問題を計画してやっていかなければならぬと思うのですけれども、それについて、いまの年金の毎年毎年積み重ねていく、プールされておる金額ですね、これは現在どれくらいで、毎年どれくらいずつ加算されていきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/10
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011・伊部英男
○伊部政府委員 四十二年度末におきまして、厚生年金保険におきます積み立て金は二兆三千二百六十三億円、国民年金では三千三百二十四億円でございまして、本年度の積み立て金の増加額は約六千億と見込んでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/11
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012・和田耕作
○和田委員 現在でも還元的な融資という形で福祉施設への融資が行なわれておると思うのですけれども、その中で、いま私が申し上げたように、将来十五年、二十年後に年金でもってお年寄りが最低の生活ができるような設備ですね、老人ホーム、こういうふうなものに対しての計画的な投資を考えておられるかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/12
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013・伊部英男
○伊部政府委員 御指摘のように、今後老齢年金受給者が急増してまいるわけでございますし、一方戦後工業化が急速に進みまして、労働者も被保険者も急増いたしておりますし、また一方、その間、都市人口も急増いたしたのでございまして、一定の時期には、御指摘のように、老人の住宅問題というのが非常に重要な問題になると考えられるのでございます。そこで、御指摘のように、積み立て金の運用によりまして、老人が年金で暮らせるような住宅、老人ホームを建築をしていくということは、年金の立場からも非常に望ましいことであると考えるのでございまして、現在厚生年金保険の福祉施設といたしまして、全国に十数カ所老人ホームが設置されておりますし、また積み立て金の運用といたしまして、最近五カ年間に件数として約二百七十件、金額として約二十億円。そのほか一般住宅でございますが、たとえば四十一年度三万八千戸、四十二年度四万二千戸の融資が行なわれておるのでございます。しかしながら、御指摘のように、今後は、特に年金の立場から申しましても、老人の住宅問題というものについて前向きに検討をしなければならぬと考えるものでございまして、関係省あるいは関係局とも相談をいたしまして、御趣旨に沿うように努力いたしたいと考えるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/13
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014・和田耕作
○和田委員 この基金の使用の優先順位はいろいろ考えられると思いますけれども、これは年金として集めた金でありますから、年金というのは、その年金でもって最低生活ができるという、それを保障しておるわけですから、一般の社会施設に対して融資をすることも必要ではありますけれども、第一の優先順位は、やはり将来年金の給付が完全に発揮できるような時期においては、必ず老人に対してその保障ができるような投資というものが第一の優先にならなければならない。それに対する計画的な投資というものがこの基金の第一優先のあれにならなければならぬ。そのための計画が必要だ。たとえば十五年後に六十五以上の老齢者が人口の一五、六%になるとしますと、膨大な金が必要ですね。そういうような問題に対しての御検討をなさっておられるかどうかということですね。いろいろな多方面に現在運用されておるようです。一般のあれに入っておるようですけれども、その問題だけは厚生省として責任を持って計画を立てて、それに最優先に使っていくという配慮が必要だと私思うのですが、どういうふうにお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/14
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015・伊部英男
○伊部政府委員 御指摘のように、今後老齢人口が急増してまいりますので、これに対して計画的に積み立て金の運用をせよという御意見はまことにごもっともと考えるのでございます。現在住宅問題につきましては、住宅対策五カ年計画ということで、政府全体として総合的な計画を立てておるのでございますけれども、なお、このワク内におきまして関係省とも十分打ち合わせをし、ただいま御指摘のように、積み立て金の還元融資の優先順位といたしましては、年金受給者の還元融資ということから申しましても、住宅が最も優先順位が高いのは当然でございますので、ただいま年金融資の立場としての具体的計画を持っておるわけではございませんけれども、御趣旨に沿って努力いたしたいと考えるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/15
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016・和田耕作
○和田委員 ぜひともその問題についての計画的な一つの見通し、実施をひとつお願いいたしたい。
もう一つの問題は、重度身体障害児と精薄児に対する特別の児童扶養手当というのがございますね。これの給付が月千九百円ということですが、この重度障害児と精神薄弱児を持っておる家庭、これは私の選挙区のそういう人たちによくお目にかかるし、その人と一緒にあれするのですけれども、とりわけたいへんな負担だと思うのですね。これは他の者と多少区別ができるのではないか、区別する理由もあるのではないかと私は思うのです。この問題を他のグループと離してもう少し手厚く見てあげる必要が私はあると思うのですが、どうなんでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/16
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017・渥美節夫
○渥美政府委員 御指摘のように精神薄弱でその症状が非常に重度の者、あるいは身体障害でその症状が非常に重度な者につきましては、その家庭において非常に御苦労されていると思います。したがいまして、そういった点に着目いたしまして特別児童扶養手当という制度ができたわけでございます。その毎月の給付額は、母子世帯の児童扶養手当と同額になっているわけでございます。その点について問題があるという御指摘ではございますが、そういった制度がございますので、それに合わせて毎月の給付額がきめられておるわけでございます。しかしながら、心身に重度の障害を持った者に対しましては、別に児童福祉法におきまして、児童福祉施設の整備でございますとか、あるいは特に精薄と肢体不自由が重複しておる者につきましては、重症心身障害児という定義のもとに、これもやはり施設の整備でございますとか、特に本年度におきましては、在宅の方々に対しましてはギャッチベッドの貸与ということも考えております。そういうふうな他の施策も整備するとともに、この児童扶養手当の改善に関しましても将来つとめていかなければいけない、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/17
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018・和田耕作
○和田委員 その趣旨はわかりますけれども、これは一つの経過的な措置として、私はこのことを非常に必要だと思っておるのですけれども、たとえば精薄児を収容する埼玉県の秩父学園ですか、あそこにしても、そういうふうな施設が全国に非常に少ないので、何ぼ申し込んでも入られない。この前もある機会に申し上げましたが、ある労働組合員の子供が精薄で、昭和三十九年に秩父学園に申し込んだが、なかなか入れないので、私のところに電話がかかってきた。何とか早く入れるようにあっせんできまいかということで、調べましたところが、これは昨年の七月ごろでしたけれども、昨年の七月の段階で千人待っておられるのですね。三十九年に申し込んだ人がそのうちの五百番目だというのですね。そういうふうに設備が非常に足らないのです。これは在宅あるいは非常に高いところに預けてあれをしておるということで、そういうふうな人が非常に多いですね。数も大体わかっておりますけれども、非常に多い。そういうことですから、最小限経過的な措置としましても、そういう方に対する扶養手当というものを増額する必要があると思うのです。渋谷のあるところへ、精薄の子供を持っておるお母さん三人くらいの人が一度お見えになりまして、行きましたら、朝八時半に子供と一緒に家を出まして、四時半まで先生の手伝いをしてずっと子供と一緒におって、四時半に家にお帰りになって、そして家の仕事もむろん見ている。こういう状態を見ますと、ほんとうにたいへんだなと思いますね。国のそういう収容する施設があればいいのですけれども、まだないのです。あっても非常に少ないという状況ですから、こういう問題についても経過的な措置は絶対に必要だと私は思うのです。他の人との区別がつきにくいというなら別ですけれども、重度身体障害と精薄の場合は、わりあいその他の人との区別をつけやすいと私は思うのです。最近自閉症の患者が出ております。これも同じように扱っていかなければならぬと思うのですけれども、そういう点もなお一そうお考えになっていただけるかどうかということですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/18
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019・渥美節夫
○渥美政府委員 御指摘のように、精神薄弱の中でも、たとえば知能指数が三五以下というような重度の方につきましては、ただいまのところ施設も非常に不足でございますし、その子供たちに対する処遇というものはむずかしいわけでございます。秩父学園がいまから十年前にできましたのも、その重度対策ということで設立いたしまして、現在百二十五人の子供を収容いたしておるわけでありますが、非常に足りないわけでございまして、三年前から、そういった重度の子供に対しまして、一般の精神薄弱児施設の中におきましても、特に重度棟という制度をつくりまして、それによりまして、いま申しました重度の子供さんに対する収容を開始したのでございます。現在のところ、国立秩父学園のほかに、その重度棟、あるいは重度の子供に対しまして特別の取り扱いをしている数が約千五百になっておりまして、こういった重度棟の設置でありますとか、重度の子供に対します処遇の改善というものを、さらに積極的に今後も進めていかなくてはならないと思いますし、同時に、特に本年度からは、めくらでございまして精薄の子供、こういった子供に対しましても特に手厚く処遇するということも予算化いたしておるわけでございます。そういうふうなことで、手当の額につきましては、いろいろと他との関連がございまして、なかなか困難ではございますけれども、そのように他の施策におきまして、特に重度の子供に対します処遇の改善を進めていきたい、かように考えておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/19
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020・和田耕作
○和田委員 私の質問はこれで終わりたいと思いますが、取りまとめてみますと、第一項は、やはり拠出的な年金の各年金額が物価にスライドするということは当然のことですね。それだけでなくて、せっかく法律の中には生活水準を標準にしたアップの標準があるわけですから、ひとつできるだけ早く年金額を生活できるような額にまで引き上げてもらいたいということが第一点でございます。
第二点は、年金が本格的に発動する時期を目安にして、生活諸条件、特に住宅の問題、この問題を重複して計画していくようにする。十五年たってたくさんの人に支給する、支給してもその額では全然生活もできないということでは、国がうそを言うことになるわけですから、もう少し住宅その他を含めて計画して、今後の老人対策をやっていってもらいたい、これが第二点。
第三点としては、特殊の問題としての重度の身体障害児並びに精薄児に対して、経過的な措置という意味にしたほうがはっきりしていると思いますけれども、国がそういう収容施設ができるまでは特別の手当を支給する必要があるのではないか、このことを三点要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/20
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021・八田貞義
○八田委員長 次に中野明君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/21
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022・中野明
○中野(明)委員 いままでこの法案についてはかなり御意見が出ておるようでありますので、私のほうからは、とりわけて指摘してということよりも、社会福祉の重要性は、いまさら私が言うまでもございませんし、近くは五十五国会にも附帯決議として出されておりますように、各年金額の大幅の引き上げ、これについてはもう毎回の要望であります。今回の改正は、その要請にこたえて一本前進とは思いますけれども、上げ幅がまだまだ低い、私どもこのように思っております。今後あらゆる努力を払われて年金、手当の上げ幅をもっともっと大きくしていただきたい、このように私たちは考えるわけであります。この現在の引上げ幅で御満足なのかどうか、その点を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/22
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023・伊部英男
○伊部政府委員 御指摘のように、福祉年金の改定につきまして、今後とも引き続き御趣旨に沿って努力いたしたい、かように考えておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/23
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024・中野明
○中野(明)委員 来年度は厚生年金改正の時期にきているようでありますが、それと相照らして国民年金全体の改正ということも私ども考えなければならない、こう思っておるのでありますが、政府のほうではこの点についてどこまでお考えになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/24
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025・伊部英男
