1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年四月二十三日(火曜日)
午前十時四十四分開議
出席委員
委員長 田村 元君
理事 金子 一平君 理事 原田 憲君
理事 毛利 松平君 理事 渡辺美智雄君
理事 只松 祐治君 理事 村山 喜一君
理事 竹本 孫一君
大村 襄治君 小山 省二君
笹山茂太郎君 四宮 久吉君
西岡 武夫君 古屋 亨君
村上信二郎君 村山 達雄君
山下 元利君 吉田 重延君
阿部 助哉君 井手 以誠君
佐藤觀次郎君 平林 剛君
広沢 賢一君 武藤 山治君
小川新一郎君
出席政府委員
大蔵政務次官 倉成 正君
大蔵省主計局次
長 相沢 英之君
林野庁長官 片山 正英君
委員外の出席者
行政管理庁行政
管理局管理官 山口 光秀君
専 門 員 抜井 光三君
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十月二十三日
委員北側義一君辞任につき、その補欠として小
川新一郎君が議長の指名で委員に選任された。
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四月十九日
在外財産基金法案(植木庚子郎君外五名提出、
衆法第二五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律
案(内閣提出第一六号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/0
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001・田村元
○田村委員長 これより会議を開きます。
国有林野事業特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。
質疑の通告がありますので、順次これを許します。阿部助哉君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/1
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002・阿部助哉
○阿部(助)委員 今度の法律で、一般会計を通して行っておる金が直接公団に行くということで森林の開発をやろうということでありますが、それに関連しまして、まず、ここの委員会でも、いままで物価問題等がいろいろ論議されてまいりましたが、いま物価の中でも一番値上がりの激しいものの一つとして木材があるわけでありますが、なぜこのように木材が足らないのか。また、外材の輸入が非常に多い。あとでお伺いしますけれども、そういうことは、どうも何か林野行政そのものに問題があるのじゃないか。たとえば皆さんの白書で言っておりますように、六八%に及ぶ山地帯を持っておる。しかも日本は御承知のように、どっちかといえば高温多湿、木の成長には適しておる。これだけの面積を持っておって、そうしてこのような木材事情であるということはちょっとうなずけないのでありまして、いまの計画を見ても、皆さんは、五十年後にこの程度になると、こう言っておるが、五十年をどうやって計算したのかわかりませんけれども、皆さんの見通しもたちまちくずれてくるというような事情にある。何かこれにはいろいろなところで欠陥があるんではないか、こういう感じがするわけであります。
それで、いまの林野事業の一番大きな欠陥というか、そういうものを少しお伺いしてみたいと思うのでありますけれども、私は山地帯へ行きますと、やはり何か非常に封建制というものが残存しておる。それに携わっておる皆さんのシステムそれ自体、考え方それ自体の中にもやはりそういうものがあるんではないかという感じがするわけですが、ことしの、四十二年度の外材の輸入はどれくらいの金額になっておりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/2
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003・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいまのお話は四十二年度の外材の輸入ということでございますが、大体国内の需要量の三九%は外材が入っております。その金額はおよそ九億ドルくらいになっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/3
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004・阿部助哉
○阿部(助)委員 外材が輸入される。しかも、最近木材の値上がりというのは非常に激しいわけでありますが、昨年の値上がりはどの程度ですか、前年に比べて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/4
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005・片山正英
○片山(正)政府委員 木材の値上がりは、四十年から四十一年にかけまして約八%、それから四十一年から四十二年にかけまして約一一・八%という値上がりをしております。これは日銀の指数でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/5
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006・阿部助哉
○阿部(助)委員 このように不足になってくるということは、前から予想されてはおったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/6
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007・片山正英
○片山(正)政府委員 御承知のように木材は、三十六年までは内地材のほうが比較的安くて、外材のほうが比較的高かったというようなことから、実は三十六年までは相当の急上昇で木材価格は上がってまいったわけでございます。ところが、三十六年から四十年までは、外材と内地材の価格が大体いいところにまいりましたので、内地材価格はほとんど上がりません。したがって、外材も上がらないといったわけですが、ただ外材が非常に入りやすい形になりましたので、外材の輸入がふえてまいったというのが実情でございます。そこで、四十年の後半から、実はまた木材価格が非常に上がってまいったというような実態でございます。
その内容を若干分析いたしますと、従来は木材不足ということで、大体木材がおしなべて上がってまいったわけでございますが、最近におきまする木材の上がり方というものは、大体品目によって相当違っておるわけでございます。内地材の例を引きますと、たとえばヒノキというような高級材が非常に上がる傾向が出ておるわけでございます。これは裏を返せば、需要が非常にそういうものに殺到しておるという実態ではなかろうかと思うわけでございますが、国民の所得あるいは嗜好性と申しますか、そういうことからそういう木材に需要が非常に殺到しておるということで、高級材が非常に値上がりしておる傾向にございます。それに伴って一般材、あるいは外材というものも値上がりしてまいっておるわけですが、これは外材価格も産地におきまして相当値上がりしておるというのが実態でございます。
そのような形で、主として高級材の値上がりでございますが、全般的にやはり価格が上がっておるというのがその実態でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/7
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008・阿部助哉
○阿部(助)委員 皆さんの出された白書を見ましても、植林というか、造林ということは木材の問題だけではなしに、さらに国土保全という重大な使命を帯びているのだというようなことを皆さんもおっしゃっておるのですが、いまのような程度の計画でこれが将来、需要をある程度満たし、また、山の木のない地帯に植林というものが行き渡るという見通しはおありなんですか。私はどうもこれを見てもそれがわからぬのですが……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/8
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009・片山正英
○片山(正)政府委員 これは少し概貌をかいつまんでお話ししなければならないと思いますが、御承知のように、四十一年四月一日に閣議の決定ということで木材の基本計画並びに長期需給の見通しというものを立てたわけでございます。その立てました背景とします山の内容をちょっとかいつまんで申し上げますと、日本の山の大体三二%が人工林、いわゆる人が植えた木によって育っているという人工林が三二%でございますが、三二%のうちの六七%が終戦後植えた山でございます。したがいまして、伐採の対象に全然ならない木が六七%もあるという実態があるのでございます。それからもう一点は、しからば三二%の残りの山につきましては、大体天然林が主体でございますが、その天然林の四〇%は従来日本で使われております薪炭林、まきとか炭とかそういうものを生産するために維持されておったという山がそのうち四〇%あるわけでございます。そういうようなことから日本の資源というものを今後用材林に切りかえていかなければならぬという実態でもありますし、使命でもあろうかと思うわけでございます。
そこで、長期計画におきましては、人工林の三二%というのを、人工林の可能なところにそれを植えていく、いわゆる拡大造林とわれわれは言っておりますが、そういう形で五六%まではもっていきたいという推進をいたしておるわけでございます。そのような形で推進いたしますと、五十年先の昭和九十年ということでございますが、その段階におきますと、木材需給というのは九〇%自給率が達成するのであろうというふうに思うわけでございます。
そこで、その間どういうふうにもっていくかということにつきましては、まだ未開発の山が三〇%以上でございます。したがいまして、その未開発の山を開発しながら、以上のような森林の資源を拡大していくということとあわせまして、現在の木材需給も緩和していくという方向で推進しているわけでございます。ただ、前提で申し上げました日本の山の実態でございますので、遺憾ながら昭和五十年、今後十カ年間くらいが日本の山の一番苦しい時代というふうに考えられるわけでございますので、その間はどうしてもある程度外材の依存によらなければ需給は保ち得ないという段階でございますので、それらを計画的に推進するとともに、外材についても計画的に輸入をして安定をはかってまいりたい。
以上のような方向でいっておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/9
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010・阿部助哉
○阿部(助)委員 五十年後にある程度まで満たすということでありますが、いまのような調子では、私はどうもいかぬのではないかという心配をするわけであります。皆さんの計画は、この需給計画等も四十一年の決定、それ以来何べんか後退というか変更せざるを得ないところに追い込まれる。ことしの二月にまた修正しておるという形ですが、いずれにせよ、いまの森林資源というものは非常に貧困だ。立地条件に恵まれておるにかかわらず貧困だと私は思いますが、長官はどうですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/10
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011・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいまも御説明申し上げましたように、終戦後植えた木が多いということ、それから薪炭林が四〇%もあるというようなことで、現状といたしますと、森林に対するわれわれの期待というものに対しては非常に少ないものでございます。したがいまして、先生のおことばをお借りすると、貧困ということばがそのまま当てはまると申しますか、あるいは実態でありまして、そういう実態を通しますと、なかなか生産増に思うように結びつかないと申しますか、そのような形の山が相当あるということは言わざるを得ないと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/11
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012・阿部助哉
○阿部(助)委員 ことばが少しきついかもしれませんが、まだ十分でないというその一番大きな原因はどういうものがあるとお考えになっておるわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/12
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013・片山正英
○片山(正)政府委員 それは先ほどもお話ししましたことと若干関係いたしますが、終戦後植えております人工林というのは、大体毎年四十万町歩くらい植えてきておるわけです。一番のピークは三十六年でございますが、四十万余植えておるわけでございますが、戦前と申しますか、ちょうどいま伐採しておるような木を植えておった時代、昭和初期と申しますか、そのときはいまの四分の一くらいしか植えておらないという実態でございます。
