1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十三年四月九日(火曜日)
午前十時四十二分開議
出席委員
委員長 田村 元君
理事 金子 一平君 理事 毛利 松平君
理事 山中 貞則君 理事 渡辺美智雄君
理事 只松 祐治君 理事 村山 喜一君
理事 竹本 孫一君
大久保武雄君 大村 襄治君
奥野 誠亮君 鯨岡 兵輔君
河野 洋平君 小山 省二君
笹山茂太郎君 砂田 重民君
地崎宇三郎君 登坂重次郎君
西岡 武夫君 古屋 亨君
坊 秀男君 村上信二郎君
村山 達雄君 山下 元利君
吉田 重延君 阿部 助哉君
井手 以誠君 佐藤觀次郎君
中嶋 英夫君 平林 剛君
広沢 賢一君 広瀬 秀吉君
堀 昌雄君 武藤 山治君
河村 勝君 田中 昭二君
広沢 直樹君
出席国務大臣
大 蔵 大 臣 水田三喜男君
国 務 大 臣
(経済企画庁長
官) 宮澤 喜一君
出席政府委員
公正取引委員会
委員長 山田 精一君
経済企画庁国民
生活局長 八塚 陽介君
大蔵政務次官 倉成 正君
大蔵大臣官房長 亀徳 正之君
大蔵省主税局長 吉國 二郎君
国税庁長官 泉 美之松君
食糧庁次長 田中 勉君
委員外の出席者
日本専売公社総
裁 東海林武雄君
日本専売公社副
総裁 佐々木庸一君
日本専売公社総
務理事 牧野 誠一君
日本専売公社販
売部長 斎藤 欣一君
専 門 員 抜井 光三君
―――――――――――――
四月九日
委員四宮久吉君、野口忠夫君及び松本忠助君辞
任につき、その補欠として小山省二君、堀昌雄
君及び広沢直樹君が議長の指名で委員に選任さ
れた。
同日
委員堀昌雄君辞任につき、その補欠として野口
忠夫君が議長の指名で委員に選任された。
―――――――――――――
四月五日
所得に対する租税に関する二重課税の回避のた
めの日本国とデンマーク王国との間の条約の実
施に伴う所得税法、法人税法及び地方税法の特
例等に関する法律案(内閣提出第七一号)(参議
院送付)
同月八日
国立医療機関の特別会計制反対に関する請願外
三件(井手以誠君紹介)(第三四三九号)
同(岡田春夫君紹介)(第三四四〇号)
同(神門至馬夫君紹介)(第三四四一号)
同外五件(楢崎弥之助君紹介)(第三四四二号)
同外一件(平等文成君紹介)(第三四四三号)
同(古川喜一君紹介)(第三四四四号)
同外一件(細谷治嘉君紹介)(第三四四五号)
同外六件(安井吉典君紹介)(第三四四六号)
同外十件(山本弥之助君紹介)(第三四四七号)
同(春日一幸君紹介)(第三四四八号)
同(原茂君紹介)(第三四四九号)
同(川上貫一君紹介)(第三四九一号)
同外十三件(木原実君紹介)(第三四九二号)
同外二件(田代文久君紹介)(第三四九三号)
同(谷口善太郎君紹介)(第三四九四号)
同(林百郎君紹介)(第三四九五号)
同(松本善明君紹介)(第三四九六号)
同(石橋政嗣君紹介)(第三五三四号)
同(板川正吾君紹介)(第三五三五号)
同(稻村隆一君紹介)(第三五三六号)
同外一件(岡田春夫君紹介)(第三五三七号)
同(川上貫一君紹介)(第三五三八号)
同外二件(河野正君紹介)(第三五三九号)
同外二件(木原実君紹介)(第三五四〇号)
同(栗林三郎君紹介)(第三五四一号)
同(神門至馬夫君紹介)(第三五四二号)
同(柴田健治君紹介)(第三五四三号)
同外一件(島本虎三君紹介)(第三五四四号)
同(田代文久君紹介)(第三五四五号)
同(谷口善太郎君紹介)(第三五四六号)
同(中嶋英夫君紹介)(第三五四七号)
同(林百郎君紹介)(第三五四八号)
同(平林剛君紹介)(第三五四九号)
同(平等文成君紹介)(第三五五〇号)
同(松本七郎君紹介)(第三五五一号)
同(松本善明君紹介)(第三五五二号)
同(武藤山治君紹介)(第三五五三号)
同(村山喜一君紹介)(第三五五四号)
同外一件(森本靖君紹介)(第三五五五号)
同外二件(米内山義一郎君紹介)(第三五五六号)
同(横山利秋君紹介)(第三五五七号)
同(阿部助哉君紹介)(第三六五二号)
同(石田宥全君紹介)(第三六五三号)
同外三件(兒玉末男君紹介)(第三六五四号)
同(神門至馬夫君紹介)(第三六五五号)
同外一件(佐藤觀次郎君紹介)(第三六五六号)
同(斉藤正男君紹介)(第三六五七号)
同(千葉佳男君紹介)(第三六五八号)
同(中村重光君紹介)(第三六五九号)
同外一件(平等文成君紹介)(第三六六〇号)
同外一件(古川喜一君紹介)(第三六六一号)
同(村山喜一君紹介)(第三六六二号)
同(八木一男君紹介)(第三六六三号)
野菜果実類小売業等に対する国民金融公庫の特
別融資に関する請願外十七件(鈴木一君紹介)
(第三四七二号)
同外十六件(鈴木一君紹介)(第三四九〇号)
同外五件(鈴木一君紹介)(第三六六四号)
たばこの値上げ反対に関する請願(大柴滋夫君
紹介)(第三四八九号)
終戦後の隠匿貴金属の情報提供者報償に関する
請願(猪俣浩三君紹介)(第三六四四号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
製造たばこ定価法の一部を改正する法律案(内
閣提出第三号)
酒税法の一部を改正する法律案(内閣提出第四
号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/0
-
001・田村元
○田村委員長 これより会議を開きます。
製造たばこ定価法の一部を改正する法律案、酒税法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/1
-
002・堀昌雄
○堀委員 酒税問題の質問に入ります前に、私はひとつこれまで大蔵委員会で私がずっとやってまいりました過去の経緯を少し締めくくりをしておきたいと思います。
〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕
まず、実はだいぶん古いことになりますけれども、泉さんが主税局長のときに、間接税のあり方に触れて、最初には三、四年に一回は間接税を減税すべきだ、こう答弁をいたしました。その後三、四年に一ぺんというのは五、六年にしたいということに、変わってきたわけです。五、六年でもそれはいいと思っていたのですが、五、六年がちょうどいま来たわけです。五、六年が来たら今度は、いま国税庁長官ですけれども、政府の一員として責任のある者が言うにもかかわらず、減税どころか実は増税になってきたわけですね。これは私、何回かここの委員会で正式な議論をして、政府はそういう答弁をしてきたので、今後は政府の答弁は信用できないのかどうかという点について、泉さん、あなたの立場から、時間がありませんから簡単でいいですが、ちょっとお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/2
-
003・泉美之松
○泉政府委員 お話しのように、かつて私、主税局長をいたしておりました当時、そういうことを申し上げましたのは事実でございますが、これは御承知のように、間接税につきましては、昭和三十七年にかなり大幅な減税が行なわれたわけであります。それに対しまして直接税のほうは御存じのとおり年々改正が行なわれておるわけであります。その当時の考え方からいたしますと、税収の弾性値の相違からいたしまして、直接税は年々減税していくけれども、間接税は年々はむずかしい、少しずつ減税するよりは何年かまとまったところで、消費者に利益を及ぼす程度の減税をするのが望ましい、こういう考え方であったわけであります。ところが、その後の財政需要が御承知のように急激に増加いたしてまいりまして、財政収支が非常に窮屈になってくる、こういうような状況になりましてから、三、四年ではむずかしい、五、六年に一回だというような感じも出てまいっておったわけであります。本年のように自然増収は相当大きく出るのでありますけれども、公債を相当圧縮する、こういう財政方針がとられますと、所得税の減税はどうしても実施せざるを得ない、とすると他に財政収支のつじつまを合わせるための財源を求めざるを得ない。そういう財源としてはたばこと酒、酒のうちでも特に清酒の場合ですと、二級は据え置いて、特級、一級の税率を引き上げるというような形の増税が問題になってきたのであります。過去そういうようなことを申し上げたのは事実でございますけれども、やはりその間の財政の動きが非常に変わってきたということが、今回酒税について特、一級を増税せざるを得ない、こういう事情になってきたと思うのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/3
-
004・堀昌雄
○堀委員 それは情勢の変化といえば情勢の変化ですけれども、しかし、今度の場合の減税と増税というのはニュートラルな部分を越えるわけでしょう。要するにあなた方が減税をすると言ってきたのをしないというなら、ここまではわれわれもまあがまんができるのですよね。振りかわって増税になるというのは、これは百八十度方向が転換をされたわけですね。あなたはすでに公債発行になった四十一年の十月十五日に、なおかつ五、六年後にはという話をしているのですよ。いいですか、あなた帰ってもう一ぺんよく会議録を読んでください。会議録に出ているのですから。だから私が言うのは、やはり少なくとも政府がそういう答弁をしたら、せめて間接税の増税だけはしないということでないと、政府の発言というものは権威のないものだと国民に理解をされる。これが第一点。
第二点にもう一つ、いま二級酒は据え置いた、こう言われますね。なぜ据え置いたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/4
-
005・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 ただいま御指摘の点は、私も昔おりましたのでよく存じておりますが、二級酒を据え置きましたのは、これはもう先生よく御承知だと思いますけれども、昭和三十七年の改正当時、二級、一級の格差という非常にむずかしい問題がございまして、当時一級と準一級というのがございまして、やや準一級に近い程度に一級を引き下げたことがございます。当時一五%の間差があったものを八%程度に縮めたという経緯がございます。その後実績を見てまいりますと、一級一酒は年率で一四〇%程度伸びております。二級酒は従来清酒の伸びのうち一番大きかったのでありますが、二級酒はその三十七年以後、年率で清酒全体の伸びよりも下回る伸びをずっと示しておりました。いわば一級と二級の間差がやや狭まり過ぎたという感じがございます。それと大衆酒という面もございますので、今回は一級酒をやや幅を大きく引き上げるということでバランスをとるのが正当ではあるまいかという観点、二つの観点で据え置いたわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/5
-
006・堀昌雄
○堀委員 いまの級別の問題と大衆酒と二つありますね。
たばこのほうはそうなっていないのですが、大衆用というのは据え置きがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/6
-
007・亀徳正之
○亀徳政府委員 朝日、バット、刻み、これらを据え置いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/7
-
008・堀昌雄
○堀委員 朝日とバットと刻み、それらの全販売量の中に占めるウエートは一体幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/8
-
009・牧野誠一
○牧野説明員 三つ合わせまして一・五%前後でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/9
-
010・堀昌雄
○堀委員 清酒の中に占める二級酒のウエートは幾らですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/10
-
011・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 量的に申しますと、約六割五分です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/11
-
012・堀昌雄
○堀委員 清酒の場合には、六割五分のウエートのあるものが、今度は税が上げられない。そして、たばこの場合には大衆用だというのが一・五%。一・五%というのは大衆用なんですか。何ですか、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/12
-
013・亀徳正之
○亀徳政府委員 率直に申して、大衆用という意味が、大部分の、あまり高所得でない方々がのむたばこということでございますと、それだけに限られませんで、当然、新生とか、近ごろはハイライトも非常に皆さんに愛用されております。実は、私はたばこをのまないのでございますが、そう聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/13
-
014・堀昌雄
○堀委員 税と専売益金は多少違うかもしれませんが、やはりこれは間接税とみなしていいものです。税というのは、権衡をとるのが税としての基本的なたてまえだと思う。税体系の全体の中で権衡をとるということになるならば、今度の場合には、清酒の二級に見合う六〇何%というウエートを私は言いませんけれども、やはりそこらに常識的な判断というものが政策的配慮としてはあるのが至当なのじゃないでしょうか。政務次官どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/14
-
015・倉成正
○倉成政府委員 たばこの場合は、先ほど官房長から申しましたように、朝日とかゴールデンバット、刻み、こういったものを一応据え置いたわけでありますけれども、これは一つは、低所得者の方が若干のむということもありますけれども、むしろこれは老人とかあるいは特殊な愛好者がのんでおるもので、全体の中でのウエートが非常に少ないということから据え置いた。大衆的な配慮ということになりますと、ハイライトが大体全体の四割くらいを占めておるわけで、この値上げを大体十円、値上げ率を若干低くした、こういう配慮をしております。御指摘のように、たとえば、新生であるとか「いこい」であるとか、そういうものは比較的ウエートは低いわけですけれども、ハイライトと比較すると、新生にいたしましても、ことしの見通しで、大体一割程度と見通しているわけですが、こういうものを据え置いたらどうかという意見もいろいろございましたけれども、やはり御案内のように、たばこについては、大体十円刻みくらいで価格体系ができ上がっているものでありますから、一部のものを大きく据え置くということになりますと、やはり収入という面から非常に十分な収入を確保できないということから、全体のバランスをとって値上げをした、こういう経過でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/15
-
016・堀昌雄
○堀委員 かなり苦しい答弁ですね。私は政策的に伺っているので、体系そのものの中に少し安いものがあったら、体系がくずれるとは思いません。片方では消費者への配慮があり、片方では消費者に配慮をあまりしていないということについては、やはり検討の余地があると私は思います。
そこで、あわせてちょっと伺いたいのですが、一応これはこれとして、酒税というのは、一回上げた以上、今後の経過としてなかなか減税はむずかしかろうと思いますが、また増税になるということになると、これは問題があると思う。酒税の増税、たばこの専売価格改定という問題は、それこそ、ここ四、五年間はないということに考えていいのですか。原資がなければ、要するにまた間接税を上げるということですか。ちょっとそこのところをお伺いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/16
-
017・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 先ほど泉長官にお尋ねがございましたが、昭和三十七年の改正は、先生もよく御記憶と思いますけれども、酒の税というものが戦時中に非常に高くなり、ことに戦後になりまして、特別価格制をつくって、それを吸収した関係で、これはほんとうに高かったと思うのです。現にこの間も私申し上げましたが、当時の酒の価格は、昭和二十五年当時は各種類を通じて現在の価格より高かったのです。それをいかにして平時的な税額に下げるかというのが大きな問題でございました。昭和三十七年の改正は、実は酒について、戦時的と申しますか、戦後的と申しますか、そういう色彩を完全に払拭する平時の税額を提出するというねらいでございました。要するに、そのときに完全に、ある安定した税率ができたと考えておったわけであります。ところが、従量税をとっておりました関係で、その後、その当時想定した税率より下がったということが今回の引き上げの一つの原因になったのであります。
〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕
今後の問題でございますが、私は所得税に関しましても、間接税に関しましても、時代の動き、経済の動き、あるいは所得水準の動きというようなものに関連をして見直しをしていく必要は常にあると思います。所得税については、所得の上昇による課税負担の増加の程度が非常に早いので、これは毎年といっていいくらいやらなければならぬと思います。その他、間接税につきましては、従価税のものにつきましても問題があると思いますが、従量税のものについても、おっしゃったとおり、四、五年くらいは急激には出てまいりませんが、問題はやはり何年かの間に出てくると思います。そのときそのときに見直しが必要であろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/17
-
018・堀昌雄
○堀委員 そうすると、ここでひとつはっきり答えておいてもらいたいのだが、要するに、今後やる場合も、価格が上昇したことに伴う見直し分――だから結局、価格が上がれば相対的に比率が上がるから、現在の置かれておる比率を、価格が上がってきたためにある程度比率が下がってきたら、それはどこかで再修正をするということはあり得るけれども、比率が上がるようなことはしない、こういうことですね。そこだけひとつはっきりしておいてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/18
-
019・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 私といたしましては、今回の改正と同じ考え方の改正を今後行なうことはあり得ると思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/19
-
020・堀昌雄
○堀委員 大臣おいでになりませんが、政務次官、いまのことは非常に重要ですから、ちょっと確認をいたしておきます。
要するに、酒税の値上げについては、末端価格が上昇した場合には、相対的に比率が、下がります。その比率を現在の基準において修正する範囲しか今後とも酒税は動かさないというのがいまの主税局長の答弁です。政務次官として、ひとつ政治的に、大蔵省を代表して確認をしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/20
-
021・倉成正
○倉成政府委員 大体、税金部分なり益金率というものは、結果的に出てくるものであります。したがって、こういう数字を絶対動かさないというのはいささか言い過ぎだと思いますが、感じとしては、ただいま御指摘のような感じで対処してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/21
-
022・堀昌雄
○堀委員 そこで、その考え方はたばこについても同じことになるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/22
-
023・亀徳正之
○亀徳政府委員 大体、主税局長が答弁したとおりでございます。
ただ、申し添えておきますが、今回のたばこの値上げは、二十六年以来、ずいぶん長きにわたって据え置いたものを上げますので、こういった改正を毎年毎年やるということは常識上は考えにくいことだと思いますが、ただ、基本的な考え方は、いま主税局長が申したとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/23
-
024・堀昌雄
○堀委員 ちょっと伺っておきますが、この間予算委員会で大蔵大臣は、昭和四十五年には、初年度分で標準世帯百万円をこえて課税最低限を引き上げられる、こういうふうに答弁したのです。主税局長は聞いていたかどうかわからないけれども、これはそのとおりなんです。そこで、四十五年に、現在の八十万円余りのところから標準世帯百万円をこえて、と大蔵大臣は言われましたけれども、百万円まで減税するための原資というのは、二年に――アローアンスはありますが、一体幾らぐらい原資が要るのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/24
-
025・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 二年に分けてやるといたしますと、分け方はいろいろございますが、かりに平分して十万円ずつ上げるということにいたしますと、納税人員が毎年ほぼ同じ程度ずつ下がりますから、ことしの所要額程度、これをちょっと上回るぐらいで済むと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/25
-
026・堀昌雄
○堀委員 そのときにあわせて主計局長は、財政制度審議会は近い間に国債の依存率を五%程度に引き下げたい、こう答えたわけです。その当分の間というのは一体どのくらいだと聞いたら、大体五年くらいを目途にする、こういうふうに主計局長は答弁したわけです。そうすると、今度は、一〇・九くらいになっていますから、大体一一%、それを五年間に五%にするためには毎年一%ずつ下げなければならない。片方で一%ずつ下げていって、そしていまの一千億を減税をして、間接税は向こう五年間上げない。いいですね。主税局長も政務次官も、そこだけちょっと答えておいてください。これは非常に重要なことですから……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/26
-
027・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 その議論は私も速記録で拝見いたしました。依存率を下げてまいりますためには、国債の発行を少なくとも現在程度以下に押えなければいけない。一方財政のほうは年率で一二、三%ずつふえておりますから、五年間と申しますと、同じ額を据え置いておれば、五年たつとほぼ四、五%は下がるということだと思います。したがって、今後は租税収入の増加分というもので財政当局はまかなっていかなければならないということでございます。財政当局としても、歳出面についても非常にくふうをこらす必要がございます。歳入面についてもいろいろくふうをこらす必要があるのではないか、かように存じますけれども、私どもといたしましては、百万円のお約束というものは政府の公約でもございますし、あらゆる知恵をしぼって実現したい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/27
-
028・堀昌雄
○堀委員 あらゆる知恵をしぼってといって、あなたも手品をやるわけじゃないでしょうから、ないところから財源を出せないでしょう。いいですか。ことし九千億の自然増収がありながら公債依存率というのは――当初はもちろんもっと高かったわけです。当初は、昭和四十二年度は一六・一六%だったんですよ。実績は一二・三%なんですね、減らしてきたから。だから、一二・三%を一〇・九九%、まあ一一%に落としたということは、そんなに大きなダウンをしたわけじゃないわけです。九千四百億から自然増収があったわけです。なおかつあなた方は、一千億の減税をするためには、いまの酒とたばこ、物品税で持ってきた、こういう経緯があるわけです。私は、来年度、九千四百億を上回る、一兆円をこすような自然増収があり得ようとは思えないわけです、いまの経済全体の見通しから。時間がありませんから、そんなことはきょう申しませんけれども、基本的な問題だから、日を改めて経済企画庁長官や大臣に入ってもらってやりたいと思います。私はそういう情勢にないから、あなた方が、主税局長ともあろう者がいいかげんな答弁をしてはいけないと思うのです。やはりあなたは責任ある立場だから……。手品のように木の葉を変えたらそれがぱっと金になったりするのなら、これはだれでもいいですけれども、そういう答弁もいいけれども、そうはできないとなると、やはりもっとまじめな答弁をしてもらわなければいけない。私がここで詰めているのは、そうなったときにまたぞろどこかの間接税をさわろう、あるいは間接税を新設しようというようなことになっては困るから、国民の立場から歯どめをかけておきたいということなんです。主税局長、その点、間接税はさわらない、その他で考えるというのならそれでよろしい。一ぺん答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/28
-
029・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 ただいま仰せになりましたところでございますが、先ほど申し上げたように、酒、たばこというものについては直ちにまたということはちょっと不可能であると思います。その他の間接税についてもいろいろ問題もあるかと思います。また、直接税にも問題があるだろうと思います。これは十分に検討に値する問題だと思います。
それから、国債の当初よりも減った点は、昨年は意外に――意外にと申しますか、四十二年度は自然増収がまたあとでずいぶん出まして、それで削減が可能になった。それで、当初的ベースで申しますと、ことしはかなり大きな削減をやったといえますので、私としては、非常に努力は要しますけれども、申し上げたように、百万円のお約束を果たすべく財政当局としては研究を続けたい、こういう気持ちでおるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/29
-
030・堀昌雄
○堀委員 もう一言だけ聞きます。
そうすると、間接税をさわるということかさわらないということか、それだけ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/30
-
031・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 間接税の種類にもよりますが、全体を全然さわらずにいけるかどうか、あるいはまた場合によっては、御承知のように、物品税のように、新しい物品が発生いたしますと、それをさわらないわけにはまいりません。そういう点もございますので、基本的な姿として、先ほど御指摘のあったような酒、たばこのような形というものは、酒、たばこにとりにくいだろうということははっきり申し上げられると思いますけれども、その他の間接税については事態に即して合理的な配慮が加えられるべきだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/31
-
032・堀昌雄
○堀委員 その他の間接税というと、砂糖消費税、物品税、関税ですか、関税もその他の間接税ですか、ちょっと聞いておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/32
-
033・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 関税は内国税としては私ども扱っておりません。それからもう一つ大きいのは燃料税かと思います。揮発油税、LPGに対するもの、この辺がまだ問題が残っている点があると思います。LPGについてはすでに二段階で上がることになっておりますけれども、これもはたしていまのを続けていいかどうかという問題は残っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/33
-
034・堀昌雄
○堀委員 問題はそれだけのワクの中ですね、いま提起された問題のワクの中だけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/34
-
035・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 私どもの考えでは、いま申し上げましたような種類のものがまだ検討未済であるという感じがいたします。物品税とか揮発油税、もちろんこれは、私どもは事務局として考えるだけでなく、最後的には税制調査会の意見を承って検討するということになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/35
-
036・堀昌雄
○堀委員 私が少ししつこく聞いておりますのは、これ以外の間接税が新設されるようなことがあってはならぬと思うから、少し詰めたわけです。だから、いまのあなたの答弁からは新しい間接税の創設ということはあり得ない、ワクはもうかかりましたから、そういうことですからその点を一あなた首かしげるなら、そこをもう一ぺん詰めておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/36
-
037・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 大きな新しい間接税を創設するということは、現在私としては考えられないと思うのです。御承知のとおり、国際的な環境があって、たとえば御承知のように、アメリカでも一種の旅行税的なものも考えておりますし、そういう調整的な税が考えられることはあり得ると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/37
-
038・堀昌雄
○堀委員 それではいまの間接税全体の問題はそれまでにいたしまして、実はちょっと先に酒の問題だけひとつやっていきたいと思います。
この間、わが党の阿部委員及び村山委員の質問に対して、主税局長なり間税部長なり大蔵大臣の答弁、全く実は歯切れの悪い答弁をしておるか、答弁をそらしておるというのが私は実情だと思うのです。
そこで、ちょっと最初にお伺いしておきたいのは、「基準販売価格廃止後の価格指導等について、昭和三十九年六月一日、間酒六-一五、国税庁長官」この通達は生きておりますね、国税庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/38
-
039・泉美之松
○泉政府委員 生きております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/39
-
040・堀昌雄
○堀委員 この通達を、これはちょっと簡単ですから、一ぺん読み上げましょう。
「基準販売価格廃止後の酒類業界は、原則として業界が自主的に決定する建値によって取引する自由価格制度に移行することとなるが、自由価格制度移行後の価格形成が円滑に行なわれるとともに、自由価格制度のもとにおいても酒税の保全を図り、あわせて酒類業界の安定を期する必要があり、かつ、廃止後当分の間は政府の物価安定政策との関連等から値上げは適当でないと認められること等の見地から、基準販売価格廃止後においては、下記により価格等について行政指導等を行なうこととしたから遺憾のないようにされたい。
1酒類業者に対する価格指導の基本的考え方
基準販売価格廃止後の価格形形成は、原則として、業界の自主性にゆだねるものとし、当局はこれに介入しないことを基本的考え方とすること。」こうなっておりますね。
「ただし、自主的に設定された建値が、消費者保護のための上限をこえ、または酒税保全のための下限を下回るような極端なものであると認められるときは、上記の基本的考え方にかかわらず、次の2により行政指導等の措置をとるものとし、また、廃止後における当分の間の値上げは、政府の物価安定政策との関連もあるので、上記の基本的考え方にかかわらず、いっせい値上げは勿論のこと個々の値上げについても、当分の間はこれを行なわないよう指導するものとすること。」
こうなっておりますね。「当分の間」というのは一体どのくらいの年数ですか。あなたのこれまでの発言によると五、六年ということになっているようですが、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/40
-
041・泉美之松
○泉政府委員 この通達による「当分の間」というのは、それほど長い期間を予定していなかったと思います。この通達は、そもそも基準販売価格制度をなくして自由販売価格に移った段階においての通達でございますから、せいぜい二、三年という感覚できておるものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/41
-
042・堀昌雄
○堀委員 これは三十九年ですから、もう四年たつわけですね。しかしいまはどうですか、いまの庁の考え方は、この部分についてはどういう考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/42
-
043・泉美之松
○泉政府委員 私ども、酒類が国民の嗜好品として重要な地位を占めておるという関係からいたしますと、やはりある程度その価格が自由であるにしても、国民大衆から反発を受けるような価格形成が行なわれることは好ましくない。そういう意味で非常に高い値になる、あるいは非常に低い値になって酒税の保全が困る、特に低い場合には酒税の保全上困って、行政上も困難を来たしますので、その点について特に留意をしていきたいという気持ちを持っております。そういう意味では、この通達にあるようにある程度行政指導は必要だと思います。しかし、値上げをしてはいけないとかどうとかというような点については、だんだんと業者の自主的な建て値形成に持っていくべきだというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/43
-
044・堀昌雄
○堀委員 では引き続き、その先を少し読みます。
「なお、基準販売価格廃止直後の価格体系は、現在のままの建値で推移するものと考えられるが、ある程度の期間が経過した後は、銘柄格差による自由な価格形成が行なわれるものと考えられるので、自主的に適正な建値が設定されるまでの過程においては、上記の基本的考え方にかかわらず、当局は、業界から要請があった場合には、会合等に出席し、値引、リベート等は、商慣習上やむを得ないものを除き、原則として建値に吸収され、かつ、銘柄力に相応した建値が自主的に決定されるよう指導するものとすること。」
まあ当然だと思うのですが、そこで、「値引、リベート等は、商慣習上やむを得ないものを除き、」とあるのですが、これはあなた方はどういうふうに理解しているのですか。商習慣上の値引き、リベートの幅というのは、現在まであなた方は幾らぐらいを商習慣とみなすのか、ちょっとお尋ねしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/44
-
045・泉美之松
○泉政府委員 なかなかむずかしい問題でございますけれども、商習慣として許されるのは、料飲店等に大量に販売する場合、いわゆる応量リベートという制度があるわけであります。これは商習慣上一つの確立されたリベート、値引きだと思います。その金額は、これは応量でございますから、量の大小によってかなり違っておりますので、一律に幾らということは言いかねると思いますけれども、しかし、量が非常に大量になればやはりリベートはある程度出す、これは商習慣として尊重しなければならぬと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/45
-
046・堀昌雄
○堀委員 小売り店が料飲店に出す場合はわかります。メーカーが卸に出す場合はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/46
-
047・泉美之松
○泉政府委員 この点につきましては、現実の価格形成がなかなかむずかしい問題がございまして、業者間においてはやはりメーカー同士、自分の酒が一番いいというふうに思っておる関係上、やはり他の業者との間の値開きが出るということは、すぐ世間で安かろう悪かろうというふうにとられやすい。したがって、同じ値段でもっていって、そのかわりそれでは販売がむずかしいということになれば、リベートを若干出すというような形勢、そういうふうな状況があるようであります。まあある程度のリベートは私はやむを得ない面があろうかと思います。
しかし、最近の状況を見ておりますと、そのある程度やむを得ない程度をこえたリベートがかなりあるというように見ます。そのような点については、業界に、そのような値引き乱売といったような傾向は厳に慎むように、正常取引運動を業界として大々的にやってほしいということを言っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/47
-
048・堀昌雄
○堀委員 それでは少し聞きますけれども、二級酒とすれば、あなたの言ういまの商習慣上やむを得ない、生産者が卸に対する値引き、リベートというのは、幾らまで商習慣として認められますか。感触でいいですけれども、金額でちょっと言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/48
-
049・泉美之松
○泉政府委員 これは、幾らまではいいということはなかなか言いにくい……(堀委員「いいとか悪いとかじゃない、商習慣上の話を聞いている。通達に認められると書いてある」と呼ぶ)商習慣としての金額からいたしますと、まあせいぜい十円以内だろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/49
-
050・堀昌雄
○堀委員 そうすると、最近の二級酒のリベートですが、十円以内と十円以上に分けて、一体どのくらいの比率になっているか、ちょっとお答えください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/50
-
051・泉美之松
○泉政府委員 十円以内と申しますか十円未満のものが二九・六%、十円以上のものが残りの七〇・四%、こうなっています。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/51
-
052・堀昌雄
○堀委員 いま私は非常に納得ができませんのは、今度二級酒というのは増税しないことになったのですね。ところが、二級酒を値上げしてくれという要望が非常に出ている。その理由は、千六百六十円、米の購入価格が上がったから、それの見返りが一升七円ぐらいになるから、だからこれを吸収したいのだということが主たる理由のように聞いておりますが、国税庁長官どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/52
-
053・泉美之松
○泉政府委員 お話のとおり、清酒製造業者としましては、酒の原料米の値上げが昨年行なわれまして、千六百六十円百五十キロ当たり上がっておりますので、この値上げによるコスト増がお話しのとおり七円四十四銭程度になります。しかし、そのほかにびん代がやはりかなり値上がりをいたしておりまして、これが四円ぐらいになります。そのほか労務者の賃金もかなり上がっております。それから設備投資に伴う減価償却費も若干上がっておる。そういったような事情がメーカーについてある。
さらに、販売業者につきましては……(堀委員「メーカーだけでいいです」と呼ぶ)販売業者についても値上げの要因があって、値上げしてほしい、こういうことを言っておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/53
-
054・堀昌雄
○堀委員 最近、酒類の値上げは、毎年やったことないのですね。この前は昨年の四十二年にやったわけですが、その前は四十年にやっているわけですね。大体二年にせいぜい一回という程度で来たと思うのです。そうすると、確かにいまの米の部分やその他は多少マイナスが立つと思うのですが、私がそこでいまどうしても納得ができないのは、二つ理由があるのです。
一つは、十円という一応あなた方が商習慣として認めておるリベート以上のものが七〇%あるのですよ。だから、七〇%は、それ以上のものをリベートとして現在出しているのだから、そのリベートを減らすことによって実は自分のところの手取りはふえるようになっているわけでしょう。だから、それが圧縮できないのは三〇%しかない。にもかかわらず、ともかくも原価が上がったから値上げをしてくれ、こういう問題が一つ出ておるわけですね。
