1. 会議録本文
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000・会議録情報
昭和四十三年三月二十九日(金曜日)
午前十時四十三分開議
出席委員
委員長 吉川 久衛君
理事 大石 八治君 理事 奥野 誠亮君
理事 塩川正十郎君 理事 古屋 亨君
理事 和爾俊二郎君 理事 細谷 治嘉君
理事 山口 鶴男君 理事 折小野良一君
青木 正久君 亀山 孝一君
辻 寛一君 中尾 栄一君
永山 忠則君 藤田 義光君
山口シヅエ君 河上 民雄君
三木 喜夫君 山本弥之助君
依田 圭五君 門司 亮君
有島 重武君
出席政府委員
自治政務次官 細田 吉藏君
自治省財政局長 細郷 道一君
委員外の出席者
大蔵省主計局主
計官 秋吉 良雄君
専 門 員 越村安太郎君
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三月二十九日
委員小濱新次君辞任につき、その補欠として有
島重武君が議長の指名で委員に選任された。
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本日の会議に付した案件
地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提
出第五一号)
————◇—————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/0
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001・吉川久衛
○吉川委員長 これより会議を開きます。
内閣提出にかかる地方交付税法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。
質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩川正十郎君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/1
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002・塩川正十郎
○塩川委員 それでは、ただいまから地方交付税につきまして、若干の質問をいたしたいのでございますが、その前に、私が答弁を要求いたしたい政務次官の在席がございませんが、後刻おいでになろうと思います。つきましては、質問を始めますにあたりまして、答弁者の出席を今後ぜひとも確保していただくように、委員長において特段の御努力をお願いいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/2
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003・吉川久衛
○吉川委員長 はい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/3
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004・塩川正十郎
○塩川委員 それでは、まず最初にお尋ねいたしたいのでございますが、交付税の制定されました趣旨は、現存の行政水準を維持するための経費をできるだけ保障するという精神と、それから地方間におきますところの格差是正ということを通じまして、行政水準を一定割合に保つという趣旨と二つあったと思うのですが、その第一の趣旨でございますところの財政需要をある程度保障するという精神から申しますと、現在の交付税額並びに現在適用いたしております交付税率、これをもって現在の地方財政需要を十分にまかない得る額であると思っておられるかどうか、あるいはまた、どの程度までこれを保障しておるというふうに考慮しておられるかどうか、こういう点につきまして、まず最初にお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/4
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005・細郷道一
○細郷政府委員 現在交付税の需要額で見ておりますものは、御承知のように、経常的な経費としての人件費その他、そのほか投資的な経費とあわせて財政需要で見ておるわけであります。経常的な経費であります中でも、一番大きな額を占めております人件費につきましては、職種によって多少の違いはございますが、大体九五%近くのものを需要額に算定をいたしております。
御承知のように、交付税は基準財政収入額を七割五分及び八割に算入をいたしております関係上、算入外の税収もございますので、需要額といたしましても、まるまる見る必要はない、こう考えておりますので、そういう点を考慮いたしてみますと、実は人件費についてはかなりの保障をしているのではないだろうか。特に今年度におきましては、地方財政計画上の人員と実態の人員との間の規模の違いにつきまして若干の是正をいたしました。これをいたしましたのは、特にここ二、三年市町村の実態の職員数が、財政計画に盛られております職員数と合っていない、たとえば清掃のような仕事に人がふえている、あるいは社会福祉のような仕事に人がふえている、そういった実態に追随し切っていないというようなことから規模の是正をいたしまして、その人員の分も財政計画の需要額に織り込んでまいりました。従来、比較的弱いと見られておりました市町村の人件費の見方につきましても、本年は従来よりは充実した、こういう考え方を持っております。
それから、人件費以外の経常経費につきましては、物件費あるいはその他の旅費とか、いわゆを一般行政経費がございますが、これにつきましては、標準的な経費をどの点に置いていいか、なかなかむずかしい点がございます。そこで、私どもとしましては、よく指摘をされております税外負担を少なくとも解消していきたいというような考え方から、今回も、昭和四十一年度の決算上に出てまいりました税外負担分が約八十八億ございますが、半分は教育関係費でございますが、それにつきまして今回需要に盛り込むことにいたしました。
それから、そのほか需要額は、投資的経費の算入の問題がございますが、投資的経費の算入にあたりましては、これは各団体間の標準的な需要額だけではなかなか実態に合いにくい面もございますので、建物につきましては償却費方式をとっておりますが、そのほかの道路あるいは河川といったような公共事業の分量が変動するものにつきましては、事業費保障というような方法によって算入をいたしているわけであります。したがいまして、そういったような点を総合してまいりますと、私どもは新しい今後の事態に対応する需要としてはなお十分ではないと考えておりますけれども、従来からの経費につきましては、かなりな程度の算入ができておる、したがって、それの意味での財源の補正はできておる、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/5
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006・塩川正十郎
○塩川委員 それでは、さらにお尋ねいたしたいのですが、行政水準というもの、これは時代の変転に伴いまして、その質、内容というものが変わってくるのですが、これは一体どういう方法で把握されるのか。あるいはまた、これが実際に市町村もしくは府県のそういう現場のなまの声がどのようにして反映されておるのか。つまり、私のお聞きしたいのは、その時代時代に応じた行政水準というものの把握をどのようにして努力されておるかということ、これを一点お尋ねいたしたいということと、それから、もう一つ、この行政水準を把握いたしまして、その中で、先ほど局長のおっしゃいました、投資的経費について、これは態容補正をして、投資を十分カバーするようにしておると、こういうお話でございましたが、現在の市町村あるいは府県行政の中で多く望んできておるのは、民生行政の充実、こういう点にも相当大きいウエートがかかりつつございます。そうした場合に、こういう種類の行政に対してどのように考慮して、交付税上これを補正していくのか。そういう意思があるかどうかということもあわせて、ひとつお尋ねいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/6
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007・細郷道一
○細郷政府委員 行政水準をどういうふうにとらえていくか、これはなかなか実はむずかしい問題であります。一つは、関係各省が持っております行政水準引き上げの目標、これを取り入れております。これは、最近の長期計画等のできております道路とか、河川とか、住宅とか、下水、そういったようなものにつきましては、それぞれその計画に沿った需要を私どもは取り入れておるわけであります。ただ、その計画自体において、どうしてもその計画が国の公共事業本位になる、地方の単独事業についての把握が十分でないということは、私も指摘できると思うのであります。単独事業についてどの程度にやっていくかということにつきましては、われわれも将来に向かっての一つの水準の目標というものをつくらなければいけないということを痛感いたしておりますが、なかなかその作業が簡単でございません。したがって、さしあたりましては、各地方団体のそういうものに対します現実的な要望というものを取捨選択をして、これを取り入れていくというやり方をとっておるわけでございます。
それから、民生、衛生経費につきましては、補正でもっと十分に見てはどうかというお尋ねかと思いますが、民生、衛生につきましても、もちろんいろいろと補正係数を使うことによって把握につとめております。どちらかといいますと、この経費につきましては、まだ地方の単独的な部分についての把握が十分でないということは言えると思います。国の意図しておりますものにつきましては、地方負担のおおむね九五%程度のものを財政需要にいま見込んでおる、こういうやり方をとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/7
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008・塩川正十郎
○塩川委員 さらにお尋ねいたしたいのですが、投資的経費を、この充足を十分にするために、各種の投資態容に応じましての補正をされております。そこで、この投資態容補正につきましても、さらにこれを考えてみますと、そもそも行政の水準を全国一律にとるということには、現在の状況から申してまいらないと思うのです。そうした場合に、やはり全国の自治体を見ましても、いわゆる過疎地帯、それから標準的な状態、さらには過密状態と、大体この程度に自治省としてはお考えになって、それぞれに合った補正をされておる、こう思うのです。そういたしまして、その過密の中でさらに問題になるのは、いわゆる既存の過密であっても、再開発を要する過密地帯のことと、それから、そういう大都市連檐と申しますか、いわゆる人口急増によりましてその被害を現在非常に強く受けておる地帯、これは同じ過密の中でも行政の進め方が違うと思うわけです。そういたしますと、まず第一に、そういう過密の中で、再開発を要する過密と、それから、将来の先行投資を必要とする地帯、こういうものとに対する配慮が私は欠けておるのではないか。過密を一本に考えておられるところに若干私たちは不満を感じるわけですが、ついては、その過密地帯をその二つに分けて、今後そういう先行投資的な地帯におけるところの補正というものを重点的に考えていただきたいと思うわけですが、そういうことに対する局長さんの所見をひとつ承りたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/8
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009・細郷道一