それからもう一つは、日本の山の経営が、薪炭林というのが従来非常にウエートが多かったわけであります。木炭であれ、まきであれ、燃料構造がそういうものに非常に期待しておったわけでございますので、そのような経営が民有林に相当行なわれておった。それが需要の変化によりまして、そういうものではなしに用材林に切りかえていかなくてはならぬというのがいまの現状でございますので、その用材林に切りかえる苦しみを実はいまやっておる最中であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/13
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014・阿部助哉
○阿部(助)委員 そういう点はありましょうけれども、これだけの、先ほど申し上げたような立地条件の中で、私たちが目で見るところでも、私有林の零細な人たちはあまり木を植えようとはしていないですね。またこの面積が——山林農家というか山地帯の農家の戸数でいえば、皆さんの資料で見ても九〇%に当たる農家、しかもどっちかといえば、非常に生活に追われておる農家であります。したがって、いま皆さんのやっておる中では、なかなかいまの補助単価ではこれはやれない。しかもその面積が三八%と皆さんの数字が出ておるが、四割近い面積を持っておる。こういうものが造林をされていかなければ、皆さんの計画はなかなかうまくいかないのではないか。かりに皆さんの計画どおりいったとしても、これは国土保全という点——ことに私のところは昨年も八・二八水害で被害を受けたわけでありますが、そこを見ると、やはり木を伐採しておるところがよけい欠けておるということを見るわけです。そうしますと、そういうところにやはり木を植える努力というものが、いまのような程度では進まないのじゃないか。いまの農家が、いまの皆さんのやっておる施策で、あそこへ木を植える努力をするということは、私にはちょっと考えられない。何かそういうものを考えていかなければ、日本の森林資源という点から見ても、また国土保全という点から見ても、どうも不十分過ぎる、度が過ぎるほど不十分だ、山に対する投資が少な過ぎるという感じがするのですが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/14
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015・片山正英
○片山(正)政府委員 造林の問題でございますが、先ほども触れましたように、三十六年までは造林が非常に伸びてきたわけでございます。それは所有者のいかんを問わず非常に伸びておる。零細所有者もそうでございますが、伸びてきた。ところが、三十六年を境にしまして、遺憾ながら漸減をしておるわけでございまして、その点は御指摘のとおりでございます。
ところで、造林政策といたしまして、われわれといたしましては、補助造林、融資造林、それから、これは法律がございますが分収造林、それから、水源林を主体といたしましたいわゆる森林開発公団によります水源林の造林、あるいは県におきます公社造林というようなことで推進してまいっておるわけでございます。開発公団の造林につきましては順調にいっておるわけでございますが、補助造林等につきましては、遺憾ながら確かに御指摘のような減少傾向が見られるわけでございます。
そこで、われわれといたしましても、補助造林という問題につきましては、先生の御指摘のとおり、小森林所有者を対象にしましては、補助ということを通してこれを推進する。それから大面積の所有者に対しては、原則として融資造林ということでこれを推進していくという方向で進めておるわけでございます。
ところで、先ほど申しました薪炭林が非常に売りにくい、あるいは需要がないということから、造林もなかなか思うようにいかなくなったという状態でございますので、昨年度、関係町村の御理解をいただきまして、団地造林というものをいま推進いたしております。団地造林というのは、御承知のように薪炭林の山でなかなか改良ができにくい、用材林化しにくいという団地を対象にいたしまして、造林を推進するための種々の援助措置——平たくいえば、ある程度高率の補助をいたしましてこれを推進しておるというのが現状でございます。
したがいまして、われわれとしましては、今後もそういうことを通して、種々造林対策については検討しながら推進していきたいと考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/15
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016・阿部助哉
○阿部(助)委員 そういうことで進めていきたいという希望はわかりますけれども、現実はむずかしいのじゃないか、私はこう言っておるわけです。あなたがおっしゃったように、三十六年から、農業関係は全般的に後退をしておるわけです。これはちょうど所得倍増政策というか高度成長政策を池田さんがおとりになった時点で、この時点から農業政策はずっと後退をしてきた。それで、一つは、高度成長に伴う人口の流出というものがからまり、それから農業のほうへの投資が少なくなる、そうして農業関係の人たちは都会へ出かせぎをしに来るという、出かせぎがふえてきたのもこの時点からであります。それはもう皆さんのほうがよく御存じだと思います。そういう中でいまの団地造林あるいはまた補助造林、こう言うけれども、その補助造林の中身が不十分だ、私はこう言っているわけです。それは水源林の造林であるとか、大きなところに対しては分収造林をやるとかということで、これはある程度進むと私は思う。だけれども、三八%という大きな面積を持ち、そしてまた、そこに持っている小さな山持ちの人たちは山だけでは食っていけないのだから、どうしても出かせぎあるいはいろいろなことをやらなければならぬ。山に期待をするわけにはいかない。しかし面積は三八%持っているというところに一番悩みがあるのではないか。どこにどうやってその悩みを解決していこうということが明示されないと、皆さんの計画、また公団の使命というものに私は疑義を持たざるを得ない。公団はそういうことはやらない。それならばやはり林野庁のほうでそれに対するもう少し具体的なものを出さないと進まないのではないか。
例をあげると、私のところはいま災害地の復旧でたいへんです。作付もできない農家が非常に多い。ある村では、一村のうち七割がことしもまた作付不能だ。そうすると、二年続けて災害を受けたと同じことになる。なぜかというと、これは工事の予算単価が少ないからです。みなよそへ出かせぎをしたほうが金になるから地元では復旧の労働者がいない。だから工事が進まない。雪のせいもあるが、それ以上に問題は、この予算単価が千円ちょっとくらいでは生活ができない。水の被害を受けた人たちは金が少しでもよけいほしいとなれば、家族と別れ別れても出ていかなければいかぬ。そういう現状をいま見ておるわけですが、皆さんのあれも、そういうところの、具体的にこの程度でこういうことでやるのだということがなければ進まないと私は思う。
私はあとでお伺いしたいと思うが、何といっても、皆さんのところの日給制の人たちの賃金、あるいは労働力不足ということを皆さんの白書でも強く言っておられるが、そういう点からいくと、なぜ労働力が不足するのか、やはり進まない一番大きな原因は、そういう地帯に対する手当てというか政策というものがなさ過ぎるというところに一番大きな原因があるのではないか。それは薪炭林があるという理屈もあるでしょう。いろいろないままでの経過もあるでしょう。だけれども、いまこれから国土保全あるいは森林資源を増加しようということになれば、その問題を避けるわけにはいかないのではないか、こう思うのですが、いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/16
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017・片山正英
○片山(正)政府委員 御指摘の労務の問題でありますが、労務の問題につきましてはなるほど山林関係で減少していることは事実でございます。そこで問題は、この労務の確保の問題になるわけでございますが、御承知のように季節労務というようなことで、従来非常に労働力過剰の時代におけるような雇用形態と申しますか、そういうような形の推移が確かに見られるわけでございます。そこでわれわれといたしましては、労働の確保の前提となります社会保障がそのまま当てはまるような姿、そういうものを指向して指導すべきであるということで二、三年前から労働力対策というもので推進しているわけでございます。今年度予算におきましても、結局通年雇用の推進ということを一つの大きな目標といたしました。それはとりもなおさず社会保障の基盤となるものでございますが、そういう条件を整備していくというような形でこれを推進してまいりたいという方向で逐次やっておるわけでございます。
それからもう一点の労賃の問題でございますが、なるほど労賃単価というのは非常に上がってきておるわけでありまして、現状のわれわれが補助をいたしておりまする姿とは若干食い違う点もあろうかと思います。したがいまして、そういう問題につきましてはわれわれも逐次お願いいたしまして、本年度も一一%ほど労賃の単価を上げていただいて、そのような努力の中で解決してまいりたいというふうに存ずる次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/17
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018・阿部助哉
○阿部(助)委員 一二%上げて金額で平均幾ら上がっているのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/18
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019・片山正英
○片山(正)政府委員 昨年が七百十円でございますので、本年は八百円でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/19
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020・阿部助哉
○阿部(助)委員 まあパーセンテージでいけば一二%、たいへん相当なあれを上げたようですが、八百円程度の賃金で大体生活できると思っておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/20
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021・片山正英
○片山(正)政府委員 確かに御指摘のとおり造林賃金というのは、われわれ調べますと、やはり千円ちょっと上回っているというふうに存じております。しかし、全体の姿の中でやはりこれは推進していかなければならないということで、われわれ今後とも努力してまいりますが、その一つの方向として団地造林ということをやってまいったわけでございます。従来の造林は四割補助でございますが、団地造林ということになりますと、作業路まで、すなわち、資材を運搬する作業路まで一応補助対象にいたしまして、結論といたしますと六割七、八分というような補助になるわけでございます。そのような形で推進している段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/21
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022・阿部助哉
○阿部(助)委員 大きなところは分収造林というようなことも可能であるし、やっておるが、こういうところにも、何か将来木を切ったときに取るにしても、分け合うにしても、とりあえずさしあたっていま生活で出かせぎをしなければいかぬようなところに安い予算単価でやれといっても、現実のその日その日を追われておるのです。その人たちにそれをやってみたって、逐次考えていくという程度では、これは解決しないんじゃないですか。皆さんが役所のところで考えるんじゃなしに、一ぺん農民の立場になってお考えになれば、将来何ぼ金が入るにしても、木が大きくなって売れるにしても、現実にことし、来年と生きていかなければならない、きょう、あすと生きていかなければならない、そういう中でこれができるとは私は思わぬのですが、それで民有林の零細な地帯の造林は進んでおるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/22
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023・片山正英
○片山(正)政府委員 先ほどちょっとお話し申し上げました零細造林につきましては、補助を原則としてやっておるわけでございますが、なるほど統計的に見ますと五ヘクタール以下ですか、非常に小さいものの人たちの造林が一番停滞しているということは御指摘のとおりでございます。労務の現状を見ましても、統計によりますと、三十四万人というものが林業労務でございますが、その中で一番最近減ってきたのがいわゆる自家労働、いわゆる家族労働の人たちが非常に減少しております。雇用している雇用労働者というのはあまり減っておりません。家族労働者の人が非常に減ってくるというような現状は確かにございます。したがいまして、われわれとしましても、それらの対策を含めていわゆる協業方式、そういうものもあわせて考えておるわけでございますが、今回の森林法の改正につきましても、そういう意味でこれを達成してまいりたいというふうに思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/23
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024・阿部助哉