もう一つの問題は、過去の値上げの場合における処置のあり方です。これは私は昭和四十年の値上げのときにここで論議をいたしました。当時松本間税部長が、その四十年の値上げの際の前かえ――値上げをしてから、前の価格そのままで卸売り業者にメーカーが出したのを、われわれ専門用語として前かえで出すと言っておるわけですが、その前かえの中身を時間がないから私のほうが言いますが、要するに百八十五の業者について調査をした。そうして一カ月というのが大体過去における前かえというものの慣例であったから、その一カ月というのはどこになるかというと、百八十五のうち百三十は大体一カ月で終わった。ところが、あとの五十五というのは一カ月以上にわたって、値上げを要求しながら前の価格で出した。六十日以上、二カ月以上の長期にわたってやっておるものが十四業者あったわけですね。百八十五の中の七・五%に当たるものは、二カ月たっても依然として前の値段で出しておる。要するに、消費者は高い値段で買わされながら、生産者は経営が成り立たないから値上げをしてくれといって値上げをしておいて、値上げ以前の価格で二カ月も三カ月も売る業者があるということでは、この二つの面から私は消費者不在の値上げだ、こう思わざるを得ないのですよ。リベートがきちんと圧縮をされて全部が十円以内になっているのなら、こういうような前かえが全部一カ月以内であるということがはっきりしているなら、私は必要やむを得ない値上げまで反対しようと思わないのです。あまりにも消費者不在で、生産者なり流通業者のためにだけ値上げがされておるという現状は、私は国民の名において許すわけにいかぬと思うのです。昭和四十二年、昨年の値上げについての前かえの期間調査を国税庁はやりましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/54
-
055・泉美之松
○泉政府委員 お話しのとおり、清酒の値上げのつど前かえの期間が一カ月をこえるものがあるということは、私非常に遺憾なことだと思っております。昨年の値上げの際、これは実は値上げの要望の声が出ましてから実現に至るまでにかなりの期間があったために、その間異常出荷として出ておる数量が相当多量にございます。しかし、これは値上げ実施前の異常出荷でございまして、値上げ実施後はその前の異常出荷がストックとなって売れないために、それがとどまっておったということでございまして、昨年の値上げのときには、その値上げ後の前かえ期間というものはやはり業者について個々に調べますと、先ほどお話しのとおり一カ月をこえてなお前かえを続けておったという業者がおりますけれども、しかし、昨年は特徴的なのは、むしろ値上げ実施前の異常出荷が在庫として市場を圧迫した、こういう点が非常に顕著でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/55
-
056・堀昌雄
○堀委員 その点もおかしいわけですね。そう思いませんか。値上げというものが目前にありながら、生産者が当然持っておって、値上げになってから売るべきものを安い価格で流通へ押し込んだということは、これはやはり消費者に対して説得力がないのじゃないですか、値上げをしてくださいという理由に。値上げをしないものをどんどん出しておいて、値上げになってからのものが減ってくるほど出しているということは、前かえの裏返しじゃないですか。消費者の側から見たら、私同じことだと思うのですが、どうですか。値上げの理由にならないですよ、これは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/56
-
057・泉美之松
○泉政府委員 お話しのとおりでございます。したがいまして、実は私、昨年清酒の中央会長にお越し願って、このようなやり方をなされるのであれば、われわれとしては今後値上げについてそれを各方面に弁護するだけの勇気はないぞということを強く申し上げておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/57
-
058・堀昌雄
○堀委員 実は皆さんのほうの資料を拝見しても私は全く驚くのですけれども、二級酒の場合に三十円から五十円までの間のリベートが出ておるものが一七・三%、それから二十円から二十九円までが二七・六%、要するに二十円以上のものがここで四四・九%ですか、半分くらいが現在二十円以上リベートを出しているのです。二十円以上もリベートを出しておって、七円や十円、十二円コストが上がったから値上げをしてくれなんて言って、国民がそれを納得できますか。
政務次官どうですか。あなたも国民の立場として、生産者は二十円以上も値引きをして現在売っておる、にもかかわらず、十五円原価が上がったからその上に十五円よこせ、こんなことで国民が納得できますか。私はさっさ申し上げているように、十円くらいのところまでなら商習慣としてある程度やむを得ないと私も思います。二十円以上ですよ。要するに三十円から五十円までのものが一七・三%もあるわけですね。それほど出しておいて値上げをするということはどういうことでしょうか。私も酒類についてはかなり詳しく知っておるし、実情がわかっておるだけに、あまりに行き過ぎだと考えているわけですよ、増税がないのですから。増税のあるものについては、私は別途多少考えなければならないと思います。というのは、販売価格の末端がふくれますから、これに対しては金利、運転資金その他いろんなものが出てくるのですが、二級酒については今度それがないのです。大衆酒だからというのでそれだけ配慮をしているわけでしょう。にもかかわらず、これだけリベートを出しておいて値上げの話が出てくるということは、私は国民の側としてどうしても納得できないのですが、この点、政務次官どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/58
-
059・倉成正
○倉成政府委員 御指摘の点をそのまま承りますと、これは適当でない。やはりそういうリベートの部分は、元来は消費者に還元さるべきものだと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/59
-
060・堀昌雄
○堀委員 私はこの正常取引、値引き関係の問題をいま初めて言っているのじゃないのです。ここ四、五年ずっと言ってきたわけです。全然改善されないのですね。国税庁長官どうですか。あなたも改善されたあとがあると思いますか。私があなた方の資料を見ていたら、全然改善されていない。それが第一点。
第二点は、あなた方がこの委員会で約束したことがちっとも守られていないということです。私は四十一年の委員会のときに、価格表示の問題に触れたわけですよ。ともかく現在酒屋さんに行って、この酒が幾らというレッテルが張ってある酒ないじゃないですか。だから、この前の小売り業者の皆さんのアンケートを見れば、価格を表示してくださいという希望が一番多くて五一%あるわけですよ。私はそれを四十一年十月の委員会であなたと約束したじゃないですか。検討してやってみましょう、メーカーがつけるのは無理があるかもしれません、小売り段階でつけるのは検討してやりたいと思うと、あなたは答えているじゃないですか。にもかかわらず、あれから一年半たっているけれどもいまだに――私はこれをやる前に東京都内の酒屋を歩いてみたけれども、レッテルの張ってある酒屋は一軒もないですよ。一体あなた方は、酒税の保全さえできれば消費者はどうなってもいいというのですか。政府というのは一体何のためにあるのですか。酒類業界のためにあるのじゃないでしょう。国民のためにあるのでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/60
-
061・泉美之松
○泉政府委員 お話しの価格表示の件は、その節申し上げましたように、メーカーは東京で売る場合と地方で売る場合と、同じ銘柄の酒でも値開きがある場合があります。これはメーカーのそれまでの宣伝力その他によって、地域によってかなり値の差がありますので、メーカーが表示することはなかなかできない。しかし、小売り業者にそういうことを表示させて、消費者が選択をする場合に、この酒は幾らの値段ということがわかりやすいようにしようということをお約束申し上げまして、東京都内の各小売り店を私のほうで調べましたときにはこのレッテルはつけておりませんけれども、グループごとに、ここのグループの酒は二級酒は五百五十円でございます、ここのグループの酒は五百六十円でございますというふうに、びんの首のところにこのグループの酒は五百五十円、このグループの酒は五百六十円というふうに表示して、消費者が酒の選択ができやすいようにという指導を行なっておりまして、それは実施いたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/61
-
062・堀昌雄
○堀委員 実は、私が見たところではそれもありませんでした。私、九段の周辺を歩いてみたのですが、それもありませんでした。だから私は、こういう問題の中に、この間から村山委員なんかの質問に対して非常に歯切れが悪いのはどこに問題があるかというと、やはりこの法律のたてまえが、要するに酒税保全のたてまえだけになっておりまして、消費者を保護しようというところがちっともないわけですね。ここに私は基本的に問題があると思うのです。だから、私は少なくとも酒団法八十六条、これをこういうふうに書き改めてもらいたいと思うのです。これはひとつ与党の方もぜひお聞きを願いたいと思いますのは、いま政府がやっていることは、法律に基づかずしていまの通達でやっているわけですね。これはさっきの答弁をずっと聞いておりましても、自由な価格ですから、届け出られたら、届け出を受け付けたらその価格にせざるを得ない、何ら自由がないかっこうで処置がされておる。だから、それでは私はこれはちょっと問題があると思うのです。酒団法の八十六条を、こうなっていますがね、「大蔵大臣は、酒税の保全のため必要があると認める場合においては、」とあるのを「大蔵大臣は、酒税の保全及び消費者保護のため必要があると認める場合においては、」云々、こう改めてもらって、最後の「定めることができる。」とこうなったあとに「ただし、基準額の定めなき場合は、大蔵大臣がその必要を認めるときは、政令の定めるところにより、適切な指導を行なうことができる。」これはいまあなた方がやっておることを法律的な根拠に基づいて、いまのこの通達が合法的な通達になるように提案をしておるわけです。せめてこの程度のことが法律になければ、あなた方のこの通達は、詰めた議論をしたら違法な通達ですよ。そう思いませんか、国税庁長官。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/62
-
063・泉美之松
○泉政府委員 私どもが現在出しておる通達は、別段酒税法のどの規定あるいは酒団法のどの規定に基づいた通達というわけではありませんけれども、酒類行政をやっていく上において別段法律で禁止されておるわけではないので、それでそういう指導をしたことによって業界が安定するし、また、それが消費者のためにもなる、こういう考え方でおるわけであります。もちろん法規的に、いまお話しのように、規定が整備されればなおけっこうだと思います。
ただ、酒類団体法八十六条の規定は、いわゆる独占禁止法の除外規定ということでありますので、そういう規定が独占禁止法上はたして許されるかどうかということを公正取引委員会のほうともよく相談しまして、私どもだけの一存できめかねますけれども、そういう意味においてはお話しの点は公正取引委員会のほうともよく御相談いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/63
-
064・堀昌雄
○堀委員 公正取引委員会は、私、反対はないと思うのですよ。なぜ反対はないかというと、少なくともあなた方がいまやっている――あとずっとあるんですよ、再販価格の協定から制限販売価格から、あなた方はずっと書いているわけでしょう。これら一連の中で、ともかくいま私が言っているのは、あなた方がやっていることに法律の根拠を置きたいというだけですから、別なことをやれと言っているのではないのです。
ただ、私が言いたいことは、あなた方は通達の中では消費者保護ということばを使っているわけですね。ところが、法律には実は消費者保護ということばはないわけですね。しかし、やはり私は消費者保護ということばがここへ一項入ることによって、少なくともいまの値引きについてはもっと権威を持って指導してもらいたいわけです。そのことが酒類業者のためなんですよ。生産者のためなんですよ。私がいま値引きを減らせというのは生産者に損をかけるのじゃないのです。生産者の利益をふやしてやろうというのですから、だから生産者のためになるし、それがあなたの言う正常な建て値に移行する必要条件だとあなた方は書いておるわけでしょう。そうでしょう。だから、当然のことをやるのに法的根拠に基づいてもっときちんとやらなければ、ここでわれわれが何回委員会で声を大にして言っても、ちっとも実現しないじゃないですか。そんなことで酒類行政が正常に行なわれておるといえますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/64
-
065・泉美之松
○泉政府委員 ただ、堀委員も御承知のとおり、基準販売価格制度を廃止して以後、だんだんと酒の銘柄格差というものが出てまいっております。御承知だと思いますけれども、たとえば清酒二級について申し上げてみましても、もちろん数量の中心は一・八リットル当たり五百五十円のものでありますけれども、最高は六百十円から最低は五百円くらいのものまでかなり開きが出てまいっておるのであります。それによって消費者としては自分の好きな酒を好きな値段で買うことができる、こういうふうにだんだんなってまいっております。ただ私どもとしては、そういうリベートはだんだん減らしてそれを建て値の姿において消費者に還元すべきだ、リベートの形で販売業者のところにだけいくのは消費者のためにならない、こういうつもりで行政指導をいたしておるわけであります。そういう意味では、かなり銘柄格差が出てきたということは、そういう効果があらわれておるものだと思います。しかし、いまお話しのとおり、まだまだ相当多額のリベートを出して建て値としては高い建て値を立てておるというものもございます。そういったものはだんだんと建て値を修正していくように指導していきたい、こう思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/65
-
066・堀昌雄
○堀委員 建て値がだいぶばらついてきたとおっしゃるから資料をいただいてみたのですが、ばらつきといえば、なるほど六百十円から四百四十円までありますけれども、比率としては、ともかく銘柄数が一、一、一というようなものばかりで、多少ウエートとして考えることのできるのは、五百八十円のものが六・六%、五百七十円のものが一三・二%、五百六十円が九・二%、あと五百五十円が六九・八ですから七〇%、四通りくらいですね。だから、いまの上限と下限は五百五十円から五百八十円の三十円しかいま値開きがない。あなた、いまたいへん銘柄が広がったようなことを言われたが、中身のない話は困りますよ。さっきゴールデンバットと朝日のウエートが一・何%というように中身のない話で国民を納得させるわけにいきませんから、やはりウエートとしてものを考えてもらうということになれば依然としてこの程度のもので、あなたの言う自主的な建て値になっておると私は思いません。だから、これは多少あなた方のほうは級別格差があったために上限との関係というものもあるいはあったかもしれません。しかし問題は、もうちょっと下のほうに問題があっていいと思うにかかわらず、七〇%から下のほうにともかく比率として一%に及ばない比率にしかなってないわけですね。ずっと全部ゼロですよ。
だから私が言いたいことは、やはりもう少し消費者の立場に立って考えるならば、この前の四十年の酒造組合が調査した酒類需要動向調査で、七三%が二級酒をなぜ買うのか、安いから買うのだ、こう答えておるのは酒造組合中央会がちゃんと資料で出しておる。それだけ大衆が安い二級酒を求めておるにかかわらず、依然としてこういう状態でリベートを出しても高い値段で売るということが行なわれておる中で、私は二級酒の値上げというものはそう軽々に認めるわけにいかないと思う。だから、ひとつ根締めをきちんとしてもらって、ともかく十円以下のものがないということがわかった時点で再検討してもらいたいと思うが、どうですか。調査を一斉にやって、ひとつ根締めをきちんとする、正常取引をやらせる。その正常取引の効果があがった場合に、前かえについて一カ月以内ということを条件にして、その場合に限って、その値引きをしていない銘柄に限って合理的な値上げを認めるというような、少なくとも国民の納得される範囲における値上げでなければ値上げを認めるべきでないと思うのですが、倉成政務次官、どうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/66
-
067・泉美之松
○泉政府委員 堀先生のおことばごもっともでございますが、ただ私どもは、申し上げておりますように、酒類の価格は自由価格でございますので、値上げを認めるとか認めないとかいう権限は別段ないわけでございます。ただ、行政指導によって、そういう値上げは困りますということを言うだけでございますので、認める認めぬはひとつごかんべん願いたいと思うのでございます。ただ、行政指導としては、まさにおっしゃるような方向で行くべきだと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/67
-
068・堀昌雄
○堀委員 だから行政指導も、私は法律的に根拠があるならば――認める認めないということばの表現は別ですけれども、しかしそうなるかならないかについて法律できちんとここで――酒税法改正ですからねだから少なくとも、あなた方がもう少し権威をもって処置ができるような背景をひとつつくろうではないかというのが私の意見なんです。認める認めないというのは表現の問題だから、表現は直してもいいけれども、そういうことがまかり通る状態を許しておくわけにいかぬ、私に言わせるならば、そういうことですよ。その点は考え方として同じでしょう。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/68
-
069・泉美之松
○泉政府委員 その点は御説のとおりだと思いますが、ただ、そのメーカーが出しているリベートの中に、二十円をこえるようなものがすべて卸業者に対するリベートかというと、必ずしもそうではなく、直接小売り業者に売る場合、あるいは直接消費者に売る場合のリベートも若干入っておるだろうと思います。したがって、リベートのそういう金額をこまかに調べないと――まだここに調べておりますのはサンプル調査でございますので、もっとこまかい調査をいたした上でないと、お話しのようにはいかないかと思います。そういった点については十分心がけていきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/69
-
070・堀昌雄
○堀委員 ですからいまから早急に、少なくとも二級酒については全国の調査を一回してもらいたいと思うわけですよ。一体どういう状態で値引きを行なわれておるか、リベートが出ておるか、それに基づいて判断をするというくらいのことは、国民の側に立てば当然ではないでしょうか。だから、十円以内しか値引きやリベートをしていないものについては、合理的な範囲はやむを得ないでしょう。だから私は、そこまでもしてはならぬと言ってはいないわけですよ。しかし、合理的な範囲でなければならない。
同時に、私は、もう一つ問題を提起しておきたいのは、値上げになりますのは常に六、一、三という比率で値上げの配分が行なわれてきたわけですね。これは一体何に原因するのかわからないけれども、私は現在の六、一、三というような単純一なルールによって、米が上がったものを土台として、それに多少。プラスアルファがくっついた生産者の要求が六、一、三で延ばされて、それが要するに小売り価格の値上げになるというようなことは合理的でないと思うのですよ。私は前からそう言っているのですよ。卸がほんとうに一体幾ら必要なのか、それから小売りが幾ら必要なのかということは、個々の問題として計算があるべきはずでしょう。それを何回も言ってきたけれども、依然として六、一、三ですよ。
私はこういう考えを持っているわけです。確かに米は毎年上がりますから、生産者も気の毒だから、お米の上がる分だけは値上げと見ないで上げてやったらどうかと思うのです。米が七円上がったら、その場合は十円。七円というのは無理だから、十円だけは別建て値上げじゃないから毎年上げてやれ。しかし、値上げは別途にもっときちんとした調査に基づいたものと、いまのような条件を加味をして処理をしなさい。少なくともそのくらいの処置をとらない限り、やはりこれは私に言わせるならば、便乗値上げになるのですよ。何だかんだと言っても、米代が上がったということで便乗して流通もみんなこの際乗っかろうというのが六、一、三になる。こういう考え方は私はおかしいと思う。だからそこらについては、もう少しルールを考え直したらどうか。米が上がった分はしようがない、ある程度原価が上がったから、これは値上げじゃありませんよ、全部そのまま出せばいいんですよ。どうですか、こういう考え方は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/70
-
071・泉美之松
○泉政府委員 ごもっともでございますが、ただ、確かに米の値が上がったということはきわめて明白な値上がり要因であるわけですが、卸売り業者の場合におきましても、最近の交通混雑のために輸送の便利が非常に悪くなります、回転が非常に悪くなった、そのために輸送費が上がってきた。あるいは同じようなことが小売り業者についてもある程度いえるわけであります。それと従業員の賃金のアップ、こういったことを理由にされますと、それを全然コストアップの要因がないというわけにはまいりかねると思います。しかし、お話しのように、従来この六、一、三という配分は、これはかつて公定価格時代の、それぞれの何といいますか、コストの配分が六、一、三になっておった、こういったような事情が原因で、従来そういうのがいわば商慣習みたいに行なわれてきております。しかし、それは必ずしも合理的な基準ではありません。個々に、メーカーについてはどれだけのコストアップ要因があり、卸業者についてはどれだけのコストアップ要因があり、小売りについてもどれだけあるか、こういうことを究明した上での値上げが行なわれるのが正しいあり方だ、このように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/71
-
072・堀昌雄
○堀委員 私はいつもそう言って、あなた方もそうだと言うが、結果はいつも六、一、三になるのは、それはあれですか、偶然の一致ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/72
-
073・泉美之松
○泉政府委員 従来のあれを見ますと、必ずしも六、一、三ではない。六、一、三に近い場合がかなり多いのですけれども、六、一、三ばかりではなかったと思います。ただ私どもとしましては、業者間の配分について役所が介入することはあまり適当でないというので、業者間の話し合いにまかせておる場合が多いわけであります。そのために、どうも従来配分がこうだったから、今度もこういう配分でという話になりやすい傾向があるようであります。その点については、先ほど申し上げましたように、それぞれの業態別のコストアップ要因というものをよく究明いたしまして、その上で業者間の話し合いが円滑に行なわれるようにしたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/73
-
074・堀昌雄
○堀委員 私は、価格体系としては特級、一級というのを、これも二つに分けておくほどの必要はないじゃないかという感じがしてならないわけですよ。だから、できるだけ近い将来に特級、一級は一本にして、特級という形にして、できれば早く従価税に私は移行させるべきだと思うのですよ。ところが、従価税にすると税金を取りにくいと言いますけれども、これは値段をばらばらにするからなんだ。酒税の場合は、酒類に限って、たとえば特級は千円、千百円、千二百円、百円刻みか何かにきめて、自由価格だけれども、この価格にしてください、そういうことにして従価税にすれば、わりに簡単に取れるのじゃないか、そういう便益はくふうの方法があるでしょう。あなた方が言うような見直しの必要はないのですよ。価格が上がれば自動的に税率が上がってくるのだから。それで、これは担税能力がある者が飲むのですから、一々私は、値上げについてああだとかこうだとかいうことを言う必要はないと思っている。だから特級、一級は、まずここだけは自由価格にして、そのかわり従価税にしましょう、税金はもらいますということにして、もう少し整理して、そうしていまの二級というやつは、一級、特級が特級になるのだから、あとは一級でしょう。名前もよくなって、二級酒の皆さんはたいへん喜ぶだろうしするから、何かそこらを少し思い切って、税体系についてあるべき酒類の税制というものを検討してみる余地があると私は思うのですが、この点についてどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/74
-
075・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 御指摘の、酒類につきましても従価税をとるほうが課税の公平上もいいではないかという問題は多年ございまして、私どもいろいろ研究いたしております。で、やはり一つの踏み切りがつかないのは、課税の技術という問題でございますけれども、今度はひとつ踏み切りをつけましたのは、ウイスキーの問題で、これは三年後に従価税に移すという前提をとりました。ほかの酒類についてまだ結論を得たわけではございませんが、実際に従価税は、物品税では価格なんかもとっておるわけでございますから、できないはずはないじゃないかという議論もございます。ことに酒の場合は、品質が大体似たようなものでございますから、できないことはないという感じもいたします。ただ、明治以来とってまいりました課税体系でございますので、第一線の考え方の整備、技術的な整備を見きわめた上で考えなければならぬと思いますが、決して従価税となじまない性質のものではないと私ども思っております。将来の一つの大きな課題だと心得ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/75
-
076・堀昌雄
○堀委員 時間がありませんから、一応価格の問題は以上にとどめておきますが、私が申し上げたいことは、二級酒の場合については、今度は増税がありませんから、この値上げの取り扱いについては、十分国民が納得する処置をひとつ事前にとっていただいた上で考えてもらいたいということを、ここではっきりお約束をいただきたいと思うので、倉成政務次官にひとつお願いをいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/76
-
077・倉成正
○倉成政府委員 御指摘のように、二級酒の値上げの問題について、これはいろいろリベートが償還し得れば許される範囲のものは除きまして、消費者に還元されてない、元来自由であるべき価格が、実際消費者にはわからないで、均一に二級酒として取り扱われているという御指摘、まことにごもっともだと思います。したがいまして、いろいろ技術上の問題その他あると思いますけれども、大筋として、ただいま堀委員の御指摘になった点を踏まえて対処いたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/77
-
078・堀昌雄
○堀委員 次に、私は、価格問題の一つの側面は生産の問題だと思います。そこで、生産の問題にちょっと簡単に触れて終わりたいと思うのです。
実は、毎年これは、私ここへ来たときに、大蔵委員になったときに、泉さんが間税部長だったわけですね。そうして論議を始めて以来八年、ことし九年目になるわけですよ、酒の議論というのは。間税部長からついに国税庁長官になられて、私は、酒では大蔵省の中で何といっても泉さんが一番詳しいと思っている。だから、泉さんのおる間にもう少し抜本的な処置をとっておいてもらいたいと思うのだ。
そこで、ことしの生産割り当ての問題でちょっと触れておきますと、実は酒造組合は、当初八百三十三万一千石ぐらいにしてもらいたいという話が出ておったようですね。私も、もう昨年のおけ売り価格が非常に高くなった情勢等から見て、八百三十万石なんというのではとても無理だ、幾らなんでも八百五十万石をこえるのでなければ問題があるだろう、こう考えておりました。ところが、幸いにして国税庁のほうでは、アッパーリミット全部とると八百六十万八千石になるという数量についての取りきめをされて、アローアンスは二二ということになったわけですね。これはもう最近ずっとそういう傾向になっておるので、前にも一回指摘をしたのですが、アローアンスというのは、手をおあげにならなければ、これはとらなくて済むわけですね。だから、もしこのアローアンスを全部ゼロにすれば、実は八百三十三万石以下になっちゃうのです。にもかかわらず、そうやって酒造組合のほうは、強く減らせ減らせ、八百三十三万石にしろと言っておきながら、さあ実際に米を配る段階になって手をあげさせると、全員手をあげているわけですね。九九%手をあげて、その結果は、皆さんのほうの資料でいえば、八百五十九万六千石の大体見込みだ、こうなっておるわけですね。毎年こういうことをやっておるわけですね。私はこの前に、吉野副会長にこういうことを申し上げたことがあるのですけれども、ともかく、アローアンスを一ぱいとっておいて、毎年、米の配給量を減らせ減らせというのは、国民の側から見たら全くナンセンスだ、こう申し上げて、来年はもうそういうふうなことをやめてください、こう言ったことが一ぺんあるんですけれども、この点だけは、私はいかようにもいまの酒類業界のあり方というのは納得ができないのです。
だから、私は、最初の委員会のときに私が言ったことを、泉さん、あなたは覚えておりますか、要するに、青天井に一ぺんしましょうと言ったのですよ。一ぺんとれるだけとってもらいましょう。そのときに初めて皆さん、自分で判断しなければいかぬということがわかりますよ。大体、資本主義というのは、自己責任で仕事をやるというのが原則でしょう。ところが、自己責任をほったらかしておいて、人はできるだけとらないように、全体としては少ないように、てまえだけ一番たくさんとってもうけよう、いつまでこんなばかなことを繰り返さしているのですか。私は承知できない。だかどうしても――いまの五ヵ年計画というのがあるだろうから、いろいろあろうけれども、五ヵ年計画の切りかえのところでは、米ももう二百五十万トンからキャリーオーバーしているから、当分米は心配ないのですよ。この間から、私、食管を洗っていろいろやってみた。結果としては、千三百万トンを下回るというのは大凶作以外にはないですよ。大体ことしは千三百万トンからとれたから、ずいぶん米はとれるようになったので、その点は心配ないから、一ぺんひとつ青天井にして、自己責任で皆さんおとりください、こういうことをしたほうが、業者の皆さん、自覚をされていいのじゃないか。その中からあるべき建て値も生まれてくるのじゃないか。生産と価格というのはやはり不可分ですからね。その点、私は、生産のほうが自由になったときに価格もほんとうに自由になって、私がいま言うような大蔵省の介入はやめていいと思うんですよ。ところが、生産のワクをきめて処置をしている限りにおいては、どうしてもある程度の行政指導はやむを得ない、望ましくないけれども。基準価格を撤廃しろと言ったのは私ですからね。そうやって、ともかく自由化をさせようと思って一生懸命やってきたけれども、なかなか自由化にならない。大体立場が違うのですからね。私は、ともかく計画的にやろうというほうが自由化をやれやれと言って八年もやってきて、依然として自由化にならないのだから、一体資本主義の社会はどうなっているか、わからないのです。どうですか、倉成さん。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/78
-
079・泉美之松
○泉政府委員 お話しのとおり、四十二酒造年度につきまして、アッパーリミット八百六十万石をちょっとこえる程度にいたしまして、希望加配率を二二%といたしたのでありますが、実績は二一・八%ということで、ほとんどの業者が希望加配をとった。これはかつて、堀委員も御承知のとおり、三十六年ごろは、この希望加配率の半分程度で済んでおったわけであります。その当時に比べますと、現在は希望加配といいながら、ほとんどの者が希望加配をとってしまうので、希望加配の意味をなさなくなっておる、これはお話のとおりでございます。私もそういう意味で業者の方に深く反省を願っておるわけでありますが、先ほどお話しがございましたように、業者としては、はなはだ露骨なことばでございますけれども、全体はたくさんつくらなくて楽に酒が売れるように、ほかの人は酒をつくらないで、自分だけたくさんつくって売れるように、これが業界の願いといいますか、個々の業者の強い希望なわけでございます。そこで、生産数量を幾らにするということが年々たいへんもめるわけでございます。私どもとしては、消費者のためにはやはりある程度の酒をつくって、努力しなければ売れないのだ、こういう姿に持っていかないといけないと思っておるわけでありますが、ただ、三千六百有余の業者の中には非常に小さな業者も多うございまして、やはりそういった中小企業者になりますと、生産量がふえて自分の酒がなかなか売れないということになると非常に不安があります。そのために、そういった中小の業者はどうしても、生産量をふやしてくれるな、昨年の例でいいますと、八百三十三万石以上ふやすなら、中央会長、やめてしまえといったような議論まで出てまいって、非常に苦労するわけであります。しかし、消費の動向、国民所得のうちの消費資金の動向、こういったものをよく見きわめ、そして業者としては自分の販売可能数量は幾らであるかということをよく見きわめて生産をする、これが企業家としての本来あるべき姿だと私も思っております。ただ、業者の中には、過去の惰性に応じてやっておりまして、必ずしもそういう意味での企業家精神がない人がかなり多いようでございます。
私どもとしては、御承知のとおり、清酒について五年間の近代化計画をやっておりますが、近代化計画の五年目はことしで終わるわけであります。明年になりますと第二次の近代化五ヵ年計画というものを立てていきたいと思っております。その際には、いまよりよりきびしく企業家としての活動をしていただく。そのためには、場合によって企業の合同なりあるいは生産の集約なり、企業の協業化なり、こういった方面もより一そう強く進めていただかなければならぬだろう、このように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/79
-
080・堀昌雄
○堀委員 要するに、来年からそうやって新しい五ヵ年計画を発足するにあたっては、現在の基準指数割りから各種の加配ですね、もう複雑きわまれりというような制度なんですね。業者自身が、一体幾ら来るのかが分母がきまらないから計算ができないというような、そんな制度はもうやめるべきですよ。だから、どうかひとつここで思い切って、来年度の生産割り当てについては、新五ヵ年計画の発足のときでもあるし、いまのいろいろな協業関係あるいは系列、おけ売り関係の整理等を十分促進しながら、もっと自由で簡明でわかりやすい酒米割り当てをするということを政務次官、お約束いただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/80
-
081・泉美之松
○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、清酒製造業者は三千六百有余ありますので、その間でどの程度の生産を行なうのか、これはなかなかむずかしい問題でございますから、いまのお話しのような点を十分含みまして、新しい五ヵ年計画を策定する際におきましては、酒造用米の配分の方法についてはなお改善を加えてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/81
-
082・堀昌雄
○堀委員 ともかく国民が納得できるような生産と流通を一日も早く確立をしていただいて――私は何も生産者や流通段階の人をいじめようというのじゃないのですよ。それは国民あって生産省があるんだし、国民あって流通段階があるわけですから、やはり国民を第一義に考えて、もう少しやはり行なうべきことを、国会で議論になったことは政府も真剣に指導をし、業界もそれを受け入れてもらいたいと思います。
最後に、たばこについて一言だけ申し上げます。
私は、かつて肺がんの問題について当委員会で触れたことがあります。いまアメリカのたばこには、「コーション シガレット スモーキングメイ ビイ ハザダス トゥ ユア ヘルス」こういう小さい紙が張ってありますね。肺がんについて、たばこが有害であるだけでなく、医師の私の立場から見ましても、たばこというのは非常に健康のためには害があるのですね。酒は適量飲めばやや健康上役立つ部分があるわけです。たくさん飲めば悪いですけれども、適量ならいいのですが、たばこは実は適量のんでも害があるのです。これは神経系統に対する害をはじめとして、いろいろな点で実は害があるのです。そこで、私は、民間の業者がつくっておるたばこを政府が税金を取るというのならまあしかたがないと思うのですよ。資本主義の世の中ですから、害があろうとも、民間がつくるから。アメリカでは、害がありますよということを政府がレッテルをつけて、税金を取っている。日本は残念ながら、国がつくっているわけですね。国民のためにならない、健康のためにならないことがわかっておるものを国がつくっておるというのは、これはなかなかむずかしい問題だと思うのです。そうしてできるだけその収益をあげようということになってくるというのは、私はあり方としてはきわめて矛盾したあり方だと思いますね。専売公社の総裁、どうお考えになりますか、この矛盾を。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/82
-
083・東海林武雄
○東海林説明員 その点は先生のおっしゃるとおりだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/83
-
084・堀昌雄
○堀委員 そこで私は、総裁もそうお考えになるだろうと思うし、やはりほんとうに政府もそう考えないといけないと思うのです。しかし、害があっても国民の必需品であることは間違いありません。そこで私が言いたいことは、ともかくもあんまり専売益金でもうけようという考えをこの際やめてもらいたいということなんですよ。たばこは害があるということがはっきりしておるのにもかかわらず、専売益金をふやして、これを種にしてできるだけ国の財政収入を補おうという考えは、もういいかげんに政治の立場から、特に佐藤さんのように人間尊重なんということを言うのなら、やはり人間尊重に徹して、たばこは必要だ、しかしこれはそういう範囲であって、これを売ることによって、国民が健康を害してもいいから、ともかく財政資金をあげようなんという考えは、私は政治的にはさか立ちをしておると思いますが、倉成さん、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/84
-
085・倉成正
○倉成政府委員 ただいまの点については、多少堀委員と意見を異にいたします。やはりこれは徳川吉宗の時代から財政物資になってきて、長い歴史を持っておりますし、また、世界各国においても財政物資として取り上げられておるわけであります。私もヘビースモーカーでありますけれども、必ずしもたばこが健康に害があるという断定はなかなかできないのじゃなかろうか。この点は堀委員、医学の専門家でありますが、また、肺がんについてもやはり空気汚染説、気象説、喫煙説といろいろありますが、わが国の医学界では結論が出ていないわけでありますから、あまりこれでがめつくとるということについては御意見は尊重いたしますけれども、やはりある程度の財政収入をたばこによって得るということは今後も考えていかなければならないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/85
-
086・堀昌雄
○堀委員 政務次官はたばこを吸われるときに、いま何のたばこをお吸いですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/86
-
087・倉成正