○細郷政府委員 御指摘のように、現在、態容補正等を中心としまして、いろいろ過密地帯についての需要測定をやっておるわけであります。ただ、どうしましてもこの補正ということになってまいりますと、共通した尺度を使ってまいらなければならないというところに、いま御指摘のような、同じ人口が多くても再開発を要する地帯と、それから、人口がだんだんふえていって将来需要がふえるという地帯とでは、その質的な違い、あるいは、その置かれております立場の違いをうまく把握するということはなかなかむずかしいわけであります。しかし、一つには、私どもとして今回やろうとしておりますのは、同じ人口をとるにいたしましても、単に急増しておるということだけでなくて、昼間、夜間の人口の出入りというようなものも、新しく補正の要因にとらえていきたい、こういうことを今年からやろうと思っております。そのことは、一つには、いまお尋ねの、単に人口のふえていく地帯ということでなしに、むしろ再開発を要するような地帯についての需要を、そういった面からとらえていこうという気持ちのあらわれでございます。十分なことはできないと思いますが、そういうやり方を今回採用してまいりたい、こう思っております。
それから、いま一つは、やはりそういった再開発地帯、あるいはこれからの調整地帯、都市化の地帯といったようなものに対します財政制度としましては、単に交付税制度のみならず、やはり広い地域立法と申しますか、地域的な土地利用計画というもの、そういった地域圏の整備についての制度をもっと進めていく。現在までも御承知のように、いろいろ首都圏なり近畿圏なりあるわけであります。そういう内容をもっと充実することによって、おっしゃったような地域的な財政制度の確立をはかってまいるべきであろう、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/9
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010・塩川正十郎
○塩川委員 そういう意向でひとつ進めていただくとしまして、ここで特にお願いを兼ねて局長の考え方をお聞きいたしたいと思うことが一つだけございます。それは、先ほど申しました、過密地帯の中で、特に人口急増の激しい、いわゆる先行投資をすることが行政の効率化あるいは財政の経済的な効果が大いに期待できる地域、こういう地域に対しましての用地取得の補正といいますか、そういうふうなもの、先行取得に対する補正というようなもの、こういうものを考慮してもらえるかどうか。現在、用地関係について、全般につきましては、これは補助金とか負担金の対象となっておりません。そこで、せめてこういう地帯に対してだけでも交付税によりましてある程度カバーしてやっていただいたらどうかと思うのですが、この点、特に要望を兼ねまして、ひとつ局長さんの御意見をお聞きいたしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/10
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011・細郷道一
○細郷政府委員 用地費は、土地自体が償却資産でない関係から、交付税の制度にはなかなか乗りにくい、なじめないものであろう、私はこういうふうに基本的には思っております。したがいまして、用地の取得につきましては、むしろ起債の運用ということに重点を置くべきであろう。現在用地の先行取得につきましての起債、四十二年度で申しますれば、ワクは六十億でございましたが、実際には百三十億ほどの起債の許可をいたしました。ワク外債も入れましてそれくらいをいたしております。明年は御承知のようにワク自体を百三十億にふやしたわけであります。また、いろいろ地方団体の実際の要望等も見た上で弾力的に処理をすることによってこの問題に対処してまいりたい、かように考えております。
それから、用地についての補助の問題でございますが、この問題は、やはりなかなかむずかしい問題ではなかろうかと私は基本的には考えております。土地の値段が非常に画一的でございませんので、用地費の補助ということにつきましては、一律的な補助ということは、現在住宅の補助においてすでに生じておるような非常な矛盾を持っておるわけでございます。したがって、いま学校の用地の取得に補助をしてはどうかという御議論がだいぶあるのでございますが、先ほど申し上げましたような起債のワクの拡大ということによって、この問題にさしあたって対処してまいりたい、こういうように思っております。
なお、大都市の周辺の近効都市等におきまして、人口がふえる、学校が必要になる、団地ができるというようなところにつきましては、御承知でありましょうが、十万坪あるいは千戸以上の団地ができます場合には、その団地の事業主であります公団あるいは公庫資金を借り受けたものにつきましては、学校その他の公共施設についての立てかえの道を開いております一公団がやります場合には、公団がさしあたって学校をつくる、それを、施設によって違いますが、三年ないし十年の年賦で見ていく、こういうようなやり方を実はとっておるのでございます。ぴたりのものではございませんが、そういう方向でいろいろの処理をいたしておるわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/11
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012・塩川正十郎
○塩川委員 特別事業債のことについて若干お聞きしたいのですが、特別事業債で、今回の措置によりまして償還交付金制度が恒久的に創設されたということ、これはまことにけっこうだと思うのでございます。
そこでお尋ねしたいことは二つございますが、なぜ交付税方式をとったのかということでございます。
それと、もう一つは、事業債の交付税におきますところの単位費用が、府県におきましてはたしか千円につき百二十六円、市町村分については九十円となっておりますが、これはあまりにも府県に重点を置き過ぎておるのではなかろうか。今回の処置を、交付税の改正を見まして、私たち感覚的に感じますことは、今回はかなり市町村に有利なように交付税が改正されておるように感覚的には見ておりますが、特別事業債につきましてはどうも納得いかないようなところがございます。そこで、これはどういうお考えであったのか、これはまた私の認識違いかもしれませんが、府県と市町村分の特別事業債につきましての、府県分に相当なウエートがかかっておるように思うので、これはどういう理由によるのかということでございます。これをお尋ねいたしたいと思います。
それから、毎年度の交付金の額を定める政令の基準というものは大体どういう基準によっておるかということを、現在わかっておる範囲内において、これはひとつ表明していただきたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/12
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013・細郷道一
○細郷政府委員 第一の交付税方式になぜよったかという点でございますが、これは、御承知のように、特別事業債自体が交付税の単位費用を切り下げる穴埋めに使われたものでございます。したがいまして、もし特別事業債を発行しないで済むような状態であれば、当然に交付税の需要額によってまかなわれておった性質のものであるというところから、その穴埋めの起債の償還費につきましては、やはり交付税の需要額で見ていくことが筋道ではなかろうか、こういうふうに考えます。
それから、いま一つは、現実の問題といたしまして、交付団体も不交付団体もあるわけでありますから、両者を通じて平等な計算のしかたをするということになりますと、交付税の需要額に算入することが最もよろしい、こういうふうに考えたからでございます。
それから、第二の府県、市町村の特別事業債の償還費の単位費用の問題でございますが、これは別に差別をつけておりません。実際問題として、特別事業債九百億ございますが、そのうち政府資金によりますものと公募資金によるものとがございまして、公募資金によりますものは、府県に実は片寄せたわけでございます。市町村分につきましては、政府資金によったわけでございます。したがいまして、今回の特別事業債の償還費を見ます場合には、市町村分については政府資金の金利によって十五年の償還期間でこれを計算をいたします。それから、府県の分は両方入っておりますので、その総体の割合で、一部は政府資金、一部は公募資金ということにいたしておりまして、公募資金については七分三厘、七年の一回借りかえ、十四年間、こういうやり方で計算をいたしております関係上、単位費用の面では府県のほうに大きな額が出ておるわけでございます。
それから、三番目の今後の特別事業債償還交付金の額を政令で定める基準は何かということでございますが、これは毎年度の交付、不交付団体の元利償還額を定めることが一つ、それから毎年度の特別償還交付金の額は交付団体分だけを出します関係から、前年度の交付団体の需要額の割合を使う必要があるというようなことが、政令に書く予定をいたしておる事項でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/13
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014・塩川正十郎
○塩川委員 それでは次に進みまして、交通安全対策の特別交付金があります。これが今回から創設されたわけでございますが、これの配分方法は、おうちのほうできまっておりますか、きまっておりましたら、その大体のところを伺いたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/14
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015・細郷道一
○細郷政府委員 配分の方式は、政令はまだ実は出ておりません。来月早々に政令の決定をしたいと思って、大体政府各省間の折衝もほぼ八割方いま終わっておるところでございます。いま私どもの考えておりますのでは、配分の方式につきましては、事故件数と集中地区人口を基準といたしまして配分をしたい、それから大都市分につきましては、府県道分と市町村道分とを合算することにしたい、つまり大都市は国道、府県道の管理権を持っておりますので、その分を大都市分として算入していかなければならぬ、こういうふうに思っておるわけでございます。大体そんなような考え方で政令の内容をきめたい、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/15
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016・塩川正十郎
○塩川委員 最後に、もう一点だけお聞きしたいのですが、ちょうど主計官もおいでになりましたので、双方にお尋ねいたしたいと思っております。
それは、今回のこの交付税の問題につきまして一番の焦点は、四百五十億円を一応返済されたような形になっておる。この問題を考えますのに、これは交付税の本質論にも関係してくると思うのでございますが、私たちは地方交付税はあくまでも地方税であるという認識に立っております。
そこで、今回こういう措置をやむを得ざる事情でとったのでございましょうが、これが与える影響は、地方財政に対する一つの安心感と申しますか、安定感と申しますか、それを積極的に言いますならば、むしろ地方財政は豊かになってきたという印象を与えるということ、これは非常に遺憾な点でございます。それはともかくといたしまして、交付税が本来地方税の一形態として、地方税として自主的にこれを配付すべき問題であるのにかかわらず、こういう借り入れであるとか返済であるとか、こういうことが一つの実績として残りました場合に、今後にこういうことが影響をしないかどうか。思うに、私、過去の歴史を見ましたら、昭和三十年にやはりこの税率の問題でもめたことがございまして、当時の記録を読みますと、確かに百分の二十二であったものが百分の二十五にすべきであるという意見であった。ところが、その百分の三相当分は一部は繰り延べにし、一部は臨時交付金のような形でその場を糊塗した、こういうような記録がございます。今回またこういうことが起こるということになりますと、こういうことが一つの実績として、将来年度間調整制度というものが導入されてくるきっかけをつくる、こういう懸念を持っておるわけでございます。