○阿部(助)委員 それをやりたいというだけでは困るのでして、私、もう少しそこをきちんと、こうやりますということにならぬと、検討するとかなんとか言ってみたところで進まないんです。大きなところは、場合によればこれこそ融資でもできるでしょう。だけれども、こういう零細なところ、しかもこれだけの農家と、これだけの、三八%の面積をこれこそほんとうに力を入れて皆さんがおやりにならなければ、林野行政というものはうまくいかないのじゃないか。
あとでお伺いしますけれども、どうもそういう点からいって、大きなところとの話し合いといいますか、一緒になってやるのはいろいろと進むけれども、一番数多くの、また面積も大きいこの零細な人たちのところに対してはなかなか仕事が進んでいかない。ここの問題の解決というものをもっと真剣に考えなければいかぬのじゃないかという気がするのですが、どうもいまの御答弁では、私は進むようには思わぬのですがね。それで進みますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/24
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025・片山正英
○片山(正)政府委員 御指摘の、小所有者に対する造林が確信があるかというお話でございます。なるほど一つの問題だけではなかなか解決つかない。労務の問題もありますし、単価の問題もございます。それからやり方、方式の問題もあろうかと思います。そこで、われわれは総合してこれらをやってまいっておるわけでございますが、先ほど申し上げました団地造林もその一つの姿でございますし、あるいは各県でやっております公社造林というのもそれに相関連する姿でございます。あるいは労務確保ということで、労働力対策としてわれわれも推進しておりますが、それもその一つでございますし、森林法の改正によるいわゆる計画の中で推進するというのも、これもその一つでございます。いずれにしましても、そのような総合した中で労務の安定をはかりながら達成していく、努力していくというふうにわれわれは思うわけでございます。
なお、造林問題については、日本の今後の林政の問題点でもございますので、十分先生のおっしゃることも腹に入れまして、検討の中で何としても達成していくという形をとってまいりたい、かように思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/25
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026・阿部助哉
○阿部(助)委員 それならば、いま団地造林をどの程度年間面積でやっておられるのですか。それから、いまおっしゃった県の公社といいますかの造林、そういうのは大体どれくらいずつ一年間やっておられるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/26
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027・片山正英
○片山(正)政府委員 団地造林は御承知のようにいま始まったばかりで、去年から実はやってまいった実績でございますので、去年三万ヘクタールくらい、ことしが四万というふうに約三割も増加しているわけですが、そのような形でやり出したものですから、まだ十分じゃございません。しかし、そのような形で推進してまいりたい。
それから公社造林につきましては、これも三十六年くらいから各県それぞれ実情によってやってまいったのでございますが、四十一年におきましてはこれは非常に少ないので、まだ六千ヘクタールということでございます。これも公社が最近になって各県でできつつある姿でございますので、これまた過渡的な姿でございますから、現在のところはまだ六千ヘクタールというような現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/27
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028・阿部助哉
○阿部(助)委員 いまお話しのとおり、これにも出ておりますけれども、総合的におやりになるというけっこうなことばだけれども、実際は三万か四万では、これは全体の面積から見ればスズメの涙みたいなものだと私は思うのですが、そういうものをもう少し力を入れていかないと、皆さんの計画どおりにはいかないし、木のない山がふえてくるのではないか。それについても、やはり私はそれの予算単価の問題であるとか、労務対策というのが一番おくれておるのがおたくの林野関係ではないかという感じがするわけです。たとえば皆さんのところで職員として三万八千七百四十八名、それでいて常用というのですか日給制の職員が一万名を越えておるわけでしょう。もういまどき日給制なんというものはやめにして、これを皆さんのところの定員に組み入れるというようなことはできないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/28
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029・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいま御指摘のあった三万八千何がしという人数は、いわゆる国有林におきまする職員だと思います。それから常用、いま先生おっしゃいました一万何がしというのも、同じ国有林の労務者である、かように思います。
そこで、そういう前提で、なぜそういう人たちが定員内にできないのかというお話しであろうかと思いますが、これは先生御承知のように、国家公務員といたしまして採用いたします姿におおよそ二つあるわけであります。いわゆる定員内職員と非常勤職員というものでございます。そこで、非常勤職員と定員内職員の差はどういう考え方で分かれるのかと申しますと、第一点は、一年以上継続して雇用できるということと、その職が恒常的であり、したがってそういう形の恒常的であるということで定数がきめられるものというのが、いわゆる定員内に任用する基準となっているわけでございます。
ところが、一般に木を切ったり造林をしたりというような山の仕事と申しますのは、非常に季節的な仕事でございます。かつまた場所によっては転々と変わるという仕事でございます。それから一年でたとえば伐木するというのも、やりようによっては半年でもできる性格のものでございます。したがいまして、そういう性格のものは恒常職というふうに解釈しないというのがいわゆる姿でございますので、非常勤職員という形で雇用しておるわけでございます。しかしながら、非常勤職員として雇用するけれども、やはりその身分を安定していくという意味から、われわれはっとめてこれを長期に雇用してまいるという形で安定をはかってまいりたい。いわゆる性格論と実際にやることとはちょっと違うわけでございますが、性格論としましては、遺憾ながら非常勤という形でとるというのがわれわれとしての法解釈からしました態度でございますので、この点は御理解いただきたいと思うわけでございます。雇用の安定ということあるいは賃金の上昇ということにつきましては、真剣に努力しているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/29
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030・阿部助哉
○阿部(助)委員 いろいろと皆さんのほうで理屈があり、私は法律違反だなんということは言っておりませんよ。だけれども、この四十三年一月現在で月給制の職員のほうの平均が四万二千九百八十七円、日給制の平均が二万六千五百六十五円と、こういう数字があるわけです。働くほうにしてみれば、やはり生活をしていかなければならぬのですよ、皆さんのほうの法律解釈がどうであろうと、二万六千円でとにかく山の重労働をやっていくことができると思っておるのですかね。まあ月給を上げることにも努力をしておると長官おっしゃるけれども、これで努力したあとというのが見られますかね。いまどきこの物価の中で、二万六千円で働けというても無理でしょう。これで努力したなんということにはとてもならないんじゃないかと私は思うのですが、どうです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/30
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031・片山正英
○片山(正)政府委員 作業員の方の賃金のきめ方でございますが、これは地元におきまするいわゆる地場賃金、それが一つの目安になるわけでございます。もちろんそれだけではございませんが、それが目安になる。そういう意味から一応全国にこれを見ますと、地場賃金と比較した場合に国有林の賃金が非常に悪いというふうには実は考えられないわけでございますが、たとえば建設業におきまする屋外の作業の人たらとの比較をいたしますと、おおむね同じぐらいの賃金でございます。約千四百八十円、おおむねそのくらいの形でございます。
それから貸金の上昇率を見ましても、三十五年を一〇〇としますと約二倍余賃金が伸びてきております。これまた屋外労働、建設省の方とほぼ同じ形でございます。と申しましても、御指摘のように、その後の賃金がそれで十分だというふうにはわれわれ考えてはおりません。やはり所得向上という面からわれわれも山の合理的な運営を通してこれを達成してまいりたいというふうに努力しておるわけでございますが、現状といたしましては、先ほど申し上げました姿でございます。今後とも、努力することについて、われわれ真剣に、よく経営との関連でやってまいりたい、こういうふうに思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/31
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032・阿部助哉
○阿部(助)委員 地場賃金というのも最近は上がっておるのですよ。私の新潟のいなかでも、大工を一人雇えば二千何ぼかかるというぐらい上がっておりまして、皆さんが地場賃金だといって押えておるこの金額というものは、これでは安過ぎる。それよりも何よりも、地場賃金がどうだこうだということを皆さんもおっしゃる。県や国の建設関係のほうも、災害復旧はおまえたちの土地を直すのだからがまんせいというようなことで安い賃金をやる。それがいまの地場賃金になってくれば、問題は生活をしなければならぬ。だから、地場賃金でいいというような考えでおれば、いつまでたったって労働問題は解決していかない。ますます皆さんの仕事をする労働者はなくなると思う。
私は、日給制を月給制にしないということにも理解ができないのですが、この日給制の賃金の低さというのも、またこれ問題にならない低さじゃないですか。こんなことでほんとうの日本のこれからの森林資源を確保していこう、国土を保全していこうなんということを皆さんが本省で幾ら計画を立てましても、現地は一つもこれは進みませんよ。私は進まないと思う。結局大きな公団なんかに金をつぎ込んで、公団が独自でやるような分収造林だとかそういう大きなところは何がしか植林もされ、進むだろうけれども、一番肝心のこういうところに対しては、三八%もある民有林に対しては、私はこれは進まないと思う。皆さんはただここで努力する努力するとおっしゃるけれども、ほんとうにこれは真剣に考えないと皆さんの計画は進みません。
〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕
いま一日千百五十円ぐらいで生活ができるとお思いになりますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/32
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033・片山正英
○片山(正)政府委員 労賃はただいま申しました地場をもとにした姿でございます。しかし、都市関係と比較いたしますと確かに格差が相当ございます。したがいまして、われわれはそういう形で今後あるべきということは毛頭考えません。やはり都市労務関係と同じような形に持っていく。そのためには、われわれとしましても、林道の整備であるとか、あるいは個々の小さな所有者が自分だけの生産体制ではなかなかでき得ないわけでございますので、資本装備がやり得るような姿、たとえば森林組合に委託をして、それによって大きな施業をやっていけるような形、そういうものを通して先生のおっしゃる、賃金も相当の期待を持ち得るのではなかろうか。したがって、そういうような形もあわせて指導の中でわれわれはこれを達成していきたいというふうに思って、林業構造改善もそのような意味で推進しているわけでございます。先生のおっしゃる、一挙に、すぐにというのはなかなかむずかしいかもしれませんが、急速な方向でわれわれはそれを達成してまいりたいというふうに思っておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/33
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034・阿部助哉
○阿部(助)委員 山地帯の雇用関係というものは、地場ではやはり封建的なんですよね。封建制という残滓をまだ非常に持っておるわけです。私のほうでいえば平場の地帯は昔からの小作争議等もありまして、これはいろいろな運動等もあったおかげで民主化がわりとよく進んでおる。農村は非常に封建性を持っておるといわれるけれども、それでもまだいい。しかし、山地帯に参りますと、われわれでも驚くほどやはりそういう残滓を強く持っておるわけです。それをいいことにして、林野庁はさらに封建制の強い雇用関係を継続していこうなんということになったら、これはもう時代おくれもはなはだしいという感じが私はするわけです。
それでは、次のあれに移りますけれども、北海道では国有林の払い下げの場合これは随契というものが非常に数量が大きいのですね。やはりこれは一般入札とか指名入札ということをやらないで随契というものが多いのはどういうわけなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/34