○倉成政府委員 ホープを吸っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/87
-
088・堀昌雄
○堀委員 フィルターがついているやつですか、フィルターのついてないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/88
-
089・倉成正
○倉成政府委員 フィルターのついた小さい箱のやつであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/89
-
090・堀昌雄
○堀委員 フィルターのついたホープ、そうしてパイプを使ってないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/90
-
091・倉成正
○倉成政府委員 使っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/91
-
092・堀昌雄
○堀委員 ニコチンタールレスというあれを使っているのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/92
-
093・倉成正
○倉成政府委員 そうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/93
-
094・堀昌雄
○堀委員 いま政務次官は、たばこはあまり害がないように思うと言われて、自分はフィルターがついたやつを、またタールレスのパイプにつけて吸っていて、害がないように思うというのは説得力がないですよ。これはあなたは害があると思って自分で一生懸命ディフェンスしながらおそるおそる吸っているわけだ、ヘビースモーカーだけれども。
だから、私は論争しようとは思わないけれども、ともかくたばこが健康に害があるというのは医学の問題で、あなたと論争する問題じゃない。これは医学ではっきり証明されているから、それは科学の問題でいいのですが、健康に害がある。しかし、そうだからといって、やはり国民生活の中で、一服するという、そのプラスの面がないとは言わないですよ。しかし、そういう範囲のものだから、あまり積極的に売って財政収入を高めようなんということを専売公社にやらせたくないと私は思うのです。国民の必要な範囲程度にとどめておくべきだ、こう思うので、この点はひとつ政府としても、国民が害があるというのをわかっていて――アメリカは民間のたばこに政府がレッテルを張らしておる。日本のたばこにおいても、本来政府が張らにゃいかぬのですよ、このたばこはあなたの健康に害がありますと。総裁どうですか、そのくらいひとつ勇気を持って張ってみるつもりはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/94
-
095・東海林武雄
○東海林説明員 その点はまことにごもっともでございますが、私の立場といたしましては、いまいろいろな要請がありますのと、それから健康の問題については非常に苦慮しているわけでございましてニコチン、タールの少ないもの、いまフィルターのお話が出ましたけれども、本質的にニコチンやタールの少ないもの、いま新しいものも出そうと考えておりますけれども、そういうものによってなるべく健康に害のないものということを実は考えておるような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/95
-
096・堀昌雄
○堀委員 私は、専売公社の総裁は民間からおいでになった方でもあるし、そこらで、国民感情から見まして、たばこは健康に害がありますというレッテルが張ってあってもなおかつ吸うのなら、私はやや免責的なものがあるのじゃないかと思うのです。それをなおかつ吸うというのは、それはもうしかたがないです。国としては、そういうものは国民に害のあるものを出してほんとうは気が進まない点があるという点については、前段で総裁も答えておるでしょう。ですから、そこで一つ印刷をして、たばこを吸うと健康に害がありますよということが書いてあって、それをさらにのむのなら、これはもう国民の選択で、政府は免責的になるのです。きょうここで言質をいただくつもりはありませんが、ものの考え方としてひとつ御検討いただきたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/96
-
097・田村元
○田村委員長 広沢直樹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/97
-
098・広沢直樹
○広沢(直)委員 製造たばこの値上げの問題について私はお伺いしたいと思います。これは予算委員会の分科会で質問しておりますので、その点で納得のいかない点、引き続いてそういった問題点について、これから具体的にお伺いしてまいりたいと思います。
まず第一点は、たばこの専売益金が毎年毎年ずっと減少してきている。確かに減少してきているわけでありますが、四十年度で六〇・三%になった。そして、四十二年度はまたこれを割るのではないか、こういわれているわけです。したがって、今度の値上げ法案の理由というのが財政収入の確保にある、こういうふうにいわれておるわけであります。確かに、昭和二十六年当時一般会計に占めるこの益金の割合というのは一三・三%であったものが、四十二年度は補正をいたしまして三・二%に著しくこれは低下しているということであります。したがって、財政収入の確保であるという理由でありますれば、一体、一般会計に占める益金の割合、依存度というものをどの程度に見込んでいるのか。したがって、この依存度が下がってくれば、また次の値上げということが考えられるのか。こういった点についてまずお伺いしておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/98
-
099・亀徳正之
○亀徳政府委員 専売納付金の一般会計に占める比率につきましては、いま、先生御指摘のとおりでございます。いろいろ益金率が下がっておりますのは、やはり原料代が上がる、材料が上がる、また専売で働いておられる方々の給料が上がるというような点で下がるわけでございますが、ただどの程度の益金率がいいだろうか、また、どの程度の一般会計の比率がいいだろうかということを機械的に申し上げることはなかなか困難ではないか。今回の値上げで、四十二年度の補正予算で三・二%というものが大体四%になるのではなかろうか。それで、このたばこの一般会計に占める割合がどうこうということも一方でございますが、やはりたばこの価格体系の中で、どの程度価格を引き上げればいいだろうかという観点も見のがせないことかと思います。それで、本年の定価改定は、実質的には二十六年に大体現在の新生、ホープ、こういった体制が続いておりますので、それの大改正でございまして、こういった改正が次々と行ない得るというものではなかろう、さしあたり今回の値上げということがほどよい姿ではないか、かように考えている次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/99
-
100・広沢直樹
○広沢(直)委員 財政収入の確保ということであるけれども、その依存率については別にそれを定めているものではない、今度の値上げによって三・二%が〇・八%上がって四%になる、こういうわけでございますね。
そういうことになりますと、やはりいま問題になっております財政硬直、こういった問題から、その財源を確保する意味で製造たばこ、あるいは酒類もそうでありますが、値上げをするという理由でありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/100
-
101・亀徳正之
○亀徳政府委員 やはりおっしゃいました財政の事情が相当大きな要因でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/101
-
102・広沢直樹
○広沢(直)委員 そういうことは先日も大蔵大臣の答弁をいただいたわけでありますが、その中でもやはりこういうふうに言っております。四十二年度の予算を編成した際においては、大臣になったばかりで準備なくして予算をつくったので、その当時は相当の引き締め予算を編成したしかし公債の発行高も原案よりずいぶん削ったつもりであったのであるが、だいじょうぶな予算だと思ったのですが、実際にやってみましたらやはりそういう狂いができてきた。結局このことは、どうしてもこういったものを財源として充てなければならなくなってきたということは、これは政府のいわゆる財政政策の失敗ではないか。ところが、このたばこ、酒類にしてもそうでありますが、これは大衆品であり、また嗜好品として大衆に密着したものであります。その失敗をこういった形のものへしわ寄せしていくということは非常に納得できないわけなんです。最近の高物価政策といいますか、佐藤内閣が成立いたしまして以来、公共料金が毎年毎年ずっと値上げになっております。国民の圧倒的多数がそういった高物価に対して非常な批判を持っております。したがいまして、政府自体においても減税あるいは物価抑制ということを盛んに国民に公約しておるさなかにおいてこういうことが実際に行なわれるということは、どうも納得できない。せんだっての分科会のときの大蔵大臣の答弁でも、財源をほかに求めようとするならば考えられないわけではないけれども、しかしながら今回は諸物価との税金の見合わせといいますか、そういうようなことから値上げをすることにしたと非常にあいまいなことを言っているわけですが、その点についてどういうふうに考えていらっしゃるか、もう一ぺんしかと承っておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/102
-
103・亀徳正之
○亀徳政府委員 大蔵大臣は予算の国債を減額されることにたいへん努力されたわけでございますが、私は率直に申して、これは失敗という失敗ではございませんで、むしろこういう経済のいろいろな事態に応じて弾力的に対処する、むしろそうありたいという感じでございますし、また、本年度の予算編成につきまして公債を極力切り詰めたいということも、まあ個々の物価の問題もございますが、やはり財政全体を放漫にしていかない、したがって公債の発行量も極力適度なものに押えていくということがやはりインフレを押えていく、ひいて言えば、全般に物価を高めないという一番根本的な方策ではなかろうか。そういう意味で、長い目で見て、大蔵大臣が国債を切り詰められて健全な予算をつくろうと努力されましたことは、高い意味の物価政策ではなかろうか、こう考えております。
それから大臣が、ほかに財源を求めるとすればあるんだがとおっしゃった点は、どういうお気持ちかその点はよくわかりませんが、たとえば考え方といたしましては、所得税につきましては――これは主税局長に言ってもらったほうがいいのですが、単なる減税というか、やはり当然措置せざるを得ない立場があると同じような意味で、特にたばこ、酒につきましては意図せざる減税といいますか、相当長年の間据え置かれていたということで相対的に低位に置かれている専売物資でございますから、また、各国の情勢とも相にらみ合わせて、これを片や減税をいたします場合に片やある程度増税するということは、考え方として一つ成り立ち得るものではなかろうか。もちろん極力、好んでやるべきものではないと思いますけれども、財源がこのように苦しい際にはやむを得ざる処置ではなかろうか、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/103
-
104・広沢直樹
○広沢(直)委員 しかしながら、いま毎年公共料金が上がっているわけです。たとえば佐藤内閣が成立してから、昭和四十年――ここにたくさん書いてありますが、時間がありませんから全部一々読み上げるのは何でありますが、四十年に消費者米価一つ取り上げてみても一四・八%上がっているし、四十一年に八・六%、四十二年にも一四・四%、四十三年はもちろんこれはスライド制をとっている以上は上がることが考えられる。そのほか私鉄運賃だとか、医療費だとか、小中学校の給食費だとか、それぞれ相当公共料金の値上げが続いて、国民自体は物価の安定ということを非常に望んでいるわけです。
しかし、そういうさなかにあって、いま申し上げていることは、財源が不足をしてきたからという理由で、こういう大衆の重税になっていくものを値上げをするということは、どうも納得できない。確かにいろいろな理由はあるかもしれませんが、しかしこういった時代においては、やはり何らかの財源がさがせばあるということであれば、当然そういった面でやっていくべきじゃないか。私の当時申し上げたことは、租税特別措置法、利子配当所得の問題にしても、これだけをやめていけば当然五百億くらいの見合う金は大体出てくるわけです。でありますから、そういったことをやっていくならば、当然いまのこういう高物価の時代に、大衆にあえてまた負担をかけるようなこういう値上げを行なうということは、どうも納得ができない。そういう何らかの処置はできないものか、努力されたのか、そういった点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/104
-
105・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 御指摘のとおり大臣がお答えしておりますが、財源がないわけではないと言われたのは、私もその意図ははっきりいたしません。あるいはおっしゃるように租税特別措置を頭に描いて申されたのか、あるいは公債の削減を少ししぼるとか、いろいろあったと思います。
しかし、ここで申し上げたいのは、広沢先生御指摘のとおり、確かに酒、たばこというものは国民一般が消費するものであるという点では問題があるという点は、私もそう思いますけれども、今回この増税、値上げに踏み切りましたのは、前回も申し上げましたが、たとえばたばこでございますと、前々申し上げておりますけれども、大体昭和二十五年当時は益金率が七割、ということは、逆に申しますとコストが三割、それが六割になるということは、コストは四割に上がるわけです。相対的に申しますと、三割三分上がっているわけですね。これが従価税でございますと、税額も三割三分上がるわけです。ところがこれは、たばこの場合は逆に七割から六割ですから、一割何分下がっている。合わせますと四割何分下がっているということになるわけです。そういうことで、たばこの消費資金が国民の消費支出金額に占める割合というのは――御承知のとおり所得が毎年伸びておりますから、消費支出はふえております。それに対してたばこのほうは相対的に減ってまいりまして、十数年前に比べますと、たばこの消費支出金額は六割程度のシェアに落ちております。そういうことから考えますと、このまま置いておきますと、前にも申しましたが、たばこの販売の弾力性、つまりたばこの販売価格の弾力性は年率で
〇・六五でございますが、たばこの益金の弾力性は〇・五六と、毎年毎年そういうふうにずっと下がるものです。
〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
これはある程度是正をいたしませんと、本来目的としておった財政収入からは知らないうちにずれてまいる。同じことが酒にも申せますので、御承知のとおり三十七年から消費者物価は大体二九%上がっておりますけれども、酒は大体平均して
一七、八%しか上がっておりません。その差がついた原因は何かと申しますと、価格はかなり上がっておりますので、一二六%くらいに上がっておりますが、税が上がらないためにそれだけの差ができている。これもやはり三十七年当時妥当だと思った数字から見ると、非常に下がってきております。
そういう点を考えますと、何年かに一ぺんはこれを是正しなければ、ほかの税との均衡がとれなくなることは事実なんです。そういう意味で税制調査会も一昨年以来その点を指摘しております。いうの時期にそれを選ぶかということは確かにあると思いますが、いずれはいつかやらなければならない。そういう点でこれが一つの懸案になっておりました。大蔵大臣としてそういう意味でここで酒についても特、一級程度のものを、しかも前の負担率よりもやや低目に上げる程度、たばこも、専売益金につきましても七〇なんというわけではなくて、今度六〇ちょっとに上がる程度で、これをやっておけばまた数年間は大体バランスがとれていくのじゃないか、こういうことから踏み切った、そういう趣旨で言われたものと私了解いたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/105
-
106・広沢直樹
○広沢(直)委員 もちろん値上げの問題について基本的にいろいろまたあとから触れてまいりますけれども、いまこういう時期においてあえてそういうふうな大衆課税、重税になっていくことをやっていくという問題を私は言っているわけです。確かに宮澤経済企画庁長官がこういうふうに言っておるわけですね。かりに物価調整減税を五百億どうしてもやらなければならないとすればその五百億円をどこから出すか、消費者米価か国債かたばこ値上げによって出すか云々、こう言っておるわけです。ですから消費者米価を上げるか、あるいはまた、国債を六千四百億程度に決定されているわけでありますが、そういうことも下げていかなければならないということになると、どうしてもたばこの値上げというような形で大衆課税、そういった形で出てきているわけです。
ですから、今度の財政硬直あるいは財政収入の確保という面から考えていくならば、大衆課税でこれを切り抜けていこうと考えられている。しかし、この表によって見ましてもわかりますが、たばこ税のうち国税部分というのは、例年率は低下しているけれども、やはり百億円くらいの増収はずっと続いているわけです。ですから、一挙にこの際値上げをしていくということはやはりひどい増税政策ではないか、こういうふうに考えられるわけです。これが物価が安定し、すべての情勢が安定している時代であれば、その基本的ないま申されているような問題も論議の的になろうかと思うのですが、現在のように国民の生活が非常に苦しい、物価の値上げ一あるいは減税と申しますけれども徐々に減税している。下限においては百万円減税を直ちにやれとわれわれは言っているのですが、それも一ぺんにできないというようなことで、国民生活が非常に圧迫を受けている。そういう時代において、これをなぜあえて出してこなければならなかったのか。
昨年、大蔵委員会のときだったと思いますが、そのときにも私は、たばこ値上げの法案が準備されているのではないか、一体それをいつ出してくるのかといった意味のことを質問申し上げたわけです。そのときの政務次官の答弁では、一応準備はしているけれども、これはすぐ出すものではないというような答弁であったわけであります。ところが、やはり財政硬直という名のもとに、これはいわゆる財政政策の失敗と言わざるを得ないわけでありますが、そういった時期に埋め合わせとして大衆課税というものをやっていこうというその意図、そういう考え方は改めてもらわなければならないのじゃないか、私はそう考えるのですが、その点についてお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/106
-
107・倉成正
○倉成政府委員 財源が足らないからそのしりをたばこに持ってきたんじゃないか、これは大衆課税になるんじゃないかという御指摘と思います。ただこの点は、確かに財源を確保するために今度のたばこの値上げということを考えたことは事実でございます。しかし、やはり周囲の情勢というのを御認識いただきたいと思うのでありますけれども、昭和二十六年の一人当たり国民所得は五万一千三十五円、四十三年でおおむね三十七万四千三百二十一円、大体七・三倍になっておる。また、ただいま御指摘のCPIにいたしましても、二十六年に比して二・〇、大体二倍でございますね。それから諸物価いろいろ考えてみますと、理髪料にしましても大体三八八という指数が出ていますし、新聞が四六八、あるいはみそでも大体二倍になっている。その他いろんな物資を考えてみましてもかなり値上がりしているわけであります。その間において二十六年のたばこの値段が現在そのままだというわけでありますから、これを若干益金率のこともありますけれども、手直しするということは、理屈をいえば確かに大衆負担であるということはいえますけれども、他の物価の情勢から考えてまいりますと、それほど無理なことではないということでございます。同時に、たとえば課税最低限を考えてまいりましても、昭和二十六年では十二万二千三百五十三円、今度は皆さま方の御審議をいただきまして、課税最低限も八十万八千六十三円に初年度に上がっておるわけでありますから、かなり大幅に所得もすべてのものも上がっておる。たばこだけは非常に低く押えられてきたというわけでありますから、財源確保の意味もありまして、この程度の値上げをお願いすることは、国民にあまり大きな御負担をかけることにはならない、こういう見地で御審議をお願いいたしておるわけであります。この点はひとつ御了解いただきたいと思います。これはもう何年かに一度のことでありまして、毎年こういうことをやるということであれば、広沢委員の御指摘もあるいは当たるかと思うのでありますけれども、昭和二十六年の時点と現在の経済情勢というものを御勘案いただけば、必ずや御納得いただけるものと確信をいたしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/107
-
108・広沢直樹
○広沢(直)委員 それは確かに所得はいま申されたとおりですよ。しかし、それはいままでが低過ぎたということですね。やはり日本の経済力は、この間も発表になっておりましたけれども、工業力としては世界第三位、しかし国民の所得というのは二十二位ですか、ヴェネズエラの次だと、こういうようにいわれて、諸外国に比べても非常に低い。でありますから、当然所得が上がっておるから、多少こういったものが値上げになっても負担がかからないという考え方は、これは当たらない。そのために毎年毎年減税をやっていこうということも言われているし、特に諸物価がこういうふうな高騰をしているときには、やはり大衆課税になっていくものは控えるべきではないか、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。
特に、これはいまの政府の所得課税最低限にかからない、したがって所得税を納めない層ですね、そういう方々にもかかるわけでありますから、大体それらはどのくらいあると考えたらよろしいでしょうか。ボーダーライン層ですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/108
-
109・亀徳正之
○亀徳政府委員 過日広瀬先生の御要求に従いましてお話し申し上げた数字をあるいはお持ちであれば、あれは非常に大胆な試算をいたしまして、家計調査の区分を基準にいたしましてどの程度各階層ごとにたばこを飲むであろうか、という大胆な推計をして出したものでございますが、
〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕
一応収入階級で区分をいたしておりますために、事業所得者あるいは給与所得者によってそれぞれ違いますので、断定的なことはいえませんが、五十万から五十九万九千円までの階層の累積比率は二九・四%、六十万から六十九万九千円までの階層の累積比が三九・六%、七十万から七十九万九千円までの累積比が四九・二%ということになっております。断定的にどの辺が課税最低限かということは申し上げにくいので、いま言ったようなことでおおよその見当をおつけ願えればしあわせだと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/109
-
110・田村元
○田村委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/110
-
111・田村元
○田村委員長 速記を始めて。
本会議散会後再開することとし、暫時休憩いたします。
午後零時四十一分休憩
――――◇―――――
午後三時二十九分開議発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/111
-
112・田村元
○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。広沢直樹君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/112
-
113・広沢直樹
○広沢(直)委員 それでは、先ほどに引き続いてまずお伺いしたいことは、喫煙者の一日の平均の喫煙本数、これは大体何本くらいになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/113
-
114・牧野誠一
○牧野説明員 いろいろな調査もございますけれども、一日男の人で大体二十本くらい吸うというのが標準のようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/114
-
115・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうしますと、大体、たとえばハイライトに例をとるといたしまして、一日ハイライト二十本吸うとして、どの程度の税金を納めることになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/115
-
116・牧野誠一
○牧野説明員 大体年間一万四千円ぐらいじゃないかと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/116
-
117・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうしますと、前にお答えをいただいたなにによりますと、所得税のかからない階層に対して、この間接税の引き上げというもので相当税負担がかかっていくのではないか。いま申しておられましたとおり、一日にハイライト二十本吸うとして考えていっても年間に一万四千円、そうなるのですが、いままでこうなっているから、値上げされた場合はこれ以上になるわけであります。
そこで、間接税というのは直接税と異なって、感覚的には税負担というのが非常に軽く感じられておるし、また、税の徴収も非常に簡単に行なわれる。そういうことになりますと、国の財政が今回のように財政補てんをしなければならないということになりますと、政府は次第に間接税を重くしていく、こういう方向になっていくのではないか。その考えについてお伺いしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/117
-
118・倉成正
○倉成政府委員 これは先般の委員会で阿部委員からも御指摘がございましたが、一般的に申しますと、確かに直接税が、応能負担の原則に適応して最も公平な租税といわれておりますから、租税体系の基本になっておることは御指摘のとおりであります。しかし、直接税も、その負担が一定の度合いを過ぎますと、やはり事業意欲や勤労意欲を阻害する、また、資本蓄積や経済成長に悪影響を及ぼすということも御承知のとおりであります。間接税のほうは比較的負担感が少なくて徴税費も少ない、また、消費について個人に選択の余地があるという意味で、ある程度消費者側に受け入れられやすいという特色を持っておるわけであります。
そこで、ただいま御指摘のように、間接税は比較的抵抗感が少ない、徴税費が少ないという点から、間接税にウエートをかけるのではないかという点でありますけれども、私どもといたしましては、そういう意味で間接税を増徴するということは考えていないわけでありまして、やはり直接税と間接税と適度のバランスをとった税体系が、わが国の租税制度としてとるべき姿ではなかろうかと思っておるわけであります。一般的に申しますと、アメリカ、イギリス等は直接税のウエートが高い。そのほかの国々は付加価値税、売り上げ税等を持っておりますので、どうしても間接税のウエートが高いということになっておりますし、日本の場合には一般的な売り上げ税あるいは付加価値税を取っておりませんで、個別の物品についてそれぞれ担税力に応じて免税点を設けるとか、そういうきめのこまかい対策を講じておりますので、アメリカ、イギリスを除きますとこういう間接税の負担は必ずしも高いとはいえないというふうに考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/118
-
119・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうすると、データは古いのですが、所得税の負担分布を戦前の昭和十年と戦後を比較したデータによりますと、昭和十年の所得階層を昭和三十七年に換算して直してみますと、戦前は一千万円以上の高額所得が五〇%、戦後は百万円以下の人が五〇%くらい負担しておるというふうになっておるわけですが、また、一面社会保障の面から見ましても、諸外国に比べて非常に低い。というのは、国民生産に対する社会保障の率というものが外国では大体一三%から一五%、ところがわが国においては、それは非常に低くて五%内外ではないか、こういうふうにいわれておるわけです。
そういうような関係で、先ほどお答えがあったように、所得が上がってきたからそういう面ではあまり負担がないのではないか、こう言いますが、当然その所得減税は年次的にやっていかなければなりませんし、その所得減税をやっていって所得税がかからなくなった人に対しても、やはりいま言ったような大衆課税の方向に持っていくということになりますと非常に負担が重く感じられていくようになるのではないか。
そこで、その間接税の逆進性についてちょっとお伺いしておきたいと思うのですが、非常に大衆の手の届かないぜいたく品といいますか、高級品あるいは奢侈品ですね、たとえばダイヤモンドとか自動車とか――自動車もだんだん最近はふえてまいりましたが、毛皮だとか、そういったものの間接税の比率は非常に低いわけです。ダイヤモンドなんかは大体一六%程度だろうと思いますが、それに対し嗜好品または大衆の必需品となっておりますたばことか酒あるいは砂糖についてはこの負担が非常に重い、こういうかっこうになっております。そこで、高級品というのは買わなくてもこれは事が済むのですが、たばことか酒、砂糖というものはやはり買わなくては事が済まない。それじゃ、のまないでおればいいじゃないかというかもしれませんが、しかしなかなかそれはやめられないで、たばこはやめられるというような本が出ておる程度ですから、そういったことは非常にむずかしい。ですから、間接税の税負担を大衆必需品に重くするという政府のあり方ですね、こういうことは、やはり税負担の不公平ということになってくるのではないか。この点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/119
-
120・倉成正
○倉成政府委員 ただいまの点を、間接税一般というところから、たばこ、酒にしぼって申しますと、確かにダイヤモンドとたばこの税率はどちらが高くあるべきかということは、一つの議論としては成り立つと思います。しかし、酒、たばこについては、やはり歴史的な沿革的なものがあるということを御承知になっておると思います。
たばこについて申しますと、たとえば、慶長年間にはたばこの葉一枚が銀三匁というような貴重品時代から、だんだんこれが禁煙時代を迎えて、そうして懲罰的な少し重い負担をかけていくというところから、日本の場合には、徳川の吉宗時代から財政物資として取り上げてくるようになったわけであります。それから明治時代を経て今日に至っておるという、いわば洋の東西を通じて大体歴史的に、こういうたばこの、黙ってほっておきますとばく大な利益を得るというような点と、あるいは過度の消費ということについてはある程度の規制を加える必要がある、そういう点から考えまして、税金部分の負担が大きくなっているわけであります。たとえばたばこについて申しますと、御案内のように、フランスが大体七〇%、日本が大体六〇%、イタリア七五%あるいはイギリス八〇%、アメリカはたばこの生産国でありまして、五一%と若干安いわけですが、アメリカを除くと大体日本よりもはるかに高い税金を負担しているという状況であります。
酒についても、やはり過度の消費というのは保健上も社会的にも弊害を伴うので、麻薬のように禁止する必要はないけれども、これはある程度社会的な管理のもとに置くことが必要である。また、生活必需品ではないが、やはり嗜好品としての性格上、消費支出の弾力性が比較的小さいということに着目いたしまして、財政物資として取り上げておるということは、これは日本のみならず、世界各国とっておるところであります。歴史的な、沿革的な点で、財政物資としてたばこ、酒というのは取り上げられてきておるところに、やはり税負担が重いということになっておるわけでありまして、この点はひとつ御理解をいただきたいと思うわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/120
-
121・広沢直樹
○広沢(直)委員 いま述べられた諸外国の、イギリスとかイタリアとか、そういう例をあげられたわけですが、これはやはり所得水準と比べなければ、ただ、たばこの税率だけで比べて非常に下がっておる、そういうことでは当たらないと思うのですね。ですから、先ほどから申し上げているように、所得水準が諸外国並みになった場合において、諸外国のたばこ、あるいはそういったものの負担率と比べてみるならば、その話はわかるわけでありますが……。
次に、先ほどたばこの消費者の税負担が他の間接の諸税金と均衡のとれたものとなるよう価格改定する必要がある、そういう意味を申されたのですが、非常に物価が上がってきておる、いろいろなそういった面が上がってきておる段階において、物価を抑制していこう、値上がりを押えていこう、こういうようなことが望まれておりますし、政府自体も、物価の安定、そういうことを言われておるわけです。ですから、それと見比べてこれは上げていくべきではないか、非常に低いから上げるべきじゃないか、こういうことはちょっと話が逆じゃないかと思うわけですがね。そういうことになりますと、スライド式物価上昇政策といいますか、たばこの値上げが通ってしまう、諸物価がまた上がっていく、こういうことになれば、またたばこも上がっていく。やはりこれはスライド的な物価上昇政策と言わざるを得ないわけです。
そうではなくて、逆にそういう公共料金的な、あるいはまた、政府の施策によって上昇を押えることのできるものは、今日の高物価の時代においてはこれは押える方向に持っていくべきではないのか、こういうふうに考えるわけですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/121
-
122・倉成正
○倉成政府委員 確かに、たばこ、酒の値上がりがございますと、それが消費者物価に影響を及ぼすことは事実であります。しかし、たばこは昭和二十六年から、先ほども御説明申し上げましたように、十八年間据え置いたわけであります。昭和二十六年の五十円と、今日の五十円の値打ちということを考えれば、私はこの程度の調整をすることは決して無理ではないというふうに考えておるわけであります。
酒については、主税局長からしばしば申し上げましたように、やはりある程度の調整を三十七年の減税以来ひとつ今日とることが必要であるということで、一応直接税、間接税のバランスをとるという意味から今日の調整をはかった、これが若干物価に影響していくということは御指摘のとおりでありますけれども、かたがたこれらの増収部分が政府の財源となりまして、社会保障その他有効な歳出に充てられるということになりますと、やはりこの程度のことは国民の御納得をいただきたいという考え方でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/122
-
123・広沢直樹
○広沢(直)委員 もう一点は、長い間製造たばこは値上げしていないから、予期しないような減税になっている、こういう意味もありましたわけですが、三十一年当時、たばこの十本当たりの平均単価というものは大体幾らになっておりましたですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/123
-
124・亀徳正之
○亀徳政府委員 三十一年の十本当たり平均単価は二十一円三十八銭になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/124
-
125・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうしますと、四十年においてはどうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/125
-
126・亀徳正之
○亀徳政府委員 四十年は二十九円三十四銭になっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/126
-
127・広沢直樹
○広沢(直)委員 やはり十本当たりの単価で見ましても、十年間で八円、大体十円近く値上げされている勘定になっているわけです。さらに詳しく内容を見てみますと、三十年には十本当たり二十円の新生が全販売量の大体四〇%を占めておった。それから二十五円のいこいは二五%です。十五円のバットは一五%、つまり二十五円以下のたばこは全販売量の八〇%を占めておったことになるのです。ところが、三十二年に四十円のホープ、三十五年には三十五円のハイライト、三十九年には五十円の「とうきょう64」というのですか、四十円のロングホープも三十九年に出ておりますし、四十年には三十円の「ひびき」、四十二年には四十円のロングピースあるいは五十円の「やまと」など、こういうのが出ております。その結果、たばこ全体の七二%が先ほど申しました二十五円以上のたばこになったきているわけですね。その反対に、先ほど申し上げましたとおり、二十五円以下のものは二八%になっているわけであります。専売公社としては、以前にこういうふうに言っていらっしゃるわけです。国民の生活水準が向上してきた、ですから、上級の銘柄に移行していく、これは国民の嗜好に合っているものである、ですからそういうたばこを供給するのは公共企業体の義務である、こういうような意味を言っております。
そこで、昭和二十八年、ピースは総販売量の一六・八%でありました。このピースの販売価格は、二十九年に四十円から一時四十五円に値上げしておるわけです。そうすると、販売量は二十八年に比べて二十九年はぐっと落ちて、八・一%に落ちております。そして三十年にはさらにこれが落ちて、五・九%ぐらいに下がっております。多少この数字は狂っているかもわかりませんですが、大体そういうふうに下がってきておるわけです。ところが新生のほうは、二十八年には販売量においては二六・五%であったものが、ピースが値上げになりますと、二十九年には四〇・九%、それから三十年には五二・二%、二十八年の約二倍になっているわけであります。これは値上げによってピースから新生に移ったということを意味していると思うのです。これでは、いま、専売益金が低下してきたから財政補てんのためにこれを値上げしていくのだということになるのでありますが、これは値上げが必ずしも益金を増大させるということにならない一つの例だと思うのです。ところが、その益金を増大さすためには実質的に値上げをしていかなければならぬ。高い製品をつくって安い製品を押えていく、販売を規制していく、そういうふうにやっていって、現実的には先ほど言ったように相当実質的な値上がりになってきているのではないかと考えられるわけですが、その点についてはどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/127
-
128・佐々木庸一
○佐々木説明員 御指摘のように、十本当たり単価はだんだん上がってまいっております。しかしながら、単価が上がってまいりましたのは、新製品を順次導入いたしまして、消費の動向に合うような銘柄のものを入れてきたわけでございますが、その際コスト面から見ますと、単価の値上がりが収益率の増と直接に結びつくような形になっていないわけでございます。中間の期間におきましては、収益率というものが大体他の銘柄と平均のところにおさまるようにして新銘柄を導入してまいりました。最近のところは、四十二年度ごろから出しましたものにつきましては、若干収益率が回復するようにという配慮を入れましたけれども、それといえども、定価改定のような税金部分を飛躍的に上げるようなことは、原価の関係から申しましてもできないわけでございます。御指摘のように、十本当たり単価は上がってまいりましたけれども、嗜好が上のほうへ動きますと、いい葉っぱを使いますとか輸入葉を使いますとか、コストがまた対応して上がるという面が出てまいりますので、今回の価格改定に目ざされているような収益率の急激な上昇ということは、できていないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/128
-