それともう一つ、交付税の率が現在国の財政硬直化の中で議論されておりますが、これは全くもって認識の相違でございましょうが、私たちといたしましては、これは納得できない。そこで、こういう今回の四百五十億を返済、さらに借り入れと、こういう事態を通じて今後こういう年度間調整的なものを将来ともに考えていくことは、絶対できないということをはっきり自治、大蔵両省で見解を統一して、この場で言明していただきたいということと、それから、さらには交付税率そのものについて、国の財政硬直化の要因でないということにつきまして、ひとつこれは大蔵省からの所見としてお聞きいたしたい、こういうふうに思う次第です。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/16
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017・細郷道一
○細郷政府委員 地方財政を国の予算の面での硬直化と言うことは私は間違いであると思います。実は昨年来いろいろ議論を政府の中でもした問題でございます。もっぱらそろばんの上で額が大きくて、義務費であるという点においては私はそのとおりであろうと思いますが、それが国の財政の上の硬直化、こう言われることは、交付税制度の本来の使命からして誤りである、こういうふうに私は考えております。
それから、四百五十億減額について、年度間調整の道を開いたことにならないかという点でございますが、これはあくまでも本年度におきます内外の非常に特殊な経済環境にあると思うわけでありますが、そういう事情にかんがみて、今回国に協力してとった措置でございまして、本年度限りの措置と私どもは考えておるわけであります。もちろん、今回の措置を生みます過程におきましても、実は制度的な年度間調整制度という議論がございましたけれども、そういうことを導入したのでは、将来また昔の交付金時代と同じような議論になるわけでありまして、それはすでに経験済みのことでもあるわけでございますから、私どもとしてはその制度を導入することを断わったわけでございます。その結果今回の臨時の一年限りの措置になったわけであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/17
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018・秋吉良雄
○秋吉説明員 大蔵省のほうから申し上げますと、地方交付税は、御承知のように、私どもの考え方としては、地方財政調整資金であるというふうに考えております。御承知のように一般会計の中に占める割合は非常に高うございまして、財政硬直化の一因といたしまして地方交付税をあげておりますのは、一般会計に占める地方財政調整資金としての地方交付税、これは御案内のように三税に比例するという形になっております。その意味合いからいたしまして、国の資源の最適配分を考える、そういった調整力というような点から考えますと、その調整分の範囲が狭められるという意味におきまして、財政硬直化の一因というふうに私どもは考えておるわけでございます。
それはそれといたしまして、先ほど御指摘の四首五十億の問題でございますが、財政局長から御答弁ございましたように、今年の国、地方を通ずる財政環境にかんがみまして、公経済全体が円滑な運営ができるようにということからいたしました四十三年度の特別措置でございますが、今後の地方交付税のあり方をどうするかという問題になりますと、私どもは、やはり国、地方を通じまして、全体の財政運営が円滑化、健全化されるという考え方のもとに、今後ともいろいろな面から検討してまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/18
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019・塩川正十郎
○塩川委員 それじゃこの四百五十億のいきさつ、これは今回限りであるということでございますが、これが一つのきっかけとなって、地方財政と国の財政とを検討する一つのきっかけになる、こういうことに認識をしておられるかどうか。それとは全然関係なくして、ただ単にこれは今回だけの措置であるということなのか。その点をひとつ明確にしておいていただきたい。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/19
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020・秋吉良雄
○秋吉説明員 いずれにいたしましても、今後の国と地方の財政運営は、公経済全体が健全化されるという方向でいろいろな角度から国、地方を通ずる財政のあり方ということについて検討いたしたいとは思っておりますが、本年の措置が、御指摘のような問題の一環として取り上げられるかどうかという問題は今後の検討の問題でございまして、これをもって今後御指摘のように、直接結びつけた考え方というものは私どもはとらないわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/20
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021・塩川正十郎
○塩川委員 今後の検討の問題とはどういうことでしょうか。この問題は、今後地方財政と国の財政との関係を考えていく中において、今後の問題として考えるということはどういう意味ですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/21
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022・秋吉良雄
○秋吉説明員 国、地方を通ずる財政のあり方について、どうあるべきかというようなことはいろいろな角度から検討をする、また、それは慎重に検討してしかるべき問題だと思っております。その意味合いからいたしまして、この問題だけが今後の一つの問題ということではなしに、いろいろな角度から検討いたしたいということでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/22
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023・塩川正十郎
○塩川委員 それでは、最後にもう一度、くどいようですけれども、この問題がきっかけとなって、国と地方財政との調整というものが取り上げられてくる、こういうものではなくして、これは全く偶発的に起こったこれ一回だけの問題である、このように認識していいわけですか、どうでございましょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/23
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024・秋吉良雄
○秋吉説明員 これは今後における国と地方の財政状況いかんという問題がまず基礎になろうかと思います。その意味において、今後における国と地方の財政状況はどうであるかということが、ものごとの判断の一つの大きな要素になろうかと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/24
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025・塩川正十郎
○塩川委員 終わります。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/25
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026・吉川久衛
○吉川委員長 この際御報告を申し上げます。
本委員会の委員でありました伊東隆治君が昨夜急逝せられました。まことに哀惜の念にたえません。つつしんで哀悼の意を表し、御冥福をお祈りいたしまして、御報告といたします。
—————————————発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/26
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027・吉川久衛
○吉川委員長 質疑を続行いたします。依田圭五君。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/27
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028・依田圭五
○依田委員 第一に、これは速記録を読むと毎年言われておるのですが、税制の簡素化、特に交付税制度の簡素化を言われておりますが、ことしもいろいろの補正が新設されましたりして、これは昼間人口等に伴うものも多いし、そういうものもいろいろありますからやむを得ないと思いますが、だんだん精緻をきわめて、世界に冠たるというようなことを言われておるのですが、どういうことになりますか、精緻をきわめればきわめるほど、かえって技術的に煩瑣になり、そして、請求するほうも、またこれを査定するほうも、だんだん専門職化してきて、ほんとうにわずかな関係者だけの間でしかこれを理解することができない。外国の制度はもっと簡単な制度が多いということを聞いておるのですが、これに対して財政局長は、やはりやむを得ない方法であって、むしろ将来地方団体の不満を解消するにはますます精密、難解にして制度を非常にこまかくしていかなければ、地方団体の不平不満についてこたえることができないという立場からこの制度を続けるのか。ともかく一年ごとに各種の改正がなされ、そのたびに複雑になってくるという現状をどうお考えか、これについて御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/28
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029・細郷道一
○細郷政府委員 私は、交付税の算定のしかたは、何しろ三千五百の団体に算定をしてもらいます関係上、できるだけ簡素化すべきであるという基本的な考え方を持っております。ただ、現在の交付税制度は、昔の配付税制度とは違いまして、御承知のように国が意図しております各種の行政を交付税の需要を通じて財政的に保障していくという考え方をとっておるのでございます。そういう意味合いにおける算定は、どうしても織り込んでいかなければならない。各省の行政自体も、最近の社会経済の伸展に応じていろいろきめのこまかい行政をするようになってまいりましたので、そのきめのこまかい行政を財政面に反映させる意味では、最小限度私どもはその算定方式を改めなければならないわけでございます。もちろん、算定方式自体を大まかにしていこうということ自体は、私、基本の方針として持っております。できるだけこれを簡単にするようにという方針はとっておりまするけれども、いま申し上げたような行政のきめのこまかくなっていくものを救うための改正というものはどうしても避けられないのではなかろうか、こういうふうに思っております。また、交付税は外国にあるとかないとかいうような議論もいろいろございます。しかし、昨年も私がいろいろ申しましたので、自来よく皆さんから御指摘を受けるのでありますが、実際問題として、これほどあらゆる行政部面を通じて財源保障制度を持っている国はないと思います。教育なら教育というような一つの部門だけについてやっていることはございますけれども、こうすべての行政を通じてやっているものはない。したがって、そういう意味でもある程度の複雑さというものはやむを得ないものだろう、こう考えております。
