1. 会議録本文
本文のテキストを表示します。発言の目次から移動することもできます。
-
000・会議録情報
昭和四十三年三月二十二日(金曜日)
午前十時四十五分開議
出席委員
委員長 吉川 久衛君
理事 大石 八治君 理事 奧野 誠亮君
理事 塩川正十郎君 理事 古屋 亨君
理事 細谷 治嘉君 理事 山口 鶴男君
理事 折小野良一君
青木 正久君 亀山 孝一君
永山 忠則君 野呂 恭一君
藤田 義光君 山口シヅエ君
太田 一夫君 三木 喜夫君
山本弥之助君 門司 亮君
小濱 新次君
出席国務大臣
自 治 大 臣 赤澤 正道君
出席政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省税務局長 松島 五郎君
委員外の出席者
大蔵省主計局主
計官 秋吉 良雄君
大蔵省主税局税
制第三課長 横井 正美君
通商産業省重工
業局自動車課長 田中 芳秋君
建設省道路局道
路総務課長 川田 陽吉君
専 門 員 越村安太郎君
―――――――――――――
三月二十一日
国、県の委託調査の整理統合等に関する陳情書
(第一〇九号)
地方公共団体の超過負担解消に関する陳情書
(第一一〇号)
同
(第二〇七号)
公営競技収益金の均てん化反対に関する陳情書
外一件(
第一一一号)
同
(第一七八号)
国鉄事業用固定資産にかかる納付金の廃止反対
に関する陳情書外三件
(第一一二号)
住民税の所得控除額是正に関する陳情書
(第一一三
号)
自動車関係諸税の増税反対に関する陳情書
(一一四号)
地方交付税額の確保等に関する陳情書
(第一四九号)
水道事業の起債わく拡大等に関する陳情書外一
件
(第一五六号)
地方公務員の医療保険掛金軽減に関する陳情書
(第一七九
号)
地方公務員の定年制実現に関する陳情書
(第一八〇号)
地方財政の確立強化に関する陳情書
(第一八一号)
地方行財政における国の諸制度改善に関する陳
情書
(第一八二号)
町村の超過負担解消に関する陳情書
(第一八三号)
地方行政事務及び財源の再配分実施に関する陳
情書外一件
(第一八四
号)
地方事務官制度廃止に関する陳情書
(第一八五号)
水道事業債に対する財政援助措置拡大に関する
陳情書(第一九一
号)
は本委員会に参考送付された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出第
四五号)
――――◇―――――発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/0
-
001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。太田一夫君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/1
-
002・太田一夫
○太田委員 地方税法に関するお尋ねをいたしたいと思います。
最初に、その中に今度特に顕著である、増税項目である自動車取得税、これにつきまして自治省の基本的な考え方を承りたいと思います。自動車取得税というのは、自動車を取得した価格に対して三%の課税をする、その税金を払っていなければ登録ができない、こういうようになっておりますから、これはなかなか抜け道のない、取りはぐれのないところの税金であるように思うのです。これに着目された理由はわからぬわけではありませんけれども、これが日本の国の自動車産業、ないしはまさに向上しつつある、近代的国家に近づきつつある国民生活にどう影響を与えると思うか、伸びつつある自動車産業にどういう影響を与えようとしておるか、こういう点について御検討されたものがあるならば、その結果をお答えをいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/2
-
003・松島五郎
○松島政府委員 御承知のとおり、今日の道路整備が自動車の増加に追いつかないような状況にございますために、至るところで道路交通の渋滞を来たしているわけでございます。そういった点からいたしますと、道路の整備をさらに推進することなくしては、自動車自体が伸びていかないという問題もあるわけでございまして、そういう意味から言えば、自動車産業を発展させるためにも道路の整備が必要であろうというふうに考えるわけでございまして、この自動車取得税によって道路の整備が推進されることによって——一時的には自動車を買われる方の負担にはなりますけれども、大きい目で見れば、それによって道路が整備され自動車が伸びていくことによって、自動車産業に対しても好影響を持つものではないかというふうに考えております。
それから、国民生活に及ぼす影響でございますが、これまた同じことを申し上げて恐縮でございますけれども、自動車を持っても、今日のような道路状況では、十分な自動車の効率的な運行ができないということでは、国民生活にもかえってマイナスの影響を与えるわけでございますので、自動車道路の整備がされることによりまして、国民生活の上にも好影響が及ぶものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/3
-
004・太田一夫
○太田委員 大臣はきょうは参議院ということで、御出席ないのですね。副大臣が大臣にかわって御答弁されるわけですか。これだけの税金をつくるというのに、税金の審議をする委員会に大臣が御出席になって責任ある答弁をなさらない、閣議の内容がわかっておらぬということは重大だと思うのです。細田さんいかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/4
-
005・細田吉藏
○細田政府委員 たいへん重大な法律でございますから、当然大臣が出まして御答弁申し上げ、所信も申し上げる、これは当然のことであろうと思います。ただ、太田先生すでに御承知のように、本年は予算が非常におくれておりまして、ただいま参議院の総括質問中でございます。その間にも大臣にはできるだけ時間をあけてこちらへ来ていただくように、私どもいろいろ話をいたしておるわけでございますが、本日のところは、私どものほうの大臣に直接三人の方から御質疑があるようなわけでございまして、たいへんその点申しわけなく存じておりますが、御了承をいただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/5
-
006・太田一夫
○太田委員 いままで所信表明並びに提案の趣旨説明をなさったといたしましても、わが常任委員会において、本法案についての具体的な質疑に、本物の大臣は参加されたことがあるのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/6
-
007・細田吉藏
○細田政府委員 地方税法一部改正法案に関する限りは、提案理由の趣旨説明だけで、質疑の場には残念ながら、予算委員会がずっと引き続いております関係で、出たことがございませんのが実情であります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/7
-
008・太田一夫
○太田委員 それでは次官伺いますが、大臣は提案説明をされた、そして本委員会には御出席にならないで——もちろんあなたがベテランであるということにおいては、私は認めるにやぶさかではありませんけれども、少なくとも国民生活ないしは自動車産業そのものにかなりの影響を与えるところの税目でございますから、そう簡単に、道路財源ができればいいじゃないかというような態度ではいかぬと私は思うのです。しかも、いまの松島局長のお話によりますれば、この税金をつけることが自動車の発展になるんだ、この税金をつけることが国民生活のプラスになるんだということですが、こういう結論がかりにあるとするなら、それはだれがどこでそういう議論をなさったか。それは閣議でそういう決定がされておるのか、どこにも異存はなかったのか、私は重大だと思うのです。それを税務局長とか、あるいはだれとかがそうだと一言おっしゃったことをもって、われわれがそうでございますか、これが三%ついたら、道がめきめきよくなって、自動車産業が発展をいたします、三%の自動車取得税を払いましたら国民はモータリゼーションを楽しむことができますというようなのみ込みをするということは、私は責任ある立場から言うたならば、これほど軽率なことはないような気がする。したがって、大臣は一体いつ出てきてわれわれの疑惑に答えてくださるか、予定があるならお示しをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/8
-
009・細田吉藏
○細田政府委員 先刻の理事会を私ども承っておったのでございますが、大臣の出席につきましては、野党の理事の方々からのお話もございまして、私ども参議院の予算委員会の総括質問の間をできるだけ都合をつけて、委員会をお開き願うと同時に、大臣をぜひこの委員会に出席をいたさせたい、かように考えておりますが、いま具体的に何日の何時というようなところまでは、実ははっきり見通しが立っておらない状況でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/9
-
010・太田一夫
○太田委員 私は、大臣でない方々にお尋ねするのもありますから別にいいですよ、進めていいと思いますが、基本的な問題については大臣にお尋ねしなければ、少なくとも日本の国の責任ある政党の、責任ある政府としての考え方がはっきりしない限り、これはいささか将来に対して危惧を持っておりますので、納得ができない点があるのです。だから、いつ出ていつ大事な質問に答えてくださるかのおよその日程くらいは示していただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/10
-
011・細田吉藏
○細田政府委員 できるだけすみやかに大臣の出席する時間をつくりたい、かように考えております。もうできますならば、本日でもとこう思ったわけでありますが、本日はちょうど三人の野党の方々から参議院の予算委員で御質疑が私どもの大臣に対しましてございますために、本日の午前中はかなわない、こういうことになっておりますので、できるだけ早く出席をするようにいたしたい、かように思っておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/11
-
012・太田一夫
○太田委員 できるだけというと、両三年ということではないでしょうね。両三年なら間に合いませんよ。これを解決するのに、沖縄と一緒に大臣が出てくださるということになったら、幽霊になってしまう。これは、少なくとも一番大事な初めのときに——何人かがいままでおやりになったという話だ、と言っては無責任な話だが、何人かがおやりになりました。その中で、私は大臣の確固たる信念、確固たる御方針、政策というものがお示しになられるべきであった。それは細田さんは大臣より上、識見も経験もはなはだ広く、あなたには不信を持っておらないが、その細田思想というものはあなたの思想だからよくわかるし、それは納得できるが、いまの自治大臣としては、閣僚の一人としてはどういう考えであるかということになると、やはりあなたは閣議に出ていらっしゃらないわけだから、いささか問題があるわけだ。だから、それはあなたに尋ねてもわからぬでしょう。いま一番最初に尋ねたことを、松島さんが何かを持ってお答えになりましたが、これは大臣が答えなければいけない。少なくとも政府としての用語上間違いのない答弁をしてもらわないと困るわけだ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/12
-
013・細田吉藏
○細田政府委員 大臣個人のかわりというわけには私はまいりません。これはだれでもまいりません。赤澤正道自身が来なければ大臣の答弁にはならないわけであります。しかし、私ども責任を持って大臣の考え方についてはお答えをいたしたいと思います。おまえが言ったけれども、大臣と違ったということはないつもりでございます。ただ、どうしても大臣自身でなければということは、これはもう今後大臣が出ましたときに答えさせていただきたいと思います。
そこで、ただいま太田先生の冒頭の御質問について、私どもの考え方をお答えさせていただきます。モータリゼーションは世界的な傾向でございまして、日本でもこれは新進国として進んでおるわけでございます。国民生活の向上、近代生活の享受、そういう点からモータリゼーションというものは、健全な姿において今後とも大いに進めていかなければならない、これはもう基本でございますことは仰せのとおりだと思います。
そこで、自動車についていままでもいろいろな税金がございます。そこへさらに自動車取得税を設けるということは、その面だけを限って考えますると、モータリゼーションというような問題につきましてマイナスの要素であることは、これは言うまでもないと思います。それだけ自動車を購入する人が負担が重くなるわけでございますから、それだけのマイナスがあることはこれはもう否定できない事実だと思います。しかしながら、政策でございますから、いろいろな点を総合的に勘案し、判断しなければならないことも、釈迦に説法で、申し上げるまでもございません。そこで、日本の道路の状況と日本のモータリゼーションの進行状況との度合いは、はたして並行的にマッチしておるかということを考えますと、残念ながら道路のほうがこれに追いついていない、非常な立ちおくれを示している。こういうことははっきりした事実であろうと思います。したがいまして、政府といたしましても、第一次、第二次、第三次というように道路整備の長期計画をもってこれに対処をいたそうとしております。しかしながら、これらの財源について、ガソリン税、軽油引取税等の税金を目的財源として設けましていろいろやっておりますが、それでもなお追っつかない、こういう状況が今日の状況であろうと思うのでございます。
そこで、どうしても道路の整備を急速にやらなければならぬ、これは大きい意味で日本のモータリゼーションに対応する何としても最も優先的に解決しなければならぬ問題であると思います。それで、そこまで来ますと、一般国費でもっとやればいいじゃないか、税金の問題は別として、ほかからもっと道路のほうに回せばいいじゃないか、あるいはガソリン税とか軽油引取税とか、こういったものを増額して道路の財源を生み出したらいいじゃないか、まあいろいろ政府の中でも検討いたしました。また税制調査会におかれましても、この点につきましては、特に地方道路、府県道、特に市町村道の目的財源について何らかの財源を与えたい、こういうことでいろいろな検討をなされたのでございます。その結果といたしまして、ガソリン税、軽油引取税の増額については、いろいろな角度から考えて、総合的に判断して、この際はいかがか——先日もいろいろ御質疑等がございました。諸外国では、アメリカを除いてはもっと高いものが取られているじゃないか、そういう点につきましても、自治省といたしましては、当初そういうものの増額、そして地方への配分、こういうことももちろん考えたのでございますが、これは全体の物価その他にも影響する、いろいろな角度から考えまして、自動車取得税に踏み切った、こういうことでございまして、新税の創設、しかも国民の非常にたくさんな人に影響する税金でございますから、もとより簡単にきまったものとは私ども考えておりません。いろいろな角度から慎重に検討いたしまして、購入価格の三%、このような税目を新たに設ける、これが今日の時点においては最善である。先ほども税務局長が申し上げましたように、これによって道路の整備を促進をいたしたい、こう考えたような次第でございます。なお、大臣の御意見はまたあれですが、私責任を持って大臣にかわってお答えを申し上げる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/13
-
014・太田一夫