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035・片山正英
○片山(正)政府委員 国有林の販売につきましては、会計法並びに国有林野特別会計法等によりまして、公共用に確保するとかあるいは地元産業に確保するとか、その他災害等というようなことで、国有林の販売をやっておるわけでございますが、そのやり方としましては、おっしゃるように一般競争入札、指名競争入札、随意契約という三種類に分かれて実施しているわけでございます。
そこで、北海道等随契の多いのはなぜか、こういうことでございますが、われわれ原則論を申し上げますと、国有林に非常に依存している山村、工場が多い場合に、国有林と密接な関係があり、そして国有林に非常に依存しておる場合には随契量が比較的多くなるというのが実態でございます。と申しますのは、やはりその中で安定してまいらなければいけない。国有林以外にたよるものがないという場合にはやはり安定した販売をしていかなければ非常に企業が不安定化するということから、そういうような措置をいたしておるわけでございます。しかし指名、一般、すべて相関連してやりますが、考え方としましては、そういう地帯が随契が多くなるということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/35
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036・阿部助哉
○阿部(助)委員 それで随契のほうが指名の価格や何かよりは非常に安くなっておるのはどういうことなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/36
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037・片山正英
○片山(正)政府委員 指名であろうと一般競争であろうと随意契約であろうと、価格そのものにはわれわれは変更と申しますか、差異を設けておりません。ただ一般競争でありますと、いわゆる、競争の中にあるわけでございますから、景気が非常に過熱してまいりますと、われわれが予定してありまする予定価格よりは高くなる。その反面、景気が非常に悪くなりますと、われわれが予定している価格で買っていただけないのです。したがって不落になる。入札が落ちないというような形もあるわけでございます。したがいまして、われわれが予定しております価格そのものにつきましては、随契、指名、競争のいかんを問わず一応予定しておるわけでございますが、結果としまして、そういうような形に相なることがあるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/37
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038・阿部助哉
○阿部(助)委員 これは皆さんの資料ですが、四十一年では、北海道では随契が六一%を占めておるのですね、数量で。それで大半を随契でやって、随契の単価は千六百三円。ところが、この一般入札の場合には二千四百二十七円、まあ倍まではいかぬけれども、相当の値開きがある。随契で、あなたのおっしゃるように地元の産業を育成せねばいかぬとかいろいろな理屈をつければあるでしょう。しかし、国の財産というものが大半が随契でやられる。その随契の単価は入札価格の六割程度で随契されるというのは国民は納得しないのじゃないですか。産業の育成という点ではわかるけれども、その産業は私的産業であって、何もそんなに安くせぬでもいいじゃないか、国民の立場になれば私はそういう感じを持つだろうと思うのですが、皆さんはそれに何もふしぎはないということですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/38
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039・片山正英
○片山(正)政府委員 先生の御指摘のありました数量と総単価と、それを割りますと一つの単価が出るわけでございますが、これが同じものであれば先生御指摘のとおりだと思います。しかし、木材は御承知のように非常に違うわけでございます。たとえばパルプもある、坑木もある、あるいは貴重な一般材もあるという形でございますので、そのものの姿ということとはちょっと違うのじゃないだろうかというふうに思います。内容と単価では同一ではないというふうに御了解いただきたいと思うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/39
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040・阿部助哉
○阿部(助)委員 皆さんの資料をいただいておりますが、随契の一番多い会社は大体製紙会社、製紙会社にほとんど随契で売り渡しておるということなんでありますが、木材の種類も違う、いろいろな点で比較はちょっと困難な点もありますが、その辺が国民の立場としてはなかなか理解ができないわけであります。何か林野庁とそういうパルプ会社と癒着しているのではないかという疑惑を持たれるわけです。
そういう点でもう一つお伺いしたいのでありますが、長官は林総協、森林総合対策協議会という団体を御存じですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/40
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041・片山正英
○片山(正)政府委員 存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/41
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042・阿部助哉
○阿部(助)委員 これはどういう人たちがつくっている会ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/42
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043・片山正英
○片山(正)政府委員 これは、御承知のように昭和二十六年に任意団体として発足した団体でございます。森林資源総合対策協議会というのが正規の名前でございます。
そこで、これらの会員の人たちは何かということでありますが、これは二十六年当時山が非常に荒れておった時代でございますが、そして森林法も改正いたしまして山を復旧しよう、そういうときに発足したものでございます。したがいまして、森林資源を非常に大事にし、育成するとともに木材そのものをいかに合理的に利用するかというのが目的で発足した団体でございます。したがいまして、その団体はパルプ、化繊、坑木、製材関係、合板関係、そういうありとあらゆる木材を使うものたちの総会した団体として発足したわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/43
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044・阿部助哉
○阿部(助)委員 ここの会費は寄付とかあるいは加入者一団体幾らとかいうことで集まっておるわけですか。どういう形でこの会の会費が構成されておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/44
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045・片山正英
○片山(正)政府委員 これは木材に関係の多いものはすべて会員になる資格があるわけでございますが、普通会員年額一口二万円以上、それから賛助会員年額一口五千円以上というものが積み立てられまして、結果的には四十二年度の予算におきましては三千六百十万円というのが総予算の内容でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/45
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046・阿部助哉
○阿部(助)委員 これはいまの話で民間の団体でしょう。しかし、この民間の団体に皆さんの役所の人たちがつとめにいって、それでまた林野庁へお帰りになるというようなことをやっておりますね。これは法律上は違法ではないかもわからぬけれども、これは何か少し国民は割り切れないのじゃないですかね。民間団体に役人が行って、しかも場合によれば林野庁の取引の相手になるところのパルプ会社、そういうものが林総協の主力なんですね。そこへ役人が林野庁から三年なら三年間つとめて、それでまた役所へ帰ってくる。そんなことはほかの役所では私はちょっと見当たらぬと思うのですがね。こういうことは法律上は違法ではないかもわからぬけれども、何か国民の常識からいくとうなずけないのですが、これからもまだそういうことをやる気でおるのですか。
〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/46
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047・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいま御指摘のありました林総協に対する職員の派遣の問題でございますが、一般論といたしまして、政府関係機関、たとえば公庫であるとか基金であるとか、あるいはそれに準ずるような性格の団体、そういうものに対しまして職員を派遣し、また戻しておるという例はあるわけでございます。林総協につきましても、先ほど申しましたいわゆる総合した森林の対策ということでございますので、そういう準じた措置をとっておったわけでございます。ただ、その姿といたしまして、相手方が、いわゆる林総協がいろいろの事務を円滑に進める上に職員が必要だということもございますが、また、そういうような立案をする場合に行く職員が非常に勉強になる、あるいはそういう知識を得るというような職員のためもあるというようなことから、先ほど申しました政府並びにそれに準ずるものにつきましては、職員の派遣ということがあったわけでございます。そこで、林野庁といたしまして、二十六年から発足しました林総協に対しましては、三十八年まで十二カ年になりますけれども、職員を派遣してまた戻してきております。そのような意味でやっておったわけでございますが、最近におきましては、もうその必要はないということで、派遣して戻すということは三十八年以降はいたしておりません。したがいまして、現在はそういう形はございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/47
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048・阿部助哉
○阿部(助)委員 あなたの話はいろいろと矛盾しておるのですがね。林野庁がそこへ派遣するというのは勉強になると言うなら、いまでも勉強になるでしょう。どうなんです。あなたのいまの説明は幾つか矛盾があると思うのですが、林野庁の職員が勉強になるのだ、だから派遣しておるのだということになれば、いまだって勉強になるから派遣しなければいかぬのじゃないですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/48
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049・片山正英
○片山(正)政府委員 勉強にもなるし、かつまた、団体の当初発足した運営を円滑にするという二つの意味から実はやったわけでございますが、最近におきましては、その必要はないということから、出した職員をまた戻すということは現在はやっておらないということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/49
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050・阿部助哉
○阿部(助)委員 そうすると、勉強になるというのは取り消したほうがいいのですね。向こうの民間団体へ、林総協側の仕事が円滑になるためにお手伝いに行ったのだ、こういうことなんですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/50
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051・片山正英
○片山(正)政府委員 当時は確かに各省関係のいろいろ総合したものをやるわけでございますので、非常に勉強にもなりました。そういう意味で、かつまたそれらを円滑に進めるということで出したわけでございますが、現在はその必要性はあまりないのではなかろうかということで出しておらないというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/51
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052・阿部助哉
○阿部(助)委員 どうもわからぬですな。当時は勉強になったが、もう勉強にならぬからやめたのだ、こういうことですか。
それじゃもう一つお伺いしますけれども、ここへ行くのは、本人が行きたいということで、希望して行くのですか。それとも、上のほうからお前行けと因果を含めてやるわけですか。どっちですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/52