○伊部政府委員 御指摘のように、厚生年金は明年度が再計算期に該当いたしておるのでございます。国民年金の再計算期は四十六年でございますが、その間に物価、生活水準等におきましても相当の変動がございます。また、国民年金を三年間ほうっておくというわけにはまいらないというぐあいに厚生省としては考えておるのでございまして、厚生年金の再計算期を機会に、国民年金につきましても基本的な検討を加えたいという基本線のもとに、ただいま国民年金審議会におきまして御審議をいただいておるという状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/25
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026・中野明
○中野(明)委員 いま一点。農民年金の話が巷間伝わってまいっておりますが、この農民年金のことについては、どの程度まで構想をお持ちになっておるのか、どの程度まで進んでおるのか、その点について現在までの状況をお聞かせ願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/26
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027・伊部英男
○伊部政府委員 農民年金問題につきましては、ただいま農林省におきまして農民年金問題研究会の検討が行なわれておるのでございまして、一方国民年金審議会におきましては、農民年金部会を設けまして、昨年の秋以来検討をいたしておる段階でございます。そこで最終的には、国民年金審議会の議を経て政府としての案をまとめていくということになると思うのでございますが、ただいま年金制度全体の発展の方向を見定めつつ、各方面の御意見を拝聴し、慎重検討に当たっておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/27
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028・中野明
○中野(明)委員 農民年金のことは相当強い要望もあるようであります。ただ、国民年金とのかね合いがございますので、なかなかそう簡単にはいかぬのじゃないかと思っておりますが、検討をさらに続けていただきたい、このように思うわけであります。
いま一点だけ。所得比例による国民年金を検討されている、そういうことが伝えられております。その点についてもどの程度まで構想をお持ちになっているのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/28
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029・伊部英男
○伊部政府委員 国民年金の改正の主眼点の一つといたしまして、厚生年金、国民年金のバランスの問題が一つあるのでございまして、このバランスの上で見ますと、国民年金には所得比例制がないが、厚生年金には所得比例制があるということで、この点をどう考えるかということが、御指摘のように、ただいま国民年金審議会において議論もされておる段階でございます。
一方、昨年八月実施をいたしました国民年金改善調査によりますと、被保険者の方々にも、保険料は高くても高い給付を望むという御要望もまた相当あるようでございますので、こういったことも勘案しつつ、ただいま各方面の御意見を伺っておるという段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/29
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030・中野明
○中野(明)委員 厚生年金なり国民年金の倍増計画ということもありますが、そういうことになりますと、当然国庫負担の増加あるいは被保険者の負担が増大してまいります。これは私どもとしまして、国民的感情からも、被保険者の負担が増大するということ、この辺にいろいろと疑義があるわけでありますが、こういう点について何かお考えをお持ちになって、なるだけ被保険者の負担を軽くして、そして要望にこたえられるように検討していただきたいというのが私どもの気持ちであります。そこを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/30
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031・伊部英男
○伊部政府委員 お話のように、なるべく保険料を負担可能な範囲にとどめつつ、なるべく給付を充実していくということは、基本線として御指摘のとおりでございますが、一方において両制度のバランスということを考えます場合におきましては、やはり保険料負担におきましても両制度のバランスということも念頭に置かなくてはならない。両方の要請をにらみつつ給付の改善を考えてまいりたい、かように考えておる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/31
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032・中野明
○中野(明)委員 社会局長が参議院のほうに行っておられるようですから、局長にお聞きしたいことがありますので、一応これで保留させていただいて、時間の関係がございますから、次の人に質問をしていただいて、後ほど局長が見えたらお願いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/32
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033・八田貞義
○八田委員長 八木一男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/33
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034・八木一男
○八木(一)委員 国民年金法等の一部改正案について御質問を申し上げたいと思います。
大臣が来られるまで政務次官に御質問をいたしますが、今度の国民年金法の改正案は、おもに福祉年金の改正案。福祉年金については、時期は最初の計画より少し繰り上がっておりますが、来年の一月からその中心になる老齢福祉年金については月額三百円アップという計画があり、それを要求になさったはずであります。また、そのことは、前からの国民年金の審議を通じて、福祉年金の引き上げ方が少ないということで、前からの公約に従ってその計画がなされたものであります。それについて、何ゆえにそれが削減をされて、時期的な繰り上げがあったとしても、その三百円アップが百円アップという三分の一の金額にとどまったか、そのことについて大蔵省はどのような無理解な態度を示したか、その点について明らかにしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/34
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035・谷垣專一
○谷垣政府委員 端的に申し上げますと、予算の全体の関係におきまして主張が十分に通らなかったということで、端的に言えばそういうことになりますけれども、しかし他の所得制限の問題でありますとかその他の点で若干のあれがありましたり、先ほど御指摘のように、繰り上げの期間を例年よりも早くいたすというようなことで若干の色をつけたという形になっておりますが、八木先生のおっしゃっておりますように、端的に申し上げますと、私たちとしてもまだまだ十分でないという感じを持っております。
局長から詳しくお答えさせます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/35
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036・八木一男
○八木(一)委員 大蔵省主計官見えていますか。——大蔵省関係は大蔵大臣の出席を求めないとほんとうの意思がわからないので、出てこられる主計官には少し気の毒だと思いますが、しかし予算査定は主計官がおもに担当してやられるので、大蔵省の考え方がそこでわかるはずだと思うわけです。何ゆえんに厚生省の老齢福祉年金月額三百円アップを減らして百円アップにとどめたか、その間の大蔵省の考え方を聞かしていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/36
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037・辻敬一
○辻説明員 福祉年金の問題につきましては、従前から逐年金額の引き上げ、所得制限の緩和等をはかってまいったところでありますが、四十三年度におきましては、御承知のようなきびしい財政の事情がございましたけれども、先ほどおっしゃいましたような、年金額の引き上げあるいは所得制限の緩和をいたしますとともに、特に、従来実施時期は一月から実施しておったのでございますが、これを繰り上げて十月実施というような措置をとった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/37
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038・八木一男
○八木(一)委員 理由が一貫してないと思うのです。本年度の財政が苦しいのならば、一月から三百円アップにしておけば本年度の財政には関係がないわけです。それを繰り上げて——繰り上げたことはいいです。繰り上げて百円にするということは、大蔵省の本年度の財政調整上のどういう理由でそれができなかったか。ことしの九月からの分を支給するということになればことしの予算に関係があるが、一月からなら来年度予算しか関係はない。厚生省はそれのほうがいいと言ったのかどうか。その経過もはっきりしなければならないけれども、原案の三百円アップが——一月から実施するのを繰り上げたことはいいけれども、三百円が百円になった。どうもそのいきさつが、正しくものを考えるわれわれとしては納得がいかぬ。厚生省と大蔵省はどういう考え方でそういう調整をしたか。予算が苦しいならば、九月に実施することはちょっとおかしいことになる。どういうわけでへんてこなことをやったのか、その間を明らかにしてもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/38
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039・谷垣專一
○谷垣政府委員 確かに一月の場合は、実際の給与をいたしますのが翌年度になるわけでございますから、今年度の問題としては、私たちとしてはかえっていいんじゃないかという考え方もあったわけでございますが、ただこれは、まあ大蔵省のほうの御説明があるかと思いますけれども、財政を翌年にわたりましても拘束する、要するに財政の硬直化はそういうやり方が非常に原因になるのだ、こういう御意見も実はありまして、いまのようなことになったわけでございます。詳しくは大蔵省から説明があると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/39
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040・辻敬一
○辻説明員 ただいま厚生政務次官からお話がございましたように、一月実施といたしますと、御承知のように初年度は所要金額はゼロでございまして、翌年度に満額経費が要るわけでございます。そういうようなやり方でございますと、後年度に多額の財政負担を残すことになりまして、予算編成のあり方からいたしまして必ずしも適当でない、かように考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/40
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041・八木一男
○八木(一)委員 今年度の予算のことをまず考えるのが先だろうと思う。厚生省としては三百円アップをしようという計画のほうがまず先だと思う。どう考えても、それがどっちも一番最初のことを考えていない。大蔵省は本年度の予算をおさめることに苦労しているはずだ。それを特に今年度の予算をふやしてでも九月にやりたい。厚生省のほうは三百円アップを実現をしたい。それを捨てて九月にする。九月にしたことは、今年度に少し給付がふえますから悪くありません。厚生省としては、大蔵省が九月に出してくれるならば、それはいい。九月に百円アップをしなさい、しかし来年度三百円アップはこれは譲れない、九月に百円アップして、それから一月には二百円アップ——九月に百円アップをするならば、その二百円アップは今年度の方針として確定をして、そこで予算案、この法律案を出してこなければならない。それを簡単に譲るのはどうかしている。しかし、大蔵省が財政硬直というような一方的なことばで、国民の要求を、ほんとうに憲法に定まった社会保障を、憲法二十五条について不断に向上改善をしなければならないことを押えていることは非常に怠慢である。ある意味では憲法違反の公務員である。憲法九十九条で大蔵省は全員この点で責任をとらなければならないというふうに考えるものでありますが、その大蔵省が、本年度の予算の関係などでそれを削減をする。非常に奇妙なことだと思う。なぜ、九月に百円上げようという前向きのことを決定したら、それはそれにしておいて、一月からさらに二百円上げる、合計いまから見て三百円上げるということを厚生省は取りつけができなかったのか。大蔵省は、本年度に百円アップするような国民年金に誠意を示したならば、なぜその翌年から二百円アップをするようなことを快く承知をしなかったのか。
財政硬直ということを言うけれども、財政硬直というのは、大蔵省が歳入の問題について、大きな企業のほうの、整理をしなければならない租税特別措置法というようなものの整理をおくらせている。また税制の点で、いろいろの金持ち本位の税制をやるから収入が少ない。そのような財政の収入の硬直化のために支出ができないということになる。大蔵省は財政硬直化を、支出が硬直をするという支出の点だけで考えているけれども、収入を、大企業とか非常な金持ちから、当然担税能力のあるところから取れば、そういう問題は起こらないわけです。自分みずから収入の硬直化を来たしておいて、それを財政全体の硬直化という。また来年のことを言うなら、来年もその収入の硬直化を続けるつもりだ。(「来年のことを言うと鬼が笑う」と呼ぶ者あり」)黙れ。委員長、ああいうような発言があったら退場さしてくれ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/41
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042・八田貞義
○八田委員長 静粛に願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/42
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043・八木一男
○八木(一)委員 そういうような考え方で厚生省も腰の抜けた交渉をしてはなりません。大蔵省も、そのようなせせこましい態度で財政を考えてはいけない。そういう点について厚生省も大蔵省も十二分に反省して、収入の硬直化だけをしておきながら、財政の硬直化というようなことを宣伝をし、当然憲法に定まった、前進をしなければならないことをストップをさせるような態度は、大蔵省は改めなければならないし、その大蔵省に負けて主張を通せないような腰の抜けた厚生省の態度も、改めなければならないと思う。その点について厚生省と大蔵省の前向きの答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/43