○太田委員 あなたの立場は苦しいでしょう。何とかしてすみやかに本法案を通したいというところからそういういまの御発言になったと思いますが、その気持ちよくわかるわけだ。細田さんは、非常に熱心にこの本法案に対してプッシュしていらっしゃる、その立場というものに敬意を表しますが、いまおっしゃった、道がない、そのために自動車も思うように使えない、道と自動車のアンバランス、これを道が自動車に追いついていくようにしなければならぬ。いわゆるバランスをとらなければいかぬというバランス論がございましたが、これは秋吉さん、大蔵省の立場からバランスをとることを、この三%を通したら今後保障されますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/14
-
015・秋吉良雄
○秋吉説明員 これはおしかりを受けるかもしれませんが、自来、大蔵省の主張といたしましては、特定財源比率の寡多だけをもって事のすべてを論断するのは適当ではないのではないか、やはり交付税を含めました特定財源と一般財源を合わした道路に対する投下資金可能量といったものから判断したほうが、より適切じゃないだろうかという考え方を持ってきているわけでございます。御指摘のように、ただいま国と地方の特定財源率は相当の隔たりがございます。これにつきましては、建設省といたしましては、これはやはり補助率が、道路整備緊急措置法によりまして本来三分の二が四分の三になるということも建設省としては言っておるような事情もございますが、それはそれといたしまして、特定財源の寡多だけでものごとをすべて判断するのはいかがかという立場に立っておるわけでございます。もちろん、自動車取得税を今回創設することによりまして、国と地方は御指摘のように全く同率になるということはないと思います。しかしながら、従来五割を割っておったのが、六割程度になるのではないかということで、御指摘の点は相当改善されるかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/15
-
016・太田一夫
○太田委員 大蔵省の考え方ですが、私は自動車の増加趨勢に対応する道路建設ということを保障するという立場ならば、六兆六千億の道路計画というものは大幅改定せなければならぬと思うのです。しかも現在は、その建設予算の圧縮さえ企図されておるときに、これはもうますますテンポがおそくなるわけでございますが、はたしてあなたの腹の中に——いまおっしゃる改善されると思うということばは、いささかの進歩であろう、三%であるなら三%の進歩であろうということであるならば、これは算術的に間違いない答弁ですからどうでもない。ただ、政策、政治としては、あるいは政策の方向として自動車の増加に対応する道路を必ず提供してごらんに入れます、御心配要りません、三%オーケーしてくださるならば、ということが、国民に向かって言えるのかどうか、ここのところですよ、もう一度お答えをいただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/16
-
017・秋吉良雄
○秋吉説明員 道路整備は一般的な租税負担でやるのがいいか、あるいは特定財源でやるのがいいかというようないろいろの問題がございますが、それはそれといたしまして、今回三%の自動車取得税を創設することによりまして、かなりの特定財源が地方に付与されることは事実でございます。そこで、先ほど申し上げましたように、特定財源だけではなしに、御承知のように道路に関する道路橋梁費の基準財政需要額に過去相当程度の金額を算入しておりますと同時に、引き続き十全の配慮をいたすことにしております。したがいまして、特定財源と一般財源を合わせて考えていただくならば、道路五カ年計画については十分達成できるのではないか、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/17
-
018・太田一夫
○太田委員 五カ年計画はやれるかやれぬかということではなしに、五カ年計画がある、その次にまた第何次かの五カ年計画になるかもしれませんけれども、いまあなたのほうが予算上の措置として考えていらっしゃることは、六兆六千億にしても、この三%の道路目的財源にいたしましても、これは国道、地方道をあわせて、これが実現したならば、少なくとも自動車の増加に対応する道ができるのだ、提供できるのだ、供与できるのだという、そういう確信のもとにいろいろと数字を見ていらっしゃるのか、当面とにかくその程度のものをやってなんとかという、当面の焦眉の急の対策であるのかどうかということです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/18
-
019・細田吉藏
○細田政府委員 私はかように考えておるのでございます。たとえば経済成長率がゼロとか〇・幾らとか、一%、二%というような国におきましては、何といいましょうか、国民の生活水準その他もやや固定的なものが多い。日本のような場合には、非常な速度で発展をし、生活水準も上がり、経済成長率も大きい、こういうところでございますから、半面から見るとたいへんけっこうなことだと私は思うわけでございます。そこで、今後どこまで発展していくかというようなことにつきましては、私ども日本民族というような立場を考えますと、今後二十一世紀に向かってたいへんな発展をすると思います。そこで、五カ年計画なら五カ年計画というものをやったら、そういうものを永久的に保障するかといわれると、それほど日本の経済なり日本の国民生活というようなものは発展性がないものとは私ども考えておりません。そこで、お説のような状況で考えますと、この五カ年計画というものはある意味では不十分かもしれません。また、これが不十分になるくらいな発展をすべきだと私ども考えておりますが、しかし、当面財政事情その他を考えて、とにかくこの時点では少なくともこれだけはやらなければならない、こういうことで定めましたのが、今回の政府の道路計画であろうと思います。これにつきましても、決定までにも、財政事情等が許せばもっと大きいものにすべきじゃないか、こういったような意見がありましたことも御承知だと思いますが、まあ大体そういう性格ではなかろうか、かように考えておるのでございまして、絶対的な点から言いますと、これは不十分であり、すでに三回の改定をいたしておりますが、将来いつの日か改定しなければならぬ時期がくるのではないか、また、こさせなければならぬというふうにも私ども思っておるわけでございます。とりあえずのところは、今回の計画を何とか、いま大蔵省から御答弁申し上げましたようなことで完遂をしていきたい、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/19
-
020・太田一夫
○太田委員 細田政務次官のおっしゃったことは、どちらかというと、目前の危機に対応する当面のしのぎ手として三%やった、これはまあ銀の頭に歩だわ。歩を打ったという程度のことであって、あなたの話はそれはしのぎだ。日本の国民生活、特にモータリゼーションといわれる自動車と生活とがこん然一体となって文化を進めていこうとする時代に、いまあなたの三%というのは何だといったら、当面何ともならぬところを間駒をしてしのごうということであって、すぐ次のさし手は違ってくるじゃありませんか。いまの自動車がじゃんじゃんできておるところに道路というものが十分できますか。そんなことができるほど道路をつくってみたら最後、何十年か先になったら、東方に日本という国ありき、北海道から沖縄に至るまで全表面は道路によっておおわれ、住む人一人なく、いたずらに赤さびた自動車のみ充満しておれり。そんな道ばかりつくれますか。そんなことじゃないでしょう。どこかにコントロールしていこうという思想も私はあると思うのです。先ほどから松島局長のことばの中から私は非常に不満なものを感じておるのだが、自動車産業を発展させ、国民生活を向上させるとおっしゃるから、それで私は非常にこだわる。そんなものじゃない。自動車の発展を押え、そしてまた、国民生活を引き落とす作用のほうが、これは大きいと私は思っているわけです。どこに三%の根拠があったか知りませんが、これも腰だめの三%でしょう。ちょっと私はいまの話で、本格的にこれをやればだいじょうぶです、じゃんじゃん自動車つくってください、そうして皆さんどうぞお買いください、そのかわり三%お払いください、そうすれば快適なドライブを楽しむことを保障しますということを政府がいえないところに、どうもこの法案というものは非常な弱さを持っていると思うのです。
通産省の田中自動車課長おいでになりましたから、ちょっと伺いますが、いかがでございますか。三%自動車取得税を課すということが——今日の日本の国策として自動車産業を助け、なるべく盛んになることを望み、それが外貨獲得の大きな力となることを期待をしていらっしゃる。その自動車に対して、中古車も新車も大型も小型もおしなべて三%の取得税を取るということは逆行するのではないのか、矛盾をするのではなかろうか。それとも、それが自動車産業をますます盛大ならしめる道であると断言をしてくださいますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/20
-
021・田中芳秋
○田中説明員 非常にむずかしい御質問でございます。ただいまの先生のお話でございますが、自動車産業、これは先生も御承知のとおり、今後輸出産業として数十億ドルの外貨をかせぐべき産業であるし、また将来かせぎ得る産業である、こういうことで、通産省といたしましてこの産業の振興に力を入れておるところでございます。しかしながら、現在まだ体質が弱いために、輸出につきましても欧米諸国に比較いたしましてやや低位にあるわけでございます。したがいまして、内需のモータリゼーション、これに即応して生産を拡大してまいっておるわけでございますが、一方、国内におきましては、そうしたモータリゼーションの反面、道路の交通混雑、あるいはそれに伴います交通事故の発生、あるいは公害対策等の諸問題に当面をいたしておるわけでございます。自動車産業が完全な発展を遂げるというためには、これらの諸問題の解決をしていかなければならない思います。やはり現在のわが国の道路事情と申しますものは、だいぶ前でございますが、外国の調査団等の報告によりましても、先進国に例を見ざる状況であるというような報告もなされておるわけでございます。こうしたことがいわば交通災害発生という問題を引き起こしておることもございます。今回の自動車取得税が、道路の使用度合い等をも勘案いたしまして広くかつ薄くかけられる、これによってそうした面の改善がはかられるというかっこうになっております。私どもといたしましては、自動車産業の将来のあり方とも関連するところではございますが、方向として一つの対策ではないか、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/21
-
022・太田一夫
○太田委員 課長さん、これは結論からもっと端的にお答えいただきたいのですが、自動車産業というものには何も不利益になるものではない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/22
-
023・田中芳秋
○田中説明員 私どもといたしましては、この程度の税率で、特に現在整備状況の著しく劣っております市町村道の改善ができますならば、さしたる不利益というような、現実に取り上げて問題とすることではない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/23
-
024・太田一夫
○太田委員 この三%程度の税率ならば、市町村道の荒廃しておる現状から考えて、自動車産業に不利益はない、こういうことですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/24
-
025・田中芳秋
○田中説明員 さようでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/25
-
026・太田一夫
○太田委員 それではもう一言田中さんにお尋ねをいたしますが、あなたのほうは、自動車というものをこれから市町村道に走らせるつもりで考えていらっしゃる。いま大都市というものは、もう自動車のはんらんによって、まさに交通は渋滞どころの騒ぎではない、ストップ状態。そこで、いかにしたならばこの交通をコントロールすることができるかというわけです。これは自治省は、松島さんのあの人相から判断するわけではないが、警察的な立場から考えて、税金でもよけい取って、あまり自動車を使わぬようにして、それで自然に自動車が間引きされて交通が円滑化することを望んでいらっしゃるのではなかろうか。ロイドめがねの人相から判断したのだが、それは別としまして、この自動車の今日の状態から考えて、あなたは、三%取ることは、市町村道が悪いのだからかえって不利益にならないとおっしゃったが、別のことばで言うなら、裏返せば利益になる。私は、自動車に税金をかけたら自動車がよけいに売れるようになるなんという論理を初めて承りまして、心強く感じましたが、実際のいまの状態から考えて、あなたのほうはどう考えているか。つくるだけつくって売ることだけ考えていらっしゃる。国内はあまり使わぬでもいいだろう、こういう方針ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/26
-
027・田中芳秋
○田中説明員 利益であると申し上げたつもりではございませんので、不利益という程度ではなかろうと申し上げたわけでございます。
先ほど御質問のございました、それでは市町村道だけでいいのか、こういうことでございますが、先生も御承知のとおり、道路建設五カ年計画によりますと、国道、府県道、地方道といいますか、この計画では、御承知のとおり道路改良事業といたしまして、改良関係では、昭和四十六年でございますが、大体四九%程度、それから舗装率にいたしましても国道は約九八%でございますか、かなりそうした計画が進められることになっておりますので、これの主たる財源につきましても、ガソリン税その他の税をもってまかなわれる形になっておるわけでございます。ただ、市町村道におきましては、大体わが国の道路の総延長は九十万キロでございますか、そのうち約七、八割が市町村道でございます。したがいまして、市町村道の単独事業といいますものが非常に多く残されておるように聞いております。そうした事業に対しまして、今回の税収入をもってその辺の改良が加えられますことは、非常に適当なことである、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/27
-
028・太田一夫
○太田委員 まあ田中さん、あなたが自動車課長さんとしていまおっしゃったことが、将来、自動車産業並びにその関連する企業者、それに働く労働組合を中心とする労働者に納得をされるということに努力されるならば、私は非常に気が軽くなるわけです。なりますけれども、いささかあなたのお話には、ここでそう言っておけば、自治省のほうの点数がよくなるというか、政府原案に対して忠実になるというだけでは困るのであって、あなたのほうがいつも大事にしていらっしゃる自動車会議所であるとか、あるいは幾多の団体からの要望書等を見ますれば、みなこれは反対をしておるわけですね。反対をしておって、だれも賛成したものはないわけです。賛成するのは、たとえば道路目的財源をほしいという市町村議会とか、地方自治体は、なるべくならば成立さしてもらいたいということで、これは多々ますます弁ずるですから、そういうことをいっていらっしゃるのですが、財団法人日本自動車会議所が四十三年二月に、自動車取得税創設に対する要望書として出されたものを見ましても、これは、最初のほうにどう書いてあるかというと、「私共自動車使用者はかねてより課税の合理化と税負担の公平を願い、又財源確保の見地から向後道路整備の財源は自動車関係税の増税のみによることなく一般財源の大幅な投入、道路公債の発行によって充足されるよう屡々要望して参りました。今次の自動車取得税の新設は甚だ遺憾であり私共の俄かに納得し難いところであります。」しかしながら、今日の時代、やむを得ないというものであるならば、二%以内の時限立法にしてくれということが言われ、それから、特にこれも、いまのほうもユーザーのほうですが、全国乗用自動車連合会等も、二重、三重の課税に対しては過重課税といわれることで反対だという陳情書が来ておりますし、労働組合、従業員たちに至りましては撤廃の請願をいたしまして、いままで自動車産業発展のためにある程度生活を犠牲にしながらも努力してきたわれわれ長年の努力というものが踏みにじられた、こういう点で、生活向上を希求する国民の期待を裏切るという考え方を中心として反対運動をされております。