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053・片山正英
○片山(正)政府委員 これは御承知のように一応退職になるわけでございますので、本人と十分相談の上で実施しておったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/53
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054・阿部助哉
○阿部(助)委員 しかし、大体本人と相談はするけれども、適当な二年とか三年たったら帰ってくるという話もできた上で行くのが多いのでしょう。行ったまま帰らない人もあるようですから、そういうのもあるけれども、大体はまた帰ってくるという条件づきで話し合いの上で派遣をされておったわけでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/54
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055・片山正英
○片山(正)政府委員 御指摘のとおり、人によりましてはそのとおりでございます。戻すという前提で行ったということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/55
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056・阿部助哉
○阿部(助)委員 長官はいろいろなところにそういうことをやると言うけれども、これは本省から地方の県に行ったり帰ったりするのはこれはあります。これはまたいろいろな意味があると思いますが、純然たる民間団体の林総協に役人を派遣する。その主力はパルプ会社でしょう。そういうところに役人を派遣する。それで帰ってきて、今度林野庁の主要な課長であるとか営林署の署長であるとかいうポストにつくということになれば、さっきの随契の問題とからめてみても、どうしてもパルプ会社やあるいは大山地主というものと林野庁との、そういう点からの結びつきというものが当然考えられる。いま公務員のいろいろな関連会社への天下りというものはけしからぬという声が多いし、論議もされている。国民もそう思っている。国民もその点で不満を持っている。これは天下りどころではないのではないですか。全く林総協という純然たる民間団体と林野庁とが半分一緒になっているみたいな感じで長官はおられたのではないですか。それでいま山の問題がうまくいくわけはない、公団なんというのに金つぎ込んでみたって。これはあなたのところで官行造林をもっとやればいいし、また、零細農家に対する予算単価等も引き上げて、そしてその人たちが木を植えるようなことをしなければ、日本の森林資源も確保できないし、ちょっと雨が降れば災害を引き起こして一千億もの被害を出すということになってくる。そういうものを考えられないで、こういう形で民間団体なのか役所の一翼なのかわけのわからないような人事の交流までやるということは、私は、ちょっと許されないのではないか、どうも長官の考え方それ自体がおかしいと思うのです。勉強になるとか……。それならば、よその民間団体が何かつくって、仕事を円滑にするために役所の人ちょっと来てくださいと言えば、あなた出しますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/56
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057・片山正英
○片山(正)政府委員 もしそういう誤解を生むことであれば、それは非常にわれわれとしても注意をしなければならないわけでございますが、なおまた、現在はそういうことはしておらないわけでございますが、当時過渡的な問題といたしまして、先ほど申しました森林資源を総合した対策を講ずるという、各省あげての対策の一つの団体であったわけでございますので、国の経済上からも必要であろうというような観点から派遣をし、かつ本人もそれによっていろいろと知識を得るというようなことで、三十八年まで確かに行ったわけでございます。その点は御了承いただきたいと思う次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/57
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058・阿部助哉
○阿部(助)委員 いや、これからやらないとおっしゃるならば、それはそれでようござんすけれども、考え方が私はどうもわからぬのです。この団体はいかにもあなたは何か古いことばでいえば国策的な機関だみたいなことをおっしゃるけれども、これは純然たる民間団体でしょう。しかし、パルプ会社は、日本で安い木がよけいあればいい、商売上そう考えるのは当然のことです。だけども、こういうことをやったりいろんなことをやりたければ、正式な調査機関であるとか審議会であるとか、幾らでも皆さんのほう、政府ではつくっておられるでしょう。そういうものをつくって総合的な対策を立てるとか、あるいは林野庁の中でそういうことを立てるだけの能力がないというならば、そういう各省からの人に集まってもらうようなやり方は幾らでもいまあるじゃないですか。パルプ会社や銀行がつくっておるようなそういう団体に人間を派遣しなければ知恵が出てこないということはないでしょう。あなたは初めの構成のところも、いろいろと木材に関係あるところ、こう言うけれども、その主力はパルプ会社でしょう。基本的にあなたの考えが私は納得ができないのですよ。どうもその辺に、この山の問題もからみ、何かすっきりしない、ほんとうに民主化した役所になりきらないところに、山の問題の一番根本があるんじゃないかということを私はお伺いをしたいと思っておったわけです。そういう点でどうも私、いまのあなたの答弁には納得できないのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/58
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059・片山正英
○片山(正)政府委員 林総協の運営でございますが、理事が七十名ほどおるわけでございます。その内容は先生も御承知だと思いますが、パルプ会社以外に坑木であるとか製材であるとか、あるいは電力であるとか、ありとあらゆる関係各省にまたがるいろいろな企業の方々が入っておるわけでございまして、試みにパルプだけをとりますと、理事のうちの約三割がパルプ、製紙関係の理事になっておるようでございます。対策そのものは一パルプに対してどうするというようなものじゃなしに、いままでの実績も御存じだと思いますけれども、木材全体の、森林全体の姿をどうするんだというところが中心になって動いているわけでございます。パルプそのものというものでございますと、パルプ連合というものがございます。それと全然切り離した形で、いわゆる統合した森林の対策ということで議論が詰められ、対策が打ち立てられておるわけでございます。その点は先生御存じだと思いますが、そのような形でこの協議会が発足し運営されているわけでございますので、その点も御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/59
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060・阿部助哉
○阿部(助)委員 その団体が全般の計画を立てたり、いろいろ考えたり、皆さんのほうに意見を述べるということは、それは私は悪いとは思いません。また、そこに皆さんのほうからいろいろな研究のための資料を出してやるというようなことは、私はいいと思うのです。だけれども、人がそこに行って、昔のことばでいえば、何というか雇用されて、それで帰ってきてまた本省の皆さんのところの課長になり部長になり、あるいは署長になるということになれば、それはやはり許されないのじゃないか。そんなことを言うなら、あなたの理論を発展させるならば、高級官僚の天下りなんというのはあたりまえのことなんで、けっこうなことだということになるんじゃないですか。それを国民は批判をし、国会でも論議をされるのはなぜなんですか。そこをお考えにたりませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/60
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061・片山正英
○片山(正)政府委員 いろいろな御指摘がございます。したがいまして、われわれといたしましては、三十八年以降は誤解を招くようなそういうことはやっておりませんので、今後も注意してまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/61
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062・阿部助哉
○阿部(助)委員 注意されるということを、もうそこには派遣をしないということに解釈してよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/62
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063・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいま先生の御指摘がありました、派遣してそれをまた林野庁に引き取り、そして役人としてやるという、出してまた入れるということにつきまして、ただいま申し上げましたように、三十八年からいたしませんし、今後もいたしませんということを申し上げたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/63
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064・阿部助哉
○阿部(助)委員 時間のようでありますからあれしますけれども、一つは、私先ほどからお伺いしておるのでありますが、公団をおつくりになって林道の開発だ、いろいろおっしゃるけれども、公団でなければできないということではないので、皆さんのところで、林野庁でおやりになるということはできないわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/64
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065・片山正英
○片山(正)政府委員 ただいまの先生のお話は、林野庁でやるということでありますと、従来の官行造林ということの御指摘かと思います。御承知のように、官行造林から昭和三十六年に公団に切りかえたわけでございますが、官行造林はもともと市町村有林の大きな面積を対象にしてやってまいったわけでございますが、水源林造林の実施にあたりまして、非常に奥地化してかつ分散してくる、非常にこまかく分かれてくるという性格になりましたので、そういう事業実行には役所の機構としてはなかなかやりにくいということ、かつまたその当時から、国有林野事業というのは自分の山をさらによくするということで、造伐とあわせて林相改良ということを打ち出しまして、造林につきましては約三割の増加、伐採につきましても約一五%程度増加というような林力増強体制に入ったわけでございますので、それらとの関連でやはり公団にやっていただくことが非常にベターではなかろうかということで切りかえたわけでございます。その後、地元の公団に対する姿というものはまことにいい面が出ておりまして、おかげさまで地元の支持のもとに順調な推移を示しておる現状でございますので、その形を存続してまいりたいというふうに存じておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/65
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066・阿部助哉
○阿部(助)委員 この公団が初めできるときは、熊野川の開発あるいは四国の剣山の林道をつけるというような目的でつくったのだが、どこの公団でも一ぺんつくるとなかなかそれをつぶすわけにいかなくなってしまう。それで次から次へといろいろな理屈をつけて存続をはかってきておるのは、もうどこの公団を見ても同じであります。今度の場合も、その仕事よりほかに水源林の造成であるとかいうことをつけ加えてくる。ここで分収造林という形で金を出していくと、この公団はもうずっと永続的に続く、こう見なければならないじゃないですか。そういうことでしょうね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/66
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067・片山正英
○片山(正)政府委員 なるほど、御指摘のように、最初公団が発足いたしましたのは、熊野、剣山、それを対象にした林道ということで、あれは見返り資金をたしか十億だと思いましたが、一応それを前提として発足したことは、先生の御指摘のとおりではございます。しかし、いま森林資源の方向といたしましては、いまの水源林造成の分並びに熊野、剣山に類するような大きな林道の開設というものが、かなり日本にいま推進さるべき事業であろうということでわれわれは考えております。そのような形から、確かに公団は、その後水源林造成事業もやり、かつまた特定地域の開発もやるということで現在実施しておるわけでございます。
そこで、水源林造成事業の内容でございますが、これは一応われわれ考えております一期計画というのは、三十六年から四十六年まで約十カ年間にわたります。二十二万四千町歩というのは、保安林整備計画に基づきまして、どうしても速急にこれを計画的に達成しなければ、その整備計画の意図するところができませんので、そのような意味でいま公団に対してその事業をお願いしておるというのが現状でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/67