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044・谷垣專一
○谷垣政府委員 八木先生の御熱意は、私たちもたいへんありがたいことだと思っております。
一月からのあれがことしは十月からになったということ。私たちのほうから言いますと、あまりにも増額の金額が少ないという点も考えまして、三百円ということで来年の一月ということであったのでありますが、十月ということで、そのかわりに金額が下がった。しかし、来年度の予算要求に、私たちまた新しい立場から、あらためて要求すべきものは要求していく。ことしの十月から上がったから、それでは来年度の予算にあらためての増額を要求しないなんという約束をしておるわけじゃございません。早く繰り上げていただくものはいただく。来年は来年で、いま八木先生の御指摘になっておりますような点も、私たちとしても十分に考えまして要求をいたしたい、こういうつもりでおるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/44
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045・八木一男
○八木(一)委員 福祉年金の点について、厚生省も大蔵省もよく考えていただきたいのですが、昭和三十四年に国民年金法が通ったときに、無拠出制の福祉年金はあまりにも少額であって、老齢保障という名に値しないという圧倒的な議論があったわけです。しかしながら、逐年これをどんどん改善するからこれでがまんしていただきたいという、当時の岸内閣総理大臣、坂田厚生大臣、また当時の大蔵大臣の話で、与党の方々は非常に不満を持ちながらこれに賛成された。野党のわれわれば反対をした。そこには、逐年それを飛躍的に増大するという約束のもとに、それが通ったわけです。ところが福祉年金の問題は、その中心である老齢福祉年金月千円がずっとそのまま放置をされて、その後百円ふえて、それから小刻みにふえて、現在、現行では月千六百円のベースです。昭和三十四年からいままでの消費者物価を考えてみると、昭和四十二年に、役所で調べてもらった数字によると、三十四年の一〇〇に対して一五三・一、本年は約一六〇になっておるのであります。千円のものが現在千六百円、一つもふえていないわけだ。大蔵省の方、おわかりですね。一つもふえていない。あれから八年間、毎年特に金額を中心として増大するからという約束をして通った法律が、貨幣価値の変動を入れるとほとんどふえていない。八年間全部それがなまけられている。厚生省は腰が弱い。大蔵省は社会保障に対して無理解だ。内閣の前の公約をほんとうに果たす気がない。そういうことで、ほとんどふえていないわけだ。ですから厚生省は、この要求についてはいささかも大蔵省に遠慮をしてはならないし、大蔵省は——いま出てきた主計官の方は、大蔵省全体に対する私のふんまんを受けて気の毒だけれども、この問題の担当の主計官であるから、特にこの問題については、私の申し上げておることを理解していただいて、大蔵省の中で、硬直化だとか、社会保障にそれだけの金は出せないとか、年金に出せないとかという人たちがあったならば、これら全部を相手に、職を賭してその厚生省の要求を通すという立場でがんばっていただかなければならないし、大蔵省全体としては、先ほど申し上げたように、硬直化があるから収入の硬直化をやめる、そして当然すべき支出はブレーキをかけないという方向でものごとを処理して、社会保障の前進のためにつとめていただかなければならないと思う。厚生省と大蔵省の前向きの御答弁と御決意を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/45
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046・谷垣專一
○谷垣政府委員 八木委員の御指摘のとおりに、三十四年からの状況を見ますと、消費者物価の上昇指数と福祉年金の老齢年金の増額のものは、数字的には老齢年金のほうが若干上がっておりますけれども、これは言うに足らない問題だと思います。厚生省といたしましては、ただいまの御意見を十分胸に入れまして、大蔵当局と折衝を強く続けていきたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/46
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047・辻敬一
○辻説明員 予算編成にあたりましては、申すまでもないことでございますが、全体としての限られた財源の中におきまして、いろいろの財政需要に対して、施策の優先度を勘案しながら経費を配分してまいらなければならないわけでございます。御指摘の福祉年金につきましては、財政当局といたしましても、従来からできるだけ配慮してまいったところでございますけれども、何ぶんにも全額国庫負担であるというような問題もございまして、金額の引き上げにつきましては、ある程度の制限があることはまたやむを得ないところではないか、かように考えております。今後とも諸般の事情を勘案しながら十分検討してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/47
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048・八木一男
○八木(一)委員 両方とも、少しずつ前向きな御答弁で、けっこうです。
辻主計官にちょっと大蔵省の予算編成のやり方を伺っておきたいと思います。大蔵省のほうは、これは最終的には閣議できまったもので、辻さんの責任でないかもしれないけれども、予算要求は各省で前年度予算の五割増しまでにとどめてもらいたいということを数年前からやっておられて、それが三割増しまでにとどめてもらいたいということになり、それから二割五分増しにとどめてほしいということを大蔵省が提議をして、そのワク内で第一次要求を出さなければならないという方向をとっていることは事実であります。
そこで、この前坊厚生大臣は、閣議でそのことは承服しないという主張をされたそうであります。歴代の厚生大臣に私はこういうことを申し上げているわけです。いままでやった方法は、大蔵省主計局の非常にイージーゴーイングなやり方だ。国政のいい意味のアクセントをつけなければならないときに、厚生省というのは、年金問題もあれば、医療保険の問題もあれば、公害の問題もあれば、心身障害者の福祉を増進する問題もあれば、ガンの対策をしなければならない問題もあれば、いずれも一日もゆるがせにできない、そうしてその大部分が相当多くの国庫支出をしなければならない、そういう問題を多く抱えられておる省である。公害が発足したばかり。ガンは焦眉の急。年金はいままだ二割ぐらいしかない。これから完成しなければならない。医療保険は赤字で苦しんでおる。国民や患者といったところの犠牲はなしにこれを立て直さなければならない。なお十割給付に全部持っていかなければならない、家族も含めて。そういうことがある。憲法二十五条第二項の、常に向上し増進しなければならないという規定に従った問題であります。先年の健保の改悪案のごときも、この憲法第二十五条では改善、増大が規定されているんだ。停とんであっても憲法違反だ。ことに先年の健保改悪案みたいなものは後退だ。猛烈な憲法違反。そういうことを考えたときに、大蔵省はそのような憲法の条章を受けてその制度を進めなければならない。厚生省に、前年度予算よりも二割五分以上要求をしてもらったら困るとワクをかぶせる。憲法の条章を実際上実行しにくくし、新しく国民のために取りかからなければならないことがストップするということになる。一次要求ですから、そういうワクははめない。全部必要なものは要求すべきだ。財政のワクにおさめなければならないことは、私どもわかっている。そのようなワクによって拘束されない。当然これをやらなければならないという要求は、そういうワクなしに出て、それを国家財政全体の中で調整をするということをしなければならない。一省についてワクをはめるために、一省の中で医療保険のタイアップをしようとすれば公害がおくれる、公害を進めようとすればガン対策がおくれる、身障を進めようとすれば児童手当がおくれる、そういうようなことであってはならないわけです。
これについては厚生省は、今後このような大蔵省の態度があったら、厚生大臣以下全員大蔵省を取り囲んで、すわり込んでストライキをするような覚悟でこういうワクを取っ払っていただかなければならない。大蔵省としても、そのような、各省にワクをはめておけばあとの調整が楽だということではなしに、有能な熱心な公務員がたくさんおられるのだから、第一次要求がワクがなくても、それを一定の次元内にアクセントをつけた財政方針でワクをはめた予算をつくるということが、当然できなければならない。ですから、イージーゴーイングではなしに、国政のりっぱなアクセントをつけた予算をつくる覚悟を大蔵省はされて、大臣を通じて、そのようなイージーゴーイングで各省にワクをつけるということを撤廃をされなければ、本当の財政の担当者ということはできないと思う。大蔵省は予算要求になたをふるうだけが職務ではない。主計局はそれだけが職務ではない。必要なものは、むしろこの問題はなぜもっと予算要求をしないのかというような積極性があってもしかるべきである。そういう点について、主計局、大蔵省全体がほんとうの国政を考えて反省をしてもらわなければならないと思う。この点について、これは大蔵大臣に質問をすることであって、辻君には気の毒でありますけれども、ほんとうの財政に挺身をしている一員として、辻主計官から、いまの私の意見を聞いた上での率直な前向きの答弁を願いたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/48
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049・辻敬一
○辻説明員 何ぶんにも全体としての財源に限度がございます。先般成立いたしました四十三年度の予算を見ましても、対前年度の伸び率は、補正後の予算に対しまして一一・八%というような低い比率になっております。そこで大蔵省といたしましては、各省庁が要求の段階で財政支出の優先度を判断して、要求内容を重点的に整理していただきまして、財源とあまりかけ離れないような要求を行なっていただくことが大切ではなかろうか。また、このことが予算編成作業の合理化なり円滑化なりにもつながりますし、また予算の効率的な使用にもつながるのではないか、そういう考え方に立ちまして、従来から各省と相談いたしまして、先ほどお示しになりましたような方針で対処しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/49
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050・八木一男
○八木(一)委員 辻君にこれ以上の答弁を求めるのは無理かもしれない。しかし、いま言ったことを、よく胸に手を当てて聞いておいていただきたい。これは大蔵大臣なり主計局長に全部伝えていただきたい。厚生大臣坊秀男君は、昨年の閣議ではこれに反対したはずです。その前の厚生大臣にも、歴代、私は厚生大臣また厚生省の弱虫に対して私の意見を申し上げて、厚生大臣は全部それに賛成なんです。それにもかかわらず閣議で大蔵省押し切るというのは、大蔵省が国民の金を事務的に預かっているからといって、国庫の財政を自分のもののように考える大蔵省の実質上の強大な権限があるからだ。大蔵省に対していろんな主張をするといろんな予算がとりにくいということで、各省がへっ込むという点がある。それは、ほんとうの意味の大蔵省の官僚としては、そういうことはあってはいけないと考えなければならない。財政をあずかっているからといって、財政を自分の考え方でやり方を支配しようとするのは間違いであります。特に、各省の中で調整していただいてといっても、厚生省がいま述べたことは、国政全体からいっても、たとえば年金の問題、医療保障の問題、児童手当の問題、ガン対策の問題、公害の問題、これは全部の国政をながめた中で、緊急度、また予算を要する点で、すべて第一級に属するものだ。それを厚生省の中で調整をしたら、そのうち第一番はこれ、第二番はこれ、第三番はこれという順序をつけざるを得ないことになる。ほかの省の、たとえば防衛庁が第一次と称している予算などは、厚生省の順番から比べると、二十番、三十番、あるいは削除してもいいような要求が二番目三番目に出てくる。国政全体からの順位をつけなければならないのに、各省でつけさして、そして各省の一番と各省の二番では、各省の一番のほうが先になる。そういうようなやり方をすることは、主計局の自分たちが仕事をやりやすいようにしようとするかってな利己的な態度である。全部要求が出てきても、それをあなた方が熱心に折衝して、全体を財政の総ワクに入れればいい。国政全体で順番をつければいい。そうでなければ、憲法に定まった社会保障を担当する厚生省は二十番目まではほかの省の一番よりも上位である、そのくらいのやり方をするならばとにかく、このような、これから前進をしなければならない、全体に非常なしあわせをもたらす、不幸を防止するという問題については、特に重視をしなければならないのに、大蔵省のイージーゴーイングなワクをつけるというやり方で、これがブレーキをかけられてストップしておる。そういう点については、辻君をはじめ、大蔵大臣、主計局長以下、猛烈な反省をしていただいて、大蔵省には有能な公務員がいる、また実質上の非常な権限があるということによって、自分の考え方が正しいという思い過ぎたことによって、国政のアクセントが少なくなり、ほんとうの意味の正しい進行ができなくなることをおそれて、十二分な反省をして、いま言ったようなことについて大蔵省は提議することをやめていただかなければならない。あなたはすぐ答弁はできないかもしれませんけれども、これはほんとうに強い立場にあるものとしては、十二分にも反省をしてそのことをしなければならないということを深く考えて、いまのような、各省で順位をつけていただけばいいというようなイージーゴーイングなやり方をやめる方向で会議を開き、それを進めていただかなければならないと思う。辻君は勇敢にその問題を大蔵省で提議する勇気があるかどうか。それはしなければならないのはあなたの責任であります。そのことについて明確な決心を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/50
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051・辻敬一
○辻説明員 大きな概算の要求を行なったところの予算の伸びが大きいというようなことはございません。また、一律の要求であったから、成立した予算も一律になっておるということではございません。当然、財政需要の優先度なり緊要度なりに応じて、私どもも予算査定に当たっておるつもりでございます。ただ先ほど申し上げましたように、要求の段階におきまして、各省におかれてもある程度要求事項を重点的に整理していただきたいということで、いまのようなやり方をとっているということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/51