それからもう一つは、最近だんだん算定を合理化しながらやっておるわけでございますが、関係の地方団体も、関係の各省も、このやり方にだんだんなじんでまいりまして、新しい行政施策をやったり法律を改正するときには、財源保障としてはここをこういうふうに直してもらいたいというような具体的な議論も実は出ておるようなことでございまして、確かにしろうとわかりはしにくいという点はございますけれども、それぞれの行政責任者の間においてはかなりなじんできた制度であろう、こういうふうに思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/29
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030・依田圭五
○依田委員 行政の簡素化と直接に関係があるというわけではないのでございますが、小さな項目でありますが、冒頭に一つ取り上げたいのは、今回、基準財政需要額の算定方法の改正の中で幼稚園と保育園の密度補正の問題が出ております。従来幼稚園に対しては標準団体の十万都市に対しては四つということでありますが、それを越えます分については補正をしていこう、こういう考え方が背景にあると思うのです。保育所も同じようにあると思いますが、これは実は民間の幼稚園との競合関係にあるわけであって、公立の幼稚園、保育園に対して今度また丁寧な補助をすること自体はけっこうでありますが、それによって同じ地域の園児をお互いに争うとはいいませんけれども、お客さまにして独立採算の経営をやっておる民間の施設との関係においてどういうことになってくるかと考えますと、相当民間を圧迫する。自治省の制度が親切になって、きめがこまかくなるのはけっこうなんだけれども、裏には若干のはね返りがあるという一例になりやせぬかと思って、ここで取り上げるのですが、幼稚園並びに保育園の密度補正についてまず御説明を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/30
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031・細郷道一
○細郷政府委員 従来は幼稚園並びに保育所の経費については、それぞれ標準団体におきます施設の数を想定して算定をいたしておりました。ところが、各市町村の実態を見ますと、必ずしも人口に比例して公立のものを持っているとは限らない。また、その園児数にいたしましても、われわれが想定しておるものとは違っておるものがあるというところから、基本の単位費用は従来どおりにいたしますが、補正の段階におきまして、そういう施設に入っております実際の園児数と標準の数字とのぶれを補正によってカバーしていこう、こういう方式をとろうとしておるのであります。これはいままでも各地方団体からも非常に強く要望されておりました。特に最近幼稚園あるいは保育所が盛んになっておりますだけに、非常に強い要望もございました点で、私は、その意味では前進であろう、こういうふうに考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/31
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032・依田圭五
○依田委員 自治省は幼稚園の義務化の傾向に対してどういう見解をお持ちなのか。文部省が担当であるとするならば、文部省とどのような統一見解を打ち合わせておられるか。その点が一点。もう一つは、民間の保育園と公立の保育園の数、これを把握しておられればお知らせ願いたい。一つは、今回密度補正の上でもってどのくらいの財源といいますか金額を予定しておられるか。この三点について御質問いたします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/32
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033・細郷道一
○細郷政府委員 公立がいいか私立がいいかにつきましては、文部省自身の見解が優先して述べられるべきだろうと思うのでありますが、文部省もできるだけ公立でこういうものをカバーしていきたいという気持ちを持っておられるようです。私どもは、地方団体の財政需要という面から見ますと、公立のものに財政需要のものがあることは明らかでございますので、公立についてだけの計算をしてまいっておるわけであります。
なお、幼稚園の園児数は、昭和四十二年度について見ますと、全体で百三十一万四千人でございますが、そのうち国立が三千七百人、公立が三十三万二千四百人、それから私立が九十七万八千百人、大体こういうふうになっております。
なお、今回補正によって算入しようといたしております予定の金額は、幼稚園について全体で十九億、保育所について九億で、これは実数のほうが多い、いわゆる標準よりも多い団体についての増加算入見込み額でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/33
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034・依田圭五
○依田委員 大体九十七万が私立で三十三万が公立、国立はほとんど言うに足りない数でありますが、これは大体十万都市に四つの幼稚園ということで百六十人ぐらいだと思うのですが、それを何人かオーバーした場合には、それに対する人件費の大体七割とか八割を今回補助するわけですね。そうすると、私が試算をいたしまして、たとえば二百人なら二百人オーバーいたしましたときに、自由財源で見ておりましたものが今度補助をされるということであると、たとえば十分の七を掛けると、七割の補助を見ますと百四十人助かるわけですね。これはどのくらいを見ておりますか。一人年間百万といわれております。約三百二十万くらいの補助金がいくわけですね。それでもって公立の幼稚園は一体幾ら月謝を取っておるか、私は五、六百円じゃないかと思っております。民間は三千円くらいです。これはあなたのほうの調査の資料があればこの際はっきり言っていただきたいと思うのです。こういうことになってくると、これは地方交付税法の中では小さなこまかな問題で恐縮なのですが、これ一つだけでも、なぜ公立が五百円か六百円でやっていけるのか。これはもちろん歳入ですから、自治省はこの授業料の問題につきまして幾らということでお考えになっておりますか、御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/34
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035・細郷道一
○細郷政府委員 月五百円という計算でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/35
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036・依田圭五
○依田委員 とても民間では五百円なんという金額でもっては預からないのです。表向き三千円、まあ県が一生懸命これをセーブしておりますけれども、施設費だの、入学金だの、あるいは学芸会だの、遠足だの、各種の名目でもって大体倍、ともかく五、六千円までは負担を強要しております。ですから、東京の例を申し上げますと、幼稚園協会を通して大体去年あたりの数字で三億くらいは自由財源から出しておると思うのです。全国の三千五百の市町村のうちどのくらい予定しておりますかわかりませんけれども、この公立幼稚園のあるところに結局それだけの援助をしてやるということは、ともかく幼稚園がたくさんある地域の中で公立は一つですね、そのまわりに私立は幾つもあるわけです。私立は規模が小さいわけなんですね。しかし、企業主なり幼稚園主の経営者の責任においてやっておるわけなんです。これはもう最低三千円を取っておるわけです。これはお客様がどっちへ流れるか明らかなのです。この公立幼稚園に対する今回の密度補正が悪いとは私は言っていない。けっこうなんです。けっこうなのだけれども、こういう問題がこの例に漏れずたくさん発生することを心配します。きめがこまかくなることはけっこうです。また、そうしなければならないと思っております。しかし、一例を申し上げれば、この問題に出てくるようなこういう好ましくない反射のしかた、こういうものに対して将来一体どういうふうに救済していきますか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/36
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037・細郷道一
○細郷政府委員 私どものほうの財政需要の算定にあたりましては、先ほど申し上げましたように、現在は標準団体では標準的な規模として四ヵ所のものを置くということを想定をいたしておりますが、現実はまちまちでございますので、まちまちである反面、それだけの実際の需要額がかかっておるというところから、今回補正をしてそれをカバーしていこうというわけでございまして、このこと自体によって将来幼稚園を公立に持っていく、あるいは民間をなくすのだというふうな方針的な考え方まで今回の改正によって意図しているものではございません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/37
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038・依田圭五
○依田委員 ですから、これは密度補正と並行して、結局各団体においては、民間の幼稚園の団体が圧力をかけるといいますか、一つのプレッシャーグループになって補助金の要求をしてくるわけです。しなければやっていけないのです。ですから、大学連盟にしても、大学協会にしても、あるいは私立高等学校協会にしても、幼稚園協会にしても、たいへんな補助金を要求してきておるわけですよ。そうしないと、公立とのアンバランスが是正されないわけなんです。それから、自治省のほうが交付税か何かでめんどうを見てやれないということになりますと、自由財源からこれは負担するということになるから、結局その投資的な経費を国がやると、どんどん地方団体の裏負担がふえていくと同じような形で、こういう住民の福祉に直接関係のある幼稚園のごときもの、あるいは保育園も同じでありますが、それに対してきめのこまかなめんどうを見ておりますか。してやらないと、その分だけまた負担が過重になってくるわけですよ。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/38
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039・細郷道一
○細郷政府委員 民間立がいいか、公立がいいか、これはどうも私ども財政屋だけの判断で申し上げるのは行き過ぎだと思います。ただいま御指摘のございましたように、たとえば私立の学校等について地方団体が現実に出費をしておる、それを交付税の上でどう扱っているのかというお尋ねだろうと思うのでありますが、その点につきましては、十分とはいえないと思いますけれども、たとえばその他諸費の中で、標準団体で私立学校関係の助成費を今回四千五百万円、昨年までは三千八百五十万円でございましたが、四千五百万円に増額をしていくというような措置はとっております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/39
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040・依田圭五