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068・阿部助哉
○阿部(助)委員 だから、何も公団でなくとも、これだけの金をつぎ込んで、もっと金をつぎ込んでいくならば——たとえば随契で安くたたき売らなくても、もう少し金をあげていくとか、あるいは国土保全ということで大蔵省の一般会計から金をつぎ込んでいくという形でつぎ込んでいくならば、何も公団というものを、ある程度目的どおりのものができ上がったら、次へまた存続させるために無理をしなくても、皆さんの農林省でこれをやっていくということができないのか、こう聞いておるわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/68
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069・片山正英
○片山(正)政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、農林省でやるということは、いわゆる国有林でやる、したがって、従来の官行造林方式でやるというふうにわれわれも解釈いたしておるわけでございますが、そのような形では——先ほど申しましたように、森林開発公団で現在やっているほうが、より円滑な、より地元の協力を得ながら推進される。また、現実にそれができておるということを実は申し上げたわけでございます。
なお、国有林野事業そのものにつきましては、御承知のように極力合理的な運営の中で利益をつくりまして、その利益の半分は特別積立金引当資金ということにいたしまして、御協力を申し上げるという姿でやってまいりたいというふうに思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/69
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070・阿部助哉
○阿部(助)委員 だから、どういう点が公団でなければいかぬのですか、私はそこがわからない。国民はおそらくそこがわからぬのだと思うのですよ。何で公団でならうまくいくのか。皆さんのところはあれだけの人員を持っておる。公団は五百人ぐらいしか持っていない。皆さんのところは数万人の人間を持っている。それで足りなければ、またそれだけの五百人ふやしたっていいじゃないか。何で公団でしなければいかぬのか。古手の皆さんの高級官僚があとで理事になって、退職金の二重取りをするためにつくっているんじゃないかという疑惑を持たれないでもないです。だから、私はなぜ公団でなければ——公団でやったらこういうところがプラスなんだということを聞かなければ、わからないわけです。うまくいっています、うまくいっています。どこがうまくいっているのか、抽象論では私はわからぬのです。私は、公団でなしに、皆さんのところでおやりになるほうが一番うまくいくだろう、そう思っておるのだけれども、これは私のしろうとの考え、見方かもわかりません。それで私は、なぜ公団でなければならぬのだということを聞いておるわけです。うまくいっておると言うが、どういう点がうまくいっておるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/70
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071・片山正英
○片山(正)政府委員 官行造林というものと比較いたしますと、官行造林は御承知のように国の管理になるわけでございます。そのような形で官行造林を実施いたします場合に、非常に分散した零細なものというのはなかなかやりにくいのが現状でございます。あえてこれをやるとするならば、やはりそれ相当の機構をつくりまして、営林署をつくるとか、また、それを監督するものをつくるとか、そういうことの中でやってまいるという形になるわけでございます。しかし、そのような推進のしかたというのは必ずしも的確じゃないだろう。それは非常に分散されておるというような意味合いからなかなか無理であろうというふうに現状でわれわれは判断するわけでございます。
一方、公団といたしましては、土地所有者、そういう人との話、特に地元におきましては、そういう造林に意欲のある人、あるいはそういう問題に非常に技術を持っておる人、そう人たちとの関連において、その土地を合理的に進め得るという特色が現実にあるわけでございます。公団は、資金的にあるいは大きく計画的に安心して進めさせ得るような体制があるわけでございます。そのようなことで、従来補助金というような形で、あとは所有者が実行するという形ではなしに、全額が国の金において成林するまでやっていくというその組織と、いま言いました地元の造林その他の技術、意欲、そういうものとのかみ合わせにおいて実施するという体制が、地元からも非常に喜ばれ、推進されておる姿であろうかと思う次第であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/71
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072・阿部助哉
○阿部(助)委員 やめようと思ったけれども、どうもそれを聞くと、ますますわからないんですよ。皆さんのところから実は説明においでになったときに、私もちょっと聞いたのだが、どうもそこが幾ら聞いてもわからない。それならば林野庁をうんと小さくしまして公団を大きくするか、幾つかつくっておやりになって、役所はうんと小さくしたらいかがですか。役所ではだめなんで、公団のほうが地元の人たちとの接触がいい。どうも税務署とか警察署とかいうのはみな——所じゃない、別の字を書いてある署は、国民に親しまれないのだ。こういうことならば、名前を変えるか、皆さん林野庁をやめにして、みな公団に移ったほうがいいんじゃないですか。どうもそういうふうにとられてくる。どうもこれがいいのだという点が私には一つもわからない。私はどうも林野庁のあり方にはそういう点で幾つかの疑問を持つ。
たとえばこんな、いろいろな仕事の関係もあるけれども、日給制、しかも非常に安い賃金で、地場賃金だとあなたが幾ら言ってみたところで、いまの国民の生活の状態からいってみて、二万六千円程度で生活ができるはずがない。そういう賃金を片方でやっておる。片方では民間団体というか、パルプ会社を主力とする、そういうところとは役員の交流までやっておる。随契はめちゃくちゃに大きい。しかもその随契の金額は安い。一つ一つとってみても、どれをとってみても、何か役所自体が、山の役所というのは、封建制の残滓を多分に持ち続けておるのじゃないか。たいへん悪口になって恐縮だけれども、どうも私はよくわからぬが、そういう感じを強くするわけです。それで今度は公団というところへお逃げになる。それは、公団というものがそんなにいいものならば、みんな公団にしてしまったらいいだろうと私は思う。私はどうもこの問題は納得ができません。
時間のようでありますし、終わりますけれども、特に零細な山地帯の造林というものは、予算単価の引き上げと労働者の賃金の引き上げを、もう少し真剣にお考えにならないと、日本の山は荒れる一方になるのじゃないか。ことに私は、災害を受けたところだけに、山をめちゃくちゃに切るだけで造林がされない、零細な山持ちの地帯を持っておるだけに心配なんでありますが、そういう点で十分措置を講ぜられるよう要望して、私の質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/72
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073・田村元
○田村委員長 村山喜一君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/73
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074・村山喜一
○村山(喜)委員 私は、特別会計の制度のあり方の問題に関連をいたしまして、二、三点質疑をいたしておきたいと思います。
それは、今回森林開発公団の行ないます水源林の造成事業について事業費五十億円をもって新たに二万三千ヘクタールの新値事業を行なおうということで、四十三年度からはその所要資金としての調達方式を改めて、資金運用部資金の導入十七億円をはかり、前年度まで特別積立金引当資金の見合いで行なわれておりました一般会計からの出資にかえて、特別積立金を取りくずして、そして国有林野事業勘定から三十三億円を直接出資をしよう、こういうような方式をとられるようになっておるわけですが、なぜそういうような方式をとらなければならないのかという問題について、まず第一に伺っておきたいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/74
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075・片山正英
○片山(正)政府委員 それでは私から御答弁申し上げますが、御承知のように、森林開発公団が行なっております水源林造成事業は三十六年から行なっておりますが、一般会計からすべて全額出資をしていただいてきておるわけでございます。しかし、その一般会計の財源をなおたぐりますと、特別積立金引当資金を一般会計に入れましたその額そのままが一応出てきておるわけでございます。なおまた、私のほうの特別積立金引当資金というものを一般会計に導入して使っておりますいままでの経過を見ましても、水源林造成事業にほとんど過半いっておるのが実情でございます。いままでの経過は、以上のような形で水源林造成が達成されてきたわけでございます。
そこで、特別会計の姿を見ますと、特別積立金引当資金というものが今後必ずしも増加するかどうかというのは一つの問題でございます。御承知のように生産量、いわゆる伐採量というものは今後これ以上、この五カ年くらいは造伐することがなかなか困難な情勢である反面、労賃その他の投資あるいは林道投資というものがどうしても出てくるという関係から、ここ数年については必ずしも特別積立金引当資金がふえる、あるいは相当大幅に余るということが必ずしもいえないんじゃないかという情勢があるわけでございます。そこで特別積立金引当資金が、現在四十三年度末、本年度末を想定いたしますと百三十億円程度となるであろうということが一応想定されるわけでございますが、そういう中で水源林造成事業が今後やはり保安林整備措置法との関連におきまして、ある程度整備していく、ある程度計画性を持ってやっていくということにおきましては、この特別積立金引当資金を、従来の実績もございますが、優先的にやはり使っていきたいということでございます。そういう優先的に使うということを前提にいたしますと、一般会計にわざわざ入れてやる必要がない、そういう手数をかける必要もないし、一般会計に入れれば、原則として必ずしも公団にいくという性格のものでもございませんので、そういう点をかみ合わせますと、やはり一般会計を通さずに優先的にやる姿においては直接出してもいいんじゃないだろうか、ということからこの法案の改正になった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/75
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076・村山喜一
○村山(喜)委員 いままでのやり方では何か支障がございましたか。直接融資方式にしなければならない会計法上の支障というものがあったわけですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/76
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077・相沢英之
○相沢政府委員 従来は、ただいま林野庁長官から答弁がございましたとおりに、特別積立金引当資金から一般会計に繰り入れる場合には、林政協力その他の事業の財源ということになっておりましたものですから、必ずしもこの森林開発公団の出資に充当されるという保障がございません。事実上はその相当部分が一般会計から森林開発公団への出資に充当されていることになりますけれども、一般会計に繰り入れる際には、そういうような使途についての保障はないわけでございます。またこれは、国有林野事業特別会計から一般会計の歳入への繰り入れでございますので、森林開発公団に対する一般会計からの出資と、国有林野事業特別会計とは何ら関連がない形になっていたわけでございます。
それでも別に森林開発公団の事業の遂行のためには支障はないわけでございますけれども、そういうような事実上森林開発公団への出資が、その財源が国有林野事業特別会計から一般会計への繰り入れを引き当てとして行なわれているという事実と、それからもう一つ、森林開発公団への出資を国有林野事業特別会計からダイレクトにやるといたしますと、むしろ国有林野事業特別会計は森林開発公団に対す出資権を持つ、それを特会の資産として留保することになる、こういった点で、国有林野事業特別会計のいわば内部留保を厚くすることが可能となるわけでございます。当面、国有林野卑業特別会計から森林開発公団への出資が何らかの形で還元されるということは、なかなか期待できないと思いますけれども、万一これが森林開発公団の業務が一応完了いたしまして、財産の分配があるという場合には、当然国有林野事業特別会計は、その出資に応じてその分配を受けることも可能になるわけでございます。そういった意味で、出資権を特別会計の資産として留保することがよいのではないか。したがいまして、そういう従来の迂回した方法を省略いたしまして、国有林野事業特別会計から直接公団へ出資するということ、それから国有林野事業特別会計が出資権を留保するということ、その二点におきまして、従来の方法よりも今回の改正案による方法のほうがベターであると思いまして、今回の改正法を考えたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/77