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052・八木一男
○八木(一)委員 辻主計官は非常に優秀な主計官と伺っていまもそう思っておりますが、ほんとうのりっぱな公務員というものは、いままでその省がやっておっても、その点について反省すべきものがあったならば、率直に反省するという態度がなければならないと思う。ただあなたは、局長や次官に押えられるから、一ぺんに答えられないかもしれないけれども、その反省のもとに局長や次官や大臣と相談をするあなたのほうはワクをはめているという主張はいまできなかった。それで大体いくだろうと思う。大切な財政について責任を持っている者がそれではいけない。国政のアクセントをはっきり確立をするために、いまの各省にワクをかけるやり方が非常に障害になっているということを十二分に反省をして、大蔵省でいろいろと相談をしてください。あなたは大臣じゃないから、私は大臣だったらこのような答弁であれば承知しない。閣僚としての資格がないから直ちに辞表を出せと言いたくなる。水田君なら言うところであります。あなたには上司がいるから、次官がいるから、気の毒だと思うからそれ以上詰めないけれども、十二分な反省をしてやっていただきたい。
次に厚生大臣に伺います。いま大蔵省は、年金の問題に関連しまして、予算の大ワクについて、各省が前年度予算のいまは二割五分、前は三割、その前は五割、それ以上第一次要求をしてくれるなということを大蔵省がいつも言っている。閣議でそれが提議をされて、閣議で抵抗をする閣僚が少なくて、それがきまって、そういう風習で予算の第一次要求、それから査定が行なわれるということが行なわれております。そうなりますと、厚生省のように、すべて新しくどんどん進めなければならない、古いものも十二分に完成をしなければならない、それがすべて国家予算を非常にたくさん必要とする内容だ、こういうところは、厚生省が前年度予算の二割五分ということでワクをはめられるので、医療保障に力を入れれば年金が薄くなる、年金に力を入れれば児童手当がなかなか発足しない、児童手当に力を入れればガン対策がおろそかになる、身障対策がおろそかになるということで、ほんとうに大切な社会保障に関係した、国民の命と健康に関係した大事なものの前進がとまるという欠陥があります。そういう点で、大蔵省が厚生省はじめ各省に二割五分のワクをはめるということは、非常に大蔵省としてイージーゴーイングなやり方であって、第一次要求は必要なものを各省が全部出す。それを大蔵省で財政のワクにおさめるために、前に整理をされない状態で全部なまで出てきたものを、大蔵省が各省と相談をして、そこで、そこの一番大切なものから順次にアクセントをつけて予算のワクに入れるということが、ほんとうの財政の方針であろうと思う。ことに厚生省としてはそういう主張をされなければならないと思う。歴代の厚生大臣にそのことを申し上げて、初めてこの前坊厚生大臣は閣議で大蔵省の提案に対して、厚生省としては断じて承服できないという主張をされたそうであります。そのくらいで、しかし実際は二割五分のワクをはめられたということであっては、社会保障の前進のために非常にまずいことになるし、アクセントのある国政の前進のために非常にまずいことになる。
その意味で、来年度の予算編成期が追っておりますが、園田厚生大臣はそういう点をよく理解をせられて、大蔵大臣が何と言っても閣議で、そのような第一次予算要求に網をかぶせるというような、イージーゴーイングな、国政のアクセントを薄くし社会保障の前進をとめる方針については、職務を賭して反対し、いままでそういう決定が多数決でなされたのを、佐藤総理大臣にもこの点を強く主張されて、そのようなワクをかけさせない決意を示していただきたいと思うわけでございますが、厚生大臣の前向きの御決意を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/52
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053・園田直
○園田国務大臣 社会保障、福祉制度でいろいろ理屈はつけますが、やはり財政的な制肘のもとに財政というワクの中に進められていくという今日までの状態というものは、遺憾にたえません。いま仰せられたことは、私自身も考えておった問題でありまして、一つにはわが国の制度が非常に立ちおくれておる。したがって、制度に対する金ばかりでなく施設からつくらなければならぬという問題がある。それからもう一つは、第一線で行政をやっておられる知事さん方の御意向を聞きましても、八〇%はいままでは都道府県においても道路その他の公共投資に目が向いておったようでありますが、大部分の知事さんが、もうすでに公共投資から社会保障のほうへと国家財政の重点がいくべきときである、自分たちもそう考えておると言われております。二つの観点からいたしまして、次の予算では、いままでの惰性からくる予算ではなくて、たとえば今度の予算にいたしましても、ここで見ますると、身体障害児の予算などは、局部においては昨年の四倍あるいは二倍というふうに財政的に非常に強力にやったわけでありますが、しかし実態的な数字から見ますると、実際の要求の何割かしか満たされない、こういうことはそこからくるのでありまして、予算編成については私自身もそのように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/53
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054・八木一男
○八木(一)委員 社会保障に熱心で、ほんとうに国民の健康と命、特にその中でも恵まれない人たちへの配慮について非常にすばらしい決意を示されておる厚生大臣に、私どもは非常に期待をかけておるところであります。その厚生大臣並びに厚生省の皆さんが、ほんとうに急速に十二分に実施したいことをブレーキをかけている財政方針に対してのやり方について、辻さんもきっと心のうちではそうあるべきだといま思っておられると思います。心ある大蔵省の人なら賛成するはずであります。ただ惰性でそういうことをしているわけでございますから、そういう方針を打破するために、ぜひ閣議また各省間の話し合いの際に、厚生省はき然たる態度でやっていただくことを、大臣はじめ政務次官に要請しておきたいと思います。
では、大臣来られましたので、国民年金の実質のほうに入りたいと思います。
四十四年に厚生年金の改正とあわせて国民年金の改革をされる御準備をされておると思いますが、そのとおりでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/54
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055・園田直
○園田国務大臣 そのとおりであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/55
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056・八木一男
○八木(一)委員 そのような何年目かの非常な改革をされるわけでございまするから、その改革に際しては、国民年金制度がほんとうによくなるようにやっていただきたいと思うわけであります。
国民年金制度の当面の急は福祉年金でございますが、根幹は拠出制年金で形成をされていることは、また言うまでもございません。それで、その点で拠出制年金のことから申し上げますが、少なくともいまの夫婦一万円年金ということでは、これは老齢の保障としては非常に少な過ぎるということになろうと思います。そういう点については、これは飛躍的に金額その他が増大、改善されるようにいたすべきだと思いますが、厚生大臣の御決意のほどを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/56
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057・園田直
○園田国務大臣 明年度が計算期でありまするから、それを機会に、過去においてはいろいろありまするが、物価に見合う引き上げを言うべき問題ではなくて、物価を上回って、おくれておる年金の水準を引き上げなければならぬ段階でありますから、そういう方向で検討したいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/57
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058・八木一男
○八木(一)委員 その引き上げるについて国庫負担、国庫支出を多くしませんと、これがやはり引き上げることについて保険料負担が多くなる。その点が国民の実情に合わなくなるという問題がございます。まあ幾分の保険料値上げは、非常に飛躍的に金額がふえる場合はいたし方ないかもしれませんけれども、それは特に国庫負担の国庫の支出を大幅に増大をさせてそれを実現するということが必要であろうかと思います。その点で前から、いまの国民年金の保険料に対する五割の国庫負担というものが不十分である、保険料に対して十割の国庫負担、すなわち給付に対して五割の国庫負担というものが必要であるということが方々で言われているわけでございます。社会保障制度審議会の、本年度の国民年金法の改正案について意見が出ておりますが、そこで特に最初に意見として抽出してありますのは、国庫負担率の引き上げがはかられていないことなど非常に遺憾だというふうに書いてあるわけであります。国庫支出の額だけではありません。もちろん年金額をふやすとするならば、それ以上飛躍的にふやしていただかなければならないけれども、ふやしただけで——いまの国庫負担をやっただけでも額はそれはふえます。額ではなしに国庫負担率をふやす。保険料の五割というものを十割にする、給付の三分の一を給付の二分の一にする、そのことを前から主張され、そのような希望が述べられ、社会保障制度審議会でもこのような意見が述べられております。大改革にあたりまして、厚生省としてはこのことの実現のために決意を固めて当たらなければならないと思いますが、その点について園田厚生大臣の前向きの強い御決意のほどを伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/58
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059・園田直
○園田国務大臣 今度の計算期に問題になってまいりますのは、新たな問題として国会ですでにしばしば言っておりまする児童年金の問題、それからいま問題になっておりまする農民年金の問題、こういう新たなものが出てまいりまするから、財政上いろいろ困難な面もあるとは思いまするが、しかしながら、何とかしていまの御意見のような方向にやってみたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/59
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060・八木一男
○八木(一)委員 これは辻さんのような理解のある主計官はすぐ理解していただけると思いますが、大蔵省がそれに対してすぐ首を縦に振ってくれない状態もあると思うが、厚生省が非常に決意を持ち熱意を持ってこれを推進され、大蔵省の辻さんはじめ、非常に理解のある人が大蔵省の中で、憲法二十五条第二項を実質的に進めるためにそれはやろうということでやっていただかなければならないと思います。原動力としては厚生省、厚生省の一番の頂点としては園田さんであります。園田さんがほんとうに不退転の決意を持ってこれを進進されないと、早い実現が困難だろうと思います。どうか鉄石の決意を持って、これを前進していただく、その御決意を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/60
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061・園田直
○園田国務大臣 十分な決意を持って、これに対処します。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/61
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062・八木一男
○八木(一)委員 その次に、この制度の仕組みがこの際に改革をされなければならないと思うのです。この国民年金法は、法律の中では珍しく憲法二十五条ということがはっきり明記をされているわけです。国民年金法の最初の条文に、憲法によることがはっきり明記をされております。時間がないから、もう条文のことは言いません。国民年金法は、理念的にはりっぱな法律であります。
ところが、いまの国民年金法は、それがそうでない部分がずいぶんあるわけであります。たとえば、これは昭和三十四年にできたときには、もっとけしからぬ状態でありました。昭和三十三年に私が国会に提出しました国民年金法の形態をかなりまねられましたけれども、内容は十分の一くらいに値切って、仕組みをうんとこさひん曲げて出てきたのが、あのときの政府案であります。その後、与野党の方々の御意見で、ややよくなってまいり、国会の御努力で、ややよくなってまいっておりますが、原案はずいぶん間違ったところがございました。
その中で一番間違った点は何か、国民年金制度で、年金保険料の保険料負担に耐えられない人に対しては、社会党の、われわれの案では、減免規定をつくってありましたが、その減免規定の免のほうだけをまねをされて、免除という規定をつくられました。われわれは、減免をした者も保険料を納めた者と同じだけの年金を確保するという案を出しておったわけであります。ところが、厚生省のほうは、そこのところを抜いてしまって、免除だけする、いまはちょっと変わっておりますけれども、免除だけするという政府の案を出されて、それが通ってしまった。その後、二、三年後の改正でちょっとよくなりましたけれども、そのことは何かというと、保険料を納められない人は免除してもらうが、その分だけ年金がもらえないことになって、年金制度からほうり出されることになる。そしてその人は、年をとったときに一番年金の必要な人です。その人がなくなったら、遺族の人が一番年金が必要なのです。その人がけがをしたら、傷害年金が一番必要なのです。政府案によってつくられた最初の制度は、保険料は取らないけれども、年金を一番必要とする人を年金制度から締め出すという制度だったのです。実に大きな欠点がある制度でございました。