こういうようなことから考えまして、自動車の税金に賛成するという地方自治体の考え方に、たまたま通産省の自動車課長が賛意を表されたわけでございますから、そのことをとやかく申すわけではありませんけれども、よく全体の大所高所の立場から御判断いただきます場合には、取得税には問題点があるのではなかろうか。ましてや自動車産業を統括していらっしゃるあなたのほうの立場としては、そんなことを考えるより、大蔵省はもっとほかのことを考えたらいいだろうと、隣りの人たち二人にちょっと活を入れていただいたほうがいいと思うのですね。何で四百五十億も市町村団体から召し上げるようなことをやるのだ、それを地方道に回してやればいいじゃないかと、一言秋吉さんに言っていただいたら、秋吉さん、うんとおっしゃる。だれもおっしゃらないからそういうことになっちゃって、四百五十億をほかのことに回してというような、地方税に穴があくようなこともお考えになる。自治省の人たちというのはみんなまじめなんです。自治体のほうは、ましてや皆さんのほうからいろいろなことをおっしゃっても、財源がないから、何かあれば、おなかのすいた状態だから、ほんとうを言うと、あまり好ましくないけれども、取得税に賛成してしまう。通産省が賛成ということなら私も気が楽だ。これは通産省は賛成だということではっきり割り切ってよろしゅうございますね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/28
-
029・田中芳秋
○田中説明員 もちろん、税といいますのは、賦課されますときに賛成される方は、むしろ徴税側は賛成でございましょうが、特に新税あたりの創設につきましても、なかなかそれに賛成される向きは一般の方々としては少ないのではないかと思います。私どもといたしまして、この措置につきましては、先ほど申し上げましたような趣旨でやむを得ざる措置である、かように考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/29
-
030・太田一夫
○太田委員 歯切れが悪いですね。やむを得ざる措置であり、不利益とは思わない、だが、積極的に利益になると言っておるわけでもない。水ぎわ発言ですね、すれすれの。私は通産省あたりはっきり言ってもらわなければ困ると思うけれども、それは大石さんの発言にも敬意を表してそういうふうになったのでしょうね。
そこで、四十二年十二月七日付、地方制度調査会の地方税財政に関する当面の措置についての答申の中には、自動車取得税について考えるということは検討を要するけれども、ほかの道路目的財源という場合においては、国から地方団体、ことに市町村に道路目的財源の移譲を行なうということが大前提であり、それから地方道路税、軽油引取税等の税率の引き上げによる現行の道路目的財源の増強をはかることが望ましいが、それをやって、なおそのほかに、あわせて早急に自動車取得税というようなことも考えたらどうかと書いてある。それから税制調査会等におきましても、これまた取得税そのものは検討をすべきであるということだ。「道路整備五カ年計画の改定とも関連して軽油引取税の税率の引上げについて検討すべきである。また最近における市町村の道路整備に係る財政需要の増大にかんがみ、市町村に対する道路目的財源の付与について検討すべきである。」そういう表現を使ってありますし、またここでも、地方道路譲与税とか石油ガス譲与税、軽油引取税、こういうものの財源という点にマークをしながら地方道路財源というものは増強をはかるように考えておりまして、取得税という思想が出てきたのが唐突としてまさにすい星のごとくにあらわれたのだが、これはどうして道路財源として自動車取得税というもの一本にしぼり、ここに落ちつかざるを得なかったのですか、裏話をだれかやっていただけませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/30
-
031・松島五郎
○松島政府委員 市町村に対し道路目的財源を与える、あるいは地方団体全体の道路目的財源を充実するという問題につきましては、昭和四十一年の暮れ以来、地方制度調査会あるいは税制調査会で検討されてまいりましたことは、ただいま先生が御指摘のとおりでございます。この問題につきましては、昭和四十二年度の予算に際しまして、国税であります揮発油税のうちから一キロリットル当たり千円を地方団体に移譲すべきであるということについて予算要求も行なわれたわけでございますけれども、たまたまこの時期に道路整備五カ年計画を改定をするという問題が起こってまいりまして、地方団体の事業費ももちろんふえますけれども、国の事業費も大幅にふえるというようなことから、関係各省間の話がまとまるに至りませんで、昭和四十二年度の予算編成にあたりましては、御承知のとおり二十五億円の臨時地方財政交付金を交付するということで一応の結着を見たわけでございますが、その際に、市町村に対する道路目的財源の付与については引き続き検討をするものとされたのでございます。その後、道路整備五カ年計画改定についての閣議了解が行なわれまして、四兆一千億の事業費が六兆六千億に拡大されたことに伴いまして、地方団体に対する道路目的財源の付与をいかにすべきかということについて引き続き検討が行なわれてきたのでございます。その過程におきましては、従来、道路整備計画が改定になります際には、揮発油税とかあるいは軽油引取税というような、いわゆる自動車燃料課税の引き上げを行なって財源をまかなってまいりましたこと等にもかんがみまして、自治省といたしましては、揮発油税並びに軽油引取税の税率の引き上げを行なって、その一部を市町村に交付するという案を一時立てたことがございます。しかし、これにつきましては、揮発油税なりあるいは軽油引取税を引き上げるということは、タクシー、バスあるいは営業用自動車の燃料の価格引き上げを伴いますので、輸送費に響く、ひいては物価問題に影響するというような点から強い反対の御意見もございました。また、他面これらの燃料課税の税率が、御承知のとおり、揮発油税は、小売り価格に対しまして六一・三%になっております。軽油引取税は四九・三%というきわめて高い税率でございますので、さらにこれを引き上げるということにつきましては、消費税体系の上からも適当でないという御意見もございました。いろいろな御意見がございまして、税制調査会等においても御審議をいただいたのでございますけれども、この際燃料課税の引き上げを行なうことは適当ではない、むしろ自動車の取得に対して課税をするほうが適当であろう、こういうことで、昨年の暮れに税制調査会から自動車取得税の創設についての答申をいただいた、かような次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/31
-
032・太田一夫
○太田委員 川田建設省道路総務課長さんおいでになっていただいておりますから、建設省の立場から御意見を賜わりたいのでありますが、この道路整備五カ年計画、これは数次にわたって改定され、いま現在六兆六千億という大予算に相なっておりますけれども、市町村道というのはあまり重視されておらない。それで町村道は今後は市町村でかってにやっていきなさい、そして自動車取得税を財源として改良を行ない、もってその時代の要請にこたえてほしい、こういうことでございますか。六兆六千億の五カ年計画と関連して、自動車取得税の位置づけについて御見解を承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/32
-
033・川田陽吉
○川田説明員 先生仰せのとおり、まことに市町村道の整備率というものは、改良率におきましても、舗装率におきましても、はなはだ低い状態でございますが、総延長八十四万キロという市町村道の延長の中身については、いろいろ自動車交通の対象になり得ないような路線も相当含まれている実情でございます。建設省におきましては、過去三年にわたりまして慎重な調査を続けてまいりまして、四十三年度中には結論を出しまして、路線の性格別に分類し、自動車の利用率に分類し、その他基礎的な資料に基づきまして、八十四万キロのうちの大体二十五万キロ程度のものを国の施策として直接補助の手を差し伸べて整備したらいかがかというようなめどのもとに、目下作業をやっている最中でございます。したがいまして、この六兆六千億の道路整備五カ年計画におきましても、決して、自動車取得税——財源がふえたからといって、公共事業として市町村道の整備の手をゆるめるというような考えは持っておりません。第四次五カ年計画と比較いたしまして、市町村道の事業費は大体二倍以上にふやしております。第四次五カ年計画では千九百十億円の市町村の道路事業費を見込んだ次第でございますが、第五次五カ年計画におきましては、都市計画事業も含めまして四千八百三十億円というただいまの計画でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/33
-
034・太田一夫
○太田委員 川田さん、こういうことです。四千八百三十億円という数字を申されましたけれども、最も改良のおくれておるところの市町村道、これに対する財源として目的税として自動車取得税を創設しよう、こういうわけでありますが、この自動車の使用者から取った税金で——主として地方の自主財源は、そこで持っていかなければなりませんが、現在の道路の状況から考えて、まだ国道、府県道、主要道路の改良も十分でない点もあるから、しばらくの間は、市町村道のほうに予算を回す——回すといってもなかなか回らぬじゃなかろうか、もし何か少しは配慮されたとしても、地方負担なんか相当大きなものになるのではなかろうか、受益者負担等が考えられるのではなかろうかと実は相当心配しておるわけです。それで六兆六千億そのものの予算は、これはそう大きいとも私も思いませんけれども、しかし、それを推進する過程において、いまのお話からしまして、今後市町村道について、あなたのほうは、第二次扱い、第三次扱いはしないのだ、そして市町村道を整備することによって、国民生活の向上になるように、府県道と同じように見ていくという考え方があるかどうか、延長が長いからいささか無理かもしれませんけれども、相当これは重視していただかないと、いまの自動車取得税だけでやれといってもやれっこないのですから、そういう点で何か市町村道を中心としてあなたのほうがいろいろ議論されたことがあったら、それをもう少し伺っておきたいと思います。県道を除きます、市町村道。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/34
-
035・川田陽吉
○川田説明員 わが国の道路の整備の段階から申しまして、国民生活全般、日本国全体を通じまして一番利用度の高いのは国道でございますが、その国道の中でももとの一級国道は整備率もほぼ九〇%をこえているような現状でございますが、もとの二級国道になりますと、まだ六〇%程度、こういうような段階でございます。また、都道府県道になりますと、それよりももっと低い整備水準でございまして、そういった観点から、建設省道路局当局といたしましては、市町村道と国道と府県道との間に、気持ちとしては決して優劣を考えていない気持ちでございますけれども、投資額の絶対量が何しろ限られておりますので、市町村道として補助の対象に取り上げますものは、勢い国の施策に最も密接なもの、たとえば離島関係でございますとか、企業合理化関係でございますとか、山村振興関係でございますとか、そうしたものに重点を置き、あるいはまた、住宅公団等の団地の関連事業とか、他の公共事業との関連において急速に整備しなければならない事業とか、あるいはまた、市町村道の中でバス路線として使われていて非常に需要度の高いものに限って補助対象にせざるを得ないような状況でございます。こういった点から、市町村道の整備につきましては、地方の一般財源に依存する度合いが非常に高いというのが実情でございまして、そのために自主財源をいろいろ付与する方法も、道路の投資の絶対量をふやすというような方向でいろいろ考えてきたわけでございますが、そういった意味で、自動車取得税というものによって市町村道の整備は大いに推進されるものとわれわれは期待しているわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/35
-
036・太田一夫
○太田委員 松島さん、あなたのほうで計算された何かあると思うのですが、市町村道整備五カ年計画というような何かマスタープランでもあるのでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/36
-
037・松島五郎
○松島政府委員 道路整備五カ年計画の中に市町村道の整備部分も入っておりますので、それを基礎にして私どもは考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/37
-
038・太田一夫
○太田委員 だから、それを基礎にしてあなたは今度取得税をつくるのでしょう。取得税をつくったら何百億かの収入が出てくるでしょう。そうすると、いままでこれがないときよりも、改良は相当スピードが早く行なわれるわけですね。ですから何を、たとえば拡幅なら拡幅、舗装なら舗装、延長なら延長、そういういろいろ種目があると思いますが、どれがどれくらい伸びていくんだ、そういう計数を何かお出しになったものはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/38
-
039・松島五郎
○松島政府委員 道路整備五カ年計画の中には、ただいま建設省からお話のございました公共事業として行なわれるものがございますが、その分につきましては、国が補助金を出して事業を実施いたすわけでございますから、一応その補助金に対応して、地方団体が事業をやったならば、どの程度の舗装率なりあるいは改良率なりが向上するというというような資料はございます。ただ単独事業分につきましては、これは文字どおり単独事業でございますから、地方団体がその判断に基づいて最も緊急を要するところから事業を実施していくものと考えられるわけでございます。私どもがあらかじめどこの町村のどの道路をどれだけの幅に広げるということを指示をしてやらせるものではございませんので、それについての舗装率がどうなる、改良率がどうなるという資料はつくっておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/39
-
040・太田一夫
○太田委員 おかしな話を聞きますね。税金をつくって、その税源を目的財源として与える、そうしたら市町村道は何年先、五年先なら五年先にはこうなりますという一いままでの六兆六千億の建設省の道路整備五カ年計画をおつくりになったときは、自動車取得税のないときだ。自動車取得税をつくったら、五年先にどうなるんだという、あなたのほうで青写真を描く何かなくちゃならないんじゃないですか。そうすると、あなたのお話で言うと、自動車産業が発展するほど車をつくっても売れるようになります。国民生活が非常にプラスになるように何かスムーズに走れるとおっしゃったが、これは何か根拠があるのでしょう。どういう数字的な根拠なのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/40