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078・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、この問題は、やはり国有林における備蓄生長長量、伐採量という問題との関連性が当然出てくると思うのです。われわれが伺っておるのは、蓄積のほうの場合にはいわゆる保安林を含んで蓄積量というものを測定をし、一方、生長量の測定の場合には、保安林を除いて生長量というものは測定をして、そうして標準伐採量というものを策定をしながらその伐採計画に従った処分がなされているようでございますが、これの中身を、この計画量は帳簿に合っているけれども、実際は新値をしないものまで含めた標準伐採量というものの算出がなされているんじゃないか、そういう見方がございますが、これらの今後におけるいわゆる伐採計画というものがどのような方法で出されてくるのか。先ほど林野庁長官のお話では、特別積立金引当資金の中で必ずしもこれが今後においてふえるとは期待ができない、ここ当分五年間くらいは期待が持てないのではないかというような説明がございましたので、その点における現在の蓄積なり生長量のそれに伴います計画というものをどう策定をしているのか、こういう点について説明を願いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/78
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079・片山正英
○片山(正)政府委員 まず第一点の森林開発公団に直接出資しますその財源というのは、あくまでわれわれといたしましては、御承知のように利益があがった場合にその半分が利益積立金、そのあとの半分が特別積立金というふうになるわけでございます。かつ、それの現金を裏づけるという意味で、特別積立金引当資金というものを設けて、それを通して一般林政に協力するという制度になっているわけでございます。したがいまして、その特別積立金引当資金の範囲内におきましてこれは出資をするということで、国有林野事業全般の問題との関連ではございません。これはあくまでも従来の林政協力の一環としての利益の二分の一、特別積立金引当資金の範囲内においてこれは出資するという原則でございます。
それから次に、しからばそれを除いたいわゆる国有林野事業のあれはどうだというお話でございます。国有林野事業は御承知のように約七百五十万町歩がございます。そのうちで保安林が現在たしか二六%くらいでございます。そのような形の国有林野の伐採の考え方は、標準伐採量というものはつくっております。かつまた、標準造林量というのもつくってございます。しかし、標準伐採量と標準造林量との関係は、御承知のように伐採したあとの更新の問題は二色あるわけでございます。一つは、切ったあとをそのまま人工造林にするという行き方と、いわゆる皆伐方式という行き方と、択伐方式という、いわゆる山を裸地にしないで、特定の木だけを切ってその山は裸地にしないで森林を育成していくという山の方法、施業の方法があるわけでございます。したがいまして、そういうような関連も含めまして、標準伐採量、標準造林量というものを想定しまして実行しているわけでございます。最終的のわれわれの目標といたしましては、国有林におきまして人工造林は七百五十万町歩のうち三百三十万町歩までは人工造林に持ってまいりたい。あとの山については保安林として切れないところもございましょう。しかし、保安林の中でも先ほど申しましたような択伐方式というような形で山を生産していくという方法もございます。そのような形で国有林を運営してまいりたいという大ざっぱな計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/79
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080・田村元
○田村委員長 ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/80
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081・田村元
○田村委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/81
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082・村山喜一
○村山(喜)委員 利益金の二分の一、これを積立金として措置するわけですから、それは全体の国有林の伐採計画というものに関係がないわけじゃないでしょう。当然関係が出てくるわけじゃないですか、その留保している分については。そうなってきた場合には、現在の利益金処分状況を、三十五年から今日に至るまでの状態を見てみますと、非常にアンバラな状態の中で、ある年においてはマイナスになり、ある年においてはたいへんな利益をあげて、特に四十一年などはものすごい利益金をあげているわけですね。そういうようなのは今後どういうふうになっていくのかということをお尋ねしたいわけです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/82
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083・片山正英
○片山(正)政府委員 国有林の伐採量につきましては、これは長期見通しを立てまして、いわゆる山の保続ということがございますが、そういう長期見通しの中でおおむね伐採量というのは決定いたしておるわけでございます。
なお、具体的に申しますと、全国森林計画というものがつくられるわけでございますが、それは民有林、国有林ともどもつくられるわけでございますが、その中で伐採量というものがきまっておるわけでございます。そこで当年度の収支問題になるわけでございますが、これは主としてやはり木材の価格の非常に上がり下がりというものがございますので、量は一定ではあっても、木材価格の関係で収支というものは非常に狂うし、違うというのが実態でございます。もちろん災害とかそういうものもございますから、若干の増減伐ということはございますけれども、主として収支のアンバランスというのは量じゃなしに価格にあるというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/83
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084・村山喜一
○村山(喜)委員 そこでお尋ねをいたします。四十二年度までの実績は私も存じておりますが、立木処分から製品生産とかあるいは内部振りかえ、この内訳は四十三年度はどういうような計画でございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/84
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085・片山正英
○片山(正)政府委員 御指摘は、四十三年度の収支並びに損益がどうであろうかということであろうと思いますが、収支につきましては、一応収入支出とんとんということでございまして、損益につきましては約十六億の利益というふうに一応想定しております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/85
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086・村山喜一
○村山(喜)委員 その損益の見通しはわかりますが、それにはやはり国有林の収穫量というものが前提になってそういうようなものが当然金額で示されてくるはずでありますから、それのいわゆる計画というものがどういうふうになっているかというものをお示しをいただきたいのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/86
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087・片山正英
○片山(正)政府委員 四十三年度の収穫量でございますが、伐採立木として二千百四十七万立方、これが一応予定でございます。この骨子とするところは全国森林計画によっておおむね決定されている数字でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/87
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088・村山喜一
○村山(喜)委員 四十二年度の実績は二千百四十七万ですね。間違いございませんね。予算上の実績、予定でいいです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/88
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089・片山正英
○片山(正)政府委員 四十二年度は二千二百三十四万でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/89
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090・村山喜一
○村山(喜)委員 そういたしますと、約百万ほど減らす計画だ。だけれども、予算上の単価アップが計上されているから、収支均衡予算という形になる、こういうふうに考えてよろしいですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/90
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091・片山正英
○片山(正)政府委員 考え方としてはそうでございます。ただそこで、素材生産、立木処分というものがございますが、素材生産がふえますと収入は上がるかっこうになります。そういう点が若干ございますので、その点御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/91
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092・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、これは大蔵省にお尋ねいたしますが、今回資金運用部資金の導入を十七億、これは初めてですね、やったのは。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/92
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093・相沢英之
○相沢政府委員 初めてでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/93
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094・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、こういうような所要資金の調達方式が改まって、運用部資金を導入するというやり方をこれからもとっていくという方向がこれによって示されたものだと思うのですが、先ほども御説明がありましたように、特別積立金引当資金というものが増加する見通しもあまりない。そういうような場合には、当然計画的にこれらの問題を処理してまいりますためには、資金運用部資金を今後も必要に応じて繰り入れていくという方式はとり続けていくんだというふうに確認をしてよろしゅうございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/94
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095・相沢英之
○相沢政府委員 資金運用部資金を本年度新しく森林開発公団に導入することにいたしましたが、国有林野事業特別会計の特別積立金引当資金の今後の状況にもよることでございますけれども、ただいまのところでは、今後も毎年度資金運用部資金からの貸し付けを考えていかなければならぬ、考えるつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/95
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096・村山喜一
○村山(喜)委員 では、この問題はこの程度におきます。
次に、定員の問題等の関係。私はいつも、林野庁で働いておる職員の問題を考えてまいりますと、常用作業員の問題が長い間の懸案事項として、今日まで労使間のトラブルにもなっておるわけでございます。この常用作業員の定数内組み入れというものは、前に一部の職種については行なわれました。ところが、機械化要員が二千七百名今日まで残っておりまして、そうして定員化の時期を過ごして今日取り残されたかっこうになっておるわけですが、これを定数内職員に組み入れていかなければならないわけでありますけれども、いろいろ話を聞いておりますと、昨年、ことし、大体三百人くらいずつ組み入れていくというようなことで話がついたやに承るのでありますが、私の知っているのでは、たとえばトラックの運転手等も、林野庁のその常用作業員として入りましてから十数年たっても、なお定数化されない。他の地方の官公庁なりあるいは他の行政官庁等におきましては、いち早くそれが定員内に入れられて、行(二)の俸給表で月給制度として支給をされているのに、十数年も放置されて、なお日給制の職員として、今日身分も安定をしないし、給料も安定しない。それから、最近は伐採等も機械化されていく中において、その基幹労働力である機械化要員がそういうことで放置されているという状態を考えてまいりますと、先ほども阿部君の質問の中にありましたように、定数内職員の場合とこういうような定数外職員の場合とにおいては、給与の面においても非常に大きな開きがある。そういうようなところから、林野庁長官から表彰をされた人が、こういうような表彰状は要りませんというようなことでお返しをしなければならないような恵まれない職場の実態というものを、いやというほど私たちも、現場に参りましたときに聞かされるのであります。