○依田委員 それはあるのですけれども、非常に金額が小さいということで、これらの団体が相当これからも——従来もそういう運動をしておるのですね。これは新設されたわけですよ。されるとまたそれに対して新しい運動を起こすのです。それはけっこうなことで、それに応ずるだけの財政の力があればどんどんやっていただきたいと思うのですけれども、なかなかできないということになるとカットせざるを得ないわけですね。そうすると、ほんとうのスズメの涙ほどの補助金しか回らないということなので、絶えず、地方団体においては、公私の問題は学校でも何でもたいへんな問題があるわけです。
保育園の問題にちょっと触れますが、これは当然無認可の保育園は全部除外されておるわけです。社会福祉法人の資格を取っておるものしかやっておらぬわけなのですが、これもまた幼稚園と同じような経営上の問題が出てまいります。しかし、それは先ほど触れましたからやめにしておきますが、今回東京都の無認可保育園の問題について、自治省は一応これはよろしいというような見解を流しておられる。おそらく憲法二十五条かなんかに関連をしてだと思いますが、この無認可の保育園をせっかく地方団体でやることについて自治省はオーケーを出しておるのですから、さらに一歩進めて、この密度補正のときに何らかの形でこれを——社福法人になっておらぬのだから無理だといえば、もう言うことはありませんけれども、実際にこの保育園が各所で果たしておる社会的な役割りはたいへんなものがあるわけです。これについて何らかの構想を持っておられればそれをお聞かせ願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/40
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041・細郷道一
○細郷政府委員 無認可保育所の東京都の実例を憲法上どう解するかという問題につきましては、ただいま自治省でも、私の局ではございませんけれども、法制局の意見の調整を待っておるところでございます。最終決定はいたしておりません。ただ、従来の実例等から見てまいりますと、公の支配に属するかどうかという場合に、委託費ならばこれは出してもよろしいというのが従来の実例でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/41
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042・依田圭五
○依田委員 無認可の保育園については、私は、合憲の立場からせっかく努力をしておるようでありますから、それを進めてもらいたいと希望いたしておきます。むしろ保育園を無認可のまま放置しておくというようなことのないような方向へひとつ強力な御指導を願いたいと思います。
それから、行政制度の簡素化にも関連をいたすと思うのですが、特別交付金の問題について一言触れておきたいと思います。ともかく、この特別交付金が費目が多くて、一体どういう形でもってこれをお出しになっておるか、私も一とおりこの費目を読ましてもらったのですが、省令を四十二年は二月二十八日に出しております。ことし六百七十七億円ばかりがあるわけでありますが、これがつかみ予算といいますか、かえって費目が、精緻をきわめておるからその機構の陰に隠れまして、形式的には合法的なんだけれども、理屈をつければどんなことにも理屈はつきますから、どろぼうにも三分の理ありということで理屈はつきますから、扱い方によりますと、この膨大な七百億に近いつかみ予算を、とうてい凡人や普通の人には——ガラス張りの財政といわれておりますが、まして一般の国民には無縁の費目で、それこそ数十、数百項目ある費目の中で、運用を入れればおそらく千種類をこえるでありましょう。こういう中で出しておられる。こういうことはどういうものか、私は弊害のほうが強くあらわれはせぬかということを非常に心配するのですが、財政局長の御見解をひとつこの機会に聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/42
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043・細郷道一
○細郷政府委員 弊害どころか、私どもはやはり地方団体の実態というものも財源保障の一つの形として考えていかなければならない、こういうふうに思っております。本来地方団体というものは、それぞれの立地の特殊性なり、あるいは社会経済環境の特殊性から、特殊な施策をそれぞれやってよろしいもの、また、そうあるべきものというふうに私どもは考えております。どこの団体でも、学校をやる、あるいは戸籍の仕事をやる、そういったような平板的なことでなく、将来の町づくりをやるという意味におきましては、私は特殊な施策があってしかるべきだろう、また、そういう方向にだんだん、地方団体といいますか、地方自治の方向も向いてきているのではないだろうか、こういうふうに考えておるのであります。交付税は、先ほども財源保障の制度ということを申し上げましたが、そういう特殊な状況にありますものを、普通交付税としてたくさんの団体に一律的に算入するということは困難でございます。したがいまして、どうしてもそういう算入漏れのありますものにつきましては、特別交付税という方法によってこれを措置していかなければならない。そこで特別交付税では、各団体からいろいろな特殊な事情が出てまいりますので、かなり多くの項目についての採択が行なわれております。その項目につきましても、他の団体と共通の項目につきましては、私どもはできるだけ一定の算式によって団体間の不公平をなくすようにつとめておるわけでございます。なお、その算定の方法に未熟な点が多少あるかもしれません。いろいろ特殊な事情がございますので、すべてそろばんでぴっちりといくものでないものも多少あろうかと思いますけれども、現実にたとえば昭和四十二年度の特別交付税の算定にあたりましても、たとえば災害関係、あるいは産炭地の関係、あるいは過疎地帯の関係、あるいは公営企業の関係、合併の関係等につきましては、それぞれ一つの算式を持つことによりまして算定をいたしておるのでございまして、いま御指摘のように非常につかみ取り式なというお話がございましたけれども、そういうことのないように私どもは極力努力をいたしております。いま申し上げましたような費目だけでも特別交付税額の過半を占めておる、こういうような情勢でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/43
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044・依田圭五
○依田委員 特交は平衡交付金の時代は一〇%ですか、昭和三十三年から十年間も六%という数字を——その前は八%ですか、置いておるわけですね。ことしは百三十二億も増になっておるわけです。昨年に比べて約二割以上なんです。これは物価指数の上昇を見ましても一種の自然増になっておるわけですね。これに対する資料要求も私考えてみたのですが、おそらくはなかなかむずかしくてそんなもの出ないのじゃないかと思うのです。百三十二億の自然増、これは第十五条か何か特交の交付税法上の規定に従って、捕捉できなかった、予測できなかった費目であるとか、緊急の費目であるとか、あるいは基準財政収入額に落ちたものであるとか、非常に過大に需要が出てきたものであるとかといってきまっておるようですが、その他自治省当局の認定するものという費目になっておるわけです。省令の第一条の中にも、伝染病患者の発生であるとか——伝染病患者などは予定外に出てくるということもあるでしょうけれども、大体いまできるだけ統一できるものは統一していきたい、それ以外のものはやむを得ないのだというのですが、ルール計算といいますか、これができるものがこの中にないのですか。十年間も一定歩合をずっとやってきて、その間に都市化現象があり、過疎過密の社会情勢の変更があり、通信交通の改革があり、それと関連して居住関係も、ともかく一切の社会情勢の変化があるにもかかわらず、相も変わらず七百億近いつかみ予算を本年も必要とし、来年もまたさらに必要とし、しかもそれ百億に近い自然増を持っていく。しかもこれは一銭も残してはならぬから、来年度に繰り越すわけにもいかぬし、普通交付税に回すわけにもいかぬから、ともかく使い切らなければいかぬ。過去における無数の要求があるから、使っても使っても砂漠でしょんべんと同じように足りないのだという意見もあるでありましょう。だから、ある中からセレクションして、どんなものにでも出せるといえば切りがありませんが、何か私はそこに——もう少しパーセンテージを下げろということを社会党は毎年要求しておりますが、ことしは二千億もよけいにあって自然増もうんと多いのだから、ことしこそはひとつ財政局長が英断をもって、十年目ですから久しぶりにこの辺でもって六%を五%にするとかどうするとかということについて英断を示すべきときではないかと思うのですが、御意見を聞かしてもらいたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/44
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045・細郷道一
○細郷政府委員 普遍化しているものは普通交付税でなるべく見ていこう、こういう気持ちは私も同じでございます。しかしながら、たとえば特殊な問題としまして公営企業の負担区分によりまして、病院については一般会計が負担すべきものがあるといった場合に、これを全国三千五百の団体に普通交付税で算入することは無理でございますし、実態にも合いません。病院を持ってない団体がたくさんあるわけでございます。そうなりますと、どうしてもそういう必要なものは見ていかなければならないが、普通交付税になじまないというところから特別交付税にいたしております。
また、産炭地につきましては、一方では鉱産税等の収入が入ってこない、しかし生活保護者が非常に多いというようなことから、一般的には生活保護の全国的な比率で保護費を算入をいたしておりますのを、こういうところにつきましてはある程度実態を見て、その差を特別交付税で補っていく、こういったようなやり方をとっておりますものですから、どうしても特別交付税という制度は残さなきゃならぬ。しかもこれは普通交付税の需要がふくらむと同じように、やはり需要のめんどうを見る幅も広がってまいるわけでございますので、自然増があれば、やはりその範囲内で特別交付税も六%を確保していくべきではなかろうか。私は金額の絶対額の大小だけでこの率を上げ下げすべきだというふうには考えておりません。いまでも特別交付税でもっと見ることによって、地域的な特殊な施策というものは私は将来どんどん見ていくべきじゃなかろうかというぐらいに積極的に思っておるのでございます。そういう意味合いから、率を云々することは私はいま考えておりません。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/45
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046・依田圭五
○依田委員 それでは五百億くらいあるうち、産炭地は去年は一体どのくらいお使いになったのですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/46
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047・細郷道一
○細郷政府委員 一例として申し上げましたが、産炭地で三十三億でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/47
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048・依田圭五