129・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうしますと、今回の製造たばこ定価法の改定に伴って、各種の銘柄小売り価格が引き上げられている中で、一部のたばこ、いわゆる朝日とかゴールデンバットですね、これだけ値上げしなかった理由は何でしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/129
-
130・佐々木庸一
○佐々木説明員 先ほど先生が御指摘になりましたように、値段のつけ方によりましては、定価を上げまして財政収入をふやそうというのが、逆にそのものが売れなくなって収入が減るという関係が、たばこにつきましては特徴としてございます。したがいまして、一定の財政収入を上げる要請を受けまして、どのようにして値段をつけていったらいいかという点を考えますると、一般大衆の、特に先般来御議論のございます所得の低い層の方々がお吸いになるたばこをなるべく上げないという配慮とどこで調整するかが、私どもの面から申しますると最大の問題でございます。その点から見まして、朝日とか刻みとかいうようなものは、どうも年配の方がお吸いになる特殊な需要層を持つものでございまして、これを据え置きましても、先生が御指摘になりましたようなピースから新生への転移という種類の転移は起こりがたいものではないだろうか。バットにつきましても、細巻きでございますから、そこらに転移というものがあまり起こらないのではないか。新生以上になりますと、先生の御指摘になりましたピースと新生の二十九年から三十一年にかけましてのいろいろな動きがございました。それらを考慮いたしますと、新生はやはり転移を考えて値段をつけるというふうに考えなければいかぬものではないか、こういう配慮をいたしまして、御指摘のような銘柄につきましてはこれを据え置いた次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/130
-
131・広沢直樹
○広沢(直)委員 いまおっしゃっておられました中に、やはり低所得者層がそういうものを吸っているというような話もあったわけですが、実際にこのゴールデンバットとか、特にゴールデンバットは販売店の店頭にこれはどこをさがしても出ていないわけです。都市部においては、こういったものはもうほとんど見当たらないぐらいなんです。やはり新生とかいうものは、非常に大衆化されておりますし、低所得者層もほとんどこういったものを吸っているわけですね。ですから、やはりそういったものを値上げして、いま言うゴールデンバットとか朝日とかいうものを値上げしない、それだけは据え置くということは、一面から考えていくならば、そういったものを吸えということになるのじゃないか。結局値上がりした場合においては、やはりそこに喫煙者の銘柄の移動が行なわれておるわけですから、そうしますと、いまあなたがおっしゃったとおりいくならば、新生と、あるいはいま特に大多数の人が吸っておるハイライトとか、そういったものは、これは値上げを差し控えるというのが当然ではないのか、そういうように考えられるのですがね。その点についてどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/131
-
132・佐々木庸一
○佐々木説明員 御指摘のように、消費の実態からいたしますと、ハイライトはいまや四〇%をこえるたいへん大きな銘柄になってまいりまして、所得階層別に分析してみましても、これは私どものほうの消費者パネル調査から見ておるわけでございますが、所得の低い層におかれましてもかなり吸われておる。その喫煙のために支払われておる金額は、ほかのたばこに対する支払い金額よりも一番多いわけでございます。したがいまして、ここの値段の変え方というのは非常に慎重にしなければならぬという配慮をいたした次第でございますけれども、この銘柄が四十数%のウエートを占める銘柄であるということによりまして、これを据え置いて財政面から需要される金額、増収としてそれを達成することは非常にむずかしくなるわけでございます。銘柄が大きいだけに、それを据え置きますと非常に大きな影響を受けざるを得ません次第でございます。そこでハイライトの上げ幅というものをなるべく押える配慮をいたしま一して、ここから一個につきまして値上げ幅は十円というふうに配慮した次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/132
-
133・広沢直樹
○広沢(直)委員 要するに、それであれば、確かにハイライトというのは全体で四〇%、非常にウエートは大きくなってきておるわけですね。新生については、そうなりますといま何%くらいになっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/133
-
134・牧野誠一
○牧野説明員 ことし、いままでのところで大体一三%から一四%の間を行ったり来たりしておるようです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/134
-
135・広沢直樹
○広沢(直)委員 そうなりますと、少なくとも、いままで相当新生を吸っておった方はハイライトに転向してきておる。新生というたばこは非常に大衆化されたたばこであったわけですが、いま大体一三%ないし一四%程度というならば、少なくとも低所得者層にはそれだけの負担をかけないというなにがあれは――ゴールデンバット等は低所得者層も吸っておるのだ、こういうことであれば、もう少しそれは配慮がなされておってしかるべきではないか。これは税制調査会の答申にも、このきめ方については特に配慮を要するということを一項記されておるわけですよ。その点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/135
-
136・佐々木庸一
○佐々木説明員 新生にいたしましても、現在なお一割以上のウエートを占めております。まあいまのところ二番目ぐらいの大きな銘柄でございます。これを据え置きまして、なお財政上必要とされる金額を確実に収入いたしますことはかなり困難なことになりますことは、先生も御理解願えると思うものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/136
-
137・広沢直樹
○広沢(直)委員 今回のそういう製造たばこの値上げの問題は、財源の必要性からやっておる。再びこのような事態が起こってきた場合、いまの姿勢であれば、やはり直接税とのバランスをとるためだとか、あるいは大衆に税負担感の軽いそういったもの、あるいは税の徴収のしやすいもの、大衆化された方向にまた再びこういうことが起こってくるのではないか、こういう懸念も考えられるわけですが、その点はどうでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/137
-
138・佐々木庸一
○佐々木説明員 各国のたばこの値上げの模様を見てまいりますと、はなはだ先生の御議論に申しわけないんですけれども、低所得者層に対する配慮というものは、それは重要に違いないのでございますけれども、現実の問題といたしまして、各国が値上げをする際には、さっき御指摘のありました銘柄間の下のほうへ移ってくるという問題があるものでございますから、非常にそういう点は実行しにくいもののようでございます。
私どもが調べました例のうちでは、非常に特徴的な価格政策をとりましたのはオーストリアではないかと思うのでございます。これは下級銘柄をある程度上げまして、中級銘柄を据え置きにいたしまして、上級銘柄は下級銘柄よりもさらにきつい値上げ率というものを実施しております。たとえて申しますと、六五年に行ないました値上げのやり方では、下級銘柄が二〇ないし一七%という上がり方をしておりますが、中級のものはゼロでございまして、上級のほうは一四ないし二〇というようなパーセンテージで上げておるわけでございます。
もう一つ、イタリアが上げた例があるのでございますが、これは一本一リラの値上げ、上級品も、下級品も、中級品も通じまして、一本一リラの値上げということをいたしておるようでございます。したがいまして、上げ率から申しますというと、下級銘柄の上げ率が大きいという結果になっておるようでございます。
どうも私どもの調べましたところ、それはたばこの税としての逆進性の問題、それと財政収入を確保する問題というのは非常に矛盾する、解決のむずかしい問題であるように思いますが、現実の問題としての収入確保の観点から申しますと、先ほど申し上げました、極端な例でございましょうけれども、イタリア、オーストリアというふうな例も出てくるようなことでございまして、これは現実の問題として、たばこの値段をきめます場合にやむを得ない点があるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/138
-
139・広沢直樹
○広沢(直)委員 引き合いに出すときにすぐ外国の例が出てくるのですが、それはその部分だけ見ていけば、確かにいろいろないまおっしゃったことも考えられるわけですが、しかし、やはり所得の問題だとか、先ほど申し上げました環境的に見れば社会保障の問題だとか、いろいろ国民生活そのものの内容から検討していかなければ、その分野だけで考えていくということに対して、国民はすべての面から納得がいかないから、こういう値上げの問題についても賛同しかねるわけです。
次に、外国たばこについてですが、国内たばこの価格との均衡を考慮して外国たばこの小売り価格の改定を行なうことになっておりますが、具体的にどう決定されているのか、お聞きしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/139
-
140・佐々木庸一
○佐々木説明員 具体的にまだ案を練っておるところでございまして、決定はいたしておりませんけれども、御指摘のように、高級品の部類に属する外国たばこでございますから、国内品の高級品の上げ方とのバランスを考えてきめるべきものと思っておりますが、あわせていまあります関税との関係等も考慮してきめてまいりたいと思っておるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/140
-
141・広沢直樹
○広沢(直)委員 それではいま検討中のようですから、要するに外国たばこの愛煙者、それは普通は大体高額の所得者の方が多い。そこで、いわゆる大衆消費の銘柄であるこういう新生とかハイライトの値上げをせずに、こういった外国たばこの引き上げを考慮していけばどうなのか、財源的に見てもベターじゃないか、そう思うわけですが、そういう考慮をなしていらっしゃるかどうか。いま検討中だとおっしゃるから、どうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/141
-
142・亀徳正之
○亀徳政府委員 大体国内産のたばこが二千三億本、来年度の予算ではつくる予定にしておりまして、外国たばこの輸入量が大体七億五千万本予定しておりますので、そのウエートからお考え願って、外国たばこを上げて増税分をまかなうということは非常に困難であります。それから、現実に外国たばこには三倍以上の関税もかけられておるという状況で、相当高く売っておりますので、これにもおのずから限界があるということを御理解願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/142
-
143・広沢直樹
○広沢(直)委員 私の言っているのは、二千三億本と七億本と比べて言っているわけではない。いわゆる新生だとか、一部の大衆銘柄を下げてそういったものとの引き合いを考えてはどうかと申し上げたわけです。
時間がありませんのでその次にまいりたいと思いますが、次は公社の経営の問題について、東海林総裁にちょっとお伺いしておきたいのです。
昨年来たばこに関する議論を見ておりますと、コスト上昇によって益金率が低下してきた、たばこ消費税の増大のために納付金が伸び悩んでいる、その結果として値上げが必要だと言われておりますが、もし値上げができなければ、あるいは将来においては民営移管も考慮しなければならない、こういうニュースも出ているわけでありますが、その点についてはどうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/143
-
144・東海林武雄
○東海林説明員 いまの、コストが上がってくるから民営にしなければならないということじゃございませんので、われわれとしましては、いろいろ輪議がありましたところの値上げの問題につきまして、一番の問題は、私どもの立場からいたしますと、原料費と材料費が八割を占めておるということなんです。でありますから、その面からいきますと、先ほどからのお話のとおり、二十六年から見ますと、原料費だけで八九%の値上がりをしております。そうしますと、単純に考えますと、そういう面から値段を据え置くということは非常に骨だということもいえるのではないかと思います。いまのお尋ねは、おそらくそうなったから民営にするということではなくて、あるいは消費税の問題や何かと関連しての御質問かと思いますが、いかがでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/144
-
145・広沢直樹
○広沢(直)委員 宮澤長官がいらっしゃって、時間がないようですから、しぼってお伺いします。
もう一点は、消費税制度の方向に検討中である、こういうふうに言っているわけですが、この点についてちょっとお伺いしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/145
-
146・東海林武雄
○東海林説明員 消費税制度の問題にいまちょっと触れましたけれども、税調のほうからは、いまの納付金制度と地方消費税の問題というものが非常にバランスがく、ずれてきておる。したがいまして、この消費税一本にしたほうがいいのではないかということが出まして、その点につきましては、ただこれは相当いろいろな問題をかかえておりますので、相当な時日をかけて研究調査しろということでございますので、私どものほうの問題は、税調のそういう答申に基づきまして現在消費税制度というものを考えておる、どういうようにするか、いろいろな問題が出てまいりますので、慎重に考えていきたい。こういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/146
-
147・広沢直樹
○広沢(直)委員 将来はそういった制度の方向にいまの体制というものを持っていくべきであるとお考えになっていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/147
-
148・東海林武雄
○東海林説明員 そういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/148
-
149・広沢直樹
○広沢(直)委員 最後に、もう一点お伺いしたいのですが、今度の値上げは財源の補てんということでありますが、葉たばこの原価、これもやはり値上がりしてきている。当然これも諸物価とのつり合いからいけばまた上げていかなければならないのじゃないか。しかし、今回の値上げが財政の補てんということであれば、これが据え置かれるのではないかということも一部には懸念されているわけでありますが、当然これはいままでの諸物価の値上げあるいは消費者米価等の問題もありましょうし、そういった点から当然考慮されてしかるべきだと思いますが、その点はどうでございましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/149
-
150・東海林武雄
○東海林説明員 これは、いずれ四十四年度の葉たばこの値段のことは耕作審議会のほうに一応かけますけれども、いまおっしゃったように、葉たばこの値段の決定要因というものが、いろいろな物価の値上がりとか労賃の値上がりとか、そういうものが要素になっておりますだけに、こういうものは全然顧慮しないわけにいかないのじゃないか、したがって、こういうものはある程度考えて
いかなくちゃならないものだろうと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/150
-
151・広沢直樹
○広沢(直)委員 終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/151
-
152・田村元
○田村委員長 武藤山治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/152
-
153・武藤山治
○武藤(山)委員 きょうは、企画庁長官にお忙しいところおいでいただきましたので、冒頭に簡単に一、二点伺ってみたいと思います。
冒頭に、国税庁長官来ておりますね。――国税庁は今回酒税法の改正を行なって酒の税率を引き上げようということにいまなっております、特級酒、一級酒、ビール、ウイスキー。特級酒は五十九円九十四銭今度増税になる。一級酒は三十九円九十六銭一・八リットル当たり引き上げになる。この特級酒、一級酒については増税分以外に小売り価格は引き上げをしないという方針かどうか、国税庁長官に伺います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/153
-
154・泉美之松
○泉政府委員 たびたび申し上げておりますように、酒類の価格は自由価格になっております。そこでいまお話しのように、清酒について特級、一級について増税が行なわれますと、その増税相当分について値上げすることは、これは税そのものを転嫁するというたてまえでできておりますから、やむを得ないことだと思います。
問題は、コストアップによる値上げでありますが、これについてもしばしば申し上げておりますように、昨年酒造用米を百五十キログラム当たり千六百六十円値上げいたしました。それによるコストアップ分が一・八リットル当たり七円四十四銭になります。そのほかびん代の値上がりあるいは蔵人の賃金の増加、それから流通面における運賃コストの値上がり、卸、小売りに従事する従業員の賃金の引き上げ、こういったいろいろな要素がからみまして、業界としてはぜひ値上げをしたいというような要望があるようでございます。ただ、先般申し上げましたように、国税庁としては、国民に納得していただく意味で、増税による値上がりとコストアップによる値上がりとは区別してやっていったほうが国民の理解を得るのにいいのではないか、そういう意味でコストアップによる分と増税による値上がりを分けて実施するように要請をいたしておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/154
-
155・武藤山治
○武藤(山)委員 その要請は、特級酒については業界は幾らくらい上げたいと希望しているか、一級酒については幾ら上げたいと希望しているか、一応国税庁に業界から希望されている額というのはわかっているはずですね。幾らぐらい希望されていますか。企画庁長官が急いでおりますから、特級と一級だけ簡単に答えてもらいたい。長官にいま少し先に耳に入れておいてもらって、これから聞こうと思っているから、簡単に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/155
-
156・泉美之松
○泉政府委員 値上げ要望の額はいろいろ出ておりますが、メーカーから卸、小売りを代表しての数字としては、特級酒は一・八リットル当たり六十円程度、一級酒については五十円程度を値上げしたいというようなことを言っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/156
-
157・武藤山治
○武藤(山)委員 二級酒については業界は大体四十円程度上げてほしい、こういう要望が出ているわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/157
-
158・泉美之松
○泉政府委員 二級酒については、各界から出ているものを単純にトータルいたしますと四十七円余りになりますが、しかし、これは単純にトータルしたものでありまして、業界としてメーカーが特に申しておりますのは四十円程度というようなことを言っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/158
-
159・武藤山治
○武藤(山)委員 長官、値上げ絶対額を分ける方法は、従来と同じように、メーカーが六、卸が一、小売りが、三、こういう従来の配分の方式というものは、大体今回もとられそうな雲行きですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/159
-
160・泉美之松
○泉政府委員 先ほど堀委員にお答えをいたしましたように、従来は値上げのつど、六、一、三という割合で各メーカー、卸、小売りが分け合っておるようであります。しかし、今回の場合におきましては、各階層の値上げ要因を厳密に計算した上で、お互いの間で話し合いで値上げ額を調整してもらいたいと思っておりますが、どうもいまの様子では、三者間の話し合いは簡単につきそうもありません。国税庁のほうが介入しなければならぬ事態が起きてくるかと思っております。その場合には必ずしも六、一、三という割合にはこだわらないで、コストアップの要因を厳密に分析した上で考えていかなければならぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/160
-
161・武藤山治
○武藤(山)委員 特級、一級、二級酒の引き上げ運動の状況はわかりましたが、ビールはいかがでございますか。ビールの便乗値上げについてはいまどんな状況にありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/161
-
162・泉美之松
○泉政府委員 ビールにつきましても、御承知のとおり、昭和四十年の十一月に値上げして以来今日まで据え置いております。その間ビールの原料でありますビール麦につきましては、約二一%値上りをいたしております。そのほかに、清酒の場合と同じように、従業員の賃金のアップあるいは運賃の増高、こういった要因がありますので、ビール業界としても百二十七円という価格でなしに、百三十円まで値上げしたいという要望が出ております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/162
-
163・武藤山治
○武藤(山)委員 宮澤企画庁長官、いま国税庁長官が答えましたように、特級酒、一級酒、それから今度増税にならない二級酒も業界では大体四十円見当の平均値幅を希望している。ちまたの報道によると、おそらく二級酒において三十円は値上がりになるだろう、こういううわさがかなり強く流れております。ビールも六円九十六銭の値上げを、どうも数がはんぱだからというので、これを百三十円に小売り価格が引き上げになるのではないか、国民はたいへん不安を覚えております。特に物価安定なり、物価上昇というものを押えなければならぬというのが佐藤総理の施政方針の一つの大きな柱であり、この柱を推進する最高の責任を付与されている企画庁長官として、これらの酒類の便乗値上げについてどういうお考えをお持ちでございますか。ひとつあなたの御見解を伺いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/163
-
164・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 いま国税庁長官が話をしておられましたように、清酒については原料米の引き上げというものが実現にあったことは事実であります。そこで、それをかりに加算をするということであれば、先ほどの答弁のように、このたびの税法の改正とは別途に区分をして、やるとしても、やるのが本筋であろうというふうに思いますが、私としては、こういうものの価格は本来需給関係できまるのがやはり本筋であろうと思いますし、ある程度のコストの上昇は、生産性の向上、合理化――これは清酒、ことに二級酒については、御承知のような生産の形態でありますのでなかなかやりにくいところもあろうと思いますけれども、しかし、実際の需給関係を見たりしてまいりますと、それができないともいえない。したがって、私は、これは直接に権限のあることではございませんけれども、このたびの増税分はやむを得ないものとして、それ以外のものは値上げをしてもらわないことが望ましい、こう思っております。
なお、メーカーが一斉に同じような価格に値上げをするということについては、再販売価格維持契約の適用はないと思っておりますので、もし共同行為がありますと、これは法に触れることになるような感じがいたします。
ビールについては、これは増税分だけを上乗せすることはやむを得ないと思っておりますけれども、取引上、はしたがついて不便だというような理由は、どうも私は納得できない。そうしばしばビールを一本で買うというケースがあろうとは思いません。全然ないとは思いませんが、たまにやる程度ならばそんなに不便ではありませんし、また、ここについても同じように共同行為ということがあれば、これは法に触れることになるのではないかとも思っております。
したがって、両方の場合とも、私は酒税増徴分を上乗せすることはやむを得ないとして、それ以外のものはよほどの理由がない限り、私としては納得がしがたい。できれば自制をしてもらいたい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/164
-
165・武藤山治
○武藤(山)委員 企業家に、できれば自制をしてもらいたいと思う、ビールの増税以外のプラスアルファの便乗値上げは差し控えてほしい、大臣のそのお気持ちはよくわかります。しかも、佐藤内閣は物価を安定させるんだということを国民に再三約束をしてきている。
そこで、国税庁長官、いま宮澤さんのお答えになった気持ちをあなたが拝聴して、閣僚の一人が、こういう物価増高の時節であるから、できるだけそういう増税以外の部分の値上げは差し控えてほしいという気持ちを発表されましたが、国税庁長官として、いまのお話を承ってどんな気持ちでおりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/165
-
166・泉美之松
○泉政府委員 もちろん政府が低物価政策をとっていこうとしておる点におきまして、国税庁といたしましても、できれば値上げをしないで済めばそれにこしたことはないわけでありますから、そう思っております。
ただ、繰り返して申し上げますように、酒類の価格は自由価格であります。また、特に清酒のような場合におきましては、コストアップの要因がきわめて明白でありますので、それのコストアップの合理的な範囲内で値上げをしようということを行なう場合に、それが合理的な範囲内の金額であれば、これを阻止するということはなかなか困難なことではないかと思っております。ただ、繰り返して申し上げますように、増税分による値上げとコストアップによる値上げとは区別してもらいたい、それによって国民、消費者の理解を得るようにしてもらいたい、こういう気持ちでおるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/166
-
167・武藤山治
○武藤(山)委員 どうも、国税庁はもうすでに業界のそういう要望というものを、やむを得ぬもの、しかたないものというような、あきらめを持っておるような響きがいたすわけであります。
そこで、宮澤企画庁長官は、物価担当の大臣として、こういういまの、国税庁にメジロ押しに要望されてきているメーカーの態度に対して、ひとつ閣議でも相談をして、自由企業でありますからどんぴしゃんとこれを押えることは不可能でありましょうが、宮澤さんの発言によってこれをうまく行政指導することは可能だと思うのであります。特にビールの場合は、ビール会社の利益というものは相当なもので、配当も相当出しており、こういうものがこの際便乗値上げをしていこうということは、たとえビール麦の値段が上がっていたにしても、その企業内で吸収は可能なはずだと思うのであります。そこで、ひとつ閣僚の一人として、何かうまい行政指導をやってみようという気持ちになりませんか。いかがでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/167
-
168・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 実は大蔵大臣とも国税庁の長官とも、内々ではいろいろお話をしておるわけでございます。ただ国税庁長官としては、業界を一般的に監督される、また育成をされるというお立場もありますから、私のように木で鼻をくくったようなことはおっしゃらぬのが当然でありますし、それもよくわかると思っておるのでございますが、二人で分業しておるといえば、そういうようなことになる点もあろうかと思います。
ビールの場合について特に仰せられましたが、ビールのメーカーが、いまの経理の様子から見まして、これ以上自分のところの収入をふやすという必要は、私はとうてい、実は認めがたい。それ以外の配給部門においては、それは実はコストも上がっておるということは、おそらくあるであろうとは思っておるのでございますけれども、しかしそれはそれとして、これはメーカーと下部段階との間で解決すべきことではないかと思っております。ことにビールの場合について申しますと、ビールの銘柄がいまのように分かれましてから、もう相当の年が実はたっております。そこで、各銘柄がみんな同じ値段であるということはどういうことなのであろうかと、かねて実は思っておりますので、事柄の成り行きいかんではこれは共同行為になりかねないというような考え方もできます。私はビールについては、現行プラス増税分でとめるという理屈が一番あるというふうに思っておるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/168
-
169・武藤山治
○武藤(山)委員 どうも、国税庁の見解と企画庁の見解はたいへん隔たりがあって、国税庁は、米が上がったり人件費が上がって物価が上がったからやむを得ないのだ、またビールについては、ビール麦の値段が上がったのに、四十年の十一月以降据え置きだから、まあしかたがないのだと言わんばかりの答弁である。企画庁長官は、同じ値段でビールが販売されているのは、これはもう独禁法違反の疑いもあるいはあるのではないかという意見も発表されておる。国税庁長官は、まあ業界から申し出があれば、そういうことはほとんどやむを得ないのじゃなかろうか、行政指導でチェックすることは自由経済のたてまえから少し越権だ、そんなような考え方でも持っておるのですか。なぜビールの百三十円値上げを行政指導して増税分だけでとどめさせようと、国税庁ははっきりものを言えないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/169
-
170・泉美之松
○泉政府委員 私先ほど申し上げたのは、ビールの百三十円の値上げがやむを得ないということを申し上げたのではないのであります。ただ、ビールにおきましても、そういうコストアップ要因がありますので、そのコストアップ要因の中で合理的な範囲内での値上げが行なわれるならば、これを阻止する権限はない、こういうことを申し上げたのであります。したがって、繰り返すようでありますが、増税の際には、増税分だけを値上げし、そしてコストアップによる値上げは別にしてもらいたい、こういうことを申しておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/170
-
171・武藤山治
○武藤(山)委員 それでは、いまもう自由価格ですから、基準価格がなくなっているんだから、各ビール会社が、これだけはどうしても諸般の情勢からいって値段を上げなければならぬ、小売り価格をどんどん上げる場合に、国税庁は申し出があれば全然チェックできないのですか、法的には。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/171
-
172・泉美之松
○泉政府委員 繰り返して申し上げますように、業界に政府の方針に協力するように要請をしておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/172
-
173・武藤山治
○武藤(山)委員 だとしたら、企画庁長官がこれだけ真剣に物価安定に取り組もうという姿勢を発言しているのに、政府の方針にかなうように業界を指導してみたい、ビール会社を指導してみたいとなぜ言えぬのですか。やむを得ないというような意味じゃありませんか。四十年十一月以降ビール麦の値段が上がっておるのに価格は据え置きになっているからと、これはある程度業界が値上げをすることを黙認していこうということでしょう。適切な行政指導をしようという心がまえはみじんもことばの中に出ていないじゃありませんか、そうでしょう。私はその指導を期待していま長官にも来てもらって、国税庁はあまりにも腰抜けだから、長官の発言を聞いて少し反省してもらおうと思った。反省の色がないじゃありませんか。ビール会社に向かって、そういう増税分は増税分としてきまりはつけるが、その後直ちに、近い期間に値上げをしようという動きについては国税庁として好ましくないから、政府の方針として好ましくないから、そういう便乗値上げはやめてほしいと正式に行政指導する腹がまえがあるかないか、これをはっきりしてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/173
-
174・泉美之松
○泉政府委員 そのようなことについてはすでに申しております。ただ、それをいつまで続けることができるかということがいま問題なのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/174
-
175・武藤山治
○武藤(山)委員 それでは、あなたのほうのそういう申し入れがいつごろまでがんばれるか、それ以上はもう行政指導ではブレーキがきかぬ、その期間は いつごろですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/175
-
176・泉美之松
○泉政府委員 そういった話はなかなかむずかしいことでございまして、現在の段階でいつまできく、いつごろになったらきかなくなるかということはちょっと申し上げかねます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/176
-
177・武藤山治
○武藤(山)委員 というのは、この間から野党の質問に対して国税庁は、あなたのいないときも、次長ですか、答えておったけれども、いますぐはないが、検討しております、便乗値上げについて検討しています、こういう答弁を繰り返し繰り返しやっておるわけです。だから、増税法案が通ってしまえば、おそらく五月にやるかもわからぬ、あるいは六月になるかもわからぬ。この近い期間に起こり得る現象ではないかと実は心配しているわけです。そこで、少なくも長官として、物価がこう上がる時期であるからここ半年くらいの間はそういう便乗値上げはさせたくない、そういう指導をしたい、ある程度のめどは言えるんじゃないですか、二年も三年も五年も先を私聞いているんじゃないんだから。この間の答弁では、あたかも五月の終わりころにはそれがきまりそうなニュアンスなんですよ、聞いておって。そういう近いうちに便乗値上げを認めるようなことはないように指導しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/177
-
178・泉美之松
○泉政府委員 行政指導といたしましては強力に実施したい、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/178
-
179・武藤山治
○武藤(山)委員 企画庁長官、現在あれやこれやとたいへん物価が上がって、主婦の方や国民からたいへん批判を受けておるときであります。こういうときであるから、自由経済の中でも可能な限りの手は、閣僚としても発言し、閣議においても検討して、政府として、国会で国民に公約をした物価安定の柱というものは、やはり態度をもって示さなければいかぬと思うのです。口先だけで物価安定を唱えても、国民は佐藤内閣を信頼いたしません。特にその責任は、企画庁にその大半が――国民からは非難の声が寄せられると思うのです。最も頭脳明晰で勇気のある大臣として、私はあなたを尊敬している一人です。今度の予算編成にあたっても、あなたの発言というものは確かに閣僚の中で勇気のある態度です。しかし、それがことばだけで終わってしまうようなことであっては、国民はあなたに対しても不信を持ちます。したがって、ビールの一斉値上げがもし行なわれるような際には、公正取引委員会において独禁法に抵触するかしないか直ちに調査をしろ、そのくらい命令する程度の大臣の決断を私は求めますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/179
-
180・宮澤喜一
○宮澤国務大臣 国税庁においては原料の供給などについては世話もしておられることでありますし、また、一般的な監督の立場にありますから、その点で国税庁の指導勧奨ということは、これは十分いい方向で生かしていってもらえるのではないかと思います。
しかしながら、片方で、一応自由の経済でありますから、そうだとすれば、共同行為があればこれは法律に触れるおそれのある問題であります。したがって、その両方の面を活用しながら、できるだけ一般消費者の不利益になりませんようにやっていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/180
-
181・武藤山治
○武藤(山)委員 企画庁長官は時間の約束があるようでありますから、これでけっこうでございます。
国税庁長官、二級酒の値上げを業界から大蔵省に、平均四十七円ですか、その程度一応陳情があると申しますか、耳に入っていると申しますか、正式には陳情ですか。この程度ひとつ二級酒の値上げをしたいが国税庁の見解はどうだという陳情ですか、それとも口頭による要請ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/181
-
182・泉美之松
○泉政府委員 文書による陳情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/182
-
183・武藤山治
○武藤(山)委員 業界としてはなぜ国税庁にそういう陳情をしなければならぬのですか。あなた、先ほどは業界が必要なものなら自由に上げてもしかたないという答弁をしておるのに、なぜ陳情されると思いますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/183
-
184・泉美之松
○泉政府委員 それは国税庁がやはり酒類行政の監督官庁となっておりますので、国税庁にコストアップの実情がこういうふうになっておるというその実情を訴えたいためだと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/184
-
185・武藤山治
○武藤(山)委員 その実情を訴えられた場合には、あなたのほうの窓口はだれにまかせて――こういう陳情についてこういう検討をしよう、資料はどこに相談して、どういう資料に基づいてこれをどの程度認めようかということは、どの担当がやっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/185
-
186・泉美之松
○泉政府委員 もちろん、そういう陳情が出たからそれをうのみにするということではなしに、私のほうは全国に税務署という機構を持っております。その税務署を通じまして、各業者の実態がどうなっておるか、その点の把握につとめておるわけでございます。したがってそういった業者のほうの陳情の数字は別にいたしまして、われわれのほうが税務機構を通じまして知り得た数字をもとに判断をしていきたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/186
-
187・武藤山治
○武藤(山)委員 業界が調べてきた数字というのは個々の企業によって全部違うと思うのですよ、自由価格なんですから。人件費も包装も運賃もみな違うと思うのです。違うのを業界として統一して陳情してくるわけでしょう。そうすると、国税庁としては、それが適切であり合理的なものであるなら値上げはやむを得ないというのですが、適切であり合理的だという国税庁としての資料がなければいかぬ。国税庁としては、どういう資料に基づいて、この程度のものは合理的だ、適切だという数字の検討も、要望が出ている限りやっておるわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/187