そこで、この問題については、やはり行政管理庁の定数内組み入れ、定数化の問題にも関係がありますし、また一方においては、予算上の問題でございますから、大蔵省とも関係が出てくるわけでございます。そこで林野庁の長官から、この二千七百名に及びますところの機械化要員の定数内組み入れの問題の長期的な計画をどういうふうにして処理されるのか、承りたいのであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/96
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097・片山正英
○片山(正)政府委員 御指摘の機械化要員の定員内任用の問題でございますが、当初二千七百名ほど機械化要員というものがおったわけでございますが、四十一年度、四十二年度、定員の任用をいたしまして、四十一年度におきましては二百九十七名、四十二年度におきましては三百名というものを定員内任用をいたしたわけでございます。そこで、いま残っておりますのが二千百二十六名でございまして、これが現在なお定員にならずにおる人たちの人数でございます。
そこで、われわれは、これらの機械化要員の方々の今後のその定員内の任用ということになるわけでございますが、これは御承知のように、三十七年の閣議決定に基づきまして、定数というものは一応決定されておりますので、あくまで欠員の補充という形において極力やってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。そこで、欠員の補充ということになりますと、やはり今後どれだけ退職していくか、あるいはどれだけ新しく新規卒業生を入れるかというようなこととの関連がございます。そういう形でひとつ検討してまいらなければならないので、そういう点について——今後これらの人たちを入れることについては、われわれも真剣に努力したいと思いますけれども、こういう形の中で判断してまいりたいと思うわけでございます。
それからもう一点は予算との問題でございますが、これも一応定数の増ということはあり得ませんので、その中で、他の官庁との関係もございましょうが、極力早い機会になるべく組み入れるということを考えてまいりたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/97
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098・村山喜一
○村山(喜)委員 行政管理庁の山口管理官にお伺いしますが、あなたのところでは、これは歴史的なものがあるところですが、参議院で四月十一日に北村さんが予算委員会で、これは行管を呼んで、その前の四月の五日にも取り上げているようでございますが、当時小使さんであるとかあるいは乗用車の運転手とか事務員とかいうものは、常用作業員でも定数内に繰り入れられる。ところが、現実に基幹労働力として働いているそういうような人たちは、当時二千七百名取り残されたわけですね。だから、本問題については特殊な事情があるということをあなた方も御承知だろうと思う。だけれども、現在の段階においては定数をふやすということを至難であるということになれば、いわゆる欠員の補充方式でいかざるを得ない、こういうような考え方ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/98
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099・山口光秀
○山口説明員 おっしゃるとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/99
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100・村山喜一
○村山(喜)委員 そこで、この計画でいった場合に、あと何年したらそういうような基幹労働力、不遇な地位にある人たちの身分の安定という問題が林野庁では解消できるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/100
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101・片山正英
○片山(正)政府委員 いまここで即断することは、先ほど申しました二つの理由がございますので、なかなか困難でございますが、もしいままでどおりのテンポであるとすれば、これは七年くらいかかるということになります。ただ、先ほど申しましたような点がございますので、今後十分検討はいたしたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/101
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102・村山喜一
○村山(喜)委員 大蔵省にお尋ねいたしますが、これは現在の機械化要員、これを考えてみますると、だんだん常用作業員として勤続しているうちに年を取ってまいります。
〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕
そうなってまいりますと、職員構成の面から見まして、それを定数内職員として組み入れてまいります場合には、機械化要員は、高卒の新しい労働力と比較をして、高年齢で定数内に組み入れなければならないという事態が当然出てくるわけであります。その場合には、現在の給与体系の上からいいましても、初任給を押えるという方式でやった場合には、とてもじゃありませんが、欠員操作等をやらなければ、予算上の措置というものと実態とそぐわないような状態が生まれてくることは言うまでもございません。そこで問題は、そういうようなものを転用をしていく、任用がえをしていく場合には、実情に即応したような形でやらなければ、私は実態を無視することになると思うのでありますが、そういうような面については、予算の一人当たりの単価というものについては、十分今日までのそういうような事情を考慮の中に入れた方針で対処されるつもりだろうと思いますけれども、そういうようなところについてはいかがでございますか。これは担当の主計官からお答え願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/102
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103・相沢英之
○相沢政府委員 国有林野事業特別会計の定員外職員の定員組み入れにつきましては、これは三十三年度から三十七年度にかけまして二万一千二百七十七名でございましたか、すでに定員化いたしております。その際、これは各省共通でございますが、三十七年の一月十九日に閣議決定がございまして、三十七年度の定員組み入れの措置をもってこれで定員組み入れの措置は終了したものとする、今後は常勤労務者給与という目から支給されるもの以外は、常勤的な非常勤職員というものを置かないのだ、各省は今後定員外の職員が常勤化することを積極的に防止する措置をとるということが、あわせて閣議決定をされておるわけでございます。したがいまして、予算上この定員外職員の常勤化のために特別な措置をとることは、このような経緯がございます関係上、なかなかむずかしいのではないかというふうに考えております。
〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕
したがいまして、今後国有林野事業特別会計の欠員の範囲内におきまして、機械要員等その業務の実態におきまして定員化するに適当な方々を定員に組み入れるということにつきましては、大蔵省としては別に異論はございませんが、そのためにことさら特別な措置をとるということはなかなかむずかしいのではないだろうかというふうに考えております。ただし、従来国有林野事業特別会計の給与の単価の積算におきましては、退職率の見方、これに関連いたしまして定期昇給に要する財源の見方などにつきまして若干問題があったようでございますので、こういった点につきましてはできるだけ実態に即して善処いたしたいというふうに存じております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/103
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104・村山喜一
○村山(喜)委員 倉成政務次官、われわれが承っておりますと、政令定員の欠員操作といいますか、実人員との間に約二千名の開きがある。そのうちの約千名分はそういうような単価が非常に低く押えられているために、そのような欠員をやはり操作をしながらやりくりをしなければならない実情だということを聞いておるわけです。そういうような状態の中でこの特別会計の問題が論議されておる状態を考えてまいりますと、四十一年度においては二百五億円も利益をあげるような、そういう状態が生まれているわけですね。だから私たちは、やはり公共企業体の労働組合法が適用されながら、しかも実際の現場に行ってみると、伐採等については機械化要員が主要な労働力であるにもかかわらず、そういうような人たちが十年も日給制として低い賃金が与えられて、しかも身分が安定しない中において、作業は近代化に伴いまして相当危険度合い等もふえている、作業の密度も高まっている、そういうような状態の中においては近代的な労使慣行も何も生まれてこないと思うのです。
だから、定員の面においてはそういうような欠員操作をやらざるを得ない。欠員の補充方式で埋めていくよりほかにないとするならば、やはり予算の面において、いま担当の主計局においては実情に合ったような方向でこれからも努力していきたいという説明でありますが、私はやはり両面にわたって、その当時の処理が十分でなかったという前提の上に立って、これらの問題は実情に合うように、そうして国有林で働く労働者の諸君は、ほかの産業で働く者よりも不当に取り残されて、そうして生活保護すれすれの、あるいはそれ以下の賃金の支給を受けておるような人たちもおるようであります。特に家族構成の多いところなんかは、生活保護基準よりも低い給与という状態が続いておるということは、国有林としての事業をやる国の責任の立場から考えても好ましいことではないと思うのですが、そういうような問題について、今後十分に御努力をいただきたいと思うわけでありますが、あなたの御見解を最後にお伺いをいたしまして、私の質問を終わることにいたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/104
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105・倉成正
○倉成政府委員 ただいま御指摘の機械化要員の点でありますが、一応定員化の問題は三十七年に終わったわけでありますけれども、その後提起された運転手さんその他機械化要員の方々、これが二千数百名いる。これはだんだん定員の中に組み込まれたわけでありますけれども、まだ二千人以上の人が残っておるというわけであります。この点につきましては、ただいま予算単価と実行単価との差異の問題が出ましたけれども、これは五現業の平均でやっておるために、どちらかというと、国有林野特別会計では、新陳代謝率というか、かなり老齢の人が多いというところからきておることではないかと思います。そういった点を考慮しながら、できるだけ早くこれらの機械化要員の方が定員に組み入れられるように、今後とも努力してまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/105
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106・村山喜一
○村山(喜)委員 これで終わりますが、ぜひ政務次官、実際の問題の処理にあたって、千人も欠員をつくらなければやりくりができないような状態に放置しておくということは、これは非常に問題だと思うのです。そういうような面からいろいろ渋滞も出ておりまするし、問題も正常化しないというような事態もありますので、白ろう病等の問題等もすでに今日職業病として提起されている段階でございますから、これについては実情に合うように善処されるように要望申し上げます。終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/106
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107・田村元
○田村委員長 次回は、明二十四日水曜日、午前十時十五分理事会、十時三十分委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
午後零時五十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804629X02719680423/107
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