-
041・松島五郎
○松島政府委員 今回の道路整備五カ年計画の改定によりまして、市町村道の負担は大体七千億程度になるものと見込まれております。現在までの第四次計画では約五千億程度でございますので、差し引き二千億円程度の事業費の増加になるわけでございます。したがいまして、その財源をどうしてまかなっていくかという問題の一環としてこの取得税を考えたわけでございまして、この取得税が創設されますことによって、私どもの見込みではこの道路五カ年計画の市町村負担に対しまして大体二四%程度の充当率になろうと見込んでおるわけでございます。いま申し上げましたように、道路整備五カ年計画によって事業費が大幅にふえる、その財源をまかなっていくための取得税でございますから、道路整備五カ年計画の推進が行なわれれば、それは道路の整備をするために行なうわけでございますから、そのことによって市町村道の整備は前進するものというふうに考えておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/41
-
042・太田一夫
○太田委員 私はそういう文字の上の御説明を承ろうというわけじゃない。数字の上において、それだけの財源が与えられればそれだけプラスするでしょう。あるいは、いままで一般財源から持ち出しておったのが持ち出さぬで済んで、ほかのほうに回されていくかもしれない。けれども、あなた、道路というのは自動車の通行だけじゃないでしょう。道路ができたことによって工場誘致も盛んになるでしょう。道路ができたことによって、よくなったことによって住宅というものを建設されていくでしょう。あらゆるものが道路に関連していくのですから、それによって受益するものは何も自動車のユーザーだけじゃない。そうしてみるなら、一般財源も当然道路改良に投入すべきでしょう。だから町村道の舗装率はこうなっていくのだ、改良工事はこうなっていくのだ、そうして、いまから五年先にはこうなるのだとか、何年先にはこうなるのだという何かがなかったら、それはそれだけの銭を取るのはおかしいじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/42
-
043・川田陽吉
○川田説明員 単独事業としまして、第五次道路整備五カ年計画六兆六千億円で見込まれております金額は一兆一千億円でございます。そのうち県の事業と市町村の事業に分かれるわけでございますが、年度の決算によって多少でこぼこがございますが、おおむね半分というふうに市町村道を見込むことができます。そういたしますと一兆一千億円の半分でございますから、大体五千五百億円程度が、市町村が単独事業として実施するというふうに見込まれるわけでございます。また、その中で市町村道の改良率、舗装率に影響を及ぼすものは改良関係でございますが、砂利道の補修等、改良率、舗装率に影響のない事業も相当含まれております。三割ないし四割はそういった維持、修繕関係というふうに見込まれるのでございますが、そういうようないろいろな推定からどれくらい改良率が高まるか、舗装率が高まるかということは、ただいま自治省と共同で作業中でございまして、近日中に数字を出しまして資料として御提出いたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/43
-
044・太田一夫
○太田委員 松島さん、いまのように御理解されていらっしゃるのですか。あなたのほうのその数字は、何かどこかで試案としてつくられたものがあるじゃありませんか、ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/44
-
045・松島五郎
○松島政府委員 まだ試案としてつくったものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/45
-
046・太田一夫
○太田委員 これは細田次官、前からずっと続きでありますからあなたにお尋ねしますが、今度の自動車取得税をつくることによって、地方道ではどういうふうに改良されていくかという計画の基本を示していただきたい、こういうお尋ねです。ところが、建設省のほうにもはっきりしたものがない。だからあなたのほうも、三%を課するということがきまったときに、いろいろの数字は作成されておると思うのでありますが、いかなる基本計画ができ上がって、その上の三%であるか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/46
-
047・細田吉藏
○細田政府委員 建設省からの御答弁もございましたが、この新五カ年計画は、金額的には国道分幾ら、それから府県道分幾ら、市町村道分幾らという総事業費で五カ年計画ができておるわけでございます。ですから、そういう面についての一応の金額から見た計画、こういうことで自動車取得税はきまっておるのですが、問題は、それではこれをやることによって地方道の舗装率がどれだけよくなるのか、それから改良率がどれくらいになるのか、こういうことでございますが、昨日依田先生に対する答弁でしたか、建設省のほうから年々〇・一%程度だというのは、何しろ地方道というものは、非常な小さい道の市町村道まで含んでおるものであるから、率としては非常に低いんだが、いま、たとえば改良率でも一二%くらいなんで、それが年々〇・一%程度ずつくらい上がるんだ、こういうことなんでございます。しかし、それは数字としては非常に小さい、そんなことではどうにもならぬじゃないか、こういうことなんですが、これは実は市町村道の全体に対する比率でございまして、ですから厳密に言いますならば、この率というのは市町村道全体の延長に対する率ではいけないと私ども思います。そこで、この程度のものは自動車の通行に耐え得るという市町村道、こういうものをやらなければならぬという必要のある市町村道に対して何%改良率が上がり、舗装率が上がるか。ただ計算上出ておる総延長に対する比率の〇・一%というような答弁を建設省からきのうしましたけれども、それではいけないんじゃないか。
そこで、それではその市町村道のあるべき姿、今後改良、舗装を進めていくのをどういうところをどの程度にやればいいのか、こういうことでさっき言いました〇・一とかいうパーセンテージはもっと上がってくるわけです。そういう点につきまして、何しろ国道も府県道もございます。そういうことでいろいろこまかい各地方地方の問題から積み上げをするので、そこでいま建設省が答弁しましたように、そういう点についてどれとどれをやるべきだ、そのうちどれだけができるんだ、そういう数字についてはもうしばらく待っていただきたい、こういうことでございます。
それでは、具体的にきまっておらぬのに自動車取得税というのはおかしいじゃないか、こういう御議論は私どもごもっともだと思います。そういうことも全部やって、これによってどれくらいになります、五カ年計画自体もそうなんですけれども、五カ年計画でどれだけの市町村道が舗装ができるのでございます、改良ができるのでございます、こうお答えをするのが当然なわけでございますが、何しろ、いま申し上げたように、非常にこまかいものまで含んでおりますし、地方でいろいろやっておるものでございますから、いまこれについて作業をいたしておる、こういうことでございまして、そういう点ではたいへん御不満な点が多いと思います。私どもとりあえずは金額の五ヵ年計画、その裏づけというものはいま作業いたしておる、これができ上がりますとどういう形になるということがはっきりお答えできる、率直に申しましてそういうことでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/47
-
048・太田一夫
○太田委員 金額の五カ年計画も総括的な五カ年計画でございますから、これはあるといえばある、ないといえばない。しかもその改良率は何%に上がる、舗装率はどれだけ上がるかということについても、的確な、ある程度までの骨格ができておらない。ましてや、昨日の御答弁にあったそうでありますが、〇・一%とは何という微々たるものですか。〇・一%年率アップなどということによって、三%のばく大な自動車取得税を負担する国民に対して、これによって町村道がよくなりますなんて言えるのですか。そんなばかなことはない。そんなおろかなことを言っていたら、国民は承知しませんよ。一%上げるのに十年かかるじゃありませんか。どうするのですか。ツルは千年カメは万年、町村道舗装は何億年ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/48
-
049・細田吉藏
○細田政府委員 昨日も建設省の川田課長から、実はこれはきのうの質疑応答の中で、それでもとにかく率はとれくらいか——〇・一%なんという数字は大体世の中に出せませんね、一〇〇にするには千年かかるわけですから。そういうことでなくて、きのうの質疑応答を聞いておりますと、これは一体どうなるんだ、たってということであるとそういうことです。しかし、これには注釈がついておるわけです。それは市町村道の総延長八十四万キロという——それはサルが歩くような道と言っちゃおかしいかもしれませんが、きこりさんが歩くような市町村道まで含めていま改良率が一二%、舗装率が四・四%です。しかし、そのもとそのものがほんとうはもっと精査されて、それで、これはとにかく自動車も通れる、今後改良、舗装を要する市町村道というものは別になければならぬはずです。その数字が残念ながらはっきりしておらぬものですから、いまそれを作業中なんです。ですから、〇・一なんという。パーセンテージは、これによってどうこうというのはごかんべんいただきたいのです。きのうは、そういう前提においてそれくらいになるということで答弁があったと思うわけであります。ですから、私どもは、この八十四万キロといういわゆる分母がもっとぐっと少なくなって、これだけはやらなければいかぬということになれば、現在の改良率一二%もそれだけ上がるし、舗装率も上がる、今後の年年のこういうものの進行状態も〇・一なんというものではない、かように思うのでございます。きのうそういうことを言ったのは私はおかしいと思ったのですが、しかし、たってという話から、八十四万キロというものを分母にするとそういうことでございます。こういう意味で申し上げたのでございまして、国道が優先でいろいろ考えているという傾向があることも私は否定できないと思います。しかし、市町村道はむずかしいのですけれども、市町村道についても、ここまでまいりますとがっちりした計画を立てて、市町村道のうちこれとこれというふうにしなければならぬ。建設省でも、先ほど御答弁がありましたように、そういう方向でいま考えておられる、こういうことでございます。御了承願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/49
-
050・吉川久衛
○吉川委員長 太田君に申し上げますが、大臣は参議院の予算委員会の都合で十二時四十分までここにおられますから、そのお含みの上で御質疑を願います。
ちょっと速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/50
-
051・吉川久衛
○吉川委員長 速記を始めて。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/51
-
052・太田一夫
○太田委員 非常にものわかりのいい委員長さんのお計らいによりまして、わかるまで話を進めてくれという話でありがとうございます。十二時四十分に大臣がお帰りになるそうでありますから、それまでの間、主として大臣にお尋ねをいたします。
大臣、実は一番最初にこういうことをお尋ねしたのです。自動車取得税をつくるということに踏み切られたには何かプラスがあるでしょう。特に、私ども心配するのは、自動車がこれによって売れなくなり、また持ちたい人が持てなくなるということは、売れなくなった側から言うならば、自動車産業の発展をとめるものになる。それから、買えなくなったほうから見るならば、国民生活というものがようやくモータリゼーションの時代に突入したというにかかわらず、それがここでまたストップをかけられる、こういうことでございますが、これに対しては御見解はどういうことでありますかというお尋ねをいたしました。これに対して松島局長さんの御答弁は、道路がよくなるのであるから自動車産業はますます発展をしていきます、また道路がよくなって十分効率があがっていきますから、いわゆるモータリゼーションの進歩発達にマイナスになることはありません、こういうけっこうずくめのお話でございます。それはおかしいという話を実はやっている。大臣、ほんとうに政府としてはいかなるお考えでありますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/52
-
053・赤澤正道
○赤澤国務大臣 予算委員会が開かれておりまして、一番大事なこの税法がかかっております委員会に欠席をいたしまして、まことに相すまぬことであります。
この自動車取得税は、御承知のとおりに五十五国会で当委員会が税法の一部改正に関する法律案に附帯決議をおつけになりました。その中に、例の住民税の課税最低限のことと、もう一つは、地方道路財源特に市町村の道路財源の充実をはかるため必要な財源措置を講じなさい、こういう附帯決議があった。参議院のほうは、各最低控除額などの金額の記載までありませんけれども、もう少し幅広く決議をされておりますが、やっぱり同じ意味のものでございます。
そこで、国のほうでは、道路の五カ年計画を新しく第五次のものは六兆六千億円で計画を立てておりますが、そういたしますと地方持ち出し分が二兆一千億円。このことは税務局長も御説明申し上げたと思います。私ども自治行政をあずかる者といたしましては、一体地方負担分の財源をどこに求めるか、これにつきましては、地方制度調査会でも、御案内のとおりに答申が出ておりまして、そのためには地方道路税、軽油引取税等の税率の引き上げによることも考えられるが、それで不十分である場合には自動車の取得に対する課税等についてもあわせて早急に検討を行なえという御答申をいただいたわけでございます。そういう前提がありますので、私どもといたしましては、一体、自動車取得税を創設することによって、利用者あるいはメーカーにどういう影響を与えるのかということは十分検討をいたしたわけでございます。
こういうふうに文明が進んでまいりまして、交通がこういう状態になってまいりますと、自動車がふえる速度よりは道路整備のほうが先行しなければいかぬわけですけれども、いまの状態を見ますと、道路整備の進行よりは私は車のふえる速度のほうがはるかに早いと見ておるわけでございます。そこで、いろんな角度から交通規制なども相当重大な踏み切りをする段階になっております。そこで、自動車、自転車というのは、動だとか転だとか動くということばが使ってあるけれども、だんだんこういう段階になってまいりますと、自動車も自転車も自停車ということになってしまっては動きがつかない。日本の道路の整備の進行状況から、また片一方、車のふえる状況を見ますと、間もなくこういうものが自停車になってしまう可能性が多分にあると見たものですから、やはりそういった面の勘案もあるわけでございまして、自動車でも、道路がなかったら、幾らつくったって売れるものでない、また一方、自動車を使う者から申しますれば、局長から申したと思いまするけれども、やはりでこぼこ道を走れば車は早く消耗もいたしますし、道路が整備されればそれだけ、物を運ぶにしても、人を運ぶにしても、能率があがりますし、車体の損傷も少ない、そういうことから自動車を使用する人も利益があるわけでございまして、自動車取得税は流通税の一種ですけれども、多分に受益者負担的な意味があるわけでございます。これを差し引いてどっちが得か損かということになると、なかなか計算はむずかしいと思いますけれども、とにかく三%くらいな税金を一回——毎年いただくわけじゃないので、これは売買のときに、そのくらいの税金がかかっても、自動車を持つほどの人だったら、担税力という点だったらそうお困りになることはないのじゃないかというふうな判断もありますし、それから財政的な要請は、御案内のとおりに、道路目的財源というものが全然市町村に与えてなかった、これをどうして与えるかということが大きな課題であったことは先刻御承知のとおりでございます。そのことでただいまも調査会の答申もあったわけですが、思い切ってこういうものもやっぱり市町村の、国の道路計画に即応する地方の持ち出し分の中に、これも加える、いろいろいたしまして、大体どうにかつじつまが合うという形でつくったわけでございます。こういう際に多少の増税だとか新税の創設ということは、できるだけ慎まなければなりませんけれども、現在こういう交通事情に照らしまして、いろいろ深刻に検討いたしました結果踏み切ったわけでございまするので、そういった意味でぜひひとつ御了承のほどをお願いいたしたいのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/53