○依田委員 どうも局長のお話を聞きまして、ますますこれは加速度的に地方交付税なるものの運用は精緻をきわめ、難解になり、複雑になっていくような気がしてならぬのです。実は去年も態容補正その他、ずいぶんたくさんの補正がありまして、また補正ばかりでなく、いろいろの制度改正がありまして、橋梁と道路ですか、あれは一緒にしたとかというような、処理を単純化する方向での努力の一つの試みはありましたけれども、行政が丁寧というか、きめがこまかいというので、やはりいろいろな問題を補正するとかなんとかということでもって、どんどん項目がふえておりますけれども、われわれしろうとに言わせますと、いよいよ難解になってきているということが言えるわけです。その一例として、私はさっき幼稚園の問題をあげました。公立幼稚園に対してきめのこまかな配慮はけっこうであります。けっこうであるけれども、日本のいまの経済情勢、特にいまの内閣の施策の中においては、スタンダードであるべき公立の幼稚園がレベルアップされる。自分の責任で経営しておる幼稚園は一軒もないわけなんです。しかも地域の幼稚園の子供が通園できる通園距離というものは一キロとか五百メートルとかきまっておるわけです。それ以上は、交通事故がありますから、もうあぶなくて通わせないのです。その中において、お互いにお客さんである園児の奪い合いをしておるわけなんです、実際言って。全部公立へ行っちゃうのです。そういうところへしかも遠いところからやる。これは有産階級の子弟が多いのです。これは先生が完備しておる、冷暖房が完備しておる、建物が鉄筋である、清掃費関係が十分にまかなっておる、夜警が十分にある、ですから遠いところでも自家用車でもって通うようになるのです。そうすると、そこでまた補正をやる。これはけっこうでありますよ。全体のレベルアップができるならけっこうでありますよ。しかし、一つだけそれをやって、そしてその近所にある良心的な経営をしている民間の幼稚園は、全部そのために、極端に言えば倒産していきますよ、廃園になっていきますよ、収支が償わなくなってくるんだから。いま三十人や四十人の園児で三千円ぐらい取ったのでは、保母さんを雇えないのです。だから、保母さんの超勤も払えない、あるいは何も払えない、もちろん守衛は置けない、あるいは改装はできない、建物は直せない、こういうことになってくるのです。それを含めてひとつ大幅に上げていただけるならけっこうなんです。そうでなしに、公立だけを交付税の改正でもってやることは、そのことは私は悪いとは申しませんけれども、その辺の配慮がないと、およそものごとにおいて、あることが動けば必ず反作用がありますから。まあ三十三億というのは、産炭地の一番大きな需要でありましょう。あとはこまかな三千数百の自治体に対する要求があって、それをきめこまかく出しておると思います。これは特交の費目がたくさんありますように、ただ機構が精緻になればなるほど、必ずそれは陰影ができますから、よほどそこを、自治省のお役人の方々が裏の事情まで見通して、実情に合ったようにこの七百億近いお金を使っていただかないと、それが一般の民間を圧迫するような結果になったり、あるいは役所の仕事をますます何かかたくさせるようなことに作用してみたり、まああまり言うことは差し控えますけれども、いろいろ問題が発生すると私は思うのですよ。ですから、この制度は絶対必要だ、また、これをもっとこまかくしなければならぬこともわかります。しかし、絶えず行政の簡素化ということを言われ、政府もそれをお題目にし、また毎年それを委員会でも取り上げながら、実はそうでない方向へ非常な加速度で進んでおるという実情を、一体財政局長はどういうようにお考えで、これをどういうふうに是正していくのか、あるいは是正する必要はごうもないのか、その辺を含めてひとつ御答弁を願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/48
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049・細郷道一
○細郷政府委員 交付税は、前の平衡交付金の時代から続いてもうかれこれ二十年近い歴史を持っておるわけでありますが、初めは普通交付税の算定自体についても、地方団体側からいろいろな陳情と申しますか、実情の吐露があったわけでございます。だんだん交付税制度の仕組みが理解され、かつ算定の中身が明確に披露されてくるに従いまして、だんだん減ってまいりました。特別交付税につきましても、やはりそういった取り上げられるべき費目というものがだんだん安定してまいりまして、そういうふうになっていくのではないだろうか、こう考えるわけであります。
なお、現実の問題としては、その市町村あるいはその県の非常に特殊な事情、よそにないような事情を申し述べるための陳情というものはなお現実にかなりございます。しかし私は、だんだんそういったものがこの運用のやり方によって理解を深めて、減っていくようにすべきではなかろうか、こういうふうに心がけてまいりたいと思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/49
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050・依田圭五
○依田委員 局長の御答弁だと、費目も減ってきた、だんだんに特交の費目も、支出の費目が毎年減るように考えられるというようなお話がいまございましたけれども、百三十二億円という自然増みたいなものがあるのですね。これは名目指数の物価上昇を大体六、七%と見ても、自然増が二割以上ですから、これは百三十二億のうち、私はつかみで七、八十億は自然増であると考えております。この特別交付金を必要とする予測されざるいろいろの問題、災害であるとか緊急な必要であるとかいうものも、やっぱり毎年自然増するのですか。むしろ伝染病なんかは薬品の発達によって発生の頻度はだんだん減ってくると私は常識的に考えるのです。昭和三十三年以降十年間、ずいぶん社会の発展というものはあったと思います。それに伴っていろいろ特交の支出すべき費目も減っているはずだと思うのですが、ことしは自然増の七、八十億も入れて、一銭も余らずにこなし得る、災害のほうも自然増をするという見通しなんですか、その辺をひとつ御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/50
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051・細郷道一
○細郷政府委員 私の言い方が不足だったかもしれませんが、費目が減っていくという意味で申し上げたのではなくして、だんだん特別交付税の取り上げる費目についても安定化をしてまいりますし、またその計算の方法もみんなにわかってまいっておるわけでありますから、だんだんそのためのいわゆる陳情とかいうようなむだなことはなくなっていくであろう、こういうことを期待し、また事実そういう傾向にあるということを申し上げたわけでございます。
なお、災害等が自然増——率というのはちょっと御趣旨がよくわからない点もございますが、災害に対しまする特別交付税については、災害被災額の一定割合というふうに算定をいたしております。そうなってまいりますと、被災額というものが、やはり年々同じ程度のものでありましても大きな額が出てまいりますので、そのもの自体にもやはり自然増的な要素は含まっておると思います。
それからもう一つは、特別交付税自体の額が少ないために、もう少し処置をしてあげたいと思うものも実はいままで押えられてきておるのがございます。今回、干害につきまして、従来の行き方よりも特交で出します計算方式をふやすようにいたしました。これでも実はまだまだいろいろ現地の市町村から議論が出ておるわけでございまするが、そういったようなことも必要でございますので、必ずしも毎年の物価の伸びだけの範囲内で十分であるというふうには私は考えていないのでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/51
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052・依田圭五
○依田委員 ちょっと政務次官にお聞きしますが、いま局長が災害の自然増的なものがあるというように御理解——どうも私は自然減というなら幾らかしろうとの考えでわかるのですが、災害の自然増をやはりするのかということは、私はちょっと理解できないのですが、大体、国税三税の一定収入の六%、しかもそっちは膨大にふえていっておるわけですね。それを毎年毎年やっていく。これは薬品にしろ、あるいはまた技術にしろ、あるいは交通機関の発達にしろ——交通事故はふえるかもわかりませんけれども、薬が発達すれば伝染病は減り、火災予防の消防機関が充実すれば火事は減る、これは火事の規模も関係があるでしょうけれども、ともかく減る、こういうようになっておるのですが、私はそしてルール化できるものはだんだん普通交付税に入れていく。そうすれば、何も神聖不可侵、百分の六という数字を、おそらく来年は八百億くらいになってしまうだろう、もっとふえるかもしれない、一千億という数字が出てくるかもしれぬ、これを一種の予備費的な性格といいますか、つかみで、ともかく申し込んでこい、ひとつ認定してやろう、これは制度としてはけっこうですよ。しかし完全にいいものはないので、必ず一つの機構があれば反射があり、影があるのです。その影によっては金額が膨大になるとゆゆしき問題が発生するのではないか。行政簡素化が佐藤内閣のスローガンであるならば、もう少し新しい試みを、ことしこそは二千億も取れるのだからやるべきではないか。その唯一絶対の好機ではないかと思うのですが、政務次官の御見解を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/52
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053・細田吉藏
○細田政府委員 災害の自然増ということばは、私は不適当というか、非常に誤解を招きやすいと思うのです。災害が自然に増加したりなんかするわけはない。ただ同じ災害がかりにあったとした場合には、経費は、物価の上昇あるいは賃金の問題、いろいろな諸経費が増高してくる傾向にございますから、同じものであればよけい金がかかるということは当然言えることで、言うまでもないことだと思います。
なお、いま財政局長から御説明を申し上げましたが、私どもも現実に、私も長年災害のことをやっておりますけれども、あれも特交、これも特交で見るというようなことで、実際はいままでなかなかこれは見切れておらない——いまでもそうでございますが、というような面があると思います。そういう点について、ある程度特交でより多くのものを見ることができるようになっておる、またそういうふうな御要望も強い、そういう点はあろうかと思います。しかし、こういうものを自然増というかどうかということになると、私はこれは非常に誤解を招きやすいから、なるべくそういうことばは使わぬほうが正しいと思います。
それから、基本的に特別交付税と普通交付税との限界といいましょうか、そういうものについてどう考えるか、こういうことだと思いますが、先ほど来財政局長からも御説明を申し上げておりますように、定型化してまいった場合に——だんだん定型化してまいる、ルールが固定して、そしてこれは恒久的なものとして考えることがいいのだというふうに確立をしてまいりますれば、これは相当考えなければいかぬのじゃないか。いまの特交と普通交付税という点につきましては、そうした安定の度合いといいましょうか、そういうものについて、この辺までが普通交付税ということのほうが妥当だ、こう考えていま私は分けておるものと考えます。しかし、そういう点についてさらにルールが確立したものについては検討すべきじゃないか、この説は私どもも全くそのとおりだと思います。ですから、いわゆる特交のルールがだんだん確立してきておる、こういうものについてどう考えるか、こういう点については私どもは今後検討しなければならぬ、かように思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/53