この点について委員会でいろいろな意見が出されまして、その後改正されましたが、改正は三分の一しかされていないわけです。その当時保険料は百円と百五十円、いまは少し上がっておりますが。三十四歳までは百円、三十五歳以上は百五十円の保険料であります。ところが、百円の保険料を納められる人には五十円の国庫負担がつき、百五十円の人には七十五円の国庫負担がつくわけです。それが積み立てられて、年金計算でいって、年金の原資になっている。そうすると、保険料を納め得るような、やや——みんな貧困でありますが、ややその中で楽な人は、国の支出がくっつくということで、納められないような人には国庫負担がつかないという猛烈な不合理があります。この点だけは改正をされて、百円に対して五十円ついたから、五十円の部分は免除の人たちにもこれをつけようということに二、三年後に改正になりました。したがって、その期間の間全部免除で、保険料を実際に払わない人も概略三分の一の年金は確保された状態になります。この改正はたしか昭和三十七年ぐらいであります。拠出制年金の翌年の改正であります。一年間で、そういう努力はされましたが、それからいままでの間に足かけ七年かけて、その改善がとまったきりなんです。国庫支出の点では、バランスが、金持ちに出すのなら貧乏人にも出さなければいけないという点で筋が通ったと思うのです。ほんとうの年金というものは、保険料をかけられないような、免除をずっと受けるような人が年をとって、一番必要であるというほうの問題は解決をされていないわけであります。免除を受けた人は、国が代替をしてその保険料を払い、国庫負担はもちろんつけて、少なくとも保険料を払い得る人と同じような年金額を確保しなければ、社会保障とは言えないわけでございます。むしろもっと考えれば、その人たちは、保険料を納め得る人よりは、もっと多くの年金を差し上げても、社会保障の理念からいえば正しいことだと思うのです。少なくとも同じ年金を差し上げなければならない。それがこの年金法の中に、はなはだ残念なことに、社会保険の間違った考え方が導入をされて、保険料を支払った度合いによってその対価を得る。民間の生命保険と同じ思想がここに入っておるわけです。それがこの年金法全体を、非常に間違ったものにしております。
大体当時の厚生省がだらしがないのであって、国民年金を考えるときに、政府の審議会なんかが、結論を出してやっておる最中に、協栄生命の重役さんというような民間の保険会社の人を、その年金の法案の骨子をつくるときの重要なメンバーに据えて、その人の意見を聞いた。私的保険では、社会保障にならないわけです。生命保険で、年金払いのものを五千万円ぐらい入れば、その保険料は高く、五百万円入る場合は、保険料はその十分の一、五百万円入っておる人に比べて、五十万円の人の保険料は十分の一になります。ちょっとしか保険料を払っていない人は、ちょっとしか保険金をもらえない。たくさん保険料を払っておる人は、たくさん保険金がもらえる。そんなものは社会保障ではない。民間の保険です。ただこれが社会保険と言い得るのは、その二分の一の国庫負担がある点と、その人の幾ぶんの底上げの点で、社会保障に近くなっておるわけです。依然として社会保険の形態が多いわけです。
ところが、厚生省全体に間違った考え方がありまして、前の大臣のときに、厚生省の官房長が、つくったときには社会保障のことを言っておいて、それから突然すりかえて、社会保険についてはと言っておる。社会保障と社会保険と故意にすりかえて混同してしゃべっておる。あくまでも厚生省の任務は、憲法第二十五条第二項の社会保障を前進する任務があるわけであります。その意味で、年金法の仕組みの大改正のときに、仕組みを——保険料が払えなかった人は、年金の必要度が多いので、いまの三分の一ではなしに、少なくとも同額まで確保できるような、そういう仕組みに前向きに変革をしていただきたいと思う。その点について厚生大臣の前向きの御答弁を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/62
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063・園田直
○園田国務大臣 社会保険が、一般営利保険と本質的に異なるということについては、全く同意見であります。いままで国家財政上の面もあって、この改善があれにとどまっておるというふうには考えられまするが、今度の改善の場合には、そういうことを十分腹に入れて検討したいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/63
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064・八木一男
○八木(一)委員 伊部年金局長は、さっきの国庫負担率を十割にする、いまの免除者に対する年金を保険料納入済みの者と同じにするという厚生大臣の前向きの御決意に対して、事務当局の最高責任者としては、その方針で来年度のことをやられることが、あなたの責任であり、それ以外の態度は一切許されないということになるわけでありますが、大臣をその意味で、ほんとうの意味で一生懸命補佐をされる決意をしていただかなければなりません。それ以外のことばは一つも要りませんから、その前向きの決意を述べていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/64
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065・伊部英男
○伊部政府委員 今後の国民年金制度の改善について、八木先生から強い御鞭撻をいただいたわけでございます。大臣の御指示を受けまして、誠心誠意国民年金の改善に努力をいたすものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/65
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066・八木一男
○八木(一)委員 いままで一番大きな問題を申し上げましたが、部分的に、実質的に見て、非常に社会保障からはずれた点があります。その点を特に抽出して申し上げたいと思いますが、これはひっかけでも何でもありませんが、大臣は、二十一歳で全盲になった方と、十七歳で全盲になった方と、あるいは三歳生まれつき全盲であった方と、その気の毒の程度、それに対して国が対処しなければならない責任、そこに差があるかどうか。どっちのほうが濃いか、大臣の率直な御答弁を伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/66
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067・園田直
○園田国務大臣 現実は差があると思いますが、理論的には差があってはならぬと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/67
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068・八木一男
○八木(一)委員 当然、差があってはならないと思います。その中で、生まれつき色彩も形態も知らない人は、途中で目が見えなくなった人と違って、世の中のそういうものが想像もできないということで一番気の毒だと思いますが、そのかわり先に勘が発達しているから不便さが少し少ないいという点もあると思います。そういう点は抜きにして、われわれ、その点で身体が健全で恵まれた者から見て、そういう点で気の毒さの程度は、少なくとも早くそういう障害を受けた人のほうが気の毒だ。現在受けておられる状態においては、同じように気の毒だということが言えると思います。大臣、一々御答弁は求めませんけれども、同じお考えであろうと思います。これが一番すなおであろうと思いますが、ところが、そのほんとうにだれが考えてもすなおなことが、年金制においては行なわれておらないわけです。これもまた社会保険的な間違った考え方からきておる。
いまの年金は、二十歳になると年金加入年齢になって、保険料を支払う義務が出る。それが積み立てられて、積み立てのいろいろな年限によって年金が、条件が発生したときに給付されるということになる。ところが、たとえば生まれつき、あるいは五つ、七つ、十七というところの全盲の一級障害の人、全盲じゃなくて足のほうでも同じでありますが、そういう人たちは拠出年金に入れてもらえないわけです。二十歳で、拠出制年金の普通の障害になって入る。前は三年間だったのですが、この改正で一年に縮まりましたけれども、たとえば一年後に自動車の衝突があって全盲になった人は、一般的には少のうございますが、福祉年金に比べればはるかに多い障害年金、しかも、一級障害年金を所得制限なしに支給されるわけです。ところがわずか二年前に、十九で障害を受けたならば、障害福祉年金の適用しか受けない。それは金額ははるかに少なくて、しかも所得制限がありますから、本人が何かの収入があったらペケになる。世帯に何らかの収入があったらペケになる。猛烈にうるさいのです。こういうことは許されてはならないことだ。許されてはならないことなのに、そういうシステムになったのは保険というシステム——年金法が憲法二十五条からきていると明記していながら、途中ですりかえて、民間の保険会社のような考え方に仕組まれるという点に問題があるわけです。特に、民間では逆選択ということをおそれますけれども、だれが好んで全盲になる人がありましょうか。逆選択ということは、一切この問題で考える必要はないわけです。でございますから、生まれてから障害が起こった、一級、二級、三級とある障害のものは、すべて障害年金の給付が受けられるということにしないと——これは部分的でありますから、そんなに金額はかかりません。さっきの問題よりはかかりませんけれども、非常に部分的な不公平が起こる。不公平というのは、積極的な不公平じゃなしに、その人たちの生活が確保されない、人権が確保されないという、根本的な、そういう欠陥が起こっているわけです。それをこの機会に直していただかなければならないと思う。この点については衆参両院の附帯決議で何回も国会の意思は表明をされているわけであります。でございますから、ぜひ勇断をもって——、部分的な金の問題は、そう大きくはありません。年金ですから、そんなにべらぼうに少なくはありませんけれども、さっきの五割を十割にする問題よりは、これははるかに少ない金額であります。その問題について、ぜひ今度の改革のときにこれを改正する、そういう若いとき、生まれたときから障害になった人、途中で障害になった方が、障害年金を受けられる、これをぜひ実現していただきたいと思う。厚生大臣の、ほんとうの人間としての、ほんとうの政治家としての、前向きの明確な御決意を伺わしていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/68
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069・園田直
○園田国務大臣 この問題も、財政上の問題と非常に関係があって、いろいろな問題があると思いますが、年金、あるいは年金ばかりでなくて、その他の給付が国民の側に立ってきめられてない。したがって、政府としては苦しい中に財政のやりくりをしておるが、もらうほうからいえば、非常に冷たいような感じや、あるいは何か無視されたような感じをして、とうとい血税を使っておるにもかかわらず、政治の恩恵というものが国民に通じない、こういう点につきましては、この問題ばかりでなく、私は十分検討してみたい、そして少なくとももらう側に立った立場から、保険にしても年金にしても検討してみたい、こう考え、事務当局にもそのように指図をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/69
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070・八木一男
○八木(一)委員 この問題は、質的に見て国民年金の中の一番の欠点であります。ぜひこれはやり抜いていただくように、厚生大臣、これは衆参両院でもいつも決議をしているところでございますから、もう一回ひとつ明確に、必ずやるように、政治生命をかけてもやるというような、ことばは私は指定はいたしませんけれども、そのような意味の強い御決意をひとつさらに明確に伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/70
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071・園田直
○園田国務大臣 私の答弁で必ずやると申しまして、この場のがれの答弁をすることは、私もあえてとらざるところであります。私の人柄も御存じでありましょうから、十分な決意をもってこれの検討をやる所存でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/71
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072・八木一男
○八木(一)委員 それでは次に、スライドの問題について伺いたいと思います。
年金の問題は、いまの不十分な年金でありますが、これをよくしていただかなければならないけれども、とにかくほんとうのスライドの問題が確立をすれば、確信をもって政府も各政党も国民の方々にすすめられる制度だろうと思います。ただ、貨幣価値の変動、あるいは生活水準の問題についての適切なスライド、迅速な完全なスライド制がなければ、その点については年金はいいものである、国のほうがやったからこれは喜ぼう、それに協力しようということをほんとうの確信をもって言えないわけであります。スライド制は、国民年金制度だけではありません。厚生年金あるいは各共済組合の長期、いろいろの点にございますが、この問題については国会との約束ではすでに時期が去っておりまして、この前の厚生年金の審議の際に、その翌年にこの問題を確立するという約束があったはずであります。この点が非常におくれている点は残念でございます。この点で国民年金法には、「生活水準その他」何とかの状態という規定がございます。しかし、「その他」というようなことではなしに、これはすべて明記をしないと、これはそのときどきの人たちの判断にまかせられますと、年金の制度である以上、確信をもって年金はいいものだ、それで老後の安定をはかろうということにならない、このようになろうと思います。そのときの政府の情勢、そのときの担当の公務員の方の判断でこれがなされるのだったら、これはほんとうの年金制度ができ上がりません。第四条には、「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、」この「著しい」ということばでは、この解釈のしかたでスライドをとめることは幾らでもできます。こういうものは断じて排除をしていかなければなりませんし、「生活水準その他の諸事情」と書いてありますことは、明らかに物価が入っていなければ、これはまた、この点についてもずらされることになろうと思います。そういう点で、スライド制については、各法の中で国民年金法はやや書き方がましなほうでありますが、そのましなほうでこれであります。特に庶民の年金制度でありますから、この国民年金法をはじめ、ほかのものについても、これは急速にスライド制を確立をする、その方法としては、物価のスライドは当然でありますが、国民総生産がふえて国民の生活水準が上がれば、老齢の人にもその上がっただけのものは均てんされなければならない問題でありますから、スライドが一般的に物価の問題だけに限られている向きも多うございますけれども、物価のスライドは当然やる、そのほかに、そのような生産が上がり、分配がふえ、生活水準が上がった、あるいは賃金が上がったというようなものにつれてスライドをする、そのあとあらゆる点で、どれ一つそういう変動が起こってもスライドをするという明確な規定、またこれに幾分は区切らなければならないと思いますが、たとえばこの区切り方が、一割の区切り方と、五分の区切り方と、三分の区切り方がある。一番少ない、たとえば五%程度の物価の値上がりがあったら、必ず自動的に改定をする。法律案を出して何とかということではなしに、そのくらいの完ぺきなスライド制がつくられなければ、ほんとうの年金制度の進展とその信頼はできない。その点について、政府の公約がはなはだしくずれておりますので、至急に、これはもう、どんなにおくれても、少なくとも一年以内に各種年金のスライド制を、いま言ったような意味の完ぺきなスライド制をつくられるということが必要だろうと思う。それについての園田厚生大臣の前向きの御答弁を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/72