-
054・太田一夫
○太田委員 市町村に道路目的財源が全然なかったから、とにもかくにもさがしたとおっしゃる。宝さがしの山の中に手を突っ込んで引っぱり出したら、とにかく出てきたのは自動車取得税だった、こういうことですね。あなたのほうは理論づけをして、快適に走れるようになるとか、あるいは自動車から自転車にかわる、もとに戻る文化がまた自動車のまま続くだろうということをおっしゃったのですけれども、それはないよりいいでしょう。確かに何百億あればそれだけ市町村道はよくなりますわね。だから、考えてみますと、それならいっそ市町村道に重点を置いた、市町村道だけの財源に出せばいいのに、七、三でしょう。七、三でもってしかも徴税費をとれば六〇何%であって、市町村道で〇・一%の改良率だとおっしゃると、これから八百八十年かかる。八百八十年の計画を立てて、それはいい案だ、妙案だ、名案だと手を打っているわけにまいりませんよ。そういう点で言いますと、あなたは受益者負担だとおっしゃるが、自動車の持ち主にだけどうして受益者負担をさせなければならないのか。道路がよくう数字だから数字の基礎が違う。だから、この三%を取りましたら市町村道はどれくらい改良され舗装されますかというと、これが〇・一%だ。一千年近い話になってきたんじゃ、それはもう話にならぬ。もうこれだけのことをやるんだったら、もう少し巧緻な計画をお立てになり見込みをお立てになるべきだと思う。
大臣、もう一つ私があなたにお尋ねしたいことは、それならこういうものを出すことによって財源が、道路目的財源は目的財源ではあるけれども、これは財源は財源だ、それから反則金による安全施設の財源ができたというようなことからいって——秋吉さんいらっしゃいますか、主税局の税制第三課長さんいらっしゃるようですが、課長さんは初めてですから、あまり地方行政のほうに始終いらっしゃるわけじゃないが、秋吉さんなどはここにいらっしゃいまして、どうも地方自治体は金が余っているようだから、なるべく金を回すことをやめてよそへ回そうということで、何か第五列の役割り——第六列くらいの役割りをしていらっしゃるような気がしてしようがない。この間も、もっとしっかりやってもらわなければ困りますねと言ったら、いやこのごろ自治省にまるめられてしまって、すっかり自治省に傾いているんですよと言うから、いい傾向ですねと言って賞辞を呈しておいたわけですが、横井第三課長さんどうですか、こういうことをやったことによって、おまえのほうはまだ財源が余っているから交付税をもう少し減らしてくれとか、あるいは、いろいろな超過負担の問題をうやむやにするということによってお茶を濁すということになっては、超過負担とか受益者負担というものがどんどんいままで以上にふえる結果になることはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/54
-
055・横井正美
○横井説明員 地方税の税収並びに財政状況でございますが、私どもは、税収面から拝見しておりますと、御承知のように地方税は、基本的には安定的な行政に基づくわけでございますから、安定的な税収が望ましいという考えはございますけれども、現実に地方団体に与えられております税源はかなり弾力性があるものが多うございます。そういう観点からいたしまして、最近の国税の伸びに対応いたしまして、かなりの増収が見込まれておると思いますので、先ほど御指摘ございましたけれども、かなり地方財政は好転いたしておる、かように考えております。そこで、この取得税をつくりましたことによりまして、先ほど来御議論のございますように、道路の目的財源といたしまして道路に充てられるわけでございますから、その意味からいたしまして、直ちに超過負担がふえるとかあるいは交付税を減らすとか、こういう問題には全くならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/55
-
056・太田一夫
○太田委員 課長さん、あなたはそれでいいです、なるべく間違いない答弁をしておいてください、あとで責任をとられると困るから……。
大臣どうですか、これで私が心配することは、また何百億ふえた、したがって、超過負担解消計画というのもだんだん内輪に見積られて骨抜きにされていくというようなことから、地方における財政というのは一向に改善されないという結果になるのじゃなかろうかという心配がある、そういうことは絶対ないでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/56
-
057・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私も絶対ないと考えておりますし、また、多少でも疑問があるような例の特別事業債だとか、そういった種類のものはきちっと法律に組み込んでしまう、超過負担は法律ではありませんが、これは国と地方との財政秩序というものを確立するという意味でそれぞれの分野があるものですから、それが混合してはぐあいが悪いというので、いろいろ調査いたしました結果、交わっておるところははっきりいたしました。これは固い約束をいたしまして、この間精査いたしました六つの案件につきましては、三年以内にぴしっと解消するという結論も出ております。明年度からは引き続いて他の件につきましても調査をする段取りになっておりますので、今後大蔵当局だってそう横車は押すはずもないし、断じて押させないという決意を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/57
-
058・太田一夫
○太田委員 それでは、断じて横車を押させない、大蔵省の無理無体な要求には屈しない、こういう決意を大臣として表明された。これは記憶にとどめまして、ぜひそうしていただかないと、またこれが財源をどこかで減らされるもとになるような気がいたします。ぜひそういうことのないようこ……。
それからもう一つ、これは私は、自動車を持っている方だけにこれを負担させる道路目的財源というのは、いささか不平等なものを感ずるわけでございます。たとえば、これはちょっと角度は違うかもしれませんが、生命保険料の控除あるいは配当所得等の特別控除、こういう生命保険あるいは利子配当等の特典を、住民税の場合、これを遮断をしたらどのくらい浮きますか、財源として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/58
-
059・松島五郎
○松島政府委員 生命保険料控除によって減税になっております額は、県民税で七十億円、市町村民税で百五億円でございますから、合計いたしまして百七十五億円の減税になっております。なお、配当の問題につきましては、御承知のとおり一銘柄年間五十万円以下の配当所得についての分離課税は、住民税では総合課税いたしておりますので、それによります特別の減収というものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/59
-
060・太田一夫
○太田委員 五十万円以上の人もある。大口の配当所得者を特例でなくて普通の捕捉をいたした場合は幾らになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/60
-
061・松島五郎
○松島政府委員 いま申し上げましたように、住民税の場合は、配当所得につきましての分離課税の制度をとっておりません。所得税の場合は、御承知のとおり源泉分離をいたしますと、配当の場合は二〇%だと思いましたが、二〇%の税率で課税をして総合しないことになっておりますけれども、住民税の場合はその制度をとっておりませんので、全部配当所得は総合していただくことになっておりますから、その分の特別の減税というものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/61
-
062・太田一夫
○太田委員 それは住民税のはね返りはいまのところ全然ないですか、配当所得の場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/62
-
063・松島五郎
○松島政府委員 配当所得につきましては、二つに分かれておりまして、五万円以下の配当と五万円をこえて五十万円以下の配当と二通りになっております。所得税法では両方とも、地方税のほうは五万円以下の少額配当につきましてはこれは課税の対象にしておりませんので、その分の非課税はございます。その額は、道府県民税で二十四億円、市町村民税で四十七億円、合計して七十一億円になっております。五十万円以下の分につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/63
-
064・太田一夫
○太田委員 それから、もう一つお尋ねいたしますが、今度の場合、中古車に課税をするということに相なりますと、中古車の価格というものは、ある程度基準がありましても幅があるわけでございますから、十万円という基準をつくりますと十万円以下にしておいて、それからその後においてさらにいろいろな改良を施すことによって値段を二十万にするというようないろいろな手があるわけでございますから、中古車の場合は脱税ということが相当あると私は思いますね。中古車の脱税に対しては、あなたのほうはそれはしかたがないということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/64
-
065・松島五郎
○松島政府委員 中古車の問題につきましては、御指摘のような問題が課税の実際にはいろいろ起きてくると考えております。しかしながら、取得価格を基準にいたします以上は、その後に修繕をしたということが明らかであります以上、取得価格はやはり修繕前の値段でございますので、それによる以外に方法はないというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/65
-
066・太田一夫
○太田委員 そういうことですね。それが理屈でございます。したがって、脱税と見られるような行為をしても、罰則にかかることはありませんね。罰則を適用されることはありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/66
-
067・松島五郎
○松島政府委員 脱税ということでございますけれども、脱税ということになりますと、修繕をした値段で買ったにもかかわらず、それを修繕をしないものとして申告をして納税するというものが厳密な意味の脱税であると思います。実際に修繕う数字だから数字の基礎が違う。だから、この三%を取りましたら市町村道はどれくらい改良され舗装されますかというと、これが〇・一%だ。一千年近い話になってきたんじゃ、それはもう話にならぬ。もうこれだけのことをやるんだったら、もう少し巧緻な計画をお立てになり見込みをお立てになるべきだと思う。
大臣、もう一つ私があなたにお尋ねしたいことは、それならこういうものを出すことによって財源が、道路目的財源は目的財源ではあるけれども、これは財源は財源だ、それから反則金による安全施設の財源ができたというようなことからいって——秋吉さんいらっしゃいますか、主税局の税制第三課長さんいらっしゃるようですが、課長さんは初めてですから、あまり地方行政のほうに始終いらっしゃるわけじゃないが、秋吉さんなどはここにいらっしゃいまして、どうも地方自治体は金が余っているようだから、なるべく金を回すことをやめてよそへ回そうということで、何か第五列の役割り——第六列くらいの役割りをしていらっしゃるような気がしてしようがない。この間も、もっとしっかりやってもらわなければ困りますねと言ったら、いやこのごろ自治省にまるめられてしまって、すっかり自治省に傾いているんですよと言うから、いい傾向ですねと言って賞辞を呈しておいたわけですが、横井第三課長さんどうですか、こういうことをやったことによって、おまえのほうはまだ財源が余っているから交付税をもう少し減らしてくれとか、あるいは、いろいろな超過負担の問題をうやむやにするということによってお茶を濁すということになっては、超過負担とか受益者負担というものがどんどんいままで以上にふえる結果になることはありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/67
-
068・横井正美
○横井説明員 地方税の税収並びに財政状況でございますが、私どもは、税収面から拝見しておりますと、御承知のように地方税は、基本的には安定的な行政に基づくわけでございますから、安定的な税収が望ましいという考えはございますけれども、現実に地方団体に与えられております税源はかなり弾力性があるものが多うございます。そういう観点からいたしまして、最近の国税の伸びに対応いたしまして、かなりの増収が見込まれておると思いますので、先ほど御指摘ございましたけれども、かなり地方財政は好転いたしておる、かように考えております。そこで、この取得税をつくりましたことによりまして、先ほど来御議論のございますように、道路の目的財源といたしまして道路に充てられるわけでございますから、その意味からいたしまして、直ちに超過負担がふえるとかあるいは交付税を減らすとか、こういう問題には全くならない、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/68
-
069・太田一夫
○太田委員 課長さん、あなたはそれでいいです、なるべく間違いない答弁をしておいてください、あとで責任をとられると困るから……。
大臣どうですか、これで私が心配することは、また何百億ふえた、したがって、超過負担解消計画というのもだんだん内輪に見積られて骨抜きにされていくというようなことから、地方における財政というのは一向に改善されないという結果になるのじゃなかろうかという心配がある、そういうことは絶対ないでしょうかね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/69
-
070・赤澤正道
○赤澤国務大臣 私も絶対ないと考えておりますし、また、多少でも疑問があるような例の特別事業債だとか、そういった種類のものはきちっと法律に組み込んでしまう、超過負担は法律ではありませんが、これは国と地方との財政秩序というものを確立するという意味でそれぞれの分野があるものですから、それが混合してはぐあいが悪いというので、いろいろ調査いたしました結果、交わっておるところははっきりいたしました。これは固い約束をいたしまして、この間精査いたしました六つの案件につきましては、三年以内にぴしっと解消するという結論も出ております。明年度からは引き続いて他の件につきましても調査をする段取りになっておりますので、今後大蔵当局だってそう横車は押すはずもないし、断じて押させないという決意を持っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/70