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054・依田圭五
○依田委員 時間がだんだんあれですから、この問題は私よりも経験の豊かな先輩同僚の議員にまたお願いをいたしまして、私はやはり特交の六百七十七億ですか、これにも関連があるのじゃないか、また行政簡素化にも関係があるのじゃないかと思いますが、人事院勧告にちょっと一言触れたいと思います。
ことし八百五十億円がこの財政計画の国庫補助負担金を伴わないもの五千六百六十六億の中に入っているということでございますが、これをどうして行政関係の費目に入れられたかを御説明願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/54
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055・細郷道一
○細郷政府委員 一般行政経費の中に年度内に追加需要見込みがあるであろうというので八百五十億を入れました。まだどういう使途に充てるべきかということがきまっておりませんので、そういう形で入れたわけでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/55
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056・依田圭五
○依田委員 これは一つの先例になるといいますか、慣例になっていくと思うのですが、この点について、こういう将来発生するようなものは一般行政経費の中に入れられるということは、今後ともこの方針で一般的な問題の扱いをやっていかれるのですか。今回限りなんですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/56
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057・細郷道一
○細郷政府委員 今後もこういう事態には残してまいりたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/57
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058・依田圭五
○依田委員 もう一点は、もしも人事院の勧告が、昨年は六・九ですが、ことし下回った場合はどうするか、上回った場合は、一体どこに財源を求めるか、これについて御見解を聞きたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/58
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059・細郷道一
○細郷政府委員 まだ勧告が出ておりませんので、何とも申し上げかねるわけでございまして、勧告が出まして、政府自体がどうそれに対処していくかをきめる際に適切な措置をとっていく、こういう考えでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/59
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060・依田圭五
○依田委員 勧告は出るわけなのです。これは秋には出るわけなのです。そうして、昨年と同じ勧告でないことは、昨年と同じ経済情勢でありませんから、物価指数その他の変動、その他生計指数の違いがありますから、違った勧告が出る。下のほうへ違って出るか、上のほうに出るか。この二つのことについて、私は、いま財政計画に予算を組まれておられますから、扱いを展望されて当然考えられていると思いますから、そのことに触れてお聞きしておるわけなのですから、そのときになりましてから答えるのでは、この審議のあれにはならぬと思うのですが、どうでしょう。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/60
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061・細郷道一
○細郷政府委員 問題になるのは足りないときだろうと思います。足りないときに、どの程度足りないかということも、やはり具体的になってみませんと何とも措置をきめかねると思う。しかし、私どもとしては、やはりその際には適切な措置をとってまいりたい、かように考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/61
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062・依田圭五
○依田委員 政府は補正予算は組まないことを大前提として今回は——これは政務次官にお聞きします。組まないことを大前提に今回は総合予算主義をおとりになられたわけです。ですから、たとえば私の考えでは、一%勧告が違いますと、約七、八十億違うわけですから、膨大なお金なんです。これは財源を一体どこに求めますか。補正予算は政府は組まないというのですが、これだけで補正予算を組むわけにいかぬでしょう。そうしますと、考えられるのは、いろいろな方法がありますが、どういうようなお考えか、これは政務次官からひとつお聞かせ願っておかないと、そのときになってから考えますでは、私ちょっとまずいと思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/62
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063・細田吉藏
○細田政府委員 政府といたしましては、補正予算を絶対に組まない、何が何だって組まないということは私は申しておらないと思います。ただ、現在予想し得るというようなものについて、例年のように、何かあったら必ず補正予算を組む、そういう予算の組み方はやめよう、こういうのが今回の予算の組み方であろうと私は思います。ですから、たとえば公務員の人事院勧告によるベースアップ、これは公務員については大体五百億くらい見ておる。私どものほうは七百五十億それに見合うものを見ておる。これが極端な場合、非常にべらぼうにもっと大きなものが場合によってかりに出たという場合には、何が何でも組まずに済むというふうなわけにもいかぬ場合も考え得るわけでございます。
そこで、私ども地方財政の問題について考えますならば、その度合いがどの辺までになったときにどうであるか、こういうことでございまして、人事院の勧告が出て、情勢によって非常に大幅なものが出る、これではどうにもならぬじゃないかという場合には、やはり補正予算を組んでもらわなければしかたがないじゃないか、そこまでやりくりしてやるということはできない、かように思います。しかし、これがかりにぴったりでなくて、わずかばかりが足りない、その限界をどの辺にするかという問題はございますが、その場合に、もちろん地方財政の——七百五十億以上になった場合には、要するに組み替えということになるわけでございます。それが他のほうからいろいろ苦心をして出せるか出せないか、そういう問題になろうかと思うのでございまして、先ほど財政局長が申し上げましたように、それの度合いがどの程度か、それによって対策はおのずから違ってくる、かように考えておる次第でございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/63
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064・依田圭五
○依田委員 政務次官は大物政務次官だから、実は軽く言われるのだが、しかし、これは地方公務員にとってはたいへんな問題で、問題は、こまかな差と大きな差、一%違えば七十五億違いますから、こまかな差とは、めどとして十億くらいか、二十億くらいか、三十億くらいか、五十億くらいか、そのくらいのことは明確にしてもらわなければならないのが一点。ですから、このくらいをこえた場合には、現行制度の中では処置できないから、補正予算を要求するなり、何らか他の手を打ちます、そうして他の手の中で——私はしろうとで勉強しておりませんからよくわかりませんが、ただ考えられるのは、いままで議論してまいりました特交の五千六百六十六億、そのう自然増が約七、八十億はあると私は思っておりますが、昨年度に比較して、物価指数値上がりのもとに、ことし国税三税の一定割合のはね返りの自然増がある。しかし、災害その他の緊急を要する支出——これの使い道ですが、いまの交付税上使えるのか使えないのか。使えるとすれば、これを振り向ける御意思があるのかないのか、これが一点。
もう一つは、市町村なりなんなりの自然増もありますから、その中で措置しろというので、ほおかぶりをしてしまって、出さないというような方法もあると思いますが、これは私は、よもやそういうことはおとりにならないと考えております。そうしますと、あと予備費があるわけではないし、補正予算を組むということはたいへんな政治問題ですから、これは政府は組まぬといっておりますから——自治省が要求して一体組ませるのかどうか。これは政務次官の御努力によると思いますが、それならば、一体どういう場合に組むようなことになるのか。百億でもこえたら組ませるのか、その辺を含めてもう少しきめのこまかな御答弁を願っておかないと——ここに五千六百六十六億なんという数字があがっておりますから、それらも含めてひとつ政務次官から御答弁願いたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/64
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065・細田吉藏
○細田政府委員 私で足りないところは、また財政局長から補足してもらいたいと思っておりますが、私も国家公務員の給与を担当しておったこともございますが、人事院勧告が出ました際に、いままでのやり方を見ますと、十月実施から九月実施になり、八月実施になりましたが、補正してあげるという際にも、これは節約がどうなる、節約し得るかどうか、国家公務員の場合なんか、それからいろいろな経費の使い方、これも予算というものは、申し上げるまでもなく、あらかじめきめたものでございますから、年度の進行途中でいろいろ情勢の変化があるわけでございます。ですから、全然出さないものであるというふうなものでもないし、いままで、たとえば九月実施のものを八月実施にしよう、あるいは皆さんのほうからおっしゃれば、完全実施をしなければいかぬ、こういうことでしょうが、そういう際に、その財源をどこから出すかということについては、あらゆる知恵をしぼるわけでございます。ですから、地方財政についても同じようなことでございまして、これはやはりいろいろな知恵をしぼらなければいかぬ。ただ、その知恵の出し方がどこかへ非常に無理がいくということになると、これは非常にむずかしい問題が起こってくる、私は原則的にはそういうことだと思うのでございます。ですから、いまどこからそれを持ってくるのかという仮定のお話で、十億だったらどこから持ってくる、五十億だったらどこから持ってくる、こういう先生のきめのこまかいということでございますが、これはあらゆる知恵を出して——そうしてどこからでも持ってくればいい、こういうものではない、かように思うわけでございまして、私としてはそういうふうに考えておりますが、財政局長からさらに補足して答弁していただきます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/65
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066・依田圭五