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073・園田直
○園田国務大臣 公的年金制度についての年金のスライド制は、両院においてしばしばその御意見も承っております。明四十四年を期してやっておりまするその計算の時期に検討をすることにしておりますが、ただいま、関係各省で組織する公的年金制度調整連絡会議というものがございますが、ここで検討を行なっておるところでございます。
このスライドの問題については、まだ私自身が十分勉強の足りないところもございまして、スライドはもちろん、おっしゃったとおりに、物価だけではなくて、生活水準というものが基本になるものだと思いますが、なかなかこれも、御意見の中にもありましたように、一挙には困難であろうかと思いまするし、なおまた、私は、スライド制をつくる前に、各種年金を少なくとも水準並みに引き上げることのほうが非常に大きな問題じゃないかというようなことも考えておりまするが、しかし、これは決議その他も十分拝聴しておりまするから、委員会以外において八木委員の御意見等も承って検討してまいりたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/73
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074・八木一男
○八木(一)委員 各種年金制度を充実することはもちろん大事でございますが、スライドは同じように焦眉の急であります。どうかひとつ並行して短時間に——スライドというものはもっと焦眉の急じゃないかと思うのです。これがないと、年金制度でも、昭和三十六年の拠出制年金のときに、こんな年金では足りないのだ、いま高い金を払って、あとでもらうときは役に立たない金だということで、半分以上は当然な主張で、年金制度について国民にほんとうの理解がいっておりません。年金制度を厚生省が実際にやられる点についても、そういう点で非常な御苦労をしておられるわけです。行政上も、その点でスライドの問題を片づけて、確信を持って、いささかの反撃も許さぬ、年金制度はいいんだ、全部協力して入ってもらいたいというふうにやってもらいたいと思いますし、それから、ほんとうの意味でスライドを早く確立しませんと、これは確立するまでの前の時期の人が損をしますので、至急にひとつ推進をしていただきたいと思います。
次に、通算の問題でありますが、通算通則法はできましたけれども、これまたはなはだ不合理なものであります。国民年金との通算では二十五年という——ほかの公的年金のときには二十年ですが、二十五年という要件がありまして、この点でも国民年金がどういうわけで二十五年にしたかということは、へ理屈はあるでしょうけれども、ほんとうの理屈は成り立っておらない。けしからぬことだと思う。二十年がいいのなら、国民年金が入っても二十年にすべきだ。
それからもう一つ、原資計算がいけないのではないか。この点は、私、間違っておりましたら改めますが、時間がありませんので、年金局長に簡単に伺いますが、通算のもとの原資は、前の各年金の脱退手当金と同じような原資で計算をして通算を計算しておられるのか、そうでないのか、ごく簡単でけっこうですから、時間がありませんので伺っておきます。
大臣の時間がないそうですから、それでは順序が狂いますけれども福祉年金のほうで大事な問題を申し上げます。
いま、さっきおいでになるまでに、上げ方が少ないので、猛烈に皆さんにぶつかっておりました。それは抜きにして、老齢福祉年金が中心ですから、それで申し上げますけれども、いま月千六百円で、今度は十月から月千七百円になる。これは昭和三十四年に年金法ができましたときに福祉年金が月千円で、それから拠出年金が四十年拠出三千五百円で、非常に少ないという議論があったのを、政府のほうが、これはすべり出しだから通してもらって、どんどん毎年改正するからがまんしていただきたいということで通った。ところが、それがなまけておりまして、老齢福祉年金のほうはだいぶ据え置きで、それでも百円やっと上げた。これは池田内閣のときに一番停滞しておりました。それから少し、ぼちぼち上がっております。その後、貨幣価値の変動が三十四年からいままで、去年の数字で一五三・幾つで、ことし二八〇ぐらい。そうすると、現行の福祉年金は前の千円と一つも変わっていない。八年間かかって一つも前進していない。それからもう一つは、夫婦一万円年金で、あれは四十年払い込んだら三千五百円、それが一番最初のスタートですが、そのときの計算は、二十五年払い込んだら二千円という計算だったのです、一番最初の年金では。その二千円の部分で、それを五千円にして夫婦両方で一万円ということで一万円年金がこの間できた。したがって、二千円から五千円と拠出制年金が二倍半になっておる。そうなれば当然スタートのときの老齢福祉年金千円は、二倍半の二千五百円にならなければバランスが合わない、そういう点があります。ぜひその点を踏まえていただいて——厚生省のほうの千九百円要求が今度は値切られました。千九百円にした理由はわかっている。というのは四十六年に、拠出制が始まって十年間拠出したところのその金が二千円ですので、これをこえては困るなんということで、小手先で千九百円というような金額にしたのですが、とにかく二千五百円で当然なんだ。拠出制年金はまたどんどん上がりますから、そんな心配をしないで、いますぐ二千五百円にする。少ないほうの福祉年金ですから、片っ方では二倍半になって、それでも少ないのですから二倍半にするのがあたりまえです。そういう点で、来年度福祉年金のときには少なくても二倍半、二千五百円を要求してびた一文も削らせない。それこそは、厚生大臣の職分にかけてもこれは通すというような勢いでやっていただかなければならない。それが一つ。
それからもう一つ大事な問題は、福祉年金がいま七十歳からしか支給されておりません。昭和四十六年から拠出制年金の十年間払った人の支払いが始まるわけです。その人は六十五歳から支給を受けるわけです。前の福祉年金の人は、拠出制年金に非協力であったわけではないのです。一年年違いで入れなかった。どんなに年金がほしくても入れてもらえなかった。その人は七十歳からしかもらえない。しかも、所得制限のあるものしかもらえないわけです。片っ方の人は、一年違いであったために、六十五歳から所得制限のないものでもらえるわけです。非常な不合理が起こる。これをその時点で合わせるようにしなければとんでもない不合理が起こります。片っ方は六十九歳でもらえない。片っ方は六十五歳で、大きなもので所得制限のないものをもらえる。国民の中にそんなに不合理があってはいけないことだ。しかも、これは早急に解決しないと、その人たちがその間に死んでしまったら、あとでお墓に持っていっても何にもならないことになる、至急にしなければなりません。ですから、来年から始めて、四十六年までに一ぺんに七十歳を六十五歳に詰めることが一番いいのですけれども、それがむずかしいとしたら来年六十八にする、再来年六十六にする、その次に六十五にするということで合わせないと非常に不合理が起こります。
これは金の問題だ。金の問題は困るというようなことを考えられる方がありますが、一時的に金はふえますけれども、拠出制年金で全部強制適用ですから、ひとりでに大部分は解消する問題で、ある時限を限った問題であります。それからこれは全部拠出制年金の適用者に原則的には強制適用になるはずです。ですから、ある時限を限ってかなりの金額になりますけれども、その時期はいまやらなければ、お年寄りに対する社会的な親孝行は、あとではどうにもならないことになる。ですから、ぜひこの制度の改正のときに、そのスタートを切っていただきたい。少なくともいま六十五にすぐしていただきたいといっても無理であれば、段階的に、三年しかありませんから、三年前に入ったら一年ごとにできたのですが、二年、二年、一年ということでスタートを切らなければならない。これは非常に大切な問題でございまするから、大臣に、複雑な問題でございまするけれども、私はほんとうに正直なことを言いました。だからぜひそれをやっていただきたい。
そこで、年金局長の言いそうなことを言っておきますと、二千円と二千五百円ということになると困ると考える人もあるかもしれませんが、そこは多いほうをとるようにしてもいいし、七十歳をこえた人はそういうものをとれるけれども、六十五歳の人は片一方の金額と合わせてもいい、事務的に合理的にやるやり方は私でも五分間で考えられる。伊部君の頭なら三分間で考えられる。そんな変なへ理屈をとらないで、六十五歳の人が損をしないようにそれを推進することをぜひやっていただきたいと思う。その二つの点、六十五歳から福祉年金を支給するということを来年から階段的に始めるということ、それから福祉年金の金額を、いま私、老齢だけ言いましたけれども、老齢を中心としてうんと飛躍的に上げるということについての前向きな御答弁をぜひ伺わせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/74
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075・園田直
○園田国務大臣 老齢年金の引き上げ率が非常に低いということで、明治百年の時期に、明治の時代をつくったわれわれをばかにしていると直接おしかりを受けたという点、それから年齢の引き下げの問題、これもごもっともでございまして、いろいろ御意見のとおり、だと思います。
それからもう一つは、老人夫婦が楽しみにしておったら制限を受けた、これは一番大きな問題だと思います。しかも今後は、老人夫婦だけの家庭というものがだんだんふえてくる、こう思いまするので、この老人夫婦をもう第一にして、次にいまおっしゃったようなことで、事務当局のほうもそれをやらないとがんばっておるわけではなくて、やりたいがここまでしかできないということで発言をいたしておるわけでございますから、事務当局ともよく相談をし議論をして、御指摘のような諸問題を解決するよう全力を尽くしたいと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/75
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076・八木一男
○八木(一)委員 厚生大臣の時間でちゃっとペースが早くて、順序を少り振りかえたけれども、政務次官も年金局長も私の申し上げることは十分おわかりいただいたと思います。それでさっきの問題に移りたいと思います。
さっきの通算の問題ですね、通算の原資は、前の脱退一時金というような金額をもとにして計算をされているのか、そうじゃない計算をされているのか、これを簡単に事務的にひとつ……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/76
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077・伊部英男
○伊部政府委員 通算年金通則法によります年金も、やはり老齢年金でございますので、それぞれの制度におきまして、一般の計算に基づいて計算されておる、かように思います。——通算老齢年金も通常の年金と同じように、財政計算が行なわれておるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/77
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078・八木一男
○八木(一)委員 それは全然間違いありませんか。そのとおりですか。前の、通算年金通則法ができるまでに、たとえば厚生年金で二十年で年金の有資格になるときに、十七年の人は脱退一時金をもらったわけですね。その脱退一時金の原資のままで計算をされておるのか、それにふやして計算をされておるのか、私の申し上げたことでひとつお答えを願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/78
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079・伊部英男
○伊部政府委員 御質問の御趣旨を理解いたしておらないかもしれないと思いますが、脱退手当金の支給を受けております場合は、御承知のとおり年金支給の基礎に入らないわけでございますが、支給を受けていない場合におきましては、通常の年金として給付も財政計算も行なわれておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/79
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080・八木一男
○八木(一)委員 私の心配を、恥をさらしながら言います。脱退一時金というのが前にありましたね。あれは非常に損な制度です。ただし、貨幣価値が変動するから、ちょっと損でも早くもらっておいたほうが得だ、またそれで物の値上がりで上がるものを買っておいたほうが得だという考えなら別ですけれども、そうじゃなしに考えれば、ほんとうに損なものだった。厚生年金の計算では、使用主の出す保険料、労働者の出す保険料、国庫負担の二割がありますね。その前は一割五分だったけれども。年金になれば全部それが働くのですが、脱退一時金のときには使用主の部分は働かない。国庫負担の分は働かない。自分の出した保険料を年金計算して、そしてその中で、同じ階層に入っている人の中で早く死んだ人の遺族年金分、早く障害を受けた人の障害年金分をへずったもの、それが脱退一時金なんだ。みんなそんな年金の複雑なシステムを知りませんから、損だけれども脱退一時金のほうがいいということを言うわけです。脱退一時金というのは非常に損な制度です。それで前のほうはどこかでつまみ食いをしているわけではありませんから、二十年以上の人に金が回ってきている。それは非常に不合理なシステムです。途中で職場をやめなければならない人は、何らかの理由で非常に不幸な人です。新しいところで苦労し、また病気で苦労する。その不幸な人にくるべき分の金が、その人よりは不幸でない人のほうに回っておる。そういうシステムで厚生年金の制度ができている。その脱退一時金がもとになって通算年金通則法の計算がされているとするならば、通算年金通則法をやってもこれは意味がないわけです。そうじゃなしに、制度は違っても二十年とか二十五年以上通算になっているのだから、当然国庫負担分あるいは使用主分が損をしない計算で通算年金通則法の年金が計算されているのかどうかということを確かめておきたかったのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/80
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081・伊部英男
○伊部政府委員 先生のおっしゃることを、私、取り違えておりまして、申しわけございませんでした。