-
071・太田一夫
○太田委員 それでは、断じて横車を押させない、大蔵省の無理無体な要求には屈しない、こういう決意を大臣として表明された。これは記憶にとどめまして、ぜひそうしていただかないと、またこれが財源をどこかで減らされるもとになるような気がいたします。ぜひそういうことのないようこ……。
それからもう一つ、これは私は、自動車を持っている方だけにこれを負担させる道路目的財源というのは、いささか不平等なものを感ずるわけでございます。たとえば、これはちょっと角度は違うかもしれませんが、生命保険料の控除あるいは配当所得等の特別控除、こういう生命保険あるいは利子配当等の特典を、住民税の場合、これを遮断をしたらどのくらい浮きますか、財源として。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/71
-
072・松島五郎
○松島政府委員 生命保険料控除によって減税になっております額は、県民税で七十億円、市町村民税で百五億円でございますから、合計いたしまして百七十五億円の減税になっております。なお、配当の問題につきましては、御承知のとおり一銘柄年間五十万円以下の配当所得についての分離課税は、住民税では総合課税いたしておりますので、それによります特別の減収というものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/72
-
073・太田一夫
○太田委員 五十万円以上の人もある。大口の配当所得者を特例でなくて普通の捕捉をいたした場合は幾らになるのか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/73
-
074・松島五郎
○松島政府委員 いま申し上げましたように、住民税の場合は、配当所得につきましての分離課税の制度をとっておりません。所得税の場合は、御承知のとおり源泉分離をいたしますと、配当の場合は二〇%だと思いましたが、二〇%の税率で課税をして総合しないことになっておりますけれども、住民税の場合はその制度をとっておりませんので、全部配当所得は総合していただくことになっておりますから、その分の特別の減税というものはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/74
-
075・太田一夫
○太田委員 それは住民税のはね返りはいまのところ全然ないですか、配当所得の場合。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/75
-
076・松島五郎
○松島政府委員 配当所得につきましては、二つに分かれておりまして、五万円以下の配当と五万円をこえて五十万円以下の配当と二通りになっております。所得税法では両方とも、地方税のほうは五万円以下の少額配当につきましてはこれは課税の対象にしておりませんので、その分の非課税はございます。その額は、道府県民税で二十四億円、市町村民税で四十七億円、合計して七十一億円になっております。五十万円以下の分につきましては先ほど申し上げたとおりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/76
-
077・太田一夫
○太田委員 それから、もう一つお尋ねいたしますが、今度の場合、中古車に課税をするということに相なりますと、中古車の価格というものは、ある程度基準がありましても幅があるわけでございますから、十万円という基準をつくりますと十万円以下にしておいて、それからその後においてさらにいろいろな改良を施すことによって値段を二十万にするというようないろいろな手があるわけでございますから、中古車の場合は脱税ということが相当あると私は思いますね。中古車の脱税に対しては、あなたのほうはそれはしかたがないということでございますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/77
-
078・松島五郎
○松島政府委員 中古車の問題につきましては、御指摘のような問題が課税の実際にはいろいろ起きてくると考えております。しかしながら、取得価格を基準にいたします以上は、その後に修繕をしたということが明らかであります以上、取得価格はやはり修繕前の値段でございますので、それによる以外に方法はないというように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/78
-
079・太田一夫
○太田委員 そういうことですね。それが理屈でございます。したがって、脱税と見られるような行為をしても、罰則にかかることはありませんね。罰則を適用されることはありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/79
-
080・松島五郎
○松島政府委員 脱税ということでございますけれども、脱税ということになりますと、修繕をした値段で買ったにもかかわらず、それを修繕をしないものとして申告をして納税するというものが厳密な意味の脱税であると思います。実際に修繕前の値段で買って、それからあとで修繕をしたというような場合には、取得価格そのものが修繕前の価格でございますから、実際にはその分だけ抜けたことにはなりますけれども、脱税という観念には当てはまらないのではないかというように考えます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/80
-
081・太田一夫
○太田委員 だから、そういうような疑わしい場合も罰則の適用は何もありませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/81
-
082・松島五郎
○松島政府委員 罰則の適用は別にございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/82
-
083・太田一夫
○太田委員 大臣にお尋ねをいたします。昨年一年間の中小企業の倒産というのはどれだけでございましたか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/83
-
084・赤澤正道
○赤澤国務大臣 資料を持ち合わせておりませんので、ぜひ御必要でしたらそのうち準備をいたしまして提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/84
-
085・太田一夫
○太田委員 きょう来ていらっしゃる税務局の各位の中で御存じの方はありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/85
-
086・松島五郎
○松島政府委員 まことに申しわけありませんが、ただいま資料を持っておりませんので承知いたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/86
-
087・太田一夫
○太田委員 私は、たとえば八百屋さんが使うところのライトバン、あるいはお魚屋さんがお使いになる小型トラックというような、非常なみみっちい経営と言っては何でございますけれども、基盤の浅い仕事をやっていらっしゃる方々にも、必要に応じて小型のバン型の車を買えばそれに対して三%、それからまた、小さな二トン積みのトラックを買えばそれに対しても三%、何千円というものを出さなければならなくなるわけでございますが、こういう中小企業対策というような意味の配慮というのは、この中には全然なかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/87
-
088・松島五郎
○松島政府委員 この税は、何度も御説明申し上げますように、道路の目的税として創設をいたすわけでございますので、自動車を取得される方は道路を使うという前提に立って税を納めていただくわけでございますから、その段階でどなたがその自動車を取得するかということについての特別の配慮はいたしておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/88
-
089・太田一夫
○太田委員 大臣にお尋ねをいたしますが、そうなると、自動車は道路目的財源だから、車を持つ者はみな出せみな出せということに相なって、無差別に取ろうとするわけですね。ただ除外されておるものは官庁用自動車だけです。そういう中小企業がどれだけ倒れてどういう状態になるか、中小企業対策としては、この税金をどうするかという配慮が全然ない。持つ者にはあたりまえじゃないかというような、そこのけそこのけお馬が通るという言い方じゃありませんか。昨年一年間に約一万件に近いところの非常な大口倒産があった。ことしはさらに一万件を上回ると言われておるじゃありませんか。そのほかに、さらにそれに何倍かするところの小口倒産商店、会社が続出をしておるということになれば、それに対する対策としてこれをどうするか、あるいはまた物価に対してどのようなはね返りがあるか、そういう配慮もあってしかるべきだと思う。たとえばいまの公営企業のバスは非課税でございますか——これは非課税だとするならいいですが、その他の国鉄・私鉄を中心とするバスにおいては三%取る、こういうことに相なってくれば、これはコストに必ず響いてきまして、相当の物価に対するはね返りは考慮しなければいかぬ。これはこの際しんぼうしてもらいたいのだ、こうこうこういうわけだ、それならいいのですね。中小企業に対する配慮は何にもない。だれも何軒倒れたかは知らない。この間行った喫茶店はお客さんがたくさん入っておったという考え方じゃいかぬですね。どうですか大臣。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/89
-
090・赤澤正道
○赤澤国務大臣 全体として考えた場合に、やはり自動車を買う人はある程度の担税力があるだろうということでこの自動車取得税というものを考えたわけでございまして、たとえば五十万円の車を買う人が一万五千円だけ余分にお金を払うということは、そうむずかしいことではないのじゃなかろうか。ただ道路財源として燃料課税を増徴いたしますと、これはすぐまた物価などに響いてきますけれども、自動車取得税の場合は、その税額がそう大きいものでない限りは、そうそうそのものが物価にはね返るということも考えられませんので、この税を創設してあえて三%の課税に踏み切ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/90
-
091・太田一夫
○太田委員 大臣、少なくとも責任者としてあなたのお考えを承っておきませんと、われわれもたいへんな税金だと思っているのです。税法の中で、市町村民税の課税限度を引き上げたということについては一つの善政である。われわれはこれに対して同感の意を表します。しかしながら、その反面、自動車取得税を創設されてモータリゼーションのストップを命じられた。あわせて輸出産業であるところの自動車産業の、少なくともいままでの発展に対して水をかけられたことには間違いないと思う。将来やがて伸びるか知りませんが、〇・一%の改良率の増大しか見込まれないような結論だとするなら、これは一体何の意義があったかわからない。しかも五十万円の自動車を買う人は一万五千円の取得税を払う。大臣のことばを借りれば、そうどうということもあるまい、こうおっしゃったが、一万五千円をどうとも思わない人と、百五十円でも考え考えしてさいふから出す人といろいろあるのです、世の中には、一億の中には。一万五千円は五十万の車でありますけれども、いまそろそろ一九〇〇というぐらいの車にかわりつつある時代ですから、そうするとこれを八十万と見なければならぬ。八十万の三%は二万四千円でございます。そして、大体いままで車検というのは二年でございますから、二年ごとに買いかえるとすると年間一万二千円、月に千円ずつ取得税をよけい払うわけです。それが大体いまのモータリゼーションの自動車の買いかえということの実態なんです。ところが、そんなものは、二万四千円やそこらは何でもないんだということに相なってくれば、これは私も、それほどいまの日本のインフレが進んでおるか、あるいはそれほど日本の国民所得が増大しているか、どちらかでございましょうが、ちょっとふに落ちないような気がするのです。これはいかがでございますか。中小企業自身の配慮も私は足りないと思うし、国民生活に対する御検討、突っ込み方ももう少し足らぬような気がするのですが、その点心配することないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/91
-
092・赤澤正道
○赤澤国務大臣 やはり中小企業対策はまた別の角度から、政策全般でいろいろ重点的に扱っているわけでございまして、中小企業の倒産の現況を見て、これを無視しているわけでは決してございません。しかし、自動車取得税の場合は、たびたび御説明申し上げますように、自動車を持つ人も、道路がよくなれば、でこぼこ道を飛ばすよりは、よほど消耗の程度も低くなってまいりますし、自動車の利用者にはプラスになることは間違いありません。道路を利用するものは、自動車だけではなくて、自転車も、歩く人も、道路が整備されればプラスになりますけれども、やはり税金の負担能力という点から考えまして、自家用車を持つほどの人は何がしかゆとりのある人という判断を持たざるを得ませんので、この新税に踏み切ったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/92
-
093・太田一夫
○太田委員 そうすると、自動車を持つ人は、負担する金銭的な、財政的な余力があるという御判断、それはそれで聞いておきましょう。そうすると、中小企業は別の角度で配慮するとおっしゃったのですが、この自動車取得税は中小企業に関係ないのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/93
-
094・赤澤正道
○赤澤国務大臣 もちろんあります。ありますけれども、中小企業対策というものは、その振興の面で資金あるいはその他いろいろな特別措置を通じまして、これにはいろいろな配慮が加えてあることは御承知のとおりでありまして、ただ自動車を一台どうするから、またそのほうで中小企業対策をというわけにはなかなかいきかねるわけでございますが、決して今日の零細企業者の諸君を無視しているわけではないことだけは申し添えておきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/94
-
095・太田一夫
○太田委員 中小企業を無視しておらないとおっしゃるけれども、先ほど来、中小企業というものの状況を分析なさった証拠がない。さすがに私は松島さんならたいていのことを知っていらっしゃると思ったが、いまの八百屋さんや魚屋さんのことまで一ぺん検討してみてこの税制をおつくりになったものでもないような気がする。だんだん倒産件数がふえてまいりまして、ことしそれは一万何千件になるかわかりませんが、とにかく一万件台だ、大口倒産が一万件台だ。そんなに大口倒産が次から次と出てくるときに、しかもいまは貿易上の危機があり、国内の経済も危機に見舞われて、相当各産業は、会社は、企業はそのやりくりに困っているときではなかろうか。自動車の一台に一万二千円、たいしたことはないかもしれませんが、五台持つ人は六万円の税金を払わなければならないということから考えて、この配慮は私はあってもいいような気がするのですが、中小企業に与える影響はないならないと断定されたその証拠がないと思う。私はほんとう言うと、八百屋さんの車とか魚屋さんの車とか、ある程度のラインを引いて、非課税であってもよかったのではないかという気がする。物価に影響を与えないために、あるいはバス、タクシーに対しても非課税にして、運賃値上がりを防ぐという方法でもよかったのではないかという気がする。そうすると、相対的に少なくなるから困るということでございましょうけれども、何かその辺の配慮、検討が不十分だったような気がするのですが、いかがでございますか。いままで検討された経過があるとするなら、その何かをお話しいただきたいと思う。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/95