-
188・泉美之松
○泉政府委員 お話しのとおりでございまして、先ほど申し上げましたように、全国の税務署に通知いたしまして、税務署で業者の実態調査をした数字を報告するようにさせております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/188
-
189・武藤山治
○武藤(山)委員 そうすると、国税庁は、二級酒なら二級酒全部が全国的に三十円なら三十円値上げになるということはあり得ない、東北地方あるいは北海道、あるいは関西という、それぞれ地域地域によって税務署の調査した妥当な、合理的なそういう数字を一応指導するので、ばらばらな値上げになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/189
-
190・泉美之松
○泉政府委員 午前中、堀委員にもお答えいたしましたように、現在二級酒につきましても、上は六百十円から下は四百四十円まで、銘柄格差による値開きが相当ございます。もちろん、その中心になるのは、数量的にいいましても、また業者の数からいいましても、五百五十円というのが一番多いのでございますが、その五百五十円を中心としてかなり値が開いております。したがって、今度値上げをかりに行なうといたしましても、必ずしも全国の業者が一律の値上げということにはなるまいと思います。ただ中心になる辺では同じような値上げ額になる業者がかなり出てくることは、これは否定できないと思います。しかし、全業者が同じというわけにはまいらないと思います。
それと、先ほど地域的にというお話がございましたが、これはやはり酒の売れ行きによるわけでありまして、同じ地域でありましても、よく売れる業者は高く売る、よく売れない業者は安くせざるを得ない、こういったことになりますので、地域的に同じ値上がりというわけにはまいらない、業者別に値上がりが違う、こういうことになると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/190
-
191・武藤山治
○武藤(山)委員 いま値上げをすべきでないという立論で私はここで取り上げているわけでありますから、もし国税庁が態度をきめる際には、本委員会の理事会あるいは委員長は直ちに、国税庁としてはこういう近代的な合理的な妥当な方法で酒のプラスアルファの値上げというものを業界に了解を与えた、あるいは与えようとしている、そういう点をひとつ本委員会にわかるように取り扱いをしてもらいたいと思いますが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/191
-
192・泉美之松
○泉政府委員 くどいようでございますけれども、私どものほうが了解を与えるとか指示するといったような権限は別段ございませんので、なかなかそういう点はむずかしいと思いますが、ただ、私どものほうが実態調査をした結果、この程度の値上げであれば合理的な範囲内の値上げであるというふうに考えるに至りました場合におきましては、そういった数字を当委員会のほうにしかるべき方法で御連絡いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/192
-
193・武藤山治
○武藤(山)委員 そうすると、もう実態調査は現実に着手し、進んでいるわけですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/193
-
194・泉美之松
○泉政府委員 さようでございます。業界から陳情も出ておりますから、われわれとしてその陳情の内容について検討しなければならないので、各税務署にそういった数字の報告を求めておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/194
-
195・武藤山治
○武藤(山)委員 それはいつごろ集約をされる予定ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/195
-
196・泉美之松
○泉政府委員 現在の見通しでは、数字そのものは今月末日までにはまとまると思っております。それに基づいてどういう判断をするかの判断がまとまるのは、今月の末を少し過ぎるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/196
-
197・武藤山治
○武藤(山)委員 もう国税庁はある程度値上げをせざるを得ないという情報がずうっと流れておりまして、二級酒は大体三十円程度になりそうだということまで耳に流れておるわけですね。おそらく、だからあとはそれにおっつくような数字を合わせて、まあこういう妥当な数字はこれだということで、二級酒も三十円くらい値上げするのだろうという心配を二級酒の愛飲家はたいへんしているのです。だからそこらは私は、せっかく増税をしないで総理大臣は大衆負担はできるだけ軽減しておくんだ、低所得者にはなるべく負担をかけないんだ、自民党政府はそういう配慮をしたんだということで、今回のたばこにしても、酒にしても二級酒を一応はずした態度をとったのでしょうね。それがやはりプラス三十円になれば、何だ、佐藤内閣はまたうすらとぼけた、国民を瞞着したんだということになるのですよ。だから、私はそういう点、政治に対する国民の信頼という立場からも、二級酒のプラスアルファはこの際見送らせるべきであると強く要望しておきますが、政務次官の政治家としての御見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/197
-
198・倉成正
○倉成政府委員 先ほどから企画庁長官の御意見の表明がございましたし、また国税庁の実務的な立場からの答弁がございました。われわれとしましては、今度の値上げが国民大衆に非常に大きな影響を与えるという意味から考えまして、できるだけ便乗値上げを避けてもらいたい、こういう姿勢はこれからも続けていくつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/198
-
199・武藤山治
○武藤(山)委員 次に、今度の酒税法一部改正案の中の第三条第五号、新しい合成清酒を発売できるように法改正をしようとしておりますね。その合成清酒の名前も何か規格を統一したいという話が――第三条第五号による新たに追加された合成酒の場合にはどういう名前のものを売り出させようとしているのですか。これは主税局ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/199
-
200・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 今回のただいま仰せの改正は、合成酒ではなくてしょうちゅうであります。しょうちゅうの規格に二度をこえざる範囲で砂糖の混入を認める。従来のしょうちゅうがアルコールを水で薄めただけということで進んでまいっておりますが、嗜好の点から最近の情勢に非常にマッチしないということでございまして、今回、エキス分が二度以内にとどまる限り砂糖の混入を認める。ただしそれによってにおい、着色がないようにという改正をいたしたわけであります。いわば二十六度以下のしょうちゅうについて若干の味をつけるということを規格として認めたというものでございます。これをどういう名前で売り出すか、これは私ども関知しないところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/200
-
201・武藤山治
○武藤(山)委員 現在でも酒類がたくさんあって、バーなどへ行ったらどれが何だかもわからぬほどいろんな種類がある。現在ある種類の中にさらにこういうものを新たに三条の五号につけ加えて認めるというのは、どういう希望がどういう会社から出てきたのですか。それとも主税局は、こういうものをつくればこれは国民がうんと飲んで税収があると思って改正するのですか。それともやはり特定の企業からこういうものを認めてくれという希望があったのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/201
-
202・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 これは先生よく御承知と思いますけれども、しょうちゅうの全体の業界の希望として、しょうちゅうがあのままではどうも最近の若い人の嗜好に合わないということで、何らかの形でやってほしいということは前から言っておりました。ただ、しょうちゅうにいろんなものを加えるということは、実を申しますと洋酒の定義のリキュール等に当たってしまいます。しょうちゅうは御承知のとおり密造防止という見地から、ことに二十五度以下のものは非常に税率が低くなっております。そこに洋酒と同じような規格にすれば、今度は税率を上げなければならぬという問題が起こってまいります。そういうことから、いろいろむずかしい問題がございましたが、最近各種類間のバランスを見ながらただいま御審議を願っておる程度の規格の拡大をしたことによって、それが洋酒という範疇に入るようなものではない、エキス分二度以下のしかも着色、着香ができないという規格でございますれば、単にしょうちゅうのたとえば乙類でいえば、特殊な苦みが消えるとかある程度味がつくとかいう程度でございますので、そういうことで、いわばそれはしようちゅうの規格としてそこまで依然としてしょうちゅうであるというたてまえでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/202
-
203・武藤山治
○武藤(山)委員 しかし、そのびんのレッテルはしょうちゅうとは書かぬわけでしょう。今度は「新リカー」とかなんとか、ハイカラな名前を取りつけて出すのでしょう。これはしょうちゅうという名前ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/203
-
204・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 酒税法上の表示はしょうちゅうでございます。しょうちゅという表示が強制されるわけです。もちろんその愛称とかいろんな名前をつけることは差しつかえございませんが、規格として証紙を張るのはしょうちゅうでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/204
-
205・武藤山治
○武藤(山)委員 これは業界では何か「新リカー」とかいう名前で売り出すような話も新聞にちらっと出たりしておるから、おそらくしょうちゅうという看板をはずして何か洋酒みたいな形にならぬように、不公正な表示にならぬように、十分その点は指導しなければならぬと思いますが、そういう点の指導は心配なくやりますね。
それから第二の、同じ第三条の八号、果実酒の項で、今回の改正の中に線が引いてあるのは「アルコール、スピリッツ若しくは」しょうちゅう、こういうものを入れて新しいまた飲みものができるわけですね。これもそうでしょう。これは新聞に出ている「健康」という名前の酒ですか。あれとは違うのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/205
-
206・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 これは別に改正と申しましても、今回ウイスキー類の中から模造ウイスキー、つまりモルトを全然入れていないものをスピリッツに移したものでございますから、そういう意味でいままで果実酒の定義の中に、ブランデーまたはこれを加えたものという定義がございましたが、ウイスキー類の中から従来の模造ウイスキー、ブランデーがスピリッツ類に移されましたので、それを従来どおり模造ウイスキー的なものに加えることは認めなければなりませんから、従来の定義と同じものでございますけれども、税法が変わったという関係で修正をしただけでございますから、新しい規格のものができるわけではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/206
-
207・武藤山治
○武藤(山)委員 そうすると、今回の新しい規格のものができるのは三条の五号だけ、それ以外に松隈税調委員長は、合成清酒の統一銘柄を出すのだ、それは「健康」という名前だ、この間の毎日新聞だったかに出ておった。こういうのは、国税庁とは何か相談をしてきめるのですか。それとは逆に業者がかってに「健康」という名前で合成清酒を売り出すことを考えておるということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/207
-
208・泉美之松
○泉政府委員 私どもが承知いたしておりますのは、合成清酒につきまして消費者のイメージアップをはかりたいということで、現在合成清酒は普通十五度五分程度で出されておるのでありますが、アルコール分十七度くらいの合成清酒を出したい、そういう合成清酒を統一銘柄で「健康」という名前をつけて売りたい、こういう要望があるようであります。現行税法上そういう十七度になりますと加算税率の適用を受けますけれども、味が濃いということで消費者に好まれればあるいは売れる可能性もあります。そういうことは業者としては新しい規格として考えておるようであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/208
-
209・武藤山治
○武藤(山)委員 業者がこういう新しいものをつくり出せばコストもアップされる、今度は新銘柄のこういうものにしていけば値段もいい値段で出せる、そういうようなことが自由に許されていったら、国民のほうは知らない間にいつの間にか高い価格に引き上げられたものを売りつけられることになっていきますね。そうすると、いまの酒より新しいこういう名称のものをどんどんつくるということは、いままでの価格観念というものを変えてしまう。いままで一級なり二級なりしか飲んでいなかった人が、今度は合成酒で「健康」というものが出てくる。これはからだにいいらしい、名前まで「健康」だ。これは少し誇大広告で、独禁法からいっても酒に「健康」という名前をつけて売り出すのはちょっとどうかと思うのです。中には「養命酒」なんというのがあるから、あるいはそういうのと比較すれば「健康」などはというかもしれぬが、これは合成酒ですからね。そういう点の指導などはどうなのですか。こういう名前のものを出すことは適正表示になっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/209
-
210・泉美之松
○泉政府委員 先ほども申し上げましたように、これも合成清酒には変わりがございません。したがって、酒類業組合のほうの関係の表示は合成清酒として表示することになっております。したがって、その「健康」というのは銘柄でございまして、銘柄は商標登録によって行なわれておるのであります。それを誇大広告というかどうか、これは公正取引委員長がお見えになっておられますが、そういう名前がいけないというわけにちょっとまいらぬことかと思います。合成清酒という表示はきちんといたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/210
-
211・村山喜一
○村山(喜)委員 関連して。さっきしょうちゅうの話が出ましたのでちょっとお尋ねをいたして、確認をしておきたいと思います。
それは、主税局長も御承知のように、しょうちゅうには甲類と乙類とあります。甲類の場合は大企業製品であります。これはアルコールを薄めたようなものであまり味がありません。そこで、今度その新製品を売り出す場合に、二%程度の糖類を加味して味がいいような形に持っていくという形をとろうとしていらっしゃるわけですね。そうなってくると、乙類をつくっているのは中小メーカーで、もう味は非常にいいのだけれども、においがちょっと悪い。しかし、甲類と乙類と比較をしたら、ほんとうにしょうちゅうを飲む人は乙類のほうを飲むわけなのです。甲類はカストリみたいなものなのです。いま乙類のしょうちゅうをつくっているのは、これは不況カルテルを結成して、市況があまりよくありませんのでそのような防衛策をとっているわけです。そうなってくると、甲類のほうに味がいいものを認めていくということになれば、中小企業がつくっている乙類のほうに相当大きな影響が出てくるのではないかという点を危惧するわけですが、それらについてはどういうような判断をされてそういう法案をお出しになったのか、この点についてお尋ねしておきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/211
-
212・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 糖類を少し加えたいという要望は、先生御承知と思いますが、乙類からも強く出ておったわけであります。乙類は、非常に好きな方は味を好まれるわけですが、やや苦みがございます。これを消すために糖類を入れたい。これはむしろ甲類よりも先に要望があったようでございます。この際、甲類、乙類ともに同じ扱いをし、乙類もそれによって味の改善ができるという前提でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/212
-
213・武藤山治
○武藤(山)委員 公正取引委員長お見えになりましたが、ついでですから、ちょっと予定になかったのですが、お尋ねしておきます。
企画庁長官は、先ほど、ビールの値段がみんな同じだというのは私もどうもおかしいような気がする、これは公取に調査でもしてもらうと何か共同行為でもあるのじゃないか、独禁法に触れる点もあるいはあるのじゃないかというような気持ちをほのめかしたわけですが、今回ビールの値上げを、各メーカーが税率の上がった分だけ、六円九十六銭上げたならば一そういう問題は今回の税率の引き上げに便乗して起こることはないと思いますが、これを全部百三十円に、ビールメーカーが同じ値段に全部統一して一斉に値上げをした、こういうことになった場合、公取の従来からの調査では独禁法に触れるような心配は全くないと言い切れるかどうか、その点ちょっと見解を承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/213
-
214・山田精一
○山田政府委員 ただいま御指摘のケースは、その実際の場合を見ませんと何とも申し上げかねると思います。かりに税金の上がりました額、六円九十銭でございますか、それだけをきちんと上げました場合におきましても、もしも共同行為に基づいて上げたものであるならば独禁法に触れると思います。と申しますのは、税金の負担がだれの負担になるかということは市場の競争によってきまるであろうと思われるからでございます。十分今後監視をいたしてまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/214
-
215・武藤山治
○武藤(山)委員 いまの公取の人員、いまの能力では、大メーカーになればなるほどいろいろな関係でなかなか調査もむずかしいと思うのですよ。そういうことから、いままで同じ値段だということも非常におかしいと思うのです。今回はちょうど共同行為が行なわれるかどうかということが現実に調べられる時点が来たわけですから、ひとつしっかり、いまここで発言した、調査を進めてみたいというその気持ちを忘れずに、今後のビールの値上げに伴う国民の不満というものを公取でチェックできるかどうか、私たちも十分あなたたちの行動を監視していたいと思いますが、いまの発言を忘れないようにがんばっていただきたいと思います。
それから主税局長、酒の税金の負担の問題を、従量税から従価税に切りかえるべきではないかという意見もかなりあったと、税調はそう書いておりますが、従価税に切りかえた場合のメリットというのはどういうものがあると予想されますか、主税局長の見解を承りたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/215
-
216・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 これは毎々申し上げておりますけれども、従価税に切りかえれば当初予定した負担率というものが価格のいかんにかかわらず維持できる、また、所得の上昇がありましてもそれに応じた物価の引き上げというものに対しても追随できるという利点があるわけであります。実際は移出価格を一々確認しなければならないという点が従価税のむずかしい面ではございますが、その点は一種の技術上の欠点であると思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/216
-
217・武藤山治
○武藤(山)委員 ただ、いままでの基本価格を、きちっと酒の価格を大蔵省が統制をしていたころと、いまのように自由価格になった場合では、自由価格に対応する課税のしかたというのは、何といっても従価税に切りかえることのほうがマッチすると思うのですが、この点はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/217
-
218・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 仰せのとおりだと思います。たとえば従量税にいたしておりますと、価格を非常に高くされてしまうと小売り価格に対する税負担が非常に低いものが出る。かつて造石税時代にもそういう問題がございました。そこでいまの制度は、いわば価格の高いものには高い税率を使うために級別制度を使っておりますけれども、今回のウイスキー類の改正でも見られますように、級別だけでは適切な税負担になりません。従価税にしておけば先生おっしゃるとおり、価格を高くすれば高い税負担になります。そこは均衡がとれるということは事実であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/218
-
219・武藤山治
○武藤(山)委員 ただし、従価税にした場合には一々今度は税率を変えて税金を上げる必要がなくなってきて、一定の価格をきめておけばいいから、大蔵委員会で野党からこのようにこまかい点まで追及されなくて済むという、大蔵官僚としてはしごく処理しやすいという、そういう手続的な面も出てまいりますね。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/219
-
220・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 従量税の場合と比べるとその問題がないという点ではそういうことになるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/220
-
221・武藤山治
○武藤(山)委員 そこで私は、ここではその賛否については意見は述べません。述べませんが、税調がこういう答申の中で意見を述べておるわけですが、そういう方向に、近いうちに従価税の方向に進むという見通しですか、それともやはり現在の従量税制度をずっと約二、三年は続くと見ていいのか、この点はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/221
-
222・吉國二郎
○吉國(二)政府委員 今回の改正では、ウイスキー類につきまして三年後に従価税適用を考えておる案で御審議を願っておりますが、一般の酒類についてそこまで直ちにいくかどうか、これは私どもとしてもなかなか技術的な検討が必要だと思うわけです。現にいま大量であってしかも品質の統一したもの、たとえば揮発油税にいたしましても、砂糖消費税にいたしましても、大体従量税が一番課税の方式としては技術的に容易であるということからずっと採用されてきておるわけであります。従価税に踏み切るとすれば、その点実施面の技術的な問題も十分検討する必要があると思います。早々には実現しがたいというのが率直な私の意見であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/222
-
223・武藤山治
○武藤(山)委員 専売公社の総裁、せっかく出席の席でありますから、たばこではないのでありますが、塩のことをちょっとお尋ねしておきたいと思いますが、昭和四十三年度の塩収納価格を決定する審議会はいつ開きますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/223
-
224・東海林武雄
○東海林説明員 実は予算のほうがきまっておりませんので、その関係で延ばしております。今月の末になるだろうと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/224
-
225・武藤山治
○武藤(山)委員 ことしもまたこの審議会には塩をつくっている業者の代表あるいはそこに働く勤労者の代表、そういうものは含めないで、しかも公開にしないで秘密でこの審議会をおやりになるつもりですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/225
-
226・東海林武雄
○東海林説明員 この塩収納価格審議会のほうの構成は、実際に塩の生産者も代表が入っております。そういう関係で、この審議会の性質上からいきますと現在の構成でやりたい、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/226
-
227・武藤山治
○武藤(山)委員 それはやはり公開にしないで秘密で審議会はいたしたい、こういうことですか。それとも、関係者ならば傍聴さしてくれといえば傍聴は認めますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/227
-
228・東海林武雄
○東海林説明員 いままではそういうことをやっておりませんから、従来のとおりでいきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/228
-
229・武藤山治
○武藤(山)委員 収納価格を決定する際に、私どもの手元に来ている陳情書によると、たいへんその価格の中に織り込まれる諸条件が、他の地域あるいは他の産業、そういうものと比較をした場合に非常に軽く見られておる。具体的にはそこで働く人たちの待遇というか賃金水準というか、そういうものがこの審議会の議論の中で十分反映されていない。したがって、そういう人たちの意見というものをもっと聞いてほしい、こういう陳情が来ているわけであります。私のところは塩のできる県じゃありませんから、実態はようわからないのでありますが、こういう点公社はどの程度そういう点をひとつ加味してやろう、あるいは十分他の産業従事者と不均衡にならぬように考慮しよう、そういう点についての考え方はどういう考え方を持っていらっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/229
-
230・東海林武雄
○東海林説明員 それは先ほど申し上げましたように、この価格審議会の中には実際に塩を生産している人が半分入っているわけであります。したがって、その方々がその塩の事業に従事する勤労者の待遇というものがどうなっているかということの実態はよく把握しているはずであります。そういう意見をもちろん参照いたしまして決定する、こういうように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/230
-
231・武藤山治
○武藤(山)委員 その場合に公社は常に地方産業ベースということを基準にして考えているようでありますが、これを地方産業ベースといった場合には、だいぶ地方によってまた違いますね。こういうものをもっと全国産業平均とか、あるいは三十人規模とか、あるいは公社職員並みの基準とか、地方産業ベースという考え方を取りはずしてくれという意見が強いのでありますが、その点についての見解はいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/231
-
232・東海林武雄
○東海林説明員 これは御承知のとおり、塩業というものが相当地方に限られておりまして、全国の平均をとるということには逆にいろいろ問題があろうかと思いますので、いままでのところは地方の勤労者の平均賃金というものを基準にしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/232
-
233・武藤山治
○武藤(山)委員 きょうはこれが本論じゃありませんが、非常に年寄りの労働者になってしまって、新規の者が入ってこない、同時に給与水準が一カ月当たり三万五千三百七十二円という非常に低い水準であるという訴えがあるわけでありますから、今月開かれる審議会では十分それらの点を考慮して、塩業というものがやはり国家資源の確保という面からも重要な産業の一つでありますから、ひとつ総裁としても十分この辺を留意願いたいと思います。よろしゅうございますね。
次に、総裁にやはり伺いますが、たぶんいまの総裁がおいでになる前だと思いますが、私はこの委員会で専売公社内部の姿勢というものを正さねばならぬ、こういうことを実は指摘をいたしたわけでございます。その当時公社の取引先、いわゆる紙だの、すずだの、いろいろなものを注文する業者との取引状況一覧表を出してもらったわけであります。昭和三十七年度のやつを出してもらったわけであります。一千万円以上の取引をする業者一覧をいろいろ調べてみますと、大半が随意契約であります。その当時、三十七年度ですか、随意契約が百四十三億五千九百万、競争が六億二千七百万で、百四十三億対六億なんですね。こんなに随意契約が多いということはどうしても間違いを起こすもとになるから、こういう点を改むべきである。ところが、総裁になられてしょっぱなにここで質問した際に、私はこういう問題についてはできるだけ競争入札にして、公正な競争で、しかもできるだけよくて安いものを手に入れるように公社は心がけます、こういうことを総裁はここでお答えになったわけであります。その後これは改善されましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/233
-
234・佐々木庸一
○佐々木説明員 御指摘のような御指示を従来いただいておりますので、契約ごとに一応洗いざらい調べたわけでございますが、先生御存じのように、公社の材料品と申しますのは機械にかけるものが多いわけでございます。そういたしますと、機械が高速化する最近の状況におきましては、JIS規格で同じものでありましても、機械にかけますと引っ張りが強くなる、ちょっと違いますと切れますとか、走り方が悪いとか、いろいろな問題が出てまいりまして、競争入札でいろいろな会社のものが、いろいろな工場でつくられました材料が入ってきました若干の例等によりますと、第一線の機械を動かしている職員が機械の調整に非常に苦労いたしまして、成績が予期のとおりあがらないという事態が生ずるものが多いのでございます。また、機械にかからないものをいろいろ見てみましたけれども、たばこ事業に使いますものは特殊なものであります関係上、あるいは特許の関係がありましたり、あるいはきわめて少数の生産者によってしかつくられていないというものがありまして、会計原則にありますような、原則としては競争入札にすべきであるという考えは持っておりますけれども、現実にそれを実施しますについては、実際のものの製造に響くところがあるものでございますから、いままでのところ、御指摘を受けたにかかわらず、私のほうでも検討いたしましたけれども、現在でもなおおおむねのものは随意契約によらざるを得ないかっこうになっております。
競争契約によりますおもなものを見てみますと、いままで申し上げましたようなことと関係のない、たばこを加工いたしますときに使います砂糖でありますとか、作業に使います作業服、作業くつの類でございますとか、燃料に使います石炭、重油の類でございますとか、なま葉の包装、輸送に使います袋でありますとかいうものに限られざるを得ない実情でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/234
-
235・武藤山治
○武藤(山)委員 大蔵大臣、専売公社がほとんどのものが随意契約で、しかもその契約をしている会社の重役に、専売公社を退職した人たちがそこに役員にだっとおりているわけですね。これはその一覧表です。公社をやめた人たちが重役にいる会社へ随意契約で年間億の取引をするというようなことは、やはり民間の公正な、適正な自由競争をする社会制度の中では、そういう制度をゆがめるわけですね。だから、こういう専売公社のいまのあり方というものについては、ひとつ大蔵省としても十分これはメスを入れて検討し直す必要があると思うのですが、大臣の見解いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/235
-
236・水田三喜男
○水田国務大臣 この前同じような質問で公社のお答えしたことを私聞いておりましたが、一般にたくさんの会社で入札するわけにはいかない特殊な会社を養成といっては悪いのですが、いろいろ技術的なめんどうを見て、下地があるというところへやはり注文をするほうが製品が安心できるというような問題があって、一律にはいかないというようなことを公社のほうで答えておりましたが、そういう点も私はあろうと思います。しかし、特定のものじゃなくて、どこへも注文できるものというようなものは、これはもうできるだけ競争入札にすべきものだというふうに私は考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/236
-
237・武藤山治
○武藤(山)委員 いまの大臣は二年かそこらでやめてしまうものですから、よし、おれがひとつ大掃除をしてやろうというような確答はなかなか大臣からはとれないのが通例になってしまって、まことに残念であります。いま、日通との関係にしてもいろいろ問題があるやに報ぜられたりしておる。こういう特に専売公社をやめた人たちが重役をやっておるというような会社に、随意で年間三億だ五億だという取引をするということは、やはり疑惑のもとですよ。これは水田さん、やはりもうちょっときちっとした答弁をもらわぬとまことに不満であります。不満だけれども、もう持ち時間がなくなりますから、ここであなたとやりとりしてもしかたがありませんが、今後ひとつ十分そういう点も――今度会計検査院を呼んでやりますよ、大臣がそういうふぬけた答弁をしておるなら。きちっとひとつ証拠を出してもらって論議しないとだめだと思います。
それから、専売公社――これは主税局ですか、「いこい」と新生を五円ずつ今度値上げをするわけですが、この値上げによる増収分は、上げなかった場合よりどのくらいふえるわけですか、五円ずつの値上げで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/237
-
238・亀徳正之
○亀徳政府委員 今回の新生の値上げをしなければどのくらいの減収かということですね。――全然値上げをいたしませんと、いろいろ品種の間に動きがあり、そういう計算があってなかなかややこしいのでございますが、大体百二、三十億程度ではないかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/238
-
239・武藤山治
○武藤(山)委員 「いこい」は。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/239
-
240・亀徳正之
○亀徳政府委員 ちょっと「いこい」だけの計算をいまやっておりませんが、手元にありますのは、「いこい」と新生両方いたしますと七十億……(武藤(山)委員「百二、三十億なんてうそだ」と呼ぶ)失礼いたしました。いまの新生、「いこい」とおっしゃいますと、大体三級品全部という感じになってまいりますが、新生、「いこい」、「わかば」ということになりますと、これを全部据え置くということになりますと二百億近くになります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/240
-
241・武藤山治
○武藤(山)委員 その計算はどうしてやったかわからぬけれども、それは、これが値上がりになれば、ハイライトをやめあるいはピースをやめてこっちへだっとくるからという数字を適当に積算をして出した数字で、算術計算した数字でいったらずっと少ないわけですね。それはわれわれが修正すべきだという注文をつけるだろうと思って、たいへん大きい額になるようにこれは算出してある。ごまかしですね。
では、まずかりに算術計算でいってみましょうか。「いこい」はことしの売り上げ総金額が百五十九億四千万円でしょう、予算書では。この予算書うそじゃないでしょう、積算は。去年は幾らですか。「いこい」は百五十九億四千万ことしは見積もっているが、去年は幾ら見積もっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/241
-
242・田村元
○田村委員長 専売公社のほうから答弁したらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/242
-
243・斎藤欣一
○斎藤説明員 四十二年度の新生の売れ行き見込みは二百七十億本ということになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/243
-
244・武藤山治
○武藤(山)委員 それが今度五百十一億……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/244
-
245・斎藤欣一
○斎藤説明員 新生でございます。新生は御承知のとおり一本二円でございますので、定価額にいたしますと、二百七十億本に二円をかけました五百四十億円になります。ただ、公社の収入の場合で申し上げますと、それから小売り人の販売手数料というものを引かなければならないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/245
-
246・武藤山治
○武藤(山)委員 ちょっと、予算書で質問しておるのだから、ひとつそれで答えてもらいたいのは、ことしの新生の売り上げ予定額は五百十一億九千八百万円ですね。この数字は間違いないですね。予算書にそう出ているのですから。そうすると、去年の総収入金額、この予定は幾らだったかというのです。その差額が今度の値上げによってふえた分でしょう、算術計算をした場合は。二百七十億だったのが急に五百億も売れるのですか。倍近くになるのですか。そんなに新生が売れますか。それは予算書の三八ページです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/246
-
247・亀徳正之
○亀徳政府委員 こまかい数字は専売公社から説明いたしますが、やはり機械的にその差額だけでやることは非常に危険でございまして、新生を据え置きますと、ハイライトその他から新生に移るものが相当ある。そういう計算をしないと実際的ではないということで計算いたしてございます。こまかい計算の根拠は、私もちょっと十分に……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/247
-
248・武藤山治
○武藤(山)委員 そこらの計算のしかたが、とにかくたばこを据え置きにしろというわれわれの要求があるものだから、額が二百億になるような見せかけの積算をしておる。私は断定しますよ。だって、去年新生が二百七十億しか売れないものを、ことし五百十一億円売れるはずないですよ、さっきの答弁が正しければ。去年はそんな予算じゃないでしょう。二百七十億じゃないでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/248
-
249・牧野誠一
○牧野説明員 ただいまの新生の四十二年度の数字でございますけれども、実は私、四十二年度の予算書をちょっと手元に持っておりませんのですが、補正予算で八十億、専売益金を余分に計上いたしましたわけですが、その段階ではじきました数字では、本数にしまして二百六十九億本、それで四十二年度の売り上げといたしましては五百三十九億円を予定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/249
-
250・武藤山治
○武藤(山)委員 四十二年度が五百二十九億でしょう、売り上げが。それでことしの予算は五百十一億なんですよ。新生は減っているんだよ。だから新生をかりに五円値上げをしなかった場合に幾ら減収になるかとぼくは聞いていたわけだ。ところがその計算がない。ごっちゃにしているわけですね。値上げをやめると、新生、「いこい」、「わかば」、ごっちゃにして二百億減収になっちゃうんですよ。こんな大ざっぱな説明では許されぬですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/250