脱退手当金は、ただいま御指摘のように被保険者にとりまして非常に不利でございます。特に御承知のとおり、公的年金におきましては、実質的に生活水準あるいは物価に見合う改善が行なわれておりますので、一たび年金権が確立した場合におきましては、非常に有利な扱いを受けるのでございます。その点、脱退一時金で解決する場合におきましては、その時点で問題は解消いたしますし、今後国民皆年金になります場合におきましては、やはり年金権を生かしていくということがぜひとも必要だと考えるものでございます。そこで、通算制度の上において生かされております期間というものは、厚生年金及び国民年金におきましては本法上の期間と同一の扱いを受けておるわけでございます。したがいまして、事業主の負担分及び国庫負担分ともに入っておるのでございまして、決して脱退手当金のような考え方で処理されているのではないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/81
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082・八木一男
○八木(一)委員 それで安心しました。そうあるべきだと思ったのですが、どうも通算年金通則法の仕組みがむずかしいし、計算例はほとんど示されたことがございませんので、もし前のようにやられるといけないと思って……。
そういう点で国民の疑問については理解を進めていきたいと思いますが、なお通算で、国民年金が一年でも入れば二十五年、ほかのものは二十年でいい、これは片側にへ理屈があるかもしれませんが、大筋の理論としてははなはだ不合理だと思います。その点で、通算が特にそのように優遇されているとするならば、なお国民年金が入ったら二十五年にならなければ通算できない、そうじゃないものは二十年で通算できるというのははなはだ不合理、不公平だろうと思うのです。
なお、通算年金通則法を二十年に限らなければならないということはない。これは十五年にしたってかまわない。そういう点について、この通算年金通則法を前向きに検討推進をしていただきたい。これは技術的な問題ですから、検討推進でけっこうです。来年実現しろといってもなかなかむずかしい問題ですが、急速に検討推進をされるかどうか、伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/82
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083・伊部英男
○伊部政府委員 通算年金制度につきましてもいろいろ御指摘のように問題があるのでございまして、この点につきましては、御指摘のようにわれわれといたしましても今後急速に検討を進めてまいりたい、こういうふうに考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/83
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084・八木一男
○八木(一)委員 政務次官からひとつ、その点についての御決意を伺っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/84
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085・谷垣專一
○谷垣政府委員 御趣旨のところを十分胸に入れまして、検討を進めたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/85
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086・八木一男
○八木(一)委員 その次に、これは大臣のときにでなくて残念ですが、積み立て金の運用の問題であります。拠出年金に戻ります。
これは主計局じゃなくて、大蔵省は何局関係なのか知りませんけれども、大蔵省全体を代表して聞いておいていただきたいと思います。
政務次官に伺いますが、積み立て金というものは、元来、事故が起こりますと、その人が老齢になる、あるいは退職をする、あるいはまた障害を受ける、あるいはなくなって遺族に給付をするというようなものになりますと、そういう被保険者——労働者の年金では労働者、これは国民年金ですから被保険者——被保険者または死んだ場合は例外的に家族に原資が移るのですが、本来この積み立て金というものは被保険者のものだという概念が当然であろうかと思います。その点について、政務次官のすっきりしたお考えを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/86
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087・谷垣專一
○谷垣政府委員 その点は、御趣旨のとおりだと思います。ただ、この運用の問題につきまして、当然それは被保険者のためを考えなければいけませんから、したがって、運用をできるだけその人たちのためになるように、またそれによって保険料その他が安くいくような、そういう意味の運用を考えなければならない。趣旨は、八木先生のおっしゃっているような趣旨だと私たちは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/87
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088・八木一男
○八木(一)委員 政務次官の御答弁には非常に満足をいたします。また当然そういうことであろう。しかしながら、これがそうでないほうに運用されている点が多いわけであります。実は新しく入った収入を保険料の四分の一がそういう被保険者還元ということになる。厚生年金などはずいぶんたくさんの金が蓄積されているわけです。新保険料の中で、四分の一ではこれは問題にならないと思う。少なくともそういうような公的な資金を、資金運用部を通じて運用されているわけでございますが、その点をひとつも必要ないということは私は申しませんけれども、しかし、それがあまりにはびこり過ぎている。どんなことがあっても、半分の原資は被保険者の福祉のために使われなければならない。いま四分の一というのは、新収入保険料の四分の一ですから、これは全体にしたらぐっと少ない。ですから四分の一という率を二分の一に上げる、それから新保険料だけでなくていままで貸して、回収をして戻ってきた積み立て金のものについても、その二分の一を適用する。少なくともそうしなければならない。これは大蔵省のほうに非常に抵抗があると思います。あると思いますけれども、これは大蔵省がかってなので、当然この資金は担当の厚生省が保管をされて、厚生省が大蔵省から、ほかの資金に必要だから資金運用部に回してもらえないかということを要請されたときに、こちらのほうで被保険者の福祉に使って、余りがあったならばそれをそちらのほうに回して差し上げるというのがあたりまえであって、本来保管すべき厚生省じゃなくて、大蔵省に保管されていて、それが本来の権利者の福祉に回してくれということで一生懸命頼んで、ほんのちょっぴりしかこっちに回してもらえない。こんな筋の違った話はない。この点について、厚生省はほんとうにき然たる態度でやっていかなければならない。少なくとも最初の主張では、厚生年金等の積み立て金の管理は、厚生省でやるという主張をなさるべきであると思う。この管理の問題とともに、国民のためには、ぼくは全額と言いたいところだけれども、譲っても半分は優先的に国民の福祉のためのほうに運用する。余れば別にほっとかなくても、そっちのほうに使わせてあげてもいいですけれども、先にこっちのほうが使うということでなければならない。
それから特別勘定をつくるということを、制度審議会や保険審議会でも言っておりますけれども、こういうりっぱな審議会の答申が一つも生かされていない。これはひとえに大蔵省の強腰と、厚生省の腰抜けと、両方からきているわけです。これは腰抜けと申し上げても伊部さん首を縦に振られるでしょう。また大蔵省はあつかまし過ぎるのです。厚生省は大蔵省にしょっちゅう頼みに行く、要求するのに頼むのは当然ですが、大蔵省に金をもらうのに遠慮している向きがあるのですね。これは堂々と要求されたらいい。これは厚生省の管理にしても、大蔵省は必要なときは堂々と要請をされていいと思います。大蔵省に全権力がかたまり過ぎている。これは厚生省に取り返す。
それからその次にこの問題については、運用は被保険者のためにある。やる内容をきめるのはそういうような運用委員会とか、運用審議会というのをつくって、これは当然被保険者のものですから、被保険者の代表が半分以上いてきめなければならない。もちろん大きな金の運用ですから、財政運用上の方が入られるのも必要ですし、それからもう一つ、有効な国民の福祉のために、厚生省の方も入らなければいけないと思います。これは入られるのはいいと思うのですが、資本家が入っていることはこれはけしからぬ。これは法律できまって保険料の資本家負担分が半分ありますけれども、払ったとたんにこれは被保険者のものになっている。これはおれが出したからおれのものだという状態は許されないです。全部被保険者の金です。その状態が来るまで積み立て金として預かっているわけですから、その会社の社長のほうが、資本家のほうが発言権があるということは間違っている。ところがその間違っているところの発言権が非常に強いわけです。そうじゃなしに、被保険者の意見がほんとうに反映するように、それがしろうとで間違った運用にならないように、運営上も、対象上も、厚生省や大蔵省の方は入られていいですけれども、そういう構成の運用の委員会とか、審議会というものをつくられなければならない。国民年金だけではなしに、厚生年金は当然そうならなければならないし、また各共済組合の長期も同様の趣旨において、そういう方向がきめられなければならない。そういう問題について、強力に当然あるべき姿の方向に進まれるという決意を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/88
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089・谷垣專一
○谷垣政府委員 年金の積み立て金の運用につきましては、国会の附帯決議、それからその他いろいろの審議会でいまのような御趣旨の意見がずいぶん出ておりまして、またこの制度が発足いたしますときも、これは大議論になった経緯がございます。当然そういう性格を持っておるわけでございますので、またこの間の運営のいろいろな実績等からも判断いたしまして、いま八木先生のおっしゃっているような趣旨が、つまり被保険者の意思をこの運営の上にもう少し強く反映させるあり方というものを考えてしかるべきものだと思います。もちろん、資金なり財政全体の効率運用という立場での意見も、これはあろうかと思いますけれども、趣旨はいまのような趣旨であると私は思います。今後いろいろ計算の再計算をいたしますような時期をつかまえまして、御趣旨のようなものを、十分反映できるような方向で厚生省といたしましてはやってまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/89
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090・八木一男
○八木(一)委員 次に、福祉年金の問題に移ります。
いま所得制限の緩和が物価とかいろいろなもので逐次、毎年やられていますけれども、これは大幅に緩和していただかなければならないし、一つの提案があるわけでございますが、むすこさんの名目的収入がちょっと上がったときに、去年はもらえたのに、ことしはもらえないというようなことで、非常に福祉年金制度について失望があるわけです。去年もらえて、ことしもらえない。ことしもらえたのに来年もらえないとか、ちょっとだけむすこさんの収入が上がって限度額を越えた。これは金額にしたらたいしたことはない。一回もらえる権利が、老人またはほかの障害者、母子家庭もありますが、老人にできたならば、非常な変動があれば別ですよ、本人所得なり、それから扶養義務者の非常な増収があれば、これは別ですけれども、ある程度の予測し得るものであったら、一回権利者になったら、これは永久にとは言いませんけれども、三年なり、次の所得の調査などしないで、五年くらい引き続いてぱっぱっと支給できる。税務署に連絡してすぐわかるような、ぽかっとふえたような分は、それは制限してもいいですが、そういうようなことをするのが、行政上もいいし、年寄りに対しても親切な方法だ。これはちょっと技術的な問題ですから、政務次官にお答えいただいてもけっこうですが、伊部さんでもけっこうですが。お答えいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/90
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091・谷垣專一
○谷垣政府委員 その点は、方々からそういう御意見を実は伺っておりまして、厚生省のほうといたしましても、そういうことの起きないようなやり方を考えてやっておるのですが、間々、いまのような問題が起きておる状況でございます。五年間それをそのままとするかどうか、いろんな問題が考えられると思いますが、年金局長のほうからお答えさせていただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/91
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092・伊部英男
○伊部政府委員 先生御指摘のように、昨年福祉年金の支給を受けた方が、本年は息子さんの所得が上がったためにとまるということは、御老人の方に非常に深い失望を与えるわけでございます。この点、こういうことがないように、逐年所得制限の緩和をいたしておるのでございます。今後ともひとつ所得制限の緩和については一そう努力したいと思うわけでございますが、八木先生のただいま御提案のございました点につきましても、検討させていただきたい、かように思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/92
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093・八木一男
○八木(一)委員 それから、さっき厚生大臣からお答えになりましたから、私、触れる予定を変えたわけですが、同僚の後藤委員から言われました夫婦受給制限の撤廃は、これは私、七年越しに主張しておったことで、附帯決議については五年越しについておるわけです。これは断じてひとつ来年度どんなことがあっても必ず実現をしていただきたい。実は、ことし、これを委員会の修正で通していただきたいということを言って、与党の方々も同じようなお気持ちだったようですが、いろんなことで、まあ時間的な点でこうなりました。これはぜひ実現していただきたいと同時に、これはことし、もう実現がきまったものだとして、それからほかの問題と取っ組んでいただきたい。五つ厚生省がやりたいところを一つずらすと、その中に当然ことしやるものが入るために、あと四つになってしまうということは困りますから——いや、四つか五つとかじゃなく、少なくとも二十やってもらいたい。二十やるところを、一つやったら、あと十九ということになるといけませんから、これはもうことしやる意思が政府でも国会でも確定したということで、既得権であって、それから来年は、大蔵省にはこの問題一切文句を言わせない。あとの問題は、十二分に要求をして実現をするという態度で、絶対に来年は夫婦受給制限を撤廃するということを、いま厚生大臣もおっしゃいましたけれども、厚生大臣にかわって政務次官から、そういう決心をはっきりおっしゃっていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/93
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094・谷垣專一