-
096・赤澤正道
○赤澤国務大臣 この自動車取得税そのものが零細企業者の経営そのものにどれだけのウエートを持っておるかということをこまかく分析はいたしておりません。しかし、総体から考えまして、一ぺんに十台車を買う人がこれだけの負担になりますよという御指摘でございますけれども、やはり私どもは十台買う人は、また三台買う人は、それ相応の負担力もあるし、自分の営業でもやはり自動車取得税というものを織り込んでやるということになると思います。しかし私は、やはりその程度の課税が物価に及ぼす影響、また、このために倒産者がふえるなどということはないというふうに判断しておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/96
-
097・太田一夫
○太田委員 事業がもうかれば事業税というところで取れるでしょう。だから、自動車取得税、これは税ですから、損金勘定になりますからね。もうかるところはそれだけ利益が減ってくるんですよ。少なくとも、もとの税金のほうに響いてきますよ。しかし、赤字でやりくりしておるところはまるまる持ち出しです。だから中小企業に対する配慮というものがあったり、物価、いわゆる小市民生活に対する消費者物価のはね返りというものへの配慮が、この新税をおつくりになる場合にあったりしたんだということが望ましいと思うのです。その辺はいかがですかね。どうしてそれをおやりにならなかったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/97
-
098・赤澤正道
○赤澤国務大臣 先ほど申しましたとおりに、こまかいそこまでの分析はいたしておりませんが、総体から考えて、この程度の課税であって、それが中小零細企業者の経営に大きな打撃を与えるということは考えられませんし、また、それをこまかく計算いたしましても、きわめて微小な金額しかはね返りが見られないと思いますので、あえて検討もいたさなかった次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/98
-
099・太田一夫
○太田委員 滞納が続出し、ことしの確定申告においては分割納税が非常に激増をし、あわよくば見つかったときのことだというので、いわゆる不正申告というものも横行しそうな現在の時点ですよ。中小企業というものに対する配慮なくして、中小企業の使っておる車に対する三%課税というものがいとも簡単に提案されてくるということは、私は、いまの人情的に非常にあたたかい赤澤さんですから、あなたの立場から考えてみても、少し何かぴたっとこないようなものを感ずるのですがね。ほんとうにどうして検討なしに進んできているのでしょうか。そんな中小企業のことは通産省だとおっしゃるなら、通産省の自動車課長がいらっしゃるので、自動車課長では畑違いかもしれませんが、通産省のほうも、そういう中小企業のことをお考えになったこともあろうかと思いますから、そちらからお答えいただけるならお答えいただいてもいいですけれどもね。何にも検討しないというのはおかしいですね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/99
-
100・赤澤正道
○赤澤国務大臣 中小零細企業者の立場というものを全然配慮しなかったということではなく、金額の上から申しましても、これを経営内容の分析にまで立ち至って検討はいたさなかった、こういうことでございます。
そこで、多少でも新税を創設いたしますことは増税と同じことでございますので、それを買う人の負担増になることは間違いないわけでございますが、しかし、この場合、この程度のものはやはり事業経営の中に吸収されて、そしてこれが赤字の原因になるとは判断できないという結論で踏み切ったわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/100
-
101・太田一夫
○太田委員 非常に大事な点でありまして、先ほど、一番最初からお尋ねしておることでありますが、これが自動車産業の発展を阻害しない、国民生活にも迷惑をかけない、中小企業の圧迫にもならないということをおっしゃるなら、ひとついままで御検討なさった、もう少し詳細なるデータをお示しいただきたいと思う。とにかく中小企業の倒産者がわからないというような状態の中において中小企業への配慮があったとおっしゃっても、ぼくはあまり信用しませんね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/101
-
102・松島五郎
○松島政府委員 これは何度も御説明申し上げますように、価格を課税標準として課税をするものでございますので、百万円の車を買われる方、あるいは五十万円の車を買われる方は、それぞれその価格に応じて担税力があるものとして課税をするわけでございますから、車を買うという事実に立って考えます限りは、やはり百万円の車を買う人は、中小企業であろうと、そうでなかろうと、百万円の車に対応して担税力があるものというふうに考えて課税をしようとしているものでございます。
なお、中小企業に対する問題につきましては、先ほど大臣からもお話がございましたが、いろいろな方面で考えていかなければならない点でございます。地方税の面におきましても、この改正案でも提案をいたしておりますように、専従者控除の引き上げというようなことによって住民税あるいは事業税についての軽減措置を講ずることといたしております。それはそれなりの面において配慮しているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/102
-
103・太田一夫
○太田委員 物価にはね返らぬというのは、どういう理屈から物価にはね返らないと結論されたのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/103
-
104・松島五郎
○松島政府委員 物価にはね返るかはね返らないかという問題は、非常にむずかしい問題でございます。経営の内部において吸収できますものであれば、それは必ずしも物価にはね返らないと考えることもできるわけでございます。たとえば、私どもで調べましたバスでありますとか、あるいはタクシー、トラック等につきまして、その営業収入中に占めますこの自動車取得税の負担がどういう形であらわれるかというのを調べてございますが、大体〇・三%から〇・五%程度というふうに見込んでおります。その〇・三%なり〇・五%が必ず物価にはね返るかはね返らないかという問題は、それぞれ個々の企業の経営のあり方とも関連する問題でございますが、一般的に申しますならば、その率が低ければ企業内で吸収し得るということが言えるのではなかろうかというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/104
-
105・太田一夫
○太田委員 企業内で吸収されるということは、企業内において黒字だということでしょう。赤字のところはどうするのです。企業内で吸収される道理がないじゃありませんか。いま、たとえばタクシーならタクシー、バスならバスがどれだけ赤字であり、どれだけ黒字であるという分析がされているのですか。あるいは中小企業に対しては、五十万円なら五十万円の車を買う担税能力がある、百万円なら百万円のそれだけの覚悟があって買うのだろうということで、これが車の需要というものを押えないという保証はどこにあるのですか。車が高くなって、どんどん売れるということはありません。高くなればどんどん売れます、それは最近の金ぐらいな話であって、車は税金の三%が入って何万円か高くなりましたから、これはじゃんじゃん売れるようになりました、そんな逆な理屈があるものですか。その配慮、その検討なしにして、唐突のごとくにこの取得税をお出しになることは、少なくとも軽率のそしりを免れない。もうちょっと具体的に、あなたのほうは、物価にはこうこうこういうわけだからはね返らないのだ、たとえばタクシーやバスでももうかっておるからはね返らない、赤字のところは取らない、だからこれははね返らないのだというふうにおっしゃればいいのだが、そうではないのだな。
それではもう一つ、時間もあれでございますから、向こうに行っていただくよりしかたがありませんから、一つだけあなたの見解を承っておきたいのは、新車を売る場合の今度の三%の自動車取得税は、あなたの見解ではメーカーが負担されるのか、それともディーラーのほうで負担するようになるのか、それともそれを買ったユーザーのほうにおいてそれを負担することに相なるとお考えになるのか、どこがほんとうに負担するとお考えです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/105
-
106・赤澤正道
○赤澤国務大臣 車の営業政策の面で、こういうこともああいうことも出てきはしないかという心配は一応いたしましたけれども、たてまえは、言うまでもなく自動車を使う人が登録のときに払うわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/106
-
107・太田一夫
○太田委員 どうぞ大臣お帰りください。——松島さん、いま大臣のお答えになったこと、たてまえの話です。これはたてまえ論です。私の聞きたいのは、実際どうなるというお見通しでございますかということをお尋ねしておる。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/107
-
108・松島五郎
○松島政府委員 租税の転嫁関係の問題は非常にむずかしい問題でございまして、人によっては直接税といわれる法人税なんかでも転嫁するという議論さえあるくらいでございまして、租税がどっちに転嫁していくかという問題は、そのときどきの経済情勢にもよりきまることでございまして、たとえば、非常に売り手市場の場合には、買い手のほうに完全に税負担は移っていくと思いますけれども、買い手市場になってまいりますとその反対の現象が起こる場合もあり得るということでございますから、これは今後の自動車業界の模様あるいはユーザー側の事情というようなものによってきまってくると思いますが、私どもは、あくまでも法律のたてまえといたしましては、先ほど大臣が申し上げましたように、取得者が負担をするというたてまえのもとにこの税が運用されておるものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/108
-
109・太田一夫
○太田委員 たてまえはそのとおりです。たてまえのことを聞いているわけじゃない。私は、こういう無理な税金をおつくりになれば、メーカーに影響し、それから中間のディーラーに影響してくるということは火を見るよりも明らかだということを言っておる。だから、通産省のほうはあまり御心配のないようなことをおっしゃるけれども、これまたすれすれの話であって、可もなし不可もなし、東といえば東、西といえば西、北といえば北、南といえば南、そういう絶妙な御答弁だ。だから、三%の自動車取得税はだれが払うのだろうかという点を考えてみると、おそらく私は、相当部分はディーラーが負担せざるを得ないだろうという気がする。そうすると、そこに働く人たちなどには、いままででさえも利益率の少ない、競争激甚のおりから、過当競争のおりから、将来どうなるであろう、これはうっかりすると、戦いに破れてしまうことになりはしないか、ディーラー同士の激甚な争いが取得税をめぐって非常に陰にこもっておるわけです。そういうようなことも御検討になったことはあるのですか。やはり経済界に与える影響というものを……。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/109
-
110・松島五郎
○松島政府委員 先ほども申し上げましたように、一つの税を考えます場合には、その税の実際的な負担者がどうなるかということは常に考えていかなければならぬ問題でございます。その点につきましては、私どもも検討をいたしたわけでございます。しかし、ただいま申しましたように、だれに転嫁するかということは、結局そのときどきの経済情勢と申しますか、いまの場合で申しますと、ディーラー、ユーザーあるいはメーカー等の経済的な勢力関係によってきまってくるものが多いわけでございますが、私どもといたしましては、現在の段階では、少なくともその法律のたてまえどおりにユーザーが負担するものというふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/110
-
111・太田一夫
○太田委員 いいんですよ。それはたてまえでおっしゃるより、もうあなたの立場ではしかたがないと思いますけれども、私の強く申し上げておることは、実際上のそういう細部に至るまでのいろいろなこまかい影響ということを御検討なさった後の御提案であるかどうかに私は重点をしぼっておるわけでございます。中小企業に対する影響というのは自治省の関知したことじゃない、そんな答弁では承知できませんよ。自治省は中小企業に対する配慮が全然なくて、通産省の責任だなんというようなことはいささか問題じゃありませんか。あるいは物価に対するはね返り、そんなことは自治省の関係じゃない、おれのほうは道路財源を取ればいいんだというのもいささか行き過ぎた発言であると思う。もうちょっとそういう面における——内閣は各省があるのだから、内閣としての、政府としての統一されたお考えというものを明らかにしてほしいと私は思う。あなたのように、どうもそんなことは関係がない、それはよそだ、よそだと言って、よそにぶつけてもらっては困るわけだ。中小企業に対する影響はこうこうこういうふうにして緩和してやるとか、こうこうこういう理由によって判断する、倒産するものはやむを得ない、こういう結果から、この税金に踏み切ったとか、何かあるんでしょう。それを言ってください。それをあなたのほうはお示しにならない。それで国民生活の発展向上にプラスになるなんて、そんなその場限りの答弁ということでは相済まぬじゃありませんか。いかがですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/111
-
112・松島五郎
○松島政府委員 何度も申し上げて恐縮でございますけれども、私どもは、自動車取得税という面から一言えば、やはり五十万の車を買う人は五十万の車に対応する負担力がある、百万の車を買う人は百万の車に対応する負担力があるということで課税をすることにいたしておりますので、それを買う方がどなたであるかということについては、少なくともこの税の面からは考慮していないということは申し上げたとおりでございます。ただ、中小企業対策については、全くほかのことであるというようなことを考えているわけではございませんで、先ほども申し上げましたように、事業税、住民税に対する専従者控除の引き上げ等による、税のそれぞれ持つ機能に即しまして、私どもとしては私どもの立場でそれなりの考慮を払っているつもりでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/112
-
113・太田一夫