-
251・亀徳正之
○亀徳政府委員 新生については先ほど申し上げましたように、全然据え置きますと百二、三十億と申し上げておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/251
-
252・武藤山治
○武藤(山)委員 新生だけで。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/252
-
253・亀徳正之
○亀徳政府委員 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/253
-
254・佐々木庸一
○佐々木説明員 ちょっと申し上げておきたいのでございますが、新生は最近のところ売れ行きがだんだん減る傾向を示しておりまして、四十二年度におきましてはその売り上げ本数は四百三十億本でございます。金額は八百六十一億円でございましたけれども、四十一年度はそれが本数におきまして三百六十二億本強、金額は七百二十五億円。それがまた四十二年度になりますと二百六十九億本、先ほど牧野総務理事がお答え申し上げました五百三十九億円というふうに、かなり「わかば」に食われたりいたしまして、減る傾向を示しているものでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/254
-
255・武藤山治
○武藤(山)委員 そこで、せめて新生、「いこい」くらいは、大臣、いまの物価が上がる情勢の中で国民が期待しているのは――大衆に負担はかけないんだ、総理大臣はここで、大衆には安くした、バットと朝日は上げないんだから大衆の値上がりというものは考慮したんだ、こういう答弁をしましたけれども、新生と「いこい」を上げずに済ましたならば大衆負担軽減に考慮したということは言えるでしょうけれども……。
大衆とは何ですか、大蔵大臣。総理大臣は大衆の負担は重くしないために考慮したと言われた。大衆というものは、バットと朝日を吸う階層、これが大衆ですか。どうですか。大衆とは何ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/255
-
256・水田三喜男
○水田国務大臣 私は、このたばこの問題できょうまで大衆ということばを使ったことはございません。嗜好品でございますので、これは現に国会議員でバットを吸っている者もございますし、生活保護者といえども、これは嗜好品でございますから、もっと高いたばこを吸っている者もございますので、この嗜好品に関する限りむやみに大衆ということは使えないものと思って、私は使っておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/256
-
257・武藤山治
○武藤(山)委員 そうすると、バットと朝日を値上げをしなかったのはどういう考慮ですか。大衆負担を軽減するのでなくて、どういう考慮ですか。朝日とバットをやめたのは、別なことばで言うとどういう考慮ですか。――だめだ、だめだ、大臣だ。これは認識論争だから。しかも、総理大臣がここで答えたときに大蔵大臣はおったのだから。大衆たばこは上げませんと言った。だから、大衆とは何だといっている。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/257
-
258・倉成正
○倉成政府委員 大臣にかわってお答えします。
朝日とゴールデンバットは特に老人層その他特殊な嗜好者の方が吸っておられますし、また、一部においては低所得の方が吸っておられる、全体としてのウエートが非常に少ない、そういうことから据え置いておるわけであります。それからハイライトは御案内のように、全体の四割を占めておるということでありますから、その消費量が多いということを基準といたしますと、これは大衆的なたばこといわれるのではなかろうか。そこでハイライトの値上がり率は十円ということで、他のたばこの値上げよりも低くしておる、そういう配慮をいたしておるわけてあります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/258
-
259・武藤山治
○武藤(山)委員 大蔵大臣、ゴールデンバットの売り上げは全部で十八億ですよ。予定が十八億。それから朝日が八億七千万円。だから、この二つは値げしなくてもまあ税収にはあまり影響ないわということの考え方が先に働いておる、財政専売の考え方は。私はこれでは大衆の負担を軽減する考慮をしたと言えいないと思う。これは、したがって大衆の負担感をできるだけ軽くしなければならぬといういまの物価情勢のときに、思い切って新生、「いこい」くらいは五円ずつの値上げはやめるべきである。いまからでもおそくない。大臣、いかがですか。よし、それは全国の新生と「いこい」を吸っている人に喜んでもらう、いまからこれだけは五円の値上げをやめようと決断できる勇気のある政治家になれませんか、どうですか。――だめだ、だめだ、大臣だよ。この重大問題は大臣だよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/259
-
260・水田三喜男
○水田国務大臣 やはり財政収入を確保するというのが一つの目的であったということと、もう一つは、いま大衆という話が出ましたが、やはりたばこの何を国民は一番吸うかということになりますと、四割の売り上げを持っているハイライトが、むしろ大衆といえばいえる一種の嗜好品ということになるのではないかと思います。したがって、最も需要の多いものの値上げをできるだけ押えるということの配慮を今度はいたしたわけでございまして、特にこのパーセントから見たらそう多くない「いこい」、新生というようなものも、これだけを値上げせずにおきますと、さっき言いましたような嗜好のシフトが起こりますし、それによってこちらの期待する増収というものが非常に狂ってくるというような、もっぱら財政収入を確保するという観点も考慮しなければならぬというような点から、この上げ方を少なくすると同時に、最も売れるハイライトについての値上げをできるだけ抑制したということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/260
-
261・武藤山治
○武藤(山)委員 そうすると大臣は、ハイライト十本について五円、二十本について十円値上げをする予想ではなくて、二十本について四十円あるいは三十円、当初そう考えたのですか。それで、これは大衆たばこだから、需要の四割を占めておるハイライトだから、じゃ上げ幅を十本五円、二十本十円にしようということで下げたのですか。ほんとうはもっと一挙に二十円か三十円上げたかったのだけれども、まあまあというので大蔵大臣が押えて、これは大衆たばこだからというので今回の上げ幅に下げたのですか。いまの話を聞いているとそういうふうにとれますよ。そうですが。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/261
-
262・水田三喜男
○水田国務大臣 このたばこの値上げについては、均衡のとれた値上げということから考えますと、当初ハイライトはもう少し高くてもいいという意見が出ましたが、いま言ったようなことから十円にとどめたということであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/262
-
263・武藤山治
○武藤(山)委員 そうするとあなたは、幾ら国民の低所得者層から自民党政府に、新生、「いこい」ぐらいは値上げすべきでない、そういう強い希望があっても、新生と「いこい」をもとに戻すような考えは全くない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/263
-
264・水田三喜男
○水田国務大臣 御承知のように、従来の負担率が相対的に下がっているということから、今度はそのある程度の調整をするということから出たわけでございますので、したがって新生においても、今度きめる程度のものは、この調整という見地から見ても妥当なものじゃないかというふうに考えてきめたことでございますので、私はここへきて変更する考えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/264
-
265・武藤山治
○武藤(山)委員 この大蔵委員会で、社会党その他各党が「いこい」と新生だけ値上げをしない修正案をひとつ出そうじゃないかということに、もしかりになったら、大臣どんな感じですか。そうさせないように努力するか、もしそういう話が大蔵委員会でまとまるならよろしいという見解になりますか、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/265
-
266・水田三喜男
○水田国務大臣 これは国会がするということなら別にどうこうじゃないので、いま実はいろいろなことが国会次第になっておりまして、何日に税制を上げなければならぬといっても、もう皆さんの日によって上がることでございまして、あなた方がやられることについてはどうにもこちらは方法はないのであります。
〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/266
-
267・武藤山治
○武藤(山)委員 約束の時間ですから、やめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/267
-
268・渡辺美智雄
○渡辺(美)委員長代理 井手以誠君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/268
-
269・井手以誠
○井手委員 東海林さんに一言強く要請をいたしたいと思います。
あなたは経営についてとかくの批判がある専売公社の総裁に民間から就任されました。その使命は言わずとも明らかであると思っております。ところが、私二、三日前からあなたの御答弁なり指導性なりをこちらで伺っておりますと、やや意外な感がいたしました。いやしくも専売公社の総裁でございますから、一般から期待されたように、堂々と所信を述べてほしいと私は思います。副総裁やその他の人がかわって答弁するのではなくして、堂々と経営の本質について決意を述べてほしかったのです。そこで私はここにあえて関連質問に立ちました。
政府機関の予算書をちょっとあけてください、総裁。四五ページを見てごらんなさい。損益計算書。あなたのほうのいわゆる管理費といわれるもの、販売費及び一般管理費、これは四十三年度予算で四百三十六億円にのぼっております。この詳細についてはあとで同僚委員から質問があると思いますが、一方売り上げは七千百十五億円、それからたばこ消費税と納付金を差し引きますと、純粋の売り上げ金というのは二千九百七十五億円になるはずです。これは大臣も聞いておいてください。ほんとうの売り上げ高というものは三千億円そこそこです。この総売り上げ高の三千億円に対して、管理費が一五%に当たる四百三十六億円にのぼっております。通産省における一般企業の指導方針、企業会計から申しますならば――この項目はそのとおりです。福利施設費も、職員の給与も、その他もすべて同じです。ところが、製造業を中心とした一般企業の管理費は、昭和四十二年上半期において一〇・七%になっております。専売公社は電電公社や国鉄公社とは違いまして、大体一般企業、製造業と同じ性格のものであります。事業としては同じような性格でしょう。一般の企業においては一〇%そこそこで一般管理費がまかなわれておるのに、専売公社は一五%にのぼっておる。私はその内容の適否を申し上げません。あなたの総裁に就任された使命はここにあるのではないか。もっと管理費を節減して能率のあがるような運営をすることが民間から出られた東海林総裁の使命であると私は信じております。おそらくあなたは気ずかれなかったかもしれません。私はここで専売公社の仕事の内容がどうであるかは多くを申し上げませんが、選挙運動をしたり、数日前には大分へ裁判の傍聴まで行った。そんなひまは一般の企業にはないはずです。私は、管理費をもっと節減する必要がある、その余裕があると申し上げたいのです。それがあなたの使命です。私はきょうどうこうとは申しませんが、また来年の春、専売公社について審議する機会があるでありましょう。このあなたのほうの一般企業に対して、非常に膨大な管理費についてどういうふうに刷新される決意であるか、その点だけ私はきょうお伺いしておきたいと思います。もちろん、たとえ民間出身であろうとも単身公社という牙城に乗り込んで簡単に刷新ができるとは、私も甘くは考えておりません。しかし、それをやり遂げるのが民間出身のあなたの使命である。大過なく過ごすことは総裁の仕事ではありません。断固として勇気を持ってやってほしい。私は製造原価については申し上げません。私は管理費について、特にあなたの勇断を要望してあなたの決意をお伺いしたい次第であります。
〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/269
-
270・東海林武雄
○東海林説明員 ただいま先生から御指摘のありました一般管理費の問題につきましては、もちろん、私どもとしましてもこれは考えていかなければならない問題でありますし、この面の節約、これだけではございませんけれども、この面に関するそういうような節約と申しますか、合理化をする方向でこれから努力していきたい、かように考えておりますので、御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/270
-
271・井手以誠
○井手委員 多くは申し上げませんが、もっと気魄を持ってほしいです。来年、半年先でありますか、一年先でありますか、またあなたをお呼びしてお伺いする機会があるでしょう。それまでにはひとつ実績のあがるようなあなたの創意と努力、決断を私は切望いたす次第です。これで終わります。
それから大蔵大臣、ちょっと一言、塩専売については、数年前、臨時行政調査会から廃止すべしという答申が出されておりますが、その点について大臣はどうお考えになっておるか、存続するという考えであるのか、どうなさるおつもりであるか、この機会に承っておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/271
-
272・水田三喜男
○水田国務大臣 専売をやめる方向で考えておりますが、まだ民間の指導技術の問題でもう少しというところだと私は思っています。もう少しこれは続けなければならぬかと思いますが、なるたけ早い機会にやはり専売をやめたいという方針でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/272
-
273・田村元
○田村委員長 村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/273
-
274・村山喜一
○村山(喜)委員 きのう質問をいたしました中で、経済企画庁いなかったから返事がなかったわけです。その点だけははっきりさしておきたい。
それは、酒の増税及びたばこの値上げ分については、物価上昇率の四・八%の中に織り込んである、これははっきりしております。しかし小売り手数料の値上げ分、これについては四・八%の中には織り込んでない。この点だけはっきり確認してよろしいですか、それだけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/274
-
275・八塚陽介
○八塚政府委員 酒につきましては、従来申し上げておりますように、酒税相当分以外の小売りが最終的にどういうふうになるかはっきりいたしておりませんので、私ども一応おおむね〇・一%程度というふうに言っております。
それから、たばこにつきましては、小売り定価が幾らになるかということで計算いたしておりますので、従来たばこについて〇・二%程度と言っております中には入っておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/275
-
276・村山喜一
○村山(喜)委員 〇・一%の中には増税分だけしかファクターとしては入ってないでしょう。酒の小売り段階における値上げについては、当然予測をしてないはずです。織り込んであるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/276
-
277・八塚陽介
○八塚政府委員 通常消費者物価指数にどれくらい影響するかという計算をいたします場合は、値上げ率とウエートで計算を一応近似的にするわけでございます。その場合に私どもでは、小売りについてはまだ確定いたしませんので、一応増税分だけ計算をして、そうしてそれがどれくらいフレるであろうかということについてははっきりいたしませんので、表現として〇・一%程度ということで従来言っております。ですから、もちろん程度という中には計算ができないという意味を含んでいるのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/277
-
278・村山喜一
○村山(喜)委員 何だかんだと言わずに、入っていないのなら入っていないと言えばいいじゃないか。増税分は入っている。だけれども、小売りの合理的なコストアップの分についてはこれから国税庁を中心に検討をする。その分は当時要素の中には織り込んでいないはずだ。だから、織り込んでいないと言うのが正しい。だんだんによく聞いておれば、織り込んでいないようなふうに解釈できるのですけれども、織り込んでいないということをはっきり言っておいて間違いないのでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/278
-
279・八塚陽介
○八塚政府委員 いま手元に確定的な数字を持っておりませんが、〇・一%程度というときには小売り価格がフレるであろうということを前提にいたしております。ただ〇・一%程度は、かりに著しく小売り価格が増税分にプラスして動けば、もちろん〇・一%より多くなるわけでございますが、私どもとしてはそれほど小売り価格が増税分に対して著しく、計算上非常に響くほど影響をしない程度にしか上がらないだろうという前提で〇・一%程度という表現をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/279
-
280・村山喜一
○村山(喜)委員 〇・一というのは酒の増税分のはね返り分でしょう。だから入っていないのですよ、小売り段階の値上げ分はその〇・一%程度の中に。あなたは入っているといってあくまでも言い張るから、そういうことをいつまでも聞かなくてはならぬ。当然予測されていないのだから入っていないと、はっきり言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/280
-
281・八塚陽介
○八塚政府委員 御承知のように、たばこについてはきわめて確定的に小売り価格が出るわけでございます。それからたとえばその他の問題といたしまして、例の国鉄運賃の定期代の割引率の変更、これも一応計算は確定的にできるわけでございますが、酒につきましては、これは再々繰り返すようでございますが、すでに問題になっておりますように、小売り価格というのは予想できないわけでございます。したがって、どういう計算をするかということになりますと、まず増税分が、これは先ほど来企画庁長官が申し上げておりますように、その分が値上げになるのはやむを得ないだろうということでまず計算をいたします。それに対しまして小売り価格がどれぐらいになるかということは、これは先ほど来すでに御指摘になっておりますように、はっきりしないわけでございますから、その分については計算ができない。できないために〇・一%程度というような表現をせざるを得ないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/281
-
282・村山喜一
○村山(喜)委員 あなたは、その程度の中に幾ら入っておるのか、入っているようなことを盛んに印象づけるように言っておるけれども、入っていないものは入っていないわけだから。それをあくまでも言い張る、それがおかしいのですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/282
-
283・八塚陽介
○八塚政府委員 かりに酒の増税分だけをきちっと計算いたしますと、必ずしも〇・一にはなりませんけれども、手元に現在数字は持っておりませんから、その意味では……(村山(喜)委員「イエスかノーかだけ答えろ」と呼ぶ)私どもといたしましては、入っておる、入っていないということについて計算ができないので、〇・一%程度というときには一応入っておるという計算をしたわけでございますが、どれだけ入れるかということは言えませんものですから、結局〇・一%程度ということにいたしたわけであります。(村山(喜)委員「じゃあその数字を出してもらおう」と呼ぶ)計算ができませんものですから、〇・一%よりは低い計算に出るのでございますが、小売り価格がどれくらいになるか、それによって〇・一%というのが――大体小売り価格が入ってない場合〇・一ということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/283
-
284・村山喜一
○村山(喜)委員 〇・一の問題で時間をとりたくないんだけれども、あなたは〇・一の中には入ってない、〇・一程度の中には入っている。ではその「程度」の数字を出しなさい。おかしいじゃないか。その当時においては、小売りの値上げについてはそれは計算の基礎外に置いているはずです。それをいまだんだんに話が詰まってくると「程度」の中に入っている。その「程度」のものの数字を出しなさい。入ってないなら入ってないと言いなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/284
-
285・八塚陽介
○八塚政府委員 私どもは、当初計算いたしましたときには、小売り価格の問題について一応計算の外ということで当時計算をいたしたわけでございます。ただ、ああいう計算にアローアンスがございますから、そういう意味でその後の情勢を見まして「程度」ということにせざるを得なかったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/285
-
286・村山喜一
○村山(喜)委員 四・八という数字をあなた方は出した。出したときに酒の値上がり分は〇・一ということで出している。その分の増税分として出しているはずだ。それをいまになって便乗値上げの分は予想されるのでこの〇・一の数字をあなたは動かそうとしておる。その「程度」ということばにおいてごまかそうとしている。四・八という数字を政府は責任を持って出そうとしているのですよ。国会へ出しているわけなんだ。それをいまの段階になってから、〇・一程度の中に入っている、そういうようなものの言いぐさがありますか。その当時においては策定をしていないんだから、当時においては入っておりませんと言えばそれでいいじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/286
-
287・八塚陽介
○八塚政府委員 四・八を当時計算をいたしましたときは、まず昨年の十二月でございます。それからその後策定をいたしましたのが、十二月当時は「程度」ということであったわけでございますが、策定をいたしまして閣議決定になりましたときは四・八という数字できちっとした数字を一応出したわけでございます。
ただ、くどくど弁解するのもなんでございますけれども、そういう計算の過程と同時に、ああいう数字の中には若干のアローアンスがございます。特にそのうちで一番問題になりましたのは、いわば酒の小売り価格――たばこのほうはいわば確定的に出るわけでございます。そういう意味で酒だけを取り出して申し上げますと、私ども「程度」ということで言っておりますが、しかし全体として四・八という数字自体につきましては、私どもいわばそういうアローアンスのない数字で申し上げておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/287
-
288・村山喜一
○村山(喜)委員 だから四・八のその中で、酒の値上がり分による分は〇・一という数値が入って四・八という確定した数字が出されているんでしょう。だから、当時においては酒の小売りの値上げ分については入ってないはずなんだ。その点を明確に答えさえすればいいんですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/288
-
289・八塚陽介
○八塚政府委員 たばこにつきましては、先ほどから御理解と申しますか、ああいう計算になるわけでございますが、酒につきましては、増税相当分を計算をすればどういう数字が出るか、ただその場合の増税相当分のときに若干まるい数字を使っております。したがいまして、「程度」ということを申し上げたわけでございますが、そのまるい数字というのは、必ずしも小売り価格が不確定であるということを予想してまるい数字を使ったのではなくて、増税分というものをややまるくして計算をしたということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/289
-
290・村山喜一
○村山(喜)委員 そうすると、〇・一というのは増税分プラス小売り値上げ分が入っておるとあなたの説明は受け取れる。それは間違いありませんか。おかしいじゃないか、その当時から認めているのだったら、経済企画庁長官の物価の委員会での発言はおかしいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/290
-
291・八塚陽介
○八塚政府委員 私ども、いま申し上げましたように、プラスマイナスのときに若干まるい数字を使っております。私どもとしまして、当時〇・一というのを計算したときは、小売り価格がその間にいわば便乗的に上がるとかなんとかいうことは計算をしないで計算をいたしております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/291
-
292・村山喜一
○村山(喜)委員 いまの答弁でようやく便乗値上げ分を計算していないということがわかった。簡明率直にイエスかノーかでいいんですよ。ぼくは只松君の時間をもらって質問をしておるわけなんで、みんなが迷惑をするから、その点は今後あなたは――ビール三円値上げしただけで二百億円の増収がメーカーの手に渡るんですよ。だからその当時において物価特別委員会で、宮澤さんがビールの値上げは許さないということを言明をした。大きな新聞の活字に出たでしょう。これは当時そういうファクターとして計算をしてないからこそ真剣に答弁をしておるわけなんで、それをあたかも入っておるかのごとく説明をしておるということは、この場のがれの答弁になりますから、今後は注意してもらいたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/292
-
293・田村元
○田村委員長 只松祐治君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/293
-
294・只松祐治
○只松委員 公取にお尋ねいたします。
昨年の十二月二十日の当委員会において、公取の事務局長においでをいただきまして、酒のおけ買いの問題等についてお尋ねをいたしました。私は、酒のおけ買いが不当景品類及び不当表示防止法の第四条に抵触するものではないか、こういうことをお話ししたわけです。私のところにお見えになった担当事務官の人は、明らかに抵触をいたします、こういうお話がありました。当委員会でお聞きいたしましたところ、まあ何とかかんとかごまかして、引っかかるような引っかからないようなところは、具体的な事実があったら調査いたします、こういうことでお逃げになった。そこでひとつ、こういう具体的な事実があるから皆さん方のほうでお調べをいただきたい、こういうことでお願いをしておりましたが、その後一向にナシのつぶてでございます。皆さん方のほうで調査をして、どういう結果が出たか、お聞きをいたしたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/294
-
295・山田精一
○山田政府委員 先般お尋ねのありましたおけ買いの問題でございますが、景表法の第四条によりますと、これは御承知のごとく、著しく優良であるものと消費者に誤認させるような表示をいたした場合に触れることになっておりますが、おけ買いの場合、大体においてある有名な銘柄が、自分の責任におきましてある程度の管理を加えた酒を買って、それに自分のブランドをつけさせておるものが大部分であるのでございまして、その場合にはこの不当表示にはならないのではないか、かように脅えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/295
-
296・只松祐治
○只松委員 じゃ、酒の二級酒、一級酒、特級酒、デラックス特級酒、その品種の各銘柄の相違、あなたが知っている限りのことをひとつ話してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/296
-
297・山田精一
○山田政府委員 私、不勉強で特級、一級、二級の差を存じませんでございますが、これは国税庁におかれまして十分取り締まっていらっしゃることと私考えておるわけでございます。したがいまして、もしも二級の酒をおけ買いをしてきて、それに特級の何某というレッテルを張れば不当表示の疑いは多分にあるのでございますけれども、かりに特級の規格を備えておる酒を買ってきまして、それに自分の特級のブランドを張っております場合には、これはあながち不当な表示とはいえない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/297
-
298・只松祐治
○只松委員 あなたが知らなければ、そこに事務官がたくさん来ているでしょうから、そういう不当表示でないとあなたが言うのだから、二級、一級、特級の相違を言いなさい。言わなければ私が教えてやりますけれども、まずあなたのほうから答えなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/298
-
299・山田精一
○山田政府委員 酒の等級は私どもの専門ではございませんので、存じませんけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/299
-
300・只松祐治
○只松委員 担当官がいるだろう。調査するためにいるのだから、担当官連れてきて答えなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/300
-
301・山田精一
○山田政府委員 担当官も、これは特級酒と一級酒との差ということは……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/301
-
302・只松祐治
○只松委員 じゃ、なんで調べたんだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/302
-
303・山田精一
○山田政府委員 具体的のケースはお示しを願っておらないように私は聞いております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/303
-
304・只松祐治
○只松委員 示せばという話もあった。しかし、あなたのほうでも調べなさい、私はこう言っているんです。調べますという話になっている。第一、特級か一級かあなたは知らぬかもしれぬですけれども、担当官の人は、そういうものがあったら調査しているはずです。していないから結局わからないのです。国税庁の人はある程度知っていますよ。泉さんなんか酒は詳しいのだから知っているでしょう。あなたのほうで知っていなければ、担当官のメモでも出して答えなさいよ。これは私が言うように、担当の事務官が来たときには、明確に違反ですよと私の部屋に来てこう言ったのですよ。それが、事務局長が来たら、そんなことはありませんと答弁を逃げたのですよ。どこからか上から、酒屋さんや国税庁やそういうところから圧力がかかったということくらいはわかりますよ。純粋な担当事務官の答弁を、私はあとでその違いや何か順次示してまいりますよ。あなたたちがどのくらい違っているか違っていないか、酒倉の話から、きょうは時間がありますからやりますよ。ひとつ違いを言いなさいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/304
-
305・山田精一
○山田政府委員 担当者はきょう参っておりませんけれども、具体的の例をお示し願ったとは私ども報告を受けておりませんのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/305
-
306・只松祐治
○只松委員 その当時もう一つほかにも、これの一つの結論みたいなことになるのですけれども、レッテルだけの表示を送ってやっておる、それもありません、具体的なものをお示しください、こういうことになっているのですよ。いいですか、酒一般のことはあなたのほうも調査しよう、私のほうはレッテルだけを送ったものがある、こういうことを言ったら、いやそれはない。泉さんもないと言っている。そのあとで、いろいろでたらめも答えている。酒はまぜればまぜるほどうまくなります、でたらめなことを言っている。ここに速記録にもちゃんと載っているわけです。だから、そのときは私も時間がなかったし、二、三十分の質問時間ですから、みなあなたのほうが適当に逃げたわけです。いいですか、きょうはそういうわけにいかない。具体的にあなたたちがお調べになった――私が具体的事例を出すということでなく、あなたたちのほうがお調べになった、特に二級、一級、特級の品質の相違を言いなさい。そばにおる人に聞いてでも言いなさいよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/306
-
307・泉美之松
○泉政府委員 私のほうの所管のことでありますから、私から申し上げますが、特級というのは、通常アルコールが十六度以上のものをいいます。それから一級というのは、アルコール分が十五・五度以上十六・五度未満のものが一級ということになっております。したがって、十六度から十六・五度までの間は一級と特級がアルコール度がダブっているのが現行酒税法でございます。それから二級と申しますのは、アルコール分が十五度以上十六度未満のもの。したがって、この点につきましても、十五・五度から十六度までは二級と一級はアルコール分がダブっております。それから一級と特級につきましては、酒類の品質部会におきまして官能審査をいたすことになっております。そうしていまのアルコール度数のほかに、特級につきましてはその品質が優良であるものということになっております。それは官能審査によってこれをやります。それから一級はその品質が佳良であるもの、こういうことになっておりまして、特級、一級ともそれぞれ品質部会におきまして、鑑定官をはじめ卸、小売りなんかで品質鑑定の能力を備えている者が集まりまして、多数の者の決定に基づきまして、これは特級に認定してよい、これは一級に認定してよい、という品質部会の決定に基づきまして認定をいたしておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/307
-
308・只松祐治
○只松委員 いまちょっと話がありましたが、一つの科学的な根拠というのは、アルコールの度合いだけなんです。アルコールの度数、わかりますか山田さん、しかもいま話がありましたように、二級は大体一五%、しかし泉さんの説明では一五%から一六%の間、一級が一五・五%、これは前の準一級です。これが下がって一五・五%の平均になっているわけです。特級が一六%ですね。大体二級、一級、特級では〇・五%ずつ、しかもこれはダブっているやつがあるわけですよ。平均しても〇・五%ずつ違っているか違っていないか。一%ではありませんけれども、〇・五%ずつ。しかもさらにその品質というのは何かといったら、通常酒屋の子が舌感というやつで判断しているのですよ。いいですか、その舌感というのは個人差もありますし、そのときの個人の健康状態もいろいろあるでしょう。きわめて非科学的なものです。人によっては非常に違うといわれている。だから目隠しをして、これが二級であるか、一級であるか、特級であるか、テレビあたりでときどきやっているでしょう。わからないでしょうが……。ビールでもキリンビールは苦いといわれたって、通人ぶった人でもほとんどわからないでしょう。いいですか、目隠ししてほんとうに飲ましたら、二級、一級、特級だって、よほどでないとわからないのです。これがほんとうにわかるというなら、わかるかどうか、あなた、それから国税庁長官、どういうふうにわかるか、ひとつ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/308
-
309・泉美之松
○泉政府委員 これはおことばでは舌感ということでございましたが、舌感だけでなく、舌並びにのど越しまでを含めまして、先ほど申し上げましたように、これを専門用語で官能審査といっておるのであります。これは醸造試験所並びに全国の鑑定官室の技師の方が中心になっておりまして、そういう専門家がおりまして、その専門家の多数決によってきめておるのであります。確かに個人差が若干ございます。したがって、ある酒をいいとする人もあれば、その酒はだめだという人もあります。そういう意味で、確かに万人が見て一定ということにはなかなかなりませんけれども、しかし、われわれのほうのやっております十数名の委員が集まって、官能審査をするわけでありますが、その十数名の者の一致したものだけを特級なり一級に認定いたしております。そういう点からいたしますと、特級、一級の間の区別はあるということがいえると思うのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/309
-
310・只松祐治
○只松委員 だから、あるといえばあるのですよ。しかし、ないといえば――まあ、あなたはおこるかもしれぬけれども、その差というのはきわめて僅少なんですよ。これは二級だからこんなにまずい、一級だからこんなにうまい、特級だからこんなにうまい、こういう差というものはないのですよ、これは科学的なアルコール度合い以外には。また、その酒倉のしぼりぐあいなり、そこの酒倉の技術なり、そういうものによって、あるところの二級があるところの一級よりうまい場合もあるのですよ。いいですか。二級が必ずしもまずいということじゃないのですよ。ある優秀なメーカーのものよりも地酒の二級のほうがよほどうまいというのが、いまたくさんあるのですよ、御存じですか。二級がまずいと思うんですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/310
-
311・泉美之松
○泉政府委員 これはもうおっしゃるとおりでありまして、私先ほど申し上げましたように、特級、一級というのは、業者がこれを特級で売りたい、一級で売りたいという場合に、酒類審議会の品質部会のほうに認定をしてくれといって持ってまいるわけであります。それについて、いま申し上げましたように、品質部会のほうで十数人専門家が集まって認定することになるわけであります。したがって、いなかの小さなメーカーの場合に、特級なり一級で売れる品質のものをつくってはおりますけれども、しかしそれで商い値段で売るだけの力がないと申しますか、そういう場合には、たとえ品質からいたしますと特級なりあるいは一級の品質を備えておるものでも二級で売られます。したがって、二級がすぐ特級、一級に比べて悪いというものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/311
-
312・只松祐治
○只松委員 その上に十数人がお調べになっておるといいますが、製造工場数は現在で、昭和四十一年三千八百十九あるわけですよ。これがそれぞれ二級、一級、特級とか、デラックス特級なんかをつくって、それぞれ審査を受けるわけですからね。きわめてこれは容易ならざることだということも、そういうところからわかるでしょう。それぞれに各県には各県でおいでになるわけです。
要するに、私がこういうことだけ言っておっては時間がたちますから、ここで一つの結論を言いますけれども、酒の一級、二級、特級というようなものは、アルコールの〇・五%前後の相違の科学的なものはあるけれども、あとは決定的なものはない。月桂冠の特級は埼玉の地酒の二級酒よりもまずい、こういうことだってあるわけです。現にあるのですよ。しかし、まああとで言いますように、これは結局宣伝その他の力によってこういうことがなされておる。