○谷垣政府委員 年金の改善すべき問題は数多くあると思いますが、いま御指摘になっております夫婦の受給制限の問題は、この中でも一番先に解決をせねばならない問題だと私たちも考えておりますので、さように努力をいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/94
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095・八木一男
○八木(一)委員 先ほど申し上げました、障害者に障害年金を適用するということがあれば全部解決するのですが、それは早くしていただかなければならないけれども、その間の問題として、障害福祉年金がかなり——かなりでもないけれども、少しずつふえました。最初千五百円から始まって、ことしは、この案によれば、障害福祉年金月額二千七百円ということになります。私の出しました国民年金法では、障害年金でカバーすることになっておりますけれども、過渡的なものとして障害福祉年金で考えております。そして、その当時の金額で三千円、二千円、一千円というように階段を置いたものをつくったわけです。一級、二級、三級。福祉年金のほう、最初援護年金という名前で呼んでおりましたけれども、二千七百円になったならば——前は、千円のものを半分にすると、五百円じゃ中途はんぱだという御意見もあったのですけれども、二千七百円になった現在において、一級で福祉年金が適用されておりますが、たとえば千五百円なりそういうもので、来年また改正があると思いますから、その次に位する二級に属する人に障害福祉年金を設定をすることが当然おびえられていいんじゃないかと思います。しかし、これは二義的な問題であって、全部障害年金を適用するというさっきの大事な問題、これがあれば、これはそう心配はないわけであります。その問題は一つの過渡的な問題でありますが、ひとつ急速にお考えいただきたいと思いますが、ひとつ政務次官から……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/95
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096・谷垣專一
○谷垣政府委員 この支給範囲を広げる問題は、全額国庫負担の問題でございますので、したがいまして、今後の財政事情もあろうかと思いますが、今後の問題といたしまして、全部適用するか、あるいは、二級の問題を設けるか、検討をさしていただきたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/96
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097・八木一男
○八木(一)委員 それから、母子年金で多子加算が、前に二百円ですか、四百円に上がったのは、けっこうであります。しかし、それが上がってからかなりの時期がたっておりますし、当然、物価、生活水準ということを考え、それから、多子が貧困の原因になるということを考えたら、児童手当を政府で来年度ばちんと完全にやって、つけることが必要でありますが、その問題と関連して児童手当がばんばんと出るようになれば別にかまいませんが、当然、この多子加算という問題をもっと金額をふやすということを考えられる必要があろうと思いますし、福祉年金は、そうであれば、拠出制年金の多子加算のほうもふやすということも考えられなければいけないと思いますが、その点についての政務次官の前向きの御意見を伺っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/97
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098・谷垣專一
○谷垣政府委員 この問題は、御指摘のように、児童手当制度をどうするかという問題と関連がございます。児童手当制度を考える際にどうしていくか。まだ手当制度そのものの問題も十分考えなければなりませんので、御指摘のところ、十分考えて検討いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/98
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099・八木一男
○八木(一)委員 児童手当を、ほんとうにいいものをぴちっとつくっておけば、この問題は解決すると思うのです。ほんとうにいいものをつくっていただきたいし、そうなれば、そのときに必要がなくなるんだから、これは少なくとも、この臨時国会ぐらいにその多子加算の増額というのをやられて——過渡的なつなぎですから、早くやらなければ意味をなさない。やるとすれば、次の臨時国会ぐらいに提出されるというようなつもりで早くやっていただきたい。その点についてちょっと前向きの御答弁を……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/99
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100・谷垣專一
○谷垣政府委員 十分よく検討さしていただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/100
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101・八木一男
○八木(一)委員 それでは、そろそろ結論に入りたいと思います。
さっき厚生大臣に申し上げた点、それから、厚生大臣の時間がなかったので、同様に重大な問題について政務次官に申し上げました件を、ぜひ、厚生大臣の御決意は、政務次官はもちろんこれを補佐して実現されると思いますし、厚生政務次官がお約束になったことは、そのまま厚生大臣のお約束のこととして、ひとつやっていただきたいと思います。伊部さんはじめ関係者の方々は、そのいまここでお約束になったことを、とにかく職務を賭すような勢いで全部十二分に、私が申し上げたよりももっとよいような状態で、すばらしい案が出たというようなことでやる決意をひとつ伺っておきたいと思います。政務次官と伊部さんと両方……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/101
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102・谷垣專一
○谷垣政府委員 年金制度の確立、拡充は、わが国の社会保障の問題の上で一番重点になる問題だと思います。趣旨を体し、また、前向きに進んでまいりたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/102
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103・伊部英男
○伊部政府委員 下敏な者でございますが、八木先生の御鞭撻をいただきまして、大臣、政務次官の指導のもとに、国民年金の改善に精一ぱいの努力をいたすつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/103
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104・八木一男
○八木(一)委員 政務次官と局長の、前向きな御答弁で満足をいたしました。いい案が至急に完全に出てまいりますことを心から期待をするものであります。当然この案の審議の終わりに、与野党が賛同された強力な附帯決議がつくと思います。国会の意思を尊重されて、急速に、十二分に国民年金制度を、そうして社会保障の精神に従って前進をしていただくようにお願いしたいと思いますし、大蔵省のほうは、辻主計官はこの討議を十二分に聞かれたと思います。その点について、同じ国家の一つの省でありますから、社会保障、憲法第二十五条第二項の精神に従って私どもは質問をし、厚生省当局は答弁をしておられます。同じく憲法を順守される責任を持っておる大蔵省の全公務員が、憲法九十九条の精神に従ってこの問題に厚生省より以上の熱意を示し、協力をされることを期待をしておきたいと思います。
以上をもって私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/104
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105・八田貞義
○八田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/105
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106・八田貞義
○八田委員長 次に、討論に入るのでありますが、別に申し出もありませんので、直ちに採決いたします。
内閣提出の国民年金法等の一部を改正する法律案について採決いたします。
本案に賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/106
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107・八田貞義
○八田委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/107
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108・八田貞義
○八田委員長 この際、三ツ林弥太郎君、八木一男君、和田耕作君及び中野明君から、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
その趣旨の説明を聴取いたします。三ツ林弥太郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/108
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109・三ツ林弥太郎
○三ツ林委員 私は、自由民主党、日本社会党、民主社会党及び公明党を代表いたしまして、国民年金法等の一部を改正する法律案に対し、附帯決議を付するの動議について御説明を申し上げます。
その案文を朗読し、説明にかえさせていただきます。
国民年金法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議
政府は、国民年金制度の重要性にかんがみ今後すみやかに左記事項を実現するよう努力すべきである。
一、各年金の年金額を大巾に引上げること。
二、老令年金、老令福祉年金の支給開始年令を引下げること。
三、福祉年金の給付制限を大巾に緩和すること。
四、年金額、保険料、給付要件、受給対象等すべての面において社会保障の精神に従って改善すること。
五、他の公的年金制度とともにスライド制の確立に努めること。
六、以上五項目の実現のため大巾な国庫支出を行なうこと。
七、拠出制年金の積立金の運用については、被保険者の意向が充分反映できるようにし、被保険者の福祉のため運用する部分を大巾に拡充すること。
特に左の具体的事項については、可及的すみやかに実現すべきである。
一、老令福祉年金額を大巾に引上げ、他の福祉年金額も右にならって大巾に引上げること。
二、昭和四十六年老令年金支給開始時期に老令年金と老令福祉年金の支給開始年令を同年令にするため、明年度より段階的に老令福祉年金支給開始年令を引下げること。
三、老令福祉年金の夫婦受給制限を撤廃すること。
四、各種福祉年金の所得制限の限度額を、大巾に引上げること。
なお福祉年金受給権者になったものに対しては、本人及び扶養義務者の所得が大巾に増加しない限り一定期間支給制限をしないようにすること。
五 拠出制年金加入前の障害についても障害年金の支給対象とすること。
六 障害福祉年金の現在の受給資格より障害の程度が低いものに対し、二級障害福祉年金制度をつくること。
七 母子福祉年金の多子加算等子に対する扶養加算を大巾に増額すること。
八 保険料の免除を受けたものの年金給付については、更に優遇の措置を講ずること。
九 年金制度に於ける国際間の適用及び期間通算について国際的に措置を講ずること。
更に政府は、児童の権利を確立し福祉を増進するため左記事項につきすみやかに実現するよう努力すること。
一 児童手当に関する法律を昭和四十四年度から実現に努めること。
二 児童扶養手当及び特別児童手当の額の引上げ所得制限の緩和を国民年金の改善と同時に右に準じ行なうこと。
三 特別児童手当は、公的年金と併給すること。
四 特別児童手当の支給事由となる障害の範囲を拡大すること。
五 死別、生別の如何を問わず母子家庭の援護に差別をつけないようにすること。
以上であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/109
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110・八田貞義
○八田委員長 本動議について採決いたします。
本動議のごとく決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/110
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111・八田貞義
○八田委員長 起立総員。よって、本案については三ツ林弥太郎君外三名提出の動議のごとく附帯決議を付することに決しました。
この際、厚生大臣より発言を求められておりますのでこれを許します。厚生大臣園田直君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/111
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112・園田直
○園田国務大臣 ただいま国民年金法等の一部を改正する法律案に対しまして、附帯決議を議決していただいたわけでありますが、この附帯決議につきましては、御趣旨を十分尊重して実現に努力したいと考える次第であります。(拍手)
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/112
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113・八田貞義
○八田委員長 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/113
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114・八田貞義
○八田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。
—————————————
〔報告書は附録に掲載〕
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/114
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115・八田貞義
○八田委員長 次回は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804410X02719680517/115
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