○太田委員 いまの話を追っても押し問答でございます。したがって私は、松島さんと押し問答をするのは本意ではございません。したがって、物価に対する影響、中小企業に対する影響、国民生活に対する影響、かつまた、自動車製造産業に対する影響というものに対して、的確なる御検討の結果によるところの結論というものをもう少し納得できるように明らかにしてほしいと思います。これは、また大臣のいらっしゃるときにお尋ねしたいし、もし大臣がどうしてもおいでになることができなければ、政府としての統一見解を明らかにしてほしいと思います。この議論を押し問答しておれば、これはもう千日手ですから、いつになっても終わりませんから、一応きょうはこれで、やめます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/113
-
114・吉川久衛
○吉川委員長 山口鶴男君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/114
-
115・山口鶴男
○山口(鶴)委員 ただいま太田委員から中小企業に対する配慮が足りないじゃないかという自動車取得税に関連しての議論がございました。
そこで私は、まずその点からお尋ねしたいと思うのですが、今回の税制の簡素化を拝見いたしますと、十五条の四の二ですか、分割法人が法人税の更正に伴い住民税または事業税の修正申告を提出した場合において、その修正申告により納付する税額が一定金額以下の額であるときは、次の納付期限までその徴収を猶予するものとするという規定がございます。ところが、分割法人というのは、いわゆる大法人です。したがって、大法人に対してこういう特例を認めておいて、一般の小規模な県内法人に対しては一カ月以内に修正申告納付をすることになっているのは、均衡上問題が生ずるではないか。ですから、これを見ますと、明らかに分割法人、大法人の場合に有利な特例が今回制定されている。
そこで、これに関連してお尋ねしたいのですが、昨日折小野委員が指摘された固定資産税に対する特例の問題であります。
ここでは、一の納税義務者の所有にかかる固定資産に対する固定資産税の課税標準の額が当該市町村の固定資産税の課税標準の総額の三分の二をこえる場合、しかも標準税率は百分の一・四でありますが、これを百分の一・七をこえる税率で固定資産税を課税するときは、あらかじめ自治大臣に届け出なければならないものとする。しかも自治大臣は、災害等特別の財政需要があると認めるときは、その届け出にかかる税率を百分の一・七までの間に定めるよう指示することができるものとする。ですから、百分の一・七以上取ろうとするときには、自治大臣はそれを下げろという指示をすることができる。これも明らかに発電所等の大法人の場合を想定しているわけでしょう。したがって、今回の税制改正を通ずる思想は、先ほど太田委員が繰り返し指摘したように、自動車取得税においても、中小企業に対する配慮が足りぬではないか。同じように、固定資産税の特例を設ける自治大臣の指示というような、自治省の設置法を改正してまで強力な権限を自治大臣に与えて、大法人の利益を守る。そしてまた、分割法人に対しても特例を設けて、そうして分割法人の利益は守るが、県内の小さな中小法人はつれなく扱う、こういうことは一体どういうことなんですか。まず今回の税制改正に出ておるただいま申し上げたような思想に対して、自治省は是認すると思うのでありますが、いかがでしょうか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/115
-
116・松島五郎
○松島政府委員 第十五条の四の二の改正は、税制調査会の簡素化に関します答申に基づきまして改正を行なおうとするものでございまして、全く税制を簡素化するという見地からの改正でございまして、特別に大法人に利益を与えようというような意図を持つものではございません。具体的に申しますと、この法律案にもございますように、幾つかの県に事務所、事業所等を持っております場合に、わずかばかりの更正がありましたときに、それぞれの府県なり市町村に分割をしてまいりますと、その分割のための手続あるいは送金に要します経費というようなものが、それにより納めます税額よりも大きいという場合すら出てくるわけでございまして、現在の法律では、そういう場合でも形式的に一律に分割して納付しなければならないということになっておりますために、非常に実情に添わない面もございますので、その点の緩和をはかろうというだけのことでございまして、これによって特に大法人に利益を与えようというような意図を持つものでは決してございません。
また、固定資産税に関します税率の改正規定は、一つの納税義務者がその市町村の中の非常に大きな部分の固定資産税を負担いたします場合に、税率を変えようといたします際には、やはり慎重にやっていただきたい。あの税率を上げれば、あそこの固定資産税がうんと取れるのだというような、単にそれだけの理由で税率の変更をいたしますことは、やはり固定資産税制度の運用の面からもいろいろ問題がございますので、そういう点は慎重にやっていただきたい、こういう配慮から、こういう改正規定を設けたわけでございます。これは何も大法人を特に擁護しようとか、あるいは利益を与えようという趣旨のものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/116
-
117・山口鶴男
○山口(鶴)委員 税制調査会の答申を例に出しました。それじゃ私のほうからお尋ねをいたしましょう。税制調査会の昭和四十二年二月の「長期税制のあり方についての中間答申」を見ますと、消防施設税と明確には書いてないが、いわば消防施設の整備に関する財源充実については検討を進めなければいかぬ、こう書いてありますね。ところが、この消防施設税について、わが党が何度か提案をいたしましたが、結局は損保協会と申しますか、いわばこれも大企業ですよ、の反対のために、今日までじんぜん日を送って、いまなお実現しないじゃありませんか。それじゃ、この答申に従って、消防施設税は一体いつから——消防施設税という形であるかどうかは別として、消防施設充実に関する財源については、一体どうしようと思っておられるのですか。これだってなまけておるのは大企業擁護、こう言ったって差しつかえないじゃありませんか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/117
-
118・松島五郎
○松島政府委員 消防施設税の点についてのお尋ねでございますが、税制調査会におきましても、火災保険会社に消防施設税を課税するという、いわゆる消防施設税についても御検討が行なわれましたけれども、これについては税制調査会としても必ずしもまとまった結論が得られておりません。調査会の中では、火災保険会社に課税をすることは結局保険料の引き下げを制約することになり、それは、ひいては保険加入者に対して負担を求めることになるのじゃないかという反対意見もございました。むしろ、消防に関する施設税を起こすのであるなれば、結局それによって得る利益は家屋全般に及ぶことも考えられるわけであるから、家屋全般に対する税として考えるべきだという御意見もございました。そういうようにいろいろ御意見がございました。家屋全般に対しまして消防施設税を課税するということになると、これは固定資産税の上乗せみたいな形になりますので、税負担の面からまたいろいろ問題がございます。そういうようなことで、結局具体的などういう形の税かという結論があってこの答申が出たわけではございませんで、しかし、他面においては、消防に関する財源の充実の必要もあるから引き続き検討しよう、こういうことでございます。私どもそういった点を頭に置きながら検討を続けておる段階でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/118
-
119・山口鶴男
○山口(鶴)委員 たいへんいろいろと答弁されましたが、税制調査会の答申とあれば、だからやった、こういうのでしょう。ところが、税制調査会では、やはり消防施設充実に関するそういうものを検討しろということは言っておるわけですよ。どうも大企業に少し損を与えることになるから、そちらは検討もしない、こういう態度でしょう。そうして、何ですか、この十五条の四の二というのは。これは、答申があれば大企業の利益に結びつくものは即刻おやりになる。そうしてまた、税制調査会からの答申もないのに、発電会社といえば日本の大企業でしょうが、大企業の利益をはかるために、自治大臣の権限を強化する。おかしいじゃないですか。それを全体まとめてみてごらんなさい。しかも、あえて言うなら、損保協会、火災保険会社運用利率は一体何分何厘で見ておるか、御存じですか、それもひとつ答えてください。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/119
-
120・松島五郎
○松島政府委員 ただいま資料を持っておりませんのでお答えいたしかねますことを御了承願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/120
-
121・山口鶴男
○山口(鶴)委員 それではひとつあとで資料を見せてください。共済の五分五厘が云々という議論はこの委員会でずいぶんやりました。それよりはるかに安い利率で運用しておることは間違いありません。そういうことをやっておる一方で、施設税をかけて何で悪いのですか。しかし、このことは長くなりますから私は申しませんが、資料だけ要求しておきましょう。
そこで、どうですか松島さん、この三つのことを総観してみれば、それは個々についてどういう言いわけをするか知りませんけれども、とにかく全体として大企業に都合のいいことはおやりになるということになるではありませんか。みなやめろとは私は言いません。どうですか、ひとつ、固定資産税の百分の一・七をこえた場合に自治大臣が指示するという法律三百五十条、この改正ぐらいは撤回されたらどうでしょうか。これはひとつ政務次官にお尋ねをいたしましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/121
-
122・細田吉藏
○細田政府委員 大企業に対する擁護を地方税法で非常にやっておるじゃないかというふうなことでございますが、私どもはさように考えておりません。そういう意識は毛頭持っておりません。たとえば、先ほどお話がずっと出ております自動車取得税にいたしましても、大企業である自動車メーカーに非常に大きな影響があるのではないかという御意見もあるわけでございまして、そういうものについては、私ども別に、これは自動車工業会からも猛烈なといいましょうか、ある程度の反対があったことも、先ほど太田先生の御質問の中にもございました。しかし、こういうものは大局から見て踏み切らなければいけない。自動車産業は御承知のように日本の巨大産業で、しかも大成長産業でございます。そういう点からも反論できるのじゃないか。また、そういう点がありといたしますならば、そういう点については、いま消防施設の財源充実についてお話がございましたが、私どもこれは十分考えていかなければならぬ、こう思います。そういう点について実施しておることの前後がある、こういうことについては、私ども今後十分な配慮をいたさなければならぬと思いますが、少なくとも私どもの考え方といたしましては、そういう考えでは実はいたしておらない、かように申し上げることができるわけでございます。ただいまの発電所等の固定資産税の問題につきましては、いろいろ実態が、何といいましょうか、市町村によりましては行き過ぎの心配があると、こういうことでこういう規定を設けることにいたしたのでございまして、むしろ運用上これについては十分考えていく、市町村の自主性をこれによって非常に阻害するというようなことがないように、むしろ運用において十分慎重に扱ってまいりたい。届け出がありました場合に、その必要性を十分見きわめまして、もちろんむちゃなことを言うというのはきわめて例外だと思いますので、そういう例外的な場合にのみ、いわゆる自治大臣の権限を出すということで運用して、十分気をつけてまいりたい、かように思っておりまして、ただいまのところ撤回する考えはございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/122
-
123・山口鶴男
○山口(鶴)委員 どうも、次官の御答弁は、いつも感心して拝聴しておるのですが、ただいまの冒頭の話は受け取れませんですね。自動車取得税はメーカーの負担になるか、ディーラーの負担になるか、ユーザーの負担になるかわからぬということを局長だって言っているじゃありませんか。これは何もメーカーだけの負担じゃないのですから、これはきまっているわけじゃないでしょう。ですから、そういう意味では、これはユーザーの負担になるかわからぬ、メーカーの負担になるかわからぬ、きまっているわけじゃありませんですよ。しかし、ただいま私が指摘をいたしましたこの三つの問題、特に三百五十条とこの十五条の四の二、これは明らかに大企業の利益以外の何ものでもない。これは明確なんですから、そういう点を混同してお答えがあるのは、私はきわめて遺憾だと思うのですがね。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/123
-
124・細田吉藏
○細田政府委員 私は、先生と御議論しようというふうには考えませんけれども、しかし、現実に自動車取得税がどこで負担されるかという問題は非常にむずかしい問題だと思います。おっしゃるように、たてまえはユーザーですけれども、これはディーラーならあれかもしれません。しかしながら、自動車メーカーとしては、これはやはりどういう形でどこに負担されようか、その面だけでは税がかかるということにおいてはマイナスである。したがって、自動車工業会は陳情しておるということでございまして、全部が全部大企業であるそこの負担になるというふうに申し上げたつもりではございませんので、御議論申し上げる考えはございません。そういうことでございますから、御了承いただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/124
-
125・山口鶴男
○山口(鶴)委員 議運が始まりますのでこれでやめておきたいと思いますが、いま過疎問題、過密問題、ともに問題になっているわけですね。そして三百五十条の問題は、ちょうど当委員会が過疎状態になっておるのと同じように、過疎地域の問題じゃないですか。しかも過疎地域の人たちが、何とか当該自治体の施設をよくしていきたいという願いから、わずかにこの固定資産税の税率を上げて運用をしているという、考えればきわめて切実な状態ではないでしょうか。そういったものに自治大臣の権限を強化して、そうしてこれに対して規制を加えるなどということは、これは現在大都市問題と並んで過疎問題が議論されておるときに、まさに逆行ではないかと思うのですが、その議論はまたあと回しにいたしまして、とりあえず、どういう状態でありますか、この二十七団体があるそうでありますが、これに対する資料をひとつ御提示いただくことをお願いをいたしておきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/125
-
126・松島五郎
○松島政府委員 資料は後ほど提出いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/126
-
127・吉川久衛
○吉川委員長 次回は、来たる二十六日火曜日午前十時から理事会、午前十時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後一時十三分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01219680322/127
4. 会議録のPDFを表示
この会議録のPDFを表示します。このリンクからご利用ください。