そこで、おけ買いの問題が出てくるわけですけれども、この前事務局長も泉さんも、要するに一流メーカーなり、ちゃんとした銘柄の売っておる――私はここに十大銘柄の資料をいただいておりますけれども、こういうところが売っているんだから悪い品質のものを売ろうはずがない。それは自分のところのレッテルが泣く。あるいは自分のお酒が売れなくなるからそういうことはないとおっしゃる。ところが、そうじゃなくて、こういう有名品の一級よりも、あるいはもっと極端な場合には地方の地酒の二級がうまかったり、そういうことがあるわけです。そういうことで、いわゆる二級、一級、特級、デラックス特級というような決定的なものがないということをよく知っておいてくださいよ。何か二級は飲めば頭が痛くなって非常に悪い酒だ、一級なり特級を飲めば、月桂冠や白鷹を飲めば非常にうまいんだ、こういう誤った考え方というものはありますけれども、公取委員長、このくらいの誤った考えくらいはそうではないということをひとつ確認をしてくださいよ。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/312
-
313・山田精一
○山田政府委員 十分によく承っておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/313
-
314・只松祐治
○只松委員 結局酒の品質というものは、そういうふうにそう大差がない。
そこで、問題になってくるのは、今度は銘柄ということになってくる。銘柄は、御承知のようにここで十大銘柄がありますが、日本のいまの十大銘柄は月桂冠、白鶴、白鹿、白雪、菊正宗、大関、日本盛、千歳鶴、澤之鶴、松竹梅、こういうものが十大銘柄。これからあとにも続いております。この銘柄を売っておるのがおけ買いというものをやっておるのですが、おけ買いがどういうふうに、どの程度、どうやって買われておるか、その内容を御承知ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/314
-
315・山田精一
○山田政府委員 私よく存じておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/315
-
316・泉美之松
○泉政府委員 おけ買いの制度は、只松委員御承知だと思いますけれども、明治の初めからおけ買いという制度は行なわれております。ただ最近問題なのは、おけ買い数量がだんだんふえてまいっておることであります。たとえて申し上げますと、昭和三十六年度におきましては、清酒総数量中に占めるおけ売り数量が一三・二%であったのであります。これが昭和四十一年度には三一・八%と約二倍ちょっとにふえておるのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/316
-
317・只松祐治
○只松委員 いまお話しになったような全体の数量はそうですし、それから製造工場数にいたしますと、三千八百十九軒のうち八〇・五%というのがおけ売りをやっている酒屋、自分のところだけでつくって。逆におけ買いをしておるのは約二〇%、売っておるのが八〇%、こういう状態になってきているんですよ。石数にしてみればさっき言ったようなことですけれども、工場数にすれば二〇%のいわゆる大会社といいますか、宣伝をしておる会社が全国の酒造業者の八〇%の酒をおけ買いしているわけです。こういうことは正しいことなり、いいことだ、こういうふうに公取ではお考えですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/317
-
318・山田精一
○山田政府委員 これは、たとえて申せば下請に出しておる場合、ほかの商品の場合にも下請に出す場合がございますので、ある銘柄が自分の責任において管理を行なって、その酒に自分の名称を付させておるということでございますならば、法律にいう著しく優良なものと消費者に誤認させるものではなかろう、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/318
-
319・只松祐治
○只松委員 たとえばこの前も例を引いたんですが、岡山の酒倉は広島の下請、あるいは灘の近くは灘の下請、こういうことで多少系列化したり下請化をいたしております。しかし、それはまだ部分的であって、余ったところの酒をどんどん買いたたいてくるわけです。買い集めてくるわけですね。不特定のものを買ってきておるのですよ。まだ系列化はしていないのですよ。あとで全部調べてごらんなさい。系列化しておるなら系列化しておるで公取の言うように別の問題ができますけれども、系列化しておらない。不特定のものを集めて酒を買っている。そこに、私がいまから質問しようとしている銘柄の問題が出てきているわけですよ。そういうことでいいかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/319
-
320・山田精一
○山田政府委員 その品質につきまして全然知らないでいて、自分のレッテルを付しておるということであれば問題の余地があるかと存じますけれども、ある程度その品質を知りました上で自分の名称を付させるということはあえて違法ではなかろう、かように存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/320
-
321・只松祐治
○只松委員 それならば、私が言うように全然知らないで一どこの子供かわからないようなものをもらい子して育てるということならあれですけれども、全然どこの酒かわからないといいますか、ここいらで余っているそうだから買いに行けというようなことでも買われているわけですね。それがこの一流のレッテルのあれを張られるわけですよ。さらに、そういうふうに実際上いろいろな酒を集めてきてするということだけでない。これに今度は宣伝がつきまとっているわけですね。灘で生まれて灘で育って何とかのうまい酒、米どころ秋田でとれて何とか、これは酒の名前を言うと宣伝になりますからあれですが、灘なり秋田なりの酒を宣伝をするときに、いかにも灘の水でつくり灘でやる、こういうふうにテレビなり何なりでいろいろやっているでしょう。いろいろな形で、秋田の米どころ秋田の水でうまい酒、とこうやっているでしょう。ところが、そうでなくて、埼玉なり群馬あたりの酒が秋田の酒になっている。あるいは滋賀や名古屋あたりからこっちのものが灘の酒になって、全然違う、完全なインチキ広告ですよ。土地の、駅から一時間あるのに駅から十分、こういう形のインチキ広告とは違いますけれども、全然生産地も異なり、生産の場所も異なる、そういうものがそうやって宣伝だけによって売られている。これは牛乳の不当表示より、もっと悪質だと私は思っているのです。いやそういうことはない、品質はたいして違わない――あなた何を弁護しようとしているのか私はわからないけれども、どこでとれたって変わりはない、あるいは秋田の米でつくったのだと宣伝したって文句はない、灘の水でとれて育ったといったって文句はない――かまいませんか。こういうことがかまわなければ、あとはあんな宣伝したって、そこらの不動産屋の不良広告も取り締まりなさんなと私は言っている。これだけでたらめな宣伝なり何なりしておいて、ちょいとしたから不当表示なんというのは、私は別の意味でたいへんちゃんちゃらおかしいと思うのです。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/321
-
322・山田精一
○山田政府委員 不動産の広告の例を御指摘がございましたが、これはおっしゃいましたように、歩きますと二時間五十分かかりますところを徒歩でもって十五分というような、著しく優良な表示をいたしまして消費者の選択を妨げておるわけでございますから、処分をいたしておるのでございます。
お酒の場合に、なるほど秋田の酒を灘の酒と宣伝いたしますことは道義上は問題があると思いますけれども、法律上著しく優良である――先ほど来お話しのように、お酒の品質というものはアルコールの度数の違いはございましょうけれども、それほど一見してすぐに優劣の差があるというものでもございませんので、これを著しく優良なるかのごとくに消費者をして誤認せしめるという範疇に直ちに入るとはいえないのではないか、かように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/322
-
323・只松祐治
○只松委員 それは不動産のやつは例の引き方が極端な言い方ですが、あなたは少し前コーヒー牛乳をやったでしょう。あるいはその前にいろいろなことをやったでしょう。コーヒー牛乳と牛乳の相違、どの程度どういうふうに変わっているとか、これをやられてコーヒー牛乳という文字をはずすようになったでしょう。私は酒という文字をはずせ、そこまで言っていないのですよ。灘でないものを、灘で生まれて灘で育ったといって、そういうものが何でインチキ広告にならないのですか、こう言っているのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/323
-
324・山田精一
○山田政府委員 コーヒー牛乳のお話がございましたが、コーヒー牛乳の場合は、厚生省の乳糖省令によりまして牛乳というものの定義が定められております。正確には記憶いたしておりませんけれども、脂肪が三・何%でございましたか、それから固形分が何%以上ということがございまして、いわゆるコーヒー牛乳はその規格に合致いたしておりませんものでございますから、処置をいたしましたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/324
-
325・只松祐治
○只松委員 私はいま平面的な議論だけしておるわけですが、こういうことをちょっと聞いておきますけれども、泉さん、二級、一級、特級、デラックス特級の値段をひとつ言ってください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/325
-
326・泉美之松
○泉政府委員 二級は先ほども堀委員のときにお答えいたしましたように、一・八リットル当たり五百五十円のものが一番多いわけでございますが、そのほか五百六十円、五百八十円というものがございます。一級でございますと、同じく一・八リットル当たり七百五十円というものが一番多いわけでございます。そのほかに七百二十円あるいは七百六十円というものがございます。それから特級でございますと、一・八リットル当たり千五十円というのが一番多いわけでございますが、そのほかに一番低いのは九百八十円、それから千三百円といった高いものもございます。なお、特級のうちで千三百五十円をこえるものが従価税率を適用することになっております。いわゆるデラックス特級の中には、これは必ずしも酒だけでなしに、入れておるつぼのほうが高いために非常に値の高いものもございます。たとえますと、一万二千円であるとかいったような値段のものがございますが、これは酒だけでなしに、つぼの値段が非常に大きなウエートを占めておるわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/326
-
327・只松祐治
○只松委員 地方の名もない銘柄であれば二級酒五百五十円で飲める。ところが、そこでコマーシャルベースに乗って宣伝をし何して、月桂冠になり白鷹になりということになって、それが一級になれば七百五十円になる、特級になれば千五十円になる。国民は実害を受けているのですよ。単なる平面的な論議じゃないです。そうやって灘で生まれて灘で育った酒でないのに、そういう宣伝だけのベースに乗っておけ買いで買われ、五百五十円で飲める酒を、あるいはもっと安く飲める酒を一級や特級にして飲まなければならないのです。その酒が、灘でつくったやつが北は青森から北海道まで行っていることになっている、ある場合には。あなた絶対ないというならば、これはあとで責任論争をいたしますけれども、あるかないかここで言ったのでは迷惑がかかることになりますから、あなたが責任をとり切るかどうか論争をいたしますが、そういうふうに、私は単に大きな酒屋をいじめようということじゃなくて、いまでさえ高い。これをまたあなたたちが、さっきからわが党の委員全員が論議したように、税金を上げる。税金を上げることに便乗して酒を上げる。こうやって上がってきている。こうやって国民が重税なり、酒の値段の引き上げに苦しんでいる。その一つの原因として、安く飲める酒が、こうやって不当表示をやっておるのを、あなたたちが取り締まらないために国民は高い酒を飲まされる。
中小の零細酒屋は、ぶうぶう言いながら、あまり言ったら国税庁や大蔵省ににらまれる、先生、ひとつうちから言ったように言わぬといてくれ、しかし、大会社はひどいですよ、とにかく何とかしてもらわなければ、だんだんだんだん、こうやって毎年毎年おけ買いの量が多くなっていることは、うちらは損をしておる、こちらはつぶれるほかに手がないのです、と言っている。しかも水田さん、地方に行って酒屋へ行ってごらんなさい、酒屋のおやじは、ほとんど自民党のボスや、県会議員か市会議員ですよ。酒屋の人で社会党の人がおったら、お目にかかりたい。まず、よほどの人じゃないといない。そういう人たちが、自民党に泣きついたってどうにもならないからといって、ぼくらに何とかしてもらいたいと言ってくる。私がこの前ちょっと質問したら、それから、あっちからこっちから投書も来るし、あるいは何とかお願いしたい、こう言ってきている。極端にいえば、私は自民党の地盤をつくるためにやっているようなものだ。ほんとうに、酒屋さんにとっては笑いごとじゃないのですよ。
これは余談になったけれども、そうやってあなたたちが適正な行政指導をしないために、国民が高い酒を飲まされている、このことを言っているわけです。その上に今度は税金がかかってきて、酒の値段が上がるわけですけれども、何とかしなければならないというぐらいの気は起こりませんか。これはあたりまえだと思いますか。これはちょっとは考えようか、そういうふうにお思いになりますか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/327
-
328・山田精一
○山田政府委員 ただいまの、実質は二級の酒が特級として表示されて売られておるということは、これは国税庁でもって十分御監督になっていらっしゃることでございますので、なかろうと思います。ただ、灘の酒であるとの表示がありながら、実質は秋田の酒であるということは、御指摘のとおりありますかと思います。これは道義的には、はなはだ適当でないことだろうと存じますが、法律の定めまする、「著しく優良なものである」というように消費者に誤認させるという表示に該当するかしないかはかなり議論がある、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/328
-
329・只松祐治
○只松委員 お聞きしますが、あなたは月桂冠の二級酒を飲んだことがありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/329
-
330・山田精一
○山田政府委員 私はあまり酒をたしなみませんので、経験ございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/330
-
331・只松祐治
○只松委員 泉さんでもけっこうです。月桂冠の二級酒を飲んだ人がありますか、ここで答弁してください。あるないじゃない、飲んだことがあるかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/331
-
332・泉美之松
○泉政府委員 月桂冠は、特級、一級が大部分でございまして、二級はほとんど出しておりません。私も飲んだことはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/332
-
333・只松祐治
○只松委員 逃げよう逃げようとしておるから、あなたの答弁なんか聞かなくたって、大体わかっている。ところが、あなたがそういう不正を取り締まる一番の張本人だから、あなたに答えさせる以外にないから聞いておる。もう少しまともに答えなさい。いいですか、月桂冠で二級酒というのは、あるかどうか知らないが、ほとんど売っていませんよ。さっきのゴールデンバットと朝日が、あることになっているのが売っていないのと同じです。ないのですよ。本来ならば、月桂冠だって二級酒ができているはずですよ、しぼりかすや、一番最後に。これ一つとったって、著しく誤認ですよ。ほかのところで二級酒で売られている酒が、月桂冠のおけ買いになっていけば、特級になり一級になるわけです。同じ五百五十円で飲めるものが、七百五十円や千五十円で売られているわけです、国民は飲まされているわけですよ。牛乳は、コーヒー牛乳と何円違いますか。こうやって何百円も違うものが、著しく誤認や何も迷惑をかけていませんか。同じ酒が、ある銘柄によっては二級であり、ある銘柄によっては特級であり一級である。五百五十円と千五十円だから、倍、五百円違っている。そういうことがあり得るのです。もうその問題を一番最初から巻き返そうとは思わないが、著しく店が迷惑をこうむるような、そんな品質の差というものはないのだ。水で埋めたインチキの酒というものはいまはないのですよ。一応の規格は通っている。しかし、こうやって銘柄を宣伝することによって、そういう中小の酒倉をおけ売りさせるように追い込む。中小の酒倉は困る、国民は二百円も五百円も高い酒に転嫁されて飲まされておる。このことをあなたは不当表示でも何でもない、こういうふうにおっしゃるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/333
-
334・山田精一
○山田政府委員 二級酒を特級酒であるというレッテルを張って売るということは、これは国税庁で十分御監督なさっていらっしゃいますので、そういうことはないと私は確信をいたしております。ただ、秋田でつくられた酒に灘でつくられた酒であるような表示があるかもしれないということは、考えられるところでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/334
-
335・只松祐治
○只松委員 そんなことを、泉さんから耳打ちされて言ったってしようがないですよ。泉さんが、地方の酒によっては二級酒であって一級酒よりうまいことがありますと言ったでしょう。聞いてなかったですか。だから、そのことは蒸し返したくないが、あるのですよ。この酒はうちでは一級にしたってなかなか売れないから二級で売っておる、しかし月桂冠にいったり、白鷹に持っていったら、一級酒で売られるのですよと、酒屋のおやじさんが言うのです。地酒ならば二級酒で売られる。しかしおけ買いで買っていかれれば、いま言ったように月桂冠に二級酒がないみたいに、一級になり特級になるのです。あなたたちはそんなことはないと言うが、あるのですよ。私は時間がないから一つ一つ論理的には進めてこないが、多少前提を置いて話を進めてきたつもりなんです。言っているように、二級が一級になるのですよ。何でも特級、一級。一級で二百円違い、特級で五百円違うのはけしからぬではないか、そういうことがありますならば何とか是正いたします、今日の段階ではわかりませんけれども調査いたします、そういうことがあれば国民のために何とかしましよう、と言うのがあなたのお立場ではないのか。それをつべこべ言いわけばかりしている。それならば、初めからあなたたちの言ったことを、速記を調べて論議し直しましょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/335
-
336・泉美之松
○泉政府委員 先ほど申し上げましたように、地方の銘柄の売れてないメーカーの場合におきましては、もしそれを酒類審議会の品質部会に提出いたしますれば、あるいは特級、一級の認定を受ける可能性のある酒がございます。それをそういう銘柄ではなかなか売れないからというので、二級で売っておる。その場合には、もちろん割り水の量が多くなりますから、先ほど申し上げましたようにアルコール度数で若干の違いが出てまいります。しかし、それをおけ売りいたしますと、おけ買いいたしましたほうで他の酒とブレンドいたしまして、そしてこれを先ほど申し上げました酒類審議会の品質部会のほうに持ってまいるわけであります。そして先ほど申し上げましたような官能審査を受けまして、それに合格いたしますと、特級なりあるいは一級ということになって売られる、こういうことでございます。したがって、もしその酒をいなかのメーカーが売るならば、あるいは二級でしか売れないかもしれません。しかし品質としては、もし品質部会のほうに持ってくれば、特級なり一級なりになり得る性質の酒なのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/336
-
337・只松祐治
○只松委員 時間があれですから繰り返しませんが、そのとおりです。ところが、それを月桂冠や何かが買って宣伝をかけると、特級や一級になるわけです。そこで、そこの酒屋で、地方で売るならば五百五十円の酒、あるいはもっと安い酒で売られるわけです。ところが、それが月桂冠に化け、白鷹、白雪に化けるから、宣伝に乗って逆送されてくれば、七百五十円なり千五十円の酒になるのですよ。アルコールの〇・五%くらい違うかどうかあります。あるけれども、そうなってくる。だから誇大広告、誇大表示をしなければ、灘でとれた酒も千葉でとれた地酒も同じだ、こういうことをあなたたちが明言して明らかにすれば、七百五十円じゃなくてもいい、五百五十円の二級酒の酒がうまい、こういうことならば、国民はその酒を飲むわけですよ。あなたたちがここでつべこべ言う、そういうことが誇大広告を依然として行なわせる。多少行き過ぎがあるならば是正いたしましょう、多少でもチェックすれば、そういうことが少しはなくて国民は助かっていくわけですよ。そうじゃなくて、一向に大会社だけにあなたたちは味方をして、つべこべつべこべこうやって言っていますから、国民は迷惑をこうむっているわけです。だから、まず増税や何かするということで多少あなただって気が引けるというならば、そうでなくても私は前から言っているのだから、そういう面において多少はやはり行き過ぎなり何なりがあればチェックしましょうというくらいのことは、あたりまえじゃないですか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/337
-
338・山田精一
○山田政府委員 そういう点、十分国税庁の意見も拝借いたしまして、検討いたしていきたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/338
-
339・只松祐治
○只松委員 それから、前回お尋ねをしたときに、表面的なそういうものとともに、いままず道路がふくそういたしております。そして重量物ですから運搬にたいへんでございます。それから、酒というのはビールほどではありませんけれども、やはり二カ月、三カ月たちますとびん詰めでもくさみが出てまいります。そういうことで、移動をさせるのをできるだけ少なくするために、レッテルだけ送って、そこで酒を――まあどことは言いませんけれども、そのレッテルを張って売っている。こういうことがあれば明らかに不当表示です。こういう話があります。
その前提として、泉さんは、酒というものはミックスすればするほどうまくなるのだ、こういうことをおっしゃったけれども、私が酒屋を何軒か歩いて聞いた限りにおいては、酒は悪い酒とまぜると、その悪い酒のほうが強くなる。悪貨は良貨を駆逐するではないけれども、悪くなってその酒は品質が落ちます、こういうことを酒屋が言うのです。泉さんより酒屋のほうが――幾ら国税庁長官をやって酒を取り扱っているかもしれないが、酒屋のほうがほんとうですよ。それで、そうやってまずくなるのですよ。
ここの十二月二十日の議事録を見ると、あなたは、「いろいろなやり方で酒をミックスするわけであります。御承知のように、清酒は、いろんな銘柄のものをミックスすればするほどそのお互いの欠点が消えまして長所が出てまいるというのでありまして、そういう点からいたしますと、できるだけ酒を多くミックスするほうが望ましいわけであります。」私はそのとき時間がなかったからとっちめなかった。そのときはそれほど詳しく調べてなかったけれども、詳しく調べると、こういうでたらめを本委員会でのけのけと国税庁長官が言っておる。国税庁長官が言っているのがほんとうか、酒屋の言っているのがほんとうか、対決させますか。これはウイスキーなんかと違うのです、酒の場合は。やはり酒は一ヵ月以上たつとびん物でも大体くさみがついてくる。まぜれば大体悪い酒のほうにいって、酒というのはまずくなる。こういうのが大体常識だそうです。泉さんが飲まれる酒は別な酒かもしれないが……。
それで、結局この月桂冠のように、二割六分が自分の酒で七割四分がほかの酒だ、こういうことになって、ほかの酒をいろいろまぜると、私はアルコール分だけしか科学的なものがないということで言ったのですが、あなたたちはそんなものはメーカーが責任を持っているといっているけれども、いろいろなものをまぜればまずい酒ができてくるわけです。それのほんとうの科学的な論争がありません。あなたがうまいと言ってぼくがまずいと言っても、水かけ論ですよ。どういうことを言っても、ミックスすれば、こういうものを七割をよけい買ってきてミックスすれば、まずくなるのです。それの裁判になったって、科学的な論争の論拠がありませんから、あなたたちがそう言ったってぼくが詰めがないだけの話であって、通常の酒屋の話ではこうやってミックスすればまずくなる。そういうことも含んで品質その他悪くなる。値段は高くなる。そしてまずくなる。それでやはり、あなたたちが言っているように、灘から秋田の日本盛に移送して酒倉でミックスした場合でもそう。そうじゃなくて、そういうことを防ぐためにも、あるいはびんのにおいがつくのを防ぐためにも、レッテルだけを送ってやっている。そういう事態があればどうなりますか。まず、あるかないか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/339
-
340・山田精一
○山田政府委員 もしございました場合に、レッテルを送って、ただ場所を変えたところで張るということだけでは問題にならないと思います。もしもその品質についてある程度の管理を行なって、その上でレッテルを送って張らせておるならば、これは差しつかえないかと私は思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/340
-
341・只松祐治
○只松委員 問題がないとは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/341
-
342・山田精一
○山田政府委員 品質を全然知らないで、レッテルだけを送って張らせておるとすれば、これは疑いがあるように思いますが、具体的の場合につきまして調べませんと、何ともはっきり申し上げかねるように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/342
-
343・只松祐治
○只松委員 問題にならないというのは、不当表示だということですか、どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/343
-
344・山田精一
○山田政府委員 もしも自分が品質を管理いたしまして、そして遠隔の地にあるところへレッテルを送って張らせたということであるならば、法律上違法の問題は起こらないであろう、こういうふうに思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/344
-
345・只松祐治
○只松委員 酒税長官ですから、ひとつその酒税法の蔵出しとなったらどうですか。やってごらんなさい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/345
-
346・泉美之松
○泉政府委員 われわれの立場からいたしますと、おけ買いをする場合には、その実物を未納税で移動させる、そして未納税で買い入れまして他の酒とブレンドして出す、こういうことになるのであります。したがって、只松委員のおっしゃるように、レッテルだけ他の場所へ送って、そこでレッテルを張って、そこから出荷させるというようなことは、通常ないわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/346
-
347・武藤山治
○武藤(山)委員 関連……。通常あるかないかという実在の有無についての論争をしないと、これはなかなか詰めができない議論だと思いますが、それにしても国税庁長官、いまの法律で酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律第八十六条の五に「酒類の種類等の表示義務」というのがありますね。さらにそれの施行令のほうの八条の三、この表示義務をずっと読んでみると、いま只松委員がおっしゃるような例があるとすれば法律違反ですよ。そうでしょう。この八十六条の五に該当するでしょう。もしほかの酒造場でつくって、レッテルだけ送って、レッテルは灘のレッテルで、秋田の酒としてつくったものを同じ名称で出したとしたならば、八十六条の五の違反でしょう。その場合はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/347
-
348・泉美之松
○泉政府委員 この酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の施行令の第八条の三に規定がありまして、通常の場合には酒類はその製造した製造場の所在地、容器の容量、それにその酒の種類、級別、こういったものを表示することになっておるわけでありますが、びん詰めのまま張った酒類を移入して、それをそのままの表示でさらに移出する場合におきましては、それはその前のままのあれでいい、製造場でいい、こういうことになっているわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/348
-
349・武藤山治
○武藤(山)委員 だから、いまの議論をしておるのは、消費者保護という見地から公正な商品を公正な表示でしなければならぬということを、只松委員は追及しているわけだ。というのは、いまのシェアを見ても月桂冠あるいは白鶴さらに白雪、これは半分以上大体おけ買いですね。だからいまのような疑いが持たれるという要素はあるんですよ。この統計から見ましても、半分はとにかくおけ買いなんだから、多いのは七割もあるんだから。だから、そういう点から、この法の不備というものを長官としては検討しなければならぬ。そういう答弁が出てしかるべきだと思うのです。というのは、その表示義務の中に政令で定めるものということが入っているわけですね。だから、いまの政令をもう一回洗い直してみましょう――もし事実上この七割もあるいは五割もよその酒造場でできたものが灘でできたという表示をされることは確かに消費者にとっては疑いをかければ切りのない問題が出てくると思うのです。だから、ここらは少し法律の実態をきちっと、政令も、もう一回洗い直してみよう、もしこの中にいまのような疑いがあるとするならば、国税庁として厳重にひとつ取り締まります、そういう答弁をしてしかるべきじゃないのですか。どうも答弁がさっぱり要領を得ていない。あなたの見解をちょっと聞かせてください。関連ですからやめますけれども……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/349
-
350・泉美之松
○泉政府委員 まあ私どもとしましては、このおけ買いの酒につきましても、それを特級あるいは一級として認定した場合に限って特級あるいは一級として売らせておるわけであります。したがって、特級、一級に認定を受けないものを、もし特級なりあるいは一級として売っておるのであれば、これは違法でございますから、取り締まらなければなりません。
ただ、その大メーカーが他から購入した酒、これが何か悪い酒を買ってきたようなイメージでおっしゃられておるとすると、それは違うのであります。場合によっては、自分のところでつくった酒よりもいい酒をつくっておる地方のメーカーがあるわけです。そういった酒を持ってくる場合もあるわけです。
ただ、いまお話しのように、自分のところでつくったよりも買った酒が多いのに、あたかも全部が自分のところでつくったかのごとく消費者をして誤らしめるというようなことにつきましては、私は問題があると思いますので、そういった点については十分検討しなければならぬ、こう思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/350
-
351・武藤山治
○武藤(山)委員 いまの最後の答弁のほうはうなずけるんですが、七割も五割も、とにかくおけ買いをしておるという実態がある。ところが、法律はそういう傾向が出る前につくった法律なんですね。したがって、マッチしない面がある。たとえば製造場を表示しなければならぬと書いてある。そうすると、おけ買いで灘の酒屋が新潟の倉でつくった酒を灘へ買う。この場合は製造場はどっちなんですか。製造場という概念は、びんに詰める場所が製造場なんですか。それともちゃんと米を仕込んで寝かせて酒をつくるところが製造場なんですか。もし製造場というのが米を仕込んで酒を発酵させる場所が製造場だとすれば、かりに灘の月桂冠でも新潟でつくった場合は、この酒は新潟のどこどこでつくったのですよと表示するのが法律の精神じゃないですか。ぼくは製造場というのはそういう意味だと思うのだけれども。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/351
-
352・泉美之松
○泉政府委員 現行税法なりあるいは酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律のたてまえにおきましては、製造場というのはびん詰めをした場所であるということになっております。しかし、それがいまおかしいじゃないかということでございますが、そういう点については現行税法なり酒類業組合等に関する法律がそうなっておりますので、それを前提として考えておるわけでございます。問題があるとおっしゃられれば、なるほど問題もあろうかと思います。そういう意味では、したがってそういう制度についてどうすべきかということは考えなくてはならぬと思いますが、しかし、なかなか技術的にむずかしい問題がありまして、先ほど申し上げましたように、いろいろなところから酒を買ってまいります。その一つのところだけの酒でなしに、いろいろな酒をブレンドいたします関係で、このブレンドの技術が問題になるわけであります。したがって、どういうふうに表示したらいいかということはなかなかむずかしい問題であります。したがって、私どものほうとしましてもそういった点、今後さらに技術的に検討いたしたいと存じます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/352
-
353・武藤山治
○武藤(山)委員 最後に、資料として製造場の概念、製造場とはびん詰めをする場所である、何できめてあるか、政令か規則か、あとでぼくのところへ資料で出してもらいたい。以上。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/353
-
354・泉美之松
○泉政府委員 あとで差し上げます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/354
-
355・只松祐治
○只松委員 この問題だけやっておりますと、私はほかにも酒の問題で聞きたいと思ったものがあるわけですが、ここのところ何も聞けなくなったが、私はもう少しすなおな答弁があるかと思った。いまの話だけ聞いても、あなたがおっしゃるようにびん詰めしているところが製造場ということになれば、これは私が言っているレッテルだけ送ってやるというようなことは、大きな角度から、全然山田さんのほうでは問題にならない。――違法行為というものが出てくるのですよ。ここであなたたちがのらりくらりとした答弁をしているのを詰めていったって、なかなか結論が出そうもない。もう少しいわゆる公取というのは消費者保護の立場に立って――あなたが答弁しているのは、言っておくけれども、業界本位の答弁ですよ。みじんも、消費者の方がかわいそうだ、国民がこうやって税金が上がって苦しんでいる、これをもう少し何とかしょうというまじめな答弁は一つもないじゃないか。つべこべ言って、法律の解釈のようなことばかり言って。もう少し零細、中小企業の酒屋のことも、国民がこうやって酒が上がって重税に苦しんでいることも考えて、まともな答弁をしたらどうです。あなたが答弁しなければ、大臣、そういうことに関してどうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/355
-
356・水田三喜男
○水田国務大臣 先ほど只松さんのお話の中に、おけ売りをやっている業者が八割というお話でございましたが、もしこれが八割ということが事実だとすれば、これはなかなかたいへんな問題で、この問題についていま言われているような問題も大蔵省としましては相当これは、もう一ぺんいろいろ再検討しなければいけない問題がたくさんあろうと思いますので、私は三割程度と聞いておったのですが――数量としては三割で、業者としては八割です。これはそういう新しい変わった事実に基づいて私どもも相当考えなければならぬ問題だと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/356
-
357・只松祐治
○只松委員 まあ私はこういう問題の一つの結論として、そういうことばかり言わないで、もう少しなぜ行政指導というもの――八割もおけ売りをしなければならぬという業者があるならば、言っておくけれども、これは割り当てだって何だって変えなければならぬでしょう。既得権益としてこういうものだけおけ売りしている、そういう販売能力もないようなのに、酒税というものはどうやって確保されているか。今日こうやって議論をしてきたことをあなたはよく御存じでしょう。製造をやっとするけれども、販売能力もないような酒倉、無条件にこうやって許すのですか。何で米の割り当てをそんなに販売能力もないようなのに――あるいはそれを許すならは、もっと協同化を促進する、近代化を促進する、中小企業の業者を何でもう少し指導しませんか。そういうことを
一つもしないで、そういう割り当て制度にメスを加え――いままで既得権益で、私が知っている限りにおいては、権益だけを売っているのさえあるじゃないですか、極端にいうならば。割り当ての石数を売っているのだってあるでしょう、あなたたちが知っている限りにおいても。とにかくそういう問題をはじめ、前向きの姿勢で、言うならばもっとその地区なら地区における協業化を進めて、そしてこういう大企業だけの一方的な宣伝によって高い酒を飲まされなくても、国民が十分うまい酒が飲める、こういう交通のふくそうしているときに、わざわざ青森から灘へ持っていって、また月桂冠のレッテルを張って青森に持ってくる。青森なら青森の酒でうまいのですよ。こういうようにやったほうが日本経済の発展のためにも、交通、道路輸送のためにも、何十倍役に立ちますか。そういうことをあなたは政府の高官として一つも考えないのですか。つべこべさっきから三文弁護士か何かみたいな法律解釈をして、一つも反省の色がない。ぼくは全体を最後的に論議しようと思ったのだけれども、あなたたちの答弁がつべこべあまり長いから、この問題だけを押し問答して一時間近くたった。もう少しまともに――ぼくはそういうことは一々聞いてはいないけれども、交通運搬の問題から何から、あなたたちはこの前も逃げてしまったが、あなたたちがビール会社や酒屋の代弁しているくらい知っていますよ。もう少し国民の側に立ったお考えをしたらどうですか。そういう答弁をしたらどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/357
-
358・泉美之松
○泉政府委員 お話しのように、清酒製造業につきましては、近代化指定業種といたしまして、合併あるいは協業化、共同製造、こういった点を進めてまいっております。
ただ、先ほどもお話がありましたように、最近特におけ売りの数量がふえてまいり、また、おけ売りをする業者の数もふえてまいったのであります。特に製造の免許を与えております関係上、そういったものに酒米の配分をしないというわけにはまいりかねます。そこで私どもとしましては、品質管理の面もあわせ考えまして、いわゆる提携おけ買い――特定のおけ買いをする人とおけ売りをする人とが長期契約を結びまして、そうしておけ買いをするほうが、自分のところの酒とミックスする関係上、どういう種類の品質の酒をつくってほしいかという技術指導をおけ売り業者のほうにする、そうすることによって、おけ買いとおけ売りとがいわゆる下請的な関係になっていく、そういうふうなことを指導をいたしております。現在おけ売り数量の六三%は、そういった提携おけ売りになっております。これをさらにもっと提携おけ売りを大きくしたい、こういう考えを持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/358