○依田委員 話はわかるのですが、内容は全然ないのか私の理解が悪いのかわからないのです。これはやはり政務次官に御答弁をお願いしても無理だ、無理だというよりも、答弁技術のあれでかなわぬと思いますから、財政局長にストレートにお聞きしますが、私は仮定のお話は申し上げておらない。ともかく物価、景気、経済情勢は違うのですから、人勧の率は必ず違う。これは同じではありません。極端に言えば、同じ率でもその組成してくる要因が違うから性格が違っている。高いか低いか、どっちかです。多く出るか少なく出るか、私は少なく出る場合をお聞きしたいのですが、いま取り上げているのは、おもに多く出る場合を言っておりますけれども、少なく出る場合もありますよ。このときは一体どうしますか。その場合はみなカバーしますか。その点が一点。多く出る場合は、その金はどこから持ってくるか。これこれの費目を、何銭何厘持ってくるという答弁は要らないのです。これは特交を回すことができない、あるいは予備費のほうも無理だ、そうすると、何とかそれ以外の方法でやりくりいたしますとか、あるいはその金額のめどが大体これこれくらいであって、これこれ以上は総理にお話しして、政府として補正予算を組みますということをやはり御答弁願いたい。当然その程度のことを前提にしなければ、五千六百六十億というのに八百五十億も関係費を組むということは私はできないと思います。これをひとつ御答弁願いたいと思います。決して架空の話を言っているのじゃない。政務次官のお話は全然むずかしくてわかりませんから、その点局長からお願いします。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/66
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067・細郷道一
○細郷政府委員 何分にもまだ人事院勧告が出ておりませんが、人事院勧告が出ますれば、政府の中におきましても、まず国の公務員についてこれをどうする、その際に地方についてもそれに準じた措置をとる、これは従来からの例でございます。ことしもその例のとおりにやってまいりたい、かように考えているわけであります。したがいまして、人事院勧告が出まして、政府自体がこれをどういうふうに扱うかということをきめる際に、いろいろそのときの財政状態等もやはり一つのファクターになると思いますので、その際に総合的に判断してきめる、それに応じて国が、たとえば何月からになるというようなことになってまいりますれば、それに準じて地方団体の給与についても同様にするべく財政措置を適切に考える、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/67
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068・依田圭五
○依田委員 局長は政務次官よりもさらに詳しい御親切な御答弁で、私は全然理解できないので、これは同僚の理事から、経験のあるところで、さらにこまかく詰めをお願いしたいと思います。
次に移ります。
人口の急増補正の中で、昼夜人口、昼間の人口と夜間の人口との関係でもって、今回補正をなさるようになりましたことについてはたいへんけっこうだと思っております。ただ、ここでお聞きしたいのは、核になる都市とは一体どういう都市で、幾つくらいを予定いたし、それから、それに関連をいたします距離及び流出入人口とは一体何で、そのバランスをどうお考えになっておりますか。これについてお答えを願います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/68
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069・細郷道一
○細郷政府委員 さしあたっては、大都市を核と考えております。距離等につきましては、それぞれ何キロ、何キロという段階を設けたいと思いますが、最大一時間くらいの距離という意見で五十キロを一応考えております。
適用費目は、まだ予定でございますが、消防費、都市計画費、社会福祉費、清掃費といったようなことを一応考えております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/69
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070・依田圭五
○依田委員 大都市なんですが、大体これは省令事項ですね。幾つお考えですか。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/70
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071・細郷道一
○細郷政府委員 事業上の指定都市でありますから、東京都を含めまして七つでございます。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/71
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072・依田圭五
○依田委員 距離と流出入人口の振り分けといいますか、これを半分半分で見るのか。その辺をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/72
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073・細郷道一
○細郷政府委員 距離の要素と通勤通学人口比率の要素と二つを一応考えたいと思っております。どちらにウエートを置くかは、いま少しく研究さしていただきたい、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/73
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074・依田圭五
○依田委員 昼間人口の問題を、平面的な、静かな静態的なものから、客観的な動態的なものとして初めてとらえよう、動態的に補正をするため新しく費目を加えたというような意味合いのものであると思いますが、たとえば、ことしは七つの都市ということで、将来は一体七つの都市だけでいいのか。だんだんにふやしていくのか。新産都市だとか、あるいは七つというと、指定都市に東京を入れたということで七つだと思いますが、ことしはそれをやる。来年はもっとそれをふやすのか。それともこの辺で様子をしばらく見るのか。その方針についてお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/74
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075・細郷道一
○細郷政府委員 将来は国土全体について、大きな核、中くらいの核、小さな核ができて、国土の発展ができるのだろうと考えておりますので、考え方の方向としてはだんだん広げてまいりたいと思います。ただ、方法その他はそれぞれにくふうを要する、こう思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/75
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076・依田圭五
○依田委員 次に、超過負担を一言お聞きしますが、ことし三百二十億円を組んでいただいておるということですが、この超過は、この前の資料の中に、四百十一億円で、これを三年に割って、そしてその初年度を三百二十億としたのかどうか、その点をお聞きしたいと思います。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/76
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077・細郷道一
○細郷政府委員 四十二年度に調査を行ないましたときは、四十一年度の実績について調査をいたしました。したがいまして、四十一年度の六事業についての実績と補助基本額との差が四百十一億、こういうことでございます。したがいまして、これが四十二年度、四十三年度においては、この額自体も実はそれぞれ動いていくわけでございます。
それから、三百二十億今回措置をしたのかどうかということでございますが、これは、四十三年度の予算において超過負担の解消として措置したものが三百二十億、こういうことであります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/77
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078・依田圭五
○依田委員 ことしは保健所外約六つの費目について調査をされたということでありますが、超過負担をやっている費目は、これはおもな費目でありまして、これ以外にたくさんあるわけなんです。それをこれからどう扱われるか。一口に一千億円超過負担があると言っておりますが、超過負担そのものが果てしない生活水準の向上を原因とするものですから、切りがないといえば、一面そういう議論もあるわけでありますが、しかし、反面においては、物価が上がって、地方団体が相当無理な負担をしているところが多いわけであります。その実態を調べてやっていただくということがやはり大事なことじゃないかと思うのですが、いまたまたま六つの項目——おもな項目はこれに包括されますが、これ以外にいろいろお考えがあれば、来年度以降についてもはっきりしてもらいたい、こう思うのです。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/78
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079・細郷道一
○細郷政府委員 六つの事業につきまして昨年調べた結果が四百十一億で、その中を、国で措置すべきものと地方で措置すべきものに分けて、そして、今回はそれも含めて三百二十億の措置をいたしたわけであります。今後どうするかということにつきましては、この六つにつきましても、今回で全部解消しておりません。したがいまして、来年、再来年と続いてこれを解消するようにいたします。その間、物価や給与の上がりも当然見込んでまいる予定でございます。
それから、これ以外の費目についてはたくさんの費目がございますが、ある程度類型別に分けられると思いますので、従来の調査によってこれを類推することができるものもあろうと思います。それの困難なものにつきましては、必要に応じて四十三年度も実態の調査をして解消計画をつくりたい、かように思っております。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/79
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080・依田圭五
○依田委員 まだ二、三点残っておりますが、もう時間ですから、これをもってきょうの質問を終わります。発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/80
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081・吉川久衛
○吉川委員長 速記をとめて。
〔速記中止〕発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/81
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082・吉川久衛
○吉川委員長 速記を始めて。
次回は、来たる四月二日火曜日午前十時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時二十九分散会発言のURL:https://kokkai.ndl.go.jp/simple/txt/105804720X01519680329/82
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