-
359・只松祐治
○只松委員 少しばかり前向きの答弁になってまいりましたけれども、最初から私の言っているように、もっと前向きの考えを示すべきであって、とにかく製造する米の割り当てから末端の販売の小売り店の許可、これもほんとうは小売り店の許可の基準を詳しく聞こうと思ったのだが、時間がなくなったからあれだけれども、税務署はなかなかおいそれとは許可しやしないでしょう。財産から経験年数から何からいって、容易じゃない。結局、そこまでのいわゆる締めるほうの絶対権だけは大蔵省、国税庁が持っておりながら、そうしておいて値段の点になれば、自由価格もございますと言って逃げる。こういうおけ売りや何かやって、製造の実態について私が少し触れて、こういうのはひどいじゃないか、これは製造と販売に関連してきているわけですね、もう少し国民の立場なり消費者の立場を考えるべきじゃないか、こう言ったら、それも逃げてしまう。実際の米の配給から末端の売買まであなたたちが実権を持っておりながら、肝心のところはドジョウかウナギみたいにするすると逃げてしまうようなばかな答弁をしないで、それだけの実権を持ってあなたたちが指導監督しているなら、値段のことについてももう少しちゃんとした指導をし、確たることをしていって、あるいはこういう製造から販売に至る問題についても、もう少し責任のある考え方をして、それに基づいて指導をしていく。それが私が若干指摘したように、極度に不当ならば、公取委員会あたりにおいても、そういうことはできるだけチェックしましょう、国民に迷惑がかからないようにしましょうというのがあなたたちのお考えです、そういうことを初めから言うなら私の質問は五分か十分で終わるのに、あなたたちが言わないからぼくの質問は長くなってくるのです。どうですか。公取委員長、国税庁長官、それぞれひとつ答弁してください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/359
-
360・山田精一
○山田政府委員 先ほど来申し上げましたごとく、著しく優良であるかのように消費者に誤認させることによって消費者の利益を害する場合には、私どもは断固とした措置をいたす考えでおります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/360
-
361・泉美之松
○泉政府委員 お話のように、酒の問題についてはいろいろ改善すべき問題が多うございます。私も間税部長を拝命して以来相当長くなるわけでありますが、そのつど米の配分数量等をはじめいろいろ改革をいたしてまいったつもりでおるのでございますけれども、まだまだ不十分な点がございます。そういう点につきましては、先ほど堀委員にもお答えいたしましたように、明年清酒製造業について第二次近代化計画をつくりたいと思っておりますが、その際十分お話しのような点を織り込んで検討いたしてまいりたい、このように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/361
-
362・只松祐治
○只松委員 そういう答弁が初めからあればいいのです。五分か十分で終わるわけです。ほかの問題にももっと入れたわけです。
ビールの問題についても若干質問しようと思ったのですが、その酒のあとたばこを若干質問しますので、ひとつ資料を要求しておきたいと思います。
前回も私が質問したわけですが、御承知のように、ビールは現在でも五〇%強、六十円十三銭税金が入っております。いわばビール会社の半分は税金であり、国民のものだ、そういう形になって、この製造本数というものがいかに明確に把握されるかというものは、今度はもう五四%くらいですか、そうすると、きわめて重要な問題になる。単なる脱税と違って、結局一ぺん収益したもの、国民から入れたものを本数をごまかすということになれば、もう脱税ではなく結局税の窃盗、税金をどろぼうするという形になってくるわけですね。売るのにただで売るというのはない。いかに国税庁長官といえども、贈答用をのけて、ただでビールをもらうことはないだろう。だから、これはきわめて重要なことで、その把握というものはオートメ化につれていよいよ困難になってきておるわけなんです。そういう点についてお尋ねしようかと思ったのですが、きょうはやめますけれども、ぜひそういう点の――この前、私が何日に一ぺん調べに行っているかと言ったら、二、三日に一ぺんだということでしたが、あとで資料をもらったら、一番多い工場で一週間に一ぺん、少ない工場では十三日間に一ぺんというデータをいただきました。したがって、どうやってそういうものを把握されておるのか、私が前回こういう問題をしたら、すぐビール工場から、次の選挙ではお前は推薦しないぞといって脅迫がきました。ああ、そうですかと言って、私がまたいろいろな角度から質問したら、では何とかお手やわらかにしてくださいということで、泣きが入ってきたのです。しかし、私たちは国民の側に立って、こういう問題を論議しておる。ビール工場の側に立って論議しておるわけではないのでありまして、そういうものの検査と把握をどういうふうにされておるか、ひとつあとで資料をいただきたいと思います。
次に、たばこの問題を、時間がなくなってきましたけれども、若干質問いたしますが、これだけ間税のウエートが大きくなってまいりまして、一時たばこやその他の民間移譲というようなことがある意味からまじめに論議されたことがあるわけでございますが、今日の事態においては民間移譲というようなことは絶対にない、専売は続けていくのだ、こういうふうにお考えだろうと思いますが、ひとつ大臣からその点について所信をお聞かせいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/362
-
363・水田三喜男
○水田国務大臣 いまのところはそのようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/363
-
364・只松祐治
○只松委員 個々のたばこの間税が高いとか低いとか、いろいろの問題はすでにほとんどの委員から意見が出てまいりましたので、こういう点は省略いたしますけれども、私が繰り返して皆さん方や何かにお話し申し上げたことは、私たちも政治家の端くれでございますし、皆さん方も行政官として行政の面から政治をつかさどっておる。この場合に、何がいい政治であるか、悪い政治であるか、これは社会主義、資本主義そういう経済政策もありますし、いろいろなことがあるでしょう。しかし、そういうイデオロギーや経済政策や、そういうものを越えて一つの共通点というのは、やはり圧制であるかどうか。ヒトラーやムソリーニや、こういうのもそうですが、圧制であるかどうかということは、どこにも共通した面だろうと思う。今回のたばこの値上げというものを見ますと、ゴールデンバット、朝日というもののような若干の値上げしないものもありますが、これは市場にはほとんどありません。買おうと思って特定に探したら別ですけれども。ということは、通常買えるたばこ、国民が買わなければならないたばこというのは、全部値上がりをするわけです。これはどういう意図か知りませんが、二級酒としょうちゅうは、これを大衆と言っては語弊があるかどうか知りませんが、とにかく酒のほうは下級銘柄は引き上げられなかった。しかし、むしろ酒のほうはある程度、節酒をしよう、あるいはやめようとすれば、できないことはありません。たばこというのは、よほど意思の強い人ではないと禁煙ということは不可能なわけです。この不可能な禁煙をしいるということは、私は最も悪い政治だろうと思う。金がなくなれば禁煙をせざるを得ない人がたくさん出てまいる。こういう点に関して、大臣なり専売公社総裁から、今回のように一律に全部を値上げする、こういうひどいことをなぜしたか、ひとつお聞かせをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/364
-
365・水田三喜男
○水田国務大臣 たばこの値を上げるか上げないかということは、やはり政治としては一つの問題であったことは事実でございます。しかし、昭和二十六年から値段が据え置かれている。その間の物価水準の上昇、国民の所得水準の上昇というものを考えますと、確かに税の負担率というようなものは相対的に軽くなっている。で、これをこの際調整しようということに踏み切る以上は、やはり各たばこのこの均衡をとって全体を上げるということが一番私はいいことだろうと考えます。上げないのなら上げないのでいいんですが、上げるときまった以上は、全部の銘柄についても同じようなことが、相対的に負担が下がっていることがいえるのですから、これをやはり上げるなら一律に上げるということがいい。ただ、その間において、何のたばこが一番大衆に嗜好されておるかということを考えて、一番国民の多くが嗜好しているというたばこについてはこの上げ率をできるだけ調整しようということで、特にそういう点の調整をやったということでございまして、上げないのなら問題はないと思いますが、この際、二十六年以来のことでございますから、たばこの値上げをしようという方針をとる以上は、やはり今回の措置のようなことが妥当じゃないかというふうに私は考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/365
-
366・只松祐治
○只松委員 時間がありませんから論争しようとは思わないのですが、そういうことをおっしゃるなら、ちょっとだけ言っておきますけれども、銘柄を変えることによって毎年平均一円ずつ上がってきたというのは御承知のとおりです。十年間据え置かれたというのは、これはしろうとごまかしであって、毎年一円ずつ、この十年間でたばこは平均して十円上がってきた。だから、そのものは据え置かれておりますけれども、銘柄を変えることによって専売公社はうまい操作をやって上げてきておるわけです。決して十年間据え置かれたなんということはないのです。だから、そういうことはほかの委員も論争しましたし、私からあえて言いません。
私が言おうとしておるのは、たとえば老齢年金や何か、社会福祉その他を一万円上げる、いまの一万円年金を二万円にする。これはいかにも大問題のようにマスコミでも取り扱ったり、皆さん方が宣伝をされる。ところが、なかなか一万円というのは上がりません。そう増大しない、ふえない。そういう年金生活者あるいは退職金の生活者、お年寄り、あるいは働けなくていろいろな扶養を受けておる、弱い、病気したような人――あとで特会がかかりますけれども、特会で扶養手当などはなかなかお上げになりません。こういう者で病院に入ってたばこを吸っておる人、こういう人が、この数字によりますと、年間平均六百五十六円という大蔵省の値上げの数字ですけれども、そうではない。具体的には、一箱吸うと三百円、二箱吸う人は六百円、あるいはいいたばこを吸う人は一箱でも月に六百円、二箱吸う人は千二百円、年にいたしますと三千六百円なり、七千二百円なり、あるいはその倍の一万四千四百円になる。こういうふうに、お吸いになる人はたばこだけで上がるわけですね。そうすると、やはりこれを節煙するか、やめないと、そういう保護家庭や何かの――池田さんの、貧乏人は麦めしを食らえじゃないけれども、保護家庭や年寄りはたばこを吸うな、こうおっしゃれば、これはりっぱなことで、それまでの話ですけれども、そういう人はなかなか意思が弱くて、あるいはたばこだけを楽しみに生きている、ほかの楽しみがない、こういう人も、全部今度はたばこを引き上げられるわけですね。そういう意味において、私は、「わかば」か「いこい」か新生か、どんなことをしてでも少なくとも一つぐらいは据え置いて、そういう一番困った人にはそういう配慮をしていくというのが、政治の一つのあり方だと思う。そこに私は政治の本質というものがあるだろうと思う。そういうものを一つも顧慮しないで上げたのは圧制である。人間に逃げ場をつくらないで、とにかくそれがいやな者は、それがのめない者はたばこをのむのをやめろということですね。こういう力の政治、強力な政治というものは、特にやめようったってなかなかやめられない、こういう嗜好品というものを前提にした場合には、私はすべきじゃないと思う。それをあえてされたのは私は圧制であり、悪い政治だと思う。悪い政治の一つの最たるものだと私は思う。だから、自民党の中にも、ほんとうを言えばほとんどの人が値上げには反対である、しかし財政や何か政府がきめたのだからやむを得ない、こういう声がある。自民党の大蔵委員各位はそうでしょう。なんだったら、私のほうで修正動議を出すから、ひとつ採決をして、顔色を見て多いか少ないか、採決したら私はおもしろいだろうと思う。自民党の党議にどうかけられるか、問題になってくるだろうと思うけれども、私は心から採決に立つ人は少ないだろうと思う。そういうことを無理にするということはいいことじゃない。しかし、私は、もういまあなたたちがここで採決を目の前にしてなかなか修正とか何かに応ずるとは思わない。とするならば、ここに多少の救いがあるとするならば、ゴールデンバット、朝日、こういうものをいままでより増産をして、できるだけ店に置く。やはりどうしてもたばこをのみたい人、のどから煙を吸いたい人――私はたばこをやめていますから、そんなものはどうなってもいいけれども、やはりお年寄りでどうしても吸いたいと思う人のために朝日やゴールデンバットを置く、あるいは試飲というものが行なわれておりますが、盆暮れか何か知らぬけれども、とにかく養老院や何かに、安くか、あるいは無料か、何らかの形でそういうところに配給をする、こういう形を考える余地というものは、私が聞いた範囲内でもあるような気がします。そういう点に対して考慮の余地があるかどうか、ひとつお答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/366
-
367・水田三喜男
○水田国務大臣 御承知のように、酒、たばこを値上げすることは国民の負担を増すことでございますので、こういう措置をとるためには、いろいろのほかの措置も私どもは考慮しまして、たとえば所得税の減税、それからさらに地方住民税の減税をやりますし、この減税の恩典を受けない方に対しては、生活保護費の扶助基準の引き上げとか、あるいは老人福祉の問題の改善というようなことを配慮いたしまして、それでなおかつやはりこの値上げが苦しいという人たちのためには、まず最もポピュラーなものの値上げ幅を押えるということと、一部値を上げない銘柄をつくるということをいたしました。そういう意味でつくったのでございますから、いま言ったバットや朝日のようなものも、できるだけこれを増産して店頭にも並べる、この間申しましたが、そういう方向の努力をするつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/367
-
368・只松祐治
○只松委員 そういうふうに国民からは、年寄りだろうが病人だろうがだれだろうが、とにかく逆進性の強い酒、たばこで取り上げていく。ところが、皆さん方がお出しになっておる専売公社の本年度の収支の予定額、これを多少検討いたしましても、きわめてずさんなものであるということが、私みたいな財政のしろうとでもいえるのです。
一つだけここでお尋ねしておきますが、たとえば旅費、旅費というものを各項目に見ますと、これはどこがどういう部局になっているかわかりませんが、あるところの旅費が五〇%上がっている、あるところでは二五%、あるところでは四四%、こういう旅費の算定をどうやってされておるか私はわかりませんが、何ならば、別の機会にでもひとつ基準を出していただきたいと思う。一律に大体二〇%なり三〇%なり上がっているのならわかるけれども、工場かどこかの出張が多い、何とかかんとかということになるかもしれないけれども、こういうように旅費一つ見ても、上がっていく。パーセンテージというものがきわめて大きいわけです。こういう点に関して、皆さん方は、何らかの機会に資料や何か出していただけますか。どうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/368
-
369・佐々木庸一
○佐々木説明員 御指摘の点は、実行と予算が若干食い違った点を修正いたしましたことから生じた分もございますが、資料をもって御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/369
-
370・只松祐治
○只松委員 それからたとえば交際費にいたしましても、塩のほうは四百万円あがっております。また四十一年度の決算によりましても三百八十万円の交際費が出ております。ところが、たばこのほうには一銭の交際費もない。私たちが仄聞すると、なかなか専売の交際は――私は交際は要らないと思うけれども、はでなようでございますが、どこにも見当たりませんが、事業費ですか、何でされておるか。ほんとうはここで交際費を全部お出しいただいてやろうかと思ったのですが、きょうはそこまでもいかがかと思いますので、交際費を幾らくらいお使いになっておるか、これもひとつ資料としていただけますか、どうですか。ここで答えられれば答えられてもいいですよ、勇気があれば。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/370
-
371・佐々木庸一
○佐々木説明員 交際費は予算として四百万円と承知いたしておりますが、これは塩だけではなくて全体の分でございます。それは後ほど資料をもって御説明いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/371
-
372・只松祐治
○只松委員 全体の交際費なんというのはとてもこんなものじゃなくて、おそらく四、五千万円くらいありはしないか、こういう内部といいますか、消息通といいますか、そういう人からささやかれていることを私も聞いております。とても四百万円なんというものではありません。このことだけは断言をいたしておきます。何なら、二、三、皆さんたちが出入りされておる場所を御指摘してもけっこうですがね。とても四百万円くらいであがっておるしろものではない。だから、私は事業費か何かの名目で出ているのだろうと思うけれども、やはりこれだけ病人や何かから、年寄りからでも取り上げるならば、もうちょっと皆さん方がお使いになる支出面において、もっといわば厳粛といっては何ですけれども、あまりでたらめなことがないように――私はほんとうはきょうはこの問題を指摘いたしまして、専売公社の皆さん方の御反省を求めようと思ったのです。ここにもございますように裁判傍聴に公務出張扱い、こういうようなこともなさって、金があり余っているからこういうことになるだろう。あり余っているのにたばこの値を上げるのはいかがかと思いますけれども、こうやって値段を強制的に上げながら、一方使うほうにおいてはいろいろなことに使われておる。申し上げませんけれども、別な意味で何十億というような金が別途支出もされております。そういう問題についてはもっとやはり謙虚に反省をしていただきたいと私は思っております。そういうことを強く要望いたしまして、私の質問を終わりますが、最後にひとつ総裁のそういうものに対する反省なり所見をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/372
-
373・東海林武雄
○東海林説明員 ただいまいろいろお話しのございました点につきましては、われわれが日ごろ反省しておりますが、今後ともその点は自粛してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/373
-
374・田村元
○田村委員長 この際、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案及び酒税法の一部を改正する法律案に対しまして、それぞれ山中貞則君外二十一名より修正案が提出されておりますので、提出者の趣旨説明を求めます。山中貞則君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/374
-
375・山中貞則
○山中(貞)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま提案されております酒税法の一部を改正する法律案の修正案の大要を申し上げます。
修正案はすでに各位のお手元に配付いたしてございますので、その朗読は便宜上省略させていただき、修正の趣旨と内容について申し上げます。
この法律案は、昭和四十三年三月三十一日までに成立することを目途といたしまして御審議を願っておったような次第でありますが、御承知のとおりの事情により反して、いまだに成立を見ておりませんので……(「御承知とは何だ」と呼ぶ者あり)御承知とは、政府筋の失言、その他予算委員会における予測せざる紛糾等による国会の空白等々を申し上げたつもりでございますが、――いまだに成立を見ておりませんので、その善後処置といたしまして、施行の日につきましては、施行の準備に要する日数その他諸般の事情を勘案して、「昭和四十三年四月一日」を同年「五月一日」に修正することにいたしております。
なお、この結果、衆議院規則第四十七条二項に関する経費は、当初案による場合に比べて初任度約四十億円の減収を生ずる見通しになりますが、この点については、なお今後の財政収支全体の推移に照らし、必要な場合には政府において善処されるよう要望いたします。
次に、同じく提案されております製造たばこ定価法の一部を改正する法律案の修正案の大要を申し上げます。
修正案はすでに各位のお手元に配付いたしてございますので、その朗読は便宜上省略させていただき、修正の趣旨と内容について申し上げます。
この法律案は、昭和四十三年三月三十一日までに成立することを目途といたしまして御審議を願っておったような次第でありますが、御承知のとおりの事情によりまして、いまだに成立を見ておりませんので、その善後処置といたしまして、施行の日につきまして、「昭和四十三年四月一日」を「公布の日」に修正することにいたしております。
以上、修正案の趣旨説明を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/375
-
376・田村元
○田村委員長 これにて両修正案の趣旨の説明は終わりました。
この際、酒税法の一部を改正する法律案に対する修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において御意見があればお述べいただきます。水田大蔵大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/376
-
377・水田三喜男
○水田国務大臣 ただいま議題となりました酒税法の一部を改正する法律案に対する修正案につきましては、政府といたしましては、諸般の事情に照らしてやむを得ないものと考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/377
-
378・田村元
○田村委員長 これにて内閣の意見聴取は終わりました。
以上をもちまして、両案並びに両修正案についての質疑は終了いたしました。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/378
-
379・田村元
○田村委員長 これより両案並びに両案に対する修正案を一括して討論に入ります。
通告がありますので、順次これを許します。河野洋平君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/379
-
380・河野洋平
○河野(洋)委員 ただいま議題となりました製造たばこ定価法の一部を改正する法律案及び酒税法の一部を改正する法律案並びに両案に対する修正案について、私は自由民主党を代表して、賛成の意見を表明するものであります。
今日のわが国の経済は、激動する国際経済の中にあって、非常な難局に直面しており、わが国としては国際収支の大幅な赤字を克服し、その均衡を回復し、さらに今後長期にわたる経済の安定成長を期することを最大の政策目標としなければならない立場にあるのであります。
これがためには、当面、財政に景気抑制的な機能を発揮させることが必要であり、四十三年度において、わが自由民主党並びに政府が、財政経済運営の基本方針を財政規模の圧縮と国債発行額の縮減に置き、そのためにできる限りの努力を払いましたことは、当然の措置であると信ずる次第であります。
一方、わが国の所得税は、国民所得水準の向上と過去数次の減税措置にもかかわらず、依然として負担が重いと思われる現状にあり、これが打開のため、減税を困難とする財政事情のもとにありながら、わが党の公約しているところでもあり、四十三年度においても所得税の減税を優先的に実施することといたしたのであります。
しかしながら、所得税減税に踏み切ったものの、前に述べましたようなわが国の今日の財政事情のもとでは、減税のための必要財源を自然増収から生み出すことは不可能となり、減税に伴って起こる歳入不足を補うため、新たに歳入充足の方途を求めなければならない立場に追い込まれた次第であります。
すなわち、このことは、とりもなおさず勤労大衆の税負担の軽減のための措置の見返りとして、二律背反とも言える他の手段による大衆負担の増による財源措置をとることを余儀なくされるものであり、わが党の意思決定までには、率直に申し上げて、非常に悩み苦しんだところであります。
そこで議論百出の末、かねてから所得や物価水準の変動に照らして、他の諸税の負担との間に均衡を失し、いわゆる意図せざる減税が行なわれていると政府の税制調査会から指摘された酒の税率や、たばこの定価について、大衆酒や大衆たばこをでき得る限り除外して、必要最小限度の是正をはかりつつ、歳入不足に対処しようとする政府の財源操作については、これ以外の手段を現状では発見することができない以上やむを得ない措置とせざるを得ないのであります。
しかしながら、たばこの定価の改定または酒税の増徴は、嗜好品に属する品目とはいえ、結果的には消費者の負担増となることはいなめないところであり、物価安定への政府の一貫した施策に悪影響を及ぼすおそれもあり、財政環境の悪化を切り抜けるため、国民大衆に負担を転嫁するかのような印象を与えないよう国民の理解を得るための一そうの努力を政府に要望せざるを得ないところであります。
かかる観点から、困難な内外の経済環境に対処して、わが国経済の安定成長に、日夜、力を尽されている政府財政当局の御苦労には理解を示すにやぶさかではありませんが、なお長期的な視野に立った、より適切な税財政全般の施策の確立に努力せられんことをこの際強く要求いたしておきます。
また、両案に対する修正案の趣旨は、両案が、その目途と考えられた三月三十一日までに成立を見ておりませんので、施行期日を改めようとするものでありまして、適切な措置と認める次第であります。
以上、私は、両案並びにこれに対する修正案に対し、それぞれ賛意を表明して、討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/380
-
381・田村元
○田村委員長 村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/381
-
382・村山達雄
○村山委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、酒税法及び製造たばこ定価法の一部改正の法律案並びに両修正案についての反対討論を行ないます。
財政収入を確保するために、酒、たばこの増税、値上げをすることが出されているわけでございますが、このことはまず第一に、公共料金の値上げになり、物価上昇の要因になることは明らかであります。
まず、たばこについて申し上げますならば、第一に、たばこの値上げは逆進性の大衆増税となるわけであります。所得税も地方税も納入できない低所得にしわ寄せをされ、生活保護者からも取り立てるものであり、非人道的な措置であると言わなければなりません。
第二に、公社は取引会社に多くの天下り役員を送り込み、二百五十八億の取引にあたって九五・五%も随契で処理をし、依然として改善の努力は見られておりません。
第三点は、たばこの値上げに伴う小売り手数料の増四十二億中二十億円を小売り人に配分をしようとしておりますが、労せずして得られる所得に対して、その処理は大臣が再検討を約束したようにきわめてずさんなものであり、パチンコ店への値引き販売や料理屋、旅館、喫茶店、バー等の買い置き、取り次ぎ販売等で大量販売をする大口小売り店の手数料を引き下げ、小口小売り店の利益を確保すべきだと考えます。
第四点として、安いたばこの販売制限を行ない、高い新銘柄品を売り出し、なしくずしの値上げがとられてきましたが、今回も三級品の新生が最も値上げ率が高い措置がとられております。専売品でありながら、小売り店の希望によって値上げのされない朝日、バットが店頭にないという状態の中にあります。大臣は改善をすると約束しましたが、低所得者に対する配慮が十分にとられていない。専売品である以上、当然ロスがあるのは必要な措置であると言わなければなりません。
酒について申し上げまするならば、二級酒、しょうちゅう類を除いて軒並みに増税が行なわれておりますが、大衆の生活を圧迫することは言うまでもありません。
第二点として、コストアップによる値上げが必至となってまいりました。これに対応する政府の有効な手は何もないことが判明をいたしました。酒税の保全のための法律はあっても、消費者保護のための措置はなく、大口使用者に対する安売り、値引き販売はあっても、一般の消費者には増税と値上げのダブルパンチを食らわせておることになっておるわけであります。ビール一本の値上げ三円でメーカーのもうけが二百億円にもなるということを、国民は決して忘れることはないということを申し上げておきます。
第三点として、酒の増税が、国民の不満を背景にして野党の反対で、花見の時期を過ぎてから五月一日から実施せざるを得なくなったことは、国民のために喜ばしいことだと考えます。本年度の税収の中で九千五百億円余りの自然増収がありながら、わずかに一千五十億円の調整減税をやった、その穴埋めを法人の利潤税への転換とか、あるいは租税特別措置の整理とか土地税制はたな上げにしておいて、間接税の増税によって穴埋めをしようとしております。こういうような態度で、庶民のふところが少しよくなると、酒税、たばこ税の負担率が少なくなり、これは意図せざる減税だと称して大衆から金をもぎ取り、弱いものをいじめる政府・自民党の租税政策に対しまして強く反対をし、佐藤内閣に警告を発して、反対討論を終わります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/382
-
383・田村元
○田村委員長 竹本孫一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/383
-
384・竹本孫一
○竹本委員 私は、民社党を代表いたしまして、二つの法案並びにその修正案に反対をいたしたいと思います。
第一は、間接税の増徴に反対であるということであります。
酒で四百五十億、たばこで五百五十億初年度増収を見込んでおりますけれども、これらが大衆課税であり、しかも大衆課税の中でも最も逆進性の強いものであるということは、強くこの委員会において論議されました。社会開発を言う佐藤内閣といたしましては、こうした逆進性の強い間接税を増強するということではなくて、むしろ軽減をしなければならないと思いますけれども、軽くしないだけではなくて、さらに逆に増税をする、この態度に私どもは強く反対をしなければなりません。したがいまして、間接税は今度の税収五兆六百七十八億円の中で二兆四百二十三億円、そのパーセンテージは昨年の三九・九%に対しまして四〇・三%と増強されるわけでありまして、われわれの強く反対する第一の理由であります。
一部には、間接税と所得税、確かに学者の議論がいろいろあります。また、間接税がそのウエートをだんだんふやしていくということも当然であるかのごとくに論ぜられておりますけれども、この点は各国のそれぞれの事情の相違がありますので、一がいに言うことはできない。むしろ日本におきましては、やはり間接税は漸次軽減する方向に努力すべきものであるというふうにわれわれは考えております。
第二点は、物価政策の上からであります。
この酒やたばこの値上げがわが国の物価値上げムードに大きく作用するであろうことは間違いありません。さらに、便乗的な値上げのチャンスをこれが与えることもしばしば強く指摘された点でありまして、ビールにいたしましても、二級酒にいたしましても、みんな便乗値上げが考えられていることは、まことに残念なあり方であります。特に、その値上げが、酒なら酒の値上げに対しましても、政府の御答弁では、自由価格だから、どうにもならないというあきらめムードの御答弁がたびたび繰り返されましたけれども、政府は一体何のためにあるのか。もちろん、今日は自由経済の上に立っておりまするけれども、政府の指導的な立場としては、もう少し積極的な施策が必要ではなかろうかと思います。いまのままでありますならば、それこそ福沢諭吉のことばを引きますならば「政府ありてネーションなし」ということになります。ぜひ大衆のためにはもう少しきめのこまかい配慮が必要であろうと思います。特に、この酒やたばこの値上が、やがてはいまわれわれが強く批判をいたしております政府主導型の物価値上げというものをますます強くする傾向にあるということを、特に警戒しなければならぬと思うのであります。
第三点は、今回これらの間接税の増徴によりまして、御承知のように、千五十億円の増収をはかり、一方で千五十億円の減税をやる。ワンセットとしましてはプラスマイナス・ゼロということで政府は説明をされておるわけでございますけれども、もしプラスマイナス・ゼロということであるならば、私は政策態度の一つのあり方としては、むしろどちらもやめてしまって、物価調整減税だけでも試みるほうが、政策態度としてはむしろベターではないかと思います。そうした判断に立ちまして、この点も強く反対せざるを得ない点であります。第四に、健康上の問題が、たばこについては本委員会において議論が専売監理官のほうから出ました。この問題につきましては、私どもといたしましてはもう少し掘り下げて論議をいたしたいと思いますけれども、早急の間その論議を深めることもできなかったわけでありますけれども、ぜひ政府におきましては、肺ガンの問題もありましょう、その他いろいろだばこをのみ過ぎた場合の健康上、衛生上の問題があろうかと思いますので、科学的な究明をいたされまして、政府の統一見解を打ち出されることが必要ではなかろうかと思います。
なお、修正案につきましては、われわれが本案に反対するという基本的立場において反対をいたしたいと思います。
以上でございます。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/384
-
385・田村元
○田村委員長 田中昭二君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/385
-
386・田中昭二
○田中(昭)委員 私は、公明党を代表して、ただいま議題になりました製造たばこ定価法の一部改正の法律案、酒税法の一部改正案、並びに同修正案について、反対の意を表するものであります。
酒たばこの値上げの理由として、まず酒の価格は所得や物価の水準に比べて安過ぎる、また従量税体系であるために、税負担率は物価水準の上昇に伴い低下しておると言っております。たばこ値上げについては、小売り価格は昭和二十六年以来据え置かれており、その間の所得、物価の水準の上昇や購買力にゆとりがあること等により専売益金の増収をはかるためと述べております。
現在、国民が何よりも関心を寄せているのは物価問題であります。理由は、所得に比べて物価が高過ぎるからであります。
酒、たばこが他の物価に比べて安いと言っておりますが、酒の小売り価格は、三十七年に改正されて以来年々上昇しているのであります。たばこにしましても、その益金率は低下しているが、それでもなお六〇%もの暴利をあげており、他の企業に比べて益金率は高いのであります。国民はもともとたばこも酒も不当に高く買わされていたにすぎなかったのであります。
また酒は、戦前の税負担率二割三分が、現在値上げされて四割六分となり、約二倍の重税になっております。
たばこにしても、専売納付金は二千三百億円で、前年よりも七百億円もの増収を見込んでおり、専売益金は、昭和二十六年千二百九十八億円で、四十一年には三千三百九十九億円で、約三倍弱にも増収しております。これだけの増収分がありながら、どうして増税に踏み切るのでしょうか、納得できないのであります。
次に、間接税の問題でありますが、政府の意図は間接税の増強でありますが、その理由として、諸外国よりも税負担率が低い、所得税等の直接税を強化すると、納税者が重税感を増すので、負担感の少ない間接税を増強したほうがよい等によるものでありますが、ところが、この間接税増強論には次のような欠陥があります。
第一に、税率が一律であるために、所得の多少にかかわらず大衆課税となっているのであります。そのため低所得者や課税対象外の人々まで重い税金が課せられています。
第二には、物価に織り込まれる率が多いので、増税により物価が上昇しやすい。しかも、本年度の消費者物価四・五%の上昇分を含んでおらず、物価上昇を加味すれば、国民生活の税負担は二重にもなってくるのであります。
二千六百億にものぼる租税特別措置の廃止、また利子配当分離課税の改廃等により、約六千億もの交際費の課税の強化により、まだまだ十分財源は確保できるはずであります。間接税にその財源を求めることは、大衆課税の強化でなくして何でありましようか。
政府は、口を開けば減税減税と言いますけれども、実質的には大衆化している消費財の税負担を強化して、国民大衆へのはね返りを余儀なくさせているのであります。
このように、政府の増税案による国民生活を圧迫する大衆課税に対し、断固反対するものであります。(拍手)発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/386
-
387・田村元
○田村委員長 これにて討論は終局いたしました。
これより順次採決いたします。
最初に、製造たばこ定価法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。
まず、山中貞則君外二十一名提出の修正案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/387
-
388・田村元
○田村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
これを可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/388
-
389・田村元
○田村委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案は可決し、本案は修正議決いたしました。
次に、酒税法の一部を改正する法律案及び同案に対する修正案について採決いたします。
まず、山中貞則君外二十一名提出の修正案を可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/389
-
390・田村元
○田村委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。
次いで、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。
これを可決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/390
-
391・田村元
○田村委員長 起立多数。よって、修正部分を除いて原案は可決し、本案は修正議決いたしました。
ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/391
-
392・田村元
○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。
―――――――――――――
〔報告書は附録に掲載〕
―――――――――――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/392
-
393・田村元
○田村委員長 次回は、明十日水曜日、午前十時理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後七時五十分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02119680409/393
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。